城下町のダンデライオン 長男のドタバタ生活 (てこの原理こそ最強)
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第1話

この原作が好きなので書いて見ました



チュンチュン

朝、この頃いつも同じ時間に目が覚めるから目覚ましがいらない

いつも通り6時に起きたが今日はここからがいつもとは違った。妹の2人がオレの布団に入っているのだ

オレは2人を起こさないように布団から出て制服に着替え部屋を出て階段を降りリビングに入る

 

「おはよう母さん」

「あらおはよう神君」

 

うちは朝はいろいろと戦争だから早起きした方がいい

 

少し経つと

 

「おはようお母さん、神君」

「おはよう葵」

「おう、おはよう葵」

 

オレの双子の妹の葵が入ってきたのだ

 

「葵は洗濯当番だっけ?手伝おうか?」

「ううん、神君はそのままお母さんを手伝ってあげて」

「了解」

「2人ともありがとうね」

 

葵は洗濯しに行った

そのすぐ後ドタバタと複数の足音が聞こえる

 

「始まったな」

「そうね」

 

その中朝ごはんの支度をしていて7時を少し回った時2階から勢いよく駆け下りる足音が聞こえて、リビングからのぞいてみるとトイレの前では

 

「おい遥、早くしてくれ。輝がもう限界だ」

「兄上、ぼ…僕はまだ我慢できます」

 

洗面所では

 

「もうお父さん鏡見れないよ〜ちょっとつめて」

 

どうやら父さんと妹たちが鏡を取り合ってるようだ

このようにうちは大家族なのだ。だから毎朝トイレや洗面台が戦争である。それを回避するためにオレは早起きをしている

 

ようやくみんながリビングに集まり朝ごはん

 

「はいよお待たせ」

「神君ありがとう、今日はお母さん特性野菜オムレツです。みんな残さず食べるように!」

『はーい』

 

みんな一斉に食べ始める

 

「うぇ、やっぱりグリーンピース入ってる」

5女の光

「好き嫌いしてると身長伸びないわよ」

次女の奏

「兄上、僕は好き嫌いないから大きくなれますよね」

4男の輝

「あぁそうだな、栞よく噛んで食べろよ?」

長男のオレ

「うん」

6女の栞

「あ、そういえば、トイレットペーパーもうストックがないよ」

3男の遥

「今週の買い物当番誰だっけ」

4女の岬

「修ちゃんじゃなかった?」

3女の茜

「あぁオレか、今日帰りにでも買ってくるよ」

次男の修

「修くんお願いね」

長女の葵

「親孝行な子たちで助かるわ〜」

「いえいえ〜」

 

うちは4男6女計12人で暮らしている。でも食事の時会話が途切れないのはいいことだと思う

てな感じで騒がしくはあるが楽しく生活している。ここまでなら普通の大家族なのだがうちは少し特殊なのだ

 

「もう総ちゃん!早く食べて!また車待たせちゃうから!」

母さんが新聞を勢いよく取り上げる

 

「なんで王冠してんの…?」

「あ、いや、間違って持って帰ってきちゃって、せっかくなんで…」

「パパなんか王様みたい!」

「あの、一応本物なんだけど…」

 

そうなんです、うちの父さんは国王なんです

 

そんなんで父さんを母さんとオレ、葵、栞で見送る

ちなみに栞はオレがおぶっている

 

「じゃあ行ってらっしゃい」

「そうだ、今日は夕方には帰りますから」

「オッケー」

「行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 

父さんが乗った車を見送り

 

「みなさん毎朝騒々しくてすいません」

「すいません」

 

オレが通行中の方に謝ると栞も謝ってくれた

 

 

 

騒々しい朝を過ごし今はオレ、葵、修、奏、茜の5人で登校している

すれ違う通行人の人たちに挨拶して行くが茜は極度の人見知りで葵の背後に隠れる

 

「相変わらずねあんたの人見知り」

「奏、それくらいで」

「というか奏さんや、離してくれませんかね」

「嫌です♪お兄様♪」

 

奏は極度のブラコンだ、しかもオレに対してだけ

まったく兄離れしてほしいものだ

 

「ていうか奏、時間大丈夫か?」

「あー!生徒会に遅れる!じゃあお先に」

「んじゃオレも、また学校でな」

 

奏と修は行ってしまった

 

「ほら茜も行くぞ」

 

監視カメラに縮こまる茜に言う

 

「茜行こ?」

「でも監視カメラがー!」

「ならオレが盾になるから」

 

オレと茜の身長差なら茜がオレの背後にいれば見えないだろう

 

「神ちゃんありがとう!」

 

その後学校が始まる5分前に着いた

 

 

 

 

ー放課後ー

 

「おーい茜ー」

「迎えにきたよ」

 

茜の教室の前で茜を呼ぶと

 

『きゃー!葵様と神様よー』

 

すっごい歓声だ

 

「神にぃ!」

 

集団の中からやっとのこと抜け出すとそこには茜の友達の花蓮がいた

昔から茜と遊んでくれていたからオレら兄妹とも知り合いなんだ

 

「よう花蓮、これなんとかしてくれ」

「ムリだよ、2人ともこのクラスでも人気だからね〜」

「そうなのか…?」

「あたしも神にぃのこと尊敬してるよ♪」

「そっか、ありがとな」

 

尊敬されて嫌なわけじゃないからそう言って花蓮の頭を撫でてやる

妹も多いからこれが癖になってしまっている

 

「〜///」

 

すると花蓮は顔を赤くする

 

「ん?あ、わりー いつもの癖で」

「あ…いや、大丈夫だよ」

「じゃあまたな」

「うん、バイバイ」

 

オレは葵と茜と一緒に帰って行く

 

 

 

ー帰り道ー

 

「お姉ちゃんも神ちゃんもすごいね」

「そうかな?」

「そうか?」

「そうだよ!あそこまで人を集めちゃうんだから」

 

さっきのことを話しながら信号待ちをしていると茜が後ろから走ってきたやつとぶつかった

 

「ご、ごごごごめんなさい、背中に目がなくて」

 

「ひったくりよー」後ろから声が聞こえる

 

「ちょっと行ってくる」

「大丈夫?」

「うん!正義は勝ーつ!」

 

茜は自分の"能力"を使い勢いよく飛び出して行った

 

「はぁ一応オレも行ってくる」

「うん、お願いね」

 

茜を追って行くとそこには倒れてのびているひったくりと顔を真っ赤にしている茜がいる

 

 

 

 

ーその夜ー

 

『いやーこんな茜様の初々しい様子を見れるのもサクラダファミリーニュースならではですね』

 

昼間の茜がひったくりを捕まえた事件がニュースとなってテレビに映っているのだ。あの後茜は記者から質問攻めにあい、そこで恥ずかしがっているシーンが今はテレビで流れていた

 

「いいなー、茜ちゃんテレビに映って」

 

光は羨ましそうに茜に言う

その後に来年の国王選挙に向けての人気投票についてはなしているようでオレは晩ご飯の手伝いをしながら聞いている。なぜかオレと葵が人気らしい。どうせ長男長女だからだろう

そんなこんなしていると父さんが帰ってきた

 

「あらほんとに早かったのね」

「はい。お前たち週末は空いているか?」

「特にないけど」

「どっか連れてってくれるの?」

 

光は期待を込めて聞く

 

「いや、急だがお前たちのテレビ出演が決まった」

「え…?」

 

オレたち兄妹はなぜかテレビに出るらしい

茜大丈夫か…?

そんなこんなで今日は終わった




ー余談ー

オレが寝ようとすると布団が盛り上がっていることに気づく。めくってみると

「はぁ…こら岬、自分の部屋に戻れ」
「えーやだー神にぃと寝るー」
「わがまま言わない。もうそんな歳じゃないだろ」

そう、奏もそうだが岬も極度のブラコンなんだ
しかもこっちもオレに限って…

「やーだー、一緒に寝るー」
「まったく、今日だけな」
「そんなこと言っていっつも一緒に寝てくれる神にぃだーい好きー♪」
「はいはいありがとね」

オレは妹に甘いらしい、いつも最後は許してしまう




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第2話

奏と岬はオリ主にデッレデレです



ー日曜日ー

 

なんの説明もされずオレたち兄妹は父さんに支持された場所へきていた

そこにはたくさんのテレビカメラと報道陣がいるし、でっかいスクリーンテレビには『サクラダファミリーニュース〜特別編〜』とあった。父さんは何を考えているんだか

説明があったがビルの上にあるダンディくんというぬいぐるみを今オレらがいるところにあるカゴへ入れるゲームをやるらしい。ビリの人は城のトイレ掃除をしなきゃいけないらしい。城のトイレって何個あんだよ

 

と考えている間にゲームがスタートし一番に輝が

 

「僕はこの壁登ります」

能力で壁を捩り登り始めた輝

 

『4男輝様の能力は【怪力超人(リミットオーバー)】ものすごい力を発揮して順調にビルを登って行きます!』

 

だが力加減を間違えたのか掴んだところが壊れてしまった

 

「よーし私だってー」

「あまり無理しないでね」

「わかってるって」

 

木に登った光に注意する葵

その心配を聞かず能力を発動させたのか、木がみるみるうちに成長していった

 

『5女の光様の能力は【生命操作(ゴッドハンド)】生命の成長を操ることができます』

『考えましたねー樹木の成長を操って屋上へ一番乗りです』

「さすがです光姉様」

 

おーい輝ー、感心しなくていいぞーどうせ…ほら失敗した

成長しすぎて降りれなくなっている

 

「なーにやってるんでしょうねー」

「あの…だからね奏さん……腕組まなくていいよね?岬も」

「なに言ってるのですかお兄様♪兄妹の仲の良さを国民の皆様にお見せしなければ♪」

「そうだよ神にぃ♪仲良しだーってアピールしなくちゃ♪」

「でも参加しないとトイレ掃除だぞ?」

『あっ…』

「わかったら離して…な?」

「わかりました」

「わかった」

 

2人とも今から参加するみたいだ

 

「よく考えたら自分が登るなんて効率悪いですねー」

 

奏は能力を使いドローンを5機ほど生成した

 

『次女奏様の能力は【物質生成(ヘブンズゲート)】あらゆる物質を生成することができます』

 

だが生成したものと等しい価値の金額が奏の通帳から引き下ろされる、使い道が難しい能力だ

 

「奏?これいくらぐらいなんだ?」

「200万円くらいですかね」

「そっか、大丈夫か?」

「まぁ…」

 

奏は笑っているがなかなかの金額だ

 

「わたしも頑張らなくっちゃ」

 

岬も能力を使い、7人の分身を作る

 

『4女岬様の能力は【感情分裂(オールフォーワン)】最大7人のまでの分身を生むことができます』

 

「みんな頼んだわよ!」

「私はエレベーターで行きますわ〜」

「じゃあこっちは非常階段で」

「ゆっくり行こうっと」

「ふぁ〜」

 

それぞれの分身は動き出す

その後ろでは栞が消火栓と何やら話していた

 

「え、そうなの?ごめんなさい、ちょっとわからない」

「栞、何話してるの?」

「あのね、せっかく消火栓さんが近道教えてくれたんだけどわからないの」

「なんだって?」

「B2荷物用エレベーター、27階で乗り換え」

「あーあのルートね」

「葵わかんのか?」

「前に一度見学できたことあるから」

 

『6女栞様の能力は【物体会話(ソウルメイト)】生物だけではなく無機物とも会話できます』

『長女葵様の能力は【完全学習(インビジブルワーク)】一度学んだことは忘れません』

 

とアナウンスがあったのを聞いていると栞がオレに手を出してきた

 

「兄様も行こ(ニコッ)」

 

栞が女神のような笑顔でオレに言ってきた。オレは泣きそうになったのを必死にこらえ

 

「ありがとな栞」

「じゃあ行こ」

 

オレと葵で栞の両手を繋いでビルに入って行く

 

ビルの中でもアナウンスは聞こえた

 

『次男修様の能力は【瞬間移動(トランスポーター)】ご自身とご自身が触れたものを一瞬で移動させることができます』

 

修が能力使ったのか、まぁこのゲームに一番有効なのはあいつだろうな

てかあと茜と遥だけだが、茜は大丈夫か

そんなことを考えているうちに屋上に着いた

 

『おっとここで遥様にも動きが』

『3男遥様の能力は【確率予知(ロッツオブネクスト)】あらゆる可能性の確立を知ることができます』

 

遥はどうするつもりだ?あいつには悪いが一番分が悪いぞ

 

『次女茜様の能力は【重力制御(グラビティコア)】ご自身とご自身が触れたものの重力を操ることができます』

 

ん?茜が動いた?さては遥がなんか言ったか…

するとすごいスピードで輝に向かって行く茜と遥が目に入る

オレはとっさに能力を使って風の力で茜のスピードを相殺する

 

『ふー危なかったですねー、危うく事故になるところでした。さすがは長男の神様ですね』

『長男神様の能力は【五帝操作(オーバーエレメント)】火水風土光の5つの属性を操作できることができます』

 

「茜、遥、輝、ケガはないか?」

「うん、ありがとう神ちゃん」

「ありがとう新兄さん」

「ありがとうございます!兄上!」

「ケガがなくてよかったけど茜と遥は帰ってから説教な」

『はい…』

 

ほんとにケガがなくてよかった

最終的に茜と光が0ポイントで城のトイレ掃除となった。遥は1ポイント取っていたが今回のこともあったのでオレがトイレ掃除をやらせた。

そしてゲームが終わった後国王選挙の世論調査の結果発表がされ、オレは葵を抜いて1位になっていた

 




ー帰宅後ー

「茜、遥そこに座れ」
『はい…』
「で、何があった」
「茜姉さんと一緒に飛んで屋上まで行くことになって…」
「あたしが…そのパ……パンツ見られるの嫌でゆっくり飛んでたら遥がスカート抑えるって触られたらビックリしちゃって…」
「それで能力制御を誤ったと」
「うん…」
「わかった…とりあえず茜はパンツ見られるのが嫌ならズボン履くとかあるだろ」
「はい…」
「遥はいくら姉弟だからってやっていいことと悪いことがある。それを理解しろ。」
「わかった…」

これから城のトイレ掃除をするっていうペナルティがあるからオレからはこれくらいにして

「でもまぁ…」

オレは2人の前に立ち頭を撫でながら

「2人ともほんとにケガがなくてよかった」

茜は涙を浮かべ、遥は顔を見られたくないのか下を向いている


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第3話


そろそろ番外編を1つ入れようと思ってます




ー次の日ー

いつも通りの時間に起きる。布団に奏がいる、もう驚かない

今日も母さんと朝ご飯を作る

昨日のうちに奏から今日は生徒会の集まりがあるから早く起こしてくれと言われていたため奏を起こしに行く

 

「奏起きなー、生徒会あるんだろー」

「ん〜…おはようお兄ちゃん…」

 

寝ぼけているのかいつもの呼び方から昔の呼び方に戻っている

それにオレに抱きついて甘えてくる。オレは奏の頭を撫でながら

 

「ほら、生徒会遅れるぞ」

「はっ!お、おはよう…ございます///」

 

思い出したのか顔を赤くする

 

「はいおはよう、早く着替えて朝ご飯食べな」

「わかりました」

 

それから奏…となぜか茜も一緒に早く家を出た

オレはいつも通り葵と修と一緒に登校した

 

 

 

ー放課後ー

今日は修も部活がないから1週間で変更する当番を決める

ちなみに修はサッカー部に所属していて、これがなかなかうまくて将来有望らしい

 

「毎回毎回クジ引きなんて面倒だな」

「じゃあ修ちゃんがずっと買い物当番やって!そしたらわたし掃除、洗濯、料理全部やってもいいから」

「茜姉さん、そこまで言わなくても…」

「じゃあ買い物以外みんなあかねぇにやってもらおうよー」

「ダメよーちゃんとみんなでやるって決めたでしょ?ちゃんと分担しないと」

「そうだぞ岬、ちゃんとみんなでやんないとな」

 

岬の頭を撫でながら説得する

 

「わかった♪」

 

岬はわかってくれた。こんなこと言いつつも根はいい子なんだよな、と思ってると背中に視線を感じる。奏がすっごい見てくる。なんか怒ってる!

