ポケモンの力を貰った人が異世界から来るそうですよ? (ゴロゴロ鼠)
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YES! ウサギが呼びました!
第1話


 

「・・・ん?ここ何処?」

 

気が付いたら薄暗い場所に居た。

 

「あれ?何でこんな場所に?・・・」

 

たしか昨日は・・・あれ?

 

「思い出せない・・・」

 

「すみませんでしたー!!!」

 

「!?」

 

気が付くと後ろに20代くらいの青年が土下座をしていた。

 

「すいません!!あなたはまだ生きられたのに私が間違ってあなたを殺してしまいました!!本当にすいませんでした!」

 

「えっと・・落ち着いてください、あなたは?」

 

「はい、・・・すみません、取り乱して・・・私は神です」

 

え!!神様!?

 

「はい」

 

!!・・心を読んでいるし本当みたいだな

 

「本当に神様みたいだな・・・じゃあちょっと教えてくれ、俺の記憶が無いのは間違って殺したことに関係あるのか?」

 

「はい・・・本来は転生の間という所で説明をして転生して貰うのですが今回は無理やりここに連れてきたので一時的に記憶が無くなっているだけです」

 

成程、そういう理由か・・・お!段々思い出してきたぞ。

 

「理由は分かった、この流れ的に俺は転生出来るみたいだけど・・・1つ聞いていいか?」

 

「どうぞ」

 

「なんで転生の間とかじゃ無くてこんな所でなんだ?」

 

普通は真っ白で何も見えないとかのはず

 

「それは今、転生の間は他の神が使っているからです・・・それと」

 

「それと?」

 

「・・・上の神に間違って殺したなんて知られたら後が怖いからです・・・」

 

「・・・・」

 

「すいません!!それとあなたの行く世界は決まっているんです」

 

「ここは自由に『選べられるんじゃないの?』

 

「そこはさくし・・・ゲフンゲフン、いろいろな都合です」

 

「そ、そうか」

 

なぜか聞いてはいけない気がする

 

「それで、どこの世界なんだ?」

 

「それはですね、『問題児達が異世界から来るそうですよ?』の世界です」

 

「分かった、そこならいいや」

 

テレビでちょっと見た程度だけど面白かったからな。

 

「はい、それと特典が決められますけど何か無いですか?」

 

「じゃあ

1.全てのポケモンになれて全ての技と特性(ON・OFF可能・複数同時に使える)が使える

2.あっちの世界で十分やっていける強さ

これくらいかな」

 

「はい、あと名前は?」

 

「ああ、俺の名前は風見大河(かざみたいが)だ」

 

「わかった・・・よし」

 

そういうと上から手紙がおちてきて宛名を見ると

 

『風見大河殿へ』

 

「はい、それを開ければすぐにいけるよ」

 

「わかった、いろいろありがとう」

 

「どういたしまして・・・ああそうそう、僕からちょっとしたサプライズが有るから楽しみにしていてね」

 

神様がそういったのを聞いて俺は手紙を開けた

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる

 

その才能を試すことを望むならば

 

己の家族と、友人と、財産を、世界の全てを捨て

 

我らの箱庭に来られたし』

 

気が付くと僕は上空にいた

 

「え!?」「ニャァァ!?」「きゃあ!?」「うお!?」

 

おお!丁度、十六夜達も落ちてきたな

 

(・・・っと、今はそんな事を考えてないで)

 

俺は直ぐにラティオスに姿を変えて近くに居た三毛猫と春日部を助けて地面に降ろした・・・

 

ズドオォォォォン・・・・

 

そのままにしてきた2人が池に落ちて大きな音を出した・・・・・

 



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第2話

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「全くだ、下手したらゲームオーバーコースだぜ。・・・・それで、お前たちにも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずお前って呼び方を止めて。・・・私は久遠飛鳥よ。以後気を付けて。それでそこの濡れていない2人は?」

 

「・・・春日部耀。以下同文」

 

「風見大河だ、よろしく」

 

「そう、よろしく春日部さん、風見君。最後に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をどうも。みたまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよ、お嬢様」

 

「そう、説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、まじかよ。今度作っとくから覚悟しておけ、お嬢様。ところでさっきからそこに隠れている、さっさと出て来いよ」

 

そう十六夜が言うと草むらが「ガサ!」とゆれて黒うさぎが木の影からおそるおそると言った風に声を出した。

 

「や、やだなぁ、そんな怖い顔で見られるt「よ~し、出てこねぇんじゃあ仕方がねぇ」え?・・・」

 

・・・と黒ウサギが固まっていると十六夜が黒ウサギの所に向かって攻撃をして・・・・「フギャァァ!?」と黒ウサギが声を上げて逃げると今度は耀が追いかけてまた逃げようとした黒ウサギを僕が『くろいまなざし』で逃げられなくした。

 

「!!?」

 

黒ウサギは訳も分からず地面に落ちた。その隙に3人が黒ウサギを囲んだ。

 

「あ、あの落ち着いてください」

 

と黒ウサギが3人を落ち着かせようとしていると後ろから

 

「えい」

「フギャ!?」

 

と耀が黒ウサギの耳を思いっきり引っ張った

 

「ちょっとお待ちを、いきなり初対面で黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとは一体どういう了見ですか!!?」

「好奇心のなせる技」

「自由過ぎます!!」

「へぇ、このうさ耳って本物なのか」

「なら私も」

「ちょ、ちょっと待ってください、そこで何もしてないあなたもたすk「Zzz・・・」って寝ている!?」

 

 

----------------―――――――――

 

 

「ア、 アリエナイノデスヨ。小一時間も消費してしまうとは・・・学級崩壊とはこの様な

事をいうのですよ・・・」

 

「ねぇ、そろそろ説明してくれない?」

 

といままで寝ていた俺が言う

 

「あなた様は今まで寝ていましたよね!?・・・はあ、それではご説明致します・・・・ようこそ!箱庭の世界へ?我々はみなさんにギフトを与えられた者たちだけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうと召喚いたしました!みなさん、すでに気づいているでしょうが、普通の人間ではございません・・・その力は様々な修羅神仏等から与えられたギフト・・・恩恵なのです、『ギフトゲーム』はその恩恵を用いて競い合うゲームです」

 

等と説明が終わって歩き出そうとしたところで十六夜と俺が

 

「おい、1つ聞いていいか?」

 

「あ、俺も」

 

「何ですか?」

 

「この世界は、面白いか?」

 

「YES!『ギフトゲーム』は人を超えた者たちが参加できる神魔の遊戯。外界より面

白いと黒ウサギは保障します」

 

「じゃあ次俺・・・」

 

「あ、はいどうぞ」

 

「黒ウサギさぁ・・・何か隠してない?」

 

「・・・っ!な、何の事でs「とぼけてもても駄目だよ」うぅ・・・」

 

ようやく観念して黒ウサギは自分の居るコミュニティがピンチである事を喋った。俺達4人それを知った上で協力すると言ったら黒ウサギに泣いて感謝された。

 

 

 

----------------――

 

 

「ジン坊ちゃーん新しい方を連れてきましたー!」

 

「お帰り黒ウサギ、そちらの女性2人が?」

 

「YES!こちらの皆さんが・・・」

 

バッと黒ウサギが後ろを見たら飛鳥と耀しか居なかった

 

「え?もう2人は何処に?」

 

「十六夜君は『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』とか言って走って行ったわ、風見君は・・・」

 

といってデデンネの姿になって耀に抱えられて寝ている風見を見せる

 

「『眠い、もう無理、後ヨロシク』とかいってあの姿になって寝ているわ」

 

「うわぁーかわいいので・・・ってそうじゃなくて!ジン坊ちゃん、3人の案内をお願いします私は問題児様を捕まえてきます」

 

といって黒ウサギは物凄い速さで十六夜を追いかけて行った

 

「さあ、どうぞ箱庭の中をご案内します」

 

と黒ウサギを見送ったジンの後について行って箱庭の中を案内された

 



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第3話

 

 

「・・・ん?」

 

俺が起きてみると黒ウサギが3人に何かを説明しながら歩いていた

 

「なぁ、今どこにいこうとしているんだ?」

 

「あ!!やっと起きましたか、何度起こしても起きなかったのに・・・」

 

「ごめんごめん」

 

謝って元の姿に戻って耀にお礼をいってガルドにギフトゲームを挑んだこと、ギフト鑑定のためサウザンドアイズのコミュニティに向かっていることを聞いた

 

「あ、あの店なのです」

 

と指を指している方にある店を見ていると店員が看板をかたずけていて黒ウサギがストップというと何か口げんか見たいになってきた所で

 

「久しぶりだ!黒ウサギィィィ!!」

「キャアァァァ!!?」

 

と白夜叉が黒ウサギに突っ込んできて水路に2人一緒に飛び込んで皆、呆然としていると

 

「し、白夜叉様!?どうしてこんな所に、というか・・・離れて下さい!!」

 

と白夜叉こっちに向かって投げて来たので俺は・・・

 

「十六夜!!」

「ッブゥッハ!!」

と白夜叉に『きあいパンチ』をして十六夜に回すと十六夜は足で受け止めた

「おんしら、飛んできた初対面の美少女を殴ったり足で受け止めるとは何様じゃあ!」

「十六夜様だぜ。和装ロリ」

 

以後ヨロシク等と挨拶をして白夜叉は・・・

 

「生憎に店を閉めてしまったのでな、私の部屋で我慢してくれ」

 

と言って店内に入れてくれた。

 

部屋に入ると白夜叉は座って

 

「さてと、ではもう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えている『サウザンドアイズ』の幹部の白夜叉だ」

 

「外門って何?」

 

耀が訪ねると黒ウサギが教えてくれた。つまり外門とは箱庭の階層を示す外壁にある門で七桁まで有り数字が若い程都市の中心部に近く、強大な力を持つものが住んでいる。自分たちは七桁の外門であると教えてくれた。

説明が終わって雑談等をしていたら十六夜達が白夜叉は四桁以下では並ぶものがいない

の最強の主催者(ホスト)だと聞いて勝負を挑もうとした。

 

「ちょ、ちょっと御三方!?」

 

「よいよい、黒ウサギ私も遊び相手に飢えておるゆえの、じゃが、1つだけ確認しておくことがある、おんしらが望むのは挑戦か?・・・もしくは決闘か?

 

瞬間、俺らは光に包まれて水平に太陽が廻る世界に連れてこられた

 

「驚く事はない、ここは私の持つゲーム盤の1つだ」

 

この土地が只のゲーム盤と聞いて3人は驚いていた

 

「私は“白き夜の魔王”・・・太陽と白夜の星霊『白夜叉』・・・箱庭にはびこる魔王の1人よ・・・・今一度問う、おんしらが望むのは試練への挑戦か?それとも対等な決闘か?」

 

「・・・・参った、やられたぜ、白夜叉、今回は黙って試されてやるよ」

 

「・・・そうね」「・・・うん」

 

「おんしはどうするのだ?」

 

白夜叉が聞いてきたので俺は

 

「俺は決闘だ」

 

「・・・本当にいいんじゃな?」「ああ」

 

黒ウサギがなにか騒いでいるが気にしないで俺は答えた

 

「ふむ、なら先にあの3人のゲームに移ろうか・・・」

と言って白夜叉は十六夜達の方を向いた

 



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第4話

 

『ギフトゲーム名〝鷲獅子の手綱”

プレイヤー一覧 

・逆廻十六夜 

・久遠飛鳥

・春日部耀

 

・クリア条件:グリフォンの背に跨り湖畔を一周する。

 

・敗北条件;降参及び、プレイヤーが上記の条件を満たせなくなった場合。

宣言

上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

『サウザンドアイズ』印』

 

グリフォンが山の方から現れて目をキラキラさせて耀が内容を見て自分がやると言ってグリフォンに挨拶をした。グリフォンが『私の誇りの対価として何をかける?』と聞くと耀は・・・

 

「命をかけます」

 

「!?何を言っているんですか!」

 

「本気なの!春日部さん!?」

 

「下がれ、二人とも・・・」

 

「で、ですが・・・」

 

「大丈夫だ、黒ウサギ、飛鳥も、もしもの時は俺が助ける」

 

「・・・分かりました」

 

「・・・分かったわ」

 

2人を説得し終えた所でゲームを始めた・・・

 

 

----------------―――――――

 

 

耀が戻ってきたので俺は、念の為に助けに行けるようにした

 

『よくやった!この勝負、お前のかt・・・!』

とグリフォンが言っている時に耀がグリフォンから落ちて地面へと落下していく・・・

黒ウサギが助けに行こうとしたが十六夜に止められた

 

「なぜです!早くいかないと・・・」

 

「大丈夫だ、黒ウサギ、見てみろ」

 

黒ウサギが耀の方を見てみると耀が空中を歩いて戻ってきていた。

耀が戻ってきてそれから耀のギフトの話になり白夜叉が凄く興奮して買い取りたいと言っていたが耀が直ぐに駄目と言ったら少し残念そうにしていた。

 

「オホン、気を取り直して次はそなたとの勝負じゃったな・・・」

 

