あべこべproject (くつしたダサいもこ〜)
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第1話 : 一目惚れ
「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・」
路地裏を、怪しげな格好をした人物が走っていた。顔に能面をつけ、ナイトキャップのようなものを被り。青色と白色を基調とした、袖が広がっていて裾も長い衣服をつけている、さらに、かなりの大きさまで膨らんだ風呂敷を背負っている。
『藍!目の前の壁にスキマを開くからそのまま走って!』
「わかりました紫様!」
壁には両端がリボンで結ばれ、たくさんの目がこちらを覗いている「スキマ」
と呼ばれるものが開いていた。そして、その人物がスキマに飛び込もうとした時、運悪く1人の男がその人物とスキマの間に入り込んでしまった。
「ええっ!?」
「あっ・・ちよっとまっ」
怪しげな人物は驚きの声を上げ、男は制止の言葉をかけようとするが、能面で視界が狭まっておりなおかつかなりの速度で走っていた怪しげな人物が止まる事が出来るわけもなく、怪しげな人物は間に入った男を押す形となり2人は「スキマ」に入って行った。
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side : 八雲 紫
「よし、良い感じよ藍、ようやくあれが見れるのね!ぐひひ、ぐへへへへへ」
私は涎を垂らしながら藍の様子を見ていた。
今日は初めての遠征だ、失敗は許されない。遠征とは藍に幻想郷外のあるものを取ってきてもらうのだが、いや盗ってきての方が正しいか。
まぁ、そんなことは置いといて、あるものとは何を隠そう"パンツ"だ!しかもただのパンツではない!男性の、しかもイケメンが履いたパンツだ!男性は幻想郷ではとても少ない、男女比は男が2に対して女が8だ、女はただでさえも性欲が強いというのに、男は数が少ないので必然的に女性は積極的になる、しかし余りにも積極的すぎて男が女のことを怖がり家に引き篭もるのもまた必然だろう。
それにより一生男のパンツは疎か、男を見る事が出来ないまま死んでしまう女は少なくない、さらに私達妖怪は「汚物」や「生物兵器」「吐瀉物製造機」などなどの異名を持つぐらいの、救いようのないほどのブスだ。
妖怪はなぜか見た目が変わる事がない、出目金のように大きく開いた目、テカテカとしていてなおかつ太くない唇、死人のように白くデコボコしていない肌、極め付けはやせ細った体と何故か唯一肥大化した胸。人の恐怖を糧にして生きているとはいえ、これは余りにも惨すぎる仕打ちなのではないか?
もし私達を創り出した神がいるというのなら、私はこう言いたい、「お前らには血も涙もないのか!!」と。
しかし私だって女だ、恋愛もしたいし、パンツも見たい。パンツには夢と希望がつまっているのだ!そして私は思いついてしまった、そう、
幻想郷で盗れないのなら外の世界で盗ればいいじゃない、と。
そして藍は順調に夢と希望を盗り、風呂敷に入れられる分だけ入れ、脱出地点まで走ってきた、あとはスキマに藍が入るだけだ。
私はこの時ようやく念願の男のパンツが生で拝む事が出来るのだと、涎が水溜りを作るぐらいには興奮していた、そしてそれのせいで気づくことが出来なかった、藍がスキマに入ろうとした時に、横の通路から走ってきた男が間に入り込んでしまったのだ、そして私はその男を見た。
「美しい・・・」
と私は無意識にそう呟いてしまった。
その男は、身長が170cm以上はあり、体には程よく肉がついており、日に焼けた肌、ボサボサの髪、細くて優しそうな印象を与える目、とても太い唇、低くて大きな鼻、全てが調和しさらにそこに走っているためか、かなりの量の汗が程よいアクセントを加えている。こんなイケメンは現実にはいないと思っていた。そして私、八雲 紫 は彼に一目惚れをした。
side : out
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第2話 : 伝説の・・・・
まぁこれから何回も出てくるんですけどね。
ノリと勢いで書いたので誤字脱字があれば教えてください。
side : 阿部 正和
ドサッ
「いってぇー」
何なんだ一体!?ブラック会社のクソ課長に電話で呼び出されて走っていたら、横から変な格好のやつが走ってきて衝突するだなんて、しかも頭を何かにぶつけるだなんて、ついてない、っていうかなんか重いな・・そう・・まるで俺の上に誰かがのっているような?
