オルレアンの覇王 (球磨川べネット)
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番外編
特別企画 絶対に笑ってはいけないカルデア24時


※お祭り企画なので本編と何の関係もありません。


某日カルデアにて

 

 赤ジャンヌにより管制室に5人の被害者が集結していた。

 

「今度は何をするのですか?」

「私ゲームしたいから速く帰りたいんだけど」

「先輩も呼ばれたのですか?」

「マシュも?」

「拙者も呼ばれたでござるよ」

 

 上から順に白ジャンヌ、ジャンヌ・オルタ、マシュ、立香、黒髭である。

 そしてその五人が集まったのを何処からか監視していたのか呼び出した張本人である赤ジャンヌが現れ、今回呼び出した理由を告げた。

 

「今日来てもらったのは、君達に『絶対に笑ってはいけないカルデア24時』をして貰うためだ」

 

 白ジャンヌ、マシュは首を捻るがジャンヌ・オルタと立香と黒髭は知ってるため黒髭と立香が二人に説明をしていた。

 

「はぁ!?何で私がそんな苦行に参加しなきゃいけないのよ。私は帰るわ。」

「拒否した方には『天草さんの新春カウントダウン宝具!~私のツインアームビッククランチは百八式まであります~』のサンドバック役をやってもらいます。」

「死ぬに決まってんじゃない!?」

「わざわざ選択死を選ばせてやってるんだから有りがたく思え」

 

 自分が死ぬかケツが死ぬかの選択肢なら誰でもケツを犠牲にするだろう。誰だってそうする。俺だってそうする。

 

「ではこちらのボックスにそれぞれの衣装が入ってるから、各自それに着替えるように」

 

 いつの間にかスタッフ(百貌)の手により赤ジャンヌの隣には試着室の様な物が5人分設置されていた。

そして五人とも渋々入っていった。

 

 

 

「では白ジャンヌ以外出てこい」

「あれ?先輩は戦闘服に変わっただけですか?」

「うん、そうだよ。サーヴァントの皆は最終再臨の見た目になっただけだね。」

 

 そう、立香はいつもの礼装から戦闘服に変わったのみで、マシュ達は第一臨の見た目が最終のに変わったのみだった。

 ならば唯一残った白ジャンヌは?

 

「よし、こっから既に笑っちゃ駄目だから」

「ここから!?」

「うん、既に笑っちゃ駄目だから。てな訳で出てきて良いぞ」

「………………………………」

 

 出てきた白ジャンヌの格好はジャック・ザ・リッパーと同じだったのだ。

 当然サイズは調整されてあるがそれでも色々きわどい物であり、出てきた本人が真っ赤になっていた。

 

「ぶ、あっはっはっは!何よ聖女サマその格好は!アハハハハハ!」

\デデーン ジャンヌ・オルタ out/

「想定通りにオルタが引っ掛かってくれました。

てな訳で紹介します。特別ゲストの対サーヴァント用ケツバット係『高野レン』さんです」

「乙女は強くなくっちゃ!!」

「ケツバット(10割)とかたまげたなぁ。あれ?対サーヴァントって事は拙者も笑うとペルセウスされる!?」

「そうだよ。立香以外はペルセウスされる」

メルヘーンゲットォォォォォ    ペールセーウスー

「いっ!?」

 

 早速一人ケツ10割もってかれた人物が出たようだ。

 その後道中にも笑いの仕掛けが施され全員等しくケツをしばかれた。因みに立香のケツバット係はレオニダスさんだった。

 

「ここがお前らの待機場所だ。次の指示が有るまで存分に休憩してろ」

『……………………』

 

 道中何度もケツをしばかれた5人は既に満身創痍だった。

 そんな5人が案内されたのは5人分の机とイスのある簡素な部屋だった。

 

「…………………これやっぱり開けなきゃダメかな?」

「…………お約束通りにするなら開けるしかないでござるな」

「えと、何の話ですか?」

「いや、この机の引き出し開けるかどうかって話」

 

 そう、黒髭と立香は何となく察してる恐らくこの机の引き出しの中にも仕掛けが有ることを。

 まぁ結局開けることになったのだが。

 引き出しを開けた、スパルタクスの顔だけぐだ子になってるコラ画像等が出てきて、それらを笑いながらケツをしばかれ、次々と消化していった。

 

「最後は問題のこれか…………」

 

 最後に残ったのは1枚の謎のDVDであった。そしてこの部屋にはDVDプレーヤーとTVがあり、既にセットアップは完了してるのだ。

 当然見た。

 

『カルデア医療班の日常。

今回取材するのはカルデアの癒したる、医療班です。

そして今回医療班による治療を受けるのはバルバドス君だ。

彼は度重なるガチ勢からのワンキルにより僅か14時間で200万回殺された事が大きなトラウマとなっている。そんな彼を治療するのが、我がカルデア医療班の中でも精鋭の3人だ。

「貴方を殺してでも治療しましょう。」

「パンケーキにしてあげましょう」

「安心してください。その程度の怪我、私が杖を一振りすればたちまち治ること間違いなしですよ。何故なら私はあのギルティィィロックハートなのですから!あぁ、慌てないで。勿論後でサインもあげますよ。」』

\デデーン 黒髭、立香 out/

「アッ!」

メルヘーンゲットォォォォォ  ペールセーウスー

「ア゙!」

「待って、お願い待って。ナイチンゲールとメディアリリィはまだ解るがなんでロックハートとか言う無能が混じってるの!?」

『「あぁ、慌てないで。勿論後でサインもあげますよ。」

そんな3人のプロフェッショナルの手にかかれば治療前の弱々しいバルバドス君(CV.杉田)もバルバドスさん(CV.若本)に早変わりである。

「生まれ変わった気分だ。今日の俺は機嫌が良い。運が良かったな。」

3人の治療を受けたバルバドスさんは数多のマスター達の要望に答えるため、今日も君をぶち殺すRPGをしている。

最後にナイチンゲールさんからお知らせです。

「この季節は正月太り等と言った不健康な生活にならぬように。特に殺菌はしっかりと。

そしてジャンヌ・オルタはタイキックです。」

ナイチンゲール先生、ありがとうございました。』

\デデーン ジャンヌ・オルタ out  タイキック/

「…………………………え゙?」

「はい、ロックハート先生に続き特別ゲストの『アパチャイ・ホパチャイ』さんです。」

「とりあえずむつかしい事はぶっ飛ばしてから考えるヨ」

「無理無理無理無理!死ぬわよ!!」

 

 

 

「いーやだばどぅぅぅぅぅぅ!!」

「あぁだぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 ジャンヌオルタのケツが終了した。

 

 

 

 

 

 

その後もマルタのビンタや百貌との鬼ごっこなど、様々な笑いの仕掛けにより彼ら5人のケツは等しく死んだのだった。




昨日は色々忙しくて投稿出来なかった上にこんな低クオリティで更には最後まで書き切れなくて。大変申し訳ない。

何か思ったように書けなかった。


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幕間 もしもジャンヌが別のクラスで召喚されていたら

幕間は4話位になると言ったな?あれは嘘だ
1日だと3話が限界だった。
明日からは本編に戻ります。

今回はタイトルのまんま。基本のクラス7騎で召喚されていたら


セイバーの場合

 

「セイバーのクラスで召喚されたジャンヌ・ダルクだ。宜しく頼む」

「…………………何処にも剣が見当たらないけど何で?」

 

 僕が召喚したセイバーは何故か剣を持っていなかった。ジャンヌダルクならセイバーで召喚されても不思議じゃないけど剣を持ってない理由が解らなかった。

 

「愚問だな。

俺自身が剣となる事だ。」

「…なん……だと……?」

 

 全く意味が解らなかった。

 

 

 

「虚刀流奥義!!『七花八裂・改』!!」

「…………(白目)」

 

 どうやら自らを一本の剣とする特殊な武術、虚刀流を使うからセイバーで召喚されたらしいです。なお剣を持たせると弱体化する模様。

 

 

 

アーチャーの場合

 

「アーチャーで召喚されたジャンヌ・ダルクだ。宜しく」

「………弓も矢も見当たらないけど?」

 

 僕はアーチャーとして、あのジャンヌ・ダルクを呼び出した。

 でもアーチャーなら弓と矢じゃ無いのか?あ、確かジャンヌは効果的に大砲を使った事が有名だし、きっと大砲を呼び出すんだろう。

 

 

パパウパウパウ

「波紋+黄金の回転……食らえ!『黄金の波紋カッター』!!」

「……………(白目)」

 

 殆どステゴロで格闘戦しかしてない。たまに波紋とか言うので遠距離攻撃する程度。あと黄金の回転とかで凄い回転しながらボールを投げてる位。アーチャーって何だっけ?(哲学)

 

 

ランサーの場合

 

「ランサー、ジャンヌ・ダルクです!!貴方が御館様ですか!!」

「えっ?えと、御館様?僕はマスターですけど」

「なるほど、やはり貴方が御館様ですね!!このジャンヌ!誠心誠意働きます!!」

 

 何か凄いテンション高めの人が来た。ジャンヌ・ダルクってこんな熱血そうな人だったのか。

 

 

 

 

 

「御館様ァァァァァァァァァ!!!」

オモーイーガー バサラケーオー

「御館様ぁぁぁぁぁぁ!!」

「…………………(白目)」

 

 さっきから飛び蹴りした相手がお星さまになっていく。確かに槍は持ってるけどさっきからその槍使ってないよね?

 

 

 

ライダーの場合

 

「ライダーで召喚されたジャンヌ・ダルクだ。お前がマスターか?」

「うん、僕が君のマスターだよ。宜しくね」

 

 僕が召喚したのはあのジャンヌ・ダルクだった。確かにジャンヌは馬に乗りながら旗を掲げて突撃してるイメージだしライダーでも不思議はない。のかな?

 

 

 

 

「来い!ビヤーキー!!」

「ギャァァァァ!!」

「…………(白目)」

 

 ジャンヌが呼び出したのは馬ではなかった。蜂蜜の様なナニカと、どこからともなく取り出した不思議な音色の笛の様な物を使って呼び出されたそれは、名状しがたく、おぞましき羽の生えた生き物であった。

 

キャスターの場合

 

「キャスターのジャンヌ・ダルクだ。お前がマスターか?違うなら撃つ」

「僕がマスターだけど撃つってなに!?」

 

 いや、キャスターと言うくらいだし多分魔術だろうけど、いきなり撃つぞって脅されるのは………うん?そもそもなんでジャンヌ・ダルクがキャスター?

 

 

 

 

 

「どうだ!このプレラーティと共同開発した魔本型ファンネルは!ロックした相手は決して逃がさず壁ごとぶち抜く!!唯一の欠点としたら『秘拳 TUBAME返し』!!殴った方が早い事位かな。」

「………………(白目)」

 

 何かジャンヌの回りを5つの本が浮遊してビーム放ってる。でもジャンヌ本人は敵本陣に単騎で突撃かけてファンネルが倒すより多くの数の敵殴り倒してる。キャスターって肉弾戦も出来るのか(遠い目)。

 

 

 

アサシンの場合

 

「アサシンで召喚されたジャンヌ・ダルクだ。よし、特異点行こう」

「いや性急過ぎない?」

 

 僕は何故かあのジャンヌ・ダルクをアサシンのクラスで召喚した。理由が解らない上にジャンヌ・ダルクはせっかちな様で、直ぐにでも特異点に行こうとする。

 

 

 

 

「ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ」

 

約3分後

 

『!?と、特異点が解決した………』

「ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ。多分これが一番早いと思います。」

「……………………(白目)」

 

 特異点に着いた瞬間ジャンヌがドゥエドゥエ言いながら変態的な動きであっと言う間にどっかに行ってから3分後にロマンからの特異点解決報告と共に、またドゥエドゥエ良いながら聖杯持ってジャンヌが帰ってきた。何がどうなっているのか解らなかった。

 

 

 

 

バーサーカーの場合

 

「俺がバーサーカーのジャンヌだ。」

「宜しくね、ジャンヌ。僕がマスターの藤丸立香だよ。」

「そうだな、筋肉だな」

「………うん?」

 

 ある日、先輩がバーサーカーを召喚しました。その時からです。徐々に先輩がおかしくなっていったのは。

 

 

 

「マッスル!!」

「筋肉!!」

「ナイスマッスル!!」

「ありがとうジャンヌ。君のお陰だよ。僕には魔術の才能が無い。なら筋肉を付ければ良かったんだ。そんな簡単な事に気付かなかった僕に、筋肉の素晴らしさを教えてくれたのは君だった。ありがとうジャンヌ」

「そうだな、プロテインだな。」

「謙遜する事はない。君は僕にとって恩人なんだよ。」

「そうだな、乳酸菌だな。」

「ふふ、そんな恩人の君と肩を並べて戦えるなんて、僕は幸せ者だ。」

「そうだな、上腕二頭筋だな。」

「よせよ、照れるだろ。」

「そうだな、大胸筋だな。」

「………………………(白目)」

 

 先輩が私より固くなってる。あれ?私これ必要でしょうか?さっきからスパルタ兵をたった二人でなぎ倒してるんですが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方はどのジャンヌが好き?(白目)




プレラーティが一晩で用意してくれました(蜂蜜酒と笛を)

なおどのクラスでもやってる事ほぼ変わらない模様


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幕間 バレンタインデー騒動

こちらではイベント特有の居ない筈のキャラが居る事になっている空間です。更にはあのバレンタインデーイベントの次の年という設定です。
なので例えここで出たキャラも本編で出るとは限りません


バレンタインデー

 それは、女性がチョコと共に、思いを伝える日である。ただし日本に限る。

 ここカルデアでは、唯一のマスターが日本人であるため、サーヴァント達の間では、バレンタインデーは日本式になっている。そのためバレンタインデーを明日に控えた今日、普段は寂しいキッチンでは数多くの女性サーヴァントが各々チョコを作っていた。

 女が三人集まれば姦ましいと言う。であればキッチン一杯に女性がひしめき合ってるが話し声で埋まるのは当然の結果であった。

 そしてそんなキッチンで総監督をしているのは赤ジャンヌであった。本来ならエミヤが最も適任であるが、ここは現在男子禁制となっているため、そこそこ料理が出来て、駄目な物は駄目!とバッサリ切り捨てる事が出来て、それに対して逆らう奴、と言うより逆らえる奴が殆ど居ない赤ジャンヌに白羽の矢がたったのだ。

 

「私の自信作よ。これであの子豚も私に泣いて感謝する事間違いなしね!」

「…………………これ自分で味見したの?」

「当たり前じゃない。キュートでデンジャラスな最高の出来よ!」

「うん、なるほど良く解った。お前は市販のチョコ溶かして型にはめて冷しただけのチョコ以外禁止な?」

「何でよ!?」

「テメェらの味覚がお亡くなりになってるからだよ!!アレンジ禁止!良いな?じゃなきゃ許可出さないから。はい次」

 

 どっかのアイドルが名状しがたいチョコの様なナニカを作ってきたが当然却下だった。因みに術と剣の方も五十歩百歩のゲテモノを持ってきていたので何となく解っては居たようだ。

 

「相談なんだが父上が喜ぶ様なチョコを作りたいんだがどうすればいい?」

「イギリスの伝統的な料理にはうなぎのゼリー寄せと言う料理が有るし鰻をいれたら?あとイギリス人が大好きな調味料のマーマイトも確か倉庫にあった筈だ。」

「成る程!父上が大好きなブリテンの伝統的料理を模すんだな!よし、恩にきるぜ!」

「うん、武運を祈ってる」

 

 審査が厳しいのはマスターに送るチョコであってサーヴァントに送るチョコなど知った事では無い。多分明日にはモードレッドが死ぬかも知れないがまぁ、武運を祈ろう。

 

マスター(安珍様)への愛を込めたチョコです。」

「………うん、若干鉄臭いのは……」

「勿論私の愛のエキス(血液)です。」

「デスヨネー。……………あの、大変申し上げにくいのですが、去年のチョコを2ヶ月前にやっと処分出来たのを鑑みて新たにチョコの大きさの規定がありましてですね、それであの~……少し……いや、大幅に規定より大きく見えるのですが……」

「ジャンヌさん?愛の前には規定など些細な物です。違いますか?(ニッコリ)」

「アッハイ。ドウゾドウゾ。」

 

 いくら赤ジャンヌとて愛を貫く者(ヤンデレ)には勝てないのである。今のうちに明日、医務室のベッド一名分予約しておいた方が良いかも知れない。

 

「今度こそどうよ!」

「うん。うん、頑張ったね。うん、頑張ったのが凄い見てとれる。若干形が歪だけど最初に比べたら多少はね?」

「うっさいわね!!チョコの作り方なんて知らなかったんだからしょうがないでしょ!?」

「知らないのに最初カカオから作ろうとしたオルタさんパネェっす」

「やっぱりあんた馬鹿にしてるわよね?燃やすわよ?」

「はいはい。渡すとき先にジルから渡しとけよ?先にマスターに渡すとめんどくさい事になるかもだから。あ、ジルに渡すときはちゃんとマスターの分隠しとけよ」

「あぁ………そうね、あんたの言うことに従うのは癪だけどそうしておくわ。」

 

 加入した時期が去年のバレンタインデーの後だったために、マスターに今年は渡すと気合いを入れていたジャンヌ・オルタ、四度目の正直である。弄りながらもなんやかんやで面倒を見てあげてる赤ジャンヌであった。本人は認めようとしないが。

 

「にしても何で俺が野郎のためにチョコ作んなきゃなんねぇんだよ。」

 

 去年問題を起こした黒髭に対して今年もチョコを作ってあげる女性サーヴァントが居ないであろう事を見越していたマスターから赤ジャンヌは黒髭の分のチョコを作ることを頼まれていたのだ。

 

 

こうして赤ジャンヌの監視と黒髭へのチョコ作成にて、今年のバレンタインデーは概ね平和に終わった。

 マスターがどっかのストーカーからのチョコでノックアウトされたり、グレートブリテン式親子喧嘩が勃発してたりするが、去年に比べれば十分平和だった。




マーマイトとは、イギリス人の味覚を殺した元凶と言われている調味料らしいです。聞いた事ですので違うかもしれません。

なおモードレッドが渡した相手はノーマルアルトリアです。


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幕間 クズの目にも涙

時系列としては、『サーヴァント教室』、『ジャンス的な?』の次の日となってます。
なのでまだ赤ジャンヌが比較的おとなしい時の話です。


立香side

 切っ掛けは些細な事だった。マシュと雑談している時の流れで、僕が日本食を作ってふるまう話になったのだ。

 だから今僕はこうやってカルデアのキッチンに立っている。

 

 

 カルデアのキッチンには、数多くの食糧やらレシピのメニューがある。元々、カルデアでは48人のマスター、更には数多くの職員達の拠点になる予定だったのだ。山奥にあると言う立地もあり、当然食糧庫は非常に大きくなっている。他にも一気に20人分作れそうな大きな鍋や、フライパン等の調理器具等が準備されてある。それに、自炊派の人の為の普通サイズの調理器具もここにはある。それと、多くの国から人材を引き抜いたため、色んな国の家庭料理等のレシピも豊富だ。

 それに、カルデアでは魔術と科学のハイブリッドが基本スタンスとなっており、食糧庫もそのスタンスに漏れず、科学と魔術により、生肉や野菜等の長期保存が難しい物も、軽く1年は鮮度をそのままで保存出来る。

 勿論それらは本来なら常に10人前後のシェフが居る事を想定されていたものだ。だが、今や爆破テロにより腕を奮うべき相手が大幅に減った事、スタッフ達もテロやら、焼却された外に出てしまい帰らぬ人となったりで数が減ってしまい、シェフ達も技術スタッフ達の手伝いをしないと人手が足りなくなっている状態だった。そもそも本来なら医療班のトップでしかなかったロマンが所長代理をしている時点で、人手不足が伺えるだろう。

 そのため、朝、昼、夜の決まった時間に3人、その時間以外は基本的にキッチンには誰も居ないことが多くなっていた。勿論お願いすれば、手の空いてるシェフの人が作ってくれるが。

 兎に角、僕一人で使うには少し広すぎるキッチンだ。少し落ち着かない。

 

 

 さて、僕自身の料理の腕はそこそこだろう。自炊はしていたが、特に趣味でも無かったため、そこまで手の込んだ料理は作れない。しかし今回作るのは朝食だから、白米、焼き鮭、味噌汁、漬物のスタンダードな物で良いだろう。

 米はそもそもシェフの人が朝には炊いてくれているから僕が実質作るのは焼き鮭と味噌汁だけだ。

 

 

「おはようございます藤丸さん。」

「おはようございます。」

「おはようございますっス。」

 

 料理を開始してから直ぐに今日担当のシェフの人達が入ってきた。

 

「おはようございます。昨日話した通り、僕とマシュの分は僕が作りますので、気にしないで下さい。」

「はい、頑張って下さいね。」

「マシュちゃんにアピールするのね!」

「それなら応援するっすよ!!」

「こら、止めなさい。すいません、お邪魔しました」

「あ、ハハハハ………」

 

 そんな事があったが、その後は特に何もなく、数分後に

 

「どうも、おはようございます。いつものお願いします。

ん?あぁ、マスター今日は確かマシュにご馳走するんだったか。頑張れよ。」

 

 軽く修行してきたのか、うっすらと汗をかいたジャンヌが食堂に入ってきて、シェフ達に挨拶をして、その後キッチンの隅に居た僕に気が付いた様で、応援の言葉を貰った。

 そう言えば僕とマシュが食堂に来る頃にはジャンヌはトレーニングルームで修行してるか、シェフ達と会話してるのが殆どで、ジャンヌが普段何を食べているのか見たことが無い。

 少し興味が出た僕はシェフ達に聞いてみる事にした。

 

「さっきジャンヌがいつものって言ってましたけど普段あいつ何食べてるんですか?」

「おや、知らなかったんですか?パンと具沢山コンソメスープと干し肉をそれぞれ大体10人前位ですね。今は朝ですから大体8人前程は食べられますね。」

「8人前!?」

「凄いっすよね!見た目からは想像もつかないっす。」

「私も最初はびっくりしましたよ。」

 

 あいつそんなに食うの!?てかあの体の何処にそんなに入るの!?いや、いくらキチガイじみてる修行してるからってあいつ食い過ぎだろ!?

 …………ん?でも待てよ?

 

「あの、三食全てパンとスープと干し肉なんですか?」

「えぇ、そうですね。本人がそれで良いとおっしゃっているので。」

 

 それは……少し、味気ないんじゃないかな……折角色んな食糧に調味料、レシピまで揃ってるのにずっとそれだけなのは勿体無い。

 そうだ、良いことを思い付いた。

 

「あの、少し良いですか?」

「ん?どうしました?」

「少し、提案があって。えと、ーーーーーーーーーーー」

「それは、大変宜しい事かと。」

 

 よし、シェフの人に許可も貰ったし、早速

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

カタン

 

 

「ありがとう。……って日本食?俺はいつものを頼んだってマスターか」

 

 何やらノートとにらめっこしているジャンヌの前に、僕は新しくジャンヌ用に作った大盛の定食を置いた。

 

「で、これなに?俺はマシュじゃねぇぞ?目が悪くなったか?それとも脳が悪くなったか?」

「はぁ…………僕が作ってあげたのは所長に対してで、ジャンヌにじゃない。結果的に五感を共有してるジャンヌに出すみたいになってるだけさ。」

「だったら所長の体が出来た時にでも作ってあげて、どうぞ。」

「駄目。所長には悪いけどマシュに出す前に所長に味見して貰いたいんだ。良いところのお嬢様だった所長ならきっと色々と食べてきただろうし、所長からOKを貰えればきっとマシュ出しても大丈夫でしょ?」

「…………………………はぁ、解ったよ、心の中でガミガミ言うなよ。あぁすまんすまん、今までパンとスープと干し肉だけ食ってた俺が悪かったよ。ったく。

勘違いすんなよ、所長がたまには別な物が食いたいってうるさいから食うんだ。」

 

 やっぱりこのくらい言わないとジャンヌは食ってくれないと思ったよ。変な所で頑固だからなこいつ。さて、対面に座って煽りまみれの評価でも聞く準備でもするか。

 しかし、ジャンヌは僕の予想外の反応を見せた。

 

 

 

 

 

 あのジャンヌが、泣いていた。

 いつもいつも煽りと共に顔芸をしたり、ゲスい顔したりするジャンヌが、真剣な顔で、涙を流しながら食べていた。

 僕は、どうすれば良いか解らなかった。

 味は問題無いはずである。口では味見役と言ったが、そもそもシェフの人に味見をしてもらっているのだ。

 では何が原因だ?旨すぎて涙が?いや、あり得ない。僕の腕はあくまで自炊ができる奴程度であり、例え質素でも、ジャンヌが食べているのはプロの料理人が作った料理である。味見でも、一般人としてなら十分合格レベルという評価だったのだ。

 何だ?いったいなぜ?僕が混乱している間にどうやらジャンヌが完食したようだった。

 

「何目を白黒させてあわあわしてんだ?」

「え?いや、だって……その……ジャンヌが泣いているから、その………何で泣いてるか解らなくて」

「何だ、そんなことか。気にすんな。別に不味かったとかじゃねぇよ。まぁ素人が作ったんなら十分な出来だろ。」

「じゃあ何で泣いているの?」

「だから気にすんな。お前には関係ない事だから。

ただ、ちょっと懐かしい事を思い出してただけだから。

とりあえずご馳走さま。」

「あれ?足りたの?一応お代わりの準備はしてたけど……」

「いや、もう大丈夫。うん、お腹一杯だよ。」

 

 結局泣いてる詳しい理由を言わずにジャンヌは立ち上がって食器を返却口に置いていった。

 そして、ジャンヌは食堂の出入口で振り返って

 

「マスター。……………ありがとう」

 

 そう言って、ふわりとした笑顔を見せて出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「若いって良いっすね」

「私もあんな青春したかったな~」

「そうですねぇ、眩しいものです。ですがそろそろ時間も押してきましたので仕込みに戻りますよ」

「「はぁ~い」」




マシュ「」

文字数過去最多とかうせやろ?


シェフ三人は名もないモブです。多分もう出ないと思われます


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序章 チュートリアル・ペンドラゴン編
プロローグ


『俺はサービス残業の帰りに駅で寝落ちして目を覚ましたら転生していた。

何を言っているのか分からねぇと思うが俺も何が起こったか分からなかった。』

「お姉ちゃん急にどうしたの?」

 私が始めてこの世界に来た時に思わず口から出た台詞を言ったら妹から質問された。まぁ残当やな。

「神の声と会話してただけだからヘーキヘーキ(白目)」

「凄いお姉ちゃん!神様と会話出来るのね!」

「(将来的に神のお告げ聞いてフランス救う予定だし)まぁ多少はね?」

 賢明な読者なら気付いたかも知れないが、私の転生先はどうやらジャンヌ・ダルクみたいだ。

 そう、あの(・・)ジャンヌ・ダルクである。

恐らく知らない人は居ないと思うが一応説明するなら神のお告げ()を聞きただの村娘からゴリ押しで軍に入り奇跡()でフランスを救い、お告げの内容を達成した後の出撃で捕まり、くっ殺から薄い本のコンボを繋げ逆転(出来ない)裁判をへて、こんがり焼かれ、その後聖女認定された人だね。

そしてこれがこれからの私の人生でもあると考えると転生先クソ過ぎィ!!

 え?なに?普通に村娘として生きれば良いじゃんって?確かに私も自分がジャンヌだって判明したときもそれは考えたよ?でもさぁ、(ジャンヌ)が居ないとフランス滅びる可能性濃厚→この村が敵国に蹂躙されるって方程式が出来上がる可能性が高いじゃん。転生者である私にも優しくしてくれる家族や村の人達を守りたいってのが理由の1つとしてあるのさ。

まぁもっと大きな理由が有るけどね。

 

 

 

私がア ル ト リ ア 顔なんだ。

 うん、ここただの中世フランスじゃなくて型月式中世フランスみたいですね。

つまり私がどれだけ拒否しても抑止力やら修正力やら人理定理うんたら的な奴が発動するんですね、解りたくなかったです。

まぁ結論を言うと

 

ジャンヌ(転生者) 6歳 冬

 

己の運命と世界の修正力の重みを考え悩みに悩みぬいた結果

 

彼女がたどり着いた結果は

 

感謝だった・・・・

 

自分自身を育ててくれた家族とついでにフランスへの限りなく大きな恩

自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが

 

一日一万回 感謝の正拳突き!!

 

気を整え

 

拝み

 

祈り

 

構えて

 

突く!!!!!

 

一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒

 

一万回突き終えるまでに初日は18時間以上を費やした

 

突き終えれば倒れるように寝る

 

起きてまた突くを繰り返す日々

 

2年が過ぎた頃

 

異変に気付く

 

一日一万回突き終えても

 

日が暮れていない

 

齢9を越えて完全に羽化する

 

感謝の正拳突き一万回

 

1時間を切る!!

 

かわりに修行の時間が増えた

 

イングランド軍が村を襲撃したときジャンヌの拳は

 

TUBAMEを

 

置き去りにした




なお火刑にされた最大の原因である文字は読めない模様
教えてくれる人居なかったししょうがないね(白目)
次からカルデアに入ります


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自害させましょう(提案)

出会いは突然に(白目)


「自害させましょう。いや自害させるべきです先輩」

「ファ!?」

「!?」

「草」

 

 事の発端を探る為にざっくりと過去に遡ろう

 とある山奥に存在する秘密機関『カルデア』

そこでは観測された2017年の人類史の消滅を防ぐために様々な事が行われていた。

しかし、人類史救済の任務へと出発する寸前にて爆破テロが発生。

奇跡的に巻き込まれなかった予備の予備として、人数合わせの為に呼ばれたマスター(藤丸立香)と大怪我を負った少女(マシュ)といつの間にか召喚されていたサーヴァント(ジャンヌ)の三人を巻き込んでのレイシフト。

元々召喚されていたサーヴァントと融合してデミ・サーヴァントとなったマシュとマスターと戦おうとしないお荷物(ジャンヌ)の三人でなんやかんや有りながら、霊地にて召喚サークルを設置し、サーヴァントを召喚したときの事であった。

 本来サーヴァントを召喚しようとすれば、召喚されるサーヴァントは基本触媒が有ればその触媒に縁の有るサーヴァントが、触媒がなければマスターと相性の良いサーヴァントが召喚される。

そしてこの場でのサーヴァント召喚はマシュの盾(・・・・・)を使用してのサーヴァント召喚である。

例えマシュがその盾を宝具として使えなくても、自分と融合したサーヴァントの名前も知らなくてもそれは間違いなく触媒となり得る物である。そうなれば召喚されるサーヴァントは彼しか居ないだろう

「貴方が私を呼んだマスターですか?」

サー・ランスロット(剣)召喚成功。

 

 

「どうしたのマシュ!?」

 普段の彼女からは考えられないマジトーンの自害提案に驚愕を隠せないマスター。

当然である。ある程度一緒に過ごし、多少なりともマシュの性格を知っているのだ。心優しい彼女からの召喚1秒後の自害提案など尋常な事では無いだろう。

「いえ、私でもよくわからないのですが、私の内側から自害させなきゃいけない使命感のような物が湧き出て来るんです」

「そうか………マシュが言うなら自害させた方が良いんだろうな。うん、僕はマシュを信じるよ。

令呪をもって命ずる、セイバーよ自害「待って!お願い待ってください!」

 それは綺麗なDOGEZAであった。無駄に洗練された無駄の無いDOGEZAだった。

「自害は勘弁してもらえないでしょうか!精力的に働きますので!えぇ、この特異点位ならサクッとクリアして見せますので自害は、自害は止めてください。今自害すると(ケンスロット)の次の登場はかなり先になりそうなので自害だけは!!」

「おっ、そうだな。(次の章で出てくるバサスロットを思い出しながら)」

 ランスロットによる必死の懇願と先程まで笑い転げていた無能(ジャンヌ)の後押しもあり、とりあえず様子見として生き長らえる事に成功したランスロットであった。




しれっとジャンヌが召喚されてますが働く気は無いので今の所お荷物となっているジャンヌ。
ジャンヌ「グンダ先生より楽なチュートリアルだろ、このくらいテメェらだけで頑張れよ(ダクソ3初心者並感)」


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所長!?どうして所長がここに……まさか自力でレイシフトを!?所長!!

(無言の腹パン)


「ん?女性の悲鳴が聞こえましたマスター。あちらの方向です」

 

 一悶着有ったものの無事新たな仲間を加えた一向は周辺の偵察を行っていた。その最中にランスロットが女性の悲鳴を聞き取ったようだ。

基本的にこのメンバーは善良な者達しか居ない。ゆえに悲鳴が聞こえた方向に助けに向かうの必然であり、更に言えば不謹慎では有るが悲鳴が聞こえると言うことは、何かしらの驚異が発生した事を意味する。そして今現在で最も驚異なのはそこらじゅうに徘徊しているスケルトンであり、ランスロットとしては、あわよくば大量のスケルトンに襲われている所を颯爽と助けてアピールするチャンスであった。

 しかし実際に到着してみれば既に事が終わった後であった。良い意味で、であるが。

 

「もっと早く倒しなさいよ!私は戦闘は苦手なの!」

「なに、命が有るだけめっけもんだろ。」

 

 そこに居たのは青ざめた顔をしたカルデアの所長であるオルガマリーと、蒼い髪と赤い瞳、RPGの魔法使いの様な服装と杖を持った男性がからりとした笑みを浮かべながら会話していた。

 

「所長!どうして所長がここに……まさか自力でレイシフトを!?所長!!」

 

そして何故かオルガマリーと顔を合わた事の無いはずの寄生虫(ジャンヌ)が真っ先に反応していたが、マスター(立香)が丁重に無言で腹パンしてさし上げたので特に問題は無いだろう。

 

 その後、合流した彼等はお互いに情報共有を行い、蒼髪の男性が、元々この地で行われていた聖杯戦争の参加者であったキャスターであった事が判明。

 

「えぇ!クーフーリンってあのケルト版ヘラクレスって言われてる大英雄ですよね!うわぁ凄いな~憧れちゃうな~。そうだ、クーフーリンと言ったら何よりもゲイ・ボルグですよね、私是非ともその巧みな槍捌きを見たいなぁ。ねぇクーフーリンさん、少しその槍捌きを見せて………あっ(嘲笑)。すいません、そう言えばキャスターでしたねぇwwww」

「喧嘩売ってるだろテメェ」

 

 といった所々クズ(ジャンヌ)による煽りなど、ほのぼの(白目)した会話を繰り広げた。

なお虫けら(ジャンヌ)が「キャスニキ」と呼んでいた事から皆からも「キャスニキ」呼びされる事が決定した。

そして所長が「ランスロット?……あっ(察し)」セイバーの真名を聞いた途端にマシュの盾に目線を向け何かを察した様だが些細な事であろう。

 キャスニキの話によると、どうやら敵の本丸の場所は既に解っている様だったが、マシュが宝具を使えない様にならなければ話になら無いといい、ジャンヌ(無能)

 

「極限まで追い詰めるなら、丁度良い相手を知っている。なに、安心しろって、手加減なんて生温い事はしない奴だから。」

 

との発言から

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

「頑張れ♥頑張れ♥」

「ふざけんなよジャンヌゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 現在シャドウサーヴァント化しているヘラクレスを相手にしていた。当然言い出しっぺ(ジャンヌ)は観戦するだけである。




ジャンヌ「良かれと思って!(ゲス顔)」


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今日の俺は紳士的だ。運が良かったな

ジャンヌさんが少しだけ戦います


仮想展開 擬似宝具/人理の礎(ロード・カルデアス)!!」

 

 ヘラクレスとの戦闘は思惑通り、マシュは宝具を仮では有るが使用する事に成功した。これにより、前線で剣を振るう矛たるランスロットと、後方にてマスターを守護する盾たるマシュ、そして観客(ジャンヌ)。実にバランスの良いパーティーの完成である。(白目)

 さて、マシュが宝具を展開出来るようになり、当初の目的は達成した。しかしヘラクレスを倒したとは一言も言ってない。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

ヘラクレス君は元気溌剌である。

シャドウサーヴァント化しているヘラクレスは十二の試練(宝具)を使用することが出来ない。つまり、Bランク以下無効や12回の蘇生は発動出来ない状態である。

しかし、ヘラクレスはそれでも数多居るサーヴァントの中でも最強クラスのサーヴァントである事に変わりはなく、宝具が無くても非常に高い耐久力が有る。そのため現在ヘラクレスに致命傷を与えられるのはランスロットの宝具(アロンダイト)のみとなり、それを直感的に理解しているのかヘラクレスはアロンダイトを使用させる隙を与えなかった。

 だが、そもそも目的自体はとうに果たしているのだ。これ以上の戦闘は敵の大将との戦闘のための余力を奪う行為に他ならず、ゆえに彼女(ジャンヌ)からすればもうヘラクレスは用無しなのである。

 

「北斗有情破顔拳!!ハァン!!」

 

フェイタルケーオー!ウィーンジャンヌ パーフェクツ

憐れヘラクレスは爆発四散。ショギョムッジョ。

その光景を見てた所長が白目を剥いていたが些細な事だろう。

 ジャンヌがいとも容易くヘラクレスを葬りさる戦闘力を保有している事が発覚する事件が有ったが、マシュが宝具を使える様になった今、マスター達はこの特異点を解決するために敵の本陣に向かっていた。

そして、敵本陣に向かっているのなら必然的に他のシャドウサーヴァントと遭遇し、戦闘になるのであった。

 敵はライダー、ランサー、アサシンの三騎。そしてこちらにはセイバー(ランスロット)キャスター(クーフーリン)シールダー(マシュ)の三騎と、数的には互角に見える。しかし、マシュは対人、対サーヴァント戦においては未だにヘラクレスとの3対1での戦闘のみであり、なによりマスターと所長という明確な弱点が存在しているのだ。そうなればその弱点を狙うのは当然であり、ライダーがキャスターと、アサシンがセイバーの足止めに徹すれば、ランサーとマシュの一騎討ちになり、戦闘経験の浅いマシュではランサーの攻撃をすべて防ぐのは至難の技である。そしてついにマシュが防ぎきれなかったランサーの凶刃がマスターへと迫った時、横合いからランサーの槍を二本の指で止めた存在が居た

 

「今日の俺は紳士的だ。運が良かったな」

 

ついにジャンヌが動き出す




ランサー「お前見てるだけじゃ無かったのかよぉ!!」
ジャンヌ「そんなこと一言も言ってないんだよなぁ」


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三人に勝てるわけ無いだろ!!(他力本願)

初めてのちゃんとした戦闘描写


 ランサーは観戦するだけだと思っていた人物からの突然の横槍に驚愕したものの、純粋な戦闘系サーヴァントであるランサーはすぐさまバックステップによりジャンヌから距離を取った。

 

「ウォーミングアップには丁度良い。マシュ、立香、所長、下がってろ。」

 

 挑発の混じった宣告であったがランサーには解ってしまっていた、彼女相手に勝つのは難しいかもしれないと。

 

「どうした?来ないのか?ならこちらから行くぞ」

 

 ランサーに、油断は無かった。自分よりも格上の存在として最大限の警戒をしていた。にも関わらず一瞬でランサーの目の前に現れた。

 それは『縮地』と呼ばれる技であった。名前だけならランサーも知ってはいただろう。ただの縮地ならランサーももう少し粘れただろう。しかし、正拳突き一万回を再現したジャンヌの縮地は、前動作から音速を叩き出す。

結果、ランサーからすれば、なんの予備動作すら無く目の前に出現したにも等しい。

 

「『幻想小足』!!ははははははははははははははははは!!」

 

 人の足の脛は、弁慶の泣き所と言われる事が有る。その由来は、弁慶がその部位を攻撃された結果死亡したと言われている。つまり、弁慶たるランサーにとって、足の脛とは、アキレウスのアキレス腱と同じ、大きな弱点となるのだ。

そして、ジャンヌは音を置き去りにする速度で何度も何度も脛を蹴り続けた。

 ジャンヌとランサーの戦闘は、脛を蹴り続けるだけで終了したのだった。

 

 

 

 

 ランサーが落ちたなら、後は最早消化試合であった。元よりセイバーの足止めが精一杯だったアサシン。クラス相性により優位に立ってはいたが、粘り強さに定評のあるクーフーリンと戦闘をし、手こずっていたライダー。フリーになったマシュがどちらかに加勢すれば直ぐ様決着が付くのは元より明らかであったのだ。

 

 

 

 シャドウサーヴァント三騎を倒した一行が次に相対したのは、シャドウサーヴァント化していない謎のサーヴァント

 

「エミヤ兄貴おっすおっす。門番の真似事ですか?お疲れさまでぇ~すwwww

三www人wwwにwww勝wwwてwwwるwwwわwwwけwww無wwwいwwwだwwwろwww!!」

 

 謎の英霊エミヤであった。

 約一名が盛大に煽っているが、彼は、シャドウサーヴァント化していないため、宝具やスキルの制限が無く、一番の火力担当であるセイバー(ランスロット)と相性が悪く、少しでもマスターの守りを薄くすれば狙撃され、回避能力も高く、何よりも複数のサーヴァントとの戦いに慣れを感じさせる立ち回りにより、キャスターの援護も上手く働かず、正しくヘラクレスに次ぐこの特異点での難所であった。

そして一番殺意を乗せて矢を射たれる相手がジャンヌであった。




ちゃんとした戦闘描写(まともな戦闘とは言ってない)


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おう、頭にブーメラン突き刺さってるぞ

多分あと2、3話位でこの章は終わりです


「私の……敗北だ。」

 

 謎の英霊エミヤとの戦闘は、カルデアの勝利に終わった。

 元より持久戦になれば不利なのはエミヤなのだ。ある程度時間が経てば、エミヤの戦い方を見抜きクラス相性が有っても接近戦では互角以上に渡り合ってくるランスロット、マスターを狙おうにもスポンジの様に対サーヴァントの戦い方を覚えるマシュが防ぎ、距離を離せば射線が通るまでは支援魔術等に徹していたキャスニキが待ってましたと言わんばかりに攻撃魔術を撃ち、宝具を使用すればキャスニキがマシュに魔術で支援をかけての宝具使用(ロード・カルデアス)により防がれる。

 終盤に限って言えばエミヤは、良く言えば3騎相手に善戦している、悪く言えば悪足掻きにしかならない行為だったのだ。

 そして、最後にはキャスニキの宝具にて視界を遮られ、キャスニキの宝具(ウィッカーマン)の影に隠れて接近してきたランスロットへの攻撃(偽・ガラドボルグⅡ)をマシュが宝具で防ぎ、ランスロットが宝具を叩き込む、宝具チェインによるゴリ押しにより、エミヤは倒された。

 なお所長が宝具を3連続使用してケロリとしている立香に対して化け物を見るかの様な視線を向けていたが些細な事だろう。

 

 

 

 

 アーチャーが守っていた先に待ち構えていたのは反転したセイバー(アーサー王)であった。

 さて、カルデア組にはアーサー王関係者が居る。ランスロットである。

 

「ランスロット卿。来ましたか。」

「我が王よ、再び貴方へと刃を向ける私をどうぞ恨んで下さい」

「良い。許そう。」

「王…………」

頭蓋骨(ボール)相手のゴール(アルトリア)にシュゥゥゥゥゥゥ!!超エキサイティング!!」

 

 シリアスを全力で無視したジャンヌがいつの間にかゲットしていた頭蓋骨を黄金の回転をかけながら投擲。

 しかし、飛んできた頭蓋骨(ボール)をアーサー王は難なく切り伏せる。

 

「ねぇ今シリアスしてたよね?空気読んでくんないかな?」

「マスター、こいつを切り捨てる許可を下さい。」

 

 額に青筋を浮かべながらジャンヌの胸ぐらを掴む立香。

 そして王との会話を邪魔されたランスロットは額どころか顔中に青筋浮かべマスターに対してジャンヌを殺す許可を求めている。恐らくマスターが許可すれば嬉々としてジャンヌの首を落とすであろう事は想像に難くない程の怒り様であった。

 しかし悲しいかな、ボール(頭蓋骨)を投げたら当然ボール(ビーム)を投げ返されるのが道理である。

 

仮想展開 擬似宝具/人理の礎(ロード・カルデアス)!!」

「説教中にビームぶっぱするとか無いわ~。常識無いのかよ」

「おう、頭にブーメラン突き刺さってるぞ。」

 

 何とかマシュの宝具展開が間に合いビームは防いでる横で、先程の自分の行動を棚上げしてるジャンヌとそれに対して立香が突っ込んでいた。

 

「ランスロット卿。これより先に行きたいのならもう一度私を切る程度の事に躊躇を覚えぬ程の覚悟を決めてもらおう。行くぞ」

 

 こうして、特異点冬木の最後の戦いの火蓋が落とされた。




エミヤ「3対1には勝てなかったよ……」


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お前を殺すのは最期にしてやる(フラグ)

お前面白い奴だな


「いやぁ、アルトリアは強敵でしたねぇ」

「お前何もしてないだろ定期」

 

 アーサー王との戦いは終始カルデア組の優勢であった。

元々アーサー王より剣の技量は上であったランスロット、宝具を含めて魔術攻撃がまともに通らない事を知っていたキャスニキは最初から支援に徹し、長い溜めが必要な宝具(エクスカリバー)を、ランスロットの妨害を何とかして放ってもマシュの宝具で防げる状態だったのだ。

 なお所長が、ビーム(エクスカリバー)が飛んでくる度にどんどん顔色が悪くなっていたが些細な事だろう。

 

「やはり私では卿には勝てぬか。」

「王よ、私は王を二度も貴方に刃を向けた。故に、私はもう迷いません。」

「それで良い。その覚悟を強くもて。グランドオーダーはまだ始まったばかりと心がけよ」

「王よ、それはいったい」

「それは卿達がその身で体感せよ。

さて、これよりは消える間際の戯れ言だ。ランスロット卿よ、私はな、卿とギネヴィアの関係を知っていて黙っていたのだ。」

「!?」

「もう卿なら解るだろうが私は女だ、故に私に尽くしてくれるギネヴィアを幸せに出来ぬ。だから卿とギネヴィアが関係を持ったとき私はむしろ陰ながら応援していた程だ。

だが、カルデアでは女性関係で問題を起こすなよ?」

 

 こうして、アーサー王は生前の禍根を少し清算しながら消えていった。

 これにて特異点冬木は終了。とはいかなかった。

 

「いやはや想定外。まったくもって想定外だよ。まさか数合わせの為にだけに呼ばれた様なゴミクズがここまでやるとはな」

「レフ?レフなのね!あぁ、会いたかったわレフ!」

「はいストップ。そいつ人間ちゃうぞ」

 

 突如カルデア副所長であるレフ教授が現れたのだ。それも、悪意を一切隠そうともせずに。

 反応は様々だった。元よりレフの事を知らなかったランスロットはレフからマスターとマシュを守る様に前に出て剣を構え、そんなにレフを知らないマスターは驚いてはいるが、いつでも令呪を使えるように身構え、それなりにレフの事を知っていたマシュは驚愕しており、無防備な姿を晒し、レフに依存気味だった所長はレフの元へと行こうとし、レフを知らないが知っているジャンヌはそんな所長の首根っこを掴んでいた。

 

「ほう、貴様の様な自分の事をジャンヌ・ダルクなどと嘯いて、ろくに戦闘も出来ぬ三流サーヴァントでも私が人間では無いと解るのか」

「は?」

「え?」

「は?」

「お前面白い奴だな。気に入ったよ。お前は最後に殺してやる」

 

 レフのジャンヌに対する戦闘も出来ぬ三流サーヴァント発言に対して疑問符を浮かべる三人。

 

「ふ、貴様らの様な凡愚では理解出来ぬ様だな。しかし私には解るぞ。所詮貴様のやった事など消耗した大幅に弱体化したヘラクレスにとどめを刺した事と、明確に弱点の有る弱体化したサーヴァント相手にその弱点を蹴り続けただけであろう。どうやら戦闘出来る様な振る舞いをしていたが無駄だったな。」

「ねぇマシュ、レフ教授って元からあんな感じに色々と節穴だったの?」

「い、いえ、普段はもっと賢明な人物であったと記憶してるんですが……」

「これはレフに対して無能化する抑止力的ななにかが働いていますね間違いない(名推理)」

 

 レフ教授のガバガバ理論に困惑を隠せない立香とマシュであった。

 

「う、嘘…嘘よねレフ?あ、貴方が人間じゃないなんて嘘よね?」

「ん?あぁ、そう言えば居たな、自分が死んだことも気が付かずにいる虫けらが」

 

 その後レフの独白により様々な事が判明した。

 カルデアに爆弾を仕掛けたのはレフである事、その爆発で所長の肉体は死んだが、魂だけになった所長がレイシフトにてここに居る事、自分が人理崩壊の黒幕の手先である事などだ。

 だがしかし、レフは呑気にお喋りしているべきでは無かった。なぜなら彼等の仲間には不意打ち、騙し討ち上等なカス虫(ジャンヌ)が居るのだ。

 レフが気付いた時には手遅れであった。

 

「おう、ド三流サーヴァント(笑)からのお届け物だぞ。『秘拳 TUBAME返し』!!」

 

 レフの顔面に音速の拳が3つ同時(・・)にめり込んだ。




祝!UA5000越え!
一応祝ったけど祝うほどなのか判断がつかぬ


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それは君が直接見て確認するべきさ

ついに一章終了
一人称視点と、所長を救うためのご都合主義が有ります。苦手な方はご注意下さい


 ジャンヌの拳を顔面に受けたレフは顔から血を流し、悪態と怨嗟の声をあげながら逃げていった。

 今度こそ特異点の修復を完了させたカルデア組はもう少しでカルデアに戻るであろう。

 しかし、何もせずに居れば、それは所長の死を意味する。

 

「いや……嫌!嫌!助けて、誰か助けて!!わた、私、こんなところで死にたくない!だってまだ誉められてない………!誰も私を認めてくれないじゃない……!!生まれてからずっと、ただの一度も、誰にも認めて貰えなかったのに!!」

「うるせぇよ。そんなに死にたくないないなら、ワンチャンの可能性に賭けて俺に憑依すれば?」

「………………え?」

 

 それは、想定外の提案であった。

 

「どうゆう事?それは……貴方に憑依って。」

「説明をはぐらかしてた俺も悪いが時間がないからざっくりと説明するぞ。質問は後で受け付ける。まず俺は受肉している。そして俺の肉体はお前を含めたカルデアでの爆発で爆死した魔術師達(マスター候補達)の肉片を使って俺というサーヴァントの寄り代にするための中身の無い肉人形を成形したんだ。つまり俺の肉体は一部分でもお前の肉体と同じ(・・・・・・・・)なんだよ」

「待って!そんなの無理よ!」

「無理かどうかじゃなくてやるかやらないか決めろ。元よりそのままなら死ぬだけだぞ?」

 

 当然だが会話をしてる間にも段々と地鳴りは激しくなり、冬木は崩れていく。それは何よりも雄弁に、そして何よりも冷酷に彼女の選択肢のタイムリミットを告げるものだった。

 

「そんな………私は……私は!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

藤丸立香Side

「うぅん……あれ?ここは?……確かレフ教授が悪党で、ジャンヌがレフ教授の顔面を殴って………!!??マシュと所長は!?」

「うん?目が覚めたかい?」

 僕が目を覚まして最初に目に飛び込んでいたのは知らない天井だった。眠りから覚めた直後特有のボーっとした頭で冬木での最後あたりの事を少しづつ思い出していった。レフ教授が爆弾の犯人であった事、そしてジャンヌがいつの間にかレフ教授の背後に立っていて、レフ教授の顔面を殴り抜いた事。

 そしてここまで思い出したからやっと頭が回るようになり、すぐに全て思い出した。

 そして、所長がジャンヌへの憑依を選び、ジャンヌの体に溶ける様に消えていった光景と、最後に手を握ったマシュの事を思い出した僕は思わず起き上がり、叫んでしまっていた。

 そんな中不意に横から声をかけられた

 

「貴方は?」

「私かい?私はこのカルデアに召喚されたサーヴァントの一人、ダヴィンチちゃんさ。」

 

 彼女は自らをダヴィンチと名乗った。

 ダヴィンチと聞けば僕の中ではモナ・リザを描いた画家で有ることを思い浮かべた。

 確かに良く見ると彼女はモナ・リザに似ていた。冬木で会ったアーサー王が女性であったことを考えれば特段驚くような事では無かった。きっとモナ・リザは実は自画像だったのかー位の認識である。

 それより僕は聞かなきゃいけない事があるのだ。

「あの、ここは?それとマシュと所長は無事なんですか!?」

「そこで名前の出ないジャンヌちゃんは信頼されているのかはたまた人徳が無いのか。おっとそんな顔するなよ。ここはカルデアの医療室さ。二人の安否の方は君が直接見て確認するべきさ。管制室に行きなさい。」

 その言葉を聞いた僕は居ても立ってもいられず、医療室を飛び出した。




祝!お気に入り数100件突破!
私の稚拙な小説を気に入ってくれて大変有り難うございます!


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間話 ジャンヌのパーフェクトサーヴァント教室

ジャンヌ「私みたいな、歩くサーヴァント図鑑目指して、頑張ってね!」

説明回なので前編後編分けます。
ネタ薄めです。


藤丸立香Side

 僕が冬木から帰還して、目覚めてから一日がたった。

 結局昨日は管制室に行ったらマシュも所長も無事………無事?だった。マシュに関しては全く問題ないのだが、所長がちょっと。

 ジャンヌ曰く「言ってしまえば二重人格みたいな状態」らしい。基本的に五感は共有で、体の主導権もジャンヌ。ただし、所長がかなり強く意識すれば体の一部は所長が動かせるみたいだ。当然ジャンヌが譲れば所長は自由に体を動かせるらしいが。

 更にジャンヌは声帯模写も出来るため、所長が喋りたい事は、声帯模写で所長の声を真似しながら言ってくれるそうだ。

 いつの間にかジャンヌとダヴィンチちゃんの間で取引が交わされていた様で、ダヴィンチちゃんが、所長の体のクローン、それもちゃんと肉体の寿命が95年前後まで保つ物を用意する事になっていた。そして、ジャンヌが見返りとして何を渡すのか気になったので聞いてもどちらも答えてくれなかった。

 そして今日、どうやらジャンヌが僕に色々と教えるついでに前に言ってた質問に答えるために、会議室に、僕、マシュ、ランスロット、ロマン、ダヴィンチちゃん、そしてジャンヌが集まっていた。

「さて、では皆集まった様だし始めるか。まずはサーヴァントの話だ。」

「サーヴァントってのは俗に言う死んだ英雄、もしくは反英雄を、座と呼ばれる所から一側面を抽出し型に嵌め込んだ存在だ。まぁそこら辺は近くにダヴィンチとか言う歴史の授業で習う有名な過去の人物が平然と居るから実感しやすいだろ。あぁ、先に言っておくが英雄ってのは何も戦いで武勲をあげたり化け物を退治した奴らだけじゃないから。普通に暗殺を失敗した暗殺者や、しまいにはただの音楽家や作家なんかも居るからな。そこら辺はガバガバだから気にしない様に。」

 

 音楽家や作家も英雄のくくりなのか(困惑)。まぁ気にしない様にって言われたしあんまり考えないでいこう。

 

「基本的な原則として、英雄のサーヴァントは神霊、要するに神様だな。判断基準として人の血が混ざってるか、混ざってないかな。混ざってない奴は召喚されないと思って良い。まぁどっちの意味でも例外は有るが。反英雄に関しては鬼だったり、メデューサだったり、ミノタウロスだったり、人の血が混ざってない奴でも召喚出来るからそっちに関しては知らん。ここら辺もガバポイントだな。」

 

 さっきからガバガバな箇所多い………多くない?

 

「さて、さっきも言ったがサーヴァントってのは一側面だ。この側面ってのは一部のサーヴァントでは年齢とかも関係する。ただ基本はメイン武器が変わる。例えばアーサー王なんかは殆どのクラスの適正を持ってる。冬木ではセイバーで召喚されていたから聖剣(エクスカリバー)を持っていたが、ランサーで召喚されていたら聖槍(ロンゴミニアド)を持っていただろうな。まぁぶっぱする移動砲台には変わらないがな。

因みにクラス適正の方も、冬木のアーチャーみたいにクラス相性が有ったとはいえランスロットと打ち合える腕前が有るにも関わらずセイバー適正無かったり、別なサーヴァントで、霊基いじって本来なら有り得ないクラスになったりする程度にはガバガバだから。」

 

 やっぱりガバガバな所多すぎるよ!?サーヴァントシステム大丈夫なの!?

 

「本来ならもっと時代が昔の方が強い傾向にあるとか、宝具の話とか、神性持ちによる与ダメアップと、同じ神性もってる相手以外からのダメージカットやら、細かい話が有るがめんどくさいからカット。

重要な話として、この特異点での特殊ルールであるクラス相性の話をしよう。

さっきもしれっと話題に上がったクラス相性だが、まずサーヴァントの基本クラスとして7つのクラスが有る。

セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの7つだ。それぞれが、セイバーはアーチャーに弱く、アーチャーはランサーに弱く、ランサーはセイバーに弱い。ライダーはアサシンに弱く、アサシンはキャスターに弱く、キャスターはライダーに弱い。といった具合だ。そしてバーサーカーはどのクラスにも強く、また同時に弱くもある。3つのエクストラクラス。マシュのシールダーというクラスは、得手不得手無く全てのクラスとやりあえる。ルーラーというクラスはアヴェンジャーに弱く、バーサーカー以外から受けるダメージを軽減する。そして俺のクラスたるアヴェンジャーはルーラーに強い。

ただし、これ等はあくまで相性であり絶対では無い、だから例えばランサーでも普通にセイバーを倒すことは出来る」

 

 成る程、マスターである自分はクラス相性はキッチリ覚えておかないといけないな。

 そしてさらっとカミングアウトしてるけどジャンヌってアヴェンジャーだったのか。てっきり頭のネジがガバガバだからバーサーカー辺りかと。

 

「さて、ではそろそろ俺の事に関しての質問でも受け付けるか。では挙手」

 

 では前から気になっていた質問をぶつけよう。




次の話でジャンヌ自体の説明回です。

説明回だからか今までで一番の文章量。
ネタを挟まないと死んじゃう病を患ってる作者は多分次の話で弾けます


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間話 ジャンヌってかジャンス的な

ジャンヌの解説回後編


「ジャンヌって本当にあの(・・)ジャンヌ・ダルクなの?」

 

 そう、僕は前から疑問に思っていたんだ。ジャンヌ・ダルクと言えばオルレアンの聖処女(・・・・・・・・・)として、前線で戦っていたのは知っている。しかし、少なくとも戦っている時のジャンヌ・ダルクを描いた絵には大抵剣を装備しているが彼女を見る限り剣など何処にも見当たらない。

 それにジャンヌ・ダルクは大砲など有効活用したり、有能な仲間が居た事は有名だが、ジャンヌ本人の武勇等の逸話は特に無かった筈だ。普通あんな動きをするなら何かしら武勇の逸話が残ってしかるべきだと僕は考えていた。

 

「あぁ~半分YESで半分NOだな。確かに俺はジャンヌ・ダルクだ。そこは間違いない。ただし、平行世界のジャンヌ・ダルクだ。

平行世界の理論は解るな?サーヴァントってのは稀に平行世界のサーヴァントが呼び出される事が有る。例えばアーサー王が伝承通り男だったりとかだ。」

 

 平行世界……成る程、それなら多少納得出来るな。

 きっと彼女の世界では武勇に関する伝承も多々有るのだろう。

 僕がそうやって納得してる時にダヴィンチちゃんが挙手して発言した。

 

「あくまで興味本位だから、答えたく無いなら別に構わないよ。

君の世界では、君はどの様に語り継がれているのかい?」

「一言で言うなら『オルレアンの覇王』。

まぁ俺の人生ざっくりと言うから、それの大体が伝承になってると思って良いよ。

まず、修行しながら各地を旅して、途中でイングランド軍に親、子供、友人、恋人、夫、妻を殺されて復讐を考えてる奴に話を持ちかけて、修行をつけてやった。で、義勇軍としてその時の手勢50人の大将としてシャルルに謁見。あぁ、最初は謁見を拒否してたけど軽く実力を見せつけたら簡単に謁見出来たな。

で、謁見後部下50人引き連れて俺達だけで3つ同時に砦を攻略。

その後も快進撃を続け、シャルルをランスまで連れていき、戴冠させ、その後も武勲をあげる傍ら正規兵達に修行をつけてやり、同時に文字を書ける奴と模写が上手い奴を雇い、修行指南書やら、医学の書、科学の書なんかを大量に作らせた。

だが、そのうち俺が敵からは深紅の悪魔として、味方からは戦場の神として、神性視され始めたのを危機に感じたシャルルが俺の故郷の家族を人質にしてきた。

で、しょうがないにゃぁって事で単騎で敵本陣に突撃かけて大暴れ、敵の大将にいつでもお前は殺せるんだぞアピールを執拗に行ってからわざと捕まり、結果が確定してる裁判で論破しまくって、満足したからサイン書いて焼かれた。」

 

 何処から突っ込んで良いのか僕には解らない。既にお腹一杯なんだけど。たった50人で3つ同時に攻略って……

 

「まぁ俺がアヴェンジャーのクラスの理由は『イングランドに正当なる復讐の鉄槌を』ってのを俺の部隊が大々的に掲げていたからだろうな。」

 

 まごうことなき覇王ですね間違いない。

 僕達が戦々恐々していると、またしてもダヴィンチちゃんが発言した。

 

「きょ、興味深い話を有り難う。

さて、では本題として、君は誰に召喚されたんだい?それとそろそろ立香君と契約したらどうだい?」

「とりあえず契約に関しては後でしとくか。やっぱり自立歩行型大容量魔力タンクから魔力を貰えたら楽になるし」

「ぶっとばすぞテメェ」

 

 誰が魔力タンクだ!!確かに冬木で宝具チェインしてたときとか所長が化け物を見るみたいな目向けてたけど僕はいたって普通の一般人だよ!!

 

「ワーコワイナー(棒)

さて、俺を召喚した奴に対する予想位はもうついてるんじゃないか?」

「本人の口から聞きたいのさ」

「ふぅ~ん。ま、考えてる通りアラヤだろうな。敵は過去の改竄及び、人類史を滅ぼしてるんだ。動かない方がおかしい。ただ、向こうもアラヤが動かないように策を労したみたいだけどな。

で、恐らく俺が受肉した理由として考えられるのは二つかな。

一つは、敵さんの妨害工作のせいで、こうやって一度魔術師達の肉体を利用して器を作る等の遠回しな召喚をせざるをえなかった。

一つは、敵さんを確実に倒すためには受肉させる必要が有った。もしくはその両方か。

あぁ、もしかしたらもっと別な理由が有るかもだな。

まぁ少なくとも魔術師達の肉体を使ったからか、全身に魔術回路が有るから生前使えなかった魔術が使える様にはなったな。

さて、他に質問は?」

 

 こうしてジャンヌの隠された秘密がどんどん明かされていくのだった。




多分原作ぐだーずはアラヤの支援受けてる(確信)
とりあえずの説明はこれで終了です。
後々、説明不足だったなぁとなったらこの場面の過去回想って形で追加説明するかも。


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間話 折って貰って良いですか?(暗黒微笑)

マスターのジャンヌに対する気持ちは……


ジャンヌSide in

 説明回をした日から三日たったカルデア。

 現在トレーニングルームにて修行中である。

『魔術回路っていうのは内臓と同じで、体の器官と言っても差し支えないわ。本来なら魔術回路を開く行為が必要なのだけれど何故か貴女の場合既に開いてるからそこはカットね。魔術を使うにはまず個人個人に合った魔力のイメージを持たなきゃいけないの。』

『つまりイメージするのは常に最強の自分だな、よし解った』

『そんな事一言も言ってないわよ!?』

 

 せっかく魔術回路有るんだし魔術使いたいよね!って事で俺の中に所長という、魔術の名門の所のお嬢さんという先生にピッタリな存在が居るので、所長に教えて貰いながら魔術を使える様に模索中である。

 正直魔力のイメージと言われても困る。とりあえずNARUTOのチャクラ的なイメージで良いだろ(適当)。

 

「はぁぁぁぁ………大!!炎!!上ォォォォ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「君は本当にバカだな」

 

 イケメン軋間みたいに炎だそうとしたら服だけ燃えました(半ギレ)

 しかもマシュとマスターに足腰のトレーニングさせて、その監督をランスロットにお願いしてたからマスターとランスロットに全裸を見られた。マスターは直ぐに鼻血出して気絶して、ランスロットはマシュが目潰ししてたが。マスターはともかくランスロットにとって1、2秒なんてガン見してるのと変わらないから絶対に全身くまなく見られた。すぐさまランスロットはボッコボコにしたけど、普通に恥ずかしい、マシュに聞いたら顔真っ赤だったらしいし、そんな恥じるようなの俺のキャラじゃ無いんだよぉぉぉ!ラッキースケベされるヒロインの気持ちとか知りたく無かったぞ畜生めェェェェェ!!しかも気絶したマスターを医務室に運んだらダヴィンチからドラえもんみたいな事言われた。

 くっそ、絶対にイケメン軋間みたいに炎出して見返してやる!!

