龍狩りの金鎧 (GP)
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龍狩りの姫

ゆっくりのんびり書いてきます


時は400年前、人間は地上の王に君臨していた…しかし空にはより大きな脅威があった

その皮膚は岩より固い鱗に覆われ、その爪は鎧を易々と切り裂く、その背中には空を覆う程の翼が生えている、そしてその禍々しき口からは炎や雷を吐いたと言う

人々は空の王をこう呼んだ≪ドラゴン≫と

 

 

 

 

 

 

 

 

400年前…マリンフォード…

 

「コンコン!失礼します…元帥宜しかったでしょうか?」

ドアをノックする若い海兵が扉の前で中に居るであろう人物に許可をとる、その顔は暗く目にはうっすら涙を溜めていた

 

「あ、は~い大丈夫だよ~」

しかし部屋の中から聞こえてくるのは若い海兵とは真逆の雰囲気を持った声だった

 

「失礼します…」

そう言って部屋に入る

 

「お~、フラム君どうしたの~?」

海兵の前にある立派な椅子に腰を掛けているのはまだ20歳になるか成らないか程の少女だった

 

「本日明朝、イーストブルーの一つの町が例のドラゴン軍団に壊滅されました、今回も先頭はあの金角龍だったそうです」

するとさっきまでフワフワしていた元帥の顔つきが代わる

 

「そこに駐在していた海兵隊はどうなったの」

海兵は頬に涙を濡らしながら

 

「海兵隊1000名、最後まで一人も逃げずに戦い抜いたそうです、海兵隊は1000名全て殉死しました」

元帥と海兵は暫く下を向いていた

 

「わかった、殉死した海兵達の名前を一人残さず石碑に書き留めて、家族には私が直接謝罪しに行きます」

元帥は立ち上がり早速職務に移ろうとするとそれを海兵が止めた

 

「それともう一つ伝言を承っています、海軍元帥シャーナ・ステラ急ぎマリージョアに参集すべしと天竜人からです」

するとステラはため息を一つつき

 

「わかりました、では私が帰るまでに名前の確認をお願いしますね」

そう言って部屋を後にした

 

「何なのこの忙しい時に!!」

ステラはバルコニーにでた

 

「ハァッ…龍歩!!!」

その時、バルコニーから飛び降りる

しかしステラは落ちるのではなく逆に空へと舞い上がる

 

「さぁーてと、行きますか!」

ステラが使うのは大槌だが使える体術の中には6式と言うものがある

1、龍歩

2、鱗剃

3、鉤脚

4、鎧塊

5、死銃

6、龍王銃

 

今使ったのはそのうちの一つの龍歩、高速で飛び回るドラゴンに追い付く為にステラが生み出した体術の一つだ

ちなみにステラ直属の部隊≪滅龍隊≫は全員これらの体術を一つは保持している。

暫く飛び続けるとレッドラインが見えてきた

 

「さぁ、ついた」

ステラはマリージョアに降り立つと急いで応接室へと向かった

 

「海軍本部元帥…シャーナ・ステラお呼びと聞き参上しました」

すると応接室の扉が開き中から醜い男が手招きしている

 

「おそいえ!早く入るえ!」

ステラはお辞儀すると天竜人と思われる男の前へでた

 

「いつ見てもかわいいえ~、早くわちしの妻になるえ!」

天竜人からの誘いを受けるのも仕方がない

美しく艶やかな黒髪に怪しく光る黒い瞳、身長は150㎝程で大きくは無いが体は引き締まりスラッとした正に完璧な女性だった

 

「何度も申し上げていますが私は海軍本部元帥です、いくらあなた様の申し出でもお受けすることは出来ません」

いつものように断ると天竜人はフンッと鼻を鳴らし本題へ入った

 

「お前にドラゴン共の討伐を命令する、最近飛び回っているあの金色のドラゴンの軍団だ」

ステラはやはりかと言った表情をした

 

「ハッ!しかしドラゴン軍団の出現地点を予測するのは難しいかと」

ステラが言うと天竜人はまたフンッと鼻を鳴らし

 

「知らないえ、それはしもじもが考えることえ話は以上え帰るえ」

ステラは天竜人に頭を下げると部屋を後にして外へと出た

 

「やっぱりこの命令が出たか…早く帰らなくちゃ」

ステラは俯き何かを考えていた雰囲気だったが直ぐに前を向き空へと飛び上がった

暫く飛ぶとマリンフォードが見えてきた、何やらあわただしく人々が動き回ってる

 

「ねぇ何かあったの~?」

ステラは一人の海兵を捕まえると話を聞いた

 

「何ってお前……あ!これは元帥殿失礼しました、急ぎ作戦会議室へお向かいください!」

海兵にうながされるままステラは廊下を歩き作戦会議室へ向かった、先導している海兵の足取りはとても焦っているように見えた。

そして海兵が会議室の扉を開けると海軍の重役が揃い踏みしている

「あれー、皆こんなに集まってどうしたの~?」

ステラが訪ねると現海軍攻撃長が口を開いた

 

「報告します、今までのドラゴン軍団の攻撃進路を考えた結果、奴等の向かっている場所が見つかりました」

それはステラが頼んでおいた調査内容だった

 

「奴等の進路はここマリンフォードです、今までの破壊されてきた町はマリンフォードから一直線上にあるものでした」

その答えにステラは少し納得していた、ドラゴンの一番の宿敵は餌を狩るとき一番邪魔してくる海軍だった、ならその海軍のアジトを破壊すれば邪魔する奴等は居なくなる訳だから

 

「それともう一つ、奴等はもうグランドラインを抜けてこちらに向かっているそうです、ここから直線上にもう島は有りません」

回りの海兵達は震えたり涙を滲ませていた、しかし唯一落ち着いている人がいた

 

「あぁ、フラム君いつものちょーだい」

ステラだステラは部屋の番をしていたのは朝報告に来たフラムと言うまだ若い海兵に何かを頼む、するとフラムは何処かへ向かうと直ぐに帰ってきた

 

「こちらで宜しかったですか?」

フラムの手にはなにやら飲み物の様なものがあった

 

「これこれ~、ライム100%ジュース!」

ステラはグラスに添えてある筒に口を着けジュースを飲んだ

 

「あぁ~おいしいな~」

ステラは一息着くと話始めた

 

「あのさ~、外に全海兵集めて~大事なお話をしなきゃね」

ステラがそう言うと攻撃長は頷き直ぐに放送が入った

 

≪マリンフォード全海兵に次ぐ急ぎマリンフォード中央広場へ集合せよ繰り返す……≫

放送が止むと直ぐに海兵達は中央の広場へ集まって来た

 

「総員注目!!!これより海軍本部シャーナ・ステラ元帥よりお話がある!!!」

その声にステラは椅子を立ち上がりバルコニーへ出る、下にはマリンフォードの全海兵が集結している

 

「みんな~集まってくれてありがとう、みんな知っていると思うけど海軍本部元帥シャーナ・ステラです、みんな何で呼ばれたか薄々分かってるんじゃないかな~と思います」

ステラの言葉に少なからず広場はざわつく

 

「ここに今ドラゴンの大編隊が向かってきてます、その数1000匹を越えます」

元帥からの言葉に海兵達の不安は確信へと変わった

 

≪やっぱり本当だったんだ!≫

 

≪俺の町も焼かれたんだ!≫

 

≪無理だ…逃げよう!≫

 

様々な不安を表す言葉が飛び交う中一つの言葉が不安を断ち切った

 

「逃げてどうなる?」

ステラの言葉だった

 

「確かにドラゴンは怖い、仲間も何人も殺られた…けど私達が逃げたらどうなるの?ドラゴン達は帰ってくれる?違う

今度は今までの以上の虐殺が行われるわ、大切な家族を殺され自分だけが助かる未来を望むか?」

ステラの言葉に海兵達は下を向いた

 

「それで良いの?あなた達は何?偉大なる海グランドラインの守護者じゃないの?海兵がじゃないの!

