閻魔大王(真)と英雄王(偽)♀の物語 (オキカ)
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序章
プロローグ[1]


新しいネタ?を思いついて書きました。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーー????sideーーーー

 

ーー俺は、退屈で死にそうだ。

 

 

俺は閻魔大王。

地獄を統べる魔王。

 

 

 

今日も1日、地獄は平穏だ。

死んだ人間の魂が降りて来て、ソレを鬼と死神が捕まえる。

何の異変も無い平和な世界だ。

 

 

閻魔大王「…今日も居ないか」

 

 

俺は誰にも聞こえない様に小さく呟いた。

 

 

 

????「お前の興味を引く者か?」

 

 

 

ーーーふと、背後から声が聞こえた。

 

俺は振り返り、その声の主を見て少し溜息を吐いた。

 

 

閻魔大王「ハーデスさん、か…」

 

 

その人は俺の上司ーーというより、俺の師でもある冥王ハーデス。

 

 

俺はハーデスさんの姿を見て、再び溜息を吐いて疑問を投げかけた。

 

 

閻魔大王「何故、ここに?」

 

 

 

ハーデス「いやぁ、後輩が何か悩んでるらしいからな。その話を聞きに来たんだよ。まぁ、あんまり聞くまでも無い様だが…」

 

 

俺は仕方なく最近の悩みをハーデスさんに打ち解けた。

 

 

 

閻魔大王「ハーデスさん。俺…この地獄を統べる魔王になってから、ずっと感じてた事があるんだ」

 

 

ハーデス「ほう?何だ、言ってみろ」

 

 

俺はハーデスさんに向き直って、愉悦に染まったその顔を捉えながら話した。

 

 

閻魔大王「……さっきもアンタが言ってただろう?そう、俺の興味を引く者が居ないんだよ。この地獄ーー否、この世界には」

 

 

 

 

俺の最近の悩み。

それは、俺の興味を引く者が居ない事。

 

昔はまだ唯の鬼神だったから、色んな奴とも戦ったし、色んな女とも遊んだ。

果てはエジプトの太陽神ラーとも喧嘩した程のヤンチャっぷりだ。

昔ーー神代の頃は、とにかく楽しかった。

地球()』を滅ぼせる力を持つ奴が沢山いて、あらゆる世界がまだ一つだった時代。

 

あの頃の俺は、とにかく色んな事に興味が湧いて楽しんでいた。

 

 

ハーデス「成る程な。つまりはお前…」

 

 

閻魔大王「ああ、そうだ。俺は今、物凄くイラついてんだ。何一つとして俺を楽しませる事が出来ない。昔はいた神々や英雄達も神秘が廃れたこの時代では、ロクに信仰を集める事が出来ないでいる…」

 

 

ハーデス「あぁ、俺達もそうだ。特に俺なんかはお前よりも信仰が少なくなった。今じゃあ、そこいらの土地神共を下回る程の信仰度だ。このままでは…」

 

 

閻魔大王「ああ。俺達も消える」

 

 

 

俺達みたいな神々や神格化された英雄は、基本的に人間の信仰を集めてその存在を保っている。

世界最古の古代文明メソポタミアよりも前の神々は、西暦が始まった頃には消滅してしまった。

何故ならば、その神々の記録も無ければ、その神々のことを記憶している人間もいないからだ。知名度が薄れれば薄れる程に神々は衰退していく。

 

ハーデスさんはギリシア神話で最高位の知名度と信仰を誇る神なだけあってちょっと薄れた程度では消滅しないが、ここ最近はギリシア神話のオリュンポス十二神の神々が消滅している。

 

俺もインドや日本、中国ではそれなりの知名度と信仰を集めているので少しくらい信仰率が落ちた程度では消滅しない。

 

 

 

ハーデス「人間達は自分達の文明だけで生き延びている。俺達神々が出張る必要がもう無いのだろう」

 

 

 

閻魔大王「その結果がコレか。…フンっ、笑わせるぜ。人間が自力で生き延びれば生き延びる程に、俺達みたいな神々はどんどん死に絶えていくのか……」

 

 

 

俺達は、自身の未来に失望している。

人間に寄生しなければ生きられなくなった神々はこの世界ではもう長くは続かない。

 

なんの変化も異変も現さなくなった退屈な地獄を眺めていると、ふと地獄の天蓋から懐かしい気配を感じた。

 

 

 

閻魔大王「何っ…?」

 

 

ハーデス「この気配は……!」

 

 

 

俺達が地獄の天蓋を見つめていると、虚空に次元を割ったかの様な穴が空いた。

 

 

 

閻魔大王「まさかアンタが来るとは…」

 

 

ハーデス「……俺も驚いた」

 

 

 

そして、その虚空から一人の豊穣神が舞い降りた。

 

 

 

??「久方振りだな、冥界の王達よ」

 

 

 

閻魔大王「古代メソポタミアの守護神」

 

 

 

ハーデス「豊穣神、エア……」

 

 

 

ーーーー閻魔大王sideoutーーーー

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プロローグは二話構成で行きます。


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プロローグ[2]

取り敢えず、大丈夫かな(震え声)


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ーーーー閻魔大王sideーーーー

 

 

 

 

俺の目の前にはメソポタミアの豊穣神エアが佇んでいる。

 

 

 

 

閻魔大王「それで、何の用だ?」

 

 

ハーデス「アンタ程の高位な神がこの地獄に降りて来るとは珍しい…」

 

 

俺とハーデスさんは、取り敢えずエアに疑問をぶつけた。

 

 

エア「…今回俺が訪ねたのはお前に用があるからだ、閻魔大王」

 

 

 

閻魔大王「俺にだと?」

 

 

 

俺は珍しい態度を取るエアに懐疑の視線を向けながら睨み付けた。

 

 

 

エア「ああ。だがその前に一つ、お前に尋ねたい事がある」

 

 

閻魔大王「…何だ?」

 

 

エア「お前は一時期、人間の娯楽にハマっていた様だが、その時に『二次創作』なるものに興味が湧いたらしいな?」

 

 

閻魔大王「あぁ、そうだな。でもアレは、かなり昔の事だぞ?」

 

 

エア「まぁ、構わん。そこでお前、その二次創作とやらに『神様転生』というカテゴリがあったのを覚えているか?」

 

 

 

閻魔大王「あ、あぁ。確かにあったな…」

 

 

 

………先程から、どうにも腑に落ちない。こいつは一体、何が言いたいんだ?

 

 

 

ハーデス「『神様転生』ってアレか?俺達が人間に能力を与えて異世界に転生させるって内容だったか…?」

 

 

エア「ーーーそう、ソレだ」

 

 

俺はいよいよ変になったエアに本題を促す様に言った。

 

 

閻魔大王「つまりだ、エア。アンタは何が言いたいんだ?俺に何をさせたい?」

 

 

 

エアは俺の視線に自分の視線を合わせると話し始めた。

 

 

エア「今回のお前に頼みたい事はソレだ。『神様転生』とやらだ」

 

 

閻魔大王「…はぁ?」

 

 

イマイチ俺はエアが何を言いたいのか理解出来ない。

 

 

閻魔大王「どういう事だよ?」

 

 

 

エア「実はな、100年位前に人間界に降りて日本で遊んでいた時に、少しばかりやらかしたな…。興味本位で入った風俗の娘を孕ましてしまった…」

 

 

 

閻魔&ハーデス「「…はぁっ!?」」

 

 

 

…ちょっと待て!?

コイツ今、なんて言った!?

 

 

 

閻魔大王「………って、待て待て待て!?最高位の神性を持つアンタが、人間の女を孕ませただと!?」

 

 

ハーデス「アホか!アンタは!?ゼウスの野郎と同じ穴のムジナじゃねぇか!!」

 

 

 

そもそも最高位の神性を持つ神は、そんな易々と下界に降りられない。

それこそ世界最古の神話の神、エアともなればメソポタミアの神域から出る事すらも許されない。

 

俺は溜息を吐いて、エアを睨み付けた。

 

 

閻魔大王「はあ…。まぁ、この際だ。出来ちまったモンは仕方無い。地獄の統治者としては簡単に“殺せ”とは言えん」

 

 

ハーデス「……俺も激しく同意だ」

 

 

俺はハーデスさんと頷き合いながら、エアの用件を聞いた。

 

 

閻魔大王「それでアンタはどうしたい?」

 

 

 

エア「…まぁ、不本意とはいえ俺の子だ。他の神々にバレたら即処分だろう」

 

 

 

……だから俺等の所に来たのか。

 

 

エア「そこでだ、俺の子を『神様転生』とやらで異世界に転生させてほしい」

 

 

閻魔大王「…。って、ちょっと待て。転生させてほしいって言われても、その子供の魂は此処に来ているのか?

まさか、100年も前に生まれた子供の魂を今から探すのかよ?」

 

 

流石に生まれて1世紀も経ってたんじゃあ、既に死んでいるだろうし生きていたとしてもかなり衰弱しているだろう。

半神半人とはいえ半分は人間だ。寿命は人間と同じだし、死ぬ時はちゃんと死ぬ。

 

 

エアは俺の問い掛けに対して自信満々な表情で答えた。

 

エア「案ずるな。俺の子の魂ならば、先程この地獄に着いた時に回収をした」

 

 

そう言って、エアは掌に人間1人分の魂を乗せて見せて来た。

 

 

閻魔大王「はっ…?何時の間に!?」

 

 

 

勿論、勝手に死んだ人間の魂を掬い上げるのも立派な掟破りである。

 

無断現界と霊魂贔屓。

前者はともかく、後者は本当にマズイ。

霊魂を勝手に弄るのは大罪だ。昔、地獄を治めてたハーデスさんの後輩が霊魂を弄って遊んでたのがオシリスの旦那にバレて、深淵に叩き落されたのを見た事がある。

 

 

 

閻魔大王「オイ、エア!マズイっての!!霊魂贔屓は大罪だぞ…!」

 

 

ハーデス「もしバレたら、オシリスの旦那に殺されちまうぞ!!」

 

 

俺達はエアに止める様に促した。

そしたら、エアは意地悪い笑みを浮かべて俺達の肩を叩いた。

 

 

エア「安心しろ。オシリスの坊やにはちゃんと許可取って来た。ホレ!」

 

 

そう告げたエアは1枚の紙を俺達に見せた。俺達はその紙を見て驚愕した。

 

 

ハーデス「コイツは…っ!」

 

 

閻魔大王「霊魂操作の許可書だと!?」

 

 

 

 

オシリスだけが発行出来る許可申請書。

本来なら原罪に匹敵する程の霊魂操作を、この許可書さえあればやむ得ない場合のみ許される。

 

 

ハーデス「発行日時は!?」

 

 

閻魔大王「今日の1時間前だ!」

 

 

俺はエアに視線を向けて問い質した。

 

 

閻魔大王「オイ、アンタ。オシリスの旦那をどうやって説得したんだ?事が事だけにマトモな理由付けたって貰えないぞ!」

 

 

エア「なぁに、簡単さ。ちょっとオシリスの隠し事を、エジプトの神話体系にバラしただけだよ」

 

 

………オシリスの旦那、御愁傷様です。

 

俺はオシリスの旦那の苦労を一瞬だけ考えた後にエアの右手に乗る魂を見て答えた。

 

 

 