 

「オレ掃除」

と修

「わたしは…洗濯ね」

と葵

「えー、料理ー…神にぃ手伝って〜」

と抱きついてくる岬

「岬あんまり引っ付かない!あ、ラッキー♪」

オレに抱きついている岬を引っぺがす奏

「ごめん、茜姉さん」

と申し訳なさそうな遥

「と言うことは…」

恐る恐る残りのクジを引く茜

「買い物ー!!!」

「引くまでもないわね」

 

出かけたくないとテーブルにひれ伏す茜にカレーが食べたいと催促する光

だがどうしても外に出たくない茜

 

「しょうがない、オレの掃除当番と変わってやろう」

「ほんと!?」

 

修が当番を変わると言うがその見返りに明日からツインテールの位置を1ヶ月高くする意味のわからない条件を出した

茜は最終的に3週間で手を打った。結局やるのか

ちなみにオレはクジは引かない。オレは長男だからみんなのサポートをすることになっている

それから修は昔一緒のクラスになったことのある子と再会したらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー1週間後ー

いきなり時間が経ったが気にすんな

この1週間のうちで起きたことと言えば、なんか修が例の女の子から告白されたらしい

まぁそれは修が決めることだしな

 

そんでまたクジ引き

 

「また買い物ー!!!」

 

またテーブルにひれ伏している

なんとか光と行くことになった。

 

 

2人が帰ってくると…どちら様?

 

「どうしたんだその格好」

「なになに〜どうしたの?」

 

岬が様子を見にくると小さくなった茜を見て

 

「きゃー!この子どこで拾ってきたのー!?」

「岬のお姉ちゃんだよ!」

 

そのままチビ茜を持って行ってしまった

ありゃ明日まで弄ばれるな

どうやら木から降りられなくなった猫を助けるため光が自分を成長させたが、服の丈が合わなくなって茜を小さくして服を交換したらしい

 

「木を小さくすればよかったんじゃないか?」

 

修から言われたことにその手があったかとポカンとしていた

 

 

 

 

 

 

ーまた1週間後ー

 

「えーまた今週もー!!!」

 

茜はまた買い物を引いていた

なんてクジ運の悪い…

 

「葵姉様!僕にもクジを引かせてください!」

「輝がもう少し大きくなったらね」

「輝、どうしたんだ?」

「僕も何か役に立ちたいんです!」

「よし!気に入った!いいだろう」

 

修、勝手に決めるな

でほんとに輝が買い物に行くみたいだ。しかも栞も…あー心配だ!

 

「行っちゃった…なんか押し付けちゃったみたいだよー」

「みたいじゃなくてそうじゃん」

「いいよ、オレが見てくるよ」

 

オレは能力で光を操り周りからは見えないようにした、所謂透明人間になった

 

 

輝と栞が出てからすぐ

 

「しまった!買い物袋を忘れた!栞戻るぞ!」

 

と振り返るが栞が持っていることに気づいて歩き続ける

そしてすこし進むととある家の犬が輝と栞に向かって吠え出した

輝は怯えているが少ししたら吠えるのをやめた。栞が説得したのかな?なんてできた妹なんでしょう

 

やっとのことでデパートに着いたがここでも事故が…買い物メモが見当たらないみたいだ

でもここでも栞が見つけていた。しかも輝のポケットに……輝…お兄ちゃんの威厳が……

 

そして帰り道

 

「やっと任務が完了したな」

 

これであとは帰るだけ…と思いきや1匹の野良犬が立ちはだかった。しかも2人に襲いかかった

オレは能力で助けようとしたが、

 

「おいお前、弱いものを攻撃するなんて卑劣なやつだな。僕は母上と無闇に力を使わない契約をした。でも!栞を傷つけようとするやつがいれば僕はその契約を破るぞ!」

 

輝が能力で犬を追っ払った。輝もお兄ちゃんだな

そのあとは無事家に帰って行った

 




ー余談ー

洗い物もやったし風呂も入ったし歯も磨いてそろそろ自分の部屋に行こうとと思ってリビングを出ようとすると栞に袖を掴まれた

「栞どうした?」
「兄様、今日一緒にねよ?」

めちゃくちゃ可愛い顔で言われて断れるはずもなく

「おーいいぞ。じゃあ今日はお兄ちゃんと一緒に寝るか」
「うん!」

今度は満面の笑み!
ん?ロリコンでもシスコンでもない!栞は我が家の宝だぞ!
その後栞に一冊本を読み一緒に寝たのであった



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第4話


光がアイドルになります




ーとある日ー

 

今日いつも通り晩ご飯を作ろうとリビングに入ろうとしたとき、友達の家に行っていた光が帰ってきてすぐ自分の部屋に入ってった。ここまではいいのだが、いつもはリビングでテレビを見るためすぐに出てくる光が出てこない。なっかあったんか?それともなんか企んでんのか?

そう思って2階へ上がってみると岬と遥の部屋へ入っていく光が見れた

 

「何してるんだろうね」

「あぁまったくだ…うおっ!いたのか遥」

「うん、とりあえず見てくるよ」

 

遥は光の様子を見に行った

少ししてオレも行ってみると、光が遥の前に正座させられていた

 

「光だって勝手に自分のものを弄られたら嫌だろ?」

「ごめんなさい…オーディションに着ていく服がなくて」

「オーディション?」

「あたし王様になりたくて人気取るにはどうしたらいいか考えて、アイドルになったらいいんじゃないかって思って」

「アイドル?」

「そういうことか」

「兄さん」

「ダメかな…?」

「いいんじゃないか?協力してやれよ遥」

「僕なの!?」

「だってなーオレじゃ…「神にぃ何やってるの?」でき…岬!?」

「遥に何かようだった?それともわ・た・し?♪」

「バカなこと言ってないで料理やるぞ。オレも手伝ってやるから」

「はーい♪」

 

オレは岬とリビングに向かう。去り際遥に「よろしくな」というアイコンタクトをとっておいた

 

 

 

その後光は遥の指導の下いろいろ頑張って一次審査を突破し、今日はいよいよ二次審査の日らしい。今日はオレも付き添いで来ている

 

「ようやく二次審査だぞ、光」

「うん」

「まぁそんな硬くならずに頑張ってこい。名前を貸してくれた友達にも感謝しろよ?」

「うん」

「じゃあ行っておいで」

「はい、コーチ」

 

と緊張して行ったみたいだがなぜかすぐ戻って来た

 

「計算外だった…身分証明書を出さなくちゃいけないなんて」

 

ありゃりゃ…だがこの様子じゃ王族だとはバレてないな。どうやら光が小学生だとバレたらしい。このオーデション中学生からだからな……ん?オレか遥が保護者のフリして付き添えばよかったんじゃ…言わない方が賢明だな

 

「帰ろうか」

「うん……」

 

急に元気をなくし落ち込んでいるように見える光に遥が声をかけ駅の方へ向かう

 

「ごめん、ちょっとトイレ」

「あ、オレも」

「うん、ここで待ってるね」

 

とオレと遥がトイレへ寄って戻ってみると、光がいなかった

 

「あれ、どこ行った?」

「光!」

 

オレと遥は手分けして探すことにした

そしてあるビルから光と男性2人が出てくるのが見えた

 

「光!」

「あ、神くん」

「このバカ!どこ行ってたんだ!心配したんでぞ!」

「ごめん、ちょっとスカウトされてて」

「スカウト?知らない人について行っちゃダメだろ!」

 

光に注意していると男性2人がオレの正体に気づいたのか

 

「し、神様!」

「ひ、光ちゃん…君、名字は…」

「あれ、言ってなかったっけ…?」

「とりあえず遥に電話して合流したあと帰るぞ」

 

 

ー帰宅後ー

 

男性の2人が客間に入った途端父さんの前に跪いた

 

「陛下!知らなかったとはいえ光様には大変失礼な態度を取ってしまったことを深くお詫び申し上げます!」

 

メガネをかけた人が謝っている。ハゲたおっさんはずっと頭を伏していた

 

「しかしながらこれもなにかのご縁!光様にはアイドルとして天性の才能を感じざるを得ません!どうか!光様のアイドル活動にご賛同願えないでしょうか!?」

「うん、いいよ」

 

父さん軽いな!いいのかそんな簡単で

 

「やったー!さっすがパパ、話がわかるー」

 

あーりゃりゃ、父さん軽すぎて2人が呆然としちゃってるよ…まぁ父さんが許すならオレは何も言うまい。だが…

 

「光…どこに行く……」

「えっ…?」

「そこに座れ…お説教の時間だ」

 

アイドルになるのを許してもらって終わりだと思ったか?残念、オレからのお説教タイムの始まりだ

 

その後オレは小1時間ほど光に説教した

 

 

 




ー余談ー

テレビでは光がアイドルとしての現役アイドルのさっちゃん?と一緒に写っているのが放送されていた

「年齢を若くサバ読むのはあるけど上って珍しいよね」
「まぁね」
「かわいい衣装だね」
「茜もアイドルやるか?」
「やりません…」
「ていうか選挙目的に始めたのに、年齢偽ってたら意味なくね?」
「あ…」

オレの指摘に固まる光


などとは正直どうでもいい。光がやりたいのならオレは応援する
だが問題はこの状況だ

「だー!もう!いつも言ってんだろ!奏!岬!腕にへばりつくな!」

今オレはソファに座ってテレビを見ているんだが奏と岬が両腕にへばりついてくる。しかも膝の上には栞が乗っている

「兄様ダメ…?」
「いや、栞はいいんだよ」
「栞はよくてなんで私はダメなんですかお兄様?岬は離れなさい」
「そうだよ神にぃ、あたしもいいじゃん!かなねぇこそ離れなよ」
「お前らは歳を考えろって」

そうこうしていいるとオレの話そっちのけで奏と岬の言い争いが始まった

「勘弁してくれ」

最終的に離してはくれなかった



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番外編 奏とデート


奏のキャラ崩壊してますのでご注意を




ーとある休日ー

 

みなさんこんにちは、桜田神です

今日はですね、なんか知らんけど奏とデ…お出かけすることになりました。なぜこんなことになったかと言いますと前日に遡ります

 

 

 

ー前日ー

 

「岬このごろ神兄様にベタベタしすぎよ!もうちょっと自重しなさい!」

「それかなねぇに言われたくないよ!」

 

奏と岬がオレを挟んで言い争っている。オレとしては2人とも自重してほしいのだが……

 

「岬ももう中学生なんだからそろそろ兄離れしなさいよ!」

「そんなこと言ったらかなねぇだって高校生にもなって兄離れできてないじゃん!」

「2人とも兄離れしなよ」

『お兄様(神にぃ)は黙ってて!』

 

うちはあんまりケンカとかしない兄妹なんだが、たまにやるとどっちも引かないんだよなぁ

てか栞泣きそうじゃん!これは何とかせなば…

 

「あー2人とももうやめろ そしたら今度どっか連れてってやるから」

『ほんと!?』

「えっ…あ、あー…ほんとだ」

「約束ですよ?お兄様♪」

「絶対だからね?神にぃ♪」

 

やべ…変なこと口走っちまった。はぁ…めんどくさいことになったな

 

 

 

 

 

てな感じのことになってしまい、今の状況に至ります

てなわけで今は奏と待ち合わせた場所にいる。どうせ家一緒なんだから待ち合わせの必要なくね?と思って奏に言ってみたのだが

 

「女の子にはいろいろあるんです」

 

と一蹴されてしまった。うーん、よくわからん

そんなことを考えていると奏がこっちにくるのが見えた

 

「すみませんお兄様!お待たせしました!」

「いや、大丈夫だぞ」

「お優しいですね♪」

「そんなことねぇよ」

「あの、1つお願いが…」

「ん?」

「今日だけお兄ちゃんと呼ばせていただいてもよろしいですか?」

「なんだ?ちょっと昔の奏に戻るのか?」

「い、いいじゃないですか!///」

「ま、いいけどよ。んでどこ行く?」

「まずは映画観に行こ♪」

「口調も昔に戻るのな」

「っ!///早く行くよ!///」

「はいはい」

 

いつもの礼儀正しくキリっとした奏ではなく、昔オレに甘えていたときの口調になってこれはこれで嬉しいものだな

そう思いながら歩いているといつものように奏が腕を組んできた

 

「だからそんな腕組むなって」

「いいじゃない♪せっかくのデートなんだから♪」

「変に誤解されたらどうすんだよ…」

「大丈夫よ、みんな私たちのこと兄妹だってわかってるから」

「はぁ…そういえばその服見たことなかったな、よく似合ってるぞ(ニコッ)」

「あ、ありがとう///」

 

照れてるのか下を向く奏

そんなこんなしてるうちに映画観に着いた

 

「何見るんだ?」

「これ!」

「わかった ちょっと待ってろ、買ってくる」

「え、私も払うわよ」

「こんなときくらいカッコつけさせてくれ」

 

頭を撫でながらそう言ってオレはチケットを買いに行く

 

「ほれ買ってきたぞ」

「ありがとうお兄ちゃん♪」

「おう、もう入れんのか?」

「なら行こっ」

 

話の内容をまったく知らず入ったがこの映画は兄妹の恋愛映画だった。奏のやつ最初から知ってたな…でも話的には感動ものでありつつ笑いもあってなかなかおもしろかった

 

「おもしろかったね」

「そうだな、もう昼だしご飯行くか?」

「うん」

 

時間も時間だったからオレらは移動し洋風のレストランに入った

 

「いらっしゃいませ……神様!奏様!た、ただいま特別席をご用意いたします!」

「いや、今日はプライベートできてるので普通の席で大丈夫です」

「お気遣い感謝しいます!ではこちらへ」

 

オレらは王族のため入る店では大抵こういう対応をされてしまう

席に案内され注文を済ませる。奏はオムライスでオレはハンバーグだ

 

「お兄様一口いただけませんか?」

「ん?あーいいぞ」

 

口調が戻った。大勢の前だからか…などと思いながらハンバーグの皿を奏の方に寄せようとすると、奏が目を瞑って口を開けている

 

「え…?」

「あーん」

「わかったよ…ほれ」

「ん…美味しいですね♪」

「お前口調は戻すのに何でこれはするんだよ。周りの目とか気にならないのか?」

「大丈夫ですよ♪別に悪いことしてるわけではないんですから」

「それはそうだが…」

 

 

ー数分後ー

 

お昼も食べ終え奏が服を見たいと言うのでいろいろ見てまわっている

 

「これかわいい!」

「そうだな」

「あ、これもいい!」

「そうだな」

「もう!もうちょっと他にないの?」

「オレはこう言うのわかんねんだよ」

 

オレに女性もののファッションセンスはない

 

「そろそろ時間だし帰るぞ」

「うん」

 

何か名残惜しいのかあまり帰りたくなさそうだ

 

 

 

帰り道、オレはあるものを奏に渡す

 

「ほれ」

「何これ?」

「開けてみ」

「うん」

 

奏はそっと包みを開ける、それはハート形のネックレス

 

「これ!」

「さっき欲しそうに見てただろ、今日はオレも楽しかったからそのお礼な。でもみんなには内緒だぞ?」

 

さっき買い物してる最中通ったアクセサリー店で奏が欲しそうに見てたから、トイレに行くフリをして買っておいたのだ

 

「ありがとう!お兄ちゃん!」

 

奏は今日最高の笑顔を見せた

 

 




ー余談ー

奏とのお出かけから帰ってきたら茜が寄ってきた

「かなちゃんとのデートはどうだった?」
「デートじゃねぇよ」
「どっちでもいいから」
「まぁ楽しかったぞ」
「そっか(かなちゃんすっごい笑顔だったな)」
「神にぃ!次は私だからね!」
「わかったよ」

茜と話していると岬が飛びついてきた。輝や栞なら大丈夫だがさすがに岬になると危ないからやめてほしいのだが…

「そういえばデートのこと花蓮に話したら『私も行きたい!』って言ってたよ?」
「はぁ!?なんでだよ!」
「花蓮て誰!?神にぃ!」
「茜の友達だよ、覚えてないのか?」
「あー」
「とりあえずそういうことだから、頑張ってね」
「マジかよ…」



一方奏の部屋

「お兄ちゃん♪」

奏がもらったネックレスの箱を抱きながらベッドで身悶えていた



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第5話


遅くなってすみません




今日は朝から朝礼があるため全校生徒が体育館に集まっている

なんか1、2年の方がざわざわしてるな

 

「そういえば生徒会長って見たことないな」

「1年生って噂だぜ?」

「1年で会長になれんのかよ」

 

あーそういうことね

この学校の生徒会長はオレのクラスのやつなんだが、少し体が弱くてよく体調悪くなって休むんだよな…そういえば今日まだ見てねぇな。大丈夫か?

