魅力溢れる俺ガイルのもう一つの姿
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
俺ガイルの世界。そこに特殊な事情を持った1人の男子高校生を投入した二次創作物。
原作に介入しつつ掻き回す様子は、見ていて新鮮でおもしろい。キャラも良く書き表されており、完成度も素晴らしく高い。
(12行省略されています)
しかし、主人公によって元のキャラの存在が薄くなることはない。むしろ、主人公によって魅力的に写るキャラもいる。
特に推したいのは雪ノ下の姉、陽乃さん。原作では場を掻き回す悪キャラだが、この小説では主人公に掻き回されるヒロインでもある。とりあえず、この小説を読めば陽乃さんの新たな一面を見つけられる。原作を読んで陽乃さんが嫌いな人はぜひ読んでほしい。
また、原作主人公の八幡は影に潜むことなく、主人公のベストフレンド()の立ち位置を築いていく。他のキャラも主人公と関わって変わるキャラもいるが、アイデンティティは変わらない。私は原作を何度も読み返しているが、どのキャラにも忌避感を感じることはなかった。
▼読む際の注意事項など(ネタバレ含む)
イッキ読み推奨。会話のテンポも良く、気づいたらページをスクロールする手が止まらなくなる。
原作と違う点は、主人公がチート並みであり、困難は容易く乗り越えてしまう。八幡のように苦悩溢れる生活とは無縁であろう。既に自ら稼ぎ、精神的にもどこか大人びており、言動は軽いがその責任はしっかりと負う。個人的に好感が持てるキャラだった。
主人公と仲が良い(?)ヒロインは多くいるが、ハーレム小説ではない。どちらかというと、恋愛は薄く、キャラ同士が織り成す会話を楽しむ小説だった。というか、最後の最後まで恋愛要素は無いと言ってもいい。個人的に結末には満足しているが、その背景が気になった人もいるかもしれない。私も後日談があるなら読んでみたい。そこは想像で補うも、自分の手で書いてみるも良いだろう。
休日などの空いた時間に読んでみて欲しい。きっとハマって、ラストまでイッキ読みしてしまうだろう。
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本に付いてる帯を栞にする侍/2019年06月11日(火) 16:55/★ (参考になった:10/ならなかった:7)