閻魔大王「………はあ、分かったよ」

 

 

 

エア「うん?」

 

 

 

閻魔大王「アンタの子を転生させれば良いんだろう?分かったから早くその子を転生させる準備を済ませな」

 

 

 

エア「ーーーーああ、分かった」

 

 

エアは手早く右手に乗る子供の魂を転生させる準備に取り掛かった。

 

 

ハーデス「はあ、仕方無いか。おい閻魔、天獄門で良いのか?それとも地獄門か?」

 

 

閻魔大王「天獄門でよろしく…」

 

 

 

俺達はその子の魂の器を作ったり、異世界への扉の開門をしたりと準備を始めた。

 

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

 

ーー

ーーーー

ーーーーーー

ーーーーーーーー

 

 

閻魔大王「ふう、出来た…と」

 

 

 

ハーデス「天獄門なんて開くのは久方振りだからな、かなり時間が掛かった」

 

 

 

俺達は久方振りに見る馬鹿でかい鳥居の前に立っていた。

 

 

エア「おーい、此方も終わったぞ」

 

 

すると、エアが黄金に輝く魂を持って俺達のもとに駆け寄って来た。

 

…………って、オイ。

 

 

閻魔大王「アレ??なんか可笑しくない?半神半人の魂にしては輝き過ぎじゃね?」

 

 

ハーデス「つーか、この輝き。どっかで見た様な気がしてならないんだが…」

 

 

ハーデスが零した呟きを聞いたエアは、何やら変に良い顔をして答えた。

 

 

 

エア「ーーだって、英雄王ギルガメッシュの能力と肉体を与えたからな」

 

 

 

…………………………………。

 

 

 

閻魔&ハーデス「「はっ??」」

 

 

 

……えーと、つまり半神半人ってだけじゃなくて、もしかして『Fate/』の英雄王ギルガメッシュの能力と肉体を与えたって事?

 

エアは呆然としてる俺達を放っておいて、黄金に輝く魂を人の形に顕現させた。

 

 

エア「さあ、出て来な。我が娘よ(・・・・)

 

 

 

黄金に輝く魂は、光り輝きながら人の身体を形成していき、そしてその姿を現した。

 

 

 

 

?????「ーーーふぅ、漸くか…」

 

 

 

 

その姿は、金髪のロングヘアに赤眼の瞳。黒いシスター服を身に纏い、胸元には金のロザリオが提げられている。

 

……………はい、どう見ても姫ギルです。ありがとうございました。

 

ただし所々が違う。金髪だが、その先端に赤いメッシュが入っている。

そして眼は確かに赤眼だが、右目は紅色に対して左目は翠色をしている。

 

 

 

 

 

閻魔大王「えー、マジかよ…」

 

 

 

ハーデス「そんなのアリか……?」

 

 

俺達2人は、エアの子の容姿を見て少し引いてしまった。

 

 

 

?????「ぬ?なんじゃ、貴様等は?」

 

 

 

閻魔大王「……(口調は違うのか…)」

 

 

 

ハーデス「……(というか姫様口調?)」

 

 

 

俺達が呆然とその子を見ていると、横からエアが割って入り、その子に挨拶をした。

 

 

エア「おはよう、ギルガメス」

 

 

 

ギルガメス「ん?あぁ。おはよう、父上」

 

 

 

エア「さっきも話したけれど、お前はこれから異世界に転生するんだ。良いな?」

 

 

ギルガメス「うむ、構わん。それで其奴等はなんじゃ?」

 

 

その子ーーーギルガメスは俺達を指差してエアに聞いた。

 

 

 

エア「ん?ああ。彼等はお前の転生を行ってくれる者達だ。銀髪がハーデス、黒髪が閻魔大王だ」

 

 

 

ハーデス「あ、ああ。よろしく」

 

 

 

閻魔大王「…よ、よろしく」

 

 

 

ギルガメス「うむ、よろしく頼むぞ!」

 

 

俺達は少し気圧されながらギルガメスと挨拶を交わした。

 

するとエアが横から俺の肩を叩いて来た。

 

 

エア「なあ、少し良いか?」

 

 

閻魔大王「ん?何だよ?」

 

 

エアは少し真剣な表情をして話し始めた。

 

 

エア「実はな、お前にはギルガメスに着いて行って貰いたいんだが…」

 

 

閻魔大王「はっ?…いや、無理だろ。俺は地獄を治めなくちゃいけない。幾ら何でも流石にーーーー」

 

 

 

 

エア「おっと、こんな所にオシリスの坊やからの伝令書が…」

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーー無理…………は?」

 

 

俺はエアが差し出して来た紙を見ると、そこにはオシリスからの命令が書かれていた。

 

 

『ヤマラージャーー閻魔大王へ。

今日付で地獄の統治者から解任する。

オシリスより』

 

 

 

閻魔大王「……………ナニコレ?」

 

 

エア「まぁ、という訳で頼むぜ!」

 

 

 

エアは中々に良い笑顔で何やら口走っていたが、俺の耳には全く入らなかった。

 

そして、ふと後ろから服を引っ張られる感覚がして振り返ると、ギルガメスが俺を見てアレコレ言い始めた。

 

 

ギルガメス「良いか、閻魔。お主は今から妾のパートナーじゃ!今後は妾の手となり足となり、頑張るのじゃぞ!!」

 

 

閻魔大王「えっ?……マジで?」

 

 

 

俺は動揺しまくりの視線を泳がせてハーデスさんに向けると、ハーデスさんは同情めいた表情を見せていた。

 

 

ハーデス「うん、ガンバ…………」

 

 

 

 

 

閻魔大王「えっ?いや、えっ?うそ!」

 

 

 

ギルガメス「ーーーさあ、行くぞ!」

 

 

ギルガメスは焦る俺を引っ張り天獄門に向けて歩き出した。

 

 

 

エア「行ってらっしゃぁーい!」

 

 

 

ハーデス「取り敢えず、いってら………」

 

 

 

 

エアもハーデスさんも、俺を救う気は微塵も無いらしい。

 

 

閻魔大王「えっ!?ちょっ、マジでか!」

 

 

 

ギルガメス「さあ!ギルガメス、参る!」

 

 

 

 

そして俺はギルガメスと共に天獄門を潜り抜けた。

 

 

 

ーーーー閻魔大王sideoutーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー




『地獄門』
異能の能力を持つ者だけが通れる門。何処に繋がるかは分からないが、大抵は魔界か人間界に繋がる。
『天獄門』
人間だろうが神だろうが悪魔だろうが誰でも通れる門。この門は、他の門と違って次元を超えた世界とも繋がる。何処に繋がるかは本当に誰も分からない。


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主要人物の設定

[ギルガメッシュ(ギルガメス)の設定]

 

《プロフィール》

名前:ギルガメッシュ

真名:ギルガメス

性別:女性

身長/体重:156㎝/46㎏

属性:混沌・善

起源:進化

 

 

《パラメーター》

筋力:A

耐久:A

敏捷:A

魔力:A++

幸運:EX

 

 

《魔術回路》

・メイン魔術回路

→本2000本

 

・サブ魔術回路

→各500本(1000本)

 

・合計本数

→3000本

 

 

《能力》

<スキル(英霊化した場合)>

 

1.class別スキル

クラス:アーチャー

①対魔力:C++

第二節以下の詠唱による魔術行使を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

しかしエアから受けた加護によって、神代以降の殆どの魔術を無効化する。事実上、現代の魔術ではギルガメスに傷を付けられない。

 

②単独行動:EX

マスターが不在でも行動出来る能力。宝具などの膨大な魔力を使用する場合ですら、マスターからのバックアップは必要無い。

 

クラス:キャスター

①陣地作成:E

魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げるスキル。小規模な”結界”の形成が可能。人払いや防音といった初歩的な結界魔術。

 

②道具作成:E

魔術的な道具を作成する技能。ギルガメスには魔術師の心得が無い為、簡易的な魔術礼装の作成が限界。

 

 

2.保有スキル

❶黄金律:A+

身体の黄金比ではなく人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。世界が誇る大富豪すら、歯牙にも掛けぬ金ピカぶり。未来永劫に渡って、金には困る事は無い。

 

❷カリスマ:A-

大軍団を指揮する天性の才能。Aランクは、人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。ギルガメスには確かに一国の王としての器はあるのだが、精神的に少し幼い為に微かにランクダウン。

 

❸神性:A++

神霊適性を持つかどうか。ランクが高い程に物質的な神霊との混血とされる。豊穣神エアと直接的な血の繋がりを持つ。そしてその依代としている肉体は、神の血が2/3も流れている英雄王ギルガメッシュである。

 

❹千里眼:A

視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。透視、未来視さえも可能とする。

 

❺直感:A-

戦闘時、常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。研ぎ澄まされた第六感は、もはや未来予知に近い。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。本人が無自覚の為、僅かにランクダウンしている。

 

❻魔眼:B

“幻覚の無効化”と“魔力の視認化”の魔眼を保有している。同ランク以下の幻覚を無効化して、それ以上の幻覚作用を半減させる。そして、魔力を視認化して色で見分ける事が出来る。

 

❼魔術:D+

オーソドックスな魔術を習得。魅了の魔術や簡易的な結界魔術を使用する。両眼には異なる能力を持つ魔眼を所有している。

 

❽魔力放出:B-

武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせて瞬間的に放出する事によって、能力を飛躍的に向上させる。本人が無意識で使用している為、僅かにランクダウンしている。

 

 

<戦闘技術>

⑴エア直伝の剣術

⑵エア直伝の槍術

⑶エア直伝の弓術

 

<魔術>

1.結界魔術

2.魔眼

①幻覚無効化(右目)

②魔力視認化(左目)

3.魅了(チャーム)の魔術

 

<魔法>

1.騎士(ザ・ナイト)

→“FAIRY TAIL”のエルザの換装魔法。

2.豊穣の神水(スペル・オブ・エンキ)

→メソポタミアの豊穣神エアが、こっそり仕込んだ魔法。

ギルガメスは、この魔法が自身に備わっている事を知らない。

この魔法は攻撃手段としては単なる流水魔法に過ぎないが、本来の使い方は攻撃手段ではない。

この魔法の本来の用途は『創世』である。

世界最古の淡水の海『アプス』の主であるエアが、大地に豊かさを齎らす為に編み出した創世魔法。

この魔法によって生まれる水は、枯れた大地には潤いを与えて豊かさを齎らし、傷付いた者には癒しを与えて肉体を活性化させる。

エアの血を引く娘だからこそ扱える魔法。

 

 

《宝具》

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

ランク:E〜A++

種別:対人宝具

レンジ:ーー

最大補足:1000人

 

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)

ランク:EX

種別:対界宝具

レンジ:1〜999

最大補足:1000人

 

混沌に輝く創世の星(エヌマ・エリシュ)

ランク:EX

種別:対界宝具

レンジ:1〜9999

最大補足:1万人

 

 

《weapon》

『乖離剣エア』

『終末剣エンキ』

『創世剣アプス』

『王律鍵バヴ=イル』

『天の鎖(エルキドゥ)』

 

 

