俺と彼女はちょっとおかしい。 (akatsuki4612)
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再開

「またここに帰ってきたら私と付き合って結婚するって約束、忘れないでね!」

 

俺がまだ小さい頃、幼馴染みとそう約束した。

 

その幼馴染みは、小さい頃の俺にはとても眩しくて、優しかった。だからこんな約束もしたんだろう。

 

そして家の事情で遠くに引っ越してしまった。あれはその時に約束したものだ。

 

しかし、今頃になっても俺の前に一度も姿を現さなかった。

 

所詮、小さい頃の約束だ。彼女は遠くで彼氏でも作ってうまくやっているだろう。

 

俺はというと、いまだにその約束が忘れきれず誰とも付き合っていない。

 

こんなのを聞いたらお笑いものさ。

 

「お~い!」

 

そう叫びながら俺のところに走ってくる。

 

「はぁ...はぁ...何とか追い付いた。」

 

説明しておくが、こいつの名前は、黄昏 桜。男なのに女みたいな名前だからかなり紛らわしい。

 

「お前ちょっと速すぎるぞ...。」

 

「...お前が遅いだけだ。」

 

「お前が化け物なんだ。」

 

「まぁいい...善処しておく。」

 

「ああそうしてくれ。」

 

そう言う会話をしながら歩いていく。そうしているうちに学校につく。

 

「それじゃ、俺は違うクラスだから。」

 

「あぁ、また放課後。」

 

そうして、俺は教室に入り鞄を机に置く。するとクラスの男子たちが俺の所にきた。

 

「おい、聞いたかカケル?」

 

「...何の話だ?」

 

「どうやらうちのクラスに転校生が来るらしいぜ。」

 

「転校生が...?」

 

俺はそう聞く。

 

「あぁ...ちなみに女子らしいぞ。」

 

「おぉまじかよ!かわいい子だったらいいな!」

 

「かわいい子だったらお前には渡さん。」

 

ふざけんなよ~!!などと話か広げられていく。

 

「あっ、カケル。お前絶対に、転校生にきつい言葉言うなよ。」

 

「何故だ...?」

 

「何故って...お前この前、隣の席の女子に物触れられた時に、触るな。とか言ってたんだろ?」

 

「あぁ...それがどうした?」

 

「生憎、その女子は、お前に罵られたいとか言うファンクラブの一員だったからいいとして、」

 

「転校生はそんなこと思ってもないし、いきなりきつい言葉もらったら傷つくだろうしな。」

 

「...了解。」

 

ちなみにファンクラブは、俺のファンクラブでそのメンバーが罵られたいとか、雑に扱われたいなど変態がたくさんいる。いい迷惑だ。

 

「は~い皆さん席に座って。」

 

先生の声が教室全体に渡る。すると皆席に座る。

 

「では、皆さん今日は転校生がいます。」

 

先生がそう言うと待ってましたと言わんばかりに男子の歓声があがる。

 

「それでは、入ってきてください。」

 

先生がそう言うと、廊下にいた転校生が入ってくる。

 

その姿は、水色の髪を持っていて髪型はツーサイドアップ。そして瞳の色は緋色と結構変わった髪色と瞳の色を持っているな。そう思った。後、胸がなかなか大きい。

 

「はい!私の名前は、朝比奈 小夜っていいます。皆さん宜しくお願いします。」

 

「朝比奈さんは、家族の事情で遠くにいたけど、一人で帰ってきたらしいから皆仲良くして上げてね。」

 

そうして、朝のHRが終わり、朝比奈さんは皆に挨拶をしていた。

 

「あの~桐里くんだよね?」

 

「...あぁ転校生の...。」

 

「朝比奈 小夜だよ。これから宜しくね。」

 

そういって手を差し出してくる。

 

俺はそれを振り払い、朝比奈さんに

 

「言っておくが、俺は君みたいな子と馴れ合うつもりはないんだ。」

 

そう言うとえ?と声に出しながら朝比奈さんは困惑し、

 

「でも、クラスの人だし、仲良くしておかないと...」

 

そう下を向いて彼女はそう言う。

 

俺はそんな彼女の肩を掴み、

 

「俺にこれ以上関わると、お前を殺す。」

 

俺はそういって、彼女の隣を通り過ぎていく。

 

するとクラスの男子がおれの所に来る。

 

「お前何やってんだよ。朝、それは止めろといっただろ!」

 

「流石に今のは酷いよ謝ってきたら?」

 

俺にそう言ってくる。

 

「お前らには関係ないだろ。それじゃ授業があるんで。」

 

「おっおい待てよ!」

 

そう言われるが俺は足を止めずに授業がある教室にいった。

 

ちなみに言っておくが、さっきの言葉は本心じゃあない。

 

なぜあんなことをいったかと言うと、こう言っておけば言われた相手は俺に恋愛感情も関わろうとも思わないだろう。

 

しかし、例外もいるみたいだが。まあこれで、いつでも約束を果たせる状態ではある。まあ本人が居ないんじゃどうしようもないけど。本当何やってんだ俺。

 

さて授業があるから急ぐか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして今日の授業が終わった。今日はそんなに授業は多くなく、昼までには帰れる。

 

靴箱を見ると朝比奈さんの靴はもうなかった。意外と早く帰ったんだな。

 

「すまん待たせたか?」

 

「ああ...待った。」

 

「すまなかったな。それじゃ、帰ろうか。」

 

そう言って俺たちは校門を出る。

 

「ところで、聞いたんだけどさ転校生にきつい言葉を言ったんだって?」

 

「ああ。」

 

「お前なぁ...女性の心は脆いんだぞ。そんなこといったら傷つくって。」

 

「ああ、明日にでも謝っとく。」

 

「お前そう言って謝ったことないだろ...」

 

桜はそう言って頭を抱える。

 

「それじゃ、家に着いたんでまた明日。」

 

「ああ、本当に謝っておけよ。」

 

「わかったよ。」

 

そう言って家の扉を開ける。

 

「ん?」

 

何だか見慣れない靴がある。母さんのお客さんが来ているのだろうか。

 

そう思い、フロアの扉を開けると、

 

「あきらーーーーーー!!」

 

そう叫んで誰かが飛び込んできた。

 

「うわっ!?」

 

それを避ける事が出来ず倒れてしまう。

 

「会いたかったよ~~あきら~~!!」

 

「...朝比奈さん?」

 

「あれ!?何で桐里くんがここに!?」

 

「こっちが言いたいところだ。それにあんた何で俺の...」

 

そう言いかけると、母さんが此方にくる。

 

「あらあら、久しぶりの再開ってやつかしら。」

 

「え?久しぶりの再開ってどういうこと?」

 

「そうですよ。桐里くんと私は、初対面ですよ?」

 

「あらあら、そういえば小夜ちゃんには行ってなかったわ。昭が名前と名字をある事情で変えちゃって、桐里カケルになったのよ。」

 

「えっそうなんですか!?」

 

母さんの話を聞くと朝比奈さんはとても驚いていた。

 

「俺にはさっぱりなんだけど...。」

 

「私ですよ!忘れちゃったんですか。晧さん!約束したじゃないですか。」

 

「約束って...まさか!?」

 

「そうです。帰ってきたら、付き合って結婚するっていう約束ですよ!」

 

朝比奈さんがそう言うと、あの出来事が頭の中で流れ出す。

 

俺の家の前で、水色の髪色を持った女の子と約束したあの事を

 

「帰って来たんだ...やっと。」

 

「ええ...時間はかなり掛かりましたけど。」

 

「今日のこと...ごめん。」

 

「ああ、あのことですか。」

 

小夜は今朝の事を思い出しこう言ってきた。

 

「でも何であんなことを?」

 

「約束守ろうと思って、いつもああやってたんだ。」

 

「不器用ですか。でもそういうところも貴方らしいですね。」

 

そう言われると俺は何も言えなくなった。

 

「それで、まだ私に言ってないことがあるんじゃない?」

 

小夜がそう言うと俺は思い出す。

 

「まだ行ってなかったね。お帰り、小夜」

 

「ええ、ただいま。昭さん」

 

そう言って俺と小夜は再開を果たした。

 




どうもこんにちは。作者です。

この度はこの作品をみてくれてありがとうございます

更新とか時間がかかるときがあるかもしれないけどその時はごめんなさい。

コメントとか下さると嬉しいのでどんどんコメントして下さい!


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朝、起きて

「...もう朝か」

 

俺は目が覚める。そして俺は昨日のことをおもいだす。小さい頃に別れた小夜がこっちに帰ってきてくれたこと。学校でのことなど次々に頭の中に浮かんでくる。

 

やれやれ...昨日はいろんなことがあったな...

 

そう思いながら、スマホを手に取る。すると着信履歴とメールの履歴が900件送られていた。

 

「ん?……着信履歴とメールが来てるな。誰からだ?」

 

そう言いながら俺はスマホを操作し確認する。

 

するとメールと通話の履歴はすべて小夜のものだった。しかも通話は5分おきに掛かってきていてその全てにボイスメッセージが残されている。

 

「あ~……全く気付かなかったな。……とりあえず聞いてみるか。」

 

そう思いながら再生ボタンを押す。

 

『もしも~し、こんな夜遅くにごめんね。ちょっとはなしたくなっちゃって。もし起きてたら私に掛けてきてくれないかな? それじゃ、またね』

 

そう言いながら電話が切れる音が聞こえ、ツーツーと音が鳴る。

 

そして俺は続けてボイスメッセージを再生する。

 

『あれ~もしかして寝ちゃってる? もし寝てたらごめんね。また明日!』

 

そこでボイスメッセージが終了する。続けて流していく

 

『もしかして、起きてるのにわざと無視してるとかないよね? ねてるだけなんだよね?』

 

『まあとりあえず明日、昭の家に行くね!』

 

等々、明日の予定とかそういうのでボイスメッセージとメールが埋まっていた。

 

小夜には悪いことをしたかな。そう思っていると、家のインターホンが鳴る。

 

「は~い、今出ますよっと...」

 

そう言って扉を開けると、制服を着た小夜が立っていた。

 

「おはよう、昭♪」

 

「あぁ...おはよう。」

 

小夜が挨拶をしてきたので俺も小夜に挨拶を返す。そういえば昨日気付いたのだが、俺と小夜は家が隣だった。その事に小夜は、

 

「じゃあ、これから毎日遊びに行けるね!」

 

と言っていた。やれやれ、俺の家に来ても何も楽しくないんだがな。

 

「昨日は反応出来なくてごめんな。早めに寝てて気付かなかった。」

 

「いいの! あんな遅くにかけてきた私が悪いんだし!」

 

俺が謝ると小夜は気にしないでと言いながら、俺を許してくれた。

 

「そういえば、あまり人前では昭って言うなよ。」

 

俺がそう言うと目の光が消えて虚ろ目になる。

 

「何で?」

 

「前、ちょっとだけやらかしたことがあってな。それで名前を変えたんだ。」

 

俺がそう言うと、小夜に目に光が戻る

 

「そうだったんだ……とりあえず一緒に学校に行こうよ♪」

 

小夜が一緒に行こうかと誘って来る。

 

「まあいいけど、その代わり俺の友達も来るからな。」

 

俺がそう言うと小夜はがっかりとして

 

「ちぇ~まあいいや。」

 

「まあ支度してくるから、ちょっと待ってろ。」

 

そう言って俺は扉を閉める。そして、自分の部屋に置いてある鞄を取ると扉を開ける。

 

「それじゃ行くか。」

 

「うん♪」

 

そう言って扉に鍵を掛けて、小夜が俺の腕を組んで歩き始める。

 

「いきなり引っ付くなよ。」

 

「いやいや、これは付き合ってる人だったら絶対にやらないといけないの。」

 

そう言ってぎゅっと力を入れてくる。

 

「胸が俺の腕に当たってるんだが...」

 

「別に晧だったら私は構わない。」

 

「そうですか...」

 

そう言って俺は何を言っても無駄だと思い諦める。

 

「そういえば昭の友達ってどんな人?」

 

「そうだな……食事とか掃除とかに対していろいろうるさくてクラスの皆からはクラスのオカンとか言われていてな」

 

小夜がそう聞いてきたので俺は正直に答える。

 

「ふふっそれ面白いね」

 

小夜がそう言いながら笑う。

 

「それでその人の名前は?」

 

小夜がそう聞いてくる。

 

「黄昏 桜って名前。」

 

俺がそう返すと、

 

「えっ...女の人?」

 

そう言って小夜の瞳から光が消える。

 

「ねぇ...どういうこと?何で女の人と関わっているの?」

 

組んでいる腕を強くして、俺の方を見てくる。

 

「なんで...?どうして...?答えてよ...」

 

小夜が俺の腕に思いっきり力を入れて組んでくる。すると俺の腕から鈍い音がした。うわっ今ので腕折れた。

 

「あのなぁ...黄昏は男だ。女っぽい名前をしているが。」

 

