生徒会の一存 -アイドルは生徒会長(補佐)!?- (あこ姫)
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序章 人物紹介
第零話 人物紹介
行き詰まってるので(←早いな、おい。)新作書いてみました。
よろしくです。
最初は人物紹介です。どうぞ。
2017.06.19 今後の展開に合わせる感じに主人公のプロフィールを追加・修正。
2018.06.27 幽霊組の2人・琴葉と亜梨沙のプロフィールを追加。
名前:
年齢:16→17
所属:碧陽学園2年B組→3年B組
碧陽学園生徒会 庶務兼生徒会会長補佐→生徒会長
身長:168cm
体重:50kg
3size:86-58-83
イメージCV:相羽あいなさん
趣味:読書(主にラノベ)・ゲーム・PC・旅行
外見:黒目で黒髪(若干茶色気味)を学園在籍時と事務員及びP活動時は背中までかかる髪をサイドポニーにして、アイドル活動時はストレートにして蒼色のカチューシャを付けている。また、学園在籍時には縁が水色の伊達メガネ着用している。
性格:
学園生活に於いては友好的な性格だがキレたら確実にトラウマを残すほど怖く、加害者は間違いなく被害者になるとかならないとか。
アイドル時は兎に角ファンに尽くす事第一に考え最善手を実行する理論派……なんだけど、動揺した途端に可愛くなる。所謂『ギャップ萌え』系
色恋沙汰は他人に対しては敏感で本人に対しては鈍感で甘い空間超苦手。察知能力も無駄に高く察知したら大抵音楽を聴いて現実逃避する。
過去の出来事のこともあり、他人の嘘にはかなり敏感。
備考:本名は
母親譲りの背中まで届く金髪・透き通った紅色の瞳、その年にしては整った容姿でかなり完成度が高い。
両親や友人からは本名から文字った「ルーク(ミドルネームそのまま)」、「ルカ(ルーク→Luke→Luca→ルカ)」、「モモ(桃花→桃→モモ)」の名前で呼ばれている。
小学高学年の頃両親が本人に内緒でアイドルのオーディションに応募した結果、文句なしに合格しアイドルデビュー。
容姿の良さと性格面等が上手く噛み合って一躍、人気アイドルになったが、アイドルの仕事が忙しくなるにつれ、学校を休みがちになる。
それを疎ましく思った一部の生徒が発した言葉が引き金となり、不登校になるだけに留まらずにアイドル活動の継続が困難な程に精神が追い込まれ、芸能界から引退し当時のファンはかなりの衝撃を受けた。(実は会長もその一人であったりする。)
その後、両親の説得もあってなんとか学校にはいけるようになったが、周囲からは孤立していた。
当時、友人と呼べていた人物は笹倉怜音(漫画版3巻に登場した新聞部副部長)のみ。
鍵とは実は中学からの同級生であり、彼の二股疑惑の全容を知る数少ない人物で周囲が彼に暴力している時は止めに入ったり、心の支えになっていたりしていた。その理由は彼を見ていて過去の自分の姿と重なり、「両親が自分にしてくれたみたいに何か出来ることはないか」と考えた結果であった。 彼と一緒に居るうちに恋心が芽生えていた。そして、お互い渾名で呼び合う仲に発展していた。
桃花が碧陽学園を受験したのも、鍵が碧陽学園を受験するのを知って、「自分も一緒にいたいから・・・」という理由である。その理由を聞いた両親は特に反対せず、寧ろ赤飯で御祝いするほどだった。
高校進学直前に両親が旅行先で交通事故に遭い両親を失う。
その後叔母夫婦に引き取られ、苗字が「綾瀬」に変わる。
両親の死後、過去との決別の意味合いも兼ねて髪を染め、目にカラコンを入れ、名前を「綾瀬 麻里菜」に変更する。
叔母夫婦達が彼女自身にかけられた保険金目当てだった事を知り叔母夫婦の家を飛び出し自身が生まれ育った実家で一人暮らししている。
高校の学費等を稼ぐ為、芸能事務所にバイト事務員として働き始めるが、事務所の社長の閃きでアイドルデビューを果たす。(この頃、同じ事務所の巡と出会う。)
アイドル時は
当初はファンもほんの数人(この中に会長がいて、その頃に会長と出会う。)だったが、着実に力をつけてトップアイドルに登り詰める。活動ジャンルも様々。
自身がオタクな事もありアニメイベントが多く、歌い手さんの憧れの的。(その際、真冬と出会っている。)
また事務所の人手不足もあり、打ち合わせ等も1人でこなす。
アイドル業の傍ら、コンビニや新聞配達といったバイトもこなす。
学業成績は優秀で学年5位に入る実力。また運動神経も良い非の打ち所が無い故に妬まれることも多くはなく、狙われていることも多いが、今のところ襲われて怪我をしたことは一度もなく、傍らには生徒らしき屍の山があったらしい。
名前:
年齢:享年18 (生きていたら34→35歳)
所属:碧陽学園1年C組→2年B組→3年A組(生存時)
学園浮遊霊→2年B組→3年B組(死亡後)
碧陽学園生徒会 会計→生徒会長補佐→第16代生徒会長(生存時)
守護霊枠で会議参加→庶務兼会計補佐(死亡後)
身長:166cm
体重:52kg
3size:83-56-80
誕生日:11月28日(射手座)
趣味:スポーツ全般・旅行・ガーデニング
外見:碧眼・銀髪。
長さはセミロング。だいたい編みこみが多い。
イメージCV:三澤紗千香さん
性格:会長と深夏を足して2で割った感じの一種のトラブルメイカーで、暴走した時は亜梨沙によって粛清される。
なにか人を惹くものを持っているのか、凄く馴染み易い。
守護霊としては、最低限のことはしつつも、基本フリーダム。
そんな彼女だが、他人に対する配慮はかなり上手で彼女を慕っている生徒も多い。
一見、悩みとかに無縁そうに見えるが何かあるとすぐに抱え込んでしまうタイプ。
また、他人と接するときは何時もと変わらないように振舞う為、そういう意味でも厄介な性格。(亜梨沙には一瞬で見破られるけれど)
備考:生存時は碧陽学園に在籍する生徒だった。
他の同級生の後押しもあって生徒会選挙に1年生ながらも立候補する。その結果、生徒会会計に就任する。
時折、暴走はするものの、決して無能ではないので、プラマイゼロだった。
寧ろ、会計として目覚しい活躍を見せたので大きくプラスだった。(彼女の割り振った部費に反論する生徒はいなかった。)
なので、生徒会長(15代)の推薦で生徒会長補佐に就任(昇格)した。
2年時も昨年同様、目覚しい活躍ぶりで生徒会長補佐の役を全うした。
3年時には生徒会長に就任し、碧陽学園第16代生徒会長に就任する。
昨年同様、目覚しい活躍を見せていたが、秋頃に幼馴染で大親友の亜梨沙が病に倒れ、闘病生活も虚しく、この世を去ってしまう。親友を喪い心の中に大きなクレーターが出来た状態になり、誰もいない時は、何時も亜梨沙のことを思い、一人泣いていた。
その年の冬、学校に忘れ物をして、近所だったので夜の学校に忘れ物を取りに行った。
が、そこで運悪く不審者(変質者)と出くわす。襲いかかってきたので、返り討ちにした。(死ぬ一歩手前程度に)
だが、その不審者の仲間二人も返り討ちにして(峰打ち)油断していた所をその仲間(4人)に背後から刺されて即死する。
次に目を覚ました時には自身は幽霊になっていた。そして同じく幽霊となっていた親友・亜梨沙と再会。
それから15年ほど碧陽学園の地縛霊(恨みはないけど)として亜梨沙と悠々自適に過ごしていた。
ある日、屋上にいた生徒に何か違和感みたいなものを感じ話しかける。(その生徒=桃花)
次第に意気投合し、親友になる。その後、「守護霊制度」がある事を知り、桃花の守護霊となる。
桃花が2年時の頃より実体化の回数が増え、今では殆ど実体化して過ごしている。
桃花と共にアイドル活動をしており、単独ライブとかも行うので人気もそこそこ高い。
名前:
年齢:享年18 (生きていたら34→35歳)
所属:碧陽学園1年C組→2年B組→3年A組(生存時)
学園浮遊霊→2年B組→3年B組(死亡後)
碧陽学園生徒会 庶務→副会長→生徒会長補佐(生存時)
守護霊枠で会議参加→庶務兼書記補佐(死亡後)
身長:168cm
体重:51kg
3size:81-56-81
誕生日:6月14日(双子座)
趣味:ゲーム・編み物・カフェ巡り
外見:紅髪・翡翠色の瞳。
長さはロング。だいたいサイドダウンが多い。
イメージCV:上坂すみれさん
性格:桃花に真冬・知弦の性格を足して3で割った感じ。
怒ると怖い。超怖い。阿修羅が背後に見えるとか見えないとか。
守護霊としては、最低限のことは全力を持って完璧にこなす。
人の嘘とかには敏感。「あ、こいつ嘘ついてる」と一瞬でわかる。
琴葉暴走時の唯一のストッパー。
怒ったら確実にO☆HA☆NA☆SHIがセットで強制的についてくる。
その、O☆HA☆NA☆SHIはトラウマになること間違いなしという保証付き。
根からのゲーマー。死後に知ったゲームのやり込み度は半端ない。
備考:生存時は碧陽学園に在籍する生徒だった。
親友・琴葉が生徒会選挙に1年生ながらも立候補したので、ストッパー役で自身も立候補する。
その結果、生徒会庶務に就任する。
親友・琴葉の暴走を抑制し、庶務としても生徒会に大きく貢献。
なので、生徒会長(15代)の推薦で副会長に就任(昇格)した。
2年時も昨年同様、目覚しい活躍ぶりで副会長の役を全うした。
3年時には親友・琴葉の依頼で生徒会長補佐に就任する。
昨年同様、目覚しい活躍を見せていたが、秋頃に病に倒れる。
早く病気を完治させ、再び琴葉と学校生活を送るべく、闘病生活に励む。
が、それも虚しく、この世を去ってしまう。
次に目を覚ました時には自身は幽霊になっていた。
幽霊になった当初は一人取り残された親友をずっと見守っていた。
当然、琴葉が自分の事を思って一人で泣いている事も知っている。
その時は後悔で一杯であった。
琴葉が死んだ日は、たまたま会合があって不在だった。
琴葉が死んだと聞いて「なんで琴葉を守れなかったの・・・」と後悔の念に駆られる。
その後、琴葉を殺した不審者6人組を大きなトラウマを残すくらいにO☆HA☆NA☆SHIした。
それから15年ほど碧陽学園の地縛霊(恨みはないけど)として亜梨沙と悠々自適に過ごしていた。
ある日、空き教室にいた生徒に何か違和感みたいなものを感じ話しかける。(その生徒=鍵)
次第に意気投合し、親友になる。その後、「守護霊制度」を再使用し、鍵の守護霊となる。
鍵が2年時の頃より実体化の回数が増え、今では殆ど実体化して過ごしている。
鍵の守護霊であるが、普段の放課後はアイドルPとして働いている。(担当はメインが琴葉。サポートで桃花・巡)
どうでせうか。次回より本編です。
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生徒会議事録 #01 (生徒会の一存編)
第一話 駄弁る生徒会 ①
文字数多くて長いかもですがお楽しみください。
では、どうぞ!
「世の中がつまらないんじゃないの。貴方がつまらない人間になったのよっ!」
会長・桜野くりむが
現在、私・綾瀬麻里菜は生徒会前の廊下で生徒会室に向かいながら
生徒会室に仕掛けてある盗聴器で聴いた内容で現在の生徒会室の状況を予想していた。
まぁ、あの会長さんのことだし、予想は大的中だろうが。
「なんてあの会長の行動パターンは予想しやすいんだろう・・・・」
半ば呆れつつ先輩に対して思ってはいけないことを思っていると・・・・
「じゃ、童貞もそんなに悪くないってことですか?」
どんがらがっしゃーん
副会長・杉崎鍵の言葉を聞いた瞬間、
何もないところで。
そしてげほげほと咽ていた。
音で分かる。
しかし壊れなくて良かった。あれ値段マジ高かったんだよね・・・・・。
やっぱりどうでも良くはないか。マジで壊れなくて良かったよ。本当に。
おそらく咽ている会長を見て
「会長は相変わらずアドリブにはめっぽう弱い人だ。」
とか杉崎君は思っているだろうが、私は思う。
「違う。『アドリブにはめっぽう弱い人』とか関係ないでしょ。フツーの反応でしょうよ。
誰だっていきなり
現役アイドルでアドリブに強い私だって超動揺して何も無い所で転んじゃったし」
と。
「これ以上二人きりにするのは危険だ」
私の第六感がそう告げている。
だって杉崎君にとっては会長さんを超からかいやすい場面だし。
第六感に従った私は急いで(走らず早歩きで)生徒会室に向かった。
生徒会室に着いた私は扉越しに生徒会室の様子を探る。
傍から見れば100%ストーカー見えそうだが、そんなの関係ない。
会長は涙目で目前の机をティッシュで拭きつつ、杉崎君を睨みつけていた。
そして何か言い争っていた。
おそらく会長は杉崎君の言葉を真摯にツッコミを入れているだろうが、
杉崎君は動じてない・・・というか自分の世界に入ってる。
ポケ●ン見たく言えば「防御力が下がってない。」だ。
無駄に“クリア●ディ”持ちか、アイツは。
もうヤバイな。アレ。こうなれば私がすべき事は唯一つ・・・・・。
これをブレイク(特殊)することだよね・・・・・!
私は勢い良く扉を開けてこう言ってやる。
「毎度でーす。萌えている奴がいたので邪魔しに来ましたー。」
「帰れよ。今すぐ。」
「ヤダ。せっかく来たのに。釣れないこと言わないで」
「あ、麻里菜。用事終わったの?」
「ええ。先程。」
一通りの会話を終わらせ私は杉崎君の左斜め前の席に座った。
取り敢えず今まで作動させていた盗聴器を切って、ICレコーダーを作動させる。
どうでもいいけど、さっきの盗聴器もこのICレコーダーも全部私の自腹なんだよね。
と、いうか学園側が支給するのがフツーだと思うのは私だけでしょうか。
その頃の会長はお茶を拭いたティッシュを生徒会室隅にあるゴミ箱へシュートしようと狙いを定めていた。
片目を瞑って狙いを定めている所を見るとゴミ箱に入れることに集中してるようだ。
これを邪魔しちゃ悪いよね。
そう思った私は黙って会長の行動を見守ることにする。
直後、杉崎君が机に肘をついたまま、抑揚もなく告げた。
「好きです。付き合って下さい」
「にゃわ!」
綺麗なy=ax2 の放物線を描いてゴミ箱へとは反対方向に飛んでいくティッシュの塊。
うわ、ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ。今時ありませんぜ、皆様。
私は「よくこんな場面で告白できるよ。コイツは。」と尊敬1割・呆れ9割の視線を送っていた。杉崎のヤローはそれをフツーにスルーしやがったけどね。
会長は杉崎君を(また)涙目で睨みつけていた。
くりむのにらみつけるこうげき!
スギサキの特性クリ●ボディ発動!
スギサキの能力は下がらない!
「杉崎は、どうしてそぉ軽薄に告白できるのよ」
「本気だからです」
「嘘だ!」
「今は『ひ●らし』より『うみ●こ』かと。会長」
「どっちも古いって・・・・。原作も書店に新品が大抵無いし」
大事なことなのでツッこんでおく。もう8年前くらいだしね。う●ねこ。
その後の杉崎君の思考が読めた私は提案する。
「じゃあ、私がやってあげようか?竜宮●ナのセリフを。」
「え?」
困惑の杉崎君。
私はポケットから耳栓の入った筒を取り出し、会長に手渡す。
「あ、会長これ付けててください。」
「え、何これ?耳栓?」
「はい。元●院の人も使っている特注品です。遮音性も普通のとは違いますよ。」
「そ、そうなんだ・・・・・」
言われた通りに耳栓をする会長。
耳栓をしたのを確認した私は
「嘘だっっ!」
思いっきり言ってやった。竜●レナの名言を。
本家に引けを取らない位に鳥が飛び去っていったから上出来だろう。満足。
「どうよ?中原●衣ばりに凄いでしょ?私。」
「うん。凄いけど、今やらなくても良くない?」
「(∀`*)ゞイヤァ 『ここでしょ!』って思ったし。練習無駄にならなくて良かったわ」
「褒めてねぇし!そして無駄だな!その練習!あと、会長が怒ってるっぽいぞ」
「あ、忘れてたΣ(ノ≧ڡ≦)てへぺろ」
ひ●ささんみたいにリアクションやってから私は鞄からカンペを取り出し、会長に見せる。
“もう終わったんで、耳栓外しても大丈夫ですよー。”
カンペを見た会長はきゅぽんっと耳栓を外す。
「ねぇ麻里菜、ひとついい?」
「はい。何でしょうか、会長」
「なんか鳥さんが凄く沢山逃げていった気がしたけれどなにしたの?」
「本家に匹敵するくらいに会長が言ったセリフを言いました。
惨劇は雛●沢村で起こってるんで安心してください」
「それはそれで安心できないよ!それはさておいて」
会長は杉崎君の方見て
「杉崎、この生徒会に初めて顔出した時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」
「なんでしたっけ?ええと・・・『俺に構わず先に行け!』でしたっけ?」
「初っ端からどんな状況だったのよ生徒会!」
「『永きに渡る戦闘にも決着が着いた。お互いを認め合った二人は和解する。
が、しかしあの組織はそれを許さなった。杉崎鍵は仲間を守るため一人敵に立ち向かう。
それが永遠の別れとも知らずに・・・・・・。』って状況でしょ?」
「たださえ文字数多いのに無駄に長いし、捏造だし、死亡フラグじゃない!麻里菜」
「なんか違うっぽいね。杉崎君。」
「あれ?それじゃあ・・・・・『ただの人間には興味はありません。宇宙人、未来人、いs・・・・・』」
「危険よ杉崎!あらゆる意味で!それと麻里菜も止めなさいよ!」
「いや、だってフルで聴きたいですもん。あのセリフは。」
「怒られるし却下よ!」
「大丈夫です。原作派ですから」
「なんの保証!?あとアニメの出来は神ってるよ!」
あ、私もそれには賛同する。キャスティングもいいよね。キ●ン役の杉田●和さんとかね。
ヒロインのハ●ヒ役の平●綾さんとの絡みも良かったし。
特に12話の文化祭のライブシーンには鳥肌立ったね。マジで。
今もカラオケで歌ってるもん。God ●nows・・・。
ネタは尽きないけれどここでやめておこう。これ以上するとガチで怒られそうだ。
「さっさと思い出したほうが良くない?時間も限られてるし」
「ああ、そうだな。」
少し間を置く杉崎君。
「皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対に幸せにしてやるから」
「そうよ!あの時点で、この生徒会に貴方のいい加減さは知れ渡ってるのよ!
誰でもいいから付き合えって堂々と言う人間に、誰がなびくっていうの!」
その時の発言は私も聞いていた。
でも、私は他の皆が思っていた事とは違う感情があったね。確実に。
奥底にある何かを感じてたしね。密かになびいてんのよ?私はね。
「失礼な。誰でも良くはありません。美少女以外は興味ありません」
「『可愛いならAll(・∀・)オッケー!』ってことでしょうが!」
「一途なんです。美少女に。」
「括りがでかすぎるわよ!」
「
「そんなのより、前提として複数の人間に告白している時点で、誠実じゃないのよ!」
「でも、優柔不断な主人公よりはマシだと思いますけど。『俺はハーレムルートを狙う!』 と最初から宣言してその目標に向かっていく方が潔いと思いますけど」
まあ、それも一理はあるかも。あくまでも一理ね。
私は納得してしまったが、会長は納得がいかなかったらしい。
「残念な事にハッピーエンドの主人公とはスペックの差が歴然なのよ。諦めたほうが絶望は少ないわ」
「酷い!そんなに言うなら俺はなんなのですか!こんなに女の子が好きなのに!」
「基本的に悪役(ストーカー)とか主人公の親友(表面上)よ。基本的にモブキャラよ!」
会長、詳しすぎです・・・・。こちらが吃驚するくらいに。
それなら、私が今度、もっとその道に染めてやろうかしら・・・・。
「顔もいいと思うのにぃ・・・・」
「顔『だけ』ね。だけどそれもイラストレーターの力よ!」
それ言ったらキリないですわ。全員そうなるし。
杉崎君は席を立ち会話を交わしつつも、
先程会長が狙いを外したティッシュを拾ってゴミ箱にシュート。
かこんっ
今度は見事にティッシュはゴミ箱へ吸い込まれていった。
「・・・・・・・・・・・・」
会長が複雑そうな表情で杉崎君を見ている。
「・・・・?どうかしましたか?会長」
「・・・杉崎ってさ、たまに気が利くっていうか、その・・・優しいよね。無意識にさ」
「ええ。そういうギャップも好感度上昇においてのターニングポイントでしょう?」
「狙っていたの?!しまった!私の中での杉崎の好感度がある程度上昇してしまったわ!」
・・・・・・・・・やばいなぁ。なんか段々と空気がさぁ・・・・
その、甘ったるくなってきてるんだよ。砂糖成分てやつ?
私はたまらなくさぁ苦手なんだよ。何故か。
これ以上口を挟むのはやめておこう。
うん。そうしよう。
そう思った私は音楽を再生して暫く自分の世界に入ることにした。
それからしばらく、そんな甘ったるい空気を破るかのように生徒会室の扉が開く。
「キー君。あんまりアカちゃんを苛めないの。それと、あーちゃんも戻ってきてね」
そう言って私のヘッドホンを頭から外す知弦さん。
知弦さん・・・紅葉知弦先輩は私たちの一つ上の学年の会長と同じ三年生で役職は書記。
因みにキー君とは杉崎君のこと。「杉崎鍵→鍵→キー君」。
アカちゃんとは会長のこと。「桜野くりむ→くりむ→クリムゾン→真紅→アカちゃん」。
最後のあーちゃんというのは私のこと。「綾瀬麻里菜→綾瀬→あーちゃん。」
私だけ苗字からもじりの渾名だが知弦さん曰く、「そっちの方が自然」とのこと。
「苛めてはいませんよ。辱めていただけです」
ワオ。咬み殺されても文句は言えないね。アレは。ねぇ?杉崎君。
「凡ゆる意味で余計に悪質じゃないのよ」
よく言った!知弦さん!全くもってその通りです。私も激しく同意です。
「大丈夫です。同意の上でですから」
杉崎くんの説明に会長は「嘘だっ!」と叫んでいたが皆スルー。そらそうだ。
だってそのネタ出るのって三回目だもん。二回が限度と思うよ?一話につき。
相手にされなかった会長は安定でいじけていた。
それをフォローするのが会長補佐である私の仕事なのだが、ハッキリ言おう。
面倒くさい。
だって機嫌損ねるタイミングもまちまちだし時間もかかるし。
愚痴ってても仕方ない。さっさと終わらせますか。
私は知弦さんと杉崎君の会話を聞きつつ会長を復活させる。
時折、酷いツッコミやら「精神崩壊」の単語が聞こえたが何を話しているのだろうか。
復活した会長は知弦さんの持参したスナック菓子をつまんでいた。
「太りますよ」
「うぐっ。・・・・だ、大丈夫よ。栄養を、背と胸に回すんだもん!」
「腹に回ったらリスクは多大なものですが」
「むむむ・・・。今からだもん。知弦や麻里菜みたいにスタイル良くなるもん!」
あれ・・・・?さらっと引き合いに出されたよね?私。
そんなにスタイルいいかなぁ・・・・?私。別にフツーだと思うけど。
「ええい!はむ!」
食べたな。かなり悩んだ末、食べちゃったね。
「次の問題の答えは『メタボリックシンドローム』っと・・・・・。」
「「・・・・・・・・・・・・・」」
知弦さんがノートに視線を落としたまま、しれっと酷い事を言っていた。
それに無言になってしまう私と杉崎君。
あったのか、そんな問題。
あったらあったで保健体育教師の問題を出すタイミングがタイムリー過ぎるでしょ。
狙ってるのか。おい。
会長は大層凹んでいた。そんなに後悔するなら食べなきゃいいのに。
もう、私よりも杉崎君が適任でしょ。ここは。フォローよろ!
「大丈夫ですよ、会長。」
「す、杉崎・・・・・」
「もし、貰い手が無くなったら・・・・」
「え、太った私でも好きって言ってくれるの?美少女じゃなくなっても?杉崎・・・貴方・・・」
なんていい話なのだろう。
杉崎君に任せた私の判断は間違っていなかった!
「貰い手が無くなったら・・・・仕事に生きてください!」
「リアルなアドバイス!?」
「俺、陰ながら時々会長のこと思い出しますから!」
「陰ながらなんだ!そして何時もじゃなくて時々思い出すんだ!私、基本見捨てられたんだ!太った私に価値は無いのね!?」
「ですから、太らないように頑張ってくださいという俺なりの叱咤激励ですよ。」
「あうー」
会長は肩を落とし余計凹んでいた。
うん。前言撤回。やっぱ酷いわ。杉崎の旦那!
私の感動を返せ!
「頑張れ!俺のハーレムに残る為にも!」
「あ、なんか急に太っててもいい気がしてきた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
馬鹿なの?
自分で良フラグをへし折って死亡フラグを立てる奴があるか。
まぁ、私が知ったっこちゃないが。
その後、会長と知弦さんは自分の事に集中していた。
じゃあ、暫く私も(アイドルの)仕事でもしてますか。
鞄から次の仕事の資料と手帳を取り出し、そっちに没頭する。
しばらく時間が経ち、生徒会室の扉が開き、二人の女子生徒が入ってきた。
どうでしょうか。
次回からあとがきで元ネタを解説していこうと思いますが、どうでしょうか。
よければコメントください。
ではまた次回。
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第二話 駄弁る生徒会 ②
ではどうぞ。
「おっくれましたー」
「す、すいません」
前を歩く長髪をツインテールにした元気美少女。
名前を椎名深夏といい、役職は杉崎君と同じ副会長。さらに杉崎君と私のクラスメイト。
口調はボーイッシュを通り越して男口調。但し、
運動神経も良く、運動系の部活の助っ人をしている。余談だが全制覇しているとか。
そのうえ、快活で爽やかな性格ときたもんだ。
なので男子からの人気も高い事に加え、女子からの人気も高い。
更なる止めとして本人曰く、「百合気味」らしい。
となれば、彼女の人気がうなぎのぼりな結果は当然といえば当然である。
まぁ、そんなわけで杉崎君みたいなナンパ男は嫌い。
更に「同じクラス」+「同じ副会長という役職」のコンボもあって杉崎君とはよく対立している。
傍から見る私にとっては「仲良いなぁ・・・・あの二人」程度にしか思わないがwwww
因みに私と深夏は至ってフツーの友人って感じなのですよ。
「麻里菜、一度でいいからあたしを弟子にしてくれ!」
とかってたまに言われるけれど「弟子」ってなんなんな!?「弟子」って。
嫉妬心から私に奇襲を仕掛けて来た生徒を死なない程度に瞬殺した事と関係があるのかなぁ?
