We, the Divided
作者:Гарри

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_exe  2022年01月12日(水) 18:32 (Good:1Bad:0) 15話 報告

ふぅ。読了して思わず溜め息が出ました。圧倒か感銘か安堵か疲労か自分でもはっきりしませんが。この作を見つけることができたのは良かったな、と感じていることだけは確かです。ありがとうございました。

返信:Гарри 2022年01月13日(木) 09:54

 読了ありがとうございます! 今作を楽しんでいただけたようで、作者として喜びと共に、ほっとしたものを感じております。「We, the Divided」は筆者が苦手とする三人称文体で、テーマも軽々しいものではなかったということもあり、なかなかの苦しみと共に捻り出したものでございましたから、嬉しさもひとしおでございます。
 お気が向かれましたら、今作と世界観を共有する、ほかの作品もお楽しみいただければ幸いです。感想の投稿、ありがとうございました!


黒灰  2018年04月25日(水) 00:18 (Good:2Bad:1) 15話 報告

感想を投げつけたい気分だったので再読してきました。結果、結構忘れてんじゃねぇか……となかなか自分の記憶力にアレな疑いが発生しつつあります。

それはさておき、EPUBにして読んでみると分かりますがこの作品って大ボリュームですね。たっぷり楽しむことが出来てウキウキでした。

ではここから感想です。
(34行省略されています)

返信:Гарри 2018年04月25日(水) 02:47

 再読ありがとうございます! 更には筆者大好物の長文感想までいただいてしまっては、そのありがたさに恐れ入るばかりであります。
 記憶力への疑問ですが、筆者もよくあるので一人じゃありませんよ! 自分なんか、自作品書いててしょっちゅう過去作の描写と矛盾を起こしては後でチェックして是正することを繰り返しております……お恥ずかしいことです。
 約25万字ということで、HitSと比べると三割ちょっと程度ではありますが、それでも文庫本二冊分と思えばなるほど、ボリュームのある方なのかもしれません。あと文章密度ですかね。文章特徴量の画面文字密度が98.56で「やりすぎたかな……?」って思いました。ちなみに『私たちの話』は110ぐらいでした。

>描写
 今作の龍田は(執筆当時改二が実装されていなかったこともあって)基本、肉体的にも精神的にも弱い艦娘として描いています。弱いからこそ罠を張り、かく乱し、多対一の状況を避けて常に一対一を心掛け(連合艦隊戦の時は少し失敗してボコられてますが)、それでも大抵は相手が格上なので勝ってもぼろぼろ、みたいな。やはりおっしゃる通り、「殺すか殺されるか」の緊張感を出すにはそちらの方が都合がいいですし、個人的好みにも合致しますし。
 戦闘のパターンについては苦慮したところで、特にできるだけ戦況の推移などが似通ったりしないようには気をつけましたね。バイオレンス性については完全に趣味なので指摘されると少し面はゆいです。アクションの映画っぽさも、その辺から来ている可能性が高いんじゃないかなあと我ながら思っています。

>那智教官を線としたHitsの線対称がこのWtDなのかな
 HitSとWtDの対称性は執筆当時からはっきりと意識していた点ですが、那智教官を線にするという捉え方はとても興味深いですね。筆者は概ね“彼”と龍田さんを単に対比させて書いていましたが、確かに那智教官はそのどちらにも関係しているという点で軸として適切ですし、“彼”が教官時代の成功例である一方、龍田さんはある種の失敗例と見なすことができ、その対称性も保持されます。なんで考え付かなかったのか、言われてみるとそう思いますね……。

>決定的に違う目線
 HitSの話になってしまって恐縮ですが、“彼”が終戦と除隊について「自分の人生における、何か大切な時期が終わった気がしていた」と述懐していることを踏まえると、龍田さんが日常の延長として戦争を生きていた一方で、“彼”にとって戦争は最後までいずれは終わる非日常的なものだったのかもしれません。そもそも“彼”が艦娘と肩を並べて戦場に立つこと自体、異常な行為だった訳ですし……その場合、明確な区切りもなしにその「日常」が終わったと、しかも彼女にとってまさに「日常」である任務の最中に言われて、龍田さんはさぞかし困惑するばかりだったことでしょう。

