堕天使の技術者 (寂しい幻想の刀鍛冶)
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① 動き出す技術者
堕天使の拠点の一室・・・
そこでは男女二人の堕天使が話しをしていた。
「はぁ?コカビエルがグレモリーの領地で暴れているから止めて来いですって?」
「あぁ、お前ならある程度のことにも対応できるだろう?」
目の前の人物に言われて、女はいら立ちを隠せなかった。
何故なら、自身の趣味の時間、ましては休日に命令されたからである。
だが、目の前の人物の命令を断る事は出来ない。
男と女は上司と部下という関係の為である。
「わかった、行ってあげる」
「そうか、なるべくコカビエルの奴を生きた状態で連れて来てくれ」
その言葉に女は手御あげて答えると部屋を出て行った。
心の中でコカビエルを半殺しにする事を考えながら・・・・・・
~・~・~・~
駒王学園の生徒会達が結界の中ではぼろ負けのグレモリー達と死んでしまったバルパー、それを高笑いしながら見ているコカビエルがいた。
「本気を出せばこんな物か・・・」
そう言いながら、光の槍を生み出してグレモリー達に止めを刺そうとしたその時、『ガオンッ』という音と共にコカビエルの翼が全て消失した。
そのため、宙に浮く事が出来なくなったコカビエルは地面へと落ちた。
「グッ、こ、この感じは・・・まさか彼奴が来ているのか!?」
『コカビエル、覚悟は出来ているかしら?』
自身の状態と先程の声を聞き、何者がこのような事をしたのかを察したのか驚きと恐怖が混ざったような表情を浮かべた。その者の機嫌を損ねた者の中には、引きこもりになった者もいれば、自分から死ぬ事を選んだ者もいるからである。
すると、コカビエルの前に堕天使の女が右肩にサングラスをかけた赤ん坊をのせて突然現れた。
怒りの表情とと共に・・・・・・
「あ・・・あ、ぁ・・・・・・」
それを見てコカビエルは『あ、オワタ』と思った。
すると女は魔法陣を足下に描くと、そこからハートが模られた鎧を纏った男が現れた。
「突っ切って・・・、ブチのめすッ!!『クレイジーダイヤモンド』!!」
『ドララララララララララララララララララララッ!!』
『クレイジーダイヤモンド』のラッシュをくらったコカビエル。これによって、学校の壁へと直撃した。
砂煙が晴れるとそこには意識を失って壁へと埋まっているコカビエルがいた。
「『クレイジーダイヤモンド』、あの子達も直してあげなさい」
女の指示を受けて、『クレイジーダイヤモンド』はグレモリー達の下へと向かった。
始めは警戒していたが、グレモリーの女王が・・・
「皆さん、あの方は大丈夫ですわ」
触れられると体の傷が治っていたため警戒を解いた。
その間に女はコカビエルを左肩へと担いでいた。
「この度は家の者が失礼した、リアス・グレモリー・・・」
堕天使の女はそう言いながらグレモリーの女王、姫島朱乃をチラリと見るとすぐにリアスへと目線を戻した。
「それでは、これにて失礼します」
そう言い女はその場から消えて行った。
+人形説明+
『ガオンッ』
名前:クリーム
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
能力:空間を削る
サングラスをかけた赤ん坊
名前:アクトン・ベイビー
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
能力:物と生物の透明化
『ドララララララララララララララララララララッ!!』
名前:クレイジーダイヤモンド
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
能力:破壊したものを直す
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② 堕天使の総監
「これでよかったのかしらアザゼル総監」
そう言いながら女は気絶しているコカビエルをアザゼルの前へと突き出した。
「あぁ、ご苦労だったな
「まったくよ。それで、今回の事が切っ掛けで何が起こるのかしら総監?」
