神の気まぐれ（ヒカルの碁逆行コメディ）
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作者：さびる
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悪霊と化した佐為！ 碁への妄執が導く物語の再演
『ヒカルの碁』の逆行SSである本作は、先ずなんといっても、逆行の経緯がすごい。タイトル通り、ただのコメディと思って読み始めると、初めにガツンとしてやられます。本作の根幹を成すアレンジ、即ち常軌を逸するに至った佐為の業の深さに、読んでいて肝を冷やすことになります。
およそ、考え得る限りで最悪の結末の訪れ。しかし、それが引き金となって、二人はもう一度、過ごした時をやり直すことになるのです。何を失ったのかも分からぬまま、何かを求めて……
原作では、佐為の存在がヒカルの影響を大きなものとしましたが、本作の二人は離れ離れとなり、互いが互いを覚えてもいない有り様です。しかし、それでも二人が過ごした時は、その魂に刻まれている。そんなヒカルが、より強くなり、より大きな影響を人々に与える様は見ものです。またそれに巻き込まれた人々が、あれやこれやと気を回し、悩み、駆け引きに走る様がコミカルで面白い！ シリアスなスタートを切る本作ですが、メインはコメディなんです。
それでも話の根底には、佐為の存在があり続ける。この物語が一体どんな結末を迎えるのか、目が離せません。