ハイスクールD×D 少年と少女達の剣舞 (どこかのシャルロッ党)
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番外編 翔真&ヒロインズと愉快な仲間達が送るアンソロジーみたいな話
バレンタイン特別話「チョコは恋の味!」


今回の話について注意事項。

まず、時間がかなり進んでます聖剣編、停止教室編の
さらに後だと思って見てください。

翔真ヒロイン、一誠ヒロインも少し増えてます。

『』この枠が新ヒロインという意味っす。



 

バレンタイン。それは恋する乙女達にとって特別な日だ。手作りチョコを作る為に翔真に好意を寄せるリアス達と一誠に好意を寄せるリサラ達もまたそれぞれ頑張っていた。

 

 

―姫島家・キッチン―

 

 

「そうよ明日菜。そうそういい感じよ」

 

「これもリアスが教えてくれたお陰だよ」

 

「最高の出来ですよ二人共!」

 

「ありがとう黒うさぎ」

 

リアスと明日菜は二人でチョコレートケーキを作っていた。最高の出来前に翔真の使い魔である『黒うさぎ』は瞳をキラキラさせていた。

 

「これで私達は終わりね。皆なに作ってるのかしら・・・・・

少し見に行きましょうか」

 

「そうだね」

 

リアスと明日菜は皆がそれぞれ何を作っているのか気になるようだ。

 

 

まずリアスと明日菜の二人はシャルロット、ユリシア、アカメ・・・・さらに同じ翔真に恋する『姫路瑞希』と柏木ミハルはクッキーを作っていた。

 

「凄~い!ミハル上手すぎだよ!」

 

「いえいえ。これくらいどうという事はありませんもの」

 

「笑顔でこの仕上がり・・・・・ミハル、まさかニュー◯イプか」

 

ミハルが作ったパンダや犬や猫の形をした

クッキーにシャルロットやアカメはびっくりする。

 

「そして、ここに・・・・」

 

「ちょ、ちょっと待って瑞希!」

 

「はい?」

 

「さりげなく薬品を入れようとしないの!いい?色は調理していけばそうなるから。だから、ちゃんと私の言う通りにしなさい!」

 

「わ、わかりました!」

 

料理が残念な瑞希に、ユリシアは一生懸命にクッキー作りを教えていた。

 

「なんだかユリシアお姉さんみたいね」

 

「瑞希ちゃん一生懸命頑張ってるね・・・・・あ、クリスカ達は何作ってるんだろ?」

 

明日菜の視線の先にはクリスカ、刀奈、クローディア、クレア、アーシアがチョコレートを使ったクロッワサンを作っていた。

 

「で、出来ました~!」

 

「うん。さっきより上出来だよアーシア」

 

上手く焼き上げたアーシアのクロッワサン。クリスカはまるでお姉さんのように褒める。

 

「私の方が上手く焼けてるわ。ほら、ここの焦げ目だってちゃんと上手く焼いたのよ」

 

「あらあら。私はこの形が上手く出来たと確信しますわ。見た目も大切にしませんと」

 

「お二人共見苦しいですわよ。私ならばこんな風にしますわ」

 

刀奈、クローディア、クレアは何故か

競い合っていた。

 

 

「「・・・・」」

 

これにはリアス、明日菜も苦笑するしかなかった。

 

 

「さすがベアトリクスお姉様!」

 

「これなら翔真なんてイチコロだぞ?」

 

「うふふ。楽しみですわ」

 

「でも、かなりヤバイ色してるわね」

 

「時には冒険も大切よ?ね、ティア」

 

「う、うん」

 

夜架、ベアトリクス、朱乃、秋、『御門涼子』、『ティアーユ・ルナティーク』に至ってはかなりヤバイチョコレートのケーキを作っている。

 

「わーい!出来た出来た!」

 

「あとは飾り付けですね。箒さんにはイチゴを、

フィカーさんはフルーツの盛り付けをお願いしますね」

 

「任された」

 

「良かろう。私の力を見せてやる」

 

束、シェーレ、箒、フィカーツィアは仲良くチョコレートケーキを作っていた。

 

「そうだ、あとはシュガーパウダーを掛ければ完成だ」

 

「ならば私に任せてくれ」

 

「だから!ここは私に任せなさい!」

 

「いや!貴女じゃ不安だからここは私がやるの!」

 

「はいはい、喧嘩はダメですよ」

 

『長谷川千里』はゼノヴィアに明確な指示を出しながらこちらもチョコレートケーキを作っていた。ちなみに言い争っているのは

『藍羽浅葱』と『煌坂 紗矢華』である。二人を止めるのにグレイフィアは一苦労である。

 

 

 

 

 

「私達も最後の仕上げしちゃおっか」

 

「そうね」

 

明日菜とリアスは自分達が作ったチョコレート

ケーキの方へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―兵藤家・キッチン・リビング―

 

 

 

リアス達が頑張っている頃、リサラ達もまた頑張っていた・・・・・はずだった。

 

 

「巨乳が偉そうにッ!喰らいなさい!」

 

「貧乳がうるせぇんだよ!焼き尽くしてやるよ!イチイバルッ!」

 

些細な言い争いが発端となりリサラとクリスは今にも戦う雰囲気だった。

 

 

「やれやれ。戦うなら近所に迷惑掛けないようにね」

 

「そうだよイーニア。こうして・・・・こう」

 

「アハハ・・・・・料理って楽しいね!」

 

夕麻は呆れながらその光景を眺めては母親のような台詞を口にする。クロメと 『イーニア』は仲良く作っていた。

 

 

「ふむ。我ながらよく出来たな」

 

「イザベラさん、ここにまだイチゴを乗せていませんデスよ?」

 

「なに!?」

 

「意外にうっかり屋さん」

 

「うぅ・・・・面目ない」

 

イザベラは『月読 調』と『暁 切歌』と共にチョコレートケーキを作っていたが、どうやら肝心のイチゴを忘れていたようだ。

 

「唯依先輩。ここはもう少し焦げ目が目立つくらいがいいのでは?」

 

「そ、そうなのか?ならばまだ焼く必要があるな」

 

「へぇ~、姫様にしては随分と素直ね?」

 

「余計な一言だぞツィ」

 

小猫に指摘され『篁 唯依』は再びクッキーを焼こうとするが、緑色の掛かった髪、ツインテールが特徴の少女『ツィ・イーフェイ』は唯依をからかっていた。

 

 

「そうですわ!この際ですからイッセー様が喜ぶ形がいいですわね」

 

「ならば、わたくしにお任せを!行きなさい、ブルーティア・・・・」

 

「ちょっと待って!?なんで神器を使う必要があるんだ!」

 

「さすがにそれはダメですよ」

 

レイヴェルの提案により、『セシリア・オルコット』

は自身の神器の武装の一つであるビットで何かをしようとしたが、リディとカレンに止められる。

 

 

 

 

翔真と一誠・・・・・恋する乙女達のバレンタインは果たして・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、チョコをもらった翔真と一誠は後にこう思った。

 

 

「「お返し・・・・・どうしよう」」

 

 

 

次はホワイトデー・・・・翔真と一誠はお返しは何にしようかと迷う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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バレンタイン特別編2018年版 ゼノヴィアとデート

 

 

寒さが残る2月の中旬。明日はバレンタインデーでという特別な日がある。

そして我らがご存知の翔真もあるイベントに突入していた。こたつでテレビを

見ていた翔真はゼノヴィアに迫られていた。

 

「一緒にお出掛け?」

 

「ああ・・・ダメかな・・・ダメならいいんだ。たまには二人で・・・」

 

人差し指同士をツンツンさせて、恥じらうゼノヴィア。顔を赤くしているのは

決して病気とかではない。普段とは違い、まるで恋する乙女のような表情をしている

ゼノヴィアに翔真は顔を赤くしてしまう。普段なら清々しい顔で頼むのだが色々な

出来事を得てゼノヴィアは翔真を必要以上に意識していた。

 

 

 

「いいぞ。ゼノヴィアが折角誘ってくれたしな」

 

「!・・・そ、そうか!なら今すぐ行こう!」

 

「ちょ、ちょっと待ってて!?まだ準備が!?」

 

そんな事お構い無しに翔真はゼノヴィアに引っ張られ外へと出た。

誰もいないリビング。だが、4人の人影が所々から姿を現した。

 

「今の聞いた?」

 

「ッ!先手を打たれた」

 

「まずいわね・・・皆行くわよ!」

 

「やるわねゼノヴィア。けど・・・いずれは私も・・・」

 

焦る明日菜、アカメ、リアスは急いで翔真達の後を追う。ユーベルーナは

夜の日程を手帳に書きながら彼女達に続く。場所は変わり翔真とゼノヴィアの

二人は軽い昼食を済ませて、水族館へ足を運んだ。明日菜達は途中で変装して

二人の後を付けていた。明日菜はレディースの特効服、リアスは某軽音部がある

学校の制服、アカメは駄女神、ユーベルーナはキャリアウーマンの姿で変装。

 

「デカイな~・・・」

 

「翔真、あれはなんだ?」

 

「あれはタツノオトシゴだ」

 

「変わった形だ。あれは!イルカだな!」

 

「おいおいゼノヴィア~?あんまり走るなよ」

 

 

二人はイルカのショーを見に行く。一番前の席に二人は座る。明日菜達は

気付かれないように後ろから三番目に座る。そしてイルカショーが始まる。

目の前で繰り出される芸に翔真とゼノヴィアは驚きの連続だった。

 

「(なんだろうな・・・最近は戦いばかりだったから、こういうの見ると

癒されるな。いやいや!俺が癒されてどうすんだ!?)」

 

「どうかしたのかい?」

 

「いや何でもない。なあゼノヴィア」

 

「なんだい翔真?」

 

「ゼノヴィアは幸せか・・・?」

 

その質問にゼノヴィアは固まる。しばしの沈黙の後、笑みを浮かべて口を開く。

 

「ああ。今はとても幸せだ。教会時代に比べたら今の方が断然に楽しい。

皆と一緒に過ごす時は私にとって最高の一時さ。それに君と一緒にいる時は

気持ちが高ぶってしまう。なあ翔真」

 

「なんだ」

 

「君はいずれ眷属を持つだのろう?」

 

「まあな」

 

「その時は・・・・・・私を騎士として迎えてくれ。同時に・・・」

 

「・・・・・・それ以上は言っちゃダメだ」

 

人差し指をゼノヴィアの唇に置く。

 

「それ以上の言葉は俺から言わせてくれ。俺がプロポーズするまで

ずっと待っていて欲しいんだ。だから今は・・・」

 

彼女の言葉は翔真にも分かっていた。だがせめてプロポーズだけは

自分の口から言うと決めていた翔真は彼女の言葉を遮る。

 

「そうか・・・」

 

「だから今は待ってくれ。その変わり・・・えと、もっと近くで」

 

「え・・・そ、そうか。ならお言葉に甘える」

 

 

言葉の意味を理解したゼノヴィアは翔真の腕に抱き付く。密着と同時に

甘い匂いと柔らかい二つの感触がWパンチで襲い掛かった。普段とは違い

モジモジしながら側に密着するゼノヴィアは特に可愛げがあった。

 

「暖かいな・・・翔真」

 

「そうだな」

 

 

まるで恋人のような雰囲気。だが・・・・・・

 

 

「落ち着けリアス・・・今ここで出たら尾行がバレてしまう」

 

「そ、そうだよリアスちゃん・・・今は堪えて。だから・・・」

 

「だからじゃないのよ。なんなのよ・・・なんなのよあの雰囲気!?

まるで恋人同士じゃない!?私は認めないわよこんな結果ッ!!!

翔真を殺して、私も死ぬわ!!」

 

「何処のサスペンスよ」

 

今にも二人に襲い掛かりそうなリアスをアカメと明日菜は懸命に引き留める。

ユーベルーナは呆れながらも二人の光景を見つつ、笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





この特別編は三本立てでお送りします!次回は最近
作者の中でハマりつつあるユーベルーナさんが主役!


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バレンタイン特別編2018年版 ユーベルーナと添い寝


今回はあまりスポットが当たらないユーベルーナさんがメイン
次回はリアス編です!たまにはほっこりと。


 

 

ゼノヴィアとのデートを終えて、明日菜達から焼きもちされた一日を終えて

翔真は皆でご飯を食べた後自室に籠っていた。まあリアスやシャルロット達の

部屋でもあるので個人部屋ではない。ひよこの絵が書かれたエプロンを着用し

洗濯物を畳んでいた翔真。しかし女子ばかりなのでやはり・・・・・・

 

「皆少しは気を遣ってくれよ・・・下着は・・・」

 

家事をこなす翔真。料理、掃除、洗濯もこなすイケメン。しかしエロが

欠点であり彼女達に頭が上がらない・・・ある意味ダメめんであるがこの青年にも

羞恥心というものはあった。洗濯物を畳む際、皆と自分の服を畳むのだが

女子達の下着もあるのでどうしていいか分からないのだ。

 

「(リアスさんや朱乃さんにしても・・・かなり際どい・・・

ユリシアや夜架まで・・・って!まじまじ見たらなんか変態じゃん!?)」

 

「フフ、そんなに下着がいいの?」

 

「ゆ、ユーベルーナさん!?ち、違うんです!これには訳が!」

 

「分かってるわ」

 

紫のネグリジェに身を包んだユーベルーナは部屋へ入る。これまた

かなりの透け透けで思わず視線を反らしてしまう。ユーベルーナもまた

リアス達に負けない巨乳の持ち主。さらにはネグリジェの生地が薄いが故

うっすらと見えてしまっている。

 

「彼女達の下着は私がやるわ。貴方は服をお願い。あと女の子の服は

デリケートだからシワにならない畳み方で頼むわね」

 

「そこは大丈夫っすよ。ちゃんとユリシアやシャルロットに教わってます」

 

 

二人は黙々と作業を始まる。しかし彼女の格好が気になる翔真は時々

チラチラと見る。だが彼女にはお見通しである。面白い反応見たさに

ユーベルーナは更に仕掛ける。

 

 

「はぁ・・・なんだか熱いわね」

 

「暖房が効いて・・・ぶっ!?ちょ!?」

 

「どうかした?」

 

「どうしたもなにも、なんで脱ごうとしてるんです!?」

 

ネグリジェを脱ごうとするユーベルーナに翔真は待ったを掛ける。

だがそれに構わずネグリジェを脱ぎ捨てた。これにはさすがの翔真も

興奮してしまう。下は着けているが上はノーブラ・・・一瞬頭の中で

ピンクな妄想をしそうになるがそれ等邪念を振り払う。

 

「翔真ってばなにドキドキしてるの?」

 

「ど、ドキドキなんてしてませんよ!ていうかなんでうちには

全裸で家の中にいるという風習があるんだよ!?」

 

リアス、朱乃の二大お姉様。更にはシャルロットや明日菜もそれに

対抗して寝るときは全裸でいるのだ。翔真からすればたまったものではない。

時には理性と戦いながら、彼女を襲わないように日々努力している。

 

「頼みますから服を来てください」

 

「そうね・・・なら、今日翔真が一緒に寝てくれるなら考えるわ」

 

「はい・・・はいィィィィィ!?」

 

結局・・・ユーベルーナと一緒に寝るハメになった。もちろんリアス達が

黙ってなかったがグレイフィアによる『O☆HA☆NA☆SHI』で仕方なく

引き下がった。時刻は夜の1時を回っていた。翔真は緊張のあまり固まる。

 

「まだ起きてるの?」

 

「ええまあ・・・」

 

「そう。ねぇ翔真」

 

「ゆ、ユーベルーナさん!?ななななにを!?」

 

 

ユーベルーナは翔真を自分の方へ寄せて抱き締めた。突撃の出来事に

翔真は慌てる。密着する分彼女の様々な部分が当たり興奮せずには

いられない・・・それを気にせず話は続く。

 

「私は貴方が好きよ」

 

「え・・・?」

 

「最初はね、可愛い坊やぐらいにしか思ってなかった。けれど

リアス様の為に戦う貴方はとても素敵だった・・・」

 

「ユーベルーナさんは・・・本当に俺のところに来て良かったんですか?」

 

「もちろんよ。今でも後悔してない。最初の頃はライザー様に対して

少々罪悪感はあったわ。でも・・・今はもうない」

 

「・・・・・・」

 

「ライザー様は私がいなくても強くなられる。心配なのはあ・な・た・よ?

私達の為に頑張ってくれてるけど、たまには私達も頼りなさい」

 

「・・・はい」

 

まるで母親のように、微笑みながら翔真の頭を撫でる。彼女の優しさを

感じながらゆっくりと眠りに着く。それを確認したユーベルーナも就寝する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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バレンタイン特別編2018年版 リアスと未来の・・・


今回はかなりぶっとびますww


 

 

二人は困惑していた。翔真とリアスの二人は学園のグランドで未知の力を

察知して駒王学園のグランドに来ていた。神装機竜を使って来てみると

そこには意外な人物達がいた・・・・・

 

「あれ?・・・父さんが二人いる!?しかも若っ!?」

 

「お母様までいるよ!?一体どういう事なのかな!」

 

「こらこら。ハルト、エレナ、ベルナも落ち着いて。つうか束さんめ・・・

家族旅行の行き先を決めるって・・・着いたら随分懐かしい場所に」

 

「そうね。あら・・・あっちにいるのは・・・私と翔真かしら?」

 

「「・・・は?」」

 

二人の視界に入ってきたのは大人びた自分たちと少年と少女の三人だった。

後に話を聞くと、なんと未来の翔真とリアスだ。しかも少年と少女達は二人の

子供だった。まず少年の方は綾崎春翔(ハルト)、少女の方はエレナ・グレモリー、

もう一人の少女はベルナ・グレモリーだった。これ等を聞き翔真とリアスは

突然の出来事と話の内容に驚きの連続である。

 

 

「いや~。まさか数年前の時代にタイムスリップしてしまうとは。

人生とはなにが起こるかわからんな。ハハハ」

 

「この人・・・本当に翔真なの?」

 

「妙に落ち着いてるわァ」

 

「しかも、強者の風格も滲み出ている」

 

「はぅ・・・み、未来の翔真さん・・・素敵ですぅ!」

 

頭を抱える翔真をよそにシャルロット、ユリシア、アカメ、アーシアは

思わず見比べてしまう。だが、彼女達にはどうしても聞きたいことがあった。

 

「未来の翔真に聞くんだけど・・・」

 

「おっと。言わなくてもいいぞシャルロット。ちゃんとお前達とも

結婚してるし子供もいるぞ?家族が多いのは良いものだ」

 

笑顔で答える未来の翔真。それを聞いた四人は内心ほっとしている。

一方で未来の翔真とリアスの息子である春翔はトラブルを起こしていた。

 

「キャー!!ハル君可愛い~!!次はこれも来てみて~!!」

 

「わ、私はメイド服を・・・」

 

「はい。私はバニーガールを希望しますよ」

 

「綾崎春翔!つつつ次は是非!この衣装を・・・」

 

「イヤだァァァァァァ!!!」

 

春翔は刀奈、クリスカ、クローディア、クレアの四人に女装を強制されていた。

衣装は某アートオンラインの「閃光」の衣装を着用され迫る四人から逃げる。

走り回る兄の春翔。当然エレナとベルナは黙っていなかった。

 

「やだ兄さん可愛い!!もう~!どうして兄さんは女装まで完璧なの!?

そうまでしてエレナを釘付けにしたいのね!兄さんにだったら・・・えへへ」

 

「マジキモいし!変態!不潔!(後で刀奈お姉様から写真を・・・)」

 

「見てないで助けろォォォォォ!!!!そうだ!母さん・・・」

 

母であるリアス(未来)に助けを求めようとしたが・・・

 

 

「えぇ!?年齢を調節してないの!?」

 

「す、すごいな・・・どうすればそんなに綺麗な肌が保てるのだ?」

 

「未来のリアスちゃん・・・なんだか大人・・・」

 

「ありがとう皆。ふふ・・・秘訣は毎日ラブラブに過ごすことよ。

女はね、幸せを感じるとより一層綺麗になるの。これ常識」

 

「ちくしょうッ!!味方がいない!?」

 

 

リアス(未来)は自分とゼノヴィア、明日菜に美の秘訣を教えていた。

希望は虚しくも砕かれ刀奈達にもみくちゃにされた。時は過ぎ―――――――

皆が寝静まった頃・・・翔真とリアスは未来の自分達と夜空を眺めていた。

 

「本当に懐かしいよ。あんな時もあったんだな」

 

「ああ。つうか俺」

 

「なんだ?」

 

「今、仕事っていうか・・・なにしてんの?」

 

「それは私も気になるわ」

 

翔真にとって未来の自分が何をしているのか気になる。それはリアスもだ。

その問いに未来の翔真は静かに口を開いた。

 

「今はリアスのマネージャーといったところかな。たまに護衛とかする」

 

「護衛って言っても対象が全て女の子なのよ!」

 

「そう言われてもなァ・・・アハハ」

 

それを聞いて未来のリアスは機嫌が悪くなる。未来の翔真はリアスを

側で支える中、上級、中級、下級悪魔達の護衛として働いている。

ただ、いつも依頼するのは女性ばかりなのだ。

 

「女たらしは相変わらずね」

 

「まあね。でも、私や皆だけを見てくれるからいいけど」

 

未来のリアスは翔真に寄り添う。それに負けじとリアスも翔真に抱き付く。

 

「なあ俺」

 

「んだよ?」

 

「この先、大変かもしれんが頑張れよ」

 

「・・・言われなくても、全力で挑むさ」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

数日の間、駒王町で過ごした未来組が帰る日がやって来た。見送りには

翔真、リアス、朱乃、シャルロット、アカメが来た。魔法陣の光りは

五人を包み込もうとした。

 

「春翔、エレナ、ベルナ・・・ちゃんと俺達の言うことを聞くんだぞ?」

 

「そうよ?困るのはそっちの私達なんだから」

 

「う、うん。努力はしてみる・・・つうか!いつも普段から聞いてるよ!?」

「はーい!じゃあまたね!」

 

「楽しかったけど・・・少し心残りかも・・・」

 

春翔、エレナ、ベルナは翔真達に手を振る。

 

「エレナちゃん。体には気を付けてくださいな」

 

「エレナもベルナも!春翔も元気でね~!!」

 

「春翔、また未来で会おう」

 

朱乃、シャルロット、アカメも三人に手を振った。

 

「じゃあな過去の俺。くれぐれもリアス達を泣かせるなよ~!」

 

「バーロー!それはこっちのセリフだ!たく・・・じゃあな!」

 

「じゃあね私。教えた知識で翔真をイチコロにしなさい」

 

「や、やってみるわ・・・」

 

それぞれ言葉を交わした翔真とリアス。未来組は無事に未来へと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ちなみに・・・

綾崎春翔=容姿 シュヴァルツェスマーケンのテオドール・エーベルバッハ。
目付きは柔らかく、一応常識人でツッコミ担当。最近の悩みは翔真とリアス達が
ところ構わずイチャイチャすることらしい。ちなみに恋人がおり木場×○○○の娘
真羅 乱音と付き合っている。神装機竜は『アルトロン』

エレナ・グレモリー=容姿 空戦魔導士候補生の教官のミソラ・ホイットテール。
髪型はポニーテールで、グレモリー家の特徴である紅髪もちゃんと受け継いでいる。
しっかりしてるように見えるが実は大のお兄ちゃん好き。将来は春翔と結婚するとのこと。

ベルナ・グレモリー=容姿 リアスにそっくりで今のリアスに比べると少々小柄。
髪型はツインテール。祖母、母親と比べボリュームが少ない胸にコンプレックスを
抱いている。兄には若干ツンとした態度ばかり取っているがツンデレ。


ホワイトデーはイッセーをメインに書きます!主に未来編です!


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ホワイトデー特別話「未来の息子、娘達」

 

「なるほど。つまりここは昔の駒王町なのか」

 

「お母さん達も変わらないよね!」

 

「・・・うん」

 

「「・・・・・・」」

 

オス、今日はホワイトデーだから張り切ってお返しを作ろうとした兵藤一誠だ!

俺は今隣にいるカレンちゃんと、この状況に混乱していた。何故なら突然・・・

俺の未来の子供達がやって来た。いやマジかよ!?なんだ!?なんで未来から

やって来てんの!?バック・○・フュー○ーじゃないんだからさァ!?

 

「えと・・・皆さんは、一誠さんの未来の・・・」

 

「そう言えば名前をちゃんと名乗ってなかったな。俺は兵藤ユウヤだ。

俺は親父とカレン母さんの間に生まれた・・・らしいぞ?」

 

らしいぞってなんだ!?・・・つうかカレンちゃんと視線を合わせずらい。まさか

こんなイケメンが俺とカレンちゃんの子供なのかよ!?ほら見ろ!カレンちゃんが

顔を赤くしながら俺の方をチラチラ見てるよ!?余計に意識しちまう!

 

「兄さんが終わったから、次は私だね!私は兵藤アリア。私の父は

もちろん一誠お父様で、私の母はリサラお母様よ」

 

「ほ、本当なのですかァ~!」

 

カレンちゃん、俺も驚いてるぜ。まさか俺とリサラからダイナマイトボディーの

美少女が生まれるんだからな。娘ながらに自然と胸に視線が・・・あだだだ!?

 

「むぅ、一誠さんのスケベ」

 

「あははは!今も昔もお父様は変わらないね」

 

「次は私。私は兵藤美遊・・・お母様はレイナーレです」

 

うんうん。なんというか夕麻ちゃんの清楚さをちゃんと受け継いでるな。

そう言えばユウヤはイケメンで、アリアと美遊も美少女・・・なんかスゲーな。

 

「どうしたんだよ親父」

 

「いやまあ・・・本当に未来の息子なのか?ユウヤ」

 

「だからさっきからそう言ってんだろ?なんだったら父さんしか知らない

秘密を暴露してやろうか?確かイリナ母さんが、クリスマスの夜に親父を

睡眠薬で眠らせ・・・『だああああ!!待て待て待てッ!』」

 

いきなり何を言い出すかと思えば、あの出来事かよ!?イリナのせいで

とんでもない目に合ったんだよな・・・つうか未来の俺ッ!なんつうことを

教えやがった!?リサラ達さえ知らないことを・・・

 

ガシッ

 

「一誠さん・・・ユウヤくんの話になにか心当たりがあるんですかァ?

出来ればカレンにも・・・・・教えて欲しいです・・・」

 

痛い痛い痛い痛い!肩掴む力強ッ!?しかもハイライトまで消えてるよ!?

イリナはさておいて、夕麻ちゃんに続いてカレンちゃんがヤンデレに・・・

ちくしょう!これ以上ヤンデレが増えてたまるかァァァァ!

 

「カレンちゃん。世の中には知らなくていいこともあるんだ。だから

さっきのは忘れてくれ。じゃないと・・・お仕置きだぜ?」

 

「い、一誠さん・・・お仕置きとはまさか・・・もう・・・エッチなんですから」

 

我ながら恥ずかしい台詞だ。こんなことハヤトに聞かれたら死刑だったぜ。

安心しているとユウヤ、アリア、美遊がクスクス笑っていた。

 

「やっぱり親父は親父だな。母さん達に頭が上がらないのも今も昔も変わらねぇや」

 

「その言い草だとやっぱ俺って尻に敷かれてんだな・・・」

 

「けど、楽しそうだぜ。確かにそりゃ尻に敷かれてんだろうけど

親父は今の生活に満足してる。眷属の皆からも愛されてるしな」

 

そっか・・・未来の俺は眷属を持ったんだな。なんだか関心するけど

こうしちゃいられない。俺も上級悪魔になって・・・

 

《ほう、未来の相棒の息子か。いい面構えをしてやがる》

 

「ってドライグッ!?」

 

何時の間にか赤龍帝の籠手が装着されてやがる!?

 

「よ、相変わらずの渋い声だな」

 

「わあ~!ドラちゃんだ~!」

 

「・・・ドライグ先輩」

 

《先輩だと?》

 

なんだかんだありながらも、俺とカレンちゃん+ドライグを交えて

ユウヤ達と話した。しばらくしてユウヤ達の体が透けてゆく。

 

「どうやら時間らしいな。じゃあな親父。くれぐれも

母さん達を泣かすようなことすんなよ?」

 

「そうだよ~?」

 

「お話出来て良かったです」

 

 

「ユウヤ、アリア、美遊・・・今日は楽しかったよ。じゃあな」

 

《また未来で待ってるぞ》

 

「体には気を付けてください~!」

 

 

未来へ帰っていく息子、娘二人を見送った俺はカレンちゃんと今日の

出来事を秘密にして、ホワイトデーの準備に戻った。ちなみに数時間後

俺はリサラと激しく求め合った。

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに三人の容姿は・・・

兵藤ユウヤ マブラブTEのユウヤ・ブリッジス。一誠の息子である。春翔と同じで苦労人兼ツッコミ役。カレンの真面目さを受け継いでいるおかげか、兵藤家ではまとめ役として徹している。所有神器は鎧型で『インクルシオ』である。一誠とカレンの子。

兵藤アリア 落第騎士の英雄譚のステラ・ヴァーミリオン。
活発で好奇心旺盛。頭のてっぺんにアホ毛がある。一誠とリサラの子。

兵藤美遊 プリズマイリヤの美遊。年齢は16歳で兵藤家の中では静かな子。お花とぬいぐるみが好きな女の子。一誠と夕麻(レイナーレ)の子。



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ホワイトデー特別話「愛する彼女達の為に」


はい、こっちはかなり久しぶり!やべーよ
続きが思い浮かばん。恐らく更新が低速になります。




 

 

バレンタインデーのお返し・・・・翔真は迷った。

あんな大人数に渡されては、お返しをどうするか

迷う。例えば料理でもいいのだが、それでは

納得いかない。

 

ホワイトデーの2日前。翔真はある決意を固めた。

 

 

 

 

 

―ホワイトデー当日―

 

 

 

リアスは翔真に呼ばれ駒王学園の屋上に

来ていた。

 

「どうしたの?急にこんな所に呼び出して」

 

「ごめんリアス。でも・・・・ここじゃなきゃダメだ」

 

何故この場所にこだわるのか――まず、リアスが

思った事はそれだ。翔真は真剣な表情でそっと

近付く。

 

「俺は・・・・貴女が好きです」

 

「~ッ!」

 

突然の告白。真剣な表情はかなり男前で

普段よりも更に輝いていた。

 

「でも生憎、俺は一人に決められない。

明日菜やシャルやユリシア、アカメ達も

皆好きです・・・・・優柔不断で、ちょっぴり

スケベな俺ですが・・・・」

 

そう言いながら、懐からある物を取り出した。

ある物を見た途端、リアスは泣きそうになった。

 

「これ・・・・・本当に・・・・ぐす・・・・・」

 

「はい。リアス・グレモリーさん・・・・

俺と・・・・・結婚してください」

 

決意を固めた翔真の答え。

ホワイトデープロポーズ―――

 

 

考えた末に、翔真はリアスや彼女達と

結婚する事を選んだ。婚約指輪を手渡し

リアスは涙を流す。

 

「本当に・・・・いいの?私は・・・・わがままで

独占欲も強いのよ?」

 

「それでも・・・・・俺は好きですから」

 

「ありがとう・・・・翔真!」

 

 

答えたはもちろんyes。翔真と彼女達の愛の

道のりはここから始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また別の場所でも――――

 

 

 

 

リサラは一誠とベッドにいた。これから

始めるのは大人の第一歩という営みだ。

 

「なあリサラ・・・・本当に俺なんかで良かったのか?」

 

「何よ今更。私はね・・・・・イッセーに抱いて欲しい。

夕麻やクロメも、皆もそう思ってるの」

 

「・・・・」

 

「ねぇイッセー?・・・・・私達じゃ抱く魅力すら

ないの・・・・かな」

 

「そ、そんな事ないッ!俺だってリサラ達と

Hしたいさ!でも・・・・そんな事まで求めたら・・・・

体だけが目当てだって、思われるのは嫌なんだよ」

 

一誠は過去に一回だけ、リサラ、夕麻、クロメと

エッチはしていた。だがそれっきり何もない事に

リサラは気付いた。

 

「大丈夫よ、心配しなくても」

 

「え・・・・・」

 

「私や夕麻達はイッセーにいっぱい

愛してもらいたい・・・・それに」

 

「り、り、リサラ!?」

 

リサラは一誠の右手を自分の胸につける。

 

「唯依やセシリアみたいに、無いけど・・・・・」

 

恥じらう彼女の表情が、次第に一誠の理性を

崩してゆく。

 

「リサラ・・・・・だったら、いっぱい愛を育もう!

だから!」

 

「うん・・・・来て一誠ッ!」

 

 

二人はこの日―――ホワイトデーという日に

より一層愛を深めた。

 

 

 

 

 

 





職場の人から結構もらったけど、返すのって
結構キツイ。財布事情が悲しいw



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特別話 彼女達へのクリスマスプレゼント 翔真編

本編がなかなか進まない中、クリスマス編。許してね!


 

寒さが一段と厳しくなるクリスマス。外は雪が降り積もり一面真っ白となっていた。

翔真とリアス達が暮らす四階建ての家も雪が屋根に乗っていた。夜の寒さは一段と

厳しくなる中で、翔真、明日菜、リアスは家の外にいた。明日菜とリアスの二人は

ミニスカサンタの衣装に身を包んでいた。翔真は普通のサンタクロースの衣装を

着込んでいた。だが、白いひげは付けず頭にサンタの帽子を付けているだけで

全く、サンタクロースへのリスペクトがなってない。

 

「もう!翔真君ってば視線がやらしいよ!」

 

「ちが!別に明日菜やリアスさんの太ももが気になって

チラチラ見てたとか!そんなじゃないからね!?」

 

「翔真のツンデレはさておき・・・準備はいいかしら?」

 

リアスは二人に色々なプレゼントが入った白い袋を手渡した。

これから行うのは、寝ているアーシアやゼノヴィア達にプレゼントを

渡すというサンタイベントなのだ。本当なら翔真だけでする予定だったが

明日菜やリアスにバレてしまい、翔真は事情を仕方なく話した。そして、

二人は話を聞いて協力を申し出たのだ。

 

「でも、翔真は本当に優しいのね。皆にプレゼントを渡すなんて」

 

「まあ・・・過去に色々と迷惑掛けたし、これくらいのこと

当たり前ですよリアスさん。それに・・・皆の笑顔も見たいし」

 

「フフッ・・・普段はエッチなのに、ここぞという時はカッコいいね」

 

「ここぞは余計だぞ明日菜。本当は二人にもプレゼントがあるのに」

 

「いいのよ。私達は貴方と行動が出来ることが唯一のクリスマスプレゼントよ」

 

「さ、早く始めよう!」

 

「そうだな・・・じゃあ行きますか」

 

 

翔真、明日菜、リアスは静かに家の中へ入る。まずは二階の寝室。

この階にはアーシア、ゼノヴィア、クリスカ、夜架、ミハルが寝ている。

アーシアとクリスカは仲が良く抱きしめ合って寝ている。

ゼノヴィアは何故か聖剣を抱き枕にして寝ている。

 

「夜架は相変わらず可愛いな。アーシア達も・・・ッ!?」

 

「「へぇ・・・じゃあ、私達は可愛くないのかしら?/ないんだ?」」

 

ついつい本音がボロッと出てしまう。それを聞いた明日菜とリアスは

目のハイライトをOFFにして笑っている。微かに感じる殺気を受け止めながら

彼女達の枕元にプレゼントを置く。アーシアには手作りマフラー、クリスカには

マグカップ、ゼノヴィアには日本刀のレプリカ、夜架には本を数冊、ミハルには

カチューシャをプレゼントした。

 

次に三階。刀奈、クローディア、グレイフィア、ユーベルーナ、雪蘭、クレアが

寝ている寝室。刀奈とクローディアにはお揃いのセーターを。グレイフィアには

前に彼女が欲しがっていた『ぼん太くん』ぬいぐるみ、ユーベルーナにはドレス、

雪蘭には有名な中華チェーン店のクーポン券5枚、クレアにはハンドレッドの

改造パーツをを枕元に置く。

 

「あ、悪いけど翔真君。四階は私とリアスちゃんで行くね」

 

「私が連絡をするから、その時は部屋に入って来て」

 

「は、はぁ・・・」

 

 

明日菜とリアスはそのまま四階の部屋へ入る。その部屋にはお馴染みの

シャルロット、ユリシア、アカメ、朱乃がいる。無論翔真や明日菜、

リアスもこの部屋で寝泊まりしている。リアスから連絡が入り部屋に

入っていいと許可が下りた。部屋の扉を開ける―――――すると・・・

 

「メリークリスマス!翔真!」

 

「な!?シャルロット!?・・・それにユリシアやアカメ・・・」

 

「ショウマだけ、クリスマスプレゼントがないのは気の毒。

だ・か・ら・・・ショウマにクリスマスプレゼントを渡すわねェ」

 

「クリスマス・・・プレゼントは・・・私達だ」

 

「うふふ。私達の為にいつもご苦労様です翔真君」

 

「わーい!サプライズ成功だね箒ちゃん!」

 

「そうですね、姉さん」

 

扉を開けるとミニスカサンタ姿のシャルロット、ユリシア、アカメ、朱乃、

束、箒がいた。アカメは頬を赤らめて、翔真の手を取る。そして明日菜とリアスが

ベッドに腰を掛けていた。テーブルには空になった瓶が置いてあった。

 

「(あの瓶はなんだ?お酒じゃないよな・・・)」

 

「うふふ・・・」

 

「じゃあシー君。ベットに押し倒すね?」

 

「え・・・うわぁ!?」

 

朱乃と束にベットへと押し倒される。更にシャルロットとユリシアが

翔真の両腕を掴む。一体何事なのか・・・彼女達をよく見ると頬がほんのり

赤い。しかも徐々に自身の体が熱くなるのを感じる。不思議に思っていると

リアスと明日菜が服を脱ぎ始める。

 

「ちょ!?二人共!?なにやってんの!?」

 

「なにって・・・今からナニをするのよ。ね、明日菜」

 

「うん。私達ね・・・さっき媚薬入りのジュースを飲んだの」

 

「何故そんな事を!?」

 

「私達からのプレゼントよ。翔真・・・私達が沢山癒してあげるわ」

 

「翔真君・・・私の初めてを・・・あげるね♥」

 

「ボクも頑張るね」

 

「さあ、楽にしてて」

 

「一緒に気持ちよくなりましょう。うふふ・・・・・・

翔真君の為に、今回はメイドやチアリーダーの衣装も

取り揃えていますわ♥それとも・・・巫女姿がいいかしら?」

 

「わ、私は初めてなのだが・・・それでもいいのか?」

 

「シー君!束さんと箒ちゃんを堪能してね!」

 

「私も・・・いざ」

 

「ちょ!?明日菜!?皆・・・あああああ!?」

 

 

リアス、明日菜、シャル、ユリシア、朱乃、アカメ、束、箒は一斉に襲い始める。

翔真は愛しい彼女達からのプレゼント(意味深)を朝まで堪能するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は一誠編!またまたイリナがやらかしますw


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特別話 残酷な天使と堕天使のテーゼ 一誠編


一誠、イリナ、夕麻がメインw

この話で今年の投稿を終わります。では、良いお年を‼



 

 

計画は順調。ツインテールの少女は窓の向こうの景色を見ながらそう思った。

愛しい彼を手に入れる為ならどんな手段も選ぶ。それが『紫藤イリナ』である。

今日はクリスマス。なんとしても愛しい彼・・・一誠と夜を共にしたい。

だが、リサラ達がいる手前油断は出来ない。まずイリナは邪魔者を排除

すべくリサラ達のジュースに睡眠薬を入れた。

 

「(ふふん・・・ああ主様、こんな私をお許しください。ですが

私はなんとしても彼を手に入れたいのです。今回だけは目を瞑ってください)」

 

「ちょっとイリナ~?まだなの~?」

 

「うん!今行くわね!キャハ!」

 

主と慕う神に対するお願いの言葉。だが、睡眠薬入れてる時点で

言葉と行動はまるっきり一致してない。こんな事すれば堕天するのも

時間の問題―――かと思われたが、イリナには余裕がある。何故なら・・・

 

「(アザゼル先生を脅s・・・げふんげふん!!お願いして作ってもらった

堕天使にならないガンレッドもらったから平気ね・・・)」

 

皆に見えない程度に邪悪な笑みを浮かべ、リサラ達にジュースを配る。

だが、彼女の笑みに隠された黒い部分を見抜いた夕麻だけは彼女に

警戒心を露にした。

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

「一体なんですかこれ!?」

 

「うふふ・・・おはようイッセーくん♥夜だけどね」

 

リサラ達が睡眠薬入りのジュースを飲み、眠りに堕ちた隙に一誠を

椅子に座らせ、鎖で身体を縛り付けて身動きを出来なくしていた。

当の一誠は混乱である。さっきまで彼女達とクリスマスパーティーを

していた・・・なのに今は、椅子に拘束されている。イリナはハイライトの

消えた目で彼を見据える。

 

「ようやく二人になれたね。ねぇ・・・イッセーくん、私ね、

クリスマスプレゼントが欲しいの・・・」

 

「クリスマス・・・プレゼント?」

 

額に冷や汗を掻く。ただならぬ不安が一誠を襲う中で赤龍帝の籠手に

魂を封じられたドライグが一誠を呼び掛ける。

 

(相棒、あの小娘本当に天使なのか?)

 

「(ドライグだって、その事は知ってるだろう!?けど、なんか

イリナからは・・・邪悪なオーラを感じる・・・)」

 

(よく知らんが、相棒も大変だな。あんな危ない娘に好かれて)

 

「(同情するなら助けてくれ!?)」

 

「イッセーくん・・・?」

 

「ひゃ、ひゃい・・・!」

 

イリナに声に反応する。

 

「私の欲しいクリスマスプレゼントは・・・イッセーくんとの愛の結晶♥」

 

愛の結晶・・・それはつまり子供の事だ。イリナは一枚づつ丁寧に

服を脱いでゆく。純白のブラやショーツも脱ぎ捨てて一誠に

迫ってゆく。普段なら鼻血を出して喜びそうな一誠だが、彼女の

怖さを目の当たりにしている為、今すぐにでも逃げ出しい気持ちだ。

 

「くっ!外れねェ!リサラッ!夕麻ちゃん!助けてくれー!」

 

「無駄だよ~?当分は起きないだろうから・・・二人だけの

時間を楽しめるよ?やったね~?アハハハハハ!!!」

 

高笑いするイリナ。絶望的な状況に成りかける最中、

部屋の扉が勢いよく開く。現れたのは・・・・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・紫藤・・・イリナ。貴女だけは油断ならないわ」

 

「へぇ~・・・やっぱり夕麻分かってたのね?」

 

「当然よ。それより、イッセーくんは返品してもらうわ」

 

「嫌だね。どうしてもって言うなら・・・」

 

「望むところよ・・・」

 

イリナは白い翼、夕麻は黒い翼を生やして互いに構える。

そして、イリナはニヤリと笑みを溢して。

 

「天野夕麻・・・私は貴女を倒すわ。戦わなければ生き残れない。

某日朝仮面ヒーローのテーマの如く・・・私は勝つわ」

 

「させないわ。リサラ達の為にも・・・私は負けられない」

 

「ちょ・・・ちょっと待ってェェェェェェ!!」

 

一誠を巡る夕麻とイリナ。この戦いは朝まで続いたらしい。

 

 



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プロローグ 黒き最強無敗
プロローグ「守りし者」


 

遥か昔の話。悪魔、天使、堕天使による三大勢力の戦いが行われていた最中

二匹の龍が三大陣営の戦いに介入・・・・・というよりも、突然現れ戦火を拡大させた。

赤き龍ドライグ、白き龍アルビオンは三大勢力の事などお構い無しに自分達の戦いを

繰り広げる。だが、そんな時・・・二天龍の戦いに介入する龍がいた。

 

 

 

幾つもの《ワイバーン》を従えて、紅の竜ティアマト、水色の竜ファフニールと共に

黒き龍《バハムート》はドライグ、アルビオンの戦いに介入した。赤、白、黒の龍は

激闘を繰り広げ自分達がボロボロになるまで戦い続けた。

 

 

 

 

 

そして、戦いは終結し二天龍はそれぞれ魂を神器に封印された―――

 

バハムート、ティアマト、ファフニール他は神器とは違う形で封印された・・・・・

 

 

 

 

 

機殻攻剣(ソードデバイス)として――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翔真、翔真・・・・朝だよ!起きて!」

 

「Zzz・・・・」

 

「起きなさい!」

 

ドカッ!!

 

「いった~!!」

 

 

長い金髪の髪を、後ろで束ねてアメジスト色の両瞳が特徴の少女

『シャルロット・デュノア』は行動を共にする少年、綾崎翔真を起こす。

 

 

「いてて・・・・・なあシャルロット。いくらなんでもグーで頬を殴るなんて酷いぜ」

 

「何度も呼び掛けてるのに起きないのは一体何処の誰なのかな?綾崎君」

 

「すいません。俺が悪かったです」

 

翔真はシャルロットに頭が上がらないようだ。

 

 

翔真とシャルロットは『駒王町』と呼ばれる町で過ごしている。

 

 

「翔真君~、シャルちゃん~・・・・・朝御飯が出来ましたわ」

 

「ほら、朱乃も呼んでるし行くよ翔真」

 

「へいへい」

 

「返事は一回でいいんだよ」

 

シャルロットに言われながら、翔真はソードデバイス『バハムート』を腰に

差してシャルロット共に部屋を出る。二人は、姫島神社の敷地内にある家で

堕天使の父を持つ、姫島朱乃と暮らしている。

 

「翔真君、シャルちゃん・・・・おはようございます」

 

 

「おはようございます、朱乃さん」

 

「おはよう朱乃」

 

ピンク色に、フリルのついたエプロンが似合う朱乃は、ニッコリと二人に笑い掛ける。

後ろで束ねたポニーテールを揺らし、笑顔を絶やさない彼女。

 

「(はぁ~、朱乃さんの笑顔をみないと今日1日が始まらないんだよな~)」

 

「むぅ~・・・・・翔真、顔がやらしいよ」

 

「うふふ。さあ、冷めてしまう前に召し上がれ」

 

「「いただきます」」

 

翔真とシャルロットは朱乃に言われ、ご飯が冷めない内に食べ始める。

 

「今日も、退治に行くの?翔真君」

 

朱乃はさっきの笑顔とは裏腹に心配の表情を見せて翔真に声を掛けた。

 

「うん」

 

「また・・・・行ってしまうのね。いくらはぐれ悪魔の退治とはいえど、

無茶はしないでください。シャルちゃんも女の子なのですから無茶はダメですよ?」

 

「・・・・・大丈夫、朱乃さんは心配しないでください。これも、この町を守る為ですから」

 

「そうだよ。さて、翔真・・・・そろそろ行こっか」

 

「だな・・・・・じゃあ行って来きます、朱乃さん!」

 

「はい、お気をつけて」

 

朱乃は二人を玄関まで見送る。

 

 

 

 

 

 

 

 



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ヒロイン紹介 翔真編

―翔真ヒロイン・紹介プロフィール―

 

 

オリジナルヒロイン

 

 

白雪明日菜 イメージCV 戸松遥

 

性別 女性

 

容姿 髪が黒く、少し幼いリアス。瞳は琥珀色。

あとは大体同じ。

 

性格 甘えん坊(翔真の前では)だが普段は静か。

 

 

翔真のファースト幼なじみ。数年前に翔真や

皆が住んでいた街をはぐれ悪魔により襲撃され

家族を失う。翔真と共にフィカーツィアに

保護され、彼女の元で暮らしていたが13歳に

なったばかりの頃、重病を発症し患っている。

翔真の事を一番愛している。シャル、アカメ、

ユリシアとは前に一度会っている。

 

 

―IS《インフィニット・ストラトス》―

 

 

シャルロット・デュノア CV花澤香菜

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

所有神器《疾風の再誕・改》

(ラファール・リバイブ・カスタム)

 

翔真の正妻(予定)。本作が始まる二年前に

廃墟化した教会で翔真と出会う。一人身だった

為に孤独を嫌がる。自身を仲間に率いれて

くれた翔真には惹かれており、何時しか結婚

して幸せな家庭を築きたいと思っている。

翔真のメインヒロインその1。この二人の

関係はスクライドで例えるなら翔真がカズマで、シャルロットがかなみみたいな感じ。

 

 

 

 

篠ノ之 束 CV 田村ゆかり

 

性別 女性

 

容姿 原作通りだが髪型は箒と同じく

ポニーテールにしている。

 

性格 原作とは違い白い。人と話す事も出来るし

見下したりしない。

 

所有神器《白騎士》

 

篠ノ之神社の敷地内にあるラボで自由気ままに

暮らす天災さん。妹の箒とは仲も良好である。

翔真を箒の次に溺愛している。彼女を怒らすと

二度と太陽を拝めなくなるという噂が・・・・。

さらに、翔真の初めてをもらった超本人。

 

 

篠ノ之 箒 CV日笠陽子

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作より少し柔らかい。

 

所有神器《紅椿》

 

 

この世界では駒王学園の姉妹校である

クインヴェール女学園に通っている、ちなみに

女子校。翔真に一途であり、前に翔真がくれた

髪飾りを今でも大切にしている。巫女として

姉の束と舞いをたまに踊る。

 

 

更識刀奈 CV斎藤千和

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

神装機竜《―ファフニール ―》の使い手

 

翔真のファースト幼なじみ。幼い頃に

よく遊んだ仲で、小学4年生の時に引っ越し

数年の時を過ごす。翔真を探す旅の最中に

ある人物から神装機竜《ファフニール》を

受け取る。

 

 

 

 

―ハイスクールD×D―

 

 

リアス・グレモリー CV日笠陽子

 

性別 女性

 

容姿 原作通りだが後に髪型を気分によって

変えていく。

 

性格 原作通り

 

後に神装機竜《ティアマト》の使い手になる。

 

原作通りだが、後にかなり強化するお姉様。

あとは少し可愛くなる予定(性格的に) 翔真の

メインヒロインその2

 

 

姫島朱乃 CV伊藤静

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

過去に姫島の刺客に教われそうになったが

翔真に救われた過去を持つ。それ以来翔真の

姉的立ち位置で、危険な任務にいつも挑む彼を

心配する。シャルロットとも仲が良い。

 

 

アーシア・アルジェント CV浅倉杏美

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

所有神器 聖母の微笑

(トワイライト・ヒーリング)

 

経緯は原作通り。自分の為に戦ってくれた事

翔真に恋焦がれている。今は自分も強くなる為にユリシアに戦闘についての戦い方を教わっている。

 

 

 

ユーベルーナ CV山川琴美

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

元ライザー眷属の女王。前まではライザーに

好意を寄せていたが、傲慢すぎる故に、自分が

最強だと思い込んでいるのをレーディングゲームの最中に目撃して以来ライザーに失望する。今は翔真に夢中であり、夜の経験はお手のものらしい。

 

 

 

 

雪蘭 CV中原麻衣

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

神装機竜《デュポーン》の使い手

 

こちらもライザーに失望し、自分より強い

翔真の元へ転がり込む。戦闘に関しては

翔真達より経験豊富である。

 

 

グレイフィア・ルキフグス CV世戸さおり

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

 

経緯はこちらも原作通りだが、姉がいる。

数年前に翔真と出会っており何時しか会いたいと願っていた。そして再会を果たして、後に翔真専属?のメイドになる予定。

 

 

 

 

 

―魔装学園H×H―

 

 

ユリシア・ファランドール CV赤崎千夏

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

ワイバーン・クロスの使い手

 

 

アメリカから来日した装甲機竜の使い手。

翔真の噂を聞き、わざわざ来日して翔真との

対決に挑んだ。しかし、翔真の強さを目の

当たりにして、勝負に負けた後は翔真の元に

転がり込み、彼の人間性に触れて好意を持つようになる。リアスに負けない巨乳の持ち主。

 

翔真のメインヒロインその3

 

 

―最弱無敗の神装機竜―

 

 

切姫夜架 CV石上静香

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

神装機竜《夜刀ノ神》の使い手。

 

一年前に、無人島で閉鎖された館でほぼ監禁と

いう形で過ごしていたが、たまたまはぐれ悪魔

討伐に来ていた翔真に救われる。それからは

忠誠を誓い、翔真を主と慕っており一人の

少女としても慕っている。

メインヒロインその4

 

 

―アカメが斬る!―

 

 

アカメ CV雨宮天

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通りだが、寂しがり屋で甘えん坊な

所が時々ある(ただし、翔真の前だけで見せる)

 

ワイバーン・ルプスの使い手

 

多分、原作より可愛くなっている。時々翔真の

ラッキースケベ(無意識)の生け贄になってる。

 

 

 

シェーレ CV 能登麻美子

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

おっとりかつほんわかしている。物忘れが

激しく天然ボケではあるが、面倒見がよく

フィカーツィアからかなりの信頼を置かれている。

翔真と明日菜とはフィカーツィアの紹介で数年前に会っている。

 

 

 

 

―ハンドレッド―

 

クレア・ハーヴェイ CV M・A・O

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

リトルガーデンの艦長兼生徒全員を束ねる生徒会長。

幾度となくサベージとの戦いを繰り広げて来た。

翔真に助けられ、ずっと翔真の事が気になって

いたがこれが恋だとは気付かなかった。翔真とのキスを機に自分が翔真の事を好きなのではと気付き始めている。後にまた出る。

 

 

 

 

 

柏木ミハル CV 芳野由奈

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作そのまま。

 

 

翔真を治療し看病した看護婦さん。常に笑顔を

絶さず、優しさが取り柄の天使様。後に登場。

 

 

 

―Muv-Luvオルタネイティブシリーズ―

 

 

フィカーツィア・ラトロワ CV 本田貴子

 

性別 女性

 

容姿 原作そのまま

 

性格 原作通り

 

家庭の事情から親が居ない子供達を保護して

自身が設立した施設で面倒を見ている。数年前に夫とは死別している。翔真に対しては亡き夫と面影が似ている事から内心心配し、同時に恋愛感情に似たものを抱いている。

 

 

 

 

 

クリスカ・ビャーチェノワ CV 生天目 仁美

 

性別 女性

 

容姿 原作そのまま

 

性格 原作より柔らかい。

 

ワイバーンの使い手

 

翔真の幼なじみ。妹のイーニアと共に

幼少期に川神市に住んでおり、その時に

翔真に出会っている。翔真が引っ越した後は

自分達もイギリスへと引っ越し、両親が

教会関係者という事もあり教会へと入る。

だが、彼女自身神に対する忠誠心はない。

 

 

ベアトリクス・ブレーメ CV田村ゆかり

 

性別 女性

 

容姿 原作通り

 

性格 原作よりはマシ

 

ワイバーン・ストライクの使い手

 

翔真に機竜の戦い方を教えた存在で、翔真曰く

一生頭を上げられない程最強との事。普段は

バーを営んでおり、夜になれば傭兵として

はぐれ悪魔討伐などの任務を引き受ける。

戦いの腕はトップクラス、フィカーツィアと

五角に戦える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




明日は一誠のヒロイン紹介を更新します。


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一誠&ヒロイン紹介

 

兵藤一誠 CV梶 裕貴

 

性別 男

 

容姿 原作通り

 

性格 原作より少しマシになっている。

 

人間→転生悪魔

 

所有神器 赤龍帝の籠手

(ブーステッド・ギア)

 

必殺技 衝撃のファーストブリット、撃滅の

セカンドブリット、抹殺のラストブリット

 

 

原作よりかなり強化。クーガーに技を教えられ

必死に努力した結果、3つの技を覚えた。原作よりエロさは少しだけ激減しているがスケベなのは変わりない。極度のおっぱいフェチである。

 

 

戦闘力に関しては、カズマと同等。拳一つで

100人は軽く倒せるレベル。リサラ、夕麻、クロメを大切に想っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠ヒロイン

 

 

リサラ・グレモリー CV遠藤綾

 

性別 女

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

本来はだから僕はHが出来ない。のヒロインだが今作ではリアスの妹で、一誠のメインヒロイン。

 

母と姉とは違い、自分が貧乳である事に

コンプレックスを抱いている。ライザーの

一件で一誠に惚れている。

 

 

兵藤クロメ CV大橋彩香

 

性別 女

 

容姿 原作通り

 

性格 原作より丸い。

 

所有神器《死者行軍・八房》

 

原作とは違い、アカメと生き別れになった後

両親に教会へと捨てられた経緯を持つ。

その後、教会に拾われ育てられアーシアとも

出会う。マリーゼの一件で一誠に好意を寄せて

いつもの日課は、一誠の膝でゴロゴロする事。

クロメが兵藤なのは、一誠両親が正式に養子に

迎えたからである(妹として)。

 

イザベラ CV櫻井浩美

 

性別 女

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

元ライザー眷属の戦車。ライザーに失望している。

一誠とは何らかの運命を感じたらしく、一誠との戦いに挑んだ。しかし、一誠の洋服崩壊を受けた。

 

次話にて、イザベラさん出ます。

 

 

天野夕麻/レイナーレ CV生天目 仁美

 

性別 女

 

容姿 原作通り

 

性格 原作とは比べ物にならない程キレイ。

 

一誠のメインヒロインその2

 

今作では元天使で堕天使に堕ちた。だが

原作と違い、花を育てたり、料理が好きで

普通に何処にでもいる女の子のように過ごして

いたが、マリーゼに弱みを握られ強制的に部下となる。一誠の事は前から知っていて、任務で駒王町を訪れ、子供に優しくしていた所を目撃し、一誠の事が気になっていた。

 

 

 

マリーゼの一件以来一誠にベタ惚れである。

破廉恥な事(つまりはエッチな事)が少々

苦手。

 

 

早月そはら CV美名

 

性別 女

 

容姿 原作通り

 

性格 原作通り

 

今作では一誠の幼なじみ。剣道部主将で

エロで暴走しがちな一誠のストッパーでもある。

必殺技は木さえも斬れるかもしれない、そはら

チョップ(一誠曰く史上最強の技)。

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、イッセーのヒロインはこれからも増えます。

翔真と一誠のヒロインが増えていくにつれて

ヒロイン紹介も更新していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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特別編 母の日

皆さんは母の日に何プレゼントしますか?人それぞれですよね。
今回は翔真やヒロイン達の母的ポジのフィカーツィアさんとまだ本編に
登場してないヴェネラナさん、度々出ている一誠母が主役ですね。



※本編はリアスと朱乃達が学園を卒業した後の話です(大分先。


 

5.13・・・・・・それは母の日である。家庭を守る母親に感謝すべき日だ。もちろん

翔真も無関係ではない。ある事情で家族を失った翔真。しかし孤児だった自分を

救い、女一つで育ててくれたフィカーツィア・ラトロワは彼からすれば母親だ。

シャルロット、ユリシア、アカメ、夜架、明日菜、リアス、朱乃、アーシア達も

無関係ではない。リアスに至ってはもう一人の母親であり、シャルロット達は

行き場のなかった自分達に居場所をくれた恩人であり、皆のお母さんなのだ。

今日は遂にその日がやって来た。ラトロワに感謝の気持ちを伝える為に翔真は

シャルロット達と花屋へと向かった。カーネーションを買い、彼女が経営する

barへと向かう。それとは別にリアスも緊張していた。悪魔と言えど関係なく

冥界でも母の日がある。自身やリサラの母であるヴェネラナにも花を買って

どう渡そうか迷っていた。

 

 

「ラトロワさん、喜んでくれるといいな」

 

「絶対に喜ぶわよォ。気持ちが込もっていれば問題なしよ♪」

 

「そうだな。しかしいざとなると・・・恥ずかしいな」

 

「こ、こういう日は初めて経験するので緊張します!」

 

「アーシアさん。こういう時はリラックスですわ」

 

シャルロットやユリシアやアカメはラトロワの為に買ったカーネーションと

お小遣いを出し合い買った、化粧品を皆ながらラトロワの喜ぶ顔を想像する。

アーシアに至っては、母の日は初めてなので緊張している。夜架は緊張する

彼女にリラックスとアドバイスを送った。

 

「皆楽しそうですわ。うふふ・・・リアスや翔真君はなにを固くなってるの?」

 

「二人共、冷や汗凄いよ?」

 

「「・・・・・」」

 

朱乃と明日菜にそう言われ、リアスと翔真はびくっと体を震わせる。

 

「き、緊張するのよ。ましてやお母様に渡すとなると・・・」

 

「ラトロワさんの好みなんて分からないけど・・・・・・」

 

緊張して固くなるリアスと綺麗に包まれたプレゼントを見ながら彼女が

喜ぶか考える翔真。そして彼女が経営するbarへ到着する。中へ入るなり

来客がいたが・・・リアスはその人物を知っていた。

 

「お、お母様!?」

 

「なんですかリアス。いきなり大きな声を出して。はしたないですよ」

 

「珍しいな。こんな大勢で来るとは」

 

ヴェネラナがラトロワとカクテルを飲んでいた。どうやら大人女子の一時中で

二人は談笑していた。翔真とリアス経緯でヴェネラナと仲良くなったラトロワ。

たまに二人で色々と語り合っているのだとか。

 

「今日はどうしたんだ?」

 

「えと、ほら!今日は母の日だから・・・はい!」

 

代表してシャルロットがカーネーションとそれぞれのプレゼントを手渡す。

これには思わずラトロワもびっくりした。それからユリシア達からも色々と

貰ったラトロワは思わずうるっとしていた。

 

「ありがとう皆。こんなに嬉しいことはない・・・」

 

「どう致しまして!ほら、翔真も渡して!」

 

「男を見せろ翔真」

 

「・・・ら、ラトロワさん・・・これ」

 

シャルロットやアカメにそう促され、翔真はラトロワにプレゼントと

カーネーションを渡した。照れくさなるのを隠して翔真は下へ俯く。

 

「い、いつも迷惑かけてばかりでごめん・・・・・・これからは気を付ける。

リアスさん達も守るし・・・アンタも俺の命に変えても守る・・・だから」

 

「・・・・・私を守るなど20年早い・・・だが」

 

ラトロワは翔真とシャルロット達を抱き寄せる。

 

「私は母代わりだと思っていた。だが、お前達は私を母親だと

思ってくれた・・・・・・ありがとう・・・皆、いい子だ」

 

涙を流しながら翔真達の頭を順番に撫でた。その傍らではリアスが

ヴェネラナにカーネーションと手作りのお菓子を送った。

 

「お母様、いつもありがとうございます」

 

「ありがとうリアス。嬉しいわ・・・私としては孫を期待してたのに」

 

「「ふぁ!?」」

 

ヴェネラナの発言に翔真とリアスが声を上げたのは言う間でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、兵藤家でも母の日はある。特にリサラと夕麻とクロメは一誠母に

身の回りの世話などで恩がある。三人は気合いを込めてクッキーを焼く。

そこからカレンも加わり、仕上げへと入る。

 

「ただいま~・・・リサラ達の方は完成したんだな」

 

「ええ。あとは仕上げだけよ。それよりイッセーはちゃんと買ったの?

母の日のプレゼントと、カーネーション、あと生クリーム」

 

「もちろん。クリスがいて助かった!サンキューな」

 

「べ、別に・・・ただ、イッセーの母さんには世話になってるし・・・

色々と心配掛けちまったし・・・その・・・なんつうか」

 

クリスは照れくされながらも、一誠母が喜びそうな物を一誠と選んだ。

後から帰って来たリディとイザベラもプレゼントを持っていた。そして

全ての準備が整い、タイミングよく一誠母が父と帰宅した。二人が部屋へ

入ると、部屋には「お母さん、ありがとう」と書かれたプレートがあった。

 

「これは・・・」

 

「どうやらサプライズだな」

 

一誠父が静かに離れるとリサラ、夕麻、クロメ、カレンの四人が仕上げた

可愛いくデコレーションされたクッキーを一誠母に差し出した。

 

「お母様、いつもご苦労様です!これは私達からの感謝の気持ちです」

 

「これからも宜しくお願いします!」

 

「皆・・・!お母さんは、嬉しいわ・・・」

 

「えと・・・お母さん・・・俺達からも」

 

「お世話になってばかりだからね!」

 

ハヤトとエミリアもプレゼントを渡す。そして一誠達も・・・・・

 

「母さん、いつもありがとうな。これから色々あるけど宜しく」

 

《相棒の母上よ。心配せずとも、コイツは強い。まあ時折

スケベな発言やエロさはあるが立派にちゃんとやってる》

 

「これからも宜しくお願いします」

 

「皆・・・ありがとう・・・本当にありがとう!お母さん嬉しいわ!」

 

一誠母は喜びのあまり涙を流す。一誠達に気を遣われながら

今日という日は、忘れられない1日となった。もちろんリサラは

母であるヴェネラナにも母の日のプレゼントをしていた。

 

 

 

ヴェネラナも翔真&リアス、一誠&リサラのWカップルと共に高級ディナーへ。

翔真や一誠にとっても母親となる人物だ。二人は共にリアスとリサラを

幸せにすると彼女に誓い、その誓いにヴェネラナは安心していた。

 

「翔真さん・・・リアスを宜しくね。一誠さんもリサラを宜しくね」

 

「はい」

 

「もちろん!」

 

「(なんだか今日は大変だったけれど・・・)」

 

「(母の日は大切だものね)」

 

リアスとリサラはそう思いながら、自分達を産んで、育ててくれた母に感謝する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第0話「ハロウィンってコスプレだよな」

昨日投稿する予定でしたが、エースコンバットを
やりまくっていて、忘れてました。すんません!



 

 

ある日の事。その日は10月31日である。世間で言えばハロウィンの日である。

外国では古代ケルト人が起源と考えられている祭りの事で元々は秋の収穫を祝い、

悪霊などを追い出す宗教的な行事だった。そこから数十年が経ちハロウィンは

民間行事となった。しかし日本ではそういう行事はない為可愛いコスプレをする日で、

主に女子達がメインとなる(多分)。そして翔真も愛しい彼女達に迫られていた。

 

 

「どうかしら翔真?私的にはいいと思うの。明日菜とゼノヴィアとお揃いだから、

姉妹の魔法使いって言った所かしら」

 

「どうかな翔真君・・・似合うかな?」

 

「ほら、感想はないのかな?」

 

「ガハッ・・・最高だ・・・」

 

リアス、明日菜、ゼノヴィアの三人は魔法使いの格好を翔真に見せていた。

しかも三人の衣装は所々出ており、肌の露出度がヤバい。翔真にとっては

目のやり場に困るのだ。

 

「もっと見なさい。せっかく可愛い格好をしたんだから」

 

「でも・・・あまり胸とか見ちゃダメだよ?は、恥ずかしいから・・・」

 

「私は何処を見られても構わないぞ」

 

「(いや無理だっての!?つうかリアスさんのポニーテール・・・可愛い)」

 

今ここで気付いたのは、リアスの髪型がポニーテールになっている事。

普段とは違う彼女に見惚れる翔真。

 

「抜け駆けはダメだよ三人共‼」

 

「魔法使いの衣装でも良かったわねェ」

 

「この格好でも・・・十分に恥ずかしいですわ」

 

「あぅ・・・下に屈むと・・・スカートが・・・」

 

「(な、なんですとォォォ!?)」

 

 

部屋の襖が開く。入って来たのはシャルロット、ユリシア、クレア、アーシアだった。

四人の格好はレースクイーンで、なかなか露出度が高かった。

 

 

「どうかな・・・似合わないかな?」

 

「そんな事ないぞ⁉シャルロットにユリシアにクレアさんにアーシアも!

なかなか似合ってる!」

 

「えへへ」

 

「ありがとうショウマ」

 

「まあ・・・悪くはありませんわ」

 

「良かったですぅ」

 

 

シャルロット達が顔を赤くする中、部屋の襖がまた開いた。次に入って来たのは―――

 

「翔真、顔がにやついている」

 

「あらあら。でも、私達のこの姿で翔真君をイチコロにして差し上げますわ」

 

「私も同意ですわ」

 

 

「ふふーん‼シー君はおっぱいに弱いから束さんやあーちゃん達の巫女姿で夢中に

させちゃうんだから!そうだよね箒ちゃん!」

 

「ですが・・・少し露出が」

 

「巫女服・・・なかなかいい」

 

アカメ、朱乃、夜架、束、箒、クリスカは巫女服(束改造仕様)に身を包んでいた。

ただこの巫女服は束お手製のものなので露出度が限りなく上がっていた。胸元は

ざっくり開き緋袴は太もも辺りにまで改造され少しでも動けば下着が見えしまい

そうな程に短い。

 

 

 

「うふふ・・・」

 

「はぷ!?」

 

朱乃は笑みを浮かべて、翔真を抱き寄せる。彼女の柔らかいおっぱいが顔に当たる。

 

「うふふ・・・どうですか翔真君?私のお胸は」

 

「(ヤバい・・・柔らかすぎる)」

 

「ズルイですわ朱乃お姉様。わたくしも翔真様をハグハグしたいですわ」

 

「くっ・・・確かに膨らみはあるが、朱乃やユリシア達には負けてしまっている・・・・・・

翔真はこれでも喜んでくれるだろうか・・・」

 

夜架が羨ましがる中、アカメは自分の胸を見て翔真が喜んでくれるか悩んでいた。

彼女も十分に巨乳の部類に入るが、周りには規格外の大きさを持つライバル達がいるので

気になるところだろう。

 

 

「朱乃離れなさい!翔真はまだ私達の姿を堪能してないんだから!」

 

「あらあら。翔真君だって私達の姿をまだ堪能出来ていませんわ。ね、翔真君」

 

「それだったらボク達だって!」

 

翔真の取り合いが勃発しようとする中、部屋の襖がまた開いた。

 

「まだ私達が居るのをお忘れなく」

「お姉さん達だって可愛い衣装を着たんだからたまには譲ってくれると嬉しいわね」

 

「皆、仲良くという訳には行きませんしね」

 

「ふふ。まだ十分に行けるわ」

 

「いつもナース服だったのでメイド服は少し新鮮ですね」

 

「でも、動きづらいわね」

 

 

メイド服を着込んだグレイフィア、刀奈、クローディア、ユーベルーナ、

ミハル、雪蘭がメイド服で現れた。

 

「(はわわ・・・皆凄すぎだよ~)」

 

明日菜は内心、皆の姿に圧倒されるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり兵藤家。リサラ達もコスプレをしてイッセーを喜ばせていた。

だが一人だけ、皆の中で一際目立つ者がいた。

 

「か、カレンちゃん!?そ、その格好は!?」

 

「気合いが入り過ぎました。テヘ」

 

舌をチロッと出し、悪戯な笑みを浮かべるカレン。カレンの衣装はまさかの

『花嫁』。当然純白の白きドレス――ウェンディングドレスに身を包んでいる。

 

「け、けど!私だって負けてないよ!」

 

夕麻に至っては『ドキドキプリ◯ュア』に登場するキュアハートの

コスプレをしている。髪型はポニーテールだ。

 

「侮れないわね・・・如月カレン」

 

「しかし、私達とて負けん」

 

リサラやリディに至っては女海賊の格好をしている。もちろん露出度は高めだ。

 

「(うっひょー!たまんねーぜこの光景‼よし!こうなったらこの光景を目に焼き付ける)」

 

「お、おいイッセー!わ、私達も見ろよな!せっかく・・・コスプレしたんだから」

 

「見えてしまう・・・うぅ」

 

クリスとイザベラはくノ一の格好だった。露出度はもちろん高いので、

イッセーは案の定鼻血を噴き出した。

 

「大丈夫~?イッセー」

 

「ああ、なんとか・・・だああああ!?クロメお前!なんつう格好してんだ!?」

 

「ああこれ?ふふーん、すごくエッチィでしょ」

 

クロメに至ってはビキニだった。しかもマイクロビキニであり、布の面積が少なく

今にも大事な所が見えそうで仕方がない。頭にはうさみみカチューシャを付けている。

 

「欲情しちゃった?イッセーが望むなら赤ちゃん作ってもいいんだよ?」

 

「「「・・・!?」」」

 

「ばッ・・・!そんな事いっ・『イッセー君?』」

 

 

冷酷な声がその場を凍らす。それもそのはず黒いウェンディングドレスに

身を包んだイリナが片手にチェンソーを持ち、いつの間にかリビングに

降臨していたのだ。

 

「あはは・・・さっき子作りとか聞こえたけど気のせいかな~?まあ

ちゃっかり聞こえたし皆お仕置きね☆」

 

「皆逃げろォォォォ‼‼」

 

一誠はリサラ達を外へ逃がし、一人で

イリナを止める。一誠にとっては散々な日となった。

 

 



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第1話「装甲機竜の使い手」

 

 

翔真とシャルロットは姫島神社を出て仲間と待ち合わせしている場所へと向かう。

 

「あ!おーい!」

 

「ようやくね・・・・シャルロットと翔真おっそーい!」

 

「多分、翔真が何かやらかしたとみた」

 

「待てアカメ、何故いつも俺が原因だと決め付ける!?」

 

待ち合わせ場所で二人を待っていたのは翔真とシャルロットの仲間

『ユリシア・ファランドール』と『アカメ』二人の少女である。彼女達もショウマと

同じソードデバイスを持つ者で、《ワイバーン》の使い手である。

 

「ま、二人も来た事だし・・・・ねぇショウマァ?」

 

「ゆ、ユリシア!?」

 

ユリシアはいたずらしそうな子供みたいに笑みを浮かべて翔真の腕に抱き付く。

彼女の豊満な胸の柔らかい弾力が腕を通して伝わるのが分かる。

 

 

 

「翔真~?・・・・・なんか嬉しそうな顔してる」

 

「翔真はバカでスケベだから、喜んでいるのはすぐに分かる」

 

「うふふ・・・・翔真は正直なのがいいのよ」

 

「それは誉められてるのか?」

 

 

翔真、シャルロット、ユリシア、アカメの四人が今からするのははぐれ悪魔の退治。

四人ははぐれを倒す事を目的とした便利屋を営んでいる。

 

 

 

 

「シャルロット、ユリシア、アカメ・・・・・そろそろ行くぞ」

 

「そうだね」

 

「じゃあ先に私とアカメから・・・・・いい?」

 

「準備は整ってる」

 

ユリシア、アカメはソードデバイス《ワイバーン》を抜き、空へかざす。

 

「「来たれ、力の象徴たる紋章の翼竜よ。我が剣に従い飛翔せよ、ワイバーン」」

 

二人は詠唱符《パスコード》を唱えると独自にカスタマイズされたワイバーン

 

『ワイバーン・クロス』を纏うユリシア

 

『ワイバーン・ルプス』を纏うアカメ・・・・の二人は空へ浮上する。

 

「俺達も行くか、シャルロット」

 

「うん・・・・いくよ!リヴァイヴ!」

 

「顕現せよ、神々の血肉を喰いし暴竜よ。黒雲の天を断て、ババムート!」

 

シャルロットはラファール・リヴァイヴカスタムを纏い、翔真はバハムートを纏う。

 

 

 

「それじゃ、行きますか!」

 

黒いスラスターウイングを広げて、翔真ははぐれ悪魔がいると思われる

廃工場へと飛翔。シャルロット、ユリシア、アカメもその後を追う。

 

 

 

 

 

場所は変わり、廃工場。はぐれ悪魔が4人滞在している。

 

「何!?ここに接近する奴等がいるだと?」

 

「早く逃げないとやられますぜい!」

 

「逃げる準備をしないと・・・・・最近暴れ過ぎて人間を殺してしまったせいで

バレちまったか!くそ!!」

 

「ならば・・・・」

 

 

「もう遅ぇよ・・・・・はぐれ悪魔ども」

 

「「「「ッ!!?」」」」

 

 

声がした方に視線をやると、バハムートを纏った翔真が大剣《カオスブランド》を

構えていた。

 

 

「はぐれ悪魔のアンタ達は関係の無い人間を殺し、土地を荒らしている容疑・・・・

これら全てが確認されている以上・・・・野放しにはしない!」

 

 

「大人しくするならボク達も攻撃はしないよ?」

 

「ここは素直に言う事を聞いておいた方が身の為なんだけどなァ?」

 

「・・・・・」

 

後から駆け付けたシャルロットはアサルトライフルを構えて、アカメは無言で武装の一つ

『村雨』を構える。ユリシアは笑みを浮かべながらもディファレンシャルフレイムを

構えていた。

 

 

 

 

 

「ち、強行突破だ!」

 

「警告はしたからな!」

 

 

翔真はそう言うと、攻撃に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリ主紹介

綾崎翔真(17)イメージCV 近藤隆

性別 男

容姿 ガンダムSEED Destinyのシン・アスカ。
髪は全体的に少し長い。瞳は青

身長 168cm

《機攻殻剣―ソードデバイス》
神装機竜 バハムート


ババムートの使い手で駒王学園高等部2年生で
あり、裏でははぐれ悪魔討伐などの仕事をこなす
便利屋を営んでいる。シャルロットとは2年前に
廃墟となった教会で出会い、彼女を放っては
おけないと彼女を仲間に引き入れる。ソード
デバイスであるババムートはある日の出来事を
境に幼少期に手に入れた。はぐれ悪魔の間では
《黒き英雄》と呼ばれている。













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第一章 旧校舎のディアボロス
第2話「変態なアイツに彼女が出来たらしい」


今回から原作開始!ちなみに、他の作品
ともコラボします。ハンドレッド、リリなのを
予定してます。



 

はぐれ悪魔討伐から次の日、翔真はいつものようにシャルロット、アカメ、ユリシアと共に駒王学園へと向かっていた。

 

「全くもう!朝から私やアカメ達の着替えを覗くなんて最低なんだからね!」

 

「翔真は勉強をしないのがたまに傷」

 

「バカの一つ覚えのように、毎回私達にボコられるのにね?」

 

「うるせぇよ!だがアイツらよりマシだろ!」

 

「「「「・・・・?」」」」

 

翔真が指を差す方向には・・・・・

 

「またアイツらよ!覗き魔常習犯の兵藤、元浜、松田の三人よ!」

 

 

「今度こそ捕まえるわよ!」

 

「「「「おおおォォ!!」」」」

 

「「「逃げろォォ!!」」」

 

駒王学園では知らない者は居ないと言われる三バカの兵藤一誠、元浜、松田が女子達に追いかけられていた。

 

「いっちゃん!今日という今日は許しませんよ~!」

 

「げッ!?そはら!?」

 

中でも、一誠の近所に住み、一誠に好意を寄せる剣道部主将の

「早月そはら」に追いかけられる一誠。

 

 

 

 

 

「アイツらも懲りねぇな」

 

「けど、覗くのは犯罪だからね?それに・・・・」

 

シャルロットは黒いオーラを発しながら、翔真の首元にナイフを突き付ける。アカメやユリシアはその光景を見て冷や汗を掻いたのは言うまでもない。

 

「今度やったら・・・・・どうなるか覚えておいてね?」

 

「は、はい・・・・(シャルロットが怖い・・・・)」

 

今にでもヤンデレになりそうなシャルロットに翔真は一瞬恐怖を覚える。彼女が怒ると怖いのは翔真が一番よく知っている為か、自然と冷や汗が出る。

 

 

「私はここで失礼する」

 

「ああ、頑張れよアカメ」

 

「うん」

 

「アカメちゃん、また後でね」

 

「早くしないと遅刻になるわよ!」

 

翔真達とアカメは別れて、自分達の教室へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、翔真は帰り支度をしていた。全ての授業を終えて教科書などを鞄に入れていた。

 

「・・・・」

 

「あれ?綾崎まだ帰ってなかったの?」

 

「村山か。ちょっと野望用でな」

 

「ふーん・・・・」

 

『村山麗奈』・・・・翔真のクラスメートである。

 

「綾崎ってさ・・・・・その・・・・・」

 

「?」

 

「その・・・・えと・・・・」

 

「付き合っている人はいるの?」と聞きたい麗奈だが、もじもじしてなかなか聞きだせない彼女。

 

 

「あ!トイレ行きたいのか?」

 

「んなわけないでしょ!・・・・・まあいいわ。そうだ!」

 

言う事を諦め、麗奈は何かを思い出す。

 

「兵藤に恋人が出来たらしいわよ」

 

「マジかよ!?・・・・ま、兵藤は悪い奴じゃねぇしアイツ、結構優しいし惚れる女子がいてもおかしくないだろ」

 

「けど覗き魔の変態なのよ!?あり得ないでしょ!」

 

「確かにな。けど、そうやって人を差別するのはよくないぜ?」

 

 

「うぅ・・・・・そうだけど」

 

「まあアイツらもやり過ぎなのは確かなんだがな」

 

麗奈と話しながら、教科書を鞄に入れた翔真はそのまま麗奈に

別れを告げて教室を出た。

 

「シャルロット達、そろそろ部活が終わった頃かな・・・・・」

 

プルルル、プルルル

 

 

「はい、もしもし」

 

『はぁーい!シーくんだけのアイドル!束さんだよ~!!』

 

「束さん?・・・・どうしたんですか?束さんから電話なんて珍しいですね」

 

『シーくんの声を聞きたくなっちゃってね・・・・・それと、明日シャルちゃん達と来れる?』

 

 

「?・・・・・別に大丈夫ですけど」

 

『実はバハムートやワイバーンの強化しようと思うんだけど大丈夫?』

 

「・・・・大丈夫ですよ。じゃ、明日そっちに行きますね」

 

『うん!待ってるよ!』

 

 

束との通話を終えて、翔真はシャルロット達と合流して明日の日程を伝えると、賛成して明日の事を話し合いながら帰り道を歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第3話「天災さん」

 

翌日、翔真達は束と妹の箒が暮らす篠ノ之神社へ向かって太陽に照された道をひたすら歩いていた。

 

「久々の改良か~、私のワイバーンはあれでいいんだけどなァ」

 

「けど、見てもらえるなら今しかない。それに新たな武装があるなら追加してもらう」

 

ユリシアとアカメはワイバーンの強化について話し合っていた。

 

「翔真はバハムートを強化してもらうの?」

 

「武器が一つだけしかないからな。出来るなら武装が欲しい所だよな」

 

「ブレード一本だけじゃ厳しいよね」

 

それぞれ話題で盛り上がっていると、あっという間に篠ノ之神社に到着した。

 

「あ・・・・翔真様!」

 

「夜架!」

 

四人が到着すると、一人の少女が翔真に飛び付く。彼女の名前は「切姫夜架」。一年前に翔真が保護した少女であり翔真やアカメ、ユリシアと同じ装甲機竜の使い手である。

 

 

「すぅー、すぅー・・・・・はぁ、翔真様の匂い」

 

「よ、夜架!その・・・・離れて欲しいんだが」

 

「どうしてですの・・・・?」

 

「それは・・・・(もしここで胸が当たってるなんて言ったら・・・・)」

 

翔真はゆっくりと後ろを振り向く。発言次第では辺り一面が血の海になるのは確実だろう。

 

 

「くっ!甘い匂いが刺激的で柔らかい物が当たってるからなんだ!」

 

 

「あらあら。翔真様ったら大胆♪」

 

「「「翔真・・・・・少しこっちに来て」」」

 

「はい・・・・・」

 

どうやら、翔真のbad endは不可避のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい!あーちゃんのワイバーンには少し改良を加えてあるからね、あと要望の武装追加も完璧だよ!」

 

「ありがとう」

 

「どう致しまして!それより、どうしてシーくんはそんな重症みたいな怪我してるの?」

 

「色々あるんですよ束さん」

 

「あははは!やっぱりシーくんがいると面白いね!」

 

「そんな他人事みたいに言わないでくださいよ!いった!?・・・・・箒、もうちょっと優しく」

 

 

「すまない。しかし、ここまでの怪我をするとは・・・・シャルロット達も成長したのだな」

 

「感心してる場合か!俺がここまでの怪我してんだぞ!?普通は注意とかするだろ!?」

 

 

「どうせ破廉恥な発言でもして、シャルロットやアカメ達にお仕置きされたのだろう?」

 

 

「ぐっ!・・・・・当たっている!」

 

 

箒の推理が当たり、反論出来ない翔真。

 

「夜架~?、これは何なのかな」

 

「見て分かりませんの?駒王学園編入届けですわ。これからは翔真様と一緒に勉強やお弁当を食べたり、さらにはあんな事やこんな事まで・・・・・うふふ」

 

「もう!どれだけライバルが多いのよ!」

 

シャルロット、夜架、ユリシアの間でも争いが勃発していた。

 

「あんな事やこんな事・・・・」

 

夜架の言っていた言葉に、翔真は想像を膨らます。場所は保健室。想像の中で翔真は、スクール水着を着用した夜架をベットへ押し倒している。

 

『あん!翔真様・・・・・こんな所でダメですわ』

 

『我慢出来る訳ないだろ?全く、スクール水着をいやらく着こなすなんて、いけないな夜架は…さてと』

 

 

『や、優しくしてくださいな・・・・』

 

妄想では強気だが、現実は辛く、翔真にそんな勇気はない。

 

「はぁ、俺ってチキンだよな」

 

「何の話だ?」

 

「いや、こっちの話さ」

 

「よし!これでOKだよ」

 

束は翔真にソードデバイス《バハムート》を手渡す。

 

「バハムートには、新たに接近戦用の大剣アロンダイトと長射程高エネルギービーム砲を追加しておいたからね!あとは7本の剣を持たせてるから大丈夫だよ!」

 

 

「毎回思いますけど、束さんってマジ凄いです」

 

「ま、私は天才だからね!もっと私を褒めてもいいんだよ?ほれほれ!」

 

「わぷ!」

 

「ね、姉さん!何をしてるんですか!」

 

束は喜びのあまり、翔真を抱き締める。翔真は顔が束の胸に埋もれて息が出来ない。

 

「はぁ・・・・・しょうくんを抱き締めてるだけで

濡れちゃう・・・・あ♥、しょうくんの息が当たってる」

 

「ぷは!お、俺!ちょっと外に出て来ます!」

 

「私もお供しますわ」

 

翔真は束から離れて、外に出る。その後を夜架も追う。

 

「しょうくんってば、エッチなのに意外とチキンなんだな~」

 

「姉さん」

 

「ッ!」

 

翔真を抱き締めて、満足していると背後からドスの聞いた妹の声に、束は凍り付く。

 

「少し・・・・・お話しましょうか?」

 

「束さん?遊びも程々にですよ」

 

「ワイバーンを改良してくれた事は感謝する。しかし、これとそれは話が別だ」

 

「さぁて、覚悟してくださいね?た・ば・ねさん」

 

「(シーくん・・・・助けて・・・・)」

 

束の助けは、翔真に届く事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、束さんのスキンシップには困るよ」

 

「うふふ。そうは言っても翔真様嬉しそうでしたわ」

 

「あのなァ・・・・」

 

翔真と夜架は噴水広場の近くに来ていた。

 

「なあ夜架、本当に駒王学園に通うのか?」

 

「はい」

 

「・・・・・そっか。でも、何かあったら俺を頼れ。それだけは約束して欲しい」

 

「心配性ですね翔真様。大丈夫ですわ、私は何があっても・・・・」

 

夜架が言い掛けた時、ある一言が夜架の言葉を遮る。

 

『悪く思わないでね・・・・・死んでくれる?』

 

「「・・・・?」」

 

翔真と夜架が声がした方に視線を向ける。黒い翼を広げた少女が、

翔真のクラスメートである兵藤一誠を光の槍で体を貫いていた。

 

「なん…で…」

 

「兵藤!!」

 

 

 

 

 

 

 








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第4話「黒髪な堕天使と紅髪の悪魔」

数年前――

燃え盛る街、その渦中で二人の少年がいた。


『これからは君が守ってあげるんだ・・・・・力を
振るう事が出来ない人を守ってあげてね』

『けど!これを受け取るなんて僕には出来ない!』

『大丈夫。君は優しい・・・・傷だらけの僕を
助けてくれた・・・・・そんな君だから、僕は
バハムートを渡したんだ・・・・じゃ、またね』

『待って!まだ貴方の名前を聞いてない!』

『そうだったね、僕の名前はルクス・アーカディア。
翔真君、いつか大勢の人を守れる子になってね』

もう一つの神装機竜《バハムート》を纏い、
ルクスと名乗った銀髪の少年は幼い翔真を残して
飛び立った。


幼い翔真はこの時、ルクスに強い憧れを抱いた。
いつか、あの人みたいに強くなろうと・・・・
そして最強無敗を目指そうと・・・・・

綾崎翔真のルーツはここから始まった。





 

 

「兵藤ッ!!」

 

翔真は血を流して、倒れた一誠の側に駆け寄る。

 

「オイしっかりしろ!兵藤!・・・・・まずい、息が・・・・」

 

「翔真様の知り合い様をやったのは貴女ですか?堕天使さん・・・・・」

 

 

「そうよ」

 

「お前!・・・・ッ!」

 

 

翔真は堕天使の少女に視線を向けた。だが、黒髪の少女は何故か泣いていた。

つぶらな瞳から雫をこぼして下に俯いていた・・・・

 

「(なんで泣いてるんだ?)」

 

「よくやったわレイナーレ」

 

「・・・・・はい」

 

「「・・・・」」

 

 

上から舞い降りた女性。漆黒の翼を広げてレイナーレの元へ降り立ったのは

「マリーゼ」。彼女の上司であり、堕天使である。

 

「貴方達は誰なのかしら?」

 

「お前に語るとでも思ってんのか・・・・・うす汚い堕天使がッ!」

 

 

「うす汚いね、人間に言われると少し腹が立つッ!」

 

マリーゼは光の槍を数本用意し、翔真達に向けて放つ。

 

「させませんわ」

 

夜架は笑みを浮かべてそう言うと、ソードデバイスを抜いて光の槍を一斉に粉砕する。

 

 

「な!?光の槍が!?」

 

「甘いですわ。そんな生温い攻撃では、翔真様はおろか・・・・・いえ、

私ですら倒せませんわ」

 

「小娘がッ!」

 

「浸食せよ、凶兆の化身たる鏖殺の蛇竜、まつろわぬ神の威を振るえ、

―――夜刀ノ神」

 

詠唱符を唱え、数秒後に夜架は夜刀ノ神を纏う。

 

「その装甲・・・・まさか、装甲機竜の使い手か」

 

「正解ですわ」

 

「くそ・・・・・ッ!」

 

マリーゼは苦い表情を浮かべる。夜架はゆっくりと歩き出す。

 

 

「どのようにしてあげましょうか。串刺しか、体中風穴もいいですわね」

 

 

平然とした顔で、恐ろしい事を言う夜架にマリーゼは恐怖を覚える。

 

「夜架・・・・・とりあえず兵藤を」

 

翔真はこの場を一旦、夜架に任せて一誠を担ぎ病院へ行こうとした。だが、

翔真の目の前に突然魔法陣が現れる

 

 

「彼はそのままにしておいて」

 

「私達が助けるから」

 

 

「アンタ達は確か・・・・」

 

 

翔真の前に現れた二人の少女。学園の二大お姉様の一人、

『リアス・グレモリー』とリアスの妹リサラ・グレモリーだった。

 

 

 

「兵藤をどうするつもりだ?」

 

「助けるわ。私を信じて!」

 

「私達は兵藤君にある措置をして甦らせるわ。

私やリサラの事を信用してもらえると嬉しいわ、黒き英雄さん?」

 

 

「その名で呼ぶな、俺は黒き英雄じゃねぇよ」

 

翔真は二人にそう告げると、リサラに一誠を託す。

 

「・・・・そこにいる堕天使お二人さん?、ここが何処の領土かお分かりかしら?」

 

「紅髪の小娘・・・・・なるほど、グレモリーの娘共か」

 

「マリーゼ様ここは一旦下がった方が!」

 

「言われなくてもわかってるわよ!」

 

マリーゼ、レイナーレは黒い翼を広げて、空へ 消えてゆく。

 

「夜架、追わなくてもいいぞ」

 

「了解致しましたわ」

 

夜刀ノ神を解除して、ソードデバイスに戻すと夜架は翔真の側にゆく。

 

「駒王学園高等部2年の綾崎翔真君、いえ・・・・黒き英雄さん、

少しお話したいのだけれどいいかしら?」

 

 

「・・・・・なら、付いてこい・・・・兵藤は?」

 

「私がこの子の家まで送り届けるわ。心配しなくても彼はもう大丈夫よ」

 

 

リサラはそれだけ告げると、魔法陣を展開して一誠と共に消えた。

 

 

翔真は夜架、リアスと共に篠ノ之神社へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マリーゼ 女

オリキャラ

本作のレイナーレポジの人。おしとかやな
雰囲気をかもし出した女性堕天使。目的遂行
の為なら非道な手を使う冷酷な一面がある。

※本作のレイナーレは真っ白です。




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第5話「黒き討伐者」

 

篠ノ之神社へと到着した三人。翔真は夜架を守るように彼女の前に立つ。

 

 

「リアス・グレモリー・・・・・だったな。アンタが朱乃さんの言ってたリアスだったとは・・・・」

 

 

「貴方達の事は朱乃から聞いてるわ。はぐれ悪魔を討伐してくれる

便利屋さんで、愛しの人だって・・・・・」

 

「朱乃さん、そんな事言ってたのかよ」

 

「モテモテですわね、翔真様」

 

 

翔真は朱乃とは付き合いが長い。幼なじみというのもあるがまさか

愛しの人まで言われるなど思っていなかった。

 

 

 

その後ろでは夜架がニコニコと笑顔を絶さずに翔真をからかっていた。

 

 

「私から礼を言うわ」

 

「別に礼なんて要らない。アンタ等の為にやってる訳じゃねぇんだ。そこは勘違いするな」

 

「そう・・・・でも、はぐれ悪魔を倒して関係のない人を守っているのは本当でしょ?」

 

「・・・・・まあな」

 

リアスの言葉に、答える翔真。

 

「それよりもリアス・グレモリー様、一体何のご用でしょうか?