「ふぁっ!?」
バギッ
「ぐへっ」
あっ・・やっちまった、目を開けたら目の前に能面があったから驚いてつい殴っちまった。とりあえず、謝らないと
「あのっ・・えっ?」
どういうことだ?さっきまで確かに路地裏にいたのになぜ和室にいるんだ?えっ?えっ?どういうことだ?とりあえずさっき殴ってしまった人にき
「そ、そこのあなた」
「はいなんでしょうか?」
俺は後ろから声をかけられたので振り返ってみるとそこには・・・能面がいた。
「ごめんなさい、私達の不手際であなたをこんな所に連れてきてしまって」
「えっと、ここってどこなんですか?」
「ここは幻想郷にある私の家よ」
幻想郷ってなんだ?聞いたこともないが、それに俺の後ろは壁だったはずなのだけれど・・・
「幻想郷ってなんですか?それとなぜ私は路地裏からあなたの家に?」
「幻想郷は忘れ去られたものが行き着くところ、そしてあなたは藍に押されて
スキマに入ってしまったから私の家に来たのよ、それと藍!いつまで寝転がってるの!」
俺と喋っていた能面の人がもう1人の藍という人を呼んでいるが、藍という人はまったく反応を示さない。
「藍!きいてるの!?藍!」
「ボソボソ・・・ボソボソ・・・」
能面の人が藍さんの方に行ったが、藍さんは何かボソボソと呟いている。
あっ、能面の人が藍さんの顔を殴ってる。あっ、また殴った。
その後更に二回殴り、合計四回藍さんの顔を殴って殴るのをやめた。
藍さんを見て気づいたことは、藍さんはとんでもない美女だった。
髪型はボブカットにちかく、金髪で目もぱっちりとしており、顔も小顔だ、そして出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる、テレビで見たアイドルやモデルなんて彼女に比べれば単なる凡人だろう。
ただ能面の人に殴られたせいで鼻と口からは血が流れ、頬や右目のところが腫れている・・・それなのに何故かニヤニヤとにやけている・・・いやきっと気のせいだろう。あの美女が殴られて喜ぶ残念な人だとは思えないし。
取り敢えず帰れるか聞いてみよう
「あのぉ〜」
「「はいっ!なんでしょうか!」」
ひぇっ、すごい勢いで顔がこっちを向いた、怖っ
「私って帰ることって出来るんですか?それと血が出てますけど大丈夫ですか?」
「そういえば藍あなた能面は・・・ってええええ!!あ、あなた藍の顔を見てなんとも思わないの!?」
「え〜っと綺麗だなとは思いますけど〜」
「「ええええ!?」」
「じゃ、じゃあわた、私は?」
といって能面の人も能面をとるとそこには・・・美女がいた、腰までとどく金髪に藍さんに負けないぐらい大きな目、水々しい唇小さくて形のいい鼻、藍さんに負けず劣らずな神がかったプロポーション。
俺は思ったことをそのまま言った
「とても綺麗ですよ?」
俺がそういうと能面の人は顔が真っ赤になり、頭からプシューと湯気をたて倒れてしまった。
「えっ大丈夫ですか!?」
「見れば致死率100%や天災的な顔面とよばれた紫様や私の顔を見て吐かないだとっ!?彼はまさかっ!伝説の・・・・」
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第3話 : いつ帰れるかって?・・・だいたい40年後ぐらいですね♡
誤字脱字がありましたら報告お願いします。
side : 阿部 正和
「ええっ!?男女比が2 : 8 !?」
「そうよ、幻想郷では男の数がとても少ないの、産まれる数としては3 : 7ぐらいなんだけど、病気や妖怪のせいで死んでしまったり、女性からの視線に耐えられなくて自殺したなんて話もよく聞くわ」
「嘘だろぉ」
「残念ながらこれが今の幻想郷の現状よ」
「色々なことを教えてくれてありがとな紫」
「グハッ・・・どどどういいたしまぁしてぇハァハァ」
いきなり体をくの字に曲げたと思ったら、なんか目血走らせてるよこの人!しかも鼻血出てるなぁ・・・大丈夫なのかな?
あっ、なんか寒気が
ちなみにこの人は、さっきの能面をつけていた人で 八雲 紫 さんだ、八雲さんと呼んだら呼び捨てにするまてずっと「紫と呼んでください、それと敬語はいりません」とすごい真顔で言ってきてなんか怖かったよ。
しかし心の中では紫さんと呼ばせてもらおう。
紫さんの話によると幻想郷では女を男が守るのではなく、逆に男を女が守るようだ。男女の立場が逆転しているということだろう(立場だけではなく美醜も逆転しているようだか)、しかも男がとても少ないからなのか女の性欲は恐ろしい程に高いらしい。余りにも性欲が高まると鼻血が出るんだとか、鼻血を見られるのはとても恥ずかしいらしいけどね。
ん?そういえば紫さんも鼻血出してたような・・・考えないようにしよう。
そういえば、紫さんに帰り方を聞いてないな。
「ところで紫、俺って帰ること出来るの?」
「・・・ええ、出来るわ。」
「本当に!?じゃあどうすれば帰れるの?」
「私の能力を使えば帰ることは可能よ、・・・でもまた力を溜めないと人を送ることは出来ないわ」
「ちなみに力を溜めるのってどれぐらいかかります?」
「そうねぇ・・・1・・40年くらいかしら?」
「・・・あはははは〜俺が帰れるのは67歳か・・・」