そんなことを考えていると壇上に生徒会副会長である奏が上がった

 

「まずみなさんに報告があります。来週末全校生徒をあげて町内清掃を実施します。」

 

町内清掃か…茜は大丈夫か……?

てかこれって"あいつら"動くんじゃね…?うーん…ちょっと様子見に行くか

 

 

昼休みその団体の長の様子を見に1年生の教室を訪ねる

 

「えっと…」

『きゃー!!神様!!!』

「あー…こんにちわ…」

 

きたはいいがすぐに1年生に囲まれてしまった

 

「みんな落ち着け、とりあえず離れてくれ…あ、花蓮!」

 

囲んでくる1年生を落ち着かせ教室に戻らせると廊下をこっちに歩いてくる花蓮を見つける

オレに気づいた花蓮はなんかすっごい笑顔になってこっちに走ってきた。廊下を走ってはいけませんよ…

 

「神にぃ!」

「よっ」

「どうしたの?ここにくるなんて珍しいね。茜?」

「あーまぁそれもあるんだが…花蓮、福品ってやつ知ってるか?」

「うん、おんなじクラスだよ?」

「そいつどこにいるか知らないか?」

「うーん、教室にいないならちょっとわからないや」

「そっか(いないってことは…さては奏のとこか?)」

「ごめんね」

「いや、いないってわかっただけでも十分。助かったよ」

 

オレはそう言って花蓮の頭を撫でてやった

 

「〜///」

「おっとわりー、またやっちまった」

「えっ///ううん大丈夫///」

 

そうは言っているが頬が赤い

 

「そういえば茜からデートの話聞いた?」

「え、あー一応聞いたが…」

「行かないとかなしだからね?♪」

「わ、わかった…」

「日にちはまた連絡するから」

「お、おう…じゃあありがとな」

「バイバイ♪」

 

一方的な約束だが花蓮には日頃から茜が世話になってるし、断れるわけがない

とりあえず気をとりなおして2年の教室へ行くため階段を上ろうとすると上から

 

「冗談じゃない!」

 

でっかい声が聞こえてきた。この声は修か?

階段を駆け上がってみると

 

「…あいつのことは嫌いじゃないがそれとこれとは別だ!」

「冗談です」

「何があったんだ?」

「あ、兄さん」

「お兄様!」

 

奏はオレに駆け寄ろうとしたが、いきなり止まってまわりをキョロキョロ確認して

 

「お兄様!♪」

「うわっ!おい奏、離れろ!」

「誰もいないからいいじゃありませんか♪」

 

誰もいないのを確認して勢いよくオレに突進してきた

 

「とりあえずなにがあったんだ…?」

「かい…福品が茜を嫁にくれって言ってきたんだと」

「マジか…」

「冗談ですってば、今朝の町内清掃の件でした」

「そっか、ならいい」

 

修はそう言って教室に帰って行った

 

「ほら奏、お前も教室に戻りな。福品はもういないんだろ?」

「わかりました…」

 

奏は渋々戻って行った

オレは自分のクラスへ帰ろうとすると

 

「おやおや、珍しい人がいますね」

「ん?」

 

神は下級生に見つかった

 

「おーい櫻田のお兄さんだぞ〜」

 

下級生Aは仲間を呼んだ

 

「こ、こんにちはお義兄さん!あ、お義兄さんだって〜///」

「なになに〜どうしたんですか?」

『あー!神様よー!!!』

 

神は後輩に囲まれた

 

「君は…佐藤さんだったね」

「はい!いつも櫻田君…修君にはお世話になっております!あ、修君だって〜///」

「お、おう」

「それで、弟さんにご用ですか?それとも妹さんにですか?」

「あはは、修にってことはないでしょー」

「えっ!なんで!?」

「神様、せっかくなんで遊んで行きましょうよ!」

「え、えー…」

 

ダメだ、逃げられない。

オレは下級生に連行された…

 

 

やっとのこと逃れて自分の教室に戻ってくると、茜が静流達に遊ばれていた

 

「葵、これどういう状況だ…?」

「あ、神君。茜がここにきて見ての通りに…」

「あ!神ちゃん助けて!」

「つれないなー茜ちゃん」

「もうちょい遊んでこうよー」

「茜、頑張れ…」

 

茜は連れてかれた…南無……

 

「そういえば卯月きたんだな。大丈夫か?」

「はい大丈夫です!ありがとうございます神君!」

 

 

 

ー町内清掃の日ー

 

「それではみなさん、町内をピッカピカにしちゃいましょう〜」

『はーい』

 

お、今日は卯月大丈夫な日だったか

なんか1年生…あれは茜のクラスか、盛り上がってるな

先日に様子を見ようとしていた福品は"茜ファンクラブ"会長なのだ。そのためその会長が委員長やっている茜のクラスは熱気がすごい

ちなみに修が会員No.2らしい。

 

 

 





ー余談ー

町内清掃が終わり家では

「あーつかれたー」
「若いのに情けないわね」

茜がソファに仰向けで寝そべっていた
その茜の上にボルシチが飛び乗る
あ、ボルシチっていうのはこの前光が拾って飼うことになった猫だ

「ボルシチが茜以外の上に乗ってるのって見ないよな」
「いつもご飯あげてるの私だからねー」
「大方そのなだらかさがいいんだろうな」
「うっ!」

修に言われたのがショックなのか涙を流す茜

「なだらかさだったら私もなかなかだよ?ボルシチーおいでー」

光が呼ぶがボルシチは動かない

「こない…」
「茜の方がなだらかだと判断したか」
「えっ!?」

茜はボルシチを降ろし、光の胸を揉み始める

「いずれはくることだとわかってはいたがもう!?早すぎる!これが成長期というやつか…」
「やめてください…」
「茜、家族でも一応オレ達男もいるんだが…」
「揉んでみますか?お兄様?♪」

奏が変なことを言い出した

「やめなさい…」
「神にぃは私の方がいいよね♪」

岬まで悪ノリしてきた

「教育に悪いからやめろ。じゃないと明日から口利かないぞ?」

そう言うとすぐ悪ノリをやめる。まったく…



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第6話


こんな話書いてほしいとかあったら言ってください!




みなさんこんにちは、櫻田神です

いきなりですが今日オレは兄妹全員で海にきています。

 

「それ〜」

「よっとー」

 

光と岬がビーチバレーをしている

光は白を基調として青のボーダー柄のビキニ

岬は黄緑のビキニにショートパンツを履いている

 

その向こうでは茜と修が砂浜に座っている

茜は布の部分が黒で紐の部分が赤いビキニ

修は黒の海パン

 

そのまた向こうでは奏がビーチチェアみたいなのに寝そべっていて遥がパラソルの下で本を読んでいる。

奏は紫のビキニで下にはパレオを巻いている

遥は緑の海パン

 

オレはというと葵と栞、輝と砂の城を作ったり貝殻探したりしています

葵は白のビキニ

栞は葵とおなじがらのワンピース型水着

輝はえんじ色の海パン

とそれぞれみんなにあった水着を着ている

ちなみにオレはカーキ色の海パンだ

 

「ねー、スイカ割りしようよ!」

「いいねー」

「絶対私が割る!」

「スイカ割っちゃうの…?」

「栞!僕に任せておけ!」

 

どうやらスイカ割りをするみたいだ

その横で遥が本に何か書いていたから気になって見てみた

 

「これ何の予測だ?」

「兄さん、スイカを割る確率」

「えっ!栞が80%!?」

 

奏も気になったのかのぞいてきた

 

「まぁ確率であって絶対じゃないからね」

 

奏は不気味な笑いをする

スイカ割りの方は既に始まっていて輝が1番手のようだ

 

「たー!!!」

はずれ

「こっちか!」

またはずれ

「おのれすばしっこいやつめ!」

いやいやスイカは動かんだろ

 

「うー…僕はスイカさえ割れない…やはりジャッカルを解放すべきだったのか」

「輝ー、もっと力を抜かないと」

 

次は光のようだ

 

「えーい!」

はずれ

「いっけないはずしちゃった♪てへ」

「ここで無理にアイドルっぽくせんでもいい」

「こういう積み重ねが大事って松岡さんが言ってたもん」

 

光は…オレら以外誰もいないのにやる必要ないだろ

次は岬か…なんか嫌な予感……

 

「はぁー!…あれ…?」

 

勢いよく振りかぶりすぎてすっぽ抜けてこっちに飛んできた!!!

オレはとっさに能力で砂を操りバットを防ぐ

 

「ごめん!大丈夫!?」

「危うく怪我するとこだったぞ…」

「ごめん…もし神にぃが怪我したらあたしがつきっきりでみてあげるね♪」

 

と言って抱きついてくる

今日は水着だから直に!!!急いで引き離す!

さてスイカ割りの方は…茜か

 

「茜ちゃん頑張って!」

「ファイトです姉上!」

「う、うん!」

 

歩き出す茜

 

「姉上、もっと右です」

「えっ?右?」

「その調子だよ!」

「あー今度は行き過ぎです!」

「ちょっと左」

「えー!えっと行き過ぎで〜ちょっと左!?」

 

せっかく光と輝が教えてくれてるのに…てか振り回されすぎだろ

 

「えいっ!」

案の定はずれ

 

その後修、葵、オレと続いたが誰も当てられなかった。というかオレらは栞に割らせるためにわざとはずしたからな

 

次は奏なんだが周りの声なんか聞こえないかのように全くブレない足取りでスイカに向かっていく。そしてスイカの前に直立しバットを振り上げる

 

「とりゃー!」

 

バットはスイカに当たった…が、スイカは割れない。根性あるなー

 

「まったく…大人気ないぞ奏」

「すいませんお兄様、ちょっと遥の余地を崩してみたくなったんです」

「奏もまだまだお子様だったってことだな」

 

オレは奏の頭を撫でる

 

「なっ!///子供扱いしないでください!///」

「いやいや、こんなことで対抗心燃やしちゃうなんて奏ちゃんは子供だよ(フフッ)」

「そんなことありません!///」

 

顔を赤くしながらオレの胸をポカポカ叩いてくる。ちょっとからかいすぎたか

 

「あはは、ごめんごめん」

「もう知りません!」

 

頬を膨れさせてそっぽを向く奏。まぁ少ししたら治るだろ…そう思いスイカ割りの方に目をやると栞がバットをスイカにそっと当てた

 

「あれじゃ割れないわね」

 

その瞬間、スイカは綺麗にパカっと割れた

 

「うそっ!?」

「よしっ!」

「ちょっと綺麗すぎない?」

「スイカさん…」

 

その後みんなで美味しくいただきました

 

 

 

少し休憩をして光がまたビーチバレーをやると言い出したので、光、岬、茜でやっていると光がボールを飛ばしすぎてしまいそれを茜が追っていく

 

「待て茜!その先はダメだ!」

「大丈夫だいじょう…ほべっ!」

 

茜が何かにぶつかった

 

「いたー…なにこれ?」

「気づかれちゃったな修」

「そうだな、ここは南の島なんかじゃない…近所の近くに建てたプレハブの中だ」

『えー!』

「騙してたの!?」

「それは違うんだ岬…オレら兄妹が海なんて行ったら警備とか大変なんだ」

「それは…」

「少しでもオレ達にバカンスを楽しんでほしいっていう父さんの気持ちもわかってほしいんだ」

 

そう言いながら頭を撫でる

 

「わかった・・」

「ありがと」

「でももう少しバレない努力をしてほしかったよ!」

 

光がプンプンして言ってきた

 

「安心しろ。砂と海水は本物だ」

「ならいっか」

 

修の説明に丸め込まれた光

そうするとプレハブの壁を叩き始めた

 

「でもほんとよくできてるね。テレビ局でこんなの見たことあるよ」

 

輝まで叩き出し、茜がひと叩きした瞬間プレハブが壊れて開いてしまった

 

「いやー!見ないでー!」

「大丈夫だぞ茜」

「え?」

「こんなこともあろうかとオレが能力使って見えなくしといた。前にも見たろ?透明人間、あれと同じ」

「でも恥ずかしい!」

「なら…よっ!」

 

オレはさらに能力で風を使ってプレハブを戻す

 

「これでいいか?」

「神ちゃんありがと!」

 

 

まだしばし楽しい時間は続いた

 

 

ーその夜ー

 

「海楽しかったー、神ちゃんありがとね!」

「おう」

 

今日のことを茜と話していると遥の声がしてきた

 

「あーもう…またこんなに増えてる」

「遥なにしてるのかな?」

「なんだろうな」

「行ってみよう」

「勝手に入っちゃ…」

「えっ!」

「岬か?こんなときに声かけ…うわー!!!!」

「ぎゃー!!!」

 

バタンッ!