と言ってギアスロールを出した

 

『ギフトゲーム名〝太陽の一撃”

 

プレイヤー一覧

風見大河

勝利条件

プレイヤーが白夜叉の攻撃を防げたら勝利

敗北条件

勝利条件が満たせなくなった場合

宣言

上記を尊重し誇りと御旗の元ギフトゲームを開催します

『サウザンドアイズ』印』

 

「では行くぞ!」

 

そういうと白夜叉は小さな太陽の様な物を作りだしそれは凄い温度の熱風を出しながらこちらに迫ってきた

「この紅い風、太陽のプロミネンス現象か!」

 

大河はすぐさま特性『はじまりのうみ』でみずタイプの技の威力を上げ太陽の勢いを弱くした

 

「なに!?」

 

これには白夜叉も驚いた

 

「まだ、これもだ!」

 

大河は『ハイドロポンプ』と『うずしお』で太陽を消し、水がジュウウウウと蒸発していき前が見えなくなり、前が見えたら

 

「うむ、この勝負、おぬしの勝ちじゃ」

 

と白夜叉が近ずいてきてそう言った

 

「ありがとうございました」

 

「よいよい、わしも楽しかったしの・・・(それより、あのギフト・・・)」

 

「なあ」

 

「ん、なんじゃ?」

 

「そろそろ黒ウサギ達の所に戻ろうぜ」

 

「うむ、そうじゃの(まあ、アレは後で考えたらいいじゃろ・・・)」

 

そう言って白夜叉と俺は、黒ウサギ達の所へ戻った。

 



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第5話

 

「風見さん!凄すぎるのですよ」

 

おれと白夜叉が戻ってくるといきなり黒ウサギにそう言われた。

 

「そうか?」

 

「そうですよ!」

 

「まあまあ、黒ウサギ。ところで何をしに来たのじゃ?」

 

「は!そうでした、鑑定をしに来たのです」

 

「なに!?鑑定じゃと、専門外なのじゃが・・・ところでおんしらは自分のギフトをどの位知っておる?」

 

「企業秘密」

 

「同じく」

 

「以下同文」

 

「右に同じ」

 

「ウオォォォイ!?話が進まんじゃろうが!」

 

「別に鑑定なんかいらねぇよ。人に値札を貼られるのは趣味じゃねぇ」

 

「何にせよ主催者として星霊のはしくれとして試練をクリアしたおぬしらには恩恵を与えねばならん、ちょいと贅沢じゃが、これでいいじゃろ」

 

そう言って白夜叉が柏手を打つと目の前に光るカードが現れた。

 

コバルトブルーのカード

逆廻十六夜

・ギフトネーム

≪正体不明(コード・アンノウン)≫

 

ワインレッドのカード

久遠飛鳥

・ギフトネーム

≪威光(いこう)≫

 

パープルエメラルドのカード

春日部耀

・ギフトネーム

≪生命の目録(ゲノム・ツリー)≫≪ノーフォーマー≫

 

「そ、それはギフトカード!」

 

「お中元?」

 

「お歳暮?」

 

「お年玉?」

 

「お守り?」

 

「違います!権限しているギフトを収納できて各々のギフトネームが分かる超高価な物です!」

 

「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、お主らは『ノーネーム』だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」

「・・・なあ、白夜叉」

俺は十六夜のカードを見ていた白夜叉を呼んだ

 

「なんじゃ?」

 

「俺の、何か名と旗印が記されてんだけど・・・」

 

「なに!?」

 

と十六夜の時より驚いていた。

 

ブラックのカード・モンスターボールの紋

ポケットモンスター所属

風見大河

・ギフトネーム

≪ポケモンマスター≫

 

「なに!ポケットモンスターじゃと!?そうか分かったぞ!」

 

「なにが分かったの?」

 

「お主がさっきの戦いで見せたあの力じゃ・・・そうか何処かで見たことがあると思っ

たらポケットモンスターか」

 

「どんなコミュニティなの?」

 

耀が白夜叉に聞くと

 

「ほとんどがポケモンという幻獣に似た種族で構成されている3桁の761外門に本拠を置いているコミュニティじゃ」

 

そう言い終わると耀が目をキラキラさせていきたそうにしていた

 

「それで・・・俺はどうしたらいい?(これが神様の言っていたサプライズか・・・)」

 

「うむ、ひとまず行ってみたほうがいいじゃろうな。とりあえずお主たちは自分たちの

コミュニティへ帰れ、こやつの事はまかせろ」

 

「なあ、白夜叉どうやってポケットモンスターのコミュニティに行けばいい?」

 

「急かすな、丁度ポケットモンスターに知り合いが居てのそやつに連絡したから直ぐに迎えが来るぞ」

 

「そうk「きたぞ~」」

 

そういって目の前に誰かが突然現れた

 

「おお!来たか」

 

「白夜叉、そいつは・・・」

 

「ああ、今は人化のギフトで人間の姿だが俺はパルキアだぜ、リーダー」

 

「なるほど今は人の姿になっているのk・・・ってリーダー!?」

 

「あれ?聞いてないのか、じゃあアッチで説明するからさっさと行くぜ。またな、白夜叉」

 

そう言って俺はパルキアに連れられて『テレポート』した・・・

 

 



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第6話

 

「着いたぜ」

 

パルキアに連れてこられたそこは大きな屋敷だった

 

「ここが?」

 

「ああ、我らポケットモンスターの屋敷だ」

 

「へ~」ドーーーン!!!

 

俺が屋敷のデカさに驚いていると屋敷の方から凄い音が聞こえてきた

 

「何だ!?」

 

「あ~、またやってんのかアイツら」

 

「何だ、説明してくれ」

 

俺がそういうと

パルキアが着いてきてくれと言って屋敷の中に入った。少し歩いて音のする方に向かって庭のような所にでるとそこでは・・・

 

「いい加減倒れろ!!」

 

「お前がな!!」

 

とグラードンとカイオーガがバトルをしていた

 

「あいつ等たまにケンカするんだよ・・・」

 

とパルキアが呆れながら言っていた

 

「止めなくていいのか?」

 

「ああ、もうs「やめんかーー!!」・・・っときたきた」

 

グラードン達の方を見るとそこではレックウザが2匹を怒っていた

 

「全くお前らいつもいつもいったい何時ま・・・」

 

「ありゃ長くなりそうだな。っと早くいかなきゃ怒られちまう」

 

そういってパルキアは俺を奥の部屋に連れてきた。そこには・・・・

「よお」

 

神様が居た・・・

 

「え!?神様!?」

 

「なんだ?」

 

「なんだ?じゃねえよ!?何でここに居るの!?」

 

「いや~、言う必要は無いと思うけどサプライズの内容をね・・・」

 

 

「サプライズってこのコミュニティか?」

 

「そうだよ、あとどうぐ等もついでに。他のポケモン達と頑張ってね~」

 

そう言うと神様は帰って行った

 

「じゃあ、これからよろしくね」

 

「おう!」

 

そう言って俺はパルキアと他のポケモン達に挨拶をしに行った。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

あ~疲れた、よく考えたらポケモンって物凄く多いんだよな

 

「まあ、ぶじに挨拶できたし、少し休憩「たいへんだー!」どうしたんだ!?」

 

俺が聞くと

 

「それが・・・さっきの庭でのバトルで傷ついた屋敷をディアルガが時間を元に戻していたら・・・」

 

「どうしたんだ?」

 

「近くに居たズバットが過去に飛ばされて・・・」

 

「成程・・・よし!俺が探しに行ってくる」

 

「え!大丈夫なんですか!?」

 

「大丈夫、大丈夫それで、どの位昔に飛ばされたんだ?」

 

「は、はい!気配のようなものをたどっていけば見つかるはずです」

 

「分かったすぐ戻る」

 

そう言ってセレビィの姿になり『ときわたり』をした

 

 

「到着、ん?ここは?」

 

辺りを見てみると遠くで女の人が何かを守りながら何かと戦っていた

(この気配って・・・!ズバット!)

ズバットを守っていた女の人がやられそうになったのを見て、気が付くと走っていて急いで戦っている2人の間に入り急いで『まもる』を使って突然の乱入者に相手が驚いているうちに1人と1匹をつれて『テレポート』してにげた

 

「ふう、危なかった」

 

俺はあの場所から結構遠くに『テレポート』で逃げてきた

 

「助けてくれて感謝する、所でここは?」

 

そう言って助けた女の人が後ろで聞いてきた

 

「ああ、ここは・・・」

 

俺は答えようとして、止まった。

 

「ん?どうした?」

 

「は!何でもない」

 

(コイツ、レティシアじゃん!)

 

「と、所で名前は?」

 

「は!そうだった。私の名前はレティシア=ドラクレアだ」

 

(やっぱりレティシアか)

 

「どうした?」

 

「いや何でもない。俺は風見大河だ」

 

「そうか、所で何故助けてくれたんだ?」

 

「あ、ああ。それはレティシアが抱いているそのズバットを捜しにきたんだ」

 

「なるほど、この蝙蝠を」

 

と言ってズバットを返してくれた

 

「コイツを助けてくれてありがとよ・・・ほら、お前もお礼しとけ」

 

「アリガトウゴザイマシタ」

 

「ああ」

 

「じゃあ俺達は帰るからまたな」

 

「そうか、また何時かな」

 

「ああ」

 

そう言って俺は元の時代に帰った

 

「お!戻ってきたか」

 

「ただいま・・・俺が行ってからどの位い経った?」

 

「1日位かな?」

 

「・・・結構経ったな」

 

「まあ、しょうがないだろ」

 

「そうか。じゃあ、俺は十六夜達の所に行くからな」

 

「わかった、あと何かあったらすぐ呼んでくれよ」

 

それを聞いて俺は十六夜達の近くに『テレポート』した。

 

 



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第7話

 

俺が突然現れると皆驚いていて一番先に口を開いた黒ウサギが

 

「大河さま!?一体何処から」

 

「まあ瞬間移動みたいなもんだ、所で何のはなしをしていたんだ?」

 

「それが、黒ウサギ達の昔の仲間でレティシアさま「風見?」レティシア様!?」

 

と窓を開けて入ってきたレティシアが驚いていたがすぐに落ち着いて

 

「大河、久しぶりだな」

 

「久しぶりレティシア」

 

とレティシアと話していると黒ウサギが

 

「え、え~と2人は知り合いだったのですか?」

 

「ああ、大河は私の命の恩人だ」

 

「え!?じゃあ昔レティシア様が助けられたという殿方は」

 

「大河だぞ?」

 

「ええぇぇ!?でもその時は大河様は箱庭に居ないはず・・・」

 

俺は黒ウサギ達にもレティシアにしたのとコミュニティのリーダーになってしまったのでノーネームには入れないから連盟という形で手伝うと説明した。

 

 

「そ、そんな事が・・・」

 

「時を司るとは、黒ウサギ、3桁ぐらいになるとそんな奴らが沢山居るのか?」

 

「さ、さすがに3桁でも余り居りません」

 

「それと連盟とは言ったけど今までどうりの態度でいいからこれからもよろしくな」

 

「はい!よろしくお願いします!!」

 

説明等が終わったので話を元に戻す。

 

「しかし、レティシア様が無事でよかったのですよ」

 

「様はよせ。今の私は他人に所有される身分。〝箱庭の貴族”ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」

 

「そ、そんな事ありませんよ」

 

「私は新生ノーネームがどの程度の力を持っているのか、それを確認しに来たかったんだ。何故窓から入ったかというのは、ジンに合わせる顔が無いからだよ。お前たちの仲間を傷付ける結果になってしまったからな。

そもそも私がこの階層にきたのはコミュニティを解散するよう黒ウサギに言いにきたのだ、

ノーネームからのコミュニティ再建は茨の道、これ以上皆に迷惑はかけられない」

 

レティシアは十六夜と飛鳥を見て

 

「だがその矢先あなた方と風見が召喚されたと聞いた」

 

「そこでまず俺達の力量を見極め見込みが無ければ、と考えた訳か。結果は?」

 

「生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。ゲームに参加した少女達はまだまだ青い果実で判断に困る。こうして足を運んだのはいいが、さて。私はお前達に何と言葉をかければいいのか」

 

そう言って苦笑すると十六夜が呆れたように言う

 

「違うね。アンタは言葉を掛けたくて古巣に足を運んだんじゃない。古巣の仲間が自立してやっていける姿を見て、安心したかっただけだろ?」

 

「・・・・ああ。そうかもしれないな」

 

レティシアの言葉に十六夜は軽薄な声で

 

「その不安、払う方法が一つだけあるぜ」

 

「何?」

 

「実に簡単な話だ。アンタは〝ノーネーム”が魔王を相手に戦えるのかが不安で仕方がない。ならその身で確かめればいい。 どうだい、元・魔王様?」

 



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第8話

 

十六夜がレティシアにゲームをすることにしたのを黒ウサギが止めていたが2人は無視してルールをどうするか話しだした。

 

「ゲームのルールはどうする?」

 

「どうせ力試しだ。手間暇かける必要もない。双方が共に一撃ずつ打ち合い、そして受け合う」

 

「地に足を着けて立っていたものの勝ち。いいね、シンプルイズベストだ」

 

ルールを決め終わると2人は中庭へ飛び出し向かい合いそれぞれ天と地に位置していた。

 

「へえ、箱庭の吸血鬼は翼が生えているのか」

 

「ああ。翼で飛んでいる訳ではないが。・・・・制空権を支配されるのは不満か?」

 

「いいや。ルールにはそんなのなかったしな」

 

(なるほど、気構えは十分。あとは実力が伴うか否か……!)