私は命を賭けてこの戦いに望むわ、大切な家族を守るために…あなた達はどうする?無理強いはしない」

するとどこらかともなく声が聞こえてきた

 

≪守りたい…そう思って海兵になった≫

 

≪殺させない…海軍の誇りを見せてやる!≫

 

そんな言葉がそこかしこから飛び交う

 

「ドラゴンの軍団と戦う意思のあるもの達はこの紙に署名しなさい、あなた達が勇敢に戦った様を息子、娘、孫そして子孫に示しましょう!!!

ドラゴン共に見せてやれ!海軍の誇りを!人間の力を!」

 

≪海軍万歳!!!ステラ元帥万歳!!!海軍万歳!!!ステラ元帥万歳!!!≫

 

「奴等がここにたどり着くのは3日後、それまでに備えをしましょう!」

そしてステラが出した署名にはマリンフォード海兵5万8千300名全ての名前を確認した、その字の中に震えた文字は無く力強い海兵の文字があった

 

「さぁ、準備を始めましょう」

ステラはマリンフォードまでの海に一定の間隔で小型船を置いた、ドラゴンは船を見かけると構わず攻撃する習性が

あるため船に火薬と発色剤を混ぜて探索船にした、攻撃すると爆発と煙が上がるので来たら直ぐに分かる

湾内には大砲を用意した、しかし発射するのは弾では無く鉄で編んだ大きな網だ

ドラゴンの鱗は固い為に大砲ごときでは貫くことはできない、その為地面に落としてから体の柔い部分を攻撃するのだ

 

「両脇の塔には巨人族の巨大バリスタを配備して、これならドラゴンの鱗も貫くことが可能なはず」

着々と準備が整ったそして等々3日目勝負の時が来た

 

「報告します、只今正義の門前に用意していた探索船が爆発しました、奴等が来ました!」

回りに緊張が走る

 

「捕縛弾装填、バリスタ用意!!!」

1分後奴等が現れた

 

≪ゴアァァァーーーーー!!!≫

大地を震わせる咆哮と共に一体のドラゴンが突っ込んでくる

 

「来るぞーー!!!」

海兵達が身構えると一人の黒髪が空を舞いドラゴンの羽を切り落とした

 

「ハァーーーッ鉤脚!!!」

ステラだ、ステラが放った強力な衝撃波は刃となってドラゴンの羽を切り落とした

 

「落ちろトカゲが!」

ヒュルヒュルと落ちていく片方の羽を無くしたドラゴンは地面に呆気なく落ちた、しかし空の王の強さは羽だけではない、地に落ちたドラゴンは体を持ち上げ大きく息を吸った

 

「させるかーー!!!」

空から急降下してくるステラは持っている大槌を振りかぶりドラゴンの頭へ降り下ろした

 

「ゴシャッ!」

鈍い音を立て崩れ落ちるドラゴンには最早頭は無かった

 

「一歩も引くな、先陣は滅龍隊がうけおった!ここで引いたらマリンフォードは壊滅だ!」

ステラの言葉に海兵達は大声で答えた、すると空の上で待機していたドラゴン達も怒号を響かせる

 

「仲間が殺されて悲しいか、今度はお前達の番だ!捕縛弾、バリスタ打てーーー!!!」

ステラの言葉と同じくしてドラゴンの中心に陣取っていた金色のドラゴンも吼える

 

「ゴアァァァーーーーー!!!!!!!!」

第一陣のドラゴン部隊と捕縛弾、バリスタが衝突する次々に地面に落とされるドラゴン、それを蟻のように群がり殺しに掛かる滅龍隊と海兵達

そして第一陣の砲を逃れたドラゴン部隊は空から炎や雷を雨のように降らしてくる

こうして後世に語り継がれる≪マリンフォード防衛戦争≫が始まった

 

「さぁ、殺りましょうドラゴン部隊の長≪金角龍・ゴーノ≫」

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは4日続いた…ステラはドラゴンの長、金角龍・ゴーノと3日間戦い続けた、左足と右腕を噛み千切られながらも何とか首を切り落とし勝利した、しかし後ろにはまだ戦い続けている仲間達がいる

 

「行かなくちゃ…」

ステラは大槌を左足の代わりにしながら戦いの渦へと身を投げた、そこからは本当に総力戦だった…身を焼かれる海兵、地に落とされ体をボロボロにしながらも抵抗を続けるドラゴン

そして4日後とうとう最後のドラゴンが仕留められた

 

「ハァッ!」

 

「ゴシャッ!」

ドラゴンの頭を潰す感覚、やっと終わった…仲間は何人残ったのだろうか、辺りにはところ狭しと横たわる海兵とドラゴンの死体……最早生きている人がいることは考えられない、マリンフォードの城の壁面に描かれている≪正義≫の文字は血に染まりところどころにドラゴンが張り付いたまま絶命している

 

「誰か…いないの?」

ステラが囁くように呟く、ふと足元を見る…攻撃長の骸が横たわっていた

 

「ス…ステラ…元帥ですか?」

声のする方を見ると全身焼けただれた男がこちらを向いている

 

「あなた…フラム君?」

そこには3日前とは姿形が変わったフラムの姿があった

 

「はい、生き残った者達は本部の地下へ今集結しています、元帥も来てください」

ステラはフラムに肩を借りながら本部へとたどり着いた、そこには皆体の一部を失ったもの達が多くいた

 

「みんな、私が…私のせいで!」

ステラは海兵達の前で崩れ落ち、涙を流した

 

「元帥、我々は我々の未来の為に戦ったのです、これから生まれてくる子供達の為にその子孫の為に、誰もあなたのせいだとは思っていません…逆にあなたのお陰で救われたありがとうございますステラ元帥!」

その言葉はステラの心を軽くした

 

≪ありがとうございますステラ元帥≫

≪ありがとうございます!≫

 

≪海軍万歳!!!ステラ元帥万歳!!!…≫

 

 

 

それから一カ月後

「ステラ元帥、ご要望の品が完成しました金角龍・ゴーノの鱗で作った鎧≪ガルム≫と骨と牙そして鉤爪で作った新しい大槌≪龍槌≫です、朽ちず錆びず壊れない最強の鎧と矛です」

グランドライン一の刀匠に作って貰った武具を身に付ける、金色に輝く鎧、頭にはドラゴンの角を施してある、大槌≪龍槌≫は持ち手と柄にはゴーノの骨が使われておりけして折れず曲がらない、上にはゴーノの鉤爪が付いており叩き潰すことも切り裂くこともできる下には牙が付いておりどんな岩だろうが貫きそうだ

 

「ありがとう、大切にするね」

ステラは店を出ると本部へ向かった本部の地下にドラゴンの死体を運んでいるのだ二度と人の目に届かないように恐怖の象徴を正義の象徴で逃がさないように

 

