ハリー・ポッターと留学生 (原作なくして更新停止中)
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設定集(随時更新)

作中での説明が難しいもの、説明のタイミングを逃したもの、思いついたけど割とどうでも良いもの辺りを中心とした設定集です。

作中で、設定の説明が無いぞ?ってなったらご確認ください。ここにも載ってないようなら、感想に気になった設定を書いて頂ければ、返信及び追加します。

人物紹介→魔法等の紹介→舞台背景 の順です。興味のある方は読んでみてください。

更新内容の古いとこは消していきます。前書きがどんどん長くなるのは邪魔だよね?↓
※6/21 ロンの扱いを正式に決定。魔法の辺りに少し追加説明
9/2 深雪さんの友達(オリキャラ。ほぼ登場予定無し)を追加。けっこう前に感想で聞かれた、水龍が蛇の進化系だけな理由も追加。ここはほぼ感想欄のコピペだから、ちょっと文体が違うかもしれない。


人物紹介

 

日本勢

 

大鳳(おおとり) 深雪(みゆき)

主人公。プロローグで名前が出なかった事に、特に理由はない。敢えて言うなら、ただ単に作者が書き忘れてたけど、無くても良いやってなっただけ。

 

烏の濡れ羽色とでも言うべき黒髪で、絹のようなサラサラの腰くらいまである長髪をそのまま垂らしている。趣味の関係で引き篭もりがちな為、透き通るような白い肌。鈴の鳴るような美しい声。容姿は非常に整っていて、手足など、身体のバランスも良いが、身長は低く胸も無い。それでも、非公認ファンクラブ「深雪ちゃんをそっと見守る会」がある模様。将来ロリコンの巣窟になるのかどうかは主人公の成長にかかっている。現在はロリコンと母性の巣窟なので、日々内部抗争(単なる議論)が勃発している。なお、女性も多く所属している。本人や家族はその存在に一切気づいていない。

 

普段は大人しく表情が薄いが、家族や友人など、近しい関係の人と関わる時は表情豊かで、性格も明るい。好きな魔法が関わると、いきなり積極的になる。仲の悪い人と関わる時は、基本的に無表情かドSの笑顔のどちらかで対応する。状況次第では他の表情も使うが、大抵この2つで問題無い。それ以外だと当たり障りのないように対応。

 

外見のせいで(男は高嶺の花的な扱いをしている為、接触が少ない。女も嫉妬で接触が少ない)友達が少ない。片手で数えられる程度しか居ない為、かなりレベルの高いボッチ。班分けの時に必ずあぶれるタイプ。数少ない交遊関係は、殆どが変人。しかもボケ属性の方が多い為、必然的にツッコミ属性になった。でも、本人が若干天然気味なので、ツッコミの方向性が少しズレる事がある。男相手でも割と平気で抱き着いたりする。でも、流石に下着姿とかまで行くと恥ずかしい。

 

マホウトコロは本来なら7歳から登校する(公式情報)が、自宅に魔法の勉強する環境が整っていた為、普通の小学校に通っていた。試験の時だけマホウトコロに登校する為、一部では幽霊の類という噂が流れていた。

 

趣味は、読書とゲーム。面白ければ何でも良いという濫読派であり、ゲームもジャンルを問わず、面白ければ何でもする。特に気に入ってるジャンルはファンタジー。次点で近代兵器が出る物。その為、魔法と銃器はロマンだと思っている。好きな事をする時は無駄にスペックが上がる。

 

基本的に勉強をしないが、要領が良く、上の下くらいの成績はある。先述の通り、魔法は小説の影響で好んでいる為、好きなジャンルの場合のみ放っておいても勝手に研究して上達する。苦手があるのは、技能的に向いてないか、何かしらの理由でそのジャンルを嫌っているから。

 

得意な魔法は水・風・火系統。水は名前に雪が入っているという理由で頑張った結果。風は、近所の山に居た天狗(登場予定無し)と遊んでいるうちに身についていた。火は、お祓いや浄化に向いている為、親に叩き込まれた物。

 

山で遊んでいた事もあるが、結局耐性は付かず、虫が苦手。大半の虫を見るのも嫌というほど。特に幼虫系統が苦手で、見ると逃げ出す。また、虫は死すべしとばかりに小規模な魔法を放つ事もある。両生類系もそこそこ苦手。

 

日本に居る間は、主にそれぞれに対応した文字や模様などを書き、魔力を込めたお札を利用した魔法を使う。お札を飛ばす程度の魔法なら媒体無しでも使用可。式神を呼び出すのは苦手で、あまり強力な物は使えない。一体につき、お札3枚くらいが使用限界。数だけは沢山呼び出せる。頑張って練習してるので、少しずつ使用可能上限は増える予定。

 

目下の目標は雷(神鳴りと呼ばれるだけあって難易度は高め)を起こせるようになる事。いつか多少劣化していても良いので、「とある魔術〜」のイノケンテイウス(主人公は、ルーンとお札は似てるから、希望はあるかも?と思っている)と、「ネ◯ま!」の千の雷の再現をしたいと思っている。

 

水龍を水神として崇める系統の宗派の為、有事の際にコミュニケーションを取れるよう蛇語を話せる。本人曰く、「蛇語で他言語理解のキャパがいっぱいになったせいで、英語が出来ない」らしい。

 

外見としては、黒髪ロングで黒目。身長は135センチほどで、痩せ型寄りの平均。日本人の11歳女子の平均は145〜147ほどなので、かなり小柄。その為、8歳か9歳くらいに見られる事も多い。本人は自分が小さいのを気にしている為、あまり身長の話はしたがらない。

 

 

大鳳(おおとり) 火憐(かれん)

主人公の母。此方もプロローグで名前が出なかったのに特に理由はない。

 

娘と同様の髪をポニーテールに束ねている、お姉さん系美人。胸のサイズをBかCくらいに下げたとある魔術〜に出てくる神裂さんをイメージすると良い。

 

名前の通り、やたらと火の扱いが上手い。普段は温厚だが、時折鬼畜になる。見た目は背が高めの大和撫子だが、ごちうさの某鬼畜和菓子の鬼畜要素を超強化したような性格。要するに、普段はゆるふわ、時折鬼畜。割と抜けてる為、頻繁に何かを忘れたり間違えたりする。特に、重要な事になる程ギリギリのミスが増える。

 

魔道書を集めるのが趣味で、自宅に図書室と見紛う程の蔵書がある。

 

 

大鳳(おおとり) 雄二(ゆうじ)

主人公の父。未登場。

 

妻と娘の本好きの為に、大手の企業で必死で働く苦労人。どちらの事も溺愛している為、本人は幸せそう。魔法は、日常生活で使える程度。

 

見た目はナイスミドル。渋いおじ様感と、大塚明夫のような素晴らしい声が魅力。

 

 

山田 太郎

読んで字の如く、モブ。その癖スペックだけは高い。見た目は平均を極めたような、特徴が無い事が特徴という説明がぴったり。いつも存在感が薄く、損な役回りが多いお人好し。今回視察員に選ばれたのは、一番英語が出来るから。ここでやらかしたら出世に響くので、必死。更に、最近娘がうまれたので、女の子の関わる事と考えると何だか他人事に思えなくなって更に必死。

 

露璃 百合子

魔法使いだけど、深雪さんの家の設備を利用し、深雪さんと一緒に魔法の勉強をしていた為、留学前の深雪さんと同じ小学校に行ってる。無意識のガチレズ。いつか目覚める。深雪さんにちょっと惹かれてるけど、まだ惚れてはいない。年齢の割にはそこそこ胸部装甲が厚いけど、まだまだ薄い。そのうちすごい事になる予定。身長とかは平均的。得意な魔法は呪いと治療。

 

 

イギリス勢(大体原作通りの予定なので大半は短めの上、ほとんどのキャラは書かない)

 

ハリー・ポッター

原作での主人公。今作では、原作通りの思い上がりと無謀と偏見に加え、父ジェームズのような周囲を巻き込む属性を弱めにして追加。これは主人公を事件に引き摺り込む方法を思いつかなかった作者が、どうにか各種事件に関わらせる理由は無いかと考えた末追加された属性。

 

 

ロナルド・ウィーズリー(ロン)

スリザリンを嫌っている割には、やっている事は若干オブラートに包んだ感じにはなっているがスリザリンと変わらず、相手の事を知りもしないのに罵倒し、まともに評価しないという謎人物。同族嫌悪かな?

 

嫉妬や劣等感を抱く事が多い目立ちたがり。その癖、双子のように自分から何かをしようという気概はほとんど無い。原作で、事件の度にハリーに付いて行き、サポートキャラと化していたが、ロンの一方的かつ果てしなくどうでも良い理由で喧嘩するなど、足を引っ張る事も多い。

 

今作では、無事にハーマイオニーと結婚出来るかは未定。

色々と考えた結果、原作であんなに幸せになったんだから、こっちでは不幸でも良いよね?という理由で扱いを雑にする事が決定。

 

 

ハーマイオニー・グレンジャー

言わずと知れた原作1の秀才。若干のドジっ娘属性持ち。少々お節介な面がある。ロンと結婚する辺り、駄目な男が好みなのかも?

 

 

フレッド&ジョージ・ウィーズリー

ウィーズリー家の双子。クラスに1人はいる騒々しいキャラ的立ち位置。悪戯に被害が出る物がある以外はそこそこ良い人達。

 

ちなみに作者はどっちがどっちなのか見分けられない。

 

 

ルビウス・ハグリッド

デカイ森番。かなり抜けてる残念な人。魔法生物大好きで、犯罪行為に繋がる場合でもお構い無しな無計画っぷりはある意味立派。おそらくダンブルドアの庇護のお陰で逮捕されてない。

 

 

アルバス・ダンブルドア

秘密主義でお人好しの謎爺。作者は、あの口調をまともに再現出来る気がしないので、可能な限りセリフを減らそうと画策している。

 

 

セブルス・スネイプ

原作では、想い人を他の男に盗られ、相手が死んでも尚想い続ける若干病んでる人。自分の命を賭けて、お辞儀さんを倒す為に、指示を出していたダンブルドア以外の誰にも気付かれないまま、最期にお辞儀さんに杖の都合の為に殺されるまで、二重スパイという最高難度の任務を遂行するという偉業を成し遂げた。

 

作者の一番のお気に入りキャラ。ちなみに次点でマッドアイ・ムーディ。

 

 

ドラコ・マルフォイ

小者。やる事なす事全て小者感を与えてくるある意味すごい人。原作では終盤以外はもはや噛ませ犬と化していた。スペックはそこそこある筈なのに、何故か残念。

 

今作では登場する機会が少ないが、出てくる時には大抵弄られる予定。

 

 

ヴォルデモート

自分の名前を死の飛翔(他作品の二次情報。検索ワードが悪いのか、ネットで調べても出てこなかった)という意味にする痛い人。そもそも世界征服的な野望を持つ時点で酷い厨二であると思われるが、気にしてはいけない。部下が予言の一部しか聞けず、その結果体を失ったり、馬鹿な部下に分霊箱を単なる魔法具として使われ破壊されるなど、運が悪い。

 

敵でも優秀な人はそれなり以上に評価するのは原作通り。

 

無双前は、日本はそこそこ評価されていたので、純血主義の象徴のような人物の割に、日本人でも気にしない。

 

お辞儀大好き、即死魔法大好き。多分FFをやらせたらデスばかり使って、低確率過ぎて成功しないまま全滅する。

 

 

魔法、道具等の用語集

 

 

イギリス式

速さと魔力効率に特化していて威力はそこそこ。杖以外の媒体は無く、杖無しでの使用も一部を除き不可能。決闘厨にはぴったり。

各種魔法形態の中でも必要魔力量が少ない部類の為、この形態しか使っていないイギリス人達は、退化するような形で魔力量が少しずつ減ってきている。それでも、魔力を実際に使ってるからイギリス式魔法行使に支障が出るようなとこまでは減らない。特に多いタイプの人は、先祖返りの類か、たまたま多く持って生まれただけ。

 

 

日本式

威力と精密性に特化。使用には前準備が必要なものが多い。高威力だと詠唱も長くなる傾向がある。工夫次第では短く出来るが、限界もある。杖は他の媒体を使うまでの繋ぎだったり、手軽に使える護身用くらいがメイン。他の媒体と併用して使うこともある。その為、無言呪文と複数の並行使用は基本技能。そうじゃないと、長文詠唱中に杖を使った時間稼ぎなどが出来ないし、式神を複数呼ぶ時に1つ1つ詠唱してたらきりがない。他にも幾つか理由はあるが、大体そんな感じの理由。

必要魔力量はそこそこ多い部類。その為、これをメインで使っている日本人は進化するような形で魔力量が増えている。少ない人でも、イギリス式を十分に扱う事は可能な程。ただし、そういった人物の殆どは才能や適正などの技術的理由で、結局使えない者が多い。

 

 

お札

短冊のような形をした紙。使用する魔法に合わせて、書き込む文字や模様、込める魔力の質などを変える。複雑な魔法を使う場合は、複数のお札を組み合わせて使う。巫女服などが比較的ゆったりしているのは、これを袖などに仕込む為という設定。沢山持つ際には、輪ゴムや紐などで纏めておく。多くの場合は袖などに小規模な空間魔法を付与している為、見た目では武装の数は判断出来ない。

 

火系統は、攻撃力が高い物が多い。イギリスの悪霊の火のような特殊な火が複数種ある。

 

水系統は、水のみならず、氷や水蒸気も扱える。ただし、水蒸気は見えない為難易度が上がる。水だけでなく、液体ならなんでも使えるが、溶かした金属などは不可。また、水が最も効率が高い。その場にある物を使う方が効率が良い。効率的には、存在する水>存在する氷>>存在する液体>水=氷>>>水蒸気

 

風系統は、ただ風を起こすだけだが、微風、強風、鎌鼬など空気を使った物理現象なら大抵の事は出来る。調整次第で空も飛べる。

 

雷系統は、速さと威力に定評があるが個人で扱うものでは、「神鳴り」というだけあって最も難しい。発生させる事自体も難易度が高いが、指向性を付けないと真っ先に自分や発生点のお札などが浴びる羽目になる。熟練者は、かなりの汎用性を持つ。

 

他にも、地系統や光系統などかなりの種類があり、それぞれ特性が異なる。

 

日常で使う類のものは、かなり弱い各種の属性を目的に応じて使い分けているもの。

 

 

式神

召喚魔法のようなもの。基本的には、複数枚のお札を用い、魔力で顕現させたものを使役する。枚数が増えるほど操れる力も大きくなるが、制御も難しくなる。一枚で呼ばないのは、大抵かなり弱いものになる為。お札に書く内容次第では、一枚でもそこそこ使えるものになる。能力は、速さや力、魔法能力などにある程度振り分けられる。あえてステータス(RPGをイメージすると分かりやすい)の部分を空白にする事で、その場で変更もできる。もちろん、予め書いておく方が効率は良い。実際にいる妖怪や神などと契約した場合には、転移させるような形で呼び出す。

 

 

日本でも杖の使用は11歳から。それまでは安全な魔力の運用方法や魔法理論、単純かつ弱い効果を生むだけの道具での魔法の使用方法などを学ぶ。当然、何か1つに用途を絞ったモノや、専門性の高いモノより出力は落ちる。

人によっては予習などの形で、もっと高度なお札を使った魔法も学んでいる。

 

作者の、杖一本であれだけの事が出来るのに、何かに用途を限定した物より簡単に扱えるのは、性能がとても低そうに思えて残念過ぎるという理由でこんな設定が生まれた。

 

 

水龍

蛇型の和風ドラゴン。元は普通の蛇だが、様々な要因が重なって神になったもの。

 

人の言葉を知性の証として好んで使う者と、人という下等種族(元が蛇とはいえ神なので上位)に合わせる必要は無いとして蛇語を使う者がいる。水を操るが、上位のものは雷も操る。川などに好んで生息する。自分の住処を守る為、彼等がいる川の上流の方はかなり綺麗。下流までは管理していない。怒らせると鉄砲水などを起こす事があるので、彼等を龍神として信仰の対象にしている宗派の神社の関係者が鎮める為に交渉しに行く場合もある。たとえ信仰の対象にしていなくても、神なので敵対しようとする宗派は日本に存在しない。生え変わりの時期になると髭を提供してくれる個体もいる。同様に、鱗も提供してくれる。髭は杖の芯に、鱗は魔法薬や魔道具の素材に使える。

 

魔法、身体共に強力な上に環境そのものを味方につけているので、かなりの強者のみ(イギリスでのエリート闇払いや上位の死喰い人に相当する人)で100人規模の部隊を組み、更に後方支援部隊を付けないと殺せない。ただし、殺すと大量の魔力が放出される為、周辺で暫くの間天災に見舞われる。古代、一体だけ殺された事例があるが、その際には周辺の集落が全て滅んだ。その為、殺す事自体がほとんど不可能だが、殺した場合はどのように殺したのかをあらゆる手段で聞き出した後に、全ての魔法関係者のみの村などで市中引き回しにされた末、死刑になる。殺したと吹聴するだけでも、彼等に聞かれると怒らせたり、侮って神殺しを狙う者が出てくる可能性があるので、死罪またはそれに準ずる程の大罪人として扱う。

 

蛇が神になったやつしか居ないのは、作者の龍のイメージ。龍の見た目が、色々とくっ付いてて豪華な蛇にしか見えない。

 

一応、他にも色んな種類の龍が居る。この作品だと登場予定が皆無。日本だと基本的に生息して無い。地龍の類は大陸の方とかに、火龍の類なんかは火山のマグマの中のどっかに、みたいな感じ。普通にその種として確立してる奴や、ナニカの上位種や変異種的な奴なんかがいる。

強い連中は大抵移動能力も高いので、生息域がそれぞれの住み易いタイプの環境に集中する。世界には幾つかそういう環境があるので、一箇所に集中という訳ではない。縄張りなんかは色々と、彼等なりの解決方法がある模様。そもそも数があんまり多く無いので、一等地の中でも特に良いとこくらいしか争いにならない。なるとしても、大体古参の奴が住み着いていて、誰も敵わない。

そして、そこへ無謀な若手が突撃して、惨敗して帰るのが暇な連中の暇潰しになってる。退屈は神をも殺すというし、良い暇潰しになって古参の方々もあんまり怒って無いので、若手への教育くらいで済まされる。で、その後中堅くらいの奴がアドバイスしに行くまでがお約束のルート。古参同士はずっと昔に折り合いをつけてるので、今更揉める事も無い。

 

 

妖怪、悪霊などの怪異

年を経て強く、賢くなった個体は怒らせない限り悪さはしない。(討伐部隊が編成されると学んでいる為)逆に、若く半端な強さの者程暴れる傾向にある。弱い者だと大抵は山奥などの住処に引き篭もって出てこない為、無害。

 

特に悪さをしないものは、共存している事もある。(例としては、主人公と遊んでた天狗や、水龍などの神との連絡をとる時の最初の仲介役の八咫烏、魔法界版相撲で活躍する河童など)

 

悪さをするなら、即討伐対象。酒呑童子や八岐大蛇クラスになると、厄介になり過ぎて、現代兵器を持ち出した上で人間と仲の良い水龍までもが協力して倒す事もあるが、数百年に一体出るかどうかといったところ。小物は幾らでも湧く為、護身以上の事は誰でも出来る。お祓いや戦闘術になると、数が減り、専門家になると神社や寺、専門組織などに所属し、通報のあった地に赴き祓うか封印する。

 

 

科学技術

イギリス以外では裏で魔法との関わりが一部とはいえあるので、若干早い。作中は1990年代後半だが、既にスマホがある程度には進んでいる。大体20年分くらい?

 

 

銃火器

流石に洒落にならんという事で、使わない。国家間でも使わない。非合法組織との全力での戦闘が必要(死の秘宝のラストバトルとか)な時くらいしか使わない。でも、やっぱりイギリスだけは絶対使わない。というか、銃?何それ美味しいの?ってレベル

 

 

舞台背景など

 

イギリスについて

 

お辞儀さん無双は、年齢を考えると数十年は続いた筈。その間ずっと純血主義が横行するなら、無双終了後は反純血主義がメインになる方が自然なのに、何故か未だに純血主義が流行っているという謎。

 

誰が作ったのか分からないが、新聞社が一つしか無い、科学技術への無関心、異常なまでの大臣の権力の巨大さなど、独裁に大分向いている状態。

 

更に、新聞や雑誌の情報をそのまま鵜呑みにし、明らかな違和感さえ無視して加害者に周り、無実だったと知っても尚差別するなど、かなり心配になる頭の持ち主が一般的。

 

マグル嫌いでは無くても、知らない癖にマグルを見下している。また、マグル好きやマグル贔屓と呼ばれる人ですら、通貨や電車などの押さえておくべき知識すらない俄かばかり。

 

杖を用いた魔法か魔法薬くらいしか教えないという視野狭窄っぷりを発揮している。

 

また、科学技術に関心が無い為、未だに中世程度の生活から変わっていない。

 

ヨーロッパ系は比較的マシだが、アジア系やアメリカ系、アフリカ系は見下す傾向が強い。理由は、自分達が最も優れていると思っているから。他国からは、傲慢かつ変な思想が多いせいで、あまり関わらない方が良さそうと思われているが、国内では自分達を恐れているからだと思っている。

 

実際には、最も遅れた文化だからあまり関わっても良い事が無いだけ。せいぜい地域限定の素材くらい。たまに密猟者的なのが入り込んでるが、気付いてない。尚、未だに中世レベルなのはイギリスのみである。

 

 

日本について

 

特に問題無く数十年を過ごしている。マグルの事は、一切見下した意味を含まずに、魔法を使えない人や一般人、非魔法族といった呼び方をする。魔法を広めないのは、信じないだろうということと、やたらと魔法に頼られても困る為。

 

政治に関しては基本的に現代日本と同じ。魔法がある分多少特殊な部門が付いているくらい。新聞も複数ある。

 

普通に電化製品を使うなど、科学技術は一切否定せず、積極的に取り入れている。

 

教育も、一般教養系、複数の形態の魔法などかなり幅広く行なっている。魔法に闇の魔術という概念が無く、扱う側の問題であるとしている。流石に、呪殺系や生贄を必要とする系統の物などは防御に関することしか教えていない。基本スタンスは、否定はしないが、関わらない。ただし、被害を出すようなら潰しに動く。

 

内乱が終わったイギリスとの交流再開は、数十年の間にどれほど変わったのかを調査するという目的がほとんど。内乱前でも、科学技術を取り入れていないイギリスとは生活環境が異なり過ぎて大分疎遠だった。改善されているのなら、積極的に交易をするが、変わらないようなら疎遠なままでいる予定。

 

留学に際しての取り決め

 

お互いの国での法律を守る。ただし、留学生に被害が出る行為については、どちらか一方の国にあるだけの法律でも、ある程度の変更を加えつつ適用する。

(例)イギリスでは弱い呪いなら人間に使っても違法では無いが、日本では違法。その為、留学生に呪いをかけてはならない。ただし、留学生が先に呪いをかけた場合は、一時的にイギリスの法律を両者に適用。弱い呪いの撃ち合いになっても問題無し。イギリス側の人間が先に呪いをかけた場合は、正当防衛という形で留学生が呪いをかけてもやり過ぎなければ問題無し。イギリス側は違法。

 

理由 これはイギリス側が言い出した条件。日本の法がどうなっているのかを調べなかった為、イギリス側の留学生を保護するつもりで付けた条件だったが、日本からしてみれば何故か譲歩してくれたようにしか見えない。裏を読もうとしても分からない(裏など元々無い)為、戦々恐々としつつ受け入れた。

 

1ガリオンは5ポンドだが、機械化されておらず、その手の管理に使える魔法も無いイギリス魔法省の管理能力では、時価で変わる値段に対処不能。よって、円とポンドの割と最近の推移を加味して、1ガリオン1000円(原作内が1990年代後半。その頃の凄く大雑把な折れ線グラフ参照)とする。

 

最低限この2つの条件を守り、随時追加条項を設ける。

 

理由 やはり時間が無い(英雄であるハリーと同学年に合わせようとしてイギリスが留学の延期について譲歩しなかった。1つ目が日本に有利過ぎて、日本側は時間を早める為に有利にしてきたと勘違い。本来なら、為替レート通りにしたかったが、既に1つ目に異論は無いという言質を取られていた為、諦めた)為、最低限の2つを作り、その後協議する形になった。




話が進めばシリウス達のような一部キャラも追加します。


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プロローグ
プロローグ〜日本side〜


初めましてshou11です。
エタらせるつもりは無いですが更新頻度、文字数はばらつきが出ると思います。最低でも月1更新を目指していますが、どうなることやら(−_−;)

それでは本編スタートです!


