弧月を握った少年 (ハヤヲ)
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どうも、ハヤヲです。

弧月を握った少年(仮)から設定を弄ったりしたやつです。

二年前とかにするとメンバーが揃ってなかったりして大変だったので殆どの揃ってから入隊させた感じです。


プロフィール

 

峯内 閃(みねうち せん)

 

 

年齢:17歳(高校二年生)

誕生日:四月二十五日

身長:174㎝

血液型:A型

星座:ねこ座

職業:高校生

好きなもの:甘いもの・ゲーム・ランク戦

嫌いなもの:仲間が馬鹿にされること

家族:父 母 妹

 

 

B級ソロ

ポジション→アタッカー

 

 

TRIGGER

 

メイントリガー

弧月 旋空 シールド FREE

サブトリガー

グラスホッパー FREE シールド バックワーム

 

 

パラメーター

 

トリオン→7

攻撃 →9

防御・援護→8

機動 →9

技術 →8

射程 →2

指揮 →2

特殊戦術→5

 

 

トータル→50

 

 

師匠→太刀川

同期→黒江

 

 

大規模進行から三年後に親の都合で三門市に引っ越してくる。その際出水と米屋が同じクラスになり誘われて入隊。

昔から木刀を振ってゲームやアニメ等のキャラの剣術を模倣してるうちに我流の剣術も身につける。その為、相手の動きを真似たりすることは得意。

 

 

仮入隊時に出水と模擬戦をやるために太刀川隊の隊室にいくと急にアタッカーランク1位にして個人総合1位の太刀川と戦うことになる。そこで閃を認め弟子にした。

そこからは毎日のように出水・太刀川・米屋の三人を相手に戦い。正式入隊式では3800ポイントスタートとなる。

 

太刀川たち戦闘狂に毒されB級に上がるまでには立派な戦闘狂になる。

 

 

戦闘スタイル:弧月1本の片手持ち。グラスホッパーをいれているが長距離移動や非常時以外滅多に使わない。

戦闘中基本感情豊かだが集中力が上がると静になりゾーンのような状態に入ることがある。その状態の閃は、出水・米屋に勝ち越し太刀川には負けたものの5本勝負で2本とるほどのものである。三人はサイドエフェクトの線を疑ったが本人は殆どの覚えておらず詳細は不明。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

某日

 

 

 

ソロランク戦をやるため本部に来ていた閃は

ブースの前でブラブラしているとそこに、

 

「よう、閃。」

 

と、実力派エリートの迅 悠一が現れる。

迅 悠一とは、ボーダーで数少ないS級隊員の一人で

暗躍を趣味としている。関わるとろくなことに合わないので苦手な相手だ。もちろん、先輩として尊敬はしてはいるが…。

あのすぐセクハラする癖はどうにかして欲しい。

そろそろ被害にあってる人が可哀想だから

通報してやろうか、と本気で考えている。

 

すると、

 

「おいおい、酷いこと考えるなよ。」

 

苦笑いの迅さんがこっちを見てくる。

いや、仕方ないだろ。あれは。

てか、思考を読まないで欲しい。

 

「で、何の用ですか迅さん?」

 

そろそろ本題に入って欲しい。

ソロランク戦ができない。

 

「いや~、今日の防衛任務のことなんだけどさ

風間さんたちが急用で出れないから俺が変わりに入ることになったからその報告しに来たんだよ。」

 

「そうだったんですか。わざわざすみません。」

 

そうペコリと頭を下げると、

 

「別にいいさ。それに話したいこともあるからさ。

丁度良かったんだよ。」

 

ん?話?嫌な予感しかしない…。

 

「お前、ウチ来ない?」

 

 

………は?

 

 




設定は色々変わりましたが
大まかなストーリーは変わりません。

とりあえず主人公(個人)が強いだけです。

更新は不定期です。速いときははやい。
遅いときは遅いです。


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入隊編
峯内 閃①


どうも、ハヤヲです、

テスト期間で大変でした。
もうしわけないです。

トリガーの説明とか省いたりしちゃってますけど
ちゃんと後でできたらいいなとか考えてます。

それでは、どうぞ


ある日.....

 

三門市に異世界との門《ゲート》が開いた。

 

それは、近界民《ネイバー》と言われる

異世界からの侵略者だ。

 

多くの死者と行方不明者が出ており、街は壊滅も時間の問題だと思われていた。だが、突如現れた一団が近界民を撃退し、

 

「こいつらのことは任せて欲しい。」

 

こうして街は守られた。

その組織の名前は…

 

界境防衛機関

《ボーダー》

 

 

ーーーーーー

 

 

 

三年後.....

 

 

親の都合で引っ越してきたこの三門市には、近界民と呼ばれる異世界からの怪物がよく現る。だが、驚くほどに街の人口は減らず今も平然と暮らしている。理由はその怪物、近界民(ネイバー)と戦う組織が守ってくれるからだ。

 

 

(さーて、さてさて、ここが今日から通う高校か。)

 

 

親の都合とはいえ、四月の中旬でクラスでグループが結成される時期に転校とは運がない。前の学校で少なからず仲良くなれたやつとも離れる事になり、今からいくクラスでももうグループができているだろうから入れてもらうのも至難の技。

 

 

(まあ、別に一人でも楽だから良いけどな。変に関わって面倒事が増えても嫌だし。)

 

などと考えていると、職員室の前についた。ノックをして入り適当な先生に話をつけ応接室へと案内され待つように言われる。すると、ひとりの女性教諭が入ってきた。

 

「担任の三好です。よろしくね」

 

「峯内 閃です。よろしくお願いします。」

 

お互い挨拶を交わし必要事項と書類の確認等をして、それが終わるとクラスのほうに案内された。

 

「じゃあ、ここで声掛けるまで待っててね?」

 

そういうと担任は中に入り、SHRが始まり転校生がいることを告げ、ざわざわした少しあとに呼ばれた。

 

(さて、いきましょーかね。)

 

ガラッガラッ

 

……うーん。何度か転校はしたけどやっぱこの空気は慣れないなー。

 

「初めまして。峯内 閃です。親の都合でこっちに引っ越してきました。これからよろしくお願いします。」

 

良い終えると拍手され、担任に自分の席を教えてもらい、座るとSHRの続きが始まった。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

SHRが終わり荷物の整理をしてると二人の男子に声をかけられる。

 

「よお、珍しいなこんな時期に転校なんて」

 

「確かにな~この街を出ていくことはあっても、来るってのはホントに珍しいしな~

 

あ、俺は米屋陽介な。陽介でいいぞ。んでこっちが……」

 

「出水公平だ。好きに呼んでくれ、とりあえずよろしくな!」

 

 

なんと!もうお友達?が二人もできたぞ。まあ、最初だから気を遣ってくれてるのか。

 

「俺のことは閃でいいよ。よろしく。」

 

「いきなりであれなんだけど、閃って何か武道とかやってた?」

 

・・・・・ん?ほんと唐突だな。

 

「いや?やってないけど。なんで?」

 

「なんか、普通の奴とオーラが違うってか、歩くとき重心がぶれないからよ。」

 

「確かに強者って感じだよな~。」

 

別に、強者ではない。と心の中でツッコンでおく。昔ゲームやアニメなどのキャラに憧れて、木刀を振り回してたけど恥ずかしくてそんなこと言えない。

 

「気のせいなんじゃにゃい?」

 

「「は?」」

 

・・・・おっと、噛んでしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

最初に話しかけてくれた二人は昼休みにも誘ってくれた。

 

 

「閃~飯食おうぜ~」

 

「ついでにこの街の事も教えてやんよ」

 

といいながら俺の席を中心に机をくっつけて陣取ると弁当を拡げ食べ始める。この二人は親切に学校の事や街の何処に何があるなど教えてくれた。

そこで、他の街とは違う教室の窓から見える大きな建物についての話になる。

 

「あの建物がボーダーの基地か?」

 

「そうそう、ボーダー本部。」

 

「なんだ?閃、興味あんのか?」

 

しばらく頬杖をついてボーッとボーダー基地を眺めていると出水がサンドウィッチをくわえながら聞いてきた。

 

「まあな、あそこでいろんな人が戦ってるのに俺は何もせずに守られているだけ。それが少し恥ずかしいし許せない気持ちもある。」

 

この街に住んでいなかったしボーダー基地から遠いという理由で目をそらしてきたが今はもうそんな言い訳は通じない。それにもしネイバーが攻めてきて家族が危険に晒された時に助けられないのは嫌だし、何より自分が無力なのが我慢ならない……。

 

少し沈んだ表情で考え事をしてると出水たちが不思議に思ったのか声をかけてきてそれにハッとする。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「……すまん。考え事をしていた。」

 

「それは良いんだけどよ……お前守られるのは嫌なの?」

 

「……ああ。自分が無力なのは許せないし、いざってときに家族を助けられないのは嫌だな。」

 

 

「そっか。なら閃、お前さボーダーに入らね?」

 

一瞬ポカンとしてた俺を置いて陽介も賛同してきた。

 

「お!それ良いじゃん!」

 

なぜいきなり俺がボーダーに入ると言う話になるんだ?

 

「確かに無力なのは嫌だがそんないきなり…」

 

「大丈夫だって俺達がいるし、色々教えてやるからよ。」

 

「教えるって…二人ともボーダーなのか?」

 

「「おう!」」

 

 

…………マジか。

 

ーーーーーーー

 

午後の授業は殆ど考え事をしていてきいていなかった。まさかあの二人がボーダーだったとはな……。

人は見かけによらず、だな。

 

「おーい!閃、一日目お疲れ~。じゃ、行こうぜ!」

 

 

「あ、陽介サンキュ。で何処にいくんだ?」

 

 

「決まってるだろボーダー本部だよ。入るんだろ?」

 

うん。確かに昼休みの時にそんな話したけどさ、いきなりで大丈夫なのか?

 

「それなら心配ないぜ~上の人には話通ってるからさ」

 

仕事速くない?それに心読まないで。

 

「まあそこまでしてくれたのに行かないわけには行かないよな。」

 

「出水~俺先いってるわ。」

 

「おう、後でな」

 

そういうと陽介は走って去ってしまった。残された俺達二人は歩きながら雑談をしてボーダー本部までゆっくり向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

ーーボーダー本部ーー

 

基地に入ってからしばらく歩いている。何処もにたような道で慣れないとすぐに迷いそうだな。

 

「さ、ここが本部長室だよ」

 

「……え、いきなりそんなお偉いさんと会わなきゃいえないの?」

 

「まあ普通はありえねーけど、今回は特別だな」

 

え?なに?何か特別扱いされることしたっけ?とりあえず失礼のないようにしないとな。

 

本部長室と書いてある部屋に入ると先ほど別れた陽介と知らない女性、あとはテレビで見たことのある忍田本部長がいた。すると、陽介がこちらに気づき…

 

「お、キタキタ」

 

「失礼します。忍田さん連れてきましたよ」

 

「ああ、すまない。君が峯内 閃君だね?」

 

「はい。そうです。」

 

「そうか…君が迅の言ってた……」

 

「ジン?誰ですか?」

 

ジンって誰?そんな人知り合いにいないんだけど。

 

「いや、こちらの話だ。それで出水たちに聞いたが君はボーダーに入りたいのか?」

 

あれー?入りたいなんて言ったっけ?

てか、俺の知らないとこで話が進んでるんだが……

 

 

「本来なら正規の手続きをしてからじゃないと入れないんだが今回は特別に入隊を許可しよう。

正式な入隊は入隊式のあと己の力でB級に上がってもらうが君なら問題ないだろう。」

 

もう話が進みすぎてついていけない。とりあえず俺はボーダーに入って入隊式のあと自力でB級に上がれと。これだけわかればいいかな?

 

「それじゃあトリガー等の説明は沢村君に頼んであるから彼女に聞いてくれ。」

 

じゃあ頼むと言った後忍田さんは奥に行き書類等に目を通し始めた。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

「沢村 響子です。よろしくね。こっちに来て色々説明してあげるから。」

 

そして沢村先生による授業が始まった。カエリタイ。

 

 

 

 

「まず、トリオンについて説明していくね?トリオンとは、未知の動力を生み出す生体エネルギーのこと。そして、人類にはそのトリオンを保持するトリオン器官があるの。トリオン器官で作られたトリオンを使って……」

 

と、長々と説明されたが俺にはさっぱりなので適当に受け流した。

 

「次に戦闘員が戦うときに使う各種のトリガーについてね。まず攻撃手と呼ばれるアタッカーのトリガーから、攻撃手の主な武器は三つ、一つ目は万能型トリガー弧月。これはボーダーで最初に作られたトリガーで人気もナンバーワン。基本性能もしっかりしてて傑作のトリガーなの。」

 

「二つ目はスコーピオン。型にはまらない変則型のブレード。出し入れ自由な上に重さもあまりない。耐久力は低いし、伸ばしたぶんだけ脆くなるけど攻撃が多彩になるし奇襲などしやすい優れたものよ。」

 

ほうほう、便利ですな。

 

「最後がレイガストといって……」

 

*****

 

「以上が主なトリガーよ。何か質問はある?」

 

「いいえ、特にないです。」

 

後半殆ど聞いてなかったしな~はっはっは。

 

「おい、閃お前聞いてなかったろ。」

 

出水が何か言っていたが俺は知らん顔で無視をする。

 

「じゃメインにする武器を決めましょうか。何か使ってみたいトリガーはあった?」

 

それなら一つだけだな。

 

「弧月ですね。」

 

木刀振ってたしな。他のトリガーも確かに使ってみたい気もするけど、正隊員になってから使えば良いや。

 

「そんな直ぐ決めちゃっていいの?」

 

「ええ、まあ確かに他のも魅力的ですがまたの機会にします。」

 

「そう?じゃあトリガーを弧月でセットしちゃうわね。」

 

拳銃持たずに弾丸ぶっぱなすとか曲がる弾とか憧れるけどなー。やっぱ剣一つってところにまた違うロマンが……

 

など脳内で語っている俺を置いて忍田さんが出水と話していた。

 

「出水、今隊室に慶と国近はいるか?」

 

「はい。二人ともいると思いますよ。」

 

「なら太刀川隊で面倒みてやってくれ。トリガーの使い方とか慣れる時間が必要だと思うからな。」

 

「了解です。じゃあ早速連れていきますね」

 

まだ脳内で剣の良さを語っている俺を出水が声をかけてくる。せっかく良いところだったのに邪魔しやがって。

そうして俺と出水と陽介は忍田さんと沢村さんに挨拶をいって本部長室を後にした。

 

てか、陽介いたんですね?静かだったから忘れてたわ。

 

ーーーーーー

 

ーー太刀川隊室前ーー

 

先ほど空気だった米屋はランク戦してくるーと走ってどっかにいってしまった。

 

「ちーす!柚宇さんいるー?」

 

中に入ると笑いながらコントローラーを握る女性と、焦った表情をしながらコントローラーを握る男性がいた。

どうやらゲームで勝負をしていたようで勝敗は火を見るより明らかだった。

 

 

「いえーい!また私の勝ち~!」

 

「クッソー!また負けた~。」

 

隊室でゲームなんかしてていいんですかね?

 

「じゃあ紹介するわ。勝って嬉しそうにしているのがウチのオペレーターの国近 柚宇さん。

 

そんでそこで悔しそうにしてるのが俺らの隊長にしてボーダーNo.1アタッカーの太刀川 慶さん。」

 

いきなりボーダーで一番強い人に会えちゃうのかよ。それに国近さん?だっけ?めっちゃ可愛いんだけど!レベル高くない?てか、まだ俺らに気付いてない。

 

「ん?出水かその隣のやつは誰だ?」

 

「こいつは峯内 閃。今日から特別に仮入隊扱いでボーダーに入ったやつです。その面倒をウチの隊でみろって忍田さんに言われたんで連れてきました。」

 

「ほお、忍田さんがね。で?何するんだ?模擬戦?」

 

「まあ、そっすね。とりあえずどのくらい動けるか見ましょうか?」

 

「柚宇さんお願いします」

 

はいよ~と間の延びた返事をしながらパソコンの前に座りカタカタし始める。

 

「出水?とりあえず俺はどうすれば?」

 

ホントに何すればいいかわからないわ。

 

「ん?太刀川さんと戦ってみろって。ウチで弧月使うの太刀川さんしかいないし。」

 

「いきなりNo.1とやって勝てるわけないだろ!」

 

「まあまあ太刀川さんも弧月1本だけだし頑張れってw」

 

なんかムカつく……。まあやれるだけやるけどさ。

 

ーー訓練室ーー

 

 

『とやあえず仮想戦闘モードで5本勝負にしたよ~』

 

「サンキュー国近。じゃあやろうか。本気で来いよ俺も本気でいくからなー」

 

え?No.1もいきなり本気ですか?様子見とかないわけ?

とりあえずはじめての戦闘だし、斬られたりしても死んだりもしない。1本だけでも取れるように頑張ろう。

 

「お願いします。」

 

『それじゃあいくよ~バトルスタート~!』

 

「「トリガー・オン!!」」

 

 

 

 

 

 

 




次回太刀川さんとの戦いです!

ですがバトルシーンはほぼないとおもいます!
ごめんなさい!

あと米屋よ空気にしてごめん。


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峯内 閃②

どうも、ハヤヲです。

お待たせしました。
キャラかおかしかったりするかもしれませんが、作者の技量不足です。申し訳ないです。

最近SAOHRが全然できなくてやりたくなる今日この頃。


ではどうぞ!