ジャンヌSide out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

立香Side in

 僕は2日前からジャンヌの顔を直視出来なくなっていた。

というのも、3日前に事故でジャンヌの裸を見てしまったため、何となく気まずいのだ。

 

「これが腕ひしぎ十字固め。」

「成る程、そうやって腕の間節をキメるんですね」

「痛い!痛い!………でもこれはこれで色々挟まれてて良いかも………」

「ジャンヌさん、折れるとどうなるか見たいので折って貰って良いですか?(ニッコリ)」

「アッハイ」

「すいません!ごめんなさいギブです!ギブ!ギブ!あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ランスロットさん羨ましいな、僕も挟んでっていやいや、落ち着け僕!あれは間節技だから、腕折られてるからな僕!僕は腕折られて喜ぶドMじゃ無いから!至ってノーマルだから!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 今日も過酷なトレーニングが終わり、就寝の時間になった。

 

「何時までもこんなんじゃ駄目だよなぁ……解ってはいるんだけどなぁ」

 

 言っては悪いがきっと裸を見たのがマシュだったらここまで悩まなかっただろう。多分お互い謝って明日には多少ギクシャクしながらも顔は会わせられただろう。

 では何故ジャンヌ相手だとここまで引きずるのか。

…………………いや、実は理解している。きっと惚れた弱みという奴だろう。

 それは一目惚れだった。冬木で目を覚ましたあの時、近寄るガイコツを凪ぎ払っていた彼女を見て僕は恋を抱いたのだ。ただその後の言動できっとこんな奴に惚れたのは勘違いだと思っていたけど、やっぱり心の奥底では、彼女が好きだったのだ。

 はぁ、これ以上考えたらもっと顔を会わせづらくなるだけだ、早いところ寝よう。

 

 

 

 僕はまだ知らなかったのだ。明日巻き起こる騒動を




今更ですが、このジャンヌの見た目は白ジャンヌの、服を赤くして髪をオルタみたいにバッサリカットしたのをイメージしてもらえれば大丈夫です。


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間話 いつものジャンヌで安心した(白目)

それは、過去の夢


 夢を見ていた。

 そこは薄汚い牢屋の中だった。その牢屋の主は、鎖の服を纏っていると形容しても間違いでは無いほどの有り様であった。見るからに急いで取り付けましたと言わんばかりのお粗末な鎖が牢屋の至るところから伸び、顔以外を覆っている。そして、俯いているせいでその顔も見えないが、何故か僕には直ぐにジャンヌで有ることが解った。

 僕がそんなジャンヌを見ていると、カツンという足音が聞こえた。その足音はどんどんこの牢屋に近付いて、牢屋の扉の前で音が止まった。それこら少しの間が空き、その後牢屋の扉が開かれた。

 護衛の衛兵を引き連れて扉から入ってきたのは小太りな30代前後の男だった。

 

『無様な姿だな、オルレアンの赤い悪魔よ。』

 

 彼女からの反応は無かった。

 

『貴様の処刑は1週間後に決まったぞ』

 

 彼女は動かなかった。

 

『だが、取引をしないか?取引に応じればここから出してやろう。』

 

 初めて、ジャンヌがピクリと反応し、それにより鎖がジャラリと音を立てた。

 そしてその反応に手応えを感じたのか、男は笑みを浮かべながら更に言葉を続けた。

 

『私の物となれオルレアンの赤い悪魔よ。そうすればお前は処刑されることもなく、ここから出られるぞ。』

『………それは……本当か?あ、貴方の元につけば………命は…助かるのか?』

 

 その声は、普段のジャンヌからは考えられないほど弱々しい声だった。

 そして、男は下卑た笑みを浮かべたのだ。

 「駄目だ!」と叫びたかった。男の顔を見れば、この下衆が何を考えているか等明白であった。そして何より、この男は決して"自由"にする約束はしなかった。

『あぁ、約束するとも!君の"命"を助けてやろう。』

 

 ジャンヌが、顔を上げた

 

『だ が 断 る。』

『おぉそうかそうか受け入れて………なに?』

『この俺の最も好きな事の1つは自分の立場の方が上だと思ってる奴に対してNOと断ってやる事だ!』

 

 あ、いつものジャンヌだったわ(白目)。

 

『この、この小娘がッ!!』

 

 激昂した男はジャンヌへと近付いていった。しかし、3歩進んだ所で、男の歩みはピタリと止まり、激昂により真っ赤だった顔がみるみる青ざめ、最後には泡を吹いて気絶した。その間ジャンヌは睨み付けていただけ(・・・・・・・・・)であった。

 

『おい豚ども。』

『『はいジャンヌ様!』』

『そのゴミ片付けておけ。それと起きたらこう伝えろ。

まずはその汚い腹を†悔い改めて†、最低1000万円用意してから来れば議論してやろう。

ってな』

『『畏まりましたジャンヌ様!!』』

 

 豚呼ばわりに対して恍惚とした表情をする衛兵を見て大体察した。

 そんな光景を見ていたら段々意識が薄れてきた。恐らくそろそろ目が覚めるのだろう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…………ジャンヌって生前からあんなノリなのか……てか何か体に違和………感……が……はい?」

 

 目が覚めたら女になっていた。もう一度言う、女になっていた。

…………………

 

「何でだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 後々になってから思い返せば、この時きっと大声で叫んだのがいけなかったのだろう。

 

「何だぁ!敵襲か!!清姫か!……………は?」

「どうしました先輩!!……………え?」

「大丈夫ですかマスター!!…………………美しい」

 

 朝から胃が痛くなってきました。




祝!通算UA1万越え!
早くない?(震え声)


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間話 それがあの子の魔術さ

ソシャゲのガバガバな所を無理矢理、ごり押しで理屈化した結果


ジャンヌside in

「これは興味深いね。うん、実に興味深い」

 

 朝方マスターの部屋から叫び声が聞こえたから飛び込んだらぐだ男がぐだ子になってた。ははっ、ワロス。

 とりあえず混乱していたマシュとマスターを落ち着かせて、ついでにランスロットも物理的に落ち着かせた後に、困った時のダヴィえもんに見て貰ったらダヴィンチちゃんが目を輝かせておられますね。

 

「確認ですが所長、彼は魔力は桁違いに多いのに魔術が使えないから予備の予備として雇った。間違いないですね?」

「『えぇ、そうよ。サーヴァントとの契約適正は有りましたから、まず最初に召喚したサーヴァントと一時的に契約してもらい、サーヴァントの見極めをするための試金石として使うプランも当初は有ったの。』」

「ふむ……彼……今は彼女か。彼女に何か寝る前や寝てる最中に異変や何か無かったか聞いたところ、ジャンヌ、君の生前の出来事を夢で見たそうだ」

「へー(無関心)」

「少し話はずれるが、面白いのが、あの子の特殊な魔術の才能だよ。あの子は魔力を通した服。その服の種類で使える魔術が変わるみたいなんだ。

そして、その二つの情報から私の出した仮説。それが、彼はジャンヌの世界では彼女であり、その世界の自分と繋がりを得た結果なのでは無いか?と。

つまり彼と、君の世界の彼女は、元々男女に切り替わる魔術の才能が有った。そして君と契約したことを切っ掛けに、君の世界線と非常に薄くだが繋がりを得て、そして、君の生前の夢がトリガーとなり、君の世界線の自分の因子か何かを手に入れた結果、彼は彼女になった。恐らくだが君の世界の彼女も君と契約している、もしくは遠い遠い血縁者とかだったんじゃないかな?

魔術には、男しか使えない魔術、女にしか無い魔術が有る。だがあの子なら男女どちらにもなれる。つまり全ての魔術が使えるんだよ。」

 

 あ、ソシャゲのマイルームで性別変えたり、礼装変えるとマスターの使える魔術変わるのがこうなるのか。フシギダナー

 

「まぁ、まだ仮説の段階だし、そもそも私は第二魔法を修得してないから本当に君の世界でのあの子が彼女なのか確認のしようがないからこれ以上は考えても無駄だね。

少なくとも服で使える魔術が変わるのは間違いないから、どの服でどの魔術が使えるのかは実験を繰り返すしか無いだろうね。」

「『つまり、全く新しい魔術元素って事かしら?』」

「まぁそうなるね。でもあの魔術では絶対に根源には到達出来ないだろうね。

例えばあの子の魔術はディスクプレイヤーさ。服と言う名のディスクに刻まれている魔術というデータを見える形にする。そんな魔術さ。だから、もしこの魔術で根源に至る時、それは誰かが根源に至る方法を、服と言うディスクに刻む必要がある。ね?無理だろう?」

 

 まぁ、まだ誰も根源に到達出来てないのだから、外部入力されなきゃ何も使えない彼が到達出来ないのは当然か。

 

「私に言わせて貰えばあれは『白紙』だね。どんな色にも染まることが出来る。ゆえに名画にもなり得るし、落書きにもなり得る。正しく無限の可能性さ。

きっとあの子がサーヴァントを縁召喚しても、あの子と相性の良いサーヴァントでは無く、あの子の周り(・・)と相性の良いサーヴァントが召喚されるだろうね。そして、それが、典型的な英雄、典型的な反英雄、どちらでも等しく絆を深められる。」

 

 石……ガチャ……爆死……うっ頭が!!

なんて言ってるけど前世は文字通り死ぬまで無課金でモーさん、ネロプライド、アルテラ、メイヴ、霧切さゲフンゲフン!クレオパトラ、オワ草、ジャンヌ・オルタ当てたワイ勝ち組やから。ついでに言うと☆4だけど限定の茨木も当てたし、ウッハウハやで。(渾身のドヤ顔)

 …………………なんか色んな爆死したマスター達から第四の壁を越えた殺気が飛んでくる気がするからこれ以上は辞めよう。

 

「『つまり、明日行われるサーヴァントの追加召喚では』」

「場合によっては反英雄が出るかも知れないね」

 

 あ、所長のおかけで思い出した。明日はリアルサーヴァントガチャの予定だったな。

 飯ウマするために白米炊かなきゃ。(使命感)




祝!お気に入り200件突破!
だからそもそもボーダー知らないけど早くない?(震え声)
私の稚拙な小説を気に入ってくれた方が200人も居て作者は感謝の念が絶えません。有り難うございます!

記念にジャンヌさんに作者の持ち鯖代弁して貰いました。逆に言うとこれしか高レア鯖は居ないので、作者の持ってない鯖が出るとキャラがぶれるかもだけど許して下さい!何でもはしませんから!
あ(唐突)今後☆5追加で召喚出来たら書き足すかも。

本編飛ばし読みした読者のために三行で
性別変化機能の実装
礼装による使用魔術の変化の実装
明日はステラの日


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間話 新な戦力

この2騎になりました


立香side

 昨日は僕が女性になった事でドタバタしてしまった。そして、その時は女性化してしまった動揺やらも有ったせいか、いつの間にか普通にジャンヌとも顔を会わせて会話が出来ていた。

 まぁ、そう考えれば、昨日のドタバタも悪い事ばかりでは無かったな。

 

『さて、準備が整ったよ立香君。何時でも召喚して大丈夫だよ。』

 

 昨日の事を思い返していたら、スピーカーから流れたロマンの声で、僕は現在の事に引き戻された。

 そう、僕は今からサーヴァント召喚用のルームで、新しいサーヴァントを召喚するのだ。そして、今このルームに居るのは僕とジャンヌだけだ。

 勿論それには理由が有る。これから召喚されるサーヴァントはランダムであるため、人間に対して驚異となる反英雄を召喚してしまう可能性を考慮したためだ。

ただ、反英雄だから全て襲いかかってくるという訳では無く、普通に味方になってくれる反英雄も居るらしい。そのため、まず話し合いをする。その際武装しているなどもっての他なため、無手で戦闘が基本スタイルなジャンヌが抜擢されたのだ。

 

「こっちも何時でも大丈夫だ」

 

 ジャンヌの方も準備が出来た様だ。

 何故ジャンヌの後ろに炊飯器と茶碗と箸が置いてあるのか理解出来ないが、とりあえず僕はダヴィンチちゃんから渡された【聖晶石】と呼ばれるカルデアの特殊なサーヴァント召喚方法にに必要な石ーーーなんでも、この石を使うことにより、本来なら必要な詠唱やらなんやらをカット出来るらしいーーーを3つ砕いた。

 そして、砕いた瞬間部屋中に魔力が広がり、部屋の中心に有る召喚陣から三つの光の輪が浮かび上がり、少しの間回転した後、光の輪は、中心へと集まり、光の柱となった。

そして、その中から、人影が一つ浮かび上がった。光が収まった時、召喚陣の中心に居たのは

 

「デュフフフフフ。拙者参上!でござるよwwww」

 

 何か汚いオッサンだった。

 とりあえずジャンヌの方を向いたら

 

「☆2とかwwwwあむ、あむ、んん~今日も人の不幸で飯がびゃぁぁぁぁぁう"ま゙い゙!!」

「ガンド」

 

 思わずガンドを射った僕はきっと悪く無い。だっていつの間にか手に白米が盛られてる茶碗と箸を持って何か良く解らないが間違いなく煽ってきたのだ。

 

「酷い!拙者確かに低レアですが実力は高いのですぞぉ!」

「んんwwwwwwww騎乗スキルの無いライダーとか論外ですぞぉwwwwwwww」

「しょうがないじゃんwwwwだって拙者船乗りなんだもんwwww」

 

 あ、何となくこの汚いオッサンがジャンヌの同類であることが解った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 どうやらあの汚いオッサンは、あの黒ひげの名で有名な海賊『エドワード・ティーチ』らしい。

 だが何故真名を聞き出すのに召喚してから1時間もかかるんだ………いや、まぁどう考えてもジャンヌが原因だが…………兎に角疲れた、早いところ次のサーヴァントも呼んでしまおう。

 

 

 

 

 

 

 

「何やら私を殺せそうな武人の気配を感じたので来てやったぞ。」

 

 次に呼べたのは全身タイツに、深紅の槍を持った女性だった。

 またどうせまた煽られるのかとゲンナリしながらジャンヌの方向を向いたら、血涙を流していた。普通にドン引きである。

 

「おっぱいタイツ師匠とかお前ふざけんなよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 判断基準が全く解らない上に凄く魂の籠った慟哭過ぎてどう反応して良いか解らない。おっぱいタイツ師匠とか言われた人も困惑してる。

 ぬわぁんもう疲れた!部屋で休ませてくれ!




マスターとマシュのストレスは加速する!!(主にジャンヌと黒髭の相乗効果で)

はい、サーヴァントはこの2騎に決定です。
前の話で有りましたが、この2騎はジャンヌと相性が良いので召喚されました。


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間話 特異点フランス突入前日

次で新しい章に入ります


立香side

 スカサハさんと黒髭を召喚してから5日たった。その間、スカサハとジャンヌの模擬戦やら、ジャンヌと黒髭の起こした珍事などいろいろあった。

 そんな中、僕達は会議室に集められていた。

 

「うん、皆集まったね。さて、今回君達を集めた理由は他でもない。ついに次の特異点を特定したんだ。」

 

 まず最初に僕は、ついに来たか。と思った。

 僕達が冬木の特異点を解決してから約半月。この数字が特異点を特定するのに早いのか、遅いのか解らないが、ロマンや、職員の方達が一生懸命作業していたのを僕は知っている。だからこそ、唯一サーヴァントを使役できる僕が特異点では頑張らないと!という気持ちになってくる。

 

「次の特異点は…」

 

 ロマンがチラリとジャンヌに目線を向けたのを僕は見逃さなかった。

 

「百年戦争中のフランス……それも史実通りならジャンヌ・ダルクが処刑された直後の年だ。」

 

 部屋に沈黙が訪れた。

 皆解ってはいる。ここに居るジャンヌは平行世界でのジャンヌであり、今から向かう特異点で処刑されたジャンヌとは(色んな意味で)別人である事は。しかし、だからといってジャンヌ本人が何も思わない訳が無いのだ。

 そして、ジャンヌがゆっくりと口を開いた

 

「ちくわ大明神」

「誰だ今の」

 

 意味が解らなかった。いや、ノータイムで返した黒髭以外全員解らないと思う。ぶっちゃけ解りたくなかった。

 

「ところでジャンヌ氏、その格好はどうしたのでござるか?」

 

 全員スルーしていた事に黒髭が突っ込んだ。そう、そうなのだ。何故か今ジャンヌはいつもの赤い装備を白く変えているのだ。どうせろくでも無い理由が有るのだろうと思っていたが、気になら無いかと聞かれれば気になる。だから心の中で黒髭に「よく聞いたぞ!!」と賛辞を送っていた。

 

「乙女の秘密だゾ☆」

「乙女の秘密なら拙者これ以上は聞けないでござるなwwwwだって拙者紳士でござるからwwww」

 

 やっぱり黒髭は自害させた方が良いんじゃないかな?

 いや、落ち着け僕、ジャンヌの言葉を思い出せ。

 

3日前

 

「ん?黒髭自害させたい?馬鹿じゃないのお前?」

 

 ここ最近マシュからの苦情が凄い。ランスロットと黒髭のダブルパンチでマシュの胃がマッハらしく、どっちか自害させた方が良いのでは?出来れば黒髭の方を自害させたら良いのでは?と、提案と言う名の苦情が最低でも1日3回は来てるのだ。その事をジャンヌに相談したら馬鹿にされた。一瞬こいつを自害させてやろうかとも思ったが中に所長が居るため出来ない。

 

「この先に海の特異点あるかも知れないのに船の宝具持ってる奴自害させてどうするんだよ。

まぁ、その時になって数多居る英霊の中から、限られた回数でピンポイントに船の宝具持ってる英霊を呼び出す運ゲーに人類全ての未来をベットする程のギャンブラー魂が有るなら止めないけど。」

 

 こんな奴にぐぅの根も出ない正論言われた。

 

 

現在

 

 凄い落ち着いた(青筋浮かべながら)

 

「と、兎に角今から急ピッチで作業を進めて、明日にはレイシフト出来るようにしておくよ。だから、各自明日からの特異点に備えておいてくれ。」

 

 と言うロマンの言葉を最後に解散した。




3章の事まで見据えておくジャンヌはサーヴァントの鏡(白目)


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1章 ジャンヌが3人……来ますよ龍之介ェ!!
ワイバーンステーキ


ついにフランスに突入


立香side

 清み渡る青空、見渡す限りの平原、時々パチパチと音を立てる焚き火、そして目の前で丸焼きにされてるワイバーン。今僕達は、フランスの平原に居た。

 

 

 数十分前、僕達はフランスにレイシフトして、この何も無い平原に降り立った。最初に映ったその光景に、冬木の様な状況をイメージしていた僕はあっけにとられていた。それこそ、本当に特異点なのか疑った程である。しかしその疑惑は直ぐに晴れる事になった。

 

「グワァァォォォ!!」

 

 空からこの時代に居るはずの無い5匹のワイバーンが襲ってきたのだ。まぁ5秒でジャンヌとスカサハさんが槍投げで始末したが。

 何故かワイバーンを食べてみる流れになり、スカサハさんのルーンでこんがり焼かれたワイバーンステーキが僕に出された。

 しっかりとした食感と、噛めば噛む程肉汁とともに旨味が溢れ出す。僕はワイバーンステーキの虜になっていた。

 

「美味しいですね先輩。」

「ふむ、美味ですね。」

「まいうーwwwwでござるwwww」

「いちいち草生やさないと喋れんのか猿ゥ!

『確かに美味しいけれどこれワイバーンなのよね……竜種よね?……大丈夫なのかしら』」

「ちと焼きすぎたか?まぁそれでも美味ではあるか。」

 

 どうやら皆好評の様である。

 

「おかわりなら後4つ有るぞ。焼くのに時間はかかるが」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 遠くの方で声が聞こえた。そろも多くの人間が同時に声を発した時の叫び声だ。名残惜しいが、ワイバーンステーキのおかわりは出来ないみたいだ。

 

 

 

 

その声は、後ろにある街を守る兵士と数十のワイバーンが戦っている声だった。

 すぐさま助けようと駆けつけようとしたとき、一つの影が躍り出た。

 

「皆さん!ここは私が抑えます!」

 

 その姿は、その声は僕達にとって馴染み深いものだった。

 

「で、出たぞ、り、竜の魔女だぁぁぁぉぁ!!」

 

 何故か助けている筈の兵士達に竜の魔女と言われ恐れられてるのは、間違いなく

 

ジャンヌ・ダルクであった。

 

 

勿論、僕達だってただ見てるだけなんて事はしない。すぐさま僕達も参戦すれば、2分程で数十は居たワイバーンは全て地に伏した。

 そして僕達はこれで終ったと思っていたが

 

「竜の魔女め、何故二人になっていて、ど、どんなつもりかは知らないが、こ、この街は俺達が守る!」

 

 そう言って、震える手で剣や槍を握りしめた兵士達が、二人のジャンヌに刃を向けていたのだ。

 

「おうおう、お前らを助けてやった奴に対して刃を向けるとはいい度胸してるじゃねぇか。あぁん!?」

「助けて貰った恩人に対する態度ではありませんね。少しお説教が必要でしょうか。」

 

 それに対して黒髭とランスロットが怒りを顕にしていたが、こちら(・・・)のジャンヌが二人の肩に手をおいて首を振っていたのを見て二人ともとりあえずは溜飲を下げてくれたみたいだ。

 

 それから僕達はこちら(・・・)のジャンヌも連れてあの街からから離れた森で腰を下ろした。

 

「すみません皆さん、私のせいで貴方達まで巻き込んでしまって」

「気にしないで。それにジャンヌさんのせいじゃ無いよ」

「?なぜ私の真名を知っているのですか?」

 

 あっ、そう言えばこちらのジャンヌは初対面だった。




この章のタイトルで大体お察し


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誰だお前!?

前準備って大事だよね(ゲス顔)


立香side

 現地に居たジャンヌをついつい、いつもの感覚でジャンヌと呼んでしまい、何故名前を知っているのか聞かれてしまった。

 

 でも良く考えたら別に隠す必要の無い事だし正直に喋ろうとした時

 

「どうも初めまして、私は彼等に召喚されたルーラー(・・・・)ジャンヌ・ダルクです。」

「「「「!?」」」」

 

 うん?可笑しいな、僕の後ろからいつも聞いてる声で、もし、もしもその声の主が僕の考えてる通りなら絶対にしないような物腰柔らかな言葉が聞こえた。

 

「あ、すみませんてっきり私のそっくりさんかと思ってました。初めまして?自分に挨拶するのは不思議な気分ですね。」

「そうですね、私もそうでした。」

 

 横から見てる僕の視覚的情報だけを見れば双子のように同じ顔した美女が花の様に笑いあっている美しい光景だ。

 だからこそ信じられない。なんせ片方はあの(・・)ジャンヌだぞ!?口を開けば男言葉から放たれる煽り、暴言、ネタ言語のオンパレードだぞ!?

 きっと今皆の心は一つだろう

 

 誰 だ お 前!?

 

「私はこの特異点の記憶を持って召喚されました。だから記憶に基づいて私も思いきって髪を切ったんですよ。」

「そうだったんですか。では私も髪を切る事になるんですね。」

「そうなりますね。あ、すみませんマスター、マスター達の紹介がまだでしたね。すみません、ついお喋りが過ぎてしまって。」

 

 くるりとこちらのジャンヌが振り向き、現地のジャンヌに背を向けた。

 その瞬間さっきまでの花の様な笑顔が消え、横顔でも、心の中で「計画通り!!」と言わんとしている事が解る程のゲスい顔をして、口チャックしてろとジェスチャーしてきた。あ、いつものジャンヌだった。あれ?なんかデジャヴ。

 とりあえず、自己紹介を振られたからにはしないと。

 

「えと、初めまして、あのジャンヌのマスターをやってる藤丸立香です。」

「初めましてデミ・サーヴァントのマシュ・キリエライトです。」

「初めまして、美しいお嬢さん、ランスロットと申します以後お見知りお「ランスロットさん?」はい、何でも無いです。」

「スカサハだ。」

「デュフフフフフフ、拙者の名はエドワード・ティーチでござるよ」

「皆さんは私の頼もしい仲間です。だから貴方の仲間でも有ります。何か困ったことが有れば私達が助けましょう!」

 

 完全にジャンヌが何か企んでいた。既に幸先不安で仕方ない。

 はたして僕の胃はこの特異点を乗り切れるのだろうか......

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 新たにジャンヌさんを仲間に加えて、僕達は先程行った街とは別の街に向かっていた。

余談だが、こちらのジャンヌの提案より、こちらのジャンヌを赤ジャンヌ、現地のジャンヌをジャンヌさんと呼ぶことにした。

 ジャンヌさんの話では、今向かっている街はこの森を抜けてすぐの所に有るそうだ。

 しかし、僕達は楽観視していた様だ。先程の街が無事だったからといって、近くにある街が無事とは限らない。

 森を抜ける前から、焦げ臭い臭いが漂ってきた。直ぐに僕達は駆け出したが、森を抜けた先に有ったのはワイバーンに襲われ、蹂躙されている街並みだった。

 

 

 

 

 僕達が全てのワイバーンを倒したのは、手遅れになってからだった。

 冬木には死体が無かった。だからこそ、この街は冬木より悲惨に見えた。

 初めて見る人の焼死体。ワイバーンに膓を食い千切られた人の死体が至る所に転がっている地獄だった。

 そして、追い討ちをかける様に、ワイバーンとは比にならない巨大な竜に乗った黒いジャンヌがやって来たのだ。

 

 

 今ここに、3人のジャンヌが揃った




まだ人の死に慣れていないぐだ男。
多分そのうちスカサハとジャンヌのスパルタ修行で克服する。


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息をするように嘘を吐く

最初は原作の奴全文書こうかと思ったのですが、見直した結果記憶より長くて急遽一部分だけ再現して、後はカットしました。


立香side

 巨大な竜から降りてきた5騎のサーヴァント。その先頭に立っていたのは、黒いジャンヌ・ダルクだった。ジャンヌと比べると、一番の違いは鎧だろう。今は(・・)どちらのジャンヌも同じ、白い鎧なのに対し、黒いジャンヌは文字通り、ジャンヌの鎧を黒くした物だった。しかし、良く見れば、髪の色は金髪なのに対し白と銀の間の様な色、肌は病的なまでに白く、何より瞳が蒼色に対し金色になっているなど、細かいところも違うのが解る。

 そして今僕は最大限の警戒をしていた。あの黒いジャンヌはどっちだ(・・・・)

 

「ーーーなんて、事。まさか、まさかこんな事が起こるなんて。」

 

 まだだ、まだ断定するには足りない。

 

「ねぇ、お願い、誰か私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。ヤバイの。本気でおかしくなりそうなの。

だってそれくらいしないと、あんまりにも滑稽で笑い死んでしまいそう!

ほら、見てよジル!あの哀れな小娘を!なに、あれ羽虫?ネズミ?ミミズ?どうあれ同じことね!ちっぽけ過ぎて同情すら浮かばない!

ああ、本当ーーーこんな小娘(わたし)にすがるしかなかった国とか、ネズミの国にも劣っていたのね!

ねぇジル、貴方もそうーーーって、そっか。ジルは連れてきてなかったわ。」

 

 よし、煽りスキルが低いから綺麗な方のジャンヌだな!

 僕がどっちのジャンヌか特定してる横で、一番前で並び立っていた赤ジャンヌとジャンヌさんは、お互いに目線を向けた後、赤ジャンヌが1歩後に下がった。

 

「貴方は、貴方は誰ですか!」

「そもそも何故二人居るのかも含めて質問するのはこちらですが……そうですね、上に立つものとして答えてあげましょう。

私はジャンヌ・ダルク。

蘇った救国の聖女ですよ、二人の"私"。」

「……馬鹿げた事を。」

 

 

 その後も二人の問答は続いていった。

 だが、何よりも不気味なのはそれらを黙って聞いている赤ジャンヌである。いったい何を考えている?笑いを我慢するために後手で自分の手のひらをつねっている事くらい後ろに居る僕達にはバレバレなんだぞ!!

 

 

「バーサーク・ランサー、バーサーク・アサシン。その田舎娘を始末なさい。」

「待って下さい。まだ私とのお喋りが残っていますよ?」

「ーーーあら、ずっと黙っていたから案山子だと思ってたわ。貴方喋れたのね、アヴェンジャー(・・・・・・・)の私。」

 

 来た!ついに赤ジャンヌが会話に参戦した!

 僕は、どんな状況になっても令呪が使えるように身構えた。

 

「え?……アヴェンジャーって、どういう事ですか?」

「………先に謝っておきます。ごめんなさいジャンヌさん、さっき私が髪を切った理由、実は他の理由もあったの。

初めまして、私は彼等に召喚されたジャンヌ・ダルクです。そして、この特異点の記憶を持っています。それの意味する事が何か解りますね?」

「…………なに、遠回しに私は勝てない、と言いたい訳?」

「……多くは語りません。しかし、これだけは言わせて下さい。確かに貴方は私です。えぇ、そこに間違いはありません。だからこそ、私はカルデアに呼ばれて直ぐに、髪を、貴方と同じになる様に切りました。それは、私と貴方が同じで有ることを証明するためです。そして……貴方からは私がアヴェンジャーに見えたのですね?……有難うございます。貴方のお陰で、私の中にはしっかりと貴方が生きている事が解りました」

 

 す、凄い。何が凄いってあんなスラスラと息をするかの様に嘘を吐いている事が凄い。

そして何よりもその嘘がばれた時が非常に怖い。ただでさえ死体とかで胃がやばかったのにここにきて更に過剰なストレスを受けている。ぶっちゃけ吐きそうだった。

 しかも、お礼の時に90度のお辞儀したままの姿勢から動かないから顔がこっちからは当然、ジャンヌさんや黒いジャンヌの方からも見えないであろう事が不安を加速させる。そして、あの黒いジャンヌは今のを聞いて黙っていられる性格とは思えない。絶対になにかしら言い返すだろう。

 あぁ胃が痛い。

 

 

 そして案の定、僕の胃が限界を迎える出来事が巻き起こる。




マスターはあの黒いジャンヌは、INAKAMUSUMEの、綺礼なジャンヌの方か?と警戒していました。
赤ジャンヌは微かな会話で相手のヘイト値を荒稼ぎする煽りスキル高い系女子の鑑


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これがやりたかっただけだろ

今回のこれがやりたかっただけだろシリーズ


立香side

 

「ふざけんじゃ……ふっざけんじゃ無いわよ!!なにそれ、同情?何が私の中で生きている~よ!ヘドが出そうだわ!!取り消すわ。えぇ取り消すわ。貴方なんかと同じだなんてこっちから願い下げよ!!虫よ虫。貴方は私にプチッと潰されるだけの、何の価値もない虫けらよ!!」

 

 その怒りは、可視化するほどの憤怒であった。余りにも大きな怒りに、その身を焦がす程の復讐心ゆえに、意図せず、思わず彼女の体から黒い火炎として舞い上がった。

 

 

 

 故に彼女は気付かなかった。その怒りで冷静さを失った彼女に、赤ジャンヌの肩が小刻みに揺れている事を見落とした。

 

 

 

「フッフフフ…クッククククク……なぁ~んちゃってwww」

「……え?」

「……は?」

 

   時が   止まった

 

「イッヒヒヒヒハハハハハ、おかしくって腹痛いわ~www

面白い奴だなお前、本当に俺の事を…ウッヒヒヒヒヒヒヒw

なら見せてやろうかぁ!?もっと面白い物をよぉ!!ビイィィィヤァァァ!!バリアルフォーゼェ!ビイィィィヤァオルタァァァァァ~~!!

聖処女ぉ?誰それぇ。俺、ジャンヌ。鈍いなぁ俺がオルレアンの覇王だよォ!!

まぁだ解らないのかよぉwこの前言ってた髪の理由も、さっき言ってた全ての言葉も!俺が適当に考えた嘘だよ!!

天才の俺は、この世界のお前、ジャンヌ・ダルクに化けてたってわけだぁ!

ジャンジャジャ~~ン!!今明かされる衝撃の真実ゥ。

いやぁ面白かったぜ、間抜けな白ジャンヌ演じてつまらねぇ我慢までしてさあ。

しかしお前は単純だよなァ、俺の口から出たでまかせを、全部信じまうんだからなァ!ウッヒヒヒヒヒヒww

お告げを守るぅ~~?神様の声をきいたぁ~~?wwwウッヒャハハハハハハハ!!楽しかったぜェwwwお前達とのお仲間ごっこォ~~!!」

 

 

 誰一人喋れなかった。敵も味方も関係なく、唖然としていた。

 そして、僕の胃の限界突破とともに、止まっていた時間は、凍り付いた空気は、動き出す。

 

 まず最初に動いたのは僕だった。胃の限界を迎えた僕は膝を付き、痛むお腹を押さえながらリバースした。

 

 

 

 

 ルーラーには、本来全てのサーヴァントに対する令呪が2画与えられる。そして、この地において、黒いジャンヌはルーラーとして召喚されていて、なおかつサーヴァントを7騎使役している。本来あり得ないサーヴァントによるサーヴァントに対する令呪を、ルーラーというクラス特性により、ジャンヌ・オルタは7騎に対する令呪2画、計14画の令呪を保有している状態なのだ。

 

 

 

 次に動いたのは目のハイライトが無くなった黒いジャンヌだった。黒いジャンヌは、その腕にある令呪を3画(・・)使用した。

 

「令呪を持って命ずる、バーサーク・キャスター、バーサーク・アーチャー、バーサーク・バーサーカーよ、来なさい。」

 

 令呪による強制転移。それを今ここに居なかった3騎に対して使用したみたいだ。

 

 

 こうしてフランスに転移してから僅か3時間での、敵との全面衝突が開始されようとしていた。




章タイトルの伏線回収
バリアルフォーゼェ!の時に白い服装が赤く戻ってます

タグに作者の頭がカットビングシリーズを追加した方がいかな(白目)


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血の雨が降る

久々の三人称


 まず最初に攻撃を仕掛けたのは、理性の残っていないゆえに、敵を見付けたら直ぐに動くバーサーク・アーチャーとバーサーク・バーサーカーだった。

 バーサーク・アーチャーは、最も近かった敵である二人のジャンヌに自身の高い敏捷値を生かした高速移動しながらの射撃を、バーサーク・バーサーカーは、漆黒の剣をとりだし接近戦を仕掛けた。

 しかし、バーサーク・アーチャーの射った矢は、その悉くを射出された深紅の槍にて撃ち落とされ、バーサーク・バーサーカーの前にはランスロットが立ち塞がった。

 

「自分と戦うとは、不思議な気分です。」

「■■■■■■■■■■■!!」

「そこの小娘、貴様の敏捷性は誉めてやろう。しかし弓の技術がなっておらぬ。どれ、私が手解きしてやろう。」

「■■■、■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

 それを見て、黒いジャンヌは理解した。あの深紅の槍を持った女が、敵の中での最強戦力であると。そして、恐らく彼女に勝てるサーヴァントが此方には居ないことも。だからこそ、黒いジャンヌはすぐさま切り札を切った。

 

「ファヴニール、こいつらを焼き払いなさい!」

 

 彼女達が乗っていた巨大な竜、それこそが最大の切り札たる、ファヴニール。かつてジークフリートに倒された逸話を持ち、ゆえにジークフリート以外では倒せぬ様になっている。

 しかし、何事にも例外は存在するのだ。

 

「死が、俺の前に立つな!」

 

 赤ジャンヌのしたことは、風の魔術に波紋を練り込み手刀とともに撃ち出しただけである。サーヴァント相手にならそこそこの威力だが、ファヴニールに対する攻撃としては、本来なら全く驚異にもならぬものだった。仮にジークフリートが同じ攻撃をしても微かな切り傷を生み出すだけの弱々しい攻撃。

 その筈なのに、産み出された結果は、ファヴニールの首を両断という物だった。

 

「…………え?」

 

 黒いジャンヌは信じられなかった。ファヴニールはジャンヌの自信の象徴であった。ファヴニールはジャンヌの復讐心の代弁者だった。ファヴニールはジャンヌが竜の魔女と呼ばれる要因だった。

 そんなファヴニールの首が、地面に横たわっていた。

 

「嘘………嘘よこんな、こんな簡単にファヴニールがやられる訳がない!!そうでしょジル!!そう、これは夢、きっと夢なのね。」

 

 黒いジャンヌの慟哭は虚しく響いた。そして、直ぐにそれが現実である事を知らしめる様に、頭の無くなったファヴニールの首から、血の雨が降った。その雨は、火傷しそうな程熱かった。いや、実際咄嗟にマシュが傘のように盾をマスターの頭上で掲げなければ、間違いなくまだ一般人であるマスターは火傷を負っていただろう。

 黒いジャンヌは、憎しみと怯えの混じった視線を赤ジャンヌに向けた。そして気が付いた。赤ジャンヌの瞳が、まるで自分の様に金色に変化していることに。

 

 もしも、黒いジャンヌ達の中に、魔術に詳しい者があれば、気付いたかも知れない。赤ジャンヌの持つその魔眼(・・)。スカサハをも殺しえる可能性を秘めた赤ジャンヌの切り札の1つ、『直死の魔眼』に。

 

 

 

 たとえ■■■■の記憶の中に無くても、■■■■は一度死に、ジャンヌとして二度目の生を得た。そして、二度目の生では、戦場にて多くの死を視た。そして、二度目の死を迎え、受肉という形で、三度目の生を得たのだ。故に、受肉した時に死を観測する魔眼を得たとしても、不思議では無かった。

 

「ジークフリート以外には殺せない。だがジークフリートなら殺せる。つまり明確に死を持っていた。なら殺せない道理など何処にも無い。」

 

 突然召喚されたジル・ド・レェには何故ジャンヌが自分の召喚した以外に二人も居るのか解らなかった。だが、間違いなく自分達が今ピンチである事は直ぐ様理解した。

 

「ジャンヌ、ここは退きましょう、ファヴニールを殺された今私達は勝てません。一度体勢を建て直す必要が有ります。」

「嫌よ!あいつは、あいつだけは許せない!だって、だって!!」

「ジャンヌ。」

 

 ジルは、ただ黒いジャンヌに微笑みかけただけだ。しかし、黒いジャンヌには彼が言わんとしていることなど手に取る様に解った。そして、今の彼女はもはや、ジルしか頼れる相手が居なかった。

 

「ーーーっ!解ったわ、ここは退きます。バーサーク・ライダー、バーサーク・セイバー、あいつらを足止めしなさい。」

 

 黒いジャンヌ達との全面衝突は、一瞬にして黒いジャンヌの撤退戦へと移り変わった。




なお、中に居る所長に優しいON、OFF切り替え機能付き。更に所長が発狂しない様に直死の魔眼発動中は視覚だけ所長とのラインを切ってる模様


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ステゴロVSステゴロ

いけ、やれマルタ!多分皆君の味方だ!!


 初めから、この撤退戦の勝敗は見えていた。元より最大であり唯一の切り札であるファヴニールを失った今、黒いジャンヌ達にスカサハを倒す手段は無く、故に、この撤退戦においてアーチャー、バーサーカー、セイバー、ライダーを捨て石にしてでも逃げるつもりであった。

 そしてそれに対して理性の無いアーチャーとバーサーカーは当然として、セイバーとライダーも特に拒否しなかった。それにサーヴァントとしてマスターに従うといった意味は無く、元より狂化されなければそもそも従ったりしない二人だったのだ。ジャンヌにあまり協力的ではなかった二人としてはここで脱落者出来るのは、フランスを愛する騎士として、主を信仰する聖女として、幸運だった。

 

「おうおう、逃げろ逃げろ。戦力増やしてからぶっ潰してやるからなぁ見てろよみてろよぉ」

 

 ただ、赤ジャンヌに相手を追いかける気は無いみたいだが。

 

「はぁ、私もやっと解放されるか。だがどうせ負けるならあの槍の御仁と戦って負けたいが、既にお相手が居るようだし、私はあの盾を持つ騎士と…………特徴的な髭をした男性の相手をしよう。」

「そうね、私としてはちょっと本気で闘いたい相手が居るわ。」

 

 

 

 

 

 

 先にぶつかっていたスカサハとランスロットは、どちらも終始有利であった。

 元よりクラス的に相性が良い上に相手より強いスカサハ。クラス相性は五分五分であるため、理性の無い自分と純粋な技量勝負になるランスロット。

 決着は時間の問題だった。

 

 

 

 

 

 セイバーと戦っているマシュと黒髭。こちらは互角の勝負であった。クラスの相性が無い戦いでは、黒髭はセイバーに対する有効打は無く、セイバーは黒髭に対する有効打をマシュに防がれる。彼らだけなら疲労の貯まるマシュが耐えられる迄に黒髭がセイバーを倒せるかにかかっていただろう。しかし、既にスカサハとランスロットが直ぐにでも決着が付きそうな状況で持久戦になれば、負けるのはセイバーだ。

 この戦いも、時間の問題であった。

 

 

 

 

「ウェルカァム(バイオ4の商人的な発音で。)」

「貴女には良くやったと誉めてやりたいわ。あのジャンヌに対しては私も色々溜まってたの。あの顔を見たときはスカッとしたわ。でも主の声をバカにしてたわよね?(ニッコリ)」

「ナンノコトカキオクニゴザイマセン」

「本来なら手加減してあげるつもりだったわ。実際に白い方のジャンヌさんには手加減してあげる。でも貴方は手加減無しよ」

「114514。つぅか手出すとか許さないけど。お前はそこで突っ立ってろ。」

「えっ」

「あら、タイマン?私としてはそうゆうの好きよ。じゃぁいくわよ!

ハレルヤ!!!」

「えっ私は………」

 

 こちらは、拘束具()を捨て去った腕力により竜をなだめた聖女と、腕力によりフランスを救った覇王の闘い(ケンカ)が始まっていた。そして白いジャンヌは放置されて、キョロキョロしていたらいつの間にか居た『愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)』と目が合った。

 

「ガゥ(独りぼっちは寂しいもんな。一緒にいてあげるよ)」

「竜さん……」

 

 人と竜の友情が芽生えかけていた。 




昨日に、少しの間私の作品がルーキー日間5位になりました。
いつも応援感謝です!

ただ、評価を見る限り、面白くないと感じて居る読者もいらっしゃる様なので、これからも精進していこうと思います。

総UA2万越え、お気に入り400越え、ルーキー日間ランキング入りを記念して少し本編を休み幕間の物語をやろうと思います。多分4話位です


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武人として敬意を示そう

マルタ戦ついに決着


「『制空圏(せいくうけん)』発動。」

 

 真っ直ぐに突っ込んでくるマルタに対しジャンヌは迎撃を選んだ。

 『制空圏(せいくうけん)』。それは静の技の1つ。修行の過程で自然と見えてくる自らの間合い、その間合いに気を張り、入った物を悉く打ち落とす技である。

 ジャンヌは自らを中心とし半径1mの球という、本来より小さめの間合いをとり、普段より密度を上げ、防御力を向上させた。

 そしてその間合いの防御を、マルタは特に何の技もない右腕の一振りで粉砕した。

 

「!?」

「重くいくわ!!」

 

 懐に潜り込んだマルタの腰の乗った肝臓抜き(レバーブロー)は、間違いなくジャンヌの肉体を捉えた。

 しかしジャンヌはこれをヒットと同時に脱力し、更に波紋の呼吸による無理矢理な機動で胴体を捻り、大きく後方に吹き飛ばされながらも軽微なダメージに抑えた。

 

(制空圏を突破されたときの腕の痺れがまだとれない。それに咄嗟ではあったが完璧に受け流してもなお軽いダメージが残っている。こいつは想像以上なパワーだぞおい。これで筋力Aは詐欺だろ。だが一部は想像通りか。パワータイプで力と技が7:3って所か)

(確かに捉えた筈なのに変な感触だったわね。ただ脱力しただけでもなく、後ろに飛んだわけでもなく、クニオッって感じだったわ。なんにせよ私の攻撃を咄嗟に受け流せた(・・・・・)。かなりの技量の持ち主みたいね)

 

 ジャンヌは、早々にマルタとのパワー勝負を諦めた。

 マルタは、早々にジャンヌとの技量勝負を投げ捨てた。

 

 吹き飛んだジャンヌに向かって追撃のために飛び出したマルタ。それを見たジャンヌの判断は二度目の迎撃。しかし今度は無数にある空手の構えの中でも防御寄りな構えである、前羽の構え(まえばのかまえ)をとった。

 

「来い!」

「鋭くいくわ!」

 

 防御ごと撃ち抜くつもりで放たれた右ストレートを、ジャンヌはあえて自ら左前に飛び出す事により紙一重でかわし、更にはクロスカウンターの様にマルタの頭を鷲掴みして地面に叩き付けた。その衝撃は凄まじく、地面にちょっとしたクレーターが出来る程だった。

 しかし、マルタにダメージは無かった。単純に、地面よりマルタの方が頑丈だったのだ。

 だが、ジャンヌの目的は別な事だ。今、マルタの後ろは全て地面である。故に衝撃を逃がそうにも、逃がすスペースが無いのだ。

 すぐさま鷲掴みしていた手を離し、そのまま追撃の一手として今度は胴体めがけて振り下ろした。

 

「『浸透水鏡掌(しんとうすいきょうしょう)』!!」

「グハッ!」

 

 それは、内部と外部両方にダメージを与える奥義の1つだった。

 

(固った!ここまでやってもまだ致命傷には程遠いとか嘘だろ?一応これ奥義だぞ)

(これは!内部に直接衝撃を!?何度もくらうのは流石に不味い!!)

 

「舐めるな!!」

「チッ」

 

 タラスクは、竜種の中でも特に固い部類である。通常の竜種ですら、生半可な武器なら一切通さぬ程の鱗を持つが、タラスクはその鱗が他の竜よりも発達しており、殊更に固い事が見た目でも見てとれるだろう。

 そんなタラスクにただのパンチでダメージを与えたマルタのパワーは、例え倒れてる状態からのパンチであっても、まともに食らえば大ダメージは免れぬ威力であるのは当然であった。だからこそジャンヌは無理せずすぐさま距離を取った。

 

「ちょっと固すぎちゃうか?」

「あら、そうかしら?平然と無防備な内部に衝撃を通す技を打ってきた癖によく言うわね。」

「無防備な内部に攻撃してもピンピンしてるんですがそれは?

さて……まだ続けたくはあるが、他も終わりそうな中俺らだけでドンパチするのも悪いし。次で決めてやる。」

「あら随分大きく出たわね。」

「勿論さ。なんせ、敬意を表して今から技を3つ使ってやる。          来い」

「その鼻っ柱へし折ってあげる!ハレルヤ!!!!」

「ハァァァァァ……『流水制空圏(りゅうすいせいくうけん)』発動。」

 

 それは、静の極みの技の1つ。制空圏の先の境地にあるもの。体の表面の薄皮一枚分に強く濃く気を張り、相手の動きの流れを読み、最小限の動きで攻撃をかわす技。

 それにより、マルタのラッシュを悉く薄皮一枚でかわし、ついに、止めを刺す時が来た。

 

「『孤塁抜き(こるいぬき)』+『人越拳脚破ねじり貫手(じんえつけんきゃくはねじりぬきて)』!!」

 

 防御している故に意識の外に有る部分『孤塁(こるい)』を見抜く技術である『孤塁抜き(こるいぬき)』と、通常ですら人体を余裕で貫通するねじり貫手の肘部分を膝で押し込みながら、更に強い回転を加えた奥義により全ての防御を、マルタの心臓と共に貫いた。

 

「楽しかったぜ。機会があればテメェとはまた喧嘩してぇな。」

「その時は今度こそ主への侮辱を謝らせてあげる。」

 

 ジャンヌも決して無傷では無かった。最後の薄皮一枚での回避では、マルタのラッシュ一発一発の余波までは回避出来ず、間違いなく身体の数ヵ所の骨に罅が入っていた。

 

 

 

 こうして、ステゴロ対決はジャンヌの勝利に終わった。




一応捕捉ですが、一発でももろに食らうとジャンヌの負けです。


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ヴィヴィラフランス

新しい仲間(戦力になるとは言ってない)


立香side

 初めての、複数のシャドーではない、ちゃんとした………ちゃんとした?……狂化されてはいるものの、ちゃとしたサーヴァントとの戦いは、大きな怪我もなく、僕たちは勝利を納めた。

 

「痛てて。避けても余波で罅が入るとかマルタさんパネェっす。」

「たわけ。舐めてかかるからであろう。貴様なら最初から仕留める事も出来たであろう。」

「まぁそうなんだけどさぁ。でも貴重なステゴロで闘ってくる奴だし経験積みたかったんだよ。てかそもそも師匠だって舐めプしてたじゃん。」

「貴様と私を一緒にするな。あのような理性なき獣に手傷を負わされるようならとうに殺されておるわ。」

「おっそうだな(5章で特に描写もなくバサニキに殺されてるのを思い出しながら)」

「それより罅は大丈夫なのですか?」

「絶賛自分の治療魔術で治してる所だよ。」

 

 戦闘が終わり、各々が会話しながら僕の元に集まって来た。

 改めて、僕は赤ジャンヌの戦闘能力の高さを思い知った。カルデアで何度もスカサハさんと模擬戦していたのを見ていたけど、その模擬戦では常にスカサハが優位に立って勝ち続けていたため、凄いのは解るがどのくらい凄いのかは解らなかったのだ。

 しかし、敵のライダーとの闘いの余波をみればある程度は解る。

 ちょっとしたクレーターになってる地面。ライダーの拳の余波で崩壊した建物。

 そんなライダーのパンチを最初に一発だけ貰っていたのに赤ジャンヌはピンピンしてるのだ。

 他の皆も危なげなく勝っていた。スカサハさんやランスロットは流石の技量で一方的に攻撃を通し、敵の攻撃を食らわなかった。海賊であり、戦闘特化ではない黒髭とマシュも戦闘特化であろう騎士ぜんとしたセイバー相手に余裕で持ちこたえていた。

 あれ?一番危なかったのって、もうしかしなくても赤ジャンヌ?

 

「それより、さっきからこちらを遠くの物陰からチラチラ見ている者が居るが始末しておくか?」

 

 僕がそんなこと考えていたら、スカサハさんから驚く事を告げられた。

 

「敵意無いし向こうから接触するつもり無いなら放置で良くね?」

 

 どうやら赤ジャンヌも気が付いていた様である。ただ、どうやら覗いてる人に敵意は無いらしいし、それなら僕は放置より接触して情報を集めたいと考えた。

 だが、声が聞こえていたのか、向こうから出てきてくれた

 

「ごめんなさい、本当は助けに入るつもりで来たのだけれど、助ける必要も無かったみたいで、出るタイミングがなかったの。」

「まぁ、僕達が参戦したところで大きく戦況が変わるわけが無いんだけどね。」

「先輩、あのお二人はサーヴァントです。」

 

 どうやら覗き見ていたのは、サーヴァントだったらしい。赤い貴族服みたいなのを着ている銀髪の少女と、特徴的な服を来たほっそりした顔の男性だった。

 見た限り武器も見当たらないし、服装も戦闘職のサーヴァントには見えなかった。これならさっき男性の方が言ったように、言っては悪いが居ても居なくても特に変わらなかっただろう。

 だが、せっかく出てきてくれたのだし、自己紹介をするべきだ。

 

「えと、僕は彼等のマスターをしている藤丸立香です。ざっくり言うとこのフランスを救うために戦ってます。」

「まぁ素敵!つまり勇者様なのね!私はマリー・アントワネットよ。宜しくお願いします。ヴィヴィ・ラ・フランス!」

「僕はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。ただの音楽家だよ。」

 

 僕の思ってた以上に有名な人だった。




赤ジャンヌ「やったねマスター、仲間が増えるよ!!」
なお戦闘力


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可愛さ全振りかも!!

実はマスターって………


ジルside

 

「ジャンヌ、ファヴニールを殺したあの赤いジャンヌはいったい何者ですか?」

「そんなのこっちが聞きたいわよ!!なんなのよあいつ!」

「落ち着いてくださいジャンヌ、怒るだけでは勝てるものも勝てなくなります。」

「………そうね………貴方に当たったりして悪かったわジル。」

「気にしてませんよジャンヌ。良いですかジャンヌ、フランスに対し復讐という怒りの炎を燃やすのは大いにけっこうです。しかし1つ1つにいちいち怒りのままに動けばたちまち負けてしまうでしょう。」

「えぇ、そうよ。確かにあいつも憎くてしょうがないけど、一番の敵はフランス。あいつはその目的の前に立ち塞がる1つの問題にすぎない。」

「その通りですジャンヌ。」

 

 私はそうは言ったが、本心ではもう我々が勝てる見込みは無いことを理解していた。何せ唯一ファヴニールを倒せると思われていたジークフリートはこちらの仲間(・・・・・・)なのだ。だからこそ敵にはもうファヴニールを倒せる存在は居ない、勝った!と思っていた。しかし、私が令呪により召喚され、そこで見た事が信じられなかった。

 あの赤いジャンヌがファヴニールを一撃で殺したのだ。

 どんな原理かは解らなかった。だが、ファヴニールとジークフリート両方を仲間にするなど、仮に1万いや、100万回やり直して、もう一度再現できるかどうかの奇跡であろう。

 その奇跡を潰された今あれらに勝つのは不可能という結論に達していた。

 

「あいつを最初に見たときはそれこそ、何故かアヴェンジャーになってる白いジャンヌ()だと思った。今になってからあれを仮にも一時的にジャンヌ()だと思ったことを後悔してるわ。」

「ふむ、クラスはアヴェンジャーなのですね?」

「えぇ、それは間違いないわ。私のスキルを知ってるでしょ?」

「疑いなどしませんよ。」

 

 私のジャンヌはあの赤いジャンヌを自分とは違うと思っている様ですね。確かに私も最初は違うと思いましたが、良く見ればあのジャンヌの魂の奥底には、間違いなくジャンヌと同じ輝きを秘めていました。

 その後も話を聞いても結局解ったのは言動はジャンヌとは程遠く、私も魂を見なければジャンヌである事を信じられなかったであろう事。

 何故かファヴニールを殺せた事だけでした。

 

「情報が少なすぎますね。特にファヴニールを殺せた理由が解りませんね………………。とにかく今は失った戦力を少しでも補充しなければいけません。宜しいですねジャンヌ?」

「解ったわジル。」

 

 そうして私達は聖杯で新しいサーヴァントを呼び出しました。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

立香side

 

「要らない。」

「ちょwwwジャンヌ殿、いくらなんでも直球すぎですぞwwww」

 

 二人の真名を聞いた赤ジャンヌの第一声がこれである。

 いや、確かにただの王妃様と音楽家に戦力なんて無いだろうけど仮にもサーヴァントなんだしせめて宝具やスキルを聞きもせずにバッサリは流石に…………。

 

「そうであるぞジャンヌ。仮にもサーヴァントだ、マスターにいざという時が有ったら使い捨ての肉盾位にはなるだろう。」

「あの、スカサハさん……それはそれで普通に酷いと思うのですが……」

「そ、そうですよ。まだ彼女達が何が出来るか解ってもないのに言い切るのは駄目ですよ。」

 

 回りが悪魔過ぎてマシュと白ジャンヌが天使に見えてくる。

 

「は?片方は二式大艇ちゃんで片方は使い捨て式スター50個製造機やぞ。………………あ、二式大艇ちゃんならオ〇ホとして使えるかもしれない。」

萌えるゴミ(秋津洲)をオ〇ホ扱いするのはやめてさしあげろ。」

「……………マスターに通じた…………だと!?」

「通じないと思ってたのに言ってたの!?」

 

 ジャンヌと黒髭が凄い驚いた顔で見てきてるけど僕から言わせれば何でジャンヌと黒髭は現代のオタク知識を持ってるのか不思議でならないんだけど?




感想でジークが敵であるのを見事当てた方がいらっしゃったんで、早めに次のフラグ建てておきました。

実はオタクだったマスター。実は所々それっぽい表現はしてるつもりでした。上手く表現出来てたらいいなぁ……

運営が20日までに7章クリアしてれば石30個配布するらしいので作者は超まったり進めてた7章を本腰入れて攻略するので申し訳ないですが、更新速度が落ちます。出来るだけ1日2話は投稿するつもりです。


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仲間を増やして次の街へ

いつもいつでも上手くいくなんて保証は何処にも無いけど


立香side

「あの、結局貴方は誰なのですか?」

 

 あの後何やかんやあり、現在マリーちゃんの出したガラスの馬車で次の街に向かってる最中だ。

 そしてその馬車の中でジャンヌさんから今更ではあるが当たり前の質問が来た。

 ちなみに馬車内はカルデア組と現地組で別れて対面式に座ってる。

 

 さて、話は代わるが、このガラスの馬車はマリーちゃんの宝具だ。ジャンヌが言うには多分宮殿の中に有ったガラスのメリーゴーランドと逃げる際に大量の馬車を連れていって目立ったため捕まったという逸話の複合宝具になってる。そのため、馬車の中身は、魔力さえ有れば馬車数十台分の広さにもなるらしい。マリー本人も肯定していた。

 

 さて、そんなマリーの馬車だが、現在中身はかなり広くされてある。何故なら僕が馬車の中で足腰の修行をさせられてるからだ。「先を見据えてマスターを鍛えられる内に鍛えておく。」がカルデアでの基本スタンスなため、神話や史実の勉強と足腰と回避の修行ばっかりさせられている。 どうやら特異点修復の最中も例外では無かったらしい。泣きたい。

 とにかく広い馬車内で質問をされた赤ジャンヌは立ち上がり、少し前に出て喋り出した。

 

「おや。おやおやおや。私としたことが自己紹介がまだでしたね。

改めまして、私魔女教大罪司教『怠惰』担当のペテルギウス・ジャンヌコンティニ……デス!!」

 

 無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きまでペテ公を再現するな。

 

「んんwwww同一人物に自らを魔女教と名乗るとは、ジャンヌ殿は今日も一段と皮肉が効いておりますなwwww」

 

 確かに言われて見ればこの赤ジャンヌはどうなのか知らないが少なくともこちらの正史と同じと思われるジャンヌさんは裁判にて魔女として、自らサインして火刑にされた。そんなジャンヌさんに対し、平行世界とは言え同一人物が自らを魔女の教徒であると言っているのだ。皮肉も良いところだろう。

 ただしそれは赤ジャンヌが平行世界のジャンヌだと知ってる僕達にしか解らないと思うのだが

 

「えっ……えと……その、初めましてペテルギウスさん。」

 

 案の定良く解ってないジャンヌさんは困惑しながらも挨拶を返していた。

 ただし赤ジャンヌの精神攻撃はまだ終わっていなかった様である。

 

「それにしても前から疑問に思っていたのですよ。なぜ、貴方の様なただの田舎娘にあの方の(お告げ)が授けられた等と思い上がったのですか?」

「それは」

「なんと!自らが敬虔な信者だったからと!?フランスという国で?戦火に巻き込まれた事も無いド田舎の娘が?」

「あ、あの私何も言って」

「なんたる事か!!あの方の愛に報いている教会の神父やシスターよりも!戦場にて文字通り命をかけてあの方の愛に報いてる兵士よりも!ただの農民の複数居る家族の一人に過ぎない貴方が!フランスの誰よりも敬虔な信者だったと?

あ~な~た~、ひょっとして、『傲慢』じゃあ……ありませんか?」

「うん、令呪をもって命ずる。ジャンヌ、黙ってて」

 

 僕は初めて令呪を使った。ンーンー言って抗議してくるけど自業自得だよ。とりあえずジャンヌに喋らせると敵しか増えない気がするから次から赤ジャンヌに説明はやらせない事を誓った。

 ちゃんとした説明を僕がして、その後ジャンヌさんが赤ジャンヌに怒っていたが何やかんやで最後には許してあげてるジャンヌさんがぐぅ聖女で僕泣きそう。




どっちのジャンヌにも喧嘩売っていくスタイル。

7章でボス以外なら大体邪ンヌと、カレスコ付けたモーさんとアタランテ、相性の良いフレンドで勝てるから絆レベル上がる上がる。でも絆Lv10まではまだまだ先は長い模様。


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嘘つき絶対殺すウーマン

一気に飛ばします


赤ジャンヌside

「こちらアルファ。街中で言い争いをしてる女性サーヴァント二人が居たよ。どうぞ」

「こちらHQ、間に入り言い争いを止めた後真名を聞き出せ。武力をもって鎮圧しても構わん。真名を言うのを拒否したり、激しく抵抗するようなら殺しても構わんとブラボーに伝えろ。どうぞ」

「こちらアルファ。ブラボーに伝えたよ。ブラボーも了承した。これより接触をはかる。」

 

 

 

「こちらチャーリー。現地住民からジークフリートは敵方に居るかもしれない証言がでた。どうぞ」

「こちらHQ、証言を聞き、無線にて報告せよ。その後尾行に注意しながらHQに帰還せよ。」

「こちらチャーリー。了解した。」

 

 

 

「こちらエコー。昨日からワイバーンの襲撃が無くなっているとの情報を得た。どうぞ。」

「こちらHQ、了解した。尾行に注意しながら直ちに帰還せよ。」

「こちらエコー。了解した」

 

 

 邪ンヌ達が逃げてから1日がたった。現在、霊脈の上に敷いたカルデアとのサークルをHQ(拠点)とし、その近くに俺とマスターとマシュと黒髭で待機、アマデウスとスカサハで一組、ランスロットとマリーで一組、ゲオルギウスとジャンヌで一組とし、それぞれアルファとブラボー。チャーリーとデルタ。エコーとフォックスロットと呼称。カルデアより送られてきたダヴィえもん製通信礼装にて通信しながら、各地に向かわせ、情報収集とジークフリート捜索を行っていた。

 しれっとゲオルギウスが居るが、実は昨日の内にゲオルギウスをアルファとブラボーが見つけ、サクッと襲っていたワイバーンをブラボーが片付けて仲間にしていのだ。

 そして今日、どうやらエリザと清姫と思われる存在をアルファ(アマデウス)ブラボー(スカサハ)が発見。そして、チャーリー(ランスロット)デルタ(マリー)がジークフリートが敵かもしれない情報を掴み、エコー(ゲオルギウス)フォックスロット(ジャンヌ)が、昨日邪ンヌをボコった辺りからワイバーンの襲撃がいっさい無くなった情報を得た。

 特異点来る前に、スカサハのスキルで、皆に単独行動のスキル覚えさせておいて良かったぁ。

 

(異物()が居る限りソシャゲのストーリー(正史)通りにはいかないだろうとは予想してた。下手したらジークフリートが居ないかも知れない事を想定してさっさとファヴニールを殺しておいたが予想よりも酷かったか。あのすまないさん何で敵になってるんですかねぇ?贋作英霊イベの要素が混ざった可能性が微レ存?

しかもこの世界若干FGO要素混ざってるけどサーヴァントの強さは基本的にstay night準拠。てことはすまないさんは鎧持ちと考えるべきか……まぁ楽勝だけどな。

そしてワイバーンの襲撃が無くなった………戦力を本拠地に集めて俺らの襲撃に備えてると考えるのが妥当か?既に邪ンヌが撤退してから1日が経ってる。精神安定剤(邪ンヌ)が近くに居るジルなら有能だろうし間違いなく聖杯でサーヴァントを補充してるだろうな………ならばあの作戦で)

 

 という感じに思考していた俺の意識を引き戻したのはアルファからの通信だった。

 

「こちらアルファ。少し戦闘したけどブラボーが問題なく対処したよ。そして真名は、清姫とエリザベート・バートリーだとさ。朗報だ、話をしたらどうやらどちらも仲間になってくれるそうだよ。どうぞ。」

「こちらHQ。清姫の方を殺害しろ。エリザベートがもし清姫の方に付いて攻撃してくる様ならまずカーミラと戦わせてやるぞ?と持ち掛けろ。それでもなお攻撃してくるならどちらも殺害して構わん。どうぞ。」

「………………………君が言うならそれなりの意味が有るんだろうね。こちらアルファ、了解したよ。」

 

 やはり清姫だった様だ。

 

「えっ!?待ってよ!せっかく仲間になってくれるサーヴァントを何で殺すの!?」

「………清姫の逸話を考えると嘘つき絶対殺すウーマンだろうから、そんな奴わざわざ仲間にするメリットが少なすぎる。」

「会っても無いのに言い切るのは早計過ぎだよ。せめて会ってから判断すれば良いじゃないか!」

「そうですよ赤ジャンヌさん。先輩の言う通りです。それに戦力は多いに越したことは」

「駄目だ!!」

「「!?」」

 

 しまった!つい大きな声をあげてしまった。リカバリーしないと

 

「どんなサーヴァントになってようと逸話からして間違いなく竜の特性を持ってるぞ?そんな奴を竜の魔女と呼ばれてる奴の前に出すのか?操られて大事な所でコロッと寝返るかも知れないのに?可能性としてなら既に操られて、俺達の拠点を見つけるための撒き餌かもしれないんだぞ?」

「それは……」

「良いか?俺らは人類最後の希望たるマスター(お前)を殺されたらゲームオーバーなんだぞ?

これから先危険な賭けをしなきゃいけない場面は当然出てくるだろう。でも今のこれはしなくて良い危険な賭けだ。解るな?

少なくとも戦力としてはゲオルギウスだけでも大当たりなんだ。欲張れば待ってるのは破滅だ。はい論破。」

「………解ったよ。僕の方こそ迂闊な発言だった、ゴメン。でも最後のは余計だよね?」

「んんwwww論破される方が悪いんですぞwwww」

「ジャンヌ殿それ拙者の台詞でござるぞ!?」

「ワタシ、フランスゴワカラナイネ。フランスゴムツカシイヨ」

「フランス人だろお前。」

「フランス人なのにエセ中国人みたいな発音の日本語でフランス語解らないと言うとか、それ結局何処の国の人でござるかwwww」

 

 何とかヤンデレストーカーとの接触フラグは折った。会ってたら間違いなく無理矢理カルデアに来てただろうし絶対に会わせられないんだよなぁ。

 問題は清姫と一緒に居るエリザベートなんだよ。あの馬鹿の行動が全く読めない。月でもあのアルキメデスが行動読めずにブチ切れしてたし、カーミラと戦わせてやるって言っても何処まで効果が有るか……。しかも清姫と違って確か他の特異点でも居るはずなんだよなぁ。ここで印象悪くして、その記憶が他の特異点でも継続してたらメンドクセェなんてレベルじゃないぞ。

 まぁ敵対したら二人協力したとしてもスカサハには勝てないだろうし一緒に居るアマデウスが巻き込まれて死んでも痛くも痒くもないからな。とりあえずどんな結果にせよ

 

「マスター、明日には攻撃を仕掛ける。作戦も考えた。でだ、ちょっとダヴィンチちゃんに確認したいことが有るんだけど………………今使える【石】って何個ある?」

 

 明日には蹂躙を開始しようじゃないか。




最近確認したら、私のカルデアに術ジルが一人も召喚されてない事が判明しました。
私は去年のクリスマスイベ終わる1週間位前に始めたのでそろそろ1年経つ頃なのに☆3でレアガチャ恒常キャラなのに未だに召喚出来てないとか有る意味☆5当てるより難しいんじゃ………………


余談ですが、私がジャンヌ・オルタを召喚した時、邪ンヌの前にジークが召喚されたんですよ。1章といい贋作イベといい、邪ンヌのスキルでジークにバフかかる事といい召喚される順番といい、私の中ではジークと邪ンヌがセットみたいな認識になってます。


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艦これ!

