ULTRAMAN ZOFFY (銀河 流星)
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第一章「集いし9人の女神」
第1話「失った物……」


覚えているだろうか!?

嘗て地球を守った私たちのヒーロのことを……。

そして、そんな彼らの間で今原因不明のウイルスに侵されていることを……。


この物語は、宇宙最強と言われたウルトラ戦士と9人の女神との二次創作である。



 

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン…」

 

 

M25星雲にある無人の惑星では、命の危険を示すカラータイマーの点滅音が鳴り響いていた。そこには、宇宙最強と呼ばれた宇宙警備隊の隊長であるゾフィーの姿があった。そして、彼の目の前には同じウルトラ戦士であるはずのアストラが仁王立ちしていた。

 

 

「アストラ、目を覚ませ!!光の戦士がそんなウイルスに負けていいのか!?」

 

 

ゾフィーは、説得するように言うがアストラは聞く耳も持たずにゾフィーへ向かって走り出すと地を思いっきり蹴りジャンプし片方の足を突き出して構える。彼の技は、兄レオと同じ必殺キック、アストラキックだ。

それをゾフィーは両腕を前でクロスして防ぐがダメージを完全に受けてない訳では無い。少しフラついたゾフィーにめがけてウルトラランスが飛んでくる。それを上半身を逸らしながら右手でキャッチして止めるとランスが飛んできた方角を睨む。そこから姿を現したのは、ウルトラ兄弟4番目の戦士帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャックだ。

 

 

「ゾフィー、大人しくあの世に逝ったらどうだ!?もう、お前の時代はない。」

 

 

半分機械仕掛けな声でジャックはゾフィーに向かって言う。その台詞にゾフィーは、少し怒りを覚えた。

だが、兄弟の様に仲の良かった戦士達を殺せるわけがない。ゾフィーは、心の中で葛藤が続いた。そんな彼に構わず次々と光線が飛んでくる。

 

 

「止めろ!お前達は、どうしてそこまで変わってしまったのだ!?我々は、ウルトラの戦士だ!!あの誓を忘れたのか!?」

 

「黙れ!死ね!!」

 

 

そう言うとジャックは、スペシウム光線を放つとそれがゾフィーに命中して火花が散った。次第に早く点滅していたカラータイマーがゆっくりになっていく……。

それは、ゾフィーの死を予言していた。

 

 

(このまま殺られるわけにはいかない。ここは、最後の力を使ってこの場を離脱するしかない!!)

 

 

そう考えるとゾフィーは、必殺光線であるM87光線を放ち、無人の星ごと破壊すると額の前に両腕をクロスして構えるとゆっくり斜め下に移動させると身体を別の場所へテレポーテーションさせた。

 

 

「逃げられたか……」

 

 

その映像を遥か離れた星ウルトラの星で高みの見物のように眺めている男がいた。彼の名は、ジュダ。今やウルトラの父の身体を乗っ取り宇宙最強の新型宇宙ウイルスを開発した張本人だが、そんな事をゾフィーは知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレポーテーションして来たゾフィーは、周囲を確認する。そこは、緑に囲まれた美しい山の中だった。

 

 

(危ないところだった……。)

 

 

ゾフィーは、そう思うと初めて見る地上からの星を眺めながらカラータイマーの点滅が消えかかった寸前に人間への擬態を試みると意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、倒れてる人を発見した人物が救急車を呼んで彼は、天下の大病院「西木野総合病院」に連れてこられた。彼の身体は、擬態したとはいえ戦闘時の傷が凄く残っていた。それを医者は手術で塞ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、ゾフィー(人間体)の手術は無事成功した。しかし、彼の住所や名前それらに関する情報は一切なく病院側も誰に治療代を請求していいか悩んでいた。

 

そんなある日の夜、突然の如く目を覚ましたゾフィーは、ベットから起き上がると自分に繋がれている点滴の針をゆっくり抜き両手をグーパーして力が入るか確認する。

 

 

(どうやら擬態に成功したらしい……。)

 

 

そう思うとゾフィーは、窓ガラスを見つめると何かを発見してそれを確認するかのように目をさっきより細めて見つめると、宇宙警備隊の若きルーキーのウルトラマンメビウスがこっちに向かってくるのを確認した。

 

 

「向こうも待つ気は無いみたいだな。」

 

 

そう呟くとゾフィーは、左手につけているブレスレットの横にあるボタンを押す。

そして、ブレスレットから放たれた光に包み込まれると着ていたはずの入院服が私服へと変わった。

それを確認してからゾフィーは、窓から飛び降りると病院を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

夜の街……。

静かな眠りを邪魔するかのように新型ウイルスに侵食された赤い瞳のウルトラマンメビウスが暴れ始めた。

逃げ惑う人々と反対の方向へゾフィーは向かう。

彼の胸の奥にあるウルトラの魂が叫んでいた。

 

 

《守れ!自分たちが愛した第二の故郷である……、

この地球という星を……そして、

ウルトラ戦士達との信頼関係を……、守れ!!》

 

 

ゾフィーは、メビウスの足元に到着すると上からメビウスが睨んでくる。

周りのビルや家などの建物はメチャメチャになっていた……。

 

 

「何故だ……何故、こんな事をする!!答えろ!ウルトラマンメビウス!!」

 

 

ゾフィーは、怒りに満ち溢れていた。しかし、メビウスは、何も言わずにゾフィーを踏み潰そうとする。そんなメビウスに対してゾフィーは、両手を合わせてZ光線を放つとそれを受けたメビウスは何歩か後ろへ下がるとゾフィーは、もう1回Z光線を放つ。

 

 

「私は……そんなお前達に鍛えたつもりは無い!!」

 

 

そう言ってゾフィーは、さらにZ光線を放つがメビウスはゾフィーに近づいて行った。慌てたゾフィーは、もう1回Z光線を放つとそれを受けたメビウスは、勢いよく後ろへ倒れる。そこにあった数多くの家がメビウスの、下敷きになった。

今のうちに変身しようとしたゾフィーだが、それに待ったをかけるかのように誰かの叫び声が聞こえた。

 

 

「雪穂!雪穂ってば!しっかりしてよ!!雪穂!!」

 

「穂乃果、早く逃げなければ私たちまで建物の下敷きですよ!」

 

「穂乃果ちゃん早く逃げようよ!!」

 

 

そこには、3人の少女と建物の下敷きになっている1人の少女の姿があった。ゾフィーは、彼女達を助けようと考えたがその前にメビウスが起き上がってしまった。

 

 

「ねぇ!貴方は、ウルトラマンメビウスだよね!何で街を破壊するの?何で皆を悲しませるの??ウルトラマンはやっぱり人類の敵だったの?私達を騙したの??」

 

 

涙目になりながら茶髪の少女は、訴える。しかし、それに動揺の素振りも見せずにメビウスは、彼女達を潰そうと足を上げる!!

 

 

「もう我慢の限界だ…!

メビウス、俺は……俺は、怒ったぞォォッ!!」

 

 

そう叫ぶとゾフィーの目は、今までのように優しいものではなかった。

怒り、憎しみ、そして悔しさが今にも溢れだしそうだった。そして、その瞳は遥か昔まだスターマークを付ける前に最前線で活躍していた戦士の頃の瞳だった。

 

 

「恐らく、本来の姿はエネルギー不足でなれないだろう……。」

 

 

そう言いながら薄く光出したブレスレットを見つめる。

 

 

「だが、昔の姿でも十分に戦える!!勝負だ!

……ウルトラマンメビウス!!」

 

 

そう叫ぶと彼のブレスレットから放たれた眩しい輝きは、ゾフィーを包み込み球体になるとそのまま彼女達を踏み潰そうとしたメビウス元へと向かって行った。

そのまま球体のタックルを受けたメビウスは、後ろへ飛んで行くとビルに向かって倒れる。

そして、その球体はやがて身長45メートルぐらいの大きな巨人へと姿を変えると雪穂と言う少女の上に乗っている家の瓦礫を退かす。

そして、光が消えると巨人は姿を現した。

銀と赤のボディカラーにウルトラマンの様な顔……。胸には、青く輝くカラータイマーがあった。

だが、多くの皆が知ってるゾフィーでは無かった。彼の身体には勲章であるスターマークや宇宙警備隊隊長の証であるウルトラブレスターはなかった。

 

 

「お前達の悪事を許す訳にはいかない!

俺は、過去の誇りを全て捨ててまでお前達を倒す!!」

 

 

それは、残された僅かなエネルギーと新たな決意が過去の姿(ファーストスタイル)になっているゾフィーを動かすのであった……。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.高坂穂乃果)
初めまして、高坂穂乃果です!!

遂に私たちの前に姿を現したゾフィー。
そして、メビウスと激しい交戦を繰り広げる!
その中で彼は、何を思うのか!?


次回、第2話「誕生!ゾフィー・ファーストスタイル!!」




次回も絶対読んでね!!


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第2話「誕生!ゾフィー・ファーストスタイル!!」

こんにちは!
銀河ラブライバーです。
昨日第1話を更新してから既にUAが190を超えました。
ありがとうございます。
これからもこの作品を応援してくれる皆様の気持ちを大切にして書きたいと思います。



話は、数時間前に遡る。

夕方の高坂家では、茶髪のサイドポニーテールの高坂穂乃果(こうさかほのか)、ベージュのロングヘアの(みなみ)ことり、ブルーのロングヘア園田海未(そのだうみ)が居た。彼女達は、幼い頃から一緒にいる3人でいつも遊んでいた。高校に入ってからは、弓道部に所属している海未は、中々彼女達と遊ぶ時間が取れなかった。しかし、今日は部活が休みなので久々に穂乃果の部屋に遊びに来たのだ。普段の日常会話をしている3人の近くで地響きがした。

穂乃果は、慌ててその光景を見るとそこには、数年前テレビで話題になっていた宇宙人、ウルトラマンメビウスが居た。その光景に興奮する穂乃果だが、メビウスは、急に街を破壊し始めた。

 

 

「どうして!?」

 

 

それが穂乃果の想いだった。しかし、人々はそれどころでは無かった。

 

 

「早く逃げろ!!じゃないと殺されるぞ!」

 

「おい!押すなよ!」

 

「邪魔だ!!退け!!俺はしにたくねぇー!!」

 

「ちょっと!押さないでよ!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!ママー!!」

 

 

自分の周りには、パニック障害の人々が居た。彼らは、逃げることを大切にして他人を見捨てていた。

そんな中、穂乃果は近くで泣きじゃくる女の子を見つけた。その子は、母親と離れたらしく寂しくなって泣いていたらしい。そんな女の子に対して穂乃果は、優しく寄り添う。

しかし!!

 

 

「お姉ちゃん!!」

 

 

妹である高坂雪穂(こうさかゆきほ)は、あるものを見ると自身の姉である穂乃果とその女の子に対して体当りしてその場から退かすと次の瞬間、雪穂は落ちてきた瓦礫の下敷きになってしまった。

 

 

「雪穂……ねぇ、雪穂!雪穂ったら!しっかりしてよ!!雪穂!!」

 

 

片腕しか見えない雪穂に向かって穂乃果はそう叫ぶ。しかし、雪穂の手は、ピクリとも動かなかった。まるで壊れた機械の様に……。

 

 

「穂乃果、早く逃げなければ私たちまで建物の下敷きですよ!」

 

「穂乃果ちゃん早く逃げようよ!!」

 

 

ことりと海未は、逃げるように促すがそれに対して穂乃果は、首を横に振って反対する。彼女にの後ろには、袖を掴んで半泣きの女の子の姿があった。

そして、穂乃果達を見つけたメビウスは、足を大きく持ち上げると踏み潰そうと考えた。

怖くなった海未達は、声も出なくなった。しかし、穂乃果だけは違った。彼女にはある記憶があった。それは、決してウルトラマンがこういう事をしないという記憶……。

 

 

「ねぇ!貴方は、ウルトラマンメビウスだよね!何で街を破壊するの?何で皆を悲しませるの??ウルトラマンはやっぱり人類の敵だったの?私達を騙したの??」

 

 

穂乃果は、海未達より前に出るとメビウスにそう問う。その問いに答えないメビウスは、上げた足を下ろそうとした。そんな彼を吹き飛ばした赤い玉……。

 

彼女の脳裏から蘇る過去の記憶……。

 

 

「やっぱり、ウルトラマンは正義のヒーローなんだ!」

 

 

彼女は、笑みを零す。その玉は、やがて大きな戦士へと姿を変えると瓦礫を退かし雪穂や穂乃果達5人を片手に乗せるとそのビルから離れた場所へテレポーテーションした。

 

 

「ここって……西木野総合病院だよね?」

 

 

穂乃果は、後ろの病院を見ながらそう言う。

すると、先程まで袖を掴んでて離れなかった女の子は、笑顔になると穂乃果から離れていった。どうやら彼女の母親がここに居たらしい。

 

 

「穂乃果、早く雪穂を診てもらいましょう!」

 

「そうだよ、このままじゃ……。」

 

「へァッ!!」

 

 

ゾフィーは、慌てて病院に入ろうとした彼女達に待てとポーズをしながら声をかける。

 

「ウルトラウェーブ!」

 

ゾフィーはそう言うと雪穂に向かってマイクロウェーブみたいなのウルトラウェーブを照射するとそれを浴びた雪穂の傷が徐々に無くなっていくと彼女の身体は、瓦礫の下敷きになる前の状態になるとゆっくり瞳を開いた。

 

 

「……ここは!?」

 

「……雪穂ー!!良かった、本当に良かったよーー!」

 

 

そう言って元気になった雪穂に思いっきり抱きつく穂乃果は、最高の笑顔を見せながらゾフィーに「ありがとう!」と言う。ゾフィーは、それを対してうんと頷くと背中の方を振り向き、暴れているメビウスの方へ向かった。

 

 

 

 

 

 

ゾフィーは、メビウスに向かって飛び蹴りを放つと地面に着地して構えると同時に自身のエネルギーの残量を示すカラータイマーが青から赤へ変わると点滅を開始した。

しかし、変身してからまだ1分しか経ってないのに対して彼は、驚きながら胸のカラータイマーを見つめると、メビウムブレスから伸びた金色の剣メビウスブレードを構えたメビウスがゾフィーを切ろうと腕を振る。

ゾフィーは、それを上体を逸らしながら躱すと最後に突いてきたメビウスのメビウムブレードを上体を後ろへ逸らしながら白刃取りの様にキャッチすると正面にある剣先を横へずらすと右足でメビウスの脇腹をめがけて連続で蹴りを放つ最終的には、彼の頬あたりを思いっきり蹴って倒す。

地響きを立てながらメビウスは、倒れるとゾフィーはメビウス向かって構える。メビウスは、ゆっくり立ち上がると全身を炎に包み込む。メビウムダイナマイトをやる気だ。

しかし、ここでそれを行えば街もタダでは済まない。

ゾフィーは、メビウスを誘き寄せるかのように両腕を十字に組んでスペシウム光線を放ってから空を飛ぶと反応したメビウスは、ゾフィーの後を追って空を飛んだ。

 

 

「一体なんだったんだ!?」

 

「宇宙人同種の争い!?」

 

「そんなの他所でやってほしわ。」

 

「でもあれウルトラマンじゃなかったか??」

 

 

と、ゾフィーとメビウスが去った後地球人は文句を言う。まるで、これから起こる日々が他人事のように……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らの向かった先は、地球から少し離れた月だった。

メビウスは、ゾフィーに近づこうとするがウルトラフリーザを使い時間を稼ぐ。だが、カラータイマーの点滅が早くなる。

 

ゾフィーに残された時間は残り僅かだ!!

 

 

「ゾフィー、ゾフィー!聞こえるか?」

 

 

すると、ゾフィー以外の時間が全て止まった。彼は、止まってしまった周りを見ると向かってくるはずのメビウスすらピクリとも動かない。

そして、自分の目の前に大きな銀色の戦士。

伝説の戦士、ウルトラマンノアが立っていた。

 

 

「ウルトラマンノア、どうしてここに!?」

 

「実は、伝えておきたい事がある。」

 

 

そう言うとノアは、語り始めた。

 

 

「お前以外のウルトラ戦士達がかかってしまったウイルスは、新型ウイルス、D-ウイルスだ。このウイルスにかかった者は、理性を失い本能のままに破壊をする。

だが、そのウイルスにも弱点がある。それは何だと思う?」

 

「何って……それはわかりません。」

 

 

ゾフィーは、そう答えるとノアは、再び喋り始めた。

 

 

「良いか、それは……お前達ウルトラ戦士の必殺技だ。特にお前のM87光線は良く効く。だから、思いっきり放て!!それと、お前に光のエネルギーをやろう。」

 

 

そう言い残してノアは、姿を消した。恐らく宇宙がこの様な状態になってるから調べてくれたのだろう……。

そんな、ノアに対してゾフィーは「ありがとう。」 と呟くと振り向くと時間が動き出した。すると、彼のカラータイマーは再び青く光り出す。

メビウスが近づくギリギリの所で躱すと数メートル先のところまで、離れる。メビウスは、メビウムダイナマイトを止めるとメビウスブレスのエネルギーを開放し、両手を十字に組んで放つ必殺光線メビウムシュートを放った。それを見たゾフィーは、ゆっくり両腕を自身の胸の前に持ってくる。

 

 

「M87光線!!」

 

 

ゾフィーは、一度左手を前へ突き出すと入れ替えるように左手を胸のところへ右手を前に突き出して放つ必殺光線M87光線を放った。制限したパワーでも威力は、メビウムシュートより遥か上なので押し切ってメビウスに命中すると彼の体から出現した黒い砂状のものが飛び去るとメビウスは、胸のカラータイマーの光りを失くして前に倒れる。

ゾフィーは、倒れたメビウスを心配するとそこに、伝説の超人ウルトラマンキングが姿を現した。

 

 

「キング!」

 

 

そう言って近づくとゾフィーは、キングに近づき握手を交わす。

 

 

「ゾフィー、私がキング星に意識を失った彼らを連れていく。君は、その宇宙最強と言われたM87光線を使ってD-ウイルスに侵されている光の戦士たちを救い出すのだ!」

 

「はい!!」

 

 

ゾフィーは、そう言うと地球へ戻ると壊れたビルや建物などをウルトラウェーブで元通りに直すと再び人間の姿へとなった。

人々がウルトラマンを人類の敵として疑う声が聞こえたが……。

一人、ゾフィーに向かって感謝の声を言う少女が居た。

 

 

「ありがとうー!!ウルトラマン!!」

 

 

その少女は、紛れもなく先ほど妹の雪穂を助けてもらった高坂穂乃果であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、地球の人々は何も無かったかのように朝を迎えた。ニュースでは、「街を襲ったウルトラマンメビウスの行動から遂にウルトラマンが人類の敵になったのでは!?」と言うマスコミの声が上がった。そんな中、穂乃果は、既に通っている音ノ木坂学院の制服に身を包み

 

 

「いってきマース!」

 

 

と勢いよく飛び出した。

雪穂は、そんな姉を見て「こんなに早く家を出たのは遠足以来だよ!」と突っ込むが、穂乃果には行くべき場所があった。

そこは、最近音の木坂から入学希望者を取っている秋葉原の名門校私立UTX高校だった。

 

 

「おおっ、これで高校なんだすごーい。」

 

 

穂乃果は、少し驚きながら校舎を見る。そこは、ビルで出来ている校舎の外には、大きなハイビジョンTVがあったり、入校する生徒は全員ICカードを使ったりと明らかにお嬢様学校だった。

 

 

「ねぇ、貴方高坂穂乃果さん……だよね?」

 

「え!?」

 

 

突然後ろから声をかけられた穂乃果は、後ろへ振り向く。そこには、UTX高校の制服に身をつけた生徒が立っていた。

 

 

「貴方は……私と知り合い!?」

 

「えぇ、私はUTX高校スクールアイドルA-RISEのリーダー綺羅(きら)ツバサ。宜しくね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.園田海未)
皆さん初めまして、園田海未と申します。
UTX高校で行われるA-RISEのライブイベントに招待された穂乃果。そこである決意をするのですが……。

それとは!?

そして、地下で眠っていたはずの
怪獣が一斉に姿に目を覚ます!!
その先手としてあの古代怪獣が!?



次回、第3話「ジュダの野望」





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第3話「ジュダの野望」

《前回のあらすじ》
ゾフィーは、過去の姿《ファーストスタイル》でメビウスを倒すことに成功した。
それから翌日、UTX高校を見にやって来た穂乃果は、そこでスクールアイドルA-RISEのリーダー綺羅ツバサと出会う。


 

 

「貴方は……私と知り合い!?」

 

 

穂乃果は、ツバサに聞いた。自身の知り合いにUTX高校の生徒など居ないからだ。

 

 

「えぇ、私はUTX高校スクールアイドルA-RISEのリーダー綺羅ツバサ。宜しくね!」

 

 

そう小声で言うと、ツバサは笑顔をこぼしながら穂乃果と話す。

 

 

「へぇー。貴方、音ノ木坂学院出身なの?」

 

「はい、でも……その音ノ木坂学院が廃校の危機で私、どうしたらいいか分からくて……。」

 

「そうなの……じゃあ、はい!」

 

 

悲しそうな顔でいう穂乃果に対してツバサは何かを思いつくとポケットから一枚のチケットを取り出すとそれを穂乃果に渡す。

 

 

「これは!?」

 

「これはね、私から貴方へ。もしかしたらこれがその廃校を阻止するヒントになるかも……。」

 

「でも……。」

 

「まぁまぁ、お金は気にしないで。それじゃ!」

 

 

穂乃果が何かを言おうとするとそれを阻んでツバサが言い残すと後者へと向かって行った。それを見た穂乃果は、渋々そのチケットをポケットにし舞い込むと音ノ木坂学院へと向かった。

 

 

「さて、この世界で貴方はどんな活躍をするの!?」

 

 

校舎の入り口から立ち去る穂乃果を見ながらツバサは、そう呟くと何か悔しい表情を一瞬見せると首を横に振りもう一回外を見る。

 

 

「勝負よ!μ'sのリーダー……高坂穂乃果さん!!」

 

 

彼女がなんで穂乃果の名前やこれから出来るであろうμ's音ノ木坂学院のユニット名を知ってるのか、それはまだ先の話……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何!?ゾフィーにメビウスが殺られた??」

 

 

光の国では、感染された工作員から伝えられたメビウスの敗北に握り拳を作り怒っているのは、ウルトラの父ではなく、彼に取り付いたジュダだ。

 

 

「ゾフィー……貴様は、孤独の戦士になろうと我々には向かうのか!?」

 

 

そう呟くとジュダは、少し笑をこぼすと立ち上がるとウルトラタワーへと向かった。そこには、星をも破壊するウルトラキーがあるがそことは違うタワーには、ウルトラベルがあった。しかし、その炎を通れるのは聖なる心を持つウルトラ戦士だけだが……。ジュダは、父の必殺光線であるファーザー光線をL字に組んで放ちウルトラタワーを破壊する。

 

 

「おい!ウルトラベルを取り出せ!」

 

「ハァッ!」

 

 

工作員は、そう言うと急いでベルを探すとそれをジュダに渡す。

 

 

「これでいい……。少し、地球へ向かう。そこで大人しくしてろ!」

 

 

そう言い残すとジュダは、光の国を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キーンコーンカーンコーン!」

 

 

終業のチャイムが音ノ木坂の校舎に鳴り響くと穂乃果は、急いで教室を出ていった。

 

 

「今日の穂乃果変ではありませんか?」

 

「さぁ!?」

 

 

教室では、穂乃果の1日の行動に違和感を覚えた海未だがそんな事を完全に無視して穂乃果は、UTX高校へ向かって走り続けた。

やっとの思いで辿り着くと、そこには長蛇の列が並んでいた。

 

 

「貴方、チケットを見せてね!」

 

 

最後尾の看板を持つ教師にそう言われると穂乃果は、ポケットからチケットを取り出すと教師は、慌てて別の列へ穂乃果を連れていった。

そのチケットには、「A-RISEのリーダー綺羅ツバサの友人、高坂穂乃果様を特別に招待する。」と書かれた特別チケットだったのだ。言わいるVIPな優待を受けて穂乃果は会場の中へ入るとそこでは、ステージ衣装のツバサの姿があった。

 

 

「か、可愛い。」

 

「そう?ありがとう!」

 

 

ツバサは、少し照れながら自分の衣装を見直すとクルッと一周まわって穂乃果に笑顔で言うと彼女の手を握り、VIPの席へと連れてきた。そこからはステージの距離は、凄く近くてライブの迫力がすぐ伝わる距離だった。

 

 

「す、凄い……。」

 

 

次第に入ってくるお客さんに囲まれながら穂乃果は、そう呟くと大拍手と歓声と共に目の前の幕が開きステージが見えてきた。その中央には、UTX高校スクールアイドルA-RISEの3人姿があった。

 

 

「みんな!今日は楽しんでいってねーー!!」

 

「「「ワァァァァァッ!!!!」」」

 

 

ツバサの声に答えるように地響きの様な完成が聞こえるとA-RISEは、曲を披露し始めた。

 

 

その曲は、「Private Wars」

 

 

彼女達の歌声が穂乃果や観客達を魅了していく……。

そして、たまたま持っていたパンフレットが穂乃果の手から離れて地面に落ちる。その時、穂乃果はある事を決意すると、ギュッと手を握り拳を作ると少し笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ終了後、穂乃果はツバサに「ありがとうございました」と礼をして言うと彼女は、急いで自宅へ帰ろうとしてた。丁度その頃、宇宙では……。

 

 

「さぁ、今長き眠りから醒めよ!そして、地上を破壊して暴れるのだ!!怪獣たちよ!!!」

 

 

そう叫ぶとジュダは、ウルトラベルを鳴らすと不気味な音が地球へと向かって進んでいった。通常の人では変な音程度で済むが、怪獣や宇宙人にとってみれば嫌な音であり絶対に耳を塞がないといられない音である。

公園でくつろいでいた青年もその音を聞くと頭を抱えると苦し始めた。

 

 

「この音は……まさか!?」

 

 

男は、立ち上がる。しかし、次の瞬間地震が発生する。大体震度8ぐらいの大きな地震だった。そして、近くから地面にあるアスファルトや砂、岩が飛び散るとそこから古代怪獣ゴモラが出現した。

 

 

「ゴモラだと!?寝ていたはずの怪獣たちが一斉に目を覚ましたのか!?」

 

 

男は、推測をすると最初に音が聞こえた方を向くと何かを見つけたかのように目を細めるとそこには、あのウルトラの父が見えた。男が鉱石が埋め込まれているブレスレットを向けるとウルトラの父は、地球に背を向けてその場から立ち去る。追いかけようとした男の前に大きな岩が飛んでくると地面に着地する衝撃で男も吹き飛ばされた。しかし、すぐ立ち上がるとゴモラの方を向く。

 

 

「なるほどな。お前の相手は俺だみたいな顔してやがるぜ!」

 

 

男は、そう呟くと人気の少ない所へ行くとブレスレットを光らせる。

 

 

「え!?お兄さん……何やってるんですか!?速く逃げないと怪獣さんに潰されますよ!」

 

 

声がした男は、慌てて光りを隠すと後ろを向くとそこには、泣きじゃくる小学生ぐらいの女の子とこの前のメビウスの時に潰された雪穂を必死に助けようとした穂乃果の姿だった。

 

 

「君たちこそ何やってるんだ!?」

 

「それが……この娘、お母さんとはぐれたみたいで……。泣きじゃくってて動いてくれないの。」

 

「なるほど……良し。」

 

 

そう言うと男は、女の子を自分の胸に寄せると頭を撫でる。

 

 

「良いか、今は悲しい想いをしてるかもしれない。でも、君がここで動いてくれないと俺やこのお姉さんだって怪獣の餌食だ。だから、今は逃げることを先決にして欲しい。」

 

「う、うん!」

 

 

目頭が、腫れていたが少し地球人の精神の強さを学んだ男だが、それを振り返ってる暇はなくゴモラは、地面を蹴って車が彼らの方へ飛んできた。

 

 

「え!?」

 

「危ない!!」

 

 

男は、そう言って穂乃果の前に立つと両腕を前に突き出してその車の動きを止めるとゆっくり下ろす。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

彼は、急激な力を使い相当な息切れをしていた。だが、穂乃果達の方を向くと彼女の手を握る。

 

 

「え!?」

 

「えじゃない!逃げるぞ!そこの女の子も!!」

 

 

その光景に驚いた穂乃果だが、男は説得すると反対にいる女の子に手を差し伸べると彼女は、うんと頷いて手を握ると男は、勢いよく走り出した。

 

 

「あ、君たち!こっちだ!!」

 

 

大通りへ着くとそこには警官が数人立っていた。

そこで止まると彼女達の手を離す。

 

 

「この子達を頼みます!!」

 

「君はどうするのですか!?」

 

「俺にはやる事がある。だから、この子達を安全な場所へ!!」

 

「待って!」

 

 

警官を説得してゴモラの方へ向かおうが穂乃果に声をかけられた男は止まり、彼女の方を向く。

 

 

「名前を教えて。」

 

「え!?」

 

「良いから!……名前を…教えて下さい。」

 

「普通、そっちからだろ?」

 

「わ、私は高坂穂乃果。貴方は?」

 

 

そう穂乃果は聞いてくる。正直男は、名前を考えている暇がなかったのだ。腕を組んで少し考えるとポンと手を叩く。

 

 

「そうだな……俺の名は、一輝。御坂一輝(みさかかずき)だ。」

 

 

一輝は、そう言い残して穂乃果達を警官に任せると俺は、誰もいないはずのゴモラの前にやってきた。

 

 

「本当は、眠ってたはずなのに……ごめんな。」

 

 

そう言ってからゴモラを見つめるとゴモラは、動きを止める。そして、一輝は左手にあるブレスレットを胸の前に持ってきて構える。

プラズマ鉱石から放たれた光りが彼の身体を包み込むと彼の身体を戦士の姿へと変えた。

そして、それは次第に大きくなるとゴモラの目の前に立ちはだかる。

何故か彼を見たゴモラは、怯えてるように穂乃果には見えた。

 

 

「でも、それが暴れていい理由とは限らない。」

 

 

変身したゾフィーは、力強く言うと両腕をL字に組んでM87光線を放つとそれをゴモラは角から超振動波を放ち防ぐと目の前の敵に向かって突進するがゾフィーは、ゴモラの両腕を掴んでそれを止める。しかし、ゴモラのパワーは凄まじく押されているのが分かった。ゾフィーは、そのままビルに押し倒されるとゴモラは、鼻にある角みたいな突起物をゾフィーに刺そうとしてきた。それに対してゾフィーは、ゴモラの横腹を蹴るとゴモラを横に倒して起き上がる。

ゴモラもゆっくり起き上がるとゾフィーの方を向くとピクリもと動かなくなる。その光景は、まるでカーボイの決闘のようだった。

先に動いたのはゴモラだった。ゴモラは、姿勢を前屈みにしてゾフィーに迫る。それを見たゾフィーは、ゴモラに向かって走り出して接近するところでウルトラ霞斬りを決めると両者その場に止まるとゾフィーは、しっかり二本の足で立つと口から血を流したゴモラがそのまま前に倒れた。ゾフィーは、ゴモラの隣りに来ると彼の瞳を閉じて持ち上げるとそのまま空を飛び宇宙空間へ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行っちゃった……。」

 

 

それを見た穂乃果は正直悩んでいた。

怯えていたゴモラがどうも引っかかるのだ。わざわざ殺す必要性があったのかと……だが、終わったことは仕方ない。そう前向きに切り替えると小学生の女の子と共にその子の母親探しに専念していた。

しばらく歩くと、少女を呼ぶ声が聞こえた。涙が少し溢れていた少女は、その声で笑顔になり目の前にいる自分の母親へと向かって走り出して行った。彼女の母親は、自分の娘を大切に抱きしめると穂乃果へ向かって一礼した。少女は、笑顔で手を振る。その光景が嬉しくて穂乃果は、小さく手を振る。

 

 

「子供の笑顔って良いもんだな。」

 

「え!?」

 

 

穂乃果は、慌てて振り向くとそこには、怪獣に飛び込んで行ったはずの一輝の姿があった。

 

 

「もう、死んだと思って心配したんだよ!」

 

「それは、悪かったな。俺もあの子の笑顔が見たくて付いてきちまったんだ。じゃあ……。」

 

 

そう言い残して一輝は、穂乃果に別れを告げて去っていった。

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.南ことり)
新入生歓迎会まで3週間前の今日、穂乃果ちゃんはある雑誌を持って私たちのいる教室へやってきた。

内容は、「スクールアイドルになろうよう」という誘いだった。でも、私と海未ちゃんがそれに反対しちゃうの……。

そして、街には例の巨大宇宙人が出現!!
あの男の人……、
穂乃果ちゃんと知りたいみたいだけど……。


第4話「アイドルを始めよう!」



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第4話「アイドルを始めよう!」

《前回のあらすじ》
ジュダによって目覚め始めようとしている怪獣たち。
その先手として現れた古代怪獣ゴモラを追い払ったゾフィー。
そして、穂乃果はA-RISEのライブを見て何を思ったのか!?


 

時刻は、7時……。

平日であったため、穂乃果は音ノ木坂学院の制服へと身を包むとある雑誌をバックに入れた。

 

 

「海未ちゃんたちどんな反応するかな!?」

 

 

彼女は、そう呟くとクスクスと笑うと早速ことりや海未の待つ待ち合わせ場所へ向かった。

 

 

「あ!」

 

 

家を出てすぐ歩いた場所に来ると穂乃果は思わず声が漏れた。そこには、この前のゴモラの件で知り合った御坂一輝が居た。

 

 

「おぉ!この間の。」

 

「おはよう!」

 

 

一輝は、挨拶をすると笑顔を見せる。その笑顔に少し穂乃果は、頬を赤くするが気にせずに話し始めた。

 

 

「昨日はありがとう。」

 

「どういたしまして。それより、その制服……君の学校は?」

 

「私!?私の通ってる学校は、音ノ木坂学院だよ!」

 

「音ノ木坂……学院か。」

 

「え!?音ノ木坂知ってるの?」

 

「昔な!」

 

 

そう話していると一輝達の目の前に待ち合わせで待っていることりや海未が居た。

 

 

「穂乃果!遅いですよ!!」

 

「ごめんごめん。じゃあね!一輝君!!」

 

 

穂乃果は、手を振ると急いで海未達と合流して学校へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スクールアイドル!?」

 

「そう!見てみて、この服可愛いよね!」

 

 

そう言いながら穂乃果は、バックから取り出した雑誌を広げて各ページに指を指して説明する。

 

 

「穂乃果……これでどうするというのですか!?」

 

「廃校を止めるにはスクールアイドルしかないと思うの!だから、海未ちゃん。一緒にスクールアイドルをやろうよ!」

 

 

すると、海未は机を「バンッ!」と叩きながら立ち上がる。

 

 

「アイドルは、なしです!!」

 

「えぇー!何で??」

 

 

海未は、自分の意見に反対する穂乃果を見てため息をこぼしながら穂乃果の方を見つめる。

 

 

「穂乃果……あなたは、この人達がどれほどの努力をして活躍してるのか知ってますか?血のにじむような努力をしてあのステージに立ってるんですよ!?三日坊主の穂乃果には、到底出来ません!」

 

「そんなのやってみなきゃ……。」

 

「いいえ!目に見えてます!!とにかく、アイドルはなしです!!」

 

 

そう言い残して海未は、教室を後にする。

 

 

「ことりちゃんは!?」

 

「ごめんね、穂乃果ちゃん。私も協力したいけど……ダンスとか出来ないから。」

 

 

こうして、穂乃果は見事に断られたのだ。

時は、過ぎて放課後……

穂乃果は、一人神田明神の近くに来ていた。

 

 

「はぁ……」

 

 

深いため息をつくと、空を見上げると彼女めがけて光線が振り落ちてきた。

 

 

「キャーーーーッ!!」

 

 

穂乃果に命中する寸前、誰かが彼女に近づくと抱き上げてその場から光の速さで離れた。

数秒後、痛みのないことに疑問を思った穂乃果は、ゆっくり瞑った目を開けるとそこには、一輝の姿があった。

 

 

「大丈夫か!?」

 

「え!?私、今光線で……。」

 

 

一輝は、驚いている穂乃果をゆっくり下ろすと一輝は、空を睨む。彼は、地球の外に誰がいるのか分かっていた。

 

 

(あの光線は、ナイトシュート。ウルトラマンヒカリか?)

 

 

そうして、目を細める一輝は外にいるハンターナイトツルギの姿のウルトラマンヒカリであった。

 

 

「早く逃げるんだ!」

 

「え!?」

 

 

穂乃果は、驚く。自分を助けてくれたこの人はどうしてそう言うのか理解出来なかったのだ。

 

 

「死ぬぞ!」

 

「ちょっと!死ぬとか逃げろとか意味わからないことばかり言わないでよ!だいたい、これから何が起きるって言うの?」

 

 

穂乃果は、一輝の説明しにくい事ばかりを質問してくる。それに対して少し呆れながら一輝は、頭をボリボリかくと穂乃果の肩に手を置き力を込める。

 

 

「良いか!もうじき悪いウルトラマンが地球に……ここに向かって来る!あの光線はその前兆だ。だから、ここから逃げてくれ!」

 

「一輝君は!?」

 

「俺は、戦う。これ以上他人の星で勝手な事をさせるか!」

 

 

一輝は、そう言うと穂乃果を置いてそのまま走り去ってしまった。

 

 

「一輝君!!」

 

 

穂乃果は、彼の名を叫ぶが一輝の方へヒカリのナイトシュートが飛んでくる。

 

 

「ドカーーン!」

 

 

爆発とともに吹き飛ばされた一輝は、ぶつけた頭から血を流れる。しかし、それを無視して起き上がろうとする一輝の足に重いアスファルトの瓦礫があった。それを見た一輝は、左手に握り拳を作り地面に向かって叩きつける。

 

 

「クソッ!これが折れてるってやつか!!」

 

 

アスファルトの下敷きになった一輝を見ると、穂乃果は慌ててそのアスファルトをどかそうと持ち上げようとしていた。

 

 

「お、重い……。」

 

「バカ!早く逃げろ!死にたいのか??」

 

「出来ないよ!逃げれない人を見捨てて逃げたら……私は……自分を許せなくなる!!」

 

 

そう言って必死にアスファルトを持ち上げようとする穂乃果を一輝は、申し訳なさそうにじっと見つめる。

 

 

「穂乃果!」

 

「穂乃果ちゃん!!」

 

 

そこへ、海未やことりも来てアスファルトを持ち上げようとする。

 

 

「何故!?」

 

「え!?」

 

 

必死に他人を助けようとする穂乃果達を見て一輝は、ある疑問を思い浮かべる。

 

 

「何故、ここまでして他人を助けるのだ!?」

 

「それは……何でだろう……。穂乃果がやりたいからだよ!」

 

「やりたい!?」

 

 

穂乃果の発言に一輝は、改めて聞き直す。街では、ツルギの攻撃により避難勧告を発令するサイレンが響き渡る。

 

 

「うん、私ねスクールアイドルを始めたいと思ってるんだよ!でもね、穂乃果は三日坊主だって言われて誰にも信じてもらえないんだけど……穂乃果は、それでも学校を救う唯一の方法としてスクールアイドルをやりたい!それは、やりたいからなんだよ!」

 

「答えになってないが……。」

 

「とにかく!私は、貴方を助けたいの!それ以外に理由なんてない!!」

 

「穂乃果……。」

 

 

しかし、一輝達の前にツルギが立っていた。

ツルギは、ナイトシュートの構えに入る。それを見た、海未やことりは、目を伏せる。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

 

 

一人の叫び声が聞こえる。それは、一輝だった。穂乃果達にナイトシュートが当たらないようにバリアを張ったのだ。しかし、それは逆にナイトシュートの威力を高めることになる。不完全な人間体で、長時間光の戦士の技を使うことは出来ない。だから、一輝の前に出てるバリアが徐々に消え始めた。

 

 

「クソ……、負けるか!いや、負けてたまるかーーーー!!!」

 

 

一輝の身体がうっすらゾフィーの身体へと変化するが服とかで穂乃果達にはそんなに見えてない。一輝は、それを確認すると目の前で起こってる光景に目を奪われている穂乃果達を見る。

 

 

「おい!俺の体の一部に触れ!」

 

「え!?でも……。」

 

「良いから早く!!」

 

 

俺は、そう叫ぶとそれに驚いた穂乃果達は俺の身体に触れる。それを感じた俺は、右手を一度額へ持っていくとゆっくり右斜め下へ動かすと一輝達4人はテレポーテーションを行った。

ツルギから離れた場所へテレポーテーションを終えると一輝は、激しい息切れをしていた。

 

 

「す、凄い……。もしかして、一輝君レベル5じゃない?」

 

「レベル5?」

 

 

穂乃果は、驚きながらそう言うと一輝は「レベル5」の言葉を聞き直す。

 

 

「知らないの?東京の西にある学園都市には、超能力者がいるって。」

 

「ふーん……。」

 

 

一輝は、そう聞き流しながら立ち上がると激痛により少しフラつく。

 

「大丈夫?」

 

穂乃果は、すかさず一輝の肩を支える。

 

 

「あぁ、でもお前達は早く逃げろ!」

 

 

ツルギは、刻々と近づいてきていた。穂乃果も渋々納得して海未やことりを連れて避難を開始した。

 

 

「さて、ヒカリ。お前を鍛え直さないとな!」

 

 

一輝は、そう言うとプラズマ鉱石が光りだして彼の身体をゾフィーへと変えていった。

そして、ゾフィーは一輝の居た建物の前に立ちはだかる。それを見たツルギはナイトブレスから光の剣ナイトビームブレードを出現させるとツルギは、ゾフィーに向かって振り下ろす。それを逸らすようにして躱すと蹴りを決めるが……。

 

 

「何!?効かないだと???」

 

 

ツルギの鎧の防御力は半端なく、逆にこっちが痛みを感じた。次の瞬間、ツルギはナイトビームブレードを振りゾフィーの身体を斬るとゾフィーは、態勢を崩し建物を崩壊しながら地面に倒れるとツルギは、剣先でゾフィーの身体を連続で斬ると彼の身体から血の代わりに光の粒子が漏れる。次第に胸のカラータイマーが鳴り始めた。

 

 

「ウルトラマン!負けないで!!」

 

 

誰かの声が聞こえる。ゾフィーは、そう思うと苦しみ間際声の方を見ると穂乃果の声だった。彼女は避難に成功すると真っ先にゾフィーに声をかけた。

 

 

「そ、そうだ!銀色のウルトラマン!!負けるな!」

 

「頑張れ!!」

 

「負けないで!!」

 

 

穂乃果を筆頭に街の人々がゾフィーへ声援を送る。みんな、ゾフィーの勝利を信じて……。ゾフィーは、残り僅かなエネルギーなのに何故か胸の奥から力が漲るのを感じた。そして、最後にカラータイマーを突き刺そうとしてきたツルギのナイトビームブレードをキャッチして破壊すると、至近距離でM87光線を放つ。爆発が発生するとツルギは、吹き飛ばされると後ろのビルへ激突して倒れ込む。ゾフィーは、ゆっくり起き上がるとツルギの鎧はゆっくり崩れ落ちてウルトラマンヒカリの姿になっていた。

 

 

「これで決める!」

 

 

そう決めたゾフィーは、再びM87光線の態勢に入るとヒカリもナイトシュートの構えに入る。先にヒカリが放つと少しあとにゾフィーも放った。

二つの光線は、彼らの間で激しくぶつかると両者一歩も引かない展開が続いた。すると、エネルギーの消失からヒカリまでもカラータイマーが点滅し始めた。

少し、威力はヒカリの方が強いのかと思い始めたその時!!ゾフィーは、更に力を込めて放つと押されてたのを押し返してヒカリに、命中した。すると、メビウスと同等ウイルスだけ逃げてエネルギー使い果したヒカリは、倒れてしまった。

 

 

「ピコン…ピコン…」

 

 

カラータイマーの点滅が早くなるのを確認したゾフィーは、ヒカリを持ち上げてそのまま飛び去ってしまった。

そんなゾフィーに向かって穂乃果は、一人だけ手を振っていた。「いつもありがとう」と意味を込めて……。

 

 

「穂乃果……」

 

 

そんな穂乃果に海未が話しかける。

穂乃果は、振り向くと海未とことりは、手を差し伸べていた。

 

 

「海未ちゃん、ことりちゃん。どうしたの?」

 

「全く、あれほど誘っておいて忘れるなて……穂乃果らしいですね。」

 

 

海未は、少々呆れ気味に言うと隣りにいることりが笑顔を見せる。

 

 

「穂乃果ちゃん、私達3人でスクールアイドルをやろ?」

 

 

その一言に嬉しくなった穂乃果は、思いっきり二人に抱きついた。

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.星空凛)
私の名前は、星空凛。
親友のかよちんこと花陽ちゃんと共に入部する部活を考えていたんだけど……。中々かよちんの出来そうなのがないの……そんな中、うちの学校に新しく出来たスクールアイドルの新入生歓迎ライブが行われるんだって!!
凄い楽しみだな!

次回、第5話「ファーストライブ!」


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第5話「ファーストライブ!」

《前回のあらすじ》
海未やことりも仲間になり三人になった穂乃果達、スクールアイドル……。
何もかも順調に思えた矢先だった……。


 

 

「とにかく、講堂の使用許可は出すけど部としては認められないわぁ!」

 

 

いつもは静かな生徒会室に一人の少女の声が響き渡る。その少女の髪は金色で、青い瞳が穂乃果達を睨む。

その少女の名は、絢瀬絵里(あやせえり)

音ノ木坂学院の生徒会長である。穂乃果達は、彼女に新入生歓迎会のライブと部としての活動許可を貰いに来たのであるが……部としては、簡単に却下された。

 

 

「でも!!」

 

「穂乃果、講堂の使用許可は貰えましたしここは退きましょう。」

 

 

生徒会長の意見に反対な穂乃果を抑えて3人は、生徒会室を出ようとした。

 

 

「後、2人やね。」

 

 

ドアノブに手をかけた穂乃果に声をかけてくれた少女が居た。彼女は、窓側に立って空を見ながらタロットカードを引いていた。その少女の名は、東條希(とうじょうのぞみ)だった。その言葉を励みに穂乃果達は、部員集めとライブに向けて意識をしっかりたもって生徒会室を後にした。

 

 

「何で、あの子達に手助けするの?」

 

「何でやろうな〜、エリチに似てるから?」

 

「冗談言わないで!」

 

「冗談じゃないんやで、エリチの過去や今何で音楽やダンスから離れてるかウチは、知ってるんやから。」

 

 

そう言って希は、タロットカードを見つめる。

 

 

「それに、今日……音ノ木坂学院が変わろうとしてるんや。ウチには分かる。」

 

「それはどういう事!?」

 

 

そう言われると希は、絵里に向けてカードを見せながら笑を浮かべる。

 

 

「ウチらの運命を変える光の人……。彼が現れる時、闇から救い出してくれる……。カードがウチにそう告げるんや!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう酷くない?」

 

「まぁまぁ、穂乃果ちゃん落ち着いて!」

 

 

反対されていらだっている穂乃果をことりが沈める。

 

 

「では、早速ライブの準備をしましょう!」

 

「そうだね!じゃあまずは……曲作りから!!」

 

 

海未がライブの話をすると穂乃果は切り替えて曲についての話をする。しかし、作曲できる人は誰も居なかった……。

 

 

「曲はまた今度でもいいから歌詞から考えよう?ねぇ、海未ちゃん。」

 

「な、何で私なんですか?作詞なら穂乃果でもいいではないですか?」

 

「海未ちゃん、忘れたの?小学校の時の詩の発表会……。」

 

 

そう言って海未は、小学校へと記憶を飛ばす。静かな教室で順番に自信作の詩を発表する場面。穂乃果は、自信を持って立ち上がると紙を前に持って堂々と発言した。

 

 

「おまんじゅう うぐいす団子 もー飽きた」

 

 

それを思い出した瞬間、海未の顔は真っ青になった。それに対して穂乃果は、申し訳なさそうな顔をしていた。

 

 

「分かりました……。その代わり、2人にもちゃんとやる事をやってもらいますよ!」

 

「「やる事!?」」

 

 

ことりと穂乃果は、同時に聞くと海未は、「明日早朝神田明神の男坂前へ集合してください!」と言った。

何も疑うことなく穂乃果達は、早朝に集まると海未の格好は、ジャージだった。

 

 

「海未ちゃん、何でジャージなの?」

 

「穂乃果…ことり、私は不安なのです。ライブを行えるだけの体力が貴方方にあるのか?」

 

 

それを言われた穂乃果とことりは、察した。それは、体力アップのトレーニングを行うことだった。

 

 

「ほら!穂乃果!!ペースが遅くなってますよ!もっと上げてください!!」

 

「そ、そんな事……言われても……。」

 

「も、もう無理……。」

 

 

頬を真っ赤にして息を切らしたことりは、メニューを終えると地面に倒れ込むと仰向けに態勢を変えると、ゆっくり呼吸をする。

数分後、完全に疲れきった穂乃果がメニューを終えて倒れ込む。

 

 

「はい!二人共ご苦労様です。」

 

 

そう言って海未は、ドリンクとタオルを渡す。それを飲み生き返った気持ちになると次は、筋力トレーニングを開始した。

 

 

 

 

 

 

「うん、ここは何故か惹かれる場所だな。」

 

 

そんな中、私服に身を包み込むんだ一輝が神田明神へ足を運んできた。彼は、そこで背伸びをすると少し周りを散歩すると最近よく会う穂乃果達を見つける。

 

 

「何やってるんだ!?」

 

 

一輝は、そう呟くと彼女達を建物の陰に隠れてジッと見ていた。一輝は、戦士でもない彼女らが何故鍛えているのか、内心すごく気になって仕方なかった。

 

 

「そこで何してるん?」

 

 

一輝は、振り向くとそこには巫女の姿をした東條希の姿があった。

 

 

「あ。いや……あの人たちは何で鍛えてるのかと気になって……。」

 

「あ〜、穂乃果ちゃん達の事やったんや……。あれはな、スクールアイドルのトレーニングなんよ。」

 

「す、スクールアイドル!?」

 

 

一輝は、希に、聞き直した。その言葉自体初めて聞いたからである。

 

 

「あ!副会長、どうしてここに?」

 

 

希に気づいた穂乃果は、トレーニングを終えて歩み寄ってきた。

 

 

「それに一輝君も居たんだね!」

 

「まぁーな、それよりスクールアイドルってなんだ?」

 

「学校でやるローカルアイドルの事ですよ。」

 

 

一輝の質問に海未は、答える。アイドルなら地球へ向かった兄弟達から聞いたことはあったが、まさかその学生版があるとは思わなかったのだ。

 

 

「へぇー、今の地球ではそんなのが流行ってるのか……。」

 

「え!?一輝君って私達と似たような年齢だと思ってたけど……違うの?」

 

「いや、そんな事はないさ。」

 

 

穂乃果の質問に笑って誤魔化す一輝だった。そんな一輝に海未は、ある質問をしてきた。

 

 

「あの……突然で悪いのですが……御坂君は、ピアノとか楽器は出来ますか?」

 

「楽器?あぁーあれか。出来るけど何で?」

 

 

光の国では、何をやっても素晴らしい成績を残していた一輝にとって見れば、地球の楽器など御茶の子さいさいなのだ。

 

 

「では、作曲の方をお願いできますか?実は、私たちでは出来ないので……力を貸して欲しいのですが?」

 

「それなら良いけど……家に楽器が今ないんだよね〜。」

 

 

海未は、せっかく希望が消えたと思い込み落ち込んだが、それを打開するかのように希がある提案を出した。

 

 

「なら、入校許可を貰えば?それか……」

 

 

希は、ニヤリと笑いながらある事を言うと一輝は、そのまま音ノ木坂学院の理事長室へと連行された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇー、君が音ノ木坂学院副会長である東條希さんの推薦者ね〜。」

 

 

音ノ木坂学院の理事長は、そう言って一輝の顔をじっと見つめる。

 

 

「理事長先生、彼を男子試験生として転学できませんか?」

 

「うん、問題ないわよ。」

 

「明日から貴方は音ノ木坂学院の生徒ね!」

 

 

こうして、一輝ことゾフィーは人生初の地球の高校生となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、私立並みに至急に準備された制服を身にまとい歩いていた。

春先の暖かい風が通り抜けていく。戦いばかりの一輝からすれば楽しみな感じだった。

 

 

「どんな高校生活が待ってるのだろうか……。」

 

 

そう呟きながら一輝は、校門から堂々と校舎へ入って行った。理事長から全校生徒に紹介されてその後、穂乃果達の教室に合流して午前中の授業を終えた。

意外と地球人の勉強は簡単なものばかりでつまらなかったが大変なのは休憩の時間だ……。転入生って事もあって次から次へと質問や会話をしようと生徒が集まってきた。それに一輝は、頑張って答えるが……精神的に相当疲れたらしい。

 

 

「疲れた……。」

 

 

彼の唯一の憩いの場である屋上で壁に寄りかかってから地面に座る。そこから眺める青空は、少し気持ちを楽にさせてくれる。

 

 

「そうだ、昼ご飯だっけ?食べないとな。」

 

 

そう言って一輝は、弁当包から取り出した弁当を食べて始めた。その後、時間が余ったので音楽室へと向かっていた。

 

 

「ここが音楽室か……。」

 

 

そう言って一輝は、音楽室へ入るとそこには、大きなピアノがあった。それを見た一輝は、一旦ピアノの椅子に腰を下ろして両手を前に伸ばして指の位置を確認する。

 

 

「さて、弾くか……。」

 

 

そう言うと一輝は、指を動かしてある曲を演奏し始めた。それは、地球に来て一番初めに覚えた曲……、

世界の中でもは最難関と言われる”ラ・カンパネラ”だった。緩やかなスタートから高い音を出すのに右手を酷使する指使い……しかし、一輝には関係ない。

無事に演奏を終えるとため息を吐いてからピアノから手を離す。すると、音楽室の外から拍手が聞こえてきたと思ったら次の瞬間、赤毛の髪をした女の子が入ってきた。

 

 

「貴方、何でそんなに上手くラ・カンパネラを弾けるの?」

 

「何でって、覚えたからだよ。」

 

「へぇー、まさか音ノ木坂にこんなピアノの天才が居たなんてね……。ビックリしたわ。」

 

