行別ここすき者数
小説本体の文章上でダブルクリックするとボタンが表示され、1行につき10回まで「ここすき」投票ができます。
ここすき履歴
各話ここすき
行表示切替
(0) 美鈴の手が“未来の核”に触れた瞬間――
(0)紅魔館全体が、まるで巨大な鐘のように震えた。
(0)
(0) 紅い光と青い光が渦を巻き、未来の断片が一斉に弾け飛ぶ。
(0)
(0) 燃える未来。
(0) 消える未来。
(0) 救われる未来。
(0)
(0) そのすべてが、美鈴の体へ流れ込んでいく。
(0)
(0) 美鈴は歯を食いしばった。
(0)
(0)「っ……く……!」
(0)
(0) 未来の流れが、体の奥を削るように通り抜ける。
(0)視界が揺れ、意識が遠のきそうになる。
(0)
(0) レミリアが叫んだ。
(0)
(0)「美鈴!!」
(0)
(0) 美鈴の体がふらつき、膝をつく。
(0)その瞬間――
(0)
(0) 美鈴の髪の先が、わずかに“色を失った”。
(0)
(0) レミリアは息を呑んだ。
(0)
(0)「……美鈴……今……髪が……!」
(0)
(0) 美鈴は震える手で髪を触った。
(0)
(0) そこだけ、未来が削られたように“白く”なっている。
(0)
(0) 影が静かに言った。
(0)
(0)「始まったな。
(0) 未来の削減だ」
(0)
(0) レミリアは影に掴みかかった。
(0)
(0)「やめさせなさい!!
(0) 美鈴の未来を奪うなんて……許さない!!」
(0)
(0) 影は揺らぎながら言った。
(0)
(0)「これは美鈴自身が選んだことだ。
(0) 未来を変える代償は、未来で払うしかない」
(0)
(0) レミリアは叫ぶ。
(0)
(0)「そんな理屈、知らない!!
(0) 美鈴の未来を奪うくらいなら……紅魔館なんて滅びてもいい!!」
(0)
(0) 美鈴は顔を上げた。
(0)
(0)「お嬢様……それは……ダメです……」
(0)
(0) レミリアは涙をこぼした。
(0)
(0)「どうして……どうしてそんなに自分を犠牲にするの……!」
(0)
(0) 美鈴は微笑んだ。
(0)
(0)「犠牲じゃありません。
(0) 私は……守りたいだけです。
(0) お嬢様の未来も……紅魔館の未来も……」
(0)
(0) レミリアは首を振った。
(0)
(0)「私は……あなたの未来を守りたいの……!
(0) あなたがいない未来なんて……生きている意味がない……!」
(0)
(0) 美鈴の胸が痛んだ。
(0)
(0)――そんなふうに思ってくれていたなんて。
(0)
(0) だが、未来の核は容赦なく光を放ち、美鈴の体からさらに“未来”を奪っていく。
(0)
(0) 今度は、美鈴の影が揺らぎ、足元が薄く透けた。
(0)
(0) レミリアが悲鳴を上げる。
(0)
(0)「美鈴!! もうやめて!!
(0) これ以上は……本当に……!」
(0)
(0) 美鈴は震える体で立ち上がった。
(0)
(0)「大丈夫です……
(0) 私は……まだ……ここにいます……」
(0)
(0) 影が静かに言った。
(0)
(0)「紅美鈴。
(0) お前が選んだ未来は、確かに“救い”だ。
(0) だが――その未来は“お前の犠牲”の上に成り立つ」
(0)
(0) レミリアが叫ぶ。
(0)
(0)「そんな未来、私は望んでない!!
(0) 美鈴がいない未来なんて……救いじゃない!!」
(0)
(0) 影はレミリアを見つめた。
(0)
(0)「レミリア・スカーレット。
(0) お前の本当の願いは――
(0) “紅魔館の未来”ではなく、“美鈴の未来”だ」
(0)
(0) レミリアは息を呑んだ。
(0)
(0) 影は続ける。
(0)
(0)「だからこそ、お前は未来を歪めた。
(0) 美鈴を守るために、真実を隠し、運命をねじ曲げた。
(0) その歪みが――滅びの未来を呼び寄せた」
(0)
(0) レミリアは震えた。
(0)
(0)「私が……紅魔館を……滅びに……?」
(0)
(0) 美鈴は首を振った。
(0)
(0)「違います……
(0) お嬢様は……私を守ろうとして……
(0) それだけです……」
(0)
(0) 影は静かに言った。
(0)
(0)「だが、未来は“願い”だけでは動かない。
(0) 動かすには――“選択”が必要だ」
(0)
(0) 美鈴は未来の核に手を置いたまま、レミリアを見つめた。
(0)
(0)「お嬢様……
(0) 私は……未来を選びます。
(0) 紅魔館が救われる未来を」
(0)
(0) レミリアは涙を流しながら叫んだ。
(0)
(0)「美鈴!!
(0) お願い……戻ってきて……
(0) あなたの未来を……奪わせたくない……!」
(0)
(0) 美鈴は微笑んだ。
(0)
(0)「大丈夫です。
(0) 私は……必ず戻ってきます。
(0) お嬢様のところへ」
(0)
(0) 未来が――最終局面へ動き出した。