マスターがカルデアに着任しました。これよりサーヴァントの指揮にはいります。


 オルレアン。その地は、ジャンヌ・ダルクと深く結び付いている。なにせジャンヌ・ダルクの名を知らしめた始まりの地なのだ。故に、ジルとジャンヌ・オルタが拠点をここ、オルレアンにしたのも、オルレアンがこの特異点最後の決戦の舞台になるのも、きっと運命だったのだろう。

 

「うっわワイバーンがウジャウジャ居やがる。まぁ無駄な努力だろうけど。

どれ、戻るか。」

 

 

 そして、そんなオルレアンを遠くから覗き見(偵察)していた赤ジャンヌは、その後深い森の中に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「おし、作戦の内容はちゃんと頭に入ってるな?特にエリザベート。」

「解ってるわよ!そもそもこんな作戦で大丈夫なの?」

「大丈夫だ。問題ない。

ダヴィンチちゃんからもちゃんと石3個と酸素ボンベと、耐寒服を受け取ってるし、それをマスターがちゃんと装備してるのも確認済みだ。

よしそれじゃ……………作戦開始だな。」

 

 結局昨日、エリザベートは交渉の末こちらに味方してくれる事になった。

 そこで、偵察より戻ったジャンヌは主にエリザベートに作戦を言い聞かせるのを目的とした作戦内容の再確認をしていた。

 そしてついに、実は作戦内容の後半がてきとうだったりする、ガバガバな作戦が開始したのだ。

 

 

 

 

 それから数十分後、オルレアンの地では雲の大量の鉛玉の雨と、真紅の槍の雨が降り注ぎ、最後には本来海に有る筈の海賊船が落ちて来ることとなった。

 

 

 

 黒髭の宝具は、生前に乗っていた船『アン女王の復讐(クイーンアンズ・リベンジ)』を召喚する『常時展開型宝具』である。そして、この宝具は2つの特徴を持っており、1つは船と共に下級霊として部下達を召喚し、それとは別に船に乗る仲間が強く、多いほど船全体が強化されること。

 そして、魔力さえ有れば海だけではなく、陸や空も進むことが出来る事に、赤ジャンヌは着目した。

 

「敵の攻撃が届かない程の高所から黒髭の戦艦で一方的に攻撃を仕掛けてレイプ試合する作戦。略して」

「「『艦これ作戦』だぁぁぁぁぁ!!!」」

「作戦名がごり押し過ぎない!?そして今すぐDMMと僕と全提督に謝って!?」

 

 雲より上の高度ではしゃぐアホが二人居たが、やってることは魔力にものを言わせて無理矢理アウトレンジから攻撃しているのだ。それも砲弾だけではなく、おまけと言わんばかりにスカサハと赤ジャンヌとランスロットが横に並んでスカサハの生み出す槍を次々と投擲している。敵からしたら突如索敵範囲外から砲弾と槍が降ってくるのだ、たまったものではない。

 そして、この初撃の砲弾と槍にてワイバーンは9割方死滅し、地味にワイバーン達の中に混じっていた複数のシャドウサーヴァントもほぼ全て倒された。

 

 本来なら、いくら魔力お化けなマスターでも黒髭の船を雲より上に飛ばすなど、途中で魔力が尽きてしまう。しかし、その問題を解決したのが前にサーヴァント召喚でも使った【聖晶石】だった。

 実は【聖晶石】は、高濃度の魔力の塊であり、それを砕く事で使用者の魔力を瞬時に回復させる事が出来る様にも作られていたのだ。そして、石を2個使う事により、遥かな高みからの一方的な攻撃を実現したのだ。

 

 だが、これで終わりではない。アウトレンジからの砲撃など、例えるなら所詮部屋に入る前に扉をノックする様な物だ。なら次は敵拠点(部屋)お邪魔(突撃)するのが普通だ。

 

 ある程度砲撃の終わった後は、微調整しながら敵拠点にフリーフォールである。

 さて、先程黒髭の宝具は乗っている仲間の強さで強弱が変わると説明した。では改めて船に乗ってるメンツを確認してみよう。

 まずそもそもの持ち主たる、黒髭という異名を持ち、最も知名度の高い大海賊、エドワード・ティーチ。

 ケルト神話におけるヘラクレスと称されるクー・フーリンをはじめとする名だたる英雄達の師匠であり、死の国の頂点に君臨する女王、スカサハ。

 本人に未だ自覚は無くとも、円卓の騎士でも最良と言われた騎士ギャラハットを身に宿す少女、マシュ・キリエライト。

 同じく円卓出身で、円卓最強の騎士と言われるランスロット。

 聖ジョージと言う名で有名であり、、聖剣アスカロンを持ったドラゴンスレイヤー、ゲオルギウス。

 世界的に高い知名度をほこり、フランスを救済した聖女ジャンヌ・ダルク。

 拳でフランスを救った覇王、ジャンヌ・ダルク。

 そして、人類に残された最後の希望である、藤丸立香。

 他にもついでにエリザベートや、マリー、アマデウス等も居るのだ。

 最早、それは隕石の衝突に等しかった。

 

 

 

 こうして、最終決戦の幕は開けた。




FGO的にはログボとか更新されてないしこの時間でも1日の範囲内でしょ。(暴論)

いや、申し訳ない。いろいろあって遅くなってしまいました。

眠いなか書いたので後で修正入ると思います


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アルトリア顔絶対殺す集団と化した謎の組織K

謎の組織K…………いったい何デアの人達なんだ()


 砲撃により既にボコボコになってる城に重力という頼もしい味方を得た船が襲いかかった。しかし、城を半壊させた辺りで船の落下が止まり、それから10秒後に見覚えのある黒い極光が2つ(・・)船を貫いた。

 だがジャンヌ達はその10秒で既に船より脱出していた。

 ジャンヌ達を待ち受けていたのはアルトリア顔の巣窟だった。

 

「!?先輩、なんかアルトリアさんが増えてます!!」

「何で2日見ない間にアルトリア顔そんなに増えてるんですかねぇ(困惑)」

 

 ジャンヌ・オルタが新たに呼んだバーサークサーヴァント4騎は全てアルトリア顔であったのだ。

 バーサーク・バーサーカー アルトリア・オルタ

 バーサーク・ライダー アルトリア・サンタ・オルタ

 バーサーク・アーチャー アルトリア・水着・オルタ

 バーサーク・セイバー 沖田総司

 

「二回も連続で出てるくる上にサンタコスや水着とか増えてるし。ここはコスプレ会場じゃ無いんだけど?恥ずかしくないんですか?」

 

 赤ジャンヌの言う通りである。既に冬木で戦ったアルトリア・オルタが同じアルトリア・オルタを服装で無理矢理クラス誤魔化して連れてきた様にしか見えない。沖田総司が何かの間違いで召喚されたのだろうと察する程だ。

 しかもそれは転生者というアドバンテージにより歩くサーヴァント図鑑と化してる赤ジャンヌ視点であり、他からは沖田総司はアルトリアに似てるけど若干違う人という感じの認識になるだろう。ランスロットが白目を剥いていてもしょうがない。

 しかし忘れてはいけない。敵には「敵と話してる暇有るなら何で斬らないんです?」を地でいく人斬りが居るのだ。

 

「危ないんだけど?」

「チッ」

 

 縮地による背後からの奇襲を難なく防ぐ赤ジャンヌであった。

 

「恥ずかしく無いのか聞かれても呼ばれてしまったからにはしょうがないであろう。一度倒したならもう一度倒してみせる気概位持て」

 

 赤ジャンヌの質問(?)に答えたのはアルトリア・オルターーーではなくサンタ・オルタだった。

 

「お前が言うのかよ……」

 

 何だか割とユルい流れになりそうになっているが、そんなの許さないとばかりにジャンヌ・オルタの怒声が響いた

 

「ば、馬ッッ鹿じゃないの!?砲弾の雨もそうだけど船で高所から突っ込んでくるとか頭おかしいんじゃないの!?危うくペシャンコになる所だったじゃない!!しかも何よあの船!対城宝具二つを少しの間耐えるってどんな耐久してるのよ!?」

「正直拙者もあそこまで自分の船が強くなるとは思わなかった。」

「邪ンヌは相変わらずお元気そうでなによりです。」

「燃やし尽くすやわよ!?」

 

 いくら聖杯を持ってるとはいえ、サーヴァントへの魔力供給は一度ジャンヌ・オルタを通す。それのせいで対城宝具を同時に二つも撃った負担はジャンヌ・オルタに来るので、未だに邪ンヌは肩で息をしていたがある程度息が整った様で、赤ジャンヌと黒髭に怒りをぶつけていた。

 

 だが怒っているのは何もジャンヌ・オルタだけではない。

 

「貴様!!我が王にサンタの格好や水着を着せるなど……似合うじゃないか!!」

「ランスロットさん?」

「いや、違うんだ。待ってくれ、とりあえずその振り上げた盾を下ろしてもらえないか。別に眼福と思ってなどいない。ただぶっちゃけ我が王が私の好みだったんだ。」

 

 有罪判決を受けたランスロットの脳天に罰が下されたが些細な事であろう。

 

「それにしてものこのこやって来るなんていい度胸じゃない。私達は貴方達が来るのを待ってたわ。

貴方達の弱点はそのマスター。そのマスターを狙えば貴方達はマスターを護らざるをえない。なら私達は物量でマスターごと貴方達を押し潰せばいい。」

「どうせジルの受け売りでしょ?脳ミソ乙女なお前がそんな作戦たてられるわけないってモッピーは知ってるんだよ。」

「煩いわね!!要するに私達は貴方達を倒す準備を整えてたって事よ!ワイバーンは殆ど死んだけど私達にはジルとそのバーサーク・セイバーの宝具がある!やりなさいジル、バーサーク・セイバー!」

 

 合図を受けたジルは数々の気持ち悪い触手で出来たヒトデとタコを混ぜた様な生き物が次々と産み出され、セイバーは『誠』とかかれた旗を掲げると、セイバーと同じ服を着た人が次々と現れた。

 

「はぁ、しょうがないにぁ宝具使うか。

いいぜ、テメェが本当に数で攻めれば勝てると思ってんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!『50人の赤き悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』」

「ジャンヌ殿の宝具名がハリウッド映画で聞いた事が有るような気がするのでござるがそれは」

「ハリウッドは『ベ』でこっちは『ヴェ』だからセーフ(震え声)」

 

 ジャンヌが使用した宝具は、沖田総司と同じく旗を掲げる事による軍勢召喚系の宝具であった。

 実は赤ジャンヌは自らの過去をあまり語らない。唯一語ったのは説明会の時の大雑把な来歴だけだった。ただ、その大雑把な来歴だけでも宝具が50人の軍勢を呼び出す宝具と聞いても不思議なものでは無かった。

 だが、赤ジャンヌの掲げた旗は、本来あり得ない旗だった。

 

「ジャンヌ…それは…その旗は!?」

 

 その旗は、立香にとって親の顔より見た旗だった。

 

 赤ジャンヌの掲げた旗は、彼女の絶対に譲れない芯。彼女を支え続けた誇りの象徴。

 純白の中心に真っ赤な太陽の様な赤。

 赤ジャンヌの掲げた旗は、現代日本の国旗であった。




リアルでも忙しくなってきたので1日1話になってしまう……申し訳ないです。

ぶっちゃけ赤ジャンヌは転生者で有ることを隠すつもりはあんまり無いです。ただ馬鹿正直に話すつもりも無いです。


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お前の満足はそんなものでは無い筈だ(トドメを刺しながら)

ついにオルレアン編修了
ついでに作者も昨日7章完走


赤ジャンヌの掲げた旗で一番驚いていたのは日本人であり、彼女のマスターである立香だったが、他の人が驚いていない訳では無かった。日本人である沖田総司や、召喚した新撰組達も驚きにより普段見せない様な隙を見せ、モニターしているロマンもかなり驚いていた。

 他のサーヴァント達も大なり小なり驚愕していたが、お構いなしに次々と赤ジャンヌの仲間達は召喚されていた。

 

「久しぶりです。師匠」

「おう、副隊長。俺が死んだ後も頑張ってたみたいだな。俺は嬉しいぞ」

「………………っ!!俺らみたいな復讐しか無い奴等には勿体ない言葉です!!」

 

 今目の前で感動の再会みたいな雰囲気を出してる集団を見たら、誰もが口を揃えて「赤い集団」と言うだろう。何故なら彼等全ての装備が、赤一色で統一されているからだ。

 

「さて、ではお前らの実力を実際に見せてもらおう。まず誰が仲間で誰がサンドバッグ()か解るな?」

「はい、バッチリです。そうだろお前らぁ!」

「「「「「「「おう!!」」」」」」」

「そうか…………ならば蹂躙するだけだな。ゆけ」

 

 これは、赤ジャンヌが生前に行った事だ。

 戦国時代に存在した武将、真田幸村が行った装備全てを赤一色で統一する戦術『真田の赤揃え』を真似た結果、『復讐者の赤揃え』と呼ばれ恐れられた集団こそが、彼等『50人の赤き悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』なのだ。

 そして、彼等の逸話により、彼等一人一人(・・・・)が対城宝具となっているのだ。

 その逸話とは、ジャンヌと共に3つの砦を同時に攻略した事ーーーだけではない。

 3つの砦落としの際、ジャンヌは部隊を半分の25、25で分け2つの砦を落とさせ、ジャンヌは単独での砦落としを成させたのだ。

 そして彼等は、ジャンヌの死後、師たるジャンヌを越えるため数多の研磨を続け、師と同じ強さまで到達出来た事を証明するため、単独での砦落としに挑み、50人全員が、例外なく単独での砦落としに成功し、50の砦同時攻略の偉業を達成した逸話も入っているのだ。

 故に、一人一人が対城宝具なのである。

 当然だが、彼等一人一人が歴史に名を刻んでいる英雄であり、本来なら一人一人が固有の宝具を所有している。

 だが、彼等は軍勢召喚系の例に漏れず、宝具を使用できない状態である。

 しかし、それなりに有る軍勢召喚系の中でも彼等は最強であろう。

 何故なら

 

「『秘拳 TUBAME返し』!!」

「『フタエノキワミ』アー!!」

「『流水制空圏』」

「『孤塁抜き』!!」

「『愛の鉄拳グルグルパーンチ』!!」

「極彩と散れ…『極死 七夜』!!」

「未熟!未熟!未熟千万!!だからお前はアホォなのだ!!『ダークネス・フィンガー』!!」

「ユクゾ!!デーデーデーン『最終狼牙』!!」

「セクシー、ダイナマイッ『地獄の断頭台』!!」

「『昇・龍・拳』!!イトシサトー」

 

 彼等はジャンヌが使える技は大半が使えるからである。

 

 宝具とは、唯一使えるから宝具となるのだ。

 例えば、沖田総司の宝具は『無明三段突き』である。だがもし、新撰組の全員が『無明三段突き』を使えていたら、決して沖田の宝具とはならなかっただろう。

 例えば、ブリテンの騎士全員が『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』標準装備だったら、アルトリアの宝具は『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』にはならなかっただろう。

 要するにそういう事だ。ジャンヌが今まで使用した技は、『音速の拳』の時点でどれもジャンヌだけが使えていたら宝具になってもおかしくない物ばかりだ。

 だが宝具になっていない。つまり使えるのがジャンヌ以外にも多数居るという事を示しているのだ。

 当然宝具になった方が技止まりより余程威力は上になる。恐らく沖田総司の『無明三段突き』も生前に使っていた時より威力等が上がっているだろう。

 だがそれでも、ただの技であろうとサーヴァントを殺すのには十分な威力である。

 

 更にだめ押しで言うならば、彼等の逸話により、彼等は素でも強いのに敵が多ければ多いほど、強ければ強いほど強化されるのだ。

 最早万に一つの勝ち目すらジャンヌ・オルタ達には無かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 数十分後

 

「おら、ヨツンヴァイになってワンワン鳴くんだよあくしろよ」

「いっそ殺しなさいよ!?」

「いい加減やめてさしあげろ」

 

 ボロ負けし、裸に近い格好をさせられて無茶ぶりされてるジャンヌ・オルタ(敗者)と、ゲスい顔で無茶ぶりしている赤ジャンヌ(勝者)の姿があった。

 

 

「はぁ、しょうがないにぁ

 

 

黒髭、後は好きにしていいよ。凌辱は得意だろ?」

「ドュフフフフフwwww拙者実は最近溜まってたんで御座るよ~

仲間なら絶対に無理矢理とかしねぇが敵なら話は違う。その体に黒髭の怖さをたっぷりと教えてやるぜ。」

「や め ろ」

 

 こんな状態のジャンヌ・オルタを黒髭に与えるなど空腹のライオン(アルトリア)の目の前に生肉(ご飯)を置くような物である。薄い本(R-18)待ったなしだ。

 マスターが止めに入った。当たり前である。

 流石にアホ二人もマスターが令呪を構えて命令すれば大人しく手を引く。まぁ、逆に言えば令呪が無ければヤッていたのだが。

 

「ハイクを詠め。カイシャクしてやる。」

「あんた絶対に燃やし尽くしてやる!!」

「頑張って。南無三」

 

 ジャンヌ・オルタの当然の恨み言を最後に特異点オルレアンは解決した。




今更ですがこの作品のジャンヌはかなり強化されてます。

エリちゃんは描写されてないところできっちり自分と決着をつけました

後は間話をいくつか挟んでからローマです。
新しいサーヴァントも召喚予定です。


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間話 あれ?言ってなかった?(すっとぼけ)

祝!お気に入り600件突破
皆さま応援たいへんありがとうございます


立香side

 フランスの特異点を修復してから1日がたった。なんやかんやありながらも思い返せば胃にダメージを貰いながらも大半の事をジャンヌが片付けていた。だが、どうやら僕は思ってた以上に疲労が溜まってたみたいで、カルデアに帰ってきて、ドクターから休むように言われて、ベットに入ったらすぐに眠りに落ちた。

 そのお陰かだいぶリフレッシュした。

 そして現在会議室にて今回の特異点を振り替えっての反省会が開かれていた。

 

「まぁ反省会って言っても、言うほどの困難は無かったし計3日で攻略出来てた事やその他もろもろ含めて満点に近いだろ。

と言うわけで解散!!」

「待って。」

 

 反省会開始10秒で終わってたまるか!

 

「もっと色々あるよね?」

「そうだな…………黒髭の宝具が強かったな。多分黒髭の宝具の中で俺の宝具使えばもっと強化されるだろうしこれから更にサーヴァントが増えるだろうし黒髭はほぼスタメン確定じゃないか?」

「やったぜ」

「違うそうじゃない。いや、確かに黒髭の宝具は凄かったけどさ。

その………ジャンヌのあの宝具は………いったい……。」

 

 そう、僕が最も聞きたいのはそれなのだ。何故ジャンヌの宝具が日本の国旗なのか。

 いや、本当はだいたいの見当はついてる。ジャンヌのネタ知識は召喚のさいに貰ったものだと最初は思ってた。でもあのとき見た夢で、ジャンヌは岸辺露伴ネタを使ってたし、なにより思い返せばあの時『円』という単位を使っていた。他にも所々思い当たる節がいくつかある。

 そして、僕の仮説が正しかったみたいだ。

 

「あれ?言ってなかったっけ?俺転生者だゾ☆」

 

 想像以上に軽い感じでカミングアウトされた。

 

「なに!?転生者だって!?いや、でも確かにそう仮定すればあの宝具にも説明が……」

 

 ドクターが凄く驚いていた。

 僕も最初にあの宝具を見たときは内心でドクター並に驚いていた。だが、1日たってスッキリした頭で良く考えれば、ある程度ジャンヌの言動も納得する。ジャンヌと同レベルの会話をしてる黒髭は謎だが。

 

「?あの先輩、転生者とはいったい何の事か教えていただけませんか?」

 

 おっと、どうやらマシュは知らない様だ。ここは先輩として教えてあげなきゃ(使命感)

 

「えと、ここで言ってる『転生者』は、前世の記憶を持って新しい命を得る、もしくは誰かに憑依する事。定番なら2つ。1つは前世で居た世界と違う異世界に転生する。もう1つは前世ではアニメや漫画であった世界に転生する。

ジャンヌは……」

「俺は元居た世界と同じ、もしくは若干違う平行世界の過去に飛んでこの脳ミソお花畑(ジャンヌ・ダルク)に憑依した系転生者」

「それって……かなり凄い事なのでは?」

「うん、僕もまさか本物の転生者に会えるとは思ってなかったよ。」

 

 過去に飛んで憑依か……珍しいと言えば珍しいかな?いや、そもそも本物の転生者の時点で珍しいんだけど、転生ものの話としては珍しいって意味だ。

 

「こちらで観測していたが、君のあの日本国旗は間違いなく宝具だった。兎に角今はそれが証拠となって君が転生者である事は一応の筋が通る事になる。だから私としては君が転生者であることを信じるよ。ただ疑問に思ったのは何を根拠に君は転生先が自分の居た世界、もしくは平行世界だと確信しているんだい?」

「簡単だよ。冬木でエミヤって居たじゃん?あいつって俺の世界の座にも居たんだよ。

そしてあいつ俺の前世での1個上の幼馴染み。」

「うん………うん?」

 

 えっ?えっ?つまりどういうこと?

 

「あいつのフルネームってか真名は『エミヤシロウ』で、この現代でマジで正義の味方やって英雄化した大馬鹿野郎。俺が7歳位の時に親が会社の都合で冬木に引っ越した時にお隣同士でそっからの付き合いだったのよ。今になって思えばあいつも色々あったんだろうなぁ、あいつ親子なのに見た目似てなかったしな。

 あっ因みにあの野郎のせいで冬木の第五次聖杯戦争に巻き込まれたZE☆

武術を嗜んでいなかったら死んでたよ糞が!!

そもそも確かにエミヤと同じ高校入ったけど別に近かったからであって他意は無いって桜さん言ってるじゃないですか………なんで襲ってくるんですか…むしろ俺としてはそんなに好きなら押し倒してヤッちまえよって応援してた側なんですけど…。

そして武術嗜んでるけど聖剣ブッパされても平気な訳じゃねんだぞエミヤァ!!なにが「ここは任せた」だ!!5回は走馬灯見えたわ!!改めて考えるとよくあの時の俺聖杯戦争生き残ったな!?」

「ゴメン、聞いた私が悪かった。うん、大体解った。大丈夫だから。」

 

 途中から前世の愚痴になってたんですが……。

 て言うよりマシンガントークで突っ込む暇無かったけどジャンヌって前世は冬木に住んでたのか。しかも聖杯戦争巻き込まれてるし。

 あれ?しれっとジャンヌ前世の時から聖剣持ってるサーヴァント相手にして生き残ってるの?……前世から化け物だったんじゃ……僕未だに黒髭の攻撃すら全部は避けられないんだけど………

 

「ところで気になったのでござるが結局ジャンヌ殿の前世の記憶はどこまであるのでござる?特に名前とか。」

「前世での最後の記憶は

藤丸立香。女。24歳、学生です。」

「ん?24で学生?あっ(察し)……ふーん。オ〇ニーは週何回位やってるでござるか?」

「やっぱり、僕は王道を往く週五ですかね。」

「黒髭さん唐突にセクハラ発言は止めてください。そしてジャンヌさんも当たり前のように返さないでください。

 

 

ん?

 

 

えっ?あの、今ご自身の事を藤丸立香と言いましたか?」

「ふっ、何を隠そう俺とマスターは血縁者どころか魂は同一人物!!」

「そんな重要な事実をゼオライマー風に言うな!!てかお前その口調で前世では女だったの!?

そして僕が女体化できる原因お前かよ!!」

「ぶっちゃけお前の女状態見たとき一瞬前世の自分が居るのかと思った。

口調に関しては生前にあの野郎ども率いてる内に舐められないように男言葉使ってたらいつの間にか定着した。まぁ元々自分で言うのもあれだけど男勝りな性格で、思い返せばエミヤとも割りと同性みたいに話してたから素質はあったんだと思う。」

 

 衝撃の真実が続々出てきて正直既に頭パンクしそう。そして突っ込みどころが満載過ぎて疲れる………そして何よりこいつと自分が魂は同一人物とか頭が痛くなってくる。出来れば信じたくないなぁ。

 

「さて、マスターの顔色が悪くなってきたし1度休憩してから続きを話すか」

 

 誰のせいだと思ってるんだよ!!




安心しろぐだ男。9割嘘だから。
またしても息をするかの如く原作知識を利用して嘘を吐く赤ジャンヌ。いつか天罰が下る日が来るのか………


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間話 正直やり過ぎた

ジャンヌさんがハッスルした結果HURANSUと化したお話し


立香side

 僕は、さっきの話を少しの休憩の間にとりあえず整理出来る範囲で理解して飲み込んだ。

 まぁ、理論的に破綻はしてないし嘘ではないだろう。そもそも嘘をつく理由が………………「面白そうだったから」で嘘を言っててもあいつならあり得るから困る。もしそうなったら僕の胃が憤死する。

 何か可笑しいところは特には無いよね?……………やっぱり無い……はず……。あれ?僕いつから人狼ゲームやってたっけ?(錯乱)

 

「キーンコーンカーンコーン」

「33-4」

「2-4-11」

「阪神と那珂ちゃんはやめろ。そもそもチャイムを口で言うな」

 

 休憩終わりと同時にボケるな。そしてツッコミ僕しか居ないこの環境をそろそろ変えないと僕が特異点で死ぬより先にストレスで死にそう。

 そして転生者であり、中身現代人のジャンヌが那珂ちゃんネタを知ってるのはギリギリ解るがなぜ黒髭は阪神のネタを知ってるのか。なに?黒髭はニッチな知識しか貰ってないの?それとも黒髭も転生者なの?

 

「さて、心地よいマスター弄りのノルマも達成したし続きを話すか」

 

 早くこいつ殴れる位強くなんなきゃ。(使命感)

 

「さて、転生者な俺はジャンヌに転生したと知ったときはまぁ焦った。当たり前だろうけどな。

で、俺としては最初こそ別に戦争行かなければええやん。って思ってたけど、聖杯戦争の時に聞き流してた抑止力やら修正力やらの話を思い出して、あれ?これ俺が何もしなくても勘違い系主人公みたいに勝手に成り上がる可能性大?って考えに至った。

そう考えれば、当然流れに身を任せるとか自分から首くくりに行ってるのと同じだから、どうせ成り上がるなら死因である異端審問裁判避けながらフランスを勝利させるしかないと決意して鍛えまくった。

で、後は前に話した通り、神wのwおwつwげwとか脳ミソが蕩けきって亡者になってるとしか思えない言い訳でシャルルに会いに行ったりしなけりゃ異端審問かけられないだろ。だって宗教ノータッチなんだし大丈夫でしよ!と慢心してたら異端審問かけられたよ。主な原因は俺がフランス軍に教えた現代知識のせいだけどな!!

当時の俺は多分錯乱してたんだろ。中世ヨーロッパの一国家に過ぎないフランスに何現代科学や医学教えてるんだよ。そりゃあらゆる事を知ってる神とか言われても仕方ないわ。

てか裁判で連れてこられた証人とか言う奴絶対に許さねぇ。何が「神よ!私は仰せのままにぃ」だよ!俺は新世界の神じゃねぇし、そもそも実験の仕方が間違ってるんだよ!銀と水銀は原子番号やらなにやらまで別物だって何度も言っただろうが猿ゥ!!」

「どうやらまたジャンヌ殿のトラウマスイッチが入った様だ。物理的に正気に戻して差し上げろ」

「ハイ、ワカリマシタ」

 

 黒髭が戻せって言うんだしシカタナイナー。不可抗力不可抗力。

 漏れ出てくる愚痴から大体何があったか察するんだけど。そりゃ未だに色々と解明されてない時代に現代科学教えたら何でも知ってる様に見えるだろうね。それにいくら教えたからって中世の人に原子番号の話しても……ねぇ?

 

「おら、元に戻れ!」

「ハッ!?危ない危ない。またSANが削れる所だった。」

 

 お前のSAN値とか既に0にしか見えないんだけど?削れる部分とかあるの?

 

「ゴホン。まぁ重要なのはこっからだった。俺が死んだ後、大いなる怒りに包まれたフランスが本気を出した。元々俺が鍛えてた部下達にもきっちり現代科学やら医学やら教えてたし、書物には残してなかったけど銃やらの作り方とかも教えちゃっててさ。

うん、まぁなに?結局最終的には………うん……うん。

俺の生前の世界線ではフランスが現代ロシア以上の大きさに成ってる。」

「えっ」

「えっ」

「えっ」

「嘘でしょwwww」

「えと、向こうの世界では2016年の時点では、ヨーロッパ全域を支配し、ロシアの半分、アフリカ大陸の3割迄だったかな?がフランスの領域になってる。」

「えっ何その超大国。怖いんだけど」

「まぁ、20世紀初頭で既に火星に無人探査機送ってたみたいだし多少はね?(震え声)」

「ファーwwwwwwww」

 

 黒髭みたいに笑うしかない…………いや、本当に笑うしかない…。

 20世紀初頭で無人探査機とかそれどんな科学力してるの?そしてその科学力が2016で何処まで進化してるのか怖いけど知りたいような…………。

 

「そして2016年では火星でのテラフォーミング計画とかってゴキブリとコケ送ってる」

「あっ(察し)」

「リアルでムキムキの火星ゴキブリが見られるかも知れないとか胸が熱いな(白目)」

 

 ラハブ無い限り多分大丈夫でしょ。(希望的観測)

 ジャンヌの世界のフランス凄いなー(現実逃避)

 

 

 

 こうして、ジャンヌがやらかした事を知った面々はそれ以上ジャンヌの世界線について深く聞こうとはしなかった。




こっちでは嘘言ってません。つまりHURANSUです。
EU(一カ国)ですね。

ここからFGOソロモン関連のためネタバレ注意












作者はああいった感じの大軍勢で一丸になって戦うの大好きです。
ただ問題があるとすればこのジャンヌのために誰か来てくれるか?と
そこで考えました
ジャンヌの宝具で50人………魔神柱は7ヵ所……10人づつで5ヵ所だから後2ヵ所どうしよう……そうだ、HURANSUから援軍引っ張れば良いんだ。

と言うわけでソロモンでHURANSU軍を参戦させるため本来なら裏設定のつもりだった設定を急遽表に出しました。なので今回の様にソロモンの展開次第では間話が増えるかもです。


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間話 重役会議

参加者はロマン、ダヴィンチちゃん、ジャンヌ(所長)、スカサハです。


ジャンヌside

 反省会と言う名の第二次説明会が終わった後、そのまま残って現在カルデア重役会議を行っている。

 

「さて、今回の特異点攻略の際の最大の戦利品である聖杯はどうなってるダヴィンチちゃん」

「問題なく使えているよ。現在これといった不具合もないし、これでもう燃料に怯えなくて済むね。」

「『ふぅ、あと2日遅かったら凍え死ぬ所だったわ』」

 

 まず最初に話題に上がったのは聖杯の事だった。

 特異点の解決は、聖杯の所有を同時に意味する行為であり、少なくとも、我々は後6個の聖杯を所有する事になる。当然冬木の聖杯と違い完全なる聖杯である。

 それ故、ほぼ無尽蔵に使える魔力を現在燃料の代わりとして使用する事により、カルデアで使う電力を産み出している。

 そう、所長が言った様に実はカルデアはかなりギリギリであったのだ。

 元からカルデアは大量の電気を消費する。サーヴァントを維持するために、廊下や部屋の明かり、マスターのヘルスチェック等々は当然であるが、何よりもカルデアが吹雪の吹き荒ぶ山奥に有るために暖房が無ければたちまちカルデアは極寒の施設になり皆が凍死してしまうため、基本二十四時間常に電気を使用する。

 本来ならそれらの電気は外から送電管により送られてくるのだが、現在カルデア以外は消滅してるのだ。外から送られてくる電気等0である。

 では何故今までは大丈夫だったのか?それは当然カルデア内で電力を賄える様に作られているからである。

 先程も言ったがカルデアは暖房が生命線の一つになっている。だから、もしも何かしらの影響で外から送られる電気が遮断されても暫くの間はカルデアだけで保たせる事が出来る程度の設備が有るのは当然である。

 だが、電気を産むには燃料が必要になる。そして、その燃料を本来なら山から降りて買うなりして補給する方法があっただろうが、今は無理なのだ。そうなれば燃料はここに有るのが無くなれば最後であり、そもそもからして燃料は半月持てばいい方程度のストックしか無かった。

 そこで目をつけたのが聖杯である。作戦はこうだった。

 まず全力で節電をしながら特異点を見つけ出し、特異点を解決して、解決時にゲットした聖杯て電気を産み出す。時間との勝負だったが、節電した影響か燃料は半月と少しは保ち、特異点も何とか燃料が無くなる前に発見。特異点修復も3日で完遂し、ギリギリではあったが電気の問題は解決したのだ。

 

「これでもう電力の心配はないから追加のサーヴァントを呼んでも大丈夫だよ。」

「そうか…………それも問題なんだよなぁ」

「?どうして?戦力を増やすのは良いことじゃないか。」

 

 カルデアは元は選ばれた十数人のマスターと、そのマスターのサーヴァント十数体分の消費魔力を補助出来る設計だった。しかし、例の節電により、サーヴァント召喚時の電力、石作成のための電力、サーヴァントへの魔力補助の電力等の計算により、あの時は2体迄となったのだ。

 だが聖杯のお陰で節電の必要が無くなった今、戦力を増やすためにサーヴァントを召喚するのは自然な流れではあるだろう。

 

「特異点であんなにアルトリア……いや、アルトリア顔に絡まれた事を考えると何もしなくてもアルトリア顔か、円卓関係のサーヴァントが呼ばれそうで……」

「別に良いんじゃないかな?アーサー王のあの対城宝具(エクスカリバー)は普通に魅力的だと思うけど。」

「確かにそうだけどぶっちゃけ火力はスカサハと俺とランスロットの時点で十分足りてるんだよ。だから今欲しいのは後方から支援や回復かけてくれるキャスターか、最悪の時にはマスターだけでも逃げられる様に素の早さで戦場から離脱出来るサーヴァント……ライダーかランサー辺りだな。」

「なるほど、その要望でいくと確かに円卓関連には少ないね。」

「円卓でキャスターとか多分マーリンだけだし、ライダーは…アーサー王が宝具にドゥスタリオンやらラムレイ持って召喚される可能性がワンチャン位か?正直厳しい。」

「支援なら私が出来るが?」

「師匠が後衛は有りかもだけど出来れば純粋な支援か回復要員が望ましい。最悪俺ら前衛が全員死亡、もしくは何らかの理由で動けない時にはマシュが最終防衛ラインになる。その時にマシュに支援ガン積みしてもらうか、回復させながらマシュに耐久してもらうことになるだろうからな。」

 

 そう、俺が懸念してるのはそれなのだ。

 もっとメタ的な視点から言えば4章の時にフラッと出てくるラスボス(ソロモン)と対峙したときに俺含めて何人生き残れるか解らない。だから蘇生できるキャスターか、最悪マシュに支援かけて一緒に耐えてくれるキャスターが欲しいのだ。

 ぶっちゃけアンデルセンの宝具がちゃんと機能するなら今の内から呼んで、マシュ辺りを魔神化する方向でも良いかも知れない。雰囲気とか似てるしいけるんじゃない?病んだ瞳と病んだ声で「センパイ」とか言っててもマシュなら違和感無いし(白目)多分魔神化逝ける逝ける。

 

「まぁ色々言ったけどぶっちゃけやってみないと解らない。元々ガチャなんだしマスターの運を信じるしかない」

「まぁそうなるな」

 

 師匠、それ確かに師匠の台詞だけど瑞雲狂いな方の師匠だからね?まぁ言ってもわからないだろうけど。

 

「とりあえずこの話題終わり!次の話題は何かある?」

「ふむ、それなら今後のマスターの修行プランだが、どうやらサーヴァント同士の戦闘でも目で追える様になってきた様だ。だからもう一段階修行のレベルをあげて、今までの基礎トレーニングから本格的な修行を始めても構わぬだろう。」

「うん…………そうだな、そろそろ本腰入れて修行つけるか!

じゃぁまずは………………………ーーーーーーーーーーーーー」

「ふむ、ではーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「ダヴィンチちゃん頼める?」

「まっかせなさい。万能の天才の名は伊達じゃない事を見せてあげよう。」

 

 こうしてマスターの修行プランを練りながら重役会議は続いていった。




色々フラグを建てていくスタイル。

【悲報】ジャンヌとスカサハ視点ではマスターは修行すら始まってなかった模様


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間話 メタ視点会議

次でサーヴァント召喚、その次にローマ突入予定です。


ジャンヌside

 俺は重役会議がおわり、各自解散した後、軽く修行をしてからシャワーを浴びて現在自室に居る。

 そして俺にとっての本当の会議はここからだった。

 

『どうしてあんな嘘を付いたの?』

『これから会議だってのに初っぱながそれかよ……。』

 

 そう、俺と所長のこれからどうするかメタ視点(・・・・)での会議なのだ。

 

『じゃぁ何か?「お前らは俺の視点では、前世でエロゲから派生した作品の1つで、全年齢対象のソーシャルゲームの住人なんだよ」って正直に言えば良かったのか?』

『それは………』

『言う理由も義理も無い。なら余計な混乱を招くだけの発言なんてするわけ無いだろ。そもそもが転生者って時点で既にギリギリなんだ。そこに【神の様な視点で彼等の未来を知っている】なんて言えるわけないだろ。』

 

 あの時、所長を生かしたのは理由がある。俺は生前一人だけで全てを抱えて動いたから失敗した。だから、所長というもう一人の頭脳が欲しがったのだ。

 なにせ所長は、レイシフト適正もマスター適正も無いが、魔術の名門出のお嬢様であるのは間違いないのだ、当然俺よりもよっぽど頭が回る。

 だからこそ俺は所長には全てを話してる。

 

『でも、既に貴方の知ってるストーリーとは離れてるのでしょ?』

『だからこそだよ。既に俺の知ってる未来(ストーリー)とは離れてるから、こっちが未来を知ってると言って俺の知識に頼られればカルデアは崩壊する。なんせ冬木で既に本来死ぬはずだったオルガマリー(お前)が生きてる。フランスに至っては本来なら味方のジークフリートが敵になってるだけならまだ良かった。実際は欠片たりとも出てないアルトリア達と沖田が呼ばれてた。次のローマでは舐めプしてたロムルスが本気でローマを襲ってるかもしれない…………違うか?』

『……………………そうね、私が悪かったわ。』

 

 頭は回るがやはり精神的にはやっぱり弱いか……。

 

『いや、別にいい。確かに今細かいところは違うと言ったが大筋は変わってないんだ……教えてあげたくなる気持ちも解る。だが言うべきじゃない。俺という異物が有る以上どうあがいても変わるんだ。生前みたいに下手大きく動いて未来を変に変えたくないんだ。』

 

 多分所長なりに色々考えたんだろうが、未来の知識を無闇に与えるのは駄目なのだ。生前で経験済みなのだから。

 いや、生前は流石にやりすぎではあった。だからこそそのやり過ぎた結果としてフランスが後に超大国になったのだ。だが俺が一番恐れてるのはフランスが超大国になったのが正史(・・)になっている事だ。

 そう、俺の前世でのフランスも、この世界のフランスも歴史等に特に大きな違いは無かった。だが、俺がいろんなやらかした生前のフランスでは、フランスが超大国になることが人理定理崩壊にならなかったのだ。ヨーロッパ全てを征服したのに飽きたらずロシアの半分とアフリカ大陸の3割も占領したのにである。本来ならこっちの世界でも俺の前世の世界でもそんな事が起これば人理定理崩壊待ったなしなのにも関わらずである。それはつまり、フランス超大国になる事こそが正しい歴史となっている事を示しているのだ。

 もしも、俺が派手に動く事で回り回ってソロモンが勝つ未来に変わったら?そう考えると、どうしても原作知識を言うのは憚られるのだ。

 だがこれに関しては何が正解か考えて解る物では無いだろう。次の議題に移るのが建設的だ。

 

『さて、次の議題次の議題。

次はローマでボスはサンドバッグ(魔神柱)とロムルス。そしてアルテラだな。どう思う?』

『動かない魔神柱なんて貴方一人で楽勝でしょ?』

『死線たぶん見えるし十六分割の刺身にしておしまいだろ。そもそもわざわざ冬木でレフ相手にフラグ建設したし余裕。』

『それはそれで慢心というフラグなんじゃ………ゴホン、ロムルスに関してはスカサハとランスロット、それにネロ皇帝が居れば十分倒せると思うわ。だってネロ皇帝には甘いでしょ?』

『予定ではな。まぁ、今回は出来る限り原作の流れになるように誘導してみるとどうなるか見てみるつもりだから、序盤辺りがまんま原作通りなら6割は固いと思う。』

『なら大丈夫ね。最悪貴方の宝具を使えば良いのだし。』

『了解。アルテラは?』

『相手が一人ならそれこそ総力で当たれば倒せる相手よ。』

『まぁこれから更に仲間増やすつもりだし余程のハズレ引かない限りはほぼ勝ち確か。』

『原作通りにいけばね。』

『ヤベェ一気に不安になってきた。』

 

 この流れはヤバイ!次の議題にいって反らさないと。

 

『よし、話を切り替えるぞ。

次のサーヴァント召喚で何が呼ばれるか…………やっぱりアルトリア顔だと思うんだが……』

『そうね………仮にアルトリア顔が呼ばれるとすると……貴方の知識から考えるに………私達は既に4人のアーサー王を倒したでしょ?その事を鑑みるとヒロインXかモードレッドが妥当じゃないかしら?』

『あぁ成る程。じゃぁ他に候補は?』

『それならーーーーーーーーーー』

 

 その後いつの間にか召喚すらしてないサーヴァント評論会になっていった。

 




フラグをとりあえず乱立しとけば良いだろという考え()

という訳で所長はジャンヌさんの本当の前世を知ってますし、所長も歩くサーヴァント図鑑と化しました



ソロモンのネタバレ注意











どうしよう、このカルデアでフォウ君育てたらフォウ『さん』になりそう(白目)
原作があんなに綺麗に終わったんだから俺も綺麗に終わらせないと(汗)


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間話 FXで有り金全部溶かしたみたいな顔

追加のサーヴァント召喚です。
ほら新しい戦力だぞ、喜べよジャンヌ(暗黒微笑)


立香side

 反省会から既に半月が過ぎた。

 あれから特に変わった事は無かった。強いて言うなら俺の修行の鬼畜度が増した位かな?(白目)

 

 

 

 

 

 ごめんなさい嘘です。修行がキツ過ぎて死にそうです。

 前までは腹筋、腕立て伏せ、スクワットをそれぞれ100回で1セットとし、それを計15セットを2時間で全て終わらせろや、42.195kmマラソンを1時間半で走りきれとかそれなりに常識の範囲内だった。

 因みに他にも柔軟運動なども有るが、最近は体が柔らかくなってきたから別に苦でも無くなった。

 でも今は今までの修行内容の全てに重りが付けられ、最初は腕の修行なら6kg、足腰の修行なら18kgの重り、今では腕なら18kg、足なら36kgが当たり前。

 そんな感じでヘトヘトになった後にはダヴィンチちゃん特製怪しいお薬をグビッと一杯して、また修行である。

 しかもこの修行がまた変なのだ。鉄棒みたいなのに足でぶら下がる形でくくりつけられ、その下で焚き火を焚かれてるせいで背筋と腹筋の力で体を半分に折らないと僕の体が燃える上に半分に折っても焚き火の熱気でお腹と背中が熱くなるから半ば強制的に腹筋と背筋を繰り返させる修行とかだ。

 そしてそれらは、スカサハ師匠とジャンヌが言うには今のこのキツイ修行は、本格的な技の修行に入るための本格的な基礎トレーニング(・・・・・・・・・・・・)らしい。(死んだ目)

 確かに思い出せば前に教えてもらった技など正拳突きや前蹴り、小手投げや肘打ち膝蹴りなどの基礎的な技ばかりではあった。

 あと、少し前からマシュとの組手が始まった。

 ジャンヌの「組手中ならマシュのマシュマロ(意味深)に触れちゃっても事故(・・)だから(ゲス顔)」という言葉にまんまと釣られた当時の俺を全力で殴りたい。良く考えれば解る筈だった。マシュはデミ・サーヴァントとは言えサーヴァントなのだ。そしてマシュは俺と同じ修行をしながら、かなり前から相手の力を受け流したりする修行を行っていたのだ。

 そんな相手と組手なんてしたらボコボコにされるのは目に見えていただろう。

 しかもマシュが死なないようには加減してくれるけど手加減はしてくれない。なんでもジャンヌから「死なないように加減するのは当たり前だけど、手加減はするな。下手に手加減すればあいつの為にならない。理由は色々有って説明がメンドゲブンゲフン……説明すると時間がかかるから今度説明するけどとにかく手加減はするな。いいね?」と言い含められてるらしく何度も僕は固い床とキスするはめになってる。

 ただ、僕だって男だ。ジャンヌという修行によりフランスを救ってサーヴァント化した前例が居るのだから僕もそれくらい強くなってマシュを守る側になりたいって夢はあるけどね。

 さて、そんな感じで修行がキツイなか、今日は嬉しいことに修行が半分しかない。

 なんでも新しくサーヴァントを召喚するためらしい。

 今回用意できた石は9個だから、3回召喚出来るが、出来れば2回で抑えたいそうだ。ただ、こればっかりは運なため、3回目は非戦闘系サーヴァントが2連続で出てきた時の予備らしい。

 そして、全ての準備が整った。今回はジャンヌだけじゃなく、僕のサーヴァントが皆立ち会う中での召喚だ。

 

「では1回目、いきます!」

 

 そうして僕が1回目に呼び出したのは

 

 

 

 

 

 

 

「サーヴァント・ルーラー、ジャンヌダルク。お会いできで本当に良かった。」

「」

「ねぇねぇジャンヌ殿、今どんな気持ち?ねぇねぇ今どんな気持ち?NDK?NDKなの?」

 

 白い方のジャンヌさんだった。

 因みに汚い方のジャンヌは白目を剥いて若干痙攣してるが気がしない。そして黒髭が汚い方のジャンヌを全力で煽ってた。

 

「☆5でしかもこのパーティーに足りなかった肉盾要員で嬉しいっちゃ嬉しいけどフランスであんだけ暴れた後に出会うからかなり複雑な気持ちだよ!!」

「ギブ!ギブでござるゥ!!」

 

 最初の方何いってるか解らなかったがとりあえず気まずい事を黒髭にアイアンクローしながら言った。

 

「啓示が言っていたのです。このまま貴方を放置すれば見た目は同じの私に風評被害がでると。」

「エイプリルフールでJK()やったり魔法少女()やったりしてたくせに今更被害とかあるんですかねぇ(困惑)」

「JK?魔法少女?あの何の事ですか?」

「……………………………これしらばっくれてるの?素で覚えてないの?どっちだよ!?」

 

 何だろう。フランスでも思ったけど、同じ顔で同じ声の二人が話し合ってるのって本来なら不思議な光景なんだろうけど全く違和感が無い。口調もそうだけどやっぱり汚い方のジャンヌは顔芸をよくするからだろうか。

 

「とりあえずお前は後方で旗振って芋って最悪肉盾してもらう位しか仕事無いから」

「私一応攻撃宝具持ってるんですが」

自爆宝具(ラ・ピュセル)だろ?同じ自爆宝具ならどっかの流星(ステラ)さんの方が何倍もましだから。お前の自爆宝具とかそれに比べたらゴミに等しいから。期待してないから。」

 

 既に白い方のジャンヌのポジションが決まっていた。

 そして少し前から黒髭がピクリとも動いてないけどそろそろ放してあげたら?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 その後紆余曲折あったが、今は落ち着き二回目の召喚である。

 今度召喚したのは

 

 

 

 

 

 

「燃えろォォォォォォ!!!」

「危なねぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「あっちぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 まだ姿が良く見えていないにも関わらず召喚サークルから黒炎が飛んできた。

 ギリギリ汚い方のジャンヌは避けたが流れ弾が黒髭に当たっていた。

 あの黒炎に見覚えがあるうえにサークルからここ数十分何度も聞いた声が響いていた。

 

「チッ!………ゴホン、サーヴァント・アヴェンジャー、召喚に応じ参上しました。………どうしました、その顔は?さ、契約書です。」

「召喚されるの早えーよホセ」

 

 今度は黒い方のジャンヌが出た。

 汚い方のジャンヌは白目を剥いて激しく痙攣していた。因みに黒髭はスカサハからルーンで治療を受けていた。

 

「お前が強いのFGOの中だけやろ!staynight方式のここだと知名度補正有っても火力そこそこ防御もそこそこのお前とか要らんわ。バフスキルに関しても竜の因子持ってるのうちには居ないし………うん、帰れ」

「あら、元より貴方を燃やし尽くしたら帰るつもりよ?契約書にもそう書いてあるし。」

「あ゙?」

「あ゙?」

 

 黒い方のジャンヌと汚い方のジャンヌがメンチ切りあってた。因みに白い方のジャンヌは聖母のような微笑みで見守っていた。天使かな?

 ていうよりまたしても汚い方のジャンヌが言ってる事が解らない。FGO?staynight方式ってなに?

 

「マスターもう一回だ!!」

「えっ?でもあれ非戦闘系サーヴァントが出た時用で」

「良いから回せっていっんだよ!!」

 

 スカサハ師匠やランスロットにも視線を向けたけど二人とも首を振ってた。つまり二人の目線からでもこの二人はそこまで強くないって事なのか。

 何かジャンヌ二人が取っ組み合いの喧嘩をしてるからそれを止めてから3回目の召喚に移ろう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 スカサハ師匠とランスロットの二人がかりで喧嘩を止めた後白い方のジャンヌがお説教をしたりしてらたが、気を取り直して3回目の召喚である。

 3回目に召喚されたのは

 

 

 

 

 

「我ら影の群れを従えた以上は勝利も必至。ご安心召されよ、マスター」

「」

 

 良く解らない人だった。黒い全身タイツ纏って顔に骸骨のお面を着けてる女の人だが、誰だろう?

 因みに汚い方のジャンヌはFXで有り金全部溶かしたみたいな顔になってる。

 

「よりにもよってハサンシリーズで一番使えない奴やんけ!!チェンジお願いします。」

「貴様を最初に殺せば良いのだな」

 

 ジャンヌは真名が解るようだ。でも直ぐに喧嘩を売って一触即発なのは後で説教コースだろう。だって白ジャンヌさんが微笑んでらっしゃるんだから。




解らない人の為に言うと最後は百の貌のハサンです。
ただのオチ要員なので今後活躍するかどうかすら考えてません。多分活躍しない。
そもそも相手がサーヴァント以上の存在が確定なのに分裂するだけの暗殺者とか要らないでしょ(辛辣)


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2章 6時間33分さんの最大の見せ場編
ネロ様との邂逅


ついにはローマです。
最初は軽くネロ様との顔合わせです(白目)


赤ジャンヌside

 ガチャでの爆死(サーヴァント召喚)から更に半月が経過した頃。

 遂に次の特異点が特定された。

 そう、遂にローマである。

 この半月で色々有った。まず会議の末にハサンはスタッフ達の手伝いとしてカルデアに残る事になった。まぁこれは当然だろう。なんせ敵は基本的に一級サーヴァント以上が確定で出てくるのだ。ただ分裂するだけの暗殺者が暗殺など出来る訳がないのだ。勿論本人は偵察位は出来ると言っていた。確かに2章(ローマ)3章(オケアノス)位ならギリギリ偵察位は出来るだろう。

 

 

 だがそれ以降は?

 

 

 そう、これらより先は偵察すら出来ないレベルになるのだ。ならばスタッフとして死んだ分の穴埋めをしてもらう方が合理的である。いかに成長しないサーヴァントと言えど、作業など繰り返せば覚えるのが道理である。それに彼女達には作業させるのにうってつけのスキルだってあるのだ。会議したと言ったがハサンが死んだスタッフの代わりになるのに関してはほぼ議論の余地無しであった。

 そしてジャンヌズに関しては、居ないよりマシなので特異点突入組である。

 なので現在パーティーはランスロット、スカサハ、黒髭、ジャンヌ、邪ンヌ、そしてマスターの負担を考え、令呪用のパス以外切った俺と、マシュである。

 

 

 余談だが暇さえ有れば俺を襲撃してきた邪ンヌだが、俺が適当にあいつが好きそうな乙女ゲー与えたら襲撃の頻度が大幅に落ちた上に「チッ、まぁ良いわ。ほら次のゲームを寄越しなさい。さもなければ燃やしつくわよ」と完全に俺を殺す気が無くなってるのが解る台詞と共に催促してくる様になった。チョロい(確信)

 え?なんで乙女ゲーが有るかって?実は俺の血肉となったマスター(故)の一人がそっち系統(日本のサブカルチャー)にどっぷり浸かっていたようで、私物としてそのマスターの私室に大量にあったからだ。

 決して泥棒ではない。なぜならこれ等の持ち主は俺(の一部となったマスター)の物なのだから、自分の物を貸し与えてるだけだ。つまり無罪。お分かり?

 

 さてそんな余談やらハサンの使い道やら話してたのは理由が有る。

 

 

 

 

 

 単純に俺が目の前の現実から目を反らしたいからだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

数十分前

 さて、遂にローマ突入だぜ!今回は前回みたいに控えめに控えめに

 

『本当に出来るの?』

『ウルセェ!出来ないと思うから出来ないんだ!!出来ると思えば何だって出来る!出来る!出来る!出来る!出来る!きっと出来る!ネバーギブアップ!!』

『貴女の方が煩いわよ!?』

 

 とまぁこんな感じで所長と戯れながらレイシフトをした。

 

 さて、そして現地に着けば前回みたいにまた野原である。だが前回と違う所が有る。

 既に人の叫び声が聞こえる事だ。

 人が居なければそもそも情報が手に入らないのは当然なのでとりあえず俺達はその声の方向に向かっていった。

そしてそこで目にしたのは

 

「ネロォォォォォォォォォォ!!」

「……………………………」

 

 カリギュラとネロがタイマンしてた。

 もう一回言うぞ。

 カリギュラとネロがタイマンしてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見間違えであると良いなぁ(震え声)

 

 

 

 

 いや、何あれ?奥に見える門の前で多分正規のローマ兵と思われる人達が綺麗に並び、それらよりずっと手前でカリギュラの猛攻をあの変な形の剣で弾き、いなし、反らし、流したりして匠にあの猛攻を踊る様に受け流すネロっぽい人が居たのだ。

 俺の目からはあの見た目は間違いなくネロであると判断できる。でもネロってあんなに強かった?(白目)

 いや、別にサーヴァントになったネロなら皇帝特権やらであんな風に強いのは納得できるけどあれ生前だよね?生身だよね?

 

 な に あ れ

 

 そんな風に呆然としてたら、突如カリギュラがフェイント(・・・・・)をネロに仕掛けたのだ。

 これには俺も驚いた。なんせカリギュラは確か狂化スキルは結構高かった筈である。その証拠に今まで単調な攻撃しかしなかった。

 そして見てるだけの俺でも驚いたなら対峙してるネロっぽい人はもっと驚いただろう。そして、戦いでその一瞬の驚きが大きな隙になるのは当然で、何とかフェイントの攻撃を弾いたネロっぽい人だが、大きく体勢を崩し、その間にカリギュラが剣の間合いより内側に入った。

 ヤバイ!!ネロが死ねば特異点崩壊だ!呆けてる場合じゃなかった!!

 なんて後悔した瞬間、ネロが跳んだ。

 そう、ネロはカリギュラの頭上を飛び越える程の跳躍で回避し、更に匠な剣さばきでカリギュラの頭上を飛んでる一瞬で両腕を切り飛ばした。

 

「グガァァァァ!?」

「ふん!!」

 

 そして更にカリギュラの背後に着地したネロはすぐさま振り返り、痛みに呻いてるカリギュラの後頭部を鷲掴みし、カリギュラを地面に叩き付けた。

 どう見ても満身創痍のカリギュラに最早抵抗する力はなく、地面に叩き付けられた状態から復帰出来ないでいた。だが、バーサーカー故か、その闘志に陰りはなく、狂気のこもった声でネロの名を叫んでいた。

 そして、今まで喋らなかったネロが遂に口を開いた。

 

「ネロォォォォォォ!!」

「……………………余には、死んだはずの叔父上が何故甦り、叔父上達が余達ローマに刃を向けるのかは解らぬ。叔父上だけではない。死んだ筈のローマ皇帝達が甦っている理由もさっぱりだ。

だが、私は生前の叔父上が余に注いでくれた愛情を知っておる。まだ幼かった余の頭を優しく撫でてくれたのを覚えておる。あれが偽物だったなどあり得ぬ。

だから、余は叔父上が生きている間に言えなかった思いを込めた一閃を、現ローマ皇帝として、叔父上が愛してくれた余個人として、叔父上への手向けとする。」

「ネロォ………ネェェェェェロォォォォォォォォォ!!!!」

余は間違いなく叔父上を愛していた(ローマ)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………………………』

『……………………ねぇ、あれ、ネロ?』

『……………し、知らねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?俺あんなネロ知らねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?俺の知ってるネロって言ったらワンコみたいな性格のチョロインでジャイアンリサイタル開くアホだよ!?何を間違ったらあんなカリスマ溢れる皇帝様になんの!?下手に外見と声一緒だから余計に恐ぇぇよ!?』

 

 

 悲報、俺のプランが速攻で音を立てて崩れ去った模様。




ほら、喜べよ赤ジャンヌ。ほぼストーリーと一緒だぞ(笑)



なぜネロ様がああなったかは俺にも解らない。気が付いたらああなっていた。


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ローマ皇帝の在り方

ネロ様のカリスマを堪能する小説(白目)


立香side

 僕達はレイシフトしてすぐに人の叫び声が聞こえた場所に向かっていた。

 そして向かった先で見たのはとてつもないこうけいだった。

 赤いドレスの様な服を着たアルトリア顔の人が恐らくサーヴァントと思われる男の人相手に一人で戦っていたのだ。しかも、アルトリア顔の人はそのサーヴァント相手に明らかに優位に立ち回っていた。

 思わず彼女の美しい戦いに見惚れていたらサーヴァントがフェイントを仕掛けてそこから剣の内側に入ったのでヒヤッとしたが、華麗に舞う事で回避し、同時に攻撃もしていた。

 そしてそこから一気に勝負は決まり、いままで会話しているのは解っていたが、何を言ってるのか聞こえなかったが、最後に男性サーヴァントがネロと叫んだのと、アルトリア顔の人がローマと叫んだのが聞こえた。

 

「先輩、どうやら私達が加勢する迄もなく戦闘終了したみたいですが、どうしますか?」

「えっと…………とりあえず話してみない事には何も解らないし近付いて話してみよう。」

 

 いや、実際は何となく解る。

 あの男性サーヴァントは感覚的に多分バーサーカーだ。そのバーサーカーがネロと呼び、それに対しローマと返したのだ。

 恐らく、あのアルトリア顔の人は、レイシフト前にドクターから教えられた情報なども考慮すれば、この時代のローマ皇帝、ネロ・クラウディウスその人だろう。

 

 

 どうやらネロ(仮)さんは先程の戦闘中にこちらに気付いていた様で、こちらの事を真っ直ぐに見据えていた。

 そして、お互いに10m程離れた位置で立ち止まり、僕達の挨拶が始まった。

 

「『初めまして、私達はカルデアと言う組織の物です。そして私がその組織の所長であるオルガマリー・アニムスフィアです。』で、俺がその所長の肉体代理のジャンヌだ。あ、俺ら別に怪しい者じゃ無いぜ」

「……………肉体代理云々の意味がいまいち解らぬがジャンヌとやらがそなた達の代表であるという認識で良いのだな?」

「まぁ、そうだな。」

 

 そう、現在カルデアでは所長の魂は赤ジャンヌの中に居るため、役職的所長代理はドクターで、実務的所長代理は赤ジャンヌなのだ。なのでスタッフ達に指示を出すのはドクターで、特異点で現地の人物と交渉したり、マスターである僕を引率する役目は赤ジャンヌなのだ。

 でも前回のフランスでは赤ジャンヌがそんなことは一切しなかったが。

 まぁそれらは全て所長の肉体が出来る迄で、所長の肉体が出来たら、ドクターは副所長代理となる。

 

「ふむ、では怪しい者ではないと申すなら何かしらの証拠が有るのであろう?」

「証拠……証拠かぁ………」

 

 確かに証拠と言われると特に何も無い。

 それに改めて僕達を見れば、服装やら顔立ちに統一性が無い。

 いや、三人のジャンヌは外見はほぼ一緒なので姉妹か何かだとは思われるだろう。だがそれ以外だと全身タイツの美女に白い全身鎧の男、地味に肌露出の多い鎧と大きな盾を持った美少女、髭の生えた汚いおっさん、ここら辺では見ないだろうアジア系の顔をした青年、と全く統一感がない。

 これでは怪しい者では無いと言っても信じてもらえないのは当たり前だろう。

 男性サーヴァントと戦っていた時に助太刀に入れば少し位は信じてもらえたなぁと後悔していたら、赤ジャンヌがとんでもない事を言い出した

 

「考えてもこれと言った証拠がないし、ここは俺の腕一本切り飛ばせば信じてくれるか?」

「えっ!?」

「はぁ!?」

「ジャンヌさん!?」

「ジャンヌ!?」

 

 僕だけじゃなく二人のジャンヌとマシュも驚いていた。

 いくらなんでも腕を切り飛ばすのはやり過ぎだ!別にそこまでして信用を勝ち取るメリットは今のところ無い筈だ、むしろスカサハの次に強くて、拳での接近戦主体であるジャンヌの片腕が無くなるデメリットが大きすぎる。

 そう口から出かけた時

 

「………ふっ、よい。そなたらを信じよう。」

「…………えっ?」

「良いのか?一応ああ言ったが自分達でも怪しいのは自覚してるが」

 

 何故か直ぐに信用してもらえたのだ。

 確かにジャンヌが腕を切り飛ばすなんて言ってたがまだ本当に切り飛ばしたわけでも無いのに何故信用してもらえたのだろう?