「それはそうだろ、だって俺は……」

 

 

何かを言おうとした時に一輝は、何かを感じると慌てて椅子から立ち上がる。

 

 

「ど、どうしたのよ!」

 

「何かが……来る!!」

 

 

一輝は、少女にそう告げる。すると、光の国のブーメラン武器アイスラッガーに似た武器ヴァルザードが人間サイズで飛んで来た。一輝は、少女を倒して躱すとその所持者が判明したウルトラセブン21だ。

 

 

「セブン21か。」

 

 

セブン21は、起き上がった一輝に向かって接近すると手を握り交えると一輝は、セブン21を自分の方へ寄せると膝を入れてから床に投げ倒す。

 

 

「無駄だ!今の貴様では勝てない!」

 

 

一輝は、そう宣言するとセブン21は、テレポートで姿を消してしまった。それと入れ替わるとように先生方がやって来ると事情を説明する。

 

 

 

 

 

そして、放課後。一輝は、音楽室で演奏を披露してから海未から渡された歌詞カードを見て曲を作りはじめた。海未達は、練習のため先に神田明神へと向かった。

 

 

「START:DASH!か、良い曲名だな。」

 

 

そう呟くと彼は、色んな感じの曲を考えるがいまいちピンと来ない。

 

 

「随分困ってるみたいね。」

 

 

ドアの方から声が聞こえると一輝は、その方を向くと昼に音楽室で会った少女が居た。

 

 

「まぁな、曲づくりは初めてなもので。」

 

「へぇー、何を作ってるの?」

 

 

少女は、右側の横髪を耳にかけると一輝の隣りに座る。

そして、歌詞カードと共に順調に曲を作り始めていった。

 

 

「これでどう?」

 

「うん、問題ない。ありがとう!」

 

「べ、別に貴方のためって言うか、昼のお礼なんだからね!」

 

 

ありがとうと言われた少女は、少し照れながら言うとこれは言わいるツンデレだな。

録音を終えた2人はCDを持って学校を出ようとした。

しかし、校舎から出た一輝を狙うようにヴァルザードが襲ってきた。

 

 

「危ない!!」

 

「キャッ!」

 

 

一輝は、少女を抱いて倒れるように躱す。

 

 

「大丈夫か?」

 

「え、えぇ。なんとか……」

 

 

俺は、先に起き上がるとセブン21を睨む。

すると、急に視界が変わる。学校があった所も建物も全てにおいて何もない世界へと変わった。

 

 

「メタフィールドか……。」

 

「な、何よそのメタフィールドって……」

 

「ある場所だけ別の空間へ送り込む技だ。それを受けたものは、相手を倒すか自分たちが殺られるかののどっちかしか出口がない。それにネクサスと彼の仲間であるセブン21は、エネルギーの消費が少ないはず。」

 

「そ、そんな……。」

 

 

一輝は、落ち込む少女の手を握る。

 

 

「ちょっ!何握ってるのよ!」

 

「名前は?」

 

「え!?」

 

「おまえの名前は???」

 

「に、西木野真姫(にしきのまき)。貴方は?」

 

「俺は、一輝。御坂一輝だ。真姫、ここは逃げるぞ!」

 

 

一輝はそう言って何もないメタフィールドを走り回る。そこへウルトラマンネクサスも参戦してきた。まぁ、メタフィールドを作れるのがネクサスなので当然と言えば当然だが……。

 

 

「今日は、2体か。」

 

「ちょっと!何でウルトラマンが攻撃してくるわけ!?」

 

「宇宙には特殊なウイルスがあるんだ。まぁ、地球人に言っても仕方ないからな。」

 

 

一輝は、走るのをやめるとセブン21とネクサスの方を向き、睨みつける。彼らは、ずっと歩いていてその差は、一歩ずつ縮まっていた。

 

 

「何で逃げないのよ!死ぬわよ?」

 

「悪い、あそこの影に副会長が居ると思う……だから、そこに隠れてくれ。」

 

 

そう言われると怪しくなった真姫は、一輝から離れた岩陰へ向かうとそこには、希が怖がっていた。

 

 

「ふ、副会長!?嘘、本当に当てた。」

 

「な、何でここにいるの?」

 

 

パニック状態になってる希はいつものエセ関西弁ではなく普通の言語になっていた。一方、一輝はセブン21のアドリウム光線を自らの手で防ぐ。それを見た真姫と希は驚いて声すら出なかった。

 

 

「さて、俺の学校生活を邪魔したバツはキッチリ取ってもらうぜ!」

 

 

一輝はそう言うと左手にあるプラズマ鉱石が埋め込まれているブレスレットを自分の前に構える。

プラズマ鉱石が輝きを放ち始めるとその光が一輝を包み込み始めた完全に一輝を包み込んだ光はセブン21やネクサスと同じぐらいへと大きくなった。光が消えると一輝は完全にゾフィーに変身を終えていた。

ゾフィーは、構えるとセブン21に走り身を低くしてパンチを放つと攻撃しようとしたネクサスに蹴りを決める。彼らは、ふらつくがすぐに態勢を立て直す。

 

セブン21は、ヴァルザードを取り構えると鋭い方をゾフィーに当てようと振り回すそれをゾフィーは、全て躱して最後はジャンプして宙に浮くとそこからZ光線を放ちセブン21からヴァルザードの持ってる手に命中するとヴァルザードは、地面に落ちる。それを見たネクサスはアンファンスからジェネッスへと姿を変えると必殺技であるオーバーレイ・シュトロームを放ってきたそれに対してゾフィーは、両腕をL字に組んでM87光線を放つ。

 

二つの異なる光線がぶつかると爆発する。視界が煙に塞がれると、ネクサスはジュネッスからジュネッスブルーへと姿を変えると光の剣シュトロームソードを使いゾフィーに向かって振り回す。ゾフィーは、それを躱すが後ろに回り込んでいたセブン21のヴァルザードが背中に当たると火花を散らす。ゾフィーは、膝をつけると同時に胸のカラータイマーが青から赤へと変わる。ネクサスは、再びオーバーレイ・シュトロームをセブン21は、レジアショットの構えに入る。どうやら、両サイドから放ちゾフィーを完全に倒しに来たらしい。そして、お互いに光線を放つとゾフィーは、空を飛びそれをギリギリで躱す。

 

 

「やるな……だが、負けるわけにはいかない!」

 

 

ゾフィーは、そう言うとエネルギーのバリアを希や真姫のいる所に張り巡らせると、ゆっくりM87光線の構えに入ると、次第に右腕にエネルギーが集まると肘から先が青く光ると稲妻が散るようになるとそのエネルギーが右腕を渦を描くようにぐるぐる回る……。

 

 

 

「いつもは、街中だからエネルギーを制限してるが……ここは、メタフィールド。なら本気で行く!!」

 

 

そう言うとゾフィーは、左腕を胸に持ってくると一気に右腕を前に突き出して全力のM87光線を放つ。しかし、それは先程自分が立っていた場所だった。地面に命中するとその周囲が爆発した。半径50メートルは、地面が削れて灰になった。その削れて穴になった所に動かなくなったセブン21とネクサスの姿があった。どうやら、M87光線の爆発の熱でやられたらしい。それはもしかしたらゾフィーの甘さなのかもしれない……もしくは、この光線を熟知しているゾフィーだから出来る神技なのかもしれない……。

それを確認すると同時に天井からメタフィールドが解除されるとゾフィーは、キング星への光の道を作ると倒れているネクサスとセブン21を送り込む。

それを無事に終えたゾフィーは、空を飛び去っていった。

 

 

そして、真姫は帰宅途中自分のポケットへ入っている一枚のCDを確認した。それは、穂乃果達のファーストライブの曲だった。真姫は、少し慌てるとそれを前買いに行った穂むらへと向かいそれをポストへ入れて無事帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数週間後、曲の出来た穂乃果達は練習に励みライブ当日を迎えた。

一輝も最初は見る予定だったが……。

 

 

「臨時ニュースです、秋葉原にウルトラマンが出現しました。これにより、生徒全員は新入生歓迎会が終わっても帰らないでください。」

 

 

校舎に響き渡る音声……それは、隣りの秋葉原に銀色のウルトラマンネオスがやって来たのだ。

 

 

「ねぇ、やっぱり行くの?」

 

 

新入生歓迎会が終わりこれから始まる穂乃果達のファーストライブ前、一輝と真姫は誰もいない屋上へといた。

 

 

「まぁーね。」

 

 

真姫の質問に一輝は、優しく答える。真姫は、一輝が何者なのか知っている。そして、彼の必殺技がどれほど強力な必殺光線なのかも……。

 

 

「し、死んだら承知しないわよ!」

 

 

真姫は、髪の毛先を人差し指でクルクル回しながら頬を少し赤くしてそう言う。今まで一人で戦っていた一輝からすれば少し嬉しかった。

 

 

「当たり前だ。お前もちゃんと見てやれよ?あいつらの魂の歌を。」

 

「ロックみたいな事言わないで早く行きなさいよ!」

 

「そうだな。」

 

 

一輝は、そう言うとプラズマ鉱石のエネルギーを解放するとゾフィーへと変身した。そして、彼は急いで秋葉原へと向かった。

 

 

「言ってしまったん?」

 

 

そこへ副会長の希がやって来た。彼女もまた一輝の正体を知る一人である。

 

 

「えぇ、副会長こそ何でここに?」

 

「見送りに来たんよ。この学校で変身しやすい場所はここやらからね。」

 

 

希は、そう言うと真姫の手を取って講堂へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

「緊張するね!」

 

 

事情もあるが一応満員の講堂でライブをすることになった穂乃果達……。心の奥には相当な緊張が身体の自由を奪う。

 

 

「でも、頑張らなくちゃ!」

 

「勿論です。」

 

「じゃあ、行くよ?μ's!」

 

 

やる気を新たに決意した穂乃果達μ'sは、円陣を組み穂乃果の声が鳴り響く。

 

 

 

「「「MUSIC……START!!」」」

 

 

 

そう叫ぶと彼女達は、自分のポジションへ付く。すると、ブザーがなりゆっくり幕が上がった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.小泉花陽)
私は、アイドルが好きで……。
将来の夢はアイドルになること……。
でも、流石に高校生にもなって……。って思ってたら自分を破壊するかのように現れた音ノ木坂学院スクールアイドルμ's……。
一方、秋葉原では暴れるウルトラマンネオスを止めるべくゾフィーが戦闘を開始する。



次回、第6話「失敗の先……」





次回もおたのしみに!


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第6話「失敗の先……」

近々、別の小説でULTRAMANZOFFY外伝を公開します。
ネタバレを隠して書くのでデキは悪いと思いますが宜しく御願いします。



《前回のあらすじ》
メタフィールドでネクサスとセブン21を撃破したゾフィーだったが、μ'sのライブ当日に秋葉原に現れたウルトラ戦士と戦うために一輝は、ゾフィーになり飛んでいった。


 

 

「じゃあ、行くよ?μ's!」

 

 

やる気を新たに決意した穂乃果達μ'sは、円陣を組み穂乃果の声が鳴り響く。

 

 

「「「MUSIC……START!!」」」

 

 

そう叫ぶと彼女達は、自分のポジションへ付く。すると、ブザーがなりゆっくり幕が上がったと同時刻、ゾフィーは、炎に包まれた秋葉原へやって来た。そこには、勇士司令部所属のウルトラマンネオスが破壊活動をしていた。

 

 

「あ!ゾフィーだ!!」

 

 

一人の少年が声を張り上げると街の人々は、ゾフィーの方を見る。それはまるで救世主が来たみたいな目だった。

そんな中、ゾフィーは構えるとネオスはゆっくりゾフィーの方を向くといきなりリング状の光のカッター、ネオススラッシュを投げてきた。それをゾフィーは、避けて躱すと後ろにあったビルが切れて壊れる。それを見てから再びネオスの方を見るとZ光線を放ちダメージを与えようと考えたが、それはネオスの額にあるブロウスポットから発射される光線。ウルトラ・マルチ・ビームによって相打ちになる。すると、ネオスはゾフィーに近づくと片手で首を掴み持ち上げるとそのまま放り投げる。ゾフィーは、態勢を立て直せずにそのままビルに倒れ込む。

ビルの瓦礫が身体の上にあるがそれは気にせずそのまま起きがあるゾフィーだったが既にネオスは、次の準備をしていた。それは……自身の技であるネオマグニウム光線だった。ゾフィーは、それを躱すことが出来ずに受けるとそのまま後ろへ吹き飛ばされる。その下敷きにある物が穂乃果達のライブの妨害になることを知らずに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達μ'sは、ピアノの美しい旋律から始まった音楽から踊りをスタートした。そこまでは順調だったが……。

 

 

「ブンっ!」

 

 

 

音が鳴ると急に講堂の電気が消えた。それ以降音楽が流れることは無かった。

 

 

「ど、どうして!?」

 

「何が起こってるの??」

 

 

突然の事でパニック状態になる穂乃果達……。それは、全校の生徒も同じだった……。

 

 

「どうなってるの?」

 

「まさか、秋葉原から送られて来るはずの電気のライフラインが途切れたとか!?」

 

「何それ、怖い!!」

 

 

しかし、穂乃果は至って冷静だった。確かに怖いかもしれない。でも今は、ライブを成功させたいという気持ちが彼女の心を……身体を……震えてる声を動かす……。

 

 

「喜びを受け止めて君と僕繋がろう……。」

 

 

穂乃果がゆっくり歌い始める。それを見た、ことりは涙を拭いて再び穂乃果の隣に立つ。

 

 

「迷い道やっと外へ……」

 

 

そして、最後に海未が前に立ち穂乃果とアイコンタクトをとると

 

 

「抜け出したはずさ!!」

 

 

と歌うと急に「バンッ!」と音を立てて電気がついた。

 

 

「穂乃果!」

 

 

驚いた海未が穂乃果の方を見ると振り向いた穂乃果は、それを見て頷いてからことりの方を向くと頷き再びステージを見るとそこには、講堂から出た形跡があった。

 

 

「「「喜びを受け止めて君と僕進むだろう!!」」」

 

 

3人が元気よく歌い出す。穂乃果は、ある人に「ありがとう」と想いを込めて……。

そう、穂乃果にしか知らない出会いが昔あった。その人物は穂乃果に似た髪の色でまた、この学校と違う制服を着用していた。しかし、それはボロボロで戦闘を終えた軍人みたいな格好をしていた。

 

 

「全く……少しは、感謝しなさいよね。」

 

 

彼女は、そう呟くと自身の体内から電気を放ち講堂全域に届くようにしていた。

 

 

「頑張れ!穂乃果!!私も応援してるから!!」

 

 

少女は、そう呟くと残された電気を放出する……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へアッ!!」

 

 

ゾフィーが声を張り上げながら倒れると地響きが起こる。すると、ネオスはゾフィーの腹部に乗っかり首を絞めてきた。ゾフィーは、それから逃げようと両手をネオスの腕を掴み外そうとするがネオスも強引に絞めてくる。

カラータイマーの点滅が次第に早くなっていく!!

ゾフィーにとってそれは自身の命が残り僅かであるということを示していた。

ゾフィーは、ネオスの身体にチョップやパンチを放つと最後に蹴ってネオスを退かすと起き上がりネオスを睨みつける。ネオスも睨むとピクリとも動かなくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風が彼らを通り抜ける。人々は、何が起きてるのかいまいち今に理解出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、ネオスは両手を横へ広げる。それを見たゾフィーもM87光線の構えに入る。ゾフィーがM87光線を放とうとした瞬間にネオスは、腕を十字に組んで自身の技ネオマグニウム光線を放つ。二つの光線が彼らの間で交わる。次第に優勢になっていったのはネオマグニウム光線の方だ。恐らくネオスは、街がどうなろうが関係ないのだろう……だから、全力で撃っている。

それに比べてゾフィーは、なるべく地球に被害を出さない様に威力を抑えて放っていた為、次第に追い詰められていく……。

 

 

(このままじゃ……負ける!)

 

 

そう思った矢先だった……。自身の防衛本能が働き次第にM87光線の威力が強くなっていく……。

そして、二つの光線が交わル場所で激しいエネルギーの膨張による大爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにより吹き飛ばされたゾフィーとネオス……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾフィーは、ゆっくり起き上がると目の前の光景を見てゾッとする……。

 

 

 

 

 

 

爆発の下は、削られて穴になるとアスファルト一つもない灰となった……。

 

周囲の建物は、倒壊しておりその下敷きになった人の姿もいつくかあった……。

 

爆発を受けて粉々になった人々も何人かいる……。

 

 

 

見ての通り、秋葉原は壊滅状態に陥ったのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その奥にはネオスの余裕の姿があった。ゾフィーは、そのネオスへ一歩、二歩と歩み寄るが……先に尽きたのは、ゾフィーの太陽エネルギーだった……。

カラータイマーの音が微かになるにつれ光が失い始めていた……。

ゾフィーは、一回変身を解除するかそれとも完全にエネルギーを切らして死ぬか選択がなかった……。

 

 

すると、ネオスは何も言わずに姿を消した。

後を追いかけようとするが、ゾフィーはその場に倒れるように消えた。

 

 

「クッ……。」

 

 

一輝は、地面の灰を握っていた。

 

 

「クソッ!」

 

 

そう大声で言うとその手を思いっきり地面に叩きつける。彼は、悔しかった……。自身は宇宙警備隊の隊長でありながら人々を守れないと言う事実に……。

 

 

そして、実感した……。

他の星では、光の戦士は確実に何かのハンデを背負ってることを……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぁっ!!!」

 

 

ゾフィーは、あまりの悔しさに思わず叫んだ……。

 

そして、彼の目の前には暗く厳しい現実がある事に目を背けたかった……。

 

 




《次回予告》(CV.西木野真姫)
宇宙では、無敵の強さを誇るゾフィーが苦戦してエネルギー切れで負けるなんて……。ほとんどゾンビみたいな感じだけど……、それでも凄い強さを誇るウルトラマンネオス……。
そんな、エリート戦士を相手にゾフィーはどうするのか!?

一輝、落ち込んでないで立ち上がりなさい!!


次回、第7話「隊長対エリート戦士」



見ないと怒るわよ?


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第7話「隊長対エリート戦士」

《前回のあらすじ》
M87光線とネオマグニウム光線が起こした大爆発によって灰の街となった秋葉原。
その中で悔しがる一輝だった。
一方、μ'sのファーストライブはとんだアクシデントに見舞われたが何とか持ち直す事が出来た。


 

 

「パチパチパチ!!」

 

 

止まない拍手が講堂中に響く。

それを聞いてやりきった感な穂乃果達の前に生徒会長の絵里がやってくる。

 

 

「で、続けるの?」

 

「え!?」

 

「今回は、たまたまウルトラマン騒動があって全校生徒が講堂に避難してる時に出来たからこんなにも多くの人に見てもらえたけど……もしこれが本当のライブならここにいる生徒全員来るかしら?天に恵まれたと思いなさい。それに、この電気だって……誰かが勝手にやってるんでしょ?音ノ木坂学院には、補助電源はない。先程、秋葉原全域が焼け野原になったわ。なのに、今もこうして電気がついてる。どうして!?」

 

 

絵里がそう言うと、急に電気が消えた。講堂から離れた場所にあるブレーカーに電気を与えてた少女が倒れたのだ。

 

 

「あぁ!美琴ちゃん!!」

 

 

それと同時に穂乃果は、ある人の名を叫ぶ。しかし、絵里の話は止まらない。

 

 

「美琴……あの、学園都市の超能力者(レベル5)?もしそれが本当なら学園都市に連絡しないと……。」

 

 

そう言って絵里は、講堂を後にしようとすると彼女の前に穂乃果は立ち塞がる。

 

 

「行かせない!」

 

「通しなさい!」

 

「嫌だ!!」

 

「学園都市の生徒がもし勝手に外の街へ向かったのを発見した場合、その人は速やかに学園都市に電話する。それが外の住民である私たちの仕事なの!だから、そこをどきなさい!」

 

「絶対に嫌だ!」

 

 

穂乃果は、絵里に抵抗する。それに対して絵里は、ある事を提案してきた。

 

 

「じゃあ、賭けてみましょ?」

 

「賭け?」

 

 

絵里の提案に穂乃果は、首を傾げる。

 

 

「えぇ、一学期中にここを貴方達の実力だけで満員に出来たら見逃してあげる。でも、それが出来なかったら……わかるわね?」

 

「分かりました。必ずここを満員にしてみせます!」

 

 

そう穂乃果は、返事すると講堂を後にしてブレーカーの前に向かうとそこには、音ノ木坂学院と別の制服を着ている少女の姿は……なかった。

 

 

「美琴ちゃん……。」

 

 

穂乃果は、悲しそうな瞳をして呟くと少し落ち込む。

その穂乃果を追いかけるようにして海未やことりもそこへやって来た。

 

 

「穂乃果、美琴とは一体誰ですか?」

 

「ことりも知らないよ!」

 

「うん、みんな知らないはずだよね……。」

 

 

そう言うと穂乃果は、昔の話をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【以後、穂乃果ナレーション】

私と美琴ちゃん……いえ、御坂美琴(みさかみこと)ちゃんと初めて出会ったのは幼稚園児の時……。たまたま、公演ですな遊びをしてた私の隣りで一人寂しく砂鉄を集めて遊んでたんだ……。

 

 

「ねぇ、ここで何してるの?」

 

「貴方には関係ないでしょ?」

 

「えぇー、良いじゃん。教えてよ!」

 

 

私がワガママを言うと美琴ちゃんは、ため息を吐きてから説明した。

 

 

「磁力を使って砂鉄を自由に動かし遊んでるの。」

 

 

勿論、当時の私には何を言ってるのか分からなかった。しかし、それができる度に美琴ちゃんは笑顔になった。

 

 

「ねぇ、そういう遊びもいいけどさ、私と一緒に遊ばない?」

 

「何で?私みたいな人と遊ぶなんて……あなたも変わってるね。」

 

 

そう言い出すと美琴ちゃんは、泣き始めた。後々考えたら私が美琴ちゃんを遊びに誘ったのが相当嬉しかったらしい。

それから名前も知らないまま少しずつ仲良くなったんだけど……。

 

 

「私学園都市に行くことになったの。」

 

「が、学園都市!?」

 

「うん、多分二度と会えないかも……。」

 

「そんなことないよ!」

 

 

私は、落ち込む美琴ちゃんに声をかけるとそのまま両手をガッチリ握った。

 

 

「私ね、将来は音ノ木坂学院に通うんだ!だから、もし学園都市で何かあったら私に相談しに来て!スグに相談に乗るから!」

 

「……ありがとう。」

 

「それと!私の名前は高坂穂乃果。穂乃果って読んでね!貴方は?」

 

「私は、御坂美琴。」

 

 

これが、私、高坂穂乃果と御坂美琴の出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

誰もいない路地に戦いでボロボロになった一輝が居た。顔は汚れ身体のあちこちから出血が酷かった。それでも、真姫と交わした約束を守るために学校へ帰ろうとしてた。

 

 

「うわっ!酷い……。」

 

交差点を曲がったところに中学生ぐらいの背丈の女の子がヘロヘロな状態で立っていた。

彼女は、そう言うとフラついていた一輝を支える。

 

 

「すまない。」

 

「別に良いって、ほら早く傷の手当てしないと……ねぇ、この先に私がいま住んでるマンションがあるんだけど……そこでもいいなら、手当てするわよ?」

 

「そうなのか?なら有難い。」

 

 

一輝は、そう言うと気を失ってしまった。それを確認した少女は、一輝を自分の部屋へと運ぶとベットへ寝かせた。

 

 

「さて、やりますか。」

 

 

少女は、そう言うと救急箱から取り出した包帯を使い一輝の傷を塞いでいく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾフィーの敗北から一週間が経った。

それはつまり、一輝が行方不明になってから一週間経ったと同じことだ。秋葉原は、未だに壊滅状態で一部の間で犯罪が起こってるとも言われている。

そんな中、音ノ木坂学院ではμ'sの3人を中心に新入部員の勧誘をしていた。その中で、1年生の西木野真姫と小泉花陽(こいずみはなよ)星空凛(ほしぞらりん)の3人がμ'sに入ろうか悩んでいた。

 

 

「私が……アイドルなんて……出来ないよね?」

 

 

そう呟くと花陽は、一人誰も居ない所でため息を吐きていた。その頃、一輝はというと……。

 

 

「だーっ!まだ寝てないとダメでしょ?」

 

「いや、もう半分治った。行ける!」

 

「行ける……じゃなくて逝けるの間違いなんじゃないの?」

 

 

平日にも関わらず手当してくれた少女と激しい喧嘩をしていた。少女の頭から激しい稲妻がビリビリと流れていた。

 

 

「言っても分からないならこうするしかないみたいね!」

 

 

そう言うと少女は、左手を伸ばして電気を一輝に向けて放つ。それを一輝は、右手で防ぐ。

 

 

「何で!?」

 

「こんな微弱な電流だと俺を倒すことは無理だぜ!」

 

「貴方も超能力者なの!?」

 

「いいや、俺はただの宇宙人だ!」

 

「宇宙人!?」

 

 

少女は、一輝はつい喋ってしまったことを後悔する。しかし、少女は完全に聞いていたのでどういう事か聞き直す。それを分かりやすい様に一輝は、自分の正体からなにまで全て説明した。

 

 

「なるほど、じゃあこの間から現れてるウルトラマンも貴方の仲間っていう理由?」

 

「そういう事だ。だが、今は謎のウイルスに感染していて言うことを聞かない状態なんだ。」

 

「だからって、貴方が今日ここを出ていくのと関係ないじゃない!」

 

「それはだな!」

 

 

そう一輝は言いかけると激しい揺れが襲う。少女は、「キャーー!!」と言いながら頭を抱え込むと縮こまる。

外では、地面が壊れるようにして何者かが現れた。

 

 

「あ、あれは!?」

 

「な、何なの??」

 

 

地面から出現したのは、どくろ怪獣レッドキングだ。レッドキングは、勢いよく街を破壊し始めると彼の進行方向の先には従業をしている音ノ木坂学院があった。

 

 

「あれじゃあ、あそこの生徒達が!」

 

「ここにいろ!俺は、あの怪獣を倒す!」

 

 

そう言って部屋を出ようとする一輝を少女は、手を握って止める。

 

 

「ま、待ちなさいよ!またあんなになって帰ってくるっていうの!?」

 

 

少女の脳裏には、ボロボロになった一輝の姿が現れた。そんな姿を見たくない。それが少女の本音だった。

 

 

「じゃあ、約束してくれるか?」

 

「何を!?」

 

「また、笑顔で帰ってくるから!」

 

 

そう言われると少し頬を赤くした少女の手から一輝の手は離れる。

 

 

「最後に!私の名前は、御坂美琴。帰ってくる時に名前ぐらい覚えて帰ってきなさいよ!」

 

 

美琴は、そう言って前を見ると既に一輝の姿はなかった。

一輝は、走る。被害を最小限に抑える為に。そして、平和な日常を取り戻す為に!!

 

 

「眠る力よ!守る力を……貸してくれ!!これ以上……誰かの涙は見たくない!!だから……俺に、守る力を!!」

 

 

そうブレスレットに向かって叫ぶと今まで青白く光っていたはずの光が金色へと変わる。それを見ると、左腕を高く掲げる。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

 

そう雄叫びをあげると一輝の身体は、光に包まれるとそのまま大きくなる。そして、光が止むと一輝はゾフィーの姿へと変身していた。それを見たレッドキングは、戦闘態勢に入るとゾフィーに体当たりを試みるとゾフィーは、それを躱してながらレッドキングの頭部にチョップを放つと尻尾を掴みそのままハンマー投げのように回し始めた。一回、二回、三回、四回、五回、六回と回し続けると灰になった街秋葉原へレッドキングを放り投げると空を飛んで秋葉原へ向かうと力強く落下した。その差に地面が揺れると砂が舞い上がる。ゾフィーは、構えるとレッドキングは、尻尾を振り回して攻撃をするがゾフィーは、それを小さくジャンプして躱すとレッドキングに近づいた。レッドキングは、両腕を使ってゾフィーに攻撃するがそれをゾフィーは受け流して腹部に2発パンチを決めるとレッドキングの顔面にパンチを放つ。それが決まるとレッドキングは、後ろに下がるが雄叫びを上げてから口から大量の岩石を放つ。しかし、それを躱すとゾフィーは、Z光線を放つとレッドキングは、痺れると倒れてしまった。

それを見てゾフィーは、安心するが近くにやって来た美琴が注意する。

 

 

「後ろ!!昨日のウルトラマン!!」

 

 

ゾフィーは、後ろを振り向くと突如現れたネオスにパンチを顔面に受けるとふらつくがネオスは、蹴りを決めると一発目は腕で受け止めると、その足を軸にして反対足を使って蹴りを決めると小さくジャンプしてから再び顔面に殴り込む。ゾフィーは、それを受けて倒れるとネオスは容赦なく横腹を蹴る。それを受けたゾフィーが転がるとまた差を縮めて再び蹴る。この動作を後四回やってからネオスは、ゾフィーの腹部を踏みつけると同時にカラータイマーが青から赤へと変わった。

 

 

「ゾフィー!!」

 

 

地上にいる美琴は、そう呟くとポケットからゲームセンターのコインを取り出すとコイントスのように浮かせると片目を閉じて右腕をネオスの頭に合わせる。コインが右手に近づくと体内にある電撃を親指に集中させる。

 

 

「行っけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

美琴は、そう叫ぶと親指デコピンのように動かしてコインに電撃加速を加えると凄まじい威力でネオスの頭に直撃するとネオスは、そのまま倒れ込む。

その隙にゾフィーは、起き上がると美琴の前に立つ。ネオスは、すぐ起き上がると両腕を横へ広げてから十字に組んでネオマグニウム光線を放つゾフィーは、バリアーを出す暇もなくウルトラクロスガードで防いでいた。

 

「ピコピコピコピコピコ……」

 

次第にカラータイマーの音が早くなっていく、ゾフィーは、苦しみながら踏ん張るがネオスのネオマグニウム光線に押されていく……。アスファルトを削りながら後ろに行くとその足が美琴に当たりそうになるとネオスは、光線を放つのを止めた。

すると、ゾフィーは力抜けたかのように前に倒れた。

 

「ピ…コン…ピ…コン…ピ…コン…」

 

カラータイマーが次第に弱くなっていく……。それと同時に両目の輝きも弱くなっていく……。

 

 

「ゾフィー、立ち上がりなさいよ!貴方が宇宙でどれだけ凄いのか分からない。でも、だからこそ!ここであんな奴に負けていいの?自分が最後のウルトラマンなんでしょ!だったら簡単に根を上げちゃダメ!!」

 

 

ゾフィーの脳裏に蘇る敗戦の記憶……。

自分が隊長の地位に溺れてあんな恥ずかしい敗戦を繰り返してきた……。

しかし、今はそんな事出来ない!

今、この星を……宇宙の秩序を守れるのはゾフィーただ一人なのだ。

美琴の声を聞いたゾフィーは、微かに砂をかき集めるように両手を握り締める。すると、両肩に三つの……、胸に六つの輝きが見えた。それは、不思議な事に今まで死にかけてたゾフィーを動かす。

ゾフィーの両目が再び光ると、彼は両手を地面に叩きつけ起き上がる。すると、その光は消えると銀の突起物へと変わるそれは、ゾフィーが地球に来て付けるのを拒否したスターマークとウルトラブレスターだった。

 

 

「俺は、全宇宙の秩序を正す…宇宙警備隊の隊長だ!!」

 

 

ゾフィーは、そう言うと戦闘態勢に入る。それを見たネオスは、ゾフィーに向かって走り出すと彼を殴ろうとするがゾフィーは、それを全て受け流すとネオスの腹部に思いっきりパンチを放つと側転して回り込むと背中にめがけて蹴りを決める。前へフラついたネオスは、後ろへ振り向くと既にゾフィーは、ネオスの懐へ接近していた。そして、チョップ、肘鉄が入り後ろへ退くと最後にアッパーを決めるとネオスは地面に倒れ込む。

その光景を美琴は、じっと見つめていた。その脅威的な強さは、彼が昔無敵のゾフィーと言われてた証拠である。ゾフィーは、ネオスを持ち上げると空へ向けて思いっきり投げて彼を宇宙空間へと追い出すと後を追うようにゾフィーは、宇宙空間へ出た。

 

 

「もし、光の国が元に戻ったらお前を真っ先に説教してやる!」

 

 

そう言うとゾフィーは、ゆっくりM87光線の構えに入るとそのままM87光線を放ちネオスをエネルギー切れにさしてからトゥインクルウェイを使いキング星へ向かわせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一輝……。」

 

 

空を見上げたまま御坂美琴は、一輝の帰りを待っていた。

 

 

「何ボケっと空見てんだよ!」

 

 

ビクッと震えると後ろを向く。そこには、笑顔の御坂一輝の姿があった。

 

 

「もう、遅いわよ!」

 

「悪いな。」

 

 

そう言うと美琴は、ゆっくり走り出すと一輝の懐へ飛び込み抱きしめる。

 

 

「ば、バカ!……心配…させないでよね!」

 

 

顔を一輝の服で隠しながら美琴は、そう言う。

まぁ、知り合いがあんな危ない目に合えばツンデレキャラでもこうなるだろう……。

一輝は、無言で美琴の背中に手を回して優しく彼女を包み込む様に抱きしめる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、彼らはそれぞれの家へ帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.矢澤にこ)
にっこにっこにー♪
ってちょっと!!第7話まで来てまだみんなのアイドルニコにーが出てないってどういう事!?
そして、次回も出ないなんてどうかしてるわ!
みんな、ニコにーの活躍見たいはず!
と言うことで作者!早く大銀河宇宙No.1アイドルニコにーを出しなさい!いいわね!

え、次回!?
そんなの、1年生達がμ'sに加入するかどうかの話でしょ?
って、違うの??
東京に出現する三体の怪獣……。
ゾフィーは、それに立ち向かう事が出来るのか!?



次回、第8話「まきらんぱな」



必ず読んでねっ!♡



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第8話「まきりんぱな」

《前回のあらすじ》
超能力で幼馴染みの穂乃果がいるスクールアイドルユニットμ'sのライブを救った御坂美琴は、ボロボロになった一輝を手当てする。
彼から自分の正体及び今の宇宙の状況を知った美琴の前に現れたのは、レッドキングとゾフィーと互角以上に戦うネオスと交戦する。ゾフィーは、エネルギー切れになり死にかけた時、美琴の言葉に勇気をもらい再び立ち上がり、宇宙警備隊の隊長として見事ネオスを倒したゾフィーであった。


 

 

「これは?」

 

 

時刻は夜中、ある宇宙人が対象の人物にある物を渡そうとしていた。それは、ダークダミースパーク。

それを使うと怪獣や宇宙人にダークライブできる闇のアイテムだ。宇宙人たちは、ある人の命令でそれを対象の地球人に渡していた。

 

 

「自分の内に秘めてる世間への恨み、憎しみ、悲しみ、それら全てを解き放て!」

 

 

宇宙人は、目を赤く光らすと対象の人物達も目を光らせるとほぼ星人の操り人形のようにそれを受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日も3人休みなんだ……。」

 

 

そう言って後輩の教室前で落ち込む穂乃果。ここ数日スカウトしてる後輩小泉花陽、星空凛、西木野真姫が急に学校へ来なくなったらしい。

 

 

「やはり、穂乃果がしつこくスカウトするからですよ!」

 

「でも……。」

 

 

一輝は、あの日以来消息を絶ったウルトラ戦士を不安していた。彼らは、どこで何をしてるのか今の一輝には、知らない話だ。

 

 

「とにかく、彼女達が学校へ来るのを待とう。」

 

「そうですね、それでは練習しましょう!」

 

「そうだね!」

 

 

 

 

そう言うと穂乃果達は屋上へ行き練習を開始した。それに対して一輝は、校内を散策していた。少し、邪悪な気を感じたからだ。

 

 

「あ、一輝!!」

 

「ん?」

 

 

校門まで出ていた一輝に声をかけたのは、美琴だった。美琴は、通ってもないのに自身の中学校指定の制服姿だった。

 

 

「お前は、その服しかないのか?」

 

「それは……寮の決まりだし……それに、今の私には部屋を借りるのと食べるのが精一杯というか……なんというか……。」

 

「全く……じゃあ、付いてこい!」

 

 

そう言うと一輝は美琴を連れて学校を後にした。

向かった先は、都内にあるファッションビル108だった。そこにあるレディースコーナーへ来ていた。

 

 

「うわっ!可愛い!!」

 

 

そう言って美琴は、可愛い服を次々と見ていく。そのセンスは、少し子供とおなじだが、あんなり突っ込むと死にそう……。

 

 

「これどう?」

 

 

そう言って見せてきたのは、薄いピンクがメインカラーのパーカーだった。

 

 

「まぁ、人間のファッションと言うのは良くわからんから……。でも、それで身元を隠すことは出来るだろ?」

 

「うん……。」

 

 

すると、美琴は少しくらい顔してあてた服を下ろす。すると、その手を掴んだ一輝の顔を美琴はじっと見る。

 

 

「そんなにションボリした顔するな。せっかく可愛い服が台無しになるだろ?」

 

「うん、でも、みんな今頃どうしてるのかなって……。」

 

「それなら心配いらねぇーよ!みんなは、確実に元気にやってるさ!それに、もし何かあれば俺が学園都市とかに行ってお前の仲間を助けてやるよ!」

 

「一輝……。」

 

 

美琴は、一輝の顔に見とれるとすぐに気がつき頬を赤くして視線をそらす。

 

 

「あ、当たり前じゃない!アンタには借りがあるんだから!」

 

「分かったよ。で、それで良いのか?」

 

「うん。」

 

 

美琴は、嬉しそうにうんと頷く。それを見た一輝は、レジでそれと他にスカートなどの私服を一緒に買って108を後にした。

 

 

「いや〜、久々に買い物したって感じ!」

 

「それなら良かった。」

 

「あの、ありがとう。」

 

「どういたしまして。」

 

 

一輝は、そう言うと美琴を家まで送り届けて再び学校へ向かった。しかし、あの邪悪な気は既に消えていた。

 

 

(何があったんだ!?何故、消えてる??)

 

 

一輝は、疑問を持つ。その気は建物に取り付いてる訳では無い事が分かった。それに、それは……この学校の生徒であることも……。

 

 

「とにかく、また明日調べるだな。」

 

 

一輝は、そう言うと学校から出ようとした。

 

 

「おやおや、宇宙警備隊の隊長さんが何のようかな!?」

 

 

その声を聞くと一輝は、後ろ振り向き構える。そこには、宇宙海人バルキー星人が立っていた。

 

 

「邪悪な気の正体はお前か!?」

 

「いいや、違うね。この学校には闇の支配者様が居る。そいつを倒さない限りこの学校が闇から救われることは無い。」

 

「なら、それを倒すまでだ!!」

 

 

一輝は、ブレスレットを構える。すると、バルキー星人は、大声で笑いだした。

 

 

「何がおかしい!?」

 

 

とバルキー星人に問うと、彼の後ろから現れた者達に一輝は、驚いた。それは、彼女達が穂乃果の言ってた勧誘してる新入生と同じだったからだ。それに、あの西木野真姫も……。

 

 

「あんた、生きてたわけ?」

 

「当たり前だ!約束だからな。」

 

「意味わかんない!その約束も何もかも私の灼熱の炎で燃やしてやる!」

 

《ダークライブ!パンドン!!》

 

真姫は、黒いスパークにパンドンの人形の足を当てると黒いオーラに包まれてパンドンヘも姿を変えた。それを見た他の子達も同じようにしてリードする。

 

《ダークライブ!ゼットン!!》

《ダークライブ!ゴルザ!!》

 

彼女達は、怪獣へと変身すると音ノ木坂学院を壊そうとして校舎の方へ向かう。一輝は、プラズマ鉱石から放たれた光りに包まれてゾフィーへと姿を変えると、三人の前に立つ。

 

 

「3人とも、落ち着け!」

 

「これが落ち着いてられるわけ……ないでしょ!!」

 

 

真姫が変身したパンドンがそう言うと両方の口から火を放ってきた。それをクロスガードで封じるとパンドンにパンチを放ち花陽が変身したゴルザに蹴りを決めると凛が変身したゼットンに向かってパンチを放つがテレパートで躱されると後ろに回り込まれ吹き飛ばされた。起き上がろうとした瞬間、ゼットンはテレポートで俺の上に乗っかると首を絞めてきた。

 

 

「どうせ、女っぽい格好なんて似合わないし……。」

 

 

その腕を掴んで解こうとするけど怪力のゼットンに勝てず苦しめられた。そんなゾフィーに聞こえたのは、苦しめられてるマイナスエネルギーに支配された生徒の声だった。ゾフィーは、とっさの閃きで横腹に蹴りを入れてゼットンを退かすと起き上がりゼットンに向かおうとしたが……。

 

 

「どうせ私なんて……アイドルなんか出来ないし……」

 

「私には……もうピアノを弾く勇気もない……。」

 

 

学校を破壊しようとするゴルザとパンドンを見つけると、そっちに向かってゴルザに飛び蹴りを決めるとパンドンにむかって連続チョップからの回し蹴りを決める。更に追い討ちをかけようとするが、そこへゼットンがテレポートで現れると俺を持ち上げると放り投げる。ゾフィーは、ゆっくり起き上がると首を横に振って意識をしっかりさせる。近づいてくるパンドンたち跳躍を使って躱すとZ光線を放ちダメージを与える。ウルトラギロトンを使いゴルザの尻尾を切断すると両腕をL字に組んでM87光線を放ちゴルザを倒すとダークライブしてた生徒が地面に横倒れると黒いスパークは破壊された。

 

それを見たゾフィーは、ゼットンとパンドンを見ると彼らは、横に並び共闘態勢に入っていた。先に突進してきたパンドンを受け止めると膝を入れて地面に倒す。後ろに現れたゼットンを背負い投げして地面に叩きつける。尻尾で攻撃してくるパンドンを掴まえて砲丸投げのように振り回すと放り投げる。

すると、起き上がったゼットンを見るとゾフィーはウルトラギロチンを放つとバリアで防ぐ。しかし、頭にバリアが無いことを判明すると跳躍を使って宙に舞うとスワローキック放ち、張ってたバリアを破壊するとすぐにウルトラギロチンを放ちゼットンを切断して倒す。

 

ゾフィーは振り向くと、そこにはパンドンが立っていた。

 

 

「何よ、あなたに何がわかるの!?私には、もう音楽なんて出来ないのよ!!」

 

 

そう言ってパンドンは火炎放射を放つとゾフィーは、バク転して躱すとパンドンを睨む。

 

 

「それって、全部……自分に限界を作ってるだけじゃないか!!」

 

 

ゾフィーは、テレパシーを使い花陽や凛、それに真姫に向けて言う。それを聞こえた花陽と凛は、起き上がりゾフィーを見る。

 

 

「先輩……」

 

「かよちん!!」

 

 

凛は、花陽を見つけるとすぐ近くに寄ると一緒にゾフィーを見る。

 

 

「かよちん、私もさ……スクールアイドルやるから……かよちんも一緒にやろ?」

 

「凛ちゃん……うん!!」

 

 

そう言うと花陽は、最高の笑顔で答える。その笑顔がチラッと見えたゾフィーは、少し笑みをこぼすと再びパンドンに向く。

 

 

(何だよ……いい笑顔してるじゃねぇーか!)

 

 

と想いながら。

ゾフィーの真剣な眼差しに嫌気が刺したのか、パンドンは再び火炎放射を放つがゾフィーは、前に転がり躱すと再び走り出すとパンドンとすれ違う時にウルトラ霞斬りを放つとパンどんの動きが止まる。ゾフィーは、走るのを止めるとゆっくり振り向く。

 

 

「何で?何で、あの時ちゃんと帰ってきてくれなかったのよ?」

 

「ごめん、約束を守れなくて……でもさ、それは俺が限界を勝手に決めてたからなんだ……。ある人に諦めるなって改めて教わった。」

 

 

ゾフィーは、ゆっくり両腕を自分のカラータイマーの前に持ってくる。

 

 

「だからさ、真姫や星空、小泉も自分自身の限界を勝手に決めるなよ。」

 

 

そう言いながらゾフィーは、そのポーズから左手を前に伸ばし右手を顔の近くに持ってくると右腕に光の粒子が集まり始めると同時にカラータイマーが点滅を開始する。ゾフィーに時間が無い!!

 

 

「こんな方法をしなくても、相談してくれれば何だって乗ってやるから……だから!もう一度、やり直そう!一緒に!!」

 

 

そう言うと戦闘態勢だったらパンドンはすっかり戦意喪失してた。そんなパンドンに向かってゾフィーは、左腕を自分の胸に動かすと同時に右腕を前に伸ばしてM87光線を放つとそれを受けたパンドンは、何も動かなくなった。代わりに……。

 

 

「ありがとう。」

 

 

という言葉が聞こえた。それを聞いたゾフィーはパンドンに背を向けて前へ歩き出す。パンドンは、ゆっくり倒れて爆発すると凛達は、その爆発地点にいる真姫を探す。

 

 

「おのれ!ゾフィー!!ここは引き返して新たな作戦を作らないと!」

 

「その必要はない!」

 

 

そう言うとすぐにM87光線を放ちバルキー星人を逃がす前に倒すことに成功した。

 

 

「ゾフィー!」

 

 

帰ろうとしたゾフィーを真姫が止める。ゾフィーは、振り向くと彼女達は手を繋いでいた。

 

 

「きょ、今日は……その…ありがとう。」

 

「ありがとうにゃ!」

 

「ありがとうございます。私、頑張ってμ'sに入ってアイドル頑張ります!」

 

「凛も!」

 

「私もよ!」

 

 

その光景を見たゾフィーは、少し嬉しくなった。そして、そんな彼女達を祝福するかのように朝日がゆっくり顔を出そうとしていた。

ゾフィーは、左手を敬礼気味を顔の横へ持ってくる。

 

 

「今の君達なら、μ'sに入ってちゃんとスクールアイドル活動が出来るさ。そう、自分自身の限界を勝手に決めつけなければ……どんな事だって出来るさ!」

 

 

そう言い残してゾフィーは、姿を消した。

それから時間は刻々と過ぎて……。

放課後……一輝は、日直と言う仕事を片付けてから屋上へと向かおうとしてた。

 

 

「ほ、星空さんが開けなさいよ!」

 

「そんなの凛には無理にゃ!ここは入るって真っ先に宣言したかよちんだにゃ!」

 

「え、えぇ!?」

 

 

と屋上へ行くにつれて声が大きくなって言った。恐らく穂乃果達は、練習に打ち込んでるから気づかないんであろう。

 

 

「あの……何してるんですか!?」

 

「え!?って、一輝じゃん。」

 

「こら西木野さん、先輩にはちゃんと先輩って、付けないとダメにゃ!」

 

 

呼び捨てで言う真姫に凛は注意をする。

そんな彼女達が困ってるのは大体わかる一輝は、花陽の持ってるドアノブに手をかける。

 

 

「俺が出来るのはここまでだ。後は……自分たちでやれよ!決して限界を作るな!」

 

 

その声、表情、全てに置いて花陽と凛は一輝が昨晩激突したゾフィーに見えた。

一輝は、そんな事を知らずにドアを開く。

 

 

「よう!」

 

「あ!一輝君、遅いよ!!」

 

「悪いな!それよりそこに並んでくれ。」

 

 

そう言われると一輝や穂乃果達は一列に並んだ。それを見て花陽達も一列に並ぶ。

 

 

「あ、あの……私……小泉はな……。」

 

 

と小さく言いかけた花陽の手を真姫と凛がそれぞれから握る。それに一輝の優しい笑みを見た花陽は、先ほどの一輝の言葉に少し勇気をもらい改めて両隣りの二人を見直してから発言した。

 

 

「私!小泉花陽と言います。一年生で、背も小さくて……でも!アイドルへの気持ちは誰にも負けません!!だから……私を…いえ、私達をμ'sに入れてください!!」

 

「「お願いします!!」」

 

 

と言って三人同時に頭を下げた。そんな彼女達に手を差し伸べたのは、穂乃果だった。花陽は頭を上げると穂乃果は、万遍の笑みで「よろしく!」と言うと花陽は、穂乃果と握手を交わした。

 

 

(これで、もう二度とコイツらが闇堕ちする事はなくなったな。)

 

 

一輝は、そう考えると安心した表情でその光景を見つめると最後に花陽達にテレパシーで「頑張れ!」とエールを送った。

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.東條希)
ヤッホー!東條希やで。
凛ちゃん達も加わって6人になったμ's。
そんな彼女達に五月の梅雨が襲う。
そんな中、音ノ木坂学院にアイドル研究部があった過去があることを知る。


次回、第9話「にこ襲来」




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第9話「にこ襲来」

《前回のあらすじ》
謎のスパークにより怪獣へ変身した真姫、凛、花陽だったが、何とか元に戻す事が出来た。
そして、一輝のサポートもあり3人はμ'sに入る決意を固める。
こうして、6人になったμ's。
しかし、本当の難関はここからだった……。


凛達の加入してから数日後、日本に梅雨がやってきた。何故か、講堂でのライブがアップされていて音ノ木坂学院にアイドルが誕生したというのが次第に広がり始めた。そんな映像を見ながら1人の少女が人形を握りしめた。

 

 

「アイドルを嘗めんじゃないわよ!!」

 

 

そう言い残すと少女は、アンチのコメントを書き画面を見つめてニヤリと微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むぅー……つまんない!!」

 

 

1人の声が廊下に響き渡る。そこには、μ'sのメンバー6人が居た。彼女達の練習場所である屋上が雨で使えないのでいらだっていたのだ。

 

 

「仕方ありませんではないですか、天気には敵わないのですし……。」

 

「気分直しにキッタッキーに行こうよ!」

 

 

そうことりは、提案する。キッタッキーとは、この世界におけるファーストフード店である。

え!?一応我らの主人公御坂一輝はというと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いわね、買い物なんかに付き合わせちゃって。」

 

「別に良いけど、何で玩具屋?」

 

 

一輝は、14歳の美琴にお願いされて少女系の可愛いキャラクターがいっぱいあるコーナーに立っていた。

 

 

「こ、これは……新しいゲコ太の……。」

 

「何々!?ゲコ太?」

 

 

一輝は、質問する。今やちびっ子に人気の高いカエル型のマスコットキャラクターである。美琴は、少し恥ずかしながらゲコ太の名前を言うとしばらく黙り込んでしまい、ペアのゲコ太ストラップを指さす。

 

 

「これが欲しいのか!?」

 

 

一輝の質問に美琴は、小さくうんと頷く。それがどうしても欲しいらしいくその表情が甘える子供のようだった。そんな美琴に対してため息をつくと頭をカリカリ書くとペアのゲコ太ストラップを取る。

 

 

「え!?」

 

「ようするにこうすればいいんだろ?」

 

「ちょ、ちょっと!!」

 

 

美琴は、レジへ向かう一輝に対して止めようとするがそれを無視して一輝は、レジで、会計を済ましてピンクのゲコ太を美琴に渡す。

 

 

「アンタ、これをつける年頃じゃないのに……何で?」

 

「だって、あんなに欲しそう顔されたら買ってやらないとな。」

 

「もう……でも、ありがとう。」

 

 

そう言うと美琴は、受け取り自らのゲコ太の携帯電話に取り付ける。

 

 

「なぁ、それはなんだ!?」

 

「え!?あ、携帯電話よ。もしかして知らないの?」

 

「うん、普段は光を字とか変型させて飛ばすし、テレパシーがあるからな。」

 

「良くそれで敵にバレないわね。まぁ、この際だし電話買いに行きましょ?ゲコ太買ってもらったから付き合うわ!」

 

 

そう言うと美琴は、一輝の手を引っ張り携帯ショップへと向かった。そこには、数多くの携帯電話機が並べられていた。

 

 

「ねぇねぇ、これとかいいんじゃない?」

 

「これって、ゲコ太の携帯電話。お前とお揃いだよな?」

 

 

美琴は、ニッコリと笑いながら一輝にゲコ太の携帯電話を見せてきた。一輝は、どんだけ好きなんだよと突っ込みたいのを我慢して、別の携帯電話を取る。

 

 

「これにするよ。」

 

「えぇー!?何でよ?良いじゃない!」

 

「ゲコ太って俺は、これでも25000歳だぞ?」

 

「に、25000歳!?」

 

 

一輝は、自分の年齢を明かすとそれに対して美琴は大声をあげると店の中にいる人が全員こっちを向いてきた。

それに対して美琴は、苦笑いしながら周囲に謝る。

 

 

「アンタって本当に宇宙人なんだ……。改めて実感しちゃうな〜。」

 

「そうか?」

 

 

小声で言う美琴に対して一輝は、改めて自分と彼女の間に詰めることの出来ない溝があることを感じた。光の国の宇宙人と地球人……。この違いが大きいのである。

 

 

「……でも、これは付けてくれるわよね?」

 

 

そう言いながら美琴は、恥ずかしがりながら一輝に自分のピンクのゲコ太ストラップを見せてくる。

 

 

「それは約束するよ。」

 

「え!?本当に??」

 

「うん。」

 

 

こうして、一輝は人生初めて携帯電話を購入した。その後、美琴を家まで送り届けると一輝は、今日も放課後の校舎内を調べるが特に変わったことは無かった。そんな中、妙に不気味な部屋を見つけた。

 

その部屋の名は……「アイドル研究部」。

 

カーテンに包まれており中の状況が把握できない状態だった。一輝は、その部屋のドアノブに手をかけると向こうから扉を開く音がした。

 

 

「何!?」

 

 

そこから出てきたツインテールの黒髪の少女だった。

 

 

「いや、アイドル研究部なんてあることに初めて知ったから……気になって……。」

 

「ふーん、アンタが試験生ね。まぁ、見るだけならどうぞ。」

 

 

そう言うと少女は、アイドル研究部の部室へ入れてくれた。そこには、数多くのアニメグッズなどが山のようにある。一輝はそれを見て少し驚く。

 

 

「凄いグッズばかり……。」

 

「まぁね、これ全部私のよ!」

 

「全部!?」

 

 

この少女に爆弾を落とされたと一輝はそう感じた。それにしてもこの少女しか部員が居ないのか部室には誰もいない。

 

 

「他に部員は?」

 

「……」

 

 

一輝は、質問すると少女は暗い顔して黙り込んでしまった。

 

 

「みんな辞めてったわ。」

 

「何で!?」

 

「さぁね、でも……こんな世界いらないと思った。」

 

 

少女は、そう言うと机の下からこの間真姫達が持ってたスパークとかつて、ウルトラ兄弟を苦しめた暴君怪獣タイラントの人形があった。

 

 

「それは!?」

 

「あんたの事は、全て知ってるわ。人間じゃないみたいね。でも、そんなのにこには関係ない!こんな腐った世界を……潰してやる!!……なにもかも!!」

 

 

そう言うとにこは、人形をスパークにリードする。

 

《ダークライブ!タイラント!!》

 

にこは、黒いオーラに包まれるとタイラントへと姿を変えた。アイドル研究部のある校舎を破壊してからタイラントは、校内から出ると街へむかった。瓦礫の下敷きになった一輝は、その瓦礫を退かしてから立ち上がる。そんな一輝の脳裏には穂乃果達の笑顔が映る。

 

 

「この街や……この世界はまだ腐ってねぇーぞ!!」

 

 

そう言うと一輝は、プラズマ鉱石の力を解放してゾフィーへと姿を変えるとタイラントへ向かってスワローキックを放つ。しかし、タイラントはビクともせずに仁王立ちしていた。

 

 

「何よ、ウルトラマンなんて大したことないわね!」

 

 

そう言うとにこは、バラバの鞭を使いゾフィーを叩くとゾフィーの手を取るとその怪力でゾフィーを持ち上げて地面に叩きつける。起き上がろうとするゾフィーを蹴り飛ばし再び地面に倒すと彼の腹を踏みつける。

 

 

「どうした!?ウルトラマン。あんたの力はその程度なの?」

 

 

タイラントは、何度も踏みつける。その一撃、一撃に彼女が今まで耐えてきた苦しみが伝わってくる。

 

「ピコンピコンピコンピコン」

 

ゾフィーのカラータイマーが青から赤へ変わり点滅を開始する。ゾフィーに残された時間は僅かだ。

タイラントに向けてZ光線を放つが、ベムスターの腹によって光線が吸収されてしまった。

 

 

「無理よ、今のにこは神の領域に達したのだから!!」

 

 

そう言うとタイラントは、口から火炎放射をゾフィーの胸にに放つとゾフィーの横腹を蹴る。ゾフィーの胸は、燃えた後の様に少し黒くなってた。起き上がろうとするゾフィーだが、何故か力が入らなくなる。

 

 

「これで終わりよ!」

 

 

タイラントは、ゾフィーに近づきベムスターの腹から冷凍光線を放ちゾフィーの動きを鈍くする。何とか仰向けになったゾフィーは、M87光線を放とうとするが、その途中にゾフィーを跨いだタイラントは、尻尾でゾフィーの腹を叩きつけると右腕を思いっきり踏みつけた。

 

「グキッ!」

 

ゾフィーの右腕から不気味な音が響く。それと同時に光線が撃てずに右腕を痛がるゾフィー。カラータイマーの音が次第に弱くなるとゾフィーは、動かなくなりその場から消えた。

 

 

「なんだ、ウルトラマンも大したことないみたいね。」

 

 

消えたゾフィーにそう言い残すとタイラントは、街へと向かい歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.絢瀬絵里)
こんにちは!賢い可愛い?(エリーチカ!!)
ハラショー。絢瀬絵里です。
暴走するタイラント。壊れいく街……。
ボロボロになってまで戦おうとする御坂一輝にある悪魔の手が近づいていた……。
しかし、本人は知らないまままた変身する。


次回、第10話「守りたい光」

宜しくね!