「ごめんなさい、私に出来ることならなんでもするわ」
今なんでもって・・・はっ!危ない危ないもう少しでダークサイドに堕ちるところだった。それにしても、俺が帰れるのは40年後か・・・あれっ?俺って何処に住めば・・・
side : out
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side : 八雲 紫
「ありがとな紫」
あぁぁ、彼みたいなイケメンにお礼を言われた上に名前を呼び捨てにされるなんてグヒヒヒ・・・襲っちゃおうかしら。はっ!いけないいけない、余裕がない女は嫌われちゃう、でも紫かぁ〜グヘヘへへ、それにしてもまさか正和君が私みたいなブスを綺麗だと思ってくれていたとは・・・えへへへ、彼を逃したら私は永遠に独り身でしょうね・・・どうにかして幻想郷にいてもらわないと。
そんな事を考えていた私に彼は問いかけてきた
「ところで紫、俺って帰ること出来るの?」
と、これは千載一遇のチャンスだ、もしここで本当の事をいえば彼は帰ってしまうだろう。彼に嘘を吐くのは心苦しいが、背に腹はかえられない。なので私は嘘を吐いた。
「そうねぇ・・・1・・40年くらいかしら?」
彼はとてもショックをうけているようだった、そんな彼に流石に私の良心も痛んだが、もう取り消すことは出来ない。せめて彼が不自由のない生活を送れるように全力を尽くそう。そう私は決意した。
彼はまた私に問いかけてきた
「ちなみに俺って何処に住めばいいの?」
私は反射的に「ここに住んで!」、と言いそうになったがこの前の宴会で「余りにも急いで距離を詰めようとすると嫌われるのよ」、と聞いた事を思い出した。ここ以外で私が気軽にいけて、邪魔な羽虫が群がらないところといえば・・・あそこしかないわね。
「そうね、あなたには博麗神社に住んでもらうわ」
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第4話 : プライド?それより男よ
お気に入り登録、評価などありがとうございます。
誤字脱字などがありましたら教えてください。
side : 博麗 霊夢
ずずずっずぞぞぞぞ~
「ぷはー、今日もいいペンキ☆」
ん〜、流石に味がないわねこのお茶、何回煎じたんだっけ?確か8・・10・・いや、もっとだったような?そろそろ新しい茶葉に変えた方がいいわね。
それにしても、暇ねぇ〜・・・何か起こらないかしら。
「霊夢ちゃ〜ん」
ビクゥ!!
「ねぇねぇ今ビックリした?ビックリした?」
ニヤニヤ
このニヤついたババァを殴らなかった私を褒めてやりたい。
「何か用?」
「へぇ〜私に対してそんな態度でいいのかなぁ〜いい話を聞かせてあげようと思ったのになぁ〜」
かつてこれ程ニヤついてキモい紫を見たことがあったかしら?いや、決して普段の紫がキモくないわけではないのだけれど。下手したら彼氏ができたと私に自慢してきた時以来かしら?
「それで?結局なんの話なの?」
「・・・男の話よ」
男の話?
「はぁ〜、またなの紫?確か最初は、男に話しかけてちょっと会話出来ただけで自分に気があると勘違いして自慢して来た話で。次は、服を拾ってそれを持ち主に返した時に恋が始まるとかいう話だったかしら?結局、紫の顔を見て吐いた上に「お前みたいなブスが触ったものなんていらねぇよ!」って言われてたわね。最近でいえば男のパンツを盗むという話だったかしら?」
まぁ1番可哀想だったのは彼氏が出来た話なんだけどね、元々その彼氏は紫のお金が目当てで。彼氏に散々貢がせられた末に、有り金全部を盗んで逃げられてたわ。
「紫・・・まさかあんた、また男に騙されてるの!?」
「今回は大丈夫なのよ霊夢、なんせ彼は私に「綺麗だ」と言ってくれたのよぉ〜えへへへ」
「これで何回目でしょうね?あんたの口から大丈夫っていう言葉を聞くのは」
「もういいわ!せっかくここに男を泊まらせてあげようと思ったのに!」
へ?
「ま、まちなさい、いや、待ってください紫様!男をここに泊まらせることが出来るのですか!?」
「そうよ、この優しい優しい私が、霊夢に男と仲良くなれるチャンスをあげようと思ったけれど・・・やっぱり無しにするわ」
「そんな・・・」
「そうねぇ〜・・・土下座して頼んだら考えてあげないこともないわ♡」
シュバッ
「お願いします紫様!!」
プライド?そんなことより男よ!!
「しょうがないわね〜、じゃあ彼をよんでくるね〜」
そう言って紫は帰って行った。
男がここに泊まる・・・もし紫が言っていたことが本当なら、その男は紫のことを綺麗だと言っていたのよね。ということは、もしかしたら私のことも・・よし、いらないものは燃やそう。
side : out
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side : 阿部 正和
俺が泊まることになった博麗神社には、博麗 霊夢という名の巫女さんがいた、さっき何かを燃やしていたが何だったのだろうか?本のようなものと、そこそこ大きな・・・そう布団ぐらいの大きさの物を燃やしていたな。
ちなみに、霊夢さんも凄くかわいい、幻想郷の女の人は可愛い人が多いのな?