「入り口はここだけにしましょう、他の入り口は閉じてこれを知るのは元帥の宿命よ…」

ステラはゴーノの鎧≪ガルム≫とゴーノの大槌≪龍槌≫を一緒にドラゴンの墓場へ供えた、二度とこの鎧と武器を手にする人が出ないことを祈って

それから3日後シャーナ・ステラ傷の影響で死去

≪マリンフォード防衛戦争≫

参戦兵…5万8千300名

死傷者…5万5千800名

生存者…2千500名

民間死傷者…0名

指揮官…シャーナ・ステラ元帥≪龍狩りの姫≫戦死

次期元帥…シャーナ・フラム




こんな感じで書いていきます、次回から本編


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訓練生活

久しぶりの投稿です


「ステラ~、朝よ早くお手伝いしてちょうだい」

朝の冷気が目を開けた少女の喉を冷たく冷やす、外はまだ薄暗く窓の外に見える家々には明かりが着いていない

まだ温もりの残るベットを降り冷たいフローリングに足を着ける

 

「うわー、今日も寒いな~」

少女の名前はシャーナ・ステラ、過去の海軍元帥史上初にして最強の海兵シャーナ・ステラと同性同名、いや同一人物だステラは400年前≪マリンフォード防衛戦争≫の戦いの傷で死んだそして400年後のこの世界に転生したのだった

 

「ステラ~!!!」

ステラを呼ぶのは母≪シャーナ・エリア≫マリンフォードに住む一般的な主婦

 

「今行くーー!!!」

ステラは肩まで伸びている美しい黒髪を一つにリボンで結び一階のリビングへ向かう

 

「ハイハイお待たせ~」

ステラはキッチンの方へ行くとそこにはもう料理を作っている母の姿があった

 

「目玉焼きを作るから卵持ってきて」

エリアの言葉に頷きステラは外へと出た、目の前に現れる正義の象徴を見ながらステラは鶏小屋に向かう

 

「みんなおはよー、卵貰ってくね~」

ステラは卵を3つ程貰って小屋を後にした、家に入る途中薪割り用の斧が切り株に刺さっている

ステラは何気なく掴むと素振りを始めた、その細く白い腕からは考えられないような力強い振りだ、しかしその素振りには何か足りないものがあった

 

「ハァッ…ドスッ!!!」

ステラは斧を切り株に刺した

 

「あ~あ、もう400年前なのにまだ体が覚えてる…習慣って恐ろしいわ、でもやっぱり軽すぎるな~」

ステラは切り株に刺さっている斧を見ながらそう言った、それはそうだ元々超重量武器である大槌を片手で扱い最後は重量15トンもある≪龍槌≫を持ち歩いていた

転生したにも関わらず死んだ時の年齢に為るにつれてあのときの力が戻ってくるようだ…明日で16歳の誕生日を迎える、ステラはひそかに決意を固めていた

 

「はいお母さん、卵3個置いとくね」

ステラは卵を置くと母に言った

 

「お母さん、大事な話があるの…」

ステラは真剣な眼差しで母を見た

 

「…分かったわ、でも朝御飯の後にね」

母は出来上がった料理を皿に盛り付けながらステラに言った

それらの料理をテーブルに運びたわいのない会話をしながら食べた

 

「ふぅ~、ご馳走さまでした…で、話って?」

ステラはエリアの方を向いた

 

「私…海軍に入りたいの!」

ステラのいきなりの告白にも母エリアは驚いた様子は無く落ち着いていた

 

「そう、やっぱりお父さんと同じ道に行くのね~」

エリアは椅子から立ち上がり首に掛けていたネックレスを外した

 

「おいでステラ、お父さんからのプレゼントだよー」

母は陽気な声でステラを手招きした、しかし陽気な声とは裏腹に瞳には涙が溜まっていた

 

「お母さん、そのネックレス…」

母はキッチンのカーペットをめくった、するとそこには地下室へと続く扉があった、しかしその扉は固く閉ざされている

 

「このネックレスはお父さんがあなたの為にってお母さんが預かってたの、あなたが海軍に入るって言ったときのためにね」

母はネックレスを見せたそれはネックレス型の鍵だった、エリアは鍵を床の扉に差して回した

 

「ガチャッ!!」

 

鍵を引き抜くと母は重い扉を両手で開けた

 

「ステラ、中へ」

ステラは母の言葉に頷き地下室へと入った、そこには父の形見である正義のコートと深紅に染まる大槌が飾ってあった

 

「ステラ…お父さんはずっと昔に生きたご先祖様、龍狩りの姫≪シャーナ・ステラ元帥≫に憧れて海軍に入ったの、武器も一番馴染んだのが大槌だったそうよ、だからあなたが海軍に入るって言ったときのためにお父さんは鍛冶職人に特注で頼んだのよ、あなたの為にね」

 

ステラは壁に掛かっている大槌を手に持った、柄の部分は龍の鱗のようになっており滑らず持ちやすい、上の部分はハンマーと鎌の半分半分で中心にはシャーナ家の紋章、金角龍・ゴーノが描かれていた

丁度良い重さの大槌はステラの手にしっくりと馴染んだ

 

「お父さん…ありがとうございます」

ステラは正義のコートにお辞儀をすると母の方を向いた

 

「お母さん、私海兵になります!」

勢いの良い宣言に母はそっと微笑み頷いた

 

「うん、頑張りなさい…」

その日の内に海軍本部の受付へ行き新兵の手続きを行った、2週間後に一ヶ月程の訓練期間がありその最終日に行われる合格試験に合格すれば晴れて海兵になる

残りの2週間で現役の勘を取り戻さねば…こうしてステラは2週間トレーニングを重ねた、そして2週間後

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあお母さん、行ってきます!」

ステラは家を出て海軍本部へと向かった、そして海軍本部の訓練生待合所と言うところで待っていると続々と人が集まってきた、ステラは大槌を握りしめその時を待った

 

「バタンッ!」

扉が勢い良く開いた、そして口元に煙草をくわえている男が出てきた

 

「注目!これから一ヶ月間お前達の指導係となるローグタウンのスモーカーだ!元帥から頼まれたからやるが気合いのねぇ奴等は直ぐに弾くからな、覚悟しとけ!」

私たちの一ヶ月の指導をしてくれるのは海軍大佐・白猟のスモーカーと言われる人だった、気性が荒いことで有名らしい…

 

「あぁ~、んじゃまぁ最初に…てお前何で武器持ち込んでんだ!」

スモーカーはドスドスとステラの前に来ると背中に背負っている深紅の大槌を指差した

 

「悪いーけど武器の持ち込み禁止なんだわ、訓練終わるまで没収するから」

ステラはハッとした表情をしながらバタバタと背中に背負っている大槌をスモーカーの前に出した

長さは2メートル程の大槌を軽々と持ち上げる黒髪の少女その白い肌は深紅の大槌をより紅くうつしだす

 

「あ、あのすみませんでした!」

ステラが頭を下げながら大槌を差し出した

 

「おう、分かれば良いんだじゃあ預かるからな…」

スモーカーが大槌に手を掛けた瞬間

 

「ドスンッ!」

スモーカーの手にあった筈の大槌は地面に突き刺さった

 

「…。」

 

「…あの~?」

ステラが訪ねるとスモーカーは地面に突き刺さった大槌を引っこ抜きズルズル引きずりながら教官室へと入って行った

 

「バタンッ!……クソ重てーよ!何だよアイツこの大槌を片手で持ち上げやがったぞ訳わかんねーな!」

スモーカーは一通り罵倒した後教官室を出た

 

「まぁ気を取り直して海軍の歴史から話すか…」

スモーカーは真面目に話始めた

 

「最初にお前たちに聞く≪マリンフォード防衛戦争≫って知ってるか?」

スモーカーは海兵見習い達にたずねた、すると一人の男が手を上げた

 

