行別ここすき者数
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履歴はこちら。
(0)「FtoV! 来てくれはったんですね!」
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(0)「沖縄への任務のついでだけどね」
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(0) 隼子の言葉に殿水が答える。火東が四頭竜を見て呟く。
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(0)「それにしても大きいわね……こっちの倍はあるんじゃないの?」
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(0)「大きさ=強さという訳ではない。俺たちは何度もそれを証明してきたはずだ……」
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(0)「土友は良いこというね。その通……ZZZ……」
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(0)「会話の途中で寝るな! 木片!」
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(0) 小金谷が木片を怒鳴る。幸村が笑いながら叫ぶ。
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(0)「かの有名なFtoVと轡を並べられるとは! 光栄でごわす!」
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(0)「あ~盛り上がっている所悪いんやが……」
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(0) ナーが呟く。美馬が問う。
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(0)「どうした?」
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(0)「自分、ちょっとバルカン撃ってみ」
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(0) 美馬はテネブライのヘッドバルカンを四頭竜に向けて発射する。巨体を覆い尽くすような大きなバリアが発生し、バルカンの銃撃を防ぐ。女が叫ぶ。
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(0)「ムダダ! ケッカイハヤブレヌ!」
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(0)「成程、極めて強力な結界……バリアがあるということか」
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(0) 土友が眼鏡を直しながら呟く。火東が叫ぶ。
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(0)「攻撃、来るわよ!」
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(0) 四頭の竜がそれぞれ炎を吐き出した。放射線状に広がる炎、直線に飛ぶ炎、球状に飛ぶ炎、曲線を描く炎、四種の炎が、戦艦桜島とその周囲のロボットたちに襲い掛かる。
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(0)「全機、緊急回避だ!」
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(0) 小金谷が叫ぶ。電光石火などは間一髪で躱したが、数体は炎を喰らってしまう。
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(0)「ダメージを受けた機体は一旦下がって下さい! 船首付近の消火活動を急いで!」
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(0) 伊織が的確に指示を飛ばす。殿水がぼやく。
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(0)「強力&広範囲なバリア持ちに四種の火炎……近づくのも厄介ね」
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(0)「お任せ下さい! 活路はこの戦艦桜島が開きます!」
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(0) 伊織が力強く叫ぶ。小金谷が問う。
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(0)「威勢は結構! しかし、どうやってだ!」
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(0)「この桜島の主砲ならば、あのバリアも破れるはずです! データを送ります!」
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(0) 伊織からFtoVにデータが送られる。
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(0)「どうだ、土友?」
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(0)「……この威力ならあのバリアも壊せるでしょう」
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(0)「よし! 任せるぞ!」
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(0)「任されました! 各員、主砲発射準備!」
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(0)「お言葉ですが艦長! 主砲発射は反対です!」
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(0) ブリッジクルーの青年が伊織に叫ぶ。伊織がずっこけそうになる。
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(0)「ど、どうしたの⁉」
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(0)「主砲については試射もまだです。加えて照準修正と威力調整が非常にデリケートです! 現状のクルーの練度では完璧な状態での発射は困難を極めます!」
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(0)「何を弱気なことを! って、一理あるわね……」
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(0) 伊織がうなだれる。
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(0)「今日はあくまで試運転のつもりだったからね。まさかガチンコの戦闘になるとは……」
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(0)「お困りのようですね?」
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(0)「貴女たち⁉ ブリッジは関係者以外立ち入り禁止ですよ!」
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(0) ズカズカとブリッジに入ってくる海江田たちに伊織が驚く。
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(0)「緊急事態にそんなことも言ってられないでしょ? ……悪いけどどいてくれる?」
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(0) 海江田たちがクルーを退けてシートに座る。
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(0)「な、何をするつもりですか⁉」
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(0)「代わりに発射をオペレートする……」
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(0) 水狩田が静かに呟く。
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(0)「ご経験があるんですか⁉」
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(0)「……ある寄りの……ない!」
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(0)「ないんじゃないですか⁉ 一瞬、頼もしいわって思った気持ちを返して下さい!」
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(0)「まあまあ、新兵よりはいくらかマシだよ。行こうか、水狩田」
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(0) 海江田がコントロールパネルを巧みに操作する。水狩田も同様に手元のパネルを操作しながら淡々と呟く。
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(0)「トリオ・デ・イカガワシイも宜しく頼む……」