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第10話「守りたい光」

 

「うぅ……」

 

 

一輝は、目覚めると瓦礫に覆われた街の中に倒れていた。街はすっかり変わり建物も何も無い状態になっていた。

 

 

「あ!目を覚ましたよ!!」

 

 

一輝は、視線を逸らすとそこには、穂乃果や、海未それにことりがいた。

 

 

「穂乃果達か……ここは!?」

 

「さっき怪獣が現れてあのウルトラマンが戦ってたんだけど……負けちゃって。」

 

 

穂乃果の言葉で一輝は、自分に何が起こってたのかを把握する。一輝は、ゾフィーになりにこが変身したタイラントと戦うが圧倒的な怪力と攻撃力のタイラントに敗れた。それは、今まで挫折ばかり繰り返してきたにこの恨みや憎しみと言った怨念なのかもしれない……。

そんなバケモノを前に一輝は、戦意喪失になりそうだった。

 

 

「そうか……負けたのか、俺……。」

 

「え!?なんか言った?」

 

 

一輝は、小さな声でつぶやくと穂乃果が聞き直してきたが一輝は「何でもない」と言って誤魔化す。

 

 

「それにしてもウルトラマンも敵わない敵など……どうすればいいでしょうか?」

 

「とにかく安全な場所に避難しよ?」

 

 

ことりがそう言って避難を優先にする。一輝は、いつも通り右手を支えにして立ち上がろうとするが激痛が彼を襲うとまた地面に倒れ込んでしまう。

 

 

「一輝君、大丈夫!?」

 

「あぁ、腕を折っちまったみたいだ。」

 

 

そう言って一輝は、反対の左手を支えにして立ち上がるとフラフラっと避難先への避難する。

 

 

「一輝!!」

 

「「先輩!!」」

 

 

避難先に着くと真っ先にやって来たのは、他のμ'sのメンバーと美琴だった。

 

 

「ど、どうしたんですか?その格好……」

 

「凛たち以外にもあれを使ってバケモノになるなんて……。」

 

 

どうやら、凛たちにもこの間の怪獣への変身は覚えてるらしい。つまり、彼女達は一輝の変身を見ているしそれを知っている。

 

 

「それにしても……学校が……。」

 

「何で!?」

 

 

変わり果てた学校を見て落ち込むことりと海未だったが、一人怒りを覚えてる少女が居た。それは、紛れもない高坂穂乃果だった。穂乃果は、握りこぶしを作っていたのを一輝は静かに見る。

 

 

「何で、こうなるの!?何で……学校があんなにならなきゃいけないの!何で……何で、ウルトラマンは誰も守ってくれないの!!」

 

 

守ってるつもりだった……。

一輝の気持ちは、そうだったが。地球に来て最初に戦ったのは紛れもないウルトラマンメビウス。疑問に思われても仕方ないと一輝は、理解する。

すると、一輝は静かに穂乃果達から離れていく……。

 

 

「あれ、一輝…どうしたんですか!?」

 

「しばらく一人にさせてくれ……。」

 

 

一輝は、質問した海未にそう言い残してその場を離れた。

 

 

「クソッ!!!」

 

 

一輝は、激痛走る右腕を動かして壁を思いっきり叩く。ぶつけた手は赤く腫れ上がり、血も少し流れていた。

 

 

「そんなに役ただずって言われたのが辛いの?」

 

 

そんな一輝を心配してやってきたのは、真姫だった。真姫は、腫れ上がった手を見るとすぐに包帯で治療する。

 

 

「全く……ダメじゃない、これでも骨折してるんだから……無理に動かしたら動く物も動かなくなるわよ!」

 

「それでも……お前らの希望(ヒカリ)を守れるなら俺は、例えこの身が滅ぼうとしても何度も立ち上がる。それだけだ。」

 

「それがダメだって言ってるんじゃない!」

 

 

一輝は、自分の意見を言うと真姫に一刀両断される。

 

 

「貴方、自分の命は惜しくないの?あれだけ、激しく戦ってて……そのうち死ぬかもしれないのよ!それでも良い訳!?」

 

「それが……ウルトラ戦士としての俺の務めだ。」

 

 

そう、これは我々がこの力を授かってから与えられた宿命なのだ……。それは、誰も歯向かうことが出来ない……。

 

辛い戦いの宿命……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タイラントか……。凶暴な敵だな。」

 

 

ゾフィーの戦況を一人大気圏外で見てる戦士がいた。その戦士は、口元以外は鎧に身を包みまるで、ゾフィーを知ってるみたいだった。

 

 

「ゾフィーさん、僕は貴方の本気を見ていたい。人間にあんなに責められて怒りが絶頂に達したゾフィーを。」

 

 

そう言うと戦士は、地球をじっと見つめる。その言葉には、何かを試しているような雰囲気が見られた。

 

 

「……よ、あの青き星へは行かせんぞ!」

 

 

すると、何かが戦士の方へ飛んでくる。戦士は、額からビームを放ち相打ちにすると、敵は既に後ろにおり思いっきり殴り飛ばされた。

 

 

「やるな、だが!!ここからだ!!」

 

 

こうして、戦士もまた戦いに身を投じなければならなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から数千年前……。

驚異的な力と共に誕生した光の戦士……。

そんな彼らは、宇宙に散らばり数々の怪獣や宇宙人と戦っていた。勿論、ゾフィーもその一人だ。力の使い方を知らない素人戦士だった彼が数多くの星々を周り、守るべきものとは……力とは……。と言った大切なものを学んできた。そんな、彼はひょんな事から古代文明バラージが存在した時の地球へやって来た。

彼は、そこで地球の美しさに惹かれていき……。セブン、マンと共に今後もこの星を守ろうと誓った……。

しかし、今ではゾフィーしかない。この現実が彼を苦しめる……。

 

 

「何で、こうなるの!?何で……学校があんなにならなきゃいけないの!何で……何で、ウルトラマンは誰も守ってくれないの!!」

 

 

その言葉が一輝の脳裏に蘇る……。

すると、一輝はゆっくり立ち上がるとタイラントを睨む。そして、動くはずもない右腕を無理矢理動かす。激痛が彼を襲うが、今の一輝には関係ない。

 

 

「にこさん、貴方が周囲からどれだけ嫌われてきたのはよく分かる。俺も宇宙の大半から嫌われているかな……。」

 

 

そう言うと一輝は、前へゆっくり歩み出した。そして、左手を胸の前に構える。

 

「ピカッ!!」

 

閃光のように眩しい光が彼を次第にゾフィーの姿へと変形させる……。

 

 

「嘘……ですよね!?」

 

 

それをたまたま目撃してしまった海未は、目を丸くして驚く……。

しかし、ゾフィーには海未が居ることなど分からなかった。

 

 

「シュアッ!」

 

 

ゾフィーは、掛け声と共に巨大化して暴れているタイラントを掴む。しかし、タイラントは振り払い鉄球をぶつけてゾフィーを弾き飛ばす。

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン…」

 

今の一撃を受けただけでカラータイマーが点滅を開始した。それにゾフィーは、驚きを隠せなかった。ゾフィーは、タイラントに近づき左手で腹部を殴ろうとするが当たる寸前にベムスターの腹が開きゾフィーの腕を飲み込んでしまった。

 

 

「これで両手は使い物にならないわね!」

 

 

左腕の骨が粉々になる音が聞こえる。ゾフィーは、必死にタイラントを蹴って何とか脱出するも両手が使えない状態に陥ってしまった。

 

 

(タイラントをどう倒せばいいのだ!?)

 

 

ゾフィーは、何か打開策を考えるがタイラントは、鎌を振りゾフィーに攻撃を仕掛ける。彼の身体から火花が散ると、鉄球を振り回して連続攻撃をしていく……。

 

「ピコン……ピコン……ピコン……ピコン……」

 

カラータイマーが次第に弱くなっていく……と同時にゾフィーの動きが鈍くなる……。

 

 

「もう諦めたら?」

 

「な、何!?」

 

 

にこは、ボロボロになるゾフィーを見てそう問いかける。

 

 

「にこには敵わないんだから……さっさと降参した方が身のためよ!」

 

「断るって言ったら?」

 

「何!?」

 

「俺は……俺達ウルトラ戦士は、簡単にあの誓いを破るわけにはいかない!!」

 

「仕方ないわね……なら、死になさい!!」

 

 

タイラントは、鞭を伸ばしてゾフィーの右手首を掴むとそのまま大きく振り回し始めた。3周ぐらい振り周りしてから地面に思いっきり叩きつけた。

 

「ピ…コン……ピ…コン……ピ…コン……。」

 

ゾフィーのカラータイマーは、しばらくゆっくり動いていたが……遂に動かなくなってしまった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾフィーは、活動源である太陽エネルギーを全て消費して死んだのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾフィーの死と同時刻……。

月では、緑色のアーマーを身にまとった戦士と宇宙人が戦っていた。宇宙人の名は、バルタン星人。かつて、ウルトラマンを苦しめた最強の宇宙忍者だ。そんなバルタン星人と互角以上の戦いを繰り広げている戦士がいた。

彼は、バルタン星人の破壊光線を躱すと専用の武器、ダブルサーベルを取り出して構えるとバルタン星人を真っ二つに斬り裂いた。

 

 

「全く少し手こずったか……。ッ!?」

 

 

戦士は、何かを察知すると地球を向く。そこには、タイラントの邪悪な気配しかなかった。

 

 

「ゾフィーさん!!」

 

 

戦士は、そう言うと急いで地球へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.御坂美琴)
一輝が…いや、ゾフィーが負けた……。
その事実に落ち込む人々……。でも、私は諦めないわ!この力で……アレを止める!!

って、緑色の鎧!?あの戦士は一体!?


次回、第11話「敵か味方か???謎の戦士現る!!」





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第11話「敵か味方か???謎の戦士現る!!」

《前回のあらすじ》
タイラントにボロボロにされたゾフィーは、遂に全ての太陽エネルギーを無くした。
それと同時刻、月でバルタン星人の襲撃を見事に躱した謎の戦士は、ゾフィーを心配して地球へ向かった……。


 

 

「嘘……。」

 

「ゾフィーが……。」

 

 

その場にいた一年生トリオは、絶望の淵に立たされている気分だった……。自分たちを絶望から救ってくれた救世主(ゾフィー)でも勝てない闇が存在することを……。目の前には、カラータイマーや瞳の輝きが完全に消えたゾフィーの姿があった。

 

 

「ど、どうしろって言うの!?あんなバケモノみたいなのを倒せるわけないじゃない!!」

 

「真姫ちゃん落ち着いて!」

 

「そうだにゃ!凛たちがもう1回変身すれば!」

 

「ダメよ!そもそもあのダークダミースパークがないのにどうやって変身するの?」

 

 

そこで改めて知る、人類の限界……。

いくら、原子力爆弾や水爆を作ってもそれすら聞かない宇宙生物など沢山いる……。人間は、所詮他の宇宙人からしたらむのうなせいぶつでしかなおのかもしれないと真姫は感じた。

 

 

「方法ならあるわ!」

 

 

3人は振り向くとそこには、中学生の美琴が自信の体から大量の電気を放出していた。

 

 

「貴方……あんなバケモノと戦う気!?」

 

「そうよ!」

 

「無理よ!」

 

 

タイラントと戦おうとする美琴を真姫は、必死に止める。

 

 

「あんな死にたいの!?ウルトラマンでも敵わない怪獣にどうやって挑むわけ!?」

 

「そんなの……こうするに決まってるでしょ!!」

 

美琴は、周りに放電して家電をショートさせる。止めようとする3人の前に立つ。

 

 

「殺してまで止めれる覚悟がないんだったら……退いて!」

 

 

そう言われると反撃できない真姫を放ってほいて美琴は、歩き始めた。

 

 

「ごめんね……黒子、佐天さん、初春さん、みんなから繋げてもらったこの命……ここで尽きるかもしれない……。でも……」

 

 

そう言うと美琴は、ポケットからコインを取り出すと体内にある電気を右手の親指に込める……。

 

 

「私は、最後まで諦めない!!」

 

 

そう言うと同時に右手に近づいたコインを親指で弾き飛ばすとローレンツ力で加速して音速の三倍以上のスピードで撃ち出した。

 

 

 

 

 

しかし!?

 

 

 

 

 

 

 

こちらを振り向いたタイラントは、超電磁砲(レールガン)をも吸い込んでしまった。

 

 

「嘘ッ!?」

 

「あんたの事も知ってるわ。御坂美琴。学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)の第3位。そして……」

 

 

そう言ってタイラントは、バラバの鞭を避難所に向けて飛ばしてある人を捕まえて帰ってきた。

 

 

「あぁ!?」

 

「ここに居るμ'sのリーダー高坂穂乃果の幼馴染みである事もね!それがあんた、超電磁砲(レールガン)の弱点よ!」

 

 

そう言って気絶している高坂穂乃果の姿をじっくり美琴に見せる。

 

 

「これでもアンタは、自分の必殺技を私にぶち込むことできるかな!?」

 

「何て酷いことを!?」

 

 

美琴は、握り拳を作るもそれにはタイラントには関係なくそのまままた街を破壊し始めようとする。

 

 

「穂乃果を離せぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

 

美琴は、瞬時に地面から砂鉄を使ってチェンソー並に強い剣を作るとそれを伸ばしてバラバの鞭を斬る。

 

 

「え!?うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「間に合えぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

美琴は、そう叫ぶと落下してきた穂乃果をギリギリで助ける。

 

 

「貴方は!?」

 

「久しぶりって所かしら?」

 

「美琴ちゃん!!」

 

 

穂乃果を助けたことに安心する美琴は、最後の着地に失敗して足を捻ってしまった。

 

 

「痛っ!」

 

「美琴ちゃん、大丈夫!?」

 

「大丈夫、でももう逃げれないわ。だから、穂乃果だけでも……。」

 

 

そう言ってる途中、穂乃果は美琴の事を腕を支える。

 

 

「え!?穂乃果、何考えてるの?私と逃げてたら逃げられない……。」

 

「生きよう!」

 

「え!?」

 

「生きよう!だって美琴ちゃんまだ中二でしょ?若いのに私より先に死んだら許さないから!」

 

 

穂乃果は、そう言うとタイラントから離れようとするがタイラントは、穂乃果達を見つけると足を使って踏み潰そうとした。

 

 

その時、謎のビームがタイラントの頭部を直撃して倒れる。

 

 

「何!?」

 

 

穂乃果達は、避難しながら逃げると彼女達の後ろに緑色の鎧をに身纏った戦士がゆっくり着地した。

 

 

「な、何者よ!?」

 

「僕の名は、アンドロ警備隊隊長のメロス、アンドロメロスだ!」

 

「あ、アンドロメロス!?」

 

 

緑色の鎧の戦士は、自分のことをアンドロメロスと名乗った。メロスは、腰にあるアンドロスポットからダブルサーベルを取り出すと構えるとタイラントへ向かって走り出した。

 

 

「アンドロ警備隊!?ふざけるんじゃないわよ!」

 

 

タイラントは、メロスに近づくと鉄球をぶつけようとするが、メロスは躱してダブルサーベルを振りタイラントを切っていく。二歩下がったタイラントは、鎌を振って攻撃を仕掛けるがメロスはダブルサーベルを盾に防ぐとタイラントの顎へめがけて蹴るとまたタイラントは、後ろへ下がる。

 

 

「強い……」

 

「穂乃果!!」

 

 

無事、避難所へ帰ってきた穂乃果達は、海未達と合流するとメロスとタイラントの方を見る。

 

 

「あの戦士は一体……。」

 

「あの戦士、確かメロスって言ってたわよね?」

 

「メロス!?まさか、アンドロメロスではありませんか??」

 

 

海未の質問に美琴は答えると、それを聞いた海未は驚いた。

 

 

「海未ちゃん知ってるの??」

 

「え、えぇ。正確には私のお婆様から聞いた話で……、昔地球に現れたジュダ軍団を懲らしめた驚異の戦士だと……。」

 

 

海未は、アンドロメロスについて詳しく話す。その間、メロスは、順調にタイラントを追い詰める。

 

 

「このままでは負ける!!」

 

 

にこがそういった瞬間だった……。

 

《ダークライブ!キングジョー!!》

 

不気味な音声が流れるとメロスに向かって光線が命中する。メロスは、前にふらふらっと進むとタイラントの鉄球をもろに受けて吹き飛ばされた。

 

 

「メロス!!」

 

 

海未は、思わず声を上げる。しかし、タイラントに既に踏み潰されて起き上がることが不可能だった。それを見た美琴は、握り拳を作り海未達の方を振り向く。

 

 

「あの!私にこのピンチを切り抜ける打開策があるんですけど!!付き合ってもらえるかしら!?」

 

 

美琴は、そう言うと3人はそれぞれの顔を確認するとその案に乗った。

 

 

 

 

 

 

「ウアッ!」

 

 

メロスは、そう言いながら地面を転がる。既に彼には踏ん張る力がなくなっていた。それほどタイラントとキングジョーの攻撃が凄まじい威力だった。

 

 

「何よ!アンドロ警備隊隊長も大したことないわね!」

 

「クッ…2対1か……。」

 

 

メロスは、呟くがタイラントはそれを無視して近づく。

そんなタイラントに対してメロスは、ダブルサーベルを使ってタイラントに刺し込む。

 

 

「嘘!?」

 

「お前の負けだ!力に過信しすぎたんだな。」

 

 

メロスは、そう言うと起き上がりタイラントから離れるとタイラントは、爆発するとダブルサーベルはメロスの元へ帰ってきた。

 

 

「ふぅ……嬢ちゃん、力ってのは破壊だけに使うんじゃないんだ!誰かを魅了するのだって立派な力だ!」

 

 

メロスは、ボロボロになったにこに使ってそう言うと次はキングジョーに向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、μ'sの6人と美琴はゾフィーの近くまで来ていた。美琴は、一輝が、言っていたウルトラマン誕生の秘密を思い出す。

 

 

「確か……プラズマスパークの光を浴びた光が本来の彼らのエネルギーになって……そのプラズマスパークエネルギーを作るには……。」

 

 

美琴は、結論に辿り着くと体内の電気の質力をゆっくり高めていく……。

 

 

「みんな、お願い!ゾフィーに呼び掛けて!!」

 

 

美琴は、電気の質力を最大する間にゾフィーの意識を戻そうと考えて彼女達に発言してもらうと思ったのだ。

 

 

「分かりました!ゾフィー、貴方は私達から消えかかっていたウルトラ戦士との長年に渡る絆を繋ぎ止めてくれた最強の戦士です……。だから、こんな所で負けてはいけません!今、アンドロメロスがタイラントを倒しました。しかし、キングジョーが現れてピンチです!だから……もう1回立ち上がってください!!」

 

「次は、ことりだね!光の巨人さん、ことりは数々の脅威から1人で戦い抜く姿はカッコイイと思ったし尊敬してました。だから、今回も負けないで!!立ち上がってあのロボットを倒して!!」

 

「次は凛だにゃ!凛は、単刀直入にありがとうしか言えないよ……もし、あの時にゾフィーが来てくれなかったら私……もう二度とこうして笑えなかったから……だなら、お願いもう一度私達を守って!」

 

 

すると、今言った凛やことり、海未の身体がうっすらと光り始めた。

 

 

「次、私行きます!ゾフィーさん、貴方には諦めない勇気を教えてもらいました。今は、その勇気を使って凛ちゃんや真姫ちゃんと楽しくスクールアイドルとして活動してます!そして、ゾフィーさんにはこれからも私達を支えて欲しいです!!我が儘かもしれないけど……どうか、宜しくお願いします!! 」

 

「ねぇ、私と約束したじゃない!死ぬなって……あの約束を破ったら承知しないわよ!!だから……もう1回立ち上がって笑顔な姿を見せなさいよ!」

 

「さぁ、穂乃果の番ですよ!」

 

「えぇ!?穂乃果も言うの?」

 

「当然です!ゾフィーが最初に来た時に一番喜んでたのは穂乃果ではありませんか!」

 

「そうだよ!穂乃果ちゃんファイトだよ!」

 

 

そう言われると穂乃果は、少し照れなからゾフィーを方を見る。一年生トリオは、既に身体が海未やことりの様に光ってた。

 

 

「ゾフィー、まず貴方に謝ることがあるの……。ごめんなさい!!」

 

 

そう言うと穂乃果は、頭を下げる。

 

 

「私、貴方の事を役立たずって言っちゃった……。本当はね、ウルトラマンって神様だと思ってたんだ……。だってどんな敵でも倒すんだもん。でも……本当に強いのは心なんだね!私、貴方に会えて……心から良かったと思ってる。だから、お願い!もし、願いが叶うなら……もう一回戦って!!」

 

 

穂乃果がゾフィーへ言い終わると身体が光り始める。

 

 

「おい!俺達もやろうぜ!」

 

「何でここいいるか分かんないけど電気使い(エレクトロマスター)がゾフィーを助けようとしてるぞ!俺達を守ってくれたゾフィーを蘇らせようぜ!」

 

 

そう言って避難先にいる人達もゾフィーへ声援を送り始める。

 

 

「こんだけの声が集まってる……これなら!!」

 

 

そう言ってゾフィーに最大級の電気を放とうとすると穂乃果が止めた。

 

 

「ほ、穂乃果!?何するの??」

 

「私、美琴ちゃんのゾフィーに対する想い聞きたい!!」

 

「え、えぇ!?」

 

 

美琴は、顔を赤くして驚くが穂乃果の無邪気な意見に珍しく海未やことりも賛成する。

 

 

「わ、私は……。」

 

 

美琴は、そう言って黙り込む。今まで一輝に沢山支えてくれた……それは、事実で嬉しかったこと……。

ゾフィー=一輝という事を知ってる美琴にとってみれば、一輝に、お礼を言ってることになる……。しかし、メロスがキングジョーに押し倒された。

それを見た美琴は、開き直った。

 

 

「私は、アンタにたくさん支えてもらったし我が儘も聞いてもらった……。だから……ありがとう……。」

 

 

そう言うと美琴は、ゆっくりゾフィーに近づく。

 

 

「最後にもう1個我が儘聞いてもらっても良い?」

 

 

すると、美琴はゾフィーの左手の小指を左手で触る。

 

 

「もう大切な人に死んでもらいたくないの!

だからッ!!……。

生きて!生きてまた帰ってきて!!」

 

 

そう言うと美琴は、百億ボルトの電流をゾフィーに流し込む!と光った7人から溢れ出した光の粒子がゾフィーの身体へ集まっていく……。

 

 

「ありがとう…美琴……。」

 

「え!?」

 

 

ゾフィーの身体は金色に光るとその場から飛んでいった。

 

 

「やったのですか!?」

 

「分からないけど……きっとそうだよ!!ゾフィーが帰ってきたんだ!!」

 

 

海未の疑問に穂乃果は、笑顔で答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.御坂一輝)
メロスの援護……。
みんなの勇気、希望……。
全てが俺の力になる!!
あの時、誓った約束……破るわけにはいかん!!
さぁ、キングジョー!
宇宙警備隊隊長とアンドロ警備隊の隊長が相手だ!!!


次回、第12話「ゾフィーとアンドロメロス!!」


次回もお楽しみに!!


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第12話「ゾフィーとアンドロメロス!!」

※アンドロメロスは、かなりオリジナル設定を使って作っています。
「こんなのアンドロメロスじゃねぇー!」
って方がいましたら……



ごめんなさい!!


穂乃果達から随分離れた所に光となって移動してきた一輝と美琴が居た。

 

 

「って、あんな人間になってるじゃない!?どうして?エネルギーが足りなかったっていう訳!?」

 

「いや、その前にお礼がしたいんだ……ありがとう。」

 

「べ、別に私は……と、当然の事をしたまでよ!」

 

 

そう言うと美琴は、少し顔を赤くして言った。視線は少しずらしながらもチラッと一輝の方を見る。それに気づいた一輝は、笑顔で美琴を見る。

 

 

「デアッ!」

 

 

と言ってメロスは、地面に押し倒される。キングジョーのスーパーパワーに差があり過ぎるのか、キングジョーはメロスを軽々と持ち上げると、地面に投げる。

 

 

「そろそろ行く。」

 

 

一輝は、そう言うとブレスレットに埋め込まれたプラズマ鉱石が光り輝く。

 

 

「待って!」

 

 

変身しようとした一輝を美琴は、止める。

 

 

「約束……したから!」

 

 

そう言われると一輝は先ほど美琴が言った言葉を思い出すと一輝はそっと握る。

 

 

「え!?」

 

 

美琴は一瞬、気が動転するがその繋ぎ方で理解した。

それは、指切り……。

 

 

(美琴、お前は学園都市を救いたいって言ったな……俺は、それを終わるまで……死ねない。だから、見ててくれ……俺の変身!!)

 

 

一輝は、自分に言い聞かせるように誓うと真っ直ぐな眼差しで美琴の目を見る。

 

 

「うん、行ってらっしゃい!ちゃんと帰っこなかったら承知しないから!!」

 

「あぁ。」

 

 

そう言うと一輝は、眩しい光に包まれるとゾフィーに変身してキングジョーの所へ向かった。

 

 

「必ず勝ちなさいよ。」

 

 

美琴は、その場で小さく呟いた。

 

 

 

ゾフィーは、 キングジョーに向かって飛び蹴りをしてメロスから退かすとメロスに手を差し伸べるとメロスはその手を掴んで立ち上がる。

 

 

「お久しぶりです、ゾフィーさん。」

 

「ブノア、今でもアンドロメロスとして戦っていのか……。」

 

「はい!しかし、ゾフィーさん何で銀河系にこんな異変が!?」

 

 

メロスは、ゾフィーに最近の銀河系にて起こった出来事について聞いてみた。

 

 

「実は、光の国がジュダによって壊滅状態にされた。」

 

「何ですって!?」

 

「何をゴチャゴチャ話してる!!」

 

 

二人は、視線を前に向ける。そこには、キングジョー から声がした。すると、キングジョーは目から破壊光線を放つとそれを躱して後ろに下がる。

 

 

「とにかくあのキングジョーを倒しましょう!」

 

「そうだな!行くぞ、アンドロメロス!!」

 

「はい!!」

 

 

そう言うとゾフィーとメロスは構える。先に攻撃を仕掛けたのはメロスだった。メロスはダブルサーベルの柄をしっかり握って振るが、キングジョーはビクともしなかった。

 

 

「何で効かないんだ!?」

 

 

自分の武器が通じないことに疑問をゾフィーに投げかける。

 

 

「キングジョーのボディは、ペダニウム合金から出来ている。簡単には壊れないんだ!」

 

「そうか、そうだった……。なら!!」

 

 

そう言うとメロスは、ジャンプして宙を飛ぶと額からアンドロビームを放つがそれも弾き飛ばされてしまう。

 

 

「アンドロビームもダメか!」

 

 

ゾフィーの隣りに着地したメロスは、無傷のキングジョーを見てそう呟くと今度はキングジョーな分身して彼らの後ろへ回り込むと同時に殴り彼らを弾き飛ばす。

 

 

「ゾフィー、それにアンドロメロスよ、貴様らは我々の作ったこのスーパーロボットに勝てるわけが無い。」

 

 

そう言うとキングジョーは、ゾフィー達に近づくが起き上がったゾフィーの蹴りを受ける。しかし、痛がるのはゾフィーだった。

 

 

「あの合金を破る武器を作ったのは地球人だったな……。」

 

「本当ですか!?」

 

 

メロスは、驚異の真実に驚く。最初はゾフィーもそう思ったがゼットンの件もあり何となく理解出来た。

 

 

「地球人は、時に自らの限界以上の事をする。そんな生き物なんだ。」

 

「でも、何であのヘソの所だけ機械の部品が丸見えなんですか!?」

 

 

メロスは、相手のスーパーロボットを見て研究してる途中に疑問が浮かび、ゾフィーに質問してきた。それを見たゾフィーは、ある打開策を思い付くとメロスに話す。

 

 

「え、えぇ!?そんな事したらあなたの命が!?」

 

「大丈夫!俺は、簡単に死なない!!」

 

 

そう言うとゾフィー達は、早速その打開策を開始した。先にゾフィーがキングジョーとの間合いを詰める。

 

 

「何度やっても同じだ!!」

 

 

そう言ってゾフィーを掴まえようとするキングジョーを躱してゾフィーは、背後に回り腕を掴みキングジョーの動きを封じる。

 

 

「今だ!放て!!メロス!!!」

 

 

ゾフィーは、必死にそう言うとメロスは、ダブルサーベルの柄を伸ばしてダブルランサーへと変えるとキングジョーのヘソへ向けて思いっきり投げた。ゾフィーは、ダブルランサーがキングジョーを貫き自分に当たる寸前でテレポートを使い、メロスの横に移動してきた。

 

 

「ど、どうした!?キングジョー???」

 

「貴様の負けだ、宇宙人。」

 

「例えどんな理由があろうとしても……」

 

 

貫いたダブルランサーに対して驚く宇宙人に対してメロス、ゾフィーの順に言うとそれぞれ光線の準備に入る。

 

 

「「俺(僕)は、侵略者を許さない!!!」」

 

 

そう言ってゾフィーのM87光線とメロスのアンドロビームを同時に発射してヘソに命中すると、そこだけ空洞になるとゆっくり倒れて爆発した。

 

 

 

 

その後、壊れた街や家、自然を元通りにするとゾフィー達は、空を飛び姿を消した。

 

 

「やりました……よね?」

 

「うん。きっと勝ったよ!」

 

 

そう穂乃果は、笑顔で言って空を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブノア、助けてくれてありがとう。」

 

 

夕日の綺麗な海岸でゾフィーは、一輝の姿になると巨大化しているアンドロメロスにお礼を言った。

 

 

「いえ、ゾフィーさんと僕の仲じゃないですか!僕はゾフィーさんを尊敬してるんです!我々アンドロ族とウルトラ族は昔から似た者同士と呼ばれて来ました。しかし、力や敵をやっつける能力のないアンドロ族がここまで残ってるのもあの時、ワームホールで飛ばされてきたのがゾフィーさんだったからですよ!」

 

「そんな事もあったな。」

 

「はい!で、良かったら僕も地球に残ってお手伝いします!最初からそうするつもりでした。」

 

 

そう言うとメロスは、人間の姿に擬態すると一輝の前に立つ。

 

 

「それは、嬉しいがアンドロメダ銀河の方は!?」

 

「はい!ウルフやマルス、それにフロルもいますから!」

 

「わかった。これからよろしく頼む!」

 

 

そう言うと一輝は、右手を差し出した。

 

 

「はい!!」

 

 

そう言ってメロスは、手を出して一輝と固い握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.矢澤にこ)

間違ってた……。

大きな力に溺れてバカみたい……。
でも、そんなにこにも心から信じれる仲間が出来たみたい!!

次回、第13話「新・音ノ木坂学院アイドル研究部!!」

次回もにっこにっこにー!!



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第13話「新・音ノ木坂学院アイドル研究部!!」

《前回のあらすじ》
にこが変身したタイラントを倒したメロスを襲うキングジョー……。しかし、メロスのピンチに人々の想いが奇跡を呼びゾフィーは復活して見事キングジョーを倒した。
メロスは、銀河系の危機に力を貸すとゾフィーと約束した。


あれから5日……。

元通りに戻った街ではいつも通りに戻った。ある所を除いて……。

音ノ木坂学院では、今だに解決されてない部分があった。それは、「昔からあるアイドル研究部と穂乃果達のアイドル部をどうするか」だ。

前にもにこに相談したが門前払いを受けていた。

しかし、今ではアイドル研究部の最後のメンバーである矢澤にこは、学校に来ていない……。

 

 

「にこ先輩……どうしたんだろう?」

 

 

μ'sのリーダーである穂乃果は、窓から見える雨を見詰めながら小さく呟く。

 

 

「あれだけの事があったんですから……仕方ありませんよ。」

 

 

そんな穂乃果に対して海未は、そう言う。そんな中、一輝は、一人生徒会室へ呼び出されていた。

 

 

「失礼しまーす。」

 

「あ、きたきた。」

 

 

生徒会室には、副会長の東條希が居た。希は、手でこっちと合図を送ると一輝は、ゆっくり希に近づく。

 

 

「で、話ってなんだ!?」

 

「実はな……。」

 

 

そう言うと希は、一輝の耳元でコソコソっと話すとその内容に一輝は驚く。

 

 

「何でそれを!?」

 

 

その内容とは、にこの過去だった。

 

 

「ウチとエリチはな、ずっと見てたんよ……にこっちが1人でそれでも夢を捨てきれずに頑張ってきた2年間を……。そんなにこっちを見てるからエリチは、穂乃果ちゃん達に簡単にスクールアイドルになって欲しくないんよ。」

「じゃあ、何故そう言わない!?言えばすぐにでもアイツらは考えただろ?」

 

「それもそうなんやけど……エリチがね。」

 

「それで、俺にどうしろと?」

 

「その、にこっちを穂乃果ちゃん達のグループに入れることは出来んかな?この通り!」

 

「難しいな、それに彼女は今学校に来てないからな……。」

 

「そこを何とか!」

 

 

希は、必死に頭を下げる。ゾフィーは、そんな希を見て断れる気にもなれなくて了承した。すると、希は喜んでにこの住所を書いて一輝に渡した。

 

 

「やれやれ……。」

 

 

一輝は、そう呟きながらにこの家に向かおうとしていた。

 

 

「あ!ゾフィーさん!!」

 

 

一輝は、振り向くとそこには人間態になってるブノアが元気よく手を振ってこちらへやって来た。

 

 

「よ!ブノア。それと、この格好には御坂一輝と言う名前がある。」

 

「分かりました一輝さん。それより何してるんですか!?」

 

「あぁ、実は五日前のタイラントへ変身してしまった少女の心をケアにに行くところだ。」

 

「す、凄い!!宇宙警備隊はそこまでやるんですね!メモメモ……。」

 

 

そう言ってブノアは、メモするがそれを一輝は止める。

 

 

「べ、別にメモすることでは無い。それよりお前はどうしてるんだ!?」

 

「いや、この星の食べ物が美味しくて……食べ歩きってのをやってました!!」

 

「いつ帰れるか分からんのに余裕なやつだな……金欠にだけはなるなよ!後々面倒だから。」

 

 

ブノアは、一輝の質問に笑顔で答えるとそれを見た一輝は、半分呆れた表情でブノアに言い聞かせる。

 

「大丈夫ですよ!お金なら……。」

 

ブノアは、自慢げにポケットの中へ手を入れてお金を探すが……。

 

 

「あれ!?ない!」

 

 

そう言うと血相を変えて必死に身体中を探すがどこにも一円すらない……。

 

 

「もしかして……。」

 

 

一輝は、恐る恐る呟くと……。

判断したブノアは、一輝の方を見ると笑顔で「もう金欠でした。」と言う。それを聞いた一輝は、ずとっとコケるとらため息を吐きながら頭をかく。

 

 

「付いてこい、知り合いに頼んで居候させてもらえる様に交渉してみるから。」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!!」

 

 

そう言うと一輝は、メロスの泊まる家を探すことを開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんな馬鹿みたいな力に頼っちゃって……私馬鹿みたい……。」

 

 

誰もいない一室で一人寂しく呟いたにこは、カーテンを退かして外の景色を見る。厚い雲に覆われて青空すら見えなかった。

 

 

「世界を破壊するより自分を破壊したいわ……。」

 

 

そう言う彼女の脳裏には今、凄まじいほどの後悔が押し寄せていた……。

あれからにこは5日間も学校へ行ってない。それよりむしろ行けないの方が正しいだろう……。

 

 

「どうしたら良いのよ!?」

 

 

また深いため息と共ににこは、今も迷っている……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、泊めて欲しい!?」

 

 

一輝は、ブノアを連れて美琴の家にやって来た。玄関口で美琴と話す一輝だが……何故か顔の赤い美琴……。

 

 

「そ、その……泊めても良いけど……わ、私を襲ったりしないでしょうね?」

 

「いやいや、そんな事しないから……。それに泊まるのは俺じゃなくてこっち。」

 

「初めまして、アンドロ族のブノアです。」

 

「アンドロ……族!?」

 

 

ブノアの自己紹介に美琴は、パニックになっていた。一輝は、ため息を吐いたから説明する。

 

 

「へぇー、じゃああの緑色の戦士の正体が貴方って訳ね?」

 

「はい!」

 

 

ブノアは、興奮状態になりながらも元気よく答える。

 

 

「で、早速金欠になっちまったからしばらくこいつをここで泊めてもらえないか?」

 

「分かった……。」

 

 

ブノアを美琴に任せて一輝は、にこの家へと向かって飛び出ていった。

 

 

「……全く、少しは私の事振り向いてくれたって良いのに……。」

 

 

一輝の居なくなった後で美琴は、ため息混じりにそう愚痴る。

 

 

「あの人はそういう人なんですよ。仕事に私情を持ち込まない……だから短期間で宇宙警備隊の隊長にまで上り詰めたんですよ。」

 

 

一輝を知っているブノアは、そう語る。その言葉を聞きながら、美琴は数多くの怪獣や宇宙人と1人で戦ってるゾフィーの姿を思い描いていた。

 

 

「……馬鹿。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……ハァ……」

 

 

途中から全力疾走をして目的地についた一輝は、ゆっくりマンションを見上げる。

 

 

「着いたぜ!」

 

 

そう言うと一輝は、マンションに入りにこの住んでいる部屋までやってきた。ブザーを鳴らしにこが出るのを待つ。しかし、出てきたのはにこ……ではなく礼儀正しい小さいにこだった。

 

 

「矢澤家です。どうかしましたか?」

 

「あ、ここはにこさん居ますか?」

 

「はい!ちょっと待っててください!」

 

 

そう言うとミニにこは、その場から居なくなると嫌がる姉を連れてやってきた。

 

 

「何よ!こんな私を見て笑いにでも来たわけ!?」

 

「違う!」

 

 

にこは、睨むが一輝は真剣な表情で答えるとにこは、ため息を吐いてから靴を履く。

 

 

「こころ、お姉ちゃん少し出かけてくるから……。」

 

「分かりました!」

 

 

にこは、一輝とすれ違う時に「付いて来なさい」と言い先にマンションの部屋を出て違う場所へと向かった。

 

 

「で、何のようなのよ!?」

 

「にこ先輩、スクールアイドルをやりましょう!」

 

 

一輝は、何も被せないでそのままの想いを伝えるが、にこは決していい顔しなかった。

 

 

「無理よ、もう二年我慢したんだから……そろそろけじめを付けなきゃって昨日決断したばかりなのに……その決断を無駄にするような事しないでよ!!」

 

「その通りだぞ、ゾフィー。最近のウルトラ戦士は、人間の決断にも関与するようになったのか!?」

 

 

一輝は、振り向くとそこには、黒づくめの男が立っていた。それを見たにこは、怖くなりその場に座り込む。

 

 

「どうした!?にこ先輩。」

 

「あいつが……あいつが私にあれを……。」

「何!?」

 

 

にこ曰く、あの男がダークダミースパークとタイラントの人形を渡したのだいう。

 

 

「この間は、実に良い働きっぷりだったぞ。矢澤にこ。」

 

「貴様!一体何者だ!?」

 

 

一輝は、握りこぶしを作り立ち上がると男に向かってそう言うと彼は、大声で笑い出した。

 

 

「忘れたとは言わせんぞ!?貴様とも一度は話したことあるぞ?」

 

「何!?」

 

「せっかくだから教えてやろう。我が名は、ヤプール。早速だが、矢澤にこにはあれ以上の働きをしてもらう。その為にもゾフィー、お前を殺す!!

いでよ!ベロクロン! !」

 

 

すると、空が鏡のように割れて中から超獣ベロクロンが出現した。

 

 

「そ、空が!?」

 

「ヤプールめ……。」

 

 

一輝は、そう呟くと再びにこの方を向く。

 

 

「にこ先輩、人は誰だって闇の部分はある……でも、そこから逃げてはダメだ!例え、一回闇に堕ちても再び這い上がる人間の底力を俺は、信じる!」

 

 

そう言って一輝は、立ち上がりプラズマ鉱石が埋め込まれてるブレスレットを構えると光に包まれてゾフィーへと姿を変えた。

 

 

「ヘヤッ!」

 

 

ゾフィーは、構えるとベロクロンへ向かって走り出した。ベロクロンは、ミサイルを発射するとそれを側転やバク転で躱してベロクロンに近づくと腹部を蹴り連続チョップを放つが、効果はいまひとつだった。すると、ベロクロンはゾフィー掴み近距離で口からミサイルを放ち攻撃すると火花を散らしながら両膝を地面につけると今度はゾフィーの顎をめがけて思いっきり蹴りあげて後ろへを倒すとゾフィーを何度も踏みつける。

 

 

「さぁ、我々と一緒に来い!矢澤にこ!!」

 

 

ゾフィーがベロクロンに苦戦してる中、ヤプールはにこに近づき仲間へ誘い込もうとする。それに対してにこは、後ろに下がりながら逃げようとする。

その顔は恐怖そのものだった……。

 

 

「や、やめろ!!」

 

 

ゾフィーは、踏みつけられながらもにこの方へ手を伸ばすが、ギリギリの所で届かない……。

 

 

「さぁ……さぁ!!」

 

 

そう言ってヤプールは、ダークダミースパークを出してにこに渡そうとする。にこは、身体が勝手に動きそれを受け取ろうとするが、彼女は必死に抵抗した。

 

 

「何!?」

 

 

遂には、ダークダミースパークを投げ捨てて消滅させたにこを見て驚くヤプール。

 

 

「もう決めたの……私には、こころやここあそれに虎太郎が居る。それに、私は誰が何を言おうとアイドルを辞めたりはしない!!」

 

 

強い意志が闇を打ち払ったのだ。にこのその目には輝きが灯りヤプールを睨む。

 

 

「お、おのれ!!」

 

 

怒りに身を任せたヤプールは、攻撃をするがそれをブノアに弾き飛ばされる。

 

 

「そこまでだ!ヤプール!!」

 

「お前は、アンドロメロス!!」

 

「その通りだ!この星には隊長がもう1人いるってことを忘れるなよ!アンドロチェンジ!!」

 

 

そう言うとブノアは、左手にあるコスモブレスを前に構えると右手で擦りコスモテクターを装着してアンドロメロスへと変身した。それを確認したゾフィーは、ベロクロンの足を持ち上げてバランスを崩させて倒すと再び起き上がる。

 

 

地上ではアンドロメロスとヤプールの戦いが始まった。メロスは、ダブルサーベルを取り出して切りかかるもヤプールは、それを全て躱してメロスに鎌から光線を放ち攻撃する。

 

 

「クソ!喰らえ!!」

 

 

そう言ってメロスは、ダブルサーベルを

伸ばしたダブルランサーを投げるもヤプールは、消えて居なくなった。

 

 

「メロス、それにゾフィーよ我々はここで死ぬわけにはいかん。また会おう……」

 

 

そう言うと笑いながらヤプールの声は聞こえなくなった。すると、ベロクロンは起き上がり急に凶暴になった。それを見たゾフィーは、ベロクロンの突進を跳躍で躱す。着地と同時にカラータイマーが青から赤へ変わる。それを見たにこは、心配になる。

 

 

「心配かい!?」

 

「ちょっ!何で変身を解除してるのよ!?」

 

 

にこは、メロスが既にコスモテクターを外していることに驚くが既にメロスは、勝負ありと見切ったのだ。

 

 

「何でってもうゾフィーさんの勝ちだよ。」

 

「何でそんなのが分かるのよ!?」

 

「だって、あの人は宇宙警備隊の隊長で、数多くの宇宙人がいる銀河系の中で最強の技を持つ男……。簡単に負けないよ!」

 

 

そう言ってメロスは、ゾフィーの方を見る。ゾフィーは、残された時間が僅かなためM87光線の構えに入ると、途中で攻撃してきたベロクロンのミサイルを躱してM87光線を放つとベロクロンに命中して爆発する。

 

 

「す、凄い……。」

 

 

ゾフィーは、そのまま消えると一輝の格好になってにこの前に現れる。

 

 

「さぁ、アイドル研究部の部室に案内してください!にこ先輩。」

 

「えぇ、勿論よ!」

 

 

にこは、そう言うとブノアと一輝を連れて学校にあるアイドル研究部の部室へ向かった。にこがドアノブに手をかけると違和感を感じた。

 

 

(あれ!?空いてる??)

 

 

不思議な顔してドアを開けるとそこには穂乃果達6人が居た。

 

 

「あ、おかえりなさい!部長!!」

 

 

穂乃果は、そう言うとにこの背中を押して椅子に座らせる。

 

 

「ちょっと、これどういう事!?」

 

「部長、次の曲なんですけどね!やっぱりアイドル系って曲が良いと思うんですよ!」

 

「衣装とかも参考になる物ないかな?」

 

「部長!お茶入れましたにゃ!!」

 

にこの質問を無視して穂乃果とことりが相談を始める。凛はにこにお茶を入れる。そんな会話をしてる2人に珍しくテンション高めの花陽が棚からある物を取り出す。

 

 

「なら!この伝伝伝はどうでしょうか!?他のアイドルの歌や踊りから学べると思うの!」

 

「それはイイにゃ!みんなで見よ!」

 

「ちょっ勝手に触らないの!」

 

 

そう言ってにこは、花陽から伝伝伝を取り上げて棚にもどす。

 

 

「全く、どういう風の吹き回しよ?」

 

「酷いな〜人聞きの悪いこと言わないでくださいよ!私は相談してるんです。μ'sの7人で歌う次の曲を。」

 

「え!?」

 

 

にこは、驚いた顔で穂乃果の方を振り向くと既に穂乃果は、手を差し伸べていた。

 

 

「矢澤……いや、にこ先輩!スクールアイドル一緒にやってください!!」

 

「厳しいわよ!?」

 

「覚悟の上です!」

 

 

にこは椅子から立ち上がり穂乃果の手を握ってからカーテンを開ける。すると、さっきまで降ってた雨も止み眩しい太陽が窓を抜けてアイドル研究部の部室に入り込む。

 

 

「ここ、久しぶりに開けたわね……。」

 

「何か言った!?」

 

 

呟いたにこに対して近くに居た真姫が質問するが、にこは首を横に振って答えるとメンバーの方を振り向く。

 

 

「何してるの!?」

 

「え!?」

 

 

にこの発言に穂乃果をはじめみんなが戸惑うもにこの表情は、前より明るくなる。

 

 

「練習よ!練習!!分かったらさっさと屋上へ来なさい!!」

 

 

そう言ってにこは、颯爽と屋上へ向かって走り出した。それを見た1年生トリオが後を追いかける。

 

 

「上手くいったな?」

 

「うん!一輝君がにこ先輩の過去を教えてくれたおかげだよ!」

 

「それはにこ先輩には秘密な!」

 

「うん!みんな行こう!」

 

 

穂乃果は、笑顔で言うと勢いよくアイドル研究部の部室から飛び出ていった。

 

 

「ま、待ってよ!穂乃果ちゃーん」

 

「穂乃果、急に走ると怪我しますよ!」

 

 

ことり、海未はそう言うと穂乃果を追って屋上へ向かって走り出した。

 

 

「さてと、俺達も行くか!」

 

「はい!」

 

 

そう言って一輝は、ブノアを連れて練習会場になってる屋上へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かった……これでにこっちも入ってくれた……。後は……エリチだけやね……。ウチの意識があるうちに何とかμ'sに入れないと……。」

 

 

誰もいない女子トイレで自らの胸倉を掴み、苦しんでいる希はそう言った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.絢瀬絵里)
私は、にこの様に二度とこの学校でスクールアイドルをして悲しむ人を作りたくなかった。
なのに……、なのに何故それを壊そうとするの!?

高坂穂乃果!!