「海軍とドラゴンの戦いをモチーフにしたお話ですよね、よく子供の頃に絵本で読みました、悪いドラゴン1000匹と戦った黒髪の少女元帥そして6万人の勇敢な海兵の話、最後に元帥が死んじゃうのが悲しかったな~懐かしい」

ステラは思わず胸が熱くなった、自分達が戦ったあの地獄の様な戦いを今の時代まで語り継がれていると言うことにしかしその思いは次の瞬間砕け散った

 

「でもあれ作り話ですよね~海軍に誘うための」

するとそこかしこから、そうだそうだと笑う声が聞こえてきた

 

 

 

「ドンッ!!!」

 

「貴様ら笑うな!!!」

スモーカーが叩いた机は粉々に砕け散っていた

 

「今から話すことは400年前にマリンフォードを守るために命を掛けて戦った方々の話しだ、最初に言っておくあの話は≪真実だ!≫」

スモーカーの迫力にさっきまで笑っていた人達もシンと静まり返っている

 

「今から400年前マリンフォードに襲来した1000のドラゴンその内の200匹をたった一人で倒した少女それが海軍史上初にして最強の女元帥、シャーナ・ステラ元帥だ!」

海軍見習い達は物語に少女としか出てきていなかった元帥の名前を知り本当の話だと分かった

 

「ステラ元帥は≪龍狩りの姫≫と呼ばれる程の強さと戦場では最前線に立ち兵達を奮い立たせる優しさをあわせ持つ人だったそうだ、しかしドラゴンの長ゴーノとの戦いの傷で亡くなった、他にも戦死者は5万5800人を越えた」

海軍見習い達は震えていた、もしも自分ならマリンフォードの為に命を賭けて戦うことが出来るのか…

 

「これは本当の話だ、400年前にここを守るべくして散っていった俺達の先祖達の魂が宿っているのがここマリンフォードだ、お前達にもそれほどの覚悟があるか!」

スモーカーの言葉に頷くもの下を向く者様々な人達がいた

 

「それほどの覚悟が無いなら海兵は止めておけ、止めはしない」

その声を聞いて100人ほどいた人が70人ほどに減った

 

「それでは残った奴等は覚悟があるんだな!」

残った海兵見習い達は皆頷いていた

 

「よし、では最初はランニングからだ、マリンフォードの海岸線を走ってこいただしお前達には発信器を着けさせて貰うずるは出来ないからな、さぁ行け!」

こうして一ヶ月間の訓練生活が始まった




次回から原作に絡めたらなと思います


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大暴れ

スモーカーが…スモーカーがーーーー!!!


「起床ーーーー!!!」

まだ外が暗い中海軍訓練所の廊下に怒声が響き渡る、訓練生達は我先にと扉を開けて飛び出していく、もちろんステラも

 

「一班から七班まで揃いました!!!」

起床から5分以内に全ての班が廊下へ整列した、それを一人一人確認していくのは海軍大佐白猟のスモーカーだ

 

「おし、今日も全員いるな!」

スモーカーは確認を終えるとすぐさま次の指示を出した

 

「今日が最終試験日だ、先ずは何時も通り10キロマラソン砲撃訓練、次に対人訓練、最後に最終試験だ!行け!」

ステラは走り始めた、周りでは今回の最終試験の話題で持ちきりだ

 

「今回の最終試験はなんだろ?」

なぜ訓練生達がこんなに心配しているかと言うと、海軍の最終試験はこれと言った明確な試験では無く訓練を行った教官が試験の内容を決めるのだ

そして今回その教官と言うのが海軍でも暴れん坊とされるスモーカー大佐なら訓練生の心配も当然だろう、少なからずステラもどんな試験が来るのかを考えていた

 

「去年が確か学科と24時間以内にマリンフォード50周だったな、今年はなんだろ?」

そんなことを考えながらステラは走り続けた、そしてランニング・砲撃訓練・対人訓練を終えてとうとう最終試験がやってきた、しかし今年の最終試験は全員総当たりの対人戦だった格闘好きのスモーカーらしい試験だ

ステラは順調に勝ち進め対人戦最後の戦いとなった

 

「おぉ~、ステラ順調に勝ち進んでるな!」

最終戦を間近にしたステラの元に来たのはニコニコしたスモーカーだった

 

「あ、スモーカー大佐!」

ステラは敬礼の体勢を取るとスモーカーは楽にしろとジェスチャーをした

 

「ステラ、残念ながら最終戦の相手だった訓練生が腹を痛くして戦えなくなっちまったんだ」

スモーカーは下を向きながらステラに最終戦の不戦勝を伝えた

 

「あぁ、そうでしたかわざわざありがとうございます」

ステラは礼儀正しくスモーカーにお辞儀した

その時!ステラの頭上から凄まじい風を切る音が聞こえた、ステラはそれを避けずに受けた

 

「ドゴッ!」

それはステラの美しい黒髪を殴りつけた

 

「なぜ避けない!!!」

突如殴り付けた本人であるスモーカーはステラに怒号を飛ばした

ステラは殴られた頭を撫でながらスモーカーの方を向く

 

「いきなり何ですか?」

スモーカーは自分の手にあった筈の十手が真ん中から折れていた

 

「一体お前は何者なんだ?」

スモーカーはモクモクの実の力で体を煙に変えた

 

「今までお前の訓練、そして今回の最終試験を見ていて確信した、この一ヶ月間の訓練の中でお前は一切本気を出していない!」

スモーカーはステラにそう言った、確かにステラはこの一ヶ月の訓練を一切厳しいと感じたことは無かった、逆に楽だと感じていた

400年前、自分が元帥だった頃の訓練に比べればこんなので苦しんでいたら絶対に生き残れない…

 

「はい、確かに私は本気を出していませんでした、しかし訓練はこなしました」

ステラの答えにスモーカーは

 

「お前の本気の戦いを見ていなければお前を正当に評価出来ない、よってお前は海兵と認められない!」

スモーカーはステラにこう伝えた

 

「どうしても、ダメですか?」

ステラはスモーカーに質問した

 

「教官室にある大槌と代えの十手を持ってこい」

スモーカーはステラに大槌を持ってこさせた、その紅はより洗練されたように見える

スモーカーはステラから十手を貰うと

 

「シャーナ・ステラ、貴様の最終試験はこの俺を倒すことだ!」

ステラに十手を突き立てるスモーカー、しかしステラはその突きを片手で受け止める

 

「分かりました、シャーナ・ステラ全力でお相手いたします」

ステラは掴んでいるスモーカーの十手を持ち上げ地面に叩き付けた、スモーカーは煙になって回避する

 

「ドゴーーーン!!!」

叩き付けた地面は裂けた

 

「は、ハハハッこりゃミスったか~?」

スモーカーが苦笑いしていると間髪置かずにステラの猛攻が始まる

 

「スモーカー大佐はロギア系の能力者か~、まぁ関係ないけどね」

突如ステラの体が赤黒く染まる

 

「武装色、硬化プラス鎧塊!!!」

武装色の覇気とステラが元帥時代に作り出した六体術の会わせ技だ、スモーカーの足を掴むと全力で投げ飛ばす、そしてその方向に飛ぶ斬撃≪鉤脚≫を飛ばす

「ズバァーーー!!!」

≪龍歩≫を使いヒュルヒュルと落ちていくスモーカーの頭上に移動したステラは≪死銃≫を使いスモーカーの腹に指で風穴を開けた

 

「カ…ハァッ!」

それでもなお落ちていくスモーカーに更に追撃が続く、≪鱗剃≫瞬間的に地面等を50回ほど蹴ることで一瞬で対象へ移動する技だスモーカーの落下地点へ移動したステラは

 

「これで終わりです≪覇山≫!」

大槌に武装色を纏わせ対象を粉微塵へと変えるステラの技それを受けたスモーカーは最早立つことも動くこともままならない状態で10メートル先で倒れた

 

「これが私の全力です…」

ステラは急いで救護班を呼んだ、ステラ自身は後に来た海兵達に捕縛された、いや…自ら海兵に捕まった

ステラの身柄は一先ずインペルダウンへと移されることとなった




次回から原作に絡めます


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いきなりですか!

