比企谷八幡、提督に着任する!? (しーや(厨二全開))
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彼は死んでも尚変わらない

初めまして!!しーやです!
最近艦これのSSを読んでいて自分も書いてみたいと思った所存です!
にわか知識とかあるかもなのでそこは暖かい目で見守ってください


死、それは必ず平等にやって来るものでありそれがいつ、どのように来るかなど今の科学では分からないものである。さて、人が死と聞いて何を連想するだろう。天国?地獄?それとも真っ暗闇?生まれ変わり?..否、答えは真っ白な空間である。ちなみにソースは俺。とりあえず何が言いたいかと言うと

 

八幡「..神様仕事しろよ」

 

私こと八幡は、入学初日ということで浮かれていたわけではないのだがかなり早い時間に家を出てしまっていたのだ。ほんとに浮かれてたわけじゃないよ?ハチマンウソツカナイ..話を戻そう。その通学途中に犬が轢かれそうになっててそれを助けたら..今この状況になっていたということなのです。

 

八幡「はぁ..俺死んじまったのか。せめてマッ缶を最後に飲みたかった」

 

??「なんじゃ..意外と人生最後のお願いがそれか?」

 

八幡「うひゃァ!!!?」

 

うわぁ..びっくりし過ぎて変な声出ちゃったよ。恥ずかしい、もう死にたい。あ、もう死んでる

 

??「おい..そんなに驚かんでもいいじゃろーに」

 

八幡「え、えっと..」

 

??「まぁまぁ..落ち着くのじゃ」

 

誰のせいで驚いてると思ってるの?あなたみたいな美少女が目の前に現れたらそりゃビックリするでしょ。その拍子に告白しちゃってふられちゃうでしょうが。ふられちゃうのかよ..

 

神様「とりあえず簡単に説明すると。私は神じゃ」

 

八幡「はぁ..」

 

神様ね...神様か..ん?神様?..

 

八幡「神様ぁ!!?」

 

いそいで正座をする八幡

 

やべぇ..心とか読めちゃったらどうしよう。さっき神様仕事しろよとか言っちゃったよ。いやてか声に出しちゃってたよ..あ、これ詰んでね?人生も詰んでて、人生終わった後でも積んでるって..なにそれうけるー(棒)

 

神様「まぁ心読めるんじゃがな」

 

八幡「はいすいませんでしたぁ!!!」

 

素晴らしく綺麗な土下座をする八幡

 

神様「うむ。なら罰といってはあれじゃが..お主を転生させようと思う」

 

八幡「へ?転生?」

 

転生って..あれか?よく漫画とかである..あぁ昔そういう設定で..おっとこれ以上は黒歴史が発覚するからノーコメントだな

 

神様「その考えで間違ってない。じゃが転生先は私が決める」

 

あ、心の中筒抜けってことはさっきの黒歴史も..あぁぁぁ!!もうやだお家帰りターイ!!

 

八幡「はい..どこですか..」

 

神様「う、うむ。艦これの世界じゃ」

 

あぁ..あのおっそーい!とか言うやつがいる所か。

 

八幡「はぁ..ちなみになんで俺なんすか?」

 

神様「腐ってるから?」

 

やめて!!八幡のHPはもうゼロよ!?

 

八幡「..そ、それで?何かしら特典とか貰えるんすかね?」

 

神様「まあ体はすごーく丈夫にしとく」

 

八幡「あとは?」

 

神様「それだけじゃ」

 

八幡「いや、ほら、もっと主人公っぽい能力とかないんでしょーか」

 

むしろ無いとか悲しすぎてやってけないよ?これ以上俺を傷つけて楽しいですか?あ、楽しそうですね分かります。いや分からねーよ..

 

神様「なぜ目がさらに腐り始めたかは知らんが..罰だから、これ以上優遇はできん」

 

八幡「はぁ..それで?俺は提督になるわけで、着任先はどんな感じなんです?」

 

俺の理想としては、艦娘達で仕事ができ、俺が何もしなくてもいい所が理想的。あ、料理くらいなら手伝ってやろう。なんせ専業主婦希望だからな

 

神様「まぁ..ブラック鎮守府じゃな」

 

まあ分かってましたよ。最悪だ..俺の専業主婦の夢が遠ざかっていく。死んで、転生した先でも辛いとかなんなの?むしろ地獄なんじゃないの?

 

神様「はいはい..もう説明はいいな?じゃ、行ってらっしゃーい」

 

八幡「え!?ちょ、まっ!!」

 

人生ブラックアウトした後に、今度は意識がシャットダウン、どうせ起きたらブラック鎮守府..。なんでこんなに黒いの続きなの?ホワイト希望なんだけど?




初投稿..はい!!
八幡のキャラが意外と難しく、時間がかかりました!
まあ誤字脱字、もしくはこうした方が言いなどの意見があればお願いします!


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彼は彼女達を初めて見る

とりあえず連続投稿..。暇人とかいわないの


目覚めるとそこは..

 

八幡「海だ..ん?紙?なんか書いてあるぞ?」

 

なになに?

比企谷八幡へ

無事転生出来て何よりじゃ。とりあえずすぐ近くにある赤っぽい建物が鎮守府じゃ。前任の提督が死んで新任の提督がお主ということになっとる。ちなみにその前任の提督は艦娘達をかなり酷い扱いをしてたみたいじゃ。ワンチャン殺されるかもじゃが、体を丈夫にしてあるからちょっとやそっとじゃ死なんから安心せい。

以上、神様より

 

八幡「おいおい..いきなりお先真っ暗じゃねーか。ワンチャンとか軽すぎじゃね?そんで何回ブラック味わえばいいんだよ。俺甘い方が好きなのに..」

 

そう言って結局鎮守府に向かう八幡

 

八幡「ここか?門でかいな。どっかの豪邸かと思ったわ。あ、でもここもう俺の所有地か」

 

てことは俺って結構金持ち?マッ缶どんくらい買えるんだろ。試して見る価値は..大いにある!!

 

??「あ、あの..新しい提督..でしょうか」

 

八幡「あ、ひゃい!そ、そうでしゅ!!」

 

もういきなり威厳も何も無い返事..笑うなら笑ってくれ。てかもういっそ爆笑まで行ってくれて構わない

 

大淀「..そうですか。お待ちしておりました。提督の補佐をさせていただく大淀と申します」

 

八幡「あ、あぁ。よろしく..お願いします」

 

この子..俺のあの返事を聞いて顔色一つ変えないだと!?間違いない..この子いい子や。まあ顔色は最初から最悪何ですけどね?

 

大淀「司令室にご案内します。こちらへ」

 

スタスタと歩く大淀に付いて行く俺。司令室に行く途中何人か艦娘らしき奴にあったが目を合わせたらどっかいってしまった。ま、嫌われようがなんだろうが俺には関係ないな。神様にだって好かれろだなんて言われてないし、自分のやりたいようにやらせてもらう

 

大淀「こちらです」

 

八幡「ん、ありがとさん。」

 

大淀「ヒトマルマルマルにあちらのグラウンドで挨拶をしてもらいますので、時間になったら来てください」

 

八幡「..分かった」

 

大淀「失礼します」

 

一礼して部屋を後にする大淀

 

八幡「これが、この鎮守府の資料か?」

 

見て驚愕する

 

八幡「ブラックってのはホントらしいな。ほとんど稼いだ金は自分用に使ってやがる。もしかしたら俺以上に腐ってんじゃね?それはないか..」

 

色々あさってみるか..引き出しの中に変なファイルあるんだが?怪し過ぎるだろ

 

八幡「..これは」

 

そのファイルの中身は、写真だった。前任の提督が艦娘を犯してるもので、酷いものは四肢の一部が無いものまである。

 

八幡「ブラック通り越してんじゃね?..俺も恨まれてて命まで狙われてるとかないよな?あ、神様そんなこと言ってたわ。死んでまた死ぬとかシャレにならん」

 

ふと時計を見ると挨拶の時間が迫っていた

 

八幡「やべ..行かなきゃ。てか大人数の前でなんか言うの嫌なんだけど。出来るだけ速攻で終わらそう。うんそれ以外有り得ない」

 

場所は変わってグラウンド

 

??「長門さん..新しい提督ってどんな人なんでしょう」

 

長門「さぁな。まあどんな奴でもクズには変わらんだろうな。安心しろ吹雪..私がついてる」

 

吹雪「はい..」

 

ザワザワ...

 

大淀「総員!提督に敬礼!!」

 

八幡「ぬわっ!?」

 

ビックリしたぁ!!お前らなんなの!?俺の心臓潰しに来てるだろ..大人数の前で挨拶からの敬礼とか、俺をなんだと..なんかどいつもこいつも、目が死んでる。はいそこ!お前が言うなとか言わない。俺とは違くて、なんて言うか..諦めてる?

 

八幡「コホン..えぇ初めまして。比企谷八幡です。よろしく。」

 

そう言ってその場を去ろうとする俺。うん、クール。

 

大淀「あ、あの!他に何かないのですか?」

 

八幡「はぁ..大淀。自己紹介と挨拶を俺はしに来たんだぞ?」

 

大淀「はい。存じております。」

 

八幡「自己紹介ってのは己を紹介すればいいんだろ?俺にとって名前くらいしか紹介出来るもんがないからこれ以上何も言えんだけだ」

 

大人数を前にすぐさま立ち去りたいとか..言えない。てか俺今女の人と普通に話してる!?マイエンジェルな妹の小町が聞いたら、「やった!!今日はお赤飯だね!小町お兄ちゃんのこと信じてたよー!あ、今の小町的にポイント高い☆」とか言いそう。

 

長門「つまり、提督は私達ごときに紹介することは無いと..そう言うのか?」

 

八幡「えっと..」

 

長門「長門型 1番艦 戦艦の長門だ」

 

八幡「悪いな。新米なもんでまだ全員把握出来てないんだ。ちなみにさっきの質問だが逆だ逆」

 

長門「逆?」

 

八幡「あぁ、俺みたいな何の取得もない人間がお前ら艦娘に語れるようなことは何一つもねーよってことだ。OK?」

 

あれ..やっぱり自虐過ぎた?なんか..えっ..って顔されてるし、なんか言ってくれよ。お願いします

 

長門「..そうか。だが流石に今後の予定などを話してもらわないと私達も困る」

 

八幡「今後の予定って言ってもな..」

 

提督がどう仕事をすればいいのか分からんから、その質問は俺も困るんですよ長門さんや。てか所々痣ある..ってことは、こいつも

 

八幡「はぁ..そうだな。まず今日から1週間..お前ら全員休みな?」

 

大淀「えっ..ちょっ、」

 

八幡「大淀..この資材とかって今は充分貯蓄はあるんだろ?」

 

大淀「あ、はい」

 

八幡「てことは..遠征とかいうのは今は必要ないな。次に出撃と演習だが..お前らの体の傷を見て万全な状態ではないと判断したからそれも無しだ」

 

??「その傷はテメーら提督が付けたもんだろーが!!!今更何言ってやがる!!」

 

ま、予想通り前任のせいですか。

 

八幡「いやいや..少なくとも俺じゃないだろ。前任の提督だろ?一緒にすんじゃねーよ。」

 

確か..天龍だっけか?さっきの前任が残してったファイルの写真に写ってたからな。その裏に名前も書いてあったし

 

天龍「んなの関係ねーだろうが!!テメーだってそれをしないなんて保障もない以上信じられるよ!!」

 

ここで俺、提督じゃないよなんて言ったらキレられるの間違いない無し。悪かったなんて無責任な事も言えない。頭を下げることなんて容易いが、それで相手を納得させるのは難しいものだ

 

八幡「別に信じろなんて一言も言ってねーだろ。実際前任がそういう不正をしていた事も知ってるが、俺には関係ない話だからな。お前らの中の問題だ。それで俺を信じられんって言うなら俺は別にそれで構わない」

 

天龍「関係ないだと!?ふざけんじゃねーよ!!」

 

八幡「どこがどう関係しているか言ってみろ」

 

天龍「まずテメーが提督ってところがだよ!!」

 

八幡「はぁ..じゃあ俺が提督だから、なんなんだ?別に俺はお前らから信頼や信用を勝ち取ろうなんざ微塵も思ってない。そりゃ俺には無理だ。不可能だ。むしろやる気すら起きん」

 

長門「ほう..私達のことはどうでもいいと?」

 

八幡「どうでもいいなんて思ってはないぞ。思ってたら休めなんざ言わん。はい今後の予定行ったから解散ね」

 

そう言って壇上を去る

 

大淀「どういうつもりですか..1週間も出撃をさせないなんて前代未聞ですよ?」

 

八幡「お前もどういうつもりだ?前任の提督が消えた後でもあのスケジュールっていうのは納得がいかないぞ?」

 

大淀「それは..次来た提督がどんな命令を下しても対応できるようにと、皆で話し合った結果です」

 

なるほど..こいつらは理解してるんだな。期待しても無駄、世界とはその程度。その考えは大いに結構..むしろその通りだ、なんて賞賛してあげたい。けどそれで自分の意思を曲げて自分に嘘をつくのはちがうだろ。ならどうする?自分が変わる?バカ言え、そんなの本末転倒だ。ならどうするって?新世界の神になるんだよ

 

 




次回、こっからは俺のターン


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彼は彼女達をみて初めて悲しむ

なんか数十分目を離したらお気に入りが2桁言っててビックリしました!!
UAも500を超えていてとにかく驚きです..


大淀は皆で話し合った結果と言った。でもそんなの

 

八幡「そんなの俺には関係ないだろ。お前ら艦娘にとって提督っていうのはクソみたいな存在なのは良くわかった。正直自分で言うのもあれだが俺も相当クズ人間だからな、方向性は違くともお前らにクソだと思われるのは必須だろうな」

 

大淀「何が言いたいんですか?」

 

八幡「お前らの絆は所詮飾りってことだ」

 

大淀「っ!!!あなたは!!」

 

八幡「なら誰か一人でも皆のために前任の提督に逆らおうなんて思うやついたか?まあもしかしたら前任はお前らの誰かに殺されたのかもしれんが」

 

大淀「逆らえないのは..人質をとられていたからです。自分達の姉妹艦が囚われているから不容易な行動はとれなかったんです!」

 

八幡「へぇ..で?じゃあ姉妹艦以外がその夜のお相手とやらに任命された時は?誰か私がやりますなんて名乗りでる奴はいたのか?」

 

大淀「そ、それは..誰だって嫌ですから仕方なく..」

 

八幡「だから飾りって言ってんだ。自分が助かりたいが為に他の艦娘を犠牲にしてたんだろ?それを絆って言うなら俺は、相当友達がいた事になるからな」

 

おっと、シリアスに混ぜて自虐ネタを入れてしまった。俺の悪い癖だな..テヘペロ。うんキモイ

 

大淀「..やっぱり、あなたも前の提督と変わらないのですね」

 

八幡「クソな所は変わらんかもな。むしろちゃんと仕事してくれた前任の方がマシかもな」

 

大淀「そうですか」

 

八幡はその場を去る。場所は変わって司令室

 

八幡「1週間何をしようか。ま、とりあえずベストプレイス探しでもするか」

 

散策を開始して30分

 

八幡「とりあえずここにするか。日差しもいい感じだし、海風も感じられる。ゆっくりするには素晴らしいい場所だ」

 

その場所とは鎮守府をでてすぐの所にある防波堤のような所である。

 

八幡「ま、とりあえずやる事やったし帰るか。提督らしい事はなんもしてないけど」

 

帰りの途中に食堂らしき場所が目に入った..

 

八幡「..何、食ってんだあれ」

 

駆逐艦だろうか、その子が持ってるトレイの上には黒くドロドロしたものと変な固形物が乗っている

 

おいおい..冗談だろ?艦娘の主食ってあれなの?..この匂いは、オイル?..燃料か!!なるほど..食費を削るなら食事という行為を補給にすればいいって考えか。

 

八幡「ま、理にかなっていて、効率的だ。でも..非人道的だ」

 

そう呟き司令室にもどり資料を漁る

 

八幡「これか..まあこんなもんか?どのくらい必要なのかよく分かんないんだが」

 

ん〜こういう時人を頼れる人間が羨ましい..。聞きたいけどなんせコミュ障なもので聞けない。くそぅ!!どーすればいいんだ!!

 

と、頭を悩ませていると

 

コンコン..

 

大淀「失礼します..書類をお持ちしました」

 

八幡「お、おう。ありがとう..なぁ大淀」

 

大淀「..な、何でしょう」

 

なんで怯えてんだよ、俺が悪いの?ただ質問しようとしただけなのに..聞こうにも聞けないよ。俺、意外とヘタレなのか

 

八幡「いや、悪い。何でもない」

 

大淀「そ、そうですか。それでは失礼します」

 

そう言って部屋を出る

 

八幡「はぁ..まあ他に何にお金使っているか調べてからだな。めんどくせー。でも食費に関しては専業主夫の仕事だから仕方ないか」

 

未だに専業主夫を諦めない八幡である

 

八幡「まあ結果と言っては..電気代は普通に払ってるが、食費は全部自分の金にしてるって感じか。そう言えば前任の資産ってどうなったんだ?」

 

色々資料を漁った結果、半分は親族もう半分は鎮守府のになってるらしい。

 

八幡「なるほど..とりあえず電気代のことも考えてこのくらい食費にまわすか」

 

金を封筒に入れて厨房にいく八幡

 

今の俺、超仕事してる感あるくね?こりゃ一大事だ!!この俺が仕事してると小町が知ったら..って今考えると小町以外まとも話す人いなかったのか?ま、小町いれば充分だな。うんシスコンじゃない

 

八幡「あのぉ..ここには責任者みたいなのはいましゅかね」

 

超仕事してる感だしてもやはり八幡は八幡であった

 

??「て、提督さん!?あ、えっと間宮さん」

 

間宮「鳳翔さんそんなに慌ててどうし..提督さん」

 

鳳翔「えっと..間宮さんに用があるみたいで」

 

おどおどしながら答える

 

俺ってそんなに怖いのか?この目を除けば意外と高スペックな顔してると思うんだけど。やっぱり目なのか目なんですね!!八幡悲しい..

 

間宮「なんの..用ですか?」

 

八幡「あ、えっと、食費の件なんですけど..」

 

思わず敬語になっちゃったよ!この空気どうにかして!!神様仏様助けて!!

 

と、ふざけたことを考えていると間宮が目の前から消え

 

八幡「..え」

 

土下座していた

 

間宮「これ以上資材を削られたら子供達全員にですら補給がままなりません..。私でよければ何でもしますから!これ以上はやめてください!!」

 

今の話を聞くと補給のための燃料ですら削ってたってことか。効率的を通り越して非効率的になっちゃったよ。前任は意外と考えることは冴えてんだなって思ってたけど前言撤回..論外だ

 

八幡「はぁ..食材って今どのくらい残ってんだ?」

 

間宮「え..あ、もうないです」

 

八幡「なるほど..つまりはここ最近はあの燃料と変な固形物だけしか食べてなかったわけだ」

 

間宮「はい..半年前から、完全に」

 

八幡「一つ質問いいか?」

 

間宮「は、はい」

 

八幡「艦娘は普通の食事をとっても平気なのか?」

 

間宮「も、もちろんです!」

 

正直食事の方も補給に殆ど近いものって考えてたけど違うのか。補給と食事は別でも平気..ね。前任がやってきたことを参考にした俺が馬鹿だったか

 

八幡「はぁ..まあいいや。ほれ、今月の食費だ」

 

そう言って紙をみる

 

鳳翔「こ、これって!?」

 

間宮「ほ、ほんとにこんなに!?」

 

八幡「たりるか?」

 

「「は、はい!!」」

 

泣きながら言うもので八幡は顔を逸らしてしまった

 

八幡「そのだな..1週間仕事無しって言ったけど食材を町に買いに行ってくれないか?俺が行っても荷物が多すぎて無理だわ」

 

間宮「わ、分かりました!!」

 

八幡「明日の朝からちゃんとした飯を食べさせてやれ。そんで食費を出すかわりに条件がある」

 

一気に2人の顔が暗くなる

 

八幡「俺のご飯も作ってくれ」

 

キョトンとした顔をしている2人

 

間宮「そ、そんな事でいいんですか?」

 

八幡「ま、確かにこの金額でご飯作るだけってのは割に合わないな」

 

鳳翔「な、なら..」

 

八幡「悪いが俺には毎朝早起きしてご飯を作る気力が全くもって皆無だ。でも食べなきゃ腹減って死んでしまう。まあ..あれだ..今まであのアホみたいな環境で頑張ってくれてたからな。そのお詫びだ」

 

間宮「そ、そんな..」

 

八幡「俺は貸しを作るのは好きだが借りを作るのは嫌なんだよ。ほら、時間なくなるぞ?さっさと買い物いけ」

 

そう言って厨房を後にする八幡

 

今まで頑張った..か。何知ったふうな口聞いてんだか。相手の事を理解するなんて無理、そりゃ欺瞞だ。そんなありがた迷惑な言葉なんざいらなかったな。多分俺みたいな底辺の人間が言うんじゃなくて、周りの、少なくともあの2人の努力を知ってるやつが言うべきだったな。俺も..甘いな。ま、だからマッ缶が好きなんだよね。どうでもいいですねすいません。




意外と沢山の人が見てくれてることに感激です!
これからもよろしくお願いします!


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彼と彼女達の朝食

なんか一気にuaが増えてたので連続投稿しようと思います笑
感想もいくつかもらってやる気に満ち溢れてます笑

あと艦娘の紹介がなかなかめんどくさいのでこれから初登場でも名前は普通に書いちゃいますね笑


 

そして次の日、〇7〇〇時

 

長門「ほう..これをあの提督が」

 

間宮「はい」

 

響「何か酷い条件とか言われなかったのかい?」

 

間宮「条件はありましたがそれほど酷いものではなかったですよ」

 

天龍「おい間宮..無理しなくてもいいんだぜ?」

 

間宮「いやほんとに大したものじゃなかったんですよ」

 

金剛「その罰とはなんだったんデース?」

 

間宮「1週間休みって言ったけど買い物と料理はしてくれ、でした」

 

金剛「what?」

 

天龍「いやいや..あの提督に限ってそれはねーだろ。だって目が腐ってるし」

 

八幡「腐ってるは余計だ」

 

天龍「うひゃっ!!?」

 

八幡「..なんだよ」

 

むしろ反応が良すぎてこっちもビックリしちゃったよ。自分で言うのもあれだけどステルスヒッキー..侮れん

 

響「司令官..間宮さんに対しての罰はほんとかい?」

 

八幡「響だったか?お前は仲間の言葉も信じられないのか?」

 

響「そんなことはない..ただ司令官が無理矢理そう言わせてるのかもしれないと踏んだからだ」

 

八幡「..なるほどな。けど残念ながら間宮の言ってる事は本当だ」

 

ていうか..普通に意見反論してくるじゃん。なんなの?舐められてるの?

 

響「っ..な、なんだい?」

 

いや、舐められてないわ。普通に怖がってるわ。てことはただ間宮の事を気にしただけか..なんだ、意外と絆ってやつはあるんだな。..なんか俺以上に絆って言葉似合わないやついなくね?これちょっと自慢出来るわ

 

八幡「いや、仲間思いでなによりと思っただけだ」

 

大淀「全員席につきました」

 

さて..何から話すかな..

 

八幡「あ〜..まず久しぶりの飯だってのに邪魔して悪い。色々報告したくてな。まずは食費に関してだ..とりあえず金庫に恐らくお前らの給料から盗った金と食費から盗った金両方が出てきた。けど結構使われててな..恐らく合計の2割程度しか残ってなかった。まあ結果的に俺の独断で食費にまわしちゃったわけなんだが..お前らはそれでよかったか?」

 

長門「..質問の許可を」

 

八幡「これから許可なんてとらんでいい。なんだ?」

 

長門「....貯金を全部食費にまわしてしまって平気なのか?」

 

八幡「一応本部?から戦果をみて報酬が送られるらしい。ここの鎮守府はブラックだったから次の支給でかなりの額が貰えるはずだ。ちなみにお前らの給料なんだが来月からはちゃんと俺が払う。今月分の先払いを申請したんだが通らなかったわ」

 

暁「え、じゃあこの1週間に町にでて何も出来ないじゃない!」

 

八幡「間宮..お金の残りはどのくらいある?」

 

間宮「そ、それなりにはありますが..全員は無理かと」

 

八幡「んじゃ..そこから駆逐艦にだけ配布してくれないか?皆には悪いが今回はちっちゃい奴らに譲ってくれ。ま、嫌だといっても聞かねーけどな」

 

間宮「わ、分かりました」

 

八幡「他になにか質問は?」

 

金剛「これから提督はこの鎮守府をどうする気デース」

 

八幡「どうする気..か」

 

俺はどうしたいのか..まあとりあえず自分が楽してやっていければいいんだが、今のこいつらの警戒心とかじゃ俺の気持ち的に楽になれん。嫌われるのは大したことじゃないが目の敵にされるのは勘弁してもらいたい

 

八幡「そうだな..金剛はどうしたい?」

 

金剛「私は..皆が笑っていける鎮守府がいいデス」

 

八幡「なるほど..まあ約束はできんが善処はしよう」

 

時雨「そんな..そんな言葉..信じられるかァァ!!!」

 

八幡「うわっ!!なんだよ急に..ビックリするだろ」

 

時雨だったか?確か姉妹艦の夕立が轟沈しちゃったんだっけか?まあそれは前任の命令で無理矢理とかなんだろ?俺関係ないじゃん

 

時雨「お前らは..夕立を..夕立を、死なせた!!」

 

八幡「轟沈したことは確かなんだが、それを俺のせいにするな」

 

時雨「なんだと!?」

 

八幡「どうせお前はその夕立が沈んだ事実を素直に認めたくないだけなんだろ?自分が楽な方を選んでるだけだ。そうだろうな..なんせ自分の姉妹艦が沈んだ理由を誰かのせいにして、悲しむ前に俺を恨むんだから」

 

時雨「ち..ちがう!!お前に何がわかる!!お前みたいなクソ野郎に僕らの何がわかるんだ!!」

 

八幡「いーや違わない。どうせ前任の提督が死んだ時に、夕立..僕やったよ。とか言ってたんじゃないか?」

 

時雨「っ..ち、ちがう!!僕じゃない!!」

 

八幡「そうか..殺したのはお前じゃないのか。」

 

時雨「あっ..」

 

八幡「はぁ..お前は馬鹿だな。安心しろ別にここの前任が殺されてようがなんだろうが別に俺はどうでもいい。因果応報ってやつだ。けどな..自分が可愛いからって誰かにそれを押し付けるのはやめろ。何が言いたいか分かるな?」

 

まあホントはどうでもよくないけどね!?俺まで殺されるかもって事じゃん..マジでもう勘弁して

 

時雨「でも..」

 

長門「時雨..そこまでにしとけ」

 

八幡「そうだな..飯が冷めるから、いただきますの合図は大淀頼んだ」

 

大淀「は、はい。いただきます!」

 

艦娘達「「いただきまーす!!」」

 

おぉ..皆幸せそうに、いや泣くほど!?そんなに不味かったのか..

 

電「美味しいのです!!」

 

暁「おいじいよぉ〜!!!!」

 

あ、そういう..ま、俺はベストプレイスにでも言って食べますかね

 

スタスタ

 

八幡「ん、うまいな」

 

時雨「提督..」

 

八幡「ん?なんだよ..俺は今至福の時を過ごしてるんだ。邪魔すんな」

 

時雨「さ、さっきは..ごめん、なさい」

 

八幡「ああ..はいはい」

 

そう言えばこの鎮守府マッ缶あったか?

 

時雨「罰は..な、なんでも、受けますから」

 

八幡「あぁ..そーなのか。はいはい」

 

そもそも自販機すら見たことないんだけど..今度経費使って箱買いするか?

 

時雨「あの..提督?」

 

八幡「そりゃすごいなー(棒)」

 

箱買い..マッ缶を!?なんてこった、提督って実は俺にとって志向の職業だったり!?

 

時雨「提督!!」

 

八幡「うわっ!!なんだよ..ビックリさせんな」

 

時雨「罰は..なにもないの?」

 

八幡「は?」

 

時雨「え、もしかして聞いてなかったのかい?」

 

八幡「あぁ..聞いてない。聞く必要性がないかと」

 

普通こういう場面は、聞いてたぞ!!とか言うんだろうが..残念ながら相手が俺だ。嘘をつく必要もないから本音を言わせてもらっただけだ。

 

時雨「そっか..」

 

八幡「さっき罰って言ったな」

 

時雨「え、あ、はい」

 

そんな急にかしこまらんでも

 

八幡「近くのスーパーに行ってマッ缶買ってきてくれないか?」

 

時雨「え、それだけ?」

 

八幡「残念ながらそれだけだ」

 

何この子..そんなに残念なの?マゾヒストなの?いくら可愛くてもそれはちょっと引くな..

 

八幡「ほれ..金だ」

 

時雨「うわっ..じゃ、じゃあ行ってくるよ」

 

八幡「余った金は好きに使え」

 

またもや凄く残念そうな顔してらっしゃるよ..全くもってマゾヒストの集まりかここは..ま、これで存分に朝飯が食える。はぁ..仕事めんどい




夕立ファンの方申し訳ございません..


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彼はやはり死んでも群れない

うーん..次の話オナシャスなんて言われたらやらざるおえない..。てか沢山の方々が見てくれていて感激通り越して緊張してます笑


 

朝食が終わり執務室に戻る八幡

 

八幡「ただの書類整理なんだが、この鎮守府のことが書かれてっからちゃんと目を通さなきゃなんだよなぁ..。量がありすぎて腐ってる目がさらに腐っちゃう」

 

書類を書類の種類別に分けてまとめて置いておく

 

八幡「..まとめただけ、だが、俺は休憩することを惜しまない!!」

 

むしろ俺に働けとか言うやつに対して言ってやりたい..お前はアホかと。俺は働く為に生まれてきたわけじゃない。働くにせよこんな強制的にじゃなくて、もっと「腹減ったからご飯作ろ」的な気持ちで働きたい。あと毎日それを永遠と続けるのは苦痛だからな..。冬とか冬眠して〜。あと群れを作らないで1人で生きていけそうなのがいいな。そう言えば前に動物百科事典で熊は1人で生きていけて冬眠もするとか書いてたな。次死んで生まれ変わるとしたら..私は熊になりたい。てか、1回死んでるんだけどね

 

コンコン..

 

八幡「はいどーぞ」

 

時雨「..失礼します。これ買ってきたよ」

 

八幡「おぉ..さんきゅー」

 

待ちに待った俺の好物..マッ缶がやってきた。これ絶対本部に支給しよう。あとで書類書いとこ。仕事しろって?書類かいてんじゃん

 

時雨「ジー..」

 

八幡「な、なんだよ」

 

時雨「提督は..私達をどうしたいの?」

 

八幡「どうしたいか..」

 

正直に言おう..関わらないでほしい。それが無理でも必要最低限の関わりあいがいい。あとは黙って仕事をしてくれたらなんの文句もない..欲を言えば俺のもやってほしいが、それだと結局こいつらとの会話時間が増えるからダメだな。こいつらがやりたいとか言ったらやらせるけどな。言ったら怒られるだろうな..でもこいつらに遠慮する義理はないし、嫌われてるなら尚更もっと嫌われて関係を極力なくすのが理想的か

 

八幡「そうだな..出来ればお前らに関わりたくないな。それが無理なら必要最低限の会話で済ましてほしい。お前らはお前らで好きに過ごしてもらって俺は俺のやりたいように過ごす。そんな鎮守府が目標だな」

 

時雨「..ぷっ、はははは!」

 

八幡「笑うんじゃねーよ。こちとら大真面目だぞ?」

 

時雨「君..クソみたいな人だけど前の提督とはちがうクソ提督だよ」

 

こら!女の子がそんな汚い言葉使うんじゃありません!八幡怒っちゃうぞ!?うんごめんキモイ

 

八幡「クソとか言うなよ。底辺の人間なら分かるけどクソはないな。そんな不潔な存在になった思い出はないからな。むしろ俺純白の白」

 

時雨「その目を見る限り白ではないかな?」

 

八幡「目は関係ないだろ」

 

この生ぬるい感じ....たまらなく嫌になる。俺が最も嫌った、馴れ合い。片方は信じても片方は利用してるだけ、人っていうのはやはり根本的に楽をしたがる。助け合って生きる?馬鹿言え、そんなの欺瞞だ。いや、自分を正当化するための言い訳。そんなクソみたいな関係なら最初から無い方がマシ。そういえば人っていう字はお互いを支えあって出来てるんだっけか?俺には片方が寄りかかってるようにしか見えんがな

 

時雨「ねえ..一口ちょうだい?」

 

八幡「はぁ..今のうちに優しく接して俺のご機嫌とりか?」

 

まあとどのつまり..そんな関係を求められるなら、俺はそれをあっさり切り捨てる

 

時雨「え、ちがうよ!」

 

八幡「なら今まで罵倒の目で見られた俺を慰めてんのか?」

 

時雨「だから違うって..僕はただ、提督と仲良く..」

 

八幡「無理だろ。俺は提督、お前は艦娘。そんでもってお前らは提督を恨んでる」

 

時雨「それは..これから何とかしていけば」

 

八幡「誰が?」

 

時雨「え..」

 

八幡「俺が?なんでそんな事しなくちゃいけないんだよ。」

 

時雨「でも..皆に優しくしてくれたじゃないか」

 

八幡「それで俺を信じるとかやめとけよ..。人っていうのは残忍な生き物だ。他人を簡単に裏切る。挙句の果てにはストレスのはけ口すら作らなきゃやってけないと来た。それを身体で学んだってのに、また同じ過ちを繰り返すのか?」

 

時雨「じゃあ..君もあいつと同じことをするのかい?」

 

八幡「するつもりはない、する度胸もないけどな。それでも俺はお前らと馴れ合うなんて無理だ」

 

時雨「なら..どうして優しくするんだ!」

 

八幡「優しくなんてしてないさ。ただ働いたやつにはそれ相応の対価を支払ってるだけ。当然のことだろ?だからお前らの提督に対するトラウマをどうにかしようなんてこれっぽっちも考えてない。むしろ今のままの方が俺は過ごしやすい」

 

時雨「君は..いや君も怖いんだね。裏切られるのが」

 

八幡「いーや違う。裏切られるのが怖いんじゃない、裏切られるって分かってるのに一緒にいるとかマゾヒストだろ。気持ち悪いわ」

 

時雨「でも周りに誰かいた方が楽な時だってあるよ」

 

八幡「そりゃ価値観の違いだ..お前はそう感じるのかもしれんが俺はそうは感じない」

 

時雨「そっか..じゃあ提督とは分かり合えない、のかな」

 

それは違う..

 

八幡「分かり合える合えないじゃない。分かり合う必要がないんだよ」

 

時雨「..うん、分かった。ごめんね一人の時間を無駄にして。でもいい鎮守府にしてくれることをちょっと期待してるよ」

 

八幡「いーや、気にすんな..。はっ、俺みたいなのが出来ると思うか?」

 

時雨「うーん..やっぱり期待出来ないかも。」

 

八幡「だろ、まあそういう事だ」

 

時雨「うん。またね」

 

そう言って時雨は部屋を出ていく

 

八幡「はぁ..」

お互いに期待しない、期待されないというのは結構楽でいい関係なんじゃないかと俺は思う。まぁ、ほら、パンドラちゃんが持ってた箱の中にはあらゆる災厄と一緒に希望が詰まってたっていうじゃんか。あれだよあれ、希望も災厄ってことだ

 

俺結構上手いこと言ったわ




八幡のセリフ..少しパクリました(๑>؂•̀๑)テヘペロ
ま、これで今日の投稿は終わりですかね笑


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彼は風呂場でボッチ力を発揮する

沢山の感想がきて気分が高揚してます笑
これからも何とぞお願いします!


ーー艦娘sideーー

 

天龍「し、時雨!大丈夫だったか!?」

 

時雨「うわっ!!ビックリした..えっと、買い物に行かされたけどそれ以外はちょっとお話しした程度だよ」

 

長門「ほう..それで?何の話をしていたのだ?」

 

赤城「ふぉれ、わひゃひも..」

 

加賀「赤城さん、飲み込んでから喋ってください」

 

時雨「うーんとね..提督は私達をどうしたいのかって感じかな?」

 

榛名「それ..提督さんは、なんて?」

 

時雨「極力関わりたくないだってさ」

 

艦娘達「「は?」」

 

時雨「そうなるよね..なんかある意味新しい提督だよね」

 

 

場所は変わって八幡side

 

八幡「お前..何のつもりだ?」

 

??「お命頂戴する!」

 

まさかのこういう展開!?いやまて!俺は転生者だ!!更にまさかの俺はTUEE!!的なやつがあるかもしれない!!いやなきゃ死ぬ!!

 

 

カッ

 

 

 

八幡「..夢落ちかよ、まさかの展開ってそういうヤツ?」

 

一つため息をついて起き上がる。

 

八幡「あぁ..マッ缶の配給してもらうための資料送って寝ちったのか」

 

時間は既に0400を過ぎていた

 

八幡「風呂..入るか」

 

今日1日頑張ったからな。女の子と話して、資料送って、うん。仕事しすぎだな俺..疲れとか全て流して純白な体に戻そう

 

八幡「なんだこれ..風呂が、ホラー映画の風呂みたくなってやがる」

 

俺の体を真っ白にする前に風呂場を真っ白にしなきゃだな。これは一応専業主婦の仕事なんだろうが、修繕まではできねーな

 

八幡「でもこの壊れ方と汚れ具合..あぁ艦娘達がやったのか」

 

ま、憂さ晴らしって感じか。当然だよな..でもこれは俺に対して宣戦布告か?汚れ落とせないじゃん。心も汚くて体も汚いとか..あ、いや心は汚くないな。うん

 

八幡「えーっとここは建造でいいのか?いや分からんから建造担当の艦娘は..明石か」

 

 

キーーン..

 

館内放送「あ〜、工作艦明石..至急司令室に来てください」

 

明石「ヒッ..」

 

夕張「あ、明石..私もいくよ!!」

 

明石「うん..お、お願い」

 

コンコン..

 

来たか..

 

八幡「はいれ」

 

うん、提督っぽいな俺..あ、提督だったわ

 

明石「..失礼します」

 

八幡「えっと..なんで2人?」

 

マジかよ..ぼっち相手に2対1とか勘弁してくれよ。ボッチっていうのはデリケートなんだから、そこんところ頼むよほんとに!!

 

夕張「明石が心配だったからです。勝手な行動をしてすいません」

 

まあ..お互い好き勝手やる鎮守府目指してるんだからいい傾向なのか?でもこれは今後無しにしてほしい。なんたってボッチだから

 

八幡「ああいいよ。次からは無しにしてくれよな」

 

夕張「はい..」

 

明石「そ、それで何のよう..でしょうか」

 

八幡「一つ頼み事があってだな」

 

明石は青ざめ、夕張は思いっきり睨んできてるんだが、俺なんかした?むしろされた側じゃね?何この理不尽

 

八幡「風呂が壊れててな、修理を頼みたい」

 

夕張、明石「「は?」」

 

もうこの鎮守府にて、こいつらのきょとん、とした顔何回見たんだろうか。うん、可愛い..小町には勝てないが

 

八幡「多分前任が死んだ後にお前ら艦娘の誰かがやったんだろうな。まあそれはどうでもいいとして、修理してほしいんだが..ダメか?」

 

明石「あ、えっと..そのくらいならいいですけど」

 

なにか不満があるのか..まあ調べてたらこいつらの入渠するドックが使い物にならないってのが分かってる。つまりはそこも改善してほしいなぁ..とかだろ。俺の人間観察力なめんな

 

八幡「あと..艦娘達の入渠するドックも酷いらしいな。そこも頼むわ」

 

明石「!!..私1人で..ですか」

 

あぁ..言葉足らずだったな。日本語って難しいな、いや人の心か。やっぱり俺が言うとキモイな

 

八幡「いや20人前後集める。そいつらでまず掃除から始めて、その後修理出来るやつだけ残って作業する感じでどうだ?」

 

我ながら素晴らしい作戦だ。実は提督って職業むいてんじゃね?

 

夕張「なら..あんたも手伝いなさいよ」

 

明石「夕張!?」

ほんと..度胸があるのかないのか、分からんな

 

八幡「はぁ..なら、お前ら2人で俺の部屋の風呂直してくれるか?」

 

夕張「いいわよ」

 

ま、掃除くらいならいいか

 

 

 

 

 

八幡「とか思ってた時期が俺にもあった..」

 

大変ってわけじゃない..人数もいるし、みんな手際もいいし、ただ..

 

八幡「そこまで避けられるとボッチでもつらい」

 

今までなら遠巻きにボソボソ言われたりしてただけだが、今回はまず怯えられ、逃げられ、挙句の果てには泣かれるという始末..ボッチだった頃は相手にされないって感じだったが、今は..すごく..泣きたいです

 

時雨「提督..可哀想だね」

 

天使があらわれた..

 

八幡「..時雨」

 

おっと..ニヤけそうになる顔を抑えなければ、ポーカーフェイスでいくぜ!!

 

時雨「何にやけてるんだい?ちょっとおぞましいよ?」

 

あ、バレた..おっかしいな。おい、ちょっと待て、キモイなら分かるけどおぞましいってなんだよ。俺はあれか?虫か?虫なのか!?俺のあだ名だったカエルに捕食されちゃうじゃん!!

 

八幡「いや、なんでもない。それで..なんか用か?」

 

時雨「ううん。寂しそうな顔してたから、話しかけてあげようと思ってね」

 

何この子..俺に気があるの?本気にしちゃうよ?告白してふられちゃうよ?ふられちゃうのかよ..。

 

八幡「ばーか。この顔はノーマルな状態だ」

 

時雨「ノーマルがそれってことは常日頃から寂しいって事なのかい?」

 

うわぁ..こいつウゼェ。あからさまにニヤニヤしながら煽ってくるよ。まあそのニヤケ顔可愛いんだけどね?

 

八幡「いやいやボッチなんだからそんな顔してて当然だろ?むしろ俺にとって寂しいとはイコール幸せってことだ。逆に俺寂しいとか言ってるボッチがいたら、そいつはボッチの風上にもおけないやつだからね?」

 

時雨「ちょっと何言ってるのか分かんないけど..まあ腐り果てた性格してるのはわかったよ」

 

八幡「ちょっと待て..腐ってるのは目であって、性格じゃないからな?むしろ性格に関しては神がかるレベルで良いまである」

 

時雨「目は認めるんだ..」

 

八幡「目は俺の個性だ。アイデンティティだ」

 

..周りの目がなんか痛い。そろそろ切り上げんと

 

八幡「てかお前仕事しろよ..。なんで俺働いてるのにお前は働かないんだ?職権乱用するぞコラ」

 

ふっ..このコラというのを付け足すことにより、恐怖を与えてその場から立ち去らせるという技..なづけてヤンキーヒッキー

 

時雨「そうだね..そろそろ戻らないと終わんなくなっちゃうや。あとコラって悪ぶってるけど目以外全然こわくないよ?」

 

なん..だと?俺の技が..破られた

 

八幡「はいはい..いいからもどれ」

 

シッシッ..と手でジェスチャーする

 

時雨「はーい」

 

八幡「目以外怖くないか..。勘違いしちゃうだろ。ま、ボッチには効かんがな」

 

 

やはり変わらない八幡であった

 

 




明日テストなんで多分今日は1話だけですね..すいません


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彼は疲れを洗い流す

テスト勉強..飽きました(*`・ω・´)

もう明日のことは明日の俺に任せます..。頼んだぞ、明日の俺!
まあもう0時過ぎてるからテスト今日なんだけどね..


 

八幡「だぁ〜終わったぁ..」

 

時雨「お疲れ提督。それでドックはいつから使ってもいいのかな?」

 

なんか今日は時雨とよく話すな..。というかさっきから距離が近い!意識しちゃうだろうが!ボッチと話す時は一定の距離をとることってお母さんから習わなかったの!?てか艦娘ってお母さんいるの..?

 

八幡「..まあ、今から使いたいやつは自由に使っていいぞ?」

 

時雨「ほんと!?だって、皆!」

 

電「久しぶりのお風呂なのです!」

 

暁「レディの嗜みとして当然よね!」

 

ふっ..風呂がそんなに嬉しいか?なら俺に感謝しろよ?俺が風呂を修理する許可だしたんだからな!....あれ?俺そんなに大したことしてなくね?むしろお風呂に負けてる気が。ここで突如浮上する、八幡より風呂の方が存在価値がある説。

 

八幡「俺は風呂にすら勝てねーのかよ」

 

響「司令官..ドックの解放、ありがとう」

 

八幡「んあ?ああ気にすんな。自分のためってのもあるからな」

 

響「司令官..もしかして覗くつもりなのかい?」

 

おいおい..俺をそんな犯罪者予備軍みたいな目で見んなよ。確かに目に関しては何回か犯罪者みたいって言われたことはあるが、犯罪を犯したことは1度もない!親に迷惑かけたらスネかじれなくなっちゃうでしょうが!

 

八幡「悪いが俺にはそんな度胸はない。それにそんな事する暇あったら自分が風呂に入る。むしろそっちの方が有意義に感じるまであるぞ」

 

響「なんか、癪に障るけど..気にしないでおくよ。ちなみに何のためにドックを綺麗にしたんだい?」

 

八幡「明石と夕張に俺が入る風呂を修理してもらうため」

 

響「それってこんな面倒なことをしなくても、命令をだせば済んだ話なんじゃ..」

 

八幡「はぁ..誰に話したか忘れたが、俺は借りを作るのが嫌でな、だからあいつがドックも直したいって言ったからこうしたわけだ。これで貸し借り無しだろ?」

 

むしろ仕事量に関して考えると俺の方が働いてんじゃね?って思いたくなるがな!!

 

響「..時雨が言ってた通り変な提督だな。私達相手に貸し借りを気にする提督なんてなかなかいないよ」

 

八幡「ボッチは平等主義者で平和主義者なんだよ。それにお前らが艦娘だろうが兵器だろうが、俺には関係ない」

 

いや、関係はあるか?ま、どっちでもいいか

 

響「司令官は..艦娘のことを兵器だと思うのかい?」

 

八幡「まあ、他の提督がどう思ってるかは知らんが..俺は少なくとも兵器だと思うぞ」

 

俺には艤装なんて出せないし、持てないからな。

 

響「っ..そうか。まあそうだろうね」

 

八幡「でも、飯食ってる時とか、掃除してる時は普通の女の子に見えるけどな..あれで兵器とかもはや詐欺なんじゃね?っておれは思う」

 

響「..何言ってるのか分からないんだが?」

 

八幡「話は変わるが、お前は自分が嫌いか?」

 

響「なんだい急に..少なくとも、この汚れた体を好きになる事なんて無理だ」

 

八幡「そうか..ちなみに俺は自分の事が大好きだね。顔とかじゃなくて性格の方な?そんなナルシストじゃないからね?」

 

響「そんなにひねくれてるのにかい?」

 

八幡「馬鹿言え!そこがいいんだろうが..他の奴らとは違うんだぞ?つまり特殊ってことだ。英語で言うとスペシャルだ!なんか優れてる気がするだろ?」

 

響「ぷっ..ははは!なんだいそれ..」

 

八幡「まあつまりは、兵器なのにあんなふうに笑ったりできるお前らも特殊ってことだよ。そう考えると自分が優れてるって感じになるだろ?」

 

響「ポジティブなんだね」

 

八幡「それはないな。いつも最悪な状況を想定して最善の行動をするのがボッチだ。これがポジティブに見えるか?」

 

響「じゃあ..捻ティブだね」

 

八幡「なんだそれ、変な名前つけんな。つけるならせめて国語辞典にのってるやつにしろ。反応しずらいだろうが」

 

響「なんか..普通の提督とはまた違う考え方するんだね」

 

八幡「それはお前の価値観の違いだろ。俺にとっちゃこれが普通なんだよ」

 

響「Спасибо」

 

八幡「は?なんだって?」

 

響「なんでもないよ..見た目に反していい人でよかったよ」

 

八幡「何言ってんだ?1週間休んだら死ぬほどこき使ってやるつもりだからな。俺が楽するためにお前らには頑張ってもらう」

 

目標は1日中ベストプレイスでマッ缶を飲みながら過ごせるくらいだな。

 

響「..まあ嫌な事されないくらいマシさ」

 

八幡「俺も嫌なことしたくないのには同意だな。だから仕事もしない。..さてと、なんか風呂に入る準備終わったっぽいから行くわ」

 

響「聞き捨てならないけど..まあいいさ。あ、そうだ司令官..」

 

八幡「なんだ?」

 

響「私も少なからず期待してるよ」

 

八幡「なんかデジャブるからやめろ。ボッチに期待するだけ無駄ってことを教えてやるよ」

 

そう言ってドックを後にする八幡

 

時雨「ね?言っただろう?前とは違うって」

 

響「なぜだろう..違うんだけれど、ある意味残念な方で違う気が..」

 

時雨「..分かるよ、その気持ち」

 

 

 

 

八幡「おーい、俺の部屋の修理は終わったのか?」

 

明石「はい..終わりました」

 

夕張「石鹸とか置いといたけどそれ以外のやつは自分でなんとかして」

 

相変わらず冷たいなぁ..まあ媚び売られるよりマシか。むしろこれが俺に対しての正しい接し方だわ

 

八幡「ありがとさん。じゃあお前らも風呂に入ってこいよ」

 

明石「え、でも..」

 

八幡「飯の時間までまだ少し時間あっから早めに入った方がいいぞ」

 

夕張「ねぇ..あんた何考えてんの?まあどうせいやらしい事しか考えてないんだろうけど」

 

八幡「おいちょっと待て..世の中男が全員性欲まみれなわけあるか!もっとほかの事考えてるわ!」

 

例えば..世界平和とか?あとは..特に無いかな。

 

夕張「信じられないわ..そんなの」

 

八幡「あ〜はいはい。別にそんな事どっちでもいいから早くて出てけ。俺はそれよりも風呂に入りたいんだよ」

 

夕張「はぁ!?そんな事って何よ!」

 

明石「夕張..ちょっと落ち着いて?あんまり言うと何されるか..」

 

そうだぞ?俺は提督だからな..何でもできるんですよ

 

八幡「明石の言う通りだ。俺との無駄な会話なんざやめとけ。いい事ないぞ?」

 

ちなみに言うが俺にもいいことが無い

 

夕張「もういいわ..。それじゃ」

 

明石「まってよ!..あ、失礼しました!」

 

 

 

 

八幡「はぁ〜..風呂入るか」

 

この後飯食ってどうするか......寝るか

 

 




疲れたんでもう寝ます笑


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彼は自分を最強と自負する

若干シリアスっぽくなりますが..がんばります。


チュンチュン..

 

あぁ..鳥の鳴く声が聞こえる。どうしてこんなにも耳障りなのだろうか。

 

ヂリリリリリリリ..

 

あぁ..目覚ましがなっている。俺は目覚ましを作った人間を許さない。昔小町が起こす前に目覚ましがなり起きてた事があったせいで、それ以来小町が起こしにこなくなったからだ。まあつまり..

 

八幡「二度寝しよう」

 

そう言って目覚ましをけして二度寝をする八幡であった。

 

 

数時間後

 

コンコン..

 

大淀「提督?」

 

コンコンコン

 

大淀「提督!?入りますよ!?」

 

ガチャ..

 

大淀「何やってるんですか?」

 

八幡「んあ..?大淀か。なんか用か?」

 

大淀「色々突っ込みたい所がありますが..真面目な話です」

 

寝起き一発目から勘弁してくれよ。俺はボッチの中でも指折りのスロースターターなんだから

 

八幡「手短にな」

 

大淀「はい。とりあえず話すより見た方が早いと思うので、着替えて食堂に来てください」

 

そう言って出ていく大淀

 

八幡「俺の手短にって言葉聞いてたのか?全くこれだから女子は」

 

ちなみにこれは俺の友達の話なんだが.。小学校のころ合唱の授業でよく女子が「ちょっと男子ー!?ちゃんとしなさいよ」的なことをよく言うが、その友達は「ヒキタニ君の目が怖い」と言われ最終的には泣かせてしまったという。いや、俺の話じゃないよ?ヒキタニ君の話だから..。ていうか俺の目どんだけ精神的作用あるんだよ。軍事利用されるのも近いんじゃね?あ、俺じゃなくてヒキタニ君の話か

 

八幡「とりあえず、行かなきゃ後がうるさそうだからな..」

 

そう言って司令室を後にする八幡

 

 

八幡「おい、用ってなんだ..よ。..どした?」

 

八幡が見たのは、泣いている駆逐艦の姿だった。

 

大淀「実は..」

 

泣いている原因は簡単だった。町に行ったら、住人達にイカ臭いなど汚らわしいなどと罵倒されたらしい。酷いやつは拉致されそうになったまでだ。

 

天龍「おい..テメー仕組んだのか!!」

 

そう言って胸ぐらを掴んでくる天龍

 

八幡「うぐっ..んなわけないだろ..。」

 

時雨「天龍さん。離してあげてくれないかな?」

 

天龍「でもよ..」

 

響「多分司令官じゃないよ」

 

驚いた..俺のことを庇おうなんてするやつがいたんだな。いや、俺がもしかしたら天龍に罰を与えるかもと考えてか

 

天龍「ちっ..」

 

そう言って八幡をはなす

 

八幡「ケホッ..ケホッ..とりあえず状況は掴んだ。ま、ここにいてもあれだしな、みんな部屋帰れ」

 

天龍「は?それだけ?」

 

八幡「他に言うことなんてないだろ」

 

長門「貴様..少なくともねぎらいの言葉の一つでもあったらどうだ?」

 

八幡「なんだそれ..俺がこいつらに、大丈夫?とか、気にすんな、とかそんな泣くなよ、とかいえと?悪いがそんな傷の舐め合いなんざ俺はする気は無い」

 

天龍「テメー!!それが提督の言うことかよ!!」

 

八幡「都合がいいんだよお前らは。提督っていう役職に全部責任押し付けるわりには毛嫌いする。挙句の果てには嫌ってる俺に慰めろだと?嫌われてる自覚があるやつにそんな無責任なこと言えるわけないだろ。俺はお前らと同類になるなんてゴメンだ」

 

長門「言っていいことと悪いことがあるのは知ってるか?」

 

八幡「お前らは自己中って言葉知ってるか?今のお前らはまんまそれだ。前任の提督となんも変わんねーぞ」

 

天龍「..もういっぺん言ってみろ。ぶち殺すぞ..?」

 

八幡「事実を言ったまでだ。それに俺と口論する前に、他にもっとやることあんだろうが」

 

天龍「..くそっ!この話は終わってねーからな!!」

 

そう言って駆逐艦達の介抱に向かう

 

長門「本気で言ってるのはわかった..だが悪意は感じない、何故だ?」

 

八幡「悪口を言うのは俺の仕事じゃなくてお前らの仕事だ。だから悪口を言われる立場は俺がいるべきなんだよ..。簡単にその居場所わたすかよ」

 

長門「..何を言ってるのかさっぱりなんだが」

 

八幡「お前らは俺の事をグチグチ言うのは当然なんだよ。でも..お前らがグチグチ言われるのは間違ってんだ。ここにいる全員が苦しんできたのは知ってる。けどそれをたかだか知ってる程度で知ったかぶりこいてんのが俺は気にいらない」

 

長門「つまり?」

 

八幡「全然事情を知らない奴になんか言われたって、お前何様だよってなるだろ?だから何も言わん。いやそんな奴らと同類になるなんて死んでも嫌だね」

 

長門「なるほどな..。結局は自分のためか」

 

八幡「俺の人生だからな。俺の勝手だ」

 

長門「..わかった。もう問い詰めはしない。私も小さい子の介抱に行ってくる」

 

八幡「あぁ..頼んだわ」

 

そう言ってその場を立ち去る長門

 

時雨「提督..」

 

八幡「なんだ?」

 

時雨「守ってた人に罵られるのって..案外きついものだね」

 

八幡「だから言っただろ?期待すんなって。人ってのは簡単に裏切る。だから俺は期待しない」

 

時雨「うん..そう、だね」

 

けど、身近にいる知り合いの女の子が、こんなに悲しい顔をしてると、飯が食いたくても喉を通らんだろうな。そもそもさっきも言ったが罵られるのは俺の役目だ。ほいほい誰かに譲ってやるつもりない。訓練されたボッチは誰に罵られようと、バカにされようと動じないものだ。じゃんけんで負けた罰ゲームの告白も、女子が代筆した男子からの偽のラブレターも俺には通じない。百戦錬磨の強者なのだ。負けることに関しては俺が最強。

 

 

八幡「ま、解決策は考えてある。」

 

時雨「ほんと?」

 

八幡「あぁ..まあな」

 

こんな言葉を知ってるだろうか。眼には眼を歯には歯を悪には悪を。木を隠すなら森。つまりは悪役を消すにはさらに強い悪役を作ればいいわけだ。人というものはただそれだけの事で過去を忘れてくれる..簡単な生き物だ

 

 




若干八幡らしくない所があるかもですがすいません..これが限界です..
てかこの後..どうするか全く考えてないんで、出来れば案がほしいです


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彼が彼女たちに出した決断

正直..自信がないです..。ここまでお膳立てしたのに全部台無しにしてる気分です。でも自分の力ではこれが限界でした。もうこれ以降、こんな無茶をしないことを誓います


 

八幡「はぁ..」

 

八幡は悩んでいた..。

 

八幡「どうしたもんか。こんなに悩んだのは小町が病気になって起き上がれなくなった時以来だな」

 

正直いうと..現状の打開策ならいくつかある。既成事実とかその他云々..。やっぱり社会って男に厳しい気がするのは気のせいだろうか。話を戻そう。まあなんで策があるのにやらないかというと

 

八幡「俺があいつらにそこまでしてやる意味が..ない」

 

だからといってこのまま放置したら、調子に乗った輩が鎮守府内に不法侵入とか有り得るからな。だから丁度いい解消法を探してるところだ..

 

八幡「ま、無いこともないんだな..。ただ後々面倒臭いんだよな」

 

けど..これしかないか。

 

館内放送「..あぁわるい。今後の対応の話をしたい。至急グラウンドに集まってくれるか?来れるやつだけでいい」

 

後がどうなるか..。ま、見えない未来を考えるより、目の前の事だな。これ名言に登録していいよ?あ、迷言じゃないからね?

 

ザワザワ..

 

八幡「結構集まってくれたな」

 

金剛「当然ネ!自分らの仲間をバカにされて黙っていられるわけないデース!」

 

龍田「そーねぇ..私も久しぶりに火がついちゃったわぁ」

 

八幡「とりあえず落ち着けお前ら..今後のこと話すから、よく聞いとけよ」

 

文句異論反論上等!!どっからでもこいや!!あ、暴力は無しでお願いします

 

八幡「町の近くの海岸の方の警備はこれからはしない..。深海棲艦が現れたとして、町が襲われてたとしても鎮守府に攻撃してこない限りこちらは何もしない。つまりあの町との縁を切る」

 

ポカーン..