そう思う時、私の中にある闇が巨人の姿へと変貌を遂げた。


次回、第14話「誕生!超古代の闇の巨人」


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第14話「誕生!超古代の闇の巨人」

《前回のあらすじ》
精神もボロボロになったにこに対してヤプールの魔の手が襲う。しかし、そのヤプールの卑劣な罠より強かったにこは、ヤプールの誘いを断り見事、μ'sのメンバーそして、アイドル研究部部長として穂乃果達の仲間入りを果たした。


 

 

「はぁ……。」

 

 

誰もいない静かな生徒会室で1人書類を見ながらため息をこぼす女子生徒がいた。それは、音ノ木坂学院の生徒会長絢瀬絵里。

彼女を悩ます種は、穂乃果達がやろうとしてるスクールアイドルだ。過去に同級生のにこがやろうとして失敗したのを見ている……だから彼女はスクールアイドルに反対するもそれを押し退けて穂乃果達μ'sは、PV「これからのSomeday」をネットにアップした。

そこには、元気に踊るにこの姿も……。

 

 

「どうしたん!?」

 

 

そんな彼女に対して体調が優れないのか余計な汗をかいている希が質問してきた。

 

 

「希……どうしたの!?」

 

「やりたいなら素直に成れば良いのに……。」

 

「まさか、私がスクールアイドルをやりたいとでも思ってるよかしら?」

 

 

その話になると絵里は、キツイ目をして希を睨む。

 

 

「だって、エリチあれからずっと穂乃果ちゃん達のPV見てたやん?やりたいんだろ?だったら……」

 

「いい加減にしてッ!!」

 

 

希の言い分を遮って絵里がそう叫ぶ。さっきまでの顔から一転、絵里は悲しい顔になると希に近づく。

 

 

「きっと希も疲れたのね……だったら早く帰って寝た方が良いわ。」

 

「そんな……ウチはまだ……。」

 

「帰りなさい!」

 

 

そう言われると希は、渋々鞄を持ち生徒会室を後にした。それを見た絵里は、ポケットから取り出したスマホを見る。そこには、小さい頃バレエをやっていた自分の姿があった。

 

 

(あの子さえ居なければ……。)

 

 

そう思った時、絵里の胸が黒く光り出す……。

 

 

「な、何これ!?」

 

 

絵里は、その光景に驚くもそこから出てきた金色のスパークを握る。そこには、邪悪な力が秘められており、絵里はそれを確認するとスパークの中心が光る。

 

 

「これを使って彼女達を絶望させる!?」

 

 

彼女は、そのスパークから直接脳に刻まれた声を聞いてそう小さく呟く。

 

 

「……分かったわ。」

 

 

そう言うと絵里は、スパークを内ポケットにしまいそのまま生徒会室を後にした。

 

 

「あ、一輝さん!」

 

「おぉ!ブノア、それに美琴まで……。」

 

 

μ'sの練習も終わり帰りの支度を済ませた一輝は、バックを持ち昇降口から帰ろうとしていたが、そこにはブノアと御坂美琴が待っていた。

 

 

「ぶ、ブノアが迎えに行こうって言ったから仕方なく……。」

 

「え!?御坂さんが行きたいって言ったのでは!?」

 

「え!?ちょっとブノア!そういう事を言わないで!!」

 

「まぁ、近くのファミレスに行くか!?」

 

 

そう言って一輝は、美琴やブノアを連れて近くのファミレスへと向かった。

 

 

「美味しい……美味しいですよ!一輝さん!!」

 

「そ、そうか……」

 

「あの食欲の量のお金出す方の身にもなってくれた?」

 

「まぁーね……」

 

 

と呆れて物を言う美琴に一輝も便乗する。そんな2人に気を取らずにブノアは、テーブルに乗り切らないぐらい大量に頼んだ料理を食べる。

 

 

「あ、一輝君たちだ!おーい!!」

 

 

そこへ着替えて下校途中の穂乃果達μ'sのメンバーがやってくる。

 

 

「って、ブノアさんファミレスでこれは……食べ過ぎなのでは!?」

 

「これ誰が払うの!?」

 

 

テーブルの上にある大量の皿を見て海未とことりは、驚くがそこにある伝票を見た真姫は、余裕の表情だった。

 

 

「へぇー、13万ねー……」

 

 

真姫は、そう呟くと一輝は慌てて立ち上がり財布の中身を確認する……。

 

 

「1万円札が……1、2、3……。やばい、足りないかも……。」

 

「わ、私も限界よ!」

 

 

財布の中に5万しか入っていなかった一輝は、慌てて美琴の方を向くも美琴も自らの財布の中が危ないことを伝える。

 

 

「だったら私が代わりに払ってあげるわ!」

 

「良いのか!?真姫。」

 

「えぇ、但し……ブノアって人と話がしたいの。それぐらい良いかしら?」

 

「わ、分かった。」

 

 

一輝は、真姫が提示した要件をのむとテーブルから離れて真姫とブノアを二人っきりにさせた。

 

 

「ありがとう。おかげで腹いっぱいだよ!」

 

「それは構わないわ。でも……貴方にお願いがあるの!」

 

「ん!?」

 

 

すると、真姫は手を合わせて頼み込む。

 

 

「お願い!私の恋人役になって!」

 

「「「こ、恋人役!?」」」

 

 

それに驚いたのは、ブノアではなく他のμ'sメンバーだった。

 

 

「何であなた達が聞いてるの!」

 

 

真姫は、頬を真っ赤にして隠れて聞いていたメンバーを怒鳴るとため息を吐いてから渋々と説明をし始めた。

 

 

「なるほど。真姫ちゃんの様なお金持ちは、そうやってすぐ結婚しちゃうんだね!」

 

「穂乃果、趣旨が違います。でも真姫、どうしてそこまで急にするんですか!?」

 

「ほら、うちの家ってパパの下が私だけでしょ!?だから、子孫を残す為とかパパが張り切ってて……。」

 

 

どうやら真姫のお父さんが病院の継承者を作るために早めに結婚させたいらしい。

 

 

「なら、止めておいた方がいい。」

 

 

真姫と真逆の意見を発言したのは、誰でもない一輝だ。その意見に対してみんなが驚く。

 

 

「な、何でよ!?」

 

「例え、今回何とか出来ても次はどうするんだ!?」

 

「そ、それは……」

 

 

真姫はそう言いながら一輝から視線を逸らす。彼の目は、戦闘時のように真剣な顔だった。

 

 

「それに光の戦士との間で子供を作るって事は、普通の地球人で生まれてこない可能性が大きい。これは、前例がないから分からないが……恐らくビームや空を飛ぶ事もありえる。そうした場合、一番悲しむのはその子なんだぞ?でも……。」

 

 

真姫はそう聞くと一輝の方を見る。さっきまで怒っていた一輝の表情が和らいでいた。

 

 

「真姫には、いつも曲の作りとかで世話になってるから……今回だけだぞ?」

 

「ホント!?」

 

 

そう言うと真姫は、ブノアの腕を握り会計を済ませて颯爽と帰っていった。

 

 

「何かおかしな事にならないと良いんだが……。」

 

 

消えた真姫と一輝を見て一輝はそっと呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、真姫は物凄い脱力感的な顔をしながらμ'sの朝練に顔を出してきた。

 

 

「で、真姫ちゃん!どうだったの!?」

 

「どうもこうもないでしょー!!」

 

 

何も考えずに聞いてきた穂乃果を一喝すると、その場に座り込む。少し経ってブノアもやって来た。

 

 

「おッ!一輝さん!!」

 

「どうだったんだ!?」

 

「それが……。」

 

 

そう言ってブノアは、昨日あった事を語り始めた。

 

 

「真姫、合わせたい人ってこの人かい?」

 

「そ、そうよ!私の恋人のブノアさん。」

 

「それにしては、イケメンね!宮野〇守君にそっくりだわ!」

 

「確かにイケメンなのは分かるが、頭が良くなくては西木野家の大事な娘を託すことは出来ん!ブノアと言ったか、貴方は外国語とかは話せますかな!?」

 

 

真姫父は、真剣な顔でブノアに聞いてきた。

 

 

(外国語って、あの英語的な奴かな!?)

 

 

そう頭の中で整理させたブノアは、堂々と「はい!」と答える。その答えに対して真姫母は、ますます好青年と褒めたが真姫父は、更に「英語で自己紹介をしろ」と質問してきた。

 

 

「分かりました。

Hello! My name is Benoit. I'm a sweetheart of Maki Nishikino who is here. It's science, but my strong point subject can also play athletics. I also touch a fight, so I have the confidence that Maki can be protected anytime.」

 

 

それに対して父は、驚いた顔をしてブノアを見つめる。

 

 

「合格だ。スグに準備しよう!真姫、それにブノア君!今日から君たちは、同居生活だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、つまりお前が一日で覚えた外国語に感動した真姫の親父さんが即結婚を決めたと……。」

 

 

一輝は、少し呆れながら話をまとめる。落ち込む真姫に対してブノアは超元気だった。恐らく地球の食べ物を食べ放題とか思ってるのだろう……。

 

 

「あら、ここで何してるのかしら??」

 

 

振り向くとそこには、生徒会長の絢瀬絵里が居た。しかし、前より凶悪に見える。

 

 

「絵里、どうしたのよ!?いつもの絵里ではないわ!」

 

 

変わってしまった友の姿に驚く。絵里は、内ポケットからあのスパークを取り出して構える。

 

 

「それは!?」

 

「これは、大いなる闇の力が封印されているわ。でも、これを解放して私は、あなた達の活動を完全に止める!!」

 

 

絵里は、そう言うとスパークを前に突き出すと先端部分が展開して光に包まれると超古代の闇の戦士カミーラへ変身した。

 

 

「闇の力を持つウルトラマン!?」

 

 

現れたカミーラは、光の鞭カミーラウィップを使い穂乃果に目掛けて振る。それが直撃する前に一輝が穂乃果を庇うと彼の背中にカミーラウィップが命中する。

 

 

「うわぁっ!」

 

「か、一輝君!!」

 

 

そう言うと気絶した一輝を見て心配する穂乃果だが、カミーラの第二攻撃が迫る。それを見たブノアは、穂乃果達の前に出る。

 

 

「アンドロチェンジ!!」

 

 

そう叫びながらコスモテクターを装着してアンドロメロスとなったブノアは、カミーラウィップを受け止める。

 

 

「嘘!?」

 

「ブノア君がアンドロメロスだったの!?」

 

海未とことりがそれぞれ反応するもメロスは、カミーラに向かって走り出した。

 

 

「ブノアがあの闇の巨人と交戦してるうちに早く先輩を!」

 

 

そう言って行動したのは花陽だった。いつもならオドオドするはずの花陽だが、ここはしっかりしている。

 

 

「真姫、貴方医者の卵でしょ!?早く御坂を見てやって!」

 

「わ、分かってるわよ!」

 

 

そう言って真姫は、慌てて一輝の上着を脱がして背中を見る。

 

 

「これは……酷い……。」

 

 

真姫は、そう言うと更に慌てた。それは、彼の出血があまりにも酷いのだ。上着の下に着てたインナーは、既に血まみれで赤黒く染まっていた。その傷は今も出血してる状態で危険だった……。

 

 

「誰か!コンビニ行ける?」

 

「凛に任せるにゃ!」

 

「じゃあ大量の包帯と救急箱を買って来て!」

 

 

そう言うとスグに凛はコンビニへ向かった。東京で相次ぐ怪獣災害に対して政府はコンビニ等に包帯や救急箱といった治療道具が売られるようになった。

凛は、その足の速さを生かしてコンビニへ直行した。

真姫は、視線をメロスに向ける。

 

メロスは、カミーラウィップを大量に受けてダメージを負っていた。

 

 

「なら、アンドロビーム!」

 

 

そう言ってアンドロビームを放つもカミーラによって躱されてしまう……。

 

 

「嘘!?」

 

 

それに対して真姫は、驚く。カミーラは、何と数人に増えたのだ。それを見て混乱するメロスは、それぞれの方角にダブルサーベルを投げるもそれをすり抜けて帰ってくる。

 

 

「まさか、幻覚!?」

 

「そう、これが私の力よ!」

 

 

そう言うとカミーラは、カミーラウィップを振りメロスの身体を連続で打つ。

 

 

「これでトドメを刺してあげる。」

 

 

そう言うとカミーラは、カミーラウィップを剣状に変化させたアイソードに変えると空中浮遊をしてメロス近づくとアイソードを構えて突き刺そうとするがそれをメロスは、躱し続ける。

 

 

「このままじゃ……負ける!?」

 

 

メロスがそう呟いたその時!?




《次回予告》(CV.???)
カミーラウィップにより気絶した御坂一輝……。
しかし、カミーラの闇はアンドロメロスも吸い込もうとしていた。
そんな彼らの前に現れた銀髪の男子……。
彼は、味方なのか!?

それとも……

次回、第15話「メロス死す!極悪の闇のタッグ!!」



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第15話「メロス死す!極悪の闇のタッグ!!」

《前回のあらすじ》
闇に包まれた絢瀬絵里は、超古代の闇の巨人カミーラへと変身した。カミーラの狙いは確実に高坂穂乃果ただ一人だった。
そんなカミーラの前に立ち上がるアンドロメロスだが、カミーラの猛攻を受けて……。


追い打ちをかけようとするカミーラに超電磁砲が命中する。

 

 

「何!?」

 

 

そう言ってカミーラは、横を向くとそこには、美琴が堂々と立っていた。

 

 

「こっちよ!」

 

 

そう言ってカミーラを誘導しようとする。カミーラは、カミーラウィップを使い美琴を攻撃しようとすると美琴は、砂鉄で盾を作り防ぐとそれを剣のように鋭利に変えてカミーラへ向けて攻撃するとカミーラは、少し受けて身体に傷を作るがそこまでダメージは負ってなかった。

 

 

「そんな!?」

 

「これでお終い!?」

 

 

次の瞬間、カミーラは、カミーラウィップを使って美琴を縛り自分の手元に彼女を持ってくる。

 

 

「貴方達巨人の弱点は……こうやって人質が出来た時ってね!」

 

 

そう言ってカミーラは、アイソードを使ってメロスを突き刺した。

 

 

「……グッ!」

 

「メロスぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」

 

 

メロスは、苦しみながら膝を地面に付ける。それを見た真姫は、思わず叫ぶ。カミーラは、ゆっくりアイソードを抜くとメロスは、地面に倒れ込んだ。

 

 

「フンっ、大したことないわね。」

 

一方、穂乃果達の前に銀髪の男性が立っていた。

 

 

「貴方何者!?」

 

 

にこは、彼に対して警戒するが銀髪男子は真姫に包帯と傷薬を渡した。

 

 

「これは!?」

 

「メロスでは、準備運動にもならない……。コイツにも戦いに参加させたいからな。」

 

「貴方もあのカミーラとか言うウルトラマンの仲間なんですか!?」

 

「あぁ、そうだ。見せてくれ、宇宙最強の力を……と彼に伝えといてくれ。」

 

 

そう言うと銀髪男子は、内ポケットから黒いスパークを取り出して掲げるとそのスパークの先端が展開して光に包まれると銀髪男子は、黒い巨人へと変身した。

 

 

「遅いわよ!ダイゴ。」

 

 

カミーラは、そう言うと巨人の横へ歩み寄る。

 

 

「すまない、少し時間がかかって……で、メロスは!?」

 

「もう死んだわ!」

 

 

2人はそう言ってメロスの方を向く。メロスの身体は既に傷だらけで今にも死にそうだった。

 

 

「ま、まだだ!!」

 

 

そう言ってゆっくりメロスは、立ち上がる。その身体は既にふらついており、今にも倒れそうだった。

 

 

「そう来なくては変身した意味がない!」

 

「えぇ、そうね!」

 

 

そう言うとカミーラは、カミーラウィップを使いメロスを縛ると上空から闇の巨人ティガダークが飛び蹴りしてきた。ティガダークによって倒されたメロスだが、その後またゆっくりと立ち上がる。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ…」

 

 

息を切らしており、自身の限界を感じているメロスだが、ゾフィーである一輝が目覚めない中自分が戦うしか他に方法がないのと気づく。

 

 

「……ねぇ。」

 

 

そんなメロスとは別の場所で真姫が懸命に傷を塞ぐ為に頑張っていた。しかし、ある事が気になった穂乃果は、ゆっくり口を開いた。

 

 

「一輝君ってゾフィーなの!?」

 

 

その発言に真姫やにこそれに花陽はビクッと反応するが、海未とことりは驚いていた。

 

 

「穂乃果……何言ってるんですか!?」

 

「そうだよ、一輝君がゾフィーな訳……。」

 

「そうよ!」

 

 

否定する2人に対して真姫は、作業をしながらそう言ったと同時に作業が終わった。

 

 

「じゃあ、真姫ちゃんは知ってるの!?」

 

「私だけじゃない、あの中学生や凛、花陽、それににこちゃんや副会長だって知ってるわ。」

 

「何で……何でそこまでして戦うの!?」

 

「そうね……私も馬鹿みたいって思ったけど……それが一輝やブノアの宿命なら受け止めるしかないわ。」

 

 

真姫は、そう言うと同時にコンビニまで走っていた凛が帰還すると穂乃果は、走って避難場所からカミーラの前に立つ。

 

 

「「「「穂乃果ちゃん!?」」」」

 

「「穂乃果!!」」

 

 

その光景に誰もが驚く。

 

 

「どうしたのかしら!?」

 

「私は、貴方を許さない!何でこんな事するの!?」

 

「どうしてってそれは貴方が憎いからよ!」

 

 

そう言ってカミーラは、カミーラウィップを使い穂乃果を痛めつけようとするそれを見た穂乃果は目を瞑る……。

 

 

「ウワァッ!」

 

 

しかし、痛みを感じないと思った穂乃果は、目をゆっくり開くとそこには、ボロボロなはずのアンドロメロスの姿が……。

 

 

「アンドロメロス……。」

 

「邪魔しないで!!」

 

 

メロスは、受け止めてたカミーラウィップをしっかり掴んで額からアンドロビームを放ちカミーラにダメージを与える。それを見たティガダークは、両腕をL字に組んでゼペリオン光線を放つ。それをメロスは、自分が穂乃果達の盾になり受け止める。

 

 

「この……死に損ないが!!」

 

 

そう言ってティガダークは、ゼペリオン光線の威力を強めていく……。

 

 

「僕は死なない!例え、この肉体が言う事を聞かなくなって戦えなくなっても……光の戦士が必ず立ち上がって貴様らの野望を打ち砕くだろう!カミーラ、ティガダーク、これが……光の……」

 

 

そう言いながらメロスはダブルサーベルを取り出すとそれをしっかり握る。

 

 

「底力だぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

そう言ってメロスは、ゼペリオン光線を受けながらダブルサーベルを投げるそれは、見事にカミーラとティガダークに命中した。ティガダークのゼペリオン光線が止むと後ろへ倒れ込んだメロスは、穂乃果達を包むように手を置いた。

 

 

「ぶ、ブノア!?」

 

 

しかし、返事がない。真姫は、あれから必死に問いかけるもブノアはそれに対して返す事は無かった。

 

 

「やっと死んだわね。」

 

「あぁ、後は……。」

 

 

そう言ってカミーラとティガダークは、一輝が倒れているところを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん!?」

 

 

一輝は、目を開くと誰もいない事に驚くがゆっくり起き上がる。さっきまで自分を苦しめていた傷は既になくなっていた。

 

 

「宇宙最強のゾフィー、カミーラよ。これが最後の警告よ!μ'sのメンバーと御坂美琴は、我々が預かっている。もし、返して欲しければルルイエまで来い!」

 

 

その音声が街に響き渡る。それを聞いて外へ出るとそこには、ボロボロになって倒れているアンドロメロスの姿があった。それを心配して見てる人々がいる。

 

 

「ブノア!!」

 

 

そう言って人々を押し退けて近くに行く一輝は、ゆっくりメロスの身体に触れるとそれまでの光景が彼の頭に入ってくる。

 

 

「そうか……俺が気絶してる間にそんな事が……。」

 

 

そう言うと一輝は、ゆっくり握り拳を作った。

 

 

「今回ばかりは簡単に許せないぞ!カミーラ!ティガダーク!!」

 

 

そう言って群衆から離れると一輝は、ビルの影に隠れる。

 

 

「行くん?」

 

「お前は……副会長?」

 

 

変身しようとした一輝の前に希が姿を現す。

 

 

「今回は、エリチやで?にこっちや他の1年生とは別物なんやで?」

 

「それでも……」

 

「え!?」

 

 

希は、そう聞き直すと一輝は、真剣な目で希を見つめる。

 

 

「それでも助けたい奴を助けれなくて……この星でウルトラマン何て名乗れるかよ!俺は……遥か前に他の戦士と約束した……将来、この星に何かあったら……我々のうち誰かが守ろうと……俺は、その約束を果たす。そして、必ずみんなを助ける!!」

 

 

そう言うと一輝は、ブレスレットを構えるとプラズマ鉱石が光放ち一輝を包み込むとゾフィーへと姿を変えた。ゾフィーは、残酷な死体状態になったメロスの近くへ行く。

 

 

「メロス……君は、他のアンドロ超戦士の所へ行きゆっくり身体を休めるのだ。」

 

 

そう言うとウルトラフリーザーで身体を凍らせてウルトラトゥインクルを使いアンドロメロスをアンドロ超戦士のいるアンドロメダ銀河へ送り届けた。

 

 

(さて……行くか!!)

 

 

そう思ったゾフィーは、空を飛び全速力でルルイエへ向かっていった。

 

しかし、彼は知らなかった……。

 

ルルイエ自体に、特殊な能力がある事を……そして、その能力に自分が苦しめられることを……。




《次回予告》(CV.御坂一輝)
古代遺跡ルルイエ……。
そこに待っていたのは囚われの身となった穂乃果達とその島で闇の力を蓄えて更にパワーアップしたティガダークとカミーラだった……。

第16話「ゾフィー対ティガダーク&カミーラ(前編)」



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第16話「ゾフィー対ティガダーク&カミーラ(前編)」

ルルイエ……。

南太平洋にある謎が多い遺跡である。

ゾフィーは、ルルイエを発見してその地に降り立った。すると、早速ルルイエ上空が黒く厚い雲に覆われた。

 

 

「なるほど、もう逃がさないという事か……。」

 

 

そうして1歩、2歩歩き始めると地下から超古代怪獣ゴルザが出現した。ゾフィーは、構えるとゴルザは自らの尻尾を振って攻撃してきたが、それをしっかりゾフィーは受け止めるとそのまま振り回して地面に叩きつけた。

すると、ゴルザは静かに動かなくなった。

 

 

(どうしてだ!?この島の生物はみんなほぼ瀕死の状態だ……何故!?)

 

 

ゾフィーは、そう思いながら中に入るとそこでカラータイマーが青から赤へ点滅する。慌ててゾフィーは、一輝の姿に変えた。

 

 

「クソ……時間切れか。この姿だと探すのに一苦労するな。」

 

 

そう言って一輝は、奥へと向かって走り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってルルイエの奥にある町の更に奥にある城……。そこには、絵里とダイゴが余裕の表情で町を見物していた。

 

 

「ここも変わらないわね……。」

 

「あぁ。でも、絵里の気持ちは変わる。」

 

 

そう言ってダイゴは、絵里を見つめて腰に手を回すと次第に口を……。

 

 

「ちょっとアンタ達!!いつまでそう言うのを見せつける気なのよ!?」

 

 

そうしようとした2人を止めるのがいつも美琴である。

 

 

「何だ!?お前も出来なくて悲しいのか!?」

 

「だ、誰が……。」

 

「知ってるわよ!貴方、学園都市にいる上条当麻って人に好意があるらしいわね。」

 

「な、んなわけないでしょ!!」

 

(あいつは……もう……)

 

 

美琴は頬を赤くする。いつもこの繰り返しだ。しかし、2人はまた口を近づけて唇を重ねて次第には舌も絡める。

 

 

「は、破廉恥です!!」

 

「音ノ木坂の生徒会長がこれじゃ……廃校も仕方が無いわ。」

 

「黙りなさい……。」

 

 

にこに言われたことに対して絵里は、小さく呟く……。

 

 

「何!?聞こえないわよ!」

 

「にこちゃん落ち着くにゃ!」

 

「黙りなさい!!」

 

 

絵里は、怒鳴ると手から電撃を放ち彼女達を痛めつける。

 

 

「痛い……。」

 

 

穂乃果の意識が薄れかかろうとする時、絵里は穂乃果の頬を叩く。

 

 

「貴方は、そう簡単に死なせないわ!高坂穂乃果、そして、電撃の効かない御坂美琴。」

 

「上等じゃない!どんな事だって耐えてやるわ!」

 

 

そう言って反抗する美琴に対して穂乃果の精神はほぼ壊滅状態になり掛かろうとしてた。

 

 

「穂乃果、絶望してはダメよ!」

 

「美琴ちゃん……もう無理だよ。」

 

「穂乃果!!」

 

 

励ます美琴に対して穂乃果は次第に諦め始めた。

そんな穂乃果に声をかけたのは海未だった。

 

 

「何諦めてるんですか!?貴方が始めたいと言ったスクールアイドルでしょ?学校を救いたいんでしょ?だったら諦めてはダメです!立ち向かうのです!!」

 

「海未ちゃんの言う通りだよ!穂乃果ちゃんが諦めたらここですべて終わっちゃうんだよ!?」

 

「しっかり気を保ちなさい!穂乃果、正直貴方が居てくれて感謝してるんだから!」

 

 

穂乃果は、横を振り向くとそこには海未やことりそれににこも彼女を励ましてくれた。

 

 

「にこちゃん……海未ちゃん……ことりちゃん……みんな!」

 

 

そして、穂乃果の瞳は再び眩しいほどに輝く。

 

 

「そうだよね……うん!穂乃果は諦めないよ!!」

 

「何でよ……何で絶望しないのよ!何で?」

 

 

その光景を見て可笑しくなった絵里は、穂乃果達に質問する。

 

 

「アンタ達はどう思ってるか分からないけど……ここにいるメンバーはみんな一輝って言う希望に救われてきたのよ!その想いってのは簡単には途切れることは無いわ!」

 

「みんな信じてるんだよ!一輝君が必ず助けに来てくれるって……」

 

 

美琴と穂乃果は、順番に言うと二人息を合わせると大きく息を吸った。

 

 

「ゾフィーなら必ず来るし!助けてくれる!!」」

 

 

腹の底から叫んだ声は、洞窟で迷ってる一輝に届いた。彼は、そこから声の方声へ向かって走ると目の前には、町が広がっていた。

 

 

「穂乃果ー!!美琴ー!!」

 

 

一輝は、そう叫ぶと見ていたダイゴは、一輝を確認するとあるスイッチを押した。

それと同時に彼女達を十字架に強制的に張りつけて城の屋上に移動した。

 

 

「みんな!!」

 

「ゾフィー、ここからが本当の戦いだ!最後まで楽しんでくれよ!」

 

「ふざけるな!そのせいで何人の人が犠牲になってると思ってるんだ!?メロスだって……そこにいる穂乃果達だって何も悪くないだろ!」

 

「違うわ。これは、この音ノ木坂でスクールアイドルをやろうとした穂乃果達が悪いのよ!私は、みんなに楽しい学園生活を送って欲しかった……。」

 

 

絵里は、そう語るが一輝は違うと思った。それは、ただ単に自分の主張に過ぎないと……。

 

 

「それは違う……。それは、ただ単に自分の思いを他人に押し付けてるだけじゃないのか!?」

 

「黙れぇぇぇぇっ!!!」

 

 

絵里は、そう叫びながら金色のスパークレンスを掲げてると先端部分が展開しカミーラになると城の前に立ち塞がる。それを見たダイゴは、ため息を吐いてからブラックスパークレンスを取り出すとそれを掲げてティガダークへと変身する。

 

 

「光の宇宙人と闇の巨人の戦いね……。」

 

「違うよ!にこちゃん。」

 

 

にこの意見に穂乃果は、反対すると穂乃果は、瞳を閉じてじっくり考えてから再び目線をゾフィー達に向ける。

 

 

「あれは、人の心の戦いだよ!」

 

 

暫く牽制してた両者だが、一気に間合いを詰めてティガダークとゾフィーが組み合うとティガダークが腕をとるとそのままゾフィーを投げ倒す。すぐ起き上がるとゾフィーは、ティガダークを向いて構える。しかし、背後にそっと歩み寄ったカミーラは、カミーラウィップを振りゾフィーの背中を攻撃する。痛みとともに膝をつけいて座り込むゾフィーに対してカミーラは、もう一撃と思い腕を上げてそのままゾフィーに向けて振り下ろすがゾフィーは、横に転がり躱すと回転の反動で起き上がり再び構える。

ティガダークは、必殺技であるゼペリオン光線の構えに入るとカミーラもカミーラウィップを準備する。そして、ティガダークがゼペリオン光線を放つと同時にカミーラは、それをゾフィーに向けて振るもゾフィーは、空を飛びそれを躱すとティガダークに向かってZ光線を放つ。

 

 

「ダイゴ!」

 

「問題ない。」

 

 

心配するカミーラに対してティガダークは、即答して答えるがカミーラは、空中浮遊でゾフィーを追いかけるがそれを余裕で回避したゾフィーは、カミーラにZ光線を放ち地面に落とすと地面に着地する。

ここまでは、完全にゾフィーが有利だ。しかし……。

 

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン…」

 

 

胸のカラータイマーが青から赤へ変わった。そのあまりの速さにゾフィーは、驚く。

 

 

「何!?」

 

「引っかかったわね!」

 

 

そう言って笑いながらティガダークとカミーラは、立ち上がる。

 

 

「どういう事だ!?」

 

「ここ、ルルイエの上空には邪悪な雲が覆って光を一切受け付けないようにしている。つまり、太陽がエネルギーのないここでは、貴方は完全にフリって事よ!」

 

 

そう言ってカミーラは、カミーラウィップを使ってゾフィーの動きを止めるとティガダークは、ゆっくりゼペリオン光線の動作を開始した。

 

 

「死ね!ゾフィー!!」

 

 

そう言って両腕をL字に組んでティガダークは、ゼペリオン光線を放つ避けたくても避けきれなかったゾフィーは、それを受けてから地面に倒れ込む。それを見たカミーラは、笑い出した。

 

 

「ぞ、ゾフィー!!」

 

 

穂乃果は、今にも枯れそうな声で叫ぶが……。

彼の光は、次第に消えていこうとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時!!

 

 

彼の消えかかってしまう精神に変わって()()()が彼の身体の自由を支配しようとしていた……。

その証拠に、ゾフィーの瞳は紅に真っ赤になり始めていたのを他の人は知らない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.高坂穂乃果)
ルルイエを包む邪悪な空気により前まで押さえ込んでいたジュダのウイルスが発動して暴走するゾフィー……。
時間と共に少しずつ崩壊を開始するルルイエ……。
全てが終わる時、奇跡の歌が彼の心を取り戻す!!

次回、
第17話「ゾフィー対ティガダーク&カミーラ(後編)」
です!

見てねぇー!!


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第17話「ゾフィー対ティガダーク&カミーラ(後編)」

 

 

「グウっ……」

 

 

ゾフィーは、急に丸くなり苦しみ始めた。それを見たカミーラとティガダークは、じっとその姿を見つめる。

 

 

「どうやら宇宙にジュダとか言う人が作ったウイルスが広がってるみたいね……。太陽が輝く太陽系では感染能力は低いが……闇に包まれたここではそれも無意味……。遂に、闇のゾフィーが誕生する!!」

 

 

「グッ……ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

ゾフィーは、瞳を紅のように真っ赤にするとゆっくり立ち上がった。カラータイマーは完全に消えてほとんどゾンビのようにも思える状態だった。

 

 

「ようこそ、闇の戦士サイドへ。」

 

 

そう言ってティガダークは、ゾフィーを迎え入れる。しかし、ゾフィーは息を切らしながら周りを見回す。

 

 

「どうしたの!?」

 

「……。」

 

 

その時、ゾフィーに激しい激痛が襲う!!

 

 

「うわぁぉぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

そう叫びながらゾフィーは、全力のM87光線を自分の周りに放ち街を破壊し始めた。

 

 

「やめて!ゾフィー!!」

 

 

穂乃果は、そう叫ぶが今の彼には届かない。ゾフィーは、自らの周りに関係なく暴れ始める。

 

 

「どうすれば……どうすればいいの!?」

 

 

穂乃果は、目の前で崩壊していく街を見て一人悩む。しかし、いい答えが出ずにパニックになっていた。

 

 

「穂乃果、諦めちゃダメよ!」

 

「美琴ちゃん……。」

 

「その人の言う通りですよ!穂乃果!!」

 

「その人ってそう言えばまだ自己紹介してなかったわね。私の名前は、御坂美琴これから宜しくね!」

 

「はい!私は園田海未です。」

 

「私は南ことり宜しくね!」

 

「ちょっとアンタら呑気に自己紹介してる場合!?」

 

 

呑気な二年生組と美琴に対してにこが突っ込みを入れるがそれに続いて一年生組も自己紹介をする。

 

 

「そうね……例えば……歌は???」

 

「「「「「「「歌!?」」」」」」」

 

 

美琴の発言に穂乃果達は一緒に驚く。

 

 

「でも、歌って何歌えばいいのよ!?」

 

「なんかないの?」

 

「じゃあ、これからのSomedayは?」

 

「あれはダメでしょ?」

 

 

凛の意見ににこが反対するとみんな一斉に考え込む。

 

 

「じゃあ……私に考えがあるんだけど……。」

 

 

そう言って穂乃果は、美琴を見つめる。すると、美琴は彼女が何を思いついたのかを理解した。

 

 

「じゃあ、美琴ちゃん。行ける?」

 

「アレなら何時でも歌えるわよ!」

 

 

穂乃果と美琴は、互いに見つめ合いながらそう言うと互いの呼吸を合わせた。

 

 

「「だって〜可能性感じたんだ……そうだ〜ススメ〜!」」

 

 

2人の歌声がルルイエ中に響き渡るとゾフィーの動きはピクリと動かなくなった。

 

 

「な、何だ!この歌声は!?」

 

「この声は……高坂穂乃果と御坂美琴!?」

 

 

そう言って2人は彼女達が囚われている城を見る。

 

 

「「後悔したくない目の前に……」」

 

 

2人の歌はまだ続く。それに対して怒りを覚えたティガダークは、ゼペリオン光線を放ち彼女達を破壊しようとした。

 

 

「死ねぇぇぇぇ!!」

 

何かにぶつかり激しく爆発する。それを見たティガダークは、ニヤリと笑を浮かべる。

 

 

「「僕らの道がある〜!!」」

 

 

煙が晴れると同時に2人の歌声がまた響き渡る。目の前には、先程まで固まって動くはずのなかったゾフィーが左手一本で防いでいたのだ。

 

 

「な、何!?」

 

 

それを見たティガダークは、驚く。すると、地面に倒れている他の巨人が光り始めた。

 

 

「これは!?」

 

「この地に眠る光の戦士が……。」

 

「ここに居るのは闇だけではないってこと!?」

 

 

その光を見た一年生達が驚く。そして、その光がゾフィーのカラータイマーに目掛けて集合し始めた。

 

 

「どうなってるの!?」

 

「光の戦士の最後の力がゾフィーへ集まってるんです!」

 

 

にこの質問に海未は、そう答えるとみんなあまりの綺麗な光に見とれてしまった。そして、光が集合をし終えるとゾフィーのカラータイマーがゆっくり光り始めた。

 

 

「「蘇れ!ウルトラマンゾフィー!!」」

 

 

それを見た穂乃果と美琴は、同時に叫ぶ。邪悪な気が彼の身体から抜けるとそのまま消滅したと同時にゾフィーの瞳がいつも通りの輝きを放ち始めた。

 

 

「何で?何でよ!」

 

 

そう言ってカミーラは、カミーラウィップを使いゾフィーに攻撃するが、それをゾフィーは手で弾く。

 

 

「き、効かない!?」

 

「なら……これでどうだ!!」

 

 

そう言ってティガダークは、ゼペリオン光線を放つがそれも前にバリアを張ったゾフィーには効かなかった。カミーラは、後ろへ回り込んで蹴りを決めようとするもゾフィーは、跳躍で躱して後ろへ回り込みカミーラの首に手刀を決める。フラついたカミーラは、腕を振り回すがそれをゾフィーは、しゃがんで躱すとその体勢から連続でパンチを放つ。

よたつくカミーラに変わってティガダークが飛び蹴りをするがそれを上手く躱す。

 

 

「つ、強い……。」

 

 

二人相手でも圧倒的に有利に進めるゾフィーを見た穂乃果がそう呟く。しかし、その途中に激しい地震が起こる。

 

 

「な、何だ!?」

 

「ここに眠る全ての戦士のエネルギーを使ったせいでここを維持する力をなくしたんだ。」

 

 

突然の地震に驚くゾフィーに対してティガダークは、冷静に説明する。

 

 

「「キャーーーー!!」」

 

 

城からμ'sメンバーの悲鳴が聞こえるとゾフィーは、そこへ向けて光線を放つと穂乃果達周辺をバリアで守る。

 

 

「「「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン……」」」

 

 

3人のカラータイマーが一斉に鳴る。彼らの中にある闇のエネルギーもそろそろ限界が来たのだろう。

 

 

「次で最後ね……」

 

「これで決める!」

 

 

そう言ってティガダークは、ゼペリオン光線を放とうと構え始める。それと同時にカミーラは、アイソードを召喚してゾフィーに向かって走り出す。ゾフィーは、自身の技であるM87光線のエネルギーを凝縮してノコギリ状の光輪に変えた。

 

 

「これは初めてで加減ができないかもしれないが、許せ……。」

 

 

そう言ってゾフィーも走り出してアイソードとM87光輪が激突する。何度か接触してると先にアイソードが折れて無くなる。

 

 

「そんな……」

 

 

そう呟いたカミーラは、敗北を自覚した。そんなカミーラをM87光輪で切るとカミーラは、ゆっくり倒れて絵里の姿へと戻った。そんなカミーラを持ち上げてバリアの中へと移す。

 

 

「ゾフィー……死ねぇぇぇぇ!!」

 

 

そう言ってティガダークは、全力のゼペリオン光線を放ってきた。それをゾフィーはM87光線を放ち迎え撃つ。

二つの光線が激突する。その影響で既に街は、崩壊して瓦礫だけになっていた。そんな地面から海に沈むかのように海水が浮き上がってきた。

 

 

(仕方がない……。)

 

 

そう思ったゾフィーは、少しM87光線の威力をあげていく……。

 

 

 

その間で爆発が起こるとティガダークは、ゾフィーに向かって走ってきたそれを見てゾフィーも走ると両者共に飛び蹴りをして互いのいた場所に着地する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく両者動かなかったが、ゾフィーが先に膝をつく。ほぼ、余裕な表情で振り向くが……。

 

 

「グッ……。」

 

 

そう言って地に膝をつける。その代わりに立ち上がったゾフィーは、後ろを振り向く。

 

 

「僕の……負けか……」

 

 

そう呟くティガダークにゾフィーはうんと頷く。

 

 

「君達なら何度でもやり直せるはずだ。君たちの心に誰かを守りたいって想いがあるのなら……。」

 

「そんなのある訳……。」

 

「もしないなら…作ればいい。そうして、人は成長していく……。」

 

「そうか……僕はティガである前に1人の地球人なのか……。」

 

 

そう言って時間切れになったティガは、ダイゴに戻るとそのダイゴと穂乃果達が入っているバリアを持ってゾフィーは、ルルイエから脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京に戻ってきたゾフィーは、時間切れで強制的に一輝へと戻る。

 

 

「一輝!」

 

「一輝君!」

 

 

そう言って美琴と穂乃果は、やって来る。

 

 

「すまない、心配をかけてしまった。」

 

「本当よ!人がどれだけ心配したと思ってるのよ!」

 

「でも、無事で良かった……本当によかった……。」

 

 

涙目な二人を見て笑顔を見せた一輝は、戦いの疲れかその場に倒れてしまった……。

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.園田海未)
ルルイエから帰ってきた私たちですが……、
ここ数日の出来事の真犯人が遂に姿を現す……。
しかし、ここまで連戦の一輝が50度の高熱!?
真犯人の特殊な力で次々と人が人形に!?
私たちはどうなるのでしょうか!?

次回、第18話「全ての時間を止める悪魔……降臨!」


次回も見てください!


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第18話「全ての時間を止める悪魔……降臨!」

《前回のあらすじ》
ルルイエでの激しい激闘を終えたゾフィーは、みんなを連れて無事ルルイエから脱出した。
しかし、一輝の姿になった途端その場に倒れ込んでしまった……。




「か、一輝!?」

 

「一輝君!!」

 

 

そう言って美琴と穂乃果は、慌てて一輝よ近くに行って彼の身体を触れる。

 

 

「熱っ!」

 

 

そう言って穂乃果は、一輝に触れた手を慌てて戻す。その後、鉄パイプを2本用意してその間に丈夫な布を敷いて縛りその上に一輝を頑張って乗せてからエレクトロマスターの美琴が電気で鉄パイプを持ち上げると近くにある音ノ木坂学院の保健室へと連れてきた。

 

 

「ご、50度……。」

 

 

体温計を用意した絵里は、それを使って一輝の体温を知ると驚きを隠せなかった……。

普通の人なら簡単に即死するレベルかもしれない驚異の50度だったのだ。それを聞かされた穂乃果は、怖くなった。

 

 

「嫌だよ……ここで死んじゃうの?そんなの……そんなの穂乃果嫌だよ!!」

 

 

穂乃果は、そう言って熱いのを我慢して一輝の手を握る。すると、一輝はその手をしっかり握り直す。

 

 

「一輝!死んだら許さないから!!」

 

「馬鹿……野郎……俺は……俺は……ゾフィーだぞ!?……こんなの……はぁ……気合いで……治して……やる……。」

 

 

そう小声で言った一輝は、握ったはずの手の力がなくなり、穂乃果の両手の間からすり抜けてしまった。

 

 

 

「まさか、光を急に蓄え過ぎたとか!?」

 

「一応光の戦士なんだしそれはないでしょ?」

 

「じゃあ、ここのところ連戦で身体が!?」

 

 

一輝が倒れた原因について話し始める1年生組だが……その原因は地球人では分からなかった。

ゾフィーは、ルルイエで発動したジュダのウイルスを光で打ち消すのに相当なエネルギーがかかる。それで、身体を維持するエネルギーが既にないと言っても過言ではない。

 

 

「ごめん……ウチもう無理や。」

 

 

その保健室とは別の場所で東條希は、そう呟くと一人屋上へ向かった。

 

 

「ここで何してるの!?……希。」

 

 

屋上へ来た希に絵里は、質問する。

 

 

「エリチ……ごめんな、ウチもう人間じゃないんよ。」

 

 

希は、諦めモードでそう言うと変化してた手にはダークスパークがしっかり握られてた。

 

 

「希……それは!?」

 

「「我が名はルギエル!ダークルギエル!!」」

 

 

希と正体不明の低い声が重なるとダークスパークを掲げて希を包み込んだ闇は巨人へと姿を変えた。

 

 

「希を……音ノ木坂学院副会長の東條希を返しなさい!!」

 

 

絵里は、そう言うと金色のスパークレンスを掲げてカミーラへと姿を変える。

 

 

「「無駄だ!諦めろ!!」」

 

 

ルギエルと希の声が響くとカミーラに向けて紫色の光弾を放つ投じようと同時にそれを受けたカミーラは、地面に倒れ込む。

 

 

「カミーラ!」

 

 

そう言って屋上では、ダイゴがブラックスパークレンスを持つとそれを見たルギエルは、大量のチブロイドを召喚する。

 

 

「こいつらは!?」

 

「「貴様は、邪魔だ!コイツが死んでからゆっくり倒してやる!」」

 

 

そう言ってルギエルは、ゆっくりカミーラに近づくと彼女の首を掴み持ち上げると持ち上げてる手と反対の手で彼女の腹部を殴り始める。

 

 

「止めろ!……止めろ!!……ダークルギエル!!!」

 

 

召喚されたチブロイドを地面に倒しながらダイゴは、そう叫ぶがチブロイドは、命令のためダイゴを離さないように動きを封じようとする。しかし、ダイゴは、それを振り払うと奥の方から彼の横を抜けて超電磁砲がチブロイドを粉砕するとダイゴは、後ろを向く。

 

 

「全く……少しは、場所を考えなさいよ!!一輝が目覚めるじゃない!?」

 

「お前は……!?」

 

「私の名前は、御坂美琴。東京都西部にある学園都市にある常盤台中学二年よ!!」

 

「そうか、君は……常盤台の超電磁砲か!?」

 

「まぁ、一輝だってこの場面は絶対に手を貸すだろうし……守りたいんでしょ!?あの人を……。」

 

 

そう言って美琴は、今も尚ルギエルによってボロボロにされているカミーラを見つめるとそれに釣られてダイゴもカミーラを見る。すると、生き残ったチブロイドが今、ゆっくり立ち上がる。その数は15人。

 

 

「良いのか死ぬぞ!?」

 

「それはお互い様でしょ?それに私を誰だと思ってるの?私は……学園都市に7人しか居ない超能力者(レベル5)の第3位超電磁砲、御坂美琴よ!!」

 

 

そう言って美琴は、ダイゴに当たらないように体内にある電撃を外へ放出して前に出てた6体のチブロイドを回路をショートさせる。

 

 

「そうか……なら、死ぬなよ!」

 

「お互い、大切な人を守りましょ!」

 

 

美琴は、そう言うとダイゴは、その場から前へ向けて走りチブロイドを抜けていく。それに対して振り向いて追いかけようとするチブロイドの前に向けて電撃が飛ぶ。

 

 

「アンタ達の相手は……この私だって言ってんてしょっ!!」

 

 

屋上から降りて走り続けたダイゴは、ルギエルとカミーラの戦闘してる所までやってきた。

 

 

「そこまでだ!ルギエル!!」

 

「ダ…ダイゴ。」

 

 

地面に倒れているカミーラが今にも消えそうなぐらい小さな声で言った。

 

 

「お前だけは……お前だけは!許さない!!」

 

 

そう言ってダイゴは、ブラックスパークレンスをしっかり握る。

 

 

「「やれるものなら……やってみろ!!」」

 

「行くぞ!」

 

 

そう言ってダイゴは、ブラックスパークレンスを見つめるとそれを掲げる。

 

 

「ティガぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

ダイゴは、そう叫ぶとブラックスパークレンスが展開してティガダークへと姿を変えてダークルギエルの前に立ち上がる。

 

 

「チャッ!」

 

 

そう言って構えるティガダークは、ルギエルとの間合いを詰めてから殴るが、それを止められ腹部を殴られてからルギエルは、ティガダークを頬を殴り地面に倒す。

 

 

「ハァッ!」

 

 

瓦礫から起き上がったティガダークは、パンチやキックの連続攻撃を放つが全て躱されてしまう……。

 

 

「「無駄だ!これ以上の戦いは己を犠牲にするぞ!?」」

 

「それでも……大切な人を守りたい!!」

 

 

そう言ってティガダークは、ルギエルに向かってゼペリオン光線を放つがルギエルは、右手を伸ばして無効にする。

 

 

「何!?」

 

「あの力……アイツ!?」

 

 

地上にいる御坂美琴は、その力に心当たりがあった。そう、少し前美琴が思ってた人も右手なら超電磁砲も電撃も神の奇跡も消せる力を持ったさ少年が居た。

 

 

「まさか、あの闇の正体って……アイツなの!?」

 

 

気が動転する美琴を見たダークルギエルは、ダークスパークを取り出す。

 

 

「不味い!!」

 

 

そう言ったカミーラは、美琴の前に立つ。

 

 

「「お前を人形に変えてやろう。」」

 

「早く逃げて!!」

 

 

カミーラは、地面を強く踏み美琴を吹き飛ばすと同時にダークスパークの力が発動して先端から闇の波動が発射された。それを受けたカミーラは、スパークドールズへと姿を変えてしまった……。

 

 

「か、カミーラぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 

それを見たティガダークは、彼女の名を叫ぶ。しかし、全ての時間を止める力を持つダークスパークの闇の波動をもろに受けた彼女から返事は聞こえなかった。

 

 

「嘘……街の人たちまで!?」

 

 

上空で見ていた美琴は、次々とスパークドールズへ変わっていく人々の姿を見た。

闇の波動がなくなり、既に秋葉原のほとんどの人がスパークドールズへとなっていた。

それを見たティガダークは、静かに握り拳を作っていた。

 

 

「よくも……よくも!カミーラをぉぉぉぉっ!!」

 

 

そう言って殴りかかるティガダークを躱したルギエルは彼の腹に膝を入れる。そこを押さえて蹲るティガダークを蹴りあげてビルへ飛び込ませる。

 

 

「「止めてやる……全ての時間を!!」」

 

 

そう言ってルギエルは、胸から次々と赤い光弾を放ちティガダークにダメージを与えていく……。

 

 

「「これで後は……ゾフィーだけだ…な……。」」

 

 

ダークルギエルは、目の前の光景を見ると固まってしまった……。

そう、ティガダークは姿を変えていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ黒なボディから……黒と赤のボディへ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティガダーク……いや、光の巨人ウルトラマンティガが目覚めようとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.ダイゴ)
次々と変わっていくティガの身体……。
そして、遂に!?

さぁ、本当の戦いはここからだ!!

次回、第19話「誕生!光の巨人ウルトラマンティガ」




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第19話「誕生!ウルトラマンティガ!!」




















最近、学校が忙しいので投稿遅れます。







 

 

「何だ!?その姿は……。」

 

「これか!?これは……お前と真逆の力だ!!」

 

 

そう言ってティガは、ティガダークからティガトルネードへと姿を変えた。

 

 

「馬鹿な!!闇の力を光に変えただと!?そんな不可能があるわけない!!」

 

 

そう言って次々と光弾をティガに向けて放つが、そんなのを無視してティガは、ルギエルに近づくとバークスパークをルギエルの手から取り離すと反対側の方向へ投げてからルギエルを持ち上げる。

 

 

「な、何!?」

 

 

持ち上げたティガに対して驚くルギエルだが、ティガはそれを地面に叩きつけてからルギエルの上に乗っかり連続パンチを浴びせる。

しかし、ルギエルはティガを押し退けて再び立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……アンタ達、いい加減にしなさいよね!」

 

 

場所は、少し離れてビルの屋上では、美琴とチブロイドが戦闘を繰り広げていた。美琴の電撃でショートするも何故かまた復活してしまい苦戦していたのだ。

 

 

「何で蘇るのよ!!」

 

 

そう言って美琴は、再び電撃を放つが今度はショートする暇もなくチブロイドは美琴経向かって走り出した。

 

 

「嘘!?」

 

 

そう言ってチブロイドの攻撃を躱す美琴だったが……。

 

 

「バンッ!!」

 

 

銃声と共に美琴の右腕から血が流れる。

 

 

「クッ……。」

 

 

それを思いっきり押さえる美琴だが、血は止まることは無かった。動きが鈍くなった美琴に目掛けてチブロイドの群れが襲い掛かる。

 

 

「全く……これだから困るんだよな……。」

 

 

そう言って美琴の隣りを謎の光線が通り過ぎる。美琴は、後ろを振り向くと熱に侵されてたはずの一輝だった。

 

 

「何で……何でアンタがここに居るの!?」

 

「何でって……それはあれだ。お前を守りたいからに決まってるだろ?」

 

「死んだらどうする気なのよ!?」

 

「良いか!?俺は……俺は死なない。ウルトラの戦士……いや、一人の人間としてお前と約束する。」

 

 

その頬は赤かった。まだ、四十度近くの熱があるのに……無理してるのは美琴でも分かった。だが、一輝の瞳は本気だった。

近づいてきたチブロイドに向かってZ光線を放ち完全に動けなくさせた。

 

 

「今だ!」

 

 

一輝はそう言って美琴の方を向く。すると、美琴は、ポケットからコインを取り出しコイントスをし始める。

 

 

「言われなくても……分かってるわよ!」

 

 

そう叫ぶと親指でコインに凄まじい電撃を加えて超電磁砲を放つすると、チブロイド達は跡形もなく全員消えた。すると、さっきまで元気だった一輝がふらっとふらついてその場に倒れ込む。

 

 

「クッ……もう大丈夫だとおもったのに……」

 

「もしかして、また熱が上がったんじゃないの!?」

 

 

そう言って美琴は、一輝の額を触る。やはり、彼の熱は確実に上がっていた。

 

 

「もう戦っちゃダメよ!」

 

「な、何でだよ!?俺は……まだ!!」

 

「もう止めてよ!」

 

 

それでも戦おうとする一輝に向けて美琴は、電撃を放つ。いつもなら避ける一輝も今回はそれを受けてしまう……。

 

 

「ほらね!今の一輝には、アイツを倒すことすら出来ないわ!だから、大人しくしてて!!」

 

「そうはいかない!」

 

「何で……何で他の惑星のためにそこまで頑張るのよ!?」

 

「それは……俺がウルトラマンだからだ!」

 

 

一輝は、真剣な眼差しで答える。すると、戦闘中のティガがルギエルに吹き飛ばされて倒れ込むと、それを見た一輝はブレスレットを構えるがそれに対してティガは、待てと言うポーズをする。

 

 

「何故止める!?」

 

(僕は償いがしたい。君とその仲間である穂乃果達音ノ木坂の……僕達の後輩に……)

 

「……分かった。でも、次は止めるなよ!」

 

 

それを聞いたティガは、うんと頷く。それを見た一輝は、構えたブレスレットを下ろす。お互いに次の意味が分かってたのだ。ティガは、再び立ち上がるとそこへ目掛けてルギエルが再び光弾を連続射撃した。しかし、ティガはそれを真っ正面から受け止めると彼の身体が発光し始めた。その色はルギエルが嫌う金色の光だ。

発行を終えたティガの身体には青紫色が入ったマルチタイプとほぼ同じ身体のティガブラストへ変身を遂げたのだ。

 

 

「なんて奴だ……闇を光に変えたウルトラマン。」

 

 

彼の行動に一輝も驚く。すると、ティガはルギエルの光弾を弾くとランバルト光弾を放ちルギエルにダメージを与える。そして、凄まじい速さで移動してはチョップやキックなどのコンビネーションアタックをする。しかし、ルギエルは一輝の方へ光弾を放つ。それを見たティガは、ビルの前まで移動して盾になる。

 

 

「ティガ!」

 

 

一輝は、そう言うとティガは、安心しろと言うかのように首を縦にゆっくり振る。そして、ルギエルの方へ向くと両腕を額でクロスさせると額にあるクリスタルが白く輝くとゆっくり手を握りしめてからそれぞれの方向へ下げると胸の黒いラインが金色になると黒銀だった所が銀色へ変わっていた。

 

 

「な、何者だ!?貴様……ティガダークでは無いな!」

 

「あぁ、僕は……ウルトラマン…ティガだ!!」

 

 

ティガは、そう言ってからゼペリオン光線を放つとティガダークの頃より威力が倍になっていた。

 

 

「な、何だ!?この力は???」

 

「これは……人の光だ!!」

 

 

そう言ってティガは、ゼペリオン光線の威力を高めていく……。

 

 

「ぐっ……ぐわぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

そう言ってルギエルは爆発した。

 

 

「やった!!」

 

 

そう言って穂乃果は喜ぶ。しかし、美琴は気づいていた。人形にされたカミーラが蘇らないことを……。

そして、ティガの後ろに黒い影があるのが見えた。

 

 

「ティガ!後ろよ!!」

 

 

美琴の声につられてティガは、後ろへ向くがそこには、ダークスパークを手に取ったルギエルの姿があった。

 

 

「流石と言いたいが……私にはこの右手がある。異能の力ならなんでも打ち消すこの右手がな!!」

 

 

そう言ってルギエルは、ダークスパークから人形へ変える力のある闇の波動を放つ。

それを見たティガは、後ろに居る美琴達を守るためにバリアを展開して防ぐ。

 

 

「はぁはぁはぁっ。後ろの人間ごと人形になれ!!」

 

「させない!この人たちはこの星の希望だ!!例え、僕が倒れても……この星は何度でも立ち上がる!!ウルトラマンと共に!!」

 

「黙れ!!人形になれ!!!」

 

 

その声には既に希の声はなかった。次第に押されるティガ……カラータイマーが青から赤へ変わる。

 

 

「一輝……僕やみんなが倒れても……この星を支える希望に……なってくれないか?」

 

「当たり前だ!それが……この力を受け取った我らの使命だからな。」

 

「それを聞いて安心した。これを受け取ってくれ。」

 

 

そう言ってティガは、右手から一輝のブレスレット目掛けて光の粒子を放つ。そして、壊されたバリア……。

ティガから光を受け取った一輝はそれと同時に見上げると、先程まで立っていたはずのティガは、消えていて人形へとなっていた。

 

 

「ティガ……、カミーラ……。」

 

 

そう言って一輝は、人形を持つ。

 

 

《お願い……希を…にこを…後輩達を……守って!!》

 

 

そう一輝の頭に入ったのは絵里の声だった。

 

 

《僕達の力不足のせいで関係ない人まで巻き込んでしまった……だから守ってください!ワガママなのは分かってます。でも……希望を教えてくれた人達を守りたいんです!!》

 

 

次に聞こえたのはダイゴの声だった。それを聞いた一輝は、それぞれの人形を見つめる。

 

 

「俺こそ……力になれなくて……こんな姿にしてしまい……すまない。必ず……必ず元通りにするから!!」

 

 

そう言った一輝は、美琴の方へ歩み寄ると彼女の手にカミーラとティガの人形を持たせる。

 

 

「行ってくる。」

 

「……。」

 

 

美琴は、涙目になりながら何も答えない。

 

 

「絶対に勝ってほしいにゃ!」

 

「負けたら承知しないわよ!」

 

「必ず帰ってきてください。ウルトラマンではなく私達の知ってる御坂一輝として。」

 

 

凛、真姫そして海未がこれから戦闘へ向かう一輝に声をかける。

 

 

「あぁ、分かってる。」

 

 

そう言って一輝は、鋭い視線でルギエルを睨む。

 

 

「ゾフィー、次の犠牲者は貴様だ!」

 

 

そんな一輝の背中を見てた美琴は、その背中に手を伸ばそうとするが止めて引っ込んでしまう。

 

 

「声、かけなくていいの?」

 

 

そこへ穂乃果が歩み寄り質問する。

 

 

「私……昔は自分からそう言うのに行くから……送り出す方の気持がわからなくて……どう声かけて良いのか分からないの。」

 

「そんなの簡単だよ!その人に送るのに相応しい言葉を選べばいいんだよ!例えば……一輝君!絶対!絶対!勝ってきてね!!約束だよ!!」

 

 

そう言われた一輝は、手を上げて答える。それを見た美琴は、一瞬握り拳を作るがすぐ解く。

 

 

「一輝!」

 

 

足を止め振り向いた一輝に涙目ながらも美琴は、なるべく笑顔を作りながら……。

 

 

「頑張れ!」

 

 

そう言うと笑みをこぼした一輝を見て美琴は、一安心する。

 

 

「分かってる!みんな、危ないから学校で待っててくれ。」

 

 

そう言って一輝は、プラズマ鉱石の光に包まれてゾフィーになる。穂乃果達は音ノ木坂学院へと避難を開始する。

 

 

 

 




《次回予告》(CV.高坂穂乃果)
地球……いや、宇宙の未来をかけて一輝君は戦う……。
一輝君、絶対に負けちゃ……って、何!?あの反則的な右手は!!
でも、何で美琴ちゃんあの手を見ると落ち込むんだろう!?