 見れば先程ジャンヌの腕を切り飛ばす発言に対し苦い顔をするだけだったランスロットとあまり驚いてなかった黒髭も今回は驚いている。

 

「何を言っておる?そなた達がもし敵であるなら先程余が戦っている時に乱入すれば容易く余を殺せたであろう?いや、そなた達ならばそれこそ今ここで余に襲いかかっても、後ろにいる余の兵士達ごと殺し尽くせるであろう。」

 

 確かに彼女の言う通りだ。言っては悪いが恐らくこのメンバーなら後ろに居る兵士達を含めて殺せるだろう。

 

「……………………自慢の兵士達なんだろ?それなのに目の前で『お前達では自分を守れない』なんて宣言に等しい事言って大丈夫なのか?」

 

 言われてみれば確かにそうだ。もし仮に彼女がネロ皇帝で無いとしても兵達よりはそれなりに身分が高い筈である。少なくとも将軍であろう。

 であれば、その様な事を言えば兵達の士気に大きく関わるだろう。

 

「口惜しくはあるが、そなた達程の相手との実力差位解らぬ愚者ではない。なにせ余はローマ皇帝なるぞ。実力差が開いている相手に無策に挑むなど愚策もいいところである。その様な事をすればたちまち滅びるであろう?まぁ、実力差の開いてる相手からこちらを滅ぼすつもりの喧嘩を売られれば立ち向かうしか無いがの。」

 

 成る程、ローマ帝国という大国の上に立つなら先を見据えた戦略や戦術、更には敵との実力差を加味した戦力差を見抜いたり、考えたりするのは当然か。

 

「他にも理由は有るぞ。そもそもお主達の様な奇抜な格好の人物を既に複数客将として招き入れたのだ、今更見た目ごときであれこれ言わぬ。

それに、もしお主達が敵だとしてもそれを見抜けなかった余の責任だ。

余が死ぬ時、それは余の人を見る目、民衆の声を聞く耳が曇った時である。

故に、もし余がお主達に殺されたら、その時は余の死が決まっていたのだろう。叔父上の様に陰謀によって暗殺されるか、民衆によって殺されるか、お主達に殺されるかだけの違いであろう。」

「………………凄い」

 

 最早僕にはその言葉しか出なかった。

 これが、ローマ帝国の皇帝なのか。

 これほどの覚悟を持った人物がローマ皇帝なのか。

 

「では、入るがよい、余のローマへ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 今僕達が居るのは、宮殿の応接間みたいな所だ。

 ここに来るまでに、ローマの町並みを見たが、とても活気に満ち溢れていた。

 商店街でも住宅街っぽい所でも、ネロ皇帝を見かけた人は口々に笑顔でネロ皇帝の事を称えていた。

 だからこそ、ネロ皇帝の最期が信じられなかった。

 歴史では、ネロ皇帝は民衆によって殺されるのだ。それは、暴君として君臨した故の民衆の爆発とされている。それが僕には信じられない。

 いったい何が、民衆の怒りに触れたのだろう。いったい何が、あれほどの笑顔を見せていた民衆が、ネロ皇帝に刃を向ける事にはなったのだろう。

 解らない。解らないが、少なくとも今は、歴史には無かった、ネロ皇帝は名君として存在していたのを、僕は目撃しているのだ。

 

「して、そなた達の詳しい話を聞こう。それゆえに先程していなかった自己紹介をしよう。

余は、ローマ皇帝ネロ・クラウディウスである。」

「ではこちらも改めて『人理継承保証機関カルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィアです』で、俺が所長の肉体代理のジャンヌ・ダルクだ。まぁ適当に赤ジャンヌかジャンス、もしくはジョンスとでも呼んでくれ」

「僕はカルデアの唯一のマスター、藤丸立香です」

「私は先輩のデミ・サーヴァントのマシュ・キリエライトです」

「拙者は立香氏のサーヴァントの一人、エドワード・ティーチでござる。拙者の事は黒髭と呼んでくださればけっこうですぞ。デュフフフフフフフ」

「同じくサーヴァントのジャンヌ・ダルクです」

「同じくサーヴァントである、ランスロットです。」

「スカサハだ。」

「同じくサーヴァントのジャンヌ・ダルクよ。」

「うむ。……………………うむ?」

 

 ネロ皇帝が笑顔で固まってる。しょうがないよね、だって肉体代理とかジャンヌ・ダルクという同じ顔で同じ名前の人が同時に3人居るとか普通理解できないよね。

 

「あ、俺ら三人は鎧の色で赤ジャンヌ、白ジャンヌ、黒ジャンヌって認識してくれりゃぁ大丈夫だから。そして肉体代理云々は説明が非常に複雑なのでパス。

とりあえず俺達の目的を簡単に言うとネロ皇帝の敵をボコって聖杯を回収する事。」

「ふむ、そなたら三人を色で区別すれば良いのは解った。だが目的の部分がさっぱりである。」

「ここ最近ネロ皇帝の回りて常識では考えられない事が起きてない?」

「……………それはもしや死んだ筈の者が生き返っている事か?」

「そう、それ。俺らはその死者が甦ってる原因である聖杯を回収しに来たの。」

 

 その後もお互いの情報を交換しあって、利害が一致している事がハッキリしたため、俺達は客将という扱いになった。

 




最初の方に比べると文字数が増えていってるな。


因みに作者は歴史とか教科書に書いてある最低限の事しか知らないのでローマ帝国については殆ど解りません。具体的に言うとそもそも歴代ローマ皇帝全部言えないレベルです。
なのでもし何か違うところがあれば指摘して貰えると嬉しいです。


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酒癖のデパート

いったい誰の事でしょうね(目反らし)


立香side

 ネロ皇帝の話を纏めると、どうやら現在ローマ帝国に対し、連合ローマ帝国と名乗る敵が現れ、更にその連合ローマ帝国には死んだ筈のかつてのローマ皇帝等が甦り、しかもその甦った者達が非常に強い。

 具体的にはネロ皇帝なら相手にもよるが2人同時までならなんとか勝てて、精鋭兵なら10人で1人を倒せるそうだ。

 どう考えてもその甦った強者ってサーヴァントの事だろうけどネロ皇帝は2人までなら相手出来るんだ…………そして精鋭兵なら10人がかりだけど倒せるんだ……ローマって強いんだな(再確認)。

 たが、問題があり、敵サーヴァントが、倒しても2.3日後には再び甦ってしまうそうだ。

 しかし例外があり、ネロ皇帝が倒せば甦らなくなるらしい。先程のカリギュラを含めて既にネロ皇帝が倒したサーヴァントの数は、二桁を越えたそうだ。

 更に恐らくサーヴァントと思われる味方が居て、それらを客将として招き入れたりもしたが、それでも戦況は悪く、そろそろうってでなければ少々マズイな、と言うときに僕達が来た様です。

 そんな理由があり、僕達はすんなりと客将として受け入れられた。

 ついでにこの特異点で何をすれば良いのかも大体解った。

 さて、じゃぁさっそく出撃を。とはならずに、ネロ皇帝が「先ずは客として歓迎するぞ」と言った瞬間に次々と料理やお酒等を持った侍女の人(と言うのかな?)が入ってきて、あっという間に僕達の前には沢山の料理がならんだ。

 

「今は戦時中であるためこのくらいしか用意出来なかった。しかし勝利の暁にはこれ以上の持て成しを約束しよう」

「俺らにとっては既に十二分だから大丈夫です」

「む?そうであるか?他の客将も似たような事を言っておったし、そなたらは随分少食なのだな」

「ローマが豊か過ぎるだけだと思うぞ」

「む、確かにローマ程豊かな国は無いか、言われればそうであるな。

では思う存分ローマの食を楽しむがよい!!」

「いただきます」

「い、いただきます」

 

 元日本人の赤ジャンヌと僕はいただきますを言ってからその豪華な食事に手をつけた。

 

 

 

 結果食べきれなかったです。

 流石に3人前位食べたしギブだよ、お腹が重い…………。

 あ、お酒は飲んでないよ。僕は一応まだ未成年だから自分から断りました。ネロ皇帝は残念そうな顔をしていたけど事情を話したらけっこう簡単に折れてくれた。

 因みにマシュと赤ジャンヌも呑んでない。

 サーヴァントの皆は本来食事を必要としないから、逆に言うといくらでも食べられるし、いくらでも呑めるみたいだ。

 しかし皆の食事を見るとけっこう違うものだと解る。

 黒髭は海賊だからかとりあえず一通り食べてから好きな物を好きなだけ食べてる。お酒もガバガバ呑んでる。

 スカサハもケルト勢の人だなって再確認出来るくらい肉中心で食べてる。こちらもお酒はけっこうな量呑んでる。でも食べ方はランスロット並に綺麗だ。

 そしてそのランスロットは綺麗にバランス良く食べてる。因みにマシュもだ。お酒は嗜む程度だ。

 白ジャンヌと黒ジャンヌはパンやスープ中心に他の食べ物は全く一緒の物を同じ量だけ、とはなら無いが、好みが似通ってるのは確認できる。こちらもお酒は嗜む程度だ。

 赤ジャンヌは凄い速度で次々と完食していってるのであまり見すぎるとこっちが胸焼けしそうなので見続けたくない。そもそもあいつに関しては受肉してるからいくらでも食える訳じゃ無いはずなんだが………。

 

 そんな風に観察していたら黒髭とスカサハが近付いていて

 

「立香氏、ちょっとジャンヌ殿酔った所見たくないでござるか?」

 

 と言ってきた。

 正直見たいかもしれない。赤ジャンヌが酔うとどうなるか全く想像できないからこそ見たい。

 

「カルデアで拙者やスカサハ氏が飲みに誘っても断られちゃうから、今日こそはマスターの令呪で無理矢理にでも飲んで貰うでござるよ!なんせ海賊にとって一緒に酒を飲むのはスキンシップの一つでござるから!」

「という訳だマスター」

 

 まぁ確かに黒髭にとっては一緒に飲むのは友情の証なのだろう。

 ぶっちゃけ令呪なんて寝れば1画回復するんだし、今使っても問題無いと言えば無いのだ。

 僕も興味あるし………

 

「令呪によって命ずる、赤ジャンヌよ、黒髭とスカサハの酒に付き合え。」

「ファッ!?」

 

 食べることに集中してた赤ジャンヌが驚いてるけど既に発動したから。

 

「イェーイマスターサイコー!!ほれジャンヌ殿、イッキでござるよイッキ!イッキ!」

「瓶ごと口に突っ込もうとするんじゃねぇよ!?」

「どれ、私がやろう。」

「師匠ォ!?ンゴォォォ!?」

 

 あ、無理矢理口に突っ込まれた上にニヤニヤ笑ってるジャンヌ・オルタから鼻つままれてる。

 

 

 

 後になってから僕は後悔した。この時にでも無理矢理止めればまだ間に合ったと。

 

 

 

 

 

「フヘヘヘヘヘ、それでさぁ黒髭、あの時私が寸止めしてやったらあの糞豚白目剥いて気絶したんだよ。ハッハッハッハ。お、黒髭もっと飲め飲め」

 

 どうやら赤ジャンヌは笑い上戸で黒髭だけじゃなく仲間ほぼ全員に絡んでたし、しかも酒を飲むことを強要してるぞ。俺にはまだ来てないけどマシュには既に絡んでたんだよなぁ。それにさっきから自慢話ばっかり上機嫌に話してる。

 

 

数十分後

 

「うわあああーああ、わらし()らってッ、自分の未来をかえらい(変えたい)かえらい(変えたい)思っれぇぇぇぇへへへへへ頑張ったんれすぅ」

「落ち着け、私が悪かった。だから落ち着け」

「貴女には解らないれしょうね!!」

 

 呂律が回ってない位飲んだら今度は泣き上戸で野〇村するとか訳解んねぇぞこれ(困惑)

 最早元凶の一人(スカサハ)が止めようとするレベルだぞおい。

 てか既に止めようとした黒髭がボコボコにされて地面に倒れ伏してる。

 ネロ皇帝もドン引きだぞ!

 

 

更に数十分後

 

マヒュ(マシュ)のほっぺらマヒュマロ(マシュマロ)みらいれふね、ンーチュ!」

 

 今度はキス魔かよ………マシュが絶対防衛ラインとして僕の前に立ってくれてるけどネロ皇帝や近くに控えていた侍女、更には黒髭含めて僕以外既に何かしらの被害受けてる。

 大変申し訳ない気持ちで一杯だ。今回は自分で撒いた種だから余計に胃が痛い……。

 なんか酔拳と思われる拳法のせいで下手に近寄れない。最早スカサハでも動きが読めなくなってきたレベルだ。

 真面目に令呪を更に1画使って止めるのも視野に入れた方がいいかもしれない。

 と考えていたら

 

「わらし今とぉぉぉっっっても幸せなんれすよ」

 

 と満面の笑みと共に言った途端仰向けに倒れた。

 

「…………………………」

「…………………………」

「…………………………」

「……………寝ているな」

「……………嘘でしょ?」

「…………一応そなたら全員分の部屋は用意してあるが……」

「………はぁ、拙者が運ぶでござるよ。

酔っぱらいの扱いはなれてるでござるよグハァ!?」

 

 抱き抱えて運ぼうとした黒髭の顔面に的確に音速の拳が突き刺さった。

 

「………寝てるんだよね?」

「………どうやら自動的に迎撃するみたいであるな。」

「……あの、それ誰が運ぶんですか?と言うより誰が運べるんですか?」

『……………………………………』

「このアホどんだけめんどくさいのよ!?」

 

 僕が寝てるかスカサハに確認したところ自動で迎撃するらしいという情報が手に入った。知りたくなかった。

 そしてマシュが誰が運ぶか(死ぬか)聞いてるが当然誰も何も言わなかった。

 最後にジャンヌ・オルタが皆の心を代弁してくれた。

 本当にめんどくさいな!?酒癖悪すぎるだろ!?もしかして今まで黒髭とスカサハの誘い断ってた理由これ?いや、間違いなくこれだろ。

 いや本当にどうしよう…………

 

「仕方ないここは私が」

「ランスロットさん?」

「いやまて、流石に私とて酔って寝ている婦人相手に手は出さないぞ!?」

「主の妃には手を出したのに?」

「うぐ、そ、それは………」

 

 とりあえずランスロットは論外としてどうしよう…………

 なんて考えていたら突然赤ジャンヌの目がパチリと開いて

 

「飲み過ぎよ全く、大丈夫私が運ぶわ。……………あぁ、私よ、オルガマリーよ。珍しく熟睡してるから私がこの体を操作出来るのよ。あ、でもあまり近付かないでね。迎撃自体は勝手にしちゃうから。」

 

 救世主が現れた。 




酔い方でその人が本当はどんな人なのか判るらしいです。


最近ネタが薄い……薄くない?

次回は現地の味方サーヴァントとの合流と、いけたらカエサルとの邂逅です(カエサルだけとは言ってない)


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圧政!!

おぉ圧政者よ!!(洗脳済み)


立香side

 赤ジャンヌの酒癖の悪さが発覚し、救世主が降臨した翌朝、赤ジャンヌが真っ青な顔でフラフラしながら皆の前に現れた。

 

「気持ち悪い……頭がズンガズンガする…吐きそう…まさか、つわり?」

「ランスロットさんあのあと夜這いでもかけたんですか?」

「待って、流石に待ってくれ、いくらなんでも私の信用度低すぎないか!?」

「そうよマシュ、いくらランスロットでも夜這いとか……………………しないんじゃないかな(目逸らし)」

「マスター!?」

「ジャンヌ殿それただの二日酔いでござるよ」

「でしょうね。ネタでつわりって言っただけなのに速攻でランスロット疑われてて流石に草。

でもちょっと膜の確認してくる」

「そなたらは朝から元気であるな(白目)」

 

 まぁ流石に僕でもこの程度はネタで返せる位には慣れた。

 そのせいかネロ皇帝が僕達のやり取りを見て感激したのか白目を剥いてくださってる。(現実逃避)

 実際はいくらランスロットでも自動迎撃かわして夜這いかけるとか無理でしょ。

 まぁもし赤ジャンヌの膜無かったら回復したばっかりの令呪が朝から1画無くなるんだけどね。

 

「マスター何故令呪を構えてるんですか!?」

「ふむ、惜しいやつを亡くすな」

「流石に夜這いを仕掛ける方と仲間なのはちょっと」

「あら、マスター、令呪なんて無くても私が燃やし尽くすわよ」

「私がヤッてる事前提で話を進めないでくれないか!?」

「そうだぞ、俺は寝てても自動迎撃するから早々簡単に夜這いさせないよ。そうだったろランスロット。あ、ルビ忘れた。そうだったろランスロット(パパ)

「……………………良かったですねランスロットさん、パパになったらしいですよ?では辞世の句を私が責任もってお子さんに伝えておきますね。」

「………………………………信じてくれ、本当に身に覚えがないんだ」

「酷い!私との一夜は遊びだったの!?」

「………らしいですよ?」

「待ってくれ、フランスでの手の込んだ『友情ごっこォ』の事を思い出してくれ、こんなやつを信用するのか!!」

 

 ……………………………とりあえず自害させてから考えよう。

 

「で、実際のところはどうなんでござるか?」

「昨日スカサハに酒瓶突っ込まれた辺りから今朝起きるまでの記憶がない。

あの糞アラヤがワザワザ再現して下さった糞忌々しい膜も健在だよ糞がぁ!!

いっそ酒の力でもいいから彼氏居ない歴=前世の人生終了まで+転生後の人生終了までとか卒業したいわ!!売れ残りってレベルじゃねぇんだよ!!売れ残ったまんま二回も人生終了してんだよボケェ!誰がこんな負け犬の象徴まで再現しろと言ったァ!!」

「おい、その発言は彼氏居ないまま数千年生きてる私への当て付けか?」

「ウルセェぞ回す方のノッブの玩具が!対魔忍みたいな見た目しやがって!!」

「感度3000倍にされたりして即堕ちしそうでござる(小並感)」

「宜しい、意味は解らないがとりあえず煽っておるのだな?戦争だ」

 

 凄く生々しい発言を聞いたがすぐさま記憶から消し去りたい。それにスカサハって別に処女じゃないよね?伝承通りならけっこうな数の男漁ってると思うのですがそれは。そしていくらなんでも対魔忍扱いはやめてさしあげろ。

 

「赤ジャンヌ殿!?いくら何でも言って良い冗談と悪い冗談があるんですよ!?おかげで私自害させられる所だったんですよ!?」

「ぶっちゃけ俺があんな冗談言っても全員信じてる時点でお前の生前の行いが悪いだろ」

「†悔い改めて†下さいランスロットさん。」

「アッハイ」

 

 なんかNTR騎士が騒いでるがマシュの一言で沈静化した。

 

「ふむ、そんなに処女であるのが嫌であるならば余が抱いてや「おし、スキンシップはここら辺にして本腰入れて笑顔で連合ローマ滅ぼすか」…そうであるな、まずそなたらにはガリアと言う場所に行って貰う。

そこに他の客将が防衛任務に当たっているため合流し、ガリア方面に居るとあるサーヴァントを倒す協力をして貰う。

そのサーヴァントは軍略に優れているため今までも幾度と余自身が討伐に向かったが、悉く失敗しておる。そのためそなたらと共に今度こそ確実に獲りに行く。よいな?」

 

 急に真面目な話になった!?

 いや、まぁ良いことではあるんだけど。

 どうやら最初の仕事はガリアという場所で現地のサーヴァントと合流し、軍略に長けた敵サーヴァントを倒すのが目的の様だ。

 

「1つ注意事項であるが客将の一人は会話出来るようで出来ぬ。であるから下手に会話しようとすれば何故か戦闘になる。以上だ。     それと本当に余に抱かれる気は「了解であります!直ぐに行くぞ、とっとと行くぞ!俺の身の安全のために速くガリア行くぞ!あ、ごめんやっぱり待って、ちょっと吐いて来る」むむむ……」

 

 ネロ皇帝ってその……レズ…………いや、皇帝なんだから世継ぎ作るためにするのなら女性と結婚する事になるのだし何ら不思議は…………あれ?ネロって史実どうだっけ?子供居たっけ?居たとしてそれネロ『が』生んだの?奥さんが生んだの?……ん?……ん?………………闇が深そうだからこれ以上考えるのは止めよう……。

 会話が出来るようで出来ないってそれ完全にバーサーカーだよね?

 ………………よく考えたら赤ジャンヌも会話が出来るようで出来ない部類に入るかもしれない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

2日後

 

 ついに僕達はガリア戦線野営地に到着した。

 ただ、ネロ皇帝は自分が首都を空ける間にやるべき事を終わらせるため1日遅れで到着予定なので、本格的に敵と戦うのは恐らく明後日になるだろうが。

 

 野営地についた僕らを出迎えて歓迎してくれたのは二人のサーヴァントだった。

 

「貴方達が伝令の言ってた新しい客将ね。宜しく。私の真名()はブーディカだよ。」

 

 !?ブーディカと言えば確か夫の死後ローマに自分や娘達を凌辱されて、国を盗られ、それに激怒し反旗を翻した女王で、その……ネロ皇帝率いるローマ軍に負けて自殺した人の筈。そんな人がネロ皇帝の味方をするなんて、少し……いやかなり意外だ。

 

「そしてこいつが」

 

 あぁ、うん、まぁ流れ的に普通はそうなるよね、知ってたうん。ただ出来ればもう少しだけこの現実から目を逸らしたかったかなって。

 

「おぉ圧政者達よ。我が筋肉は極限の痛みの中愛をもって爆発するだろう」

「スパルタクスだ。宜しくお願いするよ。」

 

 ごめん、やっぱりもう少しだけこの筋肉の塊から目を逸らしてて良いかな。

 ネロ皇帝の言ってた会話が出来るようで出来ない奴って絶対こいつだって間違いないって。だって既に意味不明だもん。見た目から意味不明だけど輪をかけて出てくる言葉が意味不明だ。

 

「本当はもう一人居るんだけど今敵相手に大暴れしてるんだ。そろそろ戻ってくるとは思うがそいつはその時に紹介せるよ。とにかく宜しく」

 

 そういってブーディカさんは握手のために手を差し出してきた。

 

「『私達は人理継続保証機関カルデアの者です。宜しくお願いします』」

 

 赤ジャンヌも所長代理として挨拶してるみたいだしフランスみたいな事はしないだろ………たぶん。

 

 こうして僕達の現地サーヴァントとのファーストコンタクトは特に問題なく穏便に終った。




という訳で赤ジャンヌさんは前世から女です。まぁ1つ前の話で既に解ってたと思うけど。

赤ジャンヌの嘆き辺りはHSDDのロスヴァイセさんをイメージして書きましたのでこうなりました。

男口調なのは前に言った部下に舐められないようにって理由と、それとは別な理由があったりします







次は特別記念として一端本編をお休みして『絶対に笑ってはいけないカルデア24時』を予定しております


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またお前か

親の顔より見た奴


立香side

 ブーディカ達と出会ってから1日経って、ネロ皇帝が来る日になった。

 敵は昨日一度軽い偵察のつもりなのか襲撃をかけて来たが、問題なく返り討ちにしたり、もう一人のガリアに居る味方サーヴァントがバーサーカーのクラスで召喚されたダレイオス三世さんである事が解ったりと細々としたことがあった。

 そんな事を思い返してたらネロ皇帝が援軍連れてやって来た。

 

「此度のガリア戦線の維持大義であった。これより余も参戦して2時間後に敵将カエサルの討伐に向かう。そなたらも準備しておくがよい」

「よし、二時間たっぷり修行だな」

「せめて1時間半にしてください、死んでしまいます」

「あの、いくらなんでも進軍直前まで修行漬けでは先輩の体が持ちませんので休憩を挟ませてください」

「ん~……俺としては極限まで追い込んで成長させたい所だけど………まぁ今回は様子見として1時間半で許してやろう」

 

 そもそも2時間後に出撃の理由って乗ってきた馬の休憩の為だよね?

 ネロ皇帝の連れてきた援軍は全員騎兵だった。大体50騎程の騎兵部隊がやって来るのを見たのは初めてで、かっこよくて少し興奮したが、どうにも馬達に疲労の色が見てとれたので、先程ネロ皇帝が言った2時間とは馬達を休憩させるためなのではと考えたのだ。

 あながち間違いではないと思うが言ったところで修行するのはどうせ確定なので出撃前に30分も休めるのでも十分だ。

 

 

 

 

 そう思ってた時期が僕にも有りました。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「はいそこまで。よし、時間だし休憩だな。おら喜べよ」

「ゼェ……ゼェ……ゼェ……」

 

 指先どころか話す余裕も無いくらい疲れたのですがそれは……。いや、本当にキツイ、いくら30分程休めると言ってもここまでギリギリまで修行させるか?普通。

 そんな事を思いつつ地面との熱烈な抱擁をしながら少しずつ体力を回復させて、ある程度動ける様になったので、何となく少し回りを散歩しようと思い、マシュと一緒にテントを出た。

 

 

 

 

 

 ふと、とあるテントからネロ皇帝の声が聞こえた

 

「本当に良いのか?そなたにとって余は復讐相手の筈であろう?」

 

 何となく、聞き耳を立ててみた。いや、本当は今の言葉で大体誰と話をしてるのか解っていた。だからこそそれは僕も気になっていたし、その話に僕が割り込んではいけないと感じたからこそ盗み聞きの様な事をすることにしたのだ。

 

「………まぁ本当に気にしてないと言えば嘘になるね。」

「では何故余の味方をしてくれるのだ?」

「確かに私の大切な娘達にした仕打ちを忘れたりしないよ。でも私の復讐は既に生前の私の敗北()をもって終ったのさ。別にあんたが私と同じサーヴァントならともかく、私に勝って、今を生きているあんたに復讐する気は無いさ。

だからこそ私は、私と同じ死者の軍団である連合ローマ帝国にローマへの復讐心をぶつけてる。その復讐のために、貴方に協力するだけさ。これだけじゃ不満かい?」

「…………いや、そこまでまっすぐ言われれば余も納得する。では、改めて協力感謝するぞ、ブーディカよ。

さて、余り盗み聞きは感心せぬぞ立香殿、マシュ殿」

 

 うん、やっぱりバレてたか。

 でもブーディカさんが生前の敵であったネロ皇帝の正規ローマ軍に協力してた理由が解った。きっと彼女にとってネロ皇帝との因縁は既に終った事で、彼女も死んでるならお互いに生前の因縁として戦うのも厭わなかったんだろうけど、ネロ皇帝は今は生前だ。なら、負けた身として今度は勝った人を助けてあげるのだろう。

 

「いや、すいません、たまたま通りかかってた時に聞こえちゃいまして。ごめんなさい。」

「お二人の因縁もあるのでつい聞き入ってしまいました。申し訳ありません」

「そなたらは余とブーディカの因縁を知っておったのか。なら確かに不思議に思っても仕方あるまい」

「うんうん、私自身も実は少し驚いてる位なんだし、気になるのはしょうがないさ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 なんて事があったりした事を思い出しつつ、現在僕達は敵サーヴァント(カエサル)の居る場所目前まで迫っていた。

 そう、既にお互いの軍がぶつかり合い、至るところで命の奪い合いが発生してるが、僕達はカルデア組とネロ皇帝が一つの集団となり、カエサルの居る敵の本拠地まで一直線に突き進んでいるのだ。基本的に襲ってくる連合ローマ軍の二人は戦闘の赤ジャンヌにより大半がぶっ飛ばされ、うち漏らしをランスロット辺りが倒して、後ろからの敵をスカサハ師匠が倒してる。

 そんなわけで現在僕達の集団が正規ローマ軍の皆さんを置き去りにして、肉薄していた。

 そして、ついに拠点に乗り込んだ。

 拠点に乗り込んだ途端に、今までひっきりなしに襲いかかってきた連合ローマ兵が襲撃しなくなり、目の前には堂々とした立ち振る舞いをしている…………デブが居た。

 

「ふくよかと言え!!」

「おいふくよかなデブ、お前がカエサルで間違いないな?」

「ふくよかなデブ!?……いや、とりあえずそれは置いておこう。

いかにも!!私こそがこのガリア方面攻略の指揮官であるガイウス・ユリウス・カエサルである!!」

「ではこちらも名乗ろう。

余こそが、当代のローマ皇帝ネロ・クラウディウスなるぞ!!」

 

 どうやらあのふくよかな男性がやはりカエサルの様だった。

 そしてネロ皇帝が堂々とカエサルにたいして名乗り返していた。その直後

 

ギン

「チッ!」

「あっぶね!!アサシンに警戒しておいてよかっ…………………えっ!?」

 

 突然赤ジャンヌがネロ皇帝に殴りかかったと思ったら、ジャンヌがネロ皇帝へのアサシン(多分)がネロ皇帝に向かって攻撃しようとしたのを防いだ所か、剣でガードしたアサシンは大きく弾き飛ばした。

 そして相手が大きく後退した事により、相手の格好が解った。ブルマを着て、青いマフラーを巻いたアルトリア顔の人だった。

 ま た か

 しかもネロ皇帝や前の特異点の沖田総司みたいに胸がないって事はアルトリアシリーズの可能性が高い………のか?

 なんて考えてたのは赤ジャンヌも一緒だったのか僕の心を代弁してくれたのかと思うくらい同意見の発言をした。

 

「またアルトリアかよ!!」

「また?またの意味が解りませんが私はアルトリアなどと言うヒロインの中のヒロインなんて知りません。私は謎のヒロインXです!!」

 

 ……………………あれ?アルトリアさんってこんな性格だっけ?




最近筆が進まない……スランプ気味なのかな…とにかく投稿遅くなって本当にすまない。


アニメ見た感想としてはフォウ君が思ってたより小さかった。小型犬位はあると思ってた。あと所長が有能だったね(笑)。それとしれっとぐだ子出てたけど特にこれといって出番が有るわけでもなかったし。
他にも何か所々ソシャゲと違うところあったね。シャドウサーヴァントとの戦闘が無くなってたりマシュが宝具仮覚醒せずにセイバーの所行ったりダヴィンチちゃん出てこなかったり。

まぁ一番問題なのは爆破された割にはマスター達が原型普通に留めてた事かな(白目)
爆破されたって言ってたからてっきりもっと肉片とかになってると思って赤ジャンヌはお前らの血肉で作られた設定なんだけど、どうすんだよ普通に人の形保ってんぞ(汗)

ま、まぁタグに独自設定やらご都合主義ってあるし大丈夫やろ(震え声)


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紅茶(隠語)キメてますね間違いない

なお一番頭がキマッてるのは作者の模様


立香side

 アルトリア顔の人が奇襲してきたけどこの人はアルトリアなのか?言葉の中身的には自分がアルトリアだって白状したのにも等しいけどアルトリアさんってあんなマイルドな赤ジャンヌみたいな性格じゃなかったような……。でも持ってる剣から聖なる波動的な何かを感じるし、見た目が黒くないエクスカリバーと言っても良いくらいそっくりだ……。はっきり言うと性格以外は完全にアルトリアさんなんだが、性格でどうしても引っ掛かる。

 

「むぅ、やはりそなたは性懲りもなくまた余の命を狙ってくるか!」

「また?」

「かれこれ既に10回はあやつと戦っておる。しかもあやついつも嫌らしいタイミングで奇襲を仕掛けてくるのだ。そしてあやつのせいでカエサル殿を討つのに3回は失敗しておる。忌々しい限りであるぞ」

「当たり前です。セイバー忍法と二振りの剣にて憎きセイバー顔をアルトリアという至高のヒロイン以外殲滅するのが目的なんですよ!!だから死ねぇぇぇぇ!!」

 

 なんだあのアルトリア!?あんな性格のシーンとか伝承に有ったか!?やっぱりあれアルトリアなのか?そろそろアルトリアがゲシュタルト崩壊しそうだよ!!

 

「させるかボケが!!『白刃流し』!!」

 

 赤ジャンヌが自称謎のヒロインXの前に立ち塞がり、それに対しヒロインXは邪魔だと言わんばかりに赤ジャンヌを斬ろうと剣を振り下ろしたが赤ジャンヌの【腕を回転させて剣を弾きながら相手に攻撃する攻防一体の技】を受けて、剣が弾かれた時にはヤバイと悟ったのか一瞬でバックステップを踏み赤ジャンヌとの距離を放した。

 

「今のところ全特異点に敵として居るとか恥ずかしくないんですか?」

「別に私はアルトリアとか言う最高のヒロインでも無いのに顔同じな不届き者を殺しに来ただけだから獲物その4からそんなこと言われても」

「…………ん?4?………そういえば俺一応セイバー顔だから特攻対象やんけ!!」

 

 特攻?赤ジャンヌは彼女を知ってるのか?今の発言からすると彼女はセイバー顔なる人相手に有利と言うことになる。そして赤ジャンヌが自分をセイバー顔と言ったから、赤ジャンヌ、白ジャンヌ、黒ジャンヌがその対象なのだろう。もう一人は………多分赤ジャンヌ達に似てるって言われれば似てるネロ皇帝か?

 いや、考察するより赤ジャンヌに聞いた方が確実だな

 

「彼女を知ってるのか?赤ジャンヌ」

「あ?あぁまぁあいつもアルトリアだよ。紅茶キメて英国面に墜ちたアルトリアだから。」

「あれ?紅茶って薬物か何かでしたっけ?」

「マシュ氏、紅茶(隠語)でござるよきっと(白目)」

「何よ?要するにあの天下のアーサー王ははヤク中って事?なにそれ笑えるわね」

「我が王よ!何故クスリ何ぞに手を出したのですか!!」

「誰がヤク中ですか!!」

「はいはい。ヤクキメてる人は皆同じこと言うんでござるよ」

「そうだゾ。そもそもヤクキメてなきゃアホみたいな服装してそんなラリってるとしか思えない言動しながらそんな玩具(聖剣)振り回さないゾ。」

「ラリってませんよ!?しかも今地味にこの剣のこと玩具って言いましたよね!?」

「って言って本人全否定してますけどどうするでござるか先輩?」

「とりあえず君署まで来て貰おうか。大丈夫大丈夫、ちょっと署の方で尿検査すれば一発で解るから。」

 

 俺の発言からどう発展してどうなったらアーサー王が薬物中毒者みたいな扱いになる(困惑)

 

「先輩、ちょっと後でその検査に使う聖水(尿)を拙者にうって貰えぬでござるか?」

「どうやら私の宝具(アロンダイト)の錆になりたいようですね」

「そろそろ私も発言していいか?」

「DEBUは黙っとれ」

「敵ではあるがカエサル殿にデブと………いや、確かにこう…余も聞いていた話とは違うとは思ってはいたが……もう少し言い方をだな……」

「ふくよかと言え!!」

 

 何かぐだぐだになってきたしこれから戦闘の流れじゃないな明らかに。

 仮に戦闘なったらどうしよう……ジャンヌ三人に特攻持ってるらしいしクラス相性的もあるし黒髭だと確実にヒロインXに勝てない。そうなるとやはりランスロットとスカサハに相手してもらってその間にカエサルをボコってネロ皇帝にトドメを刺してもらう形になるかな?カエサルって確か戦闘より謀略タイプの筈だし正直赤ジャンヌ一人ででも倒せるだろう。

 

「ふ、フフフフフフフ」

 

 うん?あれ?何かヒロインXが急に顔をうつむけながら笑始めたぞ。

 

「初めてですよ、私をここまでこけにしてくれたおバカさん達は………………もう絶対に許しません!!

『セイバー忍法 多重影分身』!!」

 

 ファッ!?ヒロインXから半透明なヒロインXがわらわら出てきて20人位に増えた!?

 

「お前のその敵になった途端に技豊富になるの止めろ!!むしろ敵として出てきた方が強いから味方の時には無能化してるみたいになってんだぞ!!天草かテメェ!!」

『うるさいですよ!!今私の中で絶対に殺すランキングの1位がそもそもアルトリア顔が増えた元凶のそこの赤セイバーから貴方に変わりましたよ!!』

「チッ、『50人の赤い悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』。

あの脳ミソ鰻ゼリーからご指名だからあいつの相手は俺がする。お前らはあのチャーシューの相手を頼む。」

「誰がチャーシューだ!!」

「ジャンヌ殿だけで大丈夫でござるか?」

「元グリーンベレーの俺が負けるわけがねぇ。なんせこの戦いが終わったら田んぼで風呂入ってるあいつと結婚するんだ。絶対に生きて帰ってみせる」

「えぇ………」

 

 自分からフラグを山盛りにしていくのか(困惑)。

 いや、一応赤ジャンヌも宝具で部下呼び出してるから数的にも負けないだろうしどうやら特攻あるのはセイバー顔なる人だけみたいだし赤ジャンヌの部下達は別にセイバー顔じゃないし大丈夫だな。………………あれ?これもフラグか?

 カエサルの方は明らかに過剰戦力だろうし僕は何かあればすぐに令呪使える様に赤ジャンヌの方の戦いを注視してよう。




書き上げるのに3日もかかってしまった………待たせて本当に申し訳ない。

スランプってどうやって抜け出すんだろう……何か息抜きに別なの書いた方が良いのかな………




作者は無課金勢なので去年もそうでしたが今年も福袋は引きません。なので11日に向けて石と呼府を貯めてます。なおもし☆5当てても既に育成が手一杯な模様。育てなきゃいけないのがメイヴとクレオパトラとクロとマシュでそれぞれ大体Lv65前後。素材もそうだがQPが足りない。


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新技お披露目だ

赤ジャンヌの新技()ですよ皆さん




立香side

 

 

 ジャンヌとヒロインXの戦いは互角に見えた。

 数としてはジャンヌ含め51人とヒロインX本体含め21人と、ジャンヌの方が有利であり、純粋な戦闘力ならジャンヌの部下さん達の方がヒロインXよりやや上の様に見受けられる。だがヒロインXは、分身すらもセイバー忍法なる技を駆使し、麻痺や毒、他にも広範囲な雷や火の攻撃等も使ってくるため、ジャンヌ達は攻めあぐねてる。

 

「テメェいい加減にしろよ!?NARUTOの住民かよ!毒や麻痺位ならまだ解るが明らかに火遁とか雷遁的な感じの技使ってきてんじゃねぇよ!!」

「知りませんよそんなこと!勝てば良いんです勝てば!!」

 

 うん、まぁ僕も段々ヒロインXがNARUTOの忍者()に見えてきていたけどジャンヌが我慢出来なくてついにヒロインXに突っ込んだ。

 ただジャンヌの部下は兎も角ジャンヌ自身はヒロインXの忍法を全て直死の魔眼で切り伏せてるしどっちもどっちだと思う。

 

「埒があかねぇな。おいお前ら!俺は一旦下がる。少しの間時間稼ぎしてくれ」

『了解です姉御!!』

「そう簡単に下がらせるとでも?」

 

 何かの策が有るのか部下達に時間稼ぎを指示して下がろうとしたジャンヌに対して本体のヒロインXがそれを阻止しようと2刀で襲いかかった。

 しかしその攻撃の隙に横合いから二本の剣がそれぞれ首と胴に向かって凪ぎ払われたが、ヒロインXはジャンヌへの攻撃を中断することによってその攻撃を防いだ。だがその間にジャンヌは後退していった。

 

「そっちこそそう簡単に」

「姉御の元に行かせるとでも?」

「チッ!」

 

 確かあの二人はどちらも同じ剣を使うが、それぞれ静のタイプと動のタイプで、正反対な戦い方をするベルガー兄妹だ。

 

 

 武術家は必ず静と動の二つのタイプで分けられる。

 静は常に心を沈め、冷静に戦局を見極めながら戦闘を制するタイプ。

 動は心のリミッターを外すことで、爆発的な気とパワーにより戦闘を行うタイプ。

 一見静の方が良さそうに聞こえるが、そんなことはなく、どちらも一長一短がある。

 

 

 兄の方は動タイプで、その巨体から繰り出される剣撃は相手を圧倒させ、妹の方は静タイプで、兄とタッグを組めば兄の大降りな攻撃の隙間を縫う様に計算された攻撃を繰り出し、兄の攻撃で圧倒し、更に妹が合間合間に相手を更に追い込む強力なタッグだ。

 一人だけならランスロットよりやや弱い位だが、二人が組めばランスロットを越える強さを発揮する。まぁランスロットの宝具真名開放(アロンダイト)無しの模擬戦しかしてないのでランスロットの宝具真名開放(アロンダイト)込みの場合どうなるか解らないが。

閑話休題

 しかしヒロインXはただのサーヴァントでは無く、セイバー忍法と言って火吹いたり土を操ってきたりと赤ジャンヌとは別ベクトルでやりたい放題なので、宝具とスキルが無い二人は苦戦していた。

 

 

 

 その間、後退したジャンヌは戦闘してる彼らを中心として、その外周の地面にルーンの様に見える物を刻み、そう上で印を結び、それを行った場所を線で結ぶと四角になる

様に仕込みかな?をしていた。

 そしてその仕込みが終わったのか四角の外側で印を結び、更には足で空中にルーンを描きながら聞き覚えのある詠唱をしていた。

 

「滲み出す混濁の紋章

不遜なる狂気の器

湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる

爬行する鉄の王女

絶えず自壊する泥の人形

結合せよ

反発せよ

地に満ち己の無力を知れ

破道の九十  『黒棺』」

 

……………………こ、こいつ部下ごと殺りやがったぁぁぁぁぁぁぁ!?

 ジャンヌの詠唱が完了した直後に漆黒の立方体が出現してヒロインXの本体と分身、更には宝具で呼び出した部下ごと閉じ込めた。そしてなんか中から「ぎゃぁぁぁぁぁ!」とかの悲鳴が聞こえるんですがそれは………。

 約5秒程でその立方体は空気に溶ける様に消え去ったがその後には何も残っていなかった。

 

 

 

 

 なんて事はなく体の各所から血を流したヒロインX本体だけが居た。

 

「お前……もうしかしてガッツで耐えやがったな?」

「はぁ、はぁ……えぇそうです。咄嗟に忍法(ガッツ)をかけてなければ即死でしたよ。

ですが満身創痍なのは事実です。どうやら(カエサル)の方もいつの間にか終った見たいですしここは退かせて貰います。セイバー忍法『土竜(どりゅう)の術』!!」

「待て!……逃げられたか。てか土竜ってかモグラじゃねぇか!」

 

 ボロボロになったヒロインXはカエサルが既にネロ皇帝によって討ち取られていた事もあってかすぐさま高速回転しながら地面に潜って逃げていった。

 

「余がカエサル殿と戦っている間の、あの者の足止めまことに大義であった。逃げられてしまったのは後々に面倒な事になりそうではあるがそれでもあれほどの痛手を負わせればしばらくはあの者もおとなしくしているであろう。あの者に余はだいぶ手こずらされたからの、そなた達にはローマに戻った際に褒美をやろう」

 

 ネロ皇帝が威風堂々とした様でこちらに近付き、労いの言葉をかけてくれた。

 こうして、ヒロインX達VS赤ジャンヌ軍団は赤ジャンヌの部下もろともの攻撃により赤ジャンヌの勝利となった。




オサレな新技はどうでしたか?(白目)

なお読めば解ると思いますがくっそ面倒な前準備をしないと発動できない模様。詳しい説明は次回辺りにでもやる予定です。

それとガリア戦線が終ったとは言ってない(暗黒微笑)


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ガリア戦線終結

これでやっとガリアは終わりです


立香side

 

 

 ガリア戦線での総大将であるカエサルは過剰戦力でボコボコにし、カエサルの後を引き継いで指揮出来そうなヒロインXも撤退し、ガリア戦線は終結した。  かに見えた。

 

「例えカエサル様が討ち取られたとしても我らは退かぬ」

 

 と連合ローマ兵の誰かが叫んだのを皮切りに、カエサルやヒロインXと戦ってる時は手出ししてこなかった連合兵が襲いかかってきたのだ。

 

「何!?頭が討たれてるのに撤退しないだと!?」

「ほぉ、私に挑むならば容赦はしないぞ。力を示してみよ、このスカサハに」

「チッ!やっぱりかよ!魔力黒棺に持ってかれてカッツカツだがサービス残業上等だゴルァ!!『50人の赤き悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』!!」

「やはりこうなったか!えぇい、余のローマ兵を舐めるな!全軍迎え撃て!」

 

 撤退しないことに黒髭が驚いていた。いや、黒髭の生前を考えれば当たり前か。彼の戦場は船の上だったのだ、そして何より黒髭と言えば抵抗したときは相手を皆殺ししたので有名なのだ、そんな彼からすれば船長を殺されたら相手は逃げるのが普通だったのだろう。

 いや、実際に総大将が討ち取られたなら、撤退するなり身分の高い人だったのなら投降して捕虜になるなりするのが普通なのだ。勿論例外はある。相手が血気盛んなら「奴を討ち取れば次の大将は俺だ!」みたいな感じで襲いかかって来ることもあり得るし、よほど大将が慕われていたりすれば「よくも大将を!絶対に許さねぇからな!」と激昂して襲いかかる事もあるだろう。

 だが彼らはそのどちらでもない。彼等は激昂してる訳でもなく、野心を持って襲ってきてる訳でもなく、もっとこう………なんて言うかまるで戦うのが当たり前かの様にと言うのかな?彼等はロボットの様だったのだ。

 しかし彼らがどれだけの人数で襲いかかってきてもこちらには多数のサーヴァントが居るのだ。連合ローマ兵に勝ち目など無い。それは向こうも解ってる筈なのだ。ましてや赤ジャンヌが宝具でもう一度50人のサーヴァントを呼んだのだ、それなのに誰一人一切の怯えも見せずに突撃してくる様は狂気すら感じさせた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「……連合ローマ兵の殲滅を確認しました……戦闘を終了します」

 

 ………結局連合ローマ兵達は文字通り最後の1人になっても戦うのを止めなかった。例え目の前でどれだけ仲間が倒れようとも彼らの士気が落ちることは無かった。

 その異常な光景に、僕は少なくない衝撃を受けた。それはマシュも同じだったのか先程の声に元気が無かったし顔色も少し悪い。

 

「ぬわぁぁぁん疲れたもぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 赤ジャンヌはもう少し空気を読め。

 

「まるでサクソン人の様でしたね。まぁ彼等に比べればサクソン人の方がはるかにメンドウでしたが」

 

 待って、え?サクソン人ってこれよりメンドウだったの?ブリテン島怖すぎない?

 

「皆よ!余達はついに敵将カエサルを打ち破り、このガリアで勝利をあげた!!これも皆の奮戦あってこそである、実に大義であった!!

そなたらもカエサル殿を討つのに協力してくれたこと実に感謝する。戦後処理等もあるのであと1日はガリアに居る必要が有るがその後はローマに戻りそなたらに褒美を授けよう。」

 

 僕の心境がシリアスなのかギャグなのかわからない状態になっていたらネロ皇帝が勝鬨をあげていた。そして兵士達を鼓舞した後に僕たちに近付いてお礼を言ってきた。

 確かに先陣で次々連合ローマ兵達をなぎ倒してカエサルの元まで道を切り開いたのは確かだが正直僕達が居なくてもネロ皇帝やブーディカさん達で十分勝てたと思う。

 たがカエサルに関しては本当にネロ皇帝だけでも十分倒せた様に見えた。先程カエサルと戦っていたのも殆どネロ皇帝のみであったし、カエサルの決死の宝具攻撃はマシュが防いでいたがネロ皇帝1人でも十分に避ける事が出来ただろう。むしろネロ皇帝が僕達に配慮して防がせてくれた様にすら見えた。

 それに何より僕達は武功を立てに来た訳じゃなく人理を修復しに来たのだ。

 

「いえ、僕達は別に報酬とかは大丈夫ですので」

「は?」

「えっ」

 

 僕が報酬は要らないと言ったら赤ジャンヌがガチトーンで「は?」って言ってきたけど僕なんか不味いこと言った!?

 

「何?報酬は要らないと?それは困る。戦に置いて功績を上げた者にはそれ相応の報酬をやらねば皇帝として示しがつかぬ。そなたらの強さ等は既に皆が見ているゆえ何かしら報酬をやらねば兵達の士気にも大きく関わるのだ。

何か欲しいものは無いのか?金もで食料でも、それこそ領地や爵位でも良いぞ」

 

 あっ、もしかしてさっき赤ジャンヌが「は?」って言ってきた理由はこれか。

 言われてみれば確かにさっきの僕の発言は失言だった。

 だがそれでもそうそう簡単に欲しい報酬なんて思い付かない。なんせ僕らはこの特異点を修復すれば消えてしまうのだから、それこそ金や領地、爵位なんか貰っても困るだけだし……無難に食料かな?食料ならすぐに料理して食べれば良いし、何よりカルデアの方にもって帰ってもちゃんと使える。よし、食料をお願いしよう。

 

「解りました、では食料で」

「あ゙?」

「えっ」

 

 あっれぇ?赤ジャンヌがさっき「は?」って言った理由は僕が報酬は要らないって言ったからじゃないの!?今度はキレ気味に「あ゙?」って言われたんだけど!?

 

「はぁ、まぁお前にはまだ交渉事は早いか………代われ俺がやる」

「アッハイ」

 

 赤ジャンヌがやれやれとジェスチャーしながら代われと威圧かけてきた。怖い。何か下手に武術覚えたせいか赤ジャンヌの威圧やらが前より重圧に感じるから余計に怖い。

 

「すみませんネロ陛下、先程の食料というリクエストは忘れてください。」

「う、うむ。では食料以外を望むのであるな?構わぬ、申してみよ」

「ではローマより各地に伸びる霊脈への接続許可をいただきたい」

「霊脈であるか?」

「はい、そうです。霊脈の説明は?」

「よい。余は魔術を使えぬが宮廷魔術師達より最低限の知識は教えられておる。それのみで良いのか?」

「はい。それでも十分です。」

「良かろう。余の名においてこれよりそなた達の霊脈への接続を許可しよう」

「ありがとうございます」

「ではそなた達は先に前哨基地に戻っておれ。余は戦後処理があるため後で戻る」

 

 そう言えばまだサークル設置してないのを思い出した。いや、そもそも冬木とフランスは勝手にサークル設置出来たけど今回のローマは勝手に霊脈接続してサークル設置したら怒られるから出来なかったと言うべきか。

 それにしても改めて赤ジャンヌって今みたいに真面目にしてたりすれば普通に美女だし、真面目に戦ってればカッコいいんだよなぁ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

元ガリア戦線前哨基地

 

 前哨基地に戻って僕達は寛いでいた    事が出来れば良かったなぁ。(涙)

 前哨基地に戻って30分位は疲れを癒していたけど気が付けば修行させられてた。現在マシュと組手してボコられたため治療兼休憩してる所だ。ついでにマシュとランスロットの組手を見稽古中でもある。

 

「ジャンヌ殿」

「ん~?」

 

 僕の怪我の治療をしてる赤ジャンヌに黒髭が話しかけてきた。

 

「いつの間に黒棺とか使える様になってたでござるか?拙者もオサレ技使いたいでござる」

 

 あ、これはちょっと僕も気になる。漫画の技再現とか憧れるし僕もやってみたい。

 

「止めとけ止めとけ。使える様になったのは最近で今回初めて実戦で使ってみたけどゴミだった。下準備として四方にルーンを刻んだ上に印まで結んで魔術を固定、それが終われば起動のルーンを刻みながら威力アップの為の詠唱、更に威力アップのための印結ぶというクッソ面倒な工程やってようやっとC-位の攻撃宝具クラスの威力とか涙がで、出ますよ。しかも実験では50cm四方程度だったから気付かなかったけど、最早聖杯一歩手前レベルの魔力タンクになったマスター程では無いが、全身に魔術回路あって十分に魔力量オバケな俺の全魔力8割り位持ってかれたゾ。割りに合わないんだゾ。伊勢海老でカツオ釣ってる様なもんだゾ。後もう少し大きかったら魔力全部持ってかれてたよ!もう二度と使わねぇよ」

 

 ゴミだね(確信)。想像以上に使えないじゃないか!そして誰が聖杯一歩手前だ!!

 

「そもそも色んな魔術刻印やら魔術元素ごちゃ混ぜな俺じゃなきゃまず出来ないから。」

 

 ますます使えないじゃないか(呆れ)。

 

「だがルーンの使い方は面白かったぞ?今度もっとルーンを教えてやろう」

「サンキュースカサハネキ」

 

 どうやらスカサハさんも今の会話を聞いていたようだ。

 

 

 因みにだがマシュとランスロットの組手の次は白と黒のダブルジャンヌの組手と言うなの殺し合い(黒ジャンヌ視点)だった。正直黒ジャンヌの攻撃は黒炎がメインだからどっちかというと武術の見本と言うより炎魔術の見本だったが。




11日に呼符15枚、10連1回やって大量の金礼装(正月礼装ではない)と、唯一の金鯖がアタランテ(3体目)と大爆死。ムカついてキングハサン用に取っておくつもりだった10連も大爆死。結果金鯖はアタランテのみ。

チクショーメェェェェ!!アタランテふざけんな!!金アチャでてっきりイシュタルだとぬか喜びしたじゃねぇか!!なのにテメェとかふざけんなよ!?せめてエミヤ出せや!!無課金でアタランテ宝具レベル3とか普通あり得ないだろ!お前良いとこ少ないだろ!NP効率悪いしQはそこまでスター発生させないしアルカディア越えlv10の強化クエ全部終わらせて宝具もアルカディアも強化されてて宝具レベル2なのに種火で相性普通なHP25000越えの腕たまに殺せないとか舐めてるの?素でアホみたいに星吸うけどお前の通常攻撃どれもクリティカルしてもモーさんの通常より若干ダメ多いくらいだよね?しかも心なしかお前敵からクリティカルされる確率高くない?すぐに死ぬの止めてくれる?地味に最初に当てた金鯖だから散々使ってるけどテメェ何回ミリ単位で敵のHP残したり攻撃3回しか食らってないのにそれらが全部クリで3発で死んだり80%や70%でクリ出るやろって思ったらどっちもクリ発生しなかったりとか戦犯かませば気が済むんですかねぇ?お前の良いとこって全体Q強化と宝具チェイン最初で相手1体でも確定で星35以上貯まる位だよね?もうやだぁぁぁぁエミヤ欲しいぃぃぃぃぃ!!




アタランテファンの皆様大変申し訳ございませんでした。ここで愚痴らないと怨みで3章でアタランテがダビデにレ〇プさせたりヘラクレスに肉片にさせたりしそうなのでここで吐き出させて頂きました。重ねてお詫び申し上げます。


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突撃隣(大嘘)の女神様

所長「前回のあらすじよ。ガリア戦線の敵総大将であるカエサルを討ち取ったけど、連合ローマ兵達は構わず戦闘を続行した。それこそ最後の一兵になっても士気が落ちることは無く、立香は彼等のその様子に狂気を感じとった。
そしてガリア戦線での褒美としてネロ皇帝にローマを中心とし各地に伸びる霊脈との接続を許可して貰った事により、霊脈の上ならいつでも召喚サークルを設置できる様になったわ。これでカルデアからの物資支援やらが受けられるようになって旅がグッと楽になる…………筈」


立香side

 

「寄り道……ですか?」

「うむ。そうである。なんでもここガリア周辺で『地中海にある島に古の神が出現した』といった噂話が広まっておるのだ。本来なら適当に調査隊を組ませて軽く調査させるだけであるが今は死者蘇生などが普通に行われていたりする故に、赤ジャンヌ殿、遠見の魔術越しにロマン殿、ダヴィンチ殿と協議し、万に一つの可能性もあり得るため急遽余自身が赴いて調査する事にしたのだ。」

「と言う訳で黒髭()宜しく」

「聞いてないんだけど?」

「言ってないけど?」

 

 ガリア戦線終結から1日達、昨日いった通り様々な戦後処理も終わり、これよりネロ皇帝とローマに凱旋しに帰ろう   とはならないようだ。

 その噂に関しては僕もこの前哨基地内でちらほら聞いたことがあるが、あまり気にしたことは無かった。しょせん噂話だと流していたから、改めて言われると確かに調べた方が良い案件かもしれない。

 だが何故赤ジャンヌは事前に僕達に話さないのか。どうりで今日の朝、食事の時は居たのに修行の時は居なかったわけだよ。

 

「一言位は言ってよ」

「おう、これから前向きに善処してやるよ。」

 

 あ、これは駄目ですね(確信)。

 

「いやまぁ、いつもの唐突な無茶ぶりに比べれば今回はマシだけどさぁ、事前に一言有るか無いかで精神的に大分変わるからさ」

「言いたいことは解るけどぶっちゃけ特異点に事前にどうこうとか求めないで。それこそどっかの特異点で目の前にマシュに似た……具体的に言うと紫髪で幸薄そうで体内に卑猥な見た目の蟲飼ってそうな奴が病んだ瞳と病んだ声で『先 輩』とか言って唐突にさっきまでマシュが居た筈の場所に現れても直ぐ逃げ出す判断出来るようになってもらわないと困る」

「え、なにその具体的過ぎる具体例は………実体験でござるか?」

「前提としてるシチュエーションがおかしいって!?完全にホラーのそれじゃないか!!」

 

 いくら特異点と言ってもそんなホラーな事おきる訳ないだろ!………無い筈…………無いよね?

 実際そんなことなったら思考停止するって絶対。

 

「まぁさっきのは言い過ぎかも知れないがそのくらいの気構えでいろって事だよ。そうだな……………目の前でランサーが自害しようと、自分が居る拠点が突如爆破解体されようと、目の前で突然知り合いが魔力供給とか言ってS〇Xおっぱじめようが平常心でいられる程度には」

「ちょっと待って、最後だけ可笑しい。前二つは解るけど最後が理解できない!」

「拙者としてはむしろ最後の奴だけ詳しく」

「半人前の何ヤさんが強大な敵を倒すためにサーヴァントに魔力を直接流し込んだ。当然生ハ「マシュにナニを聞かせるつもりですか!」

「そ、その……ええと、今はそう言う話はその……」

 

 誰がその時の事を詳しく言えと言った!あ、黒髭だった、後でしばいておこう。天使のマシュに変な事が吹き込まれたらどうするんだ!!

 そして今の話的に赤ジャンヌの実体験じゃねぇか!!それも前世の方の!

 マシュが顔赤らめながら引いてるじゃないか!

 

「とりあえず寄り道の件は解ったから、僕が悪かったからこの話はこれ以上するな!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

2日後、『アン女王の復讐号(クイーンアンズ・リベンジ)』船内にて

 

 あの後ゴタゴタしながらも、船旅前に一度サークルをガリアで展開し、カルデアからもしものための石を3個や、その他もろもろの道具を補給し、今はあまり僕の魔力に負担がかからない低燃費航行の最中である。

 昨日出発し、現在地図が正しければ目的の島と陸との丁度中間辺りらしい。

 船の上では特にやることが無いので修行が終われば各々が好きに動く。

 今は赤ジャンヌから皆に一応話すことがあると言う事で皆船内のラウンジで集まってるところだ。因みに皆と言ってもネロ皇帝は居ない。

 

「とりあえずあれから数回協議重ねた結論だけど、とりあえず無いとは言わないが神霊が居る確率は低い。よしんば居たとしても人間の体をよりしろにしてのデミ・サーヴァント的な感じで現界してるのが関の山だろう。だから濃厚な候補は3つ。

1つ、ただ単に高い神性持ちのサーヴァント。半神半人とかが有力候補。

1つ、単純にデマ。これだと行くだけ無駄だった旅になっちまうが確認しないとわからないからしょうがないと割りきるしかないな。

1つ、敵が流した噂。要するに敵が罠仕掛けて待ち構えてるかもって事。でもこの面子なら余程の策や敵でも大丈夫だろ。どれだけ最低でもマスターが逃げる隙位は作るがな。

とりあえずこの3つのどれかだと思っててくれ。」

 

 成る程、つまり今回僕達を集めたのは敵襲が有るかも知れないから各自注意しろということか。しかし敵の流したデマという可能性は考えてなかった。確かに言われてみれば十分にその可能性はあり得る。そもそもガリアでの敵総大将はカエサルだったのだ。生前……生前?にそのような情報戦を仕掛けてきていても不思議ではない。

 ところで赤ジャンヌは説明しながら先程からトランプの様なカードに何か書いてる様だが何をしているんだ?

 

「ジャンヌ殿、いったい何してるでござるか?」

 

 よくぞ聞いたぞ黒髭!

 

「ん?あぁカードにルーン刻んで魔力流し込むだけで簡単に誰でもルーン魔術が使える様にならないかなって。成功すればラミネート加工とかしてお前らに配布するつもり」

 

 つまり道具作成(ルーン式)って感じなのか?

 凄く良いことだと思う。それが完成すれば僕でも簡単に火を出せたりするのだろう。

 

「ついでだし実験するか。このカードからは熱湯が出るようにさせたいんだ。その場で直ぐに熱湯出せれば色々便利だろ?カップ麺とかインスタント味噌汁だとか。」

「具体例が庶民的過ぎない?」

「細けぇこたぁいいんだよ!とりあえず使ってみるぞ。

告げる(セット)』」

 

 赤ジャンヌがその時手に持ってたカードを見せてきた。複数のルーンが書いてあるのは解るがどのルーンがどう作用しているのかは全くわからなかった。その内僕もルーンをスカサハ師匠から習っておこうかな。

 そしてそのカードを人差し指と中指で挟み、ルーンが書いてある面(・・・・・・・・・・)を自身に向けながら起動ワードと思われる言葉を発した次の瞬間にカードから大量の熱湯が赤ジャンヌに向かって(・・・・・・・・・・)吹き出した。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁづぅっぅぅぅぅぅ!?」

「アッハッハハハ!良い気味よ!ざまぁ」

 

 大量の熱湯を浴びた赤ジャンヌが床をのたうち回っていた。そしてそれを見た黒ジャンヌが大笑いしていた。

 

「この戯けが。ルーンを自分に向けてどうする」

 

 スカサハ師匠がルーンで水かな?冷水かな?を赤ジャンヌにかけてから治療のルーンで治療した。

 

「それ俺が熱湯被る前に言って!?」

 

 …………………………所で赤ジャンヌは自分の下着が透けて見えているのに気付いているのかな?……どうせ気付いてないんだろうなぁ。だって鼻の下伸ばしてる黒髭とランスロットに気付いてすらいないんだから。

 指摘してあげたら案の定自分では気付いてなかった様だ。顔を赤くしながら腕で下着を隠した。

 

「ラッキースケベが発動するのはカルデアだけだと思ってたらついに特異点でも発動する様にッ!!」

「今回僕何もしてないよね?思いっきり自爆しただけだよね?」

「私に乱暴するつもりでしょ!!エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」

 

 羞恥は感じてるみたいだがネタに走れる位には慣れてしまって居るようだった。

 いや、別にカルデアでもわざとやってる訳じゃないのに何で赤ジャンヌの裸や下着姿の時にしょっちゅう出くわすんだろう。

 因みにラッキースケベしてしまう頻度が一番多いのは赤ジャンヌ相手にだが、誠に遺憾ながらマシュや、あろうことかダヴィンチちゃんやハサンさんの中の女性の方のみにまで、全ての女性サーヴァントに最低一回はラッキースケベしてしまっている。なお黒ジャンヌにラッキースケベしてしまったときは軽く三途の川が見えました。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そんなドタバタがありながらも特に敵襲など無く、無事に島に到着した僕達。

 そしてとりあえずまず噂になってる神さまに合った馬鹿二人の第一声を聞いてくれ。

 

「「か"わ"い"い"な"ス"テ"ン"ノ"ち"ゃ"ん"!!」」

 

 この馬鹿二人に熱湯をぶっかけても許されるだろうか?




祝!!UA10万越え&お気に入り約900件!!
いや、本当に皆様作者の稚拙な小説を読んでいただきありがとうございます。
現在スランプ気味で何とか3日に1話投稿するのがやっとのあり様でお恥ずかしい限りですが、皆様の応援に頑張って答えようと思います。
これからも私の至らないところは多々有ると思いますが、生暖かい目で見守ってくだされば幸いです。


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何度も出てきて恥ずかしく無いんですか?

なおまだ何回も出てくる予定の模様
所長「前回のあらすじよ。『とある島に古き神がいる』という噂がガリアで広まっている事をしっまネロ皇帝が、その真偽を確かめるためローマに帰る途中でその島への寄り道することになり、カルデアからの補給を受けてから黒髭の船でその島に向かったわ。そしてその島に居たステンノとはいったい……………(すっとぼけ)」


立香side

 

 「あら、今回のお客(勇者)様はずいぶんと大人数なのね」

 

 そう言って僕達を出迎えたのは紫色の髪と瞳をし、いかにも神々しそうな変な輪っかを背中に装備したロリっ娘だった。

 

「「か"わ"い"い"な"ス"テ"ン"ノ"ち"ゃ"ん"」」

 

 そして何故か馬鹿二人が発狂した。

 あのさぁ、同じタイミングで同じ台詞言うとかお前ら打ち合わせでもしてたんですかね。

 

「………………貴方達二人と私会ったことがあったかしら?」

「会ったことは無いけど知ってる。あ、妹(メデューサ)さんには色々とお世話になりました」

「拙者も知ってるだけでござる。あ、

拙者も妹(エウリュアレ)さんには色々とお世話になったでござる」

 

 確かステンノと言えばギリシャ神話のゴルゴン三姉妹の長女だった筈だ。つまり赤ジャンヌと黒髭はエウリュアレとメデューサからステンノの事を聞いたのだろう。

 

「あ、一応マシュとマスターもメデューサには既にあってるぞ」

「え?そうなんですか?……………………すいません、覚えが有りません。」

「冬木のシャドウサーヴァントのライダーはメデューサだぞ。」

「ファッ!?」

「!?………えと、あの冬木の方が三女でこちらの方が長女なんですよね?」

「そうだよ。」

「えと、その……見た目が……どうみても冬木の方が上のようにおもえるのですが。」

 

 うん、僕も驚いている。だってどうみても一番末のメデューサの方が見た目がステンノよりずっと大人だったのだから。

 

「あら、貴方達はメデューサの知り合いなのね」

「知り合い?……うん、まぁ知り合いか」

「それなら貴方達にお宝をあげるわ」

「あっ(察し)………ふ~ん」

「この海岸線にそって歩けば洞窟があるわ。その洞窟の中にお宝を隠してあるわ。えぇ、それは凄いお宝よ」

 

 ………………赤ジャンヌのリアクションの時点で嫌な予感しかしない。そもそもステンノって一応ゴルゴン三姉妹だから属性的に絶対トラップ仕掛けてある(確信)。

 

「なに!?それは真か!?こうしてはおれん、女神の宝物なぞめったに手に入らん。急ぐぞ立香殿!」

「アッハイ」

 

 ネロ皇帝ェ………。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 言われた通りに海岸線を歩いたら確かに洞窟が有った。そして洞窟に入ってしばらくしたら

 

『不味い、嵌められた!周囲に大量のエネミー反応だ!』

「やっぱり?知ってた」

 

 案の定罠が仕掛けられていた。ただ思った以上に楽な罠だ。ただの骸骨兵が大量に居るだけだし、早いとこ蹴散らして進もう。

 

「さて、じゃぁ戦闘を開始するよ、マシュ、ネロ皇帝。」

「はい!マシュ・キリエライト戦闘に入ります!」

「余の道を塞ぐとは、覚悟は出来ておるのだろうな?」

「じゃけん俺ルーンカード作成してるから頑張って」

 

 まぁ骸骨兵位赤ジャンヌ居なくても余裕か。だって一発殴れば倒せるんだし。

 

 

 適当に一番近い骸骨兵から懐に潜り込んで掌打。破壊。一応残心しながら直ぐ隣で剣を振り上げてる獲物に蹴り。破壊。掌打で倒して崩れた敵の後から槍を持った敵が突いてきたから右手で槍の柄を掴んでその槍を奪い、横凪ぎに振り回す。これで5体位は一気に倒せた。

 少し余裕が出来たからチラリとマシュとネロ皇帝の様子を見れば二人とも順調に倒してる。この様子なら3分位で全滅させられそうだ。

 そして僕がマシュとネロ皇帝の方を見ているのを隙と捉えたのか3体の敵が同時に襲いかかってきた。いや、骸骨にそんな知恵有るのかな?まぁどうせ槍を横凪ぎに振るって3体倒すついでに飛来してきた矢を5本叩き落とせば良いだけだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 結局2分で骸骨は殲滅できた。その後も何度か骸骨の集団が襲ってきたが、特にこれといった事もなく普通に殲滅した。

 そして恐らく最奥に到着したが、宝箱や、宝に見える物など何も無く、代わりにキメラが居た。

 

「………………宝などどこにも無いではないか!?」

 

 ネロ皇帝の叫びが虚しく響くが、何となくそんなことだろうとは思っていた。多分あれだろ、帰ったら「あら、洞穴での冒険が貴方達にとっては何にも変えがたい宝じゃない」とか言われるんだろう。

 

「はぁ、マシュ」

「はい、先輩」

 

 こちらの事などお構い無に飛びかかってきたキメラをマシュが盾でガードしながら思いっきり体制を崩させた。その隙に僕が懐に潜り込んで

 

「『劣化不動砂塵爆(ふどうさじんぱく)』」

 

 赤ジャンヌに教えてもらった技を叩き込んだ。あくまでも劣化だから全ての衝撃を内部に通す事は出来ず、キメラ自身も後方に飛んだせいか、結構な手応えを感じたがキメラはまだ生きていた。むしろ今の攻撃で怒ったのか、目を赤く光らせ、大きな声で吠えたてた。

 

「GAAAaaaaaa!!」

 

 今度はキメラが口から球体状のブレス攻撃をしてきた。まぁ弾速が遅いから普通に避けられるが。むしろブレス攻撃の隙が非常に大きいのでその間に5m程の距離をネロ皇帝が詰めてしてライオンの方の首を切り落とした。

 どうやらキメラはライオンの方の脳がメインだったのか、首を切り落としたらビクンビクンと痙攣しながら首から鮮血を噴き出し絶命した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ふふ、どうだったかしら、お宝は?」

「あら小鹿じゃない。また会ったわね」

「ふむ、彼がご主人なのだな!では早速ニンジンを貰わなくてワン」

 

 ……………………何か増えるぅぅぅ!?

 戻ってきたらステンノの後ろにエリザベートと見知らぬ狐耳と尻尾、更にメイド服を着た言動からして変な女の人が居た。

 

「あのさぁ、何回も出てきて恥ずかしく無いんですか?」

「は?」

「あ"?こっちはアルトリアで既にお腹一杯なんだよ。お前この上でハロウィンやったらもう許さねぇからなオイ」

 

 赤ジャンヌがエリザベートに喧嘩売ってる。いや確かに僕達は3度も別な特異点で同じ人(アルトリア)と遭遇してるからいい加減にしてほしい感じはある。ところでハロウィンって何?

 

「アルトリア?誰よそれ」

「ーーーーーーーーーーー」

「ファッ!?」

 

 ん?サーヴァントの皆が突然空を見上げ始めた。とりあえず僕も空を見上げたら、何か黒い点みたいなのが有った。その黒い点は段々と大きくなり、ついでに何か聞こえ始めた。

 

「アルトリアとは最も優れたヒロインの事です!!」

「あっ(察し)」

「自分から死にに来たのかな?師匠、槍。」

「世紀末槍投げ大会の開始でござるか?」

「そうだよ。」

 

 未だに黒い点にしか見えないがあれ十中八九ヒロインXだな。にしても敵はヒロインXだけなのかな?もしそうなら返り討ちにできるけど。て言うより既に赤ジャンヌとスカサハ師匠が槍投げの体制。しかも師匠に関しては真名解放してるし。これでヒロインXも倒したな(確信)。




8:00に投稿できなかったけど3日以内だからセーフ(滝汗)
いや、本当に待たせてすいません。


復刻イベントでロマンとダヴィンチちゃんが会話してる…………( ;∀;)


ヒロインXに果たして明日は有るのか。


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Fate/stay night

味方が強ければ敵も強くなるなりするのは当たり前だよなぁ!?