「嘘だ...どうせ男っぽい性格の女性とかでしょ?...」

 

全く黄昏の名前はよく誤解を生むからなぁ...恨むぞ。そう思っていると、誰かがこっちの方へ走ってくる。

 

あれは....黄昏みたいだな。

 

「ごめん、待った?」

 

「あぁ、お前のせいで待った上に誤解された。」

 

「誤解って?」

 

「ああ!」

 

「いや答えろよ。」

 

そう言うやり取りをしていると小夜が黄昏の方を見る。

 

「....本当に男だった。」

 

「だから言っただろ、男だって。」

 

小夜はそれを聞いて、しょぼんと小さくなる。

 

「ごめんなさい...早とちりしてたみたい。」

 

「わかれば宜しい。」

 

そう言う会話していると、黄昏が聞いてくる。

 

「えっと...あなたは?」

 

「桐里君の彼女の朝比奈 小夜です。宜しくね♪」

 

俺の腕を組んで小夜がそう言う。

 

それを聞いて、黄昏が一瞬止まったが、次の瞬間、

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

彼の驚いた声が町中に響いた。

 

 

 

 

 



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登校、そして朝のHR

黄昏は驚いて叫んだ後深呼吸をして、話しかけてくる。

 

「えっと....朝比奈さんって転校生かな?」

 

「そうですよ。」

 

「確か、桐里に酷いこと言われたって聞いたんだけど...。」

 

「ええ、確かに言われました。けれど....」

 

そう言いながら組んでいる腕の力を強めてくる

 

「桐里君は、私と結婚するって約束したからね♪」

 

小夜が微笑みながらそう言うと黄昏は固まってしまった。

 

「えっ....あいつってそんなやつだっけ....?もしかしてこれは夢なのか?あいつはそんな約束をするようなキャラじゃない.....。」

 

などと小さい声で言っているのが聞こえる。....あとで覚えておけ。

 

「黄昏さん早く行きますよ!」

 

小夜が黄昏に呼び掛ける。黄昏はそれを聞いて我に戻る。

 

「あぁ....ごめんごめん。」

 

そう言ってこっちに来る。

 

「なぁ桐里。」

 

黄昏が俺に訪ねて来る。

 

「なんだ?」

 

「何でそんな約束したんだ?お前らしくもない。」

 

「まぁ昔してた約束だったからな....」

 

「へぇ~ということは二人は幼馴染みってことなのかな?」

 

「そうです!私と桐里君は小さい頃からの幼馴染みで運命の赤い糸で結ばれてますから。」

 

「そういやそうだったな...。」

 

思い出してみると小さい頃に小夜から「私たちは運命の赤い糸で固く結ばれているので、決して二人が離れることはありません!」とか言っていたな。

 

「赤い糸かぁ....というか桐里お前赤い糸の意味分かってる?」

 

「ん?赤い糸って二人が離れることのない、そういう意味だろ?」

 

「解釈的には合ってるかも知れないが違うぞ。本当はどんな人であろうと将来その人と結ばれる、いわゆる結婚ってことだ。」

 

「そうだったのか...」

 

「桐里君はそういう知識がないんですから...そういうところも好きなんですけどね♪」

 

「桐里、いい彼女を持ったな...」

 

そう言って黄昏は俺の肩に手を置く。やめろお前は俺の父親か。

 

「っていうか学校大丈夫ですか?」

 

その瞬間、俺たちの時間が止まる。

 

あれ...?今何時だろう...?

 

お互い目を合わせる。

 

そう思い、時計を見ると8時と書いてある。

 

「うわあああああ!!後五分しかねえええ!!」

 

黄昏が慌ててそう言う

 

「お前が何も聞かなければこんなことにならなかったんだ!」

 

「気になったからしょうがないだろ!」

 

「言い合ってる場合じゃないでしょ!」

 

「すみません...。」

 

「もうこれは先生に謝るしか...」

 

小夜が悩んだ挙げ句そう言う

 

「いや、小夜俺に任せろ。」

 

「なにかいい方法があるの?」

 

「先生に謝るしかのは遅れたらだろ?」

 

「そうだけど...」

 

小夜はでもどうやってと言わんばかりの目を向けている。

 

「簡単な話さ、俺が走るから、黄昏と小夜は俺に振り落とされないように掴まっておけばいい」

 

そう言うと黄昏は、顔が青ざめる。

 

「まさか...」

 

「こうするしかない。掴まれ。」

 

黄昏が俺の肩を掴む。...これじゃ小夜が掴む場所がないな...。

 

「小夜、俺の前に立ってくれ。。」

 

そう言って小夜を呼ぶ。

 

「う...うん。」

 

そう言って小夜は俺の前に立つ。どうやら意味はわかってないようだ。

 

「それじゃ、よっと...」

 

小夜の背中と腰を掴み、俺の腕で抱える。確か、お姫様抱っこってやつだっけ...?これのほうが運びやすいし、落とさないからな。

 

「えっ...ええ!?」

 

小夜は突然の事に驚いている。

 

「それじゃ、行くぞ...!」

 

そう言って走り出す。ちなみに皆で走ったほうが良くないと思ったあなた。自慢ではないが、俺の脚の速さは、例えるなら、アクセル全開のF1マシンより速い。どうみても化け物さ。

 

「うわああああああ!!」

 

後ろで黄昏の絶叫する声が聴こえる。ジェットコースターじゃねぇっつうの。小夜を見習え。

 

「昭が私をお姫様抱っこ...ふふっ幸せ。」

 

小夜はどんな状況でも落ち着いてる。

 

走っていると、学校に着く。ざっと一、二分程度で着いたな。

 

「心臓が止まるかと思った...。」

 

「驚きすぎなんだよ、お前は。」

 

「俺だけじゃないだろ、朝比奈さんだって驚くと思うぞ。」

 

「そう思うか?」

 

そう言って黄昏に見せる。

 

「幸せすぎて私死ぬのかもしれない...」

 

「あぁ...」

 

黄昏は何かを悟ったような顔をしている。

 

「早く入らないと遅れるぞ。」

 

小夜をお姫様抱っこのまま学校に入る。

 

「おい待てって!朝比奈さんをお姫様抱っこしたままいくのかよ!」

 

「あぁ...そのつもりだが」

 

「流石に不味いから、お姫様抱っこを止めてからいけよ!」

 

そう言って黄昏は自分の教室へと走っていった。

 

「やれやれ...小夜、学校に着いたぞ。」

 

「はっ!もう学校に着いたの?」

 

小夜は辺りを見回す。

 

「あぁ、もう教室に入るから下ろすぞ。」

 

そう言って小夜を下ろす。すると小夜は少しっ残念そうな顔をした。

 

「また今度家でしてやるよ。」

 

「本当?約束だからね!」

 

「あぁ、約束だ。」

 

そう言うと教室の扉を開ける。すると、女子が俺の顔が見えたとたん

 

「桐里くん、おはよう!」

 

一斉に挨拶をして来る。止めてくれ、後ろで小夜がこっちを睨んできてるじゃないか。

 

そう思いながら、席に座る。

 

「皆おはよう。」

 

小夜が皆に挨拶をする。すると、

 

「朝比奈さんおはよう!」

 

と皆が返す。早速人気あるなぁ...そう思っていると先生が入ってくる。

 

「皆、席に座って~朝のHRを始めるよ。」

 

先生がそう言うと皆席に座る。このHRで学校が始まる。そう言えば紹介するのを忘れていたが、あの人は、長瀬亜美。

皆からは長瀬先生と呼ばれている。まだ教師になって3年位らしい。

 

「それじゃ授業の場所に遅れないように。」

 

そう言って先生が教室から出ていき、朝のHRが終わる。すると、俺の周りにクラスの男子が集まってくる。

 

「おい、カケルお前今日の朝もしかして朝比奈さんと来てたのか?」

 

「...どうしてそう思ったんだ?」

 

「教室に入ってきたタイミングがほぼ同じだったからな。」

 

「でもカケルは昨日朝比奈さんにあんな言葉を言ったんだぜ。一緒に来るわけないだろ。」

 

「そーだそーだ!恋愛フラグをポッキリ折る奴が朝比奈さんと一緒に来るわけないだろ!」

 

そうだな。と満場一致する。お前ら...そう思っていると

 

「桐里君、早く行かないと遅れちゃうよ。」

 

「まだ準備ができてない。」

 

「廊下で待ってるから、準備出来たら一緒に行こ♪」

 

そう言って小夜は教室を出る。そうすると、クラスの男子がワナワナと震え始め、

 

「貴様ぁぁぁぁぁ!!朝比奈さんに何をしたぁぁぁ!!」

 

「何をしたって別になにもしてないが。」

 

「嘘つけぇぇぇ弱み握って脅したんだろぉぉぉ!!」

 

「弱みなんて何も持ってねえよ。」

 

「だったら毒電波か貴様ぁぁぁぁ!!」

 

「使えるわけないだろ。毒電波なんて」

 

全く、俺のイメージ酷くないか?さっさと準備しないとな。

 

そう言って準備をし、教室を出ようとする。

 

「逃げる気かカケル!」

 

「さっさと行かないと不味いっつうの。」

 

そう言って教室を出ようとする。

 

「あっ...そうだ。」

 

思い出して教室を出るのを止める。

 

「それでは、ご機嫌よう、さっさと彼女でも作ったらどう?」

 

そう言って教室を出る。教室内では、文句の声などが聴こえる。一度いってみたかったんだよ。この台詞。

 

「むぅ~遅い!」

 

小夜が膨れっ面でそう言う。

 

「悪い、悪いそれじゃさっさと行くぞ。」

 

「うん♪」

 

そういって小夜が腕を組む

 

「だから引っ付くなって。」

 

「でも嫌いじゃないでしょ?」

 

「....まあ悪くない。」

 

「あっ昭がデレた~」

 

「俺はツンデレじゃない。」

 

「絶対ツンデレだよ~」

 

そう言いながら俺と小夜は次の授業の場所に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんいつも見てくれてありがとうございます。

誤字、脱字リクエストがありましたら感想などで言ってください。待ってます。


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授業にて

どうも皆さんこんにちは。

「劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナルスケール-」を見てきました。

いや~最後は涙なしでは見れませんね。

それでは、どうぞ!


今は、国語の時間で作文を書くことになっている。目的は「今、自分の大切なもの」というのである。

 

自分が大切だと思っていれば何でもいいらしい。う~ん悩んでしまう。大切だと思うのねえ...

 

とりあえず、初心の気持ちを忘れずいろんなことに取り組むと書いておこう。

 

そう思いながら頭に浮かんだことをスラスラと書く。

 

「先生、書き終わりました。」

 

「随分と早いな、どれどれ....」

 

先生が作文の内容を見る。

 

「完璧だ、流石優等生だな。」

 

「あんまり誉めないで下さいよ。」

 

「それじゃ、作文のアドバイスをしていってくれないか?」

 

「わかりました。」

 

そう先生に返事をしてアドバイスに回る

 

「ねえ、ここの文の区切りがちょっとおかしいから変えた方がいいよ。」

 

「えっそうなの!?」

 

「うん、例えばこことかを変えるといいよ。」

 

そう言って、アドバイスを送る。

 

「ありがとう桐里君。」

 

俺はそこを離れる。お前女子となに会話してるんだって?

 

いやいや...授業中にあんなこと言ったら呼び出し確定だからね。それに問題を教える位なら別に好意とか持たれないだろ。

 

「桐里~ここ教えてくれよ~!」

 

俺を呼ぶ声がする。

 

「はぁ...どこだよ。」

 

「ここだよ、ここ。」

 

「ここはな....」

 

そう言ってアドバイスを送る。やれやれ、これならもっと遅めに終わるべきだったか?

 

そう思いつつ他の人にもアドバイスを送っていく。

 

そしてある程度、皆へのアドバイスが終わると急ぎ足で小夜の所に行く。

 

何でそんなに急ぎ足かって?早く小夜の所にいきたいからさ。

 

イチャイチャしたいだけだろって?...彼女には相当なアドバイスがいるからな。

 

俺が早めに作文を仕上げる理由となった彼女の席に着く。何せ彼女、作文が下手である。

 

小学校の頃、先生のチェックでほぼ全ての文がやり直しなった。

 

確かテーマは、将来の夢だったか。彼女は将来の夢に昭のお嫁さんと書いていた......可愛いなぁおい!