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(0)「イナウディトだ!」
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(0) 松下がモニターを確認しながら叫ぶ。竹中や梅上も話しながら、忙しく手を動かす。
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(0)「初対面なのに人使いの荒い連中だ!」
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(0)「全く! はい! 角度調整完了よ!」
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(0) 海江田がモニターを見て満足そうに頷く。
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(0)「流石は歴戦のパイロットたち……ぶっつけでもなんとかなるもんだね。さて、艦長?」
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(0)「は、はい⁉」
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(0)「主砲発射準備完了しました」
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(0)「そ、そうですか……コ、コホン、主砲、撃てえ――‼」
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(0) 伊織の掛け声とともに桜島から主砲が発射される。凄まじいエネルギーの奔流が四頭竜に向かって、勢いよく飛んでいく。
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(0)「⁉」
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(0) 主砲の直撃により、四頭竜を覆っていた巨大なバリアは破壊され、砲撃は竜の体を直接貫き、竜はその衝撃で大きく呻き声を上げてのけ反る。
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(0)「よし、今だ! 畳みかけるぞ!」
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(0) 小金谷が檄を飛ばす。美馬がテネブライを空中に浮かせる。
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(0)「俺が先陣を切る! ……『エレメンタルフルバースト』!」
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(0) テネブライが両手でサーベルを思い切り振り下ろすと、その剣先から斬撃が飛び、四頭竜の頭を一つ切り裂いた。その様子を見ていたナーが呼びかける。
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(0)「思うた通りや! さっきより大きなものやないけど、四つの頭もそれぞれバリアを張ることが出来るようやで! つまり……」
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(0) 木片が突如割って入ってくる。
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(0)「各々、バリアごと吹き飛ばす強力な攻撃が求められる!」
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(0)「お、おう! そうや! なかなかどうして鋭い……」
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(0)「ZZZ……」
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(0)「え⁉ 寝るの? この流れで⁉」
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(0)「お次はうちの番でごわす! 姉上! カタパルトを!」
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(0)「⁉ 分かったわ! 射出カタパルト作動させて!」
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(0) 鬼・極をカタパルトに移動させていた幸村が姉の伊織に呼び掛ける。姉もその狙いに気付き、カタパルト作動を指示する。鬼・極が勢いよく空中に射出される。
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(0)「勢いも高さも十分! 喰らえ! 『砕岩』!」
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(0) 再びモード『鬼神』を発動させた鬼・極の振り下ろした金棒は凄まじい破壊力で、竜の頭を一つ粉砕する。幸村は満足気に微笑み、静かに呟く。
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(0)「上手くいったが、困った。今の鬼・極では飛行出来ん。さて……ん⁉」
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(0) 海面に落ちそうになった鬼・極の首ねっこをテネブライが掴んで引っ張り上げる。
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(0)「あ、あいがと……」
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(0)「気にするな……」
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(0) 幸村の礼に美馬がそっけなく答える。ナーがぼやく。
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(0)「けど少し重いの~! もうちょっとなんとかならんか?」
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(0)「き、機体差によるものじゃ! そればかりはどうにもならんと!」
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(0)「敵頭部は残り二か所!」
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(0) 土友の報告に小金谷が頷く。
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(0)「よし、俺たちで終わらせるぞ!」
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(0) FtoVが両手にキャノン砲を構える。エネルギーの粒子が大量にキャノン砲の砲口へと充填されていく。小金谷が叫ぶ。
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(0)「『ツインメガビームバスターキャノン』、発射‼」
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(0) 放たれた二筋の大きなビームが竜の頭部と胴体に命中し、大爆発を起こす。手応えを感じた小金谷はガッツポーズを取り、いつもの決め台詞を叫ぼうとする。
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(0)「悪は俺たちFtoVと愉快な仲間たちが倒した……平和へむけたビクトリーロード、またも一歩前進! 次回もまた……」
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(0)「待て、和さん! まだ頭が一つ残っている!」
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(0) 土友の言葉通り、頭部が一つだけ、更に胴体も半分になりながら、竜はしぶとく空中に浮かんでいた。小金谷が怒号を飛ばす。
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(0)「おい! 下半身コンビ! 姿勢制御ミスったんじゃねーのか⁉」
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(0)「多少の誤差はあるものでしょ! 相手が上手く避けたのよ!」
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(0) 殿水が負けじと叫び返す。ナーが周りに呼び掛ける。
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(0)「アカンで! 奴ら自己修復・再生が出来んねん! 早くトドメ刺さんと!」
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(0)「ツインメガビームバスターキャノンは連射することは出来ない……」
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(0)「モード『鬼神』発動後は、しばらく満足に動けんのじゃ……」
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(0)「知っての通り、テネブライもエナジー切れに近い……」
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(0)「嘘やろ! 打つ手なしかいな!」