>本質
>実際の心の奥底
 そうですね、教官時代に「痛みを抱えても生きられるという手本」であった筈の那智教官が、戦後になってその「痛み」から目を逸らすという、彼女が教え子に求めた「強さ」と対極に位置するような振る舞いをしているのを龍田さんは知ってしまいました。根幹的には「弱い艦娘」でしかなかったにも関わらず、教官に求められた通りの「強さ」を実践しようと努力し、結果として傷を負って苦しんでいた龍田さんですから、那智教官への敬愛の情も逆に作用して、「それはちょっと、どうなの」ってなったんでしょう。
 自分に傷つくよう(傷ついてでも立ち向かうよう)教育した張本人が同じ苦しみから逃げてたら、そりゃ首根っこ掴んで「痛みと向き合え」ってなる。Suffer with meってなる。しゃーない。
 あと龍田さん那智教官好きすぎ問題ですね。色々あって崇拝状態なので那智教官が「痛みを抱えて」生きていけないなら、まして自分には絶対無理だと判断してそう。だから自分が生きる為にも余計必死に苦しみと対決させようとする。迷惑すぎる……
 でもこう書くとなんか、生きるのも死ぬのも苦痛になった龍田さんが、保母さん代わりの那智教官を相手に一世一代のビッグ駄々をこねる感じの話みたいになっちゃいますね、今作。

>”彼”は恵まれています
>戦争を、自分を形作る思い出に出来た
 こいつほんと何なんですかね(暴言)作品群中でも屈指の戦争の深みにはまった癖して、記憶に傷つくことも苦しむこともなく、やけにけろっとしてる登場人物だと思います。いや、まさにそれは第五艦隊という心の拠り所があり、終戦までそれを守り抜けたからなのでしょうが。
 ところで現実の戦争経験者(帰還兵)にも、ちょくちょくこういう人いますよね。戦闘部隊に配属されて戦争に行って帰ってきて、あれやこれやと楽しかったことしか覚えていない類の人。多分、“彼”は加賀さんと違って学校での講演とかは頼まれなさそう。

>心が晴れたわけではなく、死で安らいだわけでもなく。
>けれど生きていける、生きていていいのだ、共に生きる人が居るのだ。
>ようやくそう思えて、戦後が始まりつつある彼女の幸福は尊いものだと考えます。
 WtDの執筆中、最も困難だったのがこの、龍田さんの苦しみの落としどころでした。長年の苦痛が魔法のように消えてなくなるなんて考えづらいですし、かといって何も変わらないでは生きていかれません。そして安らぎとしての死は、ハッピーエンドたりえません(私見)。
 そこでこのような、少しだけ、ほんの少しだけ、感じ方が変わった、という形にしました。結果的にハッピーエンドに導きつつ、彼女が経験してきた記憶の重みや傷跡の深さをよく演出できた気がしています。今作で満足している部分の一つです。

>苦戦
 自分は感想とかコメント返しが死ぬほど苦手なので、今回のような、しっかりとまとめられ、独自の視点から考察された解釈をお書きになられる方が一体何をおっしゃっておられるのかという気持ちです(憤然)。いやあうらやましい、自分にもこれだけ考える頭があれば……ないものねだりですけど……。

>今作もまた読み応えのある素晴らしい作品でした!
>次回作、『死んだ鶴』もお待ちしております!
 ありがとうございます! 次回作は現在およそ31万字に上り、第20話を執筆中です。25話で完結予定ですので、もう少々お待ちください!
 ……ただ次回作、メインキャラとして龍田さん出てくるんですよね……元々WtDは次回作の前日譚として構想されてたんですが、先にWtDの方を書いてしまったことが、読者の方の読後感や龍田さんに対する思い入れを無下にしてしまわないか、心配するところであります。しかし次回作もバッドエンドでは終わらせませんので、そこはどうぞご安心くださいませ!


