潜水戦闘空母の第二の生 (ミュラ)
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転生

初めまして!
小説を投稿するのは始めてのミュラと申します!
この物語はあくまでも艦隊これくしょんの二次創作として書かせて頂いておりますが、書きたい自身が考案した兵器等が登場します、素人の作品ですので、気楽に読んで頂けるとありがたいです・・・
私自身、少しの暇の間、小説を書いているので、投稿が不定期となりますが、何卒ご了承下さい・・・
では、よろしくお願いいたします!


 

とある世界で、敵艦隊との決戦が決着した頃沈みかけの空母が居た。彼女は長いこと自国の防衛を務め、世界大戦にも参戦し、数多くの海戦に参加してきた。

大戦終結後、彼女は数十年間、主力の座を他へ許さず、自国の最強として他国へ示して来た。

やがて、船体の老朽化と技術の進歩によって、主力の座を新型艦艇へ譲る時に、それは突然の出来事であった。

彼女の国家が突如、他国から侵攻を受けたのだ。

 

敵国からの侵攻によって多大な被害を受けたが、祖国は何とか敵軍の侵攻を阻止し、最終的に艦隊決戦によって決着を付けたが、敵艦の攻撃により彼女は多数のダメージを受け、もはや手の施しようのない状態であった。

仲間からは涙を流しながら敬礼を繰り出し、総員退艦となった。

だが、艦長は残り、彼女と運命を共にするのである。

「・・・・・ついにこの我が国で世界最強と言われた潜水戦闘空母が沈む日が来ようとはな・・・だが、この終わり方も悪くない・・・敵艦隊と決戦し、戦いには勝利したのだ・・・なら、もうお前の役目は終わったのかもしれないな・・・」とタバコを口に咥えながら吹く。

そんな艦長へ白い影が寄り、艦長の目の前に現れた。

「・・・?お前さんは誰だ?さっさと早く退艦せねば、一緒に巻き込まれることになるぞ?」

「・・・」

しかし、白い影は動かず、その後、艦長の傍へ寄り、女性の形へ変わった。

「・・・!・・・そうか・・・お前さんはこの艦の魂か・・・まさか私の乗船する船の魂がこれほど美しい女性だったとはな・・・」

「!・・・!!」白い女性は微笑みながら艦長を見た。

「・・・すまんな・・・どうやらお前を祖国の港へ返すことが難しくなったようだ・・・」

白い女性は首を横に振り、ニッコリと微笑んだ。

「・・・そうか、まあ、お前と運命を共にできるは、私も幸せものだな・・・」

白い女性は艦長の肩へ頭を乗せて、目を閉じた、そして、次の言葉を発した

「・・・・・アリガトウ・・・」

「!?・・・ふふふ・・・」

艦長は一瞬驚いたが、そのまま姉が妹の笑顔を見て微笑むかのようにして、微笑み、目を閉じた

その瞬間、潜水戦闘空母が大爆発を起こし、冷たい海底へと船体をゆっくり海面から姿を消した。

 

その後、潜水戦闘空母一番艦の活躍に評して、潜水戦闘空母の博物館ができた。

その潜水戦闘空母の名前は「ジェラード」

___________________________________________

 

 

彼女は暗闇の中、目を閉じながら、ゆっくり魂が消えて行くのを待っていた。

ゆっくりと彼女の魂がポロポロと欠片が落ちて行くように消えて行く・・・

しかし、暗闇の中、突如強烈な閃光が発し、彼女はそれに導きかれるように光の中心へ向かった。

光に触れた途端、彼女は再び、意識を失った。

次に彼女が再び目を覚した時、そこは天国でも地獄でもなく、青い空が広がる海上であった。

 

「・・・?・・・ここはどこだ?・・・私は確か轟沈したはず・・・なのに生きている?」

しかし、彼女に疑問を思っているうちに驚愕の事実を知る

 

「!!??なんだ!?この姿は!?」

 

水面に映っている彼女の姿は腰についているジェラード級の特有艦橋に飛行甲板、甲板の横に何か射出できるような扉がいくつもが存在し、左手にドラムマガジンを搭載したライフル、右手にはリングみたいなもの、両足にウォータージェットエンジンに、方向転換装置が装備されている。

しかも両肩には箱形のVLSがあった。

 

さすがに彼女は生きて来て90年間、今までなかった出来事なので、混乱するが、持ち前の強靭な精神力で何とか落ち着き、状況整理に移った。

「どうなっている?・・・なぜ、このような容姿になっているのだ・・・いや、そもそも私は沈んだはず・・・なのに生きている?」

その状態で思案していたが、突然胸の内側から光が発生し、その光が分離し、ジェラードの目の前に姿を表した。

その姿は少女というもので、片方が白髪のショートカットに白い肌の黒いウェットスーツを身に付け、腰に潜水艦艦橋に船体の一部が装着され、ミサイルポッドのような箱が宙に浮いている。もう片方はピンクの髪色のポニーテールに白い肌の紺色のウェットスーツを身に付けて、似たような装備を装着している。

この光景にびっくりした彼女であったが、何かと懐かしいものを感じた、まるでかつて戦っていた戦友のようなものであった。

「!・・・お前達は誰だ?」

「マイマスター、私はあなたに搭載されている攻撃潜水艦クリュード級三番艦アルバート・ミラです」

「同じく七番艦セラ・リシャーリです!」

「!?ミラとセラなのか!?なぜ、お前達が・・・お前達は確かあの海戦で・・・」

二人はジェラード級潜水戦闘空母に搭載されている潜水艦のことだった・・・

「イエスマスター、私たちはあの時、敵艦隊の猛烈な攻勢によって追いつめられ、撃沈しました」

「しかし、原因は分かりませんが、私たちは再び生を受けたのです。それもマスターと共に」

「生だと?・・・私たちはあの海戦で決戦には勝利したが、沈んだはずだぞ?」

「はい、私もミサイルの直撃を受け、撃沈したはずですが、気がつけばマスターの中に居ました。」

「私も敵艦からの対潜レーザーによる攻撃で僚艦と共に撃沈しましたが、気がつけば・・・」

「ここにいた・・・ということか・・・」

「「はい」」

ジェラードは少しの間思案するが、二人を見て、微笑んだ

「だが、二人にまた会えるとは嬉しいぞ・・・」

「私もです、マイマスター」

「再びマスターに会えて、これから仕えることができると思うと嬉しいです」

「ああ、ちなみに二人はここがどこか、知っているか?」

「いえ、残念ながら、全くの不明です。」

「調査をしない限り何も分からないかと」

「ああ・・・恐らく議論しても何も答えは出ないだろう、まずは情報収集から始めるとしよう、近くに島、大陸等があれば、偵察機を飛ばし、情報収集した後に今後について話し合いましょ、それで大丈夫かしら?」

「「イエスマスター」」

「・・・そのマスターはどうにかならないか?」

「「それは難しいです、マスターは私たちのマスターですから」」

「・・・せめて、生を受けたのだから、ジェラードと呼んでくれないか?」

「「・・・・・・・・・分かりました、ジェラード様」」

「・・・今はそれで納得するか・・・では、まずレーダー、偵察機等を使用し、情報を集め、周辺海域を偵察する、二人は周辺に島がないか、調べてもらってもいい?」

「「イエス」」

 

二隻の潜水艦は周辺の海を捜索させ、ジェラードは持ち前のレーダー、情報収集機能を使い、地球上に存在する電波等を傍受し、情報収集した。

「まさか、あの海戦で沈み、再び生を受けるとはな・・・信じられないことだ・・・しかもミラとセラも生き返ったときたものだ・・・」

するとレーダー探知に信号を探知した

「?・・・この信号は・・・モールス信号?モールス信号を使用する国は居ないはず、なのになぜ、旧世代の信号を?・・・内容は「我、敵深海棲艦機動艦隊、撃滅成功なり、これより帰投する、宛横須賀鎮守府 発加賀」・・・敵?」

すると調査に出ていた潜水艦ミラから連絡が鳴った

『こちらミラ、北西部にて、6隻で構成する艦隊を発見、二隻が大型艦、残りは小型艦を発見しました。容姿的に私たちと似ているので、同様の存在かと思われます。』

「こっちもさっき、モールス信号を傍受したわ、恐らくその艦隊から発したものね、艦隊の様子は?」

『大型艦に火災が発生したのか、黒煙が出てますが、鎮火した模様、その他の艦にもダメージを受けている模様で、まっすぐ北西へ20ktで航行中』

「了解、その艦隊へ小型追尾式無人偵察機で様子を見つつ、放置しましょう」

『了解しました』

「・・・私たちと同じ容姿ということは、何か情報を持っているわね、それに鎮守府ということは国家が存在するはず、方向からして、北西方面にある可能性は大きい・・・」

そこへセラからの通信がかかった。

『こちらセラ、南東部に三つで構成された島を発見しました。島には軍用基地と思われる廃墟が点在し、近くに石油プラントが放棄されていました。』

「ほう・・・軍用基地に石油プラントか、島内の様子はどう?」

『島内の様子では砲撃等受けた傷はありますが、ほぼ形として残っており、完全に機能停止しています。』

「これは運が良いかしら?石油プラントが存在するということは原油があるかもしれないわね、セラ、分かったわ、これから、そこへ向かう、それまでその島の偵察を続行せよ」

『了解しました』

ジェラードは今までの集められた情報を整理しつつ現在の状況を考えた。

(モールス信号を使う私たちと同じ容姿の艦隊、本国との通信が全くないところか、敵国の電波すら、探知できないということはここは異なる世界で間違えないはず・・・異世界だとすれば、なぜ、ここへ私は来たのだ?・・・・・)

ジェラードが疑問に持ちつつ潜航しているとソナー及び海中レーダーに反応を探知した。

「・・・4時方角、距離20000、輪形陣の6隻艦隊か・・・」

彼女は片手に空間投影画面を出し、操作し、それが何か調べた。

「なんだ?この魚のような気味が悪い船・・・いや魚か?、私たちと同じ艦艇もいるわね・・・それにしては肌が異常に白く、こっちも気味が悪い・・・違う勢力か?」

ジェラードは画面上に立体的に探知した目標を正確に立体映像を出しながら、吹く

「・・・まあ、いい、後ほど調べるとして、今はとにかく先へ急ぐか」彼女は画面を切り、40ktから50ktまで速力を上げて、目的地へ目指す。

発見した島にはセラが調査してくれたため、ある程度情報が集まった。誰一人存在せず、比較的に大きな島であり、大陸棚の海底から吹き出た島のようで、休火山から流れる水が多く、長いこと放置されていたのか、基地内や港湾施設に自然が侵食している。

港湾へ近づくと水上へ浮上し、上陸する。

上陸した地点にはセラが待機しており、彼女は海岸の蟹で遊びながら、待っていた。

「ジェラード様、この島と周辺には人間はいないようです。この基地、周辺設備もかなりのダメージ、老朽化が進んでおりますが、開発すれば、基地機能として機能し、近くにあった旧石油プラントから石油が湧き出ています。」

「まさにお宝発見ね、この島ならしばらく拠点とするには文句ないわね」

「はい、拠点にするには少しばかり時間がかかりますが、開発すれば自給自足が可能な島として機能します。」

「ええ、ミラが戻ってくるまで、人通り見学することにしましょ、まだ、何かあるかもしれないわ」

「はい、少しばかり疲れたので、ジェラード様の艦内へ休息してもよろしいでしょうか?」

「?・・・それは構わないけど、あなたは生を受けたのよ?なら、そのまま休んでも大丈夫だと思うけど」

「確かに生を受けたのですが、本来私は潜水艦とはいえ、ジェラード様の装備の一つに過ぎません。なので、休む時はジェラード様の中でしか休めないのです、そちらのほうが落ち着くのです・・・」

 

「・・・そう・・・分かったわ」

セラが頷くと光となり、再びジェラードの中へ消えた。

不思議な光景に少しびっくりするが、すぐに意識を切り替えて、調査のほうを進める。

基地の中を進むとかつて、人間が使った形跡か、衣類、道具、車両等が捨てられており、散乱していた。

「・・・工房に訓練施設、お店に兵器開発室・・・どうやら、この基地はそれなりに大きいようね、飛行場の跡地があるとはいえ、3本も3000m級の滑走路なんて、重要な基地だったのかしら?」

そうやって、基地内を見て回ると、ふとドック施設に目が止まり、重厚な扉を開けるとそこには、他の地帯は荒廃していたのに、ここだけ少しだけ整備されていた

「この場所だけ整備されているように綺麗・・・周りの状態から見るとかなり放棄されて時間が経ったのに・・・おかしいな」

と彼女はドック内を歩いていると、物置部屋で動く小さい影があったので、彼女はホルスターから拳銃を取り出すと、少しゆっくりと歩き、物置部屋の扉の前で、止まり、中の様子を伺うが、物音はせず、不気味くらい静かであった

彼女は勢いよく扉を開けるとそこに居たのは何かに群がる小さい人型の生物であった

 

「・・・・・・・・・・」

「・・・うわ!艦娘だ!」「わー!本当だ!」「やっと来てくれたんだ!」

目の前の帽子を被る女の子、ヘルメットを被る女の子・・・しかし、異様に小さく、小さな生物は箱に群がっているところ、こちらと目を交差させた後、飛んだり、跳ねたりして、喜びの表情を浮かべながら、何か言っていた

「・・・えーと、あなた達は一体何者かしら?」

「はい!私たちは妖精さんです!自分は建造ドック、整備を担当する妖精さんです!」「自分は航空隊を担当する妖精さんです!」「自分は・・・」

と次々自己紹介をした妖精さんであったが、

ジェラードは目の前の存在に内心驚愕していた、目の前にいるのは紛れもない高さ10㎝以下の小人であるからだ。

とりあえず目の前にいるのは何か分かったが、このまま向き合っても埒が空かないので、ミラが戻ってきてから話を聞くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・・・・む〜、やはり物語の展開とキャラ設定は難しいです・・・泣


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妖精

 

 

この世界に生を受けてから、私の感覚は不思議なほど、魂の時より強く感じ、海の潮風、太陽の光り、海のにおい、潜航した時に僅かに感じる海の塩の味等魂では全く感じなかったことを感じ、何かもが新鮮であった。

だが、私がなぜ、この沈んでから、再び肉体を持ち、生を受けたのか、考えても分からない・・・

神が居るとするなら、神が私に生をもたらしたのか、考えれば考える程謎が深まる。

私の今、目の前にいる知的生命体?の小人も私の世界では空想上の生き物であった、だが、実際に目の前で、集団となっている・・・これはやはり夢かあの世ではないだろうか?・・・沈んだはずの仲間にも会うことができたしな・・・と少し現実逃避していると妖精さんから、声をかけられた。

「わー今までの艦娘で見たことのない人だー」

「飛行甲板を持っているということは空母?」

「でも、それにしては背中の箱や見たことない装備があるし、重武装に見えるけどー」

「お姉さん、なんて言う名前なのー?」

(・・・・・・もう、何と言うか可愛いな・・・うん、可愛い生き物であるが、妖精とはもうはやオカルト域だな・・・あ、名前を聞かれたのだったな)

「・・・私の名前は潜水戦闘空母一番艦ジェラードだ」

「潜水戦闘空母?」

「潜水できる空母ってことー?」

「でも、飛行甲板を持っているから空母じゃないのー?」

「ねーねー、潜水戦闘空母ってなにー?」

「?潜水戦闘空母というのは潜水航空機運用を目的とし、敵地強襲作戦能力、単独作戦行動能力、圧倒的攻撃能力等を求められた軍艦のことだ。」

「潜水空母ならあるけど、潜水戦闘空母はないねー」

「ジェラードさんは潜水艦ということー?」

「・・・そうだな、どちらかというと潜水艦に値するかもな」

「おー」

「ところで、妖精さんと言ったな?妖精達がなぜ、ここに居るのだ?」

「私たちはねー」

「ここは元々軍の施設で、艦娘運用を前提として、前線基地として機能してたけど」

「深海棲艦に襲撃されて、全滅しちゃったんだー」

「で、私たちは基地の中で隠れて、何とか生活してたんだー」

「・・・・・OK、よし、聞き慣れない単語がいくつものあったが、それを聞いてもいいか?」

「うんー」

「まず、艦娘とはなんだ?」

「艦娘は深海棲艦を撃滅するために対抗兵器として私たちが生み出したんだー」

「・・・深海棲艦とは?」

「深海棲艦は恨み、憎しみ、悲しみ等といった負の思い、塊から生み出される存在で、人類を海から追い出した存在であるー」

「なぜ、深海棲艦は人間を海から追い出す?」

「理由は分からないけど、恨み、憎しみ、悲しみといった感情と関係あるじゃないかー」

「・・・・・・・・・なるほど、ちょっと待ってくれ」

(・・・・・この世界は異世界であることは間違いない、目の前に居る妖精を含め、艦娘、深海棲艦といった存在は今まで聞いたこともないものだし、少なくとも私のデータベースにそれは存在しない。なら、この世界では艦娘は人間側、深海棲艦は敵勢力であろう・・・ということは深海棲艦の情報が不足しすぎて、まだ、確定ではないが、敵対行動する者がほとんどだろう・・・ここは人類側の味方のほうが得策だな・・・)

「ねーねー、ジェラードさんって、潜水戦闘空母って言ったけど、どんな潜水艦なのー?」

「そうだな、簡単に言えば潜航可能な空母だ。航空母艦ではあるが、ミサイル戦、艦隊戦を個艦防衛及び攻撃を想定した艦艇だ。」

「うーん?それってでも航空戦艦じゃなーい?あ、でも、ジェラードには主砲がないー」

「でも、箱はあるよー?なんだろうー?」

「うん?艦娘には、どれだけの種類がいるんだ?」

「えーと、戦艦、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦、空母、軽空母、潜水艦、補給艦、練習艦があるよー」

「・・・なるほど、戦艦?ミサイル艦はないのか?」

「みさいる?ってなにー?」

「・・・誘導兵器だ、この世界にはミサイルはないのか?」

「うーん・・・あ、でも、大本営で開発してた・・・あれじゃ」

「うん、誘導噴進弾のことかな?」

「えーと、ジェラードさんの兵装が分からないけど、普通の艦娘は主砲、魚雷、体術、機関銃、爆雷、航空機等で倒すよー」

「なるほど・・・状況は分かった、妖精さん、一つ聞いてもいいか?」

「うんー?」「なになにー?」

「私は撃沈したはずなのに、気がつけば海上に居たのだが、私がなぜ、魂だったものが、生を受けることができたか、知っているか?」

「うんー艦娘は皆沈没、解体等された第二次世界大戦の艦艇から生まれるよー、なぜ、ジェラードがここに生を受けたか、は分からないけど、普通の艦娘は戦争で沈み、当時の記憶を持って生まれるんだー」

「艦娘を生み出しているのが、私たちドック妖精さんだよー」

 

この不思議な妖精さんでも分からないことか・・・

「なるほど・・・ひとまず、分かった、もっと詳しく聞いてもいいか?」

「いいよー」「どんどんきてきてー」

その後、しばらく話した後、ジェラードは思案した

(とりあえず私がなぜ、生を受けたか、は分からなかったが、肉体を持つ理由は分かった、だが、そうだとすれば、私に取れる手段は限られているな・・・この世界は恐らく妖精によって艤装が動き、戦闘するか・・・うん?ちょっと待て、ということは私にも妖精が存在するのか?)と艤装を見ると艤装と肩、頭に妖精が居た

「!?」

 

びっくりしたあまり、妖精を落としそうになるが、何とか体勢を維持し、自身の妖精に話しかけた

「えーと・・・あなた達は私の艤装を動かす妖精で合っているのか?」

妖精さんは笑顔でコクコクと頷く

「そうだよー」「ジェラード様ー」「お久しぶりですー」

妖精達は私の搭乗員の服装をしており、見たことのある特徴しているものが多い

どうやら、この妖精は当時の乗員をそのまま妖精になった存在だな

「・・・ちなみになぜ、最初から海上に居た時に声をかけなかったんだ?」

「妖精は他人に認識されないと姿を見ることができないんだー」

「だから、ずっと、操作してたけど、今、ここの妖精さんの姿を認識したことで私たちが見れるんだよー」

 

・・・なるほど、しかし、どうしたものやら、恐らくこれから、行動するに当たって人類側に付いても慎重に交渉する必要があるな・・・

私の装備、私自身彼らにとって未知の存在であり、鉱石動力型粒子機関、光学兵器・・・700m以上の空母で、二隻の4万tクラスの潜水艦を搭載し、一隻で小国どころか、大国も滅ぼせる戦闘能力・・・うん、他の深海棲艦だけではなく、この世界の国が絶対に放置することはあり得ないし、私の技術は我が国の技術の結晶でもある、しかし、それを他国に渡すことはできない・・・なら、できるだけ接触を避けるか、接触には細心の注意が必要のようだな・・・

とりあえず、こんな良い場所も発見したとこだし、ここにひとまず留まるか・・・

この妖精の協力があれば、格段に楽になるはず

 

「・・・あなた達は、これからどうするか、方針が決まっているのか?」

「ないなー」「私たちは放棄されたからなー」

「・・・なるほど、もし、良かったら、この基地を本拠地として使いたいのだが、どうだろうか?」

「おおおーー!!!」目をキラキラさせた妖精達は一カ所に集まり、何やら話し、再び向かい合った

「それは是非、こちらからもお願いしたいですー」「それなら、こっちの願いも叶えてもらってもいいかなー?」

「む?願いとは何だ?」

「私たちの司令官になってほしいのー」

「司令官?しかし、私は一人の艦艇しか、ないぞ?」

「・・・ぶっちゃけ、ジェラードさんは規格外のような気がするけど、艦娘を指揮する能力がありますー」

「艦娘を指揮する提督は素質が必要で、指揮できる人数も決まっているのですー」

「ちょっとまて、地味にリスられた気がするけど、艦娘を指揮するには素質が必要なの?」

「そうなのー、だから、結構質で戦っているけど、人類側は素質を持つ提督が少ないから厳しいのです」

・・・つまり今、人類は艦娘という切り札を持つが、指揮する司令官には素質が必要で、それを持つものは少ない、と、それが私にもあると・・・

「・・・なぜ、私にも素質がある?私は艦娘だから、指揮される側じゃないの?」

「普通はそうだけど、ジェラードさんの存在がイレギュラーで、艦娘を指揮する素質が備わっているじゃないかなー原因は分からないけど、イレギュラーと何か関係があると思うけどー」

「・・・なるほど、わかった・・・さっきの司令官とやら、になろう。

しかし、私は人類を信用している訳じゃない、最悪の場合敵対関係となるぞ?」

「大丈夫なのー」「私たちはジェラードさんに付いて行くよー」

「それにここで拒否しても捨てられた身だから、どうしようもないしねー」

「別に無理をする必要はないぞ?私の搭載している潜水艦で、日本という国へ送り出すぞ?」

「いや、私たちはジェラードさんに司令官になってもらいたいと思っている、だから、何が起こっても構わないさー」

「分かった、これからよろしくね、妖精さん」

「アイアイサー」「よろしくー」

わーいわーいと妖精さんが歓迎声を上げる中ジェラードは自分の中に存在している潜水艦セラとミラに話しかけた

(まさか、おとぎ話の妖精がいるとはな・・・この世界は不思議なことばかりだ)

(ジェラード様と私たちがこの世界で転生したことも十分おとぎ話ですけどね)

(それもありますが、これからどうしますか?)

(とりあえず、話を聞く限り、あまり積極的に人類側との接触はこちらの拠点の準備、情報収集がある程度完了するまで、無闇に動くのは得策ではないだろう、妖精さんからの話を聞く限り、この世界の技術レベルは恐らく電子機器が発展する前の時代ね、少なくとも私たちの持つ技術の100年以上前のものを使用しているわね)

(確かにそうです、艦娘の艦隊を偵察した時、大型艦の主砲が40㎝以上の口径はある武器を搭載し、電子機器等は初歩的技術が使用されていました。)

(この基地を捜索してた時に設備のほうを見ましたが、だいぶ旧世代の機械を使用していました。)

(なるほど・・・やはり、ここは拠点を開発して、少し様子見したほうがいいわね)

(はい、それがいいかと判断します)

(・・・あなた達も私の中から出て、行動していいのよ?もう、船の頃と違って、あなた達は肉体を持っているのだから)

(いえ、こうしているほうが私たちにとって落ち着きますし、これが私たちの待機モードなのです。)

(私達はジェラード様の手となり、足となれば本望ですから)

(・・・そう、分かったわ、だが、自由にする時は自由にするのだぞ?)

(はい、しかし、開発とは言ってもどうするおつもりですか、この島も大きいとはいえ、開発する場所は多いですが)

(そうね、まずは私たちが必要とする燃料と弾薬ね、これがなければ戦闘はできないし、航空機、レーダー、精密機械、船体の修理するための素材も必要だから、ドック、製鉄所を作る必要もあるわ)

(この世界に燃料となる輝コバルト鉱石なんてあるでしょうか)

(それは大丈夫、航行中海中からサンプルとして調べたら、微少だけど必要な素材が含まれていることがわかったわ、海水から鉱石を抽出することができれば、かなり行動しやくなるわ)

(わかりました)

とジェラードと二人のセラとミラで話し合いながら、今後について話し合った。

後に妖精さんからこの世界の情報、開発計画等を話し合い夜遅くまで話した。

今後についてはまず、基地の開発、鉱石エネルギーの海中抽出装置、私の整備するための機械等の生産。

周辺地域を徹底的に調べ、衛星を打ち上げることにしよう。さすがにこの時代の技術では衛星はないはずだから、見つかることはないだろう。とりあえず島にあった旧鎮守府の艦娘部屋で寝よう・・・

 



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開発

 

 

 妖精さんとの話では島にある施設は元々軍事基地だったためか、鎮守府、工房、ドック、商店、倉庫、貯蓄設備、電波塔、石油精製施設等を備え、大規模基地だった。かつて人間が駐屯していた人数も2万人、艦娘は128名だった、その中には多数の海外艦も存在していた。

しかし、深海棲艦の空襲及び強襲で徹底的に破壊され、今はドックと鎮守府、工房が残っている程度、さらに石油プランドも爆撃したせいか、原油を汲み上げる鉄塔が倒壊している。

 

深海棲艦は基地を破壊した後に撤退したらしく、半年以上放置されているとのことだ。

私の敵は深海棲艦だけではなく、人類も敵となる可能性があるが、それは私の知ることではなかった。

 

基地を含めた島は元々大日本帝国が管理してたらしいが、事実上放棄となり、深海棲艦の占領下となった。

他にはアメリカ合衆国、ソビエト連邦、中華人民共和国、オーストラリア連邦等が存在し、地球上でアメリカ軍が最強の軍事力を持ち、技術力に関してもアメリカとヨーロッパ諸国を始めとする国が先進技術を持ち、ロケット推進技術に搭載した誘導兵器は開発されたらしい。

しかし、技術的にはまだまだ初歩的なもので、深海棲艦によってかなり開発が遅れている。さらにこの世界には原子爆弾も存在するらしく、アメリカ軍が大日本帝国へ投下する予定が深海棲艦の出現によって急遽世界は連合を組み、深海棲艦に対抗し、原爆を使用したらしいが、深海棲艦に効果という効果はなく原爆も初歩的なもので止まっている。

 

人類はまさしく劣勢の中であった。

 

だが、艦娘の出現によって日本軍、アメリカ軍、ソ連軍、ドイツ軍、イタリア軍、イギリス軍、フランス軍、スペイン軍等は防衛に成功したが、その他の国家は艦娘がいないため、保有国から援助してもらう他なく、日本軍、アメリカ軍、ドイツ軍、イタリア軍、イギリス軍、フランス軍は多くの艦娘を保有しているため、他国へ回すことができるが、それ以外の国は防衛で精一杯ということらしい・・・

出現する艦娘は第二次世界大戦と呼ばれる大戦の艦艇から出現する傾向があるらしく、古い旧型の兵装で、人型に対抗していると聞いた時は驚愕したものだった。なぜなら、ただでさえ、的が小さいというのに、レーダーもない射撃システムで、10発中1発でも命中が出たら、良い方と言えるからだ。

私自身も最強な装備を持っていても、経験と練度だけでは、この戦火を生き残ることはつらいだろう。戦場とは練度と質も重要な要素だが、結局数によって左右されるものだ。もし物量攻撃で、攻撃されれば、私でも被害は出る。そのために妖精さんの協力は必要不可欠であった。

まず、私と妖精で、私の中にあるデータを一部妖精に見せ、基地改修、ドック建設をする。

潜水艦のセラとミラは周辺の海底等の資源状況を調べてもらい、データ化する。

 

「本当に徹底的に破壊したようね、基地のすべてを見回りしたけど、もう新しく建設したほうがいいところが多いね」

「そうだねー深海棲艦によって破壊されたところは多いけど、ジェラードさんの見せてくれた機械は驚きだよ、あんなものがあるなんてー」

「開発には技術が必要だから、ちょっと時間がかかるかもしれないけど、どのくらいでできそうかな?」

「うーん・・・ジェラードさんの詳しい情報もあるから、すぐにできると思うよー」「うんうん」「そうだねー」

「うん?・・・あれって結構複雑で相当な技術を必要とするけど、大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫ー!工房で開発装置で作ることも多分可能だと思うし、大丈夫だよー私たちってすごいでしょう〜」

「・・・・・・・・開発装置?」

「あ、そうえば、言ってなかったね、開発装置とは艦娘の装備する兵装を開発するために条件数値の資材を投入すれば、できるものだよー」

「・・・」

 

ジェラードは絶句してた。そう、ジェラードが依頼する機械は鉱石海中抽出装置、空間レーダーシステム、ミサイル等で、昭和の零戦等レシプロ機を設計している職人に、現代の最新鋭ジェット戦闘機F-22の設計を依頼することを言われているのと同等で、ジェラードはさすがに技術伝授にも時間がかかることを承知の上で、情報を渡して、ゆっくりとデータにあった技術を伝授するつもりであったが、妖精さんはそれをさらっと、すぐにできると言った、これに絶句せずにいられるか、というものであった。

妖精さんってすごい・・・と心の底から感心するのであったのと開発装置って・・・機械だよね?魔法の箱か何かかな?と思っていた。

 

「そ、そう・・・じゃあ、よろしくお願いね、何か必要なものがあれば、こっちでできるだけ揃えるから」

「はーい」「わー」「がんばるぞー」「おー」

と開発グループの妖精さんがはしゃぐ

ジェラードはその後順番に妖精さんの主任と掛け合い、設計及び資源についても話し合った。

計画ではまず、鉱石海中抽出装置、基地の整備、倉庫・鎮守府・地下設備等の建設を最優先とし、後に飛行場、地下ドック、通信レーダー塔も建設予定だ。

資材に関しては倉庫に多少あったため使用することにし、あとは鉱石海中抽出装置及び周辺地域から調達する他なかった。

そのために近いうちに輸送艦を建造する必要があり、いくら大型潜水艦セラとミラでも積載できる資材には限りがあるし、そもそも攻撃潜水艦なため、妖精さんによって輸送艦を操作し、護衛にセラとミラで行うものだ。セラとミラが居れば大規模な3個機動艦隊でも来ない限り防衛は可能。

建設は徐徐に行われ、妖精さんの数も今まで艦娘の艤装妖精、航空員妖精、ドック妖精等大勢いるおかげで、建設はかなり早いペースで行われる。ちなみに建設様子にジェラードとセラ、ミラは内心、手のひらに乗るくらいのサイズの妖精が巨大建築物をどんどん人間より早いペースで作っている様子に驚愕を通り越してあきれ顔になっていた

 

「・・・この調子なら、一ヶ月には形にできるじゃないのか・・・」

「いえいえ、私たち妖精さんにかかれば、もっと早いペースで完成しますよ〜」

「これだけでも十分早いのだけど、妖精さんは魔法使いね・・・」

「私たちは必要な道具、機械を作って、建築物を作ることくらい容易いことですからねー」

なにそれ怖いとそっと心の中で思うのであった「・・・」

同時に今までの常識が崩壊する音が内側で鳴っていた

しかし、現実はいくら順調といっても、はやりこれだけの巨大施設を作るとなると当然資材も必要になる訳で、後に調べるとここの島はどうやら東南アジア、フィリピン南東部の島のようで、妖精さんの情報を元に東南アジアから主に資材を確保しようと計画した。

東南アジアではかつては何億人と住んでいた人間が居たようだが、艦娘を持たない国家であったため、かなり追いつめられている状況で海岸を占領されている。なので、深海棲艦が少ない地域を選び、資源(鉄鉱石、ボーキサイト、ゴム、銅鉱石、レアアース、レアメタル等)等を採掘する。石油に関しては今のところ必要ないが、将来、艦娘の編成された艦隊を運用されるのであれば、必要と考え、島の近くにあった石油プランドを建設する。

とはいっても、さっきも言う通りこれだけの規模を行うには時間がかかるし、人類側に悟られる可能性もある。なので、出来る限り接触は避けて、体勢が整えば、行動に移す予定だ。

 

ちなみに私は何をやっているかというと、妖精さんに技術伝授、設計の確認、書類の整理等だ、あちらの世界では考えられなかったことだが、今こうして司令官をやってみると今までの司令官達の苦労が実感できて、少し合掌するのであった。

ジェラードが書類の判子等押し、潜水艦セラが書類の整理をしている。

ミラは周辺海域の調査を担当している。

 

「こうして司令官の仕事というものは骨が折れるな・・・」

「私たちが艦艇だった頃は物体にすら触れることができず、人間の五感すらなかったのですから、仕方ないでしょう」

「うむ・・・」

 

 

 

 

ジェラードが書類整理を終え、一休みしていると肩に建造ドックの主任妖精さんが現れた

「書類おつかれさまですー司令官」

「うん?ああ、建造ドックの主任妖精さんか、とりあえずは終わった・・・しかし、司令官という仕事は大変だな・・・私が船で居た頃では全く想像もできなかった・・・」

「それはそうですよー司令官は一杯仕事がありますからねー」

「うむ・・・・・・それで私に何かあるのか?」

「いやー建設予定の建造物も結構進んで、ドックも多少できたので、そろそろ新艦娘を建造しないのかなーと思ってー」

「建造・・・?ああ、艦娘か」

「そうえば、後回しにしていましたね」

「そうそう、艦娘を建造すれば、艦隊ができて、司令官の苦労も減ると思いますよー」

「そうか・・・よし、じゃあ、建造しよう」

すると主任妖精さんは目をキラキラさせて、ジェラードの袖を引っ張る

「よし!そうと決まれば、早く建造ドックに行きますよー」

「おいおい・・・そんなに袖を引っ張らなくてもいいだろ!」

「いいからいいからー」

(あれ・・・?あの小人サイズなのに、どこからそんな力が出るの?)とセラは密かに思う。

 

ジェラードは主任妖精さんに引っ張られる形で、建造ドックに付き、改めて装置の目の前に立った

「・・・これが建造装置なのか・・・」

ジェラードの目の前には巨大な電気窯のような金属の重厚な箱に扉と資材を入れるためか、投入口が4つあり、スイッチが並べられたボタン装置・・・これで人の形が形成されて、艦娘が生まれるのか・・・オカルトだ・・・と頭を少し悩ませながら見てた。

「そうそうーこれでどんな艦娘でもできるよー」

「なるほど・・・これは・・・レシピのようなものは存在するのか?」

「うーん・・・資材が少なければ駆逐艦ができて、多ければ空母、戦艦のような大型艦ができるよーボーキサイトを多めに居れば、航空母艦系の艦娘が来るよー決まった数字のレシピはないけどねー」

「なるほど・・・つまり資材の量によって作られる艦娘は違うというのか」

「そうそう、できる時間によっても艦種とかが分かるよー艦種は駆逐艦、軽巡、重巡、戦艦、空母、潜水艦とかだよーたまに補給艦も出るらしいけどねー」

「時間?この装置には時間を必要とするのか?」

「そりゃそうだよーいくら何でも早くは難しいね、ただ、高速建造材を使用すれば可能だよー」

「なるほど・・・建造される艦種はどの国籍でも出るのか?」

「いや、通常は司令官の国籍によって限定されるのだけど、ジェラードさんは異世界人だから、やってみないとわからないねー」

・・・なるほど、資材の量によって艦種が左右され、時間によって特定可能ということか・・・いや、艦艇一隻建造するだけでも、最高で2週間は普通にかかるのに、それを1日どころか、半日でできるという反則技・・・

「分かった、とりあえず駆逐艦、軽巡、補給艦、潜水艦を狙いたいところだな」

「じゃあ、資材を早速投入しよう!」

「うむ、資材のほうは適当でいいのか?」

「うんうん、とりあえず者は試しとも言いますし、やりましょうー」

(・・・大雑把なんだな・・・妖精さんって)

ジェラードはそれぞれに燃料100、弾薬100、鋼材200、ボーキサイト100程を3つのドックで数値を操作し、ボタンを押すと目の前のメーターに数値が出た

 

00:30:00

 

00:24:00

 

00:20:00

 

「おおー駆逐艦だねー」

「・・・補給艦はどのくらいの資材が必要なのかな・・・?」

「恐らく大型艦の分類に入ると思うので、多めに入れてはいかがでしょうか?確か補給艦とは言っても、物資の補給艦、陸上へ支援を目的とする強襲艦、輸送艦も大きいですし」

「ちょっとまて、強襲艦と輸送艦はこの世界に存在するものなのか?確かに大きいが」

「強襲艦は分からないけど、輸送艦ならあるよー」

「・・・・なら多めに入れておくか・・・」

 

残り二つには燃料300弾薬200鋼材400ボーキサイト300を投入した。

 

07:40:00

 

01:00:00

 

うむ・・・時間はかかるとは聞いたが、結構かかるだな、まあ、7時間以上あと大型艦でまず間違いないだろう

とりあえず駆逐艦3隻と軽巡、補給艦で護衛と哨戒、輸送任務を遂行すうのは可能だろう・・・本音としては私自身が行きたいが、ここの司令官がいなくなっては困ると妖精がうるさいものだ・・・はあ・・・久しぶりに海に行きたいな・・・と感傷してると妖精があれー?と首を傾げていた

 

「あれー?7時間40分なんて聞いたことないぞー?」「これは新型艦だー」「わーいわーい」

「うん?これは補給艦じゃないのか?」

「いやーこれで補給艦はまずないと思うよー」「補給艦なんて普通4時間もかからないしねー」

「これは戦艦だね、間違いなくー」

「戦艦か・・・まあ、居ても困ることはないだろう」

「ジェラード様が居れば、戦艦より長距離から攻撃でき、そもそも潜水したジェラード様に攻撃できる艦艇はかなり限られてますからね・・・しかし、戦艦も運用次第ではこの世界で十分通用しますよ」