まぁ、幻想郷ではブスらしいのだが。
俺は今霊夢さんとちゃぶ台を挟んで座っているのだが、話が弾まない。ここは、男の俺が話しかけるべきだろう。
「あの〜霊夢さん」
ビクゥ!!
「ひゃっ、ひゃい」
「私が泊まるのは迷惑じゃありませんか?」
「全然!迷惑じゃないです!というかむしろ嬉しいです!・・はっ!?」
霊夢さんはそう言うと顔を真っ赤にし、目を潤ませて、あわあわとパニックになっている。可愛い
「そう言ってもらえると嬉しいのですが、私は今何も持っていなくて・・・何かお礼を出来たらいいのですが」
「お礼なんてしなくていいですよ!(むしろ泊まってもらえるだけでご褒美なんですけどね、ぐへへへ)」
ん?また悪寒が・・・風邪かな?
それにしても霊夢さんもとても良い人だなぁ、見ず知らずの人を無償で泊まらせてくれる人なんて、そうそういないよな〜。
霊夢さんとはこれからも仲良くしていきたいものだ。
「えっとじゃあ家の中を案内しますね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここにトイレがあります」
トイレは洋式だった、どういう仕組みなのだろうか?えっ?紫さんがやった?何者だあの人?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お風呂はここです」
シャワーと浴槽があった・・・もう何も言うまい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここが寝室です」
ここは普通の畳部屋だった、ここに今日から泊まるのか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
思ったより結構広かったな、それと紫さんがすごいことは分かったよ。
「正和さんお風呂お先にどうぞ」
ん?気づいたら結構日が暮れているな。
「霊夢さんより先に入るわけには」
「いえいえ遠慮しなくてもいいですよ。メンズファーストですから」
「それじゃあ、お先に」
side : out
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side : 八雲 紫
「紫さま!正和さんがお風呂に入りました!」
「本当に!?よし!スキマを使って見るわよ!」
私は、男のしかもイケメンのお風呂シーンということもあって、とても興奮していた。
だから私は気づくことが出来なかった。藍の笑顔がとても黒かったことに。
「ぐへへへ、さぁ見るわよ!見ちゃうわよ!全部脳裏に焼き付けてやるわ!」
そして、私はスキマを開いてお風呂場を覗いた。
そこにいたのは・・・
博麗 霊夢だった
「うっ、ゲボロッシャアアァァァァ」
女のしかも自分と同じぐらいの超弩級ブスの裸をみて吐かない奴はいるのだろうか?いや、いない(白目)
は・早くこの汚物を脳裏から消し去らねば・・・死んでしまうぅぅう・・・・グフッ・・・・・・
side : out
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第5話 : 霊夢山
今回は試しにside表記なし+視点は1話ごとに1視点で書いてみました。
前と今どっちが良いかおしえて頂けると幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。
「はぁ〜いい湯だった〜」
いや〜まさかジャグジー機能まで付いていたとは思いもしなかった。それに、結構長い間浸かっていたのだが何故かお湯の温度が下がっていなかった。湯船に付いていた温度計で確認したのだが、入る前と入った後で少しも変わっていなかった。一体どういう仕組みなのだろうか?
そんな事を俺が考えていると、霊夢さんがお風呂から上がってきた。
「霊夢さんって結構、風呂から上がるの早いんですね」
「ん?そう?女はこんなものだと思いますけど」
そうか、男女の価値観が逆転しているのなら入浴時間は男が長いのか。道理であんなに長風呂をしても何も言われなかったわけだ。
とまぁ、現実逃避はこれぐらいにしておこう。男女の価値観が逆転している世界で、女がお風呂の後どんな格好をしているか知っているかい?えっ?何でそんな事を聞くのかって?それはね、霊夢さんが上は白い肌着一枚で下はこれまた白いパンツしか着けていないからだよ!
そりゃあね、俺だって家でパンツだけの時もあったけれど一人暮らしだったからだよ?せめて上だけはどうにかしよう、肌着が透けてピンク色の何かが見えてるから!
「霊夢さん、何か着けないと風邪をひくのでは?それに誰かに見られるかもですよ」
「大丈夫ですよ風邪なんてひかないですし、誰かに見られても私は気にしませんよ、それに私を見て喜ぶ人なんていないでしょう」
こっちが気にするんだよ!目に毒なんだよ!わかる?俺だって男だよ?襲うかもよ?
まぁ、泊まらせてもらっている俺がその家の人を襲ったら間違いなく追い出されるでしょうね。そうしたら、仕事をしなくてもよく、広大な自然を感じられ、広々とした空間での生活がスタートすることになるでしょうね・・・クソがぁあ!!襲えねぇぇ!
