稀に見る良質なガンダム二次創作
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
この作品は、Gジェネ開発・改造システムを持った上、機動戦士ガンダムF91における影の薄い人物(ディナハン・ロナ)に転生した主人公の物語です。
周知の事ながら、ガンダムはシリーズ物として長く続いており、映画・小説・漫画・ゲーム等、原作・原典は多岐多様にあります。
(28行省略されています)
そのため、ガンダムの二次創作において『各原作と無矛盾な設定で一つの物語を作る』ということは非常に難しくなっています。
しかし、本作品は、機動戦士ガンダムF91の映画・小説のみならず、時期として前後する他のガンダムシリーズの各原作(機動戦士ガンダムF90、クロスボーン・ガンダム、果てはVガンダムまで至る!)に準拠した上、設定や台詞等に不自然が点がないよう、作者が苦心して解釈しています。
特に独自設定・独自解釈がある箇所は、後書きで原典を引用したうえ注釈する、という丁寧ぶりです。
そのため、作者(五平餅氏)の独自設定・独自解釈であっても、読者が自然と納得し、受け入れられるものになっています。
また、こうした地に足がついた各設定に対して、主人公が持つ『原作知識』及び『Gジェネ開発・改造システム』が物語において異質なものとして一層ひき立てられる、という絶妙な構造になっています。
これにより、主人公の今後の動向や展開に想像力が掻き立てられ、「早く続きが読みたい」と期待が湧いてきます。
全話にわたり、作者のガンダムシリーズに対する深い造詣と敬意(愛)が感じられ、一読者として、非常に好感が持てました。
稀に見る良質なガンダム二次創作だと思います。
▼読む際の注意事項など
①更新・展開がゆっくり気味。
上記の通り、漫画・ゲームを含めた各原作に準拠した上で、登場人物が多岐に渡り、丁寧な描写がなされている作品であるため、止むを得ないのですが。が。
更に開始時点では主人公が10代と若く、クロスボーンガンダム以降、ザンスカール戦争(Vガンダム)以降も続く可能性があります。
果たして何時、どのように完結するのか。
一読者として作者がエタらない様、ワクワクハラハラしながら、まったり拝み待つしかありません。
②今後の展開が…。
主人公が持つGジェネ開発・改造システムがチート仕様になっています。
現時点で主人公は自重しています。が、今後の展開次第ではインフレ、世界観やキャラが崩壊する可能性があります。
(自分としては寧ろそこに期待しており、カタルシスもカタストロフィーも大好物です。作者が思うがまま、自重せず、好きなようにやって欲しいです。)
▲短縮する
たけたむ/2014年01月07日(火) 17:37/★ (参考になった:48/ならなかった:25)