「まあ、いいわ、とりあえずこのまま待てばいいだろう」

「いやー7時間以上は気になるから、高速建造材を使いましょうよー」「使おうー使おうー」「ジェラードさんお願いしますー」

「え?・・・どちらでも良いが、分かった高速建造材の使用を許可する」

「やったぜーー!!!」「さあーー!バーナーだぜ!!」「ヤッホー!!!!!」

 

妖精がドック装置の中へ容赦なく火炎放射器?のようなもので燃やす光景にジェラードとセラは思わず、背中にゾッと寒気を感じたが、とりあえず迎えることとにした。

 

そして、ドック装置の重厚な扉が開くとそこには金髪のモデル体型の女性で三連装主砲と思われる砲塔を三つ装備した艦娘が来た・・・

 

 

 

 

 

 

 



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艦娘

 

 

妖精さんと共に新たなに戦力拡張のために建造ドックで建造したジェラード達だったが、妖精さん達が慌てる様子で、移動していた。

 

建造ドックで合計5隻を建造したが、その中で7時間40分という数値が出て、妖精さんがジェラードにバーナーの使用許可を出してもらい、バーナーを使った。

メーターの数値が高速で0になり、完成という文字が出て、ドック装置から重厚な扉が開きそこに居たのは・・・

 

「Hi!MeがIowa級戦艦、Iowaよ!Youがこの艦隊のadmiral(アドミラール)なの?Of!いいじゃない!私たちのことよろしくお願いね!」

 

そこに居たのはモデル体型の金髪女性で、主砲を三基搭載し、艦橋と思われる構造物が主砲の後ろに設置された艤装を装着していた。

 

「「・・・・・」」

「Of?どうしたのでーすか?admiral?」

ジェラードは目の前に現れた艦娘にではなく、本当に人間ができるんだ・・・という気持ちになって、少し放心状態であったが、すぐに気持ちを切り替えて、話しかけた

「うむ、私が艦隊の司令官ジェラードだ、よろしく頼む」

「ハーイ!とてもbeautifulなadmiralね!よろしお願いしまーす!」

「これはまた違う国の所属艦娘が来ましたね」

「しかも発音からすると日本とは異なる国だな・・・アイオワ、一つ聞いても良いか?」

「ハーイ!何でしょうか!」

「アドミラール?とはどういう意味だ?」

「of!admiralは司令官のことです!admiralはEnglishがわかりませんーか?」

「ああ、すまない、少しばかり勉強不足で、まだまだ日本語しか分からないのだ」

ジェラードとセラ、ミラは元々居世界人のため、言語についてかなり戸惑っていたが、幸いなことに日本語を話す妖精さんに異世界人のジェラードとセラ、ミラが通じたため、大丈夫か、と思っていたが、アイオワの英語にはさすがに何かさっぱり分からなかった。これはジェラード達が日本語が通じたから、大丈夫だろうと思っていたのと、ジェラード達が持つ、言語はこの世界に通用しないという欠点があったからだ。

「それなら仕方ないですね、admiralに英語をたっぷり教え込みますね!」

「う、うむ、よろしく頼む」

 

すると妖精さんが次々とバーナーをかけたドック装置から次々と艦娘が現れた。

 

「不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです。」

 

「響だよ、その活躍ぶりから不死鳥の呼び名もあるよ」

 

「駆逐艦島風です。スピードなら誰にも負けません。速きこと、島風の如し、です!」

 

「軽巡矢矧、着任したわ。提督、最後まで頑張っていきましょう!」

 

 

うん・・・どうして艦娘はこうも私もだが、セーラー服で、素肌を見せる服装が多いな・・・というかあの島風?という艦娘もあの格好・・・大丈夫なのか?寒くはないのか・・・?いや、こんなことを気にしている場合ではないな

「うむ、私がこの基地の司令官を務めるジェラードだ、よろしく頼む」

「あれー?司令官女性なんだー」

「うん?これは珍しい・・・外国人の司令官とはね」

「うん?ああ、確かに外国人だが、私は人間ではなく、艦娘だ、あとこの世界の人ではないんだ」

「?司令官それはどういう意味でしょうか?」

「私は別の世界から来た異世界の船なんだ、潜水戦闘空母一番艦ジェラードそれが私だな」

「潜水戦闘空母ってなんですかー?それって早いのですかー?」

「ああ・・・説明してもいいが、スペックのほうを見たほうが早いだろう」

ジェラードはそう言うと、腕についているリングから空間投影で画像を出した。

それを見た艦娘は空間投影にも興味津々で駆け寄ってみたり、触れようとしたりするものが居たが、空間投影は空間内に映像を投影するだけのものなので、触れることはできない。

艦娘達は画像の私のスペック、経歴を見ると興味津々の表情から、驚愕、呆れ顔が出て来た。

「・・・of・・・これってadmiral一人で深海棲艦を撃滅できるじゃ・・・」アイオワは若干頭を抑えて

「提督!50kt以上出せるの!はっやーい!」島風は目をキラキラさせながら、尊敬の眼差しを向け

「司令官は航空母艦であるけど、潜水ができて、強襲作戦能力があるということですね・・・すごいですね・・・是非ともご指導ご鞭撻をお願いしたいです」と感心する不知火

「ハラショーこれはすごすぎる」と手を拳にして、ジェラードを見つめる響

「あの戦艦大和より大きいなんて・・・規格外だと思いますよ・・・」と驚愕を通り越して呆れる矢矧

「まあ・・・私の世界とこの世界の状況と進んでいる科学力が違うのだからある意味当然だな・・・」

「この世界の艦娘の標準と比較すると潜水艦の私たちでも戦うことができるか、できないか、ですもんね」

「うん、とりあえず彼女達にはこれで納得するだろう」

 

 

「OK!、admiralが異世界人でも私のadmiralに変わりはないわ!逆に興味が注がれる!よろしくお願いしますー!」

「私も逆に早さに興味がありますから、よろしくお願いしますー!」

「司令、是非とも今度ご指導お願いします。」

「私もよろしく頼む」

「阿賀野型の性能は伊達ではないことを見せてあげるわ!」

 

「うむ、こちらもよろしく頼む・・・とりあえず今日は仲間が増えたことを祝って宴会としよう」

ワーイワーイとはしゃぐ艦娘と妖精達

その光景を見ながらジェラードとセラ、ミラは小さい声で喋る

(まさか、戦艦アイオワ級が来るとは思わなかったわね)

(はい、戦艦アイオワ、妖精さんによればアメリカ海軍最大、最強の戦艦、アイオワ級一番艦、主砲は41㎝三連装を三基備え、対空戦闘を重視にした対空装備の姿はハリネズミで、アメリカ海軍は空母護衛を任せるために高速性を重視とした設計により33ktの速度が出せ、電子装備も当時としてはかなり充実していたようです。

現在確認されている艦娘の中で日本の大和級に続く攻守共に最強と言える存在でしょう。)

(・・・うむ・・・まあ、これで島の防衛戦がかなり楽になるだろう・・・艦娘達の装備にも改装案が出ているらしいしね)

(・・・妖精さんからですか?)

(ええ・・・特に私の持つ技術で教えてもらったレーダー、情報伝達システム、自動装填装置等に興味がいったようで、早速試してみたいらしいしね、あのアイオワもそうだけど、駆逐艦、巡洋艦クラスに高速性を活かした艦隊でデータリンクが可能になれば、かなりこの世界で有利に戦闘することが可能のはず、それに艦娘・・・戦車砲をまともに直撃してもかすり傷程度だし、街灯を余裕でもぎ取るほどの力がある、恐らく艦娘一人で人類のみで構成された艦隊でも、この世界なら撃破することはかなり難しいし、一人で下手すれば小国すら滅ぼせる程の力はあるわね)

(確かに世界各国は艦娘の扱いをかなり慎重になっているようです。)

(それは当たり前よ、もし、深海棲艦を倒したとして、その後、艦娘で連合を組まれてしまえば、人類側は手も足も出ず、蹂躙されるでしょうね、同時に艦娘の見た目は女の子、なら、女の子に爆弾持って、重要な施設、場所で起爆すれば、誰がやったか、なんて分からない。

・・・それに艦娘は妖精が居る限りいくらでも量産できる・・・それも実際に空母を作るのとコストが訳が違う。)

(・・・そうですね・・・聞いた話では、空母一隻作る材料で、艦娘を100隻作ることは可能な量のようです。)

(なら、今の政府は艦娘、妖精、提督にかなり積極的に保護するでしょうね・・・)

(・・・本当に妖精は恐ろしいですね・・・逆にこうも都合が良いと気味が悪いのですが)

(それは私もよ・・・いざとなれば私も戦闘に出るから、大丈夫よ・・・というか妖精さんが敵に回ったらかなり厄介な相手になるし、相手にしたくないわね・・・)

(はい・・・ジェラード様もあまり無理をしないで下さいね・・・人間の身となったので、疲れも当然出て来るので)

(それは分かっている、近々あの艦娘の中から一人二人を招いて、これからの計画に組み込みたいな)

(確かにそうですね・・・)

 

と話に夢中になっていると、後ろから誰かに抱きしめられるジェラードにいきなりのことで驚いた

「ヘーイ!admiral!admiralも飲みましょうよ!」

「ちょちょっと待てアイオワ、妙に顔が赤いがもう酔ったのか?」

「Of!miは酔ってませんよー!admiral!あちらでもっと交流しましょうよー!GOー!」

「ちょっと待って!私はゆっくりと飲むから、アイオワは少し酔いを覚ませてからのほうが良いと思うが」

「admiralありがとうね!大丈夫大丈夫!さあ、もっと話をしましょうよー!」

「ちょっと待て・・・あ、響、不知火!ちょっと手伝ってもらってもいいだろうか!」

「「司令官・・・」」

二人は頬を赤くして、千鳥足でフラフラしていた

!?拙いこれは

「司令官、少しこっちにも構ってもらってもいいじゃないかな?」「不知火は酔っておりません、とりあえず司令官はもっと不知火と話すべきです。」

二人はすぐさま、ジェラードの傍に寄り、アイオワに加勢して、ジェラードの両足を掴んで運んだ

「ちょっとまて!おい!誰か何とかしれくれー!」

するとそこへ、妖精さんも現れ

「司令官!もっと我々とも交流を深めるべきだと思います!司令官は艦娘と同時に司令官でもありますので、もっとお互いを深めるために遊びましょうー!」

その時、ジェラードは少し艦娘達、妖精さんの目に狂気を感じ、このままでは遊ばれてしまうと思い逃げようとするが、逃げられず結局遊ばれた。

その光景を見ていた矢矧、島風、セラ、ミラ

ちなみに島風は飲み過ぎて、連装砲ちゃんに看病してもらっている

「・・・あなたの提督は随分好かれる人なのね、あの調子だと倒れるまで飲まされるわね」

「ジェラード様は元々最強の艦でありながら、シャイなところもありますから、結構人気がありましたね」

「なるほど・・・ところであなた達はなぜ、提督をジェラード様と呼ぶのかしら?」

「我々はジェラード様の一部でもあり、ジェラード様の手足となる存在ですから」

「我々が艦の魂だった頃はジェラード様に搭載される潜水艦で、数々の任務に対応できるよう私たちもいる訳です」

「搭載していた?つまりあなた達は艦娘なのに提督の兵装の一部というの?」

「そうと捉えてもらっても構いません、我々は一心同体ですから」

「・・・」

矢矧は二人の潜水艦の迷いなき目に思わず見とれ、同時に自分もなれたら良いなと思った。

「なるほど・・・これから先どうなるか、分からないけど面白くなりそうね」

「ええ・・・準備が完了次第、人類側との接触も開始するようです。」

「人類と・・・?でも大丈夫なのかしら?逆に取り込まれる可能性もあるけど」

「その時は我々の持つ全武力で阻止するだけです。」

「そう・・・その時が来れば私も腹を潜らないとね」

 

潜水艦セラ、ミラと矢矧はいろいろと情報交換し、ずっと付いて行くことを決心した。

矢矧だけではなく、元々アイオワ、響を始めとする艦娘は付いて行くことを決心したが、不知火等まだ、ジェラードを完全に信用しきってない人も居た、だが、ジェラードの普段の行い、徹底した計画等を見て、付いて行くことを決心した。

 

宴会は夜明けまで続き、ジェラードはアイオワ、響、不知火等にもみくちゃにされ、最終的に酒を大量に飲まされたあと、しばらく再起不能になったことは後に本人もようやく意識を戻した頃に分かったという、そして、同時に宴会の酒飲みは集団で飲むと恐ろしいというジェラードの数々の戦場で経験した中でランクインしたほどのものになり、少しばかり酒というものを遠ざける行動にあった。

 

ちなみに後日妖精さんから、飲んだあとの寝顔を写真に妖精さんに撮られて写真争奪戦が起きた

最終的にジェラードが確保したが、その間第二次世界大戦にも匹敵する争奪戦が発展するほどになった。

その日の夜、妖精さんとジェラードで修復作業光景は艦娘の間で話題となった。

 

 




む〜・・・設定内容をちゃんと決めていたつもりが甘いところが露見、文才能力が高くなりたいな・・・と思っていたらいつの間にか、お気に入りが10・・・

(・・)・・・

お気に入り数10

ファ!?

ま、まさかの・・・

脱字、誤字等があればご報告のほうよろしくお願いいたします!!!


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戦闘

 

 

島の開発は順調に進み、新たなに建造されたアイオワを旗艦とする矢矧、響、不知火、島風は島の哨戒、輸送艦の護衛等を務め、資源の調達も順調に進んでいるようだ。

 

「・・・なあ、アイオワ」

「はい、なんでしょうか?admiral」

「別に英語を教えて欲しいとは言った覚えはないと思うのだが・・・」

「no!、admiralはもっとEnglishを学ぶべーきです!それともadmiralは学ぶは嫌いですか?」

・・・そんな潤んだ目で見るな・・・

「そういう訳ではないが、アイオワの英語は分かりやすいのだが、ちょっとペースが早くてな・・・もう少しゆっくりにしれないか・・・それに今は島の開発等で忙しいから、英語の勉強は勘弁して欲しいんだ・・・」

「む〜・・・admiralが忙しいことはmiでも分かりますけど、admiralがEnglishを学べばもっともっと私と話せまーすから、頑張りましょう!」

「そ、そうか・・・」

どうやら、まだまだ続きそうだな・・・と思っていた時、司令室の通信機が鳴った。

ジェラードはそれを取るといつものように話した。

「どうした?何かあったのか?」

『はい、こちらは早期警戒レーダー網の妖精ですが、北西400k地点で、深海棲艦と思われる艦隊の出現を確認。恐らく南東部にある日本軍泊地への強行偵察部隊と思われ、数時間後にはこの本島を通過する模様です。』

「敵艦隊の編成は?」

『大型艦6隻、小型艦9隻、空母が3隻、戦艦3隻、巡洋艦4、駆逐艦5隻の編成のようです。』

「うむ・・・少し哨戒している部隊と交戦しても苦戦は間違い無しだな・・・よし、私が出撃する。」

「admiral!何を言っているのですが、admiralはこの基地の司令官です!もしものことがあれば大変ですよ!」

「大丈夫だ、それに私は深海棲艦を知らない、指揮官である私が敵を知らなくて一体どうする?それに用が済めば、さっさと沈める」

「of・・・なら、miも同行させて下さい「悪いが、今回は一人で行きたい」!admiral!」

「大丈夫だ、潜水して接近し、艦隊を撃滅するし、あなたは潜水できないでしょ?」

「うっ・・・」

「大丈夫よ」

「う〜・・・分かりました!admiral・・・」

「だが、万が一待機しておいてくれ、この基地にも接近する艦隊がいるかもしれないからな、その時は頼むぞ?」

「OK!任せてadmiral!」

ジェラードは執務室を後にして、艤装を装着したあと、ドックの射出機から出撃した。

「・・・相変わらずこれには慣れないな・・・訓練にも出るとはいえ」

『我慢して下さい、これが一番効率の良い出撃方法ですから』

「うむ、では、これよりジェラード潜水戦闘空母出撃する!」

ジェラードは基地から出た後、潜水モードに切り替え、敵艦隊へ接近した。敵艦隊には空母、戦艦が含まれ、空母の数が多いのはできるだけ艦載機の情報を得るためだろう・・・

ジェラードは艦隊と3000mまで接近したところで、潜水戦闘機の発艦させた。艤装の壁に付いた扉が空き、艦載機を射出させた。

ジェラード級は元々隠密性を増すために、艦載機は海中でも発艦させることができる。発艦させる際、航空機が収納されている区画から航空機を船体の側面の射出口から一気に海中へ潜水させ、航空機を発艦させる。潜水戦闘機と潜水戦闘空母があるからこそ、できる技だった

ジェラードは航空機を12機程の編隊を送り、敵艦隊がどう攻撃するか、観察する。

「艦載機発艦せよ、目標敵艦隊攻撃、航空隊は小型艦を優先的に攻撃せよ」

とジェラードが告げると、潜水戦闘機に搭乗した妖精さんが親指を立てて、発進した。

 

一方深海棲艦では、日本軍の泊地へ向けて、強行偵察を行っていた。

「ああ〜・・・こうも敵が来ないと暇になるな〜」

「無駄口をたたくな、我々は占領下の海域を航行しているとはいえ、潜水艦がいる可能性もある、警戒を厳とせよ」

深海棲艦は対空、対潜警戒しているところに、ジェラードの潜水航空隊が海中の中高速移動しながら、接近した。

手始めに艦隊を守っている駆逐艦へ対潜レーザーを直撃させ、撃滅させる

 

ドゴーン!!!!

 

「!!!艦隊へ告ぐ!敵艦隊が襲来した!直ちに対潜要員は潜水艦へ攻撃せ「ドバーン!!!!!」!!」

「駆逐艦と軽巡が多数轟沈しました!敵潜水艦は数多くいると思われます!」

おかしい・・・潜水艦だとしても、こうも簡単に駆逐艦を撃沈しただと?一体敵潜水艦は何隻いるんだ!

この時、ル級は自分たちを襲ったのは潜水艦で、多くの潜水艦による飽和攻撃だと思っていた。それもそうだろう、まさか、海中にいる潜水艦がただの潜水艦じゃなくて、この世界最強の潜水艦で、航空機も潜水するなんて、あり得ないからだ。

ドゴーン!!!!

「ち・・・艦載機は何をしている!早く敵潜水艦を見つけないか!このままでは全滅だ!」

 

戦闘様子を見ていたジェラードは静かに観察していた

なるほど・・・あの異形の化物は特殊技能、能力はなく、通常の砲撃、水雷激戦、対空戦、対潜攻撃等があるが、特にこれといった脅威はない。だが、私も潜水できるのと同時にあの深海棲艦達も潜水でき、情報では艦艇どころか、基地そのものが深海棲艦になっている個体も存在し、それらがすべて、潜水機能を持っているとすれば、厄介だな・・・

だが、通常戦闘を行う際は海上に浮上しなければ、潜水艦タイプ以外攻撃は不可能というところか・・・

あの深海棲艦を鹵獲し、調査すれば、なぜ、生まれるのか、手がかりになるかもしれない。

よし、密かに放った潜水艦セラとミラからの情報は十分、この艦隊には用はない。

ジェラードは艦載機達に攻撃命令を出した。

 

ドヴォオオオン!!!

このまま撤退するか、と思案したところにジェラード航空隊は標的を大型艦へ標準し、攻撃を開始した

ル級は必死に潜水艦を見つけ出してもらうよう指示するが、この努力も虚しく、艦載機の対潜レーザーによって撃滅した。

 

 

「・・・敵艦隊撃滅を確認・・・さすがに艦載機12機でもオーバーキルだったか・・・まあ、いい、情報は取れた。こちらジェラード、これより帰還する」

妖精さんからは『了解』と通知が来て、ジェラードは思案する

「・・・どうやら、深海棲艦は統制されている組織的行動が可能のようだな・・・さらに潜水可能ときた、少し厄介だな・・・」

と思っていると撃滅した海域から光が発生した

「?・・・まだ、敵艦が居たか・・・」と攻撃しようか、という時に妖精に止められた

「うん?なぜ、止めるんだ?あれも深海棲艦ではないのか?」

妖精さんは頭を横に振って、嬉しそうに光の球体を拾い、艤装に収納した。

 

 

妖精が拾った光の球体には興味があるが、それは帰ってからでいいだろうと思い、帰還した。帰還したところにアイオワが待機していた。

「OF、admiralお疲れさまです!」

「ありがとう、ちょっと工廠へ行くぞ」

「OK!」

工廠へ着いて、妖精さんが拾った球体をドック装置の機械へ投げると再び光り出し、重厚な扉が開いた・・・

中から現れたのは金髪女性の帽子を被った重厚な二門の主砲を4基の艤装を装着した女性だった

「Guten tag 私はビスマルク型のネーシップ、ビスマルクよ、よーく覚えておくのよ」

わーいと妖精さんが万歳しているところで、隣に居たセラが補足してくれた

「ジェラード様、ビスマルク型一番艦ビスマルクはドイツ帝国の戦艦で、最強と呼ばれている艦です。」

「そうか、私はこの基地の司令官を務めているジェラードだ、よろしく頼む」

「ええ・・・admiralから私たちと同じ者が感じる・・・」

「おや、どうやらあなたの勘は冴えているようね、そうよ、私は貴方達と同じ艦娘であり、ジェラード級潜水戦闘空母一番艦のジェラードよ、よろしくね」

「・・・聞いたこともない艦だけど、admiralが私のadmiralであることは間違いないわ、これからもよろしくね」

その後、ビスマルクとジェラードは艦隊の規律において意気投合したのか、深くまで話し込み、アイオワに止められるまで続いた。

 

一方、人類側では深海棲艦との激戦の末、艦娘の存在により自国の領海を取り戻すことには成功したが、まだまだ全地球上の7割の海を支配する深海棲艦との戦いはさらに激しさを増し、今日も深海棲艦に対して各地の鎮守府からの対策会議をしていた。

大日本帝国 東京

「全く・・・横須賀から援軍が来なければ、今頃舞鶴鎮守府は落ちていたのかもしれぬ・・・礼を言うぞ」

「いえいえ、舞鶴は我が大日本帝国にとって重要な基地です。ここを失っては日本軍が更なる劣勢となることは間違いないですからね」

「うむ・・・だが、深海棲艦の通商破壊工作には手を焼いている、何とか対策をしなければ、現在消費している原油、物資等が不足するぞ」

「そうですね・・・さらなる護衛艦隊整備も急ぐ必要がありそうですね・・・」

「・・・そうえば、左世保鎮守府の艦娘からの報告ですが、南方海域で深海棲艦が活発な動きを見せているとあった」

「何?深海棲艦は次の大きな作戦があるのか?」

「いえ・・・不思議なことに深海棲艦達は戦力の何割かを南東へ向かわせている動きを見たとのことです」

「・・・深海棲艦が南東へ・・・?だが、あそこは完全に深海棲艦の手に落ちているはずだ。現地人は全員大陸へ避難したか、虐殺されたはず」

「まだ、詳しい調査は分かっておりませんが、深海棲艦が南東部で大きな動きを見せているのであれば、十分警戒は必要かと、情報収集し、南東部へ偵察部隊を編成して調査に向かわせてはどうでしょうか?」

「うむ・・・危険だが、潜水艦で行けば何か情報を得ることができるかもしれぬ・・・よし、それは横須賀と呉鎮守府へ依頼しても良いか?」

「ええ・・・いいわよ、うちの第一潜水艦隊なら、出せるから、その艦隊で付近を調査させます。」

「はい、第六航空部隊で強行偵察部隊を編成し、調査に当たらせます。」

「うむ、よろしく頼む」

 

アメリカ ホワイトハウス

「糞・・・まだ忌まわしい魚どおを駆除できないのか?」

「我が国の西海岸、東海岸の領海奪還は出来ましたが、二方面の戦線を抱えているので、やつらの物量攻撃には手を焼いております・・・」

「何とか艦娘も量産することはできないのかね?」

「研究部が全力を上げて解析中ですが、これといった結果は出ていません。」

現在アメリカは日本より後に艦娘が登場したため、まだまだ全盛期のアメリカ海軍には程遠い、現在アメリカ海軍は航空母艦20隻、戦艦30隻、重巡洋艦56隻、軽巡洋艦75隻、駆逐艦121隻、潜水艦78隻、軽空母45隻等だ。

アメリカは同種の艦娘等を利用し、各基地へ配備されているが、まだまだ戦力が足りず、アメリカの猛烈な航空支援と陸上攻撃で深海棲艦達を押し返している。

ヨーロッパ等も確認されている艦娘は50種未満で、自分たちの領海を防衛に精一杯だ。

「そうか・・・何とか我がアメリカ海軍を復活させねば、再び世界を統制することはできぬ、何としても結果を出すのだ」

「しかし・・・あまりにもやり過ぎると妖精との協定に違反しませんか?」

「ぬ・・・」

全世界で共通なのは艦娘は妖精から生まれ、妖精によって補給、改修、改造がされるもので、そこに人間が入るところはあまりない。

人類側も艦娘がなぜ、攻撃できるのか、研究してるが、妖精との協定によって艦娘を解剖することもできずにいた。

「・・・仕方ない、研究部には注意するよう言っておけ」

「了解しました、それと大統領、太平洋の南東部で深海棲艦の活発な動きを見せています。」

「何?あの魚どもは次の大規模作戦でも実行するのか」

「それは分かりませんが、深海棲艦達は南東部へ何割かの戦力を回しているようで、潜水艦隊から報告がありました。」

「そうか、よし、更なる調査することは可能か?」

「はい、第二、第八潜水艦隊で調査することは可能です。」

「よし、ジャップのやつらはどうなっている?」

「日本軍は自国の領海を取り戻し、更なる作戦を大きく建てているようで、活発な動きがあるようです。」

「そうか、ジャップに遅れをとる訳にはいかん、何としても戦力拡張せよ」

「イエッサー!」

糞・・・艦娘の存在によって今の状況は助かっているが、まだまだ戦力が足りない・・・やつらに対しても情報が一切ない状況では何もできぬ・・・

 

各国は自身の防衛に頭を抱え、太平洋の南東部に深海棲艦の活発な動きがあると報告を受け、調査艦隊を派遣することになった。

 

 

 

もう一つの勢力、深海棲艦でも会議に上がった

太平洋のど真ん中、ハワイ諸島で深海棲艦達の巨大施設が存在し、本拠地となっていた。

オワフ島司令部で、各方面の姫が集結し、今後の作戦ついて会議していた

「戦艦棲姫、舞鶴強襲作戦は失敗したようだな」

「・・・飛行場姫、ああ、敵部隊の増援の動きが早くてな・・・あと少しで制圧できたのに・・・」

「何があと少しよ、泊地棲姫と潜水棲姫が救援に来なければ、あなた全滅してたわよ?」

「それ以上余計なことを言えば、潰すぞ・・・」

「あら?・・・やる?」

二人の間で今すぐにも戦闘がはじまりそうな雰囲気が出た時、空母棲姫が止めた

「はいはい、二人さん、やるのは構わないけど、それはあとでね、今は会議中・・・というか忘れてない?」

「・・・ち」

「各方面からは以上かしら?」

「はい、あと一つ南方海域で複数の艦娘を発見したそうだ」

「何?南東海域で同胞が艦娘の姿が確認した?」

「はい、偵察及び輸送艦隊が突如謎の攻撃を受け、被害甚大とのことで、既にいくつかの艦隊がいなくなっています。」

「どういうことだ?あそこは完全制圧したはずだぞ?まさか、人類側があの海域まで進出したのか?」

「いえ、アメリカ、日本からの艦娘の艦隊は確認されておらず、せいぜい潜水艦が確認されたくらいです。」

「そうか、よし、あの海域へ調査しよう、艦娘艦隊が居れば、戦力をそっちへ回し、撃滅する。」

「了解しました、それともう一つ気になる報告が・・・」

「なんだ?」

「艦娘の中に見たことない艦娘を艦載機で確認したとのことで、新型の可能性があります。」

「何!?タイプはなんだ?」

「飛行甲板と巨大な構造物から航空戦艦ではないか?と見解を出しているのですが、まだまだ情報が足りません」

「そうか、よし、南方海域と南西海域から姫クラスの艦隊を集結させ、その海域の制圧準備に取りかかろう」

「分かりました。」

ジェラード達の存在は徐徐にだが、世界勢力に感知され、魔の手が伸びようとしていた。

 

 

 

 

 

 



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兵器開発

 

妖精によって島の開発が進む中、工房にジェラードとセラ、ミラがある目的のために訪れていた。

艦娘の装備開発だ。

ジェラードがいくつかの兵器データを妖精に渡したが、どうしても開発できないものはいくつもある。

例えば潜水戦闘機、衛星兵器、次元テレポート制御システム、テレポート空間レーダー等だ。

特に次元テレポート制御システムやテレポート空間レーダーがあれば、瞬間移動兵器の戦略範囲が広がるし、是非とも開発したい・・・

 

(*次元テレポート制御システム、テレポート空間レーダーはジェラードが居た異世界の戦略兵器であり、物質を瞬間的に長距離移動を可能とした兵器で、ミサイル等を目標の手前へ異空間を通じ、別の場所へ飛ばすことができる、これによってタイムラグというものが発生せず、射程範囲内で目標の正確な場所が分かっていれば、攻撃可能。また、輸送面でも転送システムとして存在するが、エネルギーとなるダークマターが必要であり、まだ採掘できるか、分からない。

現在、艦これの世界で、ジェラードが備蓄している分だけである。)

 

この時代は初期的な技術が多く、ミサイル、武器システム、誘導砲弾等初歩的なものが多く、技術者に兵器の設計図を渡してもすぐにはできない。

妖精さんも頑張っているが、どんなに技術伝授してもすぐには身に付くのは難しいから、ジェラードか、セラ、ミラでたまに開発局へ赴く

まあ、それでも一日で基礎部分を理解するこの基地の妖精さんは十分おかしい存在であるがな・・・

 

「さて、今日作るのは航空機だ、空港が完成間近と空母系艦娘の配備が近いから、開発したい」

「おお〜おもにどんなものを作るのです〜?」

「うむ、陸上機はできれば最低限ジェット戦闘機と艦載機もステルス戦闘機を作りたいが、どうかな?」

「う〜ん、話は聞きましたが、今は何とも、この開発システムは狙ったものはできる訳ないですし、一からになると少し時間がかかるよ〜?」

「構わない、一度開発ができれば、あとは量産は可能だからな」

彼女は簡単に量産と言っているが、通常兵器は開発されても量産体制、工場、施設拡張等時間はかかるが、妖精の力で一度兵器ができれば、妖精は材料さえ、あれば何度もでも短期間で作ることが可能という滅茶苦茶なものだった・・・

これを聞いたジェラード達は「もう何なのこれ・・・一体どうしたらそうなるの?」と頭を抱えた

「分かりました、では、資材もお願いしま〜す!」

「うむ、数値はだいたいこのくらいで良いだろう、あとはボタンを押せばいいんだったな?」

「うん、そうだよ〜」

ジェラードはボタンを押すと機械が作動し、発光した。

光が治まったところで、目の前に航空機と思われる機体があった

妖精達はおお〜!と目をキラキラさせたが、ジェラードは首を捻るものだった

「おお〜!ジェラードさんやりましたね!これは震電改ですよ〜!!!!」

「しんでんかい?どんな機体だ?」

「はい!震電改は局地迎撃戦闘機で、速度700を超え、30㎜機関砲を4基備える超高性能機体です!しかも日本海軍しか配備されてなく、その配備数は少数でまだまだ開発途中段階なのですよ!!!!!!フォオオオオオオ!!!!!」と妖精は発狂した

「そ、そうか・・・(だめだ、旧式のプロペラ機がすごいと呼ばれても何とも言えぬが、だが、こいつを量産すれば、輸出品としてはかなり期待できるかもな、見たところこいつは完成体だ)」

艦娘の装備でプレペラ機としては最強の分類だが、ジェラードとミラ、セラは異世界から来た組は何が良いのか、さっぱりだった

 

「よし、次を作るぞ」

「はい!!!!お願いします!!!」もうこの開発妖精は発狂しすぎて、ちょっと危ないかもしれない・・・

次出て来たのは、大型の機体だった

「六発の大型機体か、これは爆撃機か?」

「・・・・・・・・・・・・」

「うん?どうした?」

「ふ・・・・」

「ふ?」

「富嶽だああああああああああああああああ!!!!!」

「おおお!!!!生きててよかった!!!!!!!!この機体は幻の爆撃機で、日本海軍にはまだまだ開発途中で、配備すらできていないのに完成体を見えるとはやったぜ!!!!!!!ファオア!!!」

「ちょっと落ち着けお前ら」

ジェラードは妖精のあまりの発狂ぶりに引いていたが、データを見る

「・・・なるほど、確かにプロペラ機としては高性能の分類に入るだろう、この爆撃機は恐らくアメリカ、日本まで航続距離が届く、これは温存しておいたほうがいいかもな・・・よし、次だ、そろそろジェット機来い」

 

ジェラードは次々と開発を続けたが、出て来たものは年代バラバラで装備品の中に海軍とは関係のないものまで出てきた

開発した兵装?は以下のものだ

ゴミ×34(なぜかペンギンと雲?ホコリの生き物が大量発生した)

12.7連装砲×2

14㎝砲

零戦×12

烈風×21

流星改×12

震電改×2

富嶽×2

エイブラムスM1A3戦車×3

トマホーク×3

Me262×4

B1爆撃機×1

 

*ただし、読者に分かりやすいように明記しているが、本人達は『M1A3、トマホーク、B1等は名前すらわかりません』

・・・・・あれ?なんで陸軍の兵器が出るのかな?いや、なんだ、この兵器達は?見たことないものばかりだが・・・

「・・・妖精さん、これらは何か分かるのか?」

「えーと・・・零戦、紫電改、流星改、烈風、12.7㎝連装砲、14㎝砲等は分かるけど、その他は分かりませんね・・・」

「そうか、よし、これらは研究部へ回せばいいだろう、次で最後にするか」

・・・次の開発で最後にしよう、そろそろ用意した資材がなくなる。

ボタンを押すと次は艦載機が出現した。

異世界国家の現役攻撃機

分類:戦術支援攻撃機(空軍機仕様)

:ULIーPRSー7

全長26m

全幅15m

乗員1名(ただし、無人で飛行・戦闘も可能。)

推進力マッハ2.22

航続距離8032k

固定武装30㎜大型バルカン砲、対地対艦攻撃用レールガン、高圧レーザー砲

搭載兵器ミサイル×20基

 

対空AIMミサイル、対地BBNミサイル、誘導貫通ミサイル、多目的ミサイル、対艦LLBMミサイル

装甲にはムナール装甲が使われ、タングステンより硬度の高く、5分の3ほど軽いムナール鉱石から加工されたもの。

    30㎜バルカン砲、数発のミサイルであれば被弾しても戦闘は可能。イメージとしてはアメリカ軍攻撃機A10より硬く、重武装だ。

    

 

 

 

「お、良い機体が来たな・・・やっと知っている機体が来たか」

次の機体は「ULIーPRSー7」対地・対艦戦闘を重視とし、レールガンを備え、30㎜大型バルカン、レーザー、ミサイル等重武装にして、ムナール鉱石を使用する重装甲、速度がマッハ2.22と遅いが、火力と装甲で補う。

「ジェラード様、これはなんですか?」

「うん?ああ、こいつは「ULIーPRSー7」と言って・・・」大まかな内容、性能を伝えた後、妖精さんの顔が引き攣っていた

「なんですか、その化物は・・・これ一つで艦隊と戦えますよ・・・」

「まあ、この時代から見たらオーバーテクノロジーだからな・・・」

「え?これはジェラード様の時代から来た兵器なのですか?」

「ああ、正直艦載機と輸送機が来て欲しかったが、ないものをねだっても仕方ない」

「いや、私たちにとって見たことのない兵器のオンパレードなのですが」

「おはや時代もバラバラです・_・」

「これはそういうものじゃないのか?」

開発からすれば、既存の兵器を再び製造、量産するには多くの人員と天然資源、技術が必要だが、目の前の開発システムはそれらを無視して開発することができる、ある意味ファンタジーとしか言いようがない。

 

ジェラードが開発した兵器達は年代のバラバラな陸軍から海軍、空軍の兵器が開発され、それらはすべて研究部へ送られた。

ただし、妖精の進言で震電改、富嶽、オーバーテクノロジー(F22、エイブラムス戦車、OTOメラー砲塔等)は量産されることが決定され、さらに改造を加えることとなった。

 

島の鎮守府会議室で各自の状況を報告していた。

ここにはジェラードとセラ、ミラはもちろん、各妖精さんとアイオワ、ビスマルクといったメンバーで行われている。

アイオワはジェラードの護衛、ビスマルクは基地設営部の主任を務めている。

「では、各自から進行報告をお願いします。」

「はい、設営建設部妖精さんからは鎮守府、倉庫、軍港、工房、ドック、飛行場等の建設は順調で、あと数日後には完成すると思われます。」

「エネルギー管理部からは本島の北部で廃棄された石油プラントを再び改装し、現在原油産出施設として稼働しており、鉱石等も鉄鉱石、レアメタル、レアアース等は大陸棚にありますが、銅鉱石、ボーキサイト関係が少し、産出地から輸送しないことには現在以上の消費を賄うのは難しいです。」

「諜報部のセラとミラです、こちらからは深海棲艦が活発になっており、日本、アメリカ等といった国家は潜水艦娘等をこの海域へ派遣するところから、この本島の存在に感づいている可能性があると思われます。」

「何?他国がこちらに感づいているのか?」

「はい、我々が派遣した妖精、艦娘からは人類側の基地から艦娘達が、頻繁に活発な動きを見せており、新たな大きな作戦を行うと予測しています。」

「そう・・・深海棲艦も活発な動きを見せているということは近々脅威が来る可能性は十分あるわね」

「はい、情報によれば南方から姫クラスの移動も確認されており、今後の戦いがさらに激化するかもしれません。」

「oh・・・今の鎮守府はまだまだ艦娘の練度も高くないじょうたいで、戦いたくはないわね・・・」

「・・・基地のほうも完成してきたとはいえ、まだまだ大規模な襲撃には耐えられるか、微妙なところですね・・・」

「開発された装備はいくつもの未知の兵器が出ましたが、あれを研究した結果まず、航空機は震電改と富嶽は十分改造を加えれば最強クラスの性能があり、戦車はタングステンより硬度が高い装甲で、主砲も120㎜砲に相当、エンジンも未知数ですね・・・

爆撃機のほうは噴式エンジンが使われており、かなり高速で高機動力があると推測されており、実験をかねて後日飛行予定ですー。」

「うん?パイロットのほうは大丈夫なのか?」

「それは大丈夫ですーこの基地にはもともと大規模な基地で、よく秘密兵器の実験とかしてたから、噴式ジェット機に搭乗したことのある妖精さんがパイロットだよ〜それにジェラードさんの妖精さんからの指導もありますから問題なしですー」

「わかった。だが、深海棲艦、人類側で不穏な動きがあるなら、警戒する必要があるな・・・」

「はい、艦娘の数が少ないので大規模にはできませんが、偵察衛星等も打ち上げる予定なので、監視が可能となります。」

会議の立体映像投射機が世界全体の地図を出す。

「現在、それぞれの勢力で把握している内容で、深海棲艦は太平洋、大西洋、インド洋等を占領され、ハワイと呼ばれる諸島に拠点があると予測しています。人類側は艦娘保有国がそれぞれ主要基地に配備しているようです。」

「・・・今後としては人類側と何かしらコンタクトを取りたいが・・・」

現在の人類情勢としては海洋がほぼ深海棲艦に抑えられ、艦娘保有国は何とか自国の領海を防衛しているので精一杯だった。

そのため大陸国はともかく島国は物資の不足が発生し、内陸部でも戦争している国がある状態だ。

深海棲艦という明確な敵がいるにも関わらず戦争する場合か、と普通は考えるが、どうしても海洋封鎖されると不足する物資、資源等が発生し、天然資源の争奪がおきる。

アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イギリス、日本、イタリア等は大丈夫だが、中国の内部紛争はひどく、付近のインド、モンゴル等といった国と度々戦争している。

コンタクトを取るといっても、ジェラード達は未知の存在であり、少なくともこの世界では未来技術を保有している。

そんなジェラード達を狙う勢力は必ず出現し、今後の作戦に大きな支障が起きるだろう

ジェラード達が居た異世界でも戦争があったが、内部戦争を起こし、自爆する国は聞いたことがない。

なので、最初にコンタクトを取る国は慎重さが求められる。

もし、ここでミスすれば、自分たちに大きな危機が出るからだ。

「妥当なのはここから近い日本、西方の大陸国家アメリカ合衆国かと思われます。」

「その二つは艦娘保有国か、自国の情勢はどうなっているんだ?」

「日本は妖精さん経由ですと海軍と陸軍の対立が激しいらしく、権力争いが多々あるようです、アメリカ合衆国は自国の潤沢な天然資源と工業力で深海棲艦を圧倒しようとしていますが、二方面の戦線を抱え、深海棲艦に手を焼いているようです。」

「アメリカ合衆国はアイオワ、お前の国じゃないのか?」

「Yes!ミーのアメリカ合衆国は私もよくは知らないですけど、人種間の差別が激しく、権力争いがあると思います」

「・・・どこも国家権力争いか、気楽なものだ・・・」ジェラードは額に手を乗せながら言う。

 

「だけど、接触するなら日本がいいかと思います!」司令本部妖精さんが検挙する。

「日本か・・・地理的に見れば日本が近いから、やりやすいな・・・」

「はい、それに私たち妖精さんも日本の基地妖精さんとはコンタクト取れますし、受け入れやすいかと」

「・・・よし、決まりだな、だが、接触はまだ先だ、まだこちらにはやることがやまほどあるからな」

「了解です!」

・・・は〜全く異世界で人間の姿になってから、休む暇もない・・・情報によれば東南アジアはほぼ深海棲艦によって占領下にある。

その地帯には豊富な資源地帯もあるということだから、迅速に確保したいところだ

国家権力争いはどこへいっても同じだな・・・

と冷たいコーヒーを啜る

 

 

 




ひえ〜・・・やることがありすぎて小説を書く暇がない泣


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*妖精さんとジェラード達と作者の雑談

 

 

妖精さん「ねえ〜今回どうして書こうと思ったの?」

 

作者「私も小説を読んでいるうちにいろいろ頭の中で妄想して、こういう展開があったらいいのにって思ったことが始まりですね〜」

 

妖精さん「ぶっちゃけ話がごちゃまぜになっているよね?」

 

作者「え?汗そ・・・そこはいろいろと説明しながら行こうかなって思いまして・・・」

 

ジェラード「そもそも自分がどんどん強くなって、蹂躙とかなるじゃないのか?こいうのは」

 

作者「いや〜・・・そこはちょっといろいろと難しいですよ・・・私にもっと文才能力があればあああああああああ!!!!」(o≧ω・)◎)))ω゚o).アベシ!!