まぁ、いいや。
杉崎君曰く、「デレる気配が微塵も無い正統派ツンデレ」らしい。
深夏にそのことを言えば絶対に否定するだろうが、安心しろ。私もそう思ってるからwwww
深夏の背後から何度も頭を私達に下げている色素の薄いストレートヘアー+頭にリボンの美少女。
名前を椎名真冬といい、役職は会計。
学年は私の一つ下の一年生。「椎名」という苗字から解ると思うが深夏の妹である。
性格は、一言で言っちゃえば「深夏と対極」。それに限る。
「儚げな性格」+「男性が苦手」と、一部の男子
まぁ「男性嫌い」の原因は確実に姉・深夏にある。完全に洗脳じゃないか。アレは・・・・(汗
私が何を見たかは聞かないで欲しい。お願いだから。
紹介はそれくらいでいいか。うん。結構長くなったし。
「待ってください。真冬の紹介のターンがお姉ちゃんの約1/3の行数で終了した気がするんですけど!?」
うわ・・・・。鋭っ!無駄に勘が良いな!この娘。
「気のせいじゃないかな。・・・たぶん」
「『たぶん』って言ってるじゃないですか!認めてくださいよ」
「あー、うん。後から解ってくるのもあるし簡潔な紹介でいいかなと」
「なるほど・・・・道理で。そういうことなら早く言ってください」
納得して席に着く真冬ちゃん。
あー、良かった。さっさと納得してもらえて。
(二回目の)
「ねぇ深夏、真冬ちゃん。貴女達に『初めての時は面白かったけれど、今はそうでもないかな・・・』って思うことってあったりする?」
「いきなりだな。それが今日の議題だったりするのか?」
「ま、そんなとこ。会長が珍しく名言言ったしさ・・・」
「珍しくとは失礼だよ!久々より失礼だよ!」
「俺の台詞が取られているのは気のせいでしょうかねぇ!?」
会長と便乗して杉崎君が反論・・・もとい、騒いでいた。
だが、私はそれを無視。だって一々対応してると終わんないもん。
あと、杉崎君に喋らすといつ口説くかわかんないし。それされると終わんないし。
要は「終わらない要素作る奴は黙ってろ?」ってわけだ。
しばらく考えていた椎名姉妹。最初に答えを返してきたのは真冬ちゃんだった。
「真冬は・・・
「
「はい。子供の頃は母親がしているのを見て、凄くしたくて仕方が無かったんです。
それで中学生の頃、初めて自分でコスメを買った時は嬉しかったんですけど・・・・」
「よくよく考えたら真冬ちゃん自身があまり着飾るのが好きじゃなかった・・・・て訳ね」
「はい。だから最近は必要最低限の事しかしたくないって感じがありますね・・・」
「なるほどねぇ・・・・。大丈夫だよ、真冬ちゃん!真冬ちゃんは化粧なんかしなくたっ て充分可愛いから!むしろ、本来の美貌を隠す化粧なんてしなくていいから!」
「先輩・・・・あ、ありがとうございます////」
杉崎君に口説かれて頬を染めて照れている真冬ちゃん。
可愛いのは正義だし良いとは思うのよ?でもさぁ・・・
「黙ってろ」って言ったよね?杉崎君?さっき私。
丁度、エリュ●データとダーク●パルサーが手元にあるんだよね♪
「こら鍵!あたしの眼前で妹を口説くなよ!」
「嫉妬か、深夏よ。・・・お前もちゃんと魅力的だからさ」
「いやいや。嫉妬じゃねーし。そう聞こえたんなら耳鼻科行ってこい」
「またまたご冗談を。ヤキモチからくる裏返しなんだろ。それ」
「ヤキモチじゃねーから!」
「・・・・・・(( ̄∀ ̄))」
「『そのツンデレもいいな!はやくデレればいいのに』じゃねーよ!お前にデレてないし!そもそもツンデレじゃねーし!」
「遂に以心伝心ときましたか!ゴールインは近いぞ!深夏よ!」
「もぉお前の思い込みの強さと言ったら怖いの域に達してるよ!」
あー、うん。深夏に同意かも。いや、悟りの境地開いてるんじゃね?下手したら。
「思い込み?そーいうことにしといてやるよ。『照れ屋さん』♪」
原子爆弾投下しやがったよ。此奴。命が惜しくないのかしら。
「つる●のまいをしてからスカイ●ッパー、たたき●ける、イン●ァイト、ばく●つパンチ、コメッ●パンチ、メガ●ンパンチ、フレア●ライブを使って殺したい・・・・・・」
使えるのか?深夏よ。最後のに至っては自分も技の反動でダメージ負ってるやん。
あ、そうだ。私の方も訂正だな。更にスキル●ネクトで繋げて
合計50hitくらいなるけど問題ないよね。死なないだろうし。
その仕置される本人こと杉崎鍵は自信を囲む美少女を見て悦モードに入っていた。
その中に私も当然含まれている。もう、いいや。なんか諦めた。
「うん。ハーレム万歳。いつ見ても最高だね、この光景。頑張って生徒会に入って良かった!」
杉崎君の言葉に「そういえば・・・」と知弦さんが返してくる。
「キー君は確か『優良枠』で生徒会入りしたのよね?・・・一見するととてもそうは見えないのに」
「だよなー。コイツはフツーに見たらタダの色ボケ男だもんなー」
深夏が知弦さんに同意し、真冬ちゃんと私は苦笑していた。
杉崎君は反論があるのだろう。何かを言いかけたとき
会長はバンッと音を立てて机に手を置く。
「あぅ~・・・・・(;_;)」
強く叩きすぎたのか手が痛くなって涙目になっていた。
その光景に萌える人は萌えるだろうが涙目になるくらいならやらなきゃいいのに。
「散々言ってきたけれど、やっぱりこの学園の生徒会役員選抜基準はおかしいわよ!人気投票というのもおかしいけど《優良枠》にしても成績面だけではなくメンタル面についてもえーと・・・せ、精査すべきだと思うわ!」
会長が既に幾度なく行ってきたお決まりの事を言う。
余談であるが「精査」のところで語句が解らなくなって私がカンペ(振り仮名付き)で補助していた。
「俺はこのシステム、最高だと思いますけどね。なぁ、麻里菜?」
「そこで私に振るの?まぁ・・・確かに私も現状の選抜方法でも問題はないとは思いますね」
杉崎君が会長に反論し私が同意する意見を言う。これも既に幾度なく行ってきたお決まりの事だった。
この場を借りて説明しておくとこの学園の生徒会役員選抜方法はフツーではない。
一つが生徒会役員が基本的に純然たる《人気投票》であること。
ただ、これだと「無茶苦茶じゃないの?」って意見もあったりする。
が、実際のところこのシステムは結構理にかなっていたりするのだ。
容姿で選抜されるわけだが選挙活動というのが存在しないため、生徒は自分が純粋に憧れる生徒に投票するという算段になるわけだ。(新入生は大体の場合、新聞部が発行・配布する生徒会役員候補が記載された冊子を参考にすることが多い。)
と、なれば「憧れの人達」が上に立つ生徒会で大体の生徒は生徒会の言う事を
案外聞いてくれる。・・・ぶっちゃけカリスマ性さえあればたとえ容姿で選んだからって大きな問題にはならない。
が、やはり問題点もあるわけでその抑制役であるのが《優良枠》と《補助枠》である。
《優良枠》とは各学年の成績トップは本人が希望すれば生徒会入りできるというもの。
まぁ、滅多に希望者が出てくることはないが今年はその希望者が杉崎君だった。
杉崎君の優良枠での生徒会入りについての賛否両論で盛り上がっていた。
私はそれを笑顔で見守っていた。
「成績がいいってだけで生徒会入りしちゃうのはやっぱり変だよ!そのせいで、杉崎みたいな問題児が入るしさぁ・・・・」
「さらっと自分を抜かないでください会長」
「あ、麻里菜。最後までずっと黙ってるかと思ったんだけど」
「そのつもりだったんですけどねぇ・・・・。私が何で生徒会入りしたか忘れたんですか?」
「・・・・」
忘れてるね。完全に。
「確か、あーちゃんは《補助枠》で生徒会入りしたのよね?」
「そうですよ。知弦さん」
「あの・・・《補助枠》っていうのはなんですか・・・?」
真冬ちゃんがおずおずと手を挙げて質問。
「教師陣が指名できる唯一の指名枠で就任演説後に決定されるの。
バランス調整って意味合いも強いから滅多に活用されることはないんだけど・・・・」
「あー、あの会長さんの演説で教師陣が行使に踏み切ったわけですか・・・・」
「そーいうこと」
「まったく、先生達も余計なお世話なんだよ・・・!」
いやいや、どの口が言うんですか。どの口が。
「・・・で、話を戻して杉崎が問題児どうのこうのだけど・・・」
「生徒会の全員をメロメロにしちゃったのは悪いとは思うんですがね・・・・」
「誰一人・・・・?なってないわよ・・・?」
「何故に断定しないのですか、会長」
「・・・・・鈍感ね。麻里菜って」
うわ、すっげぇ失礼なこと言われたんですけど!マジ傷つくわぁ・・・・。
「うんうん。俺は麻里菜がもう落ちてるってわかってたZE☆」
「~~~~っ/////うるさいうるさいうるさい」
かなり動揺してシ●ナの十八番セリフを1セット言う私。
鈍感てかうっすら気づいてたけども!他人の前で言われるとやっぱ恥ずかしいっての!
「まぁ、麻里菜を弄ぶのは面白いけれどこの辺にして・・・」
「清々しいほど外道だな、テメーは」
深夏が呆れた様子で呟く。
「・・・・杉崎を一番惨いバッドエンドに送ってもいいよね」
深夏に私も同意だ。そして会長、構わん、やれやれ!
次第に味方が減ってきたことを察した杉崎君は強引に話題を方向転換した。
「でも、俺にとって一番恐怖なのは最初に会長が言った通りのことなんですよね・・・」
「?どういうことなの。それって」
「『つまらない人間になる・・・・恵まれた環境に居続けていつしかそれが当たり前になっていく・・・』って事よね、杉崎君」
「ああ、その通りだ麻里菜。俺は生徒会入りして1ヶ月しか経ってないけれどこのハーレム状況が楽しくて仕方がないッス。・・・・けど、いつかその状況が当たり前に感じたら・・・・て思うと」
「あー、それは分からないでもないかな。意識してたってどうにもならない事だし。生活ランクと同じで一度裕福な生活に慣れたら収入が落ちて貧乏になっても中々その生活基準を下げられないのと一緒よ」
「そーいえば、会長の父親って会社の経営者でしったけ」
「そうよ、麻里菜。だから良くも悪くも収入の浮き沈みが激しいっていうか・・・・」
「成程・・・。それで会長は美少年を金で侍らす趣味が未だにやめられないと・・・・」
「そうなのよ・・・・・って、そんなわけないじゃない!私にそんな悪女みたいな趣味は無いわよ!杉崎と一緒にしないで!」
また杉崎君が会長を弄っていた。ちょくちょく弄る私が言うのもアレだが
こんなに弄り甲斐がある先輩は
だが、会長が言っていたことはごもっともで一度上のランクに至ったら下のランクには戻れない。すぐそこにあるはずの幸せが目に入らなくなる。だから人は上へ行き続ける。だが必ず物事には限界というものがあってそこで停滞してしまえば、世の中がつまらなく感じるようになって“つまらない人間”になってしまうだろう。
「真冬はそうなりたくはないですけど、どうやったらそうならずにいられるのかはよく分からないですよね・・・・・」
「まぁ、確かに『常に上へ上へ行きたい』ってのは人として当然の欲求なわけだし、意識して歯止めをかけるのは難しいと思うよ」
「あーちゃんが言ってたことをやろうとすれば《悟り》みたいな精神的な境地に至るしかないんじゃないかしら」
「なんか、つまんねーな。それ」
「まぁ上へ上へ行き続けるのは『勝ち組』とかと呼ばれる一部の人だけよ。大抵の人は何処かで妥協してそこそこの幸せを掴むものなのよ」
知弦さんの言うことは正論だ。私もゆくゆくはそうなっていくのだろうね・・・・。
「駄目だな・・・・」
「「「「「え・・・・・?」」」」」
杉崎君の言葉に私を含めた全員が杉崎君を見る。
杉崎君は思いっきり立ち上がって高々と宣言した。
「俺は美少女ハーレムを作る!」
「いや、ル●ィの『俺は海賊王になる!』的なノリで言われてもなぁ・・・」
深夏は呆れていた。が、お構いなしに続ける杉崎君。
「妥協するにしたって俺は高い所から妥協してやる!美少女を侍らしてから
『あー、美少女飽きた・・・・』って所まで上ってから妥協してやる!」
「成程ね・・・・。取り敢えず行けるところまで行ってみようって事ね。いいんじゃないかしら。好きよ、そういうの」
「そうやって進んで行く方が杉崎君に似合ってると思うわ」
「ハーレムっていう動機は納得いかねーけど、そのスタンスは悪くないな」
「そうですよね・・・・今から悩んでいるより取り敢えず上へ行ってみる方がいいかもしれませんね」
動機こそ不純なものの、スタンスに納得する私達。
「えー、あんまり頑張るのは疲れるよぅ・・・・・」
・・・・・台無しだった。会長の駄目人間発言にいいムードが台無しだ。
現在進行形で既に妥協していた。今の現状で満足していらっしゃる。
その会長は(知弦さんの)スナック菓子を頬張って幸せそうだった。
幸せならなんでもいいみたいだ。至極単純なお人だ。
暫くして(知弦さんの)スナック菓子を食べ終えると満足そうに宣言した。
「というわけで、今日は解散にしますかぁ」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
その瞬間、「とことん駄目人間だコイツ・・・・」と会長を除く全員が思った。
けど、ここで解散なんだよね。今日は。
・・・私達はここからが本番なんだけどね・・・。
「はい、紅茶淹れたよ。一息入れたら?」
「おお、サンキュな」
「今頃、会長達は私達の事、話してるのかもね」
「ああ、多分な」
「でも、良かったの?」
「・・・別に俺が好きでやってる事だし、良いんだよ」
「そっか。無理だけはしないでよ?」
「それをそのまま返すぜ麻里菜。お前も忙しいだろうに」
「わかってる」
「ならいいけど。あ、そっちの書類の確認できてるか?」
「はい。こっちの書類に不備はないわ。そのままでOKよ」
「じゃあ、こっちの書類も確認頼めるか?」
「はいはい了解。ねぇ杉崎君、ひとつ聞いていい?」
「?なんだ?」
「『つまらない人間も悪くない』って思ったりしない?」
「なんだよ、藪からスティックに」
「なんでルー●柴の●ー語なのよ」
「まぁ使う機会逃してたりしてたし。・・・・どういうことだ?」
「日常がつまらない人間が寄り集まると逆に楽しいことがあるんじゃないかなって思ってさ」
「それはあると思うぜ?だって俺たちがいい例じゃねぇか」
「そっか、そうだよね・・・・ありがと。すg・・・キーくん!」
「・・・麻里菜、お前俺の事今、『キーくん』って呼ばなかったか?」
「ぅえ!?き、気のせいじゃないかな!?」
「何狼狽えてんだよ・・・・」
「何でもない。何でもないったら何でもないの!」
「・・・・変なの」
そういった会話の後再び雑務に戻った杉崎と麻里菜であった。
私立碧陽学園生徒会では毎日つまらないという人間達が楽しい会話を続けている。
字数を抑えるのが最大の課題かもしれない・・・。
ではまた次回お会いしませう。
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第三話 怪談する生徒会
駄文ですがそこはご了承のうえで。
ではどうぞ。
「本当に怖いのは幽霊や化物じゃないの!人間自身なのよ!」
会長が
正論とは思うがあまりにも
「あー、うん、そうですよね」
「その通りですねー会長」
「そうよ!幽霊も化物も、結局人間が生み出すものだからね!」
「・・・・解釈が微妙で些か極論過ぎな部分もありますが」
人間が怖いっていうのは、そういう事ではないと私は思う。
そう考えている私の横で会長はスッゴイドヤ顔で満足そうに椅子にふんぞり返っていた。
本人は威厳があると思っているだろうが実際は微塵も無い(笑)
パクリ名言で威厳が出てると思っている会長は実におめでたいお人だ。
知弦さん・深夏・真冬ちゃんも感心したふりをしてテキトーにスルーしていた。
そもそもこの会長がこんな事を言いだしたのは最近再びこの学園の生徒をはじめとした巷で七不思議の噂が流行りだしているからだ。
七不思議。七つ知るとどうかなるっぽい・・・とかいうアレである。
私は特に興味も無いが49個くらい知っている。
周囲から聞いてたら何故かそうなった。
Overkill
もうこの一言だ。呪いが降りかかったら無関係の人を6人巻き込むか自分が7回死ぬ。
残機アップとかゲームじゃあるまいし存在しないのだから前者になるだろうが。
興味の無い私でこれだけなのだから校内の状況は推して知るべし・・・・であろう。
・・・平均値が49と仮定すると呪いが真実だと学校どころか日本壊滅だ。
「事態は既に切迫しているのよっ!」
会長は滅茶苦茶意気込んでいらっしゃるご様子だった。
ホワイトボードに「今日の議題→怪談の蔓延りすぎな現状について!」と極太に書かれている。
ホワイトボードに「今日の議題→怪談の蔓延りすぎな現状について!」と極太に書かれている。
大事なことなので二回言いましたよ。
どーでもいいけれどよく「蔓延る」って漢字書けたね会長。
私はてっきりそこの部分は平仮名で書くと思ったんだけどね。
(仮にも)高校3年生というのは伊達じゃないということか・・・・!
(何故か)会長はこの現状がお気に召さないようだ。
バイオハザードが発生するわけでもなかろうに。
杉崎君と深夏がこそこそとなにか耳打ちをしていた。
・・・なんだろう。すっごく嫌な予感がするのは気のせいだろうか・・・・。
「はいはーい!」
「はい、深夏」
「会長さんは知ってるか?ある女子が3階の女子トイレに入った話なんだけど・・・・」
「わ、わにゃ!?な、なんでそんな話を!?会議を脱線させないでよっ!」
「脱線じゃねーよ。ホラ、こういう類の議題って対処する為には、先ず詳しく知るべきだろ?」
「うぐっ・・・・。と、とにかく私は聞かなくていいのっ!」
天使の●P!の五●潤みたいな驚き方をして動揺しまくる会長。
会長と私を除く生徒会メンバー全員の眼が怪しく光っていた。
真冬ちゃんもウズウズしていた。普段が責められ役なだけにこういう状況は大歓迎みたい。
さしずめ、「椎名真冬の大・大逆襲」といったところか。
私?私はあくまでも中立。後々の対応めんどくなるし。
事は会長の想いとは裏腹に進んでいく。いやぁ、現実は非道だよねwwww
最初に知弦さんが動き、「現在の出回っている怪談の検証」を提案。
次に杉崎君が賛成し、真冬ちゃんがそれに便乗。
会長がたじろいだのを確認して杉崎君がトドメ。
更に知弦さんが追撃し、椎名姉妹がダメ押し。
案の定、会長のHPとLPはガリガリ削られていた。
もう、レッドゾーン突入してるんじゃね?
「お、大人なこの私がか、怪談話で怖がるはずなんてにゃ、にゃいじゃない!」
噛んでるし、私に抱きついて私の陰から顔を見せて言っても説得力はないよ。お子様会長。
約2名はSモードとなっていた。「やめてぇー」と「あぁ、納得」と半々な感情で私はそれを見ていた。
知弦さんが「まずは形から始めましょうか」と言って手を叩くと
生徒会室の扉が開きガタイのいい男子生徒が数人入ってきて机の撤去・畳の設置を終えてさっさと退出していった。(無駄に作業テンポが恐ろしく早かった)
確か、土木研究会の皆様だよな・・・?あの人達。それを使役する知弦さん。
「知弦さんを七不思議に追加してもいい感じだよね!」
その光景を見て私を含んで知弦さんを除く全員が思ったのであった。
そういう訳で開始された怪談話大会。
一番手は深夏だった。
「この学校の家庭科室には包丁がなく、隣の家庭科準備室で戸棚にまとめて厳重管理されている。
それは、何故か。それは昔に起こったとある悲劇が原因なんだ。仮にここではくりむちゃんとしよう・・・」
「なんでくりむちゃんにするのよっ!」
設定が気に入らなかった会長は反論するが深夏はそれを華麗にスルー。
「かなり容姿のメリハリと背丈は残念だけど顔は良くそれなりの需要が有った・・・所謂、ロリっ娘・くりむちゃんは学校に忘れ物をした。その日に絶対要る物だった上に家から学校も近かったので学校に忘れ物を取りに行くことにした。
夜の学校は確かに怖かったけれど前にもこんな事があったし、慣れていた。その日もいつもみたく学校に忘れ物を取りに行くことにした。そして、翌日冷たい体となって発見された。」
「ひぅっ」
ア●マスの水谷●理のアイデンティティな台詞で反応する会長。
上手いなぁー、深夏。場慣れしてるね。アンタ。
くりむちゃん(真)は私の後ろで見栄を張っていた。
無論、説得力は存在するはずもなく。
「くりむちゃんは死んでたんだ。家庭科室で・・・・しかも全身をメッタ刺しにされてね」
「な、なんか『くりむちゃん』という名前設定が嫌になってきたんだけど・・・・」
くりむちゃん(真実)は青褪めていた。だが、深夏は見なかったことにしていた。
「犯人は現行犯逮捕された。それはその頃地域で出没していた変質者だった。
学校に侵入して悦に入っていたところでくりむちゃんは出くわしてしまったんだ。
格好の餌食にならないわけがない。
勿論、くりむちゃんは逃げた。しかし追い詰められて逃げた所が不幸にも家庭科室だった。
犯人は当然のごとくそれに気づき調理台下の戸棚から包丁を取り出して・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
会長は無言だった。意識をシャットアウトしようとした結果だが。
まぁ、杉崎君の猫騙しで妨害されて失敗してるけど。
「そ、その程度?過去に殺人事件があって包丁が別の場所に移されたってだけじゃない」
「いや、違うんだよ会長さん。包丁が準備室に移されたのはそれが直接の原因じゃないんだよ」
「え?」
「大変な出来事があったんだよ。あの殺人事件の後、放課後の家庭科室に残っていた生徒にさ・・・・」
「な、なにが起こったの・・・?」
ごくりと唾を飲み込む会長。話はいよいよ
「家庭科室にあった包丁が全部突き刺さって死んだんだ・・・・・」
「ーーーーっ!」
会長は硬直状態だった。場の雰囲気的に私達も些か緊張してしまう。
だけど・・・・・皆分かってるんだろうね。(勿論会長除く)
(んなわけねーでしょ。)
そんな猟奇的な事件があって話題が一つもないなんて可笑しいでしょ?
まぁ、深夏の話の前半部分は実際に発生してるけどね(笑)
ここでは言わないほうがいいでしょうね。うん。
だけど、あの会長には効果覿面だった。
「そ、その犯人って一体・・・?」
深夏に真剣な面持ちで尋ねてるし。最早深夏の思う壺になってるね・・・・。
「決まってるじゃねーか。それは・・・・・」
「そ、それは・・・・」
「それは・・・・」
深夏が暫し沈黙し、生徒会室に静寂が訪れる。
その直後
「おまえだっ!」
「ひうっ!」
突然に会長を指差して大声で叫ぶ深夏。あまりの迫力に私達も多少はビビった。
だが、このオチになるのは大方予想出来てたし衝撃はそれほどない。
だが、会長はというと・・・・
「・・・・・・・・・」
口から魂が抜けていた。幽体離脱と言っても過言じゃない。
・・・・・怖いですね~。ホラーですねぇ~。(←ホラー●ンか)
本当に肝付●太さんのご冥福をお祈りします。
・・・・ってやばいじゃん!早く戻さないとこのままじゃ召されちゃう!
取り敢えず鎖鎌で会長(魂)を捕まえて会長(本体)に戻してやる。
良かったわ。星●神社の
意識を取り戻した会長が逆ギレしていた。
「な、何よそれ!わ、私が犯人てば、馬鹿にしてるの!?」
会長の反論に苦笑を浮かべる深夏。
「いやいや、そーじゃねぇんだ。つまり、犯人はくりむちゃんだって言いたかったんだ。
そう・・・幽霊・・・いや、悪霊となったくりむちゃんだってな・・・・」
「う・・・・」
「とても人間業では無い死に方だったらしいぜ。全身に包丁が集中豪雨みたく降ってきて
ほぼ同時に全身くまなく刺さってたんだからな。・・・それが家庭科室に包丁が置かれなくなった原因さ。会長さん、もし生徒会活動で遅くなって誰が包丁を置き忘れた家庭科室に入る時は気ぃつけな。命の保証は・・・・・出来ねーぜ」
「・・・・・・・・」
また会長の魂が天に召されていた。
取り敢えずもう一回戻すとしますか・・・・。
鎖鎌で捕らえて本体に戻す・・・・っと。
「く、くだらない与太話ね!」
・・・・だから、私に抱きついて言ったって説得力皆無!
こんな反応を見せる会長に対して
その後も怪談話は続いた。真冬ちゃん→知弦さん→杉崎君の順番で。
そして話の主人公は「くりむちゃん」だった。全部。
ナニコレ、ヤサシクナイ。
杉崎君の怪談話はベクトルの方が明々後日の方向に歪んでいて悪寒が止まらなかった。
・・・いいのか、それで。
ちなみに私は怪談話はしなかった。と、いうより出来なかった。
会長の魂捕縛の回数の多さと会長が離れてくれなかったら疲れが多くてねぇ・・・・。
会長といえば、杉崎君の(方向が迷子な)怪談話によって完全K.O.だった。
暫しの休憩後、(畳を土木研究会の皆様に戻してもらって)会議を再開させる。
あ、会長は使い物にならないので不参加である。
最初は杉崎君が知弦さんに話しかける。
「でも皆好きですよね。怖い話。そもそも『怖い』ってなんでしょうね。どちらかといえば負の感情でしょうに」
「『スリル』って言葉があるでしょ?『安全性が保証されている危険を楽しむ』と、いうのかしら?ほら、例えて言うならジェットコースターやバンジージャンプみたいな。」
それに私が意見を挟む。
「そもそも『スリル』からしても不思議な感覚じゃないですか?“怖い=楽しい”この数式とも言いますか・・・それって倒錯してる気がしますよね。皆が当然のように・・・ってなってますし誰も指摘しませんけど、観点を変えれば凄く歪だし『楽しんでる人は異常だ!』って言われてもしょうがないですよね」
「確かにそうかもしれませんね」と真冬ちゃん。
「ふむ・・・」と考え込む知弦さん。
「まぁ、考えてみるとそうだよな・・・」と腕を組む深夏。
会長の方を見ると会長は未だ一人で震えていた。
会長の方を見て
“会長みたいに怖い話に対して怖がって嫌がる方が
多数派ではあるが
私はそう思えてくる。
「そういう意味だと今のこの学校の状況自体が一番怖い事の様な気がしてきました」
「そうね・・・。そうかもしれないわね」
杉崎君の意見に同意する知弦さん。
「怖い話を楽しむ事が異常ならこの学校・・・いや、この地球はそんな異常な人間がわらわらといるコミュニティってことになりますよね。・・・そう考えてしまうととても怖い事ですね・・・・」
私も賛同する。
「そ、そんな考え方やめろよぉ・・・・。三人とも」
深夏は少しだが怯えていた。
「そうですね・・・真冬は怖い話が大好きですけど『どうしてなのか?』って聞かれるとあんまり説明がつかないですね・・・・。それこそが“理解不能な事”の怖さ、かもしれませんね」
真冬ちゃんの意見に沈黙してしまう私達。
「・・・・そんな理解不能の得体の知れない楽しさを抑制する事なんて土台からして無理じゃないか。つまるところ、“この学校の現状を変えるなんて到底無理な事”」
そう感じていた。
そんな沈黙を破ったのは(意外にも)会長の一声だった。
「ほら、だから私言ったでしょ?『一番怖いのは人間だ』って」
復活したらしくドヤ顔&偉そうに(無いというくらい平坦な)胸を張る会長。
それに私たちは苦笑したが心の奥底では「確かのその通りだね」と全員そう思っていた。
「怖ぇよな。人間ってさ。意味が分かんなくなっちまう」
深夏の呟きが妙に大きく生徒会室に響き渡った。
「怖い話の流布を止めようなんて到底無理!」
と、結論は出た。だがしかし、会長はシュンとしていて元気はなかった。
ま、ホントに嫌な人とっては嫌なもの極まりないもんね。怖い話。
それに会長みたいな人にとっては怖い話自体よりそれを楽しそうに語っている状況、それこそがホントに怖いことなのかもしれない。
「『怖い話の止め方』ねぇ・・・・」
その日の会議終了後の生徒会室で私は一人悩んでいた。
「どうしたの?そんな難しい顔して」
麻里菜以外の女子の声が生徒会室に響く。
「琴葉か・・・。もう出てきてもいいよ」
「そう?わかった」
ぽんっ
可愛い効果音と共に姿を現す一人の女子生徒。
スタイルこそフツーなものの、顔立ちは整っている美少女だった。
フツーとは違う感じがバリバリだがそれもその筈だ。
彼女は人間じゃない・・・正確には
俗に言う幽霊というやつである。
深夏が話していた怪談話の前半部分で実際に命を落とし、天に召されることなく
この学校に留まっていた。
ひょんな事によって麻里菜と出会ってから行動を共にしている。
本人曰く「麻理菜と出会ってから実体化できる時間が増えた!」とのこと。
因みに深夏の怪談話の際は「私、そんな事してないもん!」とかなりご立腹だった。
「で、どうしたの?今日の会議のこと?」
「ご名答。いい方法が見つからなくって」
「じゃあ、こういうのはどう?」
「?何かあるの?」
「『目には目を』・・・・。どういう事かわかるよね?」
「あぁ、成程・・・。いいアイデアかもそれ」
✽✽✽✽✽
あの会議から三日後の昼休み、私は杉崎君から「昨日の生徒会活動で会長が『怪談話を聞かなくなった』事が嬉しく思っていた」と聞いた。
「でも不思議だよな。沈静化するの急じゃないか?」
「まぁ一時的だと思うけどね。《言霊の怪》の話」
「ってか、よく思いついたなそんなの」
「話を作ったのは私だけど思いついたのと監修は私じゃないのよ」
「ああ、琴葉のお陰で・・・か」
「そういうこと。というかもう驚いたりしないのね」
「そりゃ最初は驚いたけどさ。今は少なくともこのクラスの全員はもう慣れてると思うぜ?」
「じゃ、実体化してもいい?」
「ええ、良いわよ」
ぽんっ
琴葉が霊体から実体になる。
「今頃は深く洗練されてるでしょうね」
「大体こう言う系は洗練されるからこそ意味があるのよ。洗練されど『話した怪談話は全て話した人の身に降りかかる』この基礎が壊れる事はないし、基礎を押さえておけばどういう形で伝わろうと問題ないのよ」
「流石、現役の幽霊が言うと説得力が違う」
「もう、褒めたって人魂しか出ないよ?鍵くん?」
「いや、出さなくていいから」
「・・・・・・・・・・・」
「どうしたんだ、麻里菜?」
「・・・・なんか負けた」
「????」
なんだよ!私は未だキーくんの事、まだ苗字で呼んでるのに
「人、それを『逆恨み』という」
「お前は元・人だけどな」
「それは言わないお約束」
「そ、そうか。なぁ麻里菜、次の授業ってなんだっけ」
「家庭科。しかも調理実習」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
深夏の怪談話を思い出して包丁を握るのが少しだけど怖くて、でも包丁を置いて帰ったらどうなるのかという好奇心も確かにあって。
「人間って怖いよな。麻里菜」
「ええ、ホントよね」
「幽霊の私でもそう思っちゃったわ」
改めてそう思う三人(?)だった。
よかったわ。一話完結できて。
分割なったらどないしよと思ったもん。
次回はラジオ回だし分割必須だもんね。
何気に新キャラ出てますが紹介は次回以降ということで・・・・。
(だってまだ詳細設定できてないし)
ではではまた次回お会いしませう。
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第四話 放送する生徒会 Aぱーと
この話前後編じゃ収まらんので一応3部構成の予定です。
あぁ、話をきちんと纏める能力が欲しい・・・・。
ラジオパートのセリフ前の役説明
桜→会長(桜野くりむ)
紅→知弦
夏→深夏
冬→真冬
鍵→杉崎
綾→麻里菜
琴→汐留 琴葉(←前回登場の幽霊ヒロイン)
亜→槇原 亜梨沙(←今回初登場の幽霊ヒロイン)
紅桜→会長&知弦
姉妹→深夏&真冬
鍵綾→杉崎&麻里菜
霊2→琴葉&亜梨沙
全♀→女性陣全員
憑依→麻里菜&杉崎&琴葉&亜梨沙
それをご理解の上お楽しみください
「他人との触れ合いやぶつかり合いがあってこそ、人は成長していくのよ!」
会長が
「えっと、どういう意味ですか?それ」
今ひとつ意味が理解出来なかったので聞き返す私。
「これよっ!」
会長がホワイトボードを叩くとボードは回転して裏返り、今日の議題が出てきた。
「ええと・・・・・ラジオ放送?」
ホワイトボードにくっきりとしっかりと記されていたが、杉崎君は意味が分からず首を傾げていた。知弦さんや椎名姉妹も不思議そうな顔だった。因みに私も以下同文。
そんなのをお構いなしに会長は一人ちっぱいを張ったままで続ける。
「そう!これから生徒会で、ラジオをやろうと思うの!」
「ラジオて・・・」
性格面からしてもラジオパーソナリティとは無縁そうな真冬ちゃんは嫌な予感がしたのか少し怯えた顔をしていた。
なので、私が代わりに訊ねることにする。
「ラジオって、あのラジオのことですか・・・?」
「そうよ。そのラジオ以外に何があるのよ。麻里菜」
「ですよね・・・。でもそれって生徒会の管轄ではないですよね?