 

そんな表現がピッタリなくらいこいつらの今の顔が酷い

 

電「で、でもそれじゃあ襲われたとき沢山の人が亡くなってしまうのです!」

 

八幡「そうだな..。だから?」

 

勿論見捨てる気はない..向こうの出方次第だがな

 

電「そんな事..電にはできないのです!」

 

八幡「お前は何を勘違いしてるんだ?艦娘は一般市民の命を救うために造られたんじゃない。深海棲艦と戦うために造られたんだ。そうだろ?人を守るなんてその過程にすぎないんだよ」

 

天龍「おい..そんなんで俺達の気が済むと思ってんのかよ。こっちは仲間を..戦友をバカにされてんだぞ!?いっぺんぶっ殺さなきゃ気がおさまんねーんだよ!!」

 

龍田「天龍ちゃんに同じく〜」

 

八幡「お前ら全員が納得いかないのは分かりきってた事だ。でもな?これはもう決定事項だ..。勝手な行動はするなよ?あと俺が許可するまで町への出入りは禁止だ」

 

ま、ざっとこんなもんか..

 

大淀「ですが..市長が黙ってませんよ?他の市民も、きっと今よりひどくなるかも..」

 

八幡「そこは俺に任せとけ..。結局悪いのは前任の提督で、その次に悪いのは市民たちだ。さらに悪口を言ってくると来た。こっちは深海棲艦と戦ってんだ。そんな事すんなら、艦娘はテメーらを守るためにいるんじゃないってキッパリ言ってやる」

 

そうすれば..悪意の目が艦娘から俺に移る。俺が命令してこうなったんなら当然俺に対して怒りを覚えるのは当然の摂理。後はほとぼりが冷めた後に艦娘達を町に行かせてみよう。そん時の市民の心境がどう変化するかによるな。ま、人っていうのは根本的な所は死ななきゃ治らないからな..それって次世代まで続いちゃうじゃん。

 

天龍「..ちっ。煮え切らねー締め方なこった」

 

お前らにとっちゃ終わりだろうが..この後が俺にとってホントの戦いなんだよ。そう、必ず来るだろう人物との会話、話し、コミュニケーション、緊張する。何たって相手は市長だからな..。なんて言ってくるか、見物だな

 

一対一のボッチに勝てるなんて思ってんのかよ




すいません今回は短めです。駄作なっちゃったらごめんなさい


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彼の目は腐っていても役に立つ

貧血でぶっ倒れてました笑

前回の話の意見とかは沢山きましたが、批判っぽいのが来てなくて結構安心してます。感想来た時それ見るのドキドキするし、長文だと、「あ、終わった」って気分になるし、大変でした笑
でもとても参考になる意見がおおく、むしろこの人たちが書いた方が良くね?とか思っちゃいました笑

とりあえず今後ともお願いします笑


あれから..もう3日か。いま思うとこの3日大淀の書類連絡の「ああ、そこ置いといて」くらいしか会話してないな。一応生前..いや前世?まあどっちでもいいか。小町がいた時は少なからず会話はしてたんだがな..こっちの世界にも小町いないかな..。いやまて!今の小町に死んでこっちに来てほしいってわけじゃないからな!?決して違うからね!!

 

八幡「ボッチが究極進化すると、思考の達人になる。ソースは俺、今の今までずっとそうだったからね」

 

なんて独り言を言うのがここ最近日課になってきている。

 

吹雪「なんか今日も提督さん何か言ってるね」

 

睦月「むぅ..悩み事かな?この睦月が聞いて差し上げましょう!」

 

吹雪「ちょっ!?待って睦月ちゃん!」

 

睦月「提督!!なにか悩み事ですかー!?」

 

八幡「なへっ!?」

 

睦月「なへ?」

 

八幡「いや..なんでもない」

 

..ビックリして信じられないくらい変な声が出てしまった。多分人生の中でトップクラスに入るぞこれ..。てか随分とフレンドリーなやつもいるんだな。確か..あれ?誰だっけ?

 

八幡「て、てか誰?」

 

睦月「もー!酷いですよ〜!睦月型一番艦の睦月ちゃんですよ!」

 

何この子..あざと可愛い。この世界なんでもありなの?

 

八幡「お、おう。悪いな..久しぶりに大淀以外の艦娘に会ったもんでな」

 

まあここ最近の生活といえば、昼に起き、ベストプレイスで飯を食い、早く寝る。出撃もさせてないから書類仕事もそんなに多くない。てか大体大淀がやって俺が判子を押す程度。まさに理想的な職場。艦娘からの痛い視線が無ければね

 

睦月「ほほぅ..つまり提督はニートしてたわけですか!悪い人ですね〜」

 

てかなんでこの子こんなフレンドリーにしてくるの?他の奴らと違い過ぎて対応に困るんですけど!?

 

八幡「ニートをバカにするな。ニートってのは外に出ない事で周りに迷惑をかけないという素晴らしい生き方をしてる人の称号なんだぞ?しかも人によっては家事もでき、すごい人だと株とかもやってるらしい。て、ことは無駄に仕事をして疲れて帰ってきて、そのまま寝るっていう社畜生活より、メチャクチャエコな生き方だろ。つまりニートとはエコロジーなものに与えられる素晴らしい称号なんだよ」

 

昔、二酸化炭素すって酸素をだせば人のために役立つな!って言われたな。きっとニートの究極系って光合成出来ること言うと俺は思う。それに気づかされたのは小3の頃だったな。その頃のあだ名は確か..植物八幡。もうちょい捻れよ小学生

 

睦月「なるほどなるほど。そう言う考えをお持ちなんですか。なんか理解出来ちゃう私がいますよ!」

 

え?うそ..。この子めっちゃいい子やん。俺の話聞いて理解してくれた子、初めてかも。あ、目から汗が..。

 

八幡「グスッ..てかお前なんでそんなフレンドリーなんだよ」

 

吹雪「あ、あの!すいませんでした!」

 

八幡「もう..わけわかんないから」

 

吹雪「え、えっと、睦月ちゃん、最近ここの鎮守府に来たばっかで、ここの内情をよく知らないんです。だから前の提督のこともしらなくて、ほんと失礼なことをしてすいません!」

 

八幡「なるほどな..。分かったよ。睦月..これからはあんまり俺に話しかけんな。いいな?」

 

睦月「え〜でも..」

 

吹雪「もう睦月ちゃん!..あ、あの失礼しました!」

 

そう言って2人は出ていってしまった。

 

八幡「あの子いい子だから、これ以上迷惑をかけないようにするため、極力話しかけないようにしよう」

 

さて、真面目な話、町を守らない宣言をしてもう3日。鎮守府も少しづつ落ち着いてきたって感じか..。この1週間の休みは勝手にやってるものだから、町の連中はしらないはず。なら哨戒にでてる艦娘を見ないことを、少しずつ疑問に思ってる頃なんじゃないだろうか。

 

八幡「そろそろ行ってみるか」

 

めんどくさい事この上ないのだが、町がどういう状況になってるか情報が足りないからな..この俺が一肌脱いでやろうというのだ。そう、情報収集だ。提督が変わったことを知ってても、俺を見て提督ってわかるやつはいないだろ

 

八幡「書き置きして..。大淀に全てたくそう」

 

書き置きの内容。マッ缶買い占めてくる。判子はここ。

 

それから数十分後..

 

コンコン

 

大淀「提督..新しい書類に目を通してほしいのですが。って..あれ?いない。」

 

その後書き置きを見た大淀の顔がどんな風になっていたかはみんなの想像に任せましょう

 

 

場所は変わって町の喫茶店

 

 

八幡「来たはいいが..サ〇ゼがないだと?この世界終わったな」

 

そんなくだらないことを考えていると

 

 

客1「ここ最近艦娘達が海に出てるのみないよなー」

 

客2「別にそんなに見たいもんでないだろ」

 

いきなり艦娘の話かよ..。意外とみんな好きなんじゃね?はい、嘘です。ごめんなさい

 

 

客1「でもいないと色々困んだろ?深海棲艦とかさ」

 

いたら文句を言うってのに..都合のいい連中だ。てか女連れじゃん。やはりリア充爆発しろ

 

女客「ホントの事いいなよ〜!どうせやってみたいだけなんでしょ〜?」

 

客2「ははは!違いねーな!!」

 

ここで一瞬こいつらやっちまおうかなんて思ったのは内緒。そんなことした所で返り討ちになるのは目に見えてるからな。ただ天龍とかが聞いたら面白い具合にリア充が爆発するんだろうなぁ..。これからはリア充撲滅隊隊長天龍だな。あ、ちなみに俺総司令官ね

 

客1「それもあるけどさ..。やっぱり不安じゃん」

 

女客「まあ確かにねー..あ、でも確か新しい提督になったらしいじゃん?そいつが無能なんじゃない?」

 

客2「あぁ..あそこの艦娘は提督のこと嫌いらしいからな。前の提督さんがどっかで話してるの聞いたわ。もしかしたら威圧されてビビっちゃってんじゃね?」

 

客1「ハハハ!ダッセー!!」

 

まあ..提督が悪いって方向には進んでる、のか?まあ少しでも不安がってるならいい傾向だ..。このまま不安が膨らめばお偉いさんが対処せざるおえないだろ?ま、それまで不安がっとけリア充ども

 

そう悪態を心の中でつきながら店を出る。

 

 

八幡「ああ..そういえばもう買い出しには行けないのか..。一応持てるだけ食材を買って行こうか」

 

そう思ってた八幡だが、マッ缶1箱30本入りが2500円で売っていたのでそれを2箱買ってしまい、両手が塞がってしまったので食材を買って帰らなかった

 

八幡「まあカートを借りれば行けなくもないが..貸してなんて頼めるほどコミュ力ないからな。うん仕方ない」

 

というか、書き置きでマッ缶買い占めてくるって書いたよな?ならこの買い物は間違ってないはず。うん、いい買い物したわ

 

そんなことを考えながら帰路につく八幡であった

 




そういえば..ここの鎮守府の名前何にしようか考えてませんでした。どうしよう..


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彼に訪れる危機

なんかUAが1万超えていて、驚きというよりなんて言うんでしょう笑、あ、1万いっちゃったかぁ..。みたいな感じです笑
決して残念なわけじゃないのですが、いざこう執筆しようとするとなんか緊張するんですよね笑



俺が鎮守府に着任してもう1週間か..色々あったな。大勢の前で話て、ベストプレイス探して、判子押して、風呂直して..あ、あとマッ缶買ってきたか。あれ?提督の仕事してなくね?そもそも提督の仕事って何なんだろう

 

八幡「あぁ〜。今日から仕事かぁ..」

 

時間は0800、もうすぐ朝食の時間だ。

 

八幡「さてと..間宮の所でご飯貰ってこよ」

 

とりあえず書類系は大淀に見てもらって、判子押すだけだな。あとはスケジュールだが..適当にやっとくか

 

間宮「あ、提督..おはようございます」

 

前より恐怖心が無くなったな。このくらいの距離感が丁度いい。前はマサイ族でも見えるか見えないかくらいの距離だったが、今は仕事上の関係くらいの距離だ。成長って素晴らしい!!あ、マッ缶がいい感じに冷えてるな

 

八幡「ご飯貰っていいか?」

 

そう言って、食堂の椅子に座る

 

大淀「提督..ご飯はいいのですが先にスケジュールの方でお話がしたいのですが」

 

八幡「えぇ..」

 

ベストプレイスで過ごしてからするつもりだったのに。え?大体何時くらいにするつもりだって?うーん..1200くらいかな?

 

大淀「とりあえず司令室に来てください」

 

と言って行ってしまった

 

八幡「ここじゃダメなのね..」

 

トボトボと後を追う八幡であった..

 

 

 

 

大淀「それで、今日はどうしますか?」

 

八幡「どーするって言ってもな..また一週間休みとかダメ?」

 

大淀「ダメです」

 

ダメかぁ〜

 

八幡「そうだな..よく分からんから大淀やっといてくれないか?」

 

面倒くさいことは他人に押し付ける。ボッチは傍観者なのだ!つまり面倒くさいことはやらないのである

 

大淀「というと思いました..。せめてこうしてほしいとかはないんですか?」

 

八幡「うーむ..じゃあ明日に疲れが残らない程度のスケジュールにしてやれ」

 

大淀「大雑把な..まあ分かりました」

 

八幡「おう、頼んだ」

 

大淀もなんか目つき優しくなった気がするんだが。前まではゴミクズを見る目だったけど今は腐った何かを見る目だわ。

 

 

 

食堂について自分のトレイをみる

 

八幡「ま、間宮さん?これ俺の?」

 

間宮「え、あ、はい..って!何ですかこれ!」

 

今日の朝食はカレー..なんだけど俺のカレー明らかに水っけ多くない?てか甘い匂いが強すぎ..

 

八幡「ず、随分とアグレッシブなカレーだな」

 

間宮「え、ええっと..よ、よそいなおしますね!!」

 

八幡「あ、いやいい。時間がもったいないからな」

 

てかなんだこの汁。一口食べてみるか..、甘い、これあれだわ、マッ缶ぶち込みやがったな..。甘口カレー通り越して激甘カレーになっちゃったよ。「マッ缶風味の激甘カレー!」って感じのキャッチフレーズで幼児食品コーナーで販売されてそう。え、なに?俺幼児なの?これでも1回死を体験してる人生の先輩なはずなんだけど!?

 

間宮「す、すいません..」

 

八幡「お前のせいじゃないだろ。だからそんなに怯えんな」

 

そう言ってベストプレイスへと足を進める

 

八幡「ふぅ..やっぱりここが落ち着くな。てかこのカレーどうしよう。半分くらい食べたら甘すぎて気持ち悪くなってきたんだけど」

 

このまま行くとデブ幡になっちゃうよ..。とりあえず間宮には悪いが残すか。てか、誰がやったんだ?マッ缶以外なら放っておいたが、マッ缶を無駄にされたら黙ってはいられないな。

 

八幡「ま、後々対処するか。それに初めてってわけじゃないしな」

 

昔、ヒキガエルというあだ名が付いていたときに弁当箱の中身がカエルの死骸になっていた事があった。その後そのカエルのことを埋めに行った結果、その後のあだ名がカエルに変わったのは何故だろう。てか死骸で遊ぶなよ..と、あの時の同級生に言ってやりたい。え?俺間違ったこと言ってないよね?

 

 

鳳翔「間宮さん..大丈夫ですか?」

 

間宮「え、えぇ..。ただ誰があんな事をしたのか」

 

八幡「別に気にすんな。慣れてる」

 

カエルによりはマシだな..。マッ缶取られないようにカメラでも付けとくか。書類提出して明石に作ってもらおう

 

天龍「はっ!バチが当たったんだろーよ」

 

八幡「おい、それは聞き捨てならねーな」

 

天龍を腐った目で睨みつける

 

天龍「な、なんだよ..」

 

八幡「俺は神様からバチが当たるような悪い事をした事もないしする度胸もない。もちろん神様から褒められるような良い事もした事もない、てかする気はない。つまりは神様から認識されてるかも怪しいのに、バチが当たるわけないだろ、jk?」

 

天龍「えっ、jk?」

 

八幡「常識的に考えてだよ。」

 

天龍「まず、お前の常識を改めて考え直した方がいいぞ?」

 

八幡「ハイハイ..」

 

ま、飯も食ったし(腹はふくれてないが)寝るか。

 

大淀「提督..他の鎮守府から連絡です」

 

八幡「え..」

 

おいおいこの忙しい時期にかよ。なんの連絡かは知らんが

 

八幡「断っといて」

 

死んでまで他人の干渉を受けたくないからな。艦娘達から若干受けてるけどさ..。これでも最小限に抑えてるんだよ?うん、ハチマンマチガッテナイ

 

大淀「し、しかしお相手が大将なんですが..」

 

大将?階級に関してはよく詳しくないが..

 

八幡「え、偉いの?」

 

大淀「かなり..」

 

俺の転生後の人生初めての危機が訪れた..




バイトで更新遅くなりました!
めんぼくない..。え?バイト前にも出来ただろって?ゲームやってたなんて言えない..

あと、大尉から大将に変更しました..階級についてあまり詳しくなかったので適当書いたのがアダになりましたね。申し訳ない


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彼の苦難は始まったばかり

ゲームにハマりすぎて更新遅れました..
待っていた方すいません


八幡「あぁ..合同演習とか嫌だなぁ..。なんで死んで転生してまで他人と関わんなきゃいけないんだよ。艦娘だけで手一杯なんですが?」

 

大淀「文句を言わないでください」

 

はぁ..他人と極力関わらないをモットーに生きてきたのにな..あ、でも1回死んでるか。いや転生してもそれモットーだよ?

 

大淀「それでは艦娘達を食堂に集めましたので演習の際の編成を発表してください」

 

八幡「え、どう組めばいいかわかんないんだけど?というかめんどくさいんですけど」

 

向こうお偉いさんなんでしょ?変な編成しちゃったら恥ずかしいじゃん..。どんな羞恥プレイだよ..

 

大淀「艦娘達は特に文句は言わないとおもいますよ。とりあえず提督の組みたいようにすれば良いかと」

 

八幡「えぇ、まあ分かった..即席で考える。確か6人1チームだったよな?」

 

大淀「はい」

 

どうせ大淀は俺がどんな編成をする提督か見極めたいんだろうな。生憎、編成とかに関してはこれっぽっちも分からん。多分作戦を考える方が得意だと思うし..。とりあえず名簿見て気になったやつにするか。あ、もしかして世の中の教師が誰かを指名して問題の答えを言わせる時の感覚ってこんなんなのか?いや、違うか

 

 

大淀「皆さん。お静かに」

 

八幡「あー、みんな知ってのとおり今日は合同演習だ。その編成を発表する。えー、旗艦..ってなに?」

 

時雨「..提督、そんなことも知らないのによく提督になれたね」

 

八幡「べつに、なりたくてなったわけじゃないからな?むしろ今から辞表届け出しに行きたいくらいだ」

 

時雨「それは、やめて欲しいかな..えーっと旗艦ていうのは、まあ簡単に言えばその班のリーダーみたいなものだよ」

 

八幡「なるほどな..なら時雨で」

 

時雨「え、あっ、はい!..ちなみになんでかな?」

 

八幡「なんとなくだ。次は..加賀」

 

加賀「はい」

 

八幡「あと4人か....天龍、お前そんなに戦いたそうにしてもダメだぞ?」

 

天龍「なっ!いいじゃねーかよ!久しぶり演習でもいいから戦いてーんだよ!」

 

八幡「..次、赤城」

 

赤城「ふ、ふぁい!」

 

加賀「赤城さん、まだいただきますを言ってないのだけれど」

 

八幡「次は..潜水艦なんてあるのか。じゃあ伊19?」

 

イク「イクでいいの」

 

八幡「お、おお。まあ頼んだ。つぎは響」

 

響「..まかされた」

 

八幡「最後は..」

 

睦月「提督ぅ..睦月ちゃんも戦いたいなぁ」

 

八幡「お、おう..じゃあ睦月で」

 

うんまあ..グッ、とこなかったわけじゃないですが、いやむしろグッ、ときすぎてときめいちゃう所だったわ。いやもうグッ、て来てる時点でときめいてるか..。そしてキモがられるんですね分かります

 

大淀「それで決定で宜しいですか?」

 

天龍「おいおい!俺は!?」

 

八幡「天龍うっさい。ああ、これで行く。そんじゃ、ご飯..って、俺のは?」

 

間宮「え、あれ?ここに置いといたのに..」

 

今度はご飯が無くなっただと?ま、マッ缶を無駄にされるより全然マシか

 

そう思いつつマッ缶を取りに行く

 

八幡「まあ、慣れてるから気にすんな。新しいのよそっておいて..く、れ..」

 

間宮「実は赤城さんがお代わりの分全部食べちゃって..提督?」

 

八幡「ま、マッ缶が、マッ缶が!!」

 

おかしい..これは現実か?俺がせっかく買い溜めしてといたマッ缶が一つ残らず無くなってるだと!?

 

間宮「ホントだわ..。提督のマッ缶が無くなってる..」

 

八幡「なあ大淀..誰がやったか知ってるか?」

 

人と沢山かかわり合う人っていうのは感情表現がきっと豊かなんだろう。それは自分以外の人間がいるから、怒ったり、喜んだり、泣いたり、と言った感情表現が出来るのだろう。そしてその中の怒りだが、普段優しい人間が怒ると怖いなどとよく言われているが、それは間違っている。本当に怒ると怖いのはボッチである。なぜならボッチは自分の至福の時間を邪魔されることを何より嫌い、その上根に持つからである。つまり何が言いたいかと言うと

 

大淀「い、いえ..」

 

八幡「調べて..俺の前に連れてきてくれないか?」

 

俺、人生初の激おこプンプン丸だわ。

 




八幡怒です。ホントは演習の話にするつもりだったんですがなんか変な方向に進んじゃいました..。キャラ崩壊しないよう努力します


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彼と提督

すいません!
バイオハザード7買ったらはまってこっちの事忘れてました。


 

八幡「ま、すぐ本部からの支給品でマッ缶が来るから平気だな。ただ今日はこの1本だけか」

 

コンコン..

 

大淀「失礼します。」

 

八幡「わかったか?」

 

大淀「..提督は、誰がやったと思ってますか?」

 

誰が..か。この口ぶりだと分かったんだろうな。でも仲間を売るわけにもいかないから様子見って感じか。仲間思いで素晴らしい..それゆえめんどくさい

 

八幡「はぁ、誰でも当てはまりすぎて困ってる」

 

ただ目星がなんとなく..ついてるのは内緒だ。ま、俺の人間観察能力は前世?で鍛えてきたからな

 

大淀「そ、そうですか。一応監視カメラの映像をお渡ししておきます。あともうそろそろ演習先の提督がいらっしゃりますから準備の方を」

 

八幡「ん、ああ。わかった。時間になったら艦娘達を演習場に集めておいてくれ」

 

大淀「はい」

 

さて、この映像は見てもなんの得にもならんのでポイだな。目星をつけても証拠がないからな..。カメラは明石に頼んだがきっとアイツにバレてるだろうし、やっぱり直接お話か?挑発の類いの情報は..うん、あるな。こんなに早く見つかるとか八幡ビックリ

 

八幡「後で呼び出すとして..今は演習だな」

 

そう言って部屋を後にする

 

 

 

 

 

八幡「大淀..もしかしてあれ?」

 

大淀「もしかしなくてもあれです」

 

睦月「おぉ!とっても大きいですよ!!」

 

八幡「なんで睦月がいるんだよ。待機って連絡したんだが?」

 

睦月「またまたぁ〜、睦月ちゃんがいないと寂しいクセに〜♪」

 

ウィンクすんな。あと語尾に♪みたいのつけんな。あざといんだよこのやろー。いや、まあかわいいですけどね?

 

睦月「あれあれぇ?睦月の優しさに感動して言葉も出ませんか?」

 

八幡「あぁ..そうだな。優しすぎて言葉も出ねー(棒)」

 

ただな..睦月。覚えておけよ。真実ってのは残酷だから嘘をつく。つまり嘘とは優しさなんだよ。結局優しさってのは嘘なんだ。俺みたいなのに優しさ奴はたいてい他のやつにも優しい。もしくは何か企んでるか..。洗練されたボッチは同じ手に二度も引っかからない。そういう負けることに関しては俺が最強なんだよ。相手が悪かったな、睦月。

 

大淀「提督..来ましたよ」

 

提督「やぁ..君がここの提督かい?」

 

うわぁ..何この爽やか系イケメン。俺の一番嫌いなタイプ。これはあれだ、絶対に艦娘にちやほやされてるやつだ。挙句の果てには色々しちゃってるやつだよ。べ、別に羨ましいとかじゃないからね?そんなんじゃないからね!?

 

八幡「あ、はい。比企谷です」

 

よし、噛まずに言えた。スタートは順調

 

葉風「よろしく、比企谷くん。俺は葉風っていうんだ」

 

八幡「葉風大将ですか」

 

葉風「大将なんてつけなくていいよ。」

 

八幡「それじゃ葉風さんで..」

 

何この人..コミュ力高くね?俺みたいなコミュ障相手にスムーズに会話を運びやがる。こいつ..手練だな

 

葉風「さて、早速演習を始めようか..。演習場はあっちかい?」

 

八幡「はい。ご案内します」

 

何でこんなに笑顔なの?この笑顔眩しすぎる!!!

 

葉風「ところで..こちらの艦娘は、君の秘書艦かな?」

 

大淀「私は補佐をしてるだけですので秘書艦ではありません」

 

睦月「睦月も違いま〜す」

 

八幡「秘書艦はまだ決まってませんね」

 

というか決められん

 

葉風「そうなのか..。書類仕事とか大変だろう」

 

なんでこの世界は俺に優しい人ばかりなの..なんか気持ち悪いわ。ムズムズする

 

八幡「いえ、そんなことは。大淀が有能すぎて俺の仕事がないくらいです。むしろ俺の存在価値が疑われてるレベルまで行ってます」

 

葉風「くくく..なんだい、それは..」

 

笑い方も爽やかで何よりですね..。

 

八幡「着きましたよ。席はあちらになりますので。自分は艦娘達に指示を出して来ますので」

 

葉風「ああ、ありがとう。今回の演習..楽しみにしてるよ」

 

急に手を差し出されても困るんですよ。なんて言ったってボッチですから

 

八幡「い、イェッサー」

 

思わず英語になっちゃったよ

 

 

 

 

 

響「睦月、提督のところにいたのかい?」

 

なんか俺といるとダメみたいな口ぶりなのは気のせいですか?

 

睦月「うん!睦月ちゃんがいないと寂しいって言ってたからついていってたんだ!」

 

そんなこと一言も言ってねーな。むしろあれだろ、お前が一緒にいたいんじゃないの?違いますよね、わかります

 

赤城「提督..その手にもってる黄色いのは一体..」

 

八幡「ん?ああ、マッ缶だ」

 

赤城「一口頂いても?」

 

加賀「赤城さん?」

 

赤城「加賀さん..止めないで」

 

八幡「お、おう。ほら」

 

赤城「ごくごく....」

 

八幡「..ど、どうだ?」

 

赤城「..なぜ..」

 

八幡「はい?」

 

赤城「なぜ今までこれがあるのを黙ってたんですか!!!」

 

なんかキレ始めたんですが!!??

 

八幡「いや、冷蔵庫にダンボールごと突っ込んでおいたんだが」

 

赤城「なんですと!?赤城..一生の不覚」

 

こいつ..アホだわ

 

加賀「提督..今回の作戦を」

 

八幡「まあ、相手は大将クラスだ。きっと強いんだろうな」

 

イク「強いに決まってるの。葉風提督は艦娘のなかでも有名なの」

 

イケメンパワー恐るべし

 

八幡「今回は実力差があれだからな。負けても何も文句は言わん。自分たちの思うようにやれ」

 

時雨「さ、作戦って言わないよそれは..」

 

八幡「何言ってんだ..。作戦通りに行く作戦なんて無いんだよ。臨機応変に対応しろ。今回の演習はなかなか辛いが人生の辛い部分に比べればマシだろ?」

 

イク「言ってることが暗すぎなの..」

 

響「しかし、提督の言ってることも一理ある。部分的にだけどね」

 

八幡「一言多いんだよ。作戦内容は旗艦の時雨に一任するから。ま、頑張れよ」

 

「「了解」」

 

 

 

 

八幡「ふぅ..」

 

葉風「提督になって日が浅いだろうけど..どうだい?」

 

八幡「え、まあそれなりに頑張ってます」

 

急に話しかけんなよ、ビックリするだろうが。あ、演習が始まった

 

葉風「しかも初めて着任したところがこことは..災難だね」

 

八幡「いえ、そんなことは」

 

葉風「ならいいんだけど。因みに話は変わるんだけど今回の演習、僕達に勝てるかい?」

 

ほんとゴロゴロ話変わんな。ついていけん。というかなんて上から目線、まあ上の人なんだが

 

八幡「無理ですね」

 

葉風「ははは..言い切るね。もしもの事があるかもだろ?練度もさほど差も無いだろうし」

 

八幡「まあ確かにそうですね。でも、余裕のありようが違います。あいつらの顔を見てください。葉風さんの所の艦娘は余裕そうな顔をしてますが、自分の所の艦娘は切羽詰まった顔してますから、あれじゃ勝てませんよ」

 

葉風「なるほど..分かってるなら言ってあげればいいんじゃないか?」

 

八幡「俺はそんなにいい人間じゃないんで。それに俺が言ったところでなんも変わりませんよ」

 

葉風「しかし、このままではいずれ..」

 

轟沈..ってか?言いずらいよな。こんないい人がそんな言葉を軽く言えるはずがない。でも俺は

 

八幡「きっと沈むでしょうね」

 

葉風「なら..」

 

八幡「すぐ治るものじゃないんですよ。俺が治すんじゃなく、あいつら自身でなんとかしないと。提督は書類仕事をするんであって艦娘と仲良くする職じゃない」

 

俺が何とかするなんて主人公が言うセリフだ。俺は主人公と言うよりモブか悪役のモブあたりがいい所なんだよ。言ってて悲しくなってきた

 

葉風「そうか..君はそういう考え方をするんだね。さて、演習は君の言う通りの結果になりそうだ。今回ここに顔を出した理由を話そう」

 

あ、ホントだ。あと響しか残ってないわ..。ボコボコ

 

葉風「艦娘を道具のように扱い海域を解放する急進派と艦娘を友のように大切に扱う穏健派と、中立の立場の中立派があるんだが」

 

八幡「葉風さんは穏健派で勧誘、もしくは俺が急進派じゃないかの視察..って感じですか?」

 

葉風「その通りだ..ちなみにこっちに来る気は」

 

八幡「ないですね。というか興味がないです」

 

葉風「君は..冷たいね。その返答は予想通りだけど残念だ」

 

八幡「そもそも大将さんがこんな辺鄙なところに演習を申し込む時点でおかしいんですよ」

 

葉風「最初から疑ってたわけだ」

 

八幡「そういう性分なんですよ」

 

何か言われたら裏があるんじゃないかとか、嘘をついてるんじゃないかと、その言葉を素直に信じる事が出来ない。それが悪いことだなんて毛頭思わないけどな

 

葉風「わかった。でも、ここで会ったのも何かの縁だと思う。これからも仲良くやろう」

 

八幡「まあまた縁があれば」

 

この人苦手だからもう関わりたくないけどな

 

 

葉風「さて..やることは終わったからおいとまさせてもらうよ」

 

八幡「はい。お疲れ様でした」

 

俺にはもうひと仕事残ってるけどな




さて、長くなっちゃいましたが面白かったでしょうか笑

ただバイオハザードが面白すぎてまた更新が遅くなるかもです笑


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彼は彼女の真実がしりたい

ゲーム配信や動画作成してたら時間が..

ごめんなさい(๑>؂•̀๑)テヘペロ
これから不定期にならないよう頑張ります!


やっと面倒くさそうな演習がおわり、今日の仕事は終了..ってしたいんだが俺には一つやり残したことが残っていた。マッ缶の件だ

 

八幡「提督って残業手当とかでるのか?」

 

そんなくだらないことを考えながら思考に浸る

 

まず誰がやったか..まあ何人か候補はあがってる。多分大淀あたりは証拠があるけど消去したって所だろ。次に動機だな、考えられるのは前任の提督に関与してる事だな。

 

館内放送「あ〜、大淀、仕事だ。執務室に来てくれ」

 

 

大淀「あ..もしかして..あの冷蔵庫の件でしょうか」

 

そう考えながら足を進める

 

コンコン..

 

大淀「失礼します。何のようでしょうか」

 

八幡「分かってんだろ?マッ缶の件だ」

 

大淀「資料を見ての通り何もわかりませんでしたが」

 

こりゃ、長引きそうだな..

 

八幡「そうだな。けど俺はこの資料..この写真のこの部分なんだが少しボヤけてるの分かるか?」

 

大淀「はぁ..確かにそうですね。それがなにか?」

 

八幡「明石に聞いたところ..ここの部分が編集によって改ざんされてるらしいんだが」

 

 

大淀「ビクッ!!」

 

八幡「なぁ..説明してくれないか?怒ってないといえば嘘になるが、厳しい罰は与えないことは約束する」

 

大淀「それでも与えるんですね..」

 

八幡「そりゃ当然だ。悪いことしたらお仕置きは普通だろ?」

 

愛しの小町にもした事あるしな..八幡チョップという厳しい罰をな!!

 

大淀「私は今朝、提督は誰がやったと思ってるかと聞きました..」

 

八幡「ああ」

 

大淀「提督は..誰だか見当はついてると仰りました。それは誰ですか?」

 

八幡「そんなこと聞いてどうすんだよ。それを聞いたところでお前にはどうする事も出来ないだろ」

 

俺の考えを聞いたってどうにもならない。なぜならもう現実でその事象が起きてしまってる以上これは変えることの出来ない事実となる。簡単にいえば言ったところでお前は過去を変えられない以上どうする事も出来ないってこと

 

大淀「ですが..仲間が関わってることです!」

 

八幡「仲間って言っても結局は他人だ。もし艦娘が仲間だとそれでも言うなら俺はどうなる?別に仲間にして欲しいとかじゃない。でももしお前の考えを肯定するなら立場上俺の言うことを聞く事になるだろ?それも出来ないやつが仲間だからあーだこーだと我が儘言ってんじゃねーよ」

 

大淀「それは..皆承知の上です!でも前任の提督が..」

 

八幡「またそれか?前任の提督にお前らが酷いことされてんのは知ってる。だがな提督全員がそうじゃないってことも理解しろ。お前らは提督=酷いやつっていう固定概念があるんだよ。自分達の私情任せてものを言ってるからな..俺も好き勝手やらせてもらう」

 

大淀「そんな..」

 

八幡「なぁ..犯人は正直分かってんだ。俺はその動機を知りたい」

 

大淀「..っ、分かりました..。なんでも話します。ですがなぜ犯人が分かったのですか?」

 

八幡「俺の人生経験上..優しさには裏がある。大体俺が優しいと思ったやつは何かしら企んでるんだよ。皆に好かれたいとか、騙してやるとかな..。あいつは、睦月は優しすぎた」

 

大淀「ですが..あの子はここに来てまもないことは知ってますよね?」

 

八幡「あぁ..だからこそだ。新参者ってのはその輪に混ざるために周りに合わせようとする。なら少なからず俺を嫌っていてもおかしくないが、あいつは悪意も何も感じさせずただにこやかに話しかけてくれたよ..。」

 

それがなければもしかしたら分かんなかったかもな。正直あの時俺が感じた感覚は、こいついい奴だな。でも気持ち悪い。だった

 

大淀「なるほど..。そこまで分かってさっきあんなに普通に会話してたんですか?」

 

八幡「俺は艦娘と1対1で勝てるなんて思ってないからな。勝てることといえば権力くらいだ。むしろ前任の提督はよくもまあ艦娘相手にあそこまで虐待できたなって思うわ。俺にはそんな度胸ない。だからあの時何もしなかった、いや何も出来なかった..が、正しいな」

 

大淀「さっきまで怖いと思ってましたが、一気に情けなく思えてきました」

 

え、ちょっと酷くない?俺にもメンタル崩壊とか起こるんだよ?そこら辺もっと考えて発言してください

 

八幡「..ま、まあそんなことはどうでもいい。本題に入ろう」

 

大淀「は、はい(なんか声が震えてる)」

 

八幡「動機は..何だか分かるか?」

 

大淀「恐らく..特に仲の良かった如月が原因でしょう」

 

八幡「如月か、そいつはどうなったんだ?」

 

大淀「..売られました」

 

八幡「は?」

 

待て待て!売られるって..そもそもそんなことしてなんでバレない?どんなに情報操作できるっていってもそれは自分の組織内だけだろ..組織内だけ?もしかして

 

八幡「まさか売られた先ってのは..」

 

大淀「..他の鎮守府に売られました」

 

そりゃ..嫌がらせかなにかしたくなる。むしろこんな程度で済ませてくれてありがとう。もし俺の妹がそんな目にあったら..そんなこと考えたくもないが、やった張本人は絶対に手にかけてると思う。でもここまででかい話となると..

 

八幡「俺には..何も出来ない」

 

大淀「..はい」

 

八幡「俺はまだ着任したてで、右も左も分からないし、つてもない。出来ることなんて何一つ..ない」

 

大淀「しかし睦月は..」

 

諦めないだろうな..

 

八幡「とりあえず..本人を呼ぶか」

 

正直、なんか怖いから嫌だけど..。ハチマンボウリョクキライ

 

大淀「もしもの事があったら、私が止めますので..」

 

..意外だ。てっきり死ぬなら死んでくれと思われるかと..

 

大淀「なにか?」

 

八幡「い、いや頼む」

 

睦月..お前は優しい。でも、その優しさは嘘だ。嘘ってのは優しさだから真実は残酷なんだよ。何度も何度も前世で味わった。でもここに来て、艦娘と話して、なぜか少しでも分かってやりたいと思う俺がいるんだよ..。らしくないのは分かってる。似合わないのも分かってる。それでも教えてくれ..残酷な真実を。建前なんかいらない、本当のお前を見してくれ..睦月




とりあえず..すいません..。

遅れてほんとすいません!!
春休みってほら..だらけちゃうでしょ?そんな感じです|´-`)チラッ


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彼のとんでもない勘違い

今日からがんばって行きたいとおもいます笑
このペースで投稿出来れば理想的だと思ってはいますが多分無理だと思いますわ(๑>؂•̀๑)テヘペロ
あ、ちなみにTwitter始めたので自分プロフィールからどうぞよろしく!


コンコン..

 

睦月「睦月に何か用ですか〜♪」

 

これだ..この妙に毎度上機嫌なのが癇に障る。仮面をかぶって会話してるようなそんな感じだ。

 

八幡「朝のマッ缶の件。知ってるよな?」

 

睦月「あ〜!提督さんの飲み物が全部無くなってた事件ですね!!知ってますよ〜♪もしかしてその捜査の協力とかですか?」

 

ここはストレートに行くしかないか..。大淀さんまじでお願いしますよ?

 

八幡「協力..といえばそうかもな。なぁ、睦月、分かってるんだぞ?」

 

しばしの静寂..静かなのは嫌いじゃない、でもこの静けさは何とも言えない不快感がある。

 

睦月「ん〜バレちゃってましたか」

 

八幡「残念ながらバレバレだ。それで、何であんな事したんだ?」

 

睦月「..大淀さん。少し席を外して貰えませんかね」

 

大淀「睦月さん、あなたは提督に恨みを持っている。そんな方を提督と2人っきりにするわけないじゃないですか」

 

確かにその通りだな。大淀いなくなると俺死ぬ。これ間違いない..

 

睦月「へっ?恨み!?いや別にないと言えば嘘になりますけど..そこまでじゃないですよ!?」

 

そこまでじゃないってやっぱりあるんかい!!

 

八幡「..もしかしてすごい勘違いしてるやつ?」

 

大淀「..とりあえず私は席を外します。何かあったら叫んでください」

 

八幡「お、おぉ..」

 

そう言って大淀は執務室をあとにする

 

八幡「それで睦月..まずカレーの件だ」

 

睦月「あれは、提督さんがあまりにも美味しそうにマッ缶という飲み物を飲んでいるので私も飲んでみたくなったんですよ。それを飲んでるときに提督さんがきて慌ててしまって、そのままカレーに..」

 

なんてこった..シリアス展開なはずだったのにギャグ展開になってしまった!!確かに何か落としたような妙なへこみはあった..。そんなの気になるわけないじゃん!

 

八幡「そ、そうか。じゃああのカレーが無くなったのは?」

 

睦月「あれは..みんな知ってるんですが、加賀さんが食べたんですよ。赤城さんが皆のお代わりの分食べちゃったので物足りない加賀さんが提督のを食べちゃったわけです。あ、これは内緒ですよ!?バレたら睦月が怒られちゃいますから!」

 

俺が編成の事を話してる間にそんな事が..。てか食うのはやすぎだろ!!えぇ..なにこれ。さっきまでの俺が恥ずかしいんだけど..。なにが、本当のお前を見してくれ。だよ!!うわぁぁぁ!!もう恥ずかしくて布団にくるまりたい!!

 

八幡「..最後だが、マッ缶が無くなったのは?」

 

睦月「何でそんなに落ち込んでるんですか..。あれは私です。マッ缶が飲みたくなったので..」

 

ん..?なんだろうこの違和感..。

 

八幡「飲みたかっただけなのか?」

 

睦月「うっ..飲みたかったのは事実です。ただ..提督さんを困らせたかった、というのもあります」

 

いや、これも..少し違う気がする。

 

八幡「困らせたかったのか。なんでだ?」

 

睦月「なんでって言われても..自分でもどうしてだか..」

 

自分では言いにくいこと..もしくは言えないこと..。やっぱり、

 

八幡「如月の件か?」

 

睦月「..凄いなぁ、ほんとに..。ただイタズラしましたって言えば誤魔化せると思ったのに」

 

八幡「お前のイタズラはもっとハードだからな。そんなにマッ缶を盗むなんて小さい事するとは思えない。つまり、俺に振り向いて欲しかったわけだ。そんでなんでこんな事したんだ?って聞かれたら如月の話を出すつもりだったんだな」

 

睦月「うん。でもいざ話をだそうとすると怖くて..」

 

八幡「その話をしてどうするつもりだったんだ?俺にはどうする事も出来ないぞ?」

 

睦月「知ってるよそんなこと。鎮守府の場所を聞いて私1人でいくつもりだったんだ..」

 

なるほど..自分のことは自分でやるってか..。その考えは大いに結構。むしろ大好きだ。俺と同じ生き方だからな。でもな、無理と分かってるのにやるのは馬鹿がする事だ。なんて言ったところでこいつはきっとテコでも動かないだろうな。

 

八幡「..そうか。それを俺は止めない。いや、止めることはできない、が正しいか。ただ理解はしろ。お前がする行動はこの鎮守府全体の問題になるんだ。それは分かってるな?」

 

睦月「もちろん。だから..私はこの鎮守府を..抜けます」

 

そんな簡単にやめることなんて出来るんだろうか..。正式な手続きとかあるだろうに。

 

八幡「なるほどな」

 

俺はここの提督..1番偉い立場にいる。こいつらは俺の命令を聞く。まあたまに聞かないけどね..。ならどうする?いつものように関係ないと切り捨てるか..それは簡単だ。この後俺が好きにしろって言えばいいだけの話だ。でも..

 

八幡「なぁ睦月..」

 

睦月「はい?」

 

八幡「お前はマッ缶は好きか?」

 

睦月「はい♪」

 

八幡「そうか..」

 

数少ないマッ缶ファンを手放すのは惜しい..。だから出来ることを考えてやるよ。この俺がな?

 

睦月「提督?」

 

八幡「睦月..お前はここを抜けるな」

 

睦月「でも..」

 

八幡「提督命令だ。あと如月が行った鎮守府だが、悪いが知らん。前任の提督の資料は半分以上は破棄されてるからな」

 

睦月「じゃあ..如月ちゃんは」

 

八幡「方法は..無い事は無いが」

 

睦月「えっ!?」

 

八幡「正直他のやつに頼りたくない..。それに100%ってわけでもない」

 

睦月「お、お願いします!!0%じゃないなら..試してみてください!!」

 

ただそれは俺の信念を曲げる事になる。今まで1人でやってきた俺自身を否定することになるかも知れない..。

 

睦月「ほんとに..どうか、お願いします」

 

が、等価交換となれば話は別だ。正式な依頼として授与したという形にすれば仕方なく信念を曲げたということになる。多分ね?

 

八幡「ならひとつ..言うことを聞いてくれるか?」

 

睦月「えっ..何でもします!!」

 

八幡「そうか..なら、盗んだマッ缶返してくれない?」

 

睦月「あ、はい..分かりました」

 

八幡「別に飲んじゃダメなんていってないからな。ただ全部は勘弁な?」

 

睦月「はい..って、それだけ?」

 

八幡「それだけだ..話はおしまいだ。帰れ帰れ」

 

睦月「でも..如月ちゃんの件が!」

 

八幡「..ホントのことを言えばあてがある。ただあんまり頼りたくないのも本音だ。けどまあ、頼まれちゃやるしかないだろ?」

 

そう言って電話をとる

 

八幡「あの葉風提督に一肌脱いでもらおう」

 

ほんとにもうあいつに関わるのはゴメンだと思ってたのに..ちくしょう!!




もしキャラ崩壊してたらすいません..
そしてUAが40000を超えていてちょっとびびってます..てか怖いです。


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彼はなんだかんだ大切に思われてる?

たくさんの感想ありがとうございます!!


葉風「もしもし?」

 

八幡「ど、どうも..」

 

なんか凄く..ムズムズするんだが。

 

葉風「君から連絡とは..珍しいこともあるものだね。それで?何の用だい?」

 

八幡「前任の提督の悪行はどのくらい知ってますか?」

 

葉風「そんな探らなくてもいいさ。単刀直入に頼むよ」

 

さすが大将ってところか..。まあそっちの方が楽だからいいけどな。

 

八幡「分かりました。実は....」

 

葉風提督に如月のことを説明した

 

葉風「なるほど..残念ながらこっちにはそんな情報は流れてはいない。でも前任の提督がよろしくやっていた他の提督が一人いるんだが」

 

八幡「まぁ、十中八九そいつですね」

 

葉風「まあだろうね。そいつも悪行を働いてるから、艦娘の売買はしてても不思議じゃない」

 

八幡「どうにか出来ないですかね?」

 

葉風「どうにかしてあげたいが..証拠がないんだ。それがあれば本部に掛け合えるんだが」

 

やっぱりそうなるよな..。そんなに簡単な話しじゃないから仕方ない。

 

八幡「証拠ですか..。こっちの資料はうちの艦娘が手当り次第漁ったんですけど、殆ど破棄されていたらしいです」

 

葉風「やっぱりか..。ならこっちでも前任の提督の事を再度洗ってみる。時間はかかるかもしれないが」

 

八幡「いえ..それで構いません。というか、有難うございます。何から何まで..」

 

葉風「いやいいんだ。君はその鎮守府を変えてくれると僕は信じてるからね」

 

八幡「いや、そんな....って切れてるし。過大評価しすぎだろこの人」

 

やっぱり好きになれん。さて..睦月にどう説明するかな

 

睦月「提督さん?終わりましたか?」

 

なんかドアから覗いてらっしゃる。うん。可愛いですねぇ..。っと危ない危ない。変態になる所だったよ。

 

八幡「あぁ、とりあえず目星はついたが、証拠がないからこっちは動けん」

 

睦月「そっか..まあ睦月は提督さんが何とかしてくれるって信じてますから」

 

八幡「あざといな..まったく」

 

睦月「む〜、何ですがそれ..バカにされてる気がします」

 

八幡「ハイハイ..。じゃあとりあえずお疲れ様のマッ缶を」

 

睦月「ちゃんと持ってきましたよ♪睦月ちゃんの匂いつきです!」

 

何この子...惚れちゃうからやめて?勘違いしちゃうから!

 

睦月「勘違いしちゃってもいいんですよ〜?」

 

八幡「やめとけ..。俺とお前じゃ釣り合わん」

 

睦月「睦月はいつでもOKですから♪」

 

え?なにが?思春期の男の子には刺激が強すぎないですか?勘違いどころか間違い犯しそうで怖いんですが

 

八幡「え..えっと」

 

睦月「何キョドってるんですか気持ち悪いですよ?」

 

八幡「もうお前帰れよ。俺の純情をかえせ..」

 

睦月「腐ってそうなのに純情って..ぷぷぷ〜♪」

 

ハイハイ可愛いですね〜

 

睦月「じゃあ帰りますねー!サヨナラです!」

 

八幡「おう」

 

そう言ってスタスタと帰る睦月であった

 

 

大淀「無事に終わって何よりです」

 

八幡「ぬぉわぁ!!?」

 

大淀「ど、どうしました?」

 

普通に変な声出たよ恥ずかしぃ!!てかこの感じ久しぶりだなおい!!

 

八幡「ビックリさせんなよ..」

 

大淀「し、失礼しました?」

 

なんで疑問形?まあいいかマッ缶でも飲んで落ち着こう

 

八幡「とりあえず..現状の問題の解消はできたな」

 

大淀「解消であって解決ではないですけどね」

 

八幡「解決は..正直難しいだろうな。証拠がそうそう見つかるとは思えないし、そもそも如月自身が無事かも不明ときた」

 

状況は最悪中の最悪..打開策は葉風さん頼りだからな。俺ができることなんてやっぱり何一つ無い...いやあった。

 

八幡「俺が..その前任の提督とよろしくやってたヤツと交流を持てばいいんじゃないか?」

 

大淀「は?」

 

八幡「そうすれば..少なからず内情とか分かるし、弱味も」

 

大淀「やめてください。貴方はもともとクズですが本物のクズではありません!そこまで..堕ちないでください」

 

そこまで熱心に言われるとは....若干怖いぞ?

 

八幡「わ、分かったから!怖いから!」

 

大淀「ならよろしいです!それでは仕事がありますので!」

 

そう言って出ていってしまった..。

 

 

俺って大事に思われてるの?思われてないの?どっちなの?誰か教えてください..




1日1回ペースって意外ときつい笑


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彼は地味に苦悩する..

1日1回投稿を頑張ってる..もう時給発生してもいいんじゃないかな?って思ってます


仕事..。俺には一生かけても似合わない言葉だと思っていた。仕事とは自分の人生を削ってまでお金を稼ぐことを言う。その結果お金の欲しさあまりに強盗やら殺人やら揉め事やら酷い場合には戦争とか起きるらしい..。それは転生しても変わらないらしく、お金とは憎しみをどうしても生んでしまうものらしい。じゃあお金なくせば世界は平和になるんじゃね?なんて考えるのはガキの考えだ。お金とは秩序であり、凶器である。正しい使い方をすれば皆幸せに暮らせるが、使い方を間違えれば不幸になる。まぁ、つまり何が言いたいかと言うと..

 

八幡「なんで残業してんのに給料入んねーんだよ!!」

 

..である

 

八幡「おかしくね?俺こんなに頑張ってるのにタダ働きとかマジやめて欲しいんだけど?」

 

時雨「どうしよう..。なんか荒れてて入りにくいな」

響「そうだね。でも報告はしないと..」

 

コンコン..

 

八幡「?..入ってどうぞ」

 

響「失礼するよ..って何でそんなに腐った目をしてるんだい?」

 

八幡「うるせー..。この目はデフォルトだよ。んで、なんか用か?」

 

時雨「実は秘書艦を決めてもらいたいらしいんだ。大淀一人じゃ書類を捌ききれないらしい」

 

あぁ..また仕事か..。もうお家帰りたい。小町に慰めてほしいよ。

 

響「目だけじゃなく顔つきも腐り果ててきたね。とりあえず明日の朝の朝礼で発表してくれれば何も問題はないよ」

 

顔もってなんだよ..。もうそれゾンビじゃん。あ、でもゾンビって仕事しなくても..って思考まで腐り果ててどうする!落ち着け八幡!!

 

八幡「わ、分かった..。誰でもいいのか?」

 

時雨「特に指定はないかな。誰を選んでも提督とは関わろうとなんてしないだろうし」

 

まあ出来ればそっちの方が俺的には嬉しいな。なるほど..つまりはあまり交流が無いやつの方が楽ってことか。一人の時間が増えて、仕事も捗ると..まさに一石二鳥!!

 

八幡「オーケー。任せとけ」

 

時雨「な、なんか急に心強くなったね..まあよろしく頼んだよ」

 

響「じゃ、私達はこれで」

 

そう言って二人は執務室を出て行く

 

八幡「とりあえず適当に選ぶか..。明日の俺に全てを託そう。今やるのはとにかく面倒臭いからな。ベストプレイスで睦月から返してもらったマッ缶でも飲むか」

 

 

 

八幡「....ん?」

 

長門「..なんだ貴様か」

 

よし、帰ろう

 

長門「おい、待て」

 

八幡「なんだよ..。俺忙しいんだけど」

 

長門「嘘をつけ」

 

いやホントだし!やること一杯あるし!例えば?えー..秘書艦決めたり?..あとは、特にないか。

 

八幡「勝手に決めつけんなよ」

 

長門「話がしたい」

 

この人横暴すぎるだろ。人の意見聞いて!?俺の言葉何一つ聞いてくれてないでしょ!?

 

八幡「はぁ..。なんだよ」

 

長門「睦月の件だ」

 

八幡「お前も知ってたのか」

 

長門「一応長いこといるからな。葉風提督に掛け合ってくれたらしいな」

 

そこまで知ってんのかよ。怖ーよ。

 

八幡「その結果は残念なものだけどな」

 

長門「いやそんなことは無い。本来貴様には関係のない話だからな」

 

まあ確かにな..

 

長門「なぜ、手を貸そうと思った?借りを作らせて何かしようとでも企んでるのか?」

 

考え方がゲスすぎるだろ..。俺よりお前の方がよっぽど腐ってるわ!

 

八幡「んなわけあるか..。ただ、数少ないマッ缶好きなやつだったからな。手放すのは勿体ないと思っただけだ」

 

長門「あぁ..あの飲み物か。赤城も絶賛してたな。今度私も飲んでみようか」

 

八幡「あまりの美味しさに言葉も出ないだろうよ。楽しみにしとけ」

 

こりゃ、沢山仕入れとかないとすぐなくなるな。

 

長門「とりあえず..これだけは言わせてくれ」

 

八幡「?」

 

長門「あ、ありがとう..」

 

こんなに真っ直ぐ感謝の言葉を貰ったのはいつぶりだったか..。小町にもこんな事言われたことないぞ?

 

八幡「お、おう。気にすんな」

 

長門「それで、もし証拠が見つかったらどうするつもりなんだ?」

 

八幡「まあ葉風さんに全面的に任せる。そっちの方が効率的だからな」

 

長門「確か、誰かから聞いたんだが借りを作るのは嫌なんじゃ無いのか?」

 

八幡「勘違いするなよ。俺は頼まれて行動しただけだ。つまり借りを作ったのは俺ではなく依頼主、つまり睦月だ。決して俺が作ったわけじゃない」

 

長門「だが貴様はここの鎮守府のトップだ。自分の艦娘が作った借りは貴様の借り同然なのではないか?」

 

八幡「それは俺に押し付けすぎだろ。お前らの尻拭いをなんで俺がしなきゃならん。これだけ毛嫌いされてるのにそのうえ責任転嫁とかたちが悪すぎるだろ。つまり何言われてもお前らの借りはお前らのもんだ」

 

長門「ふむ、なるほどな。確かに一理ある」

 

八幡「だろ?」

 

長門「今回ばかりは考え方が腐ってるとは言えんな。私達にも責任がある」

 

八幡「全くもってその通り」

 

長門「が、艦娘たちとまったく関わらないというのもアレだがな?」

 

アレってなんだよ。ハチマンワカラナイ

 

八幡「うっせ。んで?話は終わりか?」

 

長門「あと一つ。秘書艦はどうする気だ?」

 

八幡「明日の俺が決める」

 

長門「....分かった。もういいぞ」

 

なんでこんな上から目線?怖いんですが..。てか俺の方が偉いんですが!?もうやんなっちゃう!..うんキモイな。




遅くなってごめんなさい!


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彼の選択は..

いやぁお時間かかってすいません(๑>؂•̀๑)テヘペロ
昨日バイトで疲れ果ててしまったので投稿できませんでした!


 

pipipipi..

 

八幡「ん〜..もう7時か。いやまだ7時か..。寝る」

 

お布団には勝てないのが人間だ。仕方ないよね?

 

大淀「ダメです。起きてください。皆もう揃ってるんですから!」

 

八幡「ハイハイ..今行きますよ」

 

 

 

 

大淀「提督..挨拶を」

 

八幡「皆おはよう。朝を食べる前に秘書艦を発表する。加賀お前に頼みたいんだが..」

 

加賀「理由を聞いても?」

 

八幡「..しっかりしてそうだから」

 

言えない..どれにしようかな、で選んだなんて..言えない!

 

加賀「そうですか..。分かりました。仕事の内容などはどうすれば?」

 

大淀「私が説明しますので大丈夫です」

 

八幡「んじゃ、いただきます!」

 

艦娘「「いただきまーす!!」」

 

 

マッ缶もってベストプレイスに行くか

 

八幡「ぐえっ!!」

 

睦月「にしし〜♪行かせませんよ〜!一緒に食べましょーよ♪」

 

ちょっと変な声出ちゃったじゃん!!

 

八幡「嫌だよ..。静かな所で食べたいんだよ」

 

時雨「たまにはいいじゃないか。一緒に食べようよ」

 

暁「わ、私は嫌よ..。いくら私がレディでも嫌!」

 

天龍「俺も却下だ。こいつが一緒なら俺は朝飯いらねーよ」

 

龍田「天龍ちゃんと同意見で〜す」

 

八幡「そういう事だ。諦めろ」

 

言い方はアレだが、お前らよくやった。これで気兼ねなくベストプレイスへ行ける!

 

響「暁..君までそういうことを言うのかい?」

 

暁「うぅ..だって」

 

吹雪「まあまあ二人とも落ち着いて..」

 

赤城「私はあの人結構好きですよ?ねぇ加賀さん?」

 

加賀「食べ物を提供してくれたことに関してはとても感謝していますが、信用してるかしてないかで言われると悩みどころですね」

 

赤城「好きか嫌いかで聞いてるのに..長門さんはどう思います?」

 

長門「そうだな..。私はあいつの考え方は嫌いじゃないな」

 

大淀「私は嫌いです。あの提督が前の提督とは違う事は認めます。でもあの人の考え方は嫌いです!」

 

睦月「これは..修羅場ってやつかな!?」

 

時雨「違うと思うけどな..」

 

 

一方その頃..

 

八幡「やはり静かな場所はいいな..。あるのは青い空、白い雲、そして波の音。まさにボッチには最高のシチュエーションだ」

 

俺にとって青春とはこの事ではないかと、錯覚するレベルだな

 

チョンチョン..

 

八幡「ん?」

 

翔鶴「あの..」

 

..恥ずかしぃぃ!!今の独り言聞こえてた!?待って待って!変な声出したり、大勢の前で噛んだりするより恥ずかしぃ!!

 

八幡「な、なに?」

 

ここはクールにいけ比企谷八幡!俺なら乗り越えられるはずだ!

 

翔鶴「先ほどのアレなんですが..」

 

アレってなに?どのアレ?もしかしてアレ?

 

八幡「えっと..忘れてください..」

 

翔鶴「えっ!?ちょっと意味がわからないんですけど..」

 

八幡「は?待て待てお前は俺に何の用だったのか詳しく教えてくれ」

 

翔鶴「加賀さんの秘書艦の件です」

 

あぁ..よかったぁ..。

 

八幡「その事か..。それがどうかしたのか?」

 

翔鶴「そ、その..取り下げてほしいんです」

 

八幡「理由は?」

 

まあどうせ前任絡みだろうな

 

翔鶴「前の提督さんと..色々と」

 

八幡「そうか。それで?」

 

翔鶴「え?これで終わりですけど」

 

なるほど..仲間思いでなによりだ。ま、そんな馴れ合いクソくらえだけどな

 

八幡「それは加賀に取り下げるように交渉するようお願いされたのか?」

 

翔鶴「いえ..自己判断です」

 

八幡「じゃあ加賀は何も言ってないわけだ」

 

翔鶴「はい..」

 

八幡「そういうのなんて言うか知ってるか?」

 

翔鶴「え?」

 

八幡「ありがた迷惑って言うんだよ」

 

翔鶴「っ!!貴方は前の提督に何されたか知らないからそんな事言えるんです!」

 

お前もそういうタイプかよ..

