すべての陣営に共通するのが、陣営同士でのまとまりがよくなっている点。コンセプトとして「ｚｅｒｏのころよりパワーアップ」を掲げており、ほぼすべてのメンバーが原作よりもよくなっているポイントが形成されているのがポイント。

　特に時臣チームの発案は見事といわざるを得ない。まだ見ていない方は是非感想や設定資料集を見ずに最後まで読み進めてほしい。ギルガメッシュがいかに時臣陣営にとって害悪であったかがよくわかるだろう。

　さらに戦闘シーンもこだわって製作されており、あっと驚くサーヴァントの運用方法や戦闘などが盛りだくさん。ただの力押しではない、知略を駆使した戦闘も見どころの一つ。

　また作者の前作でもそうだったが、原作者側が明言しておきながら「どう見てもそう思えない」とツッコミを入れたかった三王の対等性などもちゃんと描写されており、これからｚｅｒｏ小説を書こうといいう方も是非参考になさったほうがいい作品である。

▼読む際の注意事項など

１　総合的に聖杯戦争による民間人の被害が、将来的なものも含めて甚大になっているため、そのあたりが不快に感じる方は見ないほうがいいかもしれない。

２　前作は鬱フラグクラッシャー作品だったが、この作品はあくまで「サーヴァント入れ替えによるバタフライエフェクト」なので、不憫な人もいる。前作品をみて読もうという方も少し注意を。

３　ものすごい五次編が気になる展開なのだが、著者は続編については期待薄的な発言をしているのでそのあたりもご注意。これを読んで続編が読みたくなってたまらなくなったと思っても、私は責任をとれません(笑)

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