どちらかといえば私の所属している放送部の管轄ではないでしょうか?」
私の意見にほぼ全員が同意見のようだった。
だがしかし・・・ただ一人居たんだよな。その意見に納得がいってなくてそういう常識が皆無の人が。
その後、ラジオをやることの理由を「政見放送」の言葉を用いて力説する会長。
「政見放送」という難しい言葉を知っていて知弦さんに撫でられる会長。
一瞬気持ち良さそうな表情を見せるものの、直ぐに我を取り戻し知弦さんの手を払いのける会長。
「ねぇ麻里菜、ちょっといい?」
「ん?どったの?琴葉」
「この前の土曜日の収録って覚えてる?」
「この前の土曜日・・・?あの高視聴率を叩きだしているクイズ番組●さま!!だよね」
「で、それの放送って・・・たしか昨日だったよね・・・?」
「ああ、成程ね・・・・」
どうやら安定の思いつき発進だった。今度はテレビ番組に触発されたか。
この会長はお察しのとおり言い出したら人の意見は絶対に聞かない。
=もう諦めるしかない。
この数式が成り立ってしまうのだ。悲しいことに。
それは会長除く全員がこの生徒会で学んだことだった。
「まぁ、文句言ってもどうせやるんだろ?でもさぁ・・・なんでラジオなんだ?
映像の方が良いと思うけどなぁ・・・」
「それも考えたんだけど、放送部に押しかけたら『今渡せる機材はこれしか無くって・・・・』って泣きつかれたし妥協してラジオなの」
そう言いつつもテキパキと準備を進める会長。どうやら配線関係は水面下で放送部の皆によって施工済なようで、会長は私達の座る位置に
ご愁傷様です・・・・。放送部。
もうこの一言しか言えへん。
関西出身じゃないのに関西弁になるわ。
後日、部に顔出した時に謝っておいた方がいいよねぇ・・・・。絶対。
そう考えてたら、真冬ちゃんが物凄くテンションダウンしていた。
まぁ、見ての通り目立つことが好きではないこの子もご愁傷様だ。
「ほら、最近は声優さんのラジオも増えたでしょ?」
「ええ。そうですね。水樹●々さんとか堀江●衣さんとか林原●ぐみさんとか色々ですよね。
中でも林●めぐみさんは声優ラジオの第一人者ですよね・・・・・」
「流石、アニオタ。引くほど凄いね」
それは褒めてんのか貶してんのかどっちなんだよ、琴葉さん?
「はいはい。ガチの説明ありがとう。
「「「「会長、声優さんやパーソナリティの方々、そしてリスナーの皆を舐めてないですか?」」」」
私と杉崎君、それに琴葉と亜梨沙で突っ込ませていただく。しかし会長はお構いなしだった。
「可愛い声でキャピキャピ喋りあっていれば、男性リスナーなんていちころよ」
何故に魔女っ子メ●ちゃん風?一瞬、「魔女っ子●訪部」思い出したじゃん!
「謝れ!俺以外の男性に謝れ!」
「(やっぱり)杉崎は騙されるんだ・・・。まぁ、それに八人もいれば会話も尽きることもないでしょうし、大丈夫よ。いつもどおり喋れば」
「いつもどおりに・・・・八人?」
「そうよ。私に知弦、深夏に真冬ちゃん、麻里菜、杉崎、琴葉に亜梨沙の八人よ」
「「いつの間に人数に数えらてれたの、私達・・・・」」
その隣で杉崎君の存在自体が放送コード抵触云々の話になっていた。
流石の私も否定しづらい。だって事実だし。
そんなこんなしている間にどうやらセッティングが完了したらしい。
ノートPCが起動しているという事は今回、録音放送って訳ね。
これだったら、ヤバい発言は編集カットできるし助かる。
半ば諦めモードな真冬ちゃんを始め、それぞれが準備をしていた。
「さぁ、始めるわよ!」
会長が声を上げて手元に据え付けられた大量のボタンの一つを押す。
いよいよ、始まるのか・・・・。
-ON AIR-
桜 「桜野くりむの!オールナイト全時空!」
綾 「無駄にデカいね!放送範囲!」
鍵 「俺のセリフ取られた!?」
♪ OP BGM ♪
琴 「さぁ始まってしまいました。桜野くりむのオールナイト全時空」
桜 「それ私のセリフなんだけど!? それと、『しまいました』ってなんなの!?」
紅 「夜じゃないけどね」
亜 「『オールヌーン全時空』というのは響き悪いしこのままでいい」
桜 「この番組の提供は・・・・麻里菜任せた!」
琴 「一目キューシート見て多かったので丸投げか!」
綾 「桜野くりむのオールナイト全時空。この番組は富士見書房、バン●イナ●コゲームス、
セ●、(多過ぎるので中略)、JR北●道。以上の提供でお送りします」
夏 「何か無駄な投資している
桜 「まぁ、ギャラゼロ円+機材も自前だしスポンサー要らないんだけど・・・・」
冬 「じゃあ、なぜにこんなに集めたんですか。スポンサー」
桜 「何か麻里菜の名前出したら自然と集まったの」
亜 「驚きだね。この影響力」
琴 「全くだ。何時も一緒にいる私でもよくわからんわ」
綾 「まぁ、アレだよ。『気にしたら負け』。そういう事だから、真冬ちゃん」
冬 「・・・・はぁ。(もう何でも)いいですけど」
桜 「こら、真冬ちゃん!駄目よ!そんなテンションじゃ!リスナーは女の子の元気トークを
望んでいるんだから!」
冬 「そ、そうでしょうか・・・・・」
桜 「うん。男子リスナーってそんなものだし」
鍵 「オイコラ!なんでリスナーを見下げた発言すんの!?生徒に喧嘩売ってんの!?」
桜 「パーソナリティあってのリスナーじゃない」
鍵綾 「「リスナーあってのパーソナリティだ!!」」
霊2 「「見事にハモってるねぇ・・・・・(2828」」
綾 「オイそこの霊×2。なに2828してるんだよ!」
霊2 「「ベツニ2828ナンテシテマセンヨー」」
夏 「おお、鍵が物凄く真っ当な発言してる!ラジオ効果って凄ぇ!」
桜 「・・・・そうね。私が間違っていたわ、杉崎、麻里菜」
鍵 「分かればいいんですよ、分かれば・・・・」
桜 「そうよね。やっぱりある程度は媚びておいたほうが良いよね。うん」
綾 「やっぱり分かってなかったよ。この人!」
鍵 「だから、そういう発言を堂々としちゃ駄目だって―」
桜 「お便りのコーナー!」
鍵 「無視!?ラジオなのにまさかの言葉のキャッチボール拒否!?」
紅 「それがアカちゃんクオリティといふもの」
琴 「何故に貴女は要所要所のみの喋りなんですか!?もっと舵取りを・・・・」
紅 「・・・・・・・・・・・」
綾 「ラジオで無言という最大の
桜 「さて、一通目のお便り」
亜 「まさかの進行重視!会話の流れ無視ときたよ!」
桜 「『生徒会の皆さん、こんばっぱー!』はい、こんばっぱー!」
鍵 「何その恥ずかしい挨拶!恒例なの!?」
全♀ 「「「「「「こんばっぱー」」」」」」
鍵 「俺以外の共通認識!?」
桜 「『オールナイト全時空、いつも、楽しく聴いております』ありがとー」
鍵 「嘘だっ!第一回目の放送なのに!」
琴 「また(駄弁る生徒会①参照)そのネタなの?もう4回目じゃん」
綾 「もう飽きられていても不思議じゃないけど何故か出したくなる?」
桜 「
亜 「時空列なんて瑣末な問題。このラジオにおいてはね。JKだよ、キー」
鍵 「流石は『全時空』!」
桜 「あと、言い忘れていたけど、一応生でも放送されているわよ、これ。
ま、聴いている人も少ないだろうから、明日の昼休みに校内放送で流すけど」
綾 「生放送だったのね・・・・。てっきり録音放送かと思ってた・・・・・」
琴 「まさにあのノートPCに騙されたって感じだね・・・」
鍵 「道理でメールが来るはずだ!・・・ってか、じゃあもっと発言に気をつけて下さい!」
桜 「はいはい。じゃ、メールの続きね。『ところで、皆さんに質問なのですが、皆さんは、
どんな告白をされたら嬉しいでしょう?どう告白したらいいか迷ってます。
くりねぇ、是非アドバイスお願いします』」
亜 「こんなロリっ娘が『くりねぇ』って呼ばれる違和感ときたらwwww」
桜 「そうねぇ・・・・。これは難しい問題ね。でも恋愛経験豊富な私に言わせれば―」
琴 「生まれてこの方、同世代の男と手さえ繋いだことないくせに・・・・」
桜 「普通に告白すればいいと思う」
綾 「なんかテキトーなアドバイスで対処しおった」
桜 「知弦はどう思う?」
紅 「そうね・・・・好きにすればいいんじゃないかしら。私には関係ないし」
琴 「まさかのパーソナリティがリスナーに冷たいという事実・・・・」
桜 「真冬ちゃんは?」
冬 「え?そ、そうですね・・・・。えと・・・真冬は・・・・。・・・・わかりません」
鍵 「まさかの『わかりません』発言キタ――(゚∀゚)――!!」
桜 「深夏は?」
夏 「当たって砕けろ!以上!」
亜 「砕けたくないからメール送ってると思うんだけど・・・これ」
桜 「麻里菜は?」
綾 「あれこれ考えて取り繕っても必ずどこかでボロが出ちゃうわけだし、
今自分が思っていることをそのまま伝えるのがいいんじゃないかな?」
琴 「それが一番いいと思うよ。
まだ何か不安だったら私達がしっかりサポートしてあげるから!」
鍵 「おぉ・・・。まともに回答しているだけでこんなに感動できるとは・・・・」
亜 「それだけこのラジオは常識からかけ離れているということね・・・・」
桜 「次のお便り。『妹は預かった。返して欲しくば、指定口座に―』
・・・・ん?あれ?これ間違いメールじゃないの。ちょっとスタッフー、
しっかりしてよぉー。まったく。・・・・じゃ次」
鍵 「スルーしていいの!?今の内容、そんな簡単にスルーしていいものだっけ!?」
綾 「このラジオに送られてくる時点でたかが知れているものだと思うけど」
琴 「なんか今、狩野●孝思い出したの私だけ?」
亜 「安心しろ。お前だけだ」
桜 「『生徒会の皆さん、こんばっぱー』こんばっぱー!」
全♀ 「「「「「「こんばっぱー!」」」」」」
鍵 「だから、なんでこれだけ皆ノるの!?いつ打合せしたの!?」
綾 「打ち合わせはしてないよ?こーいうのは高い適応力がモノを言うのよ」
霊2 「「流石は現役。説得力が違う」」
桜 「『くりねぇ。どうしよう。私、早急にお金が必要で・・・・。
というのも、私の妹が誘拐されちゃって、両親が金策に走り回ってるんだけど、
中々集まらなくて ・・・・どうしたらいいかなぁ』」
琴 「今すぐ警察に連絡だ!以上」
亜 「絶対にさっきのメールと関連してるわね」
桜 「ううん・・・そうねぇ。わかった。R.N.《被害者の家族》さんには、
スポンサー各社から、“まとまったお金”をプレゼントします!待っててねー」
鍵 「えええええええ!?用意すんだ!しかも勝手にスポンサーから引き出すんだ!
いいんですか、それ!」
桜 「大丈夫よ。麻里菜の名前出したらあっさり出してくれそうだし」
綾 「勝手に人の名前使ってやらないでください!なんか実際にやりそうだから怖い!」
琴 「まぁ、間違いなく麻里菜の名前出したら出しそうだよな。スポンサー各社様」
桜 「全てはスポンサー各社の誠意次第ね」
鍵 「なんでアンタはそんなに偉そうなんだ!」
桜 「一旦CM 入る前にここで一曲聴いてもらいましょう。
先日私が出したニューシングル、“妹はもう帰ってこない”です。」
憑依 「「「「空気読め━━━━!!」」」」
桜 「どうぞ!」
♪ 《妹はもう帰ってこない》 full再生 ♪
《CM》
次話 「放送する生徒会 Bぱーと」に続く!
作注:キューシート→演劇、テレビ番組、ラジオ番組で使用されるタイムテーブルを
個々に記した物。大体は提供先(スポンサー)とかも記してある。
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第五話 放送する生徒会 Bぱーと
前後編じゃやっぱり収まらなかった。
予告通りだね。うん。
ではどうぞ。
(CM 明け)
桜 「さて、聴いていただきましたのは、絶賛発売中のシングル《妹はもう帰ってこない》でした。デビューシングルの、《弟は白骨化していた》も合わせて宜しくねー」
綾 「えらくジャンルが偏りに偏ってんな!オイ!」
琴 「貴女の過去に一体何があったの!?」
桜 「じゃあ、ここで恒例のコーナー。《椎名姉妹の、姉妹でユルユリ♪》」
鍵 「・・・・・・・・・。・・・・・そ、それはちょっと聴きたいかも」
亜 「止めても無理そう。ツッコミ役匙投げ」
綾 「100%私の嫌いなジャンルそうだしもう何も言わない。そしてツッコまない」
冬 「先輩方!?ちゃんとツッコんでくださいよ、そこは!なら、汐留先輩に・・・・」
琴 「無理。とんでもなく私の負担デカいじゃん。だからツッコミは極力パスで」
夏 「そうだ!聞いてないぞ、そんなの!」
桜 「このコーナーは、リスナーから送られてきた恥ずかしくて百合っぽい脚本を、
椎名姉妹が演じるという、人気コーナーです」
鍵 「人気な設定なんだ・・・・・・。俺が言うことじゃないけど、ここの生徒、大丈夫か?」
桜 「私は個人的に好きじゃないけどね・・・・。ほら、ご機嫌取りよ。ご機嫌取り。これやっておけば、取り敢えずは生徒は満足みたいだから」
亜 「だから、そういう発言を堂々と本番中にしないで!」
桜 「じゃ、椎名姉妹、よろしくー。はい、これ、台本」
冬 「う、うぅ・・・・ホントにやるんですか?」
夏 「うわ、なんだこれ!こんなの読んでられっかよ!」
桜 「こら深夏!逃げないで!これを乗り越えてこそ、ホンモノの副会長よ!」
鍵 「副会長の資格とまるで関係ないでしょう・・・・・」
夏 「・・・・やるしかねーようだな」
鍵 「なんで納得してんの!?」
亜 「会長さんの熱血漫画風に説得されたからかな・・・・?」
冬 「真冬も・・・・・・覚悟決めました」
鍵 「なにキッカケで!?」
亜 「姉キッカケじゃないかな・・・・?」
鍵 「どうも、回答ありがとう!亜梨沙!」
亜 「どういたしまして!キー。じゃあそのお礼に今度デートね!」
鍵 「ちょ、ラジオの本番中にそんなこと言わないでくれる!?」
亜 「え、嫌なの?」
鍵 「嫌な訳ないけど・・・・。言うタイミングが悪いというか・・・・」
亜 「ご、ごめん。」
鍵 「わかればいいんだよ。今度の休みの日でいいか?デート」
亜 「うん!キー、大好き!」
(杉崎に抱きつく亜梨沙)
桜 「・・・・ええと、
紅 「そろそろ戻らないと(時間的に)マズイと思うわよ?二人共」
鍵亜 「「す、すいません」」
夏 「でも、その前にCM入ったほうがいいと思うけどな、アタシは」
冬 「真冬もそう思います」
桜 「どうしてよ?」
姉妹 「「麻里菜(綾瀬先輩)があしたの●ョーみたく真っ白に燃え尽きてるし(ますし)」
綾 「サトーザラザラゲキアマイ、サトーザラザラゲキアマイ、サトーザラザラ・・・・」
琴 「そして片言でなんか呟いてる!?あ、アヤぁ!しっかりしてー!」
紅 「よっぽどのダメージだったのね・・・・。アカちゃん、これは・・・・・」
桜 「そ、そうだね。えっとここで一旦CM入ります。皆、急いで麻里菜を戻すわよ!」
綾以外 「「「「「「アラホ●サッサー」」」」」」
桜 「何故にヤッ●ーマンのドロ●ボー一味の返事なの!?」
霊2 「「夜●ヤッ●ーマン観た影響・・・かな」」
(CM。 その間に麻里菜を蘇生中)
綾 「皆さんご迷惑をおかけしました・・・・・」
桜 「もう、これから無理しないでよね・・・。前(第一話 駄弁る生徒会① 参照)に私に貸してくれた耳栓使ってればいいから」
綾 「そうすることにします・・・・・(きゅぽん)」
桜 「それじゃあ・・・・・改めていってみよー!」
♪ 耽美なBGM ♪
『真冬・・・・・。あたし、もう・・・・』
『あぁ、おねぇちゃん・・・・・。んっ!あ、はぁはぁ』
『おねぇ・・・・ちゃ・・・。・・・・・んん!』
琴 「ちょ・・・・・これヤバくね?」
鍵 「確かに・・・・個人的にはドキドキワクワクだけど、これは、校内放送でやっていいレベルじゃないでしょう!?」
亜 「百合“っぽい”じゃなくて、“ガチガチな”百合だし。・・・正直、ドン引き?」
桜 「う、うん・・・・そ、そうね。こ、これは、なんか、やりすぎたわ」
冬 「えええええ!?こ、これだけやらせておいて!」
夏 「ひでぇ!そういう反応されると、あたし達、本格的にいたたまれねーじゃねーか!」
紅 「・・・・椎名姉妹の絡みは、放送コードに抵触してるわね。そういうディープなのはプライベートだけで留めてくれるかしら?」
夏 「勘違いされることを言うなよ!プライベートはこんなんじゃねー!」
冬 「そ、そうです!リスナーの皆さんは信じないでください!」
琴 「いや、そう言われても・・・・・・」
亜 「
紅 「・・・そうね。うん。ここは、そういうことにしておくべきだったわね。軽率な発言して、ごめんなさい、二人とも・・・・・」
姉妹 「「もうやめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
亜 「あらら。今のがダメ押しの一撃になっちゃったっぽいね」
琴 「どーすんの。会長」
桜 「麻里菜の耳栓取って。麻里菜に後任せよう。うん」
亜 「うわ、また丸投げ」
琴 「はいはい。戻ってこーい。アヤぁー(きゅぽん)」
綾 「あ、もう終わったの?・・・・・。・・・・・何この状況」
琴 「あとはよろしく」
綾 「なんかそう来ると思ったよ!ちくせう!」
桜 「面倒な後処理は麻里菜に任せておいて、次のコーナー!」
琴 「ぶっちゃけんな。んな事」
桜 「《杉崎鍵の『殴るなら俺を殴れ!』》」
鍵亜 「「なんですかそのコーナー!!」」
桜 「このコーナーは、校内でもし誰かを殴りそうなほどカッとしてしまったら、取り敢えず杉崎を標的にして発散しましょう、というコーナーです」
綾 「考えうる限り最低なコーナーだね!クレーマー一人でもいて欲しい物」
鍵 「俺の人権は!?」
琴 「無さそうだねwwwフツーに考えて」
亜 「何笑ってるの・・・・?こ・と・は・ちゃ・ん・・・・?」
琴 「ちょ、おま、ま、待ってよー・゜・(ノД`)・゜・」
亜 「うん。待たない☆」
琴 「\(^o^)/オワタ」
綾 「会長、ヤバい。さっさとこのコーナー終わらそう。これ以上やると亜梨沙怖い」
桜 「そ、そうね・・・・。希望者もいないみたいだし、今日はこのコーナー飛ばすわ」
鍵 「なんで俺の担当だけ、そんなコーナーなんスか・・・・・」
桜 「えっと・・・・次のコーナーも飛ばすわ。」
綾 「ま、仕方ないよね。居ないしね。ゲスト」
亜 「どんなコーナーでしたっけ?」
桜 「《ゲストーーク!!!》のコーナー。麻里菜がゲストと楽しい会話を繰り広げるコーナー」
琴 「ア●トーークみたいなタイトルやなぁwwww」
綾 「ゲストいないんじゃどうしようもないし」
桜 「じゃあ、次は私の担当コーナー!《桜野くりむへのファンレター》!」
亜 「明らかにあるよねぇ!?担当メンバー毎に差別が!」
桜 「匿名希望さんからのお便り。『桜野くりむ様。貴女の可愛らしさを見る度に、僕の心はいつもドキドキとときめいて―』」
綾 「このお手紙、ファンレターというより・・・・」
琴 「ラブレターだね。完全に」
鍵 「誰だ!俺の女にちょっかいかける奴は!いい度胸だ!出てこい!俺が相手して―」
亜 「いいから、ちょっと落ち着こ?キー?(どごんっ」
鍵 「げふっ」(← 腹パンされて沈んだ際の断末魔)
琴 「何て衝撃的発言をラジオ番組の本番中に口走ってんだ。アンタは」
鍵 「だ、だって、俺の彼女にラブレターなんて送る奴がいるから・・・・」
桜 「私は杉崎の彼女じゃないよ!ラジオ放送で変な事言わないの!」
鍵 「すいません。カッとなってやりました。反省は微塵たりともしていません」
桜 「なんでそんなにふてぶてしいの!?」
綾 「まぁ、察してやってあげて」
鍵 「うぅ・・・・。で、でも、その、勘弁して下さい。その会長への手紙コーナーは、俺が嫉妬に狂ってしまって、耐えられません」
桜 「う・・・・・」
夏 「・・・・・どうでもいいけど、イチャついてないで、早く進めろよ」
亜 「うぅ・・・なんか私の方がアレなんだけど・・・・」
琴 「頑張って抑えててね?」
桜 「い、イチャついてなんかないわよ!深夏まで変な事言わないで!それと、亜梨沙も変な勘違いしないで!も、もう・・・・調子狂うわね。こほん。・・・・・じゃ、次のコーナー・・・・」
冬 「あ、なんだかんだ言って先輩の希望通り、手紙読むの止めてくれるんですね」
綾 「なんだかんだ言ってそういう要望にはきっちり答える人だからね。会長は」
桜 「う・・・・・。と、とにかく、次!《学園 五・七・五》」
琴 「突然な所で急にいたって普通の定番コーナーだね・・・・・」
桜 「うん、ネタ切れだからね!」
亜 「言っちゃうんだ!そしてそんな事は聞きたくなかった!」
桜 「このコーナーは、リスナーが考えた、この学園にまつわる面白可笑しい五・七・五を、紹介するコーナーです」
綾 「何の変哲も無いありきたりなコーナーなのに凄い危機感を抱くのは何故だろうか?」
琴 「それだけマトモからかけ離れてる番組ってことでしょ・・・」
綾 「・・・成程」
桜 「こほん。では、いきましょう。匿名希望さんからの五・七・五」
『 燃えちまえ メラメラ燃えろ 杉崎家 』
桜 「・・・・素晴らしい詩ですね。情景が目に浮かぶようです」
鍵 「・・・・・・・・・・」
桜 「?えっと・・・・杉崎?私が言うのも何だけど・・・・・ツッこまないの?」
鍵 「いえ・・・・。・・・・・・。すいません。リアルに身の危険を感じて、テンションが上がりにくいです」
桜 「あー・・・・・」
琴 「そりゃそうだ」
綾 「これで通常テンションで初っ端からとは行けないわな」
亜 「笑えないね」
琴 「なんか亜梨沙の形相がすごく怖いんだが・・・・・」
綾 「仕方ないでしょ。頑張って耐えて・・・」
冬 「真冬も若干引いてしまいました」
霊2 「「若干レベルなんだ・・・・」」
紅 「まぁ、でも、そうよね。キー君って、そういう立場よね、基本。皆の憧れの美少女が集まるコミュニティに在籍しているだけでもアレなのに・・・」
琴 「その上、自分から『攻略する』とか『ハーレム』とかの発言を普段から堂々と宣言しているし・・・・」
綾 「自業自得だよね。そりゃあ、嫉妬する生徒も多いわな。更に嫉妬に狂って激しい憎悪を持つ生徒がいても可笑しくはないしと当然よね」
亜 「キーの擁護してあげたいけど、こればかりは否定できないから擁護できない」
鍵 「う、うぅ・・・・。え、ええい!構うもんか!ここは俺のハーレムだ!文句のある奴、喧嘩なら買うぜ!だから―」
桜 「だから?」
鍵 「火、つけるのだけは勘弁して下さい。すいませんでした」
( _○/|_ ゴメンナサイ (;_;)) ← 杉崎、こんな感じ
亜 「よしよしもう大丈夫よ」
(なく (ノ_∂。)クスン)← 杉崎を慰める亜梨沙
桜 「杉崎がラジオなのに泣きながら土下座したところで、次のお便りいこうか。これも・・・・ええと、匿名希望さんみたい。こほん」
『 金が無い 勢い余って 人攫い 』
琴 「犯人はお前だぁ――――━━━━!!」
桜 「え?いきなりコ●ン君のセリフ言い出してどうしたの?」
琴 「ホラ、会長がさっき(第四話 放送する生徒会 Aぱーと 参照)間違いメールとハネた誘拐事件の脅迫メールの―。それより、此奴の名前とか住所とか書いてないの!?」
綾 「『匿名希望さん』なんだし書いてないでしょ。あ、追伸が書いてある・・・。えっと・・・・『
琴 「安っ!バイト数日すれば稼げるレベルじゃん!この学校の生徒の両親なんで用意できないの!?」
桜 「私に言われても困るんだけど」
綾 「琴葉、世の中には恵まれない人がいるんだよ。沢山ね」
琴 「それはそうだけど・・・!・・・・なんかこの事件凄く浅い感じがしてきた・・・・。」
綾 「何を今更的な。そんなの最初から誰もが気づいてるって。私もさっき(第四話 放送する生徒会 Aぱーと 参照)言ってたじゃん」
桜 「そうよ。琴葉。うちはラジオを続けましょう」
琴 「放送終了以前・・・収録中もとい、放送中に決着付きそうだね。誘拐事件」
桜 「では、最後の五・七・五です。こほん」
『 真面目にさ 仕事しろよ 生徒会 』
鍵 「一般生徒の素直な反応キタ━(゚∀゚)━!」
綾 「あ、復活したんだ。随分お早いお戻りで」
琴 「亜梨沙もご苦労様」
亜 「別にどうってことないよ」
桜 「全く、失礼しちゃうわよね」
鍵 「いえ・・・・俺が言うのもなんですが、凄ぇ気持ち分かります」
夏 「あたしも分かる」
冬 「真冬も分かります」
綾 「私も分かります」
霊2 「「私も分かります」」
桜 「なによ!みんなして!やるべきことはちゃんとやってるわよ!」
紅 「やらなくていいことも大量にやっているけどね」
桜 「不愉快だわ。このコーナー、終了!」
鍵綾 「「そういう態度が駄目なんだと思います!」」
亜 「えっと、ここで一旦CMです。どうぞ。CM明けてももうちょい続きます!」
(CM)
(放送する生徒会 Cぱーとに続く)
今回は無理な改行は無しだ。うん。
縦書きの時に変な感じになってたし。
作中に出てきた発言は自分のこれ書いてる時の実際だったり・・・・。
次でラジオ回は(予告通り)終わりです。
次回もよろしくです。((☆´∇)从(∇`★))
それはまた次回お会いしましょう。ではでは(ヾ(´・ω・`)
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第六話 放送する生徒会 Cぱーと
会長がQ●まを見て思いついた生徒会役員によるラジオ放送。
当然、強引に「桜野くりむのオールナイト全時空」は始まりました。
gdgdなまま、精神疲労の大きい番組もそろそろお別れの時間が来たようで・・・。
今回から一話完結じゃないのは、前の話の簡単なあらすじを入れみようかな・・・・。と、思うんだけど、どうだろうか?