 

満月を背負うレティシアは黒い翼を広げ、金と紅と黒のコントラストで彩られた自分のギフトカードを取り出し、ギフトを顕現した。

光の粒子が収束し、長柄の武具が現れる。

 

「互いにランスを一打投擲する。受け手は止められねば敗北。悪いが先手は譲ってもらうぞ」

 

「好きにしな」

 

レティシアは翼を大きく広げ全身を撓らせ全力で打ち出した。

 

「ハァァア!!!」

 

怒号と共に放たれた槍は流星の如く大気を揺らして十六夜に落下していく。

槍の先端を前に、十六夜は牙を剥いて笑い。

 

「ヘッ!_______しゃらくせぇ!」

 

 

殴りつけた。

 

「「・・・・は!!?」」

 

レティシアと黒ウサギは驚き声を上げた

 

(ま、不味い・・・!)

 

十六夜に殴り返された槍はレティシアの体が反応できない程のすさまじい速度でレティシアに飛んでいった

 

(こ・・・ここまでだとは・・・)

 

槍がもう少しでレティシアに当たる距離まで来たときレティシアは安堵し、倒れる覚悟を決めたとき

 

「ふぅ、あっぶねぇ・・・」

 

と言う声と何かあったかい物に包み込まれた感じがして目をあけると

 

「え!?」

 

レティシアは大河に守られるように抱き抱えられ飛んできていた槍は目の前で止まって中に浮いていた

 

「おい!十六夜、当たったらどうする気だったんだよ」

 

「あ~、わりい」

 

「まったく・・・大丈夫か?レティシア」

 

「あ、ああ。大丈夫だ、ありがとう」

 

レティシアを地面に降ろすと

 

「黒ウサギ!何を!!」

 

黒ウサギがレティシアから瞬時にギフトカードを掠め取った。

 

「ギフトネーム『純潔の吸血鬼(ロード・オブ・バンパイア)』・・・やはりギフトネームが変わっている。鬼種は残っているものの、神格が残っていない」

 

レティシアは黒ウサギの声に表情が暗くなっていく。すると、いつの間にか十六夜がこちらに近ずいてきて。

 

「なんだよ。もしかして元・魔王様のギフトって、吸血鬼のギフトしか残ってねえのか?」

 

「・・・はい。武具は多少残してありますが、自身に宿る恩恵は・・・」

 

それを聞くと十六夜は大きく舌打ちをした。

弱った状態で相手をされて不満そうな声で

 

「ハッ。どうりで手ごたえが無いわけだ。他人の所有物になったらギフトまで奪われるのかよ」

 

「いいえ、魔王が私達のコミュニティから奪ったのはあくまで人材であってギフトではありません。武具などの物とは違い、恩恵とは神仏や精霊などから受けた奇跡であり、云わば魂の一部。隷属させられても合意なしにギフトを奪われることはありません」

 

レティシアは三人の視線を受けて目を逸らす。

 

「レティシア様は鬼種の純血と神格の両方を持っていたため魔王と言えるほどの力を持っていました。今の貴方はかつての力の殆どありません。何故こんなことに・・・」

 

「そ・・・それは・・・・」

 

レティシアはそう言ったまま俯いてしまい

 

「まあ、こんな所で話さないで屋敷に戻ってからにしようぜ」

 

「・・・そう、ですね大河様の言うとおりですね」

 

「ああ」

 

「・・・・・」

 

黒ウサギと十六夜はそう言って頷きレティシアも頷いて屋敷の方に歩く。

 



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第9話

 

4人が屋敷に戻ろうとすると遠くから光が4人に向かって射し込んで、レティシアは叫ぶ。

「ゴーゴンの威光!?まずい、もう見つかった!」

 

レティシアは焦った様子で光から3人を庇うように立つ。

 

光の正体が分かった黒ウサギはレティシアに叫んだ

 

「ゴーゴンの首を掲げた旗印・・・!?駄目です!避けてくださいレティ・・・!?」

 

「!!?」

 

黒ウサギの言葉は飛んできたレティシアに遮られた

 

「大河!何を・・・!?」

 

レティシアが大河の方を見ると大河はすでに光に飲み込まれていた

 

「そ、そんな・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・」

 

黒ウサギは呆然とし、レティシアと十六夜は光に飲まれた大河をじっと見つめていた。

 

「おい!外したぞ!」

 

「ああ、だが石化した奴はどうする?」

 

「どうせ〝ノーネーム”だ、ほうっt「おい見ろ!あいつ石化してないぞ!」・・・!」

 

ペルセウスを含めた皆が石化したはずの大河の方を見るとそこには石化していない大河がいた。

 

「大河さん!無事だったのですね!」

 

「まあな」

 

大河が無事だった事に皆が安心していると

 

「・・・ッ!何をしている!!吸血鬼を捕まえるぞ!」

 

ペルセウスの男達が大河とレティシアを取り囲んだ。

 

「その吸血鬼を早くこちらに渡せ、抵抗をするなら切り捨てる」

 

その言葉を聞いて黒ウサギはレティシアを助けようとするがレティシアに止められる。

 

「黒ウサギ止めろ!『サウザンドアイズ』と問題を起こすきか!?」

 

「で、ですが「・・・分かった」大河様!?」

 

大河がレティシアから離れたら男達はもう一度ゴーゴンの威光でレティシアを石にした

 

「レティシア・・・」

 

レティシアが完全に石になる前に大河は

 

「待ってろ、必ず俺達が助けに行からな」

それを聞いてレティシアは小さく微笑んで石になった。

 

 

 

レティシアが石になってからあの場を黒ウサギに任せ俺は皆と少し離れた場所に来ていた【パルキア、直ぐに来てくれ】

俺が『テレパシー』でパルキアにそう伝えると5秒と待たずに目の前の景色がゆがんで

人間の姿のパルキアが出てきた。

 

「どうしたんだ?急に」

 

俺はパルキアに今まで起こったことを話した。

 

「ほう、そんなことが・・・」

 

「ああ、そこで頼みたいことがあってな」

 

「なんだ?」

俺はパルキアに頼みごとをすると黒ウサギ達の所に戻って言った。

 

~~~~~~

 

大河が黒ウサギ達の元に戻るとそこにはなぜかジンと飛鳥も居た。

 

「あ!やっと戻ってきたのですよ!」

 

「遅いぞ大河!何処行ってたんだよ」

 

初めに黒ウサギが大河に気が付き、次に十六夜が文句を言ってきた。

 

「ごめんごめん、ちょっとな」

 

「ったく、まぁそれよりもさっさと行こうぜ」

 

「?何処に行くんだ?」

 

「決まっているだろ?白夜叉の所だ・・・」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

大河達が白夜叉の部屋に行くと。部屋の中には白夜叉とルイオス=ペルセウスが居た。

 

「〝ペルセウス”が私達に対する無礼を振るったのは異常の内容です。ご理解いただけたでしょうか?」

 

「うむ。〝ペルセウス”の所有物・ヴァンパイアが身勝手に〝ノーネーム”の敷地に踏み込んで荒らした事。そして捕獲する際の暴言等。確かに受け取った。謝罪を望むのであれば後z「ちょっと待った」・・・」

 

白夜叉が話していたら突然ルイオスが口をはさんだ

 

「な、何ですか、まさかそんな事やっていないと言うつもりじゃ・・・」

 

「いやいや、確かに吸血鬼を捕縛する際の暴言等はすまない。しかし、吸血鬼が荒らした?そんな嘘をついてどうする気だ?」

 

「ッ!な、何の事でs「恍けたって無駄だよ」!」

 

「゛ペルセウス”は吸血鬼が逃げ出した後ずっと追いかけて見張っていたのさ。隙を見て捕まえるためにね」

 

「そ、そんな・・・」

 

「まあ、大方そう言って〝ペルセウス”とギフトゲームをして取り返そうとしたんだろうけど、こんな理由じゃギフトゲームはできないね。一週間待ってやる、それまでに違う方法を探すんだね「その必要は無いな」!誰だ!」

 

そう言ってルイオスはギフトカードから鎌を出し身構えた。そして目の前に人型のパルキアが出てきた。

 

「すまん、遅くなった」

 

「いや、丁度良かったよ」

 

大河がパルキアと話していたら横から十六夜が

 

「なんだ?風見お前の知り合いか?」

 

「ああ、同じ〝ポケットモンスター”の仲間だ」

 

「宜しくな!いまはギフトで人の姿だけど俺もポケモンだぞ」

 

「パルキア、早速あれを」

 

「おお、これだな」

 

皆に紹介してから大河はパルキアに二つの宝玉を出してもらった。

 

「こ、これは!?」

 

「〝ペルセウス”への挑戦権を示すギフト・・・!?いったいいつの間に」

 

「ああ、ここに来る前に必要になると思ってパルキアにとって来てもらったんだ」

 

「へえ、それでギフトゲームに出るのは?」

 

ルイオスは落ち着きを取戻し大河に聞いた

 

「ああ、それは・・・「ちょっと待て」・・・十六夜」

 

「流石に最後まで手伝って貰うわけには行かねえからな、このギフトゲームは俺達〝ノーネーム”だけでやる」

 

 

 

 



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第10話

 

あの後ペルセウスとのギフトゲームは十六夜達が見事に力を合わせて十六夜がルイオスとアルゴールの魔王を倒しギフトゲームは〝ノーネーム”の勝ちに終わった。

 

―――――――――――――――――――

 

「「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」」

 

「「え?」」

 

十六夜、飛鳥、耀、大河の言った言葉に石化が解けたレティシア、黒ウサギが反射的に返した

 

「え?じゃないわよ。今回のギフトゲームで活躍したのって私達じゃない?貴方達は本

当にくっ付いてきただけだもの」

 

「うん。私は力いっぱい殴られた挙句石になったし」

 

「ルイオスとアルゴールを倒したのは俺だしな」

 

「そもそも挑戦権を持ってきたのは俺のコミュニティだしな」

 

「ていうわけで所有権は3・3・2・2で3は俺と大河だ」

十六夜が喋っていると

 

「お~い、リーダー」

 

「ししし、びっくりした?」

 

いきなりパルキア(人)とフーパがフ―パのリングで部屋に入ってきた

 

「お前ら、何処から入ってきてんだよ」

 

「まあまあ、いいじゃねぇか、それよりも・・・・」

 

―――――――――――――――――

 

三日後

 

大河達は子供達を含めた〝ノーネーム”と〝ポケットモンスター”のポケモン達と水樹の貯水池付近に集まり、歓迎会をしていた。

 

「それにしても、風見君の所は凄いわね」

 

飛鳥が見る先では子供達がひこうタイプのポケモンの背に乗って飛んでいたり調子に乗り貯水池の水を氷漬けにしたポケモンが怒られたりしている

 

「はい、貯水池を凍らされたのはびっくりしましたけど。子供達と遊んでくれて助かっているのですよ」

 

そう言って黒ウサギがポケモン達が作ってくれた料理を食べていると十六夜が

 

「そういえばこれって何の肉を使っているんだ?」

 

「それはシカ肉を使っています」

 

「こっちは子羊の肉を小さくして入れています」

 

十六夜が聞くと近くに居たオドシシとメリープが答えた

 

「そ、そうか・・・・すまん」

 

「「??」」

 

十六夜が謝ると二匹は不思議そうな顔をして子供達の方へ向かった

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

このあと話を聞いていなかった耀(ポケモン達と話していた)以外の3人は少しの間、気まずそうにしていた。

 

 

――――――――――――――

 

皆が食べ終えたころ空を見たら流星群が空を覆い流星群が終わった頃にはペルセウス座が消滅し、十六夜がペルセウス座があった位置を指さし黒ウサギに、

 

「あそこに、俺達の旗を飾る。・・・・・どうだ?面白そうだろ?」

 

「それは・・・・・とてもロマンが御座います」

 

「だろ?」

 

「はい♪」

 

 



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あら、魔王襲来のお知らせ?
第11話


 

―――――箱庭二一〇五三八〇外門居住区画・〝ノーネーム”農園跡地

 

そこでは黒ウサギとレティシアが魔王の傷跡である死んだ土地を見ていると。

 

「黒ウサギのお姉ちゃぁぁぁん!た、大変―――!」

 

声のした方に振り向くと割烹着姿の年長組の1人―――狐耳と二尾を持つ、狐娘のリリが泣きそうな顔で走ってきた。

 

「リリ!?どうしたのですか!?」

 

「じ、実は飛鳥様達が・・・・・あ、こ、これ、手紙」

 

ぱたぱたと忙しなく二本の尾をうごかしながら、リリは黒ウサギに手紙を渡す。

 

『黒ウサギへ

北側の四〇〇〇〇〇〇外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。

貴方も後から必ず来ること。あ、あとレティシアもね。

私達に祭の事を意図的に黙っていた罰として、今日中に私達を捕まえられなかった場合

≪三人ともコミュニティを脱退します≫。死ぬ気で探してね。応援しています。

P/Sジン君と大河君も連れていきます』

 

黒ウサギは手紙を持つ手をワナワナと震わせながら、悲鳴のような声を上げた。

 

「な、―――・・・何を言っちゃってんですかあの問題児様方ああああ―――!!!」

 

黒ウサギの絶叫が一帯に響き渡る。

 

―――〝ノーネーム”本拠。大河の私室。

 

一応コミュニティのリーダーなのでポケットモンスターに戻ればいいのだが有った方が便利ということで借りている(さすがに毎日いるというわけにも行かないので時々居ない)

 

大河が私室でゆっくりしていると

 

「大河君!居る!?」

 

飛鳥が部屋に入ってきてぞろぞろ十六夜達も入ってきた

 

「いきなりどうした?〝火竜誕生祭”の事か?」

 

「ええ、実は・・・って知ってたの!?」

 

「一応コミュニティのリーダーだからな」

 

「じゃあ話は早い、黒ウサギ達には内緒で行ってこようぜ」

 

十六夜がそう言うと

 

「嫌だね、めんどくさい「付いてくるならこの黒ウサギと金髪ロリのお宝写真を・・・」・・・今回だけだぞ」

 

大河は素早く出発する準備を終わらせた。

 

―――――――――

 

 

リリに手紙を預けた後、十六夜達はジンから北側まで凄い距離がある事を聞きどうするか考えていた。

 

「いくらなんでも遠すぎでしょう!?」

 

飛鳥はジンから北側までの距離を聞かされ抗議した

 

「980000㎞か。流石に遠いな」

 

十六夜がそう言うと

 

「黒ウサギにあんな手紙を残して引けるものですか!行くわよ二人とも!」

 

「おう!こうなったら駄目で元々〝サウザンドアイズ”に交渉に行くぞゴラァ!」

 

「行くぞコラ」

 

自棄気味になった十六夜と飛鳥に続き、その場のノリで声を出す耀と諦めたようすのジンと大河の四人は〝サウザンドアイズ”へ向かった

 

 



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第12話

「やっふぉおおおおおおお!やっと来おったか小僧共どもおおおおおお!?」

 

大河達が〝サウザンドアイズ〟の支店に着くとどうやって気づいたのか白夜叉が空から空中でスーパーアクセルを見せつけつつ荒々しく着地、しようとしたが白夜叉が着地しようとした所に居た大河の『カウンター』で空高く吹っ飛んだいった。

 

「全く、空から落ちてきた美少女を跳ね返すとは何事じゃ」

 

あの後すぐに戻ってきた白夜叉に私室へ連れてこられた

 

「ごめん、驚いてつい」

 

「・・・まあいいがの。おんしらがここに来た理由は分かっておる、じゃが本題の前にまず・・・」

 

 

白夜叉がジンに魔王に関するトラブルを引き受けてくれるという噂が本当か聞きそれが本当だと聞くと東のフロアマスターからの正式な依頼をジンが引き受け依頼の内容を聞いていると春日部が

 

「ちょっと待って。その話、まだ長くなる?」

 

「そうだな。後1時間ほどかかるかの」

 

「なに!?白夜叉!今すぐ北側へ向かってくれ!」

 

「構わんが依頼の内容を聞かずに良いのか?」

 

「構わねえから早く!事情は後で話すしその方が面白い!」

 

十六夜の言葉に白夜叉が笑い

 

「そうか。面白いか。それは大事だ!娯楽こそ我々神仏の生きる糧なのだからな。」

 

そういうと白夜叉は両手を前にだしパンパンと柏手を打つと

 

「よし、北側に着いたぞ」

 

「「「「・・・・・・は?」」」」

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

高台に移動した〝サウザントアイズ〟の支店から出るとそこは東とは随分と文化様式が違う町であった。

 

「今すぐ降りましょう!あそこに行ってみたいは」

 

「飛鳥、今はここから早く離れたほうが良いと思うぞ?」

 

「え?大河君、どうして?」

 

飛鳥が大河に聞くと大河はダークライの姿に成り上の方を見ながら

 

「ほら、あれ」

 

三人が上を見ると

 

「みつけたのですよおおおおおおおお!」

 

黒ウサギの上げた土煙に紛れて大河は先に三人より早くこの場から逃げた

 

