アカメが斬る!の世界で頑張ってみる (アランベール)
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プロローグ


処女作で初投稿です。




 「おーい聞こえている?もしもーし?」

 

 高い声で話しかけているのが聞こえる。いったい誰に話しかけているのか俺にはよく分からないが、どこまでも真っ白な部屋に俺はいる。真っ白なのに部屋だと分かるのはガラスみたいな透明な壁が四方に点在するためそう判断した。

 閉じ込められた?俺は閉じ込められるようなことをやってないはずだ。そもそもこんな真っ白な空間なんて世界中探してもないはず・・・

 

 「ちょっと聞いてますっ!?しかも何で冷静に分析してんの!?普通そんな態度とらないよ!」

 

 「うるせぇちょっと黙って・・・誰だ?」

 

 「うるせぇって何よそれ!それに反応が遅いよ!まったくもう。あ、それじゃあ本題いくから話を聞いててね」

 

 本題って・・・。俺の質問に答えろよ。しっかしなんで白いシルエットが立って話しかけてくるんだ?

 

 「私は神よ!真っ白なのはここが生と死の狭間の空間だからね。」

 

 神とかほざくおそらく俺より年上の女性に哀れみの目を向けつつ、先ほど言っていた言葉から想定できる事態を考える。浮かんでくるのは三つほど。

 

 ①ここは俺の夢の中で俺の密かな夢を見ている状態

 

 ②厨二病の愉快犯による誘拐

 

 ③本当に生と死の狭間にいる

 

 自分で考えていながら①以外ありえないと思う。いや②とかあったら本当に怖い。③よりもよっぽど怖い。だって苦痛を長い間与えられるかもしれないから。

 

 「疑っているわね。まあ当然よね、いきなり言われてもはいそうですかとはいかないもの。だからあなたがここに来る少し前を見せてあげるわ」

 

 ・・・ちょっと待てよ。心を読んでるのか?俺は一言もしゃべってなああああぁぁぁぁぁぁ!

 

 三十分後

 

 「ああぁ!理解したよ!俺は死んだんだな!それが手っ取り早いのも分かる。だがなぜ激痛をセットでよこす!?合計値で言えば死んだときより痛ぇぞ!」

 

 あまりの痛さにのた打ち回り痛みが落ち着いた俺は腰を下ろして怒りを露にする。そんな俺をフッと神は鼻で笑い口を開く。

 

 「人を馬鹿にしたり、話を聞かない罰よ」

 

 と事も無げに言い、嬉しそうな笑みを浮かべる。

 

 耐えろっ!!今挑発に乗ってもロクなことがねぇ。ちゃんと話をしよう。そうだ、今重要なことはこれじゃない。我慢だ。

 

 「話を聞いてくれそうで良かったわ。じゃあ説明するわね。あなたは亡くなりました。これは神々の遊びによる弊害ね。これ放っておくと世界が滅んじゃうから。その対策として犠牲になった人々を神々の手の届かない場所で新たな人生を送ってもらうの。もちろん記憶は無しよ」

 

 「神は邪神しかいねぇのかよ。話からすると俺もそのようになるのか?」

 

 神は顔を少し歪め、紙を取り出す。

 

 「あなたはちょっと特例なのよ。今私紙持っているでしょう。これはあなたのすべてを握っているものよ。この紙は今までなかったのだけれど神々が手を出されないように創ったのよ。そのおかげで今までの方じゃ対処しきれないのよ。そこであなたには転生してもらうことになったってわけよ。特典もあげるわ。六個までよ。これが私の限界。あ、そうそうあなたはアカメが斬る!だっけ?その世界に転生することになってるわよ」

 

 たっぷりとフリーズした後俺は少し考え腰を上げた。

 

 「特典はどんなものでもいいのか?」

 

 「ええ、いいわよ。ただし神を超えた力とかは無理よ。私が持ってないし」

 

