俺が忍術使いのボーダーになるのは間違っている? (春の雪舞い散る)
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プロローグ

プロローグ

 その日突然襲ってきた災厄により千葉市は一瞬にして壊滅状態に陥り…

 俺は、小町と戸塚はもちろん雪ノ下、由比ヶ浜、川崎にけーちゃん姉妹に留美や一色の誰一人として守れなかった

 いやそもそもアイツら…ネイバーフットを相手に俺達人間が勝とうとすること自体が間違っていたのかもしれない

 意識が薄れ行く中

 ーんで、そんでもう諦めんのかよ?ー

 そう頭に響いた声に

 今にも死にそうな俺にどうしろってんだよ?

 もう喋る事もできない俺がそう思うと

 ーだな、この世界ももうじき滅んじまうだろうしな…

 それでもよ、まだ会いたいって気持ちはないのか?お前が愛し守りたいって想った者達によー

 そう言われて

 もうじき会えるさ…アイツ等があの世で待ってるんだから早く会いに行ってやらないとな…アイツ等だって待ちわびてるはずだ

 そう答える俺に声の主は

 ーんな曖昧な話じゃねぇ、お前が望むんなら過去の世界に戻り愛する者達を守れるかもしれないチャンスを与えてやるって言ってんだってばよー

 …だってばよ?どっかで聞いたような口調だな…

 そうボンヤリと考えていたら

 ーんで、どーすんだ、オメーが死ぬ前でなきゃ助けてやれんしそれは叶わん話なんだがな?ー

 ニヤリと笑いやがった…

 いや、そんな気配を感じた俺は最の力を振り絞り

 「会いたい、生きたアイツ等にっ!笑顔のアイツらにもう一度…笑いかけてほしいっ!」

 俺は叫びそう願った
   
 ーわかった、お前を過去の世界に飛ばす…が、どの時間帯になるかは選べんしお前の中に眠る力がどんな形で目覚めるかまではさすがに予想はできん…

 だから一応お前の修行を手伝う奴をつけておくから安心しろー

 そんな言葉?を最後に俺の意識は途切れた譲り渡されたそれで意識がとんだせいで…



 

 

 ①  生まれ変わって俺はアタシになった

 

 俺の生まれ変わった先はやはり比企谷家… は変わらなかったんだがナゼだか俺は比企谷家の長女として生まれ名は八重として生を得たんだがナンでこうなった?

 

 だが、性別だけじゃない違和感を… ナニかが違うそんな気はしていたんだがそれがわかったのは俺に弟が生まれ、八幡と名付けられた瞬間だったが… それを知るのはさ未だ先の話

 

 当然、今の姿は赤ん坊だったが記憶と意識は元の俺のままだったから享年18の俺に授乳はまさに羞恥プレーに他ならない

 

 とにかく、一日でも早く強くなりたかった俺はチャクラを練る修行と動けないのだからと周囲の気配を探る修行を始めてる俺の体は激しく腹が減るしとにかく強くなりたかったか恥を忍んで飲んだ

 

 もちろん、めちゃくちゃ恥ずかしかったけどな

 

 だから、卒乳も頑張って早めに済ませたし人一倍食ってるわりには小柄で背はあまり期待モテないんじゃないのかと心配したもんだ

 

 一歳から保育園に通い始めた訳なんだが飽きるまでお手玉と戯れ飽きたら教室内を這いずり回り、歩ける様になると落ち着きなく歩き回る…

 

 そんな保育園生活を送っていた

 

 やがて、訪れた三歳の夏…

 

 弟の八幡がうまれたんだけどやはり親父は親父で八幡に対する扱いは相変わらずだから

 

 「 八幡に優しくないパパ嫌いっ! 」

 

 と、言って泣かせてやった

 

 因みに、俺の生年月日は丸っとあの人と同じで7月7日うまれなんだけどあの人とはどんな形で出会うのだろうか?

 

 あの人が総武のOGなのはわかっているから総武のJクラスに行けば三年間同じクラスに通うことも可能ナンだが…

 

 ( さて、どうしたらいいものか? )

 

 そう考えていたんだけど考えるまでもなく三門のボーダーとやらのスカウトが俺を迎えに来た…

 

 俺のトリオン量子とやらは平均値を大幅にこえているそ

 

 

教室内を這いずり回っているかその気持ちに体力がまだ伴わない内は室内でよくお手玉かあや取りをしていた

 

 持って生まれたチャクラの量は、転生時に譲り受けたものがあるから相当な量だと言う自覚はあったんだが目覚めているチャクラが極僅かでしかない

 

 と、言うところまではさすがに気付いてなかったし生まれてすぐに大半のチャクラが未熟な身体から出ないと身体が耐えられない為

 

 大半のチャクラが、分身って形出ていった事も残念ながら知らなかったしそもそも自分のチャクラの最大量を把握してさえいなかった

 

 

 お手玉は投擲武器の修行の一貫であや取りは毛糸にチャクラを流して操る修行のカモフラージュでどちらも忍術の修行なんだよ

 

 

 

 俺はとにかく、日長駆けずり回ってたからめきめきと体力をつけそれに合わせて順調に背も伸びていった… のなら良かったんだがな…

 

 一応、母ちゃんに心配かけないように視界からは外れないようにそれだけは気をつけてはいた

 

 やがて八幡が生まれついで小町が生まれてきたんだがその二人の寝顔を見て改めて俺は心に誓った

 

 『 今度は姉として… 今度こそは絶対に俺が八幡と小町を守ってやるから…

 

 八幡、お前は小町を… 妹を守れる兄貴になれあの悔しさをお前には味わってほしくないからな

 

 アンな悲しみは二度とゴメンからな…必ず守ってやるからなっ! 』

 

 同じ悲劇は繰り返したくはねえんだよっ!………

 

 

 八幡は小町の妊娠中に俺と同じ保育園に入り通い始めたんだが… 俺以外には心を開かないヤツで暇があれば俺の後を付いて回るヤツだった

 

 

 

 

 

 変に目立ったら面倒臭いだけなんだからな?誰彼なく力を見せる必要はないのだから

 




 そんな俺が、最初の目標だった影分身の術をマスターしたのは小町と小梅の満一歳の誕生日が過ぎた頃でアタシの修行は木登りをしていたな

 保育園じゃよくうんていや登り棒で遊んでたから身が軽いって思われていた

 まぁ、特に反論することでもないから放っておいたが母ちゃんはあまり良い顔はしてなかった

 チャクラを使って張り付いてるから間違っても落ちる心配はないんたがな…

 その気になれば登り棒なら歩いて上れるんだからさ、登り棒位の高さなんかね

 さすがにそれは誰にも言えない秘密だけどな

 とにかく、見た目は地味でチャクラを感知できないヤツにはわからないチャクラコントロールの修行を密かにしていた

 もちろん、いつだって園庭を一人で名一杯走り回っていたがな

 だからチビの大食いで、インドア派であまり体を動かさない八幡よりもたくさん食べていたけどナゼだか身体の成長にはあまり回らなかったよ、残念ながらな

 そんな俺が、分身の術を覚えてからは平日は分身に家の中で壁や天井に張り付かせる修行をさせて俺は相変わらず保育園で走り回る日々を送っていた

 走り回っていた成果がでてきたんだろうか?