紅葉はまるで御見通しだという様にアザゼルに尋ねた。
それを聞きアザゼルは真剣な表情を浮かべて言った。
「少ししたら悪魔、天使、堕天使で会議が行われることになる。その時に和平を結ぶ」
「なるほどね。総監、貴方態とコカビエルを見逃していたわね?」
「・・・・・・それについては黙秘させてもらう(汗)」
紅葉はアザゼルの様子を見てため息をついた。
それを見たアザゼルは話をそらすために紅葉に尋ねた。
「それより、久しぶりに妹と再開してどうだった?」
「あぁ、悪魔になっても元気そうだったわよ。まぁ、まだ父さんの事を許せない感じね。
紅葉の報告を聞き、アザゼルは、残念そうな悲しそうな表情を浮かべた。
「そうか、休日に働いてもらって悪かったな。もういいぞ」
「了解」
紅葉がそう言い部屋を後にしようとすると、アザゼルは思い出したように呼び止めた。
「あ、紅葉。お前、今度行われる三大勢力会議に出席してもらうからな?」
「はいはい、わかりましたよ~」
アザゼルの言葉を紅葉は軽く返事をしながら、手を振って部屋を出て行った。
それを見送ったアザゼルはため息を吐いて椅子に座った。
「彼奴等の母親が殺されたのは、紅葉に俺が興味を持ってバラキエルの奴に会わせてくれって頼んだのが原因だ。それで、バラキエルの家族内で不仲につながってしまった・・・」
そう言い、公開をしている様な表情を浮かべた・・・
紅葉が小さい頃、色々な物を作っているとバラキエルから聞いたアザゼルが興味を持ち、バラキエルが紅葉を連れてアザゼルに会いに行っている間に、バラキエルと妻である姫島朱璃が付き合っているのを気にくわない姫島家の者に朱乃を庇って朱璃が殺されてしまった。その後すぐに駆け付けたバラキエルを朱乃が拒絶して、家を出て行ってしまったのだ。紅葉は幼いながらも、自身が原因で父が家から離れた為に、母が殺されてしまって、妹が家を出て行ったことを理解した。そのため、バラキエルと紅葉は不仲ではない・・・
~・~・~・~
部屋を出た紅葉が廊下をしばらく歩いていると、壁に背を預けて立っている少年が目に入った。
それを確認した紅葉はめんどくさいと思っている事が分かる表情を浮かべながら声を掛けた。
「あら、戻って来ていたのね白龍皇」
「あぁ、ついさっきな。それと、ヴァーリって呼んでくれって言っただろ。まぁ、それは置いといて、面白い事があったみたいじゃあないか」
「私にとってはめんどくさい事よ(貴方と関わるぐらいにね・・・)」
「ふぅん・・・・・・そうか、此処にお前がいるという事はコカビエルを倒したようだな」
「えぇ、抵抗されると面倒だからね。私の人形で殴り飛ばしたわ」
「相変わらずの秘術力だな。手合せ願いたいものだ」
「いやよめんどくさい」
そう言い紅葉はヴァーリの横を通り過ぎて行った。
「まぁ、否応にも戦う事になるだろうがな・・・・・・」
ヴァーリの呟きに気付く事無く・・・・・・
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③ 三大勢力会談前
「はぁ!赤龍帝の子と随分前から接触していたですって!?」
「あ、あぁ・・・、契約者として接触していたんだよ・・・」
堕天使領のとある一室でアザゼルと紅葉の二人が話しをしていた。
アザゼルの話を聞き紅葉は、頭を抱えた。
赤龍帝が悪魔になった原因を作ったのは唯でさえ堕天使が原因なのに、その堕天使の総監が契約者として接触していたとなると、堕天使側の立場が悪くなる一方なためである。
唯でさえコカビエルの事があるというのに・・・・・・
「はぁ・・・、それで、もう身元を明かしたのか?」
「いいや、まだだ。次回呼んだ時ぐらいにばらそうと思っているが・・・・・・」
それを聞き紅葉は、魔法陣を展開してある物を取り出した。
「それなら、これを渡して貰えるかしら」
「こ、これは・・・・・・」
それを見てアザゼルは紅葉の考えを理解した。
それは限りなくグレーの中でも黒に近い行いだ。
だがアザゼルは・・・
「いいぜ、今度の報酬として渡して置いてやる」
「お願いね。いざという時に役に立つと思うから・・・・・・」
そう言い紅葉は部屋を出ようとしたが、何か思い出したようにアザゼルに尋ねた。