また、原作に入れない…


地平線の彼方まで続く大いなる海、その海を進む一隻の船そこには今の快晴とは裏腹にとても不穏な空気が流れていた

 

「ガチャッ!」

軍艦に備え付けられている牢屋に入れられたのは、黒髪の少女だった、この世の者とは思えない程の美しい白い肌とスラッとした足、そして整った顔小柄ながらその瞳には目の前にいる大きな老兵を写している

 

「ワシは海軍本部中将のガープじゃ、今回の訓練所で起こった事件の犯人護送の任務を受けとる……。

もう一度聞くが本当にお前がやったのか?」

ガープは目の前にいる少女がスモーカーを半殺しに出来るとは到底思えなかった

 

「……。」

ステラは考えていた、昔の海兵達なら自分の攻撃であんなに傷つくかと

確かにステラは400年前の世界では最強の元帥と最強の海兵が揃っていた、しかしいくら一兵卒でもあんなに腑抜けた突きはしてこなかった、あんなに弱い突きは一体なんだったのか、まさかまた試していたのか?いやいやでもあんなにボコボコにされてまで耐えるだけに徹するか?

この国の海兵は一体どうしてしまったのだろうか?

あんなに弱い男が海軍大佐とは何の冗談だ?

ステラの頭には質問が絶えなかった

 

「ガープ中将と言いましたか?」

ステラはガープに聞いた

 

「あの、我々の指導を行ってくれたスモーカー大佐とは海軍ではどれ程の強さなのでしょう?」

ガープはやっと話してくれたステラを見て答えた

 

「そうさなぁ、少なくとも弱くは無い、しかしずば抜けて強いと言うわけではないのぉ」

ステラは暫く考えた、弱くは無くて強くも無いつまり中間層の強さ、昔の海兵が今では大佐か……笑えないな。

 

「つかぬことをお聴きしますが、ガープ中将は海軍で強い方ですか?」

失礼なことは承知の上だ、しかしはっきりさせておきたかった、先程海兵達がこの船には英雄が乗っていると言っていた話の流れからして多分ガープの事だろう、海軍の英雄そこまで言われる男はどれ程の強さなのか…試さずにはいられない

 

「ワシか~?まぁ数人を除けば今でも最強を自負しておるわ!!!」

自信満々に答える老兵を見てステラは覚悟を決めた

 

「では…失礼します!!!」

 

「メキャッ!」

突如ステラのいた牢屋の鉄格子が引きちぎれた、もちろん引きちぎった張本人はステラだった。

ステラは牢屋から飛び出るとガープの前に立った

 

「何と、鋼鉄の鉄格子が壊されるとは!」

ガープは両拳を握り拳骨を作った

 

「私の名前は、シャーナ・ステラ…海軍本部中将ガープ殿お手合わせ願いたい!」

ステラは真っ直ぐガープの事を見つめながら叫んだ、その黒い瞳にはガープの姿だけが映っていた

 

「シャーナ・ステラか…ガッハッハ!」

ガープは高らかに笑った

 

「まさか海軍史上最強の元帥と同じ名前の女性と戦えるとは、面白い!」

ガープは上に羽織っていた正義のローブを脱ぎ捨てた

 

「行きます…。」

ステラは拳に武装色の覇気を纏わせる

 

「ほぅ、その歳で武装色を使いこなすか…」

その瞬間、5メートル程離れていた筈の少女が消えた…いや違う一瞬にしてガープの懐に潜り込んだ

 

「ハァッーーーー!!!」

ガープの顎目掛けて放たれた高速のアッパーはかすかにガープの立派な髭を捉えたが当たるには至らない

 

「ヌオォォォ!!!」

ガープは下からいきなり放たれるアッパーを状態を後ろに反らすことで何とか回避した

 

「今のを避けますか…流石は英雄と呼ばれるだけありますね」

ステラはまたガープと距離を取った

 

「速いのぉ、まったく見えん歳は取りたくないわ」

ガープは額にうっすら汗を滲ませながら言った

 

「ガープ中将!!!」

突然甲板から牢屋へ走ってくる足音が聞こえてきた、その足音の主は頭にバンダナを巻いた男と目のところに眼帯のような物を巻いた二人の男だった

 

「だれですか貴方?」

ステラは二人を見つめる

 

「ガープ中将、ご無事ですか!」

ガープの前に立ちはだかる二人の男、一人は手に湾曲した刀を持っている

 

「どけい…コビー!ヘルメッポ!お前達には荷が重すぎるわい」

コビーとヘルメッポはガープの何時もと変わった真剣な眼差しから自分達は入れない戦いと悟った

 

「ハッ…失礼しました」

二人はガープの後ろの階段の所からこちらを様子見している

 

「いやぁ、すまんな~」

ガープは頭を掻きながらステラに笑いかけた

 

「じゃあ次は…ワシから行くぞ!」

突如ガープはステラに襲いかかった、ガープのステラの頭程ある拳骨を腹部目掛けて放つゴォォッ!と言う風切り音がステラの腹部をかする

 

「これは当たったら痛そうだ!」

ステラは避け様にガープの腕へ死銃を当てた、ガープの腕からは激しく血が舞う

 

「クゥ!舐めるなよ!」

ガープは風穴が開いた左腕をそのままステラに振り落とす、流石のステラも片手では受け止めきれなかった、脚は軍艦の床を貫いた

 

「重いですね…」

ステラは腕を振り払うとまた距離を取った

 

「なるほど、ガープ中将貴方の強さは分かりました」

ステラは武装色を解除するとガープの方をじっと見つめた

 

「ガープ中将、少しお話があるのですが宜しいですか?」

罪人の身でインペルダウンへ護送中に牢屋を脱獄してましてや海軍中将に怪我まで負わせた、そんな奴の話を聞いて貰えるとは到底思わない、しかし言うしかない

 

「えっ、良いよ」

ガープはすんなり了承した、二人は階段の横に立つ二人組の脇を抜けて甲板へ出た、空には一面の青空と大海原グランドラインそして目の前には大きな天を突くほどの扉正義の門

「ガープ中将、何で正義の門がこんなに大きいか分かりますか?」

ステラは正義の門を指差して言った

 

「いやぁ、考えたことが無かったのぉそれこそシャーナ・ステラ元帥が作ったと言われとるが」

ガープは目元を手で隠しながら正義の門の頂上を見た

 

「その理由を知りたくありませんか?」

ステラはガープに訊ねた

 

「知れることなら知りたいが…」

ガープは頭を掻きながらステラに言った、するとステラはまた正義の門を指差した

 

「その答えは頂上にあります、ついてきてください」

ステラは龍歩を使い空に舞い上がる、ガープは月歩で後を追う

 

「お主の技、月歩に似ておるなぁ」

ガープはステラの体術に目を凝らして何回か真似しようとしたが出来なかった、暫く飛び続けると頂上についた

そしてその光景にガープは目を疑った

 

「なんじゃ……こいつは!!!」

そこに有ったのは白骨化した巨大な鳥の骨だった、しかも一つ二つではなく無数に転がっていた

 

