恋一生
▼ストーリー紹介
結婚記念日に目の前で愛している妻を亡くした男の回顧と不思議な出来事の物語です。
大学の盆栽サークルに所属していた男は同じサークル仲間の女性に目を奪われ恋に落ちます。
3ヶ月たった頃、飲み会で恋慕を寄せる彼女の初恋の話を聞き男はショックを受けます。
当時小学6年生だった彼女の初恋の相手は歳の離れた灰のような中年だったのです。
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彼女の好みと自分がかけ離れている事に悲嘆した男はヤケになりビールを一気飲みし急性アルコール中毒で病院に運ばれ、目を覚ますと心配していた彼女に頬を打たれ喜びのあまり思わず笑みを浮かべます。彼女はその笑みに驚いたのでした。男の浮かべた笑顔が初恋の人に似ていたのです。
毎年、同じ日、同じ時間、同じ場所横断歩道の信号が変わるまでの間だけで出会えて気がつくと隣にいること。彼女が高校3年の時に告白して振られたこと。初恋の人曰く「君にアホみたいに惚れ込む人間が現れたらそっちに告白したらどうだい」といわれたこと。初恋の話の続きを聞いた男は彼女へ恋慕を寄せる自分への当て付けかと悔しくなりその日から積極的にアプローチをするようになります。
そして、7ヶ月時を経て告白し男は彼女と恋人となることができ、大学4年の冬の日、横断歩道の先にいる愛する彼女を見つけ、大声でプロポーズして2人は結婚します。
男は毎年その場所でプロポーズの再現をやろうと持ちかけ、毎年結婚記念日に再現をするようになります。
同じ職場に就職し、幸せで満ち足りた日々を送っていた2人でしたが、結婚2周年の日、男の目の前で交通事故に遭い男の妻はお腹の中にいた子供と共に無くなってしまいます。その場にいた男もショックから脳卒中を起こし、病院に運ばれます。
目を覚ました男の右足と左手には麻痺が残り、そして愛していた人を失ったショックで失語症になります。
生きる気力を失くし、比例するように老け、生きる屍となった男。冬の日がやってきて、男は彷徨い歩くようになります。毎日、妻が無くなったあの横断歩道に向かい立っています。そして、3度目の結婚記念日。男は横断歩道で彼女とそっくりな少女と出会い、ここから不思議な時を超えた出来事が起こり始めます……。
▼文章や描写
情感溢れる描写や文章です。
難読漢字は少ないので取っ付きやすいです。
▼ どういう人に薦めたいの?
良い作品との出会いを求めている。
読めて良かった。思えるような暖かな気持ちになりたい。
心が揺さぶられる様な、感動を得たい方。
ハッピーエンドが好きな方におすすめです。
※良い作品に出会えた。感動した。暖かな気持ちになれるというのは感想欄に感想を書いた方々の意見を参考にさせて頂きました。
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ルーピア/2020年06月04日(木) 22:35/★ (参考になった:3/ならなかった:3)