 少なくとも、保育園じゃ俺が一番足が早かったな…それこそ下手な小学生よりも早かったから将来有望な陸上選手?

 等とも言われてなくもなかったが、既にスイミングスクールに通っていたから色んなクラブチームが残念がっていた

 しかも、既にばた足で50メートル泳げるから将来を有望視され始めていた

 まぁ、そんな事はどうでも良いんだが… 

 スイマー目指してる訳じゃないし、水の上走るようになるんだからそんな早く泳げなくても困らんとは思うからな?しらんけど     

 八幡は、ナゼだか知らんが年中組に上がると同時に剣道を習い始めているんだが…

 ただ、気が付くとナニかを言いたそうな切なそう顔をして俺を見てることが少なくないのが気になる

 そして…俺達の四歳の誕生日を目前に控える頃には分身は同時に四人出せるようになり変化の術も新たに覚えていた


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雪ノ下家

 
 影分身、傀儡分身、変化の術、影隠れの術


 

 

 ①  雪ノ下

 

  

 俺が一番最初に変化したのは昔の俺で…親父があまり着なくなった服を失敬して着替えた俺はアタシの服を持って出掛ける事にした

 

 四人の分身達は、一人が留守番に残り、後の三人は目立たないように葉山グループの三人に化けてみた

 

 取り敢えず、特に目的がある訳じゃないからララポを四人でブラブラしていたら引ったくり事件発生、しかも俺達のすぐ側で

 

 全くついてないとはこの事だな…犯人にとってはの話だがな

 

 引ったくって鮮やかな逃走劇…の、ハズが俺の足払いで華麗に宙を舞ってるんだからな…

 

 落下の際に強かに背中を打ち付け息もまともにできない犯人は、事態に気付いた周囲の人間にアッサリ取り押さえられ駆け付けた警備員に引き渡された

 

 まぁ、その辺りは興味ない俺達は遠目で事態を見守っていたんだがそれを見て立ち去ろうとしたら

 

 「 貴方達はあの輪には加わらないのですか? 」

 

 そう微妙に聞き覚えのある声で話し掛けられた俺達四人は

 

 「興味ない」

 

 そう応えて立ち去ろうとしたら

 

 「 このお兄ちゃんだよ、あの犯人投げ飛ばしたのはっ!スッゴい格好良かったよっ♪ 」

 

 そう騒がれてしまい内心溜め息を吐きながら

 

 「 まぁ、鍛えてあるからな… 」

 

 そう答えてから

 

 「 じゃあ、俺達騒がれるのは好きじゃないから… 」

 

 そう言って吹き抜けの下のフロアに飛び降りるとそのままその場を逃げ去るように離れた

 

 

 「 さて、と…時間良い感じそろそろ飯時だしサイゼで昼飯でも食うか? 」

 

 俺が三人にそう声を掛けると頷く三人を引き連れてサイゼ向かう事にした

 

 日替わりのランチメニューとドリンクバーを頼み静かに食事をとる俺達

 

 分身の術と未だ慣れない変化の術も重ね掛けしているせか、燃費がいつもに増して悪いせいか物凄く腹が減るんだが…

 

 そんなわけだから俺一人、焼け石に水な気もするがミラノドリアを追加オーダーした

 

 

 端から見たらある意味シュールな席だろうな、このテーブルは…

 

 大の男四人が揃いも揃って超甘党なんだからな

 

 まぁ、そんなのは俺達の趣味嗜好の問題で別に今の所はナニも問題無いのだから勝手にさせてほしいものなんだがな…

 

 マッカン好きなのもありいずれ糖尿になるかも知れないゾッ!と、前世じゃよく言われたが…

 

 『 そんな先の事を心配する前にネイバーフッドの方が先に攻めて来るっつーか攻めて来たんだよ、前の世界じゃなっ! 』

 

 と、俺は主張したいがしたが最後…下手したら病院からお迎えが来そうだ

 

 俺はティラミスを突っつきながら甘くしたコーヒーを飲んでいる

 

 俺が何杯目かのコーヒーを飲み終えて、周囲の気配を気にしながら考えていたことをまとめていたら人が近付いてくる気配に気付いて顔を上げると……

 

 俺の勘違いでなければ俺のよく知っているはずのその人達が近付いて来るのが見えた

 

 雪ノ下母娘だ

 

 予定は大幅に狂い、早くも奉仕部の関係者…しかも大本命である“雪ノ下”と雪ノ下さんに会ってしまった…

 

 だが…俺にいったいなんの用があると言うのだ?

 

 そんな事を考えながら近付いてくる三人を見ていた

 

 「 俺達にいったいナンのようですか…まさかたまたま見掛けたとか愚にもつかない言い訳はしませんよね?