「その骨はドラゴンの骨…昔、いや今から400年前の悪の象徴です」

ガープは暫く言葉を発っせなかった、信じてはいたがこんな所に本当にいたと言う証拠が有ったなんて

 

「この景色を見てください」

ステラとガープは正義の門から三つの門を見えた、するとその三つの門の海の間にうっすら黒い影が見えた

 

「なんじゃ、三つの門を繋ぐ影?」

ガープは首をかしげた

 

「正義の門、確かにこれは正義の門と呼ばれていたけど門があるのに何か無いものが有るんじゃないですか?」

ステラの質問にガープは驚愕した、確かに足りないものが有ったそして今は見えない、しかしここから見ると明らかにあったで有ろう痕跡が見てとれる

 

「あの影は……城壁か?」

ステラは頷いた、400年前正義の門は分断されていなかった全ての門が繋がって進入不可能の要塞とされていた

 

「400年前今はエニエス・ロビーと言われる場所は普通の島でした、民間人達が住むごく普通の町そしてドラゴン襲撃時に避難島として使う島。

インペルダウンを作ったのもシャーナ・ステラです、なぜ海底に作られたと思いますか?」

ガープは直ぐに答えた

 

「能力者をとじ込める為じゃろ?」

ステラは首を横に振った

 

「海底と言うのはもしドラゴンが逃げ出しても壁に穴を開ければ水圧で殺すことが出来たからです」

ガープは分からなかった

 

「この三つの重要な拠点を守るために作られたのが正義の門とその城壁でした」

ステラは各場所を指差しながら言った

 

「今はもう朽ちて海底へと崩れ落ちたようですけど」

ガープは首をかしげた

 

「なぜお主がそんなことを知ってるのだ?」

 

「…。」

ステラは暫く考えた後口を開いた

 

「元海軍本部元帥シャーナ・ステラ、それは私の前世の名前です、しかしそれは転生した今もはっきりと覚えています、あの凄惨を極めた戦いも……。」

ガープはステラの顔を見た、すると暫くするとそっと膝をステラの前で着いた

 

「えっ!あのガープ中将?」

ステラは慌ててガープを見たその顔にはうっすら涙が浮かんでいた

 

「ステラ元帥…信じましょう我らが海軍の英雄を」

ガープは膝を着いたままステラに頭を下げた

 

「あの、ガープ中将頭を上げてください」

ステラはオドオドしながらガープを見た

 

「是非良ければあの戦いをお聞かせください、本人からあの戦いを!」

ガープの熱意にステラは負け≪マリンフォード防衛戦争≫の中身を話した、ガープはじっとステラの話に耳を傾けていた

 

「これが、マリンフォード防衛戦争の真実です」

話が終わるとガープはステラにこう言った

 

「ありがとうございました、貴方のおかげで今の世界があります」

その言葉を聞いてステラは胸が熱くなった、死んでいった数々の兵士たちの何よりの追悼の言葉だった

 

「所で元帥!400年前の世界に私がいたら何匹程のドラゴンを殺れたでしょうか?」

ガープは真剣に聞いた

 

「そうですね~、あともう少し丁寧に戦えると20匹は行けたんじゃないですかね」

ステラは正直に答えた

 

「20ですか、ステラ元帥はお一人でゴーノと200のドラゴンを倒された、まだまだ修行が足りないですな」

ガープはガッハッハと高らかに笑った

 

「じゃあ受けてみます?私の全力の拳をその方が目標が分かりやすいのでは?」

ステラは冗談混じりにガープに訊ねた、するとガープは暫く考えた後服を脱いだ

 

「是非良ろしければ!!!」

ガープは腹部に武装色の覇気を溜めた

 

「えっ!本当にやるんですか!」

ステラは冗談だと言ったがガープはヤル気満々で武装色をため続けている

 

「絶対に一発は耐えきります!」

ガープは歯を食い縛った

 

「分かりました、では行きますよ≪武装色・硬化プラス鎧塊≫」

ステラの拳が赤黒く染まり鱗のような模様が浮き上がる

 

「手拳≪黒槍≫!!!」

ステラの腕は漆黒の槍となってガープの腹に突き刺さる

 

「グオオォォォォォ!!!」

ガープは20メートル程後ろに吹き飛んだ

 

「大丈夫ですか?」

ステラの呼び掛けにガープは答えた

 

「耐えきりました」

ガープは笑顔で答えた

 

「ハハッ、やりますね」

ガープとステラは船に戻るとスモーカーの意識が戻ったと聞いた

 

「たった今、インペルダウン収監が取り消されました」

ステラとガープはインペルダウンからマリンフォードへ逆戻りとなった

戻って直ぐに現元帥・センゴクに会うことになった

 

「やぁ、君がスモーカーを倒したと言う少女か?」

ステラのすぐ側にはガープがいる

 

「はい、センゴク元帥」

ステラは敬礼の体勢をとる

 

「いやいや楽にしてくれ、さて今回呼び出したのは他でもないスモーカーの件だ」

センゴクはステラを睨む

 

「話の流れは大体スモーカーから聞いとる、だがあんなに大勢の訓練生の中、大佐がボコボコにされたとあっては海軍のメンツに関わる」

ステラは負けじとセンゴクを見る

 

「じゃから、お主は訓練生から准将の地位を与える」

いきなりの昇格にステラは言葉を失った

 

「イヤッ!私はまだ訓練生ですよ?なのに准将ですか?スモーカー大佐より上の地位じゃないですか!」

ステラの言葉はその通りだ訓練生からいきなり准将とは昇格にも程がある

 

「君の困惑も勿論分かる、しかし君は訓練生の目の前で倒してしまったんだ、これを払拭するには≪あの訓練所に実は訓練を視察するため本部の准将が参加していた≫とするしか無いんだ、何とか納得してくれ」

ステラは暫く考えた後、自分がしたことだから責任は取らせて貰いますと言って了承した

 

「さぁ、では准将殿には早速任務を言い渡す」

それはそうだ准将ともなったら任務を遂行しなければいけない

 

「君にはドラム王国に行って貰う、先日から通信が途絶えているのだ、何かあったのかも知れない」

ステラは敬礼の体制を取り部屋を出ようとした

 

「あぁ、ステラ准将君には部隊を預けなければいけない、本部の武器管理庫そこに君の部隊がある」

ステラは分かりましたとだけ言って部屋を後にした、マリンフォードに出るとステラはマリンフォードの裏の海岸に向かった、そこには大きな岩で閉ざされた洞窟があった

 

「おぉ~、フラム君ちゃんと約束通り塞いで置いてくれたんだ」

ステラは洞窟へと続く道の大岩を粉砕した、そして暗く光の入らない漆黒の道を手に持っている松明のみで照らして歩く、暫く歩き続けると道が開けて広大な地下空間が現れた、その場所は薄明かりが灯っているどうやら天井に張り付いた光苔が鈍い明かりを放ち少ない光をこの空間に灯している

 

「はぁ、ここはいつ来ても気持ちが高ぶる」

ステラの目の前に広がるのは400年前の悪の象徴そして正義の為に戦った兵士たちの武器の数々まさにここは≪ドラゴンの墓場≫

 

「やっぱりあれが要るな…」

ステラはドラゴンの骨を踏みつけながら中心の石で出来た神殿の様なところへ向かった

 

「久し振り、金角龍・ゴーノそして金鎧≪ガルム≫金武≪龍鎚≫」

そこにはステラ自身が倒したゴーノの死体とそれから作り出した最強の武具が封印してあった、ゴーノの死体は未だ朽ちずその二つの金角は輝き続けている

 

「また…戦い合いたいねゴーノ」

ステラはゴーノにそう言うと鎧と武器を身につけた

 

「私はまた戦うよ、今回はドラゴンじゃないけどね」

そう言うと墓場を後にした、金色の少女はセンゴクに言われた通り武器管理庫に向かった、その扉には武器管理庫・第一遊撃隊の文字があった、ステラは深呼吸すると勢いよく扉を開けて入っていった

 

「今日から第一遊撃隊の隊長になったステラ准将ですよろしくお願いします!」




次回こそ、次回こそは原作に入ります!