〜主人公side〜

 

「留学?」

 

「そう、留学。貴女に今年の9月からイギリスに留学しないかって話が来てるの。」

 

学校の修了式を終えて、これからの春休みを謳歌しようとしていたら、母から唐突にこんなことを言われた。解せぬ。

 

「嫌だよ!大体、英語も話せないのに何でそんな話が来てるのさ!ドッキリか、タチの悪い悪戯じゃないの?」

 

「本物よ?何でも、向こうが十年以上前の内紛で荒れてたせいで、交流が途絶えたままになっていたから、交流の再開という事で交換留学をしようって流れになったみたいなのよ。それに貴女が選ばれたの。英語に関しては向こうが解決策を用意してあるから、英語を使えなくても問題無いって話だから、安心しなさい。」

 

「それどんな学校なの?解決策って単なるスパルタ教育じゃないでしょうね。それに、そもそも何で私なの?私以上に向いてる人なんて山ほど居そうなのに。」

 

絶対私より英語を使える人が行く方が良いし、成績だってそうだ。恥ずかしくないようにもっと優秀な人を送るべきだと思う。

 

「あー、まだ学校の説明してなかったわね。向こうの学校は、ホグワーツ魔法学校。つまり普通の人は行けない学校よ」

 

「魔法なら家で勉強してるじゃない。何で専門の学校に行かないとならないの?もう式神だって使えるし、お祓いなんかも出来るんだから、修行を必死にやらなくても良い、普通に日本の学校に通って、神職に就けるように大学進学の為の勉強しながら、ゆっくり鍛えていくだけでも十分だっていう話はどうなったの?他の魔法使いにそういう専門的な機会を回す方が良いと思う」

 

「大学に関しては、大検を受ければ良いわ。成績だって魔法関連なら貴女が一番じゃない。むしろ貴女じゃなきゃダメよ。それに、貴女最近、非常時の対策にお札とかを用意しなくても、すぐに術を使えるように練習してたでしょ?イギリスで主流の西洋魔術はそれに向いてるから、そんな即席のちょっとした魔法なんかより、もっと汎用性のある物や威力の高い物を使えるわよ。それに、日本の魔法だけじゃあ対処出来ない事だってあるかもしれないって、言って色んな系統の魔法調べてたでしょう?良い機会だから行ってみたらどう?」

 

確かに魅力的な話ではある。でも向こうのご飯は不味いらしいし、何より趣味に没頭出来なくなってしまうのが辛い。

 

「貴女、どうせ小説読んだり、ゲーム出来なくなるのが嫌なだけでしょう?宅配便のような物があるらしいから、ア◯ゾンで注文すれば此方から送るわ。だからそこは気にしなくても良いの。」

 

「うっ...でもご飯が不味いみたいだから、ストレス溜まってまともな勉強なんか出来ないと思うよ。」

 

「向こうの学校の料理人は優秀だからそういう心配は無いから大丈夫よ」

 

逃げ道がどんどん塞がっていく......!仕方ないか。この理由だけは使いたく無かったけど、新巻を発売日に手に入れる為にはこれしか無い!

 

「向こうの人って皆背が高いでしょ?私は、こんな身長なんだから規格が合わないよ!」

 

「どれだけ行きたく無いのよ......。涙目になってまで言う事なの?その手の問題もちゃんと対策は出来るから、行けるわよ。もう断る為の理由は無いかしら?もちろん感情論と趣味関係は無しよ」

 

......万策尽きたか。諦めて行くしかないか。

 

「はぁ、分かったよ。行けば良いんでしょ?それで、9月までは何すれば良いの?」

 

「やっと行く気になったね。向こうで恥をかかないように、予習よ。最低でも一年分は詰め込むからそのつもりでね。英語も少しは理解出来るようになってもらわなきゃ。他にも、テーブルマナーなんかも勉強してもらうわ。今通ってる学校は転校という形で辞めるけど、実際には学校に通わず、家で徹底的にシゴいてあげるわ。覚悟しなさい?」

 

......予想以上の地獄になってる。半年で一体どれだけやる気なの?というか、そんなに予定詰まってたら殆ど遊べないんだけど。

 

 

 

......この時の私は、甘かった。そんな事を言うけれど、まだ少しくらいは余裕があると思っていた。本当に容赦無くシゴかれて地獄を見た。

 

 

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〜政府side〜

とある外交官の独白

 

正直、今のイギリスとの交換留学に不安が無いと言えば嘘になる。密偵からの情報では、最近のイギリスでは純血主義が横行している為、日本人というだけでイジメられる可能性もあるし、まともな指導を受けられないという事も考えられる。現校長のダンブルドアは、評判を聞く限りそのような事はしないと思われるが、生徒間では何が起こるか分からない。

 

向こうには、留学生だという事を周知させ、しっかりとした行動を心掛けるように注意させる事にしたし、此方からの留学生には、報告書を書かせるのを義務にし、問題が発生しても対処出来るようにはしたが、果たしてどうなる事やら。

 

せめて学校内はまともである事を祈るばかりだ。

 

 

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日本からのホグワーツ視察員

 

............ナニコレ。

 

ホグワーツを見た際の私の感想だ。実際にはもっと長くなるが、端的に表すならこうなるだろう。何をしたかったのかも、どうしてこうなったのかも分からない謎設備が多すぎる。

 

その最たる物は、やはり動く階段だろう。繋がる先がその時々で異なるだけでは無く、人が乗っていてもお構い無しに動き出す。その上、何処に繋がるのか時間毎に決まっている訳でも無い。毎年始め頃は、新入生が遅刻する事が当たり前だというのはこれが原因だろう。

 

他にも、謎かけや特定の行動が必要な扉や隠し扉、地味な罠などがある。どうにか理由を考え、攻城戦においての城内での戦闘を仮定してみた。しかし、攻城戦を意識しているにしては疑問が残る。防衛側も把握出来ないタイミングで動く罠など使い物にならないし、上手く嵌っても精々時間稼ぎか姿勢を崩す程度にしか役に立たないようなトラップばかりだ。確かにどちらも実戦では重要だが、このような場所まで攻め込まれている時点で、もはや焼け石に水といった所だろう。

 

厨房でも、食器や調理器具などは綺麗だが、それを調理する生き物があまり綺麗では無い。衛生観念があるのかすら怪しい薄汚れた枕カバーや、テーブルクロスを身に着けているだけなのだ。何故こんな格好なのか校長に尋ねた所、

 

「彼等に雇い主が洋服を渡す事は解雇を意味するので、渡す訳にはいかぬのじゃ」

 

などと返してきた。そんな訳の分からない制度がまかり通るのも不思議だが、始めにそんな事を考えた者は狂っているとしか思えない。

 

この小人のような生き物達は、屋敷しもべ妖精という名前らしい。仕事をする事が生き甲斐などという、ブラック企業が聞いたら大喜びしそうな性質があるらしい。彼等は、遠目で見ると物語に出てくる、肉体労働系の奴隷のような服装をしている。お茶会の様子を描いた絵画などに登場する奴隷は、主人の世話を担当する者だからか、不快感を与えない為なのかは分からないが、しっかりした服を着ていた。それに対し彼等は、そんな事は考えた事もなかったらしい。決して姿を見せないようにしているそうなので、特に必要無いのかもしれない。しかし、何かしらの用件で主人に会う必要もあるはずなのに、それを考えないとは勤勉なのか怠惰なのかよく分からない生き物だ。

 

何にせよ、我が国の留学生が来るというのに、こんな状態で厨房に立たせる訳にもいかないので、一通りの視察が終わった後で、その事を校長に改善を打診したところ、彼等を説得出来るのなら構わないと言われたので、小一時間ほどかけて説明し、厨房に居る時だけでも身体を清潔にし、もっとマシな、調理場に立つのに相応しい服を着させる事を約束させた。もっとも、ホグワーツの関係者が用意するわけにはいかないので、用意するのは此方側だが。......不自然にならない程度に高額の服を揃えて、後で領収書を送り付けてやる。

 

説得に成功したのは解雇の意味は無いという事と、彼等の主人である校長や生徒達に害があるという事を強調し、厨房に立つ間だけで良いという条件を付けたのが勝因だと思う。

 

......何やら大量の霊の気配がするのに、全く姿を見かけなかったのも気になる。視察の間だけ意図的に何処かに隠れて居るのか、それともただ取り憑いている霊がそういう性質なだけなのかが分からないのだ。再び校長に質問すると、ホグワーツの卒業生などが居るとの事だ。害を及ぼすタイプの霊が居ない事を祈ろう。

 

魔法薬や薬草学の備品はなかなか充実しているが、かなり危険な物も含まれている様で、生徒には使わせない物もあるらしい。見本などに使う訳でも無いらしいが、何故あるのだろう?

 

女子寮には、男子が入れないようになっているそうだ。実際に生徒達が使っているので見に行く事が出来なかったが、これはなかなか良い点だと思う。何故か男子寮には女子が入れるようだが、これはまぁ関係無いだろう。どのような魔法がかかっているのかまでは、セキュリティの関係上教えられないそうだが、かなり厳重な物であり、入るのはほぼ不可能との事なので安心出来る。

 

少々というか、大分気になる点もあったが、致命的な問題点は無さそうだ。唯一の問題点である厨房も改善したので、これなら一応留学は可能だろう。

 

英国側の不手際で、視察が大分遅れて留学が決定した後になったが、設備が悪いせいで取り消しにならなくて良かった。彼女には後に設備などで問題が発生した場合、報告書に記載するように頼まなくてはな。内容次第では、学校には何かしらの便宜を図らせる事になるだろう。外交ではそういう事も後々使える条件になる。

 

......これまでの視察の結果、何かしらの問題が発生しそうだと思うのは私だけだろうか?




たったの2000文字を書くにも数日はかかっている無能な作者です。
受験勉強にも拍車がかかるのでどんどん執筆速度は落ちると思いますが、お付き合いの程宜しくお願いしますm(_ _)m


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プロローグ〜イギリスside〜

ハリーについては、ダイアゴン横丁での買い物までは原作通りなので省略します。

※前話に、ホグワーツ視察員の話を追加しました。


ダンブルドアの安堵

 

なんとか視察を乗り切れた。念のため、ピーブズの見張りに男爵を始めとした、ゴースト達の大半を注ぎ込んだ甲斐があったのう。普段なら男爵だけでも十分じゃが、他国からの客など久しぶりで、暴走するかもしれんのでな。

 

それにしても、彼が屋敷しもべ妖精達を説得できたのには驚いた。あの者達に「洋服」にする以外でまともな服を着せられたのは、彼が初めてかもしれんのう。

 

何にせよ、これで留学生を受け入れられる事が分かった。まったく、魔法省の連中には呆れるわい。いくらなんでも、他国と関係のある仕事を、気に食わんというだけで遅らせるなどとは正気とは思えん。ヴォルデモートによって、交流が途切れる前の事を覚えている者が大分少なくなったとはいえ、侮り過ぎだというのに。

 

彼の国のクィディッチチームは、ワールドカップで優勝経験もあった。負けると箒を燃やすのは少々無駄だとは思う。だが、クィディッチだけが能とは思えん。それだけの成績を出すからには、魔法もなかなかの物があるのじゃろう。そうでなければ、クィディッチなどせずに、魔法の訓練をしているじゃろう。

 

戦いになっても負ける事は無いじゃろうが、苦戦くらいはするかもしれん。敢えて関係を悪化させる必要など無いというのに。良好な関係を築ければ、もしもヴォルデモートが復活した時、援軍に来てもらう事も可能じゃろう。

 

何にせよ、無事留学は出来るのじゃから、あまり気にし過ぎるのも良くないかのう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とある魔法省の役人の苛立ち

 

気に食わん。何故あのような国と交換留学などせねばならんのだ。どうせ大した魔法も無いだろう国に、此方から送り込む必要など無い。なのに、表面上は取り繕わなければならんということで、馬鹿とはいえ誇り高き純血の一族の子息を送らなければならなくてなった。

 

向こうが色々と譲歩するのならば、受け入れてやらん事も無いというのに。どうせ何の成果も得られずに帰って、諦めてイギリスの魔法技術を得ようなどという愚かな事を考えなくなるだろうからな。それなのに何故あの老いぼれは交換留学などという愚行に走ったのだろう。大方、マグル擁護などという愚かな考えと似たような理由だろうが、その為に此方を巻き込まんで欲しいな。

 

失敗するように、書類の処理を大幅に遅らせたのにどうにか成功させよってからに。彼奴はいつも余計なところで活動的だ。

 

......まぁ良い。日本人など、どうせ授業についてこれなくて帰る羽目になるだろう。

 

此方の留学生には、しっかりと学んでこさせよう。帰ってきたら向こうの無能さ加減を広めて貰わないとな。そうすれば、もう二度と交流の再開などしようと思うまい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とある純血一家の家長の思惑

 

うちの子を、魔法省たっての頼みで日本などという、辺鄙な国へ送り込む事になった。帰国後は、魔法省のエリートとして採用させる事を約束させた。これで我が子は、他と違って大した苦労もなくエリート街道まっしぐらだ。

 

息子は、この話を最初のうちは嫌がったが、エリートという言葉を聞いて飛びついた。やはり私の子なだけある。

 

マルフォイ家ほどの家柄は無いが、我が家とて純血の一族だ。みっともない職などに就かせるわけにはいかんからな。でなければあのウィーズリー家のようになってしまう。

 

便宜を図ってもらう役人が、向こうの魔法をしっかりと学んで来いと言っていた。どうせ大した内容では無いだろうから、努力せずとも12ふくろう以上の成績を修めて帰ってこれるだろうとも。

 

彼は日本との交流を何が何でもしたく無いようだ。その為に、我が息子に日本の魔法が如何に遅れているのかを広めさせたいようだ。

 

そんな事をせずとも、リータ・スキータ辺りに記事を書かせて、日刊予言者新聞に報道させれば日本などと交流せずに済むが、念には念を入れて可能性を潰すようだ。奴のしなくても良い努力のおかげで、我が子が確実にエリートになれるというのだから、奴の心配性には感謝せねばならんな。




次話更新はお休みで、プロローグ前に設定集を投稿します。
思いついたけど、どうでも良い設定だったり本編で出す予定の無い設定もけっこう含まれると思います。文字数が増えたら人関連とその他色々で分けて投稿するかも。


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賢者の石
9と4分の3番線


基本は主人公の一人称か三人称(の予定)です。特に記述が無い時は三人称だと思ってください。細かい所に原作を持って来たりしますが、セリフを全部書くのはめんどいし、規約にも触れるので割愛、または崩壊した言葉遣いになるかも。三人称の時には、深雪に代わり、作者のショボいツッコミが炸裂します。それと、三人称では基本的に深雪の周囲について語ります。ハリーは記述が無い限り基本的に原作準拠の行動を取ってます。留学生がそんなに問題を起こすわけにもいかないので、当然短くなります。


〜主人公side〜

出発前夜

 

「ふぅ、イギリス行きの準備はこんなものかな」

 

空間魔法を付与した真っ黒な鞄(向こうの薬草の種やら何やら色々持って帰れるよう、国から支給)に、荷物を詰め込み終え呟く。通貨が硬貨しかないのと、単位が中途半端でかなり仕分けが面倒な上、重いのでこの鞄で助かった。...鍋とかは学校の備品を使えばいいのに。

 

それにしても、詰め込み教育から逃れられると思うと、緊張や不安もあるがそれよりも喜びの方が強い。留学が決まってから、イギリスでは日本の勉強が出来なくなるからといって、勉強漬けにされていた。それに、3ヶ月前に届いた向こうの教科書を使った勉強まで入ったからかなりキツかった。魔法史って何故やるんだろう?魔法薬学とか変身術なんかは面白いのに、あれは余計だと思う。

 

でも教科書が届いた日に、良い機会だからって杖を買ってもらえたのは嬉しかったかな。私の枝垂れ桜と水龍の髭の24センチの杖は、とても良く曲がるから、折る方が難しいくらい。魔力で補強すれば、振る時の力程度ではしならなくなるから、術が変な方に飛ぶ事も無い。簡単に折れるような杖じゃあ悪さをする妖怪や悪霊と闘えないし、良い買いものだった。まだ慣れてないから、お札を使う方が楽なんだけどね。

 

......ローブやマントは、なんだかコスプレっぽくて少し恥ずかしいけれど、向こうに着けばこれが当たり前になるんだから慣れなきゃね。

 

それにしても、英語をどうにかする手段が魔法薬というのには驚いた。色々な言語を扱えるようになる薬らしい。ホグワーツの先生が作った物で、とても素晴らしい物だ。教科書を読む時に使ったけど、英語を母国語のように話せて読み書きも出来るし、意識すれば使い分けられるから他の言語を使えなくなるわけでもない。それぞれの言語で使う薬が違う上に、同時には使えない。それに、方言なんかはかなり変な言葉に聴こえるらしい。日本語や韓国語みたいな語源のよく分からない言語や、漢字みたいに文字の種類が多い言語、変な模様みたいな文字の言語など、何かしらの理由で一部の言語だと効果が落ちるって言うけど、それでも十分な性能だと思う。

 

一応、解毒?薬も用意してあるしとても準備が良い。きっと優秀な人なんだろうな。お母さんもビックリしてたし、特許を取ったら大儲け確定じゃないかな?変な材料も使ってないみたいだから、忌避感を感じる人もも少なそうだし。

 

……味は、薬にしてもこれは酷いって感じなのが残念だけど。しかも適量だと効果時間が1日くらいしか無いから、これから殆ど毎日飲むとなると辟易とするんだけどね。

 

その上、留学の目的を考えると、普通の授業だけだと足りないだろうということで、ある程度の学年になると大半の教科で、授業で扱うより高度なものを個人授業で教えてくれるらしい。ただし授業についていけるなら、という注釈がつくけれど。

 

ここまでの話を聞くと、待遇はなかなか良さそうだと思う。

 

ただ、この間、保護者に向こうの環境の説明をしにやってきたホグワーツを視察した人と話をしたら、

 

「色んな意味で凄い所だから驚くだろうけれど、出来る限りの事はしたよ。頑張ってね」

 

と、憐れむような目で此方を見ていたのが気になる。もしかして、相当ボロい校舎だったりするのだろうか。あまり贅沢は言わないけれど、せめて清潔な設備だと良いなぁ。

 

などと物思いに耽っていたら、お母さんが部屋にやって来て、大変な事を告げた。

 

「伝えるのを忘れてたけど、今まで教えていた向こうの常識は数十年以上前の物だから、現地で今の常識を学ばないといけないわ。頑張って」

 

......交流なんて無かった筈なのに、なんで知ってるのか不思議だったけど、こんな致命的な理由だったなんて。早いうちに仲の良い人を作って教えて貰うようにしよう。変な質問して笑われるのはイヤだもの。

 

...............私、友達作るの苦手なんだけど、なんとかなるかなぁ?

 

 

先週、お母さんがうっかり飛行機の予約を忘れていたのに気付いて、慌てて予約を取ろうとした時には殆ど埋まっていて、ギリギリの便しか取れなかった。

 

そのせいで当日の9時頃に着いた。話に聞いて覚悟していたが、やはり時間感覚が狂った上に慣れない飛行機で疲れてるせいか、やたらと眠い。やっぱり遅くても前日には現地入りした方が良かったよね?

 

駅に着くのは少し余裕がありそうだから、早く席を取って眠りたい。でも、切符に書いてある9と4分の3番線を見つけるのは難しそうだ。9番線と10番線の間にあるのだろうとは思うが、出入り口や入り方がわからない。何故か、どの辺りにあるのかという説明が無いのだ。実に不親切な設計だ。

 

切符が届いたのが1週間ほど前であり、ホグワーツに届く連絡手段では、確認が間に合わなかったせいで聞く事も出来ない。どうして連絡に電話やファックス、メールなんかを使わないのか不思議で仕方ない。単なる確認事項程度の情報のやりとりに往復で1週間以上かかるなんて現代社会では考えられないんだから、そっちを採用して欲しい。その代わりが伝書鳩ならぬ、伝書フクロウというのも驚きだ。相当速く飛べるフクロウみたいだけど、日本に着く頃には瀕死になっていた。適当に餌と水をやったら回復していたけれど、死んでしまうかとヒヤヒヤした。何故か手紙に羊皮紙を使っているだけでも不安になるのに、これを見るとかなりヤバそうな文化を持っていそうだと思う。これが噂に聞く英国面とやらなのだろうか?

 

でも、間に合わないものは仕方ないから、保護者兼見送りのお母さんと手分けして駅のホーム辺りを見回し、魔法使いらしき人にこっそり近づき、会話を(盗み)聞いて情報収集する事になった。なんだかダンボールが欲しくなる展開だなぁ。

 

……と、思っていた頃が私にもありました。とりあえず10番線寄りのホーム辺りにでも行こうか思い、向かった先で、周囲を気にする事もなく柱へ突撃して消えていく魔法使いを目撃するまでは。

いくらなんでも無防備過ぎる......流石に認識阻害の魔法が柱に掛かってるみたいだけど、それを扱う人があれじゃあ何時バレてもおかしく無い。不審に思った人が触りでもしたら即アウトだし、柱という物も駄目だ。誰かが寄りかかった途端に向こう側にひっくり返る羽目になる。それに、こんなに人が居るから人目を避けるのも難しい。

 

お母さんと顏を見合わせて、

 

「......色々とおかしいけど、取り敢えず、入る?」

 

「......そうね、そうしましょう」

 

という事で、私達はほぼ不可能だけれど、出来る限り自然に見えるように偽装しつつ入場。

 

そしてそこでもびっくり。何故か、この電気の時代に汽車があるのだ。まぁ、場所が秘密なら電線引けないから仕方ないのかな?と思うけれど、何故そこで敢えて汽車を選んだのだろうか。気にしても仕方ないので何も言わないが。

お母さんと挨拶をして、前にもしつこく聞かされた注意を延々と聞かされるが、そろそろ時間だからと言って脱出。比較的空いている最後尾の辺りで誰も居ない空きスペースを見つけて、そこの窓際に陣取る。ここに来るまでに周りの人が驚いていたような気もするけど、何度も聞かされた注意を改めてされたり、移動していたりする間にもどんどん強くなる眠気でそれどころじゃない。さっきまでは、カルチャーショック的なものに驚かされたおかげ?でなんとか眠気が飛んでたけれど、その効果もそろそろ切れそう。なんとか着ていた上着を脱ぎ、身体に掛けて布団代わりにするのは出来たけれど、すぐに意識は闇の中に落ちていった。

 

 

 

「……て。起きて!」

 

と思ったら揺り起こされた。多分数分くらいしか寝てない。何かと思ったら、赤毛でノッポな男の子と黒髪で小柄な男の子が居た。

 

「……何?」

 

我ながらかなり不機嫌な声だと思う。まぁ、眠いのに無理やり起こされたら誰でもそうなるだろうし構わないよね。

 

「い、いや、何?じゃないよ!君みたいな小さな子がここに居ちゃ駄目じゃないか!ホグワーツに行きたいのは分かるけど、11歳になってからだよ。あと数年は経ってからじゃないと駄目。もうすぐ出発しちゃうから、急いで汽車から降りて、お家に帰らないと。きっとお母さん達も心配してるよ?」

 

……確かに私は背が低いし、外国人から見たら日本人は幼く見えると聞いているので、余計にわかりにくいかもしれないが私は11歳だ。説明して分かってくれるかわからないけど、まずは穏便にいこう。

 

「私の事をどう見てるかは知りませんが、私は11歳で「「えぇ!?」……どういう意味ですか?喧嘩売ってんですか?」

 

余りの失礼さに、穏便にという方針がすぐに崩れてしまった。

 

「いや、そんな事ないよ!ただ、君が、その、11歳には見えないというかせいぜい8歳くらいにしか見えないし、持ってる荷物も大分小さいから明らかに嘘だろうなんて思ってないよ?」

 

……この失礼なノッポの赤毛、ぶっ飛ばして良いだろうか?良いよね?

