思考駄々洩れぼっち少女とありったけの優しさを注ぐ人々のお話
▼ストーリー
後藤ひとりは、周囲に自分の考えが伝わってしまう『サトラレ』のぼっち少女。
様々な影響を考えてサトラレだと本人に指摘する事は禁止されているので、ひとり自身は自分がサトラレだとまだ知りません。
ぼっちな自分を変えたくてギターを始めるものの、高校1年生となった今もバンドを組めずぼっちのままです。
そんなある日、ひとりは学校の帰り道に立ち寄った公園で声をかけられます。
(23行省略されています)
「今日だけ私のバンドで、サポートギターしてくれないかな!!」
それは彼女にとっての運命の出会い。その日から、後藤ひとりの世界は少しずつ変わり始めたのです。
これは、自身がそういう体質だと知らずに思考を駄々洩れしてしまう少女と、その体質を知りながらも確かな優しさと愛と友情を注ぎ、温かく接していく人々のお話。
▼見所と注意事項
こちらは『ぼっち・ざ・ろっく!』と『サトラレ』のクロスオーバーですが、サトラレ側の要素はサトラレそのものの設定のみです。そのため、サトラレを知らなくても充分に楽しめて読めます(私自身そうです)。
あくまで物語は『もしも後藤ひとりがサトラレだったら』と言うIFのお話なので、基本的に原作沿いに物語が進んでいきます。
なので、原作まんまの会話や流れだなと思う箇所が多いなと思われるでしょう。
しかし、ひとりがサトラレだからこそ起きる出来事や登場人物達の心情の変化、何よりひとりの不安や恐れがダイレクトに伝わるからこそそれに様々な形で答えようとする人々、そして自分に向き合ってくれる人達に答えようとするひとり自身の心理描写が、大きな見所になっています。
また、物語の特性上ひとり視点で話が進んでいきます。たまに第三者視点が入ったりします。
そしてこの物語最大の特徴として、ひとりの場合はピンクの背景、虹夏の場合は黄色の背景、リョウは青の背景、喜多は赤枠で囲っている箇所が『各々が心の中で思っている事』を表します。
人によっては読みづらかったりするかもしれませんが、個人的にはその仕様が分かりやすくてありがたいと思っているので、どう感じるかは人それぞれです。
もし、自分に合わなくても強い口調での非難などは避けて下さい。それも含めて作者さん自身/この物語そのものの個性です。
ひとりが歩む道、サトラレであるからこそいずれ直面するであろう問題、そしてサトラレであってもサトラレでなくても、ひとりに多種多様な優しさと愛と友情をありったけ注ぐ人達。
そんな彼女達の物語に、この推薦を読む事で少しでも興味を持って頂けたら幸いです。
原作やアニメと見比べると、もっと楽しめるかもしれません。
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aterm/2023年02月20日(月) 00:22/★ (参考になった:14/ならなかった:0)