「ハァ…ハァ…。」

 

模擬戦を終えた閃はトリオン体で疲れることはないが精神的な疲れを経て肩で息をしていた。結果は完敗。しかも殆ど相手を動かすことができなかった。勝てるとは思っていなかったが最後の1本くらいは相討ちにでも持ち込もうとしたがそれすら届かなかった……。

 

 

「いや~お前強いな。いきなり1本取られるかと思ったぞ。」

 

「動きは初心者にしてはいい方でしたね」

 

「確かに弧月だけならB級中位の実力はありそうだね~」

 

自分が強いなんて思い上がったことはないが、それでも昔から木刀を振って独学だけど剣道もやって稽古もしてきた。だけど歯が立たなかった。負けるのはやっぱり悔しいし、勝ちたい。

 

「……ハァ…。お世辞はいいですよ。殆ど動かすことも出来ませんでしたし力の差は歴然です。」

 

そう、わかってしまった。たった一太刀合わせただけで経験の差、実力の差がわかった。

 

「そんなことねーよ閃だっていい動きしてた。剣を握ってたときの型があって初心者とは思わないくらいの洗礼された動きだったぜ?」

 

出水は座って飲み物を飲んでる俺の肩に手を乗せる。

 

「それにしても峯内君……」

 

「閃でいいですよ」

 

「そう?じゃあ…閃君のあの動きはちょっと変わってるよね?なんかゲームのキャラとか見てるみたいだったな」

 

「国近さんは…「私も柚宇でいいよ~」あ、はい。」

 

返されてしまった。なんかにんまりしてて可愛いし。

 

「ゆ…柚宇さんはゲームとか好きなんですか?」

 

「うん!なにもない日はずっとゲームしてるよ~」

 

マジか。まさか某MMOもやったことあるのかな?

好きと言うだけあって棚にはいろんなゲームがあるし。

すると太刀川さんが近づいてきて出水と少し話すと俺に向かって

 

 

「実力はだいたいわかった。お前、俺の弟子になるか?そうすれば鍛えてやるがどうだ?」

 

「お、やったじゃん閃。太刀川さんに認めてもらったぜ?これでさらに速くB級に上がれるようになるぜ」

 

確かに呑気な人に見えるけど剣の腕はすごいし戦ってるだけでも勉強になるし、教えてもらえるなら強い人の方がいい。なら答えは……

 

「はい。お願いします。」

 

 

 

ーーーーーーー

 

あのあと出水とも模擬戦をやったが蜂の巣にされた。曲がる弾とかもうチートに近い。

話によると今回は変化弾(バイパー)と言われるトリガーで弾道を自由に設定できるが動きながらリアルタイムで弾道を引くことは相当難しいらしい。現在のボーダーでも数が少ないという。

 

 

「曲がる弾とか反則だろ~」

 

俺は椅子にぐでぇ~っとうなだれながら出水に文句を言った。

 

「最初は二パターンくらいしか使わないつもりだったんだけどな~。割りとお前の突っ込みが激しくて余裕がなくなっちまったw」

 

確かに最初は単純に分割されたキューブが同じ方向に曲がるか均等に左右に別れるだけだったが、途中から自由自在に曲がって避けきれなくなった。しかも近づけない。

 

「次は1本とってやる…。」

 

睨みながら出水に呟きかけると笑いながら怖いね~wと流された。絶対一泡ふかせてやる。

 

 

「じゃあ俺たちこれから防衛任務だからまた明日な」

 

防衛任務とはB級以上の隊員たちが交代で門からくるネイバーを倒して市民を守るものである。

さっき知ったんだけど太刀川隊ってA級でしかも一位なのね……。

 

「そうですか。太刀川さん、柚宇さん、今日はありがとうございました!出水もありがとな。ではまた明日。」

 

 

三人に挨拶をして隊室からでるとき後ろから「おう、また明日」、「じゃあね~」、「またな~」と返事が聞こえて最後にもう一度お辞儀をして部屋を出た。

 

ーーーーーーー

 

本部からの帰り道、妹から醤油を買ってきてと連絡があったのでスーパーによってから家に帰った。

 

 

「ただいま~」

 

玄関を開けてなかに入りながら帰宅を告げるとリビングの方からおかえりと聞こえてくるその声の主は中学二年生の妹の声だ。まず先に買ってきた醤油を渡し、夕飯ができたら呼んでくれと言い自分の部屋に向かった。

転入初日のはずなのにクラスで二人も友達ができ、更にボーダーにも入るという非常に濃い一日を過ごした事をベットに横になってから実感する。

 

「ハァ~~、疲れた……。」

 

とりあえず明日から本格的に鍛えて、今日はもうゆっくり休もう。

 

 

ーーーーーーー

 

 

ーー翌日ーー

 

 

学校を終え、今日は一人でボーダー本部に向かった。

昨日家族にボーダーに入った事を伝えた。最初は反対されるかと思ったが、理由をきちんと話したら両親は許してくれた。妹は最後まで渋っていた。説得していて終いには泣いてきたのには驚いた。

でも俺の事をそこまで思ってくれてたことは嬉しかったし、だからこそこの街では家族を守れる力が欲しいからと言ったら泣きながら折れてくれた。

 

 

「今度何か買ってあげるかな……」

 

本部について太刀川隊の隊室に行く途中に見知った女性が前を歩いていたので声をかける。

 

「柚宇さんこんにちはー」

 

まあボーダーで知ってる女性なんて二人くらいしか知らんけどな。

 

「あ、閃くんやっほ~」

 

「これから作戦室ですか?」

 

これは昨日聞いたが隊室って言うより作戦室らしい。あまり変わんないけどそう呼ぶ人が多いようだ。

 

「そうだよ~閃くんもでしょ?なら一緒にいこ」

 

「はい。もちろん」

 

「それと今日は太刀川さんが上層部に呼ばれてて少し遅くなるからトリオン兵と戦ってみる?」

 

「いや一応出水と約束してるのでまた次の機会に。それに後で陽介もくるみたいなのであの二人と模擬戦します」

 

「おっけ~!じゃあ着いたら準備するね」

 

 

太刀川隊の作戦室にいくと出水が既に準備を終えていてすぐ模擬戦を今日は10本勝負でやった。

 

 

 

結果は0-10で相変わらず勝てないがなんとなくコツを掴んで攻撃が当たるようにはなってきた。一度ルームからでると陽介もきていた。

 

「よお閃~いい動きしてんじゃん。」

 

といい早速やろうと言われてまたルームを作ってもらい移動する。

 

「とりあえず弧月1本でいくんだよな?」

 

「ああ。とにかく全力で頼む。」

 

「お?強気だね~!もちろん手を抜く気はねーよ!さあこい!」

 

 

ーーーー

 

10本勝負の結果は2-8。

陽介は普通の弧月とは少し違う槍タイプだった。

間合いの感覚に慣れるのに少し手間取ったが何とか二本は取れた。

 

「マジかいきなり2本もとられたぞ!」

 

「曲がる弾よりは間合いがわかりやすいからな1本くらいとらないとそろそろ負け続けは嫌だし」

 

「閃、最初の1本目取ったとき太刀川さんの動き真似たのか?」

 

そう。昨日、模擬戦の時に太刀川さんを動かすことは出てなかったが俺の太刀筋を捌いてカウンターで止めを刺してきていたとだ。それを真似したのだ。

 

 

「一回見ただけで真似ができるのはすげーや」

 

「確かにすごいね~」

 

その後は太刀川さんが戻ってくるまで模擬戦に明け暮れようとしたが柚宇さんにゲームやろうと誘われたので時間潰しにやることにしたのだが……

 

 

 

 

 

 

 

「柚宇さん中々やりますね!」

 

「閃くんもいい腕してるよ~!」

 

 

デットヒートしてしまっていた。

 

結局遅くまでゲームをして太刀川さんとは模擬戦をやらないで帰ることになった。

 

「すみません結構熱くなっちゃってこんな時間まで…」

 

待っててくれた太刀川さんに謝る。

 

「国近は俺たち相手だと少し物足りないと思うから丁度よかったよ」

 

と笑いながら許してくれたが明日からはちゃんとやろう。まさかあそこまで柚宇さんがゲームマニアだとは思わなかったな。久々に楽しかった。

 

「柚宇さん今日はありがとうございます。またやりましょう!」

 

「いえいえ~またやろーね~!」

 

「それじゃ出水と陽介もありがとな。太刀川さんもまた来ます。」

 

 

「「「おう、またな」」」

 

それを聞き届けてから作戦室をでて帰路についた。

あと一週間で入隊式、すぐB級に上がれるようにスタイルをモノにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!

戦闘シーンは入隊式から少しずつ書いていこうと思います。

感想、誤字、脱字等があれば教えてください!


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入隊式

どうも、ハヤヲです。

今回は入隊式です。
戦闘シーンは難しいですね
伝わりにくかったらすみません。



それではどうぞ!


ーー入隊式前日ーー

 

あれから沢山模擬戦をしてきた。出水と陽介に勝ちこすことはできなかったが、それでも成長した方だとは思う。太刀川さんには相変わらず1本もとれないけど…。本当にバケモンだよ。

今日の訓練が終わると、明日の入隊式について少し説明を受けてから帰宅した。

 

 

****

 

「お兄ちゃん明日入隊式でしょ?頑張ってね!」

 

両親は共働きでいつも夜遅く帰ってくるので、現在は妹と夕飯を一緒に作り食べている。今日の夕飯はシンプルな和食だ、焼き魚にごはんに味噌汁に漬け物。たまにこういうシンプルな日本料理を食べたくなるものだ。

 

「うん。ありがと、頑張るよ」

 

しばらくして食べ終わると二人でごちそうさまをして、食器を片付けている。基本的に調理は妹に任せっきりなので片付けは俺がやるようにしてる。

 

「洗い物はやっておくから先風呂入ってこいよ」

 

「そう?じゃあ先もらうね!」

 

さて、片付けちゃいますか……

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ーー入隊式一時間前ーー

 

仮入隊した期間は長くはなかったがそれでもすごい時間が過ぎた気がする。最初は皆に歯がたたなかったけど今じゃそれなりに戦えるし同じ入隊者たちには簡単には負けないだろう。逆に負けたら師匠たちに会わす顔がない。油断せずに取り掛かろう。

 

 

 

 

 

 

*****

 

ボーダー大広間

 

現在入隊式が始まり忍田さんの挨拶が終わりよくテレビに出ている五人が舞台上にでてきた。忍田さんが話の最後に「君たちと共に戦える日待っている!」といいそして舞台袖に下がるとき俺に気づいて微笑んでくれた。

内心で頑張りますと呟き、次の進行役の人たちに目を向けた。

 

「みんな!入隊おめでとう!今日進行役を務めるのは嵐山隊だ!よろしく!」

 

と爽やかな笑顔で出てきた。

嵐山 准。A級五位の嵐山隊隊長、そして広報の仕事もしていてテレビや雑誌によく出ているイケメンだ。舞台に上がっただけで女子たちが騒ぐほどのイケメンさである。

ただし、嵐山隊は一部では宣伝用に顔で選ばれたマスコットチームとも裏で言われている。

 

 

「みんなにはどうやったらB級に上がれるかから説明していこうと思う!まず左手の甲を見てくれ」

 

すると各自左手に書かれた数字を見る。

俺はっと……3800ポイントか。

 

「君たちが今起動したトリガーホルダーには各自に選んだ戦闘用トリガーが一つだけはいってる。その数字は……君たちがそのトリガーをどれだけ使いこなせているかを示す数字だ。」

 

「その数字を4000まであげること、これがB級昇格の条件だ!」

 

え?あと200ポイントでB級じゃないですか…。

 

「そしてほとんどの人が1000ポイントスタートだが、仮入隊していて素質が認められている者にはポイントが上乗せされている!」

 

あーなるほど。それでこんなポイントなのね

 

「それだけ即戦力として期待もされてるからそのつもりで励んでくれ!

 

そしてポイントを上げる方法は二つ。週二回ある合同訓練でいい結果を残すか、ランク戦でポイントを奪い合うかだ。

じゃあ次は訓練を体験してもらうから攻撃手と銃手は俺と時枝、木虎に、狙撃手は佐鳥に別れて各自付いていってくれ!」

 

それぞれ別れアタッカーの俺は訓練室に連れてこられた。

 

 

「さあ、着いたぞ。これが対近界民戦闘訓練だ。仮想戦闘モードの部屋の中でボーダーの集積データから再現された近界民と戦う訓練だ」

 

いきなり戦闘訓練と聞いてざわめく。これで大体ボーダーに向いてるか分かるらしい。1分切れたらまあまあだと出水たちが言ってた。

 

「今回、君達が体験するのは初心者レベルの大型近界民だ。攻撃力はないがその分硬いぞ。制限時間は5分だ。それじゃあ初めてくれ」

 

 

そして順番に中に入っていく。

 

 

****

 

俺は自分の順番を待ちつつ他のやつらの訓練をみている。

一人は突撃銃タイプの銃手。記録は2分23秒。次はスコーピオン、記録1分45秒。と中々1分きるやつがいない。

そのあとも何人か見ていると背の低い小学生くらいの女の子が2号室に入っていった。あんな小さい子がまともに動けるのか?と思っていると開始された。

 

 

『記録、11秒!!』

 

 

!?……11秒なんてぶっちぎりの一番じゃないか、それに動きも悪くなかった。同じ弧月使いの中でも圧倒的に一番いい動きをしていた。

 

……決めた。

 

そして少女がでてくると嵐山さんが近づいて…

 

「君!すごいじゃないか!初めてであの動きは中々できないぞ!」

 

周りの連中もすごい!やどうやったの?など少女を囲み始めた。

 

****

 

 

そのころ上ではある隊が見に来ていた。

 

「うおっ!?11秒!今回もきたな大物新人が!」

 

そこにはB級隊員、諏訪隊隊長の諏訪 洸太郎と同じ諏訪隊の堤 大地が見に来ていた。

 

「そうですね。木虎と緑川に続きこの子は黒江 双葉。」

 

*****

 

「次で終わりか。じゃあ最後頑張ってくれ!」

 

結局あれからも順番が来なく最後になってしまった。まあいいものが見れたからこっちとしてはラッキーだったけど待ちくたびれたな~。

 

さあ、やりますか!

 

 

『1号室、訓練開始!』

 

 

(えーっと、確かこうして……)

 

*****

 

ーー別室ーー

諏訪隊

 

「あーこれでラストかー。今期は一人だけまともなやつがいて他はパッとしなかったな。1分切ってるやつが二人しかいないのかよ」

 

「まあ仕方ないですね。いつもより入隊者も少ないですし。それに一時期がすごすぎただけですよ。」

 

 

「そうだけどよー。…ん?何かあいつ11秒だしたやつと構え方似てねーか?」

 

「偶然じゃないですk…」

 

すると1号室にいた少年が先程の少女と同じ立ち回りをしているとトリオン兵に止めを刺した。

 

ギンッッ!!

 

「「っな!?」」

 

 

二人は立ち上がる勢いで驚いた。本当にさっきの少女、黒江双葉と同じ動きをしていたからだ。

 

「これはすごいやつが現れましたね。」

 

*****

 

(確かこうやって…ここで止めッッ!)

 

ギンッッ!!

 

『記録、10秒!』

 

あーしまった。強く踏み込みすぎた。少しずれたな。

まあ一位になれたしこれで満点だろうしいいかな?

訓練室から出ると静まり返っていて疑問に思っていると動きを模倣させてもらった相手の少女が近づいてきた。

 

 

「あの名前を聞いてもいいですか?」

 

「ああ。峯内閃だよ。閃でいい、君は?」

 

「黒江双葉です。さっきのは私の動きを真似したんですか?」

 

黒江双葉か年のわりにしっかりしてそうだな。てかやっぱり聞いてくるよな。失敗したけどあれだけ真似すれば誰だも気づくよね。

 

「そうだよ。失敗に終わっちゃったけどね」

 

と苦笑いで返した。

 

ーーーーーーー

 

対ネイバー訓練が終わり、次は地形踏破、隠密行動、探知追跡訓練など色んな訓練を終え、全てにおいて一位を勝ち取った。

そして現在嵐山隊に連れられあるところに連れてこられた。

 

 

「ここがC級ランク戦のロビーだ!ここでは隊員同士が戦ってポイントを奪い合う。自分より点の高い人に勝てばその分貰える点も高いが、逆に低いやつに負けると多く取られるぞ!」

 

普段俺がやってたのはポイントが動かない模擬戦、でも今回はポイントが賭けになった真剣勝負。余計に負けられなくなる。

 

「では今回は適当に二人組を作って、ブースに入ってくれ!ブースに入ったらその相手側の部屋番号を指定すれば対戦できるぞ。各自始めてくれ!」

 

さーて、やろうと思ったけど周りに人がいない。やっぱ真似したのが不味かったのかな。

 

「あの閃先輩。」

 

「ん?黒江双葉だっけ?どうしたん?」

 

「もし良ければ私とランク戦しませんか?」

 

良い子だけど表情がちょっとクール系だからてっきり、俺に真似されて怒ってるのかと思ってたわ。

 

 

「いいよ。やろうかランク戦。」

 

 

ーーーーーー

 

『5本勝負、一本目開始』

 

ステージは何の変鉄もない市街地に転送された。あれだけ動ける子だから油断は禁物。

 

「一本目は様子見でカウンター狙い。二本目からは自分から攻めるとするかな?」

 

などと呟きながら相手がくるのを待つ。すると住宅街から弧月をもった相手が突っ込んでくる。

 

(思ったより速いな。だが、これなら…)

 

 

閃は普段片手で弧月を振っているが今回は守りに入るため押されないよう両手で捌くことにする。弧月はそれなりの重さがあるのだが、閃はあえて片手で扱っている。

数分相手からの攻撃を捌いてると黒江が少し距離をとった。

 

「?どうした?急に攻撃をやめて」

 

「そちらから攻めてくる気配がないので」

 

「そうでもないよ。捌くので割と必死だったよ。」

 

まあ、もう慣れたけど…と内心で呟き、

 

「じゃあ次はこっちから攻めるとするよ」

 

両手で持っていた弧月を片手に持ちかえ、左手を前に弧月を持っている右手を後ろに構え、膝を少し曲げてから体勢を整える。

 

「……!?」

 

黒江は構えた閃をみてすぐさま自分も攻撃体制にはいった。

 

(なに?さっきと雰囲気が…)

 

そして少しの沈黙のあと守りに入るとやばいと察知した黒江が再び突っ込んでくる。黒江は閃の体勢をみて垂直上段切りで切りかかる。これなら避けるか受け太刀をするのにあの体勢を崩すしかなく、そこからの追撃を試みようとした。だがその考えを読んでいたかのように閃は口角を少しあげ、黒江の刀の刃と持ち手の根本を右下から切り上げた。

 

 

「なっ!?」

 

「太刀筋が見え見えだよ」

 

根本から切り上げられた弧月は黒江の体を大きく退けぞさせ、閃はその隙を逃さす水平切りで腰辺りから切り裂いて一本目が終った。

 

***

 

『5本目終了。5-0勝者、峯内。』

 

 

ふぅ。何とか全勝できたけど。最後少し危なかったな。ポイントはあと50点と少しとなりかなりB級に近付いた。

 

「閃先輩ありがとうございました。」

 

「おう。こちらこそありがとな。楽しかったぜ!」

 

「また相手してくれますか?」

 

「いつでも待ってるぜ」

 

 

ーーーーーー

 

「これで一通りの説明は以上だ!各自訓練に励んでくれ!解散!」

 

黒江とのランク戦が終わり入隊式の全項目が終ってロビーで解散した。俺は太刀川さんたちに報告しにいこうと太刀川隊に足を向けたところで後ろから声をかけられる。

 

「今日はありがとうございました。」

 

「黒江も頑張れよ!」

 

「はい!」

 

黒江は走って帰っていったので俺も太刀川隊に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!