遥は茜にビックリするのと同時に見ていたパソコンを閉じる

 

「ね、姉さん…いつからそこに…」

「い、今さっき…かな」

「見た…?」

「え…?」

「見た!?」

「み、見てない…」

「見たね!」

 

遥はめちゃくちゃ焦ってるな

 

「遥、入っていいか?」

「神兄さん、うん」

「ねぇ遥、見間違いかな?今…」

「その前に茜、ノックもしないで入ったことを謝んなさい」

「うっ…ごめん遥」

「ていうかいたなら止めてよ兄さん!」

「止める前に入っちゃったし…すまん」

「それで今、私の写真があったように見えたんだけど…」

「今のは…あれだよ…ほら、姉さんのそっくりさん…だよ」

 

無茶だな…茜にもそれは効いてないぞ

 

「遥、それは茜には言えないことなのか?」

「それは…」

 

遥が言葉を詰まらせていると

 

「もしもし岬?遥が…」

「あー待って!誰にも言えないことなんだ!できればこのことは忘れてh…」

 

茜が携帯で岬にかけようとする

 

「少し時間をください!」

 

まだ遥は岬に弄られてるからなぁ

 

「時間切れ」

「もうひとこえください!」

「遥がどうしたの?」

「ぎゃー!!!」

 

岬がいきなり入ってきて遥が変な声を出す

 

「なんでもないぞ、ちょっとコンビニで炭酸買ってきてくれないか?そしたら風呂のあと髪梳いてやるぞ〜」

「ホントー!行ってきまーす!」

 

遥のために岬の追い出し成功

 

「ありがとう兄さん」

「む〜」

「わかった…言うよ」

 

そう言ってパソコンを開く遥

 

「姉さんはネットとか使わないから知らないと思うけど、これは数ある櫻田家のファンサイトの1つで…」

「え?」

「アップされる姉さんの画像を僕が削除申請してたんだ」

「つ、つまり…?」

「ファンサイトっていうのは僕らのファンが非公式に開いているサイトで撮った写真をアップしたり、僕達のことでおしゃべりしたりできるもので…娯楽の一環として国は容認してるけど、恥ずかしがり屋の姉さんには見れないだろうって隠してたんだ」

「おしゃべりって例えば?」

「まぁ可愛いとか、ここが好きだとか…見えただの見えなかっただの…」

「見えったって何が…はっ!」

 

感づいたのか顔を真っ赤にする茜

 

「茜がスカートで飛び跳ねまくるからだな」

「私もうお外行けないよー!!!」

 

まぁこれを機に少し注意してくれればいっか

 

 





ー余談ー

「神にぃ♪お願〜い♪」
「はいはい」

オレはさっき約束した通り岬が風呂に入ったので髪を梳いてやる

「岬はいつもは髪縛ってるけど解くと長いよな」
「そうだねー手入れとか大変なんだよ」

会話をしながらやっていると

「どういうことですかお兄様?」
「ん?これ…」
「どういうことってーあたし達には普通だよねー♪」

なんか体をピクピクさせてる奏に喋ろうとすると岬が遮る

「かなねぇ邪魔しないでよー神にぃ早く続き〜♪」
「み・さ・き〜…」
「まて奏、これはほんとに約束したことなんだ」

奏はまだ納得してないみたいだが一応引いてくれた

「ん〜♪神にぃうまいね」
「そっか?」
「うん!これから毎日頼もうかな〜」
「それは勘弁してくれ」
「冗談だよ、でもたまにはお願いね♪」

オレに変な仕事ができてしまった


その後奏に問い詰められ、奏にもたまに梳いてあげることになってしまった…




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第7話



岬についてです




学校を終えオレは今岬と遥の中学校へ向かっている。なんでそんなところに行くかというと、なんかインタビューがあってそれにオレと岬が答えることになっている。ほんとはこういうインタビューには長男長女が答えるのだが葵は生徒会の手伝い、奏も生徒会、茜はあれだから…ということで岬が担当することが多い

 

中学に着くと外ではいろんな部活がやってる

ん?あそこで野球やってるのって

 

「うぉーりゃ!」

 

岬の能力の分身の1人、[憤怒の化身]ユニコがいた

 

「よっしゃー!」

「ユニコナイスバッティー」

「おー神にぃ!サンキュー!」

 

はたまたサッカーしてるのは[傲慢の化身]ライオだ

 

「ごめんあそばせ!」

「ライオナイスシュート」

「あら神兄様、ありがとうですわ!」

 

ユニコとライオがいるってことは他もいるのか?まだ時間あるし見て回ってみるか。そう思って校内へ入る

 

「さてどこにいるか一番わかりやすいのは…ブブだな」

 

あいつなら食事に関するとこに行けばいるだろ。と思い料理部に言ってみると案の定いた

 

「はむっ」

 

そこで[暴食の化身]ブブが作ってあるものを片っ端に食っていた。あんなに食って岬自身の体重は増えねーのかな

次に体育館に言ってみるとそこに[嫉妬の化身]レヴィがいた

 

「シンデレラ、許せない」

 

流石嫉妬の化身。嫉妬役は完璧だな

他には全く見当がつかなかったため校内をうろうろしてみることにした。そしたらある教室から

 

「王手!」

「ま、まいりました」

 

聞き覚えがある声がすると思ってのぞいてみると[強欲の化身]イナリが将棋を指していた

また歩いていると今度は美術室のドアが開けっぱなしになっていたので中を見てみると[怠慢の化身]ベルが寝てた。あーあ、よだれ垂らしてだらしがない…てかなんでそんなんでデッサンのモデルなんてしてんだ…?

 

その後も歩いていると今度は茶道部から

 

「おひとつどうぞ」

 

中からなにやら色っぽい声が聞こえてくる。どうやら[色欲の化身]シャウラはここにいるらしい。覗くのもあれだからそのまま素通りする

全員見つけたことだしさっき岬から連絡があった視聴覚室に行くか…視聴覚室ってどこだっけ……

 

 

 

コンコン

「失礼します」

「あ、神にぃ」

「神様!この度はありがとうございます!」

「いえ。すみません、もう始まっちゃってました?」

「まだだよ」

「ならよかった」

 

少し迷ったから遅れたと思ったがまだ始まってなくてよかった。そしてインタビューが始まって少しすると

 

「葵姉さんと奏姉さんは家でもしっかり者ですけど、茜姉さんは家だと癒されるっていうかムードメーカーですね」

「なるほど、では次にお姉様方は大変優秀な方々ですが…」

「岬〜」

「ん?」

「部活の助っ人終わったよー」

 

分身達が戻ってきた

 

「お疲れー」

「ちょっと押すなよ」

「痛っ!今足踏んだでしょ」

 

一気に入ってきたのかひっちゃかめっちゃかになっている

分身は岬の感情を分裂したものでそれぞれ特技があるからよく部活の助っ人をやってるらしい

 

「よーお前ら…ちっとは落ち着け」

「あ、ちょっと」

「なんですの?くだらない質問ばかりですわね」

「こら、返しなさい」

「もっと他に聞きたいことはありませんの?例えば今日の下着のい…ビシッ」

「言わんでいい」

「し・ん・に・ぃ〜♪」

「ん?シャウラ、茶道部の助っ人お疲れ」

「あら、なんで知ってるのかしら?」

「さっき通ったら声がしたからな」

「声でわかるなんて、流石神にぃね♡」

「やめなさい!」

「や〜ん」

 

ソファの後ろからオレの首に腕を回しているシャウラを引き離す岬

分身を戻し引き続きインタビューを受ける

 

 

 

 

インタビューも終わり岬と一緒に帰る。遥は先に帰ったのか?下校しようとするとさっき分身が助っ人をやっていた部活の面々から感謝の言葉をもらっていた。だが、その中で少し思う言葉があった…岬は少し悲しい顔をしている

 

「ただいまー」

「ただいま」

「あ、おかえり。ちょうどよかった、あとで間島さんくるって…またお願いできる?」

「インタビュー?」

「うん、葵お姉ちゃんもかなちゃんもまだ帰ってなくて…お願い!」

「そう…わかった」

 

帰ってもインタビューがあるらしい。茜から頼まれてまた岬がやることになった

お互い自分の部屋に戻って少ししたらベルが入ってきてオレのベッドで寝始めた

 

「おい、何やってんの…」

「寝る」

「てかなんで分身してんだ?」

「zzz」

「てもう寝てんのかよ…はぁ、仕方ねぇ」

 

オレはベルをお姫様抱っこして岬と遥の部屋に行く

 

「岬ー遥ー入っていいか?」

「兄さん?いいよ」

「てか開けてくれ」

 

そう言うと遥がドアを開けてくれた

 

『あー!』

「兄さん…」

「し、仕方ねぇだろ、寝ちゃったんだから」

「神にぃ〜、私もお姫様抱っこされた〜い」

「あーもう!全員座れ!あたしの愚痴を聞いてもらうために呼んだんだから聞きなさいよ!」

 

自分の愚痴を聞かせるために能力使ったのか!?

 

「自分に自分の愚痴を聞かせても仕方ないと思うのですが」

「どうせしょうもないことなんでしょ。贅沢の極みね」

「そうそう、もっと気楽に行きましょうよ♪」

「座れっつてんでしょ!」

 

まだオレに抱きついていたシャウラに岬が叫ぶ

 

「もういいですー!わかりましたー!みなさんどうぞご勝手にー!」

「ごめ〜ん、悪かったわよ。話聞くから」

「一旦落ち着きなさいよ」

「食べる?」

「うるさい!どうせいつも頼られるのは分身のあんた達で、私は誰からも必要とされてないんだ!」

「おいおい、一体なにがあったんだ?」

 

なぜか機嫌の悪い岬はどうしたんだ…

 

「唐突にどうしたんだよ?今日も学校でモテモテだったじゃん」

「だから!それはあたしじゃなくてあんた達でしょ!あたしはあんた達のおまけかっつーの!」

 

あーそういうことか…そう思っていると

 

コンコン

「岬、間島さんきたんでお願いね」

「やだ」

「うん、じゃあ下で待って……えっ!!」

 

岬の反応に驚く茜

 

「は、反抗期キター!!!」

 

茜はいつも間が悪いな…

 

「あたしじゃなくてもいいじゃん、あかねぇか神にぃやってきてよ」

「む、無理だよ!こういうのは岬が…」

「まままま茜ちゃん、今日のところは私がやるから〜」

「え、でもー」

「いいからいいから〜さ、行こ〜」

「え、ちょっ…」

 

バタン

とりあえずシャウラがやるようだ

 

「あのさー、必要とされてないって言うけど…」

「ごめん、それあたしのわがまま。あたしって運動も頭もスタイルも全部平均で、なんでもできるお姉ちゃん達やあんた達が羨ましかった。もういいんだー普通のあたしがあんた達みたいになれる訳ないんだもんねー」

 

おいおい、普通の人間が分裂とかするかよ……

 

「なーに言ってんだ。自分はおまけとかほざいてるけど、私達みんな岬の一部なんだぞ!」

 

ユニコ、いいこと言うじゃん!

 

「今の何が嫌なんだ?岬、普通のなにが悪い?オレは今の岬が大好きなんだぞ?岬が今の岬じゃなくなったらオレは困る。それに要は…」

「岬!やっぱダメ!この子ったら…え、エッチなことばっか言うんだもん…!岬なら社交性あるし、客観的にみんなのこと表現できるし、エッチなことも言わないし!岬じゃないとダメんなんだよー!」

 

要は適材適所なんだよ

 

「神にぃ〜、茜ちゃんにめちゃくちゃ怒られちゃった。慰めて♪」

「そこ!どさくさに紛れてなにやってんの!」

「ふふっあなたがしたいと思っていることをしているまでよ〜」

「神にぃに抱きつくのはあたしだけでいいの!だからあんたはやんなくていいの!!離れなさい!」

「や〜ん」

 

オレに抱きついていたシャウラを引っぺがす岬

 

「あー行けばいいんでしょ!行けば!あたしがいないとみんなダメダメなんだから」

「岬ー!」

「はいはい自由時間終わり!全員中に戻れ…ん?」

 

部屋には分身が6人しかいない

 

「あいつどこ行ったー!!!」

 

いつもの岬に戻ったようでよかった

 





ー余談ー

「神にぃ、さっきはありがと」
「おう、インタビューはもう終わったのか?」
「うん、さっき」

インタビューを終えた岬がさっきのお礼を言ってきた。お礼なんていいのにな

「それで神にぃ、さっきのってほんと…?」
「さっきのって?」
「あたしが好きって…」
「あー」

オレは一呼吸置く。そして岬の頭に手をのせ

「当たり前だろ。お前のことは大好きだぞ(家族として)」

岬は下を向いているがいきなり
チュッ
「へへっ///あたしも神にぃだーい好き!♡(男女の意味)」

岬はオレの頬にキスしてきた

「おい…いくら家族でも……」

言い終わる前に岬は部屋に入ってしまった…まぁ元気になったならいいか……



ー岬の部屋ー

「ー!/// あたし大変なことしちゃった!/// 明日からどんな顔してあったらいいのかわかんない!!!///」

岬は顔を真っ赤にして布団に包まっていた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ましまさんの漢字がわかんなかったので勝手につけちゃいました
感想とかあったらお願いします!




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第8話

今回少し短いです


夏も過ぎ国王選挙まであと半年。今日はなんとあの茜が選挙活動として演説をやるとのことなのでそれを見にきてる

 

「えー…ご通行の皆様、お騒がせしております。櫻田茜です。人前に出るのは…あまり…得意じゃないんですけど…精一杯がんばります。だ、だから…その、えっと…櫻田茜をお願いします」

『茜様ー!』

「ひっ!」

 

茜はきていた親衛隊の奴らに名前を叫ばれてビックリしてマイクを落とした。キーンて頭に響く!そしてなぜか葵と修が茜の演説の手伝いをしているようだ

 

 

 

その夜、家ではその演説の様子がテレビでやっていた

 

「へぇ〜、あかねぇ街頭演説なんて始めたんだ」

「い、一応ね」

「なんで急に」

 

恥ずかしかったのかその時のことを思い出して顔を手で隠す茜

 

「ネットで画像がアップされてたのがショックだったみたいで」

「私がんばる!私が王様になったらネットもガンガン規制するから」

「どうなの?それ」

 

そうしてると輝が

 

「僕も選挙用にチラシを作りました!」

 

輝の作ったチラシには諸悪の根源を絶滅し世界の終末に導くとある。少し言葉足らずで世界を終わりに導いちゃってるが悪くはないと思う。みんな何かしら選挙に向けていろいろやってるんだな。オレはというと別に何もしていない。オレは特に国王になりたいと思わないからな

 

「修ちゃんは何かやらないの?」

「オレか?意味を見出せないからなー王様になる」

 

岬から聞かれたことに答える修。岬は何か困っているようだった

 

 

 

 

 

ーある休日ー

今日は休日でオレは暇だったから今修の部活の練習試合を見にきている

 

「へー、なかなか人来てるんだな」

「そうですね」

「で、なんで奏がいるんだ?」

「細かいことはいいじゃないですか♪」

 

なぜか奏もついてきた。そして腕を組んでいる

 

「修ちゃん、楽しそう」

「そだな」

「…お兄ちゃん、ありがとね」

「ん?いきなりどうしたんだ?」

「あのときお兄ちゃんがいなかったら今頃修ちゃんは…」

「まぁ過ぎたことだし、弟と妹を守るのはお兄ちゃんの仕事だからな(ニコッ)」

「〜!///」

 

オレは謝ってくる奏の頭を撫でる。なぜ奏はこんなことを言い出したのか…それは12年前に遡る……

 

 

ー12年前ー

 

「茜、お外で遊びましょう!」

「ダメだよ、母さんに留守番してろって言われただろ?」

「私はお外で遊びたいの!修ちゃん達がこないなら私と茜で行っちゃいますからね!」

「あー待てよ奏」

 

ある日奏が外で遊びに行きたいと聞かなかった。オレや修が止めるのも聞かず茜を連れて行ってしまったのだ。そしてオレと修も一緒に公園に行ったのだ

夕方になっても奏は帰ろうとはしなかった

 

「おーいそろそろ帰ろうよ」

「私達はまだ遊んでいたいの!」

「母さんに怒られるぞ」

「私帰る」

「えっ!?ちょっと待って茜!いいものを出してあげますわ」

「いいもの?」

 