《容姿》

『Fate/protoreplica』の姫ギル。眼はオッドアイで、紅い右目と翡翠の左目を持つ。髪の先端には赤いメッシュが入っている。

通常時の服装は、金のロザリオ、黒いシスター服、黒いニーソックス、黒いショートブーツ。

そして時々、『Fate/stay night』のギルガメッシュの服装(黒いライダースーツ)。

戦闘時の服装は、『Fate/protoreplica』の姫ギルの黄金の甲冑。ネイキッドモードの格好に左腕の部分を足した様な感じ。

 

 

《備考》

「ギルガメスについて」

 

エアの不本意で生まれた子。

生まれてすぐにエアが母親諸共攫って、メソポタミアの神域でひっそりと暮らしていた。

母親が隠れオタクであった為、日本の様々なアニメや漫画に触れる事が多かった。

その中でも特に『Fate/シリーズ』のギルガメッシュが好きらしい。

半神半人である為、寿命は人間と同じ100年前後で死ぬ。

転生後は寿命で死ぬ事は無くなり、過保護なエアがギルガメスからの要望に応えまくった結果、チートな肉体と能力を手に入れた。

姫様口調(似非)なのは英雄王の真似をして口調を変えた結果。

時折、英雄王みたいな口調で話すのだが、上手く真似出来ない。

超チートな肉体と能力を手に入れたのは良いが、戦闘経験なんてものは無く、メソポタミアの神域では本当に姫としての生活をしていたので、いざ戦闘になると全力で戦えない。

ちなみに神の生涯は終わりが無い。

その為、僅か100年しか生きていないギルガメスはまだまだ子供である。

実はエアと一緒に過ごした事が殆ど無く、転生後一緒に居てくれる閻魔大王に父性と恋慕を感じている。ちなみにエアと共に過ごした時間は僅か1年程度で幼少期の間だけである。

しかもその時は、戦闘技術と簡単な結界魔術と魅了の魔術程度しか教えてくれなかった(本人は“魅了の魔術”を習得している事を恥ずかしがって、滅多にその事を話したがらない)。

転生後のギルガメスはデミ・サーヴァントとして存在する為、今後も良い成長が見込めるだろう。

基本のパラメーターは全てAランクから始まり、しっかりと鍛え続ければ何れはEXへと至る可能性もある。

ギルガメスの戦い方はギルガメッシュ直伝の『王の財宝』による砲撃とウルク式の武器術。遠距離戦では『王の財宝』の砲撃、近距離戦ではウルク式・武器術の白兵戦、といった戦況に合わせて戦闘方法を変化させる。

ウルク式の武器術とは言ってもしっかりとした型や技がある訳ではなく、ほぼ喧嘩殺法の戦闘技術である。

古代ウルクの武器術は対魔物(魔獣)を想定して生まれた戦闘技術の為、かなり実戦的な我流戦法になる。

特に決まった型や技を持つ者に対しては、かなり強いアドバンテージを得られる。

ギルガメスはエアとの修練とギルガメッシュとの戦闘を経て、自己流のウルクの戦い方を編み出した。

魔法の『豊穣の神水』は、本人が意識して使用出来ない為に本来の能力を発揮出来ない。

ちなみに『天地乖離す開闢の星』は、ギルガメスの能力的な問題で1日に1発しか使えない。

さらに言うと『混沌に輝く創世の星』は、使い方を思い出せない為に使えない。

ギルガメスの幸運値が異常に高いのは生まれた時からであり、『刺し穿つ死棘の槍』『秘剣・燕返し』『無明三段突き』等の“本来ならば絶対不可避の攻撃”を、自身の幸運だけで回避出来る。

 

 

混沌に輝く創世の星(エヌマ・エリシュ)について」

 

この宝具は(厳密に言えば違うのだが)一応は乖離剣エアを用いて放つ対界宝具。

ギルガメスが乖離剣エアの使用方法を習得している最中に、乖離剣エアがギルガメスの起源である『進化』に呼応して新たなる宝具として進化した。

形状に変化は無いが、色彩が少しだけ変化している。

金色だった箇所は銀色に、青色だった箇所は赤色に変化した。

ちなみに、刀身部分に変化は無い。

この場合の乖離剣エアは、ギルガメスの力によって進化している為に名称が変わる。

この場合の進化した乖離剣エアの名称は、『創世剣アプス』という。

ちなみに、この名称はギルガメッシュが命名した。

創世剣アプスの真名解放は乖離剣エアとは違い、『天地を切り開いた暴風』ではなく『全てを生み出した原初の淡水』を呼ぶ。

振り抜かれた創世剣は原初の水を呼んで、荒れ狂う水の奔流として放たれる。

この原初の水は、取り込むものを全て溶かして、その存在すらも飲み込んでしまう。

取り込まれた全てのものは魔力に溶けて、創世剣を経由して所有者に魔力として吸収される。

その威力はかなり絶大で、ギルガメッシュとエルキドゥがお互いに自身の『エヌマ・エリシュ』を放って漸く相殺出来る程に荒々しい。

ギルガメスがギルガメッシュ指導で『天地乖離す開闢の星』を習得している最中に、偶然生まれたもの。

しかもギルガメスは、無意識の中で使った為にどうやって放ったのかは自分自身でも全く理解していない。

ちなみに父親のエアは乖離剣が進化する事を見越して、“英雄王と同じ乖離剣”と“自身が新たに作成した乖離剣”の2本を予め用意していた。

 

 

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[閻魔大王(ヤマラージャ)の設定]

 

《プロフィール》

名前:閻魔大王

真名:ヤマラージャ

性別:男性

身長/体重:168㎝/55㎏

属性:混沌・悪

起源:煉獄

 

 

《パラメーター》

筋力:A+

耐久:A+

敏捷:A+

魔力:EX

幸運:C-

 

 

《魔術回路》

・メイン魔術回路

→4000本

 

・サブ魔術回路

→各1500本(3000本)

 

・合計本数

→7000本

 

 

《能力》

<スキル(英霊化した場合)>

 

1.class別スキル

クラス:バーサーカー

①狂化:E+

通常時は狂化の恩恵を受けない。その代わりに正常な思考力を保つ。

基本的に常日頃から闘争本能に委ねて生きている為、現代社会に適応出来ない。

 

 

2.保有スキル

❶怪力:A

一時的に筋力を増幅させる。魔物・魔獣のみが持つ攻撃特性。使用する事で筋力値をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

 

❷カリスマ:A+

大軍団を指揮・統率する才能。ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。地獄の統治者として相応しいランクを持つ。

 

❸心眼(真):B

修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握して、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。逆転の可能性が1%でもあるのならば、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

 

❹神性:A++

神霊適性を持つかどうか。ランクが高い程に物質的な神霊との混血とされる。地獄を統べる大魔王として最上位の神性を持つ。

 

❺戦闘続行:A++

往生際が悪い。霊核が破壊された後でも、暫くは戦闘行為を可能とする。

 

❻千里眼:A

視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。透視、未来視さえも可能とする。

 

❼直感:B

戦闘時、常に自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

 

❽魔力放出:B

武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせて瞬間的に放出する事によって、能力を飛躍的に向上させる。

 

❾無窮の武練:A+

一つの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一によって、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。

 

 

<戦闘技術>

⑴地獄の喧嘩殺法:EX

⑵冥王式・剣術:A

 

<魔術>

1.結界魔術

2.治癒魔術

 

<魔法>

1.獄門道

2.閻魔道

 

 

《容姿》

『機動戦士ガンダムSEEDdestiny』のシン・アスカ。

服装は、白い七分袖のTシャツ、黒いロングコート(ナポレオンコート)、黒いジーンズ、黒い革靴。

 

 

《備考》

地獄を統べる大魔王。

本来ならば地獄を離れる事は出来ないが、オシリスがエアに脅されて仕方無く地獄の統治者としての職務から解任された。

ハーデスに並ぶ冥王としての実力は兼ね備えており、ゼウスやオーディンよりも強いのだが、かなり強制的な異世界転生(転移?)によって能力の1/5しか行使出来ない。

それでもやはり強いもんは強いので、雷神トールと同等の実力は保持している。

エアに護衛を頼まれている為、ギルガメスに対して少し過保護気味。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 



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〜第1章〜
第一話


さて、上手く表現できるかな(震え声)?


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーー閻魔大王sideーーーー

 

 

 

ーーー目を開けたら、はるか上空にいた。

 

 

……って、マズイ!!?

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーぐおっ!?」

 

 

 

ギルガメス「ーーきゃあっ!?」

 

 

 

 

俺とギルガメスは無事『天獄門』を潜り抜けて異世界へと転生(転移?)出来た。

 

だが座標が中途半端だった所為か、地上ではなく上空に転送されたようだ。

 

 

 

 

 

ギルガメス「うおぉ…っ!!なんじゃ!!此処は何処なのだあぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 

 

 

 

 

ギルガメスは楽しいんだか怖いんだか分からん表情を浮かべて絶叫している。

 

 

ーーーっと、そんな事を考えてる場合じゃないかな!

 

 

 

閻魔大王「…ったく、捕まれ!お嬢!!」

 

 

 

俺はギルガメスに声を掛けて、左腕を彼女に向けて伸ばした。

 

ギルガメスは、俺の声に気付いて少し躊躇しながら腕を伸ばして来た。

 

 

 

ギルガメス「う、うむ!」

 

 

 

俺はギルガメスの腕を掴むと、俺の愛馬(・・)を虚空より呼び出した。

 

 

 

閻魔大王「来い!ーーグリフォン!!!」

 

 

 

すると虚空に次元の穴が開いて、そこから一匹の幻獣が現れた。

 

下半身は獅子、上半身は鷹、さらに大きな鳥の翼を持つそれは、正にグリフォンと呼ぶに相応しい姿をしている。

 

俺は、真横に並走して来たグリフォンに近づいた。

 

 

 

閻魔大王「乗るぞ、ギルガメス!」

 

 

 

ギルガメス「うぇ!?の…乗るぅ!!?」

 

 

 

俺はギルガメスの承認を得ずにギルガメスを抱き寄せると、並走するグリフォンの背中に跨った。

 

 

閻魔大王「このまま降りるから、しっかり掴まってろよ…」

 

 

 

ギルガメス「ちょっ、ちょっと待て!」

 

 

 

ギルガメスは何やら喚き立てているが、俺はそんな事を御構い無しにグリフォンに地上に降りるように指示を出した。

ギルガメスは振り落とされない様に俺の服にしがみ付いた。

 

 

そして俺達は、そのまま地上に向けて駆け下りて行った。

 

 

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

ーー

ーーーー

ーーーーーー

ーーーーーーーー

 

 

 

俺達はあの後、かなりの高度をグリフォンに跨りながら地上に降り立った。

 

 

 

閻魔大王「ーーーふぅ、吃驚した…」

 

 

 

ギルガメス「…って妾の方が吃驚したわ!この愚か者めが!!」

 

スパァーン!!