今回は黒江双葉ちゃんが初登場です!

次回はB級に上がります。

感想・誤字脱字等あればお願いします!


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峯内 閃③

どうも、ハヤヲです。

SAOHRやってて遅れましたすみません。

今回はいろんな方がでてきます。

今年はこれでラスト投稿かな?次は少し遅くなるかもしれません。


入隊式から一週間後B級になった俺は太刀川隊に来ていた。ホントはもっと速く上がれたのだが、野暮用で本部に来ることが出来なかった為、一週間も掛かってしまった。そんなことより、B級に昇格したことによって色んなトリガーをセット出来るようになるらしく、柚宇さんに弄ってもらおうとしている。

 

 

「こんにちわー!」

 

「お?閃か、昇格したんだってな」

 

「はい。無事に」

 

「あ、閃くん昇格おめでと~!」

 

「柚宇さんありがとうございます。早速で悪いんですがトリガーセットしてもらっても良いですか?」

 

はいよ~といいながらオペレーター用のデスクに座った。

 

「じゃあお復習でトリガーについて説明からしていくね」

 

*****

 

トリガーとは近界民の文明のテクノロジーであり、武器や空間を作り出すことができる。トリオンという誰しももっているエネルギーを利用し、トリガーを起動させる。そこから実体をトリオン体(戦闘体)と入れ替えトリガーのなかに収納される。

ボーダーのトリガーホルダーには最高8種類までトリガーをセットすることができ、メイン(利き手)とサブ(逆手)で一種類ずつ使うことができる。

 

 

「次は閃くんが使いそうなオプショントリガーについてね」

 

 

 

 

オプショントリガー

トリガーの種類の一つで、他のトリガーと組み合わせて使用することが出来るもの。

 

旋空。弧月専用オプショントリガー。トリオンを消費して刃を瞬間的に変形・拡張できる。振り回されるブレードは先端に行くほど速度と威力が増す。主に「旋空孤月」と呼ばれることが多い。

 

バッグワーム

レーダーに映らないようになるマント。使用中は少しずつトリオンを消費する。スナイパーがよく使うほか、アタッカーが奇襲に使うこともある。

 

 

シールド

防御用トリガー。形状は自由に設定でき、防御範囲を小さくするほど耐久力が上がる。アステロイド等の銃手用トリガーと同じように、1つの盾を分割して展開させることも可能。動かすこともできるが、動かすと耐久力が下がる。また遠距離に出現させ離れた隊員を守るといったことも可能。

 

 

「この三つは必須になるね。旋空いれてない人もいるけど閃くんの戦いだとあった方が良いと思う。」

 

「この間正隊員どうしのランク戦をみてて、板みたいなのを踏むとジャンプするトリガーがあったんですけど…」

 

「それは多分グラスホッパーだね~」

 

 

グラスホッパー

空中に足場を作り、それに触れることで反発力を起こし加速・移動する機動戦用オプショントリガー。シールドと同様に分割することも可能。また他者に「踏ませて」移動をコントロールすることも可能。

 

 

「とりあえず今言ったやつ入れてみる?」

 

「はい。お願いします。」

 

そうして自分のトリガーセットが終わるころ、餅を食べながら太刀川さんがこっちにきて試しに使ってみろということなので、柚宇さんにお礼をいいランク戦ロビーに向おうとすると、

 

「そうだ、開発室に行けばトリガーセットもできるし、ちょっとだけど武器にアレンジしたりできるよ?例えは、弧月に鍔を付けたりとか。」

 

おぉ、何と!そんなことができるのか。これは先に開発室が先だな。

 

「じゃあ先に開発室行ってきます!」

 

「頑張ってね~」

 

柚宇さんに見送られ開発室まで走っていった。

 

 

ーーーーーー

 

現在開発室前に来ているが初めての入る部屋は少し緊張してしまう。たが、そんなこといっていてもこのあとのランク戦に行けなくなってしまうので一歩踏み出した。

 

 

「こんにちは!どなたかいませんかー?」

 

…………返事がない。

 

とりあえず入り中に人がいないか探すと一人の男性がいた。

 

「あのーこんにちは。」

 

「ん?誰だ?お前は見ない顔だな」

 

「先日B級に昇格した、峯内閃といいます。太刀川隊のゆ、…国近先輩に紹介されて来ました。」

 

A級一位だから、知ってるとは思うけど柚宇さんじゃ伝わりにくいと思ったので言い直した。

 

「太刀川隊?おお、そうか太刀川の弟子になったやつはお前か。わしは開発室室長の鬼怒田だ。」

 

鬼怒田さんかしかも開発室室長。てか名前逆から読んだらタヌキじゃん。

 

「それで?何のようだ?」

 

「俺、メイントリガーが弧月なんですけど」

 

「他のに変えたいのか?」

 

「いえ、そうではなくてですね……」

 

****

 

 

「…………って事なんですけど。できますか?」

 

これができないと俺が考えたスタイルを考え直さなくちゃいけなくなる。どうにか通ってくれ。

 

「なんだそんかことか、ほれドリガーをだせ。」

 

あれ?案外あっさり通った。でもこれで考え直さなくても良さそうだしありがたい。

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

ロビーにきた俺はB級に昇格してから初めてのランク戦をしにきた。複数のトリガーで攻撃による多彩さがでて今までにない楽しみが待っている。

 

「速く試してーな」

 

「何を試したいんですか?」

 

一人言を呟いたらまさか聞かれていたとは。

 

「なんだ黒江か久しぶり」

 

「お久しぶりです。」

 

「無事B級に上がれたみたいだな」

 

「閃先輩こそおめでとうごさいます。」

 

仮入隊してないくせにもうB級に上がるとか速すぎるだろ。

 

「あの、もしよろしければランク戦やりませんか?」

 

俺も新しくセットしたやつを使ってみたいし、丁度いいな。楽しみだな~

 

 

「あら?今期期待の新人二人にいっぺんに会えたのはラッキーね」

 

ランク戦をやろうとした矢先、セレブオーラを纏った女性がやってきた。

 

「峯内閃くんと黒江双葉ちゃんであってたかしら?」

 

「あなたは?」

 

「私はA級加古隊隊長の加古 望。そこにいる黒江双葉ちゃんをスカウトにきたの。」

 

「スカウト?」

 

あれか?街歩いてるとたまにみるモデルやりませんか?的なやつか。

 

「そう。私のチームは全員女の子でイニシャルがKで統一しているの。だからKでセンスを感じる子をみたら声をかけてるのよ。」

 

なるほどそういうことか。

 

「それでどうかしら?体験でもいいから来てみない?」

 

そう言われて考え始める黒江。B級に上がったと思ったらすぐA級のなるなんて誰でも戸惑うだろう。俺でももし太刀川さんに誘われたら戸惑うし、しばらく考えるだろう。だが黒江はまだ幼い。クールで年のわりにしっかりしてるが、まだ小学生だ。一からチームを作って戦うよりどっかのチームに入ったほうが成長できる。

 

「黒江。この話受けてみたらどうだ?悪い話じゃないしお前にとってもプラスになると思うぞ?」

 

「そうですね…。その話受けてみます。」

 

その後二人は詳しい話をするため加古隊の作戦室に向かっていった。……あ、ランク戦。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

ランク戦をやりのがした俺は適当にブースに入り、パネルを見ながら相手を決めていた。

 

「どうせなら弧月使いで強い人とがいいな…………おっ、この人強そう。申請っと」

 

 

***

 

ーー別のブース内ーー

 

ピコンッ!

 

「ん?なにこれ。殆どB級上がりたてじゃん。」

 

 

***

 

ピコンッ!

 

おっ!やったね申請通った。とりあえず5本でお願いしよう。

パネルを操作してると部屋には誰もいないはずなのに声が聞こえてきた。

 

『あーもしもし?』

 

知らない女性の声。対戦相手か?

 

「はい。もしもし」

 

『いきなりであれだけどアンタB級に上がったばっかりでしょ?』

 

「はい。そうですけど」

 

『やっぱり……確かに勝てたらポイントは沢山貰えるし、負けても取られるポイントは少ない。でも差がありすぎても成長に繋がらない訳よ。』

 

「そういうことですか。なら、大丈夫です。」

 

『は?』

 

「だって太刀川さんより強い人となんていないんでしょう?それより始めますよ?」

 

いくらポイントが高くてもあの人より強いわけないし、陽介だってA級で強い。あの二人に比べたら簡単に負ける気がしない。

 

『ちょっ…………』

 

 

『5本勝負一本目、転送開始。』

 

ーーーーー

 

《???》

 

(なに?あいつ。話聞かないし太刀川さんより強い人はいないって…。それより今はあいつに勝って文句のひとつでもいってやる。)

 

市街地の道路真ん中で敵が何処からきても対処出来るように弧月を構える。

 

(上がりたてなら動きが単純のはず落ち着いて対処すれば負けることはない。)

 

そんな事を考えながら敵がくるのをゆっくり歩きながら探す。

 

 

するといきなり体が宙に浮いた。

 

!?!?

 

下をみるとグラスホッパーを自分が踏んだことを理解する。だが理解したときには時すでに遅かった。

 

防御体制をとる前に斬撃によって体が真っ二つにされていた。

 

『戦闘体活動限界、緊急脱出。』

 

ーーーーー

 

《閃》

 

転送されてから相手を探しながら持っているトリガーを再確認する。

 

新しく入れたのは、旋空にグラスホッパー、シールドにバックワーム。攻撃の幅が広がり考えるのが楽しくなった。

 

(見つけた。)

 

家の屋根から相手を見下ろす。とりあえず此方には気付いてないので身を潜めながら近付く。

 

(ここからなら行けるかな?グラスホッパー!)

 

相手の足元に設置して踏ませ。宙に浮かせる。そして直ぐに弧月を構え直し。

 

(旋空弧月!)

 

初めて使う旋空だったがうまく相手の体を切り裂くことに成功した。

 

ーーーーー

 

『5本目終了、2-3。勝者峯内。』

 

ふう。勝った~。

舐めてかかったわけではないけどやはり経験の差ってやつに苦労したな。最後、あの人の真似したら驚いて隙を作ってくれたから何とかなったけど、それがなかったら多分負けてた。

 

「ねぇ」

 

「あ、さっきの鍔付き弧月の人。」

 

「なにそのアダ名。私は熊谷。熊谷友子、高校一年。よろしく」

 

「俺は峯内閃。同い年だよ。よろしく」

 

「もしかして今期の入隊式で話題になった子の一人?」

 

なに?俺って話題にされてるの?やだー。

 

「それにしても珍しいね弧月を背中に背負うなんて」

 

俺が開発室で鬼怒田さんに頼んでどうしても背中に弧月を装備したくて、装備できるようにしてもらったのだ。

 

「まあな。こっちの方が俺のスタイルにあってるし、何より格好いい!」

 

ビシッと親指を立ててポーズしたが苦笑いに終わった。

 

 

 

***

 

あの微妙な空気のあと、熊谷と雑談していると

 

「クマちゃん。」

 

なんとも可愛らしいあだ名で呼ばれ、熊谷と一緒に振り返るとお嬢様という言葉がしっくりくる、そんな少女がやってきた。

 

「あ、玲。」

 

玲と呼ばれた少女は、俺を見付ける物珍しそうな目で眺めてきた。

 

「紹介するね。名前は那須玲、私が所属する那須隊の隊長でポジションは射手。」

 

「よろしくね」と静かに微笑まれ少し顔を赤くしてしまったがバレてないだろうか。

 

「で、こっちが峯内閃。最近B級に上がったばっかりのソロで私たちと同い年。」

 

「へぇ~最近上がってきたんだ。それでクマちゃんが手解きしてあげてたの?」

 

那須は熊谷に問いたが熊谷は言いづらそうに口ごもりながら、あー、とかえー、と言ったあとに

 

「…………負けた。」

 

「え?もう1回いって?」

 

「だから負けたんだって!」

 

「えーー!!」

 

俺はあまりの声の大きさに耳をふさいだ。

 

 

ーーーーーー

 

 

「じゃあそれでクマちゃんが焦って負けたのね」

 

試合の流れを説明して那須が一人でフムフム言っている。

 

「次は負けないけどね!」

 

「次も!負けないよ~」

 

ニヒルな笑いで返してやると少し怒った顔になってしまった。やべ調子に乗ったかな?

 

「あ!忘れてた。クマちゃんこらから防衛任務だから呼びに来たんだったわ。」

 

B級以上になると週に数回ある防衛任務が義務付けされる。門からやってくる近界民を排除しなくてはならない。俺はまだ入ったことはないがつい先日シフトを出したのでその内連絡がくるだろう。

それより今は二人が任務に遅れないように別れた方がいいな。

 

「じゃあお二人さん、また今度。」

 

「じゃあね」

 

「またね」

 

 

二人を見送り俺も太刀川隊の作戦室に足を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ここまでです!
読んでいただきありがとうございます!

本当は旋空を入れるつもり無かったのですが、最初は色んなトリガー使わせるつもりで入れてみました。

Twitterで投稿報告してるので良かったらどうぞ
↓↓↓↓
@Hayao30

ではみなさんよいお年を。


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風間隊

どうも、ハヤヲです。

明けましておめでとうございます!

年末年始はバイトバイトバイトで忙しくてやっと休みが来た感じです。

眠いなか書いたので内容が酷いかもしれません。


では皆様がよい一年を迎えられるように祈ると共に、本年度もよろしくお願いします。

今回の話をどうぞ!


ーーーーー

 

 

ボーダーに入ったとはいえ、普段は普通の高校生なので今日も朝から学校に行かなくてはならない。もう春なのでそれなりに暖かいのだが、それでも朝は肌寒くなるので布団からでるのが億劫なのだ。

毎朝、妹と一緒に家を出て歩いて登校している。中学と高校は方向が途中まで同じなのでそこまでは二人で歩いている。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。」

 

「なんだ?」

 

「ボーダーで仲のいい人はできた?」

 

「まあ何人かできたな。」

 

「じゃあ女の人は?」

 

「なんでニヤついてんだよ…先輩一人にタメに二人くらいかな?」

 

「おぉ~!これは彼女連れてくるのも時間の問題かな?」

 

いやいやいや、何か一人で盛り上がってるが全然そんなんじゃないぞ。むしろ二人くらいは戦ってるからな?

 

「そんなんじゃねーよ。……お前そっちだろ?早くしないと遅刻すんぞ。」

 

「あ!ホントだ、じゃあまたねお兄ちゃん!」

 

何が楽しいのか、最後までニヤニヤしながら手を振って走り去る妹の姿を呆れつつ見送った後自分も遅刻しないような学校に足を向ける。

 

 

 

ーーーーー

 

教室に入り、自分の席に座って準備をしていると朝のHRが始まるチャイムがなり、それと同時に走り込んでくる二人がいた。

 

「おはよ。今日もギリギリだな二人とも。」

 

「ハァハァ……よお閃…この槍バカがのんびりしてるからよ……。」

 

「弾バカだって…ハァハァ……まだ余裕とかいってたろ…。」

 

「とりあえず座れ。先生くるぞ?」

 

槍バカと弾バカはいつも遅刻ギリギリで投稿してくる。もっと余裕を持てと言っているが直る気配はない。出水はそこまでだらしなくはないが陽介はホントに大変だ。同じ隊の人たちも相当苦労するだろうな等と考えていると担任のみよっしーこと三好先生がやって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

そして放課後。

 

今日は太刀川さんに稽古をつけてもらうため太刀川隊に行くことにした。ソロランク戦では同じポイントくらいの対戦相手じゃ殆ど負けなくなった為、久しぶりに太刀川さんと戦いたくなったのだ。まだポイント的には5000ポイント前半ではあるが、自分的には自信も付いてスタイルも安定してきた。

 

(さーて、太刀川さんはいるかなー?)