そう言って奏はアニメの変身セットを出した

 

「わー!これお母さんに見せてくる」

「えっ!!茜見てて、とびきりすごいものを出してあげますわ!」

 

次に奏はでっかい城を生成した

 

「うわー!おっきなお城!」

「どう?すごいでしょ!」

「入っていい?」

「もちろん」

 

しかし階段がなかった

 

「ほら貯金がなくなったんだ」

「入れないの…」

「仕方ない、オレが瞬間移動で連れてってやるよ」

「それかオレが階段作ろうか?」

「ほんと?」

「待って!私が階段を生成しますわ!」

「貯金ないんだろ?」

「大丈夫ですわ!」

 

奏は無理やり階段を生成した。しかしそのとき、城のを支えている柱が何本か消えてしまい城が崩れて茜に落ちようとしていた

 

「茜ー!!!!」

 

修が茜を助けようと飛び出して行ったがこのままだと修が下敷きになってしまう

 

「っ!……あれ?」

「…3人とも…大丈夫か……?」

「兄さん!」「お兄ちゃん!」「お兄様!」

 

3人は土のドームで覆われ、城の瓦礫は風で浮いていた

 

「…修……早く…移動しろ……オレも、そう…もたない…」

「わかった!」

 

オレは3人が移動したのを確認し能力を解除した

 

「兄さんありがと!」

「はぁ…はぁ…あ、あぁ…」

 

バタン

そこでオレは気を失って倒れてしまった。目覚めたら病院で寝ていた

 

「お兄ちゃん!!!」

 

起きた瞬間奏が泣きながら抱きついてきた

 

「ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!」

「あぁ大丈夫だ」

 

大声をあげて泣いている奏の頭を撫でながら声をかける

その後別に大した怪我や能力による後遺症はなかったのですぐに退院できた

 

 

 

 

「オレも3人も怪我がなかったし忘れろとは言わないが気にするな」

「うん…///」

 

その後修達の学校が勝って試合は終わった

 

 




ー余談ー

修の練習試合を見た後の帰り道

「奏、お前は何のために王様になるんだ?」
「私の私による私のための国家を作るためです」
「…マジか……」
「冗談です♪」
「じゃあなんだよ」
「秘密です♪」

奏が何を考えているのかわからなくなってしまった

「(兄弟同士で結婚できるようにするため)です…」
「ん?なんか言ったか?」
「な、なんでもないです!///」
「そっか」

夕日のせいか奏の顔が赤くなっているように見えた

「いい加減離しなさい」
「嫌です♪」

最終的に帰宅するまで腕を組まれたままだった…



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番外編2 岬とデート

岬とのデートです
描写とかうまく書けてなかったらすいません



 みなさんこんにちは、櫻田神です。時間は朝10時10分前。今オレはとある公園のベンチに座っています。なぜこんなとこにいるのかといいますと、今日は岬と出かけることになったからです。この前の奏のときと同じで家から一緒に出るのではなく別の場所で待ち合わせになった。やっぱり女子ってわかんねぇなー

 とグダグダ考えているうちに10時になり、岬がこっちに走ってきた

 

「神にぃごめーん!お待たせ」

「それは別にいいんだが…何やってんだ?シャウラ」

「あら〜バレちゃった〜」ギュッ

「こらー!!そこまでは許してなーい!!!」

「あん♡」

 

あとからやってきた本物の岬がシャウラを引っぺがす

 

「でもどうしてわかったの?」

「オレがどんだけお前のこと見てると思ってるんだ。分身との見分けぐらいできる」

「〜///」

「さすが神にぃね〜♪じゃあこのままあたしとデートしましょ?♡」

「こらー!!!」

 

また腕を組んできたシャウラに叫ぶ岬

 

「もういいから中に戻れ」

「はぁい」

 

シャウラを中に戻した岬になんでこんなことを聞いてみた

 

「えっと…昨日の夜みんなで今日の相談会をやってて、そこでシャウラがこのことを思いついたの」

「それでやってみたと」

「うん」

「でも岬がこんなこと許すなんて珍しいな」

「ジャンケンで負けた」

「あぁそう」

 

ジャンケンて…考えてること共有できんだから何出すか筒抜けだと思うんだが

 

「でも…なんか嬉しかった///」

「そうか」

 

そう返事して頭を撫でる

 

「じゃあ行くか」

「うん♪」

「そういえば、今日は髪おろしてるんだな」

「え…う、うん。変…かな?」

「いや、いつもより大人っぽくていいと思うぞ(ニコッ)」

「あ、ありがと///」

「そんでどこ行くよ?」

「行きたいとこあるんだー♪」

 

そう言ってオレの手を引っ張る岬

 

 

 

所変わってここは…

 

「水族館か」

「そ♪久しぶりでしょ?」

「そだな。最後にきたのはいつだったかな」

「じゃ行こ♪」

「おい、引っ張るなよ」

 

岬に導かれながら館内に入る。岬はよっぽどここにくるのが楽しみだったのかすごいルンルン気分のようだ

 

「わぁ〜神にぃ見て見て!かわいい!」

「そだな」

「この子すぐ隠れちゃう。あかねぇみたい♪」

「色も赤いし、ほんと茜みたいだな」

 

その後もいろいろ回って岬は常時笑顔だった。それだけでも今日きてよかった

 

「神にぃ!イルカショーだって!行ってみよ!」

「わかったわかった」

 

これからイルカショーが行われるみたいで、その案内を見た岬は目をキラキラさせながらオレにせがんでくる。まだまだ子供よのぅ

会場には既に大勢の人がいた。しかしなぜだか前列は空いている

 

「神にぃ神にぃ、1番前で見よっ!」

「わかったから引っ張るな」

 

最前列で見ることになった。

ショーが始まりイルカ達が技を見せていくその場その場で大きい歓声が上がる。

そしてショーも終わりに差し掛かったころ、飼育員さんの合図でイルカ達はこっちに水を飛ばしてきた

 

「きゃっ!」

 

しかしオレの能力によってオレと岬には水がかからないようにした

 

「神にぃ?」

「だから前列には誰もいなかったのか」

 

オレは水を水槽に戻す。するとオレらに気づいたのかスタッフがこっちにきた

 

「申し訳ありません!」

「いや、大丈夫ですので」

「気にしないでください」

「ありがとうございます!それと大変恐縮なのですが、よろしければお手伝いとしてご出演して頂きたく存じます!」

「うーん...どうする?岬」

「あたしは別にいいよ」

「じゃあいいですよ」

「ありがとうございます!それではこちらに」

 

そしてオレと岬はイルカショーに出ることになった

 

「みなさん!お待たせいたしました!こちらにはなんと櫻田家長男の神様と4女の岬様におこしいただきました!」

「こんにちはー!」

「どうも」

「お二方にはこれからイルカ達に指示を出していただきます!」

 

事前にサインを教わっていたので岬がそれ通りにやろうとしたがオレが一度止める。ちょっとおもしろいこと考えた

 

「どうかされましたか?」

「ちょっとすいません」

 

オレは能力で水の輪っかを作り普通の輪っかのかわりに空中に浮かせる

 

「うわー」

「岬、いいぞ」

「あ、うん!じゃあ、それ!」

 

岬のサインに一斉に動き出し綺麗にジャンプし見事オレのつくった水の輪っかをくぐってくれた。くぐった瞬間にオレは輪っかを破裂させた

 

『わー!!!』パチパチ

 

大歓声と拍手があがる

 

「じゃあ次は岬な」

「え?うわっ!」

 

オレは風を操り岬を上にあるバルーンのところまで運ぶ

 

「そこで手を前に伸ばしとけ」

「わ、わかった」

 

岬が手を前に出したのを確認するとオレは一匹のイルカに合図を出す。イルカは水槽を一周し真ん中で上に向かって大きくジャンプする。すると空中で待っている岬の手に触った

 

『おー!!!』

 

これにも大歓声が湧く

 

「じゃあ最後に…よっ!」

 

岬をおろし、今度は水でイルカが通れるくらいのチューブを何本か作り宙に浮かせる。そしてイルカがそこを通るように水の流れを作る

 

『うぉーーーーー!!!!!!』

 

今日一番の歓声があがる

 

「すごい…すごいよ神にぃ!」

「喜んでもらえてよかったよ」

 

お客さんにも岬にも喜んでもらえてオレもいい気分だ。イルカショーも終わり、スタッフの方から感謝の言葉をかけられオレらはその場をあとにした。

その後も館内を満喫し水族館を出た

 

 

水族館を楽しんだのはいいのだが、のんびり見すぎて既に2時を回っていたので喫茶店で軽く昼をすませ、今は岬がなにか一緒にやりたいことがあるからととあるゲームセンターにきている

 

「これだよ♪」

「これって、プリクラか?」

「そだよ、一緒に撮ろ♪」

「オレ初めてだわ」

「大丈夫大丈夫」

 

岬はそう言ってオレの腕を引いて中に入る。そこではいろいろやらされて正直疲れた。腕を組まされたり、顔を近づけたり、背後から腕を回させられたりと…プリクラってこんなんなのか……最後には、

 

『はいチーズ』

チュッ

「っ!」

 

撮影する瞬間頰に柔らかい感触がした

 

「こーら、そういうのはダメって言ったろ」

「えへへ///」

「まったく、みんなに気づかれないようにしまっとけよ」

「はーい♡」

「はぁ…じゃあ帰るぞ」

「うん!」

 

 

 

 

帰り道に岬を呼ぶ

 

「岬」

「ん?なに?」

「ほれ」

 

オレは水族館で買っておいた携帯ストラップをわたす

 

「神にぃ…これ」

「あ、いらなかったか?欲しそうにみえたから…」

「すっごく嬉しい!ありがと!」

「そっか、それならよかった。それとほれ、おそろい(ニコッ)」

 

そう言って自分の携帯につけている岬にあげたのとお揃いのやつを見せる

 

「ー!///」

 

岬はそれから家に着くまで下を向いたままだった…やっぱ兄貴とお揃いは嫌だったか……

 

 




ー余談ー

帰宅後すぐ岬は自分の部屋に行って出てこなくなってしまった。オレのせいか?などと考えていると

「神君、どうしたの?」
「葵か…岬に悪いことしたなって」
「どういうこと?」
「今日一緒に出かけて帰ってきた途端部屋にこもっちゃったんだ」
「あー、それは…」
「あとで謝ろう」
「はぁ…神君、そんなことする必要ないよ」
「なんでだ?」
「とにかく今はそっとしといてあげて!」
「わ、わかった」

葵が言うならそうするか




ー岬の部屋ー

「神にぃ♡」

自分の机に座って今日撮ったプリクラの写真ともらったストラップを見てめちゃくちゃにやけていた


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第9話

今回原作改変してます




「リビング異常なし」

「浴室異常なし」

「トイレ異常なし」

「屋根裏異常なし」

「地下室異常なし」

「玄関前異常なし」

「裏口異常なし」

「キッチン異常なし」

 

なんか黒いスーツをきた人達が家を念入りにチェックしている。

 

「この人達一体なんなの?パパ」

「いやー、公務とはいえ一晩の間娘3人を残して行くというのは……」

「総ちゃんたら心配性なんだから」

「だから大丈夫だって言ってるでしょ!」

「しかしだな…」

「オレが残るから心配ないよ」

「神」

「そうです!神兄様もいるんだから大丈夫よ」

「だが万が一のことを考えて警備が多いにこしたことはないだろ」

「こんな能力者の巣窟に手を出す奴なんていないだろ」

 

そう言っているにも関わらず航空部隊まで呼ぼうとする父さん。

 

「早く行かないと明日から無視するわよ」

「ひぃっ!」

 

やっと行った。父さんも可愛い娘に無視されるのは嫌らしい。ほんと親バカだな

今日は公務でオレ、奏、岬、栞以外の子供たちも含め家を開けるらしい。なんでオレらは残るかというとオレの体調が少し悪いからだ。昨日までは茜が風邪を引いていたんだが、結構辛そうだったからオレの能力を応用して茜の熱をオレの体に移したのだ。おかげで茜の風邪は治ったのだがオレが茜ほどではないにしても体調を崩してしまったのだ。オレは1人でも大丈夫だって言ったのに3人は残ると聞かなかったのだ。

 

「ほら、お兄様は寝ててください!」

「大丈夫だよ」

「神にぃ寝てなきゃダメだよ!」

「兄様寝てなきゃめっ!」

「わかったよ」

 

栞にまで言われたんじゃ従わないわけにはいかない

 

「みんなありがとな」

 

去り際にそれぞれの頭を撫でてやった

 

 

 

少し寝れたな。今は7時だから1時間ぐらい寝れたか

 

「兄様、ご気分はいかがですか?」

「あぁ、寝たら少し良くなったよ」

「ですがまだ熱がありますよ!ちょっと待っててください!1発で治る万能薬を用意します!」

「待て待て!そこまでしなくても市販の薬で大丈夫だから」

「わかりました…なら最高の名医を生成して…」

「全然わかってねぇじゃねぇか!!!」

「あぅっ!」

 

能力を発動しようとした奏にチョップして止める

 

「もし何か生成したら明日から口聞かねぇからな」

「もうしません!」

「よろしい」

 

そう話していると栞が入ってきた

 

「もうきちゃダメって言ったでしょ…て」

 

チュッ

左頬に柔らかい感触があった

 

「元気が出るおまじない」

「栞、こんなこと誰に教わったんだ?」

「えっとね、お母様とお父様がやってたの。ダメだった…?」

「いや、オレは嬉しいぞ。これで元気100倍だ」

「ほんと?」

「あぁ、でも他の人にやっちゃダメだぞ」

「わかりました兄様!」

「ではお兄様、私からも♪」

チュッ

「こら奏」

「早く元気になってくださいね♪」

 

そして奏と栞は部屋から出て行った

 

 

 

また少し過ぎたころ

 

「神にぃーお粥持ってきたよー」

「おー岬、サンキュー」

 

岬がお粥を持ってきてくれた。そしてベッドの横に座ると

 

「はい神にぃ、あーん」

「え、いや、自分で食べるから…」

「あーん」

「いや、だから…」

「あーん!」

「…わかったよ、ん…」

「どう?」

「うん、美味い」

「よかったーみんなで作ったんだよ♪」

「それはすまなかったな」

「いえいえ♪」

 

最後まで岬に食べさせられなければいけなかっが、お粥は美味かった。その後食べ終わった食器を持った岬が去り際に

 

チュッ

「えへっ///あたしからも元気になるおまじないね♪」

 

そう行ってそそくさと出て行ってしまった

 

 

 

 

みんなの看病のおかげで熱も下がり体調もよくなった

 

「3人ともありがとな」

「大丈夫ですよ♪」

「そうそう♪いつもはあたし達がお世話になりっぱなしなんだから♪」

「兄様元気になってよかった♪」

「栞はそのまま育ってくれ」

「ん?」

 

こんな感じでみんなでリビングでくつろいでいると二階からドンッと音がした

 

「ん?なんだ?」

「今音したよね…」

「ちょっと見てきますね」

「オレも行こうか?」

「お兄様は病み上がりなんですからじっとしていてください」

 

そう言って奏だけ二階に上がっていった。すると…

 

バチバチバチ

「ぎゃーー!!!」

 

電流が走るような音とともに男の叫び声が聞こえてきた。オレは思わず二階に駆け上り声のした部屋に入る

 

「奏どうした!…って修?」

「忘れ物を取りに来たんだ……」

 

その瞬間ガラスが割られ誰かが突入してきた。外を見ると何機かのヘリコプターが飛んでいる

 

「奏様神様の身柄を確保。建物内に脅威は見られません」

「あんた達が脅威だ!」

 

はぁ、おそらく父さんが用意したんだろ。どうやら報告のために突入してきた人が父さんとトランシーバーのようなもので話しているようだ

 

「かわっていただけます…?」

 

やべー、奏の笑顔がいつもの純粋な笑顔じゃない…ご立腹のようだ。父さんドンマイ…

 

「父さん…帰ったら話があります……どうもありがとうございます」

「恐縮です、奏様」

 

あーあ、隊員の人も怯んじゃってるよ。父さん帰ったらどうなるんだろ…

 

 




ー余談ー

隊員の人達が帰って行った後…

「全くお父さんたら」
「まぁオレ達が心配だったんだよ。わかってやってくれ」
「それはわかりますけど…大袈裟なんですよ」
「お前達も親になってみれば父さんの気持ちが少しはわかるかもな」
「「えっ!///」」

奏と岬は顔を赤くする。どうしたんだ?オレの風邪でも移ったか?