~~~~~~~~~~~

 

高台から十分離れた大河はダークライから元の姿になりしばらく歩いていると

 

「あ、リーダーやっぱり来てたか」

 

「あ、パルキア」

 

大河が声のした方を見るとパルキアが人の姿になった幼いポケモン達と歩いてきた

 

「何やってるの?」

 

「見たら分かるだろ、こいつらが火竜誕生祭に行きたいって言うから付き添いとしてきたんだよ」

 

ポケモンの子供たちを見ると手にはそれぞれ飴やクレープ等を手に持って食べていた

 

「そういえばリーダー、さっき飛鳥を見かけたぞ」

 

「一人だった?」

 

「いや、レティシアもいたな」

 

「と言う事は飛鳥は捕まったのか」

 

「?追いかけっこでもしていたのか?」

 

大河は飛鳥が黒ウサギに書いた手紙の内容を話すとパルキアはため息をつき

 

「コミュニティ脱退とは悪質だな」

 

「俺も少しやり過ぎだと思うよ」

 

「お前も共犯だろ。何で一緒に逃げたんだ?」

 

「え?何かついて行った方が面白そうだったから」

 

「本当に?それだけか?」

 

「ほ、本当にそれだけさ」

 

「リーダー、ポケットから写真落ちたよ?」

「何の写真?」

「あー!あのウサギのお姉ちゃんの写真だ」

「金髪のお姉ちゃんの写真もある」

「あ、よく見れなかった。リーダー、もう一回みせてー」

 

大河が子どもたちから写真を取り上げてパルキアの方を見るとパルキアは半目でこちらをジッと睨んでくる

 

「・・・リーダー?」

 

「・・・何でしょう」

 

「・・・買収、されたな?」

 

「・・・」

 

パルキアが大河を問い詰めていると遠くの方でいきなり時計塔が大きな音を立て崩れて行った。

 

「あ!おい見ろパルキア、時計塔が壊れたぞ」

 

「ん?あれは、十六夜か?」

 

「あいつ無茶苦茶するな。ここら辺も騒がしくなってお祭りって雰囲気じゃないしサウザントアイズの旧支店に戻るけど、お前達も来るか?」

 

大河が子ども達に付いてくるか聞くと子供たちは迷いもせずに頷いた

 

「よし!じゃあ行くか、パルキアも早く来いよ」

 

「あ、おい待てよ」(・・・逃げたな)

 

そそくさと子供たちを連れて逃げた大河にパルキアは慌てて追いかけて行った。

 

(はぁ、危なかったぁ~)

 

大河は十六夜の破壊行為に少し感謝しながら子供たちを抱えてサウザントアイズの店舗に戻った。

 



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第13話

大河がサウザントアイズ旧支店に戻ると浴衣姿の十六夜とジンと女性店員が居た

 

「遅かったな大河、お嬢様達ももう帰ってきてるぞ」

 

「ああ、色々あって遅くなった」

 

「ふーん、そいつ等は?」

 

十六夜は大河の足元に居たポケモン達を見る

 

「ああ、俺のコミュニティの仲間さ」

 

「大河のコミュニティって事はそいつらがポケモンか?」

 

「まあね、皆まだ子供だけど」

 

大河達が話していると女性陣が風呂から上がってきた。

 

「大河さん、戻ってきていたのですね」

 

「ただいま、黒ウサギ」

 

黒ウサギは大河の足元に居たポケモン達を見ると

 

「おや?大河さんその子達は?見た所ポケモンの様ですけど」

 

「ああ、さっき街で見つけたんだ」

 

「その子達だけでですか?」

 

「いいや、パルキアも一緒に居たよ」

 

「そうですか」

 

「お~い、リーダー」

 

黒ウサギと話しているとパルキアが部屋に入ってきた

 

「パルキア遅かったな」

 

「ああ、少し道に迷ってな」

 

~~~~~

 

パルキアが来た後、子供達はパルキアやレティシア達に頼んで別の部屋で一緒に遊んでて貰い大河達は白夜叉達と明日、耀が戦うコミュニティの名前や魔王の残党が火竜誕生祭に忍んでいる可能性などを話した後白夜叉が

 

「そういえば大河よ」

 

「何?白夜叉」

 

「街の方でポケモンを見たと話題になっておるぞ」

 

「何かまずいのか?」

 

十六夜が白夜叉に聞くと

 

「うむ、大河やパルキアも居るし注意しておけば大丈夫じゃろうがな」

 

「注意ってこの街にポケモンが居ると不味いの?」

 

飛鳥が白夜叉に聞くと

 

「別に居たら駄目と言う訳ではない、ただ子供のポケモンだけでは危険なんじゃ」

 

「どうして?」

 

飛鳥が聞くと十六夜が

 

「恐らく奴隷の売買等をしているコミュニティに捕まる可能性があるからだろ」

 

「え?」

 

「うむそうじゃ、最悪魔王も捕まえようとするじゃろうな」

 

白夜叉の言葉に問題児3人が驚く

 

「白夜叉、如何して魔王まであの子たちを狙うの?」

 

飛鳥が聞くと白夜叉は大河の方を見ながら

 

「大河はこの事は知っておるか?」

 

「うん、でも簡単にだけで詳しくは」

 

「では説明しようかの」

 

白夜叉はそれを聞くと皆を見ながら話を始めた

 

「魔王がポケモンを狙う理由はポケモンの持っている力が原因じゃ」

 

「ポケモンの力?」

 

「うむ、ポケモンの中にはすごい力を秘めた者も居る。空間を操る者や時を操る者などが居る」

 

「あいつ等にもそんな力があるのか?」

 

十六夜が子ども達の事か聞くと

 

「いや、さすがにそこまで凄い力を持ってはいない。だがポケモンの中にはその位の力を持つ者も何人か居る」

 

「へえ」

 

「だから子供だけでは魔王やコミュニティに捕まる可能性があるのじゃ。まあ〝ポケットモンスター〟から捕まえようなんて考える奴は滅多に居らんがの。そういえば昔にそんな事をしたコミュニティが居ったの」

 

「へえ、そのコミュニティはどうなったんだ?」

 

十六夜が聞くと

 

「うむ、たしか捕まえようとしたコミュニティは翌日には壊滅しとったのう」

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「おいレックウザ、何そわそわしてんだよ、子供たちの事か?」

 

「ああ、また昔みたいに捕まってなければいいが」

 

「パルキアが着いて行ってるんだし大丈夫だろ」

 

「だがもし捕まったら」

 

「その時はまた昔みたいに助けに行けばいいだろ」

 

「そうだな、その時はまた捕まえたコミュニティを壊滅させてやるか」

 

「・・・レックウザってさらっと恐ろしい事言うよな」

 

 

 



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第14話

『長らくお待たせいたしました!火竜誕生祭のメインギフトゲーム 〝造物主達の決闘〟の決勝を始めたいと思います!進行及び審判は〝サウザンドアイズ〟の専属ジャッジでお馴染み、黒ウサギが務めさせていただきます♪』

 

「月の兎が本当にきたああああああああ!!」

「今日こそスカートの中を見て見せるぞおおおおおおお!!」

 

「凄い人気だな」

 

「そうだな、〝ポケットモンスター〟にも黒ウサギのファンは大勢居るからな、ほらあそこ」

 

パルキアが指さした方の観客席を見るとそこには観客席の一角をしめるポケモン達が

 

「結構来てるんだな」

 

「そうだな、最初は少なかったんだが、だんだん人数が増えてきてあんな人数になったんだ」

 

大河がパルキアと話していると白夜叉が双眼鏡を二つ差しだす

 

「お主たちも使うか?私はお主たちもあやつらのように真のロマンに到達できる者だと信じておるぞ」

 

「あやつら?」

 

パルキアが白夜叉の視線の先を見るといつ取り出したのか白夜叉と同じように双眼鏡に食らいついたポケモン達の姿が

 

「俺は要らねえよ」

 

パルキアは少し疲れたように双眼鏡を断る

 

「悪いな白夜叉」

 

そう言うと大河は懐から双眼鏡を取り出し

 

「実はさっきダーテングに会ってな、その時双眼鏡を渡されたんだ」

 

「そうか、ならば今こそ共に確かめようぞ、この世に奇跡が起こる瞬間を」

 

「ああ!」

 

 

※ちなみにポケモン達は近くの席の観客たちに予備の双眼鏡を貸したりロマンについて語ったりと他の観客達と楽しそうにしていた(男性観客限定)

 

~~~~

 

「・・・負けてしまったわね、春日部さん」

 

「〝ウィル・オ・ウィスプ〟は六桁の中でも最上位の一角だからな。主力のジャックは業火と不死の烙印を持つ幽鬼。ギフトゲームでは不死を殺せと指定されても殺せない方が悪いとなる。今回は相性が悪かったと・・・・」

 

「どうしたのだ?」

 

急に空を見て喋らなくなったパルキアに白夜叉が声を掛けると

 

「おいおい、冗談じゃないぞ」

「白夜叉、アレはなんだ?」

 

「何?」

 

パルキアと十六夜の発言で全員が空を見ると雨のようにばら撒かれる黒い封書が

 

「黒い〝契約書類(ギアスロール)〟?」

 

 

 

 

 

 

 

『ギフトゲーム名〝ThePIEDPIPERofHAMELIN〟

 

・プレイヤー一覧

 ・現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁の舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ。

 

・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター

・太陽の運行者・星霊 白夜叉

 

・ホストマスター側 勝利条件

  ・全プレイヤーの屈服・及び殺害。

 

・プレイヤー側 勝利条件

一、 ゲームマスターを打倒

二、 偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

〝グリムグリモワール・ハーメルン〟印』

 

契約書類(ギアスロール)〟読み終わると観客席に居た一人が叫び声を上げる。

 

「魔王が・・・魔王が現れたぞおおおおお――――!!