襲ったらホームレス確定じゃねぇか!!しかも、おまけで40年間保証して貰えるしな・・・ハハッ・・・笑えねぇ
「取り敢えず何か服を着てください」
「わかりました、じゃあ着替えてきますね」
ふぅ〜危なかった、今回ばかりは俺がヘタレでよかったと初めて思ったよ。なんか惜しい気もするけど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暫くすると霊夢さんが戻ってきた、格好は例の巫女服だ。違うとこは両手についていた袖が外された状態だということぐらいだろう。
「あれ?それさっきも着ていませんでしたっけ?」
「アハハハ〜いや〜実はこれしか持ってないんですよね服」
まさか霊夢さんが着た切り雀だったとは・・・意外だな。でも、こっちでは普通なのだろうか?
「まあまあそんな事は置いといて、結構遅い時間ですしお布団を敷いて寝ましょう!」
「そうですね、寝ましょうか」
「明かり消してきますね!」
そう言って霊夢さんは走り去ってしまった。ちなみに照明は何故かLEDだった、紫さんが最近付けたそうだ本当に紫さんは何者なのだろうか?
取り敢えず布団敷きますか
そう思い押入れを開けると中には一枚の布団と毛布、そして2つの枕がはいっていた。枕が2つあるのは謎だが、予備か何かだろうか?
そんな事を考えつつ俺は布団を敷き、明かりを消して布団に入った。
今日は色々なことがあって疲れたのか時間をかけずに眠りにつくことが出来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
んん・・んんんん・・・
「ふぁ〜よく寝た〜」
起きると部屋はかなり明るくなっていた。
「いや〜それにしても、こんなにすっきり目覚められたのはいつぶりかな?」
そして俺は立ち上がろうと思って右手を動かそうとしたが何か重たいことに気づいた。
「ん?なん・・だ・・・・」
自分の右手を見るとそこには、俺の右手を腕枕にしてスヤスヤと寝息をたてながら寝ている霊夢さんがいた
ちょっとまとうか、ん?なにこの状況?これは現実か?いやまてよこんなことがあり得るわけがない、つまりこれは夢だ。
昨日は霊夢さんならぬ霊夢山の2つの山頂を拝んだからかなりムラムラしていたのだ、きっとそれが原因でこんな夢を見たのだろう
「夢か、はぁぁ、寝るか」
そして俺は寝れば夢から覚めると考え眠ることにした。
今月中にあと1話投稿できるかもです。忙しくなければ、2話かもですが。
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第6話 : 霊パンマン新しいお布団よ!
コンコンコンコン
「んん?」
スンスン スンスン
何かいい匂いがするな?何の匂いだ?
それに台所から音が聞こえるな、行ってみるか。
「あ、正和さん起きたんですか。もう少しでご飯が出来るので、ちょっと座って待っていてくださいね」
「あっ、はい」
どうやら、あの音は霊夢さんが朝ごはんを作っている音だったらしい。
しばらく待っていると、霊夢さんが手際よくちゃぶ台に朝ごはんを並べて行った。
朝ごはんの献立は、豆腐とワカメの味噌汁、魚の丸焼き、白米、のようだ。
「それじゃあ、食べましょうか」
「「頂きます」」
まずは魚から食べてみよう
パクっ
「あっ、美味しい」
何だこれは!外は皮がパリッとしており中の身はふんわりだ、味の濃さはちょうどよくご飯が進む、しかも外だけではなく中の身にもちゃんと味が付いている。スーパーの弁当とは比べ物にならない!ご飯もふっくらと炊けていてベトベトせず、かといってパサパサもしておらず、これもちょうどいい水加減だ。
次は、味噌汁だ!
ズズっ
味噌汁はちゃんとダシが効いており、それでいて魚の味を濃ゆくしたためか、少し味が薄めだ、勿論これも上手い。インスタントとは比べ物にならない!
ふぅ〜
ご飯があまりにも美味しかったため直ぐに食べ終えてしまった。食べている間前の方から視線を感じていたので、顔を上げてみれば、霊夢さんがニコニコしながらこちらを見ていた。
「いい食べっぷりですね。そんなに美味しそうに食べてもらえると、私も嬉しいです。ところでお代わりいります?」
「はい、お願いします」
恥ずかしさは食欲には勝てなかった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
あぁ〜美味かったぁ、ご飯を作ってもらうなんていつぶりだろうか?あれ?そういえば、霊夢さんに聞きたい事があったような?ん〜・・・・ハッそうだ昨日の夢のことだ!
「そういえば霊夢さん、昨日変な夢をみたんですよ」
「どんな夢ですか?」
「朝起きたら、僕の隣に霊夢さんが寝ている夢を見たんですよね〜。まぁ現実でそんな事あるわけないですよね「えっ?私より先に起きてたんですか?」えっ?」
「これでも、早起きには自信があったんですけど」
ふぁっ?この人は今なんて言った?先に起きていた?えっ?まさか・・・
「もしかして霊夢さん私の横で寝ていたりしました?」
「はい、寝ていましたよ」
なんでこの人はなんの戸惑いもなく返事が出来るのだろうか?
こっちでは一緒に寝るのが普通なのか?
