“まがいもの”の第四真祖
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作者:矢野優斗
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不器用な男が背負った荷物を落とさないように必死になる話
内容自体はいたってよくある転生モノに近いです。原作主人公の体に宿ってしまった男が物語に巻き込まれていく、それを楽しむ二次創作となっております。
しかしこの物語の主人公の特徴的な部分はその生き様の不器用さにあります。憑依した人物が原作主人公より年上なのも相まって生き様を変えることのできない、いい意味で古い時代の枯れた男のような魅力があります。
原作主人公の暁古城はハーレム系ライトノベルの主人公であるため、困難こそあれど最後には誰も取りこぼすことなく、愛する者たちに囲まれて生きるハッピーエンドを迎えています。それを知る主人公はハーレムを作る気は全くありませんが、『自分は異物でしかない』、『彼は大切なものを取りこぼさなかった』、『本来彼が居るべき幸せな場所を守らねばならない』と自分を責め続けながら暁古城を演じ続けます。周囲への罪悪感と自分へ課した責務という重い荷物を背負い、それを誰にも言おうとしないまま彼は世界の危機に立ち向かいます。
それに寄り添うヒロインたちも、原作をなぞった主人公を好きになるのではなく、生き様が不器用すぎる一人の人間として、その辛い道を共に歩もうとして惚れる過程が丁寧で、原作とはまた違う魅力に溢れています。
ラブコメ要素に関しても、いわゆる鈍感系では無いため、誠意を尽くした対応が見られてイライラすることはないと思います。
原作を知る方も知らない方も、どこか寂しげで不器用な男が王道のハーレム系ライトノベルの世界でどう足掻くかを楽しめる良作だと思います。