ガンプラで歌う格闘ゲームへの挽歌
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
かつて一世を風靡した格闘ゲーム。時代の流れの中に消え去ってしまったその熱狂を再び取り戻さんと、一人のゲーマーがガンプラの世界を駆け抜ける。
(8行省略されています)
ガンプラバトルシステムを換骨奪胎して格闘ゲームを再現しようというひねった発想からは、思いもよらないほどに熱いいや暑苦しい物語。その上で、ビルドファイターズトライの黒田脚本のような細かい事はいいんだよと熱で押し切る作風に見せながら、原作の設定を丁寧に読み解き、原作のキャラクターを丁寧に解釈し、本編の外伝と言っても分からないくらいに、きっちりと作りこまれた細部が作品の土台部分を支えている。
微に入り細を穿つ薀蓄はシリアスな笑いをもたらしながら、それがやがてカタルシスを伴う熱へと昇華していく。色物なネタでありながら、それがくだらないネタへと堕ちないのは、確固とした知識と深い愛情があるからだろう。ファンの活動とはかくあるべしと言うべき作品。
▼読む際の注意事項など
ただし、好き嫌いははっきり分かれるだろう。あと原作は、餓狼伝説でもよかったと言うか何と言うか。
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nanako/2016年08月29日(月) 13:06/★ (参考になった:33/ならなかった:9)
サウスタウンの帝王、ガンプラバトルに降臨
▼始めに
この作品はギース様が転生される物語ではありません。
▼あらすじ
ガンプラバトルのフィールドに突如現れた「悪夢」…その「悪夢」は大地より烈風を放ち、攻撃を捌き投げ飛ばし、MSを倒してしまった。それを見たある者は呻く。「ガンプラバトル……、じゃねえ!?」
(23行省略されています)
これはサウスタウンの帝王をガンプラバトルで再現するという、とち狂った夢を持ってしまった男(32歳)の物語である。
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
「ガンダムビルドファイターズトライ」の本編終了後の世界を舞台として、
オリ主が「ガンプラバトル」でSNKの格闘ゲームに登場するキャラクター、サウスタウンの帝王「ギース・ハワード」の再現に挑む物語です。本編完結しております。
この作品の面白いところは3つ、1つ目は疑問点に対する説得力です。
「なぜ主人公は再現が可能と思ったのか」「技の数々をどう再現するのか」「そもそもMSと混ざって参加して大丈夫なのか」…
話が進むにつれ次々と出てくる、疑問に対する解答が見事なんです。
双方の作品に存在するネタが組み合わさることで生まれた独自設定には、アニメ本編に採用されてもいいのではと思ってしまうほどの説得力が生まれております。
2つ目は作中に出てくる数々の小ネタにあります。
ギース・ハワードが絡むSNKの格闘ゲーム作品の大小様々な、ゲームに留まらず漫画版のディープなネタまで飛び出します。
そしてガンダム作品に関するネタも負けてはおらず、何かしらでクスリとすること請け合いです。
そして3つ目、作品全体の印象として明るく、熱い作品だということです。
先に挙げた小ネタが各所に散らばっているためにシリアス風な場面でもどこかしらで笑えて、展開の速さでダレることなく話が進みます。
主人公の馬鹿げた夢に邁進する熱さと勢いで、自分はストレスを感じることなく読めました。
トライの世界観を知っていて、かつて硬貨や財布片手にゲーセンへ行ったことのある人にはおすすめできる作品だと思います。
▼読む際の注意事項など
面白い点に挙げた小ネタについて、どちらかと言えばSNK作品の知識が多く問われます。その内容も結構多岐にわたるので、分かりづらいネタも多いかと思います。
雰囲気についてもツッコみたくなるシーンがありますが、いずれもやんわり受けとめた方が楽しめます。
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dhuran/2016年08月22日(月) 12:49/★ (参考になった:57/ならなかった:6)