 

ミラ「はいはい、文才能力がないのは分かったから」

 

セラ「でも、今回架空兵器が多いけど、読者にどう伝えるの?」

 

作者「・・・」

 

セラ「あら?屍になったかしら?業者でも呼んで火葬しますか・・・」

 

ガバっ!

作者「セラちゃん!作者の扱いがヒドイ!」

 

セラ「で、どうするの?」

 

作者「いや〜そこは最初説明文乗せたのですけど、まだまだ設定が甘いな・・・と感じ只今修正中です・・・冷たいシクシク」

 

ミラ「早くしたほうがいいですよ〜こいうのは後に忘れてきますから」

 

妖精さんB「ほら早くしろよ、作者の頭から消える前に」

 

作者「妖精さんの扱いもヒドイよ〜!いいもん!嫁艦のビスマルクとアイオワに慰めてもらうから!」

 

アイオワ「いつからあなたの嫁になったのよ、あなたの脳内妄想でしょ」

 

ビスマルク「少し規律が乱れているようね・・・鍛え直しましょうか?」

 

作者「うわあああん!」

 

セラ・ミラ「ところで最近私たちの扱いも雑になっているわよね?」

 

作者「え?」

 

セラ・ミラ「なんかちょいと現れては消えての繰り返してのようだけど」

 

作者「あ、ハイ、エート・・・」

 

セラ・ミラ「もっと扱いをちゃんとしないとあなたの頭に魚雷かミサイル打ち込むわよ」

 

作者「はいいいいいいい!!!!すいませんでした!!!!」

 

ジェラード「ちなみに今後の展開としてはどうするつもりか、決まっているのか?」

 

作者「はい!とりあえず主人公と深海棲艦、人類と勢力に分かれていますが、今後ではもっと絡ませていきたいな〜って思っています!」

 

ミラ「もっと上手い具合に説明とかないの?」

 

作者「えーと・・・今後としては頭の中で迷走しながら、どうしようか、考えてます・・・・汗」

 

セラ「情報収集・・・」

 

作者「はい・・・とりあえずアイオワさん!ビスマルクさん!慰めてくだS」

(o≧ω・)◎)))ω゚o)!・;'.アベシ!!

 

ビスマルク「・・・ドーバー海峡に沈められたいかしら?」

 

アイオワ「Oh、私の故郷で面白い実験があるの、それはどれだけ人間が音速の中耐えられるか、なのだけど、それに参加する?」

 

作者「ひえええええええ!!!!」

 

ジェラード「とりあえずもっと書け」

 

セラ・ミラ「話の展開も考える」

 

アイオワ「個々のキャラもしっかりね」

 

ビスマルク「壊滅的な文才でもどうにかする」

 

作者「ひええええ〜みんな冷たいよ〜正論だけど・・・」

トントン

振り向くと妖精さんがニッコリ微笑み

妖精「頑張るです!!!」

 

作者「はい・・・」

 

 

 



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新装備実験

 

「打ち方用意よし!砲撃開始!」

砲撃された砲弾が真っすぐ標的に命中した

「次弾装填、次、右目標距離5000、撃て!」

「命中!」

矢矧が砲弾を命中させる光景に艦娘達は唖然とした表情で見つめていた。

 

「すごい・・・距離5000だと近でも良いほうなのに全弾命中なんて・・・」

「今回搭載された高性能防空システムとと聞いたけどこれだけの性能なんて・・・」

「ハラショー・・・」

 

「すごいですね・・・今回新しく新装備の実験をかねた砲撃訓練を行うとは聞いてましたがこれだけの命中、稼働状況は良好でテストも記録更新ですよ・・・アイオワさん」

「GOOD、それはそうよ、私も半信半疑だったけど、妖精さんが開発した「高性能防空システム」はアドミラールが教えた技術の一つ、コンセプトとしては艦隊防空を重視したシステムのようよ」

「艦隊防空ですか・・・あの命中率は異常ですよ・・・」

「まだ次の段階ではないけど、艦隊から距離500k離れた場所でも攻撃迎撃可能な攻撃火器が実験されるわね」

「私にも搭載できるのですか?」

「予定だと思うわ、不知火もそうだけど、駆逐艦、巡洋艦にも搭載される予定とアドミラールが言ってたわね」

「それは楽しみですね・・・フフフ・・・」

普段笑わない不知火だが、次の新装備が搭載されれば提督に役に立てると想像したのか、微笑む

 

「どー?」

「バッチグーですー!」

「妖精さん、次の段階でも大丈夫ですか?」

「大丈夫だよー!いつでもOKですー!」

「こちら噴式航空隊、当海域に到着した、いつでもいいよー!」

「了解!矢矧さん、次の実験に移っても大丈夫そうです!」

「分かったわ、電探探知、目標距離23000、目標数3急速接近中、速度1200k、右対空戦闘用意よし、ミサイル発射!」

近くで様子見していた島風は目標の速度に目を見張る

「(速度1200k!?はやい、そんな航空機を迎撃なんてできるの・・・・?)」島風は少し不安な表情で矢矧を見る

 

矢矧は冷静に電探から送られて来るデータをミサイルに入力し、搭載されているVLSから蓋が開放され、一発ミサイルが白い煙を上げながら急上昇し、目標地点へ飛行する。

ミサイルは事前に目標のデータが入力され、ミサイルが目標の熱探知し、撃墜した。

「目標撃破、対空目標に脅威となる機体無し、対空戦闘終了。」

「どうー?データ取れたー?」

「取れた取れたー!やったよ!ようやく完成したよ!」

「やったー!」

「まさかまだ計画段階だった兵器の完成板を見えるなんて最高だぜえええええー!!!」

「本当に迎撃できたよ・・・」

「・・・私も正直半信半疑だったが、この高性能防空システムはすごいものだ・・・送られて来る航空機の詳細なデータがいち早く分かる!これなら阿賀野型の名をかけて対空戦闘ができるわ!」

矢矧は過去に日本軍の特攻作戦で大和と駆逐艦と共に運命を共にし、圧倒的な敵航空隊を前に撃沈された・・・

しかし、もし、この装備があの頃にあれば・・・と頭に過るが、頭を振る

過去のことをいくらいっても仕方がない、今はこの装備に喜ぼう・・・と思い表情を笑う

 

「うん、結果は良好ね、対空対艦ミサイルの性能もバッチリだし、これなら順々に改修ができるわね」

「他にも何かできるのですか?」

「そうね、あの高性能防空システムには対空対艦戦闘と対潜戦闘も可能になるはずよ」

「対潜ですか?電探で目標を探知した後爆雷攻撃ですか?」

「いえ、対空対艦ミサイル同様対潜ミサイルも開発中のようよ、戦術としてはソナーで目標を探知した後、対潜ミサイルで目標へ打ち込み、海中で弾頭に装備された追尾式魚雷が攻撃する、ね」

「追尾?魚雷が追尾するのですか?」

「そうね、魚雷頭部にソナーが取り付けられて、そこから発する電波で反応する敵艦を追尾するようよ」

「・・・それは恐ろしい兵器ですね」

追尾式の魚雷、魚雷は今まであらゆる艦艇を海底へ葬り去った火器であり、一発だけでも大型艦ならともかく駆逐艦では致命傷にもなりかねることがある。しかも魚雷が真っすぐではなく、自分に追尾するのだから、一度探知されてしまうとどうなるか、想像し少し身震いした。

「相変わらず信じられない程の性能を持つ武器ですね・・・」

「その分、コストが高いけどね・・・」

「?その追尾式魚雷一発はどのくらいの価格するのですか?」

「そうね・・・酸素魚雷が20本購入できるじゃないかしら?」

「20・・・本ですか・・・」

戦争当時でも魚雷というのは高価であり、一本1万5000円、それが20本で30万だ、当時の一式陸上攻撃機の値段は25万であり、軍人もびっくりの値段だ

さらに追尾式魚雷には電子機器が積まれている、材料調達もレアメタル、レアアース等が必要になるが、それらはすべて海外もしくは海底から採掘、調達している。

「でも、30万の価格で確実に命中させることができるのなら安いものですね」

「まあ、私の建造費もかかったけど、アドミラールはもっと建造費がすごいわね・・・」

「え?提督はアイオワさんよりも建造費が高いのですか?」

実験が終わった矢矧達がアイオワと不知火に合流し、会話に入った。

「ええ、大和型が数隻以上はできるじゃないかしら?」

「す・・・・数隻分ですか!?」

「えーと・・・大和型は1億5000万だとして・・・3億以上ですか!?」

*当時の大和型の建造費は現代に加算すると2兆円以上でジェラード級一隻の建造費は5兆円以上なので、2〜3隻分の費用で建造できます。

 

「まあ・・・でも、あんな潜水空母で潜水艦を搭載して戦闘もできるのだから、そのあたり知っていたらある意味当然かもしれませんね・・・」

「いやいや建造費は確かに5兆円だが、艦載機、搭載する潜水艦等の費用も加算すると10兆円以上かもしれんぞ」

「10兆円!?うわ〜いちじゅうひゃくせんm・・・」

「少なくとも大和型が5隻は出来ますね」

「ちなみに高性能防空システムも高いわよ」

「でも、高くても確実に相手に勝つことを考えれば・・・安心できるわね」

「ええ、アドミラールも空母艦娘が来たら新型の艦載機を搭載するために飛行甲板を改装する予定のようよ」

「え?どんな甲板に?」

「さあ・・・確かアドミラールの世界では古い形のようだけど、離発着が同時に可能になるね」

「おー!」

「名前はアングルドデッキとか言ってたかな・・・」

「ハラショーそれは楽しみだ」

「提督みらいなものじゃないんだ〜」

*ジェラード級の飛行甲板はアングルドデッキではなく上から見るとY型かH型と間に当たる形状をしている。

「さすがにあれはね・・・」

「あれ?でも、提督も空母ですよね?しかもあの性能ならあまり優先的に建造しないくてもいいじゃないですか?」

「いや、提督もあの馬鹿げた性能とはいえ、空母は多く居たほうが戦術の幅が広がる上、まず提督は司令官だぞ?もしものことがあれば困るだろ・・・」

「ああ〜・・・なるほど・・・」

「・・・といってもたまに戦線に出るけどね」

「まあ・・・そのほうが安心ですけどね」

「ちなみに提督は今何をしているの?」

「ああ、確かビスマルクと共に新たな艦娘を建造するために建造ドックへ行っている」

「新たな艦娘・・・陽炎型が来て欲しいものですね・・・」

「阿賀野型だと良いな・・・」

「特型駆逐艦とか出ないかな〜」

「それはさすがに分からないわね・・・アドミラールも今回巡洋艦と潜水艦、空母を建造したいと言ってわ」

「でも、新たな仲間が増えるのは大歓迎!」

「そろそろ第二艦隊と第三艦隊で哨戒と遠征もしたいしね」

「訓練を行ってはいますがまだまだ不知火も落ち度がありますね・・・」

「でも、どんな艦娘が来るのだろう?」

「できれば好戦的な艦娘が来ないと良いのですが・・・」

「ああ〜確かイギリス、アメリカ系でいるもんね」

「結構日本海軍にもいるのですけどね・・・」

「そうね・・・さあ、皆実験が終わったところで次は陸戦の訓練を行うわよ!」

「えー・・・陸戦は苦手だな・・・」

「まあ、戦術の幅を広げる点では私たちも陸戦を行えるようにして損はないでしょう・・・近年の深海棲艦は陸上型も見られているようだし」

「はいはい、おしゃべりはそこまでよ、訓練を開始するわよ」

「はーい」

艦娘達が訓練に明け暮れている頃、ジェラードとビスマルク、ミラ(セラは偵察任務中)でドックに居た。

 

「わーい、ジェラード様とビスマルクさんだ〜」

「次は何を作りますかー!」

「さあ、みんな仕事開始だよー!」

「おおー!」

 

「それでアドミラール?次は何を建造する予定ですか?」

「そうね、次はこの基地にも海上航空隊を整備したいから空母だな、それ以外でも巡洋艦と潜水艦を建造したい」

「OKOKー!」

「よーし、やろうどもー!早速仕事だぜ仕事!」

「確か空母系はボーキサイトを多めにすればいいのだな?」

「うん、そうだよー!」

「よし、なら燃料弾薬300鋼材400ボーキサイト400・・・よし、建造開始」

 

 

4:20:00

 

 

「4時間20分・・・これは空母か?」

「おー!これは扶桑型か加賀ですねー!」

「よし、次も建造しよう、同様のレシピだ」

「了解ー!」

 

2:40:00

 

「おー!ジェラード様は運が良いほうですね〜祥鳳型ですね〜」

「軽空母ですー!」

「それは良かった、軽空母でも改装すれば対潜空母にもしたいしな」

「潜水艦・・・怖いものね・・・」

ジェラードは自分自身もそうだが、潜水艦への脅威は年度変われど艦娘にとって脅威であり、軽空母には飛行甲板を装甲、耐熱化させて垂直着陸可能なジェット機を運用させたいと思っている。これによって個艦防衛能力と対潜能力を備えた軽空母が居れば艦隊はかなり安全に航海することが可能になる。いくらソナーが発達し、ジェラード達がいるとはいっても、彼女達は常に傍に居る訳ではない。その対策として対潜空母を考案している。

*現在のひゅうが型、いずも型護衛艦の役目とよく似ている物でそれに護衛機運用を追加させているだけだ。

 

「よし、この調子で続けるぞ」

「おー!」

 

4:50:00

 

「うん?4時間50分?・・・データにない数値だな・・・どうだビスマルク、妖精さん」

「今まで確認されているデータにない数値ね、時間からすると大型艦で間違いないと思うけど・・・」

「えーと・・・こればかりは建造終了まで待たないと分からないかと・・・」

「そうか・・・よし、高速建造材を使おう」

「よっしゃ野郎ども!バーナーだー!」

「やったぜー!」

目の前のドック建造時間数値が高速に動き、重厚な扉が開くとボブカットの銀髪に黒の軍服にミニスカートの女性、艤装には大型の電探、レーダーと思われる構造物に円球の主砲、VLSの箱型を装備していた。

 

「キーロフ級ミサイル巡洋艦一番艦キーロフだ、ソ連海軍の名に恥じない勝利を提督に授けよう」

 

「・・・おー・・・見たことのない艦娘が来たー!」

「(ソ連軍か・・・確かデータではソ連海軍の艦娘が一部確認されているらしいが、キーロフ級ミサイル巡洋艦だと?聞いたことのない艦娘だな・・・だが、ミサイル巡洋艦ということはミサイルを装備しているのか?)うむ、私はジェラード級一番艦ジェラードだ、この基地の司令官を務めている。」

「!・・・なるほど、あなたが司令官か、艦娘なのか?」

「そうね、理由があって司令官を務めているけど、艦娘で間違いないわね」

「・・・・ふふふ・・・なるほど、あなたが私を使いこなせるか、見物ね」

「そこは期待に答えられるか、分からないが、期待に沿えるよう努力する」

「そう・・・私は結構癖の強い艦娘よ?」

「それでもだ、よろしくお願いね」

「ええ・・・こちらこそソ連海軍の名に恥じない戦果を上げるわ」

 

ジェラードの元に新たな仲間が増えていき、着実に強化されていくのであった・・・

と思った矢先少しトラブルも発生した、それはキーロフとビスマルクだ

 

「・・・」

「・・・」

二人はお互いをじっと目が合った瞬間から目つきが変わり、動かないでいた

「・・・・・・私の直感だけど、主砲打ち込めと何かが叫んでるわ」

「奇遇ね、私もあなたにミサイルを打ち込めと頭に響いているわ・・・」

「あら?お望みなら演習を構えてもいいわよ?」

「そうですね・・・戦艦のあなたが私に損害を与えられるか、見たいですね・・・」

「あら・・・それは挑戦かしら?」

「うむ、それでもいいかもな・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

すると二人の頭に何かが振り落とされた

バシッバシッ

「おい、そろそろ次の段階に移りたいのだが、いいか?」

「あ、はい・・・アドミラール」

「うむ」

 

その後二人はライバルと決め、演習し合うようになった・・・

 

 

 

 

 



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監視

 

ジェラード達が空母建造に乗り出した頃、人類側の活動は活発化していた

 

東南アジア南方は深海棲艦によって完全占領下となっている。

南方のシンガポールは深海棲艦の西太平洋艦隊の司令部が存在する付近ではフラグシップ級の個体が多く存在する海域の海中で潜航する潜水艦が居た。スクール水着に魚雷を片手に持って航海しているのは艦娘だ。

その潜水艦娘はある任務のために出撃しており、その任務とは艦娘が確認された海域の偵察だ。

南方という深海棲艦が占領下で絶対領域にも関わらず強行偵察部隊がいくつかの深海棲艦がなぜか、占領下の地域へ活発に艦隊を動かし、正体不明の艦娘が確認されたということだ。

前者であれば、大本営や政府も無視したが、後者は大問題だ。

今の日本海軍は艦娘によって領海を取り戻すことには成功したが、深海棲艦の物量攻勢には苦戦を強いられている。

もし、正体不明艦娘が所属していないドロップ艦娘だった場合、是非とも仲間にしたい、新型の姫クラスの深海棲艦だったら日本軍は新たなに対策を建てなければならない

どのみち、この情報はとても無視できる案件ではなく、大本営は呉鎮守府、横須賀鎮守府から偵察艦隊を結成し、旗艦伊401、伊19、伊8、伊168、伊13、伊58を送り出した。

この戦力は現在日本軍が保有する潜水艦のうち3割の戦力であり、日本軍はまだまだ戦力が大日本帝国海軍の最盛期に比べ少ないが、どれだけこの任務に重要性を抱いているかが分かる。

 

「ねー本当にこの海域に艦娘が確認されたの?今のところ大丈夫だけど、海上は深海棲艦でうようよしているよ?」

「私も思うけど、いくつかの艦隊が確認されたし、横須賀鎮守府の第3艦隊旗艦川内さんと他の艦娘の偵察機が見つけたらしいけどね・・・ただ、そのあと追尾しようとするといつの間にか、見失ったと報告にはあったけど」

「それって深海棲艦じゃないでち?」

「いや、少なくともいくつかの深海棲艦の残骸が漂着していたことから交戦があったのは間違いないらしいのね」

「うーん・・・深海棲艦の派閥が戦闘起こしたとか、ではなく?」

「それを私たちが偵察するのね、今回の結果次第で軍令部の作戦が変わるとか聞いているのね」

「うわ〜・・・オリョールクルージングでも頭を抱えているのに、また仕事が来るでち・・・」

「・・・!前方ソナー探知、水上艦発見」

「了解、潜望鏡上げるね」

 

「・・・・・・・どうでっち?」

「・・・深海棲艦・・・ね、駆逐艦6、巡洋艦10、軽空母3、補給艦4ね」

「え〜・・・大艦隊じゃん」

「どうする?撃ちかます?」

「いや、見過ごしましょう、今回はあくまでも偵察であって攻撃ではないね」

「了解」

潜水艦は基本的に海に潜むものだが、深海棲艦の個体によってソナーの性能差があり、ソナーは潜水艦のエンジン音、空気圧縮音、船内の騒音等を探知し、海上から爆雷を投下することが一般である。潜水艦にも当然対策はされているが、任務の性格と日本軍の潜水艦はエンジン音等が大きく、探知されやすい

エンジンを切って、海底に潜むものもこうした背景がある。

 

「・・・・・・・」

各自息を潜めるか、のように静かにし、艦隊が過ぎ去るのを待った・・・

 

暫く待ち、艦隊が離れたのを見て、潜水艦娘はホッとする

「良かったでち・・・ここで見つかれば作戦は断念せざる得ないでっち・・・」

「こんな敵地で戦闘もしたくないけどね・・・」

「ところでこの後どこに行く?」

「そうね・・・」

伊401が地図を取り出す

「現在位置はグアム島から南西500k地点、日本を出発してから硫黄島から補給を得て、真っすぐ航行。当海域には目的の艦娘はいないようね・・・」

「フィリピン方面の海域はどう?あそこならギリギリ行くことが可能でっち」

「別にギリギリに行かずとも私としおい(伊401)達で偵察すればいいじゃないかな?」

*正式名称は伊401ですが今後はしおいと表記します。

「そうね・・・なるべく航空機の発着時には安全にいきたいのね・・・旗艦はどうする?」

「そうね、残りの燃料も考えるとそれが妥当でっち、行き先をフィリピン方面で偵察して何も出なければ帰投でっち」

「了解!」

艦隊は進行方向を転進し、フィリピンへ向かう。

その艦隊を背後から追跡する存在が居た。

白髪のショートカット黄金色の瞳に白い肌の黒いウェットスーツにVLSの箱型を装備し、左手にタッチパネル、右手に空間投影式画面を表示させていた。

クリュード級三番艦アルバート・ミラだった

 

「・・・・・進路変更、フィリピン北部へ航行、我が基地へ向かう可能性ゼロね・・・こちらフォックス警戒隊、日本からの潜水艦隊は現在フィリピン北部へ航行中」

『了解、そのまま監視をお願いします。』

「了解・・・それにしてもこれで南方海域へ潜水艦を送るのは何回目かしら?潜水艦の行動範囲が確実に広まっている・・・余程私たちのことを探しているのかな?」

・・・ミラは片手に展開している画面を見ながら、航行していた

(日本海軍以外にもアメリカ海軍の艦娘も送り込んでくるところを見ると、どこから漏れたか、分からないけど私達の存在を知ったかも知れない、今のところ実害という被害は何もないから放置しているけど・・・)

ここ最近日本、アメリカの両国が潜水艦娘を送るようになってからミラ達で監視し、その動向を探っていた。

規模としてもやはり敵地なので少数が多いが、目的ははっきりしている。

接触に関しても見つけてもらうことも悪くないが、自分たちの優位性を上げるためにタイミングを見ていた。

見つけられて、どうするか、は外交次第だが、十中八九自国の勢力下に加われと言われるだろう

しかし、ジェラードは元々異世界の国の艦艇であり、自分の持つ技術がもたらす影響を良く知っている。

自分の持つ技術を他国に奪わせず、見せずに自分の安全を確保できる状態となれば、自分と多くの仲間で一つの勢力を作ることだ。

そのために戦力増強、周辺海域の制圧、天然資源の確保は絶対である。

 

基地の航空戦力、陸上兵器は充実してきたが、海上の航空兵力はジェラードを抜きにしてほとんどない。予定ではジェラードが開発するジェット機艦載機を搭載するために建造する空母にアングルドデッキ、耐熱装甲化、大型化の予定であり、データでは加賀級、信濃、エセックス級が最大空母だが、全長270m、これではどんなにギリギリ搭載しても30機〜40機ほどが限界とも言える。

なので、大型化させることで加賀、エセックスでも70機以上搭載可能にする。

人型の艦娘で改修することは可能か?と言われれば可能、艦娘は妖精の不思議な力によって艤装を改修することができ、妖精の技術力、艦娘の経験等が必要になる。

技術はどうにでもなるが、経験に関してはいきなりミニッツ級の原子力空母のような大型本格的な空母にせず段々慣れさせてから改修となり、過去に無理矢理改修し、艦娘の人格が崩壊する事故もヨーロッパで起きていた。

艦娘はデリケートな兵器で兵器とはいっても艤装を外せばごく普通の女子、女性であり、解体をすれば普通の女子、女性として人生を過ごすことが可能だ。

だが、艤装と肉体は魂との繋がりで切っても切れないものだが、それを妖精さんが艤装のみ解体することで肉体との関係を断ち切る。

しかし、解体は国家承諾が必要であり、何でもかんでも解体すれば戦力低下するし、同じ顔の女子、女性が溢れかえることになる。

話がずれたが、まだまだマスターの戦力は不足しており、まだ、接触するのは早期と判断され、こうした監視に留まっている万が一、艦娘に見つかり攻撃を受ける場合、攻撃許可は既にもらっており、反撃する。

なので、ミラは背後から監視しつつ、もしもの場合に備えてミサイル発射準備はいつでもできる。

一度撃てば目の前の潜水艦隊を追い払い、撃破するが可能だ。

「・・・・・お願いだから、気づかないでね・・・気づいて攻撃すれば、ちょっとめんどくさいからお願いね・・・」

 

一方、潜水艦隊は隠密に行動し、海底を航行していた、この辺の海は浅瀬で、珊瑚礁となっている。

「それにしても綺麗な海ね・・・戦争中でなければこの海を自由に泳ぎたいのにね・・・」

「提督も今大変な時期だというのは分かるけど、毎回オリョールクルージング、偵察、護衛任務に駆り出されて疲労が溜まっている状態できついわ・・・」

「・・・仕方ないさ、日本はまだまだ艦娘の数が足りないけど、十分に戦力が充実すれば休息することもできるようになるわ」

「はあ〜・・・まだ、ブラック鎮守府よりはマシだけど、ゴーヤ、そっちの鎮守府の提督は確か若いけど艦娘のことを考えてくれる無茶苦茶な提督じゃないでしょ?羨ましいわ・・・こっちの提督は頭が少し堅いし、威張っているから毎度毎度無茶な要求には困る・・・」

「う〜ん・・・まあ、潜水艦こそ少ないけど水上艦は横須賀・呉・舞鶴を中心に充実しているのでしょ?なら、そろそろ潜水艦建造も視野にいれてくれるわよ」

「う〜あ〜ネガティブな思考しかないでっち〜早く目的の艦も来るでっち!」

と伊58が近くにある石を八つ当たりのように殴ると黒い物体が動いた

「うん?今何か動いたような・・・」

「え?」

 

「・・・・・ガアアアアアア!!!」

「うええええええ!!!???」

そこにはイ級とへ級二隻が居た。

「いええええ!?!!?」

「しまった、さっさと退散するのね!」

「もう〜なんでこんなとこにもいるのよ〜!」

 

 

「・・・・・・信じられない・・・ソナーで見つけてると思っていたけど、深海棲艦は基本的に海から浮上するのだから予想くらいしなさいよ・・・」とミラは吹く

 

「キシャアアアア!!!」

イ級が大きな口を開き艦娘に噛み付こうとし、へ級が浮上し、ソナーを打った

「!?まずい!ソナーね、全速退避!」

「ぬ〜ここがこんなにも浅くなかったら、潜航するのに!」

と潜水艦娘達が言っている間にも爆雷が投下され、水中で爆発が起きていた

「く・・・いつまでも噛み付こうとしないで!魚雷発射!」

伊168から放たれた魚雷は真っすぐ近くに居たイ級に命中し、轟音を出しながら海上に水柱を立てた

「く、撃破したところで早く退避を・・・・!!!???」

戦闘している間にへ級の二隻のうち一隻が仲間を呼びに行ったせいか、どんどん深海棲艦が増えていた

「駆逐艦5隻、巡洋艦3隻、潜水艦1隻・・・これはきついでっち・・・」

「どうする!?このままだと囲まれるわよ!」

「!進路を北東部へ変更全速前進するわよ!!!」

「了解!!」

潜水艦娘達は全速で退避しようとするが、退避先には新たな艦隊が出現していた

「!く、ここにも・・・魚雷を撃つわよ!」

「きゃああああ!!!」

「!イムヤ大丈夫!?」

「く・・・これくらいじゃ沈まないわ!」

「拙い・・・囲まれている・・・」

「な!?」

潜水艦隊の周りに多数の深海棲艦が囲み、大破艦も出てしまった、このままでは全滅であった

 

 

 

「・・・ちょっと拙いな・・・このままだと全滅する可能性があるか・・・」

と画面を見ながら吹く・・・

(・・・・・・このまま全滅してしまえば、こちらへの干渉が薄くなるけどその分日本はさらに不利な状況になるわね・・・それはこちらとしても望ましい状況ではない・・・)

ミラは思案した後口元を微笑み

「・・・・少し手を貸してあげる」

ミラはすぐさまタッチパネルを操作し、ミサイル及び魚雷攻撃用意する

「現在の潜水艦隊達の北東部であればまだ、守りは薄いそこを攻撃すれば逃走可能のはず」

すぐに艤装から数発のミサイルが発射され、魚雷全弾も発射された。

発射されたミサイルは海中を高速に進み、深海棲艦へ迫る

 

「く・・・これはやばいね・・・」

目の前の光景では深海棲艦が迫っており、潜水艦隊は全滅する寸前であった、6割が大破し、その他も無事ではなかった。

「・・・無線はだめよね?」

「えー・・・さっきの爆雷攻撃で損傷したみたい・・・」

(く・・・どうすれば・・・どうすればいいの・・・お願い・・・誰か助けて・・・!)

とその時、轟音を響かせながら高速に接近する物体があった、その物体は目の前の深海棲艦に命中すると周囲に衝撃波を出し撃沈した、それが一度ではなく後続に来た何本ものロケットのような物体が深海棲艦を撃滅していく

その光景に潜水艦隊は動揺する

(何!?あれは一体何!?魚雷にしてはあまりにも早過ぎるし、噴式弾でも海中で進むことなんて不可能のはず・・・)

「!?道が開けたわ!このまま一気に進むわよ!」

「了解!大破艦は無事な艦に護衛してもらいながら全速力で進むわよ!」

さっきの謎の攻撃によって深海棲艦は撃破できたが、まだ残っている深海棲艦はいる

旗艦が他の艦娘を先導している時、フと振り向くとこちらを見る艦娘が居た。その姿は白髪のショートカット黄金色の瞳に白い肌の黒いウェットスーツ

艤装には見たことのない箱型のものを装備しており、かなり遠くであるが、視認できた。

直感的にその艦娘が助けてくれたと感じたが、今は声を上げる暇もなく撤退した。

 

「ようやく撤退できたか、少し姿を見られたが問題ないだろう」

さて、深海棲艦が向こうのほうに気を取られているうちにこちらも撤退しますか・・・とミラは薄暗い海中へと姿を眩ました・・・

 



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新たな空母艦娘

 

 

「航空母艦加賀です、あなたが提督なの?それなりに期待しているわ」

「瑞鳳です、軽空母ですが、練度が上がれば正規空母並の活躍を御見せできます。」

「潜水戦闘空母のジェラードだ、この基地の司令官を務めているよろしく頼む、今後の戦果に期待する」

「潜水戦闘空母・・・ですか、それは一体」

最早恒例行事化している説明もジェラード達はすんなり慣れ、進む。

「・・・・・そんな航空母艦がいるなんて・・・未来ではそこまで発展しているのですね?」加賀が目をキラキラさせながら言う。

「未来といっても、加賀達が体験した世界とは全く違う異世界だがな」

「いえ、航空母艦の最強と言って良い提督は立派だと思います」

(・・・いや、目をキラキラさせながら言われても、ある意味反則しているようなものだからな・・・)

「提督!いつかでいいので、提督の艦載機を御見せしてもらってもいいでしょうか!?」いつの間にか瑞鳳も子供のようには興奮していた。

「あ、ああ。構わない、まず、二人の実力を見るために明日演習を組みたいが大丈夫か?」

「!はい、大丈夫です、いつでも行けます」

「提督に正規空母以上の戦果を上げます!」

「分かった、今日のところは新しいメンバーを加えて歓迎会を開く、部屋、日用品等は担当の妖精さんから聞いてくれ、他に質問はあるか?」

「!歓迎会ですか、それは楽しみですね」

「やったー!美味しいもの食べ放題だー!」

「それは期待してもいいぞ、私も最初驚いていたが、ここの妖精、艦娘が作る料理は絶品だからな」

「提督は作らないのですか?」

「いや・・・作ろうと何度もトライしたのだがある時はまな板が包丁で真っ二つになってたり、鍋の中身がいつの間にか、真っ黒なX物体ができてたりと料理はちょっとな・・・」

「それは残念です・・・でも、いつしか提督の料理を食べてみてもいいですか?」

「!ああ、今は難しいがその時は頼む」

実はジェラードも始めてこの基地に来てから色んなことにトライしたが料理だけダークマターを量産するほどの下手さであり、楽しみの一つとして料理の特訓しているが、食材を無駄にする日々で終わっている。

一番新しい事件はジェラードがアイオワとハンバーガーを作ろうとして、ハンバーグやパンが炭焼きのような真っ黒な物体に変わり、オーブンが一時火事になりかけたことがあった。

ビスマルクやアイオワ等が監視してもなぜか、拙くなる技術はもはや天性のものであるとみんなからは思われている。

その時は妖精総出で鎮火に当たったがそれ以降不知火、矢矧、アイオワ、ビスマルクから監視付きの料理することが義務付けられ、日々練習している毎日であった。

 

「提督、それと未来の航空機、運用方法、戦術等に関しても後でお聞かせ願いますか?ご興味がありますので・・・」

「あ、私も艦載機について興味があります!」

「ふふふ、いいだろう、これでも空母でもある、後でたっぷりと教え込んでやる。」

「わーい!」

「ありがとうございます」目キラキラ

(あれ?いつの間にキラ付けしたんだ?建造したばっかのはずだけどな・・・)

その後も建造行い結果空母1軽空母1(重?)巡洋艦1駆逐艦4隻が建造された駆逐艦の方は「陽炎、吹雪、雪風、初月」だ、潜水艦のほうは残念ながら出なかったがそれはまた今度にしよう、資材は無限にある訳ではないからな・・・

 

歓迎会は妖精さん総出で行われ、不知火、矢矧、アイオワ、ビスマルクが料理の支度を行い、ジェラードは運び、指示そして書類の整理を行った。

基地には駆逐艦「響、島風、不知火」、軽巡「矢矧」、戦艦「ビスマルク、アイオワ」ミサイル巡洋艦「キローフ」航空母艦「加賀、ジェラード」、軽空母「瑞鳳」潜水艦「ミラ、セラ」だ

とりあえずは1つの艦隊を組める程の数は揃った。

水上艦隊なら「響、島風、矢矧、ビスマルク、アイオワ、瑞鳳、吹雪、雪風」と潜水艦対策として軽空母を組み込み、機動艦隊なら「キーロフ、ジェラード、加賀、陽炎、不知火、初月」だ、ミサイル巡洋艦が近くに居ればかなり戦闘が楽になり近々艦娘達にも新型のレーダーと連携するミサイルを装備する予定であるから、四個艦隊くらいなら勝利は可能のはずだ。

さすがに物量攻勢には対抗できるのは「キーロフ、ジェラード」くらいだろう、いくらミサイルが搭載されても、弾薬には限りがあるし、そもそもこの時代の艦娘にミサイル運用なんて考えてない

そもそも、何とか海底と付近から資源をピストン輸送を行っているとはいえ、全力で戦闘すればキーロフと私で十二個機動艦隊分の資源が減る

(分かりやすく言えば一個機動艦隊の消費量に12回分で計算すれば良い。燃料弾薬900鋼材200ボーキサイト900×12=燃料弾薬10800鋼材2400ボーキサイト10800どこぞの某総統閣下シリーズのチョビ髭でも発狂する消費量だ。ちなみに二人大破すると・・・そこは読者の想像に御任せしましょう。少なくとも大型建造が何回できるか、楽しみですね〜)