 

「わぁ!待って待って!分かったからグーはヤメて!」

 

拳を握りしめたのがバレたらしい。気付かなければこのままぶち込んでヤったのに......。

 

「……本当に分かったのか怪しいですが、今は良いでしょう。どうせ向こうに着いたら分かる事です。私は寝るので邪魔しないで下さい」

 

勢いで無理矢理誤魔化すような形になったけど、まぁいいか。それよりも眠い。後でまた考えれば良いよね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜ハリーside〜

 

双子に荷物を上げるのを手伝って貰った後、暫くその場で休憩しているとロンがやってきた。

 

「何処も一杯だね。一緒に空いている所を探さないかい?」

 

「うん、良いよ。多分最後尾の方くらいしか空いてないんじゃないかな?」

 

こうは言ったものの、結局誰もいないコンパートメントは無く、1人だけ居る所で相席を頼もうという事になった。そこで、最も近くにあったコンパートメントを覗くと、ホグワーツに行く年齢には見えない、可愛らしい少女が寝ていた。

 

「ロン、どうする?この子きっとこっそり乗り込んで付いて行こうとしてるんだよ。親の所に帰らせないとまずいよ」

 

魔法学校というものが忍び込みたくなる程に魅力的なのは分かるが、このまま向こうに付いたらきっと厄介ごとになるだろう。

 

「ハリーここは僕に任せて。何とか説得してみる。」

 

そして咳払いをすると、揺さぶりながら

 

「起きて。起きて!」

 

と呼びかける。すると、

 

「……何?」

 

目覚めた少女は寝起きのせいか、半眼の無表情でかなり機嫌の悪そうな声を発した。ロンはここまで酷く不機嫌になるとは思わなかったのか、少し顔が引きつっている。

 

「い、いや、何?じゃないよ!君みたいな小さな子がここに居ちゃ駄目じゃないか!ホグワーツに行きたいのは分かるけど、11歳になってからだよ。あと数年は経ってからじゃないと駄目。もうすぐ出発しちゃうから、急いで汽車から降りて、お家に帰らないと。きっとお母さん達も心配してるよ?」

 

僅かな間が空き、

 

「私の事をどう見てるかは知りませんが、私は11歳で「「えぇ!?」」……どういう意味ですか?喧嘩売ってんですか?」

 

驚きの余り話の途中で叫んでしまい、怒らせてしまった。 僕は、改めて少女を観察し、自分も小柄だし女の子ならこの大きさでも不思議では無いと考えたが、ロンは信じていないようで、自白しているも同然の下手な言い訳のようなナニカを始めた。

 

「いや、そんな事ないよ!ただ、君が、その、11歳には見えないというかせいぜい8歳くらいにしか見えないし、持ってる荷物もホグワーツに行くにしては大分小さいから明らかに嘘だろうなんて思ってないよ?」

 

動揺し過ぎだろう。これでは信じてないのが見え見えじゃないか。そして、少女は数秒ほどの沈黙のあと、拳を握り締めた。あれで殴るつもりなのだろうが、身長差や姿勢があいまって、男の急所を撃ち抜く恐ろしい一撃になりそうだ。

 

「わぁ!待って待って!分かったからグーはヤメて!」

 

「……本当に分かったのか怪しいですが、今は良いでしょう。どうせ向こうに着いたら分かる事です。私は寝るので邪魔しないで下さい」

 

……ロンの命乞いは上手くいったようだが、少女は言うだけ言うと再び眠ってしまった。半ば脅迫じみた行動を伴う宣言をされては、もはやどうしようもない。

 

「……駄目じゃん」

 

「……ごめん。でもあれは仕方ないと思うんだ」

 

確かにアレは仕方ないので、数時間ほどしたら制服に着替えさせる(持っているなら) 為に起こすが、それまでは寝かせてあげる事にした。




この回では寝惚けてるので主人公の思考力はかなり落ちてます。

寝てる時の姿勢はルーピンとの初遭遇をイメージしてもらえればわかりやすいかも。

見た目で年齢を勘違いネタを放り込む為だけに、主人公をロリ体型にしました( ・∇・)
今後もこのネタで時々弄ります。(つまり当分はつるぺたということが確定)

時差ボケネタは、作者が昔ヨーロッパに行った時に大変な事になっているツアー客を見かけたからです。多少時間がおかしいのは乗り換えがあったという事で見逃してください。今後も大体こんな感じのしょうもない理由でネタを放り込みます。

変更点
ハリーとロンの合流はコンパートメントより前で、大体の会話は移動中に終えてる
ロンは原作以上にアホ
イギリスで数人しか作れない程の難易度を誇る脱狼薬を、さも当然とばかりに作っているスネイプなら開発だって出来る筈!でも脱狼薬も未完成品だし、こっちも完全なものは難しいんじゃなかろうか?こんな設定だけどイギリスを困らせる為じゃないんだよ?(震え声)


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組分け

深雪がロンを説得(脅迫)してから数時間ほど経ち、車内販売のおばさんがやって来た。

 

「車内販売よ。何かいりませんか?」

 

ロンは何故か赤くなり(何故だ。そんなに弁当を持ってくるのが嫌なのか?)、サンドイッチを持ってきたと言い、ハリーは勢いよく立ち上がり、各種の菓子類を少しずつ買い集めた。

 

「そこのお嬢ちゃんは如何?」

 

ハリーとロンは顔を見合わせ、起こそうか、いや起こしたら今度こそ殴られるんじゃなかろうかと話し合う。そんな様子を見て、おばさんが呆れながらも、代わりに深雪を起こした。

 

「ん……何か御用でしょうか?」

 

「お嬢ちゃん、車内販売は如何?」

 

「……少し買います」

 

まだ若干眠気が残っているようだが、不機嫌になる程では無いらしく、男子二人組はホッと胸を撫で下ろしていた。

 

深雪は軽く頭を振って眠気を飛ばし、買い物を始めた。トチ狂った名前が大半の菓子類しか無いのを見て、呆れ果てながらもここで逃すと夕食まで何も無いと聞き、仕方なしに比較的まともなパイとケーキを購入した。

 

その間、ハリーとロンはサンドイッチとパイの交換やら、蛙チョコのカードの話やらをしていたが、サンドイッチは放置していた。何の為に交換したのやらさっぱりわからん。というか親が持たせた弁当を残すな。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私は大鳳 深雪。深雪が名前です。今年からホグワーツに入学します。以後、お見知り置きを」

 

「僕はハリー。ハリー・ポッターだ。こっちの身構えてるのがロナルド・ウィーズリー。ロンって呼ばれてる。こっちこそよろしく」

 

「よろしく」

 

深雪は微笑みつつ、ハリーは笑顔で、ロンは先程、無意識とはいえ金的を狙われたせいか、少し警戒しつつ挨拶をした。その後、深雪は早々に昼食を終え本を読み、ハリーとロンは百味ビーンズという、何を考えて入れたのか分からないような、狂った味が殆どの謎の菓子を食べていた。

 

しばらくすると、ドアをノックして丸顔の男の子が泣きながらやって来た。ペットのヒキガエルを見なかったかと聞き、ハリーが見ていないと応対すると、すぐに出て行った。

 

その後、話の流れでロンがネズミのスキャバーズに魔法をかける事になった。ボロボロの杖(お下がりにしても酷い。もっとまともに扱おうという発想は無いのか?)を取り出し、振り上げたところで再びドアが開き、栗色の髪の女の子が入って来た。

 

「ヒキガエルを見なかった?ネビルのが逃げたの」

 

「見てないよ」

 

ロンが答えたが、聞いている様子は無く、

 

「魔法をかけるの?見せて貰うわ」

 

と言い座り込んだ。

 

(初対面でいきなり図々しくない?というかさっきのは冗談か何かかと思ったけど、本気だったの?カエルをペットにするなんて頭大丈夫なの?)と深雪は思ったが、突っ込むのも面倒だったので、本を読むのをやめ、ロンの魔法を見るだけにしておいた。

 

ロンが咳払いをし、妙な呪文を唱えたが、ネズミが頭を突っ込んでいた菓子の箱が飛ばされる程度で、狙った現象は起こらなかった。まともな呪文の様相を呈していないのだから当たり前だ。とろけてるのはバターではなくお前の頭の中身ではなかろうか?

 

女の子はそれを見て、ハリーの眼鏡を直したあと若干自慢が入ったような自己紹介をし、3人の名前を聞き、ハリーのことや寮について語ると、制服に着替えた方が良いと言い残し去っていった。

 

それを聞いたロンが

 

「僕の家族は皆グリフィンドールだったんだ。レイブンクローならまだしも、スリザリンに入れられたら最悪だよ……」

 

と言い、深雪は(こいつ同級生だったのか……。でもデリカシー無いし訳わからない言動多いし、おまけに無駄にデカイし関わらない方が良さそう)などと考えていた。デカイというのは単なる嫉妬だろう。

 

そんなやり取りをしていると、またドアが開き、金髪の青白い男の子が、ボディガード担当としか思えない巨大な男の子2人を従えて入って来た。

 

「ここにハリー・ポッターが居ると聞いたんだけど、本当かい?」

 

「僕がハリー・ポッターだけど、君は?」

 

「僕はドラコ。ドラコ・マルフォイだ。魔法界でもトップクラスの誇り高き純血さ」

 

偉そうに踏ん反り返ったマルフォイの自己紹介に若干ハリーが引いていると、ここまでどうでも良さそうに眺めていた深雪が立ち上がり、

 

「お話し中失礼します。そんなに純血を誇るって事は、その血筋でしか使えない魔法や、秘術があるって事ですよね?どんなものなのか教えてください。詳細は話せないなら、概要だけでも良いですから!」

 

と目を輝かせながらマルフォイに迫った。

 

「なんだお前?そんなものあるわけ無いだろう。純血は昔から、先祖代々純粋な魔法族だけと婚姻して来た生粋の貴族だ。見た所、極東の留学生とやらだな?僕達はお前のような者とは格が違うんだ」

 

「……えっと、要するに特に魔法は優れてる訳ではなく、貴族らしく領地経営などの事業をしているって事ですか?」

 

「領地経営?そんな事するわけ無いだろう。努力などせずとも、純血だから魔法省の高官や魔法学校の理事といった職に就けるし、その上、代々の財産と魔法省からの献金があるから特に働かなくても悠々自適の暮らしが出来るんだ。お前達のような、働き続けてようやく生活出来るような庶民とは違うんだ」

 

秘術などが無いと聞き悲しそうだった深雪も、いきなり罵倒を交えつつ訳のわからない自慢を聞かされ、困惑していたが徐々に表情が消えていき、ついに毒を吐いた。

 

「……つまり、コネと家系くらいしか取り柄が無い無能が、何がどう偉いんだか良く分からない先祖を誇っている、金持ちなのに生活保護を受けてるクズって事ですか?」

 

純血主義の横行する魔法界では、今までこんな言い方をされた事など無かったのだろう。精々が、論理的で無い感情的な文句程度しか受けた事が無い。そんな温室育ちでは、自分の言葉を聞いた余所者が、それだけを情報源に、今まで経験したことの無い予想外の方向で貶してくるという状況に耐えられる筈がない。深雪はまだ知らないが、実際にマルフォイの背後には、純血だが頭が非常に残念な2人組がいる。その為、マルフォイも無能といった言葉を即座に否定は出来なかった。その結果、マルフォイは非常にショックを受けた様子で、涙目になりながら走り去ってしまった。

 

「「…………………………」」

 

この一連の流れをみて、ハリーは非常に居た堪れない気持ちになった。(自称同年齢の)小さな女の子を貶して悦に入っていたら、予想外の返しをされて逃げ帰る事になるという様子を目の前で見せられたのだ。印象があまり良くないとはいえ、まだほとんど初対面とも言える人物が相手では、かなりのお人好しの彼には衝撃的だっただろう。

 

ロンも呆気に取られて、呆然としている。深雪の台詞は、イギリス魔法界の者にとって、マルフォイ家の事が大嫌いなロンですら今度会ったら慰めてやろうかと思う程に予想外の攻撃(口撃?)だったようだ。それでも多分、後で兄達にこの話をして爆笑しているだろう。

 

マルフォイを追い払って満足したのだろう。深雪は笑顔で2人に振り返り、着替えるから出て行くように要求した。

 

最初の脅迫や先程の光景を見せられ、その上でこの要求だ。2人ともこれ幸いとばかりに自分達の制服を抱え、他のコンパートメントへ着替えに行った。もっとも、出て行かない場合は真っ正面から、着替えを見せろと要求してるようなものではあるが。

 

少し待ち、2人が忘れ物などで戻って来ないのを確認した後、深雪は着替え始めた。衣服を脱ぎ、下着のみ(ブラはまだ付けてない。代わりに肌着を着用)になる。そのタイミングで突然ドアが開き、少し目元が赤いマルフォイが入ってきて、

 

「ハリー・ポッター!僕は君に用があって来たんだ!あのわけの分からない変な女のいる所から離れて話をしよ……え?」

 

と言った。先程出て行った為、当然そこにはハリーは居ない。代わりに、下着姿の深雪が居た。最後のえ?はそれを認識した為だ。

 

深雪は震えながら顔を怒りと羞恥で真っ赤に染め、

 

「出てけこの変態覗き魔ー!」

 

と叫び、近くにあった菓子の箱を投げつけた。それは直撃こそしたが、大した威力は無く、特に痛い思いはしてないが女性の着替えを覗いたという事に、マルフォイは顔を真っ赤にしてコンパートメントから勢い良く飛び出し、反対側の壁に顔を強打した。その背後で深雪は扉を即座に閉めていた。

 

騒ぎを聞きつけた周りの生徒達が廊下を覗くと、鼻血を垂らして倒れているマルフォイがいるだけだった。

 

状況証拠からして覗きをマルフォイが覗きをして返り討ちにあったようにしか見えず、しばらくの間は、主に女性陣からの視線が痛くなる事請け合いだろう。

 

 

その後、そんな未来をまだ知らない、顔面強打のダメージから復活したマルフォイは、ハリーと話は出来たようだが収穫は悪かったらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜深雪side〜

 

夜になると、ホグワーツの駅へ辿り着いた。私は無理をせず、少し待つことで押し合いへし合いの中に突入する事は避けた。外に出ると、

 

「イッチ年生!イッチ年生はこっち!」

 

なんだか人間の限界を超えてる気がするくらいの、トンデモサイズの大男が叫ぶ声が聞こえてくる。全ての一年生がその大男に着いていくと、湖に出た。するとホグワーツ城が見え、生徒達は感嘆の声を上げた。私からも感嘆の声が出ていたが、同時に(綺麗だけど、城を学校にすると移動やら何やら大変だと思うんだけど、エレベーターとか着いてるのかな?)などと考えていた。

 

大男の誘導に従って湖に浮かぶボートに乗り込んでホグワーツ城内へ入る。

 

ボートから上がり、大男(ハグリッドというらしい)からマグゴナガルという先生へと引率が交代した。私達は小さな空き部屋でマグゴナガル先生の説明を聞き、暫く待機する。

 

そこでは、どうやって寮を決めるのかという会話が大半を占めた。不安そうにしている人や、呪文をブツブツ呟いている声などもある。組分けの楽しみだからって教えてくれなかったせいで分からないけど、数ヶ月前に初めて魔法を知った人もいるし、そんな大層な試験なんかはないだろうと思う。

 

そんな風に過ごしていると突然、後ろの壁から白く透けている幽霊が数十人ほど出てきた。視察の人からは、妙な気配はすると聞いたが幽霊が出るという話は聞いていなかったので、最近取り憑いたのかと思いとても驚いた。しかし、話振りからすると、随分前から居るらしく、どうも視察の時には隠れていたらしい。見た所悪い人達ではなさそう。悪霊じゃなきゃ隠れて無くても良いのに。

 

幽霊が去ると、マグゴナガル先生が戻って来て、大広間へと進む。大広間の天井に夜空が広がっていて、蝋燭が漂う幻想的な空間になっていて、とても綺麗だった。

 

視線を前に戻すと、大広間の前の方に椅子が置かれその上にボロボロの帽子が置かれた。何をするのかと思っていると、帽子が動き、歌い始めた。

 

 

私はきれいじゃないけれど

人は見かけにやらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

私はホグワーツの組分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組分け帽子をお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに行くならば

勇気ある者が住う寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古き賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん!恐れずに!

興奮せずに、お任せを!

君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)

だって私は考える帽子!

 

 

歌が終わると拍手喝采だった。そんなに凄い歌とは思えないけど、寮の説明はとても分かりやすいと思った。

 

でも、レイブンクローとハッフルパフは御免だ。勉強厨と苦労人の集団にしか聞こえない。グリフィンドールは、なんだか抽象的な説明が多いけれど、真面目な騎士っぽい感じかな?スリザリンは一番素晴らしい寮に聞こえる。親友を作れて、何をしてでも目的を達成しようとする人達という寮だもの。敵対したら厄介だけど、仲間ならとても頼りになりそう。

 

帽子を被って分けるとなると、ある程度の性格を考慮しつつ人数を大体均等に分けられるようにしてある筈。でも、一年生全員の性格をあらかじめ知っておかないと、前半で偏ると後の寮はあまり気の合わない人ばかりになりかねないから、多分実際は広範囲の人間の読心術か、教師が決めた通りに振り分けてるだけだと思う。

 

何にせよ、大勢の前で組分けをするのだけは勘弁して欲しかった。大勢の前に居るなんて恥ずかしいもの。

 

なんて考えていると、組分けが始まった。何人か呼ばれている名前を聞く限りだと、何故か組分けの時だけは日本と同じように苗字、名前の順みたい。イギリスなのに……。

 

汽車の中で会ったハーマイオニーはグリフィンドールになったみたい。マルフォイは「マルフォイ「スリザリン!」」ってなってて、皆びっくりしてた。家名を呼ばれた時点で決定するってなんなの?帽子に触れてすらいないんだけど……。

 

そんな調子で待つこと数分、

 

「オオトリ・ミユキ!」

 

遂に来た。ゆっくりと歩いて進むと、後ろでロンが「えぇ!?マジで!?」などと言っている。今度機会があったら折檻しよう。周りからも、「子供?」「小さくないか?」「カワイー」などと聞こえてきて、非常に不愉快だが、顔に出さないよう気をつけて椅子に座り、帽子を被る。

 

「これは……勇気とは少し違う気もするが、グリフィンドール。いや、スリザリンとしても良いやもしれぬ。ハッフルパフは……向いてないわけでもないが、他の方が合うか。レイブンクローは……なんか違う。どれに入れたものか……。む?あの国の出身なのか。では、今のスリザリンでは居場所が無いかもしれぬ。……よし、グリフィンドール!」

 

……喜ぶべきなのか?スリザリンでは無かったけれど、危険な方の2つでも無かった。次善の寮に入れたので良しとしようかな。でも、今のスリザリンだと居場所が無いってどういう事だろう?今考えても仕方ないから、今度誰かに聞いてみよう。それにしても、全体的になんか違う気もするって、微妙過ぎない?まぁ、もう終わったから別に良いけど。

 

私の数人後に、ハリーが呼ばれた。周りの反応を見る限りではかなりの有名人らしい。凄い人の子供とかなのかな?

 

随分と時間が掛かったけれど、ハリーもグリフィンドールになった。その途端、物凄い騒ぎになったので慌てて耳を塞ぐ。こんなに煩い中で良く平気な顔をしてられると思う。

 

その後、ロンまでもがグリフィンドールになってしまった。兄弟が皆グリフィンドールだったと聞いて、あまり望みは無いと思っていたがやはり一緒の寮になるのは嫌だ。しかも、組分けの時に、「ウィーズリー「グリフィンドール!」」ってなってて、完全にマルフォイと同じ流れだった。本人はグリフィンドールになったのは嬉しいけど、マルフォイと同じ流れだったのが微妙といった顔をしてた。ザマァ!

 

最後の1人も終わると校長の挨拶が始まった。きっと凄く長いのだろうと思っていたが、

 

「おめでとう!ホグワーツの新入生、おめでとう!歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。では、いきますぞ。そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」

 

…………巫山戯てるのだろうか?それとも狂っているのだろうか?校長室より先に精神病院に行く方が良いんじゃない?しかも四言言ってるし。話が短くて済むのはありがたいけれど、こんな挨拶だとそれはそれでとても不安になる。

 

校長の頭の心配をしていると、テーブルに置いてあった空っぽの金皿に料理が出現していた。これは話に聞いてたけど、実際に見るとやっぱりびっくりする。

 

高級レストランとかは別らしいけど、イギリス料理は火を通しすぎていて、味付けもあんまり良くなくて不味いらしい(適当にネットで評判を調べた)。お母さん曰く、料理人の腕は良いらしいけど、ここのはどうなんだろう?色んな物を少しずつ取って試してみる。

 

肉類はまあまあ。全部ウェルダンだけど、黒焦げでは無い。もうちょっとレアっぽい方が良いし、あまり良いものは使ってないみたい。揚げ物。油が尋常じゃない。ちょっと気持ち悪くなる。野菜。何も付いてないか、変なドレッシングしか無い。これもあまり良いものは使ってないみたい。魚。蒸し過ぎてちょっとパサつく。ちょっと火の通りが甘い部分で普通くらいだから、そこを狙う。パン。これはまとも。それでも、日本の方が良い。デザート。大半は砂糖だらけでなんか白い。スコーン的な物が比較的マシ。それでも油が多い。やっぱり気持ち悪くなる。

 

結論。日本が恋しい。米が無い。味も微妙なものが多い。しかも濃い。イギリスに居る間は食事量が減りそう。油とかが濃いから体重は変わらないかな?最初の報告書で至急を付けた上で、なんとかならないか相談してみよう。

 

食事中は皆それぞれ近くの人と話をしていた。私は……背が低いせいで、テーブルの高さが合わず、四苦八苦していたからそれどころじゃない。

 

なんとも言えない食事を終えると、校長が今学期について幾つか説明を始めた。

 

構内にある森に入るな、授業の合間に魔法を使うな、クィディッチの予選がどうこう、今年いっぱいは痛い死に方をしたくなければ右側の廊下に入るな。最後のおかしく無い?というか右側ってどこから見てなんだろう?

 

「それと、今年度は日本から留学生が来ておる。先程グリフィンドールに入ったミユキ殿じゃ。誤解の無いように付け加えると、彼女も11歳じゃ。留学生だからと言って特例で幼いのに入った訳では無いのでの。小さいのは日本の特徴でもあるが、彼女ほど小さいのは珍しいので、個人差じゃ。それと、数十年は交流が途絶えておったので、お互いに分からない事も多いと思う。分からない事があるようなら教えてやって欲しい。また、彼女からも日本の事を聞くと良い。良い刺激になるじゃろう」

 

待って。聞いてない。何で急にそんなこと言うの。教えるなんて無理。というか小さいって余計な事言うな。周りはざわついているけれど、私は気にしていられなかった。事前の連絡も無しにいきなりこんな展開にした理由を小一時間ほど問い詰めたい。あまり人が来ないと良いな。日本はあまり良く見られていないとは聞いているから、それに縋るしかないかも。

 

そんな説明を終えると、校歌を歌うらしい。メロディは自由って何?適当過ぎないかなぁ?なんだか先生達の顔が引きつってるし、何人か耳栓を取り出した。あんな風で良いのか?とは思うけど、始まるみたいだし、適当に棒読みするか近くの人に合わせればいいか。

 

そんな風に思っていたが、杖で書かれたのはふざけた歌詞だったのでさっさと棒読みで読んで終わらせる。傍迷惑な双子?がゆっくり歌っててなかなか終わらなかった。まぁなんにせよ後は寮に行くだけだ。あまり遠くないと良いけど。

 

監督生に着いて行って、絵が動いたり無駄に隠し扉を通ったりする通路を通り、これまた無駄に動く上に時々罠が仕掛けてある階段を登る。これけっこう危ないよね?