次回、第20話「幻想殺し対M87光線」

見てね!


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第20話「幻想殺し対M87光線」

 

 

「分かってる!みんな、危ないから学校で待っててくれ。」

 

 

彼の言葉が美琴の脳裏にやって来る。しかし、美琴は知っていた……あの身体では3分は愚か、1分も持たない事を……あの右手には勝てないことを……。

 

 

避難した音ノ木坂学院の屋上から美琴は、辛い目で戦場を見つめる。

 

 

 

 

戦場では、ルギエルとゾフィーが戦闘を始めていた。ゾフィーは、チョップやキックなどをコンビネーション攻撃をしているが、いまいち攻めきれてない状態が続いていた。

 

 

「どうした?その程度か!?」

 

「なら!!」

 

 

ゾフィーは、そう言って距離を置くとZ光線を放つ。

しかし!?

 

 

「ピキンッ!」

 

 

ルギエルは、右手を伸ばしてZ光線を消した。それを見たゾフィーは、驚く。

 

 

「どうした!?その程度か??」

 

「何故、Z光線が効かない!?」

 

 

気が動転してるゾフィーに近づき蹴り飛ばして地面に倒すと彼の腹部に目掛けて思いっきり踏みつける。

 

 

「グワァッ!……へアッ!……ドアッ!……。」

 

 

と踏みつけられる度にゾフィーは、そういった声を漏らす。

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン……」

 

胸のカラータイマーが青から赤へ変わる。それもまだ1分も経ってない驚異的な速さで……。

 

 

(このままでは……不味い!!)

 

 

ゾフィーはそう思うと踏みつけてきた足を掴んで持ち上げてルギエルを倒すと再び立ち上がる。

 

 

「ダメ……勝てるわけないじゃない……あんなのに……。」

 

 

美琴は、そう言って諦めモードに入る。ルギエルの異次元的な強さとあの右手がゾフィーの勝算を低くする……。

ゾフィーは、次々とルギエルの周りに移動してZ光線を放つとルギエルは、全て右手で受け止める。

 

 

「何で効かないの!?真姫ちゃん何とかして!!」

 

「な、何で私なのよ!?意味わかんない!」

 

 

穂乃果が真姫にふるも真姫は、驚きながらそう答えると隣りにいる花陽が混乱し始める。

 

 

「全く少しは、落ち着きなさい。」

 

「にこちゃん。」

 

 

混乱してる他のメンバーをにこが止めると美琴の方へ指を指す。

 

 

「その打開策を知ってるのはこの子よ!」

 

「この子じゃない、私の名前は……」

 

「御坂美琴。」

 

「知ってるわよ、常盤台中学二年生。常盤台の超電磁砲と呼ばれてるってね。じゃあ、教えてもらうわよあの右手の正体……。」

 

 

にこは美琴に問いかけると美琴は、ゆっくりその口を開いた。

 

 

「本来、私はここにいない。西部にある学園都市にいるはずだった……。」

 

 

 

 

 

 

時は、穂乃果達がスクールアイドルを結成する少し前のある日……。

学園都市内にあるビルの狭間で御坂美琴は、不良に囲まれていた。

 

 

「ねぇねぇ、彼女〜。俺たちと遊ぼうぜ?」

 

「常盤台の人なんて俺たちからしたら極上のご馳走だぜ〜」

 

「はぁ……、命が欲しかったらさっさと帰りなさい。」

 

 

美琴は、そう言うとまた不良はキレ始める。

 

 

「あん!?テメェ、調子に乗ってんじゃねぇーぞ!」

 

「この私とやるって言うの!?」

 

 

美琴そう言って電気をビリビリさせて威嚇する。

そんな時だった。一斉に襲いかかった不良に対して美琴は、電気を放電して不良達を即ノックダウンさせる。しかし、その後で別の男が右手を伸ばして防いだ人がいた。それを見た美琴は驚いた表情でその人を見る。

 

 

「な、何でアンタは、私の電撃が効かないのよ!?」

 

「それより、いきなり電撃とか酷いんじゃないですか!?常盤台のビリビリ中学生。」

 

「だ、誰がビリビリよ!アンタ相当な能力者らいしいわね。私と勝負しなさい!」

 

「はぁ!?」

 

 

美琴は、その男に勝負を持ち込むがその男は無視して帰ろうとする。

しかし!?

美琴は、電撃を放つと男はそれを右手で止める。

 

 

「一度ならず二度まで!?」

 

「なぁ、そんなに勝負したいのかよ!?」

 

 

さっきとは違い真剣な表情で美琴を見つめながらいう。

 

 

「あ、当たり前でしょ!?自分の攻撃が効かないのな納得いかないわ!」

 

「なら、教えてやる俺の右手の力は異能の力なら電撃も炎も神の奇跡とやらも打ち消せる幻想殺し(イマジンブレイカー)。」

 

「はぁ!?何それ?そんなのある訳ないでしょ?」

 

「なら、試してみるか?」

 

「上等よ!」

 

 

その後、2人は誰もいない河川敷へやって来ていた。そこで美琴は、再び当たりを見回すとポケットからコインを取り出すとコイントスを始める。コインが浮いてる間、美琴は射角を調整すると電撃を右親指に込める落ちてきたコインを親指で弾くと凄まじいスピードで男の方へ超電磁砲を向かう。

 

 

「決まった!」

 

「まだだ!」

 

 

超電磁砲が決まったと思い込んだ美琴は、喜ぶも男はそう叫ぶと右手を伸ばして超電磁砲も打ち消す。

 

 

「超電磁砲まで!?」

 

「どうだ!?少しは信じる気になったか?」

 

「何で!?バンクには幻想殺しなんてないのに……。」

 

「あぁ、言い忘れたけど俺は無能力者だから。」

 

 

その言葉に美琴は、自分より強い能力を持ってて無能力者と聞いて驚く。

 

 

「アンタ、名前は!?」

 

「俺の名前は上条当麻(かみじょうとうま)。お前は?」

 

「御坂美琴……。」

 

 

それが幻想殺しを持っている上条当麻との最初で最後の出会いだった……。

 

 

「それでは、納得出来ません。確かに上条さんがあの力の持ち主なのであれば、希先輩以外にも融合者がいるって言うんですか!?」

 

 

その話を聞いた海未は、美琴に問いかける。美琴は、答えられないのではなく知らないのだ。

お互いに自己紹介をした後を……。

美琴が思いだそうとすると頭が破裂しそうに痛くなるのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぉ……幻想殺し……。その力を我々に貸してくれないか!?」

 

 

お互いに自己紹介を終えた2人の前に現れたのは、白衣を着た青年だった。その人に当麻や美琴は、警戒する。すると、その人は分身をし始めて彼女達を囲んだ。

 

 

「こんなの……電撃で!!」

 

「止めろ!御坂!!」

 

「え!?」

 

 

次の瞬間、美琴の心臓を1発の銃弾が撃ち抜く。それを見た当麻は慌てて美琴の近くへ行く。そして、撃った人の方を見るとその人の手は、人間ではない地中外生命体の手(鋏)へと変化していた。

 

 

「何が目的だ!?」

 

「君に我々の科学の礎になってもらいたい。」

 

「そのためにこいつを殺したのか!?」

 

「あぁそうだ。だが、君が協力すると言えば我々バルタンの科学力でその娘を治してやろう。」

 

「なら……この娘を元通りにして学園都市から追い出してくれ。それを見たらお前達の研究のモルモットにでもなってやる!!」

 

 

そう決意する当麻の袖を微かな意識の美琴がしっかり握る。

 

 

「ダメ……よ。宇宙人の……実験体なんて……。」

 

「御坂、お前はすぐ良くなるもしまた電撃が使えるようになったらコイツらの計画を止めてくれ!それまで、俺が耐える!!」

 

 

そう言って当麻は、宇宙人の方へ向く。

 

 

「さぁ、この娘を治してくれ!」

 

「良いだろう。」

 

 

そして宇宙人は、美琴を戻通りにして学園都市から追い出した……。

その数日後、学園都市は外部との連絡手段をなくしてあの宇宙人バルタン星人に侵略されたのだった……。

 

 

 

 

 

 

「私だってこの先は何もわからないのよ!ただ、学園都市がメチャクチャになってるのをこっちに来てから数日後に知ったんだから……。それに、さっき言った事だって真実って言える自信が無いのよ……。」

 

「つまり、あの右手にはその幻想殺しを使う上条当麻って人が眠ってるかその能力が移植されたってことだね!」

 

「そうなるかも……。」

 

 

 

次の瞬間、校舎が激しく揺れる。横にはゾフィーが、倒れ込んでいた。そして、校舎の目の前にはルギエルがゆっくりと近づいていた。

 

 

「ゾフィー!!」

 

 

美琴は、思わず彼に声をかける。すると、同時に上条当麻の顔が思い浮かぶ。美琴は、悟ったのだ……このままではゾフィーが負けると……。

ゾフィーは、最後の手段としてM87光線の構えをすると、そのまま右手を伸ばしてM87光線を放つ。しかし、それさえもルギエルは幻想殺しで防ぐ。

 

 

「ウオぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 

最後のエネルギーを使い切るまで放ち続けるゾフィー……エネルギーが次第になくなり消えていく。そんな中、ルギエルは光弾を放つとそれを受けたゾフィーはM87光線を放つのをやめて地に膝をつける。

 

 

「他の雑魚よりは強かったが……。やはり、大したことなかったな。今楽にしてやる。」

 

 

そう言ってルギエルは、エネルギーを貯めるとダークルギエルシュートを放ちそれを受けたゾフィーは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドカーン!!」

 

 

大きな爆発と共にまるで怪獣を破壊したかのように粉々に破壊された……。

 

 

「一輝ーーーーーー!!!」

 

 

それを見て叫ぶ美琴の声を聞いてルギエルは、大声で笑いだして学校とは真逆の街へと向かい破壊活動を開始し始めた。

 




《次回予告》(CV.星空凛)
壊れゆく世界……。
次々と人形になる人……。
全てが終わろうとしてるその時、ゾフィーは!?
みんな!光を分けて欲しいにゃ!!

次回、第21話「光と闇」

次回もよろしくにゃ!


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第21話「光と闇」



「一輝ーーーーーー!!!」


それを見て叫ぶ美琴の声を聞いてルギエルは、大声で笑いだして学校とは真逆の街へと向かい破壊活動を開始し始めた。





ゾフィーの死から数時間後の東京……。

 

 

「逃げろ!殺される!!」

 

「嫌だ!死にたくない!!」

 

「邪魔だ!!」

 

 

それぞれが逃げると言う事しか考えてなく自己中心的な行動に走っていた。ルギエルは、それをゆっくりと負っていた。

 

 

「お前達も人形になれ!!」

 

 

そう言ってルギエルは、ダークスパークから闇の波動人形化光線を放ち次々と人をスパークドールズへと変えていく……。

 

 

「ねぇ、美琴ちゃん……ここで終わっちゃうのかな!?」

 

「……。」

 

 

美琴は、穂乃果の質問に答えれなかった。幻想殺しを打ち消せる能力など……この世には存在しないからだ。

 

 

「何寝言言ってるの?」

 

 

美琴の態度を見て落ち込む穂乃果を見たニコが言う。

 

 

「にこちゃん……。」

 

「穂乃果、それに超電磁砲。あんた達は私達と違って何度も見てきたでしょ?ウルトラの奇跡を……。」

 

「ウルトラの奇跡!?」

 

 

ウルトラの奇跡……。

かつて、怪獣や宇宙人に襲われてた地球人の前に流星のように現れ敵を倒すその姿を見た人が名付けた。

それは、人間が己の限界を決めずに希望を信じるその心が奇跡を呼び起こすと地球に来たウルトラ戦士の一人が言った。

 

 

「そうですよ!諦めのはまだ早いです!!」

 

 

屋上から下を眺めていた海未が元気よくそう言った。そして、他のメンバーに来るように指示して下を見させる。それを見た穂乃果と美琴は、思わず笑みをこぼす。

 

 

「美琴ちゃん!」

 

 

そう言って穂乃果は、美琴の両手をしっかり握る。

 

 

「取り戻そう!私達の平和な世界と……一輝君を!!」

 

「勿論!もう誰も死なせはしないわ!」

 

 

そう言って穂乃果達は、ルギエルにバレないように静かに行動を開始した。

 

 

 

 

彼女達は、屋上から降りてゾフィーの遺品であるカラータイマーの周りにやってきた。そこで見たのは、眠っている一輝の身体だった。

 

 

「まだ、一輝は生きてるんですね。

 

「うん、でもどうやって元に戻せば……。」

 

 

それを見て安心する海未に対して元に戻らないことを疑問に思うことりがいた。

 

 

「ねぇ、この顔って一輝お兄ちゃんじゃないの!?」

 

「「「一輝お兄ちゃん!?」」」

 

 

穂乃果の発言に1年生組は、声を揃えて驚く。しかし、1番驚いているのは……誰でもない美琴だった。

 

 

「ねぇ、どういう事!?」

 

 

話が読めないにこは、直接穂乃果に聞いた。

御坂一輝……。彼こそは、御坂美琴の4歳年上の従兄弟なのだ。

 

 

「確かに顔は似てるのは認める……でも、一輝お兄ちゃんは、数年前に死んだはずよ!?」

 

「たまたま地球に来たゾフィーがその本来の一輝に似せたんでしょうか!?」

 

「もしくは、その死ぬ年に地球に来てたか……。」

 

 

にこが言うとみんなは腕を組んで悩むが、それに関しては本人から直接聞けばいいと言う結論になり先に蘇らせる事について話し始めた。

 

 

「前みたいに歌は!?あの歌凛も覚えたよ!」

 

「でもあれは結局ルルイエにあった光が反応しただけで……歌のおかげじゃないんじゃ……。」

 

 

真姫に突っ込まれた凛は、ショボンとする。

そんな中、ルギエルはゆっくりと音ノ木坂へ向かって歩き出した。それに一番先に気づいたのは海未だった。

 

 

「大変です!ルギエルがこっちに!!」

 

「え!?」

 

「もう、何でこんな時に来るのよ!?」

 

 

海未の言葉に穂乃果や真姫が反応すると一同はパニックになるが、美琴は穂乃果達やカラータイマーの前にの立つ。

 

 

「み、美琴ちゃん!?」

 

「ごめんね、やっぱりここは私が行くしかないみたい。穂乃果達は、馬鹿が戻通りになる方法を考えて!」

 

「馬鹿って……自分の従兄弟なのに……」

 

「だって、そこまでになるまでにならなくても……良かったのよ……。だから、真っ先に会ったらその顔ひっぱたくんだから!!」

 

 

美琴は、そう言って電気をバチバチとさせると、地を思いっきり蹴りルギエルの方へ向かった。

 

 

「人間のような下等生物が我に歯向かうというのか!?」

 

「確かに私たちはアンタ達に比べたら下等生物よ!でもね、そんな下等生物だってやる時はやるんだから!!」

 

 

そう言って美琴は、電撃をルギエルには放つがそれをルギエルは右手で打ち消す。

 

「コラァ!上条当麻!!アンタ何でそっちの味方してるのよ!意識があるならさっさと何とかしなさいよ!」

 

「無駄だ!コイツはもう……。」

 

「アンタに聞いてないでしょうが!!」

 

 

美琴は、そう言って電磁波を使って瓦礫をルギエルに投げつける。

 

 

「私はね!上条当麻に聞いてるのよ!!アンタには一言も聞いてないわ!」

 

「おのれ……下等生物が!!」

 

 

そう言ってルギエルは、光弾を放つ。それを僅かな差で美琴が躱すとポケットからコインを取り出す。

 

 

「喰らえ!!」

 

 

そう言って超電磁砲を放つが右手で封じられる。

 

 

「やっぱり超電磁砲は効かないみたいね。」

 

「お前もスパークドールズになれ!」

 

「そんなのお断りよ!」

 

「何!?」

 

 

美琴の発言にルギエルは、驚く。しかし、美琴は電磁波で砂鉄を集めると剣状の武器へと変えるとそれをしっかり握りルギエルに向かって走り出すとルギエルの太股に傷を入れる。

 

 

「良し!」

 

 

それを受けて痛がるルギエルを見て少し喜ぶ美琴だが、ルギエルは、ダークスパークを槍状の武器ダークスパークランスに変えて持つと美琴の剣と相対する。

 

 

「アンタもそういうのに出来るって訳ね。」

 

「ふん、我に出来ないことはない!!」

 

 

そう言って美琴を押して吹き飛ばすとダークスパークランスをダークスパークに変える。

 

 

「不味い!!」

 

「お前も人形へ変えてやろう。」

 

 

そう言ってルギエルは、闇の波動……。

 

 

「美琴ちゃん!!」

 

 

それを見た穂乃果は、思いっきり叫ぶとカラータイマーに問いかける。

 

 

「ねぇ、一輝君……いや、ゾフィーさん。私のワガママなお願いを聞いて!……みんなを……大切な友達を……私たちの未来を守って!!」

 

 

穂乃果は、そう言ってカラータイマーに手を伸ばし触れる……。

 

 

すると!?

 

 

「ドクン……ドクン……ドクン……」

 

 

心臓音的なのが聞こえると光がなかったカラータイマーが薄く青く光り出して点滅を開始した。

 

 

「これは!?」

 

「ゾフィーの心が人の生きたいって声に反応してる!?」

 

「これだよ!海未ちゃん!!人の希望……光だよ!」

 

「試してみる価値はありそうね。」

 

 

にこは、そう言って1人校舎の方へ向かって走り出す。

 

 

(一輝には、何だかんだでお世話になりっぱなしだから……ここは、にこが!!)

 

 

そう思いながら講堂へ行くと人形化光線を浴びていない生徒達が残っていた。

 

 

「お願い!みんな、力を貸して!!」

 

 

それまで静かだった講堂がザワつき始める。

 

 

「どうする!?」

 

「だって、矢澤先輩って前怪獣に変身してたって噂だよ!?」

 

「本当に!?嫌だ〜」

 

 

それは、怪獣になったにこを攻める声だった。やはりそれを聞くと絶望するのが以前のにこだった……。

 

しかし!!

 

 

「確かに私は、一度絶望して怪獣になってみんなを殺そうとした。でも……その野望を打ち砕きみんなを守ってくれたのは……紛れもないあの銀色の戦士、ゾフィーなよ!そのゾフィーが、みんなの希望の声を聞きたがってる。それを無視していいなんて事にはならない。それが届けれるのは私たちだけなのよ!みんなお願い……ゾフィーに……もう1度立ち上がる力を分けてあげて!!」

 

 

にこの懸命な声に周囲は黙り込んで聞いていた。それは、後を追いかけて来た花陽達1年生組も同じだった。

 

そして……

 

 

「パチパチパチ!!」

 

 

誰かが拍手をし始める。それは、穂乃果達と同い年のヒフミトリオだった。

 

 

「アイドル研究部部長矢澤先輩の話はよく分かりました!私たちで良ければおてつだいします。」

 

 

それを筆頭に私もと言って次々と座って大人しくしてた生徒達が立ち上がる。

 

 

「それなら声より歌の方が良いんじゃない?」

 

 

そう言って真姫は、ピアノの椅子に座る。そして、鍵盤にそっと指を置くと一呼吸してからある曲を引き始めた。

美しいピアノの旋律……。

そのメロディーにみんなが反応する。

 

 

「こ、これは!?」

 

「μ'sのSTART:DASH!!だ。」

 

「みんなも一緒に歌うにゃ!」

 

「い、一緒にゾフィーさんを復活させましょう!!」

 

 

こうして、にこや1年生組の活躍によって音ノ木坂の在校生と教師達は、一緒にSTART:DASH!!を歌い始めた。その歌声は、外にいる穂乃果達にも届いた。

 

 

「美琴ちゃんが!!」

 

 

しかし、ルギエルに吹き飛ばされた美琴は呼吸困難に陥る。そんな美琴の前にはルギエルが仁王立ちして待っていた。

 

 

「お前も人形に……うぅ!?」

 

 

その時、ルギエルに異変が起こった。右手だけがルギエル本人の言うことを聞かないのだ。

 

 

「どうして!?」

 

「み、御坂……。」

 

 

ルギエルは、確かにそう言った。いや、違う言ったのはルギエルの声ではない……。

右手の能力の持ち主、上条当麻だ。

 

 

「俺は、あの後バルタン星人に捕まり人体実験を余儀なくされた。全ては、右手の能力を知るために……そして、全てのデータが揃った時、この宇宙人の体内に取り込まれて一つになったんだ……。」

 

「そんな……、じゃあもう、戻れないって事!?」

 

「そうなる……。ごめんな、約束守れなくて……。」

 

「じゃあ、勝負はどうなるのよ!?」

 

「それは……うぅ……。」

 

 

ルギエルの次は、上条当麻が苦しむ。ルギエルの精神が彼を飲み込もうとしているのだ。

 

 

「御坂、もう時間が無い……後から来た紫髪の女の子を連れてさっさと逃げろ!!」

 

 

すると、ルギエルの右手から突き破るようにカプセルに包まれた希が、出てきた。

 

 

「じゃあ、アンタはどうするって言うのよ!?」

 

「俺は……コイツと地獄まで一緒に行ってやる!」

 

「ちよっと……何を言って……「いいから逃げろ!!」

 

 

美琴が何かを伝えようとするも当麻は、それを遮って逃げろと忠告する。それを聞いた美琴は、希を抱き上げてその場から走り去った。

 

 

「じゃあな…御坂美……。」

 

 

そう小さく呟くとルギエルの体内で上条当麻は、自身の右手を使ってルギエルの動きを止める。

 

 

「後は……あそこの巨人が起き上がれば……。」

 

「無駄だ!」

 

 

後ろからそう言っていくつもの光弾が上条当麻の背中を襲う。

 

 

「ルギエル……か……。」

 

「これから最終試験を始める。お前と私は永遠に一つになるのだ……。」

 

 

そう言ってルギエルの精神は、ドロドロの液体になり上条当麻の身体を覆い始める。

 

 

「止めろ……止めろぉぉぉぉぁぉぉぉぉっ!!」

 

 

上条当麻は、そう言うもルギエルに、完全に支配された。すると、止まっていたルギエルが動き出した。

 

 

「も、もう!?」

 

「あれ!?ウチ……どうして外にいるんやろうか?」

 

 

逃げてる美琴は、復活したルギエルに驚くも背中では目覚めた希が辺りを見回す。

 

 

「アイツが……助けてくれたのよ。」

 

「アイツ……あぁ、上条君やね。」

 

「うん……。」

 

 

美琴は、そう言う。希には彼が美琴の中でどれほど大きな人かってのが分かった気がした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、生態系のズレた地球では崩壊へのカウントダウンが始まろうとしていた。カラータイマーがまだ弱く光ってるだけ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》
「ここで臨時ニュースです、日本政府は本日夕方6時……。あの黒い巨大生物周辺に水爆の数1000倍の威力があるスナイパーVer.2012を数弾使い総攻撃をかけるという情報が入りました。」







果たして、地球の未来は!?

運命を変えるべく彼が立ち上がる!!!


第22話「絶望を打ち砕くM(ミラクル)87光線!!」



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第22話「絶望を打ち砕くM(ミラクル)87光線!!」

《前回のあらすじ》
上条当麻は、ルギエルの体内にいた。そして、東條希を助けるために自らの命を犠牲にした。
上条当麻と完全に一体化したルギエルは幻想殺しの力をマスターしてしまう……。



総理官邸……。

ここでは、対ルギエルの作戦会議が行われていた。

 

 

「宮下総理、やはりスナイパーVer.2012を使うべきです!」

 

 

ガッチリとした筋肉体型に坊主頭の男性泉防衛大臣兼防衛軍隊長は、ヒョロっとした男性の宮下総理に言うが宮下総理は、それに反対する。

 

 

「しかし、そこには逃げ遅れている数千人の人々がいる彼らを見殺しにしろというのかね?泉防衛大臣。」

 

「ですが、このままでは日本は壊滅になってしまう……。それだけは、阻止しなければならない!総理、決断を!!」

 

 

そう言って泉防衛大臣は、宮下総理に決断を求める。

 

 

「……分かった。スナイパーVer.2012の使用を許可する。」

 

宮下総理は、そう言うと泉防衛大臣は総理官邸を後にして軍の基地へと向かった。

そこには、既にスナイパーVer.2012を搭載した戦闘機が数台用意されていた。

 

 

「良いか、今回のミッションはあの黒い巨人を倒すことだ!その為には、どんな犠牲と仕方が無いと思え!!」

 

「「「はい!」」」

 

 

隊員は気合を入れて返事をするとそれぞれ作戦の準備に取り掛かる。

 

 

「ここで臨時ニュースです、日本政府は本日夕方6時……。あの黒い巨大生物周辺に水爆の数1000倍の威力があるスナイパーVer.2012を数弾使い総攻撃をかけるという情報が入りました。」

 

 

東京都各地の避難会場では、臨時ニュースが流れる。それは、音ノ木坂学院でも同じだった。しかし、彼らは諦めなかった。そう、近くにいるゾフィーが再び立ち上がることを信じて……歌い続けた。

 

 

「みんな、何してるん?エリチは?」

 

「絢瀬さんは……これに……。」

 

 

そう言って穂乃果達と合流した美琴と希は、人形になってしまった絵里を希に見せる。

 

 

「そうか……エリチもウチが殺ったやな……。」

 

「違うよ!」

 

 

落ち込む希に対して穂乃果は、堂々と言った。

 

 

「希先輩は、よく頑張った方だよ!あんなバケモノを体内に閉じ込めてたんだから……。」

 

「そうですよ!」

 

「気を確かにしてください。」

 

 

穂乃果に続いて海未やことりも希を励ます。そして、3人は同時にカラータイマーの方を見る。まだ、弱く光ってるカラータイマーを見た希は、「一輝君やね。」と言う。

 

 

「もしかして希先輩知ってたんですか?一輝の正体。」

 

「まぁね、これもウチがやったん?」

 

「違うって言ってんでしょ!?」

 

 

全て自分のせいと思う希に美琴が怒鳴る。それを見て穂乃果達は、驚いた表情で美琴を見つめる。

 

 

「あんたね、何回言ったらわかるの?誰も悪いなんてある訳ないじゃない!確かにアンタは、アイツに乗っ取られてた……。そして、暴れたけど……全てはアイツが悪いって言ってるんじゃない!だから、自分を責めるんじゃないわよ!」

 

「美琴ちゃん……。」

 

 

美琴は、握りこぶしを作りながらそう言うとそれを見た穂乃果が小さく呟きながら美琴の名を呼ぶ。

 

 

「ありがとうな。美琴ちゃんは、優しいんやね。でもな、ウチにも原因があるんやで。上条君が死んでウチが生きてるって上条君に失礼な気がするんよ。」

 

「いいえ!そう言って死のうとする副会長の方が間違ってます!」

 

 

希の意見に反対したのは、海未だった。海未は、そう言って希の前に立つ。

 

 

「副会長、私はその上条って人も貴方がどれくらい前から苦しんでたのか分かりません。ですが、その上条って人に救われたのならその人の分まで生きるべきです!だから、死ぬなんて言わないでください!!」

 

「海未ちゃんの言う通りだよ!副会長もあんな絶望の塊みたいなバケモノを倒して一緒に生き延びよ?」

 

「穂乃果ちゃん……。」

 

 

穂乃果は、そう言って希に手を差し伸べる。それを見た希は、ゆっくり手を伸ばしてその手をしっかり握る。

 

 

「そんなの我がいる限り無理な話だ!」

 

「嘘!?もうこんな近くに???」

 

 

目の前にルギエルがいるのに驚いたことりは、尻餅つくとそのことりの手を海未が握って起こすと逃げようとする。

 

 

「お前達も人形にしてくれる!!」

 

「させない!そんな事……絶対にさせない!!」

 

 

そう言ってルギエルの人形化光線と美琴の超電磁砲がぶつかる。お互いの力はほぼ互角……。

しかし、ルギエルは胸から闇のエネルギー弾ダークルギエルビートを放つとそれに気を取られた美琴の隙をついて人形化光線が押し始める。

 

 

「しまっ!!」

 

 

次の瞬間、人の声なと聞こえなくなった。それを確認したルギエルは、音ノ木坂の校舎を破壊し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、起きろって!!おい!!」

 

 

話は少し遡り数分前、何も無い空間で起こされた一輝は、ゆっくり目を開く。

 

「俺は、上条当麻。これは、ある所から直接脳に語りかけてる。」

 

「ある所から!?」

 

「あぁ、俺はあの何も効かない右手の正体だ。」

 

「そうだったのか……。で、俺に何のようだ!?勿論、俺には立ち上がる力は……ない。」

 

「お前が諦めてどうする!?」

 

 

落ち込み、自分の限界を示す一輝に対して当麻は、怒鳴る。

 

 

「お前は、まだ負けてないだろ?立ち上がれるだろ?なのに勝手に自分の限界を決めてるんじゃねぇ!」

 

「……。」

 

 

当麻の説教を一輝は、黙って聞いていた。今の彼の方が自分より立派な戦士だと思ったからだ。

 

 

「でも、俺も死んじまったから……何も出来ねぇーから……テメェに頼るしかねぇーんだよ!」

 

 

その声は、次第に切なさが伝わる様な声へとかわり始めた。自分が何も出来ない……当麻にとって最後の希望とは光の戦士ゾフィーである一輝なのだ。

 

 

「そんなのは分かってる……でも!光が足りないんだ……。」

 

「光!?」

 

「そう、俺にとってそれがないと戦えないんだ。」

 

 

一輝は、そう言うと当麻はため息をはくと一呼吸おいてからまた喋り出す。

 

 

「光ならあるじゃねぇーか!」

 

「え!?」

 

「……人々の心の中に!!」

 

 

すると、一輝は目を丸くして驚いた表情で前を見る。そこには、先程まで誰もいなかったが徐々に上条当麻の姿が現れた。彼は、自分の胸に親指を当てていた。

それは、人々の心の中に光があると言う事だった。

 

 

「それに聞こえるだろ?あいつらの声が!」

 

「声!?」

 

 

そう言われると一輝は、目をつぶって耳を澄ましてみる。すると……。

 

 

『ねぇ、一輝君……いや、ゾフィーさん。私のワガママなお願いを聞いて!……みんなを……大切な友達を……私たちの未来を守って!!』

 

『確かに私は、一度絶望して怪獣になってみんなを殺そうとした。でも……その野望を打ち砕きみんなを守ってくれたのは……紛れもないあの銀色の戦士、ゾフィーなよ!そのゾフィーが、みんなの希望の声を聞きたがってる。それを無視していいなんて事にはならない。それが届けれるのは私たちだけなのよ!みんなお願い……ゾフィーに……もう1度立ち上がる力を分けてあげて!!』

 

 

そう、それは穂乃果やにこの声だった……。

それを聞いた一輝は、パッと目を開く。すると、目の前にいた上条当麻は、既に消えていた。

 

 

「あれ?上条!!」

 

「俺が出来るのはここまでだ。後は……現実で会おうぜ!一輝。」

 

「あぁ、上条。お前も……死ぬなよ!」

 

 

そう言うと一輝は、うっすら光り出したプラズマ鉱石が埋め込まれてるブレスレットを見つめる。

 

 

(このエネルギーでルギエルに勝てる保証は万に一つだろう……でも、俺がやらなきゃ!上条に合わせる顔がねぇ!!)

 

 

そう言って念を込めるかのように握りこぶしを作るとそれを突き上げる。

 

 

「ゾフィー!!」

 

 

すると、ブレスレットから放たれた光に包まれると一輝は、再びその身体をゾフィーへと変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれ?」

 

 

美琴は、目を覚ますと自分が無傷なことに疑問を持つ。

 

 

「あ、美琴ちゃん!!」

 

「穂乃果。」

 

 

そう言って美琴と穂乃果が再会するとその周りには海未やことり、希が居た。

 

そして……。

 

 

「ゾフィー……。」

 

 

自分の名前を呼ばれたゾフィーは、自分の手に乗せている美琴達を見つめる。そして、うんと首を縦に振る。

 

 

「な、何!?」

 

 

破壊に夢中になっていたルギエルは、後ろにゾフィーが居ることに驚いていた。時刻は、夕方5時50分……。

防衛軍のスパイナー作戦まで残り10分だ。

 

 

ゾフィーは、美琴達を安全な場所へ避難させると地を蹴りルギエルに近づくとそのままルギエルに飛び込んで倒す。その反動でダークスパークが彼の手から離れる。起き上がり、取りに行こうとするルギエルを止めるとゾフィーは、ダークスパークから離らかすようにルギエルを蹴りの連続攻撃を決める。

 

 

「おのれ!」

 

 

そう言ってルギエルは、ダークルギエルビートを放つとゾフィーは、Z光線を放ち相打ちになると、もう1回Z光線を放つも今度は、幻想殺しで消されてしまう。

 

 

「クッ……!!」

 

 

ゾフィーは、少し悔しい態度をとると同時に胸のカラータイマーが青から赤へ変わった。

 

 

「どうやら時間切れのようだな。貴様も人形へ変えてやろう。我に時間を止められることを光栄に思え!」

 

「そんなの……誰が思うんだよ!!」

 

「何!?」

 

 

ゾフィーは、そう言って反論する。すると、ゾフィーはまたM87光線の構えに入る。

 

 

「あれじゃさっきと同じじゃない!」

 

 

それを見た美琴はそう言う。それを見た希は、祈るように両手を握った。

 

 

(お願い……神様、みんなを……助けて!!)

 

 

それを見たことりや海未も希と同じように祈り始めた。

 

 

(神様、お願い……ゾフィーに力を貸してください。)

 

(ゾフィー、お願いします……。みんなを守ってください!!)

 

 

そして、それを見た穂乃果と美琴はお互いを見つめる。

 

 

「美琴ちゃん!今度は最後まで信じよう!」

 

「えぇ!」

 

 

そう言って希と同じように祈り始める。

 

 

(お願い、ゾフィーに光を……エネルギーを!!)

 

(一輝……死なないで!!必ず、アイツを倒して帰ってきて……。)

 

 

それぞれの祈りが……。想いが、光となる。

 

 

「その願い、私たちが叶えよう。」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

 

5人は、同時に目を開くとそこには、五つの光があった。その光は、次第に大きくなると人の形へと変わった。全員、老いた男性だった。

 

 

「我々は、身体は失ってしまいこうして魂だけの形になってる。」

 

「じゃあ、死んだのですか?」

 

 

光に海未が質問すると別の光が答える。

 

 

「いや、まだ死んではいない。性格には、身体が乗っ取られたのだ。」

 

「そんな……。」

 

 

それを聞いて少し落ち込むことりだが、その光が彼女の肩に手を置く。

 

 

「でも、ゾフィー兄さんの力にはなれる。そして、今度は肉体を取り戻し必ず君たちの前に帰ってくる。」

 

「俺たちを信じてくれ!」

 

「う、うん。」

 

 

と希は言うと一番端にいる光がそれぞれ見ながら仕切る。

 

 

「みんな、行こう!」

 

 

そう言って光達は、一斉に後ろを向きゾフィーの方へ向くと五つの光のうち真ん中以外の光は、懐からベータカプセル、ウルトラアイ、エースリング、ウルトラバッチを取り出す。

 

 

「もしかして貴方達は!!」

 

 

それを見た穂乃果は、興奮気味に言う。穂乃果の前の光が答える。

 

 

「あぁ、ウルトラマンだ。」

 

 

そう言ってその光はベータカプセルを天に向けて掲げるとボタンを押す。

 

 

「ジュアッ!」

 

 

その隣ではそう叫びながらウルトラアイを自らの目に着眼する。

 

その隣では、精神を落ち着かせた瞬間、右手を空へ向けて掲げた。

 

ウルトラリングをそれぞれの手の中指に填めた光は、両腕を胸の前でX字に組んでからゆっくり大きく腕を回してから両手の中指に填めたウルトラリングを胸の前でウルトラタッチさせる。

 

そして、最後に左手を腰にあてると右手でしっかりウルトラバッチを持つと額の前に持ってくる。

 

 

「タロウぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」

 

 

と叫びながらそのままウルトラバッチを掲げる。

 

 

五つの光から同時に放たれた眩しい光は次第にゾフィーと同じくらいに大きくなるとウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウへと変身した。

 

 

ちょうど、振り向いたゾフィーは懐かしい兄弟の顔を見る。

 

 

「な、何!?どうして他のウルトラ戦士が??」

 

 

突然のウルトラ五兄弟の登場にルギエルは驚く。

 

 

「お前達……どうして……。」

 

「助けに来ましたゾフィー兄さん。」

 

 

ジャックはそう言う。しかし、ゾフィーは彼らの足元を見ると少し悲しくなった。そう、彼らには足がないのだ。

 

 

「ゾフィー兄さん、私たちは肉体を奪われても立派なウルトラ戦士で居たい。だから、私たちの力を使ってください!」

 

 

タロウは、そう言って自分の光をゾフィーに向けて放つとタロウ自身も消えた。

 

 

「タロウ……。」

 

「何余所見をしている!!」

 

 

後ろから迫り来るルギエルに対してジャックとセブンは、ウルトラランスとアイスラッガーで動きを封じる。

 

 

「私たちの力をゾフィーに!!」

 

 

その後、エース、ジャック、セブン、ウルトラマンの順番にゾフィーへ自らの魂ごとエネルギーを渡した。

それをもらったゾフィーは、自分のカラータイマーが赤から青へ変わるとルギエルを見つめる。そこには、先程まであったウルトラランスやアイスラッガーは無くなっていた。

ゆっくり起き上がったルギエルに対してゾフィーは、後ろへ回り込み右手にウルトラマンの技であるスペシウムエネルギーをノコギリ状の輪っかにしたウルトラスラッシュを作ると、手刀のようにしてルギエルの右腕を切り落とすと、再びルギエルと距離を置く。

 

 

「終わりだ……、ダークルギエル。」

 

「な、何!?」

 

 

ルギエルは、そう言いながら右手と一緒にあるダークスパークを拾おうとするが、それを見たゾフィーは両手を十字に組んでスペシウム光線を放つとダークスパークを破壊する。

すると、人形にされた人たちが次々と元の姿へと戻ると絵里やダイゴも元の姿へと戻る。

 

 

「戻ったのか?僕達は……。」

 

「そう見たいね。」

 

「エリチ……エリチ!!」

 

「希!!」

 

 

そう言って抱きつく希を絵里は、抱きしめる。それを見たダイゴは、ゾフィーを見つめる。ゾフィーはゆっくりM87光線の構えに入る。

 

 

「ルギエル、お前が復活した原因は人々のマイナスエネルギー…つまり絶望だ。だから……」

 

「な、何が言いたい!?ゾフィー!!」

 

「絶望よ!消えるがいい!!これが人の……希望の光線だ!!」

 

ゾフィーは、そう言うと右手に凄まじいエネルギーが集結する。それを見た美琴と希は、焦る。

 

 

(あの威力……この地球ごと破壊する気!?)

 

 

しかし、ゾフィーはそのままM87光線を発射すると希や美琴は、目をそらす……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして美琴はある事に気づく。

 

 

(あれ?痛くない……。)

 

 

そして、ゆっくり目を開くとそこには、驚いてる表情をしている6人の姿があった。それを見てから美琴は、前をゆっくり向くと目の前の光景に驚く。

 

 

「な、何故だ……」

 

「これは、絶望を打ち砕く奇跡の光線だからだ!」

 

「そうか……、我は下等生物の希望の光線に……負けた……のか……。」

 

 

そう言ってルギエルは、粉々になって崩れた。息を切らすゾフィーのカラータイマーは再び赤へ変わる。

 

 

(ありがとうな、わざわざこの右手だけ残してくれて。)

 

 

ゾフィーの脳に再び上条当麻が直接語りかける。

 

 

(あぁ、でも……お前のことだ消してくれとか言うのだろ?)

 

 

ゾフィーは、テレパシーで返事をすると上条当麻は、クスッと笑う。

 

 

(確かにな。でも、コアが死んだら俺も死ぬだろう……。だから、ゾフィー。最後に一つだけお願い聞いてくれるか?)

 

 

そう言うと上条当麻は、ある約束を言う。

 

 

(あぁ、分かった。だから、ゆっくり休め。)

 

(ありがとうな……ゾフィー……。)

 

 

それを最後に上条当麻の眠っている右手は完全に消えた。

時刻は5時59分。残り1分前でスパイナー作戦は、白紙になった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

それを確認したゾフィーは、ウルトラ念力で全てのビルや街を元に戻すとそのまま姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれ!美琴ちゃん!!一輝君だよ!」

 

「え!?」

 

 

穂乃果達は音ノ木坂学院へ帰ってくるとにこ達と合流すると一輝の帰りを待った。

そして、校門から走ってやってくる一輝を真っ先に穂乃果が見つける。

 

 

「おぉぉぉぉぉぉい!!」

 

 

一輝は、元気よく走りながら手を振る。すると、一輝は美琴の前で止まる。

 

 

「ねぇ、今更かもしれないけど……何で御坂一輝を知ってるの?」

 

「あぁ、あれは昔パトロールがてらこの星に来た時雪山で遭難してる一輝を見つけてな。それを救えなかった俺が唯一出来る罪滅ぼしとしてお前を……妹の美琴を見守ってほしいと言われたんだ。」

 

「そうだったんだ……。」

 

 

美琴は、そう言って一輝に抱きつくと少したってから泣き始めた。そんな美琴を一輝は、ゆっくりそして大切に抱きしめる。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.絢瀬絵里)
ダークルギエルを倒してから平和な日常が続くようになった地球……。
しかし、音ノ木坂学院ではピンチに陥っていた。
そう、中学生や地域の方に来てもらうオープンキャンパスが間近に迫っていた。それの評価次第で音ノ木坂学院が廃校になってしまうかもしれない!?
私は、生徒会長として生徒会でなにかをやろうとするも……。


次回、第一章「集いし九人の女神」最終話
第23話「僕らのLIVE 君とのLIFE」


見てね!


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第23話「僕らのLIVE 君とのLIFE」

《前回のあらすじ》
ダークルギエルとの死闘が終わり。
平和な時間が再び動き出す。
その中、音ノ木坂学院では……。



 

 

「今の話本当ですか!?」

 

 

いきなり理事長室に入って言う、その人物は高坂穂乃果。

 

 

「正確には、二週間後のオープンキャンパスで行うアンケートの結果次第で音ノ木坂学院の廃校を決めようと思います。」

 

 

穂乃果に対して理事長である南舞花(みなみまいか)は、きちんと説明すると安心したのか穂乃果は、そっと胸をなでおろす。

 

 

「でも、安心は出来ないわ。残された期間を使ってオープンキャンパスをいかに成功に導くかが大切よ!」

 

 

絵里は、安心してる穂乃果にそう言うと理事長の近くに行く。

 

 

「今回のオープンキャンパスは、生徒会が考えてます!」

 

「えぇー!穂乃果達も!!」

 

「あなたに何が出来るんですか!?活動を開始したスクールアイドルのライブを見て喜ぶなんて思えません!」

 

 

そう言うと穂乃果と絵里は、睨み合う。それを理事長が仲裁に入って止める。

 

 

「絢瀬さん、以前穂乃果ちゃん達のファーストライブの模様をネットにアップしてますね?」

 

「えぇ!?じゃあ、あれは生徒会長が??」

 

 

理事長の言葉に真っ先に反応したのは穂乃果だった。しかし、絵里は冷静な態度で振舞った。

 

 

「あれは、貴方達の実力を知るいい機会になると思っただけで貴方達の為にやった訳ではありません。」

 

 

最後にそう言い残した絵里は、理事長室を後にした。それを見た穂乃果は、少し笑をこぼしてから海未とことりと友に理事長室を後にして屋上へと向かった。

 

 

「なるほど、絵里がそんな事してたわけね。」

 

「もしかして、生徒会長μ'sのファンなのかな?」

 

「いや、どうみてもそれはないでしょ?」

 

 

屋上へと辿り着いた穂乃果達は、理事長室であった話をみんなに話すとみんなが気にしたのはやはり、絢瀬絵里の本当の気持ちだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうなの?まぁ、ビデオをアップしたのが生徒会長ってのが以外だけど……。」

 

 

帰り道、一輝は美琴と穂乃果と海未とことりの5人と一緒に帰宅していた。たまたま事情で屋上へ行けなかった一輝と美琴に穂乃果は、放課後の出来事を事細かく説明する。

 

 

「うーん……」

 

「どうしたの、一輝君??」

 

「いや、生徒会長の考えが分からなくなってな。確か、前に美琴が音ノ木に居るって知った時は、学園都市の方へ連絡しようとか考えたんだろ?」

 

「そうだよ!でも、それがどうしたの?」

 

 

穂乃果は、一輝に更に追求すると一輝頭をクシャクシャとかきながら穂乃果の質問に答える。

 

 

「でも、美琴は現に音ノ木坂学院の生徒の一員として転入を認めさせただろ?だから、どうしても生徒会長の矛盾に引っかかるんだよな。」

 

「確かに……そこは不思議に思いました。」

 

「ママも中学生を年齢とか偽造して籍を置いとく事に凄い反対したんだけど……そこを押し切ったのが生徒会長だって言ってたよ。」

 

 

ことりがそう言うと穂乃果は、再び考え込むが結局答えが見つからずその日は、そのまま解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイゴ!そっち行ったわ!!」

 

「任せろ!!」

 

 

深夜の音ノ木坂学院の周辺では、ウルトラマンティガに変身したダイゴとカミーラに変身した絵里が誰もいない深夜の街を飛行していた。

その目の前には、超古代竜メルバが複数体飛んでいた。そのうちの2体がティガの方へ向かうとティガは、スピード重視の姿スカイタイプへとタイプチェンジするとランバルド光弾を放ち倒すと、残りはカミーラがカミーラウィップで撃ち落とす。

 

 

「最近、多いわね?」

 

「あぁ、でも何でだ!?」

 

 

最近現れるようになったメルバに対してティガが疑問をカミーラに問いかけるとティガのカラータイマーは青から赤へ変わった。

 

 

「分からないわ。でも……そのうちゴルザも……。」

 

「それは、十分に有り得そうだな。」

 

 

そう言って二人は、元の姿へと戻ると音ノ木坂の校門からそれぞれの家へと帰宅し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、絵里の元へ穂乃果が一人で訪れていた。

 

 

「で、何のよう?」

 

「生徒会長、貴方の本心が知りたいです!」

 

 

絵里の質問に穂乃果は堂々と答えるとその直球的な返事に絵里は、少し気を悪くした。

 

 

「どういうこと?」

 

「私……音ノ木坂学院には、なくなって欲しくないからμ'sを始めました。その気持ちは、生徒会長と変わらないと思います。でも、あの時生徒会長は、私の事を憎いって……同じ心を持つ者なのにどうしてか疑問があったので……」

 

 

穂乃果が事細かく説明すると絵里は、その答えを穂乃果に明かす。

 

 

「えぇ、私は確かに貴方が好きではなかったわ……。何を考えてるのか分からなかったし、にこのような道に進んで欲しくなかった……。

でも、それは私の過保護だったみたいね。」

 

「え!?」

 

「例え、貴方がこの先絶望してもそこから這い上がる力をくれる存在があなたの周りには沢山いるわ。

だから……、これから好きにμ'sの活動をやれば良いわ。私は、もう何も言わないから……。」

 

 

すると、穂乃果は絵里に向けて手を差し伸べた。それを見た絵里は、穂乃果の顔を見つめると既にそこには、穂乃果以外のμ'sのメンバーに希が居た。

 

 

「何のつもり?」

 

「今、好きにしろって言いましたよね?だから、絵里先輩!μ'sに入ってください!!」

 

「全く、やりたいならやりたいって言いなさいよね?」

 

 

後ろにいるにこがそう言うと真姫や凛がにこをからかう。

 

 

「な、何言ってるの?私は……貴方達を殺そうとまでした人間よ?そんな人間が、音楽で人を魅了できる訳……。」

 

「でも!」

 

 

そこへ、一輝や美琴、ダイゴがやって来ると一輝は、先ほどのセリフに付け足すように言う。

 

 

「今は、立派なウルトラマンとして戦ってるじゃねぇーか!」

 

「どうしてそれを?まさか、ダイゴから?」

 

「違うんだ。絵里、僕らが戦ってるのを彼は後ろでずっと見てたんだよ。」

 

「嘘!?そんな訳ないわ!だって確かにあそこには、私とダイゴしか……。」

 

「本当よ。一輝は、怪獣だって慌てて家を出るほどなんだから……。全く夜中にやられるこっちの身にもなってよね。」

 

 

付け加えるように美琴が言う。それを聞いた一輝は、少し苦笑いをする。

 

 

「やってみればいいんちゃうん?」

 

「希……。」

 

「ウチはな、あの力のせいで……。他の次元のμ'sのメンバー全員殺ってしまったんよ。だから、このμ'sには、少し違う意味があるんよ。永遠の9人の女神……μ'sって」

 

 

希が名付け親ってことにほかの人は、みんな驚く。しかし、希は絵里に続けて発言する。

 

 

「だからな、エリチ。やりたいならやればいいやん!エリチのやりたい事は?」

 

「私のやりたいことは……。」

 

 

その時、カミーラのスパークレンスが光り出すと絵里を飲み込もうとする。

 

 

「エリチ!!」

 

「「「「「「「絵里先輩!!!」」」」」」」

 

 

しかし、絵里は闇の中に引きずり込まれる中、ダイゴがスパークレンスを出そうとすると一輝に止められる。

 

 

「何するんだ!?一輝!」

 

「お前は、大切な人を殺る気か?」

 

「何!?」

 

「あれは、完全にカミーラの力が暴走して本来の闇の力が清き心になった彼女を消してまで包み込もうとしようとしてる。」

 

「じゃあ、とうしろって言うんだ!」

 

「私がやるわ!」

 

 

もめてる二人の前に美琴がそう言って立ちふさがるとポケットからコインを取り出す。

 

 

「く、苦しい……。」

 

 

微かに聞こえる絵里の声……。

それは、美琴にはハッキリ聞こえた。そして、取りましたコインをコイントスをして高々と宙に浮かせる。

 

 

「過去を見ちゃダメだよ……。折角、その辛い過去と決別しようと努力してるんだから……。だから、自分で自分に嘘つかないで…一緒に!!」

 

 

そう言って美琴は、伸ばした右手に電気を溜め込むと落下してきたコインに電気を当てて超電磁砲を放ち、カミーラのスパークレンスだけを破壊した。すると、絵里を包み込もうとした闇は、消えた。

そこには、倒れ込む絵里の姿があった。

 

 

「大丈夫ですか?絵里先輩!」

 

「えぇ、大丈夫よ!それに……。」

 

 

そう言うと絵里は、ゆっくり立ち上がる。そして、穂乃果の手をしっかり握った。

 

 

「え!?絵里先輩……これは?」

 

「私は、決めたの。自分の…絢瀬絵里として好きなことをするってね!勿論、希もね!」

 

 

絵里は、ウインクしながら答えるとその回答に希は嬉しくなった。そして、絵里は生徒会室を出ようとする。

 

 

「どこへ?」

 

 

海未が答えると絵里は、その場に止まる。

 

 

「どこって……練習よ!」

 

 

その答えがキッカケに遂にμ'sは、7人から……9人へ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に2週間が過ぎて、9人になったμ'sでの最初のライブが始まろうとしていた。穂乃果達の前には、中学生が数人来ていた。

 

 

「皆さん、こんにちは!私たちのは、音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sです!私たちは、この音ノ木坂学院が大好きです!この学校だからこのメンバーに出会い、この仲間に出会えたんだと思います。今は、ステージに9人しかいませんが……μ'sを支えてくれた沢山の人が居ます!その人たちの分もしっかりこの9人で歌います!」

 

 

新作の衣装に身を包んだ穂乃果は、1歩前へ出て堂々と胸を張って言う。

 

 

「「「「「「「「「聞いてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らのLIVE 君とのLIFE」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

9人は、声を揃えてそう言うとギターの音楽と共に9人揃ってパワーアップしたμ'sの初のステージが始まった。

 

 




《次回予告》(CV.南ことり)
遂に9人になったμ's!
さぁ、これからもっともっと衣装作り頑張らなくちゃ!!
って、もうこんな時間!
早くあそこに行かないと!!


次回から第二章「廃校阻止編」開始!!


第24話「ことりの時間」


です、宜しくね!