お礼が用事・・・・なわけありませんよね?」

 

夜架はリアスに視線を合わせて、ソードデバイスに手を伸ばそうとした。

しかし翔真に右腕を掴まれる。

 

 

 

「ッ!・・・・・翔真様?」

 

「やめろ夜架。この人は俺と話がしたいだけだ、手荒なマネはやめて欲しい」

 

 

「翔真様がそうおっしゃるなら、私は何も致しませんわ」

 

自分を救ってくれた翔真を傷付ければ、夜架は黙ってはいない。

ならば、傷付ける前に倒すだけ、それが夜架の剣を抜こうとした理由だ。

 

 

「それで、本当の目的は何だ?」

 

「目的・・・・・じゃなくて、お願いよ」

 

「お願いだと・・・・?」

 

「ええ。私の眷属になってくれないかしら?」

 

「いきなりだな・・・・」

 

リアスはコウモリのような翼を広げる。それは悪魔という証である悪魔の翼だ。

 

 

「それはつまり、俺も悪魔になってアンタの所に来いっていう事か・・・・・」

 

「意外と冷静なのね」

 

「朱乃さんから聞いてるんだよ、色々と」

 

朱乃からは悪魔の事、眷属の事などを聞かされていた翔真は、別にリアス・グレモリーが

今更悪魔だとカミングアウトしても驚いたり、動揺したりしない。それは夜架も同様だ。

 

 

「悪いが悪魔になる気なんてさらさらないぞ。俺は人間のまま生きる。

話が終わったなら俺は行かせてもらう」

 

「待って!まだ話は!」

 

「・・・・・悪魔になる気はない。けど、困った時は俺を頼れ」

 

「え・・・・?」

 

翔真はそれだけを告げると、夜架と共にその場から去る。

 

「一体どういう意味なの・・・・・」

 

翔真が告げた言葉に、リアスはそれが何を意味しているのか分からなかった。

一方でかっこよく決めて、その場から立ち去った翔真だが・・・・

 

「あのリアスって人・・・・・なかなかの巨乳だったな~、しかもお姉さん系・・・・

ハァー、色々攻められたいもんだ・・・・・」

 

「・・・・」

 

――――チャキ

 

「よ、夜架?」

 

「いくら翔真様でも、エッチな発言は控えてもらわないと・・・・・なりませんわね?」

 

ソードデバイスの刃を首筋寸前にまで当てようとする夜架。

ハイライトが消えた瞳で、ニッコリと笑い掛ける夜架。

 

 

「(なんでこうなるんだよ・・・・)」

 

 

翔真は一ミリたりとも、一言たりとも油断出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第6話「エッチな朝」

基本この作品は熱血×エロ+ギャグとシリアスを
交ぜてます。


 

おっぱいが目の前にある・・・・俺こと兵藤一誠は

突然の光景に戸惑った。とうとう童◯をこじらせてしまい幻影でも

見たのかと焦ったけど、頬をひっぱり現実だと理解。さらには・・・・・

 

「ん・・・・」

 

ただいま俺は赤い髪の美少女に抱き枕にされております!

やっべ!鼻血が出そう!これは夢なのか!?思わず頬をつねるが痛い。

どうやら、現実のようだ。

 

「(どうすればいいんだ!?こういう時は起こすべきか、

それともこの幸せの時間を堪能するか!?どうする!?どうする兵藤一誠!)」

 

「ん・・・・・目が覚めたのね?兵藤一誠君」

 

「あの・・・・貴方様は一体・・・・」

 

「私はリサラ・グレモリーよ」

 

「グレモリーって・・・・三年のグレモリー先輩と同じ名前!?」

 

「私はリアスお姉さまの妹なの」

 

「グレモリー先輩の!?・・・・・でも」

 

一誠は視線をリサラの胸に向ける。

 

ギュゥゥゥゥ!

 

「さっき・・・・何処を見ていたのかしら~?兵藤一誠君?」

 

「あだだだ!?」

 

彼女の気にしている部分を見てしまった一誠。案の定つねられた。

リサラはモデル体型のようなスラッとした体が魅力なのだが、残念

な事に貧乳である。胸に関しては人一倍敏感である。

 

「と、ところで!ここここれは一体どういう状況なのでしょうか!?」

 

 

「あら覚えてないの?昨日の夜の事」

 

「昨日の夜?・・・・ッ!」

 

リサラの言葉に一誠は昨日の出来事を思い出した。

自分は『天野夕麻』に光る槍で刺され、死んだはずなのではと何度も

昨日の事を振り返る。

 

 

「自分は死んだはず・・・・・そう思ってるんでしょ?」

 

「は、はい!」

 

「でもね。貴方が今生きているのは・・・・」

 

リサラはそう言うと背中から悪魔の翼を生やす。

 

「貴方は悪魔になったのよ、兵藤一誠君」

 

「へ?」

 

間抜けな声を出すやいなや、自然と一誠の背中に悪魔の翼が現れる。

 

 

「・・・・えええェェェェ!?なんじゃこりゃァァ!?」

 

『ちょっと一誠~!どうしたの~!』

 

一階から一誠母の声が響く。

 

『早く起きないと学校遅刻するわよ~!!』

 

階段を昇る音が次第に大きくなるにつれて一誠は焦り始める。

 

 

 

「ちょっと待って!今部屋に入らないで!色々とヤバいから!」

 

「何がヤバいの!・・・・・え」

 

一誠の制止も聞かず、兵藤母は扉を開けてしまった。

兵藤母の視界に映った光景は・・・・

 

裸の我が息子+赤い髪の美少女(裸)+乱れたベッドのシーツ=・・・・・

 

 

「貴方ァァァァ!!一誠が!一誠が!」

 

ドタドタドタドタ!!

 

まるでサ◯エさんでよく聞く、走る音を響かせて一階に降りた母。

 

 

『どうしたんだい?また一誠の奴はオ◯ニーでもしてたのか?全く、朝から元気な奴だ』

 

『違うの!一誠が!・・・・女の子とセ◯クスをしてたのォォォォォ!!』

 

『なんだって!?なら今日はお赤飯を炊かないと!』

 

「違う違う違う!!誤解だ!誤解なんだァァ!」

 

「ここは二階よ?」

 

「それは分かってるよ!」

 

一誠はリサラにツッコミをいれて、誤解を解く為服を着る。

 

 

「悪魔の事は内密に頼むわよ?」

 

「へいへい!!」

 

 

こうして、兵藤一誠の非日常への扉は開かれたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第7話「どうやら翔真も・・・・・」






 

 

一誠が騒がしい朝を迎えていた頃、翔真もまた

ラッキースケベのような出来事を起こしていた。

 

「むにゃ~・・・・桃まん」

 

「・・・・ッ~~!しょうま・・・・・私は

桃まん・・・・じゃ・・・・んん!!」

 

翔真が寝ている隣ではアカメが赤面していた。

理由はこうだ、アカメは夜にユリシアやシャル

ロットに内緒で布団に潜り込んだのはいいのだが翔真は寝ぼけて、アカメを桃まんと勘違いし

 

彼女の体を触りまくっていた。

 

「ダメ・・・・・そこは私の胸・・・・ああ」

 

マッサージ師のように、アカメの体を触り、揉みほぐしてゆく翔真。本人は全く気付いておらずアカメは興奮して汗を掻いて、息も荒くなり

 

 

絶頂を迎えようとしていた。

 

アカメの服装は、遅刻してもいいように駒王学園の制服だが、尚更それが悪かった。翔真の右手がスカートの中へと入り彼女の大切な部分に触れる。

 

 

服装は乱れ、首元から流れる一滴の汗が胸元に

落ちる。

 

「ッ~~!」

 

声を上げそうになるアカメは必死に堪える。

普段クールなアカメだが、今はエッチなふれあいにただ悶絶するだけだった。

 

 

「(もしかして私・・・・このまま翔真と・・・・)」

 

 

 

―アカメの妄想―

 

 

 

『アカメ・・・・俺お前が欲しいんだッ!』

 

『ダメ・・・・・私は』

 

『何がダメなんだよ!お前だってこんなに興奮

してるじゃないか!』

 

『ちが・・・・それは翔真が・・・・』

 

『そんなに俺が欲しいなら言えばいいだろ?

心配するな、責任取ってお前を幸せにしてやるから』

 

『うん・・・・絶対・・・・だから』

 

『アカメ・・・・』

 

『翔真・・・・・』

 

 

 

 

 

―妄想終了―

 

 

 

 

 

「(・・・・なんて事になりうる)」

 

「・・・・え・・・・」

 

アカメが妄想に浸っている中、翔真がパチリと

目を覚ました。

 

「ギャアアア!!!何でアカメが居るんだよ!」

 

「翔真大胆すぎる・・・・ハァ、ハァ」

 

「(何で息切れしてるんだ!?)」

 

アカメが何故息が荒いのか、翔真には訳が

分からなかった。

 

『これはどういう状況なの?』

 

「・・・・・」

 

背筋も凍るような冷たい声が後ろから聞こえた。

翔真は恐る恐る後ろを振り向いた。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「うふふ・・・・」

 

シャルロット、束、さらには翔真達を迎えに

来た朱乃までもが居た。

 

 

「翔真様?説明してもらえるんですよね?」

 

三人の背後にはソードデバイスをちらつかせた

夜架がいた。

 

 

「ふ・・・・・不幸だァァァァ!!」

 

 

 

翔真の叫びは篠ノ之神社に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり日本に向かう飛行機の中で、

居場所を失った二人の少女が席に座っていた。

 

「私達はこれからどうなるのでしょうか・・・・」

 

「分からない。でも、出来る限り私が

アーシアを守るから」

 

「ごめんなさいクロメさん。私があんな事を

したばかりに・・・・・」

 

「気にしなくていいよ。私もあんな所に居るの

嫌だったし・・・・それにしても日本か・・・・・もしか

すると会えるのかな、お姉ちゃんに」

 

アーシア・アルジェントとクロメ、二人は

とある理由から教会から追放され、日本に

向おうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第8話「赤と黒の出会い」

 

 

一誠は転生悪魔となりリサラと共に駒王学園へ

と通学し、放課後オカルト研究部へと招待された。

一誠は自身に神器が宿っている事をリアスに聞かされていた。

 

 

 

 

 

 

その頃、翔真達はと言うと・・・・・

 

「なんだ貴様らは!」

 

「お前に名乗っても無駄さ、はぐれ悪魔」

 

「アカメと私で回り込んで攻撃、ユリシアは

翔真のサポートをお願い!」

 

「了解した」

 

「了解よ」

 

廃工場内で暴れ回るはぐれ悪魔『バイサー』と

交戦中であった。

 

シャルロットはユリシア、アカメに指示を出してアサルトライフルで牽制する。アカメは束が新たに追加した武装の一つ『メイス』を構えてバイザーに斬りかかる。

 

 

 

 

「邪魔なのよ小娘!」

 

胸の乳首からビームを発射するバイサー。しかしアカメは交わして、ユリシアがバイサーの背後に姿を見せた。

 

 

 

「隙だらけよ?はぐれ悪魔さん」

 

「何!?」

 

アサルトライフルを構えたユリシアは発砲し、

弾丸はバイサーの体にヒットした。

 

「今だよ翔真!」

 

「や、やめろォォォ!」

 

「悪いが・・・・・やらせてもらう」

 

カオスブランドを大きく降り下ろし一閃、

バイサーを真っ二つに斬り裂いた。バイサーの

血が翔真に降りかかり、バイサーはそのまま

消滅した。

 

「これで終わりかしらね」

 

「翔真、血が・・・・」

 

「はいタオル。そのままじゃ色々と大変になるよ」

 

「ありがとうシャルロット」

 

シャルロットに渡されたタオルや着替えを受け取りあ翔真はバハムートを解除する。

 

 

「・・・・」

 

「もしかして昔の事思い出してるの?」

 

「いや大丈夫だ」

 

シャルロットにそう言われ、翔真は大丈夫と

答えて一旦シャルロット達から離れる。

 

「・・・・・」

 

「ねぇシャルロット、昔の事って?」

 

「ううん・・・・何でもないよ。そうだ今日の夜ご飯はハンバーグにしようかな!」

 

 

「話を逸らす気~?逸らされたら余計に気に

なるんだけどなァ?」

 

「私はハンバーグカレーがいい」

 

「あれ?てっきりアカメも私に味方してくれると思ったのに・・・・まあいいわ」

 

 

 

 

シャルロットは上手く話題を切り替えて、夜ご飯をハンバーグカレーにするか、ハンバーグにするかをユリシア達と話し合いながら翔真と共に家へと帰還する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―翌日―

 

 

「(俺がやっている事は正しいんだよな?)」

 

翔真は一人で通学路を歩いていた。

今日はシャルロット達とは別に登校している。

翔真も時に悩んだりする事があるのだ。歪みと

いう物を駆逐している翔真にとって時々迷う事がある。

 

 

 

『ショウキ、俺は俺の道を行くようにお前は

お前の道を行くがいいさ』

 

『翔真だ。いい加減名前ぐらい覚えろよ兄貴』

 

かつて、一時行動を共にしていた男に言われた。

『お前はお前の道を行くがいいさ』と。その男は妙なグラサンをかけて、人の名前は間違えるわ、常に早口、速さを求めるという難点だらけの男だったが翔真にとってルクスと同等に憧れの存在であった。

 

 

 

 

 

「(迷う時、アンタはどうする?兄貴・・・・)」

 

「あれ?・・・・・もしかして綾崎か?」

 

「お前は・・・・・兵藤」

 

声がした方に視線を向けると、一誠がカバンを

持ってこちらを向いていた。

 

「ようやく話す事が出来るぜ」

 

「え?」

 

「リアス部長から聞いたんだけどさ、俺を

助けようとしてくれたんだろ綾崎」

 

「あの人・・・・余計な事を」

 

あの人とはおそらくリアスの事である。

 

 

「そのさ、ありがとう」

 

「助けたのはリアスさんとリサラさんだろ?

俺は何もしてねぇよ」

 

「それでも礼を言わせてくれよ」

 

「別に・・・・・俺は」

 

翔真が何か言うおうとした時、二人の少女が

翔真にぶつかる。

 

「「キャ!」」

 

「うお!?」

 

「いっててて・・・・ゴメン、ちゃんと見てなくて」

 

「いや俺の方こそすまない」

 

「立てるか?」

 

一誠は状況を見て、尻餅をついた少女に駆け寄る。

 

「大丈夫。あんがんとね。ほらアーシアも

立ちなよ」

 

「は、はい」

 

翔真と一誠、アーシアとクロメ・・・・・四人が出会い

物語は始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





翔真の空想の中で出て来た人物は誰か分かるかな・・・・・




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第9話「悪夢への一歩」

 

 

アーシアとクロメはこの駒王町にある教会に

行きたいが、初めて来る場所なので分からなかった。

だが、それを見かねた翔真と一誠が近くまで

送る事にした。

 

「へぇ~、クロメちゃんって元は日本に

住んでたんだ」

 

「まあね。でもこの町は初めて来るから

よく分からないけど」

 

「その内慣れるって。案外この町ってそんなに

広くないからすぐに分かるって」

 

一誠は少し不安そうにしているクロメを気遣い、安心させる。

 

 

「アーシアさんは日本語が上手いよ」

 

「そ、そんな事ありませんよ。日本語は

少しだけしか覚えてませんけど」

 

「いやいや。それだけ出来れば上等だよ。

それより、なんでクロメちゃんと日本に?」

 

「色々あって・・・・」

 

質問すると、アーシアは顔を下に俯いた。

 

「(ヤバ・・・・なにか地雷踏んじゃったか!?)」

 

彼女の触れてはいけない部分に触れてしまい

翔真は焦る。何か元気付けるものはないかと

ポケットを漁る。すると、袋に包まれた二枚の

クッキーが出てきた。

 

「確かこれは昨日村山がくれた奴だったな・・・・・はい、アーシアさん」

 

 

「え・・・」

 

「良かったらどうぞ。お近づきの印に」

 

「いえ!頂けません!私にはもったいないです」

 

「そんな事言って・・・・・気にしちゃダメだって」

 

「しかし」

 

「こういう時は素直に受け取るのが

礼儀だよアーシア」

 

クロメは目をキラキラさせながらクッキーを眺める。

 

「クロメ、ヨダレが垂れてる」

 

 

ヨダレを垂らしながら・・・・・

 

 

アーシアとクロメと色々話した翔真と一誠は

二人で教会の近くまで送り届けた。

 

だがここで一誠に異変が起きる。

 

「ッ・・・・」

 

「どうした兵藤?」

 

「いや、少し頭が痛くなってさ」

 

「(そう言えば朱乃さんが言ってたよな。悪魔は

教会とかそういうのに弱いんだっけ)」

 

翔真は懐からバフ◯リンを取り出す。

 

「ほら。頭痛薬があるからこれを飲むといい」

 

「いいのか?ありがとう綾崎」

 

「あ、あの!」

 

アーシアが二人に向かって声を掛ける。

 

「ありがとうございます。私とクロメさんを

ここまで送り届けてもらい感謝致します!」

 

「お兄さん達、きっと近くにいい事があるかもよ!じゃ、私達ここで失礼するね!行くよアーシアまたね一誠!」

 

 

 

「はい!また・・・・会えますか?翔真さん・・・・」

 

「生きてる限り何度でも会えるさ、アーシアさん」

 

「翔真さん・・・・・どうか、翔真さんに幸せを」

 

神にお祈りを捧げて、クロメと共に教会の中へ入る。

 

「元気な子達だったな」

 

「ああ・・・・」

 

一誠と翔真はクロメ達の後ろ姿が見えなくなるまで見届けて、学園へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、翔真はアカメと共に住宅街を

歩いていた。

 

「この辺外灯が暗くないか?」

 

「翔真の言う通り。これじゃ一人で歩くのも

怖いくらい暗すぎる」

 

二人は剣の稽古を近くでしており、真っ直ぐに

姫島神社に向かっていた。

 

「アカメも随分腕を上げたよな。前は俺から

一本も取れなかったのによ」

 

「私だって強くなる為に必死に鍛練してたの」

 

「そっか・・・・・」

 

アカメの言葉を聞き、翔真は夜空を見る。

 

 

「(俺も・・・・・もっと強くならないとな)」

 

決意を新たにした時、邪悪な気配を感じ取る。

 

「!・・・・この辺に何かある」

 

「翔真、さっきあの家から悲鳴が聞こえた」

 

「嫌な予感しかないが行くか」

 

翔真とアカメは走り、民家の中へ入って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回はイカレ神父登場と姉妹再会


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第10話「バカ対イカレ」

第2話「変態なアイツに彼女が出来たらしい」を
一部修正しました。一誠のヒロインを刀華から
ある子に変更しました。




 

翔真とアカメが家の扉を開けた。扉を開けると

衝撃の光景が視界に入る。

 

「血だと?」

 

「この匂いからして、まだ殺されて数分も

経過してない・・・・・まずい予感がする」

 

「生臭いな」

 

翔真はアカメとの稽古に使っていた刃と峰が

逆向きになった刀「逆刃刀」を抜いてアカメと

共にゆっくり部屋の中へ入る。

 

「うわ・・・・こいつはひでぇ」

 

「誰がこんな事を・・・・・」

 

血まみれになった夫婦だろうか?二人は逆さ吊りにされて吊るされていた。

 

 

「ッ!アカメ!」

 

「・・・・!?」

 

「ヒャッハァァァァァァ!!」

 

アカメを飛ばして、即座に逆刃刀で降り下ろされた 剣を受け止める翔真。

 

 

「誰なんすかい?もしかしてお客さん・・・・・

なわけねぇですよね!?」

 

「いきなり攻撃なんて、結構容赦ないよねアンタ」

 

そう言うと、神父の服を着た男の腹に蹴りを

入れて吹き飛ばす翔真。

 

「これは・・・・そんな・・・・・イヤァァァァ!!」

 

「嘘でしょ・・・・」

 

「ッ!?なんでお前らがここに居るんだ!?

アーシア、クロメ!」

 

「クロメ・・・・・嘘・・・・」

 

「もしかして・・・お姉ちゃん・・・・なの?」

 

「(オイオイ、まさかの・・・・名前が似てるとは

思ったが・・・・)アカメ!取り敢えず二人を頼む」

 

「分かった」

 

「ちょいちょい!アーシアたんとクロメたん・・・・ガバッ!?」

 

 

「うるせぇんだよ・・・・・さっきから」

 

何か言い掛けていたが、翔真は気にせずに

神父を殴り飛ばした。

 

「やめてくださいフリード様!翔真さんは

悪い人じゃありません!」

 

「オレっちに攻撃した以上は敵っしょ!」

 

「・・・・・そうか。俺を敵と言ったならやられても

文句言うなよ?神父擬き」

 

「オレっちを倒すだァ?ギャハハハハハ!!

寝言は寝て言いなッ!」

 

フリードは剣を構えて翔真に近付く。

 

「京都神鳴流!斬鉄閃!」

 

自身の気を武器に、刀身から螺旋状に飛ばし

フリードは剣で受けきれず吹き飛ぶ。

しかし、すぐにふらっと立ち上がる

 

「いいね・・・・いいねいいねいいね!久々に

まともに殺り合える奴が出て来るとはねぇ!」

 

「お前にまともとか言われても嬉しくないんだが」

 

 

翔真とフリードは見合って、すぐに戦闘に入る。

刀と剣がぶつかり合い、互いに肉眼では見えぬ

スピードでどちらも隙を狙って刀と剣を突いていく。

 

 

「早い・・・・・とてもじゃありませんが見えません」

 

アーシアは目の前で繰り広げられる神速の戦いに呆然とする。一方でアカメとクロメは・・・・

 

 

「本当に・・・・クロメなの?」

 

「そうだよお姉ちゃん」

 

「クロメ・・・・・クロメッ!」

 

「お姉ちゃん何時から泣き虫になったの~?」

 

「う、うるさい」

 

実に数年ぶりの再会であり、アカメは涙を

流してクロメを抱き締める。クロメはアカメを

からかいながらも表情は今にも泣き出しそうだった。

 

「し、しぶとすぎるだろ神父さんよ」

 

「や、やるじゃないのよアンさん」

 

二人は息を切らし、一旦距離を取る。

 

「次で終わらせてやんよォォ!!」

 

「京都神鳴流・・・・雷・光・剣!」

 

 

降り下ろされた剣を片手で受け止め、逆刃刀に

電流にも似たエネルギーを纏わせフリードに

喰らわした。

 

「ガッ!」

 

「・・・・少しは静かにしてろ」

 

 

倒れたフリードに対してそう言った翔真は

逆刃刀を納めた。

 

 

「・・・綾崎」

 

「兵藤・・・・・それにまだ居るな?」

 

「貴方は一体何者なのかしら?綾崎翔真君」

 

「翔真君・・・・また貴方は」

 

「朱乃さん・・・・」

 

後ろを振り向くと一誠が呆然と立ち尽くし、

リアス、朱乃、後輩である塔城小猫、同じ二年生の木場祐斗がいつの間にか来ていた。

 

 

「先程の戦い、さすがだよ」

 

「圧倒されました」

 

「いや、別に感想とか求めてねぇんだが」

 

「・・・・・」

 

小猫と祐斗が口を開き、先程の戦いがよほど

刺激的だったのか、思わず心の声が出てしまう。

 

そんな中、朱乃はゆっくりと翔真に近付く。

 

「あ、朱乃さん?・・・・アハハ・・・・」

 

「バカ。人の気も知らないで・・・・」

 

「え・・・・」

 

暗かった為、少し見えにくかったが朱乃の瞳

から雫がこぼれていた。

 

「・・・・・」

 

―これで何度目だろうか、朱乃さんの涙を見たのは。

 

大概、朱乃が涙を流すのは自分が原因だと

理解はしている。気を付けているつもりでも

どうやら、また彼女を悲しませたらしい。

 

「ゴメン・・・・」

 

翔真がポツリと小さく呟いた直後、小猫が

何かの気配を察知した。

 

「この近くに堕天使の反応複数」

 

「詳しい事はまた明日話す。アカメ!アーシア

とクロメを!」

 

「分かった!」

 

「クロメ!?なんでここに!?」

 

「今頃気付いたの?」

 

一誠とクロメのやり取りはさておき、翔真は

詠符唱を唱えてバハムートを纏う。

 

「アンタ達は待避しとけ!」

 

「私も戦うわ」

 

「イヤダメだ。大体これは俺が原因で

そうなった訳だし・・・・ルガーランス」

 

「でも!」

 

「心配する事はない。命なんて安い物だ・・・・

特に俺のはな」

 

翔真はルガーランスを構えて、空へと出る。

 

「堕天使20・・・・・ざっとやれるか」

 

即座にこちらに向かう堕天使を捉えて、接近する。

 

「死ぬぞ・・・・俺を見た奴は!」

 

 

黒き装甲機竜の使い手が夜空を舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




京都神鳴流

元ネタ ネギま!?ラブひなより。

魔物などを退治する退魔師の一族に受け継がれる
流派。翔真と今は世界を旅している義理の妹が
使用している。一刀流の技が多く、野太刀で
戦う事が多い。



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第11話「新たなる神装機竜の使い手と動き出す最速」

 

とあるビルの屋上。長い金髪をなびかせる少女は笑みを浮かべて満月を見ていた。

 

 

「あら・・・・呑気にお月見かしら?」

 

「その言い方は少し酷くありませんこと?

楯無・・・・・いえ、刀奈」

 

「出来れば楯無と呼んで頂戴、クローディア」

 

金髪の少女、クローディア・エンフィールドは

水色のかかった髪をした少女「更識楯無」の方へと振り向く。

 

 

 

「さてと、そろそろ行くとしましょうか」

 

「そうね。黒き英雄・・・・・多分この街にいるはずよ」

 

「一つ聞いてもいいかしら刀奈。何故黒き英雄・・・・いえ、黒き討伐者と呼ばれている彼を探しているの?」

 

 

「もしかすると彼は・・・・・私が探している幼なじみかもしれないの」

 

 

楯無は写真を取り出した。その写真に写っていたのは幼き自分と幼き翔真だった。

 

 

「ようやく会えるかもしれないの」

 

「そういう事ですか。刀奈は結構一途なのですね」

 

「べ、別にそういう訳じゃないから!」

 

二人のやり取りは一旦終わり、腰に差した

ソードデバイスを楯無、抜いた。

 

 

「転生せよ、財貨に囚われし巨竜。遍く

欲望の対価となれ、ファフニール!」

 

「降臨せよ、偽政者の血を継ぎし王族の竜。

百雷を纏いて天を舞え・・・・リンドヴルム」

 

詠符唱を唱えて、楯無は《ファフニール》を、

クローディアは《リンドヴルム》を纏い空へと

飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか堕天使を退けた翔真。案の定彼に安息

などなく、朱乃に呼ばれただいま姫島神社の中にいた。アーシア、クロメは一旦束達の元で匿われている。

 

 

 

 

「・・・・・」

 

「(だ、誰か~・・・・助けてくれ~!)」

 

 

先程から沈黙の空気が続いていた。朱乃は

目をつぶりずっと翔真の前に座っていた。

 

「・・・・・翔真君」

 

「は、はい!」

 

「私が何故怒ってるか分かりますか?」

 

朱乃にそう聞かれて、一瞬固まる翔真。

 

「それは・・・・えっと・・・・だ、だけど聞いてくれ

朱乃さん!俺はただ、アカメと剣の稽古をして

いてたまたまあの家へ行った訳でして・・・・・」

 

「私はそれで怒ってるんじゃないわ」

 

「え・・・・・」

 

「本当に分からないの?」

 

必死に思い当たる節を思い出すが翔真には

分からなかった。

 

「分からないです・・・・すいません」

 

「・・・・もう。だから翔真君はチキンとか

言われるのですわ。甲斐性なしのろくでなし」

 

「そうね・・・・・そこにバカとうすのろを

足してもいいよ」

 

「大体翔真君は・・・・・」

 

 

やはり女心という物が翔真にはまだ分からなかった。

しっかりと勉強するべきだろうと、翔真はそう

思いながら朱乃の説教を聞く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、一室のマンションでは一人の男がスーツに身を包み窓から景色を眺めていた。

 

 

「全く・・・・堕天使がこの街を荒らしまくる・・・・

こいつはサーゼクスからぶつくさ言われるな」

 

「そんな思い詰めてると胃に穴が空きますよ?

アザゼルの旦那」

 

「お前の陽気さが羨ましい限りだクーガー」

 

堕天使の総督、ちょい悪親父のような外見が

特徴のアザゼルは、ソファーに座る一人の男に

視線を向けた。

 

 

白と紫のカラーが目立つ軍服に身を包み、左腕の袖には『HOLD』と書かれたマークがあった。

 

 

片手に『世界の朝食のお供』という本を読んで

いるのは常に速さを求めて、己のルールに従って動く男・・・・ストレイト・クーガーだった。

 

 

 

「褒め言葉として受け取っておきますよ。

それよりも何か言いたそうな顔してますなァ」

 

「頼まれてくれるかクーガー」

 

「俺は構いませんぜい。旦那には助けて

もらった件がありますしたやすい事ですよ」

 

「すまねぇな。実はうちの若いもんが随分

やらかしてるみてぇでな、特にマリーゼっていうのが一番性質が悪くてよ」

 

 

「つまりはそいつを捕まえてくりゃいい・・・・

という訳ですな」

 

クーガーはそう言うとサングラスを掛ける。

 

「さてと・・・・・久々に動くとしますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は翔真、一誠、アーシア、クロメがメインです。


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第12話「悲しみの連鎖」





 

 

―目の前で誰かが死ぬなんて、俺はもうごめんだ。

 

―なんで・・・・私だって神装機竜持ってるんだよ!

 

―お前が居ても・・・・足手まといなだけだ・・・・・

それに、お前が死ぬ所なんて見たくねぇんだよ

 

―ッ!・・・・

 

―お前は来るな明日菜!リコに目をつけられたら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・最悪な目覚めだな・・・・またあの夢か」

 

起きるなり、悪態をつく翔真。昔に会った

女の子に自分が冷たく突き放した時の場面が

夢となって現れた。

 

 

「大丈夫ですか翔真様」

 

「ありがとう夜架」

 

「主様の心配するのは当然の事ですわ」

 

夜架はニッコリと笑い掛けて翔真の側に座る。

 

「わたくしは何があっても翔真様の側を

離れませんわ・・・・・だからご安心を」

 

「夜架・・・・やっぱり、お前はシャルロット達と

同じで俺の癒しだ」

 

「癒しだなんて・・・・お世辞が上手いんですから」

 

「癒しなのは本当さ」

 

「そ、その中に・・・・・私も入ってるの?

翔真・・・・」

 

「あ、アカメ!?」

 

部屋の出入口にアカメが頬を赤らめて立っていた。

どうやらたまたま聞こえたらしい。赤いパジャマを着た彼女は大きい熊のぬいぐるみを抱き締めて翔真に熱い視線を送る。

 

 

 

「・・・・・当たり前だろ?アカメも、

シャルロット達も皆同じさ」

 

「ありがとう」

 

今のアカメは顔が、恐らく真っ赤な状態で

あるのは確かである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、翔真は姫島神社から出て

公園に来ていた。ある人物達と待ち合わせしていた。

 

 

「あ!翔真さん!」

 

「アーシア」

 

「「よっ!」」

 

アーシア、一誠、クロメだった。四人は一息つきベンチを座る。そして本題はここからだ・・・・

 

 

「・・・・・聞かせてくれないか?アーシア、

それにクロメも。なんであの神父の元に居た?」

 

「・・・・私達は知らなかったんです。私は

ある日、森で倒れてる人をクロメさんと見つけてその人を治療したんです」

 

 

「でもさァ、その人が実は悪魔でそれを知った

教会の人達はなんて言ったと思う?」

 

「何を言ったんだ?」

 

「魔女呼わばりされて、挙げ句の果てには

私もいちゃもんつけられたんだ。それから教会から追放だよ。困っていた所をマリーゼに声を掛けられてこの日本に来たんだ」

 

 

 

「酷い奴等だな。これで堕天使とアーシア達の

関係がはっきりしたな・・・・・アーシアはただ助けたかっただけなんだろ?」

 

 

「はい・・・・・」

 

「なんだよそれ!悪魔の怪我を直しただけで

アーシアやクロメを追放したっていうのかよ!」

 

一誠は立ち上がり怒りを露にする。

 

「だが兵藤。悪魔と教会の人間は敵対関係に

ある・・・・教会の人間が悪魔の怪我を直せば

どうなるかぐらいは・・・・」

 

「じゃあアーシア達が悪いって言うのかよ!」

 

「ちげぇよ!・・・・・違うけど、それが教会の

意思だ。身勝手だって分かってる・・・・」

 

「翔真さん・・・・」

 

「アーシア・・・・・もし君の居場所がないなら

俺の所に来るか?」

 

「え・・・・それは」

 

「俺はこのまま、君達をアイツらの元へ

返す訳には・・・・」

 

「悪いけど彼女達を渡す訳にはいかないわ」

 

「「「「・・・・ッ!」」」」

 

声がした方に視線を向けると、マリーゼ、

レイナーレ、他の堕天使がいた。

 

「夕麻・・・・ちゃん」

 

「一誠・・・・君」

 

レイナーレ、一誠は互いに意識する。彼が

生きている事に動揺するかに思われた。しかし

レイナーレは一誠が生きていた事に内心

ほっとしていた。

 

「悪いけど、アンタ達には用はないのよ!」

 

黒い翼を広げて急加速するやいなや、アーシア

クロメを拐う。

 

「アーシア!」

 

「クロメ!」

 

「アハハハハハ!これでようやく力が手に入る!お前達、あとはコイツらをやれ」

 

 

「はっ!」

 

「悪いがやらせてもらうぞ」

 

「ニヒヒヒ!覚悟するっす!」

 

「・・・・・」

 

二人を拐ったマリーゼはその場から去り、

『ドーナシーク』『カワラーナ』『ミッテルト』レイナーレを除いた三人の堕天使が二人に襲い掛かる。

 

 

 

「クロメ!クロメェェェェ!!」

 

「お前らに構ってる暇はねぇ!そこを

退けェェェェ!!」

 

 

即座に詠符唱を唱えて、バハムートを纏い

堕天使との戦闘に入った。

 

 

 

 





教えてくれ、アカメが可愛いのは何故だ。


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第13話「黒のススメ」

ハイスクールD×Dの新シリーズが始まるらしい!
あー、早く魔装学園H×Hの第2期始まんねぇかな~


 

堕天使を何とか退けた。しかしアーシアとクロメは連れ去られたままだった。

 

 

 

悔しい・・・・

 

 

目の前で、あんな光景を目にしバハムートが

あったにも関わらずこの有り様だ。一誠は

あの後一度駒王学園へと戻った。時刻は

夜の21時を回り翔真は姫島神社にいた。

 

 

「・・・・・助けないと」

 

腰にバハムートを差して、翔真はある人物に

頼んだ情報網で堕天使達の居場所を見付けていた。

 

 

「こんな時間に散歩?」

 

「ユリシア・・・・」

 

「また考え事?」

 

「シャルロット」

 

歩き出そうとした時、ユリシアとシャルロットに呼び止められる。

 

 

「・・・・・私達が寝静まっているとでも思ったの?」

 

「また一人で無茶しようとしてるでしょ翔真」

 

「・・・・」

 

シャルロットの問いに答える事が出来ない翔真。

 

「どうしてボク達に相談してくれないの?そんなにボク達が信用出来ない?」

 

 

「そうじゃない!・・・俺はただ、シャルロット達に迷惑を掛けたくないんだよ」

 

 

「でも、相談も無しに一人で行動するなんて

酷いと思うなァ~」

 

「・・・・ごめん」

 

シャルロット、ユリシアは翔真の側に立ち並ぶ。

 

「ねぇ翔真。ボク達だって戦えるんだよ?

翔真は一人じゃないし、ボク達もいるんだから」

 

「そうそう。もし翔真が居なくなったら私達

泣いちゃうんだからね?」

 

「・・・・・泣いちゃうと流石の俺でもフォロー

出来ないぜ・・・・アハハ」

 

 

 

翔真は二人の気持ちを知り、経緯を全て話した。

 

 

「要するにアーシアちゃんとアカメの妹、

クロメちゃんを助ければいいんだね?」

 

「卑怯な奴等ね」

 

「くれぐれもアカメには内緒だからな」

 

「どうして?アカメも連れて行った方が

いいんじゃないの?」

 

「いや。アカメは今寝てる・・・・それに、妹が

連れ去られたって聞いたらきっと悲しむ。

俺はアカメの悲しむ顔をみたくないんだ」

 

「そういう事ね。なら、さっさと片付け

ちゃいましょ!」

 

「行こう翔真!」

 

「ああ・・・・・分かった」

 

翔真とユリシアはそれぞれバハムート、ワイバーンを纏い、シャルロットはラファール・リヴァイヴカスタムを纏い空へと上がり、堕天使が滞在している教会へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

教会の近くへ降りた三人。するとある三人と

出会う。

 

「綾崎!やっぱりお前も!」

 

「兵藤!?・・・・それに」

 

「この間はどーも綾崎君。僕は木場祐斗、

改めて宜しく」

 

「塔城小猫です。綾崎先輩に、デュノア先輩、

ファランドール先輩こんばんわ」

 

「こんばんわ」

 

「兵藤君達も居るっていう事は・・・・・

クロメちゃん達を救出に?」

 

「ああ!俺は部長が何を言っても絶対に

助けたいんだ!・・・・本当にいいんだな?木場、

小猫ちゃん」

 

「とっくの昔に覚悟は出来てるさ兵藤君。

怒られる時は一緒に土下座しながら聴こう

じゃないか」

 

「あ、誰か出て来ました」

 

「あの服装からして神父だな。シャルロット

ユリシアも・・・・・本当にいいんだな?」

 

「もちろん!」

 

「当たり前でしょ?こちらは何時でも

準備万端なんだから!」

 

「なら・・・・行くか兵藤」

 

「ああ!」

 

 

翔真、一誠を先頭に教会へと向かう一向。

 

「「うおおおお!!」」

 

「な、何者だ!」

 

「チィ!攻撃だ!」

 

「そちらが来るなら!」

 

翔真は束によって豊富な武装パック

「セブンソード」からフラガラッハビームソードを二本取り出す。

 

 

 

二人の少女救出は始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





フラガラッハビームソードの元ネタは
ガンダムSEED スターゲイザーに登場する
ストライクノワールの対艦刀が元ネタですね。



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第14話「堕天な彼女と一誠キレる」

 

 

バハムートを纏った翔真は両アームからアンカーを射出しはぐれ神父の身体を縛り教会の壁へと叩き付ける。

 

 

 

「行くよ!リヴァイブ!」

 

シャルロットはアサルトライフルでドアを撃ち抜き翔真達は中へと突入する。

 

 

「な、なんだよコイツら!」

 

「はぐれ神父の軍団か・・・・ご苦労さんだな」

 

「それだけじゃないみたいです」

 

一誠が驚き、翔真がフラガラッハビームソードを構えている最中、小猫が指を差す方向にはシスターが二人いた。

 

 

 

「悪魔の一行か!ならば!」

 

「ワイバーンで蹴散らしてあげる!」

 

はぐれシスターは詠符唱を唱えて、ワイバーンを纏う。

 

 

「ワイバーンね。翔真、ここは私達にお任せ」

 

「ワイバーンの相手はボク達に任せて!

翔真や兵藤君達は先に行って!」

 

ユリシア、シャルロットはこちらに向かう

はぐれシスターを迎え討つ。

 

 

 

「たかが悪魔に!」「我々の力を見せてやる!」

「行くぞ!」

 

はぐれ神父A はぐれ神父B はぐれ神父Cの言葉を

筆頭にはぐれ神父の軍団はライトセイバーの

ように光る剣を構えて翔真達に挑む。

 

「そちらがそう来るなら遠慮は無しで行きますよ」

 

「容赦しません」

 

「退けよ!お前らに構ってる暇はねぇんだよ!」

 

「兵藤の言う通りだ・・・・・そこを退けェェェェ!!」

 

祐斗は魔剣を握りしめはぐれ神父との剣撃戦に

入る。小猫は小柄な体には似合わない自慢の力で神父を投げ飛ばす。

 

 

「「邪魔だァァァ!」」

 

「「「「「うおおおお!?」」」」」

 

アーシア、クロメを助けたい翔真と一誠は

周囲を囲む神父を殴り、蹴りを繰り返して

圧倒してゆく。

 

一誠は左腕に籠手を装着し戦っていた。恐らく

神器と思われる物だろう。

 

「(あれは兵藤の神器なのか?・・・・・だが

何故だ?あれから強大な力を感じる)」

 

「あらあら、まさかこんな所にまで来るとは

ご苦労様ね」

 

「貴様はッ!」

 

声がした方を向くとマリーゼがいた。さらには

彼女の後ろに飾ってあった布がはらりと取れる。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

 

「ッ!アーシア!」

 

「クロメ!」

 

 

布に隠されていたのは十字架に吊るされた

アーシアとクロメだった。

 

「・・・しょう・・・ま・・・・さん」

 

「おそ・・・・いよ、イッセー」

 

二人は衰弱していた。今の現状は喋る事だけで

精一杯だった。

 

「兵藤一誠・・・・・貴方にいい物をあげる」

 

マリーゼはある人物を一誠の前に投げた。

 

「夕麻ちゃんッ!?」

 

「イッセー君・・・・・」

 

黒い翼をボロボロにされたレイナーレだった。

一誠はすぐさま彼女に駆け寄る。

 

「どうして!どうしてこんな・・・・ッ!」

 

「はん!小娘二人を助けようとするなど、

無駄な事するからさ」

 

「ごめんなさいイッセー君。貴方を殺して・・・・・

私、どうしようって迷ってた・・・・謝りたかった・・・けど貴方が生きていて私・・・・」

 

 

「夕麻ちゃん?・・・・嘘だろ・・・・・なあ、夕麻ちゃん・・・・夕・・・・麻・・・・ちゃん・・・・・」

 

 

夕麻ことレイナーレは一誠に笑顔を見せると

そのまま一誠の腕の中で静かに息を引き取った。

 

「クククッ・・・・アハハハハ!!」

 

レイナーレが息を引き取ったと同時にマリーゼは笑いだす。

 

 

「貴様・・・・・何が可笑しい!」

 

笑い出したマリーゼに翔真は殺意を宿した瞳で

彼女を睨む。

 

「おかしいもなにも、たかが命を守る為に

身を犠牲にする愚かなバカだと思っただけさ」

 

レイナーレは翔真達が来る数時間もの間、

アーシアとクロメを守る為に自らの身を犠牲にしマリーゼの魔の手から二人を守った。だが努力虚しくレイナーレは力尽き倒れてしまった。マリーゼに何度も光の槍で殴られ、刺された彼女。

 

 

 

 

 

 

 

愚かな?―――バカだと?―――

 

 

一誠はその発言を聞き逃す事はなかった。

 

「許さねェ・・・・」

 

今、心の底からあの女(マリーゼ)を殴りたい。

次第に一誠の身体に赤いオーラが吹き荒れる。

 

「お前だけは絶対にッ!・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

許さねェェェェェ!!!!

 

 

《Boost!!》

 

 

一誠の怒りに応えるように、籠手は「赤龍帝の籠手」 へと変貌する。

 

 

「な!?そ、それはまさか!」

 

「黙れよ女」

 

「ッ!」

 

一誠のドスの効いた声にマリーゼは体を震わせた。

 

 

「夕麻ちゃんを・・・・笑ったな・・・・・お前だけは

絶対に許さねぇ!綾崎、アイツだけは俺に

やらせてくれ!」

 

「・・・・分かった」

 

「クロメを頼む」

 

「任された!」

 

 

一誠はマリーゼに渾身の拳をお見舞いする為に

走り出す。翔真は二人の元へ急ぐ。

 

 

「間に合ってくれッ!」

 

救いの手を差し伸べる事が出来ると矢先、翔真の前に新たな敵が現れる。

 

 

「ところがぎっちょっん!」

 

「なに!?・・・・・貴様はッ!」

 

「見つけたぞ・・・・綾崎・・・・お前をどれ程

探したか」

 

 

アーシア、クロメの前に《ワイバーン・ツヴァイ》を纏う少女、甘木梨子が現れる。バスターソードを担ぎ、その瞳に映るのは翔真を殺したいという殺意のみ。

 

 

 

 

 

「いけよ!ファング!」

両サイドのスカートからファングを6基射出する。

ファングは翔真に襲い掛かろうとする。

 

しかし、そんな翔真の前に二人の少女が現れる。

 

 

「彼をやらせないわよ!」

 

「痛い目に・・・・合いたいみたいですね?

うふふッ・・・・・」

 

「神装・・・・機竜・・・・」

 

 

まるで彼を守るように現れたのは・・・・・

《ファフニール》を纏う楯無、《リンドヴルム》を纏うクローディアだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






オリキャラ

甘木梨子(17)女

容姿 クロスアンジュのサリア。髪色はオレンジが
掛かった色をしている。

装甲機竜《ワイバーン・ツヴァイ》

本作の翔真の最大の天敵。ガンガン00で言うなら
アリー・アル・サーシェスのような立場。過去に
翔真とその幼なじみと何らかの因縁を持っている。
ワイバーンは独自にカスタマイズしたもので
大型剣バスターソードと、遠隔操作武器『牙』を
装備している。牙はファングと呼ぶ。

ワイバーン・ツヴァイのイメージモデルは
ガンダムスローネツヴァイ


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第15話「トリプル神装機竜+赤龍帝」

 

楯無、クローディアが現れた頃。シャルロット達もはぐれ神父、シスターを退けていた。

 

 

「私達がこんな奴等にッ!」

 

「悪魔風情がァァァァ!」

 

「悪いけどボクらは人間だよ」

 

「そういう事よ、シスターさん」

 

シャルロットとユリシアは同時にアサルト

ライフルでシスターが纏うワイバーンに砲撃を

かまして行動不能に陥れた。

 

 

『何だコイツらは!』『たかが悪魔に!』

 

「最初に言ったはずなんだけどね。容赦は

しないって!」

 

「えい」

 

祐斗は魔剣を振るい、はぐれ神父を圧倒し

小猫は投げ飛ばす。力では誰にも負けない小猫は次々となぎ倒しいく。

 

 

 

 

「カナちゃん・・・・なのか?」

 

「うん。久しぶりね翔真君」

 

「このお方が黒き討伐者なのですか・・・・

少し興味を持ってしまいます」

 

「なんだお前達は」

 

梨子が口を開き、彼女の問いに楯無・・・・いや

刀奈とクローディアは余裕のある笑みを見せる。

 

「翔真君の味方、それだけは言っておいてあげる」

 

「やられる覚悟は出来まして?生憎、私達は

手加減出来ませんわよ」

 

「チィ、舐めるなッ!いけよ牙(ファング)!」

 

牙(ファング)を射出し、6基の牙が彼女達に迫る。

 

「甘いわよ、『竜鱗装盾』展開!」

 

クローディアを後方に、刀奈は前へと出て

 

竜鱗装盾《オートシェルド》でファングの

攻撃を防ぐ。

 

「まだあんだよ!」

 

だが、まだファングが2基ありクローディアの

背後に迫る。

 

「戦う前に戦況、敵の特徴を把握せよ」

 

「ッ!!」

 

クローディアがそう言った直後、あらゆる確度からエネルギー弾が現れファングを粉砕した。

 

 

「バカな・・・・今のは一体!」

 

「ろくに戦わずに、そういった武器に頼って

ばかりいると・・・・・やられますよ?」

 

 

ファングを星光爆破(スターライトゼロ)

撃破したクローディア。

 

「今よ翔真君!あの二人を!」

 

「ありがとうカナちゃん。行くぞ一誠!

腕に掴まれ!」

 

「おう!」

 

一誠はバハムートの左腕に乗っかりマリーゼに

近付く。

 

「な・・・・・ッ!!」

 

「喰らいやがれ!」

 

「俺達の拳をなァァ!!」

 

「ほざけ!こちらにはこの娘から奪いとった

神器が・・・・ガッ!」

 

マリーゼが何か言い掛けたが、翔真と一誠の

拳を同時に顔で受けてしまうマリーゼ。

 

「くそガキ・・・・・よくも私の顔に・・・・」

 

「お前の顔?どうでもいいんだよそんな事・・・・

よくも夕麻ちゃんを・・・・よくもクロメをッ!」

 

左腕に装着された赤龍帝の籠手で殴ろうと拳を

振り上げる一誠。

 

「ちぃ!ミッテルト、カワラーナ、ドーナシーク!」

 

ここぞとばかりに部下である三人を呼ぶ。だが

三人の声は聞こえて来ない。

 

「な、何処にいる!?」

 

「貴方の部下はもういないわよ。後片付けは

朱乃がやってくれてるから安心しなさい」

 

「いい加減に諦めなさい」

 

「その声は・・・・・グレモリーの娘共か!」

 

「「リサラ!?/リアスさん」」

 

一誠と翔真が上を見上げると、悪魔の翼を

広げマリーゼの方を見ているリアスとリサラがいた。

 

「こっちも終わったよ」

 

「案外弱かったわ」

 

さらに、シャルロット達も戦闘を終えて刀奈と

クローディアも梨子を追い詰めていた。

 

「ちぃ・・・・・綾崎次そこは」

 

仕留め損ねて、梨子は納得が出来ないまま

現場から去る。

 

「彼女また来る可能性があるわね」

 

「気を付けないと」

 

刀奈とクローディアもまたマリーゼの方へと

視線を向けた。

 

翔真、シャルロット、ユリシア、刀奈、

クローディア、リアス、一誠、リサラ、小猫、祐斗の視線がマリーゼに向けられる。

 

 

「こんな悪魔共に・・・・私が」

 

「これで終わりにしてやる!」

 

一誠は夕麻をバカにしたマリーゼに再び拳を

降ろそうとした。

 

 

 

 

 

 

場所は教会付近にド派手なバイクが走っていた。

見た目は派手で、デザインはあまり格好いいとは言えない物だった。

 

 

 

「大は小を兼ねるのか速さは質量に

勝てないのか!いやいやそんな事はない!

速さを一点に集中させて突破すればどんな

分厚い魂であろうと砕け散るッ!」

 

 

ストレイト・クーガーは自分専用に改造した

(正確にはアルター能力で改造したバイク)バイクに股がり教会へと突っ込もうとスピードを上げる。

 

 

 

そして・・・・・

 

 

 

 

「ハッハッハッ!ハッァァ!!」

 

 

バイクで教会に突っ込んだ。

 

 

「「「「・・・・・ッ!?」」」」

 

一誠達が振り向く中で、翔真はポツリと呟いた。

 

「ストレイト・・・・クーガー・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回でディアボロス編終了です!



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第16話「ストレイト・クーガという男」

 

「ストレイト・・・・・クーガー・・・・」

 

「お前は!・・・・・ショウキか!」

 

「翔真だ!いい加減名前覚えろよ兄貴!」

 

「ハッハッハッ!すまんすまん!」

 

突如現れたストレイト・クーガーに呆然するのも束の間、早速名前を間違えられた翔真。クーガーは全く反省の色を見せてない。

 

 

 

「退けっ!」

 

「な!待てっ!」

 

マリーゼは近くにいた一誠を退けて逃亡を

計ろうとした。だが、クーガーはその隙を

見逃さない。

 

「俺よりも速く動くつもりかい?お嬢さん」

 

「ッ!?」

 

翔真達の間をくぐり抜け、即座にマリーゼの

目の前に現れるクーガー。

 

「邪魔だ!」

 

マリーゼは光の槍を数本放つ。

 

「ラディカル・グッド・スピード脚部限定!」

 

クーガーの両脚はすぐに装甲に覆われた。そしてこちらに向かって来る光の槍を蹴りで粉砕した。

 

 

「光の槍が!?くそっ!」

 

「フッ・・・・・衝撃のォォォォォ!!」

 

「なに!?」

 

「ファァァァストブリットォォォォォ!!」

 

 

空へ逃げようとしたマリーゼだったが

クーガーは地面を強く蹴りマリーゼより高く

舞い上がると衝撃のファーストブリットを決め込む。

 

 

「ガッ!・・・・」

 

「悪いがアンタを連れて来るように言われてる

もんでね。大人しく来てもらうぜい!」

 

地面へと落下しそうになるマリーゼを受け止めたクーガーは華麗に下へと着地した。

 

 

「「「「・・・・・」」」」

 

突然のクーガーの出現により一誠達は言葉を失い呆然としていた。

 

 

ただ、クーガーを知る翔真はカオスブランドを

クーガーに向ける。

 

「どうして今更になって現れた!

・・・・・ストレイト・クーガー!」

 

「オイオイ、別にフルネームじゃなくても

いいだろうショウキ?昔みたいに兄貴って

呼んでも構わないぞ」

 

「翔真だ!・・・・大体今頃になってなんだ、

勝手に俺の前から消えた奴が!」

 

「あぁ?何言ってるんだ?元々は他人同士が

つるんでいただけだろう」

 

クーガーはそう言うと背後を見せる。

 

「ま、積る話もあるだろうがまた今度だショウキ。トウッ!」

 

 

強く地面を蹴り、マリーゼを抱えたままクーガーは嵐のように過ぎ去って消えた。

 

 

「なあ綾崎・・・・・さっきの人と知り合いなのか?」

 

一誠は翔真にクーガーの事を尋ねた。

 

「俺が唯一・・・・心の底から憧れた兄貴だよ」

 

翔真は相変わらずといった感じで、苦笑いし

ながら答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後、リサラとリアスの力により

アーシア、レイナーレ、クロメは転生悪魔として復活しアーシアは自分の神器である「聖母の微笑」(トワイライト・ヒーリング)を取り戻し、これで事件は解決したかに見えた・・・・・

 

 

 

 

 

 

「何でこうなるんだよォォォォォ!!!!」

 

 

フルスピードで逃げるのはバハムートを纏う翔真。

 

「翔真ー!この人とどういう関係か

聞かせてもらえるんだよねー!」

 

「お姉さんも、今隣にいる女の子について

知りたいんだけどな~?あと、ユリシアちゃん達の事も知りたいわ~」

 

 

 

正妻ポジ、シャルロットとファースト幼なじみ

刀奈に互いの真相について聞こうと追い掛けられていた。

 

 

 

この光景を下から眺めていた一誠はこう思った。

 

 

「(ハーレムも案外大変そうだなこりゃ・・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は一誠宅にクロメとレイナーレが!?
翔真とアーシアのハプニングをお送りしまーす。
あと少ししたら焼き鳥君編かな。



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後日談―やはり俺達の日常は間違ってる―
第17話「私達の行方」


 

 

堕天使による事件から2日後、兵藤家の朝は

いつもより騒がしかった。

 

「今日からその・・・・・お世話になります!

あ、天野夕麻です」

 

「私はクロメ!よろしく~」

 

「「・・・・」」

 

 

「この二人はとある事情から住む場所が無くて、無理を言うかもしれませんが二人をしばらくの間泊めてあげてはくれないでしょうか?実を言うと、一誠の婚約者でもあるんです」

 

 

 

 

「(え!?初めて聞いたけど!?何ですか

その設定!)」

 

ソファーに座る夕麻、クロメは一誠両親に

挨拶をして、リサラは事情を説明していた。

あまりに突然の事だった為に、二人は呆然と

していた。一誠は初耳な設定?に混乱していた。

 

「えと・・・・・父さん?母さん?」

 

「!・・・・いかんいかん!あまりにも突然の

事だからついつい」

 

「でも、まさか一誠に婚約者が出来るなんて

夢みたいよ!バカで変態で唯一元気しか取り柄がないこの子に・・・・うぅ・・・・」

 

 

「今わたしは猛烈に泣きたい!」

 

「なんだろ・・・・・心にダメージを負ったのは

俺だけなのか?」

 

一誠は何故か落ち込んでいた。一誠父・母は

夕麻とクロメを見る。

 

「しばらくなんていい!ずっとここに居たら

いいさ!わたし達は歓迎するぞ!」

 

「その変わり私達の事は父さんか母さんって

呼んで欲しいんだけど・・・・・ダメ?」

 

「い、いいえ!寧ろいいんですか?私達他人

なんですよ・・・・」

 

「構わんさ!今日から夕麻ちゃんもクロメちゃんも家族さ!君達は娘になるんだから!」

 

 

「ッ!・・・・ありがとうございます!

お父さん・・・・・お母さん」

 

「なら私も~!お父さん!お母さん!」

 

夕麻は涙ぐみながら喜び、クロメと夕麻は

一誠の両親に抱き締められ暖かな光景がしばらく続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、姫島神社の敷地にある家では

翔真が渡り廊下を歩いていた。

 

「汗掻いたし風呂でも入らないと・・・・~♪」

 

鼻歌を歌いながら、部屋に入り、着替えて

風呂場へ行こうとした時だった。

 

シャアァァ

 

 

「(シャワーの音?誰かいるのか?)」

 

翔真は恐る恐るスライドドアを開けた。

 

「な・・・・・」

 

「し、翔真さん!・・・・キャ!!」

 

水に濡れ、生まれままの姿をさらけ出した

アーシアだった。アーシアは翔真達と一緒に

暮らす事になったのだ。日本語もちょくちょく

上達していき、今は特にシャルロットと仲が良く妹にように可愛いがられている。

 

 

「ごごごごめん!!アーシアが居るとは

思わなくて!」

 

顔を赤くしながら翔真は風呂場を後にしようと

したが、アーシアに腕を掴まれる。

 

「翔真さん・・・・・その、私・・・・翔真さんに

お礼がしたいんです・・・・・だから今言わせて

ください。私達を助けて頂きありがとうございます」

 

「アーシア・・・・」

 

アーシアは翔真に言えなかった感謝を告げた。

 

「俺だけじゃないさ。俺一人じゃきっと君を

助けられなかったと思う。礼だったらシャル

ロットやユリシアに・・・『ボク達がどうしたの?』・・・・・」

 

 

声がした。出来る事なら聞かなかった事にしたい・・・今の心境はそうだ。だが現実はあまりにも残酷であった。

 

 

 

「ボク達じゃ足りずにアーシアにまで・・・・・」

 

正妻シャルロット。両手で150tonと書かれた

ハンマーを持っていた。

 

「ま、待てシャルロットッ!・・・・これは

かくかくさんかく事情があってッ!」

 

「・・・・・遺言はそれだけかな?」

 

「(もう遺言として捉えられてる!?)」

 

「翔真の・・・・翔真の・・・・・バカァァァァァァ!!!」

 

「ちょ!?のわあァァァァ!?」

 

シャルロットは上手い具合にハンマーを振り

翔真を吹き飛ばした。

 

 

 

「(ああ・・・・エロは卒業しないとダメかな、

やっぱり・・・・・)」

 

 

晴天の青空を飛びながら、翔真は今後の在り方を考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回も日常回だと思う。




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第18話「ガールズトークなの。」

今回と次回ははっきり言っておこう!翔真と一誠の
出番はなし!

翔真・一誠「「・・・・・マジで?」」




翔真がハンマーで殴られた日の夜。シャルロットユリシア、アカメ、夜架、朱乃、アーシアが寝室で可愛いらしい私服を着てガールズトークに花を咲かせていた。

 

 

 

 

さらには・・・・・

 

 

「私達まで良かったの?シャルロットちゃん」

 

「ええ。更識さんやエンフィールドさんも

これからは一緒な訳ですし」

 

「そうですわ。それに、翔真君のお話も

聞きたいですし」

 

「やっぱりそう来るのね・・・・」

 

「当たり前じゃないですか」

 

「是非とも、私も聞きたいですわ」

 

黒い笑みを浮かべるシャルロットと朱乃、

夜架、刀奈の間に火花が散る。

 

「彼も人気者なのね・・・・・なら」

 

三人の光景を見て何か思い付いたクローディアはアカメの隣に座る。

 

 

「アカメさんで良かったかしら?」

 

「クローディア・エンフィールド」

 

「フフッ・・・・・クローディアで構いません。ねぇ

アカメちゃん、貴方も綾崎君の事好き・・・・なの?」

 

「い、いきなり何を!」

 

「動揺するという事は好きでいいのですね?」

 

「くっ・・・・・うん」

 

クローディアの笑顔に言い返す事の出来ない

アカメは頷くしかなかった。

 

「彼の何処に惹かれたか教えてくれませんか?

心配しなくても誰かに言ったりしませんよ」

 

「・・・・・普段はエッチな奴だけど、いざと

いう時に頼りになる。それに、一年前翔真に

助けられて・・・・その・・・・」

 

「なるほど・・・・・」

 

翔真の事を想うだけで体が熱くなってしまう

アカメ。顔は赤く、指をモジモジしながら

照れくさいのを隠す。

 

「それなら私だって同じだよ!」シュタ!

 

「た、束さん!?」

 

「いきなり上からってアリなの!?」

 

クローディアとアカメの間に天井から束が

現れる。忍者かよとツッコミを入れたくなる程

シャルロットとユリシアをびっくりさせた。

 

「姉さん!普通に入ればいいでしょ!」

 

「あ、箒」

 

普通に寝室に入って来た箒だった。突然の

箒にアカメは彼女の名前を呟いた。

 

「私と箒ちゃんなんてシー君が傷だらけで

倒れている所を保護したんだから!」

 

たゆんと揺れる胸を前に出し、えっへんと

言わんばかりに束は話を続けていく。

 

「ちなみに言っておくけど、束さんはシー君の初めてを貰ったんだから♪」

 

 

「「「「「え・・・・・ええェェェェ!?」」」」」

 

突然のカミングアウトにビックリする一同。

 

「ちょっと!?初めてってまさか!」

 

「くそ!まさかの伏兵がッ!」

 

「姉さん!その話は初耳です!

 

初めてという言葉に、刀奈は顔を徐々に赤く

染めていく。アカメは悔しい表情を浮かべて

立ち上がる。箒も突然のカミングアウトに

立ち上がった。

 

 

「そんな!!ボクですらまだなのに!束さん

ズルい!」

 

「そうよそうよ!!」

 

長年翔真と居るシャルロットとユリシアに

とっては堪った物ではない。

 

「ユリシア・・・・こうなったら邪魔なあの人を・・・・」

 

「そうね」

 

「何?まさか束さんを殺ろうって言うのかな?」

 

ニコニコしながらシャルロットとユリシアを

挑発する束。さらには・・・・

 

「許せませんわ・・・・・ここまで私を

怒らせたのは貴女が初めてですわ」

 

「あーちゃんも参加するのかな~?」

 

いつの間にか巫女服に着替えた朱乃がうっすらと黒い笑みを浮かべていた。

 

 

「なら相手してあげるよ。シー君の本当の

正妻が誰なのかを教えてあげる」

 

 

束、シャルロット、ユリシア、朱乃はふふふっと笑いながら外に出た。ここから先は言わなくても分かるであろう。

 

 

 

「あの・・・・初めてとはなんでしょうか?」

 

「知りたいかしら?」

 

アーシアは初めてという言葉を理解出来ず、

クローディアは要らぬ知恵を彼女に吹き込み

アーシアは顔を赤くして気絶したのは言う間

でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第19話「アカメタル・パニック?」


今回は夕麻、クロメ、リサラメインでお送りします。


 

 

翔真ヒロインズ達が夜を過ごしていた頃、

一誠宅では夕麻とクロメは一誠がいつも寝ているベッドの下からある物を見つけていた。

 

 

「こ、これって・・・・・え、エッチな本よね・・・・」

 

「う、うん」

 

クロメは顔を赤くしながら夕麻の問いに答える。

夕麻の手元に持たれているのは『黒髪ドジっ子のHな青春白書』である。

 

 

「「・・・・・」」

 

二人はごくりと唾を飲み込み、本の中身を開いた。

するとどうだろか?黒髪の女の子達が凄く

乱れまくる物ばかりであった。

 

「い、イッセー君の破廉恥ッ!」

 

夕麻は顔を赤くしたままエロ本を投げ捨てた。

 

「ちょっと夕麻ァ~、まだ見てたのに

なんで捨てるのさァ」

 

「あれはクロメにはまだ早すぎるのッ!!

もう・・・・イッセー君、そんなに本がいいのかな。かこれでも私、スタイルはいい方なのに・・・・」

 

 

 

 

 

―夕麻の妄想―

 

 

『ダメだよイッセー君!こんな所で!』

 

『ごめん夕麻。俺ずっと我慢してきたんだ。

でも、俺さ我慢出来なくなったから』

 

『あん・・・・イッセー君いきなりそこは』

 

『今夜は寝かせないからな?夕麻。大体

こんな衣装でいつも俺を誘ってるくせに』

 

『ち、違うの!これは私の衣装で・・・・んん!』

 

『夕麻のここビショ濡れじゃないか?今夜は

派手になりそうだから覚悟しとけよ』

 

『うん・・・・・なんだったら私・・・・

イッセー君との子供が欲しいな・・・・』

 

『全く・・・・・どんだけエッチなんだ!』

 

『にゃん!イッセー君のそれ・・・・・もう

カチカチだよ~』

 

 

 

―妄想終了―

 

 

「(ダメだよイッセー君!そこは!

私の神器だから~!)」

 

「何してるのよ」

 

「ッ!!・・・・いきなり脅かさないでよ!!」

 

リサラの声にびくっとした夕麻。

 

「リサラはお風呂だったの?」

 

「だから湯上がりなんでしょう?・・・・・ん?

あの本は何?」

 

リサラは一誠のエロ本を手に取り、数分間

黙ったまま顔を赤くする。

 

「り、リサラ?・・・・・大丈夫なの?」

 

「顔赤いよ?熱でもあるのかな」

 

さすがに心配になったのか、夕麻は声を掛ける。

クロメはポテチを食べながらリサラの様子を

伺っていた。

 

「そんなに・・・・・にゅうが・・・・いい訳?」

 

「え?」

 

「そんなに巨乳がいいわけ!?なによなによ!

男はすぐにお、オパ・・・・・ィが、大きければ

いい訳!?」

 

「でもリサラ?胸が大きいと肩も凝るし、

結構大変なのよ」

 

「巨乳は皆そう言うわ!」

 

夕麻の励みも虚しく、リサラは反論する。

 

「大体なんでよ!なんで私貧乳なのよ!・・・・

お母様やリアスお姉様はあんなにたゆんたゆんで巨乳なのに・・・・うぅ」

 

 

「(そう言えばリサラのお姉さんのリアスさんは

確かに巨乳よね)」

 

夕麻はリアスを思い浮かべて苦笑いするしか

なかった。

 

「でもリサラ、肝心なのはそこじゃないわ」

 

「何よ。他に何かある訳?」

 

「イッセー君ってば、私やリサラやクロメが

居るのにエッチな本を持ってるのよ?」

 

「言われてみればそうよね。イッセーはあと

少しすれば帰って来るから・・・・その時は

じっくりO☆HA☆NA☆SHl・・・・・しなくちゃね」

 

「そうね」

 

リサラと夕麻は黒い笑みを浮かべて、早く一誠が帰って来ないかと二人は待ち遠しく待つ。

 

 

「イッセーも大変だな~」

 

クロメは相変わらず呑気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

― 一誠宅の近く ―

 

 

 

「ぶえっくしょん!!」

 

「どうした兵藤、風邪か?」

 

「風邪じゃないと思うけど・・・・何か嫌な予感が

するんだよな」

 

ゲーセン帰りの一誠と翔真は夜空を見上げ

ながら歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 





確実に翔真と一誠は尻に敷かれるw

そんな未来はもう不可避さ☆

次回からフェニックス編突入。





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第二章 戦闘校舎のフェニックス
第20話「朝這いとメイドさんとの再会」


―――例え力尽きても、俺達は・・・・・

「何なんだ貴様らはァァァ!!」

「俺達か?・・・俺は綾崎翔真」

「俺は兵藤一誠!」

「「てめぇから大切な人達を奪い返すバカさ
覚えておきやがれェェェェ!」」

黒と赤、不死鳥に剣と拳を振るう。






 

翔真の朝は早い。毎日朝早く起きては鍛練をし

さらには皆の朝御飯まで作るのだ。今はアーシア、刀奈、クローディアも同棲した為に翔真はかなり大変になったが、それでも今の暮らしに満足していた。

 

 

 

 

「よっと!はっ!」

 

「ッ!」

 

「アカメ、大分成長したな。剣の太刀筋が

よくなって来てるぞ」

 

「そ、そうか。それは前よりもか?」

「当たり前だろ?」

 

アカメと共に汗を流す翔真。アカメも翔真から

上達した事を言われ表情はいつものクールとは

裏腹に笑みを浮かべていた。

 

「二人共おはよ~」

 

「よ、今起きたのかシャルロット」

 

「うん。ねぇ翔真」

 

「どうした?」

 

「もし良かったらさ・・・・今度の休みに一緒に

出掛けたいんだけど・・・・・いいかな?」

 

「別に構わないぞ?予定もないしさ」

 

「本当に?・・・・ありがとう翔真!」

 

OKが出た事によりシャルロットは喜び、思わず

翔真に抱き付く。

 

「シャ、シャルロット!?」

 

「え・・・・ッ!ご、ごめん!ボクったら何を・・・・・」

 

「いいって、そのお陰でシャルロットの

オッパイが・・・・あだだだ!?」

 

「翔真のエッチ」

 

「翔真のエロテロリスト」

 

余計な一言だった為に、両方の耳をシャルロットとアカメに引っ張られる。

 

 

――――

 

 

二人のお仕置きが終わり、翔真は部屋で

駒王学園の制服に着替えていた。

 

「最近お仕置きばっかりさてれてるような気がする」

 

近頃シャルロット達からお仕置きしか

受けてないと翔真は近頃の行いを思い返す。

 

だが、彼女達がいるからこそ今の自分がいる。

翔真は日頃からシャルロット達には感謝している。

 

「俺も覚悟決めないと・・・・な」

 

彼女達の好意にも気づいており、何時かは

結婚して彼女達との家庭も築こうと考えている

翔真。意外にもそういう事は考えているのだ。

 

「シャルロット、アカメ、ユリシア、夜架

朱乃さん・・・・・」

 

あとは箒や束も、刀奈もいる―――

 

「どうするべきか」

 

翔真が悩んでいると、床に赤い魔法陣が出現し

中からリアスが現れる。

 

「綾崎君・・・・」

 

「ふぁ!?り、リアスさん!?どうし・・・・うわ!?」

 

驚くのも束の間、リアスは翔真をベッドに

押し倒した。

 

「お願い綾崎君・・・・・私を、私を抱いて?」

 

「え・・・・・ええェェェ!?」

 

「シー!声が大きいわよ」

 

「いやいやいや!いきなり抱いてって」

 

「お願い・・・・今は黙って私を受け入れて」

 

「・・・・・リアスさん」

 

リアスの頬には一滴の涙が流れていた。翔真は

一瞬迷う。リアスとH出来るチャンス。だが

自分にはシャルロット達という大切な存在が

いる。ならば答えは一つ・・・・・

 

「それは出来ないよ」

 

「・・・・どうして?」

 

 

「確かにリアスさんみたいな美しい人とH出来るなんて俺には最高・・・・・だけど、そういうのはやっぱり大切な人とするべきだよ」

 

 

翔真はリアスを説得する。

 

「そりゃ、俺だって男だし今にも理性が

爆発しそうだけど・・・・でも、そういう事したら

最低だし、その・・・・行為は大切な人とするべきだよ」

 

「綾崎君・・・・・」

 

「リアスさん・・・・・」

 

翔真とリアスは数秒見つめ合う。するとまた

もや赤い魔法陣が現れ中からメイド服を着た

銀髪の女性が姿を現した。

 

「ここに居たのですねお嬢様」

 

「グレイフィア」

 

「今度は何!?」

 

「お嬢様・・・・・貴方は!」

 

グレイフィアは翔真を見た途端、呆然とし

ゆっくりと歩み寄る。

 

「あの時私を助けてくれた・・・・翔真君?」

 

「アンタは確か!悪魔に襲われそうに

なっていた・・・・・えと、グレイフィアさん!」

 

「え・・・・・グレイフィアと綾崎君知り合いなの!?」

 

「会いたかった・・・・会いたかった!」

 

「ぐ、グレイフィアさん!?いきなり

抱き付いたら・・・『ショウマァ?』・・・・」

 

ギギギッというブリキの玩具のような音が

聞こえそうなぐらい、翔真はゆっくりと扉の

方に視線を向けた。

 

「遅いから来てみれば・・・・ちゃんと説明

してくれるのよねッ!」

 

頬をひきつらせたユリシアが立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












今作のグレイフィアは独身です。サーゼクスは
オリキャラと結婚してます!


次回は一誠、リサラ、????メイン!