 

そんな道を歩いていると、杖が空中に浮かんでいた。これも訳の分からないギミックなのかと思ったけど、ポルターガイストのピーブズというのがやっているらしい。どうも相当厄介らしく、嫌われているらしい。あんまり迷惑なら祓おうかな。

 

そんな感じでそこそこ歩くと、寮に着いた。扉の絵が開いた先は、少し高い所にある穴みたいになっているせいで私は手が届かないから、監督生とやらに持ち上げて貰った。……凄く不服だ。私だけが届かない高さにするなんて酷い。他の一年生も届かないならまだしも、私だけなんて。私なんか悪いことしたのかな?1人じゃ出入り出来ないなんて不便過ぎる。

 

……玄関は酷いけど、中身は中々に良い感じの部屋だ。畳が無いにしても、これならそこまでストレスにはならなそう。

 

一通り見てまわった後、女子寮に入って同室の子達と挨拶をする。汽車で会ったハーマイオニーという子も一緒の部屋になった。その後、荷物の整理をしてシャワーを浴びて、翌日からの生活を考えながら眠った。




作者は金的の苦痛を知る事は出来ないですが、相当ヤバいらしいですね。

深雪は趣味以外は基本的に勉強しないタイプなので、レイブンクローは無し。ハッフルパフも、時折我慢という言葉がどこかにすっ飛ぶので無し。ちなみに組分けの宴の最中は終始無表情。料理のあまりの不味さに閉口してた。

変更点
マルフォイ君を罵倒する深雪さん。原因は悪化した純血主義。仕事?しなくても魔法省がお金をくれるので豪遊して暮らせます。資金源?その他の魔法族から巻き上げた税金です。なら何で働くの?趣味としてその他の魔法族を虐めるのと、自分達の好きな法案やら環境やらを作る為ですが何か?作中であんなに豪華な屋敷に住める理由が、このくらいしか思いつかなかった作者の無能っぷりで生まれたワンシーン
マルフォイは三校魔法対抗試合の時のように、留学生が来るのを親から聞いてます。その上で、なんだか小さくて顔が平たい奴が居たら極東のゴミと思うのは当然。そんな奴がイギリスの事をまともに知ってる筈が無いという事も(偏見のおかげで)気付いているので、非常に大きなショックを受けました
イギリスは紳士の国?この作風でそんな事はさせるとでも?よってマルフォイには変態紳士の称号を贈呈。なお、ダンブルドアは腹黒紳士な模様
留学生ってマルフォイが言ってるのに、話に置いてかれて聞き逃したせいで未だに信じてないロン君。ハリーは信じきれてない。聞き取れてても信じなかったけど。君たちは鈍すぎる
イギリス料理の扱いが酷い?しかも料理担当の腕は良いって言ってなかったか?中世レベルの文化で料理だけまともなんて認めない。というか、衛生面が不安?なら火を通しまくれば良いじゃない。って考え方をしていた国だから、しもべ妖精もこんな感じじゃね?という理由でメシマズ。料理の腕は、(そんな文化と考えると、まだマシって言える程度に)良いというもの
ハリーが買い占めたら深雪の分が無くなっちゃうので、ハリーの買い物は原作通り。出来れば映画版の方にして深雪にディスらせたかった……
ロンもマルフォイと同じ流れ。家族皆同じ寮で、元々決まってたなら早く言われるのも不思議じゃないよね?

深雪さん、大丈夫!下に見ている国の事を聞こうとするのは、ハーマイオニーみたいな勉強大好きな人か、英国魔法界ではマグル好き以上に珍しい日本好きくらいだよ!


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初めての授業

新年を祝い投稿
今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

英語以外は『』で表記しています。英語でも、呪文が「」の中にある場合は『』で表記します。

しつこいように低身長ネタがあるのは、とあるフラグの為にも必要だから。まともな展開を思い付かない無能さをどうか赦して下さい(´・ω・`)


翌日から、深雪は道に迷いながらもなんとか遅刻はせずに授業を受けていた。……椅子の高さが合わない為、マグゴナガル先生に貰ったクッションを敷いて椅子の上に背の低さを誤魔化しながら。

 

深雪はハリー達がフィルチに絡まれては厄介なことになっている一方、移動の途中で出会ったミセス・ノリスをモフっているのをフィルチに見つかってからは、生徒の中では非常に珍しい、フィルチと比較的仲の良い存在になっていた。(モフると気持ちいいから)猫好きであり、規則を破る事も無いので、さもありなんといったところか。

 

天文学、妖精の呪文は順当に予習の効果を発揮した。もっとも、1年生の授業だけあって、天文学についてはもともと持っていた知識だけでも十分な難易度ではあった。

 

魔法史では、半ば眠りながら無理矢理授業を受ける有様であった。しかし、他の生徒達の大半は序盤こそ無駄な抵抗をしたが、諦めて寝ているので、授業態度的にはトップクラスなのだ。唯一の例外がハーマイオニーで、彼女はきっちりと起きていた。どちらもかなり珍しく、ハーマイオニーに至っては、数十年に1人とまで言われるほど良い授業態度であった。ゴーストなビンズ先生もこれには喜び、授業の度に2人に点数を与えるという、なんだか孫を可愛がって小遣いをくれるお爺ちゃんみたいになっていた。

深雪は、授業中にハリーの名前が出ていたので驚いていた。ハリーが居るからと、最初の授業で触りだけやったから知る事が出来たが、近代史は教科書の後半の方に載っていた為、そこまで重点を置いていなかった魔法史は、流石に一年分は予習が済んでいなかったのだ。もっとも、赤子がヴォルさん(長いので深雪が略した。周囲は「例のあの人」のちょっと大胆な派生系と思ってる)を倒せるとは思えないので、ハリーが特別という訳では無く、その前に何かしらの強力な防御か何かがあったという推測に簡単に至ったので、特に態度は変わらなかった。

 

変身術の授業では、深雪の好みに合ったのか、難解なはずの魔法理論を、まるで設定厨の小説を(何となくこんな感じっぽいかな?)とばかりに理解するように、大して勉強せずともハーマイオニーと同レベル、つまり学年でもトップクラスの成果を納めた。というか大半の生徒が碌な成績を出して居ないので、上位以外は皆最下位か、それより少しマシといった程度でしか無かった。しかし、難解だからと放棄するような者が大半であるのがイギリス魔法界クオリティ、この調子では学年末に補習を繰り返しながら、死に物狂いで練習して留年の回避を目指すことになるだろう。

 

闇の魔術の防衛術では、クィレルの発する強烈なニンニクの臭いにやられてダウンしていた。必死に鼻を塞いでいても尚抜けてくる臭いのせいで終始涙目になっており、見た目はかなり可愛い感じになっていたが。この授業のおかげで(せいで)、深雪は新たに嗅覚の遮断の出来る魔法を習得しようと決意した。しかし、後日どうにか習得して授業を受けた所、碌な授業ではなく、時折まともな魔法生物の知識を得ることが出来る程度で、あとはひたすらどもりながら教科書を読んでいるだけだった。これではハグリッドに質問した方がマシである。

 

魔法薬では、スネイプによる厳しくも丁寧な授業と共にハリー弄りが始まった。

 

「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ。このクラスでは杖を振り回すようなバカげた事はやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中を這い巡る液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力……諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である……ただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君がまだマシであればの話だが」

 

深雪は、スネイプの美声もあり、少々厨二感漂うこの演説でちょっとカッコいいと思ってしまった。実際に、今自分がスネイプの言葉を理解出来るのは、この教師が作った薬のおかげなのだから、言っている事もあながち間違いでは無いという感想もあった。

 

周囲はシーンとしており、何やら肩を竦めている者や授業に期待している者、いかにも難易度が高そうな話を聞き青ざめている者などがいた。

 

そんな中でスネイプが突然ハリーに問題を出し始めた。

 

「ポッター!アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」

 

「わかりません」

 

ハーマイオニーが手を上げているがスネイプは無視した。そしてせせら笑い、

 

「チッ、チッ、チ……有名なだけではどうにもならんらしい。ポッター、もう一つ聞こう、ベアゾール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すかね?」

 

「わかりません」

 

ハーマイオニーは限界まで手を上げていた。偶然ハーマイオニーの隣に座っていた深雪は、ハリーへの質問であり、ハーマイオニーがいくら頑張ろうと無視されると気づき、一生懸命止めようとしていた。

 

「クラスに来る前に教科書を見ようとは思わなかったわけだな、ポッター、え?モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね?」

 

ハーマイオニーは遂に立ち上がってしまい、深雪もここまで答えたがるとなるもどうしようも無いと諦めた。

 

「わかりません。ハーマイオニーはわかっていると思いますから、彼女に質問してみたらどうでしょう?」

 

この答えにスネイプは不快そうにして、

 

「座りなさい。ならば、日本からの留学生殿に聞いてみよう。ミユキ、先程の質問の答えはわかるかね?」

 

深雪はまさか自分に流れ弾が来るとは思わず、とても驚いたが、自分の使う魔法薬の性能を知っていた為、他のものもきっととても使えるものだと思い、色々と勉強していたので特に問題は無かった。

 

「はい。アスフォデルとニガヨモギで、生ける屍の水薬という非常に強力な睡眠薬が出来ます。ベアゾール石は山羊の胃から採れる石であり、大抵の薬に対する解毒効果を持ちます。モンクスフードとウルフスベーンは同じ植物であり、トリカブトの事を指します」

 

「よろしい。良く出来ている。グリフィンドールに一点やろう。付け加えるとすれば、トリカブトの別名はアコナイトということだ。……諸君、なぜ今のをノートに書きとらんのだ?それとポッター、貴様は海外から来た、この国の知識が殆ど無い少女にも劣るのかね?そんな調子では落第になるぞ?ついでに貴様の無礼な態度でグリフィンドールから二点減点だ」

 

いっせいに羽ペンと羊皮紙を取り出し書き込む音の中でスネイプはハリーを弄り、ハリーは怒りと屈辱に震えていた。一方この時、深雪は自分だけが非魔法族製の、普通のノートとシャーペンを使っている事に衝撃を受けていて、そんなやり取りをしている事に気付いていなかった。

 

 

その後、スネイプは生徒を2人1組にしておできを治す簡単な薬を調合させた。殆どの生徒が何かしらの注意を受けている中、ハーマイオニーと組んだ深雪は角ナメクジを前にして涙目でプルプルと震えていた。

 

「うぅ、キモイキモイキモイキモイキモイキモイ触りたくない見たくないどうしようハーマイオニーなんとかして」

 

先程の質問タイムで、自分の邪魔をするのみならず、答えまで持っていってしまった深雪に思うところがあったハーマイオニーも、自分よりもずっと年下に見える、可愛らしい深雪の上目遣いでの懇願にグラついた。というか愛でたくなった。生来の面倒見の良さが仇となったのだ。しかし、真面目な彼女は、これが出来ないと今後の試験などで実技が出来なくなることを心配し、心を鬼にして

 

「ミユキ、貴女がやりなさい。試験では私は居ないのよ?ほら、頑張って」

 

見捨てられた深雪は、彼女なりに解決策を考えた。触れず、見ず、それでいて完全な調合を可能にする方法を。確認の為に見ざるを得ないが、それ以外ならば、自分は既に可能にする魔法を使える事に気付いた。そして即座に実行した。気色悪いナニカに今後とも触れる事なく済ますことが可能になるそのアイデアが、イギリスではどれほど目立つことなのか考えもせずに。そして、懐から紙切れを1枚取り出すと、

 

『式神召喚、壱式』

 

と日本語で唱え、紙切れを虚空に軽く投げ上げた。すると、紙切れが軽く発光し、先程までそれがあった場所に、デフォルメされた小さな、50センチほどの深雪自身を模した人形が出現した。そして、それに対して

 

「その気色悪いナメクジをこの薬に使うのに丁度良い感じに茹でて」

 

と教科書を渡しつつ指示を出すと、人形は一礼した後、ひとりでに動き出し、完璧に茹で上げた。

 

周囲は突然の理解出来ない言葉と、よく分からない現象に凍りつき、マルフォイはナメクジを茹で過ぎてグデングデンになった。他にも、似たような現象が至るところで起きた。干しイラクサをこぼしたり、ヘビの牙を砕き損ねてすっぽ抜けて何処かに飛んでいってしまったりなどだ。上級生のクラスで同じ事が起きたら、阿鼻叫喚間違い無しだろう。

 

そんな事になっているとは(キモイ物をなんとか処理するのに必死なせいで)露知らず、深雪は満足気に人形を褒めていた。スネイプが最初に再起動し、深雪に詰め寄り質問する。

 

「ミユキ、なんだ今のは?説明しなさい」

 

深雪はキョトンとし、

 

「何って符術の式神召喚の初歩じゃないですか。ナメクジがあまりに気持ち悪いので、器用さと判断能力に極振りした式に茹でてもらったんです。この程度なら1枚で十分なので、壱式です。もしかして、この茹で具合じゃ駄目なんですか?」

 

スネイプは何かを察したのか、諦めたような溜息をつくと、

 

「いや、茹で具合はそれで良い。手本に出来る程だ。だが、日本と交流が途絶えてから数十年は経過している。その為、日本独自の魔法を知っているのは、かなり老齢の者しか居らぬ。故に、我輩でも知らぬのだ。生徒達なら尚更、な。今後は授業前に何を作るのか黒板に書いておくので、教科書を見て適切な、シキ?とやらをあらかじめ呼び出しておくように。出来ぬのなら今後は、例の薬の調合は自分でやってもらう。良いな?」

 

深雪は例の薬を自分で調合と聞き、最初は理解出来なかったため少し戸惑ったが、すぐに今自分が英語を操れるようになっている理由そのものである薬の事であり、以前見たレシピでは、それの調合の難易度が、某鬼畜ゲーム達のルナティックとインフェルノを足して10倍にしたかと思うほどにおかしな事になっているため、今の自分では作れるはずが無いというか、どんなに練習しても作れる気がしないということを思い出し、

 

「いえ!それで良いです!ですから薬の調合を続けてくださいお願いします!」

 

と必死に頭を下げた。周囲は何のことなのかさっぱりわからないが、深雪がスネイプに何かしらの薬を貰って、それを使っているという事だけは理解した。これが後に、色々とあらぬ噂を招く事に2人はまだ気付いていなかった。

 

こんなことがあり、一時的に授業が停止したが、無事再会した。しかし、暫く経つと地下牢いっぱいに緑色の煙が上がり、シューシューという音が広がった。ネビルがシェーマスの鍋を溶かし、ねじれた小さな塊にしてしまい、溢れた薬が生徒の靴に穴を開け、ネビルは全身に真っ赤なおできが出来て、痛みに苦痛の声を漏らしていた。

 

「バカ者!大方、大鍋を火から降ろさないうちに、山嵐の針を入れたんだな?」

 

スネイプが杖を振り、薬を消しながら言った。

 

「シェーマス、その愚か者を医務室へ連れて行きなさい。ポッター、針を入れてはいけないとなぜ言わなかった?彼が間違えれば、自分の薬の方が良く見えると考えたな?グリフィンドールはもう一点減点」

 

理不尽な理由で減点されたハリーは言い返そうとしたが、更なる減点を恐れたロンに阻止された。

 

深雪は授業後に1人だけ地下牢に残り、スネイプと新しい魔法薬を貰う頻度や使用の際の注意を改めて話をしてから次の授業へと向かった。これもやはり2人に色々とあらぬ噂が立つのを助長していた。

 

 

薬草学では高さ調整の為の足置きの上で、作業と同時に周囲の壁などにある危険な植物達からの攻撃を避けることになっていた。他の生徒達は叩いて撃退するが、深雪の細腕では、足場が悪く力を込めにくいのも相まって、叩こうとした腕を絡め取られる有様だったのだ。しかし、魔法薬の授業の時から使い始めた、非力さを補う作業用の式神で、狭い温室内の深雪が使うスペースの大半が埋まっている為、護衛の式神は出せず、もはや手段は回避しか残らなかった。その為、仕方なく回避をメインで蔓などを捌いていた。それでも時折、避け損なって絡まれては近くの人に救助される場面もあったが。




式神は1枚で壱式、2枚で弐式といった具合に増えます。複数の同時召喚の場合、○式の後に更に追加詠唱。何回も唱えてられるか、めんどくさい。とばかりに符術の初期段階の時点で開発された詠唱方法。
大半の日本人と同様に、深雪も無言でも行使可能だけど、やっぱり声に出す方が楽。でも大体(めんどいので)短縮詠唱を使う。作中のも短縮詠唱。(いくらなんでも短過ぎる気もするけど、カッコいいのが思いつかなかったので、そんな後付け設定。色んな魔法の厨二感溢れる詠唱を随時募集中)
零式もありますが、超が付くほど特殊で、日本版ダンブルドアくらいじゃないと無理。某ハンター協会会長の必殺技枠になるくらいだし、そんなもんなのです。なお、作中での登場予定は無い。

変更点
(あまりの酷さに)混乱していたり、ショックを受けていたりで周りの話を聞けてない事が多い深雪さん。無表情ながらも目が点になってたり、普通に( ゚д゚)ってなってたりするので、周りも反応が無かったり、話を聞いてなくても気にしない。むしろ後でドヤ顔して色々教えてくれる。便利な人達ばかりで良かったね!
日本人らしく規則は守る&モフモフが好き→猫も好き→フィルチも規則を破らない猫好きを悪くは思わない
スネイプの上げてから落とす戦略。深雪が稼いだ分ハリーの減点も大きくなる
ハーマイオニーはチョロイン。可愛らしい(見た目は)幼女相手に、面倒見の良い彼女は耐えられなかったのだ。これによりハリーとロンの宿題の手伝いが減る。宿題くらい自力でやりなさい
ちょっぴり天然な深雪さん。キモイのは分かるけど、もうちょっと落ち着きましょう
身長差を埋めるアイテムはクッション。ちなみに初日の宴会ではどこに座るのか分からないから無かった
嫌われ者なスネイプと見下す対象の日本人なら、噂好きのホグワーツ生が変な噂を流すのも当然。原作でも結構突飛な噂あったし、構わんだろう?
魔法薬学ではなく薬草学を最後に。式神の初回使用はスプラウト先生よりスネイプの前での方が面白そうだったから。
原作でも壁とかに変な植物生えてたし、あんまり危険じゃないのなら、1年生の使う温室でも普通に置いてあって、襲って来そうな感じがする。上級生のとこだと毒持ちが普通にうろうろしてるらしいし。足場が悪いと力が入らないのは作者の実体験に基づいてます。絡まれ方は、一般的な絡まれ方からウス=異本を4歳分くらい健全にしたものまで、ご自由に想像してください


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(深雪の不安を煽るばかりの)飛行訓練

投稿遅れました。
卒業したら利用出来なくなる、学校の図書室の、読みかけのラノベ約15冊の消化が終わらないんじゃー。あと8冊も残ってるのに(´・ω・`)
それはともかく、大分展開に迷いました。幾つかの案を没にしながら書くの、辛い(´・ω・`)

没案の1つを後書きにて、ざっくりとしたものだけど公開します。

携帯投稿からパソコン投稿に変更を挑戦したけど、20字くらいですぐ挫折した理由

……やっぱり、パソコンより携帯の方が入力が速いな


談話室の掲示板に、木曜日にスリザリンと飛行訓練を行うという掲示がされた。

周りの寮生達ががっかりしている中、授業中くらいしかスリザリン生との絡みが無く、彼等がどんな人達なのか分かってない深雪は、一部の変態(マルフォイ)を除くスリザリン生と仲良くなるか、最悪でも険悪にはならないようにするにはどうすれば良いか考えていた。

 

実際には、初期から好感度はマイナスなので、ほとんど不可能だ。まともに関わるのは、避けた方が無難な程。

年単位で相手の思想をひっくり返す程の活動をすれば話は別だが、まだ1ヶ月も経っていない上に、特に話をした訳でも無い。更に、落第しないように、申し訳程度とはいえ、自宅で勉強をしていた彼等の大半よりも(比べるのもおこがましいという程差がある、スパルタ詰め込み教育を受けたから)成績が良い深雪では言うまでも無い。

 

そして、最初の理解度が違えば、後々の理解度にも差が出やすいので、彼等が相当の努力をしなければこの差は埋まらないだろう。まぁ、相当酷い成績でない限り、政府高官などの高給取りになれる彼等が努力するとは思えないが。

 

もっとも、深雪はスリザリン生以外からも、どちらかと言うと嫌われている。

 

「極東という、未開の辺境出身の劣等種である(その証拠に、大半の設備において身体の大きさが合っていない上に、色々とショボいフィルチと仲が良い)はずの日本人のくせに、見た事も無い妙な魔法を使い、自分達より成績が良い」

 

といったのが、一般的な生徒達からの評価なのである。

 

同じ寮であるグリフィンドール生も、最初の頃は、寮の点数を稼ぐので、便利な道具といった認識だったが、深雪自身は、特に内申のようなモノに影響の無い寮杯の点数などどうでもいいと思い、加点されても喜ぶ様子も無かった。

なので、自分達が求めているモノを馬鹿にされているような気がして、あまり快く思っていない。まぁ、深雪は色々と当たり前のような事(日本では当たり前では無い事)で質問してくるので、

 

「日本人というものは、自分達よりも圧倒的に劣っているのだろう」

 

と自尊心を満足させられるので他よりは大分マシではある。

 

そんな環境でも、一部の可愛いモノ好きな生徒や、ろりこ……ゲフンゲフン、子供好きな生徒からは、かなり好かれている。

面倒見の良いハーマイオニーが(下心無しで)初めて引き出す事に成功し、以降も時折魅せる(誤字に非ず)彼女の笑顔が皆大好きなのだ。

その為、深雪単独では、魔法を使わないと出来ない寮の出入りを手伝ってあげたり、本棚の高い所にある本を取ってあげたりするなどで、的確に好感度を稼ぐ彼等彼女等は、深雪からも中々に好かれている(ただし人間として。恋愛対象ではない)。そんな、年頃の少年少女達は、自分の欲望を満たす為の努力を重ねてきたので、その欲を満たしてくれる相手の好感度稼ぎが非常に上手なのだ。

 

一方、深雪は図書室で借りた本を読んだり、魔法の練習をするばかりで、嫌われている事に気付いていない。元々、人付き合いが下手で、そういう人間関係での情報収集は苦手なのだ。更に、先述のように好感度がかなり高い者も居て、尚更分かりにくくなっている。

なによりも、学生としての留学本来の目的である、勉強が最優先なので、悪感情を煽らないように、敵さえ作らなければ良いと思い、あまり人間関係に気を配っていなかったというのが大きい。

 

「敵対的な事をしなければ問題無いだろう」

 

という深雪の予想以上(以下?)に、どうでもいいような、くだらない理由で嫌われているのだ。気付かないのも仕方ない。

 

そんなある日、マルフォイがひっきり無しにしていた自慢話の締めの辺りを、偶々近くを歩いていた深雪が聞いた。

長々と無駄に続き、必ず締めに

 

「マグルの乗ったヘリコプターに危うくぶつかりそうになったが、急上昇して、回転している羽根の間をすり抜けて、なんとか躱した」

 

と付く、非常にウザい自慢話だ。汽車での一件が元で、マルフォイが嫌いな深雪は、故郷でツッコミスキルを鍛えていた(鍛えざるを得なかったとも言う)ので、報復として恥をかかせる絶好の機会を放っておく事は無かった。だが、表情は無表情のままで、溢れる嗜虐心は見事に隠している。

 

「それ、どう考えてもおかしいよね?ヘリコプターって、機体そのものも大きいし、かなり大きな音をだして飛ぶんだよ?ぶつかりそうになる程の距離にうっかり近づくなんて、周りを何にも気にしない愚か者ってとこだけど……それって自慢になるの?それとも、ドヤ顔で自虐ネタを言ってたの?それに、箒でそんな躱し方出来るわけないよ。もし本当にそれをやろうとしてたら、その時に輪切りになってるし」

 

こう話せばカッコ良く聞こえるだろう、と思った話をでっち上げていたマルフォイは、元々悪い顔色を更に悪化させて走り去って行き、周囲に居た大半の生徒が、特に女性陣が喝采を上げていた。

普通、人にどうでもいい自慢話を聴かされるのは、かなり鬱陶しい。それが、変態という噂が入学早々に立つような人間であり、人格面で大いに不安が出るような奴では尚更だ。女子生徒の中にはスリザリン生ですら喜んでいる者が居る辺り、相当である。

 

 

飛行訓練当日には、毎日のように飛び交うフクロウ便に紛れて、ネビルに思い出し玉が届き、それに伴う揉め事をハリー・ロン・マルフォイの三馬鹿(永遠の喧嘩友達)が起こしかけている一方、遂に深雪へ『支援物資(食糧)』と書かれたそこそこの大きさの段ボールが届いた。

深雪が大いに期待しつつそれを開けると、そこには小さな黄色い箱が沢山入っていた。付いていた母からの手紙には、

 

「長期間保存が効いて、なおかつ調理の要らないモノとなると、保存食のようなモノしか無かったわ。炊飯器はフクロウでは運べないし、電気が通ってない所じゃ使えないから、米は諦めて。不味い食事に辟易としてるみたいだから、貴女の慣れているモノの中から、そこそこ味が良くて、その上栄養があって腹持ちも良いモノを送ったの。三種類も味があれば飽き難いでしょ?」