 

鼻唄をしながら作戦室を目指してると目の前に荷物を持った女性が前を歩いていて少し大変そうだったので声をかけることにした。

 

 

「あの、大丈夫ですか?持ちますよ?」

 

「わっ‼ビックリした~。あ、うんうん大丈夫だよ!」

 

「いやでもフラフラしてて危ないので持ちます。こう言うときの善意は受け取った方が良いです。」

 

そういってから少し強引に荷物をとった。

 

「あ、ごめんなさい。」

 

「あと、ごめんなさい。じゃなくてこの場合はありがとうの方が良いですよ。」

 

「あ、うん。ありがとう。」

 

こういうときはやっぱりごめんなさいより、ありがとうって言われた方が気分も良いしな。てか、初対面の女性に説教じみたこといってしまった。失礼なのは俺の方だな。

 

「すみません。初対面なのに偉そうに言っちゃって。峯内閃、高校1年です。」

 

「うんうん大丈夫、私も無理しちゃってたから…私は三上歌歩。同級生だよ。よろしくね。」

 

同い年だったのか、ボーダーの女性って大人って感じがして先輩に見えてしまう。ボーダーのスーツ?制服?のせいかな?それにこの人も可愛いしどうなってるんだこの組織。

 

「それでこれはどこに運べばいいんですか?」

 

「フフッ敬語じゃなくていいよ?うちの隊までだからすぐそこだよ。」

 

改めてありがとうと言われ、目的地まで二人で話した。

 

 

 

ーーーーー

 

三上に付いていきここだよと言われて扉の前に来るとそこはなんと、A級風間隊の作戦室でした。ホント、付いていったらA級部隊の隊室です!みたいなことは一度だけでいいんだけどな~。心臓に悪いったらもう…。

 

 

「えっと、マジすか……」

 

三上にすら聞こえない声量で呟くと、三上が中にはいっていってしまったので仕方なく俺も入ることにした。

 

(まだ入ってないけど帰りたいー。)

 

 

誰もいませんように。そう祈る。閃でした。

 

 

 

******

 

 

 

 

 

「さ、入って入って!ようこそ風間隊へ!」

 

三上は俺の苦労等知らず、笑顔で向かい入れてくれた。

 

「荷物はここでいい?それじゃa…」

 

「お茶入れるからちょっと待っててね。」

 

兎に角長居しないで帰ろうそう思って部屋を出ようとしたら三上に阻まれてしまった。

 

「はいどうぞ。本当にありがとね、助かっちゃった。」

 

「いや、別にこっちが勝手にしたことだから。それで今は誰もいないの?」

 

「そうみたいだね。防衛任務があるからそろそろ来てもいいんだけど。」

 

よし、なら今のうちにとっとと出ちゃおう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思ってた時期も俺にはありました。

 

 

 

 

「なんだ三上。客か?」

 

「風間さん!お帰りなさい。はい。荷物を運ぶの手伝ってくれた峯内君です。」

 

はい。風間隊の人が帰ってきちゃいました。しかも隊長。

 

「そうか、すまないなうちのオペレーターが迷惑をかけた。」

 

「いえ!俺が勝手に手伝っただけなので。」

 

「それにしても見ない顔だなどこの部隊だ?」

 

「あ、いやまだソロのB級です。」

 

B級になるとチームを組んでランク戦に挑むことができるのだが、俺はいまだにその相手すらいない。太刀川さんたちと訓練してたらチーム組むことを忘れていた。それにC級の期間も短くて仲良くなれる相手も時間も無かったのも事実だ。黒江がいたが加古さんにスカウトされてもうA級の仲間入りだ。俺もA級になりたいがチームランク戦で勝ち上がらないとA級なれないらしい。

 

「ソロ?C級の時に仲良くなったやつとかいなかったのか?」

 

「えぇ。まあ、C級の時は黒江って子とランク戦してましたがA級部隊にスカウトされてからはまったく会ってませんし。それにC級にいた期間も短かったですし。」

 

「黒江ってあの加古隊に入った新人の小学生ですね。」

 

「あ、三上知ってるんだ。」

 

「うん。B級上がってすぐにスカウトされてA級になったことをがいたら同然噂になるよ。」

 

「まあそうだよな。」

 

そんなやつがいたら間違いなくボーダー中に知れわたるだろう。

そのあと三上が「でも」と付け足した後、

 

「あの時って黒江ちゃんより訓練のタイムが上の人がいたらしいんだけど、その人の噂はすぐなくなっちゃったかな?」

 

あ、俺の噂ってずぐに消えたんですね。まあ黒江の方が注目されるのは当たり前だからな。まじ黒江すげー。

 

「三上。そいつなら目の前にいるだろう。」

 

「「え?」」

 

ハモってしまった。三上と俺のえ?の意味合いは違う。てかもうばれちゃったの?

 

「最初名前を聞いたときに違和感があったが、三上の今の話で思い出した。峯内閃。お前が今期一位の新人だろ?」

 

「え?え?本当に?」

 

「はい。本当です。」

 

あーバレちゃったー。

 

「随分と面白いことをしたらしいな。相手の動きを真似る…か。」

 

「いえ、あの時やったのは失敗です。少し踏み込み過ぎました。」

 

「それでも初心者であの速さなら大したものだ。」

 

「そうだよ!峯内君すごいよ!」

 

なんかいきなり誉められ始める俺だったが正直あの訓練には納得がいっていない。もう気にしていないが。それに

 

「初めてじゃないんですよ。あ、対ネイバー訓練は初めてでしたが、仮入隊してたのでその時に模擬戦で剣術も少しだけ教えてもらいましたし完全に初心者とはいえないですね。」

 

「仮入隊…。剣術、それは誰に教わっていた?」

 

風間さんは顎に手を当てながら聞いてきた。

 

「太刀川さんです。A級一位の。」

 

「太刀川さん!?」

 

三上は驚き風間さんは更に興味深い顔で俺を見てくる。

 

「太刀川だと?なるほど。峯内このあと暇か?」

 

「えぇ。まあ。」

 

「三上、トレーニングルームを作ってくれ。」

 

え?

 

「はい。わかりました。」

 

そういう三上はオペレーター用のPCの前に座りカタカタとキーボードを叩き始めた。

 

「峯内閃。お前の力見せてもらうぞ。」

 

マジか。太刀川さんに続きアタッカー二位の風間さんとまで戦うことになるとは……。誰か助けて。

 

ーーーーー

 

風間隊トレーニングルーム

 

「とりあえず3本勝負だ。いいな?」

 

「はい。」

 

トレーニングルームに転送された俺と風間さんは模擬戦をするべくお互い少し距離を開けてから準備する。

 

『準備OKです!模擬戦3本勝負、1本目開始です!』

 

三上の声によってアタッカーランク2位との模擬戦が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

『戦闘体活動限界。峯内ダウン!2-0。』

 

全然歯がたちません。既に二本取られました。

カメレオンというオプショントリガーで、トリオンを消費して風景に溶け込む隠密トリガー。確か柚宇さんの話だとカメレオンを起動中は他のトリガーを使えなかったはず……だけどまず見えないから初見には辛い相手だ。

 

「どうした?まったく動けてないぞ?」

 

そんなこといわれても気付いたら首切られてるだもん。でも攻撃するときは姿を表さないと他のトリガーを使えない。そして、今の二本でカメレオンを解除してから攻撃されるまでの時間は大体把握できた。後はどう対処するか…だが。

 

「ラスト、お願いします。」

 

「ほう?いいだろう。」

 

『3本目開始!』

 

風間はまたカメレオンを起動して見えなくなったと同時に弧月を何時もの、足を肩幅に開き左足を前、弧月を握ってる手を後ろにし、膝を曲げ重心を少し落とす構えとは違って弧月を両手で持ち剣道のような構えをとった。

 

「(イメージは熊谷の形。)」

 

「(ッッ!?目を閉じた。それに構えかたも違う…)」

 

構えかたの違う閃を見て風間は少し警戒したがやることは変わらないと判断し攻撃を仕掛けるために近づく。

 

 

「(目に頼るな。音と気配を感じ取るんだ。)」

 

閃は自分にそう言い聞かせながら風間の攻撃をまった。そのころ風間は後ろに回り込みトリオン供給機関を破壊するべくカメレオンを解除し、スコーピオンで突き刺す…………はずだった。

 

 

 

 

『伝達系切断。風間ダウン!』

 

 

 

たが、風間の攻撃はシールドによって届くことはなく、逆にカウンターとして伝達系を切られたのだ。

 

『模擬戦終了!』

 

結果は2-1の負けだ。

 

 

ーーーーー

 

 

「ありがとうございました。」

 

「まさか1本取られるとは思わなかった。」

 

「峯内君すごいよ!風間さんから1本取るなんて!」

 

なんか三上が俺以上に喜んでるんだが…。

 

「ありがとう三上。」

 

「最後のは太刀川の入れ知恵か?」

 

「いえ、あれは、熊谷のスタイルにアレンジを加えただけです。」

 

最後の風間さんの攻撃をシールドで防いだが、完全に防いだというより流したに近い。剣にたいしてシールドを平面に転回するのではなく、斜めにして滑らすようにしたのだ。それによって少し体制を崩せるし、何よりカメレオンを解除したときには感覚と足音で後ろにいるのは分かったのでシールドに当たる頃には弧月を逆手に持ちかえて若干体を捻らせてから首目掛けて突き刺した。

結果的にうまくいったが賭け要素が多く決まったのも偶然に近い。

 

「那須隊の熊谷か、なるほど。その器用さと発想力は面白いな。次はランク戦で戦おう。手間をとらせたなゆっくりしていってくれ。」

 

そういうと風間さんは部屋の奥の方にいってしまった。

 

「風間さん楽しそうだったな~。」

 

「そうなのか?」

 

「そうだよ。あんな楽しそうにしてたの久しぶりだもん。」

 

「それにしても風間さん強かったな~。流石ナンバー2。」

 

「そのナンバー2から1本とる峯内君もすごいよ!」

 

「閃でいいぞ。まあ普段から太刀川さんとか出水に陽介と模擬戦をしてるから手も足も出なかったなんて会わす顔がないからな。」

 

「うん。わかった。そうだ閃君、連絡先教えて!今日のお礼もしたいから!」

 

「お礼なんて別にいいのに。連絡先はLINEでいいか?」

 

「うんそれでいいよ!じゃあ送るね。」

 

ピコン!

 

ーー三上 歌歩が友だち追加されました。ーー

 

まさか家族以外で初めての友だち追加が女子になるとはおもわなんだ。いや、メアドとかはもってるよ?中学のやつとか、でも最近スマホにしたばかりで高校も変な時期に転校したりで交換する暇がなかっただけだよ!ホントダヨ?誰に言い訳してんだろ。

 

「これでよしっと。」

 

「じゃあボーダーの一年生組に招待しておくね!」

 

「おう。よろしく。このあと太刀川さんの所に行くからまたな。」

 

「今日はありがとね!」

 

じゃあ、といい風間隊の作戦室を後にした。

 

 

ーーーーーー

 

ーー太刀川隊ーー

 

 

「こんちわー」

 

「閃君いらっしゃーい!」

 

太刀川隊につくと柚宇さんがゲームしながら声をかけてくれた。

 

「あれ?柚宇さんだけっすか?」

 

「うん。みんなどっかいったみたいだね~。今日は何もないから来ないかもしれないね。」

 

「マジかー。太刀川さんに話したいこともあったんだけど…明日で良いか。……柚宇さん一緒にゲームします?」

 

「お?いいね~!何する?スマ○ラ?ゴール○ンアイ?マ○カー?」

 

「なんで全部64なんですか?」

 

「今ハマってるから!」

 

さいですか。

 

 

そんなこんなで柚宇さんとゲームを楽しみ、夜も更けて来たとこで本日の戦い(ゲーム)は終了した。

 

「いやー楽しかったね~!」

 

「はははwwそうですねw」

 

「いつまで笑ってるの!」

 

「いや柚宇が負けるとまさかあんな大泣きするとは思わなかったんでww」

 

自分の得意分野であったスマ○ラは柚宇にも圧勝できるほどであった。その時に泣きながらのし掛かって来たのだがそれがどこか子供っぽくてツボに入ってしまったのだ。そのあとのゲームでは負けに負けて柚宇さんの機嫌は戻ったが今だツボから抜け出せないでいた。

 

「もう知らない!」

 

「あー柚宇さん!ごめんなさいってば~!」

 

少し拗ねた柚宇さんは可愛らしかったけど少し弄りすぎたかな?

 

「柚宇さん、今度何か奢るんで許してください!ね?」

 

「うーん。学校の近くにあるあのカフェのケーキでもいい?」

 

「はいもちろん。」

 

「じゃあ許す!」

 

やっと笑って許してくれた柚宇さんに安堵しつつ時間も頃合いなので帰ることにした。

 

「それじゃあ柚宇さん帰りましょう。近くまで送りますから。」

 

「うん!ありがと!」

 

そうして二人でボーダー本部を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございます。
今回はここまでです!


うーん何かミカミカが違う気がする。
風間さんもだけど、難しいですね。

てか、いつになったら妹の名前でるんだよ!って感じですよねw

すみません。まだちゃんと決まってません。候補はあるんですけどまだ悩んでます。
良いのがあれば教えてください!採用するかもしれません!

前回も言いましたが投稿報告などはTwitterでもしてるのでよければフォローお願いします!


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玉狛支部

どうも、ハヤヲです。

お待たせしました。

急いで書いたんで今回割りと酷いと思います。

最近漫画を買いすぎて困ってます(金銭的に)。


今まで漫画を買うってことをそんなにしなかったので本棚もろくなのがなくて机に積み重なってます。



それではどうぞ!




 

 

 

 

ーーーーー

ボーダー本部からの帰り柚宇さんを家の近くまで送り、やっとの思いで我が家についた。

 

「ただいま~。」

 

シーン。

 

 

そういえば妹は今日友人の家に泊まるみたいなこと言ってたな。新しい学校でも馴染めているようでよかった。リビングに入り飯の準備でもしようとするとスマホが鳴った。

 

「ん?」

 

スマホを起動するとLINEの通知だった。

 

****

 

ーー三上 歌歩があなたをボーダー一年組に招待しました。ーー

 

と書いてあった。今日、風間隊からでる際に言ってたグループってやつか。とりあえず参加しておこう。

 

ーー峯内 閃が参加しました。ーー

 

 

閃「こんばんは、B級ソロの閃です。よろしく」

 

三上「よろしくね!」

 

出水「閃じゃん!いつの間に三上と仲良くなったんだ?」

 

閃「ボーダーの廊下で荷物もってフラフラしてたから助けただけだ。」

 

米屋「まあよろしくな~」

 

閃「まだ会ったことない人は今度改めて挨拶に行きます。それじゃおやすみ。」

 

 

***

 

最後にそう打つと、スマホの電源を落とし食事の準備を再開した。一年生組は結構人数がいるので全員と顔合わせるのは大変そうだが早い内にみんなと会っておきたいな。

 

「さてなに作ろうかね?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

ーー翌日ーー

 

今日は土曜日で学校が休みなので朝からランク戦でもやろうと本部ロビーに来ていた。出水や陽介もその内くるはずなのでそれまでの間に肩慣らしをしたいところなのだが、少し時間が早すぎたようで余り人がいない。

 

「うーん。早すぎたか?まあ飯でも食べて時間を潰そう。」

 

 

そう思い食堂に足を向けた。

 

 

*****

 

 

食券を買い、食堂のおばちゃんに券を渡してそこからから数分経つと、食事がでてくる。今日はたぬきうどんだ。朝だからというものもあり、あっさりした物が食べたくなったのだ。

では、いただきます。……うん。うまい!

 

 

「あれ?閃くん?」

 

たぬきうどんに夢中になっていると横から呼ばれたので振り向くとそこには那須玲がいた。

 

「モグモグ…那須。おはよう…モグモグ。」

 

「おはよ。こんな朝早くにどうしたの?」

 

「俺はランク戦やりにきたんだけど早く来すぎて誰もいないから、腹ごしらえでもしようかと。」

 

そういう那須は?と聞くと、医務室でちょっとした健康診断をしていたらしい。那須は昔から病弱で「体が弱い人がトリオン体で元気になるか?」という研究の協力でボーダーに入隊したらしく、定期的に健康状態チェックするためにこうして足を運んでるらしい。トリオン体での那須は病弱な面影すらなく目が輝いていて、機敏に動き変化弾(バイパー)で相手を蜂の巣にするほどのアグレッシブガールだ。

 

「じゃあこれから防衛任務があるから。またね。」

 

「おう!またな。熊谷によろしく~」

 

手を振ってから去っていく那須を見届けたあと、残っていたうどんを食べ、もう一度ロビーに戻ることにした。たが、それを阻むようにスマホが鳴り見ると忍田さんから本部長室にくるように連絡がきた。

 

 

ーーーーーー

 

現在、本部長室前。そういえば出水たちに行けないって連絡しとかないとな。

 

 

ゴゥーン

 

「失礼します。」

 

挨拶をして部屋に入ると仕事中の沢村さんがこちらに気付き声をかけてきてくれた。

 

「閃くん、いらっしゃい。そこに座って少し待っててね。」

 

言われるがままソファーに腰を下ろすと沢村さんがお茶を出してくれた。

 

「ありがとうございます。」

 

いえいえ、と仕事に戻る沢村さんを見ていると奥から忍田さんがやってくる。

 

「待たせたね。いきなり呼んですまないな。」

 

「いえ、ところで何か用ですか?」

 

「近い内に防衛任務が始まると思うんだが、君は未だチームを組んでないので何処かの部隊と合同で行ってもらうことになる。」

 

確かに俺はチームを組んでないからな何処かにお世話になる形になる。一人でトリオン兵の多くを相手にするのはA級隊員のごく一部だけだ。

 

「そこで太刀川隊と合同でやってもらおうとしたのだが事情があって、一緒に防衛任務を入れるのが難しそうだったので、代わりを隊員を用意した。」

 

最初に色んな部隊と合同でやるってのは聞いてたし驚きはしないけど、代わりの隊員って事は一人?誰だろう。

 

「もう呼んである。紹介しよう。」

 

ゴゥーン

 

タイミングを計ったように部屋の扉が開いた。

 

「失礼します!実力派エリートお召しにより参上しました!」

 

 

 

 

ここから俺の人生が変わった。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

「実力派エリートの迅悠一だよ。よろしく」

 

「ど、どうも……。」

 

自分でエリート発言するこの人は、どうやらA級より上のS級らしい。S級は黒(ブラック)トリガーという、ボーダーで支給されている通常トリガーとは性能が格段に違うらしい。現在S級隊員はここにいる迅悠一とあともう一人だけだという。

 

「迅、キミがいっていたように任せていいんだな?」

 

「はい。こいつは俺が育てますよ。」

 

「なら後は頼むぞ。」

 

「了解。…………じゃ閃いこうか。」

 

え?どこに?