「そう言えば総統、白龍皇を見ないけど何処にいるのかしら?」
「あぁ、彼奴なら何処かに出かけるって言って何処か行ったけど・・・」
「そうか・・・・・・」
それを聞き、紅葉は嫌な予感が通り過ぎた。
気のせいだと思いつつ部屋を後にしたのだった・・・
~・~・~
それから数日後の駒王学園の旧校舎・・・
そこでは、リアス達オカルト研究部のメンバーが集まってるのだが、リアスの機嫌がよろしくない様で・・・
「冗談じゃないわ!!」
リアスは怒鳴った。その理由は一誠の契約者が堕天使総監であるアザゼルだった為である。
「いくら、天使、堕天使、悪魔の三すくみのトップ会談がこの町で行われるとはいえ、突然堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて!!」
「落ち着いて頂戴リアス」
朱乃がリアスに落ち着くように声を掛けるがリアスは続けて・・・
「しかも私の可愛いイッセーにまで手を出そうなんて!!」
『アザゼルは昔からああいう男だよ・・・リアス』
不意に声が響き渡る。
それと共に魔法陣が浮かび上がり、そこから一人の男とメイドが姿を現した。
「お、お兄様!?」
「ま、魔王様!?」
リアスと一誠が驚きの声を上げて、直ぐにゼノヴィアを除くリアス眷属が跪いて礼を示す。
それから、色々と話し合いをし、三大勢力のトップ会談を駒王学園で行う事をサーゼクスは伝えた。
三大勢力のトップ会談・・・それはつまり悪魔、天使、堕天使のトップが集い、話し合いをするということだ。
それを伝えた後、サーゼクス達は一誠の家へとお邪魔するのであった・・・・・・
~・~・~
「そう言えば、一誠君」
「どうしたんだ木場?」
「堕天使総監から今回は何を貰ったんだい?」
「あぁ、部長に渡したから部室にあるけど、ミニチュアの******だったよ・・・・・・」
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④ 三大勢力会談
夜、駒王学園の本校舎の一室に明かりが灯されていた。
部屋の中には丸いテーブルがあり、ここで三大勢力の会談が開かれる・・・・・・
既に各勢力の代表と護衛は到着しており、残るは今回の会談のきっかけとなった堕天使コカビエルと戦ったリアス・グレモリー達のみである・・・
堕天使の護衛としてきている紅葉は隣に子供位の大きさのマントを羽織って、本を読んでいるものの様子を見ながら、ヴァーリが不審な動きをしないか警戒していた・・・・・・
それから数分してリアスとその眷属達が入って来たが、その中には小猫とギャスパーはいない。
ギャスパーの神器が暴走して止めてしまわない様に部室で待機している。小猫はその付添いである。
それを確認したサーゼクスは・・・
「皆揃ったようだね。では会談を始める前に大前提を確認しよう。此処に居る者は聖書の神の死を知っている」
そう言い会談を始めた。
リアス達から当時の状況を説明を聞いた。
「ご苦労だったね。それで、堕天使から何か弁明はあるかい?」
「あぁ、それについてはコカビエルが勝手にやった事でこっちは知らなかったから援助を送るのが遅くなったんだ」
「それで送られてきたのが彼女か・・・・・・」
そう言いながらサーゼクスは紅葉へと目を向けた。
それを見て、アザゼルは彼女のについて説明し始めた。
「そいつは紅葉、うちで技術者として働いている奴でな、その開発した物で戦うのを得意としている」
アザゼルの説明を聞き、リアスの横にいる朱乃が反応したが、気付くものがいなかった。
「それよりも、コカビエルの事だ。詳しい事はそこに書かれている」
そう言いながら、あからさまな話のそらし方をしたが、周りは気にせずその流れに乗った。
「確かに、内容は確認した。それよりもアザゼル、1つ訊きたいのだがどうしてここ数十年神器所有者をかき集めている?最初は人間たちを集めて戦力増強を図っているのかと思っていた。天界か冥界かに戦争をしかけるのではないかとも予想していたのだが」
「そう、いつまで経ってもアナタは戦争をしかけてこなかった。白龍皇を手に入れたと聞いた時には強い警戒心を抱きましたよ