 2時間半ほど掛けてお返事を書かせていただきましたが、何だか振り返って読んでみると取っ散らかってしっちゃかめっちゃかな返信になってしまった気がしています。……やっぱり感想返信って苦手……


りひゃると  2018年02月09日(金) 16:02 (Good:3Bad:2) 15話 報告

今更ではありますが、小説検索より作者様の作品群をみつけて
三作まとめて読了いたしました。
登場人物たちがこれほど「生きて」いる作品はそうは無いです。
細かい心理描写と状況描写が架空の存在である艦娘に、まさに
生命を与えている、と感じました。
(18行省略されています)

返信:Гарри 2018年02月09日(金) 16:59

 これまでの全作の読了、まことにありがとうございます。総計すれば100万字近くになるものを読み通していただけたのは、それらを楽しんでいただけたことの証左と言えましょう。大変にありがたいことであります。

>細かい心理描写と状況描写が架空の存在である艦娘に、まさに生命を与えている
 筆者の文体はほとんど翻訳された海外小説のそれですが、この手の文体が持つ“くどさ”と申しますか、ある種の冗舌さを、今作では単なる海外小説風の雰囲気を演出する為だけでなく、実際的な利益(つまり細かい心理・情景描写のことですが)を生み出す為に用いました。
 私見ですが、これは三人称で書かれただからこそ十全にできることでもあり、一人称の作品である前二作ではここまでハマることはなかったでしょう。作者として、上手く狙いを遂げられたことをとても嬉しく思います。

>イロモノ展開
 数えるほどしか海上に出ないということで、書いていた当時「これを艦これと言っていいのだろうか」と悩んだ覚えがあります。まあ結局、その悩みは「とはいえこれを艦これで書きたいんだ」という気持ちで塗り潰されましたが……すんなりと受け入れていただけたようで、よかったです!

>ランボーの一作目
 そうですね。映画版である「ランボー」も、原作「一人だけの軍隊」も、間違いなくこの作品に大きな影響を与えた作品です。というか大筋で言えばほとんど映画をなぞっているような気さえ……他には有名どころだと、映画「ハンテッド」(2003)などからも影響を受けています。教官vs教え子の構図とか、もろにそれですね。

>新作を執筆中
 はい、一作目「Home is the sailor, home from the sea.」にも端役として出てきた、正規空母「瑞鶴」を主役に据えて、ペーパーバックみのある戦後復讐劇「死した鶴」を執筆中です! とうとう数えるほども海に出ずに終わってしまいそうな作品になりそうで、ちょっと反省気味。次は戦中ものに戻ります(決意)
 現在約24万字行くか行かないかというところで、予想される全体からすると進捗は60パーセント程度です。筆者生来の遅筆であい済みませんが、どうぞもう暫くの間、楽しみにお待ちくださいませ!


eisvogel  2017年06月04日(日) 00:22 (Good:2Bad:1) 15話 報告

遅くなりましたがやっと拝読することができました…
完結お疲れ様です、そしておめでとうございます!
何時もながら(といってもまだ3作品しか拝見しておりませんが)爽涼な読了感が素晴らしく、私も頑張ろうと言う気になります
他作品とは違う視点での書き方に初めこそ違和感もありましたがすぐにいつものГарриさんだと思わず笑ってしまいました
一人称の方が作風にはしっくり来るのかなとも思いましたが
暫くはまたこの世界にどっぷり浸ることができそうです、ありがとうございます
よろしければ(もしお時間があればですが)hitsのような注釈集など作っていただければまた楽しみが深まるためありがたいです
最後にもう一度、素晴らしい作品をありがとうございました

返信:Гарри 2017年06月04日(日) 11:35

 こちらこそ3作に及ぶ読了ありがとうございます! 自作を読んで楽しんで下さる方がいるということだけで、筆者としては感無量であります。

>爽涼な読了感
 今作『We, the Divided』(とりあえずWtDと略します)のエンディングには皆様から好評をいただいて、やはりあの形で終わらせようと決めた執筆当初の自分が間違っていなかったということを、今更ながらに確信しております。前作(『私たちの話』)は回顧録だけあって、こういった結末の爽快さを演出することができなかったので、今作でそれを描けたのも何となく喜ばしく思われます。

>他作品とは違う視点での書き方
 正直、三人称文はホント心底苦手なんですよね……書けない訳ではないのですが、執筆速度はがた落ちでした。HitSが約半年掛けて70万字ほどである一方、同程度の期間を費やしたWtDは25万字ちょっとです。自分の苦手っぷりがよく分かってしまってちょっと悲しい……。
 “いつもの筆者”ってどんなのなんでしょう、筆者本人には分からないので、少し読者の方がうらやましく思える気もしますw

>hitsのような注釈集
 そうですねえ……WtDでは三人称を用いたこともあり、一人称でなら自然に使えたパロディや引用も、中々入れる機会がありませんでした。他の自作とリンクしている箇所や、各話タイトルの元ネタぐらいならあるいは……でも、わざわざ1話足すだけの分量があるかどうかと、前2作とのリンク箇所を自分でバラすのって何かこう、白けそうな感じも……ま、まあ考えてみます!