 

 

 

 

そう言ってギルガメスは、俺の頭を強めに引っ叩いて来た。

 

 

閻魔大王「…何だよ!?助かったんだから良いじゃねぇか!!」

 

 

 

ギルガメス「馬鹿者め!妾はグリフォンに乗るのが初めてなのじゃぞ!!?それを、イキナリあんな乱暴な乗り方で……!!」

 

 

 

閻魔大王「あぁ?スリルがあってとても楽しい初めての(グリフォンの)乗馬…って事で別に良いんじゃねぇの?」

 

 

 

 

ギルガメスは、先程のグリフォンの騎乗を快く思わなかった様で御立腹のようだ。

 

とは言え、あの状況で上品な騎乗なんざ出来る筈も無く、初めての乗馬がグリフォンであんな状況になったのは、残念としか言いようが無い。

 

 

 

閻魔大王「まあ、ドンマイ。次の初めてはきっと大丈夫だって!」

 

 

 

ギルガメス「う、うむ?それもそうか…」

 

 

 

ギルガメスは一人で何とか納得出来た様で一先ずは落ち着いた。

 

そして俺は、取り敢えず周囲を見渡して状況を確認した。

 

 

閻魔大王「それで…何処だ、此処は?」

 

 

俺の呟きをギルガメスは拾い、それに反応して彼女も周囲を見渡した。

 

此処はどうやら何処かの草原のようだ。

見渡す限りは草原ばかりで、かなり離れた所には中々にデカイ山脈が見える。

 

 

ギルガメス「…ふむ、どうやら此処は地球では無いらしいな。妾はこれ程の大きさの草原を地球で見た事が無い…」

 

 

閻魔大王「ああ、だろうな。だが地球よりは狭い星だな。重力は地球の約半分程度、恐らく月よりはデカイか…」

 

 

 

どうやら此処は随分と小さい惑星の様だ。重力も割と小さい為、俺が本気で飛んだら大気圏程度は突き抜けそうだ。

 

 

閻魔大王「まぁ…取り敢えず、俺達が今いる此処が地球じゃねぇのは分かった。

…………本当なら地球に転送される筈が、何の因果か知らんが地球以外の惑星に来ちまったようだな」

 

 

俺が取り敢えず今の状況を纏めると、ギルガメスは最後に零した言葉を拾って詰め寄って来た。

 

 

ギルガメス「……ん?『本当なら地球に転送される筈』だと…?どういう事だ?」

 

 

 

閻魔大王「アレ…?知らねぇのかよ?俺達が潜った『天獄門』は行き先が安定しないから、本来は地球に座標を固定してから使うんだよ…」

 

 

ギルガメス「『天獄門』?」

 

 

ギルガメスは、そもそも『天獄門』という言葉すら知らない様だ。

 

 

閻魔大王「は…?お前さん、メソポタミアの神域に住んでたなら『天獄門』くらい使ったことがあるだろ?」

 

 

 

『天獄門』は俺達が住む『神界』と人間達が暮らす『人間界』を行き来する時に最も使用頻度が高い門だ。

その中でもメソポタミアの奴等は、凄ぇ高頻度で『人間界』に行く為、『天獄門』の使用回数は色んな神話体系の中でもメソポタミア神話はダントツのNo.1だ。

『地獄門』も偶に使う奴はいるが、アレを使うと大抵は冥界か魔界行きだ。

 

俺の質問に対してギルガメスは不思議そうな表情を浮かべて首を傾けた。

 

 

ギルガメス「…………?何を言いたいのか全く分からんが、妾はメソポタミアの神域から出た事は一度も無いぞ」

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「………は?」

 

 

 

ギルガメス「妾はその生涯をメソポタミアの神域だけで過ごした。妾の1世紀にも及ぶ人生はあの神域の中だけで完結しておる」

 

 

 

 

 

 

 

…つまりギルガメスは『箱入り娘』だと?

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「えっ?ちょっと待って…。ならお前はどうして何の疑いも無く『天獄門』を潜った…?」

 

 

 

するとギルガメスは、自信満々な表情を浮かべて笑顔で言って来た。

 

 

 

ギルガメス「だってアレだろう?あの門を潜ると異世界に行けるのだろう。二次創作ではお決まりの展開ではないか!」

 

 

 

………………………成る程。

 

このガキがどんな思考回路をしてるのか、漸く分かった。

つまりはアレだ。

コイツ、典型的な転生者みたいな思考回路で動いている。というかコイツの知識は恐らく、ネットから得たものばかりだろう。なんのかんの言って神々も人間の電子端末には興味津々だったのだから、半神半人のコイツがネットにどハマりしても不思議ではない。

それにメソポタミアの神域を一度も出た事がない所為で『世界を越える際の危険性』を理解してない。

 

 

俺は少し冷めたかの様な表情でギルガメスにとある事(・・・・)を聞いた。

 

 

 

閻魔大王「ギルガメス。お前さ、何で転生したかったんだ?」

 

 

 

するとギルガメスは、目を爛々に輝かせて飛びっきりの良い顔で答えた。

 

 

ギルガメス「決まっておろう!!妾が転生してまで果たしたい事は、それはーーー」

 

 

 

閻魔大王「………それは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「ーーーハーレムである!!!妾はありとあらゆる美男・美女を集めて、妾だけのハーレムを形成するのだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

……………………ですよね。

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「妾は母上の勧めで沢山の漫画やらアニメやらラノベやらに手を染めた。果ては二次創作にまで手を出した。そして妾はふと思ったのだ。『父上ならばきっと転生させてくれる』とな!!事実として、妾の父上はあのメソポタミアの守護神エア。であるならば頼らざる得なまい!」

 

 

 

閻魔大王「………イヤ、まあ」

 

 

 

 

ギルガメス「だから妾は父上の状況を密かに喜んだのだ。どうやら妾の存在は、他の神々からして見ればあまり良くないものだと聞いた。そして父上もそんな妾をどうにかしたかったようだし……」

 

 

 

 

……というかソレは、100%エアの自業自得だがな。

 

 

 

 

ギルガメス「そして妾は、死ぬ前に父上に手紙を書いたのだ。『妾が死んだ後は、異世界に転生させてくれ』とな!」

 

 

 

閻魔大王「……(エアの奴、娘に弱すぎ)」

 

 

 

 

ギルガメス「そして今、ついに妾の願いは叶った!妾は今後色んな美系キャラを集め、妾による妾の為の妾だけのハーレムを形成するのだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「あ、そう…ガンバレ」

 

 

 

ギルガメス「うむ、無論だ!!」

 

 

 

 

ぶっちゃけ、ここまで馬鹿正直にハーレムを宣言する奴はゼウス以来である。

……イヤ、まだコイツの方が断然マシだ。ゼウスなんかはこの残念系美女のレベルを軽く凌駕する程の阿保だ。

 

 

 

取り敢えずは………っと。

 

 

 

閻魔大王「まぁ、何はともあれ行動しない事には始まらねぇし…。そろそろ動くか」

 

 

 

ギルガメス「…ん?動くと言っても、何処に行くのだ?此処から見渡す限りは、草原しか無いのだぞ…?」

 

 

閻魔大王「それならお前は此処にいるか?悪いが、俺は進むぞ…」

 

 

俺が立ち上がって歩き始めるとギルガメスは一瞬だけ不安そうな表情を浮かべた後、すぐに立ち上がって俺の近くに駆け寄って来た。

 

 

ギルガメス「……………当然、妾も行くに決まっておろうが。もし置いていったら、父上に言いつけてやる…」

 

 

 

 

そう言ってギルガメスは不貞腐れたかの様な態度で俺の足を蹴った。

 

 

閻魔大王「んっ…そうか」

 

 

 

俺はギルガメスの頭を撫でながら、自身の魔術回路を開いた。

 

 

 

閻魔大王「…なら、行動開始だ」

 

 

 

…ズボッ!

 

 

 

俺は虚空に次元の穴を空けて、その穴の中に腕を突っ込んだ。

 

 

閻魔大王「…えーと、コレじゃなくて…。コレでも無くて、えー………。あった!」

 

 

…スポンッ!

 

 

 

 

俺は虚空から腕を引き抜くと、少し大きめのコンパスを取り出した。

 

 

 

ギルガメス「……?それは、何じゃ…?」

 

 

 

閻魔大王「コイツは、『コンパス』だよ。ただし、示すのは方角じゃないけどな…」

 

 

そう言って俺はギルガメスと共にコンパスを覗き見た。

 

 

 

ギルガメス「…方角でないのならば、このコンパスは何を示すのだ?」

 

 

ギルガメスの質問に俺は少しだけ思案してなるべく分かりやすく説明した。

 

 

閻魔大王「コイツが示すのは、『生命体』が発する『魂の鼓動』だ。『魂の鼓動』は生きているのならば、全ての生命体が発する魂の脈拍みたいなもんだ。このコンパスは、持ち主を中心に半径5000億㎞以内で発せられる『魂の鼓動』を感知出来る」

 

 

ギルガメス「ほぉ〜!!素晴らしい品だ、妾も是非そのコンパスが欲しいぞ!」

 

 

ギルガメスがコンパスを物欲しそうに見ているが俺はギルガメスにある事を伝えた。

 

 

 

閻魔大王「…多分、お前の『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の中にもあると思うが……」

 

 

 

ギルガメス「なにっ?それは誠か…!?」

 

 

 

閻魔大王「あぁ。昔、コレのオリジナルをギルガメッシュが持って行ったからな…」

 

 

 

ギルガメスは俺の言葉を聞くと、目を爛々に輝かせながら『王の財宝』を開こうとした。

 

しかしーーー、

 

 

 

ギルガメス「…うん?ところで閻魔大王。『王の財宝』はどうやって開くのだ…?」

 

 

 

 

閻魔大王「…………は?」

 

 

 

 

ーーーギルガメスは『王の財宝』の開き方を知らなかった。

 

 

 

 

 

ーーーー閻魔大王sideoutーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 



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第二話

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーー閻魔大王sideーーーー

 

 

 

俺は今、猛烈に頭が痛い。

 

何故かって?それはーーーー、

 

 

 

 

ギルガメス「なぁ、閻魔大王よ!早く妾に『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の開き方を教えるのだ!」

 

 

 

 

ーーーーこのマヌケ姫の所為だ…。

 

 

 

 

閻魔大王「…はぁ。お前さ、『王の財宝』の開き方も知らねぇで一体どうするつもりだったんだよ…?」

 

 

 

俺がギルガメスに呆れながら聞くと、ギルガメスは何故か無駄に形の良い胸を張りながら自信満々に答えてくれた。

 

 

 

 

ギルガメス「決まっておろう?お前に指南してもらうつもりだったのだ」

 

 

 

ギルガメスは何故か自信満々に答えてくれたが、残念な事に俺は『王の財宝』の開き方なんざ知らないし、そもそも俺は教えるなんて一言も言ってない。なんならコイツの転生に付き合うつもりすら無かった。

 

 

 

ギルガメス「そもそも妾は豊穣神エアの娘にしてメソポタミアの姫であるぞ?父上から教わった事は剣と槍と弓の戦闘技術だけである。それ以外は何も教わっておらん」

 

 

 

 

閻魔大王「……(じゃあコイツは何をする為に転生したんだろう?)」

 

 

 

俺はギルガメスの話を一通り聞いて、もう何も考えたく無くなった。

 

そもそもなんでコイツは俺が同行する事を知ってたんだろうか。

もしかして、エアの奴に教えてもらった?それとも、コイツ自身が希望したのか?