 

とあった。深雪が試しに1つ取り出してみると、それはカ◯リーメートだった。確かに、それは深雪が日本で時折オヤツにしていたモノだが、米が欲しいと思っていた深雪は、「ありがたいけど素直に喜べない」とでも言いたそうな複雑な表情を浮かべていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜深雪side〜

 

校庭に集まった私達の元に、マダム・フーチがやってきた。割と理不尽に「なにをボヤボヤしてるんですか」なんて叫びながら指示を出している。1人1人見て回ったり、自分でやって見せる辺り、割と良い先生なんだろうけど、鬼畜型体育会系教師のような言動は、生徒からの印象が悪くなるし、避けた方が良いと思うなぁ。

 

先生が一通り廻ったあと、フレッジョ兄弟曰く、酷い癖があるという良い加減買い換えた方が良さそうな、ボロボロの箒に手をかざして、皆が「上がれ!」と叫んだ。まともに飛び上がった箒は少なく、転がるだけだったり顔面を強打するような人まで居る。わざわざこんな事をしなくても、普通に屈んで持ち上げれば良さそうなのに。

 

私は、日本製のモノで留学前に特訓させられたし、箒でもそこそこ程度には飛べる筈だけど、初めてする無駄な儀式だったから、3度目に成功した。キャッチする時、突き指しそうでちょっと怖かった。

 

でも、実際に手に取る事で品質の酷さをより深く理解した。粗悪品どころか、良くて欠陥品といった箒としか思えない。こんなの使うくらいだったら、まだお札を限界まで使用枚数を絞って飛んだ方が安定するよ。まぁ、それでも十分危ないんだけど。飛ぶなら安全マージンはたっぷり取らないとね。

 

機能もショボいというか、安全基準とか違反してそうな箒だよね、コレ。こんな欠陥品に命を預ける気にはなれない。万が一の時には、すぐにお札での飛行に切り替えれるようにしとこう。相当古いのか、クッション機能付いて無いみたいだし、乗ったら凄く痛そうだから、それまでは圧縮空気でクッション擬きを作って乗れば良いかな。

 

……そもそも、私は箒で飛ぶよりも、そよ風を感じられる速度で、空飛ぶ畳の上でゴロゴロしながら本でも読む方が好きなんだけどね。

 

「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください。箒はぐらつかないように押さえ、2メートルくらい浮上して、それから少し前屈みになってすぐに降りてきてください。笛を吹いたらですよ__1、2の__」

 

あれ?先生が笛を吹く前に、ネビルが1人だけ飛び始めた。先生の「こら、戻って来なさい!」という声を無視し、ゆっくりと数メートルほど昇った後、加速して遠くへ行ってから落ちた。痛そう。箒はそのままどこかへ飛んで行ってしまった。買い換えるのに丁度良い理由が出来たね。

 

マダム・フーチがネビルに駆け寄り、様子を見ると「手首が折れてるわ」と呟いた。ああも見事に落ちて、手首だけで済んで幸運だったね。最悪首の骨が逝ってたかもしれないもん。

 

「さあさあ、ネビル、大丈夫。立って。私がこの子を医務室に連れて行きますから、その間誰も動いてはいけません。箒もそのままにして置いておくように。さもないと、クィディッチのクを言う前にホグワーツから出ていってもらいますよ。さあ、行きましょう」

 

そう言い残して、ネビルとマダム・フーチは立ち去って行った。2人が声の届かない所まで行くと、変態(マルフォイ)が笑い始めた。気持ち悪い。

 

「あいつの顔を見たか?あの大マヌケの。ご覧よ!ロングボトムのばあさんが送ってきたバカ玉だ」

 

よく砕けなかったね、アレ。こんなところに持って来ても使う事は無さそうだけど……何で持って来てたんだろう?というか、名前分からないならネタにしなければ良いのに。カッコ悪い。

 

「マルフォイ、こっちへ渡してもらおう」

 

ハリーが止めに行った。構うと調子に乗るんだから、放っとけば良いのに。

 

「それじゃ、ロングボトムが後で取りに行ける所に置いておくよ。そうだな__木の上なんてどうだい?」

 

「こっちに渡せ!」

 

あー、箒はそのままでって言われてたのに。なんか無駄にカッコつけた危ない飛び方してる。相当自信があるみたいだけど、怪我人が出たばかりだと先生達ってピリピリしてて面倒なんだよね。流石に退学は無いだろうけど、バレたら相当怒られるんじゃないかな?

 

「ここまで取りに来いよ、ポッター」

 

「ダメ!フーチ先生が動いちゃいけないっておっしゃったでしょう。私たち皆が迷惑するのよ」

 

ハリーが箒を掴んだら、ハーマイオニーが止めに行った。確かに、他人が怒られてる時って結構迷惑だよね。頑張れハーマイオニー。

む、ハリー無視してる。返事くらいすればいいのに、酷い。なんかニヤけてるし。でも、一応私も止めに行った方が良いよね。何で止めなかったー、とかで飛び火しても困るし。取り敢えず、止めに行っとけば怒られはしないでしょ。

 

「ハリー、あの手のはほっとくのが1番なの。構うほど調子に乗って変な事をするんだから。それに、どこかに置いたら、その後で取りに行けば良いし、そのまま持って行ったら先生にでも言えば良い。壊したり見つからなかったりしたなら、弁償させてやれば良いの。あの行動を見た人が沢山居るんだから、普通なら誤魔化しも効かないよ。

それに、ハリーは飛んだことないんでしょ?さっきネビルが怪我したの見たよね。無理して怪我したら、あいつが喜ぶだけだよ」

 

まぁ、これだけ言っとけば十分でしょ。普通の感性なら納得出来る筈。実際、何でアレに付き合って飛ぼうとするのか不思議なんだよね。

ん、グリフィンドールの一部とスリザリンの大半がこっちに来る?あの人達も保身かな?

 

「日本人は黙ってろ!どうせ自分が飛べないからって僻んでるんだろ!」

 

「そうだ!日本人如きが口出しするんじゃねぇ!」

 

「それらしい事言って、ビビってんのを誤魔化してるのが見え見えなんだよ!」

 

……おおぅ。組み分け帽子がスリザリンは無理って思ったのってこういう事か。他にも沢山悪口が出てくる出てくる。でも、語彙力的にはそんな大層なものじゃないね。うるさいのが迷惑っていう程度かな。

 

ちょっとビックリしたけど、『外国で受ける謎の差別の予想100選』(著者、お母さん)にあったパターンだし、問題無い。というか、偶に小学校でもよく分からない理由で絡まれる事もあったし、大して変わらない。この程度なら支障は無いし、ほっとこう。

 

でも、ロンは何で嫌いな筈のスリザリンと一緒になって騒いでるんだろう?……よし、とりあえず今度送る予定の天誅の威力を増やそう。

 

あ……。結局、変な集団の方に気を取られてる間にハリーは飛んじゃったみたい。私の話も無視したんだね。返事返ってこなかったし。

日本ですらぼっちに近かった私が言うのもアレだけど、あんなんで人付き合いとか大丈夫なのかな?

都合の悪い事は全部無視って、嫌がってる様に見えたけど、実際は英雄とか言われて調子に乗ってるのかもしれないなぁ。そうじゃないなら、元々自分の悪いところとかまず直せないような性格してるっぽいね。

 

飛ぶのは意外と上手だけど、ちょっとフラフラしてて危なっかしい。あの箒じゃあ仕方ない気もするけど、ちょっと不安になるかな。まぁ落ちても自業自得だし、流石に無茶な事はしないだろうから致命傷にはならないでしょ。

 

「こっちへ渡せよ。でないと箒から叩き落としてやる」

 

「へぇ、そうかい?」

 

…………駄目だ、普通に無茶しそう。やっぱり男の子達って良く分からないや。この程度の騒ぎでここまでハイになれるなんて……。そういうのがカッコ良いのは、物語の中だけだよ……?もう少し落ち着こうよ。

 

ハリーが突撃して行った。本当に叩き落とすつもりなんだろうけど、入学早々傷害事件起こそうとするなんて、イギリスって恐い。なんか周りの人達拍手とかしてるし……。

 

「クラッブもゴイルもここまでは助けに来ないぞ。ピンチだな、マルフォイ」

 

「取れるものなら取るがいい、ほら!」

 

変態(マルフォイ)が思い出し玉を投げて、すぐに帰って来た。本当に壊したら弁償してくれるのかな?

 

ハリーは急降下して地面ギリギリでキャッチして、草の上を転がって着地の衝撃を殺したみたい。無茶し過ぎだね。もうちょっと自重しないと、そのうち大怪我するかもしれない。

 

皆がやたらと盛り上がってる。そんなに喜ぶほど凄い事だったっけ?魔法使って玉を守る方が楽だし早いのに、単なる判断ミスで、無茶をしなくちゃならなかっただけだと思うんだけど。

 

「ハリー・ポッター!」

 

ってもうマグゴナガル先生が来た!?早過ぎない?

ハリーが産まれたての子鹿みたいにプルプルしてる……。そんなに怯えるくらいなら、最初から変なことしなければ良いのに。

 

「まさか__こんなことはホグワーツで一度も……」

 

ああいう事が一度も無かったの?これって国民性じゃないの?殆ど全員が凄いハイテンションだったし、無茶な事が大好きな人達っていう国民性だと思ったんだけど……まさか、この学年だけ!?ハズレにも程があるんですけど!

 

「よくもまあ、そんな大それたことを……首の骨を折ったかもしれないのに__」

 

「先生、ハリーが悪いんじゃないんです……」

 

「お黙りなさい。ミス・パチル__」

 

「でも、マルフォイが……」

 

「くどいですよ。ミスター・ウィーズリー。ポッター、さあ、一緒にいらっしゃい」

 

……ハリーも十分悪かったと思うよ?でも、ハリーしか連れていかれないって事は、罰って訳じゃ無さそう。話を聞かない理不尽な先生だったら、罰とかのパターンもあるけど、仮にも副校長がそんな人では無い……筈。ハリーは凄く落ち込んでるけど、これで少しは人の話を聞くようになればいいなぁ。

 

スリザリン三人衆(変態と愉快な仲間たち)はすごく嬉しそう。キモい。

 

……あっ。初回の飛行訓練は、箒の持ち方くらいしかやらなかったな。後は延々とトラブル続き……こんなんで、これからの学校生活大丈夫なのかなぁ?大分不安になってきた。お母さんに、もっとお札を送ってくれるように頼んどこう……。




深雪さんが言ってた、空飛ぶ畳は、絨毯の畳バージョン。箒に付いてる機能は大体付いてて、箒よりも安定感がある。
そして、その上でダラけてるようにしか見えないけど、それにより同時思考の練習も兼ねてる。深雪さんは、もっといっぱい同時思考出来るけど、それでも慣れは大事。

いくらなんでもマルフォイが憐れ過ぎて却下された没案

ネビル墜落時、深雪がお札で飛んで、(腕力等が足りず)受け止めるまではいかないけど、怪我しない程度の減速に成功

フォイ「見えたっ!……白か(*´ω`*)」

深雪「なっ……!この変態!今度こそぶっ飛ばしてやる!」

フォイ「くぁwせdrftgyふじこlp」

そして、反応速度や飛行慣れの具合から、深雪はクィディッチチームにチェイサーとして加入

クィディッチの描写に自信が無い作者は、深雪さんの活躍の場を奪った模様。代わりに、3年目以降(どの辺にするかは未定)で、日本の箒を使って、クィディッチの模擬戦(グダグタになっても大丈夫だから)で無双して貰う予定

尚、日本の箒のスペック(一般的なモノ。試合用等、特別製は性能等が更に向上してる)↓
クッション機能。乗っても痛くない
風除け機能。風で目が乾く等を防ぎ、進路を風で変えられる心配も無い。更に、鳥とかにぶつかる心配も無く、空気抵抗も減って、とってもお得
耐寒耐熱機能。寒くないし暑くない
接近警報。お好みの設定でどうぞ。尚、航空機の接近警報は切れない。ぶつかったら困るもんね
落下防止機能。落ちても、落下防止結界で受け止める。安心して箒に戻りましょう
墜落防止機能。ヤバイ時には、オートモードになって、最寄りの着地可能地点へ。気絶したりしても安心
避雷機能。風除けの結界の周りを伝うようにして人を避ける。何処かのセドリック君みたいにならない
ステルス機能。レーダーに引っかかったり、人に見られたりしない。安心して好きな所を飛べます
衝突回避機能。ぶつかろうとして全力で突進してもちゃんと止まる。不意の遭遇にも対応。慣性で人がすっ飛んでく事もありません
速さ。あくまで家庭用。すごく速い訳では無いけど、所要時間的には、車よりは速い(障害物の無い空を直線で飛べるのが大きい)
尚、競技用等のスピード重視な仕様だと、使用者の反応速度向上、動体視力向上など、結構な数の魔法が付与される事により、ファイアボルトをサクッと超える速度を叩き出してもコントロール可能。
でも、そこまでいくとボールの動き等の問題で、速過ぎてクィディッチには向かない。競輪とか競馬のような、ひたすらに速さを求めるモノに良く使われる。
それでも、クィディッチ向けのモノも十分に速い。観客席にも動体視力向上や思考加速などの魔法を付与する為、観戦に困る事も無い
お札を貼りやすい表面。お好みで魔改造してください。でも、安全基準は守ってね

……いや、盛り過ぎたかなーって自分でも思ったんですよ?でもね、数百年どころじゃ無い期間あったら、そりゃこのくらい開発されてるでしょ?だから私は悪くない


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真夜中の決闘(笑)

今回も無駄に長い前書き&後書き。一応本編の方も5000強はあるから許して。

言い訳タイム
何回か風邪引いたり、花粉で作業効率が落ちたり、友達とステラリスにハマったりしてました。大学の方も、入学早々論文を書かせようとしてくるし、課題も出てるし。まだけっこう残ってるけど、そんなん知ったことかとばかりに投稿(馬鹿)。エタることは無い筈なので、ご容赦ください。
完結までにあと何年かかる事やら。他作品だけど、二次を書いてみたい僕アカの原作の方が先に完結しそう。

今更ながら、書き方の説明。
空白の改行2つは時間などに区切りがあります。場面転換みたいなもの。今のところ、若干の時間経過の表現にしかなってませんがね。空白の改行1つはある程度のセリフの区切り。前書き、後書き、感想返しなどでは配慮してるけど、本編の時には特に深くは考えてない。空白無しの改行は、作者的に読みにくくならないようにしてるだけ。やっぱり深くは考えてない。

良く考えたら恋愛経験皆無な作者。何が言いたいかというと、カップリングを考えて無かった。炎のゴブレット編のダンスパーティどうしよう(´・ω・`)
……何か案があったらよろしくお願いします。原作キャラ及びオリキャラ、どちらでも良いです。オリキャラだったら、新しいキャラを作って日本から呼び出します。

本編前に一言。作者はロンのことが嫌いです。マルフォイの名前を聞いただけで笑った時の表情が気持ち悪い。キャラ的にも鬱陶しい。偶に笑えるけど、それ以上にハーマイオニーを堕とした事が気に食わない。
結論。彼はこの作品では幸せにしない。

という訳で(どんな訳だ)本編開始です!


飛行訓練を終えた日の晩、大声で騒ぐハリーとロンの近くに座っていたハーマイオニーは、彼等の会話を嫌でも聞かされていた。前例があるとはいえ、原則を権力で捻じ曲げてクィディッチの選手に選ばれた事や、相変わらずの謎テンションで、深夜に決闘をしようとする事まで全てだ。

 

しかも、その決闘も非常に胡散臭いものだ。揉めている事が教師に伝わらないようにするという手間こそあるが、それは広大な土地のあるホグワーツなら些細な問題だ。それを、無駄なリスクの無い明るい内にやれば良いのに、わざわざ深夜にしたり、相手には触れない筈のルールを無視して、杖を捨てて殴る事まで視野に入れるといった事がまかり通っている。

ルールを無視した決闘は、決闘では無く単なる喧嘩か殺し合いにしかならない。今時、戦場でもルールはあるんだから、その辺りはキッチリして欲しいものだ。

 

そもそも、規則破りの予定を周囲に人が沢山居る大広間で話す事自体おかしい。他所の寮のテーブルに近づく者が少ないのだから、マルフォイ達がグリフィンドールの席に居ると悪目立ちし、周りはそちらに注目するだろう。

そうして敢えて周りに広めることで、決闘の約束を信じた相手を規則破りとして嵌める事が目的なのか、それともマトモにモノを考えられない本当の馬鹿なのか。どちらにせよ、愚かという事に変わりはない。罠だったとしても、規則破りを唆かしたという理由で纏めて罰を受ける可能性を考えて居ないのだから。

 

それにしても、議会に決闘沙汰回避の為の線が引いてある程の決闘厨な国の筈なのに、なんてザマだろうか。これでは、良く言われる紳士でも腹黒紳士でも無い。単なる馬鹿(人数的に、複数の馬鹿といった方が正しいかもしれない)か、良くて腹黒馬鹿といったところだ。

 

その騒ぎを我慢出来なくなったのか、ハーマイオニーが2人に忠告しに行ったが、傲慢や無計画といった表現が相応しい対応であしらわれていた。こいつらの頭の中身はどうなってるんだ?

ハーマイオニーの言い方も若干強めだったかもしれないが、気になる程のものでも無い。多少勝気な程度だし、この程度そこら中に居る。作者も割と毒性が強い方らしいし。

そもそも状況的に、優しく言うべき忠告では無い。アレで気にするのは、重度のクレーマー体質か、絹ごし豆腐レベルの脆い精神構造の者くらいだろう。

 

夕食時の大広間でそんな下らない騒ぎがあった一方、深雪は早々に不味い食事を紅茶で流し込み、図書室で次に借りて読む本を探していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜深雪side〜

 

ウッカリしていた。本の物色に夢中になって、門限を過ぎるなんて……!利用者が残っているのかの確認が無いらしく、明かりを消されるまで時間経過に全く気付かなかった。図書室から寮までは、中々の距離があるから、走って行くにしてもキツイし。絶対途中で歩かないと保たない。

それでも、先生に見つかったら大変だ。理由を話せば許して貰えるかもだけど、多少の説教は免れない。悪ければ罰則なんていう前時代的なものをやらされるかもしれない。仮に説教で済んでも、入学早々に問題を起こすものじゃないし。

 

そんなしょうも無い事を考えながら走っていると、突然大量の水風船が降ってきた。焦ってたのもあって、警戒が疎かになっていた私は、それを躱せず直撃した。幸い、本は鞄にしまってあったから無事だったけど、服の内ポケットに入れてあったお札は、学校の中ではこんなに派手に濡れるような事は無いと思って、防水を怠ったのが災いして全滅した。部屋に行けばまだ沢山あるけど、こんな事をした相手には怒りが込み上げてくる。

 

「ハッハッハッ! 夜中に出歩く悪い子には、濡れ鼠がお似合いさー!」

 

……ピーブズだっけ?あの迷惑で有名らしいイカれてるゴーストは。

ぐぬぬ……今は武器が無いから無理だけど、そのうち祓ってやる。とりあえず、寮に帰って手紙を書こう。除霊用の装備を送って貰わなきゃ。ゴーストを1人消すんだから、先生に許可も貰わないとね。貰えなくても、痛めつけるくらいは多分大丈夫。嫌われてる奴だし。

 

 

寮の入り口に着いて、太った婦人に合言葉を告げる。そして、入ろうとしたところで気付いた。身長が足りなくて、出入り口の穴に普通には入れず、アシストしてくれる人も居らず、踏み台に使える式を出したり、浮いたりするのに必要なお札はピーブズの攻撃で全損してる事に。おまけに、まだ不慣れな杖すら部屋に置きっぱなしだ。

暫くの間、どうにか入れないか格闘したけど、届かないまま時間が過ぎていく。結局、婦人に怒られてドアを閉めると、颯爽と何処かへ出掛けて行ってしまった。……目の前に人が居るのに出かけるって、婦人はけっこう鬼畜?

 

 

どうしようか考えながら、誰か来ないか待っていると、割とすぐにネビルがやって来た。腕が治ったから医務室から出て来たらしい。

 

「あっ!ミユキ!良かった、合言葉を忘れちゃったんだ!合言葉を知ってそうなゴーストを探してみたんだけど、見つからなかったんだよ。君、覚えてない?」

 

……昼間もそうだったけど、ポンコツ過ぎないかな?こんなんで大丈夫なの?そもそも壁抜け出来るゴーストに合言葉は要らないから、知ってる人なんて居ないだろうし、帰ってくるタイミングも悪いし。もうちょっと早かったら、私が合言葉で開けて、ネビルがアシストするっていうウィンウィンの関係だったのに。役立たず。

 

「合言葉は『豚の鼻』だけど、婦人が出掛けて行ったから、合言葉があっても無駄だよ」

 

「そんなぁ……どうしよう?」

 

「……医務室に帰るか、その辺で寝るか、先生に助けを求めるかってとこじゃない?私は、ここで本でも読みながら婦人が帰って来るのを待つけど。暗くて読み難いけど、どうにか読めそうなくらいだし。あんまり遅いようだったら、マクゴナガル先生のとこに行こうと思ってる」

 

「そっか……。ところで、何でそんなに濡れてるの?ビショビショじゃないか。ハンカチ使う?」

 

「……ピーブズにやられた。泣き寝入りすると思ったら大間違いなんだから。ハンカチは使う。本を読むから手だけでも拭いておきたいし」

 

「……そう。大変だね」

 

……?何でちょっと引いてるんだろ?悪霊を祓うくらい当たり前なのにね?(目が笑って無い上に、謎の陰影が出てる微笑)

 

 

「ふぅ……」

 

借りてきた本を読んじゃったけど、婦人は帰って来ないね。ネビルは……居た。床で寝てる。ホントにその辺で寝るとは思わなかったよ。

仕方ないし、そろそろマクゴナガル先生の部屋に行こうかな。怒られないように頑張って説明しようっと。

 

ん?なんかドアが開いた……これ、チャンスじゃないかな?

 

「グリフィンドールがどうなるか気にならないの?自分のことばっかり気にして。スリザリンが寮杯を取るなんて私はいやよ。私が変身呪文を知ってたおかげでマクゴナガル先生がくださった点数を、あなたたちがご破算にするんだわ」

 

ハーマイオニーの声?誰かに話しかけてるみたいだけど。内容的に、こんな時間に出かける馬鹿を止めようとしてるみたい。用事があるにしても、明日にすれば良いのに。

それにしても、話してる最中の人って、声かけ難いなぁ……。変な声にならないように、少しだけ深呼吸して落ち着かないといけないもの。軽度とはいえ、コミュ障なのが恨めしい。

 

「あっちへ行けよ」

 

「いいわ。ちゃんと忠告しましたから「ドアを閉めるのは待って!……ロン、閉めるなって言ったのに、何で閉めるの?」……ミユキ?何で外に居るの?」

 

「……あー、ハーマイオニー?婦人の絵を見れば分かるよ。正確には、見れないのを確認すれば、だけど」

 

良かった。良い感じに会話に紛れ込めた。それに、ハーマイオニーからの質問に、ハリーが代わりに答えてくれた。でも、この機会にロンに一撃入れてやろう。扉が閉まったのは、全然良くないからね。前から報復する良いタイミングを狙ってたし。その前に説明をした方が良いけど。

 

「まぁ、ご覧の通りに婦人が出かけちゃったんだよ。一応、その前にここに着いたんだけど、出入り口に届かなくて、入れなかったんだよね。ここに来るまでにピーブズに水浸しにされたから、シャワーを浴びて早めに寝ようと思ってたんだけど。で、しばらくしたら、そこに転がってるネビルが医務室から帰って来たの。つまり、2人揃って締め出しを喰らってた、って事。

そろそろ先生に助けを求めに行こうかと思ってたら、中から開いて入れるかと思ったら、止めたのにロンが閉めちゃうから、今度は皆で閉め出されたの。酷いよね」

 

「君が言うのが遅かったのが悪いんだ!それに、僕達は出掛けるから、今婦人が居なくても関係無い!大体、ドアを閉めるくらい人の勝手だろ!僕が君の言う事を聞いてやる理由も無いしな!」

 

……中々のクズっぷりだね。ちょっと赤くなってるのは、怒ってるからかな?これなら罪悪感なんて感じないで済むし、理由としてもちょうど良いから、ある意味ありがたいんだけど。

 

「そう、分かった。それなら、私が貴方に八つ当たりするのも私の勝手だよね?……歯ぁ食いしばれ」

 

「いや、それとこれとは違うだろ!?大して痛くないけど、鬱陶しい!あー、分かった!僕が悪かったから、殴るのはやめ……っ!?」

 

うわ、最後の膝蹴り、なんか変な感触した。なんか、こう、グニャッとした柔らかいナニカを潰した感じ?気持ち悪ぅ……。

 

……あれ?ロン、蹲ってビクンビクンしてる。私の力じゃあ、鳩尾に入ったとしても、そんなになるほどの威力は無かった筈なんだけど。踏めば良いのかな?

