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履歴はこちら。
(0) 作戦は簡単だ。
(0) ステンノの『気配遮断A+』で叢雲ごと接近し、タンカーに接舷し制圧。
(0) 下の潜水艦の方は、デグ様のイントレピッドの対潜部隊に任せる。
(0) なお、自衛隊の方からも対潜フル装備のP-3Cが二機常時飛んでおり、潜水艦を取り逃すことは無いだろう
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(0)「先に潜水艦を沈めてしまわないの?」
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(0) 作戦前ブリーフィングで叢雲の質問に指揮官のボンド中佐が答える。
(0) さすがにいつもの伊達男ではなく軍人の顔をしていた。
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(0)「日本政府からのオーダーは、『ミサイルを撃たせるな』です。
(0) 下の潜水艦を沈めたら、タンカーの連中は首都圏に向けてミサイルを発射するでしょう。
(0) それの撃墜自体は難しくはありませんが、彼らの言う通りにその弾頭が通常弾ではなかった場合、撃墜後が問題になります」
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(0) ここでデグ様情報を俺は開示する。
(0) その通常弾頭ではない『GUSOH』と『テルミット・プラス』の説明を聞いて、頭を抱える突入班の面々。
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(0)「つまり、どっちが搭載されているかもわからないという訳だな?」
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(0) どういう立ち位置でここに居るのかイマイチ分からないが、突入班に加わるつもりらしい御神苗優が俺に念を押す。
(0) 面倒だから朧に預けよう。
(0) 俺も頭を抱えたいのだが、この場の最上位指揮官として飄々と振る舞おうとした。
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(0)「俺なら、撃ち落とされる事を考えた上で、『GUSOH』の方を搭載するね。
(0) 落としても風向き次第では房総半島まで毒ガスが広がりかねないしな。
(0) その理由から、タンカー撃沈も無しだ。
(0) この海域が毒ガスでどれ位使い物にならなくなるかわからない以上、経済的ダメージの方が大きい」
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(0) 事件の場所が八丈島の沖合という事はそのすぐ北が東京湾な訳で、多くの船舶が行き交っている訳だ。
(0) 今回の事件発覚から船舶も避難を始めていたが、海上物流の停止は都内に不安をもたらすことになる。
(0) それは絶対に避けなければならなかった。
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(0)「接敵するのもそれが理由だ。
(0) ミサイルの発射口は既に衛星で判明しているから、発射口を叢雲で塞いで真っ先にミサイルを確保してもらいたい。
(0) ミサイルの工作と弾頭確保については、ボンド中佐とライバック大尉たちに任せる」
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(0)「了解した」
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(0) さっきまでブイヤベースを作っていたライバック大尉がいい匂いをさせて返事をする。
(0) 彼らを睨んでいた連中に俺は声をかける。
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(0)「そして、艦内の制圧は的場二佐におまかせする。
(0) 甲河三尉とその配下をつけるので、存分に暴れてもらいたい」
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(0)「………了解した」
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(0) 初っ端の俺の拘束が失敗してから的場二佐とその隊員達は表向きにはおとなしい。
(0) なお、ロリンチちゃんの報告では、排除したバックドアを使って乗っ取りを企もうとした形跡があるので先手を打てたというのもあるのだろう。
(0) なお、捕まえていた如月行も釈放させて朧の下につけている。
(0) 使える工作員は今は一人でも貴重なのだ。
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(0)「で、マスター。
(0) 俺たちも暴れていいんだろう?」
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(0) 呼ばれもしないのだが、ワクワク顔で俺に尋ねるモーさん。
(0) その隣で同じく口に出さないがクー・フーリンが俺をじっと見ている。
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(0)「当たり前だ。
(0) お前らが今回の突入の華なんだからな。
(0) 米軍と自衛隊連中がミサイルの確保している間、敵を防ぐのはお前らの役目なんだからしっかりやってくれよ」
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(0) 仲魔とサーヴァントは基本俺の命令しか受け付けない。
(0) ある程度の妥協はできるが、それでロスが出ることを恐れ、ボンド中佐はこれらを指揮下に入れるのを諦め、代わりに陽動作戦として放置する事を選んだ。
(0) かくして、突入班はこんな感じとなった。
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(0)タンカー突入班
(0) ジェームズ・ボンド中佐
(0) ケイシー・ライバック大尉 ミサイル無力化と弾頭の確保
(0) Navy SEALs 4人
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(0) 的場毅二佐 艦内制圧
(0) 神田旅団隊員 十数人
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(0) 甲河朧三尉
(0) 対魔忍 十数人(クローンこみ)
(0) オイランロイド 二十体
(0) 如月行海士
(0) 御神苗優
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(0)陽動班
(0) モードレッド
(0) 幻魔 クー・フーリン
(0) 魔神 大淫婦バビロン
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(0)予備・後方人員
(0) 大天使 イスラフィール
(0) 英雄 ジャンヌ・ダルク
(0) 女神 ブリジッド
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(0)ステンノの気配遮断 68
(0)敵の対処能力 79
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(0)ミサイル確保工作 96
(0)ミサイル発射準備 22
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(0)対潜攻撃 28
(0)敵潜水艦魚雷発射準備 4
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(0) 作戦は接舷するまでは上手く運んだ。
(0) 陽動班が甲板に上がり、突入班が側面を爆破して突入する。
(0) だが、こちらの姿は見えていなかったのに、相手の迎撃はこちらを完全に想定していた。
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(0)「こちら突入班!
(0) 豚の化物が武装してこっちを撃ってきやがる!!」
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(0)「こちら朧。
(0) 敵はオークと思われます。
(0) 銃撃で死ぬ相手ですので、おちついて対処を」
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(0)「こっちも化物だ!
(0) 緑色の化物がこっちを襲ってきやがる!!
(0) 銃は効くが弾の消費が激しい!」
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(0)「こちら、ボンド中佐。
(0) ミサイルの発射阻止に成功。
(0) 『GUSOH』弾頭を確保した」
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(0) 轟音が聞こえる。
(0) 作戦開始と共にP-3CとS-2の対潜飽和攻撃によって、Uボートは何もリアクションを起こすこと無く沈められた。
(0) これであとはどうとでもなる。
(0) そんな状況下で甲板では大決戦が発生していた。
(0) 小型ミサイルと銃弾が暴れ、モーさんが押されていた。
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(0)「サーヴァントだ!
(0) サーヴァントが居るぞ!!」
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(0) モーさんの叫び声にジャックフロストにカメラを持たせて偵察させると、モーさんと大淫婦バビロンを寄せ付けずに射撃を浴びせるアラフィフが一人。
(0) クー・フーリンが隙を狙うが、緑の化物ことアンブレラ社製のハンター数体に阻まれて近づけない。
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(0)「素晴らしい!!
(0) 世界は破滅に満ちている!
(0) あっはははははははは!」
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(0) 実に楽しそうなアラフィフの声を聞きながら、俺の頭には疑問が浮かんで警鐘を鳴らしてきた。
(0) 敵はこちらの接舷をほぼ読んでいた。
(0) にもかかわらず、ミサイルは発射されなかった。
(0) それならば、敵の狙いは何だ?