 

「じゃあ閃くん頑張ってくれ。」

 

えーっと話についていけない。

 

 

****

 

 

あの後ついてこいと言われ迅さんは基地の外に出てしまった。あれ?訓練室かランク戦ロビーとかじゃないの?と思いながらいると車とその前で煙草を吸っている人がいた。

 

「お?迅。そいつが例の子か?」

 

「ボス、お待たせ。そう、この子が峯内閃。分岐点で重要な人物の一人。」

 

分岐点?重要?果たしてそれが何か分からない俺はとりあえず挨拶をするべく少し前にでて頭を下げた。

 

「閃です。」

 

「玉狛支部、支部長の林藤だ。よろしくな」

 

「玉狛支部…?」

 

「とりあえず詳しいことは向こうで話そうぜ。」

 

三人で車に乗って玉狛支部とやらに連れていかれた。

 

 

ーーーーーー

 

 

ついた場所は、川の調査か何かで建てられた建物を昔買い取ってそこを拠点にしたそうな…。

 

「着いたぜ。ようこそ我らの玉狛支部へ!」

 

 

ガチャ

 

 

「ただいまー」

 

という声に出迎えたのは、ひとりのメガネをかけた女性だった。

 

「迅さん、ボスお帰りー。…え!?お客さん!!ちょっと待ってお菓子あったかなー?」

 

 

上で何やらバタバタしている女性を待っていると迅さんが「まあ座れ」というので近くのソファーに腰を下ろした。

 

 

***

 

お茶とお茶請けが出されて今は四人と一匹がいる。林藤さんは仕事があると言って奥の部屋に行ってしまった。

何でカピバラ?てかカピバラだよな。

 

「改めまして私は宇佐美栞。この横にいる子が林藤陽太郎とそっちがらいじん丸。この前LINEのグループに入ってきた閃くんだよね?私も一年生だからよろしくね!」

 

「ああ、よろしく。」

 

「さて、自己紹介が済んだところで本題に入ろうか。……閃。お前には暫くソロ隊員でいてもらう。勿論、どの隊に誘われても断ってほしい。」

 

マジかー。何処かの部隊に誘われるなんてそうそうないと思うが、そろそろ自分でチームを組んだりしたいって考えてたのに。でも何でだ?防衛任務も始まるから他の人との連携を覚えた方がいいと思うんだが…。

 

「連携やチームでの戦い方は俺が教えたりするし、他の部隊にも頼むつもりだ。でもチームを組んで貰うのはちょっと困るんだよな。」

 

困る?なぜ?と頭を傾げていると迅さんが

 

「俺のサイドエフェクトがそう言っているから。」

 

サイドエフェクトとはなんぞや?更に頭に疑問符を浮かび上がらせていると宇佐美からの説明が入る。

 

「サイドエフェクト、意味は副作用。それでサイドエフェクトはトリオン能力の高い人がごく稀に特殊能力を発症させるの。特殊能力って言っても火を吹いたり空を飛んだりとか超常的なものじゃなくてあくまで、人間の能力の延長線上だよ。例えば、耳が人の何倍も良いとか100メートル先の文字が見えるぐらい目が良いとかだね。」

 

宇佐美の説明を一通り受けてから迅さんが再度俺を見てから

 

「そこで俺のサイドエフェクトだけど。俺は一度みた相手の少し先の未来が見えるんだ。通称、未来視。」

 

は!?未来!!もうそんなんチートやチーターやん!?

しまった。どっかの関西モヤットボールになってしもうた。

 

「それって強すぎじゃないですか?」

 

「確かに強力ではあるけど万能じゃない。読み逃すことだってあるし、逃れることのできない未来だってある。」

 

それもそうだ未来は明るいだけが未来じゃない。暗くて目を背けたくなるような未来も視えてしまうのだ。

 

「まあ話を戻そうか。チームを組んじゃいけない理由はまだ言えないけど、閃が強くなるのに必要なことではあるんだ。」

 

「それで俺はこれからソロとしてやっていくのは分かりました。でも、強くなるって何時ものようにランク戦じゃダメなんですか?」

 

「基本はそうだけど、トリオン兵にも慣れて欲しいな。その内うちの隊員が帰ってくるからそれまで宇佐美に頼んで色んなトリオン兵と戦ってもらう。」

 

「じゃあ部屋作るから準備できたら入ってね~」

 

 

******

 

宇佐美にトレーニングステージをつくってもらい、トリガーを起動する。

 

『はいはーい。最初はモールモッドからいくね!』

 

「オーケー。……さあこい!」

 

弧月を抜き構えると目の前にモールモッドが現れた。

 

 

ーーーーーー

 

しばらくトリオン兵と戦っていると休憩しようという宇佐美の言葉に同意して一旦トレーニングステージから出た。

 

「疲れた~。」

 

「はいよ。お疲れさん。」

 

迅さんからドリンクを受け取ってジュージュー飲む。実際、肉体的疲労はないがそのぶん精神的な疲労が溜まるのだ。

 

「いや~閃君強いね。」

 

「そうか?出水や陽介と戦うと負け続きだからそんな実感ねーな。」

 

「え!?陽介と知り合いなの?」

 

「まあクラス同じだし。」

 

「そうだったんだ~、私ね陽介のいとこなんだよ!」

 

マジか。でも確かに面影が…。少し陽介と宇佐美を比べていると迅さんが話に入ってきた。

 

「B級上がりたてのやつがA級相手に普通に戦えてる時点で相当だぞ。それに風間さん相手に1本取ってるみたいじゃん。」

 

「風間さんに!すごいね~」

 

何で知ってるんですか。この人。

 

「この前風間さんに会って聞いたからだよ。」

 

心を読まないでください。

 

 

ーーーーーー

 

 

一時間後。またしばらく色んなトリオン兵(やしゃ丸シリーズ?)と戦いってると知らない声が聞こえた。

 

『あんたちょっとそこにいなさい!』

 

声質から女性だとわかるが宇佐美とは違うので誰だろうと思ったら、緑色の瞳でアホ毛があり明るめの茶髪で首筋までのボブカットの子が現れた。

 

「私は小南桐絵。あなたは?」

 

「峯内閃。」

 

「結論から言うわ。私と戦いなさい!」

 

本当、ボーダーには戦闘狂しかいないのかよ!!

 

 

 

 

あ、俺も大概でした。ww

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

他の人の作品みてると自分の文才の無さが……。

でも、少しでも良いものを届けられるように頑張っていくつもりです!


テストが、また近づいてきたため次の更新時間が空くかもしれません。
(勉強嫌になったら上げるかもしれませんがw)


ではまた次回で!


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玉狛支部②

どうも、ハヤヲです。


大変申し訳ないです。遅れました。

理由(言い訳)はあとがきの方に記します。

それではどうぞ。


ーーーーーー

 

 

『私と戦いなさい!』

 

 

突如現れ、戦いを申し込んできた女の子によって模擬戦を10本勝負をやり、現在リビングのソファーでぐだっている。

 

 

 

「なんだアイツ強すぎんだろ。斧の二刀流ってチートだろ。それに繋げて斧が大きくなるとか反則だろ。本部じゃ見たことねーし……」

 

 

「うちでは独自のトリガーを使ってるからね。本部で見ないのは当たり前だよ。それに小南はアタッカーランク三位だからね~」

 

「この私が……いきなり3本も取られるなんて…。」

 

模擬戦の結果は3-6-1引き分けで小南の勝ちだ。

玉狛支部では近界民のテクノロジーを解析して独自のトリガーを開発し使用しているらしい。そのせいでチームでやるランク戦には参加できないらしい。

 

「小南~威勢よく勝負を挑んだわりには最初から相討ちに持ち込まれてたな~ww」

 

小南が落ち込んでいるなか迅が小南を煽るような口調で話しかける。

 

「う、うるさいわね!勝ったから良いじゃない!」

 

顔を真っ赤に染める小南、ニヤニヤ笑いながらおちょくる迅のやり取りをしばらく見ていると、扉から二人の男性が入ってくる。

 

 

「なんだ?小南、騒がしいな。」

 

「いつもじゃないっすか?」

 

入ってきたのはA級玉狛第一のメンバーの残り二人だった。

 

「閃君。紹介するね。こっちの落ち着いた筋肉が木崎レイジ20歳。んで、こっちのもさもさした男前が烏丸京介15歳。」

 

木崎レイジ。A級玉狛第一(木崎隊)隊長。ボーダー唯一の近中遠に対応できる、パーフェクトオールラウンダー。迅や小南と同じく旧ボーダー時代から参加している古株である。

 

烏丸京介。同じく玉狛第一(木崎隊)の一人。少し前までは本部にいたらしい。周囲には「からすま」ではなく「とりまる」と呼ばれることが多いとのこと。

 

一通りの自己紹介を終えた後、閃が玉狛に来た理由等を迅が他のメンバーに簡潔に説明をし始めた。

 

 

 

「ーーーというわけでウチでも鍛える事になったから」

 

「まあボスの命令なら仕方ないな。」

 

「そっすね。仕方ないですね。」

 

木崎と烏丸は命令ということで受け入れ、小南は、

 

「わ、私もコイツと戦うの嫌じゃなかったし…仕方ないからやってやるわよ!」

 

と先の模擬戦で少しは認めてくれたのか小南も納得した様子である。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

時刻はお昼を過ぎ日が高くポカポカとした、暖かい陽射しが差し掛かる。玉狛支部で昼食を終えた、閃は再び模擬戦をするために小南とトレーニングステージに入る。

 

 

「小南相手に良く戦うな。」

 

小南との模擬戦をモニターで見ている木崎が独り言のように呟いた。

 

「でしょ?太刀川さんも気に入って弟子にしたくらいだからね。」

 

「それにしても、B級上がって一ヶ月足らずでアレは凄いですね。」

 

烏丸も思うことがあったのか閃と小南の戦いを見てそう溢す。試合の流れ的には、やはりキャリアの違う小南が押しているが、それでも閃も負けじと攻めに入っている。

 

「まだルーキーなのに小南相手に攻めることは簡単じゃない。それに火力で劣る閃は、上手く小南の攻撃を捌いてる。……お、丁度終わったな。」

 

 

 

******

 

 

 

「あーダメだ。4本目が取れん…。」

 

「当たり前よ。簡単に取らせる訳ないじゃない。」

 

小南の武器、双月は一発の攻撃が重くまともに受けていたら部が悪い。しかも、斧の二刀流なので、弧月一本で戦う閃はどうしても手数で負けてしまう。そこに、接続器(コネクター)を使用することによって、二本の双月を連結させ一本の大きな斧になる。フルガードでシールドを張っても、真っ二つにされる。

閃は先の模擬戦での反省点を自分で考えるため俯いて集中している横で、玉狛メンバーは閃について話していた。

 

「迅、アイツどうなってんのよ。どんどん強くなっていくじゃない。」

 

「太刀川さんが言ってたんだけど、『閃と戦ってると、村上を思い出す。』だって」

 

「鋼さん…確かにそうね。それはわかる気がする……でも、少し違うわ。それに鋼さんみたいなサイドエフェクトはないはずだし。」

 

村上鋼。鈴鳴支部、B級鈴鳴第一(来馬隊)の隊員の一人にしてアタッカーランク4位に位置する。県外からのスカウトでボーダーに入隊。サイドエフェクトは『強化睡眠記憶』。一度習った事を15分程度の睡眠でほぼ100%自分のものにする。所謂、学習能力が恐ろしく高い。

 

「閃は今のところサイドエフェクトは発症してないし。強さの秘密は、閃自身の反応速度、反射神経の方がいいかな?それが高いってところかな。」

 

「迅さん、小南先輩。俺ちょっとバイト前に本部にいってソロランク戦してきます。」

 

迅と小南の話を聞いていた烏丸は、同じ弧月使いとして思うところがあるのか閃をチラ見してから、本部に向かう準備を始めた。

 

「お?京介、珍しいな」

 

「どうしたのよ?とりまる、いきなり本部でランク戦なんて。ここでやればいいじゃない?」

 

烏丸は少し前まで本部の隊員だったが、玉狛支部に来てからは木崎や小南と模擬戦をしていてソロランク戦をやりにいくのは久しぶりなのだ。

 

「いえ、今峯内先輩と戦っても必ず勝つ自信がないので鍛え直そうかと。」

 

A級部隊の隊員で、しかも古株の小南でさえ苦戦する程の相手に烏丸は今の自分では勝負にならないと思い、本部で腕を磨き直そうと考えた。

「それじゃあ、少し行ってきます。」と烏丸は玉狛支部を出て本部に向かっていった。

 

 

******

 

時刻は夜の8時、閃は玉狛支部で晩御飯をいただき、迅が話があると言われ、二人でコーヒーを片手に持って屋上に上がった。

 

「それで、迅さん。話ってなんですか?」

 

「今日はお前の過去についてちょっと聞こうかと思ってね。閃の戦い方は、少し異質だ。剣を握るのも初めてって感じがしなかったし、その理由を教えてほしくて呼んだんだよ。」

 

迅は未来はみえるが過去は見ることはできない。故に、こうして本人に聞く必要がある。そして、二人だけで話すのにも、その方が聞きやすいと思っての行動であり、他のメンバーがいないことによりスムーズに話が進むからだ。

 

「そういうことでしたか…。まあ、隠す必要はないのでお話しますけど、少し長くなりますよ?」

 

「ああ、構わないさ。」

 

「じゃあ……あれは中学の頃でした……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当時。閃は一人の男子と仲が良かった。彼は、閃にとって親友でありライバルだった。テストではどちらの点数が高いかを競い、体育のバスケやサッカーでも幾度なく勝負し、ゲームセンターに行けばカーレースやガンゲーム等で競ったり、日々の生活で何かあれば勝負だの何だの言って暴走していた。そして、周りも彼らの暴走を止めることは出来ずに一年が過ぎ、ある日、彼らのクラスに転校生がやってきた。

 

 

「おい、閃。今日転校生がくるらしいぞ!」

 

「転校生?特に興味ないな。」

 

「全くお前は…。転校生な、女子みたいだぞ?」

 

「ああ、だからクラスの男子がそわそわしてんのか。」

 

クラスを見渡すと、男子たちは「かわいいのかな?」などとうつつを抜かしている。女子たちは「男子が良かった~」とか「でも女子なら……」と女子たちもやはりどこか浮かれている。転校生に興味を持たないやつも珍しいが閃にとってはそれほど浮かれる出来事ではないと思っている。

 

 

「はい。みんなー今日は転入生を紹介します!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

あれから数週間時が過ぎた。閃と彼は相変わらずお互いに競い、転校生の彼女は女子友達と仲良くやっていた。だが、ある日、閃のクラスで席替えがあり、その席替えでできる班で来週にある遠足でのレクリエーションの活動班が組まれることになった。

 

担任の軽い説明が終わり、くじで班決めを行うことになったため、クラス委員の男女二人が前に立って、くじの入っている箱をそれぞれ持ち、男女別れて引いていくことになる。

 

「じゃあ、男子は俺のところに、女子は彼女のところに並んでくじを引いていってくれ。」

 

と、クラス委員の彼が言うとそれぞれ並び始めた。

 

 

 

結果…。

 

 

 

まさかの彼らと彼女らが四人が一緒の班になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、最初はこんな感じで俺たちは出会いました。因みに親友の名前は、火野 新(ひの あらた)。その時転校してきた女の名前は、河野 桐華(こうの とうか)。そして、その友達の、東雲 志乃(しののめ しの)です。」

 

一段落したところで少し冷めてしまったコーヒーを飲むと、迅が続きを促してくる。

 

 

「それで?遠足で何かあったのか?」

 

 

「はい。……俺たちが一緒にいることになったのはちょっとした事件が理由です…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠足当日。閃たちは学校から観光バスにのり、三門市から離れて程近いところの山にきていた。

 

 

「はーい!これから班に別れてレクリエーションを行います!」

 

 

担任の女教師にいわれ、各自グループに別れ始め、閃たちの班は四人一グループで班長はこの前、転校してきた河野だった。

 

「もう一回、手順の説明ね。各チェックポイントにあるお題をクリアしながら山道を進む。頂上付近に先生がいるから、問題を記入した紙を提出してゴール。わかった?」

 

「「おう!余裕だぜ!!」」

 

閃と新の息ピッタリな返答に不安になり、頭に手をやりながらため息をつく。

 

「ハァ。ほんとに分かってるのかしらこのバカ二人は…。」

 

そこにもう一人の班メンバーの東雲 志乃が苦笑いながら

 

「ハハハ…大丈夫だと思うよ?桐華ちゃん。」

 

「まあ、やる気があるだけましね。……さて、行きましょうか」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

幾つかのチェックポイントの問題を解き進めていると、閃は桐華に近付き小さい声で声をかける。

 

「なあ、河野」

 

「なに?」

 

「休憩しねーか?」

 

「さっきまでの元気はどうしたのよ。疲れたの?」

 

「……知らないのか?」

 

「……何によ?」

 

閃は本当に?と目線で問いかけるが、桐華は思い当たる事がないのか、少し首を傾げた。

 

「……ならいい。とりあえず休憩はするぞ。いいな?