「栞は兄様のお嫁さんになりたい♪」
「おー嬉しいこと言ってくれるなぁ栞!」ナデナデ
「えへへ///」
「し、栞!?///」
「さすが末っ子!」
「ん?」

こうして1日が終わった


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第10話

 

こんにちは、櫻田神です。今オレは双子の妹の葵と葵の小さい頃からの友達の静流、菜々緒、卯月の4人と下校している。だが葵がいつもとは違う。サングラスとマスクを装備している。あぁ今日は"あの日"か

 

「葵、大丈夫?」

「(コクコク)」

「葵の花粉症ってランダムにくるよね」

「気をつけてくださいね」

「(コクコク)」

 

葵は3人が言うことにただただ頷くだけだ

 

「そういえば、神は大丈夫なの?」

「オレか?まぁ」

「双子でも体質が違うんですかね」

「頭のよさを全部葵に持っていかれたからな。体の丈夫さはくれたのかもな」

「テストで毎回学年2位が何言ってる。嫌味か!」

 

葵以外でそんなバカな会話をし、途中で別れ帰宅した

 

「ただいまー」

「ただいま」

「あ、神にぃ〜♪」

「うぉっ!シャウラか」

「こらー!」

「やっぱりみんな始まってたんだ。ブレイクアウト」

「なんでこんな能力の暴走期間があ」

 

修が一瞬出てきたがまたどっかへ瞬間移動してしまった

 

「はーい、みんな部屋に戻って。ご飯できたら呼ぶから」

『はーい』

「輝ー庭行くぞ」

「はい兄上!」

 

ブレイクアウト期間。それは能力が暴走して自身で制御できなくなる期間のことだ。オレ達王族は能力があるのだが、その中で一番危険なのが輝だ。ちなみになぜかオレはこの期間中でも能力の制御ができる。だからこの期間中はオレが輝の面倒を見ている。

 

「いつも申し訳ありません!兄上」

「気にするな。みんなはこの期間中何かしらはできるけど輝は我慢するだけ。それはかわいそうだからな」

「ありがとうございます!」

 

輝はオレが作った岩をひたすら殴って壊す。壊れた岩は庭の土に戻しているから何かが壊れて何かがなくなるということはなくなる

 

「とりあえず50個置いとくからなくなったらまた呼んでくれ」

「はい」

 

おれはそう言って母さんの手伝いをしに行く

 

「母さん、手伝うよ」

「あら神君。別に大丈夫よ」

「今日はいつもより量多く作らなきゃいけないんだろ?手伝うよ」

「ふふっ、ありがとう」

 

今日は能力の制御が効かない。ということは岬が増えている。さらにはブブがいるからかなりの量を作らなきゃいけない

料理中ふと母さんが話しかけてきた

 

「神君いつもありがとうね」

「どうしたんだ?急に」

「ん?いつも助かってるからね」

「長男だからな」

「ところで、神君は奏と岬と栞の誰と結婚するのかしら?♪」

「…へっ!?」

「あら、気づいてないわけじゃないんでしょ?」

「…オレ達は兄妹だぞ」

「王様になればどうとでもなるわよ♪」

「…」

 

まったく、何言ってるんだ母さんは…

 

「兄上ー!」

「あいよー、ちょっと行ってくる」

「はいはい」

 

そのニヤケ顔はやめてくれ

 

 

 

ー夕飯ー

 

「みんなー、ご飯できたから降りてらっしゃい」

『はーい』

 

ようやく夕飯ができた。かなりの量作ったので足りないなんてことはないはずだ

オレは両隣に輝と茜を座らせた。なんでかって食器を壊されたくないからな

 

『いただきまーす』

 

「ブレイクアウト明日には治るよね」

「多分、いつも期間は1日だからね」

「明日はお仕事なくてよかった」

「ほれ輝」

「兄上…自分で食べられます」

「ダメだ。今日は我慢しろ。ほれ茜も」

「えー!?」

「あたりまえだ」

『神にぃ!』

「ん?どうした岬ーズ」

「略さないで!輝とあかねぇだけズルい!あたしにも!」

「あたしもあ〜んされたいわ〜」

「お兄様!私にもお願いします!」

「お前らは自分で食えるだろ」

 

輝と茜は能力の暴走で食器を壊す可能性があるからオレが食べさせていたら岬とシャウラ、奏が訳のわからないことを言い出した

 

「兄様…」

「どうした栞?」

「栞も欲しい…」

「…ほれ」

「ありがとう♪あむ♪」

『あー!!!』

 

栞に上目遣い+涙目でお願いされたら断るなんてできません!というかそんなことどこで覚えてきたんだか…

 





ー余談ー

コンコン
「はーい」
「葵、オレ。入っていいか?」
「神君?いいよ」
「失礼」

オレは寝る前に葵の部屋を訪ねた

「どうしたの?」
「いや、お前は能力の暴走大丈夫かなと思ってな」
「あー、うん。大丈夫だよ」
「ならいい。もしなんかあったらオレに言え。葵の"本当の能力"オレには効かないの覚えてるだろ?」
「うん、ありがと」
「じゃあおやすみ」

そう言って部屋をあとにする
葵には悪いが葵の本当の能力が暴走したらそれこそヤバいことになるからな

「さて、寝るか…ん?」

布団が盛り上がっている

「ベル…」

そこには岬の分身のベルが寝ていた。まったく…
ブレイクアウト期間、早く終わんねぇかな


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第11話

スカーレッドブルームが出ます



「これだわ!」

 

オレは栞と輝、光に誘われてテレビでアニメを見ていたんだが、さっきまでなにか悩んでいた葵がなにかを思いついたのかいきなり立ち上がった。すると葵はオレの腕を掴み葵の部屋に連行した。その後一旦出て言って今度は奏を連れてきた

 

「人聞きの悪いこと言わないで」

「心を読むなよ…」

「なにか御用でしょうか?お兄様♪」

「いやオレじゃなくて葵な。それと離れなさい」

「嫌です♪」

 

部屋に入ってきた瞬間右腕をホールドされてしまった。葵も気にしないで話し始めた

 

「茜を覆面ヒーローに?」

「そう。素性を隠せば茜も積極的に人助けができるし、その上で選挙前に正体を明かすことで人気も急上昇するはず。それに…」

「それに?」

「茜の演説見て思ったんだけど、王族とか関係なくあの性格をなんとかしないと…このままじゃこの先大変じゃないかって心配なの。茜は茜なりに必死に変わろうとしてるのはわかるんだけど…曲がりなりにも人前で何かをしたっていう実績があれば少しずつ自信になると思うんだ」

 

奏はそれを聞き少し考えて立ち上がった

 

「ちょっと待ってて」

「ありがとう!」

 

少しして戻ってきた

 

「奏?」

「はい」

「え、メガネ?」

「ジャミンググラス。かけると周りから個人を特定できなくするメガネよ。覆面ヒーローのときこれを変装道具にするといいわ」

「奏ありがとう。わざわざ生成してくれた…んだね…」

 

葵めっちゃ疑ってんだろうな。そりゃそうだろ、生成するならわざわざ出て行く必要ないもんな

 

「ただし生成コスト削減のために効果は茜が装着したときのみ発動。さらにこのメガネの性能を知ってる人には効き目が薄いわ…」

 

葵は黙ってメガネを見ている

 

「別にいいのよ?無理に使わなくったって」

「あー、大切に使わせていただきます!」

 

葵が疑ったからなのか奏の機嫌が少し悪くなったようだ。葵がこっちを見てくる。

 

「奏、ちょっとそれかけてみてくれないか?」

「え、でも知ってる人には効き目が…」

「いいからいいから」

 

奏は恐る恐るメガネをかけた

 

「どうですか?」

「やっぱり…」

「やっぱり?」

「奏、メガネも似合うな。かわいいぞ(ニコッ)」

「なっ!///なに言ってるんですか!!!///」

 

そうは言ってるが顔はめっちゃニヤけている。機嫌は治ったようだ

 

 

 

その後茜の部屋に行って事情を話した。さっそくメガネをかけ始めた

 

「どうかな?」

「うん…」

「いつもと雰囲気違うかな?」

「うん…」

 

オレと葵は苦笑い

 

 

メガネをかけた茜がバレないか確認するためみんなに聞いて回る

 

ー修の部屋ー

 

「この子だーれだ」

「誰ってあか…あ……知らない女ですね」

「やったー、バレてない」

「今あって言ったよな…」

「そんなことより、なかなかかわいいですね」

「お邪魔しましたー」

 

そう言えば修も茜ファンクラブの会員だったな

 

 

ーリビングー

 

「この人だーれだ」

「あ…」

「う…」

「だーれだ」

「知らない人です…」

「知らない人…」

「ほんと!?」

 

あー、奏になにか吹き込まれたな。小さい子達に気を使わせるなよ。と栞が泣き出した

 

「し、栞!?」

「栞どうしたの!?」

「おーよしよし、おそらく知らない人がいて怖がってるんじゃないか?」

「栞私だよー」

 

茜がメガネをはずすと栞は抱きついた

 

そして茜の覆面ヒーロー計画は指導された

その後茜はバリバリと人助けをしていった。絶対バレてんだろ。親衛隊いるし

ニュースでも

 

『今回もあか、スカーレッドブルームのおかげで尊い命が救われました』

『彼女の正体は一体誰なんでしょうね』

 

正体絶対知ってんだろ。茜って言いかけてたし

その後の世論調査では茜はオレ、葵、奏に次ぐ4位となっていた。正体さらさなくても上がってるってことはバレてるってことだ。なぜ気づかない…

 

「絶好調じゃないか、茜」

「うん!スカーレッドブルームになってから支持率上がってるんだよね…あれ?なんで正体隠してるのに支持率が」

「それはきっと演説の効果が出てきたんだよ」

「んーそうかな?」

 

バレそうになったのを必死にごまかす葵。あいつも大変だな

 

「ケーキあるんだけど食べる?」

「食べる」

「食べるー!」

 

光はどっから出てきた!

 

「そう言えば小さい頃の茜はやんちゃだったなー。この町の平和は私が守る!とか言ってたっけな」

「本当ですか?姉上!かっこいいです!」

「む、昔のことだから」

「城下に舞うは単衣の仮面!」

 

修がスカーレッドブルームの真似をして茜を茶化す

 

「うわー!やめてー!」

「なんで今更恥ずかしがるんだよ」

「スカーレッドブルームと櫻田茜は別なの!もう!家族だからって正体明かすんじゃなかったー」

「えー、何言ってんの。私の友達だってもうみんな…」

「光ー…ちょっとあっちでお話ししようか…?」

「ふぁい」

光が言おうとしたことに葵が笑顔で口を手で塞いだ。あの笑顔の葵はヤバいときの葵だ…

あ、帰ってきた

 

「葵お姉ちゃんとなに話してたの?」

「いえ、別に…」

「どうしたの?食べないの?」

「あ、はい…もう食欲ないんでよかったらどうぞ、ブルームさん」

 

おバカ…

 

「光ー…もう一回お話ししようか…」

「…はい」

 

ほっとこ

 

「栞、ゆっくり食べな」

「うん」

「オレのいちご食べるか?」

「いいの?♪」

「いいぞ、ほれ」

「あーむ♪兄様ありがと♪」

「いいえ(ニコッ)」

 

 




ー余談ー

その夜

「神ちゃーん、花蓮が話したいことがあるって」
「んー、オレにか?」

茜から携帯をもらいベランダに出る

「もしもし」
「もしもし神兄?」
「おう花蓮、どした?」
「ん?ただ神兄の声が聞きたかっただけ♪私神兄の携帯番号もメアドも持ってないんだもん」
「おバカなこと言ってないで用件を言いなさい」
「ぶー、神兄のいけず」
「はいはい」
「もー!用件は茜の覆面ヒーローのことで…」
「あぁ、やっぱバレてたか」
「すぐわかるよあれ!まんま茜じゃん」
「まぁ茜のためだと思ってあたたかく見守っててくれ」
「わかってるよ。これでも親友だからね♪」
「助かる」
「あ、でもそのうち茜は義妹になるんだ」ボソッ
「は?なんだって?」
「なななななんでもない!///」

明らかに動揺してるが聞かないでおこう

「じゃあ茜のことよろしくな」
「お任せ♪」



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第12話


今回はオリジナル展開です



 

さて本日はクリスマスイヴ2日前の12月22日。ということはオレと葵の誕生日まであと2日ということになる。そこでオレは葵には誕生日プレゼントを、みんなにはクリスマスプレゼントを買いに行こうと思っている

 

「葵ー、今日の放課後空いてないか?」

「空いてるけど、どうしたの?」

「なんだーデートのお誘いか?」

「んなわけねぇだろ、静流。オレら兄妹だぞ?」

「でもお2人が並ぶとほんとの夫婦みたいですよ?」

「卯月ちゃん!?」

「このー私の葵を取りやがって!」

「おいおい菜々緒ー、言ってくれんじゃねぇか。いくら昔からの付き合いだからって葵の恥ずかしいことはオレの方が知ってるぞ?」

「えっ!?」

「ほー言ってくれんじゃん。じゃあ聞かせてもらおうか」

「いいぜ。葵の…」

「神君!!!」

 

調子に乗りすぎたか。葵からストップがかかった

 

「もしあれだったら3人もくるか?」

「お2人がよければ私は大丈夫です」

「いいねー。神が葵に変なことをしないか見張ってやるよ」

「神になんか奢ってもらおうぜ」

 

こいつらは…卯月はこの2人とよく一緒にいれるよな

 

「じゃあ放課後よろしくな」

 

 

 

ー放課後ー

 

さっき約束した通り大型デパートにきた

 

「さて、みんなにはオレの弟達や妹達へのプレゼント選びを手伝ってもらいます。奢るのはそのあとでな」

『はーい』

 

年齢的に下から行くことにした

 

「栞はなにがいいかねぇ」

「栞ちゃんはまだ小さいからね」

「栞なら神君があげればなんでもいいと思うよ?」

「んー、卯月はなにもらったら嬉しい?」

「なんで私に聞くんですか?」

「小さいからだろ」

「えー!ひどいです!」

 

静流が言ったことに怒る卯月。いや結構あってるんだが…

栞にはクマのぬいぐるみにした

 

次は輝だ

 

「輝は変身セットとかかな」

「輝君のことはよく知らないからなにも助言できないな」

「大丈夫大丈夫」

 

