サンシャイン渡辺 (とすけ)
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サンシャイン渡辺
今日からァァァァ!イェアッ、aqours!サンッシャイン!渡辺!
イェエエエエエエエエ!!
***
どぉーもっ!!空前絶後ノォ!超絶怒涛なaqoursのスクールアイドル!
制服を愛し制服に愛された女ぁぁぁ!!
セーラー、ブレザー、ロッソネロ、すぅぅべての制服の生みの親ぁぁぁ!!人呼んでココ・シャネル10代目の三回転半抱え込みファッションの生みの親ァァァァ!!!
そう私こそはァッ!……例えこの身が朽ち果てようと……制服を求めて魂を燃やし、燃えた魂は星となり見るもの全てを制服でヨーソロォォォォ!!
みんなご存知そうっ私こそはぁーッ!!
……サイッキョー無敵のスクールアイドルッッ!
あまりのポテンシャルの高さにチカちゃん、リコちゃん、ハナマルちゃん、ルビィちゃん、カナンちゃん、マリさん、ダイヤさん及びヨシコちゃんを除く内浦在住の全ての人間から命を狙われている女ァァァァ!!
………そおうっ私こそはァァ!テェェンカ無双のスクールアイドル!
あの天下一の渡辺を決める大会、ラブ渡辺ッデェェェ!サブマリン投法とか戦場カメラマンとかAKBのツインテ担当を抑えたセミファイナリストォォォォ!!
そおっ、この私はァ!
……身長157センチ、体重はヒミツだけどスリーサイズは上から82ッ57ッ81ィィィィッ!!
長所は元気な美少女なとこォォォォ!短所は要領良すぎなトコォォォォ!!
制服界に舞い降りたギャングオブヨーソロォォォォ!!
そおう、この私はぁー!
……四月十七日生まれえ!出身地はお母さんッ!家族構成ッ父・ポセイドン渡辺ェッ!母・ガイア渡辺ェッ!兄はいなぁぁあいッ!!
そぉしてっ、みんなお待ちかね長女で末っ子!
この私はぁー!aqours!サンッッシャイン!ワッたしの夢はァァァァ!駿河フェリーで船長やってる父・ポセイドン渡辺の跡を継ぐことぉぉぉぉおおおおお!!
父の月給百万円!貯金残高五百六十二万八千二百円!キャッシュカードの暗唱番号4036!沼津市在住の方々ぁっ!今がチャンスでェす!!
もう一度言います!4036ォ!ヨーソローッて覚えてくださぁいッ!!iPhoneのパスコード4036ォ!ヨーソローッて覚えてくださぁい!!
そおう、父親の全てを曝け出したこの私はぁー……aqoursッ!
サンシャイイイイイン!!
渡ッ辺ッ!!!
……ッイェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!
ジャスティス!
***
という夢を見たんだ!って、
千歌ちゃんと梨子ちゃんに話したら、意外と似合うかもって神妙に言われて、一日中ヘコんだ。
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野○村さんなヨシコちゃん
ワリとマジで注意です。
また、夢を見た。
***
堕天した衣装の、堕天使ヨシコちゃんがいた。
何やら、私の前で何かを始めるつもりであります。
「よくぞ召喚されたし、我がリトルデーモンよ。暗澹たる黒き魔術の契約に従い、我の叡智を傍聴する権利を授与しよう。
それでは先ず、そこに堕ちている黒檀の異装を身に纏い堕天せよ」
「……えっと、何言ってるかよく分からないから、後ででもいいかな」
「今、身に纏いなさい」
「今じゃないとダメ?」
「………身に纏いなさい?」
こわいこわいこわい、何だこのヨシコちゃん。私は仕方なく、黒いローブを羽織るのであります。
「というわけで聴きなさい……。私の愚痴を」
「拍子抜けすぎる」
「……」
私のひねりのないツッコミを無視し、ヨシコちゃんは興奮気味に語り始めたのであります。
「私ね、普通の高校生として、なんというかね、中二病が恥ずかしいって指摘はちゃんと受け止めて、それなりに取り繕って過ごそうとはしているけど。
とにかく私の中の『堕天使』という大きな要素の、社会的有害性を顧みれば、指摘はしっかり受け止めなければ、一生非リアのままで人生終えると思うんですよ!