 

 



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第15話

 

境界壁・上空2000m地点。

 

遥か上空、境界壁の突起に四つの人影があった。

 

「はぁ」

 

「何だ、緊張してんのか?」

 

「当たり前でしょ?相手に〝ポケットモンスター〟が居るんだから」

 

「そんなに凄いの?」

 

斑模様の少女――ペストは二人の会話に出たコミュニティについて尋ねる

 

「はい、あのコミュニティに手を出すものは魔王でもそうそういません。あのバルコニーに居るものには私とヴェ―ザーの二人がかりでも手も足も出ないでしょう」

 

「だがそれが有ればあいつの動きを封じることができる」

 

ヴェ―ザーはラッテンが持っている物を見ながら言う

 

「そう。ギフトゲームを始めるわ。貴方達は手筈通り御願い」

 

「邪魔する奴は?」

 

「殺していいよ」

 

「「イエス、マイマスター」」

 

 

 

~~~

 

 

最初の変化は本陣営のバルコニーから始まった。

 

「何ッ!?」

 

突如として白夜叉の全身を黒い影が包み込み、白夜叉を球体に包み込んだ。

 

「白夜叉様!?」

「白夜叉!」

 

サンドラとパルキアが白夜叉に手を伸ばすがバルコニーに吹き荒れる黒い影に阻まれ、黒い風は白夜叉とパルキアを除く全ての人間を一斉にバルコニーから押し出した。

 

「外に飛ばされたのは俺だけか」

 

大河は周りを見渡し運営本陣営の外に飛ばされたのが自分だけと確認する

 

「リーダー!」

 

「ダーテング!皆無事だったか」

 

大河の前にダーテング様々な種類のポケモン達が出てくる

 

「はい、皆大丈夫です、これから如何しますか?先ほど十六夜殿が魔王と思われる連中に突っ込んでいきましたが」

 

「そうか、なら俺達は〝サラマンドラ〟の手伝いをしに行くぞ」

 

「了解」

 

 

~~~~

 

「――――第三に、私を封印した方法は恐らく「はぁい、そこまでよ♪」!」

 

全員が声した方向を見ると同時に赤い物体がパルキアに巻き付いた

 

(あれは、鎖?)

 

飛鳥はパルキアに巻き付いた物を見て不思議に思ったが操られている〝サラマンドラ〟の同士と共に現れたラッテンが少し疲れたような顔で喋り出す

 

「ふう、無事に封じられたわね、最強のフロアマスターと〝ポケットモンスター〟の貴方もそうなっちゃ形無しね」

 

「貴様!〝サラマンドラ〟の連中に何をした!」

 

「そんなの秘密に決まってるじゃない。如何に封印が成功したとしても、貴女に情報を与えるほど「おい」!」

 

ラッテンの話はパルキアの怒気を含んだ声により止められた

 

「これを何処で手に入れた!これのオリジナルは破壊されたはずだ!!」

 

苦しそうに言うパルキアを見てラッテンは赤い鎖の効果を確認する

 

「レプリカでも貴方の動きを封じる位はできるみたいね、安心したわ」

 

そう言うとラッテンは飛鳥達の方に向き直り火蜥蜴に飛鳥達を襲わせ始めた。

 

~~~~

 

「これで支配されていた〝サラマンドラ〟の連中は最後か?」

 

「はい、全員『ねむりごな』で眠らせました」

 

「よし、直ぐに他のコミュニティの人たちを避難させるぞ」

 

大河がポケモン達に指示を出すと運営陣営から魔笛の音色が聞こえ来ると同時に今度はポケモンや〝サラマンドラ〟以外のコミュニティの人も支配され、同士討ちや破壊活動を始める

 

「支配されなかったポケモンは支配されたポケモンを先に眠らせろ!ポケモンがここで暴れたら被害者が出る!」

 

大河が指示をだしポケモン達を眠らしていると雷鳴が鳴り響いた

 

「〝審判権限(ジャッジマスター)〟の発動が受理されました!これよりギフトゲーム〝ThePIDEPIPERofHAMELIN〟は一時中断し、審議決議を執り行います!プレイヤー側、ホスト側は共に交戦を中止し、速やかに交渉テーブルの準備に移行してください!」

 



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第16話

 

「ギフトゲーム名〝ThePIEDPIPERofHAMELIN〟の審議決議、及び交渉を始めます」

 

厳かな声で黒ウサギが告げる。この部屋の長机の片方には黒ウサギ、サンドラ、マンドラ、十六夜、ジン、大河の6人、もう片方にはペスト、ヴェ―ザー、ラッテンの3人が座っている。

 

「まず〝主催者〟側に問います。此度のゲームですが「不備は無いわ」!受理してもよろしいので?黒ウサギのウサ耳は箱庭の中枢と繋がっております。嘘を吐いてもすぐ分かってしまいますよ」

 

「ええ。そしてそれを踏まえた上で言うけど。私たちは今、無実の疑いでゲームを中断させられている。言っている意味、分かるわよね?」

 

「不正が無かった場合、主催者側に有利な条件で再開させろと?」

 

「そう。ルール等の交渉はその後にしましょう」

 

「分かりました。黒ウサギ」

 

「はい」

 

黒ウサギはサンドラに返事をすると天を仰ぎ、ウサ耳をピクピクと動かす。

 

「・・・箱庭から回答が届きました。此度のゲームに不備・不正はありません。白夜叉様の封印も正当な方法で作られたものです」

 

「当然ね。ジャッジマスター、再開の日取りは最長で何時頃になる?」

 

「今回の場合だと・・・・・一ヶ月です」

 

「じゃあ、それで――

「待ちな!」

「待ってください!」

 

 

 

 

魔王はジンに自分の正体がペストと見破られると微笑を浮かべながら街に無機生物や悪魔ではない限り発症する呪いそのものを振りまいたと言った。その後交渉で再開の日取りを減らしていき、黒ウサギを参戦させ、『ゲームに期限を付け再開を一週間後、再開から24時間後にゲーム終了、そしてゲーム終了と同時に主催者の勝利』と言う交渉を持ちかける

 

「・・・九日。でもある条件を付けるならいいわ」

 

「条件とは?」

 

「こちらのあるギフトの破壊を禁止するなら一週間でいいわ」

 

「そのギフトとは?」

 

「赤い鎖だろ」

 

「え?」

 

「ええ、そうよ」

 

ジンは横から破壊禁止のギフトの名前が出てきて驚き大河に聞く

 

「大河さん、そのギフトの事知ってるんですか?赤い鎖とはどんなギフトなんですか」

 

「赤い鎖ってのは伝説のポケモンをつなぐと言われる神話の道具でな、ポケモンを操る力を持っているんだ」

 

「ポケモンを操る!?」

 

皆その道具が使い方次第でとても危険な道具だと分かった。三桁に属するコミュニティのポケモンが思いどうりに操れる道具など魔王の手に渡ったらどれ程の被害が出るかなど想像できない

 

「まあ、もし本物の赤い鎖を使ったなら騒ぎになるだろうしレプリカで動きを封じているだけだろうな」

 

「どうする、この条件受けるの?」

 

「俺は受けても良いと思うぞ」

 

「・・・そうですね、その条件をのみます」

 

「そう、なら決まりね」

 

ペストがそう言うと激しく黒い風が吹き抜け、参加者が顔を庇う最中、主催者〝黒死斑の魔王〟は消え、一枚の黒い〝契約書類(ギアスロール)〟だけが残った。

 

 

 

『ギフトゲーム名〝ThePIEDPIPERofHAMELIM〟

 ・プレイヤー一覧

  ・現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁・境界壁の舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ(〝箱庭の貴族〟を含む)。

 

 ・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター

  ・太陽の運行者・星霊 白夜叉(現在非参戦の為、中断時の接触禁止)。

 

 ・プレイヤー側・禁止事項

  ・赤い鎖の破壊。

  ・自決及び同士討ちによる討ち死に。

  ・休止期間中にゲームテリトリ(舞台区画)からの脱出を禁ず。

  ・休止期間の自由行動範囲は、大祭本陣営より500m四方に限る。

 

 ・ホストマスター側 勝利条件

  ・全プレイヤーの屈服・及び殺害。

  ・八日後の時間制限を迎えると無条件勝利。

 

 ・プレイヤー側 勝利条件

  一、 ゲームマスターを打倒。

  二、 偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

 ・休止期間

  ・一週間を、相互不可侵の時間として設ける。

 

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                    〝グリムグリモワール・ハーメルン〟印』

 



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第17話

 

大祭本陣営・大部屋

 

「さて、皆揃ったことだしゲームクリアの方法を考えるか」

 

そこには大河と〝火竜誕生祭〟に来ていたほとんどのポケモン達が居た

 

「ですが大河様、この場に居ない者も居るようですが

 

「ああ、何人かには子供たちの面倒を見てもらってる。俺達は勝利条件の『偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ』の謎を解くぞ」

 

「参加者の中では『偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ』の考察が統一されていないようですが大河様は何か分かりましたか?」

 

「うん、偽りの伝承・真実の伝承が指すものは一二八四年六月二十六日のハーメルンで起きた事件をラッテン・ヴェ―ザー・シュトロム・ペストの中から選択するものだと思う」

 

「では砕き・掲げることが出来る物はハーメルンの碑文と共に飾られたステンドグラスの事だろうか」

 

「そうだな、ステンドグラスなら色々な所に展示されているしその方法なら祭に潜入できる」

 

「そう、多分展示された偽のステンドグラスを砕いて本物を掲げろという意味なんだろうけどどのステンドグラスを砕いて掲げればいいのか分からないんだよね。ペストが偽物ということは分かったけど他がまだわからない」

 

皆が真実の伝承を考えているとき大河は何か見落としが無いか契約書類を見直す

 

(そういえばこの白夜叉の参戦条件がクリアされていないって参戦条件は何なんだろう?)

 

大河は契約書類を見ているとあることに気付いた

 

(太陽の運行者?・・・まさか!)

 

大河はテーブルに置いてあった黒死病に関する本を開き目的のページを読む

 

『〝黒死病〟とは十四世紀から始まった寒冷期に大流行した人類史上最悪の疫病である』

 

(太陽の寒冷期・・・じゃあ白夜叉を封印したルールの正体は)

 

「大河は居るか?」

 

大河が考えていると部屋のドアが勢いよく開き十六夜が入ってきた

 

「どうした?謎が解けたか?」

 

「おう、解けたぜ。お前も解けたんじゃないか?」

 

「まあな、もう少しで解ける所だった」

 

「!へえ、なら邪魔しちまったか?」

 

「いや、今は少しでも早く謎を解いて皆に知らせてゲームの行動方針を決めなきゃな」

 

「そうだな、俺はサンドラ達に伝えに行くがお前はどうする?」

 

「俺も行く、皆はここで待っててくれ」

 

大河は皆にそういうと十六夜と共にサンドラ達の所へ向かった

 

「・・・」

 

「如何した?十六夜」

 

大河はポケモン達が居る部屋を見ていた十六夜にどうしたのか聞くと

 

「いや、前も思ったがポケモンってのには色々な種類の奴が居るんだなと思ってよ」

 

「そうか、あれでもまだ全体の一部なんだぜ?」

 

「まじかよ、一体何種類いるんだ?」

 

「さあ?」

 

「お前、さあって何種類いるのか知らないのか?」

 

十六夜は自分のコミュニティの事なのに知らないのかと呆れたように大河に言うが

 

「ポケモンは次々に種類が増えるからな、今コミュニティに居る種類は約700匹までだ」

 

「へえ、それは異種交配みたいなのでどんどん種類が増えていくってことか?」

 

「いや、単に新しいポケモンが発見されているってだけの話だ。着いたな、この話は終わりだ」

 

大河はそういうとサンドラ達が居る部屋の扉を開けた

 



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第18話

皆さんお久しぶりです、今回はいつもより長めです


 

『・三体の悪魔は〝サラマンドラ〟とジン=ラッセル率いる〝ノーネーム〟が戦う

 

・その他の者は、各所に配置された一三〇枚のステンドグラスの捜索

 

・発見したも者は指揮者に指示を仰ぎ、ルールに従って破壊、もしくは保護すること』

 

宮殿の大広間に集まった約500名は参加者側の行動方針を聞かされクリアに向けて明確な方針が出来たことで士気が上がっていた。

 

「リーダー」

 

「ダーテング、気を付けて行くぞ」

 

「リーダーも気を付けてくださいよ、最初に出会った魔王に負けた何て笑えませんよ」

 

「そうだな」

 

「よう」

 

大河達が話をしていると十六夜が近ずいてきてダーテングはポケモン達の所に戻って行った

 

「邪魔したか?」

 

「いや、ただ気を付けろと言ってただけ、十六夜は俺に何か用か?」

 

「いや、本当にステンドグラスの捜索でいいのかと思ってよ」

 

「ああ、何が起こるか分からないからな、それに」

 

「?」

 

「悪魔達は十六夜達が居れば心配ないだろ?」

 

十六夜はそれを聞きヤハハと笑う

 

「三桁のコミュニティのリーダーにそんなに期待されたなら絶対勝たなきゃな」

 

「負けるかもって思ってたのか?」

 

「全然」

 

 

 

二人がそんな会話をしていると、突然激しい地鳴りと共にゲームが再開された。

 

 