 

八幡「そりゃ知らないからな。知る必要もないし知りたくもない。それで加賀が嫌だって言うなら別の艦娘に頼むさ。けどそれはお前が勝手に決めつけた行動だ。そういうのがありがた迷惑っていうんだよ」

 

翔鶴「貴方は提督なんですよ!?艦娘の事を知ろうとは思わないんですか!?」

 

八幡「思わない。逆に聞くが..なんで知る必要があるんだ?」

 

翔鶴「それは信頼とかを..」

 

八幡「信頼?笑わせんなよ。お前らから一方的に嫌われてる俺がお前らから信頼を得るだって?我が儘もいい加減にしろよ?何でわざわざ嫌われてる連中の事を信頼したり、そいつの昔のことを知らなくちゃいけないんだ?」

 

翔鶴「それは前の..」

 

八幡「前任のせいにして逃げんなよ。それを良い理由にして自分を守りたいだけだろ?」

 

翔鶴「確かに、守ってるのかもしれません。でも私達が受けた傷は深いんですよ!?守って何が悪いんですか..」

 

八幡「いや?悪くないぞ。でもそれに他人を巻き込むなって言ってんだよ。お前はそこで身を固めて現状を維持する事を選んだ。でも加賀は一歩踏み出そうとしてるんだ。それを邪魔してやるな」

 

翔鶴「..ダメです。進んでもいい事なんてありません」

 

八幡「そりゃ価値観の問題だろ。加賀はそう考えていて、お前はそういうふうに考えてんだろ。皆が同じ考えで行動することなんて有り得ない」

 

翔鶴「なら私は..どうすれば」

 

八幡「別に加賀が嫌だって言うなら無理矢理秘書艦にさせる気はない。どうしても秘書艦にさせたくないなら加賀に言え」

 

翔鶴「分かりました..」

 

八幡「ただ覚えておけよ。加賀が秘書艦じゃなくなったら別の艦娘が秘書艦になるんだ。そこの所をよく考えておけ」

翔鶴「..私が..やります」

 

八幡「そうか..。なら加賀が辞めたらお前を選ぶか」

 

翔鶴「ありがとうございます。加賀さんの所に行ってきます!」

 

忙しいやつだな..。正直ここまでクレームが来るとは思わなかったな。どんだけ秘書艦やりたくないんだよ。まあ俺もやりたくないけどね?




昨日はすいません!バイトが..。いや、言い訳はしないでおきます


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彼は少しずつだが変わってる?

皆様..そろそろ成績が発表される頃ではないでしょうか。それを楽しみにされてる方、絶望されてる方、色々といらっしゃると思います。ちなみに自分は後者です。なんかもう、死にたいチ───(´-ω-`)───ン


..何故こうなった。

 

加賀「私は自分の意志で秘書艦になることを選びました。貴方にとやかく言われる筋合いはありません」

 

翔鶴「ダメです!加賀さんは前の提督に何されたか覚えてないんですか!?せめて私と変わってください!」

 

確かに翔鶴は加賀を説得して秘書艦を辞めさせるとは言っていた。でもわざわざ..

 

八幡「俺の部屋でやらなくてもいいだろ..」

 

加賀「お言葉ですが提督。ここは貴方の部屋ではなく執務室です」

 

いや、執務室って提督の部屋ですよね?むしろ最近ここで寝てるし。なぜなら自室がなんかイカ臭いから

 

八幡「だからってお前らの部屋でもないからね?」

 

翔鶴「提督は黙っててください!」

 

八幡「はい..」

 

もう..好きにしてくれ。話が終わるまで外にいよ

 

 

 

 

 

 

八幡「はぁ..外はどうしてこんなにも平和なのだろうか」

 

ベストプレイスでマッ缶を片手に空を見上げる八幡

 

八幡「着任してから色々あったなぁ..」

 

前任のしてきた事を俺にまで擦り付けられ、挙句の果てには陰口の嵐。陰口はいいよな〜、一方的に何でも言えるから。言われてる張本人がそれを聞いて言い返すと、「なに?聞いてたの?キモ〜」とか言われるんだよ?そのくせ聞こえるように言ってくるんだから尚更タチが悪い。

 

八幡「まだ問題は沢山あるが..。解決するのは面倒臭いなぁ」

 

腹ただしいのはいくつも..というか殆どだけど、あいつらの中で自然消滅してくれるのが1番ありがたい

 

長門「貴様..なにをしてる」

 

八幡「ちょっ..怖い!怖いから!」

 

目つきヤバすぎだろ!ボッチはデリケートって習わなかったの!?物理的にじゃないよ?精神的にってことだからね!?

 

八幡「まあちょっと加賀と翔鶴がな」

 

長門「なるほどな。翔鶴は加賀のことを慕っているんだろう。大目に見てやってくれ」

 

八幡「別に怒ってるとかじゃない。ただ..見ててなんというか、こう..ムズムズするんだよな」

 

長門「ほう。つまり?」

 

八幡「具体的には何とも言えないんだが..ここの奴らのあんなふうに何でも遠慮なく言い合える所をみてるとな」

 

馴れ合いとはまた違う何か..。俺にはそれが分からない。いや分かりたくないんだろうな。自分は1人で歩んできたから、それを分かってしまったら、受け入れてしまったら自分が今までの生き方を否定する事になるから。

 

長門「なるほど..つまり貴様は羨ましいわけだ」

 

八幡「は?そんなわけないだろ。昔はそんな時期もあった。けど今は違う。それに羨ましかったら友達の1人や2人とっくに出来てるっつーの。それに1人の方が気を遣わなくていいし、楽だ」

 

そう、昔はそんな友達が欲しかった時期もあった。入学初日の自己紹介。きっと俺にだって友達が出来るはずと、そう期待したがそこで噛んでしまい、次の日からのあだ名は噛みタニ。どうやら俺の名字をヒキタニだと思ったらしい。進級してもボッチの毎日。それから俺は期待するのをやめた。

 

長門「だがな..1人だけじゃ解決できない問題だってあるだろ」

 

八幡「それは違う。そう思うやつは大抵自分ができる限りの事をしていない怠惰なやつだ。きっとあの人が、きっとあの子が、そう思うから自分1人じゃ何も出来なくなる。要は自分に甘いってこだな」

 

まあ自分に甘くすることに関しては同感だがな。ま、方向性は違うけど

 

長門「ほう。ならば貴様は皆で協力して何かをする事は悪い事だと。怠惰な事だと言うんだな?そうなると、私達が班を編成し、協力して遠征などする事を侮辱することになるが?」

 

八幡「あー..言い方が悪かったか。別に俺は協力して何かをする事を悪い事だなんて思ってるわけじゃない。むしろ効率的で、かかる時間も短いからな、いいことずくめだ。でもな、だからといって1人で頑張る事が悪いことってわけじゃないだろ?」

 

長門「まあ確かにな。ここの艦娘達も1人で抱え込んでる者も沢山いる。しかしそれでは解決できないだろう。それはどうする?」

 

解決、か。長門..お前はいい奴だな。いつも周りを見てて、気にして、でもお前は考え方が甘すぎる。でもきっと長門の考え方や、やり方が正しいんだろう。けど、俺は長門じゃない。俺は俺だ

 

八幡「確かに..前任の提督が残した傷は深い。未だに塞ぎ込んでる艦娘もいることも知ってる。でもな、解決するのは俺達じゃない。そいつ自身だろ」

 

長門「流石にそれは無責任すぎるんじゃないか?」

 

意外と冷静だな。怒ってくるかと思ったが..。いや別に怒って欲しいとかじゃないよ!?

 

八幡「いやいや、俺が何か考えて実行に移したところでお前らが感じるのは嫌悪感だけだろ?むしろ放置してやってる事に感謝すらしてほしいくらいだ」

 

長門「一理あるな。が、艦娘達のメンタルケアも提督の仕事の一つだ。そのうちでいい、貴様の事を皆にもっと教えてやってくれ」

 

八幡「俺からじゃなくてもいいだろ」

 

長門「いや、ダメだ」

 

なんでそこまでするんだろうか..。俺には理解できない。

 

長門「理解できないって顔をしてるぞ?」

 

八幡「表情を読みとるな」

 

恥ずかしいからやめてください。

 

長門「私はな..皆の本物の笑顔が欲しいんだ..。引きつった偽物なんかじゃない、心から笑った笑顔が見たい。そしてそんな笑顔が見れるのが当然な鎮守府にしたいんだ。..ダメか?」

 

本物か..。そんなの簡単に壊れると分かって言ってるんだろうか。いや分かって言ってるんだろうな。それでもこいつは欲しいって言っている。..俺はどうだ?

 

八幡「...そうだな。確かに俺はお前らが本心から笑った顔を見た事がない。というか見れる機会なんて無いと思ってる」

 

長門「貴様は自分のことを過小評価しすぎだ」

 

八幡「お前は俺の事を過大評価しすぎなんじゃね?」

 

長門「ふっ..そうなのかもな」

 

八幡「でも、見れるって言うならちょっと見てみたいかもな。その、本物の笑顔ってやつを」

 

いつの間にか..いや最初からだったのかもしれない。ちょっとだけ艦娘達の遠慮の無く言い合える関係が、いいな。なんて思うようになってた。そこに混ざりたいってわけじゃないけど。見てる分には..良いと思う

 

長門「..そうか。私は今確信した」

 

八幡「なにが?」

 

長門「貴様が..提督で良かった」

 

八幡「そ、そうか..」

 

何この雰囲気..ムズ痒い!!

 

長門「それで..提督はどうしたら皆は心を開くと思う?」

 

八幡「やっぱり....マッ缶を飲んでもらって好みを共有し、話を広げていくっていうのは..」

 

長門「..提督に聞いたのが間違いだったようだ」

 

八幡「おいおい!マッ缶を舐めてもらっちゃこまる!!」

 

長門「なら1本いただくとしよう。あとメンタルケアの事だが、会話する程度でいい、そのうち頼む」

 

八幡「お、おう」

 

会話だけでもハードル高いんですが、その場合はどうすればよろしいんでしょうかね?

 

八幡「って、もういないし。さてと、あの2人もそろそろ話がついてんだろ。..戻るか」

 

というか話す以前に俺に対する扱いをどうにかしないとダメだろ..

 

 

 

そう考えて執務室に戻る八幡であった。

 

 

八幡「んで..なんでこうなる?」

 

翔鶴「秘書艦の補佐という形で私が加賀さんのお手伝いをすることになりました。問題はないですよね?」

 

加賀「すみません提督。意外と頑固でした」

 

八幡「あぁ..そうですか」

 

もう好きにして..




なぜ投稿が遅れたって?
そんな野暮なこと聞くなよ..。聞かなくても分かるだろ?

やっぱり何でもないですごめんなさい笑


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彼にハッピーなエンドなんて無かった

今まで待たせた分少し早めの投稿..。



 

加賀「提督..。思った以上に仕事が溜まってるのですが」

 

八幡「残念ながらそれを溜めたのは俺ではなく前任の提督だ。つまり俺は悪くない」

 

翔鶴「全部私たちに丸投げというのもどうかと思いますけどね」

 

うっ...きつい所を攻めてきやがる

 

八幡「はいはい。俺が悪いですよ」

 

 

 

コンコン..

 

八幡「どーぞ」

 

大淀「失礼します。追加の資料の方ご確認お願いします」

 

八幡「まぁ、お前が1度目を通してあるなら特に問題はないだろ」

 

翔鶴「私が確認しときます」

 

大淀「え、ちょっと翔鶴さん?」

 

翔鶴「この人に何か言ったところで時間の無駄と私は判断してます」

 

ちょっと?ひどくなーい?それじゃまるで俺が怠け者みたいじゃないですか。めちゃくちゃ仕事してるよ?資材の管理とかスケジュールの管理とかちゃっかりやっちゃってるよ?

 

八幡「やりたいならやらせとけ。そこで口論する方が時間の無駄だ」

 

翔鶴「っ!元はと言えば!!」

 

加賀「うるさいわね。黙って仕事をしてくれないかしら」

 

八幡「だとよ」

 

ナイス加賀!お前には後で生ぬるいマッ缶をくれてやろう

 

翔鶴「..分かりました」

 

大淀「それと提督..葉風提督から連絡が」

 

八幡「来たか」

 

イケメンで仕事が早くてエリート、そしてイケメン。嫌になるくらい完璧だな。まあもう出来れば関わりたくないんだけどね?

 

大淀「通信ではなく..文通で」

 

八幡「つまり..言いづらいことか」

 

そう言い大淀から手紙を受け取る

 

大淀「中は見てないので..。その件に関しては提督に任せます。私はこれで」

 

そう言い捨て出ていく

 

八幡「おう」

 

任せとけ..。なんて主人公っぽい事を言えればカッコもつくんだろうが、生憎俺は主人公じゃないものでね、だからあんまり期待すんなよ。てか最初からしてないか..。

 

加賀「提督..それは?」

 

八幡「プライベートなやつだ」

 

正直こいつらに言ってメリットになることなんて特に無い。加賀ならまだしも翔鶴なんかはデメリットしかなさそうだ。

 

翔鶴「なにか企んでるんじゃないんですか?」

 

八幡「あーはいはい。そーですね」

 

もう面倒臭いから流そう。それが1番

 

翔鶴「馬鹿にしないでください!!」

 

その上沸点が低いとかほんとにタチ悪い。いやいや、今はそんな場合じゃないな。手紙の内容だ

 

八幡「どれどれ......」

 

ここまで予想通りだと困ったもんだな。悪い予想が完璧に的中しちまった

 

翔鶴「ちょっと無視しないでください!!」

 

加賀「落ち着きなさい。みっともないわよ」

 

翔鶴「でも!もしかしたらまた鎮守府を..」

 

八幡「悪い..。真面目な話がしたいから少し外してくれないか?」

 

あの大将も酷い人だ。俺がこんなの見ただけで納得出来ると思ってんのかよ

 

翔鶴「やっぱり密談を..!」

 

そう言われながらも受話器を取る。

 

八幡「もう面倒だからそこにいてもいい。けど、うるさくするなよ?」

 

加賀「はぁ..。分かったわ」

 

翔鶴「..場合によります」

 

ほんとに図々しくて嫌になる。加賀はまだしも翔鶴が面倒くさすぎてたまらん

 

pururu....

 

葉風「もしもし」

 

八幡「どうも」

 

葉風「あの件の話かい?」

 

八幡「はい。あれで俺が納得出来るとでも?」

 

葉風「すまない。今の俺にはこれが限界だ。それにあの手紙だけでも充分だったろ?逆に何が納得出来なかったんだい?」

 

八幡「事の経緯が何もわからないじゃないですか」

 

葉風「知り合って間もないから、知ったような口をしたくは無いんだけど..今の君は君らしくないよ」

 

八幡「俺が?俺らしくない?」

 

葉風「俺が知ってる比企谷提督は非情で流されず、我が強く、現実をそのまま受け止める人間だよ。けど今は、その現実を受け止めたくないように思える」

 

..確かに。俺はなんでこの人に電話した?何のために?認めたくなかったから..か。

 

八幡「..グウの音も出ませんよ」

 

葉風「そうだね..。もし今逆の立場だったら君ならこう言うんじゃないかな?”この世で1番美しい行動は何だと思う?それは他人の為につく嘘だ。じゃあ1番醜い行動は?..自分につく嘘だ。”なんて言うんじゃないかな?」

 

八幡「まさにその通りすぎて笑えてきました..。お騒がせしました」

 

葉風「ううん。いいんだ。がんばりなよ」

 

そう言って電話を切る。

 

八幡「はぁ..。まさか言い負かされるとはな..」

 

ならどうする?美しい行動をするのか、それとも醜い行動をするか..。いやどっちも俺らしくない。比企谷八幡はそんな甘い人間なんかじゃない。甘いのはマッ缶だけで充分だ。だから俺は..俺らしい行動をする

 

加賀「終わりましたか..。」

 

翔鶴「お相手はほんとに葉風提督だったんですね」

 

八幡「そう言ってただろ。さてと、ここからが本番か」

 

アイツに受け止められるかどうか..。いや、いつかは受け止めなくちゃいけない。それから逃げようが立ち向かおうがアイツの勝手だ。俺には関係ない。俺は依頼を受けてその報告をするだけなんだから

 

八幡「2人とも..睦月を呼んで来てくれ」

 

翔鶴「そんなの館内放送をすればいいじゃないですか」

 

八幡「あまり公に出来ない話なんだ。まあ最悪俺が呼びに行く。だからお前らは暫く執務室以外の場所に行ってくれ」

 

加賀「理由は....言えない、ですか」

 

八幡「悪い」

 

翔鶴「却下です」

 

加賀「分かりました。自室に戻るとします」

 

翔鶴「加賀さん!?」

 

やっぱり加賀は物分りが良くて助かる。空気も読めるしな

 

八幡「お前も早く行け」

 

翔鶴「..睦月ちゃんに何する気ですか?」

 

八幡「お前には関係のない話だろ。ほら加賀はもう行っちまったぞ?」

 

いい加減こいつの偽善にもうんざりだな..

 

翔鶴「関係なくなんてないです!!」

 

八幡「なぁ..どうしてそんなにも俺に突っかかってくるんだ?」

 

翔鶴「前任の提督みたいな悪行を繰り返さないようにです!」

 

繰り返さない..ねぇ

 

八幡「翔鶴..お前はどうして前任の提督でそれをしなかった?」

 

翔鶴「それは瑞鶴を人質に..」

 

八幡「そんで今は人質がいないから強気ってわけか。とんだ腰抜けだな..お前」

 

翔鶴「んなっ!!何も知らない人が知った口を聞くな!!」

 

八幡「充分過ぎるくらい分かったぜ?つまりお前は、人質がいたからなんて自分に言い訳して前任の提督に尽くしてたんだろ?事実、人質がいなくなった途端いきがり始めたのがいい例だ」

 

翔鶴「ならあなたは自分の家族が人質にとられても同じ事が言えますか!?」

 

小町が人質とられたら....考えるまでもない

 

八幡「俺は助ける。どんな手段を使っても..助ける」

 

大切な妹を傷つける奴はこの俺が許さん。千葉の妹愛..舐めんなよ?

 

翔鶴「それで周りの人達も巻き込まれるんですよ!?」

 

八幡「だから?」

 

翔鶴「は?」

 

八幡「だから何なんだよ。周りのヤツらなんか知るか。囚われている間何もされないなんて保証はないからな。そいつらに恨まれようがなんだろうが俺は助ける」

 

翔鶴「そんな身勝手な..!」

 

八幡「だから腰抜けって言ってんだよ」

 

翔鶴「なら今までの私は..腰抜けでも構いません。でも今はちがう!今ならちゃんと抗える!」

 

八幡「抗う?何に?」

 

翔鶴「あなたにですよ..」

 

八幡「....くっ、ははは。なるほど。分かったよ」

 

翔鶴「..何が」

 

八幡「お前はただ自分を良く見せたいだけなんだ。周りにチヤホヤされたいだけなんだろ?だからあからさまに俺に突っかかってくる。昔はあんなだったけど今の自分はこんなにも抗えるって、過去の自分を否定したいんだけなんだろ?そうすれば気が楽だもんな」

 

翔鶴「違う!そんなこと微塵も思ってない!あなたみたいな最低な人間と一緒にしないでよ!」

 

八幡「違くないし、一緒だ。俺と同じ最底辺の人間だ。むしろ俺なんかの言葉で逆上してるんだから俺より下かもな」

 

翔鶴「違う..違う..」

 

八幡「ホントはもう気づいてるんじゃないか?自分がその程度の..」

 

加賀「提督..少しやりすぎなのではないかしら?」

 

..熱くなりすぎたな。

 

八幡「..悪い。てか、加賀はまだいたのか」

 

加賀「この子が心配で来てみたのだけれど..。予想通りね。一応自室に連れていくけれど、あまり彼女を責めないであげてちょうだい」

 

八幡「なら翔鶴にも俺をあんま責めるなって伝えてくれ」

 

加賀「気が向いたら...」

 

それ絶対に伝えないやつだわ。

 

八幡「一難去ってまた一難..か。この後の方が少し怖いな」

 

そう呟きながら執務室を後にし、睦月のもとへ向かう八幡。

 

 

執務室の机の上には比企谷提督宛の手紙が一つ。その封は乱雑に破られており、手紙も出したまま。その内容は

 

 

 

ーー調査結果ーー

 

 

睦月型 2番艦 如月は数ヶ月前に行方不明、捜索の末、彼女の艤装が発見され、轟沈とされる。




今回は少し多めに書いてみました!
肩がこる〜


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彼は彼女に面影を重ねる

やはりこの時間に限るな( -ω- `)フッ
原作を艦隊これくしょんに返させていただきました。申し訳ございませんが、ご了承ください


響「それで暁が転んで泣いてしまったんだ」

 

暁「ちょっと響!言わなくていいことまで言わないでよ!」

 

睦月「暁ちゃんかわいい〜♪」

 

電「ドジっ子なのです」

 

雷「あんたも人の事言えないでしょ..」

 

楽しそうな会話..。俺が絶対に入ることが出来ない場所。それを見て微笑ましくも思うが、今は無性に悲しいのは何故だろうか..。

 

八幡「楽しいところ悪い。睦月..ちょっといいか?」

 

響「司令官が話しかけてくるなんて珍しいね..。雪でも降るのかな?」

 

電「し、司令官..」

 

あからさま..。まあいつも通りだから気にはしないが..響、流石に話しかけただけで雪を降らせるほど俺は偉大な人間じゃないし、失礼だぞ?

 

睦月「ん〜?睦月ちゃんに何か用かな〜?」

 

八幡「話がある。一緒にきてくれ」

 

雷「ここじゃ..できない話なの?」

 

八幡「そう睨みつけんな。ちなみにその質問はyesだ。というかそれを決める権利は俺には無い。睦月に聞け」

 

睦月「もしかして..依頼の件..かな?」

 

八幡「ああ」

 

睦月「なら、皆にも聞かせてあげて?..同じ鎮守府の仲間だからさ」

 

響「睦月..」

 

まあ..いつかは皆気づく。というか何となく察しがついてるやつもいるだろうな。こいつらは馬鹿でどうしよもないが、鈍感じゃない。

 

八幡「そうか..。なら簡潔に言うぞ」

 

睦月「うん」

 

八幡「如月は..轟沈した」

 

静寂..。多分数十秒もたってないんだろうが、俺には数十分もたってる感覚だ。イヤな汗が出てくる。睦月がどんな顔をしてるのか..怖くて直視できない。悲しんでる?怒ってる?それとも..

 

睦月「そっか〜..それじゃあ仕方ない!」

 

笑顔..だった。いつも通り、純粋無垢で、ちょっとあざとくて、俺には眩しすぎる、でも偽物の笑顔

 

八幡「そうだな..。仕方ないな」

 

きっと俺の事を気遣ってるんだろう。自意識過剰と言われようがなんだろうが俺にはそう思えてたまらない。優しいな、強いな、お前は..凄い奴だ

 

雷「嘘..。如月さんが..轟沈?」

 

響「..残念だ」

 

暁「し、仕方なくなんてないわよ!!そんな一言で済ませちゃっていいの!?いいわけない!」

 

睦月「うん。私だって悲しいよ?でも喚いたって悲しんだって現実は変わらない。それは皆が一番分かってる事でしょ?」

 

暁「でも..でもぉ」

 

睦月「よしよし。そんな時はお姉ちゃんに甘えなさい」

 

でもその優しさは..嘘なんだよ。多分その嘘は誰にだって見抜ける嘘。でも肯定してあげたい嘘。

 

響「司令官..。君は、あのままにしておくのかい?」

 

八幡「残念ながらそんなつもりは毛頭ない」

 

響「ふっ..。君はやはり最低だね」

 

八幡「分かってるじゃねーか。俺は最低な人間だ。てかそんな事質問するお前は鬼畜だよ」

 

響「違いない」

 

そんな嘘クソくらえだ。悪いが俺は優しい女の子は大っ嫌いなものでね、そんな甘々なシチュエーションを見ると、それを台無しにして現実を見させたくなるタチなんだよ。

 

八幡「睦月..」

 

睦月「提督、そんな心配そうな顔をしないでください♪残念な顔がさらに残念になってますよ!」

 

そう..。俺は最低な人間。だから真っ正面から言わせてもらう

 

電「睦月ちゃんは強いのです!」

 

暁「流石レディね..」

 

八幡「はぁ..」

 

睦月「どうましたぁ〜?溜め息なんかついちゃって」

 

八幡「別にどうもしてねーよ」

 

睦月「..その割には何か言いたそうですけどね」

 

八幡「あぁ。くだらないな..って思っただけだ」

 

睦月「何がですか?」

 

八幡「お前の強がりがだよ」

 

睦月「別に強がってなんかいませんよ?」

 

八幡「..面倒だから率直に言わせてもらう。らしくないぞ」

 

睦月「いつも通りですよ〜」

 

八幡「いいや、お前は他人の事を気遣ったりするやつじゃない。お前は他人の領域に土足で勝手に入って来るような自由奔放なやつだ」

 

そしてそのあざとさを使い、相手を..っと話がずれるところだった。

 

睦月「誰だって仲間が悲しんでたら気にしますよ」

 

八幡「違うな。それは気にしてるんじゃなくて気を紛らわしてんだよ。黙ってると考えてしまうから、現実に押しつぶされそうになるから、だから考えないよう他人の心配をしてんだろ?」

 

睦月「..違いますよ。そもそも如月ちゃんの事はあまり期待はしてませんでした。覚悟もしてました。だからそんなに悲しくありません」

 

八幡「でも期待してたんだろ?今でもどこかで生きている事を」

 

睦月「だから..」

 

八幡「期待してたから俺に依頼してきたんだろ?もう既に轟沈してるかもって考えもそりゃあったんだろうが..それでも期待、してたんだろ?」

 

睦月「い、いやだから..」

 

八幡「ならなんで、俺に依頼してきたんだ?」

 

睦月「そんなの..期待してたからに決まってるじゃないですか!!!自分が大好きだった人の事をもう死んでるだなんて割り切れるわけがないじゃないですか!!」

 

そりゃそうだ。俺だってどんなに戒めても期待してしまう。そんでもって後悔する。でも期待しなければ後で傷つかなくてすむ、だから期待なんてしない。睦月はそれを分かってたんだろう。けどな、人の感情ってのは意外と我が儘で、馬鹿なんだよ。考えてしまうんだ、もしかしたらってな..。

 

八幡「なら、自分には嘘をつくな。それは最も醜い行為だ。誰もそんなお前の姿見たくねーよ」

 

睦月「でも今更..意味が無いですよ」

 

八幡「そりゃそうだ。泣いた所で何も変わらん。でも人がなぜ泣くか知ってるか?....自分を守る為だ。人は自己中な生き物なんだよ。それに自分の行動に意味を求めたところで大した答えは得られねーよ」

 

睦月「うっ..嫌だよ..如月ちゃん..嫌だよぉ」

 

俺がそうだったからな。ま、俺の仕事は終了だ。後はお前らの仕事だぞ?

 

響「やっぱり..司令官は最低だ。まあでも、ありがとう」

 

八幡「うっせ、言いたい事言っただけだ」

 

最低なのにありがとうってなんか違うくない?気のせい?気のせいか

 

 

 

 

 

八幡「やはり仕事の後にはベストプレイスで一杯やるのが1番だな」

 

マッ缶が俺の体を癒してくれる。糖分とかを考えるとむしろ蝕んでる気もするけど。

 

時雨「やぁ..」

 

八幡「おう」

 

何でこうも俺のベストプレイスにはこいつらが来るんだ?

 

時雨「隣..いいかな?」

 

八幡「ああ」

 

ちょっと、近い近い!ボッチとは適切な距離をとって話してください!勘違いしちゃうから!

 

時雨「さっきの話..聞いたよ」

 

八幡「睦月はあの後どうだった?」

 

時雨「そりゃもう泣き喚いてたよ。天龍さんが、あのクソ野郎の仕業かー!!って叫んでたよ?」

 

八幡「おー、そりゃ怖い」

 

そうか、泣いてたか。

 

時雨「というか..提督にしては珍しくないかい?」

 

八幡「は?なにが?」

 

時雨「いつもなら冷たい事言うのに、今回は地味に優しかった」

 

地味にってなんだよ..。俺にだって優しいところとかあるぞ?えっ..誰にって、地球とかに?

 

八幡「俺は思ってること言っただけだからな。よく分からん」

 

時雨「でもいつもなら俺には関係ないって感じで放置しそうだけど?」

 

八幡「はぁ..。響と長門に頼まれたんだよ」

 

時雨「へぇ〜ほんとにそれだけ〜?」

 

ウザイ..けど、ま、まぁ悪くないですね。そしてそのニヤケづら、あざといです

 

八幡「それだけだ。しつこいぞ」

 

時雨「はいはい。っと、そろそろ出撃の時間だ。僕はこれで失礼するね」

 

八幡「おう、頑張れよ」

 

時雨「なんか気持ち悪いね。まあ頑張るよ」

 

もう二度と言ってやらん。これ絶対

 

八幡「あぁ..疲れた」

 

いつもなら..か。実はなんか小町となんとなく似てるからほっとけなかった、なんて恥ずかしくて言えない。そこ、シスコンとか言わない。兄として当然です

 




今回はシリアスっぽくなりましたが、いい感じに終わらせられたと思います!
次回もどうぞ宜しくです!


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彼は最悪な仕事を任される

そろそろ新しい作品を書こうかなと思っているので投稿スピード落ちるかもです


睦月との一件も収集がつき、数日がたった..。

 

八幡「そういえば最近翔鶴はどうしたんだ?」

 

加賀「貴方が心を抉るような事をいうから拗ねてるわ」

 

あれま..。そりゃ悪い事した..って俺のせいじゃなくない?俺悪くないよね?

 

加賀「そうね。貴方は悪くないわ」

 

八幡「心読むなよ..。エスパーなの?怖すぎるんだけど」

 

加賀「私はそう思ってるだけよ。あれはどこからどう見ても翔鶴が八つ当たりしてるだけにしか見えなかったもの」

 

八幡「..意外だな。てっきり非難してくるかと思った」

 

加賀「私は周りの評価に流されたりはしないわ。自分の目で見たものを信じてるので」

 

おぉ..素晴らしい考え方だ。こいつとは仲良く出来そうだ。多分..

 

八幡「へぇ..そりゃいい事だ。自分の意思を貫く所は好感をもてる」

 

加賀「何故でしょうね。褒められてるのに嬉しくないわ」

 

ツンデレなの?それとも本心なの!?ハチマンワカラナイ!

 

コンコン..

 

 

長門「失礼する」

 

八幡「まだ入っていいなんて言ってないんだが?」

 

長門「ダメだったか?」

 

八幡「いやまぁいいんだけどさ..。それで何のようだ?」

 

ほら、威厳とかさ?あ、元々ないか..

 

 

長門「単刀直入に言う。授業をしてくれないか?」

 

八幡「..は?」

 

長門「実は今日の駆逐艦の授業を担当していた愛宕が体調不良でな..かわりに提督にでてもらいたい」

 

八幡「いやいや、なんで俺?」

 

てか、この鎮守府は駆逐艦相手に授業してるの!?初耳なんだけど!

 

長門「道徳の授業なんだが、そういう人間関連の事なら提督が一番適任だと思ったんだが」

 

八幡「というかなんで授業なんかしてんだよ。訓練とかの方が需要あるんじゃないか?」

 

長門「そうなんだがな..。前任の提督のせいで一般常識などが身に付いていないんだ。だから最低限の知識をつけておこうということで授業を設けてる」

 

なるほど..。一理あるが、

 

八幡「俺がやるより訓練の方がやる気でるだろ。俺が授業して、そのせいでモチベーションが下がったなんて言われたらたまったもんじゃない」

 

長門「そこは心配するな。意外な事に駆逐艦の皆が提督に教わりたいらしい」

 

八幡「えぇ..。なんでそうなるんだ」

 

長門「単純な好奇心だろう。付き合ってやってくれ。授業内容とかは全て提督に任せる」

 

八幡「おい、まだやるなんて言ってないぞ?そもそも俺には仕事が..」

 

加賀「終わったわ」

 

八幡「..終わったあとにはベストプレイスでマッ缶を一杯飲まなければ..」

 

加賀「赤城さんが今日全部飲んでたわ」

 

八幡「..じ、じゃあ昼寝..っておい!それ聞き捨てならないぞ!?」

 

長門「とりあえず頼むぞ」

 

八幡「ちょっ、待て....まじかぁ」

 

たかだか数十年しか生きてない俺が道徳を教えろとか..。その前に赤城は夕飯抜きだな。

 

加賀「期待してるわ」

 

八幡「ほんと勘弁してくれよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「流されるままこのまで来てしまった..。というかこんな所があったのか。ここの提督なのに知らなかったわ」

 

あれ?ほんとに俺提督なの?なんか不安になってきた

 

ガラガラ..

 

八幡「し、失礼します..」

 

職員室に入る時の緊張感と似てる..。お腹痛い、もうやだ帰りたいです

ザワザワ..

 

時雨「ほんとに来るとは..」

 

響「驚いた」

 

八幡「おい、お前らが呼んでおいてそりゃないだろ」

 

帰っていいなら帰るけどね!てか帰らせて!?

 

睦月「帰っちゃダメですよ〜♪」

 

なんで心読むの??ここの艦娘エスパー多いんですけど!

 

八幡「もういいから、早く席につけ」

 

電「き、起立、礼なのです..」

 

艦隊「「お願いします」」

 

電「着席なのです」

 

凄く..小学生感ある。こいつらに何教えればいいんだ?

 

八幡「えっと、愛宕の変わりに今日は俺が授業をやります..。ってか何すればいいか聞いてないんだけど」

 

吹雪「長門さんには提督の事をよく知っておけと言われました」

 

時雨「なら僕らから一つずつ質問するから答えてよ」

 

響「ふむ、それはいい考えだ」

 

八幡「答えられないのは答えないぞ?」

 

雷「安心して司令官!!答えられなくても気にしないから!」

 

まって、なんでそんな笑顔なの?怖いんですけど..てか、いつからそんなにフレンドリーになったの?怖いんですけど!

 

八幡「お、おう。そうか」

 

電「何を質問しようか悩むのです」

 

暁「レディは優柔不断じゃダメなのよ?」

 

こいつら..何があった。もしかして俺にもモテ期が!?いやこれ以上はやめとこう。なんか後悔しそうだ

 

島風「提督とは初対面なのでよく分からないんですが」

 

八幡「まあ、俺の事じゃなくてもいい。そうだな..人間の事でもいいぞ。人間の悪い所なら腐るほど知ってるからな」

 

島風「そ、そうですか」

 

八幡「まあちょっと時間やるから考えとけ」

 

艦娘達「「はーい」」

 

10人くらいからの質問攻めか..。まあ大丈夫だろう。ただ、ここの艦娘には常識がほとんど通じない。どんな破天荒な質問が飛んでくるか分からんからな。それなりに覚悟しておこう。

 

 




中途半端?
それがいいんですよ..。次回が気になって仕方がないでしょう。これぞ焦らしプレイ!

すいません何でもないです笑


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彼のする授業とは

春休みももうすぐ終わってしまう( ー̀ωー́ )



 

教師、それは学生に知識を教える職。しかし、たまにあまり役に立たない知識を教える職でもある。

 

八幡「多分俺の場合後者なんだよな」

 

どうして俺がこいつらに道徳とやらを教えなきゃいけないんだ?しかもよく分からないことに質問に答える授業になっちゃったし..。いや、俺もそれでいいって言ったよ?でもさ、他にもっと教えることあったんじゃないかな〜って今後悔する八幡です。はいキモイですね

 

時雨「提督、もうそろそろいいんじゃないかな?」

 

八幡「ん?ああ。そうだな。じゃあ俺から見て左の席から順番にいこう」

 

島風「ちょ!いきなり私ですか?」

 

八幡「一番俺と交流のない奴らからの方が質問しやすいだろうが」

 

天津風「確かに一理あるわね」

 

時津風「しれぇは気が利きますね!」

 

八幡「はいはい。じゃあ島風から」

 

島風「うーん..そうですねぇ。好きな人は」

 

八幡「いない。はい次」

 

島風「あ、嘘です!!ごめんなさい!!」

 

八幡「なんだよ..。もう質問に答えちゃったぞ?」

 

時雨「まあまあ..1人1回しか質問できないなんて言ってないじゃないからいいじゃないか」

 

八幡「..確かに。まあそんな沢山は無しな」

 

島風「ラ、ラジャー」

 

何故にラジャー?

 

島風「じゃあ..この鎮守府に配属され来た感想は、何かありますか?」

 

八幡「そうだな..。一言で言えば最悪だな。理由とかは言わなくても分かるだろ?」

 

島風「包み隠さず直球で言ってきた!?」

 

八幡「いや、逆に嘘ついてどーすんだよ。質問する授業なんだからちゃんと正直に答えるさ。じゃあ次、時津風」

 

時津風「うーん..あ、ここに配属されて一番大変だった事ってなんですか?」

 

八幡「そうだな..。自己紹介だな。めちゃくちゃ緊張したし、噛まないか心配だった」

 

時津風「うわぁ..意外と普通」

 

八幡「俺に面白さを求めてもいい事ないぞ。次は天津風だな」

 

天津風「そうね。ここで一番嫌いな艦娘は誰かしら」

 

八幡「陰口みたいでなんかあれだが、強いていえば天龍だな。アイツはめんどくさい」

 

天津風「ちなみに..他の艦娘はどうなの?」

 

八幡「ん?普通だな」

 

天津風「そ、そう」

 

八幡「何も関わりのないやつを嫌いとか言うほど腐ってない」

 

時雨「腐ってるでしょ」

 

睦月「腐ってますね」

 

吹雪「腐ってますよ」

 

響「腐ってるね」

 

電「腐ってるのです」

 

雷「腐ってるわ」

 

暁「さすが提督ね!ってあれ?」

 

ちょっと..なんか酷くない?あと暁はありがとう。後で凍らせたシャーベットマッ缶をプレゼントしてやるよ

 

八幡「お前らなぁ..。まあいい。次、睦月」

 

睦月「はいはーい♪じゃあ..睦月ちゃんの事どう思ってるか聞きたいなぁ?」

 

八幡「ウザイ、めんどくさい、そしてあざとい」

 

睦月「えぇ..なんかしょんぼり」

 

八幡「お前が質問したんだろうが。次は吹雪だな」

 

吹雪「提督はこの鎮守府をどうしたいですか?」

 

八幡「俺が楽して仕事できる鎮守府にしたい」

 

吹雪「..なんか違うような..。」

 

八幡「そんなことはない。じゃあ次は暁か」

 

暁「ふふん!私からの質問は、私はレディよね?っていう質問よ!」

 

響「そ、それは..」

 

電「どうなのかなぁ、なのです」

 

雷「貴方はそんなに悩んでいたのね..」

 

暁「ちょっとそれはどういう事よー!」

 

暁..お前はいいやつだからな。花を持たせてやるよ

八幡「そうだな。暁..お前は立派なレディだよ。この俺が認めてやる」

 

艦娘達(暁以外)「「え?」」

 

暁「..流石提督ね!!見る目があるわ!!」

 

響「おかしい..私が知ってる司令官じゃない」

 

時雨「うん。同感だ。あれは誰だい?」

 

八幡「おい、俺は俺だぞ?というか俺だって人の事を褒めたりするぞ?」

 

睦月「じゃあ何で睦月の時は褒めてくれなかったんですかー!?」

 

八幡「睦月、よく考えてみろ..。俺にウザイって言わせるほど関わりを持つ事は意外と凄いことなんだぞ?つまりそこまで言わせる睦月は凄いってことだ」

 

睦月「な、なるほど!!流石提督です!!」

 

こいつは..馬鹿でよかった、ほんとに。

 

八幡「おう。サンキュー。じゃあ次は電か」

 

電「じ、じゃあ..なんで暁ちゃんはレディなのですか?」

 

八幡「そんなの決まってんだろ?暁は偉いからだ」

 

暁「当然ね!」

 

電「な、なるほどなのです」

 

天津風「つまりさっき腐ってるって言わなかったかしら」

 

時津風「しれぇらしいというかなんというか..」

 

島風「アホですね」

 

あの、そこの御三方?聞こえてますからね?あと島風、そのアホは俺か?それとも暁か?暁がアホって言うならそりゃ俺も同感だ。

 

八幡「んじゃ、次は雷だ」

 

雷「そうね!もっと私に頼ってもいいのよ!」

 

八幡「おうそうか。ならもっと頼るわ」

 

雷「そ、そう?なんか照れるわね」

 

質問なのか?それって..

 

八幡「んじゃあ次は..響か」

 

響「そうだね..じゃあ司令官の好きな女の人のタイプは?」

 

八幡「そんなん聞いてどうすんだよ..」

 

響「いいから..答えてくれないか?」

 

俺の好きなタイプか..。楽させてくれる人がいいからな

 

八幡「そうだな..。とりあえず働いてて、養ってくれる人がいいな」

 

響「なんというか..全くもって腐ってるね..。」

 

八幡「うるせー。んじゃ最後、時雨」

こいつは要注意人物だ。どんな爆弾質問してくるか分からんからな

 

時雨「そうだね。じゃあここの艦娘と結婚するなら誰とがいいかな?」

 

ほらきたー。そういうのくると思ったよ。予想通りすぎて逆になんか気持ちいよ。気持ち悪いからやめよう。

 

八幡「そんなんいねーよ」

 

時雨「そうじゃなくて、結婚しろって上から命令が出た時に誰とするかみたいな感じだよ」

 

八幡「うーん..誰だろうな。多分そんな命令が出たら一番最初に俺に話しかけに来たやつにいうかな」

 

時雨「なんか求めてた答えと違うけど..まあいいとするよ」

 

八幡「とりあえず、今日はここまでだな。以上解散!!」

 

電「起立、礼なのです」

 

艦娘「「ありがとうございました」」

 

 

とりあえず、これでいいのか?いやよくないと思うけど..まあいいっか。....マッ缶飲むか。あ、凍らせてシャーベットマッ缶を暁に届けなければ!!

 

 




ゴーストリーコンが楽しすぎて更新遅れました笑


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彼と市長

深夜に失礼..。
というかこの時間帯が一番書きやすいから投稿してます笑


 

俺への質問というよく分からん授業をした後、たまに授業を任せられる事が多くなった。ちなみにこの前の授業は「人間の醜さ」というのを主体に教えてみたところ、何故かわからんが長門に怒られた。愛宕はニコニコ笑ってるだけで何も言ってこなかったが..。

 

八幡「今日も平和だなぁ..」

 

あ、外で響達が遊んでる。あ、暁が転んだ。あ、様子を見に行こうとした電が転んだ。

 

八幡「アホだろ」

 

大淀「あの、提督?」

 

八幡「ん?」

 

大淀「ちゃんと仕事をしてください。こんなに資料が溜まってるんですよ?」

 

八幡「..加賀。夕飯何がいい?」

 

加賀「和食がいいですね」

 

八幡「そうか..。とんかつ?」

 

加賀「おろしポン酢、そして締めにざるそばを」

 

八幡「なるほど。この資料を片付けられたら今日の夕食の献立をそれにしてやろう」

 

加賀「..一航戦の誇りに賭けてこの資料を片付けるわ」

 

誇りそんなのに賭けていいの?ちょっと複雑なんだけど..

 

大淀「提督..。餌で釣るなんて」

 

八幡「適材適所って言葉があるだろ?俺はここから外を眺めてマッ缶を飲み、好き勝手やる。加賀は資料を片付け夕飯を楽しみに待つ。つまりそういう事だ」

 

大淀「何故でしょう。言い返せない..」

 

八幡「言い返さないでいい。そういえばそろそろ天龍達が遠征から帰ってくる時間だな。報告受けるの嫌だから、大淀頼んだ」

 

大淀「面倒になるのは目に見えてますからね..分かりました。承ります」

 

最近、艦娘達が妙に素直で助かる。まあ殆どが他の艦娘のためってのもあるからか..。徐々にここの艦娘達の扱い方が分かってきた気がする

 

八幡「ん?ありゃ誰だ?」

 

大淀「あれは....市長ですね」

 

八幡「遂に来たか」

 

この日のために沢山調べたからな..約1時間くらいだけど

 

大淀「暁ちゃんが!!」

 

八幡「っ!?」

 

おいおい..なんで殴られてるんだよ。暁のアホは何かやったのか?ただそこに立ってただけのように見えたが。

 

加賀「とりあえず現場に行きましょう。そうでないと状況が把握できないわ」

 

八幡「そ、そうだな」

 

というより、なんで避けなかった?艦娘は普段から訓練とかしてるはずだ。人間の攻撃なんて簡単に避けられるはず..

 

 

 

市長「おい!!ここの提督を出せ!!」

 

八幡「自分が、ここの提督です。自分に何か用ですか?」

 

大淀「暁ちゃん..大丈夫ですか?」

 

暁「うっ..レディは..泣かないんだから..」

 

響「とりあえず、中に入ろう」

 

とりあえず大丈夫そうだな。まあ艦娘は丈夫だからな..あれくらいでどうにかなるわけないか。きっとこの市長も同じ考えなんだろうが..

 

市長「お前が新しい提督か?」

 

八幡「そうですが..いきなりの訪問、そして自分の艦娘への暴力、そこまでするほど自分に何が用でしたか?」

 

天龍「ん?おい何やってんだ?」

 

くそ..最悪なタイミングで天龍達が帰ってきやがった

 

八幡「いや、ちょっと俺に用があるってわざわざ来て..」

 

市長「艦娘の話などどうでもいい!!それより私の話だ!!」

 

ちょっとちょっと..。この人怒りすぎでしょ。

 

天龍「あ?テメー聞いてりゃ好き勝手言いやがって..」

 

市長「貴様..市長に向かってなんて無礼な言葉を使うんだ!!解体だ!!こいつを解体しろぉぉ!!」

 

天龍「し、市長?」

 

八幡「らしい。とりあえず静かにしてろ」

 

市長「おい!!聞いてるのか!!こいつを解体しろと言っている!!」

 

八幡「とりあえず..ここでは目立ちますから、中でお話しませんか?」

 

市長「はぁはぁ..ちっ!!案内しろ!」

 

口悪すぎだろ..。あとハアハアしないでくれる?息くさいから..

 

 

 

 

 

八幡「大淀..とりあえずお茶だしてくれ」

 

大淀「わ、分かりました」

 

こいつの用ってのは大体想像できる。どうせ巡回が町の海岸の方まで回ってないとかだろう..そこだけ言われると職務怠慢で俺が悪いことになるんだよね

 

八幡「それで..ご用件とは?」

 

市長「とぼけるな!ここ最近の巡回、町の方まで来てないじゃないか!!」

 

やっぱりか..何故巡回しないか..。艦娘に危害を加えたから、って言っても証拠が無いと証言ができない。でも証拠があればそれだけで裁判沙汰になるし、艦娘に対する尊厳の冒涜という事で、そんなに艦娘が嫌なら海岸の警備は自分達でやってくださいね。ただ、深海戦艦が来た場合は人間じゃどうにもならんので近場の鎮守府に連絡して増援を頼んでください..との事らしい。ま、艦娘に暴力振りたくなるほど嫌いなら仕方ないよな。そんで、完璧なまでにこいつを言い負かす舞台は整ってくれた。

 

八幡「あぁ..そんな事ですか」

 

市長「そんな事だと!?こっちは命がかかってるんだぞ!?」

 

八幡「市長..貴方はどれだけ前任の提督と悪事を重ねたか、覚えてますかね?」

 

市長「..っ。はて、なん事だかさっぱりだが。そんな事より巡回の件だ!!こっちは本営に訴える事だって考えているんだぞ!?」

 

はぁ..。こいつの考えなんざお見通しだ。訴えられたくなければ言う事を聞け、そして艦娘を好き勝手使わせろ、とかだろ?いい年して艦娘とそんな事したいとか..ロリコンかよ..。いくらなんでも笑えないぜ?あ、別に羨ましいとかじゃないけどね!?ほ、ホントだよ!?

 

八幡「まあ別に訴えたければお好きにどうぞ?ただその場合、こんな写真とかを証言に使っても..いいですよね?」

 

知ってるか?人間ってのは相手を完璧に信用するなんて事は滅多に無い。それが前任みたくずる賢いやつなら当然だ。そして残念な事にその前任と俺の思考回路は結構似てるらしく、俺ならこうするって思った事をかなりの確率でしていた。それがそのうちの一つ。

 

市長「こ、これは..」

 

八幡「貴方が、前任と一緒になって悪いことしてた証拠としては充分なんじゃないんですかね?」

 

艦娘と市長が..まあなんていうか、市長が艦娘に酷いことしてる写真だ。内容はご想像に任せる。ちなみにこれは俺の趣味ではないからね?

 

市長「な、何故これを..」

 

八幡「その反応はこの写真に心あたりがあるんですよね?」

 

もしも相手が裏切ろうとした時、もしも相手を服従させたい時、そんな時が来ないとも限らない。そんな時の為に相手の弱みを握っておく..上等手段だな。しかもあえて複数握っておくとか、流石前任ってところだな

 

市長「これをどこで手に入れた!!」

 

八幡「前任の残したファイルに一杯入ってましたよ。これが世間や本営に知れ渡ったらどうなるんですかね?」

 

市長「渡せ..今すぐそれを渡せ!」

 

八幡「ちなみにここの部屋で話した事は録音してるんで..これを俺から奪ったところで本営にこの会話を聞かれたら元も子もないですよ?」

 

市長「くそがァ!!何が目的だ!!」

 

何が目的か..。あれ?これ何が目的なんだろう。艦娘達の尊厳の回復、かな?まあそれでいいや。よく決めてなかったし..でもそれ言うのなんか恥ずかしいからやめとこう。

 

八幡「別に何も?ただ貴方の悪事を暴きたかっただけですよ」

 

まあでも..暁の事を殴った時は、ちょっとだけ、イラッときたかな

 

市長「クソッ..クソッ..クソォ!!」

 

八幡「観念してください。今本営の方に..」

 

カチャ..

 

市長「ハハ..そうだ..ここで貴様を殺せば..」

 

八幡「っ!?ちょ、そんな事しても何も意味無いですよ!?」

 

ガチャ!!パァン!!

 

八幡「ヒィ!!」

 

あぁ..死んだ..次もし転生するなら..もっと平和な場所がいいな

 

八幡「ってあれ?死んでない」

 

睦月「ねぇ!聞いた?ヒィ!だって〜♪」

 

時雨「うん。聞いたよ。途中までかっこよかったのに残念だよね」

 

響「まあでも暁にした事のお返しが出来て満足さ」

 

なんでこの3人が?そんで市長が押し倒されて拘束されてる..

 

八幡「..え、っと」

 

時雨「何が起きたか分かってないみたいだね」

 

睦月「睦月ちゃん達が助けてあげたんですよぉ〜♪」

 

響「感謝してほしいね」

 

八幡「..ハァァァ、助かったぁ」

 

死ぬかと思ったわぁ..

 

時雨「とりあえず僕はこの人を牢屋に入れておくね」

 

え、あの艦娘を監禁してた場所にいれるの?

 

睦月「じゃあ睦月ちゃんは葉風提督に連絡をして、今後の対応を確認してきマース!」

 

響「司令官..お疲れ様」

 

八幡「お、おう」

 

え、終わりなの?最後はもっとかっこよく終わらせる予定だったのに..まあ、いっか

 

睦月「ヒィ!!..ププ」

 

時雨「くっ..あんま..ふっ..言わないでよ..」

 

響「っ....」

 

八幡「もう死にたい」

 

ちょっとカッコつけようとした俺が馬鹿でした。二度としませんごめんなさい




やっと町の問題の解決への第一歩を踏み出せた気がします!!


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彼はよく重要な決断を迫られる

時間がかかって申し訳ない..。
私情で少し忙しかったもので(棒)
あ、はいすいません。ホントは他の人の作品を読み漁っていたら自分が投稿してることを完璧に忘れてました。


 

八幡「俺はどうしていつも詰めが甘いんだろうか..。甘い物の飲み過ぎなのか?マッ缶やめてカフェオレとかにした方がいいのか?」

 

俺は今自分が出した恥ずかしい声に対して、何故あんな声を出したのか、何故あんな事になってしまったのかを考えてるんだけど..。

 

八幡「俺がしっかり巡回させてればこんな事には..。あぁ恥ずかしぃぃ!!」

 

加賀「提督..うるさいので黙ってくれないかしら?作業が捗らないわ」

 

八幡「お前には分からんだろうよ..。あんな情けない声出したんだぞ?」

 

実際、数日たってるが未だに引きずってる..。はい、ウザいですねごめんなさい。

 

加賀「確か睦月が録音してたらしく、みんなに聞かせてるわ。でも拳銃を突きつけられたのだから仕方ないと思うわ」

 

八幡「そうだよなぁ....って今なんて言った?」

 

加賀「提督は生身の人間なのだから拳銃は怖いものなのでは?」

 

八幡「いや、そっちじゃなくて..。睦月が何だって?」

 

加賀「録音...」

 

八幡「何を?」

 

加賀「....私の口からは言えません」

 

八幡「あのね?そこまで言っちゃったらもう言ったも同然なんだよ?むしろそこで敢えて言わない方がなんか辛いから!というかそこまで言って止めるなら最初から言わないで欲しかったよ!!」

 

加賀「私、嘘がつけないタイプなのよ。仕方ないわ」

 

八幡「ハイハイ..シカタナイデスネ..」

 

 

 

コンコン....

 

 

大淀「提督..葉風提督が来られました。お通ししても宜しいでしょうか。プッ..」

 

八幡「お願いだから葉風さんには変な事言うなよ!?これ以上黒歴史を増やしたくないから!!」

 

大淀「分かってますよ..。とりあえず待合室にてお待ちいただいてますが?」

 

八幡「いいよ。俺が行く。あ、着いてくんなよ?特に睦月とか睦月とか睦月とか!!」

 

睦月「むむむ..。なぜバレたんですかね。というかなんで睦月だけなんですかぁ!!」

 

八幡「ホントにいたのかよ..。怖すぎだろ。もう艦娘やめて忍者になれよ。スパイとか絶対向いてるって」

 

大淀「私が監視しておきますから、行ってください」

 

八幡「悪い」

 

大淀..お前ホントはいい奴なんだな。なんだかんだ俺の意図とか分かってくれるし、気づかいとか完璧だし..

 

大淀「..プッ」

 

前言撤回..。クソ野郎だ!!いや、性別的には女だからクソアマか!!

 

 

 

 

 

 

八幡「お待たせしました」

 

葉風「とりあえず、お疲れ様..でいいのかな?」

 

八幡「いえ、自分は何もしてないですから..」

 

葉風「そんな事は無いさ。でもここからが本題だよ」

 

八幡「はい」

 

市長の処罰の件..か。

 

葉風「本営に伝達した所、判決は黒。そして前任と一緒に悪業を働いていた事が町の人達にバレてネットとかが大炎上中だよ」

 

八幡「もうそれって町の人どころか全国まで..」

 

葉風「うん。そうなるね」

 

怖っ!!ネット怖っ!!

 

葉風「町の信用を落とした挙句、艦娘に手を出していたなんてバレたら市長としての立場はもう無いだろうね」

 

俺..もしかしてとんでもないことやらかしてたりする?いやでも悪いことしてないしな..。

 

 

八幡「そんな事になってたんですか..」

 

葉風「知らなかったのかい?」

 

八幡「あ〜..ここ数日疲れて寝込んでたんですよねぇ〜」

 

葉風「なるほど..それじゃ仕方ないか..」

 

えぇ..チョロ過ぎない?速攻騙されたよこの人。

 

葉風「それで..市長はどうなるか、だが」

 

うーん。まあ市長の立場から下ろされるのが妥当か。その後刑務所行きって感じか?

 

葉風「君に任せるそうだ」

 

八幡「は?」

 

葉風「町の人達もそれでいいと言ってるよ」

 

いや絶対殆どの奴がどうでもいいわぁ〜って感じだろ!!この世界ホントなんなの!?物騒だし適当だしもうどうしよも無さすぎるだろ!!

 

八幡「いや、俺なんかが決めるよりも本営の人間が決めた方が..」

 

葉風「それなんだけどね?今回の件で穏健派が急進派に対して有利な立場になったからね。暫く穏健派は好き勝手やれるんだ。そのお礼みたいなものだよ」

 

八幡「なんて嬉しくないお礼なんですか。どっちかっていうと報酬とかの方が欲しかったですよ」

 

葉風「我が儘を言わないでくれ..。こっちも結構カツカツでね。余裕が無いんだ」

 

嘘つけ..絶対にこの鎮守府よりは備蓄あるからね?

 

八幡「そ、そうなんすか」

 

葉風「とりあえず市長に関しては君の好きにするといい。本来なら死罪にもなる可能性だって充分にあったからね。それじゃ僕はこれで..」

 

八幡「はい。ありがとうございました」

 

なるほど..。市長を好きにしていい、そんで死罪になる可能性だってあった。つまり..別に殺しちゃってもいいですよって事か。

 

八幡「ハァ..参ったなぁ。こんな話し、他の奴らに聞かれたら相当めんどくさいぞ?」

 

あ、これフラグ?嫌な予感しかしない..

 

 

バァン!!

 

八幡「ぬわぁ!!?」

 

天龍「おい!!今の話本当か!?」

 

八幡「え、もしかして..」

 

睦月「..えっと....テヘッ✩」

 

あ、これ、終わった




えぇ..もうなんかすいません。そのうちタグで不定期更新って付けときます(;Д;)


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彼は語る

最近色々ありすぎて大変ですね。あ、自分に色々あるのでは無く身の回りに色々あったんですけどね(๑>؂•̀๑)テヘペロ

ホントこれ書いてるだけで給料発生しないかな..


艦娘達「「ガヤガヤ..」」

 

どうしてこうなった..。大淀さん?睦月のこと見張っててくれたんじゃないの?

 

時雨「提督..。これどうするの?」

 

八幡「ホント..どうしたらいいんでしょうね」

 

状況を整理しよう。葉風さんに市長の処遇は任せると言われたところまではいい。それを艦娘達に聞かれてしまった..あれ?もう詰んでね?

 

天龍「おい。あの話..ほんとなのか?」

 

嘘..なんて言っても状況悪化するだけか。だからってなんて言えばいいんだよ..

 

八幡「あ、あぁ」

 

長門「そうか。事実なのか」

 

龍田「なら殺しちゃいましょ?あんなクズ死んでも誰も困らないわ」

 

雷「そうよ..。暁の事もそうだし。今までしてきた事が消えるわけじゃないわ!」

 

天津風「そうね。私もそれで賛成」

 

八幡「ちょっ、待て待て!何勝手に話進めてんだよ。処遇を任されたのはお前らじゃなくて俺だ」

 

長門「提督..私はお前の判断に任せようとは思う。だが、あいつから受けた屈辱は並のものではない。それを理解した上で処遇を決めろ」

 

そりゃそうだ。あの市長は前任と一緒になって艦娘を侮辱してた奴だ。そいつを法的に殺せるってんだからこの上ない話だろうよ。正直、こいつらを納得させて、そんでもって殺させる以外の方法が思いつかない..。俺がいくら綺麗事を言ったところで恨みは消えない。そんなんで消えるくらいならもうとっくに消えてるはずだ。それくらいこいつらの恨みはデカい..

