行別ここすき者数
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履歴はこちら。
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(0)≪魔王視点≫
(0)べ、ベッド…
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(0)「今日は軍の訓練の視察が入っています」
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(0)≪勇者視点≫
(0)冒険者ギルドに到着して、依頼達成の報酬を貰った後、俺はおじさん達に食堂で奢ってもらう事になった。
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(0)「兄ちゃん。助かったよ。ありがとうな」
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(0)「どういたしまして。ところで、この子はどうしますか?」
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(0)冒険者ギルドに帰る途中、この子に家を聞いたのだが、分からないと言っていたため、どうすることもできずここまでついて来ていた。
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(0)「このこじゃない!みゅー!」
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(0)「みゅーちゃんはどうしますか?」
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(0)「そーだなぁ。そういうの、ギルドじゃ対応してくれねえんだよなぁ。懇意の孤児院があるから、そこに連れていってみるか」
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(0)「分かりました」
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(0)「みゅーはおむらいす!」
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(0)「ハッハッハ。いいぞ。今日は怖かったもんな。好きなもん食べな」
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(0)「ありがとー!」
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(0)やっぱりこのおじさん親切過ぎないか?前の世界だと、多分死んでいたんだろうな。
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(0)「おい兄ちゃん?どうした?そんな辛気臭い顔して」
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(0)「いえ、何でもないですよ。みゅーちゃん。お家に帰れるといいね」
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(0)「うん!」
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(0)「ここだ。この孤児院。たまに迷子の子供を探しに親が来たりするんだよ。おい!マール!」
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(0)「はーい。ってなんだ。カミルさんじゃないですか」
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(0)おじさんが孤児院の扉を叩くと女の人が中から出てきた。教会の服を纏っていて、大人びた雰囲気を醸し出している。この人がマールさんなんだろうけど、おじさんがカミルという名前だった事にもびっくりだ。
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(0)「おっ?また迷子かい?」
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(0)「そうなんだが…ちょっと耳貸してくれ」
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(0)カミルさんはマールさんの近くに行くと、俺達に聞こえないように事情を話した。まあ?俺には聞こえちゃうんですけどね!
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(0)「まあ迷子なんだけど…こいつ、森で魔獣に襲われてたんだよ。その様子だと親も来てねえんだろ?」
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(0)「まあそうですけど…あっ!なるほど、捨てられたか死んだかですね」
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(0)ほー。カミルさんはそこまで考えていたのか。流石だな~。
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(0)「ねー。なにはなしてるの~?」
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(0)「みゅーちゃんはこっちで遊んでよっか!」
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(0)近づきそうだったみゅーちゃんを抱き抱えて引き寄せる。喜ばせる方法なら昔練習したからね。親のいない子供なんてたくさん見てきたから、その子達のために…ね。
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(0)「ほらみゅーちゃん。【土魔法 クリエイトソイル】【風魔法 ウインドフライ】!」
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(0)土で作り上げた人形を風でいい感じのところに固定する。
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(0)「わぁー!おにんぎょうさんだー!」
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(0)みゅーちゃんが人形を捕まえようと追いかける。でも、人形はふらふらと揺れるのでなかなか捕まらない。
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(0)「まてー!」
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(0)みゅーちゃんは笑顔で追いかける。楽しんでくれてよかったよ。まだ遊びのストックは沢山あるから、滑っても大丈夫だけど、安心した。
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(0)そんなことをしていると、カミルさんとマールさんがやってきた。
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(0)「事情は分かりました。じゃあ、みゅーちゃんは一度、孤児院で預からせて頂きますね」
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(0)「はい。お願いします。あの、お金とかはいくら払えばいいですか?」
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(0)「代金は保護者が見つかればその方に払って頂きますので、今はいらないです」
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(0)「分かりました。みゅーちゃんをお願いしますね。みゅーちゃん!」
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(0)「みてみて!おにんぎょうさんつかまえた!」
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(0)みゅーちゃんは満面の笑みで人形を俺に見せびらかす。うーん、かわいい。
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(0)「お、すごいね。でね、みゅーちゃん。お兄ちゃんとはここでお別れなんだ。今日はマールさんと孤児院の子供達と一緒に過ごすんだ」
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(0)「…うぇ?」
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(0)こてっと首を傾げるみゅーちゃん。でも、俺は学園の寮に行くことが決まっているのでついて来ることはできない。
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(0)「じゃあみゅーちゃん?一緒にいこっか」
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(0)マールさんがみゅーちゃんに目線を合わせるように屈んで、手を出す。それをみゅーちゃんは…意外にも、ごねずに手を握った。
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(0)「おにいちゃん。あしたはきてくれる?」
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(0)「おお。来てやるぞ!」
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(0)「ほんと!?わかった、やくそくだよ!ゆびきり!」
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(0)みゅーちゃんが小指を出してくるので俺もそれに重ねてあげる。
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(0)「ゆーびきった!」
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(0)そうして、俺はみゅーちゃんと別れ、学園のおっさんの案内の元、寮に入った。
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(0)ふっかふかのベッドは俺をすぐに眠りに誘ってくれる。魔王はなんか来なかったので、そのまま眠りに入った。
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