サーゼクス様が問い、それに追随する形でミカエルが問う。
「別に?俺が神器を集めてたのは研究の為さ。なんなら、一部研究資料もお前たちにおくろうか?ってか、研究していたとしてもそれで戦争なんざしかけねえよ。戦に今更興味なんてないからな。俺は今の世界に十分満足している。・・・・・・にしても俺の信用は三竦みの中でも最低かよ」
「それはそうだ」
「そうですね」
「その通りね☆」
「チッ、神や先代ルシファーよりもマシかと思ったら、お前らもお前らで面倒な奴らだ・・・、こそこそ研究するのもこれ以上性に合わねぇしなぁ・・・・・・、もう面倒だ和平を結ぼうぜ?」
そんな彼らの反応を受け、探り合いに疲れたのかアザゼルは思い切ってぶちまけた。
「次に戦争をすれば、三竦みは今度こそ共倒れだ」
アザゼルのその言葉に対して周りの者から異論はでなかった。
「なら、話し合いもだいぶいい方向へ片付いてきましたし、そろそろこの世界に影響を与えそうな二天龍にお話しを聞いてもよろしいかな」
そう言いながらミカエルは一誠とヴァーリを見た。
「俺は強い奴と戦えればいい」
ヴァーリからはシンプルに一言。
彼にとってこの会談はどうでもいいと思っているようだ。
「君はどうなんだい?イッセー君?」
「え?俺!?」
突然振られたイッセーは慌てながらも何か言おうと考えている。
その時、紅葉の横に座っているものが言葉を発した。
『予言が出たよ。旧校舎にいる吸血鬼の力が暴走してこの辺りの時間が止まる。そして、魔法使い達が襲撃してくるよ』
その発言を聞き周りは驚いた。
それと同時くらいに数人の人物たちが動かなくなった・・・・・・
人形説明の前に報告させていただきます。
活動報告の方で人形として出してほしい方を募集しています。
詳しい事は『人形について』をご覧ください。
報告は以上です。人形説明の方をどうぞ。
+人形説明+
『予言が出たよ』
名前:トト神
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
能力:少し先の未来を本に絵として浮かべる
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⑤ 襲撃
突如、学園の時が停まる。
動ける人員は三大勢力の首脳陣とリアスと一部眷属、ヴァーリと紅葉だった。
だが、紅葉の隣には先程の少年人形はおらず、代わりに銀髪のメイド服を着た人形が立っていた。
少しすると一誠が動き出した。
「お、赤龍帝は動けたか・・・外を見てみな」
アザゼルにそう言われ一誠は窓の外を見た。
そこには上空に巨大な魔方陣が出現しそこから無数の魔術師達が現れている。
「やれやれ、テロリストどものお出ましか」
「禍の団カオスブリゲード・・・・・・」
アザゼルの言葉に紅葉はあらかじめ聞かされていたように反応した。
周りの様子を見てリアスは、この現象について理解した。
「これは・・・ギャスパーの・・・・・・」
「どうやら、あの吸血鬼の神器が暴走したか、させられたらしいな」
そう言いながら
「他に動けるのは、騎士の二人か。二人は咄嗟にお互いの獲物を出して、邪眼の能力を無力化したようだな」
そう、ギャスパーの暴走により大半の人物が止まってしまっている。
その間にも魔術師たちが迫ってきている。
「旧校舎のテロリストごと問題になっているハーフヴァンパイアを吹き飛ばした方が・・・・・・」
早いんじゃないか?と言おうとしたヴァーリであったが、その言葉は続けられなかった。
それは紅葉が余計な事をするんじゃないというように殺気を出して来たためである。
その様子を見てサーゼクスはギャスパーの救助をした方が良いと考えた。
「そうだな。まずはギャスパー君を助け出さねば・・・。我々は結界の維持のために、ここから離れるわけにはいかない・・・」
「お兄様、私が行きます。私が責任をもって、下僕を取り戻しますわ」
強い意志を瞳に乗せたリアスがサーゼクスの前に進み出てそう言った。
だが、その直後に「ピピッ」と音がした。
その音に周りが音のした方を向くと、そこには紅葉が立って居り、その本人は無線に出ている様だった。
『こちら、バッド・カンパニー。対象の救出に成功しました』