 

八幡「..そう、だな。悪い..少し考えさせてくれ」

 

天龍「は!?おいおい、冗談はよしてくれ!今目の前に俺達を侮辱してた奴がいて、そいつを殺せるってんだぜ!?」

 

八幡「だからこそだ..。殺す殺さないが問題なんじゃない。俺達がどんなふうに話し合って決めたかが問題なんだ。ただ自分達の私情で決めたなんて事になったら..やってる事は前任とさほど変わりないだろ」

 

龍田「そうね..あなたが言ってることはご最もだけれど。そんな綺麗事で我慢できるほど私達は大人じゃないのよ〜?」

 

綺麗事だってのは分かってる。もしかしたら詭弁なのかもしれない。俺だって暁に手を上げたところを見た時、少なからず頭にはきた。お前らがあんな気分をずっと味わってきたのも知ってる。けど..

 

八幡「いや、ダメだ..。我慢してくれ」

 

愛宕「..理由を聞かせてもらえないかしら」

 

八幡「理由..そんなの簡単だ。お前らに前任みたくなってほしくないからだ。俺が着任してすぐはここの全員が俺を前任と同じ呼ばわりしてきただろ。そんな憎悪の目で見られてきたからお前らの恨みのデカさは良くわかる。今でもそんな目で見てくる奴もいるからな。でも、だからこそだ..お前らに前任みたいな道を歩んでほしくない。そんな事したら、今まで頑張ってきた努力を、生き方を..否定することになるだろうが。そんなの絶対にダメだ」

 

愛宕「生き方..ね」

 

明石「はぁ..納得したわけじゃないし、恨みが消えたわけじゃないけど、私はアンタに任せるわ」

 

時雨「僕も任せるよ」

 

睦月「睦月ちゃんも任せるよ♪」

 

八幡「お、おう」

 

届いてくれるもんだな..。ていうかこれで駄目だったらホントにどうしようって思ってたのは内緒ね?

 

天龍「ちっ..。今回は譲ってやる」

 

龍田「天龍ちゃんがそういうなら私も〜。でもそれが皆の本心じゃないってことも、覚えておいてね」

 

八幡「あぁ。分かってる。他に、意見があるやつはいるか?ない..な。少し時間をくれ。お前らが納得する案を考えて、もし浮かばない場合は..お前らの案でいくつもりだ」

 

長門「期間は?」

 

うっ..。なに?宿題なの?忘れたら市長殺されちゃうのかよ。

 

八幡「..明後日の朝食の時間までには。決める」

 

長門「..了解した。それで頼む」

 

 

 

 

 

 

八幡「ハァァァ....疲れた。もう無理..死ぬ」

 

加賀「提督..今日の夕食に寿司を追加してくれないかしら」

 

八幡「いや和食だけどさ、もっと鎮守府の財布に優しいやつにしてくれ。てか、お前はあの場にいなかったが、良かったのか?」

 

加賀「どっかの誰かが仕事を丸投げしてくれたお陰で行けなかったわ。因みに赤城さんは寝てるはずよ」

 

八幡「あ、はい。すいません。あと最後のは別に聞いてません」

 

加賀「正直、あなたが皆を言いくるめる事が出来るなんて予想外ね」

 

八幡「言いくるめてない。あと、それだと俺は周りの意見に流される奴みたいじゃん」

 

まぁ確かに?ほとんど生きてきてた中で自分の意見が通ったことなんてないけどね?それは俺が生きてた世界が多数決で決まるような世界だったから仕方が無いんですよ。だってボッチだし。つまり俺は悪くない、社会が悪い。いや世界が..かな?

 

加賀「終わったわ」

 

八幡「ん、あんがと」

 

 

..コンコン

 

大淀「失礼します。書類の方受け取りに来ました」

 

八幡「おぉ、悪いな」

 

大淀「いえいえ!これもお仕事ですから!ではこれで..」

 

八幡「なぁ、大淀。監視は..任せるって言ってたよな?」

 

大淀「資料の整理が.」

 

八幡「なんで睦月があそこにいたのか..俺気になるなぁ..」

 

大淀「す、スケジュールの」

 

八幡「いや待て、スケジュールは俺がいつもやってるだろ。人の功績を盗ろうとするな」

 

大淀、加賀「器が小さすぎ..」

 

八幡「とりあえず大淀明後日までの俺の仕事..全部任せた」

 

多分俺がこの鎮守府に配属されてから一番の笑顔だったと思う。そして大淀は俺が来てから一番の悲鳴だったんだろうな

 

加賀「キモいわね」

 




市長..どうするか。もうこのまま一生牢屋に放置でいいんじゃね?あ、忘れてたわとかで..いいんじゃね?..はいなんでもありません。ちゃんと考えますからw

前書きでも同じ事を言いましたが、もう1度言わせていただきます。

どうして給料発生しないの..


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彼は....

遅れて申し訳ない!
悩みに悩みまくってたらいつの間にか頭からこの作品が消えてましたわ( ºωº )
沢山の感想送ってもらってたのにほんとに申し訳ないです。心を込めて執筆しますので許してください


八幡「..結局全員を納得させる方法を考えつかなかった」

 

約束の朝食の時間まであと30分前後..。あぁ、無理だな

 

八幡「結局俺に出来るのはただ先延ばしにするだけで、解決なんざできないのか」

 

俺は、少なくとも前の俺とは考え方は少し変わってきたと思ってる。相変わらずコミュニケーションは苦手だけど..。でも思ってるだけであって根本的な面は変わってないらしい

 

八幡「せっかく任せられたんだからなぁ..期待には答えられない..か」

 

昔の俺ならそんな全責任をおうことになる役職なんざ絶対に嫌だったんだろうな。カッコいいこと言っておいて結局コレだからな..ダサいったらありゃしない。あぁ..最初から間違ってたんだ。きっと上手くやれる、きっと俺ならそれなりの答えを出せる、きっと変われる、きっと本物も..。いつからこんなに自分の自己評価が高くなったのだろう。調子乗るのもいい加減にしろよ..俺。

 

八幡「らしくないことするから後悔するんだ。俺は俺を貫いてたはずなのにな」

 

ボッチは最強だと俺ははっきり言えるが、それゆえに最弱という矛盾の存在。いつもは周りに期待して最後に後悔していた、何度も戒めてたけど結局は期待してしまう。俺はそんな俺が嫌いだった。けど今回は俺は俺自身に期待してしまった..。これじゃ昔周りにいたアホどもと大差ないじゃねーの。俺は初めて自分の事が大っ嫌いになりそうだ..

 

コンコン..

 

誰だ?

 

八幡「..どうぞ?」

 

大淀「失礼します。あの、もうそろそろ時間が..」

 

時計を見ると先程見た時間から40分ほど経過していた

 

八幡「あぁ..わるい。少し考え事してたわ。今行くから先行ってろ」

 

大淀「は、はい」

 

不安そうに頷き、食堂の方へ向かう大淀

 

八幡「はぁ..。自己嫌悪は後だ。今は考えろ。前の俺ならどうしてた..」

 

前の俺ならどう納得させてた?考えろ。

 

八幡「いや..違うな。納得なんてさせる必要は無かったんだ!」

 

そうだ..そうだよな..

 

考えをまとめた八幡は食堂へ足を進める..その途中で鏡があった..笑顔がキモかった。

 

八幡「うん。笑顔ダメ絶対..」

 

 

ーー食堂ーー

 

長門「大淀。提督はまだか?」

 

大淀「少し考え事してたようで..今来ると仰ってました」

 

時雨「心配だよ..」

 

響「同感だね」

 

八幡「悪い待たせた」

 

全員の視線が八幡に集まる

 

天龍「んで?いい考え思いついたのかよ」

 

八幡「あー悪いな。俺には無理だったみたいだわ」

 

俺はこいつらに普通の艦娘になってほしい。そうなるために市長の死は必要か?いや、いらないな。そしてもう一つ。俺はいつの間にかこいつらから信頼を勝ち取ろうとしていたらしい。ボッチにそんなもんいらない。そもそも俺への信頼なんざ無くても普通の艦娘としてはやってけるだろうよ..だから

 

天龍「なら..」

 

八幡「だから俺の勝手にやらせてもらう」

 

俺のやりたいようにやるだけだ。

 

一瞬の静寂..

 

艦娘「「はぁぁぁぁ!!?」」

 

八幡「まあ考えつかなかった場合お前らの案でいくっていったが..あれは嘘だ!」

 

天龍「ふ、ふっざけんな!!!おま、何言ってんのか意味わかんねぇよ!!」

 

八幡「とりあえず簡潔に言うぞ?市長には顔と戸籍を変えてもらってもう1度市長になってもらう。弱みはこっちが握ってるからな..後はこっちが市長にやってほしい事をしてもらうだけだ。例えばこの前お前らを拉致しようとしたやからの特定とかな?」

 

長門「おい..それで私達が、あぁそうですね。と言えると思っているのか?」

 

八幡「まずそこが間違ってるんだよ。俺は誰だ?提督だ。ここで一番偉い。お前らの意思なんて関係ないんだよ」

 

そう、関係ないんだ。後は俺が他の提督と変われば、こいつらは人の血で手を汚さずにすむ。すべて綺麗さっぱりだ。

 

加賀「関係ない..ですか。少し貴方のことを良い人と思っていたのですが、間違いだったようね。」

 

八幡「大いに間違いだ。そもそも俺が良い人間に見えるのがおかしい。とりあえず話は以上だ。はい、解散!」

 

天龍「..待てよ..俺達があいつらに何をされたか分かってんだろ?..なぁ!頼むって..何人いなくなっちまったと思ってんだ。あいつらのせいで..俺達は..」

 

震える声で天龍が嘆くように言う

 

1度感じてしまったこいつらの温かさがいけなかったのか..。少し、少しだけ..悲しい。けど俺は俺を貫く。それが比企谷八幡だから。

 

八幡「はぁ..あいつらのせい..か。」

 

天龍「なんだよ..」

 

八幡「お前らはそうやって同情をかいたいだけなんだ。周りからチヤホヤされてたくてたまらないんだろ?」

 

天龍「ち、ちげ」

 

八幡「まず悪いのはあいつらじゃない。お前らだ。問題を先延ばしにして、他人任せにして、結局は口だけ。誰かに言われなきゃ動けないから仲間を失うんだ。お前らには自分達を守る力もあれば、仲間を救う力だってあったはずだ。何度も言ったろ?なんで行動に移さなかったのかって」

 

長門「それは人質を取られてたからと言っただろう?それともなんだ?人質はどうなってもいいとでも?」

 

八幡「死人がどうやって人質を解体するんだ?」

 

長門「は?」

 

八幡「長門はもっと頭のいいやつだと思ってたんだがな。前任を例えば拘束したとしよう。どうやって人質に危害を加える?なぁ、教えてくれよ」

 

長門「そ、それは..」

 

吹雪「提督も人質を取られたら分かりますよ。何も出来なくなってしまうんです」

 

八幡「だろーな。最初はそうかもしれない。でも時間が経てば誰か気づいたはずだ..。前任を身動きとれなくさせれば人質も大丈夫だって」

 

吹雪「それは..人質の場所がわからなかったから」

 

八幡「尋問でもすれば良かったんじゃないか?」

 

響「なら市長はどうするんだい?」

 

八幡「アホ。お前ら何人いると思ってんだ。少し作戦練れば簡単だったろーが。それにさっさと場所聞いとけばすぐに助けに行くことだって可能だったろ?」

 

天龍「だからって仇討ちしてーってのは当然の気持ちだろ!?」

 

八幡「仇討ち..ね。する資格..あんのかよ。仲間を救えるのに救わず、そしてすべて他人任せな上に、自分は悪くないと被害者ぶる奴に..そんな資格ねーよ」

 

時雨「提督は..ずっとそういう風に僕達を見てたのかい?」

 

..見ていない、と思い込みたかったんだろうな、きっと。そんな甘い考えで今まで生きてこなかっただろ、俺は。甘いのはマッ缶だけで充分だ。

 

八幡「..あぁ。前からずっと言ってたろ?なんで助ける力があるのに助けないんだって」

 

時雨「そっ..か..」

 

八幡「そーいう訳だ。事実を受け入れろ。人生そんな甘くない」

 

そう言ってマッ缶を取り食堂から出ていく八幡。その時横を通った間宮の悲しげな顔が何故か心にきた..

 

 

 

 

八幡「はぁ..んな顔すんなよ。俺まで悲しくなる」

 

 

 

 

ベストプレイスで海風にあたりながらマッ缶を飲む

 

八幡「..やっぱり甘いなぁ」

 

 

その時の彼の背中は、どことなく寂しげだった

 




文句は言わせない。言わせないよぉぉぉ!!


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彼に対する艦娘からの要望

そろそろ学生はテスト期間でしょうか..え?俺?テストなんて無かったんや..


あれから数日..。色々な事があった。まず葉風さんに市長の処遇の件の報告と手回しをお願いしたり。辞表を本営に提出したり..あれ?これくらいしかなくね?

 

八幡「はぁ..疲れた。提督やめたらどーすっか」

 

色々考えてみたが、結局ニートしか考えつかなかった。俺本当にダメ人間だわ。ま、本営の人に頼んで提督の育成学校の先生でもやらせてもらえるだろ..多分

 

 

prrrrr.....ガチャ..

 

八幡「はい」

 

葉風「もしもし..」

 

八幡「あぁ..葉風さんですか。先日はどうも」

 

葉風「いや、賢明な判断だと思う。今日はその話をするために電話をしたわけじゃないんだ」

 

八幡「あぁ辞表の件ですか?」

 

この人には言ってないから、多分本営の方から連絡がいったんだろ

 

葉風「隠す気はないんだね」

 

八幡「隠したって仕方ないでしょ」

 

葉風「あぁ、そうだな。それで単刀直入に言う。辞表は却下だってさ」

 

八幡「え、なぜに..」

 

予想外だった..。俺みたいな新人提督が何人やめようが関係ないと思ったんだがな..

 

葉風「本営いわく、ここまで私情に任せず冷静な判断をする事が出来る優秀な人材を失いたくない。だそうだ。」

 

八幡「ちょっと評価高すぎやしません?」

 

葉風「君の自己評価が低すぎるんだよ。あと市長の整形の方は無事に終了した。その後の事もこっちに任せてくれ」

 

八幡「ほんと..何から何まですいません」

 

葉風「いやいいんだ。一つ気になったんだけど、艦娘達は反対しなかったのかい?」

 

八幡「あー..いやそれは、まあ少し」

 

葉風「はは..どうせ自分勝手に動いたんだろ?分かるよ。今は艦娘との関係を修復することに集中してくれ」

 

八幡「分かりました」

 

葉風「..うん。それじゃあ」

 

八幡「失礼します」

 

ガチャ..

 

八幡「修復..ね」

 

いや無理だろ。てかする気ないし、でもああでも言わないとあの人は引き下がらないだろからな..仕方ない

 

八幡「さて..仕事するか」

 

加賀「もう終わりましたよ。これが資料です」

 

八幡「お、おう」

 

速すぎだよ..。俺もうすることないじゃん。

 

加賀「では、私はこれで」

 

八幡「サンキューな」

 

正直、加賀が仕事を続けてくれたのは意外だった。あの一件以来、他の艦娘からの接触がかなり減ったからな。俺としては助かるんだけどね?だってほら毎回緊張してたら疲れちゃうじゃん。

 

八幡「さて..どーすっかねぇ」

 

暇だ。寝るか..

 

コンコン..

 

八幡「今取り込み中です。えーっと3時間くらいまって」

 

大淀「失礼します..って何布団出し始めてるんですか」

 

あれ?俺今取り込み中って言ったよね?あれー?おっかしいなー..。

 

八幡「何もすることが無いから寝るんだよ。1時間仕事したら10分寝なきゃいけないんだ。常識だろ?」

 

大淀「はぁ..とりあえずこれを」

 

えぇ..無視ですか。そうですか。ほんと俺提督なのかな?やっぱり辞めた方が良かったんじゃね?

 

八幡「なんだこれ..」

 

大淀「皆からの要望をまとめたものです。要望を許可するなら判子を押して、しないなら捨てて構いません。質問などもありますのでその場合は口頭で答えるか、書いておくかしてください」

 

八幡「..めんどくさ」

 

大淀「そうですか。では、夜に取りに来ますのでそれまでに終わらせといてくださいね」

 

そう言って出ていく大淀

 

八幡「はぁ..折角布団出したのによ。しまわなきゃじゃん」

 

てか態度に出過ぎじゃね?もうちょっと隠そうとしようよ。俺がもし前任みたく解体とか言い出したらどーすんだよ。いつか言ってやるからな..後悔させてやる!まあそんな度胸ないけどね..。いやもうちょい頑張れよ、俺。

 

八幡「さて、仕事すっか」

 

なんかデジャブ..これで仕事が知らぬ間に終わってるとか、無いよね..

 

八幡「えーっとなになに?」

 

長門『極秘で頼む。駆逐艦の人形を作りすぎてしまった..。置く場所を作りたい』

 

八幡『いやだ』

 

え、長門ってロリコンだったの..。怖いわぁ..

 

八幡「さて気を取り直して..次は島風か」

 

島風『皆おっそーい』

 

クシャクシャ..ポイ..

 

八幡「..あれ?これって要望とか質問とか書いてあるんだよね?」

 

これは..いや、考えちゃダメだな。うん。俺は何も見なかった

 

八幡「えーっと次は..天津風か」

 

天津風『トイレが汚いわ』

 

八幡『掃除しろアホ』

 

うわぁ..こいつの部屋絶対に汚いわ。行く事ないだろうけど行かないようにしよう。

 

八幡「なんかもう見たくなくなってきた。..次は天龍か。こいつのは見なくていいや。次は龍田だな」

 

龍田『天龍ちゃんの要望..しっかり、み・て・ね?』

 

怖ァァ!!何こいつ!未来予知してきやがった!!と、と、とりあえず落ち着け..落ち着いて天龍のを見ておこう。俺弱すぎだろ..

 

天龍『提督は死ね。あと最近ガキ達の飯が少ない気がする。そして死ね』

 

八幡『食事の方は了解した』

 

死ねって2回言ってきたよこの子。俺死んだら食料誰が調達すんの。あ、もう町に出歩けるから..あれ?俺ほんとにいらなくね?てか丸文字とか可愛いな

 

八幡「龍田のは見なかったことにしよう。次は..電か」

 

電『暁ちゃんがおねしょしちゃったので新しい布団をお願いしますなのです』

 

八幡『了解。あと暁にはオムツ履かせとけ』

 

文面でも、なのです使うのか。てか暁..もう何も言わん

 

八幡「さて次は..雷か」

 

雷『暁がシャンプー目に入って痛いって言ってるからシャンプーハットがほしいわ』

 

八幡『了解。あと暁には風呂に入る時長門と一緒に入るよう伝えておいてくれ』

 

うん。これで暁の風呂場事情は解決だろ。俺天才。..てか暁、お前..

 

八幡「流石に暁に関係するのはないだろ..次は響か」

 

響『暁が夜トイレに1人で行けないとうるさく寝れない』

 

八幡『電にも言ったんだが、オムツ履かせとけ』

 

おねしょの理由はそれか..。もう暁がなんて言われようがどうじないからな!

 

八幡「次は..時雨か」

 

時雨『最近僕の下着がなくなるんだけど...もしかして提督かい?』

 

八幡『今度お金渡すから買ってこい。あと俺じゃない』

 

もうこの鎮守府..いやだわ

 

八幡「次は..睦月か。どうせくだらないこと書いてんだろ」

 

睦月『この前暁ちゃんが時雨ちゃんの下着持って歩いてたんだけどどーすればいい?plus、最近提督からの睦月ちゃんへの構いが少なくて困ってます』

 

八幡『暁の事は見なかった事にしといてくれ。plus最近睦月があざといので構いたくないです』

 

犯人分かっちゃったよ。また暁だよ。くだらないこと書いてあったけど、それを帳消しにするレベルで重要な事書いてあったよ..。もう誰か暁を救ってあげて..

 

八幡「これで最後か..これなんて読むんだ?字が汚い」

 

??『さいきん、みんなからのしせんがつめたいの。どーしてみんなレディとしてあつかってくれないのかしら』

 

八幡『頑張れ』

 

レディだけ妙に綺麗な字だな。ん?誰だったのかって?そりゃお前..言ったら可哀想じゃん

 

 

八幡「とりあえず..暁、頑張れ。..あっ、名前言っちゃったよ」




暁..頑張れよ


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それでも彼は気持ちを素直に受け取れない

最近あったこと..
この前の帰り道。自分の友人がなんか珍しく優しく接してきてくれたんですよ。生暖かい感じな優しさね?何でだろう..って考えて家に帰ったら家族に鳥の糞ついてる!って笑われました..。言わなかったのは彼なりの優しさなんでしょうけど、自分的には言って欲しかったかな。


八幡「うっ..。もう朝か」

 

日差しが俺の腐った..いや、俺の目にあたって眩しい。いや決して腐った目だなんて言おうとしてないから。自分の目が腐ってるとかいう奴は大体キモい。あ、俺キモイからダメじゃん..

 

八幡「..どうせすることも無いしな。..二度寝だな」

 

そう言ってカーテンを閉め、目を閉じる。

 

ガチャ..

 

ん?なんか開いた音が聞こえたけど..。まあどっかであいつらが遊んでんだろ。

 

ミシ..

 

何でだろう。近くで足音が聴こえる。まさか寝込みを襲いに!?いや変な意味じゃなくて真面目にね!?俺、たった今絶体絶命の危機じゃないですか!!誰か助けて..。

 

シーン....

 

あれ?何もしてこないぞ?ち、ちょっとだけ目を開けてみよう。気づかれないように..そ〜っと

 

八幡「あ、あれ?誰もいない?」

 

も、もしかして..幽霊とか?そ、そんな非現実的な事は断じて信じないぞ!!昔自分で考えた神とか作ったりして、ガチで遊んでたけど..幽霊とか絶対に信じないんだからね!?

 

 

八幡「目が覚めちまったよ..。ま、気のせいで良かったぁ〜」

 

睦月「な〜にがですかぁ〜?♪」

 

八幡「ぬわぁっひょい!?」

 

俺今有り得ない声出した気が..

 

睦月「ぬわぁっひょい..ププ..あ、録音とかしてないから平気ですよ♪」

 

八幡「そ、そうか。ならよかった..じゃなくてだな!」

 

睦月「でも録画はしてマース♪」

 

八幡「は?いや待て..録画って音声も入ってたり..」

 

睦月「....ハイッテマセンヨ」

 

八幡「なんで急に片言なんだよ。せめてもうちょい上手く隠してくれ..」

 

もうやだ..死にたい

 

睦月「むー..睦月ちゃんは素直な子ですから、嘘が苦手なんですよ!」

 

頬をムクーっと膨らますな、あざといし、ウザイし、あと可愛いし..

 

八幡「はいはいそうですか..。んで?もうすぐ朝食の時間だろ。行かなくていいのか?」

 

睦月「提督と一緒に行きますです♪」

 

ますですってなんだよ。最近の流行りなの?それお前が言うからいいが、俺が言ったら批判殺到で流行語大賞取れなくなっちまうぞ?てか俺が言うだけで流行語大賞取れなくなるとか逆にすげーな

 

八幡「は?嫌だよ。なん..ぬおっ!?なんで乗っかってんだよ!」

 

睦月「にしし〜♪ほんとは嬉しいくせに〜♪」

 

やめて!ほんとにやめて!なんかいい匂いするし、柔らかいし、もうほんとにやめて!

 

睦月「あれれ〜?♪顔真っ赤ですけどもしかして興奮しちゃってるんですかぁ?♪」

 

八幡「..ぐっ」

 

八幡は顔を逸らすが逆効果なようで

 

睦月「これもしっかり録画してますからね〜♪バラされたくなければ睦月ちゃんを食堂まで連れてってください♪」

 

八幡「はぁ..最初からそれが目的かよ」

 

睦月「ん〜まぁそれだけじゃないですけどね♪」

 

ただ録画してると脅して俺をパシリたいだけ..か。そう言われるとさっきの気恥ずかしさが薄れてきたな..。無くなったわけじゃないけど。

 

八幡「ま、そういう事ならしゃーねーな」

 

よっ、と言って立ち上がる

 

睦月「おぉ!!たかいですねー!」

 

八幡「そーかい。ご満足いただいてなによりだ」

 

さっきの反応との温度差を感じたのか睦月が心配そう

 

睦月「提督さん?どうかしましたか?」

 

八幡「いーや。別に。早く行くぞ、俺まで怒られる」

 

そう言って少し早めに歩く八幡..

 

睦月「わわっ!急に動かないでくださいよぉ..あっ!おーい!響ちゃーん!」

 

響を見つけ手を振る睦月

 

響「ん、おはよう。ってなにしてるんだい..」

 

八幡「別に..」

 

睦月「おんぶしてって言ったらしてくれたんだよ〜♪」

 

弱味を握られてるから下手に動けん..。ここは黙っていよう。

 

響「そうなのか..なら私も」

 

八幡「無理だ、体力的に」

 

これ以上厄介事を背負い込むのはごめんだからな。ここは穏便に、迅速に、この場を切り抜ける

 

睦月「むー、提督さん!響ちゃんも乗せてあげ..」

 

八幡「響、もうそろそろ集合時間過ぎるぞ。さっさと行け」

 

シッシッ..と手を払いながら八幡は言う

 

響「そ、そうだね。じゃあ先に行くとするよ」

 

八幡「おう。また後でな」

 

響は一礼しその場を後にする

 

睦月「もー..なんでそ〜言っちゃうかな〜」

 

八幡「睦月..もうこれ以上余計なことすんな」

 

睦月「え?」

 

八幡はしゃがんで睦月を下ろす。

 

八幡「余計なことをするなって言ったんだ。正直迷惑だ。俺が他の艦娘と仲良くして何になる?俺はそんな馴れ合いはごめんだ。もう1度言うぞ..迷惑だからやめろ」

 

そう言って八幡食堂に向かう

 

睦月「あ....そんなんじゃないのに..」

 

睦月の寂しそうな声が廊下に響く..。

 

 

 

ーー食堂ーー

 

八幡「えー今日の予定は、まあいつも通り近場の海域の攻略と、遠征で。以上、いただきます」

 

艦娘「「いただきます」」

 

さて、ベストプレイスに行くか..。

 

暁「ちょっと!司令官!」

 

八幡「ん?なんだ暁」

 

暁「さっき私宛にオムツが届いたんだけど!!レディに対して失礼じゃないかしら!?」

 

あ、昨日頼んだのもう来たのか..

 

八幡「あのな暁..最近の大人の女性は確かに普段オムツなんて履かないだろう。でもな、統計的なデータでは夜にオムツを履いて寝る大人の女性が多いみたいなんだ。てっきり暁の事だから知ってると思って頼んでみたんだが..そうか、いらなかったか」

 

暁「え..あ、し、知ってるに決まってるじゃない!!司令の事を試してあげたのよ!」

 

フフン!っという感じにドヤ顔な暁

 

八幡「そーかーなら良かったー(棒)」

 

暁「ならこのシャンプーハットは?」

 

八幡「シャンプーの泡には少しだが酸性が含まれていてな顔などにかかると肌に悪いということで、大人の女性は良くしてるみたいだぞ?」

 

暁「へ、へー!よく知ってるじゃない!」

 

八幡「おう。勉強したからなー(棒)」

 

ちょろ過ぎだろ。適当な事言ったら信じやがった..。てかアホ。さて、さっさと立ち去りますかね

 

暁「司令官?どこに行くの?」

 

八幡「..ちょっと用事がな」

 

時雨「提督も前みたく一緒に食べようよ」

 

八幡「誘いは嬉しいが、今回は遠慮するわ」

 

俺がいても飯が不味くなるだけだろうからな。俺がいなくなった方がみんなの為だ

 

長門「..折角皆が誘ってくれているんだ。そんなに嫌そうな顔をするな」

 

なんでそんな上から目線なんだよ。意味がわからん。

 

八幡「別に嫌ってわけじゃない。察してくれって意味でこんな顔してんだよ」

 

長門「察してくれ..か。さっきも睦月にそう言ったのか?」

 

はぁ..見られてたのかよ。恥ずかしい通り越してめんどくさいわ

 

八幡「まあ、そんなところだな」

 

長門「きっと何か深い理由があるのかもしれないが、あまり子供達に悲しい顔をさせないでくれ」

 

あぁ、何故だろう。きっと長門の言ってることは正しい。きっとあれは俺が悪いんだろう。けど..なぜかイライラする。なんで俺だけ..俺だって..そんなガキみたいな感情が湧き出てくる。

 

八幡「あぁ..善処するわ」

 

睦月の悲しそうな顔が思い浮かぶ。いつも明るいヤツが悲しい顔するとマジで可哀想なるんだよな。でも、俺は自分に近づいてくる奴は、裏があるとか、何を考えてる?とかそんなことを考えちまうんだよ..。この癖、人間らしくて好きだったが、今初めて嫌いになりそうだ。最近自分のことが嫌になってばっかだな。

 

八幡「でも、今回は遠慮しとくわ」

 

それでも俺はこいつらを心から信用出来ない。俺はそういう人間だから。それが比企谷八幡だから。

 

長門「そう、か」

 

その時の目は..死んでいた、なにか悟らなくていい事を悟ってしまったような目。今までは腐っていても生きていた。でも今は....確かに死んでいた。それが、比企谷八幡の事を少なからず好いている艦娘からするととても悲しい事だった。どこで間違ったのか、と一人ひとり考えるが..結局答えは見つからない

 




今回は長くなって申し訳ない!


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彼は彼女達に近づこうとする

最近地味にシリアス展開ばかりで疲れましたわ。いや書いてるの自分なんだけど笑


 

八幡「あぁ..今日もマッ缶が美味い。」

 

波の音を聞きながらマッ缶を飲む八幡。

 

八幡「この後の仕事..嫌だなぁ。ここでずっと過ごしていたいわ。」

 

天龍「アホか。仕事しろ。」

 

八幡「..なんでお前がいんだよ。」

 

いやほんとに意味がわからん。俺の事を嫌ってる天龍がここに来る理由とか..あ、イジメに来たの?

 

天龍「お前、俺とかを冷たくあしらうのは別にいい。だがガキども相手にあの態度はやめろよな。」

 

いやそんなつもりは..ってお前はいいのね。もしかして天龍Mなの?そんな情報手に入れたところで何の価値も無いわ。

 

八幡「もともとこんなもんだろ。大体極力接触なく仕事していくのが俺の方針だったろーが。それには皆賛成してたろ。」

 

天龍「まーな。でもな、あいつらは他人から受ける優しさを知らねーからよ、新鮮なんだよ。」

 

八幡「おいおい..。それじゃあまるで俺が優しい奴みたいじゃん。どこをどー見たらそんなふうに見えるんだよ。」

 

天龍「お前はクソだが前任のクソ野郎と比べたらかなりマシだろ。」

 

野郎があるかないかの違いって..そんなに変わらなくね?語彙力無さすぎなのか俺が前任とさほど変わらないのか..ま、どっちでもいいけどな。

 

八幡「俺より優しい人間なんざ数えきれないくらいいるぞ。そいつらと比べれば俺なんて..」

 

天龍「けどよ、今はお前が俺達の提督だろーが。俺達は他の人間がどんななのかはよくわかんねー。お前の言う通り他の人間はもっと優しいのかもしれない。けど、俺達の提督はお前だろ?」

 

まあそーなんだけどな。それでも俺がやらなかった方が、俺以外のもっと優しい人間が、ここの提督になればもっといい解決方法を見つけられたかもしれないだろ。

 

八幡「意外だな..。お前の評価がそこまで高いとは思わなかった。」

 

天龍「ガキどもが悲しい顔してるのを見たくねーだけだ。」

 

八幡「そーかよ。」

 

こいつは俺の為にここに来たわけじゃないのは最初から分かってはいたが、ここまで自分の為と言い切られるともはや清々しいレベルだ。ま、これくらい遠慮なしに来てくれた方が気が楽なんだろーけどな。

 

天龍「あぁ」

 

でもさ..一つだけ言わせてくれ。

 

八幡「お前、今日出撃の日じゃなかったか?」

 

天龍「......あ。」

 

あ。じゃねーよ!自分勝手にも程があるだろ..。

 

八幡「はぁ..もう分かったから、早く準備して行け。」

 

天龍「いや、でも話が..」

 

八幡「だから分かったって..お前が言いたい事。」

 

天龍「そ、そうか。なら行ってくるわ。」

 

八幡「お前..余裕ぶっこいてるけど、あと2分もねーぞ?」

 

天龍「アホ!それを先に言え!」

 

そう言って駆け足で去っていく天龍。

 

八幡「いやいや..何故に俺が悪くなってるの?おかしくね?」

 

冷たくあしらってるつもりは毛頭ないが..いつもより棘のある言い方をしていたのも事実。はぁ..どっちがガキだっての。勝手に決めつけて、自分が傷つきたくないから遠ざける。でもだからと言って、それで俺があいつらと仲良くなる理由にはならない。てかどーすれば仲良くなれるか全くわからん。ボッチには無理だろ

 

八幡「まぁ、でも前みたく馬鹿言い合えるくらいにはなれる..か。」

 

さて..仕事が溜まってるからな。戻るか..加賀今日出撃だし。

 

八幡「よいしょ..っと。」

 

今日も何事もなく平和に終わると..

 

天龍「おい!!!大変だ!!睦月達が!!!」

 

八幡「え..」

 

俺は走った。何かあったのかは分からないがとにかく走った。

 

八幡「はぁ..はぁ..何があった、んだよ。」

 

大淀「今日朝食後すぐに出撃していた、睦月、時雨、島風、加賀、榛名、計5名が出撃して数十分後に敵と遭遇。戦力差もあり、通信が妨害されていたとの事で援軍も見込めなかったようです。」

 

八幡「被害は..」

 

大淀「全員大破寸前です。特に酷いのは加賀さんかと。皆の盾になったらしく..」

 

八幡「..そうか。入渠ドックは空いてるか?」

 

大淀「空いてはいますが..気を失ったままドックに入れるのは..」

 

確かに..溺れたりするのか分からんが、色々危険ではある。

 

八幡「分かった。」

 

大淀「どうしますか?」

 

八幡「..各自持ち場に戻れ。出撃、遠征がある奴は行け。気にするな..なんて事は言わん。もし、任務に支障をきたすレベルで心配なら今日は休んでも構わない。」

 

大淀「..分かりました。皆にそう伝えておきます。提督はどうなさるんですか?」

 

八幡「こいつらが目を覚ますまでここにいる。こいつらがこうなったのは命令を下した俺が原因でもあるからな。」

 

大淀「..そんなこと」

 

八幡「なくても俺がそうしたいんだ。執務は任せるわ。」

 

大淀「..ホントは執務をやりたくないから、とかですか?」

 

と、苦笑気味に問う

 

八幡「はっ..かもな。」

 

死にはしないだろうし、傷も残らないだろう。それでも自分の見知った奴がこんなになってほっとける程俺は腐ってない。それに俺が出した命令でこうなったんだ。俺が傍にいるのは当然だろ

 

八幡「はぁ..マッ缶が美味くねーな。」

 

最悪の気分だ。

 

 

 

 

 

 

ーー数時間後ーー

 

 

時雨「ん..うぅ」

 

八幡「時雨?大丈夫か?」

 

時雨「提督..?なんで..あっ、他の皆は!?っ!!」

 

八幡「馬鹿..そんな急に起き上がるな。周り見ろ。全員無事だ。」

 

時雨「..そ、そっか。良かったぁ。」

 

八幡「起きたんならさっさとドック行け。傷..痛むだろ。」

 

時雨「..なんか気持ち悪いね。」

 

おい..俺の優しさを返せ

 

時雨「提督が優しい事言うなんて明日は雨かな?」

 

八幡「やめろ。明日はベストプレイスで飯が食えなくなるだろーが。」

 

時雨「え〜、そんな理由なの?」

 

八幡「自分の部下がこんなことになれば誰だって心配するだろ。」

 

時雨「んーそうなのかな?」

 

八幡「..もういいから入渠してこい。」

 

頭をガシガシかきながら気恥ずかしく言う八幡

 

時雨「..僕、今大破してるんだけど..」

 

八幡「知ってる。」

 

時雨「ふ、服が..」

 

八幡「....すまん!そんなつもりは全く..」

 

時雨「いいよ、布団にくるまって行くから。」

 

八幡「もし、他のやつが心配だったら高速修復材使ってこっちに戻ってきてもいいぞ?」

 

時雨「ううん。提督がいるならいいよ。」

 

その言い方だと俺がいるから嫌だ。みたいに聞こえるんですが、気のせいですかね?もしホントだったら八幡悲しい。

 

時雨「あ、別に悪口じゃないからね?提督がいるから安心だねってことだからね?」

 

八幡「あーはいはい。さっさと行け。」

 

時雨「はは...あ、入渠終わったらあのマッ缶?貰ってもいい?」

 

八幡「おう。いいぞ。美味すぎて泣くなよ?俺が泣かしたみたいになるから。」

 

時雨「そんな事言うと泣いちゃうかもよ?」

 

八幡「冗談だよ..。」

 

時雨「知ってるよ。それじゃ、後はよろしくね?」

 

八幡「おう。」

 

久しぶりに艦娘とこんな長く話した気がする。

 

そんな事を思いながら彼女達が起きるのをただただ待つ八幡であった。

 

 

 

 




肩凝りが酷くて嫌になますなぁ(白目)


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彼は彼女らの大切さを理解する

いやぁ..お待たせしました。
ちょっと失恋というものをしましてね..塞ぎ込んでました(๑>؂•̀๑)テヘペロ

やはり俺はぼっちでいいや


あれから全員目覚めて傷が癒えるまでと、体が本調子になるまで休暇とさせた。あれは俺のミスだ。アイツらがそれなりに練度があるからといって安直な編成をしてしまった..。

 

八幡「後悔しないように..ってやってきたんだがなぁ。もっと学ぶことがあるってことか。」

 

あれから2日。皆いつも通り過ごしているが海は深海棲艦が活発な活動を見せている..と、本営から通達があった。これは何を意味するかは素人でも分かる。この先、そんなに遠くない未来、大規模な作戦があるかもしれないという事だ。

 

八幡「もっとあいつらの事を知らなくちゃならない..か。」

 

あれだけ出来る限り関わりたくないと啖呵をきった手前、色々聞づらい面がある..。

 

八幡「けど、これ以上あいつらを傷つけたくない。結局の所責任は俺に来るわけだし。」

 

どうしたものかねぇ..。

 

 

コンコン..

 

八幡「どうぞ..」

 

大淀「失礼します。..えっと大丈夫ですか?」

 

八幡「え?なにが?」

 

大淀「顔色が少し良くないみたいですけど..」

 

八幡「ばっか..この顔色はデフォルトなんだよ。こういう顔しておけば服屋行っても店員に話しかけられないから色々と便利なんだぞ?」

 

大淀「..そうですか。あまり無理なさらないでくださいね?」

 

八幡「....あぁ。」

 

そう優しくされると対応に困るんだよ。女神かと思っちゃったじゃん!ちなみに天使枠は小町で埋まっている

 

大淀「こちらが資料です。目を通しておいてください。」

 

八幡「あんがと。..一ついいか?」

 

大淀「?はい。」

 

八幡「お前は遠くないうちに大規模な作戦があるかもしれないって知ってるだろ?」

 

大淀「はい。」

 

八幡「自信が無いのは今に始まったわけじゃないが俺なんかが指揮をとれると思うか?」

 

くだらない..。そう分かっていながら聞いてしまうほど、俺の心は弱かったのか。ただ俺は大淀に慰めて欲しいだけじゃないかと、情けないったらありゃしない。

 

大淀「そうですね。恐らく無理でしょうね。」

 

八幡「はっ..だろーな。」

 

意外だな。今までのこいつらなら素直に言うなんてことしなかったってのに。

 

大淀「ですけど..あなたは一応ここの提督です。新人だろうとベテランだろうと、やらなくてはならないんですよ。それは艦娘も同じです。」

 

八幡「....なるほどな。悪いな変なこと聞いて。」

 

大淀「いえいえ。フォローはします。自分の仲間が沈むのは嫌ですから。」

 

八幡「はっ..俺も沈むと色々とめんどくさいから嫌だわ。天龍とかうるさそうだしな。」

 

そう考えると沈ませるわけにはいかないな。天龍めんどくさいし。

 

大淀「まぁ..まだ決まったわけじゃないですし」

 

八幡「そうだな。さて..マッ缶でも飲んで..」

 

Prrrrr.....

 

八幡「?..はい。」

 

葉風「やぁ..」

 

八幡「葉風さん?どうしたんですか?」

 

葉風「不味いことになった。」

 

なんだ?大規模作戦の話か?

 

八幡「この前の深海棲艦の話ですか?」

 

葉風「いや..それとは別件だよ。ただその深海棲艦の話よりもかなり厄介な話だ。」

 

八幡「は、はぁ..」

 

葉風「ブラック鎮守府..君達の所も以前はそう呼ばれていたのはしってるね?」

 

八幡「はい。」

 

何の話をしているのか全くわからない..。ブラック鎮守府..

 

葉風「ここ最近、その鎮守府が七つ潰れている。」

 

八幡「それは..穏健派にとっていいことなんじゃ?」

 

葉風「そうもいかないみたいなんだ。なぜ潰れていると思う?あれだけ悪行を上手く隠してきた提督達がなぜ今になって突然、鎮守府を潰されているのか。」

 

その言い方だと潰しているのは本営の人物じゃないってことだよな。想定外の事態..深海棲艦に潰されたってわけじゃないだろうし..

 

八幡「おいおい..もしかして、」

 

葉風「話が早くて助かるよ。君の察した通り艦娘達が鎮守府を潰している。しかも潰した鎮守府の艦娘を仲間に引き込んで今ではかなりの人数になってるよ。」

 

八幡「..笑えない..が因果応報ってやつ、かもしれませんね。」

 

葉風「そうなんだ。そこが一番の問題で、彼女達は苦しい過去を持っている。そしてそれを僕達は見逃して来てしまったのも事実。僕達は知らなかった、関係ないなんて言葉は通用しない。」

 

八幡「..それで、具体的にはどうするんですか?」

 

葉風「交渉を持ちかけるしか今のところ手段がない。それと君にこれを報告した理由は他にあるんだ」

 

あ..そういえば俺の所も

 

八幡「ここもブラック鎮守府でしたね..」

 

葉風「一応..元だけどね。注意しておいてくれ。話は以上だよ。それじゃ..」

 

八幡「ちょ..って切れてるし。来た時どーすればいいんだよ。」

 

 

 

 

 

そうしてあれこれ悩んでいると夕食の時間になっていた。

 

八幡「あぁ..もうこんな時間か。飯を食う前にあいつらに報告しないといけねーなぁ..俺もう本当に社畜だよな。」

 

そうして執務室を出ると..

 

長門「ん?なんだ提督か。」

 

八幡「....長門か。」

 

「........」

 

空気重っ!!!

え、何この状況!俺からなんか話題振らなきゃ行けないの?いやいや無理だ..思い出せ中学の頃を..あれは日直だった時、ペアが女子で放課後プリントをまとめて先生に提出する時だった。廊下を歩いてると話すこともなく空気が重かったのを今でも覚えている。その空気を変えようとした俺が馬鹿だった。

 

「き、今日..雨降るんだってね。」

 

「どうして話したくないって雰囲気伝わんないかなぁ..」

 

あの時の目を今でも忘れられない。まるでゴミを見るような..おい。誰か今、「いや、お前ゴミだろ笑」って思っただろ。俺は地球に優しい存在だ。エコな存在なんだよ。つまりゴミはない。..多分

 

 

そして今..超あの時の状況と酷似してるんですけどぉ!!

 

長門「おい..」

 

八幡「は、ひゃい!」

 

テンパってかんでしまった..。

 

長門「...ど、どうしたんだ?」

 

何故か心配されてしまった..。

 

八幡「いや..びっくりしただけだ。んで?どーした?」

 

長門「あぁ..何やら気を落としているみたいだったからな、この前の事を気にしているのかと..」

 

こいつら急に優しくなって何なの?怖いんですけど!!

 

八幡「気を落としているのはほぼ毎日なんだが。」

 

長門「それは知らん。」

 

おい..それは知っとけよ。

 

八幡「まぁ..気を落としてるわけじゃないんだが。色々とありすぎてな。」

 

長門「色々?」

 

八幡「..この後話す。」

 

長門「そうか。」

 

話すと言っても..さほど長くなるわけじゃない。ただ聞くだけ、お前らはどうするのかと。

 

 




これからは平日に出来る限り投稿します!..多分!!


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彼女らの選択は..

え?なんで急にやる気になってるかって?

そりゃ..読者の意思に答えるのが作者だろ( -ω- `)フッ


 

ーー食堂ーー

 

島風「あ!やっときた!おっそーい!」

 

八幡「おー悪いな。仕事が忙しくてな」

 

天龍「嘘つけ。」

 

電「嘘なのです。」

 

赤城「お腹すきました。」

 

暁「流石司令官ね!!」

 

おい..俺ってそんなに信用されてないの?てか赤城に関してはすまん。暁は....いい子だな。

 

八幡「..お前らなぁ..。まあいい。腹が減ってるところ悪いんだが少し話がある。今後、この鎮守府にかなり関わる話だ。」

 

龍田「話があるなら早くしてくれないかしら〜。」

 

お前らはいちいち突っ込まなくちゃやってられないのかよ。

 

八幡「残念だが少し長めな話になる。ここ最近鎮守府が潰される事件が多数発生している」

 

翔鶴「そんな話よく聞きますけど..」

 

八幡「まあ最後まで聞け。そりゃ潰しているのが本営や深海棲艦ならこんな話をお前らにしない。そして潰されている鎮守府はここの鎮守府と同じ..ブラック鎮守府なんだが、ここまで聞けば勘のいい奴なら..いや、お前らなら誰が犯人なのか分かるんじゃないのか?」

 

時雨「..もしかして..」

 

天津風「..信じられないわ」

 

八幡「そうだ..艦娘がしでかしたことだ。」

 

長門「それを何故私達に今報告する必要があった?余計な心配をするだけならまだしも士気にもかかわるぞ?」

 

八幡「そんなことは分かってる。だが一応..ここもブラック鎮守府だ。ここも潰される可能性も..かなり高確率である。」

 

睦月「睦月はこの鎮守府をもうブラックだなんて思ってないですよ?確かにまだ何人か心を閉ざしてる子もいるみたいだけど..」

 

八幡「それはお前らの主観から見た話だ。他のブラック鎮守府の艦娘からみたら提督は全員敵。そこの艦娘達を助けなくちゃ..なんて心情になるだろ。お前らだって前は俺の事を敵対心剥き出しで見てきたようにな」

 

加賀「つまり私達がどう思っていようと、その艦娘達がブラックだと思っていたらここを潰されると?」

 

八幡「そうだ。しかも相手は七つの鎮守府を既に潰してそこに居た艦娘達を仲間にしているらしい。」

 

時雨「まず数で負けてる..そして相手もそれなりに練度も高いとみると、絶体絶命だね」

 

八幡「全くもってその通りだ。そこで..だ。お前らはどうしたい?」

 

大淀「提督!?」

 

長門「それはつまり..その艦娘達の仲間になろうとここに残って戦おうと好きにしろ..という事か?」

 

八幡「..そうだ。お前らは前任に苦しめられてきた。その恨みがまだ消えてるわけないだろ?この中で、仕返しがしたい。恨みを晴らしたい。そんな事を考えた事がないやつがいるか?そんなはずないだろ。」

 

赤城「お言葉ですが、それだと前任と同じ事をすることになりませんか?」

 

八幡「それは否定しない。お前らにそうなってほしくないとも思ってるさ。けどな、お前らが仕返ししたいと言ってきたら俺は止められない。止めることが出来るほどお前らのことを知らないからな。それで止めるなんてことをするやつはただ自分を良く見せたい自己満野郎だ。俺はそんな奴になりたくない..だから選べ。残るか..去るか。」

 

電「司令官はその艦娘達が来たら..どうするんですか?」

 

八幡「どうするも何も..ただ白旗を挙げるさ。ボッチが数の暴力に勝てるわけないだろ?」

 

長門「それで殺されるかもしれないんだぞ?」

 

八幡「やれるだけの事はする..まあ何とかなるだろ。多分..」

 

神様も俺の体丈夫って言ってたし..多分平気だ。多分..

 

大淀「しかし..提督それでは人類が滅んでしまいますよ。深海棲艦に対抗出来るのは艦娘だけなんですから。」

 

時雨「確かに..そこはどうするんだい?」

 

加賀「重要な事なのだから..ちゃんと考えはあるのよね?」

 

八幡「え?..いや、全く。」

 

艦娘達「「....は?」」

 

長門「..ちょっと待て。提督は人類がどうなってもいいと、そう言ってることになるが..。」

 

八幡「いや、待て待て。俺は1度も人類のために深海棲艦を倒すだなんて言ったことないぞ?」

 

響「じゃあ..なぜ提督に?」

 

八幡「さあな。深海棲艦を倒すのは仕事だし、お金もらってるし、倒さないと飯も食えないし..」

 

艦娘達「「えぇ..」」

 

加賀「ダメな人だとは思っていたけれど..ここまでとは。」

 

八幡「..お前らはさ。俺に何を求めてるんだ?人類の救世主様にでもなって欲しいのか?」

 

時雨「そこまではいってないよ。でも少しは責任を持って..」

 

八幡「責任?それはなんの責任だ?人の命か?悪いがそこまで俺は考えてないぞ。俺が考えてるのは自分の為になる事だけだ。他人の為に働く気は無い。まして、人類がどーのこーのなんざお偉いさん方が決める事であって俺が決めることじゃない。」

 

長門「そうではなく..少しは提督としての自覚を持てと言っているんだ。」

 

八幡「自覚?悪いな。多分そりゃ価値観の違いだ。俺はこう思っていてお前らはそう思ってる。そもそも提督としての自覚を持っていたら町に巡回をまわさないなんて事はしない。」

 

どの道がこいつらにとって幸せなのかは俺には分からない。もしかしたらどっちも不幸かもしれないし、どっちも幸福なのかもしれない。でもそれを決めるのは俺ではなく、こいつらだ。ボッチは自由を求める。それゆえに誰かを束縛したりはしない。それが俺の意思。

 

八幡「さて..決めるのは今じゃなくていい。艦娘達がここを攻めてきた時、勝手にあっちにつけばいい。俺に報告なんてする必要はないからな。以上だ..それじゃ、いただきます。」

 

その日のご飯は珍しく..静かだった。




シリアスすぎて頭が疲れる。もっとギャグを混ぜたかったんだけどな〜。どんどん路線から外れていく気がしてならない。


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彼には唐突すぎた

おいおい..また辞めたと思った人手を挙げろ。
残念だったなぁ( ´∀`)ハハハ
色々書いて、考えてたら時間経ってただけでしたァ( ´∀`)ハハハ

......はい、すいません。お待たせしてしまって。


 

??「動かないで。」

 

八幡「..ん、もう起きる時間か..。」

 

また今日も俺の社畜ライフが始まる。え?そんなに仕事してないって?馬鹿言え!めちゃくちゃしてんだろーが!そこら辺の高校生よりしてるぞ!?絶対に!!

 

寝ぼけ眼で声の主の方を見る。

 

八幡「..え」

 

そこには見知らぬ艦娘が砲塔をこちらに向けていた。

 

??「動かないでと、言ったはずよ?」

 

八幡「..は、はい。」

 

え、なになに!?この展開!?..あーまた夢なのか。そうだよな。夢に決まってる。うんうん。そーと決まればもう一度寝て現実に戻ろう。

 

???「この鎮守府の艦娘を全員集めました!」

 

??「分かったわ。」

 

現実に戻されたわ。これあれだ。あの鎮守府潰しまくってるっていう艦娘達だ。

 

??「さて..着いてきてもらおうかしら。」

 

 

 

 

 

時雨「し、司令官!」

 

八幡「お前ら..」

 

長門「すまない..。寝てる間に侵入されていたようだ。」

 

まあ確かに向こう側に行きたいやつは行けって言っちまったからな。それに関しては仕方ない..っていうか俺のせいだな。

 

八幡「昨日の夜、巡回してたのって..。」

 

睦月「睦月です..」

 

八幡「そうか..。」

 

期待はしてなかった。俺の中では全員向こう側につくと思ってたくらいだからな。ただ割と話してたやつに裏切られるのはいい感じはしないな。まあ俺のせいなんだけど..。

 

??「ふふふ、睦月ちゃんは偉いわね。みんなを助けるために如月達をとおしてくれたんだから。」

 

雷「え!如月って..」

 

暁「う、嘘..」

 

如月「ピンポーン♪みんなの知ってる如月よ。」

 

大淀「そんな..確か、任務中に行方不明になったはずじゃ..。」

 

如月「確かにそうなんだけどね。たまたまこの反乱の意思をもってる艦娘達に拾われたのよ。」

 

長門「..雰囲気がだいぶ変わったな。」

 

如月「そうかな?ちょっと髪が白くなっちゃっただけよ?」

 

ちょっとっていうかもうほとんど白じゃん..。

 

八幡「それで..お前らは..」

 

如月「あなたに喋る権利はないのよ?」

 

八幡「..っ」

 

し、死ぬ。俺もよく腐った目してるって言われるが、こいつのは腐った通りこして死んだ目をしてる..。

 

如月「物分りが良くて助かるわ。さて..皆私達のところに来てくれないかしら。」

 

天龍「つまりお前らと一緒に鎮守府を潰すってことか?」

 

如月「ええ、そういう事よ。」

 

電「ひ、人を殺すのですか?」

 

如月「うーん..人間を殺すって言っても憲兵とかはいつも逃げちゃってるし、そこの司令官は私が始末してるから多分それはないと思うわ。」

 

八幡「艦娘は?」

 

如月「はぁ..貴方に話してるわけじゃ..」

 

八幡「反抗してきた艦娘はどうするのかって聞いてんだ。」

 

如月「....別にどうもこうもないわよ。」

 

八幡「沈ませるんだろ。」

 

如月「仕方のない事よ。私達の目的を邪魔する奴は容赦しない。」

 

八幡「そうか。じゃあ睦月の事も沈ませるのか?」

 

如月「それはないわ。睦月ちゃんは私の邪魔をしないもの。」

 

睦月「..如月ちゃん。」

 

八幡「そうだな。最初は邪魔しないだろうな。」

 

如月「..最初は?」

 

八幡「ああ。睦月は良いやつだ。短い付き合いだがそれは良く分かる。なんたってお前を助けるためにここを抜けてお前を買った鎮守府を潰しに行くって言うくらいだからな。」

 

如月「お前みたいなクズが..睦月ちゃんを語らないで。」

 

八幡「だけどな..。そんな良いやつが、自分と同じ艦娘を攻撃して、沈ませて、なんとも思わないわけないだろ。」

 

如月「..何が言いたいの。」

 

八幡「必ず..必ずだ。近い将来睦月から必ずこう言われるはずだ。もう止めないか、ってな。」

 

如月「ぐっ..そんなわけない!!!」

 

砲塔を構える

 

如月「私の、私の睦月ちゃんがそんな事言うはずがない!!ねぇ..そうでしょ?睦月ちゃん?」

 

睦月「む、睦月は....同じ仲間を攻撃するのは..良くないと..思う。」

 

如月「....何をした。私の睦月ちゃんに何をした!!!」

 

八幡「おいおい..こんなところで撃ったらお前の大事な睦月にも怪我させんぞ?」

 

如月「....お前らさえいなければ..私達は平和に暮らせてたのに..」

 

八幡「いや違うだろ。深海棲艦が全ての元凶だろ?」

 

如月「は?何を言ってるの?お前達のせいで私達は酷い思いをしてきたんじゃない!!」

 

八幡「いや、俺何もしてないし。それに深海棲艦がいなきゃ、お前ら艦娘は生まれてこなかったわけだろ?」

 

如月「黙れ!屁理屈ばっかり言って!」

 

八幡「たとえ屁理屈でも事実だろーが。現実見ろよ。」

 

あ、やべぇ。これ特大ブーメランじゃね?いや気のせいだな。気にしたら負けだ。さっきまで現実みないで二度寝しようとしてたなんて気のせいだ。

 

八幡「確かにお前ら艦娘をゴミのように扱う提督もいる。それも事実だ。そんな提督が艦娘に殺されるのは確かに仕方ない事だと俺は思う。だけどな、艦娘を沈ませるのは違うだろ。」

 

如月「どこが違うのよ!!私達に反抗してくる艦娘はお前達クズの味方をしているどうしようもない子達なのよ!?それか洗脳されているかどっちかよ!」

 

八幡「はぁ..都合がいいんだよお前らは」

 

如月「どこが..」

 

八幡「そういう自分たちのやってる事をそうやって正当化させてる所がだよ。その潰し回ってる鎮守府の艦娘は皆提督から酷い扱いを受けてるんだろ?洗脳?味方?..そんなわけないだろ..そうやって戦わないと戻った時に酷い目にあうからだろ?」

 

如月「なら私達の味方になればいいじゃない!!」

 

八幡「そんな事も分からないのかよ..。ここの前任だってやってたろ。人質だよ。それがいる限り艦娘達は提督を裏切れない。」

 

如月「そ、それは..」

 

八幡「別に俺はお前らがブラック鎮守府を潰そうがなんだろうがそれは構わない。ただそれで非のない艦娘を巻き込むなって言ってんだ。」

 

睦月「如月ちゃん..もうやめようよ。こんな事。悲しいだけだよ..」

 

如月「今更..止められないのよ。大本営からも私達は反乱組織として狙われているし、今更止めたとしても私達に待ってるのはよくて一生独房生活。」

 

八幡「まあだろーな。だけどな..俺はやめなくていいと思ってる。」

 

艦娘「「は?」」

 

八幡「え、いや、まずやめろなんて一言も言ってないぞ?」

 

如月「だ、だってさっきあんなに..」

 

八幡「俺が言いたいのは、悪いのはそういう提督だけで、艦娘は何も悪くないってことだ。」

 

如月「でも..クズだけを始末するのは無理よ。今回は睦月ちゃんがいたから上手くいっただけで..」

 

八幡「もし..もしもの話だ。お前らが艦娘に邪魔をされずにそのブラック鎮守府の提督を捕まえられるとしたら..どうする?」

 

如月「..嫌よ。私達は殺さなきゃ気が済まないの。」

 

八幡「安心しろ。大抵そういう事をやらかした奴は一生独房か死罪になるらしいから。」

 

多分だけど..

