読了後、タイトルを見てみると、それすらも意味深に思えてきて、再び読み返すこととなることでしょう。
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
詰みかけているけれども、
まだ詰んでいない世界を舞台にしたお話。
魔物と呼ばれる、旧約聖書の天使を思わせる
生態を持つ化け物たちにより、
(91行省略されています)
人間は追い詰められている。
何とか崖っぷちで粘れているのは、
魔女と呼ばれる、魔法を行使し、
魔物を斃したり、
結界的なの張って人の領域を防護できたりする
存在がいるから。人間の女だけがそれになれるという。
その関係か、この物語には、男の影が無い。
存在はしているが、描写されてない、
というのが多分正しい。
魔女たちは魔法を行使すると、
肉体の欠損、感覚の喪失といった、
絶大なる不可逆な代償を払うこととなる。
それは人間一人の部位もしくは一部感覚だけで、
本来対抗すら叶わない相手を斃す手段になる上、
魔法を使わずの素で、魔女自体が人間離れした
強大な存在になるかのような強化を得る。
それ故に、前線に立つのはいつも魔女たちで。
それも、損耗率のえげつなさから、
若い、どころか、幼いといっていい年齢の域の
魔女たちすら、時に前に出る。
代償のえげつなさ、
捧げられるものが何になるかのランダム性、
使用後に生きてたとて、
生きているとそれはいっていい状況なのかも不明瞭で。
だが、使わなければ、終わる。全滅する。
自分がやらねば。
ソロであろうが、複数人の魔女たちで居ようが。
躊躇したら、残虐に魔物にやられ。
使ったら使ってしまったで、
時に、使った本人自体が詰む。
末期戦の様相といっていい。
そんな中で、唯一の例外として、男でありながら、
魔女であるという存在が主人公。
タイトルは、主人公のことを指している。
そういう風に見えるけれども……。
後半から終盤にかけて
読み進めると色々と知ることとなるでしょう。
この物語の真の構造と
核心がお目見えすることとなるので。
主要な登場人物たちは誰も彼もがおいたわしい。
方向性は違っているとしても。
そしてきっと、報われることはないのだろうと
思わざるをえない。
それが、辛い。
そんな辛さに包まれたまま、きっと物語は終わる。
前半から中盤あたりまでの謎は、
一応の答えが終盤あたりにお出しされるが、
それがまた、中盤あたりまでの謎とは
質も量も桁違いの、大量の謎を生み出す。
人によっては、
最後まで読んで、ぐちゃぐちゃな読了感の中、
謎や伏線の考察に苛まれることとなるかと。
そう、沼です。
読了後の感情とそれまでに得られた情報を手に、
再び最初から読み直しましょう。
何か、見えてくるものが
あるかもしれないので。
▼読む際の注意事項など
登場人物の女の子比率が非常に高いが、
百合に過剰に期待しないこと!
良くも悪くも、ゲーム的設定らしき情報が、
話が進むにつれ、冗談抜きに
おいわたしさをひたすら高める方向に
はたらいていく。
序盤で、お出しされた段階で、
それを理由に切るのは辞めといた方がいい。
答えを求め過ぎないこと。
全てが明かされる類の話ではない。
考察の材料どころか、
取っ掛かりすら記されていないところも多々ある。
何より。この物語に救いは無い。覚悟の上読むこと。
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鯣 肴 2026年07月18日(土) 15:44 ★ (Good:5/Bad:1)