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第二章「廃校阻止編」
第24話「ことりの時間」


この世には、「科学」の力で超人的能力を得た人達がいる。人は皆その人たちのことを……「能力者」と呼ぶ。
その中に、最も強いレベルに達した能力者を「レベル5」と呼ぶ。東京の西にある学園都市ては今も尚、超能力の開発が進められている。



一方、宇宙では……銀河系にあるM78星雲があるその中に綺麗に輝く奇跡の惑星、ウルトラの星があった。
そこに住む人々は、戦う宿命を背負わされた超人……。
その名は、「ウルトラマン」。





「科学」と「ウルトラマン」、ぶつかり合うはずでは無かった両者がぶつかり合うその狭間でスクールアイドル「μ's」の物語は始まる。









 

 

「いやー、この間のライブ凄い良かったねー!」

 

「うん、みんなが一つになったって感じだったよね!」

 

 

そう話してるのは、穂乃果とことりだ。彼女達は、音ノ木坂学院2年生、大切な学校を救うべくスクールアイドルμ'sを作り、今は1年生3人、2年生3人、3年生3人の計9人で活動をしている。

 

 

「ほら、まだ廃校を止めた訳では無いのだからこれからの為にも練習するわよ!」

 

 

そういうのは、生徒会長絢瀬絵里。元バレリーナという事もあり、練習には少しうるさいがμ'sをまとめるいいお姉さん的な存在

そんな、絵里の行動をみて海未は、涙目になる。

 

 

「ど、どうしたのよ!?海未……。」

 

「やっと……やっとまともに言ってくれる人が一人増えました!」

 

 

その言葉に少し驚く絵里だが、遅れてきた凛達を含め再び練習の着替えのために新しく用意された着替え用の部室で着替えを始めるが一人だけ制服の少女が居た。

 

 

「あれ?ことりちゃん着替えないの!?」

 

「う、うん。今日は、ことりちょっと用事があって……ごめん、穂乃果ちゃん!」

 

 

と言いことりは、その部屋から出て行ってしまった。

 

 

(早くしないとバイトが!!)

 

 

と少し慌てながら走ってそのバイト先へ向かった。

 

 

「どうしたんだろう?ことりちゃん。」

 

「ここの所、ずっとあんな感じですもんね。」

 

 

と着替えながら穂乃果と海未は、疑問に思うも練習の時間となったので二人は、屋上へ向かって部屋を出る。

 

 

その頃、一輝は……。

 

 

「ドカーーーーーーーーーン!!!」

 

 

激しい爆発の中にいた。

彼は、本来の姿ゾフィーとなり宇宙空間でシャプレー星人の円盤と交戦していた。

 

 

「全く……ルギエルの件から地球に侵略者が後を絶たないな。」

 

 

彼は、そう呟きながら自身の最強の技であるM87光線を放ち円盤を一掃すると再び大地に降り立った。

 

 

「で、その宇宙人との決闘は終わった?」

 

 

地上で待っているのは、御坂美琴。

彼女もまた特別な能力電気使い(エレクトロマスター)の持ち主だ。

 

 

「終わったよ。」

 

 

とゾフィーは、一輝に戻ってからそう言うと美琴は、一輝の袖を恥ずかしげに握る。

 

 

「ほら、早く黒子の所へ行かないと。」

 

 

事の発端は、昨日に遡る。

珍しく学園都市に住むルームメイト白井黒子(しらいくろこ)から電話がかかったのだ。

 

 

「あら、黒子。どうしたのよ?」

 

「どうしたのでは、ありませんのよ!お姉様。最近、帰ってこないと寮監が五月蝿くて……一瞬で良いので、こちらへ帰ってきてくれますか?」

 

「それは、無理よ。」

 

「無理ってお姉様!この私を見捨てると言うのですか?このままお姉様が帰っこられなかったら……私……首が何個あっても足りませぬわ!」

 

 

「はぁ……。」

 

 

という話になり本編では珍しく制服姿なのだ。

そんな、二人だがある者を目撃する。

それは、ことりだ。

 

 

「あれって穂乃果の?」

 

「あぁ、ことりだろ?でも今放課後でμ'sの練習中じゃ……。」

 

 

二人は、疑問に思うもそれを後回しに置いて学園都市へと向かうのだった。

 

 

「お姉様!!良くぞご無事で!」

 

「え、えぇ。でもこの街もよくここまで復旧したわね!」

 

 

美琴は、抱き着かれる黒子を振り払い元通りになった街の眺めを堪能する。

しかし、そこに矛盾が生じる。

 

 

「何を言ってますの?お姉様。ここは、昔のままですわ。」

 

「え!?」

 

 

美琴に凄まじい電気が流れた感覚がした。そう、街の人々の記憶から()()()の出来事が消えているのである。

 

 

「ねぇ、黒子。なんか忘れてない?」

 

「いえ、黒子は何も忘れてませんわ。お姉様こそ、外の世界へ出られて何か記憶障害みたいなのになられたのでは?」

 

 

その矛盾に一輝もビックリする。試しに透視光線を使って見る。すると、

 

 

「グサッ!」

 

 

と物音を立てて何かが右腕に刺さる感覚がした。一輝は、慌てて振り向く。

 

 

「誰だ!?答えろ!!」

 

「ゾフィー、貴様がこの街の闇を相手する必要性はない。」

 

 

そう一輝の脳に直接語りかけてきた。その声と、美琴の話を整理して考えた。

 

 

「貴様、バルタン星人か?」

 

「半分正解で半分が誤解だ。」

 

「何!?」

 

「私の名は、ダークバルタン。そんじょそこらのバルタン星人とは、知能も技術も違う。」

 

 

彼の名は、ダークバルタン。以前にも地球侵略に来ており、ウルトラマンマックスとその世代の少年達が力を合わせて対抗した。

しかし、その時のダークバルタンとは一味違うみたいだ。

 

 

「断言しよう。私は、この学園都市から世界を侵略する。それは、ゾフィー。貴様でも止められない。」

 

「何!?」

 

「学園都市では、軍をも拒む力を人々に与えている。その人達全てを洗脳する力を持ってみろ!世界中の軍隊を相手しても勝てるはずがない。ゾフィー、貴様はこの街の全ての人と戦う気は、あるのか!?」

 

 

悔しいが、今の一輝では対抗する余地がない。一輝は、右手で握り拳を作ると刺さっている所から血が更に溢れ出した。

 

 

「ねぇ、一輝ってば!」

 

 

ふと我に返った一輝は、後ろを振り向くとそこには、美琴が不思議そうに立っていた。

 

 

「殿方、どうされたのですか?そんなに大量の血を流しておいて。」

 

 

黒子にそう言われ、自分の腕を見るとその針を抜く。

 

 

「痛っ!」

 

「あぁ、ちょっと待って包帯と消毒液買ってくるから!」

 

「あ、お姉様!!」

 

 

黒子は、止めるも美琴は颯爽とコンビニへ向かった。そんな美琴の変わりっぷりを見て黒子は、一輝に歩み寄る。

 

 

「あの殿方。お姉様は、どうして貴方にそこまでするのですか?見た所、能力も何もないごく一般人と見えますが……。」

 

「そうだな……まぁ、助けを呼べば聞こえる範囲ならやって来るみたいな?」

 

「答えになってませんの。」

 

 

と少々呆れるも次の瞬間、一輝は人が変わったような顔をして黒子を見つめる。

 

 

「なぁ、お前も超能力とかあるのか!?」

 

「えぇ、私の能力はテレポートですわ!因みに大能力者(レベル4)。」

 

「そうか、ならいざって時この街の人を逃がすことは出来るな。」

 

「何の話をしてますの?」

 

 

黒子は、何を言ってるのか分からなかったがコンビニではなく薬局で買ってきた包帯と消毒液を持って美琴が帰ってくる。

 

 

「お姉様、この作業は私が!」

 

「良いわよ、気にしないで。私がやるから。」

 

 

そう言うと美琴は、起こすと少し人気のない場所へ移るとゆっくり一輝の服を脱がし始めた。

 

 

「お、お、お、お姉様!!何をしてますの??」

 

「何って手当てよ。」

 

「て、手当てではなくその殿方とこれからホテルでやるような事を!?」

 

 

次の瞬間、激しい電撃が黒子を襲うと彼女は地面に倒れる。

 

 

「全く、あんた何言ってるのよ!?」

 

 

美琴は、少し頬を赤くするも気にせずに一輝の傷を手当てする。

 

 

「あんた、また傷増やしたわね。」

 

「あら、バレてますか。」

 

「当たり前よ!何をもってそんなに傷を作る必要性があるのかしら!」

 

「まあまあ、それよりここだけの話がある。」

 

「え!?な、何よ?ここだけの話って……。」

 

 

一輝は、そう言うと美琴は顔を真っ赤にする。何かを勘違いしているとだけ言っておこう。

 

 

「この街、完全に宇宙人の支配下に置かれているみたいだ。その証拠に俺が透視光線を使った瞬間に敵が先手を打ってきた。」

 

「な、何その話?」

 

「それ以外に何があるんだ?」

 

 

勘違いが解けると一輝は、そのまま話を続ける。

 

 

「取り敢えず、お前の友達でもここから脱出してやった方が良い。奴らは、この街を世界の敵に回す気だ。」

 

「分かったわ。黒子!あんたが一番信用できる友達っている?」

 

「居ますわよ、初春飾利ですが……何か?」

 

「そうね、それじゃその娘を連れて学園都市から逃げるわよ!」

 

 

すると、次の瞬間。黒子を残して一輝と美琴は、秋葉原へ飛ばされてしまった。

 

 

「お姉様……初春を連れて逃げる?」

 

 

黒子は、美琴が残した最後のメッセージを疑問にジャッチメントの仕事へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛った!バルタンの奴、容赦ないな。」

 

「どうして?」

 

「恐らく、作戦がバレると思い俺たちを追い出したんだろう。」

 

 

その目の前へ焦って逃げることりの姿があった。

 

 

「あ、一輝君に美琴ちゃん!丁度いい所に!!」

 

 

その後を追いかける穂乃果は、そこで見付けた一輝達の手を借りて大々的にことりを追い詰める。

 

 

「ここまで逃げれば……。」

 

「いいや、ウチらの勝ちやで。」

 

 

そう言って後ろを振り向くと既に希がそこに居た。

 

 

「もし逃げるなら……ワシワシの刑やで!!」

 

「キャーーーーーーーーーー!!」

 

 

とこうして、ことりの大激逃走はこれにて幕を閉じた。

そのバイト先の店でことりは、ショボーンと椅子に座っていた。

 

 

「バイト禁止と言うルールは無いけど……これはね……。」

 

 

そう言って絵里は、店内を見る。そう俗に言うメイドカフェという場所だったのだ。

 

 

「ごめんなさい。何か、衣装のヒントとかアイドルとして大事な事を学べるような気がしたの。」

 

「と言いましてもね……一輝はどう思いますか??」

 

「悪い!俺、店長と話しあるから。」

 

 

と言って一輝は、店長のいるカウンターへ向かった。

 

 

「いらっしゃい。旦那、いつものカフェラテで良いのかな?」

 

「あぁ。」

 

 

その光景を見た穂乃果は、「何であんなに店長と仲いいんだろう。」と疑問を持ちかける。

 

 

「もしかして、一輝はここの常連なのでしょうか?」

 

「えぇー!一輝のこんな趣味があるの?以外だわ……。」

 

 

ことりより一輝の話になるがそんな事を気にせずに一輝は、出されたカスぇラテを飲みだす。

 

 

「あちらの嬢ちゃん達は、関係ない話をし始めましたが……旦那は、良いんですか?」

 

「あぁ。みんな、俺の秘密が知りたいとか常に騒いでいるからな。で、ダークバルタンは何をしようとしてるんだ?」

 

「さぁーね、兄貴とはもう何十年も連絡とってないから何と言えないのですが、近々東京でデケェもん起こす気ですわ。」

 

「なるほど、助かったよ。情報屋チルドバルタン。」

 

そう言って一輝は、椅子から立ち上がり代金をテーブルに置いた。

 

 

「止めるんですか?兄貴の暴走を。」

 

「あ、その近々な。それより、今はことりの面倒を頼んだ。」

 

 

そう言うと一輝は、その会話に入った。

 

 

「ねぇねぇ、一輝君はこういうの好きなの?」

 

「いや、たまたま店長と仲が良いだけだ。それより、この近くで路上ライブでもやったらどうだ?」

 

「えぇー!!」

 

 

その提案ににこが驚くとこの場所がどういう場所なのかを一輝に説明し始める。

 

 

「そんなのA-RISEに宣戦布告してる様なものだわ。それに、ここでライブをしても誰も来ないこともほぼ確かな状態なわけよ!」

 

「だったら、ここでバイトでもすれば?」

 

「凛たちがバイト!?」

 

「そう、ここを知らないのなら知ればいい。俺たちウルトラマンはそうやって知らない土地を知っていったがな。μ'sにその気……あるか?」

 

「ねぇ、やろうよ!」

 

 

にこの意見を論破した一輝は、そうμ'sメンバー全員に問を投げると真っ先に答えたのは穂乃果だった。

 

 

「ですが、ここでライブをするということはあの恥ずかしいメイト服を着るということですよ!」

 

「ツッコミどこそこ?確かに、あのメイド服は少し恥ずかしいけど……良いの?A-RISEに喧嘩を売って。」

 

「そうですよ!スクールアイドルの天下A-RISEのお膝元であるこの秋葉原でライブをするという事は今までにない事ですよ!」

 

 

と真姫と花陽が穂乃果に反対の意見を言うも穂乃果は、聞かなかった。

 

 

「でも、それで注目度がアップするかも!」

 

「なるほどな、秋葉原でゲリラライブを虚構して逆に注目度を集める。そうすれば、廃校を止める近道になるかもしれへんもな。」

 

「そう!そこなんだよ!!希先輩。」

 

「じゃあ、それで行きましょ?でも作詞は海未ではなく……ここでバイトをして経験値を得ている……ことり、貴方がやりなさい!」

 

「えぇーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、帰宅したことりは、一人机に向かって座っていた。

 

 

「うーん、何書けばいいんだろう……。ふわふわなおやつ食べたいな!……これじゃなーーーい!!」

 

 

その格闘は朝まで続いた……。




《次回予告》(CV.南ことり)
やったー!!
二話連続次回予告に抜擢された南ことりでーす!

さて、次回は??

突然の作詞に悩む私……。
それは、穂乃果ちゃん達も一緒だった。なれない服を着て人前に立つ苦労を目の当たりにした穂乃果ちゃんに言われた一言が……。


次回、第25話「Wonder zone」




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第25話「Wonder zone」

《前回のあらすじ》
ことりのバイトが発覚。しかし、それを前向きに捉えた一輝は、天下A-RISEのお膝元である秋葉原で路上ライブをするということに。
何とその歌詞は、ことりが!?

一体どうなる???




 

 

「はぁ……全然歌詞思いつかないよ〜!!」

 

 

そう言って机に伏せるのは、ことりだった。ことりは、一人次の新曲の歌詞を書いていたのだ。

 

 

「ことりちゃん大変そうだね。」

 

「えぇ、ことりも初めての経験ですし……。」

 

 

そう言ってことりの様子を覗いて見ているのは、穂乃果と海未だった。彼女達は、ことりが心配になりじっと見つめていたのだ。

 

 

「何してるんだ?」

 

「あ、一輝君に美琴ちゃん!」

 

「あれは……南さんじゃない。どうしたの?」

 

「えぇ、実は……慣れない歌詞の作成に悩んでるみたいで……。」

 

 

海未が、そう言うと美琴少し間を置いてから教室へ入る。

 

 

「どう、調子は?」

 

「あ、美琴ちゃん。」

 

 

美琴は、ことりに飲み物の入った缶を渡すと少しことりから話を聞いた。

 

 

「そうよね、いくら秋葉原を少し知ってるからってアイツも馬鹿よね!」

 

「アイツって……一応体は、従兄弟のなんだし……。でも、海未ちゃんの大変さが少し分かる気がして……。曲だって、真姫ちゃんと一輝君、それに美琴ちゃんも手伝ってくれてるんでしょ?」

 

「まぁね、ちょっと歌詞見せて。」

 

 

と言うと美琴は、歌詞の為に作っていたことりのノートを手に取って見る。

 

 

「なになに……フワフワしたもの可愛いな!はいっ!後はマカロン沢山並べたら、カラフルで幸せ!ルンルンルンルン。って、これ本当に歌詞にする気!?」

 

「えぇ!?ダメかな?」

 

「ダメも何もこれじゃ一人も来ないわよ!とにかく、明日はあの店でみんなバイトするんだからそこから学んでも良いんじゃない?」

 

 

恥ずかしげな歌詞を普通の声で歌った美琴は、少し頬を赤くしながらそう言って教室を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日という事もあって店には、多くの人(?)が沢山来ていた。

 

 

「で、何で私まで!?」

 

 

そう反論するのは、誰でもない御坂美琴である。一輝は、アメリカ北部で暴れているアボラスを倒しに向かった。

 

 

「だって貴方もμ'sの一員でしょ?だったら文句言わずにやりなさい。」

 

「そうそう、これは先輩命令なのであーる!」

 

 

とにこと凛がからかい美琴は、渋々メイド服を着て店の方へ出ると10人のメイド服姿を見た客は、少し興奮気味にスマホを構える。

 

 

「すみません、店内での撮影はご遠慮します。」

 

 

しかし、それとは無関係にシャッター音が美琴だけに響き渡る。美琴は、怒りをあらわにしてその人物に電撃を放つ。

 

 

「美琴ちゃん、やり過ぎだよ!」

 

「そうよ、死んだらどうするの?」

 

 

それを見た穂乃果と絵里が止めに入ると、花飾りをした少女と黒髪ロングの少女がボロボロになっている白井黒子の所へ向かう。

 

 

「別に良いのよ、黒子とはそう言う関係だから。」

 

「お、お姉様……昨日突然のように居なくなるので……結局、寮監の先生により処刑を受けましたのよ。」

 

「あ〜っそ。で、そちらの方は?」

 

 

そう言って美琴は、話をふると黒子は紹介し始める。

 

 

「あ、こちらは初春飾利(ういはるかざり)さんとその友達の佐天涙子(さてんるいこ)ですわ。昨日、お姉様に言われた通りに学園都市の外へやって来ましたけど……説明してくれます?どうして、この様な事態になっているのか。」

 

「それは……ちょっと来て!!」

 

 

そう言って美琴は、仕事をほったらかして黒子たちを連れて店の外へ向かう。

 

 

「ここなら大丈夫そうね。」

 

「で、御坂さんですよね?あの常盤台の超電磁砲の。」

 

「そう言えばまだ自己紹介してなかったわね。私の名前は、御坂美琴。佐天さんの言う通り、常盤台の超電磁砲って呼ばれてたけどまぁ、ここじゃ能力何て無意味に近いから関係ないけどね。そろそろ来ることろね。」

 

「一体誰が来ると言いますの?」

 

 

次の瞬間、光の速さでアボラスと戦闘を終えてきた一輝が黒子達の目の前に現れる。

 

 

「いてて……って、美琴?何そんな服着てるんだ?」

 

「それはこっちが聞きたいわ。それより、昨日話した黒子達が学園都市から来てくれたのよ。」

 

「おぉ!良く来てくれた。ここなら、バルタンの手の範囲外だからな。」

 

「あの……失礼ながら聞きますけどバルタンとは?」

 

 

黒子は、この間話が聞けなかった分しっかり聞こうとしていた。その表情を見た一輝は、ゆっくり口を開いた。

 

 

「話してもいいが……これは、学園都市を敵に回すという事だ。それが出来るか?」

 

 

その質問に黒子達は、少し悩んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、店の中では……。

 

 

「いらっしゃいませ!ご主人様。」

 

「いらっしゃいませ!ご主人様!!」

 

「い、いらっしゃいませ…ご主人様…。」

 

 

ことり、穂乃果、海未の順番に挨拶をする。恥ずかしがり屋の海未は、とっても小声になってしまい何度もことりからダメ出しを受けてしまう。それは、花陽も同じだった。それに比べ3年生の三人はみんな上手い具合に客を満足させて帰ってもらっている。

 

 

「す、凄い……。」

 

 

それを見た穂乃果は、思わず呟いてしまう。それに対してことりは、生き生きと働いていた。

 

 

「さぁ、二人とも厨房へ行って一緒に洗おう?」

 

 

そう言って三人が向かったのは、厨房だ。皿洗いを始める。しかし、穂乃果はそれを少し不満をこぼす。

 

 

「何で、何で私達は人前に出ないの?」

 

「て言うか、メイドとは本来こう言うのがメインなはずです。」

 

 

と言いながら作業をする海未に対してことりは、再び注意する。

 

 

「ダメだよ海未ちゃん。いつでもどこでも笑顔は大切にね!」

 

 

そう、ウインクしながらことりは答える。その姿に穂乃果は、あることを思いつく。

 

 

「ねぇ、ことりちゃんって仕事してる時凄い輝いてるよね!だったら、その気持ちをそのまま歌にすればいいんじゃない!!」

 

 

その一言でことりの悩みは、消えるのであった。

すると、1週間後に行う路上ライブに備えてポスター貼ったりと準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからあっという間に1週間が過ぎてライブ当日の朝が来た。秋葉原へ向かい準備をする穂乃果たちを美琴や黒子、初春や佐天が手伝う。

そこへ息を切らしながらダイゴがやって来た。

 

 

「ダイゴ、どうしたのよ!?」

 

「日光にゴルザだ!!一輝、力を借りたい!」

 

「そうこなくてはな!」

 

 

一輝は、そう言うと張り切ってダイゴに付いていこうとすると、それを黒子に止められる。

 

 

「どこへ行くのですか?お姉様やその友人の健闘を見ずに……。」

 

「そりゃ、見たいさ。見たいけど、こういう時に限って俺は、見れないんだよ。」

 

「それは、どういう事ですか?大体、御坂さんも何か行ったらどうですか?」

 

「私!?そうね……笑顔で帰ってこなかったら承知しないわよ!」

 

 

美琴は、ウインクしながらそう言うとそれを見た黒子は、衝撃な映像を見た顔をする。しかし、一輝は笑顔で「分かった!」と言うとダイゴと共にその場から走りだして行った。

 

 

「何故、何故ですの!?お姉様。あの殿方達の正体は!?」

 

「知りたい?」

 

 

美琴は、笑顔を見せながらそう聞くと彼女達は、皆首を縦に振る。

 

 

「じゃあ、穂乃果。私ちょっと日光まで行ってくるね!」

 

「うん!美琴ちゃんも一輝君達と一緒に元気で帰ってきてね!」

 

 

穂乃果の言葉にうんと答えると美琴は、黒子のテレポートを使い日光へ移動するとそこで初めて見た怪獣ゴルザを見た黒子、初春、佐天は、驚きを隠せなかった。

 

 

「じゃ、ジャッジメントですの!そこの怪獣さん、大人しくなさって!」

 

 

しかし、ゴルザは聞く耳を持たず美琴達を潰そうとする。それを美琴は、超電磁砲を放ち阻止する。

 

 

「流石!お姉様。」

 

「でもね、私の力を使ってもこれが精一杯なの。」

 

「じゃあ、どうすれば!?アンチスキルに頼む?」

 

「それは無理ですの。学園都市外にいる私達を助けるほど、行動範囲も広くないでしょうし。」

 

「じゃあ、どうすれば!?」

 

 

なす術もなくただ迫り来る怪獣から逃げる黒子達。自分の愚かさを目の当たりにしただろう。しかし、そこへゼペリオン光線とZ光線がゴルザに命中する。

 

 

「御坂さんあれは?」

 

「そう、あれは学園都市に居るレベル5より強い正義のヒーロー……ウルトラマンよ!」

 

「お姉様、ウルトラマンとは!?」

 

「あ、それ知ってますよ!五十年前、流星の如く地球に現れた謎のヒーロー。その、超人的なパワーからウルトラマンと名付けたって。」

 

「で、あの銀色のウルトラマンがゾフィーで、カラフルなのがティガよ。どっちの変身者は、さっきあんた達と接触してるわ!」

 

 

それを聞いた黒子は、驚く。μ'sと美琴以外に接した人物といえば……あの謎の二人しか居ないからだ。

 

 

「ま、まさか!?」

 

「そのまさかよ!」

 

 

そう言って黒子や初春そして佐天は、目の前で戦っているゾフィーとティガを見つめる。

 

 

ティガは、マルチタイプからパワータイプへタイプチェンジすると、ゴルザをつかみ動きを封じると両腕に力を入れてしぼり上げる。そのゴルザの顔面をゾフィーが連続パンチをする。

 

 

「いけ!ティガ!!」

 

「ハァァァァァっ!!チャッ!」

 

 

そう雄叫びをあげながらティガは、ゴルザをブレインバスターをして地面に投げ倒すとティガは、ゴルザから離れる。すると、ゾフィーがM87光線を放ち見事ゴルザに命中した。

 

誰もが勝ったと思った次の瞬間!?

 

ゴルザは、M87光線のエネルギーを全て吸って自らのエネルギーに変えたのだ。

 

 

「嘘!?」

 

「そんな技ありですの?」

 

 

ゴルザの光景を見て驚く佐天と黒子。しかし、そこからゴルザの反撃が始まった。ティガのパワータイプとパワー比べが始まると後ろから接近するゾフィーに対して尻尾で叩き近づけないようにするとティガに近距離で超音波光線を額で放ちダメージを与える。

 

 

「こうなったら……。喰らえ!八つ裂き光輪!!」

 

 

そう言ってゾフィーは、ウルトラマンの必殺技である八つ裂き光輪を放ちゴルザの尻尾を切断する。

すると、ティガはゼペリオン光線の構えに入るとゾフィーは、M87光線の構えに入り同時発射してゴルザを倒す。爆発が収まってから彼らのカラータイマーが同時に鳴り、残りのエネルギー残量を示していた。

そして、彼らは近くで見ていた美琴達を見つけるとその前まで移動して人の姿へとなった。

 

 

「凄い!!学園都市で言うとレベル5?」

 

「いや、レベルは関係ないよ。一輝はともかく、僕はこれがなきゃ変身できないからね。」

 

 

そう言ってダイゴは、スパークレンスを見せる。

 

 

「さぁ、ダイゴ。早く東京に戻ってライブを見るか?」

 

「そうだな。」

 

 

そう言って一輝とダイゴは、一緒に東京へ帰ろうとしていた。

 

 

「あの!」

 

 

その声を聞いて二人の足は止まると同時に振り向く。

 

 

「よろしければ、私がテレポートでお送りしますわ。」

 

「良いのか?」

 

「はい、こんな活躍をされていればお姉様が惚れる理由も分かりますし。」

 

「ちょっと!何言ってるのよ!?」

 

「えー!御坂さん、一輝さん好きなんですか?私狙ってたのに〜!」

 

「え!?佐天さんまで何言ってるのよ!?ほ、ほら、黒子!早く東京に戻るわよ!」

 

「ハイですの!」

 

 

と言って黒子は、みんなを連れてテレポートさせてるとμ'sのメンバーはみんなライブ用のメイド服に着替えていた。

 

 

「あ、一輝君!おかえり!!」

 

「あぁ、ただいま。」

 

 

そして、夕方になり穂乃果達は路上ライブを始めた。

ことりが作詞した曲は少しふわふわ系でことりが主旋律になり、みんなを引っ張っていく姿がまた観客を魅了していくのであった……。




《次回予告》(CV.東條希)
夏だ!海だ!合宿だ!
てな訳で、μ'sメンバー9人と一輝君とダイゴ君、それに美琴ちゃん達を連れて夏の海にやって来たウチら。
しかし、その反対にある火山ではあの怪獣が目覚めようとしていた……。


次回、第26話「ゾフィー死す!?μ's夏合宿!!」




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第26話「ゾフィー死す!?μ's夏合宿!!」

夏といえば何を思いますか?
そんな問いかけから始まる今日の物語は、少し懐かしいあの怪獣の登場です。


 

 

「暑い……暑すぎるよー!!」

 

 

そうわがままを言うのは、μ'sの発起人高坂穂乃果である。彼女は、今猛暑となっている東京の暑さに襲われていた。

 

 

「そんな事言わずに練習ですよ!」

 

「えーー!!暑過ぎて死んじゃうよ!」

 

 

海未がそう言うと穂乃果は、猛反対すると海未は少し呆れ気味に絵里や希に助け舟を求める。

 

 

「確かにこの暑さは異常よね。」

 

「ほな、だったら涼しい所行こうか?」

「涼しい所とは……!?」

 

 

海未は、そう呟くと穂乃果がある名案を叩き出す。

 

 

「そうだよ!合宿へ行こうよ!合宿!!」

 

「しかし、そんな費用あるんですか?」

 

 

穂乃果の提案に海未が質問する。しかし、穂乃果は固まるとじっと横目でことりを見つめる。

 

 

「ことりちゃん!ことりちゃんのバイト代で何とか!!」

 

「えぇー!?」

 

 

ことりは、穂乃果から突然のお願いに驚きを隠せなかった。それを見た海未は、あてがないのだと呆れる。

 

 

「じゃあ、真姫ちゃん!別荘とかあるでしょ??」

 

「あ、あるわよ。」

 

 

すると、穂乃果は目をキラキラ輝かせながら真姫に近寄ると興奮気味にそれが本当か聞く。

 

 

「本当だから!!何度も聞かないでよ!」

 

「ヤッターー!だったら真姫ちゃんの別荘へ行こうよ!」

 

 

こうして、夏のμ's強化合宿が始まろうとしていた。

 

 

「お姉様、黒子達も行っていいというのは本当ですか?」

 

「えぇ、西木野さんがどうせ行くならみんなで行きましょって。」

 

「それ、本当ですか?別荘か〜、海とかの近くにあるのかな?」

 

「東京の外へ出るのは、楽しみです!」

 

 

美琴は、帰宅後留守番してた黒子達に合宿の話を持ちかけるとみんな大喜びで行くと答えた。超能力開発の為に学園都市に拘束状態だった彼女達にとってみれば、初めての都外で興奮しているのだ。

 

 

「良かったな?白井達が行くってなってくれて。」

 

「うん、一輝も行くわよね?」

 

「あぁ、パトロールを終えてからそっちに向かうよ。」

 

 

それを聞くと美琴は、少し嬉しくなった。すると、自然と赤くなる頬を見てまた佐天が美琴をからかう。

 

 

「あぁー!御坂さん、また顔赤くしてる!!」

 

「もう、御坂さん毎日顔赤くしてますよ?」

 

「お姉様!!私、白井黒子と言う存在をお持ちながら何でそんな殿方を見て顔を赤くするのですか!?」

 

 

佐天から始まった美琴いじり……。

美琴も少しは、耐えたが……次第に我慢の限界になり大声で注意した。

 

 

「うるさい!からかう暇があったら明日の準備をしなさい!!」

 

 

それを聞くと慌てて黒子達は、明日からの合宿の準備をし始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、快晴に恵まれた東京から静岡県沼津へ向かってμ'sの9人と美琴、黒子、初春、佐天それにダイゴが参加することになった。一輝は、本来の姿であるゾフィーになり太陽系のパトロールへと向かっていた。

新幹線に乗り沼津駅へやって来た穂乃果達は、そこから別荘のおる内浦へやって来た。

 

 

「「「おぉー!!」」」

 

 

真姫の別荘を見た一同は、その広さに歓声を上げる。部屋からは、内浦湾が一望できて。別荘の後ろには箱根山があり、海、山を一度に堪能できるという素晴らしい場所だった。

 

 

「では、これが本日から行う合宿の練習メニューです。」

 

 

海未は、そう言って練習メニューの書いた紙をホワイトボードに貼る。それを見た穂乃果が反対した。

 

 

「えぇーー!!これは流石に地獄だよ!!」

 

「いいえ、強化を測るにはこれぐらいが丁度いいかと。」

 

「じゃあ、海は?」

 

「海未なら私ですが……」

 

「海未じゃなくて海!!」

 

「で、私達はどうしてよっか?」

 

「美琴ちゃんも助けてよ!!」

 

 

怖くなりその場から逃げようとした美琴を穂乃果は、黙ってはいられなかった。

 

 

「お、お姉様……あの御方から凄まじい負のオーラが……。」

 

「美琴さんは、賛成ですよね?」

 

「え!?え…それは……園田さんの言うことも分からなくはないわ。でも……流石にやり過ぎなんじゃない?」

 

 

美琴は、恐る恐る言うと目線を3年生の方へ送る。

 

 

「ねぇ!絵里先輩もそう思いますよね!」

 

「えぇ、でもその前にみんなに聞いて欲しい事があるの!」

 

 

そう言って絵里は、みんなの視線を集める。すると、自らの考えをみんなに伝え始めた。

 

 

「みんな、今年上に対して先輩を使ってるわよね?そんな気づかいをライブ中にやられても嫌だからこの際、ハッキリしようと思うの……。」

 

「そうね。ステージの上では、みんな平等って訳だし……。」

 

「てなわけで!今日から先輩禁止!!」

 

 

絵里は、そう言うとみんな驚く。年上には先輩を使う。これが社会のルールであるからだ。

 

 

「絢瀬先輩!それって……もしかして私たちも?」

 

「当然よ!貴女達もμ'sの一員なんだから!」

 

 

疑問に思った美琴は、絵里に質問するとあっさり論破されて渋々それを受け入れる。

 

 

「穂乃果、分かってくれたかしら?」

 

「う、うん!絵里ちゃん。」

 

「ハラショー。」

 

 

こうして、μ'sの先輩禁止令が3年生から見事に発令された。その後、少しだけならといいみんな海で遊びはじめた。

 

 

「あーあ、平和だ。」

 

 

その光景を見ながらダイゴは、そっと呟く。そこへ、小学生ぐらいの身体をした茶髪の少女がやって来た。

 

 

「ねーね!お兄ちゃん達は、何しに内浦へ来たの?」

 

 

地元の小学生だろう。スクール水着には、高海と書かれていた。

 

 

「あぁ、ちょっとした合宿だ。君は?」

 

「私はね、友達と一緒に海に泳ぎに来たんだよ!」

 

「そうか、そのお友達は?」

 

 

ダイゴは、辺りを見ながらその娘の友達を探すが誰もいない。

 

 

「それが……お姉ちゃんたちが独占してるから止めた方が言いってみんな言うんだよ!あのお姉ちゃん達優しい人だよね?」

 

 

純粋な小学生の質問に対してダイゴは、その娘の頭を撫でながら答えた。

 

 

「あぁ、あの人たちはみんな優しい人達だから一緒に遊んでもらいな!」

 

 

それを聞いた少女は、建物の方へ向き大声で友達を呼んだ。

 

 

「果南ちゃん!曜ちゃん!あのお姉ちゃん達と一緒に遊んでもいいって!!」

 

「千歌ちゃんそれ本当?」

 

 

そう言いながらその娘の友達が二人こちらにやって来た。その娘達も少女と同じスクール水着だった。

 

 

「あ、自己紹介忘れてた。私の名前は高海千歌!内浦小学校6年生なんだ!宜しくね!!」

 

「私は、千歌と同じ学校の渡辺曜です。ヨーソロー!」

 

「私は、内浦中学校一年松浦果南です。」

 

 

真ん中の子のヨーソローとはなんだ?とダイゴは、少しの疑問を思いながらもそれを無視して穂乃果達と合流させようとすると上空に巨大な鳥型の怪獣が飛んでるのがわかった。

 

 

「穂乃果!絵里!みんな!こっちに逃げるんだ!!」

 

 

ダイゴは、懸命に叫びながらそう言うとそれを知ったみんなが慌てて逃げる。ダイゴも千歌達を連れて逃げる。すると、先ほどまで遊んでいた海に着地した怪獣は、その翼を動かして建物を倒壊させようとする。

 

 

「あれは何!?」

 

 

突然の出来事に混乱する千歌にダイゴは、冷静に説明する。

 

 

「あれは、火山怪鳥バードンだ。」

 

 

そんなバードンは、陸へ上がろうとしたがそこへパトロールを終えたゾフィーがやって来た。バードンに飛び蹴りして倒すと自分も海へ着地して攻撃態勢に入る。すると、起き上がったバードンと間合いを詰めてからパンチやキック、チョップなどの連続攻撃をする。

しかし、それに起こったバードンは自分の嘴をゾフィーの左肩へ思いっきり刺した。

 

 

「へアッ!」

 

 

全身麻痺したかのように痺れ始めたゾフィーへバードンの猛攻は止まらない。その至近距離から口を開いて火炎放射を放つとゾフィーの頭が燃え始めた。

 

 

「あぁ!頭が燃えてるよ!」

 

 

それを見た穂乃果が心配そうに言うと周りも心配する。すると、ゾフィーのカラータイマーが青から赤へ変わると彼を海に押し倒したバードンは、その嘴をゾフィーの太股へ向けて刺すとそこからまた猛毒がゾフィーの体内へと流れる。苦しむゾフィーは、バードンから離れようと背中を向けるが容赦なくバードンは、その背中へ嘴を突くとゾフィーは、完全に地面に倒れ込むとそのまま動かなくなってしまった……。

 

 

「そんな……。」

 

「お姉様、早く逃げますわよ!」

 

 

ゾフィーが負けた。その事実に、膝を地につけて落ち込む美琴に黒子は、歩み寄りテレポートでバードンから離れる。

 

 

「白井さん!」

 

「初春、住民の避難は?」

 

「はい、全て終わりました。」

 

 

ジャッジメントとしての仕事っぷりを発揮した初春と黒子は、住民の避難を完了させると美琴を連れて逃げようとする。

 

 

「お姉様、逃げますわよ?」

 

「嫌だ!」

 

 

黒子の言葉に美琴は、二つ返事で答えると電気をビリビリさせながら立ち上がった。すると、そんな美琴の脳に直接語る人がいた。

 

 

(バードンを倒したいかい?)

 

「え!?あんたは誰?」

 

(良いから倒したかったら俺の指示に従ってくれ。この場を逆転出来るのは君の超電磁砲だけだ!)

 

「分かったわ!」

 

 

そんな美琴を見た黒子は、嫌な予感しかしなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.白井黒子)
お姉様!!
26話にして私、白井黒子が次回予告をさせていただきます。

さて、次回は……

あのゾフィーが敗れましたの……。
それに、もう1人の殿方はロリ少女達に捕まって変身できないみたいですし……って!!
お姉様、何を急に!?

あの緑の戦士は?

次回、第27話「帰ってきた戦士」

ですの。次回も見てくださいませ。


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第27話「帰ってきた戦士」

《前回のあらすじ》
ゾフィーが敗れたことによりパニックに陥る御坂美琴。
しかし、そんな美琴の脳に直接語りかける謎の声があった。、


(バードンを倒したいかい?)

「え!?あんたは誰?」


美琴の脳に直接誰か語りかけていた。
その人は、自らの正体を隠して美琴に協力を要請してきた。


(良いから倒したかったら俺の指示に従ってくれ。この場を逆転出来るのは君の超電磁砲だけだ!)

「分かったわ!」


そんな美琴を見た黒子は、嫌な予感しかしなかった……。
果たして、沼津の平和は!?
美琴の案とは!?
















 

 

「黒子!」

 

 

美琴は、ギランとした目をしながら黒子を呼ぶ。すると、黒子や他の人達も美琴の方を向いていた。すふと、美琴の身体から電気がビリビリしていた。その姿を久々に見た黒子は、少し恐ろしくなる。

 

 

「お、お姉様?」

 

「御坂さん……。」

 

「初春さんに佐天さんは、ここをお願い!黒子、頼み事……してもいい?」

 

「お姉様、頼み事とは一体?」

 

「そうね、アンタの力を貸して欲しいの!」

 

 

美琴は、そう言うと黒子の能力の一つであるテレポートを使ってバードンの近くのビルへ到着する。すると、美琴は、ポケットからゲーセンのコインを取り出すと方目をつぶってゆっくり射角を定めようとするが……。

 

 

「……無理ね。」

 

 

そう言って右腕を下ろす。しかし、まだ手がある。黒子は、美琴がバードンを攻撃しようとしてることを悟った。

 

 

「仕方ありません。お姉様、何処を狙えば良いのですか?」

 

「え!?あの口の近くにある毒袋だけど……。」

 

 

そう言うと黒子は、自分の太股に 忍ばせた鉄矢を数本取り出すとそれをバードンの毒袋へ向けてテレポートさせた。次の瞬間、バードンの毒袋が破裂した。

 

 

「やった!!黒子、トドメを決めるわよ!」

 

「分かりましたわ。お姉様!!」

 

 

次の瞬間、黒子は瓦礫の方へテレポートすると鉄筋コンクリートを美琴の方へ手レポートさせた黒子は、テレポートで美琴の後ろへやって来た。

 

 

「ナイスな位置よ!流石は私の後輩である黒子だわ。」

 

 

美琴は、そう言うと体内の電気を右拳に貯める。

 

 

「アンタはね、私の大切な人を傷つけた……。だから、許せないの…ごめんね……。これが……これが!超電磁砲の本気よ!!」

 

 

そう言って美琴は、自分の前に落下してきた鉄筋コンクリートを思いっきり殴り巨大超電磁砲をバードンにつけて放つ。すると、凄まじい威力になった巨大超電磁砲は、バードンの腹部を貫いた。その後、バードンはゆっくり倒れて爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光景をじっくり見ていた人物がいた。

そう、彼は学園都市に暗躍する悪魔な科学者……ダークバルタンだ。

 

 

「流石は、学園都市第3位の超電磁砲だ。そんな応用技術が出来るとはな。どうだ、例の計画の材料となる2万のクローンの開発は??」

 

 

とダークバルタンは他の科学者たちにそう聞いた。そして、座っていた椅子から立ち上がり装置により未だに寝ている御坂美琴にそっくりな少女をじっと見つめていた。

 

 

「失敗した超電磁砲量産計画(レールガンりょうさんけいかく)絶対能力進化計画(レベル6シフトけいかく)に移行する。君の考えは素晴らしいよ……木原幻生(きはらげんせい)。自らの考えのために230万人の人を犠牲にするんだからな。」

 

 

そう、既にダークバルタンは木原幻生と手を組んでいたのだ。木原の考えは、学園都市と言う一つの軍隊が世界中を敵に回しても負けないという無敵の軍隊を作り世界を征服しようとする考えである。その考えのために学園都市最強の超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレータ)絶対能力(レベル6)にすると言うのだ。そんな悪魔みたいな計画が今、学園都市で起ころうとしていた。

 

 

「その為にも、オリジナルはここで死んでもらう。」

 

 

ダークバルタンは、そう言うと近くの巨大倉庫で眠っているある怪獣を転送させた。その怪獣は、本来の姿に火山のマグマエネルギーを大量に入れこまれた改造(EX)怪獣だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良し、後はゾフィーだけね。」

 

 

バードンを倒し、少しは気が楽になった美琴は、背伸びしながらゾフィーを復活させる方法を考えていた。しかし、突然箱根山が噴火した。

 

 

「嘘!?」

 

「山の方には初春たちが!!」

 

 

突然の出来事で驚く二人だが、その火山口から赤と黒の色をして更に二の腕が通常よりも太くなったゴリラみたいなレッドキングが出現した。

 

 

「あ、あれは何ですの!?お姉様。」

 

「確か、レッドキングって言って前に一輝が倒したはず。でも、あの姿は見たことない。」

 

 

初めて見た怪獣に驚く美琴だが、先に山に近い避難先の人々を何とかするべく黒子とテレポートして避難先へやってくる。

 

 

「逃げて!!」

 

「み、御坂さん!?どうしたんですか?」

 

 

ドアを開けると同時にそう言うとそこに居た佐天が疑問を投げかける。

 

 

「良いから早く逃げて!箱根山から怪獣が!!」

 

 

それを聞いた街の人々は、慌てて逃げ出す。

 

 

「美琴ちゃん、黒子ちゃんも逃げようよ!」

 

「いえ、高坂さん。私達は、やることがありますの。」

 

 

穂乃果達が逃げようと促すも黒子は、それを断った。

 

 

「そうね、穂乃果達は早く逃げて。」

 

「でも!!」

 

 

そう言って引き下がらない穂乃果の手を美琴は、しっかり握る。

 

 

「え!?」

 

「大丈夫、一輝と一緒に帰ってくるから……だから、穂乃果達はちゃんと逃げて。」

 

「分かりました。穂乃果、行きますよ!」

 

「うん。」

 

「じゃあ、ちゃんと帰ってきなさいよ!あなた達も大切なμ'sの一員なんだから!」

 

 

最後に絵里がそう言い残して穂乃果達は、集団で逃げ始める。すると、美琴と黒子は同時にEXレッドキングの方を向く。

 

 

「黒子、巨大超電磁砲やるわよ!」

 

「分かりました。しかし、お姉様。一つ質問なんですが……。電池切れではありませんわよね?」

 

「何言ってるの!?私が少し使ったぐらいで電池切れになる訳ないじゃない!!」

 

 

美琴がそう言うと安心した黒子は、先程より大きい鉄筋コンクリートをテレポートさせてると、巨大超電磁砲を美琴がEXレッドキングに向けて放つ。

 

誰もが決まったと思ったがその時!?

 

煙で視界が悪いせいか、その煙を貫くように溶岩が美琴の方へ飛んできた。

 

 

「嘘!?」

 

「お姉様、危ないですわ!」

 

 

そう言って黒子は、覆い被さるように美琴に近づくとテレポートで安全な場所へ移動した。

 

 

「イタタタッ……黒子、アンタは大丈夫?」

 

 

そう言って美琴は、黒子の方へ振り向くと怪我をして血を流している足を見た。

 

 

「すみません、お姉様。不覚にも足を怪我したみたいですわ。」

 

 

そう言う黒子に歩み寄る美琴は、ポケットから取り出したハンカチを使って応急処置をする。

しかし、その間にEXレッドキングは美琴達の近くへ向かって歩み寄っていた。

 

 

「お姉様、早くお逃げになってください!」

 

「でも、黒子は?」

 

「黒子なら大丈夫ですわ。それに、常盤台の超電磁砲が死んだとなれば常盤台にどんな影響が起こるか分かりませんわ。だから……。」

 

「ごめん、黒子。確かに私が死んだら常盤台のエースが居なくなることになる。でも、それより私はアンタや他のみんなに生きて欲しいんだと思う。だから……不意打ちで勝手に人を手レポートさせるのは止めて!」

 

 

美琴は、黒子が静かに伸ばしていた手に気づく。それは、最後のテレポートだと美琴も気づいていたからだ。

そんなEXレッドキングの前に雷のようなものが落下した。

 

 

その後、美琴と黒子の前に現れたのはティガダークとカミーラにボコボコにされてアンドロメダに返されたアンドロメロスと伝説の超人ウルトラマンキングであった。

 

「キング、後は頼みます。僕は、あの改造レッドキングを!!」

 

「分かった。」

 

 

そう言うとメロスは、EXレッドキングに向かって走り出した。キングは、後ろを向き美琴と黒子をじっと見つめる。

 

 

「君たちの活躍は、十分に見させてもらった。まだまだ、地球も死んではないと理解出来た。そんな、君たちに2つだけ願いを叶えてやろう。」

 

 

願い……。それは、普通の人なら自分の欲望へ使うが今の美琴には、そんな余裕はなかった。

 

 

「じゃあ、私のせいで黒子に、こんな怪我をさせてしまったから……。だから、黒子の怪我を治して!それと、最後は……一輝を…ゾフィーを蘇らせて!!」

 

「お姉様……。」

 

 

そうすると、キングは笑い出した。それを見た美琴は、少し疑問を思い浮かべる。

 

 

「やはり君は……いや、君たちは……光の子供達だ。君たちの存在は、孤独に戦い続けるゾフィーの心を癒し、ティガダークを光の戦士へと導いた。そんな君たちを最後に試すために願いを聞いたのだが……自分の友人を助けるためにその願いを使う……。自分の願いはないのかね?」

 

 

キングは、試しに美琴に自分の願いを質問してみる。すると、美琴は少し微笑みながらその質問に答えた。

 

 

「私の願いは……みんなといるこの時間を大切にしたい。ただそれだけだから。それに、これは私が自分の力で叶えなければならない事だから……。」

 

「良かろう。そなたの純粋な願いを叶えてやろう。」

 

 

キングは、そう言うと両腕をクロスさせてキング再生光線を少し放つと黒子の傷は一瞬にして消えた。

 

 

「まぁ、傷が一瞬にして!!」

 

「す、凄い……。これが、伝説の超人ウルトラマンキングの力???」

 

 

美琴も1度は耳に入れたことがあるほど地球でも有名なウルトラマンキングは、次にボロボロになって倒れていたゾフィーの所へ行くと先ほど黒子にも使ったキング再生光線を放ちバードンの傷を癒していった。

 

 

「目覚めよ、宇宙警備隊隊長…ゾフィーよ!」

 

 

キングの声に共鳴するかのようにカラータイマーがゆっくり点滅を開始すると、その色が青になり瞳に輝きを取り戻すとゾフィーは、ゆっくり起き上がる。

 

 

「ここは!?……キング!!」

 

 

そう言ってゾフィーは、目の前にいるキングと握手を交わす。

 

 

「お前は、いい地球人に恵まれたな。」

 

「はい、彼らには随分助けられましたから。」

 

「そんなお前達にある凶悪な敵が迫っている。そいつは、マイナスエネルギーを求めて既に地球に潜伏している。そこで、そこに地球人達とメロスやティガと共に立ち向かうのだ!」

 

「はい!例え、どんな敵が来ようと関係ありません。仲間と共に力を合わせて倒すまでです。それより、キング星へ送還させた光の戦士達は!?」

 

「それが……、まだ目覚めないのだ。一刻も早くジュダを倒し、光の国に平和を取り戻すためにも頑張らなくてはならない。」

 

「分かりました!」

 

「では行け!M78星雲光の国の使者ゾフィーよ!」

 

 

キングは、そう言ってメロスと戦ってる場所を指さすとゾフィーは、うんと頷いてメロスの元へ走り出した。その後、キングは美琴の方を再び向いた。

 

 

「これで全て願いを叶えてやった。だが、少女よ。そなたにとてつもない闇が迫ろうとしている。それは、暗くとてつもなく深い。だが、ゾフィーや他の仲間を信じて前に進むのだ。」

 

 

それを聞いた美琴は、うんと頷くとキングは安心したかのように空を飛び地球を後にした。

 

 

「クッ……中々手強いな。」

 

 

一方、ゾフィーとメロスはEXレッドキングから距離を置くとゾフィーがそう呟いた。

 

 

「でも、隊長が二人もいれば倒せない的ではない。そうですよね?ゾフィー隊長。」

 

「あぁ、メロス!合体光線だ!!」

 

 

ゾフィーは、そう言うとM87光線とメロスの全力のアンドロビームを同時に放つとそれがEXレッドキングに命中する。しかし、その火力を取り込んだEXレッドキングは、全然効かないといわんばかりに両手でゴリラのように胸を叩く。

それを見たゾフィーは、あることを思いつく。

 

 

(あれなら、倒せるはずだ!!)

 

 

そう考えるとゾフィーは、ある技名を言う。

 

 

「ウルトラフリーザー」

 

 

すると、ゾフィーはウルトラフリーザーを放ちEXレッドキングを凍らすと彼を持ち上げて上空へ投げるとメロスと同時にM87光線とアンドロビームを放ち今度こそEXレッドキングを爆発させて倒した。

 

 

「メロス、これからもこの星のために共に戦ってくれ!」

 

「勿論です!」

 

 

そう言って二人は握手を交わした後、人間の姿になり美琴と黒子の前に現れた。

 

 

「一輝……人がどれだけ心配したと思ってるの?」

 

「すまん。でも、倒したからね?」

 

「それは、私の巨大超電磁砲があったから倒せたのよ!……って、待ってじゃあ私に向かったテレパシーを送ったのって……ブノア?」

 

「あぁ、ちょっと地球につくのが遅れそうだったんで力になれる人に頼んで足止めをしようと思ったんだけど……まさか、倒すとは思ってなかった。流石は、超能力者(レベル5)。」

 

「まぁ、当然ですわ。お姉様は、学園都市230万人の頂点に君臨する7人の超能力者(レベル5)の第3位ですから。それより、そちらの殿方は?」

 

「そう言えば君とは初対面でした。僕の名はブノア。アンドロメダ支部からやって来たアンドロ超戦士さ。」

 

「あ!穂乃果と約束してたんだった。ほら、早く行くわよ!」

 

 

美琴は、そう言って一輝の手を握りその場を後にして穂乃果達と再会した。その際にブノアは、真姫と再会してメチャメチャに言われたのであった……。

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.ブノア)
バードンやEXレッドキングを倒した俺達……。
日はすっかりくれて夜になった。そんな中、男子でしか話せないような話を次々と話す3人……。
俺から始まった《恋バナ》……。
果たして、収集はつくのか!?


次回、第28話「超人戦士3人組の恋バナ!?」


に続く!!