輝にはオレが言ったようにアニメの変身セットにした

 

次は光だ

 

「光ちゃんかー」

「なんか自由って感じだから逆に難しい」

「そうですねー」

「お菓子セットとかでいいかな」

「そんな単純なのでいいのかな」

 

光にはお菓子詰め合わせセットにした

 

次は遥だ

 

「本だな」

「本じゃない?」

「本なんてどうでしょう」

「小説本かな」

「そうだね」

 

全員一致で本にした

 

次は岬だ

 

「これは神君が選んであげて」

「なんでだ?」

「いいから。私達は茜の選んでるから」

「わかった」

 

なぜか岬のはオレが1人で選ぶことになった。あいつなに欲しいのかなー?あ、あいついっつも髪結んでたな。オレはそう思い岬には何種類かのヘアゴムとシュシュにした

 

「おーい、茜のはどうなった?」

「真っ赤な手袋にしようと思うんだけど」

「どうだ?」

「いんじゃないか?サンキュー」

 

茜には手袋にした

 

次は奏だ

 

「正直一番難しいな」

「そうだね」

「卯月は同じ生徒会としてなんかわからないのか?」

「そういう話はあまりしないので…」

「そっか」

「でも神さんが選んだ方がいいと思います!」

「またか!?」

「そうだね、神君お願い」

「り、了解…」

 

なぜか奏のもオレが1人で選ぶことになった。奏か…全然浮かばん!あ、そういえばあいつこの前使い古したマフラーがダメになったって言ってたな。ということで無難ではあるがマフラーにした

 

次は修だ

 

「修君はサッカーやってるからそっちのものでいいんじゃない?」

「そうですね」

「というとタオルとか?」

「それだけだとなんか寂しいかな」

「じゃあリストバンドでも買うか」

 

修には部活用のタオルとかリストバンドにした

 

 

 

買い物を終えてとあるカフェに入った

 

「みんな今日はありがとな。約束通り奢るよ。1人3個までなら許す」

「そこはどれだけ食ってもいいぞ!じゃないの?」

「まぁまぁ菜々緒さん」

「今日はこの辺で勘弁してやるよ」

「しーちゃんまで」

「すまんね…」

 

そして1つ目のケーキがきたときに

 

「ところでもしもらえるとしたら2人はなにがいいんだ?」

「あ、それ私も気になる」

「どうなんですか?」

「うーん、なんだろ…」

「オレは新しい包丁かな」

「あんた誰を殺す気よ!」

「ちげーよ!家事用だよ!」

「なーんだ」

「葵さんは?」

「私はマグカップとかかな」

「へー、さすが葵。神とは違う」

「どういう意味だ!」

 

そんな会話を続けていると2時間が過ぎていた

 

「そろそろ帰るか」

「そうね」

「じゃあ神以外はまた明日な」

「明日も集まるのか」

「はい」

「ほんと仲良いな」

「もちのろんよ」

 

みんなはそれぞれ帰って行った

 

「オレ達も帰るか」

「…そだね」

 

葵は少し元気がない

 

「なぁ葵」

「なーに?」

「お前さ、あいつらは自分が王族だから友達になってくれたんじゃないかなんて考えてないよな」

「っ!どうして…」

「お前と何年一緒にいると思う。生まれてから人生の半分以上一緒にいるんだ。なにに悩んでるかぐらいわかる。でもな葵。あいつらは本当に心から葵のこと友達になってくれたと思うぞ?」

「そうだね」

「考えすぎなんだよ」

 

笑顔になった葵の頭をクシャクシャに撫でる

 

「もう、やめてよー」

「あははは、じゃあ帰るぞ」

「うん!」

 





ー余談ー

12月24日、この日は妹達が密かにクリスマスパーティー兼誕生日パーティーをオレと葵には内緒でやってくれている…ようだが実はもうとっくにバレている
オレと葵からみんなにプレゼントを渡すとそれぞれ違いはあれど喜んでくれた

パーティーも終わりみんなが部屋に戻る中オレは葵の部屋に行った

コンコン
「葵ー」
「神君?どうぞー」
「失礼。葵、誕生日おめでと」

オレはそう言って葵に包装完璧な箱を渡す

「えっ…ウソ」
「ウソってひでーな」
「え、あ、ごめん…でも」
「いいから開けてみ」
「う、うん」

そこにはマグカップがあった

「これ私が言ってた…」
「あぁ。実はあの会話オレがお願いしたんだ」
「えっ?」
「葵には本当に欲しいものをあげたくてな。まぁなんだ…使ってくれ」
「ありがと!」

葵にも無事渡せてよかった


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番外編その3 花蓮とデート


花蓮とのデートの話です
うまく書けてるか不安です



 

少し寒くなってきた季節。そのある日の昼下がりにオレは

 

「ふんふん♪」

「楽しそうだな、花蓮」

「そりゃそーだよ。どんだけ楽しみにしてたと思ってるの!」

「そ、そうか」

 

お気付きかと思うが茜の親友である花蓮とお出かけをしている最中である。今日の目的地である動物園に向かっている

 

「着いたな。じゃあちょっと待っててくれ」

「ん?わかった」

 

オレは2人ぶんの入園券を買い、花蓮のとこの戻る

 

「ほれ」

「え、ありがと…お金…」

「いいよ。いつも茜がお世話になってるお礼とでも思ってくれ(ニコッ)」

「!///もう…そういうとこだよ…///」ボソボソ

「ん?なんだって?」

「なんでもない!///早く行くよ!」

「おい引っ張るな」

 

手を引っ張られ入園しても離してくれない。これはずっとのパターンだな…

 

「神兄ー見て見て!パンダパンダ!」

「そうだな、めっちゃ笹食ってるな」

「パンダってなんでこんな愛くるしいのかな♪」

「動物の中でもなかなか人気だよな」

 

少し歩くとなんかサファリみたいなゾーンがあった

 

「神兄神兄!なんかサファリゾーン車に乗って見れるみたい。行ってみようよ!」

「いいぞ」

 

オレらは車に乗ってサファリゾーンに入って行った。そこには放し飼いされている動物達がたくさんいる

 

「シマウマだー♪」

「シマウマって毛全部剃ったら黒らしいな」

「そうなんだーよく知ってるね」

「たまたまな」

 

次はライオンのエリアみたいだ

 

「すごい迫力だな」

「そうだね。ライオンて一夫多妻制らしいよ」

「そうなのか」

「神兄も王様になって一夫多妻制にしてよ♪」

「なぜだ…」

「え、だ…だってー///」

「なんだよ…」

 

そのまま俯いて黙ってしまった

次はゾウのエリアらしい

 

「ゾウは大人しい印象だよね」

「でも怒らすとヤバいらしいぞ」

「そうなんだ」

「車とか潰すらしいな」

「えっ…」

「冗談だよ」

「もう神兄!」

 

その後もいろんな動物がいて楽しめた

 

 

「そろそろお昼だな。どっかに…ん?」

 

オレがお昼食べるところを探そうとすると花蓮がシャツの裾を掴んできた

 

「どうした?」

「あの、その///…えっとね…///今日、私お弁当…作って…きたんだ///」

「おー!ほんとか!」

「う、うん…///だからベンチ行こ///」

 

ベンチに移動

 

「うぉー、めっちゃ美味そう!」

「お口にあえばいいんだけど…」

「いただきます!あむ…」

「ど、どう?」

「うん!美味い!ありがとな、花蓮(ニコッ)」

「よかった…///」

 

花蓮のお弁当を美味しくいただき、動物園巡りを再開した

 

「神兄!ふれあいコーナーがある!」

「行ってみるか?」

「うん!♪」

 

ふれあいコーナーにはウサギやモルモットなどの小ちゃな動物がたくさんいた

 

「神兄見て見て!かわいい♪」

「結構懐っこいんだな」

「ていうか神兄、囲まれすぎじゃない?」

 

オレの周りにはウサギやらモルモットが集まっていた

 

「なんでか昔っから動物に好かれる体質みたいでさ」

「なんかあったかそう」

「毛皮のコート着てるみたいだ」

 

動物ってあったかいな

 

 

最後にお土産コーナーに寄った

 

「なんだこりゃ」

「動物クッキーだって。この動物園にいる動物が全部入ってるんだって」

「へー、おもしろいな」

「これかわいい!」

「これは…アライグマか?」

「ぶっぶー!レッサーパンダだよ♪」

「ほとんど同じじゃねぇか」

 

一通り見てそれぞれ買いたいものを買って帰路についた

 

 

ー帰り道ー

 

「花蓮、ほいこれ」

 

オレは手に持っていた大きい袋を渡す

 

「あれ?これ茜にじゃなかったの?」

「それはウソだ。これはお前にだ」

「ほんとに!?ありがとう!♪」

「今日は楽しかった。それにこれからも茜をよろしくな(ニコッ)」

「〜///任せてよ♪」

 

花蓮を家まで送って花蓮とのお出かけは終了した

 





ー余談ー

「ただいま」
「おかえり」

花蓮を送って帰ってくると茜が待っていた

「どうだった?」
「ん?楽しかったぞ」
「そっか」
「これからも花蓮は大事にしろよ」
「当たり前だよ!親友だからね♪」

茜と花蓮はずっと親友でいるだろうな


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第13話

最終回が近づいてまいりました
これはアニメが終わった場面で完結にしようと考えています



今は商店街を散歩している。そこらには選挙ポスターがたくさんある。国王選挙までいよいよ1ヶ月を過ぎたと実感できるな、とあれは奏か?買い物か

 

「奏ー」

「あ、お兄様♪」

 

奏はオレのことを見つけるやいなや飛びついてきて腕を組まれた

 

「なに買うんだ?」

「これです」

「じゃあ手伝うよ。一緒に行くか」

「ありがとうございます!ふふっ、デートですね♪」

「ただの買い物だ」

 

そして全ての買い物を終え帰宅している

 

「奏は王様になってどうしたいんだ?」

「いきなりどうしたんですか?」

「国王選挙まであとちょっとだからな」

「えっと…きゃっ!」

 

奏が何か言おうとした瞬間強風が吹いた。するとなにか音がすると思って上を見ると鉄骨が落ちてきた

 

「奏!」

「お兄…様…?」

「大丈夫か…?」

 

オレはとっさに奏の腕を掴み風で体を浮かせ回避した。今はお姫様抱っこ状態だ

 

「お兄ちゃん…」

「よかった」

「なんで、なんでお兄ちゃんは昔も今もそんなに…」

「なんだ?」

「もう少し自分の体のことも考えてよ!」

「なに言ってるんだ。オレはなにがあろうとお前達を守ってやる」

「それでお兄ちゃんが怪我しちゃったら私は…」

「あー、そんときは看病頼むよ(ニコッ)」

「お兄ちゃん…ひぐっ!」

 

思い出したのか奏はオレの胸に顔を埋めて泣いてしまう

その後奏をおぶって帰宅した。お姫様抱っこのままがいいと言われたが丁重にお断りした

 

 

 

 

ー帰宅後ー

 

みんながリビングに揃ってサクラダファミリーニュースを見ている

 

『それでは最後に今週の世論調査の結果です』

『トップと2位はは不動の神様と葵様。これを僅差で追いかける茜様。』

「はぁ…すごいなー神にぃと葵ねぇは。演説や選挙活動一切やってないのにトップと2位だもんね。やっぱ人望なのかなー」

『3位の茜様は先日、100回目の演説を行われました』

 

画面に出てきた茜はまた噛んでいた。茜は100回もやってるのにまだ噛むのか

 

『4位は返りざきの奏様。ここへきて再び支持率を伸ばしもう追撃です。続く5位は岬様…』

「あー!かなねぇに逆転されたー」

 

その後それぞれの順位が発表された

 

「逆転って言っても大して変わらないじゃない」

「逆転は逆転だよー」

「岬、最近あまり演説やってないからかな」

「どうして?」

「演説行った先々や通りがかりですぐに助っ人引き受けちゃうから」

「今日も公園でお掃除してたね」

「昨日は通りがかりの引越しの手伝い。一昨日の朝は魚市場で荷上げの手伝い。先週なんかティッシュ配りの助っ人なんてやっちゃってさ」

「だって大変そうだったんだもん」

「まぁそれが岬のいいところだよな。誰にでも優しくできるし手伝えるってことはみんなができることじゃない。オレはすごいことだと思うぞ?」

「神にぃ…嬉しい!」

「うわっ!だから抱きつきくなって!」

「神にぃ♪神にぃ♪」

「こらー!岬ー!あなたはいつもいつも!」

「いいじゃん。かなねぇはさっきまで神にぃにおんぶされてたじゃん!」

「あれは…いいから離れなさい!」

「いーや!」

「ただいまー」

 

いつもの奏と岬の口喧嘩が始まりそうなときに修が帰ってきた

 

「おかえりー、食事どうする?」

「いい、食べてきた」

「遅かったね」

「花を送ってきたからな…って大丈夫か兄さん?」

「…助けて」

「がんばれ…」

 

この野郎!見捨てやがった!

 

「スケジュール管理から演説の仕切りまで全部佐藤さん任せにして、修ちゃん楽してるよねー」

「おまけに支持率も上がってるしな」

「だよねー」

「くっ!なぜなんだ!?兄上や姉上達はどんどん支持率が上がっているのに、どうして僕は…僕は…なぜ、この1ヶ月で1ポイントしか伸びないんだー!」

「1ポイント伸びてるじゃん」

「うん、立派だよー」

「やったね輝ー」

 

岬、茜、光から嫌味ともとれる言葉でダメージを食らう輝

 

「それは、上にいるという余裕ですか!?それとも僕に対する哀れみですか!?僕は王様になって大切なものを守りたいのに…まだまだ強さが足りないのか!?」

「輝お兄ちゃんはいつでもトップ」

 

おお!栞から暖かい言葉が…

 

「やる気だけは」

「栞、それが結果を伴わない現実…残酷だ」

 

栞、フォローになってないぞ

 

「なぁ輝。多くの票を集めることも大切だが、1票の重みを知る方がもっと大切だと思うぞ?」

「兄上」

「自分に入れてくれる1票に感謝することが次の得票へ繋がるんだ。それが何年も積み重なって何万票に繋がるかもしれないぞ?」

「輝お兄ちゃんすごい!」

「さすが神にぃ♪いいこと言う♪」

「だーかーら!岬はお兄様に引っ付きすぎ!」

 

また始まってしまった

 

「神ちゃん!私にも何かアドバイスちょうだい!」

「いい加減出だしで噛むのやめた方がいいんじゃないか?」

「ですよねー」

 

国王選挙まで残り1ヶ月。果たして誰が次期国王になるのやら

 




ー余談ー

突然葵の携帯が鳴り出した

「もしもし、えっ!?お父さんが!?」



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第14話





 

「ギックリ腰!?」

 

葵が父さんが…なんて深刻そうな顔して言ってきたから何事かと思って急いで王宮にきたけど、ただのギックリ腰かよ。あービックリした

 

「なんでまた?」

「調子に乗って私をお姫様抱っこしようとしてね」

「申し訳ありません!私共がお止めする間もありませんでした」

 

どうやら父さんが母さんをお姫様抱っこしようとしてギックリ腰になったみたいだ

 

「はぁ、でもよかった。動けなくなったって聞いたから…」

「動けなくなったわよ。私を抱き上げたまま中腰状態で」

「…ショックだ」

「私もショックなんですけど!いろんな意味で!」

 