(CM明け)
桜 「さて・・・・じゃあ、そろそろ終わりも近いし、フリートークしましょうか」
鍵 「今までも充分自由でしたけど・・・」
亜 「縛られてる要素が行方不明な気がしたけども・・・・」
綾 「言うたらアカン。言うたら」
琴 「何故に関西弁?出身北海道だろ、アンタ」
綾 「そういうのは些細な問題ってもんだ」
亜 「そういうことにしておきましょう。・・・あ、会長、メール来てるよ」
桜 「え?なになに?」
冬 「ええと・・・・・ですね。『妹が誘拐されていた件ですけれど、無事解決しました』らしです。よかったですね!」
琴 「あ、解決したんだ。良かったね!」
紅 「・・・・(・д・)チッ」
綾 「あの、大体想像はつくんですが、何ですか、今のハッキリとした舌打ち」
紅 「なんのことかしらσ(のヮの)」
綾 「録音&放送されてるってのに、何その自信満々な開き直り!そして、
紅 「でも・・・・随分とあっさり解決しちゃったわね。どんな犯人だったの?」
亜 「詳細は不明だけど、最終的には、攫われた妹さんが、自分で犯人をフルボッコして叩きのめしたらしいね。止めにマ●ーズ・ロザ●オを使ったみたいで、犯人は・・・意識不明の重体みたい・・・・・」
鍵 「二万円欲しかっただけの犯人━━━━!!」
綾 「良かった。●ザーズ・ロ●リオ喰らった犯人死んでなくて」
冬 「確かにアレは下手したら喰らって即死ですもんね」
亜 「妹さんも、基本的には『犯人の人に遊んで貰っちゃった』って思ってたみたい。でも・・・」
琴 「『でも・・・・』?」
亜 「このラジオを偶々聴いていて、自分が攫われていること気づいて、慌てて、マク●フィテルを取り出して・・・・・」
綾 「マザー●・ロザリ●で犯人をフルボッコ・・・・・」
鍵 「俺達のせいだったのかっ!」
夏 「結局、なんで二万円欲しかったんだ、コイツは・・・・」
亜 「えっと、メールによると・・・・なんか、犯人は、意識を失う前に『この子の姉に・・・・・貸したままの二万円を返して欲しかった・・・・だけなのに。あと・・・・』」
鍵 「長っ!意識失う前にどんだけ言うことあんだよ!」
綾 「まぁまぁ。色々と未練がましいことがあるのよ」
琴 「死んでないからね!?勝手に犯人を逝かさないでよ。で、亜梨沙、続きは?」
亜 「あ、うん、えっと・・・・『こっちもレイグ●イス出してマザ●ズ・ロザ●オで迎撃して応戦したんだけど向こうは片手直剣、こっちは
鍵 「いたたまれね━━━━!!・・・ていうか、全ての諸悪の根源は姉か!リスナーか!」
亜 「因みに、そのリスナーさんから送られてきたメールの最後は、『悪は滅びるのよ!
ハーハッハッハッ、オーホッホッホッ、カーカッカッカッ s(・`ヘ´・;)ゞ』 で締めくくられてる」
綾 「キャラの統一性まるで無いね!そして最後のアシ●ラマンか!あと、ドヤ顔ムカつく!マジでこのラジオのリスナーは碌でもないな!」
琴 「まぁ・・・・一件落着って事で、いいんじゃないかな・・・」
鍵 「・・・俺、この放送が終わったら、犯人のとこ見舞い行くわ。助かってくれ・・・・」
桜 「こ、こほん。ええと・・・・・(本当に)色々とありましたけど、このラジオも、そろそろ、お別れの時間が来たようです」
鍵 「やっとか・・・・・。短い時間の割に、驚く程ディープだった・・・・・・」
綾 「何というか・・・・精神の疲労感がパネェ・・・・・」
霊2 「「アヤの意見に激しく同意・・・・」」
桜 「最後は、『今日の知弦占い』でお別れです。それでは皆さん、また来週」
♪神秘的なBGM♪
紅 「では、今日の知弦占いを。当校の獅子座のあなた。近日中に、『世にも奇妙な物語』っぽい事態に巻き込まれるでしょう。注意してください。タ●リを見かけたら全力で逃げなさい。ラッキーカラーは《殺意の色》。どす黒いのか、真紅かは、各々のイメージに任せます。ラッキーアイテムは《核》。常に持ち歩けると尚良し。貴方がメタ●ギアなら、それも可能となるでしょう。最後に一言アドバイス。
死なないで
以上、知弦占いでした」
鍵 「怖いですよ!獅子座の人間、今日が終わるまでビクビクですよ!」
綾 「あ、私、獅子座だ・・・・・。・・・・・・・マジか・・・・・・」
亜 「ど、ドン( ゚д゚)マイ、アヤ」
琴 「そうだよ!きっといい事だってあるだろうし、大丈夫!アヤはとっくに人間離れしてるし、ラッキーアイテムとラッキーカラーが歩いてるもんだからさ!」
綾 「・・・・おい、それ、褒めてんのか、貶してんのか、どっちなんだよ(#^.^#)」
琴 「エガオガコワイデス、アヤサン」
紅 「不機嫌さが増すと笑顔になる人っていますよね。私もその一人なので気をつけましょう。また来週、この時間に会いましょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・獅子座以外」
鍵 「獅子座ぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!」
♪ ED曲 《弟は白骨化していた》 ♪
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
-Side Ken_Sugisaki (杉崎 鍵)-
どうも。生徒会副会長の杉崎鍵だ。
今日、麻里菜(と琴葉)は「どうしても外せない仕事」があるらしく、生徒会には来ていない。
どういう仕事かは本人もあまり話したがらないから、余計な詮索をするのはやめておこう。
そんなわけだから、今日の会議の議事録は俺が記録することにする。
「今日の放送は大好評だったねー!」
例の番組の放送があった日の放課後の会議で会長は大満足な顔でふんぞり返っていた。知弦さんも、楽しそうにニヤニヤしていた。
・・・・・が、俺と亜梨沙、椎名姉妹は、すっかりゲンナリしていた。
会長に聞こえては非常にヤバいので、小声で亜梨沙・深夏と会話する。
「(おい、亜梨沙、深夏・・・・・・。あれ・・・・・好評だったように見えたか・・・・?)」
「(どこからどう見てもそんな風には見えなかったよね・・・・)」
「(ああ。少なくとも、皆、途中で箸を止めたっきり、食欲なくして、結局、昼飯が食えてなかったな)」
「(会長さんは、なにをもって、大好評だと思ってんだ?)」
「(多分だけど・・・会長さんと知弦先輩のクラスは、二人に気を遣って、皆、愛想笑いしてくれたんじゃない?)」
「(ああ、なるほど・・・)」
深夏が納得したところで、会長がこちらに視線を向けてきた。俺達はぎくりと体を強ばらせる。
「杉崎達のクラスではどうだった?皆、大絶賛だったでしょう!」
「「「う・・・・・・・」」」
そんな純粋な目で見つめられると・・・・・・・こう、事実を言い辛い。流石の深夏も、そっと視線を逸らしていた。あと、亜梨沙は少しでも俺を助けてくれてもいいと思うが。きっちり目を逸らしているし。
こういう時に麻里菜がいると万事解決なのに。今日に限っていないし。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
-その頃の麻里菜。(Side Marina_Ayase)-
「くしゅんっ」
「・・・?どうしたの、風邪でもひいた?」
「風邪じゃないと思う・・・・・。誰か噂でもしてるのかしら?」
「きっと杉崎あたりがしてるんじゃないの?『綾がいないとダメなんだ』的な?」
「な、何言ってるの、巡?キーくんがそ、そんな事、言うわけないじゃにゃい!」
「動揺しまくって、噛んでるわよ・・・・・。本当にそういう方面の話になるとアンタは、弱いわよね。お陰でわかりやすすぎるわよ・・・・」
「うぐっ・・・・・。そんなに分かり易いかなぁ・・・・・。巡」
「顔に書いてあるってぐらいに分かり易いわよ」
「うみゅ~////」
「アヤ、巡。もうそろそろ休憩終わるよー。えっと・・・・アヤは何で顔が真っ赤なの?」
「言わない!言わないったら、言わない!」
「あー・・・・・・、ホラ、察してあげて。琴葉」
「・・・・・・・成程ね」
「あー、もう!うるさいうるさいうるさい、うるさいうるさいうるさい、うるさいうるさいうるさい!」
「シ●ナの台詞を3セット言うって、どんだけ動揺してんのよ・・・・」
「マジで恋愛系の話になるととことん弱いわね。綾は」
「あーそれ同感」
そんなこんなで収録合間の休憩時間はあっという間に過ぎていく。
-Side Out-
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-(
俺はぎこちなく、笑う。
「え、ええ・・・・・。大人気でしたよ」
「そうでしょう!」
「ええ・・・そうですね。言うなれば、小学生のなりたい職業ランキングにおける、『会計事務』と同じ位、大人気でしたよ!」
実際のランキングで女子児童部門39位だったし(注:2016年度のランキングで会社員・事務職)、間違いではないよな。
「それ、人気なの!?麻里菜にさっき電話したら『ポ●モン総選挙』における《ゴウカザル》と同じ位大人気でしたよー」って返ってきたし・・・・・・」
会長は首を傾げていた。
ゴウカザルって・・・・実際のランキングで70位のポ●モンを言うとは・・・・・。
俺もそうだが、麻里菜も上手く誤魔化したもんだ。
深夏と亜梨沙が「「GJ!!」」と俺を褒め称えていた。
しかし、会長の矛先は、直様、真冬ちゃんに向いてしまった。
「真冬ちゃんのクラスでも、人気だったよね!」
「え゛っ・・・」
カチコチに固まる真冬ちゃん。あぁ・・・・彼女のクラスも、ウチのクラスと同じか。
「は、はい。そ、そうですね・・・・・・・言うなれば、スーパー●リオブラザーズにおける、《逆さメット》位に大人気でしたよ!」
「それは本当に人気と言えるの!?」
真冬ちゃんも上手い事(?)躱していた。・・・・・嘘は言ってないよな。嘘は。
会長はすっかり気が緩んでいて、「そっかそっかぁ」と実に満足げだ。
・・・・・なんだろう。途轍もなく嫌な予感しかしない。
「じゃあ、第二回もやらないとね!!」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
会長以外全員(知弦さん含め)嘆息する。知弦さんはある程度はノっていたが、それでも、二回、三回とシリーズ化するとなると、話は別らしい。
(会長以外の全員)で緊急のアイコンタクト会議が開始された。
(どうしますか・・・・・。会長、まだやる気ですよ)
(アカちゃんにしては、執着が深いわね・・・・。一回やれば満足すると踏んでいたのだけれど。下手にクラスメイトが気を遣った事が、裏目に出たわね)
(どうすんだよ・・・・・あたし、もう、あんなの勘弁だぜ)
(真冬も、もう、無理ですぅ・・・・・・)
(私としても勘弁願いたいわ。だから、キー、貴方が妥協案出して!)
(妥協案?そんな突然言われたって・・・・)
(キーなら大丈夫だから!)
(何その信頼感!?妥協案かぁ・・・・)
全員で考え込む。そんな俺達の心情をお構いなしに会長は一人、上機嫌で次の企画を練っていた。
俺は考えに考えた妥協案を提示してみることにする。
「会長」
「ん?なぁに、杉崎」
「その・・・・ですね。こういうのは、ほら、たまーにやるからこそ、味が出るんじゃないかと」
「?どういうこと?」
「つまり、ですね。二回目やるにしても、ある程度間を置いたほうがいいんじゃないかと・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
俺の提案に、会長は考え込む。その隙に皆の方を見ると、俺にグッと親指を立ててくれた。
そう、会長は新しい流行があるとすぐにそれに流される人間。ある程度の期間さえ置けば、直様に、こんな企画は忘れてしまうだろう・・・・・・・。と、いう目論見である。
会長は(たった数秒ではあるが)たっぷり悩み・・・・・・そして、笑顔で答えてきた。
「そうねっ!このラジオは、クオリティ重視だもんね!」
「え、ええ・・・・・・」
その割には、クオリティが驚くくらい低くて、“クオリティが行方不明レベル”だったような気もするが。
「分かったわ、杉崎!次は・・・・そうね。一ヶ月は置いてからにしましょう!」
「そうですね」
全員、会長の言葉に胸を撫で下ろす。
こうして(色々な意味で)危険過ぎるラジオの第二回は少なくとも一ヶ月はやらないことに決定したのだった。
これで、当分の間の未来は安泰―
「じゃあ次は、生徒会のPRビデオの撮影にかかりましょう!ようやく、映像用の機器も揃ったのよ!勿論、麻里菜と琴葉には連絡済みよ!」
ドンッと、机に置かれる、巨大なビデオカメラ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(←一瞬の思考停止)
「「「「「え゛!?」」」」」
(会長除く)全員が「信じられない物を見てしまった・・・・・・」と言わんばかりに固まる。
(そんな俺達をお構い無しに)会長だけは・・・・・・一人、ニッコリと、微笑んでいた。
「さぁ、これからが本番よ~!」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(←再び、思考停止)
「「「「「いやぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」
獅子座じゃないのに、「世にも奇妙な物語」っぽい悲劇に巻き込まれた俺達であった。
-Side Out -
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-その頃の麻里菜。(Side Marina) -
「ま、マジですかぁ~・・・・・・・・・」
「うわ、凄い凹みよう。まぁ、気持ちは分からんでもないけど」
「琴葉、アンタも巻き込まれてるってのに随分とあっけからんとしてるのね」
「だって、もう非回避な出来事だし、諦めるしかないじゃん」
「それはそうだけど・・・・・。ってか、絶対当たってるじゃん。あの占い」
「確かにここ数日凄かったもんね。いつもより襲いかかってくる生徒多かったもんね」
「日常茶飯事とは言え、あの数は多すぎでしょ・・・・」
「あはは・・・・・。確かに。更にPVの撮影(個別パート後撮り・かなり多い)に加えて編集作業と来たもんだ」
「マジで追い討ちかけられすぎやろ・・・・・」
「ああ、もぉ、こんな不運な日々勘弁して欲しい。琴葉ぁ、なんとか出来ない・・・・・?」
「知らん。ドン( ゚д゚)マイとしか言い様がないわ。私には」
「そんなぁ・・・・・・(TwTlll)」
あの占い以降、獅子座の私は不運が重なって
「あぁ、早く占いの期限終わらないかなぁ・・・・・・。」
そう強く願う獅子座の私であった。
-Side Out -
如何でしたでせうか。
伏字の元ネタ作品とかは完全に自分の好みな作品からですよ。ええ。
あと、ランキング系のデータとかは実際に調べてから書いてます。
ランキングが気になる方は調べてみるのもいいかも・・・?
余談ですが、ゴウカザルって格好良いよね。
DPとかでほぼ毎回御三家はヒコザル選んでました。(←実話)
自分が一番好きなポケモンです。ゴウカザル。
次点はバシャーモ(ランキング45位)かな。うん。
それでは、次回がいつになるかはわからないけれど、またお会いしませう。
今天就写到这里,再联系!
(↑ 注:中国語で「じゃあな!」という意味の語句)
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第七話 更生する生徒会 ①
第7話できますた。やっとだよ。
ではどうぞ。
「人生をやり直すのに、遅すぎることなんてないのよ!」
会長が
どうも☆⌒(*^-゜)v 生徒会長補佐(兼庶務)の綾瀬 麻里菜だ。
今、私は放送部のスタジオの休憩スペースに居る。
何故居るのかというと、答えは単純。私が放送部員だから。
まぁ、生徒会にアイドルの仕事にと、忙しくてあまり顔を出す事は出来ていないが。
だけど、部長さんをはじめ、先輩方、同級生、後輩達はそんな私をいつもと変わらぬ感じで接してくれる。誠に有難い限りだ。
で、今日は前回の生徒会関連のお詫びも兼ねて今日は部活に参加中だ。
なので、今日の会議は盗聴器で聞いている。
毎度思うが、会長の行動予想は容易すぎるwww
今日もまた、聞き飽きた内容をドヤ顔で言っているのだろうな。
「おーい。綾瀬。そろそろ打ち合わせを再開したいから来てくれるか?」
そう思っていると、部長に呼ばれた。休憩時間も終わりか・・・・。
「はーい。今行きます」
私は、受信機のスイッチを切って再びスタジオ内へ入っていった。
「では、このキューシートの進行で頼むな。綾瀬」
「はい。でも、いいんですか?数回しか顔を出さない私がメインパーソナリティで」
「問題ないよ。全員一致で綾瀬って決まってたしな。それに綾瀬だと安心感があるしさ」
「そうですか・・・。では精一杯頑張らさせていただきます!」
「ああ。よろしく頼むよ」
「はい。ではお疲れ様です」
「ああ。お疲れ様」
部長に挨拶をしてから生徒会室へ向かう。
この時間だとまだ間に合うか・・・・・。
移動がてら会議を聞くことにする。なので、再び受信機のスイッチを入れる。
第一声は深夏だった。
「・・・・・おーい?鍵?あれ?殺っちゃった?」
・・・・・・は?えっと・・・・・・
「「『やっちゃった』ってなに!?お姉ちゃん(深夏)!?」」
会議室にいる真冬ちゃんと同時に私は(廊下で)突っ込んでいた。
そらそうでしょ!なんか「殺った」っぽい語句が聞こえたら!
今のは気のせいだよね・・・?他の意味での「やった」であって。
「殺った」の意味であることは気のせいだよね。寧ろ気のせいであって欲しい。
「ちょ、深夏!杉崎に『人生を“やり直せ”』とは言ったけど、『即座に逝かせて、人生を“一回で終わらせろ”』とは言ってないわよぅっ。どうするのよぅ、生徒会長の責任問題になったら・・・・・ああ」
・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ちょ、おま・・・・・・・・・・・・・。
ガチで殺人事件起こってるやん!!
・・・・こうしちゃいられない。急いで生徒会室に向かわねば。
私は全力疾走で生徒会室に向かった。
「廊下を走るなって校則」・・・・・?
そんなモン糞くらえだ。人命が危機なのに悠長に守っていられるわけがねーだろう。
そして、麻理菜は
勿論、状況把握の為、受信器のスイッチはト●ンザム中でも入ったままである。
✽✽✽
(当然)、一瞬で生徒会室に到着した私は何事もなかったかのように生徒会室に入る。
生徒会室には、活き活きした表情の知弦さん、それにドン引きな会長と椎名姉妹。
そして机に突っ伏している杉崎君(死体)。
あろう事か、知弦さんの手には鋸が握られていた。
桐野●生さんのO●T的展開に持って行く気でしょ。絶対。
ここでは詳しくは書かない。書いたらR-15どころか、R-18になりかねないし。(←メタ発言)
気になる人はWi●i若しくはグー●ル先生に聞いてみそ。
だけどね、知弦さん。そんな事、させねぇよ!?
許したら絶対に日常が
「ど、どうも・・・・・・・。遅く・・・・・なりました・・・・・」
「麻里菜・・・・・。滅茶苦茶息上がってるけどどうしたの!?」
「ちょっと、急いで来たもんで・・・・」
「ちょっとどころじゃないでしょ、あーちゃん」
「えぇ・・・・。まぁ・・・・。トラン●ム使ったもんで・・・・」
私はひ●ささん宜しく、Σ(ノ≧ڡ≦)てへぺろで誤魔化す。
「トランザ●て、何処のガン●ムですか・・・。てか、太陽炉でも搭載してるんですか・・・・」
「何言ってるの、真冬ちゃん。私は普通の人間だよ?人を人外見たく言わないでよ」
「あーちゃんはほぼ人外で間違いないとして・・・・。さ、アカちゃん。先ずは四肢を切断―」
人外とは失礼な・・・・。そう私が考えていると・・・・・
「されてたまりますかぁあああああああああ!てか、その前に蘇生させることを試みろぉおおおおおおお!」
>ふくかいちょう スギサキは いきかえった!
よくRPGゲームにありがちな蘇生メッセージウィンドゥが出た気がした直後、
杉崎君は慌てて起き上がって椅子を押し出して勢いよく立ち上がり、突っ込んでいた。こういう展開になるわけだし、オチオチ死んでられないってところだろう。
その後、全員がボーっと杉崎君を見ていた。
深夏がポツリと一言呟く。
「あ、生き返った。・・・・・・つまんねーの」
「軽くね!?俺の生死の扱いが軽過ぎじゃね!?」
残念そうにする深夏に愕然とした表情で突っ込む杉崎君。
安心して、杉崎君。あなたのその感情は至ってノーマルだから。
「隠し通す自信あったのに・・・・・・・」
知弦さんはとても残念そうに鋸を棚の工具箱にしまっていた。
工具箱の置く位置を変えておこうかな・・・・・。
うん。それがいい。
「よ、良かったですぅ」
唯一、真冬ちゃんだけが目尻に涙を浮かべ、安堵の溜め息を漏らしていた。
ああ、良かった。まともに心配してくれる人が多い方がやっぱり安心できる。
杉崎君も自分の事を心配してくれている真冬ちゃんに感動しているようだった。
「
「「そっち!?」」
私は杉崎君とハモって突っ込んでいた。
相変わらず、無邪気に酷い娘だった。真冬ちゃん。
ある意味ではこの生徒会においての一番の曲者だ。間違いない。
杉崎君が会長の方に視線を向けると会長は杉崎くんを真剣に見つめていた。
あぁ・・・・なんかラブコメ臭が漂ってくる。苦手だなぁ・・・・。
よし、無視だ。ここからまともになるまで私は何も見なかった。
強制シャットダウンしたい。
そう思っていたら丁度良く、眠気が襲ってきた。
仕事もここのところ忙しくてあんまり寝れていないんだよねぇ・・・・・。
少し仮眠取ろう・・・・・・。
深夏に「このラブコメ展開終わったら起こして」と書いた紙を渡す。
それを見た深夏は私の事情もある程度理解しているので、手でOKサインを出してくれていた。
そして私は
暫くして、深夏は私を起こしてくれた。
どれだけ眠っていたのだろうか・・・・・。腕時計で確認する。
どうやら、私は50分くらい眠っていたらしい。
マジかよ・・・・・。どんだけやってんだよ。
「・・・・・・はあ」(←( ´Д`)=3)
キスを迫られていると勘違いして唇を突き出している杉崎君に会長は大きく溜め息をついた。そして、深く椅子に座ってもう一度嘆息。
杉崎君の方は自体がよく理解出来ていないのか首を傾げていた。
「・・・・・・ε=(・д・`*)ハァ…。ちょっとは期待してたんだけどなぁ・・・・・」
「? キスですか?いえ、俺の方は準備万端ですけど・・・・・」
「・・・・ちょっとは期待してたのに。『馬鹿は死ななきゃ治らない』って言うでしょ?」
「はい?」
ようやく、杉崎君は会長が自分にデレたのではないと気づいた。
遅っ。遅すぎるぜ、杉崎の旦那ぁ!
会長は、再び杉崎君にビシッと人差し指を突きつける。
「一回臨死体験すれば、マトモな人間になるんじゃないかって期待してたのっ!」
「・・・・ああ、なんだ、そんな事でしたか。大丈夫ですよ、会長!」
「なにが?」
何かそう断言できる根拠があるのかな?てか、あったっけ?
「俺はとてもマトモです!」
「「それがマトモな人間の発言じゃないわよっ(からっ)!!」」
杉崎君の自己申告に会長と揃って突っ込ませていただいた。
当たり前でしょ。自己申告する奴ほど、マトモな人間はそういない。
そういう発言をする輩は大体が碌でもない人間が多いからね。
自己申告じゃダメらしいとわかった杉崎君は私を含めた会長以外のメンバーに同意を求めてきた。
「皆、俺、マトモだよな!」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
会長・杉崎君を除く生徒会役員全員はすごくリアルに、気まずそうに顔を背けていた。
だって、普段の行動を見てて、マトモだと断言(肯定)出来るわけないじゃん!
「・・・・・・・・・・・・・(・ω・`)」
さすがの杉崎君もこれには珍しく、ガチで凹んでいた。
やっと臨死体験直後のテンションから冷めた杉崎君は、どんよりとした気分で自分の席に着いた。
会長が「こほん」とそのロリ可愛い容姿には全く似合わず、背伸び感が半端ない仕切り直しの咳払いをひとつ。
「とにかく、杉崎は更生すべきだと思うのよ。うん。仮にも生徒会副会長なんだから、それなりの威厳がないといけないと思うの」
「・・・・・威厳、ねぇ」
会長のthe・ロリっ娘な容姿を見て嘆息する杉崎君。
そらそうだwwww。到底、貴女が言えたものではないな。絶対。(←断言)
知弦さん、椎名姉妹も苦笑していた。
その視線に気付いた会長はもう一度咳払い。
当然威厳なんて(以下略)。
「と、に、か、く!今日は杉崎の性格を改善しましょう!それがいいわ!」
「どうしたんですか、急に。そんなことを言い出すなんて」
杉崎君の質問に、会長は自分の鞄をゴソゴソと漁って、一枚の紙を杉崎君に突き出す。
それは新聞部が不定期で掲示板に張り出す壁新聞だった。
ゴシップ好きな(← 注:主に部長が該当)新聞部が作るそれは会長と件の新聞部部長が過去に何かしらの因縁があったみたいで犬猿の仲らしく、よく会長の目に留まってはこの生徒会の議題によく上がるのだ。「きょうもまた
その新聞に書かれていたのは
「速報!生徒会副会長・杉崎鍵は、昔二股をかけていた!」
と、いうものだった。
えっと、一話完結の方向で書いてたんだけど、あまりの字数の多さに二話に分割することとなりました。
後半は本文自体は出来ているので、そんなに投稿間隔は空かないと思います。
では後半もお楽しみに。
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第八話 更生する生徒会 ②
会長・桜野くりむはご立腹の様子でいきなり、副会長・杉崎鍵の更生させると宣言します。
そして何故か、杉崎鍵は臨死体験することに。
その様子を聞いていた綾瀬麻里奈はトラ●ザムで生徒会に駆けつけます。
だが、生徒会役員の対応のひどさに杉崎鍵は無事に生き返りました。
例のごとく、その後の扱いは酷く・・・・。
自分でマトモと言って会長に否定され、他の役員からは目を逸らされ・・・・。
そして、ガチで凹む杉崎鍵。
そもそも何故、そんな事を桜野くりむはこんな事を言いだしたのか・・・。
それは「杉崎鍵、二股疑惑」と書かれた新聞部の壁新聞でした。
まさか、
深夏は私と同じく驚愕し、知弦さんは「あらあら、大変ねぇ、キー君」と大変と言いつつも滅茶苦茶楽しそうだった。この人は相変わらずブレないよね!