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第21話「リサラの願い」

次回、焼き鳥君登場


 

 

翔真がグレイフィア、リアスの経緯をシャルロットやユリシア達に説明している頃、一誠は翔真とは違い静かな朝を迎えていた。

 

 

「イッセー~、早く行こうよ~」

 

「待ってくれってクロメ。あと少ししたら行くから」

 

「分かった!じゃあ夕麻と待ってるよ~」

 

「おう」

 

クロメは玄関へと向かい、二階を降りた。

 

「今日も頑張らなきゃな」

 

―――ガチャ

 

「イッセー・・・・いつもより早いのね」

 

一誠の部屋に入って来たのはリサラだった。だが彼女はどこか落ち込んでいた。

 

 

「どうしたんだリサラ?なんか元気ない

みたいだけど?」

 

「・・・・・ねえイッセー」

 

「なんだ?」

 

「もし私が抱いてって言ったら・・・・抱いてくれる?」

 

「そりゃもち・・・・・ええェェェ!?」

 

突然の発言に一誠は声を上げてしまう。

 

「どうなのイッセー・・・・・私の質問に

答えなさいよ・・・・・」

 

リサラは上目遣いでイッセーに問い掛ける。

 

「(上目遣いとか・・・・反則だろ!・・・・けど

なんで突然)」

 

イッセーにはリサラが何故このような質問を

してきたのか分からなかった。だが、彼女が聞いているのに無視する訳にはいかない・・・・・

 

 

「その!それはつまり俺と・・・・Hしたいって事?」

 

「・・・・うん」

 

普段ならしばかれる所だが、イッセーはリサラがいつものように元気じゃない事を悟る。

 

 

「で、でも・・・・リサラはそれでいいのか?」

 

「・・・・・」

 

「俺が言えた事じゃないけどさ!そういう事は

まだ俺達には早いって・・・」

 

「私は抱く魅力すら・・・・ないの?」

 

「んなわけあるかよ!」

 

「ッ!!」

 

「リサラは可愛いし、ちょっと乱暴だけど

魅力は十分にある!胸が無くたって、俺は

リサラに魅力を感じる!」

 

一誠はこの時だけは真剣にリサラに向き合った。

自分の気持ちを、素直にぶつけた。

 

「イッセー・・・・・ありがとう」

 

一誠の正直な気持ちを聞いて、リサラは嬉しさが込み上げたのか涙を流した。

 

 

「ご、ごめん!」

 

「ううん・・・・謝らないで。私・・・・嬉しかったから泣いてるだけ・・・・・」

 

 

泣くリサラをなだめる一誠。だが・・・・

 

―――ガチャ

 

「イッセー君なにして・・・・・るの・・・・」

 

「あ~、一誠がリサラを泣かせてる」

 

扉が開かれ、駒王学園の制服に身を包んだ夕麻、クロメがリサラが泣いてる光景を目の当たりにする。

 

 

 

「イッセー君・・・・リサラに何したの?また

胸の事でイジメたんでしょ!」

 

「それは私も良くないと思うよ?イッセー」

 

夕麻、クロメが徐々に一誠に詰め寄る。

 

「ち、違う!これは誤解なんだよ二人共ッ!!」

 

『いっちゃん?』

 

「「「・・・・・ッ!?」」」

 

 

泣いてるリサラをなだめる一誠、夕麻、クロメは声がした方に視線を向けた。全身から赤いオーラを出すそはらが部屋の前に立っていた。

 

 

「そはらァァァ!?ななななんでお前がァ!?」

 

「最近、一緒に通学してくれないと思ったら・・・へぇ、いつの間にかモテモテになってんだね?」

 

 

今のそはらの表情は目の下に影を作り、一誠に

笑い掛ける。

 

「待ってくれ!まずは釈明の余地を!・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャアアァァァ!!――――――

 

 

 

 

 

 

 

一緒の叫びは空にまで響いた。





一誠のヒロイン紹介

天野夕麻(17)CV生天目 仁美

性別 女

容姿 原作そのままだが、あんまりつり目ではない。

性格 原作とは違いかなり綺麗。誰にも優しく
接して活発。

堕天使→転生悪魔

今作では元天使である。堕天使になって
しまったものの自分には自分の道があるという
自前の根性の元生きて来た。マリーゼに無理矢理
部下にされたが、たまたま任務で来ていた
駒王町で子供に優しくしていた一誠を見掛けて
彼に興味を持つ。マリーゼの命令により一誠を
殺した時は罪悪感から泣いていた。だが
今回の事件を機に一誠に好意を抱き密かに
将来の事を考え一誠との子供を作り、幸せな
家庭を築きたいと考えている。
一誠の二人目のメインヒロイン。


クロメ(16)CV大橋彩香

性別 女

容姿 原作と同じ

性格 原作よりマシになっている。

所有神器《死者行軍・八房》

原作とは違い、両親から捨てられアーシアの
所属していた教会に拾われそこで数年暮らす。
アーシアとは友達の関係であり今でも連絡したり
学園で遊ぶ仲。姉のアカメから一誠との仲を
よく聞かれうざがっているが嫌いではない。
一誠を兄のように慕っているが密かに好意を
寄せている。






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第22話「翔真と黒と焼き鳥とカンフー」






 

 

朝の通学路。普段なら優雅に話をして登校する所だが

 

 

 

「あの~・・・・怒ってますよね?シャルロットさんアカメさん、ユリシアさん、アーシアさん、夜架さん・・・・・」

 

 

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

冷や汗を掻きながら、彼女達の機嫌を伺う翔真。

 

 

「別に。私達がリアスさんやグレイフィアさんにデレデレしてる綾崎君を見ても、全然何とも思わないから」

 

 

「何処をどう見て怒ってると思うのかしらァ?」

 

「・・・・右に同じく」

 

「うぅ・・・・・やっぱり、胸の大きい人が

翔真さんは・・・・」

 

「翔真様には困りましたわ」

 

明らかにシャルロット、ユリシア、アカメは

怒っていた。アーシアは別の事で落ち込み夜架ははぁとため息を付く。

 

 

 

「だから今朝のは違うんだって四人共。そこは

信じてくれよ」

 

「・・・・・分かってるよ、今回だけは特別に

許してあげる。でも今回だけだからね?」

 

「シャルロットに免じて私やアーシア、アカメ

夜架も許してあげるけど・・・・でも」

 

ユリシアはそっと翔真の右手を握る。

 

「私達だけを見て」

 

「そうだ。いつも女の子を見てはデレデレして・・・私達だって女の子だ。翔真がもし望むなら私は・・・・」

 

 

「そうです!我慢出来ないなら私達が

翔真さんを癒しますぅ!」

 

「私達を好きなようにしてもいいのですよ?」

 

「皆・・・・」

 

ユリシア、アカメ、アーシア、夜架、さらに

シャルロットも加わり翔真に期待の眼差しを送る。

 

「いや。俺はそういう視線で・・・・・

シャルロット達を見たくないんだよ」

 

「どうしてですの?」

 

代表して夜架が翔真に問い掛ける。

 

「シャルロット達は・・・・俺にとって大切な・・・・・人だからさ・・・・」

 

 

意外な答えに、思わずシャルロット達は

顔を赤くする。

 

「い、いきなり何言うのさ!」

 

「あら。そこまで想ってくれてたの?」

 

「優しすぎる・・・・・だが、悪くない」

 

「翔真さん・・・・・はぅ」

 

「嬉しいお言葉ですわ」

 

五人は顔を赤くする。

 

「ミャー」

 

「あれ?翔真の足元に猫が・・・・」

 

「またお前か。たく、俺になついてくれるのは

嬉しいけど追っかけは流石に困るぞ?」

 

「ミャー!」

 

シャルロットの指摘で、翔真は足元に視線を

移すと黒いメス猫が翔真の足元にすり寄っていた。

 

「翔真知ってるの?」

 

「ああ、前にはぐれ悪魔に襲われてた所を

救ってさそれ以来ずっとなついてるんだよ」

 

アカメが黒い猫について尋ねると翔真は

カバンからお手製おにぎりを黒い猫に渡す。

 

「じゃあな。そろそろ急ぐぞ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

翔真、シャルロット、アーシアを筆頭に翔真達は走り出した。

 

 

 

黒い猫はその場から姿を消して、路裏に場所を

移していた。そして黒い猫は徐々に光りに包まれながら人間の姿になる。

 

 

 

やがて光りが止み、黒髪の少女が姿を現した。着崩れした黒い和服、胸元はざっくり開き、今にも飛び出しそうな豊満な胸が見えていた。

 

 

「もう~・・・何時になったら気付いてくれるニャ?そろそろ私も我慢出来ないニャ・・・・」

 

 

 

『黒歌』は翔真に渡されたおにぎりを見つめて

翔真の事を想っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―放課後―

 

 

 

「アーシア、学園には慣れたか?」

 

「はい!皆様優しい方ばかりで、なんというか

嬉しいです。それにクロメさんも一緒でしたから」

 

「そうか、夜架は?」

 

「クラスは違えど、私は大丈夫ですわ」

 

翔真、アーシア、夜架はオカルト研究部の

部室へと向かっていた。

 

 

シャルロット達も、今日は夜ご飯を作る当番

なので先に家へと帰宅している。

 

 

「良かった。それにしても用事ってなんだろ?」

 

「お、綾崎!」

 

「兵藤、それにレイナーレにクロメじゃないか」

 

「今は夕麻よ。レイナーレって呼ぶのは

あまりやめて欲しいのだけれど?」

 

「翔真達もオカ研に行くの?」

 

「まあな」

 

「クロメさん!」

 

「やっほ~」

 

アーシアはクロメと視線が合うと共に近くまで

駆け寄る。

 

 

翔真、一誠達はオカルト研究部の部室の扉の

前まで来ていた。

 

 

「先に兵藤達が・・・・」

 

「じゃあお言葉に甘えて・・・・」

 

一誠がドアノブに触れようとした時、部屋の

向こうから声が聞こえる。

 

『なに嫌がってんだ?もう変えられないんだ・・・・いい加減にしないと俺も怒るぞ?』

 

 

『嫌よ!・・・・・好きでもない相手と結婚なんか

したくない!』

 

『私も同感よ・・・・』

 

『だったら力で分からせるべきかァ?』

 

「「・・・・ッ!」」

 

会話からしてただ事じゃないと悟った翔真と一誠は思わず部屋の扉を蹴り飛ばした。

 

 

 

 

二人が見た光景は複数の少女達と、赤いスーツを着た男がリアスとリサラに近づいていた光景だった。

 

 

「イッセー!・・・・イッセー!」

 

リサラは一誠が来たと分かると彼の体に

抱き付く。

 

「何だ貴様らはァ?」

 

「・・・・・兵藤下がれ、アーシア達を頼む」

 

「ああ!リサラこっちに」

 

一誠達を下がらせ、翔真は手元に魔法陣を

出現させ、ソードデバイス《バハムート》を

取り出した。

 

「綾崎君!」

 

「・・・・・アナタは?」

 

「ライザー・フェニックスさ。それよりも貴様、その手に持っているのはソードデバイスか?」

 

 

「装甲機竜を知ってるのか」

 

「眷属で一人持っている者がいてね・・・・・

そうだろ?雪蘭」

 

「はい」

 

ライザーの声に一人の少女が反応する。少女は

チャイナ服のような戦闘服を着て、腰には

ソードデバイスを差していた。

 

「初めまして。黒き討伐者さん?」

 

「・・・・」

 

 

一触即発、今にも危険な香りがプンプンしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





一誠のヒロインにイザベラさんを追加する
つもりです!

翔真は内緒です。


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第23話「男として、ドラグナイトとして」

 

 

 

雪蘭は腰に差したソードデバイスを抜き、刃の先を翔真に向ける。

 

対する翔真もソードデバイスを構える。

 

「今はライザー様がお話中よ?邪魔は許さないわ」

 

「邪魔だと?リアスさんやリサラも嫌がってる

じゃないか。そこにいるキザな男が強引に

迫っているのを俺や一誠達も見てんだよ」

 

「貴様・・・・・そのキザな男というのは俺の事か?」

 

「アンタしかいないだろライザーさん。それに

俺は貴様という名前ではない。綾崎翔真だ」

 

「そんな平凡な名前を覚えるはずもなかろう?

それにリアスとリサラは俺の物だ」

 

「そうですわ。リアス様やリサラ様は

お兄様の婚約者なのですから」

 

 

 

「「・・・・」」

 

ライザーの妹、レイヴェル・フェニックスは

婚約だとカミングアウトした。

 

 

 

翔真とリサラを背後で守っている一誠はこの時、朝の一連の抱いて発言の真相がこれが関連しているのではないかと勘づく。

 

 

「でも私やリサラは・・・・・結婚なんてしたくない!」

 

「わがままがすぎるぞリアス、リサラ。俺は

お前達にぞっこんLOVEなんだがな!」

 

ライザーはそう言うと炎を全身に纏う。

 

「分からせるしかないよなァァ!」

 

「させるかよッ!」

 

即座に詠符唱を口にするとバハムートを纏い

リアスの前に立ちはだかる。

 

「速いッ!」

 

雪蘭は翔真の速さに驚愕する。

 

「リアスさんに横暴な真似をするなら!

俺は貴様を許さない!」

 

「俺の強さを見せたいだけだ。素人は

引っ込んでろ!」

 

「・・・・前にある人が言っていた。本当に

強い男なら、それを隠して生きていけってな!」

 

炎の弾が投げられ、翔真はカオスブランドで

打ち消す。翔真とライザー・・・・・両者の間に

火花が散る。

 

「綾崎君、彼に刃を向けちゃダメよ!

ライザーは・・・・」

 

「関係ないね。俺は女の子を泣かせる奴が

大嫌いなんだよ・・・・自分が言えた事じゃないけど」

 

「そうか・・・・刃を向けるなら容赦はせんぞ!」

 

『お待ちください』

 

翔真とライザーが一生即発の中で魔法陣から

グレイフィアが現れる。

 

 

「おぉ・・・・・これはこれは、グレイフィアさん」

 

 

ライザーはゲスな笑みを浮かべて彼女に触れようとしたがグレイフィアはライザーを避けて、翔真の側にいく。

 

 

「すいません。私には恋焦がれている殿方が

いますので」

 

丁寧に礼をして、ライザーの触りを拒絶する

グレイフィア。

 

「(他の人は何とも思わないのか?)」

 

ライザーの付き添いで来ている複数の女性に

視線がいく翔真。すると一人の女性と目が合った。

 

「・・・・・フフッ」

 

「ッ!」

 

「(あら可愛い・・・・照れちゃって)」

 

ライザーの眷属では女王を努めている

『ユーベルーナ』。彼女は翔真と視線が合うと

笑い掛ける。思わず翔真は視線を反らした。

 

 

「それで何の用でしょうかグレイフィアさん?」

 

「今回私がこちらに来たのは婚約についての

お話です。今回の一件は両家による話し合いで

成立した話です。お嬢様方には婚約の意思は

ありません」

 

「だから?」

 

「しかしライザー様は意思はある。片割れた

ままの意見では歪みが生じます・・・・ですから

ここはレーディングゲームで賭けをしてみては

いかがでしょうか?」

 

「ほう」

 

「レーディングゲーム・・・・・」

 

ライザーは返事をし、リアスはグレイフィアが

何の目的でレーディングゲームを出したのか

不審に思う。

 

「レーディングゲームでリアスお嬢様達が

勝てば婚約の話は無しに、もしライザー様が

勝てば婚約の件は続行になります」

 

「ちょっと待って頂こう」

 

グレイフィアは淡々と説明を終えた直後

ライザーが手を上げる。

 

「そんな事を勝手に決めて宜しいのかな?」

 

「サーゼクス様・・・・」

 

「ッ!」

 

グレイフィアの口からサーゼクスという

言葉が出るなり、ライザーは驚く。

 

「つまりはサーゼクス様公認か・・・・・まあ、

俺は構わんがリアス、リサラはどうする?」

 

「受けるわ!貴方との婚約なんてごめんよ」

 

リアスはキッとライザーを睨みながら勝負を

受ける。

 

「なら決定だな。それと綾崎翔真!

貴様も出てもらうぞ?」

 

「待ちなさいライザー!綾崎君は関係ないわ!

彼は人間で・・・・」

 

「構わない」

 

「綾崎君!?」

 

リアスは翔真の思いがけない言葉にビックリする。

 

 

「男として、売られた喧嘩は買う」

 

「そうか。それとこちらからも1つ。

レーディングゲームで俺が勝った場合には

貴方も俺の嫁に来てもらおうかグレイフィアさん」

 

「・・・・(この人はお嬢様だけでは物足りず

私までも・・・・・ッ)」

 

「レーディングゲーム楽しみにしてるぞ?

綾崎翔真」

 

「・・・・」

 

 

ライザーはそれだけを言い残すと眷属の女性達と共に魔法陣の中へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第24話「ユーベルーナとイザベラと雪蘭」

 

ライザーとの一悶着が終わり、翔真はソファーに腰を掛けていた。後から駆け付けた朱乃、小猫、祐斗はリアスから事情を聞き、一誠はリサラと夕麻と今後について話し合っていた。

 

 

 

 

「ごめんなさい綾崎君。貴方を巻き込んで

しまって・・・・」

 

「私からもすいません」

 

 

「いいって別に。リアスさんやグレイフィアさんが謝る事じゃないよ。あれは単にライザーさんの挑発に乗った俺も悪い訳だから」

 

 

翔真はリアスと話ながら紅茶を口に運ぶ。

 

「売られた喧嘩は買う以上俺は貴女達を守ります。

このソードデバイスと貴女に誓ってね」

 

「私も、一緒に戦いますぅ!戦う事は

出来ませんけど、癒す事なら出来ます!」

 

「綾崎君・・・・アーシア」

 

「・・・・・すいません」

 

心配するリアスやグレイフィアに不安を

与えまいと翔真は笑みを見せ、アーシアも

意気込みを見せる。

 

「しょう君もですが、私達も戦うわ」

 

「部長は必ずお守りします・・・・・兵藤君も

もちろん参加だよね?」

 

「なに聞いてんだよ木場。リアス部長も

そうだけど俺は・・・・リサラを守りたい」

 

「イッセー・・・・・ごめんね」

 

「謝るなってリサラ。あんな奴にリサラを

渡すもんか・・・・・絶対に」

 

「イッセー君・・・・」

 

イッセーの闘志を見て、夕麻は彼を心配する。

 

「(普段はスケベな先輩でもあんな顔を

するんですね)」

 

小猫は一誠の普段とのギャップに内心驚いていた。

何時もは鼻の下を伸ばしてスケベな事しか

考えてない一誠しか見てないが、今の一誠の

表情は真剣そのものだからだ。

 

「・・・・・少し見直しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライザー一行はフェニックス邸に帰還していた。

レーディングゲームに勝てばリアス、リサラ、

グレイフィアが自分の物になるという事を

考えながらライザーは浮かれていた。

 

 

ライザー眷属の女王、ユーベルーナは自室に

戻っていた。

 

 

「何時から変わってしまったのかしらね」

 

 

ユーベルーナはベッドに寝転び、今の

ライザーに内心失望していた。自分が知る

限りではライザー・フェニックスという男は

熱血で頑張り屋で人を見下したりしないはずだった。

 

 

だがここ数年で、ライザーは変わった。己の力に酔いしれ数々の少女達を食い荒らしていくゲスな男に。今の眷属のメンバー半分はライザーに純潔を捧げている。

 

 

 

 

自身ユーベルーナ、イザベラ、雪蘭のみ

ライザーとは距離を置いている。三人は

あの手この手で純潔を守っている。

 

 

「・・・・・でも、今日は案外いい日だったかも」

 

ユーベルーナは笑みを浮かべながら翔真を思い出す。

 

 

「あの子・・・・綾崎翔真君って言ったかしら・・・・・欲しいわ・・・・」

 

 

あの照れた表情、真剣にリアスを守ろうとする

翔真の姿を見てユーベルーナは翔真の事が頭から離れなくなっていた。

 

 

 

 

―コンコン

 

翔真の事を考えているとドアをノックする者がいた。

 

 

「誰かしら?・・・・入ってもいいわよ」

 

ガチャリと扉が開き、姿を現したのは・・・・・

 

「私だ」

 

「あらイザベラじゃないの・・・・それに雪蘭も」

 

「今いいかしら?」

 

「ええ」

 

彼女の部屋を訪れたのは顔半分にマスクを着けた少女イザベラ、そして雪蘭であった。

 

 

ユーベルーナは彼女達を招き入れる。

 

「どうしたの?二人が来るなんて珍しいわね」

 

「これだけは言っておきたくてな。綾崎翔真の

他にいた、あの男だけには手を出すな。アイツは私がやる」

 

 

「確か一誠って子よね?」

 

ユーベルーナがそう訪ねると、イザベラは

コクリと頷く。

 

「アイツは私が倒す・・・・だから手出しは

しないでもらいたい」

 

「理由はあるのかしら?」

 

「・・・・ただ運命を感じたからだ」

 

「私も似たような用件だけど、綾崎翔真は

私が倒すから手出しはしないで欲しいんだけど」

 

「イザベラは了承だけど、雪蘭の願いは

聞き入れられないわ」

 

「・・・・・理由はあるの?」

 

「彼に興味を持ったからよ。一緒に共闘するなら構わないわ」

 

 

「いいわ。ユーベルーナの条件呑んであげる」

 

ユーベルーナ、イザベラ、雪蘭はそれから三人でレーディングゲームでの行動をどうするか話し合いを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、翔真は一人でカフェの店に

向かっていた。そして店の中へ入ると・・・・・

 

 

「よぉショウキ・・・・俺の場所がよく分かったな?」

 

「翔真だ。あんたに頼みたい事と聞きたい事が

あるんだが、いいよな兄貴?」

 

「・・・・・もちろんいいぜ」

 

ストレイト・クーガーグラサン越しから翔真と

向き合う。

 

 

 

 

 




神装機竜

―バハムート―

使い手 綾崎翔真

神装や武装などは原作と同じだが束により
改良され搭乗出来る時間が大幅にアップし
性能も格段に上がっている。武装には束が
取り付けた武装パックセブンソードが
存在している。搭乗時間を超えると
暴走に至る。

武装パック セブンソード

フラガラッハビームソード×2
ルガーランス×1
ロングブレード×1
ショートブレード×1
アロンダイト×1

砲撃武装
ビームライフルショーティー×2
長射程高エネルギービーム砲×1
ツイントルネードライフル×2


バハムート・エクシアデスティニー

バハムートの第2形態。まだ本作には登場して
いないが接近、中距離戦に特化した姿。背部には
黒いスラスターウイングが装備されている。
右腕には専用装備された実体剣、左腕には
シールドを装備している。

イメージモデルはデスティニーガンダム、
ガンダムエクシア。


単一仕様(ワンオフアビリティ)
トランザム






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第25話「話し合い」

 

 

クーガーと相席した翔真は周りなど気にせずに

真相を聞き出す。

 

「あれから何処に行ってたんだよ兄貴」

 

「大人には色々と事情があるんだよ。それに

俺は俺の道を突き進む。それはお前がよく

知ってるはずなんだがな?」

 

「・・・・・変わってないなアンタは。それでもう

1つ、マリーゼはあの後どうしたんだ?」

 

「あの堕天使のお嬢さんはかなり悪事を

働いていたからな、そのままアザゼルの旦那に

消されたさ」

 

「アザゼル・・・・」

 

アザゼルという人物に何処か引っ掛かる翔真。

 

「とまあこんな暗い話はさておき、俺の所に

来たって事は何かあって来たんじゃないのか?

ショウキ」

 

「翔真だッ!いい加減名前ぐらい覚えろよ!」

 

「ハッハッハッ!すまん、すまん!わざと

だから気にするな!」

 

全くもって申し訳ないと思っていないクーガー。

 

「わざとなら余計に性質が悪いわ!・・・・・

全く・・・・」

 

相変わらずこの人は・・・・・と思いながらも

内心、久々にクーガーと会話出来た事に翔真は

ちょっとばかし喜んでいた。

 

そして、話題を切り替えて翔真はクーガーに

頭を下げる。

 

「頼む兄貴・・・・もう一度俺を鍛えて欲しい」

 

「理由はあるのかショウキ」

 

「実はさ・・・・」

 

翔真はライザーとの一悶着をクーガーに話した。

 

「なるほど・・・・・悪魔の方も色々と大変な事だ」

 

「だから兄貴、もう一回俺を鍛えて欲しい」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

二人の間に沈黙の空気が流れる。そして最初には口を開いたのはクーガーだった。

 

 

「・・・・・変わったなショウキ」

 

「え?・・・・どういう意味だよ」

 

「俺がお前と出会った時、あの頃のお前は

ただ単に強くなりたいとばっかりしか思って

なかったろ?」

 

「まあな」

 

「だが今の話聞いて、お前が他人の為に

戦うなんて正直驚いてるんだぜ俺」

 

「そこまで驚く事か!?・・・・・まあいいけど、

それで引き受けてくれるのかよ?」

 

「へ、速さに誓って引き受けてやるさ。ただし

お前が共に戦う仲間も連れて来い。一人よりかは皆の方がいいだろう?」

 

 

 

クーガーは実際に昔集団チームでも活躍していた経歴を持つスペシャリストである。一人よりかは仲間を強化する方が得であると、クーガーは考える。

 

 

 

クーガーの言う事に嘘はないと翔真は

知っている為、少し考えた後に・・・・

 

「分かった。連れて来るよ」

 

「なら明日この喫茶店に集合な・・・

『クーガー!』お、この声は・・・・」

 

「え・・・・・」

 

クーガーの元に一人の少女が駆け寄る。

 

「今日私とレーシングの約束だったはずよ!

まさか忘れてた訳じゃないでしょうね?」

 

「まあまあ、取り敢えず落ち着けよアオナ」

 

「葵よ!」

 

「えっと・・・・どちらさんだ?」

 

突然現れた少女に翔真は驚きながらも少女に

尋ねる。

 

「私?・・・・飛鷹葵よ。それよりもクーガー!

早く行くわよ!」

 

「いだだだだ!?耳引っ張んなって!・・・・・

取り敢えずショウキまた明日だ!あだだだ!」

 

「・・・・兄貴も大変だな」

 

葵に耳を引っ張られながら連れ去られるクーガーを見て翔真はケーキを食べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回は合宿、クーガー・ブートキャンプ?



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第26話「特訓の始まり」


ドライグを神装機竜にしようか迷ってるぜ・・・・


 

 

 

クーガーとの話し合いから数時間後、夜の11時を回り翔真はアカメと一緒のベッドで寝ていた。

 

 

 

「なあアカメ」

 

「なに」

 

「一緒に寝る必要あんのか?」

 

「・・・・・最近シャルロットやユリシア達に

独占されていた・・・・今日ぐらいは一緒に寝たい

・・・・それとも迷惑だったか?」

 

アカメは翔真の方へ振り返り、上目遣いで

翔真に訴え掛ける。

 

「うぐ・・・・・べ、別にいいぞ」

 

アカメの普段見せない表情に思わず、心が

揺らぎそうになった翔真。

 

「翔真・・・・」

 

「どうしたんだ?」

 

「私達に隠し事はしないで欲しい・・・・・翔真、

また何かトラブルに巻き込まれていないか?」

 

「・・・・どうしてそう思うんだ?」

 

「時折、お前が悩んでいたから・・・・」

 

「・・・・・」

 

アカメの言う事は間違ってはいなかった。

だが今回の件に、彼女達を巻き込みたく

ない翔真は申し訳ないと思いながらも嘘をつく。

 

 

「なに言ってんだよアカメ。それに、悩んでいたのは最近アカメの胸が成長したな~って・・・・考えてただけだよ」

 

 

「な!・・・・いきなりなにを言ってる。翔真のエッチ」

 

アカメは顔を赤くして布団の中に潜る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、翔真はアーシア、リアス、朱乃、一誠、リサラ、小猫、クロメ、祐斗を連れてあの

喫茶店の前にいた。ちなみにシャルロット達が

居ないのは今回の事は伝えていないからだ。

だが・・・・

 

「・・・・・」

 

 

「(本当にシャルロットちゃん達に内緒に

して良かったの?)」

 

「(要らぬ心配を掛けさせない為さ。

シャルロット達には散々迷惑掛けて来たからさ、それに今回のは俺が挑発の乗ったのが悪い訳だし。つうか、クローディアにはバレたけど)」

 

 

 

「(うふふ。恐らく勘で気付いたのですわ)」

 

翔真と朱乃の背後にはニッコリと笑う

クローディアがいる。耳打ちで話す翔真と朱乃。

話の終わりを知り、一誠は翔真に声を掛けた。

 

 

 

「なあ綾崎、知り合いの人ってどんな人なんだ?」

 

「そうよ綾崎君。どんな人なのか私も

知りたいんだけれど?」

 

翔真に知り合いの人が鍛えてくれる

という事だけを告げられたリアス達はその人物がどんな人なのか気になる様子である。

 

 

だが一回、リアス達は会っている。

 

「リアスさんや兵藤達も一回は会った事があるよ。ほら・・・・・あれ」

 

 

「「「「・・・・?」」」」

 

指を差す方向にリアス達は視線を移す。

 

 

「OH!ジャマ、ジャマ!」

 

「昨日はどうも」

 

「あ、アンタは!」

 

クーガーを見るなり一誠はあの教会での出来事を思い出す。

 

 

「知り合いってこの人だったの!?」

 

「ちょっとどうなってる訳!?」

 

クーガーを見て、混乱するグレモリー姉妹。

「なるほど・・・・・なかなか素晴らしい仲間じゃ

ないかショウキ!」

 

「翔真だ。取り敢えず改めて紹介するよ。

この人はストレイト・クーガー、そして隣に

いるのがこの人の彼女、飛鷹葵さんだ」

 

「オイショウキ!?彼女ってなんだ!?別に

アオナとはそんなんじゃ・・・あだだだ!」

 

「葵よ」

 

「じゃあ皆自己紹介を」

 

翔真に言われるがままリアス達は自己紹介を

始める。

 

「リアス・グレモリーよ」

 

「姫島朱乃と申しますわ」

 

「あ、アーシア・アルジェントと申します!

よろしくです」

 

「クローディア・エンフィールドと申します。

宜しくお願いしますね」

 

「兵藤一誠って言います」

 

「天野夕麻です」

 

「リサラ・グレモリー」

 

「クロメだよ~」

 

「塔城小猫です」

 

「木場祐斗です。以後お見知りおきを」

 

「ふむ・・・・OKだ。完璧に覚えたぞ!」

 

「(本当だろうか?)」

 

クーガーは必ず人の名前を間違える為、翔真は

あまり信用していない。

 

 

 

 

 

クーガーの案内により、山の奥へとやって来た

一行。

 

そこから男・女組で別れ特訓を始める。

 

 

翔真、一誠、祐斗はそれぞれ武器を構える。

 

翔真はバハムートを纏い、一誠は左腕に

赤龍帝の籠手を装着、祐斗は魔剣を構える。

 

「まず俺がテメーらの力を見てやる!

ラディカル・グッド・スピード脚部限定!」

 

クーガーの脚は一瞬にして装甲に覆われる。

 

「兵藤、木場・・・・・気を付けろよ・・・・

兄貴は強いぞ」

 

「「・・・・・」」

 

翔真の言葉に二人は口を閉じて警戒する。

 

 

 

 

 

 

 





次回は女子組メインでお送りします!




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第27話「断空我!」


タイトル通り、葵の神器が出る!




 

 

「衝撃のォォォォォォ!!」

 

「来るぞ二人共!」

 

「おう!・・・・木場!」

 

「上だよ綾崎君!一誠君!」

 

「ファァストブリットォォォォォ!!」

 

 

 

ズドォォォォン!

 

 

戦闘から1時間、翔真と一誠と祐斗はもう

ボロボロであった。クーガーの容赦ない蹴りは

三人を苦しめる。

 

「攻撃は大したものだ!だがお前らには

ある物が足りない!足りないぞォォ!」

 

クーガーは飛び上がると、渾身の蹴りを

一誠に与えるが、左腕に装着した赤龍帝の籠手で蹴りを止める一誠。

 

 

 

「なんだよこの力!クッ!」

 

「「兵藤!/一誠君!」」

 

「お前達に足りない物!それは!情熱思想理念

頭脳気品優雅さ勤勉さ!そして何よりもォォォ!!」

 

クーガーは走りながら、再び翔真達に近づく。

対する翔真達は防御の姿勢に入る。

 

「速さが足りないッ!」

 

しかしクーガーはお構いなしにたった一撃で

翔真達を吹き飛ばす。

 

「クッ・・・・・やっぱり強ぇ・・・・」

 

「あの人なんだよ・・・・・」

 

「いや~・・・・少し甘く見てたよ・・・・僕達

三人だけでこれだなんて。いい笑い者・・・・・だよね」

 

翔真、一誠、祐斗は自分の弱さを実感しながら

再びクーガーに勝負を挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、葵率いる女子組もまた戦闘が

始まろうとしていた。

 

「まずはアンタ達の力を見てあげるわ。えーと

取り敢えず私に攻撃してきなさい、手加減無しよ」

 

「でも、そんな事したら貴女が怪我をすると

思うのだけれど」

 

自信満々のように言うリアスだが、葵は

ニヤリと笑みを見せる。

 

「心配無用だから・・・・だって私、神器があるし」

 

「「「「・・・・ッ!」」」」

 

「ほら!始めるわよ!・・・・・断・空・我ァァァ!!」

 

神器の名前を呼ぶと、葵は光に包まれ数秒も

しない内にスーパーロボットのような姿に変わる。

 

「皆!とにかく葵さんに攻撃よ!まずは

私が仕掛ける!」

 

「あらあら、なら私も」

 

「私もやるわ!」

 

《ダンクーガノヴァ》を纏う葵を前に、

リアス達に警戒心が芽生える。リアス、朱乃、

リサラが先に攻撃を仕掛ける。

 

滅びの魔法と雷の連携攻撃を浴びせる。葵は

既にその場にはおらず、リアス、朱乃、リサラの背後を取る。

 

 

「「「・・・・・ッ!?」」」

 

「足りないわよ、そんな攻撃じゃァァ!」

 

葵はそう言うと右の拳を構える。

 

「ブーストノヴァ・・・・ナックル!」

 

いわゆるロケットパンチを発動し、リアスは

朱乃、リサラを庇いながら結界魔法を張った。

しかし・・・・・

 

「「「キャアアアァァァ!」」」

 

衝撃に耐えきれず、リアスと朱乃とリサラは

吹き飛ばされるがなんとか体勢を立て直す少女三人。

 

「なら次は!」

 

「私達が相手です」

 

 

黒い翼を広げた夕麻・・・・いや、今はレイナーレと呼ぶべきであろう。レイナーレは小猫と共に

リアス、朱乃、リサラの前に庇うように浮上する。

 

「あっちが強いなら、数で攻めるしかないわ。

まさか、もう疲れたとか言わないでしょうね?」

 

「バカにしないでくれるかしら?私が

こんな事で弱音を吐くと思ったら大間違いよ!」

 

 

レイナーレの挑発とも取れる言葉にリアスは笑みを浮かべながら再び滅びの魔法を発現させ、

リサラも同様で、レイナーレは光の槍を、朱乃は雷で形成したエネルギー弾を葵に向ける。

 

 

 

その隙に、小猫が葵に格闘戦闘を持ち込む。

 

「ふっ!はっ!」

 

「・・・・・」

 

拳と蹴りが交わる。小猫は一瞬の隙を見つけると拳を胸の当たりにぶつけた。

 

 

だが、装甲に傷をついていない。

 

「そんじゃこの私を倒せないわよっ!

もっと私を熱くさせなさい!」

 

「こうなったら全員で・・・・やるしかないですね」

 

「面白そうだね」

 

 

クローディアはリンドヴルムを纏い、クロメは

自身の神器を出現させる。

 

「行くわよ皆っ!アーシアはサポート治療に

入りなさいッ!!」

 

「はい!」

 

リアス、クローディアを戦闘に女子組は葵に

掛かる。

 

 

「やってやろうじゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 





次回は前半翔真、リアス、一誠、リサラメインで
後半からレーディングゲーム開始かな。


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第28話「黒と赤の誓い」


ヒロイン紹介とかマジ勘弁・・・・・そんな事ぐらいで
評価するものか?





 

 

「はぁ~・・・・・もうダメだ」

 

 

クーガーとの死闘を終えて翔真はボロボロに

なっていた。上着は破れまくりでもう体も

動けない状態であった。

 

「あら・・・・綾崎君じゃない・・・・」

 

「ッ!?・・・・どうしたんですかそれ」

 

「ちょっと失敗しちゃってね」

 

翔真に声を掛けたのはリアスだった。リアスも

また葵との戦闘によりボロボロであった。

 

リアスは翔真に隣に座る。

 

「わざわざ私達までありがとう綾崎君」

 

「いいって別に。そっちも大変みたいですね」

 

「ええ。葵さんの強さは別格ね」

 

「マジですか」

 

服装から見れば、どれだけ凄い戦闘だったかの

物凄さが語られている。

 

 

「綾崎君・・・本当に今更って思うかもしれないけど本当にレーディングゲームに参加して大丈夫なの?今からでも遅くないわ・・・・・だから」

 

 

 

 

リアスは翔真の身を案じて、そう尋ねた。元々この問題は自分の問題であるが故にリアスは彼に傷付いて欲しくない為、出来る事なら彼をゲームから辞退させたい。リアスの気持ちはそうだ。

 

 

 

 

しかし、その問いに翔真は・・・・

 

 

「心配ご無用ですよリアスさん。大体、半分は

僕が悪いのもありますけど、本当は・・・・・」

 

翔真はリアスの手を取る。

 

「貴女を守りたいんです。一人の男として、

ドラグナイトとしてね」

 

月の光に照らされながら、翔真は微笑む。

 

「ありがとう・・・・・綾崎君」

 

「俺の事は翔真で構いませんよ」

 

「呼び捨てでいいの?」

 

「これからは共に戦う仲間ですからね。

俺の事はそう呼んでください」

 

「分かったわ。なら翔真、この戦い絶対に勝つわよ」

 

「了解ですよ、リアスさん」

 

 

 

 

 

 

翔真とリアスの距離が少し縮まった頃、一誠は

夕麻、リサラ、クロメに治療を施されていた。

 

「いった!・・・・・夕麻ちゃん、出来ればもっと

優しく・・・・いたた」

 

「ごめんイッセー君。私こういうのには

不慣れで」

 

「いいよいいよ。いった!」

 

ドジっ子属性が発動した夕麻を見て、内心

可愛いと思った一誠だったが、一誠のスケベ心を察して、リサラとクロメがわざと力を込めてバチンと湿布を貼った。

 

 

 

「ふん!イッセーのスケベ、バカ」

 

「何でそうなるの!?・・・・いてて」

 

「ねぇイッセー・・・・・それに夕麻やクロメも

聞いて欲しいんだけど、いい?」

 

リサラの声に、一誠、夕麻、クロメは振り向く。

 

「私や姉さんの争い事に巻き込んでごめん」

 

 

リサラは正直言うと嬉しかった。特に自分の為に必死になる一誠を見て自然と恋焦がれている自分がいる・・・・リサラは涙を流すのをこらえながら一誠や夕麻達に謝る。

 

 

 

「へへっ・・・・・気にすんなよリサラ!ぜってぇに焼き鳥の野郎から守るからさ、だから今はお互いに頑張ろうぜ!」

 

 

 

「弱音を吐かないの。貴女、それでも

グレモリー家の娘なの?」

 

「今から弱気になってどうすんのさ~」

 

一誠、夕麻、クロメは今にも泣きそうなリサラを慰める。

 

 

 

 

 

 

こうして、クーガー、葵の下で翔真、リアス達は必死に修行に励んだ。

 

 

 

 

 

 

そして10日後・・・・・遂にライザー率いる眷属とのレーディングゲームが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第29話「嵐前の静けさ」

 

ライザーとのレーディングゲーム当日を迎えた

翔真達。待ち合い室では翔真、一誠、祐斗は

クーガーの教えを思い出していた。

 

「兵藤、木場・・・・・兄貴の教えは覚えてるな?」

 

「ああ。敵より速く動け」

 

「速さは武器・・・・だよね」

 

「そうさ。絶対に負けられない、あんな奴に

リアスさんを渡せられない」

 

「リサラもな!」

 

「僕は騎士として、この勝負に挑むよ」

 

翔真、一誠、祐斗はそう言うと離れ、翔真は

ソードデバイスを抜く。

 

「(バハムート・・・・・今回はお前に頼らせて

もらうぞ)」

 

「準備は大丈夫ですか?」

 

「クローディアか」

 

翔真に声を掛けたのは、クローディアだった。

クローディアは笑みを浮かべて翔真の隣に座る。

 

「緊張しているのですね」

 

「してないと言ったら嘘になる・・・・けど、

今回の戦いだけは負ける訳にはいかない」

 

翔真の言うとおり、今回の戦いはリアスとリサラの

人生が掛かっている。よりにもよって相手は

女にふしだらな男、ライザー・フェニックスだ。

 

だからこそ、今回の戦いは負けられないのだ。

右腕の一本を犠牲にしてでも勝たなければならない。

 

「クローディア、君も気を付けろ。奴の眷属の

情報は仕入れているが、なかなか手強いぞ」

 

「大丈夫ですよ。私とてドラグナイト、

どうと言う事はありません」

 

「そっか・・・・」

 

「翔真・・・・」

 

クローディアと話を終えた時、リアスが声を掛ける。

 

「私は後半からだけど・・・・・くれぐれも

気を付けてね。怪我して、貴方が傷付いたら

シャルロットさん達に合わせる顔がないわ」

 

「心配性だなリアスさんは」

 

「翔真君だから余計に心配なのですわ」

 

「あ、朱乃さん・・・・」

 

翔真の目前にリアスと朱乃の二大お姉さまがいる。

 

「バカでノロマで、女の子を泣かす事しか

出来ない翔真君でしょ?」

 

「そうね・・・・・はぁ~」

 

相変わらず、女の子相手には頭が上がらない

翔真であった。

 

 

 

 

 

 

そしてレーディングゲーム開始数分前、駒王学園に

似たバトルステージで翔真達は戦う。

 

リアスの指示の下、翔真達はそれぞれ配置に着く。

翔真、クローディアはバハムート、リンドヴルムを

纏いグランドに立っていた。

 

「つまり私達は囮という訳ですね」

 

「らしいな。だが、その隙に兵藤達が

動きやすくなるから、俺達はここで踏ん張るぞ」

 

「了解ですよ」

 

『それでは、これよりレーディングゲームを

開始致します』

 

「(危うく忘れる所だったけど・・・・

グレイフィアさんも・・・・・)」

 

翔真がグレイフィアの事を考えていると、

丁度本人からの連絡が入る。

 

(翔真様、この度は本当にすいません)

 

「(心配しないで大丈夫ですよ・・・・さあて

派手に暴れますか!)」

 

ライザー眷属の兵士格の少女達が翔真、

クローディアに向かう。

 

「あの子達は私がお相手しましょう。

思う存分、痛めつけてあげますよ・・・・・フフッ」

 

「怖ッ・・・・」

 

クローディアの黒い笑みに恐怖を覚える翔真。

自分も移動しようとした時、新たなる敵が

現れる。

 

 

「貴方は私が相手よ」

 

「君は・・・・・」

 

翔真の前に立ちはだかる少女は雪蘭だった。

そして腰に座したソードデバイスを抜く。

 

「始動せよ。星砕き果て穿つ神殺しの巨竜。

百頭の牙放ち本能を殺せ《テュポーン》」

 

 

詠唱符を唱え終えると、雪蘭は神装機竜

《テュポーン》を纏う。

 

《オイ雪蘭!何をしている、お前は体育舘の

方に行けと言ったはず・・・・ブチ――――》

 

「良かったのか?命令を無視して」

 

「私はね、純粋に戦いたいのよ・・・・・綾崎翔真、

真剣に勝負を願うわ」

 

「いいだろう」

 

雪蘭はオリジナル武装、双天牙月を取り出す。

対する翔真もアロンダイトを取り出すと雪蘭に

近付く。

 

ガキィィィン!

 

刃と刃のぶつかる音がこだまする。

 

 

「私は、貴方と戦いたい!それだけよ」

 

「くっ!(一撃が重いッ!)」

 

ただの一振りがこんなにも重い。雪蘭の力に

圧倒される。

 

「けどこっちは戦いを楽しんでる時間はないッ!」

 

翔真はアロンダイトを構えて雪蘭に斬りかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第30話「爆裂!俺の必殺技!」

 

 

「はっ!たァ!」

 

「(ッ!素早い攻撃だ・・・・・避けきるので

精一杯だッ!)」

 

雪蘭との戦闘に入った翔真。雪蘭の隙のない

攻撃は翔真を追い詰める。

 

「大した攻撃だ!・・・・京都神鳴流!」

 

打撃を交わし、翔真はアロンダイトを構え

ながら京都神鳴流を出す。

 

「斬・鉄・閃!」

 

斬鉄閃を繰り出し、雪蘭の動きを封じる。

しかし雪蘭は顔に笑みを浮かべる。

 

「今がチャンスね」

 

「何?・・・・ッ!しまった!」

 

テュポーンからワイヤーが射出され、翔真を

縛り付ける。

 

「喰らいなさい!竜咬縛鎖!(パイル・アンカー)」

 

パイル・アンカーを発動しようとする雪蘭。

だが、翔真はワイヤーを引きちぎる。

 

「そんな!」

 

「言ったはずだ・・・戦いを楽しんでいる時間はない」

 

「ッ!?」

 

そう言った直後、雪蘭の瞳には一瞬だが

翔真と銀髪の少年の姿が重なった。それは

恐らく《ルクス・アーカディア》なのだろう。

 

だが、雪蘭がルクスの事など知るはずもなく

ただ単に何が起こったのか、動揺していた。

 

 

「はあああァァァ!!」

 

「ッ!」

 

黒き残像を残しながら、翔真は雪蘭に剣撃を

繰り出した。

 

 

 

一方でイッセー達は、体育舘裏にいた。

 

「このまま目的地まで走ろうぜ!」

 

「でも、やけに静かね」

 

「・・・・誰か来ます」

 

「みたいだね」

 

一誠、レイナーレ、小猫、祐斗の前に一人の

少女が姿を現す。

 

「ここからは私が相手よ」

 

「ここは僕が引き受ける。三人は先に」

 

祐斗は余裕な表情で魔剣を取り出す。

 

「貴方も騎士のようね。全力で行く・・・・・

貴方、名前は?」

 

「木場祐斗、グレモリー眷属の騎士」

 

「覚えたわ・・・・私はカーラマイン。その名を

しっかり刻みなさい!」

 

祐斗とカーラマイン。二人の騎士は戦闘に入る。

 

一誠と小猫は祐斗の身を案じながらも体育舘の

中へと入る。するとライザー眷属の戦車

イザベラ、兵士のイル&ネル、ミラが

待ち構えていた。

 

「待っていたぞ兵藤一誠」

 

「俺の名前を・・・・・」

 

「私は貴様との勝負を望む」

 

「いいぜ。俺で良ければ相手になるぜ!

ブーステッドギアァァァ!!」

 

《Boost!!》

 

左腕に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を

装着してイザベラの前に立つ。

 

「イッセー君!」

 

「大丈夫だって夕麻ちゃん。こういう時に

備えて兄貴直伝の必殺技だって覚えたんだからな!」

 

一誠は拳を握りしめて、イザベラに掛かる。

 

「威勢は良いようだがッ!」

 

イザベラは一誠のパンチを交わして、蹴りを

腹にお見舞いする。

 

「ガッ!・・・・・チィ!」

 

「くっ!」

 

口から、唾液を吐き出しながらも一誠は

反撃に出て右の拳でイザベラを吹き飛ばす。

 

「さっきの蹴りは効いたな・・・・おかげで

吐きそうになったぜ」

 

「ほう。私の蹴りで立っていられるとは・・・・・

やはり私の勘は正しかった!」

 

「そうそう何度も!」

 

《BoostBoostBoostBoost!!》

 

 

ギアの掛け声が響く中、ブーステッド・ギアは

炎を纏う。

 

《explosion!!》

 

「まずはコイツだッ!・・・・・衝撃の・・・・

ファァァストブリットォォォォォ!!」

 

力を解放し、一誠はクーガー直伝の必殺技

「衝撃のファーストブリット」を繰り出した。

イザベラも拳で対応するが、衝撃により右拳から

血が吹き出す。

 

「・・・・!」

 

「まずはコイツで終わりだ」

 

一誠は再び、イザベラとの格闘戦に入る。

 

「(面白い・・・・・面白いぞ兵藤一誠!

もっと私を楽しませろ!)」

 

 

イザベラもまた、久々に内心燃えていた。

 

「バラバラにしまーす!」

 

「解体しまーす!」

 

「ちょ!危なッ!・・・・・子供がそういう物を

持ったらいけません!」

 

レイナーレはイルとネルからチェンソーを

取り上げて、イルを抱き抱えるとお尻を叩き始める。

 

パン!パン!パン!パン!

 

「痛い!痛いよお姉さん!」

 

「ダメ。そうやって危ない物を振り回してる子

にはちゃんとお仕置きしないとね」

 

「うわ~ん!もうしないから許して~!」

 

「ダメ!」

 

 

案外、レイナーレには母性?があった。

 

 

「どうして当たらないの!?」

 

「(動きが見える・・・・これも葵さんのおかげ)」

 

ミラと交戦している小猫。ミラの動きを先読み

しながら彼女を圧倒してゆく。

 

「終わりです」

 

渾身の一撃をミラに与え、ミラはその場で

倒れた。

 

 

そして一誠は未だにイザベラと熱いバトルを

繰り広げる。

 

「(よし、パワーも大分貯まってきたし、

そろそろ決めるぜ!)」

 

この時、一誠の顔がにやける。ブーステッドギアを

装着した左手でイザベラの肩に触れる。

 

「ッ・・・・・何をした?」

 

《explosion!!》

 

 

イザベラが問いかける最中、ブーステッドギアの

掛け声と共に・・・・

 

 

ビリリリィィィィ!!

 

「な!?・・・・キャアァァァ!!」

 

「うっしゃァァァ!成功だ!」

 

「洋服崩壊」(ドレス・ブレイク)。女性の着用

している衣服を粉砕する技。一誠が開発した技

であり、恐らく翔真が生で見ていれば興奮したに

違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第31話「爆弾女王 ユーベルーナ」

「イッセー先輩最低です」

 

「イッセー君・・・・?」

 

「小猫ちゃん!その軽蔑の眼差しやめて!

夕麻ちゃんもそんな光りのない瞳で俺見るの

やめてください!なんか怖いんですけど!」

 

小猫、レイナーレは洋服崩壊の能力を見て

呆れる。小猫はジト目で睨み、レイナーレは

ハイライトの消えた瞳で笑い掛ける。

 

「(やっべよ、夕麻ちゃんがマジで怖い・・・・・)」

 

「うぅ・・・・裸を見られた・・・・・よりにもよって

兵藤一誠に・・・・」

 

胸と秘部を隠して、イザベラはムクッと立ち上がる。

 

「責任を取れ!兵藤一誠!」

 

「・・・・・え?」

 

突然の発言に、一誠は呆然とする。

 

「私の肌を見ておいて・・・・ただで済むと

思ったら大間違いだぞ?」

 

「イッセー君・・・・・どういう事かな~?」

 

「いやこれは!その、えっと・・・・」

 

「そこに座りなさいッ!!兵藤一誠!」

 

「は、はい!」

 

イザベラのぶっ飛び発言からの、夕麻による説教。

一誠は今レーディングゲームなのに・・・・・と

噛み締めながら夕麻のありがたい説教を聞く。

 

 

 

 

 

「どれだけしぶといのよ!」

 

「悪いね!こう見えても体力には自信があってね!」

 

翔真は雪蘭と未だに交戦中であった。しかし

戦況はリアス眷属の方に勝利は傾いていた。

祐斗はカーラマインを、小猫、レイナーレ、

一誠もミラ、イル&ネルを倒した。イザベラに

関しては責任を取れと一誠に言い寄ってる始末。

一方クローディアは・・・・・

 

「何なのよあれ~!」

 

「全然倒れないじゃない!」

 

「油断した・・・・キャアァァァ!!」

 

「逃がしませんよ。それにあなた方から

仕掛けて来たのが悪いんですから・・・・・フフッ!」

 

シュリヤー、マリオン、ビュレントは

雷撃で攻撃を行うクローディアから逃げていた。

クローディア本人はただにこやかに笑い

ながら逃げ回るシュリヤー達を見てただ

笑っていた。

 

 

「コイツで、終わりだ!」

 

アロンダイトを降り下ろし、テュポーンの

右腕を斬り落とした。

 

「ッ!」

 

「はあああァァァ!!」

 

右の手にエネルギーを溜めて、パルマフィオ

キーナの一撃を雪蘭に与えた。

 

「キャアァァァ!!」

 

「やったか・・・・」

 

「いいえ・・・・・まだ私がいるわよ?フフフ・・・・」

 

「貴女は・・・・・ユーベルーナさん」

 

「あら、名前を知っていてくれてお姉さんは

嬉しいわ」

 

おしとやかな雰囲気をかもし出した

ユーベルーナは笑みを浮かべながら、魔法陣を

展開する。

 

闇の精霊29柱魔法の射手連弾・闇の29矢(サギタ・マギカセリエス・オブスクーリー)

 

魔法の射手連弾・闇の29矢

(サギタ・マギカセリエス・オブスクーリー)を

発動したユーベルーナ。魔法陣からそれを放ち

容赦なくバハムートの装甲に当たり、被弾する。

 

「うわあァァァ!!」

 

「まだまだよ?私の爆裂魔法を見せあげる」

 

杖から膨大な赤いオーラの砲撃が翔真に

当たる。

 

「こんな所で・・・・・やられてたまるかァァァ!!」

 

砲撃をシールドでガードしながら、ユーベルーナの

放つ爆裂魔法を打ち消す。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

 

息を切らすも、翔真は呼吸を整える。

 

「強い・・・・・」

 

「翔真君、私も加勢するわ」

 

翔真の隣に、巫女服に身を包んだ朱乃が姿を

現す。

 

「あなたが雷光の巫女かしら?」

 

「あらあら。わたくしの事を知っているなんて

光栄ですわ・・・・爆弾女王(ボムクイーン)さん・・・・

ウフフッ」

 

「・・・・・」

 

朱乃とユーベルーナは互いに笑みを見せながら

電撃と魔力によって形成されたエネルギー弾を

駆使しながら戦闘に入る。

 

「なら俺も!」

 

 

朱乃の後に続き、長射程高エネルギービーム砲を

取り出し砲撃する。

 

「ッ!」

 

ユーベルーナはとっさに魔法陣を展開し

砲撃を防ぐ。

 

「後ろががら空きですわ」

 

背後がに守りながないユーベルーナは朱乃に

接近を許した。

 

朱乃は雷撃を放つ。だが・・・・・

 

 

「甘いわよ」

 

まさかの背後に魔法陣が展開され、二つの砲撃を

一瞬で弾いた。

 

「そんな・・・・」

 

「まだよ」

 

ユーベルーナは静かに微笑み、杖を翔真、朱乃に

向ける。しかし、突然ユーベルーナの背後に

炎の砲撃が向かっていた。

 

「ッ!危ない!」

 

スラスターを全開にして、ユーベルーナを

抱き抱え炎の砲撃を交わした。

 

「この砲撃は・・・・・ッ」

 

「・・・・」

 

ユーベルーナ、翔真はゆっくりと上を向いた。

すると炎の翼を広げたライザーがいた。

 

「どいつもこいつも・・・・・命令を無視しやがって。

貴様らなどもういいッ!・・・・・俺が直接倒す、

黒き討伐者ァァ!」

 

「ユーベルーナさん、下がって」

 

「ダメよ、ライザー様は強いのよ?・・・・

貴方は絶対に無事に生きては帰れない・・・・・」

 

「いや絶対に勝ってやるさ・・・・

ライザー・フェニックス、貴方を倒す!」

 

不死鳥と黒き討伐者、レーディングゲームは

最終局面へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ユーベルーナの駆使した魔法は

ネギまのエヴァンジェリンが使ってた物と
爆裂魔法はおなじみ、この素晴らしい世界に祝福を
のめぐみんが使う爆裂魔法でした!



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第32話「深紅の怒り 前編」

 

 

「オラオラオラ!」

 

「ッ!負けるかァァァ!!」

 

ライザーは炎の砲撃を何発も繰り出して、翔真を

追い詰める。

 

「・・・・何故だ・・・・」

 

「あぁ?」

 

「何故ユーベルーナさんに砲撃した!彼女は

アンタの眷属の一人だろッ!!」

 

「知るかよそんな事ッ!命令を無視し、

勝手に動く奴は、例え眷属であろうが用は

ないんだよ!」

 

「貴様は歪んでいる!ユーベルーナさんは

アンタの為に戦ってるんだぞ!?」

 

「はっ、俺はリアスやリサラが手に入れば

それでいいんだよォォォォ!!」

 

「ッ!ふざけるなァァァ!!」

 

ライザーの発言に翔真は怒りを覚えて、ライザー

にカオスブランドを降り下ろす。ライザーは

片手で受け止める。

 

「「・・・・ッ!」」

 

二人は殺気を全開にし、激突した。

 

 

「どうして・・・・・そこまで戦おうとするの」

 

「それは守りたい物があるからですわ」

 

ユーベルーナは、何故そこまでして戦おうと

するのか不思議で堪らなかった。リアスという

一人の少女を守る為に力を振るう彼。

 

 

どうして?・・・・何故他人の為に?・・・・・

ユーベルーナは益々と翔真に対して興味が沸く中、

朱乃が彼女に声を掛ける。

 

 

「しょう君は自分の事なんてお構い無しに

弱き人や、苦しんでいる人を助けたいのですわ」

 

「・・・・本当に不思議ね。彼をそこまで

動かしてる原動力は何かしら」

 

「それはわたくしにもわかりませんわ。けれど、

心配する身にもなって欲しいですわ・・・・・自分の

事なんて何も考えてないんだから・・・・」

 

「貴女・・・・・」

 

朱乃は今にも泣きそうな表情で翔真の戦いを

見届けていた。

 

 

 

 

 

 

一方でリアス、リサラ、アーシア、クロメは

すぐさま外に出た。

 

「まさかこんなにも早くライザーが動くなんて!」

 

「あれ見て!」

 

「翔真さんッ!!」

 

リサラが予想外な事に驚いていると、クロメが

指を差す方向には翔真がライザーと戦っていた。

 

「翔真・・・・・ッ!」

 

リアスは悪魔の翼を広げて、翔真の方へと

飛び立つ。

 

 

「(ダメよ・・・・彼は!彼はッ!)」

 

押されている翔真を見て、リアスは不安に駈られる。

リアスの中で何かが警告しているのだ、このまま

だと・・・・・翔真が危ないと・・・・

 

 

「ハッハッハッハッ!!最高だな!」

 

「うわあああァァァ!!まだ・・・・やられる訳には!」

 

 

この勝負には危険な賭けがある。この戦いだけは

絶対に勝たなければならない。しかし、ライザー

の容赦ない砲撃は翔真自身を苦しめていた。

 

「がっ・・・・」

 

「もう一発くれてやるよォォォォ!!」

 

「くそ・・・・・」

 

ライザーが拳を振るおうとした時、翔真の

背後からアイツが助けに現れた。

 

「綾崎ィィィィ!!」

 

「なに!?」

 

「撃滅の!セカンドブリットォォォ!!!!」

 

一誠だった。頬に出来た赤い手形はさておき、

セカンドブリットを見事に食らわした一誠。

 

だったが・・・・

 

「忘れたか・・・・・俺はフェニックスだぜ?」

 

「「・・・・ッ!」」

 

顔の傷が素早く無くなり、ライザーは

翔真と一誠を吹き飛ばす。

 

しかし、翔真だけは体力も、バハムートの

搭乗時間も限界が迫る中で再びライザーに

立ち向かう。

 

「こん・・・・な所で・・・・」

 

「いい加減にしろよ。ま、これで終わらせて

やるよォォォォ!!」

 

 

巨大な炎の玉を作り出す。

 

「綾崎・・・・ッ!」

 

「お兄様の邪魔はさせませんわ」

 

助けに向かおうとする一誠だったが、

レイヴェルが立ちはだかる。

 

「まだ伏兵が・・・・」

 

体力が底を着き、一誠は倒れる。

 

「兵藤君!」

 

「遅くなりました」

 

「イッセー君!ここは私達が止めるわ!」

 

祐斗、小猫、レイナーレが一誠の前に現れる。

しかしレイヴェルは炎で自身の分身を作り出す。

 

「ライザーの妹が四人もいる!?」

 

「恐らく幻影だね。とにかく一人ずつ

相手をしていこうか」

 

祐斗はそう言うと魔剣を持ち、続いて小猫は

拳を構えてレイナーレは光の槍を複数出現

させる。

 

 

「(ちくしょう・・・・・どうすれば)」

 

(なかなかいい戦いをしてるな相棒)

 

「(ドライグ・・・・)」

 

一誠に話掛けたのは、赤龍帝の籠手に魂を

封印されたドライグだった。

 

(相棒・・・・まだ戦えるか?)

 

「(当たり前じゃねぇか・・・・・)」

 

呼吸を整え、一誠は立ち上がる。

 

(いい事を教えてやる。だが、腕の一本

犠牲に出来るか?)

 

「腕を・・・・」

 

それから一誠はドライグからある驚きの

提案をされた。

 

 

 

「これで終わりだァァァ!!!」

 

ライザーは巨大な炎の玉を翔真に向けて放つ。

 

 

「やめてェェェェ!!」

 

「リアスさん・・・・・ッ!」

 

リアスが翔真を庇おうとしたが、既に遅く

翔真は炎の玉に呑まれた。

 

「ッ!あああああァァァ!!!」

 

呑まれ、巨大な爆発を起こす炎の玉。

翔真は爆風により地上へと落下した。

 

 

「あ・・・・・ァァァ・・・・」

 

 

リアスは恐る恐る地面の方へ視線を向けた。

バハムートにより、身体は火傷一つなかったが

翔真は倒れていた。彼のから徐々に血が溢れ

沢山の血溜まりが出来ていた。

 

 

 

 

その光景を見たリアス。

 

 

 

―――――キィィィィン!

 

 

 

 

 

この時、リアスの中で何かが弾けた。同時に

赤いオーラが彼女から吹き出す。

 

 

「許さない・・・・許さない・・・・」

 

 

「り、リアス・・・・・」

 

 

今まで感じた事のない膨大な魔力にライザーは

動揺する。

 

「ライザー・・・・・貴方だけは絶対にッ・・・・

もう家の関係なんてどうでもいいわ・・・・・」

 

 

彼女の殺気は次第に皆が分かるくらいにまで

膨れ上がっていた。

 

 

 

「殺してあげるわライザー。手加減はしないから」

 

ハイライトの消えた瞳でライザーを捉えると

リアスは滅びの魔力を作り出し、ライザーに

放った。

 

 

バコォォォォォォォン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第33話「深紅の怒り 後編」

 

 

リアスは滅びの魔力を放つ。ライザーは

被弾するがこれだけで済むはずがなかった。

 

「貴方は彼を傷付けた・・・・・それに」

 

リアスは拳をライザーに喰らわせる。

 

「ガハッ!?」

 

「仲間を大切にしない貴方に・・・・眷属なんて

必要ないわ」

 

そこからリアスは拳と蹴りが炸裂する。彼女の

豊満な胸が揺れ動く中で、ライザーは圧倒される。

 

 

「バカなッ!?これがリアスの・・・・・ッ!?」

 

「・・・・」

 

今のリアスには優しさなどない。あるのは

ライザーを殺すという意思。

 

「どうしたの?フェニックスは強いんじゃ

なかったの?・・・・・ねえ」

 

「舐めるなァァァ!!」

 

ライザー両手から炎の玉を幾つも投げた。しかし

リアスは魔法陣で砲撃を吸収する。

 

「次は私よ」

 

そう言うとリアスは自身の周りに赤い球体を

幾つも出現させる。

 

「ディバイン・・・・・シュートッ!」

 

合計100発の赤い球体がライザーに向けて

砲撃された。ライザーは交わしきれず被弾した。

 

「ぐあああああ!・・・・なんだ、この強さは!」

 

「・・・・」

 

 

赤いオーラを吹き出したまま、リアスは

ライザーに近づきゼロ距離砲撃をした。

 

 

「翔真さんッ!翔真さんッ!」

 

「しっかりしてください翔真様!・・・・・

貴方が死んだら!悲しむ人達がいるのですよッ!」

 

「意識はまだあるわ!しっかり自我を持ちなさい

姫島朱乃!」

 

「嫌・・・・・嫌ッ!」

 

「・・・・」

 

 

傷を直そうとアーシアは泣きながら

翔真に呼び掛ける。トライワイト・ヒーリングの

力を信じてアーシアは必死に呼び掛ける。

グレイフィアも飛び出し、側に座り翔真に

呼び掛ける

 

クローディアは取り乱す寸前の朱乃を

落ち着かせ、ユーベルーナは唖然としたまま

翔真の側に座り込んだ。

 

以前として翔真の意識が戻る事はない。

 

 

 

 

 

メインは一誠達へと変わる。レイヴェル三人と

祐斗、小猫、レイナーレは戦闘に入る。

 

 

「・・・・・覚悟は決まった!行くぜドライグ!

俺の左腕、くれてやらァァ!」

 

(少しは迷うと思ったが即答とは。本当にいいん

だな?相棒)

 

「リサラが助かるなら、俺は腕の一本や二本

足の二本だって犠牲にしてやる!」

 

「待ちなさいイッセー!一体何をする気なの!?」

 

その発言を聞いたリサラは何事かとイッセーに

問うが既に遅く、イッセーは炎に包まれた。

 

「うおおおおッ!」

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoost!!》

 

《explosion!》

 

そして、炎は消え一誠は赤い鎧を纏っていた。

そう、これは赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・

スケイルメイル)だ。一誠は自身の左腕を代償に

強引に禁手したのだ。

 

「イッセー・・・・・その姿」

 

「いくら見た目が強くなったからと言って、

いい気になるんじゃありませんわ!」

 

姿が変わったイッセーにリサラが驚く中で

レイヴェルは炎のハリケーンを作り出し

イッセーに向けて放つ。

 

だが、今のイッセーに恐れなどない。

 

「抹殺の・・・・ラストブリットォォォ!!!」

 

ラストブリットで炎のハリケーンを粉砕する。

 

「バカなッ!しかし、まだこの程度で!」

 

「させるかよッ!」

 

レイヴェルは再び炎の砲撃をしようと構えたが

一誠が一足先に動いた。

 

 

拳をレイヴェルの顔寸前まで止めた。

 

「そんな・・・・・」

 

レイヴェルは自然とフィールドから姿を消した。

 

「へへ・・・・勝負はつい・・・・た」

 

「イッセー?・・・・・イッセーェェェェ!」

 

フェイスマスクが壊れ、素顔が露になった。

今の一誠の表情は満足な笑みを浮かべていた・・・・

倒れる寸前のイッセー。だが、リサラにより

キャッチされる。

 

「イッセー・・・・バカ、無茶はしないでって・・・・・

言ったのに・・・・うぅ」

 

「泣くなよリサラ・・・・・せっかくの可愛い顔が

台無しだろ?・・・・」

 

 

一誠はリサラの腕に抱かれながら、疲労による

眠りに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





一誠は死んでないからね!?誤解しないでよね!


次回でフェニックス編完結です!




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第34話「ゼロ」

 

 

―あの日からだった・・・・・ルクスさんから

バハムートを渡された時から俺の運命は大きく

変わった。

 

朱乃さん、アーシア、シャルロット、アカメ、

ユリシア、束さん、箒、刀奈ちゃん、クローディア

夜架、グレイフィアさん・・・・皆と出会えた。時に

悲しい事や別れもあったけど、俺は皆と会えて

良かったと思ってる。

 

 

 

もう、力尽きて手を動かす事すら出来ない・・・・

アーシア、朱乃の泣き声が聞こえる・・・・

 

 

きっと、俺を呼んでいるのだろう・・・・・

 

 

けど、体が動かないんだ・・・・・ごめん皆。

 

 

 

 

 

―翔真、私達は貴方を待ってるのよ?―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ・・・・まだ・・・・・倒れる訳にはッ!」

 

「翔真さんッ!」

 

「しょう君!?」

 

「嘘・・・・」

 

「・・・・・凄い」

 

「翔真様ッ!」

 

「俺にはまだ・・・・・守る物があるんだ・・・・

シャルロットやアーシア達を守りたい!それに

リアスさんも・・・・行くぞバハムートォォォォ!!」

 

アーシア、朱乃、クローディア、ユーベルーナ、

グレイフィアが呆然とする中で翔真は立ち上がる。

バハムートを纏い、同時にバハムートは姿を変える。

 

 

第二形態「バハムート・エクシアデスティニー」。

光の翼を広げて翔真は羽ばたく。

 

 

 

「うぐっ!」

 

「俺はライザー・フェニックスだァァァ!

フェニックスの名を持つ俺様が負ける訳には

いねぇんだよォォォ!!」

 

 

ライザーはついにぶちギレ、本気を出す。

炎の翼を広げ狂ったようにリアスに攻撃する。

 

「くっ!」

 

リアスはとっさに魔法陣で防御するが一瞬で

撃破される。

 

「さっさと降伏しやがれェェェェ!!」

 

「ここまで・・・・なの・・・・・」

 

「やめろォォォォ!!」

 

ライザーがリアスに刃を向こうとしたが、

翔真がライザーを蹴り飛ばした。

 

「しょ・・・うま・・・・・なの?」

 

「すいません。遅くなりました」

 

「うぅ・・・・バカッ!バカバカバカ!!・・・・・

心配・・・・・したんだからッ!」

 

翔真が無事だと分かると、リアスは泣き出し

抱き付いた。ポカポカと胸を叩きリアスは泣く。

 

「リアスさん。泣いちゃダメだよ・・・・せっかくの

綺麗な顔が台無しだよ」

 

「誰のせいだと思ってるのよ!」

 

だが本当は嬉しかった。翔真が生きている事に

リアスは内心で喜んでいる。

 

「さて、片付けるか」

 

「ああああァァァ!!負けるはずがないんだ!

俺は・・・・・ライザー・フェニックスなんだァァァ!!」

 

「戯れ言に付き合ってる暇はない。トランザム!」

 

トランザムを発動し、翔真はライザーに立ち向かう。

炎の翼を大きく広げるライザーは砲撃を繰り出す。

 

「何故だッ!何故そうまでして戦い続けるッ!?

たかが人間がァァァ!悪魔ではない貴様がッ!」

 

「例えそれでも、俺には・・・・・」

 

光の残像を残しながら、すぐさまアロンダイトを

取りだして、炎の砲撃を打ち消す翔真。

 

「守りたい人がいるんだァァァ!!」

 

 

アロンダイトを振り下ろし、ライザーに打撃を

与える。

 

「リアスさんは物じゃないッ!お前の人形でも

なければ奴隷じゃない!・・・・リアスさんを

お前に・・・・・渡すもんかァァァァァァ!!」

 

怒りを爆発させ、翔真の中で種が開花する。

『SEED』に覚醒した翔真は炎の砲撃を打ち消す。

 

視界がクリアとなり全ての攻撃の先を読む事が

出来る翔真は交わし続ける。

 

「・・・・翔真」

 

リアスは翔真の戦いを見続ける。

 

「嘘だ・・・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」

 

「はぁ?」

 

「俺が負けるはずがない・・・・俺はライザー・・・・

フェニッ・・ガハッ!!」

 

「あっそう。自身の名前を連呼して恥ずかしく

はないの?・・・・・これで本当の終わりだ」

 

トランザムが終了すると同時に、翔真は魔法陣を

展開すると、ツイントルネードライフルを取り出した。

 

「がァァァァァァ!!」

 

ライザーはもはや理性を失い暴走仕掛けていた。

 

「ターゲット、ライザー・フェニックス・・・・・

破壊する」

 

トルネードライフルを構えると同時に、バハムート

は白と青のツートンカラーへと変色し背部には

天使の翼を思わせるような白い翼が装備される

 

ツイントルネードライフルを装備した際に

第三形態「バハムート・ゼロ」を発現させたのだ。

 

 

そして銃口から壮大なビームが発射された。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

トルネードライフルの砲撃を食らったライザーは

消滅し、見事リアスチームは勝利を収めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





バハムート・ゼロのイメージモデルは自分が
ダブルオー、デスティニーと同じくらいに
好きなガンダム、ウイングガンダムゼロカスタムです。

トルネードツインライフルの元ネタは
ツインバスターライフルです!

次回は翔真とリアス、夜架、ユリシアがメインに
なるかな。



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後日談―やはり俺達の日常は間違ってる― その二
第35話「繋がる想い ―翔真編―」


よっしゃァァァァァァ!!今回と次回で
かなりエッチな話だ!


次回は一誠メイン!


 

レーディングゲームは無事にリアス達の勝利に

終わった。翔真と一誠はリアスとリサラを

守れた事でほっとしていた。

 

約束通り、婚約の話は消えてこれで平和になるかと

思われたが・・・・

 

 

 

―姫島神社・家の中―

 

 

「あの~・・・・リアスさん達は一体何をなされて

・・・・いたた・・・・」

 

「分からない?貴方と添い寝してたのよ・・・・

でも、貴女達までどういうつもりかしら?

ユーベルーナさんに、雪蘭さんも?」

 

「私はこれからこの子の元で生きて行こうって

決めてここにいるの・・・それにしても若い男の子は

ここも超元気なのね」

 

「すごーい・・・・大きい・・・・・」

 

「やめて・・・・ユーベルーナさん、それに雪蘭も・・・・

つうかなんで俺裸にされてんの!?」

 

ユーベルーナと雪蘭は翔真に笑みを見せながら

絶頂朝立中の大切な翔真の相棒を手でさすって

いた。

 

「あん・・・・・凄い」

「ねえ翔真・・・・この際だから・・・・・皆で

エッチな事してみない?」

 

「ふぁ!?」

 

リアスのとんでもない発言に翔真は驚く。

 

「だ、ダメですよエッチな事なんて!

さすがにそれは・・・・その・・・・」

 

「照れてるの?」

 

「リアスさん・・・・・分かって聞いてるでしょ?」

 

悪戯な笑みを浮かべて、聞くリアスに翔真は

ジト目で尋ねる。

 

だがその時、翔真の部屋の扉が開く。

 

「翔真朝だよ~・・・・・な、何これっ!」

 

「ワォ!・・・・・ショウマァ?どういう事かしらァ」

 

「翔真様・・・・なんで裸なのですか?我慢

出来ないのでしたらわたくしを呼んでくだい。

呼んでくだされば朝のご奉仕を致しましたのに・・・・」

 

シャルロット、ユリシア、夜架が顔を赤くして

翔真の方へと駆け寄る。

 

「大体、どうしてリアスさんがいるのかな?」

 

「ごめんなさいねシャルロットさん。私ね、

翔真に惚れちゃって・・・・・だからこれからは

宜しくね?」

 

「ちなみに私達も同棲するから。宜しく」

 

「これからは仲良くしましょうよ」

 

シャルロットとリアスはにらみ合い、両者の

間には火花が散っていた。

 

 

ユーベルーナと雪蘭の発言に、ユリシアが

唖然とし、夜架はニッコリと笑みを浮かべたままだ。

 

 

「ねえ翔真。どうしてリアスさんがいるか

説明してくれるんだよね?あとそこにいる

二人の事も」

 

「はい話します!だから俺にナイフを

ちらつかせないでください!」

 

 

さすがと言うべきか、シャルロットは

手元にナイフをちらつかせ、翔真は仕方なく

レーディングゲームの経緯を話した。

 

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

 

案の定、自分達に内緒で危険な戦いに参加して

いる事を聞き、シャルロット達は黙る。

 

「(やっぱ怒ってるよな)」

 

「翔真、ちょっと来て」

 

「え!ちょ!?」

 

シャルロットに連れられる翔真。その後を

ユリシア、夜架は追いかける。

 

 

翔真はシャルロットの部屋にあるベッドへ

投げ飛ばされた。

 

 

ボフン

 

 

「シャ、シャルロット!これには訳が・・・・」

 

「バカッ!翔真の分からず屋!変態!バカ!

・・・もしその戦いで・・・・死んだら・・・・ボクはッ」

 

綺麗なアメジスト色に輝く瞳から雫が溢れる、

翔真の胸板に顔を埋めて、涙を流すシャルロット。

 

 

「本当よォ・・・・・本当に翔真は私達の気持ちも

知らないで・・・・本当に最低なんだから・・・・・」

 

ユリシアもまた我慢出来なかったのか、

つぶらな瞳から雫がこぼれる。

 

「翔真様には困りましたわね」

 

夜架は相変わらずといった感じの表情だった。

 

 

「ごめん。けどさ、シャルロットやユリシアに

夜架には迷惑掛けてばかりだからさ・・・・」

 

「そんなにボク達が・・・・・邪魔なの?翔真に

とってボク達ってなんなの・・・・かな」

 

ユリシアや夜架やアカメ達を代表して

シャルロットは翔真に問う。

 

「それは違うぞシャルロット」

 

「え・・・・・」

 

「俺はお前達がいるから戦えるんだ」

 

翔真はそう言うと、シャルロットとユリシアを

引き寄せる。

 

「今更・・・・そんな事したって許してあげないんだから」

 

「そうだよ」

 

ユリシアとシャルロットは明らかにまだ

お怒りのようだ。

 

「今度はちゃんと言うようにするよ。けど

これだけは分かって欲しいんだ。決して

お前達が邪魔とかじゃない・・・・俺はお前達に

危ない目に合って欲しくないんだ」

 

 

それは翔真なりの優しさだった。例え不器用

でも自分一人で何とかすればシャルロット達を

守れると・・・・それが翔真の彼女達に対する気持ちだ。

 

「翔真の気持ちは分かった・・・・でも、今度は

ちゃんとボク達に言って欲しいな」

 

「そうよね・・・・ねぇショウマ、さっきから

固いのが私の太ももに当たってるんだけど・・・・」

 

「え?・・・・す、すまない。これはその、朝の

生理現象でして・・・・」

 

「なんだか苦しそうね・・・・だったら私と

エッチしよ?」

 

「ブッ!」

 

「ずるいよユリシア!だったらボクとエッチ、

ボクとエッチしてよ翔真!」

 

「な!?ダメダメ!そういうのはその・・・・

もう少し大きくなってから・・・・」

 

いくら翔真でも、今の年齢を考えればまだ

10代後半だ。もし子供でも出来てしまえば

ただ事じゃすまない。

 

「だけど、好きな人に抱いてもらえないって

女の子からすると寂しいんだよ?」

 

「ショウマが来ないなら・・・・えい」

 

翔真はシャルロット、ユリシアに倒され

とっさに夜架が体の上に乗っかる。

 

「シャルロット!ユリシア!それに夜架まで・・・・」

 

「翔真様がいけないのですわ。素直に

なっていればこんな事する必要もありません

でしたのに」

 

夜架は懐から、ゴムが入った袋を取り出した。

 

「これなら安心して私達のコミュニケーションを

楽しめますわ」

 

「じゃあ翔真?」

 

「私達がいっぱい愛して・・・・あ・げ・る」

 

「ちょ!今なら引き返せる!だから・・・・あ・・・・」

 

 

 

 

その後部屋から、少女達の甘い声が聞こえた

のは言う間でもない。

 

 

ちなみに・・・・

 

 

『あん!あああ・・・・・翔真激しいよ~』

 

『シャルロット達がいけないんだろ!?

もう止まらないからな!』

 

『ショウマァ、私・・・・もう我慢出来ないわ』

 

『早くお願いしますぅ』

 

 

「(い、一体中で何が起こってるの!?)」

 

リアスが顔を赤くしながら、翔真達の

密着コミュニケーションを聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 



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第36話「繋がる想い ―一誠編―」

 

 

「イッセー君、あーん」

 

「夕麻ばっかりずるいわよ!はいイッセー、

あーん・・・・」

 

「どうイッセー?」

 

「ああ!二人の作ってくれた唐揚げ最高だ」

 

レーディングゲームの一件以来、リサラとの

仲が少し縮まっていた一誠はただいま、リサラと

夕麻によるダブルあーんを堪能していた。

 

「ありがとうイッセー」

 

「ねぇイッセー君・・・・・」

 

リサラが礼を告げると、夕麻が一誠の肩に

頭を置く。

 

「もう無茶だけはダメだよ?今回は左腕一本で

済んだかもしれないけど、あんな事二度としないで」

 

「そうよイッセー。いくら悪魔の体でも

自分の体は大切にしないと・・・・ダメなんだからね?」

 

「うぐッ!(上目遣いとか反則だろ!?)」

 

今回の戦いで、一誠は赤龍帝の籠手の力を

引き出す為に左腕を代償にしていた。

 

「イッセー君にもし何かあったら、私

泣いちゃうからね?年齢とか関係なしにいっぱい

号泣するんだからね?」

 

「夕麻と同じ、私も泣いちゃうかも」

 

「(な、なんだこれは!?やけに二人が近い!)」

 

夕麻とリサラは一誠の体に密着していた。

さらにいけないのは、夕麻の胸が胸板に

密着していた。

 

リサラは、胸は残念だが彼女から発せられる

女の子独特の甘い匂いが、一誠の鼻を刺激する。

 

「むぅ~・・・・二人共ズルイ!なら私は」

 

クロメは上着を捲らせて、一誠の手を取るなり

胸を触らせる。

 

「く、クロメ!?一体何してんだ!?」

 

「えっへへ・・・・・どうイッセー?私そこまで

大きくないけど、弾力には自信があるんだ~

あん・・・・一誠の手が、私の・・・・はぁ・・・・」

 

「(むっちゃエロ!しかしこれはこれで・・・・)」

 

一瞬、クロメの乱れる姿を想像しかけるが

ぶんぶんと頭を振る。

 

「クロメ!色々ヤバいから離れてくれ!

じゃないと俺、色んな意味で爆発しちまう!」

 

「色んな意味で・・・・・ふーん、そうは言うけど

さっきから私の太ももに当たってる固いのは

何かな~?イッセー」

 

クロメはいたずらな笑みを浮かべて、イッセーの

マイサンを太ももでがっちり挟む。

 

「(なァァァ!?この感触はッ!?)」

 

「えい、えい・・・・アハ、凄く熱いね」

 

「凄い・・・・・イッセー君の・・・・・大きいんだね」

 

「イッセーの破廉恥!なななな、なんて物を

見せるのよッ!バカッ!」

 

「ギャアアアアア!!見ないで!恥ずかしい

から見ないでください!」

 

ズボン越しからでも分かるように、立派に

立っているイッセーの相棒。

 

ちなみに、今家にいるのは一誠、リサラ、夕麻、

クロメの四人だけ。一誠両親はただいま仲良く

お部屋でハッスル中(意味深)である。

 

 

「今お母さん達も居ないし、イッセー・・・・

私と一緒にエッチィ事しようよ」

 

「エッチィ事!?(まさか、そんな男心を

揺さぶる日本語が実在していたのか!)」

 

「何をしようとしてるのかなクロメ!?

エッチィ事だなんて・・・・・そんなのダメよ!」

 

「そうよ!不健全だわ!」

 

夕麻、リサラが止めようとしたがクロメは

ニヤリと笑みを浮かべる。

 

「そんな事言ってさ、私知ってるんだよ?

夕麻とリサラがイッセーをオカズにしてエッ・・・・」

 

「わー!!クロメが何で知ってるのよ!」

 

「まさか!?」

 

「盗聴したに決まってんじゃん」

 

クロメは当たり前のように言うと、イッセーを

押し倒す。

 

 

「イッセー・・・・好き、チュ・・・・・チュ・・・」

 

「「なっ!?」」

 

「く、クロメ・・・・それ、やべぇ」

 

イッセーの服を脱がし、胸板に口付けをするクロメ。

 

「早く夕麻もリサラも来なよ、じゃないと

私が独り占めしちゃうよ~?」

 

「・・・・・イッセー君、本当に急だけど」

 

「私達の初めてもらってくれる?」

 

「正気か!?三人共冷静に・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アアアァァァ!

 

 

 

 

 

 

 

この日、一誠は翔真と同じく童貞を卒業した。

 

 

 

 

 

 

 



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第37話「這いよれ!イザベラさん?」



這いよるイザベラ?


