IS学園に実況者があらわれた! (SIGザビエル)
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1話

どうもみなさんはじめまして、SIGザビエルと申します。初めての投稿なのでかなりの駄文になると思いますが、何卒よろしくお願いします。


彼等は今日も今日とてゲームをする。

 

防音設備のある部屋でゲームをする3人。

 

ただし、彼等はただゲームをしている訳ではない。

 

彼等は・・・「実況」をしているのだ。

 

「落ちろ!・・・オッケェェェェイ!全てオッケェェェェイ!」

 

「こいつ裏切りやがった!」

 

「相変わらずゲスいな~」

 

「まぁでも、これで誰が一番強いのかはわかったよね?(ニヤニヤ)」

 

「まぁ仕方ないな~」

 

「不本意ながらねぇ」

 

「という訳で私が一番強いと言う事がわかった所で次回をお楽しみに、そんじゃまたね~」

 

「またなー」

 

「御視聴ありがとうございました~」

 

ゲーム実況が終了して一息つく3人

 

「いや~このゲーム面白かったね~」

 

俺こと坂本零次(実況者名 兄貴)はゲス顔でそう言った。

 

「最終的に裏切って勝った兄貴は楽しかったと思うけど、裏切られた俺は微妙だよ」

 

俺の弟である坂本英次(実況者名 弟)は不服そうに言う。

 

「まだ良いだろ、俺なんて開始10秒で死んだんだぞ⁉」

 

最後の一人、菊地直哉(実況者名 乙四)は半ギレでそう言った。

 

「まあまあ、直哉もそんなに怒んなって、取り敢えずゲームも終わったし飯にしようぜ、腹減ったよ」

 

そう言うと俺はキッチンに行き、あらかじめ作って置いた鳥のからあげを温め、味噌汁を作っている間に英次と直哉はゲーム機を片付け、テーブルとイスを渋々準備した。

 

「次の実況何やるかー」

 

次にやるゲーム全く考えてないんだよなー

 

「そうだね~特に考えてなかったな~」

 

直哉がそう言ったとき、英次が突然大声を上げた。

 

「おう⁉英次どうした!」

 

「零次、テレビ見てテレビ!」

 

「は?どうした?」

 

緊急速報です。インフィニットストラトス通称ISを起動させた男性が発見されました!

 

「はぁ⁉」

 

「マジか⁉」

 

名前は織斑一夏、あのブリュンヒルデ織斑千冬の弟とのことです!これに対し政府は他にも男性起動者がいないか調査のため、全国の13歳から20歳までの男性を対象にISコア用いた起動試験を実施するとの事です。尚20歳以上の男性は本人希望により、起動試験に参加できるとの事です。

 

「英次ガンバ、行って無駄だと証明してこい」

 

いち早く状況を理解して俺は英次を茶化した、なぜこのように言ったかというと英次は今年で18歳であるため、この起動試験を絶対に受けなければならない。ちなみに直哉は23歳で俺が24歳である。

 

 

「・・・なぁこの試験、零次と直哉もやんない?」

 

「え~嫌だよめんどくさい、嫌な女が多いし、どうせ俺達じゃあ動くわけないだろ」

 

「確かにな~」

 

「でも本物のISが見れるなんて滅多にないんだから、見に行くだけでもいいじゃん」

 

「まぁな~」

 

「そう考えればな~」

 

「でしょう?そんじゃ決まりな!」

 

こうして俺達は起動試験を受ける事になるのだが、これが俺達の人生を大きく変化させるのは、偶然か運命かいまだにわからない。

 

数日後、俺達3人は起動試験を受けるために試験場にやって来た。

 

「うわーすごい列だな~」

 

「もう帰りたいわ」

 

「何言ってるの、ほら並ぶよ!」

 

英次にそう言われ、渋々列に加わり待つこと1時間、ようやく3人の目の前に日本製のIS打鉄が見えてきた。

 

「スゲー!やっぱ本物はカッコいいなあー!何かこうガンダム的な」

 

「そんな事言ってないで早く終わらせようぜ、動かないんだし、それに「何してるの早くしてくれない?どうせ動かないんだし早く終わらせてちょうだい」「・・・あんな奴もいるしよ」

 

「わかったよ・・・そうだ!どうせなら3人一緒に触んない?そっちの方が早く終わるし」

 

「「そうだな(ね)」」

 

そう言い俺達は同時に打鉄に触れた、すると突然ISコアが反応し打鉄が起動した。

 

「ウソ⁉き、起動した⁉警備員こちら試験場内、直ちに・・・」

 

「すごいよ零次、直哉!俺達IS起動できたよ!」

 

「すごいよじゃねーよ!早く逃げるぞ!」

 

「え?何で?」

 

「お前学校どうするの⁉それに僕と零次は仕事があるんだぞ!」

 

「・・・どうしよう⁉は、早く逃げないと!」

 

しかし時すでに遅し、俺達の周辺には警備員やISを装着した女性達に包囲されていた。

 

「明日、仕事どうしよう・・・」

 

「課長に何て言おう・・・」

 

「まだ終わらせてない実況あるのに・・・」

 

こうして俺達は無慈悲にもIS学園に入学することになるのであった。

 

 

1ヶ月後、俺達はIS学園の教室で机に突っ伏していた。

 

「「「き、気まずい!」」」

 

360度、どこを見ても女子しかおらず、教室にいるほぼ全ての女子が俺達や織斑一夏を見ている。

 

(完全に珍獣扱いじゃねーか)

 

(零次、助けてくれ)

 

(英次、耐えろ)

 

(見てよ織斑くん顔面蒼白になってガクガク震えてるよ)

 

(((御愁傷様)))

 

そんな事を言っていると教室の入口が開き、眼鏡をかけた童顔の女性が入ってきた。

 

「みなさんこんにちは、今日からこのクラスの副担任になりました山田真耶です。みなさん、一年間よろしくお願いします!」

 

『…………………………』

 

「なにかと迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします」

 

「「よろしくお願いしまーす」」

 

「は、はい!よろしくお願いしますね!」

 

そう山田先生は笑顔で言った、何だろう凄く保護欲がそそられるオーラが出てる。てか何で周りの奴等は返事しないんだ?全くこれだから最近の若者は………俺こんなおっさんみたいな言うようになったのか………歳かな~、そう心の中呟いてる内に自己紹介が始まり、織斑で止まっていた。あいつ緊張し過ぎて全然気付いてないな

 

「織斑くん!織斑一夏くん!」

 

「ひゃ、ひゃい⁉」

 

慌てながら教卓の前に立ち自己紹介を始めたが

 

「織斑一夏です。………………………………………以上です!」

 

そんだけかよ!もっとなんか言う事あるだろ⁉

 

パァン‼

 

「まともに自己紹介も出来ないのかお前は?」

 

「げぇ!呂布!」

 

「誰が真の三國無双だ!」

 

ゴッ‼

 

「だっ!」

 

(なぁ零次、今ヤバイ音聞こえたんだけど?)

 

(気にするな)

 

(触らぬ神に祟り無しだよ英次)

 

「全くこの愚弟は……坂本兄弟、菊地、まとめて自己紹介を済ませろ、織斑に自己紹介の手本を見せてやれ。」

 

「わかりました。どうもみなさんこんにちは、坂本零次です。趣味はゲーム、実況、サバゲです。歳は織斑先生と同じ24歳ですがIS関係ではわからない事が多いので、みなさんに追いつけるように頑張ります。」

 

「坂本英次でーす。零次の弟になります。趣味も兄貴のと一緒です。これからよろしく!」

 

「こんにちは、菊地直哉と申します。趣味はゲーム、実況とパソコン関係は基本的に何でもできます。坂本兄弟とは友達なので二人共々よろしくお願いしまーす」

 

『…………………………』

 

「「「?」」」

 

『き』

 

「「「き?」」」

 

『きゃーーーーーーーーーーー!!』

 

「「「ギャーーーーー耳がーーーーー!!」」」

 

『お兄さんはクールなイケメンで弟さんはワイルドなイケメンよ!』

 

『菊地さんも爽やか系のイケメン!』

 

『3人とも声カッコいい!』

 

『でも弟さんと菊地さんの声どこかで聞いたことあるような?』

 

「「?…………あー!そう言う事ね」」

 

『………?』

 

「んんっ!……………待たせたな!」

 

「……………魔貫光殺砲!!」

 

『スネ〇クとピッ〇ロだーーーーーーー!!』

 

「まぁこんな感じなのでみなさんよろしくね」

 

「あれをやれとは言わないが最低限は出来るようにしろ、いいな。」

 

「わかったよ千冬姉。」

 

パァン!

 

「織斑先生だ」

 

「わ、わかりました織斑先生。」

 

織斑が席に戻り、その後自己紹介は終わり、一時限目で織斑は内容がわからないのか顔面蒼白になり、英次は爆睡している所を織斑先生に叩き起こされるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




人物紹介

坂本零次 24歳 実況者名 兄貴
この実況グループのまとめ役、ISを起動する前は普通の社会人であり、英次、直哉と一緒に部屋をルームシェアしていた。弟の英次が家事しないため自然とやるようになり今では得意分野であり、料理にいたっては店に出せる腕前。また趣味のサバゲでは、サバゲ仲間達の戦闘技術が並の軍人より高く自分もいつの間にか自然とそうなって行った。

坂本英次 18歳 実況者名 弟
零次の弟、零次より体格が大きく声が渋い、兄である零次の背中を見て育ったので、趣味もだいたい同じである。段ボールが好きであり、地面で何か光ったものを見ると「ダイヤモンドだ!」と言って飛びかかる癖がある。

菊地直哉 23歳 実況者名 乙四
このグループのサポート役、運動は零次、英次よりはできないが、パソコン機器に詳しくその技術もかなり高い、パソコン関係は何でもできると言ってもいい。時々無意識で「ナメ〇ク星に帰りたい」と言い、その度に零次か英次が殴って正気に戻す。


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2話

お気に入り登録をしてくれた方々、本当にありがとうございます。駄文かつ更新も遅くなると思いますが、これからもよろしくお願いします。


一時限目が終わり、やっと解放されると思っていたが状況は更に悪化していた。

 

「何でさっきよりも女子の数が増えてるんだ?」

 

「絶対他のクラスの女子もいるだろ?」

 

「周囲の視線が痛い…………でも、あと一歩で何かに目覚めそう………」

 

「直哉はもう手遅れだな。」

 

「ああ、そっとしておくか。」

 

「あの、ちょっといいですか?」

 

「「うん?」」

 

「何?」

 

「ど、どうもあらためて織斑一夏です。…えっと、坂本さん、菊地さん」

 

「あ~敬語とかはいいよ、僕も零次と英次も同じ学年なんだし。」

 

「坂本も俺と零次が二人いるから名前でいいよ~」

 

「わかり…わかったよ英次。」

 

「とりあえず、女子校の中でたった4人しか居ないんだから仲良くしようね~」

 

「おう!よろしく!」

 

一夏がよろしくと言った所でポニーテールの女子が俺達に近付いてきた。…誰だ?一夏の知り合いか?

 

「………すまない、ちょっといいか?」

 

「………もしかして、箒か?」

 

「ああ、やっぱり一夏の知り合いか、一夏に用事があるのか?」

 

「ああ、すまないが一夏を借りていいか?」

 

「ああ、いいよ見た感じ久しぶりにあった友人なんだろうし、行ってこい一夏」

 

「ああ悪い、ちょっと行って来る」

 

そう言って一夏達は教室から出ていった。

 

「いいな一夏、あんなかわいい友達がいて」

 

「僕達の友達野郎だけだもんね」

 

「言うなよ、悲しくなってくるだろ」

 

「ちょっと、よろしいかしら?」

 

うん?今度は誰だ?後ろを振り向くと絵に書いたようなお嬢様っぽい白人の女の子がいた。

 

「聞いてます?お返事は?」

 

「ああ確か君はセシリア・オルコットさんだったね、俺達に何か用かい?」

 

「まぁ、なんですの?そのお返事は、わたくしに声をかけられたのだからまずは光栄に思う所ではなくて?」

 

(零次なんか来たよ何とかしてよ)

 

(いやだよ、面倒事は)

 

「ちょっと、聞いてますの!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「っ!また来ます!逃げませんように!」

 

「あの子は何がしたかったんだ?」

 

「さぁ?」

 

「また来るってよ~?」

 

なんか嫌な予感がするんだよな~あっ一夏とポニーテールの女の子が頭叩かれた。

 

「であるからして………」

 

(なぁ零次、これってどういう意味なの?)

 

(ここか?ここは………こういう意味だ)

 

(おーサンキュー零次)

 

(軟禁されてる時に零次に叩き込まれてなかったら全くわからなかったよ)

 

俺達がIS起動できるとわかってから俺達は1ヶ月以上ホテルに軟禁され電子機器も取り上げられ、なにもできなかったので、仕方なく俺は駄弁ってる英次と直哉と一緒にISに関する参考書を手に勉強をしていたので今の所は大丈夫だ、しかし1ヶ月以上もゲーム実況してないからさすがにストレス溜まるなぁーしかもテレビやネットで俺達の顔写真が公開されたらしく当然俺達の動画を見てくれているリスナーの方々にも顔ばれしたらしい。………顔ばれしないようにしてたのに………

 

「山田先生!」

 

「はい!何ですか!織斑くん、わからない事があったらなんでも聞いてくださいね、私は先生ですから!」

 

「ほとんど全部わかりません!」

 

はぁ全部⁉あいつ今までなにやってたんだ⁉

 

「えっと………ぜ、全部ですか?」

 

「織斑、お前に渡した参考書はどうした?」

 

「古い電話帳と間違えて捨てました!」

 

パァン!

 

「いだっ!」

 

「はぁ~新しく発行してやる、ただし1週間で覚えろ」

 

「1週間⁉あ、あの…1週間であの分厚い本はちょっと」

 

「やれと言っている」

 

(怖~なんだあの暴君)

 

(1週間は絶対に無理だろ?)

 

(まさしくあれだね)

 

(((女帝だな(ね)!)))

 

パァン! スカッ パァン! パシィ!

 

「ガッ!」

 

「イデッ!」

 

「うおぉぉぉ!危ねぇぇぇぇ‼」

 

俺は真剣白羽取りをし、直哉は頭に当たり、英次は真剣白羽取りに失敗した。織斑先生なんで気づいたんだ⁉

 

「ほぅ、坂本兄は防いだか」

 

「零次さんスゲー!まさか千冬姉の一撃を止めるなんて!」

 

俺もよく出来たなぁ………ちょっと待って織斑先生どんどん力入ってるよ!なんでこの人こんな力強いの⁉

 

「お、織斑先生いいんですか?じゅ、授業止まってますよ⁉」

 

「……………ちっ次はないからな」

 

ふぅー危なかった~危うく脳みそ出る所だった。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「むっ…では二時限目はこれで終わる」

 

良かったーどうにか俺の命の危機は去ったな。

 

「零次さんすごいな!千冬姉の一撃を止めるなんて!」

 

「俺もよく出来たなって思てるよ」

 

「俺は白羽取り失敗したけどね……まだ頭痛い」

 

「僕にいたってはなにもできなかったんだけど?」

 

「ちょっとよろしくて」

 

「うん?」

 

(((本当にまた来たよこの子)))

 

「まぁなんですの?そのお返事は、イギリスの代表候補生であるわたくしセシリア・オルコットが話しかけてますのに、ここは光栄に思うのではなくて⁉」

 

(((同じような事またいってるよ)))

 

「なぁ代表候補生ってなんだ?」

 

「あ、貴方本当にわかりませんの⁉」

 

「わからん」

 

「日本にはテレビがありませんの?」

 

「いや、テレビは基本的に見ないからな」

 

「そう言う事を言ってる訳じゃないと思うぞ一夏」

 

「そうなのか英次?」

 

「まぁいいですわ、イギリス代表候補生であり実技試験で教官を倒したわたくしはエリート中のエリートですからISの事でわからない事があれば教えて差し上げてもよろしくてよ」

 

「うん?教官なら俺も倒したぞ?」

 

「………………わたくしだけと聞きましたが?」

 

「女の中ではってオチじゃないのか?」

 

「あ、貴方達はどうですの⁉」

 

「はぁ?あんなの倒せるわけないだろ⁉」

 

「めちゃんこ強かったぞ!」

 

「逆によく勝てたよね?」

 

「ま、まぁいいですわよね、そう簡単に教官を、しかも素人が倒せるわけありませんわよね」

 

「「「織斑先生に勝てるわけないだろ(でしょ)‼」」」

 

「え?お、織斑先生?」

 

『うそ⁉坂本さん達の教官千冬様だったの⁉』

 

『えー!いいな~!』

 

「なんだよあの人!三人がかりでエネルギーが5割しか削れなかったんだぞ!どうやったら勝てるんだよ!」

 

「俺と零次が跳弾を利用して当てようとしてもほとんど避けられたぞ!」

 

「僕が死角から撃ってもこっち見ないで避けるし!」

 

「あ、貴方達それは本当なんですの⁉」

 

「お、おい四人とも落ち着けって」

 

「これが落ち着いていれるわけ…」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「っ!また来ますわ!逃げませんように!」

 

「「「また来るんかい!」」」

 

 

「それでは三時限目を始めると言いたい所だがクラス代表を決めていなかったので当初クラス代表を決める。やりたい者は立候補しろ、推薦でもかまわない」

 

『はい!織斑くんがいいと思います!』

 

『私も織斑くんがいいです!』

 

「ちょっと待ってくれ!俺⁉だったら俺は零次さん達3人がいいと思います!」

 

「おい待て一夏!俺達を巻き込むな!」

 

『じゃあ私零次さん!」

 

『私は英次さんがいいです!』

 

『直哉さんもいいと思います!』

 

「待ってください!納得いきませんわ!」

 

(ヤバイよ直哉あの子また出てきたよ、てか俺やりたくないから直哉やってよ)

 

(やだよ、てかオルコットさん今度は日本のこと罵倒し始めたよ)

 

「イギリスだって大したお国自慢無いだろ、世界の飯まずランキング何年覇者だよ!」

 

(あっ一夏がキレた)

 

「あ、貴方わたくしの祖国を侮辱しますの⁉」

 

「そっちが先に言ってきたんだろ⁉」

 

「決闘ですわ!」

 

「ああ、そっちの方がわかりやすい!」

 

「がんばれよ一夏」

 

「応援してるぞ」

 

「ガンバってねー」

 

「貴方達もやるんですのよ⁉」

 

「え⁉僕達もやるの⁉」

 

「いやだよめんどくさい、そんな時間があるならゲーム実況してるわ」

 

「ゲームなんて低俗な物の方が大事何ですか!確か貴方達2人は社会人でしたわよね?そんな歳にもなって恥ずかしくありませんの⁉これだから男の方は!」

 

ゲームのどこが低俗なんだ?、そんな事で「これだから男は!」って言われてもなぁ

 

「………今の言葉を撤回しろ、セシリア・オルコット」

 

「どうした英次?別に今の言葉で俺も直哉も怒ってないからお前が怒る必要は…」

 

「零次と直哉はいくらでも罵倒してもいいが、俺とゲームを侮辱することは許さん‼」

 

 

「「おいぃぃぃぃぃ‼」」

 

『え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜‼』

 

「お前、今のは俺と直哉が侮辱されたから怒るとかそう言う流れだろ⁉」

 

「なんで自分に対してしか怒ってないんだよ!」

 

「だってねぇ~零次と直哉が何か言われた所で俺は痛くも痒くもないしねぇ~」

 

「…………直哉わかってるな?」

 

「あぁそうだな…………後で協力してコイツをボコろう」

 

「貴方達ふざけてますの⁉言っておきますけどね、負けたらわたくしの駒使い、いいえ奴隷にしますわよ⁉」

 

「だってさ良かったな直哉、ご主人様が出来るぞ」

 

「待って⁉なんで僕そんな扱い⁉」

 

「静にせんか!オルコット、織斑、坂本兄弟、菊地の5名は1週間後第一アリーナでトーナメント形式で勝負してもらう。異論のあるものは!」

 

「いやあるわ!」

 

「理由を言え坂本兄、それと敬語を使え」

 

「オルコットは代表候補生、つまり専用機を持ってます。これではトーナメント形式で勝負した場合明らか自分達が不利です。そこで俺を含む5人全員で勝負し生き残った者がクラス代表になると言うのはどうでしょう?」

 

「え?どういう事零次?」

 

「いいか英次、お前にわかりやすく説明するとだな、オルコットはガンダムで俺達が量産型ザクだ、しかも俺達は素人でそんな俺達が一対一で勝負したところで勝率明らかに低いだろ?だから敵が多いが一対多の状況に出来れば勝率が上がるだろ?」

 

「あ~なるほど!」

 

「で、どうですか?」

 

「……………いいだろう。坂本兄の方法で勝負する。いいな」

 

『はい‼』

 

「それでは授業に入る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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3話

少しだけですがお気に入り登録が増えて行くことがとても嬉しいです。ありがとうございます。駄文ですが、どうぞゆっくりしていってください。


全ての授業が終わり放課後、俺達は教室で駄弁っていた。

 

「あ~面倒な事になったね」

 

「そうだな、オルコットさん俺の事見て凄く睨んでたよ」

 

「それはお前がボケたからだろ」

 

そんな事を話していると後ろから一夏が話し掛けてきた。

 

「零次さん、零次さん達はこの後どうするんですか?」

 

「一夏また敬語になってるぞ?」

 

「いや~なんかこっちの方が言いやすくて」

 

「まぁ言いやすいなら良いけど…この後なら自分達の部屋が何処なのか織斑先生に聞きに行こうと思ってたけど?」

 

「え?零次さん達って自宅通学じゃないんですか?」

 

「そうらしいよ~政府からそんな指示があったみたい」

 

「でもそれ言われたのホテルに軟禁されてる時でさ~家に私物取りに戻れなかったんだよ」

 

「じゃあ荷物持ってきてないんですか⁉」

 

「だから一回ホテルから脱出して家に私物取りに戻ったんだよ」

 

「えぇ⁉」

 

「あのとき面白かったよね!」

 

「英次はノリノリでリアルスネークやってたもんね?」

 

「警備員をCQCで無力化してたもんな」

 

「CQCなら俺の方が上だぁ~(ドヤァ~)」

 

「す、凄いですね」

 

「あ、織斑くん達ちょうど良かったです」

 

教室の入り口を見るとそこには山田先生がいた、俺に何か用事か?

 

「寮の部屋割りが決まったので鍵を渡しに来ました」

 

「あの、俺は1週間だけ自宅通学って聞いたんですけど?」

 

「事情が事情なので織斑くんも今日から寮で生活してもらうように政府から指示があったんです」

 

「じゃあせめて荷物取りに一旦家に戻って「私が準備した」……千冬姉」

 

いつの間にか山田先生の隣に織斑先生が段ボール箱を持って立っていた。いつの間に山田先生の隣に、てか荷物その一箱だけ⁉

 

「生活必需品と携帯電話があれば大丈夫だろう」

 

「はい………ありがとうございます」

 

「それでは鍵を渡しますね?」

 

鍵をもらったがみんな書いてある部屋の番号がバラバラで、俺と直哉の鍵だけ作りが若干違う

 

「山田先生、部屋の番号がみんな違うんですけど?鍵の形も零次さんと直哉の鍵だけ作りが凝ってるような?」

 

「ごめんね、急いで決めたから空いてる女子の部屋に入れる形になっちゃったんです」

 

「坂本兄と菊地については、元々社会人だった男性を学生の女子の部屋に入れていいのか?と会議で上がってな、話し合った結果、坂本兄を担任である私の部屋、菊地を副担任である山田くんの部屋に決まった」

 

『えぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉』

 

『零次さん千冬様と同じ部屋なの⁉いいなぁ~うらやましい!』

 

『じゃあ私達の誰かが織斑くんと英次さんと同じ部屋になるんだ!』

 

「零次俺達同じ部屋じゃないの⁉やだよ!助けてよ俺と同じ部屋の女子が女尊男卑系女子だったらどうすんの⁉」

 

「どうもしねぇよ!てか女尊男卑系女子ってなんだよ⁉受け入れろよ!」

 

「僕は別に異論ないですよ~」

 

「決まった事だ文句言うな、坂本兄は私についてこい、部屋に案内する。菊地は山田くんに案内してもらえ、織斑と坂本弟は学生寮の番号を見て探せ。」

 

そう言われ、みんなはそれぞれの行動に移って行った。

 

零次said

 

「着いたぞ、ここが私の部屋だ」

 

「寮長室?、織斑先生って寮長やってるんですか?」

 

「まぁな、ちょっと散らかっているが、とりあえず中に入ってくれ」

 

「はい、失礼しま……す……」

 

部屋の中は腐海と化していた。速すぎたんだ!腐ってやがる!………じゃなくて!ちょっと⁉物や空きカンが散乱してて足の踏み場が無くて、ベッドに脱ぎ散らかしたスーツや下着が3着分放置されてるコレがちょっとだと⁉

 

「…………………………」

 

「どうした坂本兄?」

 

「……た………ける」

 

「?」

 

「片付ける!なんだこの部屋汚すぎるわ!床足の踏み場無いじゃん!スーツもちゃんと洗濯してアイロンかけとけよ!」

 

「む、むぅ…」

 

「俺はゴミや物を片付けるので、織斑先生はそこに散らかってるスーツと下着を洗濯に出してください!」

 

「あ、あぁわかった…」

 

そう言って片付け始めたのはいいが……なんでゴミがレトルト食品かビール缶しか出てこないんだ?そんな事を思いながら2時間後ようやく部屋の片付けと俺の荷物の整理が終わった。

 

「ふぅーようやく終わった」

 

「すまないな片付けさせてしまって、こんな時間では食堂は開いてないだろう。レトルトで良かったらすぐに用意できるが?」

 

「そうなると思ってゴミを出しに行った帰りに、食堂によって食材を分けてもらいました。これで夕飯を作るので、それまで待っててください」

 

スゲーなIS学園、寮の個室にキッチン付いてるとか普通無いぞ?とりあえず今日は軽くオムライスでも作るか。作りはじめてから数十分オムライスとレタスのサラダを作り、テーブルに並べた。

 

「できましたよ」

 

「いただきます………っ!凄くうまいな、坂本兄は料理が出来たんだな」

 

「英次と直哉とルームシェアしてたとき、家事はほとんど俺がやってましたからね。それと部屋でも坂本兄はやめませんか?同じ部屋なのになんかよそよそしい感じがするので」

 

「あぁ確かにな…では零次と呼ぼう」

 

「えぇ、元々同い年ですし俺も織斑さん…だと一夏とかぶるな、千冬さんと呼びますので」

 

「わかった」

 

「ではまだ言ってませんでしたが、これからよろしくお願いします」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

 

 

 

直哉said

 

「つきましたよ菊地さん、ここが私の部屋です」

 

「ありがとうございます。山田先生」

 

「いえいえ、それと今はプライベートな時間なので先生は付けなくいいですよ?元々同じ歳ですし」

 

「そうですか?それでは真耶さんって言いますね?僕の事は直哉でいいですよ」

 

「な、名前呼びですか?わ、わかりました。私、男性の方と同棲するの初めてなので、その、これからよ、よろしくお願いします!」

 

「なんでそんなに固く考えるの?ルームシェアって思えばいいよ」

 

「は、はい!わかりました!どうぞ入ってください」

 

お~綺麗な部屋だな~女の子の部屋初めて入ったよ

 

「私は夕飯の準備をするので、直哉さんそれまで荷物の整理をしていてください」

 

「本当!楽しみだなぁ、僕女の子の手料理なんて初めてだよ!」

 

「え?初めてなんですか?それじゃあガンバって作っちゃいますね!」

 

そうして僕は荷物の整理を初め、終わる頃には7時を過ぎていた。

 

「ふぅ、終わった~」

 

「私もご飯の準備が出来ましたよ~」

 

テーブルに出てきたのは、ご飯と味噌汁、鳥のからあげとキャベツのサラダだった。

 

「お~凄く美味しそう!」

 

「どうぞ、召し上がってください」

 

「いただきまーす……ん~美味しい!」

 

「ありがとうございます、やっぱり誰かに食べてもらった方が作りがいがありますね!」

 

その後夕飯を食べ終えて、まだ整理してない私物を整理してから直哉は寝たのであった。

 

 

 

 

英次said

 

零次と直哉と別れてから、俺と一夏は部屋を探していた。

 

「………1025室、ここだな」

 

「一夏はその部屋か?俺は1033室だからここでお別れか」

 

「ああ、じゃあな英次」

 

「おう!ほんじゃあまたなー」

 

一夏と別れてから俺は1033室を探す、1033室…………あっ!あった、もう部屋の子がいるかもしれないからノックしなきゃな。

 

コンコン

 

「………入って」

 

部屋に入ると眼鏡をかけた髪が水色でショートカットの女の子が凄い勢いでパソコンを操作していた。

 

「……………………」

 

「………あの~」

 

「……………………」

 

「これから同室になる坂本英次です、よろしく」

 

「更識……簪……よろしく」

 

そう言ってから更識さんはじっと俺の顔を見ていた。な、何だろう?もしかしてこの子、女尊男卑系女子なのかな⁉

 

「ア…ベル…ト…」

 

「?」

「………アナベル・ガトー?」

 

「っ!…待ちに待った時が来たのだ」

 

「っ!多くの英霊が無駄死にで無かったその証のために」

 

「「星の屑成就のために」」

 

「「ソロモンよ!私は帰って来たぁぁぁぁぁ‼」」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「君のような同志に巡り会えたことを誇りに思うよ、更識簪さん」

 

「名字は好きじゃないから……簪って呼んで………こちらこそ坂本英次さん」

 

「俺も名前でいいよ簪さん」

 

そのあと俺は簪とロボットアニメやゲームについて熱く語り合った。

 

 

 




アナベル・ガトー
ガンダム0083に登場する名言「ソロモンよ私は帰って来た!」を言うかっこいい人です。


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4話

もう少し文を上手く作れるようにしたいです。それでは続きをどうぞ。


朝の5時30分、零次は何時もの時間に目が覚めた。

 

「もう朝か…千冬さんはまだ寝てるな」

 

とりあえずベッドから出て、洗面所に行き顔を洗う。

 

「ん~飯はどうするかな~食堂まで行くのも面倒だし作るか。メニューはご飯、味噌汁、昨日余った卵とベーコンで目玉焼きかな。よし、さっそく作るか」

 

キッチンに行きまずは味噌汁を作ってから次に目玉焼きを作る。

 

「……ん~…なにやらいい匂いがするな」

 

目玉焼きを焼いていたら千冬さんが起きてきた、凄く眠そうだなぁ。

 

「千冬さん、おはようございます。食堂行くの面倒で朝飯作ったんですけど食べます?」

 

「あぁ…食べる…」

 

「わかりました。もう少しで出来るので洗面所で顔を洗ってきて下さい」

 

千冬さんが洗面所に行ってる間に目玉焼きを皿に盛り付け、料理をテーブルに持っていく。

 

「お~うまそうだな」

 

洗面所から千冬さんが戻って来た。

 

「どうぞ召し上がってください」

 

「ああ、それでは…」

 

「「いただきます」」

 

こうして朝の時間は過ぎていった。

 

 

 

準備を整え教室に行くと教室にはもう英次達が来ていた。

 

「おはようー」

 

「「おはよう~」」

 

「君たち昨日自分の部屋はどうだった?」

 

「僕は昨日山田先生がご飯作ってくれたよ、スゲーうまかった」

 

「マジか、俺は逆に作った側なんだけど。英次は?」

 

「俺は昨日アナベル・ガトーやってた」

 

「「は?」」

 

「いやね、同室の女の子がロボットアニメとか好きで、それで意気投合しちゃてさ~それで盛り上がっちゃって」

 

「あーなるほど」

 

「良かったじゃん、女尊男卑系女子じゃなくて」

 

「本当だよ」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「みんな席つけ、ホームルームを始める。」

 

「よし!ギリギリセー…」

 

「遅刻だ馬鹿者」

 

一夏頭叩かれてばっかだな。

 

 

 

 

 

「ちょっと待て織斑」

 

一時限目が終わってから織斑先生が一夏を呼び止めた。

 

「お前には専用機が渡されることになった」

 

『え~!一年生で専用機⁉』

 

『いいな~私も専用機欲しいなー』

 

「なぁ零次、一夏もガンダムもらえるのか?いいなー俺も欲しいなー」

 

「いいじゃん英次、ザクにはザクの良さがあるんだから)

 

「お前らISな⁉何でもかんでもガンダムに置き換えればいいってもんじゃないぞ!」

 

「すいません織斑先生、零次さん達はどうなるんですか?」

 

「坂本兄弟と菊地は打鉄かラファールのどちらかを無期限で貸し出す事が決まった。しかし織斑が専用機を渡されるにあたりルールの変更をする、まず専用機を持っているオルコットと織斑が戦い、勝ったものが昨日坂本兄が提案したルールで坂本達と勝負する」

 

「わかりましたー」

 

「結局ザクか~」

 

「だからガンダムに置き換えるなよ!」

 

 

 

 

そんなこんなで放課後、零次達は英次の部屋に集まり作戦会議をしていた。

 

「よし、じゃあオルコット対策を考えるか」

 

「ねーねー一夏の対策は」

 

「多分大丈夫だ、一夏は接近戦をしてくる、動きは剣道だ」

 

「何でわかんの?」

 

「さっき剣道場で一夏とポニーテールの女の子がISの特訓だって言ってずっと剣道してた」

 

「一夏それ大丈夫なのか?ちなみにポニーテールの子の名前は箒ちゃんって名前だよ」

 

「そうなのか?まぁ俺達は俺達で対策考えるぞ」

 

「対策か~スペックとか武器が分かればいいんだけどな~」」

 

「ネットで検索したらオルコットの専用機の公開動画と武装の解説が出て来たぞ?」

 

「えぇ⁉ネットにあるの⁉」

 

「Google先生スゲーな」

 

「武装がレーザーライフルのスターライトMk.3、接近武器のインターセプター、最後にBT兵器のレーザービット4機とミサイル型が2機だって、完全に遠距離系だな。でこっちが公開されてる動画だな」

 

「……………ジェフティにしか見えないね」

 

「いやフリーダムガンダムだろ…ってちょっと待って、ファンネル使ってるよ⁉大佐やつはニュータイプか!」

 

「ニュータイプじゃねーよ。あのファンネルみたいなのがBT兵器だ。とりあえずこれを元にオルコット対策の武器を決めるぞ」

 

「「了解」」

 

 

英次の部屋を出て俺達はISの格納庫の中にある武器保管庫に来た。お~結構いろんなのがあるんだな~

 

「グレネードランチャーがある!俺これ使いたい!」

 

「僕はスナイパーライフルかな~」

 

俺は何にするかな~

 

「…………英次?」

 

「ん?あれ?簪じゃん!奇遇だね」

 

「英次、この子は?」

 

「ルームメイトの更識簪さんだよ」

 

「そうなのか?、はじめまして、コイツの兄貴の坂本零次です」

 

「僕は友達の菊地直哉でーす」

 

「……はじめまして、更識簪…です。英次はどうして…ここに?」

 

「クラス代表を決める勝負で使う武器を選びに来たんだよ。簪どうしてここに?」

 

「私は…自分の専用機を…作ってたの……」

 

「簪って専用機持ってるの⁉スゲー!」

 

「すごいね~でも君以外の人が居ないけど?」

 

「はい…私一人で作ってるんです」

 

「一人⁉」

 

「はい、私のお姉ちゃんも…一人で作ったから」

 

「いやいやまず一人で作るようなもんじゃないぞコレ、君のお姉さんもどこかしら手伝ってもらってるから」

 

「そうだよ、あまり無茶しちゃダメだよ?」

 

「ありがとうございます。…でも…やっぱり私は…一人で作りたいから……」

 

「簪って以外と頑固だな〜」

 

「はぁ~わかったよ、一人でやっても良いけど頑張りすぎちゃダメだよ?俺の弟も心配するからさ」

 

そう言って俺は簪ちゃんの頭に手を置いて撫でた。

 

「……………………」

 

「あぁごめんな、急に頭撫でて」

 

「……あ、いいえ大丈夫です。…でも、その……お兄ちゃんがいたらこんな感じなのかなって……」

 

「………簪ちゃん、俺の弟と取り替えたいわ」

 

「何でだよ⁉」

 

「アホな弟よりこんな可愛い妹の方が良いに決まってるだろうが!」

 

「………お前後でおぼえとけよ、どうなるかわかってるよな」

 

「この人が何を行ってるのかさっぱりわかりませんね~」

 

「っぷ!ふふ」

 

「あ!やっと笑ったな」

 

「え?」

 

「そうそう、女の子は笑顔一番だよ」

 

「よし!簪も笑ったし今日は帰ってみんなでガオガイガーみよう!」

 

「あの熱血司令官が出てくる?」

 

「いいね~」

 

「よし!そうと決まれば簪!早く行こう!」

 

「あ!ち、ちょっと待って…英次!」

 

そう言って英次は簪ちゃんの手を掴んで走ってた。

 

「…青春だな~」

 

「零次おっさん臭いよ、早く行こう?」

 

「マジか、おっさんか~」

 

そんな事を思いながらも俺達は英次の部屋でアニメ観賞し、盛り上がった。そして、勝負の日当日、俺達はアリーナの控室にいた。

 

「来ました!織斑くんの専用機、白式です!」

 

「白式⁉何その百式のパクりみたいなの⁉やっぱガンダムじゃん!」

 

「いやガンダム関係ないから!」

 

「箒、行ってくる」

 

「ああ、勝ってこい」

 

そのあと一夏はオルコット後一歩まで追い詰めるが、ワンオフ・アビリティーの零落白夜の燃費の悪さによりエネルギー切れを起こし自滅した。

 

「あははははははははははは!」

 

「だははははははははははは!」

 

「はははははははははははは!」

 

「そこまで笑うなよ!」

 

「はぁ~武器の特性を把握しないからああなるのだ。明日から訓練に励め、いいな?」

 

「はい…わかりました」

 

「よし!次は俺達だな!」

 

「でも良かったんですか?3人ともラファールで?」

 

「大丈夫ですよ、遠距離武器の方が慣れてますから!」

 

「よし!行くぞお前ら!」

 

「「ヒャッハー!」」

 

「なにやら不安になってきたな……」

 

「ですね……」

 



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5話

やっと戦闘です。それではどうぞ!


ラファール・リヴァイブを起動し、アリーナの中に入るとそこには既にオルコットが空中で静止した状態で待っていた。

 

「来ましたわね」

 

「ねー零次オルコットさんなんか怒ってないんだけど?」

 

「何でかは分からんけど作戦どうりにな」

 

「りょうか~い」

 

「まずは、零次さん、英次さん、直哉さん、先日の数々の暴言、本当に申し訳ございません」

 

「今は謝らなくていいよ、それより全力で戦ってくれ」

 

「わかっています。もうわたくしは油断も満身もいたしませんわ!」

 

「ああ!全力で来い!俺達も全力で………お前をハメ殺す!」

 

開始のブザーが鳴った瞬間に零次はグレネードランチャーを出し、セシリアに向けて全弾を撃った。

 

「そんな物、全弾撃ったところで当たりませんわ!」

 

しかしセシリアは全ての弾を回避した。だが零次の目的はセシリアに弾を当てることではなかった。

 

ボン!

 

「なっ!」

 

零次が撃っていたのはスモーク弾、零次はまず煙幕でセシリアの視界を妨害することを考えていた。

 

「しかし!」

 

だがセシリアは冷静にミサイルを発射し、爆風で煙幕を吹き飛ばした。

 

「っ!上ですわね!」

 

自分よりも上の方にいる零次を見つけスターライトMk.3を構えた。しかし、セシリア上を見た、見てしまった。

セシリアは油断も満身もしないと言っていたが、心の中にはまだあったのだろう。「量産機だから、素人だから」と、だから見落としてしまったのだろう。同じ敵である英次と直哉を。瞬間、セシリアの左側のビット2機、右側のビット1機が爆発した。

 

「なっ何ですの⁉」

 

下見ると直哉と英次がスナイパーライフルを構えていた。

 

「左側のビット2機殺った」

 

「右側1機殺り損ねた」

 

「オーケー」

 

「くっ!」

 

セシリア慌ててスターライトMk.3を下にいる2人に構えた。しかし…

 

「俺を見ろーーーーーーーー‼」

 

「っ!」

 

なんと零次がセシリアに向かって蹴りの体勢で突っ込んできた。

 

「インターセプ…きゃ!」

 

インターセプターで対応しようとするが英次と直哉がスナイパーライフルで発砲、ブルーティアーズに直撃し、セシリアの体勢が崩れた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!究極ぅぅぅぅぅぅ!ゲシュペンストキィィィィィィィック!」

 

「きゃあああああ!」

 

零次の蹴りがブルーティアーズに炸裂、ブルーティアーズはそのまま落下し地面に叩き付けられた。

 

「よし落ちた!アレを準備しろ!」

 

「「オーケー」」

 

3人はブルーティアーズを取り囲みある物を投げた、それは…

 

ボオォォォォォォ!

 

対IS用焼夷手榴弾である。これは対象に投げ、触れた瞬間に破裂、中に入っているジェル状の可燃性物質が対象に付着、空気に触れることで燃焼し、対象にダメージを与える武器である。この武器は一個一個では大したダメージはないが3人で絶えず対象に投げればどうなるか。

 

「私のこの炎を喰らうがいい!浄められよ!」

 

「ヒャッハー!汚物は消毒だーーーー!」

 

「は~い燃やしちゃおうね~」

 

結果、ブルーティアーズの絶対防御のエネルギーは一瞬で無くなった。

 

 

 

 

「す、凄い戦い方ですね…」

 

「はぁ~やり過ぎだあのバカどもは…」

 

「でも坂本さん達凄いですね、まさかISを起動してから少ししかたってないのにあそこまで連携が出来るなんて」

 

「ああ、坂本達の連携は私も少し苦戦した」

 

「千冬姉が苦戦って想像できないな…そういえば何で零次さん達動いてないんだ?あっ!何か取り出した」

 

「何をするんでしょか?」

 

「………………どうも皆さんこんにちは!兄貴でーーす!」

 

「「「「は(へ)⁉」」」」

 

 

 

 

 

「よーしオルコットは倒したな!今からが俺達の本番だぞ!」

 

「ねー零次、本当にやるの?」

 

「なにを言ってるんだ。本当にやるに決まってるだろう」

 

「ま~いいか~………準備出来たよ」

 

そう言って直哉はパソコンと人数分のカメラとマイク付きヘッドフォンを取り出し、零次と英次に配った。

 

「よし!準備オーケー……ライブスタート!どうも皆さんこんにちは兄貴でーーす!」

 

「どうも皆さんこんにちは弟でーーす!」

 

「乙四と申しまーーす!」

 

「兄弟乙ライブ始めたいと思いまーーす!いやね、皆さん知ってる思うんですけど、俺達IS動かして今までゲーム実況出来てませんでしたが、今日から再開しまーす!けど今日はせっかくなのでISを使ってバトルをしたいと思い、やって参りましたIS学園第1アリーナ!観客の女子達がポカーンとしてるのは一切許可を取ってないからです!後悔はしてません!それでは初めて行きたいと思いまーーす!」

 

「ああそうだな」

 

そう言って零次と直哉は英次の方を向いた。

 

「………え!、ちょ何⁉」

 

「お前、前のアレ、忘れたわけじゃないよな」

 

零次はボイスレコーダーを取り出し、音源を再生した。

 

『零次や直哉はいくらでも罵倒してもいいが俺とゲームを侮辱する事は許さん!』

 

「………………………」

 

チャキ 零次がブレード構える音

 

カチャ 直哉がスナイパーライフルの安全装置を外し、英次に銃口を向ける音

 

「助けてぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

逃げる弟をブレードを振り回しながら追いかける兄貴

 

「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!」

 

「やめてよ~〜〜〜!」

 

「そのまま負けろ…「バン!」ちょ、おっつん!当たってる!俺にも弾当たってる!」

 

「二人共々あの世へ行けーーー!」

 

「おいぃぃぃぃぃ!ちょっと待て弟ここは休戦しよう。まずアイツを倒すぞ」

 

「ああそうだな…「なわけねーだろ‼」ギャーーーー!」

 

即行で英次を裏切った零次は英次に残っていた焼夷手榴弾を投げつけた後アサルトライフルを取り出し乱射して英次のエネルギーをゼロにした。

 

「よーし!次はお前だ乙四!」

 

「おーかかってきなさいよ!」

 

零次はブレードに持ち替て突っ込み、直哉はアサルトライフルを取り出し応戦した。しかし

 

ガキン!

 

「ウソでしょ⁉ジャムった!」

 

直哉のアサルトライフルが弾詰まりを起こした。

 

「これで終わりじゃ~〜〜〜〜〜‼」

 

「させるかーーー!」

 

零次が目の前に迫ったとき直哉はアサルトライフルを手放し、ある武器を取り出した。

 

「ウソでしょ⁉なんでパイルバンカーなんて持ってんだよ⁉「バゴン!」ああああぁぁぁぁぁ!」

 

零次は吹き飛ばされ壁に激突しエネルギーがゼロになった。

 

「ふぅ~いや~熱い戦いをしましたがISバトルで一番強いのは僕に決まりました!次からはゲーム実況をしてくと思いますのでそれまでまたね~」

 

「「ま…またな~」」

 

ライブが終了し、未だにポカーンとしている女子達を置いて、動けなくなった零次と英次を引きずりながら、直哉はアリーナの控室に戻った。

 

 

 

控室に戻るとそこには阿修羅がいた。

 

「………………………」

 

「あ…あの……織斑先生?………」

 

「…………言い残すことは?」

 

「「「助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」」

 

「それが言い残すことか……では逝け」

 

その後3人は織斑先生に半殺しにされ、リアルで生死の境をさまよった。



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6話

感想を送ってくれた方、本当にありがとうございます。それでは続きをどうぞ。


「「「知らない天井だ」」」

 

「なんで同じ事言ってるんだよ」

 

「だってねー?」

 

「この場合はこのセリフって決まってるからね?」

 

気付いたら俺達は保健室にいた。きっと織斑先生にシバかれてから保健室に運ばれたんだろう。

 

「あ!気が付いたんですね!」

 

「おいお前達、目が覚めたら言うことがあるんじゃないか?」

 

「「「勝手なことしてすいませんでした!」」」

 

「次にやったら………わかってるな?」

 

「「「はい!次は許可取ってからやります!」」」

 

「あ、あはは。とにかく今日は遅いのでもう寮に戻ってください。寄り道はしないでくださいね?」

 

「あ!その前にちょっとすいません」

 

「どうした、坂本兄」

 

「結局なんやかんやで勝負に勝ったのって直哉ですけど、クラス代表一夏にしませんか?」

 

「それはどうしてだ」

 

「一年生の、しかも素人同然の人間に専用機が渡されるなんて事まず普通じゃありえません。男性IS起動者としてデータ収集のために、俺達みたいに量産機が渡されるならわかります。だから誰がIS委員会に根回ししたんじゃないかと思いました。IS委員会が首を縦にふるしかなく、且つ一夏に近しい人物は………織斑先生と篠ノ之束だと思っています。しかし織斑先生がそんな事するとは思えませんので十中八九後者だと思いますけどね」

 

「………確かに白式を織斑に渡すよう指示したのは束だ。」

 

「やっぱりそうでしたか、織斑先生が黙認してるのは一夏が専用機を持っていないと危ない事態になるからでしょう?深くは詮索しませんが相談くらいはしてください。一応同じ部屋の住人なんですから」

 

「…ああ、わかった」

 

「とか言いつつただ単に自分がクラス代表やりたくないだけでしょ?」

 

「はぁ~?なに当たり前のこと言ってるんだ?(はぁ~?そんなわけないだろ?)」

 

「零次、本音と建前が逆になってるよ」

 

「あ、つい本音が…」

 

「…少しでも信用した私が馬鹿だった……まぁいい、クラス代表は織斑にやってもらう」

 

「それじゃあもう遅いし帰ろうか」

 

時計を見ると夜の9時になっており、零次達は急いで寮に戻った。

 

 

 

 

 

零次said

零次は千冬と一緒に部屋に戻っていた。

 

「あ~腹減った~」

 

「そう言えば私も何も食べてないな」

 

「え?千冬さん食堂で食べてきたんじゃないんですか?」

 

「どこかのバカ3人の事後処理のせいで行っていない」

 

「………………すいません」

 

「そう思うのなら夕飯を作ってくれ、腹がすいた。それと酒のつまみもな」

 

「わかりましたよ、酒は飲みすぎないようにお願いします」

 

「……善処しよう」

 

 

 

 

 

 

「まったく~何故一夏はISを動かしてしまったんだ~束は束で好き勝手な事ばかり、少しは私の身にもなってくれ〜」

 

「あーそうですねーたいへんですねー」

 

結局千冬さんは俺の作った夕飯を食べたあと、泥酔するまで飲み、俺に愚痴を言っていた。

 

「大体お前もお前だ~相談しろと言ったのにクラス代表になりたくないだけだったとは、信頼して損した~」

 

「あ~すいませんでした。わかりましたので、もう遅いですし寝ましょうよ」

 

「イヤだ~まだ飲める~あ~降ろせ~」

 

完全に飲んだくれになってる千冬さんが駄々をこねたので俺は仕方なく千冬さんを横抱きに運び、ベッドに降ろした時には暴れて酔いが回ったのか寝息を発てて寝ていた。

 

「ふぅ~やっと寝たよこの人、よし、千冬さんも寝かしたし、俺も寝るかな…「ぐい!」うおぉ!」

 

突然引っ張られたと思ったら気付くと俺は千冬さんの抱き枕にされていた。

 

「……はぁ、嬉しがる所なんだろうけどやってるのが酔っぱらいだしな~……あれ⁉どんどん力入ってきてない⁉し、締まる!く、首が締まってく!抜け…な…い!た、助け………」

 

そこで零次の視界はブラックアウトした。

 

 

 

 

英次said

「ただいま〜」

 

「……お帰り」

 

英次が帰って来るなり簪は英次をジト目で見た。

 

「え?どうしたの?」

 

「…今日の勝負、最初はカッコいいと思ったのに、最後が酷かった。」

 

簪は英次が零次に負けたことを言っていた。

 

「あ~ごめん、どうしても実況やりたくて…」

 

「別に怒ってないけど……零次さんに負けて悔しくないの?」

 

「え?悔しいけど?」

 

「じゃあ…なんでそんなに平気なの?」

 

「そんなの次は勝てばいいじゃん(どんな手を使っても)なぁ」

 

「……英次は凄いね」

 

「そんな事ないよ、俺より簪の方が凄いじゃない、一人で専用機作ってるし、簪は少し自分に自信を持った方が良いよ?」

 

「そんな事ない…私なんて全然凄くないよ……」

 

「いーや!他の人が簪は凄くないって言っても俺は凄いって自信もって言えるよ!」

 

「っ!」

 

簪は今まで家でも学校でも自分の姉と比べられて、一度も凄いと言われた事がなかった。そんな簪は初めて英次に誉められて

 

「そ、そんな事ないよ!お…お休み!」

 

なんと返していいかわからず顔を真っ赤にしてベッドに入り毛布にくるまって寝てしまった。

 

「え何⁉簪なんで怒ってるの⁉俺なんかした⁉」

 

簪が怒ったと勘違いした英次はどうしていいかわからず、簪が寝るのに気付くまであたふたしていた。

 

 

 

 

直哉said

「ただいま~」

 

「は~お腹空きました~」

 

「え?真耶さんご飯食べてないの?」

 

「織斑先生と一緒に直哉さん達の事後処理をしてて食べてないんです!」

 

「ご、ごめんなさい、ご飯作るなら僕も手伝うから」

 

「じゃあ直哉さんはお皿を準備してください。作りおきがあるのでそれを食べましょう」

 

「はーい」

 

 

 

 

 

 

「ではクラスの代表は織斑くんに決まりました!」

 

「何で俺なんですか⁉直哉さんじゃないんですか⁉」

 

「それはな一夏、俺が織斑先生に提案したからだ」

 

「零次さん何でですか⁉」

 

「いいか一夏、専用機をもらったってことはお前は期待されてるんだ。だから諦めて生けに…クラス代表として頑張れ」

 

「ちょっと待ってください!今生け贄って言いかけませんでしたか⁉じゃあオルコットさんはどうなんですか⁉」

 

「わたくしも辞退致しましたわ。一夏さん、それに皆さん、先日は無礼なことを言ってしまい、申し訳ありませんでした。それと零次さん、英次さん、直哉さん……」

 

「「「?」」」

 

「本当に申し訳ありませんでした‼」

 

「な、何で俺達だけ特に謝ってるんだ?」

 

「きっとあれでしょ?焼夷手榴弾使いまくったからでしょ?」

 

『あ~あれは怖かったよね…』

 

『うん、絶対防御があってもあれはされたくないね…』

 

「「「そんなに⁉」」」

 

そのあともセシリアと箒との間で一夏を巡り一悶着あったが無事にホームルームは終了した。

 

 

 

 

 

 

『それでは織斑くんクラス代表決定おめでとう!』

 

『おめでとう!』

 

「はぁ~何で俺が…」

 

「いい加減諦めろ一夏」

 

「わかってるんだけどなぁ」

 

『はいはーい新聞部でーす織斑一夏くんに特別インタビューをしにきましたー!』

 

「え⁉インタビューですか⁉」

 

『それではさっそく、クラス代表になった感想をどうぞ!』

 

「えっと……………頑張ります」

 

『え~それだけ?他に言うことないの?』

 

「俺…不器用ですから」

 

『え~………まあいっか、後でテキトーに捏造しとけば大丈夫でしょ。それと坂本零次さん、英次さん、菊地直哉さんってどこ?あの人達にもインタビューしたいんだけど?』

 

「そういえばさっきから見当たりませんね?…あっ、いた」

 

零次達は端のテーブルを囲み、飲み物を飲みながら話をしていた。

 

「零次さーん」

 

「ん?どうした一夏」

 

「新聞部の人がインタビューしたいそうです」

 

『新聞部でーす。噂のゲス3人組のインタビューに来ました』

 

「ちょっと待ってください何ですかその噂って⁉」

 

『あれ?一夏くん知らない?今凄い有名だよ?代表候補生をセコい手段で倒したって』

 

「なんだと?」

 

「れ、零次さん!怒らないでください。この人が言った訳じゃないんですから!」

 

「ゲスだと?………何当たり前な事を言ってるんだ?」

 

「『え~〜〜〜〜〜〜〜〜〜‼』」

 

「どんな手段でも」

 

「勝ちゃいいんだよ」

 

『あ、あはは、凄いですね…そ、それじゃあインタビューを終わるので失礼しました~』

 

「あんな事言ってよかったんですか?あの人絶対に新聞に載せますよ?」

 

「大丈夫だよ、それより一夏、飲み物が空になってるぞ?ウーロン茶だが飲むか?」

 

「ああ、ありがとうございますってそれウィスキーじゃないですか!」

 

「何言ってるの一夏、これはウーロン茶だよ」

 

「そうだぞ一夏、しかも凄いんだぞこのウーロン茶」

 

カチッ ライターに火をつける音

 

スッ ライターをコップに近付ける音

 

ボッ! ライターの火がウーロン茶に引火した音

 

「火までつくんだぞ?」

 

「それ完全にアルコールじゃないですか!」

 

「ほう、校内に酒を持ち込み、生徒の前で飲んでいる大馬鹿どもは誰だ?」

 

「ゲェ!織斑先生さっき会議があるって」

 

「なにやら嫌な予感がしたのでな?抜けてきた…」

 

「「「……………………」」」ダッ!

 

「逃げられるとでも思っているのか?………」

 

「何その動き⁉」

 

「目の前に瞬間移動したぞ⁉」

 

「新手のSCPか⁉」

 

「では、覚悟しろ…………」

 

「「「ギャァァァァァァァァァ‼」」」

 

後日、零次達が学園内に持ち込んだ酒は全て織斑先生の腹に収まった。

 

 




ウーロン茶の件
漫画、ぐらんぶるより抜粋





零次said その後
「…ん~あれ?俺いつの間に寝てたんだ?………ああ、確か昨日千冬さんに抱き枕にされた後、締め落とされてそれから………」

(ま、不味い、今の状況は一つベッドで俺と千冬さんが一緒に寝ていることになってる、こんな状態で千冬さん目を覚ましたら………俺の命は無い!早くベッドから出なきゃ「ぐい!」っ!何で千冬さん俺の服ガッツリつかんでるの⁉仕方ない、こうなったら服を脱いで脱出するしかない!)

ズリズリ、ズリ、ズリ

「ふぅ~脱ぐのに手間取ったがなんとか抜け出せたな。後はここから離れれば…「ん~?」

起きた千冬が横を見るとそこには汗だくで上半身裸の零次がいた。

「……………………………」

「……………………………」

「オ、オハヨウゴザイマス、チフユサン……」

状況を理解した千冬は顔がどんどん赤くなっていき……

「ア、アノ、チフユサ「ゴッ‼」ブッ⁉」

「れ、れれれ零次!貴様ナニをしていた⁉」

「ち、違うんです千冬さん!誤解、誤解です!」

「ななな何が誤解だと言うんだ‼」

この後、零次は千冬の誤解を解くのに1時間かかった。





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7話

投票してくれた方ありがとうございます。それでは続きをどうぞ!


「ねー零次」

 

「なんだ?直哉」

 

「今日別のクラスに転校生が来るらしいよ?」

 

「転校生?チサト?」

 

「それトワイライトシンドロームの方だから」

 

「わたしとフィラストーもいるぞ~」

 

「英次!坂井さんの真似しなくていいから!そうじゃなくて、中国から転校生が来るらしいよ?」

 

「チャイナから転校してくるgirl?」

 

「零次!チサトの真似もいいから!」

 

「その情報古いわよ!」

 

「「「は(ん)?」」」

 

「鈴?お前鈴か⁉」

 

「何か一夏の知り合いみたいだね?」

 

「でも知らない子だなぁ」

 

「そうだけどあの子大丈夫か?そろそろ織斑先生来る…あ、知らない子が織斑先生に頭叩かれた」

 

 

 

 

 

 

「一夏、朝話してた子って知り合い?」

 

「ああ、小学校からの幼馴染で鳳鈴音って言います。箒とはすれ違いで転校して来たので箒は知らないんですよ。」

 

「らしいよ零次」

 

「一夏お前はエロゲの主人公か何かか?女友達しかいないのか」

 

「何でそうなるんですか!ちゃんと男友達もいますから、それに鈴はただの幼馴染ですよ」

 

「マジで言ってんのかコイツいつか刺されるんじゃないか?」

 

『ねぇ織斑くん、ホモ逹はいないの?』

 

「はーいそこの子少し黙ってようね~?」

 

「君は脳内の妄想に浸るなりしてどっか行けよ」

 

「おーい零次、直哉、飯食いに行こー」

 

「おう!ちょっと待ってろー」

 

「あれ?今日は食堂じゃないんですか?」

 

「ああ、今日は弁当だ」

 

「そうなんですか?それじゃあ俺達は食堂行きますね」

 

「ああ…よし、俺達も飯食いに行くか」

 

「でもどこで食べる?」

 

「直哉、学校で弁当を食うって言ったら屋上しかないだろ?」

 

「零次ー簪も誘うけどいい?」

 

「いいぞーでも先簪誘って行っててくれ、俺ちょっと用事済ませてから行くわー」

 

英次達は簪を誘いに教室から出ていき、そのあと零次は用事を済ませに職員室に向かった。

 

 

 

 

「しまった」

 

「どうしたんですか?織斑先生」

 

「ああ山田くんかいやなに、部屋に弁当を忘れてきてしまってな」

 

「え?でも確か織斑先生って料理しなかったですよね?」

 

「ああ、だから…」

 

「失礼します。千冬さんいますか?」

 

「坂本兄、学校では織斑先生だ」

 

「いいじゃないですか休み時間なんですし、それよりも千冬さん、お弁当忘れてたので持ってきましたよ?」

 

「ああすまないな零次、私としたことがうっかりしていた」

 

「気をつけて下さいよ?俺が気付かなかったらどうするつもりだったんですか?」

 

「う、うむ…次は気を付けよう」

 

「それじゃあ俺は失礼します」

 

零次は千冬に一例し、職員室から出ていった。

 

「な、何だか織斑先生と零次さん新婚さん見たい出すね!」

 

「……………山田くん、私はからかわれるの嫌いだ」

 

「いたたた!織斑先生あ、頭をぐりぐりしないでください!」

 

 

 

 

 

零次が屋上に着くとすでに英次達は簪と一緒に弁当を広げていた。

 

「零次ーこっちだよー」

 

「お疲れ様…です」

 

「おー遅れて悪い」

 

「それじゃあ零次も来たしさっそく」

 

「「「「いただきます!」」」」

 

「零次、弁当のコロッケ一個ちょうだい」

 

「おーいいぞー」

 

「サンキュー…うまー!やっぱ零次のコロッケはうまいな」

 

「そんなに美味しいの?」

 

「うん、零次の作る揚げ物系は美味しいよ」

 

「まぁ揚げ物系は好物だからな」

 

「揚げ物…好きなんですか?」

 

「うん、ハムカツとか超好きだよ」

 

「零次、僕にもちょうだい」

 

「ダメだよ直哉は」

 

「なんで⁉」

 

「君ナメック星人でしょ?ナメック星人は水しかとらないんだからダメに決まってるでしょ?」

 

「僕ナメック星人じゃないから!」

 

「ウソつくなよ、時々上の空で「ナメック星に帰りたい」とか言って何回俺と英次が殴って正気に戻したと思ってるんだ?」

 

「だから違うって!」

 

「あ、簪の弁当のミニハンバーグ美味しいそう!」

 

「…食べて見る?」

 

「え?いいの⁉」

 

「うんちょっと待って、今紙皿に…」

 

「いただきまーす」

 

「あ!…っ⁉」

 

簪は皿に移しかえようしたが箸で持っている間に英次はハンバーグを食べてしまった。

 

「うまい!…ん?どうしたの簪?」

 

「え、ええええ…英次!、か、かかか…」

 

「?」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「どうしたの零次、直哉、急に黙って」

 

「おうおうおう見せつけてくれるね英次君!」

 

「いい御身分だね英次君!」

 

「何が?、それよりも零次と直哉も食べてみてよ!めちゃうまいよ!」

 

「……………直哉」

 

「言うな、わかっている………あとで共闘してコイツを始末しよう」

 

「ちょっと!なんで⁉」

 

「…英次、かかか」 プシュ~

 

 

 

 

 

午後の授業も終わり、零次達は英次の部屋でゲームをするために寮に戻っていた。

 

「結局何で簪は俺に口きいてくれなかったんだ?」

 

「お前は自分の胸に聞いてみろよ」

 

「もうその話はいいからゲーム何やる?」

 

「トラックマニアターボやるか」

 

「お!いいじゃない?」

 

「いいねーそれじゃあ着いたしさっそく…」

 

ガチャ

 

「ご飯にする?お風呂にする?それともワ・タ・シ?」

 

「へ?」

 

英次がドアを開けるとそこには俗に言う裸エプロンをした女の子が正座をしていた。

 

「………………」

 

「………………」

 

ガチャ

 

「どうした英次?」

 

「なんでドア閉めたの?」

 

「……開けたら、裸エプロンした女の子がいた…」

 

「何言ってんの英次?」

 

「そんな事あるわけないだろ?大丈夫か君は?」

 

「じゃあ見てみてよ!」

 

ガチャ

 

「私にする?私にする?それともワ・タ・シ?」

 

「「…………………………」」

 

「……………………………」

 

ガチャ

 

「本当にいたよ!」

 

「やべーよどうする?」

 

「ね!いたでしょ⁉」

 

「織斑先生に連絡する?」

 

「いや、それだと時間が掛かる、中の痴女が逃げる可能性がある。……俺達が無力化するしかない!」

 

「でも方法は?」

 

「大丈夫だ!レインボーシックスで鍛えた俺達ならできる‼やるぞ!」

 

「「…了解!」」

 

「行くぞ!…3・2・1」

 

バン!

 

「わた…え⁉ちょっと何⁉」

 

痴女が怯んでいる間に英次が痴女を拘束、俺と直哉がベッドの毛布で痴女を簀巻きにし、完全に拘束した。

 

「ちょっと待って⁉」

 

「ちょっと待ってじゃねーよ!お前みたいな露出狂の変態は問答無用で千冬さんとこに連行じゃ‼」

 

「…ただいま、どうしたの?」

 

「ああ簪お帰り、今部屋に侵入していた変態を拘束した」

 

「変態?…っ!」

 

「ん?どうした簪もしかして見覚えあるのか?」

 

「…………………お姉ちゃん」

 

「「「は(へ)?」」」

 

「「「え〜〜〜〜〜〜〜〜⁉」」」

 



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8話

最近お気に入りや投票の数が増えるが楽しみになってきました。皆さんありがとうございます。それでは続きどうぞ!


姉ちゃん⁉この変態が簪の姉ちゃんなの⁉」

 

「マジか!この変態が⁉」

 

「てかなんで英次達の部屋にいるの?」

 

「そ、それは…」

 

「…………なんでいるの」

 

「か、かんざ……」

 

ダッ!

 

「簪ちゃん!」

 

「英次、お前は簪を追いかけろ!俺と直哉はこの変態の尋問をしておく!」

 

「わ、わかった!」

 

英次が簪を追いかけに部屋を飛び出した後、零次は簪の姉(?)の拘束を解いた。

 

「拘束は解いたしとりあえず服を着ろ、その格好でこの部屋に来るほどの露出癖があるわけじゃないだろ」

 

「……ええ、わかったわ」

 

簪の姉(?)は隠していた制服を取りだし素早く着替えた。

 

「じゃあ話し合う前に、お前の名前は?いつまでも簪の姉か変態じゃ呼びにくい」

 

「…私の名前は更識楯無、簪ちゃんの姉よ」

 

「そうかじゃあ楯無、なんでこの部屋に侵入した」

 

「…簪ちゃんが屋上であなた達と一緒にお弁当を食べてたのを見て、心配したから、だからあなた達がどんな人か確かめようとしたの……ちょっと悪ふざけしたけど……」

 

「はぁ〜なるほど、弁当食ってた時に感じた視線は君か」

 

「っ!気付いてたの⁉気配は完全に消したはずなのに!」

 

「サバゲとFPSで鍛えた索敵能力をなめるなよ?」

 

「あのさ、僕も聞きたいことがあるんだけど、何で簪は君の事を嫌ってるの?」

 

「いや、俺は嫌ってるって言うよりも見返してやるって感じがするんだけどな~」

 

「……その事を知ってどうするつもり?」

 

「なんやかんやだ簪の兄貴分みたいな感じになってるからな、妹のことを助けてやりたいのは兄貴分として当然だろ」

 

「零次、君弟のことは?」

 

「はぁ?弟なんて助ける価値なんてあるの?」

 

「だと思ったわ」

 

「で、話してくれるのか?」

 

「………わかったわ……私と簪ちゃんの家、更識家は代々、対暗部用暗部の組織で私が今の当主よ」

 

「ややこしいなぁ、つまりどういう組織なの零次?」

 

「つまりはあれですよ、ミッションでインポッシブルな人達に対抗する組織ってことですよ。で、お前の家の事とお前と簪が仲悪いのと何の関係があるんだ?」

 

「さっきも言った通り、私と簪ちゃんの家は対暗部用暗部の組織、つまり裏工作をするような危険な奴等を相手にしなければならない。だから私はこんな危険な事から簪ちゃんを遠ざけたかった、だから私は私が当主に襲名した日、私は簪ちゃんに言ったの、「簪ちゃんはなにもしないで、私が守ってあげるから」って、でも簪ちゃんは自分が無能だと言われたと思っちゃったの、私も誤解を解こうと思ったけど簪ちゃんに避けられ続けて…」

 

「それ完全にお前が悪いじゃねーか!」

 

「簪にお前は無能だって言ったようなもんじゃん!」

 

「てか謝ろうとすんのにどんだけ時間かかってんだよ!ヘタレか!」

 

「仕方ないじゃない!簪ちゃんに完全に避けられちゃうし、謝る勇気が出なくて…」

 

「それをヘタレって言うんだよ!直哉!今日中に楯無と簪仲直りさせるぞ!」

 

「そうだね、善は急げって言うし、僕達も楯無連れて簪を追いかけるか」

 

「ちょっと待って⁉私まだ謝る勇気が…」

 

「知るか!直哉!お前そっち持て!」

 

「了解!」

 

「え⁉ちょっと待っ…あぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 

楯無は零次と直哉に腕を掴まれ、さながらロズウェル事件の宇宙人のような体勢で引きずられていった。

 

 

 

 

一方その頃、零次と直哉が楯無から事情を聞いている頃、英次は簪を探していた。

 

「簪の行く所は大体予想はできるけど、零次達の方は大丈夫か?」

 

そう言っている内に英次はISの整備施設に着き、簪を探すと案の定簪はISの格納庫にいた。

 

「簪!」

 

ビクッ!