 

如月「それはそうだけど..」

 

八幡「だから選べ。このままか、変わるか。」

 

如月「変わるって..どうやって。」

 

八幡「簡単だ。本営に頼んで監査役の艦娘になればいい。」

 

如月「はぁ..何言ってるんだか。私達は人殺しよ?そんなやつの言葉誰が聞くって言うの。」

 

八幡「それはお前らが頼んだ場合だろ?なら..俺が頼んだらどうだ?」

 

如月「..は?」

 

天龍「ちょ、ちょっと待て!そんな事したら共犯と思われるかもじゃねーか!!」

 

八幡「バカは黙ってろ。」

 

天龍「ば、バカぁ!?」

 

八幡「100%出来るって保証は出来ないが..どうだ?やってみる価値はあるだろ?」

 

如月「私は貴方達を信用出来ないわ」

八幡「安心しろ。今ここで話をつけてやる。」

 

如月「余計な事言ったら..その頭無くなるわよ?」

 

八幡「..お、おう。」

 




最近授業中に絵を書く練習してたんですけど、なかなか上手くいかないもんですね。
いつか上達したら八幡の軍服姿描いてみたい(`・ω・´)キリッ


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彼と元帥

お待たせしました!
ちょっと長めです!待たせてしまったので少しだけ長めにしました笑


如月「それで?どうするつもりなのかしら?」

 

八幡「簡単だ。本営に掛け合うしかないだろ。」

 

長門「しかしだな..。人間に危害を加えた艦娘はほとんどの場合解体という処罰を受けるんだぞ?」

 

八幡「ほとんど..だろ?」

 

長門「?」

 

八幡「そりゃ何もしてない人間に危害を加えればそうなるんだろうが、今回は違う。しかも一般人ではなくこの国の為に戦う艦娘を指揮する提督ときた。まずこの情報は絶対に外には漏らしたくないはずだからな、もしいい答えを貰えなかったらこの情報で脅す。」

 

如月「い、一応貴方も本営側の人間でしょ?」

 

八幡「まあそうなんだがな。何がどうあれ今回の原因は本営側にあるだろ。まあお前らもだいぶやらかしてるからな、それなりの監視はつくかもしれないだろうが..。」

 

時雨「いや、それでも自分の味方を脅そうなんて普通しないよ?」

 

睦月「た、たしかに..。」

 

八幡「俺は本営のヤツらを味方だなんて思ってねーよ。舐めんな。」

 

睦月「お!つまり睦月ちゃん達の味方ってことだね♪」

 

八幡「..うるせーな。今回はたまたま原因を作ったのが人間だっただけだ。」

 

響「照れてるね」

 

暁「本物のレディーは黙ってるものよ」

 

ドヤ顔で言ってるけど、そういう事こそ黙っておくものじゃ無いの?めちゃくちゃ俺に聞こえてるんだけど?

 

八幡「はぁ..とりあえず報告しないとな。」

 

 

 

 

Prrrrr.....Prrrrr.....

 

??「はい。」

 

八幡「あ、どうも。俺です。」

 

??「あら。大本営にオレオレ詐欺とはいい度胸ですね。」

 

八幡「いや比企谷ですよ..ってあれ?おかしいな。葉風さんにかけたんだけど。」

 

大和「あぁ..提督なら今大本営で会議中ですよ。私は付き添いで着いてきている秘書艦の大和です。」

 

八幡「そーなんですか。ちょっと急用なんですけど..。」

 

大和「いいですよ。提督からは貴方から連絡があった場合、会議中でも教えて欲しいとの事でしたから。」

 

八幡「そ、そりゃどーも..」

 

葉風さん俺の事好き過ぎじゃね?俺そういう趣味ないんだけど..。

 

大和「では少々お待ちを..。」

 

だが大本営にいるなら丁度いい。

 

 

葉風「ごめんよ。待たせたね。」

 

八幡「いえ、大丈夫です。」

 

葉風「それで..話っていうのは?」

 

八幡「多分わかってると思うんですけど..例の艦娘達の事です。」

 

葉風「やはりか..こっちでもその話をしてた所なんだ。そっちは大丈夫なのかい?」

 

八幡「意外と大丈夫でしたよ。」

 

葉風「過去形..ってことはもしや..」

 

八幡「もう来てますよ。てか今います。」

 

葉風「くそっ..君は人質ってことか!」

 

え..なんか勘違いしてる?

 

八幡「あ、いやそういう訳じゃ..」

 

葉風「とりあえず落ち着いて聞いてくれ..今回の会議で艦娘達の捕獲作戦が決まった..詳しい日程は..」

 

八幡「だからそういう訳じゃないんですって..」

 

葉風「え?」

 

 

八幡説明中........

 

 

葉風「え、えぇぇぇ!?」

 

耳がキーンってなったんだけど..。この歳で耳鳴りで悩むとか悲しすぎんだろ。え?お前の人生の方が考えると悲しくなる?それは言うな..。

 

葉風「つまり..あの艦娘達と交渉して他の鎮守府の監査役にするって言うのが条件で一時休戦状態ってことかい?」

 

八幡「まあそんな所です。」

 

葉風「その条件は..少し厳しいかもしれない。どう言い訳しても人を殺めてしまってるんだから..。」

 

八幡「そういう俺達も変わりませんけどね。そもそも今回の原因は人間側にあるって言うのに全部悪いのは艦娘って事になるのは虫がよすぎるんじゃないんですか?」

 

葉風「それはそうなんだが..。」

 

八幡「そしてこの条件が受け入れられない場合この艦娘達の情報をマスコミにばら撒きます。世の中のマスコミはこういう軍事的なネタには食い付きがいいですからね。そして極めつけはこれ、艦娘達がこうなったのは提督から受けた暴力行為によるものから。こんな事実が世間に流れたら軍の信用なんて底辺に落ちる。調べてみたら艦娘の熱狂的なファンがこの日本だけでもかなりいるみたいですよ?」

 

葉風「僕達を脅すって言うのかい?」

 

八幡「脅すって..何いってんですか。穏健派なんてほざいてるならこのくらいの妥協案さらっと呑み込んで見せろって言ってんですよ。それともアレですか?穏健派とか言っちゃって人間と艦娘のいざこざは全て艦娘のせいにするってか?それじゃあやってる事は急進派よりタチが悪い。」

 

葉風「..こちらにも面子って言うものがあるんだ。君も人だ。分かるだろ?」

 

八幡「自分の地位を守る為に今までの自分を捨てるって言うならそんな地位捨ててやる。艦娘にも心がある。プライドだってある。それをわかっていて、それなりに優先してやるのが穏健派で、それを否定して兵器だと言ってるのが急進派だと思ってたが..違うみたいですね。」

 

葉風「その艦娘達の意見を聞いてあげたい..だがやり過ぎたんだ..。」

 

八幡「じゃあ仕方ない。条件が受け入れられないって言うならさっき言った情報..流させてもらいますよ。しかも俺っていう提督の太鼓判付きでね。」

 

葉風「ちょ..ちょっと待ってくれ。」

 

八幡「なんですか?」

 

葉風「僕1人で決定できる事じゃないんだ..。こっちで話し合わせてくれないか?」

 

八幡「まあそりゃそうですね。10分でお願いします。あ、あと言っときますけど、情報操作しようとしても確定的な証拠写真とか音声とか動画とか色々あるんで無駄だってこと理解してくださいね。10分過ぎても答えが出ない場合は情報を流させてもらうんで。」

 

葉風「わかった。そのまま少し待っててくれ。」

 

 

 

八幡「はぁ..疲れた。」

 

翔鶴「ふ、普通の提督は大本営を敵に回すなんてことしないですよ?」

 

八幡「お前の普通と俺の普通が違うだけだろ。俺にとってはこれが普通。」

 

響「いや流石に特殊すぎるよ..」

 

八幡「スペシャルってことだな。」

 

加賀「言うと思いました。」

 

八幡「そもそもボッチに味方なんていないんだよ。信じられるのは自分だけ。だから俺が信じたことは押し通す性分なんだよ。」

 

ま、昔は心の中だけだったけど..。今は権力がそれなりにあるからな。使える時に使っとかなきゃ損ってもんだ。

 

長門「これで通らなかったらどうするつもりだ?」

 

如月「私達の司令にでもなればいいんじゃないかしら?」

 

八幡「..えぇ。もう犯罪者コースまっしぐらじゃないですかぁ..。」

 

時雨「でも、本営を敵に回す事になるから結局犯罪者になるんじゃないかな?」

 

八幡「如月..お前らの司令としてやっていける気がしてきたわ。」

 

如月「ほんと..貴方みたいないろんな意味でクソな人間がいるなんて思わなかったわ。」

 

八幡「褒め言葉として受け取っておく..」

 

Prrrrr.....

 

大淀「本営からです。」

 

八幡「はい。」

 

??「君かな?巫山戯たことを言っているのは。」

 

八幡「はぁ..。俺は至極真面目なんですけどね。」

 

??「ハッハッハッハ!!!そりゃいい!!」

 

え、何この人。怖いんだけど。急に高笑い始めたよ。この世界にも材木座がいたの?死んでも着いてくるとかどんなストーカーだよ..。

 

平野「おっと..すまんの。ワシの名前は平野。一応元帥だ。最近の若いのはどうしようもない腰抜けばかりかと思ったが..君みたいなのがいるとはな!ワシは嬉しいぞ!」

 

八幡「そ、それは良かったです。」

 

平野「さて..監視役の話だが。5対5でなかなか決まらんくてな。なんだかムズムズしてしまって..ワシが勝手に監査役OKしちゃった♪」

 

いやいい歳こいて♪つけんなよ。それ許されんの小町か睦月だけだから。もしくはそれと同等の可愛さを持つやつだけだから..。

 

八幡「ムズムズって..まあどうも。通りではやい連絡だったんですね。」

 

平野「まあそこは気にするな。ただし条件がある。監査役にするのはいいんじゃが、それでも危険因子というのは変わりはない。そこでお前さんには監査役の監視役を命じる。」

 

八幡「え..マジですか?」

 

ただでさえ今忙しいのに..。え?書類とか任せ切りだろって?それはほら..あれだよあれ。あれなんだよ。

 

平野「当然じゃろ。お前さんが言いだしたことなんじゃ。最後まで責任も持て。まあ監査役の監視役の仕事は本営に悪い事してないか、どこを監査したかくらいで構わんよ。」

 

八幡「そ、そうすか..。」

 

追加の給料でるかな..。

 

平野「ただ監査した鎮守府がブラックであってもそこの提督は捕まえるんじゃぞ?間違っても殺さないように。それも監査役の監視役の仕事じゃ。」

 

あぁ..この人監査役の監査役ってなんか言いやすくてめちゃくちゃ乱用してるな?まあ分からなくもないけど。語呂がいいし。

 

八幡「まあ..分かりました。色々無理言ってすいませんでした。」

 

平野「気にするでない。元はと言えばワシらが原因じゃ。艦娘達だけに責任を負わせるのは可哀想じゃろ?」

 

八幡「ですね。」

 

平野「ま、仕事の方はいつ始めてもらっても構わん。以上じゃ。頑張りなさいな。」

 

八幡「はい!」




これからはギャグを多めにいれていきます!
なんというか少し疲れました笑笑


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彼は変わらない

俺は..もう何も言うことはないです。


 

あれから1週間ほど経った頃、大本営からの招集がかかった。恐らく..如月の件の今後の方針と、俺の処遇。監視役として頑張れと言われたが、それだけで済むほど世の中甘くはない。

 

時雨「ほんとに付き添いが如月で大丈夫なのかい?」

 

八幡「ん?あぁ、とりあえず呼び出されたのが俺とアイツだからな。ついでに付き添いとして来てもらうことにした。」

 

本音は何を言われるかわからないから連れていきたくないんだがな。如月は仕方がない..そう、仕方ないのです。

 

如月「アイツ呼ばわりするの止めてくれる?」

 

八幡「ハイハイそのうちな。それじゃあ行ってくるわ。」

 

 

 

ーー大本営ーー

 

提督A「おい、あれって..」

 

提督B「やめとけって。見たら潰された鎮守府の提督みたく殺されちまうぞ?」

 

提督A「ははは、冗談キツイぜ!」

 

ここでもこういう陰口ってのはあるんだな。やはり社会に出ようが、学校であろうが、人ってのは根本的には皆同じなんだな。優劣をつけて他者を侮辱する。

 

如月「あいつら屠ってきてもいいかしら?」

 

屠るって..。なかなか聞かない言葉使ってくるな。多分この前睦月と一緒に国語の勉強してたからその時覚えたのか?あれか、覚えたてのカッコイイ言葉使いたくなっちゃうアレだわ。俺も昔それで恥ずかしい思いをしたことが....これ以上はやめとこう。

 

八幡「ダメに決まってるだろ。ここで問題起こしたら俺の責任になっちまうだろ。」

 

如月「私はその責任に関してはどうでもいいだけど?」

 

少しでも意外と可愛いところあるなって思った俺が馬鹿でした。

 

八幡「はぁ..。もう何でもいいから大人しくしてくれ。」

 

 

コンコン..

 

平野「入りなさい。」

 

八幡「失礼します。」

 

平野「おぉ、君が比企谷君かね?思ってたよりも..なんというか犯罪者予備軍的な雰囲気を醸し出してるね」

 

如月「ぶふっ!」

 

おいコラ。開幕早々失礼だな。あとそこ、笑うんじゃありません。事実だけども..流石にそこまでどストレートに言われたことないんだけど?そこまで酷くないでしょ..。え?酷い?

 

八幡「この目はデフォルトなんで気にしないでください。」

 

平野「そうかの?まぁいい。それじゃあ..本題に入るとするかの。」

 

電話の時とは大違いだ..。葉風さんとは違う、上に立つ人間の威圧感がある。

 

平野「さて..比企谷君。」

 

比企谷「はい。」

 

平野「君..一体何をしてくれたのか、分かってる?」

 

ゾクッ....。

 

あの如月ですら震えてるんだ。俺がこの状態で普通にしてられるわけないだろ。

 

平野「我ら大本営に喧嘩をふっかけたのだよ。葉風君も言ってたよね?こちらにもそれなりの面子があると。」

 

比企谷「は、はい。」

 

平野「本来ならば君の処遇は良くて禁固刑、普通なら実刑のはずなのだが..監視役という任もある為それはできん。」

 

ということは..他に処罰があるってことだよな。

 

平野「さて、ここで君に幾つか質問させてもらおうか。もちろん君からの質問も受け付けよう。ただし、嘘偽りなく応えた方が身のためだ。」

 

やばい..想像以上にやばい。嫌な汗が止まらねーよ。いや落ち着け、話を聞けば実刑はない方向で考えてるらしい、ならここで変に行動するよりこの元帥の言うことを聞いた方がいいのかもしれない。

 

如月「気を付けなさい。さっきから色々な所から殺気を感じるわ。恐らく艦娘..何が言いたいか分かるわよね?」

 

八幡「下手したら死ぬって事か..。」

 

平野「ふむ。今置かれてる状況は理解出来たかね?では質問だ。何故、その如月を守ろうとした?」

 

八幡「じ、自分の身を守る為の最善手だったからです。」

 

平野「ならば自分の艦娘に相手をさせればよかろう?」

 

八幡「それはきっと平野さんでもしないでしょう?」

 

平野「私は今..君の話をしているんだ。私の場合の話をしても何も意味が無い。ただ答えるとしたらyesだ。」

 

八幡「恐らく..理由は平野さんと同じだと思います。」

 

平野「そうか。なら次の質問だ。何故脅した?」

 

八幡「それは、如月達の処遇に関して良い返事を確実に貰えるようにする為です。」

 

平野「それならば、監査役としてのメリットを提示すれば事足りたのではないかの?」

 

八幡「それは..確かにそうかもしれません。しかし、確実性に欠けます。それに自分がとった行動の方が効率的でした。」

 

平野「なるほど..。確かにその時には効率的だったろうな。だが..今後の事を考えれば脅すという行為よりも如月達にそれなりの価値があると理解させる方が良かったのでは?」

 

八幡「で、ですから..それだと時間がかかりますし..」

 

平野「そこまで急ぐ理由があったのかね?」

 

八幡「それは..」

 

いや、無い。事実、この人が言ってる事は間違ってない。多分..如月達を味方につけた事による大本営のメリットを提示すれば、この案は高確率で通ったはずだ。

 

八幡「もし、メリットを提示したとしても人と言うのは良い事よりも悪い事に目が行くものです。特に軍人といった職の人たちは敏感でしょう?」

 

平野「ほう?」

 

八幡「なので、メリットを提示したとしてもデメリットの面に着目されてしまい意見が通らない可能性があったからです。」

 

平野「ふむ。..正直な話だ。メリットデメリットの話を出されたとしても私達は君の案を採用させてもらっていた。」

 

八幡「それは..結果論でしょう?」

 

平野「そうだな。しかし、君達は我々を脅してきた。そのおかけで話がもつれてしまったのだよ。」

 

八幡「それはどういう?」

 

平野「葉風君が、比企谷君なら予想もつかない方法でなんとかしてくれるかもしれませんよ?と言っていた。」

 

八幡「それは..買いかぶりすぎですよ。」

 

平野「しかし君は監査役という予想外な案を出してきた。そこまでは良かったのだ..君が脅したおかげで如月君たちの話から君の信用云々の話に路線がズレてしまったのだ。その為、結局ワシが無理矢理この案を通したわけだ。」

 

八幡「そう..ですか。」

 

悪い事をした..。申し訳ない..なんて事は微塵も思っていない。それはアンタらが勝手に俺に期待したからだろ?

 

平野「さて最後の質問だ。君は今回の件悪い事と思ってるかね?」

 

八幡「確かに..自分のとった行動は決して誰かに褒められる行動ではないと思います。ですが、自分は褒められるために如月達を監査役した訳じゃありません。なので、非礼ながら微塵も悪いだなんて思っては..ありません。」

 

平野「..そうか。君からは何か質問は?」

 

八幡「何故..こんな意味もない質問を?」

 

平野「君という人間を知りたかったから..かの?」

 

ならもっと他にも色々あるだろ。好きなものとか、嫌いなものとか..。

 

平野「他には?」

 

八幡「無いです。」

 

平野「君はいいのかね?」

 

如月「私?」

 

平野「あぁ..そうとも。」

 

如月「..特に無いわ。」

 

平野「うむ。では比企谷提督。君に罰則を与える。まあ私との約束みたいなものだよ。」

 

八幡「はぁ..」

 

平野「私は艦娘が大好きだ。だから好き勝手に扱う輩がいると思うだけで反吐が出る。君は自分の下の艦娘達の為に全てを賭けろ。艦娘の為に全てを賭けられる者は極小数だ。君に..出来るか?」

 

八幡「自分は..自分のできることをするだけですから。」

 

平野「はっはっはっ!!それでいい!そしてもう一つ。君には穏健派に所属してもらう。いいかね?」

 

八幡「まぁ..はい。分かりました。」

 

平野「ならば話は以上だ。帰りたまへ」

 

 

 

 

 

 

 

八幡「つ、疲れたぁ..。」

 

なんなのあの人怖すぎでしょ!?電話の時のあのおちゃらけた感じはどこ行ったの!?ギャップが凄すぎて言葉が出ねぇよ..。

 

如月「ねぇ..」

 

八幡「んだよ。」

 

如月「本当はあのメリットの話..。お前なら分かってたんじゃないの?」

 

八幡「..さぁな。」

 

多分、分かってた。いや多分じゃないな。確実に上手く行くって言う自信もあった。もし失敗したら情報を流すという手を取れば良かったのだ。

 

如月「誤魔化さないで。」

 

八幡「なんというか..。メリット云々で話をつけたら結局お前らは大本営に良い様に使われるだけじゃないかって思ってな..。」

 

如月「つまり?」

 

八幡「単純に気に入らなかったから、嫌がらせがしたかっただけなのかもな。」

 

如月「そんな理由で..。」

 

八幡「いくらボッチでも見知った顔の奴が、良い様にコキ使われてるのは見たくないもんなんだよ。」

 

如月「睦月ちゃんが言ってた通り..これが捻でれって奴なのね。」

 

八幡「おい、変な言葉作るな。国語辞典に載ってる言葉を話しなさい。」

 

いやもしかしたら捻デレっていう言葉がもう辞典に載ってる可能性が..。最近の辞典はマジレスって言葉ですら乗ってるからな。

 

如月「そうね。でもそんな人に如月は少し期待してるわ。」

 

八幡「やめとけ。ボッチにどんな期待した所で分かるのは現実の辛さだけだぞ。」

 

如月「それでもきっとその現実は辛くても私にとっては幸せだと思うわ。」

 

八幡「なんだそりゃ。マゾヒストでも現実の辛さが幸せだなんて言わんぞ..大丈夫か?」

 

如月「殺すわよ」

 

八幡「はい、すいません。」

 

如月「まぁ..その..頑張ってね。司令官」

 

八幡「....お、おう。」

 

この少し微笑みながら笑う如月を見て俺はきっと間違った事はしていないんだと、なんとなくだが思えた気がする。無論俺は悪い事をしたと思うつもりは毛頭ないが、それでも誰かに自分のした事を認められるというのはいくらボッチを極めた俺でも嬉しいものだ。

しかし..だ。俺だって、いつかは変わるのだと思う。必ずいつか変わる。変えられてしまう。俺自身の心はどうあれ、その見られ方、捉えられ方、評価のされ方はきっと変わる。その時、こいつらはどういう風に俺を見るだろうか..。今の俺はその時が怖いのかもしれない。故に俺は変わらない。だから俺は変われない。

 




亀更新面目ない。皆様は春休みですか?そろそろ桜が満開になる季節がやってまいりましたが、俺の心の桜はもう散ってしまったようです。


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彼はこれでもかと言うほど彼である

関係ない話なんですけど電車内でイチャつくカップルは爆ぜてほしいと思うのは僕だけでしょうか..。

いやなんでもありません(´<_` )
では続きをどうぞ


 

睦月「あー!帰ってきた!おかえりなさい!如月ちゃん!」

 

如月「えぇ。ただいま。」

 

ちょっと睦月ちゃん?ここの提督が帰ってきたっていうのに挨拶はないの?

 

加賀「エア提督もおかえりなさい。」

 

八幡「おい待て。誰だ空気だコラ。」

 

加賀「これは失礼しました。空気だと有害では無いものもあるものね。そう考えると二酸化炭素とかがいいかしら?」

 

八幡「いやそこじゃねぇよ。誰も有害無害の話はしてないからね?あとちなみに、単体で取り込んだ場合一番有害なのは酸素だから。」

 

加賀「そんな細かいこと気にしてるとハゲるわよ。執務が残ってるので、早く戻ってくれるかしら?」

 

いや細かくねぇよ。俺の今後の尊厳がかかった重大な案件だよ。

 

八幡「はぁ..。今行くから待ってろ。」

 

ってもういない..。

如月「それで?私達はどうすればいいの?」

 

八幡「そーだな。とりあえず上から怪しい鎮守府の名簿まとめてもらってそこを片っ端から調べていく方向で。」

 

如月「その仕事量から考えると..ここはまだブラックなんじゃないの?」

 

八幡「俺は1度たりともホワイトなんて言ってないぞ?」

 

如月「はぁ..まあいいわ。それまで待機ってことでいいわね?」

 

八幡「いや、一応お前らも駆逐艦が何人かいるだろ。愛宕とかが授業やってくれるだろうからそれ受けてろ。なんかあったら呼ぶからよ。」

 

如月「そう。分かったわ。じゃあ睦月ちゃん。行きましょ。」

 

睦月「はーい♪じゃあまたね!司令官!」

 

八幡「あいよ。」

 

 

 

ーー執務室ーー

 

八幡「おい..加賀。」

 

加賀「なんでしょう。」

 

八幡「まさかこの量..一人でやったのか?」

 

加賀「今日は洋食がいいですね。」

 

和食好きだと思ったが..意外な一面。

 

八幡「ハンバーグ..。」

 

加賀「パスタ..それとシチューも。」

 

今は..1600か。

 

八幡「少し遅れるかもしれないが..」

 

加賀「構いません。」

 

八幡「ちなみにデザートは?」

 

加賀「..プリンで」

 

八幡「デカイの期待しとけ。」

 

 

 

 

 

八幡「という事があったんだが..頼めるか?」

 

間宮「まぁ..食材は充分ありますから。ただ、いつもより遅くなる可能性が..」

 

八幡「まあそーだろうな。何人か集めてくるわ。」

 

間宮「宜しくお願いします。」

 

 

 

ーー数分後ーー

 

八幡「悪い..。」

 

間宮「いえ、私もその事を忘れてたのも事実なので..」

 

結果的に言うと誰も来てはくれなかった。いや来れないという方が正しいか。最初に声をかけた時雨が、

 

時雨「んー、料理か〜。ごめんね。僕そういうのしたことないんだ。お手伝いしてた子達もみんな出撃しちゃってるし..今回は力を貸せそうにないかな。」

 

ここがブラック鎮守府だと言うことを忘れていた。少し気が緩んでいたのかもしれない。いや、浮かれていたって言うのが正しいか。

 

八幡「俺が手伝うとして..。あと1人か2人欲しいな。」

 

睦月「そういう事なら睦月ちゃん達が一肌脱ぎましょう!」

 

如月「まぁ..少しだけなら」

 

八幡「えぇ..。」

 

如月は意外としっかりしてるから何とかなりそうだが..睦月は..ねぇ?

 

睦月「むむ!?司令官さんは睦月ちゃんの実力を知らないようですね〜!」

 

八幡「あー、ハイハイ。間宮、一人爆弾っぽいの抱えるけど大丈夫か?」

 

間宮「多分....大丈夫だと思います..よ?」

 

なぜに疑問形?

 

八幡「なら頼めるか?」

 

如月「睦月ちゃんのお願いなら仕方ないわね。」

 

睦月「やっぱり如月ちゃんはいい人だね♪」

 

あれ?俺がお願いしたはずなんだけどなぁ..。

 

 

 

 

ーー1930ーー

 

間宮「皆さんお待たせしました〜。」

 

割と時間はかかったがなんとか無事料理はできた。しかし意外だったのが睦月が包丁を使いこなしている所だな。人は外見にはよらないって言うのは本当らしい。

 

大淀「それでは、いただきます。」

 

艦娘「「いただきまーす!!」」

 

 

加賀「提督..デザートはどこでしょうか。」

 

八幡「おう。ちょっと待ってろ。」

 

実は調理場での作業スピードについていけなかった俺は加賀のデザートを一人黙々と作っていた。

 

八幡「ほれ、バケツいっぱいに作ってやったぞ。」

 

正直、あんな深い圧力鍋があるとは思わなかった。おかげでバケツを使ってプリンを作る事が出来たわ。え?汚いって?知るかそんなもん。

 

加賀「こ、これは..気分が高揚します。」

 

さて、ベストプレイスで至福の時を過ごすとするかな..。

 

 

 

 

八幡「ん、意外と美味い。」

 

睦月「ふふーん♪でしょでしょ?」

 

八幡「なんでお前がいるんだよ。」

 

ストーカーなんですか?警察呼びますよ?

 

睦月「お礼を言おうと思って..如月ちゃん達を助けてくれてありがとうございます。」

 

お礼..か。実際にやったことと言えば軍を脅しただけ。しかも自分勝手な理由でだ。褒められることは何もしていないし、そのお礼は元帥あたりにするべきだろう。

 

八幡「俺は何もしてねーよ。」

 

睦月「そんな事ないよ。」

 

八幡「いやある。俺がした事はほとんど犯罪みたいなもんだ。周りの事なんて考えず身勝手な意見を押し通しただけ..」

 

ただ今回は昔の俺とは違った。昔の俺だったらもっと別の方法を考えた..と思う。まあ今考えたところで意味の無いことだが、きっと昔の俺が今の俺を見たら、自己欺瞞..いや、自分の心を偽ってはないから違うか。ならそうだな。偽善..とか言いそうだな。他人の為に行動しただなんて烏滸がましいにも程がある。

 

睦月「それでも..今、睦月は如月ちゃんといれて幸せです♪」

 

あぁ..これだ。この笑顔が..。

 

睦月「だからありがとう!」

 

俺をダメにする。

 

八幡「..おう。」

 

この笑顔はきっと毒だ。俺を狂わせていく猛毒だ。俺はきっとこの笑顔をまた見たいからと、この笑顔為にきっとなんでもする。懐かしい感覚..あぁそうだ。おれの妹、小町が笑った時に抱いた感情だ。

 

睦月「じゃあ、これからも睦月達のこと宜しくね♪」

 

俺は今がわりと気に入っている。こいつらの事も悪くないと思い始めてる。この鎮守府の雰囲気も、そう思う自分も、意外と嫌いじゃない。ただ..

 

八幡「あぁ。一応提督だからな。」

 

そう..ただ、頭の何処かで『今までの過去は無くならないぞ』と『本当にそれが俺か?』そう言い続ける自分が嫌で嫌で仕方がない。

 




次回からはギャグ要素多めに入れていくつもりです。ただギャグと言ってもなかなか思いつかないのでまた遅くなるかもです笑

いや!できる限り早くするので怒らないでください!


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彼は確実に変わっている

タグに亀更新追加しときます…。


 

八幡「宴会?」

 

大淀「はい。提督が着任してからそういった事をするのが普通だと葉風提督から助言を頂きまして。」

 

八幡「いや、別にやらんでいいだろ。」

 

大淀「いえ、如月さんが戻ってきた事もありますので、出来ればやりたいという声が多数出ております。」

 

あ、俺の為にやるんじゃないのね…。とか思ってないから最初からそういう事だろうと思ってたから。いやホントに。

 

八幡「はぁ…。いつやるんだ?」

 

大淀「今日の1900です。」

 

八幡「え、マジ?」

 

大淀「鎮守府の業務状況を見ても落ち着いてますし、今後暫くは忙しくなると思いますので、それを考えた結果本日となりました。」

 

確かに…。如月の事後処理、ブラック鎮守府の洗い出し、派閥なんてものにも所属したからその仕事もあるだろうな。

 

八幡「急すぎるが…。一理あるか。」

 

正直気乗りはしない。めちゃくちゃしない。けど、もうほぼ確定事項みたいな感じなので断れない。

 

大淀「そういう事ですので、業務はお任せ下さい。提督は間宮さんのお手伝いをお願いします。」

 

一応俺、提督なんだけどなぁ。

 

 

 

ーー食堂ーー

 

 

間宮「提督さん?」

 

八幡「大淀に頼まれてな。」

 

間宮「あぁ、なるほど。助かります!」

 

八幡「気にすんな。料理出来る奴は限られてるからな。」

 

睦月と如月は授業中だから助っ人として呼べなかったのが痛いな。

 

八幡「さて、何からやればいい?」

 

間宮「でしたら、食材の下処理をお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

睦月「あれ〜?司令官!何作ってるんですか〜?」

 

八幡「邪魔だから向こう行ってろ。」

 

睦月「またまた〜♪手伝ってあげてもいいんですよ?」

 

なんで上から目線なんだよ。

 

八幡「別にいらん。」

 

睦月「大淀さんから聞きましたよ〜?私達の為にパーティしてくれるって♪」

 

八幡「そういう訳じゃねーよ。」

 

何故今俺は料理を作ってるんだろうか。別に俺じゃなくても少なからず手伝いくらいなら出来るやつはいるのに。

 

如月「睦月ちゃん。いいじゃない。やらなくていいって言ってるんだし。」

 

何故今俺は睦月からの助力を断ったんだろうか。明らかに頼んだ方が効率が良いのに。

 

睦月「え〜。でもこの量を2人で作るのは可哀想だよ〜。」

 

分かってる。分かってるさ。これは俺のエゴだ。自己満だ。対して付き合いも長くないコイツらの為に、何かしてやれる事はないか…。そんな俺らしくない思考から生まれた浅はかな行動だ。

 

睦月「司令官!たまには甘えてもいいんですよ♪」

 

八幡「はぁ〜。分かったから寄ってくんな。間宮さん、コイツに仕事分けてやってください。」

 

間宮「ふふ、分かりました。」

 

らしくない。今までの俺だったらまず放置している事だ。宴会?パーティ?参加したことも無い俺に何が出来るっていうんだ?なのに、手を止めてサボろうとは思えない。

 

如月「睦月ちゃんがやるなら私もやるわ。」

 

八幡「アホ。お前の為の宴会なんだからやらせるわけ無いだろ。」

 

悪くないと思ってしまったんだ。俺の考え方を変えようとは思わない。けど、コイツらの為に何かをしてやるのも悪くないって思った。その第一歩がこれだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長門「これは…提督が?」

 

八幡「いや、大淀が考えてくれたんだよ。」

 

長門「それもそうか。提督には無縁そうだからな。」

 

八幡「確かにそうだけど、もっと言い方なかったのかよ。もしかしていじめ?」

 

ん?って首傾げんなこんちくしょうめ。

 

大淀「提督。皆さん揃ったみたいですよ。」

 

八幡「え、俺?なんか言うの?」

 

大淀「当たり前でしょう。」

 

少し前だったら考えられない事だ。提督という存在を忌み嫌ったやつから出た言葉とは到底思えない。

 

八幡「んじゃ、いただきま…」

 

時雨「ちょっと司令官?もしかしていただきますだけしか言わないつもりなの?」

 

八幡「それ以外無いだろ。これから食べるんだし。」

 

その場にいる全員が溜め息をつく。

 

響「本当に変わらない。」

 

睦月「睦月ちゃんはガッカリです。」

 

加賀「ダメな人だとは思っていたけれど、ここまでだとは思わなかったわ。」

 

赤城「提督!もう食べていいですか!?」

 

そこまで言うか…。最後の人はノーコメントで。

 

八幡「わかったわかった。なんか言えばいいんだろ?」

 

大淀「す、素直ですね…。」

 

八幡「んで何言えばいいんだ?」

 

大淀「殴りますよ?」

 

暴力反対…。

 

 

睦月「睦月ちゃん達に向けた感謝の言葉でもいいんですよ〜?」

 

感謝の言葉。他にも今後の話や今思ってる事など色々聞こえる。

 

八幡「そうだな。ぶっちゃけ感謝しようにも感謝する事が思い浮かばない。特に睦月に対してはな。」

 

睦月「ひどい!?」

 

八幡「ここに来た頃も酷ったしな。汚物扱いされてたし。突っかかってくるやつもいれば怖がって怯えるやつもいた。」

 

誰もが最初はそうだった。本気で殺そうとまで考えていた者もいるだろう。

 

八幡「別に憎んじゃいない。怒ってもない、疲れるしな。理解してるつもりは無いが把握はしてるつもりだ。」

 

俺にはコイツらがどうしようもなく綺麗に見えたんだ。それを伝えるつもりは毛頭ないが、柄にもなくそう思った。

 

八幡「ま、俺は今まで通りこのままでいるつもりだ。思う所もあるだろうが、今は如月の復帰を祝ってやってくれ。」

 

全員言葉が出なかった。驚いているのだ。いつも通り適当に流しすと誰もが思っていたから。

 

八幡「それじゃ、いただき…いや違うな。乾杯!」

 

 

 

 




久しぶりに書いたので八幡のキャラがブレるのは許して欲しいでごわす


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彼女の思い

沢山の方がお待ちしていたようで嬉しい反面罪悪感がものすごく強いです…。

今仕事が落ち着いてきて今までやってきた事に手を出せるようになったので出来るだけ更新します!


睦月「しれ〜か〜ん♪」

 

八幡「さ、酒臭い…。」

 

誰だ!睦月に酒を飲ませたやつは!

 

犯人を見つけるために周りを見渡し、1人目が合った。

 

如月「あらあら…。甘えちゃってまぁ…。」

 

お前か…。というか法律的な云々は平気なの?監督不行で俺が悪くならない?

 

加賀「素晴らしいです。ここは楽園ですか?」

 

赤城「パクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパク」

 

長門「あぁ、駆逐艦はいいなぁ。提督もそう思わないか!?」

 

時雨「ちょっと!僕の手羽先取らないでよ!」

 

島風「遅いのが悪い〜。」

 

天龍「いてて!おいチビ共!引っ付くな!髪を引っ張るな!てか酒クセぇ!」

 

龍田「あらあら〜♪」

 

ダメだ…。地獄絵図過ぎる。もう見なかった事にして逃げよう。

 

逃げるついでマッ缶を…。と思い、冷蔵庫を開けると、

 

八幡「な、なんだと。1本も…ない。」

 

思わず膝から崩れ落ちる。

 

響「司令官。お探し物はこれかい?」

 

グラスを片手に現れる響。そのグラスに注がれている茶色い液体。

 

八幡「お、おま、全部飲んだのか!?」

 

響「それは無いよ。でも中々悪くないね。この甘さが癖になる。」

 

八幡「その気持ち、分かってくれるか。日々脳を酷使している生物は糖分が…じゃない。それで、何処にあるんだ?」

 

響「そこだよ?」

 

指を指した方へ向けると。

 

電「このジュース混ぜると美味しいのですぅ〜。」

 

日本酒瓶とマッ缶を抱え幸せそうな顔をしている電。

 

雷「今なら、ヒック。何でもで、ヒック、きる気がするわ!」

 

暁「わー!ダメよ!それはダメー!」

 

コーヒーリキュールをラッパ飲みしようとする雷を止める暁。

 

八幡「いや、酒と割って飲むものじゃないからね?絶対美味しくないだろ…。」

 

響「そうでも無いさ。アルコールの苦さがこの甘さでいい感じに消えるんだ。苦甘いって言うのが1番近いのかな?」

 

いや、別に興味はそこまで無いんだけど。

 

そんな視線に気づいたのか、

 

響「飲んでみるかい?」

 

八幡「い、いや、いいです。」

 

間接キス…。一般高校生男子なら誰もがドキッとする。え?しない?うるせーするんだよ!それをなんの躊躇いもなく促してくる。

 

響「意外とビビりなんだね?」

 

決して女性関係に対してビビりと言った訳ではない。酒を飲むことにビビってると言いたかったのだ。そしてこの響、お気づきの通り酔っている。

 

八幡「び、ビビってねーし!」

 

酒気に当てられたか頭がボーッとしてくる八幡。

 

響「へぇ、じゃあどうぞ?」

 

お互いものすごく食い違いながらも会話が進む。

 

八幡「い、頂きます?」

 

一息で飲んだ。

 

八幡「ーーーーっ!?」

 

喉が焼ける感じがしたが何とか飲み込む。

 

響「お〜!ウィスキーを割ってるとはいえ1口とは…。やるね司令官。」

 

ロシア艦なためアルコールはウィスキーを好む響。勿論酒の場ではウィスキーを飲むが、一気に飲むことはできるだろうがしたくない。

 

八幡「ま、まずい。」

 

甘いけど苦い、喉痛い、頭痛い、気持ち悪い。よくこんな物を嬉々として飲めるなアイツら。

 

如月「あら、貴方も飲めるの?」

 

愛宕「お酒が飲めるなら、こっちにいらっしゃいな♪提督とはあまり絡めてないから、是非ともお話したいわ〜。」

 

加賀「こちらにいい日本酒があります。提督には勿体ないですが、良かったらどうぞ。」

 

長門「ワインもあるぞ。駆逐艦の良さを語り合おうじゃないか!」

 

電「しれーかんさんも来るのですか?これ、美味しいですよ〜?」

 

八幡「い、いや、体調が…。」

 

ここから逃げなくては…。死ぬ!

 

大淀「提督?」

 

が、肩を掴まれた。てか痛い、力強!?

 

八幡「大淀さん?離してくれませんか?めちゃくちゃ痛いですよ?」

 

ドンッ!!!

 

大淀「普段コキ使っておいてそりゃないでしょ〜よ。」

 

ボトル焼酎を叩きつけながら掴む力を強める。

 

口悪っ!?

 

八幡「わ、わかったから。話してください。」

 

大淀「わかりゃ〜いいんですよ!」

 

 

八幡の二日酔い決定。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「んっ…。頭が痛い。てかここどこだ?」

 

薄暗くてよく分からないが食堂で寝てしまったようだ。艦娘達もほぼ全員寝ている。

 

八幡「ヤバい、喉がカラカラだ。み、水…。」

 

踏まないように気をつけながらキッチンの方へ向かう。

 

「ふぎゅ!?」

 

あ、すまん。誰か踏んだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「あ〜、夜風が気持ち〜。」

 

飲み会の帰りとかこんな感じなのか…。まあ経験することは無いだろうけど。

 

暁「司令官。お隣いいかしら?」

 

八幡「どうしてお前らは俺のベストプレイスに来るのかね?」

 

これで艦娘とベストプレイスで過ごすのは何度目か…。

 

暁「司令官は、前の司令官とは違うわよね。」

 

八幡「そりゃ違う人間だからな。当たり前だ。」

 

暁「そうじゃないの。」

 

首を横に振りながら呟くように言う。

 

暁「叩いたり、蹴ったり、夜に連れ込んだり、そういう事しないでしょ?なんでなのか分からなくて。」

 

こんな幼い見た目でも夜に艦娘を連れ込む事がどういう事か理解してる事に対して苛立ちを感じる。

 

八幡「俺は暴力主義者じゃないもんでな。そういう奴らの気持ちは分からん。」

 

暁「でも暁達は司令官の道具って言われて来たから…。尚更分からなくて、それで…。」

 

怖くて…。消えそうな声で言う。

 

数十秒、思考し答えを言う。

 

八幡「道具って言うのはあながち間違ってないのかもな。俺っていう提督から命令が出てそれを実行する。そこだけ見たら道具と言われても仕方ないだろ。」

 

暁「だったらなんで…。」

 

八幡「暴力を振るって欲しいのか?」

 

ブンブン、と勢い良く首を振り否定の意を見せる。

 

八幡「前の提督は前の提督のやり方があって俺には俺のやり方がある。自分が道具だと思うなら俺はそれを否定しない。それはお前らが決める事だからな。」

 

虐められ嵌められ嗤われてきたからこそ、

 

八幡「俺はそんな奴らと同類にはなりたくないからな。それに…」

 

暁「それに?」

 

八幡「俺なんかよりお前らの方が断然戦闘力高いんだから、暴力振るえる奴らの気がしれん。」

 

暁「そっか…。そうよね。」

 

八幡「とにかくレディは明日の事だけを考えろ。後ろばっかり見てても立派なレディにはなれないぞ?」

 

暁「し、知ってるわよ!言われなくても!」

 

こんなチビッ子でも考え込んでしまうくらいに前は酷かったんだな。

 

暁「ねぇ、司令官。」

 

八幡「断る。」

 

暁「まだ何も言ってないわよ!?」

 

八幡「絶対に断る。」

 

暁「ちょっと!」

 

他の艦娘も、助けて欲しい。そう顔に出ていた。でもそれじゃ意味が無い。味方にはなってやる、でもヒーローにはなってやれない。お前らの傷はお前らで乗り越えなきゃ意味が無い。それは俺の仕事じゃない、お前らの仕事だ。

 

そう思いながら水平線から顔を出す朝日を見ていた。

 

 




とりあえず今日はこれで許して欲しいでごわす


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彼等に新しい風が

最近我が家のps4は騒音が酷い状況です。


 

加賀「失礼します。」

 

八幡「ん?大淀はどうしたんだよ。」

 

加賀「二日酔いで死んでます。」

 

あぁ、すごい飲みっぷりだったからな。

 

八幡「俺も頭痛が酷いんだが?」

 

加賀「…、夕食は中華がいいです。」

 

八幡「麻婆豆腐。」

 

加賀「ラーメンとチャーハン、餃子もお願いします。」

 

八幡「いいだろう。じゃ、後は頼んだ。」

 

加賀は扱いやすくてめちゃくちゃ助かる。上手く艦娘を使うこれが俺の仕事だ!!欲を言えばこのまま何もせずずっとグダグダしていたい…。

 

響「おはよう。」

 

八幡「おう。おはようさん。飯は食べたのか?」

 

暁「勿論よ!大きくなる為には沢山食べなくちゃいけないわ!」

 

八幡「なら良かった。そんな立派なレディにはこのマッ缶を授けよう。」

 

暁「あら、レディの扱い方が分かってるじゃない!」

 

暁は数少ないマッ缶フレンドだ。朝はやはりマッ缶に限る。

 

電「し、司令官おはようございますなのです。」

 

雷「おはよう!いい朝ね!」

 

八幡「おう。生憎だが俺は一生朝が好きになれん。朝が来たら仕事が来るからな…。」

 

いつも死んでる目をさらに腐らせる。

 

響「執務はサボってるようだけど?」

 

八幡「サボるとは人聞きが悪いな。加賀がどうしてもやりたいって言ってたから任せたんだよ。」

 

雷「私を頼ってもいいのよ!」

 

八幡「お前、執務出来んの?」

 

雷「ま、任せなさい!」

 

あ、これダメなやーつ。

 

八幡「き、気持ちだけ受け取っとく。」

 

暁「それじゃ私達は演習があるから行くわね!」

 

八幡「あいよ。頑張れ〜。」

 

これ以上時間を取らせるのもアレなのでさっさとその場を離れる。

 

 

館内放送「提督。報告がありますのでサボってないで執務室まで来てください。」

 

八幡「アイツ、中華は無しだな…。今晩は加賀だけきゅうりの浅漬けだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「んで、なんだ報告ってのは。」

 

加賀「葉風提督から連絡がありました。詳しい話はかけ直した時にと。」

 

八幡「はぁ…めんどくさい。」

 

八幡センサーが反応しているこれは厄介事だと。如月絡みか?いやそれ以外は何があるんだろうか。

 

八幡「とりあえずかけるか。」

 

加賀「私はどうしますか?終わるまで外で待ちますか?」

 

八幡「いや、今はいい。聞かせられない話だったら外で待っててもらうが。」

 

分かりました。という声を聞き電話を取る。

 

 

 

 

葉風「やぁ。悪いね突然。」

 

八幡「いえ、問題ないです。それで要件はなんすか?」

 

葉風「この前の件で穏健派が優位に立ててるという話はしたよね?」

 

八幡「あぁ、そんなこと言ったましたね。」

 

葉風「そのおかげでブラック鎮守府を1つ解体する事が出来てね。それで君にはそこにいた艦娘の1人を預かって欲しいんだ。」

 

八幡「いや、新人にそれを任せてもいいんですかね。明らかに先輩方の仕事でしょ。」

 

葉風「如月を改心させた経緯もあるから適任となってね。それに…。」

 

八幡「それに?」

 

葉風「君、嫌われてるみたいで今回の件で君がどう導くのか見たいらしい。」

 

八幡「はっ、穏健派が艦娘を利用したら意味無いでしょうに。」

 

八幡の意見は最もだ。私利私欲を満たす為に艦娘を利用

するのが許せないのが穏健派だと言うのに、その穏健派が艦娘を利用してどうするのかと。そう言いたいのだ。

 

葉風「ご最もだ。そこは反省点だと理解してる。ただ人数が結構居て、君にも回さないと厳しいんだ。」

 

八幡「そうですか。それで?いつ来るんですか?」

 

葉風「一応明日ってことになってる。艦娘の資料を送るから目を通して置いてくれ。」

 

八幡「了解です。それじゃ失礼します。」

 

葉風「頼んだよ。」

 

頼んだよ。じゃねーよホントに。やっと艦娘の名前と顔が一致してきたって言うのに新しい艦娘が来たらまた覚えなきゃじゃん。マジでブラック、中学の頃女子の名前間違えただけでそんなんだからカエルなんだよって虐められたからなぁ…。恐ろしや。てかアイツらも名前間違えてんじゃん。

 

八幡「新しい艦娘が来るんだとよ。」

 

加賀「…そう。」

 

不安なことはいくらでもあるが明日は必ず来るのだ。

 

 

ちなみにサラダ単体じゃ可哀想なので大量の春雨サラダを作ってあげたら加賀はわりと喜んでくれていた。

 

 

 



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彼にとって人生とは常に真っ黒である

今のところ2、3日に1回投稿出来ればいいかなぁって思ってます!


 

人間関係を表現するならば絵具という言葉が1番しっくりくると俺は思っている。そこ、人間関係構築した事ないだろとか言わない!元々あった色に新しい色を付け加えるとその色は浮くだろ?そして時間が経てばその色は馴染み別の色になる。その過程を経て、その輪に馴染めるのだ。まぁ結局最後には真っ黒になるんだけどな、それが人付き合いってヤツだ。そして今日、この真っ黒な鎮守府に新しい色が来る。

 

大淀「そろそろ時間なので行きますよ。」

 

八幡「はぁ…。憂鬱だ。大淀だけでいいじゃん。」

 

って、もう行っちゃってるし。後で怖いからちゃんと行くんだけどさ。

 

吹雪「あ、おはようございます!今日は早いんですね?」

 

八幡「残念な事に早朝出勤だ。」

 

吹雪「新しい艦娘が来るんですよね…?」

 

八幡「ん?あぁ。そうらしい。」

 

吹雪「どんな子なんですか?」

 

八幡「さぁな。資料で見た程度だから分からん。ま、仲良くしてやってくれ。」

 

吹雪「分かりました。じゃあ私はランニングに行ってきますね!」

 

八幡「あいよ。」

 

毎日頑張るもんだ。走るだなんて苦行俺には無理だ。

 

 

 

 

 

 

 

大淀「やっと来ましたか。」

 

八幡「時間前だから許してくれ。」

 

大淀「0800に到着予定だそうです。」

 

八幡「後10分ちょいってところか。」

 

今日もいい天気だなぁ…。こういう日はベストプレイスでゆっくりしたいものだ。

 

大淀「提督。新しい子は…その、」

 

八幡「どうした?」

 

大淀「その、ブラック鎮守府出身なんですよね…。」

 

八幡「あぁ、そうらしい。何があったとか、何をされたとかは分からんがな。」

 

大淀「そう、ですか。また大変になりそうですね。」

 

何がとは言わない。全くもって、憂鬱だ。

 

 

八幡「来たみたいだな。」

 

黒塗りの車が見える。車種なんてものは聞くなよ?俺にそんな知識はない。

 

停車し、運転手が敬礼で挨拶をしてきたので敬礼で返す。後部座席から一人の少女が降りてくる。

 

??「初めまして。ドイツ海軍所属潜水艦U-511です。ユーとお呼びください。なんなりとご命令を。」

 

大淀「ご丁寧にありがとうございます。私は大淀と申します。執務や指示系統などを担当しておりますので、分からないことがありましたらなんでも聞いてください。」

 

U-511「よろしくお願いします。」

 

八幡「ここの提督だ。よろしくな。」

 

U-511「アドミラル。よろしくお願いします。」

 

アドミラル?提督って意味だったか…。ドイツ語少し頭に入れといて良かったな。

 

役目を終えた運転手は、そそくさと帰っていく。

 

大淀「さ、中に入りましょう。皆さんに挨拶しませんと。」

 

こくっと頷くU-511。そのまま大淀の後ろを着いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

大淀「それではユーさん。此処で待っていてくださいね。今から朝礼をしますので提督が合図をしたら行ってください。」

 

U-511「はい。」

 

 

八幡「朝から悪いが今日は話がある。まぁ、全員知っているだろうが新しい艦娘が来た。仲良くしてやってくれ。」

 

目で合図を送ると、小さく頷き前に出てくる。

 

 

U-511「えっと、初めまして。……」

 

俺らと同じ自己紹介をして特技や趣味を少し言い、よろしくお願いしますで締める。うん、俺よりしっかりした自己紹介だな。

 

八幡「空いてる席に座っていいぞ。」

 

U-511「分かりました。」

 

八幡「そんじゃいただきます。」

 

「「いただきまーす!」」

 

 

 

 

 

大淀「思ったより、大丈夫そうですね。」

 

八幡「…そう見えるか。」

 

大淀「え?」

 

八幡「いや、気にしないでくれ。」

 

あれは酷い…。普通に話してはいるが、だからこそ分かりやすい。あれは見限ってる目だ。俺と同じ、何も期待していない目。期待した所で何も変わらないって分かってる目だ。そして何より、何があっても仕方がないと割り切れるように、強固な鉄仮面を着けている。本人の性格があいあまって違和感が無いように見えるのがタチが悪い。

 

大淀「ユーさんのスケジュールはどうしますか?」

 

八幡「初日だしな。オリエンテーションを兼ねて軽く演習でもしてみるか?もしくは親睦会的なものを開いても構わないぞ。」

 

大淀「そうですね…。本日のスケジュールだと、両方は厳しそうです。」

 

八幡「なら親睦会を優先させるか。俺が間宮さんと鳳翔さんにお願いしとくから、他のヤツらにやるって事を伝えといてくれ。」

 

大淀「了解です…。何故か分からないのですが、真面目に指示を出してると気持ち悪いですね。」

 

理不尽だと訴えたい。

 

 

 

 

 

 

 

八幡「今、いいっすか?」

 

鳳翔「あら?提督さん。どうかなさいましたか?」

 

八幡「今日来た新しい艦娘の為に親睦会的なものを開いてやりたいんだが…。」

 

鳳翔「まぁ!提督さんからそんな言葉が出るなんて、意外です。」

 

八幡「…まぁ、思う所がありまして。」

 

正直今回の親睦会の狙いは仲良くなるためって事じゃない。

 

鳳翔「分かりました。時間はまだまだあるので大丈夫だと思いますが、何人か手伝いをしてもらったもよろしいですか?」

 

八幡「はい。鳳翔さんと間宮さんで細かい所は決めて構いません。もちろん人手が足りなくなったら俺も手伝いますから。」

 

鳳翔「自分から手伝うだなんて…明日は雨かしら?」

 

人がやる気になったらこれだもんなぁ…。まあでも意外に思われるのは仕方ないか。

 

 

大淀「あの、提督…。」

 

八幡「どうした?」

 

大淀「ユーさんが、親睦会はしなくていいと…。」

 

なるほど。そういう反応か。

 

U-511「アドミラル。そういうのは要らないので出撃をさせてください。」

 

八幡「潜水艦には物資の調達を頼んでいるが、生憎今はすぐに必要ってわけじゃない。つまりは出撃はしなくていいんだ。」

 

U-511「ですが、」

 

八幡「せめて一緒に出撃するヤツらとはコミニュケーションはとっておけ。」

 

U-511「そうですか。ならコミニュケーションを取りますので出撃を。」

 

話にならん。が、今どうこうできる問題じゃないのも事実…。仕方ないか。

 

八幡「はぁ…。わかった。元々1400に出撃予定だったからな、行っていいぞ。」

 

U-511「ダンケ。」

 

そう言って潜水艦達がいる所に行ってしまった。

 

大淀「いいのですか?」

 

八幡「いいわけねーだろ。けどなぁ、今すぐ何か出来るわけじゃない。鳳翔さん、すいません。さっきの話は無しで。」

 

鳳翔「かしこまりました。」

 

さてさて、本当にどうしたもんかね。何色が来るかと思ったら最初っから真っ黒な子が来てしまったよ。ここに来てから黒い事ばっかりで嫌になるぜ。

 

 




ちなみに作者は艦娘をプレイした事が無いことをここでカミングアウトします。


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彼はらしくもなく不機嫌だ

仕事合間に書くの最高。。

U-511って書くのがめんどくさいのでユーに変更しました!


さてさて、アイツを出撃させたのはいいが、問題はその後だ。正直な所潜水艦を無理に行かせるほど資材はカツカツじゃない。むしろ潤ってる方だ。今の所遠征のスパンは週一、でもあの反応を見る限り毎日行きたがりそうなんだよな。

 

八幡「毎日行かせてたらブラックまっしぐらだし、俺の仕事が増える。つまりこれは早急に何とかしなくてはならない問題だ。」

 

だからといって俺が心の問題を解決することは出来ない。俺はその術を知らないからだ。

 

八幡「まあとりあえずは提督命令ってことで行かせない方向でいいか。それでダメなら他のやつに無理やり止めさせるくらいだな。」

 

加賀「ブツブツ煩いのだけれど。」

 

八幡「…。すいません。」

 

執務が終わっちゃって考えるしか仕事が無いんだよ。そんなゴミを見るような目で見ないで!いや、元からこんなんか。

 

加賀「…?はい。えぇ、います。」

 

ん?なんだ。無線連絡か。おいおい加賀さん?貴女も1人でブツブツ言ってる人になってるからね?あ、無線で話してるから1人じゃないのか。俺も俺の中のもう1人の…ダメだ。これ以上考えるのは止めよう。

 

 

加賀「っ!分かりました。すぐに行かせます。」

 

八幡「どうかしたのか?」

 

ただ事じゃない雰囲気で話していた為、思わず聞いてしまった。

 

加賀「遠征に向かった部隊が深海棲艦と遭遇したそうです。本来そこで撤退するのがセオリーなのですが…。」

 

八幡「まさか…。」

 

加賀「はい。新人の彼女が単身で突撃したと。」

 

言葉が出ねぇ。ここまでとは予想出来なかった。くそっ!俺の落ち度だ!

 

八幡「それで、状況は!?」

 

加賀「安心してください。既に撤退中だそうです。しかし損傷が酷いため護衛の艦娘を出して欲しいそうです。」

 

八幡「分かった。手が空いてるヤツを行かせていい。」

 

そうか、誰も沈んでないか。とりあえず一安心だな。が、しかしここまで酷いとなると本格的に対策しないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰投する艦娘達を迎える為に数人連れて外で待っていた。

 

天龍「ったく。何でテメェと一緒に待たなきゃならねぇんだ。」

 

長門「まあそう言うな。ちょうど暇だったのだからいいでは無いか。」

 

とりあえず負傷したヤツらを運ぶ為に2人を連れてきたが人選を誤った気がする…。これはこれでめんどくさい。

 

天龍「はぁ。しかしまぁ、単身で突撃とはなぁ…。随分と気合いの入った新人が来たもんだ。」

 

長門「そう言ってやるな。彼女にも彼女なりの考えがあったのだろう。だからと言って見過ごすわけにはいかないがな。」

 

そう言って俺の方を見てくる。

 

八幡「当たり前だ。心の問題だろうがなんだろうが関係ない。出撃すると自分で言ったなら最低限やる事はやってもらわないと困る。それも出来ないなら出撃する権利はねーよ。」

 

2人は黙る。この鎮守府に来てから数々の理不尽にあってきている彼だが、ここまで不機嫌な表情は見たことがなかったからだ。

 

 

 

 

 

 

時雨「帰投しました。」

 

八幡「悪いな。休みなのに無理言って。」

 

龍田「あらあら〜?珍しい事もあるわねぇ。自分から謝るなんて。」

 

八幡「悪い事をしたら誰だって謝るだろ。普通だ普通。」

 

軽口はここまでにしようか。

 

八幡「とりあえずドッグまで連れて行くのを手伝ってやれ。そんで暫くは休んでろ。」

 

そういえば潜水艦達とはあまり会話した事が無かったな。まあそれは今度にしよう。

 

八幡「U-511。お前は残れ。」

 

ユー「…分かりました。」

 

時雨「いいのかい?彼女もそれなりに…」

 

八幡「関係ない。コイツが原因でこうなったのは間違いないんだ。」

 

天龍「で、でもよ…。」

 

八幡「ブラック鎮守府にいたからか?」

 

その言葉に全員黙り込む。ブラック鎮守府に居たなら仕方ない?巫山戯るな。

 

八幡「とにかく、お前らはドッグに連れてってやれ。」

 

了解。という言葉を残し、肩を貸しながら歩いていく。

 

 

八幡「んで、何で撤退しなかった?」

 

ユー「資材を捨てる事になるならと思ったからです。」

 

八幡「資材には余裕があると言ったが?」

 

ユー「私達は兵器です。与えられた仕事をこなす。それだけで十分だと、私は考えています。なので撤退という判断はありませんでした。」

 

なるほど。資材調達を任されて、それを完遂出来なければ自分たちに価値は無いと。

 

八幡「兵器かどうかは問題じゃない。お前個人のくだらない考えで部隊を危険な目に合わせた。そこが問題なんだ。お前一人が傷つくのならいい、だがその我が儘で他を巻き込むな。」

 

ユー「私にはこのやり方しか分かりません。」

 

八幡「なら理解出来るまで出撃は禁止だ。」

 

ユー「ですが、」

 

八幡「これは、命令だ。自分の事を兵器だと思ってんなら反抗してんじゃねーよ。」

 

ユー「…分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大淀「全員入渠が済みました。」

 

八幡「あいよ。どのくらいかかりそうだ?」

 

大淀「1日経てば復帰可能です。それと…。」

 

八幡「どうした?」

 

大淀「ユーさんが高速修復材の使用を希望しています。」

 

一瞬考え…。

 

八幡「いいぞ使っても。」

 

大淀「ですが…、」

 

八幡「ただし、全員分使うのと終わったらここに来るのが条件だ。そう伝えておけ。」

 

大淀「…分かりました。他の潜水艦の子達はどうしますか?」

 

八幡「個別で面談をするつもりだ。念の為加賀を付ける。」

 

念の為…、それは八幡の安否ではなく艦娘の事を気遣っての処置である。忘れてはいけない、ここも元ブラック鎮守府だと言うことを。

 

加賀「分かりました。」

 

大淀「ではそう伝えておきますね。」

 

そう言って大淀は部屋を出ていく。

 

加賀「提督はそろそろ気づいてもいいと思うのだけれど?」

 

八幡「何をだ?」

 

加賀「はぁ…。気にしないでください。」

 

ここの鎮守府の艦娘は認めてきてはいるのだ。以前の提督とは違うと。が、そんな事に本人が気づくはずもなくなんとも言えない空気がその場を覆う。

 

八幡「え、何この空気。」

 

加賀「黙って仕事してください。」

 

しようにも殆どやってくれてるからねーんだよ。理不尽な事ばかりの職場で泣きそう。小町助けてー。

 




感想など励みになっております。感謝です!