 空より降ってきたヒロインXに対しカルデア陣営はスカサハと赤ジャンヌによる槍投げ―スカサハにいたっては真名開放すらしている―の対空攻撃は―――――――海より飛来した矢の爆発により防がれた。

 

「ほう……」

「なっ!?」

 

 この矢に対して最も驚いたのは赤ジャンヌであった。

 何故ならば赤ジャンヌの目は完璧に捉えていた。そう、あの螺旋状の剣を無理矢理に矢にしたような(・・・・・・・・・・・・・・・・・)物は、そしてあの爆発、あの攻撃方法は間違いなくエミヤシロウの仕業だと。

 そして冬木にてエミヤシロウと戦った事の有る立香とランスロットとマシュも同じ考えに至っていた。

 そしてこの時点で敵がヒロインXだけでは無いことが発覚し、即座に彼等のマスターたる立香は指示を出した。

 

「海だ!海の方に不自然な点がある!きっとあれはエミヤの乗ってる船だ!!赤ジャンヌ!宝具を展開しろ!」

 

 実際の所マスターのその指示は正しく、約2km程の沿岸にてエミヤ()が乗っている船があったのだ。

 そして赤ジャンヌに対する宝具展開指示も適切であった。何せ降ってきたのはヒロインXだけでは無かったのだ。

 

「それ、師匠にお返しだ!『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!!』」

 

 ヒロインXの影に隠れる様にして一緒に降下していたのはかつては冬木で共に戦った、此度ではランサーで召喚されたクーフーリンだったのだ。

 

「皆さん私の後ろに!『仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)!!」

「『我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)』!!」

 

 それを受け止めるはカルデアの誇るメイン盾のマシュと白ジャンヌの宝具。二人の宝具により自慢のゲイ・ボルクあっさりと止められたのを見たクーフーリンは、非常に獰猛な笑みを見せた。

 そう、既に二人は表情が伺える程に近付いていた。

 

「へぇやるじゃねぇか。師匠まで居ることだし、久々に面白そうな戦いになりそうだ!!」

「あの四人、特に赤いの二人は私の獲物です、手出ししたらぶち殺しますよ?」

「んな野暮な事はしねぇさ。つぅかそれは俺よりもよっぽど手出ししそうな奴に言ってくれ」

 

 そんな軽口を叩きつつ地面ギリギリまで落下した二人は地面に衝突する前に、クーフーリンがヒロインXに捕まり、ヒロインXの魔力放出と口から風遁忍術みたいな技をつかい、逆噴射着地の要領で軟着陸に成功した。

 

「ガリアの時のリベンジマッチです!今度こそぶち殺してやる!」

 

 意気込んだヒロインXは早々に多重分身を使用、それに対しクーフーリンも深紅の槍を構え交戦体勢に移った。

 そしてそれらの情報から赤ジャンヌは最悪の想定に行き着いた。

 

(アルトリアにクーフーリンにエミヤシロウだと!?まるっきりstay night組じゃねぇか!!まて、まさか、他のstay night組も!?ヤバイ!もし、もしアイツ(・・・)まで居たら今の戦力じゃ勝ち目が………ッ!?)

 

 そして、赤ジャンヌの想定した最悪が、具現化した。

 

「ふむ、ペガサスの乗り心地というのも存外悪くはない。」

「まぁ確かに速いでしょうけど私としては自分で飛んだ方が楽ね」

「なら今すぐ自分で飛んでください。こっちは既に船を引っ張って、上空まで二人を乗せ、船まで戻って貴方達を乗せてきたんです。正直もう限界です」

 

 沖の船の方から高速で飛来して来たのは純白のペガサスであった。そしてその背に乗るのはペガサスの主であるメデューサと、NOUMINの身で有りながらTUBAMEを切り、第5次聖杯戦争では剣の技量で騎士王すら上回ったアサシン、佐々木小次郎、そして第5次聖杯戦争にて、サーヴァントの身で有りながら小次郎(サーヴァント)を従えていたキャスターの中でも最上位クラスの強さをもつ神代の魔女、メディアであった。

 

 

 

 

 ヒロインXは間違いなく頭のネジが2.3本とれているが、別にバカではない。彼女はガリアでの戦闘を鑑みて、仲間を増やして再挑戦しようとした。そしてその為にこのローマでの黒幕()に話した所どうやらその黒幕がカルデアの誰かに対して強い恨みを持っていたため、聖杯によって即座にヒロインXを回復させた上にヒロインXの影響か、それなりに面識の有るサーヴァントを次々に呼び、こうしてあっという間に再戦を挑んできたのだ。

 

 

 

 

 

 赤ジャンヌは、勝てないと悟った。この面子が揃っているなら、かの王(・・・)は微妙でも、間違いなくアイツ(・・・)は居ると確信したのだ。

 故に赤ジャンヌは微かな希望を頼ろうとした。

 

「師匠、出し惜しみは無しだ!すぐさま門を!!」

「…………解った。『死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)』」

 

 その宝具は、カルデアの切り札と言っても過言ではなかった。

死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)』とは、簡単に言えばあらゆる世界から隔絶されたスカサハの統治する「影の国」へと強制的に拉致する宝具である。この宝具は、スカサハが認めない限り、命ある状態(・・・・・)での「影の国」への入国を拒否する性質があり、つまるところ、例え命のストックが幾つ有ろうが(・・・・・・・・・・・・・)死ぬのだ。

 だからこそ、この宝具の使用は控えるべきであった。いや、タイミングが早かったと言うべきか。

 

 

 

 

 

 その門は、狂戦士にとっては明確に自らを一度に殺し尽くせる脅威であった。故に真っ先に破壊する事にしたのだ。

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

 死の門に、神代の戦斧が九度、叩き付けられた。

 かの者は、海の中から突然に現れ、その恐るべきステータスによる驚異的な速度にて、妨害の一切を無視して、本来の聖杯戦争ならば、バーサーカー状態なら発動できない筈のその宝具をもって、門を粉砕した。

 絶望の体現者が、その身を現した。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!」

 

 

 

 

 

 

「逃げろ!!勝てない!俺が時間を稼ぐから黒髭の船に皆乗って速く逃げろ!!『流水制空圏第三』!!」

 

 そこからの赤ジャンヌの判断は早かった。即座に撤退命令を出した。ここに居るのが立香やマシュだけならばきっと嫌だと言い残っただろう。しかし幸いなことにこの場には力量や戦力差を的確に見極める事の出来る者か多数存在しているのだ。

 そしてそれは立香も理解した。きっと抵抗してもスカサハ師匠やランスロット辺りから無理矢理にでも撤退させられると。だからこそ、立香は直ぐに判断を下した。

 

「令呪によって命ず。赤ジャンヌよ、必ず僕達が撤退するまでの5分足止めを続けろ!!重ねて令呪をもって命ず。必ず生き残れ!!」

「……………………………………ありがとう」

 

 その言葉を最後に、彼等は速やかに撤退を始めた。

 当然ヒロインX達は撤退などさせまいと動くが、彼女達の前に、赤ジャンヌと、部下達が立ちはだかった。

 

「令呪まで使われたんだ。        別に、君達を倒してしまっても構わんのだろう?」

「今度こそ姉御を先に逝かせる訳にぁいかねぇ。本気でやるぞテメェら」

『『『『当たり前だ!!』』』』

 

 

 ここに、絶望的な撤退戦の幕が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その一方とある姉妹の間でアイコンタクトにて交わされた会話

(あら?何故貴女がいるのかしら?ねぇメデューサ?)

(う、上姉様!?な、なんで上姉が!?)

(へぇ、私が居ることも知らずにこの島に……それも敵として来たのね?ふ~~~ん)

(ち、違うんです!!け、決して上姉様に逆らおうとかそんなのではなく、た、ただ友人……………顔見知りに頼まれたのでちょっとタクシー代わりになってあげてただけなんです!)

(あら、なら貴女の役目は終わったのだし当然私の味方としてあの強そうな筋肉ダルマを倒してくれるのでしょう?)

(え"。いや、あの………その………。)

(あら?私の言うことが聞けないのかしら?メデューサの分際で)

(ヒエッ)

 メデューサは究極の二択を迫られていた。なお実質一択なのだが。




何か皆がstay night組をご所望だったので(ゲス顔)

赤ジャンヌの自分からフラグを建てるスタイル。

本格的な戦いは次回…………出来るだけ頑張る(震え声)


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見てからのパリィ致命余裕でした

先に謝っておく。小次郎ファンの方大変申し訳ございません。


赤ジャンヌ率いる『50人の赤き悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』vs stay night組(一名だけクラス違い)の戦闘はまず最初にメディアの撃墜から幕をあけた。

 

 

「お前ら心ぴょんぴょんの時間だゴルァ!!」

『あぁ~^心がぴょんぴょんするんじゃぁ~。遅い!遅い!遅い!遅い!遅せぇ!!』

 

 赤ジャンヌの合図を受けたアヴェンジャーズ達は敵サーヴァントの回りを攻撃はせずに縮地を連続で行い敵の後や、横、真っ正面に現れたりと、縮地する度に「遅い!」と言ってるのもあいまって、狂ランクの改変志貴シリーズみたいな事をしていた。何かクイックブレーダーが混じってた様な気がしたが多分空耳である。

 そして赤ジャンヌは、ぴょんぴょんしてる部下の背を踏み台にして跳躍し、一瞬で空に浮遊していたメディアの眼前に迫った。

 

「『真地念源流(しんちねんげんりゅう)跳梁観空蹂躙(ちょうりょうかんくうじゅうりん)』」

 

 確かにメディアはキャスターとしては最高クラスである。だがそれでもキャスターというクラスの通りメディアの真価を発揮できるのは丁寧な前準備を行ってからであり、召喚されてから録に準備も出来ずにただ空に浮かび魔術を射つ移動砲台程度しか出来ない彼女に赤ジャンヌの奥義をどうにか出来る手段など無い――――訳では無かった。

 

「チッ!」

 

 咄嗟に超短距離のワープによって辛うじて避けたのだ。だが、その咄嗟のワープでも赤ジャンヌの背後に的確にワープしたのは流石の手腕である。

 そして背後を取ったメディアは空中での身動きなど出来ないだろうと、そのまま宝具を突き刺そうと近付いてしまった。それが敗因であろう。

 

「『破戒すべき(ルール)――――――――――

 

「『空中三角飛び』!!」

 

―――――――なっ!?ぐふぅぅぅぅ!!」

 

 赤ジャンヌは、魔術など一切使わず、技量のみで空中での軌道を変更し、驚愕で隙を晒したメディアの顔面に蹴りを叩き込んだ。

 

「まず一人」

 

 墜落したメディアに対してトドメのスタンピングを忘れないサーヴァントの鏡。

 こうして、早速メディアが脱落したのだ。

 

 

 

 危ねぇ!!『空中三角飛び』成功して良かったぁ~。あれ成功率6割ちょいしかないから失敗したらヤバかった。まさか避けられるとは思わなかった。

 

 

 

 撃墜出来た事に一番驚いたのは撃墜された本人であろうが、二番目は間違いなく撃墜した本人であった。

 

 

 

「ところでステンノは一緒に逃げなくても良かったの?」

「私の役目はこの島で勇者にお告げをする事だけよ。そしてその役目も貴女達が洞窟に行ってる間に残った彼等へ伝えたわ。」

「あ、そうなんだ。」

「えぇ。それに玩具(メデューサ)が自分からやって来たのにまた離れるつもりなんて無いわ」

「やったねメデューサ愛されてるじゃん(白目)」

 

 そう、ステンノは立香達と一緒に船には乗らず、こうして島へ残ったのだ。

 そして話題に上がったメデューサと言えば

 

「『騎兵の手綱(ベルレフォーン)』ォォォォォン!!」

 

 ヒロインX達に反旗を翻していた。

 今は石化の魔眼を使用するとアヴェンジャーズまで石化してしまうため封印されたままであるが、それでも赤ジャンヌにとっては十分心強い戦力である。

 

 

 

 

 

 そんな一幕も有りながら赤ジャンヌの次の獲物は小次郎であった。

 

「ふむ、いい加減TUBAME以下の素早さしか持たぬ兵を斬るのも飽きてきた所だ。どれ、手合わせ願おうか。」

 

 そう、小次郎にとって早さがTUBAME以下の奴は皆斬れる存在である。いくらアヴェンジャーズ達が連続で縮他を行おうとも斬れぬ道理など無かったのだ。ましてや冬木とは違い、特に縛りが無いのだ、内心ウッキウキである。

 

「お、そうだな」

 

 まず小次郎の一振り目。袈裟斬りの斬撃を回し受けにて受け流す。

 二振り目。受け流された袈裟斬りを刃を返し直ぐ様逆袈裟斬り。

――――――――ドゥゥゥン(重低音)

 

「えっちょまっ」

 

――――――――ダァン!ドォン!(致命の一撃)

 

「物干し竿とかパリィして下さいって言ってるのと同じだから(ダクソ3並感)」

 

 パリィからの致命の一撃にて小次郎は討ち取られた。今時物干し竿など対人慣れしてる亡者からすればパリィ余裕な武器なのだ。

 

「柳洞寺組倒されるの速すぎですよ!まだ10分程しか経ってないでしょう!ライダーは裏切るしメチャクチャですよ!!」

 

 これ等に対して一番激昂しているのはヒロインXであった。当然である。なにせ顔馴染みであるため、その性能や宝具などを知っていたからこそ満を持して連れてきた仲間が、一人は速攻で撃墜され、一人はたった5秒内での攻防で討ち取られ、もう一人はまぁ事情があるにせよ裏切ってきたのだ。10分で6人居たのが半分である。怒りたくもなるだろう。

 別に彼女達とて遊んでた訳ではない。うろちょろしながら、誰かの助けに向かおうとしたりする場合だけ攻撃するうざったい赤い集団を先程から狩っていたのだ。

 結果的に、ヒロインXは分身を用い、あまり高くは無いが直感スキルと忍術により既に20人を狩り、クーフーリンは潤沢な魔力に物を言わせ『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』を何度も使用し一人一人着実に仕止め合計10人、倒される前に小次郎が10人斬って、ヘラクレスは狂気のせいか適当に斧をブンブンしてるが、たまに事故ったのかその振り回されてる斧に当たったのが5人。既に残り5人と赤ジャンヌ、裏切ったメデューサのみとなっていた。

 

「ですが敵も既にあの赤ジャンヌとか言うセイバー顔と、その部下5人にメデューサだけです!ヘラクレスを倒せる手段が向こうに無い以上私達の勝ちは揺るぎません」

 

 等とヒロインXは言ってるが赤ジャンヌの目的は時間稼ぎなため最悪倒せなくてもいいのだ。

 故に赤ジャンヌは次の札を切る事にした。

 

「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ

それは生命を育む恵の光にして、邪悪を罰する裁きのひかりなり

それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり

その名は炎、役割は剣

顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ、『魔女狩りの王(イノケンティウス)』!!」

 

 何も赤ジャンヌは部下達に無意味にぴょんぴょんさせていただけでは無い。ぴょんぴょんのついでに部下達にルーンを刻ませていたのだ。その下準備により顕現する赤ジャンヌの新しい切り札(試作)。重油の様なドロドロとした摂氏3000℃、ルーンと魔力のある限り無限に復活する炎の巨人である。

 

「んだこれ?ルーンを使ってるみたいだが………俺はこんなの知らねぇぞ」

 

 むしろ知ってたらおかしいのだが、クーフーリンは驚きで目を見開いていた。

 

 

 この技を再現するために、原作でステイルがルーンを新しく作って、それを術式に組み込んでいた事を考慮した赤ジャンヌは、自身も新しいルーンを作ったのだ。

 

 

 こうして、戦いは新な局面を迎えようとしていた。




新な局面を迎えるとは言っていない。()

はたしてこれを戦闘描写と言って良いのだろうか…………。


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そのための肉壁

いったい誰の事だろうね


 現在戦力において優勢なのは未だにヒロインX側である。まずヘラクレスという数多居るサーヴァント全ての中でもトップクラスの強さを誇る大英雄が居るのだ。バーサーカークラスで召喚された影響で実質的に弱体化されてあるがそれでも本来なら複数のサーヴァントが束になって倒すべき相手である。なにせ彼の宝具は十二個もの命のストックを持つという不死人みたいな能力のうえにランクB以下の攻撃を無効化し、一度死んだ攻撃に対して耐性を持つという、良く訓練されたフロムゲープレイヤーの様な内容なのだ。

 因みにバーサーカー以外のクラスで召喚された場合そもそも効くか効かないか以前に攻撃が当たるかすら怪しくなる、まるで初見の初心者に魔法、奇跡、呪術、白、太陽霊、エスト禁止縛りでカンスト世界の無名の王戦をさせる並の鬼畜さになる。

 

閑話休題

 

 そして更に知名度補整によるマイナスがなくなったクー・フーリン(槍)も居るのだ。元々第五次聖杯戦争では日本における知名度の低さから弱体化を受けていたが、ケルト版ヘラクレスと言われる程にはトップクラスのサーヴァントなのだ。まぁ自害やら何やらでそんな強いイメージが無いかも知れないが………。それは兎も角、知名度補整が無くなっている現在においてその実力はヘラクレスやまともなアーサー王と遜色無いものとなっているのだ。その上で厄介なのが彼の宝具『ゲイ・ボルク』である。彼の宝具は二に使い分けができ、単純な大火力の範囲攻撃となる投擲と、因果律を逆転し必ず相手の心臓に当てる突きという様に、どちらも非常に使い勝手の良い物だ。一応突きに関しては幸運が高ければ避けられる必中(笑)なのだが、残念ながら赤ジャンヌの幸運値はEである。―――――元々はC-だったが、所長と融合したら何故かEに下がった―――――故に発動されれば(元々の幸運値でも怪しいレベルではあったが)まず避けられないだろう。しかもヘラクレスとは違った意味で非常に死ににくい。

 この二人だけでも既に無理ゲー感が漂ってるのにふざけてる方のアーサー王(謎のヒロインX)まで居るのだ。ふざけてるお蔭かエクスカリバーの真名開放(聖剣ブッパ)も、風王結界(インビジブル・エア)も使用できないし、未来予知レベルの直感もC+まで落ちているが、その代わりにセイバー忍法なるクッソ面倒くさい術を連発してくるし、何より赤ジャンヌ(セイバー顔)に特効持ちなのだ。そしてこいつもクーフーリンと同じく地味にしぶといく生き残るタイプだ。正直アサシンクラスのため素の戦闘能力ならこの中ではアヴェンジャーズを含めてもステンノの次に弱い部類だ。

 唯一の味方たるメデューサも決して弱い訳ではない。むしろトップクラスとは言えないが十分上の部類である。直接戦闘もマスターが優秀であれば自身の身を崩壊させながらではあるがまともなアーサー王(セイバー・オルタ)と互角にやりあえる程である。しかしそれはあくまで高ランクの魔眼を使用してであり、現在その魔眼は味方を巻き込むのを防ぐため封印されてあるのだ。サーヴァントの切り札たる宝具も一つは既に展開してあり、もう一つは結界型であり、下準備が必須なため使用不可な現状では戦闘能力は数段落ちる。

 つまり現在の単純な戦闘能力は ステンノ<<<<ヒロインX<アヴェンジャーズ<メデューサ<赤ジャンヌ<クー・フーリン<ヘラクレス である。

 そしてその戦力差をほぼ正確に把握している歩くサーヴァント図鑑である赤ジャンヌは必死で考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 どうする?ヘラクレスに関しては直死がどう作用するかだ。一応凄く少ないしクソ細いけど線は有る、点もかなり小さいが有る。兄貴とヒロインXは直死で殺せるが問題は当てられるか…………………いや、アヴェンジャーズを解除してメデューサに石化の魔眼を……いや、俺も対魔力とか無いしとばっちり食らうから駄目だな。クラス相性が有るからメデューサにヒロインXの相手は頼めない。頼めるとしたら兄貴かヘラクレスのどちらか……。

 消去法で兄貴か。そうなるとヘラクレスなんてちょっとヤンチャな大型犬みたいなもんやし効きはしないだろうけど魔力犠牲にして玩具(イノケンティウス)与えておけば勝手に遊んでるやろ(白目)。後はパッとヒロインX殺して次に兄貴殺してじっくりヘラクレス攻略だな。なんだ、案外簡単やんけ(錯乱)。

 

「メデューサ、兄貴の相手を頼む」

「…………指示されるのはしゃくですがいいでしょう。

騎兵の手綱(ベルレフォーン)』!!」

 

 ペガサスでの突貫を選択したメデューサに対し兄貴は槍の魔力を高めていた。明らかにカウンター狙いであったが、構わず突っ込むメデューサ       の後ろから突如矢が飛来してきた。

 それに気付いたメデューサは当たる直前に急上昇で回避したが、その矢は回避しても()が有るのだ。

 

「は?」

 

―――――――壊れた幻想(ブロークンファンタズム)

 

 その爆発は、爆心地より30mは離れた俺でも防御の腕に衝撃を受ける程であった。

 

 さて、メデューサは兄貴に向かって突撃していた。そしてそのメデューサの後ろから飛んできた矢は避けられたら結果的に誰に向かって飛来する事になる?

 

「ランサーが死んだ!!」

「この人でなし!!」

 

 結果的にほぼ爆発の中心点に居た兄貴が死んだ。兄貴ェ。思わずヒロインXのセリフに乗っかってしまったがしょうがないだろう。

 多分兄貴視点からすれば唐突に激突一歩手前だったメデューサが急に居なくなったら目の前に味方の矢が直撃コースだったんだしいくら敏捷値高いって言っても流石にあの爆発回避は無理だったんだろうけど……「は?」って言ってたし。

 あ、因みにメデューサはペガサスを盾にしたから若干ダメージを受けてるが生きてます。ペガサス君迫真の肉壁で結果的に死んだのが兄貴だけとか涙がで、出ますよ。

 口元がひくついてるのは決して笑いをこらえようとしてるんじゃない、突然口元が痙攣しただけなんだ、信じてくれ。(説得力0)

 ま、まぁ結果的にこっちとしては兄貴が落ちて大幅に楽になったしサンキューマッマ。




待って!物を投げないで!?次は、次こそは真面目に戦闘描写頑張るから!!


肉壁と書いてペガサスと読む。

結局キングハサン出ませんでした。代わりにこの小説の影響なのかヘラクレス君(2体目)でました。まぁアタランテよりは使えるからまぁええわ。
もしも4体目のアタランテが出てたら3章でアタランテは出しません(確固たる意思)


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大英雄の壁

ヘラクレスなんかに負けない(キリッ


エミヤ死ね(掌ドリル)

 確かにランサーを(巻きぞいで)落としてくれたのは感謝するよ?でもお前の爆発のせいでイノケンティウスのルーンまで吹っ飛んだんですけど。どう責任とってくれんの?まだ戦わせてすらないんだけど?これじゃぁ出落ちもいいとこじゃん、せっかく出した俺が馬鹿みたいじゃん?ルーン張るためピョンピョンしてた部下達がまるっきり無駄になったじゃねぇか。解る?この罪の重さ?はぁ……つっかえ………辞めたら?正義の味方?

 

 

 と本人が聞いていたら「辞められるなら辞めてる!!」と激怒しそうな事を考えている赤ジャンヌだが敵は思考時間の間待ってくれたりなどしない。

 

「■■■■■■■■■■■■■■ッ■■■■■■」

 

 雄叫びを上げながらヘラクレスが突っ込んでくる。それに対して赤ジャンヌは『流水制空圏』を発動し突進するヘラクレスに突っ込んでいった。

 それを見たアヴェンジャーズは独自の判断で一旦散開し、様々な方向からヒロインXの本体狙いで戦闘を開始。

 メデューサは潤沢に供給されてる魔力に物を言わせもう一度ペガサスを呼び出し、仕返しと言わんばかりにエミヤの方に飛びたった。

 

 

☆☆☆

 

 

 

 『流水制空圏』により薄皮一枚でヘラクレスの攻撃を避け続ける赤ジャンヌは、時おり隙を無理矢理作り出しては薄い線や小さな点を狙って攻撃を放っていた。

 

「『北斗 岩山両斬派(がんざんりょうざんは)』!!」

「■■■■■■■■■ッ!!」

 

 ヘラクレスは『心眼(偽)』というスキルをBクラスで所有している。このスキルは直感や第六感による危機回避能力であるため、理性を失おうと正常に働くスキルである。

 このスキルにより、ヘラクレスは攻撃の当たる場所を直感的に線や点では無い場所で受け止める。そうなればランクB以下の攻撃を無効化する肉体に宝具ですら無いただの技(・・・・・・・・・・・)が通用する筈もなく、逆にヘラクレスのカウンターの危機である。

 

「■■■■■■■■■■■■!!」

「遅い!!」

 

 裏拳によるカウンターを『縮地』にて確実に避け、先程と変わらずヘラクレスの追撃をまたしても薄皮一枚で避けたまに線や点狙いで攻勢の繰返しであった。つまるところ先程から赤ジャンヌの防戦一方であり、"疲労"の貯まる赤ジャンヌと"疲労"の無いヘラクレスとでは、このまま防戦一方ではどちらが勝つかなど明瞭であった。

 当然赤ジャンヌのもこのままでは負けるとは理解している。だが赤ジャンヌにはヘラクレスに通る宝具が無いのだ。

 

 赤ジャンヌは生前に様々な事や当時では偉業と呼べる事を沢山成したが、赤ジャンヌは自分の知識や技術を惜しげなく教え、残し、託していった。故に彼女が出来ることの殆どは弟子達を筆頭に、弟子の弟子といった後世の人達も出来たため、宝具となっても可笑しくなかった技の殆どが宝具とならず、宝具となったものは旗等の様に、直接的な攻撃宝具が殆ど無いのである。

 

 そう、赤ジャンヌにとってはヘラクレスが居る時点でほぼ詰みに近く、むしろメディアと小次郎、更に結果的にクーフーリンまで落とせた時点で大戦果なのだ。後はどれだけ時間を稼げるかのみであり、既にヘラクレスと戦闘を開始してから40分は経過、マスター達が船で逃げてから既に50分近くが経過していた。

 

 

 

 黒髭の宝具である船は、乗員が強ければ強いほど船自体も強くなる効果を持っている。そして船の"強さ"とは具体的に言えば、船自体の耐久力といった防御面、船に乗ってある大砲の威力や、有効距離の延長といった火力面、そして船の速力である。つまりサーヴァント6騎、デミサーヴァント1人、最近一般人から逸般人にジョブチェンジしかけてるマスター、多数のローマ兵やネロ皇帝の乗った船が、消費魔力を無視した場合、海というホームグラウンドで叩き出す最高速度は80ノットを越える(時速に換算すれば約148km/h)。島に行くのに約4日かかったのはあくまでもマスターの消費魔力を押さえるためであり、そこまで距離は無い。約140km程であったため、1時間少し前には陸に着くのだ。

 

 

 

 既に部下達は1人だけ。しかもそのヒロインXが分身含めて全力で倒そうとしてるから持って3分。時間的にそろそろかとは立香達は陸に着く頃だと思う。

 エミヤの方に行ったメデューサは戻ってこない、かといって矢が飛んでくる訳でもなく。

 ヘラクレスとは千日手なのは時間稼ぎだからまだ良いとしてヒロインXが合流してきたらどうしようか………。魔力は残り2割といった所だしもう一度呼び出そうにも魔力が足りない。

 にしても令呪ブースト有りでもヘラクレスに攻撃通らないとか泣ける。しかも20分位前に令呪ブーストも切れたし、鍛えてるから同格や多少の格上位なら長老みたいに3日間程度戦い続けられるけども相手がヘラクレスとなるとキツイ。一撃一撃が必殺クラスだから流水制空権解除する訳にはいかないが、流水制空権はタイマンで真価を発揮するものだからヒロインXが乱入しだしたらマズイ。

 ………………あれ(・・)しかないかな……。

 

 

 

 

 

 

 

 戦場の流れが変わったのは、何度目になるかも解らない赤ジャンヌの直死チャレンジの後であった。

 またしても線を捉えられず攻撃を防がれて、カウンターを縮地にて回避      出来なかった。

 

 狂化とは、あくまでも理性を無くす物であり、本能はむしろむき出しになっていると言っても良い。そしてサーヴァントとは、成長はしなくても学習はするのだ。いくら狂化されているとはいえ、武の達人でもあるヘラクレスの前で何度も縮地で回避しきっていたのは流石と言えるだろう。しかし、遂にヘラクレスがその拳に赤ジャンヌを捉えたのだ。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

「なに!?ガッッッ」

 

 縮地にてヘラクレスの後ろに回った赤ジャンヌに対して、ヘラクレス体を回転させ、その威力が上乗せされた裏拳が赤ジャンヌを捉えた。赤ジャンヌはボールの様に吹き飛ばされ、何本もの木を薙ぎ倒し、先程まで戦っていた海岸付近の場所より500m程奥の場所で木にぶつかったのを最後に勢いは完全に収まった。

 一撃。

 ただの、宝具でも無ければ特に技でもない、体事回転しながら放った裏拳の一撃だけで、赤ジャンヌはボロボロになっていた。咄嗟に防御を固めて、インパクトの瞬間波紋の呼吸等で出来るだけ衝撃を逃してもなお重症。肋骨は5.6本折れ、ガードした腕は感覚が無くなり、臓器にも甚大なダメージを負い、吐血。吹き飛ばされる最中に折った木の破片のせいか浅い切り傷も全身に有り、満身創痍と言えるだろう。

 

「し…な………なきゃ…安…い…死ななきゃ……安い………死ななきゃ……安いッ!」

 

 うわ言の様に呟き、時おり口から血を吐き出しながらも赤ジャンヌは立ち上がった。

 そんな赤ジャンヌに止めを刺すべく木々を薙ぎ倒しながら向かってくるヘラクレスと、その後ろに最後の一人をタイミング悪く倒したヒロインXの集団が横一列に並び、下手にヘラクレスの追撃を避けよう物ならヒロインXがカバー出きる様に向かってきていた。

 だからこそ、赤ジャンヌは出し惜しみせずに使用に踏み切った。

 

「はぁ……はぁ………『宝具 静動轟一(せいどうごういつ)』、そして『宝具 八門遁甲(はちもんとんこう)』"開門"・"休門"・"生門"解放!!」

 

 その宝具は、誰一人として教えなかった禁術。本来どちらか一つのみである相反する"静"の気と"動"の気を同時に(・・・)使用する強化系宝具。しかし、静と動の同時解放は武において最大のタブーとされており、例えるならガラス瓶の中で火薬を爆発させ続ける様な所業であり、心身共に莫大な負担がかかる。そのため弟子の誰にも教えず、故に宝具となった技である。

 そしてそれに重ねて、体に8つあるリミッターを無理矢理外す事によって本来出す事の出来ない潜在能力を引き出す技、自己強化型宝具『八門遁甲』の内、3つを解放した。

 

 1秒

 

 赤ジャンヌがその二つを使用してからヘラクレスの線を手刀で切り裂き、ヒロインXの本体の霊格を貫手で貫くまでの時間である。

 

 ヘラクレスの心眼(偽)が発動しても回避する時間を与えず、ヒロインXはヘラクレスが斬られた事すら気付かず霊格を貫かれ、これにて戦闘終了    とはならなかった。

 

 赤ジャンヌの直死の魔眼は、転生特典の1つとして、その才能を神より貰っていた。しかし、敵との戦いで極限まで追い詰められた時に初めて開花する様に制限されていたため、ついぞ生前に赤ジャンヌは極限まで追い詰めらる事なくその生涯を閉じたため、直死の魔眼を得る事は無かった。そして、カルデアにて召喚かれたのを切っ掛けに、生前には発現しなかった直死の魔眼が発現したのだ。

 つまり、赤ジャンヌは未だに直死の魔眼の練度、死への理解が足りていなかったのだ。故に、魔眼にて切り裂いたの線は"ヘラクレスの一つ目の死"の線であり、"ヘラクレスそのものの死"では無かったのだ。

 

「■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」

「…………ははは……ゴメン所長、マスター」

 

――――――射殺す百頭(ナインライブス)

 

――――――令呪によって命ずる!現れろ、赤ジャンヌ!!




ヘラクレスには勝てなかったよ(レ〇プ目)


今更ですがこの作品は作者の処女作です。色々試行錯誤しながら書いているので生暖かい目でどうかお願いします!!


綺麗な婦長が見れるのは監獄塔イベだけ!!


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敗北の味

祝!お気に入り1000人突破
未熟な作者ですがこれからも頑張ります


時は少しだけ遡り。

 

 

「マスター!陸が見えてきたでござる!」

「ウップ………オエッ」

 

 赤ジャンヌがヘラクレスに殴り飛ばされてる頃、立香は船の上でえずいていた。

 いくら穏やかな海とはいえ帆船で80ノットも出せば当然船は上下に大きく揺れる。行きは超低速による穏やかな航海だったために特に揺れたりはしなかったために、誰も船酔いにならなかったが、帰りはローマ兵の大半と、立香、マシュ、白黒ジャンヌの四人が四つん這いでえずく地獄絵図となった。因みにネロ皇帝は「余は楽しいぞ!!」とたいへんご満悦のようだ。流石は原作(FGO)で三半規管が鍛えられる船の運転をしてるだけはある。

 そんな立香に対して緊急の通信が入った。

 

『不味いぞ立香君!赤ジャンヌのバイタルが突然大きく乱れた、こちらで観測出来る限りだと少なくとも肋骨が数本折れている!』

 

 別行動で離れていたとしてもバイタルチェックを欠かさない医療班トップの鏡たるロマンにより赤ジャンヌのピンチが知らされた。

 

「ウッ……オエッ……れ、令呪によって命ずる!現れろ赤ジャンヌ!!………オロロロロロ」

 

 表情も言葉も全く締まらないがそれでも最後の1画を使用して赤ジャンヌをテレポートさせる事に成功した。

 

「………あ、マスターじゃん。チィース。…ウッ…ゴホ、ゴホ」

 

 テレポートで瞬時に立香の目の前に現れた赤ジャンヌは軽い口調で立香に挨拶をしたが、挨拶が終わった直後に咳と共に大量の血を吐き出し、そのまま気絶した。

 

「赤ジャンヌ!?」

「赤ジャンヌさん!?」

「ジャンヌ殿!?」

 

 その様を見た立香達はおおいに驚いたが、その中で直ぐ様動き、赤ジャンヌの状態を診断したのは他でもない黒髭であった。

 

「お前ら!倉庫にある医療品ありったけ持ってこい!!」

 

 スキル『紳士的な愛』。

 それは女性(一部性別不明と男の娘も含む)に対してのみ注がれる黒髭の紳士的な献身であり、自らの魔力を送り込み、回復させるサポート系スキルである。比較的に近代の英霊であり海賊という職業柄、怪我が絶えなかったためある程度の診察や治療方法を知っている黒髭の手腕は完璧とは言い難いものの、素人よりは断然良く、恐らく今居るメンバーの中ではスカサハの次位には良い診断だと言えるだろう。

 まず最初に黒髭は赤ジャンヌの首に触れ脈を確かめ、次に胸に耳を当てて心音を確かめた。

 

「糞!脈も心音も弱い!確か肋骨が確実に数本折れてるんだったな?吐血したのを考えるに下手すると折れた肋骨が肺に刺さってるかもしれん。少なくとも今そう簡単に治せるもんじゃねぇ」

「くっ、こんなことなら余の専属医師らも連れてくるべきであった」

「……おい、ネロ皇帝さん。あんたの専属医師ってのは今ローマに居るのか?」

「う、うむ。ローマに居るが?」

「……マスターの令呪は全て使っちまった…医療品も恐らく事前にカルデアから送られてきた分だけじゃ足りねぇ……よし、このままこの船で空を飛びローマまで目指す。その間に赤ジャンヌの治療をやれるだけやろうと思ってる。良いかマスター?」

「黒髭……お前……――――――

 

 

 黒髭の顔は、言葉は見たことの無い程の真面目さだった。普段なら赤ジャンヌの胸に耳を当てるなんて事がもし有ればもっと鼻の下を伸ばし、イヤらしい笑い声をあげながら当てていただろうが、この時はそのよえな事は一切無く、鬼気迫る表情で心音を聞いていた。

 そして何よりも驚いたのが、()()()()()()()船を空に飛ばすと発言した事である。

 確かに黒髭の(宝具)は、海の上だけでなく(当然海の上が一番消費魔力が少いが)、陸や空の上でも航行可能ではある。だが、出来るだけであって、黒髭は海の上以外を航行するのを嫌う。

 それは黒髭にとって海賊の矜持であって、余程の事が無い限りしないことであり、そのために原作(FGO)の3章ではドレイクの船を空を飛んでまで追おうとはしなかったのだ。

 オルレアンで空を飛んだのは赤ジャンヌの度重なる土下座によるお願いと、赤ジャンヌが報酬として赤ジャンヌ先生の新作書き下ろし薄い本30冊を提示してやっと首を縦に振ったのだ。

 

 余談だが赤ジャンヌ先生の薄い本はマスターの地獄の様な修行報酬でもあり、マスターはそれを修行を乗り越えるためのモチベーションとしている。エロは偉大な力を与えるってはっきりわかんだね。

 

 そんな黒髭が今マスターに対し、誰にお願いされた訳でもなく、報酬を積まれた訳でも無いのに空を飛ぶ事の許可を求めているのだ。

 仲間意識だけで彼が矜持を捨てるだろうか?彼は腐っても世界一有名で、海賊のイメージを決定付けたと言っても良いほどの大悪党である。奪い、殺し、略奪し、凌辱の限りを尽くした英霊であり、部下からも悪魔として恐れられた男である。

 故に、その言葉に彼のその思いを垣間見たマスターは

 

  ―――――――全力で治療して、全力で飛ばせ!魔力の心配はするな、石を割って、それでも足りないならぶっ倒れるまで身体中から魔力を絞り出す。だから、赤ジャンヌを死なせないでくれ、黒髭」

 

 令呪の無くなった右手を突きだし、黒髭に託す事にした。

 

「っ!あぁ、任せろ!絶対に死なせねぇ!!」

 

 それに対し黒髭は返答と共に突き出された右手に自らの拳をぶつけた。

 

『医療チームのトップとして、現場には居られないけどサポート位はさせてくれ』

「私も伊達に深淵の知恵を持っている訳ではない。」

 

 そして、ロマンとスカサハもサポートに入り、三人による治療が行われた。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 その後無事にローマまでたどり着き、急いで専属医師達を治療をしている船内に案内し、霊脈に繋いで次々とカルデアより医療機器が送られた事により、何とか赤ジャンヌの一命はとりとめた。

 

 それから3日たった今赤ジャンヌはローマ宮殿にて手厚く看病され、現在立香は、ネロ皇帝の用意した客室にて一人後悔していた。

 

「………初めて、赤ジャンヌがあんなにボロボロになったのを見た。……初めて、負けた」

 

 そう、これは立香にとって、初めての敗北となったのだ。

 原作(FGO)では、冬木(序章)オルレアン(1章)どちらでもピンチに陥ったり危機一髪な場面があった。冬木においては何も出来ず所長が殺され、黒幕(レフ教授)には傷1つ与えられずまんまと逃げられ、運が悪ければ自分もマシュも死んでいたという明確に敗北と言える事にすらなっていた。

 しかし、ここでは敗北と言えるものは一切無かった。

 冬木ではランスロットという頼りになる戦力を召喚でき、所長は赤ジャンヌの体を間借りする事にはなっているが生きており、黒幕(レフ教授)には赤ジャンヌが拳を叩き込んだ。オルレアンでは終始カルデアの優勢であり、胃痛以外特にこれといった被害は出なかった。

 しかし、ローマ(2章)において、立香達は逃げ、殿として残った赤ジャンヌは生きてはいるがボロボロの死にかけの状態となって帰還。

 赤ジャンヌが4騎も落とした事を知らない彼等からすれば、間違いなく明確な敗北であった。

 

「……本当に逃げるのが良かったのだろうか?」

 

 赤ジャンヌが聞いたら「逃げなきゃ負けてたゾ。間違いないゾ。むしろ4騎も落とせたの奇跡ゾ。」と言っていたであろう。

 

 あの時の戦力は明確に不利であった。もしマスター(立香)が逃げていなかったら、空を飛び、対魔力持ってても低ランクなら死ねて、高ランクでも普通に痛手な魔力攻撃を上空からグミ射ちでき、宝具でサーヴァントの契約を強制解除出来るキャスター(メディア)に、2km先から弓による狙撃&ヘラクレスすら1回殺せる爆撃を撃ってくるアーチャー(エミヤ)との二人からマスターを守らなければいけなく、更には糞強バーサーカー(ヘラクレス)に、糞強ランサー(クー・フーリン)、(敵だと)糞強アサシン(ヒロインX)まで相手取らなければいけなかったのだ。更に言えば今回ライダー(メデューサ)が味方になってくれたのは上姉様(ステンノ)の口添えがあったためであり、逆に言えば味方になってたかどうかは女神様(ステンノ)の気分次第だったため、下手すれば敵として襲いかかって来る事も有り得たのだ。なお小次郎に関しては赤ジャンヌは元より、ランスロットでもスカサハでも邪ンヌでも、宝具を使用すれば黒髭でもワンチャン殺せていたので除外する。

 しかし、正確な情報を知っていて、戦力的に敗けなのが明確に解っていたのは赤ジャンヌのみであり、彼等は赤ジャンヌの逃げろという言葉が真摯であったためそれに従い逃げたに過ぎない。勿論英霊たるサーヴァント達は彼等の強さをある程度解ってはいたし、過酷な修行をしている立香やマシュ、ネロ皇帝もサーヴァント程ではないにしても、敵の強さがある程度解っていた。だが、彼等の真名すら知らない立香が、『あの時逃げなければ勝てたのでは?勝てなかったとしても撃退位は出来たのでは?』と考えてしまうのも仕方が無いだろう。

 

 そんな風に落ち込んでる立香の元に意外な客が訪れた。

 

「辛気臭せぇ顔してんなぁ。おい、デュエルしろよ。デュエルで……笑顔を……」

 

 片手に魔法カード【スマイルワールド】を持ち、もう片方にデュエルデスクを装備した包帯だらけのドゥエリスト(赤ジャンヌ)がドゥェドゥエした動きで壁貫通してやって来たのだった。

 

 

 




たいへんお待たせして申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ(ジャンピング土下座)
最近リアルが少し忙しかったり、PS4版7ダイズを買ったりしたため待たせてしまった。すまない……本当にすまない…


監獄塔の最後は戦闘服(lv5)で、アイリ(10/3/6)、アンデルセン(3/9/1)、フレ孔明(10/10/10)、邪ンヌ(3/9/4)、アルテラ(宝具lv2 4/3/4)、マシュ(lv63 10/3/10)令呪コン使用で98ターンクリアしました。
80lvじゃなくても普通に実戦投入出来るから育成後回しになってゴメンマシュ………でもまったり勢な僕は最近やっとメイヴとクレオパトラとクロちゃんを最終まで育てて更には最近二体当てたlv20のヘラクレス君の育成が……QPも足りなければ種火も足りなくて死にそう。800万QP?スキル上げに使ったから5分で無くなったわ。素材があってもQP足りないし扉周回しても一瞬で無くなるし、QP足りても素材が足りない………地獄や。(ゲッソリ)
最近だとサーヴァント強化しようとしたらQP足りないとかザラで草も生えない。
低レア鯖育てる余裕無い……強いのはわかってるけど無課金兵として糞みたいな確率から引き当てた金鯖優先してしまう……。


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罠だ!これは孔明の罠だ!!おのれ孔明!

皆様いつも作者の誤字脱字の多いクソガバ小説に誤字報告してくださり有り難うございます。(土下座)
なるべく作者も気を付けてはいるのですが……せめて理論はガバら無いように頑張ります!


会話のみのダイジェストにてお送りします。

 

 

「ノリと勢いでデュエルしろとは言ったが、お前って遊戯王どこまで知ってるの?」

「え?アークファイブの最新話の16話まで見たよ。だからペンデュラムも知ってる」

「あっ(察し)サンキュー聖杯製造機」

「え?今敵の事何て言った?」

「聖杯最低でも7ヶ所にばら蒔いてるんだからあながち間違いでもないだろ。それよりアークファイブとか言う害悪は無かった。イイネ?」

「えっなにその殺意に溢れた目」

「かつては私もただの1遊戯王ファンだった。2年目まではまぁ良かった。だが92話以降とEMEm環境。テメェらは駄目だ」

「えぇ……何があったのか(困惑)…………………ん?あれ?92話ってサラリと2016年迎えてない?」

「あれ?言ってなかった(目逸らし)?俺の前世での記憶は2017年の1月まであるぞ」

「今明かされる衝撃の真実ぅぅぅぅぅ!?」

 

 

 

「黄 泉 転 臨。光の創造神ホルアクティ!!ゼェフェル」

「勝てるわけ無いだろ!いい加減にしろ!!何なのだこれは!どうすればよいのだ!!」

 

 

翌朝

 

 赤ジャンヌ(⬅一応カルデア最高責任者)が復活したため、大広間にて作戦会議が開かれていた。

 

「敵の本拠地もわかり、更に客将も新たに迎えた今、余の全力をもって連合ローマ帝国を潰す!  ところで本当にもう赤ジャンヌ殿は動いても大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫。元々ダメージの半分は技の反動なんだから大したことねぇよ。死ななきゃ安い安い」

「……むぅ…そう言うのであれば遠慮なく前線に立って貰うが本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫だ、問題ない(イケボ)」

「フラグ建てるな。」

 

 実際のところ赤ジャンヌの手や脚の見える部分には包帯が巻かれ、顔には湿布等が貼られているのだから心配してしまうのも仕方なくはあるだろうが、心配されてる本人は何時ものように軽い感じであった。

 

「それよりも総攻撃かけるって事は神祖に刃を向ける覚悟は出来たってことでいいんだな?」

「ッ!…………やはり連合ローマ帝国のトップは……」

「なんだ、覚悟出来てなかったのか?んなもん九割以上の確率でロムルスだろ。潰すつもりなら覚悟決めろ。いざ対面したら覚悟が鈍って木偶の坊とかなられても困る」

「おい、赤ジャンヌ、流石に最後の方は言い過ぎじゃ……僕達一応客将でしかないんだよ?」

「いや、良い………覚悟が足りていなかった余の責任である。むしろそなたに言われた事によって吹っ切れた。例え神祖が相手だとしても、今のローマの皇帝は余だ。ならば余の敵である」

 

 連合ローマ帝国の将には多数のかつてローマのために粉骨砕身した人物が多数いた。カルデアが観測したカリギュラ、カエサルのどちらもローマの偉人である。その二人が今のローマを攻撃することに従わせられる人物等一握りである。

 巨大国家ローマを作り上げた人物ロムルスであり、全てのローマの父である。そのロムルスが連合ローマを率いている可能性が高いこと等ネロが一番解っていた事であった。彼女自身も死後なら、カエサルやカリギュラと逆の立場なら、きっと本気で取り組むかどうかは別としても従うだろう事は想像に難くなかった。

 だからこそ今まで出来るだけ考えない様にしていた。しかし、これより総力を尽くして連合ローマ帝国を滅ぼすつもりなら、確実に敵のトップは討ち取らなければならないのだ。赤ジャンヌの発言は、確かに失礼では有るのかもしれないが、ネロが吹っ切るための切っ掛けとしては丁度良かったのだ。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

 

 作戦会議後、兵糧や兵、装備などを整えること2日。更に進軍を開始してから4日程経ち、現在敵の首都まで残り1/3となった頃。

 

赤ジャンヌside

 

「おお圧政者よ!汝らを抱擁せん!!」

「■■■■■■■■■■■!!」

「まさしく猫まっしぐらだワン!にゃははははは!!」

「■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

 スパP、呂布、キャット、ダレイオスの理性蒸発(バーサーカー)四人組が最前線で露払いしてくれるから楽でいいんだが今のところ進軍中に一度もサーヴァントに襲われてないのが気掛かりだ……確かそろそろブーティカネキ捕まってくっ殺イベントだと思うのだが……ここまでシナリオブレイクしておいて今更シナリオ通りといくか?

 そもそもからして味方サーヴァントってブーティカ、荊軻、呂布、アッセイの四人だったはずで、ダレイオス、タマモキャット、エリちゃんが増えてる。

 増えてる敵としては俺が仕留め損なったヘラクレスとエミヤ、話を聞く限りレオニダスともまだ戦ってない。メデューサは知らん。

 一番ヤバイのはロムルスと素材柱(レフ教授)とヘラクレスとの同時戦闘。まぁそうなったらまたヘラクレスの足止めして速やかにレフ教授ぶち殺して聖杯回収してトンズラするのが一番か……え?ネロとロムルスの決闘は放置してもいいのか?知らん。少なくとも聖杯回収したら皆消えるだろ。

 まぁなんにせよそろそろこの特異点も終わり―――――――

 

 

―――――――『王の軍勢』(アイオニオン・ヘタイロイ)

 

 

 瞬間、全てが砂漠へと塗り替えられた。

 

「!?何が起こったのだ!!」

「!?」

「チッ!!大人の方かよ!!」

 

 前方に圧倒的な数の軍勢が現れた。そして、良く目を凝らせば軍勢の先頭にイスカンダルと、孔明、レオニダス、ヘラクレスが並んで立っていた。

 おい!ふざけんな!なんだあのドリームチームは!!イスカンダルは戦車も健在だしそもそもヘラクレス居る時点でヤバイ!

 

「イスカンダルゥゥゥゥゥゥ!!!!」

「ふははははは!!まさか貴様とまた血沸き肉踊る戦を繰り広げられられようとは思ってもみなかったぞ!!行くぞ余の軍勢達よ!『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』!!」

「「「「「「「「オオオオオオオオオオオ!!!」」」」」」」」」

 

――――――『不死の一万騎兵(アタナトイ・テン・サウザンド)

 

――――――『炎門の守護者(デルモピュライ・エノモタイア)

 

 

 アカン!!ダレイオス君がウッキウキの満面笑顔で宝具発動して1万の軍勢で突撃仕掛けた!!そしてレオニダスが宝具で孔明の守護固め始めたぞおい!!

 

「敵だ!それも軍勢召喚系のな!『50人の赤き悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』!」

「ッ!総員戦闘体制!!」

「怯むな!奴等にローマの強さを見せてやるのだ!!」

「「「「「「「「「「「オオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」」」」」」

 

 敵が殺意に溢れすぎィ!!防衛に定評のあるレオニダスがよりにもよって集団戦で真価を発揮する軍師の孔明をガッツリ護ってるとかふざけんな!

 

 

 

 

 ここに、かつて何度も繰り返された因縁の対決が、規模を大きくして、再開された。




やったねダレイオス君、願いが叶ったよ!!


バレンタインイベ運営頑張り過ぎィ!!110個も追加とか運営大丈夫かよ。でもめんどくさいのまでパワーアップしなくていいよ。
ヒロインXオルタ実装によりついにアルトリア基本クラスビンゴ大会も残りはキャスターリーチか。(白目)ところでヒロインXオルタ弱すぎない?上方修正案件だよねこれ?
それと設定的に宝具かスキルにアルトリア顔特効無いとむしろヒロインXの餌だよね?


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数の暴力&単騎無双

数の暴力 イスカンダル、ダレイオス、黒髭(Ιサーヴァントガン積み)、レオニダス(宝具ON)、赤ジャンヌ(アヴェンジャーズON)
単騎無双 ヘラクレス、赤ジャンヌ、スカサハ、ランスロット、呂布、レオニダス
多分ランク帯は狂中位~狂最上位


 戦争のゴングはイスカンダルのゼウス神に由来する雷を纏う神牛2頭に牽かれる宝具(ゴルディアス・ホイール)の真名解放による蹂躙走法と、ダレイオスの召喚した動く死体や歩く骸骨と化した一万の兵達が集結し組み上げられた万物を恐るべき魔力の一撃となり粉砕する死の戦象による正面衝突により激しく打ち鳴らされた。

 

 開幕の大激突の勝敗はカタログスペックだけを見るならランクA+の大軍宝具対ランクAの大軍宝具のぶつかり合いであり、イスカンダルに軍配が上がるだろう。だが、両者の間にはカタログスペックを凌駕する差が存在していた。

 イスカンダルとダレイオスはお互い生前に因縁のライバルとして何度も戦争をした。そしてイスカンダルの宝具(戦車)は生前から所有していたが、ダレイオスの宝具(戦象)は、ダレイオスがサーヴァントとなってから伝説となり、不死性等が強調されて、始めて獲得したものである。故にダレイオスからすればイスカンダルの戦車は生前から見慣れた既知の物であり、イスカンダルからすればダレイオスの戦象は見慣れぬ未知の物であった。

 その僅差が、ランクの差をカバーし、結果的に引き分けという形で驚くほど静にお互いの乗り物(宝具)は消え去った。

 

「ふははははは!!まさか生前貴様が搦め手で封じてきた余の戦車を正面から迎え撃つとは!サーヴァントになって力が削ぎ落とされてしまっているゆえ全力で戦えないのを惜しく思っておったが、成る程、サーヴァントとなったゆえに出来る事もあるか」

「イスカンダルゥゥゥゥゥゥ!!!!」

「さぁ、生前にはついぞつかなかった決着をつけようぞ!!」

 

 地に足を着けた二人の選んだ行動は、何よりも原始的で、何よりも力を現し、何よりも決着が白黒はっきり分かりやすい―――――――拳による肉弾戦であった。

 

 

 

 

 

 『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』にて呼び出される兵達は皆歩兵である。故に真名解放し、ダレイオスに向かって突撃したイスカンダルの後ろに居たのは彼の自慢の軍勢ではなく、走るだけで戦車と同等の速度が出せるヘラクレスであった。

 理性を失ってはいるが、漢同士の殴り合いに横槍を入れたりはせず、そのまま通り過ぎ、イスカンダル同様他の仲間を後方に置き去りにしたダレイオスの後を、素の敏捷値はB程度であるにもかかわらず、手足を交互ではなく同時に前後させる独特の走法である『難場走り(なんばはしり)』によりヘラクレスと同等の速度を出して追い付いている、前回己を一度殺した存在と、その弟子達へと狙いを定めた。

 

 

 先頭を走る赤ジャンヌはヘラクレスの攻撃範囲に入る直前にて縮地にて瞬時にヘラクレスの背後に回り、背後からの奇襲、そして前方からのアヴェンジャーズによる物量による攻撃―――――――――をせずにそのままヘラクレスを華麗にスルーし、それに続きアヴェンジャーズも縮地にてヘラクレスをスルー。

 ヘラクレスが5人ほど後ろに通した所で急停止し、赤ジャンヌと抜けたアヴェンジャーズのその無防備な背中に石斧を投擲しようとし―――――ヘラクレスの胸から二本の朱槍が突き出した。

 

「その背を追うのなら好きにするがいい。だが駄賃として確実に一つは命を貰おう」

「■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

 蘇生したギリシャの大英雄は、ケルトの大英雄の師との死闘が始まった。

 

 

 

 

 赤ジャンヌの狙いは、ロードエルメロイⅡ世もとい、諸葛亮孔明であった。

 軍師である孔明の真価は当然、軍vs軍でこそ最も発揮される。そもそも軍師というのは軍団を勝利へと導くのが仕事であり、孔明といえば数多いる軍師の中でも抜群の知名度を誇り、なにより肉体と魂の主導権を持っているロードエルメロイⅡ世(ウェイバーさん)は現代の魔術師協会で高い地位をもち、軍略系ゲームを嗜み、なにより聖杯戦争を直で経験した人物である。

 赤ジャンヌが危険視するのも当然であり、真っ先に狙うのもまた当然であれば、その軍師を守るためにレオニダスがスパルタ兵と共に立ち塞がるのは必然であった。

 サーヴァントとは生前の逸話や、人々の想像等がもろに反映される存在であり、故に生前十万の軍勢をたった300人で食い止めた逸話を持つレオニダスは、防衛を有利にするスキルと宝具を持ち、相手が強ければ強い程、自分達が不利であればある程強くなり性質を保有し、サーヴァントの中でも守る事に関してはトップクラスである。

 それに対し、赤ジャンヌのアヴェンジャーズは正反対に攻める事に特化していると言っても良いだろう。何せ赤ジャンヌ含め、召喚されている全員が一人で砦を攻め落とした実績を持つのだ。本来なら破城鎚で破壊する城門を拳の一撃にて打ち砕いた者も、当たり前の様に壁に垂直に立ち悠々と壁を歩き中に侵入した者も、「アイム、ジャガノート!」と叫び城壁をタックルで粉砕したアホも、大砲の中に入り、「南斗人間砲弾!」と言いながら撃ってもらい上空から奇襲したバカも居るような型破りな集団である。相手の守りが固ければ固い程、自分達が不利であればある程強くなる性質を保有し、数多いるサーヴァントの中でもアクア様並に頭チンパンジーな奴がざらに居る集団なのだ。(なお約一名がアクシズ教徒な模様)

 トップクラスの守り手300人とトップクラスの攻め手50人による攻防戦が始まった。

 

 

 

 そして各地で始まった戦闘を俯瞰し、我が王から預けられた無双の軍勢を指揮しながら、諸葛亮孔明の頭脳を持つウェイバーは、既にこの戦争の敗北を悟っていた。

 我が王は宿敵との闘争で手が放せず、頼みの綱であるヘラクレスは全身タイツの女傑により既に1度殺され、今なお互角……いや、若干女傑の方が余裕を持って死闘を繰り広げ、スパルタとオルレアンの攻防戦は、明らかにオルレアン側の技量がスパルタ側を凌駕し、地面を潜り地中から襲ったり、盾を殴り衝撃を盾を持つ腕のみに通したり、突き出された槍をへし折ったり、ミスディレクションで視線を誘導すると共に意識の隙間を縫った攻撃をするなどの単純な技量の高さから戦いかたその物の嫌らしさ等が存分に見てとれた。

 そしてこちらに残った戦力は無双の軍勢数十万に対し、敵はネロ皇帝率いるローマ精鋭兵数万に、現地サーヴァント、カルデアのマスター率いるサーヴァント合わせて11人………いや、あの盾のお嬢さん含めて11.5と言ったところだ。

 

「ふぅー……………ほぼ詰みに等しい。が、戦況を変えてみせてこそ軍師。やれることはとことんやってみせよう」

 

 過労死キャスター三銃士の一人が、敬愛する王のために無理難題への挑戦を開始する。




最終援軍(ヘラクレス)には最終援軍(スカサハ)をぶつけないとね()。

アクシズ教徒は当然赤ジャンヌです。他にも単発教やぽいぽい教、たべりゅー教、太陽誓約など赤ジャンヌは多宗教です(白目)。

玉藻狙いで20連、呼府27枚、余り石12個突っ込んで出た金鯖がカーミラさんだけでした。(白目)
銀髪やしアサシンやしクイック3枚有るし宝具は女性特効やし実質ジャックちゃんやな(錯乱)。


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Y


タイトルだけでもう解ると思いますがついにあの人が登場します。


「「ヴォエ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"ェ"ェ"ェ"ェ"ェ"」」

 

 空中特設ステージ(アン女王の復讐号)にて二人の歌姫(ジャイアン)ファンの皆(王の軍勢)相手に素敵()なライブを披露していた。

 

「なんなのだこれは!どうすればよいのだ!!」

「笑えよベジータ」

 

 サーヴァントとは生前に縛られる存在である。故に諸葛亮孔明がいくら策を練ろうと相手が空中から攻撃してきては無意味となるのだ。なにせ三國志に空跳ぶ敵は居ても空飛ぶ敵は居なかったのだから。

 彼が悪態をつくのはしょうがない。だがなぜ突っ込みが立香と同じなのかは不明である。

 そして赤ジャンヌはスパルタと戦闘しながら孔明の突っ込みにネタで返す余裕が有る時点でスパルタ兵とアヴェンジャーズの戦いはアヴェンジャーズの方が優勢であるのが理解できるだろう。

 

 王の軍勢は軒並み弱い。いや、その言い方だと少し語弊が生じる。

 王の軍勢にて呼ばれる兵達は、サーヴァントとして非常に弱い。宝具を所有してないのは勿論スキルもランクの低い単独行動以外特になく、ステータスも軒並み低い状態で召喚されているからだ。中にはちゃんとサーヴァントとして呼べば下手すればイスカンダルより強い者もゴロゴロ存在しているが、それでも極限まで力を削ぎ落とされている。正しく数の暴力で攻める宝具故に相性という物がもろに反映されてしまうのだ。

 今回で言えば相手が矢か投擲でしか攻撃が当たらない位置におり、当たったとしても殆ど効いてない要塞()なのだ。攻撃はほぼ通らず、向こうからは"声"という回避不能の広範囲攻撃が降り注ぐのだ。

 本来エリザベートの宝具のランクはE-と最低クラスであり、その分対人でありながら最大捕捉1000人と多い。(仮にもブドーカンを目指すなら最大捕捉は万単位無いと不味いのでは?と思わなくもないが)

 だが今回はそれが上手く噛み合った。最低ランクだとしても正式なサーヴァントであり、れっきとした宝具であり、何故か竜の因子も持っているのでギリギリドラゴンブレスと言える攻撃に、大幅に弱体化してる王の軍勢が耐えられるわけも無かったのだ。しかも途中からネロ皇帝まで加わり、悪い意味で音に厚みが増し、絶妙なハーモニー(不協和音)により威力は倍ドンされている。ついでに合いの手(砲弾)まで飛んで来る始末である。

 サーヴァントを沢山乗せて防御力上げた船で高所から一方的にエリちゃんの宝具()で軍勢を潰す作戦を考えたのは当然立香である。地味にえげつないが、非常に効果的なこの作戦を即座に思いつくのはどちらの師匠の影響であろうか。両方かもしれない。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■―――――――!!」

 

 そして只でさえボロボロな王の軍勢をさらに追い詰める要因となっているのは呂布奉先将軍である。孔明と同じ三國志出身であり、三國志において知のトップが孔明であり、武のトップこそが呂布である。そしてその孔明の知が最早機能していない状態なら、呂布の武が暴れまわるのは明白だった。

 王の軍勢が半分を切るのに、そうそう時間はかからなかった。

 

 

 

 王の軍勢が解除される少し前、ライバル同士の殴り合いに決着がついた。

 片方が右フックにより相手の顔を大きく揺さぶれば、もう片方は相手にレバーブローを捩じ込み肉を叩く。

 片方が鳩尾にアッパーを叩き込めばもう片方も鳩尾にアッパーを叩き込む。

 互いにその顔は腫れ上がっり、所々血を流し、それでも獰猛に笑いあいながらの、ノーガードでの壮絶な打ち合いの最後は、クロスカウンター状にお互いの渾身の一撃がお互いの頬に突き刺さる形で幕を閉じた。

 グラリと体を揺らし、先に地に倒れ伏したのは

イスカンダルであった。

 

「……悔しい。うむ、実に悔しい。負けたのは初めてではないが、ここまで悔しく感じたのは初めてである。――――だが、同時に晴れやかでもあるのだ。実に不思議な気分である。

だが、次に勝つのは余であるぞ」

 

 ダレイオスの勝利の雄叫びが発せられたのは、王の軍勢消滅5秒前。イスカンダル消滅10秒前の事であった。

 

 

 王の軍勢が解除され、その後直ぐにイスカンダルも消滅した。これで残るは本人の戦闘力がほぼ0の孔明と残りレオニダス王も含めて20人を切ったスパルタ、既にスカサハの原初のルーン魔術により4回命のストックを使い潰したヘラクレスとなった。

 赤ジャンヌの、宝具、スキル封印状態、ステータスも軒並みC程度に弱体化されているにもかかわらず一人一人が並のサーヴァントよりも強いバグ集団であるアヴェンジャーズ相手にスパルタは15人前後倒したのだ、奮戦した方であろう。

 だが、後はスパルタを処理し、孔明を倒し、後は全員でヘラクレスを囲んで殴るだけであり、どう考えても勝敗は決しただろう。

なのでダイジェストでお送りしよう。

 

スパルタ「孔明殿だけは絶対に守る(キリッ)」

黒ひげ「船ごとドーンwwww」

スパルタ「質量には勝てなかったよ(ショワショワショワーン)」

孔明「くっ殺せ」

赤ジャンヌ「なぁお前エルメロイだろ?触媒寄越せよ。触媒置いてけよ!!」

孔明「ヒエッ。召喚されてもあんまり役にたたんと思うけど(名推理)。」

赤ジャンヌ「いいからとっとと出して。どうぞ」

孔明「しょうがねぇな。ホイ(羽扇子)」

赤ジャンヌ「ありがと那須。じゃぁ死ね(無慈悲)」

カルデア&現地鯖「三人以上に勝てるわけないだろ!」

バサクレス「馬鹿野郎おまえ俺は勝つぞお前」

赤ジャンヌ「お前の死に場所は……ここだアアアァァァァァ!!」

バサクレス「シニマシター」

 

だいたいこんな感じである。

 

 そんなこんなでイスカンダルの襲撃から2日後、ついに敵の本拠地へとたどり着いた。

 その本拠地には大きな城が建ち、その城から、圧倒的なカリスマを放つ存在が――Yの字の格好で現れたのだ。

 

(ローマ)が、ローマである。よくぞここ(ローマ)まで来た、ネロよ。」

「ッ!神祖、ロムルス…………」

「太陽万歳!」

 

 ネロ皇帝か苦虫を噛み潰した様な顔をしてる横で赤ジャンヌはロムルスの様にY字になり、そこから更に顔を真上に上げ、つま先立ちになり、太陽への賛歌を口にしていた。因みに赤ジャンヌの格好はソラールさんの完コスである。

 

「お前は喋るな」

 

 立香の注意は遅かったかもしれない。






まったり勢な作者はイベント終了3日前にやっと回収できるチョコとお返しを全部集め終えました。刹集めが一番苦行でした。アイリ、フレニトリクス、アンデルセン、ジャンヌオルタ、マシュ、ナーサリー(lv1)で酒呑に泣かされながら集めるはめに成りました。フレニトリクス居ないときはフレマーリンでアンデルセンとジャンヌの初期位置変えて回ってました。どっちにしろ苦行でした。


SAOの映画見てきました!ネタバレになるのであまり多くは言いませんが凄く面白かったです!ただちょっと一瞬Fate/Zero 二期OPかと錯覚するくらい似た曲流れてビビりました。あれ?fateとタイアップもしてるのか?と最初作者は本気で思うくらいでしたがあれはセーフなんですかね……。まぁ面白い事にはかわりありませんので。


新ルールに絶望しました遊戯王(OCG)辞めます。


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楽しいローマ語

そろそろローマも終わりですね。幕間含めて5話位に収まるかな?

今回は一人称視点です


赤ジャンヌside

 

 

 マスターに黙れと言われたので黙ってロムルスとネロの会話を見守りながらアヴェンジャーズの皆でルーンばら蒔いていたら会話が終わったようで、ロムルスが城に引っ込んでいった。

 ネロと、ロムルスの会話を要約するとこんな感じ

 

ロムルス「おまえもローマだ。」

       ↓

ネロ「余のローマこそがローマだって言ってるだルルォ!?」

       ↓

ロムルス「ならば(ローマ)を破ってみせよ」

       ↓

ネロ「やってやろうじゃねぇか見てろよ見てろよ!」

 

 これらを楽しいローマ語を使って喋ってた。え?何でも俺は理解できたのかって?原作(FGO)やってたからに決まってるだろ。むしろやってなかったら言語に補正入るスキルでも持ってない限り理解できるわけないだろ。まぁ、そのおかげで理解できてないマスター達に通訳する事になってるんだがな!