真冬ちゃんは最初、フォローはしてみたものの、「杉崎君は女性問題に対しては信用出来ない人間」だったことに気付いたらしく、杉崎君に謝っていた。
全員の反応を伺った杉崎君に会長は件の新聞を机に置いて憤慨していた。
私は改めてその新聞の内容を読んでみる。
・・・・・・・。
見出しは派手なのだが、それ以上の内容は皆無だった。
その事実に対する詳細はまるで書かれてはいない。全文記事を読んでみても、見出しに書かれていることの事実のみしか情報は得られなかった。
それを上手い事、「証言者A」とか「友人B」とか根拠のない曖昧な情報でそれっぽく書いてあった。ゴシップの塊である事の象徴と言っても過言ではなかった。
そして、その手法は新聞部部長・藤堂リリシア(先輩)が常套手段としてやりそうなものでもあった。
リリシア・・・・・先輩は生徒会役員と放送部に所属する私とはそこそこ面識があり、
彼女曰く、「事実を伝えるのなんて、誰かに任せればいいのですわ!事実を基にしたエンターテイメントで皆を楽しませてこそ、学校新聞というものではなくて?おーほっほっほっほ!」等と平然に言ってのけるお人だ。
そんな彼女が手がける新聞は東●ポを軽く凌駕するほどのゴシップ記事の塊だった。
そんなわけで、容姿はいいのだが、性格面で大きくマイナスされるという、残念美人な先輩である。
しかし、いつもは軽く流せそうな新聞記事も今回ばかりはそうもいかなかった。
何故なら、会長がとてもご立腹という一番マズい状況に陥っていたからだ。
「杉崎!まずは、その記事の内容がハッキリして貰いましょうかぁ!」
会長の言葉に杉崎君は会長を弄って話題を逸そうとしたが、「会長モード」の会長にはそれは通用しなかった。
通用しないとわかった杉崎君はその出来事の全貌とその真実を知る数少ない人物である私に(勿論、会長は気づかれないよう、)アイコンタクトを求めてきた。
私はそれに(会長に気付かれぬよう、)応じる。
「(なぁ、麻里菜。俺はこれを話すべきなのか・・・?)」
「(まぁ、会長の執念深さにもよるけど・・・・)」
私は、スッと知弦さんの方を見る。
それに気付いた知弦さんは少し困った顔をしていた。
察した私は杉崎君に返す。
「(やっぱり話すべきね。まぁ、この問題はあなたにとって最大の
「(やっぱり、そっかぁ・・・。そうだよな・・・)」
「(頑張って・・・!)」
「(サンキュな、麻里菜。色々と)」
「(いえいえ。どういたしまして)」
こうしてアイコンタクト会議は終了する。
そして、
「結論から言って、事実です。俺は、昔、二股かけてました」
杉崎君は何時にもなく真剣な表情で事実を言った。
何時もの軽いノリで言っていたら間違い無く突っ込まれることだろう。
だが、今回はそんな風になる事はなかった。
それは、知弦さん、椎名姉妹も然りで誰も何時ものノリで杉崎君を責めることはなかった。
「そう。で、杉崎は、詳しい経緯を話す気があるの?」
「いえ、今はちょっと、勘弁して下さい」
当然だ。この事については前述のとおり、杉崎君にとっての最大の
杉崎君の言葉に、会長は嘆息し、話を続ける。
「でも、事実なのね」
「はい」
「弁解する気は?」
「ありません」
「そう」
「はい」
「ん、わかった。じゃ、この件はおしまいっ!」
会長はそう言って、んっと背伸びをしてから、スッキリとした表情をする。
そして、いつもの元気モード(命名→私)な会長に戻って、杉崎くんに突っかかっていた。
「さて、杉崎!早速更生するために色々するわよ!こんな記事何度も書かれちゃ困るんだからねっ!」
それに私は笑顔で賛同する。
「確かに。こんな記事何度も書かれちゃ、たまったもんじゃないですね。まぁ、更生というか、せめて表面だけでも取り繕う努力はしてもいいんじゃない、杉崎君?」
「・・・・そうですね。では、麻里菜の言う通り、表面を取り繕う努力はしましょうかね」
杉崎君もそう言って微笑む。
・・・・・全く、桜野くりむ。貴女ほど、生徒会長に相応しい人物はいない。
私は強くそう思う。
過去のことは一切攻めたりはせず、今と未来の為に全力で行動する。
単純な能力だけなら知弦さんや私。その器と成りうる人物はいくらでもいた。
だけど、生徒の大半は「桜野くりむ」に「生徒会長」の票を入れた。
その票を入れた生徒の理由・感情・・・・・。それらが貴女の傍にいるだけで嫌というほどわかってしまう。
そして、その魅力は、知弦さん、深夏、真冬ちゃん・・・・他のメンバーもまた同様だ。
気付けば、皆、何時もの表情に戻っていた。
そして、メンバー全員が会長の提案に賛同していた。
そして、皆はもう、杉崎君の二股については触れようともしなかった。
「気を遣っている」とは若干違う。彼女達は杉崎君が「イヤだ」と言ったら、本気で、その事について触れることはない・・・・・。いや、
その選択肢さえ、即座に潰してしまっているのだから。
・・・つまるところ、この生徒会は「本人が拒絶すれば、深く入り過ぎない。それがこの生徒会にとっての暗黙の了解」・・・・・・・。
そうやってこの居心地のいい空間は出来ている。
周囲にしてみれば「
だけど、それの何が悪い?
微温湯、現実逃避・・・・・・。それでいいじゃないのよ。
それで救われる事だって沢山有るんだしさ・・・・・。
厳しい世の中だけど、この生徒会くらいは微温湯くらいで丁度いい。
私はそうつくづく、そう思う。
そしてそれは杉崎君も同様に思っていた。
私は軽く杉崎君と微笑み合い、会議に戻っていった。
うん。やっぱり生徒会はこうでなくちゃ、面白くない。
それから、「生徒会役員による杉崎鍵改造計画」が幕を開けた。
だが、色々な意見が交錯し、迷走して
そして、「更生以前に、生徒会役員全員が変人」という結論に辿り着いたのであった。
私自身、少し自覚はあるけど、改めて言われるとショックである。
誠に遺憾である。
会長に至っては完全K.O.だった。
このままだと埓があかないので、私が言った
「個性をなくす事が更生というのであれば、しなくていいんじゃないかな。ずっとこのままの生徒会メンバー・・・・。それが一番いい。」
「ちょっと、何を言っているのよ、麻里菜・・・・」
会長は死んだ目で、知弦さんは教科書から視線を上げ、椎名姉妹も暴走を止めて、杉崎君は無言で此方を見ていた。
「私もそうですけど、此処に居る生徒会メンバーってぶっちゃけ、全員、ちょっと頭が可笑しいところがあるでしょ?」
「ちょ、だから、私はマトモだって―」
会長が立ち上がって反論するが、私はそれを無視して満面の笑顔で続ける。
「だけど私、此処に居る頭の可笑しいメンバーが大好きですから!」
「・・・・・・・。」
会長は勢いを殺され、黙ってしまっていた。
こうして、円満な感じに会議は終わりを告げ・・・・・・
なかったんだなぁ。杉崎君が私の直後に言った発言によってね!
クラッシャーもいいところだよ。全く。
こうして杉崎君の更生についてはそれ以降、触れられる事はなかったのであった。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
翌日の休み時間、壁新聞を張り替えているリリシアさんにあった。
(呼び方が「さん」なのは本人に指摘・訂正されたから)
前述のとおり、残念美人なリリシアさん。生徒会役員選挙の時は票を誰も入れなかった。
本当に残念美人という言葉が似合うお人だ。
「なにか、凄く失礼なことを考えてますわね?貴女」
何故、見破られた!?エスパーかっ!
「イエ、ソンナコトハアリマセンヨ」
そう返す私。
「明らかな棒読みじゃないですの!」
突っ込まれた。
まぁそらそうかwwww
「で、今日はどんな記事なんです?」
「これですわっ!」
そう言って壁新聞を観る様に促すリリシアさん。
その壁新聞には
「保健室で目撃!?看病したがるナースの幽霊!」
と記されていた。
「保健室なのに、ナースの幽霊っておかしいよねぇ!?」とか突っ込むところはあるが、
まずは一つ言わせて欲しい。
「東●ポかっ!まんま東ス●じゃねぇか!!何時から新聞部は●スポ碧陽支社と化したんだよっ!?」
と。
「どう?面白いでしょ?この藤堂リリシアにかかれば、こんな新聞など、一晩で作ることなんて朝飯前というものですわ!」
「・・・・全く、すごいですね、リリシアさんは」
その言葉は私の本心だった。只でさえ、学生レベルを凌駕しているのに、しかもそれを一晩で作るとは・・・・・。
「そうでしょ?これも私の実力ですわ!」
そう言ってリリシアさんは高笑いしていた。
その後、この新聞はリリシアさんが徹夜で一人で作った事を聞いた。
その後、暫く話をした。
主に「人間って可笑しいから面白い」という事について。
その時、私はリリシアさんの言葉に共感できるものを感じた。
その後、リリシアさんは「明日の朝を楽しみにしている事ですわ!」と
台詞を残して去っていった。
改めて、新聞を見る。
「さて、と・・・・・。私は何をすべきかしらね・・・・・。」
そう言って掲示板の前を立ち去る。
「私が大切にしている人の不快感は誰も気づかれずに裏で解決する」
それがポリシーなのが、私、綾瀬麻里菜という人間なのだから。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
そのまた翌日、幽霊騒動を鎮火した私はフツーに登校していた。
その幽霊だが、琴葉・亜梨沙・養護教諭の同級生だったらしく、保健室に
養護教諭のヘルプとしてナース服ではない格好でこの世に留まることとなった。
更に、四人とも元・生徒会役員で学園近くの居酒屋の店主もそうで、生徒会役員が勢ぞろいしたらしい。
そんな訳で、昨日の夜は盛大な飲み会が催された。
そうして、四人はその影響をモロに受けて、二日酔いで休んでいた。
「なんだこれ・・・・・」と呆れてしまう私がいる。
そう思いつつ、掲示板に人だかりが有るのに気づく。
新聞部の新しい記事だろう。
相変わらず、更新速度が早いものだ。
そう思って、新聞を見に行く私。
だけど、私を見る周囲の目が気のせいか、いつもと違う気がする。
そして、新聞記事を見た時、私は愕然とし、頭が真っ白になった。
「う、うそ・・・・でしょ・・・・」
そう、言葉を発するのが精一杯だった。
そして私は気づけば、無言で、こみ上げる気持ちを抑えつつ、今来た道を引き返していた。
「お、おはよう、麻里菜」
「・・・・・・・・・」
杉崎君はすれ違った私に挨拶をしてくれた。
だけど、今の私にはそんな余裕なんてあるはずもなかった。
「あ、おい!どこいくんだよ!」
明らかに教室とは反対方向に向かう私を杉崎君は肩を掴んで止めた。
「・・・・・離して」
私はそう低い声で言って、自分の肩を掴んでいる杉崎君の手を払い除けた。
そして、逃げるように走っていった。
-Side Out-
-Side Ken_Sugisaki-
何時もと同じく登校した俺は麻里菜とすれ違った。
「お、おはよう、麻里菜」
何時もどおり挨拶をする。
「・・・・・・・・・」
だけど、今日は麻理菜は挨拶を返さなかった。
何時もは挨拶を返してくるのに・・・・。
そう俺が疑問に思っていると、麻理菜は明らかに教室とは反対方向、即ち、玄関へ向かっていた。流石に疑問に思った俺は先ず、(悪いとは思うが、)麻里菜の肩を掴んで、走り出すのを止める。
そして「何があったのか。」そう聞こうとした。だが、
「・・・・・離して」
麻里菜はそう低い声で言って、自分の肩を掴んでいる俺の手を払い除けた。
そして、俺からも周囲に居る誰からも、逃げるように走っていった。
麻理菜はおそらく、あの新聞を読んでから様子がおかしくなった・・・・。
そう推測した俺は、新聞部の新聞を見に行くことにする。
「これは・・・・・。」
新聞を見た俺は愕然となった。
無理もない。だって、
「生徒会長補佐 綾瀬麻里菜の正体はアイドルの伊万里綾だった! 知られざる彼女の過去!」
と、見出しに大きく書かれていたのだから。
To Be Continued
はい。次回はオリジナル回となります。
無事に麻理菜は立ち直ることができるのでしょうか?
投稿間隔はかなり空くと思いますが、期待して待っていてくださいね。
それではまた次回お会いしませう。
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第九話 吹っ切れる生徒会長補佐
杉崎鍵の二股疑惑騒動は終息し、保健室のナース幽霊騒動も終息し、
束の間の平和が訪れるかと思ったその矢先、また新聞部の壁新聞で一波乱が起きます。
その新聞の内容とは麻里菜の触れられたくない彼女のトラウマを的確に抉るものでした。
その新聞を見た彼女は過去のトラウマが蘇り、そのまま立ち去ってしまいます。
「変わろうと思えば、人はいつでも変われるものなの! たとえ、大きな失敗があったってそれを糧にしてこそ、前に進めるのよ!」
会長が小さな胸を張ってを張って何かの本の受け売りを偉そうに語っていたが、いつもの様な元気さは無かった。
「そうですね」
会長に同意する俺もまた、何時もみたいなハイテンションにはなれなかった。
知弦さん、深夏、真冬ちゃんも右に同じで何時もみたいなテンションにはなれないようだ。
どうも、生徒会副会長の杉崎鍵だ。
今日は代筆という形でこの議事録の担当をしているが、今日で代筆も14日目となった。
「ねぇ、杉崎、今日も麻里菜来てないの?」
会長が俺に麻里菜の事を聞いてきた。
「ええ。あの新聞部の記事が出回ってから一度も……」
「そう……」
会長は残念そうに返した。
「ねぇ、キー君、貴方は確かあーちゃんとは中学から一緒だったわよね? 何か知っていたりすることはあるかしら?」
知弦さんが俺に尋ねる。
「すいません。確かに麻里菜とは中学からの付き合いで、それなりの面識はありましたが、過去のことは一切話してくれたことがないんです」
「そう、やっぱり……」
「はい。あの新聞記事に書いてあることは真実と断定して間違いはないです」
「……どうにか、麻里菜を吹っ切らせれるしかねーよな」
「『どうにか』ってお姉ちゃん、何かいい方法でもあるの?」
「いや、全然。これぽっちも」
深夏が漠然とだが、現状の打開策を提案した直後、あっという間に下校時刻となり、俺達は解散した。
俺は帰宅後、自室で今日の会議での議題について考えていた。
確かに、今の深夏の案が一番理に適っている。
寧ろ、最善策だと言っても過言ではない。
しかし、それには『どうしてそうなった』という、過去の詳細を詳しく知る必要がある。
そんな人物がいただろうか…………。
俺以上に
あまり思い出したくはない中学生時代の記憶を辿り考えていると、
|♦♫♦・*:.。♦♫♦*゚¨゚゚・*:.。♦♦♫♦・*:.。♦♫♦*゚¨゚゚・*:.。♦《スマホの着メロ》
スマホに誰かから電話が掛かってきた。 着メロの音楽からしてクラスメイトだろう。
画面を見ると相手の名前は「笹倉 怜音」と表示されている。
「彼女なら、何か知っているかも知れない……」
そんな希望を抱いて俺は通話に応じた。
「もしもし?」
「あ、もしもし、鍵くん? 突然電話しちゃってごめんね?」
「別に。構わないよ。美少女からの電話を断る理由はないからね」
「そう……。今の亜梨沙が聞いてたらかなり怒るんじゃないの?」
「かもね……wwww」
「それは置いといて本題に入ってもいい?」
「本題……?」
「そうよ。麻里菜の……“ルーク”のことについてね」
「“ルーク”??」
誰だろうか。初めて聞く名前なのに以前どこかで聞いたことがある。
「彼女のミドルネームよ。彼女は父親が日本人、母親がアメリカ人のハーフ。そして、本名は“湊・ルーク・桃花”っていうの。ねぇ、どこかで聞いたことがある名前と思わない?」
「…………。なぁ、ひとつ聞いていいか?」
「いいよ。何?」
「彼女は、金髪で、紅い瞳をしているのか……?」
「そうよ。その通りよ。昔から私でも嫉妬するくらいの美人さだったね。あれは」
「ああ、そうだったのか…………」
「なにか思い当たる節でも?」
「まぁね……。じゃ尚更かな」
「そう言うと思った……。だって根の性格とかって全然変わってないもん。鍵くんは」
「それは光栄な事だな」
「もぉ、私を褒めたって何も出ないからね……」
「はいはい」
それから数時間、俺は麻里菜……
「ありがとな……。
「お礼はいいって。それより頑張ってね。
「ああ」
そう、挨拶して怜音との通話は終了した。
さてと、これから俺は電話をかける相手ができた。
「…………もしもし」(←不機嫌そう)
「ちょ、なんで毎回毎回不機嫌そうに出るんスか!」
「だって、杉崎だし」
「いや、そのりくつはおかしいですよねぇ!?」
「……で、何の用?」
「聞きますけど、会長は“Luca”って言う名前のアイドル知っていますか?」
「“Luca”……? ああ、ちょうど私が中学校に入学した位にデビューした超人気アイドルよね? 私も彼女のデビュー当時からファンだったし、よく知っているわ」
「彼女の事について会長が思っていたことを聞きたいんですけどいいですか?」
「う、うん。いいけど……」
「先ず、聞きたいのが、『Lucaを妬んだりした事はありましたか?』」
「そんなのあるわけないじゃない! あんなにファンのことを考えてくれてるのに!」
「そうですか……。じゃあ、次の質問。『彼女の引退について思ったことは?』」
「そりゃ……『なんで引退しちゃうの!?』って思ったわ。そして、
かな」
「『もしかして』ですか……?」
「うん。なんていうか、たまにね、察しちゃうっていうか、わかっちゃうことがあったのよ。『あ、何か隠しているかも……』って」
「そうですか…………」
「で、いきなりどうしたのよ? 杉崎がこんな電話寄越すなんて」
「いえ、『彼女が抱えているトラウマを少しでも緩和できたら……』と、思いまして」
「……成程ね。じゃあ、一つだけ伝えて貰いたいことがあるんだけど、いいかな?」
「はぁ……いいですけど」
「ありがと。えっとね……」
******
-Side Toka_Luke_Minato-
……あれから、15日くらい経ったかな。
もう、学園中では私の事についての話題で持ちきりだろう。
下手したら、私の居場所なんてないのかもしれない。
それでも、構わない。哀れみ・同情の眼差しにずっと耐え続けていくよりかは遥かにマシだ。
もう、《あの時》みたいな思いをするのはもう二度とゴメンだ。
あぁ、またか……。またこうやってネガティブ思考の渦に堕ちていく。
ここ最近はずっとだ。お蔭様であんまり眠れていない。
私の心の奥底では
「このままじゃダメなの! 前を向いて頑張らなきゃ!」
こういう感情も確かにある。
だけど、過去のトラウマが染み付いた体はそう簡単に動いてはくれない。
過去の出来事、そしてあの時の私。
それが鎖となりて私を縛り付ける。
そんな私は、中々踏み出すべき一歩……いや、《踏み出さなきゃいけない一歩》を踏み出せずにいた。
ぴん、ぽーん……♪
呼鈴が鳴る。
私はインターホンのモニターを見る。
「久しぶりだな……」
玄関先にいたのは杉崎君だった。
「少し話したいことがあるんだ。中に入れてもらってもいいか?」
この時、私は彼を家に上げずにこのままお引き取り願おうかと思っていた。だけど、
『このまま彼を帰してしまったら、絶対後悔する…………』
そう思った。
「……どうぞ」
だから私は訪ねてきた彼を家に上げて応接間に通し、お茶を出す。
ここで間違ってもぶぶ漬け(お茶漬け)を出してはいけない。
「それで、話ってなんなの? 杉崎君」
「なぁ、麻里菜、このままずっと学校を休み続けるのか……?」
「かもね……。私の居場所なんてないから」
「『居場所なんてない』って、お前……」
「だって、あの時だってそうだった! 友達だって思っていたけれど、皆手の内を返したかのように……」
「……確かに、そうだったな。だけど、そうじゃない奴だって居た。伶音や俺だって……」
「……わかってるよ。そうじゃない奴も居たって事ぐらい。でも……でも……」
杉崎君の言葉に反論しようとした。だけど、皆まで言えなかった。
だって、次第になみだがこみ上げてきたんだもの。
「全く、どーして昔からお前はそうなっちゃうかな……」
そう言って杉崎君は泣き出した私を優しく抱きしめてくれた。
「ふぇ……?」
涙でぐしゃぐしゃな顔をあげる私。
「いっつも、そうだ。何でもかんでも一人で抱えてさ……。少しは、周りに頼ったらどうだ? その方がお前も少しは気が楽になるだろ?」
「で、でも……」
「『私に関わってその人にまで迷惑がかかったら……』なんて考えるなって。
少なくとも、俺や、碧陽の皆はそうは思わないからさ……」
「……………………」
私は無言でそれを聞いていた。
「会長からの伝言があるけど、聞いてくれるか?」
「伝言……?」
「『私達ファンはどんな時だって失望したりなんかしない。ずっと支え続けたいと思っています。だから、麻理菜は……Lucaはありのままでいてください』だってさ。良かったな。良いファンたちに恵まれて」
「……うん。ねぇ、お願いがあるんだけどいい……かな?」
「お願い?」
「うん。杉崎君のこと、昔みたいに『キーくん』って呼んでもいいかな? できれば、私のことも『モモ』って昔みたいに呼んで欲しいな……。あと、もう少しこのまま居させて欲しいな……。あ、ごめんね? 何か凄くたくさんお願いしちゃって」
「別に構わねぇさ。これくらいお安い御用さ。モモ」
「ありがと……。キーくん」
そして、暫く私とキーくんはそのまま抱き合っていた。
時間は過ぎていった。あっという間に。
「あ、もうこんな時間か……。俺、このあとバイトあるから帰るわ。ゴメン、なんのアポもなく突然押しかけた上に、長居までしちゃって……」
「ううん。キーくんは気にしないで。むしろ私が迷惑をかけちゃったぐらいだし…………」
「もうその件は気にすんなって。じゃ、また明日学校でな、モモ」
「うん。また明日学校で! キーくん!」
ばたん
キーくんが帰宅し、私はふと自分の髪に手をやる。
今の私の黒い髪を手で軽くいじりながら、会長の言葉を思い出す。
『私達ファンはどんな時だって失望したりなんかしない。ずっと支え続けたいと思っています。だから、麻理菜は……Lucaはありのままでいてください』
「『ありのまま』か…………」
意を決した私は洗面所に向かい、戸棚にあった脱染剤を使った。
暫くして、後で付け加えられた色味を抜かれた私の髪はこれまでの黒髪からママ譲りの金髪になっていた。
そして、目につけていたカラコンも外した。
背中まで届く金髪に透き通った紅色の瞳。
これが私、綾瀬麻里奈の……ううん、違う。湊・ルーク・桃花の姿……。
何年ぶりかな……。この姿になるのは。高校入る前だし、二年振りか…………。
まさか、あの時、こうなるなんて思ってもみなかった。
明日からこの姿で登校になるわけだれども、大丈夫かな……。
正直、不安もあるけど、大丈夫だよね……。私には仲間が居るんだもの……。
✽✽✽✽✽✽✽
翌日、何時もと違う姿で登校した私は、早速注目の的になった際、以前みたくなるのかと思って内心ビクビクしていたけど、そんな私の心配は全くもっての杞憂だった。
皆、何時もと変わらない態度で接してくれて
「困った時にはいつでも相談してね! 力になるから!」
という言葉をたくさん貰った。私はこの時、嬉しくてたまらなくなった。
休み時間に担任に呼び出された私は
「無断欠席の件が咎められるんじゃないか……」
と思ったが現実は違った。
担任教諭も実は私のデビュー当初からの熱烈なファンだったらしく、会長と同じ言葉を貰った。
「無断欠席の件は咎めないが、代わりに今日の午後に体育館でライブをして欲しい」
と言われた。
いきなりだったけれど断る理由も無かったので私は快諾し、今日の5・6限目を使って、体育館でライブを行うことが決定した。
✽✽✽
「なんか、イキナリ過ぎて正直思考が追いついてない……」
「何言ってんのよ、ルカ。昔だってこんな事あったでしょ」
「確かにそうだけどさ…………」
「ルカ、もうそろそろ開幕だよ!」
「わかった。今行く」
「ルカ」
「ん? どうしたの、巡?」
「思いっきり楽しんできなさいよね! ルカ!」
「当然! 言われるまでもなく、思いっきりファン諸共楽しんでくるわ!」
ぱちんっ!
そう言って私は巡とハイタッチを交わし、輝きの向こう側へと一歩踏み出した。
人生に大きな失敗は必ずあるだろう。
一人だけの力では挫折もするだろう。
そんな時は、他人の助けも借りる。
かと言って、全て頼り切って自分は何もしないのは良くない。
自分と他人、お互いが支え合って1つずつ解決していけばいい。
解決後は、それを糧にして前に進んでいける。
人は変わろうと思えば変われるものなのだから……。
はい。
いかがだったでしょうか。
内容が薄いかも知れないものですが、最後まで読んでいただけたら幸いです。
あと、もう何話かは原作1巻の内容をやってから、2巻(生徒会の二心)の内容に
入りたいと思います。
企業編は5巻の内容の後に纏めてやるつもりですのでご了承ください。
それではまた次回のお話でお会いしましょう。
ではでは。
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第十話 遊ぶ生徒会
第十話になったこのお話です。
どうぞ。
「大事なのは勝ち負けじゃないの!努力したか否かなのよっ!」
会長が
だが、パクリでも名言というのは場面を選ばないと意味を成さない。
「誰の心にも響かず、スベって終了オチ」となるか或は「言い訳にしか聞こえないオチ」
この二つに区分されるだろう。
なぜこんな事を私が語っているかというと・・・・
「アカちゃん。とっっっても見苦しいわよ」
「うぐっ・・・・・・」
知弦さんに冷たくあしらわれて、表情を引きつらせ、反論の余地なしの会長。
私の眼前で「さっき語った後者のオチ具現中なう。」な状態であったからだ。
長机に散らばらるトランプの山を悔しそうな顔でジッと見つめる会長。
傍から見ていれば、「会長はガチで(褒め言葉的な意味で)子供だな~」とか思ってしまう。
ゲームに負けてここまで悔しがる純粋さを高校生になってまで保持できる人はそうそういないだろう。
一応、「負けた人がカード回収及びシャッフルを行う」という暗黙のルールがあったのだが、
会長はご覧のとおり、「廃人まっしぐら待ったなし状態」なので、私がカード回収&シャッフルをする。さっきはババ抜きだったから、シャッフルを念入りにしておかねば。
単純に切る→デッキを二つに分けて指で弾いて、交互に組み合わす
この作業をループさせてシャッフルさせていると、深夏が「まだやるのか?」と話を切り出した。
「結構色々やっちゃった感はありますよね・・・・」
真冬ちゃんがそれに答え、知弦さんは嘆息。
「そうねぇ。負けず嫌いな誰かさんのせいで、遂にはババ抜きという原点回帰までしちゃうほど、主なカードゲームをやり尽くしちゃった感はあるわね」
その発言後、私を含めた全員の視線は会長に注がれる。
会長は「うぅ~・・・・(* ̄m ̄)」と唸っていた。
と、いうか、どうしてこうなった。
それはおよそ3時間前に遡る。
―3時間前。
「ヒマだ・・・・・・」
「生徒会開始早々何言ってるのよ、キーくん」
「いや、だって事実じゃん。今日って議題らしい議題って無いだろ?」
「まぁ、確かに無いわな」
「だからさ、ただ駄弁っているのもつまらないという訳ですよ」
「まぁ、それも一理あるよね・・・・。って、キーくんそんなキャラだっけ?」
「ヒマだから。ヒマでキャラブレも起こすんだよ・・・」
「いや、そのりくつはおかしい」
「まぁ、キー君のキャラブレ?云々はさておき、ヒマなのは事実よね」
「つっても、何か暇つぶしになりそうなモノってあるのか?」
「えっと・・・真冬、丁度トランプ持ってきてるんですけど、トランプなんてどうでしょう?」
「じゃあ、それやりながら喋るのが良いんじゃない?」
「お、それ名案だな、モモ。じゃあそうしますか・・・・」
「「「さんせー」」」
キーくんの「ヒマだ・・・」宣言から「トランプしながら喋りましょー!」的な流れになって、ほぼ決まりかけてたのだけれど・・・・
「ちょっと、いくら仕事が無いからって、生徒会室で流石にそれは・・・・・」
と、典型的な真面目人間な会長は渋り気味だった。
「じゃあ、会長が勝ったら、そこで遊びはおしまい、というのはどうでしょう」
と、キーくんが提案。
「じゃあ、それなら・・・」
と会長が了承し、トランプは始まった。
開幕は「ジジ抜き」から始まり、「ダウト」→「21」→「ダブル・メランコリー」→「スコパ」→「マッギン」→「フォア・ジャックス」→「ノー・トランプ」→「キャップ・アーツ」→「役札さぐり」→「セブン・ブリッジ」→「ノー・カード」→「赤軍対黒軍」→「ラミー」→「15点」→「ホイスト」→「エイト」→「スニップ・スナップ・スノーレム」→「9点ゲーム」→「トリース」→「最後の一人」→「戦争」→「ブタのしっぽ」→「七並べ」→「神経衰弱」→「ページワン」→「ブラック・ジャック」→「ナポレオン」→「41」→「ハート」→「51」→「エカルテ」→「スコッチ・ホイスト」→「リーチ」→「ババ抜き」
で、結果、順位がほぼ固定されていて、
私or真冬ちゃん→知弦さん→キーくんor深夏→会長
こんな感じだった。結論から言おう・・・・・
「・・・・・畜生なくらいに絶望的に弱すぎませんか?会長」
「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」
私の呟きが一撃必殺のトドメになって更に項垂れる会長。
何故か会長はガチでカードゲームに弱かった。
まぁ、ある程度の現実的理由(顔に出やすい・戦略なしの猪突猛進etc…)を差し引いても、弱い。ノー●―ム・ノー●イフのス●フも圧勝できちゃうくらい弱い。
運が入り込む要素のゲームをやっても会長はビリ固定だった。
負けず嫌いな性格がある会長。当初は「遊び反対」の立場だったハズなのに、ゲーム終了後には決まってこう言うのだ。
「も、もう一回!」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
会長の言葉にあからさま表情はしないものの、内心ゲンナリな会長除く全員。
遊び好きな生徒会メンバーといえど、そろそろトランプ自体に飽きてきた。
それに加え、会長が連続で負ければ負けるほど、ゲーム中に変で嫌な緊張感が漂う。
これで「ゲームを楽しむ」なんて到底無理な話である。
私がシャッフルしつつ「じゃあ、次は何しますー(棒)」とやる気ゼロな返事を会長に投げかけると、アイコンタクトの視線を感じたのでそれに応じる。
相手は深夏だ。
「(なぁ・・・そろそろ、わざと勝たせてやるべきなんじゃねーの?)」
「(まぁ、そう思って私と真冬ちゃんは手抜いているけどさ・・・・)」
そこに、キーくんがアイコンタクト会議に参戦。
「(まるで、効果なしだな・・・・・)」
「(そうなんだよね・・・・・。でもこれ以上やると危険な気がするのよ・・・)」
「(それは知弦さんも言ってたな。俺もモモと同意見だ)」
キーくんの意見に露骨な不満顔を見せる深夏。
「(えー。なんでだよー。そろそろあたしも疲れたよー)」
「(よーく考えろ深夏。イカサマが上手く行けば良いが、万が一、会長にバレたらどうなることか・・・・・)」
「(・・・・・。・・・・・・・かなりの期間、不機嫌だろうな、会長さん)」
「(でしょ?会長ってば、こういう事関しては異常なまでにしつこいからね・・・・。貴女、数週間会長のテンション低い&なんか暗い感じな空気を耐えるのと、今日一日だけこの地獄のカードゲームを耐えるの、その二つを天秤にかけて比べたら・・・?)」
「(断然後者・・・・地獄のカードゲームを耐える方だな)」
「(でしょ?だから諦めて全力を尽くしつつも、会長が勝つことを神に委ねるしかないわね・・・・・)」
まぁ、「無茶言うな by神様」って確実に返されそうだがwww
私のアイコンタクト会話の後、深夏はキーくんとのアイコンタクトに移っていた。
とは言っても、大体見てるだけで内容はわかるけどね。
わざとwざそれも内容的中してるし。
アイドルやってるとなんか身につくんだよ。うん。
それが良いのか悪いのかは分かんないけどさ。
閑話休題。
まさか私も(このSSにおいて)「それぞれがそれぞれの正義を掲げて戦っている」なんて深いテーマが扱われるなんて微塵も思ってなかったよ・・・・。
そう思うと、ライトノベル人生って奴は結構嫌なところあるよね!