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出発

やっと本作に入れた~!


ステラは勢いよく扉を開けた、するとまず飛び込んできたのは天井ギリギリの大きさの大男と女だった、男と女二人とも黒の鎧に身を包んでいる、女の拳には鋼鉄製のアイアンナックル、男の背中には巨大な三叉槍が背負われている

 

「あぁ?誰だテメー?」

いきなり大女がステラに睨みを効かせてくる

 

「あ、今日からここ第一遊撃部隊の隊長になったシャーナ・ステラ准将です、あなたは?」

ステラが訪ねると女は無視してそっぽを向いた

 

「おいおいフラン失礼だろ」

のんびりとした口調で言ったのはその大女、フランの横に座っていた大男だった

 

「失礼しました、こいつはログ・フランそして俺がログ・オリバです、一応兄弟で俺が兄貴です」

多分巨人族であろう二人の男女、名前をログ・オリバとフランと言った

 

「よろしくフラン!オリバ!」

ステラは二人に挨拶すると部屋の奥を見た、奥は薄暗いが確かに人影が見える

 

「こんにちわ~、貴方が今度の隊ちょーさんだね?」

奥から歩きながらこちらに向かってくるのは赤い髪に赤い瞳、漆黒のローブに身を包む165センチ程の女性だった、腰には短剣背中には弓を背負っている

 

「私はセリーナ・テリア、よろしくね」

ステラはニコニコと微笑んで手を伸ばしてくるテリアに手を出そうとした時、それは阻まれた

 

「うるせぇぞテリア!!!」

それは奥の暗がりから姿を表した、黒いスーツに身を包み口にタバコをくわえている、その背中には巨大な大剣が背負われている、伸長は180程だろうか

 

「何なんだ?隊長なら間に合ってんだよ!」

男は怒鳴りながらステラの顔めがけてパンチを繰り出した

 

「はぁ、ちょっと避けてね!」

ステラはその拳を掴むとフランの方にぶん投げた

 

「あなたは?」

ステラが訪ねるとフランの腕から這い出た男は

 

「ライド・クロム」

そう言ってオリバとフランの座る巨大なソファーに座った

 

「さてと、ここの責任者は誰?」

 

「あ、あの……わ、私がこ、この部隊の代理の隊長だった、クラーク・ミラです」

そう言いながら出てきたのは白い髪に触れば折れてしまいそうな程細い腕の美しい少女だった、伸長は150程だろう、両腰には中剣が二本差してある

 

「あ、あの……新しいた、隊長さんですよね?」

ミラの質問に頷くステラ、ミラはステラの前に来てお辞儀をすると話始めた

 

「あ、あの……さっきはクロム君が失礼しました、驚きましたよね?」

ミラはオドオドしながらステラの顔をうかがっている

 

「いやいや、元気で良いじゃないか」

ステラはニコニコと笑いながら言った

 

「でも、ここに居る奴等は奴等はほんとにバカばかりだな!」

その言葉に場が凍った

 

「今……何て?」

ミラの表情が曇る

 

「だから、ここに居る奴等はバカだなって言ってんの」

その瞬間ステラが吹き飛んだ

 

「クッ!」

ステラはそのさっきと変わった姿の者の攻撃を腕で防いだしかしその腕には4本のえぐれた爪痕がついていた

 

「あぁ初めて見た、これがゾオン系古代種、ネコネコの実・モデルサーベルタイガーか」

ミラはさっきとは表情を変えこう叫んでいる

 

「私の部下をバカにするな……今言ったことを取り消せ!!!」

獣人化したミラは腰にある刀を持った

 

「剣虎流・白蓮牙!!!」

ミラは刀を離れたステラの方へ振る、すると刀から二本の刃がステラに向かって飛んでくる

 

「おっと、武装色硬化プラス鎧塊!」

ステラは斬撃を受け外へと吹き飛び正義のローブを落とす、しかし直ぐ様体制を立て直した

 

「はぁ、痛いわ!」

ミラは獣人化から獣化に形を変えた、さっきまで小柄だった少女が一気に体長二メートルはある巨大な獣と化した、その口元からは二本の牙が向き出ていた

 

「大きいな……」

ステラがそんな事を呟くとミラはステラ目掛けて突っ込んでくる、しかしステラは避けない

 

「剣虎流奥義≪剣裂牙≫!!!」

 

「龍鎚≪龍牙≫!!!」

ステラの金の牙とミラの白い牙がぶつかる、辺りに砂ぼこりが舞い二人の姿を隠す

 

「ミラさん!」

他の遊撃隊の人達も出てきた、少し経って砂ぼこりが止んだ、そこに立っていたのは

 

「はぁ、良い一撃だったぞ」

倒れたミラを見下ろすステラだった

 

≪テメエエェェェェェェ!!!≫

遊撃隊の人達が一斉にステラに襲いかかる

 

「俺達が相手だ!」

クロムは黒いスーツを破り捨て中から毛が生えた獣人が現れた、クロムはイヌイヌの実モデルハイエナの能力者だ

 

「おおぉぉぉぉぉ!!!≪裂刄≫」

クロムはステラの頭上から巨大な刀を高速で振り抜き続けた、しかしステラも≪龍鎚≫で全ていなす

 

「まだ足りないな」

ステラは刀を弾くと龍鎚をクロムの顔に当て上に打ち上げた、そして腹に蹴りを見舞いクロムは壁へとめり込んだ

 

「どらあぁぁぁぁ!!!」

ステラの回りに突如巨大な影が二つ出来る、フランとオリバだ

オリバは三叉槍で斬り付けてくる、ステラはそれを身を回転させ龍鎚で弾き返す、フランはオリバが弾かれたのと同時にアイアンナックルでステラ目掛けて殴り付けた

 

「ぶっ潰れろ!!!」

フランの拳がステラに当たる直前ステラの小さな拳とフランの巨大な拳がぶつかり合う

 

「ガキィーン!!!」

フランはオリバと同じ方向に吹き飛んだ

 

「嘘……だろ?」

フランとオリバはこんな小さな少女に自分達が飛ばされると思っても見なかっただろう

 

「あぁ~あ、みんな倒されてるじゃん」

そう言いながら最後に武器庫から出てきたのはテリアだった、その手には弓と矢が握られていた

 

「じゃあ、最後は僕が相手するね~」

テリアは赤い髪を乱しながら一瞬で弓をつがえる

 

「行くよ~≪光弓流・乱れ雨≫!!!」

テリアは20本程の矢を高速で空へ放つ、それは矢の雨としてステラに降り注いだ

 

「≪龍風≫!!!」

ステラは龍鎚を回して旋風を巻き起こした、それにより矢の雨は粉々に砕け散った

 

「まだやる?」

ステラが訊ねる

 

「良いねぇ、最高だよ!!!≪光弓流・万流雨≫」

今度は水平に何百本もの矢がステラに向かって飛んでくる

 

「うおぉぉぉぉ!!!」

ステラはそれを龍鎚でことごとく弾き飛ばす

 

「はぁはぁはぁ…一体何本矢があるのよ!!!」

ステラが叫ぶとテリアはニヤッと笑いながらこう言った

 

「無限にあるよ……」

ステラはテリアの手元を見た、矢が一本しかないしかし矢を放つその刹那矢が一気に20本に増えた!