 

俺はもう何だか面倒になって、取り敢えずコイツの問題を最短で解決する最善策(?)を考えた。

 

 

 

閻魔大王「……(そもそもコイツは何処まで自分の能力を理解出来てるのか…)」

 

 

 

俺は何故か笑顔のギルガメスを見ながら、この阿保の問題を解決出来る方法を考え抜いていた。

 

 

 

ギルガメス「なんじゃ?何をそんなに妾の顔を見つめておるのだ?もしや貴様、妾の美貌に惚れたか!?」

 

 

 

ーーーなんてふざけた事を抜かすコイツの頭の中はどうなっているんだか。

 

とは言え、肉体と能力は英雄王でもソレを依代にしている奴がこれじゃあ…なぁ。

 

 

ーーーーん?肉体と能力は英雄王…?

 

 

 

閻魔大王「あっ……そうか、思い付いた。なんだよ、簡単じゃないか…」

 

 

 

ギルガメス「む…?どうしたのだ?」

 

 

 

ギルガメスが何やら俺の顔を覗き込んで来るが、そんなのは放って置いて…。

ーーーギルガメスの問題を解決する最善策が見つかった。

ぶっちゃけ上手く事が運ぶかは分からないけれど、多分いけるだろう…。

 

 

 

閻魔大王「…オイ、ギルガメス」

 

 

 

ギルガメス「うん…?なんじゃ?」

 

 

 

何故か機嫌が良いギルガメスは俺の呼び掛けに反応した。

…何でそんなに機嫌が良いのかは知らんが悪いけど一緒に怒られに行くぜ。

 

 

 

 

閻魔大王「……悪いが俺は『王の財宝』の開き方なんざ知らないし、知らないものを人に教えるなんて無理だ」

 

 

 

ギルガメス「なっ!?なっ…ならば、妾はどうすればーー」

 

 

 

閻魔大王「そこで、だ……。これから俺と一緒に『王の財宝』の使い方を知ってる奴に会いに行くぞ」

 

 

 

ギルガメス「ーー良いのだ!?……え?」

 

 

 

俺は呆けたギルガメスを放置して、左手の親指を犬歯で噛み切った。

そして切れた親指から垂れる血を地面に落とすと、俺はそこに魔力を注ぎ込んだ。

 

 

 

閻魔大王「『天獄門』ーーー開門…」

 

 

 

すると俺の目の前に、馬鹿でかい白い鳥居が顕現した。

前回と違って行く場所は固定出来るから、今回は割と楽に『天獄門』を展開出来る。

俺は『天獄門』の行き先を定めて『とある英霊の座』へと繋いだ。

 

 

 

 

閻魔大王「ーーさて、行くか…」

 

 

俺はギルガメスの手を掴んでその鳥居に向けて歩き出すと、我に返ったギルガメスが力強く踏み止まった。

 

 

 

ギルガメス「ーーーま、待て!行くって、誰に会いに行くというのだ!?」

 

 

 

ギルガメスは酷く狼狽しながら、これから会いに行く奴について聞いてきた。

俺はギルガメスの問い掛けに対して、少し曖昧に答えた。

 

 

閻魔大王「だから言ってるだろう…。お前に『王の財宝』の使い方を教えてくれる奴だって…。まぁ…ちっと不安かもしれないが、多分大丈夫だろ…」

 

 

 

ギルガメス「…多分!?多分じゃと!!?絶対にイヤじゃっ!妾はそんな不安になる様な輩とは、絶対に会いとうない!!!」

 

 

 

閻魔大王「ーー大丈夫だって。基本的に怒らせる様な事しなきゃ殺されないから…」

 

 

 

ギルガメス「殺される!!?其奴は怒ると殺すのか!?イヤじゃあっ!!!妾はまだ死にとうない!!せっかく手に入れた念願の自由じゃぞ!こんな僅か一日程度で諦めたくないわ!!!」

 

 

 

そんな事を叫びながらギルガメスは俺の身体にめっちゃ全力で抱きついて来た。

……つーか、結構力強い…っ。

ちょっと、肋骨とか痛いんだけど!

 

 

 

 

ギルガメス「…うぅ、ぐずっ…!!」

 

 

 

 

……はあ、全くしょうがない。

 

 

 

俺は泣きベソかいているギルガメスの身体を持ち上げた。

 

 

 

ギルガメス「ぐずっ…!行かんぞ…!絶対に妾は行かんぞ…。殺されとうない!」

 

 

 

ギルガメスは未だに泣きベソかいてるが、俺はそんなギルガメスの前髪を後ろに流して顔を覗き見た。

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーーギルガメス。良いか、よく聞け…」

 

 

 

俺はギルガメスの涙を拭って、少し優しめに接しながら言い聞かせた。

 

 

 

閻魔大王「これから会いに行く奴は、別に悪い奴って訳じゃないんだ。ちょっと性格がキツいだけなんだ…」

 

 

ギルガメス「うぅっ…!…だがっ!!……其奴は、怒らせてしまうと…っ、殺すのであろう…?」

 

 

閻魔大王「怒らせなきゃ良い話さ。なに、大丈夫だ。怒らせたって、今回は俺が居るだろ?ちゃんと守るから、なっ?」

 

 

 

 

ギルガメスは俺の言葉を聞くと、顔を伏せながら小指を突き出して来た。

 

 

ギルガメス「………ならば、指切りじゃ。もし守れなければ、深淵に叩き落とす…」

 

 

 

閻魔大王「はいはい…了解」

 

 

 

俺はギルガメスの小指と俺の小指を絡めて指切りをした。

 

 

 

ギルガメス「約束じゃぞ!絶対にだぞ!」

 

 

 

閻魔大王「分かってるって…」

 

 

 

俺はギルガメスと指切りをした後、ギルガメスを地面に下ろした。

そして俺達は『天獄門』に足を向けた。

 

 

 

閻魔大王「……それじゃあ、行くぞ?」

 

 

 

 

ギルガメス「………う、うむ」

 

 

 

 

ーーーー俺とギルガメスは、『天獄門』を一緒に潜って『王の財宝』の使い方をこの世で1番良く知ってる奴に会いに行った。

 

 

 

『古代ウルクの王・ギルガメッシュ』に。

 

 

 

 

ーーーー閻魔大王sideoutーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーギルガメスsideーーーー

 

 

 

 

妾ーーギルガメスーーは今、何もない空間を歩いている。

ーーー妾の隣を歩く男に手を引かれながらではあるが。

 

 

 

妾の手を引いているのは『閻魔大王』。

 

インド神話や仏教などに置いて高い知名度を誇る大魔王だ。

転生する時に父上から護衛として紹介されたのだが、メソポタミアの神域でしか生活した事がない妾からしてみれば『こんな男が本当にあのティアマトやフワワ等よりも強いのか?』と思う。

 

 

父上は『困った事があったら、閻魔大王に頼ると良い。きっと助けてくれるからな』と言っていたが、こんなに幼い容姿をしている男が頼り甲斐があるのか。

見た目はまるで17歳程度の(わらべ)である。

 

 

……まぁ、確かに此奴はカッコいい風貌はしているのだが。

 

 

妾はドンドン先に進んで行く閻魔大王に手を引かれながら、何も無い空間を2人だけで歩み続ける。

かれこれもう3時間は歩きっ放しだ。

 

妾は少し退屈になって来たので、閻魔大王に何か話をするように声を掛けた。

 

 

 

ギルガメス「のう、閻魔大王よ…」

 

 

 

閻魔大王「んぁ?何だよ…?」

 

 

 

ギルガメス「妾は少し退屈になった。何か話せ。出来れば面白い話が良いな…」

 

 

 

閻魔大王は妾の要望を聞いて、思案したかの様な態度をとった後に口を開いた。

 

 

 

閻魔大王「……俺の娘の話でも良いか?」

 

 

 

ギルガメス「…ぬっ?娘じゃと…?お主、子などおったのか?」

 

 

 

閻魔大王「まぁ、昔は結構な頻度で吉原に出入りしてたからな…。そこで俺の子を身籠もる女もいたんだよ」

 

 

 

ギルガメス「なぬっ!?という事は、お主もハーレムをーー」

 

 

 

閻魔大王「ーーそんな訳あるか、ボケ…。吉原の花魁は基本的にプロだぞ。身篭ったのは、自分から望んで孕んだ奴だけだ。実際には僅か4人しか孕ませて無いしな。生まれた子達は、1人を除いて純粋な人間として生まれている」

 

 

ギルガメス「それでも、4人も孕ませておるではないか!!しかも自分からじゃと!?なんと羨ましいシチュエーションだ…!」

 

 

閻魔大王「………まぁ、ともかくその娘の話だけどな。今、1人を除いて純粋な人間として生まれた…って言ったよな。その1人ってのが、その娘なんだよ…」

 

 

閻魔大王は歩く速度を変えずに進みながら話を続けた。

 

 

 

閻魔大王「アイツは、神の血を1/3も引いて生まれた。基本的に俺達みたいな高位の神は、人間との間に子を成す事が難しい上、生まれる子だって大半が純粋な人間の子供として生まれる。どうしたって普通の人間は、神の血を耐え切れるだけの肉体を持たないからだ…」

 

 

 

ギルガメス「ぬ…?しかして妾は半神半人として生まれたぞ…?」

 

 

 

それを聞いた閻魔大王は不思議そうな顔をした後、妾の母について聞いてきた。

 

 

 

閻魔大王「…ギルガメス、お前の母親の人種と出身地は分かるか?」

 

 

 

ギルガメス「…う、うむ。母上は日本人とシリア人のハーフじゃ。生まれはシリアのアレッポと聞いておる。ちなみに、日本で育ったそうだぞ……」

 

 

 

妾が少し母上の身の上をしたら、閻魔大王は何やら納得した様な表情を浮かべた。

 

 

 

閻魔大王「…成る程な。だからエアの血を引く子を産めたのか…」

 

 

 

ギルガメス「…?何が“成る程”なのだ?」

 

 

 

閻魔大王「お前が半神半人として生まれた理由だよ…。ーーまぁ、ソレは置いといて俺の娘の話だったな。取り敢えず、そんな低確率でしか生まれない子供として生まれたアイツはお前と同じ様に俺の神域のみで、その生涯を過ごした」

 

 

 

ギルガメス「ふむ……続けろ」

 

 

 

閻魔大王「………だけど、完全な半神半人じゃないかったアイツの生涯は、僅か20年で終わった。俺の神域はメソポタミアの神域と同等の神秘性を誇る“インドの神域”。メソポタミアとインドの神域は、普通の人間なら入った瞬間に即死するレベルの神秘性の濃さだ。ちなみにメソポタミアやインドみたいに、神代の頃と全く変わらない環境の神域を“絶対神域”って言うんだよ。完全な半神半人であるお前は完璧に適応出来ていたんだろうが…。生憎と俺の娘は中途半端に人間としての血が多かった所為で、神域に適応が出来なかった」

 

 

 

 

ギルガメス「なっ…!?神域とは、安全で安心出来る絶対の不可侵領域ではなかったのか!!?」

 

 

 

妾が神域の知らない一面に驚いていると、閻魔大王は『やはり』と言った顔をした。

 

 

閻魔大王「やっぱり、何にも教えて貰えてなかったんだな…お前」

 

 

ギルガメス「じゃ…じゃがっ!なら何故、母上は80年も神域で生きておった!?母上が妾を産んだ時の年齢は15歳。人間ならば老衰で死んでも可笑しくなかろう!母上は妾が死ぬその時まで息災であったぞ!!」

 

 