 

「ミユキ、落ち着いて!ロンがした事が許せないのは分かるけど、それ以上は駄目!」

 

「いや、そこまで怒ってないから良いけど……これに懲りたらもう変なことしないでよね」

 

「いや、多分聞こえて無いと思う……」

 

ハリーは顔を引きつらせて言ってるけど、そんなにエグかったかなぁ?4、5発叩いたり蹴っ飛ばしたりした程度なんだけど……。痛くないって言ってたし。あ、ネビルいつの間にか起きてる。騒いでたし、当然だね。顔真っ青だけど、やっぱり床で寝るのは身体に良くなかったのかな?

 

 

しばらく経ってロンが復活した後、皆でトロフィー室に行く事になった。そうなるまでの会話で、相変わらずの性格の悪さをロンが発揮した。何故か、私から妙に距離を取ったり、目を合わせなかったりしてたけど。

それにしても、決闘の場所にトロフィー室を使うって、どんな神経してるんだろう?流れ弾でも当たったら大変な事になると思うんだけど。

 

……それにしても、この時間帯のトロフィー室って、けっこう綺麗なんだね。キラキラしてて、なんだか不思議な感じ。

4人が挙動不審なのが無ければ、もっと良かったんだけど。

 

「いい子だ。しっかり嗅ぐんだぞ。隅の方に潜んでいるかもしれないからな」

 

あ、フィルチさんの声だ。ハリーが凄い手招きしてる。あの人、良い人だから、そこまで慌てて逃げなくても良いと思うんだけど。まぁ良いや。わざわざ見つかる理由も無いし、付いて行こう。

 

 

その後、逃げる途中でネビルがロンと鎧をひっくり返すことはあったけど、多分撒いた。と、思ったらまたピーブズに会った。騒がれたから、鍵のかかった部屋にハーマイオニーの活躍で逃げ込むと、ピーブズがフィルチさんを揶揄ったおかげで見つからなかった。どっちにしろ祓う事に変わりは無いけど。

それにしても、ホグワーツってケルベロス飼ってたんだね。神話的にはギリシャ系の筈なんだけど。輸入したのかな?もふもふというよりゴワゴワしてそうなのが残念。音楽で寝てる間なら幾らでも堪能出来ただろうに。

……ちょっと凶暴そうだね。最初に大人しかったのはびっくりしてただけみたい。さっさと逃げよう。子守唄を歌えばなんとかなるかな?オルフェウスだったか、名前はうろ覚えだけど、あの英雄が凄いだけだったらヤバイんだよね。

 

皆で慌てて外に出ると、嚙みつこうとして頭をこっちに出そうとしてくる。4人が頑張って押し込もうとしてるから、子守唄でアシストしたら、眠くなったのか簡単に押し戻せたみたい。ケルベロスちょろい。

 

ハーマイオニーに手を掴まれながら、寮に戻ると婦人が帰って来てた。今度こそ入れるね。大分乾いてきてるけど、まだ服が湿ってて気持ち悪い。早く着替えないと。

 

「あんな怪物を学校の中に閉じ込めておくなんて、連中はいったい何を考えているんだろう」

 

「それはこっちのセリフ。夜中に決闘しようとして騙されるとか、何を考えているんだろうね?」

 

「あなたたち、どこに目をつけてるの?あの犬が何の上に立ってたか、見なかったの?」

 

「もふもふかどうかチェックしてたよ。柔らかめの剛毛っぽくて、残念だった……」

 

「……仕掛け扉の上に立ってたのよ。何かを守ってるに違いないわ。二人共、さぞかし満足でしょうよ。もしかしたらみんな殺されてたかもしれないのに。__もっと悪ければ退学になったかもしれないのよ。では、差し支えなければ、休ませていただくわ。ミユキ、シャワーを浴びましょう。そのままじゃ風邪引くわよ」

 

「うん。すぐに行こう。あ、ハリー達、もうちょっと物事を深く考えて行動した方が良いよ?今のままだと、そのうち先生に叱られるか、怪我するか、死ぬかもしれないからね」

 

ハリー達にそう言い残して、ハーマイオニーと一緒にシャワールームに入った。頭を洗って貰ったけど、とっても上手で気持ち良かった。お返しに背中を流して上げたら、ぎゅーってされた。石鹸のいい匂いがした。こういうコミュニケーションが当たり前なのかな?偶には私からもした方が良さそう?

イギリスのお風呂には浴槽が無くて寂しかったけど、ハーマイオニーと一緒だとそこまで気になら無かったよ。今度は日本のお風呂で一緒に入りたいな。休暇の時に、ハーマイオニーが日本に旅行する事あったら、案内して上げよう。そしたら、そういう機会があるかもしれないし。




変更点
ネビルにゴースト耐性を付与。ヘタレ度が少し下がったよ!
深雪をピーブズアンチに。ピーブズの未来は教員達にかかっている。
今回の話の深雪さんは、序盤は慌てていて、ピーブズの所業の所為で不機嫌です。最後のとこは流石に落ち着いています。
ハーマイオニーは、気持ち良くてうっとりしてる深雪のあまりの愛らしさに、ちょっと暴走しかけました。
そしてコミュニケーションにハグを覚えて、更なるロリコンキラーと化す深雪さん。

ロンの息子への悲劇と、図書館に長く居過ぎたネタ(ただし休み時間版)は、作者が小学生の頃にやらかした時の流れです。流石に細部が違いますがね。理由はもう忘れました(多分スカートめくりか何か。現在スカートが嫌いなのは、この件が原因の可能性が微レ存)
上半身への攻撃に集中し始めた頃に膝。しかも、痛くない(やってる側としては全力)から警戒感は殆ど無かった為に、余計に威力が増すように感じるという。
当時、男女の身体の差とか知らなかったです。性教育は高学年くらいになってからだったし、親のもまじまじと見るようなこと無かったし。
要するに、深雪さんも、本来ならこの年に保体で性教育を受ける筈だった。でも、留学の話が出てきたから学校に行ってない。自習でやってたのも5教科だけだったから、範囲外。つまり、性教育はまだ受けてない。
そして、そんな事を知らない(または気付いてない)周囲が教える事も無い。つまり、狙ってやった訳では無い。更に、この件の後も教える人が居ないので、股間が急所とは気付いてない。ロンが変な感触のモノを、決闘に備えてポケットにでもねじ込んでたと思ってます。それがちょっとズレてたのかな?みたいな感じ。
あまりの無防備さ(男相手に抱き着くなど)に、日本に帰った時辺りで、友達に教えられる可能性は大。そしたらきっと、自分がやらかした事を知るでしょう。そして、本気で怒った時の必殺技と化すでしょう(ヲイ)
作者の場合、この後で先生に連れてかれて、男の股間は凄く痛いから蹴っちゃ駄目と叱られました。そして、何をどう間違えたのか、「男相手に困ったら股間を蹴り上げれば良い」と認識したのが今の作者(`・ω・´)
……前書きにも書いたように、困るようなことが起こるほどモテたりしないんですがね。それどころか初恋すらまだという。当然、告白された事も無い。

次回、閑話にて、対ピーブズ戦!もしかしたら賢者の石編が終わってからになるかもしれないぞ!そしたら、次回は普通にハロウィン編!


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ハロウィン

終わらぬ……課題が終わらぬのだ……。むしろ、課題が切羽詰まってる方が、こっちの進みが早いという危機的状況。(自業自得)
書き始めた時とは違い、受験が終わっている現在では、課題からの現実逃避と徹夜テンションと寝ぼけ眼で執筆を繰り返す駄作ですが、今後もよろしくお願いしますm(_ _)m
……徹夜テンションなどの影響で、矛盾や既に書いた内容が前書きや後書き、場合によっては本編にすら出てくる可能性があります。もし見つけたらご報告頂けると嬉しいです。

前回の予告にあった深雪VSピーブズは、章的に収まりが悪い気がしたので、章の間に挟む予定の閑話へ移動します。閑話には、他にも色んな場面での他キャラ視点の寄せ集め、キャラ崩壊や時間の乱れを気にしない、謎の茶番なんかも投稿する予定です。というか、他キャラ視点以外は基本的に茶番回。場合によっては他キャラ視点すら茶番回。
要するに、閑話は(も?)ネタ。

原作キャラの口調、再現が難しい(´・ω・`)

ハロウィンを一気に終わらせたので、本編「も」ちょっと長め。後書きは、いつもの如く長いです。


〜深雪side〜

 

ケルベロスっぽいナニカに会った次の日、ハリーとロンはかなり疲れてるみたいだった。いっぱい走ったもんね。私とハーマイオニーはシャワーを浴びて、リジェネ的な回復魔法を掛けた上でちゃんと寝たからそれほどでも無い。流石に、まだちょっと筋肉痛ではあるけどね。浴槽があればきっと完治してた。

ただ、2人は疲れてるはずなのに、なんだか変に機嫌が良くて、ちょっと気持ち悪い。

 

後で話したら、あれが素晴らしい冒険で、次の冒険が待ち遠しいとまで言ってた。あと、ハーマイオニーが注意してこなくなったのも嬉しいって。

ただ単に、禁止されてるのに夜出歩いて、危ないから禁止されてる部屋に入って、ギリシャな神話生物に会って、危うく食べられそうになるほど危なかったってだけなのにね。神話生物でも、クトゥルフな神話生物じゃなくて良かったって事くらいしかフォロー出来ないし。ギリシャ系でも、メドゥーサとかだったら多分詰んでた。サイズ的に、ドアから出れるし。

あの廊下がどう危険なのか、校長にはちゃんと言って欲しかったな。あの人、表現が雑なんだよ。うっかり部屋に入っただけで命に関わるとか、流石は英国面。

 

ハリーとロンは仕掛け扉の下に何があるか、凄く気にしてるみたいだけど、機密系の何かってとこだと思う。普通に校長室とかで良いと思うんだけど、金庫の代わりとかなのかな?って感じ。

……ファンタジーなんかだと、ああいうとこには聖剣とか禁魔導書とかアーティファクトとかのレアアイテムか、封印してある凄く危ないナニカがあるのが定番だけど、実際だとそんなモノは無いだろうし、学校の運営関係の方だろうね。あの犬?も校長とかには懐いてるのかもしれないし。

私の生活も、魔法を使ってる時点で十分ファンタジーだけど、それはそれ、これはこれだし。現実にはステータスとかスキルとか無いもん。

 

 

一週間くらい経ったら、また2人が悪目立ちしてた。凄く大きい、明らかに箒って分かる形の荷物が届いたの。1年が持つのは一応禁止されてるはずなんだけど、大丈夫なのかな?箒が好きな人が多いみたいだから、嫉妬してる人は確実に居るだろうに。

 

そう思ってたら、ハーマイオニーと大広間を出るとすぐに答えを知れた。どうも、マグゴナガル先生が規則を捻じ曲げたらしい。どうせ1年待てば良いだけなのに、特例を権力で押し通してまでチームの強化をしたがるなんて、どれだけクィディッチが好きなんだろ?というか、何故に食事中の大広間なんていう目立つ所に配達するんだろう……?

 

クィディッチって、広いコートで三次元的に動き回る所為で、かなり観戦しにくいスポーツだから、見てて何が楽しいか良く分かんないんだよね。ボールが多い所為で、どの選手を見てれば良いかも分かんない。視界分割系とか、俯瞰系の魔法を使ってまで見ないといけないし、プレイするのも大変だろうけど、慣れないと観戦すら出来ないとか、どう考えても初心者には向いてない。こんなにメジャーになる理由がさっぱり分からないよ。

 

クィディッチの評価はともかく、先に階段を登ってた2人に追いつく頃には、先生が遠くに行ったからか、2人は爆笑してた。(爆)って感じ。

 

「だって本当だもの。もしマルフォイがネビルの思い出し玉をかすめていなかったら、僕はチームには入れなかったし……」

 

「それじゃ、校則を破ってご褒美をもらったと思ってるのね」

 

おぉ、不快感が限界を超えてハーマイオニーが話しかけた。ちょっと恐いかも。

 

「あれっ、僕たちとは口をきかないんじゃなかったの?」

 

「そうだよ、いまさら変えないでよ。僕たちにとっちゃありがたいんだから」

 

……ハーマイオニーがしてたのって、大半が2人の為にもなる忠告ばっかりだったんだけど、この2人には分からないんだろうね。思いっきり煽ってきてる。イギリスに来る前に見たテレビでは、医学的に女性の方が男性より感情的な傾向があるって言ってたけど、この3人は真逆なんだね。男性陣、残念過ぎるよ……。一応、私も忠告だけしとこうかな。

 

「2人とも、そんな態度で社会に出たら苦労するよ?自分の気に入ってる人以外は受け入れないなんて、周りからどう思われるか分かってる?スリザリンの人達の事が差別主義みたいだから嫌いみたいだけど、私からしたら貴方達も一緒だよ?同族嫌悪で嫌い合ってるようにしか見えない。もうちょっと自重した方が良いよ。まぁ、私の事も気に入らないみたいだから、どうせこの話も否定するんだろうけどね」

 

その日、ハリーは授業に欠片も集中出来て無かった。もしかして、こうなるから1年には箒を禁止してたんじゃ無いかなぁ?

 

 

ハロウィンの朝、目が覚めると城中がかぼちゃの匂いでいっぱいになってた。流石にずっとコレは鬱陶しいから、対クィレル先生用の嗅覚麻痺の魔法で鈍らせる事にしよう。夕飯までに匂いに慣れたら、ただでさえあんまり美味しく無いのに、飽きて食べれなくなりそうだし。

 

……クィレル先生といえば、なんか凄く弱いのが取り憑いてるっぽいんだよね。一応、祓った方が良いか国の方にも聞いてみたけど、色んな人に確認を取らないといけないらしくて、取り敢えず保留になってるんだよね。臭いから早くなんとかしたいんだけど……。

 

 

今日は妖精の呪文の授業で、物を飛ばす練習をする事になった。

私はネビルと組んで、ハリーはシェーマスと組んだ。ハーマイオニーがロンと組む事になったのは、先生の正気を疑った。ロンは魔法が下手だけど、ネビルほどじゃないんだから、ハーマイオニーはネビルと組ませて教えてもらった方が楽だと思う。

私もそこそこ出来る方とは思われてるみたいだけど、ハーマイオニーの方が上だと思うし。それに、2人は凄く仲が悪いし。だからと言って、私もロンと組まされたくは無い。ハリーと末永くペアになればいいのに。

 

「さぁ、今まで練習してきたしなやかな手首の動かし方を思い出して。ビューン、ヒョイ、ですよ。いいですか、ビューン、ヒョイ。やってみましょう」

 

「ウィンガディアム・レヴィオーサ!」

 

早速ロンがやってるけど、凄く危ない。教えられた振り方を無視して杖をブンブン振り回してるだけだし、惜しいけど発音も間違えてる。あと、叫ぶ所為でうるさい。

 

「言い方が間違ってるわ。ウィン・ガー・ディアム・レヴィ・オー・サ。ガーと長くきれいに言わなくちゃ」

 

「そんなにご存知なら、君がやってみろよ!」

 

怒鳴らないで欲しい。凄くうるさい。でも、ハーマイオニーの指導はゆっくり区切って言ってくれるから凄く分かりやすい。多分、呪文の発音だけなら、英語の魔法薬がなくても私に理解出来そう。他の部分が分かんないから、呪文を教えて貰うっていう前提じゃないと無理だけどね。指導内容が伝わらないんじゃどうしようも無いもん。

ただ、同級生に、先生が言うような感じで教えられたら、プライドの塊なロンには腹が立つんだろうね……。

まぁ良いや、そろそろ私もやろう。周りを気にしてる場合じゃないや。今のところ浮かばせた人は居ないっぽいけど、割と出来る人は皆相手に教えてるんだろうね。

 

「「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」」

 

ハーマイオニーとタイミングが被った……。どっちもちゃんと浮いてるね。予習で覚えたとはいえ、忘れないようにたまに自主練習した甲斐があった。

 

「オーッ、よく出来ました!皆さん、見てください。グレンジャーさんとミユキさんがやりました!」

 

先生のテンションが高い……クラス中に言わないで欲しい。恥ずかしいよ。

 

……ネビルは、発音は間違えて無いけど、声が震えてる。緊張してるのか手も震えてる所為で、上手く杖を振れて無い。ブレっブレだよ。始めるまでにもガタガタしてるばっかりで時間かかってたし。某たけし城を再現できそう。魔法の練習する前にカウンセリングした方が良いんじゃないかな?

 

「ネビル、もうちょっと落ち着いてからにしたら?手が凄い震えてる。深呼吸して、手の震えが止まったらやってみると良いかもしれない。駄目なら、呪文無しで振り方だけ練習してみたらどうかな」

 

「う、うん。やってみる」

 

ネビルはこの時間では、結局成功出来なかった。豆腐メンタル過ぎるよぉ……。

 

 

授業が終わったら、ロンが荒ぶってた。反抗心でハーマイオニーのアドバイスを聞かないでいたからね。目の前で正しいやり方を見せたのに、気に入らないからってわざと間違ったやり方してたら、別の成功する方法を見つけない限り成功しないよ。お母さんの指導だったら、とうの昔に追い出されてる。

 

「だから、誰だってあいつには我慢出来ないんだ。まったく悪夢みたいなやつさ」

 

ロンのセリフのすぐあとに、ハリーにぶつかって行ったのはハーマイオニーかな?泣いてたっぽいし、暫くして落ち着いた頃に、声かけてみよう。タイミング的にロンのことっぽいから、どうとでもなりそうだし。

 

「今の、聞こえたみたい」

 

「それがどうした?誰も友達がいないってことはとっくに気がついているだろうさ。仲が良さそうに見える、あのチビな日本人とは傷の舐め合いでもしてるんだろ」

 

……今日はパーティ扱いらしいし、顔に紅葉でも付けてやればいいかな?よし、やろう。

 

「身体強化、腕力倍加、治癒速度低下付与……よし、準備完了。ロン、ちょっと良いかな?」

 

「ん?誰だい?なんだ、またお前か。僕は君に関わっていられるほど暇じゃなヘブッ!?」

 

「良い加減、その態度と口の悪さをなんとかしないと、その腐った舌引っこ抜くよ。ハーマイオニーは友達、私以外にもちゃんといるからね?私だって、ちゃんと友達は居るよ。人の事を調べもせずに馬鹿にするだけで、自分は向上心の欠片も無いとか、人としてどうかと思う。人を馬鹿にするなら、相手の本当に悪い点を指摘しつつ、その人より高い能力を持ってからにしないと、負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ。あぁ、人を不快にさせるのと責任転嫁能力だけは誰よりも高いのかな?その責任転嫁も先生には通用してないけどね。悪夢みたいなやつっていうのは、貴方の事じゃない」

 

ふう、ちょっとスッキリした。ロン、尻もち付いて、顔を抑えて呆然としてる。ザマァ!ハリーは、なんか変な顔してる。文句を言いたいけど、納得出来るとこもあってなんて言えば良いか分からない感じかな?

あと、あっちで「羨ま……ゲフンゲフン、けしからん」とか、「あの目で踏んで欲しい」とか言ってる人達、やらないからね?

 

 

結局、その日の残りの授業にハーマイオニーは出なかった。何処に居るかパーバティに聞いたら、トイレで泣いてて、暫く1人にして欲しいって言ってたらしい。私も行かない方が良さそうだから、今まで通りに話せば良いかな。

夕飯、包んで持って帰っておこう。自作だから大した容量じゃないけど、空間魔法を付けたポーチに入れとけば冷めないし、寮に帰ったらゆっくり食べれるようにしてあげたい。今日の夕飯は特別らしいから、勿体無いもんね。……味の保証は出来ないけど。

 

大広間に行くと、コウモリやカボチャがいっぱい飛んでた。目がチカチカする。あと、コウモリが凄く邪魔。テーブルのすぐ近くを飛ぶとか、鬱陶しくて仕方ない。

 

席に着くと、入学式?と同じようにお皿の上に料理が出てきた。でも、それに誰かが手を付ける暇も無く、クィレル先生が駆け込んできた。

 

「トロールが……地下室に……お知らせしなくてはと思って」

 

えぇ……言うだけ言って、気絶した。闇の魔術に対する防衛術って、生き物も含んでるのに、なんで担当教員がトロールで気絶してるの?一生懸命走ってきたんだろうけど、消耗具合はそこまででも無さそうだから精神的な理由っぽいし、伝令したこと以外は役立たずって、教えるほどの能力あるの?そうでないなら、トロールの軍隊でも攻めてきたの?

 

こんな事を考えてたら先生が気絶してから数秒後、皆がパニックを起こした。あっ、これヤバイやつだって思ったら、ダンブルドア先生が叫んで静かにさせた。校長の貫禄、初めて感じたよ。入学式の時のは、残念な感じだったもん。

 

「監督生よ、すぐさま自分の寮の生徒を引率して帰るように」

 

……そういえば、ハーマイオニーってここに居ないけど、この事知らないよね?ヤバイ気がする。

 

「ねぇ、パーバティ、ハーマイオニーって何処のトイレに居るか知ってる?ここに居ないって事は、この事知らないんじゃないかな?」

 

うわ、パーバティの顔色が一気に悪くなった。

 

「……地下室のトイレよ。トロールも地下室に出たって言ってたし、かなりまずいと思う」

 

「じゃあ、パーバティはパーシーや先生にこの事を伝えて。私はハーマイオニーに知らせに行ってくる」

 

「分かった!気をつけてね!」

 

そう言うと、パーバティは走っていった。1人じゃ危ないとか、そういうのがあると思ったのに……焦ってるのかな?まぁいいや。急いで行かなきゃ。

 

 

トイレに着いた時には、まだトロールが居なかった。急いで中に入る。

 

「ハーマイオニー、居る?」

 

「この声、ミユキ?ごめんなさい、しばらく1人にして欲しいの」

 

「そうしてあげたいけど、今は無理!地下室にトロールが出たから、夕食は中止して皆で寮に避難してるの。パーバティが先生達に報告しに行ってる。私はハーマイオニーに伝えに来たの。急いで避難しよ?」

 

「トロール!?分かったわ、急ぎましょう。……何の臭い?」

 

朝に嗅覚を切ったまま、まだ戻してなかったから、臭いに気付かなかった。それで、ハーマイオニーの疑問に答えようと思って周りを見渡すと、出入り口の所に3、4メートルくらいはありそうな巨人が立っていた。ヤバイ。

 

「ハーマイオニー、トロールが入って来ちゃった……」

 

私の返事に反応して、ハーマイオニーが個室から飛び出してきた。そして、トロールを見て顔色を悪くした。しかも、何故か開いたままだった筈のドアが勢い良く閉まって、鍵まで掛かった。何が起きたのか疑問に思う前に、その向こうから、「やった!」という例の2人組の声がした。

 

「え?ちょっと、ハリー、ロン!?そこにいるの?鍵閉めるってどういうこと!?私達を殺す気!?」

 

「嘘だろ!?何でミユキがそこに居るんだよ!」

 

トロールから距離を取るように後退りつつ、お札を取り出しながら叫ぶと、向こうも叫びながらドアを開けた。それに反応したのか、トロールはドアの方に向かい始めたけれど、ハリーとロンが連携して、ロンがこっちに回り込んできた。今度はロンに釣られたのか、またこっちを向いた。

あんまり意味が無いというか、トイレの外に誘導してもらう方が嬉しいんだけど、その時間で魔法の用意が出来た。

 

「ロン!魔法を撃つから伏せて!」

 

「はぁ!?トロールにお前の弱い魔法が通用するわけ『四連、衝打』うわァ!?」

 

「あっ……」

 

いくらロンでも伏せるくらい出来ると思って、返事を待たずに撃った魔法の流れ弾?がロンの背中に直撃した。ロンは吹き飛んでトイレの壁に激突しちゃった。多分気絶してる。

4発の衝撃を与える魔法を、トロールの顔、胸にまっすぐ、左右の膝の裏に回り込んで、同時に当たるように撃った中の、右膝のやつだ。膝カックンと上半身への衝撃で転ばせるつもりだったんだけど……。上半身が大きいから、バランス崩しやすいと思ったんだよね。

幸い、残りのだけでも狙い通りというか、狙い以上の効果が出て、本当ならその隙に拘束魔法でも使って、その間に逃げようと思ったんだけど、後頭部を思いっきりぶつけたのか、トロールも気絶した。

その直後に、先生達が駆け付けた。ちょっと遅い。でも、この状況を見てマグゴナガル先生は凄く怒ったようで、鬼の形相になってて、けっこう怖い。その後ろでは、スネイプ先生がロンの所に駆け寄って、気絶してるだけな事を報告してる。ロンの報告と同時に、トロールの様子も確認してる。クィレル先生は……無能だ。スネイプ先生はロンを抱えて出て行った。多分医務室だね。

 

「いったい全体あなた方はどういうつもりなんですか。殺されなかったのは運が良かった。寮に居るべきあなた方がどうしてここにいるんですか?それと、なぜミスター・ウィーズリーとトロールが気絶しているのですか?ミス・グレンジャーとミス・オオトリの事情は伝言にきた生徒から既に聞いていますが、2人にもきちんと説明して頂きます」

 

早々に問題起こしちゃったなぁ……。今回は学校の警備に責任があるから、そこまで大変なことにはならないと思うけど、キッチリ説明しないとやばいかな?