 

「簪待ってよ、どうして急に逃げたの?」

 

「…………英次」

 

「何?」

 

「……私は無能?」

 

「へ?何言ってるんだ、簪が無能な訳ないだろ?」

 

「…でも…私」

 

「………簪、そろそろ話してくれない?お姉さんのことや簪の悩みとか、俺や零次、直哉だっているんだ、解決はできないかもしてないけど、相談にはのるよ?」

 

「……私の家はね、裏工作をするような人達に対抗するための組織でね?私のお姉ちゃんはその現当主なの」

 

「え?あの人そんなに凄そうな人なの?」

 

「うん、私は子供の頃から回りからお姉ちゃんと比べられて、お姉ちゃんは何でも出来るのに、私は頑張っても、努力しても、お姉ちゃんに劣ってた。私を誉めてくれたのはお父さんとお母さん、お姉ちゃんだけだった。でもお姉ちゃんが当主になる日、私に「私はなにもしなくていいって」って言って、私…悔しくて、だからお姉ちゃんに認めてもらいたくて…でもお姉ちゃんと仲直りもしたくて…どうすればいいかわからなくて……それで…」

 

「……簪は難しく考えすぎなんだよ」

 

「え?」

 

「俺は簪じゃないからはわからないけど、簪はまずお姉さんとケンカする所からだな」

 

「え⁉」

 

「そっ!ケンカになってもいいから、まず自分の言いたいこと全部お姉さんに言う!そうすれば自然と仲直りしてるもんだよ。俺なんて小学生の時零次にこき使われ過ぎて、腹いせに零次のゲームボーイをデストロイしてケンカになって、でいつの間にか仲直りしてたしね!それに簪は凄いよ?頑張って努力して、それで代表候補生になって専用機ももらって、その専用機も自分で作ろうとしてるじゃない。前にも言ったでしょ?他の人が簪を凄くないって言っても、俺は簪を凄いって胸を張って言えるよ!」

 

「……英次」

 

「おーい!英次!簪!どこだ~⁉」

 

「あっ、零次達だ!ってなんで簪のお姉さん引きずってんの?」

 

「おー英次、いやな?楯無の話を聞いてたらな?」

 

「ちょっと待って、楯無って誰?」

 

「簪のお姉さんの名前だよ」

 

「でな?その楯無の話を聞く限りだと完全に楯無が悪かったから楯無と簪を今日中に仲直りさせようって話になってな~お前らを探しに来た」

 

「なんだ大体目的は一緒なんだ!よし、じゃあ簪!GO!」

 

「………………お姉ちゃん」

 

「か、簪ちゃん……………私、簪ちゃんに家の仕事をしてほしくなくて…」

 

「わかってる、お姉ちゃんが私に家の仕事をしてほしくないのは知ってた。…でも、私って…そんなに頼りない?」

 

「っ!違うわ!私は簪ちゃんに危険なことしてほしくなくて…」

 

「でも…危険なのはお姉ちゃんも同じだよ!だから私はお姉ちゃんの支えになりたくて!でもお姉ちゃんは私を頼ってくれなくて!だから頑張って代表候補生になって!お姉ちゃんに認めてほしくて!……だから…だから…」

 

「ごめんなさい」

 

「お、お姉ちゃん?」

 

いつの間にか、簪は楯無に抱き締められていた

 

「ごめんなさい…簪ちゃん、ごめん、なさい…ごめ、んなさい…」

 

「お姉ちゃん…お姉、ちゃん……お姉ぇぇぢゃぁぁん!」

 

 

 

 

楯無と簪が泣いている時、外野の三人はと言うと…

 

「いや~良かったー仲直り出来そうだね」

 

「そう言えば俺と零次って子供の頃以外でケンカしたこと無かったよね?」

 

「当たり前だろ、お前とケンカになると俺の回りの被害が甚大になるんだぞ、ゲームボーイを初めとする俺のゲーム機とソフトをお前が何回デストロイしたと思ってんだ。今ケンカなんかしたらどうなるかわかったもんじゃない!」

 

「デストロイヤー英次と言われてたからな!」

 

「コイツ…マジで…」

 

ケンカしそうになっていた。

 

 

 

 

 

「零次さん、英次くん、直哉さん、本当にありがとうございます。」

 

楯無と簪が落ち着いた辺りで、零次達が駆け寄ると楯無は零次達にそう言った。

 

「英次…あ、ありがとう。英次の言った通りにしたら、仲直り出来たよ」

 

「ね!言ったでしょ?…そうだ!これから部屋に戻ってみんなでゲームしてさらに親睦を深めよう!」

 

「おーいいね~でも何のゲームやる?」

 

「……ギャングビーストでいいんじゃないか?」

 

「よし決定!さっそく戻ってやるぞー!」

 

部屋に戻りゲームを開始した矢先に、零次と英次がゲーム内でケンカをしだし、二人の断末魔が響くのであった。

 




後日、英次達の部屋

「よーしそれじゃあ始めるよ!」

「ねぇ英次、このゲームってどんなゲームなの?」

「このゲームは相手を突き落として最後に残っていた人が勝ちって言う結構シンプルなゲームだよ」

「へ~結構簡単なのね」

「まぁ勝つのは俺だけどな」

「言ってろ零次」

ちなみに操作するキャラクターは零次が青のニワトリ、英次が赤のクマ、直哉が緑のハゲ、簪が黄色のマスクマン、楯無がピンクのスーツ、フィールドはベルトコンベアのある開けた場所である。

「それじゃあ、スタート!」

「このクマが!」

「このニワトリが焼き鳥にしてやる!」

「開始早々に零次と英次が取っ組み合いを始めたんだがが…」

「この!この!」

「離せ!っあ!」

しかし反動で二人は投げ出され、火の中に落ちていった。

「「はあぁぁぁぁぁぁぁ!」」

「ちょっと!なんで開始早々に死んでるの⁉」

「簪ちゃん!」

「うん!お姉ちゃん!」

「ちょっと待って⁉なんで二人はこっち来るの⁉さっきまでケンカしてたのに!」

「そんなのもう昔の話よ!」

「うん!」

「殺られるか!落ちるのはお前だ!」

「あ!く、この…あぁぁぁ!」

楯無と簪は直哉を挟み撃ちにし、落としに掛かるがそこは経験者、難なく簪を掴み、振り回した後問答無用で火の中に落とした。

「簪ちゃん!この簪ちゃんの仇!」

「お前も落としてやる!」

「く!この!この!」

「落ちろ!この!」

「「あ!」」

「「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

二人は掴みあって落とそうとしたが、その場所はさっき零次と英次が暴れてた場所で柵の一部が壊れており、直哉がそこから落ちて楯無を道連れにするかたちで二人はおて行き、この勝負は引き分けになった。

「うわー初っぱなからひでーな」

「…私、何も出来なかった」

「もー!こんなの納得いかないわよ!」

「そうだな、2戦目行くか」

「「「「おー!」」」」

そして5人は2戦目を始めるのだった。






ギャングビーストを知らない方は2bro ギャングビーストで調べて見てください。開始2分32後辺りで爆笑すると思います。




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9話

皆さん、様々な感想や投票ありがとうございます。それでは続きをどうぞ!


楯無と簪が仲直りしてから数日後、零次達は代表トーナメントの応援のために、第2アリーナに来ていた。丁度一夏と鈴が戦っていた。

 

「ねぇ直哉、俺あまり接点なかったけど、どうしてあの鈴ちゃんって子は一夏に対して怒ってるの?」

 

英次は試合を見ていて、鈴が一夏に対して怒ってるのが表情や雰囲気でわかった。

 

「あ~何でも一夏があの子の告白を間違って解釈したらしくて、それが原因でケンカしたらしいよ?」

 

「一夏はマジで一回処刑した方がいいんじゃなか?」

 

「そうだな」

 

「まったくですわ」

 

「お?一夏が急に速く動いたぞ?どうなってんだ?」

 

「あれはイグニッションブーストですわ。スラスター翼のエネルギーを一旦内部で圧縮させて一気に放出し、加速する技術ですわ」

 

「つまり加速装置みたいな?」

 

「英次に分かりやすく言うとだな、ジェフティのゼロシフトの劣化バージョンだ」

 

「おーなるほど」

 

「ねぇそろそろ決着つきそうだよ?」

 

「ねぇ零次、あの上にいる奴何かな?」

 

「は?上になにか…「ズドォォォォン!」…なんか降ってきたぞ⁉」

 

「何かな?真っ黒いIS?」

 

「めちゃイヤな予感がするんだけど…」

 

突然降ってきた黒い謎のISは一夏と鈴の方を向き、いきなり攻撃してきた。

 

「いきなり何ですの⁉」

 

「なんか攻撃してるんだけど⁉」

 

「千冬さん!あれ何か解りますか⁉」

 

「私にもわからん、それと織斑先生だ」

 

「それともう1つ、さっきからアリーナの出口が閉まっていってるんですけど…」

 

「…何故かあのISが現れたとたんにアリーナ内のセキュリティレベルが上がり、すべての出口が閉まっていってる。此方でも解除しようとしているが…まだ時間がかかる」

 

「…時間を稼ぐために一夏達が囮をするといって来ましたか?」

 

「……………………ああ」

 

「……千冬さん、後で事後処理が大変だと思いますが、うまい飯作るんで後はお願いします」

 

「…………………酒のつまみも追加だ」

 

「了解しました…」

 

「零次、どうする?」

 

「出口を破壊してみんなを避難させる。俺が準備してる間に英次は楯無に連絡して避難させるように言ってくれ」

 

「了解……あ!楯無?今零次が出口破壊して、避難できるようにするらしいから、避難誘導手伝って」

 

「わかったわ」

 

「お姉ちゃん、私も手伝う!」

 

「簪ちゃん…ええ、わかったわ!」

 

「それじゃあお願い」

 

「英次、準備できたぞ!」

 

零次はISを起動させるとある物を取り出した。それは…

 

「零次さん、それは何ですの?」

 

「これか?これは熱切断機だ」

 

そう、零次が取り出した物は対IS用アーク切断機、これは元々IS企業の武器開発部志望の生徒が製作した武器であり、アーク、つまり放電を利用し、ISの装甲を熔解し切断する武器であるが、あまりの熱量のため一度使用すると切断機自体が熔けて使い物にならないため、失敗作として武器庫に放置されていた物を零次達が持ってきたものだった。武器庫にはこのような失敗作の武器や扱いづらく、使いどころの無いような武器がたくさんあり、零次達はセシリア戦の武器を選びに来た時、そのような武器を色々と拝借してきていた。セシリア戦で使った焼夷手榴弾もその1つである。

 

「みんな目を閉じてろ!」

 

放電の光を見て目を焼かない様に注意してから零次は切断機を使い、出口の隔壁を四角く焼き切った。

 

「みんな、大丈夫だから!ゆっくり避難して!」

 

「…押さないで下さい!…大丈夫ですから!」

 

「楯無と簪が避難誘導を終わるまで俺達も時間を稼ぐぞ!俺と直哉が一夏達の時間稼ぎの手伝い、英次とセシリアは楯無と簪が避難誘導が終わるまでの間その手伝いと護衛だ!」

 

「「「わかった(りましたわ)!」」」

 

零次と直哉はISを起動して黒いISの注意を引き付けに行った。

 

「一夏!大丈夫か⁉」

 

「零次さん!直哉さん!」

 

「ちょっとあんた達誰よ⁉」

 

「鈴、この人達が零次さんと直哉さんだ。前に言ったろ?」

 

「覚えてるけど、だとしてもこの人達は素人よ⁉それに量産機でどうにかできるような相手じゃないわよ⁉」

 

「うっせこの!ただの素人だと思うなよ⁉」

 

「量産機なめんなよ⁉」

 

「落ち着いて下さい零次さん、直哉さん!まずはアイツ何とかしないと!それと零次さん、さっき気づいたんですけどアイツ無人機です。」

 

「……やっぱりか、同じ動きしかしてないし、さっきから攻撃して来ないからもしかしたらって思ったが」

 

「え?ISって無人機無いよね?」

 

「でも今俺達の目の前にいるぞ?だがとりあえず今は時間稼ぎだ!直哉、まだ避難が終わってないから銃は使わないで接近武器だけ使えよ⁉」

 

「了解!」

 

「行くぞ!ウィッチャーで鍛えた俺と直哉の剣さばきなめんな!」

 

 

 

 

 

「みんな!避難状況は⁉」

 

「…こっちは終わったよお姉ちゃん!」

 

「こちらも終わりましたわ!」

 

「俺も終わったよ!」

 

「全員終わったわね?それじゃあ…」

 

「一夏!」

 

「ちょっと箒さん、どこに行きますの⁉」

 

「私が連れ戻して来る!」

 

「…だめ!お姉ちゃん達はISを持ってるからもしものために待機していて!」

 

そう言い簪は箒を追いかけに行った。

 

「簪ちゃん!…私は簪ちゃん達を連れ戻して来るから二人は…」

 

「いや、俺が行ってくる!」

 

「英次さん⁉」

 

「二人は専用機持ちだ、量産機の俺方が行った方がいいだろ?」

 

「でも!………わかったわ、簪ちゃん達をお願い!」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

「避難はどれくらい終わった⁉」

 

「もう終わってるよ零次!」

 

「よし!じゃあ後はあのISを無力化するだけね⁉」

 

「一夏!俺と直哉と鈴で注意を引き付ける!お前は隙ができたら零落白夜を叩き込め!」

 

「わかりました!」

 

「よし!それじゃ…」

 

「一夏!」

 

「「「「っ!」」」」

 

四人が後ろを振り向くと、アリーナの入り口に箒がいた。

 

「男なら、男ならそのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」

 

「箒!なにやってるんだ!」

 

「なにやってるのあの子⁉」

 

「バカ野郎!早く戻れ!」

 

「…篠ノ之さん戻って!みんなの邪魔になる!」

 

「うるさい!離せ!ワタシは一夏に…」

 

簪が箒を連れ戻そうとしているが箒は言うことを聞かず、その間に黒いISが箒と簪の方を向き、攻撃の体勢に入っていた。

 

「簪!逃げろ!」

 

「箒!くそ!間に合わない!」

 

そして黒いISは簪達に向けてビームを放った。

 

 

 

 

 

私…死んじゃうのかな…せっかく英次や零次さん達のお陰でお姉ちゃんと仲直りできたのに、お姉ちゃんの支えになるって言ったのに、これじゃ全然ダメだな…………怖い…まだ死にたくない…助けて…お姉ちゃん…英次!

 

「簪ぃぃぃぃぃぃ!」

 

攻撃が当たる瞬間、簪達に追い付いた英次がわって入り、攻撃を防いだ…巨大なナニかを使って…

 

「…英次?な、何…それ?」

 

「これ?これはタワーシールドだよ!」

 

そう、英次が持っているのは武器庫から拝借してきた武器の1つ、タワーシールドである。この武器はあるIS企業がどんな攻撃も防ぐ盾をコンセプトに開発したものであるが、強固な防御力を誇るかわりあまりの大きさと重量により両手を使わないと使用できない物になってしまい、誰も使ったことのなかった武装だった。

 

「いまだ直哉!」

 

「オーケー!」

 

隙ができた黒いISに零次と直哉がサブマシンガンを掃射し、黒いISが怯んだ。

 

「簪に何してくれとんやーーーー!」

 

英次はタワーシールドを捨て、パイルバンカーを装備し怯んだ黒いISに突っ込んで行った……………右膝へと目掛けて………

 

「くらえぇぇぇぇぇ!必殺ぅぅぅぅ!膝治療‼」

 

黒いISはパイルバンカーを食らって吹き飛ばされ、壁に激突したが、まだ動いていた。

 

「え?まだ動くの?………もういっちょ膝治療‼」

 

もう一度パイルバンカーを食らわせ、今度こそ黒いISは機能を完全に停止した。

 

「膝治療死、一名……入ります!」

 

こうして英次は正体不明のISを無力化することに成功した。



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10話

今回の話は
零次、煩悩退散する
英次、心肺停止する
直哉、困惑する
千冬、悶える
の4本の駄文です。


英次が黒いISを倒した後、報告を済ませ、後のことを千冬などの教師達に任せて解散となり、零次達は寮に戻っていた。

 

零次said

「疲れた、超眠い、でも千冬さんにうまい飯作るって言っちゃったしな。なに作るか?酒のつまみになるような飯にしたいからな………とりあえず色々作るか」

 

零次はキッチンに行き料理の準備をした。

 

「ん~千冬さんはよくビール飲むから…………肉じゃがとかもつの煮込み鍋とかにするか?でもそれだと日本酒か?いいか、他にも作れば」

 

メニューをとりあえず決めた零次は早速調理を開始した。

 

 

 

 

 

「ふぅ、疲れた」

 

「あ、千冬さんお帰りなさい」

 

「ああ、ただいま」

 

「ご飯出来てますよ?それとも先に風呂にしますか?」

 

「いや、さすがに腹が空いたのでな、先に夕食にしよう」

 

「わかりました。ちょっと待ってて下さい」

 

零次はテーブルに先ほどできた料理を並べて行った。

 

「お~これは前のよりうまそうだな」

 

「他にも色々作ったのでどんどん食べて下さい。……それとその前聞きたいことがあるんですけど?」

 

「ん?なんだ?」

 

「…あの無人機のIS……コアナンバーが書いて無かったんじゃないですか?」

 

「……どうしてそう思った?」

 

「未だに中身がほとんどわかっていない状態なのにいきなり無人機が作れますか?作れるとしたらISを開発した篠ノ之束くらいでしょう?」

 

「…ああ、そうだろうな」

 

「これは完全に俺の考えですけど、無人機は一夏を狙っていた。そして一夏は訓練よりも実戦を経験して強くなるタイプだ、それらを考えると篠ノ之束は一夏を強くしたかった。箒に当たらないように真上に照準したのも一夏を強くするための作戦かなにかでしょう」

 

「ほぅ、篠ノ之に当たらないと気付いていたか」

 

「ええ、俺と英次、直哉は気付いていましたよ?英次はわかってて防御しましたけどね」

 

「………ああ、お前の言う通りだ。コアナンバーは無かったし、先ほど束からも同じような事を言われた。私としては一夏をISに関わらせたくないのだがな…」

 

「……そうですか、すいません…飯前にこんな話して…」

 

「いやいいさ、それよりも夕食にしようお前もまだ食べてないのだろう?それと、そら…」

 

千冬はビールを冷蔵庫から2つ取り出すと片方を零次に投げ渡した。

 

「………いいんですか?前は没収して自分で飲んだのに…」

 

「あれはお前達が悪い、それに酒は飲むものだろう?…今日はお前も頑張ったからな、明日は休日だし大丈夫だろう」

 

「…わかりました。それじゃいただきます」

 

「ああ、では…」

 

「「乾杯」」

 

その後酒を飲みながら飯を食べ、千冬が風呂に入っている間に零次は食器を片付け、洗い物を終わらせ、寝る準備をしに行くと相当疲れていたのか千冬がソファーで寝ていた。

 

「千冬さん、風邪引きますよ?ベッドで寝てください」

 

「ん~………すぅー……すぅー」

 

「ダメだな、完全に寝てる……仕方ないか」

 

零次は前のように千冬を横抱きに運び、ベッドに下ろそうとしたが千冬が離れない、よく見ると千冬が両手を零次の胴体に腕を回し、いつの間にか抱き枕にされていた。

 

「……また⁉しかも何で離そうすると俺の上半身と下半身がサヨナラする勢いで力込めんの⁉」

 

仕方なく、零次はそのまま千冬をベッドに下ろし、自分も一緒に寝るような形になった。

 

「……前は千冬さんに締め落とされてわからなかったけど、千冬さんいい匂いす…ゲフンゲフン!ダメだ俺!今のは忘れろ!煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退…ぐ~、か~」

 

なんやかんやで零次も疲れておりすぐに寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英次said

「…ただいま~」

 

「腹減ったー」

 

「食堂も開いてないから私が何か作るよ」

 

「ホント⁉良かったー飯は食えないかと思ってた」

 

「…昼のお弁当の余りがほとんどだけどね」

 

簪はそう言い、味噌汁を作ってご飯を盛り、テーブルに夕食を準備した」

 

「お~!美味しそう!それじゃあ…」

 

「「いただきます!」」

 

「ん~うまー!」

 

「良かった………ねぇ英次」

 

「ん?何、簪?」

 

「…英次、今日はありがとう……ううん、今日だけじゃ無い、お姉ちゃんとも英次がいなかったらきっと仲直り出来なかったと思う……本当にありがとう」

 

「別にお礼を言うようなことじゃ無いでしょ?楯無と簪が仲悪いのがイヤなだけだったし、今日だって簪を守りたくて俺が勝手にやったことだし、全然気にしないでよ」

 

「………あ、ああ、ありがとう…それでね?英次、その、もしよかったら……」

 

「?」

 

「わ、私と…つ、付き合ってもらえませんか?」

 

「へ?…誰と誰が?」

 

「…わ、私と…え、英次が……」

 

「…………………」(心肺機能を停止しますお疲れさまでした。ピーーー)

 

パタッ

 

「え、英次⁉英次!」

 

「ハッ!俺は何を⁉」

 

「…英次…ダメ、かな?」

 

「…俺でいいの?簪はヒーローみたいな人が好きでしょ?」

 

「ううん、英次が好き、私を認めてくれて、お姉ちゃんと仲直りするきっかけをくれた。ちょっと悪者っぽいし意地悪もするけど、英次は……私のヒーローだよ」

 

「………………」(再度、心肺を停止します。ピーーー)

 

パタッ

 

「え、英次⁉起きて!英次!英次ーーーー!」

 

その後英次は正気に戻り、付き合うことを承諾した。

 

 

 

 

 

 

 

直哉said

「あ~疲れた~真耶さん戻ってきてないしたまには自分でご飯作るかな~」

 

零次達と一緒に住んでいた時はほとんど零次が作っていたが、直哉は英次と違い一応料理はできる方だったので零次がいないときは直哉が食事を作っていた。

 

「とりあえず、ご飯と味噌汁と……豚肉があるし豚肉の野菜炒めかな?」

 

メニューを決め素早く調理していき、あっという間に出来上がった。

 

「ただいま帰りました~ってあれ?何かいい匂いがする」

 

「あ!真耶さんお帰りなさい!ご飯作ったから食べて!」

 

「え?直哉さんってご飯作れたんですか?」

 

「うん、零次がいないときは僕が作ってたから多少はできるよ?」

 

「そうなんですか?…わぁ!すごく美味しそうです!」

 

「良かったーそれじゃあ食べようか…」

 

「はい!」

 

「「いただきます!」」

 

 

 

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

「僕は洗い物をするから真耶さんはおふろに入ってきて」

 

「はい、でも直哉さんはいいんですか?」

 

「僕はもう入ってきたから大丈夫だよ?」

 

「そうなんですか?…じゃあお願いしますね?」

 

真耶が風呂に入っている間に直哉は洗い物を済ませ、明日の朝食も作ろうと思いつき、下ごしらえをして戻ると真耶がベッドで毛布かけないで寝ていた。

 

「真耶さん風邪ひくよ?起きて。…ダメだ完全に寝てる」

 

仕方ないので毛布を真耶にかけてあげ自分も寝ようとすると…」

 

「……えへへ~直哉さ~ん…」

 

「ん?夢に僕が出てきてるのかな?」

 

「……ダメですよ~」

 

「?」

 

「……腕はそんなふうに生えたりはしませんよ~」

 

「え⁉…ま、真耶さん…夢で俺はどんな状況なの⁉」

 

「ナメック細胞なんてありませんよ~」

 

「いや本当に何の夢⁉」

 

真耶の寝言で困惑する直哉であった。

 




零次said その後
「ん~?私はいつ寝たんだ?確かソファーに腰かけていて………っ!」

(な、なぜ零次が私のベッドで寝ている!と言うか私が零次を抱き枕がわりにしているのか⁉な、なな何をしているんだ私は⁉結構抱き心地が…ではなく!早くベッドから出なくては…

千冬はベッドから出るためにもぞもぞと動くが上にちょっと上がったせいで目線が零次と同じになった。

(…………寝ている時の零次の顔は以外と子どもっぽくてかわいいんだな…………っ!そうではなくて!)

その後千冬はベッドから出るが、零次が起きるまで自分のしたことを思いだては顔を真っ赤にして悶えていた。


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11話

遅れてすいません、では待ってくれてた人もそうでない人も続きをどうぞ!


IS学園、それはISについて学ぶ唯一の教育施設である。IS学園の生徒は一部の自宅通学者以外の者は寮生活をしており、今日は休日であるため学園にはほとんどの生徒が外出していない状態である。そんな仲、外出せずISの整備施設に三人の男子(男子って言えるのか?)生徒がいた。

 

「ねぇ零次…」

 

「なんだ英次?」

 

「何で俺達休みなのにラファールの整備してるの?」

 

「仕方ない無いでしょ?昨日の黒いISのせいであちこち壊れてるんだから」

 

「そうだけどさぁ、休みなんだから遊びに行ったり。ゲームしたりさぁ色々あるだろ」

 

「言う暇があったら手動かせー終わんねぇぞ?」

 

「はーい」

 

「ねー零次、今さらなんだけどさ、俺達全員ラファール・リヴァイヴじゃん?」

 

「まぁそうだな?」

 

「色が全員さ、灰色で見分けつかなくなりそうな時があるからさーこの際色変えたりしたいよね?」

 

「おー!直哉それいいね!」

 

「……確か前にみんなで簪の専用機、打鉄弐式の手伝いした時にどっかで塗装道具見たなー」

 

「色の他にも武器とか増やしたいよね?」

 

「増やすたってラファールの拡張領域どうにかして増やさないと武器だって増やせないでしょ?」

 

「そういえば前に楯無が拡張領域を食う武器は直接ISに装備させれば拡張領域が節約できるみたいなこと言ってたぞ?」

 

「マジで⁉じゃあやろうよ!」

 

「まぁ、此処にはそれ用の機材があるから出来なくはないけど、時間掛かるよ?」

 

「まぁ時間掛かるったって此処の設備だったら簡単な武器取り付けるくらいならすぐに終わるだろ?」

 

「あ!後は名前だよ!専用機なんだから3機ともラファール・リヴァイヴだと被ってるし…」

 

「そうだね~名前欲しいね~」

 

「直哉のラファールは名前ピッコロでしょ?」

 

「何でだよ⁉」

 

「IS使って魔貫光殺包砲撃つんでしょ?」

 

「撃たねーわ!」

 

「俺はグレンラガンとかガオガイガーみたいな名前がいいな」

 

「お前はアルトアイゼンとかで良いんじゃね?パイルバンカー持ってっから膝治療しやすいだろ」

 

「そしてあれでしょ?「どんな装甲も、ただ撃ち抜くのみ!」じゃなくて「どんな膝も、ただ治療するのみ!」でしょ?」

 

「おー!それいいな!」

 

「俺はZ.O.Eのジェフティっぽくしたいな」

 

「僕は何にするかな~?」

 

「いや直哉はピッコロだろ?」

 

「いやだから何でだよ⁉何でお前らZ.O.Eとスパロボで僕ピッコロなんだよ!差がありすぎるだろ!」

 

「じゃあパトレイバーのヘルダイバーは?」

 

「あ~ヘルダイバーいいね、僕じゃあヘルダイバーっぽくしようかな」

 

「とりあえず名前は決まったしそれっぽい武器………を作るのは無理だから改造して外側に武器取り付けたり追加装甲付けてそれっぽくすればいいか」

 

「材料ってどうする?」

 

「予備パーツとか自作武器用の資材もらってくればいいでしょ」

 

「じゃあ整備終わったらさっそくやる?」

 

「今日は武器の大体のイメージとデザイン考えて、材料と道具の準備して、やるのは明日でいいだろ」

 

「りょうか~い」

 

再び作業に戻った零次達は整備を終わらせると、整備科の教師に許可をもらい、予備パーツと資材、加工道具を調達して今日の作業を終了した。

 

 

 

 

 

整備施設での作業を終わらせ、零次達は英次の部屋に集まっていた。

 

「……いいかな?」

 

「繋がったね」

 

「それでは皆さんこんばんは兄貴でーす!」

 

「弟でーす」

 

「乙四です!」

 

「兄弟乙のRadioはじめていきたいと思いまーす」

 

「今日は今さらですが、近況報告も含めて、質問コーナーみたいなこともやりたいと思ってますので楽しみにしててください」

 

「質問はライブチャットからテキトーに拾うので、質問したい方は…まぁ皆さん質問したいことだらけだと思うんですけど、どんどん送ってきて下さい」

 

「それじゃあさっそく始めたいと思いますチャット欄にどんどん送ってきて下さい」

 

『どうやってISを動かしたんですか?』

 

「どうやってって言うか動いちゃったんだけどね?」

 

「まるで俺達が動かし方を知ってるみたいな言い方だけど」

 

「皆さん間違えないで下さい、動かした訳じゃないんです。動いちゃったんです」

 

「あのときビックリしてさぁー明日も仕事あるしトンズラする事しか考えてなかったからね?」

 

「そうそう、逃げようとしたら警備員とIS装着した人達に囲まれて僕達が最初に思ったことが回りになんて報告しようかな?ってことだったからね」

 

『入学するまでは何をしてたんですか?』

 

「えっとですね、政府に指定されたホテルで軟禁生活してました」

 

「あのとき大変だったね」

 

「皆さん考えてみてください。僕達がISを動いちゃったのが2月の下旬で入学したのが4月の頭でその間私物が無く、部屋は出てはダメで、ISの教科書しかない…辛かったです」

 

「もう途中から耐えられなくてホテルから脱走して家に私物取りに戻ったからね⁉」

 

「もうね、僕達軟禁生活でストレス溜まりすぎててヤバかったから!」

 

「ストレス発散と言わんばかりに弟がCQCで警備員を沈めてく姿が最早スネークっていうね?」

 

「その後も大変だったんだけど、警備員の車を拝借して家に戻ってる最中に、何処の国かわからないけど諜報員みたいな人達がワラワラ出て来て、車で追っかけてくるわ、しまいにはヘリコプターで追っかけてくるわで、ハリウッド映画みたいで大変だったんだよ」

 

「まぁ無事に撃退してるから大丈夫なんですけどね?」

 

『ゲーム実況って今後はどうなりますか?』

 

「それはね皆さんすいませんが前よりは頻繁には出来ないです。やること多いんだよ」

 

「あのですね皆さん、ISの教科書あるって言ったじゃないですか?あれ一冊一冊が辞典みたいに分厚くて積み上げるとタワーが出来るくらい分厚いです」

 

「もうね、とにかくやること結構あるので前よりは頻度は下がっちゃいます」

 

「もう次くらいで最後にしますか」

 

「そうだね、じゃあ最後は…」

 

『彼女出来ました?』

 

「…………………………」

 

「…………………………」

 

「これ言っちゃう?」

 

「早く言えよ」

 

「じゃ言うよ?えっとですね私こと弟はですね彼女……………出来ました!同じルームメイトの女の子です!もう最高ですね!」

 

「そうかよ、良かったな」

 

「早くわかれろよ」

 

「なんだよそれ!やだよ!」

 

「弟に先越されるとか…」

 

「年下に負けた…」

 

「まぁまぁまだ時間はあるんだし気長に…」

 

ガチャ

 

「ただいま英次」

 

「「「あっ」」」

 

「え?どうしたの?」

 

「えっとですね皆さんちょっと放送事故がありまして…弟くんの彼女さんですね…帰ってきちゃいました」

 

「実はここですね、弟と彼女さんの部屋で今やってまして…ライブ終わる前に帰ってきちゃいました…」

 

「えっと…どういうこと?」

 

「えっとね、今ライブしてて俺に彼女が出来ましたって報告してたら本人が帰ってきたから……そうだ!かんざ…本名はダメだからかんちゃんって呼ぼう。かんちゃんも何かしゃべってみない?」

 

「えぇ!…わ、私⁉」

 

「おー!良いんじゃない?自己紹介的なのでいいから」

 

「えっと、その……わかった………えっと、皆さんこんばんは…かんちゃんです。その、えい…弟の彼女です」

 

「おいスゲェぞ!かんちゃんが喋った瞬間コメントスゲェ来たぞ⁉」

 

「おースゴいよ、『弟さんおめでとう』とか『彼女さん声かわいい』とかスゲェ来てる」

 

「あ、あの…ありがとう、ございます!」

 

『彼女さんは弟さんの何処に惚れたんですか?』

 

「えっと…私、最近までお姉ちゃんとケンカしてて…仲直りのキッカケをくれたんです。前に危ない所を助けてもらったりもしました。…弟さんは時々、悪者っぽいし意地悪な時もあるけど…そんな弟さんが私は好きです…」

 

「……………………」

 

パタッ

 

「おい!弟倒れたぞ⁉」

 

「この人余りにも恥ずかしくて気絶したぞ⁉」

 

「あぁ!英次大丈夫⁉」

 

「すいません皆さん、弟恥ずかしさのあまり気絶したので急遽ここで終わります。次はいつになるかわかりませんが、それまでまたなー」

 

「お疲れさまでしたー」

 

「お、おやすみなさい…」

 

その後、英次は目を覚ましたが簪を見た途端、再度気絶し、簪はあたふたしているのであった。

 

 




仕事の差し入れで何故かビーフジャーキーが出てきて思わず「ビーフジャーキーだ!」と叫んでしまった私は悪くないと思います(´・ω・`)(本当の話です) この「ビーフジャーキーだ!」がわからない人は弟者 ビーフジャーキーで出てくると思うので調べてみてください。


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12話

文才がほしいです…では続きをどうぞ


翌日、零次達はラファールを改造するために整備施設に来ていた。

 

「零次、具体的に何すればいいんだ?」

 

「えっとまずはラファールの装甲全部取って…」

 

「え!全部取るの⁉」

 

「ああ、で装甲全部取ったら直哉が昨日デザインした追加装甲の設計図を、借りてきた金属用の3Dプリンターで装甲用の資材を削り出してラファールに取り付けて、ちょこっと武器改造して外側に取り付けて塗装してって流れかな、一応」

 

「こうして聞くとでかいガンプラ作るみたいになってるけど」

 

「そんな感じだろ?でまぁ詳細は簡単に言うと、俺のラファールは装甲を薄くしてスラスターも増やして機動力と安定性を上げる、英次のラファールは全体的に装甲を増やして重装備にして防御力と火力を上げる、直哉のラファールはそこまで変わんないかな?元々のラファールとあまりスペックは上がらないけど、どっちかって言うと英次寄りで若干防御力高めかな」

 

「なんか超簡単そうに聞こえるんだけども大丈夫?簪の打鉄弐式作るのにまだ時間がかかりそうなのに俺達の終わるかな?」

 

英次がなんか心配そうにしてるな、まぁそう思うよな。

 

「大丈夫だ英次、簪の打鉄弐式で時間がかかってるのはISのシステム面の構築に時間がかかってるからだ、俺達はただ装甲を外して代わりの装甲をラファールに取り付ける」

 

「つまり僕達のする事は本体を守る外側を取り替えるだけだからそこまで時間はかからないよ。」

 

まぁ簡単に言うと直哉が言った用なイメージだ、ただし中身はラファールのままだからスラスターを増やす俺は前より速く動け、装甲を増やす英次は前より動きが遅くなりその代わり重装備になる。

 

「なるほどそう言う事か」

 

「武器の方も俺はジェフティのパドルブレードの代わりに、折り畳めるようにちょっと改造したブレッドスライサーを右腕に取り付けて、英次は右腕にパイルバンカー付けて、肩にアルトアイゼンのクレイモアの代わりに武器庫にあった地球防衛軍のフェンサーが使ってたような迫撃砲を付けて、直哉は左腕にアサルトライフル付けてって感じだから、今日は装甲付けて、明日武器を取り付ければ明日の夜には終わるだろ」

 

「じゃあさっそく始めるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結構時間かかったな」

 

「プリンターが削り終わるのに思ったより時間がかかったからね~」

 

「その間に武器の改造と塗装したから明日は早く終わるだろ」

 

「装甲もさぁ塗装して取り付けたけど………ヤバイね!超カッコいい!」

 

「全体的に装甲付けたから、これぞロボット!って感じだな」

 

「胴体部分の装甲付けたから超カッコいいね!」

 

「……今さらだけど何でISって胴体部分の装甲無いんだろうね?絶対防御があるって言っても、目に見えて自分を守る物が無い状態で弾丸飛んできたら怖いけどね?俺試験の時に織斑先生と戦った時に目の前に刀が迫ってきて俺死ぬんじゃないかと思ったし」

 

「ほら、男はロボット見ればおー!かっけー!ってなるけど、女性って基本的にロボットとかに興味ないじゃん?」

 

「まぁそうだね」

 

「だからこう、ガチッとしたデザインじゃなくて丸みのあるデザインで、絶対防御があるから装甲要らなくね?ってなったから胴体装甲が無くなって、操縦者をみせるようにしたからISスーツのデザインに力を入れたりしてるらしいよ?」

 

「へ~そうなんだ…俺にはその考えはわからないけどな」

 

「まぁ俺もわからないけどな」

 

「とりあえず今日の分は終わったし後は片付けてして終わろうよ」

 

「そうだな」

 

「りょうかーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます!今日は転校生が来ています!しかも二名です!では入ってきて下さい!」

 

翌日、山田先生が元気な声でみんなにそう言ってるが…転校生ってこんな頻繁に来るもっだけ?

 

(零次、転校生来すぎじゃない?)

 

(あれだよ、一夏とか僕達の影響だと思うよ?)

 

(ああ、そうだろうな)

 

「失礼します」

 

入ってきて来たのは金髪のショートカットの子と銀髪の髪を無造作に伸ばした眼帯を付けてる少女だった。……金髪の子は何で男性用の制服着てるんだ?

 

「皆さん、はじめまして、シャルル・デュノアです。日本では不馴れなこともありますがよろしくお願いします!」

 

『……お、男?』

 

「はい、フランスから転入し…」

 

『……………き』

 

「?」

 

(まずい!英次、直哉、耳をふさげ!)

 

((え?))

 

『きゃぁぁぁぁーーーーー!』

 

(うぉ!うるさ!)

 

((ぎゃぁぁ耳がーーー!))

 

『男子!五人目の!』

 

『守ってあげたくなる系の!』

 

『しかもうちのクラス!』

 

『ヒャッハー!』

 

耳塞いでても耳鳴りやべぇな!テンション高すぎるだろ!てか最後の子は女の子でヒャッハーはまずいだろ⁉

 

「騒ぐな静かにしろ」

 

あーなんか千冬さんうんざりした顔してるな。

 

(零次、デュノア君女の子にしか見えないんだけど?)

 

(俺もそう思うけど今は静かにした方がいいぞ?)

 

「ではボーデヴィッヒ挨拶しろ」

 

「はい、教官」

 

「ここではそう呼ぶな、私は教師だ織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

(なんか明らかに他の子とは雰囲気が違うね?)

 

(ん~軍人っぽいな)

 

(………ビックボス?)

 

(何でだよ、眼帯だけだろ」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

『………………』

 

……え?それだけ?

 

「あ、あの…以上ですか?」

 

「以上だ」

 

マジかこの子、初日の一夏の自己紹介より酷いかもしれん。

 

(山田先生涙目なんだけど、どうしよう?)

 

(てかあの子一夏を見て凄い睨んでるぞ?)

 

「っ!キサマが!」

 

「おっと動くなラウラ・ボーデヴィッヒ、お前が一夏に平手打ちする前にお前の眉間に穴が開くぞ?」

 

ボーデヴィッヒが一夏に平手打ちする前に英次がそれを止めた………制服の内側に手を突っ込んだ状態で、アイツ何にやってんだ?

 

「キサマ……」

 

「英次、まさかそれ……」

 

「坂本君!が、学校にそんな危ない物持ってきちゃだめですよ!」

 

「…………ちっ」

 

ラウラは舌打ちすると指定された席に座った。

 

「はぁ~坂本、それは没収だ」

 

「えー別に危ない物じゃないですよ?」

 

英次が制服から出したのはカ〇リーメイト(2本入り)だった。やっぱりか…千冬さんわかってたな?

 

『「………カロ〇ーメイト?」』

 

「俺の非常食、ちなみにチョコ味だ」

 

「そうか、では他に言うことはあるか?」

 

いつの間にか千冬さんが英次の前に立ち、出席簿を振り上げていた。

 

「……………カ〇リーメイトうます「ふん!」ぎゃぁぁぁ!」

 

「英次は何してんの?」

 

「さぁ」

 

勝手にバカやって自滅した愚弟なんざ知るか。

 

 

 




機体紹介

零次 ラファール ジェフティカスタム
ジェフティに似せた装甲を取り付けた零次のラファール、カラーは青と金、通常よりも装甲が薄く、スラスターを多く取り付けてあるため機動力が上がったが、被弾した時に減るシールドエネルギーが多くなった。武装は右腕に刀身を1.5倍にし、折り畳み式に改造したブレッドスライサー、拡張領域にはサブマシンガン、アサルトライフル、グレネードランチャー

英次 ラファール アルトアイゼンカスタム
アルトアイゼンに似せた装甲を取り付けた英次のラファール、カラーは赤と黒、通常よりも装甲を分厚くし、重装備にすることで高火力、防御力になった。しかし装甲を増やしたことにより、被弾した時に減るシールドエネルギーは少なくなったが、機動力が格段に落ちた。武装は右腕にパイルバンカー、左腕にサブマシンガン、肩に武器庫で見つけた重迫撃砲を装備、拡張領域にアサルトライフル、ミサイルランチャー

直哉 ラファール ヘルダイバーカスタム
ヘルダイバーに似せた装甲を取り付けた直哉のラファール、カラーは緑と黒、通常のラファールと余り変わらないが装甲が多いので若干防御力が高めだか機動力はさほど変わらない。武装は左腕にアサルトライフル、腰にブレッドスライサー装備、拡張領域にハンドガン、サブマシンガン、スナイパーライフル、手榴弾


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13話

投票してくれた方ありがとうございます。それでは続きをどうぞ!


「ホームルームはこれで終わる。今日は二組と合同でISの模擬戦闘訓練を行う、着替えてグラウンドに集合!では、解散!」

 

千冬さんはそう言うと教室から出ていった。

 

「君達が織斑君に坂本さん、菊地さんだよね、僕は…」

 

「悪いけど後にしてくれ、今は急がないと」

 

「一夏言う通りだよ、今は急いでデュノア君」

 

「あ~坂井さん、フィラストー、今いきま「バシッ!」ッは!ここは⁉」

 

「お前も軽く昇天しかけてないで行くぞ!」

 

一夏がデュノアの手を取り教室を出たのに続き、俺達も教室から出て更衣室に急いだ。廊下を走っているとデュノアがそわそわして落ち着きがなかった。

 

「デュノア君どうしたの?なんか落ち着きがないけど?」

 

「な、何でもないよ⁉」

 

…………やっぱ女の子にしか見えないんだよな~

 

『あ!転校生発見!』

 

「「「「!」」」」 「?」

 

『HQ!HQ!こちら2班!織斑君達と転校生を発見!』

 

『了解した!ただちに増援を送る!』

 

「零次さん!見つかりました!」

 

「かまうな!このまま撒くぞ!」

 

「どうしたのみんな?」

 

「いいから走って!」

 

「なんかメタギアみたいになってるー!」

 

一組の誰かリークしたな!今は走って撒くしか…

 

『いた!みんなこっちよ!』

 

「マジかよ⁉零次前からも来たよ!」

 

ちぃぃ!仕方ない!

 

「英次!一夏を担げ!俺はデュノアを担ぐ!」

 

「了解!」

 

「アレやるんだね?オーケー!」

 

「ちょ、零次さん!アレってなんですか⁉」

 

「え⁉さ、坂本さん⁉」

 

俺達は一夏達を担ぎ、窓を開け…

 

「ユゥウィゴー!」

 

「ヤッフゥゥゥ!」

 

「イッツミー マ〇オ!』

 

「「うわぁぁぁぁぁぁ!」」

 

ズダン!

 

『な、なにぃぃぃぃぃ⁉』

 

「着地成功!」

 

「さすがだなビックボス」

 

「ちょっと零次さん!窓からダイブするなら先に言って下さいよ!デュノアが目回してるじゃないですか?」

 

「はわ~」

 

「とりあえず撒けたんだから早く行こうよ、遅れちゃうよ?」

 

直哉に言われて慌てて俺達は更衣室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に更衣室に着いたが随分時間をくってしまった。

 

「ヤバいな、早くしないと遅刻するぞ」

 

「早く着替えないとな」

 

「うわあああ!」

 

英次と一夏が制服を脱ぎ、ベルトを外しズボンを脱ごうとしたら突然デュノアが急に驚きだした。

 

「ん?」

 

「どうしたんだデュノア?早く着替えないと遅れるぞ?」

 

「え⁉う、うん!き、着替えるけどあっち向いてて!」

 

「「?」」

 

「まぁ何にせよ早く着替えろよ?俺と直哉は先に行ってるからな?」

 

「え⁉零次と直哉いつの間に着替えたの⁉」

 

「僕と零次は最初から制服の中にISスーツ着てたから」

 

「ずるいですよ直哉さん!」

 

「じゃ先に行ってるからなー」

 

「では、アデュー」

 

「零次!直哉!置いてかないで!まってぇぇぇぇ!」

 

英次はそう叫んだが無情にも零次達は先に行き、英次、一夏、デュノアは千冬さんの鉄拳をくらうのだった。

 

 

 

 

 

 

「お~頭痛~」

 

「脳細胞が~」

 

「う~頭痛い~」

 

千冬さんにげんこつされた英次達は頭を押さえ悶絶していた。

 

「では訓練を開始する前に専用機持ちの模擬戦闘を開始する!オルコット、鳳は前に出ろ!」

 

「鈴とセシリアが戦うのかな?」

 

「そうみたいだけど…?」

 

「どうしたの直哉?」

 

「いやなんか声が、聞こえるような気が……」

 

「あぁぁぁぁ!ど、どいてくださ~い!」

 

「なんか山田先生がメテオスウォームよろしく突っ込んでくるんだけど⁉」

 

「真耶さん!」

 

ドオォォン!

 

直哉が咄嗟にラファールを起動し、山田先生が地面に激突する前に割り込み、間一髪で受け止めた。

 

「ふぅ~危なかった~大丈夫ですか?真耶さん」

 

「………⁉あああ、あ、あの直哉さん…ええ、えっとですね……」

 

頭から突っ込んで来た山田先生を直哉は全身を使って止めたため、抱き締める用な形で受け止めていた。やべぇな!直哉めっちゃうらやまし「バシン!」いだっ!

 

「なにを鼻の下を伸ばしている」

 

「だって羨ましいじゃないですか!(いや~そんな訳無いじゃないですか~)…しまった!つい本音が「ゴッ!」だぁ⁉」

 

「なんかヤバい音聞こえたぞ⁉」

 

お~痛ぇ~!だが男として!あれは羨ましすぎる!

 

「もう一発逝くか?坂本兄」

 

「心の底からすいませんでした!」

 

なんでわかったの⁉

 

「な、直哉さん…ありがとうございます」

 

「山田先生も怪我が無くてよかったです」

 

「…………(真耶って呼んでくれないんですね)ボソッ」

 

「ん?どうしたんですか山田先生?」

 

「な、ななななんでも無いですよ⁉」

 

「?」

 

「な、何故かあそこだけ空間がピンク色に見えますわ」

 

「奇遇ね、私もそう見えるわ」

 

「あはは……あれ?直哉さんのISってラファールでしたよね?なんか全然違うんですけど?」

 

「あれ?そう言えば言ってなかったね、僕だけじゃなくて零次と英次もだよ?」

 

「確かに言ってなかったな、俺達のはこれだ」

 

武装は無いがそれ以外は出来ているので、零次達はお披露目をかねてラファールを起動した。

 

「おー!カッコいい!」

 

「見たことの無いISですわね?」

 

「………坂本兄、そのISはなんだ」

 

「え~とですね、これラファールなんですけど、元々の装甲を外して直哉がデザインした装甲を取り付けたのでぱっと見ラファールには見えないんですよ」

 

「しかも零次と英次のラファールはスラスターを増やしたり、装甲分厚くしたから余計に見えないですね、僕のラファールも人の事言えないですけど、基本的なスペックはラファールのままですよ?」

 

「…そうか、ならば問題はないか、話がそれたがオルコット、鳳は今から山田先生と模擬戦をしてもらう!他の者については見学!では……初め!」

 

オルコット、鈴が山田先生に向かってくが山田先生は二人を翻弄し的確にダメージを与えていた。自分のペースにもっていけないオルコットと鈴は次第に仲間割れを起こし、その隙を突いた山田先生に撃墜された。

 

「や、山田先生つぇ~!」

 

「山田先生って確か元代表候補生だったはずだから、二人よりは強いと思うよ?」

 

「てかセシリアと鈴は全然連携できてないな、遠距離と近距離で別れてるんだから上手くいけば勝てたかもしれんのに」

 

今回の授業で千冬さんは山田先生が実は凄く強いから、ちゃんと敬意をはらうようにってことを伝えたかったみたいだな、確かにやまぴーとかまやまやとか、あだ名で呼ばれるのは嫌がってたからなー

 

「それではグループに別れてISの訓練を行う。専用機持ちはそれぞれグループの長となり、訓練を実施しろ」

 

千冬さんにそう言われ、みんなはそれぞれの専用機持ちのところに集まって訓練を開始した。

 

「それじゃあみんな、時間が無いから手早く済ませよう、まずは列を作って前の子からISを起動してくれ」

 

『はい!』

 

さすがにISの勉強をしてきただけあって、最初の俺達よりも呑み込みが早いな。よし、みんな順調にできてるし、危ないところも特にない、このまま行けば他のグループより早く終わりそうだな……ん?なんかボーデヴィッヒのグループが一番遅いな、どうしたんだ?

 

「悪いみんな、そのまま続けてて、ちょっとボーデヴィッヒのグループ見てくる」

 

『確かにボーデヴィッヒさんのグループが一番遅いしね?』

 

『零次さん、私たちはこのままやってるのでボーデヴィッヒさんのグループをお願いします』

 

「ああ、ちょっと行ってくる」

 

俺は自分のグループを他の子に任せボーデヴィッヒのグループに向かった。

 

「みんなどうしたんだ?あんまり進んでないみたいだけど」

 

「あ!零次さん!実はボーデヴィッヒさんが指示を出さないのでISの予約使用経験のある子が指示を出してるんですけど上手くいかなくて」

 

「…ボーデヴィッヒ、君は千冬さんにこのグループを任されたよな?なのに何で指示を出さないんだ?」

 

「ふん!ISをファッションか何かだと勘違いしてる奴等に教えることなど無い」

 

「君はそう思っていてもこれは千冬さんの指示したことだ、と言うことは君は元とは言え、教官の命令を無視することになるけど?」

 

「っ!キサマ…私に指図しるか…」

 

「どう捉えようと君の勝手だけど、早くしないと千冬さんも同じ事を言うぞ?」

 

「……ちっ、これより訓練を始める!」

 

やっとやる気になったか…

 

『ありがとうございます。零次さん、これでなんとかみんな時間通りに終われそうです』

 

ふぅ~これでなんとかなったか、にしてもデュノアと言いボーデヴィッヒと言い、面倒ごとが向こうからやって来るな~俺に平穏と休息をくれ…

 

こうして若干危なかったが無事に授業は終了した。

 



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14話

投稿が遅れたので今回は少し長めです。


全ての授業が終わり、俺達は整備施設に来ていた。

 

「よし、じゃあ昨日の続きやるか」

 

「武器の取り付けだけだから早く終るね?」

 

「じゃあさ、これ終わったらアリーナに行ってさっそく動かしてみない?」

 

「いいね!試しに動かしてみて慣れてきたら模擬戦とかもしてみたいね」

 

「あー確かに面白そうだな。直哉は余り変わらないけど俺と英次は慣れるのに時間がかかるからな~今のうちに感覚を掴んでおきたいし、武器もどんな感じか見ておきたいしな」

 

「じゃあさっさと終わらせてアリーナ行こう?」

 

「そうだね、早くったってそれなりに時間かかるし」

 

さっそく俺達は武器の取り付け作業に取り掛かった。俺と直哉は早く終わったが、英次はつける武器の多さや重量もあり時間がかかったが早く終わった俺と直哉が手伝い、何とか1時間で終わることができた。

 

「いいね~武器も付いて更にかっこよくなったね!」

 

「英次のアルトアイゼンはゴツいのに武器が付いたら更にゴツくなったな」

 

「てか、フェンサーかガンキャノンに見えてきた」

 

「それ迫撃砲付いたからだろ…にしても零次と直哉のジェフティとヘルダイバーもかっこいいな~!」

 

「そうだね、ジェフティのパドルブレード代わりの改造したブレッドスライサーがスゲェかっこいいね!」

 

「直哉のヘルダイバーは武器付けたらまんまヘルダイバーだな、ヘッドパーツ無いけど…」

 

「実はね…作ってきたよ」

 

直哉はISの拡張領域からヘルメットのような者を取り出した。

 

「何それ?なんかヘルダイバーの頭に見えるけど…」

 

「これは昨日、零次達が帰った後にこっそり戻ってきて作ったんだよ。さすがに遅かったから部組み立ては部屋でやったけどね。表面は違和感が無いようにISの装甲資材を使って、中は軽量化するために強化プラスチックを使ってあるから全然頭に負担は掛からないよ?」

 

「おー!かっこいい!いいなぁ直哉ずるいよ自分だけ!」

 

「英次がそう言うと思って零次と英次の分も作ったよ」

 

直哉は2つのヘルメットを拡張領域からだし、俺と英次に渡した、俺のはジェフティの頭の形をしていて英次のはアルトアイゼン頭の形をしていた。

 

「スゲェ!ちゃんとジェフティだ!」

 

「俺のもアルトアイゼンっぽい!」

 

「でもよく3人分も作ったなスゲェ時間かかっただろ?」

 

「感謝しなさいよ?僕が夜なべして作ったんだから」

 

いやぁこれはマジでかっけーな。これつけたら完全にジェフティ、アルトアイゼン、ヘルダイバーだぞ?

 

「英次、零次さん、直哉さんお疲れ様…」

 

「あ!簪お疲れ様」

 

「簪お疲れ様」

 

後ろを振り向くといつの間にか簪がいた。そう言えば簪にも俺達が改造したこと言ってなかったな。

 

「英次、直哉、簪に言ってなかったなしアリーナ行く前にお披露目しない?」

 

「そうだね、そう言えば言ってなかったね?」

 

「え?何の話ですか?」

 

「これ見たら簪ビックリすると思うよ?」

 

「?」

 

簪は何の事かわからないうちに俺達はISを起動し、さっき直哉から貰ったヘッドパーツを頭に被り、簪にお披露目した。

 

「簪見てこれ!アルトアイゼン!」

 

「俺はジェフティ!」

 

「僕はヘルダイバー!」

 

俺達は武器を構えてポーズを決めてみた。

 

「自分で言うのもなんだけどカッコいいね!」

 

「スゲェまんまジェフティだな」

 

「どう簪凄いでしょ⁉」

 

「……………………」

 

「「「?」」」

 

「……す、凄い!え?どうしたの⁉このIS、英次達のISってラファールだったのに!」

 

「やっぱりそう言う反応になるよね?」

 

「これ外の装甲を作ってラファールに取り付けたんだよ、だから中身はラファールのまんまなんだよ?」

 

「俺のアルトアイゼンは肩武装違うけどそれ以外はアルトアイゼンっぽいでしょ?」

 

「…カッコいい!ジェフティもアルトアイゼンもヘルダイバーも全部カッコいい!」

 

「でしょ!でね?今からアリーナに行って試しに動かして見て、問題なかったら模擬戦もやろうかなって話してたんだけど簪も行かない?」

 

「うん!私もちゃんと動くところ見たい!」

 

「じゃあさっそく行くか、時間も少ないし早く行こうぜ?」

 

俺達はジェフティ達を待機状態に戻し、さっそくアリーナへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結構人が少ないんだなぁ」

 

「そうだね、あんまり来たことなかったけど練習する人少ないんだね」

 

俺達がアリーナに来ると人は結構少なく、イメージと少し違っていた。

 

「貸し出し出来るISの数が限られてるし、他にもアリーナはあるからみんなそっちに行ってるんだと思う」

 

「そう言う事か、あっ一夏達がいる」

 

アリーナの真ん中辺りで一夏達がISの練習をしていた。

 

「珍しいね、一夏が銃使ってる」

 

「本当だ、デュノアに教えてもらってるみたいだな」

 

「……織斑、一夏」

 

「簪大丈夫だよ、一夏は悪い奴じゃないから…」

 

確かに間接的に一夏のせいで白式の開発がされ、それが原因で簪の打鉄弐式の開発が凍結されたが一夏自体は悪いわけではない。

 

「うん、大丈夫だよ?でもやっぱり悔しかったから…」

 

「う~ん…とりあえず一夏をみんなで葬るか…」

 

「ああそうだな、妹分の簪に暗い顔させたのはギルティ…」

 

「あ、あの…加減してくださいね?」

 

「何言ってるの簪、俺の彼女に嫌な思いさせた奴はアルトアイゼンのパイルバンカーで問答無用で膝治療するに決まってるじゃない」

 

「…………っ!」(カァァァ!)

 

「おい英次、桃色空間出してるんじゃねぇ!」

 

「なんだよいいだろ!」

 

「簪が嬉しいのはいいがお前が嬉しいのは腹立つ!」

 

「なんでだよ⁉」

 

「まぁわかるけど早く始めよう?時間無くなっちゃうよ」

 

「まぁそうだな、早くやるか……ん?ボーデヴィッヒが一夏達が近付いていってる」

 

「本当だ…なんか嫌な予感がするんだけど…」

 

「練習中になんかあったら危ねぇし止めるか、簪は今IS持ってないから離れてて、俺達は万が一を考えてジェフティ達を起動しとくか」

 

俺の指示で英次と直哉はアルトアイゼンとヘルダイバーを起動し、簪は少し離れた所に避難させた。

 

「なんかあったら俺と英次はボーデヴィッヒを止める、直哉はスナイパーライフルで援護」

 

「「オーケー」」

 

すぐに対応できる距離に移動したその時ボーデヴィッヒが一夏にレールガンの様なものを向けた。隣にいるデュノアは援護しようとしたが対応が遅れて銃を照準出来ていない。やっぱりか!俺はすぐに一夏とボーデヴィッヒの間に入り、左手にサブマシンガンを出し、ボーデヴィッヒに向けた。

 

「そこまでだボーデヴィッヒ、早くISをしまってアリーナから出ろ。他の、主に俺達の練習の邪魔になる」

 

「…キサマ…坂本零次か、外側を換えただけのフランスの量産機ごときで私の第三世代機に勝てると思っているのか」

 

「量産機バカにすんなよ?量産機は誰でも扱える優秀な操作性と攻守のバランスが取れてるから量産機なんだ。それと俺だけじゃないぞ?」

 

「なに?」

 

ボーデヴィッヒは見回すと後ろには英次がパイルバンカーとサブマシンガンを構えており、遠くでは直哉がスナイパーライフルを構え、ボーデヴィッヒに照準をあわせていた。

 

「…キサマ等!」

 

『そこの生徒!なにをやっている!学年とクラスを言え!』

 

突然アリーナに声が響いた。どうやらアリーナ担当の先生が放送で言ってるの見たいだな。

 

「…ふん、今日は引こう」

 

そう言うとボーデヴィッヒは背を向け、アリーナから出ていった。え?また来るのあの子?

 

「零次さん、ありがとうございます」

 

「僕からもありがとうございました」

 

「謝らなくていいぞ?俺達の練習の邪魔になりそうだったから介入しただけだし」

 

「練習、ですか?」

 

「ああ、朝に見せた俺達のISがあったろ?あれ武装を取り付けてなかったからさっき取り付けてな、今から試しに動かしてみようってなったからアリーナに来たんだよ」

 

「そうだったんですか」

 

「今日の朝に見ましたけどカッコいいですね!」

 

「まぁ中身はデュノアと同じラファールだけどね」

 

直哉がISをしまいながらそう言って英次と簪と一緒に近付いてきた。

 

「菊地さん、僕の事はシャルルでいいですよ?」

 

「そう?じゃあ僕も直哉でいいよ」

 

「わかりました。じゃあ直哉さんで」

 

「ところで零次さん、英次の隣にいる子って確か黒いISの時にいた…」

 

一夏が簪に気づいたか。

 

「わ、私は…更識、簪、よろしく」

 

「俺は織斑一夏だ、よろしく。この前は俺の幼馴染のせいで危ない目にあわせて悪かった」

 

「あの時は…すまなかった」

 

さすがに千冬さんに酷く叱られた見たいだな、叱られたですんだだけでもまだ軽いんだけどなぁ。

 

「大丈夫、あの時は英次が守ってくれたから、でも次はあんなことしないでね?」

 

「ああ、千冬さんにも叱られてその事は肝に命じている」

 

「なら良かった」

 

「後ね簪は日本の代表候補生でもあるんだよ?」

 

「そうなのか?じゃあ専用機も持ってるんだな」

 

「…まだ完成してない」

 

「え?何でだ?」

 

「それは…」

 

「簪の専用機の打鉄弐式は白式の開発が優先されて開発が凍結されたんだよ。だから簪は今他の人にも協力してもらって自分で作ってるんだよ」

 

「…え?じゃあ俺のせいで…」

 

「別に気にしなくていい、確かに前まではその事が悔しかったけど、英次達のお陰でもう気にしてない」

 

「でも、俺のせいで…」

 

「もう、何うじうじ考えてんのよ!本人が気にしてないって言ってるんだから気にするんじゃないわよ!」

 

「そうですわ、終わってしまった事を気にしても始まりませんわ」

 

「…ああ、ありがとう。鈴、セシリアもう大丈夫だ」

 

「そ、そうよ感謝してよね!」

 

「ま、まぁ淑女して当然の事をしたまでですわ」

 

何とか簪と一夏の関係は良くなったなてかマジで時間なくなってきたな。

 

「簪と一夏の問題も解決したみたいだしさっそく練習しよう?時間なくなるよ」

 

「そうだな、さっそく始めるか」

 

俺達はジェフティ達を起動させて確認のため、基本的な動きをしてみた。ちなみにさっき直哉からもらったヘッドパーツは拡張領域に閉まったのでジェフティを起動すれば一緒に装着されるようになっている。

 

「おーかっこいい!フルフェイスになってる!」

 

「ぱっと見てISには見えないわね」

 

「確かにそうですわね」

 

「でも、ISにはないかっこよさがあるよね。フランスでは日本のロボットアニメがテレビで放送されててね、僕も子どもの頃から凄く好きだったからちょっと羨ましいなぁ!」

 

「シャルルわかってるね、私もロボットアニメが大好きだから凄くわかる」

 

「簪も好きなの?僕も大好きなんだよくお母さんと一緒にテレビでアニメ見てたんだよ?」

 

なんかシャルルと簪が意気投合してるなぁ。てかシャルルもロボットとかアニメ好きなのか。

 

「英次、直哉、動いてみてどうだ?」

 

「僕は特に問題は無いよ?武装も前と変わんないから全然大丈夫かな」

 

「俺は前より動きづらくなったね、でも武器の方は問題ないかな」

 

「零次の方は?」

 

「俺は武器の改造ブレードは問題ないけど、スラスター無理やり付けたから速くなった分扱いづらくなったな。けどすぐになれるだろ……本当は模擬戦もしたかったけど時間無いなぁ明日にするか?」

 

「そうだね、もう少しでアリーナ閉まっちゃうし」

 

「その前に一夏ボコるか」

 

「そうだね、それ残ってたね」

 

「ちょっと待て英次!今俺にとってマズイ発言が聞こえたんだけど⁉」

 

「…一夏、簪は許したみたいだけど」

 

「僕と零次、英次は別だからね?」

 

「俺達の妹分に悲しい思いをさせたんだ、それ相応の覚悟をしておけよ?」

 

零次は改造ブレードとサブマシンガンを構え、英次はパイルバンカーを構え、サブマシンガン、迫撃砲の照準を一夏にあわせ、直哉はスナイパーライフルの安全装置を外し、一夏を狙っていた。

 

気がつくと一夏の回りには人がおらず、少し離れた所に避難していた。

 

「ちょっとみんな!なんで俺から距離とってるの⁉」

 

「一夏、すまん…」

 

「先程簪さんの話を一夏さん以外で聞きましたが…」

 

「あんた一回零次達にボコられなさい」

 

「一夏、頑張ってね?」

 

「加減はしてねって言ったから大丈夫………多分」

 

「ちょ!簪多分ってなに⁉落ち着いて話し合いましょう⁉零次さん!」

 

「話し合う必要はない!」

 

「え⁉ちょ!あーーーーーーーーー!」

 

そのあと一夏はアリーナの閉館時間まで零次達にボコられ続けた。

 




フランスでは日本のロボットアニメ「グレンダイザー」を「ゴルドラック」と言う名前で放送していたそうなのですが平均視聴率が75%、最高視聴率が100%を出したと言われているそうです。またイラクで放送したさいに、ものすごい人気を博し、国民が唯一共に共感して一致できる話題はサッカーかグレンダイザーしかないという冗談まであるそうです。


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15話

アリーナでの練習が終わり、一夏達と途中で別れ、俺達は英次達の部屋に集まっていた。

 

「なんか今日は1日大変だったね?」

 

「まぁそうだね、5人目の男が来たり、ボーデヴィッヒが傍若無人だったり、色々あったね」

 

「でも簪と一夏の複雑な関係が解決出来たし良かったんじゃね?それに一応俺達のISも改造し終わったんだし」

 

「うん、私もシャルルやみんなと友達になれたよ」

 

「簪はシャルルとアニメやロボットの話で盛り上がってたもんね?」

 

確かに簪が一番仲良くなったのはシャルルだよなぁ、アニメとロボットの話でスゲェ盛り上がってたし、シャルルもまさかあんなにアニメ、ロボット好きだとは思わなかったなぁ。

 

「にしてもなんでボーデヴィッヒは一夏をあんなに嫌ってるんだろうね?なんか織斑先生とも知り合いみたいだったし」

 

「なんかね、前に千冬さんと晩酌した時に聞いたんだけど、第二回モンド・グロッソの時に一夏が誘拐されたらしくて、そのときにドイツ軍が手助けしてくれて、その恩で1年間ドイツ軍のIS部隊で教官やってたらしいよ?ボーデヴィッヒはそのときの訓練生か何かじゃない?」

 

「色々突っ込みどころ満載だけどドイツ軍に手助けしてもらったって、織斑先生凄いね」

 

「てか一夏誘拐されてたんかーい!」

 

「初めて聞いた話ですね、そんなニュース聞いた事無かったですけど…」

 

「なんでもこの事件自体が政府に隠蔽された事らしくて本当は言っちゃいけないらしい」

 

「それを先に言いなさいよ!」

 

「どうすんの!後で俺達が「その後彼等の行方を知るものは誰もいなかった」的な事になったら!」

 

「大丈夫だろ?俺の部屋にもこの部屋にも盗聴器みたいなのは無いだろうから、たしか前に楯無がこの部屋から自分で仕掛けた盗聴器回収してその時に全部調べて無かったって言ってたし」

 

「え⁉この部屋に盗聴器なんてあったの⁉」

 

「……お姉ちゃん」

 

「いくら簪とケンカしてたけど心配だったからって部屋に盗聴器仕掛けるのはどうかと思うよ?楯無」

 

「まぁもう無いんだから大丈夫だろ?それより話変わるけどゲームなにするよ?」

 

「唐突に変わったね。みんなで出来るゲームが良いね」

 

「バトルフィールドとかコールオブデューティとかは?」

 

「あーいいんじゃない?」

 

「テレビ画面1つでみんなで出来るゲームがいいな、画面分割だと見辛いし…」

 

「簪の要望を入れると……スマブラとかかな?」

 

「じゃあスマブラにするか」

 

「オーケーじゃあ準備するよ?」

 

ヴゥー、ヴゥー

 

「あれ俺の携帯鳴ってる、誰だろ?」

 

英次が準備しようとした時、英次の携帯が鳴った。こんな時間に誰だ?

