バケモノは路地裏で助言を【凍結】 (ティフアナ・フェアガンゲンハイト)
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プロローグ

 始めましてかな?
 名前は何となく伏せてあるけど、出すかもしれないから名乗りはしないよ。
 今回、思い付きでパパっと書いたから誤字が多いかも知れないから注意してね。


 

 私が死んだ原因は、普通に事故死だった。

 乗っていたバスが橋から転落。

 即死だったらしい。

 これと言って良い思いでも無い、楽しくもない人生だった。

 もしかしたら死んだ後、『神様』という者に会ったかもしれないけど、生まれ変わった先に興味が無かったから覚えもない。

 

 

 此処は真っ白な空間もしくは世界。

 私以外に生き物が13匹いた。

 ただ、私をじっと見つめていて、話し掛けてくることはない。

 そもそも、言葉が分かるかも分からない。

 少し時間が経って、私が眠くてウトウトしていると一匹の猫が近寄ってきた。

 その猫は悲しげな目をしていた。

 猫の尻尾で手招きをしていたので、猫に付いていった。

 少し進むと明るくなってきたが、進むにつれて眠気が増してきて、歩くのも儘ならなくなってきた。

 私はいつの間にか寝てしまったようだ…。

 

 

 

 

 目が覚めたら赤子になっていた。

 そこは危険な者から守られた部屋ではなかった。

 私は赤子の状態で段ボール箱に居る。

 捨てられたのだと直ぐに分かったが、何故捨てられたのだろうか?

 捨てられた理由は簡単だった。

 私が寝が入りをうつと尻尾が現れた。

 尻尾は私の意思で動かせる。

 多分だが、これは猫の尻尾である。

 捨てられた理由は『バケモノ』と言って捨てたのだろう。

 

 

 次に私は立ち上がろうとした。

 これは簡単だった。

 また、歩くことも出来た。 現在居る場所は路地裏だと思う。

 人気(ひとけ)は無く、目で確認出来るのは鼠位だった。

 鼠は私を怖れるような目で見ていた。

 そりゃあ人間の赤子が一人で歩き、ちゃんとした言語を喋っているのだから怖れるのは確かだ。

 鼠はそれ以上近寄っては来なかった。

 

 

 私の性別は女みたいだ。

 前世と同じだったので嬉しかった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 それから、10年経った。

 だから10才なのだけど、見た目は6才程の少女にしか見えない。

 というか、見た目が6才から変わっていない。

 

 髪は黒髪。

 目は黒だが、少し赤黒く見える。

 

 私は【キメラ】という種族?らしい。

 幾つかの生き物を合わせ持つ動物。

 私が()()()になる前に居たあの白い空間で見た13匹に成れるようで、他の動物になることは出来ない。

 普段は猫か鼠、人の姿でいることが多い。

 また、一部を除いたすべての動物の言葉が分かる。

 一部とは人間の言葉だ。

 人間の言葉は国によって違うから、私の知っている国の言葉は「日本語(前世の言語)」と「今居る国の言葉」だけ。

 今居る国が何処なのか分からない。

 だけど、町の風景からヨーロッパじゃないかと思ってる。

 

 今居る時代もオカシイ事に最近気付いた。

 前世の時代から考えると数百年前じゃないかと思う。

 100年前なのか、200前なのか、それ以上なのか…。

 未だに分かっていない。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 私は今、屋敷の庭のような所を歩いている。

 何故そんな所に居るのかというと、捨て子だった私を拾ってくれた人がいたからだ。

 その人の名前は「アルセーヌ・ルパン」と言うらしい。

 有名なのかは知らないが、こんなの屋敷を持っているのだから、金持ちなのだろう。

 

 私のような少女を、年齢も名前も聞かずに拾ってくるなんて変態だと思ってしまう。

 だけど、普通に私に接してくれるし、服も名前もくれた。

 私の名前は「テュクラス・メヘュイリス・フェルクィストゥ・リハィテウ」。

 長すぎるので『テウ』と呼ばれている。

 何故、こんなに名前が長いのかよく知らない。

 

