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(0) 滅びの未来から生まれた怪物が、紅魔館の心臓部で咆哮した。
(0)
(0) 黒い霧が渦を巻き、未来の断末魔が空間を震わせる。
(0)その存在は、紅魔館が燃え落ちる未来そのもの――
(0)“滅びの意思”の具現化だった。
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(0) 美鈴は拳を握りしめ、レミリアと並んで立つ。
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(0)「お嬢様……行きましょう」
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(0) レミリアは美鈴の手を強く握り返した。
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(0)「ええ。
(0) あなたを一人にするつもりなんて、最初からないわ」
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(0) 美鈴の胸が熱くなる。
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(0)――この人を守りたい。
(0)――この館を守りたい。
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(0) その願いが、美鈴の覚醒した力をさらに強くした。
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(0)
(0)
(0)◆
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(0) 怪物が動いた。
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(0) 黒い腕が空間を裂き、未来の炎が吹き荒れる。
(0)レミリアは翼を広げ、美鈴の前に立った。
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(0)「美鈴、下がって!」
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(0)「いえ……私も戦います!」
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(0) 美鈴は未来の流れを掴み、拳に光を集めた。
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(0) レミリアが叫ぶ。
(0)
(0)「なら――合わせるわよ!」
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(0) 二人の力が重なった瞬間、
(0)紅い魔力と青い光が混ざり合い、
(0)巨大な衝撃波となって怪物へ放たれた。
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(0) 怪物が吹き飛ぶ。
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(0) だが、すぐに形を取り戻す。
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(0) 影が静かに言った。
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(0)「滅びの未来は強い。
(0) “未来の収束”は、そう簡単には消えない」
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(0) レミリアが影を睨む。
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(0)「あなた……何者なの?
(0) 紅魔館の守護者なんて言っていたけれど……
(0) 本当の目的は何?」
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(0) 影は沈黙した。
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(0) 美鈴が一歩前に出る。
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(0)「影さん……あなたは、私たちを助けているんですか?
(0) それとも……試しているんですか?」
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(0) 影はゆっくりと美鈴を見た。
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(0)「私は“運命の監視者”。
(0) だが――それは半分だけ正しい」
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(0) レミリアが息を呑む。
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(0) 影は続けた。
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(0)「私は、紅魔館が建てられたときに生まれた“もう一つの意思”。
(0) 紅魔館が運命を歪めすぎないよう、
(0) 未来の均衡を保つための存在だ」
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(0) 美鈴は拳を握った。
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(0)「じゃあ……紅魔館が滅びる未来を止めたいのは、
(0) 私たちと同じなんですか?」
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(0) 影は首を振った。
(0)
(0)「違う。
(0) 私は“未来が正しく流れること”を望む。
(0) 滅びる未来が正しいなら、それを守る」
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(0) レミリアが叫ぶ。
(0)
(0)「ふざけないで!
(0) 紅魔館が滅びる未来なんて、正しいわけない!」
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(0) 影は静かに言った。
(0)
(0)「未来に“正しい”も“間違い”もない。
(0) あるのは“収束”だけだ」
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(0) 美鈴は影を見つめた。
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(0)「じゃあ……私は……?」
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(0) 影は美鈴を指差した。
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(0)「お前は“収束を乱す者”。
(0) 未来を揺らし、選び、変える存在。
(0) だからこそ――
(0) お前が未来を選ばねばならない」
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(0) 美鈴は深く息を吸った。
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(0)「私は……救われる未来を選びます。
(0) 紅魔館も、お嬢様も、みんなも……守りたい」
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(0) 影は静かにうなずいた。
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(0)「ならば――
(0) その未来を“証明”してみせろ」
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(0) 怪物が再び咆哮し、二人へ迫る。
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(0)◆
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(0) レミリアが叫ぶ。
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(0)「美鈴、行くわよ!」
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(0) 美鈴は拳を構えた。
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(0)「はい……お嬢様!」
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(0) 二人は同時に飛び出した。
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(0) レミリアの紅い魔力が空間を裂き、美鈴の青い光が未来を押し返す。
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(0) 怪物が腕を振り下ろす。
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(0) レミリアが魔力で受け止め、美鈴が未来の流れを掴んで軌道をずらす。
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(0)「今よ、美鈴!」
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(0)「はいっ!」
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(0) 美鈴の拳が怪物の胸を貫いた。
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(0) 光が爆ぜる。
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(0) 怪物が悲鳴を上げ、形を崩す。
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(0) だが――
(0)影が呟いた。
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(0)「まだだ。
(0) 滅びの未来は……まだ消えていない」
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(0) 怪物の残骸が黒い霧となり、再び形を取り戻そうとしている。
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(0) レミリアが叫ぶ。
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(0)「美鈴! とどめを!」
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(0) 美鈴は拳を握りしめた。
(0)
(0)「はい……!」
(0)
(0) その瞬間――
(0)美鈴の体から、紅と青の光が同時に溢れた。
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(0) 影が驚愕する。
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(0)「……これは……
(0) “未来と現在の融合”……!」
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(0) 美鈴は叫んだ。
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(0)「紅魔館は……滅びません!!」
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(0) 拳が怪物を打ち砕いた。
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(0) 黒い霧が光に飲まれ、滅びの未来が悲鳴を上げながら消えていく。
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(0) 未来が――揺れた。