そう考えていたら、深夏は何か達観した様子で次のゲームに向けて精神集中を開始していた。これ以上、関わるのも悪いので私は黙々とシャッフルを続ける。
その一方で会長・知弦さん・真冬ちゃんは次に行うゲームの話し合いをしていた。
「真冬は・・・・ドキドキしないゲームがいいです。だ、大富豪とかを、まったりしましょう」
成程・・・。大富豪なら、革命とか使えば上手い事会長を(此方が手を抜いている事を悟られずに)勝たせられそうと思ったからだろう。
考えたね・・・・!真冬ちゃん!
が、珍しく意見した真冬ちゃんの案に会長は難色を示していた。
「大富豪ねぇ・・・・。確かに飽きないゲームではあるんだけど・・・・・。今の私は、こう、それだけじゃ満足できないのっ!」
「あ、え、あの・・・・・・。・・・どうして、ですか?」
「それこそ、まったりとしすぎているのよっ!大富豪って!なんか『みんなで和気藹々!』って空気満載じゃない、大富豪!」
「そ、それがいいと、真冬は思いますけど・・・・・」
「違うの!大富豪は確かにいいゲームよ?だけど・・・・今の私のテンションとはそぐわないの!今の私は・・・・・こう、技と技がぶつかって、知略と知略が火花を散らし、運要素がいい塩梅に場を乱す・・・・そんな熱いバトルに勝利することを望んでいるのよっ!」
・・・・・その技・知略・運といった全ての要素が人一倍・・・・いや、人十倍ぐらい劣っているから今の会長が置かれている状況なんだけど・・・・・本人はまるでそれに気付いていない。自覚なし。・・・・まぁ、そらそうか。自覚していたらこんな事は言わないもんね・・・・。
ホントに厄介なお人だわ。桜野くりむ。
流石にこの会長の相手をするのは真冬ちゃん単体では無理だった。荷が重すぎる。
「す、すいません・・・・・」
あらら。縮こまって萎縮しちゃったよ、真冬ちゃん・・・・。可哀想に・・・・。
それを見かねたこの宇宙で私以外に会長の暴走を止められる可能性を持つ女性、知弦さんが動いた!
「じゃあアカちゃん。ポーカーなんてどうかしら?」
「「ポーカー??」」
会長とキーくんが同時に首を傾げる。
それを聞いた私は「なるほどねぇ・・・・」と関心していた。
ポーカーなんて強い役を作った人の勝ちなゲーム。
戦略性なんてまるでなくて、「どのカードを変えるか」程度のもの。
後の要素は殆ど運の領域。
そんなゲームだ。
今日は完全なる厄日の会長が勝つことは絶望的・・・・。
普通ならそう考えるだろう。
だが、ここで、コペルニクス的発想の転換。
ニュアンスが違うがう●ねこで言うならば、「ここでチェス盤をひっくり返すぜ!」的発想。
会長を勝たせるのではない!
私達が勝たなければいいんだ!
そう思えば、ポーカー程最適なものはないだろう。
ポーカーなら自分の手札を「役が出来ない」様に調整できる。
しかも、イカサマだとバレ難い。
それが大富豪だと、自分の手札の初見で、自分がどの程度の順位で終われるか大体分かってしまう。
今の会長であれば
しかし、だからといって、私たちがあからさまにカードを出さずに「パス」を連発し、会長を勝たせようとしたら・・・・・・。
大富豪はターン数の多いゲームだ。
いくら会長といえどその違和感に気づいて、そのイカサマがバレる危険性が高い!
だがしかし!ポーカーならターン数が短い。1ターンで
ゲーム中に悟られる可能性なんて少ないだろう。
私達のルールでは一々「相手がどんなカードを捨てたか」なんて確認しないし。
要はこういうこと。
私達は、出来る限り、自分の手をとにかく崩す。
勿論、引くカードなんて分からないんだし、偶然手が出来てしまう事もあるだろう。
しかし、そんな事があっても精々ワンペア。残りは大体が
それならば。
会長の手札にワンペアを代表とする「ちょっとした役」を作ってやればいい。
それで、
が、これは
ポーカーと言えども、
何度も何度も幾度となく全員がワンペアさえも出ずに
そこで、捨て札を確認されて「手を崩した」事が発覚したとなったら・・・・・
その時点で即刻
この賭けは・・・・・相当なリスクが付き纏う危険な賭けだ。
が、知弦さんは、それを・・・・ポーカーを提案した!
全員(会長以外)が一瞬にして意思疎通を図る。
椎名姉妹が、キーくんが・・・・静かに頷いた。
包囲網は今ここに顕現した。
生徒会室で過去最大の(黒歴史入り間違い無しの)戦役の火蓋が切って落とされようとしていた。
私達は勝ちに行くんじゃない。
相手を勝たせる尊い闘い。
人類の(黒)歴史上、かつてこれほど切ない戦争があっただろうか。
私達は知っている。
会長は勝ったら、間違い無く威張る。
それも中身がお子様(爆)なものだから、私達が本気でイラっと来る威張り方をする。
散々自分を褒め称えた挙句、私達を雑魚だと貶す。
それは、全員を一瞬にして不快にさせる魔の呪言。
私達は何も知らずにご満悦でドヤ顔している会長を見て、こみ上げる不快感を必死に堪え、唯唯机の下で拳を握ることだろう。
だけどっ!
私達は、今、自らその荊棘の・・・修羅の道を歩もうとしている!
全員の目は自己犠牲も厭わない決意の目だった。
私は言うまでもないでしょ?
その決意を受けて。
キーくんが知弦さんに加勢し、ポーカーを提案した。
私が提案しても良かったんだけど、ここからの流れ的にキーくんにやってもらった。
J●J●的な劇画調になる場面もあるんだしねぇ・・・・?
あと、そこまでの流れ作るの無理!
常識枠って、記録人って必要だよね♪(←現実逃避という名の放置)
主導して行くよりも乗っていくほうが楽だし。(←主人公にあるまじき本音)
まぁ、どっかの決闘前の口上があったりして、
私は配り役なので、万感の想いを込めカードを配る。
長いようで実は短い時間が経過し、私はカードを配り終える。
手札は5枚。
各々が手札の確認に係る。
因みにこのゲームのルールは至って至極単純。
手札を見て1回だけ山札と交換可能。順不同。
パッと見て換えたかったら、カードを換える。
カードを捨て、自分で山札からカードをとって・・・・終了。
早速、会長が動いた。
「オールチェンジ」
そう言ってカードを捨てる。5枚。
「「「「!!!!????」」」」
なんてことをしてんだよ!会長!
オールチェンジなんてポーカーを舐めてるのか!?アンタは!
(会長除く)全員も同様の表情だった。
会長に限って「手札にまるで共通点がなかった」だけでとは・・・・・ないな。
まさか・・・・。
そう思った私は会長に恐る恐る声を掛ける。
「あ、あの、会長・・・・」
「?どうしたの、ルカ」
「その・・・・参考までに、今捨てたカード見せてもらってもいいですか?」
「良いけど・・・・・、それ見てからズルとかしないでよ?」
「大丈夫ですよ。私はもう交換済みですし」
既に手札はハイクラスにしてある。
なので、会長が今捨てた5枚を見る。
物凄く、物凄く見てはいけないものを見てしまった。
「
そう言わずにはいられなかった。
こんな、こんな事ってあっていいのかよぉ!
愕然とする私の反応に動揺するメンバー。
次々と自分の手札をハイクラスに確定させ、会長の手札を確認。
そして、私と同じ反応を見せる。
会長の捨てた手札。
A・A・A・K・K
つまり。
フルハウス。
初手からフルハウス。
チェンジ無しで行けば、必勝だった手札。
それを・・・・
この会長は・・・・・
オールチェンジしやがったのだ。
て、ことは・・・・・言うまでもないだろう。
「じゃ、オープン!」
会長が高らかに宣言する。
全員が手札公開。
ハイクラス×6
全員がハイクラス。
全員。会長も含めての全員。
そうして、会長が言ってはいけない一言を・・・・・私達には核兵器にも匹敵するNGワードを口にする。
「むー。出ると思ったんだけどな・・・・
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
全員が思った。
世の中には“絶対”がある。
たとえ、太陽が昇らない日があったとしても。
この会長がカードゲームで圧勝する日なんて“絶対”ない。
知弦さんの目は絶望に染まっていた。
他のメンバーも同様だ。
全員の
敵軍が・・・・想像を絶するほどの・・・・常識の範疇を超越した弱さだった。
此方がいくら手を抜いたって無意味。
そう、まるで、Lv100のバ●ャーモにLv2のケ●ッソを一撃で倒さずに攻撃しろというようなもの。
到底無理。そんなレベルまで下がるなんて。私達には!
私達は無力・・・・・否、会長が、無力。超絶なまでの圧倒的無力。
そんなのお構いなしに、会長が自主的にカードを集めながら、告げる。
「じゃ、次は何するー?」
「「「「「!?」」」」」
ざわ、ざわ、ざわ。
私たちのバックにカ●ジでは毎度御馴染の擬音が出ているのを感じ・・・・違う。実際に出ていた。
全員が怯えた表情を見せていた。
ぶっちゃけ、もう、アカン。的な。
因みに私は至っていつもどおり。
まぁ、うん。だいたいこうなるって思ってたし。
それに流れに乗った時の私はだいたいこんな感じだし。
「ふ・・・・ふは・・・・ふはははは」
不敵に笑い出すキーくん。
あ、アカン奴や、コレ。
完全にぶっ壊れおった。
そして皆も釣られてぶっ壊れていく。
会長は困惑。
私は・・・・・「もう、どうにでもなってくれ・・・知るか」と逃避5秒前状態。
そして、私達は長い戦いに誘われて行くのであった。
これが、後に、「クリムゾンの悲劇」と呼ばれる戦争の始まりであった。
✽✽✽✽✽✽
翌日。
この日の記録は私は会議の場に不在だったので、盗聴器の記録より、此処に記す。
まず、責任転嫁がもつれて大喧嘩に発展する。
キーくんが止めようとするも、知弦さん&椎名姉妹に「ハ●ター×●ンターが完結するまで黙ってろ」という、最近連載再開したのにまた休載して暫く終わらない漫画をたとえに出されて理不尽な要求を突きつけられるキーくん。
そしてあろう事か、カッターナイフを首に突きつけ、自殺を図ろうとするキーくん。
それを見た知弦さん+椎名姉妹が止めにかかる。
が、一斉に来たらしく、キーくんは3人に押し倒された状態となりました(怒)
ええ、その時のキーくんは超ご満悦だったそうです(殺意)
私はこれを聞いてて、キーくんを一回殺してもいいかなって思いました。
体勢を直そうとする3人を強引に引き戻すキーくん。
サイテー。
そんな言葉しか思いつきません。
つか、抑えておかないと、殺しに行きそうで怖いです。
書いてる途中に何度、受信機を壊しそうになったことか・・・・。
そしてタイミングよく会長が登場。
まぁ、こんな所を目撃すれば、説教開始だわなwww
こうして、「クリムゾンの悲劇」は「人類共通の敵」の出現によって有耶無耶に終息した。
何時までキーくんが怒られたはそんなのは些細なことだ。
そのお説教のあとは私によって処刑されました。
死んでないのでご安心ください。HP1くらいしか残ってないけどねwww
めでたし、めでたし。
久々の1話完結話です。
文字数は1番長いだろうねwww
因みに自分はポーカー1回もやったこともない。
ルールさえわからん。
Webさまさまな感じ。
トランプゲームのところもな。
ではまた次回お会いしませう。
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生徒会議事録 #02 (生徒会の二心編)
第十一話 冒険する生徒会 ①
この話から「生徒会の二心編」に入っていきます。
ではどーぞ。
「怖くても、一歩踏み出してみる勇気!それこそが人類を繁栄させたのよ!」
会長がいつもみたく
私は共感半分冷めた目半分な状態で会長を見る。
まぁ私自身それで救われてここにいるみたいなものだし、本当は完全に共感すべきなのだろう。
だけど
「気のせいじゃないよね。紛れもない事実っしょ」
「あー、やっぱり?」
「会長さんは
「だよねぇ・・・・冒険なんて言葉とは全くを持っての無縁よね」
「むぅ・・・・ちょっと、亜梨沙どういう意味よ、それ?」
「まんまの意味よ」
「むぅ・・・・・モモぉ・・・・・」(←泣き顔)
「よしよし・・・・(なでなで)」
あ、そうだ、言っておくと今日は
会議に出てるのはラジオ回以来だよね・・・。(←メメタァ)
まぁそれはさておき
この人が何故こんなこと言い出しているかというと、発端は昨日だったりするんじゃないかな。
おそらく、この人は昨日、ON●PIE●Eの単行本を全87巻一気読みしたんじゃないかな。
そして金曜日にその全巻を発払いで宅配便で送ったのは私であったりする。
なので、こうなっている原因は私であったりするんじゃないかな。
まぁ、言わないけどね(笑)
「生徒会も、既存の生徒会と同じ活動ばかりしていてはダメだと思うの!」
会長は「自分自身は今、とっても立派なことを言っているわ!」って表情をして今日のテーマを私達に投げかける。
対して、私達役員はこの会長様の扱いには手慣れたもので、
「そうですねー」 ←キーくん
「そのとおりね」 ←知弦さん
「そうだなー」 ←深夏
「そのとおりですー」←真冬ちゃん
「さっすがー」 ←琴葉
「すごいねー」 ←亜梨沙
「感銘受けましたー」←私
と、テキトーに賞賛の言葉を言って流していた。
この生徒会に入ってからというもの、
というか、最近では頭で考える以前に口が動いている。
女の子を攻略することが生き甲斐で口先で生きているよなキーくんならまだしも、決して喋り上手ではない真冬ちゃんでさえ、今となっては半眼で流しているくらいだし。
会長・・・・・(ある意味)ギザオソロシス。(←しょ●たん風に)
まぁ、今日も安定の「ただ一人、この”流し雰囲気”に気づいていない」会長さんは私達のテキトーな相槌に気を良くしていた。
そして、ホワイトボードに今日のテーマを大きく書き出していた。
「「・・・・・・また面倒そうな・・・・・・」」
深夏と琴葉が今日の議題を眺めて憂鬱そうに小さく舌打ちをしていた。
私とキーくんもホワイトボードの方に顔を向ける。
「「・・・・『生徒会の新しい活動を模索する』、ですか・・・・」」
「そう!言われるままの仕事なら誰でも出来るからね!」
会長が、また色々な所で聞き飽きたであろう言葉を偉そうに
その時、会長除く生徒会役員がこう思ったことであろう。
(((((((いや、会長は今のところ、通常の職務でさえ充分にこなしているとは・・・・・・・)))))))
それ以上言うのは流石に心の声といえど、自粛した私達である。
・・・・なんか、それを言ったらおしまいというか、私達全員が根底から全否定されている気がした。
会長の言葉を受けて、キーくんの目の前の席の知弦さんが「そうねぇ・・・・」と思案するように呟き、全員の視線が彼女に向けられる。
この生徒会、並びにこの学校がこんな会長でもなんとかマトモに機能しているのは、知弦さんがある程度うまいこと、軌道修正・アイデアの矯正で舵取りをしているからである。
本来であれば、それは私の仕事なのだろうが、本来会長のやる書類仕事・定例会議等々も多い上、アイドル業との両立となると、キツいものがある。
なので、知弦さんのお蔭で私の負担が5割くらい減少する。なので、書類・会議に集中できるのでアイドル業(兼事務作業諸々)と両立することが出来ている。
全くを持って知弦さん様々である。
知弦さん、考えを纏めている時に、あろう事かキーくんは自分の世界にトリップしていた。
その顔・・・・表情みれば一発でわかるわwwww
そんなキーくんを見て、私は、亜梨沙の方へ視線を向ける。
私に気付いた亜梨沙は両手をチョキにして何かを切る仕草を見せた。
よし全カットけってーい!(←夢原●ぞみ/キ●アド●ーム→CV:三瓶由●子風に)
ラノベサイズの文庫に換算して2頁半になる奴を載せられるかってんだ。
書くのだけでも面倒になってくるわ!そんなに長ったるい物!
どんなにキーくんに頼まれたって絶対全カットしたるわ!
もうこれは決定事項です。いいね?
「アッハイ」
誰だ?忍●語のお約束通りに答えた奴。まぁいいや。
まぁ、キーくん本人は「高尚な考え」とでも思っているであろう。
そう思えるのは本人とその考えを全理解できて全共感できる奴だけだ。
後の残る奴は「(゚Д゚≡゚Д゚)?何言ってんの?コイツ?」としか思わないだろう。
私?私はもちろん後者だ。
そーいうのは基本論外だかんね☆
などと、そういった感情が私の中で今現在渦巻いてるんだけど、キーくんには気取らずに済んでいる。
こーいう場面でもちゃんとポーカーフェイスを保つことが出来ているからね。
私てば凄い!
自分で自分を褒めてやりたいね!
「自分で自分を褒めるとか無いわぁ・・・・。うん無いわ」
「大事なことだからって二度も言うんじゃねぇ。偶に自画自賛しねーとやってらんねーの」
「ちょwwwおいwww素性出てるんですけど、モモ!?」
「そんな素性出てるなんて瑣末な問題なの」
「おい、それでいいのか、現役アイドル」
「いいの。そーいうのは瑣末な問題なのですよ?
「アッハイ」
とんでもないこと口走った琴葉にはO☆HA☆NA☆SHIをしておいた。
いやぁ・・・・・色々吹っ切れたっていうのが一番大きいよね。
一々素性を隠さなくても済むわけだし。
「キャラ崩れてるwww」とか「貴女ってそんなキャラだっけ?」とか言わないこと!いいね?
「アッハイ」
いや、だから誰なんだよ。忍●語のお約束通りに答えた奴。
気にするのも野暮ってやつか?まぁいいや。
結論から言うと、全て
「以上、杉崎鍵がお送りしました」
自分の脳内で論文を語り尽くしたキーくんの言葉で現実に戻る私。
・・・・( ゚д゚)ハッ!危なっ!
私も自分の世界にトリップしてたわ。私も人のこと言えねーじゃん。
うわ、凹む。ガチへコだよ。
と、軽い自己嫌悪に陥っている私の横でキーくんは深夏を口説いていた。
最初の方はキーくんが主導権を握っていた。が、
「安心しろ深夏。俺の精力による恩恵は、いつか必ずお前も得ることになる」
「恩恵と呼ばれるものを、あたしは初めて拒否したいと思ったよ」
「素直じゃないなぁ、深夏は。ハッキリ言えばいいじゃないか。『鍵が欲しい』と」
と、キーくんが深夏に要求し、
「『鍵が欲しい』」
深夏はそれを本当に素直に言った。
「む」
完全に意表をつかれたキーくん。
その動揺をみて、ニヤリッと微笑む深夏。
あ、これ完全に主導権深夏に移ったわwwww
キーくんご愁傷様wwww
「この学校の番長として是非とも・・・・・・」
また鍵盤連合ですか・・・・・。
かなりしつこい性格してんな。深夏。
事はほんの三週間前。
風紀委員長からの依頼で学校周辺に屯っている不良を一掃を行った。
「ザッケンナコラーッ!」
「スッゾコラー!」
「チェラッコラー!」
「ルルァックァラー!」
「ワドルナッケングラー!」
「ワメッコラー!」
「ドカマテッパダラー!」
などとヤクザスラングを連発する
咬み殺し、ヌッ殺し、しめやかに
その結果、こうしてこうなったのである。
突っ込みどころ満載だろうが、こうなったんだから仕方の無いことである。
キーくんが深夏を口説くことを仕方なく諦めたと同時に丁度いいタイミングで知弦さんが顔を上げる。
どうやら、
「先ず、アカちゃんには、一応これだけはわかって欲しいのだけれども」
「なあに?」
と会長が首を傾げ、知弦さんは
① 世間では『マニュアル通り』と悪い意味で使われる傾向があるが、マニュアルとは本来、先人(身近なところでいえば先輩方)が積み重ねた経験を基に纏めた本当に大切な珠玉の知識集であること。
② マニュアル通りに物事を遂行する事は決して悪いことではない。
③ アドリブや冒険を成功させる人だけが優秀なわけではない。
以上の3点を会長に説明した。
「あ・・・・う、うん。そう・・・・・だね」
知弦さんの言葉に会長は今までの「思いつきだけの勢い」を削がれ、頷く。
その様子を見ていた私達は感心していた。
相変わらず、会長の扱いが上手いお人だ。知弦さん。
頭ごなしに否定するんじゃなくて、それとなーく軌道修正するのはマジで凄い。
えっと、なんて言えばいいのかな?母性?そーいうのを持ち合わせいる彼女の今の姿はまるで子供を導く母親のようだ。
知弦さん、マジパネェ。
そんな感じの尊敬の視線を送っていた私達。
もっとも、キーくんの場合はその20%くらいは性的な欲情だろうな。
湊・ルーク・桃花の名の下に断言するわ。
そんな中で、知弦さんは会長に再び微笑みかける。
「じゃあ、その上で、考えましょうか。アカちゃん。新しい活動」
「あ、うん」
「そうそう、こういうのは、先ずはブレインストーミングするのがいいんじゃないかしら」
「ぶ、ぶれ・・・・・・・」
会長が舌を噛みそうになっている。
この瞬間、「あ、これは劇場開幕ですわwww」と私は思った。
キーくんの嗅覚も敏感に「萌えポイント(本人命名)」を感じ取ってるみたいだし。
「あれ、会長。もしかして、ブレインストーミングも知らないんですか?生徒会長なのに?」
キーくんのこうげき。
「う・・・・」
キーくんの言葉に一瞬たじろぐ会長。
それを見てキーくんは真冬ちゃんに話を振って、
ぼんやりしていた真冬ちゃんは唐突だったせいか、「ふぇ?」と一瞬慌てた素振りを見せる。
それを「ブレインストーミングを知らない」と勘違いした会長は、
「杉崎。そんなのやっぱり普通は知らな―」
と、げ●きのか●まりを使って回復し、苦笑いしようとした。
が、真冬ちゃんがそれを遮ってブレインストーミングの解説をして、
はにかんだ真冬ちゃんはちらりと会長を眺める。
会長は汗をダラダラとかいていた。
これでHPが緑からオレンジに変わったよな。
その様子に気づいた深夏は( ̄ー ̄)ニヤリと顔を歪め、
「あれぇ?会長さん、もしかして知らなかったんじゃあ・・・・・」
深夏の
ぎこちなく
残りHP1くらいじゃね?会長。持っていたき●いのはち●きで持ちこたえたか。
「そ、そんなことあるわけないじゃない!知ってるわよ!ぶれ・・・・ぶれ・・・・」
「ぶれ・・・みん・・・・ぐ」
ごにょごにょと誤魔化す様に呟く会長。
分かってない。この人は絶対に分かっていない。
ってか、「ブレインストーミング」って言葉自体さっき初めて聞いたんだろうね。きっと。
まぁ、高校生なら実際知らなくたってそんなに不自然な言葉ではない。
そんなことは、今の会長には関係ない話である。
それよか重要なのは
勝手に追い込まれていく会長を知弦さんは恍惚とした表情で眺めていた。
今回は助け舟を出さないあたり、この人は「会長遊びのプロ」なんだと実感できる。
そんな劇場を横目に
「ねぇ、ブレインストーミングってどんな意味だっけ?」
「え、琴葉も知らないの!?」
琴葉の疑問に驚く私。
「仕方ないよ、桃花。だって琴ちゃんバカだし。」
「むぅ・・・・ハッキリ言うなし」
「事実だしキッパリ諦めろ」
「むぅ・・・・」
「まぁ、琴葉がバカのはわかりきった事だしおいといて。ブレインストーミングってのは、自由に意見を沢山出して、そこから結論を作り出していく・・・・簡単に言うと『質より量の精神で、批評とかしないで、なんでもいいからアイデア出してね!』みたいな議論方法のことよ」
「だってさ。わかったかな?読者諸君」
「ちょwww何で黒●姫(CV:三澤紗●香)風なの!?」
「しかもアンタ、解説役じゃなくて、解説される側だったじゃん」
「いやぁ・・・・・『その場のノリ』ってやつ?」
「「褒めてねぇし。そして、『その場のノリ』かよwwwwww」」
そんな感じで盛り上がっておりました。
因みにこーいう劇場においては
「アッハイ」
いや、だから誰なの、ホント!?忍●語のお約束通りに答えた奴!出てこいや!
「とにかく!方法はともかく、会議を始めるわよ!『アイデアを出す方法を考えて時間を浪費する』ことほど、無駄なものはないんだからっ!」
>かいちょうはどうする?
>たたかう ポケモン どうぐ にげる
>にげる
>かいちょうはにげだした!
さっさと自分の好きな議題に持っていこうという心が丸見えな会長が完全に逃げたことによって劇場は終幕した。
ティ●・フィ●ーレとは関係ないかんね!
「何言ってんの、モモ!?」
「なんとなく?」
「「誰だってわかるわ!そんなの!」」
・・・・
そんな会長に、キーくん達は流石に追撃をしなかった。
会長は、じわじわと、やんわり、泣かない程度に追い詰めて楽しむのが正解なのだ。
やりすぎてはいけない。
イジメはカッコ悪いけど、軽いS行為なら良し。
と、言うのが生徒会のルール。或は大人のマナーってやつ。
わかったかな?読者諸君。(←黒●姫(CV:三澤紗●香)風)
こほん、と会長が仕切り直す。
「じゃあ、まず私から一つ。生徒会の新活動」
一呼吸おいて会長が提案した。
続く!
はい。
導入部分だけでまさかの6000字越え。
ネタを挟んでいるうちにこうなった。
マジ、どうしてこうなった。
書いてる時思ったけど、忍殺語使いやすくね?
これから活用回数増えるかもな。
続きは上手くいけば年内だろうけど、多分年明けになるかもです。
次も読んで頂ければ幸いです。
ここまでのお相手は蒼紗でした。
今天就写到这里,再联系!
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第十二話 冒険する生徒会 ②
会長がON●PI●CEを一気読みした影響で「生徒会の新活動の模索」を提案。
強引に決定した議題は「ブレインストーミング」という方法で行われることに。
だが、「ブレインストーミング」を知らない会長。
見栄を張るものの、あっさり看破され、弄られる結果に・・・・・。
「〉にげる」コマンドを選択し、危機を脱する会長。
そして同時に忍●語が飛び交う桃花周辺。
気を取り直した会長が自分の考える「生徒会の新活動」を発言。
さて、会長の提案する「生徒会の新活動」とは一体・・・・?
「例えばこんなのはどうかしら」
「なんですか?」
(ある程度予想ができるが、一応)私が訊ねると、会長は自信満々の様子で宣言する。
「放送部に協力してもらって、毎日昼休みに『今日の会長』というビデオ映像を・・・・」
予想通りの返答あざーす!