「ええっと、なんで私と同じ布団で寝ていたんですか?」
「お布団が一枚しかないからですよ」
「えっ、そうなんですか?じゃあ僕は畳で寝「ダメです」」
すっごい食い気味に拒否してきたんですけどこの人
「お布団無しで寝たりしたら風邪をひいてしまいます、どうしてもと言うのなら客人を差し置いて、自分だけお布団を使うことは出来ません。なので、正和さんがお布団を使ってください。わかりましたか?」
「えっでも「わかりましたか?」」
「はい」
怖いよ!何でそんなニコニコしながら言うんですか!ニコニコとは言っても全く目が笑ってませんけどね!
「まぁ、この話はおいといて。どうでしたか?正和さんのために頑張って朝ごはん作ったんですよ」
「とっても美味しかったです。こんな美味しいご飯を作れるのなら、霊夢さんはいいお嫁さんになれますね」
「そんなお嫁さんだなんて」
霊夢さんは両手で頬を抑えながらイヤイヤと首を振り始めた
ガラガラガラ
障子を開ける音がしたのでそちらを見てみるとそこには、両手で布団を掲げた紫さんがいた
「霊夢ちゃ〜ん!新しい布団を持ってき
ゴスッ
霊夢さんが目にも留まらぬ速さで紫さんの胴体にボディブローをきめていた。
しかし、女の子らしい体型の霊夢さんのパンチではあまりダメージが無いらしく、紫さんは微動だにしていない
ゴフッ
あっれー?紫さんが吐血したぞー?なんでかなー?あははー
と、僕が現実逃避をしている間に霊夢さんは、紫さんの足を掴んで引きずっていった
ちなみに、霊夢さんがとてもイイ笑顔だったとだけ記しておこう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あの〜霊夢さん」
「はい、何でしょうか?」 ニッコリ
「紫さんは何しに来てたんですか?」
「泊まりに来てたんですよ」
「えっ?でも新しい布団を持って来たって」
「実は、この前あのクソバ・・ンンッ・・紫さんが泊まりに来ていたのですけれど。お布団が一枚しかなかったので、自分で新しいお布団を持って来たら泊めてあげると言っていたんですよ」
えっ?クソバ?
「あの〜じゃあ何で紫さんを殴ったんですか?」
「えっと・・・殴った理由ね・・・そう!実は昔から紫さんには私のことを、ちゃん付けしないでと言っていたのですが、懲りずにまたちゃん付けしたので殴ったんですよ」
なるほど、紫さんを殴ったのにはそんな理由があったのか。でも、それにしては答えるまでに間があったような・・・聞かない方が身のためだろう。
いや〜霊夢さんの笑顔は可愛いな〜、頬に赤黒い液体が付着していなければもっと可愛いと思うな〜あはは〜。
その日、俺は密かに霊夢さんは怒らせないようにしようと、心に固く誓ったのであった。
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第7話 : 神よぉぉぉ!
許してください!何でもしますからぁ!(何でもとは言っていない)
ちなみに今回は白黒バナナちゃんがで出来ますが。キャラ崩壊しすぎて最早お前誰?状態なので、キャラ崩壊や白黒バナナちゃんが好きな方は気をつけてください。
霊夢さんの意外な一面が見れた日の昼下がり、俺はお風呂に入っていた。
本来なら朝と夜に入っていたのだが、霊夢さんとの話が盛り上がってしまい、入るのがかなり遅くなってしまった。
ちなみに霊夢さんは今留守で、買い物に行っている。
あぁ〜、それにしてもいいお風呂だなぁ〜
この浴槽を作るだけで一体お金がいくらかかるのだろうか。浴槽の端にはいくつかのボタンがあり、それを押すと色々なお湯を楽しむことができる。
因みに、今入っているのは前にテレビでやっていた水素風呂ってやつだ、テレビでは体にいいと言っていたが、本当によくなっているかは実感できない。
ガラガラガラガラ
ん?
「霊夢ー!お邪魔するぜー!」
霊夢さんの友達かな?それなら霊夢が留守なことを伝えないといけないな。
よし、上がるか
「霊夢ー!どこだー?いないのかー!」
さっさと体を拭いて服を着よう。
「おっ!ここにいたのかー!霊夢!」
ガチャ
「やっと見つけたぜ、霊・・・・む?」
あ
「ここっこれはわざとじゃなくててててて、あの、あのあの・・・すみませんでしたあああああぁぁぁ」
メイド服?の様なものを着てはいるが、頭にはとんがり帽子を被った金髪の美少女は俺の裸を直視し、そしてその数秒後に顔を真っ赤にすると踵を返し走り出そうとした。
バッダーン
「うぶぅっ!」
しかし、余りにもテンパっていたのか2、3歩も進まないうちに盛大に転び顔を床に強かに打ち付けた。
きゅぅ〜
そして、美少女はピクリとも動かなくなった。
よし!服着るか!
・・・やべぇぇぇ!どうすればいいのこれ!おい誰かどうにかしてくれよ!