 

その日の夜、俺が彼女の家でアドバイス等を送ってちゃんと違う物を書かせてできたのである。

 

まぁ高校生にもなって、そんなことはないだろうと思い、小夜に声をかける。

 

「朝比奈さん、今どこまで出来て....」

 

作文の内容を見ると、作文用紙全てに、

 

晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き

晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き

晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き

晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き

晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き

 

とぎっしり書かれていた。うん変わってないね。

 

「あっ桐里君、これどうかな?」

 

「....」

 

俺は、彼女に近づき、

 

「俺も大好きだよ、小夜。」

 

と耳元でそっとささやいた。すると小夜の顔が一瞬真っ赤になるが、深呼吸などをし冷静になろうとしている。

 

「ちっ違うよぉ、作文の内容についてやり直しがないか聞きたかっただけなのに...」

 

「分かってるよ。からかっただけだ。」

 

「からかわないでよ。」

 

小夜が顔を膨らませて怒る。因みにこのやりとり、すべて皆に聞こえない程度の声で会話している。

 

「とりあえず、全部書き直しだな。」

 

「えぇ~」

 

小夜が嫌そうな顔をする。

 

「このまま先生に出すわけにもいかないだろ。」

 

「....うん。」

 

「アドバイスはできるだけするからさ、頑張ろうな。」

 

「分かった!....ところでさ」

 

小夜の眼から光が消える。

 

「何だ?」

 

「さっき、女子と話してたよね、あれどういうこと?」

 

「アドバイスを送ってただけさ。」

 

「....桐里は私だけのモノなの、だから他の女にアドバイスなんか送らなくていい」

 

「そうだな...小夜はおれの恋人だもんな。」

 

そう言うと小夜の眼に光が戻り、笑顔で

 

「....うん♪」

 

「まあ、それより書き直しするぞ。」

 

「うぇ~」

 

ちなみに、このあと内容を変えさせて「私の大切な物は人との優しさ」になった。

 

何とか先生のチェックにも引っ掛からず、無事に提出することができた。 

 

すると授業の終わりのチャイムがなる。先生に挨拶をして教室から出る。

 

「あぁ~疲れたなぁ~。」

 

そう言って小夜は背伸びをする。

 

「後半ずっとお前に付きっぱなしだったな。」

 

「ありがとね、桐里君♪」

 

「どういたしまして、」

 

「お礼として、桐里君にプレゼントしてあげる♪」

 

「へぇ一体なにを....」

 

くれるんだ?そう言おうとしているうちに小夜が俺の顔に近づいてきて、お互いの唇が合わさる。

 

「あげちゃった、私のファーストキス♪」

 

「だったら俺も小夜にファーストキスをあげたことになるな。」

 

「うぇ!?...とっても嬉しい。」

 

「小夜、早くしないと置いてくぞ。」

 

「ちょっと、待ってよ~」

 

小夜が俺の方に走ってきて腕を組む。

 

「だから歩きづらいんだって。」

 

「えへへ~。」

 

全く小夜には聞こえてないみたいだ。

 

「まぁいいか...。」

 

そう言って歩き続けた。



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お昼休みの時間

どうも作者です。そろそろ設定書いた方がいいかなーとか思いつつ、話を書いたりしてます。

やっぱり書いた方いいのでしょうか?

それではどうぞー


時間が過ぎて、今はお昼休みの時間になった。俺は、鞄から弁当を取り出す。

 

この弁当は俺が朝から手間暇かけて作った物だ。これを持って小夜が待っている屋上に行く。

 

屋上の扉を開けると、小夜が弁当を持って待っていた。

どうやら扉を開けた音で俺が来たのに気づいたらしく手を振っている。

 

「桐里く~ん」

 

小夜が俺を呼んでいる。おそらくこっちにきてということだろう。 俺は小夜の方に歩いていく。

 

「ごめん、待った?」

 

俺がそう聞くと小夜は首を横に振り、

 

「ううん、全然待ってないよ」

 

と小夜はそう言った。俺はその場に座り

 

「とりあえず弁当食べよう」

 

そう言うと、小夜も頷き、その場に座る。

 

小夜が自分の弁当を開ける。するととても美味しそうな匂いが俺の鼻を刺激をする。

 

「とても美味しそうだな」

 

そう言うと小夜は嬉しそうに

 

「うん、今日はうまくできたの!」

 

と誇らしそうに胸を張る。

 

「良いな、料理がそんなに上手くて」

 

そう言うと小夜が頭に?を浮かべながら首を傾げる。

 

「何で?私より桐里君の方が上手でしょ」

 

小夜はおかしいところでもある? と言いたそうな顔をする。

こんなことを言う理由は、小さい頃、小夜が俺の手料理を食べたいって言ったので適当に作ってあげたら「美味しい、こんな食べたことないよ!」と言われた。

 

正直、自分ではかなり下手な方だと思っている。何を作ろうとしても変な味になったり、とても不味くなるからだ。

 

「そんなことないさ、現に俺の弁当はかなり不味いものだらけだぞ」

 

そう言いながら自分の弁当のミートボールを食べる。う~んやっぱ美味しくない。

 

そう思っていると、小夜が俺にこう言ってきた。

 

「じゃあ私のだし巻き卵と桐里君のを交換しよ!」

 

流石に俺のを食べさせるわけにはいかないので断ろうとしたが、「駄目、もうこれは決まってるの!」と言ってきたので従うことにした。

 

「じゃあ、渡すから弁当箱を近づけて…」

 

俺のだし巻き卵を箸で掴んで、小夜の弁当箱に入れようと小夜の方を見ると、小夜は口を開けている。

 

確かこれはあ〜んというやつだったか? テレビで女性が男性にしてらしいことランキングというのがやっていて3位ぐらいだった気がするぞ。ということは小夜もしてほしいということか。なら……

 

「あ〜ん」

 

だし巻き卵を掴んだ箸を小夜の口へと近づける。

 

「あ〜ん………んっ」

 

小夜は俺のだし巻き卵を口の中に入れるともぐもぐと食べている。

 

やはり美味しくなかったのか、顔を少し歪めるが、ごくんと飲み込んだ。

 

「な、美味しくないだろ」

 

俺がそう言うと、小夜は首を横に振りながら

 

「ううん、桐里君が食べさせてくれたからとっても美味しい」

 

と小夜はそう言ってくれた。とっても嬉しいけど本当に美味しく作れるようになりたいな。

 

そう思っていると小夜が悩んでいたが、少ししてあっという声をあげた。

どうしたんだろうと小夜に聞いてみると、何で桐里君が前私に作ってくれたときはあんなに美味しかったかわかったと言うのだ。

 

俺は、それが気になったのでどういうことか聞いてみると自分では思ってないような答えが返ってきた。

 

「あのときは、私に作っていたから美味しいものを作ろう、不味いものを食べさせるわけにはいかないと思って作ったからあんなに美味しかったんだ!」

 

「つまり……どういうことだ?」

 

俺は小夜の言ったことがさっぱり分からず、小夜に聞く。

 

「簡単に言うと、他人に料理を作ると美味しくできるってこと!」

 

小夜が簡単に説明してくれる。なるほど、だからあのとき小夜も美味しいと言ってくれたのか……

 

俺はそう納得していると、小夜があ〜んと言いながら、だし巻き卵を近づけてきていた。

 

それに応えるように俺もあ〜んと言いながら小夜のだし巻き卵を食べる。

 

すると、口の中から卵の味が広がり甘い味がする。しかし甘過ぎるのではなく、程よい甘さである。

おそらく塩と砂糖を入れて砂糖を塩よりも少し多めに入れたのであろう。

 

「上手く出来たつもりなんだけど、どうかな?」

 

と小夜が心配そうに聞いてくる。それに対して

 

「とってもおいしいよ。」

 

俺は素直に思ったことを言う。すると小夜は不安な顔から笑顔に変わり嬉しそうにしている。

 

「さて、早く食べるか」

 

そろそろ昼休みの時間が終わりそうなので小夜にそう言う。小夜も頷き急いで食べる。

 

「今度、桐里君の分も作って来るから!」

 

小夜がそう言う。じゃあ俺も応えるように言う

 

「じゃあいつか小夜の分も俺が作ってあげるよ。」

 

「うん、楽しみにしてる!」

 

そう言うと俺たちが約束した今度を楽しみにしながら弁当を食べる。

不思議なことにそのときは自分の弁当が少しだけおいしく感じた気がした。

 

 



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下校の途中で

今回は黄昏君視点です。

桐里君を待っていた人はすみません。お許しください!

それではどうぞー





「それじゃ、また明日!」

 

そう言って俺は朝比奈さんと桐里に別れを言う。

 

「それじゃ、また明日ね、黄昏さん。」

 

「また明日な。」

 

朝比奈さんと桐里が手を振りながら言う。桐里は朝比奈さんと会って変わったな……前は無愛想で何事も聞き流していたが、今ではあんなに、俺としては嬉しいことですよ。

 

そう思いながら心の中で涙を流す。

 

「さて……家に帰って洗濯物とらなきゃな。」

 

そう言って俺は、家に向かって走り始める。自慢ではないけど俺は運動は得意な方だ。ただ桐里がおかしいだけだ。あいつだってあんなのなければただの普通の人なのにな……

 

そう思っていると、誰かとぶつかってしまい、俺も相手も尻もちを着く。しまった、俺の不注意でぶつかってしまった。そう思い、立ち上がって相手の方に駆け寄る。

 

どうやらぶつかった相手は女性みたいでうちの制服を着ている。同じ学年の人か……? そんなこと考えてるよりも謝らければ。

 

「すみません、大丈夫ですか? 俺の不注意でこんなことに……」

 

そう言って手を女性に差し出すが、その女性に手を払われる。

 

「助けはいりません。こっちも少し考え事をしていたので、それでは」

 

そう言って女性は去っていった。何だったのだろうかあの女性は。多分同じ学校の人だろうが、どこかで見たことあるような。そう思っていると学生手帳が落ちていた。

 

これさっきの彼女のだろうか。そう思いながら、その学生手帳を見ると名前のところに「白崎 朱璃」と書かれていた。それを見た瞬間、俺はどこで彼女を見たのか、わかった。

 

確か、俺の同じクラスだったはず……あんまり彼女と話したことないから見てもすぐ分からなかったのだろう。それよりもこの学生手帳を返さなければ。

 

そう思い、彼女が行った方向を見たが、既にいなかった。

 

「仕方ない、明日に返すか……あっ洗濯物!」

 

そう言って家に向かって走る。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

次の日、桐里達には、少し早めに出ると言っていつもより早めに学校に着いた。

 

教室に入ると、白崎さんが、席に座っていた。朝の光が彼女の銀髪を照らしていて、とても綺麗に見えた。早く学生手帳を返さないと何処で無くしたか困っているだろう。そう思いながら白崎さんに声をかける。

 

「あの~白崎さん」

 

そうすると彼女がこっちに振り向く。顔はとても整っていて、女性の中でもとても綺麗だと思う。

 

「貴方は昨日の……」

 

彼女がそう言ってきたので、とりあえずもう1度謝っておく。

 

「昨日は本当、ごめん」

 

「それで……私に何の用ですか?」

 

彼女がそう聞いてきたので、俺は鞄の中から白崎さんの学生手帳を取り出す。

 

「昨日、ぶつかった時に落としたみたいだから、渡そうと思ったけどもういなかったから今日渡そうと思って」

 

そう言うと、彼女は学生手帳を受け取って

 

「そう、ありがとう」

 

そう言って、本を読み始める。冷めた対応だな……まるで昔の桐里みたいだな。そう思いながら俺も席に着く。

 

あとからクラスの人が教室に来る。だるいーとか帰りたいとか言う声が聞こえる。まだ学校に来たばっかりだぞと思う。

 

しばらくすると先生が来て朝のHRが始まる。後でわかったことだが、白崎さんは男子の中で結構人気がある。なんでも綺麗なところとか、クールなところとかが人気の理由だ。

 

そして結構頭もいい。学年2位だそうだ。1位は桐里らしい。桐里は変なところで負けず嫌いがあるからな。

この前なんかゲーセンに誘ったとき勝つまでずっとやらされた。

 

そして授業が始まって、白崎さんを見ていたが授業をしっかり真面目に受けていた。先生の質問にも的確に答えている。流石学年2位と言ったところか。1位とはまるで違う。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「へっくしゅん!」

 

いきなりくしゃみがでる。

 

「桐里、もしかして風邪か?」

 

先生が心配そうに言ってくる。

 

「いえ、大丈夫です。誰かが噂したんでしょう。」

 

そう言うと、クラスの皆が、クスクスと笑う声が聞こえるが小夜は辺りを見回している。その眼には光がない

 

女子が噂していると勘違いしているのか? とりあえず後で何か安心することをしてあげないと

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

一日の授業が終わり、放課後になる。俺は先生に呼ばれて、空き教室を掃除している。何でも、演劇部が使うそうなので、俺が掃除に呼ばれたのだ。早く終わらせて帰らないと。

 

そう思い、早めに掃除をする。うわ、ここめっちゃ埃があるなぁ。

 

そうやっているうちに教室の掃除が終わる。もう外も太陽が沈みかけている。

 

急いで買い物とか行かないと、そう思いながら掃除道具を片付けて、学校を出る。

 

お店に向かって全速力で走る。このままだと特売の時間に間に合うか……? そう思いながら、走っていると何とか3分前に間に合う。なんとか間に合ったか……特売を逃すと痛いからな。

 