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彼は嫌うということをしない

すいません!艦娘をやった事なんて1度もありません!誤字なので許してください_| ̄|○




コンコン…。

 

八幡「入っていいぞ。」

 

今回入渠した潜水艦、ユーを加えた計4名が入室してきた。

 

八幡「1人づつって話、伝わってなかったのか?」

 

イク「別にわざわざそんな時間を割く必要は無いの。」

 

まあ確かに1度に聞いた方が効率的か…。

 

八幡「もう2人は初めて話すな。」

 

伊58「ゴーヤでち。」

 

伊168「イムヤでいいわ。」

 

八幡「あぁ、よろしくな。」

 

さてさて何処から話したものか。

 

八幡「まずは悪かったな。そいつの事情を把握してたってのに出撃させて。」

 

その言葉に少しばかり動揺が走る。

 

ゴーヤ「提督ってちゃんと謝れるんでちね。」

 

八幡「流石に本心から悪いと思ったら素直に謝るぞ?」

 

イムヤ「気にしなくていいわよ。一応全員無事に帰って来れたんだし。」

 

そうは言っても、大破に近いレベルの損傷を負ってしまったのだ。指揮官として少なからず悪いとは思う。

 

八幡「そう言ってもらえると助かる。とりあえず暫くは出撃は無いと思ってくれ。各々それまで好きに過ごしていい。」

 

ユー「あの、出撃はいつさせてくれるのでしょうか。」

 

空気が凍る。

 

イク「ユー、いい加減にして欲しいの。」

 

イムヤ「アンタのせいでコッチは死にかけてるのよ?それ分かってる?」

 

ユー「アドミラル。いつになりますか?」

 

ゴーヤはあたふたして、イクとイムヤはそれなりに言いたい事があるようだ。

 

イムヤ「アンタね!」

 

八幡「おい、」

 

「「っ、」」

 

腐りかけた目に拍車がかかり、最早殺人鬼なのでは?と言いたくなるほどの目付き。

 

八幡「いい加減にしろよ?お前の我が儘を聞くにも限度がある。」

 

ユー「で、ですが…。」

 

八幡「さっき言ったはずだ。ちゃんと分かったら出撃させてやるって。もう忘れたのか?」

 

思わず押し黙る。あまりの威圧感に言い返せなかった。

 

八幡「このままでいるなら二度と出撃出来ると思うな。何か質問は?」

 

ユー「だったら…私は何をすればいいんですか?出撃以外何も知らない。分からないんです。」

 

ようやく絞り出た言葉。出撃しか知らないから、それしか出来ない。

 

ユー「出撃しなかったら、痛いのが待ってました。痛いのも暗いのも、嫌なんです。それ以外知らないんです。」

 

ユーに何があったのか…。別にココと変わらない、ブラック鎮守府でよくあるような事だ。だが、

 

八幡「んなもの知らん。」

 

ユー「えっ…。」

 

八幡「お前に何があったとか、前の鎮守府でどうだったとか、そんなものは知らないし、微塵も興味ない。」

 

傍から聞いたら酷い話だろう。だが見るべきはそこでは無いのだ。

 

八幡「だがお前は無理な突撃をし、部隊を巻き込んだ。今重要なのはそこだ。前がどうだとか、そんなもの言い訳に過ぎない。」

 

だが、と区切りをつけ

 

八幡「勘違いしないで欲しいが、変われと言ってるわけじゃない。お前にはお前なりの考え方があるんだろうからな。」

 

ユー「なら…。」

 

八幡「だからといって周りを巻き込んでいいわけじゃない。沈みたければ1人で沈め。コイツらにはまだ未来がある。」

 

ようやくこの鎮守府に前を向く兆しが見えてきたんだ。それを邪魔される訳にはいかない。

 

八幡「命令はそのままだ。お前は無期限の出撃停止。頭を冷やして、答えが出たならまた来い。そん時また聞いてやる。」

 

これ以上話すことは無いぞと言わんばかりに書類に目線を移す。

 

ユー「分かりました。失礼します。」

 

その意図を汲み取り執務室を後にするユー。

 

 

 

八幡「どした?お前らも部屋に戻っていいんだぞ?」

 

イムヤ「今戻ったらアイツがいるでしょ。」

 

イク「イムヤ、そろそろ許してもいいじゃないの〜。」

 

イムヤ「嫌よ。私はアイツを絶対に許さない。」

 

潜水艦の旗艦を務めるイムヤ。

 

ゴーヤ「提督。ゴーヤも嫌でち。」

 

八幡「分かってる。お前らが嫌とかは別として、今のアイツを出すわけには行かない。」

 

加賀「提督?」

 

八幡「嫌ってるわけじゃねーよ。客観的に見ての判断だ。」

 

加賀「対策は考えてるのかしら?」

 

八幡「対策ってほどでもないが一応な。アイツが出撃せず、ここの鎮守府に馴染みながら、尚且つコミュニケーションを方法。」

 

イムヤ「へぇ、言ってみなさいよ。」

 

八幡「秘書艦にする。」

 

今日この場で何度驚いただろうか…。

 

ゴーヤ「え、それだけでちか?」

 

八幡「あぁ、それだけだ。」

 

イク「えぇ…。」

 

2人は微妙そうだが、加賀とイムヤは成程と頷く。

 

加賀「確かにそれなら条件を満たしてるわね…。」

 

イムヤ「でも、いいの?アイツだってそれなりに提督っていう存在に恐怖してると思うんだけど。」

 

そう。秘書艦になるということは出撃は無いのは勿論、報告等で嫌でも艦娘達とコミュニケーションを取る事になる。

 

八幡「だろうな。本当はこういう無理矢理な手段は取りたくなかったんだが…。」

 

この手段はユーの意思を、心を無視することになる。

 

八幡「仕方ないだろ。これ以上酷くなったら怪我人がお前らだけで済まなくなる。」

 

このまま野放しにすればどうなるか…。簡単だ。身内で軋轢が生まれる。仲間意識が高いこいつらだからこそ厄介なのだ。昔ほどではないが、ここの艦娘は命を軽んじている傾向にある。自分達は替えがきくから、だから殺しても問題ないだろと…。

 

八幡「ま、そういうわけだ。一緒の部屋が嫌なら言ってくれ。」

 

イムヤ「分かったわ。」

 

イムヤの声に合わせ敬礼をし部屋を出る。

 

八幡「潜水艦が割とまともな方でよかったわ。話がトントン拍子で進んだ。」

 

八幡は知らなかった。ここの鎮守府で駆逐艦の次に扱いが酷かったのは潜水艦だと言うことを。

 

加賀「良かったわね。」

 

八幡は知らなかった。以前の彼女らは言葉すら発しないレベルで心を閉ざしていた事に。今日提督が変わり、それなりに良い人と分かっていても、執務室に来るだけでどれほどの覚悟をして来たのか…。

 

 

 

彼は自分が思っている以上に、認められているのだ。




涼しくなってきて快適な日々を過ごしています(白目)


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彼は朝食でもマッ缶をいただく

何も気にせず薄着で外に出たら死ぬほど寒かった事に気づきました。
誤字報告や感想をありがとうございます。大変励みになってます!


大淀「ユーさんを秘書艦に?」

 

八幡「あぁ。それが一番手っ取り早いと思ってな。」

 

昨日の話し合いの結果を大淀に説明する。

 

大淀「彼女が提督を襲うとは思いませんが…。大丈夫なんですか?」

 

大丈夫…。これは俺に向けられた言葉なのかそれともアイツに向けられた言葉なのか。

 

八幡「どうなるかは分からんが…。やってみるしかないだろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「皆いるな?今日も悪いが話がある。」

 

いつもより不機嫌な艦娘が目立つな…。流石に話が出回ってるか。

 

八幡「まあそんなピリピリすんな。今回ばかりは俺に非がある。」

 

龍田「貴方は別に何もしてないじゃない。」

 

八幡「そういうわけでもない。そいつがブラック鎮守府出身で、メンタル面問題があると言うことは簡単に推理出来たんだ。なのに出撃させた俺にも非はある。」

 

全員分かっていた事だ。だから今は何もせず艦娘同士に任せようと、提督の自分が何をしても感じるのは恐怖だけだから、故に距離をとったことも。

 

響「誰も君を責めてはいないよ。それなりの考えがあっての事だとわかっているさ。」

 

八幡「それでも浅はかだった。」

 

その張本人はいつも通り無表情で窓の外を見ている。

 

八幡「U-511。」

 

ユー「はい。」

 

八幡「今日からしばらく秘書艦をやれ。作業とかは加賀に教われば何とかなるだろ。」

 

ユー「それは私がやらなくてはならない仕事ですか?」

 

八幡「拒否権はない。分かったな?」

 

ユー「了解です。」

 

表情は特に変わらないままそう告げる。

 

八幡「全員思う所はあると思うが…。」

 

長門「提督が決めた事ならば文句は言わんさ。」

 

天龍「次はねぇけどな。」

 

あいつがどんなに目に遭ってきたか、理解してるんだ。だから何もしないし何も言わない。怒りはあるが責めはしない。

 

大淀「それでは、いただきます!」

 

「「いただきまーす!」」

 

 

 

 

 

 

 

時雨「ゴーヤ、もう大丈夫なのかい?」

 

ゴーヤ「もう傷は癒えたでち。念の為とちょっと休みを貰ったでちが、何をしようか悩むでち。」

 

天龍「アイツが休みをくれただと?明日は雨だなこりゃ。」

 

イムヤ「確かに常に休みたいって言ってるものね。」

 

はははと笑いが生まれる。

 

龍田「それで〜?彼はなんて言ってたのかしら?」

 

全員気になるのはそこだ。結局どういうふうに対応していたのか。普段より些か無理矢理な行動ではあった為、余計に気になってしまっていた。

 

イク「多分本気ってほどじゃないけど、怒っていたの。」

 

怒っていた?あの提督が?嘘だろ。だなんて声が挙がる。

 

大淀「加賀さん。本当ですか?」

 

加賀「えぇ、確かにアレは…怒っていたわね。」

 

思い出したのか少し顔色が優れない。

 

イムヤ「ぶっちゃけめちゃくちゃ怖かったわ。話が終わったらケロッといつも通りになったから、余計にね。」

 

前任がいた頃でも、一番反抗的だったイムヤですら怖かったというのだ…。

 

電「想像出来ないのです。」

 

響「感情を普段そこまで表に出さないからこそ怖いのかもね。」

 

ゴーヤ「天龍だったら多分チビってるでち。」

 

天龍「はぁ!?アイツごときに世界水準を軽く超える俺がビビるわけねーだろ!」

 

イク「イクは漏れそうだったの…。」

 

実際トイレに行きたかったのもあり、少し出てしまったのは内緒である。

 

八幡「お前らご飯時になんつー話してんだ。」

 

時雨「珍しいね。こっちにいるだなんて。」

 

天龍「ベストプレイスとやらに行かなくていいのかよ。」

 

八幡「雨が降ってきてな。流石に濡れながら食べるのは嫌で中に戻ってきたんだよ。」

 

そう言って隅っこの空いてる席に座る。

 

ユー「前、いいでしょうか。」

 

トレイを持ち八幡の元へ行こうとしていた睦月がえっ、と素っ頓狂な声を出す。

 

八幡「…どうぞ。」

 

本人も予想外だったのか何故か丁寧に返す。

 

ユー「失礼します。」

 

何も気にせず目の前に座るユー。

 

八幡「どうしたんだ?」

 

ユー「いえ、なんとなくです。」

 

特に理由は無いのかよ、とその場にいる全員が思ったが八幡は違う。驚いているのだ。

 

八幡「秘書艦だからってご飯時も一緒に居なくちゃいけないわけじゃないぞ?」

 

ユー「分かっています。」

 

彼女が自分の意思で出撃以外の行動を取った事に驚いているのだ。

 

八幡「そうか。」

 

ユー「はい。」

 

会話は無い。ギスギスしてる訳でもない。ただ周りから見れば不安でしかない。

 

ユー「あの…、」

 

八幡「ん?なんだ、秘書艦の話か?」

 

朝食も食べ終わり締めのマッ缶を飲みながら返事をする。

 

ユー「それは加賀から聞いたので大丈夫です。」

 

八幡「じゃあなんだ?」

 

ユー「私は、どうすればいいのでしょうか…。」

 

何をどうしたらいいか分からないから、答えが出ない。いや、分からないというのが答えなのかもしれない。

 

八幡「お前は沈みたいのか?」

 

首を横に振る。

 

八幡「沈みたくないなら無理な突撃は止めろ。」

 

ユー「私は敵を倒すために生まれてきました。なので、」

 

八幡「なら1人で全員倒せるくらい強くなってから言え。」

 

ユー「それは…。」

 

八幡「無理だろ?」

 

コクりと頷く。

 

八幡「確かにお前ら艦娘は深海棲艦とやらを倒す為に生まれたのは事実だ。だからといって自分の命を粗末にしていいわけじゃないだろ。出撃したらちゃんと帰ってくる、それがここのやり方だ。」

 

ユー「分かり、ました。」

 

八幡「俺が命令して行ってもらってるんだ。兵器でも沈まれたら目覚めが悪いしな。自分が兵器だと言うならこの命令は必ず守れよ?」

 

ユー「2つ質問をいいでしょうか…。」

 

八幡「いいぞ。」

 

ユー「何故アドミラルは、そんな目で見てくれるのですか?」

 

八幡「そんな目?」

 

ユー「言葉には表しにくいです。ただ前のアドミラルとは違って、怖くないんです。」

 

抽象的な質問だった。ここの鎮守府の皆が思ってることではある。目は腐っているが、何故か怖さはない。不思議で仕方ないのだ。だからその質問に対しての答えを、その場にいる全員が耳を向ける。

 

八幡「分からんの一言に尽きるな。人はそれぞれ価値観がある、お前がそう感じるって事はそうなんだろう。それか俺がお前らを怖がってるからかもしれん。」

 

ユー「アドミラルが、私達を?」

 

八幡「だってそうだろ?お前らが本気を出せば俺なんて一瞬でお陀仏だぞ?怖くて仕方ないね。」

 

ユー「不思議な答えです。私はアドミラルに何かする気は無いのに…。」

 

八幡「お前は前の提督が安心しろ何もしないからと言って信じたか?」

 

なるほど…と納得する。

 

八幡「で、二つ目の質問は?」

 

ユー「私は逃げてもいいんですか?」

 

逃げるな!戦え!と、以前の提督に散々言われてきたのだ。ここの鎮守府もユーの鎮守府もどちらも変わらない。

 

八幡「あぁ、逃げろ。無様でも逃げてたっていい。」

 

ユー「でも、」

 

八幡「逃げる事は悪い事じゃない。いいか?逃げるって事はつまりは回避しているんだ。冷静に分析して、無理だと思ったら逃げる。つまりは頭の良い奴がとる行動だ。」

 

ユー「悪い事じゃない…。」

 

八幡「逃げるなとかいう馬鹿には、お前は1度も逃げたことは無いのかと聞いてやりたいね。俺は何度もある。最早逃げるのが人生まである。」

 

長門「良い事を言ってるはずなのにバカに見えるな。」

 

八幡「うるせえ。もし他の誰かが文句を言ってもほっとけ。これが俺のやり方だ。逃げたいと思った時には逃げていいんだよ。ただ、逃げちゃダメだと思ったら絶対に逃げるなよ。」

 

小町の事を思い出すな。小学校の時だったか…。いや、今それは関係ない。いつか話す機会があったら話そう。

 

八幡「さて、時間だ。遅れると大淀に怒られるから行くぞ。」

 

ユー「はい。アドミラル。」

 

俺が出来るのはここまでだな。後はお前らの役目だぞ?と潜水艦達に目を向ける八幡。

 

イムヤ「空き缶捨てなさいよ。」

 

八幡「はい。すいません。」

 

 




台風が、来ているだと!?電車が止まる。会社が休み?


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彼は核心に触れる

ギャグパート入れたい…。


 

ユー「出来ました。」

 

八幡「あいよ。」

 

書き上げた書類を受け取り、内容を確認する。

 

八幡「字が汚ねぇよ。」

 

ユー「初めて書きました。」

 

八幡「なんでちょっと嬉しそうなの?」

 

執務をしながら少しの会話をしているうちに、感情が段々と出てくるようになってきた。

 

ユー「嬉しくは無いですよ?」

 

八幡「さいですか。」

 

コンコン。。

 

八幡「どうぞ。」

 

天龍「失礼するぜ。お、ちゃんとやってるな。」

 

八幡「仕事だからな。というか俺の休日が無いんだけどどういう事?」

 

天龍「とりあえず報告書にまとめといたからよ。損傷無し以上。」

 

そう言ってそそくさと出ていってしまった。

 

八幡「無視かよ…。」

 

貰った書類に印鑑を押し、パンパンになった大淀行きと書かれた箱に入れる。ちなみに数は4箱。

 

ユー「アドミラルは休みが無いのですか?」

 

八幡「まあな。考えてみたらここに来てから無いかもしれん。」

 

え、俺完璧に染まってるよ。真っ黒に染まりきっちゃってるよ。

 

ユー「大変…ですね?」

 

八幡「気にすんな。」

 

そういえば初めてそんな事を言われたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

長門「失礼する。」

 

八幡「そう思うならせめてノックをしろよ。」

 

長門「あぁ、忘れていた。すまないすまない。」

 

八幡「んで、何の用だ?」

 

早く本題に入ってくれ、仕事が溜まってるんだ。

 

長門「授業をだな、」

 

八幡「却下。帰っていいぞ。」

 

長門「いや、最後まで聞いてくれ。」

 

八幡「俺はやらんぞ。」

 

ほぼ質問攻めで終わるし、準備しといた事なんも出来ないし、てか準備してる俺偉いな。

 

長門「あの子達の要望なんだ。頼む。」

 

八幡「はぁ…。分かった分かった。そのうちな。」

 

長門「絶対だぞ?そのうちまた来る。」

 

八幡「分かってるよ。」

 

ユー「出来ました。」

 

いや空気読んで?明らかに話の最中だよね?

 

いいか?と長門に目を向ける。

 

長門「話はそれだけだ。すまないな、時間を取らせて。」

 

そう言って出ていってしまった。

 

八幡「どれ、見せてみ。」

 

ユー「はい。」

 

手渡された書類には汚い字と何故か兎?の絵が書いてあった。

 

八幡「いや、字は仕方ないとして、この兎は何?」

 

ユー「加賀が時々絵を描くといいと言っていましたので。」

 

八幡「へぇ〜。で、どういう意味合いで書いたんだ?」

 

ユー「兎です。」

 

八幡「おう?兎だな。」

 

ユー「兎です。」

 

八幡「もういいです。兎ですねはい。」

 

そう言って大淀ボックスに突っ込む。後は任せた。ボールペンで書いちゃってるんだもんこの子。

 

八幡「兎はもう書かないでいいからな?」

 

ユー「了解です。」

 

なんというか…子供を相手にしている気分だ。知ってる知識を見せびらかそうとする子供。きっと今までこういう経験をした事がないからなんだろうが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ん、とりあえず一段落だな。」

 

ユー「はい。」

 

八幡「もう3時か、腹減ってるだろ。なんか食べてきていいぞ。でも夜が食べれなくなるから多いのはダメな。」

 

ユー「アドミラルは?」

 

八幡「俺はとりあえず書類を整理しないとだから、それが終わってから食べるわ。」

 

それを聞いて何故か黙ってしまう。

 

ユー「アドミラルと食べたいです。」

 

予想の遥か斜め上の返事が来て一瞬固まってしまう。

 

八幡「そう、か?」

 

ユー「はい。」

 

何故?という考えが頭の中を巡るが一向に答えが出ない。

 

八幡「んじゃまぁ…行くか。」

 

断る理由も無いため一緒に食べる事を選んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

間宮「あら、今日はお連れがいるんですね?」

 

八幡「はい。んで、何食べるんだ?」

 

ユー「カレーが食べたいです。 」

 

間宮「カレーですね。提督さんはどうしますか?」

 

八幡「同じので。」

 

カレーを受け取り空いている席に座るが、

 

八幡「なんで隣に座るんですか?」

 

ユー「ダメでしょうか?」

 

授業で習わなかったんですか?男子とは適切な距離感で話さなくちゃいけないって。じゃないと勘違いした男子が告白してくるんだぞ?お、俺の話じゃないからな!

 

八幡「好きにしろ…。」

 

だからといってダメと言えないのが男子の辛いところだよな…。

 

 

 

 

 

睦月「あれれ!?司令官が他の子とたべてる!?」

 

如月「明日は吹雪ね…。」

 

八幡「吹雪になったら出撃停止…ってことは仕事がない?如月、天才だなお前。」

 

如月「貶してるのよ。」

 

知ってます。

 

睦月「ユーちゃん、でいいんだよね?」

 

ユー「…。」

 

睦月「あれ?無視?睦月ちゃん泣いちゃうよ?」

 

八幡「どうした?」

 

気分でも悪いのかと不安に思い顔を覗く。

 

ギュッと袖を掴んできた。

 

八幡「?」

 

普段ならラブコメかと突っ込みたくなるところだが、どうやら違うらしい…。

 

八幡「あー、悪いな睦月。あんまり他人と話すのに慣れてないらしいんだわ。だからそんなにグイグイ来られると気負うらしい。」

 

察しろ。と目で訴える。

 

睦月「あ、あ〜!ごめんね!そこまで考えて無かったんだ〜!また今度話そ?」

 

どうやら伝わったらしく、その場を離れてくれる。

 

八幡「これでいいか?」

 

ユー「すいません…。私、」

 

八幡「逃げてもいいって言ったのは俺だ。気にすんな。」

 

なるほどな。こいつに何があったのか大体把握出来てきた。

 

八幡「さて、ご馳走さん。戻るぞ。」

 

ユー「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「うわ、大淀のやつ。お返しと言わんばかりの量だな。まあ、結局確認のために自分に戻るんだけど。」

 

席に着き、書類の内容を確認していく。ユーに引き継いでも問題ない物を探すためだ。

 

八幡「こんなもんか。おい、これ頼んでもいいか?」

 

ユー「zzz…」

 

八幡「ご飯食べて寝るとか赤ちゃんかよ。」

 

きっと何も気にせず寝れたのは久しぶりなんだろう。それを分かっていて起こすほど俺は鬼じゃない。

 

そう思いながらユーを横にして布団をかける。

 

八幡「はぁ…。世話のかかる妹をもった気分だ。」

 

ま、小町には勝てんがな。




誤字報告、感想等ありがとうございます!
ちゃんと見て、返せる時に返しますのでこれからもよろしくお願いします!


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彼は考えるのを止めた

Twitterって久しぶりに見るとめちゃくちゃ夢中になっちゃう。


大淀「失礼します。って寝てるんですか?」

 

八幡「あぁ、今回は大目に見てやってくれ。」

一番最初に目に入ったのはユーがソファーの上で熟睡していた所だ。傍で見ていた八幡は気にすること無く執務を行っている。

 

大淀「随分と心地よく寝ていますね。」

 

八幡「そうだな。目の下に隈ができてたから、あんまり寝れなかったんじゃないか?」

 

白い肌が特徴なユーの目の下にはくっきりと隈があるのだ。

 

大淀「追い込まれていたんですね…。」

 

八幡「多分な。」

 

Prrrrrr…

 

八幡「はい。」

 

葉風「やぁ、お疲れ様。」

 

八幡「お疲れ様です。どうしたんですか?」

 

着信音でユーが起きてないか心配するが杞憂のようだ。

 

葉風「そっちに送った彼女はどうだい?」

 

八幡「まあ初回から無茶な突撃かまして、部隊を危うく沈ませる所だった位には元気がいいですよ。」

 

葉風「君は…出撃させたのかい?」

 

リスクリターンをしっかり見極められる彼がそんな判断をするとは思えなかったのだ。

 

八幡「はい。うちの潜水艦はそれなりに実力がありますから、アイツが無茶しても対処出来ると考えた結果です。」

 

葉風「つまり…予想外の敵が現れたと言うことかい?」

 

八幡「いえ、アイツを庇いながら戦ったからとしか聞いてませんが、まあ大体想像出来ますよね。」

 

葉風「なるほど…ね。それで彼女は今どうしてるんだい?」

 

八幡「あー、まあ出撃停止処分を出してますよ。」

 

思わず寝てるって言うところだった。危ねぇ。

 

葉風「まあ妥当だね。君は彼女の身に何があったか聞かないんだね。他の鎮守府の人達は最初に必ず聞いてきたというのに…。」

 

八幡「それも見てれば想像つきますよ。艦娘も思考回路は人間と差程変わらないんですから。こういうこと言ったらアイツらに怒られそうですけどね。」

 

葉風「流石、よく見ているね。念の為だ、答え合わせをしよう。君の見解を聞かせてくれないか?」

 

八幡「提督が暴力を振るっていたのは間違いないです。でも一番酷かったのは提督では無く、艦娘同士だった。じゃなきゃ俺に懐いてきた理由が分からないですから。」

 

葉風「概ね正解だ。MVPを取ったら何かしらの報酬があり、それ以外は何かしらの罰があったらしい。長年続けた結果、艦娘同士で亀裂が生まれたらしい。」

 

八幡「概ねって事は間違いがあるんですか?」

 

葉風「勿論。実は言うと、提督からの暴行は無かったんだ。暴言といった精神的攻撃は色々あったらしいけど。」

 

マジか…。だとするとアイツの痛くて暗くての言葉の辻褄が合わない。

 

葉風「暴行があったのは、艦娘からだよ。日によっては閉じ込め出撃させず、殴る蹴るなどして戦闘に支障をきたすようにする。無知な提督は本人の責任と思い込んで言葉の暴力。負の連鎖が生まれたんだ。 」

 

八幡「なるほど…。把握しました。」

 

葉風「君が1番淡白な反応なのは予想通りかな。」

 

八幡「何変な予想してるんですか。他に無いなら切ってもいいですかね。執務に追われてるもので。」

 

葉風「ごめんよ。ちょっとした出来心さ。それじゃ何かあったらいつでも連絡をくれ。」

 

そう言って電話が切れる。

 

大淀「葉風提督ですか?」

 

八幡「ん?ああ。よく分かったな。」

 

まあ電話なんかかけてくる人葉風さんくらいか。

 

大淀「ユーさんの件…ですよね。なんと仰っていたんですか?」

 

八幡「それは、アイツから聞け。俺が易々と言っていい内容じゃない。ほれ、昼の書類終わったぞ。」

 

大淀「……はい。ありがとうございます。」

 

執務室から出て行く大淀。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「そろそろ夕食の時間か。」

 

コイツずっと寝てたな。と言ってもご飯を抜かせるのもどうかと思うし、起こすか。

 

八幡「おい、起きろ。」

 

ユー「ん…あれ、」

 

八幡「随分とぐっすり寝てたな。もう夜だぞ?」

 

ユー「え、あ、すいません…。私、仕事を…」

 

八幡「腹一杯になったら眠くなるのは仕方ない。もう夕食の時間だが、食べれるか?」

 

ユー「は、はい。食べれますけど…。」

 

八幡「気にすんな。仕事は終わってる。けど、次は爆睡は勘弁してくれ。他のヤツらに見られたら俺が怒られる。」

 

決して寝たことに対して怒りはしなかった。ブラックでなかろうと良い事では無いのに。仕方ないの一言で済ませてしまう事に驚く。

 

ユー「ダンケ…。」

 

八幡「ああ。ほれ、行くぞ。」

 

執務室から出て行く八幡の背中を追う。

 

 

 

 

赤城「提督遅いです!!お腹空きました!!」

 

八幡「口元にケチャップ着いてるぞ。」

 

赤城「はっ!不覚!」

 

ははは、と笑いが生まれる。

 

時雨「珍しいね。司令官が遅れるなんて。」

 

八幡「どうしても片付けたい仕事があってな。すまん。」

 

普段からサボりたがる癖にちゃんと仕事は終わらせて時間通りに来る彼が、仕事で遅くなるだなんて考えにくい。と時雨は思うが、深く考えないようにした。

 

八幡「特に報告は無いからさっさと食べるか。」

 

大淀「はい、それではいただきます。」

 

「「いただきまーす!!」」

 

 

八幡「はぁ、雨のせいでベストプレイスで食べれん。」

 

最早習慣と化しているせいかいつもより物足りない気分だ。明日は晴れますように。

 

イムヤ「提督。休んでても暇だから出撃してもいいかしら?」

 

1週間出撃無しと言われた潜水艦達が来る。

 

八幡「お前ら、暇という大切さを分かってないな?そんなに暇が要らないなら俺に分けてくれ。」

 

ゴーヤ「あげるでち。出撃じゃなくても仕事が欲しいでち。」

 

イク「イクは暇のままでいいかなぁって思ってるの。」

 

可哀想に…。多数決でこうなってしまったんだな。

 

八幡「そうだな。本当に出撃する必要が今の所無いからら、駆逐艦達が出てる授業にでも参加してみるか?」

 

イムヤ「まぁ、何もやらないよりマシね。」

 

イク「えぇ〜勉強はいやなの〜。」

 

ゴーヤ「イクうるさいでち。」

 

八幡「話は通しておく。明日から参加してこい。」

 

了解という返事をし、その場を去ろうとする。

 

イムヤ「アンタはどうするの?」

 

ユー「私は、遠慮しておきます。」

 

旗艦として一応聞いておく配慮。流石だなと本心から思った。

 

八幡「いいのか?」

 

ユー「私は、アドミラルと一緒に居たいです。」

 

ピシッと食堂の空気が凍る。

 

イク「え、えっと〜。一緒に仕事したいってことなのね?」

 

若干慌てながら聞くイク。

 

ユー「仕事以外でも居たいと思ってます。」

 

あぁ、これ。めんどくさくなるやつだ。

 

八幡はこれ以上考えるのを止めた。




次回に続きます!


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彼は答えに行き着く

遅くなってすいません!

遅れる場合は活動報告または他の手段で報告します!


 

ユー「アドミラルと一緒がいいです。」

 

ユーの爆弾発言により食堂に静寂が訪れる。あの赤城すら食べる手を止めていると言えば、事の重大さが分かるだろう。

 

睦月「ちょ、ちょっと待って欲しいかな?え、どゆことなのか分からないんですけど!」

 

大淀「提督…何したんですか?」

 

え、何故矛先が俺に向く?

 

龍田「天龍ちゃん?口開きすぎて涎が垂れてきてるわよ〜?」

 

長門「何をやったらここまで変わるのか…。ご教授願いたいものだな。」

 

お前は下心丸見えじゃねぇか。息が荒い、過呼吸見たくなってるからね?

 

八幡「別に、仕事しかしてねーよ。というか何故こうなったのか俺にも分からん。」

 

いや、マジで心当たりが無さすぎる。知らぬ間に俺の隠れた才能が開花したとかないよね?

 

ユー「アドミラルは、嫌なんですか?」

 

八幡「…い、いや、そんなことは、ないが…。」

 

そんな目で見ないでくれ。捨て犬みたいな目で見られたら断れないだろ。

 

ユー「なら問題ないです。これからもお願いします。」

 

問題ない…か。別に俺は、出撃したくないってヤツを出撃させようだなんて思ってはいない。だからこいつが出撃しないで、執務を手伝う事を否定するつもりは全く無いんだが…。問題は別にある。

 

如月「甘ったれた事を言わないでくれない?」

 

八幡「如月…。」

 

如月「アンタ艦娘でしょ?戦える奴を控えさせて置くほどの余裕はあるでしょうけど、アンタの我が儘だけで好き勝手やっていいわけじゃないのよ。他の子の気持ちをもう少し考えなさい。」

 

如月の言い分は最もだ。皆好きで出撃している訳じゃない。やらなくてはならない事だからやっているんだ。嫌々って程では無いが、やらなくて済むならそれで良いと思っている。誰が好き好んで死地に行こうと言うのか。

 

ユー「アドミラルは我が儘を言っていいと仰ってくれました。」

 

如月「言っていいと、許可は違うのよ。そんなのも分からないのかしら?」

 

いよいよ殺気立って来てしまった。

 

如月「そもそも、この前の出撃だって…」

 

八幡「如月、そこまでにしとけ。」

 

如月「っ、でも、」

 

八幡「それはお前の仕事じゃないだろ。」

 

如月「…はぁ。そうね。分かったわ。」

 

まだ釈然とはしないと、睨みながら席に着く。

 

ユー「アドミラル。ダメなんですか?」

 

あぁ、その目を止めて欲しい。その目を見る度に昔家出した時の小町の事を思い出すんだ。俺はそういう目にめっぽう弱い。でも、今はダメだ。俺の仕事は嫌われ役。それを忘れる訳にはいかない。

 

八幡「そうだな。ダメとは言わない、いや言えないと言った方が正しいのか。」

 

ユー「ありがとうございます。」

 

八幡「でも、俺に縋るのは止めろ。」

 

コイツはきっと俺なら助けてくれるとか勘違いしている。俺はそんなに事が出来る大層な人間では無い。もっと最下層の人間だ。

 

八幡「いつも俺がどうにかしてやれるとは限らない。俺にはどうしようも無い事もある。寧ろそういう時しかないレベルだ。」

 

ユー「そんなことは無いです。アドミラルは私に、」

 

八幡「何もしてない。お前の理想を勝手に押し付けんな。いつだって助けてくれるのは俺じゃない、アイツらだ。助けを求めるのは俺かもしれんが、結局助けるのはアイツなんだよ。せいぜい命令を出すのが俺の精一杯だ。」

 

俺に出来るのは、最低限の命令をして、座って待つくらい。それ以上を求められてもできる事だなんてたかが知れてる。

 

八幡「縋るなら俺じゃなく、お前の仲間とやらに縋れ。」

 

仲間…。この言葉を俺が使う時が来るとは思わなかった。仲間なんざいた事はないが、仲間というものを否定するつもりは無い。それをしたらコイツらに失礼だからな。

 

ユー「アドミラルだって…ここの仲間です。ユーの仲間です。」

 

八幡「違うな。お前の味方はするが仲間じゃない。役割が違う。戦うのがお前らの役割、俺はその補助が役割だ。確かに…仲間なのかもしれないが、でもきっとそれは本物じゃない。」

 

コイツらの生活を少ない時間だが見てきた。それを本物だと感じだからこそ、俺を仲間の1人だと言うことを肯定出来ない。その輪の中に俺は絶対に入れないのだ。

 

八幡「1週間。執務は半分にして、それ以外の時間は執務室以外で過ごせ。その後状況をみて出撃させる。勿論授業にだって出ていい。」

 

ユー「い、嫌です!1人は、嫌なんです…。」

 

八幡「ダメだ。もう少し周りを見ろ。1人なわけあるか。」

 

今ならまだ間に合う。きっとコレは依存に近い。まだ日が浅い今なら間に合うはずだ。

 

八幡「これは、命令だ。受け入れろ。」

 

ユー「…っ、分かり、ました。」

 

涙ぐみながら答え、夕食に全く手をつけずどこかへ行ってしまった。

 

 

八幡「イムヤ、頼んでもいいか?」

 

イムヤ「…そういうやり方、やっぱり好きになれないわ。でも、命令なら仕方ないわね。頼まれてあげる。夜ご飯は後で食べるわ。」

 

八幡「悪いな。」

 

そう言ってユーを追って食堂から出ていく。

 

時雨「いいの?」

 

八幡「あのままじゃ艦娘として生きていけなくなるからな。良い手段とは言えんが、後はアイツらに任せるさ。」

 

響「他の誰かを頼るだなんて、珍しいじゃないか。」

 

八幡「馬鹿言え。1人でやれることはやるが、俺にも出来ないことだってある。出来ないことを無理してやるほど俺は馬鹿じゃない。」

 

だけど…今回ばかりは珍しく後悔してる自分もいる。時雨の質問が心に引っかかった。受け入れても良かったんじゃないかと。アイツが、ユーがそれで幸せだと言うならばそれでいいんじゃないかと考えてしまったんだ。

 

長門「…こればかりは難しいな。よく直ぐに判断したと私は褒めるぞ。」

 

加賀「そうね。例えどちらに転んでも仕方ないと皆納得したと思うわ。」

 

八幡「そりゃどうも。お前らに褒められるって事は明日は雨かもな。」

 

だからもう一度、心に言い聞かせた。俺が見たいものは何なのか。

 

 

【 俺は本物の笑顔で笑いあってるコイツらを見ていたいのだ⠀】

 

やっと行き着いた答えがこれだ。そこに俺は居なくていい。居なくていいんだ。それを望むのは少しばかり欲張りすぎる。

 

八幡「だから良いんだ、これで。」

 

そう呟く八幡を見ている艦娘達全員は、皆口を揃えてこういう。

 

゛嘘だ ゛と。ならなんでそんな悲しそうな顔をするんだと。

 

だが、それを口に出せる者は一人もいなかった。




絶対にAPEX楽しくて遅れただなんて言えない。((ボソッ…


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彼の二度目の授業

先に言っておきます、巫山戯ました。


朝が来てしまった…。珍しく起床時間5分前に目が覚めた。こういう時に2度寝をすると、確実に寝坊する。だが俺は二度寝を止めない。

 

 

 

雷「司令官!朝よ!今日もいい天気ね!!」

 

 

 

八幡「お〜、昼まで、寝る。」

 

 

 

雷「寝不足なのかしら?ならお昼にまた起こしに来るわね!」

 

 

 

雷、良い奴だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大淀「提督!!!」

 

 

 

八幡「んぁ?」

 

 

 

大淀「何やってるんですか!寝坊ですよ!」

 

 

 

時計の針を見ると9時を指していた。8時に朝食だから1時間寝坊したのか。

 

 

 

八幡「あ〜、悪い。今起きる。」

 

 

 

大抵二度寝すると怒られるんだが、人は二度寝を止めることは一生出来ないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ん?まだ食べてないやつもいるのか。」

 

 

 

てっきり皆食べ終わってるもんだと思ったんだがな。

 

 

 

大淀「今日非番の人達ですね。誰かさんと違って非番でも早起きですけど。」

 

 

 

八幡「俺にも非番の日を設けて貰いたいんですが。まあ設けなくても俺が今後勝手に設けるけど。」

 

 

 

連日働きっぱなしだし、そろそろ1日堕落する生活が恋しい。労基もクソもないです。でも、それなりに仕事は早く終わるし、自由時間も結構あるから休みが無くてもやってこれている。

 

 

 

大淀「お任せします。」

 

 

 

淡白な反応ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

雷「司令官!やっと起きたのね!」

 

 

 

八幡「おう。起こしてくれてサンキューな。」

 

 

 

雷「もっと頼っていいのよ!」

 

 

 

まあ実際起きれて無いんですけどね。最近執務の量が少ないから良かった。

 

 

 

暁「寝坊だなんて、司令官はまだまだ子供ね!」

 

 

 

ふんすっ!と言わんばかりに胸張って言ってるが、

 

 

 

八幡「この前、出撃だってのにぐーすか寝てたヤツは誰だっけか…。」

 

 

 

暁「だ、誰かしらね…。」

 

 

 

大淀「提督、早く食べてください。仕事は始まってますので。」

 

 

 

八幡「はいよ。それじゃあな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食も食べ終わり、執務室に戻ってきた。

 

 

 

八幡「はぁ…。仕事すっか〜。」

 

 

 

コンコン

 

 

 

ユー「し、失礼します。」

 

 

 

予想外だった。昨日俺が言った言葉は決して優しいものではなかったし、寧ろ強く言いすぎたかと考えたくらいだと言うのに、

 

 

 

八幡「あぁ、今日の分はこれくらいだな。」

 

 

 

ただ自然と、自分で分かるくらい微笑んでしまった。昨日ゴーヤとイクに無理なら来なくて大丈夫だと伝えていた。今までのコイツなら、きっと逃げてしまっていただろう。勿論、それを俺は責めはしない。でも1歩踏み出したから、それが嬉しくて感情が出てしまった。

 

 

 

ユー「っ、はい!!」

 

 

 

犬みたいだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

 

 

イムヤ「失礼するわ。」

 

 

 

八幡「ん?あぁ、もう時間か?」

 

 

 

イムヤ「えぇ、だから迎えに来たのよ。」

 

 

 

もう時間は昼過ぎを指していた。昼食の後に向かうんだろう。

 

 

 

ユー「は、はい。」

 

 

 

昨日の今日じゃ流石に厳しいか…。若干まだ硬さを感じる。初回だしな、仕方ない。

 

 

 

八幡「今日の担当は俺がやる。そんなに強ばらんでもいいぞ。大したことはしない。」

 

 

 

長門との約束もあるからな。急な事で愛宕には悪いが…いや、アイツならいいですよ〜♪とか言いそうだ。

 

 

 

ユー「アドミラルが、ですか?」

 

 

 

八幡「あぁ、今回だけだがな。だから先に行ってろ。時間になったらちゃんと行くからよ。」

 

 

 

ユー「分かりました。」

 

 

 

八幡「ユー、ちゃんとご飯は食えよ。」

 

 

 

ユー「っ、はい!」

 

 

 

ここに来てからまともにご飯を食べている所を見ていない。この前のカレーだって殆ど残していた。少食ってわけでもないだろうし、まあ考えられるのは昔の環境が影響してるとしか考えられないが。まあ、そこは時間に解決してもらうしかないか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イムヤ「どうしたのよ。ニヤニヤして。」

 

 

 

ユー「初めてアドミラルに名前で呼んでもらえました。」

 

 

 

イムヤ「そんなに嬉しいものなの?」

 

 

 

ユーにとってはきっと特別な事なのだろう。自分が好いている人に名前を呼ばれる事がこんなにも嬉しいものだと、ユーは気づけた。

 

 

 

ユー「イムヤには分からないかもですね。」

 

 

 

イムヤ「昨日の今日で言うようになったわね…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「とかいって教室の前まで来たが、何も考えてないんだよな…。またお任せでいいか。」

 

 

 

扉を開ける。

 

 

 

響「朝とは違って寝坊はしてないようだね。」

 

 

 

時雨「雷から、また寝たいって言ってたから寝かせてきた!って聞いた時は笑っちゃったけどね。」

 

 

 

八幡「2度寝をしたくなるのは人間の習性みたいなもんだ。気にすんな。さて、授業始めんぞ。」

 

 

 

暁「起立!礼!着席!」

 

 

 

今日の日直は暁だったっけか?順番的に島風…ってあぁ、今日は演習訓練とかだったか。何人かいないのはそれが理由ね。

 

 

 

八幡「はてさて、困ったことに何も考えてないから何をしたもんか…。なんか要望はあるか?」

 

 

 

ゴーヤ「いや、先生が生徒に聞いてどうするんでちか。」

 

 

 

八幡「ご最も…。まあ普通の授業は普段愛宕がしてくれてるからいいだろ。今回は初回のやつもいるし、最初はお前らの要望に答えてやろうと思ったんだよ。」

 

 

 

言い訳じゃないです。本当ですよ?

 

 

 

睦月「はいはーい♪」

 

 

 

八幡「却下。」

 

 

 

睦月「まだ何も言ってないのに〜!」

 

 

 

だって地雷だもん君。核弾頭並の威力だと俺は思ってるからね?

 

 

 

如月「いいかしら?」

 

 

 

ここでまさかの如月。コイツはある意味信用出来るやつだから問題ないな。

 

 

 

八幡「よし、なんだ?」

 

 

 

如月「司令官が私達のことをどう思ってるか、細かく教えて頂戴?勿論…一人一人よ?」

 

 

 

あ、あれ?おかしい…。俺の予想と違う。おいそこ、ハイタッチすんな。

 

 

 

ゴーヤ「確かに気になるでち。」

 

 

 

電「決まりなのです!」

 

 

 

時雨「適当な事言ってやり過ごそうとか考えそうだから、僕らがちゃんと満足するような事を言ってね。」

 

 

 

こうなるから授業が嫌なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「そろそろいいんじゃないの?」

 

 

 

八幡「あぁ、30秒という短い時間をくれてありがとよ。」

 

 

 

コイツマジで30秒しか考える時間くれなかったよ…。どうせコイツらは俺が真面目に答えるはずないとか考えてるんだろうから、ここはあえて真面目に答えてやろう。

 

 

 

八幡「じゃあ席順で行くぞ。最初は暁だな。」

 

 

 

暁「どんと来なさい。」

 

 

 

八幡「暁の印象はレディに尽きる。」

 

 

 

それを言った瞬間パァァっと明るくなる。

 

 

 

暁「流石司令官!!分かってるわね!」

 

 

 

八幡「そういうレディな所いいと思うぞ。」

 

 

 

暁はこれを言っておけば満足するだろう。問題は次からだ。

 

 

 

雷「次は私ね!」

 

 

 

八幡「雷か。そうだな…。自分に厳しく他人に甘くって言葉が良く似合うって感じだな。いつも俺の事は甘やかしてくるくせに、演習の時は自分の悪い部分をしっかり見つめてる。もっと自分を甘やかしてもいいと思うぞ。俺のようにな。」

 

 

 

雷「え、み、見てたの?」

 

 

 

そりゃ提督だからな。ちゃんと実力は把握しなくちゃいけないし…。決して邪な感情は持ち合わせてないからね?ホントだよ?

 

 

 

八幡「次は電だな。」

 

 

 

顔を真っ赤にしている雷をスルーして、次の電へ移る。

 

 

 

電「は、ハイなのです。」

 

 

 

正直な話ここまでしっかり答えてくれるとは思っていなかったため、身構えてしまう電。ちなみに勢いで言ってる節があるため、これが終わった後恥ずかしくて、執務室で悶えるのが目に見えている。

 

 

 

八幡「電はここ最近話すようになったからな…。いつも何か我慢してる感じがする。それが何なのかは分からんが、もっと素直になっていいと思うぞ。後、夜はしっかり寝るように。」

 

 

 

電の目の下には少しだが隈がある。寝不足気味なのはよく見れば分かるのだ。

 

 

 

当の本人は我慢してる内容を実はバレていると勘違いして、耳を真っ赤にして机に伏せている。

 

 

 

響「私の番だ。期待しているよ?」

 

 

 

八幡「響は初期の頃から話してたな。んー、心配性ってイメージだな。多分最初俺に絡んで来た1番の理由は、品定めって感じだろうな。」

 

 

 

響「悪かったと思っているさ。でも今はそんな事考えてないよ。」

 

 

 

八幡「そうなのか?まあ後は、何かを我慢する時は後ろに手を組む癖があるって所だな。」

 

 

 

響「バレバレみたいだね。」

 

 

 

八幡「アホ。カマかけだ。ま、最近はそれが無くなって何よりだと思ってる。」

 

 

 

帽子で顔を隠してしまった。やり過ぎたか?と思ったが、思っている事を伝えろと言ったのはコイツらなのだから別にいいかと、その感情を呑み込む。

 

 

 

八幡「次は時雨だな。」

 

 

 

時雨「ちょっとドキドキしてきた。」

 

 

 

八幡「犬のイメージが未だに取れん。お手ってやったら本当にやって来そう。」

 

 

 

時雨「い、いぬ!?」

 

 

 

八幡「話す時、尻尾振ってる感が凄いぞ。」

 

 

 

その言葉にあぁ、確かにと周りからも肯定の声が聞こえる。

 

 

 

八幡「ご飯食べてる時だって…」

 

 

 

時雨「も、もういいから!僕のはお終い!」

 

 

 

八幡「そ、そうか?満足したならいいんだが。」

 

 

 

まだまだ言い足りなかったが、本人がそれで良いと言うなら仕方ないか。

 

 

 

八幡「じゃあ次は睦月だな…。」

 

 

 

睦月「ムム〜。なんで段々憂鬱そうになるのか聞きたいかな〜?」

 

 

 

自分の行動を振り返って考えて見てほしい…。ダル絡みしかされてないし、言う事聞かないし、なんなの?って感じなんだよなぁ。

 

 

 

睦月「もしかして…睦月ちゃんの可愛さは言葉では言い表せないから憂鬱だったり〜?別に可愛いって一言言ってくれれば睦月は満足なので安心してください♪」

 

 

 

ウザイ、あざとい。

 

 

 

八幡「あー、可愛いよお前は。」

 

 

 

睦月「ふぇっ!?」

 

 

 

八幡「ウザイしダルいしあざといけどな…って聞いてるか?」

 

 

 

とんでもないアホ面を晒しているぞ。…大丈夫か?

 

 

 

如月「睦月ちゃんはもうダメね。さっさと次に行きましょ。」

 

 

 

八幡「そうだな…。如月は…」

 

 

 

言おうと思っていた言葉は睦月との仲の良さだった。だがそれがしっくり来ない…。

 

 

 

如月「何?短い付き合いだと何も思い浮かばないのかしら?」

 

 

 

八幡「本当は、睦月と仲のいいドSお嬢様って言おうと思ってたんだが…。」

 

 

 

如月「ぶっ殺すわよ?」

 

 

 

やめて、怖いから。本当に目だけで人殺せそうだから…。

 

 

 

八幡「お前に感じてるのは、多分感謝だな。」

 

 

 

如月「はぁ?」

 

 

 

如月が帰ってこなければ睦月は更に自分をすり減らしていただろう。コイツに直接言うことは絶対に無いが…それに関しては感謝している。

 

 

 

八幡「感謝してんだよ。単純にそれだけだ。」

 

 

 

如月「意味わかんないんだけど…。まあ、いいわ。」

 

 

 

分かってもらうと困るから分からんでいい。

 

 

 

八幡「さて、次は潜水艦組か…。お前らとは本当に浅い関係だから何も言えることがないんだけど?」

 

 

 

イク「ハイハイ!」

 

 

 

八幡「どした?」

 

 

 

イク「潜水艦の中で1番好きな子は誰なの!?ちなみにユーは有利過ぎるので無しなの!」

 

 

 

イムヤ「ちょっと…イク。それはなんでも。」

 

 

 

八幡「強いて言うならイムヤだな。しっかり者だから。」

 

 

 

イムヤ「即答!?」

 

 

 

八幡「ここまで来て言わないのは無いだろ。」

 

 

 

イク「ぐぬぬ…。ならゴーヤとイクならどっちなの!?」

 

 

 

八幡「ゴーヤだな。」

 

 

 

ゴーヤ「比較対象がイクだとあんまり嬉しくないでち。」

 

 

 

イク「酷いの!?」

 

 

 

あー、イクの扱い方が分かってきたわ。雑に扱っても問題ないタイプね。理解理解、メモっとこ。

 

 

 

八幡「最後に、ユーか。」

 

 

 

ユー「はい。」

 

 

 

八幡「手のかかる妹だと思ってる。」

 

 

 

ユー「い、妹ですか…。」

 

 

 

妙に不服そうだな…。でも事実そう思ってるのだから仕方ないだろ。

 

 

 

八幡「さて、これで終わりだな。10分休憩挟んでから授業始めるぞ。今日のテーマはこの世で最も怖いもの、だ。」

 

 

 

そう言って部屋を出ていく八幡。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ぬうぉぉぉぉぉ〜。俺は、何で、あんな、恥ずかしい事、言ってんだ〜!」

 

 

 

布団に包まりながら悶絶する八幡。

 

 

 

加賀「……。」

 

目撃者はいた。




遅くなってすいません。長くなってしまいました。


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彼は大きなため息をつく

編集編集編集!!!


あの忌まわしき授業から1週間と数日経った。潜水艦のヤツらも何事もなく出撃してるし、ユーも問題なさそうだ。

 

 

 

八幡「よし、俺の1週間のスケジュールはこんなもんだな。」

 

 

 

俺は朝から何をしているかと言うと、流石に休みが無いのはやばいので1週間分のスケジュールを組んで、俺が仕事をしなくても良さげな日は思う存分休むことにしたのだ。

 

 

 

八幡「とりあえず週初めは書類整理から始めて、そんで1週間分のスケジュールを毎回組み立てていくと…。出撃とローテ組んでるから問題無し。完璧すぎる。」

 

 

 

正直書類関連の仕事は慣れれば慣れるほど、処理能力が高まる。即ち休みが増える。なら俺は全力で書類を片付けよう。

 

 

 

大淀「提督。お忙しいところすいません。お客様が来ましたよ。」

 

 

 

八幡「アポ無しで来るやつに構う必要ないだろ。」

 

 

 

せめて1週間前に連絡してもらわないと。俺のスケジュールが意味が無くなる。

 

 

 

葉風「ごめんよ。アポ無しで来て。」

 

 

 

八幡「え、なんで葉風さん?」

 

 

 

葉風「そんな身構えなくてもいいよ。」

 

 

 

爽やかに笑ってるけど俺の心情悟って?なんかやらかしたかと思ったじゃん。

 

 

 

葉風「流石に急にあの子を任せてたからね。様子を見に来たんだ。」

 

 

 

八幡「なるほど…。まぁ好きに見てください。不正とか何もしてないんで。」

 

 

 

葉風「ははっ、そこは心配してないよ。君はリスクリターンを考えられるタイプの人だからね。」

 

 

 

怪しい…。この人が悪巧みをするとは思えないが、ただ様子を見に来るだけで忙しい身を動かすか?俺だったらしない。それをするほどの理由が何かあるのか…。ダメだな。判断材料が少なすぎる。

 

 

 

葉風「良かったら案内をしてくれないかい?館内の事は詳しくなくてね。」

 

 

 

八幡「分かりましたよ。加賀にお願いしておいてくれ。今日の夕食は…ピザ食べ放題で手を打つ。追加は3つまで、それで多分食いついてくるだろ。」

 

 

 

大淀「かしこまりました。そう伝えておきます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ここが食堂ですね。窓から見えるのが演習してるヤツらです。」

 

 

 

葉風「ふむ。やはり規模の大きい鎮守府にする予定だったから広いね。」

 

 

 

八幡「今でも充分多いと思いますけどね。」

 

 

 

葉風「いや、これから大きくしていってくれ。」

 

 

 

まだ何人か会えていない艦娘もいるが…。それでもかなり席には余裕がある。半分も埋まってないほどだ。

 

 

 

葉風「じゃあ次の所へ…」

 

 

 

八幡「今日は何しに来たんですか?」

 

 

 

埒が明かない。そう言いたげな目で告げる。

 

 

 

葉風「様子見…って伝えたと思うんだけど?」

 

 

 

あたかも何を言ってるんだ?と自然に振る舞う。いや違う。様子見だけならアポ無しで来るなんて事はしない。お互いやる事が山ほどあるんだ。それを分かってるのにアポも無しで来るということは急ぎの用があったということ。でも、この感じは簡単には教えないと見える。

 

 

 

八幡「俺の鎮守府には関係ない事ならいいです。ただもしある場合、今説明しないのなら俺は首を縦には振りませんよ。」

 

 

 

この鎮守府に関わる事で無いのならここに来る必要は無い。故にあると考えたのだ。

 

 

 

八幡「別にアポ無しで来ることは責めはしません。ただ無礼を承知の上で、あろう事か頼み事まですると言うなら話は別ですよ。」

 

 

 

葉風「やっぱり連絡は入れるべきだったかな…。流石…よく見て考えているね。君の鎮守府はプライバシーがそこまで守られていない印象があったからこういう形を取らせてもらったんだ。」

 

 

 

嫌な記憶を思い出しちまった…。確かに一理ある。電話や文通をした場合、人によっては勝手に見る可能性がある。故にこの手段か…。

 

 

 

葉風「アポ無しだったのはシンプルな話、時間がそこまで無かった。ここに来た理由は視察に近い。」

 

 

 

八幡「視察…ユーのですか?」

 

 

 

1番真っ先に思い浮かんだのはユーだった。最近来たばかりで気になるのは仕方ない話だ。ただ時間が無いとはどういうことだ?