 

「あっ一夏だ、もしもし一夏?どうしたんだ?」

 

『あ!英次か?ちょっと相談したいことがあるから零次さんと直哉さんも一緒に俺の部屋に来てくれないか?』

 

「まぁいいけどどうしたんだ?」

 

『え、えっと…部屋に来たら話すよ、とにかく頼む』

 

「え?一夏?切れたな」

 

「どうしたんだ?一夏からみたいだったが…」

 

「うん、なんでも相談したいことがあるらしいから零次と直哉を連れて部屋に来てくれって」

 

「零次と僕も?どうしたんだろ?」

 

「……とりあえず行ってみるか。ゲーム機持ってってそのまま一夏達の部屋でゲームするか?」

 

「いいね~スマブラは人数が多いと盛り上がるしね」

 

「という訳で簪も追加で一夏の部屋に行くか」

 

「大丈夫かな?部屋の人迷惑だったりしないかな?」

 

「大丈夫でしょ?それに一夏の部屋前は箒とだったけど今はシャルルと同じ部屋ってさっき言ってたし、逆に歓迎してくれるでしょ」

 

「そんじゃあ行くか」

 

俺達はゲーム機を持って一夏達の部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏達の部屋に着いた。辺りには珍しく誰もいなく、廊下はいつもより静かだった。

 

「おーい一夏、来たぞー入っていいか?」

 

「あ、ああできるだけ部屋の中が見えないように入ってくれ」

 

なんだ?まるで中を見られたくない様な言い方だな?

 

「とりあえず入るぞ?」

 

「「お邪魔しまーす」」

 

「…お邪魔します」

 

「あ!英次!早くドアを閉めてくれ!

 

「なんだ一夏?どうしてそんなにあわて…て」

 

「どうしたの英次?急に黙っ…て」

 

なんで英次と直哉はシャルルを見て黙ったんだ?俺もシャルルを見て見るとシャルルに違和感があった。

 

「………え?」

 

簪もそれに気付いて困惑していた。何故ならシャルルの胴体に男性ではあり得ない胸の膨らみがあったからだ。

 

「「「……………………………」」」

 

「まぁビックリするよな」

 

「………一夏、お前は遂に見ただけで男を女に変える特殊技能を身に付けたのか?」

 

「「え⁉」」

 

「一夏、君はどこのエロゲの主人公なの?何その凄い能力」

 

「なぁこういう時ってどこに通報すればいいんだ?警察?病院?」

 

「いや織斑先生じゃね?」

 

「そんな能力ありませんよ!零次さんも通報しないで下さい!」

 

「まぁ冗談はこのぐらいにしとくか」

 

「え⁉冗談だったの⁉」

 

「逆に本気だったの⁉」

 

「…とりあえず零次さんと英次は落ち着いて」

 

「てかなんで簪までいるんだ⁉」

 

「ゲームしようとしてたら一夏から来いって言われたからな、一夏が言ってた相談ついでにスマブラしようと思ってな、一緒に連れてきた」

 

「シャルル…女の子だったの?」

 

「うん、ごめんね簪…騙してて…」

 

「ううん、いいよ。何でかわからないけど事情があるんでしょ?」

 

「簪…ありがとう」

 

「てかやっぱりシャルル女の子だったんだ」

 

「零次さん気づいてたんですか⁉」

 

「え?零次気づいてたの?」

 

「朝の時点で直哉と女の子っぽいって言ってただろ」

 

「でも僕は確信が無かったんだけど零次は何処で確信したの?」

 

「いや、わかんないの?そうだな~じゃあヒント出すか」

 

「うん、教えてよ…なんかこうコナンの何とかヒント!みたいな感じで」

 

「NEXTコナンズHINT!」

 

「あ~直哉そんな感じそんな感じ!」

 

「ギィィィィィイイイ!バン!」(CMに入るときのドアの音)

 

「いや閉まったらわかんないだろ⁉突っ込みが間に合わないだろ!お前コノヤロォ!」

 

「アハハハハハハハハ!」

 

「えっとな一夏とシャルルを俺と英次が担いで窓からダイブしたろ?あの時にシャルルが妙に軽かったのと担いだ時の感触が男の筋肉質な感じがしなかったからだ」

 

「え?それだけ?」

 

「ああ、それでほとんど確信してた」

 

「あはは、零次さんにはもうバレてたのか…」

 

「ああ、一夏が言ってた相談ってのもシャルルの事なんだろ?」

 

「ああ、零次さん聞いてくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成る程、愛人の子にデュノア社のIS開発許可の剥奪、そして一夏に接触して白式のデータの奪取か」

 

「…ひどい!」

 

「頼む零次さん!この事がバレたらシャルルはフランスに連れ戻されて何されるかわからない、IS学園の規則で三年間はデュノア社は何もできない!だからそれまでの間バレないように手伝ってくれ!」

 

「……………そのあとは?」

 

「え?」

 

「三年たった……そのあとはどうするんだ?」

 

「それは、IS学園にいる間に俺が何とか…」

 

「具体的には?」

 

「それは………」

 

「一夏、お前一人が出来ることなんてたかが知れてるんだぞ?お前が敵に回そうとしてるのは社会的な権力を持った大企業だ、対してお前がその大企業からシャルルを助ける為の手段は?具体的な計画は?人脈は?お前はシャルルがバレないように頑張ってるだけでそのあとの事を全く考えていない」

 

「じゃあこのままシャルルを見捨てろって言うのかよ!」

 

「そうは言ってない、しっかり考えてから行動しろって言ってるんだ。お前のそのまっすぐな所は美徳だが少しは冷静にものを考えろ…はぁ~どんな厄介ごとかと思ったらとんでもない厄介ごとじゃねーか、けど簪の友達がいなくなると簪が悲しむからな、何とかするしかないか」

 

「零次がツンデレ発言したんだけど」

 

「零次、男がツンデレになっても需要がないよ?」

 

「うるせー!誰がツンデレだ!」

 

「零次さん、どうするの?」

 

「任せとけ簪、とりあえず千冬さんに連絡する」

 

「「任せられるかーーー!」」

 

「え?」

 

「零次、バレたれたらマズイゆーてるやんけ!」

 

「大丈夫だ恐らくIS学園の一部の教師と楯無さん辺りはシャルルの正体を知ってると思うぞ?」

 

「「え⁉」」

 

「お姉ちゃんが⁉」

 

「なんで千冬姉が知ってるんだよ⁉」

 

「まずな、俺がわかった時点でで他の人がわからないわけないだろ?特に千冬さんは知らなくてもシャルルの歩き方や呼吸の仕方でわかると思うぞ?それと教師はシャルルのプロフィールを見てると思うからデュノア社から来るってわかった時点で違和感を感じたと思うぞ?学園の資料を見ることが出来る楯無もな…」

 

「そう言うことか」

 

「とりあえず電話するぞ?」

 

『どうした零次、もう遅いぞ?早く帰ってこないとどうなるかわかってるな?』

 

「それは勘弁したいんですけども、千冬さんシャルルの正体知ってますよね?」

 

『………気付いたのか』

 

「いや流石に気付きますよ、で本題何ですけども、千冬さんはシャルルの事情を知ってますよね?」

 

『ああ、学園の資料に詳しく書いてあったからな』

 

「なら話が早いでですね。俺達ちょっとシャルル助けるので、これからやることを見逃して下さい」

 

『………バカな事を言うな、学園でも今デュノアの件を解決するために動いている、お前は動かなくていい』

 

「難航してるんでしょ?」

 

『……………』

 

「いくらIS学園が他国から干渉されないと言ってもそれは表向きですよね?政府かIS委員会から圧力がかかれば首を縦に振らざるをえない。そしてIS学園の入学は最終的に政府の承諾が必要です。フランス政府から何かしらの圧力があったんですよね?」

 

『…………………』

 

「多少手段は荒っぽいですがなんとかするので任せて下さい」

 

『………必ず成功させろ、お前の料理が食べれなくなるのは惜しい』

 

「わかりました、それじゃ失礼します」

 

「どうだった?」

 

「とりあえずは許可は貰ったから大丈夫かな?じゃあさっそくシャルル助ける準備するぞ」

 

「「了解」」

 

「零次さんありがとうございます!」

 

「…零次さんお願いします!」

 

「……零次さん本当にいいの?僕はみんなに迷惑かけてるのに…」

 

「何言ってるんだ?妹分の友達助けるのに迷惑もくそも無いだろ?」

 

そう言って俺はシャルルの頭に手をのせた。

 

「こう言うことはお兄さん達に任せとけばいいんだよ」

 

「零次は後少しで25だからオッサンって言われるよいになるね?」

 

「おい!直哉余計な事言うんじゃねー俺はまだお兄さんの領域だ!」

 

「お兄さんの領域って何だよ」

 

「自分で言っててわからん。ん?どうしたシャルル、さっきから黙って?」

 

「い、いやあの、僕、一人っ子だったし、家族もお母さんしか居なかったから、お兄さんや兄弟がいたらこんな感じだったのかなって………」

 

「なんかどっかで聞いた事はあるセリフだな」

 

「また僕達の妹分が増えたっぽい」

 

「何?最近では妹分が増えるのが流行りなの⁉」

 

「いや、自分で増やしたんでしょうが!」

 

「あはは、それじゃあお兄ちゃん、僕を助けてくる?」

 

シャルルは今までで一番いい笑顔で俺達にそう言った。

 

「「「任せとけ!」」」

 

こうして零次達のシャルル救出作戦が開始された。




コナンのネタは2broRadio vol.10より抜粋


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16話

「零次さん、シャルルを助けるってどうやるんですか?」

 

「ああ、そのためにまずは情報が欲しい、だからその為の準備をさっき英次と直哉がやってる」

 

「やってるって、為ISの拡張領域からパソコン出していじってるだけじゃないですか?」

 

「見ての通りだろ?、パソコンでデュノア社のサーバーにハッキングする準備してんだよ」

 

「ハ、ハッキング⁉」

 

「なんで英次達そんな事出来るの⁉3年生の整備班の人達なら出来なくもないけど…」

 

「あのな簪、これには訳があってな?前に英次がウォッチドッグスってゲームをやってたんだけど、そのゲームはハッキングをしていろんなことするってゲームなんだけど、それで英次が自分もハッキング出来るようになりたいとか言って本当にハッキング出来るようになってな?で、なんやかんやで俺と直哉も出来るようになった。ちなみに一番ハッキングが出来るようになったのは直哉だと思う」

 

「英次はこんな事しか覚えないよね」

 

「そうだな、ショットガンのタクティカルリロードをめっちゃ速く出来るようになったりとかな」

 

「それね、気持ち悪いくらい速かったね」

 

「話が逸れてるよ!それにハッキングだって今役に立ってるんだからいいじゃん!」

 

「…英次、もう少し別の事に労力使ったらどうだ?」

 

「一夏だけには言われたくないわ!」

 

そんな事を言ってる間に俺達はハッキングを進め、システムの改ざんをし始めた。

 

「それでお兄ちゃん、ハッキングをして何をするの?」

 

「とりあえず、デュノア社の情報を調べまくってからデュノア社長に真意を聞こうかなって思ってたな」

 

「え…あの人に?」

 

「どうしてですか!その人はシャルルを苦しめてる張本人じゃないですか!」

 

「まぁ落ち着いてよ一夏、気付かなかった僕が言えたことじゃないけどさ、おかしいんだよ、デュノア社長の行動が」

 

「おかしいってどういう事ですか?」

 

「考えてみろ、デュノア社長が本気で白式のデータの奪取を考えているとしたら、シャルルの男装が中途半端過ぎるんだよ」

 

「シャルルの男装が?」

 

「そ、わざと男装を中途半端にして一夏にわざとバラしてハニートラップを仕掛けるって考えもあるけど、デュノア社が今すぐ欲しいのは第三世代機のデータであって遺伝子とか何故一夏や僕達がISが使えるのかとかじゃない、それだったら後ろ楯に千冬さんや篠ノ乃束がいる一夏よりも何の後ろ楯も無い僕達の方がリスクは少ない、だからこの線は無い。でもバレたらマズイってわかってるのにシャルルの男装は中途半端、仕草は女性を思わせる動き、これじゃあシャルルは女の子だよって言ってるようなもんだよ」

 

「それにデュノア社から送られてきた資料も目を通しただけでシャルルが本当に男なのかって疑問に思うような内容だぞ?普通だったらもっとシャルルの資料を偽造するだろ?」

 

「確かにそう言われれば確かにおかしいですね?」

 

簪もそう思ったらしく、首を傾けた。

 

そうこうしている内にシステムの改ざんが終わり、全システム権限を零次達が掌握した。

 

「オーケー!システム権限を零次の権限に書き換えた」

 

「俺の方でセキュリティシステムをダウンさせた」

 

「オーケー、そのまま英次と直哉はデュノア社長やデュノア社の情報かき集めてくれ、俺はデュノア社長とTalkタイムだ」

 

「「了解」」

 

「みんなは画面に映らないように離れて静かにしててくれ」

 

「「うん」」

 

「…わかった」

 

俺はみんなに静かにするよいに言うと、デュノア社の社長のパソコンにテレビ電話の回線を繋いだ。

 

「どーもデュノア社長おはこんばんにちは、坂本零次と申します」

 

『……………ほう、どうやってこの番号を知ったのかね?男性IS操縦者の坂本零次くん』

 

「ええ、少々デュノア社のサーバーにハッキングしてましてね、システムを掌握しました」

 

『………バカな、これでも大企業と言われていてセキュリティ面は万全なのだかな』

 

「まぁ頑張った結果ですよ。さて、本題に入りましょう。シャルル・デュノアの事についてです」

 

『…ほう、私の息子がどうかしたかね?何か粗相をしたのなら謝罪しよう。息子はまだ日本に不馴れでね』

 

「誤魔化さなくて結構ですよ?シャルルが女って言うのは知ってますから」

 

『…………それを知ってどうしようと言うのだね?私を脅そうとでも?」

 

「そんな事思ってませんよ、私はあなたに聞きたい事があってこうして話をしに来てるんですから」

 

『……聞きたい事、だと?』

 

「はい、幾つか聞きたい事がありましてね?最初に、シャルルの男装をあなたはわざと中途半端にしてIS学園に入れましたね?」

 

『何をバカな、あの小娘には我社の全てがかかっている、手を抜く必要が何処にあると言うんだね?』

 

「嘘はダメですよ、シャルルの男装はあまりにも雑だ、男装の訓練なんてしてませんよね?事実俺を含め一部の教師は気付いていますよ?」

 

『……………』

 

「次に、デュノア社が第三世代機の開発が遅れた本当の理由は何ですか?」

 

『何を言っている、我社は他の国より開発が出遅れた。更に資金や技術力が無かった。IS業界にいるものなら誰でも知っている情報だ』

 

ほう、本当にそうかな?

 

「零次、なんかISの開発費が何か別の所で消費されてる記録があるんだけど?使った人は…カーラ・デュノア?」

 

『っ!』

 

そらきた!

 

「他にもその辺りからIS技師が何人も解雇されてるね、結構な人数だよ?」

 

「だそうですが?」

 

『……ああそうだ、カーラ、私の妻がISの開発費用を私用に使い、それに反発した男性技師がカーラによって解雇された。それが真実だ』

 

「……シャルルの事含めて、全部話して貰えますか?」

 

『…………私の実家デュノア家は、元々兵器開発や機械開発を主にしていた。父は政界にも顔が利き、私が20歳の時、知人の政治家の娘との縁談の話を私に進めた。それがカーラ、私の妻だ。しかしカーラは最初から私の事を愛してはいなかった。彼女は私の実家の金目当てに私と結婚し、愛人を作り、毎日遊び歩いていた。そんな彼女を私も愛してはいなかった。そんなある日、私はある片田舎に出張で行かなければならなかった。そこで出会ったのがエリゼ、あの娘の母親だ』

 

なるほど、その人がシャルルの母親か。

 

『私とエリゼは互いに愛し合っていた。そしてあの娘が生まれた。幸せな日々だった、時々しか会いに行けなかったがエリゼやあの娘に会いに行く事が私の生き甲斐だった。しかし、それは長く続かなかった。白騎士事件、後にISが世界最強の兵器と決定付けたあの出来事を境に、従来の兵器の売り上げが低下し瞬く間にデュノア社は経営危機に陥った。その頃から私はエリゼ達に会いに行く事が難しくなってしまった。私はデュノア社の兵器開発を生かし、ISの武装開発に乗り出した。ISの武装は売り上げを徐々に増し、経営危機も去り、なんとか第2世代機の開発にもこぎ着けた。しかしある時、第2世代機に回した資金が別の所に流れている記録が見つかった。調べてみるとカーラが私用で資金を使っている事がわかった。しかも他の重役に賄賂を渡し、その事に反発した男性技師達を次々に解雇して行った。』

 

その女はバカなのか⁉そんな時期に技師を解雇したら第2世代機の開発が遅れるのは目に見えてるだろ!てか会社の金勝手に使うなよ!

 

『それをきっかけに第2世代機の開発が遅くれ、ラファール・リヴァイブが完成した時には他の国は第3世代機の開発に移っていた、時を同じくしてエリゼが病気で亡くなり、あの娘一人になっていた。大変な時期だったが私はあの娘の助けになりたかった。そんな時、カーラにあの娘の存在が露見した。カーラの息のかかった重役達があの娘をまるで人質のように使い、私を経営に口出しできないようにしてきた。』

 

とんでもないクズが居たもんだ、一夏が今にも叫びそうにしてるのを簪とシャルルが必死に止めてる。英次と直哉も作業をやめてないがスゲェ怒った顔してんな。

 

『カーラが初めてあの娘に会った時はいきなりあの娘の頬を叩いたよ、泥棒猫の娘が、とな…何が泥棒猫の娘だ!自分の事を棚にあげてよく言えたものだ!……そのあと、経営が目に見えて危うくなってようやくカーラと重役達が慌て出した』

 

マジか、遅すぎだろ⁉

 

『そして織斑一夏がISを起動し、初の男性IS操縦者が見つかった時、カーラと重役があの娘を男装させてIS学園に入学させて、織斑一夏の専用機のデータを奪取すると言い出した。カーラは父親の人脈を使い政府関係者にあの娘をIS学園に入れるように手配した。だから私は逆にそれを利用した。あの娘をデュノア社の手の届かない場所えと送り出し、例え、女だとバレても最小限の償いで自由になれるようにわざと中途半端な男装させ、IS学園に送った資料もバレやすいような内容した。そして私はデュノア社の現状を世間に公表し、デュノア社を終わらせるつもりだった』

 

「……………………………」

 

『これが真実だ、まだ聞きたいことはあるかね?』

 

「では最後にひとつ、あなたはシャルル、いや…シャルロット・デュノアを愛してはいますか?」

 

『さすがに名前をシャルロットからシャルルに変えたのは露骨過ぎたか』

 

「さすがにわかりますよ。で、どうなんですか?」

 

『……………何を当たり前の事を……愛しているに決まってる、私とエリゼの幸せな日々の証を、彼女が生きていた証を、愛しくないわけがない』

 

その言葉を待っていた!

 

「じゃあデュノア社長、例えばシャルロットが助かり、あなたも助かり、デュノア社にいるゲスどもを一網打尽に出来る手段があるとしたら、あなたはどうする?」

 

『…なに?』

 

零次は今までで一番のゲス顔でそうデュノア社長に言った。

 




タクティカルリロードの件、2broRadio vol.25より抜粋


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17話

それでは、続きをどうぞ!


『無理だ、そんな事出来る訳がない』

 

「例えばの話ですよ。そんな喜劇の様な事が出来たらあなたはどうしますか?」

 

『………あり得んな、今のデュノア社の状況ではシャルロットを逃がす事が精一杯だった。仮にそんな事が出来ても、私は今さら助かろうなどとは思わんよ、シャルロットは助かり、私は、カーラと重役達を道連れにし、デュノア社は崩壊する、それが一番ベストだ』

 

やっぱりこの人は自分もろともデュノア社を道連れにするつもりか。

 

「何故ですか?あなたはシャルロットに会いたくはないんですか?

 

『会いたいさ、会って抱きしめてやりたい。今までなにもしてやれなくてすまないと言いたい、だが私にはその資格すらない、今さらシャルロットに会いに行くことは…許されない』

 

「それがあなたの考えですか……しかしそれをよしとしない人がいるみたいですよ?」

 

『…どういう事だ?』

 

俺は話を聞いていたシャルロットを呼び、デュノア社長に合わせた。

 

『っ!シャルロット……』

 

「…………………」

 

『まさか、今までそこに……』

 

「うん、最初から全部聞いてたよ…」

 

『……そうか…ではわかったはずだ、私がデュノア社を崩壊させ、君はもうデュノア社に縛られる事はなくなる、本来であれば犯す必要の無い罪を償わなければならないが、既にIS学園に女性として再入学出来るよう秘密裏に準備を進めている、IS学園を卒業する前に私はデュノア社に終止符を打ち、君の件ををうやむやにし罪に問われないようにする。だから、君はもう自由だ』

 

「ひとつ聞いてもいいですか?…お母さんの事愛していましたか?」

 

『………ああ、エリゼは私の生きる希望だった、だからエリゼが亡くなったと聞いたとき、私は全ての事がどうでもよくなった、死ぬことすら考えた。だが、シャルロット、お前が居てくれていたから、私はまた立ち上がる事が出来た、だから…私の希望を…私達の娘を…例え、自分の命を賭けても、カーラ達の好きにはさせない』

 

「っ!お父さん!」

 

『やめろ!私を父と呼ぶな!エリゼの死を看取れなかった私に、お前が辛い時になにもしてやれなかった私に、お前に父と呼ばれる資格など無い!』

 

「そんな事無い!お母さんの事愛してたんでしょ⁉本当は私の事も愛してくれてたんでしょ⁉だから命を賭けるなんて言わないでよ!私もお母さんも、お父さんにそんな事してほしくない!」

 

『っ⁉』

 

「だそうですよ?デュノア社長、もう一度聞きます、もし、シャルロットもあなたも助かり、デュノア社の社員を犠牲にせず、カーラ・デュノアや他の重役を一掃出来る事が出来たなら、あなたはどうしますか?」

 

『…………それを答える前に私もひとつ聞きたい、何故君はそこまでシャルロットを助けようとする?シャルロットと君は赤の他人の筈だ』

 

「妹分の友達ですし、なんやかんやでシャルロットも妹分になりましたからね、妹が困ってたら助けるのが兄貴分ですから」

 

『…そうか………わかった、私は君に賭けよう』

 

「お父さん!」

 

『すまなかったシャルロット、お前のお陰で私はまた立ち上がる』

 

「ううん!私こそお父さんはお母さんを捨てたひどい人だと思ってた、でもお父さんはお母さんの事も私の事も愛してくれていた。それなのに私は何も考えて無かった」

 

『そんな事は気にしなくていい、悪いのは私なのだから』

 

「いや、悪いのはカーラ・デュノアと重役達ですよ」

 

とりあえず、デュノア社長の説得は出来た。後は英次と直哉の情報収集が終われば大体やることは終わるな。

 

「零次、大体いい感じのネタは集め終わったよ」

 

「俺も終わったよー」

 

「オーケー、じゃあ後はデュノア社にいるゲス野郎どもに真のゲスとは何か教えてやるぞ」

 

「「オーケー!」」

 

『何をするのかね?まだ内容を聞いていなかったが?』

 

「それはですね……そう言えばまだ名前を聞いてませんでしたね?」

 

『そう言えばそうだったな、失礼した、私の名はエドガー・デュノアだ』

 

「ではエドガーさん、これからする事を簡単に説明します。まず最初にカーラ・デュノアを含めた重役達の排除、次にデュノア社のIS開発許可剥奪の阻止、この2つです」

 

『それは私も考えた、カーラや重役達は私の事を考えなければ成功するだろう。だがIS開発許可は第3世代機の目処が立たなければならない。それをするにはデュノア社はまだ時間が掛かり過ぎる』

 

「お兄ちゃん、どうするの?」

 

「まずカーラ・デュノア達ですが、英次と直哉が漁ってきたデータをウィルスプログラムを使って流出させます。しかしただ流出させる訳ではあるません。その中に少しの嘘を入れたり、言葉を抜き取ったりします。例えば「カーラ・デュノアと重役達はデュノア社長を軟禁し、ISの開発資金を私用で使い、それに反発したIS技師達を強制解雇し、更に娘のシャルロット・デュノアを男装させ、シャルル・デュノアとしてIS学園に入学させ、織斑一夏の専用機である白式のデータを奪取するよう強要した」などエドガーさんが全くの被害者であり罪に問われないような言い回しにしたり、シャルロットの一部の情報を伏せます」

 

『なっ!だがカーラや重役達が嘘だと証言したらバレてしまうだろう⁉』

 

「それについては大丈夫です。デュノア社から直接データが流出するんです、ほとんどの人はまず全て事実だと思うでしょう。仮に法廷などで嘘と言われてもそれこそ本当のことを、エリゼさんとシャルロットの事を言えば誰であれカーラ・デュノアの味方をするものは居なくなるでしょう」

 

『だが仮に上手くいったとしてISの開発許可の件はどうするのだ?』

 

「それについては、まず第3世代機の定義ですが要はイメージインターフェイスを用いた特殊兵器が付いてる事です。イギリスであればビット兵器ですね、確かに今のデュノア社では特殊兵器の開発は難しいでしょう、ですからフランス政府にはデュノア社は第3世代機の開発に目処が立てると思わせます」

 

「思わせるってどういう事お兄ちゃん?」

 

「それはなシャルロット、第3世代機の特殊兵器に近い武装を作ることだ」

 

「特殊兵器に近い武装?」

 

「そうだ、特殊兵器に近い武装を発表し、フランス政府に第3世代機を作れると思わせる。それもイギリスのビット兵器のような純戦闘用の武装じゃなくて、まだどこも開発していない純支援用の武装、たとえば「ISのシールドエネルギーを回復させるような武装」とかをな」

 

『シールドエネルギーを回復させる武装?』

 

「はい、なぁシャルロット、ISのコアとコアを接続すればシールドエネルギーって回復しないか?」

 

「うん、手間と時間が掛かるから使いどころが無くて余り知られてないから裏技みたいになってるよ?でもどうしてお兄ちゃんこの事知ってるの?」

 

「最初はシールドエネルギーが回復出来たらいいよなぁって考えてな?出来ないか調べたらその方法を見つけた。でだ、その方法だとシャルロットが言ったように手間が掛かる、だからそれをもっと単純化すればいいんだ」

 

「単純化?」

 

「例えば、シールドエネルギーの詰まったタンクを専用の銃器型放出器に取り付け、対象のISコアに向けて発射すれば対象を回復させる、とかな?」

 

『確かに…イギリスのBT兵器を応用出来れば、あるいは…』

 

「はい、ISの情報は公開しなければならない義務があるのでBT兵器の基本的な理論は公開されています。それにデュノア社は元々兵器開発をしていたと言いましたよね?カーラ・デュノアが解雇したIS技師には兵器開発時代の技師が大半の筈です。その人達を呼び戻す事が出来れば…可能だと思います」

 

『ああ、やってみる価値は十分にある』

 

「流出させるデータは俺達の方で改ざん、流出させます。特殊兵装が発表出来るまでにどれぐらい掛かりますか?」

 

『解雇された技師を集め、計画を立て製作し、政府に発表するまでに…………君達でいう学年別トーナメントが終わった辺りに発表出来るもしれん』

 

「結構早いですね、では発表する前に連絡を下さい。発表する前にデータを流出させるので」

 

『ああ、わかった。すまないな、本来は私達がやらなければやらなければならない事を…』

 

「いえ、そんな事は気にしないで下さい」

 

『ああ……では私はさっそく取り掛かる準備を進めよう、零次くん……娘の事を頼む』

 

「ええ、任せてください、妹分ですからね」

 

そう言うとはテレビ電話を切れ、部屋は元の静けさを取り戻した。

 

「…………零次さんは凄いな」

 

「何がだ?一夏」

 

「だって俺、シャルルを助かる事しか考えてなくて、その方法何て何も考えてなくて、シャルルのお父さんの気持ちもわかってなかった」

 

「何言ってんだ、さっきも言ったろ?一夏の真っ直ぐな所は美徳だ、ただ冷静に回りを見れるように出来ればいい、自分でどうしよう無いときは回りを頼ればいいんだよ」

 

「零次さん………」

 

「お兄ちゃん、私もありがとう、お兄ちゃんのお陰で私にもまだ家族が居るってわかったよ?」

 

「なに、可愛いい妹分の為だ、頑張るのは当然だろ?」

 

「…良かったね、シャルル」

 

「うん、ありがとう簪、でも私はもうシャルルじゃないよ?これからはシャルロットって呼んで?みんなも」

 

「うんシャルロット、でもシャルロットが正式に女の子として再入学するまではシャルルって呼ぶよ?」

 

「うん、わかったよ簪」

 

「あのさ~」

 

「僕達も頑張ったんだけど?」

 

「あれ?君達何してたの?」

 

「「おい!」」

 

「僕達零次が話してる間データ調べたりしてたでしょ⁉」

 

「なに自分だけ頑張りましたよみたいになってるの!」

 

「悪い悪い、で、漁ったデータはバッチリなんだろ?」

 

「当然!カーラ・デュノア達に確実に反論できないよ?」

 

「奴等に目にものを見せてやるぜ!」

 

「で、でも大丈夫なんですか?いくら酷い人達でもやり過ぎな気がしますけど…」

 

「なに言ってるんだ一夏、シャルロットを苦しませた奴等は」

 

「問答無用で…」

 

「サーチ&デストロイに決まってるでしょ?」

 

零次達はさも当然の用にいい放った。そのあと、一夏達と別れ、英次の部屋に戻ってきた、結局スマブラ出来なかったと嘆きながらも零次達は流出させるデータを改ざん作業をした。

 

 

 




なんか原作キャラの他に英次と直哉も空気の話になり、零次の独壇場になってしまいました。


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18話

最近更新が遅れてすいません。あまり進みませんが続きをどうぞ


エドガーさんを説得し、流出させるデータの改ざんを終えた翌日、零次達は教室でげっそりとした顔をしていた。

 

「やべぇ~寝みぃ~」

 

「ほぼ徹夜みたいな感じだったからねぇ~」

 

「zzz…zzz…zzz…」

 

昨日俺と直哉は寮長である千冬さんに許可をもらい、英次の部屋でデータ改ざん作業を徹夜で行い、寝不足で死にそうにしていた。英次に至っては絶賛爆睡中である。

 

「でも朝までに作業が終わって良かったね~」

 

「ああ、まさかお前らが漁ってきたデータがあそこまで多いとは思わなかったぞ~」

 

「多い方が何かといいでしょ?」

 

「まぁそうだが…」

 

「おはようございます。零次さんって何で3人ともそんな顔げっそりしてるんですか⁉」

 

「おに…零次さん、直哉さん、大丈夫ですか⁉」

 

「お~一夏、シャルルおはよう~」

 

「昨日の作業が朝までつづいてね~」

 

「え⁉朝までやってたんですか⁉」

 

「ご、ごめんなさい!わた…僕のせいで…」

 

「シャルルが謝る必要なんて無いだろ?」

 

「そうそう、僕達が妹分のためにやりたくてやったことなんだからシャルルが気にする必要なんて無いでしょ?」

 

「直哉、いくらほとんど人がいないったって教室で妹分は不味いぞ?」

 

「あっ…ごめん零次」

 

全く迂闊だぞ直哉、この分だと英次にも徹底させないとな。

 

「所で零次、今日の放課後はアリーナに行くの?」

 

「は?なんでアリーナ?」

 

「ほら!結局昨日は時間が無くて模擬戦してないじゃん?」

 

「そう言えばそうだな~」

 

昨日のシャルロットの事ですっかり忘れてた。

 

「そうだな……やるか、簪も見たいと思うから途中で合流するとして、シャルル達も良かったら一緒に来るか?」

 

「うん、僕は見たい!一夏は?」

 

「俺も見たいです、昨日はボコボコにされましたが今日は負けませんよ!」

 

「よし、じゃあ今日の放課後はみんなで模擬戦するって事で決まりな」

 

結局、零次達は放課後にアリーナで模擬戦をする事になり、メンバーで零次、英次、直哉、簪、シャルロット、一夏に決まった。それから授業が始まったが案の定零次達3人は授業中爆睡し、織斑先生の鉄拳制裁を食らうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わり放課後、俺達は簪を誘いアリーナに向かっていた。

 

「そう言えば零次さん、私昨日は途中で寝ちゃってわからないんですけど、作業ってどれぐらい進んだんですか?」

 

昨日簪はデータの改ざん作業が終わるまで起きてると言っていたのだが、作業が長引き、途中で寝てしまい進み具合を知らなかった。

 

「昨日でほとんど終わったからなー、後少しだから今日中には終わるけど…俺の見直し作業がほとんどだから英次達はなにもないぞ?」

 

「え?そうなんですか?俺イメージ的にもっと時間が掛かるもんだと思ってましたけど…」

 

「本当はもう少し時間が掛かるけど、昨日は僕達も本気で頑張ったし徹夜もしたからね普通より速く作業が進んだんだよ」

 

「代償として俺達は織斑先生の鉄拳食らったけどな…」

 

「それは授業で寝てた俺達が悪いだろ」

 

「零次の言うとおりだよ英次?」

 

「まぁそれはそうだけどさー………ん?なんかアリーナの方が騒がしくない?」

 

「本当だ…なんだろう?」

 

英次とシャルロットが首を傾げている。確かに…普通の訓練ではない雰囲気がする。

 

「零次さん、行きましょう!なんか嫌な予感がします」

 

「一夏もか、急いでアリーナに向かうぞ!俺もなんだか嫌なfeelingがする!」

 

「最後のfeelingで台無しだよ!」

 

「チサトを出すんじゃない!」

 

俺達はそんなやり取りをしつつ、急いでアリーナへと向かった。

 

アリーナに到着するとそこではセシリアと鈴がボーデヴィッヒと戦っていた。しかもボーデヴィッヒが2人を圧倒している。

 

「何でセシリアと鈴が苦戦してるんだ⁉」

 

「一夏、ボーデヴィッヒはあんなでも軍人だ、いくらセシリアと鈴が代表候補生だとしても、元々ISを使った実戦訓練をしていたボーデヴィッヒには経験と技量で負けてる」

 

「でも英次、いくらボーデヴィッヒが軍人だからってあそこまで2人が苦戦するのはおかしいよ?」

 

「直哉の言うとおりだ、恐らく機体の特殊兵器が2人が苦戦してる原因だ、第3世代機はインターフェイスを使った特殊兵器を搭載してる事が前提だ、ならボーデヴィッヒの機体にも搭載されてるって考えてた方が妥当だ」

 

零次がみんなに説明していると鈴の動きが突然止まった。

 

「なにやってるんだよ鈴!」

 

「今鈴ちゃんの動きが無理矢理止められたように見えたけど?」

 

「なにあれフォース?ボーデヴィッヒはジェダイの騎士かなんかなの?」

 

「英次さんあれはAIC、通称停止結界って言って、簡単に説明すると範囲内にいる相手や弾丸の動きを停止させることができるんだよ」

 

シャルロットが説明をしてくれたが、なんつー兵器だよ。

 

「なにそのDIOのザ・ワールドみたいな能力…一対一だったら反則じゃね?」

 

「そんな事言ってる場合じゃないよ零次さん!このままだとセシリアと鈴が危ないよ!」

 

「簪の言うとおりだよ、このままの状態が続けば2人の命にも関わってくる」

 

セシリアと鈴はもはや動くことが出来ず、ボーデヴィッヒのワイヤーブレードで首を絞められていた。マジでヤバイぞ⁉ボーデヴィッヒは何を考えてる⁉

 

「止めに入るぞ!」

 

「待って零次、俺に考えがある………………………ってやろう」

 

「よし、それで行くぞ!」

 

 

 

 

ラウラは2人を圧倒し優越感に浸っていた。代表候補生と言えど所詮この程度の輩だった、まともに連携も出来ず、自分に手も足も出ない、次は自分から教官を奪っていった織斑一夏を同じ目に合わせてやると思った瞬間、セシリアと鈴を拘束していたワイヤーブレードが切断された。

 

「っな!」

 

目の前には零次と一夏がセシリアと鈴を守るようにして自分の前に立ちはだかっている事に気付いた。

 

「ふっ、ちょうどいい、見つける手間が省けたぞ織斑一夏に坂本零次!」

 

「ボーデヴィッヒ、お前はセシリアと鈴を拘束したあと、追い討ちをかける必要は無かった筈だ、お前は軍人としてISの兵器面の危険性をわかってる筈だ、何故あそこまで追い詰めた」

 

「ふん、ISは兵器だ、相手を倒すための兵器を使って何が悪い」

 

「てめぇ!」

 

「よせ一夏、子供に怒ったりするなよ?」

 

「子供…だと?」

 

「そうだろ?ラウラ・ボーデヴィッヒ、お前は親に構ってもらえなくて回りに当たり散らしてる子供だ、なんでお前が千冬さんにそこまで入れ込んでいるのかはわからんが、ISをおもちゃみたいに振り回して回りに迷惑かけるんなら……お仕置きタイムだ」

 

「キサマァ…私を子供扱いするか!」

 

「それと、俺と一夏ばっかに目がいってるが俺達だけじゃないぞ?」

 

「なに「ドゴォン!」ごはっ!」

 

「よっしゃ!命中!」

 

「シャルル今の内に!」

 

「はい!直哉さん!」

 

突然ボーデヴィッヒの横で爆発が起こり、そのままふっ飛んで行き壁に激突した。遠くの方で英次がはしゃいでいて、英次のアルトアイゼンの肩に取り付けられた迫撃砲から煙が出ていた。

 

英次がさっき提案した作戦とはまず、零次と一夏がセシリア達を助けた後、2人がボーデヴィッヒを惹き付けてる間に英次の遠距離武装である迫撃砲でボーデヴィッヒに奇襲をかけるである。この迫撃砲、一回の攻撃の間が長いが威力はパイルバンカー並にあり、砲弾に爆薬が搭載されていて、着弾した瞬間に爆発が起こり相手を吹き飛ばす事が可能であり、ボーデヴィッヒが吹き飛ばされたあと、負傷したセシリアと鈴を直哉、シャルロットで回収すると言う作戦だった。

 

「セシリア大丈夫?掴まって!」

 

「申し訳ありませんわシャルルさん」

 

「鈴ちゃんも大丈夫?」

 

「大丈夫よ、こんなの軽いけが…っ~!」

 

「無理したらダメだよ、今運ぶから掴まって」

 

直哉とシャルロットがセシリアと鈴を安全圏まで運び終わるのを確認して俺達はボーデヴィッヒの方を向いた。ボーデヴィッヒも今体勢を整え終わった所で物凄い顔で俺と一夏を睨み付けていた。

 

「キサマ等、よくも!」

 

「零次さん、セシリアと鈴も助けましたしもういいですよね?」

 

「ああ、けど油断はするなよ?ボーデヴィッヒのワイヤーブレードは近付けば厄介だし停止結界ってのも範囲がわからんから迂闊に近付けばこっちが不利に…いや待てよ?」

 

これなら行けるかもしれないな…

 

「一夏、やっぱりお前は突っ込んでいいぞ」

 

「え?でもさっき近付けば不利って…」

 

「大丈夫だ、俺がなんとかする」

 

「……わかりました」

 

「作戦会議は終わったか?なら今度こそお前を始末してやる!織斑一夏!」

 

「やれるもんならやってみやがれ!」

 

一夏は俺の指示どおりにボーデヴィッヒに突っ込だが…

 

「かかったな!織斑一夏!」

 

途中で一夏の動きが止まり動けなくなった。

 

「っ!これが停止結界ってやつか!」

 

「今さら気付いても遅い!終わりだ…「ボン!」なに⁉」

 

ボーデヴィッヒは一夏を攻撃しようしたが、急かさず俺はグレネードランチャーを取りだして撃ち込み、ボーデヴィッヒは怯んだ。成る程…有効範囲はあの辺りからか。いくらボーデヴィッヒが物体を止めれると言っても複数の物を止めるのは難しい筈だと思ったが…当たりっぽいな。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

「しまっ…!」

 

ボーデヴィッヒに出来た隙が見逃さなかった一夏が攻撃を仕掛け…

 

「全く、馬鹿者どもが」

 

ガギィン!

 

千冬さんに受け止められた。

 

「なっ!千冬姉!」

 

「織斑先生だ馬鹿者、坂本兄…お前がいながら何故止めなかった」

 

「ボーデヴィッヒはセシリア達に明らかにオーバーキルをしていた。しかも自覚していながら反省してなかったんですよ?強引な手段でも使わないと回りにも被害があったかもしれなかったからです」

 

「教官!私は…」

 

「黙れ、私は教官では無いと言った筈だ。………これより、学年別トーナメントまでの間、私闘やアリーナの使用を禁止する!ボーデヴィッヒは私と職員室に来い!」

 

「……了解しました」

 

こうして、一連の騒ぎは収まったが…………アリーナの使用禁止で俺達ジェフティ使えなくね?

 



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19話

やっと書けました。それでは続きをどうぞ!


千冬さんの私闘禁止、アリーナ使用禁止令が出た後、俺達はセシリアと鈴を保健室に運び、なんとか重傷は免れた。結局ジェフティ達で模擬戦使用と思ったのにアリーナ使用禁止とかどうすればいいの?学年別トーナメントの練習も出来ないじゃん⁉

 

「2人とも大丈夫か?」

 

「大丈夫ですわ、これくら…っ~~~!」

 

「ざまぁないわね…いったぁ~~~~!」

 

一夏が2人を心配しているが大丈夫そうじゃないな…

 

「全然大丈夫そうじゃないね?」

 

「シールドエネルギーの危険領域まで行ったんだよ?怪我で済んで良かった…」

 

「ごめん………」

 

「簪さん…皆さん、心配を御掛けしてすいませんでしたわ…」

 

「うん、私だけじゃ無くてみんな心配したんだよ?次はあんな事しないで……」

 

簪にそう言われ、さすがに反省したのか2人はみんなに謝った。

 

「それにしてもアリーナ使用禁止は痛いな~結局練習出来ないよ?」

 

「こればっかりはどうしようも無いだろ?」

 

「そうなんだろうけどさー」

 

ドドドドドドドッ!

 

「ん?何この音?」

 

「ジョジョ?」

 

「オラァ!」

 

「零次、野太い声出さなくていいから」

 

「地味にスタープラチナに似てる…」

 

ドォーン!

 

突然保健室の扉が吹っ飛んだと思ったら、数十人の女子が風の谷に迫り来るオームの如く雪崩れ込み、一夏や俺達に詰め寄ってきた。いや普通に扉開けなさいよ、吹っ飛ばすってこれ誰が修理すると思ってるの君達。

 

『織斑くん!』

 

『デュノアくん!』

 

『坂本さん!』

 

『菊地さん!』

 

『『『『これ!』』』』

 

女子達は一夏とシャルロットに一枚の紙を渡した。

 

「何これ?え~と、今年の学年別トーナメントは職員会議の結果、急遽タッグマッチに変更されました。2人組で申請し、組を作れなかったものは抽選でペアが決まります?」

 

一夏が一通り読み、頭を傾げていると女子達がまた詰め寄ってきた。だからオームみたいに迫って来るなって、何?一夏や俺達は巨神兵かなんかなの⁉

 

『織斑くん、私と組もう!』

 

『デュノアくん、私と組んで!」

 

『零次さん、私と組んで下さい!』

 

『お願いします英次さん!私と組んで下さい!』

 

『菊地さん、私と組んでくれませんか?』

 

「悪い、俺はシャルルと組むことにするよ」

 

「俺達も組む相手決まってるから無理だ」

 

『『『『え~~!』』』』

 

「ごめんね?それとここ保健室だから静かにしてね?」

 

「今は怪我人もいるから静かにして…」

 

直哉と簪にそう言われ、残念がりながらも女子達は静かに保健室から出ていった。

 

「やっと静かになったな」

 

「で、誰と組む?」

 

「え?零次さん組む相手決まってたんじゃ…」

 

「あれは嘘だよ」

 

「え?嘘だったんですか?」

 

「うん、まだ組む相手は決まってないよ?」

 

「そう言えば簪はトーナメントどうするの?」

 

「私はまだ打鉄弐式が完成してないから今回は出ないよ?」

 

「そっかーどうする?」

 

「とりあえず保留だな」

 

この後セシリアと鈴が一夏からペアになりたがるが、ISの修理と怪我が原因で山田先生に出場停止をされ不服そうにしていた。保健室を出てから俺達はそれぞれ部屋に帰り、俺も部屋で夕食を作っていた。

 

「よし、これでいいな」

 

「今帰ったぞ」

 

「あ、千冬さんお帰りなさい。ごはんはどうしますか?」

 

「すまん、食堂で済ませて来てしまった」

 

「そうですか、でも酒のつまみは必要ですよね?」

 

「わかってるじゃないか、だが先に風呂を済ませてくる」

 

俺は自分の夕食と一緒に作っていた酒のつまみをテーブルに並べ、千冬さんはシャワーを浴び、部屋着の着替え冷蔵庫からビールを取りだしていた。

 

「ああ千冬さん、ビールは出さなくていいですよ?」

 

「ん?何を言ってる、ビールが無ければつまみの意味が無いぞ?」

 

「大丈夫です。今日がちょうど飲み頃ですから」

 

「?」

 

千冬さんはなんの事かわからず首を傾げているが、構わずキッチンの下にこっそり作っていた隠し場所から大きめのビンを取り出した。

 

「零次、それはなんだ?」

 

「これはですね…梅酒です」

 

実はこの梅酒、俺達がISを動かす前に俺が家で作ってた物で、前に俺達が持っていた酒を千冬さんが没収したときに奇跡的に見つからなかった唯一の酒だ。

 

「はぁ~まだ隠し持っていたのか」

 

「これ飲ませるんですから不問にしてくださいよ?」

 

「………いいだろう、その代わり次に作った時も飲ませろ」

 

「わかりました、それじゃあグラス出してください」

 

千冬さんが持ってきたグラスに梅酒を注ぐと梅酒の甘酸っぱい香りが広がってきた。

 

「ほう…いい香りだな、私はビールを飲むのがほとんどだか、こうゆう酒もたまにはいいな」

 

「自信作ですからね、さぁ、飲んでみてください」

 

「………っ!うまい、スッキリしていて飲みやすいな、何杯でも飲んでしまいそうだ」

 

「さっぱりしているので揚げ物なんかにも合いますよ?でもビールよりはアルコール度数高いので飲み過ぎ無いで下さいよ?」

 

「それは難しいな、うまい酒はもっと飲みたくなる」

 

「はぁ~ベッドまで運ぶの俺なんですからね?まったく…………話変わるんですけども、ボーデヴィッヒが一夏を敵視しているのは何でですか?」

 

「……………これは本来話してはいけないがお前ならいいだろう、ラウラは人工的に造り出された人間…クローンと言うやつだ」

 

「成る程、だからあんな歳でドイツ軍に所属してるんですか」

 

「ラウラは昔ある理由で部隊で実力が一番下でな、それで私は特にラウラを鍛えた。そのかいあってかラウラは部隊内で一番の実力者にまでなったが、私に依存するようになってしまってな、一夏を敵視しているのはそのせいだろう、今日のアリーナの事を反省するどころか私にドイツに戻ってきてくれと言われた」

 

「そうですか……」

 

「こんな事をお前に頼むのはおかしいが、ラウラの事を気にかけてやってくれないか?ラウラは私しか視ていない、それに今まで軍に所属していたせいで戦う事しか知らない、他にももっと興味を持ってほしいんだ……だから、頼む…」

 

そう言って千冬さんは俺に頭を下げた………千冬さんに頭下げられたら断れないじゃないですか…

 

「………わかりました。何処まで出来るかわかりませんが、やってみますよ」

 

「すまない…」

 

「なんで謝るんですか?別に千冬さんが謝る必要なんてないじゃ無いですか……それよりグラス空になってますよ、まだ飲みますよね?」

 

「ああ、いただこう」

 

この後、千冬さんは案の定飲み過ぎて寝てしまい、結局俺がベッドに運ぶ事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の昼休み、俺は英次達と別れ、ボーデヴィッヒを探していた。

 

「千冬さんにああは言ったもののボーデヴィッヒって普段何処にいるんだ?」

 

取り敢えずしらみ潰しに探していると屋上に出た。辺りを見回してみると、屋上の端にボーデヴィッヒが座っていた。

 

「おっいた、おーいボーデヴィ…ヒ…」

 

ボーデヴィッヒはちょうど弁当を食べる所だったようだが、弁当を見て俺は唖然とした。

 

「キサマ、坂本零次…何をしに来た…」

 

「ボーデヴィッヒ…お前が食べようとしているそれはなんだ…」

 

「キサマわからんのか?見ての通り昼食だ」

 

「違う、俺が言ってるのはその軍用携行食が弁当なのかって聞いてるんだ!まさかお前、三食全部それじゃないだろうな⁉」

 

「そんな訳無いだろう?時々食堂でも食べている」

 

「時々⁉それ以外全部それ⁉そんな体に悪い物食ってんじゃねー!」

 

「なっ!キサマなにをする、返せ!」

 

「ダメだ!こんな体に悪いもん食べさせられるか!こっち食え!」

 

俺はボーデヴィッヒから携行食を取り上げ、自分の弁当をボーデヴィッヒに渡した。

 

「なんだこれは…」

 

「俺の弁当だ、高カロリーでバランスが考えられてないこれよりはましだ」

 

ボーデヴィッヒは最初弁当の中を警戒していたが、蓋を開け食べ始めた。

 

もきゅもきゅもきゅ……

 

いや食べてる時の音…もきゅもきゅってなんだよw

 

「なんだ…」

 

「いやなんでもない、それより携行食より美味いだろ?」

 

「………レーションよりは美味いな」

 

「だろ?はぁ~なんでそんなとこばかり千冬さんに似てるんだよ……待てよ?時々食堂って事はそれ以外全部携行食…ボーデヴィッヒお前…部屋に備蓄があるな?」

 

ビクッ!

 

「………処分だ」

 

「ま、待て!私の食料を取るな!次に軍からの輸送が来るまでどうするつもりだ!」

 

「次⁉送られてくんの⁉今すぐ連絡してキャンセルさせろ!」

 

「何を言う!私に飢え死ねと言うのか!」

 

「うるせぇ!いいからキャンセルしろ!飯は俺が何とかする!」

 

結局ボーデヴィッヒに電話させ携行食の輸送をキャンセルさせた。ボーデヴィッヒの飯の準備しないとな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、私の部屋で夕食を食べる事になったと?」

 

「はい、まさかほぼ毎日携行食だとは思いませんでしたよ…」

 

「はぁ~ラウラ…」

 

「も、申し訳ありません教官」

 

「教官では無い……仕方ない、そう言う理由であればラウラの此処での夕食もいいだろう」

 

「千冬さん、ありがとうございます」

 

こうしてボーデヴィッヒは俺と千冬さんの部屋で飯を食べる事になった。

 




レーションとは軍用の携行食の事です。


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20話

最近風邪気味です。皆さんも風邪には気を付けて下さい。それでは続きをどうぞ。


ボーデヴィッヒが俺の部屋で夕食を食べる事になった翌日の放課後、俺は英次達と屋上で駄弁っていた。

 

「……ってな事があってボーデヴィッヒは俺の部屋で飯を食うことになった」

 

「色々ツッコミたいけどさぁ、ボーデヴィッヒ…レーションはねぇよ…」

 

「ドイツ軍も送ってくんなよ!」

 

「本当にそれな?……そう言えばトーナメントどうするよ?」

 

「僕は何も決めてないんだよな~」

 

「俺は簪と出ようかと思ったけど、やっぱり簪は出ないって言ってたから俺は出ないかな?」

 

「じゃあ俺と直哉で出るか」

 

「そうだね…それと聞いてなかったけどデュノア社の件はどうなったの?」

 

「ああ、データは後ばらまくだけで、エドガーさんの方は順調みたいなんだけど、集まったIS技師の人達がね?「時間稼ぎなんて必要無い!第3世代機なんて即行で製作して見せる!」って言ったらしくて、今5割ほど完成してるらしいよ?」

 

「はぁ⁉」

 

「いくらなんでも速すぎるだろ⁉」

 

「なんでも、解雇されたIS技師達のほとんどがエドガーさんの計らいで、デュノア社の子会社の旧式兵器の開発部に再就職してたらしくて、前からみんなでISの設計と専用装備の開発を半分趣味みたいな感じでやってたらしい」

 

その旧式兵器とはISが公になるまで活躍していた戦車、戦闘機、その他諸々の兵器などで、ISの発表により各国の軍から不要とされ、廃棄する動きがあるが、ISだけで国防が成り立つわけもなく、現在も縮小されてきているとはいえ、まだ多くの兵器が存在している。そんな兵器の開発を行っている会社の一つがデュノア社の子会社であった。

 

「エドガーさんちゃんとそう言うのやってたのか~すげぇな…」

 

「そりゃな、好きじゃ無いって言っても自分の奥さん仕出かした事だからな」

 

「てか集まったIS技師すげぇな、こんな短期間で5割も作るとかどんな技術力だよ、ジョジョのドイツ軍かよ…」

 

「我がデュノア社の技術力はァァァァァァァァ!」

 

「「世界一ィィィィィィィィ!」」

 

「的な?」

 

「いや直哉リアルでそれなってっから…」

 

「とにかく今のところ問題は無いどころかほぼ解決しそうだな」

 

「オーケー、後はトーナメントどうするか?」

 

「どうするったってアリーナ使えないから作戦考える位しか出来ないだろ?

 

「じゃあ英次の部屋で作戦考えた後ゲームしようよ」

 

「悪い、俺千冬さんとボーデヴィッヒの夕飯作らなきゃいけないから無理だわ」

 

「じゃあ零次の部屋でやろうよ、簪とシャルロットも誘ってさ!」

 

「でもそれだと一夏も来るでしょ、ボーデヴィッヒ一夏の事を敵視してるからマズイんじゃない?」

 

「一夏には悪いけど来ない様に言うしかないだろ?」

 

「まぁ仕方ないか~」

 

「じゃあさっそく簪とシャルロット呼びに行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簪とシャルロットを誘い、俺はみんなを連れて部屋に帰って来た。

 

「よしさっそくゲームするか」

 

「ちょっと待って⁉作戦考えないの⁉」

 

「大丈夫だ!お前ならやれる!」

 

「なんでちょっとスネーク入ってんだよ!」

 

「まぁなんやかんやでどうにかなるだろ?地球防衛軍の時みたいに」

 

「僕、アイテム回収と囮の記憶しか無いんだけど…」

 

「「あ、あははは…」」

 

「俺は夕飯作るからみんなはゲームで遊んでてくれ」

 

「あっ零次さん何か手伝う事って無いですか?」

 

「私も何か手伝うよお兄ちゃん!」

 

「おう、呼ぶからそれまでみんなで遊んでてくれ」

 

ん~今日は人数多いしな~シチューとかにするかな…

 

「待って痛い!簪その攻撃痛い!」

 

「…これは勝負、手加減はしない!」

 

「後ろががら空きだよ!簪!」

 

「くっ!やっぱりシャルロットは厄介!」

 

「うぇヘヘへへへ~」

 

「ちょっと強い!くにお強い!直哉なにその技⁉」

 

「オラ!オラ!オラ!」

 

「ちょっとやめてよ~!」

 

俺が夕飯を作っていると英次達はダ〇ンタウ〇熱血〇進曲をやっていた…なんか英次だけがボコられてるみたいになってるのは気のせいか?

 

「今帰った…零次、何故私の部屋に坂本弟達がいる」

 

「っ!キサマら…」

 

ちょうど夕飯ができた時、千冬さんとボーデヴィッヒが帰って来た。どうやら千冬さんは途中でボーデヴィッヒと合流して来たみたいだな。

 

「いや~実はみんなで夕飯食べようって話になったので…」

 

「はぁ~なら他の部屋でやれ、ここは一応寮長室だぞ?」

 

「それでもいいですけど、千冬さんとボーデヴィッヒは飯どうするんですか?」

 

「「うぐっ…」」

 

「それに千冬さんの場合酒のつまみも作れませんがいいんですか?」

 

「む、むぅ…」

 

「どうしますか?」

 

「…………いいだろう、ただし今回だけだ」

 

「ありがとうございます。それじゃあもう夕飯は出来てるので運ぶの手伝って下さい。お~い簪、シャルル、夕飯できたから手伝ってくれ~」

 

「「わかりました(わかったよ零次さん)」」

 

「英次と直哉もゲームやめて手伝ってくれ、人数多いからテーブル持ってきたりしてくれ」

 

「「りょうかーい」」

 

英次と直哉にテーブルを持って来させテーブルを広くし、そこに千冬さん、ボーデヴィッヒ、簪、シャルロットが食器やシチューをテーブルに並べて準備ができた。

 

「それじゃあ…」

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

「……うま~!やっぱ零次の飯美味いわ」

 

「零次さん美味しいよ!」

 

「でも女として負けた…」

 

「簪そう落ち込まないでよ、簪のご飯も美味いよ?」

 

「英次…ありがとう…」

 

「お~いそこのろけるな~」

 

「お前の料理は酒に合う物が多いから助かる」

 

「ありがとうございます千冬さん……ってボーデヴィッヒ、そんなにがっつくな、口の回りにシチューが付いてる」

 

ボーデヴィッヒはシチューを気に入ったらしく黙々と食べているががっついているため口の回りにシチューが付いていた。

 

「ちょっと待て動くな、今拭くから」

 

「むぐっ、口を拭くくらい自分でもできる!」

 

「お前俺が言わなかったら拭かないだろ…ほら、もういいぞ、お代わりはあるからゆっくり食べろ」

 

「むぅ……わかった…」

 

反論したいみたいだが、お代わりもしたいらしく素直に答えた。こうしてれば軍人っぽくなくて普通の子なのにな~

 

(なんか零次さんとボーデヴィッヒさん親子みたい…)

 

(こうして見れば親子に見えなくもないな)

 

(零次、父になる)

 

(む~ずるい…)

 

(シャルル、拗ねるなって…)

 

「みんな急に黙ってどうしたの?」

 

「「「「「いや、なんでもない(です)」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふー美味かったー」

 

「うん、本当に美味しかったね」

 

「…私も頑張らなきゃ!」

 

「じゃあそろそろ帰ろっか?」

 

「そうだな、それじゃあ零次、俺達そろそろ帰るわ」

 

「おー気を付けて帰れよーって気を付けるもん特に無いけど」

 

「じゃあまた明日ー」

 

「おやすみ~」

 

「零次さん、千冬さん、おやすみなさい…」

 

「おやすみなさい、零次さん」

 

そう言って英次は自分達の部屋に帰って言った。

 

「それでは教官、私も失礼します」

 

「教官では無いと言っているだろう…まぁいい、ゆっくり休め」

 

「はい、失礼します」

 

「ちょっと待てボーデヴィッヒ」

 

「なんだ坂本零次…」

 

「これ持ってけ…」

 

「これは…」

 

俺はボーデヴィッヒにさっきの夕飯で残ったシチューをタッパに詰め、ボーデヴィッヒに渡した。

 

「朝にでも温めて食べろ、そのシチュー気に入ったんだろ?」

 

「う…うむ……」

 

「じゃあおやすみー」

 

「待て、坂本零次!」

 

「ん?どうした?」

 

「…あ…ありがとう………」

 

そう言ってボーデヴィッヒは早足で帰って言った。

 

「さてと、片付けするか~」

 

「…ずいぶんラウラと仲良くなったな」

 

「ん~仲良くなったと言うよりなんか保護欲的な…」

 

「………そうか」

 

「どうしたんですか?」

 

「なんでも無い……」

 

なんで千冬さんはそっぽ向いたんだ?ちょっと機嫌悪るそう見えるのは気のせいか?俺何か悪いことしたかな~?

 

そんなこともあった数日後、学年別トーナメント当日になった。

 

 



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21話

最近弟者のバイオハザード7を何回も観てしまいます。弟者がデカイ虫にビビる所が面白くて仕方ないです。それでは続きをどうぞ


学年別トーナメント当日、みんなはアリーナの観戦エリアにいたが俺は一人待機室に向かっていた。

 

「おーいた…ボーデヴィッヒ」

 

「…坂本零次か」

 

「別にフルネームじゃなくてもいいぞ?それより試合、頑張ってこいよ?」

 

「ふん、お前に言われる間でもない、織斑一夏は私が倒す…」

 

「…ボーデヴィッヒお前、一夏倒したらどうする?」

 

「決まっている、教官をドイツに連れ戻す」

 

「じゃあそれも終わったらどうする?」

 

「それが終わったら…だと?」

 

「ああ、もしその目的を達成したとしても、第3世代機のデータ取りで最低でも卒業するまではここに居なきゃならない。その間、お前はどうする?何する?」

 

「私が…その後?考えたこともなかったな」

 

「やっぱりか…お前戦いに関しては他の子より出来るけど他はまったくダメだな…」

 

「なんだ、バカにしてるのか…」

 

「そうじゃない、千冬さんや一夏に固執しないでもっと他の事にも目を向けてみろ、お前の世界がもっと広がるかもしれないぞ?」

 

「私の世界が広がるとはどういう事だ?」

 

「さぁな、それは自分で考えてみろ、取り敢えず今は試合頑張ってこい、じゃあな」

 

「おい待て!……自分の世界か…私の世界は……戦場だ…」

 

ボーデヴィッヒの呟きは誰にも聞こえる事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

俺はボーデヴィッヒと別れた後、英次達と合流するために観戦エリアに向かっていた。本当はボーデヴィッヒの後にシャルロットと一夏の所に行こう思ったが、もう試合が始まってしまい、仕方なく戻っていた。

 

「あ、零次おかえりー」

 

「零次、もう試合始まっちゃってるよ?」

 

「何処に行ってたんですか?」

 

「あー悪い、ちょっとボーデヴィッヒの所行ってた。その後シャルロットと一夏の所に行こうと思ったんだけど、もう試合始まっちゃったから戻ってきた…試合今どんな感じ?」

 

「え~とね、開始早々に箒がシャルロットにやられて、今一夏とシャルロットがボーデヴィッヒと戦って優勢だね」

 

「あ~やっぱりそうなったかーてかボーデヴィッヒの相方箒だったのか…」

 

「零次さん、こうなるの分かってたんですか?」

 

「まぁね、確かにボーデヴィッヒは前にアリーナでセシリアと鈴に勝ったけど、それはセシリア達がちゃんと連携出来てなかったのと停止結界があったからだし…」

 

「そうだね、今の一夏とシャルロットはちゃんと連携出来てるし停止結界にも充分警戒してるから負けはしないと思うよ?」

 

「う~ん……………」

 

「どうしたの英次?」

 

「俺思うんだよ、あんなに一夏とシャルロットにボコられてたらボーデヴィッヒがフォースの暗黒面的な何かに堕ちて敵になるみたいな…」

 

「そんな訳無いでしょ英次」

 

「わかんないぞ?英次は脅威のフラグ回収率をほこる…「あぁぁぁァァァァっ‼」うそだろ⁉ホントに何か起きたぞ⁉」

 

ボーデヴィッヒがいきなり苦しみだし、ボーデヴィッヒのシュバルツェア・レーゲンが何か黒い物に取り込まれていた。

 

「やべぇ、ホントに暗黒面に堕ちた!」

 

「英次、君はゲームでフラグを回収し過ぎて遂に現実にまで影響がでる能力を身に付けたのかな?」

 

「いらないよそんな能力!」

 

「そんな事言ってる場合か!ボーデヴィッヒ止めるぞ!簪はまた楯無と一緒に生徒達の避難誘導をしてくれ!」

 

「はい!」

 

俺達は生徒達を簪達に任せてボーデヴィッヒ達の所に向かった。

 

「千冬さん?零次です」

 

『なんだ零次…』

 

「ボーデヴィッヒのあれ何かわかりますか?」

 

『………………』

 

「沈黙って事は肯定ですか」

 

『…あれはVTシステムと言う物だ、過去の私の動きを再現する物だが操縦者の事を考えないで製作されたため、反動に耐えきれず使用者は最悪死に至る。そのため使用は禁止されている』

 

「そんな物騒な物ドイツ軍は試作機に積んでたんですか…アホですかね?」

 

『ああ、大馬鹿者だ…』

 

「その馬鹿に振り回されてるボーデヴィッヒを助けて来ます。どうせ教師達は今アリーナから避難してる各国のお偉いさん(笑)達のせいで対応出来てないんでしょ?」

 

『ああ、そうだ…』

 

この学年別トーナメントは各国がどのIS操縦者が将来有望か見定めるため、毎年各国のお偉いさんが来ているらしいけどホントに当たっちゃったよ…

 

『すまない、本当は私が助けなければならないが身動きがとれない。ラウラを助けてやってくれないか…』

 

「言われなくてもやりますよ、ボーデヴィッヒは飯をいつも美味そうに食ってくれますからね、居なくなるのは嫌です」

 

『…頼む』

 

「任せて下さい」

 

「了承取れた?」

 

「オーケーだ」

 

「許可無くても止めに行くけどね」

 

「まぁな……そろそろ着くからIS起動させろ!」

 

「「了解!」」

 

俺達はIジェフティ達を起動させ、アリーナに突入すると一夏がシュバルツェア・レーゲンに吹っ飛ばされていた。

 

「一夏!シャルロット!無事か⁉」

 

「お兄ちゃん!うん、私は大丈夫だけど…一夏が」

 

「うおぉぉぉぉぉ!」

 

一夏がシュバルツェア・レーゲンに突っ込んで行っては吹っ飛ばされるを繰り返していた。

 

「がはっ!」

 

さっきの試合で消耗ていたため一夏の白式はエネルギーを使いすぎて機能を停止した。それでも一夏はシュバルツェア・レーゲンに突っ込んで行こうとしていた。

 

「おい一夏!生身でISに向かってく奴があるか!」

 

「離せよ英次!あいつは俺がぶっ飛ばす!」

 

「落ち着いて一夏!なんでキレてんの⁉」

 

「あいつ千冬姉の真似しやがって!あれは千冬姉のだ!それを…「ごっ!」ごふっ!」

 

「訳わかんねー事でキレてんじゃねー!このまま突っ込んで行って死んだら悲しむのは千冬さんなんだぞ⁉わかってんのか⁉」

 

「っ!」

 

「前にも言っただろ、冷静になれ、回りには頼れる奴等がいるんだから頼れ」

 

「……零次さん…すいませんでした」

 

「零次、取り敢えずあれなんとかしよう、待ってくれなさそうだよ?」

 

「作戦はどうする?」

 

「私は一夏を連れて安全な場所まで移動するよ、まだエネルギーあるって言っても後一撃でも当たったらエネルギー無くなる位しかないし、一夏に至ってはエネルギーが無いから白式の起動も出来ないから」

 

「わかった、一夏もそれでいいな?」

 

「……はい」

 

「よし、じゃあ俺達であれを止めるが、具体的には行動不能にしてからブレードで回りのジェルみたいなのを切ってボーデヴィッヒを引っ張りだす、模倣って言っても千冬さんだ、気を付けろよ⁉」

 

「「オーケー!」」

 

『…!』

 

英次と直哉が返事をした瞬間、シュバルツェア・レーゲンは俺達に斬りかかってきた。英次と直哉はそれぞれ別方向に散開して俺はブレードで受け止めた。

 

「千冬さんほどじゃないけど斬撃重てぇ!」

 

流石に専用機と量産機ではどうしてもスペックの差があり、拮抗していた鍔迫り合いも俺が徐々に押されてきた。しかしVTシステムには欠点がある…それは千冬さんの動きしか出来ない事だ。千冬さんは公式戦では刀しか使っておらず、当然そのコピーであるVTシステムも接近戦しか出来ない、さらに劣化コピーであるため千冬さんの斬撃よりも遅く、充分に対処出来る速度だった。

 

「英次今だ!治療開始!」

 

「了解!うおぉぉぉぉぉ!光になれぇぇぇぇ!」

 

英次が叫んだ瞬間、アルトアイゼンの後方で爆発が起き、ものすごい勢いで英次がこっちに突っ込んできた。英次が行ったことは簡単な事だ、アルトアイゼンの両肩に装備していた重迫撃砲を後ろに向け、やや下方向に発射、弾を発射した時の反動と弾が地面に着弾した時の爆風、さらにスラスターを吹かす事でとんでもないスピードを出す事が出来る。

 

『…⁉』

 

「逃がすか!」

 

「は~い逃げようとする悪い子には全弾プレゼントしちゃおうね~」

 

シュバルツェア・レーゲンも英次に気付いたらしく、回避するために俺から離れようとしたがもう遅い、俺は両手でシュバルツェア・レーゲンの腕を掴み、回避出来ない様にし、急かさず直哉が横からアサルトライフルを掃射し、シュバルツェア・レーゲンに致命的な隙が出来た。

 

「膝治療入りまーす!」

 

英次のパイルバンカー別名「膝治療」が炸裂、シュバルツェア・レーゲンはアリーナの壁に吹っ飛ばされ壁にめり込んだ。

 

「英次、直哉!押さえてろ!」

 

壁にめり込んでいるとは言え、いつ動き出してもいい様に英次と直哉に押さえておくように言い、俺はブレードでボーデヴィッヒに傷付けないようにジェル状の何かを斬ると、中からボーデヴィッヒが出てきた。

 

「よし、ボーデヴィッヒ出てきたから引っ張るぞ!」

 

しかしボーデヴィッヒを引っ張ろうとした瞬間、俺の目の前は真っ白になった。

 

 

 

 




戦闘描写が難しいです(´・ω・`)


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22話

今回は少し長めです。それでは続きをどうぞ


「ここどこだ?俺さっきまでアリーナにいたのに…ジェフティも無くなってる…」

 

気付くと俺は真っ白い空間にいた。

 

「零次!」

 

「直哉?大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫だけど…英次は?」

 

「零次、直哉」

 

「おーいた…英次も大丈夫か?」

 

「大丈夫だけどアルトアイゼンがどっか行っちゃったんだけど?」

 

「僕のヘルダイバーも無いんだよ」

 

「どうなってんだ?」

 

『君は戦うために作られた。今からこの拳銃を使って標的を排除しろ』

 

「ん?なんだ⁉」

 

いつの間にか俺達の回りは真っ白い空間ではなく、何処かの施設になっていて、目の前に白衣を着た外人が立っていた。

 

「零次、何が起きてるかわかる?」

 

「わかるわけないだろ?どうなってるんだ…あの~すいません、ここって何処でしょうか?」

 

取り敢えず目の前にいる外人に声をかけてみた。

 

『何をしている早く標的を排除しろ、お前は兵器として製造された。命令を実行しろ』

 

「何言ってんだこのおっさん?」

 

「何か僕たちに気づいてない感じだね?」

 

「………ちょっと零次!」

 

「なんだ英次、急に声だして…」

 

「いいから後ろ!後ろ見て!」

 

「何だよ、後ろに何が…え?ボーデヴィッヒ…か?」

 

後ろに振り向くとボーデヴィッヒがいた。しかし、今よりもかなり幼く、眼帯もしていない。怯えた目で拳銃を両手に握っていて、ボーデヴィッヒは震えた手で拳銃を撃ち、訓練用の的に向かって射撃を始めた。

 

「どうなってるんだ?何でボーデヴィッヒが小さくなってるんだ?」

 

「僕だってわからないよ」

 

俺達は訳がわからず混乱しているとまた景色が変わり、今度は少し身長が伸びたボーデヴィッヒがアサルトライフルを構えて射撃をしていた。

 

『素晴らしい性能だ!この距離から全弾命中させるとは…』

 

『ありがとうございます』

 

『これなら生体兵器として充分に成果をあげることが出来る!』

 

それからまた景色が変わって格闘訓練やサバイバル訓練らしき光景に切り替わっていき、ボーデヴィッヒはさらに成長していった。

 

「零次、もう訳が解んないんだけど?」

 

「…………もしかして、相互意識干渉ってやつかな?」

 

「直哉何それ?」

 

「前に真耶さんから聞いたことあるんだけど、IS操縦者同士の波長が合うと潜在意識の中で会話とか意志疎通とか出来るらしいよ?」

 

「つまりどういう事?」

 

「英次にわかりやすく言うとガンダムのニュータイプ的な感じかな?」

 

「あ~何となくわかるかな?」

 

「でもこれって多分ボーデヴィッヒの過去の記憶とかだよな?それとはまた違う気もするけど…」

 

「僕だって詳しい事はわかんないからなんとも言えないよ?」

 

けど今の状況はよくわからないが、ボーデヴィッヒに触れようとしたら何か起きて俺達はボーデヴィッヒの過去を見てることになるんだよな?……どうすればアリーナに戻れるんだ?