お店の中に入ると、既に静かな空気が伝わってくる。これが嵐の前の静けさってやつか……俺はそう感じながら商品コーナーの後ろで待つ。主婦の人やおばちゃんからとてつもない威圧感が出ている。普通の奴ならここでビビってしまい、どこかに立ち去るが、俺は違う。あえてこの場に居続ける。

 

そういう空気が続く中、店員さんが安全な場所に行き大きな声で

 

「特売セールのはじまりでーす!」

 

宣言すると俺達は駆け足で特売セールの商品へと行く。そこには、転けてしまい踏み台にされるものや、押されて外に出された奴もいる。だが俺は屈しない。グイグイと身体を押し込み、商品のところに近づいていく。主婦の人達に押されるが負けじと俺も押し返す。

 

そして遂に、商品コーナーの場所に着いた。そして牛肉と卵3パック、そしてある程度の野菜を取ると急いでレジの所へ向かう。

 

だが商品が取れたところで安心してはならない。取れたとして安心して戻ると、奪い取られる可能性だってある。俺も最初の頃はそれでやられた。だがしかし俺は急いでレジに向かう。途中で行く手を阻む敵が現れるが、難なくそれを突破し、レジに着く。俺の勝ちだ。

 

勝利を確信しながらレジを終えると袋に詰めていく。すると

 

「あっ黄昏さん。」

 

呼ばれた方を見ると朝比奈さんがいた。

 

「朝比奈さんもここで買い物を?」

 

俺がそう聞くと

 

「うん、特売セールを狙ってね」

 

この通りと彼女はレジ袋を見せる。

 

「へぇ~凄いな、特売セールは初めて?」

 

「ううん、子供の頃から桐里君と一緒に行ってたの」

 

へぇ~子供の頃から特売セールに行っていたのか。それじゃあ俺なんかとは実力が違うってことか。

 

そう思いながら質問をする。

 

「ということは、桐里と一緒なのか?」

 

そう聞くと彼女は首を横に振り

 

「今日は家にいるよ。なんか疲れてそうだったから寝てると思う」

 

話しながら袋を詰め終わると袋を持つ

 

「それじゃあ朝比奈さんまた明日」

 

「うんまた明日」

 

そう言いながら、お店の外を出る。すっかり遅くなってしまった。あまり行きたくない道だが、早めに家に着くので裏道から行こう。

 

そう思い、裏道を通る。何故行きたくないかと言うと、ここは暗い道のうえにあまり人が通らないせいで不良がたまりやすいのだ。

 

進んでいくと、やはり誰か絡まれているのか。不良の声が聞こえてきた。可哀想な人だな。こんな道通るから。

 

そう思っていると助けてという声が聞こえる。なんか何処かで聞いたことあるような……

 

そう思いながら壁越しからそっと覗くと、女の子相手に不良三十人と言う大人気ない光景が見えた。しかもその女性は白崎さんだった。

 

そこからは、もう身体が勝手に動いた。レジ袋をそっと地面に置き、卵1パックを開けて卵を一つ取ると不良に投げつけた。

 

見事投げつけた卵が不良の1人に当たり、中身が出ている。

 

「誰だ、お前は!?」

 

不良の1人にそう聞かれたので答える。

 

「たまたまここを通った高校生だが?」

 

うん間違ってないよ。たまたまここ通っただけだよ。そう言うとふざけんなと言われて不良が殴りかかってくる。やれやれ平和に終われないのかな。

 

そう思いながら不良の拳を避わしながら顎に拳を入れると真上に吹っ飛んでいく。それを見た不良たちは数で俺に攻めてくる。やれやれさっきので学べばいいのに。

 

1人目の拳を受け止めて、もう1人が殴って来るので掴んでいた拳を腕に持ち替えて引っ張り殴らせる。そしてその隙にそいつの顔面に拳を食らわせる。

 

倒れ込んだ奴の脚を掴みぐるぐると振り回す。それでバッタバッタと倒れ込む。そして持っていた奴を奥の奴らに投げる。そうやっているうちに1人になる。

 

「あとお前一人だけになったぞ」

 

そう言って不良に近づくと不良は白崎さんの方に近づきナイフを突き立てる。

 

「こっ……こいつの顔に傷を付けたくなければ」

 

そう言っている間に俺は卵を投げつける。その卵が不良の顔に当たって目が見えない間に近づいて殴りつける。

 

良かった。卵を当たらなかった時に備えて二つ持ってきていて。そう思いながら白崎さんの元に行く。

 

「もう大丈夫だよ。白崎さん」

 

安心させるためにそう言うと彼女は俺に抱きつき泣き始める。

 

「もしかして……っ誰も来てくれないかとっ……でも黄昏さんが来てくれたからっ……私あんなにひどいことを言ったのに……っ……!」

 

そう言いながら涙の雫が地面に落ちていく。それを見た俺は、白崎さんの頭を撫でながら大丈夫、大丈夫と声をかける。

 

しばらくして、彼女が泣き止んだあと、家まで送ってあげることにした。

 

お互い無言のまま、白崎さんの家に着いた。白崎さんの家はマンションで扉の前まで一緒に行った。

 

「それじゃ、俺はここで」

 

そう言って帰ろうとしたとき、彼女から、「待ってください!」と呼び止められた。

 

「あの……今日は本当にごめんなさい。冷たい態度をとっちゃって」

 

「それなら別にもう気にしてないよ」

 

「こんな私ですけど、もし黄昏さんがよかったら、その……」

 

そう言って彼女は意を決して俺にこう言った。

 

「付き合ってください!」

 

……えっ夢かな? 俺に春が来るなんて。ちょっと俺の頬を引っ張ってみるか。

 

そう思いながら頬を引っ張るがとても痛かった。―――夢じゃないのか?だったら俺が言えることはひとつ

 

「あぁ、喜んで」

 

そう言うと彼女が泣き崩れ、「よかった……っ!……よかった……!」と言っていた。とりあえず俺は頭を撫でておいた。

 

ちなみに泣き止んだ後 帰ろうとしたら料理を作ると言い出したので折角だからご馳走になった。

 

彼女の料理はとてもおいしかった。しかし、あの調味料を合わせることであんな味ができるとは……勉強になったな。

 

そう思いながら、家に向かって歩く。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

黄昏さんが帰って数分たった。最初は黄昏さんのことは、気になっておらず、冷たい態度で接していたが、学生手帳を私のところに持ってきてくれたのはちょっと嬉しかった。

 

そして不良に絡まれて、危ないところを黄昏さんが助けてくれたのだ。あんな冷たい態度を取っていたのに関わらずに不良達に立ち向かってくれた。

 

そして私に大丈夫だよと言ってくれて思わず泣きついてしまった。そんな私を彼は、泣き止むまで頭を撫でてくれた。私はそのとき思った。あぁ……私彼のことが好きなんだって。

 

そして、私は彼に告白した。もしかしたら断られるかもしれない。何せあんな冷たい態度を取っていたのだ。頭を撫でてくれたのは落ち着かせるためだけであって、告白に断られるかもしれない。そう思っていた。

 

しかし彼は喜んでと言ってくれた。それを聞いてまた私は泣いてしまった。いつから私はこんな泣き虫になってしまったのだろう。そしてまた彼が頭を撫でてくれた。彼が撫でてくれるととても気持ちが落ち着く。

 

夜も遅かったので彼に夕食をご馳走した。彼はとてもおいしいと言ってくれて、全部食べてくれた。

 

何だろう、たった1日しか会ってないのに、こんな関係になるなんてとても信じれない。

 

とりあえず友達に彼氏が出来たというメールを送っておこう。彼女にはとてもお世話になったから。

 

メールを送ると、すぐ返事が帰ってきて『おめでとう! 彼氏はとてもいいよ。心配してくれるし、会えるととても嬉しい気持ちのなるし、とにかく頑張って!』と書かれていた。ちなみに友達というのは、転校生の朝比奈さんである。

 

「ふふっ……早く明日にならないかな」

 

そう言って私はベットに入りゆっくりと眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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休日

すみません、書くのが遅れてしまいました。

見てくれている皆さんには本当に申し訳ないと思っています。自分なりに早めに投稿していきたいです。

それではどうぞー


「ふわぁ~………今日もよく寝たなぁ」

 

そう言いながら俺は制服に着替え部屋を出て、リビングに行く。

 

「おはよう母さん」

 

「あら昭、今日は早起きなのね」

 

母さんは俺にそう言ってくる。

 

「何だか最近よく眠れるからね」

 

そう言いながら椅子に座る。今日の朝ご飯はフレンチトーストか。

 

そう思っていると

 

「もうそろそろ、小夜ちゃんが来る頃じゃない?」

 

そう言っていると、ピンポーンと家の中に鳴り響く。

 

俺は椅子から立ち、玄関の方まで歩いていく。玄関のドアに着き、覗き穴を見ると小夜が立っていたので扉を開ける。

 

「おはよう、小夜」

 

俺は小夜に挨拶をすると何故だか少しがっかりしたような顔をする。

 

「どうしたんだ、小夜」

 

俺はそう聞くと、小夜が答える。

 

「折角、昭の可愛い寝顔が見れると思ったのに……」

 

小夜はそう言ってくる。

 

「あのなぁ……別に寝顔はどうだっていいだろ。とりあえず中に入れよ」

 

そう言うと小夜はお邪魔しますと言いながら家の中に入っていった。

 

「そういえば、なんで昭は制服を着てるの?」

 

「だって今日は学校だろ?」

 

そう言うと小夜はクスクスと笑いはじめてこう言ってきた。

 

「今日は学校創立記念日だから休みなの」

 

そういえば今日は創立記念日だったな。そう思いながらリビングに入る。

 

「いらっしゃい、小夜ちゃん。折角だから朝ご飯でも食べる?」

 

「それじゃ、ありがたくいただきます」

 

そう言いながら小夜は頭を下げて椅子に座って俺の隣に来る。

 

「なんで俺の方に来るんだ」

 

「別にいいじゃない、減るものじゃないし」

 

そう言って俺に引っ付いてくる。

 

「小夜ちゃんは本当に昭のことが好きねえ~」

 

母さんが俺達にそう言ってくる。

 

「だって、私は昭さんを愛していますから!」

 

小夜は何の恥じらいもなく言い切った後、胸を張る。俺はそれが少し恥ずかしくて

 

「早く食べるぞ」

 

と照れ隠しに言うと小夜は俺の顔を見てニヤニヤしながら

 

「うん!」

 

と返事をしながらフレンチトーストを食べる。

 

 

 

 

──────────────────────

 

朝ご飯も食べ終わり、母さんも仕事に出て現在、俺の部屋に小夜と二人っきりである。

 

これから何をしようか小夜に相談しようとすると小夜が俺に

 

「二人っきりだね……」

 

と身体をくねくねさせながら言ってきた。

 

「そうだね」

 

と俺は軽く流すと小夜が不満そうな顔をする。

 

「二人っきりなんだよ!」

 

「うん、二人っきりだな」

 

そう流していると小夜が

 

「すっとぼけて……えいっ!」

 

そう言って俺をベットの上に押し倒す。

 

「二人っきりって言ったらこれしかないでしょ……」

 

そう言いながら小夜は、服のボタンを一つずつ外していく。

 

「ちょっと待て、ストップだ」

 

そう言うと小夜は手を止める。

 

「何よ昭?」

 

「二人っきりといってもそれはおかしいだろ」

 

そう言うと小夜は

 

「えぇ~何で?」

 

「それで赤ちゃんが出来たらどうする?」

 

「私、昭とだったら大人の階段登ってもいいよ……?」

 

そう言って上目遣いでこっちを見てくる。

 

「この歳で父親になりたくない」

 

「えぇ~い、情けない奴!」

 

「若さ故の誤ちとか嫌だよ!」

 

「昭が私に勝てるとでも!?」

 

「俺の力は伊達じゃない!」

 

と何処ぞの赤い彗星と白い悪魔みたいなことを言いながら小夜を抑え付ける

 

そんな事をしていると玄関のチャイムが鳴る。俺は小夜を抑え付けるのを止め、小夜に

 

「ちょっと出てくるから待っててくれ」

 

そう言って、玄関の方へと走る。

 

「今出ますよっと」

 

そう言って扉を開けると

 

「よう、桐里」

 

「何だ、黄昏か」

 

「突然だが、遊びに行かないか?」

 

「珍しいな。お前から誘うなんて」

 

そう言うと黄昏が頭を掻きながら

 

「いや、それが……」

 

すると黄昏の後ろから、銀髪の女性がひょこっと出てくる。

 

「へぇ~貴方が黄昏さんの友達ですか……」

 

そう言ってこっちをじっと見てくる。何なんだこいつは。

 

「……おい」

 

「どうした桐里?」

 

「何なのこの娘」

 

俺がそう尋ねると、黄昏がその娘の横に立ってこう言ってきた。

 

「紹介するよ、この娘は……」

 

「白崎 朱里です。これからよろしく」

 

「俺は、桐里 カケルだ。よろしく」

 

