久しくお久な規程に則った声明文

そんなにバンバン声明を出すものではない。国民は酷く混乱しているではないか。
しかも、騒乱には狂人だけでなく善良なる市民すら混ざっていると聞く。

一帯を治安維持している奴等はどうした?出張で都合よく本庁に集合か?装備も何もかも積み込んで、もぬけの殻となった交番だけ残して。

勿論、事態が露呈してから始まったのであり、備えていたわけではない。かといって守るべきものをほっぽって行くのもどうかと思うぞ。

今、私どもの村は自警団を作ってなんとか生き残る道を模索している。

食料は十分、いや、余所と比べたら十二分にあるだろう。おかげで農業倉庫一ヶ所に集めての集中管理体制へとスムーズに移行できた。
収穫された食料は何かしらの種と物々交換され、また作家は作り始める。
1日の食事は皆勢揃いで会して食す。
歪み、傾き、壁と柱の隙間から有難くない存在が這い上がってくるような公民館でも、ニュースに見る都会の放浪者に比べたらはるかに安心できる。
大きな鍋は3つ。それぞれ朝昼晩のメニューだ。
もうはや、ここまで整っていては危機感も無いに等しいかもしれない。

それでも、皆は警戒する。心の奥深くで、自身すら惑わす疑心暗鬼に対し。
幸福と常識に歪められる知覚器官に対し。

人々は団結して立ち向かう。


いつかの日を待ちわびて、在庫を貯め続ける。ヒラスアプラスヘ人の災難は果てしない。


日時:2020年09月26日(土) 23:27

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