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第28話「超人戦士3人組の恋バナ!?」

《前回のあらすじ》
美琴や黒子の活躍によりバードンを撃破する事が出来た。しかし、学園都市の暗部から送り込まれた改造(EX)レッドキングが彼女達をピンチに陥らせる。そんな中、伝説の超人ウルトラマンキングと宇宙警備隊アンドロメダ支部隊長アンドロメロスが現われる。
そして、キングの超人的な力で復活したゾフィーとメロスでレッドキングを倒すことに成功した。


 

 

「ブノアなんかもう知らない!」

 

 

そう言って怒っているのは、誰でもない西木野真姫である。真姫は、頬を赤くしながらブノアに怒ると彼のいる所と反対の方角へ向く。

 

 

「ご、ごめん……。」

 

 

怒る真姫に対してブノアは頭を少し下げながら謝る。しかし、中々許してもらえなかった。

既に夕方になった沼津では、μ'sのメンバーが一日の最後に練習をしていた。

 

 

「みんな、上手くなったな。」

 

 

そう呟いたのは一輝だった。

彼は、自身の正体がゾフィーである事を知られてから昼間でも変身して戦っている。それによって滅多にμ'sの練習をサポートすることが出来なくなったのだ。

 

 

「凄い!生のスクールアイドルの練習風景だ!!凄いね、初春!!」

 

 

そう興奮するのは、学園都市から来た佐天である。彼女達が住む学園都市では、スクールアイドルが存在しない。よって、雑誌やニュースでしかその情報を見ることが出来ないのだ。

 

 

一方、μ'sは途中休憩をしていた……。

 

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

「どうしたの!?花陽。」

 

「なになに!?かよちんどうしたの?」

 

 

突然の花陽の叫びにみんな驚くと絵里や凛が花陽の近くへ向かう。すると、花陽は自身の携帯を驚いた表情で見つめていた。

 

 

「ラブライブです。スクールアイドルの甲子園と言われているラブライブの記念すべき第一回大会の開催が決定されました!!」

 

 

すると、花陽は既に性格が変わったかのように興奮しながら説明を始めた。その声のトーンや表情からして彼女は、もう自分の世界に入っていた。

 

 

「今回の予選はランキング形式で上位20位以内ち入って初めて本選への出場権を獲得できる形式になってます。」

 

「そうなると……全国に沢山いるスクールアイドルの20位だから……結構ハードルは高いわね。」

 

「やろう!!」

 

 

花陽の話を聞いて今回の予選の難しさを痛感したにこは、そう悩みながら呟くも何も後先考えずに参加表明した人物がいた。それを聞いた他のメンバーは、一斉にその人物の方へ振り向く。

その人物こそ誰でもないμ'sの発起人、高坂穂乃果であった。

 

 

「やろうよ!そうすれば廃校阻止の近道になるかもしれないよ!」

 

「ですが、勝算はあるんですか?」

 

「それは……。」

 

 

そう言うと穂乃果は、黙り込んでしまう……。そう、穂乃果たちよりも凄いスクールアイドルは沢山いる。そんな他のスクールアイドルを差し置いて自分たちが20位以内に入るなど……。

誰もが()()と思っていた。しかし、()()を除いて……。

 

 

「勝ち目がないって誰が決めたんだ!?」

 

 

すると、μ's全員が「え!?」と言いながら発言をした一輝の方への振り向く。すると、一輝は今までにない真剣な表情でμ's全員の目を一人一人ちゃんと見ていた。

 

 

「あんた、何言ってるの?他のスクールアイドルの実力を知らないで勝手に語らないでよ!」

 

 

そう言って怒るのは、にこだった。彼女のスクールアイドルに対する思いが爆発したのだろう。しかし、その気持ちにも一輝は、真正面から向き合った。

 

 

「それがどうした!?まるで、負ける運命だとでも言いたそうな顔してるけど……。

運命は誰にだって変えられることが出来る。そして、そんな馬鹿みたいに大きな夢を追いかけられる人間こそが、強いんじゃないか?お前達、μ'sはそんな軟弱だったのか?」

 

 

何時もよりキツイ一輝の言葉……。

それは、過去にこの星に来た兄弟達が人間から教わった人間と言う生き物の強い部分であり、素晴らしい所である。

 

 

「分かったよ!一輝君、出よう!ラブライブに。そして、必ず上位20位以内に入ろう!そして、廃校を阻止しよう!!」

 

 

その言葉を聞いた穂乃果は、さらに出場したいという意思を明かした。そして、当初の目的である廃校を必ず阻止しようと言う。しかし、その発言に戸惑ったメンバーもいた。

 

 

「絵里、何を悩んでる?」

 

 

その一人である絵里に話しかけたのは幼い頃から一緒にいるダイゴだった。自分の思いを気づかれた絵里は、苦笑いして答えた。

 

 

 

「え!?ダイゴ……。何でそう言うのはすぐ分かるわけ?」

 

「絵里、俺は一輝の言うこと分かる気がするよ。」

 

「え!?」

 

「それは、絵里だって同じだろ?闇の戦士としての運命しかなかった俺達に光を分け与えてくれた。運命を変えるきっかけをくれたのが一輝だ。このμ'sっていうグループには、9人の女神……何だろ?9人なら何でもできる所を見せてくれ!」

 

「負けたら?学校の評価が落ちるかもしれないのよ!?」

 

 

絵里を説得するダイゴに、にこが質問してきた。賛成できない人たちは、自分たちのせいで学校の評価が下がるのではと思っていたらしい。

 

 

「そんなのに怯えて参加しない方が評価落ちると思うわ!」

 

 

それに対して美琴は、一歩前に出てみんなに言う。それは、常盤台の超電磁砲という肩書きなど関係なく一人の人間としての発言だった。しかし、またにこが反発した。

 

 

「あんたは、常盤台の超電磁砲であり学園都市でもエリート扱いされる超能力者(レベル5)だからなのよ!だから、そんな事が言えるのよ!!」

 

「そんな事ありません!!お姉様は、始めはただの低能力者(レベル1)でした。それが、とてつもない努力をして今のようになられたのですわ。努力もしてないあなた方にお姉様を侮辱する権利なんてありませんわ!」

 

 

 

侮辱された美琴を庇うように黒子が怒った態度でそう言った。それを知ったにこは、少し申し訳なく感じた。努力しない人より努力して何かを掴んだ人の方が断然に凄いはずと……。

 

 

「ごめん……にこは、あんたが最初から超能力者(レベル5)だとばかり……。」

 

 

そう言って謝るにこの前に美琴は、歩み寄るとずっと先ほどまで握っていた握り拳を自ら解いた。

 

 

「別に謝らなくて良いのよ。それにこっちの事なんて誰も知らないはずだしね!でも、やっぱり諦めちゃダメよ。私や黒子、それに初春さんや佐天さん……それに一輝やダイゴさん、ブノアさんだって何らかのサポートはするわ。だから、諦めちゃダメよ!」

 

「……分かったわ、約束する。」

 

 

そのにこのセリフを聞いた一同は、安心した。すると早速先日行ったオープンキャンパスのライブで歌った「僕らのLIVE 君とのLIFE」の映像と共に音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sとしてエントリーした。

そして、その後更にダンスや歌の練習をして合宿一日目は、無事に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、みんなが寝付いていた後その寝顔を見ている一輝の姿があった。

 

 

「ちょっとイイですか?」

 

 

そう言って謎の笑みを浮べるのは、久しぶりに地球に帰ってきたブノアだった。一輝は、ブノアとダイゴと共に部屋の隅へ行くと何やらブノアが話を始めた。

 

 

「僕は……禁断の恋をしてしまった……。」

 

「急に何を言い出すんだ……。」

 

 

そう反応したのは、ダイゴだった。どうやらブノアは、真姫に完全に恋したらしい。しかし、一番いい顔をしなかったのは一輝であった。

 

 

「で、お前はどうする気なんだ?」

 

「それは……この星に残って真姫ちゃんと結婚したい!」

 

「それはダメだと言ってるだろ!!」

 

「まあまあ、落ち着こう。一輝、恋バナぐらい好きにさせてやれよ。」

 

 

そう言ってダイゴが仲裁に入ると興奮して立ち上がった一輝は、ゆっくり腰を下ろす。すると、ブノアは真面目な表情をして真姫について語り始めた。

 

 

「真姫ちゃんは、イイ!美人だし、意外と大胆だし、何よりあのツンデレがイイ!あれは、もう最高!!」

 

「アハハ……。一輝は気になる人とかいるの?」

 

「お、俺!?」

 

 

少し呆れたダイゴは、一輝に質問する。少し動揺した一輝だが、割と真面目に考え始めた。

 

 

(そう言えば、意外と意識してなかったな。そう言うの。俺もそろそろ結婚して子孫を残したいんだが……。全く、セブンには出来て俺には出来ないとかどうなってるんだ!?この世は……全く……。)

 

 

一輝の脳には、随分前に息子が出来たと自慢しているセブンの姿がいた。彼の息子ゼロにも過去の事などを色々教えたが……とにかく生意気なので、そんなに好きではなかった……。

 

 

「正直考えたことなかったな……。」

 

「全く……これだから、彼女いない歴2万5千年何ですよ!」

 

「う、うるさい!大体、光の国では他の星人との子孫残すことは規則により禁じられている。」

 

「何だ、つまんないな〜一輝さんは。」

 

 

しかし、ダイゴには分かっていた。一輝が何か悩みなあり、それを隠していることを……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから更に時が流れると翌日の午前4時となっていた。誰よりも早く一輝は、外へ出て風に当たっていた。

 

 

「恋……か。」

 

「何か、悩み事ですね。」

 

 

そう言って後ろからやって来たダイゴは、一輝の隣へ歩み寄る。

 

 

「恐らく昨日の恋バナですね?」

 

「そう言えばダイゴはそういう人いるのか?」

 

「はい、いますよ。」

 

 

それを聞くと一輝は、少し興味を持ちながら質問するとダイゴは少し嬉しくなったのか自分の愛しい人について語り始めた。

 

 

「僕は、絵里ですね。これは昔から決めてたんです。」

 

「何で?」

 

「何ででしょう……。昔、幼くて甘えん坊だった絵里に言われたんです。一生側にいてって……。その表情がちょっと可愛いかったんですよね。闇に沈みかけた僕が唯一正常で居られたのは、多分……絵里のおかげですね。」

 

 

そう嬉しそうに話すダイゴを見て自分にもそんな時が来るのか不安になった一輝だが……。

自分の脳裏に二人の人物の顔が浮かんできた……。

 

 

「そうか……俺は、知らぬ間に地球人の恋という病に侵されていたのか……。」

 

「なんか言いました?」

 

 

顔を少し赤くした一輝がそうボソッと呟くと聞き逃したダイゴは、もう一回聞き直した。

 

 

「教えない!」

 

 

しかし、一輝は少し照れながらそう言うとダイゴから離れるとどうしても聞きたいダイゴは、慌てて追いかける。その騒ぎに次々と別荘から起きる人が相次いだとのこ……。

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.ダイゴ)
沼津夏合宿2日目、練習を終えたμ'sと共にあわしまマリンパークへ行くことに。
そこで待っていたのは、御坂美琴を暗殺しようとする凶悪な宇宙人であった……。


次回、第29話「御坂美琴暗殺計画」




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第29話「御坂美琴暗殺計画」

 

 

「1、2、3、4、5、6、7、8……」

 

 

ダイゴが手を叩きながら数を数えていた。本日は、沼津夏合宿2日目……既に午前中が過ぎようとしていた。前日にエントリーした第一回ラブライブのランキングが更新されて既に30位に入っていたことを知り更に気合が入るメンバーであった。

そんな彼女達は、メニューを全て終えるとそれぞれ休憩に入った。

 

 

「それにしても30位だよ!」

 

「ええ、この1日でここまで順位が上がるとは予想外でした。」

 

 

自分たちが30位に入ったことに驚きを隠せない穂乃果は、いつもよりテンション高めに語る。それに対して海未もその感想を述べて会話は盛り上がっていた。

 

 

「ねぇ!お姉ちゃん達!!」

 

 

そんな穂乃果達の所へ先日から知り合った小学生の高海千歌、渡辺曜がやって来た。

 

 

「あ!千歌ちゃんに曜ちゃんだ!どうしたの?」

 

「ねぇねぇ、水族館へ行こうよ!」

 

 

千歌は、穂乃果に対してそう言うとそれを賛同した穂乃果を海未が止める。

 

 

「穂乃果、行けません!もっと力をつけないと20位に入り込むことはできません!」

 

「えぇー!?良いじゃん!穂乃果、水族館聞きたいし!」

 

「まぁ、午前中凄い練習したからいいんじゃない?」

 

 

喧嘩モードに突入しそうな2人の間に絵里が仲裁に入ると、午前中の頑張りから水族館へ行くことを勧めた。それを聞いた穂乃果は、大いに喜ぶと別荘の中へ入ってから私服へ着替え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園都市……。

とあるビルの中、ダークバルタンはある星人達の到着を待っていた。暫くすると、ダークバルタンの後ろへ現れた宇宙人は……合計3人……。

 

 

「バルタンの旦那、俺達を呼んだ理由を話してくれるか?」

 

「来たか……実はな、この女をここに連れてきて暗殺してほしい。」

 

 

そう言ってダークバルタンは、ある写真を彼らに見せる。それを見た星人の一人は少しがっかりした。

 

 

「何だ、人間か……俺様は、てっきり残りのゾフィーかと思ったぜ。」

 

「安心しろ、この女を狙えば必ず奴は来る。それに、今この星にはアンドロメロスやこの星のウルトラマンも居るらしいからな。」

 

 

ダークバルタンは、そう説明するとがっかりしてた宇宙人は、張り切って行こうとする。それを追いかけて他の宇宙人もその場を去っていった。

 

 

「ふん、覚悟しろ……ゾフィー。貴様の大切な人とか言うのを全部消し去ってお前を不幸のどん底へ叩き込んでやる。」

 

 

誰もいない部屋でダークバルタンは、学園都市を眺めながらそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わーい!水族館だ!!魚だ!!」

 

 

地元の水族館あわしまマリンパークの中へ入場した穂乃果は、興奮状態で魚を見ながら館内の奥へと進み始める。それを追いかけるのは、千歌と曜とμ'sのメンバー更には、ダイゴとブノアだった。残された美琴、黒子、佐天、初春と一輝はその場に立っていた。

 

 

「水族館か……何か初めて見る生き物が沢山いるな。」

 

 

滅多に地球に来ない一輝は、初めて見る海の生物を楽しそうに見ている。そんな一輝にゆっくり歩み寄ったのは美琴だった。

 

 

「じゃあさ、私たちも行きましょ?黒子、佐天さん、初春さん!!」

 

 

何故か、テンションの高い美琴は一輝にそう促してから自身の友達を呼ぶとそのまま歩き始める。

 

 

「今日の御坂さん、何かご機嫌が良いですね!」

 

「えぇ、私にはあの殿方と一緒に過ごす時間が黒子には、あの殿方と一緒に居るのが楽しく見えますが……」

 

 

黒子は、少し寂しそうな顔をしながら美琴の後ろ姿を見ていた。

 

 

「あの……私、お手洗いに行ってきて良いかな?」

 

「あ、いいですよ!私たちここで待ってますから。」

 

 

さっきまで我慢してた佐天が用を足しにお手洗いに行く。そして、手を洗っていると鏡を見て硬直する。

その後ろには、自分と同じ人がもう一人裸で立っていた。それを知った佐天は、恐る恐る後ろを向くと……。もう一人の佐天が手に持っていたスタンガンを振り向いた佐天の首に当てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「佐天さん遅いわね。」

 

 

一方、待っていた美琴達は、中々出てこない佐天を心配し始めた。すると、お手洗いから佐天が出てくる。

合流した佐天さんと共にまた美琴達は、館内を歩き始める……。

しかし、妙に美琴と話そうとして彼らの後ろをチョロチョロしてると二人に質問し始めた。

 

 

「あの……御坂さん、それに一輝さん喉乾いていませんか?」

 

「え!?まぁ、夏だし……少しは……。」

 

「俺も……。」

 

 

お互い暑さにより少し喉を乾いていたらしい。それを知った佐天は、笑顔でバックから水筒を取り出すと、コップにそれぞれ飲み物を入れて二人に渡す。

 

 

「はい、どうぞ!」

 

「ありがとう、佐天さん。」

 

「サンキューな。」

 

 

二人は、自然に受け取ってそれを飲む。それを見た佐天は、シメシメとニヤケ始める。それを見た黒子が佐天の不思議な行動に疑問を持ち始めた……その時!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……。」

 

「ぐぅっ……。」

 

 

二人は、同じタイミングでコップを落として苦しみ始めた。どうやら、全身の神経を麻痺させられたらしく中々動けないようだ。

 

 

「「まったく、馬鹿な奴だ。こわな古典的な罠にハマるとはな。」」

 

 

それを見た佐天が苦しむ美琴と一輝を侮辱すような発言をした。その声は、佐天本来の声と謎の男の声が混ざっていた。

 

 

「貴様……誰だ!?本物の佐天は、どこに!?」

 

「私の名は、ザラブ星人。」

 

 

と、ザラブ星人は自己紹介すると佐天涙子の服を脱ぎ捨てて本来の姿へとなるとその場に居合わせた客は、慌てて逃げ出す。

 

 

「本物の佐天涙子は、先ほどのトイレの個室に閉じ込めている。能力を持たない彼女に一番なりやすかったからな。」

 

「何……だと!?」

 

 

一輝は、苦しみながら起き上がろうとするとザラブ星人に顔を蹴られると、横へ転がる。それを見た黒子は、太ももにホルスターを巻いて忍ばせた金属矢を触れようとした。それを見たザラブ星人は、快音波攻撃を館内全域に仕掛けて近くにいる初春も巻き込んで苦しめると黒子は、頭を抱えながら倒れ込んでしまった。

 

 

「黒子ぉぉ!!初春さん!!」

 

 

苦しみながら美琴は、倒れ込んだ二人の名を叫ぶが、二人は頭を抑えて苦しんでいた。それを見た美琴は、苦しみながら自らの力である電撃を放とうとするが……。

 

 

「電撃が……出ない!?」

 

 

そう、電気が出ないのだ。その事実に驚いている美琴を見てザラブ星人が笑い出す。

 

 

「お前達が飲んだのは……能力者を一時的に無能力者へ変える力と全身の神経を麻痺させる力を含んだ毒薬さ。」

 

「ザラブ星人……何故こんな真似を!?」

 

「俺たちには、任務があってな……そこにいる御坂美琴の回収……そして、消去だ!」

 

 

それを聞いた美琴は、目を点にする。反抗する力もない彼女は、星人の思う壷になり殺されると思うと少し怖くなった。しかし、それを聞いた一輝は、ゆっくり……ゆっくり起き上がろうとする。

 

 

「な、何!?」

 

「何してるのよ!?」

 

 

それを見たザラブ星人と美琴は、驚いた顔で一輝を見る。本来なら、立つどころか動くのもやっとなのに……それでも、彼は立ち上がったのだ。一歩足を踏み出すとフラつくが何とか立つことを維持していた。

 

 

「そんなこと……させないし……佐天も助ける!」

 

 

息をあげながらそう言う一輝を見て慌てたザラブ星人は、エネルギー弾を一輝に向かって乱射するもギリギリの所でかわした一輝は、ザラブ星人の懐へ入ると一撃パンチを決めるとザラブ星人を地面に倒した。

 

 

「き、貴様のどこにそんな力が!?」

 

「誰かを守りたい。それが、俺の力の元だ!!」

 

 

そう言ってザラブ星人を踏みつけながら一輝は、言った。しかし、別のところで爆発音が響き渡ると一輝に向かって謎の光線が飛んできた。突然の事で反応が遅れた一輝は、その光線を受けると吹き飛ばされて近くの壁に叩きつけられると、そのまま地面に倒れ込んだ。

 

 

「一輝!?……ちょっと一輝!起きなさいって!!」

 

 

しかし、一輝は反応することが出来ずにいた。その光線が飛んできた所からは、ボロボロになった人間サイズのティガとメロスが二人の星人によって痛めつけられていた。

 

 

「手こずってるみたいだな。ザラブ星人。」

 

「ふん、神経を麻痺させる力が入っている毒薬を飲んでも立ち上がるとは想定外だった。ところでそっちは、どうだ?わざわざ変身してまで戦ってくれたのだからな。手応えはあったであろう……。テンペラー星人。」

 

「それがな、光の国の戦士と違いぬるくて全然歯応えがなかった。それに、お前の快音波も邪魔だったしな。」

 

 

テンペラー星人は、持ち上げた二人をそこらに放り投げる。すると、ティガのカラータイマーが点滅をやめてしまうとダイゴの姿へと戻ってしまった。

 

 

「では、我々の計画も第二段階へ進もう。ガッツ星人!!」

 

 

ザラブ星人がそう呼ぶとテレポートでガッツ星人が現れた。すると、ガッツ星人は分身をして美琴の周りを囲むと抵抗できない美琴を光線で十字架に閉じ込めると、彼女はそのまま意識を失ってしまった。

その十字架を持ち上げて真上にある円盤に乗り込むと円盤自体を透明にして星人達は、そのまま学園都市へ帰ってしまった。

 




《次回予告》(CV.初春飾利)
た、大変です!
佐天さんと御坂さんが!!
気がついた私たちの前には、ボロボロになった戦士達と無残な被害しか残ってませんでした……。
そして……御坂さんは……


次回、
第30話「御坂美琴の秘密!?学園都市の野望とは?」

次回もお楽しみにしててください。




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第30話「御坂美琴の秘密!?学園都市の野望とは?」

《前回のあらすじ》
あわしまマリンパークへやって来た一輝達に待っていたのは、ザラブ星人とテンペラー星人……更には、ガッツ星人の暗躍により御坂美琴を連れ去られてしまった。



 

「……ん?」

 

 

ついさっきまで寝ていた御坂美琴は、ゆっくり目を開くと彼女の目の前には、4人の宇宙人……その中心には、学園都市の科学者木原幻生だった。

 

 

「おや、目覚めたかね?御坂君。」

 

「ここはどこ!?私をどうしようっていうの?」

 

 

美琴は、少し強い口調で言うと木原幻生は、クスッと笑い出した。

 

 

「君、その格好でよく人に反抗的な口調をしてるね。」

 

 

そう言われた美琴は、ゆっくり視線を下ろすと……一気を顔を赤くした。

 

 

「ふ、服は!?私の服はどこへ??」

 

「驚いたかい?ここに来て、一旦十字架から解放してその邪魔な服を引き裂いて捨てたさ。もっとも君は、人類として初めて宇宙人の子孫を残すのだからね。人類の科学の結晶だよ!」

 

「な、何を言ってるのかサッパリよ!ちゃんと説明しなさい!!」

 

 

裸の美琴は、それでも変わらず強い口調で木原幻生に聞くとその代わりにダークバルタンがゆっくり説明をし始めた。

 

 

「君には、能力が出来てから我々の催眠を効かなくなってね。それで、幼い時に君の身体に対宇宙人用に特別な薬をうたせてもらった。その力が開花するのが中学生の時と言うわけだよ。」

 

「そ、それって……。」

 

「そう、君に地球の子供は、産めないよ。だから、君は地球人代表なのだよ。学園都市の殆どの人は、催眠光線によりいつでも軍として出来る。後は、それを仕切る星人の数なのだよ。悪く思わないでくれ。これも、宇宙交流の一環なのだ。」

 

 

自分では地球の子供が産めないことにショックを受ける美琴の周りをザラブ星人達が囲む。

 

 

「それでは、我々から行こうかな?」

 

(嫌だ……助けて!!)

 

 

美琴は、嫌がりながらそう必死に祈る。しかし、彼女の身体は悪い星人達によって犯され始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美琴が攫われてから数分後、快音波から開放された初春と黒子は、頭を抱えながらゆっくり起き上がると辺りを見回す。

 

 

「お姉さま?おねーさま!!」

 

 

黒子は、消えた美琴を呼ぶが……聞こえるものはなかった。そして、ザラブ星人の言葉を思い出す。

 

 

「本物の佐天涙子は、先ほどのトイレの個室に閉じ込めている。能力を持たない彼女に一番なりやすかったからな。」

 

 

すると、黒子は辺りを見回しながら移動手段を探すも……移動が難しいことを知る。

 

 

「初春、手を掴んでください。佐天さんを助けますわよ!」

 

「はい!白井さん。」

 

 

そう言って初春を促すと彼女は、黒子の手に掴まり一緒にテレポートしてお手洗い場にやって来た。

 

 

「佐天さん!」

 

「どこにいらっしゃいますの!?」

 

 

奥へ進みながら佐天を呼ぶが何も返事がない。やっぱり一緒に連れていかれたのかと、思った黒子の近くの個室で物音がした。すると、テレポートして、佐天の居る個室へやって来た黒子は、驚いた。

 

 

「爆…弾……」

 

 

そう、佐天は裸にさせられて口はテープを貼られていて更に白い特殊なロープでグルグル巻きにされて身動きできない状態にされていた。その前には、既に爆破までカウントダンが始まっている爆弾があった。

 

 

「初春、急いであの星人が捨てた佐天さんの服を取ってきてくださいな!」

 

「は、はい!」

 

 

慌てて初春をこの場から遠ざけると黒子は、佐天のテープを剥がしてからその爆弾とにらめっこする。

 

 

「し、白井さん。私のことはもうほっといてもらって構わないから……」

 

「いいえ、それは断じて許しませんの。」

 

 

佐天の言い分を遮るように黒子は、言ってから佐天の身体を見回すと右手を爆弾の上に置いて左手で順調に爆弾と佐天の繋ぎになっている所を外していく……。

 

 

 

残り三十秒……。

 

 

 

全ての線を外すと急にカウントダウンが早くなり十秒となると黒子は、咄嗟に爆弾を遠くへテレポートさせる……。

 

 

 

十秒後……なにも起こらないことを確認した黒子は、ため息と共に壁に寄りかかる。

 

 

「ありがとう、白井さん。」

 

「いえ、友達を助けるのは基本ですもの。当然ですわ。」

 

 

すると、ノック音が響く。ノックしてる相手は、初春だった。

 

 

「さ、佐天さん!大丈夫ですか!」

 

「初春……命は助かったみたい。」

 

「良かった……良かったです!佐天さん!!」

 

 

初春は、涙目になりながら佐天に抱きつくとたまたま零れ落ちた涙が特殊なロープに当たりそのまま壊れた。

 

 

「あ!とれた!!ありがとう、初春!!」

 

「初春、良くやりましたわよ!さぁ、他のみんなを連れてここから出ますわよ。」

 

 

黒子は、そう言うと佐天は慌てて着替えてみんなが倒れている場所へ3人でテレポートした。

しかし、一人足りないことに気づく。

 

 

「あれ!?一輝さんは?」

 

「確か、あそこで倒れてたんですけど……。」

 

 

どこにも居ない一輝に気づく佐天は、初春に質問すると先程まで倒れていたと初春は、倒れていた場所を説明する……。

 

 

「まさか!?あの怪我で???」

 

 

そう呟いた黒子は、慌てて水族館の屋上へテレポートすると、フラフラと歩いている一輝を見つけて更にテレポートすると、彼の前に立ちふさがる。

 

 

「そこで何をしてるのですか?」

 

「……通してくれ。」

 

「行けませんの!その身体では、生きて帰れる保証が!?」

 

 

黒子は、必死に止めようとするも一輝は、今まで誰にも見せたことのない目つきで黒子を威嚇する。

 

 

「俺は、死なない。約束を果たし終えるまで……死ねないんだ!」

 

「……分かりましたわ。ただし、手当てだけさせてくださいな。」

 

 

そう言うと黒子は、一輝の怪我を手当てする。初めて見る一輝の身体には、過去の戦いの記憶かのように傷だらけだった。

 

 

「この傷の多さ……一体何をしたらそうなりますの?」

 

「長年戦っていればそうなるさ。俺はな、この傷と同じような傷をこの星の人々にはして欲しくないんだ。それは他のウルトラ戦士達もそう思っていた。だから、俺は戦うし立ち向かうんだ。」

 

「そうでしたの……。私、ウルトラマンは見たことないので良くわかりませんが……。その志は、ジャッジメントと似てる部分がありますわ。ですから、必ず……お姉さまとご一緒に帰ってきてくださいな。」

 

 

一輝の手当てを終えた黒子は、立つと青空を見ながらそう言うと再び一輝のの方を振り向く。

それを聞いた一輝は、笑みをこぼしながら立ち上がった。

 

 

「あぁ、必ずアイツを連れて帰ってくる。」

 

 

一輝は、そう言うと瞳を閉じて深呼吸をすると、目を開いて胸の前でブレスレットを構えるとブレスレットから放たれた光が彼を包み込みゾフィーへと姿を変えた。

 

 

「シュアッ!」

 

 

ゾフィーは、黒子の方を向いてサムズアップをしてから掛け声とともに空を飛び学園都市へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.御坂一輝)
学園都市に向かう俺の前に立ちはだかるテンペラー星人とニセゾフィー……。
彼らと交戦する俺だが、まだ毒薬の効果が少し残っており上手く光線が花てない状態になっていた……。


次回、第31話「学園都市へ!!」



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第31話「学園都市へ!」

《前回のあらすじ》
何と、御坂美琴は学園都市の宇宙交流事業のサンプルだった!?
自分が人間の子供が産めないと知り、落ち込む御坂美琴に星人の魔の手が彼女を犯そうとする……。

急げ!ゾフィー!!

愛するものを守るために!!


 

 

《学園都市上空に侵入者を確認!》

 

 

御坂美琴にザラブ星人達が触れようとしたその時、防犯センサーに反応があった。それを聞いて慌てて身構える3人。すると、スクリーンに映し出されたのはゾフィーだった。それを見た美琴は、少し安心したがゾフィーの不安しかなかった。

 

 

(あの身体で……無茶よ!コッチの宇宙人はみんなピンピンしてるんだから!!……私なんて生きてる価値ないんだから……自分の心配をして!)

 

 

美琴の心の声は届くことなく星人達は、早速ゾフィーを追い払おうとした。

 

 

「ザラブ、テンペラー。お前達が相手になってやれ。」

 

「ッチ、折角の時間を邪魔されちまうと気が狂うぜ。」

 

「俺様もだ。」

 

 

そう愚痴を言いながらダークバルタンの命令に従うザラブ星人とテンペラー星人は、部屋を後にするとテンペラー星人が先に巨大化をすると、ザラブ星人はニセゾフィーに変身してから二人同時にゾフィーの近くまで飛ぶ。

それを見たゾフィーは、構えると早速テンペラー星人が片手のハサミから電磁鞭を出すとそれを使いゾフィーを地面に落とすと自分たちもゆっくり地面に着地した。

 

 

「くっ……。」

 

 

そう言いながら立ち上がるゾフィーを見たテンペラー星人は、両手のハサミでウルトラ兄弟必殺光線を放つ。それを上手く躱したゾフィーは、Z光線の構えに入って発射しようとする……しかし!?

 

 

「Z光線が撃てない!?」

 

 

その時、ゾフィーはザラブ星人があわしまマリンパークのときに言ったセリフを思い出した。

 

 

「お前達が飲んだのは……能力者を一時的に無能力者へ変える力と全身の神経を麻痺させる力を含んだ毒薬さ。」

 

 

まだ、全身の神経が回復してなく光線に必要なエネルギーが両手へ集中出来ないのだ。

 

 

「まだ、薬が効いているみたいだ。喰らえ、Z光線!」

 

 

そう言ってニセゾフィーは、ゾフィーの技であるZ光線を放ち本物にダメージを与える。すると、横にいるテンペラー星人が電磁鞭を使い連続して叩くとゾフィーは、痺れながら地面に倒れ込む。

 

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン……。」

 

 

まだ、変身して一分と少ししか経ってないのにエネルギーの残量を示すカラータイマーが青から赤へ変わる。

 

 

「ふん、ゾフィーめ。受けてみよ!ウルトラ兄弟必殺光線!!」

 

 

そう言ってテンペラー星人は、ウルトラ兄弟必殺光線を放つ。それを受けたゾフィーは、真後ろに倒れる。すると、その上にニセゾフィーが乗っかりチョップやパンチなどの組み合わせで攻撃してくる。何度かそれを受けたゾフィーだが、ニセゾフィーを振り払うとまた立ち上がる。

 

 

(クソ……光線が撃てれば……)

 

 

脳内でそう考えるゾフィーだが、目の前に立っているニセゾフィーは、M87光線の構えに入る。

殺られると悟ったゾフィー……。

 

 

 

 

しかし、上空から光線が放たれニセゾフィーに命中すると彼は、そのまま後ろへ倒れると苦しみながら本来のザラブ星人へと姿が変わった。それを見たゾフィーは、光線が飛んできた方を見る。すると、そこにはアンドロメロスとウルトラマンティガが居た。

 

 

「ティガ!メロス!」

 

「助けに来ましたよ!ゾフィーさん。」

 

 

メロスは、そう言って地面にゆっくり着地する。その後を追うかのようにティガも地面にゆっくり着地した。

 

 

「その身体では、まともに戦えないだろ?」

 

 

ティガは、そう言いながらゾフィーに歩み寄ると自身の光をゾフィーに分け与えた。すると、カラータイマーが青へ変わると彼を苦しめていた毒薬も消えていた。

 

 

「ありがとうメロス、ティガ。」

 

「ここは、任せて先に行け!」

 

 

ティガにそう言われたゾフィーは、うんと頷くと一輝の姿になり学園都市へ潜入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愚かな!この極悪宇宙人テンペラー星人に、負けたカス共が……また、負けに来たというのか?」

 

「違う!僕らは、リベンジしに来た!!」

 

 

そう叫んだティガは、真っ先にテンペラー星人の方へ向かって走り出した。そして、組み合うとティガがテンペラー星人を地面に倒した。それをザラブ星人は、エネルギー弾をティガに向けて放つがそれをメロスがダブルサーベルを使い切り落とした。

 

 

「お前の相手は俺だ!!」

 

 

メロスがダブルサーベルを構えて言うとそれを見たザラブ星人は、舌打ちをしてから肉弾戦に持ち込もうとして走り出してメロスに体当たりをしようとした。それを、メロスに躱されて高層ビルへと突っ込むと見事にハマって出れなくなってしまった。メロスは、ダブルサーベルを投げてビルごとザラブ星人を真っ二つにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何!?」

 

「これが、僕らの本気だ!!」

 

 

赤の姿、パワータイプにタイプチェンジしたティガはパンチを連続でテンペラー星人に打ち込んでいくと最後は持ち上げるとそのままブレインバスターのように後ろへ放り投げた。

 

 

「喰らえ!」

 

 

そう言いながらティガは、パワータイプの必殺技デラシウム光流を放つ。しかし、テンペラー星人は爆発せずに耐えた。それを見たティガは、驚くと電磁鞭を使いテンペラー星人が反撃を開始する。それを受けたティガは、地に膝を付ける。すると、その鞭目掛けてアンドロビームが命中する。

 

 

「ティガ、決着をつけるぞ!」

 

「あぁ!」

 

 

メロスが差し出した手を掴み立ち上がるとマルチタイプへタイプチェンジした。

そして、ゼペリオン光線を放とうとティガがエネルギーを溜め始めるとメロスもアンドロビームの構えに入る。エネルギーを溜め終えたティガと同時発射してテンペラー星人に命中した。

 

 

「くっ……ウルトラ兄弟……必殺光線!!」

 

 

そう苦し紛れにテンペラー星人がそう叫ぶと光線を放とうとする。それを見たティガとメロスは、それぞれの光線の威力を高めていく……。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

そう叫びながらテンペラー星人は、爆発して木端微塵になった。しかし、そのテンペラー星人の後に彼らの後ろにそっとやってきた人物がいた……。

その人物に気づいた2人は振り向くと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一輝は、走る。

暗闇に満ち溢れたこの学園都市の奥へと向かって……。そして、その闇に落ちた御坂美琴を救い出すために……。

 

 

「ここか……。僅かだが、宇宙人の気配を感じる。」

 

 

一輝は、そう呟くと怪しいビルの中へと入って行った。

絶対に美琴を助けると己の魂に誓いながら……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.御坂美琴)
な、何で!?
あの身体でここまでするの?
私は、モニターに出された映像を見ながらそう思った。
そして……

次回、第32話「助けに来たぜ!」

次回もよろしくね!ビリビリ。


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第32話「助けに来たぜ」

いつも『ULTRAMAN ZOFFY』を愛読いただきありがとうございます。
さて、TwitterやAmeba Blogやこのサイトの活動報告書でも告知した通り、『ULTRAMAN ZOFFY』を文字だけ動かす朗読系の動画にして第1話をYouTubeにてアップしました。
前に読んだという人でも読めるようにBGMを使い新しさを追求しました。

ここにURLを貼るので是非、見てください。
https://youtu.be/LMgsPPXKmKU


これから先も『ULTRAMAN ZOFFY』をよろしくお願いします。






それでは、本編スタート!









 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

身体中に電気が走る感覚をした美琴は、全身を痙攣させると息を切らしていた。身体中から変な汗が湧き出てくる……。

あれから、ゾフィーが侵入したことを知ったガッツ星人は、慌てて戦闘態勢に入っていた。その間、美琴の性感帯には電動マッサージみたいなのが固定されて攻められていた。媚薬を体内打ち込まれ感じやすくなっている彼女は既に意識が遠のく中、モニターに写った一人の少年を見て再びその意識を回復させる。

 

 

「か、一輝……」

 

 

美琴は、一人の少年の名を口ずさむ。すると、ガッツ星人は美琴の方へ歩み寄ると胸を揉みながら言った。

 

 

「そうだ、お前の胸では俺様は興奮しないからな。」

 

「……な、何をするつもり!?」

 

 

美琴の質問に答える形でガッツ星人は、空いてる手でテーブルにある注射器を取り出すとそれを美琴の顔に近づけた。

 

 

「これは、胸だけを大きくする薬だ。お前もその胸に不満なんだろ?だったら大きくしてやるよ!」

 

「い、嫌よ!」

 

「お前に拒否権はない!!」

 

 

そう言って注射針を美琴の顔から胸へとゆっくり異動させて近づけようとするガッツ星人……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ!ガッツ星人!!」

 

 

バン!とドアの開く音がするとそこには、ボロボロになっている一輝の姿がいた。彼は、息を切らしていた。

 

 

「おやおや、その体で何をしに来たのかな!?」

 

「そんなの……決まってんだろ!今すぐ美琴から離れろ!」

 

 

一輝は、左手で握り拳を作る。その視線の先は、精神ともにズタボロになっていた御坂美琴だった。

 

 

「アンタ……何しに来たのよ!?」

 

「何って……助けに来たに決まってるだろ!!」

 

 

美琴は、息を切らしながら小声で一輝に質問すると完全にキレている一輝が怒りをあらわにしながら答える。

 

 

「彼女を安易に渡すわけには行きません。」

 

「いや、必ずコイツを助けてみんなの元へ帰る!!」

 

 

そう言うと両者は、地を思いっきり蹴り間を縮めると拳を交えた。もはや人間離れしたスピードで次々と拳や足を交える。その威力は、交えた所では小さく火花が散るほど……。

すると、両者は一旦距離を置く。

 

 

「その姿で、本来の力に近い戦闘力たとは……流石は宇宙警備隊隊長だな。」

 

「この姿なら時間を気にせずに戦える。」

 

 

一輝は、そう言うと再びガッツ星人に接近するもテレポートしたガッツ星人は、一輝の後ろに回り込んむと振り向いた一輝の腹部にパンチを決めた。それを受け一輝は、床に倒れた。

 

 

「最強のガッツ星人の力思い知れ!」

 

 

立ち上がった一輝はまたガッツ星人に近づくが、彼はまたテレポートをして一輝と距離を置いた。

 

 

「どうだ!?ゾフィー。ガッツ星人の真の力は?」

 

 

疲れが溜まり地に膝を付ける一輝……。誰がもどう見てもガッツ星人が優勢に見える。

 

 

「そんな身体で何しに来たのよ!?アンタと違ってコイツは、全然ダメージを受けてないのよ!勝てるわけ長ないじゃない!!」

 

 

しかし、一輝は美琴の声を無視してまた立ち上がる。それを見たガッツ星人がクスクスっと笑い出した。

 

 

「クククッ……おや!?仲間割れですか?」

 

 

それを聞いた一輝は、フンと笑を零した。その様子にガッツ星人は、心底か違和感を感じていた。

 

 

「く、喰らえ!!」

 

 

そう言いながらガッツ星人は、破壊光線を一輝へ向けて乱れ撃ちすると、煙で一輝が見えなくなる。

 

 

「一輝!?」

 

「ハハハッ!人間のゾフィーではアレを防ぐことは不可能だ!!」

 

 

ガッツ星人の声を聞きながら悔しさを込めて握りこぶしを握りしめる。

 

 

「……俺はまだ負けるわけには行かねぇーんだぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

煙の中から気迫のこもった叫び声が聞こえると彼の気迫により煙が四方八方へ飛び窓ガラスを全て破壊した。その中心には、上目遣いで睨む一輝の姿があった。

 

 

「な、何ていう気迫!?」

 

「これが……俺のフルパワーだぁぁぁぁっ!!」

 

 

彼を中心に竜巻のような凄まじい力が働き始めた。そこで形成されたのは……本来、彼が一番得意とする必殺光線……M87光線だった。それを見たガッツ星人は、慌てて美琴の後ろへ移動する。

 

 

「何!?」

 

「撃てるのか!?コイツを巻き込んでも私を倒せるのか???」

 

 

ガッツ星人は、余裕の表情で言うとM87光線の威力が次第に落ち始めた。

 

 

「何してるのよ!?馬鹿!私に構ってないで撃ちなさいよ!あんたは、宇宙警備隊隊長。一人の人間を犠牲にしたって悪を放っておいてはいけないわ!」

 

 

美琴は、自分が叫べる全部を使って叫ぶが一輝の反応はない。それ見たガッツ星人は、勝ったと確信した。

すると、次第に落ちていたはずのM87光線の威力がまた上昇した。

 

 

「はぁ!?狂ったか???」

 

「そうだよな……、確かにここで悪を見過ごしてはならない。でも……言っただろ?助けに来たって!!」

 

 

すると、一輝の身体はゆっくりと光り始めてゾフィーへと変わると右腕に溜めていたM87光線を美琴の後ろにいるガッツ星人へ向けて発射した。それを見た美琴は、目を閉じる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あれ!?痛くない?)

 

 

美琴は、疑問に思い目をゆっくり開けると自分を雁字搦めにしていた十字架は、解かれていた。次の瞬間、バランスを崩した美琴をゾフィーが支えるとその場から少し離れた。先程まで美琴がいた場所の後ろではガッツ星人がM87光線を受けて爆発寸前までになっていた。

 

 

「大丈夫か?」

 

「何で…、私もアンタの光線を直撃したはず……。」

 

「何でって…それは……美琴の周りを囲んでいた十字架を利用してガッツ星人に当てたから。」

 

 

ゾフィーは、一輝へ戻りながら先ほどの方法を説明し終えると裸の美琴に自分の上着を着せる。

 

 

「とりあえず、服を買わないとな。」

 

「……うん……。」

 

 

そう言うと美琴は、一輝の胸に自らの頭を置くと相当怖かったのだろう……。しばし、泣き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

陽射しも傾いた頃、美琴に服を買い着替え終えた二人は、学園都市から離れようとしていた。しかし、一輝の電話に一通の着信が来た。

かけているのは、穂乃果だった。

 

 

「もしもし、穂乃果。どうした!?」

 

『大変だよ!涙子ちゃんが起きないんだよ!?』

 

「何!?佐天が???」

 

 

一輝は、大声で言うと近くにいた美琴が心配する。すると、穂乃果から黒子へと変わると最近学園都市で起こっていた事件の一つを説明してくれた……。

 

 

『レベルアッパーをつかったのではないかと思われますわ。』

 

「レベルアッパー!?」

 

『能力を一時的に上げる力でこれまでに学園都市では多くの人がレベルアッパーを使用後意識を失ってると報告がありますの。』

 

「それで、その犯人が学園都市(ここ)にいると。」

 

『恐らく……。』

 

「なら話は早い。俺がそいつを捕まえて全てを終わらせる。」

 

『一般人の殿方では、止める事は出来ませんわ。それに、敵はどんな能力を使うかも……』

 

「全く……俺のどこが一般だよ!?」

 

 

必死に説明する黒子に対して一輝は、一言ぼそっと呟いてから電話をきってそれを美琴に渡した。

 

 

「これは、お前が持ってろ。外なら連絡が来る。」

 

「良いけど……何をする気!?」

 

 

美琴は、それ受け取りながら一輝に質問するも一輝は、何も答えずに目をつぶって集中し始めた。

 

 

(能力を上げることが出来るレベルアッパーを使った佐天や他の人達が倒れた……。と言うことは、科学者か!?)

 

 

その時、一輝は納得した……。

レベルアッパーを作り出した人物はこの学園都市に存在する科学者であることを……。

一輝は、推理を終えるとゆっくり目を開くと美琴の方を振り向いて言った。

 

 

「美琴、この街に大脳医学者はいるか!?」

 

「え!?」

 

 

一輝の一言で物語は大きく動き出す……




《次回予告》(CV.初春飾利)
佐天さんを元に戻したい!!
そんな想いが、学園都市の外にいる私や白井さんを動かす……。
一方、学園都市内では御坂さん達が学園都市にいる大脳医学者を探している途中……。
妙な女医師と遭遇する……。


第33話「レベルアッパー」



遂に超電磁砲シリーズがメインになる話がスタート!!
気を失った佐天涙子を救うため、超電磁砲・御坂美琴が学園都市に帰ってきた!?






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第33話「レベルアッパー」

全ての始まりは、ゾフィーを追いかけてダイゴやブノアがそれぞれ変身して学園都市へ向かった後……。

 

 

「さぁ、私たちは東京へ帰るわよ!」

 

 

絵里の一言によりみんなそれぞれ荷物をまとめていた。一輝や他の戦士それに美琴の荷物だけ黒子がテレポートで移動させていたのでここにいる12人の分しかなかった。

 

 

「あの……これ持っててってください!!」

 

 

沼津行きのバス停前に着いた12人の後を追ってきたのは、千歌達だった。そして、μ'sのリーダーである高坂穂乃果へあるものを渡した。

 

 

「これは……?」

 

「千歌の家で作ってるお饅頭だよ!」

 

「本当!?穂乃果の家でも作ってるんだ!穂むらって言ってね!大きくなって東京へ来る用事があったらぜひ来てね!!」

 

「うん!約束するね。」

 

 

こうして、穂乃果と千歌はゆびきりをして約束を交わすとそれぞれバスの中へ乗車する。

そして、沼津へ向かう途中……全ては、始まった。

 

 

「あれ?……初春……何だか……意識が……遠の…い、て……。」

 

 

そう言って自らの荷物を下へ落とす佐天を横目で見た初春は、注意を促した。

 

 

「佐天さん、もうじき沼津ですよ?」

 

 

身体を横へ揺らしても反応しない佐天を不思議に感じた初春。何度も佐天を起こそうとするも全くと言っていいほど反応しない。

 

 

「変ですわね……。」

 

 

不思議に思った黒子は、佐天に近づく。その時、脳裏にレベルアッパー事件の事を思い出す。

 

 

「初春!緊急事態ですの!!今すぐ近くの病院へ向かいますわよ!」

 

「どういう事ですか?」

 

 

初春は、慌てる黒子に尋ねる。すると、黒子は鞄から珍しく風紀委員(ジャッジメント)の証である腕章を付けた。

 

 

「初春、ジャッジメントとしての仕事の時間ですわよ!これは、前に聞いたレベルアッパー使用後に起こる症状に似てますわ!」

 

「じゃ、じゃあ……佐天さんもレベルアッパーを!?」

 

「ねぇ、レベルアッパーって何?」

 

 

好奇心旺盛な穂乃果が初春へ質問をした。すると、黒子は穂乃果に近づくとある事を思いつく。

 

 

「貴女、お姉様かあの殿方へ連絡が取れますでしょうか?」

 

「え!?取れるけど……。」

 

「では、取ってください!!」

 

 

そういわれると穂乃果は、慌ててポケットから携帯を取り出した。

 

 

『もしもし、穂乃果。どうした!?』

 

「大変だよ!涙子ちゃんが起きないんだよ!?」

 

 

数秒後、何も知らない一輝が電話に出ると黒子の慌てぶりが移ったのか、穂乃果まで慌てた表情で一輝に伝えた。

 

 

『何!?佐天が???』

 

 

それを聞いて向こうでは一輝が大声で聞き直す。すると、穂乃果から携帯を横取り黒子が説明をし始めた。

 

 

「レベルアッパーをつかったのではないかと思われますわ。」

 

『レベルアッパー!?』

 

「能力を一時的に上げる力でこれまでに学園都市では多くの人がレベルアッパーを使用後意識を失ってると報告がありますの。」

 

『それで、その犯人が学園都市ここにいると。』

 

「恐らく……。」

 

 

すると、一呼吸置いてから一輝が話し始めた。

 

 

『なら話は早い。俺がそいつを捕まえて全てを終わらせる。』

 

「一般人の殿方では、止める事は出来ませんわ。それに、敵はどんな能力を使うかも……」

 

 

黒子は、それを止めようと必死に訴えるが一輝は、電話を切ってしまう。

 

 

(いくら超能力者のお姉様とあの宇宙人の殿方でも……。こうなれば私達も職場復帰しなければ……。)

 

 

黒子は、そう決意を固めると佐天を病院へ搬送後穂乃果達と少し離れた場所で話していた。

 

 

「初春、私は学園都市へ戻り固法先輩や他のメンバーと犯人を捕まえます。貴女はどうしますか?」

 

「わ、私は……。」

 

 

そう初春は黙り込むとベットで気を失っている佐天の顔を思い出した。すると、涙が止まらなくなりその場で小学生のように泣き出した。それを気遣い、黒子は一人で行こうとした時、その手をがっちり握ったのは初春だった。

 

 

「私は!いつも、佐天さんや白井さん、御坂さん、それにμ'sやウルトラマンにたくさんの勇気をもらいました!!今度は、私がそれを返す番です!!

……だから、行きます!いいえ、連れてってください!!……学園都市へ!!!」

 

 

その決意、その瞳は本物だった。それを見た黒子は、黙ってうんと頷くとテレポートを開始しようとするとまた黒子を止める声が聞こえた。

 

 

「あなた達……。」

 

 

そこには、穂乃果、ことり、海未、凛、絵里、にこの姿があった。

 

 

「あんた達だけで行かせると思いましたか?」

 

「園田さん……。」

 

「何をしてますの?」

 

 

黒子は、俯きながらそう呟くと両手をギュッと握りしめた。

 

 

「これは、私達の問題ですの!手出しは無用ですわ!」

 

「黒子ちゃん、それは違うよ。確かに私や海未ちゃんそれにことりちゃんは、黒子ちゃんや美琴ちゃんの様に特別な力はないけど……ただ見てるだけじゃ嫌だの!私たちだって犯人探しはできるよ!」

 

 

穂乃果の目は本気だった……。

それを見た黒子は、他のμ'sのメンバーを見る。穂乃果と同じような目をしていた。

 

 

「はぁ……どうなっても知りませんわよ。」

 

 

そう言って渋々黒子は、穂乃果達も連れてテレポートをした。その先は、ジャッジメント177支部にやって来ていた。その時にたまたま支部の中にいた固法先輩は、突然現れた黒子達に驚く。

 

 

「し、白井さん?居なくなったと思いきや突然現れ……って、そちらは?」

 

「そんな事より固法先輩、レベルアッパーの件はどうなってますの?」

 

「どうもこうも進展なしよ。」

 

 

それを聞くと初春は、すぐパソコンの前に座り犯人探しをし始めた。

 

 

「私が情報の整理をします、白井さんと固法先輩は高坂さん達と一緒に第七学区を探してください!」

 

「分かった!行こう!黒子ちゃん!!」

 

「了解ですの!」

 

 

そう言うと黒子達も動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、先に犯人探しをし始めていた一輝と美琴は、早速レベルアッパー絡みの事件に巻き込まれていた。

 

 

「テメェ……レベルアッパーを知りたいだと!?」

 

「あぁ、だから早く教えろ。」

 

「調子乗ってんのか!?アン!」

 

 

たまたまいた不良達からレベルアッパーについて聞こうとした一輝だが、その不良が中々正直に言わないので流石の一輝もキレていた。

 

 

「良いから教えろって言ってんだよ!」

 

 

一輝は、不良の胸ぐらを掴みながらそう言うと他の不良は、美琴を囲んだ。

 

 

「良いか、兄貴を離せ!さもないとコイツがどうなっても……。」

 

 

囲んだ不良の声を遮るかのように美琴の電撃が飛び散る。それを見た不良のリーダーは、少し怯える。そう、学園都市270万人の頂点に君臨する7人の超能力者の第3位超電磁砲が帰ってきたからだ。

 

 

「くっ……くそ、超電磁砲が帰ってきてたのかよ!?」

 

「アンタもこの電撃受けたくなければさっさと購入先を吐きなさい!」

 

「は、はい!こ、これ、は……。」

 

 

そう言い残して倒れると壊れたおもちゃの人形のように不良は、動かなくなる。それを見た二人は、慌てて救急車を呼び近くの病院へ搬送するとそこでしばらく待っていた。

 

 

 

 

しばらくして診察室から出てきたのは、カエルのような顔をした医者だった。

 

 

「君たちかね?この男と一緒に病院へ来たのは。」

 

「あぁ、ちょっと用事があって……それより、あの男は?」

 

「あの男は、植物人間な状態といった方がわかりやすいだろう。後は……脳に詳しいこの人に教えてもらおう。」

 

 

ゲコ太顔の医者がそう言うと彼の後ろに白衣を着た女性の先生がいた。

 

 

「初めまして、大脳生理学の木山春生(きやまはるみ)な。よろしく頼む。」

 

「御坂一輝です。」

 

「御坂美琴です。」

 

「ミサカ……あの御坂美琴か。確か、数ヶ月前から行方不明になっているとか聞いたが。」

 

「まぁ、まぁーそれは……アハハっ。」

 

 

そう言って美琴は、誤魔化すと3人は、場所を移しレベルアッパーについて話始めた。

 

 

「能力を劇的にあげる力……そんなのが実在すれば表彰ものだな。」

 

「感心してる場合じゃないですよ!副作用で意識を失ってる人が多くて……これ以上罪のない人を苦しめるわけにはいかない!だから、木山さんも力を貸してください。」

 

 

一輝は、関心を持つ彼女を見ながらそう語ると木山は、二つ返事で承諾する。

 

 

その後、一輝と美琴は、外へ出ると一輝にしか見えないウルトラサインが空に写る。

それは、キングからのウルトラサインだった。

 

 

『海王星に異常なマイナスエネルギーを確認した。お前にパトロールを命ずる。』

 

 

一輝は、それをしっかり見るとため息を吐く。そして、美琴の方を向いた。

 

 

「すまない、海王星に異常があったらしく行かなくてはならない。1人で大丈夫か?」

 

「べ、別に1人でも行けるわよ!」

 

 

それを聞くと一輝は、ゾフィーへ姿を変えると赤い玉となり海王星へ向かった。

 

 

 

 

それを見届けた美琴は、レベルアッパーを作った犯人を探しに走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

ドドーン!という音とともにゾフィーは、海王星へやって来た。そこで彼は、とんでもないものを見た。石像化されたアンドロメロスとウルトラマンティガだった。

 

 

「ティガ……ブノア……誰がこんな事を!?」

 

 

石像を見ながら悲しむゾフィー……。

次の瞬間、ゼペリオン光線とアンドロビームが飛んできた。

 

 

「何者だ!?」

 

「ゼットーン!」

 

 

振り向いた先には、ゾフィーよりデカイ巨大怪獣がいた。

 

 

「みよ!ゾフィー。これが悪魔のハイパーゼットンだ!!」

 

 

ウルトラ戦士を数多く苦しめたゼットンの強化体ハイパーゼットンコクーンが今!動き出そうとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.御坂一輝)
バット星人によって作りだされた悪魔…ハイパーゼットンコクーン。
俺は、そいつと海王星でぶつかり合う!!
そんな中、地球では初春や穂乃果達のヒントにより、
遂に犯人が!?