 

 

 

葉風「あの子だけじゃない。全員だよ。ちゃんと海に出しても問題ないかの視察だ。」

 

 

 

八幡「それって…。」

 

 

 

葉風「約1ヶ月後、大規模作戦が行わられる。そこに君の鎮守府を参加させるかさせないか…その判断を任されたんだ。」

 

 

 

八幡「大規模、作戦?」

 

 

 

思考が止まり気づいたら外にいる事に気がついた。俺のベストプレイス…波も穏やかで日差しも心地よい。

 

 

 

葉風「意外と冷静なんだね。大抵は驚いたり焦ったりするものだけど。」

 

 

 

驚いているさ、急な話すぎる。だが不思議と腑に落ちた。

 

 

 

八幡「それで…参加するかしないか、ですよね。」

 

 

 

葉風「あぁ、あの子達の練度は前線でも充分通用するレベルだ。今までは精神面で問題があったから発揮できていなかったけどね…。どうだい?」

 

 

 

八幡「拒否権はあるんですか。意外です。」

 

 

 

葉風「はは、すまないが殆どない。上はほぼ参加決定で話が進んでる。ただ問題があったら困るから君が客観的に見てどうなのか聞きたくてね。」

 

 

 

やっぱりブラックじゃねーか。驚いて損したわ。

 

 

 

八幡「練度と経験が比例していないのが今の状態です。後方支援なら問題ないかもしれませんが、前線では練度ほどの実績を残すのは難しいかもしれませんよ?」

 

 

 

素直な意見を言わせてもらった。あいつらは無理な突撃でもどうにか生き残ってきたヤツらだ。作戦のセオリーなんてものも知らない。要は他の艦娘と連携を取れるか怪しいのだ。そんな状態で前線に出すのは危険だろう。

 

 

 

葉風「そうだね。前線は厳しいとは考えていたよ。だから勿論後方支援に回ってもらう。」

 

 

 

八幡「心配事は沢山ありますが…。」

 

 

 

葉風「てっきり断られる思っていたよ。」

 

 

 

八幡「仕事ですから、仕方ないですよ。正直嫌ですよ?」

 

 

 

アイツらなら上手くやれる。どうにかなるはずだ。

 

 

 

葉風「はははっ、素直な意見はありがたいよ。詳しい日程は2週間前には必ず知らせる。それまでに戦力は整えておくように。」

 

 

 

八幡「分かりました。」

 

 

 

去り際も爽やかイケメンとかどういうこと?なんかムカつくから、やっぱり拒否しようかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大淀「もうお帰りになられたんですか?」

 

 

 

八幡「あぁ、割とすぐ帰った。」

 

 

 

加賀「提督。明後日の分まで終わらせたので追加は5品でお願いします。」

 

 

 

八幡「マジか…早いな。間宮さんに伝えてこい。理由…」

 

 

 

加賀「行ってきます。」

 

 

 

少しは話を聞けよ。どんだけ食い意地張ってんだ。

 

 

 

大淀「それで、どんなお話をしていたのですか?」

 

 

 

八幡「あー、それなんだがな…。夕食の時でいいか?かなり重要な話になるから、話す内容整理してからでいいか?」

 

 

 

大淀「分かりました。」

 

 

 

どんな反応をされるのかが不安なのではない。ここの平穏が崩れるのが嫌なのだ。寧ろ拒否してもらってもいいくらいだ。全員が全員無理だと言えば上も文句は言えないだろう。穏健派だからこそ無視出来ないだろうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「揃ってるか?」

 

 

 

大淀「はい。皆さんちゃんと揃っていますよ。」

 

 

 

珍しく赤城も待ってるな。凛々しい表情だけどヨダレやばいぞ…。

 

 

 

 

 

八幡「あー、そうだな。単刀直入に言う。約1ヶ月後、大規模作戦があるそうだ。」

 

 

 

食堂にいる全員がざわめきだす。

 

 

 

八幡「ただ、ここは元ブラック鎮守府。お前らの精神面を心配して、視察という形で今日葉風さんが来たって感じだな。」

 

 

 

そこでスっと手を挙げる人物が、

 

 

 

長門「我々が置かれる位置はどこだ?」

 

 

 

八幡「そこは後方にしてもらった。基本的に駆逐艦は周囲の偵察、空母は前線の火力支援、重巡から戦艦は超遠距離支援、って形になった。」

 

 

 

天龍「って事は前の連中がヘマしなきゃこっちに危険はねーって事か。」

 

 

 

八幡「そういう手筈だ。ま、ヘマした時点で撤退だろうから、そうなった時は撤退支援に回ってもらうだろうな。」

 

 

 

イク「イクたちはどうするの?」

 

 

 

八幡「駆逐艦と同じ偵察が主だ。」

 

 

 

イムヤ「で、アンタは私達の指揮をするって事ね。」

 

 

 

そこで気づいた。俺がまともに指揮をする事が初めてだということに。そして何より、俺が指揮するかどうかも定かではない。

 

 

 

八幡「それは分からん。なんせまともに指揮をした事無いもんでな。」

 

 

 

響「本当に指揮官が何故ここに来れたのか疑問だね…。」

 

 

 

八幡「うるせえ。ま、お前らなら俺以外でもそこまで問題ないだろ。」

 

 

 

…なぜ静かになるんだ?なんか変なこと言ったか?あ、もしかしてお腹すきました?

 

 

 

加賀「確かにお腹はすきました。ただ、私は少なくとも貴方以外に指揮されるのは嫌よ。」

 

 

 

八幡「いや心読むなよ。そう言われてもな…」

 

 

 

そうだ。こいつらの根っこは別に変わって無いのだ。前よりはマシになった。でもだからと言って提督という存在自体嫌悪している。

 

 

 

如月「私はアンタ以外だったら降りるわ。クソどもにあれこれ言われるのは死んでも無理。」

 

 

 

時雨「口は悪いけど僕も同意見かな。司令官以外の声を耳元で聞かされるのを想像するだけで悪寒がする。」

 

 

 

続々と否定的な意見が飛んでくる。これは腹を括るしかないのか…。

 

 

 

八幡「分かった分かった。とりあえず俺が指揮するのが確定しない限り、作戦には参加出来ないって主張をしてるって伝えとく。」

 

 

 

大淀「大変ですね。非番の日は作れそうですか?」

 

 

 

八幡「嫌味か…?」

 

 

 

恐らくここに来て1番大きいため息が出た。

 

 

 

大淀「それではいただきます!」

 

 

 

「「いただきまーす!!」」

 

 

 

だが不思議と嫌な気分ではなかった。

 

 




感想ありがとうございまーす!


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彼は知らぬ間に仕事に熱を入れる

やばい…遅れている。結構真面目に次の話どうしようかと毎回悩んでいます…。


作戦自体には殆どの艦娘を出す予定なので数日前になったら鎮守府の出撃自体を停止しなくてはならない。つまりスケジュール自体をつめていかないと作戦終了時に「あー、疲れた。でも明日も仕事だよ…。」ってな感じになってしまう。揃えるべきはとにかく資材等、負傷を癒すための資材、弾薬、燃料、食料、作戦自体の概要をまだ聞けてい無いから長期間になる事も視野に入れなくてはならない。

 

八幡「とりあえず明日からこのシフトで行くか。うわ〜、この仕事量はブラックまっしぐらだな。」

 

朝礼の時に理由含めて伝えないと。誰かの上に就いて、割と大変な仕事を振る時には必ず理由とメリットを相手に提示しないといけない、コレ鉄則。じゃないと不満が溜まるからな。

 

八幡「はぁ〜。とりあえず葉風さんに色々聞かないとな…。」

 

Prrrrrr…。

 

葉風「はい。葉風です。」

 

八幡「おはようございます。今大丈夫ですか?」

 

葉風「おはよう。あぁ、問題ないよ。もしかして大規模作戦についてかい?」

 

八幡「はい。こっちの艦娘達は割と良い返事は貰えましたよ。ただ、指揮を出すのは他の提督は嫌だと言われてしまって…。」

 

葉風「ふむ…。いや、そこは心配しなくても君にやってもらう予定だ。そこの鎮守府をまとめられるのは恐らく君しかいない。」

 

八幡「そんな事ないですよ。まあでもそれなら問題なく参加出来そうです。」

 

葉風「イレギュラーは目をつぶって欲しいけどね。」

 

イレギュラー、まあそこばかり気にしても仕方ない。人生イレギュラーばかりだからな。俺の人生イレギュラーばっかりだし…。犬助けて死んで、かと思ったらなんか変なところ飛ばされて…あれ?それくらいしかない?

 

八幡「作戦についてなんですけど、期間はどれくらいを予想してますか?」

 

葉風「多分今日資料が届く筈だけど、先に伝えておこうか。作戦期間は今の所6日間を予定している。短くなるかもしれないし、長くなるかもしれない。まあそれは前線の働き次第って所だね。」

 

6日間か、予想してたより短い。2週間とか考えてたわ。まあ2週間分の貯蓄はしておいて損は無いだろ。

 

八幡「了解です。まあ後は書類の内容みてまた聞くかもしれないんでお願いします。」

 

葉風「あぁ、何でも聞いてくれ。」

 

そう言って失礼しますと言って電話を切る。

 

八幡「イレギュラーは目をつぶって欲しい…ね。」

 

イレギュラーなんぞいくらでも予想が着く。それを対策して、これ以上対策する事はないと言いきれるくらいに不安要素を解消したならその言葉は頷けるが、それもせず言っているなら無能を晒しているだけになってしまう。いや、考え過ぎだな…。多分ナイーブになりすぎている。

 

八幡「はぁ〜。やめだやめだ。俺に出来る事だけやろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「遅れたか?」

 

大淀「いえ、ギリギリセーフです。」

 

ギリギリって真顔で言われると責められてる気がするのは俺だけだろうか。間に合ってますの一言で足りるのに…。いじめ?あ、元からか。

 

八幡「さて、先日話した大規模作戦について今のうちに話しておこうと思う。ただ正式な書類がこの後届くみたいだから、今から話すこととズレがあるかもしれんがそこは許してくれ。」

 

珍しくカンペを取り出して話を始める様子を見て、全員がかなり真面目な話だと理解し静かに聞く。

 

八幡「まずスケジュールからだ。作戦開始日に合わせてその3日前から全員休みにする。まあそこの理由は分かるよな。」

 

長門「作戦に向けて心身を癒す…という事だな。」

 

八幡「それで間違いない。その3日間は好きに過ごしてくれ。ただそれを実行するには資材の確保が重要になってくる。作戦時もしくは終了時に入渠するやつもいるだろうから、それも視野に入れるとかなりの量が必要だ。」

 

加賀「つまり忙しいって言うことね。」

 

八幡「あぁ、そりゃもうブラックまっしぐらなレベルで忙しいと思ってくれ。まあその分お前らにもいくつかメリットがあるから、そこは理解して欲しい。」

 

天龍「まぁ仕方ねーわな。資材調達は俺らの仕事だし、その理由を聞いたら文句は言えねぇ。」

 

ユー「私も出るんでしょうか。」

 

八幡「あぁ勿論だ。頼りにしてる。」

 

ユー「分かりました。頑張ります。」

 

意外と良い返事を貰えてとりあえず一安心って所か。

 

八幡「資材だけに目が言って負傷して帰ってくるのだけは止めてくれよ?そうなって来るとかなり効率が悪くなる。」

 

龍田「勿論よ〜。」

 

八幡「まぁ、お前らが着いて行くなら問題は無いか。」

 

この中で誰よりも小さい子らを思ってるのは、天龍と龍田だ。この2人に任せとけばとりあえず大丈夫だろ。

 

八幡「最後にお前らの要望の指揮する人間だが、俺になった。ま、至らぬ点があるとは思うが出来るだけ頑張るつもりだ。」

 

時雨「出来るだけなんだ…。」

 

とりあえずこれで全部連絡しきったな。

 

八幡「今後のスケジュール表を貼っておく。あ、これ考えたの大淀だから文句は大淀に言ってくれ。」

 

大淀「え、ちょっと…!」

 

普段の仕事の2、3倍の量だ。持久走で勝手に3kmだと予想してたら10km走る事実を知った絶望感並だと思えば想像しやすいだろう。え?なんでそんなに資材等が足りないんだって?そりゃお前、食事以外でちょくちょくくすねていくおバカがいるからだよ。誰とは言わないけどな。

 

八幡「んじゃ、いただきます。」

 

「「いただきまーす!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「なんだかんだベストプレイスで落ち着くのも久しぶりだな…。」

 

何故か毎回必ず誰か来るのだ。もはや恐怖だろ、安息地かと思いきやそんなことも無かった。もしかしてこの場所皆の共同スペースとかじゃないよね?日替わりで使う事になってるとかないよね?

 

八幡「今日はいい天気だな〜。仕事したくねぇ…。」

 

如月「何馬鹿なこと言ってるのかしら。」

 

八幡「今日は如月ですか。まあ誰かしら来るとは思ってましたよ。」

 

というかご飯食べたのか?としたら早すぎるだろ。どんなペースで食べてんだよ。

 

如月「私は作戦に参加するのかしら?」

 

八幡「当たり前だ。なんで俺が働いてる中お前はサボる気でいるんだよ。」

 

如月「私は一応、元でも貴方達の敵だったのよ?周りの鎮守府に少なからず影響があると思うわ。」

 

あぁ、そういうこと。だけどそんなものは、

 

八幡「関係ないだろ。お前がいるかいないかで部隊の安全性がかなり変わる。後方支援と言えどお前の火力や索敵能力は役に立つ。それでも何かしら影響が〜、なんて言ってる奴がいたら勝てるものも勝てないだろ。」

 

そもそもそんな脆弱メンタルで鎮守府のトップでいられるとは思わんが…。

 

八幡「俺は別にこの作戦は勝つために参加するわけじゃない。それは前線の仕事だからな。」

 

如月「そんなんでいいのかしらね…。怒られちゃうわよ?」

 

八幡「何事も無く終わればそれでもいい。勝てなくても無事に帰ってくればそれでいいんだよ。」

 

いなくなられたら目覚めが悪いからな…。

 

如月「そう。じゃあ私も参加って事でいいのね。」

 

八幡「ああ。それでいい。あ、あと今度の本営会議に連れてく艦娘、お前にしたからよろしく。」

 

如月「…はぁ?なんでよりによって私なのよ。」

 

八幡「そりゃお前、書類見てから最初に会ったやつにしようと思ってたからな。」

 

この選択がある意味正解だと知るのは後のことであった…。

 




今回はシリアス風に終わりにしてみました!


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彼は思う。グループディスカッションほどぼっちが嫌いなものは無い。

もう何も言いません。いや言えません。頑張ります。


 

大淀「えっと…本当に如月さんを連れて行かれるんですか?」

 

予想外の人選に、少し慌てたように言う。

 

八幡「ああ、そのつもりだ。ある意味適任だと思ってるけど?」

 

如月「明らかな人選ミスね。私が大本営のヤツらに嫌われてるって想像つかないの?」

 

八幡「安心しろ。俺も嫌われてる。」

 

大淀「その謎の自信は一体どこから来るんですか…。」

 

気持ち呆れられているようにも見えるが、しっかり理由もあるんだぞ?後付だけど。

 

八幡「別に付き人として連れていくわけじゃない。それ兼ボディガードだ。俺は軍人に嫌われてるんだぞ?倉庫裏に呼び出されて射殺されたらどうするんだ?これは慎重に選んだ結果であって、完璧なリスクマネジメントだ。」

 

大淀「な、なるほどです。」

 

如月「アンタ私に頼んだ時に、最初に会った艦娘にお願いしよう、とか言ってなかったかしら?」

 

はて?なんの事かしら?

 

大淀「とぼけないでください。はぁ、もう迎えが来るので任せますが、絶対に迷惑はかけないでくださいね!?」

 

八幡「なんで心の中読めんだよ。こえーよ。あともうセリフがかーちゃん見たくなってるぞ。」

 

そんな問答を繰り返している内に迎えの車が来たようだ。

 

??「お疲れ様です!私本日運転手を務めさせて頂く塚本と申します!」

 

八幡「お疲れ様です。比企谷と言います。どうぞよろしく。」

 

一応、俺の方が偉い立場って認識でいいんだよな?間違ってたら射殺とかないよね?

 

塚本「時間にはまだ余裕がありますが、出発なさいますか?」

 

八幡「そうですね。大淀、後は頼んでいいか?」

 

大淀「いつもの事なので問題ありません。早く行ってきてください。」

 

それ言っちゃったら俺の立場ないやん。ここは俺を立てておくれよ大淀ママ。

 

塚本「かしこまりました。それではご乗車ください。ちなみに付き添いの艦娘はどなたでしょうか?」

 

如月「私よ。」

 

塚本「っ、かしこまりました。どうぞ。」

 

明らかに顔が引きつったな。やっぱり如月の件は大本営全体に広まってると思った方が良さそうだ。ここで心配なのは如月のメンタル面だが…。

 

如月「ふふふ、見た?今の顔。滑稽過ぎて笑えてくるわ。」

 

生粋のサディストだから問題なさそうだな。と言うか周りの目気にしなさそうなタイプだし…。

 

八幡「お前、その顔は他に見せんなよ?怖いから。」

 

如月「ハァ?」

 

その顔だよその顔。

 

 

 

 

 

 

車に乗って1時間くらいたっただろうか。

 

八幡「後どのくらいで到着しますか?」

 

塚本「そうですね、道も混んでいませんので、恐らく後1時間くらいで着くかと。」

 

八幡「そうですか、ありがとうございます。」

 

いえいえ、と会釈して運転に集中する塚本。

 

車に乗った所を襲撃とかは無さそうか。まあそんなこと葉風さんがさせないだろうけど、俺の立ち位置を考えれば慎重になりすぎて丁度いいくらいか。

 

如月「アンタはドンと構えてなさい。何かあったら守ってあげるから。」

 

思いもしない一言で驚く八幡。

 

八幡「そうか、頼りにしてる。」

 

いやほんとにマジで頼りにしてるからね?

 

如月「着くまでまだ時間がかかるんでしょ?いまのうちに寝ておけば?」

 

八幡「急に優しくすんなよ、ビックリするだろうが。」

 

地味に大人っぽいから尚のことやめて欲しい。ボッチの心にダイレクトアタック&効果は抜群だ状態になるから。

 

如月「アンタにはアンタの仕事に集中して欲しいだけよ。気持ち悪いからそう言うのヤメテ。」

 

さいですか…。

 

八幡「じゃあお言葉に甘えて軽く寝させてもらう。」

 

如月「えぇ、着いたら起こすから。」

 

そう言われ目を閉じると、今までの疲れが取れていなかったのか、直ぐに寝息を立ててしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ペシッ!

 

八幡「イテッ!?」

 

如月「着いたわよ。早く起きて。」

 

八幡「もう少し優しい起こし方はなかったのかよ…。」

 

如月「おかしいわね…。睦月ちゃんからビンタして起こすと喜ぶって言われたのだけど。」

 

それを馬鹿正直に信じるお前もおかしいよ…。

 

八幡「次からは揺すってくれれば起きるから、ビンタはやめて…心臓に悪い。」

 

如月「頑張るわ。」

 

何を?

 

 

 

 

塚本「こちらが会議室です。恐らく皆さんお揃いだと思いますので、どうぞ。」

 

八幡「ありがとうございます。」

 

そう言われて中に入る。

 

葉風「やあ、長旅ご苦労さま。」

 

八幡「いえ、思ったより近い位置にあって驚きました。」

 

葉風「じゃあ席に着いて。早速作戦会議を始める。」

 

 

 

 

 

 

 

 

説明が長々としていたが、大まかな行動計画は決まっているようだ。作戦会議と言うより、共有と言った方が正しい。ここから細かい部分のすり合わせを行うのだろう。

作戦内容としては、部隊編成としては前線、中衛、後方で組む。まず中衛部隊が空母を活用し長距離索敵、安全を確認しつつ進行。敵を発見次第前線部隊に連絡、他の鎮守府と連携し撃滅。それの繰り返し。恐らく最終地点に海域の頭が予想し、全勢力を持って叩く。

 

後方部隊の役割は中衛部隊から前線部隊にかけての区間の索敵。上手く行けば接敵せずに済むらしい。

 

 

 

葉風「以上が作戦内容だが質問は?」

 

八幡「1ついいでしょうか?」

 

葉風「ああ、なんでも聞いてくれ。」

 

八幡「恐らく後方部隊は索敵に力を入れた編成になると思うんですが、もし何らかのイレギュラーが起きて深海棲艦に裏を取られた場合の対処は?」

 

葉風「その時は共有し、他の鎮守府の援護の元対応してもらう事になる。そうならないように索敵漏れは無いようにしよう。」

 

八幡「ありがとうございます。」

 

質問の仕方が悪かったか…。俺が言いたかったのは、明らかに後方部隊への配慮が足りない、という事だったんだが。まあそこはこっちで対応するしかないか。

 

葉風「他に質問は?」

 

??「俺から良いか?」

 

葉風「達磨君。君から質問とは珍しい。」

 

見るからに性格がひん曲がって意地汚そうな奴だが、こんなんでも提督って務まるんだな。

 

達磨「まあな。質問と言うより提案なんだが、もし接敵した時に前線部隊は出来るだけ損傷はない事が望ましいだろ?」

 

葉風「その通りだね。出来るだけ被害は少ない方が作戦もスムーズに進むだろう。」

 

達磨「そうだろ。だからよ、囮を配置しようって提案だ。」

 

コイツ…性格がひん曲がって意地汚いどころじゃない。タダのクソ野郎じゃねぇか。

 

葉風「達磨。僕がそういうのをあまり好まない事を知っての発言かい?」

 

艦娘の事が好きであろう葉風さんにする提案では無いだろう。少々気が立ったのか言葉が荒くなる。

 

達磨「そう怒んなよ。艦娘を使おってわけじゃねぇ。」

 

葉風「どういうことだい?」

 

達磨「そこに適任がいるじゃねぇの。艦娘モドキがよ?もしかしたら仲間って認識して攻撃してこねぇかもしれねぇぜ?」

 

ハハハ!と笑いながら言った言葉は聞くに耐えないものだった。

 

葉風「それもダメだ。彼女には彼女なりの役割がある。それに彼女も艦娘だ。」

 

達磨「何言ってんだよ。大本営を脅した張本人だろ?そこの冴えねぇ提督が脅したって聞いたが、多分そこのモドキが脅迫なりしてやった事に決まってる!そいつを真正面から排除出来るいい機会じゃねぇか!」

 

何を言ってんだ…こいつは?

 

葉風「いい加減黙れ。その案は聞き入れられない。」

 

達磨「そういうなっての。ほらお前からも言ってやれよ。邪魔だろ?ソイツ。姉妹艦やら何でもいいから使って、無理矢理命令させれば済む話だろ?」

 

如月「ゲス野郎が…!」

 

八幡「如月、待て。」

 

罵詈雑言に耐え切れず前に出ようとする如月を静止する。

 

如月「ハァ!?何を待てって!?」

 

八幡「如月…お前は黙ってろ。」

 

如月「っ!」

 

怒りたくなる気持ちも分かる。自分だけでなく睦月の事も言われたのだ。俺だって小町の事を言われたら怒らずにいられる自信はないしな。だが、今回に関してそれは

お前の仕事じゃない。俺の仕事だ。

 

達磨「なんだぁ?ビビって何も出来ねぇかと思ってたらそういう訳でもねぇんだな?」

 

八幡「達磨さんでしたっけ?如月を囮に使うとか言ってましたが、本気ですか?」

 

達磨「あぁ?本気じゃなきゃ言わねぇだろうが。」

 

八幡「なるほど。別にその案は反対ではありません。」

 

如月「えっ…。」

 

葉風「ひ、比企谷くん?」

 

達磨「へぇ、お前はこっち側って事か。意外だったな。」

 

何を勘違いしているんだ?頭の中ハッピーセット詰まってんじゃないか?

 

八幡「効率面であったり、成功の可能性を高めるのであったら実に良い提案だと思いますよ?ただ、」

 

達磨「?」

 

八幡「前線部隊の方々は意外と大したことないんだな、と。」

 

達磨「アァ?」

 

八幡「だってそうでしょう?囮を利用しないとたかだか雑魚の深海棲艦に勝てないからそういう案が出た訳なのだから。意外とレベル低いんすね。」

 

達磨「んだと…舐めてんのか?」

 

八幡「舐められなくないなら、舐められない発言してください。勘違いしちゃうじゃないですか。後如月を囮に使ってもいいですけど…噛み付かれても知りませんよ?」

 

達磨「それはお前が…っ!」

 

俺が言った言葉の意味を理解出来たようで、言葉が詰まる。

 

葉風「そこまで。今身内で争っても仕方ない。達磨君の案は無し。それでいいね?」

 

達磨「ちっ!」

 

八幡「いえ、その案使いましょう。」

 

予想外の発言に周りがどよめく。

 

葉風「どういうことだい?艦娘は囮には使わないと言ったはずだが?」

 

八幡「それはさっき達磨さんが言ってたじゃないですか。艦娘以外を囮に使うって。」

 

如月「それって…。」

 

八幡「如月にやってもらう訳じゃない。」

 

達磨「じゃあ誰に…。」

 

八幡「何でもいいです。遠隔操作が効く物なら。それに爆発物、煙幕なんかを搭載して、発見次第突貫。意表も突ける。上手く行けば損傷、更に上手く行けば轟沈。まあ意表を突くのが目的なので、慌ててるところを遠距離から叩く。それでだけでかなりリスクが減ると思いますが?」

 

思わぬ提案に息を呑む。確実性は無いが、ある事に越したことはない。今まで誰も試したことがない作戦であった。やる価値は…大いにある。

 

葉風「なるほど。いいね、やってみよう。上手くいかなくとも情報収集として割り切ればいいし。少なからず意表は突ける。」

 

達磨「…お前、こんな作戦考え付くとか、気持ち悪いな。」

 

お前に言われる筋合いは無いんだが?

 

八幡「後ろから突貫されないように精々気を付けてくださいね?」

 

達磨「はっ!よく言うぜ。」

 

葉風「2人ともそこまでだよ。とりあえずその提案はこっちで精査しておく。後日共有するつもりだからよろしくね。」

 

作戦名はなんちゃって神風特攻にしよう。立案者俺だから別にいいよね?いややっぱり辞めておこう。不謹慎すぎたわ。

 

葉風「他に何も無ければ会議は終わりにする。各々帰ってもらって構わない。」

 

その一言で1人また1人と部屋を後にする。

 

如月「一瞬、私の事を見捨てたのかと思ったわ。」

 

少しだけ、声が震えているような気がするが、気のせいだろう。

 

八幡「馬鹿言え。そんな事したら睦月に俺が殺される。それに、」

 

如月「それに?」

 

八幡「俺の優先順位として1番上にあるのは勝利じゃない。失敗したとしてもお前らが無事に帰ってくるのが最優先だ。そこだけは約束してやる。」

 

如月「…そう。ならいいわ。」

 

兎にも角にも、無事?会議が終わってよかった。経験上絶対変な輩に絡まれるのは分かってたけど、思ったより軽いヤツで助かった。最悪本当にこの場で解体、俺は射殺とかあったかもしれないからな…。そう思うと如月を連れてきて本当に良かったわ。帰ったらMAXコーヒーを報酬として与えよう。

 

 




自分の仕事に余裕が出てきたので、頑張って更新します!


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彼に兄弟(笑)ができる?

沢山の方がこの作品を待っていてくださっていて歓喜しております。
ただ久しぶりの執筆のため、八幡のキャラが掴みきれていない感が凄いので…あと2、3話は暖かい目で見守って欲しいです。


会議も終わり俺達も帰ろうと席を立とうとした時。

 

達磨「よぉ。」

 

八幡「なんすか?」

 

今1番絡みたくないヤツが来てしまった。如月を後ろに下げ、返答する。

 

達磨「そう邪険にすんな。何個か聞きてぇ事があってよ。」

 

八幡「俺じゃなきゃダメっすか?葉風さんとかいるでしょ。」

 

達磨「アイツじゃダメだ。考え方がヌルすぎる。嫌いじゃねぇんだがな?」

 

八幡「はぁ…。で、何の用ですか?」

 

ここは素直に聞いといた方が早く済みそうだと思い、聞く姿勢を見せる。

 

達磨「悪ぃな。」

 

そう一息つき、問いかける。

 

達磨「お前、俺と同じタイプだろ。」

 

八幡「…はぁ?」

 

トンチンカンな質問に素っ頓狂な声が出てしまった。後ろにいる如月も何言ってんだこいつ?見たいな顔してるし。

 

達磨「勘だがな。でも確信してる。お前は俺と同じタイプだろ。」

 

八幡「少なからず、艦娘を囮にしようだなんて思ってないっすよ。」

 

達磨「嘘だな。状況次第ではお前は絶対にする。」

 

コイツ…。何が言いたいんだ?本当に…。

 

達磨「言葉足らずだったな。お前は自分の艦娘の為なら、他の鎮守府の艦娘を囮にするって言いたかったんだ。」

 

八幡「…。」

 

ここで言葉が詰まった…。

 

達磨「功績とか、勝利とか、んなもんどうでもいい。ただ自分の周りの艦娘が無事ならそれで良い。その為なら非人道的な事でもするだろ?」

 

不思議とコイツが言った言葉が心にスッと入ってきた。コイツの言ってる事は何一つ間違っていないだろう。あの時の言葉の意味がわかった。

 

『お前もこっち側だったのか。』

 

過激派なのかと思ったがそうでは無い。自分と同じタイプという意味で言ったのだ。

 

八幡「多分、そうだと思います。」

 

如月「ちょ、ちょっと!」

 

八幡「如月…悪いな。俺は多分お前ら以外どうでもいい訳では無いが、天秤にかけられたら間違いなくお前らを選ぶ。」

 

普段捻くれている彼とは思えないくらいな素直な言葉。だからこそ、本心だと理解出来た。

 

達磨「はは、だろーな。お前とは仲良く出来そうだわ。そこの如月は元々お前の所の艦娘だから助けた訳だ。何処の誰だか分からんやつを助けるわけがねぇ。それで大本営に脅しをかけるってんだから、お前は相当ヤベェ奴だ。」

 

八幡「1つ…勘違いしています。」

 

達磨「あん?」

 

八幡「俺は出来るだけ努力して無理だと判断したら切り捨てます。そこだけ貴方と違うので、覚えておいてください。」

 

達磨「そうかよ。ま、精々頑張れや、兄弟。」

 

急に馴れ馴れしいな…。距離感バグってやがる。

 

如月「今日は随分と素直なのね。」

 

八幡「いつだって俺は素直だぞ。素直過ぎて嘘がつけないまである。純粋無垢な好青年だからな。」

 

如月「帰るわよ。」

 

え、無視?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りもすやすや寝てやろうかと思ったが、肝心の如月が爆睡かましやがったので、今日貰った資料を見ていた。

 

塚本「あの…。」

 

八幡「は、はい?」

 

そうしていると、運転手の塚本が話しかけてきた。最近噛まなくなって来ているけど、心の準備が出来るから噛まないだけなんだから、急に話しかけないで欲しい。

 

塚本「こ、怖くないですか?」

 

八幡「怖い、ですか?」

 

バックミラー越しから如月を見つめているのが分かった。

 

塚本「すいません。悪気があるわけじゃないんです!ただ、1度人類の敵となった艦娘を隣に置いて、怖くないのかなと…。」

 

オドオドと申し訳なさそうに語る塚本。

 

八幡「怖い…か。」

 

ひとつ間を置いて答える。

 

八幡「そりゃ最初は怖かったですよ。起きたら砲身向けられてるんですから。」

 

塚本「い、今は?」

 

八幡「怒った時以外は差程ですね。」

 

塚本「わ、わからないです。何故そう言う考えに至ったのか…。」

 

何故…か。

 

八幡「コイツらは、俺の意思なんて関係なく無理矢理距離を詰めてくるんですよ。元々は距離を取って仕事をする予定だったんですけどね。最近では諦めて俺も普通に接するようにしてます。」

 

塚本「その結果怖くなくなったと?」

 

八幡「俺からすれば如月と他の艦娘達の違いはそこまでないですからね。どんな艦娘であろうと、簡単に人を殺せる。1度裏切ったからと言って、他の裏切ってない艦娘が牙を向かないとは限らない。」

 

塚本「な、なるほど…。」

 

俺はコイツらの事を信頼も信用もしているのだろうか…。昔の俺だったら考えられないな。裏切るに決まってる。今までそうだったのだから…。でも、コイツらは裏切られ続けてきた。自分達もそれをしてしまったら同族になってしまう、だから信頼も信用もしなかった。

 

似てるんだ…俺達は。同じとは言えない。だけど心の在り方が皆似ている。だから上手くやれてるんだろうな。

 

塚本「すいません…。変な事を聞いて。そしてご苦労様でした。鎮守府に到着です。」

 

八幡「いえ、ありがとうございました。」

 

そう言ってさっきの仕返しで頬を引っ張ろうとしたら、

ガシッと腕を掴まれた。

 

如月「ナニしてるのかしら?」

 

八幡「す、すいません…。」

 

はちまんこわいよぅ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大淀「おかえりなさい。早かったですね。」

 

八幡「殆ど作戦内容が固まってたからな。共有と細かい部分の修正だけで終わった。」

 

如月「はぁ、疲れたわ。夜ご飯まで寝るわね。」

 

八幡「おう。あんがとな。」

 

如月「ん。」

 

そう言って室内に入って言ってしまった。

 

八幡「これ、今回の作戦資料。」

 

大淀「え、あ、はい。」

 

八幡「俺も疲れたから、全員に共有して欲しいんだが…。」

 

大淀「え、嫌ですけど?」

 

ですよね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「コレで全員か…。」

 

大淀「はい。それではよろしくお願いします。」

 

八幡「とりあえず資料を見てくれ。今回の作戦内容が記載してある。それ以外言うことは無い、解散。」

良し、部屋に戻って仮眠を…。

 

長門「ダメに決まっているだろう。」

 

八幡「実際マジでそこに書いてある通りなんだがなぁ。書いてあること説明しても仕方ないだろ?」

 

あと疲れてるし…。

 

時雨「確かに、いつも以上に目が死んでるね。」

 

天龍「けどよぉ、分かんねぇこと出てきて後で聞かれるのも二度手間だろ?」

 

え、あのアホっぽい天龍がマトモなことを言っている…だと?明日は大雪だな。出撃は止めておこうか。

 

大淀「各自読んでみて不明点が出ましたらこの場で質問してください。」

 

加賀「私達の編成は決まっているのでしょうか?」

 

早速答えにくい質問が来やがった…。

 

八幡「具体的なのは決まってない。一応決まってる部分は2~3部隊編成なのと、構成としては索敵に重きを置いたものになる。」

 

響「もし漏れがあって、後方部隊の私達が接敵した場合は?」

 

だよな。やっぱりその部分に目が行くよな?

 

八幡「そこは特に対策と言った案は出てこなかった。」

 

時雨「やっぱり…。」

 

いつも通りってか…。イレギュラーは言ったらキリがない。だが、それらを精査して行き、予め対策をするからこそ大規模作戦なのでは無いだろうか。

 

八幡「だからコッチで勝手に判断する。」

 

龍田「ふぅん。どうするのかしら〜?」

 

八幡「接敵次第別の後方部隊と無理矢理合流してくれ。最悪中衛と合流してもいい。それと念の為別働隊も出撃させて、援護が出来るようにする。」

 

良いか悪いかは別として、大規模作戦中に他の艦娘達を出撃させるのはダメなんてルールは無いはずだからな。

 

時雨「それは…いいのかい?」

 

八幡「葉風さんが良いって言ってたから平気だろ。ただバレないようにな?」

 

バレてなんか言われるより、バレずに何事もなく終わった方が良いに決まってる。

 

長門「もし前線の部隊が壊滅した場合はどうするのだ?」

 

八幡「そうなったら作戦続行不可能になるだろうから、撤退だ。出来るだけ援護をしながらな?ただ、自分達も危ないと思ったら即座に撤退していい。」

 

睦月「本当に司令官さんって、たま〜にクズ発言しますよね〜!」

 

八幡「心外だ。俺ほどに紳士な人間は中々いないぞ?」

 

睦月「そんな司令官さんの事も睦月ちゃんは大好きですよ〜♪」

 

八幡「…っうぇっ…。」

 

ユー「大丈夫…ですか?」

 

加賀「睦月の発言に対しての拒絶反応ね。」

 

睦月「流石の睦月ちゃんもショックです…。」

 

ハッ!なんだ?一瞬気を失っていた…。何が起きたんだ。とか頭がクラクラするんだけど…。ユーサン?そんなに揺らしたらダメでしょ?メトロノームもびっくりしちゃうくらい揺らしてるよ?

 

八幡「ユー。もう平気だから、そんなに揺らさないでくれ。」

 

1人はなんか絶望した顔をしていて、何人かは作戦について話し合っていて、1人は無表情で議事録取っていて、1人はヨダレ垂れていて、1人はホケーっとした顔で俺の体を揺らしてる。

 

八幡「…夕食まで、外にいよ。」

 

もう色々考えるのをやめた。




真面目会は一旦終了です!


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彼は人生初の朝チュンを迎える

チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる。朝日が窓から差し込み、自身の起床の時間だと気付かされる。

 

八幡「あぁ、ダメだ。起きたくない仕事したくない動きたくない寝ていたい…。」

 

ヤダヤダと子供のような事を独り言で言っている男…。なんて悲しいのだろうか。

 

八幡「…寝よう。もう誰にも止められない。」

 

本当に起きなきゃ行けない時間になったら大淀ママがきっと来てくれる。寧ろ来なくてもいいくらいだが…。いや待て。

 

八幡「コレでもし起こしに来たのが大淀じゃなかったら?」

 

ふと考える…。時雨や響、加賀とかならまだ良い。これがもし天龍だったら?

 

天龍『おいこらァ!!いつまで寝てんだ!!』

 

と、とんでもない声量で起こしに来るに決まってる。まだ天龍はマシだろう…。如月や龍田だったら?

 

龍田『アラアラ〜。どうやら永眠したいみたいね〜。』

如月『ビンタで済むと思ったのかしら?』

 

間違いなく恐怖or痛みで起こしに来るに決まってる。それならまだいい…。睦月が一番ヤバイ…。

 

睦月『司令官さんは睦月ちゃんと一緒に寝たいのかニャ〜?』

 

社会的に殺しに来る…。1番最悪なパターンだ。

 

八幡「なんでここの鎮守府にはマトモな奴が少ないんだ。前任のせいか…。殴ってやりてぇ、無理だけど。」

 

なんて巫山戯たことを考えていると、またウトウトしてくる。

 

八幡「睡魔に逆らえる人間はいないよな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「んっ…。あれ、今何時だ?」

 

ユー「1045です。」

 

八幡「マジか…。寝坊しちまった。」

 

ユー「問題ないです。皆さん各々で判断して動いているので。」

 

八幡「おー、そうか。ってユーサン?」

 

ユー「はい、ユーです。」

 

八幡「なんでココにいるんですかね?」

 

俺の布団の横にちょこんと座っていたのはユーだった。

 

ユー「私が秘書官なのと、起こしに行ってくれとお願いされたからです。」

 

八幡「そうか。なんで起こしてくれなかった?まあお陰でよく寝れたんだけど…。」

 

ユー「睦月が起こさなくて平気と言っていたので。」

 

あぁ、嫌な予感しかしない…。

 

八幡「睦月は俺に何かしてたか?」

 

ユー「特に…危害は加えようとはしていなかったです。」

 

八幡「…ここの部屋に来たりとかは?」

 

ユー「来ました。」

 

八幡「何しに?」

 

ユー「写真を…撮ってました。」

 

なるほど。寝顔を撮られたか…。だが甘いぞ睦月よ。俺が寝顔を撮られた如きで狼狽えるわけが無いだろう。

 

八幡「そうか。まあとりあえず仕事だけ終わらせるか。」

 

ユー「加賀と大淀で終わらせてました。」

 

速すぎるだろ…。というかユーは何もしてないのね。まあ俺も何もしてないから、文句は言え無いが。

 

八幡「…なら飯だけでも食べるか。ユーはどうする?特にして欲しい事とかはないから、今日は非番でもいいぞ?」

 

ユー「食事だけご一緒して、その後は皆と遊びます。」

 

八幡「あいよ。」

 

上手くやれてるみたいで何よりだ。とりあえず腹ごしらえして、大淀と加賀に土下座しに行こう。

 

 

 

 

 

 

八幡「悪い、寝坊した。」

 

大淀「……。」

 

加賀「……。」

 

あれ?結構マジオコだったりします?

 

八幡「いや、ほんとにすまんとは思ってる。」

 

大淀「…。」

 

加賀「…。」

 

ヤバい。まるでゴミを見るような目で俺を見てきやがる。寝坊ってそんなに大罪だったっけ?天龍とか暁とかよく寝坊してるじゃん!なんで俺だけ…。女尊男卑にも程があるぜ。

 

八幡「か、加賀?夕食は…」

 

とりあえず機嫌取りをするため、餌で釣りやすい加賀に話しかけようとしたが、

 

加賀「ち、近づかないでください。」

 

八幡「え…。」

 

これは…小学生の頃にあった、比企谷菌のデジャブ!?何故今になって比企谷菌が蔓延し始めた!?

 

大淀「見損ないましたよ、提督。貴方はそういう事をする方ではないと思っていたのに。」

 

八幡「ち、ちょっと待て!なんの事だ!?」

 

俺なんかしたっけ?昨日は夕食の後、風呂に入って即寝してたから何が出来る時間ってほぼなかった筈だ。ってことを考えると、寝ながら何かしたってことか!?んな馬鹿な。

 

加賀「もし、同意の上でそうなったのなら…仕方ないと割り切りましょう。」

 

八幡「はぁ?同意って、なんの同意だよ。というかマジで何の話だか読めなさすぎるんだが…。」

 

大淀「貴方って人は…。呆れてものも言えませんね。」

 

俺の知らない所で呆れられても困っちゃう。寝ながら何か出来る特技なんて無いんだが?それとも知らぬ間に目覚めた?無意識で何か出来る特技とかカッコイイな。今回クソほどに裏目ってるけども。

 

 

そんな問答を繰り返していると、執務室に長門が来た。

 

長門「失礼する。提督も起きていたか。丁度いい。話があるんだが…。」

 

八幡「話?重要な話なら聞くが…その前にコイツらの誤解?を解きたいんだけど。」

 

長門「私にとっては重要なんだが…誤解というのは?」

 

八幡「それが俺にも分からない。起きてきたらゴミを見るような目で俺を見てきたんだが…。まるで身に覚えがない。」

 

長門「それは元々ではないか?」

 

あ、そうだったわ。それで納得しちゃう俺って…。

 

長門「悪事を働いたならしっかり謝罪はしておけ。」

 

八幡「どんな悪事か分からんから困ってる。」

 

ヒッキー困ってます。ヒキコマリしております。なんでもないです。

 

八幡「はぁ…。とりあえず今すぐ解決出来そうにないから、先に話を聞くわ。」

 

長門「ありがたい。では聞きたいのだが…どうしたら小さい子らと寝れる?」

 

八幡「……は?」

 

長門「だからどうしたら小さい子らと一緒に寝れるかと聞いている。」

 

待て待て…。突拍子も無さすぎて訳が分からん。国語の成績が良くとも、これは難解だぞ?とりあえず整理しよう。小さい子…駆逐艦か?と、寝たいと。いや分からんて!!

 

八幡「な、なんでそれを俺に聞くんだ?天龍とか龍田とかの方が、いい返事が貰えそうだけど…。」

 

長門「以前聞いた時に遠回しにダメと言われたからだ。」

 

どうしてそんなに凛とした態度で言えるのであろうか…。そんなんでいいのか戦艦よ。

 

八幡「だからって俺に聞いてくる意味が分からん。他にもっといるだろ。」

 

長門「実績があるからに決まっているだろう。だから聞いている。」

 

八幡「なるほど。実績があるから聞いてきたなら納得だ。ん?実績?」

 

長門「そうだ。」

 

八幡「誰が?」

 

長門「ん?提督がだ。」

 

八幡「俺が、駆逐艦と?」

 

長門「厳密には潜水艦だが。」

 

ここで八幡閃く。謎に引かれ始めたのは俺が起きてから。昨日までは普通の対応。つまりは俺が寝る時から起きるタイミングで何か起きたのは間違いない。なら何が?そう、潜水艦の誰かと寝ていた。ここまで出てきたら犯人は1人!

 

八幡「…ユーの奴やりやがったな。」

 

大淀「やはり事実なのですね…。」

 

八幡「待て待て!俺は知らん!寝て起きたら隣に居ただけだ!」

 

長門「なるほど…。寝て起きたら隣に居るものなのか。」

 

八幡「お前はもう黙っててくれ!」

 

ここで一つ疑問点が浮かぶ。

 

八幡「お前ら…何処で知ったんだ?」

 

そう…。もし寝ている所を見たならば、きっと叩き起されるに違いない。だが俺にその記憶はない。つまり別の場所で知ったということになる。これは長門にも当てはまる。

 

大淀「そ、それは…。」

 

ここで八幡さらに閃く!!あの時のユーが言っていた。

『睦月が起こさなくて平気と言っていたので。』

『写真を…撮ってました。』

 

八幡「なるほどな…。睦月か。」

 

加賀「つまりは同意だったという事かしら?」

 

八幡「いや違う。間違いなく睦月の悪ふざけだ。あの野郎…どうしてくれようか!」

 

とりあえず飯抜きは確定。それはそれは恐ろしい罰を与えてやろう…。

 

大淀「睦月さん…。私も騙されてしまいました。よくよく考えたら提督がそんな事する度胸は無いのに。」

 

それはそれで男としてどうなんだろうか。だが今はそれでいい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は睦月を見つける為に走った。

 

時雨「司令官もそういう事…したいんだね。」

 

そう、ただひたすら走った。

 

天龍「仲良かったのは知ってる…。でもよぉ…。」

 

天龍が何故かたどたどしかったが気にせず走った。

 

如月「どうしたのかしら?発情期?」

 

息絶え絶えになりながらも走った。

 

イムヤ「あんたって奴は!!」

 

途中追いかけられもしたが、走った。

 

睦月「げっ!?」

 

八幡「ゼェゼェ…。て、提督…命令だ。」

 

過呼吸寸前レベルで息が上がっているが、何とか言葉を紡ぐ。

 

イムヤ「やっと追いついた!!って睦月?」

 

八幡「お前はしばらく飯抜きだ。」

 

睦月「い、嫌だなぁ〜。なんの事だか分からないにゃ♪」

 

イムヤ「ちょっと!どういう事よ!!」

 

八幡「睦月がユーをけしかけたんだよ…。」

 

イムヤ「…は?」

 

睦月「ヒッ!?」

 

あまりにも圧力のある1文字。流石の睦月も怯んでしまい、涙目になる。

 

八幡「さて飯抜きでも充分だとは思うが…。潜水艦のリーダーとしてどう思う?」

 

イムヤ「足りるわけないでしょう?あんな純粋無垢な子をイタズラに利用するなんて…。大罪よ。」

 

睦月「ちょ、ちょっと待って欲しいなぁ〜って。」

 

八幡「そうか…。なら大規模作戦までのコイツの扱いはイムヤに任せよう。」

 

イムヤ「ふふふ…。ありがとう。腕がなるわ。」

 

笑顔怖すぎんだろ…。

 

睦月「ヒィ〜!!あっ!如月ちゃん!助けてー!」

 

タイミング良く、傍を如月が通る。

 

如月「あら、睦月ちゃん。虐められてるの?」

 

睦月には最後の希望の光に見えただろう。

 

睦月「そ、そうなの!だから「ダーメ♪」え?」

 

だがその光も途絶えた。

 

如月「悪い事をしたら…ちゃんと償わなきゃ♪」

 

あっ、めちゃくちゃ楽しんでる顔だ。多分自分も参加してやろうって魂胆だな…。怖い怖い。

 

八幡「それじゃ…後はお好きにどうぞ?」

 

その場を後にする八幡。後ろから聞こえる睦月の悲鳴を聴きながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談だが、ユーに嫌じゃなかったか?と天龍が聞いた所。

 

ユー「感無量とはあれでした。」

 

ドイツ出身の癖して難しい言葉で答えていたとさ。




しばらくこんな感じで遊ばせてください。


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彼女の思い。

今回はいつもと違って艦娘目線でのお話です!


時雨「あ、睦月の悲鳴が聞こえる。」

 

響「今日も鎮守府は平和だね。」

 

八幡「んなわけあるか。こっちは散々な目にあったんだぞ?」

 

彼は僕達の司令官。目は凄ーく腐ってはいるけど、とても優しい人なんだ。ちょっとだけ残念な所もあるけどね。

 

時雨「執務は大丈夫なのかい?」

 

八幡「ん?あー、俺が寝ている間に加賀と大淀で終わらせたらしい。お陰でやる事が無い。提督様々だな。」

 

時雨「それはそれでどうかと思うけれど?」

 

響「まぁいいじゃないか。今までが忙しかったからね。」

 

このミステリアスな雰囲気を出している子は響。最近知ったんだけど、意外と夜が苦手らしい。ちなみに前任とか関係なく、暗いのがダメなんだとか。

 

八幡「その通りだ。もう少し休みを増やしてもいいと思うんだがなぁ。周りがそれを許してくれない。というか勝手に問題を起こして忙しくする。特に睦月とか天龍とか。」

 

時雨「ハハ…。なんというか、お疲れ様?」

 

着任してから今まで、ほぼ休み無しで働き詰めだったからね。当時の方がキツかったはずなんだけど、何故か今の方が疲れて見えるのは何故だろう?

 

暁「あら?司令官じゃない。」

 

電「おはようございますなのです。」

 

雷「もう、こんにちはの時間だけどね!お寝坊かしら?」

 

八幡「おー、おはようさん。仕事は終わってっから寝坊したって問題ない。いや、これは最早寝坊とは言えないな。戦略的遅起きだ。」

 

暁「やるじゃない!流石は司令官ね!」

 

暁はなんというか…残念?な子だ。純粋すぎるからこの人の言葉を鵜呑みにして、手放しで褒めてしまう。

 

八幡「そうだろ?そんな暁にはコレをやろう。」

 

そうして渡したのは司令官の好物、マッ缶と呼ばれる物だった。個人的には甘すぎて好きじゃないんだけど、艦娘の間では密かに人気だったりする。

 

暁「気が利くわね!頂くわ!」

 

八幡「おう、飲め飲め。」

 

響「よくあれをガブガブ飲めるものだね。私には無理だ…。」

 

時雨「その気持ち分かるよ。僕もあんなに一気に飲めない。胸焼けしそうになる。」

 

八幡「あの甘さがいいんだろうが。この良さが分からないとは…まだまだお子ちゃまだな。」

 

最近変わった事がある。前と比べて司令官が喋ってくれるようになったことだ。僕からすると嬉しいんだけど、なんというか違和感がある。

 

雷「普段あんまり司令官とは話せないから、新鮮だわ!」

 

と、考えていると雷が聞いてくれた。あんまりこういう事を聞くと、次の会った時に話してくれなくなるから聞きづらかったんだけど…。

 

八幡「あー、確かにお前らとはあんまし話せてないかもな。ワイワイしてるのが嫌いなだけで、別に話すのは嫌いじゃないぞ?」

 

この返答も予想外。昔は極力関わらず仕事をしたいとか言ってたのに、どういう風の吹き回しだろうか?

 

響「前は関わりたくないとか言ってたんだけどね。」

 

八幡「それはお前らがめんどくさかったからだな。今はさほどだから問題ない。」

 

その言葉は心にぐさりと刺さるよ。

 

八幡「やべ、そろそろ戻らないと加賀と大淀に怒られそう。あとユーのこと置いてきちまった。」

 

最近ここに来たユー。司令官と1番距離が近いと言っても過言ではない。今日なんて一緒に寝たという情報もある。正直羨ましいな。

 

暁「そう。また今度お喋りしましょ!」

 

八幡「おう。時間が空いたらな。」

 

そんなことを考えていたら司令官が戻ってしまった。

 

響「暁達は天龍に呼ばれてるんじゃなかったのかい?」

 

電「あ!そうだったのです!」

 

雷「すっかり忘れてたわ!」

 

あらら…まぁ天龍なら怒ることはしないだろうけど。遅れた理由が司令官と話してただから、後で何か言われるんだろうなぁ。

 

時雨「早く行ってきなよ。あんまり待たせると可哀想だよ?」

 

そう言ったことを皮切りに走って言ってしまった。あ、暁が転んだ。

 

響「騒がしくて申し訳ない。」

 

時雨「気にしなくていいさ。響行かないのかい?」

 

響「私は強いからね。問題ないさ。」

 

実は言うと響の練度は高い。鎮守府の駆逐艦の中では最強かもしれない。

 

時雨「響はさ、司令官の事どう思ってる?」

 

響「唐突だね。」

 

時雨「気になってね。」

 

響はんー、と考えてから

 

響「兄…のような人かな。あの人が司令官で心から良かったと思えるよ。」

 

兄か…。その気持ちはよく分かる。面倒見が凄くいいし、大体のお願いは嫌々言うけど結局はやってくれるんだ。

 

響「時雨はどうなんだい?」

 

時雨「んー、僕はどうなんだろうね。」

 

兄、とは何か違うんだよな〜。どっちかって言うと手のかかる弟?なのかな?

 

睦月「あれれ?2人で何話してるんですか〜?」

 

響「おや、もう罰は済んだのかい?」

 

睦月もユーの次に距離が近い艦娘だ。まあからかってるだけなんだろうけど…。

 

睦月「何とか許して貰えました…。それで何をお話してたんでしょう!」

 

時雨「ははは、司令官の事を話していたのさ。」

 

睦月「お〜!モテモテですねぇ〜♪」

 

モテモテとはまた違うと思う。本人に言ったら絶対否定するだろうし。

 

響「私は兄のような人って答えたところさ。今は時雨の返答待ち。」

 

睦月「なるほどなるほど!時雨さんはどう思ってるんですか!?」

 

時雨「ん〜、とりあえず弟なのかぁ。」

 

そういうと、2人して「「あ〜」」と反応した。

 

響「そういう一面も確かにあるね。特に今日なんて寝坊してる訳だし。というか毎回起こされてないかい?」

 

時雨「うん。基本雷が率先して起こしに行ってるイメージ。」

 

睦月「今日はたまたま雷さんのスケジュール的に起こせなかったからユーさんが起こしに行きましたもんね。」

 

いつも朝が憎いとか、朝は人の天敵とか、朝ほど来て欲しくないものは無いとか言ってたなぁ…。

 

響「前に朝が苦手なら夜に仕事すればいいんじゃないか?と言ってみたら、この世の終わりみたいな顔されたよ。」

 

時雨「それ僕も同じ…。本気で言ってる?って顔してた。」

 

睦月「仕事したくないが強くありすぎるんですねぇ。というか基本執務は任せきりだから殆どやる事無いはずなんですがね〜。」

 

確かに。と頷く。

 

響「それで、睦月はどうなんだい?」

 

睦月「なにがです?」

 

時雨「そりゃ、司令官のことに決まってるじゃないか。」

 

睦月ほど感情が読み取りにくい艦娘はいないだろう。いっつも笑顔だから余計に。だからこそ気になる。本心ではどう思っているか。

 

響「たまには本心を聞きたいからね。」

 

睦月「睦月は司令官の事大好きですよ?」

 

わお…。真顔で言ってきたよこの子。こんなに分かりやすい返答も珍しい。

 

睦月「大好きだからこそ色々したくなっちゃうんですよ〜♪ちなみに添い寝の写真は、ユーさんのだけじゃなく、睦月ちゃんのもあります♪」

 

時雨「睦月もしてたんだ…。」

 

睦月「今まで人肌なんて感じたこと無かったもので。気になっちゃったんですよ!」

 

響「それで、感想は?」

 

睦月「それは勿論…最高でしたよ♪ついでにこの写真で司令官を脅して、もう1回やってもらおうと考えてます!」

 

わぁ〜、何を言ってるんだこの子は〜。司令官にはどんまいとだけ伝えておこうかな。

 

響「それは…気になるかもしれない。」

 

響も乗り気になっできちゃってるもんなぁ。まあその気持ちは凄ーく分かるけど。

 

八幡「何が気になるんだ?」

 

睦月「わぁ!?」

 

八幡「な、なんだよ。」

 

その話の中心人物が急に現れたら誰でも驚くさ。

 

睦月「え、いや、えーっと明日の天気について!」

 

睦月、流石に苦しくないかなそれは。

 

八幡「そうか。晴れらしいぞ?」

 

信じちゃうんだ。そんなんだから司令官は司令官なんだよ。

 

響「ユーと一緒に寝てた事件について話してたのさ。」

 

睦月「響さん!?」

 

八幡「本人いないのに何を話すんだよ。」

 

時雨「なんか睦月も一緒に寝てたらしいよ?」

 

睦月「時雨さん!?」

 

八幡「…は?」

 

睦月「な、なんの事だか分からないなぁ…。」

 

響「写真もあるとか。」

 

睦月「あ、あぁ。」

 

時雨「それを使って脅すとか何とか…。」

 

睦月「そこまで言ってないですよ!!」

 

似たようなこと言ってたけどね。

 

八幡「お前何やってんの?バカなの?」

 

この司令官の不思議なとこはココだ。これだけ言っても怒ろうとしない。もしかしたら通り越して呆れてるかもだけど。普通なら怒るはずの事を怒らない。今までは怒らない事で怒られていたから。

 

睦月「ち、違うんです…。き、記念に1枚と、思って。」

 

それはもう罪を認めちゃってるよ。

 

八幡「はぁ…。もう止めてくれよ?心臓とかに色々悪い。平和な朝を迎えさせてくれ。」

 

時雨「いつも朝自体を迎えられてないじゃないか。」

 

八幡「いや、起きてるし。迎えられてるっての。」

 

響「1人で起きられるようになりなよ…。」

 

八幡「それは難しいな。朝を迎えたくなさすぎて体が拒否してるんだ。それと睦月、逃げるなよ?」

 

どさくさに紛れ逃げようとしたが、止められる。

 

八幡「とりあえず間宮さんとこ行って、夕食の手伝いしてこい。加賀用のイタリアンでよろしくって伝えておいてくれ。」

 

睦月「わ、わかりましたー!!」

 

普通はもっと重たい罰でもいいと思うんだけどな〜。でも許されるなら僕も是非一緒に寝てみたいと思うのはダメだろうか。

 

響「時雨、私も今度してもらおうと思うんだけど。」

 

時雨「ははは、いいんじゃないかな?」

 

直接言ったら断られるけど、言葉巧みに誘導したらなんだかんだOKしてくれそう。

 

 

そうして2人で計画を練るため部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

数日後、目の下にクマができていた八幡。その話はまた今度しよう。

 

 

 



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彼の本当の思い

お久しぶりです。
仕事が落ち着きましたので、また書き始めようと思います!
ブランクあるので、シリアスは何話か後で書きますので許してください…。
暫くは艦娘との日常シリーズ書いていきます!


提督の朝は早い。

身支度、スケジュール確認、執務状況、遠征報告、艦娘の健康管理、今後の侵攻計画など、文字で表すとそこまでだが、毎日新しい情報が入ってくるため、留まることなく仕事がなだれ込んでくる。

自他共に認めるレベルでブラック。真っ黒すぎて何も見えなくなっている。深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいているのだとか言ってるけど、本当の深淵をのぞく時は何も見えないのだ。いや、見えないからこそ覗かれてるのが恐ろしいのか?でも見えないならわかんなくね?そもそも深淵ってなんなの?

 

大淀「おはようございま…何してるんですか?」

 

おっと…。思いに耽っていたら我らが大淀が俺を起こしに来たようだ。

 

八幡「ちょっと考え事をな…。」

 

大淀「そうですか。準備出来てるなら早く来てください。」

 

どうせくだらないことをって目をされたんだが?え、俺提督だよね?偉いんだよね?男尊女卑の概念ひっくり返っちゃったよ。

 

八幡「疲れてんのかな…俺。」

 

 

 

とりあえず行かない訳にもいかないので、とぼとぼと食堂へ向かう。

 

長門「おはよう。いい朝だな。」

 

ま、眩しい…。朝日のように煌めいている。

 

八幡「おう、おはようさん。珍しく遅いな。」

 

長門「朝のトレーニングを少しな。今日は子供達の訓練に付き合う日だから、入念に体を解しておこうと思ったら止まらなくなった。」

 

ふぅ…。と息を着く長門。

 

八幡「そうか。ご苦労さん。」

 

長門「提督も訓練に顔を出してはどうだ?指揮にも役立つだろう。」

 

え、ヤダめんどくさい。何が楽しくて外に出なくちゃいけないんだ。やる気に満ち溢れるヤツら訓練なんて見たら、自己嫌悪に浸って泣くぞ?