 

 

おーい!ここら辺で少し休憩するから、新は先行くんじゃねーぞ!」

 

そういうとみんなで近くの岩に腰を掛け、各自水分補給して休憩する。閃は、少し離れたところでバッグを開け、タオルとまだ開けてないペットボトルの水を取りだし、タオルを濡らして軽く絞るとみんなの方に戻る。

 

「東雲、これ使え。顔拭いてから、少し首の後ろに当てとけよ。」

 

「あ、ありがと。」

 

「ん。……新、この先のチェックポイントを最短でいくからした見に行くぞ。手伝ってくれ」

 

「あいよ~」

 

そうして、閃と新の姿は遠く小さくなっていった。

残された、桐華と志乃は水を飲みながら休憩していると、桐華が口を開く。

 

「案外気が利くのね、アイツ。」

 

「峯内君はすごく優しいんだよ?」

 

「そうなの?」

 

「うん。……私昔から病弱で、今でもたまに通院してるし、保健室行くことも少なくないんだけど、小学六年生のとき体育が外でやる競技で、私はその日体調が良くなかったから保健室で休んでたんだ。そしたら、体育で怪我をした峯内君が来て、その時に私の身体の事を話したの。それからは日直とか掃除とかを手伝ってくれて…。」

 

志乃の話に桐華は口を出さずに真剣に聞いていた。桐華自身、閃のことはふざけたやつ程度に思っていたからだ。

 

「……まさか、バレてる上に、ここまで準備してるとは思ってなかったけど」

 

志乃は首に巻いたタオルを指差しながら困ったように笑った。

 

「じゃあ、アイツは、あなたの体調を気遣って休憩したと言うこと?」

 

「うん。そうだと思う。それに火野君も歩くときのペースに気を付けてくれてたし、普段の行動で誤解する人多いけど、二人は本当に優しいんだよ。」

 

桐華は閃たちに対して誤解をしていたことに気づいた。そして、それに気づけなかった自分に腹が立った。

 

「ごめんなさい。私、何も気付けなくて」

 

「ううん!大丈夫だよ!私だって心配掛けないように隠してたんだから!」

 

頭を下げて謝罪をする桐華。手をブンブン振って大丈夫という志乃の元に下見に行っていた閃と新が戻る。

 

「ん?何やってんだお前ら?」

 

「な、何でもないわ。…そろそろ行きましょうか。」

 

「??…まあいいか。東雲、大丈夫か?辛かったら言えよ?」

 

「うん。ありがとう峯内君。」

 

 

そうして休憩を終えた四人は再びゴールに向かって歩き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

標識の向きが変わっているのにも気付かずに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





はい。理由(言い訳)を説明します。

最初は完全ソロ隊員としていこうとしたのですが、
ランク戦ができないのとアフトクラトル戦がめんどくさかったので、新キャラを考えていたとです。

名前は本当に適当に決めました。

キャラ設定も書いてるので後程投稿する予定です。


今回もお読みいただきありがとうございます。

感想・誤字脱字等の報告も受け付けてます。


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峯内 閃④

どうも、ハヤヲです。

一ヶ月以上もあけて申し訳ないです。
そして今回書いてて思いました。
くそつまらねー。

ぶっちゃけ読まなくていいレベルです。

読んでくれる優しいかたはどうぞお読みください。

次回は早めに更新しようとおもいます。(白目)


ーーーーーーー

 

 

 

「ちょっと!これいつになったら着くのよ!」

 

 

指示標識があった場所から30分程度歩いているがいっこうにゴールに辿り着けない。むしろ、道が整備されてない所が多くなっている。閃たち四人は流石に異変を感じて桐華が声をあげた。

 

 

「おかしいな。看板を曲がれば直ぐって書いてあったんだが…。」

 

「閃。もしかして、あの看板の指示が間違ってたんじゃね?」

 

「あー。その可能性が一番高いな…。」

 

「どうするのよ!みんなきっともう待ってるわよ!」

 

慌てる桐華に息を整えている志乃。学校で支給される簡易地図を見直す新。そして、閃は……。

 

「落ち着け、河野。嘆いたって仕方ないだろ。」

 

「!?……ごめんなさい。そうね。こういうときこと冷静にならないとね。それで?この後はどうするの?」

 

「知らん。」

 

「はぁぁぁ!?」

 

落ち着きを取り戻した桐華だが、新の適当な返事にまたしても声をあげてしまった。

 

「うるせーな。大丈夫だよ。閃が今考えてるんだ。だからあまり邪魔してやるなよ?」

 

手をポケットに突っ込み、片手で前髪を弄りながら下を向いて何やら考えている閃に、新は指を指す。

 

「閃は成績はあまりよくないが、こういうときの頭の回転が人一倍良い。そして、なにより頼りになる。」

 

すると、閃が顔をあげて髪を弄っていた右手を下ろすと、新たちの元に戻ってきた。

 

「お?閃。その顔は何か思い付いたな?」

 

「まあ、そんな大それたことじゃないけどな。……河野、お前体力に自信はあるか?」

 

「何よいきなり……。そうね、ある方だとは思ってるわ。」

 

「よし。なら、新と一緒に先に正規のルートに戻って先生に知らせてくれ。新、あとのことは任せる。頼んだぞ。」

 

新とは長い付き合いなので、少しの会話でお互いが何を言いたいのかがなんとなくわかる。はず。多分。そして、それが伝わったのか通ってきた道を引き返し始めた。

 

「あいよ。行くぞ~河野。」

 

「ちょっと指示ってそれだけなの!?待ちなさい!」

 

スタスタ歩いていく新に戸惑いながらも付いていく桐華を見送ってから、閃は木の根に座っている志乃に声をかけた。

 

「ごめんな。東雲。疲れただろ?」

 

「ううん。大丈夫だよ。私こそみんなに付いていけなくてごめんね。」

 

「何いってんだ。お前が落ち着くまで待ってやるからゆっくり休めよ。」

 

「いつもありがと」

 

志乃は微笑みながら閃にお礼を言うが、言われた本人は気まずくなって赤くした顔を反らしてしまった。その時、閃のさわがしい心臓の音を消すかのように、少し強めの風が吹き、木々を揺らした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

閃たちと別れた新は、桐華と一緒に標識があった所まで引き返していた。

 

「少し休憩したら走るからな。」

 

「それより説明してくれない?私未だに理解できてないんだけど。」

 

「何が?」

 

「何がって、全部よ。なんでわざわざあの二人を置いて別行動にしたのよ。普通一緒に行動するのが当たり前じゃない?」

 

その言葉を聞いて新はため息をつき、面倒くさそうに頭をガシガシ掻きながら近くに腰を屈め、指を伸ばして説明し始める。

 

「はぁ。……三つあるが。まず、一つに、この状況をいち早く先生に伝えなきゃいけない。」

 

「ええ。それはさっき言っていたからわかるわ。」

 

「じゃあ二つ目、これは勘だが…東雲の調子がよろしくない。」

 

「!?……。」

 

そこで桐華は黙ってしまった。さっき二人で話していたので志乃の身体のことは理解している。だからこそ心配になる。新はそんな桐華に気にせず続ける。

 

「んで、俺の勘が当たっていれば恐らく閃は、おぶってでも東雲を運ぶつもりだ。」

 

「なら、私も手伝ったのに…。」

 

「そこだ。」

 

「え?」

 

「お前がそういうと思ったから閃は俺と行動を共にさせたんだよ。中学生と言えど女子だ。おぶられてる姿を周りに見られるのは友達でも抵抗あるだろ?それに、おんぶは最終手段だ。」

 

「そうね。仮にクラスの人に見られたら、冷やかしの対象になるでしょうね。」

 

「まあ、俺たちはまた戻ってこなきゃならんけどな、見られる人数も最小限にするって訳だ。」

 

「次は近場の施設に移動だものね。それなら周りの目もあまり気にならない…。」

 

「そして三つ目だが……(天気が心配だが、あいつなら何とかするだろ。それよりこいつに無駄な心配かける必要もないな。)」

 

さっきより新の顔が真剣さが増したのをみた桐華は、ゴクリと唾を飲んだ。

 

「三つ目は…………特にないな。」

 

「……は?」

 

「まあ、なんだ?心配すんなってことだよ。そ、それじゃ走るぞ~。」

 

最後のひとつは言わないことを決めて、緊張しくなってしまった場を和ませようとした結果、素面な顔プラス低く冷たい声が返ってきた。その視線と声に危機感を覚えた新は、逃げるように休憩を終えて走り出した。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

一方その頃、閃と志乃も休憩を終えて歩き出していた。志乃の体調を気遣って、ゆっくりと一歩ずつ足を進めている。

 

この辺は道が大して整理されておらず、木の根が飛び出ていたり、大きめの石が転がっていたりして危険なところが多々ある。

 

「峯内君。聞いていいかな?」

 

「なんだ?」

 

「何でいつも助けてくれるの?」

 

今まで何度が聞いてみたかったが、タイミングが掴めず聞けずにいたことを志乃はやっとの思いで言うことができた。

 

「別に、たまたまだよ」

 

「嘘。……………いつも気にしてくれてる。助けてくれる。それを"たまたま"なんて言われても納得できないよ。」

 

真っ直ぐに閃の瞳を見つめる。絶対に今このタイミングで聞きたい。じゃないとこの先聞けないかもしれないから。志乃はそんな思いを込めてじっと見つめる。

 

閃は、"たまたま"や"偶然"等の言葉では言い逃れられないと思い、理由を探すがうまく出てこない。

 

「本当に、これといった理由は無いんだ。ただ"あの日"東雲に保健室で手当てしてもらったお礼として何かお返ししたくてさ。まあ何もしてあげられてないけど…」

 

物を贈ることも考えたのだが、当時の閃はそれほどお金に余裕はなかった為に、別のことしてあげようと考えて、考えた末何も浮かんでこず、今に至ってしまう。

 

「だからせめて少しでも負担を減らしてあげようとしたんだ。日直の手伝いとかなら俺でも出来るからな。」

 

「それだけでも充分助けてもらってるよ!ううん!むしろ、私の方こそお礼しなくちゃいけないのに、いつも助けてもらってばっかりで感謝しても足りないくらいだよ!」

 

その言葉を聞いて閃は安心した。役にたててること、助けになっていること、今までの行動が無駄じゃなかったことに安堵する。そしてその嬉しさにほほを緩めて告げる。

 

 

 

 

「君の役にたててるなら良かった。」

 

 

 

更に、本当に良かった。と独り言のように溢し下を向いた。

 

 

 

 

******

 

 

独り言を溢した後、気まづさのあまり沈黙して休憩している。だが、何時までも休憩しているわけにはいかない。一先ず正規のルートまで戻らなくてはいけないのだ。

 

 

 

「そろそろ行くか、東雲、大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫。……あの、峯内君…。」

 

「ん?」

 

「私のこと下の名前で呼んでくれないかな?」

 

「……は?」

 

いきなりの発言に固まる。同性なら名前呼びは大して変ではなく、当たり前のことだ。異性でも仲が良かったり、家が近所で幼馴染みだったりするとお互いを名前で呼び合うことはある。だが、閃は名前で呼ぶような女子はいない。故に理解するのに時間がかかり、素っ気ない反応をしてしまった。

 

「…ダメ、かな?」

 

「ダメって訳じゃないけど、いきなりで驚いて…。」

 

「じゃあ、これからは志乃って呼んで?」

 

「わ、わかった。なら、俺も閃でいいぞ?」

 

「うん。そうするね。改めてよろしくね!閃君!」

 

「っ!!!……よろしくな…し、志乃。」

 

満面の笑みの志乃の顔を見て恥ずかしさのあまり顔をそらすと、同時に身体の向きも変える。

 

「さ、そろそろ行くぞ」

 

「うん!」

 

 

 

 

そして、二人は再び歩み始める。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

「お、見えたな」

 

 

正規のルートから走って十数分、新と桐華はやっとゴール地点まで来ていた。

 

 

「先生!」

 

桐華は担任、新は養護教諭にそれぞれ状況を伝える。指示標識の向きが変わっていたこと、閃と志乃がまだ山道を歩いていること等を簡潔に話していく。すると、担任は他の先生たちにも話を通し、生徒たちにも声をかける。レクが終わったあとは、飯盒炊飯の予定なので近くの施設に移動を始める。

 

「先生、俺たちは閃たちの元に戻ります。荷物だけお願いしていいですか?」

 

「何言ってるの!あなたたちはみんなのところにいって!先生が迎えにいくから!」

 

急いで閃たちの所に向かおうとするが、担任に止められる。新は時間が惜しく、小さく舌打ちした。

 

「いや、でも……」

 

志乃の体調が悪く、最悪歩けなくても閃が背負うとは思うが、荷物を持ちながらだと流石に辛いはずだ。せめて荷物持ちにでもと早く戻ってやりたいと思うが、なかなか担任が認めてくれない。そこに一人の若い男性教師が声をかけてきた。

 

「なら、俺が同伴しましょう。」

 

彼の名前は「山口 賢人」隣のクラスの担任であり、数学教師。生徒からも授業が分かりやすいと評判が良い。それに加え、スラッとしていて、顔も整っているので、女子からの人気はもちろん、PTAの方々からも人気がある。愛称はグッチー。

 

「ですが…」

 

「こういうときは、力と体力がある男性のほうが適任です。それに、道を案内してもらうのに彼らの協力があった方がいい。」

 

「……わかりました。お願いします。」

 

「任せてください。」

 

「あなたたちも気を付けてね!」

 

「「はい!(うす。)」」

 

こうして何とか閃たちを迎えに行ける準備ができた。

 

「じゃあグッチー、走るよ」

 

「先生をつけなさい。ああ、道案内頼むよ」

 

「行きましょう」

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

「やっと戻ってこれたね。」

 

「そうだな。……やっぱり標識が変わってる」

 

「でも、何でだろう?誰かのイタズラかな?」

 

「それはたちが悪いな。」

 

閃は標識の辺りを見渡す。地図を見て進めば間違いに気付くかも知れないが、気付かずに進んだら迷って戻れなくなる可能性もある。普段は道が塞がってるらしく、近くに立ち入り禁止の札が付いているロープが落ちていた。明らかに人の手で外されたものだ。

 

「全く、こんなバカなこと誰がやるんだ。」

 

若干怒りの混じった声を出したが、声が小さかったので志乃には聞こえなかった。すると……

 

「……ーぃ……ぉーぃ」

 

何処からか声が聞こえた。

 

「志乃、なんか言ったか?」

 

「ううん?言ってないよ?」

 

「おーい!」

 

すると今度ははっきりと閃の耳に届く。

 

「この声は…新か!」

 

そして段々新たちの姿も見えてきた。

 

「良かったな志乃。もう大丈夫だ。」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

*********

 

 

 

 

先程、合流を果たし班員が全員そろった。そして新と桐華についてた数学教師、山口の説明もされ、これからどうするかを話し合っている。すると、数学教師

 

「さて、これからだけど一先ずみんなのところに戻って東雲さんを保険の先生に診てもらわないとね。」

 

「新、こっから何分くらいでつく?」

 

「そうだな~東雲の事を入れるとして、15分あればつくんじゃねーの?」

 

「なら、志乃は俺が背負うから、新は荷物を頼む。」

 

「はいよ。……ん?志乃?」

 

「あー、さっき名前で呼びあうようにしたんだよ」

 

「なるほど。まあ、今はそんなことよりゴールまでいかないとな。」

 

新の言葉に閃は頷く。そして、みんなに声をかけ出発することを告げる。

 

「志乃、恥ずかしいと思うが我慢してくれ。」

 

「う、うん。ありがと」

 

お互い赤面しながら、閃が背を向けしゃがむ。それに遠慮がちに身体を預ける志乃は閃の首に手を回す。

 

「変なとこ触るんじゃないわよ。」

 

「おい、河野!冗談でも今はやめてくれ!これでも死ぬほど恥ずかしいんだからな!」

 

「あら?私は別に冗談を言ったわけじゃないわよ?」

 

「はぁ。閃、そろそろいくぞ。河野もその辺にしとけ」

 

時間もないのにじゃれあっている生徒たちを山口はニヤニヤしながら見ている。

 

「いや~若いっていいね~」

 

「先生!アンタもまだ若いでしょ!あーもう!先行くぞ!」

 

閃は逃げるようにはや歩きでその場から逃げた。一方、背をわれている志乃はあまりの恥ずかしさに赤面したまま黙っていることしかできなかった。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

ゴール地点についた後、近くの施設に移動し、志乃は養護教諭のもとに、他の三人はお昼を作っていた。遠足等ではお馴染みのメニューでカレー。お手頃につくれて嫌いな人はほぼいない。そして、美味しい。閃たちは他の班に遅れて調理を開始したが、思いの外差が出ていなかった。理由は……

 

 

トントントン!!