 

「説明はしますが、私の主観なので、他の人からしたら違う事もあると思います。それと、少々長くなります。

元々仲が悪かったんですけど、今日の授業でロンがハーマイオニーへの理不尽な不満を持って、後で陰口を叩いてるのをハーマイオニーが聞いてしまって、このトイレで泣いてたんです。1人にして欲しいと他の子から聞いていたので、そっとしておこうと思ってたところ、トロールの報せが届きました。

ハーマイオニーはここにいるので、この事を知らない事に気付いて、パーバティに伝言を頼んで、私はハーマイオニーに報せに来ました。討伐できるかまでは、情報も経験も足りないので分からずとも、今回のように追い詰められない限り、動きの鈍い相手から逃げるだけなら十分可能ですので。

2人で外に出ようとしたところ、トロールが入ってきた上に、ハリーとロンが何故かドアを施錠したので、慌てて中にいる事を伝えると、再びドアが開きました。それに反応したトロールの隙を突いて、何故かロンがこちらに回り込んで来ました。

伏せるように伝え、それくらいは即座に反応出来ると買いかぶっていたので、返事を待たずに転ばせる目的で魔法を放ったところ、指示を聞かずに反論していたロンに魔法の一部が当たり、ロンは吹き飛びました。残りが当たったトロールが転び、そこに倒れたところで先生方が到着しました。以上です」

 

長々と喋って疲れた……。これで大丈夫かな?

 

「……ミス・グレンジャー、間違いありませんか?」

 

「……はい、ミユキが何を考えていたかは分からないですが、それ以外はその通りです」

 

「では、ミスター・ポッター、貴方は何故ここに?」

 

「……僕が、ハーマイオニーはトロールが入って来た事を知らない事に気付いて、ロンと一緒に女子トイレに向かったんです。たまたまトロールがドアの中に入って行くのを見かけて、鍵がついたままだから閉じ込められると思って、鍵をかけたんです。そしたら、中からミユキの声がして、ウッカリ女子トイレに閉じ込めた事に気付いて、慌てて助けに入りました。ロンの方は、その場で思いついた行動だと思います」

 

「なるほど、良くわかりました。ミス・グレンジャー、悩みがあったら周りに相談しなさい。1人で抱えないように。ミス・オオトリ、伝言を残した事は賢明でした。しかし、友達思いなのはけっこうですが、それで死んでは元も子もないです。ミスター・ポッター、行き過ぎた行動を諌めるのも友人の勤めです。その人のためになるのですから。ミスター・ウィーズリーには後ほど話をします。

先ほども言いましたが、あなた達は運が良かった。でも、大人の野生トロールと対決できる一年生はそういません。1人5点あげましょう。ただ、ミスター・ウィーズリーは、女性を傷付ける振る舞いから10点減点です。さぁ、怪我が無いなら寮へ戻りなさい。さっき中断したパーティの続きをしていますよ」

 

お説教で済んで良かった……。そんな安堵を感じつつ、3人で寮に戻って、とりあえずお風呂に入った。嗅覚を切ってたから分からないけど、トロールって相当臭いらしいから、においが残ったらヤダ。ハリーの方は知らない。でも、その後談話室の端っこの方で、3人でちょっと遅めの夕食を食べた。お菓子系だからか、いつもより美味しかった。

 

その日から、ハリーとそこそこ仲良しになれた。ロンは次の日には退院?してて、ハリーほどでは無いけど仲良くなった。でも、1番はハーマイオニーだね。

元の好感度が低かったのと、医務室送りになってたのが悪くて、男性陣との仲はそこまでではないんだよ。特に、ロンはそうだね。それでも、一応仲良しグループ的な感じにはなった。この調子でもっと友達増やしていきたいね。




深雪さんは、自分のレベルをそこそこ程度だと思ってますが、周りにはハーマイオニーと並ぶトップとして認識されてます。でも、周りはプライドが邪魔して色々と文句を言ってくるので、自己評価が低めになるという。流石に先生達はその辺に関しては平等なので、成績には何の影響もありません。
あと、「魔法は浪漫!」な思考の深雪さんの場合、ホグワーツ生徒の大半と違い、趣味が魔法なので、勉強として嫌々やってる生徒より圧倒的に効率が上。更に、勉強時間も多い。(うろ覚えなことわざ曰く)好きこそものの上手なれってやつ。
なお、ネビルがポンコツな理由は作者のイメージ。魔法薬の時とかに、スネイプ先生が居ない時なら成績が上がる辺り、絶対豆腐メンタルだろっていう所から。

運命という名の作者の気分により、ロン、またしても不幸。ハーマイオニーを泣かせたんだから仕方ないね。
あと、今回は何気にハリーとのBLルートを(嫌がらせで)内心で推す深雪さんの描写も突っ込んでみた。ロンをディスるのは仕様です。
罵倒されてる時には、無表情かつ、養豚場の豚を見るような蔑みの目で見られていた模様。
また、魔法の直撃や壁への衝突での怪我はともかく、小さい紅葉は、傷?の種類の所為(女性による制裁の一撃の跡)で、マダム・ポンフリーに頼んでも「反省しなさい」とだけ言われて治して貰えず、痛みこそ無いものの2日間残ったまま。顔を見た人は皆吹き出し、あるいは笑いを堪えて肩を震わせ、マルフォイにはネタにされるという屈辱を味わった模様。

原作仲良し3人組は、若干崩壊した模様。4人の仲良し度を表すと、深雪=ハーマイオニー>>>ハリー>>>>ロン(原作ではハーマイオニー=ハリー=ロン)やったね、ロンの恋愛フラグが立ちにくくなったよ!

治癒速度低下は、相手の傷の治りが遅くなるという呪いのようなモノ。身体強化は、捻りを加えつつ飛び上がり、本来なら届かない筈の顔面に全力の一撃を叩き込む為のモノ。イメージは回し蹴りのビンタバージョン。腕力倍加は文字通り、ビンタによる瞬間的な破壊力を、身体強化で上がっているのを更に向上させる為のモノ。強化は足し算、倍加は掛け算的な感じ。
これら全てを、ただ紅葉を付ける為だけに使うという、技術の無駄遣い。

ダンブルドアがパニックを鎮めるのは映画式。どう考えてもこっちの方が威厳っぽいのを感じられる。

深雪さんの解説シーンで話し方が内面と違うのは、こういった事も落ち着いて出来るように教えられてたのと、元々の性格のせい。

空間魔法を付与したモノは、時間が止まっているモノも多い。全ては「どうせ亜空間的なとこにしまうなら、時間もいじっちゃえ!」という発想をしたマッドのせい。
深雪が国に借りた鞄は、かなり広い業務用倉庫くらいの容量。物資の集積所とかのレベル。難易度はキチガイ級。
協定で留学生が買ったモノには関税がかからない為、国としても利点しか無いので予算もどんどん降りてくるから、悪戯グッズのようなしょうもないモノから、植物の種のような外来種的な意味での危険物、更には家具などのような大きな魔道具まで、色んなモノを買って帰るように、無駄に大きい。なお、外出できないから、帰る時にダイアゴン横丁に行ったりして買う予定。
深雪が作ったやつは、せいぜい大きめのスポーツバックくらいのモノ。一般的な(日本の)魔法使いなら、子供でも普通に作れる。14歳にもなって作れなかったら、むしろ恥ずかしいレベル。
もうちょい大きいのも作れたけど、どうせ教科書などを入れるくらいだったからこのサイズ。
イギリスのだと、検知不能拡大呪文(うろ覚え)だけど、そんなものは無い。検知不能にする→検知出来るようにする→以下ループ
検知不能とか、犯罪に使う以外思いつかない要素じゃないですかヤダー


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試合前日

夏休みだー!
大学1年の夏休みという、人生最大の長期休暇を活かして、出来るだけ沢山書いておこうという作戦。

今回、場面的な問題で短めです


〜深雪side〜

 

11月になってそこそこ寒くなってきたけど、イギリスはマイナスまで行かないから、まだマシな寒さだと思う。上着と手袋があれば十分だよ。スカートだから、足のガードにカイロ必須だけど。部屋の方は、石造りなせいでけっこう冷え込むのが欠点かな。暖房も暖炉しかなくてショボいし。

夏場は湿度低いし、気温も低いしで最高だったけど、冬場は微妙だね。こたつ無いし。虫が居ないから、どっちにしろ冬が1番好きなのは変わらないけどね。

 

天気の話はこんな感じだけど、最近はハリーがクィディッチのシーカーをやるって話が広まって、ハリーのストレスが大変みたい。しょっちゅう絡まれてるし。

その上、練習で忙しいみたいだけど、宿題は自分でやらないとね。夜になると、助けて欲しそうにこっちを見てるし、一回頼まれたけど筆跡でバレるだろうからって言って断ってる。……バレるよね?

ハーマイオニーは、冷え込んできてからは私に抱きついてて、ハリーには、もふもふするのに忙しいって言って手伝いを断ってた。確かにほとんど毎日、ハーマイオニーの膝の上で髪を梳かして貰ったり、抱きつかれたりしてるけど、もふもふとは違う気がする。

代わりにロンが手伝ってたけど、どっちも勉強嫌いだからか、宿題のサボり癖があって、ちょくちょく間に合わない事もあった。クィディッチチームの先輩は、普通に宿題を終わらせてるみたいだし、ハリーも頑張らないとね。

 

 

ハリーの試合前日に、私は魔法の練習をし易い所は無いか、ぼんやり散歩しながら考えてた。私は試合に関係無いからね。

今までは中庭か空き教室でやってたけど、大規模な魔法を使えないのは不便だった。爆発するのとか、雷を出す練習とかなんかは、音が大きくて迷惑だから自重してたんだよね。でも、理論だけじゃなくて実地でもやらないと上手く使えないし、ぶっつけ本番で使うのは良くないからね。

思いつかなかったから、8階の廊下で、中庭で式神の練習をするか、空き教室の使用許可を貰って、防音結界張って小さめの魔法の練習するか迷って、何回か行ったり来たりをしてたら、直前までは無かったドアが出てきてびっくりした。

試しに中を覗いたら、理想的な魔法の練習部屋があって、そこで久し振りに全力で魔法を使えて、スッキリしたよ。外に出ると、ドアが壁に同化するみたいに消えたから、妙なギミックで隠してある事が分かった。しばらくはこの部屋の出現条件を考えるのが優先かな。とりあえず、部屋が出てくる前の行動や条件をメモして、夕ご飯を食べに行こうっと。

 

 

夕ご飯の後、しばらくしてから、スネイプ先生の所に行く。新しい薬を貰うのと、怪我の治療が目的だ。先生の足、ケルベロス(仮)に噛まれたらしくて、呪い付きだったのか、治りにくいんだよね。呪いは強力では無いけど、解呪は一気にやるよりは、ゆっくりやる方が良いから、毎日通ってるの。今日の治療が最後で、明日の朝には治ってる予定。今日は、そのついでに薬も貰うことになってる。

 

「失礼します。スネイプ先生、治療と薬を貰いに来ました」

 

「ミユキか。頼むぞ」

 

スネイプ先生は、そう言うとガウンを膝までたくし上げた。傷が悪化しないように、お札が包帯みたいに巻いてあるから、それを剥がしていく。すると、怪我したばかりだけど、止血は出来たかのような傷が出てくる。解呪がメインだったから、傷そのものはまだけっこう大きい。傷の治りを遅くするタイプではなく、腐らせたりして悪化するタイプだったらもっと深刻だったから、そこは幸運だったのかな。

 

解呪用の新しいお札を貼って、念のため多めに魔力を込めると、呪いの気配が完全に消える。後は、回復力向上の魔法をかけて終わり。そう思ったら、スネイプ先生がいきなり叫んで、すごくびっくりした。

 

「ポッター!」

 

慌てて振り向くと、ハリーが立っていて、見てはいけないものを見たような顔をしてた。

 

「本を返してもらえたらと思って」

 

……この状況で、最初に言うのがそれって逆に凄いような気がする。

 

「出て行け、失せろ!」

 

先生がそう言うと、ものすごい勢いで走っていった。タイミング悪いにも程があるね。

 

「……えっと、治療の続きしても良いですか?」

 

「構わん。驚かせてすまんな」

 

「いえ、大丈夫です」

 

今度こそ、魔法をしっかりかけて、明日の朝にまだ治っていないようだったら連絡するように伝えて、帰り際に薬を貰って寮に帰った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜ハリーside〜

 

昼間に没収された本を取りに、職員室に行くと、ミユキがスネイプの前で膝をついていた。ここ最近、毎晩寮を少しだけ抜け出していたけど、スネイプの所に来ていたのか。

 

「んっ、ふぅ……」

 

ミユキがそんな声とも息ともつかない音を漏らすと、スネイプがなんだか気持ち良さそうな顔をしていた。何をしているのかは、ミユキの身体の陰に隠れていて良く分からないけど、見てはいけないものを見たような気がして、ドアをそっと閉めようとした。

 

「ポッター!」

 

でも、スネイプに気付かれた。スネイプは怒りに歪んだ顔をしていた。

 

「本を返してもらえたらと思って」

 

とりあえず、本来の目的を伝えると、

 

「出て行け、失せろ!」

 

と、怒鳴られたから、減点される前に逃げ出して、皆に見てきた事を伝えたけれど、何をしていたのかは結局分からなかった。たまたま近くにいた上級生にも聞かれたみたいだけど、その人も何をしていたのかは分からなかったらしい。少し顔が赤かったけれど、風邪だろうか?




深雪さんは、冬場にマイナス以下になり、夏場に30度を超える地域に住んでたという設定。というか、作者がそういう地域に住んでるから、それ以外の地域の様子は良く分からん。
深雪さんは、寒さの耐性は高め。なお、暑いのは苦手。風通しの良い和室で猫の如く、ぐってりと伸びている事も多かった模様

ハーマイオニーのそこはかとない、ごちうさのココアっぽさ。作者の欲望(可愛いロリっ子をもふもふしたい)を代わりに満たしてもらってみました

スカートで冬場は辛い。作者は制服くらいでしかスカートは使わなかったけど、スカートでの冬場の寒さは異常。スカートの心許なさも異常。すねの半分よりちょっと短いくらいまであっても、風通しが良過ぎて落ち着かない。慣れてきても、強い風などで簡単にめくれるから心許ないのは変わらない。かといって、制服で足首とかまであると、動きにくい上に昭和の不良みたいだから出来ない。このジレンマ(´・ω・`)

早くも偶然に必要の部屋を発見。考え事しながらウロウロしてると、知らないうちに同じ場所を往復してる事、けっこうありますよね?作者はあります。
ハーマイオニーも、四六時中深雪さんに張り付いてる訳では無いのです

ハロウィンの夜に噛まれて、それが数日以上、早くても翌日な筈なのに、未だに血が流れる辺り、毒か呪いがあったんじゃないかな?呪いなら、深雪さんが気付いて治療しようとするだろうというイベント。
深雪さん(魔力を込める時の気合い的なものと、作業が終わった時のため息的なもので)「んっ、ふぅ」
スネイプ先生(解呪の魔法は、暖かいものに包まれる感じがして)気持ちいい
ハリーから見ると、角度的な問題で何をしてるのかさっぱり。年齢的にも、邪推する知識無し(多分。少なくとも、作者はそうだった)
上級生(前から出回ってる噂と、ハリーの細部を欠く説明、さらに邪推できる事を知り始めた年頃の思春期のため)「はわわわわ」
この結果、スネイプ先生及び深雪さん、さらなる風評被害発生。あと、足を怪我してるのに放火されるのは可哀想という理由で、試合の朝には完治


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クィディッチ

ストック?知ったことか!とばかりに早めの更新。
そして今回も短め。後半は会話文多め。

クィディッチの描写難しいんじゃー(´・ω・`)
だから、多少雑でも仕方ないよね?


〜深雪side〜

 

クィディッチ当日、ハリーは食欲が無いようだった。緊張してるんだろうけど、運動するんだからある程度は食べないとけっこうきついと思う。

 

 

あんまり興味が無いけど、皆試合を見に行くみたいだから、一応合わせて移動しておく。応援はうるさいだろうから、耳栓を用意して、観戦に必須の各種お札も持って行く。

寮の皆は、何故か「ポッターを大統領に」って旗を作ってた。恥ずかしくてプレイしにくくなりそうだね。ところで、イギリスって大統領制だっけ?王族と首相だった気がするんだけど……。まぁ、どっちでも良いか。

 

しばらくすると、選手が出てくる。審判の周りに集まり始めたから、そろそろお札も起動しよう。持ってきたお札に魔力を込めると、周りがゆっくりになって、視点も幾つか増えて、色んな角度から会場が見渡せる。

 

笛の音が響くと、いっせいに選手が飛び上がる。話には聞いてたけど、動きが遅いね。お札に込める魔力を減らして、体感時間の倍率を下げることで落ち着いて見れるけど、もどかしくない程度の速さになる。

 

「さて、クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンが取りました。なんて素晴らしいチェイサーでしょう。その上かなり魅力的であります」

 

「ジョーダン!」

 

「失礼しました、先生」

 

……実況は漫才も兼ねてるのかな?漫才風の実況はともかく、試合内容は中々のものではある。技術は散々練習してただけあるし、箒の性能が低いのは仕方ない。応援に熱が入ってるのは、私にはうるさくて大変だけど、本人達は楽しめてるから問題無し。耳栓持ってきて正解だね。

 

「ちょいと詰めてくれや」

 

ハグリッドが来て、皆で席を思いっきり詰める。それでもちょっと足りなくて、どうしようかと思ってたら、いつの間にかハーマイオニーの足の上に乗ってた。何を言っているのかわから(ry

 

……ネタはこれくらいにして、とにかくハーマイオニーに抱えられて観戦する事になった。重くないか聞いても、いつも通りの「大丈夫」って答えしか返ってこない。

 

しばらくすると、ハリーの様子がおかしくなった。教員席から、魔力が2種類出てる。呪いと、その効果を消す魔法。観客が横槍入れるのって、普通アウトだけど、イギリスだとどうなんだろ?周りの反応からして、多分駄目だとは思うけどね。けっこう距離があるから、誰がやってるかまでは分からないや。

そう思ったら、ハーマイオニーがハグリッドの双眼鏡で観客席を確認し始めたから、私は教員席を指差す。そしたら、ロンと少し話をした後、ハーマイオニーがあっという間に私を下ろして、走って行っちゃった。

 

少し経つと、教員席で人が慌ててるから、何かしらの騒ぎを起こして妨害したんだろうね。ハリーが姿勢を戻して普通に飛び始めたから。

 

最終的に、低空飛行しつつ、何故か箒の上に立ってスニッチを追いかけて、落ちたのか飛びついたのか良く分からないけど、スニッチを無事?に飲み込んで試合が終わった。150点とかいうクイズ番組の最終問題みたいな、謎の高得点なのが不思議だね。というか、飲み込むのってありなんだ……。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜三人称〜

 

試合が終わった後、大騒ぎしてる人達から逃げて、ハグリッドの小屋にハリー達は避難した。すると、

 

「スネイプだったんだよ。ハーマイオニーも僕も見たんだ。君の箒にブツブツ呪いをかけていた。ずっと君から目を離さずにね」

 

などとロンが言い出した。

 

それに対し、ハグリッドが

 

「バカな。なんでスネイプがそんなことをする必要があるんだ?」

 

と反論し、深雪も

 

「私もハグリッドと同感。スネイプ先生は良い人だよ?それに、教員席からは魔力が2種類出てたよ。誰が使ってたかまではわからなかったけど、呪いと、それを消すやつ。スネイプ先生はハリーを守ろうとしてたのかもしれない。他の先生の可能性もあるよ」

 

と返す。深雪はその内心では、

(報酬も出てるとはいえ、味はともかくとして、薬はしっかりしたのをくれるし、授業も分かりやすいし丁寧だもん。ちょっと皆に厳しいけど、魔法薬なんて危ない物を扱うんだから不思議じゃないよね?)