 

『これより投与実験を開始する』

 

「また変わった。今度は…手術室?」

 

次の場所ではボーデヴィッヒは手術室で手術を受けていた。…投与って何をだ?

 

『ヴォーダン・オージュを投与する』

 

手術をしていた男が何が入った注射器をボーデヴィッヒの左目に刺した。

 

「何やってんのあいつ⁉注射器目に刺したよ⁉」

 

『バイタル安定、他も正常です…投与実験終了』

 

「なんだこの手術、目に投与する実験ってなに⁉」

 

「わかないけどかなり人体実験に近そうな気が…また変わった」

 

『あぁぁぁ!目がぁぁぁ!』

 

『なにをしている!早く運べ!』

 

「なんだ⁉ボーデヴィッヒが目を押さえて倒れた⁉」

 

『……ヴォーダン・オージュが適合しなかったらしい…拒絶反応で目の色が変色し能力が制御出来ていない』

 

『拒絶反応の影響で前のような性能も発揮出来なくなっているぞ!』

 

『とんだ欠陥品だ!まさか最高傑作が失敗作になるとは!』

 

『ねぇ、ラウラが倒れたのってヴォーダン・オージュの適合に失敗したかららしいよ?拒絶反応で左目が金色に変色したらしいわ』

 

『調子に乗ってバチが当たったんじゃない?成績がずば抜けて良かったし…』

 

『その成績も拒絶反応でまともに出せない見たいよ?』

 

『嘘~エリートから落ちこぼれ⁉かわいそ~』

 

成る程、だからボーデヴィッヒは眼帯で左目を隠してたのか…

 

「零次…コイツらムカつくんだけど…」

 

「ああそうだな…コイツら絞めるか…」

 

「研究者っぽい奴等は社会的にデストロイするか」

 

『諸君!これから1年間教官として諸君らを鍛えることになった。織斑千冬だ!』

 

「織斑先生が出てきたよ?って事は零次が前に話してた千冬さんがドイツで教官やってた時の記憶かな?」

 

「多分そうだよね?」

 

千冬さんが言っていた通り、ボーデヴィッヒは特に鍛えおり、ボーデヴィッヒは成績が元に戻り、部隊で一番強くなっていった…瞬間、また俺の視界が真っ白になり、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!ここは……アリーナに戻れたのか?」

 

気付くと俺はアリーナに戻っており、ボーデヴィッヒを抱えていた。英次と直哉も戻ってこれたらしく辺りを確認していた。シュバルツェア・レーゲンは回りにあった黒いジェル状の何かは形を保てず崩れていき、元の状態に戻り、機能を停止した。

 

『零次…零次!無事か⁉』

 

「あー千冬さん、大丈夫です。VTシステムも止まったらみたいです。ボーデヴィッヒも外傷はありません。今から保健室に運びます」

 

『わかった、保健室には連絡しておく…すまなかったな、お前達生徒に危険な役回りをさせてしまって…』

 

「気にしないで下さい。俺達がやりたくてやったんです。許可無くてもやってましたよ」

 

『………零次…ありがとう』

 

「はい、どういたしまして…」

 

そう言うと俺は通信を切った。

 

「お兄ちゃん!大丈夫⁉」

 

「零次さん!英次!直哉さん!大丈夫ですか⁉」

 

「おーシャルロットに一夏、大丈夫だよ」

 

「取り敢えず怪我は無いかな?」

 

「良かった。怪我してなくて…」

 

「取り敢えず今はボーデヴィッヒを保健室に連れていくぞ、シャルロットと一夏も来い、軽いって言っても怪我してるんだから…」

 

こうして一連の騒ぎは終息した。学年別トーナメントは中止になり何故か回りの女子達が泣き叫んでいた。何かあったのか?そのあと保健室に行き、ボーデヴィッヒを診てもらったが、命に別状は無く意識もすぐに回復して帰っても大丈夫との事だった。シャルロットと一夏は軽傷であったため、治療を受けて部屋に帰るように言われて帰って行った。英次も簪が迎えに来て直哉も二人と一緒に寮に戻っていっき、保健室にいるのはボーデヴィッヒと俺と千冬さんだけになった。

 

「…んっ…う〜ん…ここは…私は一体…」

 

「気が付いたか…」

 

「ボーデヴィッヒ、大丈夫か?」

 

「教官、坂本零次…私は…」

 

「お前のシュバルツェア・レーゲンにVTシステムが積まれていた。それでお前は取り込まれたが零次達が救出してくれた」

 

「そうだったのですか、レーゲンにVTシステムが…坂本零次、すまない、面倒をかけた…」

 

「別に気にするな、逆に俺達がお前に謝らなきゃいけないからな」

 

「どういう事だ零次?」

 

「実はボーデヴィッヒに触れた時に俺達はボーデヴィッヒの過去のようなものを見たんですけども、直哉が言いには相互意識干渉じゃないかって言ってましたね?」

 

「相互意識干渉?あれでそんな事が可能とは聞いたことがないが?」

 

「はい、ですから俺達も全くわからなくて…」

 

「…そうか、坂本零次、お前は私の過去を見たのか…」

 

「……ああ、子供の頃から銃を撃ってる所から千冬さんに鍛えてもらってる所まで見た」

 

「そうか………私は自分が兵器だと思って生きていた。そのように言われてきたし、自分でもそう思い込んできた。だがヴォーダン・オージュがきっかけで私は兵器として無価値と言われた。そんな時、教官に鍛えてもらい、私は兵器としての自信を取り戻す事が出来た」

 

「…お前はバカだなー」

 

俺はボーデヴィッヒの頭に手を乗せ撫でた。

 

「何をする!」

 

「お前は兵器何かじゃないだろ?人間だ、研究者のおっさんがそう言っただけで俺はお前が兵器になる必要なんて無いと思うぞ?」

 

「だが私は兵器として生み出された!戦いしか知らない!トーナメントの直前にお前は自分の世界が広がると言ったな?私の世界は戦場だ、戦いしかない!それしか知らないし、それ以外などわからない!」

 

「だから、今から知っていけば良いだろう?俺の知ってる人が言うにはな?「人は生まれた瞬間に切符持っている、その切符には何も書かれていない、何故なら書くのは自分自信だからだ、自分で書けるからこそどこまでも行ける、どこにだって行ける、人生の切符はいつも白紙であなたに書かれるのを待っている」だそうだ、だから見つけろ、本当にやりたいことを、本当の自分を…」

 

「本当の自分…」

 

「ああ…それじゃあ千冬さん、後は頼みます。俺はこの後シャルルの件とボーデヴィッヒを兵器扱いした奴等を片付けて来ます。ボーデヴィッヒ、そこのテーブルに軽食作ったからちゃんと食べろよ?じゃあな」

 

俺はそう言うと保健室から出ていった。そのあと英次の部屋に集まりデュノア社のゴミを一掃するためのデータを流出させた事をエドガーさんに報告し、シャルロットの件は片付いたが、ボーデヴィッヒの件はドイツ軍のサーバーを調べて見ると、ボーデヴィッヒを産み出した研究所と研究者はいずれも破壊されていたり、死んだ事が次々と起きており、ボーデヴィッヒのような子を産み出す研究所も知識も無くなってしまったようだ。何かうらがありそうだがボーデヴィッヒのような子が生まれて来なくなった事が確認出来て良かった。そのあとはそれぞれ解散し翌日…

 

「え、え~とみなさん転校生を紹介しますね?それでは入ってきて下さい」

 

『え?また転校生⁉』

 

『今度はどんな子が来るのかな?』

 

「シャルロット・デュノアです!皆さん改めて、よろしくお願いします!」

 

『『『『えーーーーーーーー!!』』』』

 

『シャルルくんって女の子だったの⁉』

 

『うそだ⁉』

 

『ちょっと待って⁉確か昨日って男子の入浴日だったわよね⁉だったら織斑君や坂本さん達と一緒に…』

 

「えぇぇぇぇ⁉」

 

「「「そんな訳ないだろ…」」」ドォーン!「一夏ー!」

 

待て鈴、ISで壁を破壊して来るな!修理するの用務員さんなんだぞ⁉

 

「待て鈴!俺は昨日一人でしか入ってない!」

 

「問答無用!」

 

鈴が青竜刀を降り下ろすが一夏に当たる前に止まった。

 

「織斑一夏…」

 

「ボーデヴィッヒか?助かった、ありがとう」

 

「気にするな、それと今まではすまなかった…」

 

「いや、もう気にしてないさ、それより改めてよろしくな」

 

「ああ…」

 

「おーボーデヴィッヒ、もう体も大丈夫そうだな、良かった」

 

「はい、心配を掛けました。それと私の事はラウラと呼んでください…お父さん」

 

「…へ?ちょっと待てボーデヴィッヒ、なんて言った?」

 

「ですから私の事はラウラと呼んでくださいお父さん」

 

『『『『えぇーーーー⁉』』』』

 

『零次さんとボーデヴィッヒさんが親子ってどういう事⁉』

 

「ちょっと待って⁉何で俺お前の父親ってなってるの⁉」

 

「日本では歳上で自分に親身になって優しくしてくれる人をお父さんと呼ぶのでは無いんですか?」

 

「違う!何か違う‼」

 

「え~零次に娘が出来たってことは俺この歳で叔父さん?まじか~」

 

「零次、リアル父になる…零次!おめでとう!(ニヤニヤ)」

 

「直哉ぁぁぁ!後で覚えてろよぉぉ⁉」

 

「ラウラ!零次さんは私のお兄ちゃんだよ!零次さんも何でラウラが子どもってことになってるの⁉」

 

「俺も知らないよ⁉てかシャルロット!これ以上話をややこしくしないでくれ⁉」

 

『え⁉零次さんとデュノアさんって兄弟だったの⁉』

 

「妹よりも娘の方が大事な筈だ!」

 

「違うよ!妹が大事に決まってるよ!」

 

「誰か収拾をつけてくれぇぇぇぇ‼」

 

零次の魂の叫びは虚しくも教室内に木霊した。

 



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23話

今回は短いですが、続きをどうぞ。


学年別トーナメントの件から数日、零次達は寮長室に集まっていた。

 

「そうですか、カーラ・デュノアと重役達は逮捕されましたか…」

 

『ああ、君達が公開したデータで世間はこの話で持ちきりだ、一部のメディアはデュノア社全体を糾弾するような話題にしているが、ほとんどがカーラ達だけを糾弾する報道している。パリでは様々な技術者達がデモを行っているらしい』

 

「そうですか、それは重畳ですね」

 

「かんぱ~い……あ~うまい!」

 

「英次今日はなに飲んでるの?」

 

「俺はサ〇トリーのハイボールと日本酒、直哉は?」

 

「僕はスミ〇フのレモンテイスト」

 

「英次と直哉は何を飲んでいるのだ?」

 

「あ~ラウラはまだ飲んじゃダメだよ?」

 

「ラウラは零次の作った肉じゃがでも食べてなさい」

 

俺は今エドガーさんにそのあとカーラ・デュノア達がどうなったのかを聞いていた…隣では英次と直哉が酒を飲みながらホラーゲームをしている。ラウラは酒を飲もうとするんじゃない。

 

『…だが問題は政府だ、カーラの実家と親しい政治家は多い、何かしらの妨害や減刑をしてくるかもしれん』

 

「それについては問題無いです。政府の方に汚職してる政治家のリストと証拠を送りつけたのでフランス政府はその事で手一杯でしょう」

 

前にデュノア社を調べたとき、カーラ・デュノアの実家と親しい政治家を調べたら不正や汚職がまぁ出るわ出るわ、そこから芋づる式に他の政治家の汚職の証拠も見つかり、政府は今頃大騒ぎだろう。揉み消すようであればメディアに情報を渡せばいい、もちろん金は取るけどな…

 

「じゃあお父さんは罪に問われないの?お兄ちゃん」

 

「ああ、今の所エドガーさんもシャルロットも罪を問われる事は無いだろう。ただ裁判で重要参考人として呼ばれるとは思うけどな」

 

「良かった、お兄ちゃん…本当にありがとう」

 

「私からも礼を言わせてくれ、娘を、シャルロットを救ってくれて本当にありがとう」

 

「俺がやりたくてやったんです。礼は別に…」

 

「英次、次どこ行けばいいんだっけ?」

 

「ん?ちょっと待ってくれ、俺は今じゃがいもの汁を切ってるんだ」

 

「うむ、やはりお父さんの料理は美味しいな!」

 

「お前ら今大事な話してるんだから少し静かにしろよ…」

 

「そんな事言ったって…あっパリコレ出てきた」

 

「くらえ、サンダー!サンダー!からの…蹴りサンダー!」

 

「はい死にました~」

 

「お父さん、この肉じゃがとは美味しいな!」

 

「だからラウラ!俺はお前の父親になったつもりはな無いって言ってるだろ⁉」

 

「?…お父さんはお父さんだろう?」

 

「ラウラ!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだよ!」

 

「お父さんは私のお父さんでもあるのだぞ!」

 

「「ぬぐぐぐ~!」」

 

『何やら随分賑やかなようだね』

 

「すみません、騒がしくて…」

 

『いや、気にしてはいないよ…そうだ、もうひとつ言わなければならなかったね、第3世代機だが、大体7割程完成した。その報告を受けて政府のIS関係者はISの開発許可の剥奪を正式に取り消すそうだ』

 

「そうですか…」

 

『君のアドバイスで開発した回復武装だが第3世代機と同時開発をしていてね、両方ともあと少しで完成しそうなんだが…第3世代機をシャルロットの専用機に、回復武装の試作品を君達に渡そうと思っている』

 

「え?私に第3世代機を?」

 

『ああ、シャルロットなら使いこなせると私は思っている、それに…私は今までお前に何もしてやれなかったから…せめてそれぐらい出来ればと思ってな…』

 

「お父さん……うん、ありがとう」

 

「シャルロットはわかりますけど何で俺達に?」

 

『君達に関しては私だけではなく帰ってきた技師達も返しきれない恩がある。そのせめてものお礼だ…受け取ってくれないか…』

 

「…わかりました。有りがたく使わせてもらいます」

 

本当にこの人は義理堅いな。俺達は別に恩だなんておもってないのに…だがせっかくの好意だ、有りがたく使わせもらおう。

 

『それでは私もそろそろ失礼させてもらうよ、シャルロットお休み…』

 

「うん!お父さんもおやすみなさい!」

 

そうしてエドガーさんとの通信は終了した。

 

「これでデュノア社の件は大丈夫だな、後はエドガーさん達に任せるしかないな」

 

「うん、本当に良かった…」

 

「ヤバい!三角様出てきた!」

 

「あ~日本酒うま、え?なんだって?」

 

「お~あの三角帽子の男は相当強いのだな、ハンドガンの弾をあれだけ喰らって平然としているとは…」

 

「お前らは早く帰れよ…」

 

そのあと帰ってきた千冬さんに英次と直哉がボコられた事は言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「お~身体中痛ぇ~」」

 

「お前等の自業自得だろ!」

 

英次と直哉は弁明も虚しく、千冬さんに一瞬でボコボコされた。てか千冬さんストファイの豪鬼の瞬獄殺みたいな事出来るとか最早人外…

 

「零次…何か言ったか?」

 

「い、いやなにも言ってないです…」

 

なんでわかんの?

 

「話は変わるが零次、今週の休日は暇か?」

 

「今週ですか?特に何もないですけど?」

 

「すまないが荷物持ちをしてもらえないか?来月に臨海学校が有るのは知っているな?」

 

「あ~何か山田先生が言ってましたね?」

 

「そのときに必要な物などの荷物持ちを頼みたい。あとラウラも一緒に来てくれ」

 

「それは何故でしょうか?」

 

「臨海学校の1日目は海で遊んでいい事になっている。だがお前は水着など待っていないだろう?山田くんも一緒に行くから選んでもらえ、私はファッションには疎いからな」

 

「わかりました。ですが私は教官に選んでもらいたいのですが…」

 

「さっきも言ったが私はファッションには疎い、山田くんに頼め」

 

「……了解しました」

 

「そう言う事なら私も行きたいです!ラウラの水着は任せてください!」

 

突然シャルロットが目を輝かせながら行くと言い出した。もしかしてシャルロットは服を選んだりするのが好きなのか?

 

「そうか、では山田くんとデュノアに頼もう」

 

「そしたら僕も行くかなー」

 

「直哉も来るのか?」

 

「シャルロットの様子を見る限りだと水着以外も買いそうだからね、女性4人分の荷物を一人で運べると思う?」

 

「確かに無理だな…」

 

「でしょ?英次はどうする?」

 

「俺も行くけど、簪が打鉄弐式を早く完成させるから臨海学校に行かないって言っててね?だから簪も連れていきたいからIS格納庫から引っ張り出すの手伝ってちょうだい?」

 

「そう言う事なら任せて」

 

「全く、世話の妬ける妹分だな…」

 

こうして千冬さん、山田先生、俺、英次、直哉、簪、シャルロット、ラウラの8人という大所帯で買い物に行くことになった。

 

 




シャルロットには第3世代機が渡されて、零次達には回復武装が渡されますが、これからどんどん地球防衛軍のような装備に偏ってきてとんでも武装になりそうで怖いです。(;・ω・)
ちなみに英次と直哉がやっていたゲームはサイレントヒル2です。実際に弟者さんとおついちさんが実況している動画があるので観ていない方は是非観てみて下さい。お酒を飲んで酔っぱらっているお二方の会話で最早ホラーゲームでは無くなっています。


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24話

今回は少し長めです。それでは続きをどうぞ。


今週の日曜日、俺達は千冬さん達の荷物持ちのためショッピングモールに来ていた。

 

「結構大きなお店なんですね!」

 

「はい、ここなら大抵の物が揃いますよ」

 

「おー!こんなに大きな店は初めてだな!」

 

「ラウラ、あまりはしゃぐなよ?後迷子にならないようにしろよ?」

 

「む~お父さん、私はそこまで子どもではないぞ」

 

「私としては心配だがな」

 

「教官までそのような事を…」

 

「私は別に来なくても良かったのに…」

 

「なに言ってるの簪、臨海学校行かないで打鉄弐式を完成させるなんてダメに決まってるでしょ!せっかくの臨海学校なんだから楽しまなくちゃ!」

 

「わかってるけど…でも零次さん達と3人で担いで運ばなくても…すごく恥ずかしかったんだよ?」

 

買い物当日、零次達はIS格納庫で作業をしている簪を3人で担いで連れてきたため、かなり目立ち端から見たら拉致されているようにも見えた。

 

「まぁまぁ、一回しかない行事なんだからみんなで行こうよ」

 

「まずは水着を買いに行きましょう!」

 

「そうですね!他の物はそのあとにしましょう!」

 

シャルロットと山田先生は買う気満々のようで先に水着売り場の方に歩いて言ってしまった。

 

「おーい、シャルロット達が行っちゃったから俺達も行くぞー」

 

「簪早く行こうよ!」

 

「ま、待って英次!引っ張らないで…」

 

「水着いいのあるかな~?」

 

「お父さん!教官!私達も行きましょう!」

 

「ま、待てラウラ!」

 

「おいラウラ引っ張るな!」

 

水着売り場に着くと直ぐにラウラはシャルロットと山田先生に連れていかれた。

 

「俺達は自分の水着を見てきます。早く終わると思うので、水着売り場の正面にあるベンチに座ってますね?」

 

「ああ、わかった」

 

千冬さん達と別れて俺達は自分の水着を買いに行った。…かといって水着を選ぶのにそんなに時間もかからず直ぐに買い終わってしまった。

 

「結構早く終わったな」

 

「そうだね」

 

「零次と直哉は他に買う物ってあるの?」

 

「特に無いんだよな~」

 

「僕も無いかな」

 

「じゃあ千冬さん達が終わるまで待ってるか」

 

「あ!お兄ちゃん達!ちょっと来てちょうだい」

 

「シャルロット、来てってそっち女性コーナー…」

 

「いいからいいから…」

 

「ちょっとシャルロット⁉」

 

「シャルロット押さないで!」

 

俺達はシャルロットに押されて女性コーナーの水着売り場に連れていかれた。

 

「ヤバいよ…超場違いなんだけど」

 

「大丈夫だよ英次、それよりもお兄ちゃん、どっちの水着が似合うかな?」

 

シャルロットは両手に水着を持っており、右手にオレンジの水着、左手に白の水着を持っていた。

 

「ん~オレンジの方が似合いそうだな…」

 

「ホント?じゃあこれ買ってくるね!」

 

そう言うとシャルロットは会計を済ませに行った。

 

「あれ?英次?」

 

「もう買ってきたのか?」

 

「どうして直哉さん達がここにいるんですか?」

 

「えっとですね、シャルロットに水着を選んでくれって言われて連れてこられたんですよ」

 

「そうなのか?ならばちょうど良い…零次こっちの水着とこっちの水着、どっちがいい?」

 

千冬さんは両方の手に赤の水着と黒の水着を持っていた。どっちが似合うって言われてもな~

 

「え~と強いて言うなら黒の方ですね…」

 

「そうか、ではこれにしよう」

 

「あ!そ、それなら直哉さん、わ、私のも選んでもらっていいですか?」

 

「僕でいいならいいですよ?」

 

「え、英次、私の水着…え、選んでくれない?」

 

「え、俺?いいの?」

 

「うん、え、英次に選んでほしいから…」

 

「わ、わかった…」

 

いつの間にか英次と直哉も水着を選んでいた。そう言えばラウラはどこに行ったんだ?

 

「千冬さん、ラウラはどこに行ったんですか?」

 

「ラウラか?ラウラなら…」

 

『そ、その声はお父さんか?』

 

「ラウラ?どこに…って試着室の中か」

 

「ラウラ、零次に見せてやったらどうだ?」

 

『ま、待ってください教官、まだ心の準備というものが…』

 

「いいから見せてやれ」

 

千冬さんが試着室のカーテンを開けると、黒いビキニタイプの水着を着て、おどおどしているラウラが出てきた。

 

「ど、どうだろうか…お父さん、似合っているか?」

 

「おーいいじゃん似合ってるよ!」

 

「ほ、本当か?」

 

「ああ…凄く似合ってるぞ?」

 

「そ、そうか…似合っているか…」

 

ラウラは恥ずかしいのか顔が赤いが、嬉しそうにしていた。

そのあとみんなは水着を買い終えてからも服を買いに行き、ラウラがシャルロットと山田先生の着せ替え人形にされたりしていた。

 

「次はどこに行きますか?」

 

「私はもうよるところはないかな?」

 

「私も特には無いですよ?」

 

「ではもう帰るか?」

 

「あ!俺よりたい所ある!」

 

「よりたい所?」

 

英次のよりたい所に行くとそこはゲームセンターだった。

 

「英次がよりたい所ってゲーセンかよ…」

 

「いいじゃん、まだ時間もあるしみんなで遊ぼうよ」

 

「僕達はいいけどみんなは?」

 

「私は遊んで行きたい…」

 

「私も!」

 

「お父さん、私もやってみたいぞ!」

 

「すまん、私はこういう所に来たことが無いからわからない」

 

「すいません、私も余り無いです…」

 

「え?千冬さん達来たこと無いんですか?」

 

「だった尚更遊んで行きましょうよ!」

 

「遊び方は僕達が教えるので大丈夫ですよ」

 

「それじゃあ行きましょう!」

 

「おー!あれはなんだ!」

 

「おいラウラ、走って人にぶつかるなよ?」

 

「お兄ちゃん、私達も行こうよ!」

 

「俺達も行きますか」

 

「ああ、お前達に任せる」

 

「任せてください!」

 

「ちょっと楽しみですね!」

 

ゲームセンターの中に入るとさっそく英次と簪はシューティングゲームをやっていた。シャルロットとラウラは一緒にダンスゲーム(ダ〇スダン〇エ〇リューション)をぎこちない動きでやっていた。

 

「俺達は何やるか」

 

「零次、エアーホッケーの台があるからこれやらない?」

 

「お~久しぶりにやるか」

 

「零次、これはなんだ?」

 

「アイスホッケーのリンクみたいですね?」

 

「これはエアーホッケーって言って、プラスチックの円盤を相手のゴールに入れて得点を稼ぐってルールなんですけども、ちょうど4人いますしダブルスでやりますか」

 

「ほう、面白そうだな…」

 

「直哉さん、一緒にやりませんか?」

 

「いいですよ」

 

「じゃあ俺は千冬さんと組むか」

 

「先輩!負けませんよ!」

 

「簡単に勝ちは譲らんぞ真耶」

 

おー千冬さんも山田先生もやる気満々だなぁ、初めてだからはりきってるみたいだな。そのあと4人でエアーホッケーをしてかなりの接戦だったが勝敗は俺と千冬さんが勝った。

 

「う~負けました~」

 

「簡単に勝ちは譲らんと言ったはずだぞ?」

 

「次は負けませんよ!」

 

「くそ~まさか直哉に騙し討ちが失敗するとは思わなかった」

 

「僕がどれだけ零次と英次の騙し討ちにあった思ってるの」

 

「負けといてよく言うよ…ってなんだ?なんか騒がしな?」

 

「そうですね?何かあったんでしょうか?」

 

「なんか盛り上がってるね?」

 

「ん?あそこにいるのはデュノアとラウラじゃないか?」

 

千冬さんが見ている方を見ると人だかりの前にシャルロットとラウラが踊っていた…

 

「…なんかシャルロットとラウラが踊ってるんだけど、しかもすげぇ上手い」

 

「シャルロットとラウラはまだダンエボやってたのか、てかすげぇ上達速いな…」

 

「デュノアさんもボーデヴイッヒさんも上手ですね~」

 

「はぁ~何をしているんだあの二人は…」

 

曲が終わったらしく2人はうごきを止めると回りから喝采が上がった。2人は周囲の状況に気付いていなかったらしく、ビックリしたと同時に恥ずかしいのか顔が真っ赤になっていた。シャルロットとラウラは俺達に気付き速足でこっちに歩いて来た。

 

「お前ら随分踊ってたみたいだな?」

 

「う、うん…でもやってるうちにどんどんスコアが更新出来たから、ラウラとどっちがスコアが高いか勝負してたんだけど…」

 

「それにしてはノリノリだったね?」

 

「う~恥ずかしい~」

 

「で、ラウラはさっきから何してるんだ?」

 

ラウラは戻ってきたと同時に零次に顔を隠すように抱き付いていた。

 

「きっとみんなに見られて恥ずかしかったんですよ」

 

「そんなに恥ずかしがらなくてもいいだろ?ダンス凄く上手だったぞ?」

 

「……………本当か?」

 

「ああ、上手だったぞラウラ」

 

「…む~嬉しいが…恥ずかしい…」

 

ラウラは更に顔を隠くし当分離れてくれそうになかった。

 

そのあとはラウラがくっついていた事もあり凄く視線が痛かった。因みにシャルロットとラウラのダンスの様子を撮影していた人がいたらしく、後日動画サイトに上がり2人のダンスの上手さと容姿によりとんでもない再生回数を叩き出した。

 

 

 

シャルロット達と合流したあと俺達は英次と簪を見つけてUFOキャッチャーのコーナーをみんなで回っていた。

 

「わ~!このぬいぐるみ可愛いですね!」

 

「やってみたらどうですか?」

 

「はい!頑張って取ります!」

 

「簪!あっちにグレンラガンのフィギュアあった!」

 

「本当⁉取らなきゃ…」

 

「俺もやる!」

 

「見てみてラウラ!あのウサギのぬいぐるみかわいいよ!」

 

「お~!私の部隊と同じ黒ウサギか!」

 

「取ってみたら?」

 

「うむ!やってみよう!」

 

「取れなくて金使いすぎるなよ?…ん?そう言えば千冬どこ行った?」

 

辺りを見回してみるとちょっと離れた所でUFOキャッチャーの台を見ていた。

 

「どうしたんですか千冬さん」

 

「む?零次か…」

 

千冬さんが見ていた台を見てみると、黒い猫が景品のUFOキャッチャーだった。

 

「…もしかして気に入ったんですか?」

 

「な、なんだ、私だってこう言う物に興味はある…」

 

「じゃあ取ってみたらどうですか?」

 

「…さっきやってみたが直ぐに落ちて取れなかった…」

 

「じゃあ俺が取りますよ?」

 

「私も何回かやってみたが無理だったぞ?」

 

「こうゆうのにはコツがあるんですよ…ぬいぐるみに付いてるタグがありますよね?その小さな隙間にアームを入れれば…ほら、重いぬいぐるみでも引っ掛かって落ちません」

 

黒い猫のタグにうまく引っ掛けることができ、途中で落ちることはなく手に入れることができた。

 

「はい千冬さん、どうぞ…」

 

「良いのか?お前が取った物だぞ?」

 

「欲しかったんでしょ?そのために取ったんですから」

 

ぬいぐるみを受け取ると千冬さんが少し嬉しそうに見えた。

 

「それじゃあ時間も時間ですしそろそろ帰りますか…おーい!そろそろ帰るぞー!」

 

「…零次」

 

「何ですか?千冬さん」

 

後ろを振り向くと千冬さんが少し顔を赤くしていた。

 

「…ぬいぐるみ…ありがとう…」

 

「はい…どういたしまして…」

 

こうして休日の買い物は終了した。この後帰ってから俺が風呂から上がり、部屋に戻ると笑顔でぬいぐるみを抱き付いていた千冬さんを目撃し、恥ずかしさの余り襲いかかってきた千冬さんから全力で逃げるのはまた別の話…

 

 

 

 

 

 

 




昨日「弟者 イラスト」と打とうとしたら「弟者あ」になり、予測変換で「弟者アンチ」と出て来て「え?弟者さん嫌いな人っているの?進め方が好きじゃないのかな?」と思い、そのサイトを開いて書き込みを見てみました。………………よ、世の中には色んな人がいるんですね!(゜ロ゜)ガクガクガクッ


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25話

投票してくれた方、お気に入り登録してくれた方、本当にありがとうございます!今回からオリジナル回です。それではどうぞ!


「「「「フランスに来てほしい?」」」」

 

千冬達と買い物に行った数日後、授業も終わり零次達はゲームしているとエドガーから電話がかかってきた。

 

『ああ、裁判でシャルロットも証人として出なくてはならなくてね、ちょうど第3世代機と試作武装の完済間近と言うこともあって、シャルロットだけではなく君達にも来てもらおうと思ってね』

 

なるぼど、カーラ・デュノアの裁判の証人か…

 

「私が裁判の証人…」

 

「俺達も裁判出れるの?」

 

「英次、多分僕達は無理だよ」

 

『すまないがその通りだ、君達は世界で4人しかいない男性IS操縦者だ、この裁判はフランス中が注目している、当然全世界のメディアも集まる、そんな中君達が出てしまえば混乱を招いてしまうだろう。その代わりと言ってはなんだが護衛付きであれば市内の観光は出来るようにしよう』

 

「マジすか⁉」

 

「やったー!エッフェル塔にエトワール凱旋門!」

 

「市内こそ大丈夫なんですか?」

 

『それについては心配は無いだろう、さっきも言った通り全フランス国民がこの裁判に注目している、町中にメディア関係者はまずいないだろう。仮に民衆が君達に目がいっても男性IS操縦者とは気付かないだろう』

 

「…わかりました。外出出来る様にはするのでフランスに着いてからはお願いします」

 

『ああ、わかった。飛行機の手配はこちらで済ませよう、それでは失礼するよ』

 

エドガーからの用件を聞き終え、零次は明日からの行動を考えていた。

 

「ん~明日に千冬さんと学園長に許可取りに行かなきゃなー」

 

「私は大丈夫だと思うけどお兄ちゃん達は大丈夫かな?」

 

「大丈夫な様に交渉するしか無いだろう」

 

「フランスの料理ってどんなのがある?」

 

「………わかんない」

 

「…お前らまだ行けるって決まった訳じゃないぞ?でも準備だけはしとけよ?」

 

「「りょうかーい!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の昼休み、俺達はシャルロットと一緒に職員室に来ていた。

 

「という訳でフランスに行きたいです」

 

「許可出来るかバカ者、デュノアはまだいいがお前達はダメに決まっているだろう?」

 

「…ダメですか~?」

 

「そこをなんとか!」

 

「お願いします!」

 

「まず私の許可だけでは無理だ、学園長に話を通さなければならないが無理だろう」

 

「じゃあ学園長に一応話をしてみるだけでもお願いします。それくらいならいいですよね?」

 

「……それくらいはいいだろう」

 

千冬さんは席を立ち学園長室に案内するために歩きだした。数分歩くといかにも偉い人の部屋といったような部屋の入り口が見えてきた。

 

「ここが学園長室だ、くれぐれも粗相の無いようにしろ」

 

「「「「わかりました」」」」

 

「失礼します」

 

千冬さんに続き俺達も部屋に入るとそこには柔和な雰囲気をした男性が座っていた。

 

「織斑先生、どうかしましたか…おや?後ろにいる生徒達は…」

 

「どうも、坂本零次です」

 

「弟の坂本英次です!」

 

「菊地直哉です」

 

「シャルロット・デュノアです」

 

「私は轡木十蔵です、IS学園の学園長を務めています。それとそんなに畏まらなくても構いませんよ?それで織斑先生、どういった用件ですか?」

 

「学園長、私が用件があるわけでは無くてですね…」

 

「私達が用件があります」

 

「君達が?」

 

「はい、実はシャルロットがカーラ・デュノアの裁判の証人として出なくてはならなくなったのですが…」

 

「ああその事でしたか、それなら問題ありませんよ?デュノア社長からも事前にその事は言われましたから」

 

「実は私達3人を来るように言われまして、許可を貰いに参りました」

 

「君達は許可出来ませんよ?君達は男性IS操縦者であり量産機とは言え専用機を所持しています。そんな人間を海外に出してしまったらさらってくださいと言っているようなものです」

 

「駄目ですか?借りを返すと思って許可を出してもらえませんか?」

 

「借り…ですか?」

 

しらばっくれてるなこの人…

 

「わからないふりはしないで下さい。黒い無人機にVTシステム…どちらも公表出来ないIS学園内の事件です。そのどちらもIS学園の教師達は対応できず、生徒で避難する側の私達が対処しています。どちらも対応が遅れていたら生徒か教師に死人が出ています。そうなれば情報統制をしようが世間にしれわたるのは必然です。それを被害を最小限にし怪我人だけで済ませた俺達には学園側は大きな借りがあるはずです」

 

「……………」

 

「もう一度お願いします。フランスに行く許可を下さい」

 

轡木さんは少し考え、一度頷くとこちらを向いた。

 

「……良いでしょう、許可します」

 

「ッ!学園長!」

 

「しかし1つ条件があります」

 

「…条件ですか?」

 

「ええ、3人の監視役として織斑先生、彼女と一緒に同行してもらいます」

 

「…私がですか?」

 

「はい、自分のクラスの生徒であり零次くんに至っては同じ部屋で生活しています。監視役で貴女以上に彼等の監視が務まる人材は居ないでしょう」

 

「……わかりました」

 

「よっしゃー!」

 

「やったー!」

 

「「ありがとうございます」」

 

こうして俺達のフランス行は意外にもあっさり決まった。

 

 

 

 

 

 

 

「お父さん!私もお父さん達と旅行に行きたいぞ!」

 

学園長との交渉も無事に終わり、俺と千冬はボーデヴィッヒ達と夕食を食べていた。達と言うのは前に夕食を食べに来たメンバーに山田先生をプラスした面子がなんやかんやで集まり、また一緒に夕食を食べる事になり寮長室に集まっていた。

 

「そんな事言ってもな~ラウラは許可もらってないし…」

 

「そういうことで私は数日フランスに行くことになった。山田先生、クラスの方は任せる」

 

「わかりました!任せてください。気を付けて行ってきて下さい」

 

「む~!シャルロットばかりずるいぞ!」

 

「私達は別に遊びで行く訳じゃないよ?」

 

「それでもずるいものはずるいんだ!」

 

「わかったから余り駄々をこねるな、少しの間だけだしお土産も買ってくるから!」

 

「なんでボーデヴイッヒさんはこんなに駄々をこねてるんですか?」

 

「真耶さんそれはですね~ラウラはお父さんとお母さんである零次と織斑先生に会えなくなるので寂しいんですよ」

 

「「ごふっ⁉」」

 

「なるほど~そういうことですね!」

 

「ななな、何を納得しているんだ真耶!ごご、誤解招くような事は言うな!」

 

「そうだぞ直哉!俺が千冬さんと夫婦なんてありもしない噂が広まったら世界中にいる千冬さんのファンに殺されるわ!」

 

「…ほう、ありもしないか…それはどういう意味だ零次?」

 

「え⁉なんで怒ってるんですか千冬さん⁉俺なんか…待って下さい⁉その手に持ってるビール瓶は何ですか⁉ちょ!、まっ!…あぁぁぁぁぁ!」

 

「お土産は期待してね簪」

 

「うん、気を付けて行ってきてね?」

 

「うわー零次がフランス行く前にご臨終しそうだよ…」

 

「直哉さん!そんな事言ってないで止めるの手伝ってください!先輩ダメですよ!坂本くんが死んじゃいますって!」

 

「離せ真耶ぁぁぁぁ!」

 

「助けてぇぇぇ!」

 

「お父さんがお父さんで教官がお母さんか…うむ!教官、これからは教官の事をお母さんと呼んでもよろしいでしょうか!」

 

「ちょ、ラウラ⁉」

 

「ッ!零次ぃぃぃぃ!」

 

「ラウラァァァァ⁉火に油を注ぐようなことをしないでくれぇぇぇぇ!」

 

「あ、あははは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零次達が学園長にフランス行きの許可をもらってから2日後、零次達はフランスの国際空港であるシャルル・ド・ゴール空港に到着していた。

 

「ドイツには行ったことあるけどフランスには初めて来たな」

 

「零次はドイツに行ったことがあったのか?」

 

「ああ、そう言えば言ったこと無かったですね?一昨年にドイツで開催されるゲーム〇コムって言うゲームショウに行ってきたことがあるんです」

 

「あ~耳と頭が痛ぇ~」

 

「英次大丈夫?」

 

「英次は飛行機に乗るといっつもそれなるよね?」

 

零次と千冬が話をしている横で旅客機に乗っている最中気圧の影響で耳と頭が痛くなって苦しんでいる英次を直哉とシャルロットが介抱していた。

 

「フランスに着いたのはいいけどこの後はどうするの?」

 

「迎えが来ることになってるけど…………あ!多分あの人達だね」

 

シャルロットが指を差した方にはスーツを着た体格の良い2人の男達がいた。その男達は零次達に気が付くとこっちに歩いてきた。

 

「シャルロット・デュノアと織斑千冬、坂本零次とその連れだな?」

 

「「「はい(そうだ)」」」

 

「なんか俺と直哉だけオマケみたいに言われたんだけど…」

 

「なんか扱い雑だね…」

 

「俺達があんた達の護衛を務める事になった者だ。早速だが車に乗ってくれ、本社まで案内しよう」

 

零次達は車に乗り、空港を出てデュノア社へと向かった。

 

 

 

 

 

 




フランス編に入ります。臨海学校編を期待していた方は申し訳ありません。


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26話

それでは続きをどうぞ!


デュノア社に到着し、社長室に案内されるとそこにはエドガー・デュノアが待っていた。

 

「…お父さん」

 

「…シャルロット、お帰り」

 

「お父さん!」

 

シャルロットは駆け出しエドガーさんに抱き付いた。エドガーさんもシャルロットを離さんばかりに抱き締めた。

 

「今まですまなかったな…お前には辛い思いばかりさせてきた。お前を不幸にしてしまった私は父親失格だ…」

 

「そんな事無いよ?確かに辛いこともたくさんあったけど、IS学園では友達も出来たし、お兄ちゃん達のお掛けでお父さんとも会えたよ?だから全然不幸だなんて思わないよ…」

 

「シャルロット…本当にお帰り…」

 

「うん!…ただいま、お父さん!」

 

シャルロットとエドガーはさんはお互いの存在を確かめる様にもう一度抱き締めた。

 

「シャルロット、良かったな…」

 

「ああ、そうだな…」

 

「あ~まだ頭痛ぇ~気持ち悪~」

「お腹空いたな…」

 

「お前らのせいで最後台無しだわ!」

 

「まったくお前らは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五分後、やっと話が出来るくらいに落ち着き、改めてエドガーさんに挨拶した。

 

「画面越しでしたが改めて、坂本零次です」

 

「弟の坂本英次です」

 

「菊地直哉です」

 

「初めて、監視役として同行している織斑千冬です」

 

「エドガー・デュノアだ。零次君、英次君、直哉君、改めて、シャルロットとデュノア社を救ってくれて本当にありがとう」

 

「気にしないで下さい」

 

「そうですよ、僕達がやりたくてやったんですから!」

 

「そう思うなら後でシャルロットに父親らしいことをいっぱいして上げてください。今は本題に移りましょう」

 

「…そうだな、まだやることは残っている」

 

「それでお父さん、私って裁判の証人として行くって言ってたけど、具体的にどうすればいいの?」

 

「必要な事や手続きは殆どの済ませてある、証言に合わせて証拠を提示していく流れになるだろうからシャルロットはカーラが強要してきた事を正直に言えば問題ないだろう。裁判は明後日だ、明日はシャルロットに第3世代機を起動してもらう作業があるがそれが終わり次第フランス観光にみんなで行ってくればいい。今日は移動で疲れただろう、上階のVIP専用の宿泊部屋を用意したからそこまで皆さんを、案内してあげなさい」

 

「うん、ありがとうお父さん!みんなこっちだよ」

 

社長室でエドガーと別れ、零次達はシャルロットの案内で部屋に着いたあとはみんなで夕食を食べた。夕食はエドガーも一緒に取り、シャルロットはエドガーにIS学園で出来た友達の話やルームメイトになったラウラの事を話し、エドガーはその話をとても嬉しそうに聞いていて、その姿はデュノア社の社長ではなく何処にでもいる普通の父親の姿だった。

 

 

 

 

 

次の日、零次達はシャルロット、エドガーと一緒にデュノア社の地下にあるIS開発兼訓練施設に来ていた。

 

「ここが開発区だ」

 

開発区のフロアに入ると作業用のつなぎを着てサングラスを掛けた60代程の男が立っていた。

 

「エドガー、そいつらがあんたや俺達の恩人か?」

 

「ああアドルフさん、彼等がそうだ。紹介しよう、この人はアドルフ・ベフトン、私が子供の頃からこのデュノア社で働いている人で私の技術者としての師匠でもある人だ」

 

「初めまして、坂本零次です」

 

「弟の坂本英次です」

 

「菊地直哉です」

 

「俺はアドルフ・ベフトンだ。お前らがあのいけ好かない重役どもとカーラを務所にぶちこんでくれたんだってな?すまねぇな、俺達の厄介ごとに首つっこませちまってよ…」

 

「俺達はシャルロットが辛い目に遭ってるのが気に入らなくてやったんです。逆にあなた達の問題に首を突っ込んですいません」

 

「…気に入らなかったからか……武装のアイデアといい理由といい面白い奴等だ、気に入った…そして、その娘がシャルロットか?」

 

シャルロットは突然アドルフに名前を呼ばれビクッとするが、アドルフは頬を緩めシャルロットの頭を撫でた。

 

「覚えていないと思うがお前さんがまだ小さいときに何度かエドガーと会いに行ったときがあってなぁ、大抵の奴は俺を見れば畏縮しちまうがお前さんは泣きもしないでニコニコ笑ってたな…」

 

アドルフは懐かしむようにシャルロットを見た。シャルロットは少し恥ずかしそうにしていた。

 

「アドルフさん、そろそろ起動の方をお願いします」

 

「…ああ、わかってる」

 

アドルフは少し不機嫌そうに言ったが回りの整備員に指示を出すと奥から頑丈そうなコンテナが出てきた。アドルフはコンテナの電子ロックを解除するとコンテナが開き、中からラファールの面影があるISが出てきた。

 

「こいつの名前はアンジュ・ガルディアン…日本の意味で守護天使って意味だ」

 

「このISが私の専用機…」

 

「おーかっこいい!」

 

「何処と無くラファールに似てるね?」

 

「こいつは俺達が解雇された後こっそり作ってた第3世代機の試作機に改良を加えて零次のアイデアの回復する特殊な機能を搭載させた機体だ。武装はシャルロットのカスタム機とほぼ同じでスペックは従来のラファール・リヴァイブの1.5倍、特にシールドエネルギーの容量は2倍になっている。第3世代機武装名はサリュタスヨン・アンジュリク…日本の意味で天使の祈りって意味だ…シールドエネルギーを消費して特殊な力場を自分の周囲に発生させ範囲内にいるISのシールドエネルギーを回復させるって仕組みだ」

 

「けどこれには欠点があってね、回復する対象を意識してないと範囲内に入ったIS全てが回復してしまうんだ。だから使用者はかなり意識を集中してないと使用できない」

 

「私に使いこなせるかな…」

 

「大丈夫だろう、お前はISの操縦が器用だからな、しっかり使いこなす事ができるだろう。ラウラの停止結界に近い機能だから帰ったらラウラにアドバイスをもらうなりすればいい」

 

「千冬さんもそう言ってるし大丈夫だよシャルロット」

 

「千冬さん、お兄ちゃん…はい!がんばります!」

 

「よし、じゃあ早速だがシャルロット、お前さんのラファール・リヴァイブを出してくれ、お前さんの動きや癖を知ってるコアなら慣れるのも速いだろう」

 

「はい」

 

シャルロットはラファール・リヴァイブを展開し、アドルフと他の整備員がラファール・リヴァイブからISコアを外し、アンジュ・ガルディアンに組み込むとラファール・リヴァイブはゆっくりと機能を停止していった。

 

「お疲れ様、ラファール・リヴァイブ…今までありがとう。そして…これからよろしくね、アンジュ・ガルディアン」

 

シャルロットはそう言ってアンジュ・ガルディアンに触れるとISコアが動きだしアンジュ・ガルディアンが動き出した。

 

 

 

 

 

 

シャルロットがアンジュ・ガルディアンを起動させてから一通りの動きを確認してみて特に問題は無く、アンジュ・ガルディアンはそのままシャルロットの専用機となった。

 

「よし、あとは試作武装を渡すだけだがその前に、零次、英次、直哉、お前さん達のISを出せ」

 

「え?俺達のISですか?」

 

「ああ、聞いたところによるとお前さん達ラファールの改造をしたんだってな?」

 

「改造したって言ってもな装甲を取り替えて、スラスターや改造武器を取り付けただけですよ?」

 

「いいから速く起動しろ」

 

「やはりアドルフさんの悪い癖が出てしまったな…」

 

「悪い癖?」

 

「ああ、アドルフさんは整備や改造が好きでね、前にシャルロットから聞いた君達のISの話をしたら興味を持ってしまってね」

 

「エドガー…技術屋で改造した物に興味を持たない奴はいない」

 

「わかりましたよ…零次君、英次君、直哉君、すまないが頼む」

 

「わかりました」

 

零次達はISを起動するとアドルフはじっくりと見始めた。

 

「………こりゃあ最早ラファールじゃあねぇな、……………荒削りの知識でやったみたいだが素人にしちゃあ良くできてる」

 

「私も話しには聞いていたが、ラファール・リヴァイブの原型が無いな…」

 

「…………零次、英次、直哉、帰るまで俺にこのISを預けてみねぇか?」

 

「「「はい(え)?」」」

 

「せめてもの礼だ、お前さん達が帰るまでに整備としっかりした改造をしてやる」

 

「いいんですか⁉」

 

「ありがとうございます!」

 

「…わかりました、整備と改造、よろしくお願いします」

 

「よし決まりだな、聞いたなお前ら!俺達の恩人に最高の機体を最高の状態で渡すぞ!いいな!」

 

『『『『はい!』』』』

 

「あとは任せてお前さん達はフランス観光にでも行ってくるといい、せっかくフランスまで来たんだ、楽しんでってくれ」

 

アドルフはそれだけ言って整備員に指示を出しながら自分も作業に加わった。

 

「それじゃあみんな、町に観光しに行こっか!私が色んな所を案内するよ!」

 

「凱旋門行きたい!」

 

「シャルロット、食品店で調味料とか買いたいんだけど案内頼む」

 

「簪とラウラと山田先生にお土産も買わないとな」

 

「うん、時間はあるから順番に回っていこう、まずは名所に行こう!」

 

「シャルロット、日本に比べたら治安が悪いから気を付けて行ってきなさい」

 

「わかってるよお父さん、行ってきます!」

 

シャルロットに続き英次と直哉も部屋から出ていった。

 

「千冬さん、俺達も行きますか」

 

「ああ、監視役とは言えフランスまで来たんだ、少しは羽目を外してもバチは当たらんだろう」

 

零次と千冬もシャルロット達を追いかけに部屋から出ていった。

 

「それでは私も明日の裁判の準備があるからそろそろ失礼しよう…」

 

「エドガー、ちょっと待て…」

 

作業をしていたアドルフが手を止めエドガーを呼び止めた。

 

「アドルフさん、どうしたんですか?」

 

「実はな、警察署に勤めてる古い馴染みから妙な話を聞いたんだが、カーラは取り調べの時、最初は出せとわめき散らしていたらしいが、ある日を境に素直に取り調べに応じる様になったらしい。そいつが気になって調べたらあるフランス人が面会しに来た時かららしい、何でもそいつは海運業をやってる社長でな、これは一部で言われてる噂だが…ISが原因でいらなくなった武器や兵器をフランス軍から格安で買い取ってアフリカや中東に流してるなんて黒い噂のある奴だ…」

 

「……アドルフさんはその男が何かしてくると?」

 

「わからねぇ…だが気を付けておけ、なんだかキナ臭ぇ…」

 

「わかりました、気に掛けておきます。アドルフさんがキナ臭いと言う時は大抵当たりますからね、明日は何があってもシャルロットだけは絶対に守ります。」

 

エドガーはそう言って開発区をあとにした。

 

「何も起きなきゃいいんだがな…」

 

アドルフの声は誰にも聞こえず、開発区に響く機械の音にかき消された。

 

 

 

 

 




アンジュ・ガルディアン

シャルロットの専用機、デュノア社の第3世代型の試作機。ラファールに似ているところがあるがスラスターの形が天使の羽に見立ててある、またスペックはラファール・リヴァイブの1.5倍であり、シールドエネルギーの容量に至っては2倍と他の第3世代機のシールドエネルギー量を凌駕する。
武器はラファール・リヴァイブの時と変わらないが、第3世代型武装である純後方支援武装サリュタスヨン・アンジュリク…別名天使の祈りが搭載されており、自身のシールドエネルギーを消費して特殊な力場を発生させ範囲内にいる味方ISのシールドエネルギーを回復する事ができる。しかし欠点として回復する対象に意識を集中しないと範囲内に入った回復しなくてもいい対象も回復してしまうため、集中力をかなり使う操縦者を選ぶ機体である。


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27話

今回の話は、フランス観光、英次物色する、最凶降臨の三本です。それでは続きをどうぞ!


 シャルロットの専用機がアンジュ・ガルディアンになった次の日、零次達はパリの観光に来ていた。

 

「エッフェル塔近くで見るとすんげぇな!」

 

「昨日の凱旋門も凄かったけどエッフェル塔も形東京タワーに似てるけど迫力があって凄いな」

 

 英次はエッフェル塔を見てはしゃぎ、直哉は少し感動していた。

 

「エッフェル塔は建設当時、奇抜な建造物として特に芸術家達の反対が多く、建設は賛否両論だったそうだ」

 

「へぇ、千冬さん詳しいですね」

 

「これでも教師だ、これくらいは知っているさ」

 

 零次が感心して聞いていると千冬は自信ありげに言った。

 

「エッフェル塔って結構映画とかゲーム、アニメに出てきたりしてるよね?」

 

「そうだね、ゲームだと鬼武者とかで出てきたね」

 

「エッフェル塔も不憫だよな、ナディアでは折れ曲がって鬼武者では魔改造されてダンジョンになってたからな…」

 

「あ~あのダンジョンね、元の場所に戻されたりしてめんどくさかったな…」

 

「あまりはじゃぎすぎて目立つ様な事はしないでくれよ?一応あんた達は世界的なVIPなんだからな?」

 

 護衛のアランが零次達に注意をして零次達は返事をした。ちなみにもう1人の護衛であるボリスは移動してきた車の中で待機していた。

 

「わかりました…今頃シャルロットは大丈夫かな?」

 

「心配し過ぎだよ零次、エドガーさんもいるし俺達が集めた証拠だってあるから問題ないだろ?」

 

「…まぁそうだといいんだけどな」

 

「それよりもう昼だし飯食いに行こうよ!」

 

「そう言われれば腹が空いてきたな」

 

「じゃあどっか食べに行きますか…すいません、この辺りでおすすめの店ってありますか?」

 

「ああ、それなら此処からロダン美術館の方に行けば良い店がある。車を用意するから少し待ってくれ…」

 

 アランがボリスに連絡し、数分後連絡を受けたボリスが到着し、零次達は車に乗り込み移動を開始した。

 

「アラン、何処に行けば良いだ?」

 

「彼処だよ、前にお前を昼飯に誘った店だ」

 

「お、アーネンエルベか!あそこのピーチパイは最高なんだよな!」

 

「一応今日は観光目的で来てるからな、時間が掛かるがセーヌ川沿いに行こう、活気があって景色も良い」

 

「わかった、それじゃあ出発するぞ」

 

 ボリスはゆっくり車を発進させセーヌ川沿いに移動した。

 

「ありがとうございます。なんか気遣ってもらって…」

 

「いいさ、俺達もあのカーラや重役達には頭に来てたんだ、あんた達のお陰でその鬱憤も晴れた。これくらいお安いご用さ、それにとびきりの美人も要るからな!」

 

「ほう、美人とは私の事か?だがおだててもなにも出ないぞ?」

 

「そっちが主な理由じゃないですか!」

 

 零次がつっこみを入れるとアランとボリスが大笑いし、つられて英次と直哉も笑い出した。

 

「ハハハッいやー笑った笑った…この辺りがロダン美術館ってのがあってその近くに店がある。どっかで車を止めないとな」

 

「…………ん?」

 

「どうしたボリス?」

 

 アランが駐車場を探しているとボリスが首を傾げた。

 

「アラン、確かこの近くの破毀院で社長と娘さんが出廷してるんだよな?」

 

「そうだが…この辺は活気があると言ってもここは人通りが少ないしメディアも来るところも特に無いから社長にも許可をもらってここにしたんだが…どうかしたか?」

 

「…それにしちゃあ…やけに騒がしく無いか?」

 

「っ!」

 

 アランは普段の活気ある騒がしさではない事に気が付いたが遅かった。アランが指示を出す前に爆発音と銃声が聞こえ、前の道路の右側から装甲車が現れ、後ろから重装備の武装集団が降りてきた。

 

「なんか装甲車が来たんだけど⁉」

 

「てかなんで町中に装甲車がいるんだよ⁉」

 

「不味いな、どうやら昼飯云々いってる場合じゃあなさそうだな…」

 

「取り敢えず本社に戻る!」

 

「ああ!すぐに戻ってくれ!」

 

「待って下さい。この近くにエドガーさんとシャルロットが出廷してる裁判所があるんですよね?だったら不味いかもしれません」

 

「どういうことだ零次…」

 

「その前にラジオでニュースにしてみて下さい」

 

 アランは零次の言ったとおり車のラジオをつけ周波数を合わせた。

 

『臨時ニュースです!ただいまパリ市内で正体不明の武装集団がフランス裁判所の破毀院を襲撃、現在警察と戦闘状態とのことです!屋内の皆さんは家の中からでないで下さい!野外にいる皆さんは地下鉄などの安全な場所に避難してください!繰り返します…』

 

「なるほど、零次が言っているのはこう言う事か…」

 

「零次、直哉、どうする?」

 

「それ聞くこと?」

 

「まぁそうだよね」

 

 零次達は車から降りて走り出した。

 

「ちょっと待て!あんた等何処に行くつもりだ⁉」

 

「ちょっとエドガーさんとシャルロットを襲撃してる奴等を片付けてきます!」

 

「救急車に連絡とかお願いしまーす!」

 

「ヒャッハー!膝治療の時間だーーー!」

 

 零次達はそれだけ言って道路の曲がり角を曲がり行ってしまった。

 

「ボリス、車を回してくれ!あいつ等を回収する!」

 

「わかった!」

 

「その必要は無いです」

 

 零次達を連れ戻そうとしているアランとボリスを千冬が止めた。

 

「織斑さん、早くあいつ等を連れ戻さないと怪我どころじゃすまないぞ⁉」

 

「そうだな…怪我どころでは無くなってしまうな…」

 

「だったら!」

 

「武装集団の方がな…」

 

「なんですって?…」

 

「私も零次達の所に行こう、アランさんとボリスさんは救急車を呼んでもらえますか?」

 

「織斑さん!貴女まで何を言ってるんですか⁉」

 

「なに…私の生徒に手を上げた輩を叩き潰しに行くだけだ…」

 

 千冬からにじみ出る殺気にアランとボリスは息を飲み、少し間が空いてからアランが車のドアを開けた。自分たちでは千冬を止めることは出来ないと理解してしまったからだ。

 

「すいません、迷惑を掛けます…」

 

「そう思うなら早く行って下さい…」

 

 千冬は2人に一礼すると零次達の所に急いで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 零次達は開けた場所に出るとそこではフランス警察と武装集団が銃撃戦をしていた。武装集団は破毀院に続く橋を占拠しその前でフランス警察がパトカーをバリケードにして戦っている。しかし警察側の負傷者が多く、壊滅状態になっていた。

 

「零次、僕達来たのはいいけどISアドルフさんに預けてるから丸腰なんだけど…」

 

「そんなもんフランス警察と交渉(物理)で借りるに決まってるだろ?」

 

「なに当然だろみたいなこと言ってんの⁉」

 

「でも英次はもう警察の方に走っていったぞ?」

 

 直哉が警察がいる場所を見ると英次が負傷した警察官から武器と装備を漁っていた。

 

「大丈夫か⁉…ってもう何人か死んでるぞ⁉おい大丈夫か⁉……その持ってるもの全部よこせ…………お前も大丈夫か⁉…コイツは大丈夫か、生きてるけどもう戦えないだろ?全部よこせ」

 

「お前はなにやってんの⁉」

 

「直哉なにって装備をだな…」

 

「装備をだなじゃないよ⁉」

 

 直哉が平然と山賊行為をしている英次につっこみを入れたが英次はきょとんとしていた。

 

「直哉、取り敢えず英次が交渉で借りてきた武器貰わないと俺達も不味いぞ?」

 

「へ?…って僕達にも撃ってくるの⁉」

 

 零次と直哉は急いでパトカーの陰に隠れ身を隠した。

 

「僕達一般人なんですけど⁉」

 

「お構い無しだな…」

 

「うっ……君達…何でこんな場所にいるんだ、早く逃げろ……」

 

 零次と直哉が声のする方を見ると負傷した警官隊の隊長らしき男がいた。

 

「大丈夫ですか?今救急車を呼んでますから!」

 

「あ、ああ…心配は無用だ、伊達に警官隊の隊長はやってない、ここは任せて君達は早く逃げろ…」

 

「おっさん大丈夫か?……フランス語はわからないから英語で喋ってくれおっさん……ここは俺に任せて先に行けってやつか?……その装備はくれないのかおっさん?装備…装備をな…装備をだな…」

 

 零次と直哉が警官隊の隊長と話しいる間、英次はまだ負傷した警察官から装備を物色していた。

 

「隊長さん、あの武装集団の奥に俺達の妹分とその親父さんがいる、俺達はどうしてもあの奥に行きたい。けどそれには武器なんかが必要になってくる、ここの警官隊は壊滅状態だ…だから俺達があの連中を鎮圧する代わりにあんた等の武器を使わせてくれ…」

 

「……君達は一般人だ、銃器の扱いは…」

 

「大丈夫です、銃の扱いはわかります。お願いです!」

 

「……だが連中が使ってるのは軍用の武器だ我々の装備では…(タタタン、タタタン)…なに!」

 

「膝~治療、肩治療!」

 

 警官隊の隊長が渋っている横で英次が物色したMP5で武装集団の1人の膝と肩を撃ち、戦闘不能にした。

 

「銃器の扱いは慣れてますから…大丈夫です」

 

「はぁ~やるしかないか…僕達に任せて下さい」

 

「………無理だけはしないでくれ」

 

「わかりました…」

 

「隊長、まだ大丈夫なのか?……」

 

 いつの間にか英次が隊長の近くに来ていた。

 

「ああ…大丈夫だ、この辺りならまだ私でも援護くらいはできる…」

 

「まだやれる…まだ…お預けなのか隊長、お預けってやつか?…」

 

 英次は隊長の装備が欲しいらしく隊長の周りを忙しなく動いていた。

 

「隊長さんの装備を物欲しそうに忙しなく動くんじゃない!失礼だろ⁉」

 

「全くなにをしているんだお前は…」

 

「織斑先生!どうしてここに⁉」

 

「お前達だけだと心配だからな、こうして追い掛けてきた訳だが、どうやら救急車はもっと必要だな…」

 

「千冬さん、銃は使えますよね?」

 

「使えるが銃器はしっくり来ない、警棒は無いのか?」

 

「ありますけど、あの中に飛び込むのは無理なんで銃使ってください」

 

「む~…わかった」

 

「千冬…織斑?……っ!ま、まさか貴女は!」

 

「どうしたんですか?我々ただの銃器の取り扱いができる一般人ですよ?」

 

「いや織斑先生、普通そんな一般人は居ませんよ⁉」

 

「とにかくそろそろMP5持っとけ、仲間がやられて相当頭に来てるみたいだぞ?」

 

 橋の奥を見ると武装集団の1人が無線機で連絡をしていた。

 

「あっ、多分増援呼ばれだぞ?」

 

「マジで⁉」

 

「取り敢えず橋にいる奴等を倒すしかないだろ?」

 

「出来るだけ死傷者は出すなよ?…」

 

「「「了解(はーい)」」」

 

 零次達はそれぞれMP5を持ち、バリケードに隠れながら的確に肩や膝等を狙って撃ち、死傷者を出さないように敵を無力化していった。

 

「あらかた片付いたんじゃない?」

 

「よし、先に進めるぞ!」

 

「待て英次!フラグ立てるな!」

 

 零次が叫んだ瞬間、左から敵の装甲車が来た。さっき無線機で呼んだ増援が奥から回り込んで来たのだった。

 

「だから言っただろうが!」

 

「だからフラッガーって言われるんだよ!」

 

「そんな事言ったって…」

 

「いいからはよ撃て!はよ!」

 

「「撃ってる撃ってる撃ってる‼」」

 

 零次達はMP5を掃射するが増援は装甲車をバリケードにしているためあまり効果はなかった。

 

「…不味いな」

 

「千冬さんどうしたんですか⁉」

 

「一番奥にいる奴を見ろ…」

 

 零次は一番奥にいる敵を見るととんでもないもの持っていた。

 

「嘘だろ⁉何でAT-4なんて持ってんだよ⁉」

 

 AT-4それはスウェーデンが開発した使い捨て型の個人携帯対戦車弾である。対戦弾と言ってはいるが現在各国の主要戦車の正面装甲に効果があまり無く、ISの登場で予算の削減のために各国で破棄する動きが多くみられるが、それでも対人に対しては過剰と言える火力を持っていた。

 

「あんなもん人に向けていいもんじゃ無いぞ⁉」

 

「ヤバい!バリケードごと殺るつもりだ!」

 

「隊長連れてバリケードから離れろ!」

 

 しかし既に遅く、AT-4を持っている敵はためらい無く引き金を引こうとした…だが出来なかった。何故なら引き金にを引く瞬間視界がブラックアウトしたからだ。

 

「………何も起きないぞ?」

 

「…不発?」

 

 英次と直哉がバリケードから顔を出して見てみると、奥でAT-4を持っていた敵が倒れていた。それだけではなく周りにいた増援全員が倒れており、その中心に上着のボタンを全て外し、ネクタイを締めていなく、少し癖っ毛のあるショートヘアでスーツ姿の男が立っていた。

 

「おいおい、せっかくの昼飯を爆風でパーにされて苛ついてボコしに来たら装甲車やAT-4持った奴等がいるわで、終いに何でお前らまでいんだよ!」

 

 零次達は驚愕した。その男は零次達がよく知っている男だった、仕事が忙しく時間が合わないから時々しか実況に参加できない不定期メンバーの1人…

 

「「「ピンさん何でここにいんの⁉」」」

 

 零次達の実況グループ最凶のボケ役…その人だったからである。

 

 

 

 

 




ピンさん

本名矢上健介、年齢23歳、零次達の実況グループの中で一番のボケ役、みんなからは本名よりもピンさんと呼ばれる事が多い。仕事や時間の都合であまり実況が出来ないが会えればみんなでFPSの実況をする。あまりのキャラの濃さにリスナー達に与えるインパクトは大きく、ピンさんが一緒に実況している実況動画は脅威の再生回数を誇る。




GESU4よりスペシャルゲスト、ちんさんをモデルにしたキャラ降臨!
つい思い付きでやってしまいました!後悔はしていません!しかしパリ市内が火の海に(主にピンさんのせいで)なりそうで怖いです。(゜ロ゜)(ガクガクガク)


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28話

最近上がっている2broのフォーオナーが面白いです!まだ見てない方は面白いので是非見てみて下さい。それでは続きをどうぞ!