 「それだけ聞ければ十分だ。じゃあ紙に書くから、紙をくれ」

 

 神から紙を受け取ると俺はすぐに書き神に渡す。丁寧にボードも一緒に渡してきてくれたのは助かった。

 

 「へぇ・・・いいわ。これで問題はないわね」

 

 神が感心しているようだが俺が書いたのは至って普通だ。

 

 ①ONEPIECEの三つの覇気の最高レベルの才能と習得

 

 ②オペオペの実の能力

 

 ③カエル顔の医者の医療技術と器具

 

 ④鍛えれば鍛えるほど成長する体

 

 ⑤こっちの生活必需品や娯楽品

 

 ⑥体術や剣術の修行

 

 アカメの世界って死亡率ものすごく高いからこれくらい必要だろ。とりあえずあっちで頑張ってみる。あ、修行がまだあったわ。

 

 

 

 

 

 

 

 




完結までいきたいです。




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一話



原作に早くいきたかった。


 「生まれたか!よく頑張ったなソフィア!」

 

 ソフィアは子供を抱きかかえ男にゆっくりと渡す。

 

 「男の子よイアン。名前はユミト。私たちの大事な息子」

 

 「ああ、立派に育つだろう。なんたって俺らの子供だからな!」

 

 

 

 

 

 

 十二年後

 

 

 「ユミト?何してるの?」

 

 「瞑想をやってたんだ」

 

 「瞑想?」

 

 と純粋な疑問をぶつけてくるのはユミトの幼馴染のクライヴ。そのあまりの純粋さに心が温まり、心なしか頬が緩む。ユミトの顔がにやけていることに気が付くと不満げな顔をする。

 

 「なんでにやけているのさ。あ!そうだユミト。村長が呼んでたよ。話があるんだって」

 

 「わかった。すぐ行くよ」

 

 ユミトは雪を払い落としながら立ち上がり村に戻っていった。

 

 

 ユミトは転生者だ。神から六つの特典を貰い転生した。修行をして強さと医者としての技量を手に入れたが、まさかの赤ちゃんスタートだったためだいぶ鈍っている。そのため毎日村で手伝うことで体作りの修行としていた。村は辺境にあり、危険種も見かけることがあった。そのまま村を襲おうとした奴もいたが覇気、鍛えれば鍛えるほど強くなる体、剣術や体術のおかげで楽に倒せた。疫病もあったがさすがカエル顔の医者の医術。死人が一人も出なかった。オペオペの能力と医術はばれないように使ってきたのでばれてはいない。しかし見せた部分でも十二歳ではとても優秀だったらしい。ユミトはそうは思っていないようだが。(エスデスやナイトレイドを基準に考えているため)

 

 ユミトは獣道を突っ切り、一直線に村へ戻っていた。考えていたことといえば

 

 呼び出しっていったいなんだ?危険種討伐とかか?

 

 といったことである。途中危険種にも会ったが一太刀で死んだので気にしていない。

 

 

 

 「ユミトや。お主はこの村で一番強い。危険種も苦労せず倒せる。お主なら将軍にもまちがいなくなれるじゃろう。本来ならあと四年待つのじゃがもう村は限界じゃ。帝都で仕官して村を救ってくれぬか」

 

 ユミトは何も反応を示さないが内心焦っていた。

 

 マジで?帝都行くの?絶対殺されるでしょ。でも村が限界なのも本当だしな。父さんも母さんも二年前に危険種で即死だったし、飢え死にする人も出始めてる。・・・行くか・・・・・・はぁ・・・・・・

 

 

 

 頑張って一兵卒から手柄をあげたら帝国一の剣士になった。軽く言っているけど結構大変だった。将軍になってからは肉体的苦痛より精神的苦痛がやばかった。なんたってあの大臣がいる。それがどれほどやばいか実際に会うとよくわかる。エスデス将軍とは関わらないほうがいいとほんとよく分かる。ナジェンダ将軍は優しかった。二人とも美人なのにまったく印象が違うのは性格のせいだろう。