 

 

なんて言っているうちに歓迎会の準備が整い、準備万端だ。

後はもうすぐ帰投する響、島風、ミラを待つのみ・・・

 

「提督ー!艦隊が帰投しましたー!」

「提督作戦終了です。」

「お、お疲れさまだったな、周辺海域は異常なかったか?」

「うん、穏やかな海で特に異常はなかったよ」

「よし、なら、補給を終え、艤装を収納したら歓迎会だ、今日は新しいメンバーが増えたからな」

「!やったー!新しい仲間だ!連装砲ちゃん!やったね!」

「キューン!」

(・・・・・・この連装砲は一体生き物なのか、無人機なのかよくわからん時があるな・・・)

「それは楽しみだね」

「とにかく哨戒任務お疲れだった、歓迎会で」

「うん、歓迎会で」

 

 

「マスター報告があります」

「・・・何か見つけたか?」

「はい、フィリピン北東部で艦娘の活動が活発化し、接触のほうも早めにしたほうがいいかと」

「そうか・・・妖精からはアメリカ艦娘を見かけるようになったという報告は受けている、あちらでも深海棲艦に発見され撤退した艦隊も居るらしい」

「・・・実はこちらのほうでも、深海棲艦との戦闘が起きた結果かなり追い込まれていたのでミサイル支援攻撃を行いました。」

「そうか・・・分かった。」

「しかし、よろしかったのですか?許可の元攻撃しましたが、ミサイルは確実に見られましたが・・・」

「どのみち私たちが居る限りミサイルは使用するし、遅かれ早かれ認知される情報だ。あちらでも誘導兵器の開発がかなり進んでいると聞くし、近いうちに登場するだろう」

「そうですか、こちらのほうも段々感づいて来たようで、近いうちにこちらの基地を発見される可能性があります。」

「そうか・・・よし、妖精さんに依頼したものを急がせるようにしよう」

「報告のほうは以上です。」

「分かった、人類との接触も近い頃だ、戦力についても妖精さんと話してみよう」

「・・・しかし、マスターが開発する兵器には興味深いものが多く出ますね・・・」

「さすがに陸軍系の兵器が出たのには疑問だったけどね」

「ジェラード様、楽しい話をしておりますね〜」

「・・・主任か、盗み聞きとは感心しないな」

「大丈夫ですよー「報告があります」から聞いていませんからー」

「・・・最初からではないか」

「大丈夫ですよ〜ところでジェラード様、整備科から面白い報告が出ましたー」

「面白い報告?」

「ジェラード様が建造したキーロフなのですが、未知の機関を搭載している可能性が高いですー」

「未知の機関?」

「はい、燃料である重油を給油しようとしたのですが、全く反応しないのですー」

「・・・私たちと同じものか?」

「いえ、ジェラード様が使用する「鉱石動力型粒子機関」であればすぐに分かりますけど、全く違う構造なのですー」

「・・・そうか、よし、少しそのあたりキーロフから明日聞いてみよう、下手に故障するなんてごめんだからな」

「わかりましたー」

「あの計画についてもどうだ?進行具合は」

「はいーロケット技術に関しては既にあるので、順調なのですが、やはり電子部品等で未知の技術もあるので難しいですー」

「そうか、分かった、明日私の艤装妖精さんから指導してもらうよう頼んでみよう」

「本当ですかー!やったー!」

「ミラも明日は開発部のはずだったな?こっちのほうも手伝ってもらえるか、ただし、くれぐれも慎重にやってくれ」

「了解しました!」

「はいはいー!分かりましたー!」

「そうか、よし、難しい話はここまでにして、そろそろ島風達が来る頃だろう」

「やったー!甘いものは頂だぜー!」

「・・・あまり喧嘩はしないでくれよ、止めるのが大変だ」

「わかっていますよー!」

とジェラード達が話していると料理が次々と妖精さんによって運ばれ、豪華な料理でバイキング形式となった。

艦娘もぞろぞろと集まり、歓迎会が始まる。

「諸君、今日の任務はご苦労だった、まだまだこの基地は戦力が少なく苦労をかけるが、これからもよろしく頼む。

今日新たに加わったメンバーを紹介しよう」

「航空母艦加賀です、どうぞ新参者ですが、よろしくお願いします。」

「軽空母瑞鳳です!これからよろしくお願いします!」

「キーロフ級ミサイル巡洋艦一番艦キーロフだ、よろしく頼む」

「吹雪です!色々ご指導してもらうことになりますが、よろしくお願いします!」

「陽炎よ!駆逐艦として護衛するね!」

「雪風です!よろしくお願いします!」

「初月だ、防空駆逐艦として対空のことなら任せろ」

 

「以上が新たな仲間だ、以後訓練、戦闘ではしっかり任務を果たして欲しい。今日のところは無礼講だ、乾杯!」

「「「乾杯〜!」」」

「アドミナール!こっちのビールを飲むわよ!ドイツ式の飲み方を教えて上げるわ!」

「NoNo!アドミナールはMIがアメリカ式を教えるの!」

「なんにゃと〜!アメリカの艦娘にアドミナールは渡さないわよー!」

「oh、それはこっちの台詞よ!」

「何よー!」

「何よー!」

(・・・すっかり酔っているな・・・おかしいなこの二人は酒に対して強いはず・・・いや、そんなことより絡まれる前に逃げなければ・・・)

「提督?歓迎会のほうはお楽しみになされていますか?」

「うん?ああ、加賀か・・・びっくりするほど無礼講になっているから楽しんでいる」

「そうですか・・・提督、妖精さんから聞いたのですが、私と瑞鳳に改装計画があるとか」

「ああ、加賀達にも私が開発した艦載機を運用することが可能だと思うが、改装すればより性能が上がり、戦術の幅も広がる」

「戦術と改装・・・具体的にどのような改装をするのですか!」

「加賀には耐熱装甲と甲板改装、機関を新型に変える、電子装備を充実化させるつもりだ、瑞鳳には同じく耐熱装甲と甲板改装、電子システムを搭載するところを予定している」

「気分が高揚します・・・」

「すごいですね!改装が楽しみです!」

(お〜・・・二人ともキラキラしているな・・・特に加賀の喜びが・・・)

「うむ、改装は順次に行って行く予定で、二人には新たな艤装に慣れながら改装するつもりだから、そのつもりで居てくれ」

「「分かりました」」キラキラ

「まあ、それまでは訓練と練度上げする、いきなり改装はできないからな」

「大丈夫です、みんな優秀ですから」

「軽空母の意地を見せますよ〜!」

「そうか、だが、新型艦載機に関してはビシバシいくから覚悟しろよ?私も艦載機を運用する身としては気を緩めぬ」

「「ありがとうございます!」」

「まあ、それまではゆっくりとのm・・・」

 

ズドオオオン

 

「・・・」

 

「おーおードイツには負けないぞ!」

「にゃにを〜!ドイツ海軍のビールの飲みっぷりを負けてたみゃるか〜!アメ公とアカに〜!」

「Nonono〜!もっとダイレクトに飲まないと楽しめなーいわ!アドミナールはわたしゃないわよ〜!」

 

「・・・提督?」

「・・・とりあえず治まるまでちょっと場所を移動するか」

「はい、もっと提督の航空機、空戦について御聞きしたいです!」

「よし、そうと決まれば早く行くぞ、さすがに一度捕まればどうなるか、分からないからな・・・というかいつの間にかキーロフまで混ざっているし」

「「・・・はい」」

 

ジェラードと加賀、瑞鳳は別の場所で(できるだけビスマルク達と離れた場所)空戦等話した

その後、ビスマルク達の飲み大会が開始し、結局ビスマルクとキーロフが意地を張り、飲んだが、結局二人ともダウンして終わった・・・

 

 

(・・・あれ?そうえば・・・キーロフは明日装備について聞くことがあるが、大丈夫だろうか・・・もう少し延期したほうがいいか)

 




ひええええええ〜段々3000文字には慣れて来たけど、まだまだ話の展開が難しい〜汗


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アメリカと日本の上層部の思案

大日本帝国東京 横須賀鎮守府

南方偵察から帰還した潜水艦娘達であったが、大破艦が多数居たため急遽入渠ドック入りし、報告書を提出を命じられた。

 

「はあ〜やっと戻って来れたと思ったら、いきなり報告書提出なんてあんまりでっち!」

「まあまあ、今回の偵察はいつ物と違うから大本営も出して欲しいと思っているだろうね」

「う〜ん、でも、何とか逃げ切れたのはいいだけど、あの噴式弾はなんだったのかしら?」

「・・・分からない、まるで自分の意思を持つかのように敵艦に突撃してた本来の噴式弾なら真っすぐで射程も短いが、あれは新型の兵器かもしれない」

「新型って敵艦の?」

「敵艦が敵艦を撃ってどうするの」

「そうえばしおいちゃんはまだ戻ってこないのかしら?」

「旗艦の報告は義務だからね〜まだかかるかもね・・・もう早いとこ済ませて間宮アイスが食べたいよ〜」

「あ、ずるーい1ゴーヤも分けるでっち!」

「ダメだよ〜あれは私の楽しみだからね〜」

「うあああん、羨ましいでっち!」

「ふふふ〜ん、早く終わらないかな?」

 

 

 

 

と脱衣所で雑談している頃、会議室では重い空気が漂っていた

 

「・・・まさか、深海棲艦の襲撃を受け危うく潜水艦隊を全滅する危機にあったとはな・・・迂闊だったな」

「仕方あるまい、元々強行偵察でもあった、この事態は予想はできた」

「む・・・だが、報告書の内容は非常に興味深いものだ、襲撃を受け、防戦中に遠くから謎の噴式弾が深海棲艦を撃沈し、偵察艦隊は助けられたというのだからな」

「噴式弾?あれは対地攻撃以外でも役に立つというのか?」

「いや、興味深いのはここからだ、その噴式弾はまるで意思を持つかのように敵艦へ真っすぐ突撃し、敵艦を10隻以上は撃沈したと報告が複数から取り寄せられている・・・どう思う?横須賀鎮守府開発主任」

「・・・・・噴式弾が意思を持ち、複数の敵艦へ突貫、撃滅することは非常に難しいです、第一敵艦にはレーダーは艦娘以外映りません、しかし、我が国で開発中の無人誘導弾はドイツ、イギリス、アメリカから技術伝授されましたが、長距離から正確に深海棲艦を一撃で撃沈されることは我が国はもちろん欧米でも不可能かと思われます。

「・・・だが、同時にこれを放ったのが艦娘と来た・・・」

ミサイル(誘導弾)は各国でも総力を上げ開発しようとしているが、ロケットエンジン部分ができてきても、肝心の誘導方法が上手くいってなかった、しかし、かの謎の勢力は誘導兵器を敵艦、小さな目標へ命中させるだけの技術を持ち、それを艦娘サイズへ複数搭載している可能性もある」

「ああ・・・確か旗艦伊401によれば艦娘を目撃したとある」

「艦娘か・・・特徴までは分からないのか?」

「・・・報告によれば白髪のショートカット黄金色の瞳に白い肌の黒いウェットスーツに箱型の何かを装備しているようだ」

「まて黄金色の瞳に白い肌?それは深海棲艦ではないのか?間違いなく艦娘なのか?」

「深海棲艦という可能性もありますが、それでしたら同士撃ちする意味が分からなくなります。少なくともあの場面で同士撃ちするなら、先に潜水艦隊を撃滅するほうが深海棲艦にとって重要のはずだ」

「・・・だが、これで南方には謎の勢力・・・三つ目の勢力が存在する可能性が高くなったな・・・何としてもコンタクトを取らねば・・・」

「まてもしかすると新型の姫クラスが誕生したのかもしれんぞ!」

「参謀長・・・これは我らにとって天の救いなのかもしれんぞ?」

「は?」

「少なくともこの第三勢力は深海棲艦と敵対し、我々より進んだ科学力・技術を持っている。

上手くこちらへ仲間にすれば、南方解放もやりやすくなる」

「ではまずはその第三勢力について今後も情報を集めることが重要だろう」

「うむ・・・・」

舞鶴司令官は中心に世界地図を見ながら唸る

「・・・・・・南方海域には深海棲艦の極東艦隊が存在する・・・更に東ハワイ諸島にはやつらの拠点まである。沖縄を奪還することができたが、硫黄島防衛線、北方海域激戦となり、資源・食料も何とか大国から輸入しているが、それも限界にくるかもしれぬ」

「しかし、舞鶴司令官、欧米では艦娘の出現により徐徐に領海を取り戻しつつあるとのことです。我が国がいつまでもここでモタモタするわけにはいけません」

「分かっているが、まだまだ我が国は帝国海軍の全盛期と比べ戦力が足りない状況だ。それは各国も同じことだが、我々にとって提督の確保と艦娘の建造は重要だ」

「・・・情報統制はどうなっている?」

「・・・・・情報統制は行ったのですが、既に遅し、アメリカにも南方の件は渡っているのかもしれません。」

「なんだと!?・・・今後はアメリカも本格的に介入する可能性もあるな・・・」

「アメリカは現在東西の領海を奪還中でまだ深海棲艦を駆逐できていない状況で可能でしょうか?かの国は本土から南方まで長距離航海となり、深海棲艦の勢力圏を抜けなければいけませんからまだ、本格的な介入はまででは?」

「いや、情報によればいくつかの艦隊がアメリカ軍の艦娘艦隊を目撃したとある。ならば、水上艦ではさすがにないだろうが潜水艦隊で来るだろう」

いなみにアメリカ艦娘の目撃情報は潜水艦娘だが、ちゃっかりアイオワも哨戒中のところを偵察機で目撃されていたりする

「む・・・」

 

 

 

「諸君、南方海域に潜んでいる第三勢力接触は急務と言えるだろう、現在我が国は深海棲艦から領海を取り戻すことができ、日本海も安全になったことから貿易を再開し、何とか民間への食も安定してきたが、まだまだ南方沖縄より南方、硫黄島より東方、択捉島より北方海域では深海棲艦が支配している。

我々にはまだまだ艦娘も少ない、同時に資源にも余裕はない。

南方海域の油田地帯、鉱物資源などの確保は今後の作戦において大きく影響される。

各提督はそれぞれの防衛勤務し、横須賀田中提督・佐世保東郷提督は第三勢力の調査及び接触を図ってくれないか?

呉二階堂提督にも頼みたいのだが、この前の襲撃の傷は治ってないだろう?」

「・・・はい、まだドック入渠施設などの修繕が完了しておらず、今暫く時間がかかるようです。」

「うむ、そちらに派遣した明石くん、彼女は大破でなければ艦娘の艤装修理は可能のじゃから、呉鎮守府は哨戒任務、横須賀・佐世保鎮守府の哨戒任務もするように」

「は、分かりました。」

「各提督も決して第三勢力に攻撃・挑発行為などは正体が分かるまで絶対に行ってはならぬ、厳守せよ」

「「「はっ!」」」

 

 

各提督が会議室から去り、一人残った元帥はパイプを咥えながら思案していた

 

・・・第三勢力・・・謎の艦娘、新型の兵器を保有し、敵地である南方に潜む組織

一体彼らは何者なのだ?潜水艦隊を襲う敵艦隊を攻撃したということはこちらに対する敵対心はないということだろうが、それにしても謎が多い・・・南方海域は深海棲艦が支配する地域だ、あの場所で基地や本格的な実験などしようものなら、すぐに深海棲艦に察知される。

故に海外の工作という可能性も捨てきれないが、アメリカ、ヨーロッパ勢は領海奪還に忙しくて無理だ・・・ならば一体どこの勢力だ?・・・・

 

 

 

___________________________________

 

アメリカ合衆国ホワイトハウス

 

「第三勢力?・・・」

「はい、大統領、日本の内通者の情報では南方海域に日本の潜水艦隊が深海棲艦の襲撃に合い、撤退中に目撃した新型の艦娘のようです。」

「それは救援に来た日本の艦娘ではないのか?」

「いえ、目撃情報によれば白髪のショートカット黄金色の瞳に白い肌の黒いウェットスーツの特徴の艦娘のようです」

「・・・そんな艦娘、日本には居ないな、いや、そんな特徴ならヨーロッパ勢の艦娘が最も濃厚だろう」

「興味深いのはここからです、その艦娘はロケットの誘導兵器を放ったそうです」

「何だと!?」

「それはまさか・・・我が国で開発中の誘導兵器なのか!?」

「はい、その可能性が非常に高く、その誘導兵器を搭載した艦娘は推定10隻以上戦艦3駆逐艦4軽巡2軽空母1を撃沈し、その他の深海棲艦にも大破させたようです。」

「・・・確かな情報なのかね?」

「はい、潜水艦隊が提出した情報なので間違いないかと」

「・・・・・参謀長君はこれをどう見る?」

「はい、嘘か本当か、は分かりませんが誘導兵器を搭載し、それを複数同時発射できるということは第三勢力は誘導兵器を艦娘サイズまで小型化し、レーダー探知可能な電子技術、しかも戦艦クラスも撃沈したということであればかなりの高威力があると思われます。

当然、日本軍もそれを察知していると思われますので、接触を推奨します」

「かの勢力がどんなものか分からない状況でか?」

「いえ、情報収集が前提となりますがもし、第三勢力・・・コードネーム『ファントム』は我々より高度な技術力を持ち、複数の艦娘を保有していることから接触、同盟を結べば我が国にとって国益となります」

「まて、同盟?我が国の陣営の傘下に下せばいいのではないのか?」

「・・・君は馬鹿なのかね?我々より技術力を持つファントムにこちらは領海を完全奪還できていない状況だ。南方へ潜水艦隊が送るのがやっとのことで武力による奪還などすれば、返り討ちにされる、ここは友好に接することが一番、損害もなく、平和的手段だ」

「しかし、ファントムの持つ技術力も興味深いですが、艦娘もどこに所属しているか、知りたいところだ、一番濃厚なのは日本軍だろうが、日本軍でさえ、ファントムの存在を明らかにしていないのなら、日本軍所属ではないのは確かだろう」

「我が国も確かに領海完全奪還は果たせていないが、徐徐に戦力が揃い、あの忌まわしい魚どもを駆逐はできている・・・南方のオーストラリアもどうなっているかわからない状況ではあるが、もし、ファントムとの連携が取れれば我が国は再び太平洋を支配することが可能になる。さらにはファントムの力を思いのままにすれば栄光のアメリカができるだろう」

「大統領、ヨーロッパ勢の介入の懸念されますが」

「ふん、ヨーロッパ勢は艦娘の数はまだまだ少数だ、極東の南方地域まで支配されている大西洋、インド洋を解放しなければ接触など不可能だ・・・それにやつらはイギリスとドイツの間で不穏な空気が漂っているらしいからな・・・近いうちに戦争もおきるかもしれぬ」

「なるほど・・・ではファントムに接触するのはいつくらいに?」

「そうだな・・・まずはコンタクトを取るほうが先と言える、潜水艦隊を派遣し、コンタクトを取らせろ、ファントムがどんな思想でどれくらいの規模の戦力を保有しているのか、まずは知りたい」

「は・・・分かりました」

 

ふふふ・・・我がアメリカ合衆国も海軍こそは5割以上の損失を出したが艦娘のおかげで徐徐に領海を奪還しつつある、南米・中米の深海棲艦を駆逐できれば、南米地域の資源は思いのままになる

そして、フィリピン海域に潜んでいるファントムがどこかの勢力が生き残っていて、そこで研究開発し、戦力を持っているのなら根こそぎ奪えば、我がアメリカ合衆国はさらに絶対的力を持つようになる・・・すべては栄光のアメリカのために・・・ふふふ・・・

 

 

 



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*もしも、潜水戦闘空母がゲーム上で実装されたら?

某提督サイド

「ぬぬぬ・・・やはり今回の海域は7実質10とかきつ過ぎるだろ・・・運営マジで殺しに来てるわ・・・」

今回のイベント、艦これ史上の中で最凶クラスのステージであり、ボスエリアでは敵艦隊の支援砲撃・本体潜水空母姫・戦艦水鬼×2・空母棲姫×2・中枢棲姫×1・集積棲姫×1、駆逐棲姫・軽巡棲姫を含む前衛艦隊の連合艦隊である

深海棲艦6隻姫クラス、前衛艦隊1〜2隻の姫クラスを含む連合艦隊が可愛く見える程度のものである

しかも潜水空母は一見潜水艦と連想するが、ただの潜水艦ではなく「ミサイル」「レーザー兵器」等を使う化物クラスである

近未来系の兵器を使うイベントは蒼き鋼のアルペジオコラボイベント以来だがそれとは比べ物にならないほど難易度設定がおかしい・・・

幸いこちら側には基地航空隊×4、敵艦隊の命中率は少し下がる、ミサイル・レーザー兵器はランダムで攻撃され、当たらない時もある、敵期間である潜水空母は蒼き鋼のアルペジオのような超重力砲を放って来るが霧の艦隊のようなデタラメな命中率はない(じゃないと離脱する提督で溢れてしまうただでさえ、難易度が難しくなっているから・・・)

とま・・・イベント情報を言ったわけだが・・・おかしい・・・・もう50回以上ラストスパートを切ってから攻撃を繰り返しているが、一向に終わる気配がない・・・いや、おかしい・・・これ・・・『丙』だよな?

 

 

おかしいって!?なんで大和型と装甲空母大鳳・翔鶴型・ハイパー北上様・ビスマルク・アイオワ・雪風等を投入しているのに旗艦を倒せてないってどういうこと!?

殺れる!と思ったら妖怪一が残る・・・

こいつ粘り強いってもんじゃない・・・

え?これってマジでどうすればいい?

元帥クラスの提督も悲鳴を上げているのにマジでどうすればいいの?

・・・・・・・・・考えても仕方がない・・・とにかく北上様の雷撃&ビスマルクの連撃&雪風のスナイプ(希望的観測)が届けばいいんだ!!!!!

頼む!マジで終わらせてくれ!じゃないと挫折しそう・・・早く終わらせて!!!!!

お?夜戦の時点で敵艦隊旗艦を残して全滅、旗艦中破・・・よし!ここまで追いつめたんだ!

いってくれええええええ!!!!

 

 

 

ビスマルク連撃×230ダメージ

 

ハイパー北上様雷撃×342

 

 

ボスゲージのこり450

 

 

 

 

・・・・さすがに無理かな・・・残り450で雪風雷撃でいけるかな・・・・(若干絶望している)

 

 

 

雪風雷撃→潜水空母へヒット!!!!

 

 

 

 

命中!ダメージ・・・530!!!

 

 

 

!!!!!!!ファアアアアアアア!!!!!!やっと終わったああああああ!!!

この糞みたいな難易度のイベントがようやく終わったぜええええええ!!!

泣きたい!歓喜したい!!!

おわあああああああ!!!!!!

はあ・・・はあ・・・やっと終わったところでさて・・・報酬だ!

今回のイベントは報酬として何と潜水戦闘空母「ジェラード」が貰える

霧の艦隊並みのスペックの報酬艦なんて艦これのパワーバランス的に問題があるのでは?とTwitterで大炎上したが、俺は楽しみにしてた・・・

だって、現代艦実装もあるけど、容姿が可愛いし!絶対エース間違いなしだからね!!!

 

さて・・・報酬は・・・間宮アイス?赤城に食わせるか・・・ネジ7うまうま・・・おお!勲章3つか!これは嬉しい!

 

さあ・・・新艦娘は・・・

 

 

「ほう・・・?私の力を必要とするか・・・いいだろう、私を使いこなせるか、見てやろう・・・我が名はジェラードだ、よろしく頼む」

 

彼女の姿は腰についているジェラード級の特有艦橋に飛行甲板、甲板の横に何か射出できるような扉がいくつもが存在し、左手にドラムマガジンを搭載したライフル、右手にはリングみたいなもの、両足にウォータージェットエンジンに、方向転換装置が装備されている。

しかも両肩には箱形のVLSがあった。

 

 

!!!!!!!!!!!!!!!!

歓喜だった!綺麗だし!結婚カッコカリまったなしだよこれ!

 

 

はあ・・・・やっとイベントが終わったよ(掘りという地獄があるが、この時は頭の隅に置いていた)

 

そうえば・・・スペックのほうはどれくらいだろうか?あの蒼き鋼のアルペジオキャラでもチートクラスのものがあったけど、ジェラードはどうかな?

 

 

 

潜水戦闘空母ジェラード型一番艦「ジェラード」

耐久150

火力179

装甲149

対空150

雷装79

対潜120

搭載247

索敵140

速力 超高速

射程 超長

運 45

 

 

 

 

装備

1潜水戦闘機JT7ルジューラ

2JBT-177潜水戦闘機

3飛行戦車

4攻撃潜水艦クリュード×2

 

チートスペックでしたw

うわ・・・・なんだよこれ・・・霧の大戦艦ハルナのスペック以上にあるぞ・・・

なんだよ、搭載数247って・・・空母棲姫か?

装備もいかれているな〜

 

JBT-177潜水戦闘機

火力+17

雷装

爆装+39

対空+25

対潜+34

索敵+23

命中+13

回避+23

戦闘行動半径 38

 

 

潜水戦闘機JT7ルジューラ

火力+30

雷装

爆装+49

対空+15

対潜+13

索敵+20

命中+13

回避+20

戦闘行動半径 29

 

 

飛行戦車

火力+19

雷装

爆装+37

対空+26

対潜+0

索敵+10

命中+17

回避+17

装甲+23

戦闘行動半径 20

 

攻撃潜水艦クリュード×2

火力+110

雷装+78

爆装+50

対空+40

対潜+20

索敵+129

命中+40

回避+17

戦闘行動半径 120

 

おいまて甲標的のような潜水艦がこのスペックなんだよ、色々おかしい〜w

これもはや艦娘じゃね?

ぶっちゃけそうじゃないといろいろおかしいwww

 

さて、スペックのほうは満足したところで早速6ー1へ行かすか・・・中破グラはどうなんだろうな・・・

 

カチカチ

 

 

「出撃する!何・・・ちょっと御散歩してくる程度だ・・・」

おお・・・こういうボイスなんだな・・・声優は誰なのかな?・・・まああとでいいか

 

「戦闘開始!艦載機ども!攻撃せよ!ただ攻撃せよ!」

・・・あ、装備外すの忘れていた、まあ良いかどうせレベル1程度にできることってあまりないだし・・・・

 

航空戦勝利!

うん?

ダメージ234×2

うん??

戦艦からの砲撃命中

ジェラードへダメージ30

うん???

ジェラード ヒールシフト

敵艦隊全滅

ふぁ!?なんということだ・・・・これでは中破グラが見れないではないか!!!

あ、でも、中破はしてないし、そのまま行かせるか・・・・うん、そうしよう、すべては中破グラを見るため!!!(ぐへへ)

勝利!

うん?

勝利!

うん??

ボス艦隊到着

おかしい・・・霧の艦隊でも大破するのに・・・なんで?

ボス艦隊旗艦からの砲撃、ダメージ53

「く・・・甲板が破壊されたか・・・だが、私にはまだ潜水戦闘機があるぞ!さあ・・・来るなら来い!!!」

おお〜!!!結構これはやばいな・・・え?何がやばいって?どこぞの七面鳥よりかは抑えているが、何ともエロい!

やっぱり結婚カッコカリしようかな〜?

勝利!!

え?

「ふん・・・私にかかればどうってことはない、だが、次の作戦ではどうなるか、わからない戦場は常に変化するのだからな・・・」

え?まじクリアしたよ!?やっぱりチート級の空母は違った・・・・・

 

さて・・・修理に出しますかね・・・あ、そうえば霧の艦隊でも修理は高かったよな?・・・まあ、あれくらいなら別にいいだろう

むしろこのスペックで霧の艦隊並みなら別に経費だけね

 

 

カチカチ

 

 

 

 

!!!?????

 

 

 

 

燃料 2420 弾薬 4202

は!?

 

ボーキサイト5242

 

はっ!?

まじか!燃料弾薬ボーキサイト補給するだけでこれかよ!!??

え?まさか・・・・

 

 

修繕費 中破

燃料6320 鋼材7032

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暫くジェラードを出撃させるのはやめよう・・・・

 

 

 

 



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料理という名の兵器誕生? 外伝

外伝です!


 

「うむ・・・難しいものだ・・・料理は科学とも言うと人類が口にしていたが、まさしくその通りなのかもしれないな・・・」

「えーと、でも、アドミラールの料理は段々上達しているから何も問題ないと思うわ!」

 

基地食堂の調理場でアイオワとビスマルク、と妖精さんがジェラードに複数で監視&手取り足取り教えているのであった

他の艦娘も新しく来た子も興味津々で見に来ている

料理教えるのに複数で教えて怒濤の声と悲鳴が度々聞こえるという異様な光景に若干引いている子もいるが

 

「ありがとう、アイオワ、最初こそダークマターの連続だったけど、ようやく色が黒から別の色へ変貌したからな・・・」

「・・・ジュレーラ様、あと少し料理についてもっと勉学すれば、最低限人間は口にできる料理ができるかと」

「う・・・仕方がないではないか、作った後黒こげになったり、とんでもない新種の味を生み出したりとあまり料理は人間がやっているものしか見たことがないからな・・・」

(oh・・・アドミラールの料理はそれでも食べた後必ずといっていいほど、腹痛に襲われたり、呑み込めるようなものじゃないけどね・・・熱狂的な妖精さん・艦娘が食べようとしてどれだけ救急医療センターへ送られたか・・・)

 

ジェラードは不思議とどんなにオーブン・コンロなど火元の調整を他の人がやっても、黒こげになるという一見漫画のような展開が見られ、これには艦娘のみんなが首を傾げている

しかし、共通しているのはジェラードの料理はとてつもなく拙いということだ

どんなに手取り足取り材料のチェック、分量、火力の火元を調整してもジェラードが関わることで拙くなる

最早ジェラードには別の天性があるのではないか、と思われているほどだ

そもそも材料・分量・火元の調整などグループ製作となっているが、逆になぜ、ジェラードが関わると料理が拙くなるのか、興味津々の妖精さんもおり、研究する者まで現れる始末だ

今回作る料理はグリルチキンだ

グリルチキンは特別な調理法でも特殊な調味料を使うのではなく、ただ普通の味付けを行い、焼くだけの簡単な料理だ

 

「・・・お、グリルチキンがそろそろ焼けそうだ、よし、時間ぴったりだし、火力も弱めだ、チェックはしてもらったし、大丈夫のはずだ・・・・」

料理をする司令官を見守る部下が暖かい表情でジェラードを見る不思議な光景となっており、妖精も当番以外はジェラードの料理を見ていた

 

「よし、蓋を開けるぞ?」

「OK!大丈夫です!アドミラールにアメリカ料理を作ってもらえるなんて嬉しいです!(それに火元はチェックしたし、素材も監視した、見たところ異常はないから大丈夫ね・・・)」

「よし・・・」

ジェラードも何度も料理にチャレンジして、失敗ばかり続いたが、今回はサポート(という名の監視・指導)もあって、上手く出来上がっているはず・・・アイオワも太鼓判を押しているし、始めて「まとも」な料理ができると思うと嬉しく思った・・・・・・・・・・・

 

蓋を開けると巧みの料理家もびっくりなグリルチキンがあった、その独特の黒みと強烈な焦げ臭いがフライパンから周りへ巻き上がれた・・・

文字通り「黒こげ」ダークマターの完成である

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

「・・・・・よし、これは上手くいったのか?」

「いえ違います」

「というかなぜ、黒こげになるのですか?」

「あれ?俺、何度も提督の手元を見ていたけど、全く問題ないと思ったけど」

「これは最早天性のものではないでしょうか?」

「・・・でも、若干色があるよ」

 

外部から発せられるのはなぜ、黒こげになるのか?励ましの声、必死にフォローしている姿であった

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

「oh・・・ま・・・まあ、アドミラールのできたチキンはとっても焼き具合が良くて美味しそうですね!汗」

「・・・・食べる?」

「え?・・・あ」

「美味しそうなアドミラールの料理を味わって食べるのよ?」

「え?ちょっと・・・(待ってビスコ!私でもこれは厳しいわ!大部マシにはなっているけど)」

「(アドミラールのため、OK?)」

「(NONONONO〜!私まだ死にたくないです!・・・・!)」

「へ、へえ〜それならビスマルクも食べるよね?美味しそうと言ったんだしいいよね?」

「!?」

「さあ、頂きましょうか?(道連れよ!)」

「そ、そうですね・・・!(ちょっと待ちなさい!それなら・・・)」

「では、他のみんなもどうですか?(こうなれば道連れよ!)」

『!!!???』

「では私が食べます」

「!大丈夫なのか?どういってはなんだが、食べてくれる人がいるのは嬉しいが、お世辞でも美味しくはないぞ?」

「いえ、提督が作ったものならすべて上手いのです」

「(・・・あれ?加賀さんって提督のこと好きだっけ?いや、でも、提督から航空機の運用法、戦術などを聞いている加賀さんはめっちゃ目がキラキラさせていたけど)」

「大丈夫です、さあ、それを渡しなさい」

少しの間ポカーンとしていたビスマルクとアイオワだが、すぐに気持ちを切り替えた

「なるほど〜ではどうぞ」

「!これはありがたいですね、では頂きます」

「えーと、無理して食べなくてもいいからね?」

ジェラードは今回も失敗したと痛感していたが、副司令官のアイオワとビスマルクによって少し喜びが出て、僅かだが、表情が柔なくなったが、さすがにあまりできたてが悪い状態で食べさせるのは失礼に値すると思い注意した

「いえいえ・・・私も食べますが、アイオワとビスマルクも楽しみましょうね〜」

「・・・oh(拙い・・・かなり拙いわ・・・こうなっては何ともしても逃れる方法を考えないと・・・)」

「モグモグ・・・」

「!?」

「ど・・どうだろうか?少しはマシになったか?」

「はい、とても美味なるものでした、これは提督にももっと料理番を担当してほしいものです」

『『『!!!!!?????』』』

「え?美味しい?・・・(・・・見た目はダークマターだけど、以外にも中身はマシになっているのかしら?)」

「・・・食べるわ」

「!わ、私も!」

二人はそれぞれグリルチキンの皿が渡され、黒こげになったチキンを凝視していた

(・・・・・・・・・・・・・)

外部者がドキドキさせながら、二人を見ていた

「パク!」と二人はチキンをかじる。

 

「!!!!????」

そこから来たのは、強烈な苦みと何とも言えない肉汁の味、さらに鉄分?の香りが鼻をつつき、二人は意識をなくした。

 

「!えい・・」

「衛生兵!衛生兵!」

「うわ〜!アイオワとビスマルクが倒れた!」

 

「やはりだめだったか・・・(うん?でも、なんで加賀は平気なんだ?)」

 

目をキラキラさせながら残りを食べる加賀がそこにあった

 

他のメンバーは急いで二人を医務室へ運び、それに続いて他のメンバーが部屋から出た

 

 

 

 

 

「やっと終わったー!ミサイル訓練はかなり神経を使うから腹ペコだ〜・・・うん?」

訓練が終わったキーロフは食堂に入ると目の前のテーブルに料理が乗っていることを確認し、周りを見る

「なんだ?誰も食べないのか?もったいないな肉は調達に苦労するのにな〜・・・よし、食べるか、とりあえず見つからないうちに・・・」ニヤニヤ

とキーロフが取ったのはジェラードが焼いたグリルチキンである

「うん?かなり黒こげだけど、そういう料理なのか?確かに肉をカリカリに焼く料理はあるが・・・まあいいか」

とキーロフはグリルチキンをかじる、その時強烈な苦みとと何とも言えない肉汁の味、さらに鉄分?の香りが鼻をつつき意識を無くす

キーロフはそのまま意識を失い、後に戻った艦娘達から医務室に運ばれた

拾い食いはだめ絶対・・・

 

 

翌日目覚めた時にはジェラードの料理は危険度sクラスの兵器認定としてされた。

逆にこれを兵器化できるのでは?と考える者まで出始めたという

 

 

 

 




むむむ・・・現実でやることが多過ぎて執筆が難しいな・・・


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準備

 

フィリピン海域

ここに10隻の艦艇が輪形陣を組んで航行していた

6隻の大型輸送船に4隻の護衛艦娘が輸送船を守るように配置されていた

この艦隊はルクラニア本拠地へ送る鉱石を輸送するための輸送艦隊だ

燃料に関しては付近の石油プラント及び生成所から十分入手可能だが、鉱石に関してはまだ、海中鉱石抽出装置が開発できておらず、鉱山から輸送するしかない

派遣されているのは旗艦キーロフと矢矧、響、不知火だ

 

「穏やかな海だな・・・やはり寒い海より温かい南国の海だと気持ちがいいな」

 

「キーロフさんは以前では寒い地域で活動されていたのですか?」

 

「うむ、それはまさしく船体が凍ってしまうようなものだったな・・・ロシアの海は冷たいからな・・・」

キーロフ級重原子力巡洋艦は世界最大の巡洋艦、大型ミサイル運用、原子力機関搭載などロシアの戦略思考体現したような設計だが、技術の未熟、予算問題など様々な出来事によりキーロフ級一番艦キーロフは解体されてしまった

しかし、それまで留守番が多かったキーロフは時々水面が凍結し、動けなくなることもあり、それを思い出すかのように少し遠い目をしながら言う

「それはわかるね・・・私もヴェールヌイになってからロシアに行ったけど、あの海の冷たさは忘れないよ・・・」

 

「そうえば、響もロシアに渡ったことがあったね・・・」

 

「まあ・・・改修されたりして、長年使用されたけど、あれはあれで中々良い思い出だったよ」

 

「お!そうか、よし、帰ったらジェラードに頼んでウォッカを調達してもらおう!」

 

「大丈夫かな?」

 

「大丈夫だろう!ジェラードももうすぐ他国との外交を始めると言ってたし、是非ともロシア・・・いや、今はソ連だったかな?ソ連と交易してほしいよ」

 

「けど、ジェラードはアメリカと日本と取引はするようだけど、ソ連とはする予定はないと聞きましたよ?」

不知火が思い出したように言うと

「なん・・・・だと・・・・ウォッカが入手できないではないか・・・・」

 

「アメリカ・日本から入手できるのでは?」

 

「Her(ニエット)!!!!!祖国とは味が違うのだ!味が!」

 

「はあ・・・」

不知火が困ったように表情を作るとアラームが鳴る

 

「!・・・レーダー探知、距離32000、駆逐艦2隻、巡洋艦1隻の艦隊」

 

「え、えーと・・・データリンク、同期良し」

 

「ミサイル攻撃開始、私は目標a、bを狙う、そちらは目標cを頼む」

 

「うむ・・・目標照準よし、ミサイル開放」

 

「Orohb!(アゴーニ)」

 