お互い自己紹介を終えると、俺は黄昏に質問する。

 

「で、2人とも付き合ってるの?」

 

「ええ、勿論です」

 

白崎さんがきっぱりと言い切る。

 

「で、その2人が何で俺なんか誘うの?」

 

「いや、どうせならと思って」

 

「2人でデートすればいいのに」

 

「私もそう言いましたが、黄昏さんがそれは徐々に後からしていってほしいと言いまして」

 

「おいおい黄昏、そんなんでいいのか?」

 

「恥ずかしいんだよ、仕方ないだろ」

 

そう話していると、家の中から小夜が玄関の方へと来る。

 

「あっ朱里ちゃん!」

 

小夜が白崎さんに挨拶すると白崎さんはとても驚いた顔をしている。

 

「朝比奈先輩っ……って何ですかその格好っ!?」

 

服が少しはだけていて、下着が少し見えている。小夜の奴、ちゃんと整えてこなかったな。そう思っていると小夜が

 

「いやぁ~桐里君がね……」

 

と言っていた。嘘しかないじゃないか。そう思っていると

 

「朝比奈先輩に何をしたぁっ~!!」

 

白崎さんがこっちに殴りかかってきたのでその腕を掴み、腕を捻って、地面に座らせる

 

「やめてよね、君が本気でやって俺に勝てるわけないでしょ」

 

そう言うと白崎さんが

 

「朝比奈先輩には彼氏がいるんですよっ!」

 

「うん、知ってる」

 

「知っててやったんですかっ!?」

 

「やってないし、そもそも小夜の彼氏俺だよ?」

 

そう言うと白崎さんはきょとんとした顔をして

 

「朝比奈先輩、本当なんですか?」

 

小夜にそう聞くと

 

「うん、そうだよ♪」

 

小夜は笑顔でそう答えた

 

「ごめんなさいっ!そうとは知らずに勝手なことを」

 

そう言って素早く土下座していた。物凄く速かったな……

 

「まあそもそも小夜がちゃんと身なりを整えてくればそんな誤解は生まれなかったから」

 

「ひどいよ、桐里君!そっちから誘ってきたくせに……」

 

「誘ってないし、さっさと身なりを整えろ」

 

そう言うと小夜がションボリとした顔をし

 

「はぁ~い」

 

と返事をしてボタンを止める

 

「大変なんだな……」

 

と黄昏が俺にそう言ってくる。

 

「いつもこんな感じさ」

 

うん、いつもこんな感じだから。もう慣れちゃった。そう思っていると

 

「ていうかなんで桐里さんは制服なんですか?」

 

と白崎さんがそう言ってきた。……気付かないうちに着替えてきたかったのになぁ

 

「いや~これは……」

 

俺がどう言い訳しようか悩んでいると小夜が、

 

「それはね朱里ちゃん、桐里君が今日を学校だと思ってたからだよ!」

 

と言った。こいつ、本当のこと言いやがった!

 

「桐里……だからあれほど日程を確認しとけと言ったのに……」

 

「桐里さんは少しおっちょこちょいなんですね!」

 

「桐里君は私が付いてないとこうなんだから」

 

「うるさいうるさいうるさい!とにかく着替えてくるから待ってろ!」

 

「……桐里ってあんなキャラだっけ?」

 

「外ではクールな感じを出してるだけでいつもはあんな感じですよ♪」

 

「そっ……そうなのか」

 

「ええ♪でもそういうところも可愛いところですよ」

 

「さっ参考にします!」

 

「しなくていいから」

 

くそっ人が居ないのをいい事に言いたい放題言いやがって……そう思いながら、小夜たちのところに戻る

 

「待たせたな」

 

そう言うと黄昏が

 

「ああ、それじゃ行こうか」

 

『俺達(私達)の戦場に!!』

 

と皆でこう言いながら、俺達は出かけて行った。



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ダブルデート

どうも作者です。

すみません! なかなか小説の内容が思いつかなくて苦労してました! そして、FGOや白猫をしてました。ごめんなさい!

待っていてくれた方、本当に申し訳ないです。

それではどうぞ


「朝比奈先輩、これからどうしましょうか?」

 

白崎さんが尋ねてくる。

 

「ふぇっ!? 何で私なのっ!?」

 

小夜が驚きながら理由を聞くと

 

「やっぱり初デートの私達より、経験者の先輩の方が頼りになりますから」

 

と白崎さんは期待の眼差しを向けながら話す

 

「えぇっ~……」

 

それを聞いて小夜は困った顔をして、こっちを向く。実は俺らも今日で初デートだったりする。それをすごく言いたいがあの期待の眼差しを見ると、とても言えることではない。

 

「とっ……とりあえず遊園地にいこうか! 初デートといったら遊園地だからねっ!」

 

小夜がそう言うと黄昏は「やっぱり経験者は違うな」と言っていた。ごめん経験者じゃない、初心者だよ。俺らも初デートなんだよ。と心の中で呟きながら歩く。

 

しばらく歩いていると遊園地が見えてきた。ここは休日だと、とてもカップルやら家族連れなどで一杯である。

 

昔は、俺も両親と一緒にここに来て遊んだものだな。今じゃ彼女を連れてここに来るとは思わなかったが。

 

まずは入口でフリーパス4人分を買っておく。

 

そうすると白崎さんが「私達は2人で行動するので」と言い先に行ってしまった。

 

「朱里ちゃんたちも先に行っちゃったし私達も先に行こっ!」

 

思い出に浸っていると小夜から腕を引っ張られる。

 

「うわっ!? いきなり引っ張るなよ!」

 

「えへへ~桐里君あれに乗ろうよ!」

 

そう言って小夜が指指しているのはコーヒーカップであった。

 

「コーヒーカップか……あれはあんまり混んでなさそうだし……いいぞ」

 

そう言うと小夜と俺は走ってコーヒーカップの場所まで行き、受付を済ませ、コーヒーカップの席に座る。

 

「ねえ、桐里君今までコーヒーカップでの戦績は?」

 

「そうだな、ざっと70勝0敗といったところか……」

 

「へぇ……じゃあ相手にとって不足なしだね。」

 

「小夜の戦績も聞いておこうか」

 

「私は79勝0敗よ」

 

「お互い負けなしってか。ならばその戦績に1敗って文字を入れてやるぜ」

 

「それはこっちの台詞よ。桐里君を倒して80勝になってみせる」

 

そう言い合っていると間もなく運転が始まるというアナウンスが流れる。

 

「それではいざ尋常に……」

 

「「勝負!」」

 

2人で言うと思いっきりコーヒーカップの皿を回す。するとコーヒーカップの速度がどんどん上昇していく。

 

「あはははっ! たっのしー!」

 

「あぁ……こんなに楽しいと思ったのは俺も初めてだ。」

 

「もっと楽しみたいけど、勝負だからね。これで終わらせるよ!」

 

「それは……こっちの台詞だっ!」

 

そう言いながら更に回し続ける。既にコーヒーカップの限界速度まで達していた。しかし両者はそんなこと知らずに皿をずっと回し続ける。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

────────────────────

──────────────

──────────

 

 

「……うっぷ」

 

「まさか……引き分けなんて……」

 

現在俺と小夜はベンチで横たわっている。あの後、結局勝敗は決まらずお互いに気分が悪くなった。

 

「全く、何やってんだか」

 

「そうですよ、折角のデートなのに……」

 

どうやらたまたまコーヒーカップを見ていたら俺たちを見つけてベンチまで運んで来てくれた。本当にすまない。

 

「あははっごめんね珠理ちゃん。私達はもうちょっと休んでるから遊んで来てていいよ。」

 

「いや、こんな状態の奴らを置いていけないんだが……」

 

「大丈夫だから、遊んで来いって」

 

「いや……そう言われてもですね……」

 

「ほらっもう元気になったから!」

 

そう言って俺と小夜は腕をぐるぐると回す。

 

「なっならいいですけど……ちゃんと休んで下さいね」

 

そう言って黄昏と白崎さんは他の場所にいく。俺と小夜は笑顔で手を振って見送る。そして見えなくなったところで小夜がベンチの上で横になる。

 

「うぇぇぇ……気持ち悪いよぉ」

 

「大丈夫か?」

「何で桐里君はそんなに早く治ってるの……?1人だけずるいよぉ」

 

「何か水でも買ってこようか……?」

 

「お願ぃ……」

 

流石に小夜がきつそうなので、近くの自販機まで急いで行く。

 

「えっと、水は……これか」

 

お金を入れていろんな飲み物がある中でいろほすという天然水を見つけボタンを押すとゴトンと音がしながらいろほすが出てくる。それを手に持つと小夜がいるところまで走る。

 

「はい。水を持ってきたよ」

 

俺がいろほすを手渡すと小夜はキャップを開け、飲み口に口を付けゆっくりと飲み始める。

 

「ありがとう……だいぶ気分が良くなったみたい」

 

そう言うと小夜は身体を起こす。

 

「気分が良くなったから、私達も楽しもうか!」

 

「じゃあ何に乗る?」

 

俺がそう聞くと待ってましたと言わんばかりに指を指す。指を指した方にあるのはジェットコースターである。

 

「あのジェットコースターはとっても面白いらしいよ!」

 

「でもさっきまで苦しんでたのにあんなのに乗っても大丈夫か?」

 

「大丈夫、大丈夫っ!」

 

そう言いながら俺の手を引っ張る。そしてジェットコースターのところに着くとあまり並んでおらず、すぐに乗ることが出来た。

 

「楽しみだねっ!」

 

「そうだな……」

 

小夜がそう言いながらシートに座りレバーを下ろす。

 

正直言おう。俺はジェットコースターが苦手だ。

 

何故かと言うと、あの加速する瞬間がまるで勝手に空に飛ばされている感覚がするからだ。自分で飛んだ方が楽しいだろうに。

 

『それでは、発進します。』

 

そんな事を思っているうちに発進のアナウンスが聞こえてくる。そしてゆっくりと動き出し坂を上り始める。

 

「あのー……小夜? 俺がジェットコースター苦手なの知ってる?」

 

恐る恐る小夜にそう言うと小夜にはまるで聞こえてなく降りる瞬間を待ちわびている。

 

そうしているうちに一番上まで来たらしい。ゆっくりと降りていく。

 

あぁ……さよなら俺。

 

「きゃああああああ!楽しいね桐里君!」

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

 

______________________

_________________

 

 

「ごめんね。つい桐里君がジェットコースター苦手なの忘れてた……」

 

「……それは忘れないで欲しかったな」

 

現在、ベンチで小夜に膝枕してもらっている。実はあの後小夜がもう1度行きたいと言い、断ろうとしたが、「駄目かな……?」と上目遣いで言ってきたため、断りきれず行ってしまった。ちなみにこれを3回位繰り返している。

 

「本当にごめん!」

 

「言わなかった俺も悪いし、もういいよ」

 

そう言うと、小夜は申し訳なさそうな顔をする。

 

「……それよりそろそろ帰る時間だから最後に観覧車に行こうか」

 

「……うん!」

 

そう言って一緒に観覧車の場所に行く。

 

「……んっ」

 

俺は無言で小夜に手を差し出す。それを見るととても嬉しそうな顔をして手を繋ぐ 。

 

「ついに桐里君にもデレ期が……!」

 

「誰がツンデレだ」

 

全く……どうみたら俺がツンデレに見えるんだ……

 

そう思いながら歩いていく。

 

「あんまり人が並んで無いみたいだからすぐに乗れるな」

 

「やった!」

 

そう言って小夜はぴょんぴょん跳ねながら喜ぶ。なんか『ぴょんぴょん跳ねて可愛いでしょ!』って声が聞こえる。とりあえず鉄槌の僧侶を出しときますね。

 

「あのー2人で乗りたいのですが」

 

「あっ大丈夫ですよ。ちょっとお待ちください」

 

そう言って従業員の人が空いている席を見つけるとドアを開けて「どうぞお乗りください」と言う。俺たちは観覧車に乗ると従業員の方がごゆっくりと言い扉を閉めた。

 

「2人で観覧車に乗るの久しぶりだね」

 

そう言って小夜が言う。

 

「その時は小学校のときだったっけな」

 

「そうそう、あの時はわたしと桐里君と私達の両親で行ったよね」

 

そう聞きながらあの時の事を思い出す。あのときは、小夜と俺の両親と小夜の両親で一緒に遊園地に行ったなぁ……あの時は本当に楽しかったなぁ…

 

「あっ見て見て!綺麗な夕焼け!」

 

そう言って小夜が外の景色に指を指す。確かに綺麗な夕焼けだな

 

「ねえ桐里君」

 

「どうした、小夜」

 

「これからは2人でずっといようね」

 

「……そうだな」

 

「約束だからね!」

 

「あぁ……約束だ」

 

そう言って小夜はゆっくりと顔を近づける。

 

「……今は駄目だ」

 

「えっ〜! せっかくいいムードだったのに!」

 

小夜が文句を言う。俺は無言で前の観覧車の席を見ろと指差す。小夜が向こうを見ると、白崎さんと黄昏がこっちを見ていた。

 

それを見て理解したのか顔を真っ赤にして席に座る。

 

「うぅ〜っ まさかあの2人も乗ってるなんて……」

 

「まあ仕方ないだろう」

 

そう言っているうちにだんだん地面が近くなってきた。

 

「もうそろそろ地面に着くぞ」

 

「そうだね」

 

そう言って地面に着くと従業員の人が扉を開ける。俺たちはゆっくりと観覧車から降りる。そして後から降りてきた黄昏達をこっちに呼ぶ。

 

「もう暗くなってきたし、後は別々に帰ろっか」

 

小夜がそう言う。まあデートで来てたからな、うん

 

「それじゃあ、私達はこれで」

 

そう言って白崎さんと黄昏は帰っていった。

 

「じゃあ私達も帰ろっか!」

 

小夜がそう言って俺の腕を組む

 

「そうだな」

 

そう言って帰り道で色々話しながら俺と小夜は帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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謎の荷物

どうもお久しぶりです。最近投稿遅れてしまいこの小説を見てくれている方々には本当に申し訳ありません。あまりネタが思いつかなかったり、リアルがとても忙しくて書けませんでした。そんなこんなで気がついたらUAが7000突破してました。こんな小説を見てくれてありがとうございます!