「ピンさん何でフランスにいんの⁉」

 

「出張だよ!」

 

「ピンさんがフランス出張とか場違いな気がするんだけど…」

 

「あ⁉うるせぇ直哉!」

 

「零次コイツは誰だ、お前達の知り合いのようだが?」

 

「コイツは矢上健介って言って俺達の実況グループの1人です。俺達はピンさんって呼んでますけどね」

 

「…零次、その美人な姉ちゃん誰だよ俺にも紹介しろ」

 

「この人はIS学園の織斑千冬さんって人で俺たちの担任だよ」

 

「おうそうだよ!お前らIS動かしたからIS学園に入ってんじゃん!ったくよーどこのエロゲだよ、マジお前らゴミやなー」

 

「動かしたくて動いたわけじゃないよ!」

 

「直哉それよりも早くシャルロット達助けに行くぞ!」

 

「わかってるって!」

 

「なんだ?なんかあんのか?」

 

「えっとね、僕達の知り合いがさっきの奴等に襲撃されたから助けに行くんだよ」

 

「じゃあ俺も行くわ、そいつ等のせいで俺の昼飯吹っ飛ばされたしな」

 

「待て!いくら零次達の知り合いでもお前は一般人…」

 

「零次ー!こいつらの武器と装甲車持ってきた!」

 

零次が英次の方を向くと、英次は先程ピンが倒した敵から武器とVAB装甲車を奪ってきた。

 

「よしそれじゃ乗り込むぞ!」

 

「私の話を聞け!」

 

「直哉運転よろしくね?」

 

「直哉に任せて大丈夫か?コイツに運転任せると事故ったり、挟まったりした試ししかないぞ?」

 

「ピンさんそれデッドアイランドだけだから!リアルではちゃんと運転出来るから!」

 

零次達は千冬の話を聞いておらず、そのままVABに乗ってしまった。VABの中には小火器とその弾薬が大量にあり、挙げ句にヘカートⅡやさっきのAT-4を初め、スティンガーなどの誘導弾までもがあった。

 

「すげぇ、P90やらファマスやら色々あるぞ…」

 

「それだけじゃないよ零次、ヘカートⅡとかスティンガーなんかもあるんだけど…」

 

「どっからこんなもん調達してきたんだ?」

 

「確かにそうだね?」

 

零次と英次は積まれてる武器の量に驚き、ピンと直哉は武器の出所に首を傾げていた。

 

「おそらく軍から破棄された武器だろう、ISが国防の要になってからは各国でそう言った動きがある…」

 

いつの間にか千冬もVABに乗っており直哉とピンの疑問に答えた。

 

「なるほど、そう言うことですね…だけど今はその事を考えてる場合じゃないな…直哉!全員乗ったから飛ばせ!」

 

「オーケー!」

 

直哉はアクセルを踏み、全速力で破毀院に向かった。敵が占拠していた橋を渡るとシャルロット達がいる裁判所、パレ・ド・ジュスティスが見えてきた。

 

「千冬さん、ここがシャルロット達がいる裁判所ですか?」

 

「ああそうだ、このパレ・ド・ジュスティスの破毀院と言う所にデュノア達はいる」

 

パレ・ド・ジュスティスの正面には敵のVABが2台おり、周りに5~6人の歩兵が警戒していた。

 

「よし、俺達はVABに乗ってるからまだバレてない、このまま裏に回ってこっそりしんにゅ…」

 

「死ね雑魚どもーー!」ガシャン!ドッドッドッドッド!

 

「おいーーー‼ピンさんなにやってんの⁉」

 

零次が裏に回るよう指示する前にピンはVABに備え付けられてた12㎜機関砲M2を乱射し、敵のVABを蜂の巣にして1台を破壊した。

 

「ピンさん!敵に気付かれただろ⁉」

 

「知るかよ!俺の昼飯をパーにした雑魚は殲滅すんだよ!」

 

「ピンさんが殺っちゃったし俺も殺るよ?」

 

「英次!字が違う!字が!」

 

「くらえ!ロケットランチャー‼ドキューン!」

 

英次もピンにつられVABの中にあったAT-4を敵に向けて発射したが、外して後ろのパレ・ド・ジュスティスに当たり壁が吹き飛んだ

 

「おい英次!建物を破壊するなよ!」

 

「仕方ないでしょ!外れたんだから!」

 

「開き直るなよ!ちょっとピンさん!ピンさんもM2を乱射するな!トリガーから手を離せ!」

 

「なんでだよ!」

 

「外れた弾が周りに当たってるだろ⁉」

 

「何で俺が自分の命より建物の心配をしなきゃいけねーんだって聞いてんだよ!」

 

そんな事お構い無しにピンはそのままM2を乱射していた。

 

「あーもう知るかーー!」

 

「ヤバい!零次が壊れた!」

 

「零次しっかりしろ!私だけでは収拾がつかない!」

 

零次はもう知らんとばかりにAT-4を構えて撃ち残りのVABを破壊した。

 

「よっしゃー!ザカラァァァァム!」

 

「「ヒャッハー!」」

 

「完全に零次が壊れた…」

 

「頼む零次、戻ってきてくれ…」

 

「よし、さっそく…って何かミサイル飛んできたぞ⁉」

 

零次が後ろを向くとエッフェル塔の方角から戦闘ヘリコプター、ティーガーが2機飛んできてミサイルを4発撃ってきていた。

 

「嘘でしょあんなのまであんの⁉」

 

「いいから撃ち落とせ!直哉!」

 

「わかったから!」

 

ピンがM2でミサイルを2発撃ち落とし、直哉がヘカートⅡで2発撃ち落とした。するとティーガーは一旦旋回した。

 

「ヤバい、もう一回ミサイル使うつもりだ!」

 

「英次!その辺にスティンガーあったよな?」

 

「あるよ~…はいピンさん」

 

「待って英次!ピンさん!流石に街中でスティンガーは不味いって!」

 

しかし直哉の静止も虚しく、英次とピンはそれぞれ照準を合わせ発射、スティンガーは2発ともそのままティーガー2機に向かって行った。ティーガーは回避行動を取ったが1機はテールローターに命中し、もう1機は回避が間に合わず側面に命中した。英次とピンは当たった事に喜んでいたが、テールローターを破壊されたティーガーはそのまま街の方に回りながら墜落していき、エッフェル塔に激突、そのままエッフェル塔にめり込み、エッフェル塔は真ん中から折れ曲がってしまった。もう1機はそのまま下の道路に墜落したがちょうどそこにタンクローリーがありそのまま衝突、タンクローリーの中のガソリンが勢い良く飛び散り引火、更に乗り捨てられた周囲の車にも引火していき誘爆、広範囲に渡って火の海が出来上がった。

 

 

「「「………………………」」」

 

「……ピンさん」

 

「どした~?お前らどした~?ティーガーが自爆テロしたけどどした~?」

 

「………中に入るか」

 

「そうだね…………」

 

「私は何も見ていないぞ…………」

 

零次達は見なかった事にしてパレ・ド・ジュスティスの中の破毀院を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パレ・ド・ジュスティス、それはパリ市内にあるシテ島にあり、島の3分の1を占めているフランスの裁判所である。その中に含まれる破毀院にエドガーとシャルロットはいた。

 

「…状況はどうなっているんだ?」

 

エドガーは裁判所にいた検察官に状況を聞いた。裁判の最中に突然爆発音が響き、銃声も聞こえて来た。聞くと正体不明の武装集団が裁判所を襲撃、裁判を中断し、検察官と警備をしていた警察官達が対応しているがいまだに事態は終息していなかった。

 

「警官達がバリケードを設置して対処しているがあまり状況は芳しくない…」

 

「そうか…」

 

「お父さん…」

 

「大丈夫だシャルロット…(銃声が近付いてきている。ここに来るのも時間の問題か……エリゼ、何があってもシャルロットだけは守ってみせる)」

 

エドガーは密かに覚悟を決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パレ・ド・ジュスティスに入った零次達は破毀院を目指して廊下を走っていた。

 

「零次、破毀院ってどこ?」

 

「俺が知る訳ないだろ?」

 

「待て、そこにフロアのマップがある……どうやらこっちの道で合ってるようだな」

 

「回りにバリケードすげぇ設置してあるけど?」

 

「多分警備してた警官が設置したんだろ…奥の方で銃声が聞こえるな…急ぐぞ!」

 

零次達は廊下を進み曲がり角を曲がると敵2人と鉢合わせた。

 

「「どっせい!」」

 

敵は零次達に驚き銃を構えるがピンと英次が素早く奪っていた軍用ナイフで首の頸動脈を斬って敵を排除した。

 

「ジャパニーズTU☆JI☆GI☆RI」

 

「辻斬り!」

 

「ジャパニーズMU☆SA☆SA☆BI☆STYLE」

 

「何でピンさん片言になっているの⁉」

 

何故か片言になっているピンにそう言って直哉が更に曲がり角を曲がるとそこには法廷に続く扉がありその前に大量の敵が待機しており、回りには警官が何人も倒れていた。おそらくバリケードを設置して対処していた警官達だろう。

 

「いっぱい!、いっぱいいるよ~⁉」

 

「いっぱい?ジャアイッパイタオセバイイジャン?」

 

「いいから応戦しろ!」

 

「口動かす前にまずトリガーを引け!」

 

零次達に言われて直哉とピンも応戦したが敵の数が多く、倒しても倒しても後ろから増援が来てらちが明かないかった。

 

「ちょっと待て、あっち敵多くねぇか?」

 

「たぶんあの奥にエドガーさんとシャルロットが居るんだと思うんだけど…どうしよう?」

 

「どうしたものか…」

 

「う~ん…ん?ちょっと待て英次!なんでAT-4構えてる⁉」

 

直哉と千冬、零次が突破する方法が考えていると、横で英次は弾薬を入れていた大型のカバンからAT-4を取り出して構えていた。

 

「え?こっちの方が手っ取り早いでしょう?」

 

「バカ野郎!室内でAT-4をぶっぱなす奴があるか!」

 

しかし英次は零次の話を聞かずAT-4を発射、敵を隠れていたバリケードごと吹っ飛ばした。

 

「排除した!GO!GO!GO!」

 

「皆さんいいですか?これが脳筋って奴ですよ?」

 

「直哉お前誰に説明してるんだ?」

 

「英次先に行くなよ!」

 

直哉がよくわからない発言をしているうちに英次が先に行ってしまい、急いで零次達はその後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零次達がパレ・ド・ジュスティスに入る数分前、法廷内ではバリケードが崩れそうになっていた。

 

「バリケードが破られるのも時間の問題か…」

 

「お父さん、私がアンジュ・ガルディアンで…」

 

「ダメだ、人が多い…いくらISが強くとも多くは守れない…裁判官、少しよろしいですか?」

 

「な、なんでしょうエドガーさん…」

 

「皆さんを部屋の端に集めてもらえますか?」

 

「…そ、それは何故ですか?」

 

「時間がありません、お願いします…」

 

「……わかりました」

 

エドガーは近くにいた裁判官に部屋にいる人達を端に集めるように頼み1ヵ所に集めさせた。

 

「お父さん…何をするの?」

 

「シャルロットは下がってなさい。おそらくそろそろ来るだろう」

 

エドガーが入り口の方を見たと同時にバリケードが破壊され、20人程の武装した集団とスーツ姿の男が歩いてきた。

 

「初めましてデュノア社長、私はヨアンと言います」

 

「なるほど、君がカーラの愛人とやらか…アドルフさんから裏で武器の売買をしているとは聞いていたが、まさか私兵まで持っていたとは驚きだ」

 

「ヨアン!会いたかったわ!」

 

カーラはみんなの中から1人抜け出しヨアンの方に走っていった。

 

「ああ、カーラ!すまなかった。そこで転がっている警官達がなかなか手こずらせてくれてね」

 

ヨアンの後ろにはバリケードを設置して時間を稼いでいた警官、検察官が数人横たわっていた。

 

「君達はこんな大規模な事を仕出かして本当に逃げ切れると思っているのか?」

 

「それが出来るんですよ、貴方の会社が開発した第3世代機があればね」

 

「ほう、最初から我が社のISが狙いだったか」

 

「ええ、それさえあればイギリスに亡命出来る手筈になっていますからね」

 

「成る程、君達がここまで来れたのはイギリス政府が手引きしていたからか…」

 

エドガーは疑問に思っていた。武装が整っているとは言え、警察の特殊部隊が出動すれば彼等を制圧する事は可能だった、しかし特殊部隊は未だに出動する気配すらない。エドガーはそれをイギリス政府が何かしら横槍を入れてきたのだと考えた。

 

「しかしそんな大事な事をしゃべってしまっていいのか?」

 

「そんなの、ここにいる人間を全員殺せばいいじゃない。後はその小娘が持ってる第3世代機をもらえばこの事は終わり、私達はハッピーエンドを迎える」

 

「…そうか、だがこれを見てもそんな事が言えるかね?」

 

エドガーがスーツの上着を脱ぎ捨てると、エドガーの上半身に何かの機械が巻き付けられていた。

 

「私の体には爆弾が巻き付いている。この爆弾は常に私の心拍数を計っていてね、私が起爆するか心臓が止まれば爆発するようになっている。私が今いる位置から起爆すれば君達を確実に殺すことが出来る距離だ、逆に後ろにいるシャルロット達は爆発に巻き込まれない距離にいる。仮に巻き込まれたとしてもシャルロットがISを起動すれば確実に守れる」

 

流石に予想外だったのかヨアンとカーラの表情が真っ青になる。

 

「バカな!あり得ない!裁判所では危険物の持ち込みは出来ないはずだ!」

 

「我が社はIS企業だと言う事を忘れてないかね?ISの拡張領域の技術を応用して検査に引っ掛からないようにしただけだ、それに私は社長なんて肩書きを持っているが、元々は技術者だ、作るのは得意でね…」

 

「お父さんやめて!そんな事しないで!」

 

シャルロットはエドガーを止めるために近いた。

 

「来るな!」

 

「っ!お父さん!」

 

「シャルロット…お前がまだ赤ん坊だった頃、生まれて初めて言った言葉はな…「お父さん」と言う言葉だ、その言葉を聞いた時、私は何があってもお前だけは絶対に守ると誓った。だから、今がその時だ!」

 

「やめてお父さぁぁぁん‼」

 

エドガーはヨアンとカーラに向かって走り出した。しかし、直後にヨアンとカーラの後ろの扉が爆発した。爆発の衝撃でヨアンとカーラ、私兵の半分が吹き飛ばされるた。エドガーはヨアン達が盾代わりなる位置にいたため吹き飛ばされる事はなかった。

 

「ヒャッハー!ダイナミック出廷!」

 

「英次!先に行くなよ!」

 

「お前L4D2の時もそうだけどよー、1人で先に行くなよ! これだから雑魚はよー!」

 

「何か敵が半分くらい倒れてるんだけど?」

 

「知らん!こんなに破壊して弁償する事になっても私は知らないからな‼」

 

「お兄ちゃん!英次に直哉さん!千冬さんも!」

 

「零次君、それに皆さんも…どうしてここに…」

 

「愚問ですね?助けに来たんですよ、それと取り敢えず言っときます」

 

「「「「待たせたな(まひゃしぇひゃな)‼」」」」

 

 

 

 

 

 




パリが物理的に炎上しました。(主に英次とピンさんのせいで…)こいつら絶対に一般人じゃねえ!(白目)


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29話

最近GESU4の動画見返しているのですが、笑いすぎで筋肉痛になりました…


「だ、誰だ貴様らは!」

 

「通りすがりのエドガーさんとシャルロットの知り合いと一般人(笑)で~す。取り敢えず膝治療!」

 

ヨアンの問いに英次は答えると同時に警官から奪ってきた警棒をヨアンの右膝目掛けて全力投球した。警棒は勢い良く飛んでいきヨアンの右膝の皿を砕いた。

 

「ぎゃぁぁぁぁ!わ、私の足がぁぁぁ!」

 

「膝治療一名入りました~!」

 

「悪い子はいね~が~!」

 

「ピンさん、悪い子はどっちかって言ったら絵面的にピンさんだと思うよ…」

 

英次に続いて直哉とピンもファマスで私兵の肩や足を撃ち抜き無力化していった。しかし途中でピンのファマスの弾が切れ、持っていた分を使い果たしてしまった。

 

「やべ、弾切れた!零次弾くれー」

 

「来る途中あんなにバカスカ撃ってたらそりゃあ弾も無くなるわ!もう予備弾薬も無ぇよ!」

 

「じゃあ死なない程度に殴ればいいか」

 

ファマスを敵に目掛けて投げつけ、よろめいたところをピンは前蹴りをして倒れた後、殴ったり踏みつけ始めた。

 

『て…てめぇなにしやが…ぐぇあ⁉』

 

「なんて言ってるかわからな~い!日本語をしゃべれ!」

 

『や、やめ…ぎゃぇ⁉』

 

「日本語でしゃべらないとわからな~い!」

 

「ちょっと!ピンさんどんだけ殴んだよ⁉もうやめてあげてよ⁉」

 

『ひゃ…ひゃめてくれぇ……もう、てぇいこは、ぐぅえ!』

 

「どうした?、悔しいか?、悔しいか?…悔しいのか?」

 

「待って、ピンさんがあまりにもゲス過ぎてお見せできない状態になってるんだけど…」

 

「一般人が無抵抗の武装兵を殴りまくってるってどんな状況だよ…普通は逆だろ…」

 

「あの男は過剰暴力と言う言葉を知らんのか…」

 

「千冬さん、見なかった事にしましょう…エドガーさん、シャルロット、大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ…零次君、私は大丈夫だ」

 

「お兄ちゃん…ありがとう、お父さんを止めてくれてありがとう!」

 

「へ?何の話だ?」

 

零次はシャルロットが何の事を言っているのかわからなかったが、エドガーの上半身に巻き付いている物を見て大体理解した。

 

「エドガーさん何やってるんですか、唯一の肉親は貴方だけなんですよ?そんな事したらシャルロットが悲しむだけじゃないですか」

 

「っ!…すまない……」

 

「お父さんのバカ!…怖かった……お父さんまで居なくなったら…私……」

 

「………すまなかったシャルロット…怖い思いをさせて本当にすまなかった」

 

「お父さん……良かった…お父さんが生きてて本当に良かった……」

 

「まったく、世話の妬ける親子だ…」

 

「まぁいいじゃないですか、これで後は回りの敵を無力化すれば解決…」

 

「動かないで!」

 

零次が後ろを振り向くとカーラが私兵が落としたファマスを構えていた。

 

「…銃なんて扱った事あるんですか?」

 

「うるさい!お前らさえ来なければ、全部上手くいっていたのに…よくも!」

 

「はぁ~…俺達が来なくてもどのみちあなた達は詰んでましたよ…それとその銃、安全装置かかってるので弾出ませんよ?」

 

「なにっ⁉」

 

零次は一瞬の隙を逃さずファマスの銃身を掴みカーラの足を横に払い、体勢を崩した瞬間ファマスを奪いカーラを組伏せた。

 

「零次、こっちは片付いたよ」

 

「こっちもOKだ、直哉とピンさんは?」

 

「ピンさんがまだ敵ボコってる」

 

「……死ぬ前に止めるか」

 

零次はピンを止めた後ヨアンとカーラ、無力化した私兵を拘束した。

 

「エドガーさん、後は警察に任せて俺達は先に帰りますね?警察にばれたら面倒なので」

 

「ああ、わかった。後の事は任せてくれ」

 

「そういえばピンさん、仕事の方はいいの?」

 

「あっ…やべぇ…」

 

こうして一連の事件は終息した。カーラと主犯のヨアンはテロ容疑で逮捕され、ヨアンと共謀していたイギリス政府はヨアンと親しかった政治家たちによる独断だったらしく、世間を騒がせていた。ちなみにパリ市内の被害は八割が英次とピンによる被害であったが零次達を目撃した人が少なかったこともあり、パリ市内の被害は全てヨアンとカーラのせいになっており、ニュースではパリ市内とパリの象徴を破壊し、フランス市民を恐怖のドン底に陥れた悪魔の所業と言われていた。それから2日後、零次達は空港にいた。

 

「エドガーさんお世話になりました」

 

「いや、私の方こそまた君達に助けてもらった。今回の事でカーラはもう言い逃れは出来ない、これでデュノア社も大丈夫だろう。本当にありがとう」

 

零次とエドガーは互いにそう言った。

 

「ピンさんじゃあね。今回はホントに助かったわ」

 

「お前らマジで俺に感謝しろよ?俺を崇めろ」

 

「はいはい…そう言えば今仕事を抜け出してきて大丈夫なの?」

 

「取り敢えずは大丈夫だな、近い内に俺も日本に帰れるからそしたらまたゲームしようや…そう言えば確かIS学園って学園祭あんだよな?モリやんと一緒に行くかって話してたからそんときは案内とか頼むわ」

 

「ピンさんとモリやんをIS学園に入れたら大変な事になることしか予想できないんだけど…てか入れて大丈夫なのか?」

 

「そうだね、特にピンさんは道徳のどの字も無い男だからね…」

 

「お前ら俺とモリやんをなんだと思ってんだ?」

 

英次と直哉はピン達がIS学園に来ても大丈夫なのかかなり不安になっていた。ちなみにモリやんとは零次達の実況グループの不定期メンバーの最後のひとりであり、モヒカン頭のヤンキーのような男である。

 

「おう、何とか間に合ったな」

 

「アドルフさん!俺達のISの改造終わったんですね?」

 

「ああ、最高の仕上がりになってるはずだ、それと本命の試作武装…名前はリヴァイヴァーってんだが、それと一緒に俺達が趣味で作った武器も入れておいた。エドガーをまた助けてくれた礼だ」

 

「ありがとうございます!」

 

「しゃあー!また武器が増えるぞ!」

 

「シャルロット、またな…体には気を付けてな」

 

「うん!アドルフさんも元気でね!」

 

「そろそろ時間だぞ、準備をしろ」

 

「わかりました千冬さん!英次、直哉、行くぞ」

 

「はーい」

 

「エドガーさん、アドルフさん、ありがとうございました!」

 

「シャルロット…いってらっしゃい…」

 

「うん!行ってきます!お父さん!」

 

シャルロットは笑顔でそう言うと、零次達の方へと走っていった。

 

零次達の慌ただしかったフランス旅行(?)は終了した。日本に帰ると空港で真耶と簪、ラウラが迎えに来てくれていた。

 

「皆さんお帰りなさい!」

 

「みんなお帰り!」

 

「お父さ~ん!」

 

空港に着くとラウラが零次に抱きついてきた。

 

「ただいまラウラ…でも出来れば公衆の面前でお父さんはやめてくれ…」

 

「………………」

 

「……ラウラ?」

 

「寂しかったぞ…お父さんも、お母さんも居なくて…でもちゃんと待ってたぞ…ご飯も箒や鈴に教えてもらって少し作れるようになったんだぞ?」

 

「そうか、よく我慢してたな?えらいぞ~…でも出来れば千冬さんを見てお母さんって呼ぶのも控えてくれ…千冬さんが顔を真っ赤にして今にも殺す勢いで俺を見てるから…」

 

「英次…お帰りなさい!」

 

「ただいまー簪」

 

「大丈夫⁉怪我とかしてない?」

 

「うん、大丈夫だよ?それよりもはい、お土産!」

 

「っ!これって…超合金仕様のグレンダイザー!零次ありがとう!」

 

「真耶さんただいま!」

 

「お帰りなさい直哉さん!大丈夫でしたか?フランスでテロに巻き込まれたって聞きましたけど…」

 

「う~ん…巻き込まれたって言うか、突っ込んでったって言うか…」

 

「もう、あまり危険な事はしないで下さいね?凄く心配したんですよ?」

 

「すいません、心配かけちゃって…」

 

「ラウラただいま!」

 

「シャルロット!私はお父さんさん達がいない間にご飯を作れるようになったぞ!」

 

「本当?じゃあ帰ったら食べてみたいな!」

 

「うむ!任せておけ!」

 

「うん!それじゃあさっそく帰ろっか!」

 

「千冬さん…睨んでないで俺達も帰りましょうよ…」

 

「……ああ…そうだな」

 

「英次!帰ったらユニコーンガンダム視よう…」

 

「お!いいね!」

 

「僕達も行きますか」

 

「はい、直哉さん!」

 

零次達はそれぞれフランスでの出来事を話しながらIS学園に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所、そこは誰も知らない兎の遊び場。

 

「ふんふふ~ん。やっと完成したよ~まぁこの束さんにかかれば不可能な事なんてなに一つ無いじぇー!」

 

暗い部屋の中、1人パソコンを操作していた束は自信ありげに胸を張った。

 

「待っててね箒ちゃん。いっくんの回りにいる邪魔な奴等を蹴散らせる箒ちゃんだけの力を、束さんがあげるよ…それにしても…」

 

束はいったん言葉を切るとパソコンの画面を切り替えてある画像を見た。その画面には3人の男が映し出されていた。

 

「なんでこいつらはISを動かせるんだよ…これはいっくんだけの特権なのに…まぁいっか!殺してもいいけどなんで動かせるのか興味もあるし、解剖してみるのもいいな~!」

 

暗い暗い部屋の中、兎は1人で狂ったようにクスクスと笑っていた。最愛の親友と妹とその想い人である親友の弟との再会を想いながら…

 

 

 

 

 

 

 




ラファール・ジェフティ Mk.Ⅱ

アドルフ達デュノア社の整備員達が総力を結して整備、カスタマイズした機体。装甲、スラスターはもちろんの事電子系統も改造し、機動力、防御力、操縦性が格段に向上した。スペックは第3世代機には及ばないものの限りなく近く、量産機と言うよりは完全にワンオフ機と化している。
武装は前とさほど変わっていないが、右腕に装備していたブレッドスライサーを改造したブレードを外し、さらに刀身が長くなった特注の折り畳み式パドルブレードを装備している。


ラファール・アルトアイゼン Mk.Ⅱ

アドルフ達に整備、カスタマイズされた機体。装甲をさらに追加して防御力を上げ、しかし機動力を損なわない様スラスターも追加し若干ではあるが機動力も向上している。さらに腰の辺りに急加速用のブースターも取り付けられている。
武装は前と変わらないが、パイルバンカーの杭を打ち出す時に使用される炸薬の量を増やし攻撃力を数段上げる事に成功した。また両肩に装備している重迫撃砲は威力は変わらないが銃身を改良して飛距離を伸ばし、遠距離からも撃てるよう改良された。

ラファール・ヘルダイバー Mk.Ⅱ
アドルフ達が整備、カスタマイズした機体。ジェフティやアルトアイゼンと同じく機動力、防御力、操縦性の向上とあまり変わらないがアドルフが作ったスナイパーライフル、「ストリンガー」が追加された。このスナイパーライフルはアドルフ達が考案し開発した特注の弾丸を撃つことが可能な唯一の狙撃銃で、威力はアルトアイゼンのパイルバンカーに引けをとらない威力を有しているが、構造が複雑なため装填に時間がかかり一発しか装填出来ないと言ったデメリットがある。

リヴァイヴァー

アドルフ達が零次のアイディアを参考開発した銃型IS回復用武装。ISのエネルギーを圧縮したカプセル型マガジンを装填し回復相手に向けて発射するとビームが発射されISに着弾すると回復する。しかし一気に回復するわけでは無いのでずっと発射して当て続けてなければならない、またカプセル型のマガジンに装填できる量は少なく、完全に回復するのに第2世代機で2回、第3世代機で3回分のカプセルが必要になる。






ちんさんの下ネタを入れたら削除される可能性があったので、入れるかためらった結果書き直しました。もっとGESU4のゲスさを出していきたいです。ちんさんや他の方のゲスさを知らない方はGESU4 デッドアイランドかペイデイ2で検索すれば出ると思いますので、気になった方は検索してみてください。




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30話

「零次、直哉、海見えたよ!」

 

「やっと着いたか…」

 

「海とか一昨年以来行ってなかったね?」

 

フランスから帰国して数日後、零次達はIS学園の中でも特に大きな行事である臨海学校のため、バスでその実習地へと向かっていた。

 

「シャルロット、そろそろ着きそうだからラウラを起こしといてくれ」

 

「うん、ラウラもう着くよ…ラウラ」

 

「…う~?」

 

シャルロットが隣で眠っているラウラを揺すって起こすとラウラはまだ眠そうに目を薄く開けた。海水浴が初めての経験だったラウラは張り切り過ぎて昨日の夜はあまり寝付けなく、バスが発車するなりすぐに寝てしまっていた。

 

「おはようお父さん…シャルロット…」

 

「おはようラウラ、昨日は張り切り過ぎて寝れなかったみたいだな?」

 

「うむ…海は訓練で来たことはあったが、みんなで遊んだ事は無かったから…」

 

「ラウラったら遠足が待ちきれない子どもみたいにそわそわしてたもんね?」

 

「む~その事は言わないでくれ…」

 

ラウラは昨日の事を言われると恥ずかしそうにしていた。

 

「そろそろ目的地に着く。各人は荷物を下ろせるよう準備をしておけ!」

 

『『『はい!』』』

 

千冬さんに言われて回りの子達は自分の荷物を収納スペースから下ろして準備をしていた。

 

「俺達もそろそろ準備するか…英次、直哉、俺達も準備するぞ?」

 

「「うぇーい」」

 

臨海学校の宿営地であるの旅館に到着し、入り口に行くとそこには旅館の女将らしき女性が立っていた。

 

「IS学園の皆様よくお越しくださいました」

 

「この人がこの旅館の女将である橘さんだ、旅館内では騒ぎすぎて迷惑にならないように!」

 

『『『『はい、よろしくお願いします!』』』』

 

女子達は挨拶をしたあと旅館に入っていき零次達と一夏だけが残された。

 

「そう言えば僕達の部屋ってどうなってんだろうね?」

 

「言われてみればそうですね?部屋割り表には書いてなかったので口頭で言われると思ってたんですけど…」

 

直哉と一夏がなんでなのか疑問に思っていると橘さんと話していた千冬が零次達の方へと歩いてきた。

 

「お前達の部屋へは私が案内する、ついてこい」

 

「俺達の部屋ってもしかして学園と一緒なんですか?」

 

「いや、違っている…私と織斑で一部屋、お前達は3人でひとつの部屋になっている、最初は山田くんと直哉で組む予定だったのだが、手違いがあって山田くんの部屋が1人部屋になってしまってな、悪いが零次達は2人用の部屋に3人で入ってもらうことになる」

 

「わかりました。狭いのは別に気にしないので大丈夫ですよ」

 

「ああ、部屋はこっちだ」

 

零次達は千冬の案内で旅館の奥に歩いていくと職員用と書かれた紙が張ってある部屋が複数ある場所にやって来た。

 

「ここがお前達の部屋になる、織斑はこのまま私に付いてこい、お前の部屋はこの先だ、それと今日は自由行動となっているから荷物を置いたら海に遊びに行ってもいいぞ」

 

「あっ待ってくれちふ…織斑先生!」

 

先に歩いて行ってしまった千冬を一夏はいそいで追いかけていった。

 

「じゃあ荷物置いたら海に遊びに行くか」

 

「今回はちゃんと日焼け止め塗らないと…」

 

「直哉は一昨年海で日焼け通り越して全身火傷状態になってたからね…」

 

「日焼けって言うよりは炙りだったからね…」

 

直哉は一昨年に零次達と海に遊びに言ったとき、何も塗らないで砂浜で昼寝をしていたら日焼けを通り越して火傷のような状態になり、一時期痛々しい思いをしたことがあった。

 

「それじゃあさっさと荷物の整理してから着替えて海に行くぞ?」

 

「「りょうかーい」」

 

零次達は荷物を整理してから海に行くとすでに女子達が浜辺で遊んでいた。

 

『あ!坂本さん達よ!』

 

『わ~3人とも体すごい…』

 

『すごく…引き締まってる』

 

『さっき来た織斑くんもかっこよかったけど…すごく…いい…』

 

『弟さん体たくましい…』

 

「零次、視線が痛いだけど…」

 

「IS学園でも似たようなもんだから大丈夫だろ?」

 

「いや~IS学園内とはまた違うからね…」

 

「もうなれるしか無いだろ…」

 

「え、英次…」

 

「ん?その声はかん…ざ…し……」

 

英次が後ろを向くとそこには水着を着た簪が少し恥ずかしそうに立っていた。

 

「あ、あの英次…どうかな?英次の前で着たときは無いけど、似合ってるかな…」

 

「………………………」

 

英次は惚けて返事を返せなかった。簪が着ている水着を英次が選んだとは言え、着ている姿を見たことはなく、あまりにも似合い過ぎていて英次は簪に見惚れていた。

 

「……いい…凄く、似合ってる……」

 

「っ!……あ、ありが…とう……」

 

『…何でだろう、口の中が甘ったるいわ!』

 

『海水…海水飲まなきゃ…』

 

『何やってんのよ!海水なんて飲んだら死ぬわよ⁉みんな!気をしっかゴファ!』

 

『衛生兵!衛生兵はどこ⁉』

 

「あ、あはは、英次と簪ラブラブだね…」

 

「おーシャルロット…なんだその隣の絵にかいた様なお化けかミイラみたいなのは…」

 

「まだハロウィンじゃないよ?」

 

シャルロットの隣には白いバスタオルを被った謎の生き物がいた。

 

「そ、その声はお父さんと直哉か?」

 

「ん?もしかしてラウラか?」

 

「なんでバスタオルなんて被ってるの?」

 

「なんかね?お兄ちゃんには見せたから大丈夫みたいなんだけど他の人達がいるから恥ずかしいみたい」

 

「なんだそんな事か、別にどこも変な所なんて無かったしみんなも似合ってるって言ってくれると思うぞ?」

 

「む~…しかし…」

 

「早くバスタオル取らないとラウラ以外で遊びに行っちゃうぞ?」

 

「っ!置いてかないでくれお父さん!わかった取る!取るから待ってくれ!」

 

ラウラはバスタオルを取り払うと前に買った黒いビキニタイプの水着を着ていた、しかし前とは違い無造作に伸ばしていた髪を2ヵ所で縛ってツインテールにしており、何時もとは違う可愛らしさがあった。

 

「ど、どうだお父さん…前にも見せたが変な所は無いだろうか…」

 

「変な所なんて無いぞ?その髪型はシャルロットにやってもらったのか?何時ものラウラとは違う可愛らしさがあって可愛いぞ?」

 

「すごくいいじゃん、似合ってるよラウラ!」

 

『わー!ボーデヴィッヒさん可愛い!』

 

『肌白くていいな~』

 

「ね?大丈夫でしょ?」

 

「っ!…む~!」(カァ~~!)

 

ラウラは恥ずかしそうに零次に抱きついて顔を隠していた。

 

「ちょ!ラウラ、いきなりくっつくなって…まったく、別に恥ずかしがる必要なんて無いだろ…」

 

零次が抱きついているラウラの頭を撫でると抱きついていたラウラの腕の力が抜けていき、ラウラは少しくすぐったそうな嬉しそうな顔をしていた。すると横から誰かにぶつかった。横を見るとそこにはシャルロットがラウラと同じように抱きついてきた。

 

「ラウラばっかりずるいよお兄ちゃん!私も撫でてほしい!」

 

「いや俺が撫でてもいいことなんて無いだろ?」

 

「ううん、お兄ちゃんがいいの!」

 

零次は仕方なしにラウラとシャルロットの頭を撫でていると2人は目を細めて気持ち良さそうにしていた。

 

「ん~お兄ちゃんの手って暖かくて気持ちいい…」

 

「お父さんにこれをしてもらうと何故か安心するな…」

 

『いいな~シャルロットとラウラ零次さんに抱きついて頭撫でてもらってる~』

 

『零次さん子どもをあやしてるお父さんかお兄ちゃんみたいね…』

 

「地味に回りの視線が痛い…」

 

「慣れなんでしょ?」

 

「いやそうだけど…」

 

「あ!直哉さんに皆さん!」

 

「あ、真耶さ、うおおぉぉぉ!」

 

「どうした直、うおおぉぉぉ!」

 

零次と直哉は真耶の方へと向くと最早兵器と言っては過言ではない2つの果実を見て驚愕していた。真耶が零次達の方へと走ってきているのと、ビキニタイプの水着であるのと大きすぎるのが原因で真耶が動くたびにそれが激しく自己主張していた。

 

「え⁉ど、どうしたんですか⁉」

 

「あーあのですね?真耶さん…できればその格好で走ったりとかはしないで下さいね?」

 

「すごいな……」

 

「え?……………っ!」(カァ~~~!)

 

真耶は零次と直哉が何を言ってるのかわからなかったが意味がわかると顔を真っ赤にしてあたふたしていた。

 

「ほう、お前達は教師に相手にセクハラをしているのか?…」

 

「げ!千冬さ…ん……」

 

「覚悟は出来ているか零次…」

 

「……………………」

 

「ん?どうした零次?」

 

「へ⁉い、いやなんでもないですよ⁉大丈夫です!」

 

「零次、今織斑先生の水着姿に見惚れてたんでしょ?」(ニヤニヤ)

 

「「っ⁉」」(カァッ!)

 

「お兄ちゃん惚け方が英次と一緒だったよ?そう言う所はやっぱり兄弟なんだね?」

 

「バ、バカな事言うなシャルロット!そそそそんな事ないぞ⁉」

 

「零次めっちゃ動揺してる(笑)」

 

「あれ?織斑先生顔が赤いですよ?ひょっとして照れるんですか?」

 

「……真耶、私は前にも言わなかったか?からかわれるのは嫌いだと…」

 

「直哉…GUILTY」

 

「ひぃ!」

 

「れ、零次ごめんて、冗談だから…」

 

「零次、ビーチバレーでもしないか?相手は真耶と直哉だ…」

 

「いいですねぇ…俺もちょうど体を動かしたかったんですよ…でもビーチバレーのルールってどんなでしたっけ…」

 

「そう言えば私も詳しくは知らないな、取り敢えずボールを真耶と直哉に当てて戦闘不能にすれば勝ちだろう…」

 

「じゃあそれでいきますか…」

 

「「助けてぇぇぇ(下さいぃぃぃ)‼」」

 

「「待て直哉ぁぁぁ(真耶ぁぁぁ)‼」」

 

この後直哉と真耶は逃げ回るも問答無用で零次と千冬の全力投球を喰らい、そのあと真耶は千冬にヘッドロックをかけられ、直哉は砂浜とは言え零次のバックドロップを喰らい頭が砂浜に埋まり軽く死にかけていた。

 

 

 

 

 

 




原作キャラの影がどんどん薄くなっていている様な……き、気のせいだよね⁉


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31話

それでは続きをどうぞ!


直哉と真耶に制裁を与え、海を満喫した零次達と一夏は旅館に戻り夕食を堪能した後温泉に浸かっていた。

 

「あ~染みる~、温泉とか久しぶりに入ったな~」

 

「そうだね~温泉旅行とかはIS動かす前も零次と直哉は仕事で忙しかったから行けなかったもんね~」

 

「はぁ~極楽ですね~」

 

「あ~まだ頭と首が痛んだけど…」

 

「それはお前の自業自得だろ…」

 

零次達は温泉に浸かりながらのんびりしていた。

 

「でも温泉旅行って良い事と悪い事があるんだよな~」

 

「どうしてですか零次さん?俺温泉って好きで良く行ったりすんですけど悪い事って思い付きませんけど?」

 

零次の独り言に一夏は首を傾げた。

 

「いやな?温泉旅行自体は良いんだけど帰るとき車運転するのが何時も俺なんだよ、いっつも俺が運転しるから英次と直哉が後部座席でいびきかいて寝てるのみると若干損してる気がするんだよ」

 

「いやさ、俺と直哉はお互いに麻酔銃頭に撃ち込んでるからさ(笑)」

 

「おやすみ~って言ってプスン、プスン、ぐ~ってなってるから(笑)」

 

「次行ったらそんままパーキングエリアに落としてくわ」

 

「ハハハハハッ!フルトン回収してくれ」

 

「直哉さんフルトン回収してくれって(笑)」

 

「そのまま成層圏で目覚めてろ!」

 

「「「あははははっ!」」」

 

「あ~腹痛い…そろそろ俺上がるね?のぼせそう」

 

「あ~じゃあ上がるか」

 

「零次さん達はこの後どうしますか?」

 

「そうだな…部屋に戻ろうかと思ってるけど?何でだ?」

 

「俺も行ってもいいですか?なんかこう…修学旅行の男子会的な…」

 

「別にいいぞ?じゃあ上がったらそのまま俺達の部屋に英次達と行っててくれ俺は少し用事済ませてから行くわ」

 

「わかりました」

 

零次達は温泉から上がり、着替えたあと零次はそのまま別れ、英次達は部屋に戻って行った。零次は英次達と別れた後、旅館の裏側に歩いていき厨房にやって来た。

 

『ん?あ~IS学園の生徒さんじゃないか、厨房借りに来たのかい?」

 

「はい、すいませんがお借りします」

 

零次は実は事前に夕食の配膳や後片付けをする代わりに厨房と食材を借りる様に旅館の料理長に頼んでいた。

 

『おう!さっきは手伝ってもらったからな、好きなだけ使ってくれ!』

 

「はい、ありがとうございます」

 

零次は手を洗ってから冷蔵庫にある食材を取り出し、調理の準備を始めた。

 

「ん~刺身は夕食で出たから少しで良いとして…あらかじめ下準備してた魚の残ってる部分であら汁を作ってかな?あとはいろいろ作るか…」

 

零次はさっそく調理に取り掛かかり、数十分後、すべての料理が完成した。

 

「けっこう作りすぎたな…まぁ食べきれるだろ」

 

『お前さん、大した腕前だな…』

 

「え?料理長見てたんですか?」

 

『俺も明日の仕込みあったから遠目から少しだけだけどな、刺身も繊維を潰さないように尚且つ均等に切れてる、あら汁も俺が市場から仕入れてきた材料の中からさらに鮮度の高い食材を選んでた…少し味見してもいいか?』

 

「ええ、良いですよ」

 

零次は小皿にあら汁を少し入れ料理長に手渡した。

 

『……うめぇ…使ってるあらは鮭か、あら汁は塩辛くなりやすく尚且つ生臭くなりやすいが、生臭さがほとんどせず味も丁度いい…お前さん本当に大した腕前だな!、すぐにでも此処で働いてほしいくらいだ!』

 

「ありがとうございます。まぁISを扱ってるので料理人の道は進めそうに無いですけどね…」

 

『お前さんも難儀してるなぁ…俺は料理人だからISの事ちっともわからねぇが、頑張れよ?』

 

「はい、ありがとうございます!」

 

『おう!食器は明日部屋の掃除の時に持ってこさせるから部屋に置いててくれ、それじゃあ冷める前に持ってってやりな』

 

「はい、失礼します」

 

零次は料理を持って厨房を後にした、厨房を出て、部屋に戻ると、自分の部屋の前に何故か箒、セシリア、鈴がいた。

 

「お前等部屋の前で何やってんだ?」

 

「零次さん⁉」

 

「あんた声でかいわよ!」

 

「静かにしてくださいまし!」

 

「ん?どうした?」

 

「零次さん、耳をすませてみて下さい」

 

「ん~?」

 

零次は言われた通り耳をすませてみた。

 

『千冬姉だいぶきてるな…』

 

『あっ…ああ、久しぶりだからな……ああっ!バカ者、力を入れすぎだ…』

 

『わ、悪い千冬姉…じゃあここはどうだ?』

 

『あっ!そこは!……だめっ…だぁ』

 

「………?」

 

零次はおもむろにドアを開けてみた。すると部屋の中では千冬がうつ伏せになり一夏が千冬の背中をマッサージしていた。部屋の端では簪、シャルロット、ラウラ、真耶が英次、直哉とトランプで遊んでた。

 

「ああ零次さん、ずいぶん遅かったですね?ってなんで箒達がいるんだ?」

 

「なんか部屋の外で聞き耳立ててたぞ?」

 

「「「ちょ!零次(さん)」」」

 

「それよりどうして千冬がいるんですか?ラウラ達もですけど…」

 

「一夏にマッサージを頼もうと思ったんたが部屋に居なくてな、もしやと思い此処に来てみれば案の定な?」

 

「なるほど…」

 

「私達はお兄ちゃんに会いに来たんだけど…お兄ちゃん何処に行ってたの?」

 

「ああ、まぁ呼びに行く手間が省けたからいいか、実はな?宴会をしようと思ってな、勿論未成年はジュースでな?」

 

「ほう、今持っているのは酒の肴か…」

 

「ええ、ですから盛るの手伝ってください」

 

「わかった」

 

「わかりました!」

 

千冬と真耶は零次から料理を受けとると零次が持ってきていたお椀と皿に盛り付けていった。

 

「シャルロット達もジュース飲むんだったら冷蔵庫に冷してあるから出してくれ」

 

「わかったよ、簪、ラウラ、紙コップ取ってちょうだい?」

 

「「うん(うむ)」」

 

「で、お前等はどうすんだ?食ってくか?」

 

「は、はい…」

 

「では、失礼して…」

 

「ま、まぁ仕方ないわね…」

 

英次と直哉も回りを片付け、料理をみんなに配り終え、準備ができた。

 

「よし、それじゃあ…」

 

「「「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」」」

 

「……お、美味しい!」

 

「零次さん、料理できたんですね~」

 

「なんか女として負けた…」

 

「言わないでくださいまし…」

 

零次の料理を食べた事が無い箒達は美味しそうに食べるも、だんだん悔しそうに食べていた。

 

「ん~!このお魚の料理美味しいね!」

 

「これはあら汁って言うんだよシャルロット」

 

「うむ!やっぱりお父さんの料理は美味しいな!私もいつかお父さんみたいに料理を美味しく作れる様になりたいぞ!」

 

「やはり美味いな…酒がもう少し欲しいな…」

 

「千冬さんがそう言うと思って持ってきましたよ」

 

零次は冷蔵庫の奥からウィスキーと自作の梅酒を取り出した。

 

「俺と直哉も飲んでいいなら渡しますけどどうしますか?」

 

「……いいだろう、ここは学園では無いからな」

 

「やったー!零次の梅酒って美味しいんだよね~真耶さんも飲みます?」

 

「え?…私お酒ってあまり飲めませんが…少しだけもらいますね?」

 

直哉はコップに梅酒を注ぎ、真耶に渡した。

 

「…んくっ、んくっ…はぁ~甘くておいしいですね~スッキリしてて飲みやすいです!」

 

「でしょ?僕もあまり酒は飲めない方ですけどこれは何杯も飲んじゃいそうになるんですよ」

 

「真耶、明日から本格的に授業が始まるのだからほどほどにな?」

 

「そうですよ?あまり飲み過ぎないようにしてくださいね?」

 

「そう言って零次はウィスキーを割らずに飲むなよ…」

 

「そう言う英次もちゃっかりウィスキーを飲んでるんじゃないよ…」

 

それから2時間たち、料理もすっかりなくなり時間も11時を過ぎていた。

 

「ん?もう消灯時間か…そろそろ片付けてお開きにするぞ」

 

「そうですね~あ~飲み過ぎた…」

 

「直哉しゃ~ん…すりすり~」

 

「真耶さん⁉くっつかないでください!男としては役得ですけど僕の理性がががががが」

 

「直哉の理性と本能が戦ってる…」

 

「片付けは俺達がやっておくので千冬さん達は部屋に戻ってい大丈夫ですよ〜?」

 

「そうか?それでは後は任せる…おい、消灯時間も過ぎているから早く寝るように、それと明日は遅れることの無いように…以上だ、真耶戻るぞ…」

 

「やぁ~しぇんぱ~い離してくださ~い、直哉しゃんと一緒に寝るんです~」

 

「全く、酔ったときの幼児退行はまだ治らんのか…」

 

「あはは、山田先生すごい事になってるね…」

 

「山田先生は千冬さんに任せて私達は部屋に帰ろうか」

 

「そうだね簪、ラウラがもう寝そうにしてるしね…ラウラ、ラウラ帰るよ?」

 

「ん~…うむ…」

 

「それでは失礼します」

 

「ごちそうさまでした」

 

「美味しかったですわ」

 

「ああ、それじゃあな~」

 

千冬達は眠そうに部屋から出ていった。

 

「ふぁ~それじゃあ片付けして俺達も寝るか~」

 

「零次、直哉が理性を守るために自分で首を閉めて気絶したんだけど…」

 

「放っておけ~俺も飲み過ぎて頭があまり回らないからヤバイ…明日大丈夫か~?」

 

「知らないよ~取り敢えず片付けるよ?」

 

零次達はおぼつかない手つきで片付け、布団をしき、気絶した直哉を布団に寝かせた後、自分達もそれぞれ布団に入り、泥のように寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、浜辺ではISの装備訓練や専用装備の確認をすることになっていた。しかしそこには零次達は来ていなかった。

 

「零次さん達遅いな…」

 

「お兄ちゃん達どうしたんだろう…」

 

「昨日けっこう飲んでたから…ひょっとして、寝坊してるのかも…」

 

「………零次達は何をしているんだ全く、仕方ない、時間も無いのでこれより授業を始める。それぞれ別れてISの装備点検、専用機持ちは専用装備のテストとその訓練だ…それと篠ノ之、お前はこっちに来い」

 

「はい…」

 

「どうしたんでしょうか?」

 

「さぁ?」

 

「篠ノ之、今日からお前には専用機が…」

 

「ちーちゃ~~〜〜〜〜〜〜〜ん!」

 

突然うさ耳を着けてエプロンドレス着た女性が千冬に突撃してきた。

 

「………束」

 

しかし千冬はぶつかる前に束と呼んだ女性にアイアンクローをして動きを止めた。

 

「やぁやぁちーちゃん!久しぶりだね!相変わらず容赦の無いアイアンクローだね~」

 

そう言いながらどうやったのか束は千冬のアイアンクローをすり抜け箒の方へと近づいていった。

 

「やぁ箒ちゃんも久しぶりだね~しばらく見ないうちに大きくなったね~何処とは言わないけどあえて言うならおっぱ…ぐぇっ!」

 

「殴りますよ…」

 

「殴った後に言わないでよ~」

 

「そ、それで姉さん…頼んでいたものは…」

 

「ふっふっふっふっ、準備は万全だよ箒ちゃん!それでは皆さん、上をご覧下さい!」

 

束は空を指さし、みんなはそれにつられて上を見るとメカメカしいコンテナ降ってきており、途中でコンテナが変形して中から赤いISが姿を現した。

 

「あれが私の専用機…」

 

「そうだよ箒ちゃん!あれが箒ちゃんの専用機、赤つば(ドォーーーーーン‼)……へ?」

 

束がISの名前を言い終わる前に突然赤いISに砲弾が着弾し爆発、赤いISそのまま吹っ飛んでいき砂浜に激突した。

 

「そこの未確認IS!動くな!」

 

「みんな大丈夫⁉怪我とかしてない⁉」

 

突然居なかった筈の零次と直哉が現れ、みんな守るように赤いISの立ちふさがった。

 

「緊急膝治療じゃあああ‼」

 

若干動いていた赤いISに英次が追い討ちとばかりにパイルバンカーを撃ち込みまくり、赤いISはピクリとも動かなくなった。

 

「ん?零次、そのIS人乗ってないよ?」

 

「はぁ?もしかして新手の無人機か?」

 

「ところで何でみんな白目になってるの?何で数人倒れてるの⁉あのISにやられたの⁉」

 

自分達がしたことに全く気付いていない零次達、当然である、ISを生み出した天災、篠ノ之束のお手製のISを御披露目数十秒で破壊したら誰でも卒倒する。

 

「わ、私の専用機が…」

 

「……………………………」

 

「遅刻してきたうえに何をやってるんだあのバカどもは…」

 

零次、英次、直哉、勘違いにより箒の専用機を攻撃、損害、箒の専用機『赤椿』大破

 

 

 

 

 

 

 




気付いてたら箒のISを破壊してました。……だ、大丈夫だよね⁉天災(笑)が何とかしてくれるよ!(錯乱)


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32話

弟者兄者のフォーオナー、スーパーフジキヨの強さに脱帽、しかし更にその上のスーパー大蛇の存在に驚愕しているSIGザビエルです。とりあえず続きをどうぞ!最近よりは短いですがゆっくりしていって下さい。


時は遡ること数分前、一夏達が浜辺に集合している頃零次達は未だに部屋で爆睡していた。

 

「………ん~?……ふぁ~…今、何時だ?…」

 

零次はスマートフォンの電源を入れて時間を確認すると画面には9時10分と表示されていた。

 

「…………やべぇ遅刻じゃん!英次、直哉!起きろ!」

 

「えぁ?…おはよう零次…」

 

「…あれ、もう朝?確か昨日は…」

 

「いいから早く準備しろ!遅刻だぞ⁉」

 

今日の授業の集合時間は8時50分、開始時間は9時であるため既に10分オーバーしていた。

 

「ヤバッ!もう始まって10分も過ぎてるじゃん⁉」

 

「どうしよう…殺される…」

 

「覚悟決めるしかないだろ…とにかく今は1分でも早く行かないとヤバイぞ…」

 

零次達は急いでISスーツに着替え、行く準備を整えた。

 

「零次、もう窓から出てISで行こうよ、そっちの方が早く行けるし」

 

「そうだね、街中とかじゃないし大丈夫でしょ」

 

着替え終わった英次は零次にそう提案すると直哉も同意した。

 

「…仕方ない、それで行くか!」

 

零次は一旦考えたがISで行く事を決め、3人は窓からダイブしISを起動させ、浜辺へと向かった。

 

「ん?ねぇ零次、浜辺の丁度上空からなんか近付いてくる反応があるんだけど?」

 

浜辺へと向かっている最中、英次がなにかの反応を発見した。

 

「え?…本当だなんだろ…ん?零次、あれなにかな?」

 

直哉も反応を確認し首を傾げながら浜辺の上を見ると妙にメカメカしいコンテナらしき物が落下していた。

 

「なんだあれ?…ってあれの落下予測地点千冬さん達のとこなんだけど⁉」

 

「え?不味いんじゃない⁉みんなIS起動してる感じしないんだけど!てか気付いていないんじゃない⁉」

 

「零次ヤバイよ何とかしないと!」

 

「こうなったら俺達であれを撃ち落とすぞ!まずはあれの軌道をそらす、英次は重迫撃砲であれをふっ飛ばせ!直哉のスナイパーライフルだと軌道がそれない可能性がある」

 

「オッケー!…発射~!」

 

英次はコンテナらしき物と砲弾が着弾する場所を予測するとその場所を照準し発射、砲弾はそのまま飛んでいき、着弾する前にコンテナが突然変形して中から赤いISが出てきた瞬間…着弾し砂浜に吹っ飛ばされた。

 

「なんかIS出てきたんだけど⁉」

 

「前に出てきた無人機の類いか⁉とにかく俺と直哉は千冬さん達の所に行って防衛、英次はそのまま追撃しろ!」

 

「「了解!」」

 

なんと言うことでしょう!匠達(零次達)の独特な発想(勘違い)により世界各国が喉から手が出るほど欲しい束印のISは、ものの数秒で最新鋭機からスクラップに早変わり!…なんと言うことでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、では言いたい事はそれだけか?…」

 

「「「すいませんでしたーーー‼」」」

 

事の顛末を説明した零次達は千冬の前で土下座していた。砂浜ということもあって勢いよく土下座したため額が若干埋まっていた。

 

「私は昨日言ったはずだぞ…飲み過ぎて明日に支障を出すなと、一番酔っていた山田先生はちゃんと来たのにお前達が遅刻するとはどういう事だ?挙げ句篠ノ之の専用機を破壊するとは…」

 

「弁明を、弁明をさせてください!」

 

「不幸な事故だったんです!」

 

「零次と直哉はどうなってもいいので俺だけは!俺だけは見逃して下さい!」

 

「「おい!」」

 

「ふん‼」バシン‼

 

「「「っ〜〜〜〜〜〜〜‼」」」

 

「うわ~痛そう…お兄ちゃん大丈夫?」

 

「あれは訓練の時より痛そうだ…」

 

「英次、さっきのはひどい…」

 

「ふん、バカはほっとくとして…束、篠ノ之の専用機は直りそうか?」

 

「大丈夫だよ!…束さんにかかれば1時間もあれば修理完了だよ!…それよりもよくもやってくれたな君達!束さんが箒ちゃんに贈るプレゼントを華麗に御披露目してたのに、それにダイレクトアタックしてスクラップ寸前にするなんて!いくら束さんがスクラップ寸前でも元に戻せる超絶天災美女でも…危うく殺すか解剖するところだったよ?」

 

束が殺すか解剖すると言った瞬間に辺りに殺気が充満し、簪、シャルロット、ラウラは身構え、一夏と箒、セシリア、鈴、他の生徒達は戸惑うか顔を真っ青にして震えていた。

 

「やめろ束、それをやろうとする前に私がお前を止めるぞ…」

 

「むきぃ~!何でちーちゃんはそんな奴等の味方をするのさ!そいつ等の1人と同棲してるから⁉やいやいそこのグラサン掛けたマダオ!よくもちーちゃんのハートをキャプチャーしたな!お前は絶対許さないぞ!」

 

「お前マダオ舐めんなよ⁉マダオの生命力は半端ねーんだぞ⁉グラサンと酒があれば生きていける男だぞ!」

 

「知るかバカ者!お前達はまず束に謝罪しろ!」

 

「いや~申し訳ない…なんかこう……すまねぇ☆」

 

「篠ノ之束さん本当に……すまねぇ☆」

 

「君達謝る気無いよね⁉」

 

「すげぇ…あの束さんがツッコミ役してる…」

 

普段の束を知っている一夏は束が英次と直哉に対してツッコミを入れてる事に驚愕しており、隣にいる箒も驚いていた。

 

『てかさぁ篠ノ之さんって身内ってだけで専用機貰ったの?なんかさぁずるくない?』

 

『そうよねー不公平じゃん』

 

小さくはあるがそれでもみんなに聞こえるくらいの声の陰口が聞こえた、それは当然でもあった、身内と言うだけで最新鋭のISが専用機になるのなら自分達の日々の努力は何なのか、そう言いたくもなるだろう。しかし言う相手が悪すぎた。束は声がした方向、その女子達に向かって行った。

 

「君たち、何を当たり前な事を言ってるのかな?…有史以来、世界が平等だったことなんて一度も無いんだよ?」

 

笑顔で殺気を出しながら束は女子達に言うと女子達はガクガクと体を震わせていた。

 

「やめろ束、生徒に殺気を向けるな」

 

「だってのコレが生意気なこと言うからいけないだよ~」

 

「篠ノ之束、あんたに1つ聞きたい事がある…」

 

「零次?…」

 

急に零次が真剣な顔になり束の方を見た。ここまで真剣な顔をした零次を千冬達は見たことがなかったので何を言うのか疑問に思った。

 

「ん?何かな?」

 

「有史以来、人類は様々な技術や物を生み出し、文明はその力によって導かれ歩んできた…じゃあ…インフィニット・ストラトス程の存在が導く文明の行き先はなんだ?…」

 

「……へぇ~、面白いこと聞くね…」

 

「零次、お前は…」

 

束と千冬以外は何も言えなかった。インフィニット・ストラトスが導く世界の後の事など考えもしなかったからだ。そんな中で唯一直哉だけは反応した。

 

「零次…………………それ完全にZ.O.Eのノウマンの名言をちょっと脚色して言っただけだよね⁉ただかっこよく言ってみただけだよね⁉」

 

「あっバレた?いやーこの台詞1回でいいから言ってみたかったんだよね~」

 

みんな盛大にずっこけた。あんなに真面目に言ってたのにただゲームのキャラの名言を言いたいが為に真剣な顔をしていたら誰でもずっこける。

 

「零次!この場のシリアスを帰してよ!てか何でちょっと照れてるんだよ!気持ち悪いわ!」

 

「零次…時々ボケるのはいいけどこの場の空気どうすんの…」

 

「はぁ~真剣に聞いていた私がバカだった…」

 

「君ひどいじゃないか!せっかく束さんが真剣に答えようとしてたのにそのオチはなんだー!私のシリアスを帰してよ!うわぁ~ん!」

 

「いや~すいません」

 

「もう謝ったって許さないもんね!ふーんだ!」

 

そう言うと束は赤椿の修理に取り掛かった。その間零次達はそれぞれ新武装のテストをし、そして1時間後本当に赤椿は修理を完了し、赤椿は箒の専用機となった。その後赤椿の試運転を行い、そのあまりの性能、途中階で束明かした赤椿は各国がまだ開発すら出来ない第4世代機だとカミングアウトしたことにより更にみんなは唖然、驚愕していた。

 

「すごい!これが赤椿の力!これなら…」

 

「零次、箒がめっちゃ危ない人に見えるんだけど…」

 

「新しいおもちゃ貰ったときの子どもみたいだな…」

 

「てか俺達第4世代機を数秒でデストロイしそうになってたの?ホントにスクラップにならなくて良かった…」

 

零次と直哉、英次がそう言ってると試運転を終えた箒が帰って来た。

 

「よし、篠ノ之も戻ってきたところで休憩に入…「織斑先生!」…どうした山田先生」

 

千冬が休憩の号令をかけるまえに真耶が大声で千冬の名前を呼びながら走ってきた。零次達は真耶のそれまでに無い程の焦り方に妙な不安に駆られた。

 

 

 

 

 

 

 




散々天災をいじり倒した零次達!ツッコム天災、呆れる千冬、彼等のこの後どうなるのか!彼等の行く末は彼等とSIGザビエルの手にかかっている‼…出来るかなぁ…(´・ω・`)


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33話

ス、スーパー大蛇強ぇ!侍って分身するもんだっけ⁉(困惑)取り敢えず今回はギャグがほとんど無いです、すいません。それでは続きをどうぞ


真耶が慌てて千冬に駆け寄り、回りに聞こえない声で何やら話していると急に千冬の顔が険しくなった。話を聞き終わったのか、千冬さんはみんなに集合を懸けた。

 

「突然だが今日の授業は急遽中止する!各人はISを格納次第旅館の部屋似て待機とする。以上だ、解散!」

 

みんなは何故中止になったのかわからず戸惑い、ざわざわと騒ぎ始めたが再度千冬に叱咤されると急いで片付けを開始した。

 

「…それと、専用機持ちは私の所に集まってくれ、零次、英次、直哉も専用機持ちに該当するからここに残れ」

 

そう言って千冬は零次達を含める専用機持ち達をその場に残した。

 

「英次…」

 

簪が英次を心配そうに見ていた。

 

まぁ無理もないか、突然部屋に待機して専用機持ちは集まれなんて何か問題が起きた事くらい容易に想像出来るからな。

 

「大丈夫だよ、すぐに戻るから部屋で待っててよ、帰ってきたら零次達と一緒にゲームでもしようよ」

 

「…………うん」

 

簪は納得した顔はせず、渋々といった感じで旅館へと帰っていった。簪が旅館に戻って行くのを確認すると、零次達も千冬達の方へと集まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では現状を説明する」

 

千冬さんに集められた後場所は変わり旅館の一部屋、即席の作戦室と化した場所に俺達は連れてこられた。

 

「約2時間前、ハワイ沖で稼働実験をしていたアメリカ、イスラエルが共同開発した第3世代機の軍用IS「銀の福音」別名シルバリオ・ゴスペルが突然制御不能になり暴走、ハワイ沖の実験場を離脱したとの報告があった」

 

「あの~織斑先生、何で僕達にそんな聞いたらヤバそうな事を言ったんでしょうか…?」

 

直哉の疑問も最もだ、何で俺達にそんな事を言う必要があるんだ?