「発射!」

キーロフと矢矧のVLSの蓋が開き、ミサイルが飛び出すと高速で目標へ飛行する

「・・・目標へ真っすぐ飛行中・・・命中まで5秒・・・4・・・3・・・2・・・1・・・命中」

 

「目標撃破」

 

「・・・すごいですね・・・それにしても司令官が開発したこのレーダーシステムとみさいるというものは」

 

「私も始めて今回使うけど、やっぱり戦場の戦い方が変わるわね・・・でも、素晴らしい兵器ね」

 

「ミサイルだからな、砲雷撃戦も悪くはないが、どうしてもこちらに被害が出てしまうからな・・・ジェラードも被害が出てしまうことは極力避けるよう言われているし、これはありがたいよ」

 

「でも、今回新しく開発できたレーダーシステムとミサイルの試験を同時に行うって・・・大丈夫かな?と思っていましたけどね・・・」

ミサイルというものがどうなものか、理解に難しい彼女たち(キーロフ、ミラ、セラを除く)は当初ミサイルに対して懐疑的な気持ちがあったが、効果を見るとそれが綺麗さっぱりなくなった

これがあれば深海棲艦との戦いで有利に運べるから当然と言える

「まあ・・・どうしても素材がかかってしまうことは仕方がないけどね・・・」

 

「そのために今回の分も運んでいるので、大丈夫では?」

 

「まあな・・・どっちかというと艦隊決戦をしたいだがな・・・もしくは対地攻撃でもいいからやらせてくれないかな〜!」

 

「ははは・・・」

キーロフが全力攻撃、それは即ち彼女の弾薬補給が必要となり、とてつもない量が減り、ジェラード達の胃にクリティカルヒットしてしまうからできるだけ大破だけはして欲しくないな・・・と思いながら矢矧は苦笑する

 

艦隊は2時間後、指定の位置に着き、妖精さんが次々と輸送船に積載された鉱石を基地内部へ運ぶ

そこへジェラードとアイオワ、ビスマルクがやって来る

「お疲れ、ご苦労だった」

 

「できれば、次は大規模な艦隊に打ち込みたいものだ・・・あ、試験は良好だった、ミサイルは機能したぜ」

 

「それは良かった、あと少しで対潜ミサイルも艦娘用にできるから、それも搭載すれば対潜能力が格段に上がること間違いなしだな」

 

「おお!それは期待できるな!」

 

「ええ、ただ、この技術は他国にはあまりないものだから他国の手に渡らないようにしないといけないけどね」

 

「う〜・・・確かにな・・・」

 

「うん?しかし、アドミラール、ミサイル自体他国で研究されているのだから、さほど問題じゃないのでは?」

 

「いや、ビスマルク、この時代、確かにミサイルの研究はされているが、まだそれを艦娘へ搭載できるレベルにはいたってない、それが完璧とも言える技術を持つミサイルが艦娘サイズへ搭載できるのだ、世界中がこぞってほしがるだろうな」

 

「あ・・・なるほど」

 

「いつか、開発されるかもしれない技術、だけどこれが一歩間違えれば大きな過ちを犯してしまうことがある、科学とは常に進化するが、進化するには犠牲となるものが時に必要な時もある

通常試行錯誤されて洗練される技術がいきなりその場で出て来てしまえば思わぬ出来事も起きるかもしれない、もうすぐ他国との交流を始めるとはいってもな」

 

ジェラードの目には若干悲しみの目をさせながら言う

 

「では、私は開発部門へ言って来る、午後からの任務のほうも休憩が終わったら頼む」

 

「了解しました!」

 

さてと・・・資源は徐徐に集まり、兵器の質も上がった、本当妖精さんってチート級だと思う・・・え?何がチート級?未来兵器を設計図・細かな情報・指導するだけでパパッと作るのだからな

しかも資源と開発資材があれば何とかなると来たもんだからな・・・

ああ〜本当にこの世界はファンタジー要素が強いものだ・・・

前世では私の艦載機搭乗員が読んでいた書物であったな・・・

まあ、いい・・・とにかく今はできる限り上げれるものは上げ、力を付けないとだめだからな

 

深海棲艦の動きも活発だが、脅威はそれだけではなく人類も脅威となる可能性は十分ある

ミラとセラに情報収集させているが、やはり人類側は未だ艦娘がいない国は追いつめられている、特にアジアの大陸国が最もひどい状況で内部紛争・汚職・食料問題など山積みだ

アメリカはともかく最も必死な国は島国だろう

十分な資源は確保できず、イギリス・日本といった国は領海を取り戻せなければ国として成り立たなくなるからな

 

「はあ・・・アメリカ、日本と仲良くできればいいが」

 

「oh!大丈夫です!いざとなればあっちに乗り込んで砲身を突けばなんとでもなります!」

 

「・・・アイオワ、人はそれを脅し、恐喝と言うのだぞ?しかも祖国に」

 

「あんた・・・なにを言っているのよ・・・」ほれ・・・ビスマルクは呆れているぞ

 

「アドミラール?私は確かにアメリカ艦であるけれど、どうでもいいのです、ここが祖国なのですから、私はアドミラールに付いて行きます!!!」

 

「・・・最悪祖国と戦うことになってもか?」

 

「アドミラールはどこぞの独裁者のように無茶苦茶なことはしませんからね、むしろ、祖国が狙って何かやらかすならミーの16㌅主砲をお見舞いするわ!」

 

「・・・私もよ、アドミラール、別に祖国と戦いたいというわけではない、ければいざとなれば私も付いて行くのはアドミラールだからね!」

 

「そうか、それはありがたい、これからもよろしく頼むぞ」

 

「「了解!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基地内部の開発研究部

 

「やったー!!!!!これだけの資材があれば、もっと開発できるぞ!さあ・・・覚悟しろよ・・・深海棲艦め・・・私たちの基地へ砲撃した代償は高いよ・・・」開発主任は身体を僅かに震えさせながら目の前の大量の資材を前に何かオーラを出していた

 

「・・・最近主任の目がおかしいような気がするのは私だけかなー?」

 

「大丈夫大丈夫私たちもだから、ジェラード様に会ってからだよねー?」

 

「主任は変わってしまったかー・・・」

 

 

「・・・・・・・さあ!やるぞやるぞー!!」

 

 

「おおー」

 

さあ・・・艦娘の装備は開発が進んでいるし、練度を上げるために試験的に使用している・・・次は衛星レーザー・・・いや、空間テレポートミサイル・・・いや、空間転送システム・・・ぐふふふふ・・・夢ロマンが溢れますな〜!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある海域で

「う〜ん・・・ここはどこだろう・・・まさか、途中で嵐に合うなんて聞いてないよ!!!泣

うう・・・嵐でコンパスと海図も流されてしまったし、私どうなるだろう・・・

何とか積んでいる物資で持っているけど、それも長く持つか、分からない・・・

おーい、私はここだよー!誰か助けて下さいー!泣

って叫んでも仕方ないよね!泣」

 

彼女の妖精さんも必死に現在地、どこへ行けばいいのか、探っているが、コンパスや羅針盤も壊れてしまってはさすがにやれることは限られ、漂流してから長い時間が経ち、むしろ、今まで深海棲艦に見つからないだけ運がいいと言える

彼女が現在航行しているエリアは台湾南西部であり、位置からしてもう敵影響範囲へ入っている

 

 

 

 

 

 

 

 




彼女の周りはどこを見ても海、海、海・・・
行き先がわからなくなった彼女は果たしてどうなるか・・・
次回作
「漂流の艦娘」です!


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漂流の艦娘

 

 

う〜・・・コンパスも羅針盤も壊れて海図も嵐で流されてしまい、燃料も3分の1を切った・・・

嵐が過ぎてから数日、迷子の補給艦となった神威です!

私は絶賛、迷子中です!

どんなに進んでも海ばかりで陸地どころか、島すら見つからない状況・・・

何とか燃料食料は切れても、積載していた物資から飢えと燃料切れは逃れて来たけど、もうそろそろ限界・・・

お願い誰か・・・誰でもいいから助けて下さい・・・

補給艦一隻で護衛も無しで航海する、すぐにでも死ぬかもしれない・・・

「誰か〜!!!!助けて下さい〜!」

彼女は誰もいない海上で叫ぶが、返信はない

 

はあ・・・このままだといずれ燃料切れとなる・・・

どこか、どこかに島・・・小島でもいいから探さないと・・・

通信機も連日嵐によって故障し、味方とも通信ができずにいた。

妖精さんが必死に修理してくれているが、まだ修復できる兆しはない

積載している荷物には食料、燃料、弾薬の他に、新装備である戦艦・空母・巡洋艦の装備を輸送するのが任務であった

敵艦隊に物資を奪われないようわざわざ遠回りするルートが仇となった

彼女は元々米国から新技術の装備を本国へ輸送することが任務であり、深海棲艦がうじゃうじゃいる海域で、何とか突破し、順調に航行していた

しかし、そんな行く手を阻むかのかのように超大型級の台風と遭遇し、護衛艦娘とはぐれてしまった・・・さらには激しい嵐の中、航行に必要な装備が破損した

かれこれ2日以上航行し、何とか飢えを凌いでいるが、長くは持たない

救援信号を出そうにも、敵地の中で出せば、自身の位置を発信するのと同意義である

元々長距離航海していたため、燃料残量数も少ない

なので、何とか味方の海域まで航行している彼女は、あと数時間しか持たない燃料計に視線を向けながら、焦っていた

「拙い・・・燃料がもうこんなにもない・・・誰か〜!!!!」

誰かの声が響く海域から離れたところで、4隻の艦娘が航行していた

 

 

神威のいる海域から離れたところで、ルクラニア基地所属の艦娘が哨戒していた

 

「ねー誰かの声が聞こえなかった?」

「うん?何を言っている、誰も聞こえなかったわよ?」

「聞き間違いではないでしょうか?」

「え〜誰か聞こえたような気がするだけどな〜・・・」

「それなられーだーで探知できないの?ジェラードさんの電探はかなりの高性能と聞くし、探知可能なのです」

「暁、電、雷?まだ、任務の途中よ?おしゃべりはなるべく控えなさい」

「「「はーい(なのです)」」」

電・雷は新たなに建造された駆逐艦娘であり、哨戒任務に就いていた

「ねーねー、響はジェラードと一緒に日本へ出発したけど、大丈夫なのかしら?」

「大丈夫、彼女ならいくら物量を得意とする国家でも対抗が難しい艦娘だ、簡単にはやられないよ」

「・・・そうよね・・・それにしてもジェラードさんはそれぞれの艦種のことをよく理解しているわね・・・」

「このみさいるという兵器は本当にすごいのです、これなら戦艦と空母が来ても、大ダメージを与えられるし、有利に戦うことができるのです。」

開発されたミサイルはジェラードから見れば旧式であるが、それでも現代の巡航ミサイル以上の性能を発揮し、これらは対艦・対地・対空・対潜等多種に分かれ、駆逐艦、軽巡、重巡、潜水艦などを中心に配備され、大型艦戦艦、空母などは高性能なレーダーを搭載している

 

「そうえば、矢矧さんの装備も変わった電探を搭載していると聞いたけど実際はどうなんなのかしら?」

「そうね・・・一言で言えば異次元に来たかのような感覚を見れると思いますよ〜」

 

矢矧の装備している画面が展開され

そこには各種レーダー、ソナー等のデータが送られ、モニターしている

駆逐艦にもできればすべての艦娘に高性能防空システムを搭載したいが、なにぶんコストがかかり、まだ時間がかかる

 

「ああ〜今頃ジェラード達は真っすぐ日本へ進んでいるから・・・台湾沖か〜」

「できれば、私たちも連れて欲しかったなのです!」

「仕方ないわよ・・・今回はあくまでも様子見として向こうに会いにいっているわけで、あまり練度の低い子が言っても万一別の勢力に捕まってしまったら大変だものも」

「最近では妖精と艦娘が増えるのは助かるけど、同時に深海棲艦の動きも活発化しているらしいわ」

「それって、拙くないの?今、出かけて大丈夫なのですか?」

電が首をコテンと傾けながら言うと

「大丈夫よ、そのためにアイオワとキーロフ、セラを防衛として置いているし、瑞鳳もいるから余程大艦隊が来ない限りわね」

「えっと・・・大艦隊が来たらどうするの?」

「ミサイルと爆弾、砲弾の雨を降らせるしか、ないわね、できれば今の段階で消費を抑えたいけれど、そうは言ってられないしね」

事実、ルクラニア基地はようやく工業力を持ち、原油設備・施設が稼働したが、精密機械であるミサイルなどの大量生産には生産ラインが整っていない、計画こそしているものも、いくら妖精さんの力でも、できることとできないことがある

世の中そう甘くはないということでもあるが

 

 

「大丈夫よ!電!その時は私が敵をやっつけるだから!」

「頼もしいです!」

「さすがに大編隊で来られたら多少の損害は覚悟しないといけないけどね・・・」

「いいじゃないかしら?むしろ、新開発の装備も実験したいとこの前主任が言っていたわよ?」

「また、ゲテモノを作ったのかしらね・・・あの主任は」

「帰ったら、甘いものが食べたいのです!」

 

(ふふふ・・・駆逐艦達も相変わらず甘いものになると喜ぶわね・・・素直でいいことね・・・

今回、ジェラード達は様子見とあるけど、何か土産ものがあったらいいな・・・)

 

とその時、レーダー探知音が鳴る

 

「うん?レーダー探知、北西230k地点、大型クラスの艦艇、結構近いわね・・・」

「情報リンク良し、単独?この敵地で単独航海なんて、はぐれ駆逐艦かしら?」

「どうする?矢矧さん」

「・・・そうね・・・一隻であれば、撃滅、この艦影から見ると艦娘の可能性があるわ、これより調査に向かうわよ」

「「了解(なのです)」」

「あ、でも、この艦影・・・戦闘艦にしては武装が少ないわね」

「ということは補給艦かな?」

「おおかた・・・この数日前に来た台風と関係するかもしれないわね・・・」

「あわわわ・・・そうだとすれば助けてあげないといけないのです!」

「ええ・・・とりあえず先に偵察機を射出するわ」

矢矧の甲板上で妖精さんがあっちこっち走り回り、零式水上観測機を取り出す

「あーあー早く開発部門で開発中の航空機実用化しないかな〜」

「確かにね・・・そうすれば私もレディとして航空機運用も夢じゃないのにな〜」

彼女達が言っている航空機は多目的ヘリコプターのことであり、駆逐艦さすがに魚雷艇、哨戒艇、海防艦などには搭載不可能だが、駆逐艦程度であれば搭載可能であり、現にヘリコプターを搭載している駆逐艦は多く現代で存在している(ただし、駆逐艦と巡洋艦の区別が曖昧になっている現代で果たして一万tクラスの艦艇を駆逐艦と呼ぶ時代ではあまり参考にはならないが)

「無駄話はあとでよ、目標へあと1時間後には接触できるわ、油断しないようにね」

「「「「はい(なのです)」」」」

 

 

 

う〜・・・太陽が暑い・・・・お腹も減ってきたな・・・燃料も残り僅か・・・

もう・・・救難信号を出すしかないのかな・・・・

 

うん?あれは何?・・・あれは・・・・!!!!????

 

 

「見つけたのです!」

「あれは艦娘で間違いないわね、これより不明艦調査から艦娘保護任務へ移行する」

「了解!」

「ねえ〜!あなた大丈夫〜?」

「怪我はないのですか〜!」

 

 

「ねえ〜・・・あ・・・た大丈夫〜?」

 

 

やった・・・やった・・・・救いが来たああああああああ〜!!!!

神は私を見捨ててなかった!

「お・・・おーい・・・助けてくださ〜い・・・」

「ちょ!・・・電、そっちを持って、この子、燃料が空っぽよ!」

「!はいなのです!」

二人は神威を保護すると、すぐさまロープを繋げた

「・・・やっぱり補給艦娘ね、あなた大丈夫?」

「・・・いえ・・・・お腹が空いて、燃料がなくて、もうヘトヘトです・・・申し訳ございませんが、そちらの鎮守府へ補給させてもらえないでしょうか?私は大本営、特殊輸送部の物です」

(特殊?)

(恐らく新兵器、新型の技術などを輸送するための艦娘です!どういった経緯でここに来られたか、分かりませんが、この艦娘は大本営と繋がりを持ち、少し警戒したほうがいいかと・・・)

(なるほど・・・分かったわ)「分かった、すぐにこの子を輸送するわよ、これより帰投する!」

「了解!」

 

 

 

「あらら・・・この子・・・大部衰弱してるわね・・・」

「はわわわ・・・それは大変です!早く基地へ連れて行くのです!」

「そうね・・・基地へ運ぶ間、暁、電その子は燃料がなくて意識不明のようだから、しっかり面倒を見てあげてね?」

「了解!(なのです!)」

「それにしても、見たところ補給艦娘のようね・・・」

「結構積載している荷物が多いし、金属製のコンテナということは極秘任務だったのかしら?」

「・・・念のために妖精さんに中を調べさせてみましょう、ないとは思うけど、何か爆発物等が見つかったら厄介だから」

「はーい!」

暁と電が横付けしたまま、艤装の妖精さんを補給艦娘へ送り、そこの妖精さんと交渉した結果、許可をもらい、臨検した。

妖精さんがあっちこっち調べた結果、運んでいるものが弾薬、燃料缶が空っぽだが燃料、装備などだ

「うん?新型装備?」

「はいなのですー戦艦用、空母用とかあったけど、新型の装備ですー」

「そうか・・・それならいい、荷物を無くさないよう厳命し、その子を見るぞ」

「了解しましたー」

 

この時神威に積まれている装備は試製自動装填システムと16㌅三連装砲Mk7、F6F-3、噴式航空機などだ

 

この世界からすれば十分艦娘の装備としては最上位に来るものばかりのアメリカ製の装備だが、この時は全く矢矧達には分からなかった

 

 

「しかし、新装備の輸送とは重要な任務ね、護衛とか居なかったのかしら?」

「恐らくこの前来た台風によってはぐれたのでしょう・・・」

「多分ね・・・国籍も日ノ丸ということは日本ね」

「・・・大丈夫かい?重要な任務ということは士官クラスの可能性もあるよ?」

「・・・ただの兵士、士官クラスでも艦娘であることには間違いない、私たちはあくまでも深海棲艦と戦争しているのであって、人類と戦争しているわけではないわ・・・いや、正確には艦娘とは敵対するつもりはない、と言ったところかしら?」

「・・・人類とは敵対する可能性がある・・・ということか・・・」

「人間と真の絆を結ぶのはかなり難しいわ・・・特に国家単位になると昨日味方だったとものが今日は敵になる可能性がある

一人の個人単位なら信用はできるけど、集団になった人間ほど信用ができるものではないわ

むしろ、互いを利用し合う関係が一番最善と言えるでしょう

特に人間には持ってない技術、戦力を持っているうちを他国が放っておくと思う?」

「それは・・・・・・放っておかないな・・・」

「・・・もし、不安があるならば、響あなたがその子の面倒を見なさい、その子は恐らく敵対行動は取らないと思うけど、万一に備えて監視してもらえる?」

「了解」

「ありがとう」

 

 

 

 

「う・・・ん・・・」

 

「あ、目が覚めたのね!大丈夫?」

「ここは・・・どこなのでしょうか・・・?」

「ここはまだ海上よ、あと少しで基地に着くからそれまで辛抱してね」

「いえ・・・助けて頂きありがとうございます・・・もう燃料と食料が底を尽きかけていたので・・・」

「そう、ただ、まだあんまり動かないでね?まだ身体が衰弱したままだから」

「う〜・・・貴方達は一体どこの所属の艦娘でしょうか?」

「私たちはルクラニア基地所属、第一哨戒部隊旗艦矢矧よ」

「駆逐艦電です!」

「暁よ!よろしくね!」

「雷よ!かみなりじゃないからそこんとこよろしくね!」

「・・・響だ、よろしく頼む」

「るくらにあ?・・・そんな鎮守府は聞いたこともないよ・・・」

「詳しい話は基地に着いてから話すわね、あなたお腹が空いているでしょ?」

「!はい!もうぺこぺこです・・・」

「ふふふ・・・元気な子ですね、それまでゆっくりして下さいね?」

 

・・・・ふう・・・とりあえず助かったみたいね・・・

一時期はどうなるか、と思いましたが・・・

それにしてもこの艦娘達・・・あまり見慣れない装備を付けている・・・あのくるくる回っているのは電探?

それに暁型ってこんな艤装の形をしていたっけ?

それに旗艦矢矧の装備も最新鋭軽巡洋艦とはいえ、あんな貧相なフォルムだったかな・・・

確か舞鶴所属の阿賀野はもう少しごてごてとした装備だったはず・・・

 

「貴方達・・・見たことのない装備を付けているけど、それは新装備?」

「?・・・ああ、この装備か、この装備は新型のレーダーだな、機密は言えないが、現行の中で最新型と言えるだろう」

・・・あれ?でも、私の装備している32号電探が最新だったはず・・・秘密試験装備?

でも、それなら、こんな海域で訓練はしないはず・・・

一体・・・この艦娘達は何者・・・?

それに何か箱型の艤装と見たことのない・・・あれは・・・テレビ?

でも、テレビはあんな薄くないし、でっかい箱型のものだったはず・・・

もしかして、案外秘密艦隊に助けられたとかかな?

・・・ふふふ・・・それなら楽しみね・・・一体どんなものが見えるかな?

 

 

 

「・・・・」(響・・・一応彼女から目を離さないようにね?結構私たちの装備に興味を持っているから)

(了解)

 

 

 

 

 




くう・・・時間があまり確保できず、書く暇がないです・・・汗
誰か〜私に時間をもっと下さいです!
ジェラード「おい、そんなことを言える暇があるならば、やることをやってから小説を書け、いろいろ溜まっているぞ?」
ひええ・・・・


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初めての来客

起きる時間帯が6時頃寝る時間帯が12時頃これは規則正しい時間で寝て起きているでしょう・・・
8時作業開始帰宅11時頃・・・あれ?暇がないと現実逃避に久しぶりにハーメルンを見るミュラ

5000UA
50件お気に入り


(・・)・・・・・!?

ふぁ!?5000!?あいええええ!?なぜ!?なぜ!!???

と茶番はここまでにして
私の作品を読んでくれる方、読み返し読んでいる方ありがとうございます!
最近では少しこの作品に自分の書きたいものなのか・・と思ってしまいストーリーがあまり思いつかなくなりました文才が欲しいところですね・・・


 

補給艦「神威」が漂流中のところを旗艦矢矧率いる艦隊が発見し、神威が衰弱し、治癒が必要と判断したため基地へ帰投していた

 

「あ、見えました!あれがルクラニア基地です!」

「へ〜・・・あれが・・・基地?」

神威が見るルクラニア基地は以前放棄されていた状態より拡張され、周辺には廃墟となっていた原油プラント施設を復旧稼働したことで島には二つの港湾が見えた

一つは原油施設、精製施設、貯蔵タンク群、製鉄所、倉庫、工場などが並び、一つの工業地帯となっていた

二つ目は軍港であり、港には多数の輸送船と哨戒艇?等が見え、近くには飛行場もある

ここまでとなるとかなり巨大な島と言えるが、神威からは要塞としか表現しようがないものにしか見えなかった

海岸には整地され、速射砲・ミサイルポッド・レーダー設備などが設置されており、深海棲艦が海中からの襲撃に備え、対潜ソナーとレーダーを半径3k圏内にも設置され、海上からは見えないが、海中では岩に偽装した機器で一杯と言える。

「な・・な・・・なんですか・・・あれは・・・」軍港であれば大本営の仕事上色々見て来たことがある、海外のも有名なものではノルマンディー地帯にドイツ軍とフランス軍が共同で深海棲艦の上陸を恐れ鉄壁の要塞となっている画像が見たことがあるが、目の前にあるものは明らかに見たことのない施設、機械があり、異様に感じた。

「あれは私たちの基地だよ?元々放棄されていた基地だからあんまり知らないのも無理はないかな・・?」と近くに居た雷が言うと

「え?放棄されていたって・・・一体あんな基地だれが作ったのですか・・・?」

「え?日本軍だよ、放棄されていた当時は滅茶苦茶だったらしいけど、今となっては元の姿は影も姿もないからね〜」

「日本軍?・・・!」思い出した、確か深海棲艦の猛烈な火力と物量を前に東南アジア方面の艦隊は全滅し、いくつかの基地が放棄されたはず、ということはそれは放棄された基地の一つだろう・・・しかし、ここまで武装した島は硫黄島とノルマンディー、ハワイ島だろう

ハワイ島は深海棲艦の手に落ちてしまっているため、現在は分からないが、基地には軍の装備・兵器などの整備、兵士の休養・訓練、弾薬調達補給に司令塔という役割があって、ここまで工業地帯を作る必要はない

「えっと・・・貴方達の所属ってどこだったのか聞いてもいいかな?」

「所属については私たちの司令官が話をしてくれるので、大丈夫です。」

「そう・・・わかったわ」神威は目の前の要塞に圧倒されながら入港するのであった

 

「・・・」軍港へ入港すると施設内のドック周辺が妖精さん達が走り回り、溶接などの作業しているのか、ドック内で火花が飛んでいた

いくつのもドックで足場が組まれ、工事していた

「・・・ねえ、あそこで建造しているようだけど、何を建造しているの?」

「あそこには水上艦艇を建造していますね」

「水上艦艇?」

神威が疑問に思った、なぜ、水上艦艇?水上艦艇では深海棲艦に対抗するには厳し過ぎるし、コストがかかる

タンカー・輸送艦に護衛として水上艦を就けても倒すことができなければ結局意味がないし、艦娘を量産したほうがまだ効率がいいからだ

「水上艦艇の運用については機密などで言えませんが、そこはご了承して下さい」

「そう・・・」神威も何かと大本営の仕事に関わっているからか、すんなり頷く

神威達は艤装を外し、司令官の部屋へ向かった、その間彼女はそのまま周辺を観察しながら歩く

「あ、コンテナはできるだけそっと置いといて下さい・・・精密機械があるので・・・」

「分かった〜」

(妖精さんの数が多い・・・普通ならば妖精さんは基地一つに300くらいなのにここは軽く四桁はいる・・・)

「あ、はーい、ちょっと危ないよ〜装甲車が通るね〜」

ブロロロロロー・・・

戦車が目の前を走り、そのままドリフトしながら曲がった

「あ、ごめんね〜大丈夫です〜!」

「了解、いつも妖精さん達に感謝ね、今のは新型戦車?」

「そうだよ〜今のはジェラード様が出した戦車を参考に作ったのもだからまだ試験中だけど」

「それにしてもすごいスピードとサイズですね・・・あれは超重戦車クラスではないの?」

「うんうん、ジェラード様はただ重戦車ではなく主力戦車と呼んでいるけどね」

「へ〜・・・じゃあ、後でもう少しあの戦車について聞いてもいい?」

「いいとも〜」

 

 

「・・・・・何・・・あの戦車は・・・」

戦車だということは分かる、しかし、問題はそこではない

あのサイズ、あの主砲、あのスピード違和感を上げていくと多くあるが、今の戦車はサイズ的に見てもドイツの五号戦車ティーガー・・・いや、ケーニヒスティーガー以上ある戦車だった・・・一体この基地はどうなっているの・・・?

それだけではなく、飛行場からは噴式航空機と思われる音が鳴り響く

ちなみに神威たちが見たものは以前ジェラードが開発で出したアメリカ軍のエイブラムス戦車を参考に更に改良し、モジュール化した追加装甲を付けたものだ、見た目こそまだエイブラムスの面影があるが、ミサイルポッド、レーダー設備、対空機銃など重装備となっている

 

 

「ここが執務室よ、少し待ってね・・・司令官!漂流していた艦娘を連れて来ました」

「分かりました、そのまま入っても大丈夫だ」

「はい」

「あなたが日本軍所属補給艦神威さんね?私はここの基地の司令官だ、ジェラードと呼んでくれ」

「・・・はっ!?はい!この度窮地のところを助けて頂きありがとうございました!」

「艦娘なら救助は当然だ、神威さんもひどく衰弱しているだろう?とりあえず入渠ドックは開けているからいつでも使っても構わない、料理も用意させているからゆっくりとするといい」

「はい!ありがとうざいます・・・!」

神威も色々と聞きたいことがあったが、自分は数十分前まで衰弱した状態であり、矢矧達に応急手当程度にはしてもらったが、本格治療はまだだったため、千鳥足ながらも歩く

「・・・ひどく衰弱しているようだな・・・」

「はい、漂流してから数日以上経っていると聞きますから食料も底を付いてしまった状態では仕方ないですね・・・あと数日遅ければ手遅れだったのかもしれません」

「まあ・・・何にせよ、彼女は大丈夫だと思うが、一応監視を付けてくれ」

「了解です!」

 

 

 

「ふう〜・・・久しぶりのお風呂だ〜・・・やっぱり気持ちいいわね〜」

神威は疲れた身体を入渠ドックの風呂に沈め、気持ち良さそうに入る

「それにしてもとんでもないところへ来たのかもしれないわね・・・」

この基地は元々日本軍のものだったとはいえ、ここまで強固に作られた基地は少ない

そもそも、神威が疑問に思っていたことが一つあった

それはこの基地は本来放棄されたのは記憶が正しければ半年も前のことだ

つまり、仮に半年前からこの基地の規模を作ろうと思えば大規模な工事になるし、そもそも資材を運ぶための輸送船があるはずだ

それなのに全くそんな報告は大本営に上がっていないし、ここは最後の偵察では4ヶ月まで深海棲艦によって無惨にも破壊された状態であった

「一体この基地は何の目的があって作られたのだろう・・」

ここまでの規模となるとアメリカ軍か、ヨーロッパ軍になるが、そもそも両方本土からかなり離れている上、深海棲艦の影響範囲だ

そんなところに輸送艦隊なぞ送ろうとすれば潜水艦と水上艦隊の歓迎が待っている

先ほどあった司令官も日本人ではないだろう、西洋あたりの人間に似ている

しかし、さっきの見かけた艦娘達は日本所属の艦娘だったし、西洋人が日本の艦娘を運用?

・・・いや、無理だ・・・

艦娘を運用できる提督にはそれぞれの素質というものがあり、ほとんどの場合、自国の国籍を持つ艦娘を運用できるが、海外艦を運用できる提督はごく少数だ、それを複数で運用するとなれば1万人に一人という確率だ

司令官の隣には西洋の艦娘が秘書を務めており、後で話を聞いてみるのもいいかな・・・と神威は天井を見上げながら考える

はあ〜・・・運良く大本営所属の艦娘になれたとはいえ、まさかこんなことになるとはね・・・

ガララ

「うん?」

「あら?先約が居たのね、お邪魔するわね」

「あ、はい、どうぞです」(・・・えっと確かビスマルクだったわね?ビスマルクとは凄いわね・・・)

「あなた確か漂流していた艦娘・・・神威だったで合っているかしら?」

「あ、はい、そうです」

「ふーん、そ、まあ、元気そうなら良かったわ、私はルクラニア基地ジェラードの秘書艦ビスマルクよ」

「ビスマルク・・・この基地は海外艦も多くて、びっくりするほど巨大ね」

「まだまだ艦娘の戦力は足りないけど、巨大なのは確かね」ビスマルクは多少苦笑するが、この基地の規模を考えればかなり大きいほうだと自分も思うし、司令官が用心深いのか、迎撃兵器も妖精さんと一緒に作ったからハリネズミのようになっている

「ビスマルクさんはここの基地所属なのですか?」

「ええそうよ、ここで建造されたというのもあるけど、アドミラールに付いて行きたいと思ったからというのもあるけどね」

「はあ・・・司令官はやはり日本人ではなく海外の方でしたが、どこかの国から来たのですか?」

「そうね・・・これは司令官が直接話すことだし、今話してもいいけど、お楽しみということでね」

「え〜!そう言わず教えて下さいよ〜」

「こら!そうやって暴れるとのぼせるわよ!」

と二人で少し騒いで矢矧に怒られるのは後の話であった

 

 

一方ジェラードとアイオワ、ミラは神威が輸送していたコンテナの前に居た

「ジェラード様〜このコンテナの中身には艦娘用の装備が入っている模様、矢矧達からの報告では主砲と艦載機、噴式航空機があるとのことです」

「艦娘用の装備か、ということはあの神威は極秘の輸送任務にでも就いているということか?」

「恐らくですーこの装備は日本では見たことのないものばかりで海外からの新装備のようです」

「新装備か・・・なるほど、それ以外にはないのだな?」

「うんーないよー」

「分かった、じゃあ、このコンテナには手を付けなくて良い向こうも触られたくないだろうし、相手の信頼を崩してまで装備を触る必要はない」

「分かったー」

「アドミラール?いいのですか?この装備は少し古いかもしれないけどこの世界では最上位に来るものですよー?」

「最上位でも拘るものではないだろう、そうえばアイオワの装備とよく似ているが、これはアイオワの装備もあるのか?」

「Yes、主砲は三連装主砲Mk7とF6F3ね、この二つは日本軍の試製三連装主砲よりも性能が高くて、艦載機はれっぷう?と同等くらいじゃないかしら?」

「そうか・・・試製自動装填システムが結構気になるところもあるが、あまり我々にとっては価値はない」

この言葉に一同は苦笑する

ルクラニア基地にはジェット航空機(噴式戦闘機)速射砲がある上高性能なレーダー設備まである状況であまり価値はないからだ

「それにしてもアドミラール?あの艦娘を使って日本に迫るのですか?」

「そんな回りくどいことはしないさ、むしろあの艦娘には少々我々のことを知ってもらうために救助したという思案もあったけどね」

ジェラード達は日本政府と接触する予定であるが、その前に自分たちの情報をある程度知ってもらった上で接触しようとしている

相手が誰かも分からずいきなり接触しても相手側によるがあまり良い判断を出してもらえない

 

「アドミラール?例の艦娘が入渠から出たようですよ?」

「分かった、執務室へ向かうとするか」

「仕事が終わったらまた、アイス奢ってくださーい!」

「分かった分かった・・・全く完全にアイスの虜となったな・・・」

「マスター私にもお願いします」

「お前もか・・・分かった」

 

 

 

 

「えーと改めて窮地の中助けて頂きありがとうございました!その上艤装の修復までして頂けるとは感謝いたします!」

「ああ、こちらとしても偶然とはいえ、見つけたからな、礼には及ばない」

「いえ、それでも助かりましたから」

「そうか・・・それで我々の自己紹介もまだだったかな?」

「はい」

「我々はルクラニア基地に本拠地を置く独立軍といったところだな」

「独立軍・・・それはどこかの国に所属しているのですか?」

「我々は基本的にどこの国にも属していない独立した組織といったところだな」

「え?それじゃあ・・・ここの妖精さんと艦娘しかいないのですか?」

「それはどこでも同じじゃないのか?まあ、安心しろ別に日本と敵対している訳でもないから、回復したら出港したらいい」

「・・・いいのですか?私は少なくとも大本営直属の艦娘ですよ?情報が日本に渡るのに」

「構わない、もし、徹底するならば見つけた時点で助けず見捨てていくことになるからな」

「そうですか・・・もう少し話を聞いてもいいでしょうか・・・あなた自身もどこから来たか気になりますし」

「いいだろう、私も少し日本には興味があるのだ、そこらへんも聞こうか」

「はい、分かりました!神威参ります!」

「いや、既に参っているがまあ良い」

 

神威はジェラードと話した後、矢矧達があと一日は休養は必要と止めるが、彼女は自分自身を心配してくれている艦娘と装備を待っている大本営の任務があるためと出港した

 

「・・・大丈夫かしら・・・彼女・・・」

「一応こっそり護衛(セラ)は付かせているから大丈夫だろう」

「Oh・・・アドミラールは相変わらず優しいですね〜」

 

 

 

海上日本硫黄島付近

 

(ふふふ・・・まさかあんな人がいるなんて・・・絶対的力を持っていても自意識過剰にならず、いつまでも冷静でまるで大きな戦場をいくつものくぐり抜けた貫禄には圧倒される・・・・

情報を何を報告するか、慎重に選ばないと大本営は戦力をこちらに投入する可能性もある・・・軍人としてはダメかもしれないけど、ご恩をここで返すのも悪くはないわね・・・)と気分良く帰還するのであった

 



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衝撃(報告)

日本東京大本営

大本営一角の会議室で重苦しい空気を漂う空間の中、上層部の人間達がいた

大本営では一つの出来事で混乱状態となっていた

それは補給艦「神威」の行方不明である

神威には日米との取引で輸送していた米国の新型装備が積載していた

その中には試作品の兵器もあることから万全の状態で輸送任務に就かせていた

空母・潜水艦を含む護衛艦隊、あらかた決めていたルートには深海棲艦が進出しない海域を選び、すべては万全状態で行われ、計画は順調と思われた矢先、嵐との遭遇により行方不明と来た

通常艦娘は嵐でも航行は可能で余程の津波、竜巻、敵艦による攻撃、機関等の不調等がない限りは・・・

しかし、報告ではまさかの超大型ハリケーンが発生し、迂回することもできなかった艦隊はそのまま進むが、嵐の波による衝撃、威力が凄まじく、結果艦隊はお互いを確認できないほど、自身が転覆しないよう保つだけで精一杯

大本営は直ちに大本営直属部隊を派遣するが、一向に発見できなかった

 

 

 

「・・・それで捜索の結果まだ見つからないのか?補給艦神威は」

と白い髭を生やす大将が言う

「はい・・・潜水艦、駆逐艦、航空機などを導入して捜索しましたが、南方方面には発見することができず、恐らく轟沈した可能性が高いと思われます。」

 

「撃沈・・・か・・・拙いな、神威には米国からの新型装備を積載しているのに、これじゃあ顔向けできんぞ!」

 

「そもそも嵐で艦隊が四散するなぞ旗艦の管理問題があるのではないのか!?」

 

「・・・あの嵐では例え大型艦でも転覆する可能性があるのに生き残れただけでも奇跡に近いものだ、それを管理問題と罵倒するのは如何な者かと思われますが?そもそもあの艦隊で護衛に就かせると決定したのは参謀長ではないのかね?」

 

「う・・・それは・・・」

 

「何にせよ、今は責任の話ではないのだ、問題は神威が捜索し、残骸でも良いから発見できなければ米国は我々の主張を信じない可能性が高い・・・我々の管理体制に問題があるとな」

 

「・・・・・・」

 

アメリカと日本との関係は良好とはいかずともお互い一度は戦火を交じった関係であり、結局第二次世界大戦は深海棲艦によって途中で交戦国が敵勢力を深海棲艦となり、利害関係が成り立っているからこそ、枢軸国と連合国は歩み寄っているが、実際のところ水面下では牽制が続いていた

 

 

 

 

そんな重苦しい空気の中、思わぬ報告が飛んで来る

「失礼いたします!捜索隊より報告!補給艦神威を発見したとのことです!」

 

「何本当か!」

 