閻魔大王「…それ、生きてたんじゃなくて死者として住んでたんじゃね…?人間の女は神の血を引く子を産む時に、かなりの高確率で死産するらしい。実際に『菖蒲(あやめ)』の母親は産んだ直後に死んじまった…」

 

 

 

ギルガメス「『菖蒲』…?」

 

 

 

閻魔大王「さっき話した俺の娘だよ…」

 

 

 

先程の話にあった閻魔大王の娘は『菖蒲(あやめ)』という名らしい。

……それよりも此奴は今、聞き捨てならん事を言った。

 

 

 

ギルガメス「母上が死者だと…?」

 

 

 

閻魔大王「それ以外には考えられないな。何の能力も持たない生きた普通の人間は、メソポタミアやインドみたいな神秘性が濃厚過ぎる“絶対神域”で暮らす事が出来ない。もしも、普通の人間が“絶対神域”で暮らせるとしたならば、やはり死後でなければ入る事すら叶わない…」

 

 

 

ギルガメス「そ、そんな………」

 

 

 

閻魔大王は、緩めていた足の速度を戻してまたドンドンと進み始めた。

 

 

 

閻魔大王「…まぁ、とにかく俺の娘の話はコレで終わりな。少し長話になったけれど取り敢えずは、もうちょっとだけ歩くぞ。もう少しで着くからな…」

 

 

 

 

そこで妾は、ふと思った。

“そういえば、これから妾はこれから会う輩の名前を聞いてない…”

妾は閻魔大王に、これから会う輩について問い質した。

 

 

 

 

ギルガメス「そういえば閻魔よ…。妾はこれから会う者の名を聞いておらぬ」

 

 

閻魔大王「ん…?そういや、アイツの名前とか言ってなかったけ…?」

 

 

ギルガメス「そもそも、妾達は一体何処に向けて歩っておる?妾はこんな場所をメソポタミアの神域でも歩った事は無いぞ…」

 

 

閻魔大王「それも言ってなかったか?」

 

 

ギルガメス「そうじゃ。はよ言わんか!」

 

 

 

妾が早く答える様に急かすと、閻魔大王は妾の顔を見つめて答えた。

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーーこれから俺達が向かう場所は、“英霊の座”っていう場所だ。

そんで此処は、“多次元世界”と“英霊の座”を繋ぐ“境界通路”だ。“英霊の座”がある世界にこの通路は存在しないが、その世界と他の世界の間に“境界通路”は存在する」

 

 

 

ギルガメス「“境界通路”……」

 

 

 

閻魔大王はこの何も無い空間を通路と呼んでいるが、妾には全く通路に見えない。

というかこの空間が仮に通路だとしても、何故この男は道を間違えずに進める…?

妾が見渡す限り、この空間には何も無い。当たり前ではあるが、標識も看板も地図も案内人も無い。

本当にこの空間には何も無いのだ。

 

 

 

…………というか、ちょっと待て。

 

 

 

ギルガメス「ーーー貴様、先程“英霊の座”と言わなかったか………?」

 

 

妾が引き立った表情で先程聞いた行き先を確認すると、閻魔大王は不思議そうな顔をして頷いた。

 

 

閻魔大王「え…?あぁ、言ったな」

 

 

 

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の扱い方を知っている…

 

行き先は『英霊の座』…

 

悪い奴ではないが性格がキツい…

 

 

 

ーーーーあれ…?もしかして…。

 

 

 

ギルガメス「もっ…もしや、わ…妾達は、あの、ウ…ウルクの王に、会おうと…」

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーおう、そうだぞ。俺達がこれから会う奴は『英雄王』だ。世界最古の英雄『ギルガメッシュ』にな…」

 

 

 

 

ーーーー妾はその名前を聞いたのを最後に意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーギルガメスsideoutーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第三話

免許証を漸くゲットした…。

マジで長かった!


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーギルガメスsideーーーー

 

 

 

 

何やら、誰かの声が聞こえる。

 

 

「…ぃ、………」

 

 

 

 

………ん?

 

 

 

というか、何故か妾の視界が暗い。

 

 

「…イ、…き…」

 

 

 

…ぅん……っ?

 

 

 

 

あっ、少しずつマトモに聞こえて来た。

 

 

 

 

閻魔大王「オイ!起きろぉ!!」

 

 

 

 

ギルガメス「ーーぎゃああぁっ!!?」

 

 

 

妾は突如デカくなった声に驚いてしまい、はしたない奇声を上げてしまった。

 

 

 

ギルガメス「なっ、何じゃあ!?」

 

 

 

妾は咄嗟に身の回りを見渡して、そして隣に座る男ーー閻魔大王を見つけた。

 

 

 

閻魔大王「よぉ、起きたかよ…?」

 

 

 

ギルガメス「うっ…うむ。して、此処は…何処じゃ一体…?」

 

 

 

 

妾は周囲を見渡すと、まず最初に真っ白い風景が目に入った。

そして閻魔大王の背後には、かなり大きい黄金の扉が見える。

 

閻魔大王は、そんな妾を見て口を開いた。

 

 

閻魔大王「ーーー此処は“英雄王ギルガメッシュ”の“英霊の座”に続く門の前だ…」

 

 

 

ギルガメス「…っ!?」

 

 

 

 

妾は閻魔大王が告げた名前にビクッと反応して、自身の身体を震わせた。

 

 

 

ギルガメス「そんなぁ…嘘、じゃろ…?そんな…妾は未だに、…心の…準備がーー」

 

 

閻魔大王「ハイハイ、分かってる。緊張で不安なのも分かるが、そんな心構えなんざアイツには不要だ」

 

 

 

 

妾が“本物の英雄王”との邂逅を目前に恐怖しているのを、閻魔大王は落ち着いた様子で見つめていた。

 

 

閻魔大王「…大丈夫だって!お前のアイツに対するイメージよりかは、割と穏やかだからさ。そもそもアイツが不機嫌だったのは、冬木市に呼ばれた時だけだから!」

 

 

 

ギルガメス「…し、しかしーーーー」

 

 

 

閻魔大王「それに、最近のアイツは“とある目的”を成し遂げる為の手駒を求めている。もしかしたら、お前ならイケるかもな…」

 

 

 

 

ギルガメス「……?」

 

 

 

妾は閻魔大王の言う『ギルガメッシュが成し遂げようしている目的』に、少し興味が湧いて来た。

 

 

 

閻魔大王「まっ!取り敢えずは英雄王に会いに行くぞ。お前が『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の使い方を会得してくれなきゃ、お前も俺も互いに困るだろ?」

 

 

 

ギルガメス「………うむ」

 

 

 

妾は閻魔大王の話を聞いて、英雄王と会う決心をつけた。

 

閻魔大王は、そんな妾の右手を取って握ると立たせてくれた。

 

 

閻魔大王「それじゃあ、行くぞ?」

 

 

 

ギルガメス「う、うむ!」

 

 

 

妾と閻魔大王は、黄金に輝いている巨大な門を開いて潜った。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー

ーーーー

ーーーーーー

ーーーーーーーー

 

 

 

 

ーーー其処はまるで、妾が住んでいた古代都市のウルクとは異なる世界だった。

 

 

妾が生涯の大半を過ごしたウルクと同様に神秘は濃厚だ。

 

 

……………しかして、このウルクは、

 

 

 

 

 

 

ーーーなんと力強く輝いていることか!!

 

 

ーーーなんと熱く滾っていることか!!

 

 

ーーーなんと眩く煌めいていることか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は古代ウルクの王にして英雄王であるギルガメッシュの“英霊の座”。

 

今までの真っ白い風景とは一転して、その光景は正に黄金都市そのものだ。

 

 

 

ーーーーそして奥の玉座には『黄金甲冑を身に纏った男』が、その身が持つカリスマを惜しげも無く解き放っていた。

 

 

妾は、そのカリスマに呑まれない様に気を引き締めて話しかけようとした。

 

 

 

ギルガメス「…っ!あ、あのーー」

 

 

 

 

 

 

 

?????「…貴様か、地獄の統治者よ」

 

 

 

その男ーーギルガメッシュ王は、妾の存在を認識してない様な態度で閻魔大王に向けて口を開いた。

 

 

 

閻魔大王「…よっ、久しぶり!相変わらず、お前の“英霊の座”は異彩を放ってるな」

 

 

 

ギルガメッシュ「フッ、(オレ)を誰と心得る!古代ウルクの王であるぞ。そこらの凡夫な英雄共と一緒にされる覚えはない」

 

 

 

 

閻魔大王「…相変らずのデカイ態度だな。まぁ、今回はそんなお前に頼みがあって来たんだよ」

 

 

 

閻魔大王がギルガメッシュ王に頼みがある事を告げると、ギルガメッシュ王は視線を一瞬だけ妾に寄越して不機嫌そうな表情で答えた。

 

 

 

ギルガメッシュ「…もしや、そこな雑種の事ではあるまいな?」

 

 

 

閻魔大王はそんなギルガメッシュ王の態度など気にもせず、素直に頷いてみせた。

 

 

 

閻魔大王「おう、勿論さ。今回はーーー」

 

 

 

 

 

ーーーヒュンッ!

 

 

 

 

ガシッ!!

 

 

 

 

ギルガメス「………へ?」

 

 

 

………妾は今、何が起きたのか全く分からなかった。

 

だが、ギルガメッシュ王の背後に生まれた黄金の波紋と閻魔大王が握る宝剣『原罪(メロダック)』と『絶世の名剣(デュランダル)』を見て理解出来た。

 

妾は今、ギルガメッシュ王に殺されかけて閻魔大王に護られたという事を。

 

 

 

閻魔大王「…イキナリかよ、英雄王」

 

 

 

ギルガメッシュ「邪魔するな、鬼神め」

 

 

 

閻魔大王が『原罪(メロダック)』と『絶世の名剣(デュランダル)』を足元に放り投げると、光の粒子となって虚空に消えた。

 

ギルガメッシュ王は、その紅い赤眼に殺意と激怒の感情を灯しながら、閻魔大王と妾を睨みつけて来た。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「…貴様、この(オレ)の目的を知った上での愚行か…っ!」

 

 

 

ギルガメッシュ王はそう言うと、その背後に20をも超える『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の砲門を開いて、矛先を妾達に向けて来た。

 

 

 

ギルガメス「…ひゃあっ!!?」

 

 

 

妾は初めて見る本物の『王の財宝』の矛先を向けられて怯えてしまい、閻魔大王の背後に隠れた。

 

 

 

閻魔大王「…って、オイオイ。お前がアイツから隠れてどうすんだよ…?それでも、エアの娘ですかぁ!?このヤロー!」

 

 

 

ギルガメス「う、うるさい!妾とて好きで怯えておる訳ではない!ただ、あのギルガメッシュ王を相手にメソポタミア出身として、どんな顔して会えば良いのか精一杯に考えておるのだ!!」

 

 

 

閻魔大王「…どんな顔って、そりゃあエアの娘らしい面してりゃ良いだろ…?」

 

 

 

ギルガメス「きっ…貴様!?何という無礼な事を言うのだ!そんな真似したら、妾はギルガメッシュ王に殺されてしまうぞ!?というか、何故ギルガメッシュ王はあんなにも殺気を放っておるのじゃ!!?」

 

 

 

閻魔大王「あー…。今のアイツはな、ちとキレやすいんだよ。まぁ…何であんなにも怒り狂ってるのかは、自ずと分かるさ…」

 