 

 そんな貴女に似つかわしくないギャグは聞きたくありませんが… 」

 

 威嚇するように不機嫌さを隠さずに言うと、雪ノ下は雪ノ下さんの背中に隠れるようにして怯えているが気にしない

 

 今の俺達は無名戦士でしかなく、今の雪ノ下とはナンの縁もゆかりもないんだからな

 

 雪ノ下と縁を結ぶのはこの世界の八幡だけで良いと思っていると

 

 「 単刀直入に言いますがボーダーになりませんか? 」

 

 と、全く意外なことを言われて

 

 「 俺達は素性を明かせない、明かすわけにはいかないんですがそれでも良いんですか? 」

 

 そう言ったら諦めてくれるだろう…と、思っていたが甘かった

 

 「 まずはトリオン量の計測をしてからでないとハッキリした事は言えませんが、貴方達ならネイバーフットと互角に戦えるはず…世界を守る戦士になりませんか? 」

 

 そう言われて

 

 「 ネイバーフッド… あのバケモンのトリオン兵を操る異世界人達とか? 」

 

 そう言って鼻で笑い

 

 「 いったいどうやって? 近代兵器が全く通じないあのバケモン達相手にどうやったら戦えるって言うんですかね… 」

 

 俺がそう言って鼻で笑っていると

 

 「 お母さんは真剣に話してるのに貴方達は… 」

 

 そう言って怒る“雪ノ下さん”に

 

 「 はぁ~っ… お嬢様の貴女にヤツ等のナニがわかるんです?

 

 俺達は俺達なりにヤツ等と戦い… その戦闘力を身をもって知り、俺達にあったけど力を求めているから今更他の連中と手を組む気は全くないんですがね? 」

 

 そう答えると

 

 「 まぁ、ナンにしろさっきも言いましたが素性の明かせない俺達には入隊の資格はありませんから諦めてくださいませんか? 」

 

 そう断ったのだが

 

 「 住民票とかは必要はありませんから適当な名前を履歴書に書きなさい、但し… それが自分達の呼び名になるのだから真面目に考えなさいね 」

 

 そう言われて

 

 「 仕方無い、断ったって聞いてくれそうにないからお受けしますがくれぐれも俺達の素性の詮索はしないでくださいよ? 」

 

 そう言って三人を見ると、ナニも言わずに溜め息を吐いていたから

 

 「 取り敢えず俺達は履歴書を持ってどこに行けば良いでしょうか? 」

 

 そう聞いたら

 

 「 今日はこのまま私達に付き合ってもらい、今夜は我が家に招待しますから泊まってもらい明日朝早くボーダーの責任者と会ってもらいます… 」

 

 そう言われて

 

 「 なら… お泊まりセットくらいは急いで用意しないとですね? 」

 

 そう言って俺だけ一旦席を離れ、お手洗いで更に分身して分身に戻らせ俺は別人( 本牧 )に化けて家に帰ることにした

 

 

 近所の公園のといトイレで変化を解き、女児の服に着替えて帰宅すると八幡が不安そうな顔で出迎えたから頭を撫でながら

 

 「 ちょっと遠くまで散歩しただけだから… 」

 

 そう言って、帰りに近所のコンビニで買ってきたアイスをみんなに配って親父の分は冷凍室にしまった

 

 まぁ、俺は明日もこれまでどうりなんだろうがアイツ等はどうなんだろうか?

 

 気になる所じゃあるけど気にしてもな…

 

 そう思いながら八幡を寝かせつけ、それから試しに分身の術を使ったら新たに二人の分身が現れてこれ迄どおりに生活することにした

 

 

 

 

 ②  ボーダー組

 

 

 飛来屋蓮( ひきやれん )と名乗ることにした俺

 

 大岡に化けたヤツの名を大石東輝( おおいしとうき )

 

 戸部に化けたヤツの名を都田翔大( とだしょうた )

 

 大和に化けたヤツの名を山崎武志( やまさきたけし )と各々に付けてそう名乗らせることにした

 

 俺達は、いわゆる旅行セット歯ブラシ、歯磨き粉、シャンプー、リンス、ボディーソープのセットと肌着の着替えにタオルとバスタオルを買い揃えると雪ノ下母娘の元に戻ると

 

 「 貴方達はたったのそれだけで何日過ごすつもりですか? 」

 

 そう言われて改めて自分達の手荷物を見たが

 

 「 別に… 落ち着いてから買い足していけば良いんじゃないんですか? 今はただ単に荷物になるだけですしね 」

 

 そう、答えると呆れたように溜め息を吐き連れていかれた先で夏物ジャケットとスウェットスーツの上下を五組肌着を10組買い早速ジャケットに着替えた俺達だが荷物がはっきり言って邪魔くさいんだが

 

 更に雪ノ下さん( 母親 )を呆れさせたのは携帯を持っていない事なんだが仕方無いだろう? 現世における現し身が保育園児の俺達が携帯を持ってる方が変なんだからな…

 

 もちろん、俺達が契約できるわけもないんだからと思っていたら雪ノ下建設の名義でタブレット端末を契約してくれたしどうやら三門市に在るボーダー本部の近所に

在るアパートを探してくれているらしい

 

 その夜の食事はビユッフェに招かれ俺達は店に悪い… 等とは露程も考えずに食いまくった結果、店長がバックヤードで泣いていたとかいたとかいないとか

 

 まぁ、実際の話をすると真相がどうだかは知らないがドンマイだ… 店長

 

 

 翌日の午前中、ボーダーの発起人達に会うために訪れたシティホテルの一階ラウンジ…

 

 俺達を待っていたのは三人の男達のハズだったんだが一人足りず、一人の方は一目見て気が合わんのは明白だった

 

 神経質で、規則に煩そうなタイプなのが全身から滲み出てるからな… どう考えたってこの人とは親しくなれそうにない

 

 まぁ、もう一人の爽やかイケメンも違う意味で親しくなれる気はしないんだが… まぁ、俺達にはナニも関係無いな

 そう思っていたら、もう一人の男が現れて

 

 「 君達が雪ノ下さんからの紹介で来た少年達だね? 」

 

 そう聞かれた俺達は

 

  「「「「 はい、そうです… 」」」」

 

 そう返事をして、俺が代表で預かった紹介状を手渡すとその人は封書の封を開いて中から取り出した書状を取り出し内容を改めると

 

 「 ふむ、話しは聞いているとは思うが死の危険性もあるがも知れないがその覚悟はあるのかな? 」

 

 そう言われて

 

 「 そんな覚悟は有りませんよ、俺達は生き残る為に鍛え、そして大切なモノを守る為に戦うんですよ? 勝たなきゃナニも守れないんだから

 

 それに、命と引き換えに守れるのも一回だけナンだからむやみやたらに死に急ぐのは勝手だがお前が死んだ後は誰が守るんだよ? とは言いたい

 

 俺達は死ぬ心配してる暇があるんなら取り敢えず自分を鍛えますね… 強くなれば生き残れるし守りたい者を守れるんだからな 」

 

 そう言って大袈裟に溜め息を吐いて見せ

 