 

「峯内君!そっち終わった?」

 

「おう!……次はこっちの野菜切ればいいか?」

 

「うん、お願い!それが終わったら……」

 

 

物凄いスピードで調理を進めている二人がいるからだ。

 

「あいつらスゲーな……」

 

新は飯盒に濯いだ米を入れ、炊いている。炊飯器じゃないので、薪に火をつけ炊く。火の加減を調節するためにその場からあまり離れることは出来ないが、なにかしら手伝う事はできるだろうと、カレー作り担当の二人に視線をやったのだが、必要無さそうなので団扇で火を扇ぎながら二人を見ていた。

 

「周りのやつも若干引いてんじゃねーか……。」

 

二人の働きぶりに溜め息をついてると志乃が戻ってきた。

 

「お?おかえり。大丈夫なのか?」

 

「うん。薬も飲んだし、ありがとね。……それよりあれは?」

 

志乃も気になったのか二人のほうを指差して聞いてきた。

 

「何か、遅れを取り戻す!とか言って気合い入れた結果があれだ。ほっとけ」

 

「アハハ……二人ともすごいね。」

 

「味に期待だな。」

 

 

 

 

********

 

 

 

「「完成!!」」

 

机の上には、ホカホカの炊きたてご飯に具沢山のカレーがかかっているお皿が四つ並べられていた。

 

「おつかれさん」「お疲れ様」

 

満足気にしている二人をみて新は呆れつつも、目の前にあるカレーに釘付けだった。

 

「そんじゃいただきますか」

 

「「「「いただきます」」」」

 

一斉にカレーを一口食べると手が止まる。だが、次の瞬間には全員が黙々と食べ始めた。

 

 

***

 

 

「はぁ~食ったわ~」

 

「おい、新。すぐ横になるなよ……てか片付け手伝え。」

 

「あいよ。二人は休んでな」

 

「そんなの悪いわ、私も手伝う」

 

「そうだよ!私だって何もできてないし」

 

「いーんだよ、こんくらい俺たちだけで充分だ」

 

手伝うと引き下がらない女子二人を置いて、新は食器を洗い場に持っていき、閃と二人で手分けして片付ける。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

飯盒炊飯が終わり、あとは、帰るだけなのでそのため全員でバスに乗った。

 

「あー。疲れたぁ……」

 

愚痴をこぼしながら席につくと、桐華と新と話していたときのことを思い出す。片付けが終わり、集合場所に移動しようとしたら呼び止められたのだ。なぜ、お互い名前呼びになったのかを聞かれた(桐華にしつこく。)ので、あったことを話した。

 

(なぜ、志乃とのことを全部話さなくちゃいけないんだ。)

 

などと、思った閃だか、ごねるよりすべてを話した方が早いと判断した。その話を聞いた桐華はみんな名前呼びに変更するなどと勝手なことをいい始め、閃と新は嫌々承諾した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その後、当時放送してたアニメを見てから、仲間意識に変なスイッチ入って。コイツらは何があっても守ってやる!って意気込んで、木刀振るようになりました。」

 

「いや!さっきの話、なんだったの!!」

 

長い話が終わったと思いきや、適当なオチに迅は思わずツッコまずにはいれなかった。

 

「でも、新や志乃、桐華を守りたいって思ったのは本当です。後日、四人で遊んでた帰り、柄の悪い不良に絡まれたときは、新と一緒に撃退しましたし。」

 

「できれば、そっちの話を聞きたかったな……」

 

迅はアハハと、乾いた笑いをする。

 

「でも、そのとき志乃と桐華がケガをしたんです。軽い擦り傷でしたけど、血が出てて、それ見たとたんに俺は……」

 

閃の声が段々低くなっていった。いつもの穏やかな表情とは違い、周りの空気がピリつくほど強張った表情をしている。

 

「……俺は、不良をボコボコにしたらしいです。」

 

「らしい?」

 

「その時、怒り狂ってて、新に止められるまでの記憶が無いんですよ。」

 

「記憶が…ね。」

 

「事件後、ショックがでかくて精神が安定しなかったんですが、剣を振ってる時だけは自然と落ち着けたんです。」

 

あの頃の記憶を思いだし、右手を見つめてた視線を空に移した。

 

「ボーダーに入った理由も自分が落ち着きたいだけなのかもしれません。」

 

「まあ、理由はともかく、お前はボーダーに入って正解だよ。……さ、だいぶ長話しちまったな。そろそろ戻るか」

 

「そっすね。」

 

「そんなに、気にするなその内ちゃんと三人に会えるさ」

 

そういいながら迅は屋上から消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







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峯内 閃⑤

どうも、ハヤヲです。

早く投稿するなど嘘をついてしまい
申し訳ないです。

やっとの想いで妹の名前がでてきます。
いち読者様からいただきました。
素敵な名前をどうも有難うございます。


ワールドトリガーを友達に貸したまま
返ってこなくてorzですが

どうぞ。






屋上で迅さんと話してから下に戻るとレイジさんが声をかけてきた。

 

「閃。晩飯はどうする?食べていくか?」

 

レイジさんのご飯はボーダーの間でもとても評判らしく、特に肉肉肉野菜炒めが絶品だとか…これは食べてみたい。

 

「頂きます。そうだ、妹も呼んでも大丈夫ですか?」

 

「構わないぞ。」

 

「ありがとうございます!」

 

許可をもらい、妹にメッセージを送るとすぐに返信が来た。

 

「返信早ッ!えーっと、了解っと。……妹も来るみたいなので迎えにいってきます。」

 

後ろから迅さんと宇佐美がいってらっしゃいと見送ってくれた。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

再び玉狛にもどってきた俺は、妹を紹介した。

 

「みなさん、こいつが俺の妹です。」

 

「こんばんは!妹の千晶(ちあき)です!兄がお世話になってます!」

 

千晶が自己紹介を終えると近くにいた二人が答えた。

てか、お世話になってますってお前はオカンか。

 

「私は宇佐美 栞。よろしくね」

 

「私は小南 桐絵。よろしく」

 

「二人ともお綺麗ですね!今日はお招きいただきありがとうございます!みなさん、よろしくです!」

 

男性陣の紹介する前に仲良く三人でガールズトークに花を咲かせている。

 

「流石、千晶だ。仲良くなるの早い。」

 

「先輩にはできなさそうですよね」

 

「そうだな。俺のコミュニケーション能力は殆どアイツに取られたからな。」

 

千晶は俺が頑張って仲良くなった人でもそれを嘲笑うかのように、一瞬で仲良くなるのだ。

てか、この後輩、さりげなく俺のことバカにしたろ。

 

「おい、お前ら飯ができたぞ運ぶの手伝え。」

 

失礼な後輩に対して一言言ってやろうと思ったのだが料理ができたらしいので運ぶのを優先する。

 

 

*******

 

 

「ご馳走さまでした。」

 

レイジさんの極ウマ飯を堪能すると、千晶が食器を持って台所に運んだ。それをみていたレイジさんが声をかけた。

 

「千晶、客なんだからやらなくていいんだぞ」

 

「いえいえ!ご馳走になったんですから、洗い物くらい手伝います!」

 

腕捲りをしながら答える千晶。それをみていた迅さんは俺のとなりにコーヒーの入ったマグカップを手渡しながら座った。

 

「良くできた妹だね~」

 

「俺の自慢の妹です。」

 

「……閃、今度千晶ちゃんを開発室に連れていってくれるか?」

 

迅さんはおとぼけた顔からいきなり真剣な顔つきになりそんなことを言ってきた。だいたいなぜ千晶が開発室に?

 

「なぜ?そんなことを?」

 

率直に聞いてみた。

 

「一度、鬼怒田さんに会わせた方がいい。俺のサイドエフェクトがそういってる。」

 

「未来予知。……わかりました。後日、連れていきます。」

 

「鬼怒田さんには俺が話をつけとくよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

****

 

 

 

食後に果物を食べながら雑談をし、良い時間になったのでそろそろお暇することにした。

 

 

「今日はありがとうございました。」

 

「レイジさん!ごちそうさまです!みなさんもありがとうございました!」

 

「また、いつでも来いよ。」

 

「はい。迅さん。…それじゃあ」

 

 

そういって俺と千晶は玉狛支部を後にする。

家に向けて歩いているとき迅さんに言われたことを再度考えていた。千晶が開発室に、いったい何が起こるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

翌週。

 

今日は妹の千晶を連れてボーダー本部、開発室に足を運ぶ予定である。先週迅さんに、例のサイドエフェクトで鬼怒田さんに会わせてみよう。ということになったのだ。

 

「そろそろいくぞ~」

 

「は~い!今行く~!」

 

俺は玄関で靴を履きながら千晶をまってると、スマホが振動したので確認することにした。

それは、一年生組のグールプLINEの通知だった。

 

 

ー ボーダー高一組 ー

 

出水「次の休みに出掛ける予定を槍バカとたててるんだけど、予定あいてるやついる?」

 

 

米屋「誰が槍バカだ、弾バカ。久しぶりにどっかいこーぜ!」

 

 

とのことだった。

特に予定がないので空いている旨を伝える。

 

峯内「俺は空いている。」

 

メッセージを送信すると、妹が上から支度を終え階段を降ってきたのでスマホをしまい、一緒に家を出た。

 

 

 

ーーーーー

 

 

30分程でボーダー本部に着いた。千晶はボーダー隊員ではないが、話が通っていたため簡単に入ることができた。

中に入り、ただでさえ長いのに廊下の景色は変わらないので進んでいる気にならない。

 

「ねぇ、お兄ちゃん?」

 

「ん?なんだ?」

 

「開発室ってところに行って何をするの?」

 

「詳しくは俺もわからん。」

 

「えぇ。」

 

妹のジト目から逃れようと視線をずらすと、ちょうど開発室についたようだ。

 

ゴゥーン

 

「失礼します。峯内です。鬼怒田さんいます?」

 

適当に挨拶をしながら入っていくと、千晶も「失礼しまーす。」と小声で言いながら付いてくる。

すると、奥から背の小さなおじさんがやってくるのが見える。

 

「おぉ、閃!そっちは妹の千晶ちゃんだったか?よくきたな!まあ、立ち話もなんだ、とりあえず座れ。」

 

 

***

 

 

自己紹介も兼ねて、少し雑談してから今日の本題に入る。

 

「話は迅からきいとる。だが、にわかにも信じられんな、彼女が開発室に必要な人材になるなど…」

 

「はい。俺もそう思います。千晶は昔から物造りとかは得意なのは知ってますけど、トリオンについてはもちろん無知ですしね。」

 

ボーダーのテクノロジーは現代の科学技術とは全くの別物なのだ。少し知識を得たからといって、すぐ対応出来るほど千晶の頭はできてないはずだ。

 

「ねぇねぇ、お兄ちゃん」

 

「ん?なんだ?」

 

「そのトリオンっていうのはなんなの?」

 

聞きなれない単語に疑問に思った千晶は首をかしげながら聞いてきた。

 

「そうだな。まず、トリオンの説明からするか」

 

***

 

「……という訳で、トリオンというのは非常に貴重なものなんだ。」

 

「なるほど~、…つまりNA○UTOでいうチャ○ラみたいなものか~」

 

「まあだいたいそんなもんだ。詳しくは俺も知らん。」

 

本来もう少し複雑なものになるのだが、最初はその程度の捉え方でも問題ない、はずだ。

 

 

「ん?閃。携帯が鳴っとらんか?」

 

鬼怒田さんに言われて、ポケットに入れてあったスマホを確認してみると、着信があった。

「あ、ホントだ。電話みたいなんで少しはずしますね。」

 

 

 

******

 

 

開発室からでて、再度スマホを確認すると、知らない電話番号からの着信と、メールが一件送られて来ていた。

そのメールを開いたとたん、思考が一瞬停止した。

メールの送り主。それはあの事件以来、殆ど連絡を取らなくなったアイツだった。

 

 

From 新

 

To 閃

 

件名 久しぶり。元気か?

 

ーーーーーーーーーーー

 

久しぶりだな。さっきの電話は俺だ。

今、三門市に来てるんだが、良かったら会えねーか?

 

 

 

 

 

END

ーーーーーーーーーーーー

 

 

という、文だった。

なぜ三門市に?という疑問が頭に浮かんだが、会えばわかるのですぐに思考を切り替える。

ひとまず、開発室にいる二人に出掛けることを告げなくてはならない。

 

 

「鬼怒田さん。急用ができたので、自分はこれで失礼します。千晶はここにいろ。あとで迎えに来る。」

 

「おう、そうか。安心せい。千晶ちゃんは此方で預かっておく。まだ色々話したいこともあるのでな。」

 

「すみません。頼みます。」

 

「行ってらっしゃいお兄ちゃん」

 

 

ーーーーーー

 

 

開発室からでた俺は外に向けて歩きながら、先程着信のあった番号に電話をかける。

 

 

プルルルル…プルルルル…

 

数回コール音がなると、懐かしい声が聞こえてきた。

 

『よお、閃。久しぶりだな。』

 

「…久しぶりだな。新。」

 

『メールでも伝えた通り、今三門市駅前の喫茶店に居るんだが、これるか?』

 

「あぁ、30分以内にいく。」

 

『じゃあ待ってるぜ。』

 

電話を切ったと同時に俺は駅に向かって走り出した。

 

 

 

ーーーーーー

 

三門市駅前、喫茶店

 

 

喫茶店前につくと中から軽く手を挙げている新が見えた。俺は息を整えてから店に入るとクーラーの冷えた風がほどよくあたり火照った体を冷ましてくれる。

数秒ほどで店員さんが対応に来てくれたが、待ち合わせです。というとすんなり通してくれた。

 

「元気そうだな、新。」

 

「まあな。お前は少しかわったか?」

 

「そうか?自分じゃわからんが。」

 

「あぁ、少しな。」

 

「「……」」

 

暫しの沈黙。元々会話は多くはなかったが、今の沈黙は気まずさがあり、心地よくはなかった。

痺れを切らした俺は単刀直入にここにいる理由を問うことにする。

 

「それで?なんでこの街にいる?何の用だ?」

 

「お前に会いに来た。特に用はない。」

 

「…嘘だな。」

 

新が無意味に外出したりしない。それを俺が一番よく知っている。

 

「嘘じゃねーよ。お前に会いに来たのはホントだ。ただ、あの二人に頼まれて来たんだよ。」

 

「あの二人に?」

 

「あぁ、お前、ボーダーに入ったんだったな。」

 

「!?なんで知ってるんだよ。」

 

「ボーダーのサイトには正隊員の名前が全部載ってるんだよ。それを俺たちの学校のヤツが見つけた。」

 

え、そんなのあんの?そういえば、クラスのやつに祝われたけど、てっきり出水たちが教えたのかと…。

 

「最初は目を疑ったぜ?まさか引っ越し先が三門市でしかもボーダーに入ってるんだからなww

んで、それを知ったあの二人が俺をこんなとこまで寄越した訳だ。まあ俺も用があったしな。」

 

「確かに、引っ越し先を言わなかったもんな。そりゃ怒るわけだ。」

 

あの事件以来、俺は新たちと話すことが減り、親の都合で引っ越すことも三門市に来ることも言わなかった。

言う機会はあった。が、負い目を感じ、言い出すことができなかった。

 

「桐華はそうだったが、志乃は違うぞ?」

 

「は?何でだよ怒って当然だろ。それが普通だ。」

 

「なんだよそれ。志乃は居所がわかって安心したと同時に心配もしてたぞ。なんせネイバーがでる街だからな。」

 

「そうか…。」

 

「お前がいなくなってからの学校生活は、心底つまらなかった。どいつもこいつも張り合いのない奴らばっかりでよ。」

 

「そ…そうか…。」

 

そりゃあ、ゲームでもなんでも、勝てばもう一度だ!負けてももう一度だ!の無限ループだからな。できるだけ関わりたくないだろ。しかも、やればやるほど腕を上げて普通のひとならすぐ抜かしてしまうしな。

 

「まあ詳しくは後でいくらでも話してやるよ。

こっちも色々溜まってるんだ愚痴の一つでも聞きやがれ!」

 

「わ、わかった!わかったから!」

 

やだなー。こいつの愚痴は話始めると長いんだよなー。

等と考えていると、新の顔つきが変わった。

 

「んで、こっからが本題なんだが…」

 

「何だよ。てか、用あるじゃねーか。」

 

「まあ、細かいことは気にすんな。

 

 

 

……俺、ボーダーに入ることになったからよろしく」

 

 

 

 

 

 

「………は?………はぁ!?」

 

 

 

 

 

 





ニアオートマタを買ってしまったので

次の投稿がいつになるかわかりませんが

頑張りますので、よろしくです。

妹たちのキャラ設定も新しくつくったので

その内のせます。

では、今回もお読みいただき有難うございます。



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峯内 閃⑥

どうも、ハヤヲです。

ホントにすみません。

読んでくれている方は少ないと思いますが
どうぞ。


***

 

現在、駅の近くにある喫茶店にて、親友の新と数ヵ月ぶりの再開。そして距離感のある会話の後にとんでもないことをコイツは言ってきたのだ…

 

 

「ちょっと待て。誰がどこに入るって?」

 

「だから、俺が・ボーダーに・入るんだよ。」

 

「なぜ!!!???」

 

「元々興味があったってのもあるが、ある人から話を聞いてて決心がついた。」

 

「は?ある人って?」

 

誰だ?ある人って…。

 

「迅 悠一。」

 

「んな!!」

 

なんで新が迅さんを知っているんだ。迅さんが新を知ってるのはわかる。俺が教えたから。だが、逆はない。

 

「なんでお前が迅さんを知っているんだよ!」

 

「さっきお前に会う前に駅前で会ってな。そこでスカウトされた。」

 

ダメだ…もうついていけない。迅さんホントに何やってんの?バカなの?

