暁古城、最強最凶最恐となる (道化豆)
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プロローグ

絃神島 旧南東部《オールドサウスイースト》

 

暁古城は、虫の息になりながらも、地に這っていた。

 

当たりには、おびただしい量の死体が転がっていた。

ザハリアス配下の匈鬼達や、原初のアヴローラによって疑似吸血鬼にされた絃神島の人々

その中で、1人だけ立っている姿があった、暁凪沙の姿をした原初のアヴローラである。

 

今、先程までここで戦いが行われていた。

12番目のアヴローラは、原初のアヴローラに吸収されており、古城の体は朽ちる寸前だった。

 

その時、不思議な事が起きた。周りの死体の血が、古城に向かっていっているのだ。

古城は、それを虚ろな目で見て、やけくそ気味に呟く。

「くそっなんだって言うんだよ、凪沙を助けられるのなら、怪物でもなんでもなってやるよ!!」

 

古城は、消えかけの意識の中、血を舐める

すると、それを引き金に、周りの死体から、血が飛び出、まるで氾濫した川のように、荒ぶりながらも古城の元へ集まっていく。

 

古城はフラフラと立ち上がる。

「何故生きているんだ!?貴様は!?」

原初のアヴローラは、驚いたように声を上げる

「凪沙を返してもらうぞ、原初のアヴローラ!!」

古城は、獰猛に笑い原初のアヴローラを目掛けて飛んだ。

原初のアヴローラは、動揺しておりこの行動に反応できなかった。

 

古城は、凪沙の首元に牙を突き立てる、そして凪沙から第四真祖の全てを吸い尽くした。

 

古城の体では、第四真祖の意識が暴れているが、それはもう意味が無かった、なぜなら古城は、新たな世界最凶の真祖になっていたのだから……

 

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真夏の森、深夜の神社の広い拝殿で1人の少女が御簾の奥にいる3人と話をしていた。

「名乗りなさい」

御簾の奥から、女の声が聞こえた。

「姫柊です。姫柊雪菜」

少女はそう答えた。

この神社は、魔道災害などを専門に扱う、獅子王機関の施設だ。

そして御簾の奥にいるのは、その獅子王機関の長老、三聖と呼ばれる者達だ。

 

その後色々あり………

 

 

「本題に入りましょう」

「まずは、これを」

すると、少女の元へ1羽の蝶が飛んできた。

それは少女の前に着地すると、蝶は1枚の写真へと変わった。

写っていたのは、1人の男子生徒だった。

「この写真は?」

「暁古城というのが彼の名前です。知っていますか?」

「いえ」

雪菜は、首を振る。

「彼の事をどう思いますか?」

「え?」

突然の質問に雪菜は戸惑う。

その後、雪菜はもう一度写真を見る。

特に何も思わないが、何か得体の知れないものを感じた。

「何か不気味なものを感じます」

「やはり、そうですか」

雪菜の反応に、長老たちは、同意した。

「この者は、第四真祖だと思われる者です」

「なっ!?」

雪菜は、驚いた、第四真祖は都市伝説だと思っていたのだ。

「あなたには、その者の監視そして、もし危険だと思った場合、全力を持ってこれを抹殺してください」

 

「抹殺……!?」

 

何しろ第四真祖は、世界最強と言われている怪物だ、そんなものを倒せると思うほど、自惚れるてはいない。

 

「受け取りなさい、姫柊雪菜」

 

雪菜が動揺していると、巻き上げた御簾の隙間から、女が何かを差し出した。

それは、1振りの銀の槍だった。

「七式突撃降魔機槍 シュネーヴァルツァーです。銘は雪霞狼」

それは個人レベルで扱える中では間違いなく最強と言いきれる、獅子王機関の秘奥兵器だ。

 

「真祖が相手ならば、もっと強力な装備を与えて送り出したいのですが、現状では、これが我々に用意できる最強の武神具です。」

 

そうして、姫柊雪菜は監視へ向かうそれが第四真祖よりも恐ろしいものとは知らずに……




原作との違いは、
・匈鬼達がザハリアスに協力的
・原初のアヴローラに、12番目も吸収される

また、古城のなった真祖は、アーカードに近い真祖と思ってください。


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聖者の腕と赤黒の真祖 l

絃神島

 