 「 それに早いか遅いかの違いでしょ? ネイバーフッド達に掛かったらね…

 

 アイツ等にとっては戦闘員も非戦闘員も関係無いんだから、俺達はせめて守りたい者を守れるくらいの力が欲しいだけ…

 

 力が無きゃナニも守れはしないんですからね… そう、自分の命すらもね… 」

 

 そう… 全てを失ったあの日を思い出しながらそう言うと 

 

 「 承知した、君達四人を歓迎しよう私の名は林堂、林堂匠だ

 

 で、隣に居るのが城戸正宗氏にその隣に居るのが忍田真史君だ」

 

 そう紹介されたから俺も

 

 「 履歴書にも書いてありますが改めて飛来屋連です 」

 

 「 大石東輝です 」

 

 「 都田翔大です 」

 

 「 山崎武志です 」

 

 と、各々に名乗り最後に俺が

 

 「 俺達は三門には…仮本部にはどう行けば良いんですかね? 土地勘、全く有りませんが… 」

 

 そう聞くと

 

 「 君達をここに送ってくれた雪ノ下建設の社員が今度は君達が住む所まで送ってくれるそうだから安心しなさい 」

 

 そう言われて再びその運転手が現れ

 

 「 ご案内しますから車に移動をお願いします 」

 

 そう言われて車中の人となった俺達に運転手は

 

 「 何の因果か… 雪ノ下建設三門出張所所長兼独身寮寮長で更にアンタ達の世話役…

 

 一応肩書きが増え手当ても付くから悪い事ばかりじゃないんだけどさ… 」

 

 そう言って溜め息を吐くその人は更に

 

 「 聞いているかは知らないけど、アンタ達の三門第一高校への編入手続きを私がしなきゃいけないって何でなの? 」

 

 そう言われて

 

 「 それは大人達の都合であって俺達の都合じゃないし少なくとも俺達はそんな事… 青春ごっこに費やす時間が勿体無いと感じるのだからな… 」

 

 俺がそう答えるのを聞いて

 

 「 ……… 」

 

 黙って考え込む運転手だった

 

 

 

 「 そろそろ待ち合わせの店の駐車場入ります 」

 

 運転手はそう言ってウィンカーを出して店の敷地内に入り待ち合わせのファミレスに入り食事をしながら待っていると先行派遣員が現れ

 

 「 取り敢えず私も食事して良いですか? 朝からろくなものを食べてませんから… 」

 

 そう言ってハンバーグステーキのセットのライス大盛りを頼み、その間俺達はドリンクバーをお代わりして待つことになった

 

 

 やがて派遣員の食事も終わり彼女のナビゲートで目的のアパートに向かう事になった俺達

 

 因みに俺達個人個人の部屋の在るアパートは木造建築二階建てで一階は店舗が入っていて向かって右から雪ノ下建設三門出張所、焼き肉屋にラーメン屋

 

 ピザのデリバリーに寿司のデリバリーで一番左にコンビニが入っている

 

 二階は2LDKの部屋で俺達は二人で一部屋使い三部屋目には忍田さん、一番左に白戸さんが入っていて残りの角部屋には白戸さんの部下の雪ノ下建設の社員が入る予定なんだそうだ

 

 その翌日から俺達は編入試験に向けて勉強のし直しを始めているんだけど一応三門市に在る県立大学に通う現役の女子大生

 

 雪ノ下建設のアルバイトのお姉さんが家庭教師役になってくれ勉強をみてくれていた

 

 そのお陰もあってう編入試験に無事合格した俺達四人は九月から高校生になるがまずは林堂さんと忍田さん、そして白戸さんの三人が俺達の編入試験合格したお祝いをしてくれる事になり…

 

 雪ノ下建設の事務所で待ち合わせ、七人揃ったところでアパート一階の焼肉屋に入ると雪ノ下建設の社員二人とバイトのお姉さんが既に座って待っていた

 

 まぁ、皆さんの目的は忍田さん目当てなのはわざわざ言う迄も無いことだからいちいち突っ込まないと言うか薮蛇にしかならんことをな…

 

 因みに、城戸さん本人は不参加だけどいくらかの金を白戸さんに預けたようだ

 

 

 

 夏の間は訓練と勉強に明け暮れた毎日だったがいよいよ明日から学校かよ…

 

 夏休み前まで保育園児だったのが嘘みたいだな…ってオリジナル達は今も通っているがな

 

 そう言えばオリジナルとこの前お台場海浜公園で会ったとき、オリジナルが

 

 『 この前の水泳教室でついにチャクラ無しで100m泳げるようになったんだよっ♪ 』

 

 って得意気に言ってたな…

 

 それと… 『 ついに雪ノ下と会っちまった 』 とも言ってたな…しかも八幡じゃなく自分に興味を示しているとも言ってたな

 

 まぁ、本人の努力の甲斐あって水泳界じゃ強化選手候補だから有名人っちゃ有名人なんだよな…

 

 マスコミの取材も何度も受けてるし注目も浴びているから興味を持つのも無理ないか…

 

 注目と言えばトリオンは俺達がチャクラと呼んでいるモノの一形態で当然ボーダーにも目を付けられている…

 

 あ…そうすると、早すぎる雪ノ下との出会いも偶然ではない可能性が… イヤ、間違いなく雪ノ下さんが出会わせたハズだ

 

 多分、ボーダー入り… もしくはボーダーで保護の際に雪ノ下に説得させる気なんだろうな  

 

 俺達が逆行転生者である事を知らないボーダーからしたらオリジナルは守られるべき幼い少女…まぁ、実際の外見は四歳児なんだがな…

 

 もちろん、戦えるなら大きな戦力となると考えているだろうがさすがに世間が良い顔をしないだろうな…

 

 まぁ、俺達なら今もそうだが変化の術でいくらでも誤魔化しは効くんだろうけどな…

 

 いずれ俺達の秘密を話す時は訪れるだろうが誰にどこまで話すかは相手を見極め無いことには話にならんからな…

 

 

 

 



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ボーダーに入ってみたものの

 

 

 ③  目を付けられましたね

 

 

 俺達のオリジナルナンだから当たり前と言えば当たり前ナンだがそのトリオン量子の高さに気付いたボーダーが比企谷八重を保護すべきである

 

 そう思うのも当然でトリオン量子目当てと思われる誘拐事件がじわじわ増え始めている現状で後に雨戸千佳が現れるまでは最高数値を誇る八重を気遣うのは当然だろう

 