 普段、私は裸足で移動している。

 アルセーヌに心配されるけど、私はこの方が歩きやすいし、大地の力も感じやすくて良いと思っている。

 

 アルセーヌは家を開ける事が多い。

 普段、何処で何をしているのか知らないし知る必要も特にない。

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 アルセーヌがずっと寝たまま動かない事が多くなった。

 他の人が良く部屋に出入りをしている。

 ある日の夜、アルセーヌが話し掛けてきた。

 

「まだ話していないことがあったな。

儂は泥棒なのじゃ。

そして儂にはまだ幼い孫がいる。テウよ、孫に助言をしてはくれぬか」

 

「……助言?」

 

「そうじゃ。お主は普通とは違う、その違うことは他に役立つだろう……」

 

「…うん」

 

「…………」

 

 そう言うとスースーと寝息をたて、寝てしまった。

 

 

 

 朝、目が覚めると屋敷は騒がしかった。

 アルセーヌは心臓の病気だった、と言われた。

 私にとある男はこれからどうするのか聞かれた。

 私は居座っていた身なので出ていくと言うと、「そうか、アルセーヌ殿は『テウ様に会えたことでここまで生きることが出来た』と仰っておりました。テウ様ありがとうございます」と言ってくれた。

 

 

 

 

 それから何十年間経っていた。

 此処はとある路地裏。

 私が生まれて初めて見た路地裏とは違うが、私はこんな所が好きだ。

 何だか、大通りの方が騒がしい。

 パトカーの音も聞こえる。

 近くに居た鼠に聞くと、誰かを追いかけているらしい。

 

「───、─────!」

「─────?」

 

 !?

 誰か来る。

 とりあえず猫に成っとく。

 誰が来るのか知らないが、何だか面白そうだ。

 ひとまず、盗み聞きをしてよう。

 

 

 

 




 次の投稿は、まだ分からないから楽しみにしててね!
 まあ、まだ書いて無いんだけどね…。
 これは、一応プロローグに値するのかな?
 それじゃあ、またね♪


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路地裏

 1話目であんなに読んでくれるとは思わなかった。
 こんなだが、ありがとうございます!
 投稿ペースは亀だ、注意しといてくれ。




 

 

 誰か来る。

 

「やっと、とっつぁんから逃げれたな次元」

 

「だが、また追いかけている来るぞ」

 

 誰だろうか。

 此処等じゃ見ない顔だ。

 

「そんなことはわーかってるさ。さーて、どうしたものかな。こんな路地裏じゃ逃げ切れるかどーか」

 

 逃げてる?

 じゃあ、さっきのパトカーは、コイツらを追っかけてたって事か。

 

「ここが何処なのか知らなきゃ事がなせねぇ」

 

 

「…………」

 

 ?

 一瞬だけど此方を見たような…。

 もしかして、私に気付いた?

 

「どうした?」

 

「………そこの暗闇に居るのはだれだぁ?」

 

 やっぱり気付かれてた。

 どうしよう、この姿()で出ていこうか。

 それとも、逃げた方がマシ?

 

「急にどうしたんだ()()()。そんな方、向いたって何も無いじゃねえか」

 

 え?

 ルパン?

 アルセーヌ?

 いや、そんな事は絶対ない。

 私はこの目で亡くなった姿を見たんだ。

 じゃあ、あれはあのルパンって事か。

 ちょっとだけこの姿()で話し掛けてみようかな。

 

「ありゃ?ただの気のせいだ『私の事かい?』った…………!?」

 

「お…おお、おい、ルルルルル、ルパン。今、ねねねね猫が喋らなかったかぁ?」

 

「そ、そそそそそうだな次元」

 

 焦ってる焦ってる。

 そっちの男は次元って言うのか。

 

『何、喋っちゃダメ?』

 

「喋ってる……」

 

 なんだろう、面白いな。

 嵌まっちゃいそう。

 

「お前は何者だぁ?裏で誰が喋ってるようにゃ聞こえない」

 

『ふーん、ルパンって言うんだ。そうだ、此処から逃がしてあげようか?』

 