第34話「多才能力者(マルチスキル)」




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第34話「多才能力者(マルチスキル)」

 

卵らしき球体の中に居るハイパーゼットンは、そこから伸びた数本の鎌でゾフィーを捕まえようとするがそれを躱したゾフィーは、M87光線を放つも吸収されて奴のエネルギーになってしまった。

 

 

「クッ……」

 

 

そう言いながら、ハイパーゼットンから距離を置いたゾフィーは、大きな球体を眺める。

 

 

「まさか、ティガやメロスも!?」

 

「そう、こいつの餌になったのさ!」

 

 

余裕の表情で言うバット星人を対してゾフィーは、怒りを覚えた。このままコイツらを放ってはいけないと……

再び、空を飛び今度は切断技であるウルトラギロチンや八つ裂き光輪、M87光輪などを連続で放つも全て吸収されてしまった。

 

 

「どうすればコイツを止められるんだ!?」

 

 

そう試行錯誤しながらゾフィーの奮闘は続いた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……全く、何処にいるのよ!?」

 

 

御坂美琴は、人影のない路地裏などにいた。彼女は、そこでレベルアッパーを使ってる人を探そうとしていたが中々見つからなかった。

 

 

「おい!」

 

 

後ろから声をかけられた。その声に美琴は、ビックリした。彼女は、恐る恐る後ろへ振り向くとそこには、美琴の住んでいる常盤台中の学生寮の寮監が立っていた。

 

 

「う、嘘……。」

 

「御坂、何ヶ月も無断で外泊に無断欠席とは……白井と共にキツイ処罰が必要だな。」

 

 

寮監は、睨みをきかしながら美琴へゆっくり近づく。それを見た美琴は、恐怖で変な汗が出るようになった。

しかし!?

 

 

 

 

「え!?」

 

 

 

 

 

 

美琴の前から突然寮監が消えたのである。美琴は、周りを見渡すも誰もいない……。

そっと胸をなで下ろすとまた、レベルアッパー事件の真相を捜索し始めた。

 

 

「お姉様、ここにいらっしゃったのですね。」

 

「あ、黒子それに穂乃果や他のみんなまで。」

 

「学園都市って凄いね!お掃除ロボットに最新の技術……まさに近未来だよ!」

 

「穂乃果、最初と趣旨が違うような……。」

 

 

学園都市を見て興奮する穂乃果に海未や絵里は、少々呆れる。

 

 

「それより、レベルアッパーって何だか分かってるわけ?」

 

 

にこが質問すると黒子や美琴は、黙ってしまう。

 

 

「何もわかってなくて探してたの?」

 

「うん。」

 

「不覚ですわ……」

 

 

その様子を見て絵里が突っ込むとそれぞれ反応をあらわにする。

 

 

「薬物の一種とか!?」

 

「そんな訳ありませんわ。学園都市の大半を占めるのが学生ですわ……まさか!?お姉様、一旦こちらへ!高坂さんや皆さんはここで!!」

 

 

そう言うと黒子は、美琴を連れてテレポートした。その先は、佐天が入院している病院だった。

 

 

「黒子、どうする気?」

 

「佐天さんの所持品を調べますの。もしかしたら、レベルアッパーへ繋がる鍵になるかもしれませんわ。」

 

 

そう言って黒子は、所持品を洗いざらい調べるが何も出て来なかった。そんな中、美琴は佐天がいつも持ってた音楽プレイヤーを見る。

 

 

「もしかして……」

 

 

そう呟いた美琴は、電磁波を使い音楽プレイヤーを操作すると謎のファイルを発見した。

 

 

「黒子!」

 

「何ですの?お姉様。」

 

「ちょっとこれ見て。」

 

 

美琴は、至急黒子を呼びそのファイルの名前を見せる。すると、黒子は目を点にしながら驚く。

 

 

「これが…、()()()()()()()()()()……ですの!?」

 

「そうみたい。」

 

 

そう答える美琴は、ある異変に気づく……。

 

 

(何で!?ここに人が誰も居ないの!?)

 

 

この部屋は、四人部屋なのに対して居るのは意識のない佐天涙子だけ。怪しくなった美琴は、勢いよく扉を開けて廊下へ出た。それは、廊下なら誰かいると思ったからだ。しかし、既に廊下には誰もいなくて人が持ってたであろう書類や鞄がアチコチに散らばっていた。

 

 

「な、何よ……これ……。」

 

 

無人の病院に驚く美琴につられてやって来た黒子も唖然とする。

 

 

「黒子、急いで学園都市へ戻ろう!」

 

「了解ですの!」

 

 

そう言って二人は、黒子のテレポートで先ほどいた場所へ戻ると衝撃の光景を目の当たりにした。

 

 

「キャーー!!」

 

「ことりちゃん!海未ちゃん!!」

 

 

目の前には、何者かの鎌みたいなのに刺されたことりと海未、それを離そうと近づく穂乃果を真姫と絵里が必死に止めようとしていた。

 

 

「穂乃果、ここは逃げるのです!」

 

「穂乃果ちゃんは生きて!!」

 

「嫌だ!そんなの……嫌だよ!!」

 

 

それを見た美琴は、ポケットからコインを取り出そうとするも手が滑り、コインは無情にも地面へ落ちた。

 

 

(拾い直す時間が無い!!)

 

 

そう感じた美琴は、電磁波で砂鉄を集めるとそれを使い触手みたいになってる所を切断しようとした。しかし、バリアーが張られてしまい防がれてしまった。

 

 

「そんな!?」

 

 

次の瞬間、海未もことりも姿がなくなってエネルギー体になるとそのまま鎌から触手を通して敵の体内へと入っていく。

 

 

(守れなかった……)

 

 

残虐なことをした敵への恨み、弱い自分への怒り……。それが美琴の心の中に芽生えた。

 

 

「黒子、の風紀委員(ジャッジメント)支部へ連れてって……」

 

「……はい。」

 

 

黒子は、そう言って残された穂乃果と絵里、真姫の近くへ行くとそのままテレポートをして風紀委員177支部へと戻った。

 

 

「あ、御坂さん。白井さん。犯人は見つかりましたか?」

 

「いえ、それより園田さん達が……。」

 

 

黒子は、そう暗い声で言うと初春は後ろに居る穂乃果達へ視線を向ける。彼女達は、大切なものを取られた子供のように泣いていた。

 

 

「でね、初春さん。佐天さんの荷物から持ってきたんだけど……これ見て。」

 

 

落ち込む空気の中、美琴は初春に例のアレを見せた。初春は、それを見てまたパソコンの画面へ目線を移すとキーボードを打ち始めた。

 

 

「もし、これが本物のレベルアッパーなら脳に直接影響を及ぼしてる可能性があります。それが出来るのは……脳の仕組みについて学園都市で研究している科学者だけです……。」

 

 

そんな中、美琴はあることを思い出す……。

 

 

『初めまして、大脳生理学の木山春生だ。よろしく頼む。』

 

 

すかさず美琴は、初春に質問した。

 

 

「ねぇ、それって大脳生理学とか!?」

 

「あ、はい。御坂さん良く知ってますね!」

 

「だったら、あの人も関わってるんじゃないかしら。初春さん、書庫(バンク)から()()()()を調べてくれないかしら。」

 

「分かりました。」

 

 

そう言うと初春は、再びパソコンと睨めっこを始めた。

その間、泣くのをやめた穂乃果がある質問をした。

 

 

「ねぇ、レベルアッパーが音楽だったのは分かったけど……どうして音楽じゃないとダメなのかな?」

 

「そうね……例えば、音楽には五感を働かせる力があるじゃない?それを使った何かだと思うんだけど……。」

 

「そう言えば、ここを離れる前に学習装置(テスタメント)と言うのを聞きましたわ。五感全てに働く機材がない事には能力開発が出来ないとの事なのですが……。」

 

 

その時、美琴と黒子、初春の3人の頭では謎が全てが繋がった。レベルアッパーのしくみは、共感覚醒を応用し能力者のレベルを上昇させるプログラムという事だったのだ。それが分かった初春は、それを持つと支部から外へ出ようとする。

 

 

「初春、どちらへ!?」

 

「今度は、私が行きます!!」

 

 

そう言い残して初春は、一人で木山春生の所へ向かって行った……。

 

 

 

 

 

 

日も落ち始めて夕方になる頃、初春は木山春生の「共感覚醒」の資料を見てしまい人質となってしまった。その際にレベルアッパーのアンインストールチップを渡されたが、アンチスキルが前を封鎖して動けなくなっていた。

 

 

「どうするんです?年貢の納め時みたいですよ。」

 

「レベルアッパーは、人間の脳を使った演算機器作るためのプログラムだ。だが同時に使用者に面白い副産物を齎す物でもあるのだよ。」

 

 

そう初春に説明しながらアンチスキルの指示に従いシートベルトを外した。そして、初春に聞こえるようにそっと呟いた。

 

 

「面白いものを見せてやろう……」

 

 

そう言うと木山春生は、車から降りる。誰もが、事件の終わりだと思ったその時!?

 

 

「バンッ!」

 

 

何と、木山春生は能力を使いアンチスキルの一人を殺すと次々と多様な能力を駆使して激しい攻撃を開始する。

 

 

「アンチスキルとは言え、一万人の脳を司る私に勝てるはずがない。」

 

 

そう言いって木山春生の攻撃は更に過激さを増して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海王星で戦闘を続けていたゾフィーとハイパーゼットンだが、圧倒的な戦闘を持ってゾフィーを苦しめたハイパーゼットンは、刻々と地球に向かって進んでいた。

 

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン…」

 

 

カラータイマーを鳴らしながら海王星に残されたゾフィーは、再び立ち上がった。しかし、フラつき2本の足でしっかり立てる状態ではなかった。

 

 

「地球の人々を丸ごと飲み込んでエネルギーに変えるとは……。とんだ悪魔を作ってくれたな……バット星人!」

 

 

そう呟くとゾフィーも後を追いかけて地球へと向かおうとしていた。

 

 

 

 




《次回予告》(CV.絢瀬絵里)
謎の敵に吸収された海未達……。
残された私と真姫、穂乃果は悲しむけど、真相を確かめに向かった初春飾利が捕まってしまったわ!!
それを知って御坂美琴が颯爽と助けに向かった……

第35話「超電磁砲対多才能力者」




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第34.5話「とある二次小説のガイドコーナー」

皆さんこんにちわ!銀河流星です。
さて、今回は「ULTRAMAN ZOFFY」の連載をスタートして二ヶ月が経とうとしています。こちらの勝手な更新にもかかわらず多くの人が読んでくれて嬉しいです。
さて、本来なら第1章と第2章の間でやるべきなのですが……この小説のオリジナル設定(ウルトラシリーズとμ’sに割と多めについてるはず)について説明したいと思います。
これを読めば、「ULTRAMAN ZOFFY」がより楽しめる!!
……かも笑笑




今この地球には、3人の超戦士達がいる。今日は、それぞれを紹介しよう。

本作は、ウルトラシリーズ×ラブライブ!×とある科学の超電磁砲の二次創作である。

 

 

・ゾフィー(御坂一輝)

この物語の主人公で、M78星雲光の国出身のウルトラ戦士であり、伝説のウルトラ兄弟の長男にしてウルトラの父に次ぐ立場である宇宙警備隊隊長である。

普段は支部の一つ、M25星雲で指揮をとっている。

若きウルトラ戦士達の憧れの存在である。

今、ウイルスに侵された他のウルトラ5兄弟の霊を自らの身体の中に取り込んでいるので他の戦士の技(アイスラッガーやウルトラブレスレットエメリウム光線以外の技)が出せる。

御坂一輝は、美琴の従兄弟である。美琴が学園都市に居る間、雪山で遭難した一輝をたまたまパトロールに来ていたゾフィーが助けようとしたが、助けられずにいたと言う過去から肉体を借りたという。

 

主な必殺技は、宇宙最強の技M87光線だ。

 

 

 

・アンドロメロス(ブノア)

アンドロ警備隊(地球では、宇宙警備隊アンドロ支部と呼ばれることも少なくはない)隊長。

緑のコスモコレクターを装着して戦う謎多きアンドロ族のスーパー戦士だ。

 

主な必殺技は、瞳から放つアンドロビームやダブルサーベルだ。

 

 

・ウルトラマンティガ(ダイゴ)

超古代の闇の戦士として現代に蘇った青年。

絢瀬絵里とは、幼ない頃から共に過ごしていた。

カミーラと共にゾフィーやアンドロメロスを苦しめたがが、今は光の戦士として目覚めて戦い続けている。

戦いに合わせてタイプチェンジできるのが特徴だ。

 

主な必殺技は、ゼペリオン光線。

 

 

 

以上3人の超戦士の紹介でした。

他にもウルトラマンキングやウルトラマンノアなどが直々作品に登場して来る。

 

 

 

 

続いて、この世界に登場するキャラクターについて説明したいと思う。

 

 

・μ’s

高坂穂乃果がライバル校UTX高校のA-RISEを見て廃校を阻止するにはコレしかないと思って南ことりと園田海未と共に活動を開始した新米スクールアイドルグループ。

今では、星空凛、西木野真姫、小泉花陽、矢澤にこ、東條希、絢瀬絵里を仲間に加えて9人で活動している。

 

・A-RISE

スクールアイドルの頂点に君臨するグループ。

リーダーの綺羅ツバサは、穂乃果と知り合いみたいで……謎多き集団である。

 

 

・学園都市

東京の西部を開拓して作り出した街。

総人口230万の内8割が学生という学生の街である。

ここは、最先端の科学技術を用いて超能力者の開発の研究をしていた。

しかし、その裏ではダークバルタンの侵略部隊として育成されていた。

その為、例外を除いて(無能力者と一部の超能力者)ほとんどの人に催眠音波が効くようにされている。

 

 

・御坂美琴

常盤台中学2年生

この作品のヒロインである。

学園都市でも7人しか居ない超能力者。

常盤台の超電磁砲として学園都市では名を知らないものは居ないと言っていいほどの有名人である。

実は彼女は幼い頃ダークバルタンに改造手術を受けさせられて人間の子供を産めなくなってしまったと言う悲しい人物でもある。

4歳年上の高坂穂乃果とは、小さい頃公園で遊んでいた幼馴染みである。

 

 

・白井黒子

常盤台中学1年生。

御坂美琴と同じ学校に通う一つ下の後輩。

美琴を「お姉様」と呼んでしたっているが、たまにやりすぎることも……。

しかし、風紀委員としてしっかり者である。

能力は、空間移動でレベル4の大能力者。

 

 

・初春飾利

柵川中学1年生。

白井黒子のパートナーであり佐天涙子と友達である。

セレブに憧れる少女だが、情報処理能力が凄く風紀委員のテストもこれだけで合格したらしい。

学園都市内の都市伝説として語られている超一流のハッカー「守護神(ゴールキーパー)」の正体が彼女である。

 

 

・佐天涙子

柵川中学1年生。

初春のスカートめくりが趣味な少し変な子だが、家事のスキルは以上に高く面倒見のいい少女でもある。

レベルは0の無能力者だ。

近くにいる黒子や美琴が羨ましくてとんでもないものに手をつけてしまう。

 

 

 

 

・高坂穂乃果

音ノ木坂学院2年生

この作品のもう一人のヒロインでありμ’sのリーダーある。

御坂美琴とは幼馴染みで幼い頃に遊んだことがきっかけで仲良くなったと言う。

ウルトラマンに凄い憧れを持っている。

 

 

・園田海未

音ノ木坂学院2年生

弓道部とスクールアイドルの両立をしている大和撫子。

穂乃果とは、幼馴染みで小さい頃からワガママに付き合わされたという。

μ’sの作詞担当である。

 

 

・南ことり(ミナリンスキー)

音ノ木坂学院2年生

母南舞花は、音ノ木坂の理事長と言う異色の人である。

μ’sの衣装係で、自分を鍛える意味からアキバのメイドカフェでバイトを始めた。

これが伝説のミナリンスキーの始まりである。

 

 

・星空凛

音ノ木坂学院1年生

語尾に「にゃ」を付ける少し可愛らしげのある女の子。

運動神経はμ’sの中でも1番と言われている。

スカートを履くことにコンプレックスを感じている。

それを逆手に取られ操られるが、今は幼馴染みの花陽とクラスメイトの真姫と共にスクールアイドルを入ることを決意する。

 

 

・小泉花陽

音ノ木坂学院1年生

スクールアイドルに憧れる高校生。

実は、コミュ症で中々自分の意思を伝えることが出来ずアイドルに向かないと諦めかけていたが、凛と真姫のおかげでスクールアイドルに参加することが出来た。

彼女も怪獣になった経験を持つ。

 

 

・西木野真姫

音ノ木坂学院1年生

西木野総合病院の医院長である父を持つ大金持ちである。学業を中心にしろという親の命令によりピアノを辞めざるおえなかった。その心を星人に利用されて怪獣にされた。

だが、音楽の好きな彼女には変わりなくスクールアイドルという形で新たな音楽をスタートさせる。

 

 

・矢澤にこ

音ノ木坂学院3年生でアイドル研究部の部長。

かつて、アイドル研究部には数名部員がいたがみんな辞めていった。それを逆恨みしてウルトラ兄弟を苦しめた合体怪獣タイラントへとなりゾフィーとアンドロメロスと交戦する。

その後、穂乃果や他のメンバーの誘いもありμ’sへ入ること決意した。

 

 

・絢瀬絵里

音ノ木坂学院3年生で学院の生徒会長である。

闇のウルトラマン、カミーラの遺伝子を持つ少女。

最初は、自分の思い通りにならないスクールアイドルの発起人である穂乃果を逆恨みしてダイゴと破壊発動をするが、ゾフィーに負けて力を制御することを学び光に目覚める。

しかし、本来は闇の力であるカミーラ自身はそれに反対して絵里を再び闇へと引きずり込もうとするがそこを美琴が放った超電磁砲がカミーラのスパークレンスだけを破壊して自分の好きなことをやると決意する。

 

 

・東條希

音ノ木坂学院3年生で学院の生徒会副会長である。

μ’sの名付け親。

元々別次元に住んでいた彼女は、闇の力ダークルギエルと同化してしまった。その後、いくつかの次元を超えて他のμ’sをも破壊してきた。

今回は、ゾフィーの活躍により彼女が経験したことのない新たな道へ歩み出すことになった。

 

 

 

 

 

如何でしょうか?

これまで出てきた主要キャラを紹介してきました。

作者も初めての企画である三作品の二次創作なので、大変ですがこれからも多くの皆様に読んで頂けると嬉しいです。

これからも宜しくお願いします。




「ULTRAMAN ZOFFY」の番外編である「ULTRAMAN ZOFFY外伝〜ULTRAMAN BELIAL〜」も絶賛投稿中!!
闇の戦士であるベリアルが何故人を守るのか!?
そこには、ゼロとの戦いで学んだ誰かを守る力を求める陛下の純粋な気持ちがあった。

ベリアルが純粋過ぎるかもしれませんが宜しくお願いします。
こちらは、ベリアル×とある科学の一方通行(メインキャラのみ)×ラブライブ!サンシャイン!!
となっています。

こちらも宜しくお願いします。


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第35話「超電磁砲対多才能力者」

《前回のあらすじ》
突然意識をなくして植物状態になった、佐天涙子。
そんな彼女を助けようと奮闘する穂乃果達だが、そこへバット星人の魔の手が襲い込む。先に襲撃された沼津の病院からにかげて来た真姫と学園都市にいた穂乃果、絵里以外の7人はハイパーゼットンの餌になってしまった。
その後、心に深い傷を負った穂乃果達だが犯人探しを続投。次第に浮かび上がってきたレベルアッパーの真実。それを持って初春が向かった先は、木山春生だった。
そして、木山春生が犯人だと知った初春は木山春生の人質となる。



 

 

(アイツを地球へ向かわしてはいけない!!こんな奴らの為に罪なき人を苦しめる訳にはいかない!!)

 

 

そう思い至急にハイパーゼットンコクーンの後を追って地球へ向かうゾフィー。

目の前に見えてきたハイパーゼットンへM87光線を放つもやはり効果がない。

 

 

「ゾフィーよ、我々バット星人長年の夢であるウルトラ抹殺計画の邪魔をしてはならない。」

 

「バット星人、貴様がどれほど強い怪獣を作ろうと俺は、お前達の野望を打ち砕く!!」

 

「なら、我々の餌食になるがいい!!」

 

 

そう言うとバット星人の命令により繭から触手が出てきた。それを躱したりM87光線を放ち防ぐゾフィー。

しかし、その触手は逃げるにつれて増えていくと遂にゾフィーの腹を貫いて捕まえる。

 

 

「くっ……、アァッ!!」

 

 

抵抗しようと悪あがきをするゾフィーだが、貫かれた先から光エネルギーが漏れて歯向かう力すら失おうとしていた。

そして、徐々にコクーンとの距離が縮まった。

 

 

「俺をどうする気だ!?」

 

「ゾフィーよ、このハイパーゼットンの為に残りの力を使い切るのだ!!!

そして、我々の長年の夢であるウルトラ抹殺計画を遂行する時!!」

 

 

それを知り抵抗するゾフィーだが、無常にもゆっくり繭に取り込まれてしまった。

 

 

「これで、我々の邪魔をする者はいない。さぁ、ゼットンよ。宇宙征服の時は来た!もう誰も……、我々を止めることは出来ない!!」

 

そう言ってバット星人の笑い声が太陽系に響き渡るのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初春との連絡が途絶えたことを知った黒子は急いで支部から出ようとしてた。

 

 

「待って黒子!」

 

 

美琴の声とともに黒子の動きがピタリと止まる。そして、彼女の目の前にやって来るとそこから通さんとばかりに仁王立ちした。

 

 

「私が行くわ!ジッとしてんのは性に合わないし。黒子は、黒子はアンチスキルからの連絡を回してちょうだい。それに何か、嫌な予感がするのよね。」

 

「しかし、お姉様は一般人ですし巻き込むわけには行きませんの。初春だってジャッジメントのはしくれですよ。いざとなれば自分の力で…それに、ジャッジメントであり、パートナーである私が行くべきですわ!!」

 

 

そう言う黒子の肩を美琴は、ポンと叩くとそこから激痛が走るように黒子を襲った。

 

 

「一応私もこの事件に関与してるし……それにアンタ、私を庇った時に骨折してたの隠してるでしょ。」

 

「もしかして、お姉様は最初から見抜いて……。」

 

「当たり前でしょ。」

 

 

そう言って黒子の額に人差し指をつんと当てる。

 

 

「アンタは私の後輩なんだから……、

こんな時ぐらい()()()に頼んなさい。」

 

 

その一言に頬を赤くした黒子は、「お姉様!!」と叫びながら勢いよく美琴へ抱きつこうとしたが、本人に止められる。

 

 

「そういう事じゃないわよ!」

 

 

美琴のツッコミが終わるとタクシーに乗り木山春生が逃げた高速道路の近くへと向かっていた。

彼女が多種多様な能力を使うことを知ったのはその時だった。

 

 

「見つけたわ!お釣りはいらないから運転手さんも早く逃げて!!」

 

「あ、ちょっとお客さん!」

 

 

タクシーから降りた美琴は、非常階段を使い高速道路へ足を運ぶと全滅したアンチスキルの光景が目の前にあった。そして、その前には木山春生の姿が……。

 

 

「アンチスキルが……全滅……。」

 

 

驚きの光景を見て唖然とする美琴……。

そして、近くの車の中には気を失った初春の姿があった。

 

 

「初春さんっ、しっかりして!!」

 

 

そう言って美琴は、近づくも初春の反応はなかった。

 

 

「安心していい、戦闘の余波に巻き込まれて気絶してるだけだ。命に別状はない。」

 

 

瞳の色がおかしくなっていた木山春生は、低い声で丁寧に説明した。

 

 

「御坂美琴、学園都市に7人しか居ない超能力者か。私のネットワークに超能力者は含まれていないが……、

流石の君でも私のような相手と戦ったことはあるまい。」

 

 

そう言って木山春生は、美琴の方をゆっくり振り向く。その瞳は、既に充血したかのように赤くなっていた。

 

 

「君に一万の脳を統べる私を止められるかな?」

 

「止められないですって!?そんなのやって見なきゃ分からないわ!」

 

 

そう言って美琴は、電撃を放つも能力で作った避雷針のシールドみたいなので防がれてしまう。

 

 

「驚いたわ!まさか、本当に複数の能力が使えるなんて……多重能力者(デュアルスキル)なんて楽しませてくれるじゃない!!」

 

「その呼称は適切ではないな、私の能力は理論上不可能と呼ばれたアレとは、少し方式が違う。言うなれば多才能力(マルチスキル)だ。」

 

 

木山春生は、そう言って風力を使った斬撃を美琴へ向けて放つとそれを横に避けた。

 

 

「呼び方なんてどうでもいいわよ!こっちがやることに変わりはないんだから!」

 

 

再び電撃を放つがコレも防がれてしまうが、その隙を突き美琴だが、大きな炎の球体を発射してきた。

 

 

「ヤバッ!」

 

 

反応が少し遅れた美琴は、ギリギリ躱すも新品の服は既に所々破れがあったり汚れていたりしていた。

 

 

「能力を一つしか使えないとは一言も言ってないぞ。」

 

 

そう言って木山春生は、自分と美琴の周りだけ地盤を破壊した。落下する中、電磁波を使い柱にある鉄を利用して最悪の事態を防いだ。

 

 

「とんだ拍子抜けだな、超能力者とはそんな程度なのか!?」

 

「まさか、電撃を攻略したぐらいで調子に乗るな!!」

 

 

そう言って美琴は、鉄筋コンクリートを電磁波でくり抜いてそのまま木山春生に投げつける。しかし、それを右手から出てきたレーザーサーベルみたいなのをしっかり握り飛来する瓦礫を真っ二つにした。

 

 

「アレ?」

 

 

次の瞬間、木山春生は手を前に伸ばして美琴の所だけのコンクリートを抜くとそのまま美琴は、地面に落下した。

 

 

「ゲホゲホッ!」

 

(戦いに応じて能力を変えるなんて反則だわ。)

 

 

美琴は、咳き込みながらそう思うとゆっくり立ち上がった。

 

 

「もう止めにしないか?」

 

「私は、ある事柄について調べたいだけなんだ。それが終われば全員解放する。誰も犠牲には……。」

 

「ふざけんじゃないわよ!!」

 

 

木山春生の声を遮るかのように美琴は、大声で叫んだ。

 

 

「ふざけんじゃないわよ……」

 

 

そう小さく呟いた美琴は、両手をギュッと握りしめた。その瞳は、静かな闘志を抱きて木山春生を見つめていた。

 

 

「誰も犠牲にはしない?アンタの身勝手な目的にあれだけの人間を巻き込んでおいて人の心をもてあそんで……

こんな事をしないと成り立たない研究なんてロクなもんじゃない!!そんなモノ見過ごせるわけないでしょうがっ!!!」

 

 

すると、髪の毛をクシャクシャ掻いた木山春生は、深いため息を吐いた。

 

 

「全く……、超能力者とは言えとんだ世間知らずのお嬢様だ。」

 

「アンタにだけは言われたくないわ!」

 

 

次の瞬間、木山春生はテレポートさせた空き缶を美琴の目の前に投げる。その行動に首を傾げる美琴だが、目の前で急に凝縮されるのを確認した。

 

 

「ドカーーン!!」

 

 

爆発音とともに発生した煙に美琴は包まれた。煙で視界は悪いが、やったと思い込んだ。しかし、瓦礫を盾にして爆撃の余波から身を守り抜いた。

 

 

「そんな即席の盾でこれが防げるかな?」

 

 

そう言って木山春生は、ゴミ箱ごとテレポートさせて美琴の前へ移動させるとそこから無数の空き缶が彼女へ向かって飛来した。

 

 

「さて、これはどうするかな?」

 

「全部……ぶっ飛ばすっ!!」

 

 

美琴から放たれた電撃により次々と消滅していく空き缶達……。

 

 

「流石に正攻法では無理か……。」

 

 

そう呟いた木山春生は、最後に持っていた空き缶を今度は美琴の後ろへテレポートさせる。

一方、そんなことも知らずに全ての空き缶を粉砕したと思い込んでる美琴は、一安心すると……。

 

 

「ドカーーン!!」

 

 

再び爆発が起こる。その音により気絶していた初春が目覚めた。

 

 

「あれ!?アンチスキルが……」

 

 

目の前に飛び込んできた光景に驚く初春は、さてれた手錠の鍵外れてることに気づく。そして、車を降りて舞い上がった爆炎の元へ向かって行った。

煙が止むとそこには、瓦礫に埋もれている御坂美琴の姿があった。彼女はピクリとも動かなった。

 

 

「意外と大したことなかったな。……超能力者。」

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.木山春生)
私は、過去に大きな過ちを犯してしまった。
あの一人の科学者によって……。
あの子達を助ける為、私は戦わなければならない!
例え、この街を敵に回しても……。


第36話「木山先生」





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第36話「木山先生」

《前回のあらすじ》
海王星に出現した巨大なゼットンの繭との戦いに苦戦するゾフィー。残された最後のエネルギーを使うもその繭の中へ飲み込まれてしまった。
一方、何も知らない地球では一つの戦いが幕をきろとしていた。


戦いが終わった静かな風が吹くと、木山春生の表情は晴れなかった。自ら守りたかったもののために1人の超能力者を殺してしまったのだから……。

 

 

「恨んでもらって構わんよ。手荒なことをしたくなかったが、統括理事会が動く前に片付けなければならない。邪魔をする者は何人だろうと潰す。」

 

 

そう言って振り向きその場を立ち去ろうとする木山春生の後ろから何者かがギュッと動かせなくするかのように抱きしめた。

 

 

「つーかまーえた!」

 

 

その声を聞くと木山春生は、横目でその人物を確認すると驚きの声をこぼす。なぜなら、先ほどまで瓦礫に埋もれてピクリとも動かなかったはずの人物なのにも関わらずピンピンしてるからだ。

そう、その人物とは……御坂美琴だ。

 

 

「馬鹿な!直撃したはず……ッ!!」

 

 

そう言って更に後ろへ視線を移すとあることに気づく。それは、ただの瓦礫ではなく盾になっているという事だった。

 

 

(あの死角からの奇襲をどうやって!?)

 

 

疑問が木山春生の脳を走る。すると、後ろから捕まえている美琴が説明を開始した。

 

 

「AIM拡散力場の専門家に説明するのもアレだけど……私の身体からは、常に電磁波が出ているの。妙な動きがあったら反射波で感知できるから死角とか関係ないのよ。」

 

 

すると、下を見ていた美琴が顔を少し上げた。その表情は木山春生と違って晴れていた。

 

 

「ゼロ距離からの電撃……あのバカや宇宙人には効かなかったけど……あんなトンデモ能力までは持ってないわよね?」

 

 

そう言われた木山春生は、危険を察すると慌てて近くにあるものを能力を使って動かすと美琴に奇襲をかけようとした。

 

 

「遅い!!」

 

 

そう言って美琴の電撃が木山春生を襲った。

すると、ガクッと動くのを最後に木山春生は、意識を失ってしまった。

 

 

「一応手加減はしたけど……これで戦闘不能なはず!」

 

 

そう言うと美琴は安心しながらそう言った。

 

 

しかし!?

 

 

『センセー』

 

その一言に美琴は、背筋を凍らせたと同時にあたりを見回すが、誰もいなかった。

 

 

『木山センセー』

 

 

しかし、子供たちの声は確実に美琴の脳に伝わった。それを聞くと美琴は、確信した。

 

 

(私と木山は電気を介した回線で繋がっている!?)

 

 

驚く美琴だが、次の瞬間、彼女の脳にたくさんの情報が流れ込んできた……。

そのほとんどが、この事件の発端に繋がる出来事だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ナレーション担当:木山春生】

 

 

「私が教師に?」

 

 

私は、数年前とある研究施設にいた。目の前には私の上司である木原幻生が自分の椅子に座っていた。

 

 

「何かの間違いでしょうか?」

 

 

突然の事で不思議に思った私は質問するが、木原幻生は違うと言って椅子から立ち上がると窓の方を見る。

 

 

「君は確か教員免許を持っていたよね?」

 

「あれは…取得単位で取れたからついでに……。」

 

「なら、教鞭をとっても何もおかしくはないじゃないか……木山君。」

 

 

この頃の私は、今より髪も短く瞳の下にあるくまも無かった。だが、私はどうしても教鞭を取りたくはなかった。それには、二つの理由からだ。

 

 

「今は、研究に専念したいんですが……。」

 

「何語も経験だよ、木山君。」

 

 

そう木原幻生は、窓から私の方へ振り向いて言うと手でこっちに来るように合図する。私は、「聞いてください」と言いながら木原幻生の隣へ向かうと同時に外で元気に遊んでる子供たちを見る。

 

 

「表の子供達……。彼らは、置き去り(チャイルドエラー)と言ってね。何らかの事情で学園都市に捨てられたち寄りのない子供たちだ。そして、彼らが今回の被験者であり君が担当する生徒になる。」

 

 

普通ならおかしい。

幼い小学生を実験の対象にするのだから……。しかし、これが学園都市だと私は納得した。

私が今回行う任務は、

 

「実験成功のために被験者の詳細なデータを取り細心の注意をはかって調整をする」

 

ことであった。だから、私は研究の一部だと思い教鞭を渋々引き受けた。

しかし、これが本当に教鞭を取りたくなかった理由ではなかった。

 

 

「あー、今日から君たちの担任になった木山春生だ。よろしく。」

 

「「「宜しくお願いしまーす!!!」」」

 

 

私が本当に教鞭を取りたくなかったのは、『子どもが嫌い』だからだ。

教鞭を取ってから数日が経った天気のいい日。

私は、教室に入ると上からバケツ一杯分の水をかけられた。それを見たクラスの男子は喜ぶ。

 

 

「ワーイ!引っかかった!!」

 

「コラー!!」

 

「センセー、大丈夫?」

 

 

その喜ぶ男子とは逆に数名の女子は私の心配をしてくれた。私は、質問に答えながら手をシャツのボタンへ持っていくと一個一個外し始めて脱ぎ始めた。

 

 

「今日は晴れてることだし外で干しておけばすぐに乾く。」

 

「わーっ!こんな所で着替えないでっ!!」

 

「コラ、男子!あっち向いてろー!」

 

 

それで素直に後ろへ向けば利口なのだが、その男子達は後ろへ振り向きながら反抗するように会話をし始めた。

 

 

「べ、別にセンセーのぺチャパイなんか見たくねーよな?」

 

「お、おう。」

 

「ぺ……ペチャパイ……」

 

 

全く……これだから子供は嫌いなのだ。人が気にしてることを問答無用でいうし、いたずら好きだし……。

 

 

「なぁ、センセー彼氏いるの!?」

 

「……いないけど。」

 

 

また別の日、一人の男子生徒が私へ質問をしてきた。私は、真実を答えるとその生徒は生意気な態度を取りながら話を進めた。

 

 

「なら、俺が彼氏になろうか?」

 

「よ、余計なお世話だ!」

 

 

デリカシーもないし、予想通りじゃないし……。

先生になり、数ヶ月たった雨の日……。

私は、全ての仕事を終えてマンションへ帰ろうとすると校門前で尻餅ついている女子生徒を発見した。

 

 

「あ、木山先生。」

 

「一体どうしたんだ!?」

 

「滑ってコケちゃった……」

 

 

その少女は、笑いながらそう言った。私は、少し呆れながらその少女にあることを聞いた。

 

 

「家に来るか?」

 

「え!?良いの??」

 

 

女子生徒は、目をキラキラさせながら聴くとそれに対して私はうんと頷いて生徒と共に帰宅した。

 

 

「わーい!お風呂だ!!先生、入っていいの?」

 

「あぁ、だか風呂がそんなに珍しいか?」

 

「うん、だって施設だと週に2回のシャワーだけだもん!」

 

 

そう言って生徒は服を脱ぎそのまま風呂へ向かった。入った瞬間、「温かい」などの言っていた。

 

 

「センセー、私も頑張ったら大能力者や超能力者になれるかな?」

 

 

風呂に入ってから数秒後、生徒は私に質問してきた。私は、論理的なことを言おうとしたが、次の瞬間口が止まり別の言葉を変わりに言った。

 

 

「今のままでは何とも言えないな。才能にもよるが、今後の努力次第といったところか。高能力者に憧れでもあるのか?」

 

 

今度は、私がその子に質問をした。すると、予想外の回答が帰ったきた。

その回答は、大人っぽくて聞いてる私もびっくりした。

 

 

「んー、勿論それはあるけど……私たちは、学園都市に育ててもらってるから、この街の役に立ちたいなーって……。」

 

 

その後、女子生徒は風呂上がりにすぐ寝てしまった。おかげでいい迷惑だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからさらに時は過ぎてAIM拡散力場制御実験当日。

私は、指示通りに動き生徒達を実験台に寝かせた。

 

 

「怖くないのか?」

 

 

私は、常に笑顔になっている風呂に入れた女子生徒に質問した。すると、女子生徒は笑顔で答えた。

 

 

「うん!だって、木山先生の実験でしょ?先生の事信じてるもん!だから、全然怖くないよ!」

 

 

それを聞いて私は、何故か安心した。これで、先生ごっこもおしまいだと思った矢先に事は起こった。

 

 

「ビーーー!!」

 

 

何かの警告音と共に周りの研究員は慌てだす。私は、実験室で血を吐きながら苦しんでいる彼らを見て全身が震えた。

 

 

「急いて病院に電話を!!」

 

「あー、良いから早くデータを集めなさい。」

 

「しかし!?このままではあの子達が!」

 

「実験は成功した。君たちは何も見なかった。良いね?」

 

 

そう言って一人データが取れたことに喜んでいる馬鹿科学者、木原幻生は私の隣りにやってきた。

 

 

「木山君、良くやってくれた。彼らには可哀想だが、実験に犠牲はつきものだ。今回の事故は気にしなくて良い。」

 

 

そう言いいながらポンと私の肩を叩いた木原幻生は、悪魔のような笑みで言い残して去った。

 

 

「君には今後も期待してるからね!じゃあ、後はよろしくー」

 

 

その後、木原幻生がいなくなった後一人の研究員が病院に通報した。救急隊に運ばれる彼らの苦しい顔を見た私はペタッと両膝を地面に付けて落胆した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ナレーション木山春生終了】

 

 

 

 

美琴は、怖くなり木山春生から手を離した。中学生である美琴には、未体験のグロさだったからだ。

 

 

「な、何よ…これ……。」

 

「み、見られた!」

 

 

そう言って木山春生は、能力を使い美琴を攻撃しようとするが、電撃のダメージが残っており美琴に攻撃が当たることは無かった。

 

 

「な、何で……あんな事を!?」

 

 

美琴らしくないオドオドしながら質問した。それを聞いた木山春生は、大声で笑い出した。

 

 

「あの実験の正体は、『暴走能力の法則解析用誘爆実験』能力者のAIM拡散力場を刺激して、暴走の条件を探るものだったんだ。あの子達を使い捨てのモルモットにしてね!」

 

「だったら……それこそアンチスキルに……。」

 

 

そう呟いた美琴へ能力を使った攻撃が飛ぶ。それを躱した美琴の前にはボロボロになった木山春生が立っていた。

 

 

「23回……。あの子達を救うために『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の使用許可申請をした。しかし、全て断わられた。アンチスキルも統括理事会もグルなんだ!働くわけがない!!」

 

「でも…アンタがやってる事も同じじゃ……。」

 

「君に何がわかる!!」

 

 

美琴が正論を放つとそれを対して木山春生は、大声で反論した。

 

 

「あんな悲劇二度と繰り返させはしない。そのためなら私は何だってする。この街の全てを敵に回してもの止める訳にはいかないんだっ!!!」

 

 

その瞬間、木山春生の脳に何かが起きた。

激しい痛み……。

木山春生は、出産寸前のお母さんのように大声で叫んで頭を抑えた。

 

 

「ちょっと、どうしたの???」

 

 

突然の変異に美琴も状況が読めなかった。

しかし、木山春生の頭から離れるかのように胎児のような形をした能力の暴走体AIMバーストが出現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、初春は手錠を外そうとしてたが、中々外れない。

 

 

「あ!飾利ちゃん!!」

 

 

そこへ、危険も知らずに穂乃果、絵里、真姫がやって来た。三人の後を追うかのように固法先輩も駆けつけた。

 

 

「だ、ダメですよ三人は一般人なんですから現場に立ち入っちゃ……。」

 

「そんな事言ってる場合!?アレ、見てから物言いなさいよ。」

 

 

真姫が空へ指を指すとそこには、あのゾフィーをも取り込んで繭から孵ったばかりだが、通常の怪獣の何倍にもデカい大きさのハイパーゼットンギガントが地球に接近するのが目で見えた。

 

 

 

 

 

 




《次回予告》
AIMバーストの負の怨念を求めてハイパーゼットンギガントが地球へ接近する。
両者が揃う時、地球の崩壊の危機に陥る。


第37話「誕生!完全無敵のハイパーゼットン」


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第37話「誕生!完全無敵のハイパーゼットン」

ULTRAMAN ZOFFYファンの皆さん、お待たせしました!!
最近、ULTRAMAN ZOFFYを執筆する時間が無かったのですが、久しぶりに更新します!!




 

 

「何……コレ!?」

 

 

突如出現したAIMバーストを見て驚く美琴だが、そんな事お構い無しにAIMバーストは、叫び声をあげた。その声には、どこか悲しみの思いがあるような気がしたが今の美琴にはそれが分からなかった……。

 

 

「胎児!?メタモルフォーゼ???こんな能力見たこと……ない。」

 

 

すると、AIMバーストはゆっくり進み始めた。それを見た美琴は、少し安心した。あんな訳の分からない化け物と戦う必要性がなくて済んだからだ。しかし!?

 

 

「何をボサッとしている!」

 

「え!?」

 

「あのバケモノの向こうには原子力発電所が!!!」

 

 

木山は、そう言うと美琴は慌てた。原子力発電所を破壊されれば、学園都市は木っ端微塵になってしまうからだ。

 

 

「それを早く言いなさいよ!!!」

 

 

そう言いながら美琴は、慌ててAIMバーストの近くへと走って行った。

 

 

「止まりなさい!!」

 

 

そう叫んだ瞬間、AIMバーストはキッチリ止まった。そして、原子力発電所前に立った美琴とは逆の方向を見る。そこには、AIMバーストよりも遥かに大きいハイパーゼットンがやって来るのが目で確認できた。

 

 

「もう、今度は何よ!?」

 

 

そう呟く美琴だが、次の瞬間……。

AIMバーストは、ハイパーゼットンから伸びた鎌によって身動きが取れなくなり、すぐさま体内に取り込まれてしまった。

 

 

「嘘!?食べた?」

 

 

そう驚いた美琴は、戦闘態勢に入った。その鎌が海未達の命を奪ったことを彼女は知ってるからだ。ポケットから取り出したコインを使って超電磁砲を放つもそれを軽々と吸収したハイパーゼットンは、身動きが止まった。

 

 

《よく聞け、愚かな人間共よ!》

 

 

ハイパーゼットンから聞こえる謎の声は、学園都市だけではなく世界中へ響き渡っていた。

 

 

《今から13時間後、この地球を本格的に侵略する。この完全体になったハイパーゼットンでな!!!》

 

 

そう言うとハイパーゼットンの真上に赤い数字が動き始めた。どうやら、人類に残されたカウントダウンが始まったみたいだ。

 

 

「どうすれば……どうすればいいの!?……教えて……教えてよ……一輝……。」

 

 

目の前にある絶望に膝まづいた美琴が嘆き悲しむように言った。それは、超電磁砲をも効かない無敵の敵を前にして何も出来ない無力な自分を感じてるような小さな声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……、ハイパーゼットンはゆっくりとその禍々しい姿を消した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイパーゼットンが地球に飛来した頃、月には石化したゾフィーの姿があった。彼は、ハイパーゼットンに全てのエネルギーを奪われてしまったのだ。一輝は、精神の間で絶望の海に浸かっていた。

 

 

「何が、宇宙警備隊の隊長だ……何が宇宙最強だ……何も勝てないじゃないか……。守りたい者を守れないで何が宇宙警備隊の隊長だよ……。」

 

「よう、元気にしてるか?」

 

 

誰もいないはずの精神の間に一人の声が聞こえた。それを聞いた一輝は、ゆっくりと振り向いた。すると、そこにはあの時ダークルギエルと共に死んでいった上条当麻が居た。

 

 

「か、上条…当麻!?」

 

「どうした、俺との約束を忘れたのか?……一輝。」

 

「約束……?」

 

 

そう呟いた一輝は、今まで動いてなかった脳を一気にフル回転して思い出した。しかし、彼には戦う手段がないのだ。

 

 

「……無理だ……。俺は勝てない。」

 

「そんなこと言うんじゃねぇ!あの星を……御坂を守れるのはお前しか居ねぇんだよ!!」

 

 

そういいなが当麻は、一輝の胸ぐらを掴んでいた。当麻には分かっていたのだ。死んだ自分の無力さが……だからこそ、超人である一輝だけが自分の大切な人を守れると思ったのだ。

 

 

「守る……、俺が!?」

 

「あぁ、だから……俺は、お前のその絶望をぶち壊す!」

 

 

そう言って当麻は、超人的な力を秘めたその右手を握りしめて一輝の事を思いっきり殴り飛ばした。飛ばされた一輝は、ゆっくり立ち上がると当麻の事を睨みつけた。すると、彼の両手が白く輝いた。

 

 

「こ、これは!?」

 

「もうじき……学園都市にいるある人物が御坂達を苦しめる……。だから、俺の幻想殺し(イマジンブレーカー)の力を伝授するためにやって来た。」

 

「上条…、お前……」

 

「だからさ、救ってやってくれ……守ってくれ……御坂を……俺の大切な人を……。」

 

 

当麻は、一輝の両肩を掴んで物申すように自らの胸のうちを彼に話した。その想いの強さは、当麻の悔しさがジーンと伝わるぐらいだった。

 

 

「あぁ、任せろ!!」

 

 

両手が元に戻ったのを確認した一輝は、当麻の想いに答えるように彼の肩を優しく掴んで答えた。すると、当麻は、安心したような表情を彼だけに見せると精神の間から姿を消した。その時、一輝の周り存在してた絶望の海が一気に退けるとその代わりに眩しいぐらいの光を一輝は、全身に受けた。

そして、闇に対する熱き闘志を抱きながら石化してたはずのゾフィーは、ゆっくりと自身の体を動かして石化を自らの力で解いた。

 

 

「まっていろ……ティガ、メロス!」

 

 

ゾフィーは、立ち上がるとまだ石化が解けていないウルトラマンティガとアンドロメロスを助けに海王星へと向かった……。

 

 

 

 




《次回予告》(CV.上条当麻)
遂に誕生したハイパーゼットンイマーゴは、街を破壊し始める。
人々が絶望の恐怖に怯え始めた時、光の戦士が最後の希望として立ち上がる……。



第38話「帰ってきたウルトラマンゾフィー」



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第38話「帰ってきたウルトラマンゾフィー」

GWいかがお過ごしですか?
自分は、部活にバイトにリア友との遊びとかなり充実してます!!

それでは、ULTRAMAN ZOFFYのスタートです!!


ここは、海王星。

月から飛行してきたゾフィーは、ゆっくりと海王星に到着するとブロンズ像化しているアンドロメロスとウルトラマンティガの姿があった。

 

 

「ティガ、メロス!」

 

 

そう言って身動き一つもしない彼ら近づいたゾフィー目掛けてスペシウム光線が飛んできた。

 

 

「へアッ!」

 

 

それを受けたゾフィーは、後ろへ飛ばされると地面に思いっきり倒れた。

 

 

「な、何者だ!?」

 

 

そう言ってゆっくり立ち上がったゾフィーの前にウルトラマンとピッポリト星人が立っていた。

 

 

「貴様!なぜだ!?何故……このような事を!?」

 

「ゾフィー、我々ピッポリトの奴隷となるがいい!我々は、宇宙が手に入ればそれで良いのだ!」

 

 

そう言うとピッポリト星人は、敵をブロンズ像に変えるピッポリトタールを召喚したが、それを躱したゾフィーはZ光線を放ちピッポリト星人に先制攻撃を決めた。

 

 

「シュア!」

 

 

すると、ウルトラマンは八つ裂き光輪を放つとゾフィーも八つ裂き光輪を放ち相打ちになると、お互い勢いよくジャンプして飛び蹴りをするもまたもや相打ちとなった。

 

 

(流石は、怪獣退治の専門家……強いな……)

 

「考え事をしてる暇はないぞ!」

 

 

次の瞬間、ゾフィーの背後に回り込んでいたピッポリト星人は、彼の両脇腹をチョップすると、背中を思いっきり蹴りゾフィーを倒すとその上を取り連続してチョップを撃ち込むと次に彼の頭を掴んでは地面に何度もその頭を叩きつけた。

 

 

「どうだ!?苦しいか???苦しいだろ?このままあの世へ送ってやるからな!」

 

 

ピッポリト星人は、そう言ってゾフィー顔を上げると目の前でウルトラマンが放ったスペシウム光線が顔面へと向かった。

 

 

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」

 

 

狂ったようにピッポリト星人は、死ねという言葉を連呼した。何とか振り払おうとするもピッポリト星人は、しっかり掴んでゾフィーから中々離れようとはしなかった。

 

 

(ここで、終わらせてたまるか!!)

 

 

そう心に誓ったゾフィーは、唯一動かせる右手を前にしてスペシウム光線を正面から受け止めた。

 

 

「ピキィーン!」

 

 

効果音とともにスペシウム光線が消滅した。すると、ゾフィーは腕力を駆使して強引に起き上がるとピッポリト星人に向かってM87光線を放ち倒すとウルトラマンの方を向いた。

 

 

「……」

 

 

黙っているウルトラマンは、またスペシウム光線を放つがそれも右手1本で防いだ。

 

 

「ウルトラマン……ここで、終わりだ!!」

 

 

そう叫んだゾフィーは、ゆっくりととM87光線の構えに入るとそのままウルトラマンに向けて発射した。それをリバウンド光線と言うウルトラマンのバリアで防ぐがM87光線の前には歯が立たずスグに破壊されると、それを真正面から受けたウルトラマンは、そのまま地面に倒れた。

 

 

「許せ、ウルトラマン……。」

 

 

ゾフィーは、カラータイマーに手を当てるとそのままティガとアンドロメロスの方へエネルギー球体を投げると、それを受け取ったティガとアンドロメロスは、復活した。

 

 

「ゾフィー、無事だったか?」

 

「あぁ、だが宇宙の脅威が地球に迫っている。」

 

「行きましょう!地球へ!!」

 

「勿論、そのつもりだ!」

 

 

そう言うと彼らは、決戦の舞台である地球へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球では、既に残された13時間が過ぎようとしていた。

 

 

「黒子、ハイパーゼットンが出現してレベルアッパーのアンインストールを日本中に流したらみんなを連れて遠い所へ逃げて。」

 

「お姉様……お姉様はどうされるおつもりで?」

 

「私は、戦うわ!最後の最後まで……。」

 

「いけませんの!お姉様も逃げましょう?」

 

「いえ、逃げないわ!」

 

 

黒子にそう告げると美琴は、ハイパーゼットンが消えた場所へ向かった。すると、消えたはずのハイパーゼットンがそこで眠っていたが、カウントダウンがゼロになるとハイパーゼットンは、眠りから覚めるとギガントからイマーゴ(完全体)へと姿を変えた。

 

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

美琴は、そう叫びながら超電磁砲を放つもハイパーゼットンには、効果一つもなかった。

 

 

「嘘!?」

 

「人間が最後の悪足掻きか?」

 

「そうよ!私は何があっても希望を捨てない!そう誓ったのよ!」

 

「無意味な誓だということを証明させてやる!!いけ、ハイパーゼットン!!」

 

 

そういうとハイパーゼットンは美琴の前へとテレポートした。前回、絶望の淵に追いやられた彼女が何故と思った人も多いだろう……。原因は、今から数分前……。

美琴は、ショックのあまり自分の部屋で寝込んでいた。それが最後の時だと思って……。

 

 

(御坂、御坂、おい!御坂美琴!!)

 

 

誰もいない寮の部屋で誰かに語りかけられてる気がした美琴は、ゆっくりと身体を起こすと目の前には、何と上条当麻がいた。

 

 

「あんた……何でここに居るのよ!?」

 

(おい、落ち着け御坂。これは幽霊ってやつだな多分。)

 

「じゃあ、やっぱりあの時に……」

 

(まぁ、俺は全然気にしてないぜ!それにアイツだって……)

 

「アイツ?」

 

(人類最後の希望、御坂一輝。あいつも今地球に向かってる。そこで御坂にお願いがあるんだ。あの化け物の進行を止めてて欲しいんだ。)

 

「そんなの出来るわけないじゃない!あの化け物にどうやって……。」

 

(御坂なら出来る!御坂は強いからな。)

 

「うんうん、私は…弱いよ……あんただって守れなかった……。」

 

(御坂……自分を信じろ!)

 

「……分かったわ……」

 

 

そう納得すると御坂は、常盤台の制服に着替えるとそのまま寮を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッ…、硬いわねあのバリア」

 

「ゼットン……」

 

 

時は戻り現在、砂鉄を剣に変えてもハイパーゼットンのバリアの前には手も足も出ない美琴だった。

 

 

「こんなのとどう戦えっていうのよ!?」

 

 

そう文句を言いながらハイパーゼットンの火球を躱すと再び超電磁砲を放つがそれも効かない。

 

 

「死ね!人間!!」

 

 

そう言ってハイパーゼットンは、一兆度の火球を放った。躱そうとした美琴だが、瓦礫に足を持っていかれるとその場に倒れてしまった。

 

 

(助けて……一輝)

 

 

その時だった……。

火球に向かって一つの光線が命中した。そして、美琴の前に一人の銀色の巨人が着地した。その姿を見た彼女は少し涙目になりながら心の底から喜んだ。

 

 

(ありがとう……)

 

「悪い、遅くなったな。美琴。」

 

 

そう優しく言ったゾフィーは、ハイパーゼットンを睨みつけた。




《次回予告》
地球を舞台に遂にハイパーゼットンとゾフィー、アンドロメロス、ウルトラマンティガが激突する!!



第39話「激突!ハイパーゼットンVS光の三戦士」




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