「却下です♪」
「批評しないじゃないんじゃないの!?あと、なんでよ!?」
「もう既に昼休みのスケジュールは年単位で決まってますし」
ほぼ私がメインパーソナリティーのラジオ放送をやるということでね。
「もも☆らじ」っていう番組名である。
「でも、前のラジオだってそれにPVだって出来たじゃない!」
「あれは私が部長に相当懇願したんですよ。例外中の例外ですって」
あの時は大変だった・・・・。部長が優しい人でよかったよ・・・。(遠い目)
「じゃあ、今回だって・・・・」
「無茶言うなっての♪」
「(;^ν^)ぐぬぬ…」
やっぱり突っかかってきた。わかってたけども。
無茶言うなし、全く。
私は放送部側の立場でもあるので、却下させていただきました。
納得がいかない会長は案の定突っかかってきたものの、私だけでなく生徒会役員全員(幽霊組含む)が「却下」という表情をしていた為、会長は悔しそうにしながらも、着席した。そうして、「(;^ν^)ぐぬぬ…」とした表情でいる。
ぐ●コラ画像探したら実在しそうだ。
「じゃあ訊くけど、杉崎はなにかいい案でもあるっていうの?」
「よくぞ訊いてくれました!」
自信満々な表情で席から立ち上がる。
あるぇ?何か嫌な予感しかしないのですが・・・・・!
「まずは、生徒会主催による、『第一回美少女水着コンテスト』の開催をここに宣言します!」
ほらね?こう来ると思ったよ・・・・。予想通りやん。
「却下だよっ!私のよりよっぽど問答無用で却下だよっ!」
会長がぎゃあぎゃあ騒ぎ立てていた。
他のメンバーもジト目だった。だが、しかし
「約二名そうでもない表情してるんだけど・・・・」
「「
琴葉に指摘されて否定する私と亜梨沙。
「動揺しすぎてオン●ゥル語出てるじゃないですか・・・・・」
「おお、
「「うっさい!!!」」
ごすぅっっ!!
黄色のライトエフェクトは無い(目の錯覚で見えないでもない)が、二人の貫手が杉崎の体を貫く。
「ごふうぅっ!!」
ばたり・・・・
呻き声みたいな断末魔を上げて倒れる杉崎(無論死んでない。気絶してるだけ)
「凄い・・・・。再現率バッチシ・・・。流石」
「ねぇ・・・あの技、アカちゃん知ってるの・・・?」
「うん。SAOSSでもルカはよく使ってるし。ねぇ真冬ちゃん」
「エン●レイザーですね。SAOSSでも体術スキルの一つですからね。
湊先輩が再現できてもおかしくはないです。まさか槇島先輩まで使えるとは・・・・」
「ぶっちゃけると亜梨沙も私もSAOSSプレイしてっからね。因みに亜梨沙の奴、体術スキルカンストしてるから」
「成る程な・・・・。あれならあたしでも出来そうだぜ・・・・・」
「はいはい。ほどほどにね、深夏。・・・・で、キー君大丈夫なの?」
「は、はい・・・・・。怖いくらいに大丈夫です」
「そうよかったわね」
「アッハイ」
それ以上は言わなかったキーくんだった。
大体自分が不利になると勘付いたのであろうか・・・・。
復活したキーくん(←私と亜梨沙が絡んでいるものの、自業自得)は水着コンテスト
の却下をするのには早い理由を力説していた。
全文載せちゃうとすんごく長いので、要約すると・・・・
「自分達の欲しい物を優勝賞品にしておいて、当然のように優勝して商品を独占しちゃう。卑怯かもしれないが、そんなの水着姿を人前に晒す事の当然の報酬である!」
この論に全員が納得し、キーくんの案を採用しかけていた。
が、先程のは建前で
「キーくんの真の目的は純粋なる美少女のあられもない姿。それを盗撮すること。
当然不許可になる事間違いなしだが、『生徒会主催』をいいことにキーくん自らが会場設営等の陣頭指揮を取って盗撮ベストポイントを設置。んで、そこにリリシアさんを潜ませ、撮影し後は自宅でゆっくり鑑賞・・・・」
というのが本音らしい。
え、なんでわかるかって?
だってそれはキーくんが自白してるし。地の文の所までもうバッチリとね。
よし。ちょいとカマかけてみるか・・・・。
「んで、どうやってリリシアさんの協力を得るわけ?」
「そんなの決まっている。『撮影した写真での゛碧陽学園美少女グラビア集“の作製・販売を許可する』と、一言言えばいいだけだ」
あっさり答えるキーくん。
それを聞いた私は目を細めて
「言質とった・・・・。殺っていいよ。深夏」
と、ニッコリ表情で言い放つ。
「え、どういうことだよ!?俺の計画は完璧なはず・・・・」
戸惑うキーくんに私は
「深夏、説明も含めて後よろしく♪」
またにっこり表情で言い放つ。
「おう、任された。鍵、てめーの敗因はただ一つ。地の文と見せかけて実は全て喋っていたという古典的な失態を犯していたことだ」
「な、なにいぃぃぃぃぃぃぃ!?」
驚愕するキーくんに
ごすっっ
深夏の綺麗なサマーソルトキックがキーくんの脳天にクリティカルヒット。
「ねぇ、アカちゃん。今のもそうなのかしら・・・・?」
「うん。そのとおりよ。あれもあれで深夏の得意スキルだし」
「解説してもらってもいいかしら?」
「じゃ、よろしく。真冬ちゃん」
「はいです。今のお姉ちゃんの放った技は『弦●』と言いまして、S●Oにおける体術スキルの一つでいわゆるサマーソルトキックのようなものを繰り出すんです。 基本は立った状態で使用するものですが、倒れながらでも使用することは可能です。 対空技しても便利だったりするのですが、相手にヒットしなかった場合は転倒&硬直というリスクがあります。 通常、威力自体もそれ程高いものではないのですが、お姉ちゃんのは格が違います」
「と、いうわけで、この結果からもわかるとおり、キー君の案は当然却下よね」
「「「「「「「異議なーし!!!!!!」」」」」」
知弦さんは項垂れるキーくんを横目にとっとと話を進めていた。
「酷い」と思うかもだが、同情はしない。
だって自業自得じゃん。そして、キーくんが言っている内容を反芻すると・・・・
「
そんな奴に同情するほど慈悲深くは無い。
その後、キーくんがもそもそと復活し、真冬ちゃんのターンとなった。
真冬ちゃんの案は「お料理教室の開催」。
・・・・・・・・・・・。
案自体はそんなに悪くはない。寧ろマトモだ。
なんだけど、リアクションしづらい案だった為に、生徒会室にビミョーな空気が流れる。
そんな空気を察した真冬ちゃんは「テレビゲーム大会の開催」を提案した。
しかし、またリアクションしづらいビミョーな案で以下同文。
見事なまでに動けば動くほど埋まる泥沼である。
なにこのキャラ殺し(天然)・・・・・・。
ここで真冬ちゃん以外の役員のアイコンタクトが飛び交う(私・琴葉・亜梨沙不参加)。
その結果、キーくんが真冬ちゃんのフォローをする事となった。
その真冬ちゃんは「漫画貸し借り推奨週間」というビミョーな案を出して以下同文。
既にLPはゼロに近く、真冬ちゃんはもう涙目(決壊寸前)である。
と、ここでキーくんが真冬ちゃんのフォローに入った。
・・・・三分後
「真冬は生まれてはいけない子だったんです。・・・・全人類の皆さん、御免なさい。平均点落としてゴメンなさい。ご免なさい。
「大丈夫。そんなことないわ。真冬ちゃんだってちゃんと生まれてきてもいい子だって。ううん。
なでなで ヾ(∂∂。 )ナデナデ
「・・・くすん・・・・はい・・・・・」
結果から言わせて貰おう。
キーくんのフォローは大失敗に終わった。
更に凹んだ真冬ちゃんは|私の膝の上に座り(何故かそこが定位置となった)、頭を撫でられながら慰められていた《男子からすれば「おい、そこ代われ!」的シチュエーションが繰り広げられていた》。
結局私の担当になってるやん。
最初から私がやれば良かったやん。
そして、私の仕事増やしてんじゃないよ!キーの字よぉ・・・・・。
その
「「「「「キーくん(鍵)(キー君)(キー)(杉崎)のナンパが成功しない理由がわかった気がしたよ・・・・・」」」」」
そう嘆息せざるを得ない私達だった。
真冬ちゃんはこんな状態なので暫くは復活しない。なので、放置して進めよう。
まぁそのうち復活するでしょ。(まさかの投げやり)
次は深夏のターンである。
深夏の案は「天●一武道会の開催」だった。
なんつーか、深夏らしい。
まぁ、この学園って人間離れした生徒が多いし良いかもしれない。
この前の全校集会でキーくんに雷遁使った奴もいるしな。
他にも風遁・火遁・土遁・水遁使える奴も居るくらいだし。(←既に交戦済みなので知ってる)
全くもって異常だね、この学園は!(←その筆頭である人物が「
その後、戦闘力の話となり、
キーくん→1(※基本、ちょっとした段差に躓いただけで死ぬというス●ランカー並の雑魚)
深夏→
真冬ちゃん→-37(※戦闘開始直後に倒れ、対戦相手に介抱される。やり込みプレイ確定キャラ)
となった。
深夏がこの数値だとそれを凌ぐ強さを持つ私はどうなるんだろう?
「測定不能」若しくは「∞」だろう。きっと。
まぁ、深夏の案の内容はさておき、「何かを競わせる」というコンセプトはいい物かも知れない。
この案は「保留」という形でいいだろう。
その話の中で真冬ちゃんはさらにダメージを重ね(要は自虐)、再起不能に陥っていた。(死亡)
その様子を見た私達は目を合わせ、一つ嘆息し、真冬ちゃんを放置して会議を進めることにした。
「じゃあ、そろそろ私の意見を言わせて貰おうかしら」
気を取り直すように知弦さんが発言した。
真打ちの満を持しての登場である。
次回に続くんだよ。
はい。久しぶりの本編更新ですね。
本当はこの話で「冒険する生徒会」は完結するはずだった・・・・・
ですが、現実はそうもいかなかったよwwww
2話構成にすると超長くなる。
なので、3話構成に変更しました。
次回で絶対終わらす。こりゃ絶対。4話構成にはしない!
次回はいつになるか未定です。
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第十三話 冒険する生徒会 ③
会長がON●PI●CEを一気読みしたことによって始まった議題「生徒会の新活動の模索」。
その議題は“ブレインストーミング”という方法で話し合われることに。
それを知らない会長を弄った後、話し合いが始まる。
しかし、各々の個性的すぎる意見なため、「否定しない」という前提は行方不明に。
椎名真冬が自虐モードになって桃花の膝の上で慰められたり・・・とあったりして。
そして、満を持しての真打・紅葉知弦の登場である・・・・!
「私は、今のこの生徒会の在り様こそが、冒険だと思っているわ。だから、このままがいい」
「え・・・?」
会長は
キーくんも、深夏も、今なう。まで部屋の片隅で凹んでいた真冬ちゃんでさえ顔を上げ、知弦さんの方を見る。
知弦さんはふわり。と微笑み、続ける。
「新しい活動を模索するのは立派な事だし、正しい事だって思うけどね。だから、これは、ただの私・・・・・<生徒会書記>としてではなくて、紅葉知弦・・・・・一個人としての感情・・・・俗に言ってしまえばワガママなんだけど」
「『ワガママ』ですか・・・・?」
「ええ。もしその『生徒会の新活動』とやらをしたが故に生徒会が多忙になって、今の状態が壊れてしまうのなら・・・・」
「『個人的な只のワガママとしてこのままが良い』と・・・・」
「そのとおりよ。みーちゃん。だって、この生徒会は・・・・・・今のままで充分に魅力的だと思うから」
「知弦、モモ・・・・・・・」
会長が複雑そうな表情でこちらを見る。まぁ、会長の気持ちは解からんでもない。
それに対する知弦さんは安定の笑顔だった。
「勿論、アカちゃんの意見はとても立派だし、正論だと思うわ。生徒の事を思うのならば、本当は、もっともっと自身の身を粉にして、生徒会役員として働かないといけないのでしょうね。
だけど、私は・・・・・・こんな事を言ったら『不真面目だ』と言われるかもしれないけど、生徒会って、“部活”とか“サークル活動”みたいな感じで捉えているの。気の置けない仲間達と和気藹々・・・・わいわい楽しめる、そういう場所。
生徒会の活動テーマとしては一応、“生徒達を統率を担当する生徒の集まり”だけどね。本音を言わせて貰えば・・・・私は別に、不特定多数の『生徒』を心の底から思いやって無償で働ける程、出来た人間じゃないわ」
「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」
知弦さんの意見に、私を含めた皆が沈黙する。
だって知弦さんの言ってる事は私達全員に当て嵌ることだったから。
ファンの人々の事を思って活動する職業・・・・・。“アイドル”である私でさえも。
ただ、一つだけ意外だったのが、会長が知弦さんの意見に反論しなかった事だ。普段ならば「生徒達のことが第一よっ!それが生徒会じゃない!」などと正論を言う場面でもあったのだが。今は神妙な表情のまま、知弦さんの意見に耳を傾けていた。
知弦さんは更に続ける。
「生徒会役員が生徒会役員としてこなすべき業務は・・・・・いえ、マニュアルに書かれたようなことは、こなすのは当然であるべきだと思うわ。そしてアカちゃんも言ったとおり、そのうえで新しい“何か”を作るべきなのかもしれない。
だけどね・・・・・・。私は、別に、新しい活動に関しては、今、無理をしてまでするべきじゃない。って思うの」
「『“無理”というのは、私達の今の・・・・ダラダラしたゆるーい感じのペース崩してまで・・・・・』って事ですよね、知弦さん?」
「ええ。その通りよ。みーちゃん」
「でも・・・・『ダラダラしてる』っていうのは、やっぱり・・・・そんなの、不真面目っていうか・・・・・・・」
ここで、会長がようやく反論をする。しかし、知弦さんはそれでもなお、微笑みを崩さなかった。
「そうね。不真面目よね。生徒会室で世間話をするなんて。・・・・・本当はしちゃいけないのかもしれない。・・・・・でも」
「でも・・・・?」
キーくんが聞き返す。
知弦さんの言葉に次ぐように私も発言する。
「でも、今の生徒会・・・・・そしてこの学校の雰囲気が大好きで、楽しい。何かがあるわけじゃないけれど、今のこの学校には、とても柔らかい空気が満ち溢れているように感じられる。・・・・・そうですよね、知弦さん?」
「みーちゃんの言うとおり。去年の・・・・・去年の今頃には、こんな風に思える事はなかったもの。あ、勿論、去年の生徒会はとても優秀だったと思うけど。やっぱり、今年とは違ったから・・・・」
知弦さんが何かを懐かしむ様な感じで窓の外を見る。
知弦さん・会長・深夏は去年も生徒会役員だった。役職は知弦さんと会長が副会長、深夏が会計。で、そこに生徒会長の姫椿りりん先輩、書記の桃月小夜子先輩が加わって第三一代碧陽学園生徒会は成り立っていた。
今思えば、りりん先輩は、とても有能かつ、真面目な人だった。私は去年は生徒会役員ではなかったものの、放送部関連で何度か話をしたことがある。(名前呼びなのも、その頃本人に言われた)
勿論、良い人ではあった。だけど、生徒会主導のイベントをそつなくこなしていた印象がある。
まぁ、それはそれで安心感もあったし、それはそれで良い。
だが、今年の・・・・・今の様な校風では無かった。
何と言うか、ピリっとした・・・・・何か引き締まった感じだ。
それはもう、「ここは学校だ!」と言わんばかりの。まぁ、どちらが正しいとは言えないが。
そして、今の校風と言ったら・・・・・
「でも今は、この学校はとても・・・・なんていうか、温かいのよね。まるで大きな家みたい」
知弦さんは続ける。
「別に前年の生徒会を否定するわけじゃないの。でも・・・・私個人としては、この雰囲気が好きなのよね。この・・・・上に立つ生徒会からのんびりしていて、でも、その空気がちゃんと生徒にも伝播していて、“荒れる”んじゃなくて、“ゆるく”なっている様な・・・・・この状況が」
「・・・・そう」
会長は優しげに微笑んでいた。それにお返しと言わんばかりに知弦さんも笑いかける。
「だから、私はこのままがいいな、アカちゃん。変に・・・・・無理をしてまで、新しい何かを作り出そうとしなくてもいいんじゃないかしら。いえ、作ることが駄目ってわけじゃないのよ?ただ・・・・・」
「ただ、今はその時期じゃない・・・・・って事ね、知弦。そうね・・・・ごめん。私、ちょっと焦ってたかもしれない」
(あの)会長が(珍しく)素直に引き下がった。その様子を見て知弦さんは優しく微笑む。
それにつられたわけじゃないけれども、私・琴葉・亜梨沙・キーくん・深夏に真冬ちゃんも、肩を竦めて笑っていた。
深夏が大きく嘆息する。
「なんだよぉー。じゃあ今日の会議やあたしの提案全部無駄かよー」
「いや、流石に全部無駄って事はないでしょ、(多分)その提案が活かされる日は(多分)あると思うわ」
「そうだよ、文句言わないの、お姉ちゃん。真冬なんて・・・・・存在自体が無駄なのですから・・・・・」
「Σ(・∀・|||)ゲッ!! 真冬、お前まだ引き摺って・・・・」
「真冬ちゃんのあーいう所こそがいい面でもあると私は思うんだけどなぁ・・・・」
「でも、そのベクトルの方向が間違っている気がするんだよなぁ・・・・・」
「あー、分かるんだ?琴葉でも」
「私
「そうだったね。そうだった、そうだった。メンゴ、メンゴ」(←棒読み)
「いや、本気で謝ってんの!?それ!!謝る気あんの!?モモ!?」
「だって・・・・・・、ねぇ?亜梨沙」
「そうだよね。琴ちゃんだもんねぇ・・・・」
「亜梨沙も!?酷くない!?もうなんなの、貴女達!?」
「「え、親友ですが、何か?」」
「嘘だっ!!今この瞬間、そうは思えなくなってるんだけど!!」
「「それは多分気のせいだ。あとそのネタ五回目だし飽きた。いい加減やめろ」」
「ちくせう!なにその連帯感!本当に気のせいじゃなくて、事実だよ!あと律儀にカウントするな!!そんなに私弄ってそんなに楽しいか!?」
「「うん。なんかすっごい楽しい」」
「うにゃぁぁぁぁぁぁっ!!この外道共がっ!!」
「「外道とは酷いなぁ」」
「どこが!?今までのどこに否定する箇所があんの!?」
「「え、あったけ?そんなの」」
「ね?真冬ちゃんのなんてほんの些細なレベルなんだよ。私に比べたらさ・・・・」
「あー、うん。なんかごめんなさいです。汐留先輩」
「謝られても惨めになるから。わかればいいんだよ・・・・。わかるだけで・・・・」
なんか、琴葉が達観したような表情をしていた。何でだろうか?(←自覚なし)
椎名姉妹のやり取りから発展した琴葉弄り(恒例)に会長と知弦さんがクスクスと笑っている。
キーくんはそんな彼女たちに話しかけた。
「でも、会長、知弦さん」
「ん?なに、杉崎」
「どうしたの、キー君」
「いつか、余裕ができたら、新しい活動しましょうね。その・・・・俺達らしい、ゆるーい企画でも」
キーくんのその言葉に、二人は微笑む。
「当然よ」
「そうね、キー君」
と、実に彼女達らしい答えが返ってきた。
あぁ、良かった。今日は平和な感じで終われそうだ。
やっぱりこういう形で終われるのがやっぱり良いよね。うん。それがいい。
その時、スマホが鳴った。
相手は・・・・・風紀委員長か・・・・・。
って事は
全く、こんな時に湧き出なくてもいいのに。もう、八つ当たりじゃ、八つ当たり。
「会長、少し用事が出来たので失礼しますね」
「あ、うん・・・・・・」
「あっ・・・・!ねぇ、琴ちゃん、もう出ないとヤバいなんじゃない!?」
「Σ(゚д゚lll)もうそんな時間なの!?行こう!亜梨沙」
「あ、うん。会長、私達もこれで失礼します。お疲れ様でした」
「うん。お疲れ様・・・・・・」
ぱたん。
私と琴葉と亜梨沙は生徒会室を後にした。
さて、と・・・・・・。校舎裏行くか。
校舎裏・・・・・。
「ザッケンナコラーッ!」
「スッゾコラー!」
「チェラッコラー!」
「ルルァックァラー!」
「ワドルナッケングラー!」
「ワメッコラー!」
「ドカマテッパダラー!」
校舎裏にはヤクザスラングを連発するわかり易い不良共がいらっしゃった。
あーあ。もうやだ。さっさと終わらそう。八つ当たりも兼ねてな!
「いきなりだけど、てめぇら咬み殺す。答えは聞かねぇから☆」
そう言って満面の笑顔でダー●リパルサーとエリ●シデータを構える私。
襲いかかってくる
「スター●ースト・スト●ーム」
S●O界隈で有名な二刀流上位SSで瞬殺した。(勿論、死んでないのでご安心を)
「( ´ー`)フゥー...」
剣を鞘に閉まって一息つく私。
「ありがと!助かったわ!」
風紀委員長(女子生徒)が労いの言葉をかけてくれる。
「ううん。気にしないで。また何かあったら呼んでね。・・・・・・!?( ゚д゚)ハッ!」
何か悪寒が走り身震いする私。
「・・・・・?どうしたの、一体」
何か凄く嫌な予感がする。
「ごめん!私、生徒会の用事が残ってるから戻るね」
「あ、うん・・・・。わかった。じゃあね」
「うん。またね」
そう言って以前も使ったトラ●ザムで生徒会室に戻った。
瞬●の術とか飛●神の術とか使えたら便利よね。マジで。
生徒会室のドアを開けると・・・・・・
キーくんが
会長たちの反応からするに犯人はヤス・・・・じゃなくて犯人は知弦さんだろう。
最も、その発端はキーくんであって、自業自得な気もするが。
でも、モザイク必須な状態はoutなわけで。
「
「あら、何かしら。この私に何か用でも?」(暗黒微笑)
後にその場面を目撃した会長・桜野くりむはこう語ったという。
「あの時の二人の背後には阿修羅が15000体位いた気が・・・・いや、実際に存在した!」と。
しばらくして。
「本当にすいませんでした。はいマジですいませんでした・・・・・・・・」
ひたすらに泣いて土下座し続ける紅葉知弦が出来上がったとか。
「怒らすな危険」という称号が私に与えられたのであった。
そして、「生徒会会長補佐・湊・ルーク・桃花を怒らすな。とっても危険。命が惜しかったら怒らすな。」、「生徒会会長補佐・湊・ルーク・桃花の暗黒微笑は死の予兆」という格言が爆誕したのであった。
おしまいっ!
ご無沙汰です。
4ヶ月ぶりの更新です。
久々に書いてて凄く楽しかった。
ここで気づいたのが、リリシアさんと並んで琴葉が意外にもいじられキャラやり易い。
いやぁ、サックサク進んだ。
あと、暗黒微笑 便利。
そんな発見がこの話の執筆中にあったっりしまして。
今度は本編かえくすとら。なのかは不明です。
そして投稿日も未定っ!
そんな状態ですが次回もよろしくなのです。
ではではっ!
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第十四話 反省する生徒会 ①
2年ぶりの更新です。
それではどうぞ。
「過去の失敗を糧にしてこそ、我々は前に進めるのよ!」
会長が
生徒会室のホワイトボードには既に今日の議題が書かれている。
「第一回 生徒会大反省会」
と。
ここに書かれているという事は決定事項なのだろう。
私達に了承の「り」の字も得ていないのに。
私はぶっちゃけどうでもいいのだが、キーくんの方を見ても「面白くなさそうな」表情をしている。
会長はやる気マンマンだし……軌道修正は……不可能だろう。
そう考えていたら、この議題に不満のある深夏が「えー」と不満の声をあげた。
「反省たって、未だ二ヶ月程しか活動してないじゃねぇか!」
「深夏! 貴女は去年から活動しているでしょうが!」
「い、いや、でも、今日のは『
深夏が如実に嫌がる素振りを見せ、それが不満な会長と口論になる、
言い忘れてはいたけれども、
……今の生徒会と違って、去年は生徒会でとにかく熱い内容の会議が多かったらしい。故に性格的のな物も助長して、敬語なんて使ってられなくなったのだろう。
敬語といえば、私とキーくんが琴葉と亜梨沙に対してはタメ口である。
数年前に死んでいるとは言え、生存していれば私達のかなり年上……ぶっちゃけ、新任で着任した教諭よりも年上なのである。
では何故、タメ口なのか。
琴葉の場合は……性格によるものだ。琴葉は深夏の上位版な性格で堅苦しいのがNG。故に私は初対面で敬語を止められた。
対しての亜梨沙の性格的にはそうではない。しかし、守護霊なのに「敬語対応」だと、「距離感が遠い」と思うらしい。故にその距離感を縮めたいと思う彼女の希望故である。
……閑話休題。
去年に真面目な内容で熱い会議を交わしていた反動によるものなのか、今年の深夏はこういった真面目な内容の会議に嫌悪感を示す様になっていた。
今年の生徒会の空気が基本、とても緩いのもその一因だろう。その居心地の良さに慣れてしまったが故に今日の様な真面目な議題は以ての外だった様だ。
深夏の不満顔に会長がバンッと机を叩いて怒鳴りつける。
「そういう生温い考え方が、現生徒会を堕落させているのよ!」
「生温い考え方で、堕落て……」
私は思わず口に出す。
……緩い生徒会ってのは否定できないが、そこまで酷くはないだろう。
私と同じく今年新加入のキー君、そして真冬ちゃんは苦笑いしていた。
その陰で
「この空気の八割はアカちゃんの怠惰のせいだと思うけど……」
「九割の間違いでしょ……?」
「琴ちゃんに私も同意。ま、何処かの宗教の怠惰担当が出ないだけでもマシよね」
知弦さんと琴葉と亜梨沙がポツリと真実を的確に突く会話を密かにしていた。
それを会長本人に聞こえないようにしているあたりが彼女達の優しさなのだろう。
亜梨沙……ペテル●ウス・ロマネ●ンティなんざ居てたまるかよ。アレが居たら阿鼻叫喚モノだわ。
会長は深夏から私達に視点を変えて再び机を叩いた。
……この行動は会長本人からすれば「強く威圧的に」叩いているつもりである。
しかし、第三者視点からすればどう見ても「子供が駄々を捏ねている様にしか」見えないのだ。こういうところで妙に微笑ましく思えたりする。
「杉崎やルカの方が反省点だらけじゃない! ルカは完璧に見えて迷惑かけてそうだし、杉崎に至っては寧ろ、反省点以外が見当たらないじゃない!」
「私の事そんな風に思ってたんですか……」
「俺の人格全否定っすか」
「うん。そうだけど? 杉崎は……何処か肯定するところあるの?」
即答で答えられて、更に凄く純粋に首を傾げられてしまった。
……/(^o^)\ナンテコッタイ、ひでぇ…………。
「私がそんな風に見えますか……ねぇ?」
「や、あるでしょう。俺にだって、いいところ。……ねぇ?」
御互いに向き合って、生徒会の他メンバーに訊ねてみる私達。
すると、全員「むぅ……」と唸って神妙な空気になった。
んーと、すっごい嫌な予感がするぞ? コレ。
その空気の中で先程まで反対意見だった筈の深夏がポツリと呟く。
「反省会……すべきかもしれねぇな」
「うぉぉい! 何だその急激な方向転換!」
「真冬も……御二人を見ていると、早急に反省会を開催する必要性を感じました」
「真冬ちゃんって見た目と裏腹にガッツリ人の精神抉る事言うよねぇ!?」
「キー君もみーちゃんも反省する為に生まれてきた子よね」
「「そんな目的で生まれる悲しい子がいてたまりますかっ!!」」
「まぁ、その現実受け入れろや。な?」
「何が『な?』じゃ。先ずはテメェが反省するべきだろうが!! バカ琴葉」
「ゴメン。流石の私でもどうしようもない」
「うん。真顔で謝らないでくれるか、亜梨沙。一番ダメージ大きいから」
や、ヤベェ……。もうこれは以前の更生云々と似た流れだ。
私はなぁなぁで終了出来るだろうが、キーくんにとってはマズイ方向性だ。
だけど…………反省会開催の流れは決定したも同然……こうなれば……
一応、キーくんにアイコンタクトで了承確認を取る。
キーくんが頷き、了承の意を示したので、私は最後の手段に出る事にした。
「確かに私達は反省点だらけですよ!」
開き直り。これには会長も意表を突かれたのだろう。その証拠に目をぱちくりさせている。
それにキーくんが続ける。
「しかし、そんな事は俺達が生まれた時からの、今更言うまでもない現実! だからこそ、俺達に反省を促す事程無駄な時間はありません! だったら、今日は俺とモモ以外のメンバーが反省すべきでしょう!」
「う……なんか説得力あるわね。貴方達、自分を全否定してるクセに」
会長が私とキーくんに気圧されていた。知弦さん、深夏、真冬ちゃんも空気に呑まれている。幽霊組……。その表情(゚A゚)ヤメロ!!
私とキーくんはこの好機を逃さず、さっさと会議を進めてしまうことにした。
そう……『
要は司会者たる立ち位置を奪ってしまえばいい。そうすれば、私とキーくんがこの話を制したのも同然よ!