 何にせよ、今作も楽しんでいただけたのは大変幸いでした。次を書き上げられた時には、またどうぞご一読いただければと思います。読了、まことにありがとうございました。


安楽  2017年05月30日(火) 22:54 (Good:2Bad:1) 15話 報告

 自分の中に生み出した実在する人物の幻が、想像主の思惑を超えて救いやヒントをくれたり、という展開がたいへん好みでして。龍田が生み出した那智の幻が、龍田自身を救うためのきっかけをくれた、という部分。この作品の一番のお気に入り場面です。また、“実在する誰かの虚像”というものが、微妙に作品名に掛かっているのかなとも思ったりしました。

 主役を張った龍田嬢の言行も、たいへん説得力を感じさせるものでした。確かに彼女ならば、こんなことを言ってもやっても何の違和感もないなと、元々抱いていた艦娘像が更新されたような心地です。「きっとあの人も私と同じように苦しんでいるはず」と考えていたことが発覚した時、彼女が本作品の主役なのだと改めて認識した次第です。

 そして、血や泥に塗れ切った上であの清涼感のある幕引きに、久々に読後感という言葉を思い出しました。完結おめでとうございます。

返信:Гарри 2017年05月30日(火) 23:59

 暖かな祝意をありがとうございます。どうにか今作も書き上げられ、また読者の方々をひとときばかり楽しませることができました。実にありがたいことであります。

>展開がたいへん好み
>作品の一番のお気に入り場面
 自分が生み出した幻との対話によって、何か求めるものに近づいていく展開、いいですよね……幻の那智が最後に語りかける辺りは筆者としても気に入っている箇所の一つです。特に最後も最後、気恥ずかしげに付け加えた一言が好きですね。書いた本人が言うのもアレですが。
 “実在する誰かの虚像”という概念と今作タイトルの関連性ですが、ユニークで鋭い指摘・解釈だと思います。実在と非実在の対立……現実の那智と、龍田が生んだ幻の(≒彼女がかくあれかしと願っていたような)那智の対立とか……いやはや、誰かの意見を聞くのは。いつでも本当に楽しいですね!

>龍田嬢の言行
 那智や五十鈴と少し話してはいきなりキレたり馴れ馴れしくなったり、五十鈴に対して高圧的に出たと思ったら逆に気圧され始めたりと、色々な点で不安定な龍田さんの姿を描くのは正直なところめっちゃ大変でした。ハマり役だとは当初から思っていたのですが、彼女のような不安定な精神の持ち主を描くという経験が、ほぼ初めてでしたので……それだけに、彼女の言行を説得力があるものだったと言っていただけて嬉しいです。

>幕引き
 今作は去年の10月末ぐらいに書き始めたのですが、その頃から最後はあの一言で締めようと決めていました。あふれ出るさわやかな海外小説感。自分の作風にぴったりのエンディングになったと思います。……色々と後のことを考えると、今作でこんなさわやかENDさせてよかったのかどうか悩みますが……ともあれ、今回もお楽しみいただきありがとうございました。次があれば、ぜひまたお暇潰しにでもお読みいただければと願ってやみません。


地母の晩餐  2017年05月22日(月) 15:22 (Good:2Bad:1) 15話 報告

新作が投稿されてる!と、思ったら完結してました…
完結おめでとうございます!本日の朝から読み続けて全話読み終わりました。
HitS、私たちの話、やってはいけないことリストに続いての出演となる那智教官ですが、今回は彼女の苦悩が見れてまた1つ魅力が増したと思います。
龍田の苦悩についても語りたいのですが、上手く表現できないので最終的に彼女が終戦できて良かったとだけ言っておきます(語彙力不足)
気づくのが遅れてリアルタイムで追えませんでしたが、また作者様の艦これが読めて嬉しかったです。改めて、完結おめでとうございます!