 

 「――ミト将軍!ユミト将軍!聞いておられますか!」

 

 部下の声により現実に引き戻され、そちらを向くとびくっとされた。

 

 そんなに怖いのか俺・・・

 

 「それで何の用件だ」

 

 「はっ、大臣がお呼びです!」

 

 気を取り直して用件を言うように促したら大臣からの呼び出しだという。そろそろ帝国をやめるかと思いつつ大臣の部屋に向かう。

 

 「ヌフフフよく来ましたねユミト将軍。今日はあなたに話しがありましてね」

 

 相変わらずの気持ち悪さを大臣から感じるユミトだったがそれを感じ取らせないようににこやかに答える。

 

 「話とはいったい何でしょうか?あまり時間がないのですが」

 

 「そうですか。では手短にしましょうか。・・・将軍は医術の心得もあるとか、始皇帝の求めた不老不死についてどう思いますか?」

 

 音を立てながら大臣が肉を咀嚼する音だけが部屋に響く。ユミトはほうっと息を吐く。

 

 「それは誰であろうと不可能ですよ。用件はそれだけですか?それならば帰らせてもらいますが」

 

 「ええ、結構ですよ」

 

 表情を変えないままユミトは部屋から出て、大きな音を立てて扉を閉めていった。

 

 「・・・不老不死・・・・・・心当たりがあるようですねェ・・・」

 

 ・・・帝都から今日中に出なければいけないな。おそらく感づかれた。エスデスに見つかったら余計たちが悪い。

 

 

 「国家反逆を企んだ罪人ユミトを捕らえろっ!」

 

 ちっ、手を打たれたか。だが逃げ切れる。

 

 「絶対に逃げる。死んでたまるか!」 

 

 

 




次からは原作突入します。





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二話 ナイトレイド

気合入れて書いたら凄い文字数に・・・・・・
ちなみに後悔はしてません。
誤字脱字、感想なんでもお待ちしております。
では本編です。



音を立てながら揺れる馬車の中にいびきをかいて気持ちよさそうに寝ている青年。彼を同じ馬車に乗る者たちは獲物を見るような目で見続けている。彼らは盗賊まがいのことを何度もやってきて成功を収めている猛者だ。今回もいいカモがやってきたと思ったのだが、中々手を出せないでいる。なぜならその青年は帝国一の剣士で元将軍の超人。寝てはいるが修羅場をくぐってきた者ならではの威圧感を放ち続けている。先ほどから手を出そうとするが青年が寝返りを打つたび慌てて元の位置に戻るのを繰り返している。その中の一人の男がついに痺れを切らしナイフを青年に突きたてようとする。

 

 「人がゆっくり寝ていただけなのに俺を殺そうとするは・・・ずいぶんと久しぶりに帝都に戻ったがやっぱし治安悪いなぁ・・・」

 

 青年がいつの間にか刀を引き抜き、腕を切り上げた。鮮血が噴出し、壁を赤く染める。

 

 「へっ?あ、ああ・・・?ぐ、ぐがあぁぁあああああああっ!!」

 

 男は自分の腕が飛ぶまで斬られたことを認識できずにいた。自分はそれなりにできると思っていたからこそ目の前の光景が信じられなかった。確実に熟睡していたはずの者が一瞬で目を覚まし、さらには目で追えない速さで刀を抜いた上で斬りつける。男は痛みに悶えながら体勢を立て直そうとするが、青年は続けざまに蹴りを叩き込み馬車に大きな穴を開け男を吹き飛ばした。

 

 「ッ!『人間帝具ユミト』の名は伊達ではないか・・・だが狭い馬車の中では自慢の剣も力半減だっ!寝てる間には仕留められなかったが仕方ねぇ。殺っちまえ!!」

 