 

 

妾達がそんな下らない言い争いを繰り広げていると、ギルガメッシュ王が不思議そうな目を妾に向けて来た。

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーーむ…?オイ貴様、もしや今エアの娘と言ったか?」

 

 

 

ギルガメス「…へっ?」

 

 

 

妾は唐突にギルガメッシュ王に話しかけられて、間抜けた声を出してしまった。

 

ギルガメッシュ王はそんな妾を見て、質問の答えを急かして来た。

 

 

ギルガメッシュ「早く答えよ。もし虚言であるならば、その身体を串刺しにするぞ」

 

 

 

ギルガメス「うぅ…う、うむ!妾は確かにメソポタミアの豊穣神エアの娘じゃ!!」

 

 

 

ギルガメッシュ「…ほぅ」

 

妾はギルガメッシュ王に宣言するかの様に高らかに声を上げた。

するとギルガメッシュ王は座っていた玉座から立ち上がり、妾に向けて言い放った。

 

 

ギルガメッシュ「…オイ、雑種。特別だ、もう少し近くに寄れ」

 

 

 

ギルガメス「へ…?えっ?…え??」

 

 

 

妾はギルガメッシュ王に何を言われたのか一瞬分からなくなって、ギルガメッシュ王と閻魔大王を交互に見た。

 

 

 

閻魔大王「つまりは、『もう少し良く顔を見せてくれ』だとよ…。ほら、行きな」

 

 

 

ドンッ。

 

 

閻魔大王は妾にそう言って、妾の背中を押した。

 

 

 

ギルガメス「…っとぉ!?なっ、何をするのじゃ!!?」

 

 

 

閻魔大王「良いから、早く行きな」

 

 

 

閻魔大王はそんな妾を急かして、早くギルガメッシュ王の元に行く様に言った。

 

 

 

ギルガメス「…っ!む、むぅ…っ」

 

 

 

妾はゆっくりとギルガメッシュ王の元に少しずつ歩み寄った。

 

 

 

ギルガメス「…うぅっ…」

 

 

 

しかして、ギルガメッシュ王の近くに歩み寄る度に感じる王として風格。

 

 

 

ギルガメス「…っ」

 

 

 

 

呑まれまいと気を強く持つが、近づく度に感じるそれはさらに増大していった。

 

ーーーーそして、

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーー何を躊躇っているのだ、雑種。早く来い」

 

 

 

ジャラララララッ!!

 

 

 

ギルガメス「…なぁっ!?」

 

 

 

ギルガメッシュ王は躊躇う妾の四股を銀色に輝く鎖で絡めて引っ張った。

 

 

 

ギルガメス「きゃあっ!?」

 

 

 

妾は突然の事に驚いて、生娘の様な声を出してしまった。

そして四股を縛る鎖の痛みに耐えかねて、妾は目を瞑ってしまう。

 

 

 

ギルガメッシュ「ほぉ…肉体は素晴らしい出来ではないか。その整えられた黄金比の肉体は、まるで(オレ)の性を反転させたかの様な容姿をしているな」

 

 

 

すぐ近くで、ギルガメッシュ王の声が聞こえてくる。

ふと目を開けると、ギルガメッシュ王の風貌が妾の目の前にあった。

 

 

 

ギルガメス「……うぅっ///」

 

 

 

妾はその美しい容姿と強い王の威圧に当てられて、少し顔が熱くなっていくのを感じてしまった。

 

妾はすぐにギルガメッシュ王から離れようとして精一杯に抗ってみるが、妾の身体を縛る鎖は『天の鎖(エルキドゥ)』。

神性を持つ者に対して絶大な拘束力を発揮する宝具。高過ぎる神性を持つ妾の身体では抜け出す事なぞ出来やしない。

 

 

 

ギルガメッシュ「……ん?これは…」

 

 

 

 

ーーークィ。

 

 

 

ギルガメス「…っ?」

 

 

 

 

妾の身体を見ていたギルガメッシュ王が、ふと不思議そうな表情を浮かべた。

ギルガメッシュ王は、妾の顎を掴んで目を覗き込んで来た。

 

………というか、コレって“顎クイ”…?

 

 

 

ギルガメッシュ「っ…!…っ!!?」

 

 

 

妾はソレを理解すると、頭の中が真っ白になって少しパニック状態になった。

 

だがギルガメッシュ王は、そんな妾の様子なぞ気にもせずに見つめ続けていた。

そしてギルガメッシュ王は、その双眼に静かな怒りを灯し始めた。

 

 

 

ギルガメッシュ「………どうやら貴様は、不躾にもこの(オレ)の身体と蔵を有しているようだな…!」

 

 

ーーーーゾクっ!!

 

 

 

ギルガメス「……ひぃっ!!?」

 

 

 

妾は至近距離でギルガメッシュ王の怒りに当てられて、かなり萎縮してしまった。

 

 

ーーーそして『殺される』と思った。

この恐怖の感覚は、覚えがある。

以前にも同様の恐怖を感じた事がある。

 

そう、アレは確か…怒り狂ったイシュタルに八つ当たりをされた時だ。

だが今回は、女神のソレとは比較にならない程の恐怖を感じた。

 

 

 

ギルガメス「…っ!」

 

 

妾は威圧に身を固めてしまい、終いには死の恐怖に怯えて目を固く閉じた。

 

 

 

 

ギルガメス「………っ?」

 

 

 

………しかして、その時は来なかった。

 

 

目を開けてみると、そこには相変わらずのギルガメッシュ王の顔があった。

だがギルガメッシュ王の表情には、怒りを感じられなかった。

 

 

……というよりも、コレはーーー、

 

 

 

ギルガメス「うぅ……?」

 

 

 

ギルガメッシュ「…ふむ。このまま殺してしまうには、ちと惜しい女だ」

 

 

 

ギルガメッシュ王は、妾を見つめながら何かを悩んでいるようだった。

そして、ギルガメッシュ王が妾を見つめる視線から感じるものは、それは決して怒りではなかった。

ギルガメッシュ王の視線からは、まるで妾を見定める様な感覚を感じる。

 

ギルガメッシュ王は長考の末に、妾を見定める様な目を向けながら問い掛けて来た。

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーー貴様は、我が財宝をもって何を成したい?我が肉体をもって何に至ろうというのだ?返答次第では例え魔王に邪魔されようとも、その命は確実に刈り取るぞ」

 

 

 

ギルガメス「…妾が…成したい事、妾の…至ろうとする……」

 

 

 

ギルガメッシュ「雑種、貴様が願う表層の願いでは無いぞ。(オレ)が知りたいのは、貴様の最奥に巣食う願望だ」

 

 

 

ギルガメス「…妾の、本当の…“願望”…」

 

 

 

ギルガメッシュ「そうだ。貴様の最も強く願う願望。脆く儚く弱々しいが、しかして人間らしい欲望。最奥にある“ソイツ”をこの(オレ)に聞かせてみよ」

 

 

 

 

ギルガメッシュ王が問い掛ける妾の願望。悩む必要なんて無いのに…“考え”と“答え”が纏まらない。

 

 

 

 

 

 

 

妾は美男・美女のハーレムを……。

 

 

 

 

 

ーーーーずっと昔から欲しかった。

 

 

 

 

 

誰もが妾を褒め称える園を……。

 

 

 

 

 

ーーーー死ぬまで求めて止まなかった。

 

 

 

 

 

妾だけに優しく甘い愛情を……。

 

 

 

 

 

ーーーー忘れられる筈が無い。

 

 

 

 

 

妾が最も欲しているのは……。

 

 

 

 

 

ーーーー妾が本当に求めていた願望。

 

 

 

 

 

 

 

【妾が願う願望はーーーー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「………………しぃ」

 

 

 

ギルガメッシュ「…ん?」

 

 

 

ギルガメス「妾は…………しい」

 

 

 

ギルガメッシュ「ーー聞こえぬ」

 

 

 

ギルガメス「妾…友………し…」

 

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーー聞こえぬと言っている!!この(オレ)に然りと貴様のその願望を聞かせて見せろ!!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「ーーー妾は…!!…友がっ!親しい友が…っ!!一緒にいてくれる友が欲しいのじゃあぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………言ってしまった。

父にも母にも言うまいと思っていた、妾の本当の願望。

誰にも聞かせたくなかった、妾だけの本当の欲望。

 

ーーーそうだ、妾はハーレムが欲しかったのでは無い。

妾が本当に欲しかったのは、

 

 

“妾と一緒にいてくれる親友”だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「…う…っ、ゔぅ…!」

 

 

 

 

 

 

妾は顔を下に向けて泣いていた。

ギルガメッシュ王は何も言わずにいる。

閻魔大王も何も言わずにいる。

 

ただ、2人からは侮蔑の感情は無かった。

単に見つめられているだけだ。

 

そして、ついにギルガメッシュ王がその口を開いた。

 

 

 

ギルガメッシュ「……ソレが貴様の本当の願いか?貴様の最奥にある願望か…?」

 

 

 

ーーコクン。

 

 

 

ギルガメス「……ぅむ」

 

 

 

 

妾はギルガメッシュ王の問い掛けに対して頷いた。

妾は嗤われる覚悟は出来ていた。

エアの娘の願いが“親友”だなんて…。

きっと、嗤われる。嘲笑われてしまう。

 

 

ーーーーしかして、ギルガメッシュ王から聞こえてきたのは“嘲笑”では無かった。

 

ーーーーそれは、まるで、

 

 

 

ギルガメッシュ「…フハハハハハッ!!」

 

 

 

楽しそうな“笑い声”だったーーーー。

 

 

 

 

ギルガメス「……え?」

 

 

 

妾はギルガメッシュ王の高らかな笑い声を聞いて、顔を彼の王に向けた。

 

 

 

ギルガメス「何故、なのじゃ…?…何故、そんなにも…楽しそうに、笑える?何で、嘲笑わぬのじゃ…?妾の願いは…王の願いでは無いっ!妾の本当の願いはーーー」

 

 

 

 

 

妾がギルガメッシュ王に『何故そんなにも楽しそうに笑えるのか』を問うた。

しかし、その途中でギルガメッシュ王は、妾の言葉を遮って答えた。

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーーまるで(わらべ)のような願いだ…か?」

 

 

 

 

ギルガメス「……っ!?」

 

 

 

ギルガメッシュ「……確かに貴様の『友が欲しい』という願いは、王者たる者の願いでは無い。はっきり言って、貴様の表層の願いである『酒池肉林(ハーレム)の形成』の方が凡骨な王の欲望とも言えるだろうよ…」

 

 

 

ギルガメス「ならば、何故…?」

 

 

 

『そんなにも肯定的に笑える?』

そんな意味を込めて、ギルガメッシュ王を見つめた。

 

ギルガメッシュ王は、そんな妾の視線を真正面から受け止めて、答えてくれた。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーーーだがな、貴様の『友が欲しい』というその願いは王としてではなく、人としての願いだ。貴様の願望は、実に人間らしい(・・・・・)贅沢な願望だ」

 

 

 

ギルガメス「…えっ?」

 

 

 

 

ギルガメッシュ王が何を言っているのか、妾は分からなくなって来た。

 

だがギルガメッシュ王は、そんな妾の動揺なぞ気にもせずに話を進めた。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「貴様は今、あらゆるモノを手にしている。