「はっ!状態も安定しており目立った怪我もないとのことです!」

 

「どこで発見したんだ?」

 

「はい、和歌山沖あたりで発見したとのことで、現在こちらへ急行中です。」

 

「・・・例の積み荷に関しては?」

 

「米国からの積み荷は何も目立った損傷はなく問題ありませんでした!」

 

「そうか・・・分かった、神威には着いたら報告するために会議室に来るように、と伝令を」

 

「はっ!」

 

と兵士は退室すると重苦しい空気が少し軽くなる

「ふ〜・・・発見できて良かった・・・一時はどうなるか、と思ったが積み荷が無事であれば安堵できる・・・」

 

「全くだ・・・頭を高くして眠ることができなくなるからな・・・」

 

上層部の人間はホッとした表情になるが、後にとんでもない報告が来るとは思いもよらなかった

 

 

 

横須賀軍港

 

「ふう・・・やっと着いた・・・久しぶりの横須賀ね・・・」

 

「神威さん!嵐で遭難し、漂流していたと聞きますが大丈夫ですか!」

 

同僚である速吸が神威を心配し、駆けつけた

「あ、速吸さん!大丈夫ですよ!一時は遭難した時はどうなるか、と思いましたが途中で助けもあって助かりましたから!」

 

「そうなんだ・・・捜索隊が見つかって良かったよ〜・・・・」

 

「結構遭難してから大部時間が経ったと思いますが、どうやって生き残れたのですか?」

 

「いや〜・・・輸送している物資で何とか生きていたけど、もう物資がなくなって、燃料もなくなったところでだめかな・・・と思っていたところに助けもあって、ここに来れたんですよ!」

 

「へ〜・・・なるほど・・・うん?助けって捜索隊じゃないの?」

 

「えーとね、後で報告する予定なんだけど、どこの軍・国家にも所属していない組織が南方方面にあってそこで助けられたのです!」

 

「えーーーー!!!??南方方面って確か敵勢力範囲じゃないの!?それって大丈夫なの?」

 

「大丈夫よ、もし彼女達が敵勢力であるなら私は行きて帰ってないからね・・・あ、ごめんね、そろそろ報告に行かなくちゃいけないから」

 

「そうだけど・・・後でじっくりまた聞かせてね!」

 

「分かりました〜!」

 

神威は艤装をドックで外した後に報告のために上層部が待つ会議室へ足を踏み入れ、今までの出来事を報告する

嵐で遭難し、漂流していたところを別の独立した組織が南方方面に存在し、自分を救助してくれたこと

そこには巨大な工業地帯と軍用基地がある島

数多の艦艇が停泊し、人間はおらず完全なる妖精と艦娘だけで運用された基地

大まかな見たことを話した

次々と出るルクラニア基地のことには上層部は驚愕し、持って来た写真(あらかじめジェラード達が用意した)と一緒に提出した

 

「見たことのない艦娘に大規模な工業施設と軍用基地・・・だと・・・!?」

 

「妖精と艦娘だけで運用されている基地なんぞ、あり得ない!」

 

「・・・・・・・まさか、南方方面に艦娘の姿が発見され、深海棲艦の動きがおかしいとは思ったがそんな組織があるとはな・・・その組織は何と言うのだ?」

 

「はい、彼女達は自分たちを独立軍と評していました、基地の名前は「ルクラニア」とのことです。」

 

「独立軍?・・・その名の通り何処の国、組織にも属していない独立した組織ということか・・・それにルクラニア・・・知らない名だな」

 

「しかもその基地には海外と我が国の艦娘が複数おり、膨大な妖精の数が居ると・・・」

 

「あの地帯でそれだけの組織がいるとは信じられないな・・・」

 

「神威くん・・・それは本当のことなのかね?君が幻を見たという訳ではないのかね?」

 

「いえ、確かな情報です、私はその組織に救助されました」

 

「・・・この写真以外にも何かあるのかね?」

 

「物的証拠は写真以外はありませんが、彼女達の持つ技術はあの欧米よりも高いと考えられ、味方に付けておくことが我が国にとって非常に有効だと思われます。」

 

「欧米より?それはあり得ない!あの技術大国であるドイツとアメリカ、イギリスより上の技術を持つ組織なぞ、馬鹿も休み休み言え!!だいたいその組織は本当に信用できるのかね?」

 

「南方方面にそんな巨大な基地なぞあったらたちまち深海棲艦に攻撃され壊滅される!例えそんなところにドイツ、アメリカ、イギリスが強固な基地に加え強力な大和級、長門級艦娘を配備したところで一ヶ月は持たぬ!」

 

「いえ、彼女達の基地は旧軍の基地を改装したとはいえまさに鉄壁の要塞と言えるほどのものです。高射砲と思われる砲台が無数に存在し、ロケット兵器、強固なトーチカ、巨大な軍用飛行場、陸戦隊の見たことのない戦闘車両・・・彼女達の基地を攻略しようと思えば、日本中の艦娘を集結させても足りないくらいかもしれません、もし、敵対すれば我らとて大損害を受けることは間違いないです」

 

「何!?何を馬鹿なことを言う、小娘が!」

 

「・・・・・・・・そう言える根拠はなんだ?」

 

「大将!?」

 

「黙っとれ・・・で、なぜだ?」大将が鋭い目付きで睨みを効かすと、相手側は黙った

 

「はい、まず彼女達には人間が基本的に居ませんが、妖精さんの人数が非常に多く、その数は数千以上とも言えます」

「す、数千!!?」

 

「その数千の妖精で海軍関係はもちろん、あの基地には陸戦隊、航空兵団も充実しており、下手に刺激すれば数千の妖精と艦娘軍団が攻撃します」

 

「数千の妖精・・・か・・・今まで我々は艦娘の誕生に深く研究してきたが全くこれといった成果はなく、妖精の力には驚くようなことばかりだな・・・」

 

少し顔色を青ざめている上層部の人間もいるが、つまり現在の日本は艦娘を生み出し、艦娘のメンテナンスを行う妖精が敵対するとなれば、まず勝つことはできず、むしろ国が滅んでしまう可能性があるからだ

 

「・・・前にもこんな報告を流す艦娘も居た・・・潜水艦隊旗艦は南方方面で敵艦隊の襲撃を受け全滅に違いダメージを負うものの、謎の艦娘によって助けられた・・・しかもその艦娘は我々が開発している秘密兵器と似ている部分があり、実用段階とのこと・・・これも彼女達なのか?」

 

「そちらのほうは私には分かりませんが可能性としては高いです。あちらには現在こちらで試作中の新型兵器、噴式弾も存在していると考えられ、彼女達はそれをさらに進んだ兵器も保有していることもあり、彼女達はある種一つの目的のために行動しているかもしれません

彼女達の提督も女性です、名前はジェラードと言い、海上を彷徨う艦娘・妖精を結集させ一つの独立とした組織を形成しています。」

 

「・・・一つの独立とした組織・・・か、下手して敵対すれば深海棲艦のみならず艦娘と妖精と戦争になる」

 

「なるほど・・・それ程の組織であるならば無理に接触し、戦力と技術を拿捕するのは骨が折れるだろう、場合によっては今後の作戦にも影響が出る」

 

「しかし、我が国が手を出さなくても既に米国・ヨーロッパ勢力、中国にも知られている可能性はあります、先に拿捕され技術と戦力を他国に渡すのは拙いのでは?」

 

「ならばどうする?彼女達に宣戦布告するか?私は反対するぞ、ただでさえ敵は深海棲艦だけとは限らん、更に敵を作っては日本も持たん」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「彼女達は敵対する意思が見られない、こちらから友好に歩み寄れば決して敵対することはない・・・そういうことだな?神威」

 

「はい、それは断言できます」

 

神威はジェラードと話した時、日本と接触することを最後に呟いていた

つまり、自分の報告次第では日本とジェラード達との関係は大きく左右され、個人的には友好に接することが最も最善策と言える。そのために何としても上層部を説得する気でいた

彼女達は言っていた自分たちは深海棲艦側には付かないが、人間側にも付かないと、彼女達は人間を警戒しているとも言える。

国家とはあくまで国家の利益となる形で動かなければならない

深海棲艦との戦争が終結すれば今度は他国同士の戦争が勃発し、第二次世界大戦の続きが出る可能性もないことはない

そのために他国は優位に立つために手段は選ばない

特に日本は陸軍の影響力が減っているとはいえ、独断で動く傾向がある

万一ジェラード達に技術徴収、武力で拿捕しようもなら全滅するのは自分たちだ

ジェラード達・・・いや、ジェラードとその周囲にいる艦娘の力を少し話を聞くと映像を見たが、まさしく圧倒と言葉で表すのにふさわしいものだった・・・

我が国で研究中の噴式弾あちらではミサイルと言うらしいが、噴式弾が敵艦に命中し爆沈する、それが艦艇のみならず陸上、航空機にも通用し、爆発影響範囲は種類によって違い、ジェラード達はそれを迎撃する能力も持っている

それを艦娘に搭載しているときた

これは一人の少女が例え艤装を隠したまま、重要な施設、都市部で大暴れでもすれば凄まじい被害が出てしまい、それが同時に起これば国として対応できなくなる

ただでさえ、艦娘一人でも主砲・魚雷・爆弾等で攻撃するだけでも厄介なのに、精密な誘導可能な噴式弾にさらに音速を超える航空機を運用していると聞き、神威は卒倒しそうになった

現代では音速航空機はアメリカ、ドイツなどで研究、開発中らしいが、まだそれは開発段階であって、艦娘に搭載できない

艦娘も日本軍の保有する最速航空機は彩雲だ

試作段階で噴式航空機もあるらしいが、音速を超えるものではなく、そもそも艦娘に搭載できるか怪しい

兵器装備だけでこれだけでなく、砲弾を目標へ命中させる電子分野でもかなり進んでいるらしくアメリカとドイツの電子システムが赤子に見えて来るものだ

それだけでも脅威と感じるが、あくまでもジェラード達が研究開発してきたものらしい

それを量産させる妖精さんも工業地帯を持っているから可能だろう

ここまで聞いて普通は警戒、技術・戦力を奪う、攻撃するか、などになるが、不思議と私は思わなかった・・・・

ジェラードの圧倒的歴戦の雰囲気もそうだが、あれは狂気の目でもないし、うぬぼれている訳でもない

むしろ、未来を見据えた目とも言えるだろう

そして、彼女は恐らく例え人類が敵対し、半数が死滅しようともこちらが攻撃するなら躊躇なく攻撃する

そう感じた・・・

 

「人間との関係は、今後次第と言えるな・・・」

「今後次第・・・ですか、それは現状では友好的に接するに値しないということでしょうか?」

「はっきり言えばそうとも言えるな、人間特に国家となれば我々の持つ技術と軍事力を欲し、敵対する場面があるかもしれない。」

「敵対・・・ですか・・・しかし、共通の敵がいるn「現に同族同士で争っている地域なぞ腐るほどいる」・・・」

「人間を信用するか、どうか、は彼らをよく見極めなければならない・・・そうでなくてはいくら技術力があっても、深海棲艦に圧倒しているとはいえ人類と敵対し、、物量攻勢で来られるとさすがの私やミラ、セラ、キーロフ・・・近代化改修した艦娘・・・アイオワ、ビスマルクでも勝てる見込みは零に等しいからな」

「・・・だから、人間との関係は慎重なのですね・・・ジェラードさんは」

「そうだ」

 

 

 

今思い返してもあの時のジェラードは敵対するなら容赦はしない、と目が語っていた・・・

だから、大本営だけではなく、日本政府を説得する必要があり、いつ接触しにくるか、分からない、ジェラード達に備えておく必要がある

「・・・なるほど・・・分かった・・・この件についてはこちらから政府へ呼びかけよう、反応は分からないがな・・・

その時には神威、お前も出席してもらうぞ?」

と言うと神威は頷く

 

「よし、衝撃的な報告であったが、明日もっと詳しく聞かせてくれ、今日はゆっくり休め」

「!!大将!もっとこいつから聞かなくてよろしいのですか?もしかすると欺瞞工作する可能性もありますよ?」

「神威にいたってその可能性はないに等しいし、神威も艦娘とはいえ、疲れを感じるし、寝ないと正常な判断は出来ない・・・これに何かあるかね?」

「い・・・いえ・・・分かりました・・・」

「すまなかったね・・・では、下がってよし」

「はい、わかりました。」

 

と神威は会議室から出る

残った面子は暫く沈黙したが、やがて一人口を開く

「・・・・まさか、南方海域に艦娘と妖精による勢力がいたとはな・・・」

「これには私もびっくりしたよ・・・どう思う?二人は」

そこには大将の嫁艦である雷と大本営直属のヴェールヌイが居た

 

「・・・神威が嘘を言っているようには見えないわ・・・とはいえ、その勢力との接触は早めにしたほうが良いという点は私も賛成ね」

「ダー・・・写真を見る限り大本営の技術力を軽く上回る兵器もあることを考慮するとこれ以上成長する前に正体を掴んでおいても遅くはないだろう・・・」

「・・・なるほど・・・これは政府に伝えるにはかなり骨がいるな・・・まあ、何とかするしかないがな・・・」

と大将がため息を吐く

他の上層部も頷く

 

「本件に関することは一切の口外を禁ずる、万一口外したものには銃殺刑ものになると思え」

「「「「了解しました」」」」」

 

 

 



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迫り来る悪意

 

 

大本営へ無事帰還することができた神威はそのまま上層部へ今までの内容を報告した

報告内容に上層部も驚愕の事実ばかりであったが、納得してもらい、神威は入渠した

 

「ふ〜・・・独立軍の入渠設備も良かったけど、故郷のものがいいわね〜・・・」

神威は気持ち良さげに目を細めながらゆっくり入ると、そこに入渠施設のドアが開く

「うん?あ!神威さんじゃないですか!」

そこには何も見に纏わぬ姿の速吸が入渠のためにタオル一枚を片手に現れた

「あ、さっきぶりね〜」

「もう報告が終わっているなら、連絡してくれたら良かったのに」

「ごめんね、私の無線機故障してて・・・」

「あ〜・・・それは災難ね・・・」

「本当にそうね・・・無線機が使えたら遭難なんてしなかったのに・・・って今はつくづく思うよ・・・」

「ははは・・・無線機は繊細だからね・・・ドイツからの新型無線機によって雑音が良くなって相手の声が拾えるらしいけど、まだまだ少数に留まっているものね・・・」

「早くこっちにも欲しいよ〜!」

「あ、そうえば、さっきの報告は何だったの?」速吸が思い出したように言う

「ああ〜・・・あれはね・・・」

神威は上層部に話した内容を話せる範囲だが、すべて話す

「ええええ〜〜〜〜!!!!???嘘ーーーーーー!!!?」

「ちょ、声が大きいよ・・・」

神威は少し頭を抑えながら苦笑する

「あ、ごめんね・・・つい内容が内容だからね・・・」

「そりゃあ。私だって、信じられないこともあるけど、実際に経験しちゃったからね・・・」

「へ〜・・・独立軍って国に属さない軍ということでしょう?仲良くできるといいな・・・」

「それは大丈夫よ、あちらも艦娘には良心的だから」

「そうなんだ・・・でも、すごいね、ジェラードさんって話を聞くと指揮しているのが艦娘でしょ?しかも、未知の技術を持ち各国が喉から手が出るほどの戦力というね・・・」

「艦娘の数はまだ少ないかもしれないけど、それはこれから増える可能性があるわ、だから独立軍と日本は軍事協定、同盟関係でいないといけないわ、何としても・・・」

「・・・でも、各国も黙ってはいないよね?それ程の組織なら」

「ええ・・・そうね、アメリカ、ロシア、中国、ヨーロッパ諸国等狙う国は多い、けど、独立軍の敵対関係なんて私にとって悪夢でしかないわ・・・もし敵対するなら投降するか、おとなしく独立軍へ亡命するわ」

「あら?大本営直属といたわれた神威さんが亡命なんて考えて大丈夫なの?」

「流暢に考えている暇なんてないし、うちの大本営なんてほとんどが黒みたいなもの。それなら新しいとはいえ、絶対負ける戦争を仕掛ける国より本心が定まってて他国に屈しない組織に仕えたいわ・・・」

「う〜ん・・・まあ、そう考えるなら仕方がないわね・・・私も給油艦として輸送作戦に従事するけど、ぞんざいに扱われるし、今の一部の上層部を何とかして欲しいわ・・・」

「あら?あなたこそ、そんなこと言って大丈夫なのかしら?」

「別にそれはお互い様じゃないですか〜」

苦笑しんがら神威は言う「まあ、それもそうね・・・どうかしら?上がったら間宮さんの飲食店か、鳳翔さんの店にでも行きませんか?」

「いいですね〜よし!神威さんが無事帰ってきたことを祝って盛大に盛り上げよう!」

「え?・・・いや、そんなこと別にいいわy「いいわじゃないわよ!私の大親友が帰って来たこともあるけど、あなたは大本営にとって仲間なの!なら当然祝わないとね?」・・・分かったわ・・・ただ、あまり羽目を外さないようにね・・・」

「よっしゃ〜!そうと決まれば・・・神威さん・・・・」

 

速吸はぎらついた目で神威を見る

「・・・え?」

神威がまるでレイプの目で見る速吸から距離を取ろうとするが、一歩遅くあっという間に迫られる

「久しぶりに胸を揉ませろ〜!」

「え〜!?ちょ、ちょっと!?展開が急すぎませんか!?」

「そんな都合知らないわ!あなたまた大きくなったわよね?・・・私にも分けろ〜!」

「ひええええええ〜!!!!」

と補助艦娘同士そんな茶番が繰り広げられ、次の艦娘が入るまで続いた

 

 

 

 

 

 

 

と少し場所が変わり、大本営の一室で葉巻を吸いながら大柄の男と艦娘が座っていた

その男は金髪の筋肉質な肉体を持ち、白い将校の服装を着ていた

艦娘のほうは修道院のシスターを連想させる服装を来た、白髪の艦娘であった

「・・・いつになったらあいつらは報告に来るんだ・・・ち、折角こっちが仕入れてやった装備を最終的に見つかったとはいえ、嵐で紛失しかけるとはとんだ間抜けな連中だ・・・やっぱりあいつらはただのイエローモンキーにすぎんな・・・・なあ・・・お前もそう思うだろ?ノースカロライナ」

「はい・・・」

艦娘は少し諦めた目で一点を見つめ、ただ返事だけをしていた

「あっ?もっとはっきり声を出せ、それでも合衆国の艦娘か?」

「はい・・・失礼いたしました、ジェラルド少将」

「全く・・・近頃の艦娘は教育が行き届いていないものだな、あの猿どもも鬱陶しい程この上ないが、お前ら艦娘も兵器の癖に感情があるだなんてとんだ厄介事だな」

「・・・・・・・・」

と不穏な空気を漂う部屋にコンコンとノック音が響く

「待たせてしまったな、ジェラルド少将」

「うむ、貴様らイエローモンキーどもは人を待たせることが相変わらず好きなようだな?まあ・・・ワインを飲みながら聞かせてもらおうか?参謀長?」

「それはいいですな、少将殿」

二人は高級な椅子に腰を下ろし、参謀長がワインを注ぐ

「おお、50年物か、このワインは良い、さすがフランス産というのもあるな・・・この香りは落ち着かせてくれる」

「それは良かった、料理も用意させているから存分に食べてくれ」

「ふふふ・・・で?どうだったんだ?」

「驚愕するような事実ですよ・・・まさか、艦娘と妖精だけで運用されている基地に世界各国の技術も到底敵わない技術力があるときたようです」

「ほう?我が合衆国でも掴んだ情報では東南アジアに我が国で開発中の新型兵器が実用段階の兵器を艦娘に搭載しているとは聞くが、人間が一切関与していないとは・・・」

「現在調査中ではありますが、魚どももこいつらの対応に苦戦しているようで・・・技術力も現在開発中の誘導兵器、新型の艦娘、短期間で大規模な施設を建造可能とする高度な技術力を持つ妖精等他にもある可能性がある」

「ふん、所詮魚は魚というものだよ・・・なるほど・・・それはぜひとも我々が徴収したいものだ」

「近いうちにうちからは接触するために特別艦隊を派遣するようで、ヨーロッパも感づいてきたようだし、これは荒れるな」

「高度な技術力と一国を相手に対抗可能な艦娘を多く運用していればそうなる・・・」

「そうですな・・・まさかうちの実験台として艦娘を横流ししてますが、未だに精神と肉体が壊れていないときたものですからね」

「あいつらはそうやって使えばいい、所詮は兵器だ、なら、人間の好きに使っても構わないだろう」

「ああ、それともう一つ面白い情報がありましたよ」

「ほう?それはなんだ?」

「補給艦神威がもたらした(ジェラード達が意図的に流した)資料に水上艦艇と陸上兵器もありました」

「む?水上艦艇に陸上兵器だと?」

ジェラルドは頭を捻る、水上艦艇なんぞ深海棲艦には無用な兵器だし、陸上兵器にいたってはそもそも海上へ出れない

「ええ・・・どうやら、独立軍は積極的に水上艦艇と陸上兵器を開発しているようで、何か裏があるじゃないか、と思い、調査に当たらせてる。」

「独立軍か、こちらではコードネーム「ファントム」と呼んでいるな」

「ファントム・・・正体が判明しない謎の勢力ですからあながち間違いではないですな・・・」

「うむ・・・今まで人類は水上艦艇のみならず、航空兵力、陸上兵器等すべてを投じて魚どもを撃滅しようとしたが、結果何割か、を撃滅できてもこちらが全滅する、あえてそれを開発建造しようとすることは何か有効な兵器を持っているのに違いない」

「はい・・・調査にも限界があるとはいえ、もうすぐ例の計画は実行されます。それが成功すれば我々が存分に力を発揮できる

そして、独立軍を我が物とすればあの忌まわしい魚どもを駆逐できるだろう・・・」

深海棲艦は主な戦法としては敵対勢力が現れたら、その近くまで潜航し、近くにて一気に浮上攻撃する、人間サイズで艦艇並みの防御力と主砲並みの攻撃力を持ち、更には空母型にいたってはラジコンサイズの艦載機でも一発の爆弾で駆逐艦一隻を轟沈させ、100機の艦載機で一つの地方都市を壊滅させることも可能だ

つまり、簡単に言えば人間サイズにイージスシステムのような射撃システムと高度な技術力を必要とする誘導兵器等があっても撃滅が難しい深海棲艦に対してわざわざ的が広い多くの人員を必要とする艦艇を動かしても結局被害が大きくなるだけ。

深海棲艦が全世界に対して攻撃を開始した当時、人類側は必死な抵抗をするが、僅か半年で東南アジア、ヨーロッパの一部、南米の半分、アフリカの一部等が占領された

人類側は英知を結集させ、何とか新型兵器を開発しても対抗できずにいた

その中で独立軍・・・ジェラード達が持つ技術はすべて公開している訳ではないとはいえ、「通常兵器が深海棲艦に対抗可能な兵器を開発保有している」という事実だけで、注目を集める。

 

「それにしてもお前は鬼畜だものだな・・・自国に魚どもを襲撃させるとは」

「この国は少し厄介な人間が増え過ぎた、それを一気に浄化するだけだよ」

「・・・そうか、では計画成功を祈るぞ・・・さて、私は少しこのガラクタと遊んでから帰るとしようか」

と聞いていたノースカロライナがピクッと肩を震わせる

「ほう・・・相変わらずそちらさんももの好きなもので・・・では、部屋に必要な『道具』は揃っております・・・どうぞ、お楽しみに」

「ふふふ・・・すべては我々の利益のために・・・いくぞ」

ノースカロライナは少し引きずられるように二人は奥の部屋へ消えた

 

「・・・そっちも鬼畜な癖してとぼけてやがるな・・・これから始まることは間違いなく日本が改革されるかもしれない、同時に米軍も艦娘を太平洋側へ移動させる動きがあるっていうことはアメリカにも警戒したことに越したことはないな・・・おい」

「はっ」

一声に答えたのは陸軍服を身につけた士官であった

「計画は順調なんだろうな?やつらを殲滅できなければ、こちらとて損害を出すことになる」

「ご心配には及びません、魚どももこちらと取引するような勢力がいることも事実ですから既に日本周辺へ大艦隊を移動済みとのことです」

「ふん、なら、俺は丁度大事な取引がある・・・そっちは任せたぞ?」

「了解です」

参謀長はそう言うと窓のほうを見てぎらついた目で上層部の建物を見る

「さあ・・・ショータイムの始まりだ・・・お前らがどれほど対応できるか、じっくり見てやろう・・・ふふふ」

 

 

日本にとって史上最悪ともなる事件が今起ころうとしていた

 

 

 

 

 

日本近海水深1200m地点

平凡な海にカモメが飛び交う、そこには誰一人おらず、平和な海であったが、海底ではそうではなかった

海底には黒い物体がゾロゾロと移動し、真っすぐ日本へ向かっていた

そこに巨大な艤装に不気味な手と口が付いた怪物を撫でる女性が居た

そこへ駆逐イ級が近寄る

「戦艦水鬼様!強襲部隊と攻撃艦隊、機動艦隊の配置はあと少しで終わります。」

「そう・・・絶対にミスがないよう各自に厳命しろ」

「はっ」

「ふふふ・・・後少し、待ってなさい、人間どもめ・・・ガラクタと共に海底へ葬ってあげるわ・・・」

「・・・・・あちらさんは大丈夫かしら?」

 

そこへ巨大なイ級のような艤装を身につけた白い肌の潜水棲姫が現れる

 

「・・・大丈夫だ、あちらの情報では我々が見たことのない装備を持っているとはいえ、所詮ガラクタの集まりに過ぎん・・・物量攻勢を前に壊滅するさ」

「そう、だけど、私の部下の報告に面白い情報があったわよ」

「・・・なんだ?」

「謎の勢力、どうやら水上艦艇を建造しているようよ」

「ふん、所詮はガラクタの集まりに過ぎん・・・そんなもの我々には通用しない」

「あら?そうとは限らないじゃないかしら?」

戦艦水姫は潜水棲姫へ睨め付けるように言う

「なぜだ?」

「今まで偵察艦隊を何度も送ったけど、すべて相手艦隊に対し一撃も与えられず撃沈している、一撃も与えられないということはそれだけ相手の素早い攻撃方法があるということよ?人類側からもたらされた情報では誘導兵器が最もな理由らしいけど、それを水上艦艇へ搭載されると厄介じゃないかしら?少なくとも『`艦娘の力』を借りずに『人類のみ』で攻勢に出たら」

「・・・・・ふん。そんなものよくあるほら話しか、戦場伝説に過ぎん、過大評価するのも良いことばかりではないぞ?」

「そうかしら?どのみち今回で決着が着くと思うし、どうなるか、楽しみだけどね」

「そんなことを言うために来たのか?失せろ、でないと貴様の身体を握り潰す」

「はいはい〜」

「・・・ち、食えない奴だ・・・・・・だが、やっとあの忌まわしい艦娘と人間を始末できる・・・ふふふ」

と彼女は野望を燃やしながら進む

 

彼女の周りには駆逐艦・巡洋艦・戦艦・空母だけではなく多くの輸送艦を抱え、輸送艦内部にはズラリと陸上兵器が満載していた

それは現在の大本営が見たら、失神するような光景であった

そんな彼女達は悠々と真っすぐ侵攻した

 

その背後で追跡する<何か>がゆっくりと侵攻部隊の後を追っていた

 

 



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襲撃

久しぶりに投降です!
やっぱり時間がなくて文章力のなさに毎日勉強ですが、よろしくお願いいたします!


大空をカモメが飛び交い、美しい広大な海、積乱雲が見られる光景の中、真っすぐ日本へ航行する艦隊が居た。

 

その艦隊は8隻の輪形陣を組み、戦艦、空母、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦で構成され

その中央には戦艦娘に負けない巨大な艤装を装着し、空母でも戦艦でもないY型の飛行甲板、箱型のVLS、ドラムマガジンを装着するライフルを持つ艦娘 ジェラードが居た

 

「現在地、沖縄本島南東部400k沖地点、水上及び対潜レーダーにどちらの反応もなし・・・か、まだ、日本は沖縄を奪還したとはいえ、完全に占領したとはいえない状況だな・・・」とジェラードは空間投影型画面に映るレーダースコープを見ながら言う。

 

「それにしても不気味なくらい深海棲艦もいないですね〜ここまで航行して既に敵勢力内を過ぎたとはいえ、ここもやつらの潜水艦、偵察部隊が居るはずだけど、やっぱり大規模作戦のために戦力を集中しているのでしょうか?」

 

「・・・奴らの行方は今も追跡しているが、侵攻先はやはり日本の中枢『東京』だろうな、あそこを落とさなくても壊滅的な打撃を受ければ日本は暫く行動不能となるからな・・・まあ、最も彼らがそんな大規模作戦同様二方面で作戦を立てるとは思わなかったがな」

 

「物量攻勢と制空権・制海権を持つ深海棲艦ならでの戦術ですね・・・」

 

「それでも確認している範囲では東京方面には数百の艦隊、独立軍方面には数十の艦隊数十なら基地の方は十分防ぐことが可能ですが、あまりあちらに長居はできませんよ?アドミラール」

 

「大丈夫だ。基地には妖精が運用する水上艦艇45隻、航空兵団1100機、近代化改修した艦娘8隻、師団規模を持つ妖精の陸戦隊もいる。これを攻めるなら深海棲艦の持つ武装では数百以上の数が居ても勝てないだろう」

 

 

ジェラードが言うことは油断、慢心というものではなく、今までのデータからの情報を分析した結果といえる

深海棲艦が使用する兵装にロケット弾こそあるが、誘導兵器、ジェット航空機、超大型爆撃機、原子力艦艇等の存在は確認されず、アイオワ達が経験した第二次世界大戦時の旧式装備を使用する

 

基地にはジェラード達が持つ技術がふんだんに盛り込んでおり、基地の防衛システムには光学兵器・誘導兵器・瞬間移動システム・電磁波フィールド等を装備する

艦娘は高性能防空対潜システム・ミサイル・自動装填システム・誘導砲弾・光学兵器等が搭載

*高性能防空対潜システムは「高性能防空システム」を更に発展させ、対空対潜に特化させた防衛システム

航空兵団と陸戦隊

戦闘機「ルラード」  米軍が運用するF-22の改装した航空機×200機

ULI-PRS-7戦術支援攻撃機 地上火力支援用の攻撃機×150機

爆撃機「バロット」  米軍が運用する爆撃機B1を改装した爆撃機×50機

局地戦闘機「震電改二」 プロペラエンジンからジェットエンジンに換装し、30㎜バルカン砲2基、対空ミサイル8基装備する×450機

飛行戦車「フロート」 

ジェラードが運用する海軍仕様の飛行戦車を量産、地上へ高火力支援攻撃と人員輸送、高い防御性を持つタフな機体×200機

早期警戒機「RT-4」 四発ジェットエンジンを搭載する巨大な円盤レーダーを機体上部に装備する機体×45機等

 

主力戦車「アモーラ」 米軍が運用するエイブラムスM1A3に追加ムナール甲製の装甲、劣化ウラン弾ではなくタングステンを飛ばす電磁砲、対空ミサイル、20㎜バルカン砲複数装備した戦車×500両

装甲車、自走砲、ミサイル車等戦闘車両1000両

 

等一つの基地に妖精ができるだけ量産した結果とも言える。

さすがにEMP対策は不十分であるが、そもそも核弾頭を誘導弾へ搭載することもできていない世界で考える必要はないのだが

ジェラードは相手が物量攻勢で海底から現れ、艤装をいつでも出現できるという点に赴きを置き、基地の周りの海底には大量のソナー・レーダー等が設置され、万一四方から来られても対処できるよう持久戦に備え資材の備蓄、殲滅できる戦力は整えられている。

深海棲艦は人間ほどのサイズ、海底から現れ、奇襲を得意とする正攻法をあまり取らない傾向がある。

もちろん、奇襲は戦術的にも重要であり、相手がいつでも対応できる体勢を取られた後では被害が大きくなる。

そのために深海棲艦は過去に海底から目標へ接近し、奇襲をかけるという戦法が非常に多く、レーダー探知が可能なほど人類の技術が発展していない。

艦娘にも電子機器はあるが、海底にいる深海棲艦に対しては有効ではない

むしろ、短期間でここまでできたのは妖精さんの存在が大きく、たった数ヶ月ほどでは人間では不可能な作業を妖精はやりこなし、人類が数十年という時間がなければ生み出すことのできない技術を習得し、出来る限り効率良く三回交代制で妖精さんが働いた

やっぱり、妖精さんってファンタジー系の魔法ではないだろうか?と時折思う・・・

 

 

「むしろ、私たちが一番危ないところへ向かっているでしょうね・・・」と矢矧が苦笑しながら言う

「hnn・・・これからいくところはパワフルで燃えるわね〜」

「アイオワ・・・あまり前へ出過ぎるなよ・・・作戦としては東京へ向かう敵艦隊の殲滅、日本国との交渉が目的となる

そのために出来るだけ敵艦隊が日本へ攻撃する前に殲滅したいところだが、現在の地理的位置と敵艦隊の速度から計算すると日本軍が対応しているところに助太刀に入る形となる。

今回はあくまで日本との友好的対応が目的であり、敵対ではない。

各自は日本艦娘との交戦を一切禁ずる、例外としては日本政府がこちらと明確な敵対意思と姿勢を持つと者だけだ、予定通りなら来週には戻れるだろう」

 

 

 

ジェラード達が持つ現代の地球より文明が発展した世界からもたらされた光学兵器、テレポート兵器を有する独立軍に対し誘導兵器を使用しない深海棲艦との交戦では余程の慢心がない限り基本的には勝利するだろう

最も深海棲艦が数千といきなり対峙することになればどうしようもないが、数千という軍勢の大移動がされれば設置したレーダーで探知し、対処すれば良い。

深海棲艦は偵察の報告によれば日本近海と南方へ戦力を侵攻させていた。後者は分かるが、前者が分からなかった

なぜ、わざわざ占領地域の中にいる我々ではなく、あえて二方面という非合理的な手段で攻勢に挑むのか

だが、交渉すべき日本が滅んではこちらとしても困ることで、今後の活動に支障が出る

そのために独立軍は戦力を割いて日本へ送ることにした

これには若干艦娘達が異議を訴えるが、妖精さんとジェラード達の規格外技術によって

 

人類が保有するどの戦車よりも最強の分類に入る新型戦車、ジェット航空機兵団を主軸とする航空兵団、深海棲艦へ対抗可能な島の防衛システム、なおかつそこにもジェラード達の技術投入によって進化した艦艇、元々前線の基地妖精ということもあり、高度な練度を持つ、これだけ見れば納得する部分があったので、

残り陽炎、初月、雪風、アイオワ、瑞鳳、セラ、矢矧、ジェラードが日本へ向かっている

 

「まあ・・・基地はともかく日本軍はどれほど持つのでしょうか?」

 

「・・・調査ではこの世界は深海棲艦に対する攻撃手段は艦娘を用いる他あまりないようだ、日本軍には艦娘が多数保有しているとはいえ、数百の大艦隊では相当な苦戦を強いられるだろう、最悪の場合、東京全体が火の海となる」

 

「・・・それは何としても阻止しなければなりませんね・・・」

 

「アドミラール?敵艦隊は私たち水上部隊が攻撃するでokなのかしら?」

 

「そうだ、制空権に関してはこちらに任せろ、すべて地上へ落としてやる」

 

「ふふふ・・・頼もしいですね・・・頼りにしますよ〜?アドミラール?」

 

「できるだけすべての航空隊を殲滅できるようやるさ・・・セラ、お前は日本政府へ行き、直接交渉となる、準備は大丈夫か?」

 

「いつでも大丈夫ですよ、マスター?」

 

「はははは・・・私たちこれから行くところは戦場なのに和やかになっているね・・・汗」

 

「さすがにギスギスとした空間は嫌だろ・・・」

 

「まあね・・・」

と陽炎があははは・・・と苦笑しながら言う

 

「よし、おしゃべりはここまでだ、敵艦隊がどうやら浮上し始めたようだ」

 

「!了解」

と全艦娘は顔を引き締まって各自モニター等へ目を向けながら航行する・・・・

 

 

 

 

東京レーダーサイト

「zzz・・・zzz・・・」

 

「おい馬鹿何寝てんだよ、まだ仕事始まったばっかりだろ」

 

「あ?・・・ああ、昨日ちょいと博打遣り過ぎてな・・・・」

 

「はあ〜・・・お前、それほどほどにしとけって言っただろ?また金がなくなるぞ」

 

「ああ、大丈夫大丈夫明日給料日だから、お金はジャーンと使って人生楽しまないとね」

 

「・・・・こいつまた金がなくなってこっちに寄り添うだな・・・」

とため息を吐きながらレーダーサイトを見る管制官、するとそこに突如多数の反応があった

 

「!敵襲!敵機襲来だ!おい、早く大本営へ通達せよ!」

 

「あぎゃ!?りょ、了解!」

 

「!?どんどん数を増やしてやがる・・・これは大編隊だと!?」

とどんどん艦娘用のレーダーに湾岸付近に映る多数の深海棲艦に顔を青ざめながら叫ぶ

 

「糞!?こりゃあ、やつらの侵攻だ!」

 

「ち、急いで各部へ通達するんだ!」

と管制室内部が慌てるように人員が交差する

 

「糞・・・連中め・・・ついに仕掛けて来やがった・・・」

と吹く

 

 

 

 

上空では多数の深海棲艦の艦載機が編隊を組んで飛行し、爆撃予定地へ向かう

防空警報はすぐに鳴り響き、深海棲艦の艦載機からの爆撃が始まる・・・

 

 

 

そんな警報が出る少し前

湾岸では各地の鎮守府により演習が行われていた

この時期では各地の鎮守府から次の作戦のために招集され、待機状態であった

待機となっている艦娘達はお互い演習、鍛錬等を行い、過ごしていた

 

「ふん!この武蔵・・・砲弾ごときでやられはせんぞ!」

と降り注ぐ砲弾を弾き返し、重厚な46㎝三連装砲を回転させ、敵艦隊へ向ける

「私を沈めるのなら、この数倍以上の攻撃で来い!」

と発射する

 

発射された砲弾は弾道を描きながら相手の艦隊の頭上へ落ち、自身の艦橋より高い水柱を上げる

 

「くっ!こちらも砲撃します!水雷戦隊は右へ展開し、魚雷攻撃を行って下さい!」

と重巡鳥海が言う

 

鳥海率いる巡洋艦隊は敵艦隊へ速度と連射能力で肉薄するが、武蔵の装甲の固さで有効な打撃を与えられなかった

そこへ飛び込むかのように演習場を駆け巡る駆逐艦隊が居た

「やったー!待ちに待った魚雷だぜ!さあ、あいつらにぶち込んでやるぞ!」

 