恐らく次も遅れるかもしれませんが、是非見ていってください。

12/21 誤字を修正しました


「やっぱり、休日は家でのんびり過ごすのが一番だな~」

 

そう言って俺は淹れておいたお茶を飲む。うん、美味しい。

 

小夜は、白崎さんと他の友達と買い物に行ったらしい。そし、母さんは会社の方で1泊2日の社員旅行で今日は帰ってこない。

 

「つまり、家には俺しかいない!」

 

つまり、ゆっくりと過ごせるわけだ!……別に寂しい訳じゃないからな……

 

「まぁ、テレビでも見るか」

 

そう言いながら、ソファに座り、リモコンを持ってテレビの電源を付けようとすると家のチャイムの音が鳴る。

 

「一体誰だ?」

 

そう思って玄関前行くと、外から「宅配便でーす!」という声が聞こえてきた。

 

「今開けまーす」

 

俺はそう言って扉を開ける。すると宅配便の人がとても大きい段ボールを持ってきていた。

 

「此処に判子かサインお願いします」

 

紙を渡されたので俺はそれにサインする。

 

「えっと、これは何が入ってるんですか?」

 

俺は宅配便の人に聞くと向こうもよく分からないと答えてきた。

 

とりあえず、宅配便の人と一緒に運びながら中身が謎の荷物をリビングまで運ぶ。それにしても、中身は何なんだ?……

 

俺はそう思いながら宛名の所を見る。すると桐里 透と書いてあった

 

「っ!?父さんから!?」

 

そう、桐里 透とは俺の父さんの名前である。父さんの仕事は科学者だ。だからかあまり家には帰ってこない。

 

そしてそんな父さんから荷物が届いた。一体なんなんだろうか。

 

そう思いながら段ボールを開ける。すると手紙が1枚入っている。それを開けて読んでみる。

 

内容は、『突然荷物が届いて驚いたと思う。今回は父さんとその助手が頑張って作ったものだから是非使ってほしい』とのこと。何が入ってるんだ?

 

そう思いながら、新聞紙やプチプチを取り出していく。すると人の手が出てきた。

 

「人の手?……いや、これはアンドロイドか」

 

そう、触ったら金属のような冷たさがあった。とりあえず、中身を慎重に取り出していく。

 

全て取り出すと、本当にアンドロイドが出てきた。女性の。そして金髪。しかもメイド服ときた。お手伝いロボットか? しかしこいつを見て疑問に思う。それは

 

「こいつ、本当に機械なのか?」

 

見た目だけでは全然わからないほど人間に再現してある。成程、本当に頑張って作っているらしい。

 

「何処かに電源ボタンがあると思うから……」

 

そう言いながら、俺は電源ボタンを探す。しかし、何処にも電源ボタンは見つからない。

 

「やれやれ、一体何処にっ……!?」

 

そう言ってる間に、口にとても柔らかい感触がする……こいつ既に起動していたかっ!

 

「ぷはぁっ……無事起動と主人(マスター)認証が完了しました!初めまして、私はユキと申します!」

 

そう言いながら彼女は、笑顔を俺に向けてくる。はぁ……父さんはなんでこんなものを……

 

「どうしましたか?」

 

彼女は首を傾げて俺に聞いてくる。

 

「えっと……ユキは、どういう目的で作られたんだ?」

 

俺はそう質問すると彼女はこう答えてきた。

 

「勿論、ご主人様のお世話から家事などみての通りのお手伝いロボットです!」

 

誇らしげに彼女はそう言う。

 

「そしてもう一つは……」

 

そう言うと彼女の姿が見えなくなる。

 

「家の警備及び、対象を完全護衛するために作られました!」

 

物凄い速さで俺の後ろに回り込みながら、俺に刃物を向けようとする。

 

「……遅いぞ」

 

俺は彼女の刃物を持ってる手を掴み、手首を捻って、関節技を決める。

 

「いたたたたっ!? あの速さに対応できるなんて嘘ですよね!?」

 

関節技を決められた彼女はとても痛そうにしながらそう行ってくる。というかロボットに関節技効くんだ。

 

「当たり前です! 何しろ私は人間に最も近くなるように作られ痛たたたたたっ!? やめて下さい!ごめんなさい!」

 

そう彼女が悲願してるので放す。そうすると、彼女はとても痛がりながら立ち上がる。

 

「……さっきは音速の速さで移動したんですけど、なんで分かったんですか?」

 

彼女がそう聞いてきたので、こう返した。

 

「それよりもっとやばいやつと出会ったことがある。」

 

まあ昔の事だが、光の速さで移動したり、何も無いところからいきなり現れたりする奴がいたからなあ……

 

「なんですかその人……本当に人間ですか?」

 

「まあ、少なくとも人間さ……」

 

俺はそう言った後小さく呟いた。

 

「俺よりよっぽどな……」

 

それが聞こえたのか、彼女は顰め面をした後、立ち上がってこう言った

 

「誰が言おうと貴方は人間です! この私が保証します!」

 

それを聞いて俺は、笑ってしまう。

 

「なっ……何がおかしいんですか!」

 

そう彼女が怒りながら言ってきた

 

「はははっ……ごめんごめん、まさかユキから言われるとは思わなくて」

 

「もういいです!」

 

そう言って彼女はそっぽを向く。あらら、やり過ぎたか……

 

「まぁ、これから宜しくな」

 

そう言って手を差し出すと、ユキも俺の手を掴み、

 

「……ええ、宜しくお願いしますご主人様」

 

「……その呼び方変えられない?」

 

「なんでですかー!?」

 

この後、色々話し合って他の呼び方に変えようと頑張るのは別の話…

 

 

 

 

 

 

 



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ユキと小夜

どうもYusuke5831です。FGOでセイレム2のガチャで爆死して数日後にエレシュキガルがクリスマスで来ると聞いて、嬉しさと悔しさで溜まりません。来るとわかっていれば残したのにな……

それでは本編をどうぞ


突然だが、目の前でこんな状況起きていたらどうする? 自分の彼女と、家にいるお手伝いアンドロイドが争っていたら。しかも、言い争いとかではなく包丁と、刀の打ち合いやっている。

 

正直、そんな状況ありえないと思う。うん、そう思いたい。だが現実で起きていた。というか小夜は何処に包丁を入れてたんだろうか。

 

まあ、そのことは置いといて、こうなった原因を話そう。そう、あれは三十分前のこと……

 

─────────────────────────

─────────────────────

 

「おはようございますご主人様!」

 

朝から元気にユキが俺にそう言ってくる。

 

「だから、ご主人様って言うのやめろ」

 

俺がそう言うとユキは

 

「別にいいじゃないですかぁー減るものじゃないし」

 

とそう言ってきた。……それでもなんか嫌なんだよ……俺はそう思いながら、身体を起こす。

 

「さて、朝食の準備でも『もう作ってありますよ!』……」

 

「洗濯でも『もうやってあります!』……」

 

「……顔でも洗いに行くか『任せて下さい!』」

 

ユキがそう言うと俺を抱えて運び出す。……便利過ぎるのも考え物だな。と俺はそう思った。

 

洗面所に着いて顔を洗った後、ユキが作った朝食を食べ(結構美味しかった)リビングでくつろぐ。そうしていると、玄関からチャイムの音が鳴る。恐らく小夜だと思う。

 

俺は立ち上がって玄関の方に行こうとすると、ユキが『私が出てきますので、大丈夫ですよ!』と言って玄関の方に行ってしまった。

 

さて、大丈夫だろうか。そう思って玄関の方に見に行くと刀と包丁で打ち合っていた。

 

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────────────────────

 

と今の状況に至る。一体どうしてこうなったのか……そう思いながら、耳を澄ませてみると、話し声が聞こえる。

 

「貴方に桐里君を渡すものか!」

 

「それは、こっちの台詞ですよ!」

 

「大体、貴方は桐里君の何なんですか!」

 

「私はご主人様の専属メイドです!」

 

そう言い合いながら金属のぶつかり合う音が響く。……そろそろ止めなきゃな。

 

「2人ともそこまでだ」

 

そう思いながら俺は2人の間に入り込み、戦闘をやめさせる

 

「「そこを退いて、じゃないとそいつ殺せない!」」

 

と2人同時に言う。仲が良ろしいことで……

 

「まあ、とりあえずそんな物騒な物は置いて、何があったか話してくれないか?」

 

俺がそう言うと二人は刀と包丁を鞘とケースに入れる……本当に何処にそんな物を隠していたのだろうか……

 

そう思っていると、ユキが話し始める

 

「それは、数分前のことでした……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどねぇ……」

 

俺は2人の話を聞き終わる。どうやら、ユキが小夜に俺にとっての特別な関係だと言ったので、小夜が殺す為ににさっきのように戦っていたということらしい。どういうことなの……まるで意味がわからなかった。とりあえず、俺は小夜に違うという事を説明する。納得したのか、さっきまでの殺意は消えた。

 

「まぁ……家に上がってくれ」

 

俺がそう言うと、小夜は顔を笑顔にして

 

「お邪魔しまーす!」

 

そう言って家の中に入っていく。

 

「それではお茶とお菓子を用意してきますね」

 

そう言ってユキは台所の方へ行く。とりあえず、小夜のところに行かなきゃな……

 

この後、ユキと小夜がお菓子の取り合いになったり家がボロボロのなったりしたのは秘密。

 

 

 

 

 

 

 



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学校生活

どうも、お久しぶりです。インフルエンザにかかってしまい、投稿するのが遅れました。すまない……

そしてfgoで二十連して邪ンヌが出てくれました! 発狂するほど嬉しい……それではどうぞー


「ご主人様起きてください!」

 

俺を起こす声が聞こえる。もう朝か……そう思いながら俺は目を開けて体を起こす。

 

「おはようございますご主人様!」

 

「あぁ、おはようユキ」

 

ユキが挨拶してきたので俺も返す。まぁ、いい加減ご主人様呼びはやめて欲しかったが。

 

「……ところで、なんでこんな時間に起こしたんだ?」

 

そう今の時間は4時ぴったりである。いつもは、6時に起きるのだが、なんでこんな朝早くに……

 

そう思っていると、ユキこう言ってきた。

 

「今日は学校ですから朝比奈様にお弁当を作ると言ってませんでしたか?」

 

「そういやそうだったな……」

 

……そういえば、昨日電話で、明日、お互いにお弁当を交換しようって言ってたな。だからユキに朝早くに起こしてって頼んだっけな。

 

「じゃあ、お弁当を作るついでに、俺が今日の朝ご飯作っていい?」

 

俺がそう聞くと、ユキは首を横に振る。

 

「駄目です! それでは、私がいる意味無いじゃないですか!」

 

だめだ、これは何を言っても譲らないな。そう思うとため息をつき、

 

「……じゃあ朝ご飯作るの頼もうかな」

 

「わかりました!」

 

こういう時は諦めるのが早い。そう思った俺だった

 

 

───────────────────

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「ふぅ……なんとかできたな」

 

やっと小夜の弁当ができた。正直小夜の好みは知らないが、バランスの良い弁当ができたと思う。終わったと思うと少し疲れた。まだ、4時30分か……少し仮眠を取ろう。

 

そう思い、俺はユキに六時になったら起こしてくれと言いながら自分の部屋に戻り少し寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「起きてくださーい」

 

俺を起こす声が聞こえる。どうやら、六時になったみたいだ。俺はそう思いながら身体を起こす……あれ、身体を起こすことができない。もしかして……俺の身体の上に誰か乗ってるのか? そう思いながら目を開けると

 