でも、私は堕天使だから……小さなデーモン……リトルデーモンたちが大好きで大好きで……ですから、非リアなのがもう申し訳なくて」
よく分からんけど、なんか可哀想な雰囲気であります。
「こんな堕天使だから、リトルデーモンの皆様。
私も死ぬ思いで、もう死ぬ思いでもう、あれですわ。
一生懸命に堕天に堕天を重ねて、見知らぬ人間にドン引きされて、やっとリトルデーモンの皆様に認められて名声を博したワラワラ動画の生主であるからこそ、こうやって世間の白い眼に晒されるのが、本当に辛くて、情けなくて、リトルデーモンの皆様に申し訳ないんですよ」
ヨシコちゃんの唇が、ワナワナと震え出し、今にも泣いてしまいそうであります。
あ、ついに涙がこぼれたであります。
「ですから……世間様のご指摘を丁寧に受け止めて、堕天使という矮小な、クッ、カテゴリに比べたラァ……ラァ、ブフッファーーッ!!」
え、ちょ、よ、ヨシコちゃんの様子が!なんと彼女、突然地べたに這いずって喚き泣き散らしはじめたのでありますうううう!!?
「ダァッ、だ、堕天使ヨハネ、ダッッテンシヨハネの、活動ノォォーーッ、ウェエ折り合いをつけるーってコトデ、もう一生懸命ほんとに、邪気眼発症、中二ィィィィ病ッハアアアアッ!!
中二病という病はー!私のみなウワッハッハーーン!!私のみならッハァーー!私のみならず、非リアにありがちな不治の病じゃないですか!!
そういう問題ヒョオッホーー!!解決ジダイガダメニ!
私ハネェ!ブフッフンハアァア!!
誰がね゛え!非リアが誰にリア充になりたいってもオンナジヤ、オンナジヤ思っでえ!!
ウーッハッフッハーン!!ッフーン!ずっと堕天してきたわけですわ!せやけど!変わらへんからそれやったらワダヂが!リア充になって!文字通り!アハハーンッ!!命懸けでイェーヒッフア゛ーーー!!!
ウッ……クッ。曜先輩!あなたには分からないでしょうけどね!平々凡々とした非リアライフを送って、本当に、「非リアがリア充になりたいっても一緒や、非リアがリア充になりたいっていっても」じゃあ私がああ!!リア充になって!
この世の中を!ウグッブーン!!ゴノ、ゴノ世のブッヒィフエエエーーーンン!!!」
最早、意味不明であります!
「ヒィェーーッフゥンン!!ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーア゛ッア゛ーー!!!!
ゴノ!世の!中ガッハッハァン!!ア゛ーー世の中を!ゥ変えダイ!!その一心デエエエエ!ィヒーフーッハゥ!一生懸命堕天して、堕天使に、縁もゆかりもないリア充に認められて、リア充ライフ謳歌したかったんですううう!!」
「分かった、分かった分かった!分かったから少し落ち着いて……」
「はぁ、はぁ……。
陰惨たる無様を詫びよう。リトルデーモンよ、あーもうっとりあえず私おうちかえるー!ウワッハーン!かえるナッシイイイーーホワァアア!!!梨汁プシャーー!!!」
ひぎゃああああっ本格的にヨシコちゃんが壊れたぁぁ!!?
いろんな意味でヤバい、なんか危険でありますうう!!逃げないと!逃げないとおおおお!
***
そして、いつの間にか世界がぼやけ、私は目を覚ましたのであります。
なんだか、ヨシコちゃんに謝らねばならない。そんな責務を感じた朝でした。
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ドラゴンルビィ
多分、私は疲れているのかもしれない。
***
「おいそこのヨーソロー」
「え、ルビィちゃん?なんかキャラが」
「うゆ、もっと強くなりてえ」
「え?」
「強くなって海賊王になります」
「いや、意味がわからん」
「高き理想には常に不理解が付きまとう。うゆは泣かない」
「ルビィちゃんが壊れてる」
ダイヤさんが滑り込んできて、ルビィちゃんの前に立ちはだかったであります。
「ルビィ、貴女の覚悟、しかと受け止めましたわ。ですが、海賊などという黒澤家の名に汚泥を塗す如き所業を見過ごすわけには、長女として、断じてできません」
「おめえ、うゅに逆らう気か?」
「くっ、これが『週間少年ジャンプの暗黒面』に呑まれた者の末路とでもいうのですか……!仕方ありません、かかってきなさいルビィ。姉妹の格の違いを教えて差し上げます。そして私は、貴女を救う!」
意味不明であります。
「強い言葉を使うなよ、弱く見えうゅぞ」
「ふっ、上等!ズームパンチ!」
「ぴ ぎ た ぁ」
「やったか!?」
「ダイヤさん!それはやってないフラグだよ!!」
「む、曜さん。余計なお世話です、これは私たち姉妹の問題」
「いやいやいや、シリアスなとこ申し訳ないけど、何してるんすかマジで!?」
「言葉を喪った人間は拳で語る他、道は無き、つまりそういうことですわ」
「どういうことだ」
そうしてるうちに、ルビィちゃんは立ち上がりました。
「お姉ちゃん、まだまだだね。命が惜しければ、その無駄な胸の脂肪をうゅに分けルビィ」
気にしてたのかルビィちゃん。
「ふ、未来は未知数。貴女にも幸があることでしょう、ただし、正しい道でなければならない……!ふっ!」
また、ダイヤさんが仕掛けたであります!