返信:Гарри 2017年05月22日(月) 15:32

 リストを含めれば前三作に続いての読了、ありがとうございます。一気読みとはまた豪気な……さぞかし目もお疲れになったことでしょうに、重ねてお礼申し上げます。

 これで今のところ全作に大なり小なり出演してしまった那智教官ですが、おかげさまで彼女の持つ側面をまた一つ描くことができました。そろそろせめて今作の“僕”レベルに露出を抑えないとアレかなあ、とも感じていますが、何はともあれ今作でも彼女を魅力的に描けたようで、それについては満足しています。
 本作の後の龍田さんがどうなるかなども、いずれ書けたらと願ってやみません。繰り返しになりますが、この度は読了ありがとうございました!


石っころ  2017年05月22日(月) 08:07 (Good:2Bad:1) 15話 報告

まずは完結お疲れ様でした!そして素晴らしい作品をありがとうございました…。

こういう戦後モノ特有の寂寥感のような、それでいてバッドエンドではないような…私の貧弱な語彙力では形容しがたいのですが、こういう雰囲気好き(直球)
個々で見ても面白く、HitSから読むと更に想像の幅が広がるのは流石Гарриさんだなって。
最終話のタイトルも素晴らしいですね…。
(13行省略されています)

返信:Гарри 2017年05月22日(月) 09:14

 こちらこそ、25万字の読了、真にありがとうございます。

>こういう雰囲気好き(直球)
 読む人を選ぶものを書いているという自覚はあるのですが、それだけにそう言っていただけると本当にありがたさが身に染みます。また同じ世界観の下に構築された作品群が相互に関連しあっていて、ある一作を単体で楽しむだけでなく、その他の作品を交えて読む・解釈することができる、というのがかなり好きで、そこを褒めていただけて幸せな気持ちです。

>那智教官
 HitSでは那智教官としての彼女を、『私たちの話』では那智としての彼女を、今作ではその二つが交雑したような、一人の人間としての彼女を描けた気がします。
 恐らく彼女はHitSに端を発するこのシリーズの中で、第一作の主人公を差し置いて、最も重要なキャラクターに位置するのではないでしょうか。自分の創作歴は短くない方ですが、これだけ深くキャラクターを掘り下げたのは初めてです。そろそろ登場させすぎなのかもしれません。

>龍田さん
 HitSではガチ端役だった彼女ですが、うまく行けばこの後もう一作出番があるということで、案外露出に恵まれたキャラに思えてきました。背負った背景その他のことを考えるとなんら恵まれていませんがw
 心の中の問題に折り合いをつけられたからには、きっと彼女は強く生きることでしょう。大天使との関わりは……どうかなあ。今作の時点でまだ大天使は大学生天使ですからねえ。

>五十鈴ちん
 龍田を筆頭とした戦中組と戦後組の対比、何も知らない同期たちと知ってしまった五十鈴の対比など、色々と働いてくれたキャラクターでした。最初こそ龍田さんに力関係で上回られていたのに、途中からは龍田さんの方が気圧され気味になったりするなど、その変貌も魅力的……に描けてたらいいんですけど。
 龍田さんによって戦中組の経験を擬似的に追体験させられた彼女ですが、幸いにして彼女の周りには戦中組の艦娘たちがまだまだ大勢残っているので、強くまっすぐ生きられる可能性もなきにしもあらずです。

>某第五艦隊旗艦がアレ
 アレはマジでアレですよね。ホントにずっと尾を引くような苦悩とかしてないんじゃないかしら……。

>HitSから2年、作中年月も2年…『私たちの話』まであと18年は書けますね!
 世界には驚きと事件が満ちている(確信) ともかく、HitSや今作以降の話や、あるいはHitS以前、戦中の話なんかもぼんやり考えてはいます。また形になった時には、ぜひ一読頂ければ幸甚の極みであります。

 改めまして、読了ありがとうございました!