 

 

 

 

******

 

 

簡単にまとめると、新は俺に会いに三門市にきたら迅さんが待ち伏せしてて、新に接触。俺の名前をだし、その場でスカウトして新も了承。ということらしい。いや、どういうこと?

 

 

「そろそろ話はついたかなー?」

 

・・・。

 

「新、ボーダーに入るっていっても学校は?」

 

「転校する。その辺もボーダー側がやってくれるらしいぜ?」

 

「もしもーし?聞いてる?」

 

・・・・・・。

 

「じゃあ、志乃と桐華はどうなるんだよ」

 

「あいつらもその内来る。今日の話を伝えれば二つ返事でこっちに来るだろうな。桐華の家はボーダーのスポンサーでもあるし」

 

「ちょっとこの実力派エリートを無視しないでくれない?」

 

そろそろいいか。

 

「で、迅さん。これはどういうことか説明をお願いします。」

 

「俺を無視してた件について説明をお願いしたいけど…。

まあいいや、今日の朝、閃がここで新と会う未来が見えたから先にあってスカウトしておいた」

 

「話してて、いい条件だったから乗っておいた」

 

「何を勝手に決めてるんですか。しかも仲良くなってるし…。」

 

仲良く二人でグッジョブしないでください。イラッとする。

 

「でも、閃だって親友と一緒に居たいだろ?あと女の子二人とも」

 

「だからって」

 

だからっていきなりすぎる。それにあの事件以来、まともに会話もしてないし、彼らに謝罪の言葉すら…

 

「勘違いすんなよ?閃。俺はお前を許した覚えはねーからな。……そんな顔すんなって。俺が許してないのは、あの事件のことじゃねー。何も言わずに転校したことだ。だから一発殴らないと気がすまねー。幸い、ボーダーにはそれにうってつけの場所らしいしなww」

 

新は普段、態度は悪いし口も悪い。めんどくさがりやで、気分屋。だが、俺が新と一緒にいる理由は、口は悪くても本音で話してくれて、面倒といいながら面倒見がよく、何より友達を裏切ったりしない。

 

「そう簡単に殴られるかよ。返り討ちにしてやる」

 

だから、俺はこいつと、こいつらと一緒に居たいと思う。

 

 

 

 

 

「あ!でも多分、桐華のグーパン、志乃の長時間説教は避けられないと思うけどな~www」

 

 

 

………ヤダ。やっぱり一緒に居たくない。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

あの後、新は電車の時間があるからと言って帰った。

帰り際にLINEも交換した。

今は、迅さんと二人で本部に戻っているところだ。

 

「迅さん、なんで新をスカウトしたんですか?」

 

「ん?あぁ、ホントは俺がスカウトしなくても新はボーダーに入ったよ。閃が誘ってた未来も見えたな。…まあでも、俺がスカウトした理由はお前の時みたいに無理やりねじ込む事もできるし、早くB級に上がってもらうためかな?」

 

「次の入隊式前じゃダメなんですか?」

 

次の入隊式は確か、9月だったか?

1ヶ月近く先にはなるが…

 

「それでもいいんだけど…まあ詳しくはまた今度な」

 

「はぁ…」

 

何かはぐらかされた感じだな。迅さんは意味のないことをする人ではないと思うし、これ以上聞いても答えてくれそうにない。

 

「この後、どうする?俺は玉狛に帰るけど」

 

「俺は、千晶を迎えに行ってから、ランク戦やるか帰るか決めます。」

 

「そうか、じゃあここでお別れだな。またな!」

 

「はい、失礼します。」

 

こうして、迅さんと別れ千晶を迎えに開発室へと足を進める。

新に会ったなんて言ったら千晶はなんて言うのだろうか?

そんな事を思いつつ、何処を歩いても景色の変わらない長い廊下を歩いた。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

初対面。それは、今まで一度も会わなかった人と初めて顔を合わせることである。そして、大抵の場合は引き合わせた第三者がいる。しかし、第三者が途中でその場を離れたらどうなるか。答えは言わなくても察するだろう。

ましてや、自己紹介を終わらせただけの状態なら話すこともなく、ただひたすらに時計の針が進む音だけがその空間を支配するは至極当たり前のことだ。

 

さて、なぜこのような下らない話をしてるのかと言うと、目の前で全く逆の出来事が起きているからである。

 

 

「なんだこれ…」

 

鬼怒田さんと千晶が設計図らしきものを見ながらワイワイやっていた。

 

「あ、お兄ちゃんお帰りー!」

 

「おぉ!閃速かったな!」

 

大分席はずしたんだけどな…

 

「で、なにやってるんですか?」

 

「これか?千晶ちゃんがトリガーに興味を持ってな、話している内にわしらが気づかない欠点を教えてくれて、それからこうして次の試作トリガーの話し合いをしていたとこだ」

 

「ボーダーの技術って面白いね!」

 

「面白いねってお前なぁ…」

 

ものの数時間で理解して鬼怒田さんと開発の話とかうちの妹がハイスペックすぎて怖い。いや、怖い…

 

「閃と千晶ちゃんが良ければボーダーに入ってくれんか?まだまだ話したいことも多いし、なにより人手が増えるのは有難いのでな」

 

「はぁ、まあ千晶さえ良ければですけど。どうする?

母さんたちには俺が言っとくけど」

 

俺がいるし、両親はダメと言ったりはしないだろう。あとは、千晶の意思のみだ。

 

「いいの!!じゃあ入る!」

 

 

こうして、妹の千晶のボーダー(開発室)の入隊が決まった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

数日後、俺は忍田さんに呼ばれた。

用件としては、千晶の入隊、新のスカウトの件らしい、

 

「失礼します。」

 

「わざわざ来てもらってすまない。」

 

「いえ、忍田さんが忙しいのは分かってますので」

 

「早速だが、君の妹さんに鬼怒田開発室長からボーダーへの入隊、そして是非開発室に…という話が来ているんだが。」

 

「はい。その件は親も同意のされてるので、そちらが良ければいつでも大丈夫です。…本人は今すぐにでも入りたいみたいですが」

 

困ったように言うと忍田さんも少し苦笑いだった。

 

入隊するための手続き等の話を一通りし、話題は新の話になった。

 

「迅から聞いたんだが、火野 新くんは君の親友らしいな」

 

「はい。」

 

「迅が何を考えているかは知らないが、すぐにでも入隊させた方がいいと言っている。ボーダーのためにも、そして、君のためとも言っていたな。」

 

「そうですか。まあ迅さんのことなんで、何か考えがあっての行動だと思います。俺にはさっぱりですが。」

 

迅さんは本当に何考えているかわからない。でも、みんなが幸せになれるように日々暗躍してくれているのはわかる。

 

「そうだな。ではそちらも準備しておこう。」

 

「よろしくお願いします。」

 

こうして、千晶と新、後日に志乃と桐華の入隊が決まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

本部長室をでた俺は久しぶりにランク戦をやるためにスマホで対戦相手を募集した。

 

 

ーーボーダー高1ーー

 

 

閃「個人ランク戦の相手募集。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

よし、これで誰か来るだろう。

………来なかったら泣く。

 

 

そんなくだらないことを考えているとブースについた。

誰かいないかと探していると槍バカが中学生とランク戦をしていたので、観戦することにした。

 

「おぉ、あの中学生速いな…。」

 

グラスホッパーでピョンピョン飛び回って相手を翻弄している。

 

「グラスホッパーにあんな使い方があるのか。」

 

小柄ゆえにできる技だとは思うが、似たような動きができれば手札にはなりそうだな。そうだランク戦してもらおう。

そして、ちょうど10本勝負を終えてブースから出てきた二人に声をかける。

 

「よ、槍バカ」

 

すると、陽介がこちらに気づき中学生と一緒に近づいてくる。

 

「誰が槍バカだ!って閃じゃん!お前もランク戦か?」

 

「まあな。」

 

「よねやん先輩、この人は?」

 

「そういえば初対面だったな。こいつは峯内閃。最近上がりたてのB級ソロだ。」

 

「峯内閃だ。よろしく」

 

「んで、こっちが緑川駿。A級草壁隊のアタッカーだな」

 

強いとは思っていたが、まさかA級だとは思わなんだ。

まあ、陽介と対等に戦えることはつまりそういうことなんだろうけど。

 

「へぇーB級ソロなんだ。そうだオレとランク戦しようよ。」

 

緑川は明らかに此方を舐めているようだ。笑いに含みがあるのが明らかである。念のため陽介に確認を取ることにする。

 

「陽介、やっちゃっていいの?」

 

「おう。存分にやっちゃって。お前なら負けねーよ。」

 

緑川に聞こえない程度の声量で会話をし、OKがもらえたとこで、緑川を締めることに決めた。

 

「じゃあやろうか。」

 

二人は適当に空いているブースに入り、

10本勝負を始めた。

 

 

 

 




本来やりたかった話と違ってきたな~と
思う今日この頃です。


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緑川 駿

どうも、ハヤヲです。

ゆったりまったりやってたら
こんなに期間空いてしまいました。
みてくれてる人少ないとは思いますがどうぞ



現在、俺はソロランク戦のブースにいる。理由は緑川に誘われたから。簡単には言えばこうだが、緑川は俺がB級上がりたてで舐めているのだろう。あの含んだ笑みを見ればすぐにわかった。陽介に許可をもらい少しお灸を据えてやることにした。中学生と言えど緑川はA級だ、油断すれば此方が負けかねない。だが、太刀川さんの弟子として負けるわけにはいかない。

 

 

『もしもーし聞こえてる?何本勝負にする?』

 

「何本でもいいぞ。」

 

『ふーん。じゃあとりあえず5本勝負にするよ』

 

「おっけー」

 

『転送開始』

 

アナウンスが流れ、ステージへ転送される。

場所は市街地A。ノーマルなステージだ。

 

 

さてさてさーて。始めましょうかね!

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

『転送開始』

 

転送が完了すると前方300m先に緑川を目視できた。お互いに視認し、緑川はスコーピオンを片手に持ち此方の出方を窺っていたので、俺は背中に背負ってある弧月を抜き、緑川に向かって走り出した。数秒走っていると、

もう少しで攻撃手(アタッカー)の間合いになり、戦闘が始まるはずだったが、そうはならなかった。何故なら、緑川の前方20m手前で()が止まってしまったからだ。

 

「どうしたの?急に止まって。」

 

「お前に一つ言いたいことがあってな。」

 

そういいながら弧月も鞘に納める。それを見ると緑川も一度スコーピオンをしまった。

 

「ん?手加減でもしてほしいの?」

 

とことん舐めてでる緑川に俺は呆れ、肩を落としていた。

 

「はぁ。緑川さ、何でそんなに余裕かましてんだ?俺の実力とか知らないだろ。」

 

「そんなの知らないよ。オレはA級でアンタはB級。しかも上がりたて。ポイントだってマスタークラスには到底届いてないし。何を警戒する必要があるのかさっぱりだね~」

 

緑川にB級上がりたてで勝てるやつはほぼいない。それほどに緑川は強いのだ。だが、強いと言ってもB級全員に勝てるわけでもない。

 

「そうか。なら、賭けをしないか?」

 

「賭け?」

 

「そうだ。もしお前が勝ったら一つ要求を飲んでやる。…ただし、俺が勝ったらわかってるな?」

 

あえて自分の要求は言わない事によって『俺が勝ったら一つ言うこと聞け』というお互いほぼおなじ要求だと思わせることだ。

 

「いいよ。それ乗った。」

 

自分が負けるとは微塵に思ったいない緑川はすぐに承諾した。

 

「よし、じゃあ始めるぞ。」

 

そう言ってから俺は背負っている弧月に手をかける。すると、緑川も戦闘態勢をとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

【先日】

 

 

「ハァハァ……」

 

「今日はここまでにするか。」

 

「はい。ありがとうございます。」

 

今日は週に何回かある師匠の太刀川さんとの模擬戦。未だに勝てない。本当に怪物だと思う。俺も少しずつだけど強くなってるはずなんだけどな。

 

「そうだ、閃。弧月のポイント今どれくらいだ?」

 

「ポイントですか?もう少しで6500越えますけど」

 

出水にはそんなにだが、陽介相手なら勝ち越せる事が増えてきた。相変わらず射手(シューター)は苦手だ。出水のお掛けで弾を切り落とす練習になってるから其処らの射手(シューター)には簡単には負けないだろう。対して陽介の方はお互いオプショントリガーなしの試合、もちろんシールドも使わずの戦いをしているので勝てたりするのだ。オプショントリガーを使った戦いならまだ陽介勝ち越すことは難しいだろう。いつか越えてやるが…。

 

 

閑話休題

 

「それがどうかしたんですか?」

 

「そろそろ師匠として新しいことでも教えてやろうかと思ってな。」

 

「はぁ…?」

 

そもそも太刀川さんにはこれといって教わったことはない。模擬戦するだけで勉強にはなるのだが、手取り足取りという訳ではない。それにしても新しいこととはいったい何だろうか。

 

「そうだな、8000ポイント越えて、俺から二本取れたら教えてやる。だからそれまで……… 」

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

【ソロランク戦:市街地A】

 

「よし、じゃあ始めるぞ。」

 

緑川がスコーピオンを構え、戦闘態勢に入る姿をみてから、俺は抜刀すると利き手に持っていた弧月を左手に持ち替えた。

 

「旋空弧月」

 

一瞬、緑川が驚いたように俺の左手に視線をやっていたがすぐさまジャンプして回避する。勿論これで仕留められるとは思ってない。すると緑川はグラスホッパーを使って距離をつめてきた。それにあわせ上から垂直に弧月を振るうが再びグラスホッパーで回避される。陽介の試合同様、乱反射(ピンボール)を始める緑川。慌てず視線で緑川を追い続けて、仕掛けてくるのを待つ。

 

 

( ……きた!!)

 

死角からの攻撃を弧月で向かい打つため水平切りで緑川のトリオン体を切り裂く……

 

 

 

『戦闘体活動限界。緊急脱出(ベイルアウト)。』

 

 

ことはなかった。

そして、二本目も同じ展開、緑川の乱反射(ピンボール)からの攻撃で供給器官を切られやられた。

 

 

 

 

 

峯内閃vs緑川駿 0対2。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソロランク戦。三本目開始。』

 

現在のステージは河川敷。そしてソロランク戦は5本勝負なので、リーチをかけられている。

 

「これで最後だね。あんな啖呵きっといてリーチだけど大丈夫?負けちゃうよ?」

 

そう緑川は勝利を確信した顔で笑みを浮かべている。

 

「そうだな。だが、……チェックメイトだ。」

 

俺は脱力し俯くと、緑川は再びグラスホッパーで仕掛けてくる。さっきまでとは違い死角からの攻撃ではなく、正面から突っ込んでくる。

 

「じゃあ、これでオレの勝ちね!!」

 

まだ脱力したままの俺の首を狙ってスコーピオンが振るわれる。しかし、それを最小限の動きで避け、次の瞬間には緑川のトリオン体を真っ二つにした。

 

「何を言ってるんだ?言ったはずだ。チェックメイト…ってな。」

 

緑川にそう言い残し、緊急脱出(ベイルアウト)するのを見送った。

その後の試合も瞬殺し、ソロランク戦が終了した。

 

 

 

 

『ソロランク戦5本勝負。峯内vs緑川。3対2 勝者、峯内』

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

緑川とのランク戦に勝利した俺はブースを出て、ソファーに座って観戦していた陽介の元にむかった。しかし、中学生と言えど流石はA級だな。相手が油断してなかったら利き手で弧月使ってもでも危なかったと思う。

 

 

「お疲れさん。これ、コーヒーな」

 

「サンキュ」

 

陽介は手に持っている缶コーヒーをくれた。俺はトリオン体を解除してからプルタブを引き一口飲んだ。それを見た陽介は手を頭の後ろに組み先ほどの試合結果を見上げる。

 

「予想通りになったな。それにしても驚いたぜ、いつの間に練習してたんだ?」

 

「太刀川さんに言われたんだよ『8000越えるまで左手だけで戦え』ってな。」

 

まあ、A級とB級の上位ランカーには利き手で戦っても良いらしいけど、今回は行ける気がしたから左手で戦っただけだ。

しばらく、陽介と話してると少し遅れて緑川が出てきた。見ると肩を落とし俯いていることから大分ショックだったのだろう。すると、そんなのはお構いなしに陽介は笑いながら緑川に声をかける。

 

「おう、緑川おつかれさん。どうた、閃は強かっただろ」

 

だが、緑川は反応しない。俺は息を吐いてから緑川の前に立ち、おでこにデコピンをした。

 

「イテッッ!」

 

緑川はおでこを押さえながら唖然とした顔で見上げてくる。

 

「賭けは俺の勝ちだ。そして俺の要求はデコピン。……そんな落ち込むな、お前がもし油断なんてしてなかったらあんなに簡単に勝てたりしてない。」

 

油断!怠慢!即ち怠惰!……うん。違う。

 

「まあ、閃は太刀川さんの弟子だからな。それに毎日のように俺や出水と戦ってんだ。弱いわけがないよな」

 

ホントホント。この三人を相手にしてたら自然と強くなれるわ。出水と陽介に限っては毎日のように誘ってくるし、戦闘狂って怖いわー。俺も大概だけど。

 

「そうそう。だから緑川。これからもよろしくな」

 

ショックから立ち直ったのか唖然とした顔からだんだん笑みを取り戻し…

 

「……次は負けないからね!峯内先輩!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次もいつになるかわからないので
気長にお待ち下さい。

誤字・脱字・感想等ございましたら
報告ください。

それではまた次回まで…


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