 わずか数秒の間に仲間がやられて焦る男は命令を下す。しかし考えが足りなかった。仲間の腕を斬ったのは刀である。狭かろうがユミトには関係ないのだ。

 

 「全員グルかよ。まあ、斬り捨てるだけか」

 

 「はっ!戯言を!」

 

 囲むように一斉に襲い掛かる。ユミトはそれに対して小さく呟く。

 

 「・・・ROOM《ルーム》」

 

 言葉と同時に薄い膜のようなものが広がってゆき、あっという間に馬車は膜の中に入る。ユミトは腕を少し捻ると男との場所が入れ替わる。入れ替わった男は何が起きたか気づく前に仲間によって切り殺され、抜き身の刀を振り向きながら真横に一閃して首をはねた。

 

 「あー、馬車の外で殺せばよかった。そうすればもっと利用価値高かったんだろうな。宿もないから帝都入ったら馬車で寝泊りかな」

 

 ユミトは血を拭き取りながらぼそっと呟き、掃除を始めた。

 

 

 

 

 

 「どうしよう・・・お金全部盗られちゃった・・・」

 

 「野宿しかないだろ・・・不景気だからって軍にも入れなかったしなぁ」

 

 夜深い帝都で現在無一文の少年と少女はイエヤスとサヨだ。二人は村の幼馴染とともに故郷を救うために出稼ぎに来ていたが、盗賊の襲撃を受けて幼馴染と逸れてしまったうえに軍にも入れず金も荷物も少し目を離したうちに盗まれてしまった。とおりの端で座り込み今後を憂いている。そんな中前を馬車が通るが、馬車は一部分が急ピッチで直したようで適当に板を固定しただけの有様だった。

 

 うそだろぉぉおおおお!?立派な馬車なのになんかいろいろ台無しじゃん!?

 

 あまりのインパクトの強さに驚きがとまらないイエヤスだったが、サヨの方を向くとサヨも同じだったようで目をみひらひている。

 動揺している二人の前を通り過ぎるはずの馬車はなぜか二人の前で停まる。降りてきたのは自分たちとそう年の変わらない青年だった。

 

 「・・・・・・」

 

 何か言えよおおぉぉぉぉおおお!?

 ここの中で盛大な突込みを入れるイエヤスを尻目にサヨは自分から話しかけた。

 

 「・・・あの・・・?何か御用ですか?」

 

 「そう硬くする必要はない。この馬車は盗賊から奪ったものだ」

 

 奪ったと言う言葉に純粋に驚きを示す二人だが、わざわざ自分たちに話しかけた青年に警戒もし始めた。それに気づいたのか青年は剣を投げてきた。

 

 「心配なら武器ぐらい持っていても問題ないぞ。それと話しかけた用はな、俺も泊まるとこがなくて馬車で寝泊りしようかと思っているんだ。似たような条件だから野宿じゃなくて馬車で寝泊りしないか?ってことだ」

 

 あまりにも好都合な話で疑いの色を見せるが、青年は気にせず続ける。

 

 「俺はユミト。疑うのも分かるけどそっちは二人で武器も渡したんだから少しは信用してみないか?」

 

 どうせ野宿なら馬車の方がいいし、何かあっても俺ら二人なら大丈夫かだろ!

 イエヤスは軽い考えで返事をする。

 

 「じゃあ、頼むぜユミト!俺はイエヤス!よろしくな!」

 

 「ああ、よろしく」

 

 「ちょっとイエヤス!?・・・・・・はあぁ・・・もうそれでいいわ。私はサヨ。よろしく」

 

 「よろしく頼むよ」

 

 

 

 

 イエヤスとサヨとともに馬車生活をして三日目の昼。現在馬車は炎上中であった。

 

 「荷物はまだ無事だったが・・・これからどうするか・・・・・・ま、いっか。なんとかなるだろ」

 

 「ユミトは何でそんなに軽いんだよ!?俺たちの今の家が燃えてるんだぞ!」

 