~~~~

 

ゲーム再開とともに境界壁の麓は全く別の街へと変貌していった。

 

「こ、ここは一体!?」

 

「それに今の地鳴りは!?」

 

「リーダー」

 

「まずいな、皆動揺しているしステンドグラスもどこに配置されているか分からないぞ」

 

大河が如何しようかと考えているとジンが捜索隊の前に立ち

 

「まずは教会を探して下さい!ハーメルンの街を舞台にしたゲーム盤なら、縁のある場所にステンドグラスが隠されているはず。〝偽りの伝承〟か〝真実の伝承〟かは、発見した後に指示を仰いでください!」

 

ジンの一声で捜索隊が一斉に動き始める。

 

~~~~

 

「見つけたぞ!ネズミを操る道化が描かれたステンドグラスだ!」

 

「それは〝偽りの伝承〟です!砕いて構いません!」

 

街の建物に入り込んだ一隊から声が上がり、ジンが返答するとすぐにステンドグラスの砕かれる音がした。ジンや大河達が次に行こうとすると

 

「はーい、其処まで♪」

 

皆が街道の脇にある建造物を見上げる。

屋根の上に立つのは、ネズミを操る神隠しの悪魔、ラッテンだった。

 

「お前はあの時の・・・!飛鳥さんをどうした!」

 

ジンが叫ぶがラッテンはくすくすと笑って聞き流す。

 

ラッテンは仰々しくお辞儀した後、魔笛を掲げ

 

「ブンゲローゼン通りへようこそ皆様!神隠しの名所へ訪れた皆様には、素敵な同士討ちをご体験していただきます♪」

 

途端、屋根の上から何十匹もの火蜥蜴が姿を現した。〝サラマンドラ〟の同士達だろう。捜索隊の者たちも臨戦態勢をとるがジンが慌てて止めた。同士討ちをしてしまえば捜索隊の者まで失格になり捜索そのものに支障が出てきてしまうからだ。

 

その様を見ていたラッテンは、ケラケラと笑い飛ばした

 

「そうねぇ。でも殺さなかったらいいんじゃない?殺さないように手加減しながら、自分も殺されないようにすれば、ほら。万々歳ってやつよ」

 

ジン達が歯噛みする中、ラッテンは躊躇なくフルートを振るって火蜥蜴達に命令を下す。屋根から一斉に火球を吐き出す火蜥蜴達。大河とポケモン達は火球を撃ち落そうと構えるが黒い影が火球の雨を打ち砕いた。

 

「何ッ・・・!」

 

ラッテンの顔から余裕が消える。黒い影は瞬く間に頭上に収束して戻っていく。

視線を上空に上げるとレティシアが翼を広げてラッテンを見下していた。

 

「見つけたぞ、ネズミ使い」

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

ラッテンをレティシアに任せて大河達はステンドグラスの捜索を続けていると

 

「ジン!大河!」

 

「レティシア!ラッテンは如何した」

 

「すまない、逃げられた」

 

レティシアは悔しそうに大河に言う

 

「気にするな、今はステンドグラスの捜索に集中するぞ」

 

「もう少しで教会に着きます!」

 

大河達が教会に着くとそこにはラッテンの持っていた笛を持った飛鳥がいた

 

「飛鳥さん!無事でしたか!?」

 

「ええ。ちょっと髪が乱れてるけど、それぐらいよ」

 

「そうか、無事で本当によかった。奴らの狙いを考えれば・・・いや、今はそれどころじゃない。詳しい説明は兎も角、早くステンドグラスを」

 

「ええ。此処に真実のステンドグラスがあるわ。貴方達はそれを確保して」

 

「は、はい。飛鳥さんは?」

 

「魔王と戦いに行くわ。この子を連れてね」

 

飛鳥が指を指すとディーンはズシリとした動きを見せた

 

「大河君はどうする?」

 

「一緒に行くよ、皆頼んだぞ」

 

「任せて下さいリーダー!」

 

大河はポケモン達にそう言うと飛鳥と一緒に魔王の下に急ぐのだった。

 

~~~~

 

「飛鳥、あれなんだと思う?」

 

大河が見る先にはペストとペストを中心に黒い風が広がっていた

 

「触ってはいけないと言う事は確かよ」

 

「だよな」

 

(他のステンドグラスを探していた参加者たちは皆無事に建物内に避難しているようだな。参加者を庇おうとした〝サラマンドラ〟のメンバーもポケモンの皆が助けているようだし・・・!)

 

大河の視線の先には黒い風に巻き込まれそうになっている少年が居た。

 

「飛鳥!」

 

「分かっているわ、守りなさい、ディーン!」

 

「DEEEEeeeEEEEN!!」

 

ディーンが死の風を遮断して少年を守るとディーンの背後から、飛鳥が顔を覗かせて少年に逃げるように言う。

 

「飛鳥さん、よくぞご無事で!」

 

「感動の再開は後よ!前見て前!」

 

黒ウサギが振り返るとペストが放った死の風が黒ウサギのすぐそこにまで迫っていた。

 

「余所見してんじゃねえぞこの駄ウサギ!」

 

側面から助勢に現れた十六夜の蹴りが、死の風を霧散させその勢いで懐に飛び込む十六夜。

 

「無駄よ、星を砕けない分際では、魔王は倒せない」

 

ペストが無造作に腕を振る。すると八〇〇〇万の怨嗟が衝撃波となって十六夜を襲う。思わぬ不意打ちを受けた十六夜は上空高く打ち上げられ、そのまま落下した。

 

「星も砕けない分際だと?素敵な挑発してくれるじゃねえか斑ロリ。そういう事ならこっちも・・・」

 

「ちょっとお待ちください十六夜さん!そんなボロボロの右腕で戦うより、ここは作戦を尊重してください!」

 

慌てて黒ウサギが止めるとむっと唇を尖らせて眉を顰める十六夜。

 

「しょうがねえな。どうすればいい?指示を出せ黒ウサギ」

 

「今から魔王を打ち取ります。皆さんは魔王に隙を作って下さい」

 

「それはいいけど、あの風はどうする?このまま他の人たちが死んじゃうけど」

 

黒ウサギは白黒のギフトカードを取り出し

 

「ご安心を!今から魔王と此処にいる主力纏めて、月までご案内します♪」

 

黒ウサギがそう言うと同時に周囲の光は暗転して星が巡る。瞳を開けて天を仰ぐ。天には箱にはの世界が逆様になって浮いていた。周りを見てペストは蒼白になって叫ぶ

 

「〝月界神殿(チャンドラ・マハール)〟!軍神ではなく月神の神格を持つギフト・・・!」

 

「YES!このギフトこそ、我々〝月の兎〟が招かれた神殿!帝釈天様と月神様より譲り受けた〝月界神殿〟でございます!」

 

「ルールではゲーム盤から出る事は禁じられているはず」

 

「ちゃんとゲーム盤の枠内に居りますよ?ただ、高度がものすごく高いだけでございます」

 

黒ウサギはそう言うと

 

「これで参加者側の心配はなくなりました!サンドラ様、十六夜さん、大河さんはしばし魔王を押さえつけて下さい!」

 

黒ウサギが言うや否や、三人はペストに向かって突撃する。ペストは黒い風を放出して迎え撃つが

 

「無駄だ」

 

大河が光に包まれそこから炎が飛び出し炎と衝突した死の風は簡単に霧散してしまった

 

「な・・・!?」

 

光が収まると先ほどまで大河の居た所には一匹の蛾の様な生き物が居た

 

「大河か?」

 

「そうだけど、どうした十六夜?そんな驚いた顔をして」

 

隣に居た人間が急に巨大な蛾の様な姿になったら誰でも驚くと思う

 

「これは、太陽の力!?」

 

ペストは先ほどの炎が自分の弱点である太陽の力を宿している事に気が付いた

 

「気づいたか、俺が今変身しているポケモンの名前はウルガモス。火山灰で地上が真っ暗になった時ウルガモスの炎が太陽の代わりになったとか()()()()()とか言われているポケモンだ」

 

それはペストにとって最悪のポケモンだった。太陽の寒冷期に猛威を振るった黒死病、太陽の力の前ではその猛威は振るえない

 

「今です飛鳥さん!」

 

ペストが声のした方に向くとそこには飛鳥と槍を持った紅い鋼の巨人が居た。

 

「撃ちなさい、ディーン!」

 

「DEEEEEeeeEEEEEN!!」

 

インドラの槍は千の天雷を束ねてペストを襲う。ペストは今一番警戒しなければならない大河を警戒しつつ回避しようとしたがペストを炎の輪が拘束する

 

「!?」

 

周りを見ると近くにサンドラが居た。大河を警戒していてサンドラが近づいてるのに気が付かなかったのだ。

 

インドラの槍はペストを貫き空高く打ち上げる

 

「そんな・・・・私は、まだ・・・・!」

 

「さようなら、〝黒死斑の魔王(ブラック・パーチャ―)〟」

 

飛鳥が別れの言葉を告げると、一際激しい雷光が月面を満たした。

 

轟と響きを上げた軍神の槍は、圧倒的な熱量を撒き散らして魔王と共に爆ぜた。

 



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第19話

皆さんお久しぶりです。約3年ぶりの更新です。

最後の更新がアニメと同じくらいの所で終わっていましたが少なくとも問題児シリーズの最後まではやるつもりなのでこれからもよろしくお願いします。


箱庭七六一外門ポケットモンスター本拠地

 

「皆、集まったな」

 

そこには大河を始めパルキアやディアルガ、カイオーガにグラードンなど、伝説・幻のポケモンと言われている者達が集まっていた

 

「・・・パルキア、間違いないんだな」

 

ディアルガはパルキアに問う、他の者達も静かにパルキアが話すのを待つ

 

「間違いない、レプリカだったがあれは間違いなく赤い鎖だった」

 

その言葉にポケモン達はざわめき、怒りを表している者もいる

 

「その魔王は?」

 

「ギフトゲームに負け消滅した」

 

「それではどうやって手に入れたか聞き出せんな」

 

「その魔王がたまたま見つけたという可能性は?」

 

「どうやってだ、あれは自然にある物ではない誰かが作ったのだ、あいつ等の様に」

 

「・・・ギンガ団、か」

 

ギンガ団

ディアルガとパルキアを利用し現在の世界を破壊し、新たな世界を創る事を目的とした集団。

 

「・・・もしや箱庭に召喚されたか」

 

「そうなると厄介だな」

 

「単独行動をとらないように全員に通達しましょう。それと同時に赤い鎖のレプリカを作った者たちを探さねば」

 

「子供達には必ず我らからだれか最低一人が見るようにしましょう」

 

「そうだな」

 

「では」

 

そうしてひとまず警戒をするということでこの話合いは解散となった

 

「・・・どうだった?」

 

殆どのポケモンが部屋から出て行き、部屋にはパルキアと大河だけが残っていた

 

「皆凄いね、あっという間に話合いが終わっちゃった」

 

「まあ敵の正確な正体も分かってないから詳しい話はできないし俺達だって長年箱庭で生活してるからな」

 

だてに箱庭第三桁ではないということだろう、ポケモン達の判断は素早く的確だった。だが

 

「だれからも話しかけられなかった」

 

別にさみしいと言う訳ではない、だが

 

(コミュニティのリーダーとしては駄目だ)

 

話しかけられない、つまり必要とされていない、いなくてもいいと思われているのだ

 

「あ、そういえばリーダー」

 

「ん、なんだ?」

 

「いや、黒死斑の魔王(ブラックパーチャ―)との戦い、もっと早く終わらせられたんじゃないかなと思ってよ」

 

「ああ」

 

大河のギフト、ポケモンマスターなら伝説や幻のポケモンに変身して簡単に魔王を倒せたかもしれない

 

「できなかったんだ」

 

「できなかった?」

 

「ああ、あの時伝説のポケモンになろうとしたんだけど、変身できなかった」

 

(変身できない、どういう事だ?)

