真・恋姫†無双〜李岳伝〜
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推薦一覧(4件)
三国志寄りの恋姫無双
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
文字数は割と多目な部類なので読むのにそれなりに根気がいる。まあ、そんなことは気にならないくらい面白いし、ガチガチな戦記モノはちょっとって人でも読みやすいんじゃないかな。
主人公の李岳は転生者ではあるけど、いわゆるチートの類は無い。しいて言うなら未来の知識がそれだけどあんまり出番は無いと言うか、未来の知識使ってもなお厳しい状況ばっかだからあんまりチート感は無い。
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物語としてはいわゆる漢帝国ルート。作者さん自身があとがきに書いてたりするけど難易度はルナティック。
▼読む際の注意事項など
出て来るヒロインは当たり前ながら皆可愛いわけだけど、あんまりヒロインとのイチャイチャは無いから、可愛い女の子達との絡みが見たいなら他の作品に行こう。
それから敵も味方も普通に死にます。モブとされる人達はもちろん名前付きの武将達であっても死ぬ時は死にます。時には捨て駒みたいな感じに使われる人も居たりするので注意。
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⚫︎物干竿⚫︎/2020年12月08日(火) 01:45/★ (参考になった:10/ならなかった:2)
祝!完結!
まずは完結おめでとうございます。
恋姫の二次創作は完結作品が少なくかなりの割合でエタってしまっています。その中でこの作品はにじふぁん時代から駆け抜けついに完結するに至りました。170万文字を超える超大作は読みごたえたっぷりでついつい読み込んで時間が経つのを忘れてしまう程です。1話平均1万文字で内容が濃く文章構成が非常に上手なので、もっと量があるようにも思えてきます。
ただの二次創作ではありません。原作は確かに恋姫ですが、それをベースとした三国志、戦記と言った方が正しいのかもしれません。重厚で丁寧な作りの文章、つい感情移入してしまう心理描写、目の前に浮かんでくるような情景表現。無料(ただ)の小説で読めていいのか?と思ってしまう作品です。
(14行省略されています)
三国志や恋姫の知識が無くても問題ありません。人一人とっても丁寧に書き込まれているので、真っさらな状態でも引き込まれること間違いなしです。原作に出てこないオリジナルキャラも多く、また例え出てきたとしても原作とは行動が違ったりその心のうちがよく表現されているので、むしろ知らない方が…と思わなくもないです。
主人公の李岳はあらすじにもある通り現代からの転生者です。だからと言ってチートがある訳でも、イキっている訳でも無くむしろ知識があるが故に苦しんでいるのではないか思うくらいです。彼は望んで戦乱の先頭に立つ訳ではなく、地に倒れ伏す人が流れる血の量が少なくなるように願い血の階を懸命に駆けていきます。
主人公は確かに李岳です。しかし他の登場人物も描写がしっかりしており、一人ひとりが主人公と言っても過言ではないでしょう。それぞれが自分の信念に基づいて願いを叶えるために行動していて、その熱意が、その荒ぶる感情が、例え李岳に敵対していたとしてもついつい引き込まれてしまいます。
個人的に好きなシーンは
第百三十四話 千年の誓い
公孫賛が愛した北平の街。
千を超えて幾星霜、悠久の誓いの果て――人は街を北京と呼ぶ。
の部分です。ここだけだとわからないと思いますが。このシーンに至るまでを読めば感動間違いなし、涙が止まらないと思います。公孫賛の心情、幽州は北平の街に住む人々の気持ちが…。
作者様のような文章力が無く上手に推薦できなくて辛いです。
完結したのが嬉しいような、完結してしまって名残惜しいような気持ちです。是非皆さんも読んでみて下さい。大長編なので寝不足注意です。
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水無 /2020年12月06日(日) 16:33/★ (参考になった:25/ならなかった:0)
完璧な三國志の二次創作
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
恋姫をベースにした三國志の二次創作と言った方がいいくらい重厚な戦争絵巻。
数多の武将、軍師が武と智を競わせ、中華の大地に壮大な絵巻物を描いています。
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キャラを落としているところなど少しもないのに、オリジナルキャラが主人公からずれていない。
これを超える恋姫の二次創作など二度と現れないと断言してしまえる圧倒的面白さ。
この作品を無料で読める有り難さ。
作者には本当に感謝しています。
▼読む際の注意事項など
睡眠不足。翌日、仕事に遅刻しないで下さい。
本気で
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空継/2020年12月05日(土) 21:37/★ (参考になった:27/ならなかった:1)
ファンフィクションの枠を超えた完成度
2012年から現在までで百五話+三話書かれており、総文字数は100万字を超えお気に入り数も一万に迫ろうとしている作品である。
それ故に今さら、何故にこの作品の推薦をと思われる方もいるとは思う。
物語は恋姫†無双という三国志の英雄達が女性となっている世界に、李岳と言う名で生を受けた現代の人間が出自に翻弄され、時代に翻弄され、人に翻弄されながら乱世を駆け抜ける話。と要約をしてしまえばよくある二次創作のようにも思えてしまう。
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だが、この作品の高い文章力で描かれる三人称視点や深い心象表現は他の作品とは一線を画している。
例えば、『だから人生二度分も親孝行をしてあげたかった。大きくなくても住み心地のよい家、温かい食事、食後には茶の一杯……だが弁の掌はどこまでも無骨で、骨ばっており、優しく岳の頭を撫で続ける。』この文だけでも李岳がどのような暮らしを李弁としてきたのか、李弁がどんな人物だったかという二つを想像するのに十分な情報を与え少し感傷的な気分にしてくれる。
このように、少し消極的であり、ある意味物見遊山気分だった李岳がいかにして事件に巻き込まれ、決意し、乱世を渡って行くのか、取り巻く人々の思い、葛藤がこれでもかと言うほどの説得力を持ち読む人に流れ込んでくる。
また、李岳は転生オリ主にありがちな理由の薄い精神力の強さや無口等のキャラ設定、過剰なまでの疑心暗鬼といったキャラクター性の誇大な表現がなく、悩み、泣き、怒り、迷い、笑い、喜び、信じる。彼がどこまでも人間じみた精神を持つ人物として描かれているから物語に忌諱感なくストンと落ちていくことが出来るのだと思う。
故に原作を知らない方も色々と変更点のある三国志創作として読むことができ、三国志をあまり知らない方でも歴史物として、ほぼ違和感なく読むことができるはず。
その分、作品にオリ主という刺激の強いスパイスを求めたり、スピード感を求める人や水戸黄門のようなインスタントカタルシスを求めたりする人は、微に入り細を穿つ描写にまどろっこしいと感じてしまうかもしれない。
作中ではしばしば、雲や空、鳥といった表現または単語が使われている。原作の恋姫†無双の世界でも元々の主人公、本郷一刀が天の御使いとして登場したりするほど『天』に対して彼の時代は大事な意味を含んでいる。
天下を獲る人間であっても、天の下に位置するだけで決して天に昇ることは出来ない。
だからこそ作品の登場人物は鳥に憧れ、雲に思いを馳せ、天に自由を求めているのかもしれない。
そこで、今まで続けて書いてくれている作者とこれからも多くのことが待ち受けているだろう李岳に対して、この作品で度々用いられる言い回しかたを引用し推薦という感謝と応援を送りたい。
翔べ、李岳。翔ろ、李岳伝
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鋼の連勤術士/2016年12月19日(月) 00:14/★ (参考になった:83/ならなかった:24)