 

「その事も含めて今から説明する、福音が実験場から離脱後、人工衛星の追跡によりここから約3㎞離れた場所を通過する事がわかった。アメリカの要請によりIS学園の上層部は緊急会議の結果、学園長と数名以外の運営側は全員この要請を承諾、現在臨海学校に来ている専用機持ちは福音の無力化、捕獲を実行しろとの通達があった」

 

千冬が理由を言い終わるとみんな驚愕した顔をしていた。その中でラウラだけが我に帰り軍人としての目付きなっていた。

 

「…千冬さん、アメリカはどういった対応をしているんですか」

 

「福音が離脱する前に無力化を図ったが、投入されたISは全機撃破されたそうだ…」

 

「え?じゃあこれ完全にアメリカの尻拭いですか?」

 

英次の発言に千冬さんは顔をしかめた。

 

「ああそうだ、アメリカは今送り込める戦力は無いそうだ」

 

「……日本政府は何をしているんですか?自衛隊を出動させたり、この近くの民間人を避難させるといった対応はどうなっているんですか?」

 

「…自衛隊の出動には時間が掛かると言ってはいるが、本音は自分達が手を下したくないのだろう。もし自衛隊が福音を万が一破壊するような事にでもなれば今後の外交に支障が出る、避難させないのもこの事が公になれば世間はISを使った戦闘を承諾した政府を非難するのを恐れての事だろう」

 

「要はあれですか?尻拭いのうえ責任の擦り付け合いの結果、標的にされたのが僕達ですか…?」

 

「………千冬さん、この子達は生徒であって兵士じゃあ無いんですよ⁉ISという兵器にもなりうる物を専用機として所持していますが、この子達はまだ年端の行かない女の子達なんですよ⁉って千冬さんに言っても意味無いですよね…」

 

今までに無いくらいの怒りを表した零次に一夏達や集まっていた教師達までもがあまりの形相に顔を真っ青にしていた。

 

「…ああ、腹立たしいがもう決定したことだ」

 

「教官、福音の詳しいスペックデータの開示し求めます」

 

「ああ、開示はするがこのデータは2カ国の機密情報だ、外部に漏らせばどうなるかは…わかるな?」

 

千冬さんが念を押すと福音のスペックデータがディスプレイの画面に表示された。広域殲滅を主とした特殊射撃型、オールレンジ攻撃が可能、攻撃と機動に特化している、シルバーベルと呼ばれるスラスターと広域射撃武装を融合させた特異な武装の1つだけだが砲口が36あり、また常時イグニッション・ブースト並の加速が可能とハイスペック極まりないISだった。

 

「これはまたとんでもないISだね…」

 

「アメリカはなんてもん暴走させてくれてんだよ…」

 

俺達が臨海学校の時に暴走なんて出来すぎだろ⁉勘弁してくれよ全く…ん?出来すぎ?…なんだ、この違和感は…

 

零次が謎の違和感に疑問を抱いている間にも回りでは話が進んでいた。

 

「相手の速度を考えると接近は1度が限界ですわね」

 

「やはり短期戦で倒すのがベストか…」

 

「じゃあ一夏の零落白夜は必須ね」

 

「お、俺⁉」

 

「他に誰がいるのよ」

 

「一夏の零落白夜は当たれば一撃必殺だからね」

 

「一夏…これは実戦だ、訓練とは全く違う、最悪死ぬかもしれん…それでもお前は参加するか?」

 

「…………ああ、やる!俺にしか出来ないならやります!いや、やらせてください!」

 

「織斑先生、それなら編成は近距離で零次と箒と鈴が福音を翻弄、中距離、遠距離で英次、僕、セシリア、シャルロット、ラウラが福音の動きに制限をかけるように援護攻撃、福音に隙を作って一夏の零落白夜でトドメって流れが良いと思います」

 

直哉の提案に千冬は少し考えた。

 

「……よし、それで行こ「待った待ったー!その作戦待ったなんだよ~!」…」

 

突然場に相応しくない明るい声が聞こえてきた瞬間、何処からともなく束が現れ直哉の提案に待ったをかけた。

 

「ちーちゃん!聞いて聞いて!ここは断然赤椿の出番なんだよ!」

 

「何だと?」

 

「っ!(まさか…)」

 

「赤椿はね~パッケージなんて無くても超高速機動が出来るんだよ!」

 

束はディスプレイを表示して千冬に見せていたが零次はそんな事どうでもよかった。

 

まさか、さっきから引っかかっていた違和感は…

 

零次が疑問に思っていた違和感はあまりにも状況が整い過ぎていると言うことだ。束が箒に渡した赤椿、そしてそれから数時間後に対処することになった暴走した福音、福音に対してほとんど対応せずIS学園に丸投げした日本政府とアメリカ、まるで自分達が臨海学校に行くのに合わせていたかのようなこの現状、もしくは整えられた状況…それが零次が引っかかっていた事だった。しかしそんな事を考えている間にも束が赤椿は現状ISの中で最強のスペックを誇るとカミングアウトしたため、全員更に驚愕していた。

 

「束、やり過ぎるなといたはずだが…?」

 

「いや~熱中しちゃってね~それでもちゃんと乗りこなせたらの話だけど赤椿といっくんの白式ならこのくらいは楽勝で出来るよ!」

 

「…ちょっと待て束、まさかお前は白式と赤椿の2機だけで出撃させるつもりじゃないだろうな」

 

「え?当たり前だよ、白式と赤椿のだけで充分なのに何でわざわざ足手まといが付いてくるのさ?

 

え?何言ってんのこの人?

 

「千冬さんいくらなんでも2機は少ないです。最低でもパッケージで高機動に出来るセシリアのブルーティアーズと機動型の俺のジェフティを含めた最低でも4人は必要だと思います」

 

「ねぇ君~空気読んでよ、ここはいっくんと箒ちゃんの出番なんだよ?足手まといは要らないんだよ、それに君のISは機動型って言っても量産機だよね?そっちのキンパツは高機動型にするのにも時間が掛かるんじゃない?でも赤椿は私が機体の調整をするだけで10分も掛からないんだよ?」

 

零次は痛い所を突かれたように顔をしかめた。いくら零次のジェフティがアドルフにカスタマイズされたとしても所詮は第2世代機、第3世代機に近い性能とは言え、スペック的には第3世代機には劣っていた。セシリアのブルーティアーズは高機動型にするためにパッケージを取り付けた後、それ仕様に機体の調整しなければならなく、赤椿よりもどうしても時間をロスしてしまうデメリットがあった。結局束が強引にこの案を押しきり一夏と箒の2人で無力化することが決まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「てな事があって一夏と箒が福音の対処をすることになった…くらえ零次!」

 

作戦室でのブリーフィングが終わり、みんなは作戦室に残っていたが俺達は部屋に戻り、部屋で待っていた簪に事情を説明していた。スマブラをしながら…

 

「そんな大事な事、私に言ってもよかったの?…あっ!スマッシュ外れた!」

 

「大丈夫だろ?簪が実家の更識家に聞けばわかるような情報なんだし……まだだ!まだ終わらんよ英次!たとえ吹っ飛ばされても俺のマリオの戦闘続行能力(ひらりマントからのジャンプ)に不可能は無い!」

 

「でもこの後どうする?一夏と箒はもう出撃したけどさぁ俺達こんな時にスマブラやってても良いの?…零次…さらば(零次のマリオがフィールドに戻ってきた瞬間直哉のルイージの人間ミサイルがマリオに炸裂)」

 

「負けたぁぁぁ⁉何でお前等俺を集中的に攻撃すんだよ⁉……はぁ〜もちろん俺達も福音の所に行くよ」

 

「で具体的にはどうするの?結果的に一夏と箒しか出撃出来ないけど…」

 

「黙って抜け出して乱入するしかないだろ」

 

「確実に帰ってきたら怒られるよね?」

 

「英次、怒られるじゃすまないと思うよ?」

 

「…………やっぱり?」

 

「……英次達は行っちゃうの?」

 

簪は英次を心配そうに見ていた。

 

「ごめん簪…でもこのままだと失敗すると思う」

 

「多分福音は複数のISとの交戦も想定して作られてる可能性がある、それに今の箒は専用機をもらってかなり浮かれてる、失敗して万が一どっちかが負傷したら片方を庇いながら逃げ切るのは難しい、そのために迅速に回収しに行けるようにしないといけない」

 

「………止めてもダメですよね……英次、無茶だけはしないで、無理だって思ったら逃げて…」

 

「うん、行ってくる」

 

零次達は準備を整え誰も居ないであろう浜辺に移動しジェフティ達を起動した。

 

「零次、大丈夫かな?」

 

「…何がだ直哉?」

 

「だって俺達取り付けてる武器以外は完全にネタ装備だぞ?…」

 

実は零次達、臨海学校ではアドルフから貰った武装を使ってみようと拡張領域にリヴァイヴァーとアドルフ達デュノア社の技術者が作った自作武器、試作武器を入れてきたのだが、いつも拡張領域に入れてる武器を外して入れれるだけ持ってきていたため、殆どが何かしらの欠点があるか使いどころがかなり限定される武器しか手元になかった。

 

「………死ぬ気で頑張るしか無いだろ」

 

「「ですよね〜…」」

 

なんとも不安の残った状態で零次達は福音がいる場所へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

零次達が福音に向かっている頃、一夏と箒は既に福音と交戦状態になっていた。箒が隙を作り、隙が出来た所に一夏が零落白夜を発動させ攻撃しようとしたが、途中で一夏が海面に船を発見したことで攻撃が途中で止まり、失敗に終わってしまった。さらにその事で一夏と箒が揉め始め、隙が出来た所に福音がシルバーベルで攻撃、一夏は箒を庇って殆どの攻撃を喰らい意識不明になるという最悪な状態に陥っていた。

 

「一夏!一夏!起きてくれ一夏!」

 

『篠ノ之!今すぐ織斑を連れて戦闘空域から離脱しろ!』

 

「わかりました!…っ!」

 

『ララララ~♪』

 

箒は千冬の指示を聞き、離脱を試みるが離脱をしようとすると福音が執拗に攻撃をして来るため離脱が出来なかった。

 

「ダメです、離脱出来ません!攻撃が激しくて避けるのが精一杯です!」

 

『何とか離脱を試みてくれ!』

 

「わかり…『ラララ~♪』くっ!」

 

再度箒は離脱を試みるが福音のシルバーベルが容赦なく箒を襲い、避けることしか出来なかった。

 

「くそ!何か、何か手立ては…『ララララ~♪』しまった!」

 

箒は離脱する手段を考えていたが福音の攻撃に対処が遅れた…しかしその攻撃が箒に当たる事はなかった。

 

「危ね~何とか間に合ったか…」

 

「れ、零次さん!何でここに…」

 

零次は箒に攻撃が当たる直前に箒と一夏を抱え、福音の攻撃を回避していた。

 

「黙って抜け出してきた。それと俺だけじゃないぞ?」

 

『ラァ⁉』

 

零次が言葉言い終わった瞬間、突然福音が吹き飛ばされた。

 

「しゃあ!JackPot!」

 

「零次!先行し過ぎだろ!」

 

箒が何が起きているのかわからずに戸惑っていると後ろから英次とストリンガーを構えた直哉が遅れて駆け付けた。

 

「いやだって箒ピンチだっただろ?」

 

「なんか一言くらい言ってから加速しろよ!」

 

「はいはい、ケンカしないで、福音まだぴんぴんしてるから」

 

「箒、俺達が囮になるその間に一夏を連れてここから離脱しろ」

 

「っ!しかし!」

 

「じゃないとさっきみたいに避けるしか出来ないだろ?」

 

『ダメだ零次!お前達も一緒に離脱しろ!』

 

「千冬さん、箒が離脱をしようとした時、福音は執拗に攻撃をしていました。まるで離脱はさせないと言わんばかりに、このまま俺達も一緒に離脱したら福音が旅館まで箒と一夏を追撃してくる可能性があります」

 

『っ!…それは本当なのか…』

 

「はい、何故か福音は箒と一夏を標的にしていますね、ですから、誰かがここに残って追撃を阻止しないと行けません…」

 

『その役目がお前達か…』

 

「はい、元々こんな危ない事を学生に任せる事自体間違ってますよ。こんなのは俺達大人がやんなきゃいけないですよ」

 

「零次、俺まだ未成年なんだけど…」

 

「お前に何があっても俺は痛くも痒くもないから問題ない!」

 

「おい!」

 

『………無理だけはしないでくれ、危ないと思ったら…戻ってきてくれ』

 

「わかりました出来るだけ頑張りますよ…箒、そう言う訳で戻れ、そろそろ一夏もヤバいだろう…」

 

「…………わかりました」

 

箒は苦しそうに返事をすると一夏を抱えて戦闘空域から離脱していった。

 

「それじゃあやるか…別に倒してしまってもかまわんのだろう?」

 

「零次、それ完全に死亡フラグ…」

 

「いいんだよ、フラッガーの英次が言わなきゃ問題ない」

 

「それもそうだね」

 

「2人は俺を何だと思ってるの⁉」

 

「「歩くフラグ量産&回収機」」

 

「なんだよそれ⁉もういいから!福音来てるから!」

 

零次達は体勢を立て直した福音に向かい合い、戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘描写上手く書けない…(。´Д⊂)


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34話

フォーオナーの侍編が出てヽ(・∀・)ノ。し、真の大蛇かっけぇ!(゜ロ゜)ってなってるSIGザビエルです。戦闘描写が本当に難しいですが精一杯書きました。それでは続きをどうぞ!


零次達が福音と対峙している頃、箒は意識が無い一夏を連れて旅館へと戻ってきていた。一夏は依然として意識が無く、箒は自分のせいで一夏を負傷させた自責の念で戦意を消失しており、作戦室では千冬達と箒から零次達が戦っていると聞いたセシリア、鈴、シャルロット、ラウラが作戦室に押し掛け、ディスプレイに表示されている零次達を見ていた。

 

「嘘…福音と互角って…零次さん達って量産機よね…」

 

鈴は画面上で起きていることが信じられず、驚愕していた。

 

「危なっかしいが、若干ではあるが零次達が優勢だ…」

 

「お兄ちゃん…英次、直哉さん、何で私達に内緒で…」

 

「お前達が学生だからだ」

 

千冬の一言に皆は一斉に千冬を見た。

 

「教官、私は学生である前に軍人です」

 

「それでもだ、本来お前達の歳ならば青春を謳歌している年頃だ、こんな戦闘にお前達や零次達を出撃させること自体がそもそも間違っている。それに…お前やシャルロットならば尚更だ…」

 

「どういう事ですか織斑先生」

 

千冬の言った意味がわからなかったセシリアは聞き返した。

 

「兄として、父親として慕ってくれる者達を死ぬかもしれん戦場に出すなんて誰でも許せるわけ無いだろう。だから自分達だけで行ったんだ、歳上で守る側だと言ってな…」(零次達はそんな大層な事は考えていません)

 

「なによ…それ…」

 

「私には、わかりませんわ…」

 

「意地があるのさ男には…例え守りたい者が悲しもうと、不利な状況だろうと、戦わなければならない時があるのさ……だが、そんな事でお前達は納得出来るか?」

 

「そんなの納得出来るわけ無いじゃないですか!」

 

「私もお父さん達が死んだら悲しいぞ!」

 

「それに私達は守ってもらうほど柔じゃないよ!」

 

「そうですわ!私達にも意地がありますわ!」

 

「ならば今すぐ府抜けてる篠ノ之に渇を入れてこい」

 

「えっ織斑先生、それってどういう…」

 

「お前達だけがあのバカどもの行動に納得してないとでも思ったか…これより専用機持ちは直ちに出撃準備!あの自分勝手なバカどもの援護に迎え!女にも意地があることを彼奴らに教えてやれ‼」(もう一度言いますが零次達はそんな大層な事は考えていません)

 

「「「「はい‼」」」」

 

シャルロット達はどたばたと作戦室を出て出撃準備に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、箒が一夏を抱えて離脱後、零次達は福音と交戦していた。

 

「一夏と箒は負傷して~♪あっそ~れ!」

 

「「殿3人俺等だけ~♪」

 

「手持ちの装備はネタ装備~♪」

 

「だ~けど俺達負けないぞ♪」」

 

零次達は謎の歌を歌いながら3方向から囲むように福音を包囲した。

 

「で、零次…肝心の作戦は?」

 

「え?気合い」

 

「「何も考えて無いんかい!」」

 

「冗談だよ…俺が囮になって接近戦をする、隙が出来たら英次の膝治療でトドメ、その間直哉はストリンガーを使った狙撃、英次は中距離辺りで砲撃、福音の動きに制限を掛けて可能だったら接近して攻撃、俺が囮になるとはいえ、相手は殲滅戦を想定して作られているISだ、ISを複数相手取るのも想定されているだろう、スラスターから発射されるエネルギー弾が下手したら直哉の距離まで届く可能性があるから気を付けろ!」

 

「「了解!」」

 

英次と直哉はそのまま福音から距離を置き、零次はパドルブレードを展開、福音に向かって斬り込んだ。

 

「ぜりゃ!」

 

『ラララ~♪』

 

「…くそっ、やっぱり速いか…」

 

しかし福音は零次の斬撃を回避し、距離を置いてエネルギー弾を発見、零次達に向けて撃ってきた。

 

「うおぉ⁉攻撃余裕でこっちまで来るんだけど⁉」

 

「頑張って避けろ英次、じゃないと死ぬぞー…せいっ!はっ!りゃ!」

 

『ラァ!』

 

零次は軽口を叩きながらも福音に接近福音が放つエネルギー弾を何発か喰らうもパドルブレードで何回か斬りつけた。

 

「わかってるよ!英次、福音に砲撃頼む!」

 

「オーケー!」

 

英次は右側の迫撃砲を福音に照準し発射したが福音は難なく砲撃を回避した、しかし英次は残っていた左側の迫撃砲を福音が回避した方向に向けて発射、直撃はしなかったものの、左足に被弾し、爆風で福音の体勢が大きく崩れた。

 

「今だ直哉!」

 

「はいよ!」

 

直哉はストリンガーを構え、福音に照準し発砲したが福音は素早く体勢を立て直し外れてしまった。

 

『ラ~!』

 

「ごめん外した、リローディン!」

 

「「オッケー!カバーする!」」

 

直哉のストリンガーは英次のパイルバンカー並に威力があるが、構造が複雑になっており、最速でもリロードに5~6秒は掛かってしまうため、直哉はリロードの間無防備になってしまう。その間零次と英次は福音の注意を引き付けるように動いた。

 

『ラララララ~♪』

 

「こっち見ろ!…うわ~全弾かわされた、けど…英次やれ!」

 

「は~い治療しちゃおうね~」

 

零次が左手でサブマシンガンを弾倉に入ってるだけ乱射するが福音は難なく全弾回避し零次に迫ったが英次が福音の後ろからパイルバンカーを構えながら突撃、福音目掛けてパイルバンカーを殴る様に押し当て発射した。福音は右にスライドするように回避しようとしたが間に合わず左のスラスターにパイルバンカーの杭が貫通した。

 

『ラァァァ!』

 

福音は悲鳴を上げるような機械音を上げ、攻撃してきた英次から距離を取ろうとするが瞬間頭部に強烈な衝撃が走った。

 

「へッドショット!危な~英次の頭ギリギリだったな…」

 

その正体は直哉のストリンガーだった。直哉はストリンガーのリロードが終わり、英次から距離を取ろうとした福音に対し、即座に直哉はストリンガーを構えた。英次と福音の頭部が半分ほど重なっていたが、直哉は英次の頭部をギリギリ掠める所を狙い撃ち、見事福音に命中させた。スラスターが破損していることもあり、衝撃に耐えられなかった福音は吹き飛ばされ、海面に叩き付けられた。

 

「おい、直哉危ないだろ!」

 

「だって…ねぇ?」

 

「ねぇ?じゃないだろ⁉確実に俺もろとも葬ろうとしたでしょ⁉」

 

「近くにいるからっ!」

 

「俺が悪いみたいに言うんじゃないよ!」

 

「僕の射線上に入ってくからっ‼」

 

「アムロみたいに言いやがってぇ…」

 

「死にたいのかっ‼」

 

「零次もアムロみたいに言うんじゃないよ!」

 

「悪い悪いwそれとまだ福音がどうなったかわかんないから警戒しろよ?」

 

「…でもさぁこうゆう時ってゲームとかアニメだと「奴は四天王の中でも最弱」とか「私の真の姿を御見せしましょう!」ってよくあるよね?」

 

英次がそう言った直後、福音が叩き付けられた辺りの海面が光だし、発光した福音が浮いてきた。

 

『キャァァァァ!』

 

海面から福音が姿を表し、悲鳴のような声をあげた。

 

「だからお前はフラグを建てるんじゃねーよ!」

 

「VTシステムの二の舞を何で踏むんだよ!」

 

浮遊してきた福音は徐々に輝きを増し、細部が変形し始めた。

 

「えぇ~何このアグモン進化ー!みたい状況…」

 

「これがセカンドシフトって奴か…」

 

「なんかスラスターの辺りが天使の翼みたいになっていてるんだけど…」

 

「これからが本当の地獄だ…」

 

「「いやお前のせいだろ‼」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零次達が福音を倒す少し前、鈴が渇をいれたお陰で篠ノ之が復活し、それぞれパッケージの取り付けも終わり、シャルロット達は出撃準備を終えていた。

 

「それがシャルロットさんの新しい専用機ですの?」

 

「なんか天使みたいなISね?」

 

「お~!カッコいいなシャルロット!」

 

「うん、そうでしょ?名前はアンジュ・ガルディアンって言うんだよ。始めての実戦だけど頑張ろうね、アンジュ・ガルディアン…」

 

シャルロットがアンジュ・ガルディアンに呼び掛けるように言うとコア部分が僅かに光ったように見えたシャルロットは穏やかな笑みを浮かべ、アンジュ・ガルディアンを装着した。

 

「それじゃあ、みんな行こう!」

 

「待ってくれ!」

 

シャルロット達が出撃しようとした時、聞き慣れた声に静止され、振り向くとそこには意識不明に陥っていた筈の一夏が立っていた。

 

「「「「「一夏(さん)!」」」」」

 

「一夏!意識が戻ったのか!」

 

「ああ、悪いな箒…心配かけたみたいだな…」

 

「すまなかった一夏、私のせいでお前が…」

 

「いいんだそんな事は…それよりも早く行こう。さっき作戦室で立ち聞きしたことだけど、零次さん達が福音を倒した後、福音がセカンドシフトしたって言ってた」

 

「セカンドシフトですって⁉」

 

「反則でしょそんなの⁉」

 

「そうだ、だから出来るだけ早く行こう!」

 

「待て一夏!まさかお前も行くきじゃないだろうな!」

 

「ああ、俺も行く…」

 

「何を言ってるんですの一夏さん!」

 

「あんたさっきまで意識不明の重体だったのよ⁉連れていけるわけないでしょ⁉」

 

「そうだよ一夏!あとの事は私達に任せて!」

 

「うむ、一夏…お前は安静にしていろ…」

 

「いや、これはばかりは退けない、曖昧な判断でチャンスを逃して、勝手に箒を庇って撃墜されて、そして今零次さん達がその尻拭いをしてくれてる…俺はまだ何も出来てない!助けられてばっかりだ!…俺にだって意地がある、頼む俺も行かせてくれ!」

 

一夏はみんなに頭をさげた。

 

「行かせてあげたら?…」

 

いつの間にか一夏の近くに簪が来ていた。

 

「「「「「「簪(さん)!」」」」」」

 

「そうなったら男の人は止まらない…英次達と一緒の目をしてる…」

 

「まさか簪、お兄ちゃん達が抜け出したの知ってたの?」

 

「うん、英次達が行ってくるって言ってた。止めたかったけど…英次達は止まらないで突っ込んで行っちゃうから…だから私は今は帰ってくるのを待ってる…」

 

「そう…わかったよ」

 

「っ!ありがとうシャルロット!」

 

「だけど!何かあったらすぐに箒と離脱してもらうよ!2人はさっきも戦って負傷してるんだから!」

 

「ああ!わかった!」

 

「いってらっしゃい…」

 

「うん!行ってくるね簪!」

 

「お父さん達の事は任せろ!」

 

「それじゃあみんな行くよ!」

 

「「「「「「おう!(ああ!、ええ!)」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルロット達が出撃した頃、零次と直哉はセカンドシフトした福音からかなり距離を取っていた。理由は零次が福音のエネルギー弾を何発か喰らっていたため、英次が直哉に預けていたリヴァイヴァーでシールドエネルギーを回復していた。その頃、英次は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー!いっぱい来てる、いっぱい来てる、いっぱい来てるーーーー‼」

 

囮をしていた。

 

「ああ~体に染み渡る~なんか風呂に入ってる感覚だなぁ~」

 

「まじで?後で僕にもリヴァイヴァーやってよ」

 

「いやーはっはっはっはっはっ!助けて直哉!零次ぃぃぃぃ‼」

 

「うわ~英次がエネルギー弾に呑み込まれていってる…」

 

「ほぼエネルギー弾しか目視出来ないぞ…」

 

「早くしてってば!」

 

「仕方ない…やれるだけやってみるか…直哉はさっきと同じく狙撃、俺は取り敢えず接近戦しかまともに出来ないから取り敢えず突っ込むわ」

 

零次は回復し終わると福音に突っ込んでいき接近戦を仕掛けた。しかし展開しているエネルギー翼から出されるエネルギー彈が多過ぎてまともに近付けなかった。

 

「うわ~近付けないんだけど⁉何この弾幕の多さ⁉」

 

「だからさっきから言ってるでしょ!」

 

「ねぇ、速さもさっきよりあってストリンガー当たんないんだけど…」

 

「ヤバいな、まじでどうするか…(ドオォン!)何⁉」

 

『キャァ⁉』

 

 

零次が攻撃を回避しながら作戦を考えていると、突然福音の後方から砲弾が飛んできて福音に当たり爆発、吹き飛ばされはしなかったが体勢が崩れた。

 

「「お兄ちゃん(お父さん)‼」」

 

「シャルロット!ラウラ!何でここにいるんだよ⁉」

 

「お兄ちゃん達が勝手に抜け出して戦ってるからでしょ!何で私達にも言ってくれなかったの⁉」

 

「水くさいぞお父さん!」

 

「いや…だってこれ下手したら死ぬかも知れんかったから…」

 

「だけどお兄ちゃん達が怪我したり死んじゃったらどうするの!そんな事になったら私やラウラ、千冬さんだって悲しむんだよ⁉」

 

「っ…………」

 

「お父さんは私達は頼り無いだろうか…私達だってお父さんや英次、直哉を守りたいんだ…」

 

「………それを言われるとかなり堪えるな………ごめん」

 

「うん、まだ言いたい事はたくさんあるけど、これくらいにしとくね?今はあれ倒して早く帰ろう?」

 

「おう、そうだな…」

 

「あの~零次さん…俺達も一応いるんですけど…」

 

いつの間にか零次の回りには一夏達もおり、英次と直哉も集まっていた。

 

「全く、無茶のし過ぎですわ!」

 

「本当よ!何で私たちもいるのに頼らなかったよ!」

 

「みんな、ごめんね?…」

 

「みんな…すまねぇ☆」

 

「英次、お前はもうちょっと反省する素振りを見せろよ⁉」

 

『盛り上がってる所悪いが福音が動き始めたぞ?』

 

「千冬さん…すいません…」

 

『今更謝るなバカ者、今は早く片付けて帰ってこい、命令違反の罰があるから覚悟しておけよ?』

 

「帰りたくねぇ~…わかりましたよ、取り敢えずこいつ倒して早くお仕置き受けに行きますかぁ」

 

零次達は福音に向かい合って武器を展開、第2ラウンドが開始した。

 

 

 




あれっ…原作の主人公が主人公してるような… そしてネタ装備をストリンガーしか出していなかったような…気のせいだよね☆


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35話

感想やお気に入り登録してくれた方、本当にありがとうございます。それと、最近私事ですが投稿が遅れるかもしれません。楽しみにしている方はすいません。それでは続きをどうぞ!


「そう言えばさっきから気になってたんだけど、一夏の白式なんか形変わってない?」

 

白式の形が変わっていることに直哉が気付いた。

 

「実は来るときに白式を起動したらもうこの状態だったんですよ、みんなが言うにはセカンドシフトしたらしいです」

 

「え?一夏の白式もアグモン進化ー!ってなったの?」

 

「英次もうその例えやめろよ…今は取り敢えず福音に集中しろよ」

 

「そうですね、これからどうしますか零次さん」

 

「お兄ちゃんは何か作戦とかってあるの?」

 

一夏とシャルロットが零次に作戦があるのか聞いてみた。

 

「セカンドシフトして更に近付き難くなったからな…」

 

「やっぱり当初の作戦しかないんじゃない?」

 

「あ~一夏のエクスカリバーでワンパンする作戦ね?」

 

「英次、零落白夜な?」

 

「一夏のエクスカリバーってなんか言い方凄く卑猥に聞こえる…」

 

「直哉、お前はちょっと黙れ!…けどそれしか無さそうだな、じゃあ俺達で福音を撹乱しつつ隙を作る、一夏は隙が出来たら零落白夜でトドメ、これで行こう」

 

「あ、待ってお兄ちゃん!英次と直哉さんもこっちに来て」

 

「「「?」」」

 

零次達はシャルロットに呼び止められ、取り敢えず言われた通りにシャルロットの近くに来た。するとアンジュ・ガルディアンが淡く光だし、翼に見立てたスラスターが広がると近くに来ていた零次達のISのシールドエネルギーの残量が徐々に増え始めた。

 

「な、何これ⁉」

 

「シャルロットさんのISが急に光だしましたわ!」

 

セシリアと鈴は何が起こったのかわからず驚いていた。

 

「これがアンジュ・ガルディアンのワンオフアビリティー、サリュタスヨン・アンジュリクだよ、特殊な力場を展開してシールドエネルギーを回復するんだけど、自分のシールドエネルギーを消費する上に集中してないと回復範囲内に入った敵も回復しちゃうデメリットもあるの」

 

「シールドエネルギーの回復なんて反則でしょ…」

 

「我がデュノア社の技術力は世界一!なんてね?」

 

「あ~シャルロットの優しさが染み渡る~」

 

「んーー気持ちぃぃいい!」

 

「助かるシャルロット、これでだいぶやり易くなった…それじゃあこれから福音を無力化するぞ!」

 

「了解零次!いくよセシリア!」

 

「わかりましたわ直哉さん!」

 

零次の号令で一夏達は散開し、それぞれ行動を開始した。まずセシリアと直哉がスナイパーライフルで福音に先制した。

 

「くっ!速すぎて当たりませんわ!」

 

「当てなくても大丈夫!こっちに引き付けて!」

 

「はぁぁぁ!」

 

「やぁ!」

 

しかし福音は難なく回避するが透かさず鈴と箒が福音の懐に入りそれぞれ接近武器で斬りつけた…が、福音は寸での所で後ろに下がる様に移動しこれを回避、かするだけに終わってしまった。更に福音は回避しながらスラスターからエネルギー弾を箒と鈴に向け発射した。

 

「ラウラ!鈴をお願い!」

 

「わかったシャルロット!」

 

攻撃の後だ硬直していた箒と鈴がエネルギー弾を喰らう前にシャルロットとラウラが2人が回収、何とか回避することが出来た。

 

「箒!鈴!大丈夫か!」

 

「一夏来ちゃダメ!ここは私たちに任せて!」

 

「シャルロット!でも!…」

 

「一夏!この作戦の要はお前だ!私達が必ず勝機を作る、それまで堪えてくれ!」

 

「箒…わかった!…あれ?そう言えば零次さんって何処に行ったん(ドオォン!)な、何だ⁉」

 

『キャァァァァ⁉』

 

一夏が呟いた瞬間、福音の真下の海面からレーザーが飛んできて福音の右スラスターに直撃、福音が苦しむかの様に声をあげた。するとビームが飛んできた海面辺りから水しぶきが上がり、なにやら大型のライフルの様な物を持った零次のジェフティが現れた。

 

「「お兄ちゃん(零次さん)⁉」」

 

「なんとか成功したか…」

 

零次はセシリアと直哉が福音に攻撃した時から海に潜り奇襲の機会をうかがっていた、零次が使った武器はノヴァバスターといい、アドルフ達がリヴァイヴァーを制作している過程で、レーザー兵器も作れないかと考え制作された物である。だがこのレーザー兵器、どういう訳か1度トリガーを引くと中に凝縮されているエネルギーを全て放出してしまうため、1発しか撃てず、しかもリロード不可と言った欠点があった。しかし、1発に全てのエネルギーを凝縮して放たれるため威力は凄まじく、物理シールド構えていたとしても易々と溶解し貫通してしまうほどの威力を有していた。結果、溶解させながら貫通していき、福音の右スラスターを完全に破壊した。

 

「英次!今だ!」

 

「オッケー!」

 

片方のスラスターを破壊したことで福音は一時的にバランスを失い、空中で何とか暴れないように浮いていたがその隙を零次は見逃さず、待機していた英次は拡張領域からアドルフ達からもらった新武装、ガリア重キャノン砲を拡張領域から取り出した。この武器は英次の重迫撃砲と同等の威力があるが反動が大きく、手に持って撃つ仕様になっており反動の影響をもろに受ける為、撃つ度に照準がずれてしまう武器だった。しかし英次は今までの福音との戦闘で迫撃砲の弾を全て使い果たしてしまった為、これで福音を攻撃することを選んだ。英次は福音の胴体を狙い、トリガーを引いた、しかしやはり反動が強く狙いより右上にずれ、福音の左スラスターを貫通し破壊した…が、砲弾は勢いを殺す事無くそのまま飛んでいき………

 

「痛ったぁぁぁぁぁ⁉」

 

「あっ…」

 

「「「「「「えぇぇぇぇぇ⁉」」」」」」

 

偶然福音の後ろにいた直哉に直撃し、衝撃でそのまま海に落ちて行った。

 

「え⁉直哉何があった⁉」

 

「いや、君の実の弟の奇跡の誤射で…」

 

「おっとー⁉」

 

「ははははははっ!すまねぇ☆!いやまじですまねぇ☆」

 

「けど今がチャンスだよ一夏!」

 

「ああ!わかったシャルロット!」

 

しかし福音はスラスターを破壊された影響で動けず、その好機を逃さまいと一夏は雪片弐式を構え、零落白夜を発動させて福音に突撃した行った。

 

「行け!一夏!」

 

「決めてください一夏さん!」

 

「いけぇ!一夏ぁ!」

 

「頑張って一夏!」

 

「決めろ一夏!」

 

「約束された勝利の剣を叩き付けろ一夏!」

 

「だからエクスカリバーじゃねぇって言ってんだろ英次‼」

 

「うおぉぉぉぉぉ‼」

 

一夏は雪片弐型を福音に叩き付ける様に袈裟斬りに降り下ろした。

 

『キャァァァ…ァァァァ…………』

 

斬りつけられた福音は悲鳴のような声を出しながら下に落ちていき、声が小さくなっていくに連れて徐々に機能を停止し、アーマーが消失すると福音の中からISスーツを着てバイザーを付けている金髪の女性が出てきた。

 

「おっと!あぶねぇ…」

 

女性が海に落ちる前に零次は寸での所で女性を傷つけない様抱きしめるようにキャッチ、何とか落ちずにすんだ。

 

「…ん…ここは……私は、たしか…」

 

「気が付きましたか、大丈夫ですか?」

 

「あなたは?…アメリカ軍の人間じゃないわね…フルスキンのISなんて知らないわ……」

 

零次は女性が自分の顔を見えていない事に気付き、片腕でジェフティのヘッドパーツを取り、衰弱している女性を刺激しないように穏やかに喋り始めた。

 

「私はIS学園の生徒、坂本零次です。アメリカと日本の無茶苦茶な要請で福音を無力化しました。今はあまり喋らないで下さい。福音の無茶な機動で体に相当負担がかかってる筈です。ゆっくり休んで下さい」

 

「ええ…わかったわ、ありがとう……」

 

バイザーで顔が見えないが女性はそれだけ言うと疲労で意識を失い、寝息が聞こえてきた。

 

「よし、これで何とか任務は成功だ。みんな!帰るぞ!」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

「あの~ダメージありすぎて動けないんだけど〜だれか助けて~」

 

直哉は英次のキャノン砲を諸に喰らった為シールドエネルギーがレッドゾーン寸前まで減っており、動く事が出来ず海に漂っていた。

 

「英次…直哉回収してこい…」

 

こうして零次達は何とか福音を無力化し、作戦は無事とは言えないが成功した。零次さんはそのまま旅館に帰還し、福音のパイロットを教師に任せて取り敢えず作戦は終了した。

 

「直哉さん!」

 

「英次!」

 

福音のパイロットを教師に引き継いだ後、真耶と簪が走ってきた。

 

「直哉さん大丈夫ですか⁉怪我したって聞いて!大丈夫ですか⁉」

 

「真耶さん落ち着いて下さい、大丈夫ですから…英次の奇跡の誤射で墜ちただけですから…」

 

「英次…無事に戻ってきてとは言ったけど…味方を怪我させて戻ってくるのは…ひどい…」

 

「返す言葉もありません………」

 

「ご苦労だった、だが零次達は無断で抜け出し戦闘を開始した。罰の覚悟は出来てるな?」

 

「はい、勝手な行動してすいませんでした…」

 

「いやだなー罰受けたくないな…」

 

「あの~織斑先生?僕怪我してるので免除とか…」

 

「謝罪や弁明は聞かん…ふん」 パンっ!

 

「「「……あれ?」」」

 

零次達は衝撃に備えて目を瞑ったが千冬はいつも見たく出席簿いつもみたく全力で振り抜くのではなく、軽く頭を叩いただけで終わった。

 

「まったく、あまり心配をかけさせないでくれ、簪や真耶が心配した様に私だってお前達の事が心配だったんだぞ?…今日はもう疲れただろう、旅館に戻ってゆっくり休め…」

 

それだけ言うと千冬は旅館とは別の方に歩いていった。

 

「なんか心配させちゃってたみたいだね…」

 

「そう思うなら今日はしっかり休んで下さい」

 

「山田先生の言う通り…英次も部屋で休んだね?」

 

「すいません山田先生、俺ちょっと千冬さんに確認したい事があったので英次達先に連れて行ってもらっていいですか?」

 

「確認したい事ですか?…わかりました。出来るだけ早く戻ってきてくださいね?…それじゃあ行きますよ直哉さん」

 

「ちょっと真耶さん⁉」

 

「簪もそんなに引っ張んないで⁉」

 

英次達はそのまま真耶と簪に引っ張られて行き、それを見送った零次は千冬が歩いていった方に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって海が見渡せる断崖付近、千冬は束と向かい合って話をしていた。

 

「ねぇちーちゃん…」

 

「なんだ束」

 

「あいつら一体何なの⁉量産機で福音倒すし、いっくんと箒ちゃんの見せ場が殆ど無かったよ⁉しかもあのフランスの専用機のワンオフアビリティー完全に赤椿に搭載したワンオフアビリティーの絢爛舞踏と被ってるんだけど⁉性能は勿論私の方が上だけど私がパクったみたいになってるよ!」

 

「知らん、零次達は連携すれば私だって苦戦するんだ、福音に負けることは無いだろうさ、それにシャルロットのサリュタスヨン・アンジュリクは元々零次のアイディアで作られたものだ、デュノア社やシャルロットに八つ当たりはするなよ?」

 

「またあのグラサン⁉何なのかなあいつは!そんなに束さんの邪魔がしたいのかな⁉それに何でちーちゃんはあのグラサンを気に入ってるの⁉」

 

「ああ、あいつは一緒にいて退屈しないからな」

 

「そう…ねぇちーちゃん、今の世界って楽しい?」

 

「ああ、悪くはないな…」

 

「俺はめっちゃ楽しいぞ?」

 

「「っ!」」

 

千冬と束が声のした方向を見ると物陰から零次が出てきた。

 

「零次、盗み聞きとは感心しないぞ…」

 

「いやーすいません、ちょっと千冬さんに聞きたい事があったので追いかけて来ました。でも篠ノ之束が居るなら手間が省けました。…篠ノ之束、福音を暴走させたのはあんただな?」

 

「だったらなんだよ…私を捕まえでもするのかな?」

 

「そんな面倒なことするわけ無いだろ?ただ文句の1つや2つ、3つ4つでも言ってやろうと思ってな…」

 

「結構文句多くないかな⁉…それで、何?」

 

「篠ノ之束……お前はバカか⁉」

 

「ばっバカ⁉この超絶天才の束さんに向かってバカとはなにさ!」

 

「うるせぇバカ!福音を暴走させて一夏と箒をぶつけた所で使いなれてなくて慢心しきってる箒を出しても返り討ちに合うことくらい想像できるだろ⁉現に一夏が箒を庇って重体、結果的にセカンドシフトまでして福音を倒したが次もこう行くとは限らないんだぞ!」

 

「うっ!それはいっくんと箒ちゃんの愛の力で…」

 

「なんだそれ⁉ふざけてんのか⁉しかも白式と赤椿の第4世代機暴露で完全に一夏と箒は各国から狙われるのが確定したわ!IS学園卒業した後どうするつもりだ!お前や千冬さんの後ろ楯があっても完全に狙われるわ!IS学園帰ったら各国とIS委員会から絶対に問い合わせ絶対に来るぞ⁉対応するのは直に見てた千冬さんだぞ!既に親友に迷惑掛けてるぞお前は!はぁ、はぁ…取り敢えず言いたい事は全部言い終わったな」

 

「……………………………」

 

「はぁ~言い終わったのなら早く旅館に戻れ、お前は一夏達以上に疲労しているん……ん?どうした束、さっきから黙って…」

 

「…うっ………」

 

「「う?」」

 

「うわぁぁぁぁぁん‼」

 

「「泣いたぁぁぁぁぁぁ⁉」」

 

「ぢーぢゃん迷惑がけでごめんなざぁぁぁい!」

 

「ちょ!待て束!泣きながらくっつくな!服に鼻水がつく!零次何とかしろ!」

 

「いやーすいません、まさか泣くとは…」

 

「ぢーぢゃんゆるじでぇぇぇぇぇ!」

 

「いいから早く何とかしてくれ‼」

 

この後零次と千冬は必死に束を泣き止ませるも未だにすすり泣いていた。

 

「どうだ束、落ち着いたか?」

 

「ぐすっ…ぐすっ……うん…落ち着いた…」

 

「いやー何か、すまねぇ…」

 

「……お前なんか…お前なんかキライだ~〜〜‼」

 

束は再度泣きながら崖の方へ走っていくと、崖の下からニンジンの様な形をしたロケットが出て来てそれに乗り込むとそのまま空に飛んでいった。

 

「俺、やらかしましたかね?」

 

「ああ、後で何があっても知らんぞ?…」

 

束が空に消えてっいった後、さすがに零次も千冬も福音の対応で疲れており、旅館に戻ってそのまま就寝した。それから次の日、IS学園に帰る日がやって来た。零次達はそれぞれバスに乗り込み、出発するのを待っていた。

 

「今回は色々あったね」

 

「ありすぎたけどね…」

 

「精神的に疲れた…」

 

「ごめんなさい、織斑一夏君と坂本零次は居るかしら?」

 

零次達が駄弁っていると金髪の知らない美女がバスの中に入ってきた。

 

「一夏知り合いか?」

 

「いや…零次さんの知り合いじゃないんですか?…」

 

「バカ野郎、あんな美人が知り合いだったハート狙い撃つために奔走してるわ」

 

「あっ、居たわね…」

 

零次と一夏が話しているのを見つけた金髪の女性は零次達の所に歩いてきた。

 

「あの~失礼ですがどちら様ですか?」

 

「え?…ああ、あのときはバイザーを付けていたから顔を見せていなかったわね…私はナターシャ・ファイルス、福音のパイロットって言えばわかるかしら?」

 

「え⁉貴女が⁉」

 

「ああ、貴女がそうだったんですか、バイザーで顔が見えなかったのでわかりませんでした」

 

「いいのよ…それよりも一夏君、あのとき福音を、あの子を止めてくれてありがとう」

 

「あっいえ、どうも…」

 

ナターシャは一夏にお礼を言い、零次の方を向いた。

 

「零次、あのとき私を優しく抱きしめてくれた事、親身になって気遣ってくれたこと、忘れないわ」

 

「いや、そんな大袈裟な…む⁉」

 

零次は喋っていると途中でそれを遮られた、それもそのはず、零次の口はナターシャの唇で塞がれていたからだ。

 

 

 

ズキュゥゥゥン!

 

 

 

 

「「な、なにぃぃぃぃぃ⁉」」

 

『えぇぇぇぇぇ⁉』

 

英次と直哉、他回りにいた女子達は突然の事に驚き、困惑していた。しかし一番困惑しているのはキスをされている零次自身だった。

 

(え⁉なんで⁉なんで俺こんな美人にキスされてんの⁉)

 

零次が1人パニック状態に陥ってる中、ナターシャはただキスするだけに留まらず…

 

「んっ、んちゅっ…ちゅぱっ…んはっ」

 

(し、舌ぁぁぁぁぁぁぁ⁉)

 

「「ディ、ディープキスだとぉぉぉぉぉ⁉」」

 

『お、大人の世界……』

 

『ど、どっちも美男美女だから凄く絵になる…』

 

『どうしよう、濡れてきた…』

 

「……………」(かぁ〜〜〜〜!)

 

バスの中ではナターシャのキスの音が妙に車内に響き渡り、その光景に英次と直哉は絶望し、近くで見ていた一夏は赤面し女子達は更に驚愕していた。程なくしてナターシャは零次から離れ、胸元から名刺を取りだし、零次に手渡した。

 

「これは私からのお礼、メールアドレスと電話番号が書いてるわ、何時でも連絡してちょうだい「させるとでも思っているのか?…」…あら…」

 

いつの間にか千冬がバスの中におり、ナターシャが零次に渡した名刺を取り上げ握り潰した。

 

「生徒を誘惑するのそこまでだ、ナターシャ・ファイルス…」

 

 

「あら、いい男にはどんどん攻めていかない振り向いてもらえないものよ?織斑千冬…でも今回はここまでみたいね…またね零次、また会いましょう。今度は二人っきりで…」

 

それだけ言うとナターシャはバスから降りてった。

 

「まったく、さっさと正気に戻れバカ者!」

 

「ぎゃぁぁぁ!こめかみがぁぁぁぁ!」

 

「うわ~織斑先生零次を片腕だけで持ち上げてアイアンクローしてるよ」

 

「お、おっかねぇ…」

 

零次の悲鳴はバスが出発するまでずっと車内に響いていた。

 

 

 

 

 

 

 




ヤバい…ネタ装備が地球防衛軍の装備しかない…


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36話

2broフォーオナー来た~ヽ(・∀・)ノお、大蛇とウォーデンカッコいい!からのED追加されたぁぁぁ!カッケェェェェ!(゜ロ゜)ってなって発狂していたSIGザビエルです。今回から文化祭に入りますが私事ザビエルはここからあまり続きを知らないのでオリジナル要素が加わると思います。細部が原作と違ったりするところがあると思いますが、何卒ご容赦ください。それでは続きをどうぞ!


慌ただしかった臨海学校を終えてIS学園に帰ってきてから数週間が過ぎ、一般の学校ではもう夏休みが始まろうとしている頃、IS学園1年1組の教室では夏休みの話題ではない別の話題で盛り上がっていた。それは…

 

『やっぱり零次さん達によるホストクラブしか無いでしょ!』

 

『『『それだぁぁぁぁぁぁ!』』』

 

「「「どうすればいいんだ…」」」

 

文化祭の出し物を話し合っていた。

 

「この季節って夏休みシーズンだろ…なんでこんな時期に文化祭やるんだよ…」

 

「俺に聞かないでよ零次…」

 

「なんでも真耶さんが言うには無人機とかVTシステム、更にこの前の臨海学校の件の事後処理のせいで元々組んでた年間スケジュールが狂ったんだって、それで先生達が急いで予定を組み直したら夏休みと文化祭が逆になってて、しかももうこの時期にやるって企業とか各国に通達しちゃったらしいから今更変更するのも出来ないって事でこの時期にやるらしいよ?夏休みは文化祭が終わった後になるって…」

 

IS学園はISと言う物を扱っている特性上、文化祭だろうとISを扱っている企業や各国のお偉いさんが将来有望な生徒の勧誘の為に足を運ぶ、その為今更「スケジュール間違えたので日時変更します」などと言ってお偉いさん達に機嫌を損ねられるを恐れた教師達は強引にこの時期に文化祭をやることを決定した。

 

「その時期もう夏じゃないだろ…」

 

「夏の終わり頃だから辛うじて夏じゃない?」

 

「いやそうだけども…」

 

「はぁ~これでは一向に決まらんか…静かにしろ!そんな案を認める訳が無いだろう!真面目に決めんか!」

 

外野が盛り上がっているなか、零次達が頭を抱えてヒソヒソと話している状況をみかねた千冬がため息を吐くと女子達を叱り、真面目に話し合った結果、出し物は喫茶店に落ち着くこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬のお陰で文化祭の出し物が無事に決まってから時間は進み放課後、楯無が突然生徒は全員体育館に集合するようにと校内放送をかけ、生徒達は体育館に集まったいたが、面倒臭かった零次達は体育館に行くふりをして食堂の厨房で喫茶店のメニューの菓子類を試作していた。

 

「零次、生地はこれくらいで良い?」

 

「ん?……お~良いじゃん、直哉ーオーブンはどうよ?」

 

「オッケー余熱終わったよー」

 

「じゃあ次は英次が作った生地をオーブンシート敷いた天板に生地を乗っけて、後は焼き上がるのを待つだけだ」

 

零次達は喫茶店のメニューの試作品としてシュークリームを作っていた。天板に生地を乗せてオーブンに入れ、焼き上がるのを待つだけとなった零次達は使った道具の後片付けをしていた。

 

「お~良い匂いがしてきた…そろそろかな?」

 

「そうだな、お~きれいに焼き上がってるな」

 

零次は焼き上がった生地をオーブンから取りだし、作っていたカスタードクリームを入れ、シュークリームの試作品が完成した。

 

「めっちゃ美味そう…」

 

「後はこれを千冬さん達にも食べてもらって感想聞いて改善点あったらまた焼いてみてか?」

 

「そうだね……ん?」

 

「どうした直哉?」

 

「いや、なんか地鳴りみたいな音が聞こえない?」

 

「「ん?」」

 

零次と英次が耳を澄ませてみると確かに地鳴りみたいな音が聞こえてきた。

 

「ねぇ零次、なんか近付いてきてない?」

 

「あぁ、なんか前にもこんなことあったな…」

 

「取り敢えず隠れとく?」

 

英次の提案で隠れた瞬間、食堂に女子達が大量に押し寄せてきた。

 

『くっ!ここにも居ないか!』

 

『なんとしても織斑君と坂本さん達を探し出すのよ!』

 

『部費と織斑君は私達剣道部が確保するのよ!』

 

『させないわ!織斑君はソフトボール部のものよ!』

 

『剣道部とソフトボール部が争い始めました!』

 

『こっちには関係ない事よ!私達美術部の目的は坂本さん達!なんとしても他の部よりも早く確保するわよ!』

 

『『『ヒャッハー!』』』

 

『待ちなさい!坂本さん達は私達水泳部が確保するわ!文化部は引っ込んでなさい!』

 

『そんなの知らないわ!文化部舐めないでよね!』

 

『知らんわぁぁぁ!運動部より優れた文化部など存在しねぇぇぇ!』

 

(なんか女子達が大乱闘し始めたんだけど⁉何処の世紀末⁉)

 

(なんで僕達の事探してるの⁉目が怖いんだけど⁉YOUはSHOCKって言うよりI am shockだよ⁉)

 

(楯無…なんか吹き込んだな?ヒャッハー言ってるぞ、まじで何処の世紀末だよ…)

 

零次達が女子達の世紀末状態を隠れながら見ていると突然英次の携帯が鳴り、英次が急いで出ると携帯越しから簪の声が聞こえた。

 

『英次!今何処に居るの⁉』

 

「あっ簪、今零次達と食堂にいるけど…」

 

『今すぐ寮から部屋に逃げて!』

 

「どうしたの簪、何があったの?」

 

『うん、実は…』

 

零次達は簪の話を聞くとどうやら楯無が女子達に一夏もしくは零次達を捕まえたら捕まえた人をその女子達が所属している部活に強制入部、更に部費を増やすと言ったことによりほぼ全生徒が暴徒化、それぞれの部があちこちで一夏を追い回したり、零次達を探したり、部同士で争ったりしていたりと大変なことになっていた。

 

「あいつ、一夏はどうでもいいとして俺達まで巻き込みやがってぇ…」

 

「楯無はちょっとGUILTYだね…」

 

「簪、楯無って今何処にいるかわかる?」

 

『う~ん…多分一夏を追いかけてると思う。一夏を追い掛けてる女子達の後にこっそり付いて行ってたから…』

 

「そうか…よし、楯無を殺りに行くぞ…」

 

「わかった、ありがとう簪」

 

『ううん、お姉ちゃんが悪いから思いっきり懲らしめて…』

 

「了解、まかせて!」

 

英次が通話を終了すると零次達は回りの女子にバレないようにこっそりと食堂から抜け出した。

 

その後零次達は楯無を見つけるが既に千冬が楯無を締め上げており、暴徒化(世紀末化)した生徒も千冬を含めた教師達により鎮圧され、零次達は肩透かしを喰らった気分になった。そして現在、零次達は寮長室で今日作ったシュークリームを千冬達に試食してもらっていた。

 

「どうですか?」

 

「ん~!美味しいです!」

 

「美味いぞ、これなら問題無くメニューとして出せるだろう」

 

「うむ!甘くて美味しいぞお父さん!」

 

「料理だけじゃなくてお菓子でも負けた…」

 

「これお兄ちゃん達が作ったの⁉」

 

「僕は余熱設定して、英次は零次に言われた通りに生地練ってただけだけどね」

 

「そうだね、中身のカスタードクリームは零次が作ってたもんね」

 

英次と直哉が自分が作ったと言えるのかわからず首を傾げている中…

 

「英次さ~ん!直哉さ~ん!私もシュークリームた~べ~た~い~!謝るから、もうしないから私にも…私にもちょうだい~!」

 

部屋の隅で簀巻きにされた楯無が身動きが取れずにバタバタと動いていた。

 

「英次、直哉さん…あのバタバタ動いてる人、信じられないかもしれないけど…私のお姉ちゃんなんだよ?…」

 

「簪、なに言ってるの…君にお姉さんは居ないでしょ?…」

 

「そう…なのかな?…私にお姉ちゃんなんて居なかったのかな?…」

 

「ちょっと直哉さん、簪ちゃん⁉私を居ないことにしないでぇ~!」

 

「みんなー喉乾くと思って取っておき用意したぞー」

 

英次達がシュークリームを食べているとキッチンから出てこなかった零次が紅茶と人数分のティーカップを持ってきて、ティーカップに紅茶を注いで渡していった。

 

「お~いい香りだな…」

 

「はい!それにとっても美味しいです!」

 

「はぁ~いい匂い…」

 

「シュークリームに凄く合うぞお父さん!」

 

「あれ?これって…」

 

「あ~やっぱりシャルロットはわかるか、前にフランスに行った時にマリ〇ージュのいい茶葉が手に入ったからな、それを使った」

 

「あー道理で飲んだことある様な気がしたんだ」

 

「あ~紅茶!しかもマリ〇ージュ!いい香り!」

 

「…楯無まだ簀巻きのままだったのか…まぁいいか、それより千冬さん実はシュークリームの他にもティラミスも作ったので食べてみてください」

 

「え⁉ティラミスもあるの⁉」

 

「お~これも美味いな!」

 

「こっちも美味しいです!」

 

「ほんのり苦味があって甘さも丁度よくて美味しい!…」

 

「もぐもぐもぐ…」

 

「あ~ラウラ、美味しいのはわかるけど急いで食べなくでもいいから、ほら~頬っぺたについてるよ?」

 

「む~…すまないシャルロット…」

 

「私も!私も食べたいよ~!」

 

「はぁ~もうしょうがないな~」

 

英次は楯無を哀れに思ったのか皿にシュークリームとティラミス、紅茶を楯無の所に運んでいって床に置いた。ただし食べれそうで食べれない位置に…

 

「ちょっと英次君⁉これ!これをほどいて⁉簀巻きから解放されないと食べたくても食べれないんだけど⁉」

 

「ねぇねぇ今どんな気持ちw?食べれそうで食べれないのってどんな気持ちw?」

 

「う、うわぁぁん!英次くんがいじめる~!」

 

「うわー英次いくらなんでも女の子にそれはゲス過ぎでしょ…」

 

「英次、流石に哀れに思えてきた、ほどいてやれ…」

 

千冬の温情により楯無は簀巻きから解放され涙を流しながらシュークリームをたべていた。

 

「うっ、うっ…美味しいよ~」

 

「はぁ~一夏はどうなってもいいけどもう俺達には変なことするなよ?」

 

「バカ者、一夏にもちょっかいは出すな…」

 

「はい…もうしません…」

 

「もう…お姉ちゃん、泣かないで…」

 

「うわ~ん!簪ちゃ~ん!」

 

「姉が妹に泣き付いてるって、どっちが姉なのかわからなくなってきたぞ…」

 

この後試食会は終わり、シュークリームは問題無くメニューとして、ティラミスは材料の関係で限定販売となった。すると試食会が終わって直ぐに楯無が急に真面目な顔になり皆を見た。

 

「実はね、私と簪ちゃんで皆に2つ報告する事があるの」

 

「「「「「「「報告?」」」」」」」

 

「うん、1つは私から…」

 

「簪が報告する事?……もしかして…」

 

「うん、私の専用機、打鉄弐式が完成したの…」

 

「お~そう言えば後ちょっとで完成するって言ってたもんね!おめでとう簪!」

 

「うん、ありがとう、英次…」

 

「それともう1つなんだけど、最近IS学園の周辺で不振人物の目撃が多発してるの」

 

「不振人物?どんな?」

 

「えっとね、顔を隠してるけど背格好からして男性ね、気になってうちの者を送ってみたんだけど…もう見掛けなくなったの…」

 

「え?見掛けなくなったらいいんじゃないですか?」

 

「山田先生、それは通常の場合です。数日経ったら別の人物がIS学園の周辺で目撃されています」

 

「なるほど、かなり怪しいな…」

 

「はい、だから文化祭中に何かあるんじゃないかって思ったんです。取り敢えず再度教師や全生徒に言うつもりではありますけど、一応気を付けて下さい…」

 

楯無の言葉に皆は頷いたが楯無それでも不安を抱かずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

IS学園から2㎞離れた廃工場、そこにはたくさんの武装した集団がいた。

 

『諸君、いよいよ計画を実行するときが来た。我々の長年の恨み、今こそ晴らすべき時だ!』

 

『『『おぉぉぉ!』』』

 

彼等は雄叫びを上げ今回の作戦が成功するものとばかり思っていた。この後悲惨な事になるとは思いもせず…

 

 

 

 

 



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37話

遅くなって申し訳ありません。FGOにハマりすぎて全く書いていませんでした。すまねぇ☆それでは続きをどうぞ!


零次達の喫茶店のメニューが無事に決まった後、文化祭の準備期間も瞬く間に過ぎ文化祭当日、零次達はそれぞれ喫茶店で仕事をしていた。

 

「いらっしゃいませ、お席にご案内致します」

 

『は、はいっ!』

 

「ありがとうございました。またのご来店を御待ちしております」

 

『はぃ…絶対にまた来ます…』

 

「お待たせ致しました。シュークリームでございます」

 

『あ、ありがとうございます…』

 

『零次さん!シュークリームの材料が足りないです!』

 

「わかった!食堂の冷蔵庫に材料を入れてあるから君は何人か連れて材料を取りに行って来てくれ!その間俺がフォローに回る!」

 

『わかりました!』

 

((((め、めっちゃ疲れた!))))

 

それもそのはず、文化祭が始まってから外部の人以外にも他のクラスの女子達も来るため1組の喫茶店の前には長い列が出来、しかも一向に減る気配が無かった。文化祭が始まってから3時間、余りにも人が多かった為、男性陣は休憩する事が出来ず、特に喫茶店のメニューを考えた零次と一夏は度々厨房のフォローに回らなければならない時があり、尋常じゃない疲労が溜まっていた。

 

『零次さん、もうすぐで昼になるので零次さん達はもう休憩して下さい。朝から休み無しで相当疲れてる筈なので休みがてら他のクラスの出し物を見て回ったりしても大丈夫です』

 

『厨房は私達で何とかするのでゆっくりしてきてください』

 

 

クラスの女子達が零次達に休憩するように勧めてきた。顔には出ていないが零次達が朝から働いているのを見かねて流石に休んでもらいたかったらしく、そう言い出した。

 

「……わかった、後は任せるよ…英次、直哉、一夏、休憩入って良いってさ、飯食いに行こうぜー」

 

「やった~やっと休憩か~」

 

「めっちゃ腹減った…」

 

「そうですね…かなり疲れました…」

 

やっと休憩できるとわかった零次達はそれぞれ疲れを見せていた。その後みんなで何処で昼飯を食べに行くかと話していると、楯無が現れ一夏を連れて行った為、仕方なく零次達は3人で昼飯を取ることにした。

 

一夏が楯無に連れて行かれた後、零次君は教室を出て食堂に行くために廊下を移動していた。

 

「なんで楯無は一夏連れてったんだろうね?」

 

「あの顔は絶対なんか企んでる顔だったよ…」

 

「一夏の尊い犠牲を噛み締めて早く昼飯食べに行くぞ~」

 

「あっ英次お疲れ様」

 

零次達が廊下で話ながら歩いていると4組の教室から簪が出てきた。

 

「簪お疲れ!簪も今から休憩?」

 

「うん、朝から休憩しないで働いてるんだから休んでこいって言われて追い出されちゃった…」

 

「なんだ、簪も僕達と一緒か」

 

「やっぱり直哉さん達休憩して無かったんだ…」

 

「ん?なんでわかったんだ?」

 

「1組の列が凄かったので多分休憩してないんじゃないかなって」

 

「ダメだよ簪、ちゃんと休憩しなきゃ…」

 

「む~英次も私の事言えないでしょ?」

 

「そうだけどさ、簪ってそういう所で頑張り過ぎちゃうから心配になるんだよ」

 

「もう…わかった、次からは気を付けるね?」

 

「簪も昼ごはんまだなんでしょ?だったら僕達と昼ごはんにしない?」

 

「はい、でも何処で食べますか?」

 

「そうだね、何処で食べる?」

 

「せっかく屋台とかもあるんだし色々見ながら屋台で食べ歩きって感じで良いんじゃない?」

 

「あっ私もそれが良いです…」

 

「俺も賛成ー」

 

「じゃあ決まったし早速見て回るか」

 

こうして零次達は4人で回ることが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

簪も加わり、零次達は他クラスの出し物を見がてら屋台によって食べ歩きをする事になり様々なクラスの出し物を見て回り、現在零次達は外の開けた場所で行われている出店エリアに来ていた。

 

「結構いろんなのがあるんですね…」

 

「そうだね、外で屋台やったり僕達見たいに中で喫茶店みたいな感じでやってクラスもあるんだね」

 

「おっ!あの唐揚げ串美味そう」

 

「おいりんご飴とかもあるぞ、ちょっと買ってくるわ」

 

直哉と簪が屋台を見回している最中に零次と英次はそれぞれ食べたいもの見つけて買いに行っていた。

 

「お待たせ、みんなの分も買ってきたよー」

 

「俺からはりんご飴、普通サイズだとデカいから小さい奴買ってきた。俺は普通サイズだけど」

 

戻ってきた零次と英次はみんなの分も買ってきており買ってきた食べ物をそれぞれ手渡した。

 

「唐揚げ美味い!」

 

「あっふ!あふい!でも凄く美味しい!」

 

「でしょ?」

 

「(ガジガジガジ)りんご飴うめー」

 

「零次りんご飴噛み砕いてる…」

 

「零次は昔からりんご飴よく噛んでたよね」

 

「ふふっなんだか子供見たいですね」

 

「もう小学生の頃からやってるから癖になってな」

 

「あれ?零次達じゃね?」

 

「あーやっと見つけたわ」

 

「「「「ん?(え?)」」」」

 

突然後ろから声を掛けられ、零次達は反射的に後ろを振り向くとそこにはピンさんとモヒカン頭の男性が立っていた。

 

「「「モリやんにピンさん!」」」

 

「えっと…英次達の知り合いなの?」

 

「あーえっとね、俺達のゲーム実況グループって実は3人じゃなくて実は不定期参加メンバーってのが要るんだけど、そのメンバーがこの2人なんだよ」

 

「そっ!だから本当は僕達3人じゃなくて後2人入れて計5人なんだよ」

 

「で、右の癖毛がピンさんこと矢神健介、前にフランスでの話でいってた人な、それで左のモヒカンがモリやんこと守山和也だ」

 

「零次、その可愛い子誰?」

 

零次が簪に2人の説明をしているとモリやんが簪を見てそう言った。

 

「えっと、この子は更識簪っていって、俺達の妹分で英次の彼女」

 

「………はぁ⁉」

 

「この子が⁉この可愛いJKが⁉」

 

「えっと、その…更識簪です…え、英次の彼女です…」

 

「えーと、守山和也です。よろしく」

 

「矢神健介です。零次達からはピンって呼ばれる事が多いけど呼びやすい方で良いから…それと君の彼氏ボコボコにしていい?」

 

「えぇ⁉」

 

「ちょっとなんで⁉」

 

「あ?お前が俺達よりも早くこんな可愛い子彼女にしたからだろうが!」

 

「紐無しバンジージャンプとコンクリ詰めのどっちか選べや」

 

「お前等完全に俺を殺しにかかるなよ!」

 

「あ、あの…やめてください…」

 

「「あ?」」

 

英次に迫るピンさんとモリやんに簪は2人の形相に涙目になりながらも立ちはだかった。

 

「……命拾いしたな英次」

 

「その子に免じて許してや…」

 

「「お前等なに人の妹分泣かせてんだ!」」

 

「「いってぇぇぇぇ!」」

 

メンチを切ってるピンさんとモリやんに零次と直哉がそれぞれ拳骨を喰らわし、ピンさんとモリやんはあまりの威力に地面を転げ回っていた。

 

「何しやがる零次!」

 

「お前等が簪にメンチ切ったからだろうが!」

 

「いやそれは悪かったけども、それでもお前全力で脳天殴ることないだろ⁉」

 

「いや自業自得でしょ」

 

「それよりもよー、ちょっとお前等に聞きたい事あるんだけど」

 

拳骨の痛みが退いたのかモリやんが立ち上がり何故か首を傾げていた。

 

「どしたのモリやん?」

 

「いや、IS学園って男の警備員っているのか?」

 

「いやー……居ないね、今回の警備も全員女性だったと思ったけど」

 

「それがどうかしたのか?」

 

直哉の言うとおり、IS学園には学園長と一夏、零次達以外に男性は居らず、警備等もIS学園のISを扱っている事もありセキュリティ面は世界最高峰と行っても過言ではない、がしがし今回のような大人数の外部の人が来る行事では一々調べる事も出来ないため、一部のセキュリティを解除して教師が警備を担当していた。

 

「じゃあやっぱアイツ怪しくね?」

 

「だな…」

 

「あの、健介さんと和也さんは何か気になるとこでもあるんですか?…」

 

「いやな、さっき此方に来る前にスーツ着た男を見かけたんだけどな?」

 

「スーツ姿の男?」

 

「おう、最初にピンさんが気付いたんだけどさ、そいつな、背筋が良いのに左肩だけが少し下がってたんだよ」

 

「「「……っ!」」」

 

「え?肩が下がってたらダメなんですか?」

 

零次達はモリやんが何を言いたいのかがわかると顔を険しくしたが、簪だけはわからずにいた。

 

「簪…多分そいつは銃かなんか持ってる」

 

「え…銃⁉で、でも英次、どうしてわかるの?」

 

「さっきソイツの肩が下がってたって言ってたでしょ?多分スーツの中にショルダーホルスターなんかを付けて銃か爆発物を隠してる、左の肩が下がってるのは左側に隠してる物のの重みで下がってるからだよ」

 

「でも入り口には最新の防犯機器が設置されてるんだよ⁉いくら人がたくさん来るって言っても金属探知機くらいは起動してるよ⁉銃なんて…」

 

「まだ3Dプリンターが出た初期の頃、3Dプリンターでプラスチックを加工さて拳銃のパーツを作った奴がいて逮捕された事件があった。同じ事をすれば金属探知機なんて引っ掛からない」

 

「それにもし銃だった場合弾薬の鉛が引っ掛からないように多分だけどホルスターにもなんか細工してるな…爆発物だったらプラスチック爆薬なら引っ掛からない…」

 

「てかボディチェックすればわかるだろ、警備が笊って言われても文句言えねーよあれ」

 

「取り敢えず織斑先生に連絡した方が良いよこれ」

 

簪がまだ信じられないと言わんばかりの顔をしている中、零次はISの通信機能を使って千冬に連絡を入れていた。

 

「…千冬さん、零次です」

 

『どうした零次、今忙しい、後にしてくれ』

 

「拳銃か何にかを隠し持った男が居たそうです。前に楯無か言ってた不振人物の可能性が高いです」

 

『なんだと?…お前が目撃したのか?』

 

「前にフランスで会ったピンさんって居るじゃないですか、今IS学園にきてるんですけど、ピンさんがIS学園の入り口付近で見たそうです」

 

『あの男が?……そうか、実は今一夏が亡国企業と名乗る組織の構成員に襲われて負傷した。白式を奪われかけたが、幸い駆け付けた楯無が撃退して逃走したそうだ』

 

「亡国企業?何ですかその中二病臭い名前は」

 

『知らん、ともかくそんなことが会った矢先だと言うのに…』

 

「その構成員が囮って線もありますけど一夏と白式以外でメリットなんて殆ど無いですよ?」

 

零次達が色々考えているとモリやんが口を開いた。

 

「なぁそれって普通にテロ目的なんじゃね?」

 

「「「「「テロ目的?」」」」」

 

「おう、例えばISとか困る女に恨みがあってIS破壊しに来たとか…(ドオォォォォン!)なんだ⁉」

 

モリやんがテロ目的なんじゃないかと話していると、突然爆発音が響き渡った。更に町方向から輸送用のヘリが数機IS学園に侵入しヘリから防弾ベストとフルフェイス型の防弾ヘルメット姿の武装した集団が降下してきた。

 

「モリやん、まさかお前までフラッガーになるとは思わなかったよ」

 

「モリやん…ようこそ俺の領域へ」

 

「なわけねーだろ!んなことよりどうすんだよ⁉」

 

「普通は避難するしかねーけど、どうする零次」

 

「俺達は取り敢えず隠れる、千冬さん、専用機持ちに声掛けて一般の人をアリーナに避難させて下さい。多分教師はお偉いさんが避難させろってうるさいでしょ?俺達は機会を伺って奇襲を仕掛けますそれまで立て籠ってて下さい」

 

「わかった、お前達も気を付けろ…主に学園を破壊しかねないあの男にな」

 

「……難しいですけど努力します」

 

それだけ言うと零次は通信を切った。

 

「よし、俺達もここから移動するぞ」

 

「「「「「おう(了解、は、はい!)」」」」」

 

 

 

 

零次達が移動している頃、IS学園の体育館には先程降下してきた武装集団が占拠していた。体育館の中にはIS学園の生徒と文化祭に来ていた一般客が多数が銃を突き付けられていた。その中には箒やセシリア、鈴もいた。

 

『騒ぐな!大人しくしろ!』

 

『この中には専用機を持っている者がいたら名乗り出ろ!しらばっくれればこの中の誰かを射殺する!』

 

(箒、セシリア、このままやり過ごすわよ)

 

(ええ、隙をついて無力化しますわ)

 

(私は一般客の盾にな…)

 

箒達は専用機を持っていない振りをしてやり過ごそうとした、が…

 

タァン!