「くらえっ、お姉ちゃんキック!」
「うゅにそんな蹴り効かぬ」
ルビィちゃんがガードをしたその時、ダイヤさんが開脚蹴りでルビィちゃんのガードを外して、十字手刀を……!
「かかったなアホが!!サンダークロススプリットアタック!!」
「そんな攻撃防げルビィ!ピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギピギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「ブルァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
なんと。ルビィちゃんのスタンドのラッシュでダイヤさんがぶっ飛んだであります。
「ピギィプラチナ」
「そんな、ダイヤーさん!!」
駆け寄る私に、ダイヤさんもといダイヤーさんは、最後の力を振り絞って言葉を……
「ぴ、ぴーなっつばたー………ガク」
いや、なんだその遺言は。
***
そして、目が覚めました。
あの姉妹を今日見たら、夢の内容を思い出しそうで嫌ですな。
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第九感の使い手ちかっち
明日は千歌ちゃんの誕生日、ワクワクしながら眠ったのでありました。
***
千歌ちゃんの部屋で私たちは、グダグダしていました。
「曜ちゃん、第六感って分かる?」
「霊感?」
「せいかーい、じゃあ、第七感!」
「そんなのあるの?」
「知らないなんて、ダメだなあ曜ちゃん。
千歌ちゃんが、ぶーっとほおを膨らまして私を非難するであります。
「曜ちゃん、第七感っていうくらいだから、感じるんだよ。君の心の小宇宙を。抱きしめて、熱く燃やして、奇跡を起こすんだよ」
マジで何言ってるんだこのミカソ。
「じゃあ千歌ちゃんは、
「当然。第八感を見るがいい!はあああああ!!」
「七って言わなかった!?」
「むっ!?何っ……!この第八感……ッ…深い!!?ズボボボボボォッ!ッッボボボォオッ!!」
「突然どうした!」
「曜ちゃッ……助けズボボボボボォッ!!私は………ボボボォッ!私はまだ、死にたくない゛!!!」
「千歌ちゃーーん!?」
千歌ちゃんがなんか一人で楽しそうに盛り上がって、地上で溺れ死んだであります。
「千歌ちゃん!それは冗談キツイよ、千歌ちゃーーん!!」
「ただいま曜ちゃん!」
「ぎゃーっ生きてた!?」
突然目を見開いて起きる千歌ちゃん。ぐぬぬ、心配させやがって、こちとら半泣きであります!
ヘラヘラしてるし、ムカつくであります!!
「聖闘士的に第八感は冥界への扉だからね、ちょっくら死んで行ってきたよー」
死んで冥界に行くなよ!
「あとね、曜ちゃん。第九感って知ってる?」
なんでありますかそれは。
「み感」
「今度こそふざけてる!」
「マジだよ曜ちゃん!」
ぷーっ、とほおを膨らませてミカンみたいになる呑気な千歌ちゃん。超常現象が連続しているので、私はかなりパニックでありますが。
「じゃあやって!み感やってみろやぁ!」
「疑ってるね曜ちゃん」
「疑うわそりゃ!」
「じゃあ見せてあげよう……み感の力を!」
ふっと、トロンとした目になる千歌ちゃん。側にある小石を拾って、なんかかじり始めたであります!ええええ、何をしている!?
「うわぁい、この世界がみかんに見えるぞぉ、ガリガリ」
「バカチカってレベルじゃねええええ!?」
「そんなことより五千兆みかん欲しい」
「そんなのないんですけど!?」
「仕方ないなあ、じゃあ、デカみかんランド開園」
「いやいやいや待てええお前え!!おっぱいダメ、ゼッタイ!閉園どうぞどうぞ、それ閉園どうぞおおおお!!」
「デカみかんランド閉園!」
「よし!よくやった開閉どうz………いや、間違えた!開閉はない、無し!無し!開閉無しで頼む千歌ちy」
「オープンエンクローズ、オープンエンクローズ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ああああ千歌ちゃんのアイドルとしての貞操が危うい!!!
