思わず推薦文の文字数も多くなる異色の『召喚』二次
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
『大日本帝國召喚』は、2022年7月1日の連載開始以来10ヶ月半で160話超えという、驚異的なペースで更新され続けている作品です。かなり複雑に入り組んだ内容の話を、平均で2日に1回投稿するって、並大抵じゃありません。
さて、『日本国召喚』二次創作の中で、最もポピュラーなタイトルが『大日本帝國召喚』でしょう。そんな「ありふれた」タイトルを持つ本作ですが、「そういう目」でリンクをクリックするのは考えもの。めまいがすること請け合いです。もうね、「異様」なのですよ。
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まずタグが異様。普通タグって「アンチ・ヘイト」とか「原作改変」とかが並びますよね? そのイメージで本作のタグを見てみると……『R-15』『残酷な描写』――ここまでは普通。問題は次から――『大日本帝国』『満州国』『政治』『憲法』『法律』『勅令』『通達』『議事録』『速記録』『新聞記事』『報道番組』『手記』『書籍』『経済』……え~っとぉ、何の二次創作でしたっけ??
次に目次が異様。いきなり『帝都新聞朝刊 2675年(平成27・2015)年1月29日』ですよ。しかも数字は全角! こんなのがズラ~ッと下の方まで並んでるんです。スゴイのになると、漢字が30個、中黒もスペースもなく並んでるタイトルがあったりします。何の罰ゲームですか!?
そして最も異様なのが中身。どの話でもいいので、とにかく開けてみて下さい。前述のタグが嘘ではなかった事を、思い知ることになります。軽~い気持ちで手を付けたら、挫折すること間違いなし。「上等だ。召喚ファン舐めんな!」って思うなら、ハラ括って読んでみなはれ――面白いから。
▼読む際の注意事項など
上でもちょっと触れましたが、「とっつきにくい」のが本作の特徴。まさにタグ通りの内容なので、生半可な覚悟で開けるとイキナリ挫折します(実は私も初回トライはあえなく爆死)。
文章は全体的に堅めです。中でも極めつけは政府間の協定書の類いで、「漢字カタカナ混ジリ文」で書かれていたりするので、読み切るには気合が要ります。しかも、意外にも(?)ムダな所がないので、シッカリ読んでおかないと後で損をします。
私見ですが、本作を楽しむコツは、「充分に時間を取って、文字を丹念に拾って行く」ことです。そして可能なら読み返す。私も最近は2~3回読むのがルーティーンになりました。
トバさず丁寧に読んで行くと、かなり後になって「あの時のアレ、ここにつながってたのか!」というような発見が沢山あるんですよ。これは伏線というよりは、法律の条文に近い感じ。「ちゃんと書いてあったよね?」と、作者〈もなもろ〉氏がニヤリとするのを感じます。
展開は激遅。なにしろ、普通の二次作品なら数話でクリアしちゃう「ロデニウス戦役」が、130話を超えた今でも「絶賛講和交渉中!」ですからねぇ。でも、日本って国は良くも悪くも、こういう面倒な手続きを踏んで少しずつ動くんですよ、きっと――というのを、本作を読むとしみじみ感じます。
読み手を選ぶ異様な作風ながら、「戦闘はひと休みして、召喚ネタでジックリ読書でもしてみるか」という人には間違いなくオススメの一品。スルメのような味わい深さを提供してくれる名作です。
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ブライストン 2023年05月15日(月) 10:31 ★ (Good:25/Bad:7)