 

 あ、因みにロムルスとネロの会話中に待つという事が出来ないバーサーカーズと、バーサーカーかアヴェンジャーにクラスチェンジしたんじゃないかと錯覚する位ハッスル()してるブーディカネキが殺意ガン盛りでロムルスに襲いかかってたけどロムルスさんは会話しながらあしらってました。ヤバイ(確信)

 いや、元々経歴とか考えると超級サーヴァントで、FGOの方で☆3なのがおかしい位にはヤバイのは知ってたけどね、流石に呂布、スパさん、ダレイオス、タマモキャット、殺意の波動に目覚めたブーディカネキに一斉攻撃されても無傷なほどとは思ってなかった。

 まぁ、本拠地まで来れた時点でロムルスは手を抜いてくれてるんだけどね。ロムルスが本気なら今頃詰んでるからね、手の込んだ舐めプしてくれるのはありがたい。

 まぁロムルスと最終決戦するのはネロだし俺は大人しく素材柱………魔神柱の相手しますね。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、ロムルスは高いカリスマを保有してる。どのくらい高いカリスマかと言うと首都にいる兵士は当然俺達ローマ軍に攻撃してくるけど、兵士だけじゃなく、一般人すらも包丁やら農具を武器として襲いかかってくる      

 

      「ローマ!!」

 

 と叫びながら。そして傷を負ったローマ兵も突然「ローマ!!」と叫んで仲間に攻撃を始める。

 ウイルスか何かかな?(白目)連合ローマ帝国の首都はラクーンシティだった可能性が微レ存?

 

「「■■■■■■■■!!」」

「にゃははは、正しくニンジンに群がるネコの様に湧いてくるワン」

「アッセイ!!」

「ローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺すローマ殺す」

 

 そんな(ゾンビ)達を難易度ノーホープでナイフ縛り余裕な人が操る歴代主人公ばりに凪ぎ払っていくバーサーカー五人衆である。

 何?一人ライダー混ざってる?なに言ってるんだブーディカネキは元から会話の出来るタイプのバーサーカーだっただろ。(錯乱)

 

「ねぇ、赤ジャンヌ、バーサーカー達が殺しちゃう前に一般市民の人だけでも無力化出来ないかな?バーサーカーでも流石に無力化した市民を殺したりしない筈だ。」

「………………アヴェンジャーズの皆でやれば出来なくはないけど兵士の方は無力化しなくて良いの?」

「……うん、出来れば兵士の方もお願い。ただ、兵士なら死ぬ覚悟は出来てると思うから一般市民を優先で」

 

 へぇ……。命を割りきれる様になったか。残酷でもこれから先見殺しにする事は必要になってくるしいい傾向かな。

 ただ、戦場に自ら立ったとしてもソイツが死ぬ覚悟をしてるとは限らないんだぜ?

 

「こちら大隊長から小隊長へ。仕込みの終わった隊から至急我々に合流、一般市民を優先してバーサーカーが殺す前に無力化しろ。」

『『『『『了解!!』』』』』

 

 さて、現在城から一直線に伸びてる一番大きな通り、いわいるメインストリートをバーサーカー達を筆頭に直進してる。そして敵は前から大量に来るのは勿論だが、メインストリートから左右に伸びる脇道からもそれなりに敵が押し寄せてくるので、バーサーカー達の後ろに順で俺達カルデア組、ネロ皇帝、ローマ兵達、一番後ろにエリちゃんと荊軻という形になっている。

 つまり現状敵を無力化するにはバーサーカーより前に出なきゃいけないのだ。……………前から来る敵より後ろからのフレンドリーファイアの方が怖いです。(真顔)特に反骨精神高い系サーヴァントの呂布とスパさんが。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 案の定後ろから呂布とスパさんの不意討ちを回避しながら無力化、城内部までたどり着きました。呂布もそこそこ殺す気で攻撃してきてたけどスパさんの殺意が凄く高かったです。(半ギレ)まるで俺が今までスパルタ"クス"じゃなくてスパルタ"スク"と読み書きしてたみたいな殺意の高さだったよ。

 

 まぁそれはさておき今は王座の間的凄く広い所で王座に座るロムルスとその隣で不快感を顔に出してるレフ教授

 

 

 

 

 

そしてヒロインX達が居ました。(白目)

 考えてみればヒロインX達倒したの俺だからコンテされるじゃねぇかよ!唯一の救いはヘラクレスはネロ皇帝がトドメさしてたからヘラクレスが居ない。後ついでにメデューサも居ない。あ、イスカンダルと孔明とレオニダスさんは居ますね、ヤバイ。

 

「いやはや、おめでとう。よくここまで無駄な足掻きを続けてきた。称賛に値する。最早人理は焼却され、貴様らも風前の灯だと言うのに。―――そのおかげで私は主よりお叱りを受けた上にこんなところに来て貴様らを潰さねば「うるせぇハゲ。黙ってろ。ラスモーメンすんぞ」貴様ァ!!」

 

 うるせぇぞ素材の塊。こっちは今必死こいて作戦考えてるんだよ。お前はとっとと柱になって戦闘に参加するかしないかだけ喋ろ。

 

「さぁ、(ローマ)を越えてみせよ」

「行くぞ神祖殿よ。これが(ローマ)のローマだ!!」

 

 あ、どうやら懸念事項のロムルスはネロ皇帝と戦うみたいだ。あそこは適当にサポートとして荊軻辺りを派遣しておけば大丈夫だろう。まぁ、ロムルスが本気で殺しに来るかもしれないから最初は師匠も派遣しておくけどね。

 ん?

 

「赤いの二人殺す赤いの二人殺す赤いの二人殺す赤いの二人殺す…………………」

 

 ヒロインXも殺意の波動に目覚めてるやんけ!!俺とネロに対する殺意が凄いぞ。

 

「―――――――絶望せよ!これこそが私の真の姿である!!」

 

 あ、いつの間にかレフがフラウフロス(6時間33分)にクラスチェンジしてる。ちょっと軽く直死で見てみるか。

 なんやねんあいつ。線だらけやん。ただ点は見えないけど。

 

「さぁ、リベンジといこうか我が宿敵よ。aaaalalalalalala!!」

「イスゥゥゥゥゥカァァァァンダルゥゥゥゥゥ!!」

 

 ちょ、まだ作戦決まってな―――ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!こうなりゃノリと勢いじゃボケがァァァァァ!!

『ちょっと!!それで大丈夫なの!?また死にかけたりしないでしょうね!?』

 ごめん所長保証できない。

『嫌ぁァァァァァァァ!!』

 ヤロウオブクラッシャー!!




投稿日時を一月間違えていた事に昨日気付いたマヌケな作者を許してくれ…。

新宿クリアしました。
新宿のアーチャーけっこう面白いキャラですよね。新宿クリア記念に10連引いたらなんと!







無事爆死しました。

☆4鯖すら来ませんでした。
新宿は絆美味しいです。ばらきーちゃんと邪ンヌとアタランテの絆がモリモリ増えました(レベルアップしたとは言ってない)


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レ/フ

ローマ完結


赤ジャンヌside

 

 さて所長。原作でのローマでのラスボスは誰だったか覚えていますか?

 

『え?確かアルテラじゃなかったかしら。』

 

 その通り、アルテラさんだ。ではなぜラスボスがロムルスでも魔神柱でもなくアルテラかと言うと簡単に言えば下手にレフを追い詰めたせいでレフが聖杯で一発逆転を狙って超級サーヴァントを呼んだからだ。

 

『えぇ、確かそんな流れだったわね。でもそれは貴女から聞いた原作での流れであって、最早原作の流れからはかけ離れてる程敵が居るのですけどそれは?』

 

 逆に考えるんだ。今のうちにレフを瞬殺すればアルテラは来ないと。むしろ今聖杯持ってるのがレフだし、あわよくばそのまま聖杯を回収すればあいつらと戦わずに帰れる可能性がワンチャン。

 

『貴女から聞いてるこれから先の特異点とか考えると聖杯回収しただけだと特異点消えないと思うわよ?』

 

 聖杯回収は魔神柱ワンキルの副産物だしあくまでもワンチャンたから(震え声)。

 

『…………で、どうやってサーヴァント数騎分の強さを持つ魔神柱を一撃で倒すのかしら?て言うか聖杯でアルテラを呼ばれる前にトドメまできっちり刺せばいいだけなのだから、一撃で倒さなくてもいいんじゃないの?』

 

 バフやらデバフかけられる前に、慢心してる今の内に倒したいから出来れば一撃で倒すのがベストなんだよ。その為にアヴェンジャーズにルーン仕込んで貰ったし。あ、考えたら王の軍勢か無限の剣製使われたら固有結界だから仕込んだルーンの加護得られない可能性高いやんけ!早いとこラスモーメンしなきゃ。

 ほれ、ここにソラールコスのついでに持ってきたストームルーラーっぽく加工した剣が有るじゃろ?これにの、風の魔術かけてルーンのバフもガッツリかけて死の線を出来るだけなぞりながら振り下ろすのじゃ!!

 ぶっちゃけ魔神柱とかその場から動かないから時間かければこんしなくても死線なぞって斬るだけの簡単なお仕事なんだよね。まぁ逆に言えば直死無ければかなり苦戦を強いられるって事だけど。

 

「ヨーム戦以外に使い道が無いくせに売ることも捨てることもピューポコで交換も出来ない産廃の力思い知れ!ハァァァァァ!!」

「バカなァァァァァァァァァ」

 

 

や っ た ぜ

 

「でかしたぞ赤ジャンヌ!伊達にソラールコスじゃないな!!」

「んんwwwwあのヤバそうな柱を一撃とか赤ジャンヌ殿半端ないですぞ~wwww。ところで拙者を助けて欲しいで御座る」

「船で飛ばれない様にあのライダーを徹底的に狙え。宝具を使う隙を与えるな。そしてアーチャーとキャスターはマスターを狙え」

 

 あかん、こっちで魔神柱ワンキルして悦に浸ってたら向こうで黒髭が孔明からご指名うけて集中砲火されとる。しかもマスターまでエミヤとメディアからの飽和攻撃受けてるじゃねぇか!!

 

「それとあの赤ジャンヌとやらは城の回りに何らかの術式を構築している様だ。固有結界でその術式からの補助をカットするのが賢明だろう。我が王は………忙しい様だからアーチャー、頼むぞ」

「了解した。I am――――――」

 

 孔明ガチ過ぎィ!!前より殺意高くなってるやんけ!なんでや!思い当たる節と言えば触媒として髪の毛毟って用が済んだら即座に筋肉バスターで座に直送してあげた事くらいだ。

 それよりどうしよう!エミヤの無駄にイケボな詠唱は止めなきゃだけどレ/フの死体からから聖杯も回収しないといけない。

 えと、ロムルスの溢れ出すカリスマに釣られて何も指示を出さなくとも勝手にネロの援護()に向かった呂布、スパルタクス、ブーディカネキの三狂は期待できない。アヴェンジャーズはXの分身達と戦ってるし、ダレイオスと師匠はそれぞれイスカンダルと兄貴相手に二人だけの世界(意味浅)へとトリップしてる。

 そもそもいつの間にか敵に俺が知らないサーヴァント増え過ぎィ!!恐らく原作では描写されてなかったローマ関連のサーヴァントだとは思うけど多すぎるわ!!そのせいで他の皆もマスターと黒髭を守るので精一杯だしヤベェよヤベェよ。

 とかレフの死体漁りながら考えてたらエミヤの固有結界(アンリミデッド・ブレードワークス)発動しちゃった。テヘ☆

 

『ちょっと!!戦犯じゃない!!』

 

 でぇじょーぶだ。いざとなったらドラゴンボール(聖杯)が有る。(思考放棄)

 剣の丘に浮かぶ無数の剣軍がこちらに向かって一斉に襲いかかる―――――――――事はなく全て敵へと突き刺さった。

 あの正義の味方(笑)裏切りおったぁぁぁ!?

 

「のわっ!テメェ!やっぱりあの時の矢はわざとだったな!!」

「なに、これでもアラヤの奴隷なのでね、そもそもここに呼ばれた時からアラヤ側の味方だっただけさ」

「ほう、私との戦いの最中によそ見とはいい度胸だなセタンタ」

「ヤベッ!」

「お互いに宝具を撃たせぬ様に戦っていた最中によそ見する阿呆が居るかこの馬鹿弟子が!『貫き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク・オルタナティブ)』」

 

「シロウ!冬木では私に………………私にソックリサンな人と魔力供給(意味深)までしたのに剣を向けるのですか!!まるで湖の不倫騎士みたいに!」

「ヤメロォ!!貴様解ってて言っているだろっ!!」

「ヤメテ!本当に反省してるので勘弁してください我が王!」

「でもぶっちゃけ?」

「我が王の方が好み…………待ってくれマシュ、違うんだ」

「アッケナイモノヨ……」

 

 何かエミヤとランスロとXとで凄く業が深そうな会話してる向こうで兄貴が死んで、更に向こうでこちらの事など一切見向きもせずに戦闘を続けてるネロ達。なんだこのカオス。

 まぁとりあえず今ので大半の(多分)ローマ関連の名も知らぬサーヴァントと、孔明、メディア、小次郎、イスカンダル(何故かダレイオスも巻き添えで)、兄貴、ヒロインXの分身半数、レオニダスが落ちた。今こそ一転攻勢をかける時!

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 エミヤの裏切りのおかげでヒロインXも再び倒せ、ネロも問題なくロムルスと決着をつけた。

 聖杯も回収し、ロムルスもネロの手で倒した今、特異点は急速に修復され、少し前まで褒美を~云々の話をしていたネロとの唐突な別れとなり、真っ先にマスターが戻った直後、俺らと同じく半透明になってるエミヤから話しかけられた。

 

「本来なら彼に直接渡したかったがどうやらネロ皇帝との別れもあったようでね、タイミングを見計らっていたら居なくなってしまった。私が必要になったらこれを使って呼べ。」

 

 そう言って渡されたのは………凜のペンダント!?なんでお前が持ってるんだよ!!しかもなんでよりにもよって"これ"!?お前は知らないかもだけどこれで召喚しようとしたらイシュタ凛が召喚される可能性有るじゃねぇか!普通に髪の毛とかその紅い外套の切れはしとかで良いじゃん!!

 

「私は君を歓迎するよ。       今度我が王と魔力供給(意味深)をしたとかいう件について語り合おうじゃないか。(ニッコリ)」

 

 ……………もしエミヤ来たとしてもお前胃が死ぬと思うんですけど。

 まず6章の円卓勢だろ。次に7章で凛とタイガだろ。有るかどうか解らんがZeroイベとプリヤイベも胃に特効かかるだろ。そして今カルデアにランスロ居るし戦争不可避じゃない?

 

 ……………………………そんなエミヤ君は是非ともカルデアに招待してあげよう。(ゲス顔)

 

 

 




産廃なのに廃棄出来ないストームルーラー君。大剣として使えなくも無いけどわざわざ使うメリットは無いです。

次のピックアップはオワ草か…………スルーですね。そもそも持ってるし。次のイベントに備えて石と呼府貯めます。

作者が進めて去年の12月中旬頃から始めたリアフレが無課金なのに引き良すぎて吐きそう。マーリン、孔明、アルジュナ、エルキ、ジャックちゃん、アルテラ、ゴルゴーン、ヘラクレス、アンメアを約2ヶ月程で当てるとか絶対可笑しいって……何で同じく無課金でほぼ一週間サンタイベ終わりかけの頃に始めてなんやかんやで一年以上経つ作者より☆5に迫りかけてるの?
最近だと新宿のアーチャー当ててるとか豪運過ぎない?
なんでイベ配布鯖持ってないのにサポート金鯖で埋めてるの?作者はジャンタ貰うまでサポート金鯖で埋まんなかったんだけど。
なお作者が知らないだけで他にも当ててる金鯖がいる可能性は高い模様。


絶望しました那珂ちゃんのファン辞めてアクシズ教徒になって魔女教の布教します


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間話 第二特異点反省会

タイトルのまんまです。

カルデアに帰ってから3日程経ってます


「たかが第二特異点ごときで死にかけた奴おりゅwwww?俺だよ」

「自分からネタにしていくのか(困惑)」

 

 第二特異点、永続狂気帝国セプテムでの反省会での第一声がこれであった。勿論発言者は赤ジャンヌである。

 確かに今回の特異点で一番反省すべき事ではあるのだろうが切り込み方をもう少しなんとか出来ないのかという視線と共に立香からツッコミが入る。

 

「まぁ死ななきゃ安い安い。MUGENでは瀕死からの10割KOとか日常だから」

「申し訳ないが格ゲーの皮を被った核ゲーと比べるのはNG」

「全画面……永タゲ……即死ブッパ……耐性の塊……仕事しないライフバー…うっ頭が」

「神ランクはもっとNG」

 

 MUGENにおいてライフバーが飾りとなるのは神ランクからである。しかし何故黒髭はそれを知ってるのかが疑問である。そして立香は地味にMUGENも嗜んでいる事が判明したが些細な事だろう。

 

「ヘラクレス君バーサーカーな時点でかなり手加減してるゾ。狂最上位クラスが狂下位位までは性能落ちてる。『やつはヘラクレスの中でも最弱』『ふん。ヘラクレスの面汚しよ』みたいな感じだから」

「やめてくれよ(懇願)」

 

 ヘラクレスは基本の7クラスの内キャスター以外の全てに適性を持っているが、バーサーカーのクラスが一番弱い。バーサーカーだと大半の武具が没収されるため、本来なら火力をアップするためのクラスが他のクラスと比べるとむしろ火力が落ちるという謎現象をおこすうえに、下手に武具が無い分魔力消費も抑えてるかもしれない始末である。

 そして何より致命的なのが狂化により理性が無くなった事だ。ヘラクレスは武勇にも優れているが深い叡知も持っている(有効活用出来てるとは言ってない)。原作では第三特異点にてバサクレスを罠に嵌めていたが、他のクラスのヘラクレス相手ならあのような作戦は絶対に成功しなかっただろう。

 つまり結論は

 

「聖杯作ったアインツベルンぐぅ有能。ヘラクレスをバーサーカーで召喚したアインツベルンぐぅ無能」

「手のひらドリル過ぎない!?アインツベルンに何か恨みでもあるのかい?」

「恨みは無いけど……ねぇ?ロマン、考えても見ろって。ほら、例えるなら『反射神経頼りなFPSは飽きた。じっくり考え戦略をちゃんと練るプレイヤーが有利になるFPSが有っても良い筈だ』という理念を元にネットで資金を集めてソフト開発してる様な物じゃん。確かにその行動力やら実際にソフト開発したのは普通に有能だよ。ただその結果最終的にタクティカルwwwwでハードコア(笑)な、通称『赤サブレ』と言われるクソゲー産み出したら無能呼ばわりは不可避な訳であって」

「あの、その例えでいくと赤ジャンヌさんはそのクソゲーに殺されかけたという事になるのでは……」

「たわらばっ!?」

「フェイタルケーオーウィーンマシューパーフェクツ」

 

 アインツベルンは無能でファイナルアンサーだが結果的に赤ジャンヌが自分で糞でかブーメラン投げる様な発言であり、ものの見事に自分にぶっ刺さった。

 

「えっあの、私が何か!?」

「無意識とかうっそでござろうwwww」

「良いぞマシュもっと言ってやれ。僕からの忠告だと受け流すけどマシュからの説教なら赤ジャンヌでも効くから」

「ヤメロォ!!終わり!この話終わりだから!そうだ、今回の特異点で孔明の触媒と(一応)エミヤの触媒貰ったから!」

 

 無意識に赤ジャンヌの心にボディブローを放ったマシュからの追撃を防ぐため無理矢理にでも話題を変えに来た赤ジャンヌ。

 ただ、実際の所触媒をもって帰ったのは今回が初めてであり、議題としては悪くないだろう。

 

「なら僕か「私から説明しよう」…僕が言うんじゃないの!?」

「黙ってなさいよもやし。焼き尽くすわよ」

「酷い!?」

 

 実に雑ゥな扱いをされてるロマンだが他のサーヴァントからの扱いも割と適当だったりするので今さらではある。

 

「ばか野郎おまえロマン先生になんて態度だ!大丈夫先生、おっぱい揉む?そして今度戦国姫2(健全番)のRTAしてくれる?」

「うん、す…………しないよ!?」

 

 精神的に弱っていた所に(見た目だけなら)魅惑的なプロポーションの胸を触らせる事を餌に仕掛けたクソゲーオブザイヤー大賞作品RTA(卑劣な罠)を見事に回避したロマンであった。

 

「俺がやろうとするとガバ運(幸運E)のせいでブラックホール城があり得ない頻度で起きるからそもそも普通にクリアすら難しくてやってらんないんだよ~頼むよ~」

「そもそもなんでちゃんとした製品にデータ消去以外対処法の無いバグが残ってるんですか(正論)」

「説明するけど良いよね?」

(「「「アッハイ」」」)

 

 所長代理の立場なのにすぐに話を脱線させる奴が居るらしい

 

「ゴホン………改めて説明するけど召喚されるサーヴァントは基本的にランダムなのは知ってるね?だが、一度召喚して、カルデアでその霊気パターンやその他もろもろをきっちり計測、記録すれば、そのサーヴァントを狙って召喚できるのも知ってるね?」

「はい。だから特異点でサーヴァントがやられてもカルデアで再召喚出来るんですよね?」

「その通り。でもやられたサーヴァントを特異点にまた送るには、一番安全なのは特異点でサークルを設置してもらって、物資と一緒にもう一度っていうものだけど、緊急時にはそうはいかないだろ?だから緊急時にはレイシフトで出来るだけ立香君に近いところに送る手筈になってるけど、どちらにしてもやられてもすぐに送れる訳じゃないからやられないのが一番だ。それに緊急時のレイシフトは恐らく後になればなるほど正確なレイシフトが難しくなるだろうしね」

「一応補足だけどハサンさん達のおかげで職員たちも最近まともに休息をとれるようになってきて、全体的にパフォーマンスが上がって比較的にシバの安定性やらは増したけどそれでも今第三特異点の発見に四苦八苦してる状態だ。これから先どんどん難しくなって、緊急時が増えると予測されるのにそれに比例して正確にレイシフトさせられる可能性が低くなるという事になってしまう。僕達職員も最大限頑張ってはいるけど……本当に申し訳ない」

「一応本当の本当に緊急時には強制的にレイシフトで立香君を戻すけどこれに関しては実行するとしたら、常に意味消失などのリスクとの賭けになるからギリギリまではしない方向性だ。…………………だからこそ酷な様だけど立香君にはしっかりと命の優先順位をつけて貰いたい。この戦いは君が死ねば人類の負けなんだ……………………。

さて、話を戻すけど、実は召喚の際触媒を用意すればその触媒に関連したサーヴァントが呼ばれるのは当たり前だけど、実は特異点で遭遇したサーヴァント、それも敵味方問わずカルデアで出来うる限り観測したから、確定では無いけど呼びやすくはなるよ。言ってしまえばピックアップみたいなものさ。」

「あ、今回は必ず孔明召喚してもらうから。エミヤ?知らん」

 

 赤ジャンヌから必ず孔明を召喚する宣言を受け困惑する一同であった。それもそのはず、はっきり言って孔明をわざわざ呼ぶメリットが薄いからである。召喚とてそうそうポンポン出来るものでは無い。石を3つ砕いて召喚する必要があり、その石が現在20個しか無いのだ。召喚の回数が限られているなら確定では無くとも、高い確率で呼べる優秀な戦力として、クーフーリン、メデューサ、メディア、ロムルス、ヘラクレス、イスカンダル、レオニダス、アルトリ………謎のヒロインXらがピックアップ中なのだから、それらと比べれば確定で呼べたとしても孔明は見劣りするだろうし、何より同じく確定で呼べるエミヤの方をむしろ優先すべきだと思うだろう。

 故にダヴィンチちゃんから「なぜわざわざ孔明を呼ぼうとするんだい?」と質問が飛ぶのも当たり前といえた。

 

「精密に言うと孔明に用が有るんじゃなくてロード・エルメロイⅡ世(ウェイバー君)に用がある。ダヴィンチちゃんやロマンは知らないだろうけど。『孔明はマシュと似たようなデミ・サーヴァントなのよ。そしてかの孔明は肉体や精神の殆どを肉体の主に譲ったみたいでね。ほぼ彼………時計塔始まって以来異例の魔術の才能の無いロード、ウェイバー・ベルべットさんなのよ。』だからこそ、早い内にカルデアに招待しておきたいのさ。本来ならレイシフトとか国連と魔術協会のお偉いさん達がいちいち協議して裁決をするのだけど、非常事態だし今はそんなことどうでもいいさ。だが、人理焼却したド阿呆ぶっ飛ばしたら間違いなく問題になる。だからこそ時計塔のトップの一人を共犯者として抱え込む(ゲス顔)」

 

 それは、カルデアから出たことの無い万能の天才ではそもそも知らない故に気付かなかった事であり、今に必死でひたすらに頑張ってきたロマンにはかつてチラッと会ったかもしれない人でしかなく、ましてや立香やマシュ、サーヴァント達にとっては「孔明ってあんな人なんだ」程度にしか思わなかった事だが、彼は現在の時計塔のお偉いさんであり、彼さえ巻き込めば人理焼却を防いだ後のゴタゴタを丸投げ出来る、ある意味ほかのサーヴァントでは決して出来ない重要な役割を担ってくれる存在なのだ。

 

 

 ようこそウェイバー君、ブラック(カルデア)勤務は初めてか?力抜けよ。歓迎してやるよ、盛大にな(暗黒微笑)。

 エミヤ?触媒貰ったからって召喚しなきゃいけないルールも無いでしょ。

 

 

 

 




クズの集まりである魔術師の中でも比較的まともであり、人脈チートであり、時計塔側からみれば今でも存命中なのでサーヴァントだからってぞんざいな扱いすると時計塔のウェイバー君にも喧嘩を売る事になるという最強の対時計塔サーヴァント。

ピックアップ(ピックアップしか出ないとは言ってない。)


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間話 新入社員歓迎会(と言う名の重役会議)

ウェイバー君の歓迎会です(白目)
まずこれ迄の資料というプレゼントを渡してあげましょう。とても喜びます()




「…………………はぁ、頭の痛い事のオンパレードだな。爆破テロによるほぼ全てのマスター及び多数の職員達の死亡、又は重症によるコールドスリープ。更に死亡した魔術師(マスター)達の肉体を寄せ集めてアラヤから召喚された異世界のジャンヌ・ダルク。事故によるレイシフト。英霊と融合したデザインベイビーのデミ・サーヴァントと、一般公募から数合わせとして呼ばれたド素人マスター、赤ジャンヌによる、無許可な特異点でのサーヴァント召喚。……………これだけでも既に魔術協会が混乱するレベルなのにまだ最初の特異点で、その中でもまだ序盤も良いところだと?ふざけるな!どうすれば良いのだ!!」

 

 反省会が終わり次第即行で触媒召喚したロード・エルメロイⅡ世を交えての重役会議は、まずロードにこれ迄の資料を渡し、ロードにこれ迄の事を認識してもらう所から始まった。

 そしてその結果時計塔が無くなったためロードから(強制的に)解雇されたウェイバー君が無職になったことに嘆き(違う)、頭を抱えてテーブルに突っ伏していた。

 

「サーヴァントである私達には魔術師協会が混乱しようが時計塔が爆破されようがどうでも良いからね。それは君が頑張ってくれ」

「私はそもそも人理焼却が修復されれば自動的に影の国へ帰る。それまでは徹底的に鍛えてやるだけだ」

 

 頼れる()職場の先輩であるダヴィンチちゃんやスカサハ師匠等は部署が違うからそっちがどうなろうとなにも出来ないと社会の厳しさを早速新入社員君に教えてあげていた。

 

「『………もう、最悪聖杯を2、3個与えれば魔術協会も政府も黙らせられるかなって思い始めたわ』」

「………いや、2、3個では黙らない。あの狡猾なタヌキ共なら回収した聖杯の殆どを没収しようとするだろうな。」

 

 肉体を労災(故意)により失っても尚会社で働く社畜の鏡たるオルガマリー所長が賄賂を渡せば会社の幹部達と政治家達も黙ってくれるんじゃないか?と提案するが、ウェイバー君は奴等は貪欲であるから札束で頬を叩かれても黙ったりはしない。札束で叩いた奴の財産を根こそぎ奪うだろうと一蹴した。

 

「まぁそこら辺を出来るだけカルデア側の被害を押さえながら黙らせる為に君を雇ったんだよ。幸いなことに君には労働基準法が適用されないうえに睡眠も、食事も、排泄も必要ないんだ。素晴らしきかな月月火水木金金の一日24時間労働」

「」

「うわ~。ま、頑張ってくれロード・エルメロイ君」

「ダヴィンチちゃんもサーヴァントだから同じ労働で働けるよね?ハサンの尽力によりダヴィンチちゃん余裕出来たよね?とりあえず石の量産と受肉してないサーヴァントの強化、特異点から回収したワイバーンの爪やらゴーレムの核やらの有効活用方法の模索、人理焼却した馬鹿からカルデアを守るため防衛システム構築、所長の体の作成をやってもらおうか」

「」

 

 やりがいの有る仕事を割り振り、完全(に)週休(が存在しない)制度の採用、食事も睡眠も排泄もしない優秀な社員を雇用するなど(ブラック)企業経営者の鑑たる赤ジャンヌの激励に嬉し涙を流すウェイバー君とダヴィンチちゃんだった。

 

「とりあえずロマンは特異点見つけるまでゆっくりしてて。好きな事をしてていいよ。何か食べたいものが有ったら出来るだけ要望に答えてあげよう」

「待って。何でそんなに僕は厚待遇なの!?しかも何でそんな冷たい目で言ってくるの!?」

 

 赤ジャンヌの目はまるで養豚場の豚を見るかの様だった。「可哀想だけど最後で居なくなっちゃうんだよね」という目だった。

 

「そんなことより「そんなことより!?」…火力は俺とスカサハとランスロットで足りてると言ったな。あれは嘘だ。ゴメン特異点舐めてた。まるで火力足りなかった…いや、未だに回復特化や機動力特化は来て欲しいが火力も必要だよね!なお流石に火力特化過ぎるといくら立香でもミイラとなるのでバランス調整は必須な模様」

「確かに今回の特異点では敵が……あのロムルスが本気だったら常に火力負けしてたね」

「当然だろう。彼には本気でローマを潰すやる気を感じなかったからな。それに私と我が王とレオニダス王、ヘラスレスをあのように使い潰す使い方をする奴が足を引っ張っていたのも大きいな」

「それでもオルレアンと比べたら難易度跳ね上がってるんだよなぁ」

 

 無能(レフ教授)が居たためサーヴァントの効率的で有効な運用が行われなかった結果、敵として超級、及び大英雄級、A級サーヴァントが複数立ちはだかったが、火力負けすることは無かった。

 だがそれでも冬木、オルレアンと比べれば難易度は一気に上昇している。これからを考えればもっと火力を上げるべきなのは明らかだった。

 

「まぁとりあえず修行は内容を3倍にしよう」

「む?もっと厳しく修行をつけても良いのだな?」

「あぁ!」

 

 さらりと修行が3倍になったが些細な事だろう。

 

「自分達の火力を上げるのか(困惑)」

「えと、非常に言いにくいんだけど……職員達にローテーションで少し長めの休息を取らせたいから次の特異点を見つけたとしてもレイシフトするのは時間を開けてからでいいかな?」

「……まぁ士気も有るしなにより疲労で取り返しのつかないミスされるより良いだろう。うん、いっそとことん休みな」

「いや、流石にガッツリは休ませないけど」

 

 職員を気遣いながらもガッツリは休ませないロマンは地味にブラック経営者の資質が見え隠れしている。

 訳ではなく職員を気遣ってもガッツリ休ませられない程には人類は切羽詰まっているだけである。そもそも明確にタイムリミットが存在していて、尚且つそのタイリミットを過ぎると人類が滅びるという極限のプレッシャーがあるのだから、職員たちも心の底から休むことは無いだろう。

 

「………休むならこんなものを預かってあるのだが……」

 

 そういってロード・エルメロイⅡ世が懐から出した物――――――封筒には

 

『ネロ祭開幕!!~カルデアご一行への招待状。ローマより愛を込めて~』

 

 という文面が踊っていた。因に何故か日本語である。

 

「…………えっ何これ」

「召喚される際に座でロムルスから無理矢理渡された」

「嫌な予感しかしないんですがそれは」

「し、失礼します!!あ、新しい特異点……の様な物が観測されました!!」

「あっ(察し)。仕事増やしてんじゃねぇぞローマァァァァァァァ!!」

 

 

 会議室に職員が飛び込んできた。どうやらイベントが開催される模様だ。そして職員達の休みが削減される事が確定した瞬間である。

 

 

 

 

 




なおネロ祭のストーリーは知らないので捏造なうえにダイジェストになる模様。

時空神殿でイベント鯖が助けに来て貰うため必ずイベントは通過しなきゃいけないの。ぶっちゃけイベントだとメタ発言やらネタ、ギャグがてんこ盛りなせいでまさか本編に関わってくるとは思わなかった。
なので必然的にこの小説ではイベントもやります。


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間話 ようこそガチャリパーク

すごーい!君は有能鯖を引き当てるフレンズなんだね!!


※本編にけものフレンズ要素は有りませんのであしからず。


赤ジャンヌside

 

 ネロ祭への招待状を貰った俺達は、会議の末にネロ祭にカチコミを仕掛ける前に英霊召喚で戦力を増やすべきだろうという結論に達し、早速翌日にガチャる事となった。

 今回召喚に立ち会うのは立香、マシュ、俺、スカサハ、ランスロットだ。

 そして今回はサービス精神旺盛(笑)なダヴィンチちゃんが徹夜で頑張ってくれたお陰で何と5回召喚出来る。

 

「いいか、大当りはロムルス、ヘラクレス、イスカンダル、レオニダス、クーフーリンの五騎、特にヘラクレスはアーチャーで召喚すれば(前半の特異点は)勝ち確定だぞ!そこそこ当たりはメディア、メドゥーサ、ネロ、エミヤ、ヒロインXだ。後は知らん。意地でもこのどれかは引け!」

「申し訳ないですが先輩の真後ろで目を血走らせながらプレッシャーをかけるのはNGです。離れましょう赤ジャンヌさん」

「それならエミヤさんから貰った触媒使ってエミヤさんだけでも確定で呼べばいいんじゃ………」

「(触媒が凛のペンダントだから下手するとイシュタ凛かエレシュちゃんが召喚される可能性有るし)それは最後の保険だな。出来れば使わない方向性で」

「何でもいいが…………私としてはぜひともヘラスレスを呼んで貰いたいところだ。正面からお互いに堂々戦ってみたかったのでな」

「まぁ頑張ってみます師匠」

 

 イシュタ凛が弱い訳では無いけど正直今の立香じゃ制御出来るか怪しい所が有るし、カルデアに宝石類が殆ど無いからイシュタ凛の機嫌を保っていられなさそう。

 え?エレシュちゃん?知らん。前世では結局生きてる間にエレシュちゃん実装されなかったし、神話に詳しくない俺ではエレシュちゃんの性能の予測すらたてられないもん。性格だって詳しくは知らないし。

 まぁ一番の本音は“うっかり”第七特異点の情報がマスターに漏らさないか、“うっかり”今のマシュに融合したサーヴァントの真名を漏らさないかがひたすら心配。

 今のマシュに真名をばらしたらマシュの魂が潰される可能性が有るから駄目なのは当然だろう。そして第七特異点に関しては妖怪首をd………初代様を筆頭に現地の数多のサーヴァント、及び生身の英雄達の協力が有ってようやく特異点修復できる可能性が0%じゃ無くなったレベルの地獄なのだ。

 未だに人理焼却の犯人すら“もしかして?”程度にしか把握してない今、まだたった二つ(冬木も含めれば三つだが)の特異点しか修復しておらず経験不足の今の立香が、それを聞いてしまえば折れてしまうかもしれない。挫けてしまうかもしれない。

 

 ただこれはイシュタ凛とエレシュちゃんが第七特異点の記憶を持っていたらの話である。

 これまでに何回か黒ひげやスカサハに特異点の記憶が有るか無いかそれとなく聞いてみたが、それとなさ過ぎるのかはぐらかされたりスルーされたりして結局解らずじまいだ。

 少なくともランスロットは冬木で召喚した時のやり取りで覚えてるのは確実だから冬木から帰って、まだ立香が目覚めていなくて、マシュが検査を受けてる間に脅しておいた。

 具体的には『マシュに真名を教えたりこの先の特異点の事知っててもマスターは当然の事カルデアの職員達にも言うなよ?もしも言ったら君もアルトリアと同じ性別にして仲良くさせてやろう』と言って目の前でオニグルミ二個と鉄の棒を片手で握り潰してやった。勿論オニグルミ二個の間に鉄の棒を挟んでナニを連想させるようにしてから握り潰したから抜かりはない。…………破片が手に突き刺さって痛かったけど表情崩れてなかったし多分大丈夫…。

 ま、まぁ兎に角イシュタ凛もしくはエレシュちゃんが召喚されてもそもそも記憶が有るとも限らないしなによりイシュタ凛かエレシュちゃんが召喚される確率よりエミヤが召喚される確率の方がよっぽど高いやろうし杞憂か。………………フラグじゃないよね?

 

 なんて考えてる間に早速一回目のガチャを回してた。当然光輪は三本………と言うよりここの召喚システムは概念礼装なんて出さない。普通に考えればサーヴァントを召喚するシステムなのにサーヴァント以外が召喚される訳が無いのだ。その代わりなのか☆1~☆5の鯖全部ランダムで出るみたいだが。

 さて、光も最高潮に達してきたしそろそろ召喚されるな。さぁ出来れば超級サーヴァントよ来い!!

 

 

 

 

 

 光の中から現れたのは、女子高生みたいな制服を着て、アホ毛を生やた――――――――――アルトリア顔のサーヴァントだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ヒロインXオルタ………クラスはバーサ…セイバー、です、たぶん。このお部屋、ちょっと寒くないですか。役立たずのエアコンをズババと斬っても……良いですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………………誰だおまえ!!!!」

「……………………………えっ、なんだこの……我が王の様なそうでないようなサーヴァントは!?なんだろうこう………モードレット卿の様な感じが…しかし確かに我が王の感じも……なんなのだこれは!」

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 さて、一回目の召喚を始めよう。

 

 

 え?現実を見ろ?…………やだ!小生やだ!!あんな運営、もしくは全能神(菌糸類)が冗談半分で作ったとしか思えないカオスのごった煮みたいなサーヴァント手に負えない!!クラスバーサーカーってふざけんなよ!!もう残ってるのキャスターのアルトリアだけじゃねぇか!真剣にアルトリアで基本の七クラスコンプリートするつもりか!ビンゴゲームやってんじゃねぇんだぞボケがァァァァァァァ!!

 とりあえず『そこの騎士玩具にしていいからルームに行ってて』と、ランスロットに丸投げしたからとっとと次の召喚をしようそうしよう。

 

 

「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」

「触媒が無駄になってんじゃねぇか!!」

「グハァ!?」

「アーチャーが死んだ!」

「この人でなし!!」

「犯人赤ジャンヌさんですよね!?」

 

 つい全力でアーチャーに貰ったペンダントを投げつけた俺は悪くない!そして『〇〇が死んだ!』と言われたら『この人でなし!!』と言うのが礼儀だからね、しょうがないね。

 まぁ外れでないだけまだマシか。次。

 

 

 

「あら、ずいぶんと可愛らしいマスターなのね」

「超有能万能キャラの回復要員キャスター来たァァァァァァァァァァ!!」

「ヒエッ!?」(一瞬で叩き落とされたトラウマが蘇った声)

「うるさいぞ戯け」

「あべし!」

 

 師匠に棒でぶん殴られたけどメディアネキは超絶有能キャスターだからしょうがないね。……………………次が第三特異点である事を考えるとまるで自分から胃に穴を空けに来たみたいに見えなくも無いけど些細なことやろ。大丈夫大丈夫仕事漬けにしとけば気にする余裕も無くなるやろ(外道)。次。

 

 

 

 

「………物好きな人ですね。生贄がお望みでしたらどうぞご自由に扱ってください」

「ん?今何でもするって言ったよね」

「(言って)ないです」

「酷い曲解を見た」

 

 今度はメドゥーサを引き当てた。これで問題だったマスターの機動力が確保されたし順調に当りサーヴァントを引き当ててるぞ!良い流れだ、それにstaynight勢がきてるし、次もstaynight勢なら残ってるのはヘラクレス、クーフーリン、アサ次郎の三人。つまり三人中二人は大当り枠!次だ次ぃ!!

 

 

 

 

「バーサーカー、スパルタクス。早速で悪いが君は圧政「自害」反逆の時である!!」

「おらいっそのことこの手で座に返してやんよゴルァ!!」

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 ガチャ結果、当り3騎、不明1騎、大外れ1騎であった。

 ぶっちゃけネロ祭は命の危険がほぼ無いボーナスステージみたいな物だろ。いっそ立香とマシュ二人だけでどこまでいけるか様子を見るのも良いかもしれない。

 だが、一番の問題は第三特異点だ。この特異点で恐らく高確率でまたヘラクレスが敵として立ちはだかるだろう……それも、恐らくクラスはバーサーカー以外だろう。なにせ原作でこそバーサーカーだが、普通に考えればイアソンがヘラクレスをわざわざ一番弱いバーサーカーで呼ぶ理由が無いからだ。基本紳士なヘラクレスならかつての船長に呼び掛けられれば従うだろう。それこそその呼び出した人物が何も知らなくても、ただ騙されていると知っていても。

『私は確かにトップサーヴァントだが、逆に言えばトップサーヴァントでしかないのだ。たかが私ごときを倒せないならこの先に進んだところで人理修復など夢のまた夢であろう。故に、私を越えてみせよ』位はやって来そうである。あぁ、頭絞りに絞ってこの面子でなんとかしなきゃ………………。

 

 

 

 

 

 




この小説ではえっちゃんはクローン説で通します。ご了承下さい。

やったねもーさん!家族(姉妹)が増えるよ!!


なんでや!スパルタクス強いやろ!と思うかとは思いますがstaynight基準なのでこの先を考えると明らかに戦力としては微妙な上に、下手するとマスターに反逆する危険性も有るので大外れとさせていただきました。



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間話 赤ジャンヌといふもの

後一話間話してダイジェストネロ祭とグダグダ本能寺を一つの章として数話、3章に入る予定です


感想は返信してなくてもちゃんと見てはいます。返信は申し訳ないですが余裕が有るときに一気にしますので……
いつも誤字報告大変ありがとうございます。この前は感想にて61話でヘラクレスが全てヘラスレスになっているという大ガバをしてたのが発覚した駄作者ですがどうかこれからも生暖かい視線でお願いします……。


立香side

 

 夢を見ていた。

 夢な筈なのに手に感じる風の感触や、太陽の光の暖かさは妙にリアルな、夢だと自分で認識してる明晰無の様な不思議だけど、カルデアに来てからはそこそこの頻度で見るタイプの夢だった。

 

「……今回は誰の記憶だ?師匠?師匠なの?昨日夢修行したばっかりだけど二日連続とか無いよね?」

 

 そう、これは僕が契約してるサーヴァントの記憶の夢なのだ。

 記憶の夢なのになんで師匠の夢だと漏れなく修行になるのだろう………

 とりあえず辺りを見回してみる。

 

「……ちっちゃいアルトリア顔?誰だろう……えと確かうちに居るアルトリア顔は赤ジャンヌに黒ジャンヌ……は事情があれだから無いな。白ジャンヌに最近来たえっちゃんの誰か」

 

 そこには、平原のど真ん中で目を閉じて大の字で寝転がってる白いワンピースを着たアルトリア顔の幼女(推定年齢10~13歳)が居た。

 

「ハァーン!!」

 

 そしてその幼女が突如目を開いた瞬間変な雄叫びをあげ、大の字で寝転んでた体勢から片手の指を地面に突き刺しそれを機転に腕力のみで逆立ち、そこから更に片手の力で飛び上がり、空中で体勢を変え、落下する勢いを利用した足刀蹴り、そこからまるでまともに落ちたようにみえる特殊な受け身、そして最後に全方位に掌打、突き、蹴りを繰り出しながら縦横に移動する、この前アイツが師匠との模擬戦で使ってた地尚門の奥義を使っていた。

 うん、赤ジャンヌだな間違いない。

 

 そう確信した瞬間場面が切り替わった。

 

 川と森の間に有る道をいつもの赤い戦闘服を着た赤ジャンヌと、アヴェンジャーズの皆さん、そしてたぶんフランス軍の皆さんが馬に乗って進軍してる場面だった。

 

「姉御、救援の知らせから既に1日が経っています……まだ耐えているでしょうか?」

「確かジルが居たよな?だとすれば心配せずともたかが1日程度耐えられるだろうよ」

 

 赤ジャンヌとアヴェンジャーズのリーダーであるシャルルさんがそんな話をしていたらなんと、川の中から三ツ又槍(トライデント)が、森の中からかえしの付いた銛の様な槍が何十本も飛来してきた。

 

「!?」

「うわぁ!?」

「ぐわぁ!」

 

 咄嗟の攻撃でもきっちり槍をかわしたり弾いてるアヴェンジャーズや、飛来してきた槍をキャッチし、フランス軍の人へと飛来する槍に向かって投げて叩き落としてる赤ジャンヌは流石としか言いようがないが、フランス軍の外側に居た人達はほぼやられ、内側に居た人達にも少なくない被害が出てしまった。

 そしてまだ混乱の収まらない内に川からは、トライデントを持った魚人が現れ、森からは人の身長ほども有るカエルの様な体に、頭となる部分には無数の触手が蠢く、冒涜的な生き物が現れたのだ。

 

「はぁ!?ムンビ!?てことはあの魚人ら深きものか!?」

「えぇ、その通りですよ。良く解りますねジャンヌ」

 

 フランス軍が悲鳴をあげながらそのおぞましき生物との戦闘をしている最中に、今度は森から男が歩いてきた。

 白銀の鎧を身に纏い、傍らに見ることにすら生理的嫌悪感を抱かせる本を携え、その深きもの達の様なギョロリとした目の騎士が、ゾンビの様な不安定な足取りでゾロゾロと歩く、正気には見えないフランス軍を後ろに控えて現れた。

 

「おいおい、ジルテメェ………裏切った…いや、後ろのを見るにまさかシャンとか、なんかに操られてるとか?」

「いえいえ私は正気ですよジャンヌ。ただ私は貴方を愛している事に気が付いただけですよ。殺したい程に。だから、私はイギリスに付くことにしました。その挨拶をと思いまして」

「あぁそうかいそうかい。なら死ね」

 

 馬に乗った状態から一瞬でジルの目の前に移動し、ジルの顔面を殴り抜いた   瞬間赤ジャンヌの拳が砕け、赤ジャンヌが後ろに吹き飛ばされた。

 

「最近『衝撃の受け流し』という魔術を覚えまして、これが非常に便利なのですよ」

「………俺の殴った衝撃を俺の拳に受け流したって事かよ」

「えぇ、その通りです。この魔術は詠唱が短くて優秀ですね。そして『ヨグ=ソトースの拳』という魔術も最近のお気に入りでして、ついつい部下にも教えてしまったのですよ」

「………まさか」

「ふふふふ………やりなさい」

 

 ジルの合図と共に後ろに控えていた呻いているかの様に見せかけて呪文を唱えていた兵達から、一斉に衝撃波の様な物が放たれた。

 

 

 

 

 

 そしてそこでこの記憶は終わっていたが、その後も幾つかの場面を転々とし、そのつどそのつどジルとの熾烈な戦いを繰り広げていた。

 

 

 そして最後の記憶は、絞首台にて赤ジャンヌが立たされている場面から始まった。

 

「ふーん、てっきり火刑だと思ってたけど絞首刑?の割にはなんで下に大量に兵が居る上に皆ガチガチに武装してるわけ?」

「……………………」

「おう、だんまりかよ。あ、辞世の句は『クソヤロウ アイツは絶対 許さない』だからヨロシク」

 

 

 絞首台の下では藁が敷かれ、その藁に火が放たれた。燃え盛る火の中に首に縄をかけられた赤ジャンヌが落ち、吊られてる赤ジャンヌ目掛けて下に居た兵達が次々と矢を放ち、槍を投げていた。そしてついには火により縄が焼け、ボトリという音と共に矢と槍が無数に突き刺さった赤ジャンヌの死体は燃え盛る藁の上に落ちそのまま燃え続けていった。

 

 

 

 

 えっなにこの殺意の塊みたいな処刑方法は(ドン引き)

 絶対に殺すという意思しか感じない、惨すぎで吐きそう………遠巻きに見ていた民衆も吐いてる位にはヤバイ…うっおえ…。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「……………………最悪な寝起きだな……」

 

 赤ジャンヌの最期が余りにも酷すぎる。なんだあれは、まともな死に方じゃない。明らかにオーバーキルだ。

 なんで赤ジャンヌはあんな死に方をしておいて笑っていられるんだ?白ジャンヌの方も別ベクトルだけど結構酷い死に方なのに誰も恨んでない辺りアレだけど……。

 それに赤ジャンヌの世界のジル元帥はフランス裏切ってたり、こっちの世界のジル元帥も海魔とかがアレだけど、向こうのジル元帥はガッツリクトゥルフに染まってたり色々突っ込みたい……。

 でも聞き辛い…そもそも俺はどんな顔で赤ジャンヌに会えば良いんだろう…………とりあえずもう少し赤ジャンヌには優しくしてあげようかな。

 

 

 

 

 

「はい、今日から修行にハサンも協力してくれる事になりました。マシュと立香は今日からランダムにハサンに襲われます。逃げて他のサーヴァントに助けを求めるか返り討ちにすればOK。逆にこのゴムナイフが本物だったら死んでた状況になったらアウト。20回アウトになる毎に罰ゲームとして薄い本をカルデア職員に配布します。とりあえず一冊目タイトルは『海魔と魔力供給(意味深)♂』と『ドスケベマシュマロ』まで決まってるから出版されない様に二人とも頑張ってね」

「」

「」

「野郎と触手の絡みとか要らないからマシュマロ早く欲しいでござる」

「では早速対暗殺者用の修行をやろうか。前からではあったが私からの直接指導を受けられるのは幸運だぞ」

「私が許可するわけないだろ!!」

「えっちゃん」

「ドー……ドー……落ち着いて。……ちゃんと押さえ込むからショートケーキ忘れないで…」

「私も許さないからな!?正義の味方うんぬんとかじゃなくて普通にアウトだ!!」

「坊や、後で私の部屋に来なさい」

「既にメディアさんやえっちゃんとは取引済みなんっすよ(ゲス顔)」

 

 やっぱり赤ジャンヌには優しくしなくてもいいや。

 最初の方こいつに惚れていた事を無かった事にしたい。心の底から。

 ……聖杯有るし願ったら叶えてくれるかな。

 

 

 

 

「あぁ、そう言えば新しい体、完成したわよ」

「「「…………えっ」」」

 

 メディアさんから爆弾発言飛び出たぁ!?

 

 

 

 

 




深きジル「私は正気ですよ(SAN値0)」


この作品では本人がそう言ったからといって真実とは限りません。本人はそう思ってるだけというのも当然あります。


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間話 復活のO

ダヴィンチ「どうせ1から造るなら魔改造しちゃおうぜ」
メディア「ああ~いいですわね^~」


~3徹~


ダヴィンチ「という訳なのさ」(ゲッソリ)
所長「」

後半後で書き直すかもです。


 質素なベッドと道具が散乱している机が置いてある以外には何もなく、塗装も施されていない

無機質な部屋にて赤ジャンヌはオルガマリーとの最後の体内会議を行っていた。

 

『質量を持ったソリッド所長システム。それは、人々を熱狂の渦に巻き込んだ』

『や め て』

『突如姿を消した父マリスビリーにより心に傷を負ったオルガマリー。だがしかし父と同じ道を志したオルガマリーは異なる7つの特異点の人々全てに笑顔を届ける旅に出た。切り札の乱入と中断とAカードを駆使して全ての人に笑顔を。お楽しみはこれからだ!!』

『やめろって言ってるでしょ!!』

『なんでや漫画版は普通に面白いだろいい加減にしろ!』

『切り札が乱入と中断とAカードって完全にアニメ版じゃない!そもそも貴女のせいで遊戯王とデュエマとバトスピとヴァンガードのルール覚えちゃったじゃないどうしてくれるのよ!!』

『暇が有ればルール教え込んだかいがあったぜ』

『主導権の大半が貴女に有るから逃げられないのを良いことに延々垂れ流しされたらそりゃ覚えるわよ!!』

 

 冬木から帰ってきてから文字通り心が通じ会う仲となったオルガマリーは当然のごとく赤ジャンヌの被害を一番受けていた。

 オルガマリーは天才でありながら努力を怠らなかった。その背景には偉大なる父であるマリスビリーという大き過ぎる比較対象と比較され続け、またその父を越えることを周囲から期待されていた名門の娘故のプレッシャー、そして一人の子供として誰かに認めて貰いたい、誉めて貰いたいという、ついぞ大人になっても叶えられなかった願望があった。

 結果、オルガマリーは非常に頭が良かった。何せ覚えなければいけないものが余りにも膨大だったのだから。

 魔術師というのは何代もかけて同じ目標(事業)を成功させようとする生き物である。となればオルガマリーがマリスビリーの後を継ぐのは当たり前の事であったのだ。勿論本来なら最悪でも現場主任程度からスタートして徐々に昇進して、最終的にはマリスビリーが生きている間は副所長にでもなっていただろうが、マリスビリーが突如失踪したためいきなりカルデアの所長になったが、結局それは時期が早まっただけに過ぎず、勤勉なるオルガマリーは幼い頃からカルデアを継ぐ勉強を当たり前の様に行っていた。

 

 カルデアは科学と魔術それぞれを使用している。そんな組織の長が魔術師だからといって科学が全く解らないなどお話にならないのだ。考えてもみて欲しい、例えば部下が「所長、〇〇の機械が壊れたので新しく買いたいのですがこのカタログの中からどれが良いでしょう」「う~ん。一番高いこれで(←付加価値が高いだけで性能は普通かそれ以下の奴)」の様な事が起これば目も当てられないだろう。勿論組織がこんな単純に動いてる筈がないが、それでも上に立つという事は大きな事を決める時に必ず目を通す存在になり、大きな責任も伴うことなのだ。

 

 つまりオルガマリーは一流の名門魔術師としては勿論、プロの科学側の人達と同レベルの知識をも求められ、更にはビックリするほど命の扱いが軽い魔術側と科学側のイザコザが起こればそれも出来る限り穏便に解消しなければならないし、召喚したサーヴァントはろくに言うことを聞かないし、デザインベビーたるマシュがいつか復讐しに来るんではないかと怯え、魔術側と科学側それぞれのスパイに対応し、魔術側のだれかがうっかり事故(・・)でも起こそうものなら間違いなく誰かが死に、科学側も科学側で事故れば良くて傷害程度、悪ければ死亡が発生しそれの対応。

 下手なブラック企業よりブラックである。父のマリスビリーも信用してたレフ教授に依存するのも納得である。

 

 だが悲しいことになまじ頭が良いせいで赤ジャンヌによりサブカルチャーの沼にもはや肩まで引きずり込まれていた。

 なお赤ジャンヌと所長の口論はもうしばらく続く。一部抜粋してみよう。

 

『貴女いちいちフォウ君見かける度に心の中で太郎丸って言うの辞めなさいよ!!』

『進化先間違えるとヤバイのはいっしょやんけ』

『あれ進化!?』

 

 

 

『そもそも貴女いい加減エロ同人書くの辞めなさいよ!』

『いつものペースならあと3日前後は余裕有ったのに今日の朝食堂で唐突にどちらも20回死んでさらに5回死んだとか報告されたんだぞ!!短期間に何度も暗殺されるケースを今回想定してやったらしいけどそうゆう事は事前に言ってて欲しかった!いやランダムに襲っていいよとは言ったけどさ』

『だからってなにも今日の午後に配布する必要ないじゃない!』

『ダヴィンチちゃんとメディアとついでに黒髭に「まだ?」って催促されたんだからしょうがないだろ!!とりあえず下書終わってただけでも救いだったわ。今回は【信じてレイシフト(送り出)したマスターがアヘ顔ダブルピースで魔神柱の魔神柱♂に完全敗北した話】と【色欲の獣デンジャラスビーストマシュ】だ!!』

『そんなことしてるから出会い頭にガンド撃たれたりマシュが本気で追いかけ回してきたりするのよ!最近ロマン含めた職員達がまともに立香とマシュの顔見れてないじゃない!!』

『負けた方が悪い』『つまり僕は悪くない』

過負荷(マイナス)みたいな事いってんじゃないわよ!!』

 

 

 

『なんでそんな積極的に二人のヘイト稼いでるのよ』

『は?んなもん俺がいつ死んでも引き摺らない様にに決まってるだろ!』

『…………えっ』

『ぶっちゃけ命投げ捨てても第四特異点で殺すつもりだから。そうすればロマンが消えなくて済むしハッピーやろ?まぁ立香が俺に惚れてた時は焦ったけど順調に好感度下げれてたみたいで安心したよ』

『………………………は?』

『は?』

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

『はぁはぁ……この話はしばらく決着が付きそうに無いし一旦置いておいて第三特異点の話でもしましょう。置いておくけど許すわけじゃないからね?』

『はぁはぁ…原作では気まぐれで生かしていてくれたみたいな物なんだし問答無用で即殺した方が良いだろうに………まぁ良いだろう、第三特異点の話をする。

とりあえず今のところ他の特異点では原作でストーリー上敵として出てきたサーヴァントは全て敵として出てきてる。それに+αで難易度が上昇してる。それを考慮すればほぼ間違いなくバーサーカー以外のクラスでヘラクレスが召喚。後は……船関連…船…船、船……あっ、学士殿の宝具って確か軍艦を蒸発させたとかって逸話の……バサラの毛利元就みたいな太陽光を鏡で反射して増幅させる的なサンシングだったはず』

『学士殿?私そのサーヴァント聞いてないんだけど』

『そう言えば言ってなかったな。アルキメデスだよ。今思い出したけど学士殿は人理焼却賛成派だったはず。おっと一気に可能性高くなったな』

『どの程度強いの?』

『う~ん……とりあえず宝具は対軍宝具だけど……キャスターとして素の戦闘能力ならやっぱりメディアが上かな?攻撃手段は豊富みたいだしスキルに【殺戮技巧】って殺す事特化のスキルを保有してる。結論はそもそも初出がfateの無双ゲー的な奴だから良く解らん。まぁ学者系の中ではかなり強い方だろ』

 

 

 こうして第三特異点会議はのめり込んで行き、途中で完成した薄い本を配布してる最中にダヴィンチちゃんとメディアに連行され、各特異点から集めたスケルトンの骨、ワイバーンの鱗や骨や爪、ゴーレムの核、キメラの皮や心臓など、貴重な素材をふんだんに使い、さらに成長の余地をあえて多く残したパーフェクトボディーへの乗り換えが行われた。保険として第二特異点で回収した聖杯を用意していたが、二人の天才が慎重に慎重を重ねて行ったため無事に乗り換えは成功した。

 因みに最早新しい所長の体は歩く神秘の塊であり、普通に封印指定ものである。当然ながらレイシフト適正もマスター適正も完備と至れり尽くせりだ。

 

 

 だからこそ少し後に発生するぐだくだに巻き込まれたのだが……。




そもそも原作開始時点での所長の年齢も、所長が所長になった年齢も知らないのでそこらへんは捏造です。

なんか喋らせてるだけの方が筆が進むかもしれない。

他の作品のアイデアだけは次々浮かぶのでそろそろ我慢できずに新作書くかもです。

そろそろ5日間隔更新で安定してきた。

最近この小説かいてるからか例のリアフレにお前幸運Eだよなとか言われ始めた。お前の運が良すぎるだけだって何時も言ってるだろ!俺の幸運は普通………のはずだ!!


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2.5章 グダグダお月見本能寺
ネロ祭は強敵だったけど是非も無いよネ


ダイジェストネロ祭とぐだぐだ本能寺です。

あとお月見完全に忘れてました。なので圧縮本能寺と圧縮お月見になります。




 ネロ及びロムルスを筆頭としたローマ系サーヴァント主催によるあらゆる(大嘘)サーヴァント達がコロッセオにて力を競い会う祭典にて、デミ・サーヴァントとそのマスターという一際異色の組が出場していた。(本当はスカサハも一緒だが二人が負けたと判断したら死なぬ様に戦いに割って入り降参するために居ただけなので実際に戦うのは二人のみ)

 注目されていた二人はなんとサーヴァントだらけの中予選の4回戦まで勝ち進んだのだ。

 この二人の快進撃は観客を熱闘させ、またその二人の戦い方は多くの観客、対戦相手から称賛を浴びた。

 

 

 

 

 マシュの盾は非常に大きい。それこそマシュの体がほぼすっぽりと収まる程に。そして分厚く、大雑把だ。だからこそ鈍器として扱い、サーヴァントすら倒せる代物となるのだが、そのぶん死角が増えるのだ。

 そこで赤ジャンヌが一計をこうじた。

 盾の裏面のまん中、丁度十字になっている部分に遠見の魔術のルーンにて、立香(マスター)の視点を盾の中心にへと繋ぎ、盾の死角処か、前の状況を口頭、念話、ハンドサインといったあらゆる手を使い、盾の内側に鏡を張り付け、後ろだけを見ているマシュに全て伝えるのだ。

 つまり、マシュは前を一切見ず、立香(マスター)だけを見て、そんなマシュに立香は自分の防御を一切捨てて前の事を伝える。

 お互いがお互いを完璧に信頼しあうこのバトルスタイルを冬木の後からずっと修行し、ネロ祭参戦ギリギリ直前についに形にさせたのだ。

 

 サーヴァントの動きを見切り、癖を読み取り、先の先まで作戦を組み立て続けながら、仁王立ちしてマシュに指示を送り続ける立香と、立香から送られる情報を信じ複数の敵からの攻撃ですら反らし、受け止め、跳ね返し、受け流し、反撃するマシュ。

 自分が間違えなければマシュは決して崩れない、自分が危なくなっても必ずマシュが護ってくれるという信頼。自分が前を見なくても前を示し続けてくれる、戦うのが怖くて、誰かを傷付けるのが嫌な自分を信頼して、きっとマシュは負けないよと体を預けている、だから戦う勇気が沸き上がる。

 そんな二人の戦い方は、確かに予選とはいえサーヴァントを倒せる程に磨かれていた。

 

 

 

「んんwwww快進撃もそこまでですぞwwww」

「んんんんんんんんん……オオオオオオオォォォォァァァァァァ!!」(完全オリジナルBGM)

「4回戦の相手はそう僕ら」

「萌えとロマンの求道者」

「「「「暗黒四天王ソウルブラザーズが相手だァァァァァァ!!」」」」

 

 二人の戦い方を熟知してる師匠(赤ジャンヌ)黒髭、ロマン、ダヴィンチちゃん(オマケ3人)が立ちはだかった。

 立香も切り札たるスカサハですら(当たれば)5秒は硬直させるガンドすら使ったが、惜しくも届かなかった。しかし二人には貴重な経験となり、確かに有意義な時間となったのだった。

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 そんなネロ祭からはや一週間

 

「のっぶー」

「のっぶのっぶ」

「クッキー☆」

「のっぶ!?」

 

 カルデアに謎の生き物が溢れていた。ん?変な生き物の中に赤ジャンヌが混ざってた?(頭が)変な生き物なのでセーフである。

 

「赤ジャンヌお前今度何したァァァァァァ!!」

「は?いきなり犯人扱いされた。精神的に大きな損傷を受けたので起訴するといったむねを内容証明にて送付しますね

。とりあえず100万よこせ」

「でた~wwww 妖怪100万請求奴~wwww」

 

 最早立香の中では何か起これば赤ジャンヌの仕業という認識が確立している様であった。だがしかし今回に関しては完全に濡れ衣である。が、普段の行いが行いであるためどうあがいても不起訴処分であろう。

 最近もペナルティーとは言え3冊目の『女装と触手  ~女装に嵌まったマスターが心まで雌に堕ちるまで~ 』と『ドM女騎士シールダー マシュティネス・ララティーナ』が発刊されたのだ、ヘイトも凄いことだろう。むしろよく本人前にして堂々と立っていられるな?レベルである。

 

 立香が無言で令呪を掲げたタイミングで通信が入った。

 

『あ~テステス。えと、今回の謎生物の発生の件で解った事が幾つかあるので会議室に集合をお願いします』

 

「……チッ」

「最近立香が黒くなってる気がする」

「もしかして:赤ジャンヌ殿の悪影響」

「もしかしなくてもそうだと思います」

 

 放送を聞き舌打ちしながらしぶしぶ会議室に向かう立香の後をぞろぞろと他の皆もついて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら立香達が最後だった様で会議室に着いた時には既に全員が揃っていた。

 立香達も急いで席に座り、それを確認した所長が説明を始めた。

 

「ネロ祭の様な特異点のなりかけがまた見つかったわ。既に皆見たとは思うけどその特異点からあの変な生き物がカルデアに流れ込んでいるみた「うぉぉぉぉぉい!!まずはわし等について突っ込むのが先じゃろ!?」………はぁ」

 

 何事もなく始めようとしたが会議室の中央に簀巻きにされて転がされている知らないサーヴァントの片割れが突っ込まれない事に突っ込んでいた。

 本来突っ込み役の立香が華麗にスルーしたので言い出すタイミングが無かったのも相まって誰も突っ込まなかったのだ。

 立香のスルースキルも日に日に育っている様だった。

 

「明らかに可笑しい事が起こっている時に見慣れぬ人物が居たらまずは話しかけるのが先じゃろ!?なんでここでは真っ先に殺そうとするんじゃ!!危うくあの全身タイツの痴女に殺されるところだったぞ!!」

「ほう、誰が痴女か詳しく聞こうではないか」

「……………って沖田が言っておったのじゃ」

「ファ!?」

 

 と簀巻きにされてる片割れがもう片割れのアルトリア顔にキラーパスを放っていた。それと同時に師匠の槍がアルトリア顔の目の前に突き刺さった。

 

「ヒェッ」

「おうおう落ち着けってBBA、年考えたらその評価は残当だろ」

「死にたいらしいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくお待ちください~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうせお前ら。特に黒髪の方は明らかにあの変な生き物のベースだしその特異点がらみだろ?」

 

 頬に所長直々の紅葉マークを付けた赤ジャンヌが真面目に質問していた。(スカサハの頬にも紅葉マークが存在してる。喧嘩両成敗の心である)

 

「う、うむ……実はのーーーーーーー」

 

 

 話を纏めれば、簀巻きにされている二人が参加してた聖杯戦争がいろいろグダグダした結果特異点化したらしい。そして今からその特異点修復のためにカルデアも調査等に向けて動き出したのだ。

 

 

 

 因みに立香と所長の契約サーヴァントはこうなっている。

立香 マシュ、ランスロット、黒髭、スカサハ、黒ジャンヌ、えっちゃん、百貌、沖田さん(仮契約)

所長 赤ジャンヌ、白ジャンヌ、エミヤ、孔明、メディア、メデューサ、のっぶ(仮契約)

 防御宝具を持っている白ジャンヌが所長と再契約したくらいで後は呼んだ順である。。




今回はネロ祭と、グダグダ本能寺のさわり部分です。

多分マシュとマスターの戦い方はこの小説だけだと思います。マシュの盾って絶対正面の下辺り見えないよね。
遠見の魔術は基礎中の基礎です。これ覚えなきゃ使い磨での偵察も出来ません。

グダグダ明治維新も作者はまったり頑張ります。


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ぐだぐだ織田包囲網狩り(上)

5日投稿で安定してきたと言ったな、あれは嘘だ。
2日遅れで大変申し訳ないです………


イベントだからといってインフレしないとは言ってない。

 調べ直したら本来の順番は月見、ハロウィン、ぐだぐだっぽいですね。今更ですのでこの小説はぐだぐだ、月見、ハロウィンの順でいきます。何度も増えて申し訳ないです。


 今回の騒動でゴキブリの様に湧いてるちびノブはふざけた見た目の割りに戦闘能力が高い。それこそサーヴァントとほんの少し戦える程度には。

 それはつまりカルデアの一般職員からすれば明確に命を脅かす脅威であるということだ。よってまずはオルガマリーと立香の皆でカルデア内のちびノブを駆逐することから始まった。

 食糧庫では

 

「食糧は……絶対に護る」

「…ここは私が見ている、決して食糧に手は出させないさ。だからいま懐に入れた団子を戻しなさい」

「なんのこと?記憶に無い」

「ふむ、そう主張するならまず目線を合わせて目を見て言おうか。そして少しジャンプしてみろ」

「………ケチ……」

 

 という食糧をめぐる攻防が繰り広げられ、廊下では

 

「こんな……こんなふざけた見た目の生物にすら正面からだと我々は負けるのかッ!!」

「そこまで強くもないのに100分裂したらまぁね。そもそもハサンなら正面から戦わずに暗殺しろよ」

「んんんwwwwあんなのにすら負けるとかあり得ませんぞwwww」

「いくらアサシンとはいっても弱すぎでしょ。アハハハハ」

「事実だとしても言って良いことと悪いことがあるだろ!!」

「先輩それトドメです」

 

 改めて己の弱さにうちひしがれている百貌に対し赤ジャンヌ、黒髭、黒ジャンヌ、立香の四人が追い討ちをかけていた。

 優秀な現代の魔術師が万全な状態でタイマンならという条件が付くが、それでも負ける可能性が十分に有るのが100分裂したハサンなのだ。

 通常の聖杯戦争ならマスターの暗殺が主な勝ち筋なアサシンクラスなのに下手するとそのマスターすら殺せないとか最早存在価値がないよね?辞めたら、サーヴァント。レベルである。

 

場面は変わって会議室にて

 

「さて、今の君はゴーレムの核、ワイバーンの爪や鱗、キメラの心臓や爪、牙などなど様々な魔獣の素材をふんだんに使って造られている。更に此から先の特異点で新しい魔獣やらが出た時にはその魔獣の素材を突っ込める様に余裕も持たせていると報告を受けている。当然マスター適正もレイシフト適正も完備だ。ぶっちゃけあの変な生き物程度なら今の未完成な君でも簡単に殴り倒せる。……………はっきりいって平時なら封印指定待った無しだな。また仕事が増えた……」

「人理修復の暁にはアニムスフィア家が全面協力しますので本当にお願いします」

「えと、私が手伝える事が有るなら手伝いますよ」

 

 オルガマリーが魔改造された事により元々から冷静でさえいれば単身でシャドウサーヴァントを倒せるだけの実力を持っていたのが、冷静じゃなくてもシャドウサーヴァント位なら殴り殺せる程度にはなっていた。

 当然魔術協会が知れば封印指定されるのでそれも孔明がなんとかしなければいけなくなってしまった。

 頑張れ孔明、君が頑張らないと所長とカルデアのサーヴァント達で魔術協会を潰して解決することになるぞ!