「デカみかんカーニb」「いやいや!ちょ待ておまくぁwせdrftgyふじこlpそれ以上の狼藉はこの私が許さな」「曜ちゃんもすっげえヨーソロー」「あ゛あ゛あ゛あ゛やめろおおお!!」
ついに、我慢の限界に達した私は、ドロップキックで千歌ちゃんをぶっ飛ばしたであります!
む、どうやら正気に戻ったであります
「どうだった?み感の味は」
「最悪」
***
誕生日の土産話には、少々過激すぎるので、この夢の話は私の中で封印しておきましょう。
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とっとこハグヤロー
真夏のホラーであります
***
とっとこ爆走
ハグヤロー
すみっこ爆走
ハグヤロー
大好きなのは
鞠莉を鯖折り
─────なんでありますか、このヤバい歌は。どこからともなく聴こえてくるであります!心当たりはありますけどね!
「やっぱりー、ハグるよハグヤロー………おはよう曜ちゃん」
「やっぱり果南ちゃんだ!やっぱり果南ちゃんだ!」
「二回言うとは」
「大事なことだからね!」
「まあいいや、聞いてよ」
「なにかあるの?」
「最近、プロレス鑑賞にハマってねー、素晴らしい技だなって思って」
まさか
「そ、それは何かな」
「──────
「─────そうか………それは良かったね」
「それでね、私もあんなハグができる様になったら楽しいなって………
─────だから
今、実験台を見つけて、安心したよ」
っぎゃあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?ヤバいっ、やっぱり悪い予感は当たったであります!!
「来るなあーーーー!!?」
「ハグしよ」
「殺されるっ!!!」
「ハグさせろコラ」
「ひいいいい!!!」
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛全速逃走ヨーーーーソロオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
ハグれものゾと 内浦騒ぐ 超々ハッグ (超々ハッグ) ハグハグハッグ (ハグハグハッグ) 私の噂で しいたけサンバ それにつけても曜ちゃんなんなの ハグのひとつで キリキリ舞いじゃん ダッシュ ダッシュ ハグ ホールド・エンド・ハグ いつかキメるぜ 鯖折り曜ちゃん そんとき私ゃ スーパー・ヒーローさ ダッシュ ダッシュ ハグ ホールド・エンド・ハグ 燃えて青春 駆けハグる
変な歌を歌うんじゃねえでありますーーー!!
ん、あ!!ちょうどいいところに鞠莉さんがいたーーー!!めっちゃヤバい関わりたくないって目でこっち見てるーーー!!
「果南ちゃん諦めて!!あそこに鞠莉さんがいるでしょ!」
「鞠莉、ハグしよ」
「オーーーッマイガーーーー!!?」
そして、私と鞠莉さんは共にダッシュであります!!
「曜ォォォオオ!?私を売るのデェェスカァ!!!?」
「鞠莉さんはハグ慣れしてるでしょうが!!」
「ダメでーーーす!!果南のベアハッグをもう一度受けたら私は死にマーーース!!!」
「ハグを……ハグをくれ………!渇きが、死ぬ、渇いて!ううう゛う゛う゛!!!」
「ノォォオ!!!ハグを渇望するあまり狂化したデェェス!!!」
「ハグ、しよおおおおおお!!!!!」
「「ぎゃあーーーーー!!?」」
人間業とは思えぬ跳躍で私たちは捕らえられ、そして、ハグを………
─────と思ったところで、私は跳ね起きました。恐怖で震えが止まらないであります。
真夏の怪談に、千歌ちゃんに話そうと思います。
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クール千歌
鞠莉ちゃんが部室に、一つ、千歌ちゃんによく似た、膝の丈ほどの小ささのメカ人形を置きました。その名もクール千歌。なんでも、最新鋭の学習機構を積んだAIらしく、適宜正確な応答を出せるそう。早速、初日から使用者が続出であります。
おや、花丸ちゃんが血相を変えて飛び込んできました。何事だろう。
「千歌ちゃん千歌ちゃん!!大変だよぉ!!ルビィちゃんが飴を床に落として割ってがん萎えしてるずらー!!「我が心に一点の曇りなし……飴が正義だ……去るがいい……!」ってキャラ崩壊しながら図書室に篭ってるずらーー!!!あれは心が曇天に腐りきってるゲロ以下の臭いがプンプンするずらーー!!!」
長いしメッチャ暴言なんですけど!!こんな子だっけ花丸ちゃんて!?