 

 

よく晴れた日、夏本番という事もあり外は

少し蒸し暑かった。

 

「あっちいな」

 

「これからはもっと熱くなるならしい。この

蒸し暑さなら大した事ない」

 

「アカメは平気なのかしら」

 

「慣れている。問題はない」

 

「それより翔真、今から兵藤君の所へ何しに行くの?」

 

「前に借りてたゲームを返そうと思ってな。あ、

言っておくがエロゲーじゃないからな」

 

翔真、アカメ、リアス、シャルロットはただいま

一誠の家へ向かっていた。翔真達の服装も夏に

向いた物だ。翔真は赤い半袖に黒い長ズボンを

着用し、シャルロット達も夏に似合う服装を

着ている。

 

そして家へと着くと、翔真はインターホンを

鳴らした。

 

「はーい、あ、お姉ちゃん達じゃん」

 

「クロメ、元気そうだな」

 

出迎えたのはクロメだった。彼女の服装は

黒い半袖に、ミニスカートである。

 

 

「兵藤にアーマードコアを返しに来たんだが

今大丈夫か?」

 

「うん。取り敢えず上がりなよ」

 

「じゃあお言葉に甘えて上がらせてもらいましょうか」

 

 

リアスはそう言うと翔真達と共に玄関に入る。

 

 

―兵藤家・リビング―

 

 

「・・・・・」

 

「「・・・・」」

 

「(誰か・・・・助けてくれ)」

 

一誠はリビングで大変な目に合っていた。

今朝早くに、元ライザー眷属の戦車を努めて

いたイザベラが訪れていた。

 

 

今朝早く来れば、責任を取って自分を嫁にしろ

という発言。恐らく、洋服崩壊を喰らった為だろ。

その発言を機に、リサラと夕麻はイザベラと対立

していた。

 

「つまり一誠の嫁になりたい・・・・・そう言うのね?」

 

「ああ」

 

「そんな事させると思ってるの!?」

 

リサラと夕麻はイッセーを渡したくない想いから

イザベラに対立する。

 

「しかし、私の裸を見ておいて・・・・」

 

イザベラの発言を聞いてリサラと夕麻はギロッと

一誠を睨む。

 

「一誠が洋服崩壊なんてしなければ

こんな事にはならなかったのよね」

 

「イッセー君・・・・・?」

 

「すいません。あと夕麻ちゃん、光の槍を

俺に向けないで」

 

「なんかややこしい事になってるわね一誠」

 

「お前も大変だな」

 

「お姉様!?」

 

「綾崎・・・・心の友ォォォォォ!!」

 

「だあああ!!引っ付くな!暑苦しいだろうが!」

 

「もうずっと待ってたんだからな!この~

キスしてやる~」

 

「なんだその訳の分からんリアクションは!?」

 

 

今の一誠には翔真が救世主に見えた。

 

 

 

 

「つまり兵藤君が洋服崩壊を発動して、

イザベラさんは誰にも見せた事がなかった素肌を

兵藤君に見られたから、責任を取って結婚を

前提に付き合って欲しい、これでいいんだよね?」

 

「ああ」

 

シャルロットはイザベラから経緯を聞いていた。

 

「さすがは兵藤、期待を裏切らないな。

つうか洋服崩壊ってそんなにエロい技なのか?」

 

「当たり前に決まってら!俺が唯一開発した技、

女の子の服を一瞬で塵に出来るんだぜ」

 

「マジかよ!?だったら今度是非俺にも・・・・」

 

翔真はイッセーにレクチャーを頼もうとしたが

リアスに頭を掴まれる。

 

「しょ・う・ま?・・一体を何を教えてもらう

つもりかしら?」

 

リアスは満面な笑みを浮かべて、左手に

滅びの魔力を作っていた。

 

「な、何でもありません」

 

 

 

「クロメ、お前は何もされてないか?」

 

「大丈夫だよお姉ちゃん。イッセーは私達には

そういう事しないんだ。でも、少しくらいは

私も望んでるんだけど・・・・・」

 

 

「エッチィのはダメだぞ」

 

 

クロメとアカメが話している中、シャルロットは

結論を出す。

 

「じゃあ、イザベラさんは兵藤君達と一緒に

しばらく暮らしてみたらいいんじゃないかな。

過ごしていけば、気持ちも変わるかもしれないし」

 

「つまりお試し期間という奴か・・・・分かった」

 

「話は纏まったようね。一誠、しばらく

リサラ達と一緒にイザベラさんと暮らしなさい」

 

「え?・・・・・えええェェェェ!?」

 

「「ええええェェェ!?」」

 

「へ~」

 

 

 

こうして、イザベラとの同棲が決まった

一誠であった。リサラと夕麻も大声を上げた。

クロメに関してはそうなんだという表情で

あった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回から平行世界編《ハンドレッド》とのコラボを
お送りします。その後に聖剣編ですかね。


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黒と赤の別世界放浪記 ―ハンドレッド編―
第38話「黒と赤、別世界へ」


 

 

その日常は彼にとっては普通の日常だった。

死ぬかもしれない装甲機竜の使い手《ドラグナイト》

同士の戦い。

 

そして今現在、夜の駒王町の上空ではバハムートを

纏った翔真がワイバーン・ツヴァイを纏ったリコと

戦っていた。

 

「行けよッ!ファングッ!!」

 

サイドスカートからファングを射出して遠隔操作

により翔真を攻撃する。

 

「こんな所でやられてたまるかァァァァ!!」

 

SEEDを発動し、翔真はアロンダイトを持ち

迫るファングを破壊する。

 

「まだあんだよ!」

 

だが、まだ2基のファングを隠し持っていたリコは

そのまま射出する。

 

「しまった!」

 

「させる訳ないでしょ!」

 

しかし間一髪の所に、ファフニールを纏う

刀奈がフリージングカノンを射ちながら増援に

駆け付ける。さらには・・・・

 

「綾崎ッ!待たせたなッ!」

 

「遅くなったのはイッセー君のせいでしょ?」

 

「め、面目ない」

 

今にも夫婦漫才を始めそうな一誠と夕麻。一誠は

赤龍帝の鎧を纏い、夕麻は光の槍を数本作り出し

リコに向かって投げ放つ。

 

「くそっ!」

 

「行くぜ!衝撃のファァァストブリットォォ!!」

 

左の拳に炎が纏われ、拳はツヴァイの装甲を

殴る。いくら敵が女とはいえ、顔に傷を付ける事を

しないのが兵藤一誠流の戦いのルールだ。

 

ちなみに男は論外だ。

 

 

「赤龍帝に堕天使、さらには神装機竜の使い手か。

だがなァァ!!」

 

スラスターをなびかせ、バスターソードを構えた

リコは一誠達に近付く。

 

「数より、力の差で攻めてやんよ!」

 

「カナちゃん!」

 

「大丈夫よ・・・・・」

 

そう言うと刀奈は『蒼流旋』を構えて、リコの

バスターソードを受け止める。

 

「くっ!」

 

「イライラしているようじゃ私には勝てないわよ?」

 

「確かに言う通りかもしれないわね。けど、

力が全てなんだよ!」

 

精一杯の力を振り絞り、再度バスターソードを

振り下ろすリコ。刀奈はその影響で吹き飛ばされる。

 

「あの女相当厄介じゃないッ!!」

 

「たく、綾崎にも変なファンがいたもんだな」

 

「ファンだったら良かったんだけどな」

そんな捨て台詞を吐くと、翔真はリコの元へ

向かう。

 

「もういい加減に・・・・しろォォォォ!!」

 

「綾崎、貴様さえ居なければァァァァ!!」

 

 

その瞬時、翔真とリコが放つ光は一誠達を

包み込んだ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は別世界へ。数年前に宇宙から飛来した

謎を異種『サベージ』。唯一人類が対抗出来る武器は

『ハンドレッド』のみだ。

 

 

そして、今・・・・リトルガーデンの上空では

空を自由に飛び回る事が出来るタイプのサベージを

リトルガーデンの艦長兼学園の生徒会長である

クレア・ハーヴェイが相手をしていた。

 

付き添いにはリディとエリカがいる。

 

「ちょこまかと・・・・リディ!エリカ!

同時攻撃をお願い致しますわ!」

 

「「了解ッ!」」

 

先にエリカが仕掛ける。

 

「クレア様の命令、必ずやり遂げてみせるッ!

ハァァァ!!」

 

自身のハンドレッド、エヴァーラスティングで

サベージに一撃を与え、次にリディが懐に入る。

 

「もらったァァ!!」

 

スピアに似たハンドレッド、ミドルガルド

シュランゲで攻撃を叩き込む。

 

「これでトドメですわッ!」

 

クレアがトドメを刺そうとした時、エリカが

何かに気付く。

 

「待ってくださいクレア様!上から熱源の

反応があります!」

 

「なんですの?・・・・サベージですか?」

 

「いえ・・・・これは」

 

 

 

 

 

クレア、リディ、エリカの上から来ていたのは。

 

 

「・・・・ッ!」

 

「翔真君!」

 

「うわあああ!?なんだよあれェェ!?」

 

「か、怪物~!?」

 

 

 

翔真、刀奈、一誠、夕麻であった。本来なら

絶対に交わるはずのなかった世界に、翔真達は

どんな影響を与えるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第39話「進化の先へ」

 

 

「なんだあれは・・・・ッ!」

 

サベージを見るなり、翔真は焦りの表情を見せるが

そんな余裕など無くバハムートを第2形態へと

変化させる。

 

「カナちゃんもう大丈夫?」

 

「ええ!翔真君が抱き締めてくれたおかげで

怪我一つせずに済んだわ。ありがとう」

 

「う、うん・・・・・」

 

刀奈は笑顔で翔真に礼を告げた。可憐な笑顔に

翔真は見惚れるが、すぐさまクレア達が近づく。

 

「貴方達何者ですの・・・・どこの国の所属ですの?」

 

「待ってくれ!俺達は敵じゃない!・・・・ッ!」

 

こちらに警戒の眼差しを送るクレア達に翔真は

誤解だと弁明しようとしたが、サベージが

襲い掛かる。

 

『シャァァァァ!!』

 

サベージは翔真達を退けて、一誠と夕麻の元へ

向かった。

 

「まずい!一誠、夕麻ァァ!」

 

翔真の声に一誠と夕麻はすぐさま回避する。

だが、夕麻はリコとの戦闘により体力を消費

している為に動けない。今は一誠に抱かれて

いる状態である。

 

 

「なんだよこの化け物ッ!・・・・モンハンじゃ

あるまいし!」

 

「一誠君!後ろ!」

 

回避したのも束の間、再びサベージが迫る。

 

「夕麻ちゃんだけでもッ!」

 

攻撃をしたいが、そうもいかず一誠は夕麻を

強く抱き締めてサベージの攻撃から守る。

 

サベージは両腕に付いたカニのようなハサミで

一誠を攻撃する。

 

「うあああああァァァァ!!!」

 

「イッセー君ッ!!」

 

いくら装甲とは言えど、サベージの攻撃は

装甲を貫通し一誠の背中から血が出る。

 

「させるかァァァァ!!」

 

だが、翔真がアロンダイトでサベージの背中に

斬り込みを入れる。

 

『ぎしゃァァァァ!!』

 

サベージはターゲットを一誠から翔真に変えて

襲い掛かる。一誠は夕麻を抱き締めたまま気を

失い海へと真っ逆さまに落ちてゆく。

 

「イッセー君ッ!イッセー君ッ!起きてッ!

なんとかして私がッ・・・・・」

 

「(やべ・・・・力が出ねぇ・・・・・けど、まだ

死ぬ訳にはいかない・・・・・)」

 

まだ自分には叶えていない夢ややりたい事がある。

 

ハーレム王になる夢、リサラや夕麻達とまだ

ちゃんとしたデートすら出来ていない・・・・

 

 

―こんな所で死ぬ訳にはいかない・・・・・ッ!―

 

 

《相棒!右手に持ったそれを俺にかざせ!》

 

「(右手・・・・?)」

 

右手を見てみると赤い石が握られていた。石を

少ない体力で赤龍帝の籠手にかざす一誠。

 

すると、石は赤龍帝の籠手に吸収された。

一誠と夕麻は光に包まれ、その一体に光が

煌めく。

 

そして、光が晴れると・・・・赤龍帝の鎧はある形へ

変化していた。

 

背部の赤い翼、赤と黒のツートンカラーに

染まった鎧・・・・・いや、正確には神装機竜になったと

言うべきであろう。もちろんちゃんと夕麻を

抱き締めている一誠。

 

「ドライグ・・・・これって!」

 

《どうやらこの世界にある力が、俺との力に

共鳴して鎧が進化したんだな。正確に言えば

分離したか?》

 

「え?・・・・これって!」

 

一誠の腰にはソードデバイスがあった。

 

「今は迷ってる暇はねぇ!夕麻ちゃん・・・・

ちゃんと掴まってろよ!」

 

「イッセー君ッ!でも怪我が!・・・・・」

 

「大丈夫だってッ!」

 

赤い翼を広げ一誠は右手にビームソードを持つ。

 

 

「一誠・・・・・それは」

 

「俺にも訳が分からねぇけど・・・・・今はッ・・・・」

 

「そうだな」

 

光の翼と赤い翼を広げた翔真と一誠はサベージに

戦いを挑んだ。

 

「そらァァァァ!!」

 

ビームソードでサベージの腕を斬り落とし、

ヒートロッドでサベージの動きを止める一誠。

 

「そこだァァァァ!!」

 

パルマフィオキーナを食らわせ、サベージは

光に包まれ爆発した。

 

 

「い、一体・・・・なんですの・・・・」

 

クレアは目の前で起こった光景に呆然とし

それはリディやエリカも同じだった。

 

 

 

 

 

 

 






神装機竜《エピオン》

一誠の手のひらにあった石(ヴァリアブルストーン)
とドライグの力が共鳴し生まれた神装機竜。
ドライグの力をコピーして、ヴァリアブル
ストーンがソードデバイスへと進化した為
正確には装甲機竜版のドライグ。


武装はビームソードと左腕にはシールド
と先端にヒートロッドが装備されている。


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第40話「セレクションズ」

 

 

翔真達はクレア達の誘導によりリトルガーデン

生徒会長室へと連れられ、そこから翔真とクレアは

互いに情報を交換した。

 

「まさか・・・・じゃあ実際に悪魔、堕天使、天使が

存在すると・・・・・そう言いたいのですか?」

 

「ああ」

 

「にわかに信じられん」

 

クレアの問いに答える翔真。だが実際に

悪魔や堕天使、天使はこの世界では空想の存在

でしかない。だが翔真の話を聞きクレアはもちろん

リディやエリカも信じられない様子だった。

 

「まだ信じられないか・・・・なら兵藤」

 

「おう」

 

一誠は返事をすると、背中から悪魔の翼を広げた。

同じく夕麻も悪魔の翼を広げた。

 

「嘘・・・・・」

 

「作り物ではないのだな・・・・・」

 

エリカは手を口に添えて驚き、リディは何処か

納得したようだった。

 

「分かってもらえましたか?クレアさん。

私や翔真君、そして兵藤君も天野さんも違う

世界から来たのです」

 

刀奈はクレアに自分達が違う世界から

来た事を告白した。

 

「わ、分かりましたわ。ですがもう1つ

聞いていいでしょうか?綾崎さん、貴方が

その腰に差している剣はなんですの?それと

更識さんや兵藤さんも」

 

「これですか?・・・・これはソードデバイスと

言って、竜の力を使えるんです。正確には

神装機竜と言った方がいいですね」

 

「神装・・・・機竜?」

 

「ハンドレッドとは違うのか?」

 

リディは質問をぶつけた。リディもあの戦いの

最中に翔真や一誠が纏っていた神装機竜に疑問を

持っていた。

 

「違いますよ。こいつ(バハムート)は

古代兵器の1つらしいです・・・・・」

 

「そうですの・・・・事情は分かりましたわ。

つまり貴方達は別の世界から来たのでしょう・・・・

しかし、元の世界へ帰る術はありますの?」

 

「そこが問題なのよね」

 

クレアの発言に刀奈は難しい表情を浮かべた。

 

「(もしこのまま帰れなかったら・・・・・

いや、そういう事を考えるのはやめよう)」

 

言葉を聞いた翔真は最悪の事態について

考えたが、今は必要ないと考えを切り捨てる。

 

「帰る術が見つかるまで、ここに身を寄せては

いかがでしょうか?」

 

「え?」

 

「「「え!?」」」

 

クレアの提案に翔真、一誠達は驚く。

 

「そ、そんなに驚く事でしたの・・・・?」

 

「いや・・・・・だって俺達別世界から来たのに、

クレアさん達はそれでいいのかよ?」

 

「貴方方なら信頼してもいいと思っています。

・・・・・ただし、条件があります」

 

「条件?」

 

「貴方達が戦ったサベージ・・・・わたくし達の

世界ではサベージが人類の脅威となっています。

わたくし達と・・・・・一緒に戦ってはくれない

でしょうか?」

 

 

「・・・・一誠達はどうなんだ?」

 

クレアの願いを聞き、翔真は一瞬思考が止まったが

こちらに身を寄せる以上は出来る事なら協力したい

のが翔真の気持ちだ。

 

しかし、自分一人で勝手に決める訳にも

いかないので翔真は一誠達に聞いた。

 

「私は構わないわよ?」

 

「今の俺には守る力が2つあるし、俺で

良ければ協力します!」

 

「イッセー君が決めた事なら、私は文句ないよ」

 

どうやら刀奈、一誠、夕麻は賛成だった。

 

「という事ですクレアさん。その・・・・これから

宜しくお願いします」

 

「ええ。こちらこそ」

 

 

クレアは微笑みながら、翔真達に手を差し伸べた・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回は一誠がカレンちゃん(一誠ヒロイン)と会う話。


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第41話「一誠とカレンと初ミッション!?」





 

 

 

「すげー・・・・ここが島の上って言うから驚きだぜ」

 

リトルガーデンに身を寄せる事になった翔真達。

ただいま一誠はリトルガーデンの学園敷地内を

歩いていた。

 

 

ちなみに今の一誠の服装はリディ達から

渡された高等部の男子制服だ。駒王学園の

制服では目立つという理由で着用している。

 

あらかじめリディからリトルガーデンについては

教えられていた一誠は建物を見渡していた。

風景としては自分の世界とあまり変わらない

ように見えるが、決定的に違う物があった。

 

「潮風か・・・・・海の上を走ってるんだよな」

 

「はぅ・・・・・どうしましょう~」

 

「?・・・・どうしたんだ?」

 

 

声がした方に視線を向けると車椅子の少女が

周りを見てあたふたしていた。

 

「困ってるみたいだけど・・・・ここで無視したら

男が廃るよな!」

 

一誠は声を掛けるか迷ったが、無視をすれば

男が廃るのでは?という考えが浮かんだので

車椅子の少女に声を掛ける。

 

「君~!何処かへ行くの?・・・なんだか困ってたから

つい声を掛けたんだけど・・・・」

 

勇気を振り絞り一誠は少女に声を掛ける。一瞬

少女はびっくりしたような表情だったが・・・・・

 

「あの!実はここに行きたくて・・・・」

 

「どれどれ?・・・・・ああ!医療施設ならさっき見た!」

 

「本当ですか!」

 

「ああ!そうだ、せっかくだし俺も行くよ」

 

「え、でも迷惑じゃありませんか?」

 

「大丈夫!エスコートならばっちり任せてくれ!」

 

一誠は自身満々にそう告げた。というのも

リサラからエロに情熱を注ぐ事より、紳士的に

なるよう言われた一誠はみっちりリサラ指導の元

女の子をエスコートする為の作法を学んだ。

 

「うふふ・・・・なんだか一誠さん、カレンの

兄さんに似てます」

 

「お兄さんに?」

 

そこから一誠は車椅子の少女・・・・如月カレンと

話が弾んでいた。

 

「そっか。カレンちゃん病気がちなんだ」

 

「はい。でもカレンは負けませんよ!私には

夢があるんですから」

 

「夢?・・・・良かったら聞かせてよ」

 

「はい!病気が治ったら私・・・・・アイドルに

なりたいんです。皆を歌で元気に出来るアイドルに。

一誠さんにもなにか夢ってありますか?」

 

「夢か・・・・強くなる事かな」

 

「強く・・・・ですか?」

 

「ああ。皆を守れるように強くなりたいんだ」

 

「一誠さんならきっと強くなれますよ!だって

一誠さん優しいだもん」

 

「ありがとうカレンちゃん。だったら俺も

もっと強くならないと」

 

 

話して数分後、一誠は医療施設へと到着した。

「あとは大丈夫か?」

 

「はい!あの一誠さん・・・・また会えますか?」

 

「おう、カレンちゃんが良ければ何時でも

会いに行くよ」

 

「本当ですか?」

 

「もちろん!」

 

「じゃあ約束してください!絶対にッ!・・・・

ですからね?」

 

「女の子との約束は何があっても守るさ」

 

一誠はカレンと指切りをして、その場を後にした。

 

 

「カレンちゃん・・・・病気治るといいな」

 

空を見上げて小さく呟く。そんな一誠の元へ

一人の少女が駆け寄る。

 

「ここにいたか兵藤一誠!」

 

「リディさん!?どうし・・・うわぁ!?」

 

「早速で悪いが力を貸してもらいたい!

説明は後ほどする!」

 

リディは駆け足で一誠と共に輸送機へ急ぐ。

 

 

 

―輸送機・室内―

 

 

「揃いましたわね」

 

クレアは周りを見てメンバーが揃っているか

確認する。翔真、刀奈、一誠、夕麻、リディ

エリカ・・・・あとは自分がいるので戦うメンバーは

揃っている。

 

「なあ綾崎、いきなりどうなってんだ?」

 

「それはクレアさんが今から説明してくるはずだ。

だって俺もいきなりここに来いって言われたから」

 

「そこお静かに」

 

「「はい」」

 

ひそひそと話していた翔真、一誠はクレアに

注意される。

 

「今から経緯を説明したいのですが、

何故貴女がここにいますの?・・・・・・・

シャーロット・ディマンディウス」

 

「いや~、私はただこの二人が気になってね。

それよりも今は経緯を説明した方がいいと思うよ」

 

「言わなくてもそうしますわ。今回は急ぎですが

単刀直入に言いますわ。綾崎翔真、兵藤一誠、

更識刀奈、天野夕麻・・・・・サベージが現れましたわ」

 

「「「「・・・・!」」」」

 

四人に衝撃が走る。

 

 

 

 

 





次回は四人の専用ハンドレッド登場!


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第42話「介入者」

 

 

サベージが現れたのはリトルガーデンの9時の

方向に位置する無人島らしい。無人島ではあるが

サベージの発見がされた以上、野放しには出来ない。

 

輸送機は無人島上空へと到着する。

 

「先に私達が行きます。リディ!エリカ!」

 

「「はい!」」

 

先に先陣を切ったのはクレア達だ。三人は

輸送機から飛び降りる。

 

「「「ハンドレッド!オン!」」」

 

クレア、リディ、エリカはハンドレッドを

装着して無人島へと降り立つ。

 

 

《シャァァァァ!!》

 

 

サベージは4体、クレア達は戦闘に入る。

 

 

「次は俺達だな」

 

「そうね。私達の力、思う存分見せつけなくちゃ」

 

「それじゃ行くかッ!」

 

「何時でも大丈夫だよ!」

 

翔真、刀奈、一誠、夕麻は何時でも出撃可能だ。

いざ出撃と思いきやシャロが待ったを掛ける。

 

「待ちたまえ君たち。君達にプレゼントを

あげるよ」

 

「プレゼント・・・・・プレゼントなら後にして

もらいたいのだけれど?」

 

今は呑気にプレゼントを受け取っている

場合ではないと、刀奈は後にして欲しいと

言うが、シャロはニヤリと笑う。

 

 

「それがハンドレッドでもかい?」

 

「「「「・・・・?」」」」

 

 

 

 

シャロの意味深な発言に、翔真達は首をかしげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁ!」

 

 

《シャアァァァァ!!》

 

ランスを持ち、リディはサベージの腕を斬り落とす。

次にエリカが支援を行う。

 

「今ですクレア様!」

 

「エリカ、クレア達の砲撃直前で回避するぞ」

 

「ええ。了解致しました」

 

「行きなさい!」

 

クレアは、周りに遠距離操作型の浮遊砲台を

展開する。そして砲撃直前にエリカとリディは

素早い対応でサベージから離れる。

 

 

そして砲撃がサベージに直撃し、撃破する。

 

 

クレア達がサベージを撃破する中で、

不幸を呼ぶかのように、アイツが現れる。

 

「ここがどんな世界か知らないけど・・・・・

面白そうな物がいるじゃないか。だったら・・・・」

 

 

そして少女は・・・・・いや、リコは詠符唱を口に

すると、自身が持つ神装機竜『アジ・ダハーカ』を

纏う。アジ・ダハーカはリコの改造により武装が

豊富となっている。

 

 

神装機竜を纏った事で、リコはエリカとリディに

向かう。

 

「ッ!エリカ!」

 

「え・・・キャ!」

 

リコの接近に気付いたリディはエリカを退け

シールドでリコの一撃を防ぐ。

 

「やるわね?」

 

「(シールドがなければ殺られていた・・・・ッ!)」

 

リコは武装の一つである天叢雲剣に力を

込めてゼロ距離で技を放とうとした。

 

「取り敢えず・・・・・あの世へ行きな」

天叢雲剣が徐々に光出し、技が放たれようと

していた。

 

「(このままではッ!)」

 

「リディ!」

 

《・・・・!》

 

「クッ!」

 

クレアが気付き、駆け付けようとするが

サベージが行く手を阻む。

 

 

「やめろォォォォ!!」

 

 

技が放たれる寸前、空から炎の砲撃がリコに

直撃する。

 

「ああァァ!・・・・・チィ!」

 

「させるかってんだ!」

 

「兵藤・・・・一誠・・・・・それは」

 

リディの窮地を救ったのは、両手に龍の顔を

思わせる装備・・・・ハンドレッドを装着した我らが

赤龍帝 兵藤一誠だった。

 

そして・・・・

 

 

「やっぱりお前も、俺達と一緒にこの世界に」

 

「しつこいわね」

 

「同じ女として、最悪よね」

 

 

それぞれ、ハンドレッドを装着した翔真、刀奈、

夕麻がいつの間にか着地していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





翔真達のハンドレッド一覧


シュヴァリエ型《雪片》
武装は実体刀剣で、形状としてはISの白式の
雪片弐型。翔真のヴァリアブルスーツの色は
ダークブルー。


イノセンス型《霧纏の叔女―ミステリアス・レディ》
こちらは、武装はランス[蒼流旋]が主である。
さらに水を使った攻撃や砲撃などが可能。
刀奈のヴァリアブルスーツの色は明るい水色。

マーシャルアーツ型《龍の鉄槌―ドラゴンハング―》
両手に龍の顔を思わせるようなハンド武器が装備
され、ハングは伸びて中距離にも対応する事が
出来る。イメージモデルはアルトロンガンダムの
ドラゴンハング。一誠のヴァリアブルスーツの色
は深紅。


ドラグーン型《白き雫―ホワイトティアーズ》
クレアのハンドレッド、アステリオンと同じ
ビット攻撃を得意とする。武装には狙撃用
ライフルを装備。イメージモデルはISの
ブルーティアーズ。夕麻のヴァリアブルスーツ
の色は白。







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第43話「覚醒のヴァリアント―前編―」

 

 

 

「「はあああァァァァ!!」」

 

「はん!今度こそ楽にあの世へ行かせてやるよ!」

 

梨子は天叢雲剣を構えて翔真、一誠に向けて

降り下ろす。翔真は雪片で受け止める。

 

 

そして、隙を見つけた一誠がドラゴンハングで

梨子に一撃を与えた。

 

「ふん!」

 

「なに!?うおッ!」

 

梨子は左手に武装の一つである日本刀型の武器

村雲を取り出し一誠を退ける。

 

「所詮この世界の兵器じゃ神装機竜を倒せない。

さあ綾崎、神装機竜を纏え」

 

「うるせぇんだよ。もううんざりなんだよ・・・・・

何時も何時も・・・・いい加減にお前の顔は見飽きた!」

 

翔真はそう言うと走り出す。

 

「京都神鳴流奥義!極大雷鳴剣ッ!」

 

極大雷鳴剣を見せ、技は梨子の神装機竜に

ダメージを与える。

 

「チィ!」

 

このままでは動けずに殺られてしまうと思った

梨子はアジ・ダハーカに備えられたステルス機能

ミラージュコロイドを発動し、姿を消す。

「消えた・・・・ッ!」

 

姿が消えた事により、警戒心を強めた翔真は

神速の速さで梨子の居場所を突き止めようと

していた。

 

「(何処だ・・・・・何処にいる)」

 

「・・・・もらった!」

 

「そこかッ!」

 

 

背後に現れた梨子は天叢雲剣と村雲を同時に

降り下ろそうとしたが、翔真は神速を生かして

回避・・・・・そして、地面を強く繰り上げ宙に舞う。

 

「京都神鳴流・・・・竜・破・斬」

 

「俺も加勢するぜ・・・・いっけェェェ!!」

 

翔真は上から竜破斬を、一誠はドラゴンハング

による援護攻撃を繰り出した。

 

 

 

 

 

 

「なかなか手強いわね」

 

「サベージって、こんなに居るの?」

 

「二人共!来ますわよ!エリカはリディを

連れて一時離脱しなさい!」

 

「はい!」

 

「それじゃあ行くわよ!」

 

刀奈は蒼流旋を構えて水の砲撃を繰り出す。

そして夕麻はビットを放ち、違う確度から

砲撃を放つ。

 

「これで終わりですわ!」

 

クレアはトドメと言わんばかりに、手に大砲を持つ。

 

大砲から壮大なビームがサベージに直撃する。

だが、まだ1体残っている。クレアは刀奈と

夕麻に協力を要請、すぐさま次のターゲットへ

移行する。

 

 

「(くそ、綾崎の奴前より力を上げてる・・・・)」

 

天叢雲剣で、巧みに翔真の剣撃を交わす梨子。

しかしこのままでは翔真と一誠により自分が

倒れてしまうと、その考えが一瞬過る。

 

「(だったら)」

 

梨子は翔真をワイヤーで拘束する。

 

 

「ッ!?なにを!」

 

「お前は・・・・こうすればいいんだッ!」

 

 

拘束された翔真は梨子により投げ飛ばされ、

向かう先にはサベージがいた。

 

「(まずいッ!早く拘束を・・・・・ッ!)」

 

『・・・・!』

 

だが時は遅く、サベージは翔真に近付き・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザクッ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!あ"あ"あ"ァァァァァァ!!」

 

 

「綾崎翔真ッ!」

 

「・・・・・翔真君?」

 

「嘘・・・・」

 

サベージに胸に傷を付けられ、痛々しい声を

上げた翔真。クレアは名を呼びながら翔真の元へ

駆け寄ろうと夕麻と共に行こうとしたが梨子が

立ちはだかる。

 

「アイツもこれで終わるんだ。邪魔すんな」

 

「よくも・・・・・よくも・・・・・よくも翔真君ォォ!」

 

刀奈は、普段のクールな表情とは裏腹に

怒りを露にする。しかし、梨子はすぐさま

刀奈を拘束する。

 

「心配するな。すぐにアイツの元へ逝かせてやる」

 

「がっ・・・・く、くる・・・・・」

 

「ああ・・・・人の苦しむ姿って、なんて素敵なの。

さあ苦しみながらあの世へ行きなさい」

 

 

 

梨子は刀奈を苦しめいく。

 

 

 

「(ダメだ・・・・・カナちゃんが死んじゃう・・・・

倒れている訳には・・・・・)」

 

 

刀奈を助けたい・・・・だが力が出ない・・・・・

しかし、梨子によって刀奈が殺されてしまう

 

一誠も夕麻も、クレア達も助けられない状況だ。

 

「(殺させはしない・・・・カナちゃんッ!)」

 

 

ドクン―――ドクン―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「があああァァァァ!!」

 

 

体の底から沸き上がる力に、翔真は雄叫びを

上げながら立ち上がる。

 

 

「・・・・・ッ!」

 

瞳を光らせ、翔真は雪片を構えた・・・・既にこの時、

翔真は覚醒した。そう・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 






次回は意外な展開が!?



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第44話「覚醒のヴァリアント―後編―」

 

 

――ヴァリアント

 

何らかの理由でサベージの体液を摂取、または

サベージの攻撃時に受けた傷口から体液が入った

武芸者(スレイヤー)の事である。従来の武装者

よりも強大な力を発揮するがサベージの体液に

含まれる成分が活性化すると好戦的な性格に変わる―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガァァァァ!!」

 

翔真は猛獣のように叫んだ。視界に梨子を

捉えると直ぐ様走り出した。

 

 

「来るな!さもなくばこの女・・・・・」

 

梨子の警告など聞くはずもなく、翔真は雪片を

構えて飛び掛かる。

 

そして次の瞬間だった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

―――ザシュン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!いやァァァァァァァァ!!!」

 

「・・・・!」

 

 

翔真は梨子の左腕を斬り落としたのだ。そして

刀奈を救出する。

 

「しょ・・・・ま・・・・くん」

 

「・・・・・」

刀奈を地面に置き、翔真は梨子に向けて再び

走り出す。

 

しかし、サベージは何らかの共鳴により翔真の

元に集う。梨子を殺す事を優先に暴走している

翔真にとって、サベージなどただのゴミにしか

過ぎず雪片で一刀両断。

 

サベージは瞬く間に撃破される。

 

 

「痛い!痛い!痛いィィィィ!」

 

悲痛な叫びを上げながら、布で出血を食い止める

梨子。そして梨子は涙を流しながら翔真を睨む。

 

「何時も・・・・何時もそうだ・・・・・お前は私から

何かも・・・・ッ!」

 

右手に天叢雲剣を持ち、梨子はスラスターを

全開にして翔真に接近する。

 

「奪っていくのかァァァァ!!」

 

「ッ!」

 

そこから容赦なく、互いに剣撃で相手を攻めてゆく。

 

「なんだよ・・・・あれ・・・・」

 

「綾崎君に何が起こってるの?・・・・・イッセー君」

 

一誠や夕麻は、翔真の突然の変貌にただ唖然と

していた。さっきまで瀕死の傷を負った翔真が

何故あんなに動けて、攻撃が繰り出せるのかと。

 

「(サベージの攻撃から・・・・まさか綾崎翔真は

・・・・・ヴァリアントに?だとしたら)」

 

クレアは翔真の今の状態に心当たりがあった。

それはヴァリアントだ。

 

恐らく翔真が暴走に近い状態なのはきっと

ヴァリアントに覚醒したのだとクレアは

この時思った。

 

あくまで仮説だとしても、今の翔真の状態を

見ればその仮説が正しいと思える。

 

「はぁ、はぁ・・・・・あや・・・・さき」

 

そんな最中、梨子は力尽きて倒れた。これで

戦いは終わるかに思えたが、翔真はまだ戦おうと

していた。

 

「・・・・・」

 

「もうやめろ綾崎!」

 

雪片を構えた翔真に、一誠は何か危険を感じて

背後から羽交い締めにする。

 

「ッ!」

 

「やめろ・・・・もしお前が、人を殺したら・・・・

きっと戻れなくなる!やめろ綾崎!」

 

「綾崎翔真!目を覚ましなさい!更識刀奈なら

無事ですわ!」

 

「・・・・カナ・・・・ちゃん」

 

クレアの言葉を聞いて、翔真は我に返った。

 

「そっか・・・・・無事なら」

 

「オイ綾崎!綾崎ッ!」

 

「早く輸送機へ!早くしないと彼が死んで

しまいますわ!」

 

 

それからクレアは夕麻と共に梨子と刀奈を

担ぎ輸送機へ、翔真はシャロによる緊急治療を

輸送機の中でおこなう事となった。

 

 

 

 

 





次回は作者自身が好きであるミハル様の登場だ!



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第45話「ミハルとシャルロットの過去」

 

 

―なら次はリーちゃんが鬼だよ!

 

―やったわねー明日菜!上等よ!

 

―たく、仕方ねぇな。

 

 

何時からだろう。俺達の関係が崩れたのは。

小さい頃はよく遊んだ仲だったはずなのに・・・・

けど・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ここ・・・は?」

 

ゆっくりと目を開き、最初に飛び込んで来た景色は

真っ白な天井だった。翔真は医療施設に運び込まれ

治療を受けていたのだ。

 

 

幸いシャロの素早い施しもあって、傷口は

ほぼ塞がっていた。

 

 

「(俺は・・・・・確かカナちゃんを助けようと)」

 

そこまでは明確に記憶はあるのだが、その後が

全く思い出せなかった。

 

「ダメだ。思い出せねぇ」

 

翔真が頭を抱えそうになる寸前、病室に一人の

看護婦が入って来る。

 

「良かった・・・・・目が覚められたのですね」

 

「あ、貴方は?」

 

「私は柏木ミハルと申します」

 

「えと・・・・綾崎翔真です」

 

ミハルはニッコリと笑いながら、翔真の側に

駆け寄る。

 

「少し傷を見させてもらいますね」

 

「は、はい・・・・(おっぱい・・・・デカ)」

 

「フフッ・・・・あまり見たらダメですよ?

じゃないと女の子に嫌われちゃいますからね」

 

笑顔を絶さず、ミハルは翔真の上着を

脱がせてゆく。

 

「(恥ずかしい)」

 

おっぱいに視線がいっていた事を言われ、

普通怒る所なのだが、笑顔で注意されると

余計に恥ずかしさと罪悪感が増す。

 

 

「そう言えば、これは翔真さんので

いいですか?」

 

「これは・・・・・」

 

ミハルが取り出した物・・・・それはハートの形が

付いたネックレスだった。

 

「・・・・・ありがとうございます」

 

「はい」

 

翔真はネックレスを受け取り身に付ける。

 

「大切な物なんですね」

 

「え?」

 

「ずっと握りしめてたんです。右手にずっと

持ってて、離さなかったんですよ翔真さん」

 

「・・・・」

 

ミハルの言う通り、翔真にとってこのネックレスは

とても大切な物だった。それは出会った記念に翔真が

シャルロットから貰った物だからだ。

 

「大切な物・・・・・そうですね」

 

翔真は窓の景色に視線を移す。

 

 

「そう言えば・・・・」

 

翔真が今思うのはシャルロット達がどうして

いるのかだ。

 

こんなに傷を負いながらも、無性に

シャルロット達に会いたい・・・・・何故かは

分からない。だが、翔真は理解した。何処かで

シャルロット達を求めていると・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って元の世界。篠ノ之神社の外にある

広場でシャルロットとリアスは未だに行方が

分からない翔真を心配していた。

 

「何処にも居ないわね」

 

「そうですね。翔真・・・・・何処に行ったんだろ」

 

「そう言えば聞きたい事があるのだけれど、

シャルロットは翔真と何処で出会ったの?」

 

「ボクと翔真は・・・・二年前に出会ったんです。

廃墟の教会で」

 

「教会?シャルロットは教会の人間だったの?」

 

「そうじゃないんです・・・・・その、ボクは

捨てられたんです・・・・」

 

「ッ!・・・・・ごめんなさい」

 

「いいえ、気にしてませんから。ボクは

お父さんの愛人の子供で、ボクのお母さんが

病気で亡くなってから、もう用はないって・・・・」

 

「酷い話ね・・・・・じゃあ廃墟された教会に

捨てられたのね?」

 

「はい。最初は寂しくて、泣きそうで、一人が

とても怖かった・・・・でもこれから生きないと

いけないって・・・・・そこからずっと一人で生活

して来たんです」

 

「そう・・・・」

 

シャルロットの過去に、リアスはなんと

言葉を掛けたらいいか分からなかった。

 

「でも、今では良かったって思ってます」

 

「どうして?」

 

「だって・・・・翔真と出会えたから」

 

シャルロットは満面な笑みでリアスに答えた。

翔真とシャルロットが出会ったのは運命という

べきか、

 

「不器用で、スケベで、バカで、自分の事は

何も考えてないけど・・・・・それでもボクは翔真が

好き。だからリアスさん、ボクは負けないよ」

 

「つまり宣戦布告という訳ね。私だって

さらさら諦めるつもりはないから」

 

シャルロットとリアスは余裕な表情を見せる。

どうやら、正妻争いは当分続きそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第46話「災難は突然に?」

 

 

あの戦闘から数日後、翔真は怪我から回復し

なんとか日々、生活している。刀奈もまた

翔真が回復した事で安心していた。

 

一誠や夕麻も、このリトルガーデンの生活に

慣れて来ていた。

 

 

「やはり興味深いね、君の持つ装甲機竜とやらは」

 

「やっぱりこの世界じゃ珍しいものなんですか?」

 

「まあね。是非とも解体してみたいもんだよ」

 

「それはご勘弁願います」

 

翔真は今シャロのラボに来ていた。シャロは

装甲機竜に興味を示していた。

 

「(絶対に束さんと話が合うだろうな)」

 

シャロもまたメカや機械弄りが好きだという事が

この数日で分かり、翔真はきっと天災兎こと束と

話が合うだろうと思っていた。

 

シャロも天才の枠に入る程優秀であるとクレア

からも聞いている。束とシャロが組めば一つの

国は滅ぼせるだろう。

 

「そう言えば今日は入学式のはずだけど、

行かなくてもいいのかい?」

 

「俺やカナちゃん達には関係無いし、別に

大丈夫じゃないんですかね?」

 

「君がそれでいいならいいけどさ。ほい、

オレンジジュース」

 

「ありがとうございます」

 

ジュースを飲み、二人はゆっくりとしていた。

 

「こんな所に居たのね?」

 

「カナちゃん」

 

刀奈はラボの扉を開けて入って来ていた。

 

「クレアが怒ってたわよ?いくら身を置くに

しても入学式に出ないなんてどういう事かしら?

だって」

 

刀奈はそう言うと扇子を開く。扇子には

絶対絶命と書かれていた。

 

「やっべ・・・・マジかよ」

 

「精々お説教は2時間ぐらいだろうね」

 

「マジっすか・・・・・なら兵藤達は?」

 

「ちゃんと出席したわよ?もちろん私もね。

それとシャロさん、貴女にお客様よ」

 

「およ?」

 

刀奈の背後から二人の男女が現れる。

 

「シャロ、久しぶり」

 

「あー、誰かと思えばエミリ・・・・」

 

「シャ~ロ~?久しぶりだからボクの事

忘れたのかな~?」

 

「ひみはひったいなにをふるのはね~」

(訳・君は一体何をするのかね)

 

名前を間違え、銀髪の少年?

エミール・クロスフォードはシャロの頬を引っ張る。

 

「如月君、紹介するわね。彼が私の愛しい人

綾崎翔真君よ」

 

「え?そうなんですか?」

 

「えと・・・・・カナちゃん?その人は」

 

「如月ハヤト君よ。クレアに喧嘩を仕掛けた

ハンドレッド反応数値1位を誇る新入生よ」

 

「・・・・そうなの?」

 

刀奈の言葉に翔真はハヤトに質問したが、

ハヤトは反論する!

 

 

「違いますよ!これには訳があって!」

 

それからハヤトは、経緯を説明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃一誠は夕麻はリディがする仕事、書類など

に判子を押していた。

 

「これで7枚目・・・・・8枚目」

 

夕麻は伊達眼鏡を掛けて、いかにも仕事が

出来る女のようなオーラを出していた。

 

「ひぇ~、何時もこんな数に判子を押すのか?」

 

「ああ。クレア様は沢山する事があるからな。

出来る限り私達でサポートしていかないと

ならないからな。ほら一誠、手が止まってる」

 

「わりぃ。でもリディって仕事してる時

なんか、すげぇ・・・・魅力的だよな」

 

「な!・・・・・とと突然!何を言ってるんだ!」

 

「いや。横顔を見てるとさ、凛々しい表情

とか分かるし魅力的だなって」

 

「バカ者・・・・そんな事言われたら・・・・・」

 

リディは指をツンツンさせて、頬が赤くなる。

いかにも年頃の女の子のような反応だ。

 

「イッセー君~?・・・・口を動かさずに

手を動かしてくれるかな?そうしてくれると

夕麻嬉しいな~?」

 

メキメキメキ!

 

「あだだだだ!!夕麻ちゃん!分かったから!

分かったから放して!?じゃないと大切な何か

が!何かが欠ける!」

 

 

夕麻のアイアンクローを受ける一誠。力は

相当な物のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第47話「託される力 ティアマト」

今回はリアス側のお話。


 

「一体何の用かしら」

 

リアスはただいま篠ノ之神社の敷地内にある

束のラボに来ていた。リアスは急に束から

呼び出されここに来たのだ。

 

「やっほ~!リっちゃん!」

 

「キャ!」

 

リアスの背後に現れたのはもちろん束であり

どさくさに紛れて胸を揉みほぐす。

 

「た、束ひゃん!や、やめて・・・・・あん」

 

「フフフー!!良いではないか良いではないか~!」

 

時代劇のドラマで悪代官がよく言う台詞を

口にする。

 

「姉さん!」

 

箒は呆れながら巨大なハリセンでぶっ叩く。

 

「いったい~!!箒ちゃん痛いよ~!」

 

「当たり前です!そういう破廉恥な事を

公の場でしないでください!」

 

「もう~!・・・・あ!もしかして箒ちゃんも!」

 

「もう一発逝っときますか?」

 

「ごめん箒ちゃん」

 

両手にハリセンを構え、鋭い目付きで脅す箒。

束は即座に土下座する。丁寧な事にウサミミも

ペコリと下へ折れる。

 

「仲がいいのね」

 

「からかわないでくださいリアスさん。それと

姉さん、今日はリアスさんに用事があったはず

でしょ?」

 

「そうだったよ~!」

 

すっかり目的を無くし掛けていた束はなんとか

思い出し、一つのソードデバイスを持つ。

 

「ねえリっちゃん。リっちゃんはさ・・・・・

ショウ君に惚れてるの?」

 

「・・・・はい」

 

恐らく束の言うショウ君が、翔真だと理解した

リアスは返事をする。

 

「私は翔真の強さに惚れました。私を・・・・・私を

守ろうとしてくれて。私は決めたんです、誰が

なんと言うおと私は翔真に付いて行くって」

 

「・・・・でもねリっちゃん。リっちゃんの決意が

そうであってもショウ君に迷惑を掛けるだけだよ」

 

束の表情から笑みが嘘のように消えて、真剣な

表情へと変わる。

 

「付いて行って、君に何が出来るの?束さんの

予測だけどリっちゃんの今の力じゃショウ君の

足手まといにしかならないよ」

 

「それは・・・・」

 

冷酷な束の言葉になんと返したら分からなかった

リアスだったが・・・・・

 

「自分の力が未熟なのは十分承知です。でも

それでも私は翔真と一緒に居たいんです・・・・・

独占とか、そうじゃなく・・・・彼を守りたいんです。

側でずっと!」

 

リアスはライザーとの戦い以降、翔真の身を

考えていた。自分一人で戦う姿勢はリアスに

不安ばかりを募らせていた。翔真が何時か

壊れてしまうのではないか・・・・リアスは日々

それを考えていた。

 

そして、考えた末に彼女は答えを出した。

自分が未熟でも、力が満たなくても、リアスは

心の底から翔真を支えたいと束に想いを伝える。

 

「そっか・・・・・やっぱりショウ君に惚れた子は

強い子ばかりだね。安心してこれを渡せるよ」

 

束はソードデバイス状態の神装機竜《ティアマト》

を手渡す。

 

リアスが手に持つと、自然とソードデバイスが

光だした。そしてリアスはいつの間にか神装機竜

ティアマトを纏っていた。

 

「た、束さん!これは!?」

 

「神装機竜だよ!いやー実はね、リっちゃんが

現れてからティアマトちゃんがリっちゃんを

求めていたんだよ」

 

「私を?じゃあ・・・・・」

 

「ティアマトちゃんはリっちゃんを

使い手として選んだのさ!」

 

「私を選んで・・・・」

 

ティアマト・・・・・それがこの神装機竜の名前だ。

リアスは突然の出来事にビックリする。

 

「リっちゃんの決意が固いのはよく分かったよ。

今から束さんが直々に神装機竜の扱いを教えて

あげるよ!」

 

「私も手伝います。神装機竜自らが貴女を選んだ

のなら答えは一つしかないはずですよ」

 

箒の問いに、リアスは・・・・・

 

「なら・・・・・ティアマトの扱い方を教えてください。

私・・・・やります」

 

「もちろん!じゃあ早速始めようか!」

 

 

リアスはこの日、ティアマトという新たな剣を

手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 




次回は多分、ヴァリアント同士の対決。


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第48話「ヴァリアントVSヴァリアント 前編」


明けましておめでとうございます!今年も
宜しくお願いします!


 

 

ハヤトとエミールに出会い、翔真はクレアとの

試合の経緯について聞いた。そしてただいま

翔真は武闘場へと来ていた。

 

「つうか俺が練習相手でいいのかよシャロさん」

 

「君だってハンドレッドを扱って間もないだろ?

如月ハヤトも初心者だし、フェアだと思うよ」

 

「そんなもんかね」

 

ハヤトが初めてハンドレッドを扱うという事で

翔真はシャロから練習相手を頼まれたのだ。

 

「取り敢えず頼むよ」

 

「へいへい」

 

 

返事をして、翔真は外へと出る。すでにハヤトが

待っていて何時でも戦えるような状態であった。

 

 

「えと・・・・・改めてだけど、俺は綾崎翔真、

ハヤト君、練習だからと言って手を抜くつもりは

ないから・・・・そのつもりで」

 

「はい!・・・・俺は如月ハヤト、初めてですけど

頑張ります」

 

互いにハンドレッドを展開する。翔真は雪片、

ハヤトは飛燕。そして試合開始のブザーが鳴ると

走り出す。

 

「てぇい!」

 

「甘い!」

 

ハヤトの一振り、翔真はブレードで受け止め

即座に距離を取る。そこから神速の早さで

ハヤトを翻弄する。

 

「(あの動き!あの人・・・・・ただ者じゃない)」

 

普通の人間ではあり得ない速度を出しながら、

自分を翻弄する・・・・ハヤトは警戒心を露にし

ブレードを構えを直す。

 

「京都神鳴流!」

 

「やらせないっ!」

 

翔真の動きが止まった事でハヤトにチャンスが巡る。

ハヤトはブレードで翔真に一撃与える。少し

油断したが、翔真は旋回してハヤトの背後に回る。

 

「京都神鳴流!斬鉄閃ッ!」

 

「しまっ・・・・・ッ!」

 

技を食らったハヤトは飛ばされてしまう。

 

「(強い。それにあの太刀筋・・・・かなり威力がある)」

 

「今のを躱すなんて、ハヤト君やるな」

 

翔真はゆっくりハヤトの方へ歩き出す。

 

「まだまだ行くぞ!」

 

「次はやらせません!」

 

ハヤトは空高く上がり、翔真の上を取る。

 

「なに?」

 

「もらっ・・・・・ッ!」

 

 

このまま攻撃に移ろうとした時、ハヤトに

異変が起こる。ハヤトは地面に着地した。

 

「(なんだ・・・・・ッ!体が・・・・くっ!)」

 

体の中が燃えるように熱く、ハヤトは

苦しむ。そしてハヤトの瞳が冷酷な物へと変わる。

 

 

 

「どうしたのかしら?彼、動きが止まってるわね」

 

「ハヤト?」

 

 

丁度練習試合を見ていた刀奈、エミールも

ハヤトの異変に気付いていた。

 

 

「(もしかして・・・・まさかハヤト・・・・)」

 

エミールはもしやという表情で、何か思い出す。

 

そして時を同じくしてハヤトは瞳に殺意を宿らせ

翔真に襲い掛かる。

 

「・・・・ッ!」

 

「(ハヤト君の動きが急に変わった!?おっと!)」

 

ハヤトは先程よりも素早い動きで翔真を圧倒

してゆく。ここで翔真はある事に気づく。

 

「さっきの動きといい、この反応速度・・・・まさか

ヴァリアントか」

 

急激に変わったハヤトの動きに翔真はハヤトが

自分と同じヴァリアントではないのか?と疑問を

抱いた。

 

「うおおおォォォォ!!」

 

「来るか!」

 

翔真はとっさにブレードを構える。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第49話「ヴァリアント対ヴァリアント 後編」

 

 

「「・・・・・ッ!」」

 

ブレードとブレード。限りなく繰り広げられる

爆風の嵐は次第に激しさを増す。

 

「はぁぁぁ!!」

 

「何!?うわあああ!?」

 

ハヤトの攻撃に対応しきれず翔真は吹き飛ばされる。

そしてハヤト自身に変化が起こった。

 

「何だよ・・・・それ」

 

「・・・・・」

 

光によって体を包まれていたハヤトは、

いつの間にか全身武装していた。ブレードを

構えて翔真にゆっくりと近づく。

 

「これで確信は持てた・・・・・ハヤト君、

どうやら俺と君は同じヴァリアントらしいな」

 

苦笑いしながらも翔真はゆっくりと立ち上がる。

そして精神を集中させる。

 

「だったら俺も全力で相手をするまでだッ!」

 

翔真は自らヴァリアントの力を覚醒させる。

ヴァリアント覚醒を果たして、翔真はハヤトの

背後に回った。

 

「もらったぞッ!」

 

「・・・・!」

 

ブレードを縦一閃に振るう。ハヤトは素早い

対応で攻撃を交わし、翔真を蹴り飛ばす。

 

「翔真君ッ!」

 

「ハヤトッ!やめてよハヤト!」

 

戦いを見ていた刀奈、エミールも焦りの表情を

見せてフィールドへ入る。

 

「来るなッ!今のハヤト君に何を言っても

無駄だッ!・・・・・ッ」

 

予想外な事態に翔真は少しばかり動揺していたが

ハヤトが自分と同じヴァリアントという思惑は

確かな物となった。雪片を解除、右手に魔法陣を

展開しソースデバイスを取り出す。

 

「顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。

黒雲の天を断て!バハムート!」

 

詠唱符を唱え、翔真は神装機竜バハムートを

纏う。漆黒の残像を残して、翔真は刀奈と

エミールの前に立つ。

 

「二人は早く外へ」

 

「でもハヤトがッ!」

 

「心配するな。倒したりしない」

 

「エミールちゃん、ここは翔真君を信じて。

翔真君なら彼を・・・・彼を助けるわ」

 

「・・・・・分かった。頼りにしてるからね」

 

「了解だ」

 

返事をすると、翔真は飛翔する。

 

「(今のハヤト君に俺が接近戦を挑むのは

無理・・・・なら)」

 

バハムートを第三形態へとチェンジして

バハムート・ゼロに姿を変えた。

 

白い翼を広げ、両手に分離したバスター

ライフルを構える。

 

そしてトルネードライフルを交互に放ち

ハヤトを追い詰める。

 

「今だッ!」

 

ハヤトの動きをアンカーワイヤーで止める。

 

「ハヤト君目を覚ませッ!君は今暴走

しているんだッ!」

 

「うあああァァ!!」

 

だが、今のハヤトに言葉が届く事はなくワイヤーを

引きちぎりブレードから白い斬撃を繰り出した。

 

「ッ!仕方ない!」

 

白い翼で斬撃を回避。少し空いた翼の隙間から

バスターライフルの銃口を構える。しかし

ライフルでは万が一ハヤトに何かあっては

いけない・・・・翔真はライフルを仕舞い

他の手を考える。

 

「何か他にないか?・・・・・そう言えば」

 

翔真はある事を思い出した。それは束が

万が一の為にとバハムートに取り付けられて

いた装備、投射式ジャミングシステムがあるを

思い出し、ジャミングシステムを発動する。

 

「(このジャミングシステムなら・・・・ッ!)」

 

これを利用、翔真はハヤトの背後に回った。

 

「ッ!」

 

「痛みは少しだけだ」

 

そう言うと右アームに手に小さな電撃の玉を

作りハヤトに浴びせる。ハヤトは吹き飛ばされ

全身武装が解除された。

 

「ハヤト!」

 

「心配しなくても死んでない。ハヤトは

気を失ってるが早くシャロさんの所へ・・・・」

 

「分かった!ありがとうね綾崎君ッ!」

 

エミールは小柄な体には似合わない力で

ハヤトを抱き上げシャロの所へ向かう。

 

 

「それでどうだったの?如月ハヤト君は」

 

「きっと俺と同じヴァリアントさ・・・・・

シャロさんの結果を待つしかないさ」

 

翔真はバハムートを解除し、刀奈の隣に立つ。

 

「ごめんカナちゃん、少し休ませ・・・・」

 

「あら」

 

戦闘の疲れから翔真は刀奈の方へ倒れた。

 

「もう・・・・・頑張り屋さんなんだから」

 

優しく彼を介抱し、膝の上に寝かせる刀奈。

 

「今だけはいいわよね」

 

刀奈はとっびきりの笑みで翔真の髪を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第50話「和解の時」

 

 

ハヤトの容態も悪くなく、あの戦いの後ハヤトは

目が覚めたが翔真との戦闘は少ししか覚えてなかった。

恐らくヴァリアントの力が暴走した結果だと言え

るが、ハヤトが無事なのは確かだ。

 

 

そしてハヤトとクレアの試合当日。本来なら

応援しに行かなければいけないのだが翔真と

一誠はリトルガーデンにある隔離地下施設に

来ていた。

 

「ここスゲー暗いよな」

 

「灯りがないと進めないって言った感じか」

 

周りを見渡すが灯りがないと真っ黒な空間だと

いうのがハッキリ分かる。そして二人はとある

部屋の前に付いた。

 

「兵藤、念の為に銃だけはすぐに

出せるようにしとけ。何かあってからでは遅い」

 

「分かった・・・・・それとよ綾崎」

 

「なんだ?」

 

「いい加減兵藤とか綾崎ってやめないか?だって

俺達仲間だろ?せっかくだし名前で呼ぼうぜ」

 

「・・・・そうだな。じゃあ改めて・・・・一誠、

銃はすぐに出せるようにしとけ」

 

「おう。了解だ翔真」

 

 

翔真は鍵を開けて扉を開けた。部屋には灯りが

灯っている。そして玄関で靴を脱ぎ部屋の中へ

入る。

 

 

「・・・・・久々と言うべきだな。リコ」

 

「何よ・・・・私を笑いに来たの?こんな

哀れな私を・・・・・」

 

部屋にいたのはリコだった。切断された腕には

義手が付けられていた。

 

「笑いに来たか・・・・違う」

 

「じゃあ何よ」

 

「謝りに来たんだ。腕の事と、今までの事を」

 

「え・・・・?」

 

「翔真・・・・・お前」

 

 

一誠とリコは予想外な言葉に一瞬戸惑うが

翔真は床に座る。

 

 

「本来ならもっと早くに謝りたかった。

リコ、すまなかった」

 

「なんで・・・・・謝るのよッ・・・・アンタ

本当にバカじゃない・・・・・」

 

「バカが取り柄だからな。それになんで

お前が敵になって、俺と戦うのか分かったしな」

 

「・・・・」

 

「すべては明日菜の為なんだろ?リコ」

 

その言葉を聞いた時リコの表情は驚いた物だった。

 

「明日菜には高額な医療費がいるって聞いた。

アイツは手術しないと助からないって先生から

聞いたんだ・・・・・それに、最近になって明日菜宛に

寄付金がよく送られるようになったって・・・・」

 

「そ、それとなんの関係が・・・・」

 

「調べたんだよ。お前がどうして俺を憎み

なんでそこまで戦いにこだわるのか・・・・・

お前はわざと演じていたんだろ?悪役を」

 

「ッ!」

 

「本当は弱さを隠して、お前は傭兵としての

甘木リコを演じていた‥違うか?」

 

「・・・・・」

 

「どうなんだ?リコ」

 

 

「ええ・・・・・そうよ。確かに私はあんたを別に

恨んでなんかない・・・・・でも、一つだけ私には

アンタを許せない理由がある」

 

「なんだよ」

 

 

翔真が聞くとリコは予想外な言葉を口にした。

 

「だって・・・・・明日菜は私だけの物なの!」

 

「「・・・・・え?」」

 

「いつも翔真、翔真、翔真って・・・・・私の方には

少ししか振り向いてくれない・・・・・なんで私

じゃなくてアンタなの!?」

 

 

 

「「・・・・・」」

 

それからリコは明日菜に対する想いを打ち明けた。

自分が女性でありながら、彼女を好きになって

しまった事や経緯を・・・・・

 

「だから私は明日菜が好きよ・・・・・愛してるって

言っても過言じゃないわ」

 

「(なあ翔真)」

 

「(なんだ一誠)」

 

「(なんでそいつカミングアウトして

開き直ってんの?)」

 

「(俺が知るかよ!)」

 

リコの発言に戸惑う翔真と一誠の二人。

 

「じゃあつまり・・・・・リコは今まで明日菜の為に

人を殺して、街を滅ぼして・・・・・金を受け取って

いたのか?」

 

「そうよ」

 

リコが返事をすると翔真は彼女の肩を持つ。

 

「だけどよ、そんな事して明日菜が喜んで

くれると思うか?」

 

「・・・・・」

 

「アイツは優しいし、きっとこの事を知れば

明日菜は怒るぞ、きっと」

 

「分かってるわ。でもアンタに腕を斬られた時

これが私の罰だと思ったわ。人を殺して、

人の人生を奪った・・・・当然の報いよ。それに

謝るのは私の方よ」

 

リコは翔真から離れると、自分が所有する

ソードデバイス3本を手に持つ。

 

「これ・・・・・私にはもう戦う気力もない」

 

「全部受け取れっていうのか」

 

「うん・・・・今まで悪かったわね綾崎」

 

「・・・・・複雑な感じだけど・・・・俺もすまない」

 

翔真とリコは握手を交わす。

 

「(これで良かったのか?・・・・まあいいか)」

 

一誠はその光景を目に焼き付ける。

 

 

 

 

 

 





次回から終盤だ!



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第51話「祈りと想い」

 

 

梨子との和解を得たその日の夜。翔真は

リトルガーデンの生徒会室にいた。

 

「美味しい・・・・・」

 

「えへへ。そうでしょ?」

 

翔真は紅茶をクレアにご馳走していた。

 

「本当に美味しいですわ。綾崎翔真、将来

いい主夫になれそうですわね」

 

「俺主夫確定ですか?」

 

「くす・・・・冗談ですわ」

 

クレアは翔真をからかいながら、視線を窓に

写る月へと移す。

 

「今日もキレイですわね」

 

「月って・・・・・こんなにもキレイだったんですね」

 

「貴方の世界には月がありませんの?」

 

「いや。ありますけど・・・・・ただ、月を

見たのが久々でしたから」

 

 

あちらでは常に戦いばかりの日常を送って

いた為に、当たり前の風景が久々に見えたのだ。

 

「綾崎翔真・・・・聞こうと思ったのですが、

貴方はバハムートで何と戦っていますの?」

 

「何と戦っているか・・・・・歪みですかね」

 

「歪み?」

 

翔真は少し一息して、クレアの問いに答える。

 

「決して無くならない物なんです。歪みは

気持ちが歪んでしまえば出来てしまう悪意です」

 

「・・・・」

 

「俺の世界には幾つもそれがあります。

駆逐しても、また出てくる・・・・嫌っていう程の

数がね・・・・・」

 

「争いは何処にでもありますのね」

 

「でも俺は諦めませんよ」

 

「え?」

 

翔真の言葉にクレアは反応する。そんなクレアを

よそにソードデバイスを手に取る翔真。

 

「俺は・・・・あの人のように皆を守れる

ヒーローになりたいんです」

 

「あの人?」

 

「ルクス・アーカディア・・・・俺を救ってくれた

ヒーローのような人なんです」

 

ルクス・アーカディア。翔真が強い憧れを

抱き、何時かはルクスと同等になる夢を持っている。

小さい頃にルクスの強さを目の当たりにした

翔真にとってルクス・アーカディアはヒーローに

近い存在なのだ。

 

「俺はその人のように強くなりたい・・・・」

 

「貴方は十分強いですわ綾崎翔真」

 

「いや。まだまだですよ俺なんて」

 

翔真は少し笑みを見せると、クレアの方へ向く。

 

「・・・・?」

 

「力が不足していてももちろん貴女も守りますよ、

クレアさん」

 

「~ッ!!」

 

月の光に照らされた翔真の笑顔は、クレアの

心をキャッチした。顔はリンゴのように赤く

なっているだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隙だらけだよリアスさんッ!!」

 

「(やるわね。さすが翔真の正妻と言ったところ

かしら・・・・・ッ!)」

 

 

一方、元の世界ではティアマトを纏った

リアスはラファールリバイヴカスタムを

纏うシャルロットと戦っていた。

 

 

束や箒の指導の元、ティアマトを扱えるように

なったリアスはシャルロットに頼み込み模擬戦を

していた。

 

「さっきの勢いはどうしたのかな?紅髪の

滅殺姫さん?」

 

挑発するような発言、この時リアスは思わず

笑みをこぼす。

 

「その言葉、言った事を後悔させてあげるわ

展開、レギオン」

 

リアスは鏃型の遠隔投擲兵器、レギオンを展開し

シャルロットに向けて攻撃を開始する。

 

そして接近用のランス、ガングニールを持ち

シャルロットに掛かる。

 

「やるねリアスさん」

 

「私もね努力しないといけないのよ。翔真の

隣に立つ為にはまず貴女を倒すわ」

 

「悪いけどボクはやられないよ?こう見えても

翔真と幾つもの戦場を駆け抜けて来たからね」

 

互いに譲れない想いがある。それを表すかの

ように二人の戦闘はますます激しくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第52話「クレア覚醒 前編」

 

 

 

「翔真君~?この戦闘が終わったらゆっくりと

お話しましょうね?ゆっくりと・・・・」

 

「すごい大胆・・・・・ハヤト!ボク達も負けて

られないよ!もう一回キスを・・・・」

 

「エミール!?落ち着つけって!」

 

「これ、確実にシャルロットちゃん達に

知れたらまずいよね?」

 

「翔真の奴・・・・・ヴァリアントのあれが

理由でもな~・・・・やれやれ」

 

サベージによって崩壊した街、濁った赤い瞳で

笑い掛ける刀奈、キスをしようとするエミールを

止めようとするハヤト。

 

呆れる夕麻と一誠。そして・・・・・

 

「綾崎翔真・・・・わたくしのファーストキスを

奪ったのですから・・・・・責任を取りなさい」

 

「(・・・・何故こうなるんだ!?)」

 

 

遡る事1時間前。それはサベージ襲撃の知らせから

始まった。

 

 

 

 

 

 

ツヴァイ諸島の上空。翔真、刀奈、一誠、夕麻

さらにシャロの誘いによりハヤト、エミールは

輸送機の中にいた。ツヴァイ諸島にはサベージ

が複数存在していた。

 

「リディ、エリカ、兵藤一誠、天野夕麻は先行して

αポイントへ、わたくし達はβポイントに集まって

いるサベージの討伐を致します」

 

「「「「了解ッ!」」」」

 

そしてリディ、エリカ、一誠、夕麻は輸送機から

飛び降りる。

 

「「「「ハンドレッド!オン!」」」」

 

 

四人はハンドレッドを展開する。

 

「一誠君!私達のパワーあの怪物達に

見せてあげよ!」

 

「おう!ドライグ!お前の力使うかも

しれねぇぜ!」

 

(何時でもスタンバイOKだぜ相棒)

 

「(やはり・・・・・何故一誠を見るたびに胸が

高まるのだ?)」

 

「どうしたんですかリディ?表情が暗いよう

ですが・・・・」

 

「何でもない」

 

一誠と夕麻はいつも通りだった。リディに

至っては何処か表情が暗い・・・・・というよりは

顔が赤い。

 

四人はαポイントへ向かう。

 

 

「先に俺達が出る。ハヤト君とエミール君も

後から来て」

 

「分かりました!」

 

「了解だよ~!」

 

「クレアさん、カナちゃん行くよ!」

 

「OKよ!」

 

「え・・・・キャッ!」

 

バハムートを纏い、翔真は二人を抱き抱え

たまま落下する。スラスターを吹かせ翔真は

βポイントへ急行する。

 

「俺は空からの支援を攻撃を行います。

それがいいでしょ?クレアさん」

 

「空を自由に飛べるバハムートならいけますわ。

ただし無茶だけはしないでください。いいですわね?」

 

「そうよ?もしまた私を泣かせるような事したら

シャルちゃん達に言いつけてやるんだからね」

 

「そいつはご勘弁だな」

 

そう言うと二人を降ろして、翔真はカオス

ブランドを構える。

 

「はああァァ!!」

 

カオスブランドでサベージの腕を切断する翔真。

だが、背後に別のサベージが迫る。

 

「背後からは卑怯だろ・・・・だったら!」

 

スラスターの出力を上げて、翔真はサベージの

攻撃を紙一重で交わす。即座に高速戦闘に

切り替える。

 

瞬時加速(イグニッションブースト)による

高速戦闘で翔真はサベージを追い詰める。

 

「よし・・・・・これで・・・・・なに?」

 

思わず自分の右腕を見た翔真。しかし右腕どころか

何故か体が半透明になっていた。

 

それは、元の世界への帰還のカウントダウンの

始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第53話「クレア覚醒 中編」


今頃になってマブラヴシュヴァルツェスマーケン
にハマってます。いや~ガンダムもいいけど
マブラヴも結構いいよ。




 

 

「コイツら!ちょこまかと!」

 

「数が多すぎる!」

 

αポイントで交戦を開始している一誠、夕麻、

リディ、エリカはサベージと戦っているが苦戦を

強いられていた。

 

「喰らいやがれッ!」

 

ドラゴンハングを駆使した攻撃はサベージの

身体を貫く。

 

「ビット展開!」

 

ビットを展開、そこから一斉射撃を行い

夕麻は一誠を援護する。

 

「たくきりがねぇな。だったら!」

 

一誠はドラゴンハングを解除し、赤龍帝の籠手を

装着する。

 

「何をしている一誠!ハンドレッドを解除したら

サベージにやられるぞ!?」

 

「心配すんなってリディ・・・・いくぜドライグ!」

 

《explosion!》

 

力を解放し一誠は赤龍帝の鎧を纏った。そして

サベージの1体に近付く。両手に炎を纏わせ

空高く飛ぶ。

 

「衝撃のォォォォォ!!!ファァァァスト

ブリットォォォォォォォ!!」

 

力を込めて、一誠は衝撃のファーストブリットを

サベージに喰らわせた。

 

「凄い・・・・・」

 

「一誠・・・・一体何者なんだお前は」

 

エリカは一誠の一撃を見て驚きの表情を見せ、

リディは人間離れした技に、唖然とする。

 

一誠が悪魔だという事は知ってはいたが

まさかここまでの力を隠し持っているとは

リディにすら予測出来なかった事なのだ。

 

「!・・・・・リディ!」

 

「え・・・・しまった!」

 

呆気に取られていたリディ。不注意により

背後にはサベージが迫っていた。

 

「させるかよッ!」

 

しかし一誠はリディの元へ駆け寄り即座に

次の技を繰り出す。

 

「撃滅のセカンドブリットォォォォォ!!」

 

セカンドブリットが炸裂、サベージはまた

1体撃破成功する。

 

「はぁ、はぁ・・・・・だ、大丈夫かリディ?」

 

「私は問題ないが一誠は・・・・」

 

「へ、心配すんなよ。こう見えても体は頑丈だ!」

 

リディに心配させまいと胸をボンと叩く一誠。

しかし技を連続に繰り出した為に体力は既に

半分も消費されていた。

 

「(もうちょっと待つべきだったかな・・・・・

けどごちゃごちゃ考えていても仕方ねぇ!)」

 

「一誠本当に大丈夫なのか?」

 

「・・・・」

 

心配な表情で自分の顔を覗き込むリディ。一誠は

嘘をついてでも彼女を心配させまいと立ち上がる。

 

「へッ!大丈夫だって・・・・・こんくらい!」

 

一誠は夕麻達より先にサベージの元へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―βポイント―

 

 

 

「はあああァァァァァ!!」

 

カオスブランドで一閃。サベージを斬り伏せて

ゆく翔真はスラスターを吹かせて次のターゲットに

向かう。

 

「(多分タイムリミットは近い・・・・だったら

早く終わらせるのみだ!)」

 

カオスブランドを振るい再び縦一閃に降り下ろす。

 

「(凄い・・・・・あれが翔真先輩の力なのか?)」

 

「どうしたのハヤト?」

 

「翔真先輩・・・・強いな」

 

剣を活かした戦いを間近で見ているハヤトに

とって翔真の剣の腕は十分に強いという印象を

与えるのには十分だった。

 

「でもハヤトだって強いよ?だってボクを

守りながら戦ってくれてるんだから」

 

「エミール・・・・・」

 

エミールは笑顔でハヤトに元気を与える。しかし

サベージがエミールの背後に迫る。

 

「エミール君危ないッ!」

 

「エミール・クロスフォード!」

 

「え・・・キャアアアアァァァ!!」

 

「エミール!・・・・くっそォォォォ!!」

 

エミールは振り返ると同時にサベージの一撃を

喰らう。スーツは破れ彼・・・・・いや『彼女』の

姿が露になる。

 

結んでいた髪はほどかれ、スーツが破れた事により

二つの膨らみが半分露となった。

 

「エミ・・・・ル・・・・・」

 

ハヤトはこの時、幼い頃に失ったはずの記憶が

頭の中で走馬灯のように駆け巡った。

 

 

―そうか・・・・アイツは・・・・・アイツは!

 

 

「エミリアァァァァァァァ!!!」

 

 

 

彼女の名前を叫び、同時に全身武装を纏う

ハヤト。

 

「う・・・・ああああァァァァァァ!!」

 

 

「まずい!」

 

ヴァリアントウイルスが活性化しハヤトは自我を

忘れブレードから強力な斬撃波を繰り出す。

 

翔真はいち早くクレアと刀奈を抱えその場から

一時退避する。

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・くっ!?」

 

「どうしましたの綾崎翔真!」

 

「もしかして翔真君・・・・・影響が」

 

「多分・・・・けどなんで」

 

 

早まる心臓の鼓動に冷や汗、翔真の中にある

ヴァリアントウイルスはハヤトがヴァリアント化

した事により影響を及ぼし、翔真もヴァリアントに

なる寸前だ。

 

下にはサベージがまた増えていた。翔真、

ハヤト、クレア、エミール、刀奈は計6体

倒した。だが、伏兵が存在しサベージはまた

6体現れる。

 

「これじゃキリがありませんわ」

 

「どうすれば・・・・・ハヤト君も心配だが・・・・」

 

《この状況を打開する方法が一つだけあるよ》

 

「通信!?シャロさんか!」

 

《綾崎翔真・・・・・この状況を脱する為に

何でもするかい?》

 

「ああ。なんだってやってやるよ!この

状況を脱する事が出来るなら・・・・」

 

《・・・・・分かった。じゃあ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クレア・ハーヴェイとキスするんだ――――》

 

 

 

「「「・・・・はああァァ!?」」」

 

 

翔真、クレア、刀奈の叫び声が空に響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第54話「クレア覚醒 後編」

 

 

「あ、アンタ何言ってんだよ!?正気か!?」

 

「そ、そそそそうですわ!き、キスだなんて!」

 

「どういうつもりかしら・・・・シャロさん?」

 

 

まるで出来たてほやほやのカップルのように

顔を真っ赤にする翔真とクレア。刀奈は決して

目が笑っていない笑みでシャロの言葉に異を

唱えようとした。

 

《綾崎翔真がヴァリアントだという事は

知っているだろうクレア?ならボクが

ここから先に言うおとしている事は分かるね?》

 

「ッ!・・・・わ、分かりましたわ」

 

「ちょっとクレアさん!?気は確かですか!?

き、キスするんですよ!?」

 

翔真は焦りながら問う。女の子とキスなど

シャルロットやアカメ以来だ。しかも相手は

容姿も美しい完璧女王クレア・ハーヴェイだ。

 

彼女とキスをする・・・・それを考えただけで

頭の中はショート寸前だった。

 

「こ、これは任務上必要な事なのです・・・・・

だから・・・・・い、犬に噛まれたと思えば・・・・うぅ」

 

 

ごまかすクレアだが彼女ですらこの戦闘中に

キスをするなど思っていなかったはずだ。しかし

今は一刻を争う。クレアは顔を赤くして翔真に

寄り添う。

 

「クレアさん・・・・・本当にいいんですか」

 

「はい。は、初めて・・・・・ですから優しく

お願い致します・・・・綾崎翔真」

 

瞳をうるっとさせ上目遣いで優しさを求めるクレア。

 

「(か、可愛い・・・・・クレアさんだと余計に!

けど迷っている暇はない)」

 

覚悟を決めて翔真はクレアの唇に自身の唇に

重ねた。

 

「むぅ~!!」

 

嫉妬している刀奈の視線が突き刺さる中で

翔真はクレアとのキスに集中する。舌が絡み合い

徐々に深いものとなっていく。

 

 

「(クレアさんの唇って・・・・ダメだ、頭が

くらくらする)」

 

「(これが・・・・・キス)」

 

数分のキスを終えて、二人は唇を離す。

 

このキスにはちゃんと意味はある。ヴァリアント

ウイルスは唾液を通じて他人に分け与えることが

可能なのだ。それにより翔真とキスしたクレアは

ヴァリアント能力を得る。

 

「だ、大丈夫でした?」

 

「はい・・・・綾崎翔真・・・・・とても良かったですわ」

 

クレアは笑みを浮かべて翔真にそう言うと

サベージに視線を向ける。

 

分け与えられたヴァリアントウイルスが

活性化し、クレア自身力がみなぎって来るのを

感じた。そしてクレアのハンドレッドは全身武装へ

変わる。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あとは私が引き受けますわ。貴方は早く

如月ハヤトを・・・・」

 

「はい。気を付けてください」

 

キスした後という事もあり二人は照れるも

それぞれ標的に向かう。クレアはサベージ、

翔真はハヤトを止める事。

 

「翔真君?どうだったのかな~・・・・・完璧女王

とのお熱いキスは」

 

「(ダメだ・・・・怖すぎて後ろを向けない)

と、取り敢えずカナちゃんはエミールを頼むね」

 

もしこれで振り向けば命はないと翔真は

本能の勘で悟り後ろを振り向かない事にした。

 

「(私だってしたかったのに~・・・・・帰ったら

シャルちゃん達に言い付けてやるんだから。ふん)」

 

刀奈はただ嫉妬していた。クレアが憎いという

そういう理由ではない。翔真が他の女性・・・・

それも友人としての関係を築いていたクレア

である。複雑でありながらも彼女が嫉妬するのは

仕方のない事だった。

 

 

 

「さあ・・・・・覚悟なさい!私がトドメを

刺してあげますわ!」

 

クレアは手元にある武器を出現させた。バスター

キャノンではなく・・・・何故かバハムートの射撃

武装の一つトルネードツインライフルだった。

 

「これは一体・・・・使ってみなければわかりませんわね」

 

トルネードツインライフルの銃口がサベージの

群れに向けられる。

 

「これでッ!」

 

トリガーを引き、膨大なビームは一瞬にして

サベージを包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回でハンドレッド編終了・・・・・


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第55話「飛べ!バハムート」

 

 

クレアがサベージを一掃した頃、翔真はハヤトを

止めに入っていた。

 

「うがァァァァァァ!!」

 

「ハヤト君我を忘れるなッ!!忘れたら

自分を本当に見失うぞ!?」

 

だがハヤトが聞くはずもなく翔真に攻撃を

繰り出す。なんとしてでも止めなくてはいけない、

翔真は何か策はないかと探す。

 

「・・・・あれならいけるか」

 

そう言うとバハムートをバハムート・ゼロの

姿へと変える。

 

そしてハヤトを拘束して自分の方へ引き寄せる。

 

「コードZERO・・・・・発動」

 

ハヤトのハンドレッドのシステムにハッキングし

疑似的にゼロシステムを稼働させる。

 

「ッ!・・・・!」

 

目元を覆い尽くすバイザーが光る。ゼロシステム

が発動した事によりハヤトの動きが止まる。

 

「お、俺は・・・・」

 

システムがハヤトに見せた物・・・・・それは

如月ハヤトが生まれた時から今に至るまでの

記憶だった。

 

 

「そうだ・・・・俺はエミールを・・・・・エミリアを

助けて・・・・」

 

「ようやく我を取り戻しか・・・・」

 

拘束を解き、翔真はハヤトに近づく。

 

「ハヤト君大丈夫?」

 

「はい・・・・・もしかして俺はまた暴走を」

 

「・・・・ああそうだ。でも気にすんなハヤト君」

 

「翔真さん・・・・・でも」

 

「でもじゃない。力はこれからも制御出来る

ように訓練すればいいさ。それと俺の事は翔真でいいよ」

 

「・・・・」

 

「今は奴等を倒すぞ・・・・・ハヤト」

 

「分かった・・・・翔真!」

 

翔真はビームサーベルを抜き、ハヤトは

ブレードを構え直す。残るサベージは2体・・・・・

二人はターゲットを捉えて加速する。

 

 

「「うおおおォォォ!!」」

 

ビームサーベルを一閃、ブレードを横に一閃

翔真とハヤトはサベージを斬り伏せる。

 

「綾崎翔真!」

 

「クレアさん?・・・・・それってバハムートの

武装じゃ・・・・・」

 

「今は倒す事だけを考えなさい」

 

「は、はい!」

 

「如月ハヤト。貴方も攻撃をお願い致します」

 

「了解ッ!」

クレアは翔真に体を預けるように寄り添い

トルネードツインライフルを翔真と共に構える。

 

「ターゲット・・・・サベージ」

 

「・・・・・今ですわ!」

 

合図により翔真はトリガーを引き、ハヤトは

斬撃波を繰り出した。

 

 

2つの光りはサベージを包み込んだ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サベージを倒した一行。ここは普通喜びを

分かち合う所だが・・・・

 

「翔真の奴・・・・・ヴァリアントの理由があれでもな」

 

「これ確実にシャルロットちゃん達にバレたら

ヤバイよね?」

 

「理由はともあれサベージを倒すには

あれが一番だったのさ」

 

呆れる一誠と夕麻、シャロに至っては何処か

満足したような表情でクレアと翔真と刀奈を

見ていた。

 

 

「綾崎翔真・・・・わたくしのファーストキスを

奪ったのですから責任を取りなさい」

 

「(何故こうなるんだ!?)」

 

「ゆっくりお話しないとね」

 

「カナちゃん・・・・・両手に持った鎖は何!?」

 

翔真は修羅場という場面に直面していた。

 

「凄い大胆だったんでしょ?ならボク達も

キスをしよハヤト!」

 

「お、落ち着けエミール!?」

 

キスしようとエミール・・・・エミリアはハヤトの

唇を奪おうとする。

 

だが、翔真、刀奈、一誠、夕麻の体が徐々に

消えてゆこうとしていた。

 

「綾崎翔真・・・・・貴方達体が・・・・」

 

「どうやらお別れみたいですね・・・・・クレアさん

短い間でしたけど・・・・色々ありがとうございます」

 

「・・・・・もう会えないのですか?」

 

「大丈夫ですよクレアさん。生きていれば

必ずまた会えますから」

 

「そうよクレア。さようならじゃないわよ?