 

(((っ⁉)))

 

『…………え?』

 

武装集団の1人が構えていた拳銃で前にいた男性に発砲、左胸に命中した。

 

『出てこないんなら次はその隣の女が死ぬぞ!』

 

『い、いやあぁぁ!殺さないでぇぇぇ!』

 

(くそっ!)

 

(……仕方ありませんわね)

 

(ええ…)

 

箒達は渋々前に出て来て専用機を渡した。

 

『ちっ、ガキが手間取らせやがって』

 

『隊長、織斑一夏、他男性IS操縦者が見当たりません』

 

隊長と呼ばれた男は不機嫌な顔をしていた。

 

『見ればわかる、何処に行った』

 

『はい、現在捜索中ですが、複数の専用機持ちが大半の一般人をアリーナに避難させ立て籠っているようです。一部取り残された生徒が校内で立て籠っています。いかがいたしましょう』

 

『隊長、ここの人質を使って炙りだしゃいいだろ』

 

『いや、人質はこれ以上いれば逆に邪魔になる、となると……隊を分ける!アルファは残り、チャーリーは俺についてこい、残りは半々に別れてアリーナと校内回りの警戒をし…(ドオォォン!ドオォォン!)なんだ!何があった!』

 

『隊長!こちらブラボー!広場に着陸していた輸送ヘリが爆発しました!誘爆で8機の内5機が大破、残りの3機は1機中破、2機小破で…(サマラ~、シャマラ~)…な、なんだてめぇ等⁉(サマライソ~ド!)や、やめ…』

 

『どうした!応答しろブラボー!』

 

『隊長何があったんですか!』

 

『…ブラボーとの通信が途絶えた』

 

『はぁ⁉あっちにはウィルがいたはずだ!平和ボケしたジャップどもに遅れを取る訳がねぇ!』

 

『黙れガレス!今から編成を変える!お前はデルタを指揮してブラボーをやった奴らを始末しに行け!ルーカスはエコーを指揮して校内に立て籠っている教員どもを始末しろ!アルファはアリーナのガキどもに動きがあったら人質を脅して動けないようにしろ!チャーリーはそのまま俺と来い!』

 

『『了解!』』

 

ガレス、ルーカスと呼ばれる男達はは命令をされると迅速に行動した。

 

『今度こそ復讐の時だ…誰にも邪魔はさせん!』

 

隊長と呼ばれた男は移動している最中に静かに、しかし増悪を煮えたぎらせそう呟いた。

 

 

 

 

 

 




守山和也 21歳 零次達の実況グループ不定期メンバー最後の1人、ピンさんほどではないがメンバー内ではボケ役、ピンさんと同じく実況者名で呼ばれる事が多くモリやんかモリさんと呼ばれている。また髪型がモヒカンであるのとよくチンピラのような言動になるためチンピラと間違えられるときがある。




2broの皆さんが喫茶店かBarを経営していたら行ってみたいです。


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38話

最近いい言い回し方が思いつかないです。……これが噂に聞くスランプってやつなのか⁉( ; ゜Д゜)それはそうと2broのタイトルがいまいちわかりませんが100人でバトル・ロワイアルするゲームの実況動画が面白くて半端ないです。それでは続きをどうぞ!


武装集団がIS学園を制圧した頃、零次達は見つからないように回りの状況を確認していた。

 

「で、この後どうするよ」

 

ピンさんはこの後どう行動するのか気になり零次に聞いてみた。

 

「まずは状況の確認とみんなの安否の確認だな、それからさっきの奴等の足を潰す事だな…」

 

「あの、足を潰すってどう言うことですか?」

 

足を潰すの意味がわからず、簪は首を傾げて零次に訪ねた。

 

「足を潰すって言うのは移動手段を無くすって事だよ」

 

簪の疑問に英次が答えると、隣にいた零次が頷いた。

 

「英次が言った通りだ、さっき奴らはヘリでIS学園に侵入してきた。いくら文化祭で警備が甘かったとは言えIS学園のセキュリティは強固だ、そう簡単には侵入出来ない。特に陸への移動手段は基本的にモノレールなんかでしか繋がってない、となると侵入ルートは空か海のどちらかに絞られる、だがさっきも言ったようにIS学園のセキュリティは強固だ、海の中にも侵入を防ぐ措置がされてるのが妥当だろ、となると多少強引にでも侵入するとなると空から侵入するしかない。だから足であるヘリを破壊すれば奴等はもう逃げれない、そうなったら後は人質なんかもいると思うから人質助けてその後は各個撃破って感じか?」

 

それをいい終わると零次はジェフティの通信機能でシャルロットに連絡を入れた。

 

『お兄ちゃん⁉今何処に居るの⁉』

 

「おうシャルロット、俺達は無事だ、お前は今教室か?」

 

『うん、ラウラも一緒に居るよ、今呼ぶね?…ラウラ!お兄ちゃんから通信来てるよ!』

 

『お父さん無事か⁉』

 

「おーラウラか、此方は大丈夫だ』

 

『今私達は一般客を教室に避難させて立て籠っている、今のところ襲撃には合っていないが念のためISを起動して周囲を警戒している』

 

『いち早くラウラが異変に気付けたから校舎の皆を教室に避難させて何とか無事に済んたんだよ』

 

「オーケー、ナイス判断だラウラ」

 

『お父さんはこれからどうするのだ?』

 

「取り敢えず今は楯無に連絡入れてみる、アイツだったら状況大体わかるだろ、ラウラとシャルロットはそのまま一般客を守っててくれ、多分校舎に入ってくると思うだろうから警戒しててくれ」

 

『わかったぞお父さん!』

 

『私も了解だよ!』

 

「おう頼む、それじゃあ切るぞ?」

 

零次はシャルロット達と通信を切ると今度は楯無に連絡を入れた。

 

『もしもし零次さん⁉今どこですか⁉』

 

「おー出たか…楯無無事か?俺達は一応無事だ、今グラウンド近くの茂みに隠れてる」

 

「お姉ちゃん!大丈夫⁉」

 

『簪ちゃん⁉良かった、零次さん達と一緒に居るのね⁉…はい何とか私は一夏君と生徒会室に居ます」

 

「状況を確認したい、今どんな状況かわかるか?」

 

『今所属不明の武装集団がIS学園を制圧しています。ISで鎮圧しようにも彼等が侵入してくる前に何者かがIS格納庫を爆破、ISは無事だと思うですけど建物が崩れて瓦礫でISが出動出来ない状態になってます』

 

「あーあの爆発音は格納庫が爆破された音だったのね?」

 

『はい直哉さん、教師は各国の政府関係者、IS企業の重役を職員室に避難させ立て籠っています。織斑先生から聞いてると思いますけど一夏君を襲った亡国企業の後だったので、2年の専用機持ち達には警戒しておくように言ってたので幸いにもその子達が避難誘導してくれたおかげで一般客の殆どがアリーナに避難出来ました。でもその他の人は生徒も含めて人質にされて体育会に集められてるみたいです』

 

「やっぱそうか~、となると最初は人質の救出か?…」

 

「はい、今アリーナにいる専用機持ち達と連絡を取り合って救出作戦を検討していました」

 

「いや、その案は不味いかもしれない」

 

楯無は専用機持ち達での救出作戦を検討していたが零次はその考えに待ったをかけた。

 

「やっぱり不味いですか?」

 

「ああ、ISは確かに対人では過剰火力だが向こうには人質がいる、仮に人質に銃突き付けられてるか爆弾が付けられてたら此方は手出し出来ない、最悪ISを解除するよう脅されて没収されて人質の仲間入りするのが関の山だ。ここはISを使わず少数で敵に奇襲を掛けて人質に被害が及ぶ前に素早く無力化するしかない」

 

「それは私も考えました。けどIS無しでの戦闘経験がある子達なんて居ないんです。それに隠密行動なんて私位しか出来なくて…1人だとさすがに厳しいですし…どうしても」

 

「だろうな~…じゃあ…」

 

「ねー零次、話してるところ悪いんだけどピンさんとモリやんが角材とLPガス缶持ってグラウンドに突撃してったんだけど…」

 

英次がそう言った瞬間、グラウンドで爆発が起こり、グラウンドに停められていたヘリが吹き飛ばされた。

 

「「サマラ~、サマラ~、Year~」」

 

「はぁぁぁぁ⁉アイツ等何やってんだ⁉楯無!人質の救出は俺達がやる!体育館の敵を制圧したら合図するからアリーナの専用機持ち寄越してくれ!」

 

『え⁉ちょっと零…』

 

楯無が零次の名前を言い終わる前に零次は通信を切った。

 

「なんでお前等止めなかったんだよ!」

 

「仕方ないでしょ!勝手に行っちゃったんだから!」

 

「零次!直哉!早く止めに行かないとヤバイよ!」

 

「「わかってる(よ)!」」

 

「「「止めないとIS学園が大惨事になる!」」」

 

「あ!待って英次!」

 

零次達がグラウンドに出るとそこは阿鼻叫喚と化していた。先程の爆発でグラウンドにはクレーターが出来ており、M4カービンに防弾ベスト、防弾メットを装備した敵が「サマラ~」と叫び、私服姿で角材を振り回しているピンさんとモリやんに成す術無く追い回されているという謎の光景が広がっていた。

 

『くそっ!なんなんだよコイツ等!こんな奴ら報告になかったぞ!』

 

『ファック!当たれ!当たれよ!なんでコイツ等弾が当たらねぇんだよ!「サマラ~」くそっ!来るな!来るなぁぁぁ!』

 

「人と話すときはヘルメット外せってお母さんに言われたやろ!」

 

「おら!ちゃんと人の目を見て話し聞けや」

 

ピンさんは銃で撃ってる敵を振り回していた角材で、殴りまくり、モリやんは倒れて白目を向いてる敵に馬乗りになって胸ぐらを掴みガクガク揺らしていた。

 

「「「うわぁ………」」」

 

「英次、あの人達怖いよ……」

 

零次達はドン引き、簪はあまりの所業に怖がり英次の後ろに隠れているとピンさんとモリやんが敵を全員ボコボコにしたのか戻ってきた。

 

「おいお前等おせーよ!」

 

「もう終わったぞ」

 

「ピンさんとモリやん勝手に動くなよ!」

 

「これで他の敵に気付かれたじゃん!」

 

「いや違うよ、俺はピンさんが勝手に角材持って走っていったから…」

 

「おいなんだ、仲間割れか?別にいいぞ、俺はこのまま投降したっていいんだぞ?」

 

「「おいおいおいおい」」

 

「おうコイツ消せや」

 

「俺はお前等の素性全部知ってんだから、投降して全部喋ってもいいんだぞ?」

 

「ひどい、ひどい仲間割れが…」

 

「てかなんで簪ちゃんお前の後ろに隠れてんの?」

 

「お前等の所業に怯えてんだよ‼」

 

「まぁ角材で人をボコボコにする奴なんてこんなご時世にそうそういないからなー」

 

「まぁでもこの騒ぎで体育館にいた奴らが出てくるのは確かだしなー、その隙に体育館の人質助けに行くぞ…簪」

 

「な、なんですか?」

 

簪はまだピンさんとモリやんに怯えているらしく英次の後ろから頭だけを恐る恐ると出して零次を見ていた。

 

「人質を助けた後にアリーナの専用機持ちと楯無が協力して人質をアリーナに避難してもらう手筈にしよう思ってる、簪にはその手伝いをしてもらいたい」

 

「手伝い、ですか?」

 

「ああ、アリーナに誘導してるときに敵の増援が来るかもしれないからな、護衛は出来るだけ多い方がいい、それを頼んでもいいか?」

 

「わかりました、頑張ります!」

 

「よし、そしたら敵の増援が来る前に体育館に移動するぞ」

 

「「「「「了解(はい、おう、うぃーす)」」」」」

 

 

零次達は見つからないように茂みに隠れながら体育館に向かっていた。途中、グラウンド方向に向かってくる敵集団を発見したが物影に隠れてやり過ごし、何とか体育館近くまで到着した。

 

「結構居るね~」

 

直哉が茂みから体育館を観察すると外に結構な数の敵がいた。

 

「そうだな、ざっと10から15ってとこか?」

 

「多くね?外だけでこれかよ、しかも中の状況わかんねぇーし、零次どうやって入るよ…」

 

「任せろ、俺に考えがある…」

 

モリやんが数えた人数を聞いたピンさんがどうやって入るかを零次に尋ねると零次は何か考えがあるらしく細く笑っていた。しかしその顔は何ともゲスい笑みであった。

 

 

 

 

 

 

 

(で、なんで俺達がこんな事にはなってんだよ)

 

(知らねーよ!零次に言えよ!)

 

零次が敵を制圧する作戦を言ってから数分後、ピンさんとモリやんは体育館の中にいた…敵に捕まって…

 

『仕方ないだろ、俺達だと顔割れしてるんだからピンさん達に頼むしか無いじゃん?(ニヤニヤ)』

 

零次が考えた作戦はこうだ、まずピンさんとモリやんにわざと捕まってもらい体育館の中に入れる、体育の中に入った後は零次から渡された小型通信機で中の状況を報告次第、零次達が外の敵に強襲、体育館内の敵の注意が人質から外に向けられた瞬間にピンさんとモリやんが奇襲を仕掛け、素早く無力化すると言った作戦だ。

 

(てかこの小型通信機どうしたんだよ)

 

『名探偵コナンの探偵バッチって便利そうじゃん?』

 

(知らねーよ…取り敢えず中には5人、二階には誰も配置されてねぇ、人質は体育館の奥の壁を背にして1ヶ所に集められてるな)

 

『意外と中に居ねぇな』

 

『人質には脅威が無いと思ってるのかな?…』

 

『まぁ丸腰の一般人とIS持ってない生徒だからね』

 

(じゃあ後はお前等の…(ちょっとあなた達!外と連絡出来るんなら早く助け呼びなさいよ!)は?…)

 

モリやんが零次達に強襲を仕掛けるよう指示を送る直前、ピンさんの隣にいたスーツ姿の女性がピンさんとモリやんの通信機での会話を聞いていたらしく、小声だがヒステリックな声でそう言ってきた。女性のスーツの上着には女性権利団体の会員バッチがついており、ピンさんはイライラしだし、モリやんはやっちまったーと心の中で呟いていた。

 

『どうした?モリやん』

 

(いや…ピンさんの隣の女に会話が聞こえてたみたいで早く助け呼べって言われた。しかもそいつ女性権利団体の女だ…)

 

『え?…』

 

『……マジで?』

 

『……ピンさんどうしてる?』

 

(めっちゃイライラしてる…)

 

『『『やべぇぇぇぇ!』』』

 

『?』

 

なぜ零次達がこんなに慌ているかというと、ピンさんは前に何回か女尊男卑の風潮を受けた女性に絡まれた時があり、以来そういう女性が嫌いになり、絡まれると相手の女性は零次達が止めるとはいえ、怪我ではすまなくなるような状況になってしまいそうになることが何度かあった。

 

(待てピンさん!落ち着け!)

 

(なにもたもたしてるの⁉早く助け呼びなさいよ!私は女性権利団体の幹部なのよ⁉社会的に死にたくなかったらさっさとしなさい!これだから男は、「うるせぇ腐れビッチ!」ゴワァっ⁉)

 

『なんだ!何の音だ⁉』

 

モリやんがピンさんを止めようと動くが時は既に遅く、ピンさんは今にも叫びだしそうな女性を殴り飛ばし、殴り飛ばされた女性はぶっ飛び、壁に叩きつけられ、その音で敵に気付かれてしまった。

 

「ピンさんなにやってんだよ⁉」

 

「しかたねぇだろうが!手が出ちまったんだからよ!」

 

殴り飛ばした時の音で敵がピンさん達に気付くがピンさんは素早く一番近くにいた敵に詰めより、羽交い締めにして盾代わりにし、太腿に付けられたホルスターから拳銃を引き抜き回りの敵に撃ち無力化していった。モリやんも体育館の隅にあったパイプイスを敵に向けて全力投球して倒していった。

 

中の敵を倒し終わると丁度外の敵を倒し終ったのか零次達が体育館に入ってきた。

 

「ピンさんマジでバカ!なにやってんだよ!」

 

「ちょっとこれは反省会が必要じゃない?」

 

「は?」

 

「え?」

 

「いやいや何を反省する必要があんだよ」

 

「いや、ゴミとは言え市民を殴り飛ばして作戦を台無しにした…」

 

「それはコイツだけだろ!」

 

英次の指摘にモリやんは張本人のピンさんを指差した。

 

「いや違うよ、俺はただ、公害を…その…」

 

「いや待って公害ってお前wいくらなんでもw…」

 

「公害を地球上から排除して何が悪いんだよいったい」

 

「待ってコイツマジでゲス過ぎて…」

 

「何がゲスだよ、存在が公害を俺は排除しただけだよ」

 

「いや別にさ、殴り飛ばしたのはいいよ?でもお前のせいで作戦台無しだわ」

 

「そうだよ直哉の言う通りだよ」

 

「俺達と人質を危険にさらした罪が…」

 

「なんで?なんで殴り飛ばしたの?絞め落とせばよかったでしょ?」

 

「おいぃぃぃ!」

 

「ちょ待って⁉直哉おまw…本当にゲスだなお前等w」

 

「あ~その手があったか直哉…悪い、ついカッとして…」

 

「いい?次から女尊男卑のビッチは絞め落とせ」

 

「次から女尊男卑のビッチは絞め落とす、わかった」

 

「お前等、その会話回りの人達聞いてんだからな?」

 

零次が言った通り、人質にされていた一般客や生徒はピンさんの所業と直哉の発言にドン引きしており、一部の女尊男卑の考えを持っている女性はピンさんの所業を思いだし恐怖に震えていた。せっかく人質を助けたのにまるで零次達がテロリストのように見られ、何とも言えない空気になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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39話

久しぶりに2broのダンジョンナイトメア2を観ていて兄者の自己紹介の「ぼぅも、パイの実食べてまふ兄者でふ」で笑ってしまいました。それとやっぱり戦闘描写が難しいです。すいません!それでは続きをどうぞ!


何とか人質を無事に救出(ピンさんが殴った女性は除く)した零次達は体育館の周囲の安全を確認した後、零次は人質のアリーナへの避難誘導の為楯無に連絡を取っていた。

 

『零次さん!いきなり通信切らないでくださいよ!』

 

「いやー悪い、連れが角材とLPガス缶持って敵に突撃してったから…」

 

『どんな連れですか⁉』

 

「まぁまぁ落ち着けって…それよりも何とか敵を倒せたから専用機持ち此方に寄越してくれ」

 

『…わかりました。すぐに…って言いたいんですけどもアリーナに避難してる人達の何人かがパニック状態になって手がつけられない状態らしいの、あの子達が落ち着かせてる見たいなんだけど来るまでに少し時間が掛かるからそれまで人質の護衛をお願いします』

 

「ああ、わかった」

 

零次が楯無と人質の避難の為に連絡を取り合っている頃、英次達は人質の状態の確認と倒した敵から装備をぶんどっていた。

 

「「「英次、簪(さん)!」」」

 

「箒!セシリア!鈴!良かった、怪我とかしてない?」

 

「あれ?なんで箒達はここに居るの?」

 

英次と簪とモリやんが人質に怪我人が居ないかを確認していると人質の中から箒、セシリア、鈴が出て来て英次に駆け寄ってきた。

 

「いや…その…」

 

「それは…いろいろありまして…」

 

「それよりもあの人達はなんなのよ⁉女を殴り飛ばしたり、銃でアイツ等倒したり!」

 

「いやーそれは此処だと人が多すぎてちょっと言えないんだけど…」

 

「おい!おっさんどうした!」

 

英次が箒達と話しているとモリやんが突然声を上げ、人質の方へと走って行くとそこには胸を押さえて倒れている中年程の男性がいた。英次達も急いでそこに行くと、回りの人が応急処置をしたのか血に染まったタオルやハンカチが辺りに散らばっていた。

 

「この人は?…」

 

「さっきの奴等に撃たれたんです…幸いにも当たった弾が骨に当たったので心臓には達しなかったので大事にはなっていなんですが…この人が撃たれてから専用機を渡さないとまた撃つと脅されて私達はISを…」

 

「なした!なした!おっさん!おっさんどうした!」

 

英次が男性の容態と事情を箒から説明を受けていると、武器を漁っていた筈のピンさんが騒ぎを聞き付けて駆け寄ってきた。

 

「おっさんどうした?…ちく…乳首か?」

 

「乳首かってどういう事やお前⁉」

 

「なんでその考えになるのよ⁉」

 

「胸から血が出てますのになんで乳首限定なんですの⁉」

 

胸から血を流している男性を見たピンさんは何故か乳首を殺られたのかと聞き、英次は関西弁で突っ込んでしまい、鈴とセシリアもつられて突っ込んでしまった。

 

「右の…左か?左の乳首を…」

 

「つねられた?」

 

「いやどう考えても違うわよね⁉そこのあんたもボケないでよ!」

 

「やめろよ、ピンさんから乳首の話し聞くと全身乳首思い出すから…」

 

「全身乳首ネタね?皆さ、どうする?ある朝起きたらさ、全身が乳首だらけになってたらどうする?」

 

「な、なんてこの聞くのだ貴様は!」

 

「き、気持ち悪いですわ!」

 

「うっ、鳥肌が…」

 

「想像しただけで絶句するわ!てか女の子の前でなんて事言うんだよお前は!」

 

「だからお前は道徳のどの字も無ぇって言われるんだよ!」

 

「お前等少し静かにしろ!特にピンさん!……ああ、ああ、わかった。それと銃で胸を撃たれて重症の男性と俺達の連れが殴り飛ばして明らかに軽症を超える怪我した女性がいるから出来るだけ早く頼む」

 

『零次さん達の連れって何してるんですか⁉問題しか起こしてない気がするんですけど⁉』

 

「まぁ非常識が服来て歩いてる様な男だから…(タタタン!タタタン!タタタン!)っ⁉正面発砲音!」

 

零次が救援を出来るだけ早くするように頼んでいると突然発砲音がした。零次は正面から発砲されているとわかると英次達に知らせるように叫んだが既に発砲音を聞いた直後から英次達はピンさんと直哉が倒した敵から奪ったM4カービンと防弾ベストを装備して既に正面入り口を警戒しながら横からそっと覗いていた。外にはグラウンドに向かっていたと思われる敵が戻ってきていた。その数目視で30人程の武装集団がM4カービンを構えており、一番奥にその隊の隊長のガレスが此方を睨み付けていた。

 

『ジャップどもが!舐めやがって!もう人質がどうなろうと知ったこっちゃねぇ!皆殺しにしろ!アリーナにいきゃあ替えはいくらでもいる!』

 

ガレスの指示に部下達はM4カービンを構えた状態で徐々に体育館との距離を狭めてきた。

 

「零次増援来た!」

 

「わかってる!聞いての通りだ楯無、出来るだけ早く頼む!」

 

『わかりました!それまで持ちこたえて下さい!』

 

楯無との通信が終わると零次も直哉達が漁ってきた武器を装備し、外の状況を確認した。

 

「うわーすんげぇ居るぞ…」

 

敵の数に英次はげんなりしていた。

 

「そんな事言ったってやるしかないでしょ」

 

「簪、箒、セシリア、鈴、俺達は救援が来るまで防衛する、それまでIS起動して皆の盾代わりになってくれ!」

 

「すいません零次さん、実は私達はISを持ってないんですの…」

 

「はぁ⁉なんで⁉」

 

「人質撃つって脅されて取られちゃったのよ…」

 

「まじかー、仕方ない…簪!1人だけだがISを起動して皆を守ってくれ!!」

 

「はい!わかりました!」

 

「皆さん!後ろのステージ側に集まって伏せていて下さい!」

 

IS学園の体育館の主な入り口は正面と左右にある入り口だけであり、構造上ステージ側には入り口が無かった為後ろを気にする必要が無かったが万が一に備えて零次は簪に一般客の護衛を任せた。

 

「よし、俺達は防衛するぞ!」

 

「いや、防衛するって言ってもまたピンさん勝手に行っちまったぞ?」

 

零次が防衛すると言った矢先、何故かピンさんが勝手に外に突撃していき、しかもぶんどってきた武器ではなく何故か外に放置されていた箱を敵に投げつけて敵を吹っ飛ばしていた。

 

「箱ドンッ!」

 

『ぐぇ!』

 

『なんだアイツは⁉』

 

『怯むな!相手はジャップ1人だぞ!「はい箱ドンッ!」ぶぅえぁ⁉』

 

『ガ、ガレス隊長ぉぉぉぉ!』

 

『ひぃ⁉ば、化け物だ!』

 

味方を吹っ飛ばされた敵はピンさんを見てまるで化け物を見るような目で見ていた。それもその筈、ピンさんが箱を投げる度に隣にいた筈の味方がまるでアニメの如くポンポン吹っ飛んで行くのを見れば誰でも恐れ戦くだろう。

 

「おい!なんでアイツは人の話を聞く前に特攻してくんだよ!」

 

「しかも箱ぶつけまくってな…てか箱強くねぇか?敵がすげぇ吹っ飛んでったぞ…」

 

そうこうしていると箱で敵を倒しまくって来たピンさんがダッシュで戻ってきた。

 

「おいピンさん1人で行くなよ!」

 

「いや、箱があったから…」

 

「普通にM4使えよ…」

 

「いやお前等あれだぞ?箱は最強武器やぞ?」

 

「知らないわ!」

 

「やっぱコイツあれだよ、帰りのバスで殺るしかねぇよ」

 

「そうだな、ピンさんは帰りのバスで…」

 

「ちょっと待って、バスで来てんの?俺とモリやんモノレールで来たんじゃねぇっけ?てか来たの俺とモリやんだけやろ」

 

「バスだよ?」

 

「しかも帰りのバスってwそんな、遠足みたいなw」

 

「お前あれだぞ?おやつは300円以内だぞ?」

 

「おやつとかwてかおやつって…」

 

「おやつだよ?ピンさんと僕は今肩からおやつ下げてるでしょ?」

 

「直哉それさっき回収してきた弾入ったマガジンが詰まってるリュックな?」

 

「帰り、帰りに入ってからおやつとかおかしいやろw」

 

「何でもいいから早く構えろ!もう第2波来てるからな⁉」

 

敵はピンさんの箱ドンッで怯んでいたがピンさんが零次達の所に戻っていったことにより体制が元に戻り、再度体育館に向けて前進し始めた。

 

「ヤベェ!撃て撃て!」

 

「入り口守れ!」

 

「やべぇぞ!横から来てる!」

 

「直哉!俺と正面頼む!」

 

「了解!」

 

「モリやん!右めっちゃ来てるから手伝ってくれ!」

 

「オーケーってホントにめっちゃ居るぞ⁉」

 

「ちょお前等!俺が!ピンさんが、ピンさんが1人だよ⁉」

 

「やばい時はカバーするから我慢しろ!」

 

敵は正面からではなく、今度は左右からも侵入するために3方向から攻めるのに対し、零次達もそれぞれの入り口を防衛するため、正面を零次と直哉、右を英次とモリやん、左をピンさんで分け、それぞれ防衛することになった。しかし左のピンさんは1人な為、その時の状況に応じて零次達がカバーする事になった。

 

「オラオラ!てめぇ等俺に銃撃戦で勝てると思ってんのかハゲ共!………勝てます……かねぇ…」

 

「なんでピンさん急に自信無くなったんだよ⁉」

 

「急に自信無くすのやめてもらえないかな、俺達まで不安になるわ」

 

「じゃあお前等誰か1人来て手伝えやクズ共!」

 

「いやコッチだって大変なんだ…やべっ!た、弾!弾切れた!直哉弾くれ!」

 

「ごめん!今手が離せない!ピンさんから貰って!」

 

英次は持っていた弾を使い果たしてしまい、弾を持ってる直哉から弾を貰おうとしたが直哉は敵の攻撃が激しい為手が離せず英次はピンさんに弾を貰う事にした。

 

「ピンさん弾くれ!」

 

「ああ?ちょっと待ってろ、今渡す…やっべぇ⁉」

 

ピンさんはリュックの中から弾が入っているマガジンを取り出すと英次に向かって投げようとしたが、途中で敵が来たため応戦し、そのせいでマガジンがあっちこっち変な所に飛んでいった。

 

「おま!ちゃんと投げろ!ピンさんお前ちゃんと投げろよ!」

 

「バカ野郎俺仕事してんだよ!お前がちゃんと拾えば良いだろうが文句ばっかいいやがって!文句しか言えねぇのかお前は!仕事も出来ねぇで文句ばっか…」

 

「「「お前等仕事しろや!」」」

 

「さっきからマガジンがあっちこっち飛んで…」

 

「イデデデデデ!めっちゃ撃たれてる!めっちゃ撃たれてる!めっちゃ撃たれてる!」

 

「ピンさん何やってんだよ!」

 

ピンさんがピンチになっていたのでマガジンを拾っていた英次はすかさずピンさんのカバーに入った。

 

「ピンさんお前は仕事しろって!」

 

「お前がちゃんとカバーすれば良かっただろーが!たくよー仕事しろよ!」

 

「バカ野郎!人のせいにするんじゃないよ!」

 

「人のせいにしか出来ねぇのかお前は!」

 

「やっぱコイツ帰りあれだな、マジで捨ててくか」

 

「そうだな、帰りはモリやんだけになってるかもな」

 

そうこうしている内に敵は全員倒れており、数分後にアリーナから来た専用機持ちが到着し無事に救出は成功した。簪は打鉄弐式を持っていたため人質達をアリーナまで護衛するために一旦零次達と別れ、零次達は人質になっていたIS学園の生徒が敵の隊長と思わしき人物の会話を聞いており、校舎方向に向かったと助言をもらい、零次達は簪達と別れて校舎へと移動した。

 

 

 

 

 

 

 



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40話

1話が2時間以上あって観るのを躊躇っていた2broのゴーストリコンワイルドランズをこの前初めて観たのですが …途中弟者さんが固まった状態で草原をかけているときにおついちさんが言った「その者黒き衣を纏いて金色の野に降り立つ」で爆笑していました。それでは続きをどうぞ!


零次達は体育館を2年の専用機持ち達に任せ校舎に来ていた。校舎に入ると廊下に人は居らず、2階の方で発砲音だけが響いていた。

 

「なんか上のほうで発砲音聞こえるぞ?…3階…ってよりは……2階か?」

 

「う~ん…2階には職員室があるからたぶん教師達が立て籠ってるんだと思う」

 

2階から響く発砲音に耳をすませたモリやんが反応し、それに対して英次が答えた。

 

「いや立て籠れるったって校舎だぜ?普通は扉ぶち破られて終わりだろ⁉」

 

「ピンさんの反応は最もなんだけどさ、IS学園って特性上どうしても機密データとか扱ってるからセキュリティ面もすごいんだけど侵入されて奪取されないように建物や扉事態は強固らしいよ?職員室とか重要書類がある様な所なんかは特に頑丈に出来てるらしいからアサルトライフルとかで撃ってもびくともしないと思うよ?C4とかは別だと思うけどね」

 

「そうなの⁉俺初めて知ったんだけど…」

 

「基本的に公表してない事みたいだからね、僕は真耶さんから直接聞いたから知ってたけど(ドオォォォン!)えなに⁉」

 

直哉が説明し終わると同時に爆発音がし建物が揺れ、直哉はびっくりしていた。

 

「直哉お前ビビり過ぎだろ…」

 

「いやだってびっくりするでしょ!」

 

直哉のビビり具合に零次が呆れると直哉は少し怒り気味にそう返した。

 

「そうだけどさ……ん?さっきの爆発、右から衝撃が来なかったか?」

 

そこでふと、零次は爆発の衝撃が右にある廊下の奥から来たことに気付いた。

 

「そう言えば…そうだね?」

 

「地面めっちゃ揺れたな…でも何で2階からじゃねーんだ?」

 

「そうだよな、発砲音がしてる2階から響くならわかるけどよ、なんで1階からなんだ?」

 

「ん~……仕方ない、こうなったらふたてに別れるか…」

 

「「「「別れる?」」」」

 

直哉、ピンさん、モリやんが揃って首を傾げていると零次は少し考えた後にふたてに別れる事を決めた。

 

「おう、どっちが敵の目的かわかんないのと、それに校舎で5人で固まってたら動きずらいからな、大体半分くらいに別れれば丁度良いだろ、俺と直哉は2階に行って敵を鎮圧する。英次、ピンさん、モリやんはそのまま右に行ってさっきの爆発音を調べに行くのと敵の排除だ」

 

「了解、俺は問題ないよ…ピンさんとモリやんに対して不安だらけだけど…」

 

「僕達は問題無いけどさぁ、英次がピンさんとモリやんの手綱掴めるか凄く不安で仕方ないんだけど…敵と一緒に建物まで破壊しまくりそうでこわいんたけど…」

 

「あ?そんなの敵のせいにすりゃあいいだろ?」

 

「そうだよ、相手の罪は相手の物、俺の罪も相手の物だぞ?」

 

「コイツら最低なんだけど…もう既に不安しか無いよ…」

 

全ての責任を敵に押し付けようとしているピンさん達に既に直哉は不安になっていた。

 

「しゃあないだろ、ピンさん達が2階に行ったら絶対教師ナンパするぞ、ピンさんに至っては下ネタ言いそうで連れて行けねーよ」

 

「いや確かにそうだけどさ…」

 

「お前等さっきから特に俺に対して失礼じゃねーか⁉」

 

「「いや本当の事だろ(でしょ)⁉」」

 

こうして慌ただしくもチームが決められ、英次達は右の廊下を走っていき、零次達は2階へと続く階段を駆け上がって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零次達が校舎に着いた頃、敵の隊長ことデイビッドはIS学園の学園長室来ていた。デイビッドの横にはモリやんとピンさんが見かけたスーツ姿の男と武装した男達がおり、前には学園長の轡木学園長の他、政府関係者と思わしき男女が隠れるように轡木の後ろに立っていた。

 

『流石IS学園か、まさか木製の扉にも鉄板を仕込んでいるとは思わなかった。思いの外時間が掛かってしまった』

 

デイビッドは表情を変えず、轡木に、と言うより後ろの男女を見ながらそう言った。

 

『いいえ、問題はありません。いくら扉に装甲車並の鉄板を仕込んだとしてもC4を仕掛ければ簡単に入れます。それでは私は設置作業に入ります』

 

とスーツ姿の男はそう言ってデイビッドの部下の何人かが持っていた装置を部屋に設置し始めた。

 

『頼んだ…さて、初めまして轡木学園長、私はデイビッド・ガーランドと言うものだ』

 

「初めまして、轡木十蔵です。それにしても随分と物騒な訪問ですね、次に学園に来る時は制服かスーツで来るのをおすすめしますよ?」

 

轡木はにっこりとした表情を崩さず、丁寧に皮肉も込めて返した。

 

「おっとそれはすまんな、何分元軍属なのでな、そう言うことには疎い」

 

「それで、今日は学園に何の用でしょう?」

 

『貴方と此処の生徒達には特に用は無い。我々の用はIS学園そのものと貴方の後ろに隠れるように縮こまっている者達でね』

 

デイビッドが轡木の後ろにいる者達を指差すと政府関係者は恐怖でいるのか更にガクガクと震えだした。

 

『も、目的はなんだ!我々は政府の代表として此処に来ているんだぞ!我々に何かあった時はお前達はただではすまないぞ!』

 

後ろに隠れている1人の男が声が震えながらもそう言った。

 

『いいや、我々の用はお前の隣にいる者達だ』

 

デイビッドが言う方向には白人の男女がおり、男は40代、女は30後半といったアメリカ人だった。

 

『……ひぃ⁉わ、私達が何をしたの言うの⁉』

 

『そうだ!わ、私達はお前達のことなど知らん!』

 

『ほう…覚えてないか、なら思い出させてやる……我々第45歩兵大隊はあの事を忘れてないぞ…』

 

『っ!ま、まさか!』

 

『う、うそよ!あの部隊はもう…』

 

『全滅したとでも思ったのか?お前等が切り捨てた部隊の生き残りが居ないとでも思ったか…だが我々はこうして生きているぞ!お前等をぶち殺す為になぁ…』

 

デイビッドや後ろの兵士達は相手を殺せるような眼力で睨み付けた。

 

「何やらあるようですね?よろしければ事情を聞かせても良いでしょうか?どうやら我が学園とも関係があるようですし」

 

『………まぁそうだな…貴方はIS学園が国連の管轄だと言うのは当然知っているとは思うが…IS学園が建設される時資金は何処から出たかは知っているか?』

 

「ええ、IS学園の建設資金は各国が国家予算から出しあって集められましたからね。日本でも増税をして資金を出しましたよ」

 

『しかし各国の予算が何処から持ってきた物かはわからないでしょう。我が国アメリカは、その資金を軍事予算を削って作ろうとした。しかし充分な資金を確保出来ず、軍と政府は部隊を解体することでその部隊の維持費として使われていた金を残りの資金としようとした。だが、IS学園の資金を作るには小さな部隊を解体するだけでは全く足りなかった。そこで軍と政府は大隊クラスの部隊を解体することを思い付いが、大隊クラスの部隊を解体すれば解体された部隊の兵士全員を他部隊に移動させなければならなかった。だから軍と政府は派遣任務の時、誤爆と称して爆撃で我々の部隊を文字通り解体したのだ!その案を提案したのがそこに居るクソ共だ!』

 

『ち、違うんだ!あの時は仕方なかった!あの時アメリカも日本のように増税をすれば国民の不満は爆発し大規模なデモや暴動が各地で起こり死者が大勢出ただろう!』

 

『そ、そうよ!あの時は仕方なく…』

 

『仕方ないから仲間を爆撃したのか!お前達に分かるか!昨日は居た仲間が吹き飛び肉塊になって降ってくる光景を!死んだと理解する前には死んで腕だけになった仲間の光景を!』

 

『『…………………』』

 

「成る程、そう言った事情がありましたか。だが生徒や一般人まで巻き込んでいい理由にはならない」

 

『ではこの怒りを何処にぶつければいい⁉仲間の無念はどうすればいい⁉一般人や生徒など知ったことか!我々はもう止まれんのだ!』

 

『隊長、設置完了しました』

 

デイビッドが話している間にスーツの男が先程設置していた装置を設置し終わり戻ってきた。

 

『ああ、タイマーは?』

 

『15分後に爆発するようセットしました』

 

『ま、待て!なんだそれは⁉』

 

『ああ、これの説明をしてなかったな。白騎士事件をきっかけに軍ではISを軍事利用しようとする動きがあったなか、極一部の武器開発関係者は従来の兵器でISを倒すことに執着し、打倒しうる兵器の開発を始めた。その内の1つがこの爆弾だ、この爆弾を開発した男は「バカと天才は紙一重」を体現したような男でな、本当にISを破壊出来る威力のある爆弾を作った。この爆弾は威力は半径500mを焦土と化す威力でな、爆風を含めればお前達を殺す事はもちろんIS学園を破壊することも可能だ』

 

「っ!やめなさい!そんな物を使ったらIS学園だけでなく本島の町にまで被害が出る!」

 

『もう遅い!この爆弾には万が一の事を考えて解除用マニュアルがあるがそれは此処には居ない私の部下が持っている!更にその爆弾は設置した位置からずれると爆発するように改造してある。お前達はこれで終わりだ!「そっかーそれは良いこと聞いたわ」っ!誰だ!』

 

デイビッドは途中から話に割り込んできた声が後ろから聞こえると分かり振り向いた。すると足元に金属の筒上の物が足元に転がっていた。

 

『しまった!スタングレ…(バギィィィィンッ!)ぐあぁぁぁぁぁ⁉』

 

デイビッドは咄嗟に耳を塞いだがスタングレネードの光を諸に見てしまい悶え苦しんだ。回りにいた部下のほとんどは対処が間に合わず爆音と光を諸にくらい殆どが気絶、気絶しなかった者もデイビッドと同じく目を押さえ苦しんでいた。が、突然の事のうえに対処法も知らない政府関係者達は轡木学園長以外も気絶か目を押さえ苦しんでいた。

 

「しゃあ!GO!GO!GO!」

 

「おっしゃっ!任せろ!現代の佐々木小次郎と言われた俺が成敗してくれる!」

 

「お~じゃ~ま~します英~次です」

 

「ピンちゃんちゃうやろ嘘つくな!ピンさんです!」

 

学園長室に居るほとんどが苦しんでいるなかモリやんは角材を振り回しながら辛うじて意識のある敵にトドメ刺し、ピンさんは似てもいない英次のマネをしながら1番前に居た敵に跳び蹴りを食らわした後、手当たり次第に倒れている敵を殴り始め、英次はピンさんに対抗して似せようともしていないピンさんのマネをしながら部屋に突入してきた。

 

「オッケー制圧完了したぞ!」

 

「オッケー!こっちも大体だ!…ん?ピンさん?…ちょっと?」

 

「しぃ!しぃ!しぃ!」

 

英次達が部屋を制圧し終わった後も何故かピンさんピクリとも動いていない敵をしぃしぃ言いながらひたすら殴りまくっていた。

 

「ピンさんお前殴り過ぎだろ⁉」

 

「ピンさん!そいつは!そいつはもう動いて無い!」

 

「あっ本当か!ごめんちょっと…コイツの存在が邪魔で…」

 

「アドレナリンがドバドバ出てゲスさが増してるぞ…」

 

「英次君、助けてくれたことには感謝しますがもうちょっと穏便にお願いします。私は何とか対処出来ましたが政府の関係者の皆さんが全員気絶してますよ?」

 

「いや~すいませんこれくらいしか校舎破壊しない案が思い付かなかったので…」

 

「…あまり校内で暴れないでくださいよ?」

 

回りの被害は甚大だが英次達は何とか敵を無力化することに成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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41話

投稿すごく遅れました。申し訳ない、色々やることが多過ぎて投稿が不定期なります。すいません。それでは続きをどうぞ!


「大丈夫かな?」

 

「大丈夫だろ?なんだかんだで英次達はちゃんと敵は倒すだろうし」

 

英次達が理事長室方面に向かっている頃、零次達は職員室に向かった敵を無力化するべく2階の廊下を走っていた。

 

「いやさ、倒すことには倒すんだろうけど…それと引き換えに回りの被害が……」

 

「………………否定出来ねぇ」

 

零次は直哉の返しに対する言葉が思いつかず、項垂れていると徐々に職員室に近いてきた。

 

「うわぁ~結構要るね~」

 

零次達が職員室に到着すると8~9人程の敵が職員室前に居り、職員室のドアを壊そうとしているのかM4を撃っているが全く壊れる気配がしていなかった。

 

『くそっ!何だよこの強度は!』

 

『5.56㎜の弾が効かないとか装甲車じゃねーんだぞ⁉』

 

「職員室のドアってあんなに頑丈だったのか…」

 

「M4撃ってるのに傷の1つも付かないドアなんて中々無いよ…」

 

零次達は壁に隠れた状態でIS学園の異常なまでの頑丈さを目の当たりにし若干引いていた。

 

「まぁいいや、チャンスだし今からスタングレネード投げるから敵が怯んだら突撃するぞ?」

 

「オッケー、タイミングは任せるよ?」

 

敵の意識がまだ職員室に向いてる内に無力化するため、零次はポーチからスタングレネードを取り出して構えた。

 

「それじゃあいくぞ?3・2・1…投擲っ!」

 

『っ!スタングレネー(パギィィィィンッ!)ぎゃぁぁぁっ!』

 

『ぐあぁぁっ!敵襲だ!』

 

『目がぁぁぁっ!』

 

「良し!突撃!」

 

「申し訳ごさいませ~ん。IS学園では危険物の持ち込みは固く禁じられてま~す」

 

「いらっしゃいませ、我が学園自慢の首絞めです。どうぞご堪能下さい」

 

スタングレネードの閃光を諸に喰らった敵は目を押さえて苦しんでいる所を急かさず直哉は持っていたM4の銃床などで敵を殴りまくり、零次は首を絞めて無力化していった。

 

「零次~こっちは終わったよ~」

 

「お気に召しましたか?そうですかありがとうございます………グッドナイト♪…あっお金持ってる、貰っておきましょう。やっぱりね、こういったものにはそれなりのサービス料金が無いといけないですからね」

 

「全く、貴様ら何をやっているんだ…」

 

「直哉さん⁉零次さんも、無事だったんですか⁉」

 

零次が敵から物を漁っていると職員室のロックが解除され、騒ぎを聞き付けた千冬と真耶が職員室から出てきた。

 

「真耶さん!大丈夫ですか?」

 

「う、うわ~ん!直哉さ~ん怖かったですよ~!」

 

「ま、真耶さん⁉……も~泣かないで下さい。もう大丈夫ですから」

 

直哉達の顔を見て安心したのか真耶は泣きながら直哉に抱きつき、直哉は少々戸惑いながらもあやす様に真耶を慰めた。

 

「千冬さん、大丈夫ですか?」

 

「問題無い、と言いたい所だがお前達が来るのが遅れていたら爆薬でドアを吹き飛ばされて奴等に占拠されていただろう。助かった零次…む?英次達が居ないがどうしたんだ?」

 

「どういたしまして、英次達は1階の敵を無力化してますね。もう終わってる頃だと思うんですけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって学園長室、英次達は時限爆弾の前に立っていた。

 

「で、爆弾どうすんだ?」

 

「ピンさんさっきの話し聞いてた?」

 

「あそこで倒れてるおっさんが解除用のマニュアルがあるって言ってたろ?」

 

ピンさんが爆弾をどうするのか聞いている中、爆弾の時間のタイマーは現在15分を切り14分になっていた。

 

「いやそれは分かってんだよ!そのマニュアルがねぇからどうすんだって聞いてんだよ!」

 

「いやさ、お前と直哉が武器やら弾やら漁ってた時にそれっぽいの見つからなかったんだろ?だったら零次達が行ってる2階の奴等が持ってんじゃねぇの?」

 

「そう思って今零次達に連絡入れてる」

 

英次はISの通信機能で零次達に連絡を取っていた。何回かコールが鳴ると零次達に繋がった。

 

『どうした英次、何かあったのか⁉もしかして建物壊したとか…』

 

「もしもし零次?いやそう言うのは無いんだけどさ、こっちにいる奴等は倒したんだけど学園長室に時限爆弾が仕掛けられててね?話によると解除用のマニュアルを持ってる奴が居るらしいんだよ」

 

『え?僕とピンさんが武器漁ってた時はそんなの見なかったよ?』

 

「うん、だからそっちに居る奴等の中で持ってる奴が居ないかなって」

 

『え?ちょっと待ってろ…………直哉それっぽいのあったかー?』

 

『ちょっと待ってー今探してる…………あ~これっぽいね』

 

「見つけた?」

 

『直哉がそれらしきやつを見つけたっぽい』

 

『何か隊長っぽい人がファイル持ってた』

 

「あった⁉ピンさん!モリやん!マニュアルあったって…って2人は何してんの⁉」

 

英次がマニュアルがあった事をピンさんとモリやんに言おう振り返ると2人は何故か来賓の方に居て爆笑していた。

 

「あれ⁉こいつカツラじゃね⁉」

 

「ホントだ!ちょっとズレてんぞ!」

 

『や、やめろ貴様ら!私の命の次に大切な物を取るなぁぁ!』

 

「お前らは何してんの⁉」

 

「いや、ちょっとズレてたからぁ…」

 

「ズレてたからじゃない!こう言う人達はストレスの塊みたいなもんなんだからそこはツッコムなよ!」

 

「すまない君達、この方々は来賓だから出来ればあまり粗相は…」

 

「おしゃれっすねwおしゃれに気ぃ遣ってるんっすねw」

 

『わ、私だって!私だって20代の頃はフサフサだったんだぁぁぁぁぁ‼』

 

轡木の言葉を全く聞かず、ピンさんとモリやんは来賓の男性の頭を見て馬鹿にしまくり、男性はまるで呪詛を言うかの様に叫んでいた。

 

「もう知らないぞ俺は……ってもう10分切ってる!ヤバイ!零次、直哉早く!」

 

『直哉これどういう意味だ?』

 

『う~ん、たぶんこのシリアルナンバーが関係してると思うんだけど…てかさ、僕達昼飯の為に休憩してた筈なのに殆ど食べて無いよね?牛串1本食べた位だよね?』

 

『まだ良いだろ、俺なんてりんご飴しか食ってないんだぞ?はぁ~腹減ったな、何か食い物ねぇか?』

 

「ちょ話し聞けや!」

 

『え?いやだってさ~お腹空いたんだよ』

 

『そうだよ、昼飯食いてぇんだよ』

 

「早くしろってば!」

 

『も~仕方ないな~』

 

『で、どんな爆弾何だ?』

 

「えっと、絵に書いた様な装置みたいな形で、イメージ言うと縦に置いた人サイズのPS2初期型みたいな形してる」

 

英次の目の前には人サイズの黒い長方形型の爆弾がタイマーの音を響かせていた。

 

『あーそうしたらまずドライバーでネジ取って側面外せ』

 

「了解」

 

英次はドライバーを使って時限爆弾の側面のカバーを外すと配線盤やボタンの様な装置が取り付けられていた。

 

「なんか色々あるよ⁉え~とPRESSって書いてある赤いボタンがある!」

 

『『PRESSって書かれた赤いボタン?』』

 

『あ~これっぽいな~』

 

『取り敢えずボタン押してみて』

 

「はい!」

 

英次がボタンを押すと横にある帯ランプが赤く点滅し始めた。

 

『ボタン押したらなんか出てくるでしょ?』

 

「いや、なんか赤く点滅してるんだけど…」

 

『あ~それ終わりっぽいな~』

 

「おいお前ら!」

 

『もうちょっとボタンを詳しく教えてくれ』

 

「えっと丸い、丸くてPRESSって書いてあって、でなんか横に帯ランプみたいなのがあってボタン押しっぱだとそれが赤く点滅してる」

 

『『あ~……………………………』』

 

「黙るんじゃない!不安になるだろ!」

 

『ちょっと待ってろ……あ~これか?丸くて赤くいボタンでPRESSって書いてあるんだろ?そして横の帯ランプが赤く点滅してる』

 

「そう!早くして8分切ったから!」

 

『そしたらタイマーに1の数字が表示されてる時にボタンを離せ』

 

「1の時?了解…」

 

英次はタイマーに1が表示されるのを待ち、タイマーが7分41秒になったところでボタンを離すとボタンの右上にある小さい丸ランプが緑色に点灯した。

 

「あっ!解除出来たっぽい!えっと次は配線盤があって、で線が全部で6本付けれそうな感じになってて、今は5本だけ線が付いてる!そして線の色が黄色、黄色、青、赤、で1か所飛ばして白」

 

『『………………………………?』』

 

「静かになるんじゃないよ!」

 

『黄色、青、青?』

 

「いや直哉違う、黄色、黄色、青、赤、1個飛ばして白…」

 

『最初の線を切断しなさい』

 

「了解!(パチンッ!ブー!)」

 

英次は零次の指示通り、最初の黄色い線を切ったが切った瞬間、ボタンの方で緑に光った丸ランプが赤く点灯し、失敗した時に出るであろう音が響いた。

 

「失敗したわ‼適当な事言うんじゃないよ!あっ!しかもカウントがさっきより速くなった!」

 

『2番目2番目2番目!2番目切って!』

 

「2番目⁉直哉本当⁉(パチンッ!)」

 

直哉の指示通りに英次は2番目の黄色い線を切ると丸ランプは緑色に点灯し無事に解除された。

 

「あ~よかった解除できた。俺もう直哉しか信じないわ」

 

『なんでだよ!』

 

「零次が適当な事言うからだろ!」

 

『仲良くしろお前ら!あ~もう早く進んで!』

 

「わかったよ、てもう5分しかない!え、え~と次はなんか4つボタンがある。4つボタンがあってそれぞれに1.2.3.4の数字が入ってて、左から「3.2.4.1」ってなってて、でそのボタンの上に液晶画面みたいなのがあってそこには「3」って表示されてる」

 

『あ~それか~…』

 

「ちょなに零次⁉その不安になるような呟き⁉」

 

『いやな?その仕掛けいまいちわかんねぇんだよ』

 

「いやわかってよ!」

 

『あっ、ごめん……マニュアルの紙…ファイルからばらしちゃってどれかわかんなくなっちゃった…』

 

『おい直哉何してんだよ!』

 

『いやそんな事言ったってさぁ…』

 

「お前ら頼む…頼むから、後4分も無いから…」

 

『わかってるって、ちょっと待って……あっ!あった!え~と…右から2番目の数字』

 

「わかった、押したボタンの数字も言った方がいい?」

 

『おお頼む、俺がメモしとくわ』

 

「わかった…右から2番目でしょ?「4」押すよ?」

 

英次が3を押すと隣の縦に並んだ3つのランプの1番下が点灯しすると、ボタンの数字の位置が変わり、液晶画面の数字も変わった。

 

「あっ!なんか隣のチャージゲージみたいなのが1個点灯した!残り2つ!そして、数字の配列が変わって今度は「2.4.1.3」で、液晶画面には「1」って表示されてる」

 

『2.1.4.3な?』

 

『えっと…最初の時と同じ位置の数字』

 

「最初の時と同じ?」

 

『1番押せ』

 

「了解、1番押したよ」

 

零次の指示通り、英次が1のボタンを押すと隣のランプの真ん中が点灯し、また数字の配列が変わった。

 

「オッケー!次で最後!時間1分切った!左から「3.4.2.1」液晶画面は「2」ってなってる」

 

『え~と……最初の数字と同じ数字』

 

「ちょっとそんなの覚えてないよ⁉」

 

『大丈夫だ、俺がメモしてたから問題無い…最初だから、「4」のボタン押せ』

 

「4番⁉押すよ?」

 

英次がボタンを押すと最後のランプが点灯し、全てのランプが点灯し、丸ランプが緑に点灯した。最後のランプが点灯したことにより仕掛けが解除され、タイマーがカウントを中止し、時限爆弾の機能が停止した。

 

「やったー!爆弾解除したよ!」

 

『ふぅ、これでひと安心か』

 

『はぁお腹空いた~』

 

「ピンさん!モリやん!爆弾解除したよ!」

 

「お前はなんでそんなハゲてんだよ!」

 

「隠してすらねーぞ、お前メガネおしゃれだなー」

 

『君達!そのメガネを返してくれ!それは妻が私にプレゼントしてくれた大事な物なんだ!』

 

「お前は顔面をオシャレにする前にもっとオシャレにするところあるだろうが前頭葉とかよ!」

 

「お前らはまだやってたのか⁉しかもピンさんはさっきからハゲ対して酷すぎるだろ!」

 

「俺はビッチとハゲには厳しいぞ」

 

「だからやめなさいってば!」

 

英次達は無事に爆弾を解除し、数分後IS学園の鎮圧部隊が編成され、武装集団を拘束し事件は終息したが、グラウンドや体育周辺の建物被害が酷く、また一部の武装集団が箱やLPガス缶を見ると狂ったように泣き叫び手がつけられないなど、色々な意味で事後が酷いことになっていた。

 

 

 

 

 

 




ハイド&ファイアで弟者さん(プリンス)、兄者さん(クラウス)、おついちさん(021号)が来ませんでした。欲しかった…(´;ω;`)


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42話

遅くなって大変申し訳ありません。それでは続きをどうぞ!


「ねぇ零次…」

 

「なんだ英次…」

 

「なんで俺達グラウンドのクレーター埋めてんだっけ?…」

 

IS学園襲撃事件は無事に解決し既に数日が経ち、現在零次達はグラウンドのクレーターを埋めていた。

 

「それはお前、あれだよ…ピンさんとモリやんがトンズラこいて事後処理する羽目になったからだろ…」

 

零次達や他の生徒はIS学園の被害が甚大(主にピンさんとモリやんのせい)であった為、学園祭の片付けの他にも学園の修繕、他にも危険物が設置されて無いかなどを調べる為に夏休みは半分とまでは行かないが数日分削られ、こうして今も学園の修繕をしていた。

 

「マジでモリやんとピンさん覚えてろよぉ…」

 

尚ピンさんとモリやんはテロ集団を制圧するついでに学園を破壊したり、テロ集団、民間人を殴り来賓として来ていた各国のIS委員会の重役達をハゲ呼ばわりしていたため事情聴取される予定であったが、当の本人達は事件解決後、いつの間にかバックレており、轡木学園長も「民間人がテロ集団を鎮圧したなんて世間が知ったら世間が混乱するのでこの事は報告できません」と言った為、世間には2人の事は秘匿されていた。

 

「二人とも~しゃべる前に手を動かして、終わらないよ~」

 

という訳で現在零次達はピンさん達の尻拭いのためにグラウンドのクレーターを埋め立てていた。

 

「直哉わかってるよ、でもこれだけは言わせて…あいつらマジでふざけんなぁぁぁぁぁ!!」

 

「はぁ、やめろよ英次…グラウンドに虚しく木霊してんだろ…」

 

「まぁまぁ、後はグラウンドのクレーター埋めるだけなんだから頑張ろうよ、それが終われば夏休みなんだから」

 

「そうだぞ、俺と直哉にとっては数年ぶりの夏休みなんだから早く終わらせて遊びまくるんだよ」

 

「わかったよ…」

 

そうして3時間後、零次達はグラウンドの至る所に出来ていたクレーターは綺麗に整備され、全ての作業が終わった。

 

 

 

 

 

そして場所は変わり放課後の屋上、零次達は何故かシャルロットに屋上に呼び出されたいた。

 

「「「ラウラの様子が変?」」」

 

「うん、なんかね?学園祭が終わってしばらく経ってからなんだけど、なんかそわそわしてるって言うか挙動不審って言うか」

 

「確かにここ数日そわそわしてたね」

 

「あ~そういえば、なんか昨日の放課後に異様に周囲を警戒してるの見たな。丁度英次達とジェフティ達の整備してたから特に気に止めて無かったけど」

 

直哉と零次が思い出したように言うとシャルロットも頷いた。

 

「でしょ?それで昨日ラウラにどうしたのか聞いてみたら凄く動揺して何でもないって言ってたから心配になって…」

 

「う~ん、ラウラどうしたんだろう?」

 

「どうしたんだろうね?……ん?…あれラウラじゃない?」

 

英次が首を傾げていると英次の隣に居た直哉が校舎の下を指差すとそこには凄く回りを警戒しているラウラが居た。

 

「本当だ、なにやってるんだラウラは?」

 

「なんかあからさまに怪しいね…」

 

零次と直哉がそんなことを言っているうちにラウラは校舎の裏の方へと消えていった。

 

「……ねぇ、なんか気になるからラウラの後をつけてみない?」

 

「え?で、でも英次、そんな事しても大丈夫かな?…」

 

「まぁ確かに気になるしな」

 

「お兄ちゃんまで…」

 

「じゃあシャルロットはここで待ってれば良いよ、僕と零次と英次でラウラの後をつけるから」

 

「え…う~……わかったよ、私も一緒に行く、気にならなかったと言えば嘘になるし…」

 

「よし、そうと決まれば早く下に降りるぞ、早くしないとラウラ見失うし」

 

「「りょうかーい!」」

 

「あっ!待ってお兄ちゃん!」

 

零次達は屋上から急いで下に降り初め、シャルロットも急いで零次達の後を追った。

 

零次達は下に降り、校舎裏に向かうが既にラウラは居なくなっていた。

 

「あれ~?居ないな~」

 

「何処行ったんだろう?」

 

英次とシャルロットが辺りをキョロキョロと見回すがやっぱりラウラは見つからなかった。

 

「案外すぐ見つかるでしょ、校舎裏にある施設なんて裏庭とかそれこそこの前僕達が整備に使ったISの格納庫位だし消去法で言えばラウラは裏庭に居るんじゃない?」

 

「まぁそうなるよな、でもラウラはなんで裏庭なんかに行ったんだ?彼処は滅多に人は行かないし、轡木さんの遊び場と化してるだろ」

 

「お兄ちゃん、学園長の遊び場ってどういう事なの?」

 

「ああ、シャルロットは知らなかったのか?轡木さんって仕事の空いた時間に裏庭の世話をしてるんだけど、轡木さん自身も結構それが楽しみらしくて時々仕事をサボって裏庭に行くもんだから教師達からは遊び場ばなんて呼ばれてるんだよ」

 

「へぇ~初めて聞いたよ」

 

「まぁ俺も千冬さん達から聞いたんだけどな」

 

そうこうしている内に零次達は裏庭にやって来た。

 

「なんか知らない内に裏庭に付いちゃったね、ラウラ居るかな?」

 

「ラウラ何処だろう?(゜Д゜≡゜Д゜)」

 

直哉と英次は裏庭を見回すがラウラは見つからなかった。

 

「……もしかしてここじゃなかったか?」

 

「う~んラウラ何処行ったんだろう?……あれ?彼処に居るのラウラじゃないかな?」

 

「「「え?」」」

 

零次達はシャルロットが指差した方を見ると少し奥の木と茂みが密集している所にしゃがんでいるラウラが居た。

 

「本当だ、ラウラあんなところでなにやってんだろ?」

 

「お~い!ラウラー!なにやってんのー?」

 

「っ!?え、英次!?シャルロット!それにお父さん!」

 

「おい英次急に大声出すなよ!」

 

「だってラウラ居たんだもん!」

 

「居たんだもんじゃねーよ!」

 

「何だろう…軽く僕の存在がスルーされたような…」

 

「な、直哉さん落ち込まないで」

 

「直哉はほっとくとして、ラウラこんなところで何をしてるんだ?」

 

「お、お父さん!なな、なんでも無いぞ!」

 

零次が近付くとラウラは慌てて何かを茂みに隠した。

 

「嘘付くんじゃない、今何を隠したんだ?」

 

「べ、別になにも隠してな…」

 

『ニャー』

 

「!?」 「「「「ん?」」」」

 

ラウラが誤魔化そうした直後、ラウラの股の下から包帯を巻いた子供くらいの大きさの一匹の黒猫が出てきた。

 

「あっ!出てきてはダメだ!」

 

「ニャー♪」

 

「…猫?」

 

「わ~!かわいい~!」

 

「おーネコちゃんだー!」

 

「ん?でもこの猫包帯巻いてあるな」

 

「もしかしてラウラが隠してたのってこの猫だったの?」

 

「あっそのっこっこれは!」

 

直哉にそう指摘されラウラが慌ててるなか、黒猫は英次とシャルロットに撫でてもらいながらもラウラの足にすり寄っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ラウラ、これはどういう事だ?」

 

「きょ、教官これは、そのぅ…」

 

「ニャー」

 

「かわいいー!」

 

「でしょ?人懐こくって凄く可愛いんだよ」

 

「わ~!凄く可愛いです!」

 

「ねーねー簪、俺にも撫でさせてよ」

 

「英次はさっきまで撫でてたんだからまだダメ…」

 

「ちょっと皆ーその子猫怪我してるんだからあまり無理させないでね?」

 

「あっそうですね、わかりました」

 

場所は変わり寮長室、ラウラは千冬と零次の前で正座をしていた。少し離れた所では黒猫と一緒に事情を聞いて寮長室に来た簪と真耶も加わり英次達は黒猫と戯れていた。

 

「それでラウラ、あの猫はどうしたんだ?」

 

「…あの猫を見つけたのは学園裏で危険物の捜索をしてる時だったのだ、茂みの近くで足に金属片が刺さって怪我しているところを見付けたから、だから…」

 

「成る程、それで手当てしたと、だが何故こんな子猫が学園に居たんだ?学園には生き物の持ち込みは禁止の筈だが…」

 

「たぶん学園祭の時にモノレールで来客者と一緒に来ちゃったんですよ、足を怪我してたのも学園祭の騒動で怪我したんだと思いますよ?」

 

「お父さんの言っている事は当たってました。足に刺さっていた金属片を調べたらあのテロリスト達から押収された手榴弾の金属と一致してました」

 

「でもなんで隠しながら手当てしてたんだ?保健室だったら薬は揃ってるだろ」

 

「だって、IS学園ではペット禁止なんだもん…」

 

「え?そうだったの?」

 

「なんだ零次、お前知らなかったのか?IS学園では生き物の持ち込みは禁止されていて動物を持ち込めないため必然的にペットを飼育することが出来ない」

 

「いやーすいません、全く知りませんでした。……あれ?動物の「持ち込み」が禁止さらているのであって「飼う」こと事態は規則に記されて無いんですよね?」

 

「まぁそうだな」

 

「だったらこの猫の世話をラウラがするのは別にいいんじゃないんですか?」

 

「「え?」」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「ニャ?ニャ~」

 

零次の一言に皆の視線が零次に向いた。さっきまで撫で回されていた黒猫は急に皆が動きを止めたのが不思議だったのか首を傾げていたがやがてラウラの近くにトテトテと歩いていき、膝に乗り体を丸めた。

 

「だって「持ち込み」がダメなんですよね?この猫は誰かが持ち込んだ訳じゃなくて自分から入ってきたんですよね?しかも動物を飼うのは禁止なんて校則は何処にも無い、だったら別にいいですよね?」

 

「あ~確かに!」

 

「それなら大丈夫…なのか?」

 

「結構ギリギリだけどね」

 

「確かに屁理屈って言われれば何とも言えないけど…」

 

「う~どうなんでしょう?教師としてやっぱりダメって行った方が良いのでしょうか?あ~でもあの子の毛並みサラサラしてて気持ちよかったです~」

 

「ダメに決まっているだろう真耶、手当ては認めるが飼育はダ「ニャー」……」

 

千冬がダメと言う前に猫の鳴き声が聞こえ、千冬は目線を下に向けると先ほどまでラウラの膝の上で丸まっていた猫がいつの間にか千冬の膝元まで来ていた。

 

「ダメだ…」

 

「ニャー♪」

 

猫は千冬の言葉をどう解釈したのかそのまま千冬の膝に飛び乗り、体と尻尾を丸めて寝っ転がってしまった。

 

「ぐぅぅぅ!わ、私は教師だ!私情を挟むわけにはっ!」

 

「ニャー♪ゴロゴロ」

 

「ぐはぁっ!」

 

(あれ?英次、ひょっとして千冬さんって猫好きなの?)