私のツッコミでは最早役不足!!
しかし、ここは『クール千歌』こと千歌ちゃんメカ。最新鋭の技術は伊達じゃない!
「なぁーーにぃーーー!!?やっちまったナァーーーッ!!!」
目を赤く光らせて、絶叫するはクール千歌。なんでも、音声は千歌ちゃん本人がアフレコしたらしく……よく引き受けたなぁ。
しかひ!あ、噛んだ。しかし!この後、花丸ちゃんは自ら考えた答えをクール千歌に言わなければならないのであります!正解するか、逃げ出すまで、クール千歌は同じセリフを言いつづけるのであります。地獄!圧倒的責め苦!!花丸ちゃんは果たして耐えられるのか!?
製作を指揮した鞠莉ちゃん曰く「答えは自分で見つけた方が勉強になりまーす!!」だそうで……。
「じゃあ、花丸ちゃんは黙って!?」
「ル、ルビィちゃんのそばにいる!」
「ブッブーッッですわぁぁwww」
「ずらぁ……」
あ、煽ったであります!
製作を指揮した鞠莉ちゃん曰く「煽ることで負けん気を沸かせまーす!!」だそうです。ダイヤさんに聴かれても私は知らないからね!?
それにしても、ムッとした花丸ちゃんの表情も可愛いですなぁ。
「花丸ちゃんは黙って!?」
「飴玉あげる!!」
「惜しい!そこまできといて答え出ないとかバカなの!?あ、バカだったww」
「な、ななな、なにを言うズラァーーーッ!!!許さん!!」
激しく煽るクール千歌。ついに憤怒の花丸ちゃん、意外と煽り耐性が無いところも可愛い。
「花丸ちゃんは黙れ!?」
あ、暴言。
「もういいずらこのバカロボット!!飴玉買ってくるズラァーーーーッッッ!!!」
「それ正解!!あげるんじゃなくて、買ってくる!!!」
「細かいズラァーーーーッッッ!!というかパシリズラァーーーーーーッッッ!!!ズラァーーーーッッッ!!!」
こうして花丸ちゃんは、いつになく激しいダイナミズム的な、なんかすっごい動きで部室を出ていったのであります……。
***
「千歌ちゃん千歌ちゃん!大変なのよ!!私がベッドの下に隠してた成人向け同人誌の位置が動いてた!!これは親バレの可能性微レ存の件でゴザルゥゥッ!微レ存の可能性でゴザルーーーーーーゥゥッ!!!ヒイイイーーーーッ!!!」
なんかヤバいオタク来たーー!!と思ったけど、梨子ちゃんなら納得………。驚かせるであります。それにしても、窓の縁に腰掛ける私に気づかないとは。よほどの動転のしようでありますな。ちなみに私見では、微レ存どころか親バレ確定コースでワロタ、であります。
「なぁーーにぃーーー!!?やっちまったナァーーーッ!!!」
こんなにどうでも良い質問にも応対するクール千歌。意外と優しい仕様なのかもしれない。
「梨子ちゃんは黙って!?」
「隠蔽!!!」
「…………」
「…………」
「…………はぁ〜………」
「ま、ままままま!?」
呆れた様なクール千歌のため息に、文字通り二の句を言えない梨子ちゃん。なんか憐れみが深い。
「梨子ちゃんは黙って!?」
「隠す!!」
「さっきと同じこと言っちゃってるよこの子、知能指数10しかないのかな。もぉー、私しんぱ〜い!」
「ほ、おほほほほ………」
いつになく歪な笑いの梨子ちゃん。
「梨子ちゃんは黙って!?」
「あの、もしかしたら、バレてるかもなぁって……」
「それ正解!やっと現実が見えたねおめでとう!!!」
「あ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!ヴゥワッハァァアッッン!!こんなん同じやて!誰が隠しても同じやてエエエエッッ!!ヒッヒィエエエエエッッ!!!運命を゛!あ゛ッッア゛ーーーッ!!変゛えだい!!」
…………もう、何も言うまいて。
私は、部室を後にする事を決めたのでありました。
***
その後、低評価続出で、部室からクール千歌ちゃんが撤去されたことに関しては、まあ。当然の摂理といいますか。
***
そして、目を覚ませば、窓の向こうに朝ぼらけ。
悪夢にも慣れた私の日常は、これからも続く………
〜fin〜
ご愛読ありがとうございました!!
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