「ご苦労様、引き続き警護をお願いね」
『了解』
「お、どうだった?」
「救助に成功した様よ」
今さっきの事を気にせず、何をしていたのかわかっているかのようにアザゼルは尋ね、それに紅葉は答えた。
その応対を見て、リアスは尋ねた。
「さっきのは一体・・・」
「あぁ、この前赤龍帝に対価としてあげたやつ。あれは此奴の発明品でさ、それを此奴が操って旧校舎の奴らを助けたってわけだ」
「えぇえ!?あの軍隊のミニチュアが!?!?」
「そう、軍にして個の人形、バッド・カンパニー!!」
そう言いながら紅葉はポーズを決めた(ジョ〇ョ立ち)。
「てなわけで、吸血鬼達は助けに行かなくても大丈夫と言う訳だ。てことで、ヴァーリと紅葉、彼奴等の相手をして来い」
そう言われて、ヴァーリは黙って頷くと、神器を出して外へ出た。
紅葉の方は、銀髪の人形、十六夜咲夜を出したまま、次の人形を出現させた。
それは、大柄の男の人形・・・、特徴としては髪がとげとげでその先に鈴が付いており、右目に眼帯を付けていた。
そして、右手には刃こぼれが激しい刀を持っている。
「武士人形、更木剣八・・・行きなさい!!」
紅葉がそう言うと、更木剣八は外へと飛び出し魔術師達を切り捨てだした。
すると、会場の中央に魔法陣が浮かび上がった。
それを見てサーゼクスが反応した。
「これはレヴィアタンの魔法陣・・・」
「御機嫌よう、現魔王サーゼクス殿、セラフォルー殿」
魔法陣から現れたのは褐色肌に眼鏡の女性が現れた。
感じられる魔力こそサーゼクスやセラフォルーにも劣るが、上級悪魔であるリアスやソーナを軽く上回っている。
「あ、あなたがどうしてここに!?」
「先代レヴィアタンの血を引く者・・・・・・カテレア・レヴィアタン!」
そう、彼女は旧魔王の血を引く悪魔、カテレア・レヴィアタン。
この場にいるセラフォルーに魔王の座を奪われた者である。
「三大勢力のトップ全員が共同で防御結界! ふふ、なんと見苦しいのでしょう!」
「どういうつもりだ、カテレア」
「この会談の、正に逆の考えに至っただけです。神も魔王も居ないのなら、この世界を変革すべきだと」
「っ! カテレアちゃん! やめて!! どうしてこんな・・・こんなことを!」
セラフォルーの悲痛の叫びに対して、同じレヴィアタンの名を持つカテレアは心底不愉快だという表情を浮かべた。
「セラフォルー・・・・・・私からレヴィアタンの座を奪っておいてよくもぬけぬけと!」
カテレアがそう言った瞬間、彼女の周りにナイフが出現して、彼女を串刺しにした。
「・・・ガハッ、な、何が・・・」
「今の状況からして貴方が敵と判断したため攻撃しました」
そう、今のナイフは紅葉の人形による攻撃だった。
そして、その横には三角の様な被り物を被っており、背中にはタンク、手の甲には時計がついている人型の人形が出現していた。その人形と咲夜の手には先程と同じナイフが握られていた。
だが、串刺しにされたはずのカテレアから魔力が噴き出した。
「まさか、こんな序盤に使う事になるなんて・・・・・・」
「なるほど、オーフィスの蛇によるドーピングですか・・・、ザ・ワールド!!」
紅葉がそう呟くと共に人型の人形、ザ・ワールドがカテレアの傍に現れて、会場の外へと殴り飛ばした。
それに続くように紅葉はザ・ワールドと咲夜を引き連れて外へと出て行った・・・・・・
+人形紹介+
名前:バッド・カンパニー
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
能力:歩兵60体、戦車7台、戦闘ヘリ「アパッチ」4機、グリーンベレー1体による軍隊攻撃
名前:十六夜咲夜
登場作品:東方Project
能力:時を操る程度の能力
名前:更木剣八
登場作品:BLEACH
能力:馬鹿力による刀による攻撃
名前:ザ・ワールド
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
能力:時間を止める能力
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⑥ 裏切り者