さっきは先を越されたけど・・・・次は負けないわよ」

 

「翔真さん!」

 

「ハヤト君・・・・・自分の力に負けちゃダメだよ?」

 

「はい!俺・・・・努力して必ず皆を守れるように

強くなります!」

 

「翔真、刀奈・・・・・また会いましょう」

 

「「・・・・うん/ええ」」

 

二人はクレア、ハヤト達に笑いかけすぐに消えていった。

 

そして一誠もリディに別れを告げていた。

 

「一誠・・・・・」

 

「わりぃなリディ・・・・もう帰らなくちゃ」

 

「また・・・・・会いに来てくれるか?」

 

「おう!赤龍帝の名に誓って約束するさ!」

 

「またねリディちゃん」

 

一誠、夕麻も後を追うように消えた。

 

 

 

「いつか・・・・またいつか会えますように」

 

 

 

クレアは祈るように、翔真との再会を望んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 





クレア達は聖剣編の最後等で出る予定ですぞ!
ハンドレッドからはクレア、リディ、ハヤト、
サクラ、カレン出す予定でーす。

ハンドレッド編はこれにて終わり。次回は
帰還する!



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後日談―やはり俺達の日常は間違ってる― その三
第56話「帰還する黒と赤」


 

 

クレア達の世界から姿を消した翔真達。そして

今現在―――――

 

 

「「ギャアアアアア!?」」

 

「「キャアァァァァ!!」」

 

空にいる真っ最中だった。しかもただいま

落下中である。

 

「なんで気付いたら空いんだよォォォ!?」

 

「知るかァァァ!?・・・・・くっそ!」

 

翔真はバハムートを纏い刀奈、一誠、夕麻を

キャッチする。

 

「ここ何処なの?」

 

「もしかして‥・・・・・」

 

「戻って来たのか‥・・・・・駒王町に」

 

夕麻は何処に居るのかと周りを見渡す。だが刀奈

一誠はすぐに理解した。そして翔真もここが元の世界

であり駒王町に戻って来たのだとすぐに分かった。

 

 

「戻って来たんだな。一誠、お前も神装機竜

持ってんだから早く展開しとけ」

 

「え?・・・・そう言えばそうだった!来いエピオン」

 

一誠はエピオンを展開し纏う。夕麻を抱き抱え

翔真と刀奈から離れる。

 

「んじゃ俺達こっちだから」

 

「またね二人共!」

 

一誠と夕麻は自宅へ帰還する為その場から

離れる。

 

「さて・・・・・シャルロットちゃん達にどう伝える?

私も出来るだけ一緒に説明するけど・・・・」

 

「ありのままを話すしかないかな」

 

「そうよね。?・・・・・ちょっと待って翔真君」

 

「どうしたのカナちゃん?」

 

「誰か近付いて来るわ」

 

「なに・・・・はぐれ悪魔か?」

 

刀奈の言葉に翔真は不安を抱く。今自身の体力や

バハムートも限界寸前でありまた戦いとなると危機的

状況に陥るのは目に見えているからだ。

 

「来るなら・・・・・」

 

「待って・・・・ねぇ、あれってリアスちゃんや

シャルロットちゃんやユーベルーナさんじゃない?」

 

 

よく目を開いて翔真はこちらに向かう人影を

確認する。すると‥・・・・・

 

 

「翔真ッ!翔真なんだね!」

 

「もう。お姉さんを放ったらかしにして

何処に行ってたのかしら?」

 

「翔真!・・・・おかりなさい」

 

シャルロット、ユーベルーナ、リアスの順に

翔真を見つけて喜びの声を上げる。

 

「リアスさん?・・・・リアスさんの纏ってるそれは・・・」

 

「神装機竜よ。束さんから頂いたの・・・・

皆や、貴方を守る力として・・・・・」

 

「リアスさん・・・・」

 

「自分で決めた事よ。だから翔真は心配しないで」

 

「それより翔真~?一体何処に行ってたのかな?

ボク達はそれを知りたいんだけど」

 

「わ、分かってる。カナちゃん、お願い出来る?」

 

「もちろん」

 

 

 

翔真は刀奈と共にシャルロット達に事の経緯を

説明しながら姫島神社へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの~?イザベラさんにリサラさんに

クロメさん?いい加減離れ・・・『嫌ッ!』

そ、そうっすよね」

 

 

一誠は夕麻と共に帰還した。するとリサラやクロメ

イザベラは一誠に抱き付いた。リビングに移動したが

彼女達は一誠からは離れようとはしなかった。今まで

我慢していたものが一気に出てしまったのだろうと

夕麻は内心そう思った。

 

「今まで何処に行ってたの?私やクロメ達が

どれだけ心配したか分かってるの?」

 

上目遣いで今までの寂しさを訴えるリサラ。

 

「ご、ごめん。そのなんつうか・・・・・説明したら

長くなるけどいいか?」

 

「ちゃんと話してくれる?」

 

「イッセー嘘はダメだからね」

 

「そうだぞ一誠。ちゃんと包み隠さず話してくれ」

 

「い、イザベラさん・・・・・耳に息が掛かってる」

 

リサラとクロメは一誠の話を聞こうと構えている。

一誠は話そうとしたがイザベラがとろんとした表情で

耳に息を吹きかける。案の定一誠は感じてしまった。

 

 

黒と赤、それぞれ帰る場所へと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回からまた日常編。3話ぐらいしたら聖剣編。




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第57話「幼なじみとお姉さん達」

はい!今回は翔真のヒロイン3人登場!一人は
オリキャラです!




 

元の世界へ帰還して数日後、翔真、シャルロット、

リアス、ユリシアはある場所に向かっていた。

 

「そう言えば明日菜の所に行くのって結構

久しぶりな気がするよね」

 

「そうか?俺は週に3回は顔出してたぞ。前は

色々と合って行けなかったけど」

 

「翔真って意外にちゃっかりしてるのね?」

 

「幼なじみだし顔ぐらい出さないといけないだろ」

 

翔真とシャルロット、ユリシアは話題の元である

人物、明日菜の話題で話していた。

 

「ねぇ翔真。気になったのだけれどその

明日菜さんってどんな人なの?」

 

「そうですね・・・・・まず一つはリアスさんに

スゲーそっくりなんですよ」

 

「私に?」

 

「言われてみれば・・・・確かに明日菜とリアスさん

似てるかも。ユリシアはどう?」

 

「・・・・・今考えたけどォ、髪が黒い事以外は

全てという訳ではないけど似てるわね」

 

リアスの顔を見るシャルロットとユリシア。

 

「取り敢えず!行けばわかりますよ」

 

翔真は笑顔で答えてリアスの手を取る。

 

「そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―駒王病院・病室105号室―

 

 

 

翔真達は彼女が入院している病室へと入る。

 

「あ・・・・翔真君ッ!」

 

「明日菜・・・・うわ!?」

 

腰まである綺麗に整った黒い髪をなびかせ、少女は

翔真の胸板に飛び込み抱き付いた。

 

「すぅ~、はぁ~・・・・・翔真君の匂いだ」

 

「あ、明日菜離れろって!嬉しいのは分かるが

色々当たってるからさ!」

 

「ダ~メ!久々の翔真ニウムを摂取しないと

いけないから!」

 

「その成分はなに!?初めて聞く物質だぞ!?」

 

 

ニヤニヤした表情が止まらない少女、白雪明日菜は

翔真に抱き付いたまま。

 

「ね?言った通りだったでしょ?」

 

「え、ええ・・・・でも、不思議な感じだわ。

まるで鏡を見ているみたいで・・・・」

 

ユリシアやシャルロットが言った通り、今翔真に

抱き付いた少女は自分そっくりだった。リアスは

やはり不思議な感覚だったのか、唖然としていた。

 

「明日菜それまでにしおけ。じゃないと

このチョコレートケーキは私が食べるぞ?」

 

「そ、それは!らめぇ~!」

 

[じゃあ坊や達を入れてあげるんだ」

 

「げっ!?・・・・アンタは・・・・」

 

声がした方に翔真は視線を向けた。椅子に座る

一人の女性、後ろに立つ一人の少女を見て思わず

声が出る。

 

「せっかくの再会だというのに、げっとはなんだ?

そんなに私が嫌だったのか翔真?」

 

「違いますよフィカーツィアさん。翔真は私達に

会うのが久しぶりですから照れてるんですよ」

 

「そ、そそそうっすよ!?いやー照れくさくて!」

 

 

 

椅子に座る女性、フィカーツィア・ラトロワは

右手にティーカップを持ち、紅茶を飲む。

 

肩にストールを羽織るシェーレは誰もが

見惚れるような笑みを浮かべている。

 

「随分見ない内に成長したようだな翔真?

しかし、育ての親である私に会いに来ないとは

どういう事だ?」

 

「いや・・・・えと」

 

「まあじっくり聞き出すだけだがな」

 

「・・・・・」

 

フィカーツィアの圧に負け、翔真はその場に

正座する。

 

「あ、あの人誰?」

 

「あぁ~、リアスさんは知らないんだよね?

彼女はフィカーツィア・ラトロワさん。

フィカーさんもね翔真に恋する一人だよ」

 

 

シャルロットは少し困ったような表情でリアスに

説明した。

 

 

 

 

 

 




最近Muv-Luvにはまり、特にトータル・イクリプスの
フィカーさんには惚れますね。未亡人?だからなんだ!

明日菜、クレア、ミハル、フィカーツィアを
翔真ヒロインプロフィールに追加しました。
次回は本編のちょっと続きと、後半は一誠が
新たなヒロインと出会う!




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第58話「約束とイチイバルと赤龍帝」

 

 

フィカーツィアの素敵な尋問からようやく

解放された翔真。フィカーツィアはリアス達と

会話を交わしていた。

 

「それで、その時翔真はなんと言った?」

 

「はい、私の事を守るって言ってくれたんです」

 

「ね?相変わらずでしょ翔真は」

 

「本当よォ。これから更にライバルがもっと

増えそうな予感よォ」

 

 

頬を赤く染めて翔真との馴れ初めを語る。

フィカーツィアはやはりかという表情で

紅茶を飲む。

 

彼女達が話す中、翔真は明日菜と話していた。

 

 

「私怖くって・・・・翔真君、どうしたら恐怖を

和らげる事が出来る?」

 

「怖いって思うから余計に恐怖を感じるんだ。

明日菜、心配する事ないって・・・・俺や皆が付いてる」

 

 

明日菜は明日、手術を控えていたのだ。やはり

彼女にとっては初めての経験であるが故に心配で

恐怖になるのだ。

 

「明日菜・・・・・もし不安ならコイツを握りしめろ」

 

「これって・・・・まだ持っててくれたんだね」

 

「当たり前だろ?」

 

翔真が明日菜に渡してた物・・・・・それはハート型の

飾りがついたネックレスだった。

 

「明日菜さん」

 

「あ・・・・えと・・・・」

 

「私の事はリアスで構わないわ明日菜さん」

 

「いいの?だって私年下ですけど・・・・」

 

「いいのよ。気にしないで・・・・・明日菜、私や

シャルロット達も貴女の手術が成功するように

応援するわ」

 

リアスは明日菜の右手を両手で握りしめる。

 

「ありがとう・・・・リアスちゃん」

 

「(なんかこう見てると姉妹って感じだよな)」

 

 

やはり明日菜とリアスは似ている為か、翔真から

見れば姉妹に見えてしまう。それからシャルロット

ユリシアも明日菜の無事を祈り、励ましの声を送る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラ待てよ!」

 

「女だからって調子乗りやがって!」

 

「うっせぇな!私に触んなッ!」

 

 

商店街の路地裏、一人の少女が男二人に連れて

行かれていた。

 

「へへへッ!心配すんな・・・・・気持ちよくしてやる」

 

「まずはコイツで・・・・」

 

一人の男が懐から取り出したのは注射器だった。

少女の表情は徐々に青ざめていく。

 

「時間はたっぷりある・・・・・ゆっくり楽しもうぜ」

 

「やめろ!嫌・・・・嫌ァ」

 

「今さら助けなんて無いぜ?へへへ・・・・・」

 

男二人が少女に迫る。少女は涙を流し、目を瞑った。

 

 

「おいテメーら!女の子に何しようとしてんだ!」

 

「「あぁ?」」

 

「え・・・・・」

 

誰もが通る事のない路地裏に少年の声が響く。

 

「たく、クロメ警察に電話してくれ」

 

「了解だよ~」

 

現れたのはもちろん一誠だった。付き添いはクロメ。

 

「なんだテメーは!?」

 

「見られたからには帰すわけにはいかねぇな?」

 

「やんのか?」

 

男二人は拳をボキボキ鳴らす。一誠は少し

イラついた表情で二人を挑発する。

 

 

「女の子を泣かせる奴はなァ・・・男の敵だァァァァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数分後―

 

 

「これに懲りたら二度とすんなよ」

 

「「あ"い、ずびばせん」」

 

男二人は一誠によりボコボコにされた。女の子を

大切にしない奴は徹底的に殴る。それに先程の

場面を見れば一誠もキレる。

 

「イッセー強い~!」

 

「クロメ、警察の人が来たらその二人を突き出せ。

落とし前はきっちり着けねぇと」

 

一誠はそう言うと少女に駆け寄る。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ああ。お、お前・・・・・なんでアタシを

助けてくれたんだよ?」

 

「泣いている女の子を無視出来るかよ」

 

「・・・・ありがとう」

 

少女は頬を赤く染めて一誠に礼を告げる。

 

「そういや名前は?多分あとで警察の人から

色々と聞かれると思うから・・・・・」

 

「クリス・・・・雪音クリスだ」

 

 

少女・・・・・クリスは一誠に自分の名を告げた。

 

 

 



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第59話「変わりない日常」

 

一誠がクリスを助けた数日後。翔真は篠ノ之神社の

広場にて大空の元ソードデバイスを磨いていた。

 

「よーし・・・・これでいいかな。次は布で・・・・」

 

「順調そうだな翔真」

 

「箒。よっ」

 

私服姿の箒が姿を現し翔真は軽く挨拶する。

 

「隣に座っても良いか?」

 

「ああ、別にいいけど」

 

許可を得て、箒は翔真の隣に座る。

 

「翔真・・・・・聞きたい事があるのだが良いか?」

 

「聞きたい事?答えられる範囲なら答えるぜ」

 

「なら聞く・・・し、翔真は裸エプロンとか好きか?」

 

「ああ!もち・・・・・いやいや!ちょっと待って箒!

なんでそんなぶっ飛んだ質問して来てんだ!?」

 

「最近翔真の周りには何かと女の子が増えて

来ている。だから私は私なりのやり方で翔真の

視線を釘付けにしたいと考えてこの質問を・・・」

 

「釘付けって・・・・あのな箒、裸エプロンは

好きだけど・・・・大体何でそんな質問をしたんだ」

 

「・・・・不安になったんだ。翔真が私の手が

届かない場所に行ってしまうのではないかと・・・・

この際だから聞かせてもらうぞ!」

 

「お、おう」

 

「翔真は誰が一番好きなんだ」

 

「・・・・・誰が一番好きか」

 

 

 

箒の質問にしばし言葉が詰まる翔真。翔真は

ソードデバイスを一旦鞘に収める。

 

「今は同じくらい皆が好きだよ。答えには

ならないけど、誰が一番とかそういうのはない」

 

「じゃあ友達としてシャルロットや私達が

好きなのか?異性としてではなく・・・・」

 

「違う。もちろんシャルロット達の事や箒も

一人の女の子として好きさ。最初は気付かなかった。

胸の中がモヤモヤして、シャルロット達を見てる

だけでドキドキしたり・・・・・でも気付いたんだよ、

これが恋なんだって・・・・箒」

 

「翔真・・・・・な、何を!?まだ心の準備が・・・・」

 

翔真は箒を自分の方へ引き寄せる。箒は

何と勘違したのか、あたふたし顔を赤くする。

 

「焼きもちする箒も可愛いな」

 

「ば、バカ者・・・・・耳元で囁くな・・・・だ、

誰が焼きもちなど・・・・・」

 

息が耳に吹きかけられ箒はなんとも言えない

快感に襲われる。

 

 

「心配しなくても俺は何処にも行かねぇよ。

俺はずっと皆の側にいるさ」

 

「本当なのだろうな?」

 

「バハムートに誓って約束するさ」

 

 

翔真はソードデバイスを持ち上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は空港―――ロビーに三人の少女が

降り立つ。

 

 

「あ~・・・・長かったわ!もう肩凝っちゃうわ」

 

「少しは静かにしないかイリナ。クリスカ、

君の手に持っているそれは何だい?」

 

「これの事か。前に翔真がくれた物だ」

 

「また翔真か。全く、何度その名前を聞いたか」

 

「それにしても駒王町か~・・・・・元気にしてるかな

私の愛しい愛しいイッセー君は・・・・フフッ」

 

 

神装機竜の使い手、クリスカ・ビャーチェノワと

二人の聖剣使い・・・ゼノヴィア・クァルタと

紫藤イリナはある任務の為に日本へと来日した。

 

 

今まさに、事件は始まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クリスカはもちろんMuv-Luvから!無論翔真の
ヒロイン!異論は認めん!

いやー、クリスカも可愛い、シャルロットと
同じくらい!←錯乱

次回からエクスカリバー編です。




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第三章 月光校庭のエクスカリバー
第60話「黒歴史?」


 

―数年前・川神市―

 

 

『クリスカ!』

 

『どうしたのしょうま?』

 

『これやるよ』

 

『これは・・・・・ダメだ!だってこれは

しょうまの大切な物だ』

 

『オレさ、川神市から出なきゃいけないんだ。

引っ越しもそろそろ終わる・・・・・クリスカと

別れるのはかなしいけど、必ず戻ってくる!

だから言わせてクリスカ・・・・・約束するよ絶対に』

 

『しょうま・・・・うん。ぜったいに帰ってきてね』

 

 

幼い頃に交わした約束。クリスカ・ビャーチェノワは

翔真からもらったネックレスを大切に握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―兵藤家・一誠の部屋―

 

放課後、オカルト研究部+翔真、シャルロット、

ユリシア、アカメ、夜架は一誠の部屋へとお邪魔

していた。部活としての会議と悪魔稼業の会議と

いう2つの重大の話をしていた。

 

「皆順調で何よりね。一誠はまだ少ないけど

まだこれからよ。リサラと一緒に頑張りなさい」

 

「はい!了解っす!」

 

「話を取り敢えずこれでおしまいね。翔真や

シャルロット達も付き合わせて悪いわね」

 

「別にいいって」

 

「そうだよ。それにボクらにも関係ある事だし

話を聞いとかないとね」

 

「でも悪魔って大変よねェ?」

 

「それが定め」

 

「フフフ」

 

 

側で話を聞いていた翔真、シャルロット

ユリシア、アカメ、夜架も悪魔ってこんなにも

大変なのかと心で思っていた。翔真達の場合は

主に戦闘が中心な為に、一誠達の稼業の内容を

聞いて悪魔社会も楽じゃないという事が分かった。

 

 

コンコン

 

「皆~!お茶持って来たよ~!あれ?

お姉ちゃんも来てたんだね!」

 

「ああ。クロメ、元気そうだな」

 

「私はいつも元気だよ。アーシアも久しぶり」

 

「久しぶりですクロメさん!」

 

「こんなに大勢の人が来るなんて・・・・

お母さん嬉しいわ」

 

「その可哀想な眼差しを何故に向ける!?」

 

部屋に入って来たのはクロメと兵藤母であった。

クロメはアーシアと久々に再会し、アカメとも

会った事で気分は上がっているようだ。

 

 

「それより母さんいい物持ってきたけど

皆で一緒に見ましょう!はい!」

 

兵藤母はアルバムを持って来ていた。この

アルバムには0歳~14歳という間の一誠の

成長がぎっしりと詰まっていた。

 

 

「お母様・・・・もしかしてそれは一誠の!」

 

「一誠君のあんな所やこんな所までもが

見れる・・・・・アルバムですね!」

 

「私さっきチラッと見せてもらったけど

小さい一誠も良かったよ~」

 

「それは是非見てみたいな」

 

一番に食い付いたのはリサラ、夕麻、イザベラだ。

この兵藤家に来て間もないリサラやイザベラと

しては是非見たい物なのだ。

 

「やめろォォォ!!恥ずかしいから見ないで~!!」

 

「翔真、祐斗・・・・リサラ達の為にもお願い」

 

「わりぃな一誠。リアスさんの命令だから恨むなよ」

 

「ごめんね一誠君。悪気は全くないから」

 

「離せ!この裏切り者ォォ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「可愛い~!!キュートなイッセー堪んない!」

 

「小さいイッセー君イッセー君イッセー君

イッセー君イッセー君イッセー君イッセー君

イッセー君イッセー君イッセー君イッセー君・・・」

 

 

リサラは目を輝かせて小さい一誠に夢中になり

夕麻はイッセーの名を呟く。目のハイライトが

消えているが敢えて気にしないで欲しい。

 

 

「あらあら。全裸で・・・・可愛いらしいですわ」

 

「こっちはお母様に抱っこされてますね。

イッセーさん嬉しそうです」

 

「イッセー先輩・・・・・この写真もろだし」

 

「ギャアァァァァ!!見ないで!・・・・・

見ないで!これじゃお婿に行けない!」

 

朱乃やアーシア、小猫にまで見られ一誠は

今にも死にそうであった。

 

「でも一誠君だけだとフェアじゃありませんわ。

幼き翔真君の写真もありますけど・・・・」

 

朱乃は笑顔を絶さず手元にアルバムを取り出す。

 

「「「「・・・・!!」」」」

 

そのアルバムを見て、リアス、アーシア、アカメ

シャルロット、ユリシアの眼差しが光り出す。

 

「させるかッ!」

 

「そうは行くかッ!」

 

翔真は朱乃からアルバムを取り上げようとしたが

虚しくも一誠に阻止される。

 

 

「うふふ・・・・・まずは私とショウ君の

お風呂の写真を・・・・はい」

 

「か、可愛いですぅ!!」

 

「・・・・・うん」

 

それは翔真がまだ12歳の頃、朱乃と仲良く

お風呂に入っている写真だった。幼さが残る

写真の翔真にアーシアとアカメの心はイチコロだ。

 

「そしてこれが昨日のお風呂の写真ですわ」

 

「「「「・・・・!」」」」

 

「ちょっと待って!なんでお風呂しかないの!?

・・・・・つうか何で黙ってんの!?」

 

リアス、シャルロット、ユリシア、夜架は

昨日に撮影された翔真の傷1つないボディーに

顔を赤くした。

 

 

「イヤァァァァ!!お嫁にいけない!」

 

「翔真、その気持ち分かるぞ」

 

 

翔真と一誠は心に致命傷を負った。

 

 

 

「これは・・・・」

 

 

ただ、祐斗に関しては表情が暗くなっていた。

幼き一誠と少年が映った写真には剣が映っていた―

 

 

 

 

 



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第61話「騎士の異変」

 

 

一誠宅で一通り活動を終えた翔真達。その日の夜

はぐれ悪魔が現れたとの連絡が入り翔真は現場に

向かっていた。

 

「相変わらず他人の為に戦うとは。お前は何も

変わってないな翔真」

 

「フィカーさんまで来なくてもいいんじゃ・・・・・」

 

「なんだ?私が来たらまずい事でもあるのか」

 

「いえいえ!滅相もございません!」

 

フィカーツィアも翔真に付いてきていた。

シャルロット達の願いでフィカーは翔真が

無茶しないか見張って欲しいと言われたのだ。

 

 

 

―工場敷地内―

 

 

「ごめんなさいね。こんな時間に呼んでしまっ・・・

あら、フィカーさん、こんばんは」

 

「この前ぶりだなリアス。姿が見えないと

思ったらここに居たのかアーシア」

 

「はい。部長さんと一緒にお仕事していたので」

 

フィカーツィアはそのままリアス達と話し込む。

翔真がソードデバイスを手に取った瞬間、一誠から

引っ張られる。

 

「オイ翔真!誰だよあの人!無茶苦茶美人さん

じゃねぇか!?」

 

「どうしたんだよいきなり」

 

「何でお前の所には可愛い人や美人が

集まんだよ!?エロゲの主人公か!」

 

「ちょっと待て一誠。お前だって人の事

言えんだろうが!」

 

「どっちも同じだと思いますが」

 

一誠は心からの叫びを翔真にぶつける。

翔真もまた反論するが、他人から見ればただの

醜い争いにしか見えない。小猫に至っては

冷静にツッコミを入れる。

 

「あらあら。喧嘩する程仲が良い事で・・・・うふふ」

 

「ほらイッセー。今は喧嘩している暇はないぞ」

 

「あだだだ!?イザベラさん!力入ってる!

入ってるから!」

 

朱乃は優しい笑みを浮かべて翔真を自分の方へ

引き寄せる。一誠はイザベラの方へと引き寄せら

れるがこめかみを掴んでいる。

 

「・・・・」

 

「どうしたんだ木場。なんか思い悩んで

いるようだが・・・・・」

 

「大丈夫だよ。僕は至って平気だよ」

 

翔真は先程から暗い表情を浮かべている祐斗に

声を掛ける。ぎこちない笑顔で大丈夫と答える

祐斗だが、表情は何処か無理をしていた。

 

 

 

 

工場内に入る一行。するとはぐれ悪魔が姿を

現す。理性を失っているせいですぐさま翔真、

リアス達に襲い掛かる。

 

 

「顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。

黒雲の天を断て、バハムート!」

 

「目覚めろ、開闢の祖。一個にて軍を成す

神々の王竜よ・・・・ティアマトッ!」

 

「来たれ、不死なる象徴の竜。

連鎖する大地の牙と化せ、エクス・ワイアーム」

 

翔真はバハムート、リアスはティアマト、

フィカーツィアは独自にカスタマイズされた

凡用機竜エクス・ワイアームを纏う。

 

 

一誠は赤龍帝の籠手を装着しイザベラと

小猫と共にはぐれ悪魔と戦う。祐斗もまた

魔剣を握りしめる。

 

「(あの写真に映っていたのは・・・・

間違いない・・・・聖剣だ)」

 

聖剣・・・・・祐斗にとって口にもしたくない

忌まわしい言葉だ。

 

「木場ッ!なにやってんだッ!」

 

「え・・・・ッ!」

 

一誠の声で我に返り、祐斗はこちらに向かって来る

はぐれ悪魔の攻撃を魔剣で受け止めようと構える。

 

「させないわ!」

 

だが間一髪の所でリアスが止めに入る。

 

「こいつで!」

 

カオスブランドを構えて縦に一閃。はぐれ悪魔を

真っ二つに切り裂いた。

 

「シャアァァァァ!!」

 

「しつこいぞ」

 

まだ半身になってまで反撃しようとする

はぐれ悪魔にフィカーツィアはガトリング砲を

向けて連射する。はぐれ悪魔を粉砕し戦闘は

終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチン―――――

 

 

 

乾いた音が静かな夜空の元響く。

 

 

「目は覚めたかしら?もしこれで一足

遅ければ貴方は死んでいたわよ」

 

 

「・・・すいません。今日は調子が悪いみたいです。

今日はこれで失礼します」

 

「待ちなさい祐斗!」

 

「リアスさん。ここは一人にさせてあげよう」

 

「翔真・・・・けど」

 

「男には一人の時間も大切だって・・・・・前に

兄貴が言ってたし」

 

翔真はリアスを止めると祐斗の元へ走る。

 

「木場・・・・」

 

「何かな綾崎君」

 

「・・・・・お前に何があるのかは知らない。

けど、リアスさんを悲しませるような事はするな」

 

「君には関係ない」

 

「・・・・復讐をした所で帰って来るのは

虚しさだけだぞ木場」

 

「・・・・・」

 

翔真の言葉に祐斗は振り返る。

 

「君に・・・・何が分かるんだ・・・・・ッ!」

 

 

祐斗は翔真を睨み、祐斗はその場から去る。

 

 

「分からねぇよ。けど、復讐をした所で

虚しい・・・・それだけは知ってる」

 

 

翔真は呟き、夜空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第62話「再会の時 翔真の場合」

戦いが終わり、次の日。翔真とシャルロット、

ユリシア、アーシア、アカメ、夜架、リアス、

朱乃はいつも通りに授業を終えて帰っていた。

 

「今日は部活に来ませんでしたね」

 

「色々とあるのだろう。今は放っておくのが

いいかもしれない」

 

アーシアは部活に祐斗が来なかった事を

気にかけていた。アカメはそんなアーシアに

祐斗の事に関しては放っておくしかないと告げる。

 

アカメの言う通り、時に人は一人で居たい時が

ある。一人の時間も時には大切なのだ。

 

 

「やっぱり・・・・あれが」

 

「やはりそうとしか・・・・」

 

「あれがどうしたの?」

 

「気になりますわ」

 

「何でもないわ。けど翔真達には話して

おかないといけないわね」

 

「その内お話致しますわ夜架ちゃん」

 

「分かりましたわ朱乃お姉様」

 

「(お姉様・・・・何時から朱乃さんの妹に

なったんだ夜架・・・・・)」

 

何かを呟くリアスと朱乃。シャルロット、夜架が

気にかけて尋ねるもリアスは何でもないと返事を返す。

何気に夜架が朱乃をお姉様と呼んでいる事に翔真は

気付く。

 

「(木場・・・・馬鹿なマネだけはすんなよ)」

 

前日のあの祐斗の表情・・・・・翔真は心の中で

嫌な胸騒ぎを感じていた。憎しみをも込めた

あの表情に翔真はどうしても忘れる事が出来ない。

 

「あらァ?・・・・・お客さんかしら」

 

「え?」

 

 

姫島神社に到着した一行。ユリシアが見つけたのは

一人の少女だった。

 

「(あの人・・・・・何処かで・・・・)」

 

「・・・・!」

 

 

少女がこちらに気付く。少女は翔真を見付けると

喜びの表情を浮かべ一目散に翔真に抱き付く。

 

「「「「「・・・・ッ!?」」」」」

 

これにはリアス達も驚く。

 

「ちょ!?」

 

「ようやく・・・・・ようやく会えた。翔真・・・・」

 

「君は・・・・・そうか!」

 

少女の顔を見て翔真は何か思い出す。

 

「もしかしてクリスカ!?クリスカなのか!」

 

「ああ。ちゃんと覚えていてくれたんだね」

 

「当たり前じゃないか」

 

本当は忘れかけていたと翔真は心の中で

クリスカに謝る。

 

「どうしたんだよクリスカ。確か最後に

会ったのは川神市なはずだろ?」

 

「実はあの後私も引っ越したんだ」

 

「そうか。あれ?イーニァは」

 

「イーニァも後に来る。それよりも今は

翔真のぬくもりを感じさせて欲しい」

 

抱き締める力を少し強めるクリスカ。

翔真の匂いを感じながら抱き締める。

 

「く、クリスカ!?そろそろ離れてくれ!

その・・・・色々とまずいから」

 

「何がまずいのか私には分からないな」

 

と、言いながらもクリスカの表情には笑みが

浮かんでいた。

 

「その人とはかなり仲が良いのね翔真」

 

「あらあらいけませんわ翔真君。私達の前で

そういう事したらどうなるか分かってるはずですのに」

 

滅殺姫、雷光の巫女が揃って笑顔である。

シャルロット、アカメ、ユリシア、夜架、アーシア

5人の少女もまた笑顔だ。しかし目は全く笑ってない。

 

 

「(俺・・・・・殺される!?)」

 

「ちゃんと・・・・訳を話してもらうわよ」

 

「特にその人とどういう関係なのかを」

 

翔真loveなリアス、シャルロットは

翔真に迫る。

 

「翔真・・・・・コイツらはなんだ?」

 

クリスカはキョトンとした表情で問う。

 

「・・・俺の、俺のミスだァァァァ!」←やけくそ

 

翔真は覚悟を決めて、クリスカの事を話すので

あった。

 

 

 

 

 

 

 




次回は一誠編。ちなみに今作のイリナは◯◯デレw



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第63話「再会の時 一誠の場合」

 

 

翔真がクリスカとの関係について説明している頃。

一誠はリサラ、クロメ、夕麻、イザベラと部屋で

くつろいでいた。

 

「くっ!なんと卑劣なッ!」

 

「ふふーん!私に挑もうなんて1億と二千年早いよ」

 

「(意外だよな~・・・・イザベラさんって

ゲームとかするんだな)」

 

 

イザベラとクロメは二人でアーマードコアを

プレイしていた。イザベラの意外な一面に一誠は

思わず笑みがこぼれる。

 

(呑気にしてる所悪いな相棒)

 

「(どうしたんだドライグ?)」

 

ドライグが一誠の頭の中に話し掛けて来た時に

部屋の扉が開く。

 

「一誠、アンタにお客様よ」

 

「俺に?」

 

「きっと懐かしいと思うわ」

 

「・・・・・?」

 

「取り敢えず行ってくれば?」

 

「うん。イッセー君のお客様なら

イッセー君がお相手しないと」

 

「お、おう」

 

リサラと夕麻の言葉を受けて、一誠はリビングへ

降りる。

 

 

 

 

 

 

リビングへ降りる一誠。ソファーに座るフードを

被った二人が自然と視界に入る。

 

「ほら!早く来なさい!」

 

何処か嬉しそうな母をよそに一誠は椅子に

座ろうとした・・・・だが。

 

「あれ?・・・・どうしてこっちに来ないの?

愛しい私のイッセー君?」

 

「・・・・ッ!」

 

聞き覚えのある声に、一誠は体をビクッと震わせる。

 

一人がフードを取る。ツインテールの髪型が

お似合いの少女がニッコリと一誠に笑い掛ける。

 

「(嘘・・・・だろ!?)」

 

「久しぶりだねイッセー君・・・・・私の事覚えてる?

忘れる訳ないよね?だって小さい頃よく一緒に

遊んだよね・・・・どうしてイッセー君は私に視線を

向けないの?ねぇ、ねぇ・・・・・ねぇイッセー君!」

 

「わ、わ、忘れる訳ないだろ!?ひ、久しぶり!

えと・・・・イリナッ!」

 

「キャハ!私の事覚えてくれていたんだね!」

 

ツインテールの少女・・・・・紫藤イリナは

ニッコリと笑顔を浮かべる。

 

「(どうしてイリナがァァァァ!?)」

 

一誠に至っては冷や汗が出まくりの状態である。

過去にイリナとはよく遊んだ記憶はあるが半分が

監禁された思い出しかない一誠にとってはあまり

再会を望まない幼なじみだ。

 

あの頃に比べ、色々と成長しているイリナ。

一誠ならば喜んで直視するが今は視線をイリナに

向けるだけで精一杯だった。

 

「(やべー!マジでやべーよおい!?

くっそ!イリナとの再会なんて望んで・・・・)」

 

「イッセー君」

 

「のわああァァ!?俺の背後に立つな!」

 

「正面だけど?」

 

いつの間にか目前にいるイリナに一誠は

喜び(悲鳴)の声を上げる。

 

「そ、それよりもイリナッ!元気そうで

何よりだ!じゃあ俺マンガの続きを・・・・ふぎゃ!」

 

自分の動きは、イリナのハグにより自由を

奪われる形となる。そしてイリナは一誠の

耳元で・・・・・

 

「(どうしてイリナを避けようとするの?

ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ)」

 

「(ギャアアア!?)」

 

一誠は迷う・・・・どうイリナと向き合うか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠の脳内(妄想)~

 

 

 

『これより第1580回目、俺会議を始める』

 

『『『『おおおォ!』』』』

 

SDサイズの一誠5人が作戦練り始める。

 

『ここはひとまず相手をしおくのが一番だと

わたしは思う!』

 

『しかしリスクがあまりにも大きいぞ!?

もし相手をして監禁でもされてみろ!今度は

恐らくただじゃすまんぞ!』

 

『だからと言って無視をする訳にはッ!』

 

様々な意見が飛び交う中、一人のSD一誠が

意見を上げた。

 

『ならばリサラ達に助けを求めよ!』

 

 

~一誠の脳内(妄想)・終了~

 

 

 

 

 

 

「うおおお!!コロニーに栄光あれェェ!!」

 

 

やけくそに叫ぶ一誠。しかしタイミング悪く・・・・

 

 

「イッセーやけに遅いけどどうしたの?」

 

「り、リサラ!?・・・・・ひぃ!」

 

「イッセー君イッセー君イッセー君イッセー君

イッセー君イッセー君イッセー君・・・・これは

どういう事かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~あああァァァァ!!

 

 

 

 

 

 





原作のイリナ?知らんなw



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第64話「黒と青の激突」





 

 

 

翌日。リアス、リサラは部室に翔真、夜架、アーシア

一誠や朱乃達を呼んでいた。いつもと増して今の

雰囲気はシリアスである。というのもイリナや

ゼノヴィア・クァルタがリアス達に会談を持ちかけ

て来たのだ。クリスカもまた彼女達の仲間であり

装甲機竜を持っていた。

 

 

「この度は会談を承諾してくれてありがとう。

私はゼノヴィア・クァルタだ」

 

「続きまして、私は紫藤イリナです」

 

「クリスカ・ビャーチェノワだ」

 

「私はグレモリー次期当主、リアス・グレモリーよ。

一誠やリサラから聞いたのだけれど教会側である

貴女達が私達悪魔に何の用かしら?会談を求める程

なのだから何か理由があるのでしょう?」

 

リアスは目付きを鋭くする。ゼノヴィアは

表情を一つ変えず口を開く。

 

「ならば直に言う。教会が所有していた

エクスカリバーが堕天使により強奪された」

 

「「「「「・・・・!」」」」」

 

「・・・・」

 

ゼノヴィアの言葉に全員が固まる。そして

少し離れた場所で、壁に体を預けるような形で

もたれ掛かっていた。エクスカリバーという

言葉に祐斗は怒りを覚える。

 

 

「教会は3つの派閥に分かれている。所在が

不明なエクスカリバーを除いて6本の剣を

それぞれ2本所有していた。だが、その内の

3本が奪われた。残っているのは私の

破壊の聖剣と・・・・・」

 

「私の擬態の聖剣よ!」

 

破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)

擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)・・・・

布に巻かれた2つの剣。翔真はバハムートを

通じて聖剣の力を感じていた。

 

「(眩しいな・・・・・あの剣は。いや、

聖剣全部がそうなのか・・・・)」

 

聖剣という力・・・・・なんとも輝かしいオーラが

翔真には見えた。

 

「我々がこの地にやって来たのはエクスカリバーを

強奪した堕天使がこの町に潜伏しているという

情報を掴んだからだ。我々はそれを奪取、もしくは

破壊の任を任されている」

 

「でも、聖剣を破壊して宜しいのですか?

貴女達教会にとって聖剣は大切な物では

ありませんの?」

 

夜架は笑みを浮かべながらゼノヴィア達に問う。

 

「だが、場合によっては破壊してもいいと

教会から言われている。堕天使に使わせる訳には

いかない・・・・・」

 

淡々とクリスカが答える。

 

「エクスカリバーを盗んだ犯人は分かってるの?」

 

「神の子を見張る者(グリゴリ)の幹部・・・・

コカビエル・・・・・」

 

 

「(コカ・・・・ビエル・・・・・)」

 

コカビエルという名前に翔真は心当たりがあった。

 

「(まさかアイツの事か・・・・・)」

 

「コカビエル・・・・・ッ」

 

「夕麻ちゃんどうしたんだ!?」

 

コカビエルを知っている夕麻は、恐怖に襲われ

床に座り込む。翔真はリアスの横へ移動する。

 

「リアスさん、コカビエルっていう奴はやっぱり・・・」

 

「翔真も分かっているようね。コカビエルは

グリゴリの幹部、さらにはかつての大戦で

生き残った堕天使よ。お兄様が言うには危険な

存在だとおっしゃっていたわ」

 

リアスは兄のサーゼクスから教わった

コカビエルの事を翔真に教えた。

 

 

「紫藤イリナさん、ゼノヴィア・クァルタさん、

クリスカ・ビャーチェノワさん・・・・貴女達は

私達に何を要求するの?・・・・隠しても無駄よ。

表情に出ているわよ」

 

「今回の件に悪魔は手を出すなというのが

私達の要件だ。いずれにせよ貴方達には

関係のない事だからな。もし勝手な事をすれば

貴女が魔王の妹でその時は斬らなければならない」

 

 

 

ゼノヴィアの物言いにリアスは目付きを鋭くする。

 

「(コイツ。リアスさんになんて物言いだ)」

 

翔真は今にもソードデバイスを抜きそうだったが

理性で何とか保つ。自分達の失態でありながら

この堂々とした態度に翔真は怒りを覚える。

 

淡々と話は進み、ゼノヴィア達からの要件は

悪魔がエクスカリバー強奪に関わらない事だった。

 

「今回の一件には手を出さない事を約束するわ」

 

「協力を感謝する。それでは私達はこれで、

行くぞイリナ、クリスカ」

 

「分かったわ」

 

「・・・・」

 

「(クリスカ・・・・)」

 

一瞬だけクリスカとの視線が合う。今の彼女の

表情には悲しさがあった。クリスカの今の気持ちは

翔真に読み取る事など出来なかった。

 

 

イリナとゼノヴィアは颯爽にその場を去ろうと

したが、アーシアを見て二人はある事を思い出す。

 

「まさかとは思ったがこんな場所で魔女である

アーシア・アルジェントに出会えるとはな」

 

「へぇ~、貴女が魔女のアーシアさんなんだ?」

 

「・・・・その」

 

魔女という言葉にアーシアは体を震わせる。

 

「悪魔までを癒す力を持っているから

追放されたって聞いたけどまさか魔女じゃなくて

悪魔になっているなんてね?」

 

「私はただ・・・・」

 

「安心したまえ。この事は上には報告しないさ。

堕ちても君はまだ我らの神を信じているのかい?」

 

「少しは考えなさいよゼノヴィア。悪魔になった

彼女が主を信じている訳ないでしょ?」

 

ゼノヴィアはアーシアに神を信じているかと

聞く。しかし呆れたようにイリナはそんな訳ないと

一蹴する。

 

「(・・・・どうかお怒りはなさらないように)」

 

夜架は今にもキレそうな翔真を見て心配の表情を

浮かべていた。言いたい放題の二人に翔真は

我慢していたのだ。アーシアは魔女と呼ばれ

たい訳ではない事を翔真やリアス達も知っている。

 

 

「(翔真様が出る間でもありませんわね)」

 

夜架はひっそりとソードデバイスを抜く。

 

 

「背信行為をする者でも罪の意識を感じながら

信抑心忘れない者がいる・・・・それが君さ」

 

「そうなんだ。ねぇアーシアさん、貴女は今でも

主を信じているのかしら?」

 

 

イリナはアーシアに問う。アーシアの表情は

悲しく切ない物だった。

 

「捨てきれないだけです・・・・・ずっと

信じて来ましたから・・・・」

 

「なるほど」

 

ゼノヴィアは布に包まれた聖剣をアーシアに向ける。

 

「ならば今すぐ私達に斬られるといい。

罪深くとも、我らの神・・・『うるせぇんだよ』

・・・・・君は・・・・ッ!」

 

ゼノヴィアが話す中、翔真は我慢出来ずに口を開く。

 

「テメーら温室育ちが偉そうに何を言ってやがる。

アーシアが魔女だと?人の悲しみや、想いやりが

分かるアーシアが何でそんな事言われなければ

ならないんだッ!!勝手に聖女と祭り上げて

悪魔治したら魔女だと言われ挙げ句に追放?

ふざけんな!おまけに斬るだと・・・・・ッ!」

 

「お言葉だが、聖女と呼ばれながら神に

見放されのは彼女の信抑心が足りなかったからだ」

 

「それは違いますわね」

 

「なに?」

 

「夜架・・・・」

 

ゼノヴィアと翔真の間に夜架が割って入る。

 

「アーシア様には優しい心が存在していますわ。

それは誰もが知っている事ですわ」

 

「アーシアちゃんに何かしようとするので

あればわたくし達は黙っていませんわ」

 

「夜架さん・・・・・朱乃さん・・・・」

 

夜架、さらには朱乃もアーシアを庇うように

ゼノヴィアに一言申し付けた。

 

「アーシア斬るって言うなら俺は全力で

テメーらを・・・・・殺す」

 

翔真はソードデバイスを取り出す。

 

「面白い。そこまでの大口を叩くのなら・・・・

どれ程の力なのか見せてもらう」

 

「へぇ~、君イッセー君と違って生意気♪」

 

「(翔真・・・・・私は)」

 

ゼノヴィア、イリナは戦う姿勢だが、クリスカは

迷っていた。

 

「ちょうどいい。なら僕も相手になろう」

 

「すっこんでろ木場。今のお前じゃ負ける」

 

「そんな事・・・戦ってみないと分からないじゃないか」

 

祐斗は魔剣を取り出す。

 

「君は誰だい?」

 

「君達の・・・・・先輩だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





取り敢えず少し元気になったんで投稿だ・・・・
ただ鼻つまりが酷い。


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第65話「black strike」

 

 

 

一行は旧校舎の芝生で覆われた広場に来ていた。

事の発端はアーシアの事であり本来なら翔真だけが

戦う予定だったが、祐斗も参戦する事となり両者共に

戦闘体勢に入っていた。

 

翔真はイリナと、祐斗はゼノヴィアと戦う。

そして二人は布に巻かれた聖剣を取り出す。

 

「あれ?装甲機竜は纏わないのかな」

 

「お前ごときに使うつもりはない」

 

「やっぱり私、君が気に食わないかも・・・・

一誠君とは違って生意気だし・・・・私が礼儀って

もんを教えてあげるよ!」

 

イリナの手元に持たれた擬態の聖剣は日本刀の

ような姿へ変わる。翔真はバハムートの待機

状態であるソードデバイスを抜き刃を向ける。

 

「笑っているのかい?」

 

「倒したくて壊したくて仕方なかった物が

目の前にあるからね・・・・嬉しいんだよ」

 

祐斗は魔剣を右手に持ち、周囲には幾つもの

魔剣が用意されている。それを見たゼノヴィアは

ある言葉を口にする。

 

「魔剣創造か・・・・聖剣計画の被験者で処分を

免れた者がいると聞いたが、もしや君が」

 

「お話はいいかい?僕は何時でも大丈夫だけど」

 

殺気を放ちながら、祐斗は魔剣を構える。

 

 

 

 

 

リアス達は少し離れた場所にいた。

 

「クリスカさん、どうして貴女までここに?」

 

「私は・・・・・翔真とは戦いたくない。それに・・・・」

 

リアスはクリスカに問う。彼女はアーシアに

視線を向ける。

 

「あの二人が言った言葉に・・・・・私は納得出来ない」

 

それはアーシアが魔女と呼ばれる理由が

クリスカ自身納得出来なかったからだ。

 

「そう。ねぇクリスカさん、貴女はあの二人に

そのまま付いて行くの?」

 

「二人があそこまでの酷い言葉を掛けるのを

私は見た・・・・・この際だ、私は教会から抜ける」

 

「貴女はそれでいいんですの?」

 

夜架はいつの間にかクリスカの隣に立っていた。

 

「教会に忠誠心などない。私にはイー二ァと

翔真がいればそれでいい」

 

クリスカの表情には固い決意が込められていた。

 

 

そして手合わせと称した戦いが始まる。

 

「アーメン!」

 

「翔真さん危ない!」

 

斬りかかるイリナ、アーシアは翔真に危ないと

声を上げた。

 

 

「・・・・動きが単純だな」

 

イリナの一振りを回避。そして・・・・・

 

「百花繚乱・・・・ッ!」

 

「キャ!?い、一体何!?」

 

京都神鳴流の一つ、百花繚乱を発動し翔真は

イリナを翻弄する。

 

「終わりだ」

 

「嘘・・・・・」

 

イリナは一瞬の隙を突かれ自身の持っていた

聖剣が翔真によって吹き飛ばされていた。

 

「嘘よ・・・・嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!!私が

負けるなんて!絶対に嘘よ!どうせ卑怯な

手を使ったに決まってる!」

 

「いや、翔真は卑怯な手なんて使ってない」

 

「一誠君・・・・・」

 

「認めろよイリナ。お前は負けた・・・・・

翔真は機竜さえ纏ってないし、使ったのは

剣術だけだ」

 

「・・・・・ッ!」

 

イリナは悔しい表情を露にしていた。

 

 

「ッ!はあァ!」

 

「(イリナが一瞬で・・・・綾崎翔真・・・・・何者だ)」

 

 

イリナが一瞬で倒された事にゼノヴィアは

内心驚いていた。イリナもまた彼女の知る中では

実力を持つ者だと認識している。

 

 

だが、それがあっさりとやられてしまっている。

ゼノヴィアは祐斗と戦いながら驚きに満ちていた。

 

 

「これで!」

 

「残念だよ・・・・スピードは評価するが攻撃の

パターンが同じだ!」

 

「くっ!」

 

炎の魔剣、氷の魔剣でゼノヴィアに挑むが

やはり魔剣では聖剣には勝てなかった。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・エクスカリバーは

・・・・僕がッ!」

 

必ず破壊する。祐斗は殺気を全開にして

ゼノヴィアに立ち向かうが魔剣は容赦なく

粉々に粉砕されてゆく。最後に祐斗は大きい

魔剣を作り出し、ゼノヴィアに向かうがあっけなく

破壊された。

 

 

「残念だよ。どうやらここまでらしいね・・・・・

多彩な魔剣、スピードが君の武器なはずだ。

巨大な剣を作り出した所で、負けるのは目に

見えている・・・・・」

 

ゼノヴィアはつまらなそうに地面へと倒れた

祐斗を見下ろして言う。

 

「綾崎翔真。一瞬でイリナを倒した事には

私も驚いている。私も手合わせ願いたいが

時間が無くてね・・・・これで失礼するよ。イリナ、

クリスカ行くぞ」

 

「ゼノヴィア・・・すまないが私は抜けさせてもらう」

 

「なに?・・・・クリスカ・ビャーチェノワ。

その言葉の真意を聞かせてもらう」

 

「お前やイリナがアーシアに酷い言葉を

掛けるのを見て嫌になったんだ」

 

「・・・・教会を裏切るのか」

 

「元々教会に忠誠心などない。私は無理矢理

入れられただけだ。世話になったな二人共」

 

「勝手にすればいい・・・・行くぞイリナッ!」

 

「はーい!・・・・・一誠君!また来るからね!

そして貴方・・・・貴方だけは私が必ず倒すから!」

 

ゼノヴィアとイリナはその場を後にする。

 

「良かったのかクリスカ?」

 

「いいんだこれで。私には翔真とイーニァが

いればそれでいいんだから・・・・・フフッ」

 

クリスカは翔真に笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第66話「葛藤の夜」

 

「そんな事許せる訳ないでしょ!貴方は

私の大切な騎士なのよ!・・・・・もう少し冷静に

考えなさい祐斗!」

 

「部長・・・・僕を拾っていただき感謝致します。

僕は同士達のおかげであそこから抜け出せた・・・・

だからこそ、僕は彼等の無念を晴らさないと

いけないんです・・・・・では」

 

「祐斗ッ!」

 

 

あの戦い以降、祐斗はリアスに眷属を抜けると

言い出した。やはりあの戦いで負けた事が

引き金だった。

 

「翔真様止めなくていいんですの?」

 

「こういう時は黙っておくべきだ。今の木場が

俺の言葉に耳を貸すとも思えんしな」

 

「あの戦いで相当傷付いたんだね彼は」

 

翔真は夜架とクリスカと共に祐斗が出ていく

姿を見送るしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―夜・姫島家―

 

 

「そっか。それにしてもその二人

酷すぎじゃないかな。アーシアは好きで

そうなった訳じゃないのに」

 

「本当の理由も知らずに吠える奴なんて

何処でもいるさ」

 

翔真はシャルロットの膝まくらを堪能しながら

今日の出来事を話していた。

 

 

「翔真はどうするの?」

 

「どうするって言われても・・・・・聖剣に

関わればリアスさんに怒られるしな。だからと

言って、木場に生意気な事言った手前放ったら

かしは・・」

 

「でも、顔には今すぐ行動したいって

書いてあるよ?」

 

「ふぇ!?そうなの!?」

 

「表情に出過ぎだよ」

 

シャルロットの指摘に翔真は驚く。これぞ

正妻の力と言うべきか。

 

「行動するのは勝手だけど僕も連れて

行ってもらうからね?」

 

「なら私も付いて行くわ」

 

「シャルロットだけなんてズルイ」

 

二人の話を聞いていたユーベルーナ、アカメは

部屋の襖を開けて自分達も付いて行くと申し出る。

 

「ちょっと二人共静かに!リアスさんに

聞かれたらマズイって・・・・・悩んでいても

仕方ねぇか。シャルロット、アカメ、

ユーベルーナさん・・・・・力を貸してくれ」

 

「翔真が望むならボク達は何時でもいいよ」

 

「貴方からの頼み事・・・・もちろん力を

貸してあげるわ」

 

「ああ」

 

翔真はリアス達に内緒で行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降りしきる雨。雨とは何時も突然だ・・・・・

そう思いながら祐斗は歩いていた。

 

 

―復讐した所で帰って来るのは、

虚しさだけだぞ・・・・木場―

 

「・・・・・ッ」

 

前に翔真から言われた言葉が頭の中で甦る。

服はボロボロ、彼の表情には以前の豊かな

表情は見られない。

 

「何が分かるんだ・・・・君に何が分かるんだッ!」

 

雨の中、祐斗は近くのコンクリートブロックで

作られた壁を殴る。何度も何度も何度も・・・・・

血が出るまで殴る。

 

「僕に・・・・何が足りない・・・・・どうやったら

聖剣に勝てるんだッ!」

 

 

 

 

少年の叫びは虚しい程に響いた。

 

 

 

 

 

翌日、まず教会二人を探す為に行動を

開始した一行だったがなかなか見つからない。

 

「シャルロットそっちは?」

 

「ううん、ダメ」

 

「ユーベルーナさんとアカメは?」

 

「色々聞いたけどダメだったわ」

 

「だが少し有力な情報を得た。この近くで

謎の二人組が募金活動していると聞いた」

 

「でかしたぞアカメ!・・・・・なあアカメ、

謎の二人組で募金活動しているのは・・・・

あんな感じか?」

 

「「「・・・・・あ」」」

 

翔真が呆れながら指を差す。その先には

涙を流しながら金を恵んでくれと嘆くフードを

被った二人組。さらに近くには何故か一誠と

クロメがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は共同戦線の話。祐斗のヒロイン誰にしようか・・・・


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第67話「共同戦線」

 

 

何でこの私・・・・・紫藤イリナがそこまで

一誠君に執着するのかって?答えは簡単よ。

幼い頃に、私が一誠君と遊んでいる時の事だったわ。

他の女の子が一誠君にアプローチを掛けて来たの!

別に何とも思わなかったわ。でも一誠君と仲良く

遊んでいる場面を見続けて段々イライラして来たの。

 

 

それ以来かな・・・・一誠君が欲しい、一誠君を

調教したいと思ったのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかわり頼む!」

 

「ああ。なんて幸運なんでしょう!」

 

「食うか喋るかどっちかにしろよ」

 

教会二人組を見つけた翔真達。一誠やクロメも

合流し目的はどうやら同じだったらしく翔真は

協力を煽った。

 

「しかし。君達が何故私達を探していた?」

 

「それはこれから話すさ。シャルロット、

念のためあれを用意しとけ」

 

「はーい」

 

シャルロットは持って来たアッタシュケースを

テーブルの上に置く。

 

 

「なんだいこれは?」

 

「まあお楽しみという事で。実はお前らを

探していたのは・・・・・聖剣奪取・破壊の任務を

手伝おうと思ったんだよ」

 

「なんだと?」

 

 

翔真の言葉にゼノヴィアは耳を疑った。

 

「何が狙いだ。私は君達にエクスカリバーの件には

関わるなと言ったはずだが?」

 

「確かにそうだ。もちろん俺や一誠も聞いてる。

けど、こちらにも譲れない事情があんだ。お前が

昨日戦った木場がいるだろ?アイツは聖剣に個人的

恨みがある。アイツは聖剣を破壊したい・・・・・

木場の今の願いはそれだ」

 

「どうして彼はそこまで聖剣にこだわる」

 

「アイツにも色々あんだよ。人には

知られたくない過去の2つや3つある」

 

「そうか。まあそれには触れないとしても

それだけの理由で君達が私達の所に来るのか?」

 

「それも理由だがもう1つ。あの後考えたん

だがお前やそこのツインテールだけで聖剣破壊や

奪取出来んのかねと考えたんだよ。だがお前ら

二人じゃ無理があるだろ」

 

「お前に心配され・・・『少し黙っていろ』

ふむ!?・・ふもももも!」←口塞がれてる。

 

翔真に難癖つけようとしたイリナだったが

ゼノヴィアに口を塞がれる。

 

「まあ正直戦力が厳しいのは分かっていた。

いくら聖剣を私達が持っていても、無事に

帰れるリスクはない。戦力として君達が居るなら

心強いが・・・・私達にメリットはあるのかい?」

 

「あるさ。なんて言ってもこの兵藤一誠は

赤龍帝なんだぞ」

 

「なんと・・・・・」

 

「マジなの一誠君!?何気に一誠君

凄い人だったりするの!?」

 

「あ、まあ一応」

 

「イッセーを舐めちゃいけないよ!」

 

クロメは発育中の胸を張りながら自慢気に言う。

 

「それに俺とアカメはドラグナイトだし、

俺の隣にいるユーベルーナさんは魔法を扱えるし、

右隣にいるシャルロットは変わった神器も

持ってる・・・・どうだ?」

 

「ふむ。戦力は十分だ」

 

「特にユーベルーナさんは砲撃魔法が

得意なんだ。この人は俺より強いし頼りに

なると思うぞ」

 

「嬉しい事言ってくれるわね翔真・・・・・

お姉さん益々嬉しくなっちゃうわ」

 

「(ゆ、ユーベルーナさんくっつきすぎ・・・・)」

 

「翔真顔がやらしい」

 

「相変わらずだな」

 

ユーベルーナに胸を腕に押し付けられ顔を

赤くして困る翔真。シャルロットとアカメは

ジト目で翔真に呆れる。

 

「ま、まあお前らにもさらにメリットはある」

 

「「こ、これは!?」」

 

翔真はアッタシュケースを開き二人にあるものを

見せた。中身を見た瞬間、ゼノヴィアとイリナの

目が輝く。そして・・・・

 

「「これからは力を合わせて頑張ろう」」

 

「交渉成立だな」

 

翔真はゼノヴィアとイリナと握手を交わす。

ちなみに中身に入っていたのは2日間ケーキ

食べ放題のパスポートだった。

 

翔真、シャルロット、アカメ、ユーベルーナ

ゼノヴィア。

 

一誠、クロメ、イリナ。

 

 

この人数だけでも街を1つ滅ぼせる程のチームが

出来上がった。最後に仕上げと言わんばかりに

翔真達はある人物の元へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり・・・・・僕もチームに入れと。

そう言いたいんだね綾崎君?」

 

「ああ。じゃなければやさぐれてるお前の所に

一々顔をなんて出しやしねぇよ。つうか何で

お前までいんだよ塔城」

 

「私も祐斗先輩が気になったので探してました。

綾崎先輩もいいんですか?リアス部長に黙って

こんな事して」

 

「そこでリアスさんを出すなよ・・・・・色々と

やりづらくなるだろうか」

 

どうやら小猫も祐斗が心配だったらしく

祐斗を見つけ出していた。

 

「エクスカリバー使いと共に行動する事に

なろうとは・・・・正直遺憾だね」

 

「随分な言いようだな。今すぐ斬られたいか?」

 

祐斗とゼノヴィアに至っては睨み合っていた。

 

「よせよ二人共。取り敢えず木場、お前の

過去の事を聞かせてくれ。じゃないと何で

お前が聖剣を恨んでいるのか分からないし」

 

「そうだぜ木場。一人で行動するより

皆で行動した方がいいに決まってる」

 

翔真の後に一誠が続く。

 

「・・・・・どうして僕に関わろうとするんだ」

 

祐斗は翔真に問う。

 

「リアスさんをこれ以上悲しませたくない

だけだ。それにいい加減にそうやってお前が

やさぐれてる姿を見たくねぇ。ただそんだけ」

 

翔真は問いに答え、それを聞いた祐斗は

呆然とするが小猫がさりげなく近付く。

 

「私はこのまま・・・・祐斗先輩が居なく

なるのは嫌です。祐斗先輩も仲間です・・・・

少しは私達を頼って欲しいです」

 

「・・・・・小猫ちゃんにまでそう言われたら

協力するしか・・・・ないじゃないか」

 

祐斗は仕方ないと言わんばかりに自身の過去を

翔真、一誠、ゼノヴィア達に打ち明けた。

 

 

「ひでぇな」

 

「・・・・」

 

話を聞いた一同は言葉を失う。

 

「キミがそこまで聖剣を恨む気持ち・・・・・

それは分かる。あの事件は私達の間でも

最大級に嫌悪されいる。当然計画の

責任者は異端者として追放されている」

 

「それが当たり前か。教会としては命を

弄ぶ異端の者を置いてはいけない・・・・」

 

 

ゼノヴィア、翔真の言葉に黙る一同。すると

イリナが立て続けに口を開く。

 

「バルパー・ガリレイ・・・・皆殺しの大司教と

呼ばれた男は、今堕天使側にいるわ」

 

「バルパー・・・・ああ、あのイカレたオッサンか」

 

「え?もしかして貴方知ってるの!?」

 

意外な接点が明らかになり、イリナは驚く。

 

「俺がまだ一人の時に、殺りやった事が

あってな。そんとき聖剣がなんかとか言ってたが

・・・・・まさかここまでに繋がりがあるとは」

 

「綾崎君・・・・バルパーはまだ生きてるのかい?」

 

「ああ。半殺しにはしたが恐らく生きてるだろう」

 

翔真は目付きを鋭くさせて祐斗の質問に答えた。

その表情には完全に殺したいという願いが込めら

れている。

 

「そっか。情報提供してくれて感謝するよ。

じゃあ僕からも1つ、この間エクスカリバーを

持つ者に会った。名前は多分綾崎君がよく

知ってると思うよ・・・・・フリード・セルゼン」

 

「ち、よりによってそいつかよ」

 

「翔真友達作りすぎじゃないかな?」

 

「なに呑気な事言ってんだシャルロット。

奴等は友達でもなければ知り合いでもねぇ、

敢えて言うならもう二度と会いたくねぇ奴等だ」

 

バルパーに関してはイカレたオッサン。

フリードに関してはただのイカレ剣士。

翔真にとっては二度と関わりたくない相手だ。

 

「確かフリード・ゼルゼンは十三歳で

エクソシストになった天才。けどね悪魔や

魔獣だけじゃなく同胞にすら手を掛けたの」

 

「最悪じゃねぇか。お前らの教会側には

狂った奴しか居ないのか?」

 

「返す言葉もない」

 

イリナが呆れたようにフリードの話をし、

翔真も呆れるしかなかった。

 

 

「これで纏まったな。明日の夜にここにまた

集結しよう。一誠にクロメ、それに塔城。

くれぐれもリサラやリアスさんに気付かれ

ないようにな」

 

「おう」

 

「あ、イッセー君!」

 

「どうしたんだイリナ」

 

「明日イリナがラブコールしてあげるから

ちゃんと出てよね?キラッ!」

 

「(何処のランカだよ・・・・)」

 

一誠は心の中でツッコミを入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第68話「黒き女神と白きナース」


何故にこの人が?と思うかもしれませんが
お口はミッフィーでお願いしやすw





 

 

翌日の夜。翔真はユーベルーナとアカメ、

シャルロットと共にイリナ達との集合場所に

向かおうとしていた。

 

「あら?皆でお出かけだなんて珍しいですね」

 

「揃って何処に行くのかしらァ?」

 

クローディアと刀奈が玄関にいる翔真達の元に

現れる。

 

「これからユーベルーナさんに戦いに

ついて指導してもらおうと思ってさ」

 

「ボク達もまだまだ強くならないといけませんから」

 

「では先に行く」

 

先に外へと出たユーベルーナを追い、翔真とアカメ

シャルロットは外へと出た。

 

「ねぇクローディア。これは私の予想なんだ

けど・・・・またトラブル発生するかも」

 

「恐らく、もうトラブルに巻き込まれてると

思いますよ?あんな人数ですから、相当な・・・・・」

 

どうやらクローディアや刀奈にはバレていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わりぃ遅くなった」

 

翔真達は以前アーシア、クロメを救出し全ての

始まりとなった廃教会へと来ていた。メンバーは

翔真、シャルロット、ユーベルーナ、アカメ、

一誠、祐斗、クロメ、イリナ、小猫、ゼノヴィア

イリナの11名だ。

 

 

全員はイリナの発案で翔真、一誠、祐斗の

三人は黒い神父服に身を包む。ゼノヴィア達は

黒いマントを羽織る。

 

「なあイリナ。変装の意味があるのか?」

 

「よくぞ聞いてくれたね一誠君!フリードはね

神父を容赦なく殺しているの。つまり一誠君達には

囮になって欲しいの」

 

「あのイカレ神父が出て来るからか・・・・」

 

イリナの考えに一誠は納得する。

 

「なあクァルタ。奴等は本当に居るのか?」

 

「ああ。この付近になにか邪気を感じた。

私の予測が正しければ奴等はいる」

 

「そっか・・・・・なら行きますか。

シャルロット達も何時でも戦闘に入れる

ように準備しとけよ」

 

「うん。でもちょっといいかな?」

 

「なんだ?」

 

「この人数だと少し目立つよ?」

 

シャルロットの言うとおり11名ではかなり目立つ

人数である。ゼノヴィアは全員を見渡しある

提案をする。

 

「ここは二チームに別れよう。君の言うとおり

これだけの人数だと目立つしな」

 

そしてそこからチームごとに別れた。まずは

翔真、ゼノヴィア、シャルロット、ユーベルーナ、

アカメのチームと一誠、祐斗、イリナ、クロメ、

小猫のチームで別れた。

 

 

「じゃあ君達はあちらを頼む。イリナ、

何かあったら連絡をするんだ」

 

「OKよゼノヴィア!じゃ、行きましょうか!」

 

「(うほ!?お、おっぱいが当たってる!)」

 

「コラ~!イッセーから離れろ~!」

 

イリナは一誠の腕に豊満な胸が押し付ける。

クロメはなんとか引き離そうとしたが無理だった。

 

 

取り敢えず一行は町へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩き初めて数分。目的のフリードはまだ

見付けられていない。

 

 

「見つからないわね」

 

「でも気を引き締めておかなければ

いざという時に殺られてしまうぞユーベルーナ」

 

「分かってるわよアカメ」

 

周りを見渡しながら会話するユーベルーナとアカメ。

 

「・・・・」

 

「もしかしてシャルロット怖いのか?」

 

「そ、そんな事ないよ!別に・・・・・でも

やっぱりちょっと怖いかな」

 

「しゃーねな。ほら、手繋いでやるから

しっかり握れよ」

 

「翔真・・・・ありがとう」

 

照れながらも翔真はシャルロットに右手を差し出す。

シャルロットは翔真の手をそっと握りしめた。

 

「(羨ましいぞシャルロット・・・・)」

 

アカメは羨ましそうな眼差しで二人の姿を見る。

 

「・・・・・誰か来るわ」

 

「らしいね」

 

ユーベルーナ、ゼノヴィアは気配を感じ取り

歩くのをやめると戦闘態勢に入る。翔真達も

歩くのをやめた。

 

「ほう・・・・まさかこんな地で再会出来るとはな。

私は今猛烈に嬉しいぞ翔真?」

 

「私としてはこっちに来て欲しいかなァ」

 

聞き覚えのある声。翔真はゆっくりと

背後を振り向いた。

 

 

「ッ!・・・・・ベアトリクスさん、秋さん・・・・

どうして貴女達が・・・・」

 

翔真達の背後に現れたのは、翔真に装甲機竜の

扱い方を教えてくれた・・・・・

 

 

ベアトリクス・ブレーメと二条秋だった。

 

 

「ふふッ・・・・・」

 

「ごめんね翔真君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





明日はバレンタイン!つう訳で特別回を送るよ~!



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第69話「解き放つ力、その名はプロトゼロ」

 

 

「シャルロット達は下がってろ・・・・・と

言っても無駄だよな」

 

「みたいだね」

 

翔真達の周りには装甲機竜使いの女性6人が

取り囲んでいた。

 

「行くわよアカメ。私達の力見せてあげましょ」

 

「ああ・・・・ッ!」

 

ユーベルーナは空に浮上し、アカメはワイバーン

ルプスを纏い武装の一つソードメイスを取り出した。

2人のはぐれシスターもワイバーンを纏い二人に

対等する。

 

「私の爆裂魔法を見せてあげるわ」

 

「砕け散れ!」

 

「「・・・・・ッ!」」

 

笑みを浮かべながらユーベルーナは爆裂魔法を

放ち、アカメは二人に向かってソードメイスを

降り下ろす。

 

ユーベルーナの炎の砲撃は二人を瞬く間に

炎に包んだ。そしてアカメは炎を振り払い

横に一閃、二人を斬る。

 

「「キャアアァァ!!」」

 

悲鳴を上げながら、二人のはぐれシスターは

ワイバーンの爆発に巻き込まれた。

 

「ッ!こしゃくな!」

 

「なんだ貴様らは!」

 

ワイアームを纏うはぐれシスター二人は

シャルロットとゼノヴィアに向かって攻撃を

始めていた。しかしシャルロットや戦士である

ゼノヴィアがそう簡単にやられるはずもない。

 

「その動き大したものだ。それだけの

装甲を纏いながらのスピード攻撃。圧倒される」

 

「えへへ・・・ボクとラファールを甘く見ちゃダメだよ」

 

破壊の聖剣を持つゼノヴィア、ラファールを纏う

シャルロット・・・・二人は余裕な表情を浮かべる。

 

「行くよリバイブ!」

「はあァァ!!」

 

 

シャルロットとゼノヴィアは同時に動き出す。

 

 

「「私達が先・・・・・うわああァァ!?」」

 

「邪魔だ。カスに用はねぇ」

 

いち早くバハムートを纏っていた翔真は

カオスブランドを振るい、はぐれシスターを

払いのけた。

 

「・・・・ッ」

 

翔真の視線の先にはベアトリクスと秋がいる。

 

 

「やっぱりあの頃から何も変わってないな翔真。

むやみに力を振り回し、それに満足しているだけの

クソガキだ・・・・・」

 

「翔真君。今でもまだ・・・・危ない事してるの?」

 

「・・・・・アンタ達が立ち塞がるなら・・・・

倒すだけだ・・・・・コードZERO」

 

 

コードZERO・・・・そのワードを口にすると

バハムートが光りだす。瞬く間に形を変えて

まるで天使の姿をした騎士のような姿へ変わる。

 

バハムート・プロトゼロ・・・・全ての力を

解き放ち翔真はバハムート第3の姿をさらけ出した。

 

 

「行くぞ・・・・バハムート。戦闘レベル

ターゲット確認、破壊する」

 

まるで人が変わったように翔真はクールとなり

二人を敵として捉える。体にも装甲が装備され

全身武装が施されている。

 

「私達を敵として捉えるか翔真。翼や理子、

白雪、千里、ノクトが知ったらどうなるかね~?」

 

「嫌よ!私・・・・・翔真君となんて戦いたくない!」

 

「やるなら早くやれ。敵と話すつもりはない」

 

「なら・・・・・遠慮はせんぞ」

 

「・・・・やるしかないのね」

 

ベアトリクス、秋は詠符唱を唱えて独自に

カスタマイズしたワイバーンを纏う。

 

「まずは私からだ。翔真見せてみろ・・・・・

お前がどれだけ成長したのかを!」

 

ストライク・ワイバーン・・・・独自にカスタマイズ

されたワイバーンを纏いベアトリクスは襲い掛かる。

 

 

「(分かっているバハムート。例え翼達に

知られても・・・・・もう俺は会う事はない)」

 

 

ベアトリクスや秋は自分にとっては恩師である。

だが今は敵である事に変わりはない。シールドを

構えてビームサーベルを抜刀しベアトリクスに

立ち向かう。

 

ベアトリクスも負けじとビームサーベルを

抜刀し翔真との打ち合いに入る。

 

「・・・・・そんな程度か?翔真ァァ!」

 

「俺を導け・・・・ゼロ」

 

システムに組み込まれたゼロシステムが作動し

ベアトリクスよりも先に動く。ビームサーベルで

凪ぎ払い、そのままベアトリクスを押しきる。

だが・・・・・

 

「まだ私がいるわよ!」

 

「・・・・ッ!」

 

背後に秋が迫る。しかし、翔真は回避する。

 

ppp―――ppppp!

 

「(そこだ)」

 

二人の攻撃を交わしながら翔真はツインバスター

ライフルを構える。

 

「なに?」

 

「ターゲットロックオン」

 

 

ツインバスターライフルの銃口が秋に向けられる。

 

 

 

 

 






バハムート・プロトゼロ

武装
バルカン砲×2
ビームサーベル×2
シールド×1
ツインバスターライフル
カオスブランド

見た目・バハムートの装甲をウイングガンダム
プロトゼロカラーにして、操縦者の体全体にも
装甲が装備され全身武装状態になる。ウイング
プロトゼロに姿が近い。第三形態(最終形態)

コードZEROという詠符唱を口にする事で可能に
なるバハムートの第3の姿。ZEROシステムの
リミッターが完全に解かれた事で完璧な勝利を
得る事が出来るがこのシステムに耐える為には
相当な精神力が必要となる。なおバハムート
ゼロの時、ZEROシステムは半分リミッターが
掛けられている。



・ZEROシステム・・・・・原典 新機動戦記ガンダムW

ガンダムWではウイングゼロ、エピオンの2機の
MSに内蔵されたマシンインターフェイス。超高度な
情報分析と状況予測を行い、毎秒毎瞬無数に計測
される予測結果を直接操縦者の脳に直接伝達する
インターフェイスである。原典ではコクピットに
内蔵されているが、翔真のバハムートにはシステムを
一部経由してゼロシステムが組み込まれている。
束曰く『人をダメにする最強のシステム』との事。


ストライク・ワイバーン 使い手 ベアトリクス

原典・・・・・GAT-X105 ストライクガンダム

武装(エール時)
ビームサーベル×2
ビームライフル×1
シールド×1

武装(ソード時)
シュベルトゲール×1
ビームブーメラン マイダスメッサー×1
ロケットアンカー パンツァーアイゼン×1

武装(ランチャー時)
320mm超高インパルス砲 アグニ×1
バルカン砲×1
ガンランチャー×1

独自にカスタマイズされたワイバーン。
戦況に応じて背部のバックパックを換装出来る
ストライカーパックが存在する。主にエール、
ソード、ランチャーなどが現在使える。


ワイアーム・イージス 使い手 二条秋

原典・・・・・GAT-X303 イージスガンダム

武装
ビームサーベル×4
シールド×1
ビームライフル

格闘戦使用に改造されたワイアーム。足の
爪先からビームサーベルが出るようになっており
両手にもサーベルが出るように工夫が施されている。


次回は一誠side


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第70話「取り敢えずファーストブリット」

 

 

翔真が思わぬ再会を果たしていた頃、一誠達は

フリードを探していた。

 

「ちょっと!何時までイッセー君にベタべタ

してるのかな!?」

 

「イッセーはリサラや私達のもんだよ?

まだ分からないかな~?・・・・・あ、もしかして

お姉さんバカだから分からないかな?」

 

「ああん?」

 

「(クロメ~!?頼むから余計な事は

言わないでェェェ!!)」

 

イリナとクロメは互いに火花を散らしていた。

 

「なんだかイッセー君モテモテだね」

 

「ですが、イッセー先輩があんまり嬉しく

なさそうですね。珍しい」

 

 

そんな光景を後ろから見ている祐斗と小猫、

どうやら一誠に味方などいなかった。

 

「祐斗先輩笑ってますね」

 

「え?」

 

「聖剣の事が絡んでいる時はとても怖い

雰囲気でしたか・・・・今の祐斗先輩、いつもの

先輩でした」

 

「小猫ちゃん・・・・・」

 

小猫は祐斗の安心した顔を見てほっとしていた。

憎しみを露にした表情しか見ていなかった小猫に

とって、今のさわやかな笑顔の祐斗は何より安心

出来るものがあった。

 

 

「淫乱、デブ、ブス、ツインテール」

 

「貧乳、チビッ子、イッセー君バカ」

 

「(なんでこうなんだよ)」

 

クロメとイリナの言い争いは激しさを増していた。

だがその時、上から何かが飛び掛かろうとしていた。

 

「神父ご一行に祝福をってね!」

 

「ちッ!」

 

「一誠君下がってッ!」

 

聖剣を持ったフリードだった。聖剣が

降り下ろされるが祐斗が魔剣で防ぐ。祐斗は

そのまま聖剣を振り払う。

 

「おやおや~?誰かと思えば一誠君じゃ

ありませんか~!会いたかったぜカシム的な

奴ですかこれは!」

 

「お前にだけは気安く名前を呼ばれたく

ないんだけどな・・・・はあァァ・・・・・」

 

精神を集中させ、一誠は気を高める。

 

「(何なの?この感じ・・・・イッセー君から

熱気を感じる・・・・・これって)」

 

「イッセーの強さを目の当たりにすれば

さらに驚くと思うよ」

 

イッセーの秘められた力を感じるイリナ。

クロメは笑みを浮かべながらそう言った。

 

「ブーステッドギアァァァァ!!!」

 

 

髪は逆立ち、炎の渦が左腕に巻かれる。

赤龍帝の籠手を装備した一誠はこちらに

向かって来るフリードに拳を向ける。

 

「衝撃の・・・・ファーストブリットォォォォォォ!!」

 

「にぼし!?」

 

変な事を言いながらフリードは飛ばされた。

 

「あとは僕がやるよ一誠君。その代わり

他の相手を頼んでもいいかな?」

 

「へっ・・・・・あいよ」

 

フリードを祐斗に任せ、一誠は拳をボキボキ

鳴らしながらいつの間にか現れていた複数の

はぐれ神父を見渡す。

 

「それじゃあいっちょ・・・・やってやるか」

 

「生意気な。かかれ!」

 

『『『『おおおォォ!!』』』』

 

 

「何度来ようと同じようなんだよ!

撃滅の・・・・・セカンドブリットォォォォ!!」

 

 

セカンドブリットを繰り出し、はぐれ神父を

一瞬で倒す一誠。あまりにも一瞬だった

戦いにイリナは目を丸くする。

 

「凄い・・・・」

 

「ね?イッセーは強いんだから」

 

クロメは誇らしげに語る。

 

「クソがッ!早く殺られろ!」

 

「・・・・!」

 

祐斗は魔剣を駆使してフリードを押し切っていた。

 

「随分苦戦しているなフリード。まさか

赤龍帝がいるとはな」

 

「何しに来やがった!バルパーのじいさん!」

 

姿を現したのはバルパーだった。不気味な表情で

フリードの戦いを見るバルパー。

 

「そうか・・・・・お前がバルパー・ガリレイか!」

 

祐斗は憎しみの表情を露にする。復讐の

元凶が現れた事で祐斗の怒りは再燃する。

 

「フリード、聖剣に因子を込めろ。そうすれば

聖剣の力を引き出せるはずだ」

 

「流れる因子よ!聖剣に力を!・・・・・なーんてな!」

 

フリードの持つ聖剣が輝きを増す。再び

祐斗に向けて刃を向けるフリード。だが・・・・・

 

「邪魔よ」

 

「な!?アンタ・・・・ぐへ!?」

 

ベアトリクスが上から現れ、ビームライフルで

フリードに向けて砲撃する。

 

 

「何しやがる!?」

 

「バルパー、私は降りるわよ」

 

「なに?」

 

「私達の目的は達成された。ここでお別れだ」

 

「裏切りかよ!?だったら死ねェェ!!」

 

「ウザイんだよ・・・・・そういうの」

 

ベアトリクスは襲い掛かるフリードを蹴り飛ばし

地面へと叩き付ける。

 

「かは・・・・」

 

「(翔真は見つけた・・・・・ならば私達は)」

 

ベアトリクスはそのまま現場を後にする。

そして直後にゼノヴィアが現れる。

 

「やあ。待たせたね」

 

「ゼノヴィア!やっほ~!」

 

「聖剣使いまでも居たか・・・・フリード一旦引くぞ」

 

「くそ、しゃーねか!」

 

フリードは閃光弾を叩き付ける。光に紛れ

バルパーとフリードは逃走する。

 

「待てッ!」

 

「追うぞイリナッ!」

 

「うん!」

 

祐斗、ゼノヴィア、イリナはバルパー達を

追いかける。

 

「俺達も行こう!」

 

「い、イッセー・・・・・それは無理みたいだよ」

 

「え・・・・・マジかよ」

 

「何処に行くのかしら・・・・イッセー」

 

「・・・・・」

 

後ろを振り返るとリサラと満面な笑みを

浮かべたレイナーレがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翔真しっかりして!あと少しで着くから!」

 

「・・・・」

 

ベアトリクスの攻撃に負け、バハムートは中破し

ボロボロとなった翔真はラファール・リバイブを纏う

シャルロットに抱えられ篠ノ之神社へと向かっていた

 

「シャルロット、リアス達に連絡した方が

いいのではないか?」

 

「それはダメ。そうしたらリアスが・・・・・」

 

「私が何かしら・・・・シャルロット?」

 

「どうやらもう手遅れのようね」

 

アカメ、シャルロット、ユーベルーナは

声がした方に視線を向ける。

 

 

「説明してもらうわよ・・・・・シャルロット」

 

 

ティアマトを纏うリアス。表情は決して

穏やかなものではなかった。

 

 

 

 



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第71話「傷付いた翼」

 

 

「損傷率75%・・・・同時に内部に異常あり・・・・」

 

篠ノ之神社の敷地内にあるラボ。ラボの中では

束が翔真のバハムートを調べていた。明らかに

中破しているバハムート。束はヤバいと思い

つつも、新たな策を考える。

 

「バハムートを強化しよう。待っててね

しょう君・・・・・直してあげるから」

 

束はバハムートを展開し、すぐに改修作業へと入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―篠ノ之神社・篠ノ之家 寝室―

 

あの後翔真はシャルロットやリアス達と共に

篠ノ之神社に訪れ、今はナース服姿の箒に

治療を施されていた。

 

 

「くっ・・・・・ッ」

 

「痛むのか?傷が・・・・」

 

上半身の服を脱がし、箒は顔を赤らめながらも

翔真の体を濡れたタオルで拭いていく。

 

「ごめんな箒・・・・・迷惑掛けて・・・・」

 

「何を言っている。怪我を治療するのは

当然の事だ。また危ない事に巻き込まれて

いるのか?翔真・・・・」

 

「それは・・・・・」

 

「心配する身にもなって欲しいわ」

 

「り、リアスさん・・・・」

 

 

いかにも怒っているような表情でリアスは

部屋へと入る。

 

「シャルロット達から事情は聞いたわ。

でも聞かせて翔真・・・・・どうして聖剣の件に

関わろうとしたの?」

 

「木場を元に戻す為です。だってリアスさん

悲しそうだったから・・・・」

 

「翔真・・・・・」

 

「アイツは貴女の騎士で大切な仲間でしょ?

でも、木場は道を踏み外そうとしている」

 

翔真は上半身を起き上がらせる。

 

「アイツはいずれ以前の俺みたいになる。

憎しみ、力、怒りで暴走するだけじゃダメなんだ。

それは・・・・仲間や大切な人を悲しませるから」

 

まるで自分が体験したかのような言葉に

箒とリアスは黙る。

 

「そう・・・・・けどね」

 

リアスは翔真を自分の方へ引き寄せる。

 

「リアスさん!?」

 

「祐斗の為に、私の為に動いてくれたのは

嬉しい。でもね・・・・貴方も自分を大切にしなきゃ

ダメよ?貴方に好意を寄せているのは私だけじゃ

ないんだから・・・・・貴女もそうなんでしょ?箒」

 

「はい。翔真・・・・いずれお前は壊れてしまう。

無理だけは本当にやめてくれ・・・・・私や姉さんは

お前を想っているのだぞ?」

 

「・・・・・・」

 

この時、翔真はリアスと箒の願いを聞き

自分をこれほどまで想っている事に気付かされる。

 

「ありがとう二人共」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―兵藤家・一誠の部屋―

 

 

「つまり綾崎君も同じ目的だった訳ね?」

 

「はい」

 

一誠は正座をさせられていた。リサラに

訳を話している最中である。

 

「祐斗の事を思っている事には感謝するわ。

けど、この一件には関わるなって言われなかった?