黄身白身  2017年05月21日(日) 20:28 (Good:2Bad:1) 15話 報告

完結おめでとうございます。

五十鈴の今後が非常に気になります。
「知ってしまった」彼女が変わってしまうのか、それとも持ち堪えるのか。

(6行省略されています)

返信:Гарри 2017年05月21日(日) 20:54

 ありがとうございます。書き上げてからの投稿とはいえ、発表し終わると何だか感慨深いものがあります。

>五十鈴の今後
 戦中組である龍田のトラウマ的なものを追体験させられた彼女がどうなるか、筆者としても何かストーリーを考えてみたいとは思っています。今考えている他の作品に組み込む形で出すか、五十鈴を主役に据えて新しく一本作ってみるか……迷うところです。

>「長門の救援」
 この長門の救援についてはHitSの長門編-3、『私たちの話』の長門回、そして今作の三回に渡って、それぞれ長門、加賀さん、那智教官の口から語られています。自分で書いていながら面白いと思うのは、「長門本人」「那智本人」「外野(加賀)」と、概ね取りうる全ての視点を網羅しているところです。生憎と筆者は芥川ほどの文才がありませんが、何だか『藪の中』みたいですね?
 そうそう、他にも絡められるところと言えば、HitSで現役復帰した那智教官が長門と初めて再会した日の夜、食堂に一人で座っていて“僕”が入室を諦める、というシーンがあります。

>「艦これ未来史シリーズ」
 未来史というのはハインラインだけのものではありませんが、やはり彼のファンである自分としてはどうしてもハインラインのことを真っ先に思って、やけに面映く感じてしまいます。これからもシリーズに楽しく読める作品を追加し続けられるよう、努力して参ります!
 ……ハインラインじゃなくてゼラズニイ風艦これとかティモシイ・ザーン風艦これ(なおコブラ部隊シリーズしか持っていない模様)になるかもですけど……


緑のたぬき  2017年05月21日(日) 18:54 (Good:2Bad:0) 15話 報告

完結おめでとうございます!
>>「私の終戦記念日よ!」
このセリフ、結びの言葉として最高ですね。自分のなかで戦争のケリをつけた龍田の爽やかな気持ちと、戦争が終わった余韻を感じます。この気持ちのいい読了感はなかなか味わえるもんじゃありません。
最終話の題名も良いですね。ここでHome from the seaを使うとは。つくづく文章が上手いなーと思います。
それにしても、応援があったにせよ、戦艦・空母・重巡主体の大艦隊相手に無傷で立ち回った吹雪さんマジ戦乙女。
(6行省略されています)

返信:Гарри 2017年05月21日(日) 19:17

 暖かな祝意をありがとうございます! 

>「私の終戦記念日よ!」
 セリフで締めるのはなんか「終わった感」があって好きです。それだけに昔から多用しがちなので、時々意識してセリフで締めたいところを字の文で締めたりしないといけないぐらいです。

>最終話の題名
 HitS最終章タイトルが『Home is the sailor』なので、今作の最終回はこれを使おうと早い段階で決めていました。
 ところでぜひご注目いただきたいのは、10話と14話ではタイトル冒頭が大文字で始まっているのに、15話では小文字から始まっているという点です。これはどういうことかと申しますと、このようにすることで、14話タイトルと15話タイトルを組み合わせて解釈することができるという……いやホントだから何なんだってレベルの話ですが。

>吹雪さんマジ戦乙女
 ずいずい(仮)では吹雪秘書艦の戦闘シーンを複数回書かなければいけないことが決まっているので、今から大変そうで頭を抱えております。戦艦だったらなあ、強さ描写もシンプルで済むのになあ……

>次回作
 書きたいな、という気持ちはあります。後は……HitSユニバースとでも言うべき、同じ世界観を使って話を広げて幾つも作っていくのが自分のスタイルなので、それが受け入れられればいいのですが!
 自分の作品を楽しみに待ってくださっている方がおられるということは、作者にとって大変な励みになることであります。重ね重ね、ありがとうございました!