 

「他のポケモンには変身出来るんだな?」

 

「普通にできる」

 

「じゃあ恩恵が壊れた訳じゃないか」

 

パルキアは考えてみるが、何も分からなかった

 

「まあこれから調べていくことだな。そろそろ戻るか、魔王倒してすぐこっちに戻ってきたから心配してるかもしれないしな」

 

「ああ」

 



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そう・・・巨竜召喚
第20話


 

「甘い!!」

 

「ック!」

 

〝ポケットモンスター″の訓練所、そこには新たな技を習得しようと努力するポケモンやパートナーだけに任せずに自信も強く成ろうとする様々な種族のトレーナー。そして一ヶ月に近く前に新しくコミュニティの長となった大河が様々な相手とバトルをしていた

 

「駄目だ、全然勝てない」

 

「経験の差ですな、私達は決められた技しか使えませんが長年に渡り技を強化してきました。逆に大河様はほぼすべての技が使えるがゆえ選択肢が多く反射的に技を出すことが出来ません、まずは四つほどに技を絞り反射的に使えるようにしてみてはどうでしょうか?」

 

「分かった、頑張るよ、ギルガルド」

 

「また相手が必要な時はお申し付けください、これだけ大きなコミュニティとなると古くから居る私の様な物は仕事が無いのですよ」

 

柄の部分に銀色のスカーフを巻いたギルガルドはそう言うと訓練場から出ていく、それと入れ替わるように一匹のデリバードが大河の元へと来る

 

「大河様宛に郵便が来ておりました」

 

「ありがとう」

 

大河が封筒を見るとそこには一ヶ月で勉強して覚えたコミュニティの一つ、〝龍角を持つ鷲獅子″からの招待状であった

 

 

~~~~

 

大河は招待状を見ると直ぐに呼べる幹部を集めた

 

「〝龍角を持つ鷲獅子〟からの収穫祭への招待状か。この一か月で同じようなのが何枚か届いたがこれほど大きいのは初めてだな。行くのは決定として誰が行くか」

 

「子供たちは連れて行ってやりたいな、祭りと聞いてはしゃいでいる」

 

「しかし赤い鎖の事がある。それが無くても魔王や他のコミュニティにさらわれる可能性も」

 

「誘拐の心配は誰か大人が一緒についていけばいいとして問題は赤い鎖か」

 

「この収穫祭は二〇日ほど開催される予定だ、最初の数日は俺たちだけで行って危険が無いか見る、安全だと分かれば子供たちを連れてくれば良いんじゃないか」

 

「そうですな、大河様の言った案が一番安全でしょう」

 

「祭り前から調べておいた方がいいだろう」

 

「それは何人か人に姿を変えられる奴らに頼んでおこう」

 

「それじゃあ早速始めるぞ、収穫祭なんて直ぐだからな」

 

 

 

 

~~~~

「調べてみたが特に怪しい動きは無かったな」

 

「それでも油断できないぞ」

 

「分かってるよ。皆準備は良いな?一人で行動せず必ず複数人で行動するんだぞ」

 

「はい、分かっております」

 

「じゃあパルキア、頼む」

 

「おう!」

 

パルキアが収穫祭に最初に行く者達を〝アンダーウッド〟の近くまで飛ばすとそこには丁度休んでいた鹿の角を持った鳥の群れがいた

 

「・・・おいパルキア、誰がペリュドンの群れの中に遅れって言ったよ」

 

「・・・すまん、確認し忘れた」

 

ペリュドン達は突然現れた大河たちに驚くが直ぐに殺人種として大河達を殺そうとするが

 

「相手が悪かったな」

 

大河を始めここに居るのは全員〝ポケットモンスター〟の主戦力。ペリュドン達は1分と持たなかった。

 

「これどうするよ?」

 

「持って行って誰かに買い取ってもらうか。さすがに放置できないしこの鳥食べられるらしいぞ」

 

「じゃあギフトカードに入れて、良し。行くか」

 

道中は何事もなく大河達は〝アンダーウッド〟の水樹を水式エレベーターで上がり本陣入り口の受付で招待状を見せる

 

「〝ポケットモンスター〟の方々ですね、奥の部屋へどうぞ、〝龍角を持つ鷲獅子〟の議長サラ=ドルトレイク様を呼んでまいります」

 

そう言って受付の子が部屋から出ると一分と掛からず再び扉が開く

 

「お待たせした。私が〝龍角を持つ鷲獅子〟連盟の議長をしております〝一本角〟の頭首サラ=ドルトレイクと申します」

 

「初めまして、〝ポケットモンスター〟のリーダー風見大河と申します」

 

「大河様、皆様。ようこそ収穫祭へ、〝ポケットモンスター〟を招くことができ光栄です。実はゲストの皆様に言いにくいのですが相談したいことがあるのです」

 

「何でしょう」

 

「他のコミュニティにも話しておきたいことなので、〝ウィル・オ・ウィスプ〟と〝ノーネーム〟が来るまではお寛ぎください」

 

 

~~~~

「さて、何かあるみたいだけど俺達でも調べてみるか、全員一人にならず二人以上で行動しろよ」

 

「わかりました」

 

そうして何も起きず二日が過ぎたころ

 

「なあリーダーあれ何だ?」

 

大河とパルキアが外を散歩しているとパルキアが何かを見つけた

 

「どれ?」

 

「ほら、あの遠くの・・・うぉ!?」

 

パルキアが指をさす方を見ていると、急に目の前に巨人が現れた。巨人は大河達にその拳を振り下ろすが

 

「何だこいつ?」

 

『まもる』で簡単に防がれてしまう

 

「リーダー」

 

「ああ」

 

周りを見ると目の前の巨人と同じように急に巨人が現れ暴れまわっている

 

「ギアスロールは無いから魔王のゲームでもない、なら普通に倒して大丈夫だな、パルキアこいつら倒すぞ」

 

「他の同士達は?」

 

「騒ぎを聞きつけて直ぐに来るだろう、二人以上で行動させてるし問題ないだろう」

 

「だな、そうと分かればさっさと倒すぜ!」

 

 



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第21話

「あれは」

 

大河が轟音のした方を見ると紅い鉄人形が巨人を投げ飛ばしていた

 

「飛鳥か、負けてられないな『ダークホール』」

 

大河はダークライの姿になると巨人たちをどんどん眠らせていく。大河に気づいた巨人たちが攻撃してくるが大河は影の中に入り巨人たちの攻撃をかわしていく

 

「これじゃあ巨人がいなくなるのは時間の問題だな」

 

大河がそう思ったとき、一瞬にして辺り一帯が深い霧に包まれる

 

「何だ!?敵のギフトか!」

 

大河はまだ影の中に居るので大丈夫だが他の者たちは巨人たちの攻撃を受けていた

 

「きゃあ!!」

 

声のした方向を見ると飛鳥が他の巨人たちとは違う格好をした巨人族三人に攻撃されていた

 

「飛鳥!」

 

大河は『ダークホール』で攻撃するが大河と巨人たちの間には距離があるのでかわされたり他の巨人が盾になり飛鳥を攻撃している巨人まで届かない。大河は全速力で飛鳥の元へ向かうがその前に、一人の仮面をつけた人物が巨人族を皆殺しにした、そして驚くことに影に隠れている大河を見つけ剣に手を掛けていた

 

「まて、敵じゃない」

 

大河は直ぐに影から出ると敵ではないと言う。直ぐに出てきたからかダークライの姿だからか仮面をつけた人物は大河を敵ではないと判断し剣から手を放す

 

「飛鳥!」

 

「春日部さん・・・きゃっ!」

 

飛鳥の方を見ると春日部が飛鳥に抱き着いてバランスを崩した飛鳥が尻もちをついていた。春日部は周りを見て驚いていたが仮面の人物は大河達の無事を確認するとその場を去った

 

「風見君、久しぶり。まさか再開がこんな事になるとはね」

 

「飛鳥に春日部も久しぶり。〝ポケットモンスター〟としてやる事が多くてな、なかなか戻れなかった」

 

大河達が久しぶりの再会で話していると

 

「・・・・・ぁ」

 

何かを思い出したのか春日部は顔を青くさせると巨人たちに壊された宿舎へと走っていく。

 

「何かわからないけど追ってみましょう」

 

「そうだな」

 

「お、お待ちください!」

 

声をかけてきたのは知らない人物だった

 

「〝ポケットモンスター〟の風見大河様ですね、〝一本角〟のサラ=ドルトレイク様が今回の巨人族襲来の件について説明するので至急来てほしいと」

 

「分かった。飛鳥、そういうことで行ってくる」

 

「ええ、春日部さんは任せておいて!」

 

大河が収穫祭本陣営に行くとそこには大河と同じく呼ばれたのであろう〝ノーネーム〟〝ウィル・オ・ウィスプ〟〝ポケットモンスター〟のメンバーが集まっていた。話を聞くとあの巨人族は今サラが持っている只の大きな石に見えるギフトを奪いに来たという

 

「それは?」

 

「〝バロールの死眼〟だ」

 

「な!?」

 

「〝バロールの死眼〟!?」

 

「なるほど、確かに巨人族だけでじゃなく色々な奴が欲しがるな」

 

「連中は何としてもこの神眼を取り戻したいのだろう。私たちが収穫祭で忙しいのを狙ってまた襲撃を仕掛けてくるだろう」

 

「ヤホホ・・・その襲撃から街を守るために私たちに協力しろと?」

 

ジャックとアーシャは嫌な顔をする〝ウィル・オ・ウィスプ〟は武闘派のコミュニティでは無いので当然だろう。アーシャが〝階層支配者〟に相談しないのかと指摘するがサラから南側に〝階層支配者〟は居ないという。正体不明の魔王に討たれたと。サラたちは白夜叉に相談したという、それで返ってきたのが〝龍角を持つ鷲獅子〟連盟の五桁昇格と〝階層支配者〟の任命と言う物だった

 

「で、ではこの収穫祭は〝龍角を持つ鷲獅子〟の五桁昇格と〝階層支配者〟の任命を掛けたゲームなのですか!?」

 

「そうだ。〝階層支配者〟になれば〝主催者権限〟と共に強力な恩恵を賜る。巨人族をせん滅するには〝主催者権限〟を用いたギフトゲームで挑むしかない。南側の安寧のためにも、この収穫祭は絶対に成功させねばならないのだ。どうかあなた方コミュニティの力を貸していただけないだろうか」

 

「そう言われましてもねえ・・・」

 

「無論、タダとは言わん。多くの武功を立てたコミュニティには、この〝バロールの死眼〟を与えようと思う」

 

「は・・・!?」

 

これには全員が驚く。さらに〝バロールの死眼〟を譲渡するのは〝ノーネーム〟〝ウィル・オ・ウィスプ〟〝ポケットモンスター〟に限るという

 

「し、しかしサラ様。黒ウサギ達の同士に適性者は居ないと思われますよ?」

 

(〝ポケットモンスター〟だとヨノワール辺りか?)

 

人やポケモンを霊界に連れて行くと言われるヨノワールなら〝ウィル・オ・ウィスプ〟のウィラ=ザ=イグニファトゥスには負けるだろうが適性はあるだろう。唯一適性者がいない〝ノーネーム〟は白夜叉から恩恵があるらしい〝ThePIEDPIPERofHAMELIN〟のすべての処理条件を満たしてクリアした特別恩賞らしい。ジンが小箱を開けると中には笛吹き道化。〝グリム・グリモワール・ハーメルン〟の旗印が刻まれた指輪が入っていた。

 

 



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第22話

サラから話を聞いた大河達は〝アンダーウッド〟に来ている〝ポケットモンスター〟の同士を全員集め巨人族の襲撃に備えていた

 

「敵が来るまで休んでいたいんだけどな」

 

「仕方あるまい、先ほどの奴ら、目の前に突然現れたぞ。どうやら敵に空間系の恩恵を持つ者が居るらしいな」

 

「めんどくせえ奴らだ」

 

「だがそれに見合う報酬、〝バロールの死眼〟を提示された。適合者は少ないだろうが強力なギフトだ」

 

「・・・おい」

 

今まで黙っていたパルキアが口を開く。それがどういう意味か、その場の全員が知っている。

 

当たり前の話だが、空間を司るポケモンを相手に転移の様な物で襲撃など

 

「来るぞ」

 

これから攻撃するぞと合図を出して動き出すに等しい

 

 

 

 

 

 

~~~~

 

「めんどくさい奴らだ」

 

巨人族の大軍を相手にしながらパルキアはそう言った。元々が子供達を安心して祭りを楽しませるために先に来た者達、全員が戦闘慣れしておりこの程度の巨人が何人いようと敵ではない。しかしいくら敵ではないと言っても巨人全員が〝ポケットモンスター〟を狙っているわけではないので大河達の手が足りず〝一本角〟と〝五爪〟に被害が出ている