誰かヘルプミィィィー
「正和さん只今帰りま・し・・・、正和さんこれは一体どういった状況ですか?」
丁度良いところに帰って来たと思ったら、何でそんな怖い笑顔なんですかねぇ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、霊夢さんに事情を説明しこの金髪の美少女、霧雨 魔理沙 さんを布団に寝かせた。魔理沙さんに裸を見られたと言った時の霊夢さんの笑顔が、怖い笑顔からとても良い笑顔(怖くないとは言っていない)になったのはとても印象的だった。
「霊夢さん魔理沙さんはどうしましょうか?家とかに連絡したほうがいいのでは?」
「大丈夫ですよ、魔理沙は人から物を借りる時に、死ぬまで借りるだけだと言いながら平気で盗みを働くようなゴミなので、そこらへんに捨てておいた方がいいですよ。ということで、捨ててきますね」
「ストップ!霊夢さん!怪我人だから!気を失ってるから!だからね、お布団に寝かせてあげようね?ね?」
「正和さんがそう言うのであれば・・・」
霊夢さんは肩に担いでいた魔理沙さんを、ぽいっと布団に投げた。顔面から落ちたから痛そうだけれど何も言わないでおこう。そして、霊夢さんなんでそんな残念そうな顔をしているんですかね?
さっきの捨ててくる発言は冗談ですよね?
「んん・・ん、あれ?此処は?」
お!魔理沙さんが目を覚ましたようだ
「魔理沙さん大丈夫ですか?」
「あ・・貴方様は!」
えっ?貴方様?
「申し訳ございませんでしたぁぁぁ!」
魔理沙さんはそう言いながら土下座をした。
「申し訳ございませんでした!命じられれば何でもします!あ・・貴方様のようなお方の裸を、私のようなものが見るなど許されることではないのはわかっています。しかし、謝らせてください!本当に申し訳ございませんでした!」
んー、如何すればいいんだろこれ?霊夢さんを見ると驚愕の表情のまま固まってるし。
「えーと、魔理沙さんにも悪気があった訳でもないですし。そんなに謝らないでください」
俺がそう言うと魔理沙さんは、ガバッ!と効果音が付きそうなほどのスピードで顔を上げた
「このような私を許してくれるだなんて・・・やはり、貴方様は神なのですね!」
ふぇっ?
「矮小なるこの身ですが!全てを捧げて貴方様を信仰させて頂きます!」
魔理沙さんはまたものすごい速度で額を畳に打ち付けるように頭を下げた。いたくないのかなぁ〜
「魔理沙さん!頭を上げてください!私は信仰されるほどの者でもありませんし・・」
「おぉぉぉ!神よぉぉぉ!矮小なる私に慈悲をかけて下さるだけではなく、傲慢にもならないその穢れの無さ!いっそうの信仰を捧げます!」
「ちょっと待ちなさい魔理沙!あなた如何したのよ?」
あっ、霊夢さんが再起動した
「霊夢さん、私は神に会って悟ったのです、偉大な神に比べれば私はなんて矮小で薄汚いかを。そして、私の悩みなどこの世界において、とてもちっぽけなものだということを!」
「えっと・・魔理沙ついにあなた狂ったの?」
「そうです!私は偉大なる神への信仰に狂っているのです!」
魔理沙さんがここまで信仰する神ってどんな人なんだろうな?会ってみたいな〜あはは〜
「はっ!?こうしてはいられない!神への信仰を広めなければ!失礼します!神よ!」
そう言い残して魔理沙さんは何処かへと走り去って行った。
「霊夢さん、魔理沙さんって何時もあんな感じなんですか?」
「何時もはあそこまでトチ狂ってないですよ。それに普段は、さん付けなどされたことがありません。・・・治ればいいのですが」
切実にそう思うよ
如何して此処まで魔理沙が酷いことになったのだろうか?わしも分からん
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第8話 : 貴女は何方様でしょうか?&百合のハナガサイタヨ
バタン!