-追記-

 恐らくそう訳すのが一番自然ですね。またdivideには「分かち合う」という意味もありますので、そちらで訳しても(かなり超訳気味にはなると思いますが)意味は通るでしょう。
 「分かたれた」と「分かち合った」、今作のタイトルに用いるのに相応しい単語だったなあ、と思います。


トマトスレイヤー ID:r.m/tnp2  2017年05月21日(日) 15:53 (Good:3Bad:0) 15話 報告

 完結おめでとうございます。
 最終的には「ランボーとトラウトマン大佐のガチバトルでお互い理解しあって解決」みたいなある意味原作小説版ランボーのハッピーエンドみたいな形になりましたね。
 どうもあれの最後とキングの『バトルランナー』(シュワちゃんの映画でなくてね)の最後が混ざってる程度のうろ覚えですが…ヘリだか輸送機で特攻したのってどっちだっけ?

 龍田さんの煮えた高速修復材拷問とか、こんなもんげー事をよく思いつくなというか、なるほどその発想はなかった!と膝を打ちました。体に穴を開けて、煮えた醤油を注ぐ篠揉みの拷問というのは知ってましたが、艦これでそげなもんを見る事になろうとは。
(7行省略されています)

返信:Гарри 2017年05月21日(日) 18:10

 ありがとうございます。筆者は基本的にはハッピーエンド至上主義者なので、全ての人に無料で幸福をくれてやるぞ! 誰も不幸なままで返しゃしないぞ!(ストルガツキイ兄弟並感)というスタンスで創作できたらいいなあと常日頃から思っています。
 キングは『ゴールデン・ボーイ』と『刑務所のリタ・ヘイワース』しか読んだことないんですよねえ。『ダーク・タワー』とか名前をよく聞くので読んでみようかしらと思っても、他にも読みたい&読み返したい本が沢山あって中々手を出せないのが現状です。ちなみに今はゼラズニイの『光の王』を読んでいます。仏陀が主人公のSF小説とか読まずにはいられなかった。

>龍田さんの煮えた高速修復材拷問
 リョナ畑出身なのでその経験を活かすことができた、と言うべきでしょうか。発想で人を感心させられたなら、作者としては望外の喜びであります。ただ……HitSでも『私たちの話』でもしょっちゅう手足が吹っ飛ばされたりしてたので、これぐらいはセーフだろうと思っていますが、実際どうなんだろ、と思ったりはします。

>那智教官
 人間ですから、明るい側面もあれば暗い側面もあるということで……HitS以来のこの連続した世界で、那智は実に多様な描かれ方をされ、その中で様々なものを読み手側に提示することができたと思います。それは別々のキャラクターではなく、那智という単一の人物に複数の役柄を与えることで叶ったものではないでしょうか。そういう考えもあって、筆者としては本当に気に入っているキャラクターたちの内の一人です。流石にそろそろ露出を控えさせないとそれこそ「またか!」ってなりそうですが。
 あと自分の教え子たちにモテるのは、その、一緒に戦地に戻ろうとしてくれたり命懸けで愛してくれる教官だから、ほら、仕方ないんじゃないですかね……。

>龍田さん
 結構沢山の方が「僕」と対比しながら読んで下さっているみたいで、作者としてそのことを少し楽しんでいます。楽しんだといえば龍田さんを追い込んだり病ませたりするのも楽しかった。これ絶対ハマり役だ、とは書き出す前から思っていましたが、ここまでとは……よく救われたなあ。

>五十鈴ちん
 恐らく今作で一番どうしようかと扱いを悩まされた登場人物ですね(吹雪秘書艦は別格とする)。当初はVS深海棲艦にも参加し、龍田の危機を救ったりして、VS那智教官時に那智と一緒にやってきた海風たち(五十鈴の艦隊員)の手で救出される筈でした。しかし五十鈴がどうしても龍田の足手まといになることや、龍田と五十鈴を通して表現したいものがVS連合艦隊付近でネタ切れしたので、予定より早めに離脱してもらったという……でも「平時にあって戦争を知ってしまった」というキャラ特性はかなりおいしいので、いずれ五十鈴主人公で何か思いつけば、書くのもいいかもしれません。

 ねぎらいの言葉をありがとうございます。エタるのが怖いので何を間違っても絶対にエタることのないよう、完成させてからでないと投稿する気が起こらないだけなので、美徳と褒められると過分な評価をいただいたような気持ちになりますw HitSの時はホント毎日が焦燥感に満ちて……ううう。ともあれ、これからもその“美徳”を守り続けられるよう努力いたします。今作の読了、ありがとうございました。



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