 俺達が忍術使いの転生者であることを知らない者にとって八重は身を守る術を持たない幼児に過ぎないのだから

 

 『 比企谷八重を守れっ! 』

 

 そんな声が上がるのもまぁ、当然の話だわな… ナニしろ俺達のオリジナルでトリオン量子も俺達の比じゃない数値の持ち主ナンだからボーダーの目に止まらない訳がない

 

 現在、アクアラインを走る車は村上さんが運転する車で俺は助手席に座り後部座席には忍田さんと事務の森下さんが座っている

 

 立ち上げられて間もないボーダーの基盤は弱くメインスポンサーは現状では雪ノ下建設らしく城戸さんとは学生時代からの付き合いらしい

 

 因みに今回、俺が比企谷八重説得に協力する代償として提示された条件… 現在他の三人は林堂さんのお供でゲートの向こう側に行って近界民の事について学んでいる

 

 近界民、一括りにしてそう呼んでいるが多種多様な人種がいるらしく今俺達(?)が向かっているのもボーダーと同盟を結んでいる国のひとつで人形のネイバーフッドが暮らしているらしい

 

 まぁ、詳しい話は帰ってきたあいつらから聞けばいいだけの事だから今は気にすまい

 

 

 

 千葉を離れてから未だ、一月も経って無いからナニヒトツ変わって無いんだがな

 

 さすがに保護対象者である八重が幼すぎるのでまずは搦め手で知らなかったんだがこの世界の親父って林堂さんも一目システムエンジニアらしく林堂さん曰く

 

 「 娘さんの件がなくても、是非とも引き抜くべき男ですよっ!」

 

 ナンだそうだが、まぁ、なんとユーか俺がユーのもなんだが 『 比企谷八重は門ミカンが大好きだから 』

 

 だった

 

 うん、マジ大好きで俺達も切らさない様に気を付けてるくらいだからな…

 

 シーズン中、一杯みかん狩りに連れて行く事が条件って… マジか?

 

 マジだよな? 当然だが俺達も三門ミカンは好きだからな

 

 

 比企谷家の引っ越し先は、俺達のアパート近くに在る新古の分譲住宅で6LDK三階建ての間取りは

 

 二階、テラス付き九畳間の子供部屋は間仕切りで四畳半二部屋に和室 ( 母ちゃんのリラックスルーム ) 六畳間

 

 一階、リビンング、ダイニングキッチン、ゲストルーム母ちゃんと小町、小梅の部屋

 

 地階、親父の書斎兼パソコンルーム、親父の寝室、ガレージ… そんな感じだ

 

 

 

 ④  押し掛け弟子入り志願

 

 

 悲報です、通っていた剣道の道場に通えなくなった八幡が次なる強くなるための修行先に選らんだのはボーダー入隊です

 

 なのでそう決めると忍田さんに直談判したが未だ5才になったばかりの八幡の実力と決意を侮っていた忍田さん

 

 それでも一応八幡のトリオン量子を測定すると平均を遥かに超える15を示し剣の腕前も実力の一旦を見せた八幡

 

 モノは試しにとトレーニングルームでバムスターと対戦させるとアッサリと10秒を切って忍田さんを唖然とさせそれを聞いた城戸さんをニヤリとさせた

 

 表向きにはただの保護対象としているが忍田さんからも

 

 「 八重ちゃんの周りには大人もついてるけど皆が皆、トリオン量子に対応できるわけじゃないし何よりもね、八幡君…

 

 君が一番近くで八重ちゃんを… 大好きなお姉ちゃんを守るんだよっ! 」

 

 って言われていたそうだ

 

 因みにその時小梅と小町もトリオン量子の測定をしたら小梅が23で小町が20と判明し二人も保護対象となった

 

 

 

 

 

 ⑤  式紙分身

 

 

 比企谷八重の獲得した式紙又の名を式髪とも呼ばれるこの術式は大きく分けると二種類の能力を有している

 

 第一に、人形の中にしまってある術者の髪の毛ぬチャクラを練り込み封じ込めること事により補充用として携帯が可能である事

 

 第二に、術式を発動できる者が発動させれば術者の分身が呼び出せる

 

 そして、お台場で再会した際に一人五枚ずつ渡されていたのでその使いどころを間違えないよう常に検討を重ねてきた三人の分身達

 

 最初に影として同行させて知識、経験を共有した三人はその後1カ月の研修期間を終えて帰還するのと滞在期間の延長のどちらを選ぶのかを問われた三人

 

 その内の二人、大石東輝( おおいしとうき )と都田翔大( とだしょうた )は延長をを望み

 

 山崎武志( やまさきたけし )一人は帰還する事を望んだので他の帰還者と帰還する事になり三人の影達は自由探索による探索活動に切り替え今度は自分達が影を従える立場になり予備の式紙を一枚ずつ預かることとなった

 

 そして滞在の二人は新たな影を呼び出して従える事になり帰還する山崎から一枚貰い予備は二枚になっている

 

 

 

 

 ⑥  知識だけの世界

 

  無事に帰ってきた山崎武志を一旦分身解除して知識と経験値を共有した八重

 

 ゲートの向こう側に広がる世界について山崎武志を通して知識として情報を得た

 

 山崎武志はアパートに戻り日常生活を再開… と言うか学校生活が始まる事になり飛来屋蓮( ひきやれん )と共に基本的には比企谷家で八重が用意する食事を取ることになった

 

 もちろん、二人が学校に持っていく弁当も八重の手作りであるがとりあえずは無事な帰還を祝うご馳走が待っていた

 

 鯛しゃぶ、甘いだし巻き玉子、肉じゃが、唐揚げ、ハンバーグにエビフライにフライドポテト… って後半八幡達の好物を羅列してただけの様だったが?   

 

 途中参加の忍田さん、村上さんに雪ノ下の名前で届けられた寿司桶

 

 久し振りの早い帰宅の親父も、随分とご機嫌な… いい調子で酒を飲んでいるがテンション高いだけで酔っ払ってる訳じゃないが… 鬱陶しい事に代わりはないのだがな

 

 

 

 秋になり八幡5才、小町小梅3才の七五三… 男子5才の八幡と女子3才の小梅と小町ナンだが… 三月生まれの二人は未だ二歳ナンだか良いのか?