「あっ桐里君おはよう、今日もいい天気だねっ♪」

 

そこには、彼女(小夜)がいました。

 

「おはよう、小夜」

 

とりあえず俺は挨拶を返す。

 

「さあ早く制服に着替えてー!」

 

小夜がそう言うと俺の制服を持ってくる。

 

「あぁ、ありがとう」

 

そう言って俺は制服を受け取ると、着替え始める。何故か小夜は手で目を隠してたが……指は開いてたから隠したとは言わないと思うけど。

 

そして着替え終わり、朝食を食べる為に1階へと降りる。

 

「2度目ですが、おはようございます」

 

「あぁ、おはよう」

 

お互いに挨拶をする。机を見ると朝食が並べられていた。俺と小夜は椅子に座る。少しするとユキも椅子に座る。

 

朝食は、アジの塩焼きに味噌汁、たくあんと和食である。

 

『いただきます』

 

そう言って俺達は朝食を食べる。うん、おいしい。

 

「やっぱり、ユキさんの料理は美味しいですね!」

 

「メイドですのでこれくらい出来ないと!」

 

そう言ってユキは誇らしそうな顔をしていた。

 

「そういえば、ユキは和食が得意なのか?」

 

俺はユキに質問をする。そう、ユキは此処に来てから和食しか作っていない。

 

するとユキは、こう言ってきた。

 

「いえ、他にも洋食や中華も出来ますが和食の方がいいかなと思ったので」

 

なるほどな……本当に万能だ。俺はどちらかといえば和食が好きだ。

 

「お陰で私はゆっくりできるから本当ユキちゃんはありがたいわ」

 

そう言いながら母さんが階段から降りてくる。

 

「お母様、おはようございます!」

 

「あらあら、そんなに畏まらなくてもいいのに」

 

「いえ、お母様には恩がありますので!」

 

そう、母さんはユキを此処に置くのに了承してくれたのだ。……本人曰く、お手伝いさんが欲しかったとかなんとか。

 

「「ご馳走様でした」」

 

「お粗末さまでした」

 

そんなこんなで朝食を終えると、学校に行く準備をする。うん忘れ物は無さそうだ。

 

「桐里君〜! 早く行こー!」

 

小夜が呼んでるので、鞄を持って玄関に向かう。するとユキが玄関の前で

 

「それでは行ってらっしゃいませ」

 

「うん、行ってきます」

 

俺はそう返事をすると扉を閉めて、小夜のところに向かう。

 

「それじゃ行こうか」

 

「うん!」

 

そう言って俺達は歩き出す。当然小夜が俺の腕に組んでくる。もう慣れたものだ。

 

そう思いながらしばらく歩いていると、後ろから声が聞こえる。恐らく黄昏と白崎さんだろうと思うが……

 

「……このまま、誰にも見つからずに学校に行きましょう」

 

「白崎さん……なんで手を繋いで……?」

 

「気にしないでください」

 

なんか手を繋いで歩いて来ていた。……ちょっと面白そうだ。後ろから驚かしてやろう。

 

そう思うと、俺は小夜が絡ませていた腕を離すと隣の堀を踏み台にして家の屋根に乗り、屋根の上を飛んで移動し、白崎さんと黄昏の後ろに飛び降りて足音を立てずにゆっくりと移動する。そして後ろから声をかける。

 

「それで、誰にもばれずに手を繋いで学校に行けたのかな?」

 

「えぇ……今のところ誰にも……」

 

白崎さんがそう言ってる途中で俺の方に振り向く。そして俺に気付くと冷や汗がダラダラと流れている。

 

「き、」

 

「き?」

 

「きゃああああああ!!」

 

俺は白崎さんに腕を掴まれて投げられる。あぁ……この浮いている感覚久しぶり……

 

「ごふっ!?」

 

そして地面に叩きつけられました。結構痛いな……。ていうか黄昏、驚いた顔をしてこっちを見るな。

 

「すっすみません!急に投げたりなんかして!」

 

白崎さんが俺に謝ってくる。

 

「いや……驚かそうとした俺も悪いし気にしないでくれ」

 

そう言って俺は立ち上がると汚れを叩いて落とす。

 

「全く、いきなりいなくなったと思ったら……2人の邪魔をして!」

 

すると、小夜が俺達のところに追いついて来て、俺の襟を掴み引きづっていく

 

「どうも、失礼しましたー!」

 

「ちょっと小夜さん!?首、首がぁぁぁ!!」

 

ちょっと待って、本当に息できない!死んじゃう!

 

そう思っていると、さっきいた場所から黄昏の声が聞こえてきた。

 

「安心しろ、息が出来ない程度じゃお前は死なないだろ」

 

黄昏ぇぇぇぇ!!後で覚えてろぉぉぉ!!俺はそう思いながら引っ張られていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、私が見てない隙にどっか行っちゃうんだから!」

 

「ごめんなさい」

 

そう言って俺は小夜に頭を下げる。そうすると小夜はやれやれといった表情でこう言ってきた。

 

「早く学校に行きますよ」

 

そう言って小夜は手を差し出してくる。

 

「……? いつもみたいに腕を絡ませないのか?」

 

「……たまには、手を繋ぐのもいいと思っただけですっ!」

 

俺がそう言うと小夜がそう言ってきた。さては、白崎さんと黄昏が手を繋いでるところをみたのかな?

 

「早く手を繋いでください!」

 

「はいはい」

 

小夜が急かしてくるので、俺は、小夜の指の間に俺の指を滑らせ小夜の指と俺の指を絡ませる様にして手を繋ぐ。

 

「えっ!?これって……」

 

小夜が驚きながら俺の方を見る。

 

「えっと……この前見た漫画で恋人達がこんな繋ぎ方してたから……もしかして嫌だったかな?」

 

「ううん、そんな事ないよ!」

 

そう言って小夜は物凄い嬉しそうな顔をしている。よかった、そんな顔を見れるだけでも昨日徹夜して恋愛系の漫画を読み漁ってて正解だった。眠気? そんなものはないよ。

 

そう思いながら恋人繋ぎをしながら歩いているうちに、学校に着いた。

 

「おーい小夜ー学校に着いたぞ」

 

「ふにゃ〜……桐里君と恋人繋ぎぃ……」

 

「戻ってこーい」

 

俺が小夜にそう呼びかけるが、小夜は上の空みたいだ……仕方ないので、小夜を揺さぶりながら声をかけ続ける。

 

「はっ!? 此処は……?」

 

「学校に着いたってずっと言ってたんだが……」

 

俺がそう言うと、小夜がごめんと謝ってくる。

 

「まぁ気にしてないし、早く教室に行こうか」

 

「うん!」

 

そう言って俺と小夜は靴を履き替えて教室へと歩く。少し歩いているうちに教室に着き、扉を開ける。するとクラス中から挨拶が聞こえてきたので俺も小夜も挨拶を返す。

 

そうして自分の席に座ると、近くの男子が俺の所に集まる。

 

「おお、お前ら久しぶりだなあ!」

 

「おいおい、たかが連休明けでそこまで言うか?」

 

俺がそう言うと男子達が笑ってそう返してきた。

 

「いやいや、だってお前らと会うのも10ヵ月と21日ぶりだし……」

 

「それ以上言うな!」

 

そう言うと、男子の皆がそれ以上いけない、とそう言ってきた。……事実なのにな。

 

そう思いながら、男子達と話していると朝のHRの開始のチャイムが鳴り、それと同時に先生も入ってくる。

 

「皆さんおはようございます〜!」

 

先生がそう挨拶すると、皆も挨拶を返す。さて今日も1日頑張りますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桐里君ー、一緒にお昼食べましょう!」

 

小夜が俺にお昼を誘ってくる。……あれ? さっきまでHRが始まったばかりと思っていたのだが……ッ!? まさか!この数時間が飛ばされた感覚っ!……

 

「俺は紅玉症候群にっ……!?」

 

「なってないし、第一、それは邪神が好きな人の傍に這いよるアニメでしかその病気はありませんから!」

 

俺がそう言うと小夜がそう俺に返してくる。こいつ……まさか見てたのか……後で問い詰めるか。

 

俺がそう思っていると、小夜が俺の手を掴んでくる。

 

「早く行きましょう! 」

 

「わかったから……弁当を取らせてくれ」

 

俺はそう言って自分の鞄の中から弁当箱を取り出すと、小夜と一緒に屋上へ向かった。

 

屋上に着くと、俺と小夜はその場に座る。

 

「そういやさ、この前小夜に弁当作ってくるって言ったろ?」

 

俺が小夜にそう言うと、

 

「あぁ〜確かに言ったねぇ」

 

そういえばという顔で頷く小夜。

 

「だからさ、作ってきたんだが……いるか?」

 

そう言いながら、ゆっくりとお弁当箱を差し出すと、物凄い勢いで、弁当箱を掴まれ、

 

「うん、絶対にいる!」

 

と即答で返された。

 

そうすると、小夜が俺に弁当を差し出してくる。

 

「それじゃ私のお弁当を食べて!」

 

「ああ、ありがとう」

 

差し出された弁当を受け取り、蓋を開ける。すると弁当の中にはおかずが色とりどりに入っている。

 

「それじゃいただきます」

 

「私もいただきます」

 

そう言って俺達は弁当に手をつける。

 

「やっぱりおいしいな」

 

「いやいや、桐里君が作った方がおいしいって」

 

「いやいや、小夜の方が……」

 

「だから桐里君の方が……」

 

俺達はお弁当を食べながらお互いのことを褒めあっていた。

 

そんな事をしているうちに、弁当を食べ終わり昼休み終了のチャイムが鳴る。

 

「それじゃ教室に戻ろっか!」

 

「あぁ」

 

そう言って俺達は教室に戻っていった。さて、残りも頑張るか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、おかしい」

 

「何がおかしいの?」

 

俺がふとそう呟いていると小夜が俺に聞いてくる。

 

「時間が飛んでるような気がするんだ」

 

「気のせいだから!そんなことより、早く帰ろうよ!」

 

「……そうだな」

 

俺はそう言ってこれ以上この事について考えるのをやめ、今は小夜と帰ることに集中しよう。

 

「それじゃ帰るか」

 

「うん!」

 

そう言って俺達は手を繋いで帰った。ちなみに帰ってる時に黄昏を見つけて追いかけ回したのは別の話……

 

 



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お掃除をしよう

どうも作者です。

気がついたらUAが1万超えていて、評価が★10が付いていて一言コメントも貰っていて凄く嬉しかったです。これからも投稿頑張っていきます!


「カケルーちょっと頼みたいことがあるんだけどいいかしら?」

 

リビングにいた俺が母さんに声を掛けられたのは、数分前。

 

俺は母さんが頼み事をしてくるのは珍しいと思いながら、取り敢えず話を聞くために椅子に座る。

 

すると母さんはこんなことを言ってきた。

 

「お掃除をしてくれないかしら?」

 

それを聞いて俺は、掃除ならいつもしてるじゃないかと言った。すると母さんは、「あぁ、ごめんなさい。私の説明不足だったわ」と言うと少し間を置いてこう言ってきた。

 

「貴方のお姉ちゃんの家の掃除をしてきてくれないかしら?」

 

それを聞いた俺は、思わず

 

「え?」

 

と間抜けな声が出てしまった。

 

 

──────────────────

───────────────

 

その後話を詳しく聞いたところ、俺には姉が居たらしく俺がまだ赤ん坊の頃に到底先の未来で作られる筈の自動運転の自動車を作ったり、AI技術をものすごく進めたり等色んなことをやってる内に、各国から是非我が国に来てくれ、技術を進めてくれだの言われその時に姉はどう対応したのかというと

 

『誰がお前達の言いなりになるか バーカ』

 

と言って現在行方不明らしい。貴女は何処の天災兎だ……

 

俺はまだ会ってない姉を、天災兎と当てはめる。うん、なんかやばい気がするぞ!

 

だがしかし、あまり頼み事をしない母さんが頼んできたのだ。断れる訳が無い、しかも掃除ぐらい簡単な事だ。大丈夫だ、うん。

 

自分にそう思わせる。自己暗示は大事なことさ

 

「それで、姉の居場所は何処に?」

 

「それが私にもさっぱり……」

 

つまり、母さんも場所はわからないと……これ詰みじゃね?

 

「前聞いたときは何処か無名の島だって言ってたけど……」

 

……嘘だろ? 手当り次第に探すしかないという事? はぁ……まじか。

 

「まぁ、取り敢えず行ってくるよ」

 

「ごめんなさいね、いってらっしゃい」

 

……さて、行くとしますか。

 

 

俺は、体勢を整えると思いっきり地面を蹴った。

 

人が多くいる場所等は屋根の上を飛んで移動したりした。海が広がっているところは水の上を走った。漁船に見られた気がするが気にしない。

 

そして、何個か島を見つけたが何処も住んでるような痕跡は無かった。

 

そして、何個もの島を探してこれで10個目となる島に着いた。

 

「これで見つかると良いんだが……」

 

俺は島を探索するがここにもない。ほんと何処に居るんだよ……?