外へと殴り飛ばされたカテレアは空中で何とか立ち直し、自身の状態を確認した。
「クッ!?(肋骨が二、三本持ってかれたですって!?オーフィスの力で強化していたのに!?)」
その事に驚いていると、また、目の前にナイフが複数飛んで来ていた。
それをカテレアは自身の羽を強化してガードした。
羽を退けると目の前にはザ・ワールドが拳を振り上げた状態で立っていた。
「なっ!?(ガードが間に合わない!?)」
『無駄っ!!』
ザ・ワールドの拳を受けてカテレアは後ろへと吹き飛んだ。
その先には十六夜咲夜が先回りしており、ナイフをカテレアに向かって投げ飛ばし始めた。
カテレアはなすすべなくナイフが体中に刺さった。その瞬間、カテレアは異常なほどの痛みを感じた。
そう、このナイフは唯のナイフではない。紅葉の手によって光の力を宿している特別性であり、対悪魔用の武装だったのだ。
「ガハッ!?(バ、バカな、こんな筈では・・・)」
重症になり、動く事が出来なくなったカテレアを拘束しようと、紅葉はザ・ワールドと咲夜を後ろに待機させながら近づこうとしたら、横から魔力弾が飛んで来た。
『無駄無駄無駄無駄っ!!!!』
それに気づいた紅葉はザ・ワールドを操り、拳で弾き飛ばした。
そして魔力弾が飛んで来た方を見るとため息を吐いた。
「やっぱり裏切っていたのは貴方だったのねヴァーリ・・・・・・」
「なんだ、気付いていたのか・・・」
「この状況下で反旗か?ヴァーリ」
「そうだよ、アザゼル」
校舎内にいたアザゼルがヴァーリへと問い掛けた。
自身が息子の様に育てて来た者が敵に回ったため彼の心情は複雑である。
「俺もやきが回ったもんだ・・・・・・いつからだ?ヴァーリ」
「紅葉がコカビエルと戦っている間にオファーを受けたんだ。悪いなアザゼルこっちのほうが面白そうなんだ」
「白龍皇がオーフィスに降るのか?」
「関係ない。俺は永遠に戦えればいい」
「やはり戦闘狂だったか・・・、私の考えとは相いれないわね」
ヴァーリのセリフを聞き紅葉はそう零した。
その後ヴァーリは、笑みを浮かべてこう言った。
「俺の名前は『ヴァーリ・ルシファー』、死んだ先代のルシファーの血を引く者だ」
その言葉を聞き堕天使陣営以外の者達に疑問が浮かんだ。
神器は人間にしか宿らない筈・・・
それが分かっているのかヴァーリは説明を始めた。
「俺は孫である父と人間の母との生まれた混血児・・・・・・半分人間だから神器は手に入った・・・・・・偶然だがな。でも俺はルシファーの真の血縁者であり、白龍皇でもある」
「ウソよ・・・・・・」
リアスは信じられない顔をしてた。
「事実だ。俺の知ってるなかでは過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇だ」
リアスの考えを否定するようにアザゼルがそう言った。
その過程を横目に見ながら紅葉は横に運ばれてきたカテレアを縛り上げていた。
「・・・何時の間にカテレアを回収した?」
「この子達に頼んだのよ?」
そう言いながら紅葉は自身の足下を指差した。
そこには四本の手が生えた小さな人形が沢山いた。
「軍隊型人形、ハーヴェスト。物を運ぶのが得意な人形よ」
ヴァーリの質問に答えながら紅葉はカテレアを縛り終えた。
それを咲夜に預けると、ヴァーリの方へと向いた。
「さて、総統は下がっていて下さい。此処は私が相手します」
「・・・いいのか」
「えぇ、こちらの陣営の事は私達で対処させていただきます」
そう言いながら紅葉はザ・ワールドと共にヴァーリへと向かって行った・・・・・・
+人形説明+
名前:十六夜咲夜
登場作品:東方Project
能力:時を操る程度の能力
名前:ザ・ワールド
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
能力:時間を止める能力
名前:ハーヴェスト
登場作品:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
能力:約500の大群での的確な操作と物を集める
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