 

 俺にとったら俺まで振り袖やら袴やらを着せられる事の方がよほど頭イタイからな

 

 と、気にはなるが気にすまい…

 

 しかも、千葉の稲毛神社じゃ俺まで振り袖着せられたし三門の稲毛神社じゃ四人揃って羽織袴と二回もしなきやいけないってナンで?

 

 ちょっとしたお洒落着じゃイカンのか?

 

 あ、雪乃も晴れ着を着て微笑んでるよ… ってもう逃げられそうにもないらしい

 

 はぁあ、着るしかないのか

 

 それでも俺はこう言いたい 『 うちはうち、よそはよそ 』 って言ってやりたいが、全く大人はずるいよな?

 

 小梅と小町はお洒落してご馳走食べれてって、単純に喜んでいるけど俺はちょっとな…

 

 最初に聞いていた話じゃ千葉には雪ノ下家の姉妹、特に姉の陽乃さんが

 

 『 一緒にお祝いしたいから八重ちゃん達呼んでほしいのっ! 』

 

 と、そう言って聞かなかったらしい

 

 三門の稲毛神社では四人お揃いの羽織袴、特に八幡に対してはこれまでにないくらいに気合いが入っていて紋付き袴を用意したんだよな

 

 男子に恵まれなかった雪ノ下夫婦がボーダーになって俺を守るため日夜努力している八幡を気に入るのにそれ以上の理由入らないし幹部達の評価も高い中

 

 今までの対応をしてたら俺に嫌われるっ思ったらしく母ちゃんにそうこぼして呆れられたらしいがさすが親父、掛ける言葉が無いんだが…

 

 師走も押しつまりクリスマスは幼稚園でのクリスマス会、ボーダーの一部有志とのクリスマスパーティーに又々千葉の雪ノ下家に招かれたあげくに分身達も呼んでのクリスマスパーティー

 

 親父、母ちゃんが体重増えてないか心配してるんだがその責任堂とるんだよ?

 

 年末年始に付き合いで飲まにゃならんのだろにどーすんだよ? 俺は知らんからな?

 

 お正月、今やボーダーの広告塔である俺とその弟で幹部達にも目を掛けられてる八幡と俺達以上に幼いながらも人並み以上のトリオン量子を所有する小梅と小町がスポンサーやら関係各所に年始の挨拶回りに引っ張り回された

 

 もちろん半端ないお年玉がもらえたらしいが額は聞いて無いんだが…

 

 全額俺達の個人名義の通帳に預けてあるらしい

 

 そして小梅と小町の誕生日、これまで以上に賑やかな一日になったのはゆーまでもないだろう…



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覚醒の時



 ①  入学式


 もちろん、アタシ ( この頃には脳内一人称もアタシが定着している )と八幡の小学校の入学式で新入生の挨拶をしたのはアタシだ

 背は相変わらず伸び悩みとっくに小梅と小町に抜かれているので比企谷家の長子であるにも関わらず… 末娘と勘違いされるのはもはやデフォである

 沢山の人達から祝われているアタシと八幡を前世の“俺”が見たらどう思うのだろうか?

 入学式の翌日は東京で雪乃と会い互いにおめでとうを言って買い物をして食事してから三門と千葉に別れた


 四人の分身達は交代で近界を訪れては式紙分身をばら蒔き、式紙分身達は近界やもっと遠い世界も訪れ情報を集めて一部は林堂にも報告している

 因みに未だ先の話だが式紙分身を案内役として同行させるため、空閑親子の運命も変わることになるのもやむを得ない話だと思う… 仕方ないよな?

 ただ、驚いたのがチャクラの修行をしてない八幡が忍田さんと二人で水の上を走れないか試してみて八幡は走ってしまったんだよな…

 それを聞いたアタシは分身達と話し合った結果八幡にアタシ達の素性を話、アタシがこの世界に転生してきた訳を話すことにした

 最初は驚いていた八幡も

 「 そっか… だから姉ちゃんが特別なんだ… 」

 そう呟くのを聞いて

 「 八幡、お前にその気があるんならアタシ等が指導するから忍術の修行… する?

 チャクラの修行してないのに水走りをやっちゃった八幡はかなりの才能があるって思う 」

 そう言ったら八幡は

 「 いつからだったかは覚えてないけど大人になった姉ちゃんが俺をかばって死ぬ夢を毎晩見たんだ

 だから俺… 強くならなきゃダメだ、姉ちゃんを守れないっ! って思ったんだ… だから俺… 」

 最初に聞いて思った通りに八幡が見ていた夢はアタシが見ていた小町が“俺”をかばって命を落とした悪夢のようなあの時を再現した悪夢

 ある時期を境に全く見なくなっていたのはそう言う訳だったんだだね…

 思っていた以上に八幡の魂や運命に影響を与えていたこと気付いたから忍術を学び身を守る術を身に付けてほしかった

 八幡が忍としての修行を始めることになりボーダーの特訓もあり飛躍的にその力を伸ばしていった八幡がボーダー内でもメキメキと頭角を表していった

 アタシの身辺警護は八幡一人でも十分な位になってくれけど体裁上それは許されるハズもなかった

 「 許すも許さないも他にもしなきゃいけないことが山積みなんだから他の事に力を振り分けなきゃ間に合わない… 」

 前の世界じゃ… 完全に間に合わなかったんだからな? 大規模侵攻にさ

 後、どれくらい残っているのかわからない猶予の時間はあまり無い気がする

 急がなきゃ、そんな焦りばかりが沸き上がってくるからアタシは式紙分身をゲートの向こうのみならず世界中に派遣した

 力を… 仲間を探し求めてね




 ②  瞳術開眼、覚醒の時


 予兆はあった眼の違和感に始まりモノの見え方や遠近感なんかが狂っていてドジっ子ぶりが悪化していた

 幸いなことに夏休み中だったから良かったけど一ヶ月くらい調子が悪かったんだけどその時雪乃が拐われかけたけどキレたアタシがボコボコにして雇い主の前に送り返した

 そう、式鬼返しの様にこのバカと雇い主の両者に罪の報いを受けさせるためにね

 雇い主の不動産会社の社長は地権者を前に講演会を開いていたのだけどバカと式紙分身を通じて瞳術の影響下にある人達に幻聴を聞かせた

 『 長女と次女のとっちでも良いから雪ノ下の娘を誘拐して、この件から一切手を引かせろっ! 』

 そう叫ぶのを聞かせると

 「 ぬ、濡れ衣だっ!俺はそんな事は言って「 俺はお前に指示されたとは一言も言って無いんだが?