 「いや仮の家が燃えたぐらいで大げさな・・・」

 

 「この調子じゃ野宿確定ね・・・・・・」

 

 軽い調子で話すユミトに食って掛かるイエヤスの様子を見て、先を憂うサヨ。燃えている馬車の前でなければ普通なのだが、残念ながら普通には見えなかった。その結果周りから敬遠されるという好ましくない状況になった。これに目ざとく気づいたユミトは二人に提案をする。

 

 「まあ帝都じゃこんなこといくらでもあるから諦めなよ。俺はこれから家を借りるための金を危険種狩りで稼ごうと思うんだけど二人はどうする?」

 

 「帝都ってそんなに治安が悪いの?」

 

 物憂いげな様子から復活したサヨが疑問を浮かべる。

 

 「ああ、この世の悪のすべてが集結してんのかっていうほどにな。だから気をつけたほうがいいぞ。あ、さっきの質問の答えは?」

 

 「そう・・・・・・。私たちは途中で逸れたタツミを探すのともう少し軍に入れないかあたってみる」

 

 「じゃあ明日の夜ここ来てくれよ。危険種狩りで手に入れた金渡すから」

 

 「いいのかよ!ありがとのユミト!」

 

 イエヤスは無邪気に嬉しそうな笑みを浮かべる。

 自分が指名手配されていて、一回帝都出たほうが都合がいいから提案したのにこんなに無邪気に喜ばれるとなんか・・・・・・心が痛む・・・・・・

 

 「そういえばユミトは何で帝都に来たんだ?俺らは話したけど聞いてなかったからちょっと気になってさ」

 

 ユミトはばつが悪そうな顔をしたが一呼吸おいて答えた。

 

 「この腐った国を止めるためだ」

 

 決意のともった瞳を見て、二人は安心した笑みを浮かべた。

 

 「「「またここで!」」」

 

 

 

 

 真っ暗な暗闇の中でユミトはイエヤスとサヨをかれこれ四時間待っていたが一向に現れる気配はなかった。金が入った袋をバックにしまってユミトは帝都をもう一度離れ、近くの森で寝ることにした。

 何かあったんだろうな・・・・・・明日は聞き込みだな

 ユミトは二人の安否を心配していたが夜も深いため、明日の予定を考えながらテントを張って睡眠をとった。(ユミトにとって生活必需品・娯楽品に入るため)

 

 

 

 

 

 たくさん聞き込みしたが結果はあまり芳しくなかった。今日ももう終わりそうな時刻になってきたが、ユミトは諦めるつもり毛頭ない。見聞色の覇気を使って気配を探る。昼に比べて段違いに探しやすいし、騒動を見つければ何かに巻き込まれている可能性のある二人を見つけられる確率が高い。それに近頃ナイトレイドという暗殺集団が出ている。ユミトは富裕層や重役を狙う手口から革命軍が一枚かんでるのは間違いないと見ている。ユミトは今まで革命軍に出会うことがなかったがナイトレイドが革命軍とつながっているなら会えるためナイトレイドを探していた。もし違ったとしてもユミトには何の問題もないのであまり気にはしていない。

 覇気で探っていると富裕層が住むあたりから強い気配がしたため直行するとナイトレイドと思わしきものが見えた。ユミトは小石との場所を入れ替え突入した。

 

 

 糸の上でアカメたちを眺めていたラバックはふと建物を見ると庭に人影を捉える。標的ではない人の登場に驚くラバックだがすぐにマインに声をかける。

 「ッ!マインちゃん!庭に誰かいる!」

 「庭に?標的は全員死んだはずでしょ?いったい誰が・・・・・・ってこれは人間帝具!?」

 「はあっ!?なんでこんなところに人間帝具がいるんだよ!?いままでどれだけ探しても見つからなかったんじゃねぇのかよ!」

 「あれ向かってる方向アカメやレオーネのほうじゃない!動きが速すぎて仕留める前に向こうに行かれちゃうわよ!」

 「仕留めちゃ駄目だってマインちゃん。いやそれよりもまずいでしょこれはっ!アカメちゃん!姐さん!そっちに人間帝具が行ったよ!」

 