勢いよく扉が開かれ、其処には白黒の服と黒いとんがり帽子を被った金髪の少女がいた。
「パチュリーさん!」
パチュリーと呼ばれた少女は、長い紫色の髪をしており、紫色の縦縞が入った薄い紫色の寝巻きにナイトキャップの様なものを被っている。
「あら、魔理沙・・ん?今さんって」
「如何したのですか?パチュリーさん?」
魔理沙からの問いにパチュリーは、は?とでも言いたげな呆れた表情をした。
「それはこっちのセリフよ魔理沙、何か変な物でも拾って食べたの?」
「私が拾った物を食べるわけないですよ。そんな事をしたら、私は神に顔向け出来ません」
魔理沙の返答に対し、パチュリーは表情を呆れ顔から、何か変なものを見た様な表情になり、そして苦虫を噛み潰したような表情になりながら喉にまで出かかった言葉を飲み込んだ。
「はぁ・・・まぁいいわ、魔理沙このままじゃあ話が進まないから何故此処に来たのかを簡潔に言いなさい。どうせ貴方のことだから本を盗みに来「今迄借りていた本を返しに来たんです」は?」
「ご・ごめんなさい。よく聞こえなかったからもう一度お願い。私の耳がおかしくなったのか、今の今まで本を借りると言って、一度も本を返したことがないあの魔理沙が私に本を返すと言った様に聞こえたのよ」
「ええ私は本を返しに来ました。そして、ごめんなさい!今迄本を返さなくて。死ぬまで借りるなど其れは盗むのと同義です。盗みなど人として恥ずべき行為です。そんな事をやっていた私を、そう簡単に許していただけるとは思っていません。ですが!その償いとして何でもします!本当にごめんなさい!」
胸の前で手を組んだり、膝立ちになりながら片手は胸に添え、もう片方の手をまるで誰かをダンスに誘う様に上に挙げ、かぶりを振りながら懺悔する魔理沙はさながらミュージカルの主役の様であった。
「そ・そぅ本を返してくれるなら其れでいいんだけれど・・・貴方本当に魔理沙?」
「はい?私は霧雨 魔理沙ですけれど?」
パチュリーは魔理沙に対して疑惑の表情を向けている。
「そう、解ったわ。私は今忙しいから、返しに来た本は適当に置いておいてちょうだい」
「はい!解りました!では、私も用事があるので失礼させていただきます」
バタン
魔理沙は入る時ほどではないが、かなりの勢いで出て行った。
「・・・どう思う?小悪魔」
パチュリーがそう問いかけると、背中と頭から一対ずつ蝙蝠の様な羽と、先端がハート型になっている尻尾を生やした赤い髪の少女が、何処からともなく現れた。
「どう?とは魔理沙さんのことですか?」
「其れ以外に何が有るの?」
「愚問でした。見た限りだと、何か魔法や呪いをかけられている、とは考え難いですね。考え得るのは肉体的、又は精神的に何かあったのか、はたまた本人が自主的にやり始めたかですね。先程魔理沙さんの口から『神』という単語が出て来た事を考えると、何かを信仰し始めた線が濃厚かと」
「はぁ、まぁ何方にせよ彼奴があのままだと調子が狂うというか、吐き気を催すというか・・・取り敢えず私が一肌脱ぐしかないみたいね」
パチュリーは口では酷い言いようだが、何処か満更でもない雰囲気を醸し出していた。
「微力ながらも尽力させていただきます」
そんなパチュリーを見て、小悪魔は何処か微笑ましそうな表情を顔に浮かべながら、両手を前に組み ペコリ と上品にお辞儀をした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ど・どど・如何したのよ!魔理沙!?」
「如何したもこうしたも私は神に出会ったのです」
私こと アリス・マーガトロイドは混乱の淵にいた。私の想い人の魔理沙がおかしくなってしまったのだ。魔理沙は何時も何処か抜けているところがあって馬鹿っぽくて可愛らしいというか、ついつい世話を焼いちゃうというか。これも惚れた弱みなのかなぁ〜とは思ったりもする。
別に魔理沙が美少女とかそんな事はなく、魔理沙は私から見てもお世辞にも可愛いどころか、普通とも言い難い容姿をしている(まぁ、私が人に言えた義理では無いけれど)。でも魔理沙には其れを補って余り有るぐらいに良いところが沢山有るのだ。
殆ど表情を変えたり反応したりしない人形の様な(それもとびきり不細工な)私に一日中楽しそうに話しかけてくれたり、美味しいものを見つけたらお裾分けしてくれたり。なんだかんだ言って最後は助けてくれたり。挙げたらきりがないぐらい魔理沙には良いところがあるのだ。
そんな私の魔理沙が何処の誰とも知らない、ろくでもない奴に誑かされているだなんて!絶対に其奴を(※自主規制)してやるんだから!でも、狂信的な魔理沙もこれはこれで、そそるなぁ〜えへへへへへ穢れを知らない魔理沙にあんなことや(※自主規制)したりしてグフフフフ・・はっ!?危ない魔理沙ワールド(アリス命名)に行ってしまうところだったわ。今は魔理沙を元に戻す方法を考えないと。
下手に刺激して魔理沙に嫌われでもしたら目も当てられない。余りの精神的ショックで消滅すること間違いなしだ。私は如何すれば良いのだろうか。
「其れではアリスさん御機嫌よう」
そう言い残して魔理沙は出て行った。・・・普段の呼び捨てもいいがさん付けもなかなか、おっと!乙女心が鼻から出そうだ。
この一件は私の手に余るわ。癪には触るけれど、何処の赤白巫女と、さっき魔理沙が本を返して来たと言っていた引き篭もりの淫乱紫を利用するしかないわね。
待っていてね!魔理沙!絶対に私が助けるし他の奴らに貴女を奪わせないんだから!
このままいけば魔理沙の軌道修正も可能なはず!アリスの心の中の話はあべこべ世界仕様なのでご了承ください。
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