「悪くない案だが、質問に答えてくれなきゃその案には乗れねぇな」

 

「おい、ルパン!」

 

「いいんだよ次元」

 

『…私はバケモノ。闇にひっそりと潜むバケモノだよ』

 

 そう、私はバケモノ。

 ヒトだけど人ではないモノ。

 ひっそりと闇に潜み、姿を変え続けるモノ…。

 

「そうか、バケモノか。面白いその案に乗った!」

 

「いいのかよルパン、そいつ怪し過ぎるぞ」

 

「良いっていったら良いんだよ。で、どうやって逃がしてくれるんだ?」

 

 どうやってか……、まあ勿論こんな感じ。

 私は姿を虎に変える。

 

『私の上に乗ればいい、それだけ』

 

「白虎ぉ!?さっきは猫で次は虎…」

 

「やっぱり面白いじゃねぇか次元!乗ればいいんだな」

 

「大丈夫か?重くないか?」

 

 私の背中辺りに乗ってきた。

 乗られるのは初めてだけど、あまり重くなかった。

 

『平気、大丈夫』

『ちょっと跳ばすからちゃんと捕まっててね』

 

 

 

 

 

 

「何処なんだぁ?まるで廃墟じゃねぇか」

 

 目の前に居るのは黒い服に黒い帽子、煙草をくわえた男だけ。

 もう一人はどっか行った。

 

『此処は、あの町の外れにある廃墟だよ。そういえば、相方は?』

 

「あー、ルパンか。ルパンはたぶんこの屋敷の中を見て回ってるさ。

で、お前さん名前は?」

 

 やっぱりルパンって言ってる。

 

『私はテウ』

 

「それだけかぁ?」

 

『名前長いから……テウ』

 

「そうか分かった。そんでテウは何者なんだ?」

 

『……キメラ』

 

「キメラ?」

 

『幾つかの生き物の塊。さっきの虎も全て私。後、これでも人間だよ』

 

 私はそう言いながら黒目黒髪の姿に変える。

 

「…成る程な、ルパンが興味湧くわけだ。

言ってなかったが、俺は次元。相方が『ルパンでしょ』…そうだ、ルパンだよ」

 

「何々、何の話してるのさー。あれぇ、この嬢ちゃんは誰?」

 

 あ、やっと戻ってきた。

 

「ルパンか。こいつは、さっきの猫だった者だ。名はテウっていうらしいぞ」

 

 自己紹介が省けた。

 

「ふーん、テウか。よろしくなテウ」

 

『…………』

 

「そいやぁルパン、何処行ってたんだ?」

 

「いやー次元、この屋敷に来るの久し振り過ぎて、思い出すまで見て回ってた訳よ」

 

 やっぱりそうなんだ。

 

「久し振り?此処に来たことあんのかルパン」

 

「ああ、ここ『此処はアルセーヌ・ルパンの屋敷の一つ』……次元、俺について何か話したか?」

 

 (ニヤニヤ)

 やっぱり孫か。

 ふふふ、楽しみだな。

 

「いや、まだ何も」

 

『いやいや、久し振りだねアルセーヌ・ルパンの孫。

あんなにチンチクリンだったガキっ小僧が、こんなに大きく成ってるとは驚きだよ』

 

「あ?テウって言ったな。お前、本当に何者だぁ?」

 

 次元は隠し持っていた銃を私に向けてる。

 

『私はテュクラス・メヘュイリス・フェルクィストゥ・リハィテウ。

アルセーヌの古き友にして、路地裏の助言者。

ああ、奇跡を起こすモノって言われてたっけ』

 

「…………」

 

 カッコ良く言ってみたけど……って、あれ?表情が固まってる!?

 

「おい、ルパンどうした?」

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 あのままルパンは倒れてしまった。

 貧血とかそんなんじゃなくて。

 ただ単に驚いて「ドサッ」だった。

 今は適当な部屋に寝かしている。

 次元はと言うと屋敷の中を見て回っている。

 

 私の姿を見て驚かなかったな、ルパン。

 でも、何で名前で驚いたんだ?

 まあ、いいや。

 

 

 



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