仮想世界にいる暁の忍はその瞳に何を写すのか?
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▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
本作のコンセプトは「NARUTOの忍がその経験を持ったまま現代の世界に迷い込むとどうなるか?」である。それも主人公のナルトではなく、S級犯罪者の「うちはイタチ」がである。
しかもSAOの主人公「桐ヶ谷和人」の人格を「うちはイタチ」に挿げ替えて本作は読み進めていく所謂転生作品である。NARUTOの世界には浄土があるようなので、「転生」にもある意味説得力を感じる。
なるほど、実に興味深い。
ただし、それはあくまでうちはイタチの「後日談」としての興味深さである。
あくまで転生したのは人格のみで、仮にその架空の忍術や血継限界が現実世界でも同等の能力を発揮できるとすれば、その力は間違いなく一つの軍隊に匹敵するだろう。そうなると、彼は普通の人間として普通の生活を送れるはずがなく、必ず何らかのワールドワイドなトラブルに巻き込まれ、結果的に様々なドラマが発生するであろうというのは想像に難くない。
▼読む際の注意事項など
一方、本作はSAOがベースであるが故にNARUTO全編をカットし、いきなり後日談から始まるように構成している。すると、どうなるか。
それは所謂物語の最初から最強の「チート主人公」と全く同じ物と化すということである。つまり、成長という要素が一切省かれ、強者が弱者をいたぶるだけの単純な話になってしまう。もっとも、世に蔓延するチート主人公には「なぜ強いのか」の根拠が欠けている物が多いため、「忍者としてその経験がある」といった設定的根拠があるだけ本作はましとも言えよう。劇中では描かれなくとも、その力を得るために長く苦しい修行があったのだろうと想像はできる。そう考えると、決して悪いとは言い切れない。
紅鮭/2016年03月10日(木) 19:44/★ (参考になった:5/ならなかった:36)