貴女までどういうつもりなの?小猫」

 

リサラは一誠達と同行していた小猫に真意を問う。

 

「私は・・・・このまま祐斗先輩が居なくなるのは

嫌だったから・・・・・私は祐斗先輩に戻って来て

欲しいんです・・・・オカルト研究部に」

 

「(小猫ちゃん・・・・・)」

 

小猫は本当の気持ちをリサラに訴えた。リサラは

溜め息をつきながら腰に手を当てる。

 

 

「今回は本当に厄介な件よ・・・・イッセー、小猫、

大変な事になって後で逃げ出さないと約束出来る?」

 

「約束はするに決まってる!弱音なんざ

もう吐かねぇし、今後口にする事もない」

 

「私も同じです」

 

一誠、小猫は真剣な表情でリサラに言い返す。

 

「本当ならこんな事言っちゃいけないけど、

今回の一件は私達が関わらなくもヤバい事に

なるかもしれないわ・・・・・」

 

 

窓に映る赤い月・・・・リサラは目を細めながら

危機感を強める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回、あの堕天使の登場っす。ちなみにTSしてます。





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第72話「女帝堕天使、降臨」

 

 

「(ヤバい・・・・・興奮で傷口が開きそうだ・・・・)」

 

怪我をしている翔真は今、かなり興奮していた。

両隣にシャルロットとアーシア、さらにはアカメ、

リアスがすやすやと笑みを浮かべながら寝ていた。

 

彼女達の発達した胸が腕や胸板に密着し

逆に傷口には悪かった。

 

「やっほー、しょうくん起きてる?」

 

「た、束ひゃん!?なななななんて

格好してるですか!?」

 

「うふふーん!興奮したかな~?」

 

束の今の格好は裸yシャツである。

 

「うんうん!箒ちゃん達もしょうくんが

大好きなんだね~・・・・・ねぇしょうくん?」

 

「さて、そろそろ起きようかな」

 

「ちょっと!?まだ束さん何も言ってないよ!」

 

「聞かなくても分かります」

 

どうせロクな事ではないと翔真は敢えて

無視する。

 

「・・・・!」

 

「・・・・・今の気配、しょうくんも感じた?

それにリーちゃんも」

 

「ええ。束さんも翔真も感じたのね」

 

翔真、束、さらにはいつの間にか起きていた

リアスは邪悪な気配を感じた。

 

「はいしょうくん」

 

「これは・・・・バハムート」

 

「改修、それに強化しておいたよ。

しょうくん?無理はダメだからね」

 

「束さん・・・・・」

 

束は心配な表情だった。何かを察した

リアスは口を開く。

 

「心配しなくても私や皆が翔真を守るわ。

そんなに心配なら貴女も一緒に来ませんか?

束さん・・・・」

 

「私は人間・・・・・と言いたい所だけど

リーちゃんは分かってるんでしょ?私が

神器持ちっていう事を」

 

「あら、どうかしら」

 

リアスは笑みを浮かべていた。

 

「束さんがどうするかは後として、私は

朱乃やソーナ達に連絡して態勢を整えるわ。

翔真は出来るだけ、皆を集めて・・・・気配で

感じたと思うけど、かなり厄介かもしれないわ」

 

「・・・・・分かりました。束さんはどうします?」

 

「面白そうだし行ってみようかな。それに

しょうくんが戦う姿見てみたいしね」

 

「なら決まりね。いい翔真、必ず何か

あったら連絡しなさい・・・・いいわね?」

 

リアスは真剣な表情で翔真に言う。すると

頷き、翔真は口を開く。

 

「分かりました。バハムートに誓って」

 

そこから三人は出掛ける準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かったのか?シャルロット達を呼ばなくて」

 

「シャルロットやユーベルーナさんには

迷惑かけたしさすがに今回は呼べない」

 

隣で走るクリスカはシャルロット達について

翔真から聞いていた。

 

「なにかあれば連絡するさ・・・・・」

 

「私が暴れる場所があるって本当なのかしら?」

 

「久々の戦いですね。わくわくしてしまいますね」

 

「翔真君と久しぶりに一緒に戦うわね・・・・

お姉さんも頑張らないとね」」

 

翔真はクリスカ、雪蘭、クローディア、刀奈を

引き連れ気配を辿りながら山の付近に到着。

 

「オイイリナ!しっかりしろ!」

 

「イッセー君・・・・・助けてくれたんだね・・・・」

 

翔真達の視界に入ったのは傷だらけのイリナを

抱き締めるイッセーの姿とフリードと戦う

リサラの姿だった。どうやらイッセーやリサラも

この気配を感じたらしい。

 

「許さねぇ・・・・・許さねぇぞフリード」

 

一誠はイリナを抱き締めて、右手に

ソードデバイスを握りしめて何かを念じるように

目を瞑り、意識を集中させる。

 

 

神装機竜《エピオン》を纏う一誠。

 

 

「(一誠の神装機竜か・・・・)」

 

 

翔真がこのエピオンを見たのは、

クレア達の世界で見たのを含めて二度目となる。

翔真、クローディア、刀奈、雪蘭は一斉に

ソードデバイスを抜く。

 

「顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。

黒雲の天を断て、バハムート!」

 

「降臨せよ、偽政者の血を継ぎし王族の竜。

百雷を纏いて天を舞え・・・・・リンドヴルム」

 

「転生せよ、財貨に囚われし災いの巨竜。

遍く欲望の対価となれ、ファフニール」

 

「始動せよ、星砕き果て穿つ神殺しの巨竜。

百頭の牙放ち全能を殺せ・・・・・デュポーン」

 

四人は一斉に神装機竜を纏った。翔真は

上を見上げる。視線の先には黒い翼を十枚

広げる女性がいた。

 

 

「神装機竜だったか・・・・・イレギュラーな力を

使いし者達をドラグナイトと呼ぶのだったな?」

 

「貴様が・・・・コカビエルだな?」

 

「ああ」

 

この女性こそ、今回の一件に関与した堕天使・・・・・

コカビエル。サラリとした黒髪をなびかせ翔真や

一誠達を観察するような眼差しで見る。

 

「なら聞きたい・・・・今回の事件、そして

この町に来て何をするつもりだ・・・・・」

 

「決まっている。リアス・グレモリーの

根城であるこの町で、華麗なダンスをしに

来ただけさ・・・・」

 

ダンス・・・・・遠回しに暴れるという意味でもあった。

 

 

 

 

 

 

 





TSコカビエルの容姿はストライク・ザ・ブラッドの
仙都木 阿夜(黒髪です)をイメージして
頂ければと思います!

ヴァーリをTSした方がいいのかな~


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第73話「もう1つのオカルト研究部!?」

 

 

「ダンス・・・・だと・・・」

 

あまりにもふざけた言い回しに翔真は怒りで

体を震わせる。コカビエルは余裕な表情で

翔真達を見ている。

 

「今回の一連・・・・つまりはお前がダンスと

いう名の戦いをする為に、こんな事をしたのか」

 

「無論さ。手始めに聖剣を盗む事でミカエルが

現れると思ったが・・・・現れたのが聖剣使いとは

呆れてものが言えない」

 

コカビエルは扇子で口元を隠しながらさらに

話し続ける。

 

「私はなァ、もう平和などという物語に

飽きたのだよ。私は戦争がしたい・・・・戦いたい。

悪魔、天使、堕天使の戦いが終わった後、私は

退屈で仕方なかったッ!!アザゼルもシェムハザも

誰も争いを起こそうとしない!・・・・だから私は

決めたんだよ・・・・・私の手で争いを始めればいいと」

 

「戦いたい・・・・だと?・・・・・そんな身勝手な

理由で戦いを起こそうなんて・・・・」

 

争い・・・・・その後に残る物は悲しみだけだ。

翔真はそれを知っている。だから許せない・・・・

殺気をコカビエルに向ける。

 

「小僧。貴様のその面構え・・・・・長年戦場に

いたような表情だな?」

 

「・・・・これでも波瀾万丈な人生を

送ってるもんでね。コカビエル、お前の

好きにはさせないぞ」

 

「口で言うのは簡単だ。小僧、私を止めたければ

止めてみろ。お前達の通う学園を中心に破壊

活動を始める。いくぞフリード」

 

「俺っちとしてはここで殺り合いたいんですが

コカビエルの姉御の命令となりゃ仕方ねぇ」

 

コカビエルとフリードはその場から消え去る。

 

「クローディア、リアスさん達に連絡を頼む」

 

「分かりました。翔真はどう致しますの?」

 

「決まってる。奴等を追う」

 

「俺も行く!リサラ、イリナを頼む」

 

「分かったわ」

 

翔真はクローディアに連絡を頼み空へ浮上する。

そして一誠もまた空へと上がる。

 

「(戦いを起こさせない・・・・・絶対に)」

 

光の翼を広げて、翔真は駒王学園の方へと向かう。

その後を一誠や刀奈達も追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今は学園を大きな結界で覆っています。

これで余程のことがない限りは外に被害は

出ません」

 

 

シトリー眷属の一人、匙はリアスに現在の

学園の状況について報告していた。

 

 

祐斗以外、翔真達神装機竜使いと

オカルト研究部は学園の前に集まっていた。

 

神装機竜使いは、翔真、刀奈、クローディア、雪蘭

そしてクリスカ。

 

オカルト研究部は、リアス、朱乃、一誠、小猫

クロメ、リサラである。

 

 

「でも匙君、こんな結界で本当に大丈夫なの?」

 

リサラは匙に尋ねる。リサラはこの結界で

コカビエルの攻撃などを防げるか心配していた。

 

「あくまでこの結界は最小限に抑えるものです。

多分・・・・コカビエルが本気を出せばこの街を

消し去る事も可能でしょう」

 

匙が立て続けに説明している中で、翔真は

校舎のグランドに描かれた魔法陣に視線を

向けた。その中央には四本のエクカリバーが

浮かんでいる。

 

「とてつもなく嫌な魔法陣ね」

 

「ああ」

 

どうやら刀奈も、あの魔法陣には嫌な気配を

感じたらしく苦い表情を浮かべている。

 

「貴方が綾崎翔真君ですね」

 

「え・・・・?」

 

声がする方に視線を向けるとソーナ・シトリーが

現れていた。

 

「あんたは・・・・」

 

「ソーナ・シトリーと申します。何時も

リアスから聞いていますよ?運命の人だと」

 

「ちょっとソーナ!」

 

ソーナの発言にリアスは頬を赤くして

口を塞ごうとするが躱される。

 

「彼には挨拶をしておいた方がいいかと

思いまして。ダメでしたか?」

 

「一言余計なのよ」

 

「はぁ・・・・話は変わるけど。リアス、相手は

ケタ違いの化け物なのよ?大丈夫なの?」

 

「心配は要らないわ。お兄様の方には連絡して

あるし、こんな事もあろうかと助っ人を呼んだのよ」

 

「助っ人?」

 

ソーナが首を傾げる中、数人の少女達が

リアス達の元に駆け寄る。

 

「リアスお姉ちゃん、お待たせ」

 

「澪、わざわざありがとう」

 

「うんうん。私も黙って見ている訳には

いかなかったし、全然構わないわよ」

 

「リアスさん・・・・・その子と他の人達は?」

 

「まだ翔真や一誠達には紹介してなかったわね。

澪、自己紹介出来る?」

 

「もう子供じゃないのよ?」

 

リアスと同じように、赤い髪が目立つ少女

「成瀬 澪」は眷属を引き連れリアスの助っ人に

現れたのだ。

 

「私は成瀬澪。リアスお姉ちゃんの従姉妹に

なるのかな・・・・よろしく」

 

「俺は綾崎翔真、よろしくね・・・・・えと」

 

「澪でいいわ」

 

「じゃあ、よろしく澪」

 

翔真と澪は握手を交わす。そこから澪の

眷属が挨拶を始める。

 

「澪の女王を務めさせてもらっている

エリカ・ブランデッリよ、よろしく」

 

「・・・・私と声がそっくりね」

 

エリカの声がたまたま自分と似ていた事に

リアスは少し驚く。

 

「ビショップのツィ・イーフェイよ!

宜しくね。ほら、姫様も挨拶しなさい」

 

「言われなくてもするつもりだ。ナイトを

務める、篁 唯依だ」

 

「(綺麗だな・・・・・)」

 

「(やっぱりイッセーは巨乳がいいのかな・・・・)」

 

唯依の美貌に見惚れる一誠。リサラは一誠の

視線が唯依の胸にいっていると勘違いして

自分の胸を見て、現実を突き付けられる。

 

 

「貴女もルークなのデスね!なんだか

雰囲気が調に似てますね!」

 

「暑苦しいです。離れてください」

 

「(私とキャラが被ってる・・・・・ような気がする)」

 

ルーク同士、小猫は『月読 調』と『暁 切歌』と

すでに仲良く?なっていた。

 

「な・・・・お前もしかして一誠か!」

 

「!・・・・・クリス!?」

 

これもまた偶然か、それとも運命なのか。

澪の眷属で兵士を務める雪音クリスは一誠を

見つけるなり驚く。それは一誠も同じだった。

 

 

「さあ、私達も行くわよ・・・・皆、生きて帰るわよ」

 

リアスの言葉の元に翔真、一誠達は歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





神装機竜 一覧


バハムート・ゼロカスタム 飛翔型

使い手 綾崎翔真

武装
カオスブランド×1
アロンダイト×1
ビームライフルショーティー×2
ツインバスターライフル
シールド×1
ビームサイズ×1

神装 暴食―リロード・オン・ファイア―

特殊SYSTEM
ZEROシステム+トランザムシステム


外見はバハムートだが、背部に大型ウイング
ユニットを装備している。イメージモデルは
ウイングガンダムゼロカスタム。性能や
搭乗時間などは束により格段にアップしており
ルクスのバハムートより性能が上となっている。



ティアマト・ヴィルキス 飛翔型

使い手 リアス・グレモリー

特殊武装
空挺要塞《レギオン》
巨砲 七つの竜頭《セブンスヘッズ》

追加武装
接近用ブレード ラツィーエル×1
凍結バレット×1
アサルトライフル×1

神装 天声―スプレッシャー―

特殊SYSTEM
?????

武装を追加した事を除き、リーシャの
ティアマトとほぼ性能は同じ。だが束により
飛翔能力が格段にアップしている。


ファフニール 飛翔型

使い手 更識刀奈

特殊武装
凍息投射《フリージング・カノン》
竜鱗装盾《オートシェルド》

追加武装
蒼流旋

神装 財禍の叡智―ワイズ・ブラッド―



リンドヴルム 飛翔型

使い手 クローディア・エンフィールド

特殊武装
雷光穿槍《ライトニングランス》
星光爆破《スターライト・ゼロ》

追加武装
パン=ドラ

神装 支配者の神域―ディバイン・ゲート―



デュポーン 陸戦型

使い手 雪蘭→後に明日菜

特殊武装
竜咬縛鎖《パイル・アンカー》
竜咬爆火《バイティング・フレア》

追加武装
双天牙月








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第74話「シュヴァルツェスマーケン―Ⅰ」

リアス達は駒王学園のグランドへ入る。

グランドに書かれた魔法陣。宙に浮かぶ椅子に

座るコカビエルは翔真達を見る。

 

「ようやくお出ましかな」

 

「コカビエル・・・・・こんな大きな魔法陣で

何をする気だ?マジックなわけないよな?」

 

「ふ・・・・・4本のエクカリバーを一つに

するだけさ。バルパー急ぎなさい」

 

「任せたまえ」

 

コカビエルは大きな黒い翼を広げて浮上する。

 

「初めてましてだなグレモリーの小娘よ。

その紅い髪、サーゼクスと全く同じだな・・・・・

さて、魔王は来るのかな?」

 

「残念だけど、私達が相手よ。コカビエル、

貴女に好き勝手させるつもりはないわ!」

 

リアス、リサラ、澪・・・・そして翔真達は

コカビエルを睨む。

 

「実につまらんな。まあ、お前達の力が

どんな物かみせてみよ」

 

コカビエルは宙に魔法陣を幾つも展開、その陣の

中からケルベロスが姿を現す。数は15体にも及ぶ。

 

 

「お姉様、あれって!」

 

「そうよリサラ。あれはケルベロス。

地獄の番犬の異名を持つ魔物よ」

 

驚くリサラに、リアスは淡々と説明した。

そして澪がある事を思い出す。

 

「あれって冥界の門の周辺に生息してるはずよね」

 

「ともかく倒さないといけないわ」

 

リアスはティアマトを纏い、リサラは死神の力を

解放する。

 

「翔真、クリスカ、クローディアはそっちを

お願い!刀奈と雪蘭はあっちに行って!」

 

そしてリアスの指示により数多くのチームに

別れた。

 

 

「行くぜ!」

 

「一誠、私も援護するぜ!」

 

クリスはそう言うと神器「イチイバル」を

展開、ガトリング砲がケルベロスに向けられる。

 

「ありがとうクリス!」

 

「イッセー先輩私も援護します!」

 

一誠はエピオンを纏い、武装の一つビームソードを

展開して、構える。そしてケルベロスに斬り込みを

入れた。

 

《ギャオオオォォ!!》

 

 

「えい」

 

「そらァァ!」

 

イチイバルでの支援、小猫の蹴りにより

ケルベロスは弱ってゆく。

 

「見せてやる・・・・・これが俺の神装だ!」

 

 

一誠はエピオンの神装

―最後の剣・ハルヴァンヘレブ―を発動する。

ビームソードの出力が上がり大きくなってゆく。

 

「コイツを・・・・・喰らえェェェ!!」

 

ビームソードを振り回しケルベロスを真っ二つに

粉砕、調、切歌と戦っていたケルベロスも威力に

より粉砕する。

 

「す、凄いデス・・・・」

 

「・・・・・あれが神装機竜」

 

 

エピオンの神装に唖然とする二人。

 

 

 

「はあァ!」

 

「せーの!」

 

「二人共、あとは私がやるわ」

 

刀奈、雪蘭、エリカはケルベロスにダメージを

与えていた。そしてエリカは自身の細剣、

クオレ・ディ・レオーネに炎を纏わせる。

 

「待ってエリカちゃん。あの巨大な犬に

そんな攻撃じゃ効かないわ」

 

「じゃあどうすればいいのかしら?」

 

エリカは刀奈に問う。

 

「こうするのよ。雪蘭ちゃん、行くわよ!」

 

「もちろん!」

 

刀奈は凍息投射《フリージング・カノン》を

構えて発射、雪蘭は竜咬縛鎖《パイル・アンカー》

で動きを止める。

 

「今よ!」

 

「了解よ!」

 

炎をさらに大きくさせて、それをケルベロスに

降り下ろす。ケルベロスはまた1体倒してゆく。

 

「・・・・・」

 

 

ZEROシステムを駆使して翔真は迫るケルベロスを

倒していた。アロンダイトを構えてケルベロスの

首を一斉に斬り落とす。

 

「クリスカ!これを使え!」

 

翔真は苦戦しているクリスカにアロンダイトを渡す。

ワイバーンを纏うクリスカは、アロンダイトを

キャッチする。

 

「すまない。貸してもらうぞ翔真」

 

「気を付けろよクリスカ。さて・・・・」

 

次に、翔真は武装の一つビームシザーズを取り出す。

 

「死神様の・・・・・お通りだァァァァ!!」

 

ビームシザーズを構えてケルベロスに立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一誠の神装の元ネタは十香で調べれば分かります。

タイトル変更しました。

ハイスクールD×D 少年と少女達の剣舞

剣舞はブレイドダンスと読んでください。



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第75話「シュヴァルツェスマーケン―Ⅱ」

 

 

翔真はビームシザーズを振るいケルベロスの首を

狩り取ってゆく。黒い翼を広げてケルベロスを

倒していき血の雨を降らせるその姿はまさしく

死神だった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・たく、しつこいんだよ!」

 

ガンダムデスサイズのように戦う翔真は

再び、ケルベロスに向かう。

 

 

「リサラ、澪!行くわよ!」

 

「了解よお姉様!」

 

「負けられないわね!」

 

ティアマトを纏うリアス、その後に続き

リサラ、澪が続く。

 

「「「いっけェェェェェェ!!」」」

 

リアス、リサラ、澪の三人が作り出した

滅びの一撃はコカビエルに向かう。

 

「甘いぞ小娘共よ」

 

余裕な表情を浮かべるコカビエル。そして

一回り大きい光の槍を作り出す。

 

「・・・・ランサ・デル・レランパーゴ・・・・・ッ!」

 

ランサを投げる。滅びの一撃とぶつかり

爆風がその場に起きる。

 

「「「キャアァァァァ!!」」」

 

「リアスさん!澪!」

 

「リサラァァァァ!」

 

翔真はすぐにリアス、澪をキャッチ。一誠も

リサラを何とか受け止めた。

 

「ありがとう翔真。助かったわ」

 

「翔真ありがとう。でも、やっぱり強い」

 

「・・・・・さすがは堕天使の幹部と言った所か」

 

 

「イッセー・・・・ごめんね」

 

「許さねぇぞ・・・・よくもリサラをやったなァ!」

 

一誠はビームソードを振るい、リサラを

抱き締めたままコカビエルに攻撃する。

 

「甘いのだよ坊や。貴様もな!」

 

背後から攻撃を仕掛けようとした翔真にも

気付き二人にランサ・デル・レランパーゴを

放つ。

 

「「・・・・ッ!」」

 

翔真と一誠はその攻撃を受けてしまうが

二人は無傷だ。

 

「ならば」

 

ツインバスターライフルを取り出し、翔真は

コカビエルをターゲットに定める。

 

「ターゲット、コカビエル」

 

「俺はコイツだ!」

 

ヒートロッドを振り回しコカビエルに向けて放つ。

 

「やれやれ。これだから小僧は・・・・・ッ!」

 

二人の攻撃を交わし、コカビエルは黒い衝撃波を

浴びせる。

 

「(なんださっきのは。ツインバスターライフルと

ほぼ同じ威力だったぞ!?)」

 

これが堕天使幹部の力だと言わんばかりに

黒い衝撃波は二人に直撃する。

 

「オイ黒い機竜を纏う小僧よ。あの小娘を

放っておいていいのか?」

 

「なに?・・・・アーシアッ!」

 

ケルベロスの一体がアーシアに近付いていた。

アーシアは結界を張っているが、恐らく簡単に

破られる事は、誰もが予測出来る。

 

「(ッ!)」

 

アーシアは力を振り絞りケルベロスの攻撃を

防ごうとする。

 

「させないよッ!」

 

「はあァァァァ!!」

 

しかし、祐斗とゼノヴィアが魔剣と破壊の聖剣を

構えてケルベロスの首を斬る。

 

「遅くなってごめんよ綾崎君、一誠君」

 

「ゼノヴィア・クァルタ、加勢する」

 

「たく、脅かすなよな」

 

アーシアが無事なのを確認し、翔真は再び

コカビエルに視線を向ける。カオスブランドを

構えて殺気を散らす。

 

「かなりの戦力・・・・ならば私の切り札を出そう」

 

コカビエルは表情に笑みを浮かべると巨大な

魔法陣を展開。

 

『コカビエル様の為ならばッ!』

 

全長9メートルはあろう鉄の巨人・・・・・

『グレイズ・アイン』が姿を現す。

 

 

『薄汚い悪魔共・・・・・機竜を纏いし輩は

このわたしが排除する・・・・・ッ!』

 

「翔真・・・・あれって・・・・」

 

「リアスさんは下がって。アイツは・・・・・

知らないけど、絶対に殺らせない!」

 

グレイズ・アインは大型アックスを構える。

翔真はカオスブランドを構えてアインに接近する。

 

 

だが、予測もしない事態が起きる。

 

「完成だ――完成したぞ」

 

バルパーは不気味な笑みを浮かべてそう呟く。

 

 

 

 

 





グレイズ・アインはあれですよ、もはや
オルフェンズのアイツですよw





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第76話「シュヴァルツェスマーケン-Ⅲ」

 

 

『素晴らしい・・・・・わたしは今、究極の兵器だ。

これならば薄汚い悪魔共を倒せるッ!』

 

「デカイだけのくせにッ!」

 

「翔真君一人じゃ無理よッ!」

 

「私達も行きましょう」

 

翔真、刀奈、クローディアはグレイズ・アインに

迫る。しかしアインは素早い動きで移動し

三人の背後を取る。

 

『まずはお前達からだァァァァ!!』

 

「「・・・・ッ!」」

 

「やらせるかァァァァ!!」

 

二人を庇い、カオスブランドで大型アックスを

受け止める。しかしグレイズ・アインの方が

力は強く、すぐに吹き飛ばされてしまう。

 

 

「(単純な性能・・・・いや、反応速度と言うべきか)」

 

『機竜・・・・・イレギュラーな存在は消さなければ

ならないッ!』

 

「そういうお前も存在がイレギュラーなんだが?」

 

『黙れェェェェ!!』

 

グレイズ・アインが翔真に迫る。

 

「しょう君をやらせませんわ!」

 

朱乃が翔真の側に移動する。

 

「散存する獣の骨、尖塔、紅晶、鋼鉄の車輪。

動けば風、止まれば空、槍打つ音色が虚城に満ちる。

・・・・・雷吼炮ッ!」

 

『鬼道』を発動して、雷吼炮をグレイズに

向けて放つがコカビエルに阻止される。

 

「ッ!」

 

「姫島朱乃・・・・バラキエルの娘でありながら

私に歯向かうか?フハハハ!!」

 

「軽々しく・・・・・その人の名前を口にするなァァ!!」

 

雷撃の攻撃が、朱乃の怒りに同調し威力が

高まる。

 

「(あ、朱乃さん・・・・ッ)」

 

『何処を見ているゥゥゥゥ!!』

 

「ッ!ああァァ!」

 

 

 

朱乃の事情は知っていた翔真。それ故に

何も言えなかった。だが、隙を見せてしまい

グレイズ・アインに攻撃される。

 

「よくも翔真をやったわね!次は私が

相手よデカブツ」

 

「覚悟しなさい」

 

『憎き悪魔か・・・・・機竜ではわたしに勝てないと

まだわからないのかァァァァ!!』

 

 

雪蘭、リアスはアインを見上げて戦闘体勢に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陣の中にあった4本のエクカリバーは1つになり

新たなエクカリバーがそこにはあった。

 

「エクカリバー・・・・・ッ!」

 

憎しみの表情を露にする祐斗。

 

「エクカリバーが一本なった事で光の影響により

術式も完成した。20分程度でこの町は崩壊する。

早く逃げたまえ」

 

『・・・・!』

 

バルパーの言葉に全員が驚く。だが、祐斗は

そんな事は関係なくバルパーの方へ視線を向ける。

 

「バルパー・ガリレイ・・・・僕は貴方の聖剣計画の

生き残りだ。本来なら僕は殺されている身だ・・・・

でも、僕は死ぬ訳にはいかないんだ!同志達の

仇を打つ為にねッ!」

 

魔剣を構える。祐斗の瞳には殺気が込められていた。

 

 

「フリード」

 

「へいへい」

 

バルパーの背後からフリードが現れる。そして

コカビエルは朱乃の攻撃を止めながら口を開く。

 

「フリード、最後の宴だ。陣の中の

エクカリバーを使え」

 

「了解しあした~!しかし姉御も人使いが

荒いっすよ・・・・・けどまあ、この素敵な

エクカリバーちゃんで皆殺しにしてやんよ。

特に綾崎君だけはオレっちが仕留めてやんよ!」

 

「(ッ・・・・うぜぇな)」

 

 

エクカリバーを握りしめ、フリードは

翔真に視線をやる。うぜぇなと思いながらも

翔真は無視してアインと戦う。

 

 

「エクカリバーだけは絶対にッ!破壊するんだ!」

 

「被験者の一人が脱走したとは聞いていたが

まさか悪魔になっていたか。ま、そんな事は

どうでもいい」

 

バルパーは祐斗に近づく。

 

「君達被験者には礼を言うよ。おかげで

計画や予測外な物も作れたからね」

 

「なに・・・・?」

 

 

「君達被験者にはエクカリバーを操る程の

因子はなかった。だがわたしはそこで考えた

のだよ・・・・・被験者から因子だけを取り除けば

いいとね」

 

「・・・・!?」

 

 

バルパーはそう言うと、懐からクリスタルの

ような物を取り出す。

 

 

「これぞ究極の物だ。因子を結晶化する事に

成功したのだよ。まさしく努力と結果だよ」

 

「ヒャハハハハ!!全くいい笑い話だよな!

他の奴等は途中で因子に体がついていけなくり

そのまま御臨終って訳よ!やっぱオレっちは

スペシャルなんすかね!?」

 

 

バルパーの隣で笑うフリード。祐斗はただ

あまりの予測外な話に呆然としたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第77話「シュヴァルツェスマーケン―Ⅳ」

 

 

「欲しければくれてやる。精々情けない姿で

泣く姿をさらせ」

 

信じがたい話に祐斗はただ混乱するだけだった。

因子の結晶が祐斗の足元に転がる。

 

「ぼく・・・・・は・・・・何の為に・・・・」

 

祐斗が涙を流しながら因子の結晶を抱き締める。

だが、その時結晶から光が溢れ出す。

 

「!・・・・みんな・・・・?」

 

結晶から生まれた光は複数の人の形に変わる。

 

「一体あれは・・・・」

 

「恐らくこの戦場に漂う様々な力が因子の

球体から魂を解き放ったのですわ」

 

アーシアが不思議そうに見つめ、朱乃は

淡々と答える。祐斗は懐かしそうな表情を

浮かべて霊体となった皆と話す。

 

 

 

『何故だッ!最高の力があるのに

何故倒せないんだ!?』

 

「反応速度、攻撃力、スピードは大したもんだ。

だがな、ただデカけりゃいいっていうのは

間違いなんだよッ!」

 

 

カオスブランドを構えてグレイズ・アインに

斬り掛かる。アインのスピードを上回り

背後を取る。

 

『なに!?』

 

「バハムート・・・・俺達のステージはこれからだよな」

 

不敵な笑みを浮かべてカオスブランドでアインの

右腕、左腕を斬り刻む。

 

「リアスさん!雪蘭!クローディア!」

 

「「「はあァァァァ!!」」」

 

『・・・・!?』

 

 

リアス、雪蘭、クローディアが立て続けに

攻撃する。

 

「澪・・・・・あとは頼めるか?」

 

「任せておいて」

 

澪、エリカ、調、切歌、クリスが一斉に

砲撃を開始する。

 

「エリカは翔真と調と切歌で斬り込みに行って!

クリスは私と砲撃支援よ!」

 

「おっしゃ任せろ。一誠も頑張ってんだ・・・・

私も頑張らないとな!」

 

イチイバルをガトリング砲にして砲撃する。

澪も滅びの魔力を駆使した砲撃をする。

 

「エリカさん、エスコートします」

 

「嬉しいわ。なら、お願いするわ」

 

翔真はエリカを抱き上げてアインに近付く。

 

「私達も行くデスよ!」

 

「うん。唯依とツィも後に続いて」

 

「任された」

 

「なら、暴れてやろうじゃない!」

 

 

 

先行は切歌と調。切歌は自分の神器である

『イガリマ』でアインの攻撃を交わす。

そして調は『シュルシャガナ』でアインの

脚を切断する。

 

 

そして唯依とイーフェイはワイバーンを

纏い、アインの装甲にブレードを差し込む。

 

『バカな・・・・・このわたしがァァァァ!!』

 

「終わりだ・・・・デカブツッ!はあァァ・・・・・」

 

翔真は意識を集中させてヴァリアントの力を

引き出してゆく。

 

「準備はいいかしら?綾崎君」

 

「ああ」

 

翔真とはカオスブランドを振り上げる。そして

カオスブランドにエリカの魔力が注がれ

炎を纏う。

 

『まだ・・・・・わたしは・・・・ッ!』

 

「いい加減にくたばりなさいッ!ティアマト!」

 

ティアマトの特殊システムの1つ

「ミカエル・システム」が発動する。

ティアマトは紅蓮の炎を纏い、接近用ブレード

ラツィーエルから巨大なエネルギーブレードを

出現させる。

 

 

 

翔真、リアスの攻撃はアインに当たった。

 

『く・・・・コカビエル様・・・・万歳ィィィィィ!!』

 

魂の叫びを上げてアインは爆発した。

 

 

「グレイズ・アインが・・・・ッ!」

 

コカビエルは翔真に視線をやる。

 

「貴様だけは・・・・・やはり生かしておく事は

出来んか・・・・ッ!」

 

「まだ抵抗するかコカビエルっ!」

 

「・・・・・まだ切り札はあるのだよ!」

 

魔法陣が再び現れ、その中から出てきた怪物に

翔真と刀奈、一誠は驚きを隠せない。

 

「サベージ・・・・だと・・・・・」

 

「どうだ?」

 

現れたのはサベージだった。1体だけだが

かなりの大きさがある。

 

「諦めろ黒き機竜を纏いし者、グレモリーの娘達よ

諦めろ。もはや結果は見えたはずだ。今からどう

足掻こうと無駄な事だ」

 

「・・・・・諦めたらそこで試合終了なんだよ」

 

「なに?」

 

翔真は地上へと降りる。

 

「コカビエル。俺や皆は争い事が嫌いなんだよ。

俺は・・・・いや、俺達は・・・・・平和なこの町を

なんとしてでも守り抜くッ!」

 

「貴女の好き勝手な理由で、この町を・・・・

戦場なんかにさせないわッ!」

 

「悪いけど私達は好きな人と静かに暮らしたいの。

だから、退場願おうかしら」

 

「火遊びが過ぎましたね。貴女だけは・・・・

許しませんからね」

 

「どんな敵でも私達は無敵よ!」

 

 

 

翔真の言葉に、リアス、刀奈、クローディア

雪蘭が続く。

 

 

「父さんや母さん・・・・・友達が住む町を

破壊なんてさせねぇよ!絶対に!」

 

「私達はね、貴女が思っている程弱くはないのよ!」

 

 

全員の闘志が燃え上がる中、そらのおとしものと

言わんばかりに助っ人達が空から現れる。

 

 

「うおおおお!?ここって空ァァァァ!?」

 

「に、兄さん~!!」

 

「は、ハヤト~!!」

 

「しっかり掴まっていなさい柏木ミハル。

私もなんとかしてみますわ!」

 

「は、はい!」

 

「?・・・・あれは・・・・・一誠かッ!」

 

「え・・・・綾崎翔真・・・・・なのですか?」

 

 

如月ハヤト、如月カレン、エミリア・ハーミット、

クレア・ハーヴェイ、柏木ミハル、

リディ・スタインバーグ―――――

 

 

空から降下する人物達に翔真、一誠は・・・・

 

「「どうやら・・・・・形勢逆転らしいな」」

 

「・・・・ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第78話「目覚める刃」

 

 

ハヤト達が地上に着地した頃、祐斗は

霊体となった少年少女達と話していた。

 

――僕らは独りじゃない。

 

――私達は何時でも君の側にいる。

 

「・・・・皆」

 

皆の想いが一つになり光が祐斗を包む。皆の

力を借りて祐斗は禁手を果たす。そしてゆっくり

立ち上がりバルパーを睨む。

 

「バルパー・ガリレイ・・・・貴方を滅ぼさない

限り僕のような子供がまた生まれてしまう。

ここで、決着をつける」

 

「道具だった分際で何をほざくか!フリード!」

 

「あいよ!」

 

フリードが統合されたエクカリバーを握り

立ちはだかる。

 

「素直に道具として従っていればいいものを」

 

「木場ァァァァ!!いっけェェェ!!」

 

一誠の叫びが響く。

 

「行きなさい祐斗!」

 

「皆の力を!無駄にしないで!」

 

リアス、リサラの叫び――――

祐斗は光る剣を構える。

 

 

「な~に感動シーン作ってやんの!?

とっとと切り刻んでやるぜィ!ヒャハハハハ!!」

 

 

「君のような外道に負ける訳にはいかない。

僕は剣となる、僕と融合した同志達よ・・・・・

一緒に行こう!・・・・魔剣創造!」

 

祐斗の力と同志達の力が混ざり合う。祐斗の

手元に神々しい輝きと、禍々しい輝きを放つ

一本の剣が握られる。

 

「双覇の聖魔剣・・・・・聖と魔を有する剣の力。

この力、その身で受けるがいい!」

 

 

双覇の聖魔剣―ソード・オブ・ビトレイヤー―

予想外の力の誕生にバルパーは焦りを見せていた。

 

「聖魔剣だと、バカな!?相反する要素が混ざり

合うだと!?そんな事があり得るはずがない!」

 

 

吠えるバルパーを無視し祐斗は歩む。そして

ゼノヴィアが隣に立つ。

 

「リアス・グレモリーの騎士よ、共同戦線は

まだいけるかい?」

 

「当然さ」

 

「ならば、共に破壊しよう。私も綾崎翔真の

言葉を聞いてハッキリとしたよ。誇りなど

どうでもいい・・・・あれはもはや聖剣じゃない。

破壊した方がいい」

 

 

ゼノヴィアはそう言うと何かを唱え始める。

そして空間が歪む。

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、

我は解放する!デュランダルッ!」

 

 

ゼノヴィアはデュランダルを取り出した。

天に向けて剣を立てる。

 

「綾崎翔真・・・・・君の勇気と意思。

見習わせてもらったぞ、私も見せよう。

自分の意思をね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、ハヤト!?それにククククレアさん!?

ミハルさん!?」

 

「翔真?久しぶりだな!」

 

「翔真君なの?」

 

「・・・・・お久しぶりですわね翔真。ずっと

会いたかったですわ」

 

クレアは翔真に駆け寄る。

 

「翔真・・・・」

 

「(クレアさん・・・・・涙目は卑怯だろ!)」

 

「「「「・・・・」」」」

 

クレアが涙目で翔真を見る中、翔真は背後で

殺気を飛ばすリアスや朱乃達を見る事が

出来ない。

 

「と、取り敢えず!コカビエルを倒す!

倒しましょうリアスさん!」

 

「ええそうね。けれど、後で説明はしてもらうわよ」

 

翔真にバレット銃を突きつけるリアス。

明らかにご機嫌斜めである。

 

「(またライバルの登場?・・・・・もう、翔真のバカ)」

 

またまたライバルが増えるとは思いもしなかった

リアス。頬を膨らませぷいっと翔真から視線を

反らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回当たり白龍皇登場!


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第79話「決着」

 

 

『はああァァァァ!!』

 

翔真達とハヤト達は一斉にコカビエルに

襲い掛かる。

 

「貴女の身勝手な理由だけで世界を滅ぼさせない!」

 

「俺達は絶対にアンタを討つんだ!今日ここで!」

 

翔真とリアスのコンビネーションアタックは

コカビエルに当たる。そして澪達が砲撃を

喰らわせる。

 

「ハヤト!」

 

「エミールちゃん!」

 

「「ああ!/うん!」」

 

ハヤトとエミリアも攻撃に加わり、クレアも

支援攻撃に入る。

 

「まだ終わらんさ!」

 

コカビエルは抵抗を続ける。光の槍がアーシアに

向かうも、ゼノヴィアが光の槍を弾く。

 

「コカビエル。神の名の元に断罪してくれる!」

 

「神・・・・小娘、まさかお前知らないのか?」

 

「なに?」

 

そこからコカビエルはとんでもない事を口にする。

 

「先の大戦で神は死んでいるんだぞ?」

 

『・・・・!?』

 

衝撃な事実に翔真達は驚きを隠せない。

 

「そんな・・・・主が・・・・・ッ」

 

「アーシアちゃん!」

 

「嘘だ・・・・そんな事あるわけ・・・・」

 

その事実はアーシアやゼノヴィアが一番

ショックだと言う事は理解出来る。アーシアは

それを聞いて倒れ、刀奈が受け止める。

 

ゼノヴィアは膝をついて信じられないという

表情でショックを受けている。

 

「もう何もかも終わりさ!祈るべき神も

居なければ何もない!私は戦争を始める!

私の力を思い知らせる!手始めに貴様等の

首を土産にしてやるぞ!」

 

「言いたい事はそれだけか」

 

「なに?」

 

翔真は表情を一つ変えずコカビエルを睨む。

 

「俺は神など信じない。俺は自分の力を信じる・・・・

コカビエル、お前だけは絶対に許さない」

 

「何がどうなっているのか俺には分からない。

けどこれだけは分かる。アンタは争いを生む

存在だ・・・・・」

 

「この街を好き勝手にさせてたまるもんかよ!」

 

 

翔真、ハヤト、一誠はコカビエルに刃を向ける。

同時に熱き闘志すら感じられるオーラを発する。

 

「俺は生きる!リアスさん達と平和に暮らす為に」

 

「ッ!たかが小僧三人で出来るッ!!」

 

コカビエルはランサ・デル・レランパーゴを放つ。

翔真がカオスブランドで撃破し、ハヤトと一誠が

先に仕掛ける。

 

 

「ちぃ!」

 

「(来い・・・・・ッ!)」

 

ハヤトはヴァリアントの力を引き出す。同時に

全身武装を身に纏う。コカビエルはハヤトの一振りを

交わすが、一誠の攻撃を受けてしまう。

 

「がッ!」

 

「行くぜドライグッ!」

 

《熱いのを一発浴びせてやれ相棒》

 

一誠は神装機竜を解除、そして禁手を果たして

赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)

を纏う。

 

「最初からクライマックス行くぜ!

抹殺の・・・・・ラストブリットォォォォ!!」

 

「うおおお!!」

 

「貴様等ァァァァ!」

 

一誠はラストブリットを決めて、ハヤトは

斬撃でコカビエルにダメージを与える。

 

「嘘だ・・・・・主が死んで・・・・・」

 

「ゼノヴィア、事実は変えられない。主は

もう居ないんだ・・・・これからはお前の力を、

自分の力を信じて生きろ」

 

「私の力を?」

 

「ああ」

 

ショックを受けているゼノヴィアを翔真は

優しく慰める。

 

「これからは自分の意思で生きろ。主ではなく、

ゼノヴィア・クァルタを信じてな」

 

「自分自身を・・・・」

 

視線がちょうどクリスカと交差する。クリスカは

ゼノヴィアに笑みを向ける。

 

「もし迷うなら、もし分からないのなら

俺が力になる・・・・・だから今は受け入れよう

全てを・・・・」

 

「綾崎翔真・・・・・君は強いな」

 

ゼノヴィアは翔真の言葉を聞き何かを決意する。

そして翔真は空へ浮上する。

 

「これで決めるッ!」

 

「まだ・・・・私はァァァァ!!」

 

「トランザムッ!」

 

紅蓮を纏うバハムート。翔真はカオスブランドを

コカビエルに降り下ろされる。コカビエルは

光の槍で受け止める。

 

「機竜を纏いし人間よッ!何故そこまで

魔王の妹や小娘達を守ろうとする!?」

 

 

コカビエルには先程から翔真と戦い

気付いた事があった。それは翔真かリアスや

クリスカ達を守りながら戦っていたからだ。

 

 

「決まってるだろ・・・・リアスさんや皆が

好きだからだァァァァ!!」

 

「その気持ちは俺だって同じなんだよォォ!」

 

前方には翔真、背後には一誠がいる。そして

二人の攻撃はコカビエルに直撃する。

 

「がっ!・・・・お前は」

 

瞬時に視界に映る翔真が、前に出会った

『ルクス・アーカディア』と姿が重なる。

 

「(お前は・・・・・今の私を見て笑うか?

ルクスよ・・・・)」

 

 

過去に一度だけ、コカビエルが『恋』をした

相手。ルクスはこちらに笑みを向けている。

 

 

 

―僕は堕天使とか悪魔とかよく分かりません。

でも、コカビエルさんが優しい人だって事は

分かりますよ・・・・僕は―

 

 

「(ルクス・・・・・)」

 

 

 

「一誠・・・・・あとは頼む・・・・」

 

「翔真ッ!部長!」

 

「ッ!」

 

今にも意識が薄れてゆく中、翔真が最後に

見たもの―――――

 

 

「赤龍帝と黒い神装機竜・・・・・面白いね」

 

「お前は?」

 

 

 

 

白き鎧を纏い、光る翼を広げた者だった。

一誠と互いに向き合っているのを最後に

翔真は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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後日談―やはり俺達の日常は間違ってる― その四
第80話「ゼノヴィア、住みます!?」


 

 

一連の事件は白龍皇によって片付いた。

コカビエル、フリード、バルパーの三人は

白龍皇の少女『ヴァーリ・ルシファー』に

によりぼこぼこにされ連行された。

 

取り敢えずも、エクカリバー事件はこれにて

幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

―姫島家―

 

 

 

「はい翔真、アーン」

 

「リアスばっかりズルいよ!はい

翔真、アーン!」

 

「貴女こそ翔真を独占しているでは

ありませんか!」

 

「(なんだろこの光景は・・・・・)」

 

バハムートの使いすぎにより怪我を負った翔真は

安静にしていた。リアス、シャルロット、そして

この世界で行く宛もなく一緒に暮らす事になった

クレア・ハーヴェイは翔真にお粥を食べさせようと

していたが喧嘩になっていた。

 

 

「大体リアスは何時も一緒に居すぎだよ!

ボクだって翔真と一緒に居たいんだからね!」

 

「そういうシャルロットこそ!翔真に

甘えすぎよ!わ、私だって・・・・・翔真に

もっと甘えたいんだから!」

 

「貴女達はワガママすぎますわ。さ、

あの二人は放っておいて・・・・・はい」

 

「く、クレアさん!?」

 

クレアは翔真にアーンをしようとするが。

 

「抜け駆けは許さないわよクレア」

 

「勝手はダメだよ?」

 

抜け駆けしようとするクレアを止めるリアスと

シャルロット。

 

「(仲がいいのか悪いのか・・・・)」

 

そんな和やかな風景がある中で、寝室に

朱乃と駒王学園の女子制服に身を包んだ

ゼノヴィアが入る。

 

「あらあら。うふふ」

 

「何時もこのように騒がしいのか?」

 

「はい。いずれゼノヴィアちゃんも馴れますわ」

 

「朱乃さん・・・・それにゼノヴィア?

なんで駒王学園の制服着てんだよ」

 

「翔真にはまだ言ってなかったわね。

ゼノヴィア、お願い」

 

「承知した」

 

ゼノヴィアは背中から悪魔の翼を広げる。

 

「実は悪魔に転生したんだよ」

 

「は・・・・はああァァ!?」

 

突然のカミングアウトに翔真は驚きの声を上げた。

 

「なんでだよ!?悪魔を嫌ってたお前が

どうして転生悪魔になってんだよ!?」

 

「主がいないと知ってからはもうどうでも

良くなってね。私なりに考えて転生悪魔にでも

なって自由に生きると決めたんだ」

 

「そ、そうっすか・・・・・」

 

正直思考が追い付かない翔真は驚くしかない。

 

 

「それにずっと君の側に居られるしね」

 

「え・・・・」

 

止める隙もなく、ゼノヴィアが翔真の唇を奪う。

 

「あむ・・・・んちゅ・・・・・ふぅ」

 

「(い、意識が・・・・・)」

 

舌を絡ませ、濃厚なキスをしたゼノヴィア。

そして呆然としているリアス、シャルロット、

クレアに勝ち誇った表情を見せる。

 

「綾崎翔真はこれから私の物にする。

リアス部長にシャルロット、クレアには

悪いが、私の意思は固い。許しを願おう」

 

「そんな事許可するはずないでしょ」

 

「翔真は皆の運命の人だよ?・・・・

独り占めしようなんて、いい度胸してるね」

 

「ゼノヴィアちゃん、言っていい冗談と

悪い冗談がありますわよ?うふふ」

 

「(綾崎翔真、貴方はどれだけ異性に

好意を寄せられれば気が済むのです!)」

 

ゼノヴィアの発言を機にリアス、シャルロット、

朱乃、クレアが立ち上がる。

 

さらに―――

 

 

「さっきから聞いてれば生意気ねェ!」

 

「翔真様を独り占めしようなど十年早いですわ」

 

「わ、私だって!翔真さんとずっとずっと!

一緒に居たいんですぅ!」

 

 

ユリシア、夜架、アーシアを始めアカメ達が

襖を開ける。

 

 

「翔真様は私達の大切なお人・・・・・貴女なんかに

あげませんわ」

 

「面白い」

 

「ちょ!待っ・・・・」

 

翔真の制止空しく、姫島家は戦場と化した。

 

 

 

 





次回は一誠、ハヤトsideのお話。


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第81話「オレの家」


皆待たせたな!俺は帰って来たァァァァァァ!!



 

 

 

翔真が彼女達の戦いに巻き込まれている頃、

行く宛のないハヤト、エミリア、リディ、

カレンは一誠の自宅にお邪魔していた。

 

「え・・・・いいのかよ母さん、父さん」

 

「ああ。ハヤト君達は行く宛がないんだろ?

だったらしばらくこの家に住むといいさ!」

 

「ええ!私達は大歓迎よ!」

 

一誠の父と母は目を輝かせ、ハヤト達を

住まわす事を簡単に了承した。

 

 

「すまない。他人である我々が一誠宅に

お邪魔するなど」

 

「なあ一誠・・・・本当にいいのか?俺達

結構な人数なんだが・・・・」

 

リディはかたじけないと礼を述べて、

ハヤトは少々遠慮がちに一誠に尋ねた。

 

 

「いいってリディ、気にすんなよハヤト。

困った時はお互い様だろ?それに部屋なら

まだ2つ程空いてるし、大丈夫だって」

 

「さすがはイッセーさんですね!カレン達を

住まわせる為に、必死に説得する姿は

感動致しました!」

 

交渉時間はたったの数秒なのだが、カレンに

とって交渉人、兵藤一誠の姿は素晴らしい物

なのだろう。

 

「カレンちゃんや皆はお腹空いてない?

今から私がフレンチトーストを作るわよ!」

 

「はいはーい!ボク食べたーい!」

 

「こ、こらエミール!失礼だぞ」

 

「いいのよハヤト君!だったら張り切って

作るわよ!」

 

「私もお手伝いします!」

 

「カレンちゃんはいいのよ?カレンちゃんは

お客様だからね」

 

「だ、ダメでしょうか・・・・お、お母様・・・・」

 

上目遣いでそう尋ねたカレン。一誠母の中で

ズキュン!と拳銃の発泡した音がエコーで響く。

 

「もうカレンちゃん可愛い~!リサラちゃんや

クロメちゃん達と同じくらい可愛いわ!」

 

一誠母はカレンを連れてキッチンに立つ。

 

「カレンの奴・・・・なんかごめんな一誠」

 

「気にすんなって。そう言えばハヤトと

エミリア・・・・だっけ?同じ部屋でいいのかー?」

 

「うん!あとはダブルベッドを用意、

それから・・・・」

 

エミリアのその後の発言は18歳未満禁止連発の

卑猥の言葉ばかりなのでここは聞かない事にする。

ハヤトの制裁により、煙が出ているたんこぶを

押さえるエミリアはハヤトと案内された部屋へと

入った。

 

 

「これから騒がしくなるわね」

 

「だな。なあリサラ・・・・」

 

「なにかしら?」

 

「なんで全裸なんだ?俺は今、それが猛烈に

知りたいんだけど・・・・」

 

「フフッ・・・・決まってるじゃない」

 

全裸のリサラ。一誠の部屋へと連れ込み

ベッドに一誠を押し倒す・・・・そのまま大人の

営みに進むのか!?

 

一誠が興奮する中、 黒いビキニを見せつけるリサラ。

 

「イッセー・・・・これから色々試着したいから

意見をして欲しいのッ!」

 

「(あ・・・・そういう事ね)」

 

このままエロゲーのような展開になるのかと

考えていた自分が恥ずかしい―――一誠は

内心で冷静さを取り戻す。

 

 

「あれ?そう言えば夕麻ちゃん達は・・・・」

 

「夕麻達は水着を買いに行ったわ。それより

私に似合う水着を・・・・ちゃんと決めてよね!」

 

リサラはウインクして一誠にそう告げた。

 

 

 

 

 





次回は翔真、ユリシア・リアス・アカメ・ミハルが
メイン!え?リアス出番多くない?・・・・だって
作者はシャルロッ党だけど、リアスッ党でも
あるからさ☆




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第82話「やはりヒロインは最強」

 

 

とある日の事。翔真はリアス、アカメ、ミハル、

ユリシアと共に彼女達の水着を買いに来ていた。

 

「なあ。別に俺が行かなくてもいいんじゃないか?」

 

「ダメよ。私達は翔真に選んでもらいたいの。

私達の彼氏である貴方が一緒に行かないとダメよ」

 

「そうよォ。それに私達がナンパされてもいいの?」

 

リアスに続きユリシアがそう言った。確かに

彼女達の容姿は美しいし可愛いものだ。ナンパ

される確率は高いだろう。

 

「それは嫌だな」

 

ナンパされてるという事を考えれば妙に

イラついてしまう。

 

「なら、しっかりとエスコートを頼むぞ」

 

「翔真君も大変ですね」

 

アカメとミハルは後に続き、ショッピングモールに

到着する。

 

 

―水着売り場―

 

 

「(う・・・・視線が痛い)」

 

何処も見ればビキニビキニビキニだらけで

翔真は気まずくなる。さらに周りには女性しか

いないという状況。余計に気まずくなる。

 

「翔真・・・・どっちがいいと思う?」

 

最初にアカメが尋ねる。彼女の両手には色違いの

ビキニが持たれている。

 

右手には黒のビキニ、左手にはフリルが付いた

赤いビキニ。アカメは上目遣いで答えを待つ。

 

「(黒は漆黒で、アカメにぴったりだ・・・・けど

フリルってのも案外いいよな)」

 

適当に答えるわけにもいかず、翔真は真剣に

考えた。

 

「赤い奴がいいと思うぞ。たまには

違う色に挑戦してみるのもいいと思うぞ」

 

「そ、そうか!・・・・なら私はこれにする。

ありがとう翔真」

 

顔を赤くして笑顔でそう告げたアカメ。

 

「・・・・ッ!」

 

普段は絶対に見せないアカメの笑顔。

誰もが惚れてもおかしくない魅力的な

笑顔は守りたくなるものがある。

 

翔真は恥ずかしくなり視線を反らす。

 

「(なにドキドキしてんだ俺?)」

 

「翔真君」

 

「ミハルさん・・・・?」

 

「水着を選んでもらってもいいですか?

翔真君ならどっちがいいですか?」

 

「(青と白か・・・・)」

 

アカメの次はミハルだった。右手には青のビキニ、

左手には白いビキニがある。

 

「・・・・ミハルさんには白がいいかと思います。

白の方が、より一層魅力的な気がする」

 

「なら白にしますね。ありがとう翔真君。

それとリアスちゃんとユリシアちゃんが

試着室の前に来て欲しいそうです」

 

「マジっすか?仕方ない。ミハルさんは

アカメとここで待っててください」

 

ミハルの笑みに癒されながらも試着室の前へ

向かう。

 

「来たわね翔真」

 

「今から私達試着するから、私とリアスの

どちらの水着がいいか見てちょうだいね」

 

ユリシアはリアスと視線を合わせる。

 

「私の魅力で翔真を悩殺するんだから

紅髪の滅殺姫さんは大人しくスクール水着でも

着れてればァ?」

 

「言ってくれるわね・・・・!そういう貴女こそ

黙って全裸でいればいいのよ」

 

睨む合う二人はそれぞれ試着室に入る。

 

「(大丈夫かな)」

 

数分後――――。最初に出て来たのは

ユリシアだった。

 

 

「パンパカパーン~!どう?」

 

「ぶっ!びちゃびちゃ――ごはァァ!!??」

 

某艦娘の台詞を決めて登場したユリシア。

白いビキニを着用しているが彼女の2つの

大きいマシュマロが、水着に入りきって

いなかった。大事な部分は隠れているが

これを見た翔真は盛大に吐血した。

 

「ちょっとショウマァ!?大丈夫!?」

 

「だ、大丈夫さ・・・・これくらい・・・・」

 

フラつきながらも立つ翔真。だが―――。

 

「フフッ・・・・どうかしら?」

 

試着室からリアスも出て来た。リアスもまた

白いビキニであり、白がより一層彼女の魅力を

引き出していた。

 

「く、クシャトリヤ!!??」

 

再び吐血。

 

「へ・・・・来世は鳥になれますように・・・・」

 

だが、この後ミハルの素早い治療により

翔真は回復した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第83話「明日菜、帰還」

 

姫島家はいつも賑やかである。大抵の原因は

翔真であり、彼女達は今日も武力による話し合いを

していた。

 

「ゼノヴィア独り占めしすぎだよ!」

 

「お前ばかり、いつもずるいぞ!」

 

「何を言っている?翔真は私のもの。

私のものは、私のだ!」

 

「決め台詞のつもりなのかしら!?」

 

ちゃっかり翔真の隣を独占しているゼノヴィア。

たまにならいいのだが、ここ最近ずっと隣を

独占している彼女に対してシャルロットと

アカメは我慢出来ず反論する。

 

しかしピクリとも動じないゼノヴィアは

決め台詞を言うのだが、刀奈にツッコミを

入れられる。

 

「わ、私だって・・・・えい!」

 

「な!?アーシアいつの間に!?」

 

「なら私も・・・・えい」

 

両腕に抱きついたのはアーシアと夜架だった。

 

「ちょっと二人ともッ!?・・・・あの、

当たってるんだけど・・・・」

 

「わ、わざと当ててるんですぅ!こうしたら

翔真さんが喜ぶと、クリスカさんが言ってたので」

 

「(クリスカ!?余計な事をッ!アーシアは

エッチな子にしたら、唯一の癒し系キャラが

減ってしまう!)」

 

アーシアは純粋でとてもいい子だ。たまに

天然が炸裂し、筆箱を蒲鉾と間違えて持っていく

行動はあるがそれもまた彼女の特徴なので

致し方ない。

 

「顔を赤くする翔真様・・・・素敵ですわ」

 

「ひぅ!・・・・よ、夜架・・・・息が耳に

掛かってる・・・・うぐ!」

 

夜架は耳元の近くで息を吹きながら

小さく呟く。彼女のボイスは魅力される

ものがある。

 

「(これじゃあ明日菜の所に行けねぇな)」

 

目の前で繰り広げられる話し合い(武力)を

見て、留守にする訳にも行かずこのまま

見るしかないかと、翔真は二人の頭を撫で

ながらそう考えていた。

 

だが次の瞬間。赤い魔法陣が現れる。

 

「この魔法陣は」

 

シャルロットが何かを言い掛けた時、

魔法陣からリアス、朱乃、明日菜、さらには

グレイフィアが出て来た。

 

「リアスさん!?それに明日菜!?」

 

「あは!翔真く~ん!」

 

二つの柔らかそうなマシュマロ(意味深)を

揺らし翔真に抱き付く。

 

「私ね、ようやく退院出来たんだよ!」

 

「そうなのか!・・・・そりゃ良かった」

 

明日菜の病状も良くなり、明日菜を担当する

女性医師から退院してもいいという許可が

降りて、彼女は翔真の元に帰って来た。

 

「良かったわね翔真、明日菜」

 

「ありがとうリアスさん」

 

微笑ましい光景を見ているシャルロット達。

彼女の経緯を知っている為、安心に満ちていた。

 

「あの人は?」

 

「白雪明日菜ちゃんですわ。ショウ君の

ファースト幼なじみですわ」

 

「ふむ。幼なじみか」

 

朱乃は笑顔を絶やさずゼノヴィアに

明日菜の事を教えた。微笑ましい光景が

続くと思われたが明日菜がゆっくりと

口を開く。

 

「ところで翔真君・・・・随分モテるんだね?」

 

「(や、やば)」

 

ハイライトの消え掛かってる明日菜の瞳に

一瞬の恐怖を覚える。

 

「なんで翔真君の周りには女の子ばかりなのかな?

シャルちゃんやユリシアちゃん達は分かるよ。

でも、知らない子までいるのはなんでかな」

 

「な、何故でしょうね・・・・」

 

「それにグレイフィアさんだったかな?

メイドさんにまで愛されてるんだね」

 

「え・・・・」

 

「翔真様。これから宜しくお願いします」

 

「はい、こちら・・・・ええェェ!?」

 

 

冷や汗が出まくりの翔真は事の経緯を

話そうとしたが―――

 

「綾崎翔真、一体何の騒ぎですの?」

 

「もう少し静かにならないかしら?」

 

よりにもよってクレアとユーベルーナの

二人が出て来た。

 

「・・・・」

 

「説明してくれるんだよね?」

 

ニッコリと笑う明日菜。目元に影を作る

彼女の笑顔はリアス達さえも恐怖へと駆り立てた。

 

 

 

 




次回から停止教室編かな。


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第四章 停止教室のヴァンパイア
第84話「優雅な朝」



最近、遅いながら俺 ツイにハマってます。


次回は一誠とイザベラとTSヴァーリちゃんメイン。



 

 

「翔真様・・・・翔真様・・・・」

 

「ぐ、グレイフィアさん?」

 

まだ皆が寝静まっている朝の5時。メイド服に

身を包んだグレイフィアが起こしに来た。

 

「どうしたんですか?」

 

「少し付き合ってもらっても宜しいですか?」

 

「いいですよ。ただ、ちょっと待ってください」

 

私服に着替え、顔や歯を洗いリアス達に

置き手紙を置いてグレイフィアと共に出かける。

 

 

 

 

 

数時間後――全裸のリアスが起床する。

 

「ふわ~・・・・あら?置き手紙」

 

テーブルに置かれた手紙を手に取る。

 

『リアスさんへ。今から少しの間だけ

グレイフィアさんと出掛けて来ますね。あ、

別にやましいことではないので勘違いしないで

くださいね。あと、朝御飯の支度は皆と協力して

作ってください』

 

「・・・・もう一回寝ましょ」

 

置き手紙をテーブルに再び置いて、寝室へと

向かうリアス。すると約1名起きた者がいた。

 

「ふわ~・・・・あれ?翔真君は?」

 

キョロキョロと周りを見渡す明日菜。着崩れした

パジャマから彼女の豊満な胸が見えていた。

 

「そう言えば明日菜ちゃん・・・・まだ

私達とふれあいをしていなかったわね」

 

「ふ、ふれあい?」

 

自分に似ているという事もあるが、ポワ~と

した雰囲気を醸し出す明日菜に魅力を感じた

リアスは徐々に明日菜に近付く。

 

「えと、リアスちゃん?なんだか目が怖いよ・・・・」

 

「だ、大丈夫よ!はぁ、はぁ・・・・明日菜、

時間はたっぷりとあるわ」

 

手の指をわきわき動かし、目の光りが消えた

リアスが迫る。

 

「怖がらなくていいわ・・・・さあ、一緒に

楽しみましょう?ウフフ・・・・調k・・・・げふん!

げふん、ふれあいを」

 

「明らかに今、調教って言い掛けたよね

リアスちゃん!?」

 

「接続改装だと思えばいいのよ・・・・あ・す・な」

 

 

朝の日差しが差し込む姫島家。美女二人の

接続改装(意味深)が始まったのは言う間でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうして殿方と、一緒に歩くのが

私の夢なんです」

 

「そうだったんですか」

 

 

グレイフィアが翔真と共に出掛けた理由。それは

翔真と一緒に歩きたかったのだ。普段はリアスや

シャルロット達が独占している為、彼女には

翔真とふれ合う時間がないのだ。

 

グレイフィアも、過去に翔真に助けられ

好意を持っている。だが、普段は彼女達の

時間を優先させて、自分はメイドとしての

役割を果たしている。もっとも朝の時間帯

ならば彼女達は寝ていて、多少翔真と一緒に

いられる時間があると考えた彼女は今日の

ような行動に出たのだ。

 

「ごめんなさい。私のワガママに

付き合ってもらって」

 

「いいですよ。俺もグレイフィアさんの

気持ちを分かってなかったのも事実ですから。

他に、やって欲しい事とかありますか?」

 

今までの経緯を聞いて、出来るだけ彼女の

要望に答えようとグレイフィアにリクエストを

聞いた。すると、頬をほんのり赤くし彼女は

口を開いた。

 

「手を・・・・繋いで・・・・ください」

 

「ッ!は、はい」

 

下に俯き、恥ずさを堪えながらグレイフィアは

左手を差し出した。

 

ドキドキする鼓動が高まる中、彼女の手を

ギュッと、優しく握る。

 

「あ・・・・翔真様の手・・・・大きい」

 

「そ、そうですか」

 

手を繋いだのはいいが、二人は顔を赤くするばかり。

会話などなく恥ずかしさを込み上げる一方で翔真

は見惚れていた。もしこの場面をリアス達が見たら

間違いなく不機嫌になるだろう。

 

「(普段はキリッとしているグレイフィアさん・・・・

こんな表情も出来るのか・・・・可愛い)」

 

「?・・・・どうかしましたか?」

 

「えぇ!?い、いや・・・・グレイフィアさんが

可愛いくて・・・・見惚れてました」

 

「~~ッ!・・・・や、やめてください。こんな

赤い顔を見られたら私、恥ずかしいです」

 

まるでカップルのような二人。そんな二人を

背後から見詰める者がいた。

 

「たく、ショウキの奴。まーた女の子と

デートとは・・・・モテる奴は違うのかねェ」

 

「だが面白そうだなクーガ。お前が話しを

聞いて少し翔真って奴を見たが・・・・とんでも

ない強さを秘めてるぞありゃ」

 

「で、どうするんですかい。アザゼルの旦那

ショウキに接触するんですか」

 

「まだいいさ。それに、また近々会えるしな」

 

相変わらずの能天気な最速、ストレイト・クーガ。

その横で、某戦闘民族のように『オラ、わくわく

してきたぞ!』―ような表情を浮かべる堕天使の

総督、アザゼルはニヤリと笑う。

 

二人はその場を後にし、これから『ある事』に

向けて準備を進める為に場を後にする。

 

 

 

 





ちょっとした思い付き。これから見て頂くのは
この作品のIf?予告だと思ってください。





病によりこの世を去った女性を、俺は忘れない。
だってそいつは俺の――――






駒王学園の職員室のデスクで、名簿に
目を通す青年がいた。

「3年2組か・・・・よりにもよっていきなり
上級生かよ。ダリぃな」

名簿に目を通すのは今年の春に赴任して来た
教師の綾崎翔真。気だるさを除けば容姿や
服装は完璧だ。ただ、ある事を除いては
普通の人間だ

「・・・・行くか」

だるい体を立ち上がらせ、自身が受け持つ
クラスへと向かう。教室の扉を開けて教壇に
立った。

「皆さん、初めまして。今年からこの
クラスを受け持つ事になった担任の綾崎翔真だ。
別にこれといってないが、一年間宜しくな」

簡単な自己紹介を終えた。拍手が止むと同時に
一人の女子生徒が立ち上がる。

「私は初めてではありません先生」

「そうだったな・・・・『グレモリー』」


リアス・グレモリーとの出会いが、翔真の
止まっていた時間を動かす。



「この人間風情がァァァァ!!!」

「先生ッ!翔真先生ェェェ!!」

不死鳥の力を持つ男にリアスが奪われる。
やるものか―――彼女の悲しみを笑顔に
変える為に、白い翼を羽ばたかせる。

「グレモリーの悲しみの理由を知らないお前に
彼女は渡さんッ!いくぞゼロ・・・・」

力となる己の神器、ウイングガンダムゼロと
共にリアスを、そして力無き者を守る為に
飛翔する。




――ハイスクールD×D white wing―――




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第85話「赤と白」


今回は短い・・・・と思う。


 

 

翔真とグレイフィアが未だに散歩中の頃、

一誠はイザベラと手を繋ぎ学園へ向かっていた。

 

「イザベラさん」

 

「どうしたイッセー」

 

「別に付いて来なくても大丈夫だけど・・・・」

 

「ダメだ」

 

キッパリと断りを入れるイザベラ。手を

強くギュッと握り、一誠を見つめる。

 

「イッセーは・・・・私と一緒にいるのが

嫌・・・・なのか?」

 

「い、いや違うっすよ!?ただ、その・・・・

なんつうか・・・・」

 

必死に言葉を探すがなかなか出て来ない。

何故このような状況なのかと言うと、朝早くに

イザベラから一緒に学校に着くまでの間

側に居て欲しいという願いを聞いたからだ。

 

「私はイッセーともっと一緒にいたいんだ。

ほら、クロメやレイナ達がずっと一緒だし

こういう時でないと・・・・私のワガママが

通らないと思ってな」

 

「イザベラさん・・・・」

 

ここの所クロメや夕麻、リサラ・・・・さらには

リディがイッセーを独占状態である為、年上の

イザベラはなかなか隙に入れないのだ。

 

「そっか・・・・ごめんなイザベラさん。

気持ちも分からずに」

 

「いいさ。今はこうしてイッセーと

手を繋ぐ事が出来て私は嬉しい」

 

「・・・・!」

 

 

頬をほんのり赤くして、こちらに笑みを

見せるイザベラの表情はとても眩しいものだ。

 

 

「やあやあ。二人共少し悪いけどいいかな?」

 

「「・・・・ッ!」」

 

背後から聞こえた声に一瞬びくりと体を

振るわせた二人。後ろを向くと一人の少女が

立っていた。

 

腰まである長い銀髪――スラッとした体型が

特徴の少女はにこやかな笑みを浮かべる。

一誠、イザベラが困惑する中、ドライグが

一誠に話しかける。

 

《相棒気を付けろ・・・・あの小娘、白龍皇だ》

 

「なに!?まさか・・・・」

 

「そのまさかだよ・・・・赤龍帝の兵藤一誠君」

 

その少女は笑みを絶やさず、背中から

キラキラ輝く白い翼―《白龍皇の光翼》を

出した。

 

「やあ。私の名前はヴァーリ・ルシファー。

今日君に会いに来たのは挨拶と言った所でね」

 

「貴様・・・・」

 

近づくヴァーリ。手出しはさせまいと

イザベラが戦う姿勢を見せる。

 

「へぇ、私と殺ろうって訳?・・・・面白いわ」

 

《やめなさいヴァーリ。今日は戦う為に

来た訳じゃないでしょ?》

 

「わ、分かってるよ・・・・もう」

 

《全く・・・・ドライグ、いるんだろ?

久々の再会だというのに何故姿を現さない?》

 

「え?ドライグに会いたいのか?なら

赤龍帝の籠手ッ!」

 

一誠は《アルビオン》の会いたいドラゴン、

相棒であるドライグが宿る赤龍帝の籠手を

出現させる。

 

《相棒・・・・俺としちゃあ、会いたくない・・・・》

 

《相変わらずツンデレねドライグ。でも

そういう恥ずかしさを隠してるアナタも好きよ》

 

《うぐッ!・・・・これだから女は》

 

 

今、メスであるアルビオンは年上の女性らしく

ドライグにアプローチを送る。

 

「なあドライグ・・・・確かお前と白龍皇は・・・・」

 

《それ以上言うな相棒。俺はアイツが苦手なんだ》

 

一体何がどうなっているんだ?と言いたくなる

一誠だが、アルビオンが再び喋り出す。

 

《もう・・・・あのプロポーズの言葉は嘘だったの?》

 

《何がプロポーズだ。あれはお前の勘違いだ》

 

 

そこからアルビオンとドライグの言い合いが

始まる。一緒に悪魔や天使、堕天使を楽しく

ファイヤーした事を話すアルビオンに

ドライグはあくまで否定した。

 

「コホン。取り敢えずアルビオンは静かに。

愛しのドライグに会えて嬉しいのは分かるけど

今は時間がないからまた今度ね」

 

《仕方ない》

 

「じゃあね一誠。いつか貴方と戦う日を

楽しみにしてるわ。チャオ」

 

ヴァーリはウインクすると二人の前から

姿を消した。

 

「(白龍皇のヴァーリか・・・・)」

 

(最悪だ)

 

「(なんだかあの女・・・・まるで一誠に

好意を持っているような・・・・油断ならん)」

 

一誠、ドライグ、イザベラ――考えている事は

見事に一致してなかった。

 

 

 

 

 





TSヴァーリの容姿は、俺、ツイのトゥアールを
思い浮かべてもらえればw CVは矢作紗友里さんでw


まさかのアルビオンも♀w
イメージCVとしては小林紗苗さんで。


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第86話「夏だ!水着だ!おっぱい・・・ゴフッ!」


よ、久々!今回と次回で水着回でーす!
ちなみに出るのは――

翔真側― 翔真、リアス、朱乃、シャルロット、
ゼノヴィア、アーシア、ミハル、クレア、アカメ

一誠側― 一誠、リサラ、イザベラ、夕麻、
クロメ、リディ、カレン

その他、ハヤト、エミリア、祐斗、小猫





 

 

 

夏―――少女達が一段と輝く季節。そして今

駒王学園にあるプールでは・・・・・

 

「いくわよ~!それ!」

 

「うふふ。シャルロットちゃんにパスですわ」

 

「任せて!えい!」

 

「キャッ!上着が取れた・・・・い、イッセー君!

見ちゃダメだからね!?」

 

「巨乳なんて・・・この世から居なくなればいいのよ」

 

「まあまあ。リサラさん落ち着きましょう」

 

リアス、朱乃達が楽しくプールでバレーを

して、夕麻の水着のブラが外れるという

アクシデントが発生しリサラが何か物騒な

事を呟いているが、輝しい目の前の光景に

翔真と一誠は――――

 

 

「「み、水着たまらん・・・ガハッ!!」」

 

某アルトリア顔の病弱剣士のように吐血する二人。

何故プールなのか、それは数時間前に遡る――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫島家――クーラーが効いてない部屋で

うちわを仰ぐ翔真。右隣にはシャルロット、

左隣にはリアスがいる。

 

「プール?」

 

「ええ。プールを綺麗にしたら1番に

使っていいってソーナから言われてるの」

 

リアスはソーナからプール掃除を頼まれていた。

掃除が完了すれば一番乗りで入れるという提案を

聞いて、リアスはそれを承諾した。

 

「それじゃあボクらも行けるの?」

 

「でも、人数には限りあるから早い者勝ちよ?」

 

「急がないとッ!」

 

シャルロットは神速の速さでユリシア達に

この事を伝えた。そして彼女達の間でジャンケン

大会が始まったのは言う間でもない。

 

「別にプールなんて、俺はどうでもいいけど・・・」

 

「私達の水着姿を見たくないの?」

 

「やれやれ、やるしかないようですね」

 

キリッとした表情でそう告げた翔真は

即座に用意を始める。

 

 

 

 

 

場所は変わり兵藤家。一誠もまたリサラから

この事を聞いていた。

 

「やった~!ねぇねぇイッセー!」

 

「どうしたクロメ?」

 

「私に泳ぎ方教えてよ」

 

「おう。それぐらい任せてくれ」

 

やった~!と言わんばかりにクロメは一誠に

飛び付く。

 

「ちょっとクロメッ!そうやってすぐ

イッセー君に抱き付かないの!」

 

「いふぁいいふぁいよ~」

 

夕麻はクロメの両頬を軽く引っ張る。

 

「わ、私もご一緒によろしいでしょうか?」

 

カレンは上目遣いで一誠に同行していいかを

伺う。その仕草さえ可愛いカレンに一誠は

キュンとしてしまう。

 

 

 

「お、なんの話してるんだ?」

 

「ボクらも聞たいな」

 

二階からハヤトとエミリアが降りて来た。

 

「これからプール掃除に行くのよ。二人も

一緒にどう?掃除が終わったらプールに

入れるわ」

 

「そうなんですか?」

 

リサラの言葉を聞いて悩もうとした寸前、

エミリアが目を輝かせる。

 

「せっかくのチャンスだし行こうよハヤト!」

 

「でも、水着なんて持ってないぞ?」

 

「心配ご無用よ。エミリアの水着なら

念のために用意してあるわ」

 

「さすがリサラ!あ、でもハヤトのは?」

 

「ハヤトのは一誠が予備を貸してくれるはずよ」

 

なんだかんだあり、一誠達もプール掃除に向けて

出発した。

 

 

 

――――数時間後

 

 

「ふむ。プールとはそんなに楽しい物なのか」

 

「そうですわ。それに涼めますし、体も動かせる。

一石二鳥ですわゼノヴィアちゃん」

 

「ミハルも持って来たんだな」

 

「はい。翔真君に選んでもらった水着ですし

着ちゃわないと」

 

プールについてゼノヴィアに説明をしている

朱乃や、互いに水着を持ってきた事を確認する

アカメとミハル。四人の後ろを歩く翔真は

トラブルに巻き込まれていた。

 

「リアス・グレモリー!ささっと

綾崎翔真から離れなさいッ!」

 

「嫌よ!大体、なんでクレアに

指図されなきゃいけないのよ!」

 

「ちょっと二人共!?そんなに密着したら

翔真が干からびちゃうよ!」

 

「し、翔真さ~ん!」

 

暑い日差しが三人を突き刺す。翔真に

至っては二人に密着され死にかけていた。

シャルロットとアーシアは翔真の容態を

心配していた。

 

 

「あ、暑い・・・・・」

 

「翔真!?しっかりして!」

 

「お待ちなさい。こんな時の為に・・・」

 

クレアは胸の谷間から、挟んでいた

アイスを取り出す。

 

 

「なんで胸に挟んでるのよ!」

 

「も、もしもの事を考えてこうしましたのよ!

熱中症対策専用マニュアルに書いてありましたの」

 

「どんなマニュアルなのよ?」

 

リアスとクレアは睨み合い、翔真を

挟みながらプールへと向かう。

 

 

 





次回は一誠がメインですよ!主にイザベラさんとの
絡みが・・・・・


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第87話「オイル塗りって結構興奮するよね」

 

 

水着に着替えた一誠。少し長めの短パンタイプの

水着の一誠。太陽の日差しを浴びながら愛しの

彼女達を待っている。

 

「(あっちーな・・・だが!こんな暑さどうと

いう事はない!リサラ達の水着を見れるんだ!

こんな事でくたばってられるか!)」

 

既にテンションはボルテージMAX。準備運動を

行おうとした時、イザベラが駆け寄る。

 

「い、イッセー・・・待たせたな」

 

「イザベラさん・・・」

 

モジモジして、顔を赤らめるイザベラ。彼女は

紺色のビキニタイプの水着を着用している。

しかも身体のラインもよく、出ている所も

出ていた。

 

「ぐはッ!」

 

「い、イッセー!?だ、大丈夫か!」

 

「こ、これぐらい何ともないッスよ。

たかが、メインカメラをやられただけ・・・」

 

鼻から大量の血を流す一誠。言葉とは裏腹に

よろよろしている。

 

「「イッセー!」」

 

「ッ!?クシャトリヤッ!?」

 

再び鼻血の噴水。黒いビキニを着用したクロメと

緑のビキニを着用したリディも登場。やはり

胸に視線が行くので、鼻血は不可避なのだ。

 

「も~う、何処見てるんだよ~イッセー」

 

「は、破廉恥だぞ!」

 

そんな事言われても――そんな事を思いながら

立ち上がる一誠。既に貧血間近である。

 

「イッセー?」

 

「どれだけ耐性がないのかな」

 

呆れてやって来たリサラと夕麻。リサラは赤い

ビキニ、夕麻は黒いスクール水着を着用していた。

 

「ゆ、夕麻ちゃん!?なんでスク水なんだよ!?」

 

「えと、選ぶ時間がなかったの・・・そ、そんなに

見られると・・・は、恥ずかしいよ」

 

「ご、ごめん!(だけどいいものが見れたな!)」

 

謝りつつも、目の前の光景はかなり過激。

一誠なりにこれで満足・・・

 

 

「イッセーさん!お待たせしました!」

 

「おうカレンちゃん!」

 

最後に現れたのはカレンだった。紫が

特徴のビキニ、下にはパレオを巻いている。

神秘的に美しい白い肌が一誠の視線を奪う。

さすがはカレンと言うべきか。だがふいに

ただいますくすく育っているだろうカレンの

胸に視線が行ってしまう。

 

 

 

「イッセー・・・そんなに胸を見てどうしたの?」

 

「ひぃ!」

 

こめかみに青筋を浮かべているリサラ。

間違いなく怒っていた。身の危険を感じて

プールへ飛び込もうとしていた。

 

「イッセーの・・・イッセーのバカァァァ!!」

 

「だああああァァァ!?」

 

リサラのお仕置きを受けた一誠はそのまま

プールへダイブ。数分後、ぷか~っと浮かんで

いたのは言うまでもない。

 

――――

 

「いてて・・・はぁ」

 

「大丈夫かイッセー?かなり酷かったが」

 

「大丈夫っすよイザベラさん。まあ、

リサラの怒る原因を作ったのは俺っすから」

 

自分にも非はあると自覚している一誠は

イザベラも心配されるも、そう返した。

 

「なあイッセー」

 

「はい?」

 

「頼みがあるのだが、良いか?」

 

恥ずかしそうに尋ねるイザベラ。顔を赤くした

彼女がこれまでにない程可愛いさを発揮している。

思わず唾を飲み込む。そして彼女の頼みは・・・

 

「せ、背中や身体にサンオイルを塗って欲しい・・・」

 

「(お、オイルを塗ってだとォォォ!?