『不老不死なる体質』

『エアの血筋』

半神半人の肉体(我が身体)

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

これら全ては人間ならば、一度は求めては止まないモノだ。特に『王の財宝』は、(オレ)の蔵であるからな。世界中の凡夫共が欲しているだろうな。貴様も(オレ)の能力と身体を欲していたクチだろう…?」

 

 

 

ギルガメス「う、うむ…」

 

 

 

ギルガメッシュ「(オレ)が統べるこの世界とは異なる“異世界(外世界)”では、どうやら(オレ)の蔵ーーーつまり『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』を求める凡俗な雑種が多いと聞く。しかも“異世界(外世界)”の神々共は、この(オレ)の許しも無く『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』を勝手に雑種共に与えているそうだな…」

 

 

 

ギルガメス「……っ!」

 

 

 

妾は何も言えなかった。ギルガメッシュ王の言い分は、理解出来るからだ。

何よりも、妾も“その雑種共”と同じ穴の狢である。何かを言える立場でない。

 

 

 

ギルガメッシュ「…だが、そんな雑種共と貴様は“ある一点”のみ決定的に違う。凡俗な雑種共は、元が只の人間であるが故に“魂が脆すぎる”。ほんの些細な事で亀裂が入り、簡単に崩壊する。例えば…只の殺意のみ(・・・・・・)、とかな」

 

 

 

ギルガメス「…?殺意…?」

 

 

 

ギルガメッシュ「…どうやら気付いておらぬ様だが、(オレ)が貴様に向けた“殺意を乗せた殺気”は並の人間ならば即座に気を失うぞ。英雄であったとしても『常勝の騎士王(冬木のセイバー)』の様な少しでも魂に歪みが出来れば、立っては居られまい」

 

 

 

ギルガメス「…なっ!!?」

 

 

妾は今までギルガメッシュ王から向けられていた殺気に、それ程まで重い殺意が込められていた事に驚愕した。

 

 

 

ギルガメッシュ「…その様子だと、やはり気付いて無かったようだな。(オレ)が本気で殺意を剥き出しで殺気を放ったのは、盟友(エルキドゥ)が呪われた時以来だ。本来ならば、“凡俗な神”程度なら臆する程のものなのだがな…。もしや貴様、過去に神の怒りを買った事でもあるのか?…ん?」

 

 

 

 

どうやら先程まで浴びていた殺気は、ギルガメッシュ王の本気(マジ)の殺気だったらしい。

ギルガメッシュ王が後半部分については、ニヤつきながら聞いてきた。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「……まぁ、それは良い。話を戻すぞ。貴様が手にした『(オレ)の身体』と『バビロンの蔵(王の財宝)』は、世界中の凡骨な雑種共が求める程の価値がある。そこいらの凡骨であれば、(オレ)の能力を過信して『友』という価値を見失う」

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ王は話を戻して、先程の話の続きを聞かせてくれた。

 

 

 

 

ギルガメス「……『友』?」

 

 

 

 

ギルガメッシュ「…そうだ。そんな凡骨の雑種共は『友』を捨てる代わりに『女』や『男』を求める。奴等はな、『ただ唯一の盟友』よりも『何処にでもいる有象無象の雑種』を選ぶのだ」

 

 

 

ギルガメス「なっ…!?友を捨てるとは!何故、そう簡単に捨てられるのじゃ!?」

 

 

 

 

妾は驚きを隠せなかった。

妾がネットで拾った知識には、そのような輩は居なかったのだ。

『友』を捨ててまでも、『男』や『女』を求める者達。

 

其奴等は、何故…。

何故そんな簡単に友情を捨てられるのだ?

何故そんな簡単に友情を見失えるのだ?

 

 

だって…それは、妾が最も欲しいものだ。

 

妾を慕ってくれる下僕よりもーー

妾の両隣で愛でてくれる愛人よりもーー

妾に尽くしてくれる家臣よりもーー

 

妾が最も欲しい『友情』を何故そんなにも簡単に捨てられるというのだ…?

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ「ーーーだからこそ貴様の願いは、信に値するのだ…ギルガメスよ」

 

 

 

 

ギルガメス「…え?」

 

 

 

 

ギルガメッシュ王はその瞳に静かなる怒りを宿しながらも、しかして妾の心を見透かしたかの様な視線を送って来た。

 

 

 

ギルガメッシュ「…そこらの凡骨な雑種が簡単に『友』を見失う中で、貴様は『友』を欲するという願いを求めた。確かにそれは王たる者の願いではないが…まるで(わらべ)のような願いではあるが、人としては贅沢な願いではあろう?」

 

 

 

 

ギルガメッシュ王の言葉はまるで妾が知るギルガメッシュ王ではないようで…。

しかしてその言葉には、人を捌いて導く王としての思いが込められていた。

 

 

 

ギルガメス「…!ーーう、うむっ!!」

 

 

 

 

妾の返事を耳にしたギルガメッシュ王の顔には『愉悦』の表情を浮かべた。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「良い返事だ、雑種…否、ギルガメスよ。その身に秘めたあらゆる欲望、その眼に宿した生への渇望、その心に潜む貪欲な願望、この(オレ)が認めよう!我が肉体と財宝を扱う権限。本来ならば有り得ん事だが、貴様だけは特別に許そう」

 

 

 

ギルガメス「…へ?」

 

 

 

妾はギルガメッシュ王が発した言葉を耳にして、間抜けた声を出してしまった。

 

……というか、今ーーー。

 

 

 

ギルガメス「妾の名を……」

 

 

 

 

ーーーガチャンッ!

 

 

 

 

ギルガメッシュ王に妾の名前を呼ばれた事に驚いていると、今まで妾の身体を縛り付けていた鎖『天の鎖(エルキドゥ)』が解かれた。

 

 

 

 

ギルガメス「え?あっ…」

 

 

 

 

妾が呆けていると、今までずっと静観していた閻魔大王が話を切り出した。

 

 

 

閻魔大王「ーーーーさてと…そんじゃあ、本題に入るぞ。俺達が『此処(英霊の座)』に来た目的は、お前だけにしか出来ない事だからだ」

 

 

 

ギルガメッシュ「ほう…(オレ)にしか出来ない事だと?事の次第は理解しているが、ソレ(・・)(オレ)でなくとも解決出来る案件であろう?例えば…『雑種(ギルガメス)』の『父親(エア神)』とか、な」

 

 

 

閻魔大王「そりゃあ…そうだけど。お前の方が確実だし、『アイツ(エア)』はお前と違って『蔵』を持ってるだけだし…」

 

 

 

 

ギルガメス「……???」

 

 

 

妾は2人が何を言っているのか、少し分からなかった。

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の話をしているのは理解しているが、2人の言い方ではまるで妾の父が『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』を持っているかの様な言い方である。

 

 

 

 

ギルガメス「…オイ、閻魔。先程から何を言っておるのじゃ…?まるで『エア(妾の父)』が、『英雄王の蔵(王の財宝)』を所有しておるような言い方ではないか…?」

 

 

 

 

妾は不思議そうに聞いてみると…、

 

 

 

 

 

閻魔大王「は…?何言ってんの?持ってるに決まってんじゃん。『アイツ(エア)』は、このギルガメッシュが“この世界”で誕生した時には既に『王の財宝』を手に入れてたんだよ」

 

 

 

 

…トンデモない事実を耳にした。

 

 

 

ギルガメス「…え?」

 

 

 

妾は驚き過ぎて、気の抜けた声しか出せなかった。

そんな妾を見てギルガメッシュ王は、さらに不思議そうな表情を見せた。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「オイ…雑種(ギルガメス)。まさかそんな事も知らずに、ずっとウルクで生きていたのか?エアの娘であるならば…共に暮らしておれば、エアが『我が蔵(王の財宝)』を持っている事くらいは気がつくであろう…?」

 

 

 

 

ギルガメス「っ……!」

 

 

 

妾はギルガメッシュ王の言葉を耳にして、少し気分が悪くなった。

 

 

 

閻魔大王「…ん?おい、どうした?なんか顔色が悪いぞ…」

 

 

 

 

妾を気遣ってくれる閻魔大王に対して、妾は小さく呟いた。

 

 

 

ギルガメス「…緒……、…かっ…」

 

 

 

閻魔大王「…あぁ?聞こえねぇよ」

 

 

 

ギルガメス「一緒……、…かった」

 

 

 

ギルガメッシュ「聞こえぬぞ、『雑種(ギルガメス)』」

 

 

 

妾はギルガメッシュ王に促されてしまい、仕方無くちゃんと答えた。

 

 

 

ギルガメス「…一緒では、なかった…!」

 

 

 

 

閻魔大王「あ…?一緒じゃなかった?」

 

 

 

ギルガメス「………妾が幼かった頃の1年間だけ共に過ごしたが、妾がウルクの学び舎に通う頃には既に居なかった」

 

 

 

妾が正直に昔のことを話すと、閻魔大王もギルガメッシュ王も少し難しい表情を浮かべていた。

 

そしてギルガメッシュ王が、難しい表情を引っ込めて口を開いた。

 

 

ギルガメッシュ「……まぁ、知らぬならば仕方あるまい。気にするな…」

 

 

 

ギルガメッシュ王の言葉を聞いても、妾は未だ気持ちが晴れないが、それでも今回はこれ以上気にするのをやめた。

 

 

妾はこの気分を払拭する為、これから何をするのか聞いてみた。

 

 

 

ギルガメス「……して、閻魔大王よ。妾はこれから何をすれば良いのじゃ?」

 

 

 

 

閻魔大王「ん?あぁ…そう言えば、キチンと話してなかったな」

 

 

 

閻魔大王は妾の問いを聞くと、一度ギルガメッシュ王を見て答えた。

 

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーーまず最初に、英雄王とタイマンで戦って欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーギルガメスsideoutーーーー

ーーーーー




『原罪(メロダック)』
ランク:???
種別:???
レンジ:???
最大補足:???
各地に伝わる『選定の剣』の原典であり、『聖権』の象徴。『グラム』はこれの派生品とされ、そこからさらに流れていったのが『勝利すべき黄金の剣』とされる。
Fateルートにおいて、投影品の『勝利すべき黄金の剣』に対して使用され、これを粉砕した。
『約束された勝利の剣』には及ばないものの、触れるモノを焼き払う光の渦を放つ事が出来る。
名前の由来はメソポタミアにおける神々の王マルドゥク。

TYPEMOONwiki参照


『絶世の名剣(デュランダル)』
ランク:A(推定)
種別:対人宝具(推定)
レンジ:???
最大補足:???
フランスの叙事詩【ローランの歌】に登場する、絶世の名剣。“決して折れない”という逸話を持つ不滅の聖剣。
シャルルマーニュ十二勇士の筆頭、聖騎士ローランが所有し、もとは王が天使から授かったという。
三つの奇跡を持ち、所有者の魔力が尽きても切れ味を落とさない輝煌の剣。
トロイア戦争においても、トロイアの英雄ヘクトールが使用しており、彼は柄を伸ばす事で槍としても使用している。
ちなみに、ヘクトールが持つデュランダルの名前は
『不毀の極剣(ドゥリンダナ・スパーダ)』
または、
『不毀の極槍(ドゥリンダナ・ピルム)』
という。

TYPEMOONwiki参照+αの情報


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