 

(簪知らなかったの?千冬さんって猫好きで前に皆でゲーセン行った時に零次に猫のヌイグルミ取ってもらってたんだよ?)

 

(あ~だからあんなに悶えてるだね…)

 

「千冬さん、素直になりましょう?」

 

「…………他の教師や学園長を丸め込め」

 

「き、教官!よろしいのですか!?」

 

「……許可する…だが零次、絶対に失敗はするな」

 

「了解しました。よかったなラウラ」

 

「う、うむ!ありがとうお父さん!教官!」

 

零次達は早速教師達を丸め込む為に教師達に猫を直接見せ、可愛さアピールすると大多数の教師が陥落、学園長に至ってはラウラが手当てをしている所を目撃しており、自分も気にかけてご飯をあげている内になつかれていたらしく、余裕で承諾が決まり、こうしてラウラが世話していた黒猫「ダスティ」はラウラが飼うことになった。

 

 




最近弟者さんとおついちさんの13日の金曜日のゲーム実況を見ているのですがおついちさんの「僕ジェイソ~ン」が面白くてずっと観てます。





オマケ

「ところでラウラ、この猫の名前って決まってるのか?」

「え?ジジじゃないの?」

「英次それ零次と君が昔飼ってた猫の名前でしょ 」

「いや黒猫はジジだろ?」

「そういえばこの子ってオス?メス?どっちなんだろ?」

「たまたま付いてるからオスでしょ」

「英次、女の子の前でたまたまはねーだろ…」

「いや玉位言うでしょ」

「で結局名前は?」

「む~………うむ!これからお前の名前は「ダスティ」だ!」

「うん!良い名前だね!」

「え~ジジかキキの方が良いんじゃない?」

「英次、飼い主のラウラが決めたんだから文句言うな」

「は~い…」

「これからよろしく頼むぞ!ダスティ!」

「ニャー!」


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43話

毎度の如く遅くなって申し訳ありません。今回はある人が登場!?それでは続きをどうぞ


「零次~此方は掃き終わったよ~」

 

「俺も拭き掃除終わったー」

 

「OK、よしこれであらかた掃除は終わったな」

 

ラウラがダスティの世話をする事が決まってから数日後、若干遅くなったが夏休み、皆で零次達の家に遊びに行こうと言う話になり、零次達は簪、シャルロット、ラウラ、ダスティと一緒に家に帰り、シャルロット達が荷物を置きに行っている間にリビングの掃除をしていた。

 

「そう言えばさー千冬さん達って仕事あるから後で来るって話だったけど場所わかるかな?迎えに行った方がいいんじゃない?」

 

「場所は教えてあるし此処見つけやすいから大丈夫でしょ?」

 

「まぁそうだけども…」

 

尚千冬、真耶は仕事があり、箒は実家の神社の清掃に行き一夏はその手伝いに行っているため、それぞれ終わったら来る事になっていた。セシリアと鈴は本国から呼び出しがありそれぞれ国に帰っていた。

 

「お兄ちゃん、荷物置き終わったよ」

 

「おーシャルロットお疲れ」

 

「お疲れ様、ずいぶん時間掛かったね?」

 

「途中でダスティがあちこち歩き回って捕まえるのに時間が掛かっちゃったんです…」

 

「ニャー♪」

 

「こらダスティ暴れるな、あまりあちこち行ってはダメだぞ?」

 

当のダスティはラウラに抱えられているが遊んでもらったと感じているのか楽しそうである。

 

「さてとシャルロット達も来たし何かやるか~」

 

「ん~何やる~?」

 

「あっ……ねぇ英次、これって…」

 

零次と英次が何をやるか悩んでいると簪がテレビの下に収納されていたあるゲームソフトに目が行きそれを英次に見せた。

 

「あれ?これって…」

 

「ダークソウル3?」

 

タイトルを見た直哉とシャルロットが首を傾げていた。

 

「うん、前にネットで凄く面白いって書いてあったんだけど、難しいって聞いてたからやるの迷ってたんだけど…」

 

「それなら皆でやってみない?」

 

「これって皆で出来るゲームなの?」

 

「うん、オンラインで繋げば一人がホストになって皆を召喚出来るんだよ」

 

「へ~じゃあ私もやってみたい!」

 

「うむ、私もだ!」

 

「うん…!」

 

こうして零次達はダークソウル3を皆でする事になった。早速PS4を起動してダークソウル3を開始、まずは簪達のアバターの作成から始まった。零次達は元々保存していた外見データがあることもあり、アバターを作るのは簪達3人だけとなった。簪は女性キャラの職業騎士、シャルロットは女性キャラの職業伝令、ラウラは職業キャラの職業傭兵に決まった。

 

「簪達凄いね~外見が完全に3人そっくりだよ…」

 

「そうだな、俺達の粗末なキャラとは大違いだ」

 

「あ、あはは…お兄ちゃん達のアバターはキャラが濃いね…」

 

「まぁ真っ赤なトムクルーズとアバターとピッコロだからな」

 

「あ~懐かしの大沼トムね?」

 

「ははははっ!大沼トムって何だよw!」

 

「ぷっ!ふふっ…ほ、本当にトムクルーズに似てる…!」

 

「偶然の産物としか言えないけどね」

 

とりあえずアバターが決まりゲーム開始を開始した。

 

「う~序盤なのに死んでばっかだよ~」

 

「む?私はもうグンダを倒したぞ?中々の強敵だった」

 

「うん、私もさっき倒した…」

 

「む~二人とも早いよ!でもやっと操作にも慣れてきたし行動パターンもわかったから次こそ大丈夫だよ!」

 

「うわー簪とラウラ強ぇ~グンダ死なないで倒したぞ…」

 

「僕達めっちゃ時間掛かったのに…」

 

「しかもシャルロットももうグンダ倒したよ」

 

「みんな早いな…」

 

「お兄ちゃん、この後ってどうすれば良いの?」

 

「この後は皆は篝火でロスリックの高壁移動して簪以外は白サインろう石を使って、簪は足元に白サインが出ると思うから俺達を召喚してくれ、そうすれば皆で出来るから」

 

「「「はーい(わかりました、わかったぞ)」」」

 

シャルロット達は篝火でロスリックの高壁に移動し、白サインろう石でサインを書いた後、簪は足元に現れた白サインを片っ端から触れ零次達を召喚した。

 

「お~!初めてダークソウルで召喚された!」

 

「何かこの感覚久しぶりだね?」

 

「まー俺達ってこの状態ブラッドボーン以来だからな」

 

「また零次がヤーナムのお兄さんならぬロスリックのお兄さんになって皆を案内するのねw」

 

「任せとけ、伊達に此処で死を重ねていない」

 

「そんじゃあしゅっぱーつ!」

 

「「「「「「おー!」」」」」」

 

それから零次一行はヤーナムのお兄さんからロスリックのお兄さんにジョブチェンジした零次の的確な指示により順調に攻略、ボスである冷たい谷のボルドは大振りであるため攻撃を誘ってから皆で懐に入りタコ殴りにして瞬殺、そのまま不死街を抜けて生贄の道に進み結晶の古老と対決、HPを半分まで削ると四方に分身3体と本体が現れ総攻撃を喰らい初見だった簪達が殺られゲームオーバー、何故か初見じゃない英次も死んでいたが2戦目はHPを半分削った後四方に別れ、出てきた古老達を片っ端から攻撃し分身を全て消した後全員で本体を攻撃し撃破、そして現在零次達は深みの聖堂に来ていた。

 

「簪!私新しく奇跡覚えたよ!」

 

「私はさっき信仰を少し上げてロングソードからアストラの直剣に替えで見た…」

 

「私は簪が使っていたロングソードを貰ってメインをロングソード、サブで盗賊の短刀に変えた。うむ、やはりナイフを持って居れば安心するな」

 

「すげぇ順調に来てるな…」

 

「僕達此処に来るのにどんぐらい時間掛かったっけ…」

 

「俺達案内しかしてない気がする」

 

それから零次達は深みの聖堂の中を攻略していき現在聖堂の屋根裏へと来ていた。そこは全体が編み上の狭い道であり、大人数ではとても不利な場所だった。

 

「聖堂の上ってこうなってたんだ~」

 

「凄く狭いね…」

 

「シャルロット、あまり前に行かない方が良い」

 

シャルロットを止めた零次は道の先を指差した。

 

「此処は狭い道の上に前に聖堂騎士が配置されてる、此処で無闇に前に出たら大剣の攻撃で吹っ飛ばされて落下して終わりだ、まぁここアイテムも特に無かったと思うから戻っても良いんだけどな」

 

「でも確か此処ってどっかにアーバレストあるって聞いたんだけど」

 

「え!?ここにアーバレストあるの!?」

 

「アーバレストは脳筋の英次以外はいらないだろ」

 

「ちょっと!俺欲しいよ!」

 

「ばか英次!動き回るな!」

 

しかし零次の静止も虚しく、英次が動いたことにより聖堂騎士零次達を発見してしまった。

 

「英次見つかったじゃん!」

 

「そんな事言ったって…」

 

「英次前見ろ!前!」

 

「え、前?前がどうしぶぅおぉぉ!?」

 

いつの間にか聖堂騎士は英次の真後ろで大剣を振り下ろし英次に直撃、英次は後ろに吹き飛ばされたが幸いにも英次の後ろは道があったため落下は免れた。

 

「くっ!私が倒す!援護を頼む!」

 

すかさずラウラが前に出てロングソードから盗賊の短刀に持ち替え戦技「クイックステップ」を使い最小限の挙動で聖堂騎士の後ろに回り込みバックスタブを決めた。

 

「ラウラ凄い!」

 

「バックスタブってあんなに強いんだ…!」

 

「このクイックステップとはナイフ戦で使えるかもしれないな…」

 

「ラウラがダークソウルの技を再現しようしてる…」

 

「ラウラ!聖堂騎士まだ生きてるぞ!」

 

「え、何!?」

 

ラウラが倒した筈の聖堂騎士が突然起き上がり始めた。

 

「どうして!?HPはもうないはずなのに!」

 

「HPがミリで残ってたんだ!」

 

「ラウラ避けて!」

 

しかし無情にもラウラの回避は間に合わず、聖堂騎士は振り向き様に大剣を横なぎし攻撃はラウラに直撃し、ラウラは下に落ちていった。

 

「ラウラっ!」

 

「大丈夫だお父さん、何とか無事だ…」

 

零次は聖堂騎士を倒しラウラが落ちた先を見るとラウラが吹き飛ばされ落下した場所が壁際だったこともあり、壁の装飾品の出っ張りに落ち1つしたの階に落ち、落下ダメージはあったもののまだ生きていた。

 

「良かった、落ちたかと思った」

 

「でもここからじゃラウラは上がれないよね?」

 

「何処かで合流しなきゃ…」

 

「う~ん、一回篝火の前で集合した方が良いよね?」

 

「そうだな、けどラウラをこのまま一人にするのもな……そうだ、英次!お前まだ生きてるだろ!?」

 

「う~ん何とか…」

 

「お前こっから落ちてラウラと一緒に篝火まで先導しろ」

 

「えー!俺さっきエスト瓶使って残り少ないんだけど!?それにここあんまり覚えてないよ!」

 

「知るか!元々お前が原因だろうが!」

 

「英次頑張って…!」

 

「は~い……」

 

英次はとぼとぼと歩いていきラウラが落ちた場所から落下、無事にラウラと合流できた。

 

「じゃあ先導頼んだぞ?俺ら先戻ってるから」

 

「わかったぞ」

 

「りょうか~い…」

 

英次はラウラを先導しなが移動を開始し、零次達ももと来た場所に戻り篝火前まで移動していた。

 

「は~一時はどうなるかと思った」

 

「ひやひやした…」

 

「でもラウラも無事だったしこのまま戻って合流したらまた探索できるでしょ?」

 

「直哉、そのセリフを人はフラグと呼ぶ…」

 

「まさか、英次じゃあるまいしそう簡単に…」

 

『闇霊が侵入しました』

 

「…………………あれ?」

 

「「闇霊?」」

 

「だから言っただろうが!」

 

「……ごめん」

 

「お兄ちゃん、闇霊ってなんなの?」

 

「あ~そう言えば全然出てこなかったから説明してなかったな、闇霊ってのは他のプレイヤーが乱入してきて敵対するんだ、倒すか、ボス部屋に入るかしないと何処までも追ってくるから大体は倒したりするけどな」

 

「へ~でも倒すって言っても何処に居るかわからないよ?」

 

「そうなんだよな~だからこのままボス部屋行っても良いけど英次とラウラと合流してないからな~」

 

「じゃあ倒すしかないんですね…」

 

「まぁこれだけ人数居るんだしだいじょう………」

 

「どうした直哉?フラグ建てないように気を使ったのか?もうフラグ立ってるから大丈夫だぞ」

 

「いや、今すぐ引き返そう……」

 

「はぁ?篝火目の前なのに何で引き返すんだよ?」

 

「いや、アイツはヤバイっ!」

 

「え?」

 

直哉の視線の先には篝火があった、しかし篝火の前の祭壇で祈りを捧げている赤黒いアバターがいた。

 

「って闇霊じゃん、直哉アイツ知ってるのか?」

 

「ああ、奴は闇霊の中でも特に質が悪いプレイヤーだよ、自らを制裁神と名乗りプレイヤーの事をクソホストと呼び、あらゆる悪質な手でプレイヤー達を葬り去る最強最悪の闇霊…その名は制裁神ピー!!」

 

直哉に制裁神ピーと呼ばれたプレイヤーも零次達に気付いたのかこちらを向いた

 

『おやぁ?これはこれは、此処に居るクソホストどもは根絶やしにしたと思ってたいたがまだ生き残っていたとはな……ん?待ての?何処かで見たことがあるぞ?…そうか思い出したぞ!今話題の男性IS操縦者になったゲーム実況者、兄貴と乙四じゃないか』

 

「直哉さんこの人がピーさんですか?」

 

『おや?そちらは私の事を知らないのかならば私は神として名乗らねばなるまい、やぁこんにちは私の名は制裁神ピー、ペトルスの弟だったものだ、そして恐れおののけこの驚異の信仰99!365日祈り続け神になった私はクソホストを根絶やしにするという使命があるのだよ…そしてそこのゲーム実況者、兄貴と乙四、此処には居ないようだが弟はクソホストと見なされた』

 

「ちょっと待ってよ!お兄ちゃん達はなにもしてないよ!何でそのクソホストって言うのにされてるの!」

 

『愚問だな、彼等は男の身でありながらIS学園という女の花園に入ると言うなんとうらやまゲフンゲフン…罪を侵した、よって彼等はクソホストして私が断罪してやるのだ』

 

「ねぇ零次さん、今うらやまって聞こえたんですけど…」

 

「それ完全にお前の私怨じゃねぇか!」

 

『うるせぇ!てめぇはこれから制裁すんだよ!これは決定事項だ!』

 

「こ、怖い…」

 

「な、何か口調変わったぞ…」

 

「そんな勝手な理屈でお兄ちゃん達制裁何て許さないよ!」

 

「シャルロット!迂闊に近付いたら!」

 

「くらえっ!」

 

頭にきたシャルロットは奇跡「フォース」制裁神ピーの至近距離で発動した。しかし…

 

『なんだぁ?その弱々しい奇跡は?』

 

「うそっ!?私の奇跡が効かない!?」

 

「シャルロットっ!逃げて!」

 

『見せてやろうこれが、神であるピーの驚異の信仰99から放たれる奇跡だぁ!』

 

シャルロットは後ろに回避しようとするがそれよりも速く制裁神ピーはフォースの上位版の奇跡「神の怒り」を発動した。

 

「うぁぁぁぁ!」

 

「「「シャルロットっ!」」」

 

無情にもシャルロットのHPはゼロになりシャルロットは消えていった。

 

『どうだ!これがピーの力だ!神の力を侮り向かってきた者の当然の末路だ!アーヒャッヒャッヒャッ!』

 

「零次っ!制裁神ピーからいったん逃げなきゃ!アイツはHPがかなり低いステ振りだけど近付けばシャルロットみたいなる!」

 

「わかった!簪!逃げるぞ!」

 

「う、うん…」

 

零次達は小教会から出て右に曲がり小教会の裏から梯子を登って聖堂行くために走り出した。

 

『おいおい聖堂に行こうとしてんのか?小教会の裏に行ったのは良い判断だなぁまっすぐ行けば亡者どもが邪魔で追い付かれるもんなぁ?だが俺の狙いはそこにあんだよ!』

 

零次達が小教会の裏に回ると梯子の近くにはヒルの集合体の様な上半身だけのグロテスクな人型の敵がいた。

 

「ひっ!なにこの気持ち悪い敵…!?」

 

「簪っ!その敵の攻撃を喰らっちゃだめだよ!」

 

「え…?」

 

「コイツら攻撃に出血効果が付いてるんだ!しかも攻撃を喰らうとコイツら一部が体に付いて出血ゲージがどんどんたまってくから治すアイテムが無いとダメなんだよ!」

 

『その通りだ!』

 

「制裁神ピー!」

 

『そいつら闇霊である俺には攻撃しない、つまりは俺の下僕なんだよ、行け!我下部よ!やってしまえ!』

 

「簪!コイツら火に弱い!火属性で攻撃するんだ!」

 

「はい…!」

 

零次達はすかさずアイテムの炭松脂で武器に火属性を付け敵を倒した。

 

『待てっ!そいつらは炎に弱い!くそっ!アホどもが!だが此処にはまだ2体コイツらが居るんだよ!速く行け2号、3号!それでも最も邪悪と呼ばれた一族の末裔か!』

 

「くそっ!まだいんのかよ!」

 

「くっ!多い…!」

 

「やばっ!?攻撃喰らった!苔玉…」

 

『使わせるとでも思ってんのか!?バァーカがぁ!』

 

「ぐはぁ!?」

 

「「直哉(直哉さん)!」」

 

攻撃を喰らってしまった直哉が苔玉を使って出血を治そうとしたが制裁神ピーはそうはさせまいと奇跡「太陽の光の槍」を発動しようとそれを投擲、回復しようとしていた直哉に直撃してしまった。HPがゼロになり直哉はシャルロットと同じように消えていった。

 

「直哉さん…!」

 

「くそっ直哉は肉壁だったからどうでも良いが流石に不味いな…」

 

そうこうしている内に制裁神ピーとその2体の下部(仮)はじりじりと零次達に近づいていた。

 

『やっと1人制裁してやったぞおい、そして次はお前だ兄貴!終わりなんだよお前らはよ~3対2なんだよ~終わりだクソホスト!てめぇらは此処で「お父さーーん!」死ね…』

 

ピューーー………ザクッ!

 

『ぶぅえぇぇぇぇぇ!?』

 

「「え?」」

 

制裁神ピーが「太陽の光の槍」でトドメ刺そうとした瞬間、突然制裁神ピーの頭上にラウラが現れ落下、そのまま落下攻撃が決まり制裁神ピーのHPがゼロになった。

 

「む?誰だ貴様は?」

 

『なんなんだよてめぇはよぉぉぉ!どっから出てきた!どっから出てきたんだよてめぇはマジなんなんだよぉぉぉぉぉ!てめぇらは必ず制裁してやるからなぁ!!』

 

制裁神ピーは血反吐を吐く様な声を上げながらそのまま消滅していった。制裁神ピーが消えるとと同時に英次が現れた。

 

「零次ごめーん道迷ってたわ、あれ?直哉とシャルロットは?」

 

「英次、色々言いてぇんだけどさ、とりあえずラウラ、ナイス…」

 

「「?」」

 

とりあえず零次と簪は危機的状況を乗り切ったが解決した。当の本人であるラウラと英次は全く状況がわかっていなかった。

 

 




ダークソウルの設定をかなり無視しました。気に触った人はすいません。今回のスペシャルゲストは制裁神ピクルスがモデルのキャラを登場させていただきました。あの三下臭、期待を裏切らないオチの回収、とゲスなプレイがいやな人もいるかも知れませんが、段々癖になります。
そして遂に2broの今年の上半期総集編動画が上がりました!あの最後の編集は最高です!おついちさんお疲れ様です!


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44話

明けましておめでとうございますってもう遅いですね(;・ω・)
遅れて申し訳ありません。うまく書けなかったので今後も不定期気味になると思いますが頑張りたいです。
駄文ではありますが、それでは続きをどうぞ


ダークソウルを終えて数時間、無事に制裁神ピーを撃退?した後、用事が終わった一夏と箒が家に来たため夕食の準備に零次とシャルロットと箒はキッチンで各々得意な料理を調理し、それまで英次、直哉、一夏はゲームをし、簪は英次の隣でゲームをしているのを見ていた。ラウラはソファーに座り膝の上で丸まって寝ているダスティを撫でているうちに疲れていたのか自分も小さな寝息立てて眠ってしまっていた。

 

「ん~いい感じだ、あとは盛り付けてハムカツ完成…シャルロット、そっちはどうだ?」

 

「うん、こっちも出来たよ!」

 

「零次さん私もそろそろ出来上がります」

 

「よーし、そしたら食器の準備するぞ」

 

「あっ!僕ジェイソン!」

 

「はぁ!?」

 

「じゃあ直哉さんが鬼ってこと…?」

 

「すぅ…すぅ…」

 

「あれ?ラウラ寝ちゃってたの?簪ごめん、ラウラに毛布かけてあげてちょうだい」

 

「はい、もうラウラ風邪引いちゃうよ…」

 

直哉に言われて簪は膝の上で寝ているダスティが隠れないように簪に毛布をかけた。

 

「良い感じでダスティが湯タンポ代わりになってそうだね…あっ英次と一夏みーけっ♪」ブンッ!ブンッ!

 

そう言いながら直哉は武器を振り回しながら英次と一夏が居る方へ全速力で向かい、全力で迫ってくる直哉を発見した英次と一夏は必死に逃げ惑っていた。

 

「待ってください!?直哉さん何で始まって早々俺と英次に向かってきてるんですか!?オンラインなんですから他の人でも良いじゃないですか!?」

 

「ヤッホ~僕ジェイソ~ン!」

 

「直哉何でこっち来るんだよ!」

 

「待ってよ英次~!一夏~!」 ブンッ!ブンッ!ブンッ!

 

「「ひゃぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

「お前らうるせぇ!ラウラが起きるだろ!もうそろそろ飯出来るから食器出すなりテーブル出すなり色々手伝え!」

 

「わかったよ零次ちょっと待って、あいつ等だけは絶対に殺るよ!」

 

「英次待ってくれよ!俺を置いてかないでくれ!」

 

「放せ一夏!俺に構わずあの世へ逝け!」

 

「はーい一夏つっかまえた~♪」

 

英次達は自分が助かるために蹴落としあいをしているなか直哉は英次達に追い付き、一番前に居た一夏を捕まえた。

 

「いやだぁぁぁ!?助けて英次ぃぃぃ!!」

 

「はははははっ!一夏じゃぁなぁぁぁwww!」

 

「英次ぃぃぃ!!」

 

「凄いゲスい顔して逃げてったな~まいっか、はーいそれじゃあ一夏殺っちゃおうねぇ♪」

 

「全然わかってねぇじゃねぇかあいつら!はぁ、簪悪いけど食器出すの手伝ってくれ」

 

「わかりました零次さん。英次あんまり姑息な事してたら何時かバチが当たるよ?」

 

「簪、仲間は売るためにあるんだよ?」

 

「もう、何かあっても助けてもらえなくなっちゃうよ…」

 

「簪、あいつはもう殺られんの確定だから、とりあえず皿出してくれ、俺はテーブル出してくるから」

 

「はい、え~と…シャルロット、お皿ってこれで良いの?」

 

「うん、箒は汁物を作ってるから隣の底の深いお皿を持っていってちょうだい」

 

「わかった、はい箒」

 

「あぁ、ありがとう簪」

 

「どういたしまして、へぇ箒はオニオンスープを作ったんだ、箒って和食のイメージがあるからちょっと以外」

 

「本当は和食が得意なのだがシャルロットはリゾットで零次さんはハムカツだからどちらかと言えば洋食寄りだろう?だから洋食の汁物で一番得意なオニオンスープにしたんだ」

 

「そうだったんだ」

 

「簪ーテーブル出し終わったから運んでくれー」

 

「はーいそれじゃあ持ってくね」

 

「あぁ頼む」

 

零次は英次と一夏に手伝ってもらうのを諦め、簪に頼み食器の準備や皆で夕飯が食べれるようにテーブルとテーブルをくっつけ料理を置けるようにし、簪にも手伝ってもらい料理をテーブルに運んでいった。

 

「よーしお前らー飯出来たからそろそろやめろー」

 

「ちょっと待ってー後は英次だけだから…あっ英次みぃけった♪待ってよぉ!」

 

「いやぁぁぁ!助けてぇぇぇ!」

 

「残念だよ英次くんw一夏もさっき殺ったし君ともここでお別れだぁw」

 

「あぁぁぁぁぁ!!」

 

英次のキャラは直哉に首を掴み持ち上げられた状態で窒息して絶命しこのゲームは直哉が勝者となった。

 

「終わったなら飯にするぞ…ラウラ、飯だぞ?ほらダスティも」

 

「ん~?うん…おはようお父さん…」

 

「くわぁ~、にゃ~」

 

料理できたため零次は寝ているラウラとダスティを起こすとラウラは寝ぼけながら答え、ダスティは欠伸をすると答える様に鳴いた。

 

「そう言えばまだ千冬さんと真耶さん達来ないね?」

 

「そう言えばそうだな、場所も言ってあるし、家は見つけやすい場所にあるから分かると思うけど…一夏何か聞いてたか?」

 

「いや、何も聞いてないですね、携帯にも連絡は来てないですし」

 

「今何時かな?」

 

直哉は千冬と真耶がまだ家にやってこない事を疑問に思い、時計を見てみると時間の針は7時30分を指していた。

 

「う~ん電話してみるか」

 

「そうだね」

 

零次はポケットから携帯を取り出し、千冬に電話を掛けた。

 

「あ~もしもし千冬さん、零次です」

 

『あぁ零次かどうした?』

 

「7時30分になっても来なかったので心配になって連絡しました。もしかしてまだ学園ですか?」

 

『いや、今そっちに向かっている所だ、着くまでにあと30分程かかるかもしれないから夕飯が出来ているなら先に食べていてくれ』

 

「え?待ってますけど?」

 

『いや、待たせてるのは悪いからな、先に食べていてくれ』

 

「そうですか、じゃあ先に始めてますからね、今日はビールとハムカツ用意したので早めに来てくださいね」

 

『わかった出来るだけ早く行こう、ちゃんと残しておいてくれよ?零次のハムカツは美味いからな』

 

「たくさんあるから大丈夫ですよ、それじゃあ切りますね」

 

『あぁ、それではまたな』

 

「零次、千冬さん達どうだって?」

 

零次が電話を切ると直哉がどうだったか聞いてきた。

 

「なんか着くのに30分くらい掛かるからもう食ってて良いって」

 

「そうなの?じゃあもう食べちゃう?」

 

「あぁ、もうテーブルに並べたしな、千冬さん達の分は鍋に戻して来たら温めれば良いだろ」

 

「りょうかーい、みんなー千冬さん達少し来るの遅れるみたいだからもう食べてて良いってー」

 

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

「あー腹減ったー」

 

「そう言えば昼はみんなゲームに熱中して食べてなかったな」

 

「私もお腹が空いた…」

 

「にゃ~」

 

「ダスティもお腹が空いたのか? お前にもカリカリを用意してやるからな」

 

「にゃ~♪」

 

直哉に呼ばれゲームをしていた英次と一夏、ダスティを抱えたラウラも集まりそれぞれの位置についた。

 

「そろったな?それじゃあいただきます」

 

「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」

 

「やっぱうめぇな~零次のハムカツ」

 

「お~褒め称えろ俺を」

 

「シャルロットの作ったリゾット凄く美味いね!」

 

「でしょ?このリゾットは子供の頃からお母さんに教わった一番得意な料理なんだよ」

 

「箒の作ったこのオニオンスープも美味いな!」

 

「ほ、本当か!?」

 

「あぁ!これなら毎日食べたいくらいだ!」

 

「まままま毎日だと!?」

 

「どうしたんだ箒、顔が赤いぞ?ひょっとして熱でもあるのか?」

 

「!?こ、こっちを見るな!」

 

「ぶっ!?」

 

「おわっ!?ちょっと!何で一夏こっちに飛んできたの!?」

 

「ほらダスティご飯だぞ」

 

「にゃ~」

 

「ラウラ、ダスティ用に塩抜きしたハムで作ったミニサイコロステーキがあるからカリカリと一緒に食べさせろ」

 

「お父さんありがとう!ダスティ、お父さんがダスティ用にご飯を作ってくれたぞ」

 

「にゃ~♪」

 

「美味そうに食べるな」

 

「ありがとうお父さん!」

 

「カリカリだけだとおかわりって鳴きそうな気がしたからな、塩抜きもしてあるから体にはそんな害は無いぞ、でも焼いてあるから火傷させないように冷ましてから食べさせるんだぞ?」

 

「うむ!」

 

「あっ!零次~そう言えばまだ儀式してないからやろ~」

 

「あ~そう言えば最近色々あって飲んでなかったからすっかり忘れてたな、冷蔵庫に入ってるぞ~」

 

「りょうかーい、直哉はアレで良いでしょ?」

 

「うん、お願いね~」

 

「「「「?」」」」

 

「零次さんなんですか儀式って?」

 

「ん?あぁこれこれ」

 

零次は一夏の質問に戻ってきた英次を指差した。戻ってきた英次の手には瓶ビールとチューハイが抱えられていた。

 

「儀式ってお酒の事だったんですか?」

 

「そういう事、これが無いと始まらないからな」

 

「てか英次って未成年…って今さらだったな…」

 

「はい零次」

 

「サンキュー」

 

「直哉は何時ものほろ〇いにしたけど大丈夫?」

 

「大丈夫だよ、ありがとう」

 

「準備オッケーだな?それじゃあ…」

 

ポンッ!(カシュッ!)

 

「「「お疲れ~………あ~」」」

 

「一応聞いとくけど直哉は今日は何飲んでんの?」

 

「僕はほ〇よいのシークワーサー味、零次達は?」

 

「俺達は…せーのっ」

 

「「エサヒィ~スープァードゥラァァ~イ!」」

 

「ハモんなくて良いから兄弟か!」

 

「うめぇ~…そうだ一夏も1本どう?」

 

「え!?英次俺をまだ未成年だぞ!?」

 

「いや俺も未成年だし、それにこうゆうのは経験だからさ」

 

「英次!一夏をそっちに引き込むのはやめてくれ!」

 

「まぁまぁ箒、今回は休みで無礼講だし、それに英次の言うとおり何事も経験だからね、何時か一夏が千冬さんと酒飲む予行だと思えば」

 

「千冬姉と?」

 

「直哉さんまで…」

 

「それじゃあ一夏にはビール渡すよ?はい一夏」

 

「あ、ありがとうございます直哉さん」

 

「「「それじゃあ改めて、かんぱ~い!」」」

 

「か、かんぱ~い…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所代わって零次達の家の前、時間は過ぎ35分後の8時10分、千冬と真耶は少し遅れて零次達の家にやって来ていた。

 

「遅くなっちゃいましたね先輩」

 

「あぁ、まぁ遅れたと言っても10分程度だし大丈夫だろう。それにしても何やら騒がしいな?もう夕飯を食べ終わってゲームでもしているのか?」

 

「そう言えばそうですね?とりあえず入りますか」

 

ピンポーン!

 

「!?………お、織斑先生!?こ、こんばんは」

 

真耶がインターポンを押して数秒待っているとドタドタと言う音と共にシャルロットが玄関から出てきた。

 

「どうしたんだデュノア?そんなに息を切らして?」

 

「な、何でも無いですよ!?そそ、それよりも着くの早かったですね!」

 

「何を言ってるんですか?少し遅れたくらいですよ?」

 

「あ、あれ~山田先生そうでしたっけ?あ、あははは…」

 

「?それよりもお邪魔するぞ?流石に腹が空いてな、早く食べたい」

 

「それじゃあおじゃましますね~」

 

「あっちょ!」

 

「零次、お邪魔する…ぞ……」

 

千冬はシャルロットの横をすり抜けリビングのドアを開けた。しかしそこで驚愕した。何故なら………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「杯を乾かすと書いて乾杯と読むぅぅぅぅぅ!かんぱぁぁぁぁぁい!!」」」

 

酒をイッキ飲みして酔っ払っている零次、英次、直哉と一緒に………

 

「だっしゃぁぁぁぁぁぁ!なんぼのもんじゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「もう!みんな飲み過ぎだよ!」

 

「いいいい一夏!ななななんて格好をしてるのだ!?」

 

「ダスティ、ご飯美味しかったか?」

 

「にゃ~♪」

 

ボクサーパンツ一丁でビール瓶を両手に持ち、バンザイ状態で酔っ払った一夏が居たからだ。

 

「流石だ一夏!瓶ビール2本同時イッキとは恐れ入ったぜ!俺達に出来ない事を平然とやってのける!」

 

「「そこにしびれる憧れるぅぅぅぅぅぅ!!」」

 

「「…………………………」」

 

「あはははははっ!まだまだいけますよぉ!これくらい序の…口…」

 

「どうした?一夏、急に止まっ…て…」

 

「……………………」ゴゴゴゴゴゴッ!!

 

「あああああの一夏君?そそそ、そのですね…」

 

「……一夏、何をしている?」

 

「ち、千冬姉…こ、これは…その…」

 

「零次、英次、直哉…いったいこれはどういう事だ?」

 

「「「散開!!」」」

 

「逃がすと思っているのか…?」

 

零次達は危機を察知して逃げ出そうとしたが千冬が物凄い速さで零次達の前に割り込み、一番前に居た直哉を組伏せて無力化した。

 

「イダダダダダっ!?腕がぁぁぁ!!」

 

「次は貴様らだ…」

 

「ひぃぃぃぃぃ!?」

 

「千冬さん速っ!?いや、まだだ!まだ終わらんよ!秘技!スケープゴート!」

 

「おまっ!?零次ぃぃぃ!」

 

直哉を無力化した千冬は次に零次達に接近したが零次は咄嗟に隣に居た英次を前に引っ張って壁にして何を逃れた。

 

「ぎゃぁぁぁ!腕があらぬ方向にぃぃぃぃぃ!?」

 

「英次!お前の事は忘れない!」

 

「零次キサマァァァぁぁあああ腕がぁぁぁぁ!!」

 

「逃がさん…」

 

英次を囮にして何を逃れた零次は窓へとダイナミックに飛び出し外へと逃走した。しかし逃がすまいと千冬も外に飛び出して零次の追跡を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァや、やっと撒けた…すっげぇ疲れた…」

 

零次が千冬に追いかけ回されて数十分、千冬はこの辺りの土地勘が無かったため何とか零次は千冬を撒くことに成功していた。もうすっかり酔いも覚めた零次は道路の端でゼェハァ言っていた。

 

「あ、アルコール入ってる状態で走るのハァき、キツい…ふぅ、だいぶ元に戻ってきた…」

 

やっと息が整ってきた零次はこれからどうするのかを考え始めた。

 

「やべー帰りたくね~、千冬さんめっちゃ怒ってるし英次と直哉囮にしてきたからな~とりあえずほとぼりが冷めるまで適当散歩するか…(ガッ…ガサ…ガサ)ん?今なんか変な音が聞こえたな?」

 

零次が帰るかどうか悩んでいると不意に何やら音が聞こえてきた。

 

ガサ、ガサ…ガサガサ

 

「何の音だ?まさか千冬さんか!?何処だ!」

 

零次が辺りを見回すと近くの林の茂みからガサガサと音が聞こえているのがわかった。

 

「な、なんか千冬さんにしてはテンポが遅いな?もしかして猫かタヌキ辺りか?」

 

零次は何なのか分からず好奇心で茂みへと近付いてみた。

 

ガサガサ…ガサガサ…ガサッ!

 

するとボロボロの布の様な物で全身を覆った零次の腰より少し下位ある謎の生き物らしき者が茂みから突然現れた。

 

「ってうおぉぉぉぉぉ!?なんか変なちっちゃいの出てきた!?」

 

「……ぁ……ぅ…ぁぁ………」

 

謎の生き物はゆっくりと零次に向かって歩き出し、布の下から人の足が出ているため辛うじて人間であるのがわかった。

 

「え!?なにこれ!?なにこれ!?なんか近付いて来るだけど!?まだハロウィンの季節じゃねぇぞ!?」

 

「…ぅ……ぅぁ…」 ドサッ…

 

零次は突然の事と小さい何かが近付いて来るので混乱してどうすれば良いのか分からず焦っていると、突然小さい何かは何かを呟きなが突然倒れた。

 

「え!?今度は何!?……いや待て落ち着け俺、冷静なれ…そう言えば結局コイツは何なんだ?」

 

小さい何かが突然倒れた事に更に混乱する零次だったが何とか冷静なり、これは何なのかわからなかった為、考えた結果近付いて調べてみることにした。

 

「足はあるから人だとは思うけど…足の大きさと全長からして子供?いやでも何で?とりあえずどうするか…「見つけたぞ零次…」ひょわぁぁぁぁぁ!?」

 

 

零次がどうするか考えようとした瞬間、突然後ろから声がしたため驚いて振り向くといつの間にか千冬が真後ろに立っていた。

 

「ちちち、千冬さん!?」

 

「やっと見つけた、さぁ…今度こそお前の番だ…」

 

「ちょちょちょっと待ってください千冬さん!?」

 

「待たん、覚悟しろ…ん?零次、その後ろにあるのは何だ?」

 

「だから待ってくださいって言ったじゃないですか!林から現れて突然倒れたんですよコレが!ボロボロの布が体を覆ってて顔とかわかんないですけど多分子供です」

 

「子供だと!?何で子供がこんな時間にそんな格好で外に居るんだ!?」

 

「わかんないですよ!少なくともまだハロウィンじゃないことは確かですよ!取り敢えず容態診てみますよ………」

 

零次は容態を診ようと布を取り払った。しかしそこで零次は固まってしまった。

 

「どうした零次!」

 

「いや…え?…千冬さんこれ…」

 

「だからどうしたと言うのだ…え?…」

 

「………………」

 

どうしたのかと思い千冬も見るため近付いた。見てみるとそこには小さな少女が横たわっていた。しかし千冬もそこで突然固まってしまった。何故なら……

 

「「わ、私(千冬さん)?」」

 

その少女が千冬にあまりにもに似ていた…いや、幼くした千冬にしか見えなかったからだ。

 

 

 

 

 




今年の2broは凄いですね、壺にEDF、モンハンワールド、cry of fearとフルスロットルですね。


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45話

最近2broと三人称+標準さんの「witch it」と言うかくれんぼをするゲーム実況で爆笑しているSIGザビエルです。個人的には兄者さんの視点で視るのにハマっています。皆さんは誰視点で見ているでしょうか?見たことない人は是非視てほしい動画です。

駄文ではありますがそれでは続きをどうぞ


零次と千冬が千冬似の少女と遭遇している頃、零次達の家では残された英次と直哉、一夏が説教をされていた。

 

「英次!一夏は未成年なのにお酒飲ませ過ぎ!それに英次もまだ未成年なんだから少しは自重して!」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「直哉さん!未成年の一夏君にお酒を飲ませるなんてなにしてるんですか!成人している直哉さんが率先してそんな事したらダメじゃないですか!」

 

「うっ…す、すいませんでした…」

 

「一夏もだ!いくら英次が未成年で飲んでいたとはいえ一緒に飲んだ挙げ句酔っぱらってパ、パンツ1枚の状態になるとはどういうことだ!」

 

「わ、悪かったよ箒…」

 

「あ、あはははは…3人とも相当怒ってるね…」

 

「うむ、簪と山田先生があんなに怒っているのは初めて見たな、所でシャルロット、ビールとはやはり美味しいのだろうか?お父さん達も美味しそうに飲んでいたし何よりビールと言えば私のドイツが有名だ、前に気になって飲んで見たかったのだがクラリッサに止められてな、何故なのだろう?」

 

「ラウラ、外国では規制は緩いけど日本だとお酒は成人なってからじゃないと本当は飲めないんだよ?だからその手に持ってる瓶ビールは置こうね?」

 

「やっぱりダメなのか?…むぅ、わかった…」

 

英次達は正座の状態でそれぞれ説教をされている中、シャルロットはビールを飲もうとしていたラウラを止めており、ダスティはお腹が一杯になって眠くなったのかソファーの上で寝ていた。

 

「これに懲りたら一夏君は成人になるまではダメですよ!」

 

「はい、山田先生すいませんでした…」

「もう、それにしても先輩と零次さんは何処まで行ったんでしょうか?」

 

説教を一通り終えた真耶は未だに千冬が零次を連れてこないことに首を傾げた。

 

「そう言えばそうですね?いくら零次でも千冬さんに捕まるのは時間の問題だと思うんだけどな~」

 

確かにと直哉も疑問に思っていると玄関からドアが開く音がした。

 

「あれ?誰か来たね?」

 

「ん?ひょっとして零次帰って来た?」

 

「お兄ちゃんお帰りなさい。やっぱり千冬さんに捕まって…」

 

「零次!さっきはよくも囮にしてくれたな!ってなに持ってんの?」

「いや、なんて言えば良いのかよくわからん…」

 

英次達は零次が帰って来たと思い玄関に行くとそこには零次と千冬が居た。しかし零次は何故か出ていった時には持っていなかったボロボロの布の塊を抱えていた。

 

「先輩それなんですか?」

 

「あぁ…なんと言えば良いのか…」

 

「わからないこと無いでしょ零次、で結局これ何なの?」

 

「あっ!直哉待っ!」

 

何なのか言葉を濁す零次と千冬にしびれを切らした直哉は零次の静止を無視して布を奪い取ると零次の腕には病院で患者が着るような簡易な作りをした服を着た千冬似の少女が居た。

 

「……………えぇ?」

 

「せ、先輩…その子、え?」

 

「「「「「………………………」」」」」

 

「いや違うから!誘拐とかじゃないから!」

 

「そうだ!この子は…」

 

「零次!お前いつから千冬さんとの子ども作ったんだよ!?」

 

「先輩!零次さんとの子ども産んだなんて聞いてないですよ!?」

 

「「ち、違うわ(ち、違う)!!」

 

「イダッ!」

 

「あうっ!」

 

零次が抱えていた少女を零次と千冬の子どもと変に勘違いした直哉と真耶は、それを聞いて顔を真っ赤にした零次は直哉の頭を叩き、千冬は真耶の頭にチョップを入れた。

 

「ちょっと待て!人の話を聞け…」

 

「零次さん!千冬姉との子どもってどういう事ですか!千冬姉も何で黙ってたんだよ!」

 

「落ち着け一夏!どう考えても外見年齢的に無理があるだろ!」

 

「誤解だと言っているだろう一夏!だから私達の話を…」

 

「おおお落ち着け一夏!取り敢えず姉さんに相談を…」

 

「「お前が一番落ち着けぇぇぇぇぇぇ!!」」

 

それから零次と千冬が皆を落ち着かせ説明しようとしたがなかなか信じてもらえず、皆が落ち着くまでに結局30分程かかった。

 

「って事はお兄ちゃんが逃げてる最中に林の茂みから出てきて誰の子かはわからないってこと?」

 

「なんだよ最初からそう言えば良かったのに」

 

「さっきから何回も言ってただろ!」

 

零次は英次に怒りながらも少女をソファーに寝かせた。最初にソファーで寝ていたダスティは千冬似の少女に興味を持ったのか近くでじ~っと見ていた。

 

「しかしお父さん、この子は凄く教官に似ているぞ?」

 

「まぁだからわかんねーんだけどな」

 

「それよりも先輩、この子の容態は大丈夫なんですか?病院とかに連れていったりとか…」

 

「あぁ、私と零次で診てみたが疲労による衰弱だったから病院よりは零次の家が近かったから連れてきたんだ、明日には目が覚めるだろうからそうしたら病院へ連れていく事にしたんだ」

 

「それに時間的にも病院開いてない…まぁ急患ならやってると思いますけど」

 

「あ~だからだったんですね。それにしても本当に先輩に似てますよね~」

 

「そうですね、でも似てるって言うよりは織斑先生をそのまま小さくしたみたいに見えます…」

 

「俺達も最初は固まりましたからね…千冬さん、タオルとお湯持ってきたんでこの子の体拭いてもらって良いですか?」

 

「ああ、わかった…少し熱いかもしれないが我慢するんだぞ」

 

千冬は零次に頼まれ、寝ている少女に言い聞かせるように言ってから少女の体をお湯に浸けたタオルを体を拭いていった。少女は相当道なき道を歩いてきたようで汗や土汚れで白かったタオルはすぐに汚れ、持ってきたお湯が茶色くなる頃には少女の汚れはすっかり落ちていた。

 

「よし、これで綺麗になったぞ」

 

「わぁ~先輩手慣れてますね~」

 

「一夏がまだ小さかった頃に風邪を引いたときは私が看病していたからな、料理は上手く出来なかったが体を拭いたり氷枕を作ったりはよくしていたからな」

 

千冬が少し自信が有るように言うと隣で零次も共感したのかうんうんと頷いていた。

 

「そうそう俺もよくやってたな~」

 

「あ~なんか零次前にそんな事言ってたね~」

 

「そうだよ、英次のヤツ小学生の時土砂降りだっつーのに傘差さないで学校から帰ってきて異常なく風邪引いてたからな」

 

「そんな事もあったな~めっちゃテンション上がって水溜まりバシャバシャしてた!」

 

「ぷっ!なんだか英次のその時直ぐにイメージ出来そう、ずぶ濡れだけどすごい笑顔でただいま~!とか言ってそう」

 

「やってたわw簪よくわかったね?ずぶ濡れで「兄ちゃんただいま!見て見て凄い雨降ってるよ!」とか言ってね!」

 

「簪笑い事じゃないから!あの後スゲー大変だったんだぞ!英次が風邪治ったと思ったら今度は俺が風邪引いたわ!」

 

「俺だって看病してたじゃん!」

 

「熱下げようとしてデコじゃなくて全身に氷ぶちまけてたけどな!」

 

「あはははっ!英次wお前そんな事してたのwww!?」

 

「寝てたら急に寒くなってきて何だ?と思って起きたら全長氷に浸されてたからな!死ぬかと思ったわ!」

 

「あはははっ!でも羨ましいですね~私は一人っ子だったからなんだか楽しそうです」

 

「あ~わかります!僕も一人っ子だからやっぱり兄弟がいる人達って良いな~って思いますね」

 

「そういうもんか~…ん?」

 

「どうした零次?」

 

「いや、なんか左手に…」

 

零次が直哉と真耶が兄弟の話で盛り上がっているのを聞いてると左手に違和感があることに気付いた。見てみると千冬似の少女がいつの間にか零次の左手を自分の小さい手で掴んでいた。

 

「あれ?いつの間にか掴まれてる」

 

「お…かぁ…さん…おとぉ…さん…どこ?…どこ?」

 

「「………………」」

 

「うなされているな…」

 

「この子に何があったんだよ…」

 

箒と一夏が心配そうに見ているなか、零次と千冬は少女を見ながら考え事をしていたが直ぐにお互いを真剣な表情で見た。

 

「……千冬さん」

 

「ああ…わかっている」

 

千冬は少女が零次の手を掴んでいる方とは反対の手を握り、零次は空いてる手で少女の頭を撫でると英次達に指示を出した。

 

「みんな、まぁ俺達見つけた本人だし俺と千冬さんはこの子の看病しながらここで寝るから、英次と直哉は2階から布団持ってきてくれ一夏は俺と一緒に居間のテーブル片付けて寝れるスペース作るの手伝ってくれ、その間シャルロット達は風呂に入ったり英次達と一緒に布団取りに行って寝る準備したりしてきてくれ」

 

「オッケー!直哉、確か布団って奥の部屋にあったよね?」

 

「そうだね、みんなこっちに布団あるから」

 

「わかりました!皆さんは先にお風呂に入ってきて下さい。私は直哉さん達とお布団を取りに行ってきますね」

 

「なら私も一緒に行きます」

 

「じゃあ私達はお風呂に入って来るね?ラウラ、お風呂に行くよ?」

 

「うむ…わかった。ダスティ行くぞ?」

 

「ニャ~!」

 

「む~暴れるな、綺麗にするだけだから、な?」

 

真耶と簪は英次達と一緒に布団を取りに行き、シャルロット、ラウラ、箒は先に風呂へと行った。少女を千冬に見てもらい、零次は一夏と一緒に居間に準備したテーブルや回りを片付け広くし終わると丁度英次達が布団を手に降りてきた。

 

「零次~布団持ってきたよ~」

 

「後押し入れの奥に昔使ってた子ども用の布団も見っけたからそれも持ってきたよー」

 

「おーサンキューそこに敷くからちょっと待ってくれ」

 

「お風呂良いよ~」

 

「む~眠い…」

 

「ニャ~♪」

 

「なんかダスティご機嫌だな」

 

「最初は嫌がっていたんですがお風呂に浸かったら気に入ったみたいです。それにしても凄いですね零次さん、まさかお風呂があんなに大きいなんて」

 

「凄いだろ!風呂はかなりこだわった家だからな、通常の浴槽の2~3倍の大きさはあるぞ。風呂掃除たいへんだけどな。千冬さん達もお湯が冷める前に入ってきた方が良いですよ?」

 

「わかった、この子は任せたぞ?真耶、更識、行くぞ」

 

「「はい!」」

 

シャルロット達と入れ替わるようにして千冬達も坂本家自慢の風呂を堪能した後、続いて零次達も入り終わり英次達はそれぞれの部屋へ行き、居間では右から零次、少女、千冬の順で川の字に敷いた布団に入っていた。

「こうして川の字で寝るのも久しぶりだな…一夏が生まれる前に両親と良くこうして寝ていた…」

 

「……俺もよくこうして寝てましたよ」

 

「零次、不躾ではあるが聞いても良いか?」

 

「なんですか?」

 

「ここはお前達の実家のはずだ、その…親はどうしたんだ?」

 

「ああ、俺が高校生の時に車の事故で…丁度親しかった直哉の家族も一緒に旅行に行ってた帰りに大型トラックが反対斜線から突っ込んで来ましてね、俺達は何とか無事だったんですけど親父達と直哉の両親は……以来直哉も俺らの家で住んでたって訳です…」

 

「……すまない、嫌な話をさせてしまって」

 

「良いですよ、もう吹っ切れましたし、それに家族はまだあの愚弟が居るんで」

 

「そうか……」

 

「おとぉさん……おかぁさん…」

 

「まだうなされてるみたいですね、寝てるって言っても子どもの前で言う話じゃなかったですね」

 

「そうだな…安心しろ、お前のお父さんとお母さんは居なくても私達がいるからな、安心して眠れ」

 

千冬は少女の手を握り言い聞かせるようにそういうと少女は穏やかな顔に戻り寝息を立て始めた。

 

「ん~……すぅ…すぅ…」

 

「明日になったら病院で詳しく見てもらいましょう。そしてこの子の両親を見つけないとですね」

 

「ああ、明日は忙しくなりそうだ、そろそろ寝よう」

 

「そうですねお休みなさい」

 

零次はそういうと空いてる少女の手を握り眠りに着いた。

 

「ああ、お休み」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、零次はいつも起きている時間よりも早くに目が覚めた。

 

「ん…ん~……ふぁわ~もう朝か……」

 

零次は時計を見るといつも6時に目が覚めていたが時計は5時30分を指しており、何時もよりも30分早く起きていた。

 

「千冬さんが隣…確か昨日は千冬さんとあの子とで寝て…あれ?」

 

零次は千冬が寝ているのを確認したが零次と千冬に挟まれて寝ていたはずの女の子が居なかった。

 

「千冬さん!起きてください!」

 

「ん~?どうしたんだ零次…?」

 

「あの子が居ないんです!」

 

「なんだと!?」

 

千冬は一瞬で覚醒しガバッ!と布団から飛び起きた。

 

「布団はまだ温かい…起きてすぐって感じですね」

 

「ああ!手分けして…」 ガタンっ!

 

「ん?」

 

突然物音がしたため零次が横を向くと端に寄せたテーブルの下にあの女の子が隠れる要にこっちを見ていた。

 

「なんだそんな所に居たのか、ほらおいで…怖くないしなにもしないよ」

 

「………………」

 

少女は少し警戒していたが少しずつテーブルから出てきて零次達の近くに来た。

 

「おはよう、早速だけど名前は何かな?お兄さんは零次っていうんだよ」

 

「おはよう、お姉さんは千冬だ」

 

「………名前?秋葉は秋葉だよ?」

 

「秋葉ちゃんって言うんだね?何でテーブルの下に隠れてたの?」

 

「知らない場所だったから…」

 

「そうか、確かにそうだな、所で秋葉はどこから来たんだ?」

 

「わかんない、秋葉もっと真っ白な場所に居たよ?」

 

「真っ白な場所?」

 

「うん」

 

「それじゃあお父さんとお母さんは?」

 

「………わかんない、秋葉お父さんとお母さん見たことないから探してるの」

 

「見たことない?」

 

「うん、気付いたら真っ白な場所に居て白い服を着たおじさんとおばさんが居て、がんばればお父さんとお母さんに会えるよって言ってたからいっぱいがんばったけど会えないの」

 

「零次…」

 

「そうですね、普通の家庭で育ったような話では無くなってきましたね…取り敢えず関わったんですから親がみつかるまでは引き取りますか」

 

「まぁ、仕方がないか…」

 

「………?」

 

零次と千冬は秋葉と同じ目線になるようにしゃがみ、不安そうに自分達を見ている秋葉の頭を軽く撫でた。

 

「秋葉ちゃん、俺達がお父さんとお母さんを見つけるまで秋葉ちゃんの保護者になっても良いかな?」

 

「ほごしゃ?」

 

「つまりだ、お父さんとお母さんの代わりだ」

 

「お父さんとお母さん?」

 

「ちょ!千冬さんそれだと秋葉ちゃんが誤解しちゃうんじゃ!」

 

「いや、この子はこの言い方じゃないと理解しないだろう。それに引き取るならそれくらいしなければな」

「………そうですね」

 

「……お父さん?」

 

「なんだ秋葉?」

 

「……お母さん?」

 

「どうした秋葉?」

 

「………う、うわぁぁぁぁぁ!!」

 

「おいおいどうしたんだよ?まったく秋葉は泣き虫だな」

 

「おどうざぁぁぁぁん!おがあざぁぁぁぁん!」

 

「よしよし、お母さんとお父さんはここに居るからね、秋葉はすごくがんばったね」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

こうして零次と千冬は正当な手続きなど必要ないと言わんばかりに未だに正体が掴めない少女、秋葉の保護者をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳でオリジナルキャラの秋葉ちゃん登場!え?織斑マドカ?知らない子ですね。これで零次に更に娘が出来て千冬との関係が…え?福音の時のナターシャ?知らない人ですね。


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46話

遅くなって申し訳ありません!それとお気に入り登録してくださった方々、評価してくださった方々本当にありがとうございます。不定期ではありますが頑張って行きたいです。それでは続きをどうぞ!


零次と千冬が秋葉の保護者になってから少したち、零次はみんなの朝食を作り、千冬は秋葉の面倒を見ていた。

 

「やっぱ朝の味噌汁はワカメと豆腐だよな~♪」

 

「おとーさんとうふってなぁに?」

 

「ん?豆腐って言うのはこれだぞ秋葉」

 

零次が豆腐を切る前にしゃがんで秋葉に見せると秋葉は恐る恐る豆腐を突っついてみた。

 

「わ~!冷たくてプルプルしてる」

 

「そうだろ?これを包丁で小さな四角に切って味噌汁に入れると美味しいんだぞ」

 

零次は豆腐をまな板に戻し、秋葉に見せるようにゆっくりと豆腐を切ると味噌汁の中に入れていった。

 

「おっきい四角がちっちゃい四角になった!」

 

「だろ?そろそろご飯も出来るからもう少し待ってろよ?」

 

「はーい!」

 

「秋葉、零次はまだ朝ごはんを作ってる最中だからあまり邪魔をしてはダメだぞ?」

 

「うん!おかーさん!」

 

秋葉は千冬にそう言われるとトテトテと千冬の方へと戻って行き千冬へと抱きついた。

 

「よしよし、秋葉は元気いっぱいだな」

 

「ん~♪」

 

千冬は秋葉を受け止め、秋葉の頭を撫でると秋葉は少しくすぐったそうに、しかし気持ち良さそうな顔をしていた。

 

「あっ千冬さんちょっ…と…」

 

「ん?あぁ…なんだ零次」

 

零次は千冬にそろそろ朝食も出来るからみんなを起こしてほしいと頼もうとしたがそこで止まってしまった。何故ならば秋葉と戯れている千冬の顔は母性の溢れる穏やかな顔しており、その顔がそのまま零次に向けられたからだ。

 

「………っ!あっ…とですね!そろそろ出来そうなのでみんなを起こしてもらえないかなって…ですね!」

 

「?ああ、別に構わないぞ?少しの間だけ秋葉を見ててくれ。秋葉、少し待っててくれ、私はみんなを起こしてくるからな?」

 

「はーい!」

 

千冬は秋葉を零次に任せ英次達をお越しに2階へと向かった。

 

「今のは反則だろ………」

 

「?」

 

約半年間、千冬と同棲していたとは言え千冬のあんな穏やかな顔を見たことなかった零次はリビングでぼそりと呟き、顔から火が出そうなほど真っ赤にしながら1人で悶えていおり、理由がわからない秋葉は良くわかっておらず首を傾げていた。

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「……………………………」」」」」」」」

 

 

「秋葉~盛り付けた料理をテーブルまで運んでくれ」

 

「うん!」

 

「ありがとう、転ばないように足元には気を付けるんだぞ」

 

「秋葉、私も一緒に運ぼう」

 

「じゃあ千冬さんはこれをお願いします」

 

「ああ、わかった」

 

「え?これどういう状況なの?」

 

「わ、私にもさっぱり…」

 

固まっている状況から回復した直哉と真耶は未だ状況が理解できおらず混乱していた。

 

「おー直哉おはようってなんでみんな固まってんでだ?」

 

調理が終わった零次がリビングに向かうとみんなが呆然としていることに首を傾げた。

 

「いやさぁ、昨日運んだ女の子が零次と千冬さんの事お父さんお母さん呼んでたらそりゃあ驚くでしょ…」

 

「…あーそう言われればそうだな」

 

「あっ…」

 

零次と直哉が話していると秋葉は起きてきたみんなに気付いた。しかし秋葉はそのまま零次の後ろに隠れてしまった。

 

「ん?どうしたんだ秋葉?」

 

「う~…」

 

「ああ、知らない人が一気に来たから驚いたのか。大丈夫だぞ、この人達はお父さんとお母さんの友達と兄弟だ。それよりも秋葉、朝の挨拶をしないとダメだぞ?」

 

「…………」

 

秋葉は零次にそう言われるとゆっくりと零次の後ろから出て来て直哉達の前に来た。

 

「………お、おはようございます」

 

「「…あっお、おはよう…」」

 

秋葉に挨拶された事に遅れて気付いた直哉と真耶は挨拶をしようとしたがその前に秋葉は急いで零次の後ろに隠れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「成る程ね~僕ら寝てる間にそんな事があったのか~」

 

零次と千冬が起きてきたみんなに一通りの事情を説明すると直哉納得したようにうんうんと頷いた。

 

「俺また叔父さんになったの?俺まだ18だよ?」

 

「え、英次落ち込まないで…」

 

「だってさぁ簪…俺確かに声渋いって言われるし年上に見られたりするけどまだ未成年だよ?」

 

「おい英次、そんなことで落ち込むなって、俺だって突然の事でまだ混乱してるのに…」

 

「しかし一夏、この子の出生が分からない以上保護者が必要なのは確かだ」

 

「まぁ、そうなんだろうけどさ…」

 

「おいお前たち、そんな話は後にして朝ごはんにするぞ、秋葉も何時までも後ろに隠れてないでごはんにするぞ、このお兄さんとお姉さん達は秋葉に悪いことはしない。ちょうど良い、朝ごはんの前に自己紹介をしなければな」

 

「じゃあ私から。初めまして秋葉ちゃん!私はシャルロット・デュノア、お兄ちゃんの妹…分かりやすく言えば秋葉ちゃんのお姉ちゃんかな?」

 

「待てシャルロット、お父さんの娘である私こそ秋葉の姉となるのではないか?おはよう秋葉、私はラウラ・ボーデヴィッヒ、私も秋葉のお姉さんだ」

 

「私は山田真耶ですよ。よろしくね秋葉ちゃん!」

 

「僕は菊地直哉、お父さんの友達だよ!」

 

「おはよう秋葉ちゃん!俺は坂本英次!零次の弟だよ!よろしくね!」

 

「私は更識簪…よろしくね秋葉ちゃん」

 

「俺は織斑一夏!千冬姉の弟だよ、よろしくな秋葉!」

 

「私は篠ノ之箒、よろしく秋葉」

 

「…………」

 

「大丈夫、みんな秋葉のお兄ちゃんとお姉ちゃんだ。恥ずかしがってないでみんなの名前を呼んでごらん」

 

みんなの自己紹介が一通り終わると零次は秋葉をそっとまでに出した。秋葉もゆっくりとみんなのまでに出て最初にシャルロットの前に立った。

 

「……シャ…お姉ちゃん…」

 

「?」

 

「シャルロットお姉ちゃん…」

 

「はうぅッ!!」

 

秋葉にお姉ちゃんと言われると突然胸を押さえて悶え始めた。シャルロットは一人っ子だった為兄弟が欲しかったが叶わず、兄として零次達が居たが弟や妹が居なかった。そんなシャルロットには「お姉ちゃん」の一言は強烈すぎた。しかも今居る面子はみんな一人っ子か兄や姉は居る弟や妹が居らず、兄もしくは姉の経験がなかった。そんな面子が秋葉のような可愛らしい子に「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼ばれれば…

 

「ラウラお姉ちゃん…」

 

「くうぅっ!!」

 

「真耶お姉ちゃん…」

 

「はうぅっ!!かわいいです!」

 

「直哉お兄ちゃん…」

 

「ッ!よ、よろしくね秋葉ちゃん……(ああもう!かわいいか!)」

 

「英次お兄ちゃん…」

 

「ぐおぉ!なんだこの破壊力は!」

 

「簪お姉ちゃん…」

 

「か、かわいい…!」

 

「一夏お兄ちゃん…」

 

「っ!お、お兄ちゃん…」

 

「箒お姉ちゃん…」

 

「ッ!わ、私がお姉ちゃん…私が…お姉ちゃん…」

 

この様に悶え苦しむ事になるのは当然でであった。

 

 

 

 

 

 

 

みんなが悶え苦しむこと数分、朝食を食べ終わる頃には秋葉もみんなのことを警戒しなくなり普通に接することが出来、みんなはそれぞれ秋葉にデレデレだった。

 

そして今零次と千冬は秋葉を連れてこの辺りでは一番大きな病院へと来ていた。今は元気にしている秋葉だが昨日は衰弱していたのだ。何処に異常があるか分からない以上病院へ連れていくのは必至だった。しかし昨夜の状態をそのまま話すのも変に怪しまれる為、「家で急に倒れたので診てほしい。昨日は熱中症と思い安静させていたが、一応診てほしくて来た」と説明した。さっそく医師の検査で熱中症では無いと診断されたが、もっと詳しく検査して欲しいと頼みMRIで検査したところ、これも特に異常は無いと診断され、秋葉は健康そのものだと言う事がわかった。

 

病院を出た後は警察に行き、行方不明になっている子が居ないかそれとなく聞いてみたが、そんな通報は来ていないとの事で空振りに終わってしまった。そして零次と千冬は秋葉の手を繋ぎながら家へと帰っている途中だった。

 

「結局秋葉は迷子では無かったようだな」

 

「みたいですね、秋葉の言うには迷子とは違うみたいですし、ちょっとキナ臭いですし色々調べてみましょう」

 

「ああ、それにしてもあの子の体に異常が無くて良かった」

 

「はい、いたって健康って言われましたけど、昨日はあんなに衰弱してたのに少し心配ですよ」

 

 

「ああ、しかし異常が無かったのならそれで良いじゃないか、少なくとも入院すると覚悟はしていたから安心した」

 

「まぁそうですね、そう考えれば確かに良かったですね」

 

「おとーさん、おかーさん、何のおはなししてるの?」

 

「ん?秋葉が病気じゃなくて良かったって話してたんだぞ」

 

「ああ、秋葉が病気だったら私も零次も悲しいからな」

 

「秋葉元気だよ?でも秋葉お腹空いちゃった…」

 

「確かに朝からずっと病院に居たがもう昼か、私もお腹が減ってしまった」

 

「じゃあ早く帰って昼ごはんにしましょう。家ももう目の前ですし…」

 

そここう言っているうちに家に到着するとシャルロットとラウラが出迎えてくれた。

 

「お帰りお兄ちゃん、千冬さん、秋葉ちゃん!」

 

「ただいまシャルロット、ラウラ」

 

「今帰った」

 

「?」

 

「ああ、秋葉には教えてなかったな、帰ってきてらみんなにただいまって言うんだぞ」

 

「うん!ただいま、シャルロットお姉ちゃん!ラウラお姉ちゃん!」

 

「お帰り秋葉ちゃん!もう!秋葉ちゃんはかわいいなぁもう!」

 

シャルロットは秋葉にただいまと言われると我慢できずに秋葉を抱きしめ頬擦りをし、秋葉はくすぐったそうにしていた。

 

「ふふ、くすぐったいよシャルロットお姉ちゃん」

 

「ずるいぞシャルロット!私だって秋葉を抱きしめたかったのに!早く変わってくれ!」

 

「え~?まだダメ~秋葉ちゃんは私の妹だもんね~?」

 

「秋葉は私の妹だ!」

 

「違うもん!私の妹だもん!

 

「シャルロットお姉ちゃん!ラウラお姉ちゃん!ケンカだめ!」

 

「「うっ…ご、ごめんなさい」」

 

「ん、ただいまラウラお姉ちゃん!」

 

秋葉はシャルロットから離れるとラウラに抱きついた。

 

「くっ!この可愛さは反則だっ!」

 

「うわ~もうみんな秋葉にデレデレですね~俺だけど…」

 

「ああ、秋葉は可愛いからな」

 

「千冬さんもデレデレじゃないですか…」

 

「あっそうだお兄ちゃん、もうみんなで昼ごはん作ったから早く食べよう?みんな待ってるから」

 

「やったー!秋葉お腹空いた!」

 

「うむ、ならば早く行こう」

 

「うん!」

 

シャルロットとラウラは秋葉を連れて先に家に入っていた。

 

「千冬さん、俺達も行きますか」

 

「ああ」

 

「なんだか秋葉が家に来てから更に賑やかになりましたね」

 

「ああ…この時間がずって続いて欲しいものだ…」

 

「……そうですね、俺もそう思います」

 

そう言って零次と千冬も家へと入っていた。みんなが待つ家へと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近兄者さんのメタルマックスを視ているのですが、楽しそうにプレイしている姿を見ているのと此方まで楽しくなってきます。それと昨日の生放送でやっていたTHE FORESTの面白さは反則だと思います。


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