「さしあたっては……会長! この会議の発案者でもありますし、この生徒会における最高責任者たる貴女が率先して反省するべきなのでは?」
「うっ……」
私が
それと同時に他メンバーの間にも「確かに……」という空気が流れる。
私はこれで此方が主導権を握ったのを確信し、キーくんに発言をバトンタッチする。
「では会長。先ずは、会長自身が、自分の反省点だと思う所を挙げて見てください」
「わ、私の反省点?」
会長は「ふぅむぅ……」と、考え込み始める。
会長だったら…………反省点なんて山ほど有るだろう。他人な私でも軽ーく思い出しただけでも余裕で煩悩の数は超越する。
今日は会長のターンだけで会議は終了するだろう。
知弦さんも深夏も真冬ちゃんも琴葉も亜梨沙もそんな事を考えていたのだろう。
各々が沢山思い当たる会長の反省点を只々( ゚ ρ ゚ )ボーっと思い浮かべているようだった。
そうして沢山有りすぎる故か、会長は五分程たっぷりと熟考し、満を持して私たちに告げてきた。
「ないわね」
「何処まで自分に甘ぇんだ、このヤロォ━━━━!!」
「考えた末にそんな戯言とか巫山戯てんのか、テメェ━━━━!!」
その答えに私達はキレた。
いや、当たり前だろ?
「わぁ! 杉崎とルカがキレた! 急にキレた! 理由なくキレる現代の若者、怖い!」
「理由有りまくりだわ! 古代の老人でもキレるわ!」
「テメェが原因なのが理由じゃねぇか!! んでもって私とテメーの年齢1つしか変わんねぇじゃねぇか!!」
その証拠に知弦さんも深夏も亜梨沙も、真冬ちゃんや琴葉までもが額に怒りマークを浮かべていた。
そんな皆の様子を見て、「あ、(・3・) アルェー?」と首を傾げる会長。
「えと……なんか、皆怒ってる? どうして? あ、ああ、私があまりに完璧人間すぎて、ちょっと嫉妬しちゃったのかなぁ? ゴメンね? やっぱり会長に選ばれるくらいだから、私って、欠点とかないんだよねー」
(#^ω^)ピキピキ(#^ω^)ピキピキ(#^ω^)ピキピキ(#^ω^)ピキピキ(#^ω^)ピキピキ(#^ω^)ピキピキ(#^ω^)ピキピキ
生徒会室に怒りの
ふーん。よーく解ったわ。
確かに反省会は早急に必要だ。
このお子様会長はそろそろ教育を……ねっちょりしないとねぇ(暗黒微笑)
「会長…………そこに正座」
「は、はいっ!! 仰せのままに!!」
私の威圧で会長はちょこんと真面目に、靴を脱いで背筋を伸ばして自分の椅子に正座しなおす。
私は立ち上がって、会長を見下しながら教育を始めた。
「よろしいですか、会長」
「は、はい……」
「過去の失敗を糧にしてこそ、我々は前に進めるのですよ?」
「そ、それ、私の名言──」
「黙ってくださいね(ニッコリ)」
「ひぅっ…………」
「かの偉人、ジャンヌ・ダルクは言いました。『反省することです。そうすれば神もヒ●ナン●ス! デビューされます』と」
「それ、絶対に言ってないよね……」
「黙りましょうか(ニッコリ)」
「わにゃぁ……」
「キーくんも私と同じことが有るそうなので、バトンタッチします」
ここで攻撃手交代。
私→キーくん
「良いですか、会長。かの偉人、聖徳太子は言いました。『人間、反省なくして月9出演は有り得ない』と」
「絶対に言ってないと思うけど……」
「だまらっしゃい!」
「ひぃ」
「時代考証などどうでもいいんだ! 要は『反省しろ!』って事なんですよ!」
「じゃあ最初からそう言おうよ……」
「とにかく! 会長は反省すべきです! 反省無くして会長の未来は深淵の闇よりも暗くて希望もありません!」
「そ、そこまで言われるほど酷いのかな…………私って」
「「「「酷い。 絶望的なまでに」」」」
「言い切った! しかも四人揃って!? 『絶望的なまでに』ってどのくらいなのよ!」
「「「「まんまのイミだよ」」」」
「嘘ぉ…………」
「悪いですが、追加情報です。 会長」
「な、何よ…………杉崎」
「オリ●ン調べの『反省すべき生徒会長』ランキング、三年連続の堂々の一位です!」
「オ●コン、そんな事まで調べてるの!?」
「杉崎鍵の中の『抱きたいロリ美少女ランキング』でも堂々のダントツ一位ですが」
「キーくん、激しくどうでもいいよね? その情報」
「なにおう!? 流石のモモでもその発言については許す事は出来んぞ!?」
「殺ろうっての? キーくん?」
「上等だ。 返り討ちにしてやるよ……!!」
「おぉう、火花がすげーの」
「亜梨沙、止めないの? 私が言うのもアレだけどさ」
「ヤラセタイヨウニヤラセレバァ?」
「ちょい? なんで悪霊化してるんですかねぇ?」
「ダッテ、ワタシノキークンヲバカニシタンダヨ? ソノジテンデジュウブンニバンシニアタイスルンダケドォ??」
「あ、悪霊退散っっっ!! そして、今すぐに正気に戻れぇい!!」
「あ、あのぅ…………わ、私は??」
「「「「あ」」」」
「な、何よ…………」
「「「「忘れてたわ」」」」
「酷い! そして私の扱いが雑!」
会長がギャーギャー喚いていた。全く何なのだろうか。
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ 発情期ですかコノヤロー」
「違うよ!! 私、そんなにお盛んじゃないからね!? ルカは何言ってるの!?」
「そんな事だから言われるんですよ、会長」
「『反省すべきなんですよ。性的なイミでも』……と、ですよ」
「性的なイミでもぉ!?」
「まぁ、そこらの洗の……調k……教育は後々に回しますが……」
「今、『洗脳』とか『調教』って言おうとしたよねぇ!?」
「何のことでしょうか?」
「……ま、まぁ良いわ。 その語句達は気のせいだとしても、事実私の未来って真っ暗じゃない!」
「ではまず…………そうですね。 真冬ちゃんあたりから、会長の反省点を挙げて貰いましょうか」
そう言って、キーくんは真冬ちゃんに話を振って口撃手(誤字に非ず)を交代した。
何時もだったらこういう時は大抵キョドる彼女だが、今回は臆すること無く話に参加していた。………どうやら会長の反省点についてのストックがかなり有るようだ。
会長はというと「うわぁ……………orz」と落ち込んでいた。
知弦さんと深夏は自分の順番を今か、今かと待ちながら、私・琴葉・キーくん・亜梨沙は無言で見守る中、真冬ちゃんはおずおずと立ち上がって発言をする。
「ええと、まずはですね……。 うん、会長さんは、もうちょっと考えてから行動した方が良いと、真冬は思います」
「「うぐぅ!!」」
真冬ちゃんのいきなりのエッジが鋭い口撃にダメージを受ける会長…………と序でにダメージを被る会長だった琴葉。
此処までダメージを与えるとは…………真冬ちゃん、その口撃力がマジでパネェ。
「なんて言うか、会長の行動は殆ど思いつきというか………思いついて二秒後に口にしている印象なんですよね。 汐留先輩でさえ、四十二秒は有るのに」
「うぐぐ………」
「私、ちっとも嬉しくないんだけど。 褒められてるよね?」
琴葉は皆に問い掛けるが、誰も答えなかった。シカトされて凹んだ琴葉を無視して真冬ちゃんは発言を続ける。
「かの偉人、エジソンは言いましたよ。『ボスを倒しに行くなら、充分にレベルを上げてからにしろ』と」
「や、だから、絶対言って無いと…………」
「そういう問題じゃないんです! 要は、何かするなら、ちゃんと準備しなさいってことなのです!」
「だから、それならそうと…………っていうか、ルカといい、杉崎といい、真冬ちゃんといい、偉人の名言捏造は何故必要なの…………」
「さぁ?ノリとか………じゃあなさそうだし、説得力云々じゃね?」
「そうであってなんか違いますよ、汐留先輩。 それと会長さんはツッコミばかりしてないでちゃんと反省してください!」
「ツッコミを必要とする発言をする方にも問題が有ると私は思うのだけども!」
「会長さん…………真冬は失望しました。 そんなにツッコミが重要で必要ですか」
「重要だし必要だよっ! これを
「わけがわからないよ」
「キュ●べえは黙ってろよ。契約して魔法少女にならねぇからな?」
「存在忘れられそうだからボケたのに。 正論で返すなよ、亜梨沙」
「真冬は一生忘れてるつもりだったんですけど」
「をい。後輩よ、その扱い方どうかと思うんだが? 」
「残当ですよ。あと、訳わからないのは貴女です、会長さん!」
「絶対杉崎とかルカとか真冬ちゃんよ!」
「遂には責任転嫁ですか…………真冬は失望しました」
「1μmも移動して無いわよ! 有るべき所に責任を求めているだけなんだけど!」
「もう良いです。 真冬からはもう、何も言える事はありません…………」
そう呟き、深く嘆息しながら着席する真冬ちゃん。
「え、何その終わり方! 凄く私が我が儘みたいじゃない!」
「私の扱い方釈然としないんだけど!」
会長と序でに琴葉が何か喚き散らしていたが、私達の失望ムードは変わらなかった。琴葉は仕方ないとしても、全く…………これだから会長は…………。
「や、だから、何なのこの空気!? 私、割とマトモな発言してるわよねぇ?」
「「「「「「「……………………」」」」」」」
会長の言葉に琴葉を含めた会長以外の全員が「何言ってんだ、コイツ…………」といった感情になり、一斉に明後日の方向を向いて目を逸らした。
「琴葉までそういう態度なの!? 本当にこの生徒会って、偶に私を拒絶するわよね…………」
会長は嘆息し、黙り込んだ。その様子を見て、今度は深夏が立ち上がった。
此処で口撃手が交代するようだ。
つづくっ。
如何だったでせうか。
今回も悪乗りしちゃいました。
故に三話か四話かかるかもな()
久々に書いたもんで色々とあやふやだったわ()
次は何………年後になるかどうかも未定。
気まぐれでの更新だしさ。でもなるべく早めに更新する………たぶん。
それでも次回を御期待くださいなの。
それではまた次回お会いしませう。ばいばいっ。
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生徒会議事録 Extra_Edition
Level1 リンクする生徒会 ①
度々伏せ字として登場するSAO成分を多めに作ってみました。
なので、ソードスキル等は伏せずに行きたいと思います。
「これはゲームであって遊びではないのよ!」
会長が
てか、2017年で大体21歳くらいの茅場晶彦さんの名言じゃないか。
「と,いうわけで今日はこれを使ってVRゲームをやるわよ!」」
会長の宣言にガッツポーズを見せる私と真冬ちゃん。
歓喜の声を思いっきり叫びたい・・・・!
「会長をVRMMOの面白さの沼に嵌めて良かった!」と。
此処まで上手く行くとは・・・・・!(←確信犯)
まぁ、言わないけどね(笑)
言ったら大変なことになるし。
「言わぬが仏」ってやつだ。うん。
そして、「(゚Д゚≡゚Д゚)?」とか「(´Д`)ハァ…」とかな表情の残りのメンバー。
そんなのお構いなしに説明(今回の活動の趣旨とか)を続ける会長。
「やっぱり、こういうのは団結力を高める意味でも非常に大切だと思うのよ!」
会長の力説。
まぁ、間違ってはいないよな。間違っては。
「極稀にいい事言うね。会長さん。」
そういう感情が脳裏に浮かぶ私。
だが、声には出さない。だって面倒なことになるし。
そういうのは極力避けたいんだよね。うん。
スムーズに行くのがいいんですよ。ええ。
まぁ、あれだ。「言わぬが仏」ってやつだ。うん。(←2度目)
納得な表情を見せる私と真冬ちゃん。
「いや、そのりくつはおかしい」とか言いたげな残りメンバー。
そして会長は段ボールを机に置く。
箱には「精密機械在中」と書いてあった。
私はそれを見て「ナーブギア」かと思った。
だって、今はそれがVRゲーム機器の主流だし。
そんな私の予想に反して会長が段ボールから取り出したのは人数分の円環状の機器だった。
その機器は私・真冬ちゃんにとっては見覚えが有るものだった。
「湊先輩、これってまさか・・・・・・・」
「おそらくしなくともアレだよね・・・・」
「二人とも、見覚えがあるのかしら?」
私と真冬ちゃんの反応に疑問に思った知弦さんが質問する。
知弦さんの疑問の答えと言わんばかりに私と真冬ちゃんは機器の名称を言う。
『アミュスフィア』
「実在していたのか・・・・・・・」
「ああ。あたしも実物を見るのは初めてだぜ・・・・・」
私と真冬ちゃんの言葉を聞いてキーくんと深夏も驚きを隠せなかったようだ。
「何をそんなに驚いているのかしら?」
知弦さんはイマイチ理解できていないようだ。
「実物よく用意できましたよね、会長。どうしたんですか?」
「貰ったの。カヤバとか言う人に。」
「カヤバ・・・?」
どっかで聞いたことのある名前だね・・・・・。
「うん。アバター名はヒースクリフとか言ってた」
ヒースクリフって
「なんかね、赤い鎧着てた。そのアバター」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
会長の言葉に驚愕する私達。
そりゃそうだ。茅場晶彦やん。
あのSAOを作った天才プログラマーの茅場晶彦さんじゃねぇか!
この頃からアミュスフィア作るとか凄いわ。マジで。
そのままの勢いでオーグマーとかも開発しそうだな。
重村教授もいるっぽいし。
だが、オーディナル・スケールはまだまだ先の話だ。
SAO(無印)リリースも
ALOも更にその
その頃の私って何してんだろ・・・・。
まだまだ現役でアイドルとかやってるのだろう。
そして、ゲーマー度も進行中な私は間違いなくプレイするだろうな。
安定の全てを。
「ほら、さっさとダイブしちゃいましょ」
( ゚д゚)ハッ!・・・・
いけない、いけない。
自分の世界にバッチリと入り込んでたな。今。
ある意味危ない。
会長の言葉で現実に帰った私は机のアミュスフィアを手に取って頭に装着する。
「そういえば、会長」
「ん?どうしたの?ルカ」
「今から私達のプレイするVRゲームってどんなタイトルなんです?」
「えっとね・・・ないしょ」
「マジですか・・・・」
「ヒント言うなら、ルカが常連プレイヤーなVRMMOよ」
「そうですか」
「じゃ、もうそろそろダイブするよ?」
全員がアミュスフィアを装着し終わってあの言葉を言う。
「「「「「「リンクスタート!!!!!!」」」」」」
電脳空間に意識が移る。
目を覚ました私がいたのは、宿屋の一室だった。
取り敢えず、自分の姿を確認しておくか・・・・。
自分の今の格好はユウキ(ALO)の衣装で色違い。
白が基調で水色。
ゲームによっては「白の装束」とか呼ばれるあの衣装である。
髪の色は銀。そして蒼のメッシュが入る。
目の色は澄んだ
・・・・・・・。なんかどこかで見覚えあるな。この姿。
確証ないから、装備品とか見ておくか・・・・。
私はシステムウィンドを展開させる。
player_Name :Misia
Level:524
HP:45826/45826
SP:21742/21742
Skill (戦闘):片手剣術・両手剣術・二刀流・体術・戦闘時回復・ソードスキル冷却短縮・索敵・遠距離攻撃補正
Skill (Ex) :料理・調合・鍛冶
Skill (特殊):絶界の双聖剣・剣聖・冥界の射手
weapon:片手直剣>エリュシデータ・ダークリパルサー・カゲミツG7
両手剣>英雄剣デュランダル・オブジェクトイレイサー
弓>聖弓アッキヌフォート
ナックル>フィスト・オブ・ブルータル
銃>ウルティマラティオ・ヘカートⅡ・ベレッタM92F・デザートイーグル50AE
確認を終える私。
・・・・・・・・・・・・・。
めちゃくちゃ見覚え・心当たりありまくりだった。
いつも、ダイブしてやってるVRMMOのアバターそのものやん。コレ。
間違い無く「ソードアートオンライン・スヴェントヴィトストーリー」だ。
このゲームは例えるならSAO(無印)からデスゲーム要素を排除したようなものだ。
ヒースクリフもとい、茅場晶彦氏(21)によれば、
「私の理想とするVRMMOのαテスト以前の試作品だ」(←CV:山寺●一)
とのこと。
試作品と言いつつもかなりのクオリティを誇ってんだから、スゴイや。
茅場さんマジパネェっス。
などと誰に話しかけてるのかわからない説明をしていたら、メッセージが来ていた。
メッセージウィンドから先程の新着メッセージを開く。
メッセージの差出人はYukiとなっていた。
ユキ・・・・。あぁ、真冬ちゃんか。
もう準備とか出来てたんだ・・・・。早いな。
そう思いつつ、本文を見ていく。
シャロと噴水広場で待っています。
早く準備してきてくださいね。
Yuki
と書いてあった。
因みにシャロ・・・シャルロット(Charlotte)とは会長のアバター名の事だ。
会長を待たせ過ぎると大変な事になりそうだな。
ここはさっさと噴水広場に向かうのが懸命か・・・・。
そう思った私は装備欄から白いコートをオブジェクト化して装備し、噴水広場に向かう。
このコートはアインクラッドでキリトが着ていたコートの白色Verだ。
元々は黒色だったが、クエストで手に入る染色素材で白色に染めたものだ。
私の代名詞である「白の剣聖」の象徴でもあったりするんじゃないかな。
おっと、語っているよりか早く向かうことにしよう・・・・。
私は部屋を出て足早に噴水広場に向かった。
To_Be_Continued…
はい。いかがだったでしょうか。
このシリーズは「えくすとら。」なので、本編の合間に挟んで行こうと思っています。
何時もとは文字数が圧倒的に少ないのですが、展開のキリが良いのでこんな感じになりました。
連続でするかはまだ未定なので、次の「リンクする生徒会②」は何時になるかもわからないです。
それでは、また次回お会いしませう。
今天就写到这里,再联系!
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Level2 リンクする生徒会 ②
更新は不定期ですが今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
第一層 始まりの街 噴水広場
私が宿屋から待ち合わせの噴水広場に到着するとそこは私達と同じく誰かとの待ち合わせを行うプレイヤーで混雑していた。さすが、SAOSS随一の待ち合わせスポットなだけある。
さて、この中からCharlotte(会長)とYuki(真冬ちゃん)を探さねば。
私はターゲットマーカー上のプレイヤーネームを頼りに探す。
暫く探して私は Charlotte・Yuki この両名のマーカーを見つける。
「お待たせ。ごめん、ごめん。装備とかステの確認してたら遅くなっちゃって」
「ううん。別に構わないよ。知弦達もまだチュートリアル終わってないみたいだし。その間、ユキにアドバイス貰えたからね」
来るのが遅くなって謝った私をシャロ(会長)は許してくれた。・・・・良かった。
シャロのアバターの姿は翡翠色の髪(セミロング)で紅の瞳でアインクラッドにおけるシリカの服装(色はALO)にホロリアのフィリアの篭手をつけた感じの衣装である。
メイン武器は短剣(鎖付きで捕縛・広範囲攻撃可能)でサブ武器が槍と弓。
【蒼の武装巫女】という二つ名があったりする。
青色の衣装で巫女さんのような体躯から名付けられたものである。
実力の強さから武装という部分が後付けされた。
「確かにユキのアドバイスは確実ですからね」
「うん。【星詠みの天使】は伊達じゃないもんね」
「もう、そこまで持ち上げなくてもいいのに・・・・」
と謙遜するユキ。
ユキのアバターの姿は紅色の髪(ロング)で蒼の瞳でALOにおけるレインの服装にホロリアのストレアの篭手をつけた感じの衣装である。
メイン武器は二刀流でサブ武器が細剣と弓。
先程のセリフのとおり、【星詠みの天使】という二つ名があったりする。
天使のようなオーラとEXスキルの「魔法詠唱」の熟練度カンストから名付けられたものである。
それにこのソードアートオンライン・スヴェントヴィトストーリー(SAOSS)に存在する凡ゆる武器を難なく使用でき、尚且つソードスキルにも精通して、まさしくSAOSSの生き字引でもある。
そんな彼女に先程のシャロの様にアドバイスを求めるプレイヤーは多い。
「えっと、そういえば、キーくん達は?」
「
「しかもまだ終わってないみたいですし」
「あぁ・・・
「
「なんつーか、最初の鬼門だよね、
「うんうん。すんなり覚える人にはねぇ・・・・」
「そしてそれが終わるまで待っている人にとっても・・・・」
「「全くだよ(ですよ)」」
「本当にいくら、『バカ猿でも完璧に理解できる』っていってもねぇ・・・・」
「「「あの受講時間の長さはマジで有り得ない『初心者チュートリアル』」」」
私達SAOSS経験者組は声を揃えて言った。
このVRMMO、ソードアートオンライン・スヴェントヴィトストーリー(SAOSS)にも当然、初心者用にチュートリアルが存在する。
そのチュートリアルはこのゲームでは講義方式で行われる。
一言で初心者チュートリアルといえど、そのコンセプトも様々であるわけで。
「懇切丁寧」だとか「習うより慣れろ!」だとか・・・・他色々。
で、このSAOSSのチュートリアルのコンセプトは「どんなバカ猿でも完璧に理解できる」である。
そのコンセプトの真意は「どんなにオツムがアレ(つまりバカ)な人でも完全に理解出来るまで何度でも」というもの。
一見、聞こえがよくて素晴らしいものかと思う・・・・・
だがそれが罠だ。
バカな人が完全理解できるまでに同じ箇所を何度も行うのはいい。
だが、それをチュートリアル受講者全員に行う。
そう、一度で理解した人も巻き添えで。
だから、VRMMO慣れしている人にとっては退屈の何者でもない。
まさに地獄そのものである。
それ故に「バカには推奨できません・・・・てか絶対しないほうがええ(断言)」的な感じである。
そして、地獄なのは受講者だけではない。
そう。付き添いで来ている初心者チュートリアル受講済みのプレイヤー達もである。
メッセージ飛ばそうにもアドレス交換前にチュートリアル受講に向かってしまう為、飛ばせない。
故に「いつ終わるかわからない状態」でただひたすらチュートリアル終了を待つしかないのである。
チュートリアルが長くなればなる程、地獄の待ち時間耐久となる。
「ずっと待つのは時間の無駄」と思い、待ち時間の間に1クエスト完了させるプレイヤーもいるくらいだ。(中にはもっとクエ完了の数が多い奴もいるが)
結論から言って「受けるのも待つのも地獄チュートリアルなSAOSS」である。
それから45分後・・・・・。
ようやく終わったようだ。
「もぉ待つのは勘弁やぁ・・・・・。」というくらい待った。
時間の流れが
マジで
「今回は長かったね・・・・・」
「そうですね・・・・大体70分くらいでしょうか・・・・」
「つーことはいたんだな・・・・。バカが。だいたいそいつのせいだな・・・・」
「ボコってもいいよね・・?」
シャロが提案。
「「構わん。存分にやったれwwwww」」
私とユキは賛同。寧ろ煽る。
「・・・・・なに物騒なことで盛り上がってんだよ」
「一瞬アタシ達、合流する相手間違ったかと思ったぞ・・・・」
「街のど真ん中で恥ずかしいこと騒がないでよ・・・・・」
「「「いや、
「「「デフォなの!?」」」
合流してすぐの会話がツッコミ合戦からとか流石だね!碧陽学園生徒会!(褒めているか不明)
「ご苦労様。てかよく私達がここにいるってわかったね」
「あ、あぁ・・・・まぁ」
「ナイス直感よね私達・・・・・」
歯切れの悪いキーくんと知弦さん。・・・えっと、
コルとアイヴィーでいいかな。呼び方は。
・・・・?何か言えない方法で此処にたどり着いたのかなぁ・・・?
「ねぇ、お姉・・・・
「あーまぁ、『察せ』的な・・・・?」
「「「あぁ・・・・・・ソッチ系でかぁ。なんか納得だわ・・・・・」」」
呆れる私達だった。そら暴露できん方法だわ。なんとなく感づいてはいたけども!
まぁ、このことは置いといて。
コル・アイヴィー・サマンサの容姿説明しておくか・・・・・。
コル・・・Corneilleのアバター姿は白銀の髪(ヘアスタイルはほぼリアルと一緒)・蒼色の瞳。
服装はキリト(アインクラッド)のインナーにクライン(ALO)の服装を重ねた感じ。防具はキリト(GGO)といったところか。
メインの武器は片手直剣。場合によっては二刀流も可能・・・・。で、サブが刀と両手剣。
アイヴィー・・・・Ivyのアバター姿は薄紫色の髪を一部三つ編みで赤紫色の瞳。
服装はアスナ(ALO)ベースで色はKoB色。でHRのアスナの防具をつけている。
メイン武器は細剣。サブが弓と片手棍。
サマンサ・・・・Samanthaのアバター姿は金色の髪をポニテで翠色の瞳。
服装はサクヤベース。でHRのアルゴの防具をつけている。
メイン武器は両手剣。サブがナックルと両手斧。
成程・・・・。近接特化型か。
「んで、これからどうするんだ?」
「コル達に慣れて貰う為に討伐系のクエやろうかなって思ってる」
「それってイキナリ過ぎないかしら?」
「大丈夫だよ。私たちが付いてるし。あと、この方法が手っ取り早いから」
「へー。そうなのか。で、どのクエを受けるんだ?」
「今からそれを決める為に知り合いの情報屋のところに行くんだよ」
「「「情報屋???」」」
「そ。情報屋。私達の仲間にいるんだ。かなり有名な情報屋がね」
その情報屋・・・Argo(アルゴ)。通称・鼠のアルゴ。
容姿は・・・アレンジなしのそのまんま。服装はホロリアのものである。
私とはリアルでも知り合い。
そう彼女のリアルでの姿は私の幼馴染の笹倉伶音。
第九話で登場したクラスメイトで新聞部副部長の生徒。
「ねぇ・・・あれってアルゴじゃない?」
「アレ・・・?何時もと違って慌ててる感じがするけどどうしたんでしょうか?」
「あ、ホントだ。おーい、アルゴ。どったの?」
「あ、ミーちゃん。なぁどっかでウチの部長見なかったカ?」
「え、リリシアさん見てないけど・・・・って、あの人まで参加してんの!?」
「ああ、オレっちがダイブするのを目撃されてナ・・・・・」
「そのまま強引にアルゴとダイブしたと・・・・」
「ああ、その通りダ・・・」
「うわ、なんてリリシアらしいやり方」
「で、チュートリアル終わるの待たされてナ・・・・」
「まだあるんですか・・・・」
「チュートリアルが中々終わらない事にご立腹な様子でナ・・・・」
「なんか、今日のチュートリアルが長引く原因になったバカって・・・・・」
「その通りダ。ウチの部長が原因ダ」
「「「うわ、なんてあの人らしい・・・・・・」」」
その光景が目に浮かぶ。悲惨なくらい浮かぶ。
フルボッコにしていいかな?マジで。
「で、そのリリシアさんは・・・・?」
「こっちのアドバイスも聞かずに何処かに行っタ・・・・」
「バカだ。リリシアらしいけど」
「・・・ねぇ、アルゴ。まさかとは思うけれどリリシア先輩、1人でクエ受けに行ったんじゃ・・・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」
ユキの言葉に固まる私・シャロ・アルゴ。
有り得そう。あの人なら絶対ありそう・・・・・・・。
アルゴは即座に最近受注されたクエを調べた。
「・・・・・ユッキーの予想は大当たりダ。あのバカ部長一人でクエに挑んでル・・・・」
「で、そのクエスト名は・・・・?」
「えっとナ・・・・・『カウビーボアパニック』っていう
・・・・・・・・真性のバカだった。
何、複数人で行うクエを1人でやってんの!?初心者なのに!?
「アルゴ、そのクエの情報買いたいんだけど、料金は?」
「え、行ってくれるのカ?」
「当然でしょ。アルゴには世話になってるし、それに、リリシアのバカも反省させないとね」
「シャロ・・・・・」
「はい。このPTのついでにバカな先輩助けるだけですから、気にしなくても大丈夫ですよ?」
「ユッキー・・・・・」
「そういうこと。だから・・・・さ。」
「わかったヨ。これがそのクエの情報ダ。料金は感謝価格で
「カウビーボアパニック」の情報を確認し、シャロ達に確認を取る。
「準備とかできてるよね?」
「当たり前でしょ。ミーシャ」
「ええ。こっちも準備オッケーですよ。ミーシャ」
「うしっ!じゃあ、今からクエ始めるけれど、コル達は絶対に私たちから離れないでね」
「じゃないと、一瞬で死にかけるから」
「ちゃんと暴走しないことですよ?いいね?」
「「「アッハイ・・・・・・」」」
こうして、私達・碧陽学園生徒会全員での初クエ・『カウビーボアパニック(ついでにバカリリシアさんの救出)』が幕を開けた。
To_Be_Next_continued…
はい。2018年最初の投稿でした。
なんつーか、ほぼ風邪が治らないリアルで・・・・。
中々・・・・・。あれだな。インフルは絶対回避したい。
これ書いてて思ったけどさ、リリシアさん弄りやすくね?
なんか書いててすごく楽しい・・・・(Sじゃないからな!?)
この話の投稿日の5日後に、このSS初投稿から1周年を迎えます。
これからもこのSSをよろしくお願いします。
今天就写到这里,再联系!
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