とも考えている。

2人が反論してきて分が悪いと考えたのか、話題を逸らすためにロンが質問をする。

 

「そういえば、ミユキ、昨日の晩、スネイプと何をやっていたんだい?普段もスネイプに何か貰っているみたいだし、それでスネイプの事を勘違いしてるんだよ」

 

「ロン、失礼な事を言うね。私は、スネイプ先生の足の治療をしてただけだよ?ハロウィンの夜、スネイプ先生が三頭犬に噛まれて、足に呪い付きの傷が出来てたから、次の日から毎晩通って少しずつ治してただけだもん。解呪はそこそこ得意なんだよ。

それに、スネイプ先生から貰ってるんじゃなくて、買ってるのは翻訳用の薬だよ。本当なら英語をろくに使えない筈の私がこんなに英語を上手く使えるのは、スネイプ先生のおかげなんだから(ドヤァ)」

 

そう言いつつ、珍しくハッキリとしたドヤ顔を、無い胸を張ってする深雪。ドヤ顔をしているが、薬の生産はスネイプの手柄である。ハリーはそこにはツッコミを入れずに、話を進める。

 

「……それ、三頭犬の裏をかこうとして噛まれたんだよ。何か知らないけど、あの犬が守ってるものをスネイプが盗ろうとしたんじゃないの?」

 

「待て、お前さん達なんでフラッフィーを知ってるんだ」

 

「フラッフィー?」

 

「そう、あいつの名前だ。去年パブで会ったギリシャ人のやつから買ったんだ。俺がダンブルドアに貸した。守るため……」

 

「何を?」

 

「もう、これ以上聞かんでくれ。重大秘密なんだ、これは」

 

「だけど、スネイプが盗もうとしたんだよ」

 

「バカな。スネイプはホグワーツの教師だ。そんなことするわけなかろう。おまえさん達は間違っとる!俺が断言する。俺はハリーの箒がなんであんな動きをしたのかはわからん。だがスネイプは生徒を殺そうとしたりはせん。4人ともよく聞け。おまえさんたちは関係のないことに首を突っ込んどる。危険だ。あの犬のことも、犬が守ってる物のことも忘れるんだ。あれはダンブルドア先生とニコラス・フラメルの……」

 

「あっ!ニコラス・フラメルって人が関係してるんだね!」

 

「……ニコラス・フラメルは有名だよ、ハグリッド。重大秘密って自分で言っといて、情報を漏らし過ぎだよ」

 

こうして、ハグリッドは短時間で、割と致命的な二度の情報漏洩をして、ハリーの暴走スイッチを入れ、深雪に呆れられることになった。そしてハグリッドは、自分に腹が立って仕方ないようだった。




ハグリッドを機密に関わらせてはいけないという教訓回。

応援は苦手。学校イベントで、弱い学校なのに強制的に野球応援に行かされた時には、周りがうるさいのと、近くの女性陣の尋常じゃない黄色い声で耳がおかしくなって、応援が終わった後も数時間はダメージが残りっぱなし。3回表くらいから、体調不良と思われるほどに応援そっちのけで座り込んで耳を塞いでた筈なのに(´・ω・`)

スネイプ先生、無言呪文得意なんだから、反対呪文も無言でやれば良かったのに。というか、周りの先生達も気付けよ。と思う

現代ファンタジーだと、かなりの数出てるフラメル氏。フランスの道の名前になるくらいなんだから、現代ファンタジー好きなら知ってる人の方が多い気がする。小説とか読まずに、勉強ばっかりしてるから探すのに苦労するんだよ、ハーマイオニー


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(ほぼ閑話な)クリスマス休暇

当社比で怒涛の更新。

休暇らしさがあんまり無い。序盤は休暇前だし。あと、またしても短い。
日本人的には、クリスマス休暇より冬休みっていう方が分かりやすい気がする。


〜深雪side〜

 

ハグリッドが見事にやらかしてくれた後、寮に帰ってニコラス・フラメル……フルネームはめんどいからフラメルでいいか。フラメルのことを何も知らなかった3人に、ざっくりと説明することになった。

 

「あの人で1番有名なのは、賢者の石だね。錬金術の到達点とも言われてて、いろんな物語で使われるんだけど、効果は基本的には『卑金属を貴金属に変える』ことと、『命の水』を作ること。貴金属は、他にも変えられるのかもしれないけど、金に変えるっていうのが多いよ。命の水は、定期的に飲み続ける必要はあるけど、永遠の命を与えるって言われてる。まぁ、とにかくすごい石ってことだね。聞けたのはすごい錬金術師が関わってるってだけだから、必ずしもケルベロスの下に賢者の石が置いてあるとは限らないけど」

 

「金を作り、永遠の命を与える石!それだよ!それをスネイプが狙ってるんだ!誰だって欲しがるさ!」

 

「ハリー、賢者の石とは限らないんだって。それに、他にも可能性があるのにスネイプ先生が犯人と決め付けるのは良くないよ。それと、誰でも欲しがる物ではないよ?刹那を生きるリア充なんかは、周りが死んでくのに自分は若いままっていうのが嫌っていうし。それに、年を取らないと不自然だから引っ越しを繰り返さないとならない。金を沢山売ると、やっぱり不自然だから警察とかに疑われるし、そのままだと売りにくいから売るルートも考えないとならないし、値崩れ起こしたら大変な事になる。

まぁ、賢者の石での不老不死なら、いざとなったらいつでも死ねるから、絶対に死なないものよりは良い方だと思うけど。絶対に死なないって、最悪の場合、苦しみながら考えるのをやめるしかないからね。

とにかく、スネイプ先生を疑うなら、その証拠を集めないとどうしようもないよ。それに、学生なんだから試験もあるんだよ?犯人を特定したからって試験を免除されるようなことはないんだし、やたらと関わる事じゃないよ」

 

「試験なんてずっと先のことじゃないか!なんでもうそんな話題が出るんだい?ハーマイオニーじゃあるまいし」

 

……ロン、試験直前に必死になるタイプだね。苦労しそう。自業自得なら手伝わないよ?

 

「私は一応、他所の国に来てるんだから、それなりに良い点を取らないといけないからね。日本人は馬鹿とか思われたら恥ずかしいもん。まぁ、元から見下してるみたいだからあんまり意味ないかもしれないけどね」

 

「自分の将来に関わるんだから、試験は大事よ。……ところで、ロンは私をなんだと思ってるの?」

 

「え?あー、その……それより!もうすぐクリスマス休暇だよ!皆は休暇の間ホグワーツに残るの?僕は残るんだけど」

 

うわぁ……誤魔化し方が強引過ぎる。露骨にも程があるでしょ。

 

「自分の将来に関わるんだから、試験は大事よ。……私は家に帰るわ。両親にいろいろと話したいこともあるし」

 

「僕は残るよ。あの家にはできるだけ居たくないんだ」

 

「私も帰るよ。ここ数ヶ月で、生活に足りないものが良く分かったから、そういうのを準備しないと。ここの様子も話さないといけないし。まぁ、次からは残ることもあると思うよ。2人とも、私たちが居ないからって好き放題しちゃ駄目だからね」

 

「大丈夫だよ。そんなことしないって」

 

……ほんとうに、大丈夫だよね?

 

 

ロンドン行きの列車には、ハーマイオニーと一緒に乗った。個室の中では、いつも通りの雑談がほとんどだった。少しは別の事も話したけど。

 

「深雪、スネイプ以外だと誰が犯人だと思う?」

 

「んー、クィレル先生とか?吸血鬼だかなんだかに怯えて、あんなにんにく地獄に居るんだから、それをなんとか出来るものが欲しいかもしれないよ。まぁ、ほっとけば良いんだよ。学生になんとか出来るような話じゃないよ」

 

「……まぁ、そうかもしれないわね。あ、忘れるところだったけど、私の家の番号教えておくわね。なにかあったら連絡してね」

 

「りょーかい。私のも教えとく。日本に来るなら案内するよ。あんまり出かけなかったから、地元の一部しか分かんないけどね」

 

「ありがとう。飛行機代を考えると、そんな簡単には行けないと思うけど、いつか行ってみたいわ」

 

 

 

日本に帰ってきた。久し振りの自宅はやっぱり良いね。こたつに立て籠もれるのがたまらん。あと、友達にも会える。

 

「深雪、久し振りー!」

 

「ひゃあっ!?」

 

何事!?……あ、そういえば、そろそろ約束してた時間だったね。

 

「久し振り、百合子。いちいち気配を消して近寄らないでって言ってるじゃん」

 

「インターホン鳴らしたし、お母さんには挨拶してきたよ?どうせ本に集中してて気付かなかっただけでしょ。ところで、そこの包みは何事?」

 

「あー、これ?なんか、向こうの友達がクリスマスのプレゼントって送ってきて、今朝届いたんだよね。クリスマスって家庭内でのイメージだったから、こっちは何も送って無くて、気まずくてまだ開けられてないの」

 

ほんと、どうしよう。また向こうに行った時、めっちゃ気まずいんだけど……。

 

「なん、だと……?友達!?できたの!?いつもぼっちで、2人組組めって言われるとあぶれるような深雪が!?」

 

「失敬な!できたよ!少ないけど!あと、それは仲の良い人が同じクラスにならないからだよ!」

 

「あはは、ごめんねー。でも、事実でしょ?プレゼントの方は、向こうに行ってから渡すか、電話でもすれば良いんじゃ無いの?行ってから渡すにしても、連絡は必要だと思うけど」

 

ぬぅ……それしかないか。

 

「プレゼントのことは置いといて、とりあえず遊ぼう。現実逃避させて欲しい」

 

「まったく……早めにしなよ?それと、久し振りだからって容赦しないからね?」

 

「……お手柔らかに」

 

本当に容赦されなかった結果、赤い配管工のレースゲームで、見事に置き去りにされた。酷い。

 

 

百合子が帰ったあと、プレゼントを確認してみた。

ハグリッドからは、手彫りっぽい置物。けっこう器用だね。部屋の端っこに飾っておこう。

ロンからは百味ビーンズ。これは見なかった事にした。

フレッジョ兄弟からは悪戯セット。悪戯する相手がいないから貰っても困る。持って行って、兄弟達に使ってやろう。

ロンのお母さんからは赤いセーター。ちょっと大きい。手紙も付いてて、小さ過ぎるから、しっかり食べて大きくなりなさいってあった。余計なお世話だ。セーターはあったかいからキニシナイ。

ハーマイオニーからは羽根ペンとインクと羊皮紙のセット。課題の提出の時に、いつも誰かに借りてたから、ありがたい。

ネビルからは、植物図鑑。いろいろ載ってて面白いけど、見た目がキモいのも多い。そういうのはSAN値が削れそう。ページをめくるとき、ちょっと心臓に悪い。

あとは、普段からいろいろ手伝ってくれる人たちから、お菓子セット。多過ぎるから、百合子にもおすそ分け。動くやつとか趣味の悪いやつは、渡す前に欲しいか聞いてみたけど、ものすごく引きつった顔で、「なんか、その、大変だね?」って言われて、拒否と同情を同時にされた。同情するなら消費を手伝って欲しかった。

 

フクロウがいないから、ハーマイオニーに電話して、代わりに手紙を書いて貰った。経費は渡すって言ったのに、お断りされた。

頑張っていろいろ準備しないとね。……ちょっとめんどくさい。




オリキャラの深雪さんの友達、百合子さん。
フルネームは露璃 百合子。魔法使いだけど、留学前の深雪さんと同じ小学校に行ってる。ガチレズ。深雪さんにちょっと惹かれてるけど、まだ惚れてはいない。年齢の割にはそこそこ胸部装甲が厚いけど、まだまだ薄い。身長とかは平均的。得意な魔法は呪いと治療。

セーターは、良い感じに萌え袖状態。サイズは、ロンが感じる年齢で伝えた。故に比較対象はジニー。

フラメルさんってだけで、なんで賢者の石って断定するんでしょう。すごい錬金術師なら、他にも貴重なもの作れるはずなのに。あと、金やら不老不死やらって、デメリットとか不自由も多いよねっていう話。
リア充の部分は、高校の時、国語の先生が雑談で、不老不死は水銀に不死の効果があると信じた結果、水銀中毒で死ぬ皇帝が居るくらいの人類の夢っていう話をして、欲しいやつ居る?って聞いたら私以外誰も手を上げてなかった実話から。理由は書いた通り。
私が手を上げてた理由は、いつまでもいろんな作品を読めるのと、普通の寿命だと読みたい作品を読みきれないから。あと、SAO的なものすごいVRで遊びたいから。煩悩だらけ!
……絶対に死なないって、そのうち某カーズさんみたいな事になるよね?


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(最初だけ)ちっちゃなノーバート

なんでこんなに投稿が遅かったのかって?
モンスターを狩ったり、地球を守ったり、人間性を捧げたり、世界樹を探索したり、本の山を消化したり、他の二次の妄想したり、課題やったり(以下略)してたからです。
え?殆ど遊んでるだけじゃないかって?そんな事は……ありますね。でも、エタってないので許してください!
書いたのは主に午前2〜5時くらいなので、かなり変な内容になってると思います。要するに、いつも通りですね。

思いついた2次案、ざっくりまとめ
「爆裂魔法しか使えないロリっ子のダンまち(非厨二)」「僕アカにとあるのセロリの能力のロリっ子」「SAOで暗殺スタイルのロリっ子」
ロリしか居ない理由?元ネタがロリなのと、ロリコン扱いされてる奴の能力だから敢えてロリに付けてみようって発想なのと、短剣系を使うなら小柄な方が良くね?って理由。つまり、ロリっ子を書きたいという訳ではない。いいね?

そもそも、投稿しても期間が長過ぎて読者が残ってるのかすら怪しいけど。
あ、ノーバートは映画版の見た目です。アレ、可愛いと思います。育ったらカッコよくなるんだろうけど。


〜深雪side〜

 

予算的にはプレゼントのお返しを数人に用意するのが限界だった。正直、家族以外にクリスマスプレゼントを渡すなんて想定して無かったし。だから、普段あんまり関わらなくて、なんでプレゼントをくれたのかわからない人たちには、駄菓子程度のプレゼントとお礼を言うだけで勘弁して貰った。

 

とりあえず、ハーマイオニーには古本屋の年始セールで凄く安かった漫画を渡した。

ハーマイオニーは、私の影響なのか、最近は日本語の勉強もしてて、私も軽く教えてる。それの成果を試すにもちょうど良いからって、勉強用のつもりだったのか、自分で買ってきた辞書を使って、頑張って読んでるみたい。

日本語の文字の種類とか使い方が多過ぎて苦戦してるから、読み切るのは相当時間がかかると思う。来年にはまた別の作品か、今のシリーズの続きを渡せば良さそうだね。

 

ハリーとロンには、菓子セット。福袋に入ってたやつをいくつか渡しただけ。それでもけっこう喜んでたから、良かったかな?

フレッジョ兄弟には、筆記用具。なんかいろいろ作ってるみたいで、紙にたくさん書き込んでるのを見かけるから、書きやすいように。あと、貰った悪戯セットを丸ごと使ってやった。本人達は楽しんでたから、まぁ良かったと思う。悪戯される側の感覚を知ってもらうのも兼ねてたけど、それは失敗。楽しんでるもん。

ただ、相手に選んだ理由を、使う相手が居なかったからって言ったら、変な顔になったあと、顔を見合わせてた。今度からは別の物を渡すって言ってたけど、なんだったんだろう?

ネビルには、学校に来る途中のイギリスの本屋で買った植物図鑑。魔法界のじゃないから、これはこれで喜んでた。日本のじゃないのは、英語じゃないと読めないだろうから。

 

 

新学期早々にあったクィディッチの試合は、ロンがマルフォイ達と乱闘騒ぎを起こしてたけど、ハリーがすぐに試合を終わらせたおかげで被害は軽かった。

私は、興奮したハーマイオニーに振り回されてたから、試合も乱闘も関わるどころか、眺める余裕も無かったけど。もしかしたら、試合が早く終わって助かったのは私だったかもしれない……?

 

試合のあと、ハリーが「スネイプがクィレルを脅してた」なんて言ってたけど、あのポンコツのクィレル先生相手だったら、スネイプ先生は脅す必要も無いんじゃないかと思う。

自白剤でも飲ませるか、精神に干渉して操って終わりだよね。既になんかすごく弱いやつが取り憑いてるくらいだし。というか、アレって剥がさなくて良いのかな?許可とかなかなか出ないんだけど。

 

 

ハーマイオニーは2ヶ月以上前から試験勉強をしてる。周りの状態からして、そこまで気合を入れなくても進級自体は出来ると思う。あと、まだレベルの低い授業だから普段からちゃんと授業を聞いてたら、けっこう良い点か、ほぼ満点くらいなら届く。そもそも、魔法は楽しくてすんなり覚えられるから、普通の勉強より簡単だし。……魔法史は除くけど。

まぁ、そうでなくても1年目から落としにかかってたら、2年以降の人達、もっと少ないもんね。

……そう考えると学校の人数、イギリス全体と、他国からごく一部が来てるにしては少ないけど、もしかして少子化とかのせい?厳選してるからとかじゃないよね?実はイギリス魔法界、少子化で消滅する危機なんじゃない……?

そんな深く考えたらマズイ問題はともかく、学校の課題は量が多くてめんどうだけどまだ難しく無いし、算数とか社会の方がずっと大変。男子2人組も、なんだかんだ言いつつハーマイオニーと勉強してるから、成績の心配はしなくても多分大丈夫そう。私の日本語の物を見たロンに、「謎の暗号を使ってる」とか言って正気を疑われたのは腹立つけど。

 

試験がだんだん近づいてくる中、そんな風に過ごしてると、図書館でハグリッドが挙動不審の怪しい人になってた。本を汚しでもしたのかな?……司書さん怒ると怖いし、ハグリッドはポンコツだし、凄くありそう。

そんな風に考えてたら、ハリー達との会話の流れで、ハグリッドの小屋に行く事になった。ロン曰く、ドラゴン関連の本を抱えてたから挙動不審だったっぽかったらしいけど、別にドラゴンを密猟しようとしてるとかって訳じゃないなら、調べても何もやましい事は無いはずなのにね。

 

 

しばらく経って小屋に行くと、寒い日でも無いのに、閉め切った上で暖炉を燃やしてて、中はサウナか何かみたいに暑くて、長く居ると倒れそうだった。何がしたいのか謎だ。

 

あまりの暑さに、制服のローブを脱いだりして少しでもマシになるようにしてたら、いつの間にかハーマイオニーの話術で、ハグリッドから誰が立ち入り禁止区域の警備に関わってるのか、全部聞き出してた。ハーマイオニーがすごいのか、ハグリッドがチョロいのか……悩むところだね。

 

しかも、ハグリッドは違法らしいのに、ドラゴンを飼おうとしてるらしい。ドラゴンがどのくらい強いのか分からないけど、大きくなるのは確実。

数百人以上が暮らしてる城の隣なのに、ハグリッドが暮らすのもギリギリな大きさの小屋で、どうやって隠しきるつもりなんだろう。なんにせよ、卵が孵らなければ良い話というか、ドラゴンだからって卵を火の中に放り込んでてダメになるだろうから、気にしないで良いだろうね。

 

 

そんな事を考えたのがフラグだったのか、なんか普通に孵りそうになってるらしい。火の中で孵るって、体温とか凄そう。

授業をサボるとかサボらないとかで、言い争いになってたら、マルフォイに聞かれてたらしい。

というか、違法な事をするならバレない体制を整えないとダメなのに、やっぱりハグリッドはポンコツ。バレなきゃ犯罪じゃないのですよ!

 

授業の後、ちょうど良いタイミングでドラゴンが産まれるのを見学した。ちっちゃくて可愛いけど、育ったらカッコいい感じになりそう。見た感じ魔力は身体とかの維持に必要な分しか無いから、ファンタジーなドラゴンというより、火を吐けて空を飛べる、すごく大きいトカゲくらいの強さっぽい。

意味不明な威力のブレスを吐いたり、明らかにおかしい膂力があったりしないみたいだから、浪漫はそこまで詰まってないね。ドラゴンといえば浪漫の象徴なのに、ちょっと残念。まぁ、あんまり強くても色々と困るんだけど。

 

 

次の週からは、マルフォイが不自然に笑いまくってた。通報しないって事は、アレをネタにして脅すつもりなのかな?なんかしょうもないミスをして、ミステリーとか笑い話とかの題材になりそうな気がするけど。

 

三人はハグリッドの小屋によく行ってるけど、私は危ないからノータッチ。刷り込みとかの習性は無さそうな感じで大暴れしてて、案の定ロンが噛まれて医務室送りになった。そんな状態でも、ロンの兄の1人がドラゴンの専門家らしくて、引き取ってもらえるらしい。

問題として、マルフォイにドラゴン引き渡し計画が完全にバレたらしい。ロンがお兄さんからの手紙をマルフォイに渡しちゃったんだって。アホ過ぎるよ。ポンコツ2号だよ。やましい手紙は、燃やしたりしないとダメなの、分かってなかったの?

 

 

ドラゴン受け渡し計画は、マルフォイっていう不安はあるけど、ハリー、ハーマイオニー、私の三人が実行する事になった。時間が時間だから、少し眠い。それでも、頑張って式神を使って少しでも軽くしてたけど、成長したドラゴンは重かった。

運んでる途中で、マルフォイが先生に捕まってるのを見たけど、何がしたかったのか分からなかったね。他の人にバラした訳でも無いし、1人じゃ3人同時に相手にして勝てる訳も無いし。本当に謎だ。捕まった時に言い訳に言ってたけど、普通に考えたら誰も信じてくれないって分かるだろうに……。

 

ただ、無事に受け渡しが終わったと思ったら、ハリーとハーマイオニーが深夜テンションでハイになったのか、透明マントとかいうけっこう便利な物も使わずに走りだした。

 

「ちょっと待ってよ!マント忘れてる!」

 

そう小声で叫ぶような、自分でもよく分からない感じで言いつつ慌てて追いかけて、なんとかハーマイオニーはマントの中に確保したけど、手すりを滑り降りたせいであっという間に見えなくなったハリーは、何処から出てきたのか分からないフィルチさんにアッサリ確保されて、マグゴナガル先生の部屋に連行されて行っちゃった。

ポンコツ、これで3号だね。いや、マルフォイも入れると4号か。……男の子ってポンコツしか居ないの?アホばっかなの?

 

「ああ、ミユキ、どうしましょう?ハリーがフィルチに捕まったわ!」

 

「……私たちまで捕まったら、もっと大変。仕方ないし、一旦寮に帰ろう。この学校、現行犯でしか罰則とかは無いから、寮の中に入ればとりあえず安全だよ。しばらく待っても戻って来なかったら、きっと朝までお説教からの罰則のフルコースになってるから、先に寝よう。無駄に徹夜する必要も無いし、明日以降、ハリーをフォローするにも、私たちが疲れてたら上手くいかないよ」

 

 

〜ハリーside〜

 

困った事になった。2人は見つからなかったみたいだけど、まさかここでフィルチに捕まるなんて。どう切り抜ければ良いのか分からない。2人が助けてくれる事も考えたけど、既に捕まっているから逃げても明日追いかけられるだろうし、逆の立場でもどうすれば助けられるのか、まったく思いつかない。僕だけだったのが救いだと思うしかないか?

 

そう考えていたら、マクゴナガル先生はネビルまで連れて現れた。

 

「ハリー!探してたんだよ。注意しろって言ってたんだ。あいつ言ってたんだ、君がドラゴ……」

 

慌てて黙らせたけど、無駄だった。2人の事は言わなかったからバレてないだろうけど……

 

 

そこからは、マクゴナガル先生に叱られた挙句、ネビルと合わせて100点も減点されてしまった。これでグリフィンドールは3位まで落ちてしまった事になる。明日からどうしよう?

 

寮になんとか帰ると、無事だった2人が談話室で待っていた。

 

「ハリー!おかえり!……あれ?ネビル?なんで外から?」

 

ミユキが困惑していて、ハーマイオニーも声には出していないけど同じだ。

でも、ネビルは泣いていて反応しないまま、部屋に上がっていった。ショックでそれどころじゃ無いんだろう。

 

「2人とも……マズイ事になった。ネビルも僕にマルフォイの事を知らせようとして先生に捕まった。1人50点、全部で100点も減点された」

 

「そんな!」

 

「え?それだけ?」

 

ハーマイオニーは悲痛な顔をしたけど、ミユキは拍子抜けした顔をしていた。それを見ると、怒りが湧いてきた。こんな事になったのに、それだけってどういう事だ!って。でも、それよりも疲れが大きくて、すぐにその怒りもどうでも良くなった。

 

「……疲れたし、明日から大変だろうから、僕はもう休むよ。残りの説明もロンと一緒の時にする。2人も早く休んだ方が良いよ」

 

そう言って2人を残したまま部屋に行ったけれど、結局眠る事は出来なかった。




変更点
深雪さん、ハーマイオニーだけはなんとか救う事に成功。ロンだけでなく、ハリーとも友情が原作よりも浅くなる要素の一つ。喧嘩しなかったため、さほどの影響は無い。この状況で「どうして助けてくれなかったんだ」とか言い出したら、友情崩壊級の大惨事になる展開しか思いつかないから、穏便に済ます方向で。
ハリーたちよ、おまいらにハーマイオニーはやらん!(何様)
原作者が、ハーマイオニーはハリーメインではあったけど、ハリーかクラムのどっちかとくっつくのを想定してたって言ってたらしい(どっかのネット情報だから、合ってるかは知らん)し、多分問題無いよね?むしろ、ロンがハーマイオニーとくっ付くように要求されてたせいで、困ってロンを殺そうか迷ったくらいらしいし。
ハーマイオニー救済の結果として、最下位じゃなくて3位まで減点が軽減されたグリフィンドール。点数の計算は、最後の得点シーンでの点数差から判断。

ハリーは深雪の「それだけ」発言にイラッとしたけど、大幅減点の精神ダメージが大き過ぎて怒る気もしなかった感じです。
深雪さんがそれだけ?って思った理由。「年度末の宴会のカラーリングくらいにしか影響の無いらしい、よく分からない点が取られただけ。そもそも、なんか先生たちは少しずつだけどポンポンくれるから、そんなに気にするようなものでも無いんじゃないか?ハリー自身も、クィディッチで減点以上に稼いでるわけだし、そもそもフレッジョ兄弟とか、魔法薬の授業の時とか、いろんなとこでみんなが日常的に減点されまくってる」
作者は学園祭とかの存在意義をイマイチ理解出来ないくらい、学校イベントが苦手なので、どうしてもこの手の学校のみんなで〜的なものはこんな解釈になります。

深雪さん、ハリー視点になってるところで、ネビルの事を「ポンコツ5号」と思ったけど、元からポンコツだったのを思い出して、「ポンコツ元帥」とかそんな感じの扱いに昇格(降格?)した模様。
ポンコツ元帥と配下のポンコツ四天王とか、そんな感じのメンバーを作れそうな勢いです。

あと、みなさんも手すりを滑り降りるのはやめた方が良いですよ。昔の先生が、知り合いの子供(♂)が手すりを滑り降りた時に、止まれずに手すりの一番下にあった、飾りのライオンに股間を強打して、片方潰れたとかいう話をしてました。白目向いて泡吹きながら、股間が赤く染まってたそうで。悲惨な事故ですよね。


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