そりゃそうでしょ。間接的に母さんがおも…やめておこう

 

「お父様大丈夫?」

「あぁ、心配ない」

「ギックリ腰じゃおとなしく寝てるしか」

「冗談じゃない!寝てる暇なんて…あがっ!」

「いけません陛下!ご無理をなさっては」

「公務が立て込んでるんだ」

「総ちゃんがここで無理して長引いたらどうするの!」

「そうよパパ。それこそ取り返しがつかなくなるわ」

「私が休めば国民の生活に支障が出る。自分の体のことで寝ていられん!」

「楠野さん、そんなに公務が立て込んでるのか?」

「はぁ、間の悪いことですが明日は海外からのお客様を招いての食事会。他にも年度末の予算の書類整理、報道陣へのインタビュー。それと明日からお見舞いのご訪問の予定がありまして…」

 

結構あるなー

 

「お見舞い?」

「はい。前日の大雨による土砂崩れで道が塞がれて孤立している村がありまして…」

「よりによってそんなときにギックリ腰?」

「だから寝ている場合では…うぉっ!」

「あー!ダメだってば」

 

起き上がろうとした父さんは腰に痛みが走ったのか倒れた

 

「ねぇみんな、櫻田家の一員としてお父さんの代わりに私達にできることがあるんじゃないかな?」

「私達ができること?」

「そうだな。ここは櫻田兄妹ががんばりますか」

 

「海外のお客様の接待には私が出る」

と葵

「じゃあ私は書類関係の方を」

「手伝うよ」

と奏と遥

「インタビューはあたしに任せて!」

と岬

「じゃあ私は栞と一緒にお留守番してる!家のことは任せて!」

「私も家のお手伝いする」

と光と栞

 

みんなそれぞれ自分ができることをやってくれる

 

「訪問にはオレが行こう。それが筋だろ」

「兄さん、俺も行かせてくれ」

「兄上!僕も連れて行ってください。何か、何かせずにはいられないんです!」

とオレが言ったことに修と輝が言ってきた。輝の目はまっすぐだ

 

「じゃあ行くか」

「はい!」

「葵お姉ちゃん、私は?」

「お前もオレ達と一緒にこい」

「えー!だ、だって人を励ますなんて私…!」

「じゃあたくさんの海外の客人の相手できるか?」

「できません!」

「100人近い記者のインタビュー受けられるか?」

「受けられません!」

「決まりだな」

「うぅ…」

「茜ならきっと被害地の人達の力になれるよ」

「力に…私が…」

 

 

 

ー次の日ー

 

オレは修、輝、茜と一緒に車に乗って被害地に向かっていたが、途中で道が土砂に覆われていた

 

「なるほど。これじゃなかなか道が通らないわけだ」

「兄上、ここは僕に任せてください」

「危ないよ、輝」

「大丈夫です!葵姉様言ってました。自分達のできることをやろうって」

「輝…」

「ならオレも残ろう。修と茜は先に行っててくれ。なーに、オレと輝がいればあっという間に片付くさ」

「わかった」

 

そう返事して修は茜の方に手を乗せ瞬間移動した

 

「よし輝。やるか!」

「はい!」

 

輝は能力で瓦礫をどかしていく。オレは能力で岩を土に戻していく

その結果30分もしないうちに片付いた

 

「輝、よくやったな」

「はい兄上!」

 

そしてオレと輝は車に乗って被害地へ向かった

 

到着すると

 

「兄上ー!」

「土砂の方はどうなった?」

「あぁ、もう大丈夫だ」

「いやー神様と輝様すげーぞ!あっちゅう間に土砂のどかしちまった!」

 

それを聞いた村民方々が続々と出てきた

 

「ありがとうごぜーます。本当に感謝します!」

「いえ、当たり前のことをしたまでです」

「みなさま、今回のこと心よりお悔やみ申し上げます!しかしながらもうご安心を。遮断されていた道は回復し、今物資やら何やらが運び込まれてきます!」

『本当にありがとうございます!』

 

とりあえず村民の方々が元気なってよかった

その後は手分けして道の整備や家の中の片付けなどをした。茜はスカーレットブルームになり手伝いをしていたが、その中でメガネを落としてしまったらしいが自分では気づいてなかったようだ

 

「ありがとう、茜様!」

「え、うん」

「えへへ」

 

茜はようやく櫻田茜として役に立てるとわかったみたいだ。だが…

 

ベシッ

「ゴミを捨てない」

「はい…」

 

メガネを放り投げたから一応注意した

 

 

 

家に帰り、みんなそれぞれ役目は果たせたようだった。みんなお疲れさん

 





ー余談ー

テレビでは世論調査の結果を発表していた

『茜様、修様が得票数を伸ばし現在神様、葵様、奏様、茜様、修様の混戦状態です』
「輝、先週より12ポイント上がってるよ」
「はい!ここから大逆転ですね」
「輝は大活躍だったもんな」
「えへへ」

さて誰が王様になるんでしょうねー


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第15話






 

 

「葵、お前はこのままでいいのか?」

 

国王選挙が今週末に迫った今日、オレは葵の部屋を訪れていた。オレが聞いても葵は机に向かって黙ったままだった

 

「お前が何を悩んでいるかは知らんがな、何か悩んでるってことはわかるんだからな」

「…神君」

「葵はこのまま選挙戦に臨めるのか?その姿で国民のみんなの前に出る気か?」

「それは…」

「国民のみんなは本当の気持ちを聞きたいと思うぞ」

「…そうだね。ありがとう神君!お父さんと話してくる!」

 

そう言って部屋を出ていく葵。もう大丈夫みたいだな

 

 

 

ー選挙当日ー

 

『ご覧ください。王宮には次期国王になる方々の演説を生で見たいと言う国民が大勢集まっており、さながらお祭り騒ぎです。』

 

いつものサクラダファミリーニュースが今日は生中継で放送されている

 

『それでは会場に集まった人の声を聞いてみましょう。君達は誰に投票するの?』

『もちろん、光…じゃなかった。5女の光様です!』

『私達、クラスメイトなんです!』

 

光、よかったな

 

『そうなんだ。光様に決まるといいね』

『はい!』

『次はあそこの人達にも聞いて…うっ!』

『気合い入れていくぞー!』

『おー!!!』

『…みるのはやめましょう』

 

今の声は…親衛隊のやつら今日もいるのか

 

『以上サクラダ城からでした』

『すごい熱気でしたねー』

『はい。我々も…』

 

ピッ

ここで茜がテレビを消した

 

「なんかすごいことになってるね」

「今更何言ってんだか」

「奏動くな。ちゃんとできないだろ?」

「はーい♪」

 

今オレは奏の髪を整えている

 

「よしできた」

「ありがとうございました♪お兄様♡」

「どういたしまして。岬おいでー」

「はーい♪」

 

今度は岬だ

 

「私ライブとかで慣れてるから全然平気」

「さすがです姉上!ぼぼ僕は緊張のあまり新しい獣が目を覚ましそうです」

「お兄ちゃんお水」

「まぁそう固くなるな、輝」

「しかし兄上」

「そうだよ、輝。リラックスだよ」

 

まぁ輝はまだ小学生だからな。でも栞の落ち着き具合はすごいな…

 

「ほれ終わり」

「ありがとう、神にぃ♪あたしかわいい?♪」

「あーそうだね」

「もう、照れちゃって♪」

 

コンコン

「はい」

「失礼します。皆様、そろそろ会場の方へお願いします」

「わかりました。ところでみんな…演説の順番どうする?」

「クジでいんじゃない?」

「え!私やだよ!」

「じゃあ年齢順かな」

「じゃあ栞からね」

「えっ!下からなんだ!」

「おいおい」

「大丈夫か?栞」

「平気」

「みんな」

 

みんながガヤガヤいている中、葵がみんなのことを呼ぶ

 

「私…最初に話したいことがあるの。お父さんの了承は取ってあるから」

 

そうしてオレ達の演説は葵から始まることとなった

 

 

 

 

「国民の皆様、櫻田王家長女の葵です。本日は大勢の方に集まっていただきありがとうございます。また一年間に渡る選挙活動、大変お騒がせしました。」

 

葵は一度礼をして続ける

 

「いきなりですが私櫻田葵は国王選挙を……辞退させていただきたいと思います。」

 

 

「えっ!」

「ウソ!」

 

中では知らなかったみんなが驚いている

 

 

「実は私の本当の能力は【絶対遵守(アブソリュートオーダー)】というものです。この能力は命令した相手を絶対服従させるものです。私が王様になるといろんな命令や指示を出すことになります。ですがそれが必ずしも適切だとは限りません。だから王様にはなれません。それに私はみなさんとの生活の中でいろんなものに気づきました。友人や家族と分かち合う時間です!これからも公務を続けるつもりですが、それ以外普通の人として自分の道を歩んで行こうと思います」

 

葵の懸命な演説に国民のみんなはわかってくれたのか拍手がわく。中では栞と岬がオレに抱きついて泣いている。葵、オレはお前を誇りに思う

すると拍手が突然鳴り止んだ。そして国民はざわついている。何かと思い飛び出すと飛行船が城に迫っていた

 

「どうした!なぜ警告しない!?」

 

楠さんが状況を聞いている

 

「陛下、早くご家族を安全なところに」

「修!」

「あぁ、様子を見てきます」

 

オレの指示に即座に反応した修が能力を使って移動した

修が帰ってくると操縦士らしき人を連れてきた

 

「様子が変です。」

「早く介護班を!栞、修のお手伝いをしてくれ」

「うん!」

「修頼む!」

「わかった。ちょっと行ってきます、父さん」

「あぁ」

 

栞に修の手助けを頼み、修は栞を連れて移動した

 

「茜頼む!」

「うん!」

 

茜は勢いよく飛び出して行った

 

「オレもここでやってみる!遥は着陸できそうなとこの割り出しだ!他のみんなは避難の誘導を頼む!」

『はい!』

 

みんなオレの指示に従ってくれる。本当にできた弟や妹達だ

オレは能力で上昇気流を生み出す。修成功したのかプロペラが回り始めた。しかし少し遅かったのか船底部分が城にぶつかってしまった。こっちもこっちでパニック状態だな…すると葵が能力を発動させようとする

 

「葵待て!」

「でも…」

「任せろ!な、みんな!」

「そうそう!」

 

すると

 

 

『国民のみなさん、櫻田家次男修です。今から言うことを落ち着いて聞いてください。私達兄妹が必ずみなさんのことをお守りします。』

 

修?

 

「私には好きな人がいます。その人が毎日笑って暮らせるようにしてあげたい。国民のみなさんにもそのような人がいると思います。自分の大切な人が暮らせるようにする。そのために王家を利用してください!私達兄妹はこの先もずっと皆様をお守りし、笑顔が絶えない国にしていくようここに誓います!」

 

修、いいこと言うじゃん!オレもがんばるかな!

 

そうこうしているうちに遥が場所を特定してくれた。オレ達はその場所に移動する

 

 

ー河川敷ー

 

飛行船を川に着水させようということらしい

遥の指示で奏は大きい柵を生成し、その後ろにオレが土の抑えを作る。オレはさっきから能力を使い続けていてヤバい状況なんだがな…

 

「これでいいかしら」

「…こんなもんか?」

「うん…作戦なんて言えたもんじゃないけど…」

「50パーセントか…」

「きたわよ」

「もうあんなに低くなってる!」

「ふぅー…やるしかないだろ。輝、頼むぞ!」

「はい!」

 

飛行船はまっすぐ柵に突っ込んでくる。直前に落ちてきたワイヤーを輝が全力で引く。オレも風でスピードを相殺する。

 

飛行船は柵に落ちた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし止まらない。堤防を越え国民がいる方へ突っ込もうとしている。ヤバい…!オレは能力を全開にし堤防にある土を盛り上げ止めようとする

 

「止まれーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

止まった。

 

 

 

 

『うぉーーーー!!!!』

 

歓声が上がっているようだがオレはどんどんそれが聞こえなくなっていく。

 

「神君!」

葵…

「兄さん!」

修…

「お兄ちゃん!!!」

奏…

「神ちゃん!」

茜…

「神にぃ!!!」

岬…

「神兄さん!」

遥…

「神君!」

光…

「兄上!」

輝…

「兄様!!!」

栞…

 

妹と弟達がこっちに走ってくるのを最後に目の前は真っ暗になった

 

 





次回で最終回となります
読んでいただいた皆様には大変感謝しています



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第16話 (最終回)

最終回です
完全オリジナルです



 

ー2年後ー

 

「んー!やっと退院か」

 

病院のロビーで伸びをする。今日は退院の日。2年にも渡るリハビリ期間をようやく終えることができたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2年前の国王選挙の日、とある事故が原因でオレは病院に搬送された。結論から言うと一命はとりとめた。しかし首から下の機能が完全に失われてしまった。だから2年にもリハビリがあったというわけだ

 

あの日オレが倒れた後すぐに病院に搬送されたが意識不明の重体だったらしい。原因は能力の使いすぎ。そして目が覚めたのはそれから10日後、息を吹き返したのが奇跡とも言われたっけ…あははは……

 

目が覚めた後は大変だった。病院に押し寄せてきた弟妹のみんながわんわん泣いちゃって(特に奏、岬、光、輝、栞)…でもこうしてまた会えてのは嬉しかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様でした、神様」

「楠さん、お迎えありがとうございます」

「いえいえ、ご兄妹の皆様から早く連れてくるように仰せつかっております」

「あぁ、なんかすいません…」

 

楠さんが迎えにきてくれて、車で家…ではなくサクラダ城に向かった

 

「修はちゃんとやっていますか」

「はい、"国王"の役目をきちんとこなされてます」

 

そう、なんと現国王は修になった。どうやら最後のあの演説が効いたらしい

 

「今日は葵もいるんでしたっけ?」

「はい。既に城の方にご到着されているようです」

 

葵は国王選挙後に独り立ちした。父さんは泣いていたみたいだ

 

「輝と栞は勉強頑張っていますか?」

「はい。お兄様を助けようと猛勉強なされていました」

 

輝と栞はまだ小学生だが修の手伝いをするため勉強がんばっていると聞いていた

 

「勉強といえば、奏は大丈夫ですかね…」

「はぁ、たまに国王様と法について話されているご様子です」

 

奏は無事大学にも進めたが何やら兄弟で結婚をありにするよう修に頼んでいるようだ。修に聞いた

 

「遥はあんま心配ないですね」

「はい、いつも陰から国王様を手伝っているようです」

 

遥はほんと参謀に向いてるな

 

「岬は高1で生徒会でしたっけ?」

「はい、特例として認めていただいたそうです」

 

中学でも生徒会を経験した岬はそのまま高校でも生徒会に入ったらしい。岬は昔から社交性があるからなー

 

「光はどうせアイドルですよね」

「はい、そのせいか近頃勉学の方が…」

 

光はそのままアイドルを続けている。だがそれで勉強しない理由にはならん。あとで説教だ!

 

「茜は今生徒会長でしたね」

「はい、みなさんも驚かれていました」

 

あの人見知りの茜が生徒会長になったと聞いたときはめっちゃ驚いた

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに目的地に到着した。門の前には11人の人影が見て取れた。オレは車から降り、その人影に向かって歩き出し、前に立つと

 

「ただいま」

『おかえり!』

 

 




今まで読んでいただいてありがとうございました!
あんまりうまく書けてないのにこんなにもお気に入りしていただいてすごく感謝します!

他にも何かしら書いているのでそちらも読んでいただけると嬉しいです!



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