火星での熾烈な戦い。その裏側で密かに行われていた、もう一つの戦い
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
この作品は、テラフォーマーズの二次創作になります。
主人公たちは、地球で流行する未知のウイルスのワクチンを作るために火星に向かったアネックス1号の搭乗員――ではなく、彼らを支援するために送り込まれた各国の支援部隊の一員です。
(27行省略されています)
しかし、火星到着直前にエンジントラブルが発生。主人公たちは、原作組とは離れた所に不時着してしまいます。そして深緑の火星の裏側で、もう一つの戦いが幕を開ける――。
『表』の原作と、『裏』の本作。二つの物語はコインの表と裏のように交わることはありません。けれど確かに、原作と同じ時、同じ星で、同じ志を持って戦う者たちがいた。そんな彼らの魂の輝きは、決して『表』に劣るものではないでしょう。
陰謀と計略が渦巻く、『裏』の戦い。ぜひご一読いただければと思います。
▼イチオシポイント
この作品の魅力は、何と言っても非常によく構想の練られた『手術ベース』にあります。
テラフォーマーズと言う作品を語るにあたって、何と言っても欠かせないのが『手術ベース』と『ランキング』です。主人公たちは、人型ゴキブリ『テラフォーマー』と戦うために、特殊な技術で様々な生き物の力を取り込んでおり(手術ベース)、各々の強さによって順位が決まっています(マーズランキング)。
様々な描写から、「この登場人物のベース生物は何だ? ランキングは何位だ?」と想像をめぐらしつつ読み進めていくのがテラフォーマーズの醍醐味なのですが、この作品は見事にそれを再現しています。作者の方が生き物を徹底的に調べ上げていらっしゃるようで、手術ベースも「カブトムシ」のようなシンプルなものではなく、独特の生態を持ったユニークな生物たちが抜擢されています。
事前にある程度の生物の力の描写されている場合も多いため、非常に手術ベースの予想が立てやすいです。生物発表時に当たっていれば「やっぱりこれか!」という満足感が得られ、外れていても「こんな生き物もいるのか!」「こっちだったか」「成程、そう来たか!」という新鮮な驚きが得られます。
また、各々の特性を生かすための『専用武器』の仕組みがよく考えられているのもポイント。特に強い幹部勢の専用武器はえげつないほど強力。彼らが猛威を振るって敵を一方的に蹂躙していく様子は、一見の価値ありです。
原作リスペクトも多いためいい意味で似ているシーンが多く、原作を知っている方ならニヤリとできる場面も多いことでしょう。
▼読む際の注意事項など
物語の内容の都合上、オリキャラを中心に物語が展開し、原作の主要人物たちはあまり本編には顔を出しません。ご注意を。
またテラフォーマーズの原作、二次創作全般にも言えることですが、「いやいや作者、それは科学的に無理がある解釈だろ」と突っ込みたくなってしまいそうな方には、おすすめできません。特にこの作品はテラフォ二次の中でも、反則技が割と多くあります。そう言った要素を許容して「なるほど、そういう解釈もできるのか」「この作者やりやがった!?(歓喜)」「どうやって倒すんだこれ」と純粋に楽しめる方に強くお勧めいたします。
また、ベース生物が明かされていく過程が醍醐味である以上、本格的に勢いが加速するのは中盤以降になります。興味を持っていただけた方はとりあえず、第三話まで読んでいただきたい。おそらく、この話で登場する幹部勢の能力描写を見ればきっと「こいつらの手術ベース何だ?」と次の話を読み進めたくなるはずです。
テラフォーマーズが好きな方、色んな生き物が好きな方、ぜひぜひ読んでみてください。きっと、新しい発見ができるはずです。
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KEROTA 2017年05月28日(日) 22:35 ★ (Good:3/Bad:2)