今は夕方、しかし昼の様な明るさの中、街の道の中央に向かい合っている2人の人影があった。

 

1人は気だるげな顔をしている青年 暁古城

そしてもう一人は、銀の槍を構えた少女 姫柊雪菜だった。

2人は臨戦態勢になっていた。

 

古城は、尾行していた少女を人違いと説明し、少女から離れていくところだった。

すると少女を2人組の魔族がナンパしていた、そして色々あり、争いになり魔族の1人の吸血鬼が眷獣を解放し、少女はその銀の槍によって魔族を殺しそうだった少女を止めるため古城はその争いの中へ入っていったのだ。

 

「おいあんた、仲間連れて逃げろ。これに懲りたら中学生ナンパするとかやめろよな」

古城は、呆れたように言った。

そして、ナンパ組は恩に着るぜー とクールに去っていた………

 

「なんで逃がすんですか」

雪菜は不満そうに口を尖らせる。

「なんでって、普通生命は奪っちゃ行けないんだよ」

「普通の人にこの槍は素手で止められませんが」

「そう言う事じゃないんだが」

「やはり人違いではないですね。暁古城、いえ第四真祖!!」

 

「そうかな?」

古城は、銀の槍を向けられても恐れているようでは無かった。そしてその気配が雪菜の防衛本能を刺激していた。

 

「動かないでください」

「へぇ、動いたらどうするんだ?」

古城は楽しそうに聞く。

「それはもちろん、倒すだけです」

雪菜はきっぱりと言う。

 

「じゃあ…倒してみろよ」

古城は凄まじい殺気を放った。

その瞬間、雪菜の本能は身の危険を感じ、古城へ飛びかかっていた。

雪菜は銀の槍"雪霞狼"を振るう。

その槍は、古城の心臓へ深くと突き刺さる。

 

「え?」

雪菜は瞬間、疑問を抱いた。

何故暁古城は、抵抗しなかったのか?

その疑問はすぐさま消失した。

 

「へぇただの槍じゃないんだな。1回殺されたわ」

すると古城の体の半分が赤黒く目玉の多い怪物へとへ変貌した。

「ッ!?」

 

雪菜は驚いていたが、身の危険を感じるとすぐ元の調子に戻った。

雪菜は槍を古城の胸から抜き、襲い来る怪物へと切りつける。

いかなる怪物であろうともこの銀の槍は魔力を無効化し、真祖であれ殺せると言われるものだ。しかし古城には効果が無かった。否、効果外であったのだ。

 

「こりゃ驚いた。まさか獅子王機関の切り札の槍か。まぁこればっかは相手が悪い、俺のこれは魔力じゃない。言うなれば死だからな」

 

次の瞬間には雪菜は首を掴まれ、地に押し倒されていた。

 

「しかし、困ったなぁ俺の生命が一個減っちまった」

古城の顔は気だるげな顔から一変、獰猛な獣のような顔になっていた。

古城は、牙をギラりと見せる。

この世界の吸血鬼の吸血衝動は性的興奮によるものだ。

だが雪菜には、古城の吸血は別の様に見えた。

 

その時、さっきの騒ぎで、近くの警備隊がつくきそうだった。

「ちっ、これじゃあ味わえないな、ったくお前も見逃してやるから次、敵になったら殺すぞ」

古城は深く計り知れない殺気を放つとあっさりと雪菜から離れていった。

「あ、あなたは何が目的なんですか!」

雪菜は恐怖を抑え聞く。

「ただ守りたいものを守り、楽しく生きるそれだけだ」

そう言うと古城は、微かに笑うと影となり消えた。

 

その場には、まだ恐怖に震える1人の少女が残っていた。

…………

 

 

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難しい……

何か変なところがあれば教えていただけるとありがたいです。


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II

「ったく、疲れたな」

古城はいつも以上に気だるげな顔で帰路につく。

すると、古城は自分のマンションの前にトラックが止まっている事に気がついた。

 

(ん?なんだ誰か引っ越てくんのか?)

