愚かで弱い人間は愛でられる
古来、人間は苦難と絶望に満ちた現世での生に疲れ果て、天国に憧れた。
そこには苦痛も悲哀も、病も戦乱も、そして死もない。
永遠に続く安寧と快楽。それは人間が夢見る理想郷。
古来、人間は多くの家畜を飼い馴らしてきた。
(27行省略されています)
初めは主に生活のために、そして時代が下るにつれ、愛玩のために。
現代において長く飼い馴らされた彼らは最早、自分の爪牙で獲物を狩ることも叶わない。
むしろ「外は危険だから」と首輪で繋がれ、施錠された家の中から出されることもない。
それどころか、縄で繋ぐこともせず、餌を与えることもせず、
動物を放し飼いにしているような飼い主は虐待だと咎められるだろう。
安全は確保され、餌は与えられ、飼い主から愛でられる。
果たして、そんな動物達は幸福なのか?
そんな生活を動物達は望んでいるのか?
もし、そんな動物達の立場に人間が置き換えられたとしたら?
…あなたは、淫魔に、天使に、吸血鬼に、エルフに、竜に。
死ぬこともないまま、永遠に飼われ続けたいと望むか?
死という終わりすらない永遠の牢獄を、あなたは天国だと思うか?
これは人間という種族を永遠に愛でることを望む上位種族と、その愛を受け止めるにはあまりに弱すぎる人間。
その異種間に横たわるあまりに根深い断絶と、その認識の齟齬による悲喜劇を描いた作品である。
▼読む際の注意事項など
ほとんどが掲示板形式で記述されています。
小説形式とは文体が異なります。
※あくまで個人の感想です
※人間は虚弱で簡単に廃人化してしまいます。魔法は使用上の注意をよく読み用法・用量を守って正しくお使い下さい
※この物語はフィクションです。登場する淫魔・天使・吸血鬼・エルフ・妖狐・雪女等は、実在のものとは関係ありません。異種族に対する風評被害は名誉棄損に当たり、天界の重罪人執行プロトコルに抵触する恐れがあります
※廃墟と化した神社などは民有地で立ち入りが制限されている場合があります。一人で行って神隠しに遭わないよう御注意ください
▲短縮する
葛轍偲刳 2021年09月18日(土) 21:16 ★ (Good:16/Bad:3)