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(0)「! 電光石火はどうなの⁉」
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(0) 殿水の言葉に隼子が申し訳なさそうに答える。
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(0)「情けない話ですが、現状の当機では皆さんのような威力ある攻撃を放つことは……」
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(0)「いや、待って!」
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(0) 閃が叫び、コントロールパネルを操作する。大洋が尋ねる。
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(0)「どうした、閃⁉」
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(0)「! やっぱりだ……さっきのアルカヌムが送ってきたメッセージ……これは電光石火の武装解除コードだ!」
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(0)「な、なんでそんなもん、あいつが知ってるんや⁉」
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(0)「分からないけど、コードは適用出来る! しかもご丁寧に日本語で……ってこれは⁉」
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(0)「どないしたんや⁉」
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(0)「新たな武装に関するキーワード……い、いや、キーセンテンスなのかな?」
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(0)「キーセンテンスだと⁉」
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(0)「何て書いてあるんや⁉」
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(0) 閃は戸惑い気味に読み上げる。
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(0)「えっと……『褌を引き締めろ』……だって」
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(0)「⁉」
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(0)「何を素っ頓狂なこと言うてんねん! 冗談言うてる場合ちゃうねんぞ!」
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(0)「わ、分かっているよ! でもほら見てよ!」
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(0) 閃は二人のモニターにもその文面を映す。
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(0)「ホ、ホンマや……ど、どういうこっちゃこれは?」
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(0)「分かんないよ!」
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(0)「分かった……」
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(0)「「大洋⁉」」
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(0) 閃と隼子は静かに頷く大洋を驚きの目で見つめる。
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(0)「分かったって本当⁉」
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(0)「ああ、もう完璧すぎる程理解した。120パーセントな」
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(0)「それ分かってない奴の台詞やん!」
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(0)「隼子、相手に向かって飛べ! 出来る限り接近しろ!」
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(0)「り、了解!」
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(0) 電光石火は空中に飛び上がり、竜に接近する。大洋が叫ぶ。
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(0)「閃、モードチェンジだ! 近接戦闘モードに切り替える!」
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(0)「わ、分かった!」
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(0) 電光石火は金色主体のカラーリングである近接戦闘モードに変形する。
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(0)「で、どうするんや!」
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(0)「『褌を引き締めろ』……つまり尻に力を込めろということ!」
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(0)「「はあっ⁉」」
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(0)「まずは両脚を閉じる! 若干胴体を反らす! そして、両手を頭上で合わせる!」
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(0)「こ、これは刀⁉」
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(0)「そうだ! 電光石火それ自体が刃と化す……〝コロンブスの卵“的発想だ‼」
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(0)「よう分からんけど、コロンブスに謝れ!」
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(0)「行くぞ! 『必殺! 電光石火‼』」
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(0) 大洋は電光石火を機体ごと竜に突っ込ませる。まるで巨大な刃となった電光石火の攻撃を喰らい、残っていた竜も爆発し、消滅した。
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(0)「どうだ! この高度な技は防ぎきれまい!」
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(0)「ただの体当たりやないか!」
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(0)「ツォ、ツォンナバカゲタコウゲキニ……⁉」
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(0) 女が突然気を失い、空中から落下する。大洋が叫ぶ。
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(0)「真賀さん!」
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(0)「!」
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(0) 鬼・極を桜島へと運んだテネブライがすぐさま降下して、真賀の身体を掌で受け止める。
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(0)「大丈夫だ、まだ息はある」
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(0) 美馬の言葉に大洋たちは安堵する。火東が殿水に声を掛ける。
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(0)「これも期待通りってこと?」
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(0)「いや、期待以上よ」
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(0)「美味しいところ持っていかれちゃったわね」
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(0)「ま、たまには良いんじゃないの? リーダー!」
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(0)「……ゴホン! 帰投だよ! 戦闘終了!」
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(0) 小金谷が号令をかける。既に鹿児島の空は夕焼けに染まっていた。