 

八幡「あ〜。俺には仕事が沢山あってな。」

 

長門「そうか?昨日加賀に聞いたのだが、1週間分の執務は終わらせたと言っていたぞ?途中で入ってくる執務をやれば問題ないとな。」

 

八幡「……あ〜。アレがアレで忙しいんだ俺は。」

 

長門「そ、そうなのか。やはり提督は大変なのだな。」

 

え、嘘信じちゃったよ。皆俺の話聞いてすらくれないのに。もはや決定権すら無い始末なのに。お前…良い奴なんだな。

 

天龍「おせーよ。腹減ってんだからはや…ってなんで泣きそうな顔してんだ?」

 

気づいたら食堂に着いていたようだ。

 

八幡「いや、気にすんな。」

 

長門「提督よ。気が向いたらでいいので、見に来てくれ。」

 

八幡「はいよ。」

 

そう言って長門は自分の席に向かって歩いていった。

 

八幡「特に報告することは…無いな。じゃあいただきます。」

 

「「いただきます!!!」」

 

ユー「お隣いいでしょうか?」

 

八幡「おう。今日は鮭か。」

 

ユー「はい。皮が美味いです。」

 

渋いな…。

 

八幡「そ、そうか。俺の食べるか?」

 

ユー「良いのですか?」

 

八幡「別に特別好きなわけじゃないからな。ほれ。」

 

ユー「おー、ダンケ。」

 

如月「なら身も頂戴?」

 

八幡「おい、俺の朝食が味噌汁と漬け物だけになっちまうだろうが。戦後じゃねーんだぞ。」

 

戦中ではあるけども…。

 

如月「そ、残念。ならこれだけ貰っていくわ。」

 

と言いながら身の半分を持ってかれた…。スリのスペシャリストかよ。俺じゃなくても見逃しちゃうよ。

 

ユー「…ユーの、いりますか?」

 

八幡「いや、いいよ。」

 

善意で断ったわけじゃない。凄い残念そうで、でも可哀想だからっていう顔で言われたら貰えるもんも貰えんだろ。ていうかあげる気無くね?

 

 

 

 

八幡「はぁ…なんか疲れたなぁ。」

 

加賀「何もしていないのにですか?」

 

八幡「ばっかお前。俺だって色々してるぞ。」

 

加賀「例えば?」

 

八幡「ほら…アレとか?アレとか、アレとか?」

 

加賀「ジャンクフードと言われるものを食べてみたいですね。」

 

無視…。泣く通り越して何も感じなくなってきたわ。

 

八幡「どこで知ったんだよ。まあ頼んでみるか。」

 

加賀「…提督は変わりましたね。」

 

八幡「俺が?」

 

加賀「はい。言葉で伝えるには難しいですが、とても変わりましたよ。」

 

変わったか…。今までの俺なら、何を分かった気でいやがると思っていただろう。だが、今は自覚をしてしまっている。きっと変わりたいと思ってしまったから。

 

加賀「昔は私達と関わりたくないって言っていたのに、不思議なものですね。」

 

八幡「それは心からの本音だ。関わって欲しいとも思っていない奴と関わるとかドMだろ。」

 

加賀「そうでしょうか?そういう割には積極的とは言いませんが、それなりに関わってきてくれた気がしますが。」

 

八幡「気の所為だろ。ある程度は仕事だから割り切ってたのもあるだろうけどな。」

 

嘘だ。これは俺が1番嫌悪していた偽り。本気で割り切っていたら、あそこまで関与しない。保身に走って如月も助けなかっただろう。

 

加賀「貴方はきっと強くて弱いのでしょう。」

 

八幡「矛盾過ぎて返す言葉もないぞ?」

 

加賀「こう言うと貴方は嫌がるでしょうが、似ていると思います、私達と。」

 

八幡「俺が?そこまで酷い仕打ちをされた事が無いから違うだろ。過大評…この場合過小評価なのか?」

 

加賀「酷く汚れた部分を理解し変えようとはせず、受け入れるためにそんなものだと思って過ごしている貴方は似ていますよ。」

 

以前、誰かに言ったことがある。人間そんなもんだ、と。私利私欲にまみれ、己の欲求に忠実。猿より話せるからまだ人間という名前があるが、話せない人間はただの猿と何ら変わらない。だがそれが動物であり、人間なのだ。それを理解した上で俺は過ごしているし、俺もまた人間なのだ。

 

八幡「あんまり信用し過ぎるのも…「わかっています。」」

 

加賀「ただ、貴方のような人間は初めてだからこそ近しく感じてしまうのでしょう。」

 

八幡「…そうか。」

 

加賀「私は役に立っているのでしょうか?」

 

その時の加賀の顔は一生忘れることは無いだろう。普段は何事にも動揺せず(食事以外)、達観した様子を見せている。そんな加賀が、何かを求めている顔をしていた。承認欲求?存在意義?同調心理?そんな生易しいものでは無い。これは強迫観念だ。忘れるな比企谷八幡。コイツもまた汚れた過去を持っているのだ。

 

八幡「そうだ…な。何を持って役に立っていると称するかは分からんが、少なからず俺は助かってる、と思ってる。」

 

加賀「…っ。ふふ、捻デレというのはこれの事を言っていたんですね。」

 

八幡「おいそれどこで聞いたんだ?子供の教育に悪いから、即廃止したいんだが?」

 

俺はここに来て初めて加賀の笑った顔を見た気がする。作り笑いではない本物の笑顔。

 

ガチャ!

 

睦月「失礼しま〜…なんかお邪魔しちゃいました?睦月は察せる子なので〜。」

 

バタン。

 

【スクープですよー!!!】

 

睦月の嬉々揚々した声が聞こえる。

 

八幡「さて…加賀。仕事は終わってるな?」

 

加賀「勿論です。」

 

八幡「そうか。悪いんだが、一つ頼まれてくれるか?」

 

加賀「勿論です。」

 

八幡「そうか。やり方は任せる。」

 

加賀「勿論です。」

 

 

 

 

 

睦月「う〜…。もうお嫁に行けない〜。」

 

その後、食堂にはあられもない姿になったがバカがおり

 

葉風「流石にやり過ぎじゃないかな?」

 

八幡「はい。後悔はしていませんが。」

 

たまたま来た上司に正座で怒られている八幡がおり

 

如月「あぁ〜睦月ちゃん!可愛いわ〜♡」

 

変態がいて、

 

長門「まさか…提督にあんな趣味が…。負けていられんな!」

 

駆逐艦の人形を抱きしめ、犯罪臭溢れる表情をしている犯罪者予備軍がいて、

 

ユー「楽しそうです。」

 

縄を握りしめ楽しそうな顔をする純粋少女。

 

各々反応はそれぞれだが八幡は心の底からこう思った。

 

八幡「やっぱり俺の提督生活はまちがっている。」

 

葉風「何馬鹿なこと言っているんだい?」




なんか節目みたいな終わり方してしまいましたが、深い意味はありませんので!


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彼と彼女の在り方

飛ばします。



八幡「面談?」

 

大淀「はい。所属している艦娘のメンタル状況の把握も、仕事の一つです。というか今週分の執務を加賀さんが終わらせているんですから、これくらいやってください。」

 

八幡「ほら今日はアレがあるからアレだ。」

 

大淀「正直内面で不安を感じる方のスケジュールはもう取ってしまったので、無理です。」

 

仕事早すぎるだろ。というかもう拒否権も無いじゃん。俺の今日のスケジュール考えてくれないか?……なんも無いじゃん。逃げ場もないじゃん。

 

八幡「面談って言っても何聞けばいいんだよ。そもそも艦娘同士でやった方が効率良くね?」

 

大淀「彼女達には彼女達のスケジュールがあるんです。後は未だに引きこもっている方達や、まだ話したことがない方達とも少なからず交流は持っておくべきかと。」

 

八幡「まだ話したことない奴らならまだしも、引きこもってる奴らとまともに話せる気がしないんだが?話す間もなく殺されそうだから無理。」

 

大淀「流石にそういう方達の場合は、誰かが付くようにいたします。本日から始めますので、こちらのスケジュール表に目を通しておいてください。」

 

そう言って出ていってしまう大淀。

 

八幡「はぁ…。話すって何を話せばいいんだ?って1時間も取ってるのかよ。3分もかからんだろ。」

 

元気ですか?困ってることは?で終わりじゃないの?1時間も2人きりとか、ボッチにはハードル高すぎるんですけど?よく良く考えてみると、女子に囲まれ早数ヶ月過ごしているんだよな。え、俺凄くね?ボッチの風上にも置けない存在になってるじゃん。

 

八幡「まぁ…なるようになるか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン…。

 

電「失礼しますなのです。」

 

八幡「おぉ。大淀から何するか聞いてるか?」

 

電「はいなのです。確か面談と仲良くなっておけと言われたのです。」

 

おい知らない情報が来たぞ。報連相しっかりしてくれよ。社会人の常識よ?どんな些細なことでも報連相はしないといけないこれ絶対!大淀には後で仕置きが必要だな。

 

八幡「そうか。お前は俺と仲良くなりたいのか?」

 

我ながらよく直球質問が出来たと思う。

 

電「えぇと…。はい、なのです。」

 

驚いた。最初に目が合った時は化け物を見るような目で見てきたというのに、どういう心境の変化だろうか。

 

八幡「…そう、なのか。」

 

困ったように、恥ずかしそうに言う電を見ると、なんとも可愛らしく見える。さながらペットを見ているようだ。それを嬉しく思えている自分にも驚いた。一言だがしっかり自分の思いを伝えてくれたのだ。それに報いないといけないよな…。

 

八幡「電は何が好きなんだ?」

 

電「え?」

 

八幡「俺はお前らの表面的な数値は知っているが、内面は全くと言っていいくらい知らん。仲良くなるならそこを知っていかないとだろ?」

 

電「確かに、そうなのです。」

 

八幡「好きな物とか好きな事。なんでもいいから教えてくれ。」

 

電「電は…暁ちゃんたちが大好きなのです。後は平和な日々が続けば良いなとかなのです。」

 

八幡「確かにお前ら仲良いよな。」

 

電「司令は…電達のことはどう思っているのですか?」

 

八幡「俺は…」

 

なんて答えようか。好きか嫌いかで言えばきっと好きな部類に入るだろう。でもきっと聞きたいのはそれではなく、もっと具体的なことだろう。口下手な印象だったが、目で強く訴えてくる。

 

八幡「そうだな…安心してくれとは言わないが、少なからず前任みたく無理難題を押し付けるつもりはないし、暴力もしない。というか出来そうにないのは電もよく知ってるだろ?」

 

電「ふふっ。その通りなのです。」

 

八幡「電はこれからどうしていきたいんだ?」

 

唐突な質問だろうが、これには意味がある。俺がずっと考えてきた推測。いや直感と言うべきだろうか。それが合っているかの確認だ。

 

電「どうしていきたい…。分からないのです。」

 

心の底からハズレて欲しいと思っているが、頭では根拠の無い自信がある。

 

八幡「どう過ごしていきたいんだ?」

 

電「電は…」

 

例えば何よりも大切な何かを誰かに壊されたらどうする?怒るか、仕方ないと許すか、それともなんとも思わないか。

 

じゃあそれが大切な人だったら?俺なら耐え切れない。愛しの小町を傷つけられたら正気でいられる自信はない。

 

電「どうすればいいのですか?」

 

優しい奴は嫌いだ。誰にでも分け隔てなく接して、自分が嫌だと思っても、心に嘘をついて行動する。そしてされた奴は勘違いするのだ。「コイツは俺にだけ優しいのでは?」と。

 

優しさとは毒だ。相手も自分も知らず知らずに蝕む猛毒。度を超えた優しさはいづれ取り返しのつかない所までいく。

 

それが電だ。

 

電「司令は…優しいのです。分からないのです。電はダメな子なのです。みんな我慢してるのに電だけ…。」

 

誰もが俺の目を腐っているだとか死んだ魚の目だとか言うが、本当に死んだ目をしたやつはそんな生易しいものでは無いということが今わかった。

 

不思議と恐怖心は無かった。

 

八幡「俺はお前のしたいようにすればいいと思う。それが良いか悪いか別としてな。」

 

電「そんな…。でも…」

 

八幡「もしそれが本当に悪いことだったら雷達が死ぬ気で止めてくれるだろ。」

 

人は本当に追い詰められた時に醜い一面が出る。だがコイツらはどうだ?率先して守ろうとはしなかったが、絶対に売ることはしなかっただろう。人には真似出来ない部分だ。俺はそれを形は違えど幾度となく見てきた。

 

電「もし、司令を殺したいと思っていたと言ったら、嫌いになりますか?」

 

八幡「そうか。アイツらもそうだったろ。だから関係ないんじゃねーの?」

 

大淀の次に見た艦娘は電だった。目が合った瞬間に逃げられたから確信は出来なかったが、他の奴らとは見る目が違ったのだ。電以外は恐怖心、嫌悪、憎悪の目で見てきた。だがあの時電は、怯えはありつつも嫌悪も憎悪も無く、ただ無機質だった。

 

電「もし、電があの人を殺してしまったと言ったら…司令はどうするのですか?」

 

その言葉を聞いて、驚きも何も無く、ただただ納得感が心を染めている。

 

八幡「そうか。」

 

電「もし、それに対してなんの罪悪感も無いと言ったらどうするのですか?」

 

そりゃそうだ。あんな目をしていて実は罪悪感で潰れそうと言われても逆に困る。

 

八幡「どうして欲しいんだ?」

 

電「普通なら解体されるのです。」

 

八幡「されたいのか?」

 

電「…もう何をどうしたら良いか分からないのです。あの人頭を叩き割って、バラバラにして、埋めて…。もし司令があの人みたいに酷い人だったら良かったのです。そうすれば電の存在する価値があって、まだ生きてて良いって思えたのです。でも鎮守府は平和になりました。まだ溝はあれど、いずれ無くなる。その時に汚れた電を受け入れてくれるわけが無いのです。なら、その幸せな場所を知る前に居なくなりたいのです。」

 

ダムが決壊したかのように、自らの思いをポツポツと話出した。

 

八幡「そうだな。きっとお前がやった事は誰かに認めてもらえるような事じゃない。最悪の選択肢を選んでしまったんだ。」

 

人殺しは駄目。誰もが持っている共通認識。それを歪ませてしまうほどの何かがあるか、生まれながら狂ってるか、どちらかが無い限り実行しようだなんて思うはずがない。じゃなきゃ人畜無害という言葉が1番似合う電がこうなるはずがない。

 

電「だったら…。」

 

八幡「お前を解体したら、アイツらに何を言われるか分かったもんじゃない。だからしない。」

 

電「でも…。電は…。」

 

八幡「俺は人を殺した事がないから、お前が感じている思いは分からない。でも多分…お前がやらなかったら、遅かれ早かれ誰かがやってただろうよ。」

 

誰でも実行出来るレベルの思いを持っていた。だから誰も責めることなく、褒めることもなく、ただ黙認したのだ。もしくは分かっていたかのどちらかだろう。

 

八幡「もし、俺がその事を知っていたって言ったらどうする?」

 

電「…え?」

 

八幡「知っていた…と言うよりもお前なんじゃないかって思っていただけだが。」

 

電「でも、そんな素振り…」

 

八幡「だから俺達は共犯だ。俺は知っていて黙っていたし、お前も黙っていた。だからバレた時は…その時考えようぜ。それに…アイツらがその程度でお前の事嫌いになる訳が無いだろ。」

 

これも憶測だが、響や雷も知っているはずだ。身近にいるヤツの変化を見逃すわけが無い。

 

八幡「だから大丈夫だろ。」

 

電にとってはなんの根拠もない言葉。だがもしかしたらバレたとしても皆なら受け入れてくれるのでは?という考えもあった。だからこそ八幡のなんてことない言葉だからこそ響いてしまった。

 

電「そうなのです。雷ちゃんや響ちゃん、あかつきちゃんがこんな事で嫌いになるわけが無いのです!なんで信じれなかったのでしょう。」

 

おや?

 

電「司令!!ありがとうございますなのです!やっと吹っ切れました!!」

 

これは…。

 

電「殺した事は悪いとは少しだけ思っていますが、でもそう!仕方ないのです!」

 

まずってしまったかもしれない。

 

電「司令!!電を受け入れてくれてありがとうなのです!!」

 

でも今から方向転換は…無理だよなぁ。

 

電「共犯だから、ずーっと一緒なのです。」

 

八幡は悪いことしたのは事実だが、そこまで自分を責めなくても良いんだぜ的な事を伝えたかったのだ。だが電には、悪い事したとしてもずっとお前らと一緒にいてやる的な形で捉えられてしまった。

 

電「なので、末永くよろしくお願いしますなのです!」

 

大淀…。お前が電を面談に連れてきた理由が何となく理解出来た。とりあえず後で絶対とっちめてやるからな!!

 

八幡「お、おう。」

 

その時の笑顔はきっと今まで見た中で1番の笑顔だっただろう。目は濁り散らかしてるけど(ここ重要!!)

 




たまたまメンヘラ系の漫画を読んでいて、こっちにシフトしちゃいました…。
文句は言わないでください。やりすぎたと思ってます。

この後誰とのお話するかは…内緒です


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彼にとって面談=トラウマ

今日もいい天気だ。

外を見れば、鳥はさえずり、艦娘達が和気あいあいとしながら切磋琢磨し、海も煌びやかに見える。

耳を澄ませば、波の音が心地よく、鼻歌を奏でたくなる。

 

電「どこを見ているのですか?」

 

さて…状況を整理しよう。どうしてこうなった?面談してメンタルケアするつもりが悪化したんだが?むしろ俺のケアが必要じゃない?目と心のケア必須間違いない。

 

八幡「…腹減ったな。」

 

電「そろそろお昼なのです。」

 

八幡「もうそんな時間か。お前この後演習とかなかったっけ?」

 

電「はいなのです。司令は見に来ないのですか?」

 

八幡「あ〜、他の奴らとも面談しないとだからな。難しいかもしれん。」

 

電「来ないのですか?」

 

八幡「えーっと…。面談がアレだから…。」

 

電「コナイノデスカ?」

 

ひー!!怖い!怖いよ!!何この子!豹変しすぎじゃない!?ここに来てこのタイミングでこんな怖い思いするなんて予想外なんですけど!

 

八幡「わ、分かった分かった!少しだけな?結構マジでスケジュールパンパンだから勘弁してくれ。」

 

電「嘘なのです。忙しいのは分かってるので、来れたらでいいのです。」

 

八幡「お、おぉ。」

 

もうヤダ帰りたい。なんでこうなってしまったんだろうか。

 

そう思っていたらスタスタと出ていった電。ボソッと大淀さんに…とか聞こえたけど気にしない。気にしないったら気にしない。

 

 

 

八幡「あぁ…疲れた。」

 

天龍「辛気臭せぇ顔すんな。飯が不味くなんだろ。」

 

今ならコイツが天使に見えてきた。

 

天龍「な、なんだよ。」

 

じーっと見ていたら不審がられてしまった。悲しい。

 

八幡「いや…なんでもない。」

 

龍田「変ね〜。普段は目も合わせないのに。今日は雨かしら〜?」

 

八幡「そうだな。いっその事ハリケーンでも来て無かったことになんねーかな…。」

 

天龍「お、おい。ホント平気か?」

 

いつも以上に目を腐らさながら現実逃避をし始める八幡を見て、思わず心配してしまう天龍。

 

八幡「ちょっと色々な…。」

 

龍田「そういえば面談があるとか言ってけど…何かありました〜?」

 

朝は普通だったのに、急にこうなった理由などそれくらいしか思いつかないよな。

 

天龍「お前まさか…!」

 

八幡「あぁ…とんでもない化け物を生み出してしまったのかもしれない。」

 

天龍「えっ、はぁ?何言ってんだ?」

 

龍田「誰と面談をしてたのかしら?」

 

八幡「電だ。」

 

その言葉を聞いて空気が凍った。それを見て八幡はやっぱり知ってたかくらいの感覚だ。

 

天龍「き、聞いたのか?」

 

龍田もいつもの雰囲気から考えられないほど顔を歪めてる。

 

八幡「あぁ、聞いた。まあ何となく分かってはいたけどな?」

 

天龍「それでどうするつもりなんだ?」

 

八幡「どうするか…。ほんとにどうしたもんか。」

 

龍田「普通なら解体処分。黙認していた私達も同罪になるかしら。」

 

八幡「あぁそっち?」

 

天龍「いや、そっちって…。滅茶苦茶重罪なんだぜ?もう少し真剣に考えろよ。」

 

確かに重罪だし、滅茶苦茶ヤバいってのは分かってる。でもそれが薄れるくらいもっとヤバいんだって。

 

八幡「バレてないならいいだろ、多分。というか分かってて放置してるぞ?だから気にするは何一つ無い。」

 

天龍「えっ、そうだったのか。でもなんでだ?流石に人をヤっちまった艦娘を放置するなんで有り得ねぇだろ。」

 

龍田「そうね〜。前任にも悪人ではあるけれど、ここのトップ。しかも守るべき人間だったのだから、何か罰がないとおかしいわ〜?」

 

八幡「これは推測だから鵜呑みにすんなよ?多分情報漏洩を恐れた結果と少なからずメリットがあったからだ。提督が悪事を働きそれを殺した艦娘。大本営と艦娘の信用失墜には十分。深海戦艦以外にも人類に危害を加えるものがあるってな。人類からの信用と、1人の悪人の尊厳。どちらを守るかと言われたら前者だろ。むしろ葉風さんとかの派閥からしたら、相手派閥の動きを鈍らせられるメリットもある。不本意ではあるんだろうが、黙認することにしたんだろうよ。ある意味いい様に利用されたんだろうな。」

 

穏健派にも何種類かタイプがいる。純粋に全ての艦娘を好いているヤツ。自分の艦娘を好いているヤツ。周りの目を気にするヤツ。その中でも最後者が1番多い。そいつらの判断だろうな。

 

龍田「じゃあなんでそんなに酷い顔をしているのかしら〜?」

 

八幡「それは「司令?」」

 

噂をすればとやらだな。

 

電「何してるのですか?」

 

八幡「何って、昼飯食べようと思ってたんだよ。」

 

電「もうすぐ面談のお時間なのです。」

 

八幡「え、マジか。結構話し込んじまった。ありがとな。」

 

電「はい!お仕事頑張ってなのです!」

 

そう言ってスタコラ走っていく電。

 

八幡「とまぁ…あんな感じだ。」

 

天龍「こ、こえぇ…。」

 

龍田「あらあら〜…。」

 

何より怖いのが、俺のスケジュール知ってる事だよ。教えた覚えないんだけど?どこで知ったの?情報漏洩じゃん。ガバガバ過ぎてウケる〜。いやウケねぇよ。

 

天龍「お、俺あの電と遠征行くのか…。」

 

八幡「怖いのか?」

 

天龍「ばっ!!怖くねぇよ!!余裕だし!」

 

八幡「そうか。なら任せる。」

 

涙ぐみながら龍田に助けを求めるが、うふふ〜といなされる。哀れなり天龍。

 

龍田「貴方が1番怖がるべき立場じゃいのかしら〜?」

 

八幡「滅茶苦茶怖いっての。あの目見ただろ?俺が言うのもなんだけど、腐り果てたからね?2人きりで話してた時死を覚悟したまである。」

 

龍田「その割には普通に接してたけど〜?」

 

八幡「まあそれが俺の仕事だからな。やらなきゃいけないからやってるだけだ。そんじゃ俺は行くからな。あんまりサボんなよ。」

 

天龍「サボってねぇよ!!」

 

龍田は捻デレという言葉の意味がようやくわかった気がした。きっと彼は仕事でなくても電を見捨てなかっただろう。何となくそんな気がした。怖いと言いつつも本心から話しかけてくれた電と会話している時の彼の顔は、満足気な表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

八幡「怖い…か。」

 

間違っているのだろうか?いや間違っているんだろう。でもこの選択肢を取ってしまった。後悔は少ししている。もう少し上手く出来たのではないか…と。

だがそれは我儘だ。きっとどんなやり方をしても、俺にはこの選択肢しか選ばなかっただろう。雰囲気は違えど、初期の頃にあった我慢している様子が見えないのだ。ありのままで居て、それがあの電なのであればそれでいい。

認めよう。俺は我儘で強欲だ。その選択肢でアイツらが幸せに過ごしてくれるのであればそれでいい。もし責任が及ぶのであればいくらでも背負う。

その選択肢がたとえ間違っていたとしても…だ。

 

八幡「でもあの目は夢に出てきそうだなぁ…。メガネでもかけさせるか。」

 

この選択肢も実は間違っていた。その話はまた後日。

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「重いヤツだけは勘弁して欲しいんだが…。そうはいかないんだろうなぁ、あぁ嫌だ、憂鬱、帰りたい。」

 

コンコン…

 

八幡「はぁ…。どうぞ。」

 

赤城「失礼します。顔色悪いですが大丈夫ですか?」

 

八幡「大丈夫か大丈夫でないかで言えば、大丈夫では無い。面談というワードにトラウマを覚えるレベルで大丈夫じゃない。」

 

赤城「は、はぁ…。MAXコーヒー飲みますか?」

 

八幡「あぁ、悪い。ありが…いや待て。何勝手に飲んでるの?」

 

赤城「すいません。つい飲みたくなってしまって。」

 

まあいいんだけね?寧ろ同士という意味で大歓迎。でも飲みすぎには注意して欲しい。体調面でも俺の懐面でも。

 

八幡「って、なんで俺の分も飲んでんの?何、嫌がせ?」

 

赤城「はっ!失礼しました。あまりの美味しさに手が勝手に動きました。」

 

コイツ…。まあいい。大淀が選んだってことは何かしらまたあるって事だよな。しかし全く思いつかん。

 

八幡「考えても仕方ないか…。とりあえず始めるぞ。」

 

赤城「よろしくお願いします。」

 

八幡「最近何か困ってることは?」

 

赤城「ご飯が少ない…とかでしょうか?」

 

八幡「……今後鎮守府でどうしていきたい?」

 

赤城「ご飯を食べたいです。」

 

こりゃ前途多難だな…。




中途半端ですがここで区切ります!
後日談下に載せておきます。


「電にプレゼントなのですか?」
「そんな大それたものじゃないぞ?」
「一生大事にするのです!」
「いやだから…」
「常に肌身離さず持ってるのです!」
「普通に着けろよ」
「汚れてしまうのです」
「使って汚れる分には仕方ないだろ…」
「汚れたり壊れたら自害するのです!!」
「重いわ!!」



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彼の新しい出会い?

土日はゆっくり過ごし、仕事の合間に少しづつ書いていくルーティンを形成しつつある。
仕事中に書くな!なんて言わないで…。


こ、こいつ…何を聞いてもご飯関連しか返事こねぇ…。会話が成り立たない。いや成り立ってるのか?俺の投げたボールの4分の1くらいキャッチしてくれてはいるけど、残りは全て飯!ピンクの悪魔もびっくりしちゃうくらい飯!

 

八幡「飯が…食いたいのか。」

 

赤城「はい!」

 

いや待てよ?これを上手く使うことによって、コイツを制御できるのでは?

 

八幡「よし分かった。夕飯の時だけは満足させてやれるよう配慮する。」

 

赤城「本当ですか!?」

 

八幡「あぁ。ただ条件がある。」

 

赤城「じ、条件ですか?」

 

八幡「当たり前だ。アイツらと同じ量しか働いてないお前が、アイツらの数倍食べるなら、その分働いてもらう。」

 

働かざる者食うべからず。あれ?もしかしてブーメラン?

 

赤城「それは一体…なんでしょうか?」

 

珍しくキリッとした表情している。似合ってはいるが、なんか違うんだよなぁ…。

 

八幡「つまみ食い禁止。」

 

赤城「…なんのことでしょう?」

 

八幡「そうか。ならいいんだ。カメラの映像やら、暁やら、加賀やらの証言、お前の部屋から見つかった菓子達とか…知らないなら仕方ない。」 

 

証拠は掴んでいるんだぞアピールをしていると、キリッとした表情のままタラタラと汗をかきはじめる。

 

赤城「そ、それは、見過ごせませんね!」

 

ここまで来てシラを通す肝は心底感心するが、ここは俺も引けないのでな!

 

八幡「犯人を見つけ次第、メシ抜きの刑にするとしよう。」

 

赤城「ど、どのくらい?」

 

八幡「え?あー、2週間くらい?」

 

やべっ、具体的に考えてなくて適当言った。まあ2週間水さえ飲んでりゃ大丈夫だろ。

 

そこからの赤城の行動は早かった。

 

赤城「申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

八幡「うるさい。」

 

赤城「はいすいません。」

 

そう。土下座だ。滑からな動きすぎて、土下座プロを名乗っても良いくらいまである。俺でもそのレベルには達していないぞ?

 

八幡「とりあえずつまみ食い禁止、お菓子の持ち出し、後は加賀の執務を手伝う。こんな所か。出来そうか?」

 

赤城「一航戦の誇りにかけて!!!」

 

八幡「だからうるさいって…。」

 

大淀のやつ…コイツをどうにかして欲しくて寄越しやがったな?電に頼んでお仕置をしてもらおう。よしそうしよう。

 

八幡「ま、働いてくれるならそれでいい。明日から加賀を手伝ってやってくれ。そんじゃ話したい事は終わりだから帰っていいぞ。」

 

赤城「あ、ありがとうございます。それでは失礼いたします。」

 

そう言い赤城は部屋を後にする。

 

八幡は知らなかった。赤城がご飯を大量に摂取する理由を。前任が嫌がらせの目的で、一時期赤城だけに食料を与えていた事を。赤城にとって食とはトラウマなのだ。食を逆手に取り、無茶な攻略、雑務、ストレスの捌け口、性欲の発散、サンドバックと呼ぶには生易しい程の仕打ちを受けていた。

 

だからこそ今回の面談に赤城が選ばれたのだ。反動により食欲増進が起き、きっと八幡ならば上手く収めてくれると信じて。

 

結果は見ての通り半分成功、半分失敗に終わったが、過去を考えれば上々であろう。

 

八幡「さて…今日はこれで終わりか?」

 

そんなことは露知らず、自身のスケジュールを確認する八幡。

 

八幡「何故空き時間の所に可愛い文字で、見学って書いてあるんだ?」

 

犯人は想像つくが…八幡は考えるのを辞めた。

 

八幡「まあ約束しちまったからな…。行くか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「それで?お前は何やってんだ?」

 

長門「いや…皆の成長を思い出に残しておこうとな?」

 

いやソレ盗撮…。俺の鎮守府にはどうして変なやつしか居ないんだ…。

 

長門「そんなことより、電の様子がいつもと違うのだが…何かあったのか?いや、悪い意味では無いのだ。ただなんと言うか、可愛らしかった電がまるで提督のような目をしているのが気になる。それなのに無理をしているようにも見えなくてな…。」

 

分かる…。分かるぞ。俺もそうだった。

 

八幡「面談で色々聞いてな。なんかよく分からんがああなった。」

 

長門「そ、そうか。という事は聞いたんだな?」

 

真面目な表情に戻り、真剣な声色で問いかけてくる。

 

八幡「ああ聞いた。薄々勘づいていたからそこまで驚かなかったがな。ただ色々話していたら…ああなったんだよ。」

 

長門「私でも解かすことが出来なかった電の心を…。流石だな。是非私にも伝授して欲しいものだ。」

 

八幡「そんな大層なもんじゃねぇよ。おかげで夢に出てきそうだし。」

 

あとヨダレは拭いとけよ?全部台無しだから。

そんな話をしていると、演習が終わったのかこちらに戻ってくる電達。

 

 

響「おや、珍しいね。司令官がここに来るだなんて。」

 

天津風「ちょ、ちょっと!電に何したのよ!目が怖くて訓練に集中できないじゃない!」

 

八幡「あー、悪い。諦めろ。」

 

電「司令官!お疲れ様なのです!本当に来てくださるとは思わなかったのです!」

 

おー…。キラキラしている。俺が言うには似合わないだろうが、嬉しさ満点のワンコを見ているようだ(目は見ない)そこまで喜んでもらえたら来たかいがあったな(目は見ない)

 

八幡「まあ約束してたからな。じゃあ俺は行くぞ。お前らも程々にな?」

 

そう言って立ち去ろうとするが、

 

大淀「あ、提督!ここにいましたか!」

 

八幡「どした?そんな慌てて。」

 

そういえばコイツの仕置メニュー考えてなかったな。如月に良い案ないから聞いておこう。

 

大淀「先程入電がありまして…。他の鎮守府から視察が来るようです。」

 

八幡「また急だな。そんで毎度の事拒否権は無いのね。」

 

この様子だと葉風さんじゃないのか。そうするとこの前の達磨って人か?

 

八幡「んで?誰が来るんだ?」

 

大淀「志村大将…です。」

 

八幡「誰ソレ。」

 

その名前を出した瞬間のコイツらの顔は一致してした。

 

「「うへぇ…」」

 

声にも出ちゃってんじゃん。一応相手は提督なんだから少しは隠そうよ。これから俺が相手するんだぞ?憂鬱になっちゃうじゃん。元々初対面だから憂鬱なんだけど。

 

八幡「そんなにヤバいやつなのか?」

 

この前の会議には参加してたのだろうか。クラスで顔と名前が一致しないあの感覚懐かしいなぁ…。

 

大淀「ヤバいと言うよりは…めんどくさいと言った方が正しいでしょうね。良い方なんですが。」

 

長門「何度か我々のために動いてくれた事もある。恩も感じていのだが…如何せん癖が強い。」

 

暁「私は、すこーしだけ苦手。レディでもちょっと無理かも…。」

 

あの暁ですら虚勢を張れないだと!?そうとうヤバいやつなのか…志村さんとやら。

 

八幡「大淀。一応葉風さんに一報入れておいてくれ。」

 

大淀「かしこまりました。」

 

はぁ…。今日も嫌な一日になるのが決定したな。

 

電「司令官…。もし何かあれば呼んでくださいなのです。」

 

八幡「あぁ。そうならない事を願うがな。」

 

目、怖ぇぇ!!!子供がしていい目つきじゃないからね!?




その内後書きに、軽く艦娘の日常的なサムシング書いていこうかな?サブストーリー的な?

ご意見感想お待ちしてます〜!


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彼は彼との在り方は絶対に!!間違っているわけがない。

暴れます。


さてさて…。志村提督とやらが我が鎮守府に視察に来るというので、少し偉そうな感じで門の前で待機してみたは良いが、疲れたので何時もの猫背に戻して待つことにした八幡。

 

八幡「あぁ…憂鬱だ。」

 

大淀「頑張ってください。応援していますので。」

 

え…あの大淀が応援?明日は槍でも降るのか?そこまで言わせる志村と言うやつはどんなヤツなんだろうか…。もうイメージでは油ギトギトの汚豚さんになってるんだけど。

 

大淀「来たみたいですよ。」

 

八幡「腹くくるか…。」

 

大淀「いや死ぬわけじゃないんですから…。」

 

俺にとっては死を覚悟しなくちゃいけないレベルで緊張してるからね?見知らぬ提督と話すとかどんな無茶振りだよ。前までだったら速攻逃げてたから。アレがアレでっていう前に来ること決まっちゃってから仕方なく、対応してあげてるだけなんだからね!

 

そんな八幡の気持ちなど知らぬが如く、黒塗りの車の扉が開かれる。

 

??「やぁやぁ!君が噂の比企谷君かなー?」

 

八幡「え、あ、はい。」

 

??「あははは!そんな緊張しないでいいのに!あ、私志村陽香って言います!!よろしくね♪」

 

八幡「は、はぁ。比企谷です。」

 

ま、まさかの女性!?うっそだろ!?ていうか軍って女の人いたのか!え、色々驚きすぎて思考がまとまらん…。

 

達磨「よぉ、兄弟。久しぶりだな。」

 

八幡「って、何であんたまでいるんだよ。」

 

横から現れたのはいつの間にか兄弟になってた達磨だった。

 

達磨「姐さんにお前のこと話したら興味持っちまったみたいでなぁ。ついでに俺も挨拶に来たわけさ。」

 

八幡「まぁ…別にいいんだけどね?とりあえず立ち話もアレですから中行きましょ。」

 

志村「大淀ちゃん!久しぶり〜!元気してた?あ、肌ツヤ良くなってるね!良かった良かった!!」

 

大淀がもみくちゃにされている。おい、俺を見るな!何もできん!!

 

達磨「おーい、姐さん。兄弟行っちまったぞ?」

 

志村「えっ!普通置いてくかな〜?まあ場所は分かるからいいんだけど。じゃあね大淀ちゃん!」

 

やはり大淀は志村が苦手だと心から思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

志村「もう!女性を置いていくとかどういうことなのかな!」

 

八幡「いや、大淀と話してたんで。あと待つの面倒くさくて。」

 

達磨「うへぇ…。姐さん相手にそんな事言えるの兄弟くらいだぜ?」

 

え?そうなの?もしかしてヤバい人だったりします?

 

志村「も〜。私をやばい人みたいに言わないでよ。純粋無垢な天使ちゃんなんだぞ?」

 

確かに見た目は滅茶苦茶良いんだよなこの人。大人の女性って感じだし。

 

八幡「それで、今日来た理由ってなんすか?」

 

志村「ふふ…。いいね。お姉さん話が早い子は好きだよ?」

 

どうやら何かのスイッチを入れてしまったようだ。先程までの朗らかで、優しい印象は無くなり、冷たい目で見てくる。

 

志村「前任が酷かったから、その後の状況確認。後は達磨君が興味を持った君と話したかった。」

 

なるほどな。知的な印象があったがどちらかというと好奇心旺盛で、お節介な人なんだな。

 

志村「うーん、良いねキミ。私を見ても靡く所か、1歩引いてる。女性に耐性が無いのか、はたまた警戒心が強いのか。どっちなんだろうね?」

 

いや、どっちもじゃないっすかね?あと近い。いい匂いするんですが?純情な男子を弄んで楽しいですか?楽しそうですね!

 

八幡「近いです。用事が済んだなら帰ってください。」

 

志村「まだだよ。まだ私は君の事を何も知らない。言ったでしょ?興味持ったって。だから君の事をお姉さんに教えて?」

 

あー…なるほど。アイツらが苦手な訳だ。

 

八幡「別に教える程のことなんて無いですけどね?」

 

志村「あはは!そんな事ないよ〜!元帥のおじいちゃん相手に啖呵をきったって聞いたし!君には十分興味を惹かれるよ?」

 

八幡「そ、そうですか。」

 

志村「あ、もし良かったお姉さんと付き合っちゃう?今フリーなんだ〜♪」

 

達磨「えっ!?」

 

八幡「いえ結構です。」

 

達磨「即答かよ…。」

 

当たり前だろ。

 

志村「ひどーい。お姉さん傷ついちゃった。人生初の告白だったのにな〜。」

 

この人は…嘘の塊だ。何一つ本音を話していない。強いて言うなら興味があるくらいが本心。それ以外は全くの嘘。

 

志村「お詫びとして、お姉さんに色々教えて欲しいなぁ〜?」

 

八幡「自分から話すのは苦手なんで。逆に何が聞きたいんですか?」

 

男心くすぐる女性としての表情、動き、声のトーン。全部完璧と言っても過言では無い。一朝一夕で出来ることでは無いだろう。長年その仮面を被り続けてきた結果、染み付いたもの。そりゃ苦手になるはずだ。アイツらは嘘と悪意で満ち溢れた場所で生きてきた。どんな完璧な仮面をつけたとしても、逆効果だ。まるで魔女だな。

 

志村「今失礼なこと考えなかった? 」

 

八幡「い、いえ。何も。」

 

達磨(絶対魔女だとか考えただろ。)

 

志村「んー、聞きたい事ね。単刀直入に聞くけど…君は何者?」

 

八幡「は?」

 

志村「君はどこから来て、どこで過ごして、どうやって提督になったのかな?」

 

八幡「えっと、どういうことっすか?」

 

志村「確かに軍学校にいた経歴はある。戸籍もね。でもココに配属になるまで君の姿を見た人はいないの。いくら友達がいなくて、影が薄くても有り得ない。だから君は何者なのかな?」

 

おい神様もう少し情報操作何とかならなかったの!?なんかバレそうなんだけど…。というか今まで気にしなかった俺も俺だけど。いやしかしどう答えるか…。

 

志村「答えられない?」

 

答えられないというか、答えても良いのだろうか。いや寧ろ答えた方が正解な気がする。神様に呼ばれてきたとか言っとけば、適当にはぐらかせるだろう。というか信じず、別の方向に思考が行くはずだ。

 

八幡「神様に…呼ばれて?」

 

志村「…は?」

 

さぁ…この奇想天外な答えにどう反応する。最悪敵と思われる可能性もあるが、その時は…諦めよう。

 

志村「かみ、さま?」

 

八幡「は、はい。」

 

志村「あっはははは!!なるほど!!神様かぁ!!」

 

結果ビックリするくらい笑われてしまった。でも事実だし?嘘言ってないし?俺悪くない。全てはあの神様が悪い!!

 

志村「いや〜笑った笑った。久しぶりにこんなに笑ったよ。」

 

八幡「ど、どうもっす。」

 

志村「変に言い訳してきたら追求しようかと思ってたけど…。確かに神様絡みなら仕方ないよね〜。」

 

まさかの信じられた!?嘘だろ…。この世界って神様って言っとけばなんとかなる?

 

志村「まあ君が何者にしろ…結局重要なのはただ1つ。貴方は誰の味方で誰の敵なのか。それだけは教えてくれないかな?」

 

あ、信じてないっすね。ツボっただけだったよ。だがその質問の答えはとっくの昔に決まってる。

 

八幡「誰の味方でもないですよ。ただ強いて言うならこの鎮守府のヤツらは守ってみせます。」

 

志村「なるほどね。いい答えだよ。じゃあ君の敵は誰?」

 

俺の敵…。改めて思うと俺の敵とはなんだろうか?

 

志村「難しかったかな?」

 

八幡「しっかりと考えたこと無かったもので。」

 

志村「ちゃんと考えて答えてくれるところポイント高いぞ♪でもそうだね…。普通なら深海棲艦と答えて欲しいんだけど、君の場合は違うみたいだね?」

 

八幡「そう、ですね。」

 

志村「じゃあ君がてめぇぶっころしてやるー!ってなるのは誰?」

 

八幡「リア充?」

 

達磨「じゃあ人類が敵じゃねぇか。」

 

いや実際爆殺したくなるでしょ?え、ならない?

 

志村「でも君の場合あながち間違ってないのかもしれないね。」

 

達磨「確かに言えてますね。」

 

おいおい…俺が人類の敵とか笑えてないんだけど?子供の頃菌扱いされてたのはもしかして伏線だったり?

 

志村「君は確か、他者の命と自分の艦娘の命が天秤にかけられたら迷わず選ぶんだよね?」

 

あー、そんな事言った思い出があるようなないような。

 

志村「そしてココの艦娘たちは少なからず君に心を許していて、人類を相手取るレベルには強い。」

 

え、アイツらってそんなに強かったの?俺知らないんだけど…。

 

達磨「知らねぇのかよ…。疑問に思わねぇか?あれほど劣悪な環境で、ここまで人数が生き残れるのは可笑しいってな。」

 

八幡「まぁ、思いはした。艦娘はそんなもんだと思ってたんがなあ…。」

 

志村「残念だけど大ハズレだよ。ここの戦力はかなり大きい。人数自体は見劣りするけど、個々の戦力はかなり高い。しかも比企谷君は、監査艦として如月ちゃん達を迎えた。これの意味分かる?」

 

八幡「…なるほどです。」

 

達磨「怖ぇもんだなぁ。よく平気で居られるもんだ。いつ殺されてもおかしくないだぜ?」

 

まぁ確かにな…。我ながら非合理的な手段を取ったと今でも思ってる。

 

志村「私はね、君に人類の敵にはなって欲しくないんだ〜。まず勝てないだろうし、個人的にココの艦娘の事は好きだからね。」

 

八幡「約束は出来ませんが…そもそもそんな日が来るとも思えませんよ。」

 

志村「軍っていうのは理不尽の塊なんだよ。君なら分かってるハズだよ?」

 

理不尽…か。そうだな。ここ一つハッキリさせておこう。

 

八幡「今の所その気は無いです。俺はただ平穏な日々を暮らせればそれで良いので。ただもし…ここの連中にちょっかい出すなら俺は…いや、アイツらはきっと見限ってしまうでしょう。」

 

俺は俺らしく嫌われ者で良い。きっとあいつらもそう思っている。自分達のテリトリーが侵されなければそれで良いのだ。ただそれを破ると言うのであれば話は別だ。

 

志村「見限る…とは?」

 

八幡「言わなくても分かるでしょう?俺は既に見限っていますので、後はアイツら次第ですよ。あぁ、だから葉風さんが気にかけてくれるんですね。」

 

志村は危機感を覚えた。比企谷八幡はもう見限っていた事に。まだ彼は何かしらこちら側に期待していると勘違いしていたのだ。

 

達磨は認識を切り替えた。比企谷八幡は同じ思考を持つ兄弟だと思っていたが、そうではなかった。自分とはスケールが違う。

 

八幡「まあ今の状況が続けば問題無いですよ。きっと、いや多分。」

 

志村「自信ないねぇ···。まあでも私は比企谷君とは仲良くしていたいかな?」

 

八幡「俺はそうでも···。「ん?」いえ、仲良くしたいです。」

 

志村「よろしい!じゃあここの子達に挨拶してから帰るとしますか!!達磨くん、30分くらいで終わると思うから待っててね〜♪」

 

達磨「りょーかいでーす。」

 

そう言って彼女は出ていく。

 

達磨「1つ良いか?兄弟。」

 

八幡「なんだ?」

 

達磨「姐さんの印象を聞かせてくれ。」

 

八幡「···気持ち悪い人、だな。」

 

その言葉を聞いて達磨はカラカラと笑う。

 

達磨「あの人と話してそう言うやつはなかなかいないぞ?なんでそう思った?」

 

八幡「鉄仮面被ってるみたいで、話してるのに話してる気がしないんだよ。アイツが苦手な理由が分かった。」

 

達磨「まあ、悪く思わないでくれよ?あの人もあの人なりに苦労した結果ああなってんだ。」

 

八幡「別に否定する気はねーよ。ただきっといつまで経っても気を許せないだろうけどな。」

 

達磨「ははは。それで良い。気を許したら喰われっからな。それともう1ついいか?」

 

八幡「なんだよ。」

 

達磨「どちらかと言うとコッチが重要なんだが。お前コッチの話はいける口か?」

 

コッチってドッチ?

 

達磨「バカが。恋バナに決まってんだろ。」

 

恋、バナ?このいかにもヤンキーみたいヤツが···恋バナだと?俺は夢でも見てるのか···。

 

達磨「俺ァあの人に惚れ込んじまってるんだ。兄弟!!頼む力を貸してくれ!!」

 

八幡「い、いや、悪いが専門外だ。俺には荷が重すぎるって。」

 

達磨「お前を兄弟と見込んで頼んでる!!この通りだ!!」

 

えぇ、そこまで必死になるのか···?そう言われてもマジで何していいか分からんのだが。

 

達磨「その為ならどんな条件でも呑む!!頼む!」

 

八幡「無理だって。絶対葉風さんとかの方が適任だろ。なんで俺なんだよ。」

 

達磨「それは···お前が俺の同志だからだ!」

 

八幡「どこがどうなってそうなった···。」

 

達磨「MAXコーヒーが好きなんだろ?MAXコーヒーが好きなやつに悪いヤツはいねぇ!!」

 

なん...だと。このナリをしてコイツ!甘党なのか!!

 

八幡「そういは言ってもなぁ…。」

 

達磨「MAXコーヒーを定期的仕入れる事も可能だ。」

 

八幡「な、に?」

 

最近MAXコーヒーの普及率が上がり、俺の分が無くなりつつある。買い足すには街、もしくは大本営に頼む必要があるため面倒だ。

 

八幡「い、いや···」

 

達磨「そして何より!!···お前シスコンだろ。艦娘との接し方を見て分かる。お前は妹想いで、MAXコーヒーファン。それは俺もだ!!」

 

本日何回目の驚愕だろうか。だがこれ以上は失礼だな。このヤンキーみたいなやつが、ここまで頭を下げて何もしないのは気が引ける。

 

そう思う矢先俺は達磨の、いや兄弟の手を取っていた。

 

八幡「どこまで出来るか分からんが…協力はしてやる。」

 

達磨「兄弟!!」

 

どこのどんなやつであろうと、妹想いで悪いヤツはいない。ビバ妹!!

 

八幡「いや俺はシスコンじゃない。妹が大好きなだけだ。」

 

達磨「そうだな。どちらかというとシスラブだな。コンプレックスなんて抱いてない!!」

 

この日新しい造語が出来ましたとさ。




余裕があれば次回から後書きになんか書きます!


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彼は食事の偉大さを知る

な、何も言わないで欲しい…。
波があるんですよ…はい。
申し訳ございませんでした!!!!


八幡「やっと帰ってくれた…。」

 

あれから鉄仮面女はうちの艦娘達を弄り倒した後、飽きたのか「帰るね〜!」と達磨を連れて帰ってしまった。

 

大淀「嵐のような人…とはあの人の事を指すんですね。」

 

電「司令からあの女の匂いがするのです…。ナニシテタノデスカ?」

 

八幡「いや何もしてないよ?いやホントに…。」

 

確かにめちゃくちゃ距離近かったけども…。あと電さん?貴女も近いですよ?目のハイライトはオンにしてもらっていいですかね。心臓と心に悪いので。

 

八幡「というか2人は何か用か?」

 

大淀「明日のスケジュールのすり合わせに来たんですよ。」

 

電「電は司令に会いに来たのです。」

 

八幡「そ、そうか。」

 

大淀「そうかじゃないでしょうに。」

 

そうは言ってもなぁ…。別にそういうルール設けてるわけじゃないし。あと駄目って言うと後が怖い。つまりコレはリスク管理した結果の対応って事にしておこう。

 

八幡「やる事やってんなら別にいいんじゃねーの?」

 

大淀「しかし、他の子が真似したら収拾がつかなくなりますよ?」

 

八幡「そこは大丈夫だろ。好き好んでここに来るやつなんて電以外思い当たらん。」

 

本当に忙しい時は何かしら事前共有すれば何とかなるだろ。多分。

 

八幡「夕飯まで時間もないからな、さっさと終わらせようぜ。」

 

大淀「はぁ…。了解です。明日の面談ですが、一応護衛を付けます。」

 

ついにそれが必要な艦娘がお相手って事ですね。なるほどやりたくない。

 

大淀「手が空いてるのが天龍さんと長門さんだったので、お二人に同席してもらう予定です。」

 

ある意味良いチョイスなのかもな。どちらも責任感の強いヤツだし、艦娘達からの評判も良い。

 

八幡「そうか。というか2人に面談させた方がいいんじゃね?」

 

大淀「正直その方が此方としても安心できます。ただ向こうから提督と面談したいと要望がありまして。」

 

そいつは意外な情報だ。多分俺がまだ見た事ない艦娘で、今はまだ引きこもってる状態。それなのにいきなり俺と面談か…。

 

八幡「なぁ、それホントに平気なのか?」

 

大淀「そう思いますよね…。ただ元から引っ込み思案な子ではあるので、いきなり何かしでかすことは無いと考えてますが…。」

 

電「ちなみに誰なのですか?」

 

電が大淀が持つファイルを覗き込むとあぁ…と言葉を漏らす。

 

電「多分平気なのです。会話が出来るかは別なのですが。」

 

ケロッとした顔で言うな。だがなるほど…今の情報で何となく人物像は見えてきた。

 

八幡「ま、もしもの時は2人に何とかしてもらう。」

 

大淀「そこは他力本願なんですね。」

 

俺だってコミュニケーション苦手なんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

間宮「提督!お野菜忘れてますよ?」

 

八幡「お、おう。」

 

間宮「残さず食べてくださいね?」

 

いやオカンかよ。とりあえずいつものベストプレイスへ向かうとしよう。最近椅子と机を設置してよりベストなプレイスになりつつある。パラソルでも買ってオシャレな食事でも…うんやめよう。

 

長門「提督よ。今日はここで食べないか?」

 

八幡「えぇ…。」

 

天龍「んな嫌な顔するんじゃねぇよ。俺だって嫌なんだからよ。」

 

え、なに?嫌なのに誘うとかドMなの?

 

長門「明日の面談で話したい事があってな。」

 

あ、そういう事。

 

八幡「そういうことなら仕方ないか…。」

 

そう言いながら本日の夕食、鯖の塩焼き定食(加賀の希望)を置いて席に着く。

 

如月「ゲッ…。なんでアンタがいるのよ。」

 

睦月「おやや!?しれぇがここで食べるなんて珍しい!!」

 

八幡「仕事でちょっとな。ほれあっちいっとけ。」

 

シッシッと手を振るが、何故か隣に座る2人。

 

八幡「え、いやなんで?」

 

睦月「なかなかこんな機会ありませんからね〜♪」

 

如月「別に何処で食べようと私達の勝手でしょ?」

 

これは俺の事が好きな…いやこれ以上は止めておこう。如月が「あぁ!?てめぇぶっ殺すぞ!?」って目で見てきたから。てか、女の子がそんな目しちゃダメでしょ。俺が言えたことでもないけど。

 

長門「好かれてるのだな。」

 

八幡・如月「「本気で言ってる?」」

 

天龍「確かに息合ってんな。」

 

睦月「2人はとっても仲良しですよ?2人きりでよく話してますし〜。」

 

如月「あれは別にそういうんじゃないわよ!普通に監査艦の仕事の話をしていただけで…。」

 

慌てる如月をみてニヤニヤする睦月と微笑む天龍と長門。

 

如月「後で殴る…。」

 

そうボソッと呟いて去っていってしまった。

 

八幡「…え?俺が殴られるの理不尽過ぎない?」

 

ねぇこれイジメ?何となくで殴られるとかイジメじゃん。コンプラ的にとかモラル的にとかいかがなものだろうか?

 

長門「とりあえず話を戻そうか。」

 

何しれっと無視してるんですかねこの戦艦さんは。スルースキル高過ぎて八幡ビックリ。

 

天龍「というか俺らいんのかコレ。」

 

睦月「最近やってる面談のお話ですか〜?」

 

八幡「あぁ。なんか明日は厄介らしくてな。2人に同席してもらうんだとさ。」

 

睦月「ほぇ〜。ちなみにお相手は?」

 

八幡「知らん。」

 

睦月「えぇ…。どうなんですかそれって。」

 

そう言われても確認する前にご飯食べに来ちゃったし、今話すとか思わなかったし、つまり仕方ない。

 

八幡「大淀から情報もらってるから、後で確認するつもりだ。」

 

長門「なるほど。まあそこまで身構える必要は感じないな。」

 

八幡「そうなのか?」

 

天龍「めちゃくちゃ臆病なヤツだったからな。正直今回面談するって聞いて驚いたぜ?」

 

ほう…。そこまで引っ込み思案なヤツなら余計に謎が深まるな。だから大淀もこの2人を付けたのか。あと天龍はご飯食べる時に肘着くな、行儀悪いぞ。

 

八幡「ま、なるようになるか。」

 

もしもの時は適当にやって終わらせよう。

 

睦月「ちゃんとやらないとダメですよ〜?」

 

八幡「なんで心読めんだよ怖いわ。」

 

長門「提督は分かりやすいのだ。所で話は変わるが…」

 

それにしても今日の鯖の塩焼き定食めちゃくちゃ美味しいな…。ネギの味噌汁の甘さとマッチして箸が止まらない。付け合せの大根おろしも悪くない。これと一緒に米を食べると…美味すぎる。空き地もある事だし農業やってみるのもいいかもなぁ…。

 

長門「と、言うわけなんだが!提督よ!どう思う!」

 

八幡「…ん?そうだな。いいんじゃね?」

 

長門「そう言ってくれると信じてた!!そこでだな……」

 

しかしなぁ…。農業って割と肉体労働感強いし、なんか三日坊主で終わる気もする…。いや待てよ?興味ありそうな艦娘を集めてやるのもいいかもしれない。葉風さんとか詳しそうだし(偏見)兄弟にも協力して貰えば余裕か?

 

長門「これが最適解だと思うのだが!!いかがだろうか!」

 

八幡「いややっぱりダメだな。」

 

長門「くっ!…やはり難しいか。だがしかし!!第2第3の案を私は考えている!!それはだな…」

 

色々めんどくさいんだよなぁ…。でも間宮とか鳳翔さんとかに聞いてみるだけ聞いてみるか。食費も浮くし…それで考えると赤城にもやらさるか?アイツ用の食費枠作ってるし、それだけ働いてもらうって事で。大淀にも相談してみよう。

 

長門「これなら問題ないと思うのだが!!どうだろうか!!」

 

八幡「ん〜、まあこれくらいなら平気かもな。」

 

長門「そう言ってくれると信じていた!!」

 

八幡「え?あ、おう。」

 

睦月「噛み合ってそうで噛み合ってないですね〜…。」

 

天龍「それはそうなんだが…ユーは何してんだ?」

 

ユー「アドミラルとご飯を食べようと思いまして。」

 

八幡「…なんで膝の上に乗ってるんですかね?」

 

考え事してたら膝の上にユーが居た。俺でも見逃しちゃうステルス性能。コイツやるな。

 

ユー「?アドミラルとご飯を食べようと思いまして。」

 

八幡「あ、いや、それは分かってる。ご飯食べるならココじゃなくて良くないですかね?」

 

ユー「ここが1番良いと思いました。」

 

んー、結論ファーストすぎて会話が難しい!

 

八幡「あぁ、そうですか。もう好きにして…。」

 

ユー「ダンケ。ちなみにコレはなんてお魚なんですか?」

 

長門「な、なぁ!ユーよ!もし良かったら私の膝も空いているぞ!?」

 

八幡「コレは鯖って魚だ。美味しいぞ?」

 

ユー「1口欲しいです。」

 

八幡「いいぞ。大根おろしと一緒に食べるとより美味しいんだよな〜。」

 

ユー「大根おろし…しょうゆと合うと聞きました。」

 

長門「良かったら私の大根おろしを!!」

 

ユー「うるさいです。」

 

長門「はうぁっ!!」

 

長門が轟沈した。

 

天龍「てか、お前はユーに甘すぎるんじゃねぇの?他の艦娘と態度全然違ぇじゃねーか。」

 

睦月「はいはい!!睦月もそう思います!!ふこーへーです!!」

 

八幡「うるさ…。別に深い理由はないぞ?」

 

睦月「そもそも司令はあんまり名前で呼んですらくれないじゃないですか〜!睦月ちゃん♪って呼んでもらうの待ってるんですが!」

 

八幡「一生待っててくれ。その時は一生かけても来ないがな。」

 

天龍「名前はともかく、特別扱いは良くねぇだろ。」

 

ユー「ユーはアドミラルの特別なのですね。」

 

おい、語弊を生むから止めなさい。

 

「ヘーソウナンデスネ?」

 

いや怖いから…。近くにいなくても何となく誰が言ったか分かるからね?

 

八幡「別に言い慣れてるかそうでないかの違いしかねーよ。そんな変に捕らえんな。」

 

天龍「そうかい。ま、俺にはどうでも良いんだけどな。」

 

ユー「ごちそうさまです。」

 

八幡「はや…。」

 

良く噛んで食べたのかこの子。まあとりあえず、明日の面談については…明日考えよう。

 




亀更新代表でございます


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