 残念ながら文字も読めなかった突撃脳の聖女では手伝えることは無いぞ。

 

 

 

 

 

 そんなこんなでカルデア内のちびノブを掃討し、百貌を残し皆でレイシフトした。

 百貌を残した理由は、もしもまだカルデアにちびノブが残っていたら対処するためと、レイシフト前に赤ジャンヌがロマンを物理的に寝かしつけ、更に後2~3日は寝かしつけるために起きる度殴り倒す役だ。腐ってもサーヴァントなのだからもやしのロマン程度殴って気絶させられる。ついでに赤ジャンヌの伝言『これに懲りたらちゃんとした睡眠とれ』というのを伝える役割も有る。

 

 

「ここをキャンプ地とする!!」

 

 レイシフトして早々に赤ジャンヌが叫びと共に宝具の旗を地面に突き刺した。

 そして召喚されたアヴェンジャーズによって周囲一帯のちびノブの殲滅が行われた。

 

「何ですかそれ!?完全に私の上位互換じゃないですかやだー」

「しかもどう見ても日本人でも無いのに現代の日本国旗とかどうなっとるんじゃ!?」

「そう言えば説明して無かったわね」

 

 人数こそ沖田と比べれば少ないが、スカサハによりスキルを獲得したのも有り、最早一人一人の強さが上位サーヴァント並には有る部下の連続召喚の宝具。本人の強さを比べても、さも当たり前の様に縮地やらつばめ返しやら使うし、病弱とかいう致命的なデメリットスキルも保有してないどころかスカサハにより10以上のスキルを覚えた赤ジャンヌは、本人が言ってる様にどう考えても沖田の上位互換だろう。

 そしてノッブの反応は新しいサーヴァントが召喚される度に似たような事を言うのでいつもの事である。なのでそれを聞いた所長が二人に赤ジャンヌが転生者(仮)であると話してない事を思い出したのだ。

 

~所長説明中~

 

「てな訳で俺は大和魂をもったフランス人だから。天皇陛下ばんざぁぁぁぁぁぁぁい!!」

「天皇支持?つまり徳川政権を倒幕?要するに浪士?斬らなきゃ(使命感)」

「連想ゲーム並の発展のしかたじゃな!?脳みそ幕末過ぎるじゃろこいつ」

「おら来いよ。黒(髭の)船ぶつけてやるからよ」

「なに味方同士で戦おうとしてるのよ。そして煽る様な事言うんじゃないわよ赤ジャンヌ!またビンタするわよ!!」

 

 

 

 赤ジャンヌのちょっとした発言に幕末脳の沖田が反応し、一触即発の空気となったがまたしても所長が両方にビンタして解決した。

 なお赤ジャンヌは本日二度目のビンタである。

 赤ジャンヌには兎も角サーヴァントに対してビンタできる様になってる所長のメンタルは間違いなく強化されているだろう。……………たとえ膝が生まれたての小鹿並に震えてても大きな進歩である。

 

「ホウセイマイフレンド」

「俺がホウセイだとすると所長が蝶〇になるが宜しいか?」

「現代の日本人しか解らないネタはやめたまえ」

 

 立香と赤ジャンヌはエミヤに対し『いや、正義の味方(笑)のお前がなんで知ってるの?』という目を向けていた。

 

 

 

 ノッブと沖田の先導し、時々白ジャンヌの啓示スキルとえっちゃんの直感スキルも使いながら順調に進んでいった。

 たびたび黒ジャンヌが隙あらば敵ごと赤ジャンヌを焼こうとしたり、えっちゃんに餌付けするエミヤを暗殺しようとするランスロットをマシュがゴミを見る目で容赦なく殴り倒したり、メディアやメデューサをナチュラルに口説こうとするランスロットをマシュがブタを見る目で無慈悲に殴り倒したりする細事があったりと道中ぐだぐだではあったが順調である。

 だがそのまま一直線にラスボスまで行ける訳が無いのだ。

 

「ん、私の直感がこの先危険と言ってます」

「え、私の啓示は特に反応はしてませんが」

 

 直感と啓示という似たスキルの差が明確に現れた瞬間である。

 直感は基本的にその場その場での事のみに発動する。

 啓示は全体を通して発動するのだ。

 直感が戦闘の勝利を示すならば啓示は戦術的勝利を示すのだ。

 

「……直感は警告してるけど啓示は何も無しなのね………つまりこの先には強い敵かなにかが居るけど迂回するほどでもない、もしくは迂回しない方が良いって事かしら」

『ふむ……そこから先をスキャンしてみたら何か若干変だけどサーヴァント反応が三騎分あったよ。これは所長の推測が正解かな』

「若干変?……啓示は警告してないなら多分戦っても大丈夫だと思うけど……」

「じゃぁ偵察するか。見てこいカルロ!!」

「おう!」

 

 アヴェンジャーズの一人であるカルロさんが偵察へと出向いたが彼は戻ることは無かった。だって偵察出る前に既に死亡フラグが建設されてるからねしょうがないね。

 そしてカルロの代わりと言わんばかりに敵のサーヴァントが向こうからやって来た。

 そう、松平アーラシュ、今川らいこう、金時坊雪舟の三騎である。

 

「「ふぁ!?」」

 

 所長と赤ジャンヌが揃って驚愕の声をあげているが、この三騎は此から先の激戦の前座で有ることをまだ彼等は知らないのだった。




キャスターピックと土方ピックでそれぞれ10連引きましたが案の定☆4鯖すら出ませんでした。とりあえずCCCコラボに向けて後はガチャは多分引きません。


ダクソ3のDLC2凄すぎィ!そしてミディール君強すぎィ!!


今UAが約18万なので20万いったら通常投稿と一緒に記念に何か書きます。


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ぐだぐだ織田包囲網狩り(中)

すまない……本当にすまない……(ジーク並感)


言い訳させて貰えるなら作者が就職したので執筆時間が大きく減ったのと、夜は疲労ですごく眠くなってる上イベントのポイント集めがですね…後他の作品のアイデアが次々と浮かんじゃったり……………はい、すいません……。

できるだけ5日投稿を目指しますが今後はかなり難しくなると思います……。
その代わりと言ってはなんですがいつもより1000文字程度増えて4000文字程度あります。


 白ジャンヌは困惑していた。

 白ジャンヌはルーラーのクラススキルとして真名看破を所有している。だからこそ困惑していた。

 

(松平アーラシュさんや今川らいこうさんって誰でしょうか?)

 

 サーヴァントは、召喚される際に色々な知識を与えられる。現代までの人類史、召喚された時代と場所での一般常識、様々なサーヴァントの伝説や逸話等である。

 これらの知識が無ければサーヴァントとマスターの使う言語が大半の確率で違うため、意志疎通すら困難になるのだから必須だろう。

 そして白ジャンヌはルーラーというクラスであるため、他のサーヴァントと比べて与えられる知識が多い。特にサーヴァントの知識が多い。真名看破で真名解ったけどドマイナー過ぎて何した英霊か知りません、スキルも宝具も解りません。など話にならないからだ。

 だからこそ余計に解らなかった。真名が『アーラシュ』だったなら解る。アーチャーの語源になったかの世界的に有名(日本を除く)な大英雄であり、超級サーヴァントの一人だ。だが『松平アーラシュ』となると解らない。

 いや、先程の通信から考えるに混じっているのだろう。正確に言えばどう混ざっているのかが解らないのだ。

 アーラシュがベースなのか、松平某がベースなのか。強さはアーラシュの方に近いのか松平某に近いのか。スキルは?宝具は?

 他二人も同じ様に解らない。

 白ジャンヌは考えに考えた。

 

(………………戦えば解りますから突撃しましょう!!)

 

 結果脳筋理論だった。

 

「やぁやぁ我こそは東洋一の弓取り松平アーラシュである!いざ尋常に勝負だ信長!」

「うふふふ、さぁ共に魔王を名乗る不届き者を討ちましょう金t……雪舟」

「おうよ大将。ゴールデンに決めるぜ」

「『無明三段突き』」

 

 だが白ジャンヌより能筋や人斬りが居た。何で相手が喋ってる間に斬らないんですか?と言わんばかりに宝具を使っていた。狙うは大将と呼ばれていた斧を持った(・・・・・)女性である。

 

「はぁ!!」

 

 準超級クラスのサーヴァントである頼光は突如背後にワープ(縮地)してきた沖田にも反応し、背後に振り返りながらの一太刀により壱の突きはなんとか弾き返した。

 さらにはなんとアーラシュが咄嗟に矢を放ち弐の突きをも弾いた。

 

 この攻撃が赤ジャンヌの拳によるただの技でしかない三段突きならば残りの突きも防げただろう。

 しかしこの三段突きは沖田総司という英霊の宝具である。一つの突きに壱の突き、弐の突き、參の突きを内包し三つの突きが同じ位置(・・・・)同時に存在している(・・・・・・・・・)。そのため、壱の突きを防いでも弐の突き參の突きが、壱の突きと弐の突きを防いでも參の突きが同じ位置を貫いている事になる。その矛盾が結果的に防御不可の必殺の一撃となるのだ。

 壱の突きは防いだ。弐の突きもアーラシュが撃ち落とした。だが後一つ足りなかった。

 

「ガッ!!」

 

 咄嗟に体を捻り霊核から反らしたのも流石と言えるだろう。だがしかし、ここで源頼光に混ざった今川の概念が邪魔をした。今川義元は奇襲により死んだ武将である。

 神秘のほとんど無い時代の出身でありながら相性さえ良ければ超級サーヴァントですら斬り伏せる沖田の、正面からの奇襲により今川頼光は倒れた。

 

「コフッ!!」

 

 大戦果をあげた沖田であったが、宝具の反動により病弱が発動し、吐血。大きな隙を晒してしまった。

 大将を討ち取られてしまった鬼殺しの英雄も、国境を定め戦争を終わらせた英雄もその隙を見逃す様なサーヴァントではない 。しかしどちらも沖田へ攻撃出来なかった。

 

「斬り込み隊長だったからって先走り過ぎだぞクソカスゥ!『秘拳 TUBAME返し』と『三段突き』でも食らえゴールデン!!」

「チッ!『黄金衝撃(ゴールデンスパーク)』!!」

 

 突然に沖田が飛び出したため、直ぐには反応できなかったのはカルデアも同じであった。だからこそ咄嗟に縮地を使える赤ジャンヌが金時へ強襲をかけ、スカサハがいくつもの槍を産み出しアーラシュへと射出、それに続きエミヤも干将・莫耶をいくつも投影し投擲、メディアは沖田に治療魔術、赤ジャンヌとエミヤに支援魔術をかけていた。

 金時は斧に15発装填されているカートリッジのうち3発分使用しての範囲攻撃にて赤ジャンヌへ反撃をしていた。

 アーラシュはその卓越した技巧により全ての攻撃を撃ち落とした。

 赤ジャンヌは斧の振り下ろしだけを避け、拳を叩き込んだが、代わりに電撃を喰らった。

 ダメージ交換した赤ジャンヌと金時だが、打撃を受けた金時の方が電撃により痺れて動けなくなっている赤ジャンヌより復帰は早かった。が、赤ジャンヌには多数の仲間が居る。

 金時が復帰した直後、憎悪の炎による槍が幾本も飛来し、金時を包み込んだ。なんとか耐えきり炎から出た金時だったが、ペガサスにて高速輸送されたランスロットがアロンダイトによる熱烈歓迎(物理)が待ち受けていた。

 

「すまねぇ大将……」

 

 金時も落ち残りはアーラシュのみとなった。はっきり言って勝ち確定である。何せ深紅の槍、投影した剣、鎖付き釘剣、憎悪の炎、攻撃魔術、船からの砲撃、フォース的なナニカと電撃、(ゴミみたいな威力だが)火縄銃が集中放火されているのだ。さらにペガサスにて赤ジャンヌと沖田、ランスロットを回収し、皆黒髭の(宝具)に乗っているのだ。

 軽い未来視すら出来る高ランクの千里眼スキルを持っているからこそ未だに致命傷を避けてはいるが、間違いなく詰みに向かっていた。

 アーラシュも当然それを解っていた。故に、どうせなら一矢報いてやろうと覚悟を決めた。

 

「『流星一条(ステラ)』ァァァァァァァ!!」

 

 あわれアーラシュは爆発四散!しかしその命と引き換えに放たれた絶大な威力の宝具は流星のごとく輝きながら一直線に対象へと向かっていった。

 

「そんな事もあろうかとエミヤに聖杯突っ込んでおいたのさ!!」

「まぁ投資された分は働くさ。ところでなぜ君はそんなに青ざめているんだ?」

「普段封印してるトラウマ思い出しちゃっただけだから平気平気(震え声)」

 

 赤ジャンヌは見えないが、立香がトラウマ?あっ(察し)という顔をしていた。

 

投影開始(トレースオン)。はぁぁぁぁぁ『遥か遠き理想郷(アヴァロン)』!!」

 

 聖杯により無限の魔力を得たエミヤが投影した物は、かつて知らず知らずに幾度も命を救われた彼女(・・)持ち物(宝具)。絶対的な守りを誇り、対界宝具すら防ぐ理想郷の護り。

 その黄金の光の護りは、投影品であろうとも超級サーヴァントの命と引き換えの宝具すら防ぎきっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が王の『遥か遠き理想郷(アヴァロン)』まで投影できるのか………………」

「…………まぁ少し生前に因縁が有ったものでね。それに聖杯でも無ければ無理しなければ私一人で投影出来ないほどに魔力を持っていかれるのでね、奥の手というやつさ」

「………格好いい……かじってみたい」

「防御力で負けた…………シールダーなのに………」

「ほ、ほら、マシュも爆風の余波とかから僕達の事守ってくれてたじゃん」

「因縁というか肉体関係(小声)」

「貴女それ言わない方が良いわよ。言ったらまた円卓が割れるわ。それに坊やとは貴女も魔力供給(意味深)したでしょ。(小声)」

「ちょっと待ってください何故貴女が知ってるのですかッ!!(小声)」

 

 ランスロットとエミヤが気まずい空気になってたりえっちゃんの普段隠れてるバーサーカーっぷりが見え隠れしてたり、ガチ凹みしてる後輩をフォローする先輩がいたり冬木組の二人が小声で会話してたりするのを眺めながら所長と赤ジャンヌは念話で会議を開いていた。

 

『頼光さん金時と同じ斧もってたんだけど。あれ宝具による分身である事に1万ペリカ賭けるね俺は』

『あら、私も分身に賭けるから賭けは不成立ね』

『愛する()金時とアーラシュ犠牲にしてでも死を偽装してこっちの首を虎視眈々と狙ってくる頼光さんとかガチ過ぎて怖いわ』

『バーサーカーって何だっけ(哲学)』

『まだバーサーカーって決まった訳じゃ無いだルルォ!?本体の武器見てないからセイバーやらアサシンの可能性十分有るだろ。鬼酔わせる過程で怪しまれないためとはいえ笑顔でカニバしちゃう人やぞ。正気の状態で召喚されてたらこのくらいは普通にやって来そうだ』

『確かにそうね………そうだとしたら問題はどのタイミングで仕掛けて来るのか、ね』

『定石で考えれば立香か所長が一人になったときに暗殺かな?後は罠なり、敵サーヴァントと乱戦中にとか』

『注意を呼び掛けようにも何て言えば良いのかしら。下手な事言うと何で知ってるの?ってなるでしょうし』

『え?んなもん勝って兜の緒を締めよ理論と、敵にサーヴァントが居るならアサシンが居ないとも限らないし絶対に動くときは単独をさけて3人以上にとかいくらでも言えんだろ。これだから所長はいつまでも所長なんだよ』

『煽らないと死んじゃう病気にでも患ってるのかしら?』

『不治の病でさーイヤーマジツレーワー(棒)』

『死んでもバカって病気は治らないのね。初めて知ったわ』

 

 しばらく所長と赤ジャンヌがメンチ切り合う光景が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■!!」

「我がスパルタの覚悟見せてやると親方さまは言っている(大嘘)」

「私は毘沙門天()の声を聞いたのです」

「何で守るのが得意なおじさんが攻めなきゃいけないんだ?はぁやれやれ」

「私こそが欧州の独眼竜。行くぞドゥ・スタリオン。レッツパァァァァァァァァァァリィィィィィィィィィ!!」

「我が王……………筆頭に続くぞ!!」

「「「「「「ウィィィィィィィィ」」」」」」」

「鬼が出るぞ」

「私は太陽を落とした四国の覇者さ」

「完全に私浮いてるわよね!?」

 

 武田ダレイオスが現れた▼

 真田レオニダスが現れた▼

 上杉ジャンヌが現れた▼

 北条ヘクトールが現れた▼

 伊達アルトリアが現れた▼

 欧州の騎士A~Z×10が現れた▼

 島津オルタニキが現れた▼

 長宗我部ドレイクが現れた▼

 毛利メディナリが現れた▼

 カルデアは驚きとまどっている▼

 

『吐きそう』

『6章と5章のラスボスが混じってる様に見えるのだけれど気のせいよね?(白目)』

『現実やで(ニッコリ)』

『誰か読者の方にグランドアサシンの方はいらっしゃいませんか!!』

『【急募】グランドアサシン』

 

 織田信長包囲網(ガチ)に何故か時代が違うはずの伊達が入り超鬼畜難易度になったカルデアの明日はどっちだ!!

 

 




はい、ローマでゲットした聖杯はエミヤに突っ込まれました。これで慢心しない英雄王モドキが完成です。(オイ)
アヴァロンもそうですが例のドチート剣も投影出来ます。

奥州と欧州を掛けた作者の激ウマギャグ()
実は信長は寺とも戦争してるので一時期は三蔵ちゃんも出そうと思ったり…結果的に出さなかったけど。


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くだぐだ織田包囲網狩り(下)

祝!20万UA!!

二話同時投稿です。こちらは本編の方となってます。


 敵の作戦はシンプルだった。真田レオニダスたちスパルタと上杉ジャンヌ、欧州騎士達が北条ヘクトールの指揮の元島津オルタニキ、伊達アルトリア、毛利メディナリの護衛、遊撃として暴れまわる武田ダレイオスと長曽我部ドレイク、回復や支援魔術をかける毛利メディナリといった様相である。

 反転したクーフーリンとロンの槍により女神化したアルトリアは十分に超級サーヴァントの一角である。超級サーヴァントには超級サーヴァントをぶつけるか、複数のA級~準超級サーヴァントで囲んで(宝具)で殴るのが一般的な対処法だろう。まぁ本気のギルガメッシュやアーチャーのヘラクレスなどの数の暴力が通用しない例外も居るが。

 つまるところカルデアは苦戦していた。

 赤ジャンヌと沖田の宝具により頭数ならほぼ同数である。それにカルデアにもスカサハという超級サーヴァントの中でも上位勢が居るのだ。

 しかし勝てない。

 既に戦闘が始まってからゆうに1時間は経過したが、一向に戦局は動かず、拮抗するばかりであった。

 いくらカルデアで半分負担していて、神代の魔術師もニッコリの魔力量を持ったマスター二人でも、聖杯から直接魔力供に比べれば負けるのだ。

 それを解ってるからこそヘクトールは巧みに持久戦へと持ち込んでいるのだ。あわよくば倒せるなら倒すが、基本は深く踏み込まずに、多少のダメージは許容する。メディアが居るのだから最悪呪いの朱槍に心臓を貫かれても生きてさえいれば問題ないのだから。………まぁ心臓を貫かれても生きてられる奴など島津オルタニキしか居ないが。

 

(所長も立香も疲れが見えてきてるな……。ロンゴミニアドの真名解放もエミヤとマシュの二人なら十分に防げるのは確認した。黒ひげの船も部分召喚で砲門だけを出せるのも確認した。ランスロットとスカサハとエミヤの三人なら十分にオルタニキと対抗できるのも確認した。そして今の戦力の限界も大体解った………もう十分かな、そろそろ無茶するか)

 

 だがこの拮抗は、赤ジャンヌからすれば自分が多少無茶をすれば覆せるレベルであった。故に赤ジャンヌは現在のカルデアの戦力の把握のためにあえて戦闘を長引かせていた。

 既に、伊達アルトリアによるロンの槍の真名解放の攻撃を、エミヤとマシュの二人が防いでいた。

 黒髭が長曽我部ドレイクの砲だけの部分召喚により文字どおりの援護射撃に対抗意識を燃やして同じく砲門の部分召喚をした。

 原作の5章にてスカサハ一人ではオルタニキに負けていた。だからスカサハだけではなく、複数のサーヴァントで攻撃をさせた。するとあの厄介な護衛達が居たとしても十分に対抗出来ていた。

 

「手伝ってやろうか?沖田」

「!?その声は………土方さん!?」

 

見るべき物は大体見た。さぁて反動有るけどメディア居るしヘーキヘーキ、といった考えでいた赤ジャンヌの真横を何かビーム的なやつが通りすぎてヘクトールに着弾した。

 

「」

「フレンドリーファイア寸前だったんだけどぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 沖田は振り向いた姿勢のまま白目を剥いて固まり、赤ジャンヌが若干髪の毛を焦がしながら文句を言っていた。

 なおヘクトールは重症を負ったところを淡々とスカサハが投げボルクで仕留めたもよう。

 

「土方さん………それ……何ですか?」

「あぁ?んなもん見てわかるだろ。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロングマヨネーズ砲だ。それ以上でもそれ以下でもねぇよ」

「そう言えばここギャグ空間でござったな」

「だからと言ってマヨ方は不味いですよ!」

「いくらぐだぐだでも限度があんだろ」

 

 マヨネーズをそのまま砲にした様なふざけたモン担いだサーヴァントが仲間に現れた。沖田の発言を信じるなら彼が土方の様だ。どう考えても銀〇の土方さんが混じっている。立香と赤ジャンヌから当然ツッコミが入った。

 

「私の知ってる土方さんじゃない。私の知ってる土方さんは湯漬けと沢庵狂いであって決してマヨネーズ狂いじゃないですよ!」

「あ?俺は最初から最後までマヨネーズたっぷりだろうが。気でも狂ったか沖田?なぁ近藤さん」

「………………?私は徳川よしつねだが?」

「……おい何か気付いたら二人増えてんぞ」

「信長殿、不祥この家康援軍に参りました」

「あ、どうもお供の本田弁慶です」

 

 何時の間にやらしれっと牛若丸と弁慶も混じっていた。どうやらそれぞれ徳川家康と本田忠勝の要素が混じっているため信長の援護に来たらしい。え?家康と本田が来たなら豊臣ギル吉は?混ざってるとは言えあのギルガメッシュが織田信長の助けに来るか?いや、来ない(反語)。

 

「ほぼ裸みたいな格好にパンツにウン筋………どう見ても近藤さんだろ」

「土方さん近藤さんに何か恨みでもあったんですか!?それとも脳か目が腐ってるんですか?」

徳川家康(あの狸)要素をウンで表現しなくても良いから(良心)」

「どうせ後でクソ(ケイオスダイト)まみれになるんだから誤差だよ誤差」

「それよりはあの土方氏が見た目以外完全に〇魂に侵食されているのでござるがそれは」

「それもこれも全部織田信長って奴が悪いんだ」

「ワシへの熱い風評被害ィ!!」

 

 多分土方の言ってる近藤さんはゴリラな近藤さんであって決して沖田の知る近藤さんの事ではないだろう。

 もし牛若丸がカルデアに居たら問答無用で自分殺ししかねない程にはバッチリ筋がついている狸若丸。それに対し日本出身のサーヴァントと赤ジャンヌと立香と(赤ジャンヌによりバッチリ洗脳された)所長が『まぁ徳川家康と言えばウンがツイてる事で有名だからね』といった感想を抱いていた。

 そしてこんな風にギャグにドップリ侵食されてる土方だが、地味に原理不明謎ビームによりヘクトールを結果的に落としたのだ。であれば拮抗状態が崩れるのは当然であり、一転攻勢に出るのは当たり前だった。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

「サーヴァントになった俺は自分の過ちに気付いた。湯漬けと沢庵じゃぁ足りねぇよな。不満だよな。すまなかった」

「土方さん……やっと、やっと解ってくれた」

「マヨネーズが足りなかったな。(ブリュブリュブチブチブチ)ほれ、進化した土方スペシャルセットだ」

「」

「良かったの、沖田wwww」

「何処が進化ですか!?まだ食べられる物を生ゴミに変換しただけじゃないですか!!どう見ても退化ですよ!」

「んだとテメェ。土方スペシャルセットを馬鹿にするなら士道不覚で切腹させんぞ!!」

 

 あの後エミヤがあの(・・)チート剣を投影したり、ランスロットが乳上と尋常な一騎討ち勝負をしてる所を横から赤ジャンヌが全力で蹴り飛ばしオモイ-ガーバラサケーオーしたりスカサハが死の門を開く隙を作り出して、門によって一掃したりして割りとサクッとカルデアは勝った。

 ここまでサクッと勝ってしまえば、逆にヘクトールの防衛戦に置ける有能さが浮き彫りになるがとりあえず勝ちは勝ちである。

 故に、今は休息タイムであった。

 今は沖田と土方の言い争いをBGMに各々寛いでいたが、相変わらず所長と赤ジャンヌは念話での会議中であった。

 

『原作的には残す敵はギルガメッシュと強い方のノッブだけ。…………ギルガメッシュが敵(大事な事なので2回言いました)』

『………………慢心してくださってる間に速攻で倒せばワンチャン』

『スカサハネキ居るけど手加減はしてくれそうですか?(小声)』

『大丈夫よきっと(白目)』

『お、そうだな』

『さて、兎に角原作的にはもう終盤じゃない。ギルガメッシュさえ倒せば後は楽勝よね』

『ライコウネキの事忘れてない?』

『あっ』

 

 もう少しだけこのギャグ空間は続きそうだった。




こんなに遅れてすいませんでしたァァァァァァ!!

実はこっちは先週の木曜日には完成してたけど、もう少しで20万いきそうやんけ!番外編急いで書いて一緒に投稿しよう。と考えてたら番外編が時間がかかってしまって………二話同時投稿だから許して☆

ピタッと感想止まったんだけど何で?(汗)作者が何かしたっけ?

CCCコラボのための石は30日時点で80個です。来てくれると………良いな(遠い目)
出来れば天草と邪ンヌ居るしパッションリップにも来てもらって三竦み揃ったら嬉しいんだけどなぁ


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番外編 赤ジャンヌの日常

※番外編です。ホンヘではありません
※赤ジャンヌの絆レベルが10になってます。つまり攻略済みの綺麗な(?)赤ジャンヌです。
※ホンヘ進んでくうちにデレ方がこの赤ジャンヌとは違う方向になるかも知れませんが番外編なのでそれはそれこれはこれでお願いします。
※でもホンヘとは全く関係ないわけでは無いです。

ちょっと短めです
それでもオッケー?


 赤ジャンヌの朝は早い。

 朝の5時には起床、身嗜みをパパッと整えたら芋ジャージに着替えて自室で軽く(本人視点)ストレッチと柔軟運動。カルデアの廊下を使い見回りがてら5kmを軽く長し、トレーニングルームで腕立て、腹筋、スクワット、の基本的な三大筋トレをそれぞれ100回。マラソンと含めてこれでワンセット。それを5回。次には反復縮地飛びを1分に300回、最後には感謝の北斗百列拳1万回。これで朝の軽いトレーニングは終わりである。

 勿論途中から立香とマシュも参加である。

 軽いトレーニングが終わる頃には我らがオカン、エミヤとカルデアのシェフ達が競い会う様に作った朝食が待っている。

 

「朝からコッテリラーメンかと思いきや肉が一切入っていないヘルシー野菜ラーメン!流石は世界各地を転々とし、時にはその料理の腕で人々を救った男。まさしく、味のアンリミテッド……!……アヘェ」

「ふっ…お粗末!」

「くそう、負けたっす!」

「なんで食戟やってんのあそこ」

「控えめに言って料理で幻覚見ながらアへ顔になるのはソーマ(隠語)がバッチリキマッテいるとしか……」

 

 とか言っているがえっちゃんが珍しく饒舌になりながらアへ顔になってるのも含めて既に日常の一部となっているもよう。

 

 

 

 腹ごしらえが終われば立香とマシュの修行を行う傍らでスカサハとの模擬戦である。

 

「烈風拳!烈風拳!レイジングストーム!!羅生門!!」

「当たるわけないだろ戯けが!!」

「アベシ」

「なに!」

「へへ、つかんだぜ………さぁ!天に委ねましょう!!」

 

バチバチ……ドッカーン

 

「タワラバ!!」

「本当に天に委ねる阿呆がおるか!!」

 

 

 ラウンド2   ファイ!

 

 

「Foo~↑Foo~↑小倉餡小倉餡小倉餡小倉餡小倉餡懺悔せよ」

「なんだその変態的な動きは!」

「こっちよ(誘導)」

「急にまともになるな貴様は」

「メルヘェンゲッドォォォォォォォ!!」

キィィィィィン   ペールーセーウースー  「乙女は強くなくっちゃ!」

 

「ウッソだろおまwwwwスカサハ殿ホームランしおったでござるよwwww」

 

 模擬戦(真面目にやるとは言ってない)。大体いつもこんな感じである。そしてホームランと言ってもただ遠くにかっ飛ばしただけなのですぐにお返しの投げボルグが飛んで来て負けるが。

 

 

 

 模擬戦が終われば立香とマシュ、暇なサーヴァント引き連れてレイシフトし、スケルトン、ゴースト、ゴーレム、ワイバーン、ホムンクルス、蛮神、キメラをそれぞれ100匹狩りに行くのだ。勿論大半狩るのは立香とマシュの二人で、無理っぽそうなら赤ジャンヌと連れてきたサーヴァント兼肉盾で助ける形だ。

 

 昼食でも食戟してるエミヤ達であった。

 

午後からは特に決まった行動は無く、割りといろんな事をしている。

 たとえば今はクッキーを焼いていたりする。

 

「マスター、クッキー焼いたんだけど、食べりゅ?」

「食べりゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 なおそれなりに美味しかったもよう。

 他にも黒髭の部屋に遊びにいったり

 

「はい新作」

「ありがたきしあわせ。うっひょーセクシー、エロい!」

「バグメモやります」

「脳が腐りそうよ」

「ダメジャーやります」

「バグ(仕様)のゲームとは、たまげたなぁ。伝説のセンター前キャッチャーゴロ」

 

 たまに立香も混じってダラダラしてることも多い。

 他には所長と会議、所長達と会議することもしばしば。

 

「そろそろ6章見つかった?」

「うん、そろそろ特定できる頃かな」

「初代様に菓子折り捧げないと………饅頭でええかな」

「駄目に決まってるでしょ」

「戦力はとうに間に合ってるけど初代様に斬って貰わないと7章詰んじゃうからなぁ。あと最近百貌の顔色が目に見えて悪くなってるんだけど」

「死因だしね、残当だね。まぁ原作の獅子王勢力なら軽く捻り潰せる戦力揃ったからね。ぶっちゃけ今7章行ってもゴルゴーン程度なら生かさず殺さず掌で転がせるだろう?」

「うん、まぁね、ゴルゴーン程度には勝てますよ。ケツ姉も負けはしないやろ。てかケツ姉対策のあの薬早く作って、どうぞ」

「でもどうせ6章も7章もインフレするんでしょ?」

「やめてくれよ(絶望)。6章ならオジマン様達が敵ならまだ大丈夫だけど7章は………ラフム前に片付け終わればまぁええけどそんなうまくいくかな?とりあえず一番困るのは俺の知らないサーヴァント来ないで。特に知らない超級サーヴァント来たら死ねる」

 

 大体こんな感じで進行する。ある出来事があったため赤ジャンヌの知識はカルデアの大半が知ることになったためメタ会議ができる様になったのは大きいだろう。なおそれが知れわたった時点で孔明の胃が無事に死亡した。

 

 

 

 夜、赤ジャンヌは寝ながら修行する。そう、特典の一つで修行するのだ。

 なお赤ジャンヌが生前に認識していたのはこの特典だけで、後2つの直死の魔眼と■■状態の■■■■■と■■■■■が■■した物とかいうそもそもどのタイミングでも使えないうえに発動するためには未だパーツが足りないため赤ジャンヌは認識すらしてない状態だ。

赤ジャンヌの日常は大体こんな感じで進むのだ



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敵はウルクにあり

CCCコラボイベガン回りしてたので遅れました。許してください。何でもはしませんから。
今回で本能寺は終わりです。


メルトォォォォォォォォォォォォ!!

活動報告にも書きましたが作者がメルト当てました。
そしてメルトウイルスのせいかピック画面のまま召喚が始まってしかもピック画面が上だったためめっちゃ見にくくなるバグが発生したり、エネミーが透明化するバグが頻発してます。致命的なバグじゃないだけまだ有情。(白目)


 鬼畜包囲網をくぐり抜け、新にマヨ方さんとウン筋狸(義経)オマケ(弁慶)をパーティーに加えた立香達は、沖田がギャグ空間だからと仕方ないと諦めの境地に達しレイプ目になりながら土方スペシャルを食したり、土方が義経にバナナの餌付けしたりする等の細々とした事が発生した以外は特に何も無く2日が経過した。

 紆余曲折あり地下道を抜けた先は、黄金都市だった。

 

「何でだぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「雪国みたいなノリでこんな金ぴか出されても困るんですが」

「フハハハハハ!」

「!この優雅不遜な高笑いは」

「この成金趣味のような金ぴかさは」

「このスネ夫みたいな声は」

「我が迎えに来てやったぞ雑種共!!」

「「「ゲェ、ギルガメッシュ!!」」」

 

 上空から黄金の飛行機(自称船)に乗った金ぴかの鎧を纏う金髪に深紅の瞳をもつサーヴァントが高笑いをしながら現れた。

 そして冬木組から悲鳴があがった。

 

「ワシも居るぞ!」

「………………おっそうじゃの。」

「おい!ワシ一応ラスボスじゃよ!?なんでそんなにリアクション薄いの?そもそも同じ存在(織田信長)じゃぞ!?もっとなんか無いのか!」

「いや、ギルガメッシュの方がどう考えても強いしそもそもお前の神性特効刺さるのメデューサ位でしょ?」

 

 どうやらその強い方のノッブがギルガメッシュと相乗りしていた模様。

 神秘の凄く薄い時代の日本という極東の武将と人類最古の英雄であり、平然と魔物や神が跳梁跋扈していたウルクを平定したギルガメッシュを比べればどう考えてもギルガメッシュが上だろう。RPGで例えれば中ボスの手前にラスボスが待ち構えている様なものだ。誰が驚くのだろうか。

 

「………確かに神性持ってるの私だけですね。Eランクですけど。どうせなら姉様達みたいな高い神性が欲しかったです」

「……それはそれで問題が発生するのでNG」

 

 ペガサスを出せるのはメデューサだけなので是が非でもアナ(ロリ)化を阻止したい赤ジャンヌだった。ゴルゴーンはそもそも論外であるため考慮しない。

 

「ええぃ、細事など捨て置け!我自らで貴様らカルデアを見定めに来たのだぞ。ありがたく地にひれ伏せ雑種共。特にそこの道化」

「………あっ道化って俺か」

「それと冬木に居た雑種と贋作者(フェイカー)は……まぁあれだ。既に知らぬ存在では無いゆえそこの雑種の相手でもしてやれ。そして贋作者(フェイカー)!業腹だか……本当に業腹だが貴様は奇跡であったにしても我に勝ったのだ!負けることは許されぬと思え!」

 

 ギルガメッシュ直々の指名は赤ジャンヌであった。そして免除されて女性二人は露骨にホッとし、贋作者(エミヤ)は複雑な心境で顔をしかめた。

 

「では私達は向こうに付くので」

「えっ」

「一応徳川なので豊臣殿と信長殿の味方しなければ不味いので。ぶっちゃけ何故信長殿が二人居るのか分かりませぬが豊臣殿が向こうにいるなら向こうが本物でしょうし。では『壇ノ浦・八艘跳(だんのうらはっそうとび)』」

「お主本当に徳川の方か!?ミッチーの方じゃないのか!?」

 

 頭の足りてないナチュラルサイコパスゆえ致し方なし。

 これより牛若丸と頭を抱えた弁慶が離反、しかも離反表明をするという最低限の義理は見せたものの即マスターに向かって宝具ブッパする行為に流石に敵もドン引きである。なおマシュの防御がギリギリ間に合ったので今度は攻撃宝具が次々と牛若丸にブッパされる模様。

 

「道化よ、今の貴様には人理修復など到底達成できぬわ!」

「修行して強くなっていってるからセーフ」

「肉体的な強さの話ではない。貴様は己の器を知ってから出直してこいと言っているのだ!!」

 

 牛若丸がゲイボられる10秒前位には赤ジャンヌが『八門遁甲』の3門まで解放してギルガメッシュと戦っていた。

 ただ、赤ジャンヌは相性があまり良くないのを知っているためギルガメッシュへの攻撃はあわよくば程度に止め、基本時間稼ぎに徹している。

 実際敵は織田信長(強い方)とギルガメッシュと牛若丸(ゲイボルク済み)と弁慶(ゲイボルク寸前)である。既に2騎脱落であり、いくら強いと言ってもノッブはノッブである。最強のサーヴァントであるギルガメッシュも見定めるだけなので本気ではない。なのでどうとでもなる。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「まぁ及第点か……だが道化、貴様は駄目だ。もっと成長するのを期待しているぞ雑種共。我は帰る」

「嘘、ワシのラスボス力、低すぎ」

 

 (ギルガメッシュと)激闘の末目的を果たしたギルガメッシュが自主的に帰っていった。そしてスナック感覚でサクッと倒されているラスボスの方のノッブ。

 

「コヒュー……コヒュー……コヒュー……」

「はぁ……はぁ……私は勇士に殺されたいのであって物量等に殺されたくはないんだぞ」

 

 更に『八門遁甲』の反動で怪しい呼吸音をたてながら地面に倒れてる赤ジャンヌ。と、一人だけ明らかに不死殺しやら呪いの類いの武器による集中砲火をうけていたスカサハが槍を地面に突き刺し、それを支えにして立っていた。

 結果生き残っているのは免除された冬木組と所長、立香、マシュ、沖田、弱い方のノッブ、赤ジャンヌ、スカサハだけである。残りはギルガメッシュにより座に送り返されていた。

 

「あれがサーヴァントの頂点に君臨する英雄王………あんなのを倒したとか嘘よね?」

「……………(倒したのは私であって私ではないのだが、早々簡単に理解できる話でもないし、まぁいいか)まぁ彼は私相手には慢心するからな。相性の問題も有るだろうがやはりそこが一番の要因だろう。慢心抜きの彼なら超級サーヴァントでもあれだ。私では直ぐにでも死んでしまうさ」

 

 改めてギルガメッシュの強さを思い知った所長はそのギルガメッシュを倒したエミヤに視線を向け、とうのエミヤは複雑そうな顔で説明を始めた。曰く勝てたのはギルガメッシュが慢心していたからであり、慢心していなければ勝ち目など無いらしい。実際慢心抜きで攻撃されていたスカサハを見れば明らかだろう。

 

 

 

 

 色々問題はあったが無事?ラスボスのノッブを倒したので聖杯は無事確保。それにより特異点も修復され、沖田と信長も元の世界に叩き込んで解決である。

 

「あれ?頼光ネキは?」

 

 赤ジャンヌと所長が心配してた頼光による横槍は無かった。当然である、最初に倒したのが本体なのだから。勘違いの原因となったのは斧を持っていたからだが、あれは、どうせだから金時と(武器を)ペアルックにしましょう。というくっそどうでもいい理由で斧を使っていただけだ。知識があるとたまにこの様な勘違いが発生するのだろう。

 

「さてイベントも終わったしゲームでもするか」

「ごめんね、大変申し訳なく思うんだけど新しい特異点が出来たんだ………」

「……………え?なんだって?」

 

 プリンみたいな頭したラノベ主人公のごとく難聴のふりをしているが現実は非常である。ロマンの手から手紙が渡された。

 10月31日、ハロウィーンの日での事だった。

 

「黒髭ェ!!クソトカゲの城に船で突っ込むぞ!!」

「ふぁ!?」

 

 チェイなんたら城の明日はどっちだ!!




難産ってレベルじゃねぇぞおぉん!!
ネタが殆ど浮かばなかったのでエリちゃんのファンやめます。
ギルガメッシュで露骨な伏線撒いていくスタイル。

ハロウィーンイベは一話で終わる(確信)。手順踏む必要が無いからね、しょうがないね。




10連一回でキアラ当てました(小声)


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チェイテ城レ〇プ!ハロウィンの裏技

活動報告にてFGO風赤ジャンヌステータスを乗せました


 発端はとある招待状だった。

 

『全略       ーーー来てね?』

 

 簡単に言えばハロウィンの招待状だった。

 

「エリザベートだよね」

「はい、エリザベートさんですよね先輩」

「チェイテ城って書いてあるしな」

「歌の誘いが三回も書いてあるわね」

「さすがの拙者もあの歌はノーセンキュー」

「拒否したいのだけれど」

「すいません所長、そこ特異点化してるんですよ」

「」

 

 誰が犯人かは大体わかる。動機もどうせ大したこと無いのは想像に難くない。だから行きたくないけど特異点だから行かなくてはいけない。世界を守るための機関なんてそんなものである。しょうがないね。

 

「今晩はドラゴンステーキBBQやな」

「ついでに一応ドラゴンらしいし逆鱗とか爪を剥ぎ取ろう」

「先輩!?」

「冗談だよ」

 

 マシュが言うには、目が笑ってなかったので言われなきゃマジでやりそうだったそうだ。

 

「でも触媒としてなら剥ぎ取ってもいいんじゃないかしら」

「(わざわざ呼ぶ価値は)無いです」

「アイドル(笑)ェ」

「一応観測した限りではA級サーヴァント程度の戦闘力と大軍宝具を持ってるよ?」

「この聖杯戦争ならA級とか最低ラインだから。なにかしら優秀なモノもってなけりゃ要らないでしょ。今一番弱いのは黒髭………とハサンだけど黒髭は宝具の船がくっそ優秀でハサンは減ったスタッフの代役として有能。エリザベートは特に何も無しだし知能がファミコン並だからむしろカルデアの精密機械を下手に弄られかねない。よって不要。そもそもどうせろくでもない理由で特異点作りやがった時点でギルティ」

「えと、一時期は仲間でしたしあまり言うのは」

「私的には敵だったし燃やすのはやぶさかではないわよ」

「(性格が)ポンコツと(性能が)ポンコツの白黒は黙っとれ」

「燃やすわよ」

「喧嘩腰は良くないですよ」

「お、そうだな。ヒロイン力で淫ピの男の娘に負けてる聖処女(笑)様の言うことは違うっすねwwww」

「ヒロイン力で男に負ける聖女が居るってそマ?wwww」

「戦争」

 

 ここで第38回ジャンヌ戦争が勃発した。

 

「ちょっと!!会議室で暴れるのは止めなさいっていっつも言ってるでしょ!!」

「大丈夫ですよ所長。毎度のことなのでダヴィンチちゃんがちゃんと壁やら床やらはもちろん机や椅子まで耐久性抜群の物にしてるので」

「違う、そうじゃない。そもそも会議室で暴れないでって言ってるの!!誰か止めなさい!」

「嫌よ」

「嫌です」

「もぐもぐ………ゴクン……嫌」

「デュフフフフフいいぞ。もっとやれ(カメラ片手に)」

「殺し合いなど好きにやらせればよかろう(ケルト並感)」

「…………ぐすん」

「はぁ……君達、あまり所長をいじめてやるな。私が止めてくる」

「………涙目のオルガマリー殿も……良い」

「…………………(無言で盾を構える)」

「私も止めてこよう(盾から目を逸らしつつ)」

 

 戦争の終結は常に明確な勝敗がつくか第三勢力の介入により終結する。此度のジャンヌ戦線はいつもの様に、第三勢力(エミヤとランスロ)により一端の終結をみた。

 

「くっ私だって負けじとJKやったり魔法少女したんですよッ!」

「安心してください。大丈夫です。貴方は十分ヒロインですよ」

「ランスロットさん……」

「聖処女という属性だけでも十分イケますから」

「」

 

しばらくお待ちください

 

「所長、今回の作戦はどうしますか?」

 

 作戦を聞いてくるマシュと持ってる盾に血痕が付着している気がするがきっとストレスからくる目の錯覚で、一人人数が減ってる気がするのもきっと気がするだけなので努めて無視して所長は作戦を伝え

 

「そりゃハロウィンだしトリック(強襲)&トリート(強奪)でしょ」

 

 ようとしたら赤ジャンヌが真っ先に脳筋式作戦を発表した。そんな物騒な読み(ルビ)をしたトリックとトリートは無い。ハロウィンを何だと思ってるのか。

 

「ハロウィンなんてリア充がコスプレしてはしゃいで最後にはベッドの上でトリック&トリートする日だろ?モッピーは知ってるんだよ。     死ね」

 

 どうやら赤ジャンヌ的にはハロウィンは滅ぶべき習慣であるようだ。怨念がダダ漏れである。納得のクラス非リア充組(アヴェンジャー)

 

「なんやねん。ハロウィンって悪い文明やん。滅ぼしたろ」

「先輩落ち着いてください」

 

 マシュの盾が暗黒面(非リア充)に堕ちかけていた先輩(立香)の頭部を襲う!

 

「っは!?俺は何を……」

「元に戻って良かったです先輩」

「平然と盾でツッコミが入るとは。普段の組手の成果だな。そしてだいぶ絆が深くなっているな」

「えぇ………」

 

 ドン引きするロマン。そして『親しい人には武器(宝具)で突っ込んでいくべきなんだ』と間違った愛情表現を覚えたえっちゃん。その他の赤ジャンヌが仕込んだ知識のせいでエミヤのケツに「飲み込んで……くれますか?私の………ネクロカリバー」される日は近い。

 

「なに貴方、ハロウィンデートもしたこと無いの?ふん、私なんか5人とハロウィンデートしたわよ!!」

 

 なおギャルゲー(二次元)での話の模様。原作にて聖杯で贋作英霊(理想の男性)を複数召喚してリアルギャルゲーして引きこもってた非リア充組(アヴェンジャー)がドヤ顔してるのを生暖かい目で見守ってあげる赤ジャンヌ(非リア充)であった。ついでに白ジャンヌと立香も生暖かい目をしていた。そんなんだから赤ジャンヌからポンコツと言われるのに気付かない黒ジャンヌまじポンコツ。

 

「話が進んでないわよ!!どんな作戦なのよ」

 

 余りにも話が脱線したため所長がテーブルを叩きながら作戦の内容の説明を赤ジャンヌに求めた。

 

「オルレアンでやった事のリプレイ」

「あっ(察し)」

「ヒエッ」

 

 オルレアンでやった事を知ってるメンツは全てを察し、その中でも約一名がトラウマを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、飾り付けも料理も完璧。後は子ジカの部屋に繋ぐだけね。そして、苦労してやって来た子ジカにご褒美として私のサプライズソロライブを聞かせてあげる。完璧な作戦だわ!そして感動にむせびなく子ジカが私に是非ともサーヴァントになってと懇願す」

 

 

ーーーーーーーードッカーン☆

 

 

「トリック&トリートォォォォォォ聖杯だけ置いてけこのどこに出しても恥ずかしいド三流サーヴァントがぁぁぁぁぁぁ!!」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」

「にゃんとぉぉぉぉぉキャットの自信作がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「安心して、料理は全て私が保護したから」

「君は本当に食べる事になると饒舌になるな」

「何なのよいったい!!とにかく逃げな」

「『騎士の手綱(ベルレフォーン)』」

「隙 を 生 じ ぬ 2 段 構 え」

「ドラゴンステーキになっちゃう…………」

 

 こうして、【(乗ってる面子が)豪華海賊船で行くハロウィンチェイテ城弾丸ツアートリック&トリート!!~後追いペガサスを添えて~】作戦は無事成功に終わった。

 内容は皆で『アン女王の復讐号(クイーン・アンズリベンジ)』に乗り込んでチェイテ城に突っ込み、後ろでペガサスに乗ったメデューサを追従させ、仕留めきれなかった時や、逃げようとした時に引き殺すだけの簡単な作戦である。しかもオルレアンの時より人数も増えているので威力がその分高くなり、更にメデューサで引き殺すという保険を用意するほぼ完璧に近い戦法。

 もうこの作戦続ければ人理定理復元出来るんじゃないかな?といった顔をする立香だが、相手が船で移動する第三特異点と、本拠地が地下にある第四特異点と、アルジュナが控えてる第五特異点と、ロンの槍とギフト有りの円卓の騎士達が居る第六特異点と、そもそも敵がまず一定のフラグを回収しないと出現すらしない第七特異点と、終局特異点では通用しない予定である。そしてそれを知ってる所長の顔色はあまり優れない。具体的に言うと今にも吐きそうな顔色をしている。

 

「どこの絶叫マシンも真っ青になるくらい怖いし気持ち悪……うっぷ」

 

 訂正、どうやら所長は単純に船酔い……船酔い?のようだった。

 後はパッと聖杯を回収して特異点修復である。たった1日のスピード解決であった。

 

 

 

 

 

 カルデアに帰った後えっちゃんが美味しそうにタマモキャットの料理を食べるので興味を持ったエミヤが一口貰った料理が唯一のエリザベート作(ハズレ)。安定の幸運Eを発揮する3時間前の出来事だった。





ハロウィンは1日限定でしょ?(白目)

殆どがカルデアでの会話だけどこっちの方が書きやすい……ぶっちゃけ会話オンリーが一番書きやすいかもだけど喋り方だけでキャラを判別させる事が出来るほどの腕が作者に無い……。

サーヴァントのキアラ弱すぎィ!!せめて宝具に敵を確定スタン位よこせ。孔明もマーリンも玉藻も持ってない作者じゃ男鯖の肉〇器位しか使い道無いじゃないか!()

改めて作者の☆5鯖見直したら
天草→アポ裏ボス
邪ンヌ→1章ボス
アルテラ→2章真ボス
メイヴ→5章ボス
モードレッド→6章クソボス
メルト→CCCボス
キアラ→CCC真ボス&CCCコラボ真ボス
ボスばっかじゃねぇかうちのカルデアぁ!!ネロブライト以外ストーリー上無視できない立派なボスしてんじゃねぇか!しかも天草以外女って偏り過ぎィ!☆4も配布抜いたらバサスロ、バサクレス、ベオウルフ以外女って……あ、作者はノンケです。



追記 コラボ終了1日前にリップ狙いで最後の足掻き程度の気持ちで呼府使ったらJKセイバー出ました。これ以上セイバーは要らないって言ってるダルルぉ!?


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えっちゃん「それでも私はやってない!」

今回はお月見イベントです。
なんか時系列がぐだぐだですけど許してください。多分ネロ祭前か最中の出来事です。

久し振りの一人称だからか何か違和感があるかもです。


赤ジャンヌside

 

 十五夜が間近に控えているある日、カルデアに警報が鳴り響いた。俺が警報を聞いて会議室に訪れたら、暗黒面堕ちしたアルトリア(ヒロインXオルタ)が正座させられ、エミヤとマシュが説教していた。そして怒ってる二人をなだめる立香。

 

「食糧庫から食べ物を盗むなと何度も注意しているだろう!!倉庫に有る食糧は本来私達サーヴァントにではなく職員用の物で、テロにより職員が減ってしまった事情は有るがそれでもご好意で我々サーヴァントにも食糧の使用許可をもらっているんだぞ」

「それも職員の皆さんが楽しみにしてた高級団子は勿論食糧庫の物を根こそぎ。今回は流石に許せません!」

「グスン……私じゃないのに……確かにいままでたまにつまんだ事はあるけど今回は私じゃない」

「ほら、落ち着いて二人とも。その、控えめに言っても怪しいけど本人は否定してるし、ね?」

「駄目です先輩。甘やかし過ぎは良く有りません。それに今回ばかりはシャレになりませんのでガツンと言わないと」

 

 高級月見団子……あっ(察し)

 …………………面白そうだしこのまま観戦の体制といこうじゃないか。

 

「ねぇ、私そんな高級団子が有ったなんて知らないんだけどどうしてかしら?」

「全部ロマンって奴が悪いんだ!」

「待って!確かに最初にコッソリ発注したのは僕だけど『いっそ所長含めた職員全員分買っちゃえ、そうすれば皆共犯さ』って言ったのは君だろ!!」

「おいおいロマン、寝ぼけて大量発注したんだろ?私に責任を擦り付けようとしないでくれないかな?私は一切関係ないよ」

チーン

「…………………」

「…………………なんでそれがここに有るんだい?」

 

 良く見たらロマンとダヴィンチちゃんも所長から説教受けてるじゃん。しかも所長がダヴィンチちゃんが作った嘘発見器をポケットから出してて草。ガッツリ反応してて更に大草原。

 そもそもあの嘘発見器をえっちゃん相手に使えば容疑もはれると思うけど黙っとこ。

 

有罪(ギルティ)

「あぁぁぁぁぁぁああああ!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 あ、許されなかった二人が所長からアイアンクロー喰らってる。

 それよりそろそろ真犯人もレイシフトする頃かな?

 

「あの~所長、ちょっと宜しいですか?」

「えぇいいわよ。どうしたの?」

「フランスに誰か勝手にレイシフトしたみたいなんですけど……」

「……あれ?おかしいわね…サーヴァントは皆会議室に居る……わね。誰がレイシフトを?」

 

 うん、所長が回り見渡してサーヴァントの確認してたが間違いなく皆居るぞ。そもそも警報が鳴ったらとりあえず会議室に集まるマニュアルだしな。

 

 

 

 まぁ、俺の記憶を所長に見せたんだからこのイベントの事も知ってるんだけどね!流石若い年齢で時計塔の魑魅魍魎共と腹の探りあいしてただけあって完璧な芝居やな。さながら何も知らないかの様だ。

 

「この天才の頭脳が閃いた。解説するから手を放してくれ!」

「あ!君だけ助かろうなんてずるいぞ!」

「…………まぁ良いわ。今はこれで許してあげるけど後で他に隠して発注したものが無いかキッチリ白状しなさい。良いわね」

「「アッハイ」」

 

 

 

~ロマンとダヴィンチちゃんの説明中~

 

 

「と言うわけでタイミングも考えると恐らく食糧を根こそぎ盗んだ犯人がレイシフトした可能性が高いね」

「ほら!私じゃない!」

 

 えっちゃんがどうだみたか!と言わんばかりのドヤ顔してる。ははは、残念ながらまだ完全に容疑が晴れた訳では無いことを教えてやらねばな。

 

「それはどうかな(ねっとり)」

「!?は、犯人はレイシフトした人って」

「そうだね、高確率で(・・・・)真犯人だろうね。でも決まった訳じゃない。それに君が真犯人(仮)と手を組んでいる可能性だって有るだろ?そう、例えば盗んだ食糧の半分を別けてもらう条件でとか」

「そそそそそそそそんなことないですよ!」

 

 ……………あれ?冗談半分で言ったのに露骨に焦ってない?………あっれれ~おっかしいぞ~(小学生探偵並感)

 これはひょっとするとひょっとしちゃう?さっきまで擁護してた立香まであの焦り様を見て疑いの目向けてるし。これはじっちゃの名に賭けてダンガンでロンパして崖に追い詰めて異議ありしないといけないですね。

 

「…………とりあえずレイシフトした人物が食糧を持っているのはほぼ間違いないでしょうしレイシフトするわよ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 さぁ皆でフランスに到着しました。そして素早く辺りを見渡せばやっぱりアイツが居ましたね。

 

「先輩!あそこで女性の方がその…………あまり威力の無さそうな矢を射ってウェアウルフと戦闘してます」

「無理にオブラートに包まなくてもエエんやで。なにあのへっぴり腰wwwwザッコwwwwコミュ抜けるわ」

「それは流石に言い過ぎたから。兎に角助けよう!」

 

 はい、助けましょ。まぁ黒幕こいつやけど黙っとこ。所長も黙ってるしな。

 

 

☆☆☆

 

 

 

「助けてくれてありがとう。私の真名はオリオンでーす」

「えっオリオンって確かギリシャ神話の……男性じゃなかった?」

「いつもの」

「様式美」

『無形文化遺産』

『あーもう(歴史が)メチャクチャだよ』

「まーた女体化かぁ壊れるなぁ」

 

 俺の台詞だけで察してくれる奴は嫌いじゃないよ。まぁ嘘だけど。本当はギリシャ神話のヤベーやつの一人だけどな。そもそもあんなへっぴり腰で矢射つ奴がかの有名な狩人であるオリオンなわけ無いんだよなぁ。

 

「確かオリオンさんと言えば女神アルテミスを口説き落としたという逸話もあったはずですが」

「あら、真実よ。正確には女神さえも惚れさせただけどね!」

「ここにキマシタワーを建てるでゴザル」

「レズはホモ。よってオリオンはホモ。QED 証明完了」

「ふむ……確かにその美貌なら女神が惚れるのよ納得ですね。なんせ私も胸のドキドキが止まらないんですから!」

「〇ね穀潰し」

「マシュのランスロットに対する容赦の無さが加速していってる気がする」

「自業自得だからしょうがないね」

「たわけが!その位置から打ち込むのならここからこうやった方が避けられにくいだろうが」

「はい!こうですね!(ランスロットに死体打ち)」

「実地指導はいっちゃったよ」

「(オリオンって女性でしたっけ?)」

「(そんなわけないでしょうが。あんな変な構えから射つ矢が当たるのは完全におかしいけど)」

 

 多分ランスロットに対するマシュの当たりの強さは自分と融合したサーヴァントの真名知るまで治らないと思うし、多分一時的ならともかく完全に態度が軟化することは永劫無いと思われ。

 そして唐突に始まったマシンガントークと味方を殴り倒す盾持ちにオリオン(アルテミス)がドン引きしておられるぞ。しゃぶってさしあげろ。

 

「えぇ……」

「ところで貴女、ここら辺で食糧を大量に持った人物が通りかからなかったかしら?」

「え?それなら見かけたよ。抜けてるのか道にポツポツとお団子落としていってたからそれを目当てに狼がやって来てるんだよ」

「あぁそれで襲われてたんですね」

「ではこれを追いかければ犯人を見つけられるんですね。行きましょう」

「今回はランスロット誰が背負うのかしら?」

「…………………ぶっちゃけ戦力間に合ってるし不法投棄して狼の餌にしても良くない?」

「そうですね」

「ええ……」

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ランスロットは捨ててきた。この戦いに付いてこれそうもないからな。(大嘘)

 流石に狼に食わせるのは後で呼び直すための石が勿体無いから令呪で強制送還しました。たぶん就労ビザと観光ビザ間違えたせいでしょう。(適当)

 まぁその後は特にインフレも無く原作通りの流れでサーヴァント倒しながら団子を回収。そして今現在オリオンが実はアルテミスでしたーという衝撃の真実ゥ(笑)が明かされ、無事撃破。

 

「ほら!やっぱり私は犯人じゃない!」

 

 本当ぉ?何か怪しいんだよなぁ。………………

 

「所長、あの嘘発見器まだ持ってる?」

「あぁそう言えばポケットに入れっぱなしだったわね。持ってるわよ」

「じゃけん本当に違うならこいつの前で『私は食糧を盗んでいません』と『アルテミスの食糧強奪に協力も手助けも一切していません』と、一字一句違わず宣言……出来るよね(ニッコリ)」

「え゙」

「言 え る よ ね」

「…………………………………サヨナラ」

「逃げたぞ!追え!」

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 火サスで出てくる崖際までえっちゃんを追い込んだ俺達は、えっちゃんに問いかけた。

 あれ?フランスにこんな崖有ったか?………まぁええわ。

 

「何故、このようなことを?ハンガーでも投げつけられましたか?」

「コナンやめろ」

「…………最初はつまみ食いしようとコッソリ食糧庫に入っただけなんです。でも、その時たまたま彼女(アルテミス)が居て。明らかに侵入者でしたし攻撃しようとしたら『こ、ここの食糧の半分あげるから見逃して!』と言われ、そこから魔が差して……」

「そんな事で君は食糧の半分を盗んだのか!!」

「まぁ落ち着いて裁判長(エミヤ)。それで、その半分の食糧は何処に?」

「食べました」

「……………は?」

「食べました」

「……あの短時間で?」

「隠すような場所も無かったので。レイシフトとは盲点でした」

「…………裁判長、判決は?」

有罪(ギルティ)

「でしょうね。なので全力で抵抗します!」

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 えっちゃんは罰として1ヵ月食事禁止となった。勿論ただの水も禁止である。サーヴァントに本来は食事も水も必要ねぇんだよ!!これから先えっちゃんは酷使無双が決定してるので強く生きてほしい。

 兎に角今回の事件で新たに食糧の問題が浮上した。まだ半年分位なら残っているがそれ以降はもうレイシフトして食糧を集めるしかないだろう。TOKIOの0円生活かな?