そう思いつつ、マンションの入り口を見るとそこには今さっき殺し合いをしていた少女が立っていた。

 

「………よ、よう」

古城は戸惑いながらも声を掛けると

「先ほどはすいませんでした!いきなり槍を刺したりしちゃって」

少女は謝ってきた。

 

「まぁいいや、なんでお前ここにいんの?」

 

「獅子王機関から命であなたの監視をすることになりました 姫柊雪菜です。今後、宜しくお願いします」

雪菜は緊張した様に挨拶をした。

 

「はぁ!?…勘弁してくれ」

 

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暁家 リビング

 

今、古城は妹の凪沙とさっきの少女 姫柊雪菜と夕食をとっていた。

机の上には、古城の妹 暁凪沙が作った豪華な料理が並べられていた。なんでも、凪沙と雪菜は合って1日目で友人となったのだという。

 

「雪菜ちゃんの引っ越しパーティーだよ!!でね今日は寄せ鍋。やっぱり真夏に冷房をガンガンに効かせて食べるお鍋は、贅沢な感じしていいよねぇ。そうそう、味は醤油味。

おダシはね、いちおうカツオと昆布と鶏ガラとホタテを使ったおダシで、今日はカニも入れてあるから、カニはオホーツクの毛ガニね。ちょうど今が旬でーーー」

 

「凪沙、止まれ」

古城は早口でまくし立てる妹の頭を軽く叩いて黙らせる。

「あ、あのお邪魔してよかったのでしょうか?」

「大丈夫大丈夫、あと2人じゃこんな量食べられないから」

 

そして古城は目の前の机に目を移す。

そこには、3人分どころではなく、8人前はあるような量の料理が並べられていた。

 

「勘弁してくれ…」

 

 

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料理がやっとかたずいたところで、古城は立ち上がった。

「ちょっとトイレ行ってくる」

 

古城は、トイレに入ると堪えていたものを吐き出した。

古城の嘔吐は2分にも続いた。

 

「はぁはぁ、くそ、妹の料理もろくに食えねぇとは兄失格だな」

この世界の吸血鬼は、血を主食にしているわけではない。

普通に人間の食事も摂れる。しかし古城の体は吸血鬼になってから人の食事を拒絶していたのだった。

 

古城はトイレから出ると雪菜はもう帰っており、凪沙がソファーで横になっていた。

「おい、凪沙。そんなとこで寝んなよ、俺はコンビニ行ってくるから」

「あぁうん。古城君、アイスお願い」

「ったく。今日は食うなよ」

 

そう言い、古城が家から出ると家の前には雪菜が立っていた。

「え?」

「どこに行くんですか?先輩」

雪菜はシャワーをしている途中だったかのような有様だった。

「まさか、お前ついてくんの?」

「もちろん監視役ですから」

 

「いや、ちょっとそこまで行ってくるだけだからな、監視とかいらないよ?」

「いや、でもしかし」

「まて、あとシャワーしてたのなら俺の都合で止めるな」

「それでは、監視が……」

「じゃ、そういう事だからついてくんなよ!!」

雪菜は納得していないようだったが、古城はそんな場合ではなく倒れそうだったため、走ってその場から逃げた。

 

「クソッあの頑固野郎、俺は腹が減って倒れそうなんだよ」

そう言いつつ古城は家の近くにある裏路地に向かった。

そこには、シワだらけの白衣姿の女が立っていた。

 

「んふ〜古城君、今日は遅かったわね」

「あぁちょっとな、頑固な奴が来てな……」

「まぁいいわ、はいこれ今週分の血ね」

女はそう言いつつ、古城に血の入ったものを渡した。

 

「ありがと、忙しいのに済まない」

「いいわよ、なんたって息子のためなんだからね」

 

このシワだらけの白衣を着ている女性は古城と凪沙の母親の暁深森だ。MARに務めており研究の合間を縫って、古城に血を届けているのだ。

 

その時、絃神島の貨物置き場の方から、爆発音が聞こえた。

「じゃあな、体に気をつけてな」

「ありがと」

 

古城は、母親が離れて行った後爆発音の聞こえた方を向き、獰猛に笑った。

 

 




古城と凪沙の母親が原作より優しくなってるような気がする。次回やっと戦闘に入れるかも。


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