 利口ぶっていても所詮その程度か… 俺と大差ないじゃねえか 」

 そう言って嘲笑うとその後現れた警察官に男の罪に問えるだけの証拠品を提出して自らも逮捕され
彼曰く

 「 自首で減刑を望む資格もない、逮捕してくれ 」

 そう言って手錠を打たれたそうだ 

 そしてこの一件からアタシは雪ノ下家の四人に式紙分身をつけることにして戸塚彩加に由比ガ浜結衣、川崎沙希、一色いろはの所在地を探させ警護に当たらせることにした





 

 

 ①  入学式

 

 

 もちろん、アタシ ( この頃には脳内一人称もアタシが定着している )と八幡の小学校の入学式で新入生の挨拶をしたのはアタシだ

 

 背は相変わらず伸び悩みとっくに小梅と小町に抜かれているので比企谷家の長子であるにも関わらず… 末娘と勘違いされるのはもはやデフォである

 

 沢山の人達から祝われているアタシと八幡を前世の“俺”が見たらどう思うのだろうか?

 

 入学式の翌日は東京で雪乃と会い互いにおめでとうを言って買い物をして食事してから三門と千葉に別れた

 

 

 四人の分身達は交代で近界を訪れては式紙分身をばら蒔き、式紙分身達は近界やもっと遠い世界も訪れ情報を集めて一部は林堂にも報告している

 

 因みに未だ先の話だが式紙分身を案内役として同行させるため、空閑親子の運命も変わることになるのもやむを得ない話だと思う… 仕方ないよな?

 

 ただ、驚いたのがチャクラの修行をしてない八幡が忍田さんと二人で水の上を走れないか試してみて八幡は走ってしまったんだよな…

 

 それを聞いたアタシは分身達と話し合った結果八幡にアタシ達の素性を話、アタシがこの世界に転生してきた訳を話すことにした

 

 最初は驚いていた八幡も

 

 「 そっか… だから姉ちゃんが特別なんだ… 」

 

 そう呟くのを聞いて

 

 「 八幡、お前にその気があるんならアタシ等が指導するから忍術の修行… する?

 

 チャクラの修行してないのに水走りをやっちゃった八幡はかなりの才能があるって思う 」

 

 そう言ったら八幡は

 

 「 いつからだったかは覚えてないけど大人になった姉ちゃんが俺をかばって死ぬ夢を毎晩見たんだ

 

 だから俺… 強くならなきゃダメだ、姉ちゃんを守れないっ! って思ったんだ… だから俺… 」

 

 最初に聞いて思った通りに八幡が見ていた夢はアタシが見ていた小町が“俺”をかばって命を落とした悪夢のようなあの時を再現した悪夢

 

 ある時期を境に全く見なくなっていたのはそう言う訳だったんだだね…

 

 思っていた以上に八幡の魂や運命に影響を与えていたこと気付いたから忍術を学び身を守る術を身に付けてほしかった

 

 八幡が忍としての修行を始めることになりボーダーの特訓もあり飛躍的にその力を伸ばしていった八幡がボーダー内でもメキメキと頭角を表していった

 

 アタシの身辺警護は八幡一人でも十分な位になってくれけど体裁上それは許されるハズもなかった

 

 「 許すも許さないも他にもしなきゃいけないことが山積みなんだから他の事に力を振り分けなきゃ間に合わない… 」

 

 前の世界じゃ… 完全に間に合わなかったんだからな? 大規模侵攻にさ

 

 後、どれくらい残っているのかわからない猶予の時間はあまり無い気がする

 

 急がなきゃ、そんな焦りばかりが沸き上がってくるからアタシは式紙分身をゲートの向こうのみならず世界中に派遣した

 

 力を… 仲間を探し求めてね

 

 

 

 

 ②  瞳術開眼、覚醒の時

 

 

 予兆はあった眼の違和感に始まりモノの見え方や遠近感なんかが狂っていてドジっ子ぶりが悪化していた

 

 幸いなことに夏休み中だったから良かったけど一ヶ月くらい調子が悪かったんだけどその時雪乃が拐われかけたけどキレたアタシがボコボコにして雇い主の前に送り返した

 

 そう、式鬼返しの様にこのバカと雇い主の両者に罪の報いを受けさせるためにね

 

 雇い主の不動産会社の社長は地権者を前に講演会を開いていたのだけどバカと式紙分身を通じて瞳術の影響下にある人達に幻聴を聞かせた

 

 『 長女と次女のとっちでも良いから雪ノ下の娘を誘拐して、この件から一切手を引かせろっ! 』

 

 そう叫ぶのを聞かせると

 

 「 ぬ、濡れ衣だっ!俺はそんな事は言って「 俺はお前に指示されたとは一言も言って無いんだが?

 

 利口ぶっていても所詮その程度か… 俺と大差ないじゃねえか 」

 

 そう言って嘲笑うとその後現れた警察官に男の罪に問えるだけの証拠品を提出して自らも逮捕され

彼曰く

 

 「 自首で減刑を望む資格もない、逮捕してくれ 」

 

 そう言って手錠を打たれたそうだ 

 

 そしてこの一件からアタシは雪ノ下家の四人に式紙分身をつけることにして戸塚彩加に由比ガ浜結衣、川崎沙希、一色いろはの所在地を探させ警護に当たらせることにした

 

 その一方で、こちらにいる二人の傀儡分身を一時解除し車輪を持たせ再び分身して六人呼び出し四人には適当な古い写真を見て変化してもらい式紙を各自100枚持って修行の旅に出てもらうことにしアタシ自身は

 

 動物を操る術を身に付けるべく、雀の相手をしてましたよ

 

 雀の目を借りて遠く離れた場所をみる術を身に付けるべくね 

 




      

 ⑥  知識だけの世界

  無事に帰ってきた山崎武志を一旦分身解除して知識と経験値を共有した八重

 ゲートの向こう側に広がる世界について山崎武志を通して知識として情報を得た

 山崎武志はアパートに戻り日常生活を再開… と言うか学校生活が始まる事になり飛来屋蓮( ひきやれん )と共に基本的には比企谷家で八重が用意する食事を取ることになった

 もちろん、二人が学校に持っていく弁当も八重の手作りであるがとりあえずは無事な帰還を祝うご馳走が待っていた

 鯛しゃぶ、甘いだし巻き玉子、肉じゃが、唐揚げ、ハンバーグにエビフライにフライドポテト… って後半八幡達の好物を羅列してただけの様だったが?   