 

俺はそんなことを考えながら、少しこの眺めを見ようと思い砂浜に座ろうとする。すると手のところに何かが当たる。

 

「何かあるみたいだな」

 

俺は手が当たった場所を少し掘ると少し小さめの箱が出てきた。箱を開けると赤いボタンが付いていた。……何かのスイッチなのか?

 

取り敢えず物は試しということでそのボタンを押す。

 

「……何も起こらないか」

 

そりゃそうだ。と思いながら俺は立とうとする。すると今まで座っていた場所に地面が無くなった。

 

……おいおい、ボタンを押すと下の床が開く感じかよ!?

 

そう思っても、空中を浮くことは出来ないので地面に着いても大丈夫なように身体回転させて二本足で地面に着地する。

 

俺は前を見ると、固く閉ざされた扉があった。さぁ、どうやって入ろうか?

 

恐らく、あの扉は爆破させようが何しようが開かないだろう。どうやって入ろうか……

 

少し悩んだ後、俺は仕方ないので何故か隣に付いているインターホンを押す。

 

「すいませーん お掃除サービスの者ですが!」

 

と大きな声でそう言ってみる。まぁ掃除をしに来たので間違ってはいない……よな?

 

そうすると、床がいきなり開く。またこのパターンかよ!? てか扉の意味ないじゃないか!

 

しかし、さっきとは違い滑り台になっていて物凄い速さで滑っている。

 

そしてあっという間に滑り台の場所が終わる。……摩擦で燃えないか?

 

俺は変な心配をしながら歩いていると、研究室と書かれた部屋に着いた。

 

中に入ると、女性が1人居た。……あれが姉さんか?

 

俺は予想をつけていると向こうは俺に気付いたのか

 

「やぁやぁ、初めましてとでも言おうか!」

 

と挨拶をしてきたので

 

「初めまして……」

 

と返しておいた。結構ハイテンションなんだな……

 

「早速だけど、君は何者なのかな?」

 

「何者かと聞かれたら!」

 

「答えてあげるのが世の情け?」

 

「ここの掃除をするために!」

 

「私の研究所(ラボ)にやって来た?」

 

「少しお茶目な高校生!」

 

「カケル!」

 

「千華!」

 

「銀河をかける俺達には!」

 

「ホワイトホール白い明日が待ってるよ!」

 

と何処かの〇ケット団の登場台詞で名前とここに来た理由を喋った。

 

「それで、誰に頼まれたの?」

 

「母さんに頼まれて」

 

こう聞かれたので、正直に鍛える

 

「なんで貴方のお母さんに頼まれたの!?」

 

「何でって……それは俺達は家族だからだろ?」

 

驚かれたので俺がそう言うと姉は「え?」と声に出して

 

「もしかして私の弟?」

 

俺はこくりと頷く。すると姉が飛びかかってきたので避けようとするが、それを予測していたのか空中で軌道変更をしてきたので結局、抱きつかれることになってしまう。まさか空中で軌道変更してくるとは……

 

「前見たときはあんなにちっちゃかったのに、こんなに大きくなって……お姉ちゃん嬉しいぞ!」

 

姉が俺に抱きしめながら頬ずりをしてくる。……この場に小夜が居なくてよかったな。

 

 

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「っ!……何か今、嫌な予感がしたんだけど……気の所為かな?」

 

「小夜ちゃん、早く次のお店に行こう〜!」

 

「うんわかった!」

 

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「そういや、掃除といっても私の研究室はそこまで汚れてないしなぁ……」

 

姉が少し困ったように言っているが、床や机に資料が散らばっていたり、使ってないパソコンやらに埃が被っていたりしている。というか結構汚い。どうやら俺の父さんもそうだが、科学者は汚いの基準が一般人と違うらしい。つまり科学者は、汚い=自分が研究出来ない程。ということなのだ。

 

「まぁ、ここら辺一体の掃除をするよ」

 

「それで良いのならいいや! それじゃ、お願いしまーす!」

 

「了解、3分で終わらせる」

 

了承を得ると、俺は掃除に励んだ。無論、全力(・・)で。

 

自分が今のところ出せる最大の速度で研究室や色んな所を行き来して、資料の整理やモップがけ等をやっていく。

 

3分が経過して、漸く掃除が終わった。……よし、ちゃん時間通りだな。

 

「ありがとう!お陰こんなに綺麗になったよ!」

 

姉は俺が掃除した場所を見てとても喜んでいた。そう言われると、掃除したかいがあったな。

 

「お礼にお姉ちゃんからカケルにこれをプレゼントしよう!」

 

姉はお礼と言って携帯電話を渡してきた。……携帯なら持ってるけど?

 

「ちっちっちっ、それを普通の携帯と一緒にしてもらっては困る!」

 

姉はそう言うと機能の説明をしてくれる。

 

「まずボタン一つで他人の携帯にウイルスを入れることができてー」

 

「そして迷惑電話をしてきた相手を爆裂させる機能とー」

 

「私を何時でもその場に呼べる機能とー」

 

「行きたい場所を押すことでその場所に行ける機能かな!」

 

正直、凄いのだが、最初の2つが面白……ゲフンゲフン、恐ろしくて使えないな。

 

「ありがとう 、大切にするよ」

 

「そうしてくれるとお姉ちゃん嬉しいな!」

 

俺が大切にするというと、姉はとても喜んでいた。というか、会う前はやばいと思っていたが実際は結構優しいな。恐らくその優しさは身内だけだと思うが……

 

俺はそう思いながら、最後のことはそっと胸の内に秘めておく。

 

「そういやお腹空いてない?」

 

そういえば、今日は何も食べていないな……

 

「まぁお腹は空いているけど、コンビニでなんか買って来るよ」

 

「じゃあお姉ちゃんが作ってあげよう!」

 

姉が腕を捲りながら自分が作ると言い出した。

 

「じゃあお願いしようかな」

 

俺はお願いすると、姉は頑張るぞー!と言いながら調理室に入っていった。

 

 

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「どうぞ召し上がれ〜」

 

姉が作った料理が机の上に置いてある。姉が作った料理はシチューだ。それはまだいい、しかし、シチューにしては真っ赤(・・・)に染まっているのだ。あれ、シチューって白くなかったか?

 

俺はそう思いながら、シチューを見ている。

 

「もしかしてシチュー嫌いだった?」

 

「いや寧ろ好きだけどね」

 

「遠慮せずに食べていいよ!」

 

……覚悟を決めるしかないか。

 

俺はスプーンを手に取ると、すくい上げると口の中に入れた。

 

……っ!!ぐぅぅっっ!? 物凄く辛すぎる!まるで舌が焼けるように痛い!! 一瞬辛さのあまり目の前が真っ白になってしまった。震えも止まらない。このまま食べ続ければ身体に異常が起こりそうだ……しかし、何故だ。この地獄のような辛さを美味しいと感じてしまう。何故かシチューを食べる手を止められない。

 

そうしてシチューを完食する。

 

「どうだった?」

 

姉が俺に聞いてきたので美味しかったと言うと、とても喜んでいた。……何故か、理解者が出来たと言っていたのだが。

 

「それじゃ、掃除も終わったし俺はそろそろ帰ろうかな」

 

椅子から立ち上がり、出口へ行こうとすると手を掴まれるる。

 

「泊まっていかないの?」

 

「明日は学校だから無理かな」

 

姉が聞いてきたので俺は学校だからと答えると少し姉ががっかりしている。仕方ない、皆勤賞欲しいからな……

 

「そうだ!さっきあげた携帯を使えば大丈夫だよ!」

 

姉がその手があったとばかりに言う。でもあれちゃんと機能するのか?

 

「大丈夫、大丈夫!ちゃんとテストはしてるから……最初は死にかけたけど」

 

姉がそう言ったので大丈夫だろう。……最後は聞かなかったことにしとく。

 

「まぁ……それならいいかな」

 

「やったぁ!それじゃ一週間よろしくね!」

 

俺が了承すると姉がこう言ってきた。

 

「ちょっと待て、一週間ってどういうことだ?」

 

「前にお母さんが手紙で弟が来たら一週間泊まらせて上げてねって……」

 

俺が尋ねると姉はこう答えた。もしかして、今日俺に頼んだ理由って……家で同僚とお酒飲むためかっ!

 

まあ過ぎたことは仕方ないかと思い、

 

「それじゃあ一週間お願いします……」

 

「うん、お姉ちゃんに任せなさい!」

 

こうして姉との一週間だけの共同生活が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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観察

今回、小夜視点です


「最近、桐里君の様子がおかしい……」

 

何だか最近私を避けているように感じる。朝は私より早く学校に行ってるし、昼食の時は一緒に食べてくれないし下校の時は一緒に帰ってもくれないし……今日もそうだったし、しかも何故か知らない女の匂いがスルンダヨネェ……?

 

「チョット観察してみようかな……?」

 

そうと決まれば早速行動だね!謎を解き明かさなくっちゃ!

 

そう思いながら残り少ない授業時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桐里君、一緒に帰ろ?」

 

「今日も急いでるから無理だ……ごめんな」

 

「急いでるならしょうがないよ」

 

授業も終わり終礼も済んだので私は桐里君に声を掛けるが断られてしまう。

 

「……それじゃ、また明日!」

 

桐里君が歩いて教室を出ていく。……それじゃこっそり付いて行きますか。

 

私も鞄を持って急いで外を出る。スニーキングミッションの始まりってね、ショータイムだ!

 

何処ぞの蛇の真似をしながら走る。走っているうちに桐里君を発見する。此処からバレないようにコッソリ尾行していきますか!

 

物陰とかに隠れながら尾行を続ける。これでも私、小さい頃は桐里君とかくれんぼで1回も見つかったことないんだから!

 

そして尾行を続けているうちに桐里君の家に付いてしまった。

 

別に女と待ち合わせとかしてる訳じゃないなぁ……じゃあ何でだろう?……あっ家の中に入っちゃった。仕方ない、この間仕掛けたカメラを見てみよう。

 

そう思い、スマホのアプリを起動して中のカメラを見てみる。

 

お風呂場……にはいない……あっ壊された。ちっ……リビングは……既に破壊済みかぁ。

 

何個か別のカメラ視点を変えてみるもどれも壊されている……くっ……あのメイドめぇ!

 

そうしていると1個だけ映像が出た。どうやら桐里君の部屋みたい、スマホを弄り出したけど画面を見る限り特に誰とも連絡を取っているわけではないみたい。

 

『それじゃあそろそろ行かなきゃな……』

 

桐里君がそう言って謎のアプリを起動する。なんだろ、あれ?そして少し操作をしてあるボタンをおすと桐里君が一瞬で消え……!?

 

「えっ、何処に行ったの!?」

 

突然部屋から桐里君が消え、部屋内を見るが何処にもいない。

 

「どうなっているの……?」

 

とりあえず、家に帰るしかないかな……?

 

スマホの電源を切り、歩いて帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、家に帰ってカメラを見ていたけれど桐里君が帰ってきたのは朝であった。けれど何処に行ってるのかが分からないままなんだ……

 

今日は授業も短縮だし……勝負するなら今日しかないよね!……ん?どうやって桐里君の行く場所を見つけるかって? そんなの簡単だよ、一緒に行けばいいのよ!

 

でも家に入れないんじゃどうしようもないって? それは大丈夫! 今わたしは、桐里君の部屋の押し入れ(・・・・・・・・・・・)にいます。メイドにバレないように二階の窓から入ったし、学校には体調不良と伝えたから大丈夫よ、後は帰ってくるのを待つだけ……

 

その矢先、階段を登ってくる音が聞こえてくる。帰ってきたかな?

 

ガチャリ。と扉の開く音が聞こえると共に桐里君の声が聞こえる。

 

「小夜が体調不良なんてな……後で御見舞に行くか」

 

少しだけ襖を開けて様子を見る。なんだか悪いなあ……仮病なのに。

 

「今日は早めに行って見舞いにいける余裕を作るか」

 

そう言ってスマホを触り出す。もう少し……もう少し……

 

少しして桐里君が何処かへ行く最後のボタンを押そうとする。……今だっ!

 

襖を開けて桐里君に飛び込んで手を伸ばし肩を掴む。すると一瞬で周りの景色が変わった。やっぱり……女の所に行ってたのかな?

 

「っ!? どうして小夜が此処に……体調不良じゃなかったのか?」

 

桐里君が私が居ることに驚きながら尋ねてくる。

 

「ごめんね、仮病なの」

 

「どうしてこんな事を……」

 

「最近桐里君がわたしを避けてたから……」

 

「避けてる……って俺はそんな事は……」

 

「教えてもくれなかったし、自分で探ることにしたんだ……なんだか桐里君から別の女の匂いもしたし……だからね」

 

「私にソノ女ヲショウカイシテよ……?」

 

そう言ってわたしはにっこりと微笑んだ。

 

 

 



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