そんなお色気シーンが実在したのかァァ!)」

 

まさに最大の見せ場。今日は鼻血しか

出していないので、一誠は張り切って

了承する。

 

マットを敷いてイザベラは背中の方を向けて

横になる。手にサンオイルを馴染ませて、いざ

オイル塗りを始める。

 

一誠の手が次第にイザベラの背中に触れる。

 

「あぅ・・・」

 

懸命に塗る。背中もそうだが脚もしないと

ならない。

 

「あ・・・ひぅ・・・ん」

 

「(エロい!エロすぎだよイザベラさん!)」

 

想い人に身体を触られ、感じずにはいられない。

イザベラは恥ずかしさと嬉しさが込み上げるのを

抑えながらサンオイルを塗り続けてもらう。

 

「なんか面白そう!私もやらせて!」

 

「ちょ!?クロメ!!?」

 

クロメがニヤニヤしながら一誠から

サンオイルを取り上げて、手に塗りたくる。

 

「私もやっちゃうよ!それ~!」

 

「な!?く、クロメ!そ、そこは!」

 

乱暴にイザベラの身体を塗りたくるクロメ。

抵抗しようとイザベラを身体を起き上がらせる。

 

しかし――

 

 

「ッ!?」

 

「~~ッ!!見るなァァァ!!」

 

ブシュ

 

「だああああァァ!!目が!目がァァ!」

 

胸を隠していた上が外れた。

指で目を潰される一誠。何処かで見た事がある

光景である。

 

「なにバカやってんのよ、もう」

 

「けしからん」

 

プールから見ていたリサラとリディは呆れていた。

仕方ないと思いつつも一誠の側に行こうとした。

だが――

 

「「キャッ!」」

 

 

ツルっと滑り、二人は一誠の方へと倒れた。

 

「(いてて・・・なんだ・・・?)」

 

視界がボヤける中、ふいに鼻の先に柔らかい

ものが当たる。

 

―ふにゅ

 

「あん!・・・い、イッセー・・・あんまり

動か・・・ない・・・で」

 

「(まさか・・・)」

 

今の状況をざっと説明するとリサラの股関が

一誠の顔に直撃していた。つまりこれは―

 

「まん・・・ごはァァァ!!」

 

「イッセー!?」

 

大量に鼻血を流した一誠。この後輸血して

回復したのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回は翔真メイン。リアスと朱乃と
シャルロットの絡みが主になるかも。



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第88話「ああ、お姉様」

 

一誠が鼻血を流しまくっている頃、翔真は

アーシアとアカメに泳ぎを教えていた。アカメは

前に翔真が選んだビキニを着用しており、アーシアは

スクール水着だ。

 

ばちゃばちゃと水柱を立てて必死に泳いでいた。

 

「うん。二人共、いい感じだ。けどアカメが

泳げなかったのが少し意外だな」

 

「いや、泳げるのは泳げる・・・だが、

あまり得意ではないな」

 

「そっか・・・アーシアは?」

 

「はい!翔真さんのおかげでコツを

掴めた気がします!」

 

「そうか。なら良かった」

 

後は自分達で挑戦するという願いを聞いて

翔真はプールから出る。遠くでは祐斗とハヤト、

エミリア、小猫が仲良くバレーをしていた。

 

 

「それにしてもあっち・・・」

 

「あ、もう二人はいいの?」

 

「ッ!」

 

視界に飛び込んで来たのは黄色いビキニを

着用したシャルロットだった。あまりにも

魅力的な姿はまさしく神秘だった。

 

「ど、どう?ボクの水着・・・似合うかな?」

 

「お、おう・・・」

 

顔が熱くなるのを感じた翔真は視線を反らす。

ずっと前から一緒にいるシャルロット。今日の

姿を見て自然と胸の鼓動が高まる。

 

「あれ~?なんで翔真はこっちを見ないのかな?」

 

「う、うるせぇい!ちょっとクラッとしただけ!」

 

ニヤニヤしながらからかうシャルロット。

そんな二人にミハルが近づく。

 

「相変わらず仲が良いですね。羨ましいです」

 

「あ!ミハルさん!」

 

「ッ!?ぐはっ!」

 

ミハルは白のビキニを着用。

だがリアスやユリシアに負けじと豊満な胸が

水着に入り切ってない。大事な所は隠れているが、

さすがにシャイボーイの翔真には刺激が強すぎた。

 

「あらあら」

 

「もう、翔真のエッチ・・・」

 

微笑むミハル。顔を赤くしてそう告げる

シャルロット。

 

「いや!これには深いアレがあってだな!?」

 

懸命に誤解を解こうとしたが・・・

 

「何をしていますの翔真」

 

「あらあら。翔真君ってば・・・うふふ」

 

「なにをしでかしたのかしら?まあいいわ。

翔真~?こちらにいらっしゃい」

 

「え・・・ふぐッ!」

 

吐血の衝動を抑える。女神―ヴィーナス―の

ような美しさを放つクレア、朱乃、リアス。

やはりグラマスボディーは刺激的だった。

 

「翔真、私の背中にオイルを塗ってくれないかしら」

 

「ふぇ!?」

 

「ちょっと!?いきなり何を言うのさッ!」

 

びっくりする翔真。それを黙って聞き流せる程

余裕ではないシャルロットは反論する。

 

「翔真には刺激が強すぎるのッ!!もし

そんな事して、翔真が獣になったらどうするの!」

 

「あら、私は覚悟出来てるわよ?貴女も

そうでしょ?朱乃」

 

「うふふッ・・・翔真君に抱かれるなら

私は喜んでお受け致しますわ」

 

「な、何を言ってますのお二人!」

 

既に覚悟を決めているリアスと朱乃。何か

言うおとするクレアをよそに朱乃が近づく。

 

「ねぇ翔真くん・・・」

 

「ひゃ!」

 

耳元に朱乃の吐息が掛かる。

 

「翔真くんの一番は私ですよ・・・だ・か・ら、はぅ」

 

何をするのかと思えばいきなり耳を甘噛みした。

 

「朱乃・・・少しお遊びが過ぎるんじゃないかしら?」

 

「巫女さんだからって、何もかも

許される訳じゃないけどな~?」

 

明らかに怒っているリアスとシャルロット。

朱乃は余裕な表情で微笑む。

 

「先に言っておきますが、私が最初に翔真君と

会った・・・つまり、私が正妻ですわ。だから、

これくらいの特権があってもいいじゃない」

 

「貴女はやはり油断なりませんわ」

 

「いくらでも言ってくださいな。私は

何とも思いません」

 

クレアもリアスとシャルロットに加わる

次第にトラブルが起きそうだと確信した翔真は

こっそり抜け出す。

 

 

「はぁ・・・朱乃さんエッチ過ぎるよ」

 

「おや。奇遇だね翔真」

 

「ゼノヴィア?やけに遅いな」

 

「ああ。こういうのには慣れなくてね・・・

それで翔真、君に折り入って頼みがある。

聞いてくれないか?」

 

「俺で良ければ」

 

「じゃあ・・・私と子供を作ってくれ」

 

「・・・・は・・・はああァ!?」

 

 

ゼノヴィアの発言に驚く。そんな翔真を

よそにゼノヴィアは続ける。

 

「ビックリするのも無理はない。ただ、私は

今まで信抑の為に生きてきた。主に仕え、

主の為に戦う。それが私の全てだった」

 

「そう・・・なのか」

 

「ああ。だが、主がいないと知って

悪魔になった私だが、夢や目標を無くした。

だから、前にリアス部長に尋ねたんだ」

 

リアスにそう尋ね返って来た答えは――

『悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を望む者。

今はゆっくりでもいい。貴女は貴女のやりたい

ように生きなさい』と言われたのだ。

 

「さすがはリアスさんだな・・・でも!

なんでそれが子供を作る事と関係あるんだ!?」

 

「女としての喜びを感じてみたいんだ・・・ダメかな?」

 

「ッ・・・その目で見るのをやめろ・・・」

 

上目遣いで尋ねるゼノヴィア。普段凛とした

表情しかしない彼女。今の表情は完全に

女の子としての表情だった。

 

「さあ翔真・・・」

 

「ま、待てって!そんな焦る事は・・・だああ!!

何取ってんだァァ!!」

 

制止構わず、ゼノヴィアは上のブラを取る。

さらけ出されたおっぱい。そして―――

 

ドサッ

 

「ちょ・・・」

 

「照れる事なんてない・・・私も初めてだ・・・

さあ、私と子供を作ろう・・・そして・・・」

 

まさしく創聖合体が始まろうとしていた―――

 

 

「なにしてるのかしら・・・翔真」

 

「だああ!!りりりリアスさァァん!?」

 

いつの間にか、出入口の向こうにリアスが

立っていた。しかも・・・・・・

 

「一体・・・どういう経緯で子作りなのかな?」

 

「私達が甘かった・・・ここは一度、

強制的に殺さなければ・・・」

 

「し、翔真さんひどいですぅ!い、

言ってくれれば私が!」

 

「綾崎・・・翔真・・・」

 

「あらあらゼノヴィアちゃん。翔真君との

子作りは私が先約でしてよ?うふふ・・・」

 

シャルロット、アカメ、アーシア、クレア

さらには朱乃までもがいた。

 

そしてリアスは左手に滅びの魔力を作る。

 

「何か言い残す事は?」

 

「誤解だああァァァ!!」

 

 

 

その後、倉庫で大きい爆発があったのは

言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はサーゼクスとオリキャラの嫁が出ますよ!
お楽しみに!


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第89話「サーゼクス・ルシファー」

 

 

プールでの遊びを終えた一行。今後の方針と大事な話もあるので

一行はオカルト研究部の部室へ向かう。

 

「それじゃ、しばらしくは如月君とエミリア、クレアは

この学園に通ってもらうわ」

 

「すいません。何から何まで」

 

「いいのよ。それに翔真やイッセー達がお世話になったみたいだしね。

まあそれはいいとして・・・早く離れなさい翔真」

 

リアスのドスの効いた声がより一層恐怖に駆り立てる。翔真の

今現在の状況は最悪だった。

 

「あの~アカメさん?離れてくれない?じゃないとリアスさんが・・・」

 

「嫌だ。構わず続ければいい」

 

翔真の膝にちょこんと座るアカメ。先程の子作り未遂事件で

彼女なりに焼きもちをやいており、我慢出来ずに膝に座っている。

隣に座るアーシアやシャルロットは羨ましい視線を送っている。

リアスもまた内心では羨ましいと思いつつも次の話題へ切り替える。

 

「はぁ~、まあいいわ。次の話だけど・・・」

 

次の話題に取り掛かろうとした時だった。

 

「その話はわたしがするよリアス」

 

「「「「・・・!」」」」

 

「「おお、おおお兄様!?」」

 

声がした方に視線をやると、にこやかに微笑む青年がいた。

この青年こそリアスやリサラの兄にして現魔王の一角―――

サーゼクス・ルシファーだ。

 

「うふふ。リアスちゃんやリサラちゃん達も久しぶりね。

皆随分と成長したのね」

 

グレイフィアを少し幼くしたこの女性はグレイフィアの実の姉であり、

サーゼクスの妻―ルフィア・ルキフグスだ。やはり魔王としての風格がある故に

皆は固まってしまう。見ず知らずのハヤト達ハンドレッド組もそんなオーラを

感じて固まってしまう。

 

「ハハハ。今日はプライベートで来ているから楽にしてくれ。

リアスも眷属の皆もね」

 

サーゼクスが場を和らげる。するとゼノヴィアが前へと出る。

 

「貴方が魔王サーゼクスか。私の名前はゼノヴィア・クァルタ」

 

「君がゼノヴィアか。君がデュランダル使いと聞いているよ。

けど、最初は耳を疑ったよ。とんだサプライズだ」

 

「まあ、私自身も悪魔になるとは思わなかった。破れかぶれでなったとはいえ、

本当にこれで良かったのかと時々思う時がある。うん・・・」

 

話す途中で考え込むゼノヴィア。それを見て愉快な笑みを溢すサーゼクス。

 

「いや、リアスの眷属には愉快な者が多い。ゼノヴィア、是非とも君の力を

グレモリーに役立てて欲しい。あ、無理はしないようにね」

 

「伝説の魔王ルシファーに気遣いまでされるとは。出来る限り期待に応える」

 

サーゼクスとゼノヴィアの顔合わせが終わる。リアスに至っては何処か不機嫌だ。

 

「それで、何故魔王であるお兄様がここに?」

 

「そうですよ」

 

「冷たいな二人共。それにこのプリントの内容は

どういう事かな?ルフィア、頼むよ」

 

「うん。はいこれ」

 

「そ、それは!」

 

「まさか!」

 

ルフィアが取り出したのは授業参観に

関するプリントだった。

 

「勉学に励む妹の姿。実に楽しみだ」

 

「ルフィアね!机に隠してたのに!」

 

リアス&リサラがルフィアと言い合いに 発展する中

翔真の表情はみるみる青ざめていた。

 

「まさかシャルロット・・・フィカーさんに

言ったりしてないよな?」

 

「もちろん言ったよ?だってフィカーさんは私達のお母さんなんだから

伝えるのは当然だよ? あ、束さんも来るって言ってたよ」

 

「なに・・・」

 

ラトロワ、更には束が来ると聞いてテンション下がりまくりの翔真。

成績は悪くないが普段、勉学に励む姿を見てもらうというのは、年頃の

翔真やリアスにすれば恥ずかしい事なのだ。更に言えばサーゼクスは少し

シスコン気味でおおはしゃぎしてカメラを回すだろう。翔真の場合・・・・・・

ふざけていればラトロワに―――

 

『死ね』

 

と言われるだろう。フィカーツィア・ラトロワは元は軍人。

母親以前に軍人として真面目するぎる面がある為緊張感がより一層膨れ上がる。

 

「「はぁ~」」

 

翔真とリアスのため息が混ざり合う。

 

「さて本題に入ろうか」

 

これまで愉快な笑みを溢していたサーゼクス。

表情を引き締めて再び口を開く。

 

「今回のコカビエルの事件を機に三大陣営による会談が行われる。

リアスは知ってるだろうけど、他の皆は多分初耳かな」

 

恐らく、リアスが翔真や一誠達に話そうとしていた内容だろう。

リアスに動揺は見られず翔真達は驚きに満ちている。

 

「尚、リアスやグレモリー眷属、そして綾崎翔真君を含む神装機竜使いも

事件に関わった者として、会談に出席してもらうよ?」

 

「俺や刀奈ちゃん達も?」

 

「事情やら説明やらするし、君達がいてくれれば助かる」

 

「ですがお兄様。会談は分かりますが何故学園に?」

 

「実はね、三大勢力の会談の場所にこの学園で行おうと思ってね。

授業参観に来たのもその偵察も兼ねているのさ」

 

『・・・!!』

 

はたまた場の空気が凍り付く。三大勢力の会談の場が、

まさかこの学園だとは誰も思わないだろう。

 

「(この学園で?危険じゃないのか)」

 

現に三大勢力のトップが話す機会。だがこの学園での会談は

あまりにも危険ではないのかと翔真は考える。

 

「しかし早すぎたかな・・・」

 

「その話・・・もっと詳しく聞たいな」

 

「「「フィカーさん!?」」」

 

翔真・シャルロット達が声を上げる。何故なら

カジュアルな服装に身を包んだラトロワがいた

「おや貴方は・・・随分と久しぶりですね。

ジャール隊のフィカーツィア・ラトロワさん」

 

「(え・・・知り合い?)」

 

冷徹な笑みを浮かべる二人。何か波乱の起きそうな予感だ。

 

 

 




ルフィアさんの容姿は某projectのメイド長を
浮かべてもらえれば。


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第90話「男同士の話」

次回は授業参観・・・ぼ・・・(ぼーちゃん風)


 

ラトロワが用意した新たな新居へと向かう事になった翔真は

シャルロット達とリアス率いるオカルト研究部は新居――またの名を

別荘に到着していた。

 

「妹が迷惑掛けていなくて安心しました」

 

「心配しなくても、リアスは翔真の前では大人しい乙女だからな。フフッ」

 

「う~・・・」

 

「まあまあ」

 

「落ち着いてくださいな」

 

広いリビングに設けられたソファーに座るサーゼクスとラトロワは

話が弾み色々と話していた。一方のリアスはラトロワに色々と秘密を

暴露されご機嫌ななめであり、翔真とクローディアにより宥められていた。

 

「オイ翔真ッ!?ここ・・この写真に写ってるのってまさかっ!?」

 

発狂したような声を出す一誠に視線を向ける。わなわな震えた手で

持たれていたのはとある1枚の写真だった。

 

「あー、確か『ワルキューレ』のボディーガードで雇われた時、

記念に撮った奴だな。すげーなつい」

 

「そこじゃねーよ!?なんだ!?なんでお前の知り合いには

可愛い女の子なんだァァ!?許せん!断じて許せん!」

 

「本心は?」

 

「スゲー羨ましいっす」

 

翔真にそう問われ、とっさに本音がボロッと出てしまった。

一誠は口を急いで塞ごうとしたがもう遅かった。

 

「イッセーくん~?」

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

イッセー大好きの夕麻はハイライトの消えた瞳を

一誠に向けたままじりじりと歩み寄る。

 

「あははは・・・夕麻達だけじゃ足りないのかな~?」

 

「えーと・・・その・・・すいませんでしたァァァァ!」

 

夕麻の姿が一瞬イリナと被る。幻覚を見て一誠は

すぐさま土下座を決めて夕麻に謝る。

 

「(なんだかこういう所、翔真に似てるわね?)」

 

「(確かに。翔真もすぐに謝る癖があるからな)」

 

「(うふふ。似た者同士ということですわね)」

 

「(そうですね。うふふ・・・♪)」

 

女性に弱く、すぐに謝る癖が一致している翔真と一誠。なんだかんだ

言いながら二人は何気に行動が似ている。クスクスと笑いを堪え

リサラ・アカメ・朱乃・クローディアはこの光景を見続けていた。

 

 

――――

 

 

「翔真と一瞬に寝てはダメなのですか・・・?」

 

「魔王と一緒だと・・・なんだか危ない匂いがする」

 

 

『しねーよ』と、心の中でツッコミを入れる翔真。

夜食を皆で頂き、一誠達は家へと帰り、リアスとゼノヴィアは

寝間着に着替えて翔真の部屋へと訪れていた。

 

「今夜は彼と少しだけ話がしたいんだ。少しだけ彼を貸してくれないかい?」

 

部屋を訪れるとサーゼクスがいた。今夜だけという条件の元、

彼はリアスとゼノヴィアを説得する。

 

「分かりました。なら今夜は明日菜を抱き枕にして寝ます。・・・翔真、おやすみ」

 

「なら私は久々に、クリスカと共に話をしよう」

 

二人はしぶしぶ条件を呑み、自分達の部屋へ歩き出す。リアスと明日菜の

接続改装は見たいが今はサーゼクスが優先。翔真は改めて気を引き締める。

 

「あ、ベッドでいいですよね?俺は布団で・・・」

 

「いや。わたしは布団でいいよ。たまには

床で寝るという体験をしてみたいんだ」

 

「サーゼクスさんがいいなら・・・でもやっぱ気が引けるな・・・」

 

赤いパジャマを来ていても、やはり魔王の風格が消える事はない。

緊張しながらも翔真はベッドへ座り、サーゼクスは布団へ座る。

 

「まずはリアスの婚約の件。本当にありがとう」

 

「いいえ」

 

婚約の件とはライザーの事だ。今振り返れば

翔真にとっては壮絶な戦いであった。

 

「わたしは立場上、反対する事が出来なかった。好きでもない者と

強制的な結婚など、ただの束縛に過ぎないからね。君もそう思うかい?」

 

「・・・・・・そうですね。結婚って互いが好きになって、 生涯この人と

一生を過ごしたいっていう気持ちがないとダメだと思うんです」

 

「随分と大人な発言だね」

 

「あはは・・・すいません、上から言う感じで」

 

「いいや。少し感動したよ」

 

二人は次に、コカビエルの話題へ移る。

 

「コカビエルの件、本当にご苦労だった」

 

「いいえ。コカビエルを倒せたのは皆の協力があったからこそです。

俺は何もしてませんよ?」

 

「そんな事ないはずだよ?コカビエルを圧倒的に

追い詰めたのは事実な訳だしね」

 

どうやらコカビエルとの戦闘の話はリアスから聞いているらしい。

ソーナからも報告を受けており、サーゼクスの手元には写真もある。

 

「いつの間に。つうか撮影者、絶対ソーナさんの眷属だろ・・・」

 

「君の強さを間近で見た訳じゃない。だが、君の眼には強さ、

優しさ。多くの試練を乗り越えた眼をしている」

 

サーゼクスは真剣な眼差しでこちらを見る。

 

「きっと、サーゼクスさんの見間違いですよ。

俺が強いのはバハムートがあるからです」

 

神装機竜―『バハムート』この力があるからこそ自分はリアスや

シャルロット達を助け、ライザー、コカビエル、はぐれ悪魔を倒す事が出来るのだ。

決して自分が強い訳ではない――――翔真はサーゼクスの言葉を否定する。

 

「君は強い子だ。だけどね、これだけは覚えておいて欲しい。

自分の事も大切にしないと・・・いずれ、全てを見失う・・・これだけは

覚えておいてくれ翔真君」

 

「肝に命じておきます。サーゼクスさん」

 

それからというもの、将来の事や色々と聞かれた翔真は真剣に自分の考えを

話したりした。結局二人が就寝した時間はAM3:00である。

 

 

 

 



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第91話「授業参観」

 

 

遂にやって来た授業参観の日。翔真とリアスの足取りは何処か重かった。

ちなみにラトロワはアーシア・アカメ・シャルロット・ユリシアの授業を

見る事になり、束はもう一人の女性と共に翔真の授業を見る事になっている。

 

「「・・・はぁ」」

 

「二人共、いきなり溜め息などしてどうした?」

 

「翔真やリアスは、ラトロワさんやサーゼクスさんに見られるのが嫌なんだよ」

 

「でも良かったじゃない?だってショウマは束さんが行くんだし」

 

「まあな・・・」

 

一斉に溜め息をつく二人を見てアカメは首を傾げた。シャルロットが

経緯を説明してユリシアは二人を宥めている。

 

「授業参観か・・・私は初体験だが、アーシアは体験したことあるのかい?」

 

「実は私も初めてなんですぅ。だから今日は私・・・いつも以上に頑張ります!」

 

ゼノヴィアとアーシアは授業参観がどんな物かわくわくしていた。

教会で暮らしていた二人にとってこういう行事は楽しみになのだろう。

 

 

――――

 

リアスやシャルロット達と別れ、翔真はアーシア・ゼノヴィア、

夜架と自分達の教室へ向かう。

 

「え?・・・それはマジなの?夜架」

 

「はい。鈴音さんも来るそうですわ。とても楽しみにしておられましたわ」

 

「・・・真面目にやらんとヤバいよな。だああああ!ちくしょう!」

 

「「・・・?」」

 

夜架の言葉に翔真は驚く。うなだれそうになる

最中一誠・ハヤト・夕麻・エミールがやって来た。

 

「おぉ、制服姿も似合ってるじゃんハヤト」

 

「そうか?」

 

「言ったろ?別に変じゃないって」

 

駒王学園の男子制服に身を包んだハヤト。隣では彼に見惚れるエミールが

瞳をキラキラさせている。教室へ入ると既に保護者達がいた。それぞれの両親が

いる中で一際目立つ女性二人がいた。

 

「あ!ショー君!束さんだよ~!」

 

「全く。相変わらずやる気のない顔だな」

 

レディーススーツに身を包んだ束と、翔真の姉的存在である『鈴音』は

こちらに向けて手を振る。当然、男子生徒達の嫉妬の眼差しが翔真に向けられる。

 

 

「うふふ。二人共、レディーススーツで来ていますわね・・・」

 

「なんだかスーツ姿の束さん・・・カッコいいですぅ!」

 

「あのお方が篠ノ之束か。なかなか手強そうだな。隣にいる人もライバルか。

リアス部長やシャルロット達だけだと思っていたのに思わぬ誤算だ」

 

翔真、夜架、アーシア、ゼノヴィアが席へ座り一誠達も座る。

その数分後、英語教師がやって来て翔真達に教材を配る。

 

『なにこれ?』『粘土だよね?』『マジかよ』

 

ひそひそと聞こえる声。先生はこほんと咳払いをすると、口を開いた。

 

 

「今日は紙粘土で好きなものを作ろう。粘土で

会話するそういう英会話もあるんだぞ?」

 

「「「んなわけあるかァァ!!」」」

 

 

この教師、やる気のなさが見えているが取り敢えず今回は

紙粘土をやる事になった。皆がそれぞれ紙粘土でなにかを製作する中で、

真っ先にゼノヴィアが手を挙げた。

 

「お、クァルタ君はなにを作ったのかな?」

 

「はい!これです!」

 

ゼノヴィアは犬を披露する。なかなか手の込んだ犬に生徒達からは

オォーという声が聞こえる。それから他の生徒達も紙粘土で作品を

仕上げていた。

 

「よぉし!完成だッ!」

 

「な!?イッセー・・・そいつはまさか!?」

 

「まさか・・・まさか・・・」

 

一誠の親友A(松田)、親友B(元浜)が驚きの声を上げた。隣に座る夕麻ですら

一誠の仕上げた紙粘土作品に圧倒されている。

 

「天・元・突・破・・・グレンラガンッ!」

 

紙粘土で一誠が作ったのは『グレンラガン』であった。

これを見た生徒達からは驚きの声が上がる。

 

「甘いな一誠」

 

「なに!?」

 

翔真もまたある物を作り上げた。紙粘土で作り上げたのは『エヴァ』と

『バルキリー』だ。男子生徒や女性生徒達からは驚きの声が上がり授業は

なんとなく盛り上がった。

 

 

「ふふ。シー君が笑ってる。久しぶりに見たかも・・・あんな素敵な笑顔を見たのは」

 

「そうだな。アイツも変わったという事か」

 

束と鈴音は翔真の成長を実感し、微笑みながら授業を見続けた。

 

 




鈴音さんは閃乱カグラからです!ああ、
鈴音さん可愛い・・・可愛いよ・・・


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第92話「魔☆王☆少☆女・・・降臨!」

FGOで遂に、セイバー・アルトリア・オルタが来たァァ!!やった・・・やり続けて半年・・・苦労した甲斐が
あったぜ!


 

授業が終わり昼休み。授業参観が無事終わり翔真と

リアス・シャルロット達、一誠達は何処か疲れていた。

 

「はぁ・・・・・なんか疲れた」

 

「それはこちらの台詞よ。お兄様やお父様は調子に乗ってカメラまで

取り出す始末だし・・・・もう恥ずかしいったらありゃしないわッ!!」

 

「まぁまぁ」

 

「少し落ち着いたらどうだ?今は熱いし熱中症になる。ほら、ポ◯リだ」

 

「ポ◯リなんて誰も頼んでないわよッ!」

 

 

恥ずかしさから顔を真っ赤にして、先程の授業参観を思い出す。

シャルロットとアカメがなんとか宥める。アカメはフォローと

言わんばかりにポ◯リを取り出すが、リアスは拒む。

 

「うふふ。翔真君はいかがでした?授業・・・・・・さ・ん・か・ん」

 

「あ、朱乃さん・・・息が・・・掛かって・・・る」

 

「(さすが朱乃お姉様、油断なりませんわ)」

 

 

笑みを浮かべる朱乃は、翔真の耳元でささやく。

彼女の息が耳に掛かりなんとも言えない快感が翔真を襲う。

夜架は朱乃に対して尊敬すると共に警戒心を露にした。

 

 

「ちきしょうッ!!なんつう羨ましい事・・・

あだだだだ!?りひゃら!?いだいいだい!」

 

「イッセーには私達がいるでしょ」

 

「もう・・・イッセー君のバカ」

 

「むぅ」

 

 

「なんだか微笑ましいね!だったら僕らも対抗するよハヤトッ!」

 

「待て待てッ!なんでそうなるんだよ!?」

 

リサラと夕麻に両頬をつねられる一誠。それを苦笑いしながら

見ていたハヤトだが、思わぬとばっちりを受けた。

 

「そう言えばシャルロット達は大丈夫だったか?

ラトロワさんだから、緊張しなかったか?」

 

「ううん。むしろボク達を褒めてくれたよ。ユリシアやアカメは?」

 

「私達も同じよ」

 

「ああ。頭を撫でられた」

 

「(うーん・・・なんだろ、この差は)」

 

いつも翔真に対しては厳しい態度(愛情の裏返し)なのに、

何故シャルロット達には優しいのだろうかとつい考えてしまう翔真。

溜め息をつきたくなるが仕方ないと割りきる。

「リアースッ!!」

 

「そ、ソーナ!?」

 

体育館近くでまったりしていると、こちらに一人の少女が

向かって来ていた。黒髪のセミロングで眼鏡がお似合いの

ソーナ・シトリーが目に涙を溜めながらリアスの方へ向かって来た。

 

「助けてくださいッ!」

 

「その慌てよう・・・まさか」

 

何か思い当たる節があるリアスは眉を寄せる。

 

「ソーたーん!!あ!見つけたよ~!!」

 

「「「「「・・・・・・は?」」」」」

 

次にこちらへ向かって来ていたのは魔法少女のコスプレをした

黒髪のツインテールの少女?だ。思わず翔真・シャルロット・

ユリシア・アカメ・夜架は呆気に取られる。それは一誠達も同様である。

だがリアスや朱乃、祐斗達は苦笑いを浮かべている。

 

 

「もーう!ソーたんどうして逃げるの!私はただ・・・

妹とラブラブでユリユリしたいだけなのに!」

 

「そのような発言は控えてくださいッ!!!

それと、たん付けはやめてくださいッ!」

 

「あの~・・・あの人誰ですか?」

 

魔法少女のコスプレをした少女に視線を向けたまま翔真はリアスに尋ねた。

 

「あの方は四大魔王の一人でソーナの姉である、セラフォルー・レヴィアタン様よ」

 

「はい!?」

 

 

魔法少女の正体はソーナの姉であり四大魔王の一角

妹大好きセラフォルー・レヴィアタンである。あまりにも

似てない二人が姉妹だという事実に翔真達は驚く。

 

「こちらに来られていたのですねセラフォルー様」

 

「あ、リアスちゃん☆お久~!!というよりもソーたんが

今日の事を黙ってたんだよ~!私は悲しいんだから☆」

 

「(そうは見えん・・・)」

 

この魔法少女コスプレ少女が魔王だという事が未だに信じれず、

翔真は呆気に取られたままだ。ソーナが顔を赤くする中で、

セラフォルーが翔真をまじまじと見ていた。

 

「もしかして、君がサーゼクスちゃんの言ってた装甲機竜の使い手かな?」

 

「え・・・は、はい!自分は綾崎翔真って言います。

神装機竜『バハムート』の使い手であります」

 

「翔真・・・じゃあ、シーたんだね!」

 

「はい!?」

 

ニ度目の驚き。それを気にせずセラフォルーは

手元に持ったステッキを振り回す。

 

「はじめまして☆私はセラフォルー・レヴィアタン!

気軽にレヴィアたんで呼んでね☆まさか君があの

コカビエルを倒したなんて・・・凄いね☆」

 

「俺だけの力じゃありませんよ。リアスさんや

一誠、ハヤト達の力がなければ奴に勝ててません」

 

「そっかそっか~・・・正直者だね?ふふっ」

 

ある意味、束と仲良くなれそうなセラフォルー。

翔真は苦笑いしながら彼女の『ソーナに対する愛』を延々と聞かされる。

 

「翔真、ここに居たか」

 

「?・・・ラトロワさん?」

 

 

ラトロワが急に現れ、こちらに来いと顎をくいっと

動かす。翔真は急いでラトロワの元へゆく。

 

「どうしたんですか?」

 

「・・・単刀直入で悪いが、これを渡しておく」

 

そう告げられ一枚の紙を渡される。そこには

駒王学園~『クイーンヴェール女学園』への『転入届け』に関する資料だった。

 

 

 

 



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第93話「ご注文は男の娘吸血鬼ですか?」

授業参観の放課後。翔真はラトロワからある話をされて転校するか

迷っていた。そんな状況の中リアスは皆を連れて、旧校舎の一角に位置する

『開かずの教室』の前に来ていた。オカルト研究部と翔真・アカメ・シャル

夜架・ユリシアゼノヴィアは扉に貼られたテープに呪術的な刻印・・・・・・

これらを見て警戒心を強めた。

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫よ」

 

「え?」

 

「この開かず教室の中には、グレモリー眷属、

もう一人の僧侶である、ギャスパー君がいますの」

 

朱乃の説明に翔真達は首を傾げる。実はリアスの眷属には僧侶が

もう一人いるのだ。しかし数年前にサーゼクスから、僧侶の能力が高い故

当時のリアスには扱え切れないという判断によりこの教室に封印されている。

だがこの度のライザーの一件とコカビエルの一件を通し彼女が力を身に付けた

という判断により解放される事となった。

 

「でも、ライザーやコカビエルの件は翔真や皆が居たからなのだけれど・・・」

 

 

リアスはそう言うと下へ俯く。自分は翔真やイッセー達のように

特別な力などない。過去の戦いも自分は何もしてないと考えていた。

落ち込むリアスに、翔真は手をそっと彼女の肩に置いた。

 

「そんな事ありませんよ。リアスさんだって戦ってたじゃないですか」

 

「でも・・・」

 

「リアスさんが努力してるのを俺は知ってます。

それはもちろん、皆だって知ってます」

 

「そうよお姉様。いつも私達の事を優先して考えてくれてるじゃない」

 

リサラがそう言うと、イッセーと夕麻、アーシア

小猫、祐斗、朱乃が微笑む。

 

そして翔真や夜架達もリアスに微笑む。

 

「ありがとう・・・皆」

 

感謝を述べ、リアスは教室の扉に手をかざした。すると刻印が消えて

貼られていたテープも自然と剥がれた。その瞬間、アカメが何かを感じとった。

 

「教室の中に・・・誰かいる。だがこの気配は・・・」

 

「どうしたんだアカメ?」

 

翔真がアカメに聞こうとしたその時――――

 

 

『イヤァァァァ!!ななな、なんですか!?』

 

『・・・!?』

 

教室の中から聞こえる女の子の絶叫?に翔真達はびくりと体を震わせる。

リアス、リサラ、朱乃が中に入る。

 

『ごきげんよう。久しぶりねギャスパー』

 

『さあ、一緒に外へ行きましょ?』

 

『イヤですイヤです!お外は怖いですぅー!!』

 

『あらあら。封印が解けたのですよ?もう

お外に出られますわ。だから・・・』

 

『お外は怖いですぅー!!イヤイヤイヤイヤ!!』

 

 

奥から聞こえる声。気になった翔真とイッセーは中を覗いた。

中は薄暗いが、女の子っぽい部屋でぬいぐるみが沢山あり、部屋は

可愛いらしいピンクの装飾がされている。部屋全体を見渡した後に

翔真は視線をリアスの方へ向ける。リアスとリサラ――二人に抱き締められた

金髪の可愛い女の子がいた。それに続きイッセーも視線をリサラの方へ移した。

 

「お、女の子?」

 

「違うわよ。この子はギャスパー・ヴラディ。

ちゃんとした男の子よ」

 

「え・・・」

 

「はぁ?」

 

どう見ても女の子にしか見えない。何故かは知らないが

駒王学園の女子制服を着ている。後ろから見ていたシャルロット・ユリシア、

夕麻はギャスパーの姿を見て可愛いと絶賛していた。アーシアやゼノヴィアは

ギャスパーが男の子だという事実にびっくりしていた。

 

「なんで男が女装してんだよ!?」

 

「だ、だって!女の子の服の方が可愛いだもん!」

 

「だもんとか言うなァァァ!」

 

「イッセー先輩、少しうるさいです」

 

兵藤一誠、ギャスパーの事実を受け入れられなかった。

 

 

――――

 

時を同じくして、太陽の光りが射し込まない薄暗い路地裏で

複数の少女達が集まっていた。そして少女達の前には漆黒の

ローブを羽織り無邪気な笑みを浮かべた少女が立っていた。

 

「貴様・・・何者だ」

 

「なーに、ちょっくら軽い挨拶ってところだよ」

 

「貴様に用はない。私達の計画を邪魔するなら容赦はしない・・・・・・」

 

腰まである蒼い髪を揺らし、黒いローブ姿と対等する少女は

刀を向け他の少女達も武装を取り出す。

 

「まあまあ落ち着けよ。今日来たのはある情報を

お前等に提供しようとおもってね」

 

「なに・・・?」

 

「数日後、駒王学園で三大陣営による話し合いが執り行われる。

襲撃するならそこしかねぇぜ?」

 

男口調の黒いローブ姿の少女は、スキップしながらその場を去る。

 

「どうするのだ翼?奴の情報を信用するのか」

 

「・・・確定かは調べれば分かる。愛紗、直ぐに行動を始める。

紫苑、天和、桃香、恋、鈴々を集めてくれ」

 

「心得た」

 

「待っていろ翔真・・・必ずお前を取り戻す」

 

「行きましょうか」

 

少女達の計画は次第に動こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は多分イッセーがメインになるかも。新ヒロイン
出ますよ!恋姫から。


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第94話「ギャスパー・ヴラディの憂鬱Ⅰ」

ギャスパーくんの回は三段階に分ける。


 

 

ギャスパー・ヴラディ。見た目は女の子だが中身は男の娘。

某アストルフォの如く容姿から仕草まで完全な女の子な彼だが、

ギャスパーは外に出る事を拒んでいた。なんとか外に出そうとするが

なかなかに手強い。

 

「いやですぅ・・・ぼくは永遠に中に居ますっ!」

 

触れようにもギャスパーの神器『停止世界の邪眼』が発動し、

ギャスパーは逃げ回る始末。ちなみに彼が持つこの神器は

視界に映った全てのものの時間を止める事が出来る。

 

「私達はそろそろ行かないと。翔真、それから皆。

私と朱乃が戻って来るまで、ギャスパーの事を頼めるかしら?」

 

「どっかに行かれるんですか?」

 

翔真がそう言うと、朱乃が笑みを浮かべながら返答する。

 

「わたくし達はこれから会談の打ち合わせがありますの。

ですから、少々の間留守になります」

 

「そういう事。イッセーに夕麻も、宜しくね」

 

リアス、朱乃、リサラは会談の打ち合わせの為魔法陣を使ってその場から消える。

 

 

――――

 

 

「ひぃぃぃ!!聖剣デュランダルの使い手だなんてき、聞いてませんよ~!!」

 

「悲鳴を上げるな!男が軟弱でどうする!?まずは、心身共に鍛え上げる!」

 

渡り廊下を走るのはギャスパー。そして後ろにはデュランダルを

構えたゼノヴィアが追っかけていた。まずは弱虫な性格を直す為に、

鍛え上げる・・・はずだが、結果は言う間でもない。

 

「なあ、あれでいいのか?」

 

「いい訳ないだろ。たく」

 

呆れる一誠の問いに、翔真はすぐさま鞘からソードデバイスを抜刀。

ソードデバイスで彼女の振るうデュランダルを止める。

 

「む?何をするのだ翔真」

 

「あのなァ、こんな事しても逆効果だ。 無理に押し付けても

ギャスパーが可哀想だろ?」

 

ひとまずソードデバイスを鞘に納める。そしてギャスパーの元へ。

 

「ひく・・・ひく・・・」

「わりぃなギャスパー。怖がらせて・・・」

 

泣くギャスパーを抱き寄せ頭を撫でる。

 

「もう!なんでゼノヴィアはすぐにそういう思考になるの!

いくら何でもやりすぎだよ!」

 

「少しは冷静に考えなさい。暴力的なのはいけないわよ?

じゃないと翔真に嫌われるわねェ」

 

「な、なに!?それだけは嫌だ!」

 

シャルロットやユリシアに注意され、更には翔真に

嫌われると付け足されゼノヴィアは焦った。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、一誠は買い出しへと出た。何故そうなったのか?

単にお腹が空いたので一時部室を出て、コンビニ『ボーソン』へと来ていた。

 

 

「これくらいの役得があってもいいよな」

 

一誠はフランクフルトを2.3本買っていた。

これから学園へ帰ろうとした矢先の事―――

 

「う~・・・・・お腹空いた」

 

「しっかりするのだ恋お姉ちゃん!こんな所で倒れてどうするのだ!」

 

声がした方へ向くと、二本の大きなアホ毛が特徴の少女『恋』が倒れていた。

その傍らで小猫より小さい少女が、彼女を起こそうとしていた。

 

「ダメ・・・動け・・・ん?」

 

恋は鼻をくんくんと動かす。そして一誠の手にある袋に

入れられたフランクフルトを見つける。

 

「ターゲット・・・確認・・・」

 

「え・・・ちょっと?」

 

「恋お姉ちゃん?」

 

「・・・!」

 

目をパッと見開き、空腹に飢えたチーターのように一誠へと飛び掛かる!

 

「だあああ!?なんか来たァァァ!」

 

「逃がさない」

 

「ま、待つのだ~!!」

 

一誠はフランクフルトを我が子のように抱き締め逃げる。恋は

『鈴々』の制止の声も聞かずひたすら追いかける。

 

 

「(この匂い・・・間違いない。フランクフルト・・・それも、かなりある・・・!)」

 

「(なんだよこれ!?なんで逃げる羽目になった!?)」

 

《おう相棒。走り込みか?感心するぞ》

 

なわけねーだろ!?というツッコミを心の中で叫び、

一誠は恋から逃れようと必死に逃げる。

 

 

 

 

 

 



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第95話「ギャスパー・ヴラディの憂鬱Ⅱ」


明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします!


 

 

「うん。そっか・・・分かった。じゃあボク達は先に帰るね」

 

「翔真君なんて?」

 

「今日はギャスパー君の所に泊まるって」

 

「私達も力になりたいが、どうにもならないか」

 

「翔真ならなんとか出来るかもねェ」

 

「今はそれを信じましょう」

 

「ゼノヴィアさんが余計なことしなければ私達が素直に

自宅へ帰る事はなかったはずですのに」

 

「うっ・・・それはすまないと思っている」

 

シャルロットは翔真との通話を切り、明日菜やアカメ、ユリシア達に

翔真が今日は帰れない事を伝える。本当ならば彼女達もまだ居たかったが

ゼノヴィアがギャスパーにトラウマを与えてしまい、ギャスパーは

若干女性陣達と距離を置いた。先程の剣を振り回しながら追いかける

特訓がトラウマとなったらしく、それを夜架に言われたゼノヴィアは

申し訳なさそうに下へ俯く。

 

「まあまあ。ゼノヴィアだって悪気があってやった訳じゃないし

許してあげなよ夜架。あとは翔真が何とかしてくれるよ」

「取り敢えず汗掻いたからお風呂に入りたいわねェ」

 

 

シャルロット達はラトロワが用意した四階建ての家へ帰って来た。

気が利く事に、グレイフィアがお風呂の準備をしてシャルロット達は

服を脱いで浴室へ入る。浴槽も10人入れる広さがあり、浴室も広い。

明日菜、ユリシアは先に体を洗う。

 

「~♪・・・キャッ!?ユリシアちゃん!?」

 

「ふふ~ん♪最近また、胸が成長したんじゃない~?」

 

「ひゃ・・・ら、らめ・・・そこは・・・敏感だから・・・あん!」

 

「明日菜ってば可愛いんだからァ♪」

 

明日菜もまた規格外の巨乳である。ユリシアもまた規格外の巨乳の

持ち主である。ユリシアが彼女の胸にいたずらする光景をアカメ、

アーシア、夜架は湯船に浸かりながら眺めていた。

 

「はぅ・・・わ、私もあれぐらいあれば翔真さんに・・・」

 

「アーシア。胸が全てじゃない。ラトロワはかつて私に

こう言ってくれた。『女の体は全てが武器』だと。胸がないなら

手や、脚で翔真をイチコロにするのも一つの手だ」

 

「大丈夫ですわ。そうしなくても翔真様は私達を見てくれますわ」

 

相談するアーシアとアカメに、そう言った夜架はニッコリと笑みを

浮かべながら翔真の事を話す。

 

「翔真様は胸がない、胸があるとかで差別するようなお方ではありません。

そこは信じてください。アカメさんもアーシアさんも大切に想われてますわ」

 

「は、はい・・・」

 

「・・・は、恥ずかしいな」

 

夜架に言われ、二人は顔が赤くなる。一方で身体を洗い終えた

シャルロットとゼノヴィアの方では危うい雰囲気が流れていた。

 

「それは本当なのかい?」

 

「うん。ボクやユリシア、夜架は先に翔真と・・・え、エッチしたもん。

だから、ゼノヴィアには入る隙はないからね?」

 

「ほう・・・言ってくれるな。だが私は諦めないぞ。いつか翔真と

子作りをする。そして、翔真の子供を産む!」

 

「(ゼノヴィア・・・注意しとかないと・・・)」

 

シャルロットは彼女に対して警戒心を露にした。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

「食った・・・」

 

「もう!なんで恋お姉ちゃんは我慢出来ないのだッ!」

 

「そこに食べ物があったから」

 

逃走の末に、腹を空かせた少女『恋』に仕方なく

フランクフルトをあげた一誠。ただいま一誠は小柄な少女

『鈴々』が恋に説教している場面に遭遇している。

 

「お兄ちゃんごめんなのだッ!」

 

「私からも・・・ごめん・・・」

 

「謝らなくていいって。腹が空くのは仕方ないさ」

 

「でも、お兄ちゃんの食べ物を・・・」

 

「気にしなくていいって。また買えばいいんだしさ。

そう言えば二人の名前は?俺は兵藤一誠って言うんだ」

「り、鈴々なのだ!」

 

「恋・・・」

 

「鈴々に恋だな。また縁があれば会おうな。

用事があるから・・・じゃ!」

 

一誠は二人に別れを告げて駒王学園へ走り出した。

 

「優しいお兄ちゃんだったのだ」

 

「うん・・・イッセー・・・」

 

「おーい!鈴々、恋!こんな所に居たのか」

 

「あ!愛紗!」

 

「翼が呼んでいる。私達も行くぞ!」

 

「うん・・・」

 

「分かったのだ!」

 

愛紗は二人を連れて翼の元へ向かう。イッセー、恋、鈴々は

まだ知らない。いずれ戦う運命にあることを。

 

 

 

 

 

 



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第96話「ギャスパー・ヴラディの憂鬱Ⅲ」

 

 

「そうか。つまりギャスパーは自分が怖いのか」

 

「もう・・・あんな思いをしたくないんですぅ・・・」

 

「・・・・・・」

 

「その・・・色々大変なんだな」

 

「まあね・・・でも、ギャスパー君の過去は悲惨だよ」

 

オカルト研究部には翔真、一誠、ハヤト、祐斗がいる。ギャスパーは

自らの過去を翔真達に語った。自分の母親が人間で父が吸血鬼・・・つまり

ギャスパーはハーフヴァンパイアとしてこの世に生まれた。純血を重視する

吸血鬼社会はそれを許さず、親兄弟からも差別を受け、更には自身の中に宿る

神器のせいで人間社会でも壮絶なイジメを受ける。それから色々ありリアスと

リサラに救われ今に至るのだ。女装はギャスパーなりの楽しみ方らしい。

 

 

「話は分かったぜ。でもさ、何時までもそうやって自分の殻に籠るのか?

ギャスパーにとって外は怖いだろうさ。でもな、外の世界には沢山の夢が

溢れてるんだッ!怖いことばかりじゃない」

 

「い、イッセー先輩・・・」

 

「つうかさ、時間を止める能力・・・俺からしたらスゲー羨ましいな」

 

「「「・・・え?」」」

 

一誠の言葉に翔真、ハヤト、祐斗の三人は思わず耳を疑う。

 

「だってよ、その能力がもし俺にあれば学園中の女子にいたずらし放題だろ!?

女の子のスカートの中を覗けるし、ましてやその停止空間ならリサラやクロメ

夕麻ちゃんの胸を沢山揉めるじゃねーか!?最高だろ!」

 

「待て待て待てッ!?なんでそんな話になるんだよ!?」

 

「相変わらず、イッセー君はスケベだね。でもそこがいい所だよ」

 

「そうだな。そんな能力なら・・・」

 

自分もそうしたいと言い掛けたが、脳裏に黒い笑みを浮かべたリアス達の

姿が過った。もしその能力を使って後に彼女達が知ったら・・・・・・それを

考えただけで寒気が走る。やはり尻に敷かれる定めの翔真である。

 

「す、すごいですイッセー先輩ッ!」

 

「へっ?」

 

「神器の能力を、そこまで卑猥な方向に考えるなんて僕には出来ません!

イッセー先輩の話を聞いて、僕は感激しました!凄いです!天才です!」

 

「ま、まあな。いいか?能力つうのは使い方で変わるんだ!神器はなぁ

使い方によって様々な可能性が開くんだ!例えば俺が、赤龍帝の力を

ギャスパーに譲渡する。そしてギャスパーが周囲の時間を停止させる。

その間、俺は女子達を触り放題ってわけだ!」

 

「・・・!」

 

「つまり、お前の停止能力も使い方次第で幸せになれる奴もいるんだ!

どうだ?そう考えればお前の能力も、捨てたもんじゃないだろ?」

「・・・はい!今の話を聞いて僕も、少しだけこの力が素晴らしいと

思いました!そうですよね・・・使い方次第で変わるんだ・・・」

 

「なあ・・・」

 

「何も言うなハヤト。今はああしてギャスパーが前向きになってるんだ。

エロいい話で、迷える子羊を救ったイッセーは救世主だ」

 

「でも・・・そろそろ忠告しといた方が・・・」

 

翔真、ハヤト、祐斗が部室の扉の方に視線を向ける。そこにはさっきまで

イッセーのエロ熱弁を全部聞いていたイザベラが黒い笑みを浮かべている。

 

「心配して来てみれば、これはどうことだァ?・・・イッセー」

 

「いいいいイザベラひゃん!?どどどどうしてここにィィ!?」

 

「リサラから連絡が来て、来てみたら・・・随分と卑猥な話をしているな?」

 

「あのですね!これには訳が・・・あだだだだ!!??」

 

「心配するな♪猥談する程溜まっているなら私が・・・フフフフ❤」

 

 

何を勘違いしたのか、イザベラは顔を赤くしながら一誠を連れて部室を出る。

取り残された翔真達。だが、一誠の熱い熱弁でギャスパーは少しだけ前を向く

自信を身につけた。それから翔真やハヤトもギャスパーと徐々に仲良くなった。

ちなみに一誠は、みっちりとイザベラに可愛いがられたそうだ(性的な意味で)。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第97話「天使の長 ミカエル」

次回は主に朱乃と翔真がメイン。


ギャスパーの件が一段落した次の日。翔真は一誠と夕麻を連れて

姫島神社にやって来た。リアスの指示により翔真は一誠をある人物に

合わせる為にこの神社に来たのだ。一誠や付いてきた夕麻は状況をよく

呑み込んでいない様子だ。そして一誠はあることに気付く。

 

「つうか翔真。俺や夕麻ちゃん・・・入れないぞ」

 

「悪魔にとっては・・・ね」

 

「心配すんな。この神社は少し特殊でな。悪魔でも入れる」

 

「お待ちしておりましたわ、翔真君、一誠君、夕麻ちゃん」

 

三人を出迎えたのは巫女服を着た朱乃だった。普段の学園の制服姿とは

まるで違う雰囲気に翔真と一誠は思わず見惚れてしまう。

 

「イッセーくん~?見惚れるのはいいけど、私もいるんだよ?」

 

「すいません。お願いですから光の槍を向けんのやめてください」

 

「あらあら。相変わらずですわね」

 

「一誠の奴、将来は尻に敷かれるな」

 

すぐさま一誠は土下座。微笑む朱乃、思わず苦笑いを浮かべて一誠の将来を

勝手に決めている翔真だが、翔真自身もリアス達に頭が上がらない。結局、

似た者同士である。初めて来る神社に二人は周りを見渡す一方で、翔真は

この神社で初めて朱乃と出会った時を思い出していた。

 

「(そういえば・・・大分経つんだな。朱乃さんと出会って)」

 

「・・・・・・」

 

朱乃の表情が一瞬だけ悲しみに変わる。声をかけようとした時・・・気配を察知。

一誠や夕麻もそれに気付き背後を振り向く。そこには白いローブを身に纏い

背には黄金に輝く十二枚の翼、頭部には天輪が浮かんでいる。何もかも目立つ

青年は一誠と翔真に視線を向ける。

 

「初めまして赤龍帝、兵藤一誠。そして黒き神装機竜の使い手、綾崎翔真。

わたしはミカエル。天使の長をしている者です・・・よろしく」

 

「嘘・・・み、ミカエル様・・・」

 

「(ちょ・・・なんだこの感じ・・・オーラが尋常じゃねぇ)」

 

夕麻は目の前にいるミカエルに言葉を失う。一誠は直にミカエルの独特の

オーラを身で感じていた。だがミカエルに対して翔真は無表情だった。いや、

少しだけ怒りが交じっていた。翔真の視線に気付いたミカエルは口を開く。

 

「なにか・・・あるようですね」

 

「察しが早くて助かる。ミカエルさん・・・あんたには聞きたいことがある。

単刀直入に言わせてもらう。アーシア・アルジェントを知っているか?」

 

「・・・・・」

 

アーシアの名が出た途端、ミカエルの表情は真剣そのものへ変わる。

 

「教会から追放した理由は聞いている。だが・・・何故あの子が

そんな目に合わなくちゃいけないんだ?彼女はただ怪我を治した。

それなのに・・・どうしてなんだ・・・返答次第では」

 

目付きを鋭くして、翔真は機攻殻剣(ソードデバイス)を抜く。

 

「待ちなさい綾崎君!?貴方自分が何をしているか分かってるの!?」

 

「わたしは大丈夫ですよレイナーレ。その問いに答えましょう」

 

「・・・・・・」

 

「神が消滅した後、加護と慈悲と奇跡を司る『システム』だけが

残りました。システムとは、神が行っていた奇跡などを起こす為のもの。

十字架やその他の聖具効果は、システムがあるからこそ作用します・・・・・

しかし、システムを神以外が扱うのは困難を極めます」

 

「つまり・・・神が居なくなって、そのシステムが上手いこと

機能しなくなった・・・・・・そういうことですか?」

 

「・・・・・・はい」

 

 

翔真の推測は的中した。現在『システム』はミカエルや熾天使全員で

どうにか動かしている状況だが、神が健在だった頃に比べれば効果は

弱まっている。それが原因の発端・・・一部の者にしか手は差し伸べられず

システムに影響を及ぼすもの、特にアーシアの神器『聖母の微笑』は

悪魔や堕天使すら直せてしまう代物なのだ。つまり信徒の中に悪魔や

堕天使を回復出来る者がいると知れれば、信仰に影響を及ぼす。

 

 

信仰は天界に住まう者達の源。信仰に悪影響を与える要素は極力

排除するしかない。ミカエルから全てを聞いた翔真はひとまず先に

機攻殻剣を鞘に収めた。しかし、翔真は全てを許した訳じゃない。

 

「事情は分かった。けどな・・・・・追放されたアーシアは危うく

殺される寸前だったんだぞ!!何か一つでも彼女の為にやれることが

あったはずだろ!?・・・・・・ミカエルさん、何かあるか?」

 

「ごもっともです。返す言葉などありません。綾崎翔真・・・・・・

どうか、彼女に幸せを与えてあげてください・・・では」

 

ミカエルは一礼すると一誠、夕麻と室内へと入って行った。

 

「翔真君・・・・・・」

 

「悪いな朱乃さん。取り乱して・・・すまねェ」

 

「大丈夫ですわ・・・少し、お茶しましょうか。そうすれば少しだけ

心が落ち着くかもしれませんわ・・・どうでしょう?」

 

「・・・分かりました。頂きます」

 

 

先程の一件を見て朱乃はある覚悟を決めていた。翔真と共に別の

部屋へ入り、台所へ行く。深呼吸して『本当の自分』を見せる為に

姫島朱乃は・・・決意する。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第98話「本当の私を・・・」

 

 

 

ミカエルが、イッセーに『聖剣 アスカロン』を託して、全ての儀式が

終わりを告げた頃。イッセーと夕麻は姫島神社を後にして、翔真は朱乃に

寄り添われながら、夕焼けの空を見上げていた。

 

「今日ずっと暗いけど・・・何かあった?」

 

「・・・翔真君・・・私・・・」

 

「もしかして・・・コカビエルに言われたことを・・・」

 

 

翔真の言葉に、コクりと頷いた朱乃。彼女には悲しい過去がある・・・・・・

彼女は、人間の女性で母親である姫島朱璃と堕天使幹部 バラキエルの間に

生まれた、人間と堕天使のハーフなのだ。幼少期までは普通に暮らしていた。

堕天使と朱璃が結ばれたことを快く思わなかった親族は、バラキエルが不在時

家に刺客を送り込んだ。その襲撃で朱璃を失い、朱乃は刺客から逃れながら

母親から教わった除霊術や雷の力を使いながら食料を得て、約1年の間―――

各地を放浪していた。その際にリアスと出会い、姫島宗家とグレモリー家が

約定を交わしたことにより、朱乃は命を狙われずに済み、中学入学を前に

悪魔へ転生した。

 

 

だが、それで朱乃の心の傷が消えるわけじゃない。襲撃事件以降から

堕天使という存在を忌避するようになる。襲撃事件の理由は堕天使と

結ばれたから・・・だから朱乃はずっと、父であるバラキエルを恨んだ。

今でも、許すつもりはない。朱乃の過去を知るのは翔真、シャルロット、

アカメ、夜架のみしか知らない。翔真達もそれぞれ壮絶な道を歩んだ

者達だから・・・親近感というものか、朱乃は前に四人に全てを話した。

 

 

「ねぇ・・・翔真君。貴方は私を・・・女の子として見てくれる?

私は悪魔でもない・・・堕天使で・・・」

 

「朱乃さん・・・」

 

 

朱乃は背中から、悪魔の翼と堕天使の翼を出す。片方の堕天使特有の

黒い翼を見ながら、朱乃は翔真に聞いた。コカビエルが放った言葉で

再び過去に囚われようとしている朱乃を見て、翔真は優しく彼女を

抱き締めた。突然のことに、朱乃は呆気に取られる。

 

「今更何言ってんだよ!当たり前じゃないか。堕天使だろうが、

なんだろうが・・・・・・アンタは姫島朱乃じゃないか。美しい・・・

言葉で現すなら・・・そう、大和撫子だ。俺は朱乃さんも・・・」

 

「翔真君・・・翔真君ッ!」

 

「・・・・・・」

 

涙を溢す朱乃は翔真の胸板に顔を埋めた。普段のお姉さん・・・

姫島朱乃ではなく、一人の女の子 姫島朱乃として彼女は素顔を

翔真だけに明かす。本当は弱虫で、強がりを演じてるだけだ。

トラウマで、恐怖を思い出す彼女をひたすら抱き締める。

 

「何があっても、俺は朱乃さんを守るから・・・絶対に・・・」

 

「・・・ありがとう・・・翔真君ッ!」

 

「だから、もう二度と自分の存在を否定すんなよ・・・」

 

「・・・うん」

 

「(そうだ・・・例え、命に変えても・・・)」

 

新たな決意を固めよとした時、朱乃が翔真を押し倒す。

 

「あ、朱乃さん?」

 

「翔真君・・・お願いがあるの。私を・・・私を抱いて?」

 

「ふぁ!?なななな、何言ってんの朱乃さん!?」

 

「もう我慢出来ないの・・・私だって翔真君が好きなの・・・

なのに、翔真君はシャルちゃん達と・・・むぅ」

 

「(怒ってる朱乃さん・・・可愛い。いやいや!そうじゃなくて)」

 

朱乃は翔真を連れて、寝室へ向かう。部屋に着くなり再び

押し倒される翔真は何も出来ないまま、服を脱がされる。

そして朱乃も、身に纏った巫女服を脱いだ。

 

「私を・・・翔真君の女だって刻んで欲しいの・・・私が壊れるまで

滅茶苦茶に愛して欲しい。ダメ・・・かしら?」

 

「けど・・・本当にいいの?だって・・・」

 

「翔真君と会ってから、毎日が楽しいわ。大変なこともあったけど

どんな時も、貴方は変わらない・・・そんな翔真が好きよ・・・」

 

「ッ!・・・もう歯止めが利かないよ?・・・いい?」

 

「うん。私を・・・思う存分愛して・・・」

 

「分かった朱乃さ・・・『朱乃・・・』」

 

「二人の時は、朱乃って呼んで。お願い・・・」

 

「・・・分かったよ朱乃・・・」

 

 

それから二人は体を重ねた。濃密で二人だけの秘め事。翔真は朱乃と

愛をより一層深めた。唯一出来ることは朱乃を慰めることと愛すること。

二人は体力の続く限り、互いを求め続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

この世界とは別の道を歩んだもう1つの世界。裏切られ、傷付き、

英雄の成れの果てとなった少年は悪魔や堕天使、天使を次々と

葬ってゆく。血の雨が戦場に降り注ぐ中で黒き機竜『バハムート』を

纏う少年はカオスブランドを振るい、仲間を手に掛けようとしている。

 

 

「なんでなんだよ・・・『翔真』・・・」

 

「・・・何がだ?」

 

「匙や・・・皆を・・・何で殺したんだ・・・」

 

 

肌の一部が褐色化し、髪の一部が白髪化した青年は親友に

刃を向けた。信頼していた者達に裏切られ、大切な者を殺され

復讐という名目で・・・青年―――『綾崎翔真』は全てを葬った。残るは

親友であり、最強の赤龍帝『兵藤一誠』。二人が戦う大地には無数の

剣が刺さっていた。翔真は無数の剣を操り、それ等を一誠に向ける。

 

「お前が・・・やめないなら・・・俺は意地でもお前を止めみせる!

ドライグッ!俺に何かあったらレイヴェルとイリナを頼む」

 

『ッ!相棒よせ!何をするかは分からんが、やめろ!』

 

「来い・・・親友であり、最強の赤龍帝よ・・・」

 

「はあああぁぁ!!!翔真ァァァァァ!!!」

 

「一誠ェェェェェェ!!!」

 

 

二人の叫びが交差する。その戦場で別の戦いを繰り広げる者達がいた。

黒き機竜『夜刀ノ神』を纏った姫島朱乃は、同じく機竜を纏うイリナと

激戦を繰り広げる。負傷したゼノヴィアとアーシアを守るべく朱乃は

イリナを押し上げてゆく。イリナは苦戦を強いられながらも踏ん張る。

 

「なんでなのよ!なんで私達がこんなことしなくちゃいけないの!?」

 

「それは貴女達が分かるはずですわ。貴女達は全ての罪を擦り付け

翔真君を傷付けた。貴女達は卑怯よ・・・だから、私達は・・・リアス達は

彼を守る為に戦った。けど、そのせいでリアス達は・・・」

 

「ッ!!」

 

 

 

 

交差する想いは―――世界を超える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第99話「並行世界の覇王 綾崎翔真」

 

 

「うん。これで大丈夫だよ翔真!!」

 

「やっぱり、私達の愛しい人は何もかも完璧ねェ」

 

「二人のおかげで、早く終わりました」

 

「なんだか照れるな」

 

朱乃と絆を深め合った日から数日後。遂に三大陣営トップによる会談が

駒王学園で始まろうとしていた。神装機竜の使い手である翔真、刀奈、

クローディア、雪蘭、夜架もリアス達オカルト研究部と共に会談に

出席することが決定し、翔真はシャルロットやユリシア、グレイフィアの

コーデによりタキシード姿に身を包んでいた。

 

「あぅ~・・・翔真さん、素敵ですぅ」

 

「あらあら。ますます夢中になってしまいますわ。うふふ」

 

「(なんだか新郎みたい・・・何時かは私と結婚式を挙げる時に・・・って!

何考えてるのよ私!!け、けけけ結婚とかまだ早いじゃないッ!)」

 

黒いタキシード姿の翔真に見惚れるアーシア、朱乃。リアスは危うく

妄想する寸前で自我を保つ。もちろん明日菜達も普段とは違う翔真の姿に

メロメロだった。翔真とリアス達は急いで駒王学園へ向かう。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

全てが滅んだ並行世界。大地を燃やし尽くす炎は更に広がり被害が拡大。

悪魔、堕天使、天使、そして人間も妖怪も全て滅んだ世界に数人の影。

屍を避けながら歩く集団。黒い鎧を身に纏い、黒い覇気を醸し出す青年

綾崎翔真は自分を慕う少女達と共にあてのない旅を続けていた。

 

「翔真、これで良かったんだよね・・・」

 

「ああ」

 

「三大陣営を壊滅させ、友や魔王などを全て倒してもなお、

王としての風格が滲み出ているなんて・・・あぁ!やはり私は貴方に

付いてきて正解でしたわ翔真様ッ!!」

 

「はぁ、そのハイテンションどうにかならないの?」

 

「まあこれが『アルベド』だから、仕方ないわね」

 

世界が裏切った末に、黒き覇王として全てを壊滅させた翔真には眷属がいる。

それもかなりの最強が揃ったメンバーである。翔真は『アルベド』と呼ばれた

女性の頭を撫でる。アルベドは気持ち良さそうに目を細めた。

 

「アルベド、今回は君と『クルルシファー』、『ジャンヌ』の二人の

活躍で赤龍帝や白龍皇を倒せた。ありがとう。二人もありがとう」

 

「はいッ!」

 

「当然よ。貴方の為ならなんだってするわ」

 

「・・・ま、素直に受け取っておくわ」

 

 

スラッとした体格に、青い髪が特徴の少女『クルルシファー・エインフォルク』は

微笑み、黒いドレスのような衣装を身に纏った少女『ジャンヌ・ダルク・オルタ』は

プイッとそっぽ向くが、内心は彼の役に立てたと喜んでいる。そして先程から

翔真にくっついているのは彼の女王を務める『アルベド』だ。腰まである黒髪が

とても似合い、特徴的なのはこめかみから生えた角。そんな彼女だが容姿は文句なし

絶世の美人。少々問題アリの所があるが、彼女は眷属内では1番の実力者である。

 

「これからどうするの?翔真」

 

「破壊を可能な限りしたからな・・・もう行く宛てなんてないさ」

 

「そう・・・だよね。でも・・・こんなことして、リアスさんや皆は喜ぶのかな」

 

「それは分からないさシャル。けど、俺はあの日から誓ったんだ・・・俺を守って

死んだ人達の為に・・・世界をぶっ壊すってな。お前達もこんな俺に付いてきて

良かったのか?・・・改めて聞くが、皆は良かったのか?」

 

 

「・・・・・・ボクたちは翔真が大好きだから。今でもボク達のやったことに

違和感があるのは確かだよ。けど、ボクはこれからも、この先も翔真に付いてく」

 

「それは私達も同じよ翔真君」

 

「君が覇王と呼ばれていようが関係ない。私達はずっと一緒さ」

 

「これからも・・・皆一緒です」

 

シャルロット、朱乃、ゼノヴィア、アーシアがそう答えるとアルベドや

ジャンヌ、クルルシファーも翔真に付いてくと宣言した。更に後から合流した

二人の少女も・・・・・・

 

「翔真さんご安心を。わたくしや愛音さんも貴方を支えますわ」

 

「全く、シャッキとなさい。男でしょ?」

 

『狂三』と『愛音』に励まされ、翔真はシャルロット達を連れて歩き続ける。

だか運命の悪戯か・・・彼等はあの世界へ飛ばされた。光りの道を歩む翔真と

闇の道を歩む翔真が出会う時、どうなるのか・・・・・?

 

 

 

 

 

 





次回からトップ会談です!


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第100話「会談と再会 Ⅰ」

 

 

 

「翔真・・・私達と来なさい。翼や愛紗達も貴方を許してるわ」

 

「翔真君、私達と一緒にまた」

 

「翔真・・・私はこれ以上お前と戦いたくないッ!だから!」

 

 

対等するのはかつての仲間。襲撃の最中に現れた昔の仲間達に翔真は

動揺を隠しきれない。ベアトリクスを始めとする仲間の元へ歩もうとした。

だが、夜架とゼノヴィア、朱乃、リアスが止める。

 

「翔真様・・・」

 

「翔真・・・まさか・・・やめてくれ!私は・・・」

 

「行かないで・・・翔真君・・・」

 

「・・・翔真は・・・どうしたいの?」

 

「俺は・・・」

 

リアスの問いに、翔真はすぐに答えることが出来なかった。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

遂に三大勢力の会談の日が訪れた。参加するのはオカルト研究部と生徒会。

そして翔真、刀奈、クローディア、雪蘭の神装機竜チームと異世界から来た

クレア、ハヤト、エミールも参加することが決まっている。生徒会を除く一同は

オカルト研究部の部室に集まっていた。

 

「ごめんなさいギャスパー。今日は大切な会談だから神器を

制御できない貴方を連れていけないの・・・ごめんなさい」

 

「あ、謝らなくても大丈夫ですよ?制御できないのは事実ですから」

 

「でも安心してギャーくん。私も一緒にお留守番するから」

 

「わたくしもいますのでご安心を」

 

ギャスパーは神器の制御が出来ないことを理由に会談には出席出来ず

お留守番となる。小猫と夜架がギャスパーと共にお留守番することとなった。

翔真はもしものことを考え、夜架を護衛として連れてきたのだ。

 

「悪いけど夜架、ギャスパーを頼む」

 

「はい。翔真様のご命令とあれば喜んでお受け致しますわ。その変わり

今度のお休みに一緒に出掛けてもらえないでしょうか・・・翔真様」

 

「全然構わないよ」

 

「・・・!ありがとうございます」

 

夜架は嬉しさのあまり、翔真に抱き付く。ふいを突かれた翔真は思わず

動揺する。彼女の綺麗に手入れされた髪から香る花の香りが鼻腔を刺激し、

更にはふっくらとした二つの膨らみがダイレクトに当たっていた。

 

「よよよ夜架!?いきなり抱き付いたら・・・」

 

「翔真様・・・ふふっ」

 

「今から会談前だというのに、平然とイチャイチャかしら?」

 

「あらあら翔真君~?」

 

「あとでシャルちゃん達に言いつけてやる」

 

「時と場所を考えてくださいね翔真」

 

「綾崎翔真・・・貴方は・・・」

 

「くっ!先を越された!」

 

「あぅ・・・さすがは夜架さん・・・私も負けられないですぅ!」

 

リアス、朱乃、刀奈、クローディア、クレアは青筋を立てる。元教会組

ゼノヴィアとアーシアは先を越されたと悔しがる。夜架は勝ち誇った笑みで

翔真を堪能する。祐斗やハヤトとエミールは仲がいいなと微笑んでいる。

 

「羨ましいぞコンチクショー!!!あだだだ!?リヒャラ!いはいはい!」

 

「イッセーには私や夕麻達がいるでしょ?」

 

リサラに頬をつねられるイッセー。部室を後にした一同は会議室へと入る。

そこにはサーゼクスとセラフォルーと、堕天使の総督 アザゼルと白龍皇の少女

ヴァーリ・ルシファーと天界陣営の長であるミカエルもいた。そして翔真達が

見知った顔ぶれもいた。

 

「アニキ!?あんたもいたのかよ?」

 

「相変わらずだなショウキ!俺は何時でもいるさ」

 

「翔真だ!いい加減名前ぐらい覚えろよな」

 

「澪も来てたのね」

 

「うん。サーゼクスさんに呼ばれてね」

 

ストレイト・クーガはもちろん、澪とクリスもコカビエルの一件で呼ばれていた。

ソーナ率いる生徒会も到着しており、サーゼクスは口を開く。緊迫した空気に

翔真達神装機竜チームとクレア達ハンドレッドチームも思わず、唾を飲み込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第101話「会談と再会 Ⅱ」

 

 

 

 

「見えたぞ。あれが駒王学園・・・情報は本当のようだな」

 

「翼、貴女は『天和』と『ノクト』と『愛紗』達と奇襲を掛けなさい。

浅葱やティアーユが竜声で道案内をしてくれるはずよ」

 

「了解。ベアトリクスさん、それに秋さんはどうするんです?

やはり私達と共に駒王学園へ向かうのですか?」

 

「私達は少しご挨拶をしてくるわ。奴等も動くしね」

 

「行きましょうか。皆、くれぐれも気を付けてね」

 

 

黒く塗装され、邪悪なオーラを纏った数機のワイバーン。機竜の使い手達は

駒王学園へと向かい、かつて自分達の仲間であった翔真を取り戻す為に少女は

スピードを上げて近づいてゆく。先頭に立つ蒼い髪の少女『風鳴 翼』は

拳を握りしめ、想いを一段と強くする。

 

「(私はアイツを助けたい・・・過去に助けられたように・・・!)」

 

「翼、あと少しでつく。ノクト、援護頼む」

 

「yes、ご期待に答えれるように全力を尽くします」

 

 

『愛紗』『ノクト』が合流し、翼は学園へ近く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三大勢力の会談は始まった。悪魔、堕天使、天使の三大勢力はコカビエルの

事件を機に正式に停戦協議が取り行われる。それぞれのトップは色々な話を進め、

サーゼクスはリアス率いるオカルト研究部とソーナ率いる生徒会・・・・そして翔真達

神装機竜チーム+ハンドレッドチームからコカビエルの事件の詳細を聞く。

リアスとソーナ、リサラはそれぞれ順番に話してゆく。イッセーは白龍皇の

銀髪の少女『ヴァーリ・ルシファ―』と睨み合っていた。

 

「(ふふふ・・・赤龍帝・・・実力はどうかな)」

 

「(ヴァーリ・ルシファ―・・・とんでもない大きさのおっぱいだ。

推定で・・・DかEはあるな・・・ちッ!鼻から鼻血が・・・)」

 

「(イッセー・・・?)」

 

 

ヴァーリの胸に釘付けだったイッセー。ハイライトの消えた瞳で睨み

リサラに気付くことは・・・・なかった。

 

 

「・・・・・・」

 

「(どうしましたの翔真君?)」

 

「(なんだか暗いわよ?)」

 

朱乃と刀奈から、耳打ちでそう言われた翔真はハッと我に返る。周りを見渡して

サーゼクスやセラフォルー達に視線を向けた。この会談が始まって数分・・・翔真は

妙な胸騒ぎを感じていた。殺意や憎しみが混じった気配が徐々に近づいて来るのを

翔真はただ一人感じており、精神を集中させて気配を辿っていた。

 

「(ごめん。ただ少し気になることがあってさ・・・)」

 

「(やはり翔真も感じていたのですね)」

 

「(まさかクローディア、君も・・・?)」

 

「―――――以上が、事件の詳細です」

 

クローディアに話し掛けようとした時、リアスが事件の説明を話し終えた。

翔真は気配を探るのをやめて会談に目を向ける。だがここに来て翔真の視界に

移り込んでくるものがあった・・・それは母性の象徴、または男の夢と希望が詰まった

二つの膨らみが特徴のおっぱいだ。生徒会やセラフォルーの胸に思わず視線がいく。

 

 

「(しょ・う・ま?)」

 

「(あらあら・・・いけない子ですわね?うふふ・・・)」

 

「(綾崎・・・翔真・・・)」

 

「(やっべ・・・気付かれた)」

 

 

リアス、朱乃、クレアに気付かれ怒りを買ってしまった。隣では刀奈がジト目で

翔真を睨む。クローディアと雪蘭はクスクスと笑いを堪える。

 

 

「さて、この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

「面倒だが仕方ねぇ。先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者』の

幹部であるコカビエルが単独で起こした事件であり、奴の処理は黒き機竜使いと

赤龍帝、あとから来た白龍皇によっておこなわれた。そしてその後、組織の

軍法会議で奴の刑は執行された。永久冷凍に加え、黒き機竜使いと赤龍帝と

その他の者達により瀕死の重体を負ってるし出て来れねぇさ」

 

「説明としては簡単すぎますね。ですがアザゼル、あなた個人が我々と

大きな事を構えたくないという話は本当なのでしょう?」

 

「ああ。俺は戦争に興味なんてない。これ以上同類を失いたくない」

 

アザゼルは和平を結ぶ方針でサーゼクスやミカエルに話を進める。その中には

神の不在など、アーシアやゼノヴィアにとって事実を受け入れがたい話もある。

二人は神がいると信じて生きて来た。だが神がいないという事実は二人にとって

これ程までにショックなことはない。

 

「(アーシア、ゼノヴィア・・・気にするな。あんまり掛けられる言葉は

少ないけどさ・・・神だって不死身じゃないんだ・・・)」

 

「(翔真さん・・・私達は大丈夫です。今はその事実を受け入れるのに

時間が掛かってしまうんです。でも何時か、きっと・・・)」

 

「(心配を掛けてもらって申し訳ないな翔真)」

 

「――――話は纏まった。わたしもやるべきことをしないとね」

 

話は大分進み、ミカエルはそれをタイミングに席から立ち上がるとアーシアと

ゼノヴィアの前にやって来た。するとミカエルは突然頭を下げた。この行動に

皆は驚き、もちろん二人もびっくりしている。

 

「アーシア・アルジェント、ゼノヴィア・クァルタ。わたしの力不足で

二人に辛い思いをさせてしまいました。本当に申し訳ありません」

 

「・・・・頭を上げてくださいミカエル様。長年教会で育てられた身・・・・

多少の後悔はありましたが、私は今この悪魔としての生活を充実しています」

 

「私も・・・・今は幸せです。見ず知らずの私を翔真さんやリアス部長や皆に

出会えました。ですからミカエル様・・・・私やゼノヴィアさんは大丈夫です」

 

「貴女達の寛大な心に感謝致します」

 

 

 

ミカエルがそう言った直後―――――周りの時間が止まった。

 

 

 

 

――――サアハジメヨウ・・・・タタカイヲ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 



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第102話「会談と再会 Ⅲ」

 

 

翔真達が会談に参加している頃、夜架は小猫とギャスパーの二人と

暇潰しにとお手玉やけん玉などで遊んでいた。

 

「夜架さん凄いです」

 

「いえいえ。ギャスパーさんもやってみてくださいな」

 

「が、頑張ります!」

 

夜架はいつものように微笑みながら、ギャスパーにお手玉を教える。

先程小猫は4つのお手玉を自由自在に操っている。ギャスパーはこれから

お手玉3つに挑戦する。だがその時、部室の扉が勢いよく開く。

 

「ッ!?」

 

「ひぇ!?な、なんですか!?」

 

「・・・・どうやら、ご来客・・・・ではなさそうですわね」

 

 

黒いローブを着込んだ集団が部室へと侵入する。即座に小猫はギャスパーを

連れて、夜架は神速の速さで自身の神装機竜『夜刀ノ神』を纏った。

 

「小猫さん、ギャスパーさんを連れて逃げてください」

 

「夜架さん、私も戦います」

 

「いえ、逃げてください。私の夜刀ノ神の力だと、二人を巻き込む

危険性がありますわ。小猫さんは早く翔真様達と合流してください」

 

「夜架さん・・・・。分かりました。どうかご無事で」

 

「うわああ!?こ、小猫ちゃんもっとゆっくり~!」

 

「さて・・・・思う存分、殺り合えますわね?うふふ・・・・ふふ」

 

『・・・・!?』

 

夜架の夜刀ノ神から邪悪なオーラが溢れだす。

 

 

 

 

 

 

場所は変わり外。ギャスパーの能力に似た停止能力が学園内などに働き

翔真、リアス達を含む神装機竜使い、サーゼクスやアザゼルを含む上位の

力を持つ者達、赤龍帝の一誠と白龍皇のヴァーリ、聖剣を持つ祐斗やゼノヴィアは

動けるが、他の者達は停止で動けなくなっていた。そして何故かクーガは動けている。

 

「ショウキ・・・・どうやら敵さんのお出ましだ」

 

「翔真だ。らしいな」

 

「クーガ、頼めるか?」

 

「へいへい。ならいっちょやってやりますかねアザゼルの旦那」

 

「下手して怪我とか負わないようにな兄貴」

 

「お前に心配される程、下手なんかしねぇさ。いくぞヴァーリ!」

 

「了解だよクーガ♪」

 

クーガと白龍皇ヴァーリは黒いローブを着込んだ数十人のテロリストに向かう。

 

「俺達も行きますか」

 

「そうね」

 

「久々の出番だし、頑張るわよ」

 

「さてさて、私を楽しませてくれるのはどちらの方ですかね~?」

 

「行くわよ皆!」

 

雪蘭の掛け声を合図に翔真、リアス、刀奈、クローディアはそれぞれ詠符唱を

唱えて、バハムート、ティアマト、ファフニール、リンドヴルム、デュポーンを

纏って空へ飛翔する。リアス達と一旦別れた翔真は単独で戦闘を開始する。

 

「いや胸騒ぎはコイツらだったのか?」

 

カオスブランドを一閃。一瞬でテロリスト達を吹き飛ばした―――だが、背後から

砲撃が翔真を襲う。何事かと背後を振り返る翔真―――視界に入ったのは・・・・

 

「久しぶりだな翔真」

 

「翔真さん・・・・」

 

「主翔真ッ!」

 

「ッ!?なんで・・・・なんでお前等がいるんだよ・・・・翼、ノクト、愛紗・・・・」

 

 

 

黒くペイントされたワイバーンを纏う少女達・・・翔真は思わず動揺してしまう。

 

 

 

「はあああァァァ!!!!」

 

『相棒、気合いが入ってるな』

 

「当たり前だ。翔真ばっかりにいい顔させられないからな!」

 

『赤龍帝か!』

 

『狼狽えるな!』

 

「よっしゃ行くぞッ!・・・・ハァァァ・・・・はああああッ!!!」

 

『な、なに!?キャアァァ』

 

気を一気に解放し、その威力だけでテロリスト達を吹き飛ばす一誠。

 

「次は何処のどいつだ?」

 

「い、イッセーお兄ちゃん・・・・!?」

 

「・・・・」

 

「なんで・・・恋に・・・・鈴々がここに・・・!?」

 

 

翔真と一誠―――――悲しい再会を果たす。

 

 

 

 

 



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第103話「会談と再会 Ⅳ」

 

「なんで、君達が・・・・」

 

「それはこっちの台詞なのだッ!イッセーお兄ちゃん!」

 

「・・・・」

 

思わぬ再会を果たした一誠。鈴々と恋が何故この場所にいるのか把握出来ない

状況下で、一誠は二人を見据える。だが、背後から敵が迫る。

 

『赤龍帝だろうが!』

 

「ッ!・・・・邪魔だァァァ!!!」

 

黒いローブを羽織ったテロリスト達が一誠に襲い掛かる。しかし一瞬で

敵の一人一人をキックやアッパーだけで蹴散らしてゆく一誠。それを見た

恋は薙刀型の武器《方天画戟》を構えて、一誠に刃を向けた。

 

「イッセー・・・・貴方は悪魔?」

 

「それで悪魔って言ったら・・・・?」

 

「悪魔は私達の敵。自身の立場の為なら犠牲を問わない種族。

欲望だけを求めて、人間を殺す種族・・・・恋はそう聞いた・・・・」

 

「ッ!?違う!違うんだ恋!」

 

「悪魔なら・・・・容赦しない」

 

 

恋は神足の速さで素早く動く。速さにより生まれた残像が次々と

現れる。そして方天画戟による乱撃が繰り出され、一誠は防御し

回避する。だが、鈴々も目付きを変えて、一誠に襲い掛かる。

 

「イッセーお兄ちゃん・・・・!」

 

「やめてくれ・・・・二人共ッ!」

 

《相棒!隙を突かれればやられるぞッ!》

 

 

ドライグの警告に、一誠は防御体制に入る。

 

 

 

 

 

そして魔王サーゼクス達にも脅威が忍び寄っていた。旧魔王

レヴィアタンの魔法陣が現れ、中から褐色肌が特徴の女性が現る。

 

「ごきげんよう、魔王サーゼクス、セラフォルー殿」

 

「君は・・・・何故君が・・・・カテレア・レヴィアタン・・・・」

 

「驚いているようですね。サーゼクス」

 

「何故君が・・・・これはどういうことなんだ」

 

「無論、あなた方を滅ぼす為です」

 

カテレアはそう言うと、巨大な魔力弾をサーゼクス達に放った。だが

間一髪のところでサーゼクス・ミカエル・アザゼルの三人が結界を張り、

停止能力により、動かないソーナ達をなんとか守る。三人が結界を張る姿に

カテレアは、見下すかのような態度で嘲笑う。

 

「三大勢力のトップ達が共同で結界を張るとは・・・・見苦しい」

 

サーゼクス達に襲い掛かろうとするテロリスト達。だが聖剣の力により停止を

免れた祐斗とゼノヴィアが応戦する。サーゼクスはそれに構わず口を開いた。

 

「カテレア・・・・何故このような事をする?」

 

「先程も言ったはずですよ?・・・・あなた方を滅ぼすと。敵対していた三大勢力が

協定を結ぶという愚かな選択肢に、私は笑いましたよ。今や平和を優先する

貴方達では、いずれ三大陣営のパワーバランスを崩壊させてしまう」

 

「?・・・・それは一体どういう意味なんだ」

 

「今から死ぬ貴方に話しても無駄ですサーゼクス」

「カテレアちゃん!こんな事やめて!」

 

「ッ!・・・・セラフォルー・シトリー・・・・私からレヴィアタンの座を

奪ったくせに、よくもまあそんな台詞を言えたもんです」

 

「ッ!」

 

セラフォルーの表情は動揺に変わらる。カテレアはセラフォルーに

恨みを抱いている。自身はレヴィアタンの血を持つ者・・・・それなのに

レヴィアタンの座をセラフォルーに奪われた屈辱を、カテレアは今も

昨日のことのように覚えている。

 

「セラフォルー・・・・ッ!」

 

「・・・・ッ!?」

 

「たく、悪魔のクーデターに巻き込まれるとはなァ。仕方ない」

 

アザゼルは向かって来るカテレアに応戦する為に、懐からある物を取り出す。

『堕天龍の閃光槍』―ダウン・フォール・ドラゴン・スピアをかざすアザゼルは

静かに呟いた・・・・禁手化と。

 

 

 

 

 



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第104話「駒王学園まるごと大決戦 Ⅰ」

 

 

 

サーゼクス達や一誠が戦いを繰り広げる中、翔真もまた己の過去に

向き合わなければならない時が来ていた。かつての仲間達と戦いながら

翔真は迷っていた。少女達と戦う定めに、ひたすら攻防を繰り返す。

 

「何故だ、何故なんだッ!悪魔を恨んでいたお前が、何故!」

 

「主翔真!貴方はもしや操られているのですか?・・・・ならば

私達が正気に戻すまで!はああァァァ!!!」

 

「攻撃を・・・・続行します」

 

「ッ!」

 

 

翼と愛紗が挟み撃ちで仕掛け、追い討ちにノクトがやって来る。

 

 

「ちきしょうがッ!!京都神鳴流、百花繚乱ッ!!」

 

気を解放し、強烈な爆風を周りに発生させる。翼達は暴風に飛ばされるが

再び体勢を立て直し再攻撃をする。翔真は百花繚乱を駆使しながら攻撃を交わす。

だが翼・愛紗・ノクトはそんな防御を、簡単に突破する。

 

「翼!なんでお前や愛紗達がいるんだ!」

 

「決まっている・・・・私達はお前を迎えに来たんだッ!」

 

「悪魔に利用され、主を惑わせる悪魔を・・・・私達は許さない!」

 

「翔真はやらせない!」

 

二人の攻撃を間一髪でゼノヴィアが止めに入る。翔真はゼノヴィアと共に

彼女達を見据える。エクスカリバー・ディストラクションを構える彼女に

翔真は待ったを掛ける。

 

「ゼノヴィアは手を出さないでくれ」

 

「・・・・何か理由でもあるのかい?」

 

「仲間だったんだ。アイツ等は・・・・」

 

「君自身に因縁があると・・・・そういうことか」

 

「すまない。この勝負・・・・少し長引きそうだ」

 

カオスブランドを構えて突進。翼の背後を取り、剣撃を繰り出す。しかし

翼はブレード二本を駆使して翔真の攻撃を交わしてゆく。翼の持つブレードは

ダイヤモンドコーティングされ、強化されたもの。カオスブランドの攻撃を

簡単に防御している。翼は攻撃を退け、刃を翔真に向ける。

 

「正義の為に。全てを脅かす脅威である悪魔を倒す・・・・そう教えたのは

お前なのだぞ、翔真。なのに・・・・なのに今はどうだ!?悪魔に操られて、

私達の敵になっている・・・・私が正気に戻すッ!!」

 

「何を勘違いしているのか知らないが、俺は至って普通だ。俺は

自分の意思で、リアスさんやゼノヴィア達を守っている。だから

操られてもいないし、従っている訳ではない」

 

「ッ!?・・・・どういうことだ・・・・ベアトリクスさんの話では・・・・」

 

「(ちっ、余計な嘘を教えたな・・・・ベアトリクスさん)」

 

「操られていないのが本当だとしても、何故お前が悪魔の味方に

なっているんだ!?お前は、悪魔に散々酷いことされたじゃないか!」

 

「分かったんだよ・・・・全ての悪魔がそうじゃないって。リアスさんや

皆に出会って理解したんだ。だから、前みたいに悪魔に復讐する気はない」

 

「(復讐・・・・君に一体何が・・・・)」

 

 

翔真と翼の話を聞いていたゼノヴィアには訳が分からなかった。ただ

分かったことは、翔真と対する少女 風鳴翼や愛紗達が元仲間だったこと。

何が原因でこんなことになってしまったのか・・・・ゼノヴィアが考えている

最中、彼女に魔の手が忍び寄る。

 

「そんな裏切り者、とっとと始末なさい・・・・翼」

 

「な・・・・!?」

 

 

一振りの一撃がゼノヴィアを襲う。背中を斬られ、血が大量に吹き出す。

ゼノヴィアに攻撃したのは・・・・深紅の瞳に、腰まである黒髪が特徴的な

女性・・・・ベアトリクス・ブレーメだった。

 

「さあ、覚醒なさい」

 

「しょ・・・う・・・・ま・・・・」

 

 

 

「ゼノヴィア・・・・・・・ゼノヴィアァァァァァァァ!!!!」

 

 

 

翔真の叫びが、戦場に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 





次回、翔真覚醒かな。


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第105話「駒王学園まるごと大決戦 Ⅱ」

 

 

「よくもゼノヴィアをォォォ!!」

 

「悪魔に情なんか見せるから、そうなるのよ」

 

怒りに震え、我を忘れた翔真はベアトリクスに襲い掛かる。だが

そんなことでベアトリクスに敵わないと分かっている翔真は自身の中に

眠る『ヴァリアント』の力を徐々に引き出し、応戦する。

 

「ッ!?・・・・がああああァァァ!!!!」

 

「(急に力が・・・・!?一体これは・・・・)」

 

「愛紗!ノクト!私達も加勢に・・・『行かせないわよ』」

 

ベアトリクスに加勢しようとする翼達の前に、刀奈、クローディア、

雪蘭が現れる。三人の表情は険しく、刀奈に至っては殺意の籠った

眼差しで翼達を睨み付ける。

 

 

「私達の大切な仲間に手を出して・・・・ただで済むと思ったら大間違いよ」

 

「貴女達には、たっぷりと苦しんでもらいましょうか♪」

 

「三人対三人・・・・フェアだし、ズルなんて思わないでよ?」

 

「悪魔に味方する人間・・・・!ドラグナイトの面汚しめッ!」

 

「確かに三人対三人ならば・・・・なら、遠慮なく行くッ!」

 

「行きます」

 

刀奈達と翼達が戦場化した駒王学園のグラウンドの空を駆け抜ける。

敵側の時間停止が解けて、動けるようになった朱乃達。アーシアは

負傷したゼノヴィアに駆け寄り、『聖母の微笑み』で治療を施す。

 

「ゼノヴィアちゃん、大丈夫ですか!?」

 

「ゼノヴィアさん!・・・・ゼノヴィアさん!」

 

「朱乃副部長・・・・アーシア・・・・私は平気だ。だが翔真が・・・・」

 

「なるほど。アーシアちゃん、ゼノヴィアちゃんをお願いします」

 

「は、はい!」

 

朱乃は悪魔特有の翼を広げて、翔真の元へ。同時にクレアも合流する。

 

「姫島朱乃、今すぐ綾崎翔真を止めますわよ」

 

「?・・・・一体どういう事ですの?」

 

「今現在、綾崎翔真は自身を見失っている寸前です。もし

彼がこのままだと、最悪味方・敵関係なしに攻撃する可能性が

ありますわ。なんとしても止めなければ」

 

「翔真君・・・・。分かりましたわ、行きましょう」

 

 

別の場所ではワイバーンやドレイクなどの凡用機竜を纏った

テロリスト達をリアスと澪、リサラが相手をしていた。澪は

滅びの魔力で半分を全滅しリサラもそれに続く。

 

「散りなさいッ!」

 

『たかがグレモリー家の娘だからと言ってェェ!!!』

 

リアスは『七つの竜頭―セブンスヘッズ』で一気に片を付けて、

更に遠隔投擲兵器『空挺要塞―レギオン―』を駆使して澪やリサラの

周りにいるテロリスト達を倒してゆく。

 

「お姉様!私・・・・一誠の加勢に入ります!」

 

「分かったわ。澪は私と来なさい。さあ」

 

「うん!」

 

リサラは一誠の元へ。リアスは澪を乗せて滅びの魔力で敵を蹴散らす。

一方でヴァリアントの力で暴走寸前の翔真はベアトリクスを圧倒していた。

対するベアトリクスは武装や何もかも失い、反撃出来なかった。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・アンタは・・・・倒すッ!」

 

「ふん。以前に比べればやるじゃない。なら・・・・見せましょうか

私のとっておきをね。来なさい・・・・『鎧黒竜 サイバー・ダーク』」

 

「何・・・・?」

 

ワイバーンが解除され、ベアトリクスの身体に新たな機竜が装備される。

装甲を黒色に染め、大きなウイング一層目立つ。そして尻尾のような

武装がゆっくりと動く。

 

「な、なんだ・・・・」

 

「私の神装機竜よ。『鎧黒竜 サイバー・ダーク』は貴方達の機竜とは

違って、過去に二天龍によって消されたドラゴン達の怨念によって

生まれた、イレギュラーな神装機竜・・・・フフフ」

 

「くっ!・・・・」

 

「更に、こいつの特殊能力はね・・・・これよ」

 

ベアトリクスがそう言い放つと、機体から複数のケーブルが飛び出し、

触手のような動きで、白龍皇の鎧を纏ったヴァーリに絡み付く。

 

『ヴァーリッ!』

 

「一体何・・・!?キャアァァァ!!」

 

「「ヴァーリッ!!」」

 

クーガとアザゼルの叫びも虚しく、白龍皇の鎧を纏ったヴァーリは

ベアトリクスが纏うサイバー・ダークに装備された。すると機竜の

ウイングが『白龍皇の光翼』に変わってゆく。

 

「白龍皇の光翼が・・・・ッ!?」

 

「こいつは・・・・機竜や二天龍の力を取り込める力を持つのよ?