 途中参加の忍田さん、村上さんに雪ノ下の名前で届けられた寿司桶

 久し振りの早い帰宅の親父も、随分とご機嫌な… いい調子で酒を飲んでいるがテンション高いだけで酔っ払ってる訳じゃないが… 鬱陶しい事に代わりはないのだがな


 七五三… 男子5才の八幡と女子3才の小梅と小町ナンだが… 三月生まれの二人は未だ二歳ナンだか良いのか?

 と、気にはなるが気にすまい…

 俺にとったら俺まで振り袖やら袴やらを着せられる事の方がよほど頭イタイからな

 最初に聞いていた話じゃ千葉には雪ノ下家の姉妹、特に姉の陽乃さんが

 『 一緒にお祝いしたいから八重ちゃん達呼んでほしいのっ! 』

 と、そう言って聞かなかったらしい

 三門じゃそれに対抗した親父が、四人お揃いの羽織袴を用意した

 と、言うかこれまでにないくらいに八幡に対して気合いが入っていた



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5話

 

 

■■大学生組の高校生活を書くための学年年表■■ ※注意書きは2ページ目

 

連載開始時→12月

 

●現在(初登場時を主に基準にしてます)

 

大学院・東(25)(博士過程1年目?)、沢村?op

大学院・ランバネイン(24)(修士課程2年目)

大学院・ミラ(23)(修士課程1年目)

 

大4

大3・・A:風間(21)、木崎(21)

    B:諏訪(21)

    他:寺島(21)、雨取兄(6月くらいで20歳)?

 

大2・・A:太刀川(20)、加古(20)

    B:堤(20)、来馬(19)、二宮(20)

    他:エネドラ(20)

 

大1・・A:迅(19)、嵐山(19)

  Aop:月見(19)

    B:柿崎(19)、生駒?

  Bop:橘高?

 

高3・・A:当真(18)

  Aop:国近(17)

    B:村上(18)、荒船(18)、穂刈(18)、影浦(18)、北添(18)、犬飼(18)、水上?、王子?、蔵内?

  Bop:人見(18)、今(18)、加賀美(18)

    他:鳩原(18)

 

高2・・A:三輪(17)、米屋(17)、奈良坂(17)、出水(17)、小南(17)、喜多川(16)

  Aop:綾辻(17)、宇佐美(17)、三上(16)、真木(16)

    B:熊谷(17)、那須(17)、辻(17)、三浦(17)?、若村(17)、隠岐?

  Bop:小佐野(17)、十倉(17)、氷見(17)、仁礼(17)、染井(16)?、細井?

 

高1・・S:天羽(16)

    A:時枝(16)、佐鳥(16)、古寺(16)、烏丸(16)、歌川(16)、菊地原(16)、

      唯我(16)、

  Aop:小早川(16)

    B:奥寺(16)、小荒井(16)、笹森(16)、別役(16)、茶野(16)、藤沢(16)、

      半崎(16)、照屋(16)、香取(16)?、南沢?

  Bop:宇井(16)、志岐(16)

    他:ヒュース(16)

 

中3・・A:木虎(15)

    B:三雲(15)、空閑(15)、日浦(15)、樫尾?

  Bop:武富?

 

中2・・A:緑川?

    B:雨取(13)、巴(14)、絵馬(14)

    C:夏目(14)

    他:嵐山弟妹

 

中1・・A:黒江(13)

 

※笹森(16)<本誌表記揺れあり、巻末コメントで高一確定

※半崎(16)<表記揺れあり、11巻カバー裏で高一確定

 

進学校:荒船、奈良坂、宇佐美、綾辻、三上、古寺、歌川、菊地原

普通校:国近。だいたいそれ以外(おそらく学ラン)>推定:三輪、米屋、出水、烏丸、別所

お嬢様校:小南、木虎

 

アフトクラトル勢も一応、参考までにいれときます。

アフトクラトル勢に誕生日ないってことは一年365日じゃない可能性は高い。

 

>隊長年齢リスト(学年ベース)

 

A01・20

A02・29

A03・21

A05・19

A06・20

A07・17

A0t・21

 

平均・21(だいたい冬島さんのせい。冬島さん抜き=19.6)

 

二宮・20

影浦・18

東 ・25

来馬・20

香取・16

諏訪・21

荒船・18

那須・17

柿崎・19

茶野・16

三雲・15

 

平均・19.1→18.875(那須in)→19(二宮in)→18.9(影浦in)→18.6(香取in)

 

■アタッカー順位

01:太刀川

02:風間

03:小南

04:村上

05:不明

06:生駒

 

 

●第一次近界民侵攻:四年半くらい前→4年前の6月(仮)

 

高3

高2・風間(16)、木崎(16)、諏訪(16)

高1・太刀川(15)、堤(15)、来馬(15)、加古(15)

 

中3・迅(15)、嵐山(14)、月見(14)、柿崎(14)

中2・

中1・小南(12)

 

 

●第一次侵攻終了~ボーダー本部建設+門誘導システム完成

 

「僅かの期間で巨大な基地を作り上げた」→1ヶ月くらいかな、と想定。

そのまま夏休みに突入するし、残務処理の混乱期なので、学校再開はおそらく二学期以降(9月)

 

 

●4年前(12月)

 

高3

高2・風間(17)、木崎(17)、諏訪(17)

高1・太刀川(16)、堤(16)、来馬(15)、加古(15)、二宮(16)

 

中3・迅(15)、嵐山(15)、月見(15)、柿崎(15)

中2・

中1・小南(13)

 

 

 

■3年前(12月):(何年か前)迅、スコーピオン開発(太刀川達とのランキング戦が楽しい)→風刃取得

 

大4・東(21)、沢村?

 

高3・風間(18)、木崎(18)、諏訪(18)

高2・太刀川(17)、堤(17)、来馬(16)、加古(16)、二宮(17)

高1・迅(16)、嵐山(16)、月見(16)、柿崎(16)

 

中3・

中2・小南(14)

中1・

 

この年の高校生活が天国なので、このあたりを、書きたいというより読みたい。

 

 



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