「うちならやったるで〜」

と武蔵へ軽快な機動と速力で砲弾を避け、武蔵も主砲を発射しながら、副砲及び機銃で牽制する

しかし、30kt以上で軽快に避ける駆逐艦隊に舌打ちし、何とか魚雷を打たせまいと邪魔する

 

「くう〜呉の武蔵さんほんま強いわ〜これじゃあ、魚雷攻撃は無理やで?」

 

「よし、煙幕を張って攻撃するぞ、さすがに煙幕を張られた状態で魚雷を目視することは難しい」

 

「けど、同時にうちらもわからんようになるで?」

 

「ふ、何のために観測機を飛ばしてもらったと思う?」

 

「え?あ」

 

「あれに観測してもらえばいい!」

 

「それはええな!ほな、うちが煙幕を張るで!」

 

「おう!」

と攻撃し、煙幕を張る

「む?煙幕か、少し厄介だな・・・だが、私には最新型の電探があることを忘れかな?」

と頭の電探を可動させ、煙幕エリアを中心に探る

 

「・・・そこか!撃てええええーーー!!!」

と主砲が発射され、命中する

 

「ひゃあああああああーーー!!!」

と叫び声が響く

 

「ひえ〜・・・さすが武蔵はん、煙幕を張った状態で電探を使用して弾着射撃とは凄いね・・・」

 

「何・・・まだまだ使いこなせないから厳しいところもあるが」

 

「う〜ん・・・なるほどな〜」

 

「さて、おしゃべりはここまでにしてあちらの攻撃へ入るとするか・・・」

と向かおうとした時、電探に新たな反応が出た

それは演習エリアとは全く別のエリアから飛んで来てそれがどんどん数が増えていた

 

「これは・・・一体・・・」

と武蔵が次の行動へ移そうとした時、警報が鳴り響く

「!防空警報!敵艦隊の襲来だ!各自は演習弾から通常弾へ換装後、総員戦闘配置せよ!」

 

「りょ、了解!」

 

「・・・やってきたか・・・ついに・・・」

と武蔵も急ぎ自身の砲弾を換装するため鎮守府へ向かった・・・



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首都侵攻迎撃戦前編

 

大日本帝国首都東京

 

日本最大都市であり日本軍本拠地と海軍大本営、大本営が存在する

大本営には最新鋭戦艦『大和』、装甲空母『大鳳』等の艦娘が配備され、次の南方作戦に備え各方面の鎮守府から戦力が集結していた

 

大本営に集結したのは他にも戦艦『武蔵』『長門型』『金剛型』空母『加賀』『赤城』『翔鶴型』『飛龍』『蒼龍』重巡洋艦『利根』『摩耶』駆逐艦『島風』『照月』等実に70隻以上の艦娘が集結し、他にも大和型、長門型等を保有する鎮守府はいるが、ここにいるのは大本営直轄部隊と各鎮守府から選ばれた精鋭達だ

沿岸部には深海棲艦の襲撃に備えて強固な壁と防衛設備が敷かれている

深海棲艦へ対抗する艦娘が集結し、強固な防衛システムが構築され、人々へ安心感をもたらし多くの人々が暮らしていた。

人々は深海棲艦に対抗できる艦娘が属する海軍の最大基地が人々に安楽を与え、治安が守られ、長らく深海棲艦の襲撃が多々あっても全て迎撃が成功し、大本営が陥落すれば背後には多くの人間が住む東京が深海棲艦によって蹂躙され、殺戮の地獄を作り出す。

東京は沿岸地域を巨大な外壁で覆われ、常に大本営と付近の鎮守府に所属する艦娘部隊が警戒し、早期警戒レーダー網が構築された場所では世界有数の防衛設備も誇っていた

今日も人々は守られながらいつも通りの活動をしようと1日が始まると思い、市民は平和が始まると誰もが安心していた

 

しかし、それは簡単に打ち砕かれた

 

 

深海棲艦の攻撃は突如の出来事であり、防壁付近で巨大な爆発が起こり爆煙が上がる中彼らは現れた

異形の化け物、深海棲艦隊が浮上し、レーダーに映らない超高高度まで艦載機を飛行させ、高高度からの爆撃を開始した

とにかく被害を増やそうと艦載機の搭載している爆弾も多く搭載し、次々と爆弾を投下される、それは東京大空襲を連想するかのような悪夢な光景であった

投下されたエリアでは突然の空襲に政府組織が対応できず、市民は大混乱となっていた

必死に警察・消防・軍関係者等の政府機関が避難、救護活動するが、次々降り注ぐ爆弾に十分な対応ができなかった

大編隊を組んだ爆撃隊は次々と爆弾を投下し、深海棲艦は艦隊を3つに分かれ、1つの艦隊は東京へ真っすぐ航行し、2つ目は戦艦を中心とする水上艦隊、3つ目が航空部隊を誘導する機動艦隊

艦娘、日本軍も必死の抵抗で空が真っ黒になるほど対空部隊が弾幕を張る

しかし、高高度から爆撃する艦載機に対して弾が届かずあまり効果がなかった

それでも主砲、対空砲、ロケット弾を打ち続ける日本軍

 

この開戦直後で東京は艦娘が所属する大本営にはまだ影響はないが、市街地、工業地帯への空襲を許してしまい、被害が拡大していた

投下された爆弾によって火災が発生し、徐徐に広まり東京の上空は戦火の黒煙で染まっていた

それを愛しく見る者がいた

 

「・・・綺麗な戦火ね・・・いいわ・・・すべてを焼きなさい!・・・水上艦隊及び上陸艦隊は日本東京への侵攻を実行せよ!航空部隊は忌まわしいガラクタどもを牽制せよ!」

と戦艦水鬼が言い、重厚な主砲が不気味な機械音を鳴らしながらゆっくりと東京方面へ砲身が向く

「主砲射撃砲撃始め!目標東京港湾施設及び軍事施設へ攻撃開始せよ!」

その言葉を発した直後、戦艦水鬼が持つ40.6㎝三連装主砲が轟音を発し、主砲を放つ

それに続いて他の鬼、ル級、タ級も発射する

 

 

 

 

 

 

東京を突如襲撃してきた深海棲艦を迎撃すべく東京へ派遣されている日本軍は徐徐に反撃し始めた

彼らも必死の抵抗により、何とか深海棲艦の攻撃に耐えながら攻撃しているが深海棲艦の物量攻勢によって苦戦していた

 

「おい!艦娘達はまだ来ないのか!このままだと沿岸部が跡形もなくなるぞ!」

 

「もう少しだ!たった今入った情報だと横須賀から第一艦隊と第二艦隊、第四艦隊をこちらへ派遣するとのことだ!第一艦隊にはあの大和もいる!」

 

「たったの3艦隊か!?もっと出せないのか!敵艦隊は最低でも50隻は超えているぞ!」

 

「あっちのほうでも奇襲を受けているらしく、その対応で下手に戦力を出せない!俺らはそれまで何とか耐えるんだ!」

 

「くっ・・・ああ!わかったよ!深海棲艦どもめ!来るなら来い!お前らを鉄くずへ変えてやる!左30!広角44!撃てえええ!」

と要塞砲が発砲し、上陸部隊へ命中したのか深海棲艦の揚陸艇が爆発する

 

「次!左45!高角76だ!装填急げ!!!」

 

「了解!」

 

と沿岸部で交戦する日本軍は何とか耐えるが、戦況はじり貧となっていた

 

ついに上陸部隊の先頭を航行していた輸送船がコンクリート製の防壁を破壊しながら強行上陸し、中から悪魔の異形が吐き出される

 

「何だよあれは!?化物め・・・あいつらを撃てええええ!」

 

と次々吐き出される人型の形をした異形の怪物と戦車に4本の手足がついた化物たちに攻撃する沿岸部からは港湾施設、民間のビル、倉庫等から機関銃、機関砲の銃弾の雨、対空砲、ロケット弾も水平射撃の猛烈な攻撃を食らっても進む深海棲艦

 

頭上には敵艦からの15㌅以上砲弾があられのように降り、次々と着弾付近を破壊する

港湾部はもはや硝煙と火災から発生する焼けこげる臭いで充満していた

 

「くっ!?早く来てくれよ・・・艦娘達」

と将兵は祈るように言う

 

 

 

そんな交戦が東京湾岸部で繰り広げられ、鎮守府でも深海棲艦の空襲に艦娘が対空砲で迎撃していた

 

「高角よし!打ち方初めえええええ!」

と高角砲から放たれた砲弾は主翼に命中し、燃料タンクへ引火したのか、すぐに火だるまとなりバランスを崩した艦載機は海面へ墜落する

 

「けっ!こんなにも多いと対応が難しいぜ、おい!照月そっちはどうだ!」

 

「10㎝砲ちゃんが何とか頑張っているけど、こんなに多いと電探が処理に追いつかないよ〜!」

 

「へっ!それでもやるぞ!アタイは防空を得意とする摩耶様でもあるからな!こんなことでへばらないぜ!」

と集中配置型機関銃群から一斉に銃弾が撃ち出され、艦載機が複数の銃弾を命中し、爆発する

 

「っしゃ!この調子でいくぜ!一機でも撃墜できればそれだけ犠牲が少なくなる!」

 

「はい!」

 

そこへ通信が入る

『こちらは横須賀鎮守府の提督だ。対空部隊へたった今第三艦隊・第五艦隊が敵艦隊迎撃のために出撃した、もう少しの辛抱だ、いけるか?』

 

「提督!早いところやつらを撃滅してくれることを祈ってるぜ!」

 

『そちらへ援軍を出せずにすまない・・・大本営も敵機動部隊の空襲で大混乱となっている、彼女たちも頑張ってくれているがどうやってももう少しかかる』

 

「いいってことよ!アタイは摩耶様だぜ?防空はアタイの得意分野ってね!」

と対空砲を撃ち出す

 

「だが、さすがにこれ以上増えればどうしもない!早いとこ何とかしてくれ!」

 

『わかった、あと少しだ、頼むぞ・・・』

 

「おう!任せろってんだ!」

 

「・・・よし、照月聞いたか!後少しで第三艦隊と第五艦隊が敵機動部隊を攻撃してくれる、それまでの辛抱だ!」

 

「はい!秋月型の意地見せてあげますよ!」

と他の艦娘もそれに応えるかのように対空砲を上げる。

 

大編隊を組む数百の艦載機は鎮守府へ襲いかかり、爆撃されながらも対空砲弾を撃ち続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次々と上陸する深海棲艦は輸送船から人間の形状はしている化物を突撃させ、日本軍へ襲いかかる

その光景はまるで濁流のように押し寄せ、銃弾が命中してもすぐには死なず、砲弾が命中してやっと倒せるほどであった

上陸部隊は沿岸部を艦砲射撃及び空襲によりそこら中で火災が発生し、市民誘導を行う人、逃げ惑う人、迎撃に向かう人等混乱状態であり、

深海棲艦は海岸へ上陸すると一気に内部まで押し込めようと侵攻し、それを必死に行かせまいと攻撃する日本軍

上陸する深海棲艦は人の形に胞子が付いた白色の肌色の異形の兵士、戦闘車両は不気味な手足が付き、搭載されている機銃、主砲からの猛烈な攻撃、接触した兵士の中には捕食される者もいた

それでも艦娘達が援護してくれると信じ、交戦していた

無線からは日本軍の叫びが発せられる

『こ、こちら第四銃座!やつら兵士達を食ってやがる!?至急応援を求む!このままだと全滅だ!』

『ああああ!?こっちにくるな!くるなあああああ!!!』

『糞!補足された!迫撃砲の掩護射撃を要請する!』

 

 

「何だよあれは!?撃っても撃っても死なない・・・化物め!」

とビルからアメリカ軍から譲り受けたM2ブローニング機関銃で銃弾の雨を浴びせるが、深海棲艦の兵士は命中しても、動き続け手足がもぎ取られても動き、頭部を撃ち抜かればようやく倒れる、まるでゾンビのような光景であった

 

「拙い・・・このままだと数で押し切られる・・・何としてもここで防衛するんだ!!!俺たちの後ろには東京市街地がある!ここを抜けらればやつらは虐殺を繰り広げるだろう!いいか!死んでもここを死守するぞ!」

 

「おう!」

と建物に強烈な振動と爆発が発生し、軍曹は外を見ると機関銃と思われる機関砲を2門を持つ戦車型の化物がこちらへ照準を合わせていた

 

「ち、戦車型だ!おい!あの化物を黙らせろ!」

 

「対戦車ロケット弾を打ち込め!」

 

とロケットランチャーを持つ兵士は窓際へ移動し、敵戦車へ照準を合わせる

「よし、やつを援護するぞ!」

と近くに居た兵士はライフルで牽制する

 

「くたばれ!!!」とロケット弾が発射され、真っすぐ猛スピードで戦車へ突っ込み巨大な火柱を立て砲塔が吹っ飛びながら爆発する

「やったああああ!!!」

と戦車を破壊したことに歓喜するが、隊長が怒鳴る

 

「喜ぶのは後にしろ!まだやつらはうじゃうじゃといやがる、次の戦車が来たぞ!あいつは重戦車型だ!やれ!」

 

「りょ、了解です!」

 

と沿岸地域では何とか防衛戦が展開され、そこへ応援の軍団も到着した

到着したのは東京方面防衛部、陸軍戦車隊であった

この戦車は日本軍が開発した61式戦車とよく似た戦車である

しかし、忠実の61式戦車と違うところは主砲こそ90㎜ライフル砲ではあるが、最大装甲150㎜、副武装7.62㎜機関銃、1.27重機関銃M2、40㎜機関砲と重装備であり、深海棲艦へ対抗意識が強い設計となっている

 

「!11時方向、雑貨ビルの一階付近に敵戦車!重戦車タイプの大型戦車型だ!」

 

「了解!照準よし、撃てええええ!」

と戦車から砲弾が上陸した敵戦車へ飛来し、命中するが、金属音の擦れ合った音が響き、跳弾する

 

「糞!やつらめ・・・また新型の戦車を出し上がったな・・・次弾装填急げ!敵戦車は装甲が厚いぞ!」

 

装填手が砲弾を装填し、次弾も発射する

「撃破できてくれ・・・撃て!」

 

と命中するが、今度も装甲により跳ね返させられた

 

「く・・・この戦車では対抗不可能か・・・よし、履帯だ!履帯を狙え!」

 

「りょ、了解です!」

とその直後に車体を大きく揺らす衝撃波が伝わり、車内に居た乗務員は強く壁に打ち付けたりした

「う・・・被害報告!」

 

「砲弾は命中しませんでしたが、機銃が衝撃により故障!」

と打ち付けたのか頭から血を流しながら報告する砲手

 

「エンジン及び装甲は大丈夫です!」

 

「車長!敵戦車は120㎜砲以上の主砲を持っているかもしれません!命中すればこの戦車も木っ端みじんです!」

と叫ぶかのように言う

 

「当たらなければいい!砲手!撃て!」

と放たれた砲弾は敵戦車の足回りに命中し、転輪が吹っ飛ぶ

 

「よし、回り込め!背後なら装甲は薄いはずだ!」

 

「了解!」

 

「早いとこ援軍が来ないと戦線が崩壊するぞ・・・糞・・・新型戦車があれば勝てるかもしれないのに・・・」

と言った途端目の前の戦車が爆発する

 

「!あれを見ろ!」

と一人の兵士が上空へ指を指す

 

「!水上機!?ということは・・・」

 

『こちら第四艦隊旗艦日向、東京沿岸部への支援へ参った、これより援護する』

 

「!了解!やつらは海岸を中心に展開している!砲撃支援を求む!」

 

『了解、こちらでも確認したこれより火力支援を開始する、付近にいる部隊は注意せよ』

 

「了解!おいお前ら!艦娘達が援護に来たぞおおお!このままやつらを海へ押し返せ!!!」

 

「うおおおおおおお!!!!」

とそれに応えるかのように声を上げ、重火器による強烈な火力が深海棲艦を襲う

日本軍は何とか艦娘の援護の下、反撃できているが、ジリ貧であることには変わりはなかった・・・

 

深海棲艦の上陸部隊はそれでも数で押そうとしており、それでも海岸から次々新たな上陸部隊が上がる

 

両軍は一歩も引かないどちらか、が倒れるまで交戦し、戦いは更に激しさを増した

 

 

 

 

 

 

横須賀鎮守府から派遣された第一艦隊と第二艦隊は大和を旗艦とする合計24隻の艦娘で構成され、事実上連合艦隊である

連合艦隊の任務は敵勢力の東京及び上陸地点へ艦砲射撃を行う水上部隊撃滅であり、そのために大和、長門を始め、武蔵、金剛、重巡鈴谷、熊野、第二艦隊には大鳳、翔鶴型が配備され、加賀・赤城・飛龍・蒼龍は第三艦隊へ任命され、敵機動部隊の殲滅へ派遣していた

 

「こちら大和、目標へ向け真っすぐ航行中、後10分で敵艦隊視認可能圏内まで入る予定」

 

『こちら桂提督、了解』

 

「今度の敵は姫クラスを交じる大艦隊とはな・・・今回の戦闘は激しくなるな・・・」

 

「油断は禁物ですよ、姫クラスは最低でも5隻は確認され、更なる大隊を派遣することも考えられます。

殲滅には制空権確保後、弾着射撃及び魚雷攻撃で遠距離からの殲滅を行います。」

 

「了解だ、第二艦隊は既に発艦を済ませている頃だろう」

 

「ええ、陸上からは大本営の爆撃機隊が援護に来てくれるようで、多少は楽になるでしょう」

 

「爆撃機?ああ、海軍が開発した新型の爆撃機か・・・確か銀河改だったな」

*銀河改 日本軍は深海棲艦によってアメリカとの戦争は中止になり領海を損失後、深海棲艦へ通常兵器が有効ではなく艦娘へ予算や技術は投資していたが、妖精と大本営が共同開発により何とか銀河・連山といった爆撃機の設計を更に発展させた、銀河改は4発エンジンを搭載する大型爆撃機であり、搭載量も8tと大量に搭載できる

アメリカ軍が運用するB29よりは小さいがそれでも搭載量8tはB29と1tの差でしかなく、更に深海棲艦への猛烈な火力による空爆及び艦娘支援攻撃等及び長距離哨戒を想定した爆雷、ソナー等も搭載できる

試験的には銀河改に大口径の砲台を搭載し、上空からの火力支援を想定した地上支援機も投入されていた。

 

「やった〜!銀河改が援護してくれるならこの戦況貰ったもん同然だね〜」

と第一艦隊に所属する鈴谷が楽観的な意見を述べる

 

「慢心はだめですよ・・・爆撃機も到着するのに10分程かかり、制空権を確保できねば撤退する可能性もあります。

引き締めて戦闘へ励んで下さい。」

 

「了解です」

とそこへ通信が入った

 

『こちら第二艦隊旗艦大鳳、艦載機発艦は完了しました。まもなく敵艦隊との交戦に入りますが、上空に注意しつつ砲撃をお願いします。』

 

「こちら大和、了解です。」

 

「そっちも気をつけてね〜」

 

『はい!大和さん達も気をつけて下さい!』

と通信が止まるが、大和はジト目で鈴谷を見る

 

「鈴谷?旗艦の通信に割り込むなと何回言えばいいのですか!もう・・・」

 

「まあまあ、そんなお固いことを言わずにさ・・・気長にやろうよ〜」

 

「はあ・・・あと数分で戦闘領域へ入りますが、各自いきますよ!」

 

と旗艦の合図と共に速力を上げ、敵水上艦隊へ突撃する

目の前には異形の深海棲艦が陣形を組み、こちらへ気づいたのか、砲身を合わせ撃ち込んできた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ・・・やっと来た、憎き忌まわしいガラクタどもめ・・・さあ楽しませてもらうわよ・・・貴方達の戦闘を!」

と最初に撃ったのは深海棲艦からだった

 

 

巨大な水柱を受けながら、回避する大和達、敵からの砲撃はこれまでにない濃密な弾幕であり、回避する

上空では制空権を争っているのか、第二艦隊の翔鶴達の零戦隊及び紫電隊が敵艦載機と交戦している

 

一つ、一つまた一つ艦載機が両軍、激しい交戦のためか、撃墜される。

 

それを見た大和は制空権奪還に少し時間がかかり観測弾着射撃は望めないと瞬時に判断し、レーダー射撃及び目視での砲撃を行った

 

「全艦隊!前方敵勢力へ照準!薙ぎ払え!」

と砲撃直前、大和の主砲から出る衝撃波が周りにいる艦娘にも伝わり、そのまま砲弾は敵艦へ命中したのか、巨大な火柱を立て轟沈する

「うむ、初弾命中とはついているようだな・・・この長門も砲撃を開始する!」

と各自戦意高揚しながら、次々と敵艦を沈める

 

「なーんだ、これくらいなら爆撃隊が着く前に決着が付くんじゃない?」

 

「うむ、だが、まだ安心はできない、私たちが轟沈させたのはノーマルタイプか、エリート級だ

まだまだ姫クラス、フラグシップ級は多くいる!」

 

「了解っす〜」

と鈴谷から放たれる

 

深海棲艦側も黙ってやられるつもりはないのか、単発的な攻撃ながらも大和達へ圧力をかけていた

 

そして、戦艦水鬼から発射された砲弾が命中を出してしまう

 

「・・・!危ない金剛!」

 

砲弾は金剛の主砲へ命中し、装甲を貫通したのか、大爆発する

「うぐっ!?shit!提督に貰った大切な装備ガッ!」

 

「金剛さん!大丈夫ですか!」

 

「oh、第二主砲がやられてしまったね・・・でも、まだ戦えるね!」と無事な主砲で攻撃するが、金剛は先ほどの攻撃により大破まで追い込まれた

 

大和達も巧みな戦法と戦闘能力によって小破等は発生しているものの、金剛や駆逐艦数隻を除いて損害皆無であり、次々と深海棲艦を轟沈させていく

 

と暫く交戦していると深海棲艦の単発的な攻撃、いつまでもエリート以上が出てこない行動に大和は疑問を抱いた

 

(・・・・・どうしてこんなにもあっさりとやられるの?おかしい・・・今回の彼らにとって日本軍の拠点を叩くならもっと練度の高い深海棲艦を出すはず・・・いい加減な攻撃しかしていない・・・もしかすると時間稼ぎ?)

 

と大和は状況整理しながら冷静に分析していた

 

(もし時間稼ぎとなると本命はどこに?あの姫たちはこちらを観察するだけでいつまでも攻撃してこない・・・まさか!?)

と疑問を抱いている矢先に、電探に反応が出た

 

 

「!電探に反応あり!東及び南から新たな敵勢力を発見、こちらへ全力航行しています。」

 

「!この艦隊は陽動か!第二艦隊へ索敵を東南へ求む!」

 

ところが通信からは反応はなく、不気味なくらい静かだった

更に上空で艦載機によるドックファイトが繰り広げられていたが、徐徐に艦娘側の艦載機が少なくなり、敵艦載機の数が多くなっていた

不審に思い、第二艦隊へ通信を繋ぐ

 

「こちら大和です!第二艦隊へ応答をお願いします。」

 

「・・・!・・・・!!?・・・!」

 

「え?」

僅かに聞こえる声に通信機に耳を近づける大和

 

「こちら・・・艦隊・・・新たな敵機動部隊によって・・・空襲を受けています!・・・・・・・・・艦隊は大破と中破がほとんどで・・・・これ以上戦闘遂行がふK・・・・・・あ、瑞鶴!上空に爆撃隊が・・・・きゃあああああ!!」

 

断片的に聞こえる内容に大和は既に自分たちが罠に引っかかってしまったことを悟った

つまり、第二艦隊はすでに別働隊によって壊滅的な打撃を受け、更なる別働隊が迫っているということだ

 

「こちら第一艦隊旗艦大和!第二艦隊が敵別働隊によって甚大な被害を被ったとのことです!このままでは第一艦隊にも敵航空隊が押し寄せ甚大な被害が出る可能性があります!提督!指示を乞う!」

 

『何!?・・・・わかった、直ちに付近の第七艦隊から救助部隊を編成させ、向かわせる!

第一艦隊は直ちに第二戦線へ撤退されたし』

 

「了解です!全艦隊!第二艦隊は新たな機動部隊により壊滅的ダメージを負ってしまったとのことです!このままでは第一艦隊にも敵航空隊がじきこちらへ迫るでしょう、甚大な被害を負う可能性があるとし、第二戦線へ退避します!」

 

「何!?・・・第二艦隊は無事なのか?」

 

「わかりません、しかし、第二艦隊が全滅となれば制空権奪還は望めず、敵は機動部隊を抱える艦隊であり、作戦遂行が現時点で厳しいと判断し、退避します。」

 

「く・・・仕方ありませんわね・・・煙幕を張りますわ!」

 

「はい、お願いします。」

 

と大和は駆逐艦、軽巡等へ指示を出し、煙幕を張って一時的に退避することが決定した

「どんどん増えている・・・一体何隻いるの?」

と疑問を出すが、残念ながらそれに応えられる人物はいなかった

 

 

 

 

その戦闘様子を遠くから見るものがいた、それはゆっくりと深海を航行し、僅かなスクリュー音のみで深海棲艦を連想させる黒い塗料に何か発射するための蓋が多く設置され、船体の後部には巨大な円盤型のレーダーを備えた潜水艦だ

さらに船体の横には独立軍のマークがあった

 

「艦長〜地上では予想より猛烈な戦闘が見られます。既に深海棲艦によって沿岸部では上陸占領された地域も存在しており、壊滅的打撃を受けている可能性もあります。」

と妖精さんが艦長の妖精へ報告する

「・・・ふむ、これは少し拙いかもしれないな・・・日本軍に多少のダメージを負うことは想定しているが、壊滅的な打撃となると今後の計画にも影響するかもしれないね・・・・司令部からは何と?」

 

「はい〜あちらのほうも間もなく到着するとのことで、合図があるまで偵察を続けろ、とのことです!」

 

「そうか・・・了解、いつでもミサイルを発射できるようにしていてね?」

 

「アイアイサー」

と乗員の妖精は各部へ司令を出した

「・・・さて、深海棲艦め・・・今までの恨みここで晴らさせてもらうぞ、ふふふ・・・」

妖精さん達が操縦している潜水艦はジェラード達の監督の元で建造した攻撃型潜水艦であり、従来の潜水艦であればまだ葉巻型にすらできていない第二次世界大戦頃の潜水艦が主流である

しかし、建造した潜水艦の特徴としてはまずはミサイルポッドを搭載した葉巻型の通常型潜水艦だ。

ミサイルポッドとはいっても、あくまでも妖精さんの技術向上を目的とした船でもあり、アメリカ軍が使用するロサンゼルス級、バージニア級潜水艦のような原子力を使用し、弾道ミサイルを発射するタイプではなく、中型のミサイルを搭載する、近いものでいえばミサイルポッドが少し船体からはみ出ているデザインはロシアのボレイ級潜水艦のような形状が似ているだろう

機関も酸素を必要としない自衛隊が運用するそうりゅう型潜水艦が使用する機関と酷似している。(とはいってもこの世界では存在してはいないもの)

 

攻撃型潜水艦

全長40m(130m)

全幅3m(12m)

満載排水量4000t(12000t)

最大速力40kt

乗員60名

武装

誘導魚雷×25

対潜ミサイル×10

対地ミサイル×10

対艦ミサイル×20

各弾薬庫65基分

*なおこの数値はあくまで妖精さんのサイズに合わせた数値であり、()内が人間サイズに加算した場合の数値

また、潜水艦の装甲にはムナール甲と呼ばれる厚さ5㎜でも装甲300㎜の耐久性を誇り、ジェラードが教えた金属合成技術等の技術を導入した、これによって20.3㎝連装砲ほどであれば耐えることが可能だ。(あくまで耐えられるというだけで数発連続被弾した場合持たない)

今作戦に投入されている数は3隻であり、すべてが攻撃準備へ移行していた

 

 

 

 

 

同時にその光景を顔を歪ませながら見るものもいた

将校が着る白い軍服ににやけ付いた顔で東京の様子を見ていた

自分は安全な地帯へ避難し、高見の見物となっていた

「うむ・・・大本営の奴らも必死だな・・・そろそろ制圧する頃だと思っていたが意外とタフだな・・・まあいい・・・どうせ、奴らは全員消えてもらうのだ、精々楽しませてくれよ?」

 

 

 

 

深海棲艦が侵攻してから数時間が経過した

既に深海棲艦は一部の港湾地域より深くの市街地へ侵攻しており、急造であるが陣地を建設し、各方面の戦線では何とか日本軍が抑えている・・・

しかし、深海棲艦は倒しても倒しても無尽蔵に出て来る

艦娘部隊にも少なくない影響が出ており、深海棲艦による機動艦隊によって第二艦隊が全滅、第一艦隊にも全く無傷ではない

一応それ以外ではまだ影響は出ていないが、時間の問題でもあった

その様子は南方から接近するジェラード達も偵察機、潜水艦等から様子は見ていた

 

ジェラードは少し前放った偵察機と先遣隊からの情報を空間投影型パネルを見ながら分析していた

「思ったよりも追い込まれているな・・・深海棲艦はどうしてもここを陥落させたいようだな・・・」

 

「はい、陸上部隊でも戦闘様子を見る限り敵戦車は100㎜主砲を持つ重戦車も配備されているようで、日本軍が持つ主力戦車では厳しいでしょう・・・」

 

「うむ・・・少なくとも現在こちらが持つ主力戦車で勝つことは可能だが、集中的に撃たれると拙いかもしれないな」

 

「・・・提督?私たちはどのタイミングで救援へ入りますか?あと数十分で作戦行動範囲に入りますが」

と矢矧が質問する

 

「視認可能圏内に入ったところで攻撃する、ここからでも十分攻撃することは可能ではあるが、今作戦はあくまで日本政府との接触であり、そのためにまず我々の力を見てもらう必要がある。そのため見えないところから攻撃すればそれが私たちの攻撃だと思ってはくれるだろうが、インパクトにかける必要がある」

 

「OK!それまでは待機ということね?」

 

「そうだ、我々が作戦行動範囲内に入ったと同時に待機している先遣隊の潜水艦が深海棲艦機動艦隊及び地上軍へミサイル攻撃を行う

その後、水上艦隊の旗艦アイオワは矢矧、陽炎、初月を率いて敵水上艦隊へミサイル及び遠距離砲撃による狙撃せよ

雪風、セラは瑞鳳を護衛し、瑞鳳は対潜及び地上軍への支援として艦載機を発艦

私は攻撃部隊を敵機動艦隊及び水上艦隊へ向かわせ、日本政府との通信を行う

以上、何か質問は?」

 

「武器兵器使用制限は?」

 

「武器兵器使用は無制限、ただし、万一こちらの艦載機等が撃墜された場合、技術流出防止のため戦闘後、処理すること。」

 

「やったー!今回は全力でいっていいんだね?」

と陽炎は嬉しそうに言う

 

「ああ、全力で叩け、今回はあくまで我々の実力を見てもらうことも重要なことだからな」

 

「・・・かえって警戒されないでしょうか?」

 

「警戒はされるだろうが、下手にこちらの技術及び兵器を拿捕する動きを少しでも抑制する抑止力も視野に入れている。無駄に血を流したところで何も意味はないからな」

 

「了解です。」

 

「他には?」

 

「HI、アドミラール?」

 

「何だ、アイオワ?」

 

「私たちの戦いもよく見て下さいね?全力で叩くわよ〜」

 

「・・・わかった、全力でやってこい、ただし、危険だと判断すれば撤退する、各自大丈夫か?」

 

「了解しました!」「OK!」「わかりました、マイマスター」

 

「さあ・・・海の魔物よ・・・お前達の戦闘を見せてもらうぞ?艦載機発艦用意!作戦開始!」

と妖精さん達があちらこちら走り、艦載機を発艦させるために準備に入る、ジェラードはそのまま潜航し、海中の中から艤装の側面からハッチが開き、艦載機が次々と発艦する

 

ジェラードの本質は潜水戦闘機運用と巨大な船体を活かした積載量で猛烈なミサイル、光学兵器による攻撃方法を有する空母である。

潜航時の発艦は潜水戦闘機の発進するための部屋へ注水を行い、発艦させるやり方

これは潜水艦が魚雷発射を行う際、必ず注水を行ってから発射する、この行程がなければ大量の水が船内へ入ることとなり、潜航に支障をきたすからだ。

また、注水してから発艦するため、艦載機も潜水モードへ移行し、通常の航空母艦から発艦するための飛行距離もカタパルトも必要ない

そのため、発艦するスペースは最小限で済む

 

次々と艦載機「JBT-177」「JT7ルジューラ」「飛行戦車」等が発艦する

艦載機は「JBT-177」を中心とするコードネーム「カローラ」

潜水マルチ型攻撃機「JBT-177」×30機

飛行戦車×15機

「JT7ルジューラ」を中心とするコードネーム「ミュール」

潜水戦闘機「JT7ルジューラ」×45機

飛行戦車×15機

合計105機の部隊である

「カローラ」は敵機動艦隊へ向かい、「ミュール」は水上艦隊へ向かう

 

独立軍率いる陣営が本格的に深海棲艦と人間との戦いへ介入する瞬間でもあった

 

 

 

待機していた攻撃型潜水艦にも司令が下された

「艦長!司令が来ました、攻撃開始とのことです!」

 

「よし、対地ミサイル、対艦ミサイル発射用意!一番から十五番発射!」

 

「了解、コード入力完了、敵艦隊及び地上軍へ攻撃開始!発射!」

 

と潜航時の潜水艦から勢いよく海面へ突き出て来たミサイルはブースターを発動し、目標群へ真っすぐ飛行する

 

「ミサイル発射完了、命中まで2分!」

 

 

 

 

 

 

 

独立軍の攻撃が開始する少し前、戦況は日本軍のほうが劣勢であった

物量攻勢と電撃攻撃によって瞬く間に艦隊を展開した深海棲艦は東京へ空襲及び艦砲射撃によって大ダメージを与え、上陸部隊を強襲させた

日本軍はこれに対応すべく東京方面及び関東方面に展開している部隊を迎撃に当たらせているが、あまりの深海棲艦の電撃侵攻と物量に対応できずにいた

大和たちも例外ではなく、徐々にだが、中破になる艦娘もで始めた

むしろ、圧倒的物量攻勢と制空権が損失している状況で中破まで耐えられたのは練度が高いおかげでもあるが、更なる攻勢が来れば厳しかった

「くっ!戦艦娘は前へ出て、中破以上した艦は後方へ下がりなさい!できる限り彼らを抑えるのよ!」

「だが、大和!これ以上は流石に持ちこたえられないぞ!残弾数も残り少ない!支援要請はできないのか!?」

「大本営からの航空支援はどうなっているの!あれから全く返答がないけど!」

「爆撃隊も航空隊も上空の敵機の対応でとてもこっちを援護できないわ!」

「くっ・・・八方塞がりということか・・・」

「ダメよ!あっちでも深海棲艦の空襲と沿岸方面の援護でとても戦力を回せないわ!近くの鎮守府からも応援が駆けつけてくれているようだけどあと3時間はかかる!」

「3時間〜!?ちょ、これはマジやばいじゃないかな〜?」

鈴谷も応戦しながら、冷や汗を流しながら聞く

「だから、何としても持ちこらえるのよ!ここで私たちがやられたら鎮守府を防衛する艦隊がいなくなる!何としても死守するn」

 

 

 

 

「あらら〜?結構持っているのね・・・艦娘もやるじゃない」

 

 

と心臓を鷲掴みするような冷たい声が響く

 

深海棲艦は砲撃を一旦中止、声の主の道を開いた

 

「!?」

「お、おまえは!」

 

 

「ふふふ・・・始めましてというべきかしら?私は戦艦水鬼、全てを水底へ沈めるためにやってきたわよ」

 

「戦艦水鬼・・・!貴方ががこの作戦の司令官かしら?」

 

「そうね・・・司令部の立場であるけれど、立案したのは私ではないわよ?でも、こうして忌まわしいガラクタどもを処理できるのだから、こっちは楽しいけれどね・・・」

 

「・・・随分余裕なのですね」

 

「忌まわしいガラクタどもにしては随分と健闘したようじゃない、エリートクラスのレ級や姫クラスも大破まで追い込んだのは褒めてあげる・・・だけど、ここまでね・・・さあ、次の対戦相手を用意したからゆっくりと見物しましょうか・・・」

と大和たちの周りを深海棲艦が囲んだ

 

「ひ・・・!」

(不味い・・・すでに囲まれた・・・)

 

無事な艦娘はなるべく負傷した艦娘を背後へ移動させ、守るように立つが、深海棲艦たちはそんなことを気にもせず、悪魔の微笑みで笑う

「さあ・・・聞かせてちょうだい!お前たちの悲鳴をね!」

 

と深海棲艦は武器を構える

 

「く・・・・!」

(もうダメなの・・・・こうなれば囮に・・・)

とすると遠くから何かが聞きなれない音源が聞こえた

(?・・・この音は・・・?何か飛翔するような・・・)

 

「?・・・何の音d」と戦艦水鬼が言いかけたところで左右に配置していたレ級とヲ級へ何かが突っ込み爆沈する

すると次々と見慣れないロケットが深海棲艦を襲い、爆沈させる

 

「な・・・何が起こった・・・?」

 

 

「これは一体・・・」

と大和たちも突然の出来事にすぐに対応できなかった

そこへ通信が入った

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちら独立軍、これより日本軍の支援に回る。』

 

 

 

 

 

大和たちは目の前の出来事にただただ呆然していた

自分たちでさえ倒すことが困難である姫クラス、フラグシップのレ級などがどこからか飛翔してきたロケット弾で撃破していくからだ

 

「あ・・・あれは一体・・・ロケット?」

「凄い・・・」

 

 

「・・・・・!大和より各艦へ敵艦隊は混乱しています!これより包囲網から脱出するため戦艦・重巡は外回りを、駆逐艦・軽巡は負傷者を守るように護衛しつつ突破します!各自進路上の敵艦のみを攻撃せよ!下手に留まれば包囲され各個撃破を受けますので、できる限り走れる速度で突破せよ!」

 

『「!!!了解!』

 

 

 

 

深海棲艦側は突如の攻撃に対処できず混乱を拡大させた

飛翔してきたロケットはまるで意思があるかのように正確に目標へ着弾させる

それは大和たちがいる海域のみならず、沿岸地域及び他の海域でも見られた。

 

『こちら強襲部隊!敵の新兵器と思われる猛烈なロケット弾攻撃を受けている!このままでは強襲するための戦力が被害30%を突破する!』

『な、なんだあれは・・・!!ヲ級逃げろ!悪魔がこっちにくるぞ!!!!!落ちろ!落ちろおおおお!!!ブツッ・・・・』

次々と送られる被害報告に戦艦水鬼は混乱していた

「ば・・・馬鹿な・・・一体奴らにこんな新兵器なんてなかったはずだ・・・どうなっている・・・?」

 

 

別の海中

 

「2番から12番機動部隊空母へ命中を確認、目標群沈黙した模様」

「対地ミサイル目標へ命中、誤差は20㎝、攻撃目標への影響はなし、続いて地上部隊戦車部隊Rへ攻撃開始」

「ふふふ・・・見たか・・・忌まわしい深海棲艦たちめ・・・我々は帰ってきたぞ、あの日一方的に蹂躙してくれたお礼だ、味わっていくよいい」

「艦長、第一目標へ全弾命中を確認、味方艦からも目標以外への影響はなしとのことです。」

「当然だ、なんせ大本営で開発できなかった誘導弾をジェラード様が提供した戦闘支援システムと衛星誘導によってほぼ確実に命中できるようになったからね・・・このまま第二目標群へ攻撃開始せよ」

「了解しました、ミサイルナンバー15番から28番攻撃を開始せよ」

「了解です。対地・対艦ミサイル発射」

 

船体のハッチの蓋が解放され、次々とミサイルが次の獲物へ食らいつくように海中から飛翔し、目標群へ向かう

 

「敵艦隊、本艦を探知した様子は認められず、度重なる攻撃に対応ができてないようです。」

「よし、いざとなれば囮魚雷を発射し、深度300まで潜行せよ」

「了解です。」

「・・・これだけ音を出しても気づかれないということは海上では凄まじい砲撃戦が繰り広げられてますね・・・」

「そりゃあ・・・あれだけ砲撃すれば現用潜水艦や潜水艦娘はともかくこの艦を見つけ出すことは厳しいだろう、さっきから上空で何度も飛行隊が通り過ぎているしな」

深海棲艦側も突如の攻撃ながら全く対処できないという訳ではなく、戦艦水鬼の命令で生き残っている空母部隊から索敵のため周囲に飛ばしていた

しかし、深海棲艦の誤算はロケットは大型のロケットであり、常識に考慮すれば水上艦から発射されたという線が強く、潜水艦から攻撃されているなんて誰が予測つくのだろうか?