さあ始めましょうか。私達の戦いをねッ!!」

 

「くっ!?」

 

 

 

ヴァーリとアルビオンを取り込んだベアトリクスが刃を向ける。

翔真はカオスブランドを構えて、反撃に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 





はい!つうわけで、オリジナル機竜登場です!とか言いつつ元ネタは
遊戯王だったりしますw武装なども他作品から流用するかもです。


サイバー・ダークに関しては近々設定を載せます。


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第106話「駒王学園まるごと大決戦 Ⅲ」

 

 

「どうしたのかしら?さっきの勢いはどうしたの」

 

『Divide』

 

「くっ!?」

 

ヴァーリとアルビオンを取り込んだベアトリクスの神装機竜

サイバー・ダークは白龍皇の光翼の能力をコピーして存分に力を

発揮してゆく。対する翔真は力を半減され圧倒されていた。

 

「(この忌々しい気配・・・・)」

 

「翔真。今ならまだ許す。大人しく投降するなら私達は大人しく

戦闘を中止する。でも、まだ私達と戦うのなら・・・・」

 

「翔真君・・・・私達と一緒にまた」

 

「翔真ッ!私はこれ以上お前と戦いたくないッ!だから・・・・」

 

ベアトリクスに合流した秋、そして翼達は翔真に手を差し伸べる。

かつては苦楽を共にした仲間達。自身に好意を寄せてくれている

翼達に、翔真は迷う。だがそんな翔真に夜架やリアス達が駆け寄る。

 

「翔真様・・・・」

 

「翔真・・・・まさか!やめてくれ!私は・・・・」

 

「行かないで・・・翔真君・・・」

 

「翔真は・・・・どうしたいの?」

 

「俺は・・・・」

 

リアスの問いに、すぐに答えることが出来ない・・・・リアス達と翼達の

間で揺れ動く中で――――頭に声が響いた。

 

『主、貴方には守らなければならない人達がいるはずです。同時に

主は私に誓ったではありませんか。自分の手が届く範囲の世界や平和を

守り、弱き人々の剣になると。それを忘れたのですか?』

 

「(その声・・・・まさか!)」

 

『私ですよ・・・・バハムートです』

 

その声は神装機竜でありながらも、意思を持ったバハムートの声だった。

少女の声でバハムートは語り掛ける。それを聞いた翔真は、迷いが消える。

脳裏に自分の帰りを待つシャルロット達の姿が過る。

 

「(そうだ・・・・俺には、帰りを待ってくれている仲間がいる。昔は

悪魔を憎んでた。でも今は違う・・・・俺は!)」

 

カオスブランドを天に掲げ、ベアトリクス達に視線を向けた翔真は

決意を固めて、リアス達を守るように前に出る。刀奈やクローディアも

翔真の隣に来て彼を両隣から支える。

 

「ベアトリクスさん・・・・俺は昔のように悪魔を憎んでない。あのまま

復讐に取り付かれたまま戦っても、何もない。過去ばかり見ていたら

俺は前に進めない。だからここではっきりと言うッ!俺は・・・・俺は!

弱き人や皆を守る為に剣となる!だからベアトリクスさん達の元には

戻れない・・・・それに」

 

次第に揺れ動く大地。校舎もミシミシと各所から音が出ている。翼や

ベアトリクスが警戒する中で、翔真とリアス達の周りには沢山の武器が

浮かんでいた。それはテロリスト達が手放した刀や薙刀など様々な物が

バハムートの周りに次々と集結してゆく。

 

「リアスさんや皆に出会って分かったんだ。悪魔が全員悪い奴等じゃ

ないって事をさ。俺はリアスさん達に沢山の事を教えられた・・・・」

 

「どうやら、私の知らない間に悪魔に毒されたようね?残念よ翔真」

 

「言ってるがいいさ。カナちゃん、クローディア・・・・サポート頼む!」

 

「もちろん!」

 

「任せてください」

 

「・・・・ッ!『共鳴波動』!」

 

共鳴波動―リンカー・パルスを発動した翔真。カオスブランドを振り上げる。

同時に先程までバハムートに集まっていた武器が一斉に、投擲兵装のように

サイバー・ダークに降り掛かる。翼達は回避し、ベアトリクスも予想外の攻撃に

対応出来ず、ダメージを喰らってしまう。

 

「(まさか・・・・・!?ここまでやるとは!)」

 

そして二本の剣がヴァーリに絡み付いたケーブルを切断。サイバー・ダークの

翼は元に戻り、ヴァーリは即座にクーガに保護された。武器を自在に操り

テロリストを一掃してゆく翔真。これにはレヴィアタンもビックリしていた。

 

「な、なんという力・・・・!」

 

「(赤龍帝の兵藤一誠、機竜使いの綾崎翔真・・・・面白いな)」

 

アザゼルは隙だらけのレヴィアタンに攻撃を仕掛けた。徐々に戦いは

翔真達が圧倒する形となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回でヴァンパイア編終わりです!次回は一誠覚醒かな?恐らく悟空っぽくなるかもw


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第107話「駒王学園まるごと大決戦 Ⅳ」

 

 

翔真が圧倒的な力でベアトリクス達に反撃していた頃、一誠は恋や鈴々・・・

更にはテロリスト達を相手に戦っていた。迫り来る攻撃に防御するしか

出来ない一誠。だが迂闊に攻撃も出来ない・・・・

 

「(もし俺が恋達を傷付けたら・・・・!でも!)」

 

「イッセーお兄ちゃんッ!!」

 

「鈴々・・・・退いて」

 

恋は目付きを変えて、殺しに掛かる。だが間一髪のところでリサラが

彼女の攻撃を食い止める。しかし背後からテロリスト達も現れ彼女に

攻撃を向ける。

 

「イッセーッ!」

 

「ッ!?・・・・ドライグッ!パワーは溜まったな!?」

 

『ああ。相棒・・・・いけるのか?』

 

「やるしかねェ!」

 

《welsh dragon balance breaker!!!》

 

一誠の周りには炎が噴き出す。そしてその炎は一誠を包み込んだ。

そして、赤龍帝の鎧を纏った一誠はリサラに襲い掛かろうとする

テロリスト達の背後に飛び込み、魔力弾と拳で一掃してゆく。

 

「ッ!結局イッセーお兄ちゃんも悪魔なのだッ!貴族生まれの悪魔は

自分の欲望の為に平気で、人の命を奪う・・・『違うッ!』!」

 

鈴々の言葉を遮る一誠の声。その声はリサラや恋にも届いていた。

 

「俺は・・・・駒王町育ちの転生悪魔だ!!!!・・・・俺には詳しい事情なんて

わかんねェ。けど、リアス部長達・・・・そしてリサラは俺を助けてくれた。

確かにはぐれ悪魔には悪い奴等はいる・・・・けどッ!!」

 

『はあああァァ!!!』

 

「決めつけで、そうやってわかり合おうとしないから!」

 

瞬時の加速。それは瞬間移動のような速さで、拳による打撃を多数繰り出し

テロリスト達の鳩尾や背中、腹に一発決め込む。ドライグの姿が幻と現れ

一誠を全体的に包み込む。

 

「「・・・・ッ!?」」

 

「(ドラゴン・・・・?イッセー・・・・何をする気なの?)」

 

「(翔真・・・・お前から教えてもらった技を・・・・使うぜ)」

 

 

真剣な眼差しで鈴々と恋を見据える。彼女達は悪魔のことを良く思っていない。

それを分からそうとして聞く耳を持たないだろう。一誠は目を瞑り、精神を

研ぎ澄ませ、翔真の言葉を思い出していた。

 

 

――こいつは、龍の力を扱う者にだけ許された技だ。俺も習得には

随分と手間取った。けど、お前なら俺より扱えるはずだ――

 

 

「行くぜッ!こいつが・・・・最強の必殺技だァァ!!!」

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!》

 

「恋、鈴々!貴女は下がりなさいッ!赤龍帝・・・・貴方の力を貰うわッ!」

 

 

ベアトリクスは一誠とドライグに狙いを定めた。触手のように動く

複数のケーブルが一誠に向かう。

 

「イッセーッ!!危ないわッ!!」

 

「・・・・龍拳・・・・ば・く・は・つゥゥゥゥゥッ!!!!!」

 

《explosion!!!》

 

「なに!?」

 

赤き龍・・・・ドライグの幻影を纏い、一誠は背部ブースターを吹かして

スピードを上げる。そして右拳を力強く突き出す。ベアトリクスは直前

防御体勢に入る・・・・しかし龍拳の勢いにより、一誠が突っ込んだ事で

サイバー・ダークは半壊にまで持ち込まれた。

 

「(ば、馬鹿な・・・・ッ!?サイバー・ダークが・・・・!)」

 

「へへ・・・・どんなもんだ・・・・!」

 

「イッセーッ!エミリア、あっちを頼むッ!」

 

「分かったよハヤトッ!」

 

「イッセー君ッ!」

 

「イッセーッ!」

 

地面に落下しそうになった一誠をハヤトと祐斗、リサラがキャッチする。

翔真もまた、無茶にバハムートの力を使った為に疲労から眠りに入る。勢いを

無くした者達は降伏した。カテレアもまた、アザゼルにより消滅させられた。

 

「(綾崎・・・・兵藤・・・・スゲー。コイツ等は俺の遥か上へ行ってやがる・・・・!

俺だって・・・・何時かはアイツ等みたいに!)」

 

この戦闘を終始見ていた生徒会メンバーである、匙は翔真と一誠の力に

驚かされていた。特に翔真や一誠は自分の想像を遥かに超えた強さだった。

そんな彼等に、匙はライバル心を露にする。

 

 

「(負けらんねェ・・・・特に兵藤・・・・お前だけには)」

 

 

 

こうして、テロリスト達によるクーデターは終焉を迎え、ベアトリクス達も

この際に撤退していった。暗かった空も次第に元に戻り綺麗な夜空が広がる。

また一つ、翔真と一誠は強さの高みへ一歩進んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から日常編数話挟みます!


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第108話「メイド達による看病」

 

 

クーデターによる一件で三大勢力は和平条約を結んだ。翔真達

神装機竜使い+αとリアス達オカルト研究部・赤龍帝である一誠の活躍により

テロリスト達は一掃された。翔真は意識が朦朧としながらも、ミカエルに

ある願いを託して彼女達が待つ自宅へ帰投した。バハムートの力を限界まで

駆使した為に、身体のダメージはかなりある。翔真はアーシア達により

布団に寝かされた。そこまでは良かった・・・・良かったのだが・・・・

 

「翔真、どうかな・・・・?」

 

「翔真様の為に、着てみました・・・・いかがでしょうか?」

 

「その・・・・あまり、見ないでくれ・・・・恥ずかしい」

 

「怪我してなければ、グッと来るシチュエーションだが・・・・いたた」

 

 

何故かメイド服姿のシャルロット・夜架・ゼノヴィアが翔真の看病をしていた。

怪我さえ負わなければグッと来るシチュエーションなのだが、今の翔真に

そんな元気は残されていない。上半身全体包帯が巻かれており腕にも巻かれ

所々赤い染みが広がっていた。

 

「翔真また無茶したでしょ?」

 

「わりぃ・・・・加減間違えてさ・・・・」

 

「心配するボク達の身にもなって欲しいよ・・・・」

 

「ですが翔真様のおかげで、助かった部分もあるのは事実ですわ。

シャルロットさん、今回だけは多目に見てくださいな♪」

 

「夜架の言い分も分かるよ?けど、翔真のことを心配してるのは

ボクだけじゃないんだよ。ユリシア達の気持ちも考えてあげて欲しいな」

 

「反省するさ・・・・」

 

メイド服姿のシャルロットに注意される翔真。翔真は反論したかったが

何時も無茶をしては彼女達を不安にさせていることがしょっちゅうあるので

なんとも言えない。翔真は苦笑いしながらも口を開いた。

 

「ごめんなシャルロット。けど、シャルロット達もありがとうな。

何時も俺が帰る場所を守ってくれてさ・・・・感謝してる」

 

「ふぇ!?・・・・し、翔真~ッ」

 

帰る場所を守ってくれている彼女達に感謝している。翔真は痛みが走る身体に

鞭を打ちながらも、シャルロットを抱き締めた。シャルロットは突然のことで

動揺し、顔を赤くした。鍛え上げられた身体に抱き締められ、更には男子特有の

汗の匂いがシャルロットを刺激する。

 

「(翔真の匂い・・・・クセになっちゃうよ・・・・)」

 

「あん!シャルロットさんばかりズルいですわァ!私もお願いします!」

 

「夜架は後な。ゼノヴィア・・・・大丈夫なのか?」

 

「私は平気だ。心配掛けてすまない・・・・翔真」

 

「いいって別に、無事ならいいんだ」

 

ゼノヴィアを気にかけていた翔真。ゼノヴィアはアーシアの神器でなんとか

一命をとりとめている。だからこうしてメイド服を着ることも出来るのだ。

翔真はシャルロットからゆっくり離れ、ゼノヴィアの手を取る。

 

「良かった・・・・無事で・・・・本当に・・・・」

 

「翔真・・・・何故・・・・泣くんだ?」

 

気付けば涙が出ていた。もしあの時死んでいたら・・・・その考えが脳裏に

何度も過っていた。だが彼女が目の前にいる。声や鼓動も感じることだって

出来る。それが嬉しくて・・・・安心して・・・・翔真は自然と涙を流していたのだ。

 

「お前が無事で・・・・安心したんだよ」

 

「そうか・・・・なんだか不思議だな」

 

 

ゼノヴィアはそう言いながらも、表情は豊かだった―――――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり冥界の外れ。燃え上がる背景をバッグに複数のはぐれ悪魔と

堕天使が十字架に吊るされていた。彼等は既に命を落としていた。それを

平然として見上げる複数の人影。だがその人影の正体は皆同じ顔ばかり。

それら全部の顔は、翔真や一誠にとって因縁のある相手だった。

 

 

「待っていろよ赤龍帝・・・・黒き英雄よ・・・・この私がお前達に引導を

渡してやるわ。『メタルマリーゼ』の力を・・・・見せてやる」

 

 

『・・・・・・・・』

 

 

堕天使・マリーゼ。かつて翔真・一誠によってぼこぼこにされた。

クーガに連行され、アザゼルにより冷凍刑にされていた・・・・しかし

ある者達により、マリーゼは改造され、メタルマリーゼとして蘇った。

複製のマリーゼ達は歩き出し、当の本人であるメタルマリーゼも動く。

 

「覇王様・・・・貴方がくれた命。復讐に使わせてもらいます・・・・

まずはあの二人だ・・・・兵藤一誠・・・・綾崎翔真ッ!」

 

メタルのボディーを輝かせ、メタルマリーゼは歩き続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回予告――――――

翔真はアーシア・ゼノヴィアと買い出しとして、外に出ていた。しかし
そんな時、かつて倒したはずの堕天使・マリーゼがパワーアップして翔真達の
前に現れる。復讐に燃えるマリーゼに翔真と、後から合流する一誠は立ち向かう。

次回、ハイスクールD×D 少年少女達の剣舞
「激突!!100億パワーの少年達とメタル堕天使」4話構成(予定

お楽しみに!


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第4.5章 激突!!100億パワーの少年少女達
第109話「忍びよる堕天使」


 

 

三大陣営が和平条約を交わして数日経った頃・・・・翔真はアーシアと

ゼノヴィアと共に街に出ていた。食料や日常品の買い出しの為に、

翔真達は電車を乗り継いで、ようやく到着した。三人は歩きながら

街を見て回る。そして食料品を買う為に、ショッピングモールへ。

オシャレに服を着こなす三人は楽しく買い物をする。

 

「翔真さん!あれはなんでしょうか!とても気になります!」

 

「おぉ、お手製のピザか・・・・アーシアのリクエストを買って、

ゼノヴィアは何か欲しい物はないか?」

 

「私は特に・・・・ん?あれは・・・・」

 

ゼノヴィアの視界に入る物・・・・それは、ポテチの付録についてくる

『ボン太くん』人形のキーホルダーだった。ボン太くんは某千葉の

有名なネズミと肩を並べる程の人気を誇る。ゼノヴィアは特にこの

ボン太くんに夢中なのだ。最初はたいして興味など沸かなかったが

ある雑誌でボン太くんを特集したページを見て、見事にドハマりした。

それからというもの、ゼノヴィアはボン太くんグッズを集めているのだ。

 

「翔真・・・・あれが欲しいんだが・・・・だ、ダメかな?」

 

「別にいいぜ」

 

「!・・・・そうか!」

 

パァと笑顔を輝かせたゼノヴィアはポテチ目掛けて走る。アーシアは

野菜やお肉、魚などを見ている。教会育ちのアーシアやゼノヴィアから

すれば、ショッピングモールは初であり、二人はとても楽しそうにしている。

 

「な!?ボン太くんガムに、ボン太くんシール・・・・!」

 

「なんだかゼノヴィアさん、とても楽しそうですね」

 

「没頭出来る趣味が見つかることはいいことだ」

 

買い物を一通り終わらせた翔真達は4階のフードコートで昼食を取る。翔真は

カツカレーとフライドポテトのセット、ゼノヴィアはハンバーガーとナゲットの

セット、アーシアはうどんとおにぎり2つセットをそれぞれ頼んだ。席を取り

三人は食べ始める。

 

「おいしい」

 

「翔真のカツカレー美味しそうだな・・・・」

 

「食ってみるか?」

 

「ッ!?・・・・べ、別に欲しいとは言ってない・・・・」

 

「じゃあ、口から出ている涎はなんだ」

 

「うぐッ!・・・・不覚!」

 

「ほら、あーん」

 

咄嗟のアーン。アーンは女の子なら誰しもが憧れるシチュエーション。

アーシアは羨ましそうな眼差しを翔真に向ける。ゼノヴィアは少々戸惑うも

アーンを堪能する。

 

「(これがシャルロットの言っていたアーンか。わ、悪くない・・・・)」

 

「翔真さん!わ、私も・・・・翔真さんのカレーを、食べたいですぅ!」

 

「お、おう・・・・ほらアーシア、アーン」

 

アーシアもアーンを堪能し、しばしのアーンタイムは続く。アーシアと

ゼノヴィアは別の買い物がある為、翔真は一旦二人と別れる。ベンチに

腰をおろして、翔真は片手にオロナミンCを飲む。

 

 

「(三大陣営が和平条約を結んだのは良いことだが・・・・何故翼達が)」

 

 

前のクーデターで突如として現れた昔の仲間。翼やベアトリクスの存在が

気になる翔真。そんな彼の近くに、女性が近づいていた。

 

「あら、いい年した男の子が何をしているのかしら?」

 

「え・・・・」

 

声をかけられ、翔真は視線を向けた・・・・黒いドレスに身を包み、髪を後ろに

結すんだ年上の女性がにこやかに笑っていた。だが翔真は、ベンチから立ち上がり

女性との距離を離した。

 

 

「お前・・・・何者だ?普通の人間じゃないな・・・・」

 

「さすがね黒き英雄。あの頃に比べて、成長はしているけれど・・・・」

 

「ッ!・・・・お前は!」

 

黒いドレスは徐々にきわどい衣装へと姿を変えてゆく。次第に女性の顔も変わり

それを見た翔真は動揺を隠せない。

 

「"マリーゼ"・・・・何故貴様が!」

 

「場所を変えましょうか・・・・愛しい彼女達を心配させたくないでしょ?」

 

「・・・・いいだろう」

 

 

 

 

翔真はマリーゼと共にショッピングモールを出る。そして人の気配がない屋上に

二人はやって来た。互いに因縁を持つ・・・・翔真は機攻殻剣を構える。

 

 

「・・・・・・・容赦はしない」

 

「その強きの態度は何時まで持つかしらねェ?・・・・さあ、始めましょうか」

 

 

マリーゼの皮膚は徐々にメタル化してゆく。そしてメタル化した黒い翼を広げて

光の槍を構えるマリーゼは不敵な笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第110話「不死の能力」

 

 

「死になさい!」

 

「誰がッ!」

 

光の槍を複数投げるマリーゼ。翔真はカオスブランドで一閃。全ての槍を

粉砕して、そのままマリーぜに近付く。そしてカオスブランドで翼や胴体を

斬り裂いてゆく。そして背後に回り込み、蹴りをお見舞いする。

 

「・・・・案外あっけないな・・・・」

 

「それはどうかしら?」

 

ボロボロになったマリーゼのメタルボディー。だが次の瞬間身体から複数の

ケーブルが触手のようにうねうね動き、切断された翼や胴体、腕を再生させてゆく。

これには翔真も唖然とする。不気味に笑うマリーゼは、翔真へ振り返る。

 

「・・・・なに・・・・」

 

「私には再生能力が備わっているの。貴方がどれだけ攻撃しようと私は

再び再生出来る。更に強くなってね・・・・私は倒せないわ」

 

「木っ端微塵になってもか・・・・」

 

「できるものなら・・・・ね」

 

マリーゼは高速で、翔真の目の前に現れる。そして腹に一発拳を入れた。吐血し

その場に膝をつく翔真。更にバハムートを纏っている翔真を軽々と持ち上げた

マリーゼは、そのまま空へと投げる。

 

「どうしたのかしらァ!私を倒すんでしょう!?」

 

「くっ!・・・・リンカー・パルス!」

 

共鳴波動《リンカー・パルス》を発動し、近くに散らばった瓦礫を盾のように

機体の周りに固める。マリーゼは即座に接近・・・・そして、瓦礫を一瞬で粉砕し

その威力で、翔真を地面へと叩き上げる。

 

「あは・・・・あっはははははは!!!!」

 

「(格段に前の時とは違う。油断したら・・・・やられる!)」

 

空中へ浮上し、そのまま空へと飛ぶ翔真。しかし今のマリーゼは神装機竜を

超えるスピードを持っている。黒い翼をジェット機のようなウイングに変形させ

翔真を追い掛ける。光の槍を投擲兵器のように扱いながら、翔真を追い込む。

 

 

「速い!?ぐああッ!」

 

「今の私は最強よ。誰であろうと私は倒せない!」

 

 

翔真の前へ回り込み、かかと落としで翔真を再び地上へと叩き上げる。

 

 

「さあて、貴方を殺した後はアーシアの神器を頂きましょうか・・・・」

 

「なに・・・・」

 

「あの子の神器は優れているから、欲しいのよ。まずは手始めに

貴方を血祭りにして、アーシアを絶望させないと♪」

 

「ちっ・・・・」

 

マリーゼは近く。光の槍を構えて、翔真に投げた。すると光の槍は爆発し

翔真は爆発の威力で吹き飛ばされ、バハムートが解除される。

 

「終わりね」

 

「(ちきしょう・・・・!)」

 

「翔真ァァ!諦めてんじゃねェェェ!!」

 

「・・・・!?」

 

「なに!?がッ!・・・・き、貴様は・・・・!」

 

 

倒れ込んだ翔真の前に現れたのは・・・・翔真もよく知るアイツだった。

 

「よぉイッセー・・・・へへへ、すまねぇ」

 

「お前は眠ってろ。次は俺だぜ、マリーゼ。あの時

クロメやアーシアにした仕打ち・・・・返さないとな」

 

「赤龍帝・・・・!」

 

「ドライグ、フルスロットルで行くぜ!」

 

《相棒気を付けろよ。あの堕天使、前より強くなっているぞ》

 

「俺を甘く見るなよドライグ。マリーゼ、行くぞ!」

 

「ちっ!」

 

一誠は走り、赤龍帝の籠手を出現させた。

 

 

 

 

 

 

 



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第111話「壮絶、烈戦、絶望」


最後の辺り、あの絶望シーン。


 

 

「はあああァァァァ!!!」

 

「ふん!」

 

「なに!?うわああ!?」

 

 

赤龍帝の鎧―ブーステッド・ギア・スケイル・メイル―を身に纏いマリーゼに

突っ込む一誠。しかしマリーゼは一撃与えて、一誠を後方へ吹き飛ばす。だが

一誠は何度も体当たりを試みる。しかし結果は同じで、何発も攻撃を喰らっては

後方へ吹き飛ばされる・・・・一誠がまた体当たりを仕掛けようとした時、翔真が

再びバハムートを纏い、マリーゼに対してカオスブランドを降り下ろした。

 

「ちぃ!」

 

「今だ一誠ッ!!!」

 

「おう!喰らいやがれ!」

 

《explosion!!!》

 

 

一誠はドラゴンショットを放ち、翔真はギリギリで回避してマリーゼに直撃する。

翔真・一誠は空へと浮遊し、攻撃を続ける。一誠はドラゴンショットを放ち続け、

翔真は束お手製の追加武装である高エネルギービーム砲を展開し、砲撃。

 

「ぐっ!調子に乗るなァァァァ!!!!」

 

「「・・・・!?」」

 

再生能力がある中で、マリーゼは黒い弾を二人に向けて次々と放ち、更には

光の槍で攻撃を加える。翔真・一誠はマリーゼの猛攻に地面へと叩きつけられ

ボロボロになる寸前だった。

 

「あいつ・・・・あの焼き鳥みてぇに、再生能力があるのかよ・・・・!」

 

「そ、それだけじゃねぇ・・・・アイツは身体能力も格段に上だ・・・・

バハムートを纏った俺を、軽々と持ち上げたからな・・・・はぁ、はぁ」

 

「化け物かよ・・・・アイツ・・・・」

 

「再生能力は確かに厄介だ・・・・だが攻略の手はある・・・・」

 

「なんだよ・・・・」

 

「俺と一誠・・・・二人同時にフルパワーで突っ込めば、再生能力を

不可能にすることが出来る・・・・・・出来るか?」

 

「フルパワーか・・・・やるしかねぇか!!」

 

《小僧、相棒!来るぞ!》

 

「作戦会議は終わったかしらァァァァ!!!!」

 

 

二人は真っ正面から向かって来るマリーゼに対して二人も真っ正面から向かう。

翔真・一誠の衝突力がマリーゼにダメージを与える。二人が同時に突っ込んだ事で

マリーゼの身体は粉々となり、一誠がファーストブリッドでトドメを決めた。

 

「やった・・・・のか・・・・」

 

「・・・・」

 

一誠がトドメを決めてマリーゼはその場で真っ二つ。息もしなければ動かない。

確実に仕留めたはず・・・・だが翔真にはまだ不安が残っていた。そしてその不安は

一誠の言葉によって、明確なものへとなる。

 

「な、なあ翔真・・・・あれ・・・・冗談だよな」

 

「・・・・」

 

二人の前方に50体はいるであろうメタル化したマリーゼがわんさかいた。迫る

メタル軍団に翔真と一誠は次第に絶望する。なにせ二人でようやく倒せたメタル

マリーゼ。しかしそれがあと50体も控えていたのだ。二人に戦う力は残されてない。

この絶望の状況下で、翔真は苦笑いするしかなかった。

 

「ははは・・・・折角倒したのによ・・・・また振り出しか」

 

「く・・・・くっそ!」

 

「「「「私達は不死身よ。死になさい・・・・!」」」」

 

「(アーシアや・・・・ゼノヴィアを・・・・危険な目に合わせるか!)」

 

「(わりぃカレンちゃん・・・・今日の晩御飯、間に合わねぇかも)」

 

 

 

「「はああああァァァァ!!!!」」

 

 

「フフ・・・・フフフフッ!」

 

「「「「あははははは!!!」」」」

 

 

翔真・一誠はマリーゼの軍団の中へと突っ込んだ―――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回、ヒロインズ活躍の模様。


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第112話「地球ギリギリ、ぶっちぎり凄い二人」

 

翔真と一誠・・・・・・メタルマリーゼ達の猛攻に反撃出来ず、廃人寸前まで

ボロボロになった二人はその場に倒れた。マリーゼは満足そうに二人を眺め

口端を吊り上げ、標的を二人からアーシアに変える。

 

 

「さぁて、待ってなさいよアーシア・・・私がまた可愛がってあげるわ」

 

 

複製した自分達を引き連れ、マリーゼが歩き出す――――――だが、後方から

複数のビームが直撃する。そして弾丸の雨と滅びの魔力がメタルマリーゼを

次々と消し去ってゆく。一体何事なのか・・・・恐る恐るマリーゼは背後を振り向く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ生きていたのね、堕天使のマリーゼさん?」

 

「よくも・・・翔真をやってくれたね。今度はボクが相手になるよ」

 

「葬ってやる。貴様など、機竜を使わなくとも」

 

「翔真さん・・・!」

 

「アーシア、下がっているんだ」

 

 

「マリーゼ・・・よくも、よくも私の大好きなイッセー君を・・・!」

 

「覚悟は出来てるのかしら」

 

「許さんぞ・・・貴様だけは」

 

「な、なに!?・・・がああ!?」

 

 

先程の戦闘を密かに見ていたアーシアとゼノヴィアは、リアス達に連絡を入れていた。

話の内容と現場の有り様を見て怒りが込み上げているが、更には自分達が好意を

寄せている大切な人までも傷つけられている・・・・特にリアスとシャル・リサラと

夕麻は殺気を全開にして攻撃を始めた。それに続いてアカメ・ゼノヴィア・リディが

特攻を仕掛けて、メタルマリーゼを次々と撃退してゆく。

 

 

「皆下がりなさい!」

 

 

ティアマトを纏ったリアスが、遠隔投擲兵《空挺要塞》―レギオン―でマリーゼ達を

圧倒し、シャルロットが二丁のアサルトライフルを構えて発泡。弾丸の嵐が彼女の

身体を撃ち抜いてゆく。アカメは自身の神器である《一斬必殺/村雨》を構えて

横に一閃。メタルの装甲を簡単に打ち破り、ゼノヴィアは新たな武器である

《エクス・デュランダル》を構えて、渾身の一撃を浴びせた。リサラ達も加勢し

その後に、ゼノヴィアが再び一撃を浴びせてメタルマリーゼ達を粉砕してゆく。

 

 

「ば、バカな・・・」

 

「ゼノヴィア、それは?」

 

「エクス・デュランダルさ。詳しいことは後で話すよ・・・・

フッ、どうやら翔真達も目を覚ましたらしい・・・」

 

「なに?」

アカメが振り向く――――――そこには、一誠からパワーを受け取った翔真が

バハムートを纏い、一誠を抱き抱え、大きなエネルギーボールを造っていた。

コアとなる最後のマリーゼは怒りの矛先を翔真に向ける。

 

「はぁ、はぁ・・・ピカピカのマリーゼ達はもういない・・・そんなでどうする」

 

 

「私が生きている限り、私は何度でも複数出来るのよ!こんなところで

くたばるようなたまじゃないのよ私はァ!」

 

 

「ッ!やっぱり・・・二度と悪さ出来ねぇように、木っ端微塵にするしか

ねぇようだな・・・・ハアアアアア!!!!」

 

 

「くっ・・・ムカつく野郎だァァァァァ!!!!」

 

 

「ここから・・・いなくなれェェェェェ!!!」

 

 

強大なエネルギーボールをメタルマリーゼに向けて放つ。メタルマリーゼは

防御しようとしたが、赤龍帝と機竜の力には遠く及ばず次第に装甲が剥がれる。

翔真はパワーを振り絞り、エネルギーボールを押し通す。

 

「私はァァァァァァ!!!!!」

 

「「翔真!!」」

 

「一誠の想いと俺の想い・・・受け取れやァァァァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

装甲が剥がれ、やがてケーブルが露出し、身体の内部が激しくスパークすると

メタルマリーゼは機能が停止。そのままエネルギーボールに呑まれて彼女は

消滅していった―――――――。翔真はパワーを使い果たして、そのまま倒れ込んだ。

こうして、メタルマリーゼの一件はゆっくりと幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は次章へと繋がるエピローグですね、はい。


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第113話 「動き出す覇王」

 

「以上が、マリーゼに関する情報よ」

 

「案外あっけないな。せっかく改造してやったのに

意味ねーな。まあ、ソイツのおかげでこの世界に存在する

もう一人の俺と一誠の戦闘データが取れたんだがな」

 

「けど、こんなことしてどうなるのかしら?」

 

「ふ、気になるのさ・・・・・この世界の俺がね」

 

 

愛すべき眷属の少女達をよそに、黒い私服に身を包んだ青年は

青みがかかったロングヘアーの少女『クルルシファー・エインフォルク』を

抱き寄せながら、メタルマリーゼと翔真と一誠の戦闘映像を見る。

 

「興味があるの?」

 

「まさか。せっかく並行世界とやらに来たんだ・・・・・破壊して

全てを滅ぼしたいところだが、この世界の俺と戦ってみたいな」

 

クルルシファーの問いに、青年は怪しい笑みを浮かべて彼女の問いに

答えた。青年の名は"綾崎翔真"・・・・・またの名をショウマ・バルバトス。

かつて自身が住んでいた世界を滅ぼした人物。神装機竜・神器など

全てを手に入れたショウマ・バルバトスは覇王として、自分がかつて

住んでいた世界で恐れられていた。

 

「クルルシファー、例のあれは?」

 

「二匹共静かにしてくれてるわ」

 

 

クルルシファーはそう言うと、懐から2つの水晶のような玉を取り出す。

 

 

《離せ!我々は貴様などに屈しない!》

 

《こんなことして、どうなるか分かっているのか!?》

 

「はっ、所詮は宿主を失った貴様等など。どうだ?主人を殺した

俺が憎いか?・・・"ドライグ"、"アルビオン"」

 

 

一誠とヴァーリの力であったはずの二匹の龍。ドライグとアルビオンは

ショウマに囚われ、何も抵抗出来ていなかった・・・・・かつて自分達が慕う

主人を殺した張本人を前に、ドライグとアルビオンは今にも殺したい気分だ。

だが、何も抵抗出来ない今、二匹は大人しくしていることしか出来ない。

 

 

「まあ、やがて貴様等は俺の力となる・・・・・狂三、いるな」

 

「はぁい。わたくしはここにいますわ」

 

 

時崎狂三・・・・・狂三はドライグが封印された宝玉を手にする。そして

ショウマの胸に宝玉をかざす。

 

 

《な、何をする気だ!》

 

「フフフ、貴方はショウマ様の力になればいいのですわ」

 

「狂三、始めろ」

 

 

狂三は特殊な術式で、ドライグが封印された宝玉をショウマに埋め込む。

ドライグは必死に抗う・・・・・だが意識は失われ、次第に宝玉はショウマの中に

埋め込まれた。そしてすぐにショウマの左手には黒い"赤龍帝の籠手"が

出現する。アルビオンはその光景に、絶望するしかなかった。

 

 

《ドライグ・・・・・ッ!》

 

 

「クルルシファー、狂三・・・・・近々、行動を開始する。今の内に

睡眠とか取っておけよ。二人も、俺の大事な仲間だからな」

 

「あら、嬉しいことを言ってくれるわね」

 

「ショウマ様・・・・・。あ、そう言えば・・・」

 

 

狂三は何かを思い出し、赤い果実?のような物をショウマに手渡す。

 

 

「これは・・・持って来ていたのか」

 

「はい。さあショウマ様、それを食べて力を付けてくださいな」

 

「サンキューな、狂三」

 

 

覇王として恐れられ、破壊の限りを尽くしたもう一人の翔真は赤い果実・・・

"神聖樹の身"をかじる。身体は膨れ上がり、力が格段に増した。宝玉を手に

ショウマはクルルシファーと狂三を連れて部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第五章 冥界合宿のヘルキャット
第114話「歌姫と小柄な幼馴染」


「ハハハ・・・やっぱり、最高だよ翔真・・・」

 

「そういうお前こそ。バハムートを纏った俺をここまで

手こずらせる奴なんてなかなかいない・・・」

 

 

ボロボロになったショッピングモール内で、翔真と一誠はボロボロだった。

リアス眷属と今回の試合で完全デビューしたリサラ眷属。エースである

翔真と一誠は互いに主の勝利の為に負ける訳にはいかない。沢山のギャラリー

リアスやリサラが見守る中で、二人はゆっくりと立ち上がる。

 

「俺の・・・勝ちだ・・・」

 

「お前の敗けだ・・・」

 

 

「「リアスさん/リサラの為にッ!負けろッ!」」

 

 

機攻殻剣と赤龍帝の籠手がぶつかり、強大な爆風が吹き荒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて・・・あの野郎のせいで、まだ身体が痛みやがる」

 

 

メタルマリーゼの事件から2週間過ぎた。まだまだ身体は痛むが

傷は大分癒えていた。シャルロットやミハルの懸命のサポートと

リアス達の支えで、なんとか動けるようにはなった。

 

「ま、リアスさん達がいなかったら死んでたかもな」

 

「私がどうかしたの?」

 

「リアスさん。おはようございます」

 

「おはよう」

 

相変わらず目のやり場に困るスケスケのネグリジェに身を包んだリアス。

翔真は慌てて視線を反らした。リアスの完璧すぎるボディーは翔真にとって

興奮するに値するものだ。

 

「り、リアスさん・・・何か羽織ってくださいよ」

 

「あら。もしかして照れてるの?・・・いいのよ。

もっと沢山見たかったら、近くで・・・」

 

「ちょ!?い、いいから何か羽織って!」

 

「・・・・・どうして私にはエッチな事してくれないの?」

 

「・・・・・」

 

リアスは俯きながらそう問う。リアス自身、最近気になることがあった。それは

翔真が自分に対してエッチな事をしないからだ。身体のふれあいはリアスや

翔真にとって大切なことなのだが、翔真はリアスに全く手を出していないのだ。

 

「それは・・・」

 

「最近、朝早くに出ているようだけど・・・何処に行ってるの?」

 

「えと・・・」

 

リアスの質問に答えようとした時、来客を知らせるチャイムが鳴った。

それに構わずリアスの質問に答えようとした時、雪蘭がやって来る。

 

「お取り込み中かしら?・・・翔真、貴方にお客様よ」

 

「俺に?」

 

「こんな朝早くから?」

 

リアスは上にカーディガンを羽織り、翔真と共に玄関先へ。するとそこに

一人の少女が立っていた。翔真達と変わらない年頃の少女は翔真の顔を見るなり

表情を輝かせた。

 

「久しぶりだね。この姿見れば分かるかな」

 

「・・・もしかして・・・君は!」

 

茶髪な髪は紫の髪に変色し、衣装も白いドレスのようなものへと変わっていく。

両耳にはヘッドホン?のようなものを装着している。この姿を見るなり翔真は

驚き、リアスは逆に表情が輝いた。

 

「もしかして・・・"シルヴィア・リューネハイム"!?」

 

「本物よね?・・・シルヴィア・リューネハイムって言ったら

世界の歌姫じゃない!・・・嘘・・・」

 

「えへへ。ようやく見つけたけど、随分モテモテなんだね?」

 

「え・・・うぐ!?」

 

背後を振り返ると、そこには仁王立ちするシャルロット達がいた。更には

シルヴィアの目のハイライトが消えてゆく。背筋が凍るような感覚に

翔真は固まってしまうが、シルヴィアはそれに構わずずいっと前に出る。

 

「まずは説明してくれるとありがたいんだけど?」

 

「はい!説明しますから!」

 

 

こうして新たなヒロイン?が乱入することとなった。一方で朝から騒がしい

兵藤家ではエミリアとクロメが朝御飯のおかずの取り合いをしていた。

 

「ちょっとクロメ!?いくらなんでも取りすぎだよ!」

 

「勝ったもん。大体エミールだって、卵焼き取りすぎ。パク」

 

「ぐぬぬ~!」

 

「コラエミール!はしたないだろ」

 

「いや、朝から賑やかでいいな母さん」

 

「そうね♪・・・あ、一誠。ちゃんと準備はしてるの?」

 

「母さん大丈夫だって。つうか、俺もいい年なんだし

心配ご無用だ・・・いてて・・・」

 

「(最近イッセー、朝早く何処に行ってるんだろ・・・)」

 

リサラもまた悩みを抱えていた。近頃イッセーは朝早くから何処かに行っていた。

聞いても曖昧な返事しかなく、夕麻から「気にする必要はないんじゃない?」と

言われたが、学校に来れば毎回怪我をしている。両親には隠しているが身体には

複数の痣や切り傷もある。リサラはそれが気になって仕方ない。

 

「待ってイッセー・・・」

 

「り、リサラ?」

 

「朝から何処に行ってるの?大体、なんで私を避けてるの?」

 

「?・・・さ、避けてなんてないぞ?」

 

「でも・・・」

 

リサラの言葉を遮るように来客を知らせるチャイムが鳴る。イッセー母が

玄関先へと向かう。イッセーやリサラもたまたま玄関近くにいた為に来客を

目の当たりにする・・・水色の髪に、小柄の少女を見たイッセー母とイッセーは

驚愕する。

 

「もしかして紗夜ちゃん!?紗夜ちゃんよね!」

 

「さ、紗夜!?」

 

「うん。おばさん、イッセー。久しぶり」

 

無気力な喋り方が特徴的な少女《沙々宮 紗夜》はイッセーやイッセー母に

挨拶する。そして紗夜はいきなり靴を脱ぐとイッセーに抱き付く。

 

 

「イッセー・・・会いたかった」

 

「紗夜・・・本当に久しぶり『イッセー/イッセー君~?』!?」

 

 

紗夜に抱き付かれたイッセーだったが、リサラと夕麻達はニッコリと

うっすら怒りを滲ませながら二人に迫る。イッセー母が修羅場キター!と

叫んでいたのは言う間でもない。

 

 

 

 

 

 



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第115話「冥界に帰ります!」

 

「よりにもよってなんでこんなタイミングで・・・」

 

「ふーん。それだけなのかな?もっと凄いエピソードがあると思ったんだけど」

 

「いくら世界的歌姫であるシルヴィア・リューネハイムでも、その言い方は気にいらないわね。そうよね、皆・・・」

 

「全くですわ」

 

 

シルヴィアとリアス含めたヒロインズの間に挟まれた翔真は何も言えないくらい小さくなっていた。しかしグレイフィアのO☆HA☆NA☆SHIにより取り敢えずは落ち着いた朝食の時間。しばらくして、クレアが口を開いた。

 

 

「そう言えば綾崎翔真、夏休みは何か・・・よ、予定でもありますの?」

 

「特にはないですね。皆とデートするぐらいかな・・・『それはダメよ』ふぇ?」

 

「悪いけど、翔真には私と一緒に冥界に来てもらうわよ?」

 

「なんと・・・」

 

「どういう事なの?」

 

 

シャルロットが尋ねるとリアスは再び口を開いた。

 

 

「冥界に帰る時は、眷属も一緒に連れて帰るのが決まりなの」

 

「でもリアスさん、俺達は眷属じゃないですよ?」

 

「翔真を含めた機竜使いは特別なの。それに私の両親も会いたがってるし」

 

 

それを聞いた瞬間、刀奈・クローディア・雪蘭やアカメ・ユリシア・夜架の反応は早かった。ソードデバイスを手に翔真の元にすぐに駆け寄った。つまり今回冥界に行けるのはこのメンバーだけだ。

 

「じゃあボク達はお留守番だね。明日菜、その間に何処か遊びに行こうよ!束さんや箒も誘って!」

 

「いいかも!」

 

「あら、意外に諦めが早いのねシャルロットは」

 

 

いつもなら翔真の側にいたいと駄々をこねるシャルロットだが何故かこの日は諦めが良い。リアスがそう言うとシャルロットは頬を赤くした・・・

 

 

「そうしなくても・・・翔真のぬくもりは感じるから」

 

「ふーん・・・えらく親密みたいだけど、話を聞かせて欲しいかな?かな?」

 

「・・・・・・」

 

「(怖いよ!?ハイライトお願いだから仕事して!?)」

 

 

下腹部をさするシャルロットに何か察したのか、シルヴィアとリアスが睨む。

 

 

「まあいいや。しばらくはお世話になるね翔真君」

 

 

「別に構わないけど、芸能活動は大丈夫なのか?」

 

 

「あ、しばらく休みになるからだいじょーブイ♪」

 

 

 

「「「「「「えええェェェェェ!!!??」」」」」

 

 

 

翔真達の驚きの声が空高く響く。一方でイッセーもトラブルダークネスを起こしていた。

 

 

「やめろって紗夜!!!誤解なんだよ!?」

 

「ここは二階」

 

「そうじゃねぇよ!?」

 

「いつの間にかハーレム野郎になってるなんて、聞いてない」

 

「そんな理不尽・・・うわ!?」

 

危なそうなチェーンソーを片手に一誠を追いかける紗夜と、それを止めようとする夕麻達。普通なら注意するところなのだが・・・

 

「あらあら、紗夜ちゃんあんな重たい物も持てるようになったのね♪」

 

「お義母様!?発言に違和感を感じるのですが!?」

 

 

 

 

 

 

 



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第116話「冥界の車窓から」

 

冥界へ帰ることが決まった3日後。リアスを含んだオカルト研究部と翔真・刀奈・クローディア・雪蘭・夜架・ユリシア・アカメのドラグライドチームは駅に集合していた。普段ならば魔法陣を使って移動出来るのでは?と翔真達が考えていると・・・

 

「まずは翔真とイッセー、リサラとアーシア、裕斗と小猫は先に入りなさい。

私と先に降りるから。朱乃、あとのメンバーを頼むわね」

 

「了解ですわ」

 

「リアスさん降りるって?このエレベーターは上にしか行けないはずでは?」

 

「実はこういう仕組みがあるのよ」

 

リアスがクスっと笑いながら何かを操作する。すると上にしか行かないはずのエレベーターは下へと降り始め、やがて人工的な空間が翔真達の視界に入る。

 

 

「町の地下にこんなのがあったとは」

 

「ワォ!確かこんな感じのやつ、映画でもあったわよね?」

 

「確かハ◯ーポ◯ターだったな」

 

「凄いですぅ・・・!」

 

「すげーな!」

 

「そう言えばイッセー達は知らなかったのよね。私や裕斗達は知ってるけど」

 

「翔真君や一誠君達からすれば初めてですもんね」

 

 

エレベーターから降りて冥界行きの列車がホームに止まっていた。その列車も男心くすぐるものであり、汽車という今では見れない絶対に見れない貴重なものだった。

 

 

「お、機竜使いの奴も連れて来たか」

 

「あ、あんたは!アザゼル!?」

 

「ご名答だ!」

 

「リアスさん、これは一体・・・」

 

「翔真にはまだ話してなかったわね?実は・・・」

 

 

翔真達を待っていたのは堕天使の総督 アザゼル。リアスによれば駒王協定締結後に駒王学園に教師として赴任したらしく、オカルト研究部の顧問としてしばらくの間は自分達の側にいるとのことだ。

 

 

「あの時は世話になったな」

 

「別に・・・」

 

「オイオイショウキ、なにふてくされてんだァ?せっかくアザゼルの旦那が話しかけてんのによォ」

 

「ッ!あ、兄貴!?あんたまで!」

 

「そんなに喜ぶなってショウキ。楽に行こーぜ?」

 

「翔真だ!いい加減名前覚えてくれないかな!?」

 

 

アザゼルの背後から現れたのは翔真もよく知る人物 ストレイト・クーガーだった。クーガーもまたアザゼルの補佐として駒王学園に教師として赴任してきた。担当科目は体育らしい・・・しばらくして朱乃達もやって来て、それぞれ列車に乗る。

 

 

「翔真君は私とアーシアちゃん、アカメちゃんで座りましょうか♪」

 

「はい・・・ほら、アーシア。アカメも」

 

「はい!」

 

「すまない」

 

 

 

車両の中はかなり豪勢であり、少し気が引けてしまうが取り敢えず座ることにした翔真。冥界には一時間後に着くらしいので皆はそれぞれ遊んだり、喋ったりしていた。奥の席ではクーガーが読書している。

 

 

「(冥界か・・・そう言えば初めてじゃないんだよな・・・)」

 

「あら翔真君、どうかしましたの?」

 

「いや、ちょっと・・・」

 

「うふふ・・・元気がない翔真君に、ご褒美ですわ♪」

 

「ふぇ!?あ、朱乃ひゃん!?一体何を!?」

 

「うふふ・・・スキンシップですわ」

 

 

朱乃は翔真の膝に乗ると自分の胸を翔真の顔に押し付ける。更には翔真の右手を自分のスカートの中へ誘導してゆく。

 

 

「翔真君に触られるなら、私は・・・」

 

「あ、朱乃さん・・・」

 

 

朱乃に誘導されスカートの中に手が入ろうとした時――――――

 

 

「何をしている」

 

「翔真さんがもっと変態さんになってしまいますぅ!」

 

 

アカメとアーシアが止めに入る。二人にこっぴどく叱られた翔真は窓の景色を眺めながら冥界に着くのを待つ。

 

 

 

 

 

 



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第117話「機竜使い+αVSメイド・ドラゴン」

 

色々あったものの無事に冥界へと到着した一行。翔真率いるドラグナイトと一誠・アーシア・リサラ・小猫・ゼノヴィア・祐斗・ギャスパーはリアスの指示により別のルートを通ってグレモリー邸を目指すようにと言われ、ただいまグレモリー邸を目指して歩いていた。リアス・朱乃は先に向かっており、翔真達も急ぐ。

 

 

「ふふん♪」

 

「ユリシアさん!少しくっつきすぎですぅ!」

 

「あら。そんなにやきもちばかり焼いてたら翔真に愛想尽かされちゃうわよ?」

 

「(なんすかこれ)」

 

 

グレモリー邸を目指す道中、両隣ではユリシアとアーシアが翔真の取り合いを繰り広げていた。助けを求めようにもアカメとゼノヴィアは祐斗と剣について語り合い、イッセーはリサラとラブラブな雰囲気を醸し出し、手を繋ぎイチャイチャ。刀奈達は小猫やギャスパーとガールズトークを繰り広げる・・・救いなどなかった。

 

 

「(まあいいか・・・でも妙だな。なんだこの感じ・・・嫌な胸騒ぎがする)」

 

「どうしたの翔真?さっきから黙り込んでるけど」

 

「どうされたのですかァ?」

 

「いいや、大丈夫。ただ――『ぐおおおおお!!!』なんだ!?」

 

「お、オイ!あれって!?・・・ドラゴン!?」

 

 

翔真達の頭上――――そこには大きな翼を広げたドラゴンが現れる。大きな雄叫びを上げて頭に二本の角を生やしたドラゴンは口から火炎弾を発射。

 

 

「皆散れ!」

 

 

翔真の声を聞き、皆が一斉に散る。翔真・刀奈・クローディア・雪蘭・夜架は集まり腰に差した機攻殻剣―ソードデバイス―を抜いた。

 

 

「顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。黒雲の天を断て!バハムート!」

 

 

「転生せよ。財貨に囚われし災いの巨竜。遍く欲望の対価となれ、ファフニール!」

 

 

「始動せよ。星砕き果て穿つ神殺しの巨竜。百頭の牙放ち全能を殺せ、テュポーン!」

 

 

「降臨せよ。偽政者の血を継ぎし王族の竜。百雷を纏いて天を舞え、リンドヴルム!」

 

 

「侵食せよ、凶兆の化身たる鏖殺の蛇竜。まつろわぬ神の威を振るえ・・・夜刀ノ神」

 

 

翔真達は一斉に詠唱符を口にして、それぞれ神装機竜を纏う。

 

 

「アカメ、私達も!」

 

「ああ」

 

「俺だって!」

 

《Boost!!!》

 

 

アカメ・ユリシアも互いにワイバーンを纏い浮上する。翔真達の前に立ち塞がるドラゴンは再び火炎弾を発射。翔真はカオスブランドを構えて突進―――刀奈達も援護に入る。

 

 

『ふん、貴様等の神装機竜とやらの力を見せてみろ!そして現代の赤龍帝よ、力を見せてみろ!』

 

「あのドラゴン喋れるの!?」

 

「そんなことはどうでもいい!雪蘭、サポート頼むぜ!」

 

「任せないさい!」

 

 

一方で一誠・祐斗・ゼノヴィア達の前に二人のメイドが現れる。

 

 

「あらあら、これはまた珍しい客人ですね」

 

「・・・みすみす、このグレモリー嶺に入る不審者を見過ごせません」

 

「そうですね」

 

「貴女方は一体」

 

「申し遅れました・・・わたくし通りすがりのメイド"ベルファスト"でございます」

 

「右に同じく、通りすがりのメイド"シェフィールド"です」

 

「マリアでーす♪以後お見知り置きを」

 

 

ベルファスト・シェフィールド・マリアは一斉にスカートの中から武器を取り出す。容姿端麗でありながら火器を手にするメイド三人組は祐斗・ゼノヴィア・リサラに襲い掛かる。だがリサラは翔真達が戦うドラゴンとメイド三人組に見覚えがあった。

 

 

「(なんでタンニーンとグレモリーロイヤルメイド隊がいるの!?)」

 

 

 

 

 

 

 



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第118話「力試し」

 

 

「はあああァァァ!!」

 

『そんな剣でこの俺を倒せるものか!』

 

「訳のわからんドラゴンに、やられる訳にはいかねーんだ!」

 

 

カオスブランドを振り上げて、名一杯の力で振り下ろす翔真―――――しかし"タンニーン"はその剣撃を手で止める。だが背後にデュポーンを纏った雪蘭と夜刀ノ神を纏った夜架が連携で攻撃し、一誠が後に続く。

 

 

「衝撃のォォォォォォォォ!!!ファァァァストブリットォォォォォォ!!!」

 

『ぐぁ!?・・・この!』

 

 

一誠のファストブリットはタンニーンの体勢を崩す・・・しかしタンニーンは己の尾で一誠を地面へ叩き付ける。しかし隙の空いた瞬間――――翔真・刀奈が迫る。

 

 

「一誠ばかりに気を取ってたら!」

 

「痛い目見るわよ?」

 

『なに!?』

 

 

刀奈はフリージング・カノンでタンニーンの足を凍らせて動きを止める。そして翔真はカオスブランドと追加装備のアロンダイトを構えてタンニーンに向かう。幾つもの残像を残しタンニーンの攻撃を交わしてゆき、翔真はタンニーンの脇腹に切り傷を入れる。

 

 

『――――やるな』

 

「おい・・・まだ忘れてないか?」

 

『ん?・・・まさか!』

 

 

タンニーンは上へ向く・・・すると、赤龍帝の鎧を纏い龍の翼を広げた一誠とニコニコと笑みを溢すクローディアが待ち構えていた。

 

 

「俺達を忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

「言わば、切り札という奴ですね♪さあユリシアさん、アカメちゃんお願いします」

 

「心得た!」

 

「一発熱いの、ぶちかますわ!」

 

 

 

タンニーンが翔真達と交戦している中、ゼノヴィアはベルファストと剣を交えていた。アーシアとギャスパーを守りながらゼノヴィアはエクスカリバー・デストラクションで応戦する。

 

 

「問う!貴様が持つそれは・・・本当に剣かい?」

 

「ええ。強いて言うならばこの剣は贋作・・・ですが――――トレース・オン」

 

「!?・・・ば、バカな!?」

 

「"投影魔術"・・・それが私の持つ力です」

 

 

 

 

ベルファストの手元にはゼノヴィアの持つエクスカリバー・デストラクションが召喚される。これにはゼノヴィアやアーシア達も驚愕する。

 

 

「ゼノヴィアさん!あれは一体!?」

 

「分からない。だがあれは・・・コピーした贋作と見た」

 

「―――ッ!」

 

 

エクスカリバー・デストラクション同士がぶつかりは爆風を生み出し周囲の岩などを軽く吹き飛ばす――――一方の裕斗もシェフィールドに苦戦していた。小猫も応戦しているが全ての動き読まれて足も出ない状態だった。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・大丈夫かい小猫ちゃん」

 

「はい。ですがあの人・・・」

 

「僕等の動きは完全に読まれてる・・・剣の腕も相当だ。翔真君やアカメさんとも比較にならない」

 

「終わりですか?」

 

 

息を切らす裕斗と小猫・・・シェフィルードは息切れを起こしおらずひたすらガトリングガンを放つ。

 

 

「小猫ちゃん!」

 

「はい!」

 

「見えていますよ・・・何もかも」

 

 

シェフィルードの容赦ない攻撃が裕斗と小猫に迫ってゆく中で、リサラは自身の武器である大鎌 カルヌーンプラデュールを振り上げてマリアに襲いかかる。

 

 

「マリア、これはどういうこと?」

 

「まあ・・・試練というやつですね」

 

「試練ですって!?まさかリアスお姉様は知ってるの!?」

 

「それは内緒です♪」

 

 

マリアはそのリサラを箒一本であしらい、攻撃を交わす―――――一方で翔真と一誠はタンニーンと激戦を繰り広げる。刀奈達はあと少しというところで機竜が解除されており戦うことが出来ず、ただ翔真と一誠の戦いを見守るしかない。

 

 

「行くぞ一誠!合わせ技なら!」

 

「分かった!」

 

『何度来ても同じだぞ?小僧共!』

 

「「撃滅のセカンドブリットォォォォォォ!!!」」

 

『がはァァ!?やるな・・・』

 

「これで終わりだ!」

 

「覚悟しやがれ『もう充分だろ』あ、アザゼル先生!?」

 

「なに・・・」

 

 

二人がタンニーンに向かおうとした時、いきなり現れたのはアザゼルであった。翔真の後ろにはティアマトを纏ったリアスが朱乃を抱き上げていつの間にか現れていた。

 

 

「ごめんなさい翔真も皆も」

 

「リアスさん・・・」

 

 

 

 

 

 



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第119話「子と母と、時々」


はい、ママ登場


 

 

アザゼルの提案であった力試しは終わり、リアス一行はグレモリー邸へとやって来た。するとベルファスト・マリア・シェフィールドを含むメイド達が翔真達を出迎えた。

 

「お帰りなさいませ、リアスお嬢様、リサラお嬢様」

 

『お帰りなさいませ!』

 

「(メイドさんが沢山・・・可愛いな・・・あだだだ!?あ、アカメ!?」

 

「り、りひゃら!?」

 

「目がエッチだぞ翔真」

 

「一誠~?」

 

翔真・一誠がアカメとリサラに頬をつねられる。一方で豪華な屋敷の中へ入りゼノヴィアやアーシアは珍しそうな眼差しで周りを見渡し、ユリシア達もグレモリー邸に圧倒される・・・そんな中で、前方から赤髪の男の子が走って来た。

 

 

「リアスお姉様!リサラお姉様お帰りなさい!」

 

「あらミリキャス!しばらく見ない間に大きくなったわね」

 

「相変わらず可愛いんだから~!」

 

「ぐっ!?り、リサラお姉様・・・く、苦しいですよ~」

 

「リアスさん、その子は?」

 

「この子はミリキャス・グレモリー。サーゼクス・ルシファー様の子供なの。ほら、ミリキャス皆に挨拶して?」

 

「はい!ミリキャス・グレモリーです!宜しくお願いします!」

 

「まじか・・・」

 

「か、可愛いですぅ!」

 

 

赤髪の男の子、ミリキャス・グレモリーはリアスとリサラの兄であり魔王であるサーゼクス・ルシファーの子供。礼儀正しい皆にお辞儀するミリキャスにアーシアは可愛いさを感じた・・・そんな時、一人の女性が姿を現す。

 

「あら、リアスにリサラ・・・お帰りなさい」

 

「お母様!」

 

「お久しぶりです!」

 

「「は・・・お、お母さん!?」」

 

 

リアスによく似た顔立ちの亜麻色のセミロングの美女はなんとリアスとリサラの母親である"ヴェネラナ・グレモリー"だった。これにはさすがに翔真と一誠はびっくりする。

 

 

「あら、貴方が翔真君で・・・君が兵藤一誠君ね」

 

「「・・・!」」

 

「貴殿方は有名なのですよ?グレモリーのご令嬢を守った"ツインナイト"だと」

 

 

翔真・一誠は冥界では名の知れた存在であった。何せライザー・フェニックスからリアスとリサラを命を賭けてまで守った黒き英雄と赤龍帝なのだから・・・

 

 

「是非とも一度はお話したいと思っていました・・・特に綾崎翔真君」

 

「え・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだクーガー・・・何か分かるか?」

 

「残念ながら何もありませんなァ・・・にしても、酷い惨状だなこりゃ」

 

「アザゼル、クーガー・・・君達はどう考える」

 

 

リアス達とは別に、アザゼルとクーガーはサーゼクスに呼び出されてある映像を見ていた。それは3日前に冥界の森ではぐれ悪魔が何体も殺されている光景・・・はぐれ悪魔を躊躇なく殺しているのは悪魔や堕天使、天使でもない何か・・・

 

 

「サーゼクス、こいつらは」

 

「今現在調査中だが・・・恐らくはぐれ悪魔を殺したのは相当な手練れだ」

 

「(この太刀筋・・・ショウキにそっくりだな)」

 

 

映像を見返していたクーガーはフードを被った一人に目が行く。その動きは翔真に似ており、太刀筋までそっくりだったのだ・・・

 

 

 

「まさかショウキじゃないよな・・・こいつは嫌な胸騒ぎがするな・・・ふむ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第120話「翔真、その心のままに」

「さあ、遠慮なくいっぱい食べてくれたまえ」

 

 

グレモリー低を案内されてあっという間に夕食の時間――――リアス・リサラの父親である"ジオティクス・グレモリー"の言葉で会食は始まる。アカメと小猫はテーブルに並べられた豪華な食事に先に手を着けた。

 

 

「一誠君、あれからご両親はお変わりないかね?」

 

「は、はい!」

 

「なら良かった。うちのリサラが迷惑かけてないかい?」

 

「ちょ!お父様!?・・・わ、私は!」

 

「そんなことないっす!・・・り、リサラが来てから、うちの両親は娘が出来たと喜んでて今でも―――」

 

 

ジオティクスと一誠は授業参加の日に一度会っており、一誠の両親とも会っていた。一誠としばらく話したジオティクス・・・今度は翔真の方へ視線を向ける。

 

「翔真君・・・君とは初めましてかな」

 

「は、はい!」

 

「ははは、そんなに固くならないでくれ。大丈夫、もっと砕けた感じでいいさ」

 

「(そう言われても・・・)」

 

「お父様?あんまり、翔真をいじめないでください」

 

「いやいや、ただ彼に興味があってだね」

 

 

翔真はジオティクスの力をバハムートを通じて感じており、その力に身を固めてしまう程のものなのだ。

 

 

「一誠君、今晩少し付き合ってくれるかな。君とは少し語り合いたいと思ってだね・・・どうかな?」

 

「は、はい!自分で良ければ!」

 

「なら私は翔真君とリアスにお話があるわ・・・二人共後で部屋に来てちょうだい」

 

「はい」

 

「は、はい・・・」

 

「なら決まりだな。さあ他の皆、遠慮しないでどんどん食ってくれたまえ!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

会食が終わりそれぞれのメンバーが用意された部屋で過ごしている頃・・・翔真・リアスのペアはヴェネラナと共に外へ出ていた。

 

 

「お母様、一体私と翔真に何のご用が・・・」

 

「この際ですから聞いておきたいのです。綾崎翔真君・・・貴方のことはリアスなどから聞いてます。リアスが翔真君に好意を持っていることも」

 

「お、お母様!」

 

「ですが――――随分複数の女の子に好かれていますね?」

 

 

ヴェネラナは翔真の情報を知っていた。もちろん、リアスの他にも翔真を慕う少女達がいることも。ヴェネラナは目を細めて翔真に問う。

 

 

「うちのリアスを・・・どう思っています?」

 

「・・・!」

 

「―――――リアスさんは俺にとって、全てを変えてくれた人です。俺は沢山な事を教えてくれたリアスさんが好きです・・・だけど、他の皆も好きなのは事実です」

 

「翔真・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「ヴェネラナさんがどう思われているのかは知りません。ですが・・・これからもリアスさんや皆を愛していくつもりです・・・俺は・・・俺の好きを・・・貫きます」

 

 

月の光りに照らされながら、翔真はヴェネラナにそう告げた。その言葉聞いて赤くなるリアスをよそに、ヴェネラナは真面目な表情から一転して笑みを溢す。

 

 

「そうですか・・・リアス、いい人を見つけましたね」

 

「・・・はい・・・」

 

「翔真君、これからも娘を宜しくお願いしますね♪」

 

 

ヴェネラナは確かめたかったのだ。翔真の覚悟を・・・その真意を知らないままの翔真とリアスは部屋に戻る。

 

 

「翔真・・・さっきの最高にカッコよかったわ」

 

「いえ・・・そんなことは・・・」

 

「ねぇ翔真・・・」

 

「はい・・・え!?」

 

 

リアスは翔真をベッドへと押し倒す。翔真の上に跨がると服を一枚一枚脱ぎ始めた。

 

 

「リアスさん!?」

 

「翔真・・・私と・・・エッチして」

 

「で、でも!」

 

「朱乃やシャルロットは抱けても、私は抱けないの?」

 

「それは・・・」

 

「私・・・寂しいの・・・翔真。私のこと好きなら・・・そろそろいいと思うの・・・お願い」

 

 

リアスはずっと我慢してきた・・・だが先ほどのヴェネラナに対して翔真が言った決意を聞いて我慢出来ずに一線を越えようと行動した。

 

 

「翔真・・・」

 

「リアスさん・・・分かった。優しくします・・・だから」

 

「!・・・うん」

 

 

 

 

二人は皆に内緒で部屋で濃密な時間を過ごす――――――――――

 

 

 

 

 

 

「(これは早い内に孫が見れますね♪)」

 

 

余談だが、ちゃっかりヴェネラナにはバレていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第121話「転生悪魔へ。そしてリサラ眷属誕生」

リアスと愛し合った翌日、翔真はヴェネラナに呼び出されていた。他にもリアスやユリシア・アカメ・夜架、雪蘭、刀奈、クローディア、ユリシアなど装甲機竜を扱う者達が集められていた。

 

 

「お母様、朝から一体どうしたのです?」

 

「(眠い)」

 

 

肌がつやつやのリアスがヴェネラナに尋ねる。翔真は若干げっそりしつつもヴェネラナに視線を向ける。

 

 

「皆さんに集まってもらったのは他でもありません。実はですね・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!たあァァ!」

 

「なかなかやるじゃない。リサラが見込んだ男だけあるわね!」

 

「ま、大したもんじゃない」

 

「行くわよ!赤龍帝!」

 

「三人共、あまり本気出さないようにね」

 

 

翔真達がヴェネラナに呼び出されていた頃、一誠はリサラ眷属で女王を務めるツインテールの少女"凰 鈴音"と僧侶を務める"御坂 美琴と戦車を務めるサイドテールの少女"瑞鶴"と戦っていた。一誠の力になりたいと思ったリサラは三人に特訓をお願いして今に至る。

 

「行くわよ!」

 

「のわああァァ!?指から電撃!?」

 

美琴は自身の能力である"超電磁砲ーレールガンーの力を発揮して一誠に攻撃する。一誠は上手く交わしてゆくが、背後に神装機竜"エピオンパイ"を纏った鈴が攻撃をする。

 

 

「喰らいなさい!」

 

「ち!?」

 

 

横から日本刀を持った瑞鶴が攻撃に入る。

 

 

「ちょこまかと・・・・美琴!」

 

「分かったわ!とらぁ!」

 

 

鈴は右腕に装備されたドラゴンハングで攻撃して、美琴は再び電撃を放つ。そして瑞鶴がトドメを刺そうとした時ー

 

 

「そこまで」

 

「え!?」

 

「お、お母様!?そ、それにお姉様や翔真達まで・・・・」

 

 

ヴェネラナが特訓を中断させる。ヴェネラナに気付いた鈴・美琴・瑞鶴は軽くお辞儀するとリサラの後ろに立つ。

 

 

「どうされたのですか?お母様」

 

「リサラ・・・・長いこと待たせましたね。リサラ・・・・貴女にレーディングゲーム参加を許可します」

 

「・・・・!」

 

 

リサラは長年、自身の眷属でレーディングゲームに参加したいという想いを抱いていた。しかし経験や知恵不足を理由にヴェネラナに反対されていた・・・・しかしここに来て参加の許可が出たことにリサラは嬉しさが込み上げる。

 

 

「リサラの眷属にはクイーンとビショップ、ルークのみでしたが・・・・本日付けでリアスの眷属でナイトの木場祐斗、ルークの塔城小猫、ポーンの兵藤一誠をリサラ眷属へ移動よ」

 

「え!?い、イッセーが・・・・私の・・眷属に!」

 

「やったなリサラ!これからも宜しく頼むぜ!木場!小猫ちゃん!」

 

「うん。宜しく頼むよ」

 

「はい、イッセー先輩」

 

 

「・・・・ちょっと待ってください・・・・確かにイッセーや祐斗が来てくれるのは嬉しいのですが、イッセー達が私の所へ来たらリアスお姉様の眷属が・・・・」

 

「心配は無用よリサラ。何故なら・・・・翔真、お願い」

 

 

リアスにそう言われて翔真達装甲機竜チームは悪魔の翼を広げる。

 

 

「は・・・・はあああああ!?」

 

「つうわけで、本日からリアス眷属でポーン(兵士)を務める綾崎翔真だ・・・・宜しくなイッセー」

 

「同じく、リアス眷属でポーンを務めることになったアカメだ」

 

「私、ユリシアも同じくポーンよ~!宜しく~!」

 

「切姫夜架。リアス様のルークを務めますわ」

 

 

翔真・アカメ・ユリシア・夜架達はそう言った。

 

 

 

「う、嘘だろォォォォォォ!?」

 

 

一誠の叫びが空高く響く。

 

 

 

 



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第122話「パーティーナイト 1」

 

 

翔真率いる装甲機竜チームはヴェネラナの力により悪魔へと転生した。そしてリアスにトレードしたことで翔真達はリアス眷属所属となった。その後一誠・祐斗・小猫はリサラ眷属に移籍して、これでリサラは自分の眷属を持つことが出来た。

 

「――――いいですか?つまり上級悪魔にとって社交界とは」

 

「(はあ……リサラ達は今頃観光かな……リサラとデートしたかったけど、仕方ないよな)」

 

「(悪魔は礼儀に厳しいな……)」

 

「……なるほど」

 

ただいま一誠・翔真率いる装甲機竜チーム・ミリキャスは朝から悪魔社会について勉強していた。翔真やユリシア、刀奈、クローディア、雪蘭、夜架は熱心にノートに書き写していた。一方の一誠はリサラとデートしたかったと思いながら勉強に励み、アカメは教科書を立てて早弁しながらノートに書いてゆく。

 

「旦那様、若……手が止まっていますよ?」

 

「あの~さっきから気になっていたんですけど……なんで翔真は旦那様で何故俺は若呼びなんです?」

 

「さあ、次はグレモリー家の歴史についてお話しましょう」

 

「(はぐらかされたぞ翔真)」

 

「(……なんかあんまり聞かない方がいいみたいだな)」

 

「皆さんお勉強は捗ってるかしら?」

 

「あ!おばあさま!」

 

 

勉強部屋にリアスとリサラの母親であるヴェネラナが入って来た。更には何故かメイド服姿のゼノヴィアもいた。

 

「ゼノヴィア?……お前なんでいるんだ?確かリアスさんと観光のはずだろ?」

 

「いや……私も悪魔に転生した身だ。勉強しようと思ってね……リアス部長とリサラの母上に先ほどまで礼儀作法を教わっていた」

 

 

ゼノヴィアは独自にヴェネラナの指導を受けていた。ゼノヴィアも転生悪魔であり、何も分からないままでは不味いと考えてヴェネラナに頼み込んで指導を受けていた。

 

 

「でも、なんでメイド服?」

 

「形から入った方がいいかと思ってね……似合うかい?」

 

「あ、ああ……っ!?」

 

 

ゼノヴィアはくるっと一回りして翔真に見せる。色々と露出が激しいメイド服に翔真は思わず見惚れるが後ろから嫉妬の眼差しを感じる。

 

「翔真の変態」

 

「バカ」

 

「スケベ」

 

「あの……ダイレクトで言うのやめてくれません?」

 

 

アカメ、ユリシア、刀奈から言われ翔真は思わず膝から崩れる。

 

 

「ふふふ……さて、皆さん……社交界の基本的なことは覚えたかしら」

 

「は、はい!なんとか……翔真はどうだ?」

 

「俺も一応は……はい」

 

「なるほど。さすがリサラとリアスが見込んだ男の子ね。勉強熱心はいいことよ」

 

 

そしてヴェネラナから1時間程、悪魔社会を学んだ翔真達。そして今日はリアスと同年代の若手悪魔が一同に会する交流会がある。翔真達も出席することになっており、リアスが恥をかかないように翔真達は懸命に勉強する。

 

 

 

やがて時間は過ぎて、リアス達と合流した翔真達は列車に乗り込んで魔王領へとやって来た。

 

 

「皆、これから若手悪魔との顔合わせよ。何が起こっても平常心でいるのよ。特に翔真はね?」

 

「ふえ?」

 

「……そう言えばリアス部長。ソーナ会長や匙達も来るんですよね?」

 

「ええもちろん。ソーナはシトリー家の次期当主だから―――あら?サイラオーグ!」

 

「ん?…おお、久しぶりだなリアス。リサラも久しぶりだな」

 

「サイラオーグお兄様!はい!」

 

イッセーに尋ねられて答えたリアスの前に黒髪の男がいた。"サイラオーグ・バアル"……バアル家の次期当主である。野性的なイケメン、体格の良さ……そして何より翔真と一誠はある気配にも気付く。

 

「(一誠、この人……)」

 

「(ああ。このサイラオーグって人……強い……なんとなくそんな気がする)」

 

「サイラオーグ、こんな通路で何をしていたのよ?」

 

「ちょっとな……くだらんから出てきただけだ」

 

「え――――『ドゴォォォォォォン!!!』きゃ!?な、なに!?」

 

「はぁ……着いた早々ゼファードルとシーグヴァイラがやり始めてな。たく……だからデビュー前の会合などいらないと進言したんだ」

 

 

サイラオーグの向ける先にはグラシャラボラス家次期当主の"ゼファードル"が"シーグヴァイラ"とやり合っている光景がある。サイラオーグは無言のまま彼等の元へ行く。

 

「翔真、一誠……彼をよく見ておきなさい」

 

「サイラオーグお兄様は若手悪魔のナンバー1よ。お兄様を怒らせたらどうなるか……ちゃんと見ておいて二人共」

 

「「……!?」」

 

 

リアスとリサラの言葉に翔真と一誠はサイラオーグに視線を戻す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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