ギリシャ神話のヤベーヤツ(主に鍛冶の神と紐神を除く大半の神々)

えっちゃんはヴィランだからね、しょうがないね(白目)

ハンガーを投げつけられる→名探偵コナンの中で多分最も酷い殺人動機理由

今年の水着はきっと配布で水着牛若オルタとピックガチャでアルターエゴティアマトが来るんだ(無理)


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3章 万歳封鎖海域オケアノス
黒ひげ「海賊王に、拙者はなる!!」


かつて、この世の全てを破壊した魔術王ソロモンが放った一言が、サーヴァント達を特異点に駆り立てた。「俺の聖杯か?欲しけりゃくれてやる。この世の全てをそこに置いてきた!」世はまさに、大特異点時代。


 昭和17年、我々はラバウル基地に向かっていた(大嘘)

 

「右舷被弾!」

「左舷被弾!」

「機関停止!」

「火災発生!」

「弾薬庫引火!」

「艦長、撤退なさるおつもりですか」

「帰ろう、帰ればまた来れるでこざる」

「奴等は化け物か!」

「くそぉ!メリケン共めぇ!!」

「申し訳無いが大本営並の虚偽報告はNG」

「一発たりとも敵の砲弾当たってませんよね……」

「そもそも大日本帝国粒子ってなによ。いや、確かに前のぐだぐだ粒子的な物とは説明を受けたけど流石にこれは無いわね。薬飲んでてよかったわ」

 

 

~~~

 

 

 ハロウィンもとうに終わり、寒さが厳しくなってくる11月中旬頃、ついに第三特異点が特定された。

 

「今回の特異点は1573年頃の海だね」

「海、ですか?」

「うん、どうやら特異点を中心に地形が変わってるみたいでね、広い海に転々と島があるみたいなんだ。さいわいにも此方にはかの有名な海賊の黒髭が居るから、移動手段は困らない筈だよ」

「デュフフフフフフ、来た、来ましたぞwwww拙者の時代がぁぁぁぁぁ!!」

「ヤミヤミの実食ってから出直して、どうぞ」

「んんんwwwwそれそっちの方が拙者のパチモンですぞwwww」

「さて、今回の特異点が海だと判明してから僕とメディアで共同製作した水着礼装だ」

 

 そういってダヴィンチちゃんが立香と所長に手渡したのは、競泳用の様なピッチリした水着だった。

 

「立香君の水着に搭載されてる魔術はガンド、瞬間強化、治癒魔術の三つだ。言わなくても効果は解るね?では、上手く活用してくれたまえ」

「では早速着替えてきてくれ。着替え終わったらレイシフトだ」

 

 

~着替え中~

 

 

 着替え終わった二人が戻ってきた。

 体に密着するタイプの水着のため、立香の、普段の服装では隠れている筋肉が浮かび上がっていたため、マシュが顔を赤らめたりした。

 

「あら、坊やけっこういい筋肉しているのね」

「まぁ、いつも修行してますから」

「儂が直々に鍛えているのだ、このくらいの筋肉ついていない方がおかしいであろう」

「どっかの見せ筋アーチャーと違って実用一辺倒の筋肉に仕上げてある」

「おい、見せ筋アーチャーとは誰の事だ?」

「そもそもお前以外アーチャー居ないだろ筋力D(見せ筋)。その筋肉でマリー・アントワネットと同程度の筋力とか恥ずかしくないの?」

「おっと、心は硝子だぞ」

 

 なおディスってる本人(赤ジャンヌ)の筋力はB+の模様。白ジャンヌより高く黒ジャンヌよりは低いのだ。

 

「おいおいロマン、これは大人として負けてられないんじゃないかい?君もそのモヤシみたいな体を鍛えたらどうだい」

「い、いや僕は遠慮しておくよ。それより、一つ注意事項がある」

「?レイシフトしたら海に落ちるよ。とかそんなとこかしら?」

「いや、それは大丈夫だよ。ちゃんと島にレイシフト出来る様に調整するからね。そうじゃなくてね、ほら前にぐだぐだ粒子なるものを観測したよね。今回あれと似たような粒子を観測しているんだ」

アレ(・・)に似た粒子の時点で嫌な予感しかしない」

「補足すればあくまでも似た粒子だから詳しい事は解らないけど、少なくともただちに健康に影響はないはずだよ」

「遠回しの有害宣言やめろ」

 

 そんな会話があったが、その後はつつがなくレイシフトへと移行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事レイシフトした彼らは島に足をつける    事無く見事着水。

 

「ちょっと!!島にレイシフト出来てないじゃない!!」

「フラグ回収してんじゃねぇかロマンオォン!?お前後で屋上な!」

 

 所長と赤ジャンヌが揃って不満の声をあげていた。他も言葉でこそ言わなかったが顔に不満と書かれてある。

 

『あれぇ!?確かに島に座標設定してた筈なんだけど……』

「お前本当に座標あってたの?東経と西経間違えてない?例えば東経105(ヒトマルゴ)、北緯20、地点ロの2。とか」

「!?」

『うん?えっと………それベトナムだよね?』

「あれ?何で俺今約束の地ベトナムの座標言った?とりあえず黒髭」

「へいへい早速拙者の出番!『アン女王の復讐号(クイーンアンズ・リベンジ)』!!」

 

 黒髭の宝具が発動し、下から掬い上げる……もとい溺れた数名をちゃんと掬い上げる様に海中からドドンと海賊船が現れた。

 

「ふざけんじゃ無いわよ!?何が『海には落ちないよ』よ!思いっきり落ちてるじゃないの!!危うく溺れ死ぬところだったわよ!」←泳げない

「俺はダチョウ倶楽部(芸人)じゃねぇんだぞ!落とすなら氷水か熱湯だルルォ!?」←泳げる

「言ってること正反対に聞こえるんですが気のせいですか?」←泳げる

 

 まずはトリプルジャンヌからの猛抗議から始まった。さっき抗議したばっかりな気がするが約1名黒いのが溺れて水中に居たので一切会話が聞こえてなかった模様。

 

「白いのは泳げるのにお前……そもそもセプテムでも海に出たのになぜ今まで泳ぐ練習をしなかったのか。コレガワカラナイ。その自己改造スキル飾りの割りにずいぶんランク高いっすねwwww」

「あら、随分濡れてて寒そうね。暖めて(燃やして)上げるからそこ座ってなさいよ」

「自分も濡れてるのすら忘れるとか脳ミソは服装と反対で白痴かよ」

 

 赤と黒が喧嘩して(殺しあって)それに白が仲裁として武力介入して(火に油を注いで)大炎上する何時ものパターンをしている間に立香と所長が協議し、メドゥーサを偵察に行かせることが決定した。

 

「いい、とりあえず周囲2kmの範囲に何か有るか念話で報告するだけでいいわ。島は後回しでいいから何かがこっちに向かってきていたら至急にね」

「はい、わかりました(^q^)「えっ」では行ってきます」

 

デンッ!!\デンショバト(ギリシャ式)ヲトバシタ/

 

「こちら大隊から小隊長へ。東経105、北緯20、地点ロのニへと長距離弾道ミサイル(ペガサス)を発射しました。(事後報告)」

「黒髭!?なんで急にニホンヘになったの!?」

「あっ謎の粒子って(察し)………」

 

 大日本帝国粒子命名の時である(大本営発表)。

 これでアメリカのルーズベルト〇ンプ大統領も交渉の席に着くだろう。

 

 

 

\ばんざぁぁぁぁぁぁぁい!!/




クッソ短い内容なのに1ヵ月も更新止まってたナマケモノのフレンズみたいな作者居るってマ?しかも今更になってオリ主人公の細かい設定決め始めたってマ?
 本当にすみませんでした。

章タイトルからして大体察せると思いますが基本こんな感じです。それにともない本文に顔文字が増えると思われますので苦手な方はご注意ください。(激遅忠告)

新作が同時投稿です。メインはこちらなので新作の方は2話か3話でほぼ投げると思います。つまり完結の予定は未定です。そもそも1話書くのに1ヵ月かかったので……それでも大丈夫な方はそちらもどうぞ。


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黒髭の決断

アガルタの女クリアしたので初投稿です

アガルタの女の一部ネタバレがございます。ネタバレが嫌な方はブラウザバックを。

誤字報告いつも感謝です。感想もいつもありがとうございます。中々返信出来てませんが近いうちにまとめて返信しようと思います


「「エンダァァァァァァァァイヤァァァァァァァァ」」

「タイタニックがやりたいのかボディーガードがやりたいのかハッキリしろ!」

 

 『アン王女の復讐号(クイーンアンズ・リベンジ)』の先端でタイタニックの例のシーンを再現しながらボディーガードの例の歌を歌う馬鹿二人。

 そもそもタイタニックの再現なら縁起が悪いレベルではないのだが立香さん、そこをはっきりさせて良いのだろうか?

 

「先生……バスケがやりたいナリ」

「磯野、野球しようぜ!お前ボールな!」

 

 尚返答はどちらでもなかった模様。

 

「あの、一応今敵サーヴァントから攻撃を受けてる最中ですので……」

「マシュ、この馬鹿二人にははっきり言うべきよ。どう考えても負ける要素無いからって遊んでんじゃ無いわよ!!」

 

 実は少し前にメドゥーサが島を発見したため、その島へと向かう途中でサーヴァントから襲撃を受けたのだ。その相手は上半身裸で、身長以上の大きな斧を持った男と、いかにも大航海時代の船長といった服を着ている白髭と笑顔がチャーミングなおじさんだった。

 

「あのワンピースに居そうな顔してるおっさんは知らんがどう見ても大航海時代のサーヴァントだろうし……既にスカサハとランスロとメドゥーサと白いのが乗り込んで暴れてるしエミヤとメディアの援護射撃で敵の船もぼろぼろだし……負ける要素が皆無なんだよなぁ」

「拙者と赤ジャンヌ殿の合体宝具『海の紅き復讐の悪魔号(パイレーツオブカリビアンズ・リベンジ)』ならあんな船の砲撃喰らった所でダメージ0ですぞwwww。最低でもエリートになって黄色いオーラ出してから出直して貰わないとwwww」

「宝具名でハリウッドに喧嘩を売らないと気がすまないの?」

 

 敵の船から幾つもの鎖が飛び出て、こちらの船を拘束してきたため動けなくなったが、スカサハとランスロットと白ジャンヌがこれ幸いと鎖を足場に敵の船へと乗り込み大暴れしていた。メドゥーサは自前のペガサスで乗り込んだ。

 更にはエミヤとメディアが次々と敵兵をキルしていた。

敵をキル 100

ヘッドショット 50

 

 一応敵の船も必死の抵抗として次々と砲弾を撃ってくるが合体宝具の防御力を抜くことは出来ず、立香と所長に当たるコースの物はマシュが防いでいる。

 合体宝具とは、黒髭の宝具である『アン王女の復讐号(クイーンアンズ・リベンジ)』の、本来なら海賊旗が掲げられている所に、赤ジャンヌの宝具である日本国旗を掲げることにより、船の中から黒髭の船員と、『50人の赤き悪魔の軍勢(アヴェンジャーズ)』の皆が(何故か)いくらでもリスポーン可能となり、船全体も紅く染まり、(何故か)全てが3倍のスペックになるのだ。

 どっかの馬鹿二人(いわく)「サラマンダーよりずっと速い!!デュフフフフフ」「これは原子力タービンに謎の推進装置を積んでますね間違いない」だそうだ。

 スカサハが(霊基を弄って)一晩でやってくれました。

 

 

 それからそう時間もたたずに無事制圧。サーヴァントの片方は意志疎通の出来なさそうなバーサーカーだったため殺害。船長っぽいおじさんは捕獲した。

 

「よし、じゃぁケンウェイの交易艦隊に送ろう」

「アサシンクリードじゃないんだから交易艦隊なんて無いよ」

「ヤレ、コロセ(^q^)」

「うん、申し訳ないけどメドゥーサは黙っててくれないかしら?」

「イイレス(^q^)」

 

 謎粒子のせいで一部サーヴァントの言語が不自由になっていますので以降は意訳をつけます。

 

「とりあえずお前真名と宝具をとっとと吐け」

「こちら吉田です。太平洋の嵐!」【真名はコロンブス。宝具は『新天地探索航(サンタマリア・ドロップアンカー)』だ】

「コロンブス!?ずいぶんビックネームな奴がいきなり出てきたな。まぁどうでもいいや。どうする船長?処す?処す?」

 

 コロンブスと言えば新大陸を発見した、義務教育で習うレベルの有名人である。が、敵対、または立ち塞がるなら皆殺しがこの船の船長、黒髭の生前からのルール。

 

「うむ、こやつの首を跳ねよ」

「待て、待ってくれよ。金だったら幾らでも払う。5万か?10万か?」【待て、お前らにとって有益な情報を持ってる。その情報をやるから見逃してくれ。いや、いっそ仲間になってもいいぜ】

「お、そうだな。考えてやるよ(殺さないとは言ってない)」

「メリケン共め、思い知らせてくれる!我々は砲撃を行う!!」【この海は一つに繋がっているみたいでな、ある程度進むと濃い霧に包まれて気が付けば戻っているんだ。更に潮の流れもメチャクチャで風も読みづらい。そしてなにより、ドラゴンが大量に居る島を見つけたんだ。この船な戦利品の一部が積み込んである】

「ふーん。だってさ所長」

「話を振られても私さっきから彼の言ってることが何一つ理解できないわ」

「は?大日本帝国魂足りなさ過ぎるだろ。陛下への忠誠心さえ有れば理解できる。なぁ黒髭、立香、エミヤ」

「んんwwww当たり前ですぞwwww」

「………………アーナニイッテルカボクワカンナイナー」

「……ノーコメントだ」

「はぁ!?ほんまつっかえ。辞めたら日本人」

「そもそも赤ジャンヌとアヴェンジャーズの皆さんは100歩譲ってまだ理解できるけど何で黒髭まで理解できてるんですかねぇ(困惑)」

「拙者にも解らん」

 

 ※コロンブスは情報を吐かせるだけ吐かせた後に首を跳ねました

 

「そう言えば何で所長は普通に喋れるの?」

「逆にお前毒やら魔術やら謎粒子やらの耐性を体を作成してる時に付けないとでも思ったの?完全に人間辞めてんだぞ」

「改めて辛い現実突きつけてくるの止めてくれないかしら」

 

 落ち込む所長の肩に優しく手を置き励ましの言葉をかけてくれる存在が居た。

 

「そこを動くなぁ。ちがぁぁう!そこを左です」【大丈夫です、人間を辞めたとしても貴女はとても美しいのですから】

 

 そう、ランスロットであった。

 

「我々は防衛を行う!!」【良く解りませんが多分口説いてると思うので鮫の餌にしておきますね】

 

 今日も今日とてマシュの盾が鋭角に首筋に決まった様です。それは最早ランスロットが眠りの小五郎に重なって見える程の鮮やかな手際であった。

 何故ランスロットは自重しないのか、コレガワカラナイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、メドゥーサ氏が発見した島を目指して、イクゾー。デッデッデデデデ、カーン」

「カーンが入っている。+1145141919810点」

「汚いから止めて」

「かなーしみの~」

「nice boatはもっと止めて」

 

 黒髭が憧れのあの人に出会って発狂するまで後1時間。

 

 

 

\(^o^)/ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁぁい\(^o^)/

 

 




出落ち担当のコロンブス君迫真の命乞い。尚万歳翻訳されてる模様。

味方が万歳汚染されてるなら敵もされてるに決まってるよなぁ!?
自動で万歳翻訳されないのは赤ジャンヌと黒髭とエミヤと立香と所長とメディア(お薬の力)だけです。霊基弄ればスカサハネキも普通に喋れます。


アガルタはマシュフレマーリンと、マグダラ持たせたメイヴがチャリオットするか起源弾持たせた邪ンヌでチャーシュー作ってました。
アガルタピック2でドレイクネキとヘラクレス宝具3狙いで10連一回回したらデオンくんちゃん出ました。セイバーはもう要らないって言ってるだルルぉ!?
水着ピックでガチャ運のやべーやつな例のリアフレから「10連引けよ」と言われたので引いたらサモさんとすり抜け孔明来ました。どっちも初です。やったぜ(ガッツポ)。しかも石30連分余ってますので新水着イベまでとっておきます。

だから運営頼む、新しい水着鯖は☆5なら最低でもコスト分の性能を………(えっちゃんとキアラと不夜キャス見ながら)


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黒ひげの咆哮

またしてもくっそ長らくお待たせしました。今のうちに明言しますがエタらせる予定は一切無いので時間がかかっても完結はさせます。エタった時は死んだ時だと思って貰って構いませんのでどうか「序盤の頃の投稿速度どこ行ったのこの駄作者は」とか思いながら待ってていただければ幸いです。


では本編です


「テキガイタゾー(^q^)」

「ヤレーコロセー(^q^)」

「ハイ(^q^)」

「ハイ(^q^)」

「ハイ(^q^)」

 

 カルデア一行はメドゥーサが見つけた島に到着し、少し島の中へと進み、森へ入って少ししたところで、複数の海賊と遭遇した。そして遭遇したとたんに襲いかかられた。

 

「うん、ちょうど良いから立香とマシュ、アレと戦え。但しマシュはあくまでも守るだけ。倒すのは立香だけだからな。それと情報引き出すために生かしておけよ」

「え゙」

「マシュとの組手でそこそこ戦える時点で薄々解ってると思うがお前とっくの前から表の総合格闘技チャンピオンなら魔術抜きでも余裕でボコれるからな?例えマシュが無意識にお前のレベルに合わせて手加減してると言ってもな」

「まぁマシュを責めはしないさ。むしろ意識しなくても相手の強さが解ってるという事はそれだけお互いを理解してる証拠だ。特に最近は実に良い勝負を繰り広げているお陰で立香もしっかりと段階を踏みながら成長していってる」

「兎に角お前の今の実力ならあの程度の分隊規模一般ピーポー海賊なんて雑魚同然だから容易く蹴散らして、どうぞ。ガチで殺しにくる奴との対人戦経験積んで。保険としてマシュまでつけてやってるんだからホラホラホラ」

「マシュが居たら殺し合いにならぬではないか。保険など要らぬだろう」

「事故って死んだらどうすんだよ!マスター適正とレイシフト適正後付けして、最早人っぽい見た目してるだけの神話生物(キメラ)だと言ってもな、所長はポンコツなんだゾ。所長だけで人理修復できるわけないだろ!」

「自害させるわよ(ニッコリ)」(令呪を構えながら)

「所長の様な死後サーヴァント化間違いなしの完璧超人他に居るわけ無いよなぁ!?超絶余裕の人理修復過ぎて半分意識無くても糞雑魚ナメクジラスボス君倒せるわ~楽勝だわ~。やだ、うちの人理修復、完璧すぎ!?」

「赤ジャンヌ殿の手のひらがドリル過ぎるので小生、草良いっすかwwww」

「草に草生やすなと言ってるだろ猿ゥ」

「そろそろ敵が『まだッすカ?』って目で見てきてるんですが。僕が倒せば良いんだよね?」

「お、そうだな。行け立香、君に決めた!10万ボルトだ!」

「出来な………今は出来ないからね!?」

 

 赤ジャンヌの宣言で前に出た立香とマシュを見て『暇だししりとりでもするか』『ええやん。なら俺からしりとりのりからリンゴ』『ゴム』『村雨(むらさめ)』『目から(うろこ)』『子ども』『もも』『最上(もがみ)』『身から出た(さび)』とアイコンタクトでしりとりしてた凄く空気の読める4人も武器を構えた。

 まず立香が2m程離れている右から二番目の海賊の懐に縮地(まだ修行中)にて一瞬で距離を詰め鳩尾(みぞおち)に掌打、位置が下がった顔面にアッパーカットを叩き込んで1秒。左右の敵がやっと反応して横振りにカトラスで切りつけるが、これをしゃがんで危なげなく回避、そのまま右の敵にカエルパンチ。これで2秒。空中で一回転し、木を足場にして左の敵に跳び膝蹴り。その際に手に持っていたカトラスを左手で奪い、着地の瞬間を狙って発砲された銃弾をカトラスに瞬間強化にて硬度を上げ盾にすることで防ぐ。これで3秒。防いだすぐ後にガンド発射でフィニッシュ、全員が倒れているか確認。これで4秒。

 文字通りの秒殺であった。

 

「やはりあの程度ではウォーミングアップにすらならぬではないか」

「保険のはずのマシュ殿がいっさい動いてないでござるね」

「…………こんなに……こんなに強くなってたのか、僕……」

「う~ん?何か思ってたのと違うけどまぁええわ。攻撃当たる瞬間に手加減して殺さないようにしてたし残心もしっかりとしてるから文句なしかな。とりあえず一般人相手だと瞬殺できる実力なのを理解したな?」

「海賊は一般的だった?」

「サーヴァント基準なら一般人と変わらないからセーフ。つか揚げ足んなよ黒髭」

「申wしw訳wなwいw」

「では彼らから情報を引き出しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?何だいあんた等。おいお前達、そいつ等は客人かい?それとも敵かい?」

「敵の潜水艦を発見!」

「駄目だねこりゃ、全然わかりゃしないよ……って、敵じゃないか!敵襲だよお前ら!」

「は?何か黒髭の顔見たとたんにあの女の人が戦闘体制になったんだけど。何したの?ヤリ捨て?」

「えぇ……拙者記憶にないでござるよ」

「えぇ~本当にござるか~?」

 

 魔術にて暗示をかけ、情報を引き出したところどうやら彼等の船長が奥地に居ることが判明したため、彼等にその船長の所まで道案内をしてもらい、その船長と会ったとたんに戦闘となった。具体的に言えば黒髭を目視したと思われるタイミングでろくに話し合いもなく敵襲判定された。

 

 

 

 秒で返り討ちにした。

 特記すべき事は無く、サーヴァントという化け物がさながら紙切れのように海賊を吹き飛ばしただけだった。強いて言うなら船長が他と比べてそれなりに善戦したが誤差の範囲である。

 

「お、所長、こいつ聖杯持ってますよ。勝った!第三特異点、完ッ!!」

「いや、流石にそんな嘘は通用しないよ赤ジャン……え?本当に聖杯?マジで聖杯?え、え?終わり?これで終わりなの!?」

『こちらでも観測したけどそれは正真正銘聖杯だよ……いや、うん、信じられないから3度確認したけど聖杯だ』

「フォウ(^q^)」

「………貴女名前は?それとこの聖杯って元々貴女の?」

「変なこと聴くね。それに珍しくまともに会話できるのは久しぶりさね……まぁ敗者であるから大人しく喋るか。あたしの名前はフランシス・ドレイク。商人でもあり海賊でもある船乗りさ。その杯かい?大分前に奪った物だけど水や食料が幾らでも出せるし銃の弾が勝手に込められたりするから売らずに持っていた物さ」

「……大分前って具体的にどのくらい前なのかしら?」

「ん~数年前だね。詳しい数字は忘れたよ」

「数年前……と言うことはこの特異点の聖杯ではない可能性が高いって事かしら」

「何か黒髭の様子がおかしいんじゃが」

「え?」

「フランシス……ドレイク?あのドレイクが女……あのドレイクがBBA…………あ、あっ、あ、あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」

「「「「「「!?」」」」」」

 

 黒髭は壮絶な雄叫びを上げながら白目を剥いて気絶しました。

 

ピッ ピッ ピッ ピー\ネガティブ/バシュン

 

蘇生 100

 

「ハッ!?何だ夢か………あっ、あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」

 

 黒髭は壮絶な雄叫びを上げながら白目を(ry

 

ピッ ピッ ピッ ピー\ネガティブ/バシュン

 

蘇生 100

 

「ハッ!?なんだ幻術か………あっ、あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」

 

 

 黒髭は壮絶な(ry

 

ピッ ピッ ピッ ピー\ネガティブ/バシュン

 

蘇生 100

 

「ハッ!?なんだ幻覚か…………あっ、(ry 」

「無限ループって怖くね?」

「なんでおっさんの汚い叫び声何回も聞かないといけないんですか?(正論)」

「イザナミだ。ここをA'とする」

「やめて(懇願)」

「誰か止めなさいよ。と言うかあの除細動器で蘇生してる兵士誰!?」

「知らない」

「え?」

「えっ?」

「え?」

「貴女が知らないなら誰が知ってるのよ!?」

「は?まるで人を何でも知ってる人みたいに言わないでくれます?俺だって何でもは知らないんだよ!知っていることだけ(ドヤ顔シャフ度)」

「殴って良いかしら」

 

黒髭は壮絶な(ry

 

ピッ ピッ ピッ ピー\ネガティブ/バシュン

 

蘇生 100

 

 

 

\(^o^)/\ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁぁい/\(^o^)/




最後辺りは作者も勢いだけで書いてたので皆さんも勢いでなんとかしてください。(事後報告)

>(^q^)

 伝統的なニホンヘの顔。

>表の総合格闘技チャンピオン

 裏?さぁ。そもそも有るんですかね?まぁ有ったとしたら多分北極熊を葬り去った猛獣さんがチャンピオンやってるんじゃないですかね?

>糞雑魚ナメクジラスボス君

 なお1ターン目に即死威力の無敵貫通全体方具をブッパしてくる模様

>今は出来ないからね!?

 着ている礼装にインストされてるなら普通にできる立香君

>黒髭を見たとたんに敵襲判定

 多分黒髭にソックリナヒトニオソワレタンダロウナー

>ドヤ顔シャフ度

 コロンビア

ドレイクネキは聖杯の力で粒子を無効化してます。ただ部下は普通に影響を受けるのでドレイクネキは部下の言ってる言葉が理解不能です。ただ雰囲気(なぜか変換できる)で何となくは理解します。
生前なので本当に少し善戦できるレベルです。サーヴァントなら大物喰いの性能なのでワンチャン有ったかも。




ホームズ、水着合計で60回程回しましたが爆死でさ。それでも石まだ130個残してはいるんですがね。ただどちらも金枠鯖すら出ないし水着に至ってはイベ礼装すらまともに出ず☆4のが1枚だけとか吐きそう。イベ2ガチャで挽回するし(震え声)
例のガチャ運やべー奴は無事に10連か20連でネロ当ててました(全ギレ)
あ、作者は無課金勢なので福袋と言う名の闇鍋はスルーしました。


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番外編 カルデア杯

通信制限のためログイン出来なくなったので初投稿です(半ギレ)


ノリと勢いだけで書いたので台本形式のほぼ台詞だけです。
ホンヘとは関係ないです。


某日、特殊特異点にて

 

 

キャスター「さぁやってまいりましたカルデア杯。多くの有志により実現しましたこの栄光有るレースの実況を担当するのは私、キャスターのクラスで召喚されました茂木淳一です。よろしくお願いします」

 

一同「よろしくお願いします」

 

実況「今回の解説をしてくださる皆様の紹介です」

 

人王「どうも、ゲーティアです。よろしくお願いします」

 

ママ「ティアマトです。よろしくお願いします。マイクテス、マイクテス。Aaaaaa―」

 

快楽「ぶっちゃけ解説よりも現場で色んな意味で騎乗してたかった殺生院キアラです。よろしくお願いします。」

 

混沌「いつもニコニコ貴女の隣に這い寄る混沌ニャルラトホテプです。よろしくお願いします。」

 

野獣「解説の波動に目覚めた獣キャスパリーグです。よろしくお願いします。」

 

所長「やべーやつだらけで既に胃が痛いので誰でも良いから助けて欲しいオルガマリーです。よろしくお願いします。」

 

実況「何やら解説過多な気もしますが以上7名で実況席からお送りします。」

 

~ご覧のレースは、こちらのスポンサーによってお送りいたしています。~

愛は世界を救う。さぁ反逆の時だ!

24時間反逆テレビ

 

この世の宝は全て我の物
ギルガメッシュ

 

もう過労死ともおさらば

キャスター労働組合

 

あれはなんだ!?ローマだ!美女だ!勿論余だよ!

真生ローマ連合

 

浮気調査。借金取り立て。滅びかけの国の救国まで、全てお任せください。

万事屋 キャメロット

 

新しい物語を作ろう

クトゥルフ

 

 

貴方の人理、保障されてますか?未来のために今から入ろう。

人理継続保障機関フィニス・カルデア

 

 

 

 

 

 

 

 

実況「さぁお待たせしました、それでは各馬の紹介に入ります。

1番レーン。イギリス出身二番人気ドゥ・スタリオン。騎手はアルトリア・ペンドラゴン。」

 

乳上『出るからには優勝を狙います。』

 

実況「2番レーン。ケルト出身ゲイボルバンチョウ。騎手はクー・フーリン。馬には見えない。」

 

兄貴『この振動、たまらねぇぜ』

 

実況「3番レーン。日本出身三番人気ゴールデンベアー号。騎手は坂田金時。2番レーンと合わせ心地よい鳴き声(エンジン音)を響かせております。」

 

金時『チキンレースだオラァ!!』

 

実況「4番レーン。ペンデュラム次元出身オッドアイズ・ドラゴン。騎手は榊遊矢。世にも珍しい翼の生えた馬です。」

 

遊矢『お楽しみは、これからだ!!』

 

実況「5番レーン。クトゥルフ次元出身ティンダロスの猟犬。騎手は柏〇やらな夫。こちらも世にも珍しい時間を守護する馬です。」

 

〇崎『優勝は俺だろ常識的に考えて。』

 

実況「6番レーン。ギリシャ出身メドゥーサ。騎手はステンノとエウリュアレの二名です。資料によりますと【真のライダーは馬に乗らない。自分自身が馬になることだ。】と書かれてあります。」

 

牝馬『ふぅ、ふぅ、ん、くぅぅぅっ!!……はぁ、はぁ、はぁ。』

 

上姉『あら、まだスタートすらしていないのにへばってるなんて、随分だらしのない馬ね。』

 

下姉『そんなに罰の鞭が欲しいのかしら?卑しいお・う・ま・さん。』

 

卑馬(ひんば)『ンゥゥゥゥゥゥゥゥッ!』

 

実況「そして最終レーン。7番、フランス出身一番人気ハリボテトナカイ。騎手はジャンヌ・オルタ・サンタ・リリィ。ほのかにペンキの臭いが漂っております。こちらも世にも珍しい6本脚の馬です。前足黒、中足赤、後ろ足が白と三色馬でしょうか。」

 

聖女『気が付いたら何故かハリボテの馬役でレースに出場するはめになってたんですが理由を知ってますか?と言うより知ってますよね。』

 

覇王『悪に堕ちる。笑いのために!』

 

魔女『レース終わったら燃やす。』

 

幼女『ジャックちゃん、ナーサリーちゃん、トナカイさんと優勝して見せます!そして皆でパーティーです!!頑張りましょうトナカイさん!』

 

魔女『このガキ少しは疑問を持ちなさいよ!』

 

覇王『お前の子ども(時代)なんだよなぁ。』

 

魔女『誤解招くような発言してんじゃないわよ!ヤッパリ今燃やしてやりましょうか。』

 

実況「各馬登場により会場はヒートアップ。満席の会場は歓声であふれかえっております。」

 

 

 

ギャハハハ!!

キャハハハ!!

タノシイ!!

レースハタノシイ!!

モットレースヲ!!

ギャハハハ!!ギャハハハ!!

 

 

実況「では解説の皆さん、強豪揃いのこのレースで一番注目している馬はどれでしょうか。」

 

人王「やはり1番でしょう。初盤、中盤、終盤、隙が有りませんからね。」

 

ママ「私は5番ですね。あの馬には何処と無く我が子達に近いナニカを感じますので。」

 

快楽「私は6番になりたいです。まだ幼子の様な幼さを残しながらも蠱惑的な仕草、視線。それも二人に跨がられ責めて貰えるなどご褒美でしか有りませんもの。一人で致すより二人で致せば気持ち良さはそれぞれ2倍、合わせて4倍。更に二人になるとそれぞれ気持ち良さが4倍で三人合わせて12倍。つまり速さと感度は通常の3000倍という事ですからね。実に簡単な理論です」

 

実況「そうですね。」

 

野獣「2番だな。あの純粋なまでに一直線な物は見たことがない。完敗だ。おめでとう、君のゲイボルバンチョウは第四の獣たる俺のハートを刺し穿った。+1145141919810点だ。」

 

混沌「やはり混沌といえばこれ、7番でしょう。一目見たときから解りましたよ。あ、こいつは面白い玩具だとね。」

 

所長「帰りたい。3番ね。配布で簡単に手に入るのに強い。しかも少し前に再配布された無課金とガバ運のガチャ弱者の希望の星よ。帰りたい」

 

実況「これは綺麗に別れましたね。やはりどの馬もこのレースに出場出来るだけの実力者なのでしょう。さぁ、そろそろスタートです。」

 

 

団長「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!だからよ、止まるんじゃねぇぞ……」

 

ファーーーwwwwwwwwwwwwwwww

 

実況「各馬一斉にスタァァトォォォォォ!!オォット!!2番ゲイボルバンチョウが単独トップに躍り出たぁ!!速い!速いぞゲイボルバンチョウ!さながら流星の如く一直線に突き進むぅぅぅぅ!!その速さに誰も追いつけない様であります!8馬身差でゲイボルバンチョウ第一コーナーへ差し掛かった!」

 

覇王『なぁ、知ってるか』

 

魔女『何よ』

 

聖女『何ですか?』

 

覇王『ドラッグマシーンは曲がれないんだ』

 

 

ドォォォォォン

 

実況「あぁぁぁ馬の爆発する音ォ!クー・フーリン騎手第一コーナーにて落命です!」

 

 

ギャハハハ!!タノシイ!!

ランサーガシヌノハタノシイ!!

ギャハハハ!!キャハハハ!!

 

実況「クー・フーリン騎手の落命により順位が入れ替わりました。先頭から1番ドゥ・スタリオン、3番ゴールデンベアー号、5番ティンダロスの猟犬、7番ハリボテトナカイ、6番メドゥーサ、4番オッドアイズ・ドラゴンとなっております。そして消火活動を尻目に各馬一斉に第一コーナーほと差し掛かりました。あっと金属の裂ける音ォ!!7番ハリボテトナカイがクラッシュ!後続の4番オッドアイズ・ドラゴンが巻き込まれました!!」

 

人王「6番は目の前でのクラッシュを上手く避けましたね。鮮やかな前方宙返りでした。」

 

実況「さぁレースも中盤にさしかかりおおォ!!ここで6番メドゥーサすっぽんぽん!!更に騎手のお二人もフェロモンを撒き散らしお得意の魅了作戦だぁぁぁ!!甘い、甘いぞ!!腐ったパナップルの様であります!更に6番鞭が入る!鞭が入る!どんどんスピードを上げております!」

 

続かない




続かない

感想で続けろって声が多いようなら活動報告でアンケとって続けようかなとは思っとる(露骨な感想稼ぎ)

章管理は後回しで


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メドゥーサのくせに生意気だ!

最近スカサハ師匠に娘が居るのを知りました。つまりスカサハネキは経産婦。
黒髭「BBA無理すんなって」
赤ジャンヌ「高齢出産ってレベルじゃないと思うんですけど。そもそも相手誰だし」
ランスロット「まじかよ最高かよ」
スカサハ「死にたいらしいな」
マシュ「ランスロットさんお話が有ります」






結局その後ドレイクとの交渉の末無事和解、及び協力にまで持ち込んだカルデア一行は、現在ドレイクの船に乗り、次の島を目指していた。

 黒髭の船は宝具であるためいくらカルデアで魔力を肩代わりすると言ってもマスターを経由するためずっと出しっぱなしではマスターの魔術回路に負担を強いることになるのだ。そのためドレイクの船に乗る事で消費魔力を押さえているのだ。

 そして船の一番後にて、人払いを済ませ、船が海を掻き分ける音だけが響く静寂の中、釣糸を垂らす人影が3つあった。

 

「で、改めて聞くけど貴方第三特異点の記憶が本当にないのかしら?」

「いや~wwww改めて思い返したら記憶って言うか記録あったでござるよ~wwwwいや~まいったまいった。デュフフフフフフwwww」

「じゃけんとっとと全部吐きましょうね~」

 

 所長と黒髭と赤ジャンヌであった。

 どうやらドレイクの証言から推察するに今回の敵は黒髭であるらしいのでこうして直接本人に問い質しているのだ。

 所長の質問に対し黒髭は目線を空に向けながら記録の海へと泳ぎだして答えた。

 

「あー拙者的には何か紫のロリッ娘を追っかけてたらBBAと何回か戦って髭の映えた渋いイケメンのおっさんに背中からグッサリ殺られた映像が突然座の本体に流れ込んできただけで御座る。ぶっちゃけその記録見たときの率直な感想は誰だこいつら?だけで御座ったよ」

「映像だけだったのか?」

「映像だけで御座るよ。何でそんな事になってるのかも、その人物が誰なのかも解らなかったで御座る。しかもかなり途切れ途切れで御座ったな」

「………………他に誰か居たりは?」

「ん~……………何故か水着最高という言葉しか浮かばないで御座る。あっでもなんか薄らぼんやりとスカサハ殿っぽい人が水着姿だったような記録が……」

「っぽい人ってなんだよ」

「いや、だって神話的にスカサハ殿に似た人が最低二人は居るはずで御座るから決めつけは良くないかと。そもそもあのスカサハ殿が水着とかちょっと考えにくいかなと」

「神話的に似た人居るってマ?」

「妹と娘の二人かしら」

「は?娘?………それって養子?」

「え?神話的に実の娘の筈だけど……どうかしらね。神話も歴史もアテにならないのはもう解りきったことだし(遠い目)」

 

 具体的に言えばアルトリアとか沖田総司とか織田信長とか牛若丸とかネロとかの事であろう。赤ジャンヌと黒髭も思い当たる節しか無いため何とも言いがたい空気が流れた。

 その空気を払拭するため、また若干脱線した話を元に戻すために赤ジャンヌは咳払いの後に質問を続けた。

 

「ところでその水着がどうたらって本当にこの特異点での記録?」

「拙者にも解らん」

「肝心な所が欠けてんのなお前」

「だってしょうがないじゃんwwww」

 

 結局黒髭からは余り有力な話は出てこなかった。

 会話はそこで途切れ三人はその後穏やかに釣りを楽しんでいたが赤ジャンヌと所長は念話で会議していた。

 

『黒髭の話を聞く限りあんまり原作と変わってない感じでは有るな。師匠の水着は水着イベの話でしょ』

『大日本帝国粒子有る時点でだいぶ原作から離れてると思うのだけれど。そもそも既にコロンブスってイレギュラー居たじゃない』

『原作では描写されてなかっただけかも知んないだろ(震え声)』

『お、そうだといいわね。とりあえず原作と変わらないなら真っ先にヘクトール倒してから黒髭を倒せばヘラクレスと戦わなくても特異点修復できるんじゃないかしら』

『そう上手くいくか?いやまぁ最善なのはそれなんだろうけど…………俺はとりあえずヘラクレスと戦う前提で色々準備しておくか』

『準備ってなにするのよ』

『ん?あ~……秘密♪(精一杯の可愛い声)』

『……………(ジト目)』

『そろそろ迷宮職人の島着く頃かな』

(露骨に話題を反らしてきたわね。まぁ後で問いただすとして)『もう3日も海を漂ってるしそろそろ陸が恋しいわね』

『よし、メドゥーサのペガサスに船を引かせよう』

『あ、それいいわね』

 

 所長も赤ジャンヌに順調に毒されていた。前までならそんなことさせなかっただろうに。

 結局ドレイクの船の動力はペガサスとなり、それから半日もかからず次の島へと到着した。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 新な島に到着したとたんにロマンからの通信が入った。

『大変だ!その島をスキャンしたらその島のおおよそ全体から魔力を検出したんだ』

『龍脈って訳でもないね。これは魔術工房に近い反応だね』

「あーもしかして目の前に見える洞窟が入り口かな?」

 

 さながら謀ったかの様に島に上陸してから少し歩けば洞穴が広がっていたのだ。

 

「では、突撃ィ!!」

「ハイ(^q^)」

「ワカリマシタ(^q^)」

「ヤレーコロセー(^q^)」

「脳死突撃辞めろ」

 

 渋いおっさんボイスの突撃命令(赤ジャンヌ)により突っ込もうとした三人(白ジャンヌ、ランスロット、師匠)を止める立香だった。

 話し合った結果メディアの竜牙兵で偵察し、その結果次第で決める事となり、実際偵察したら洞窟の中が迷宮になっているのが判明した。当然落とし穴やらの罠も完備されてあった。

 しかしこっちにはドレイク(英霊だったら幸運EX)にえっちゃん(直感持ち)に白ジャンヌ(啓示持ち)が居るのだ。迷宮(迷うとは言っていない)でしかなかった。

 因にお留守番としてメディアとエミヤと黒髭と師匠は置いてきた。

 

 一方その頃の迷宮の主

 

「てきがきた。ぼくが、たおす。ぼくが、えうりゅあれをまもる」※翻訳されています

 

 熱意に燃えていた。が、悲しいかな、彼ではどう足掻いても勝てない戦力揃えてやって来てるのであった。

 

 敵意を持って襲ってきた大男を特にこれといった出来事も無く淡々と倒した所に彼を心配してやって来た紫の髪のロリがやって来た。そしてメドゥーサとロリっ娘の目と目が合うそんな瞬間メドゥーサから大量の冷や汗が流れ出た。まぁメドゥーサのそんな反応を見なくても前に出会ったステンノと顔が同じなので誰なのかはお察しであったが。

 

 まずはお互いに事情を話し合った結果、利害が一致、というよりか(黒髭)の狙いが彼女(エウリュアレ)である事が判明したのでまたドレイクの様に同盟―今回は保護と言うべきかも知れないが―を結び………後は散々メドゥーサが色んな意味でオモチャにされていた。やれどの面さげて私に会いに来ているの?やら伝言があるにしてもその体の大きさはなに?体が大きいと態度も大きくなるのかしら?やらしまいにはもう一度上下関係を教えなければダメかしら?といって迷宮の突き当たりになってる所に連れ込まれては甘い声を響かせたりと。

 姉妹の感動的な再会()の傍ら立香が持ち前のコミュ力で精神年齢が幼子に等しいアステリオス君があっと言う間に絆を深め、それを見た赤ジャンヌが所長に対しコミュ力無さすぎィ。一番最初に死ぬ陰キャかな?と煽り結果的に所長に殴られたりしながら地上に出て、そこでも何でロリコン(黒髭)が居るのよ!から始まりそう言えば言ってなかったけど彼はカルデアの変態(黒髭)で同一人物だけど別人だからと説得し、皆での相談の上でこの島を拠点とすることに決定した。

 それにあたり孔明先生とスカサハと赤ジャンヌとメディアの手により迷宮を魔改造。beforeとafterで侵入者に対する殺意が驚異の25倍(当社比)差となった。さながら出入り口に魔水と電撃とコケ地獄並の殺意だ。改造途中で何度か赤ジャンヌが世界に平和は、おとずれなぁぁぁぁぁいと叫ぶだけはあるだろう。

 更にドレイクの聖杯を龍脈代わりに使いカルデアとの接続を確保し、物資のやり取りも行った。その結果メディアが赤ジャンヌに新しい毒作ったんだけどどうかしら。とさながら新商品の試飲の様に差し出し、それを赤ジャンヌは躊躇せずにゴクリとファイト一発。うん、おいC(吐血)。師匠から貰った対毒スキルが無かったら即死だったぜ。それを見た黒ジャンヌから馬鹿じゃないの?と言われても赤ジャンヌは対毒スキルのスキル上げかねてるしへーきへーきとどこ吹く風だったが。

 そんなこんなで1週間後。そうとはしらず地獄に挑む勇者(犠牲者)の姿が。そう、敵の黒髭達である。

 

 果たして彼らの明日はどっちなのだろうか。

 

\(^o^)/\ばんざぁぁぁぁぁぁぁい/\(^o^)/




脳の中にスポットフレアを得ながら地球防衛してたりして長らくお待たせして本当に申し訳ない。
前回のアンケートを活動報告にてしてますので。



水着イベは結局ラン光ネキ一人しか来ませんでした。ホームズから続けて既に100連敗も良いところ…救いはニトクリス(術)出たことかな。ついでにフラン(狂)も宝具が2に。
そしてネロ際では結局高難易度半分くらいしかやってない……。そしてイベ礼装狙いで単発回してたらブリュ来ちゃったよ…。
そしてマーリンピックの初回10連ですり抜けエルキと下乳上……ランサーピックアップでもしてんのかな?(白目)おかけでランサーピース、モニュメント、石系がまるで足りねぇよ。しかも短期間でブリュとエルキ出たからマーリン出る気がしねぇ…いや最後まで希望を持って回すけどさ。
☆4鯖交換はエルバサちゃんとヘラクレス(宝具3にするため)と剣スロで悩みましたが剣スロにしました。

桜ルート映画が10/14日に決定らしいですね。(ダイマ)作者は今更になって原作(R18)買いました。セイバールートが終わって凛ルートもそろそろハートキャッチ(物理)辺りです。果たして作者が桜ルート終わるのが先か劇場公開が先か。

ついでに、とある魔術の禁書目録のアニメ3期も(ほぼ)決まりみたいですね。2期から何年経ってると思ってるの?待ちくたびれたぞおい!2クールだったとしてもロシアまで行けるんですかね?それとフレ/ンダは放送して大丈夫なのか?でもフレ/ンダしないと浜面がただのモブに……。とりあえずおめでとう。


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番外編 英霊剣豪()96番勝負!!


剣豪やってたら思い付いたネタ。完全にギャグ時空なので設定やらは放り捨てた。型月警察の皆様どうかお許しを……

若干剣豪のネタバレ含む………含んでるはず………多分含んでる…。

本編はネタが思い付かないからもうちょっと待っててくれ。




 藤丸立香は昏睡状態に陥った。何の前触れもなく、予兆もなく、さながら魂だけが抜け落ちたかの様に眠りに落ちた。ただ、このような昏睡には前例が有った。かつて人理焼却の首謀者に出合った時に、もののついでとしてかけられた呪いと同じであった。その時はとある復讐者と7日間の監獄ツアーだった。

 そして今回は

 

 

 

 

 

 クソデカイ輸送機の中に居た。

 

「………へ?」

 

 立香は混乱した。右を見ても左を見てもズラッと並ぶ椅子に綺麗な姿勢で座っている人、人、人。そして、いつの間にか自らの背中に確かな重量感を与えてくるリュック。追撃として壁越しに聞こえるクソデカエンジン音。

 目を覚ましたら突然こんな事になってたら誰だって混乱する。

 更に良く見てみれば見覚えの有る人物………いや、精密に言えば英霊がチラホラ居た。更に何か前に鬼ヶ島で会った宮本武蔵っぽい人と風魔小太郎っぽい人と赤銅色の髪に何故か上半身裸に胴着っぽい物を羽織り、左腕だけは妙に見覚えの有る見知らぬ人の頭の上には何かHPバー的な棒と名前が見えていた。

 宮本武蔵っぽい人の名前は日本製パンジャン武蔵。風魔小太郎っぽい人の名前はフォロ魔小太郎。見知らぬ人は新島村正。

 既に嫌な予感しかしなかった。

 

「おう、オメェが今回のスクワッドの一人か宜しくな」

 

 そして顔がひきつっていた立香へと新島村正さんはフランクに話しかけてくれた。それに対し「あ、まともそうな人だ」とホッと一息付いたところで。

 

「ところで博多弁で喋る女の子()は可愛いと思わねぇか?」

 

 ボディブローを受けてしまった。    立香は微かな希望を胸に宮本武蔵っぽい人の方を見た。

 

パンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャン

 

 駄目みたいですね。

 一瞬で目からハイライトが消えた立香を見て何かを感じたのか村正殿がアドバイスを始めた。

 

「お前はこれが初めてか?肩の力抜けよ。なに、今からやるのはなにも難しいことじゃない。今ここに居る100人でこれからTUSIMAにパラシュートで降下して、チーム以外。つまり96人で殺し合って最後まで両足で地面を踏みしめてる奴が居るチームがどん勝(聖杯)をゲットする。それだけだ」

「なんだいつもの聖杯探索と変わらないな(白目)」

 

 無言で小太郎っぽい人が輸送機から降りた。

 

「あぁフォロ魔殿はまた単身学校ルートか。俺はあんな激戦区で生き残れる程強くもないしあいつは理性がマッシュされてるから俺らは…そうだな、地下シェルターでも目指すか」

 

「そろそろ降りるぞ。パラシュートの使い方は解るか?そこの紐引くだけだ」

「……………考えれば紐無しバンジーなんて軽く3回程はやってるんだしパラシュート有るだけ有情」

 

 とりあえず立香は思考を止めた。やることは既に説明されたのだ。(おそらく)チームの武蔵ちゃん、小太郎、村正さんと自分以外の96人殺す。それだけの簡単なお仕事だ。

 因みに既に学校でドンパチしてるフォロ魔殿は既に4キル(1チーム)した模様。

 そしてどん勝求めてバトルロワイヤルに参加することになった立香は鳥になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 道中で永遠に壁に向かって歩き続けてるくせに撃っても疑惑の判定で弾が当たらなかったり空中で死んだフリして超ジャンプする感度3000倍にされそうな見た目してる加藤TAS蔵とかいうプレイヤーと遭遇したり、ほぼ装備を持ってない状態でこちらをストーキングしてくる清姫っぽいあいのりのやべーやつと遭遇したり、バトルロワイヤルなのに大声で歌いながら移動してる公害エリザベートが居たり、暇をもて余したパンジャン狂いがわざわざ歩いて爽やかなマイナスイオン(電磁パルス)を肺一杯に吸い込みそのまま赤ブル一気飲みしてスッキリしたり、フォロ魔殿が合流前に軽く16キル(4チーム分)稼いでたりした。

 

 

 

 宮本武蔵とパンジャンドラムが深い結び付きが有るのは誰もが知っていることだろう。

 宮本武蔵が自らの流派に付けた名前は『二天一流』。この『二天』の『天』とは、後述するパンジャン道の極致である空の座と車輪の回転を掛けて『天』となり、つまり『二天』とはパンジャンドラムの基本骨子である二つの車輪の事を指している。そして『一流』とはその二つの天により産み出される川の流れのように不規則な軌道を描くパンジャンの動きを示しており、総じて『二天一流』とは二つの車輪のみを取り付けた基本に忠実なパンジャン道の事を指す。だがその基本に忠実なパンジャンは忠実だからこそ隙の無い兵器なのだ。

 かつて巌流島で行われた佐々木小次郎との版張(パンジャン)グランプリ決勝戦において、一つのパンジャンから同時に3つの三つ軌道を描く『燕返し式パンジャン』に対し圧倒的な基本性能を見せつけ『二天一流式パンジャン』が優勝したのは今や幼子すら知り得る逸話である。余談ではあるがその強さは後に英国にて『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を越える程の功城兵器であると言われたほどだ。故に日本と良好な関係を築いた英国が一大パンジャン生産国となり日本と共に世界の覇権を握るのは当然であった。昨今では乙女が嗜む武道が戦車道。漢が嗜む武道がパンジャン道となっているのも頷ける話だ。

 だがしかしこのバトルロワイヤルに万能の兵器パンジャンドラムは当然ながら存在しない。なぜならもし存在していれば、パンジャンを獲得した者=優勝者という式が成り立ってしまう可能性が非常に高いからだ。勿論素人がパンジャンドラムを十全に扱う事など出来ないが、素人が扱っても十分な驚異足り得るのがパンジャンドラムでもあるのだ。

 つまり島に置いてある武器しか使ってはいけないこのサバイバルで、パンジャンを封じられた宮本武蔵は無力か?否、断じて否である。

 宮本武蔵が生前に書いたとされる『五輪の書』。この書は大まかに『地』『水』『火』『風』『空』の全5巻で構成されている。それぞれ『地』にはパンジャンの根幹である車輪について書かれており、『水』には流れる水のようにあらゆる状況下で変幻自在に変化するパンジャンの軌道について書かれており、『火』にはパンジャンの真価である爆発について書かれており、『風』にはパンジャン道の心構えについて書かれており、『空』にはパンジャンドラムの真髄について書かれているのだ。そしてその『空』の巻にはこう書かれてある。

「パンジャンドラムが最強足り得るのは二つの車輪とその中心に存在する爆弾による黄金比である。この黄金比によりパンジャンが回転する時爆弾の周囲はまさしく小宇宙(コスモ)となり、それ即ち空である。宇宙は空にあり、空に宇宙はある。つまるところパンジャンは宇宙、そして空そのものである。パンジャン道を極めたものは空へと至り、一度至れたのであればどのような状況であれ、どの様なものであれ、パンジャンとなれるだろう」

 要するに

 

 

武蔵「パンジャンが無い?大丈夫、私自身がパンジャンになる」

 

 と言うことである。

 

 

英霊剣豪()96番勝負!95番目!!

二天一流 宮本武蔵

VS

新陰流 柳生但馬守宗矩

いざ尋常に…………勝負!!

 

「参る……。我が心は不動。しかして自由に在らねばならぬ。即ち是、無念無想の境地なり。『剣術無双・剣禅一如』」   カン☆(無念無想のフライパンが奏でる音)

 

「本気出してきたな~。よぉし、私も………コォォォォォォォォォ。パンジャンは回転の狭間にて大活し、軌道は縦横無尽の内宇宙へと至る。我がパンジャンにお前は何れを見るものか。『二天一流・神砂嵐』」  ゴォォォォォォ(二つのフライパンが黄金の比率で回転され間に有る空間に発生するエネルギーはまさしく小宇宙(コスモ)な音)

 

→日本製パンジャン武蔵が柳生但馬守宗矩をフライパンでキルした。

→フォロ魔小太郎が天草四郎を5.SKSでキルした。

 

「わぁい勝った!勝った!今日はうどん勝だ!」

 

 立香は思った。何これ?と。多分誰にも解らない謎であった。そしてそんな理不尽は赤ジャンヌのせいで慣れている立香はすぐさま思考を放棄した。きっと長い夢のようなものだと割り切ったのだ。

 これにて剣豪()96番勝負、閉幕。

 余談だが最後まで単独行動してた撃滅サバイボォのヤベー奴(フォロ魔小太郎)は一切塵殺ルンバと化してたため最終的にキル数30人越えしてた模様。ヤバイ(確信)







剣豪ピック2で10連して金アサでて感度3000倍ちゃん来たぁぁぁぁ!!と思ったら酒呑ちゃんが出ました。………………うん、嬉しいよ。嬉しいんだけど狙ってたのは感度3000倍ちゃんなんだよね……。なに、この……何?


作者はPUBGはやったこと無いので変な所が有るとしても見逃してクレメンス。

あ、この番外編を見るときは紅茶をキメてから読みましょう。(事後注意)


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復讐者

2部と年末アニメのせいで無事プロットとシナリオが崩壊したので実質初投稿です。

ふざけるな!ふざけるな!ふざけるなぁぁぁ!!(ケリィ並感)コフィン丈夫過ぎるだろ!何であの惨状で全員生きてるんだ?それにAチームと一緒に行動する予定だったなら何故マシュだけ瓦礫の下敷きになってる!ついでに言うなら所長生存√だと後々不都合起きそうな展開ヤメロォ!


たいへん長らくお待たせしました。色々あって執筆時間が取れませんでした許してください。
それと活動報告のアンケートの回答者がほぼ居なかったのでレースの続きは無いです。


 アステリオスの宝具は赤ジャンヌ()達の大(魔)改造により迷宮から魔境へと変貌した。これにはスカサハ師匠もニッコリである。

 当然ながら大きさとしても横にも縦にも上下にも広がった迷宮を管理、監視するために迷宮の各所にセンサーの類いやらカメラの類いの魔術を施してあり、迷宮最深部、最奥の部屋にてその映像を見られる様にもしてある。

 トラップの種類も多岐に渡る。落とし穴、強制転移、石兵八陣(かえらずのじん)、クロスボウ、火薬樽・坪、石兵八陣(かえらずのじん)、ゲイボルク自動投射機、モンスターハウス、石兵八陣(かえらずのじん)、偽・螺旋剣自動投射機、クイズ、石兵八陣(かえらずのじん)、パンジャンドラム、水没部屋、石兵八陣(かえらずのじん)、毒ガス、感度3000倍ガス、石兵八陣(かえらずのじん)、槍、剣、石兵八陣(かえらずのじん)、触手、スライム、石兵八陣(かえらずのじん)、ゴキブリの部屋、ムカデの部屋、石兵(かえらず)の部屋、蚊の部屋、ネズミ()の部屋、徹子(かえらず)の部屋、電マの部屋、黒髭の部屋、コタツ(かえらず)の部屋、痴漢電車の部屋、()部屋、刑部姫(かえれ!)の部屋、相撲部屋、迫真空手部屋、ホッポちゃん(カエレ!)の部屋etc………。まさしくトラップのオンパレードである。そしてこれらを維持する為の魔力はドレイク船長の持っていた聖杯とカルデアの所有している聖杯一つを使用したツイン聖杯システムによる保たれているため、常に安定的な稼働を実現している。

 

「マオウサマ!テキガチカヅイテイマス!」

 

 そんなダンジョンに侵入者が近づいて来たと(ドレイクの)部下から報告が入った。ただし言語は勇なま語だったが。

 

「フッ。ではその侵入者にはとくと味わって貰おう。階層24層、魔力炉は聖杯2基。番犬代わりのキメラ、シャドウサーヴァント数十体。無数のトラップ。ダンジョンの一部はエロトラップダンジョン化されている空間もある。突破できるものならしてみたまえ」

「エロトラップダンジョン化する意味は?」

「どうして自分からフラグを建てるのかしら?」

 

 マスター二人からクレームが来ていたが、どう考えても赤ジャンヌがネタに走っただけだろう。爆破しよう。(切嗣並感)

 

「このダンジョンが踏破されぬ限り、世界に!平和は!訪れなぁぁぁぁぁぁぁい!!」

「拙者達世界守る側定期」

「さては反英霊だなテメー」

 

 残念ながら赤ジャンヌは混沌・善である。反英霊ではない(普段の言動から目をそらしつつ)。

 

「来やがったな、水曜の大波!(※来てません)行くぞ相棒『逆巻く波濤を制する王様気分(ブリドゥエン・チューブライディング)』―――イッヤホォォォォォォォォ!!」

「ホウコクシマス!ユウシャノスキルニヨリ1カイソウマルマルミズビタシニナリ、カイメツシマシタ」

「」

「ほう…水の無いところでこれほどの水遁でござるか……」

「おいおいおい。(精神的に)死ぬわアイツ(赤ジャンヌ)

「フラグ建てるから……」

『カルデアに有る資材とかも大量に使ったのに全部水に流されてて草。後で周回して取り戻してね』

「ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」(悪夢の主並感)

 

 ダヴィンチちゃんからの周回宣言にトドメをさされあえなく赤ジャンヌのメンタルは爆発四散。ショギョムッジョ。

 そんな赤ジャンヌを尻目に立香と所長はサーヴァントを交え作戦を練っていた。

 

「ちょっと敵多くない?」

「間違いなく多いわね」

 

 赤ジャンヌより原作知識を植え付けられた所長が知ってるサーヴァントだけでも水着アルトリア、水着モードレッド、水着玉藻、水着スカサハ、水着アンメア、水着マリー、水着マルタ、黒ひげ、アタランテ、オリオン(アルテミス)、アンメア、イアソン、メディアリリィ、ヘクトールの計14騎だ。

 

「まぁたアルトリアシリーズか壊れるなぁ。しかもオルレアンで一回出会ったし」

「我が王の水着だとっ!?グフッ!」

「オルレアンの時と同じような反応してないで案を考えてください穀潰……失礼、ランスロットさん」

 

 一方その頃赤ジャンヌは

 

「◇◎↑@£$&¢§ダイッキライダー!¢↑$・◇¢↑$$スターリン!!オッパイプルンプルン!!」

 

 どこからともなく机とドイツの地図を用意して耳コピドイツ語で閣下のモノマネをしていた。ご丁寧に地図はちゃんとドイツ語である。こいつ実は結構余裕あるだろ。

 

 赤ジャンヌがそんなことをしている間にシリアスゾーンでは急展開が起こっていた。

 

「………白旗振ってますがどう思います?」

「………罠の可能性が高いけどとりあえずあの旗を振ってる金髪のサーヴァントから話を聞きましょうか」

 

 メディアリリィに耳打ちされたイアソンが魔術式監視カメラに向かって白旗を振ってきたのだ。古来より白旗を振ったり手を挙げて無抵抗なのは降参の証とギルガメッシュ叙事詩にも書いてある、はっきりわかんだね。

 早速所長達は魔術によって音声を飛ばして対話を始めた。

 

「そこの角を曲がれば下の階に落ちる落とし穴があって、落ちたすぐ目の前に宝箱が沢山在るからどれか開けてちょうだい。落とし穴が作動するからその先で貴方とだけ話したいわ」

「確かに白旗を振っているがいきなり罠にかかれ宣言とかふざけるなよ!?しかも二重トラップとかタチが悪いな!?」

 

 対話を始めた。

 

 

 

 対話を始めた!

 

「仮に罠だったとしてもイアソン様がいなくなる程度ですしどうぞ行ってらっしゃいませ」

「僕は船長だぞ!?それにお前は僕の部下だろ!?」

「五月蝿いですね。早く行ってください金髪ワカメ」

「!?」

 

部下(愛人)と成り行きで一緒になった見ず知らずの水鉄砲を武器にしてる頭ブリテンな女からぞんざいな扱いを受け憤慨したイアソンは半ばやけくそでトラップの元まで行き下の階に落とされてから適当な宝箱の前で「これはトラップじゃないこれはトラップじゃない」と繰り返し呟き自己暗示をかけながら勢い良く開けた。するとまるで金タライのように上から大きなコインが降ってきた。当然イアソンが避けられる筈もなく少しだけイアソンがサンドイッチのハムの気分を味わっていたらコインの落ちてきた衝撃のせいか床が抜けた。

 

「アアァァァァァア゙ア゙ア゙!」

 

 ドップラー効果を発生させながら落下するイアソンをモニター越しに見ていた黒ひげと立香はこう言った。

 

「だから、売りに戻る必要があったんでござるね」

「人理修復は『じゅうべぇくえすと』だった……?」

 

 難易度がクソゲーなのだから実質同じような物である(暴論)。

 勿論イアソンとて腐っても英霊である。迷宮自体が宝具なためダメージは有るがちょっとした落下ダメージごときでは死なない。まぁ今回はメガトンコインが追撃をかけてきたため瀕死の重症であるが。

 一方イアソンが落ちてくるまで部屋で待機していた赤ジャンヌはモニター室の所長と念話でイアソン達の意図を考えていた。

 

『何がしたいんだ?正直アルゴノーツの乗組員が原点通りだったらその時点で正面からカルデア潰せる程なのに。知らないやつらいっぱい居たから多分あいつらがアルゴ船に乗ってた英雄たちなんだろうけどそれに+水着鯖どもとかふざけんなよ…逆になぜヘラクレス居ないし』

『そこよね。彼の最も信頼するヘラクレスが居ない理由が無さすぎる。私達にとってヘラクレスが居るというだけで十分に牽制にも脅しにも陽動にもなり得るわ。クラスがなんであっても』

『まぁ冬木で最弱なバーサーカータイプの更に劣化(シャドウ)なヘラクレスと戦った経験有るしな。俺に至ってはローマでバサクレスに殺されかけたし。』

『…………アサシンクラスで召喚されてるから気配遮断しているのかしら?』

『いや、流石にメディアの魔術探知は潜り抜けられないだろう。』

『とすれば間違えてアヴェンジャーで呼んでしまったのかしら?』

『あー……。確かにアルケイデスならイアソン達もデストロイ対象だろうし一応居ない理由にはなるけど流石にイアソンと言ってもメディアリリィの居るなかでそんな召喚失敗するか?遠坂でもあるまいし』

 

 原作知識によりイアソンの性格を知ってる二人からすればヘラクレスの不在が余りにも不気味すぎた。恐らくイアソンの中ではそこらのサーヴァント<アルゴー号の頼もしい()仲間達<メディア(リリィ)<<<(越えられない壁)<<<僕のヘラクレスという等式が成り立っているのでそれこそ召喚失敗でアルケイデスが出てきて来ない限り常にヘラクレスを側に侍らしそうなものである。ましてやヘラクレスも居ないで敵の本拠地の迷宮に入ってくるなどあり得ない。

 結局良く解らない内にイアソンがメガトンコインしてきたので会議を打ち切りイアソンを魔術で治療しながら簀巻きにして話を聞く事にした。

 

「なぁお前聖杯持ってるだろ?なぁお前聖杯もってんだろ!!」

「今は持ってない!!本当に持ってないぞ……止めろ指を潰そうとするな!!」

「チッ。しょうがねぇな。とりあえずとっとと全部吐けや。後でキュケオーン用意してやるから」

「おい止めろ。キュケオーンは止めろ」

 

 ※赤ジャンヌはメディアからキュケオーンを教えてもらいました

 

「糞!そもそもあいつが居なければこんなことにはならなかったんだ!ヘラクレスまで操られるしクソ!クソ!クソ!」

「おい待て。今ヘラクレスが操られたって言わなかった?」

「あぁそうだよ!変な気持ち悪い蟲みたいなのに寄生されたんだよ!あぁそれとお前ら『カルデア』の奴等なんだろ?あのクソ野郎から不本意だが伝言を言い渡されたよ!何でも『貴女の愛するニャル様ダゾ☆』とかなんと「あ゙?」……ひっ!?」

「……………『ニャル』?『ニャル』だと?」

 

 イアソンの伝言を聞いた瞬間赤ジャンヌの雰囲気が豹変した。無意識に直死の魔眼が発動され、全身から殺意が漏れだし何よりその声に隠しきれない憎悪が含まれていた。その殺意は自分に向けられた物ではなくともイアソンを萎縮させるのに十分なものであった。そして明らかにタイミングを見計らっていたとしか思えないタイミングでその部屋の赤ジャンヌとイアソンから離れた場所の床にペンキがぶちまけられた様な模様が浮かび上がった。

 その模様を赤ジャンヌは知っている。しかし赤ジャンヌ以外は誰も知らない。何故ならそれの魔術は世界の理からすら外れている外宇宙とも言うべき理知外のモノ。ソレはその異常な門を創造する魔術。解りやすく言えば集団でのワープを実行するための魔術。そしてその門より出るは3つの人影と1つの()

 

 

 

 

 

番外人類悪 『遊戯』の獣 顕現

 

 

 

 

 その獣は本来この『世界』には存在しないモノ。一人の作家の作品に登場する空想上のモノ。剪定事象の世界でも、平行世界からでも、ましてや異聞帯の存在でもない名状しがたきモノ。しかし、その獣には確かな人類への『愛』を持っていながら存在自体がどうしようもなく『悪』であった。故に番外。故に人類悪。

 

「イグ・ナ。イグ・ナ。さぁ、魔女裁判を始めましょ?」

「フングルイ、フングルイ。さぁてと。神の春画のモデルを誰にしようかねぇ」

「来ちゃった❤」

「ッ……■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

 

 

 絶望が襲来する。

 

「殺す……殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!」

 

 どれ程の絶望でも関係ない。彼女の目に映るのは一人だけだ。もうしかしたらそう名乗っているだけの別人かもしれないという思考が一瞬よぎったが関係ない。ヤツの周りにナニカ居るようだ。しかしそんなものも関係ない。殺す。ただそれだけだ。この魂から沸き上がる感情のままに殺すだけだ。全力で殺すだけだ。全霊で殺すだけだ。意地でも殺すだけだ。死ぬ気で殺すだけだ。死ぬまで殺すだけだ。何故なら復讐者なのだから。どうしても許せないのだから。

 

 

 

 

 

 故に殺すのだ。




イキリシュタリア様「リーダーかなぁやっぱりwwww。自分は思わないんだけど周りにリーダーに向いてるって言われるwwww。このあいだ神霊3体に絡まれたときも気が付いたら回り血だらけで神霊3体倒れてたしなwwww」


2部の序盤で思い付いたネタです。


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