 

(『りゅうせいぐん』なんかで一気に倒したいが味方に当たったら不味いからな)

 

パルキアがそう考えていると少し離れたところが何やら騒がしくなってきたと思うと今度は前回と同じような濃霧が出てきた。勿論そんな事でパルキアが遅れを取るはずもなく巨人達を倒していく。

 

濃霧が出たと思ったらすぐに無くなった。どうやら春日部耀が相手のギフトを奪うのに成功したらしく、その後は巨人族は逃げ出し直ぐに決着がついた

 

「おーい」

 

声のした方を見ると大河と〝アンダーウッド〟に来ているポケモン全員がいた。

 

「リーダー、お前たちも無事だったか」

 

「あたりまえでしょう」

 

「こんな奴らに負けていては三桁に居られませんよ」

 

「全員無事でよかった。しかし」

 

「ああ、ここまでの騒ぎになると子供たちを連れてくれないな」

 

「あの子たち楽しみにしていたみたいですけどね」

 

「コミュニティ内で何かするだろうが・・・あの子たち若い世代にはもっと沢山の種族の者達に触れあってほしかったのだが」

 

子供たちに色々な物に触れいつか立派なコミュニティの同士として成長してもらいたいと考えている者達は今回の収穫祭に子供達を連れてこれない事に少し残念そうに話し合っている。

 

「!?」

 

「何だ、今の気配は!?」

 

「空だ!!」

 

空を見るとそこには

 

「な、何であんなのが、龍の純血種がこんな所に!?」

 

その全身は大きすぎて見えず体の一部が見えるだけだったが気配と体の特徴から最強種の一角だと直ぐに分かった。それだけでも大変だったが龍は自分の鱗を雨の様に地上にばら撒いた、すると鱗の一枚一枚が大蛇などの姿となり街を襲い始める

 

「直ぐにあいつらを片付ける!散らばるが決して一人になるな!」

 

「「「了解」」」

 

「・・・おい嘘だろ、もうお腹いっぱいだってのに」

 

大蛇を倒していく大河達の頭上から鱗と一緒に降り注ぐ魔王の証とも言える大量の黒い〝契約書類〟が降り注ぐ

 

『ギフトゲーム名〝SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING〟

 

・プレイヤー一覧

・獣の帯にまかれたすべての生命体

※但し獣の帯が焼失した場合、無期限でゲームを一時中断とする。

 

・プレイヤー側敗北条件

・なし(死亡も敗北と認めず)

 

・プレイヤー側禁止事項

 ・なし

 

・プレイヤー側ペナルティ条項

 ・ゲームマスターと交戦したすべてのプレイヤーは時間制限を設ける。

 ・時間制限は十日毎にリセットされ繰り返される

 ・ペナルティは〝磔刑〟〝串刺し刑〟〝分刑〟からランダムに選出

・解除方法はゲームクリア及び中断された際にのみ適用。

 ※プレイヤーの志望は解除条件に含まず、永続的にペナルティが課される。

 

・ホストマスター側 勝利条件

 ・なし

 

・プレイヤー側 勝利条件

一、 ゲームマスター・〝魔王ドラキュラ〟の殺害

二、 ゲームマスター・〝レティシア=ドラクレア〟の殺害。

三、 砕かれた星空を集め、獣の帯を玉座に捧げよ。

四、 玉座に正された獣の帯を導に、鎖につながれた革命主導者の心臓を打て。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                              〝       〟印』

 

「・・・情報量が多すぎる!」

 

大河は一旦考えるのを止め大蛇達を倒すことに専念した

 

 

~~~~

「きゃあ!」

 

ギルガルドたちが大蛇たちの所に向かうと大蛇の一匹が子供を襲おうとしている所だった

 

「その子から離れろ!!」

 

ギルガルドは直ぐに子供と大蛇の間に入ると大蛇の攻撃から子供を守り敵を切り捨てる

 

「ギルガルド様!この辺の魔獣はそいつで最後です」

 

「分かった!お嬢さん、お怪我は無いかな?」

 

「は、はい」

 

「それは良かった。ここにはお嬢ちゃんだけかい?」

 

「い、いえ友達と一緒に居たら突然魔獣が降ってきて、それでバラバラに・・・」

 

「そうかい、でももう大丈夫私たちに任せない」

 

ギルガルドは優しく泣きそうな子の頭をなでポケモンの二人に指示を出す

 

「この子を避難所に、敵が魔獣だけとは限らないから周りには気を付けて連れていけ」

 

「「了解です」」

 

少女はポケモンに抱きかかえられると避難所へと連れていかれる

 

「あ、あの!お名前は」

 

「〝ポケットモンスター〟所属のただの年老いたギルガルドさ」

 

「前方から新たな敵が来ます!」

 

「急いでその子を連れていけ!!」

 

少女が行くのを見て少し安心するギルガルド。横を見ると弟子であるニダンギルがフフフと笑っていた

 

「どうした?」

 

「いえ、ただの年老いたギルガルドと言うのが可笑しくて」

 

「事実だろ、お前は私が青年の年にでも見えるのか」

 

ちなみにギルガルドなど一部のポケモンは見た目から年齢を測るのはとても難しい

 

「『ただの』ではないでしょう?」

 

「ただ長生きして経験があるだけだ」

 

「その銀色のスカーフを付けて経験だけとは言えないでしょうに」

 

「そろそろ無駄口をたたくのを止めろ、来るぞ」

 

「了解」

 



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第23話

「多いなこいつら!!」

 

現在大河はポケモンの数人と逃げ遅れた人の救助や巨龍から生まれた魔獣を倒していた

 

「リーダーあれ!」

 

「何だ・・・えー」

 

大河が見たのは巨人と呼ばれる強大な敵が空をとんている姿だった

 

「巨人て飛べましたっけ」

 

「俺の知っている巨人は飛ばないな」

 

「・・・まさか投げ飛ばされた」

 

 

「まさか、俺たちだって投げ飛ばせねえぞ」

 

「・・・とりあえずあそこは後回しだ」

 

「よろしいので?」

 

「こんな事をする奴はあいつしかいないからな」

 

大河は一人の問題児を頭に思い浮かべあいつなら大丈夫だろうと他の被害が大きい所へと向かった

 

 

~~~~~

 

〝アンダーウッドの地下都市〟緊急治療所近く

 

 黒ウサギの〝審判権限(ジャッジマスター)〟によりゲームが一時中断され大河達が一度集まると大河は驚きの報告を受けた

 

「ギルガルドとニダンギルが巨龍に乗り込んだ?」

 

「はい、魔獣と一緒に巨龍に回収された子供を助けようとニダンギルと共に」

 

「私たちは飛べませんでしたのでギルガルド様より大河様に報告しろと」

 

「子供に優しいあいつらしい理由だな」

 

大河達が話していると扉からコンコンとノックの音がし黒ウサギたちが入ってくる

 

「大河様、これから今回のギフトゲームの攻略会議を開くのですが大河様たち〝ポケットモンスター〟はどういたします?」

 

「分かった、パルキアは付いてきてくれ、後は体を休めていてくれ」

 

「分かりました」

 

大河達は部屋を出ると攻略会議が行われる部屋へ向かう

 

「聞いたぞ、そっちも行方不明になったやつが居るらしいな」

 

「ああ、子供を助けに巨龍へ飛んで行ったらしい」

 

「すげえな、あれを前にしてそんな行動ができるやつ中々いねえぞ」

 

「ああ、とりえずその追いかけた子供は無事だろう」

 

「まだ何がいるかも分からないのにか?」

 

「ああ、少なくとも敵に惨敗なんてことはねえな」

 

~~~~

〝アンダーウッド〟上空。吸血鬼の古城・城下町

 

「終わりました」

 

「ああ」

 

ギルガルドとニダンギルは無事子供を保護し城下町を警戒しながら進んでいく、子供は恐怖体験をしギルガルド達に助けてもらうと安心してか眠ってしまったのでギルガルドが大きな手で優しく運んでいる

 

「まだ誰かいるみたいだから見つけたいのだが。ここは危険だ」

 

ギルガルドは先ほどニダンギルが切った襲ってきた者を見る。

 

「〝審判権限〟が発動したのは確認したのだがな」

 

「おそらくこの城に住む化け物ですね」

 

「これでは一人ずつ連れて行くことは出来んな」(まあ、主催者側がそんな簡単に降ろしてくれるかも謎だがな)

 

「師匠、何か聞こえませんか?」

 

「ん?」

 

ギルガルドが耳を澄ますと何やらガラスが割れるような音や悲鳴が聞こえる

 

「この子はお前に任せる、後で追いかけてこい!」

 

「分かりました!」

 

~~~~

 

ギルガルドが駆け付けると南瓜頭が化け物、冬獣夏草相手に無双している所だった

 

「逃げろ耀お嬢ちゃん!地獄の炎なんてここに居たら一瞬で炭以下だ」

 

「ご安心を」

 

「誰!」

 

耀はいきなり出てきた剣と盾に驚くがガロロは別の意味で驚く

 

「あ、何であんたがこんな所に」

 

「それは後程、出遅れましたがここは私にお任せください」

 

「師匠!」

 

「ニダンギル、私の後ろに。皆さんも」

 

「分かりました!皆さんも早く師匠の後ろに」

 

「大丈夫?」

 

「耀お嬢ちゃんそれはいらねえ心配だ、むしろ今ここ以上に安全な場所もねえだろうよ」

 

何故?と聞き返そうとした耀だが聞く前にジャックの出した業火が目前にまで迫っている

 

「『キングシールド』」

 

ギルガルドはブレードフォルムからシールドフォルムに変わると水色の六角形がギルガルドの前面を覆い業火を完全に防いでいた

 

「おや、あれは」

 

業火が消えていくとジャック達もギルガルドに気づく

 

「あ、様じゃん!アンタも子供達みたいに捕まっていたわけ?」

 

「・・・違う。捕まった人たちを助けに来ただけ」

 

「ほう、まさか私たち以外に助けに来た者達が二組もいたとは」

 

「えっと、貴方は?」

 

「これは失礼、名乗るのが遅れました。私はコミュニティ〝ポケットモンスター〟所属のギルガルドと申します、こちらは私の弟子の」

 

「ニダンギルと申します」

 

「〝ポケットモンスター〟って大河の所の?」

 

「ええ、貴方のお話は我らがリーダーである大河様より聞いておりますぞ」

 

「ヤホホ、まさかこんな所で貴方に会うとは。初めまして、私は〝ウィル・オ・ウィスプ〟所属のジャック・オー・ランタンと申します。こちらは」

 

「アーシャ=イグニファトゥスです」

 

「ねえガロロさん、この人?凄い人?」

 

「嬢ちゃん知らねえのか!?さっきの話からして〝ポケットモンスター〟のリーダーと親しいんだろ?」

 

「うん、でも〝ポケットモンスター〟の全員を教えてもらったわけじゃないから」

 

「ヤホホ、春日部嬢彼はギルガルドと言うポケモンの中の一種族ですよ。それだけならば普通、勿論〝ポケットモンスター〟所属と言うだけで凄い事なのですが〝ポケットモンスター〟としては普通です。しかし彼が身に着けているスカーフを見てください」

 

ジャックが指さした方を見るとギルガルドの柄には銀色のスカーフが縛られていた

 

「あれは彼がギルガルド、そして進化前のニダンギルとヒトツキの中で一番に強く各種族の〝チャンピオン〟の一人であると言う証明です」

 

「えっと、かなり強い人?」

 

「私などまだまだですよ、この年まで金になれませんでしたから」

 

「師匠、ほとんどの人は金どころか銀になれませんし前金の人と戦った時あと一歩まで追いつめてましたよね?というかあの時手加減してませんでした?」

 

「はて、何のことやら?」

 

「・・・?」

 

「ああ金と言うのは金色のスカーフを身に着けた方たちの事ですよ」

 

「銀のスカーフと違うの?」

 

「ええ、確か金はポケモンの皆様はそれぞれタイプ、いわゆる属性を持っているのですがそのタイプを持つ者達の中の頂点つまりそのタイプにおいて最強とも呼べる方々で〝マスター〟と言われていると聞いたことが有ります」

 

「へえ」

 

「まあポケモンの中には複数のタイプを持つことも珍しくないので少しあやふやな部分はあるのですけどね」

 

ジャックの説明にギルガルドが少し補足を入れ終わると自分のギフトカードを出す

 

「さて、少し厄介なことになったな」

 

「ですね」

 

ジャックも自分のギフトカードを出し困ったように言う

 

「我々はどうもペナルティ条件を満たしてしまったようだ」

 

え?と耀も自分のギフトカードを確認してみるとカードに見たことが無い紋章が浮かんでいた

 

「これは主催者から提示されたペナルティ条件を満たしたときに自分が持つ招待状とギフトカードに主催者の旗印が刻まれるのですよ」

 

「とりあえずここで立ち止まっているわけにもいきません。他の参加者と合流してその後にじっくり考えましょう」

 



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