 

 「少年。お前罪もない女の子を殺すなと言ったが、これを見てまだそんなことが言えるかな」

 

 レオーネが倉庫の扉を蹴破ると中には血にぬれた拷問器具や目も当てられないほどの死体が数多くあった。

 

 「・・・な・・・なんだよ・・・コレ・・・!」

 

 少年が吐き気をこらえて声を絞り出していると、庭から大声が響く。

 

 「アカメちゃん!姐さん!そっちに人間帝具が行ったよ!」

 

 これにすぐ二人は対応を取るがあまりの衝撃でこれが聞こえてなかった少年は中を見渡し、幼馴染の姿を発見する。

 

 「・・・サヨ?」

 

 「・・・サヨか?生きてるか?」

 

 移動したことに気がつけなかったことに動揺を見せるも二人は青年から目を離さない。しかしタツミはいつの間にか少年の隣に現れた青年がサヨの名前を呼んだことに驚くことすら忘れサヨにゆっくりと近づくと意識を取り戻したのか苦しそうにしゃべりだす。

 

 「・・・タツミ・・・ユミト・・・・・・」

 

  サヨが自分以外の名前を呼んだことでようやくユミトに気が付いたタツミ。話しかけようとするもユミトはサヨを一瞬で目の前に転移させ治療を始めてしまう。完全に話しかけるタイミングを失ったタツミだったが、牢屋から見知った声をかけられ振り向く。

 

 「・・・・・・タツミ・・・タツミだろ・・・オレだ」

 

 「い・・・イエヤス!?」

 

 「俺とサヨはその女に声をかけられて・・・メシを食って意識が遠くなって気が付いたらここにいたんだ・・・その女がサヨに・・・!」

 

 「何が悪いって言うのよ!」

 

 レオーネに捕まったままアリアは声を張り上げた。

 

 「お前たちは何の役にも立てない地方の田舎者でしょ!?家畜と同じ!!それをどう扱おうが私の勝手じゃない!!」

 

 息を上がらせながら叫ぶアリア。

 

 「善人の皮をかぶったサド貴族か・・・邪魔して悪かったなアカメ・・・」

 

 「葬る・・・」

 

 「待て」

 

 アリアを殺そうとする二人に制止の声をかけ

 

 「まさか・・・まだかばう気か?」

 

 「いや・・・俺が斬る」

 

 タツミはアリアの体を真っ二つに斬った。

 

 「ふぅん・・・」

 

 「そうだあの人!サヨ!イエヤス!大丈夫か!」

 

 剣を収めたタツミは倉庫を見るとそこには治療を終えたサヨとイエヤスの姿があった。奥からユミトが出てくるとアカメとレオーネは再び構える。

 

 「・・・駄目だ。サヨとイエヤス以外助からん。もう死んでる・・・」

 

 「・・・人間帝具ユミト・・・お前は何をしに来た?」

 

 「そう構えるな。俺は二人を探していただけだ。ナイトレイドには別の用があるが、危害を加えるわけではない。ここで詳しく説明をしてもいいがもう警備隊が来るだろう。だから場所を変えよう。どこがいい?」

 

 「・・・帰還する・・・ついて来い」

 

 「この少年。タツミだったか?タツミも持ち帰ったほうがいいんじゃないか?俺はこの二人を連れてくから」

 

 「あ!それ私が言おうと思ってたのに!」

 

 「気にするな」

 

 「俺の意見は?」

 

 「・・・気にするな」

 

 「気にしろよおおぉぉぉぉおおおおお!!」

 

 

 

 




いい更新速度だ。このぺ-スが続くかは分からないけど。




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