 

「能力者か!」

そう、テリアはフエフエの実の増殖人間、自分が触れた無機質を無限に増やす事が出来る、テリアは元々矢を一本だけしか持っていない、しかしそれを手元で一気に増殖させ一本また手元に残し一度に放てる限界での矢を放っていたのだ

 

「ほらほら、限界が来ちゃうよ?」

テリアは絶えず矢を放ち続けている、その額には汗を流しながら

 

「もう良いや、多少痛いよ?」

ステラは体に武装色と鎧塊を纏わせ矢に突っ込んで行った

 

「はっハハハァ!最高だよステラさん!」

テリアは絶えず矢を放ち続ける、しかし全力で体を固めたステラに矢は弾かれた

 

「終わりだ!」

ステラが龍鎚の射程に入ったテリアに言った、テリアもそろそろ体力の限界が来ていた

 

「そうみたいだね、でも最後に足掻かせてもらうよ!」

テリアは矢を打つのを止めた

 

「光弓流奥義≪雷光雨≫!!!」

テリアは最後に残っていた一本の矢を全力でステラに放つ、その衝撃で弓はパキッと言う音と共に砕けた、テリアの最後の矢はステラ目掛けて回転ながら飛ぶ、それをステラは叩き折ろうと龍鎚を降り下ろす

 

「掛かった…。」

矢に龍鎚が当たるその瞬間、一本だった筈の矢が一気に増えまさに雷光となってステラに向かうその距離約1メートル、この距離で一気に2万本もの矢が飛んでくる、回避は不可能だ

 

「行けぇぇぇぇ!!!」

増殖は3秒ほど遅らせる事が出来る、しかしその分体にはいつも増殖させる時使う力の何十倍もの体力を使う、それを体力が無い状態で約一万本発射させたテリアはまさに化け物と言って良いだろう

 

「龍鎚≪龍裂爪≫!!!」

ステラはその矢に向けて交差するように龍鎚を振り抜いた、それは龍が敵を切り裂くようにそれにより発生した衝撃波は矢を全て押し戻しテリアを吹き飛ばした

 

「はぁはぁはぁ、あぶねぇ~!」

ステラはまず倒れているミラの所へ向かった、もう意識は取り戻してステラとテリアの戦いを見ていたようだ

 

「ごめんねミラ、実は私皆を騙したの」

ミラは思いがけないステラの謝罪にキョトンとした、そして人型に戻り質問した

 

「え、あのどう言うことですか?」

ミラはまた元のオドオド口調に戻っていた

 

「やっぱり隊長になった限りは皆の戦闘能力を見ておきたいじゃない、だからわざとミラを怒らせたの」

ステラが話始めるとクロム、オリバ、フラン、そしてフラフラしながらテリアが来た

 

「皆もそうさ、ここ第一遊撃部隊は海軍のごみ溜めだ!ここに居る全員何かしら問題を起こしてここに居る、皆の左遷の理由を見た、クロム君は命令を無視して海賊のアジトに突っ込んだらしいな」

クロムは声を荒げた

 

「それはあのクズが町の奴等を囮に使うと言いやがったからやったんだ!」

ステラは頷いた

 

「オリバ君は料理長だったらしいな、なぜ左遷された?」

ステラは理由を分かっていながら訊ねた

 

「腹を空かせた子供がいた、その子に飯を作って食わせてやったらあの上官…子供の事を蹴りやがった、そして上官を半殺しにした、フランも俺に加勢して一緒にここへ」

フランは堂々とした声で

 

「私達は間違っていない!!!」

そう叫んだ

 

「テリア、君は優秀な海兵だったのになぜ?」

テリアは考えた後

 

「正義を感じない、あそこはただ命令に従う場所だから自分からここに移動願いを出したの…」

テリアのその表情は暗く今にも折れそうだった

 

「ミラ大佐、あなたは部隊を持っていたよね?」

ステラは最後にミラに訊ねた

 

「私が用事で部隊を離れている間に他の部隊の隊長が私の名前を使って海賊の討伐に向かわせたの、帰ってきた時にはもう部隊は全滅、私は責任を取らされてここへ」

ステラは全員の話を聞いてから語り出した

 

「あなた達は自分がしたことを間違えていると思う?」

ステラの言葉に全員一斉に答えた

 

≪思わない!!!!≫

 

「ならなぜこんな所でうずくまってんの?あなた達にはそれぞれ自分の信じる正義があるんじゃないの!!!」

ステラの怒声に全員立ちすくんだ

 

「止まっていて何か変わるの?自分の正義を踏みつけられて悔しく無いの?見返せ!やり返せ!あいつらの薄っぺらい正義を破り捨てろ!」

一人一人の目を見ながら語りかけるステラに皆心が熱くなる

 

「今動けないなら言いなさい!私が動かしてあげる信じられる正義が無いなら私を信じなさい!私がお前達を導いてやる、私はあなた達を否定しない自分が思う正義に進みなさい!私はシャーナ・ステラあなた達の隊長よ!!!」

ステラの話が終わると全員同じ行動を取った、コンタクトを取ってやった訳じゃない、ただやらずにはいられなかった、今まで否定され続けた行動を認めてくれる人が現れた、全員ステラの前で膝を着きミラがこう言った

 

≪我々、第一遊撃部隊はシャーナ・ステラ准将に一命をとしてお仕えします!!!≫

ミラの言葉に全員オウ!と答えた

 

「じゃあ、これからよろしくね皆!」

ステラは満面の笑みで全員を見回した

 

「じゃあ早速だけど…武器新しくしない?」

ステラは全員を連れてマリンフォードの武器屋へ向かった、ステラは事前に部隊の隊員達が使う武器を見ていた、それを洞窟から持ってきたドラゴンの鱗や爪、角を新しい素材と嘘をついて作ってもらっていたのだ

 

「クロム、君は大剣だよね」

ステラはクロムに火龍の角から作った刀≪炎業≫と鎧の≪暴炎≫を渡した、その体は深紅に染まった

 

「オリバとフランは槍とアイアンナックルだよね」

オリバとフランは黒龍の骨から作った槍≪闇夜≫と爪から作った手甲≪闇月≫を受け取り鎧はお揃いの≪優闇≫を付けた

 

「テリアの弓と矢は壊れたから替わりにこれね」

テリアは雷龍の角を削り出して作った弓≪雷光≫矢は火龍・黒龍・雷龍・氷龍のそれぞれから作り出した矢を一本づつと鎧≪瞬雷≫を身につけた

 

「最後にミラ、あなたは二刀流の剣士よね」

ミラは氷龍の牙から作り出した刀≪氷牙≫と≪氷覇≫そして鎧≪氷獅≫を身につけた

 

「うわぁー、皆かっこいいねぇー」

クロムは刀を振るう、同時に炎が燃え上がるオリバが木に槍を突くとそこから腐り落ちた、テリアが雷矢を放つとそこを電流が走る、ミラが刀を振るとそこには尋常じゃない冷気が発生した

 

「ステラさん、これを私達に?」

ミラ等がステラの顔を伺う、ステラは頷き勿論!と言った

 

「じゃあ、仕事に行こうか…今回の任務はドラム王国の調査並びに危険因子の排除」

全員がステラを見て頷く

 

「さぁ、第一遊撃部隊出撃!!!」

こうしてステラ率いる第一遊撃部隊は医療大国ドラム王国へと出発した。




次回から本格的に本作に絡みます、気長にご覧ください


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