ドイツ軍所属のUポードには対地ロケットを水中から発射する兵装はあるが、そもそも大きさと機動力、速度が違いすぎてとても水中から発射されたということは考えられない

しかも、海上では激しい交戦が繰り広げられてるため駆逐艦や軽巡が持つソナーでは雑音の多い海中から潜水艦を見つけ出すことは不可能であった。

これによって深海棲艦側は僅か30分という時間で総戦力の20%を失い、主力部隊の水上艦隊は30%、機動部隊は50%を失った。

これはあくまで第一段階の潜水艦及び水上艦からのミサイル攻撃であり、次の攻撃を前に撤退しなかった彼らが全滅する事態になろうとは予測がつかなかった

 

「ジェラード様、潜水艦隊、アイオワたちからのミサイル攻撃によって深海棲艦側は大混乱を呼びかなりの損害を与えているということです。」

「了解した、こちらの航空部隊もそろそろ敵艦隊の上空へ間も無く着く、敵艦隊はなるべく主力艦隊中心に狙い、逃げるものには目もくれるな」

「分かりました。」

 

 




御無沙汰しております。ミュラです。
今作がようやくできたので、投稿いたします。
なかなか執筆時間が見つからず、長い間書けませんでしたが、次回作品は7月までには投稿したいと考えております。


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首都侵攻迎撃戦中編

 

 

 

 

東京湾上空 高度1万m

 

戦火が上がる東京上空で音速を飛行する飛行隊が飛んでいた

飛行隊は45機のルジューラ率いる「ミューラ隊」であった

 

 

「こちらミューラ隊、目標上空へ到着、これより敵戦闘機、爆撃機を排除します!」

 

『こちらジェラード、了解、残弾数が許す限り徹底的に攻撃せよ、攻撃目標の優先順位は敵爆撃隊、これ以上東京へ爆弾が落ちる前に攻撃せよ』

 

「了解です。これより戦闘を開始します。各機はそれぞれの目標へ照準し、攻撃せよ、1番から15番機は敵爆撃隊を殲滅、それ以外は敵戦闘機を全て排除せよ」

 

「了解です〜」

 

「カローラ隊へ、そっちも準備は大丈夫ですか?」

 

『こちらカローラ隊、問題無しです。オールグリーン、ぶちかましやろうぜ!』

 

「よし、これより敵機動艦隊を殲滅する、攻撃開始〜!」

 

「目標ロックオン・・・発射!」

 

各自それぞれの目標へ照準を合わせ、機体の中へ格納されたミサイルがミサイルハッチが開き、発射された

 

 

 

発射されたミサイルは目標へ音速の速さで接近し、軌道を描くように爆撃機・戦闘機の編隊へ突っ込み、爆発する

 

突然の襲撃に一気に50機以上の機体が木っ端微塵となったことで深海棲艦の艦載機は大混乱となり、回避しようと回避行動するが、それを無意味と言わんばかりにミサイルは次々と放たれ、追跡され撃滅される。

さらに見たことのない謎の機体が姿を表し、機体から放たれる無数の青い光線が襲う

 

その光景を艦載機を操っていた機動艦隊の空母たちにも伝わった

 

「な・・・何よ・・・あれ・・・そんなバカな・・・我々の機体は新型なんだぞ!?どうなっている!」

とヲ級、ヌ級、装甲空母姫、空母棲姫は未知の攻撃に対応をできないでいた

そこへ水中から忍び寄る影があった

 

「く・・・!空母棲姫様!敵新型機体に全く歯が立ちません!ここは一時戦闘機隊を発艦させ、新型機を撃墜することを進言します!」

 

「わかったわ、全艦戦闘機を発艦させ、何としても敵新型を撃墜せよ!急g「ドオンッ!!!!!!!!」」

 

空母たちが発艦させようと準備を進めている最中で足元で爆発し、多数の空母が全滅する

 

「な、何だと!?まさか、敵潜水艦がここまで接近したというのか!?護衛たちは何をしているの!さっさと敵潜水艦を撃沈しなさい!」

 

「し、しかし、姫様!こんな音源が激しい場所ではソナーが全く使えません!」

 

「ち・・!爆雷を艦隊付近へ投下させなさい!何としてもこれ以上空母たちへの被害を抑えよ!」

 

「は!」

 

と駆逐艦イ級と軽巡ホ級たちが爆雷を落とすために全速力で航行するとまたもや次々と撃沈されていく

「そんな・・・人間たちは一体何隻の潜水艦を投入したというの・・・?」

と空母棲姫が海面を睨むと高速で攻める物体があった

それはとても潜水艦のような機動力ではなく、まるで航空機のような速さと機動力で移動し、何か魚雷のようなものを放ったかと思うと、その魚雷は超高速の速さで深海棲艦へ突撃し、爆沈させる

 

「・・・あれは一体・・・・・悪夢だ・・・!!!」

と頭を抱えると目の前で海面が膨らんだと思ったら、水しぶきを上げながら正体を表した

それは今までの潜水艦娘でもなく、洗練された曲線を持つデザインを持つ機体に漆黒の色、そして、プロペラ機のエンジンではない全くの未知の飛行機だった

 

 

「飛行機・・・?まさか・・・こいつらが海中から攻撃してきたというのか!?あり得ぬ!あり得ない!!!!」

 

その謎の機体の下部に取り付けられた青白い放電が激しくなり、次の瞬間空母棲姫の視界は真っ白になり、意識はそこで閉じた

 

空母棲姫へ行った攻撃は電磁砲により砲撃だった

海中から深海棲艦の機動艦隊を襲ったのは潜水マルチ型攻撃機「JBT-177」カローラ隊であった

カローラ隊もジェラードが放った攻撃部隊であり、次々と機動艦隊へ猛烈な攻撃を行い

ジェラード飛行隊VS深海棲艦機動艦隊は圧倒的な火力によって勝敗がつき、ジェラードの飛行隊は次の獲物へと別の戦域へ行動した。

 

 

 

 

 

深海棲艦の襲撃により大打撃を受けた日本首都防衛隊は深海棲艦の圧倒的物量で攻め込む敵に対処できず、戦線そのものが崩れようとしていた。

既にいくつかの前線は破られており、まだ住民の避難も完了していなかった。

 

深海棲艦の不気味な歩兵・戦闘車両は日本軍の戦車や兵士を駆逐しながらどんどん侵食していった。

上空で展開していた第四艦隊の航空兵団は最初こそ戦果をあげていたが、徐々に弾薬燃料切れを起こす飛行機が続出し、日向達から交代でなんとか制空権を確保していたが、ここで第四艦隊に敵潜水艦隊から襲撃を受けるという最悪の事態になってしまったことで、戦線は一気に形成逆転した。

 

制空権を持った深海棲艦たちは航空戦力と大量の砲弾をぶつけるというシンプルであるが、日本軍にとっては悪夢でしかなかった。

 

「くそ・・・くそ・・・くそ!艦娘の航空支援はどうなっている!?さっきから奴らの爆弾が頭上からどんどん降ってくるぞ!」

 

「黙れ!第四艦隊は先ほどの報告では魚雷攻撃を受けて、潜水艦を狩るまではしばらく援護が不可能らしい。なんとか戦線を俺たちで持たせるしかないだよ!」

 

「そんな無茶な・・・おい!後ろから墜落してくるぞ!!!!」

 

「な、ありゃ銀河改じゃねえーか!?みんな伏せろおおおお!!!」

 

と戦線に真っ先に日本軍の爆撃機が突っ込んだ。

積載されていた爆弾へ誘爆し、周りの日本軍を巻き込んで爆発した。

 

「ぐああああああああああああ!!!!!!」

 

と先ほど戦っていた兵士が爆風で吹き飛ばされた。

 

「ゴフッ・・・くそ・・・もうダメなのか・・・」

 

と思った瞬間足元に何かの気配を感じた。

 

日本兵は視線を上へ向くとそこには真っ黒な生気を感じさせない虚ろな瞳でこちらを見る深海棲艦の歩兵がいた。

それは何も言わず、そのまま銃口を俺に向けていた

 

「くそ・・・もうここまでか・・・いいよ、殺せよ、ほら!殺せよ!!俺の両親へ殺ったように殺せよ!!!このくそどもが!!!!」

 

と半分諦めかけた瞬間、深海棲艦の上半身がいきなり吹き飛ばされ、周りにいた歩兵も次々に体を吹き飛ばされたり、人体の一部を欠損していた。

 

「だ、誰が俺を・・・!」

と上空を見上げるとそこには見たことのない飛行物体が手前についているまるでクワガタのような形から機関砲の銃声が鳴り響く

 

ドンドンドンドンドンドン!

 

と銃弾を受けた歩兵、戦車型も吹き飛び、それから一気にロケット弾が発射されるとロケットはまるで自分の意思で目標へ突っ込むかのように軌道修正を行いながら突っ込む。

 

「は・・・はは・・・なんだよ・・・あれは・・・海軍の秘密兵器ってかな・・・」

 

「お・・・・・・おい・・・!・・・・おい!大丈夫か!」

 

「!軍曹!一体何がどうなって・・・」

 

「わからない、だがあいつはどうやら深海棲艦へ攻撃しているということは俺たちの味方で間違いないだろう。各員は絶対にあの飛行物体に攻撃してはならんぞ!このまま一気に奴らとともに推し進め!!!お前は後方へ避難するんだ!いいな!」

 

「おおおおお!!!」

 

「はあ・・・はあ・・・・味方・・・味方・・・そうか、味方か・・・少しは助かったのかな・・・」

 

「大丈夫ですか!しっかりしてください!」

 

駆けつけた衛生兵が俺の体を見てくれるが、もう俺には意識を保つだけの気力はない・・・どこのだれか、知らないが日本を・・・頼む・・・

と意識は真っ暗になった。

 

この謎の飛行機の登場により日本軍は深海棲艦から一気に有利な戦闘へ持ち込むことができた。

 

「軍曹!倉庫街は完全に奴らの占拠されており、守りは非常に固くなっているとのことです!」

 

「そうか、よし第23歩兵団と第19砲兵部隊が右へ展開し、第14歩兵団と第4工作部隊はあの強硬なゲートを破壊しろ!それから・・・」

 

「ぐ、軍曹・・・」

 

「なんだ!今命令しているのがわからんか!」

 

「いえ、それが上空の飛行機から無線が入っております。」

 

「!?なんだと・・・わかった、替われ・・・・・上空の航空機か!先ほどの航空支援に感謝する!貴殿から何か申し出があるのか?」

 

『我々は独立軍、ジェラード様の命により地上支援にやってきた

我々の陸上戦力を展開したいから場所を開けてください!』

 

「!わかった!随分可愛らしい声をしやがるじゃねえか・・・空き地があるだろ!そこへ着陸しても問題ない!」

 

すると飛行機が低空でそのまま空中で停止すると後ろのハッチと思われる部分から開き、何かが飛び出した

 

!!!!!!??????

 

な、なんだ!あの戦車は!?

 

ズウーーーーーーーン

と周りに衝撃波と振動が伝わり、日本軍が口を開いたまま閉じなくなった。

 

61式戦車とはとても比べ物にならない巨大な車体、重厚な装甲に巨大な主砲、十分すぎるほどの機銃とガトリング?

その洗練されたフォルムに辺りは唖然となった。

 

ジェラードが召喚したエイブラムス(魔改造版)であった

ハッチから可愛らしい2頭身の何かが出てきた

 

それが飛び出し、着地すると敬礼した

「独立軍、第3戦車部隊隊長の妖精であります!地上援護へ来ました!」

 

「・・・・・・・・・・は?」

 

「妖精?」

 

「お、おい妖精ってなんだ?」

 

「ああ・・・確か艦娘の・・・でもなんで戦車?」

 

「あの巨大な戦車をあんな小さな体で動かしているのか・・・」

 

周りから様々な疑問が飛ぶが、妖精は落ち着いた表情で軍曹を見ていた

 

「そうか、まさか援軍が可愛らしいちびっこだとは思わなかったが、艦娘の妖精とくれば心強い、我々に力を貸してくれないか?」

 

すると妖精は敬礼した

 

「もちろんであります!そのためにジェラード様の命で来ましたから!」

 

(((か、可愛い・・・)))

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだこの可愛い生き物は!?

 

「そ、そ、そうか、諸君の支援に感謝する!早速支援して欲しい場所については・・・」

 

「あ、支援する場所はこちらで決まっていますので、大丈夫です。」首コテ

 

「!?そうか、では我々も貴殿たちを支援できるよう最大限の支援をしよう」

 

「うん!ありがとう!」スマイル

 

!!!???

 

 

 

!おい武田!しっかりしろ!こいつ・・・幸せな笑顔になってやがる

 

おい!衛生兵!衛生兵!!

 

ああ、全くこいつら戦地へ行ってない状態で倒れるじゃねえよ!蹴ろ!蹴れば目覚めるだろ!

 

 

 

 

すると妖精たちは消え、目の前にあった重戦車が唸りをあげて、戦地へ進んだ。

 

主砲が目の前の強固な鋼鉄製の扉へ向けると

 

ドゴオオオオオン!!!!

 

主砲が発射された瞬間、鋼鉄製の扉が文字通り吹き飛び、扉は後方の倉庫の壁を押しつぶしながら破壊した。

 

・・・・・・・・・・な、なんだと・・・12.7センチ砲でも1発は耐えられる鋼鉄製の扉をいとも簡単に・・・

 

「ど、どうやら独立軍とやらは我々をはるかに凌ぐ技術と高度な戦術を持っているようだな・・・」

 

「は、はい・・・彼女たちのおかげで沿岸地域を奪還することも可能です!」

 

「よし、残りの部隊は敵勢力殲滅へ全力を注ぐように、上空のカバーは彼女たちがやってくれる、強力な主砲を備える戦車もあるなら戦線は有利に立てるはずだ!いけるぞ!このまま押しつぶすぞおおおお!!!」

 

「うおおおおおおおおお!!!」

 

 

_______________________________________

 

 

横須賀鎮守府

深海棲艦の空襲によってボロボロとなっていた司令部ではあちらこちらと指示を出し、謎の航空機や攻撃によって急激に深海棲艦が撃滅されていることで事態を把握できないでいた

 

「なんだあの航空機は!」

 

「わ、わかりません!国籍マークも我が軍のものではなく米英露でも独伊でもありません!見たことがない上、あんな航空機我が軍でもありませんよ!」

 

「じゃあ・・・一体・・・味方と判断していいのか」

 

そこへ大淀が急いで入ってきた。

 

「提督!上空の航空機から通信が入りました!」

 

「うん?何と?」

 

「はい、『こちら独立軍、これより日本軍の支援に回る。』とのことです。」

 

「ど、独立軍?・・・!神威が言っていた勢力か!」

 

「は、はい、おそらく彼らがそうかと・・・」

 

「彼らが援助してくれるということなら今回は乗り越えられる・・・状況をもう一度順番に報告してくれ」

 

「は、はい、沿岸地域での首都防衛隊からは見たことのない航空支援によって戦線を優勢になり、巨大な戦車の登場によって敵部隊を撃破しつつ湾岸地域を奪還しているとのことです。

上空でも独立軍によって敵部隊の航空兵団は全滅したと思われ、未確認な情報では敵機動部隊がロケット攻撃によって全滅したとのことです。」

 

「・・・・・・・・・・・わずか数十分の間で・・・か?」

 

「はい」

 

「すごいな・・・彼らは・・・」

 

「提督・・・このことを大本営や政府には?」

 

「いや、彼らも既にこのことは知っていることだろう、我々にできることは迅速に首都侵攻を終結させることだ。」

 

「はい!わかりました!」

 

「よし、連絡が取れる艦娘から指示を出すぞ!上空に展開している航空機や地上部隊は友軍と伝えよ!」

 

彼らがまさかあちらから援軍を派遣してくれるとはな

これで東京は無事だろう。

 

と鎮守府も空襲が弱まったことで指示を出せる状態となり、機能を取り戻すのであった。

 

 

 

 

次々と通信が切れるのを聞きながら戦艦水鬼は混乱していた

精鋭の機動艦隊や航空隊、上陸部隊から悲鳴と共に消えていた。

通信内容も支離滅裂だと思っていたが、ほとんどが同じ内容で報告しており、信じざる負えない。

なんだ?付いてくるロケットとは?何だ?いきなり光線が見えたと思ったら、それに触れた味方が爆発したなんて

自分たちをはるかに凌ぐ性能を持った墳式航空機?

日本軍は秘密兵器を持っていたというのか!?

あり得ない・・・内部からの情報では大本営にも鎮守府ではそんな兵器は開発されているが、まだまだ実験段階でとても実戦で耐えられるはずがない・・・

ならば、自分たちを襲っているものはなんだ!?

共にいた空母棲姫やエリートのレ級も轟沈した。

残りの戦力も全体の30パーセントを満たない・・・

すなわち我らは何者かの介入により一気に全ての戦線で形成逆転となり、敗北した・・・

バカな・・・・・・・

 

 

こんなことが・・・あってたまるか!?わたしは戦艦水鬼、こんな一方的に終結するなぞ終われるか!?せめて、目の前にいるガラクタどもを沈めて逃げてやる!

 

誇り高き我らがこんなことで敗北してたまるか!!!!!!????

 

戦艦水鬼は赤い目をギョロリと艦娘へ向け、主砲を展開する

 

このガラクタは既にボロボロの状態・・・唯一攻撃を受けなかったわたし一人でも殺れる・・・

 

「貴様ら・・・いったいどんな手を使ったか、わからないが、ガラクタ如きが随分可愛らしい真似をしてくれるじゃない・・・貴方達にはもう自分たちの提督が見れるとは思わないことね・・・」

 

殿を務めた大和がいた。

既に艤装はボロボロで大破以上の被害を被っていた。

とても戦闘できる状態ではなく、なんとか腕力だけで駆逐艦や軽巡を投げ飛ばし、重巡や戦艦は殴り倒していた。

 

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・あ、貴方の敗北よ・・・既に貴方の周りには味方はいないわ、こちらには貴方達の深海棲艦を駆逐した艦隊が向かってくる・・・・・もう時間の問題よ」

 

「あら〜・・・もうボロボロの状態であるのに関わらず随分挑発的なことを言うのね・・・そんなことは関係ないわ、貴方を沈めた後仲間達は後で追わせてあ・げ・る♡」

 

「く・・・う・・・」

 

「ふふふ・・・さあて、一気に『残念だが、その機会は永遠に訪れないぞ』・・・え?」

 

と声のした方向へ向ける

 

「あら・・・?貴方は誰かしら?」

戦艦水鬼の目の前には見たことのない艦娘がいた。彼女の姿は腰についている艦橋に飛行甲板、甲板の横に何か射出できるような扉がいくつもが存在し、左手にドラムマガジンを搭載したライフル、右手にはリングみたいなもの、両足にウォータージェットエンジンに、方向転換装置が装備されている。

しかも両肩には箱形を装備していた。

空母?・・・航空戦艦の艦娘であろう。日本の艦娘ではない。

アメリカ、イギリスあたりの艦娘?

 

と戦艦水鬼が現状邪魔が入ってきたことに不機嫌になりながら、睨む。

「私は潜水戦闘空母ジェラード級一番艦ジェラードだ。」

 

「ジェラードだと?潜水戦闘空母だと?」

 

「戦艦水鬼、貴様の敗北だ。既に貴様の地上部隊と航空部隊は壊滅している今、貴様を援護する部隊もいないぞ」

 

「・・・あら〜見たことのない艦娘どもに敗北するとはね・・・貴方はどこの所属かしら?」

 

「それを貴様に答える義理はない。降伏するか、ここで撃沈されるか、選べ」

 

いきなり現れた見たことのない艦娘は戦艦水鬼の質問を無駄と言わんばかりにばっさりと切り、降伏を促す

取りつく島もない。マズイ状況であった。

負傷した艦娘であれば例え大和でも倒せるが、目の前の艦娘は明らかに空母であるが、砲台や見たことのない装備を見る限り以前登場した霧の艦隊なのかもしれない。

霧の艦隊、登場した当時はその凄まじい科学力と技術力をもって深海棲艦に衝撃を与えた存在、圧倒的力により深海棲艦は一時追い詰められた時があった。

霧の艦隊は例え潜水艦であっても戦艦以上の火力と信じられない速度、機動力など性能を持っており、姫クラスの深海棲艦でも苦戦したほどだ。

 

「あら、お互いもっと知らないことも多いし、詳しく知ってからでも遅くはないじゃないかしら〜?」

 

「すでに貴様のことは調べが付いている戦艦水鬼首都侵攻艦隊司令官」

 

!!!

 

こいつなぜ、私の階級を・・・

この作戦には念密に計画された抜かりのないものだった

日本側の内通者から情報を元に作戦が打ち立てられた作戦は今までない規模の大艦隊。

私が司令官ということも一部の深海棲艦しか知らない情報

それを一体どうやって知ったというの?

まさか、こいつは既に我々のことを人間たちよりも知っているの!?

 

「あら〜そこまで知っているとはね・・・」

 

「我々には優秀な耳と目がいるからな」

 

「そう・・・貴方人間が作り出した艦娘にしては随分と優秀じゃない?独立した組織なら私たちと組まない?楽しいわよ?」

 

「断る。」

 

即答である。

「そう・・・貴方にはぜひとも仲間になって欲しかったけど、仕方ないわね・・・」

 

「そろそろ終わる頃だろう、降伏するか、ここで撃沈するか、選べ。」

 

戦艦水鬼は目の前の艦娘がただの空母艦娘ではないことは直感で知った

未知なる装備も危険だ・・・

・・・あれだけの大部隊を全滅させるなんて規格外にもほどがあるわ・・・

戦艦水鬼は自分の部下や戦力を失った今、一人でも道連れにしょうと大和たちと戦ったが、例え逃げ切れたとしてもハワイ司令部で処刑されるだろう。

だけど、目の前の艦娘は見たことがない。

この装備や潜水戦闘空母・・・危険で只者ではないことはわかる、わかるからこそ胸の内側から込み上げる何かがあった。

戦ってみたい・・・戦いたい!

今まで私を満足に戦わせてくれる艦娘はあまりいなかった、大本営の大将直属の艦娘であれば楽しめた

しかし、すっかり前線から引いたことで満足できる艦娘が現れなかった。

私はただただ戦艦として戦い、快楽を得たかった

戦うたびに自身や相手も傷つき、沈む

その瞬間が私にとって生きる糧となっていた。

快楽を求める辺り艦娘をあらゆる方法で痛めつけ、沈めてきたが、満足はしなかった

だけど、目の前の艦娘なら・・・

 

 

 

「ふ、ふふ、ふふふふふ・・・・!!!」

 

ジェラードや大和は戦艦水鬼が狂ったように笑う姿を冷めた目で見ていた。

「いいわ!いいわ!!今まで忌まわしいガラクタどもでは満足にできなかった!だけど貴方なら・・・」

目を閉じると歓喜の声で言う。

 

「貴方なら私をもっと楽しませてくれるのかもしれないわね!!!」

 

「降伏はしないと言うことか」

 

「ええ、貴方なら私を満足に戦わせてくれるだと確信したわ、知っている?戦艦は強敵が現れたら戦いたくなるものよ?」

 

「すまないな、あいにく私は戦艦ではない。」

 

「そうでしょうね、貴方は空母、私は戦艦、本来の戦い方が根本的に違う

空母は自身は動かず、自分の艦載機を使って相手と間接的に攻撃する。。

戦艦は自身の装甲と主砲を使って直接殴り合う。

だけど、貴方はただの空母ではない。どちらかと言うと航空戦艦の霧の艦かしら?

あいつらとは違うようだけど、似たような匂いはするわね・・・

私は深海棲艦として生み出されてから人間と戦い続けた」

 

「人間と戦う理由はなぜだ?生存本能か?お前たちを生み出した生みの親か?」

 

「ふふふ、どちらかも正解なのかもしれないわね」

 

「・・・どちらも正解だと?」

 

「私たち深海棲艦や艦娘がどうやって生み出されているか、知っているかしら?艦娘は妖精によって生み出されている。ならば深海棲艦は?私たちはどうやって生み出されていると思う?」

 

「何が言いたい?」

 

「ふふふ、貴方はまだ生まれたての艦娘・・・貴方を誰が呼んだのか、私にはわからないわ・・・答えを知りたいのなら私を倒して先へ進み、じっくりとその目で見れば良いわよ」

 

「お前たちを生み出しているのは人間とは関係ないということか?」

 

「それは貴方自身が出す答えね・・・」

 

「・・・」

 

「そう・・・さあ、始めましょう!熱い戦いを!!命をかけた私を楽しめさせる『快楽』をぜひ味合わせてちょうだい!!!」

と主砲を旋回させ、砲撃用意する戦艦水鬼

 

「・・・大和と言ったな?こいつはこちらに任せてもらう、そっちには他の艦娘の負傷者を頼む。」

 

「!は、はい!」

ここまで大和は負傷した傷を抑えたまま、目の前の艦娘を見る。

見たことのない美しい白い艦娘

装備も空母型にしては艦橋が大きく、見たことのない兵装

そして、彼女は先ほど名乗った独立軍

数日前に帰還した神威から流れた噂では南方方面に超技術を持った強力な艦娘部隊を保有する組織がいる、と

その組織は独立軍

大和は連合艦隊の旗艦として旗艦クラスの艦娘には大本営から提督を通じて詳細な情報を知らせていた。

万一発見時、敵対する行動を絶対させないのと捜索させるためだ。

 

大和は最初聞いたときは信じられなかった。

南方には深海棲艦が支配する強力な姫クラスの存在する海域。

そこにとても強力な艦娘がいたとしても無理だ。

だが、大本営の伝説の雷さんや元帥からも本当だと聞いたときも驚愕したほどだ。

そして、目の前でその独立軍の実力を見ることができる。

それを自覚した大和は気持ちが高揚していた。

今まさしく最強の姫クラスと未知の力を持つ艦娘との戦い

大和は負傷者に手当てをしていたが、同時にカタパルトから水上機を発艦させた。

戦いの様子を間近で見るために零式観測水上機はそのまま目的まで飛ばす・・・・・




戦闘描写はなかなかうまく書けませんね・・・


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首都侵攻迎撃戦後編

戦いの先手を取るのは戦艦水鬼だった

彼女の艤装から16インチ三連装主砲から砲弾が飛翔するが、ジェラードは身体を捻らせながら6発の砲弾を避ける

代わりにジェラードからは対艦ミサイルを近距離から発射し、戦艦水鬼に迫るが、彼女はミサイルを艤装の巨大な腕でミサイルを叩き落とす。

文字通り両手を使って渾身を込め、ミサイルが自身の目の前まで接近するのを見計らって叩き落とした

 

「ははははー!それがあなたの攻撃方法ね!」

と彼女は笑いながらジェラードへ迫る

 

艤装の副砲や高角砲、対空機銃で牽制する

 

ジェラードは40mm機関砲やバルカン砲で対抗する

戦艦水鬼はアメリカ海軍アイオワ級戦艦に匹敵するほどの16インチ三連装主砲と装甲を持ち、高い戦闘能力がある

 

(ミサイルを叩き落とすとはな、人型になったからこそできる迎撃方法だな)

 

と若干驚きの感情も出ていた

 

すると戦艦水鬼は装填が終わったのか、主砲をこちらへ照準する

即座に砲塔の付け根に機関砲弾を叩き込むとギ、ギギギと金属の鈍い音がなる

 

だが、そんな損傷を顧みずに副砲で砲撃する。

 

さすが戦艦というべきか、40mm機関砲弾やバルカン砲弾も被弾しながら損害軽微という頑丈さ

 

「ははは!もっともっとよ!あなたの戦いを見せてちょうだい!!!」

 

「言われずともな!」

と再びVLSからミサイルを発射する。

ミサイルは戦艦水鬼には向かわず、急上昇して天空へ登る。

 

そして、ある程度登ったところで向きを変え、急降下する

「!ロケットを上から攻撃させることで防げないようにするつもりね!」

 

とジェラードと直接殴りあいながら言うと、すぐに後方へ移動したと思えば、ミサイルが誘導に従い戦艦水鬼へ向かうが、主砲を海面に砲撃する

 

巨大な水しぶきを上げたと思えば、そこにミサイルが着弾した。

 

「ち、逃げられたか、どこにいる?」

と空間投影から送られる水上レーダーを見るが、何も映っていない

 

レーダーに映っていない?

これほど近距離ならば映るはずだが、どこに…

 

ジェラードの背後の海面が一瞬膨らんだか、と思えば戦艦水鬼がジェラードの首に目掛けて艤装の拳を殴るが、ジェラードが身体を回転させながら回し蹴りを繰り出し、お互いの衝撃波が波に伝わる。

 

「・・・さすがね、水中からも来ることを予想していたのかしら?」

 

「お前たちは深海棲艦だからな、まさか戦艦が水中から襲って来るとは思わなかったが」

 

「なるほどね、だけど、勝負はまだまだよ?ふふふ」

 

と戦艦水鬼は海面を蹴ると空中で身体の向きを変えて、そのまま海中へ潜水する。

 

「ふ、戦艦水鬼、どうやら貴様は本気で戦いわないといけないのかもしれないな…貴様が海中で戦いたいと言うならば望み通り海中で戦うではないか!」

 

とすぐに隔壁を閉じ、潜水モードに変更するとジェラードは海中へ潜水する

 

その様子を戦艦水鬼は驚愕していた

 

(な!?この艦娘潜水もできると言うの!?空母のはずが、なぜ…)

と戦艦水鬼はジェラードが最初に言った言葉を思い出していた。

 

『私は潜水戦闘空母ジェラード級一番艦ジェラードだ』

 

 

 

(潜水戦闘空母って潜水することもできる空母ということ!?接近戦で戦闘することもできて、艦載機も飛ばし、潜水できるって規格外にもほどがあるわ…)

 

海中では直接話すことはできないので、通信を使いながら話す

 

「驚いたわ…まさか、潜水までできるなんて本当あなたは飽きさせない艦娘ね」

 

「そうか?私としてはお前がミサイルを叩き落としたり、ミサイルの攻撃を海中で阻止する戦闘能力も規格外と言えると思うが」

 

「あなたよりはずっと普通でしょ?」

 

「お前は一回あの世でも行ってきた時、辞書でも開くのだな」

 

「ふ、ふふふ、所詮はガラクタもどきと思っていたけど、ガラクタどころか、海の魔物とはね…ある意味私たちより魔物ぽっくないかしら?」

 

「魔物とは失敬だな」

 

「あらあら…でも、水中へ潜水できたからといって舐めてもらったら困るわね!!!」

 

接近するが、ジェラードは対潜水中レーザー砲、対潜レールガンを起動させ、海中を揺らしながら青い閃光が発生するたびに戦艦水鬼に被弾する

今度は艤装の片腕が完全吹っ飛び、ジェラードの正確な精密射撃が当たる。

 

ジェラード級はもともと海中での航空戦力の展開、統制能力に加え、圧倒的ミサイルや対潜兵器で敵艦隊及び潜水艦に対抗することを目的としている。

そのため、ジェラード級は海上よりも海中の方が戦闘しやすい点においてヒールシフトを使用しない限り戦いやすい。

 

近年、ジェラードが艦艇の時に戦っていた相手にも潜水兵器というものは発達し、機動潜水兵器に対抗することが可能な艦載機を搭載・運用する能力が求められたことで建造された。

 

 

「あら、意外と痛いものね…あなた海上よりも海中の方が弾幕の密度が上がっているわね?」

 

「お前たちが海中の方が動きやすい点では私も共感するが、戦いやすい海域は対潜兵器を思う存分使用することができるからな」

 

「あらあら…」

と若干呆れながらも見ていた。

 

「だけど、あなたがそれだけの弾幕を張っても直接殴り合いしましょ!!!」

 

「できればしたくないものだな、私は一応空母だからな」

 

「あなたのような空母があってたまるものか!!!」

と思わずツッコミを入れる戦艦水鬼

 

さらに何とか対潜兵器からの攻撃を避けながらも接近が成功しても、戦艦水鬼の艤装は損傷していくばかりであった。

既にここまでの戦闘で戦艦水鬼は主砲一基と片方の腕を使えものにならなくなり、いくつかの対空火器も損傷していた。

 

それに対しジェラードはほぼ損傷が少ないという。

 

(このままじゃ、まずいわね…もし、もう片方の主砲や腕も破壊されれば戦闘能力をほぼ全てを損失したといっても過言ではない。だけど、あのジェラードは強い)

 

 

強いからこそ戦艦水鬼は高揚感で胸がいっぱいになる気持ちだった。

 

これだけ強力で面白い戦闘をしたのは一体何年ぶりあろうか、最後に戦った強者は大本営に所属する古参組である雷と戦って以来だろう

 

「もっと…もっと!もっともっともっと!味合わせてちょうだい!」

 

(こいつまさか、狂っているのか?)

と戦艦水鬼は笑いながら腕を振り下ろすが、ジェラードがそれを横へずらすことで防ぎ、逆に戦艦水鬼の腹に蹴りをお見舞いする。

 

「くっ!」

 

「どうした!それが戦艦というものなのか!貴様の戦いはまだ続くぞ!

 

「ええ、もっと戦艦の戦い方を教えてあげるわああああ!!!!」

 

と残った副砲で再び海面へ砲撃すると水柱が上がり、すぐにジェラードの後ろへ回り込み、砲撃するが、砲撃する直前に空中へ舞い上がったVLSから放たれたミサイルが空中へ上がる

 

(遅いわ!これだけ近距離なら命中するはず)

と砲撃をするが、空中へ舞い上がったミサイルがジェラードと戦艦水鬼の間へ突っ込む。

爆発したミサイルの爆発エネルギーによって砲弾の近接信管が作動し、爆発する。

 

!?

 

 

爆煙によって辺りは黒煙で見えなくなるが、背後から気配を感じた戦艦水鬼は直感で背後へ腕を振る

 

その腕が何かに当たる。

 

(!当たった!)

 

と攻撃ができたと思ったが、黒煙が晴れるとその考えは消えた

 

なぜなら当たったのはジェラードの艤装であり、艤装の艦首に当たったからだ、艦首の砲門から青い閃光を走りながら電磁波も発生していた。

 

既に戦艦水鬼の艤装は大破し、主砲も大破している状況では物理的なダメージしか与えられないが、ジェラードに銃口を向けられているため、決着はついていた。

 

 

「・・・まさか、これほどとはね…あなたは一体何者かしら?」

 

「私は独立軍の司令官、潜水戦闘空母のジェラードだ、貴様からすれば異世界から来た艦娘と言ったほうがいいか?」

 

「そう…誰があなたを呼んだのか、わからないけど、もし出会う場所が違った場所ならあなたと上手くやっていけそうな気がするわ」

 

「奇遇だな、私もだ。貴様は惜しい人材だな。できれば私と共にきて欲しかったものだ」

 

「ふ、それは叶わない問題ね…あなたとはまたどこかで会いたいものね…」

 

「あの世で先に待ってくれ、どうせ、私も貴様と同じ戦闘艦だ。戦闘艦はいずれ平和になった世界には必要とされなくなる。この戦いが終わればお役御免となるだろう。」

 

「あら?誰がそれを決めるのかしら?独立軍なら自由に生きてもいいじゃないかしら?」

 

「貴様がそれを言うか、まあ、それもいいかもな」

 

「なら、あの世から楽しみに見ておくわ」

 

「ああ、先に逝っててくれ、楽しかったぞ」

 

「私もよ、あなたと戦えて光栄だった。」

と戦艦水鬼はまるで憑き物がなくなったかのように微笑む。

 

 

 

それが戦艦水鬼の最後の言葉となり、東京から青い閃光が見えた

 

 

 

 

 

独立軍の支援のもと、深海棲艦の上陸部隊や攻撃隊が全滅し、深海棲艦による日本軍首都侵攻は失敗したのであった。

 

戦艦水鬼とジェラードとの戦いは大和にも艦載機からその光景を見ていた。

 

 

そして、ずっと考え込んでいた。

 

ジェラードという存在を

 

あの深海棲艦の姫クラスの中でも最強の戦闘能力を持つ戦艦水鬼を単独で撃滅し、ほぼ無傷で勝利した。

 

戦闘能力も私たち艦娘が持つ能力や日本軍だけではなく各国の持つあらゆる兵器よりも戦闘能力が高く、彼女が持つ航空戦力だけで数千といた敵艦載機部隊は数十機という少数に全て迎撃された。

 

のちにわかった情報だが、戦艦棲姫率いる水上艦隊も独立軍所属のアイオワや矢矧、陽炎、雪風などの水上艦隊によって殲滅された。

 

今回使用した兵器についてもどれもが日本軍が持ちようがない兵器ばかりだ。

 

ジェラードが使用したロケット推進式誘導弾、大口径の対空砲、それらを正確に誘導する電子能力

そして、空母という水上艦かと思われたジェラードに潜水能力も持つこと。

 

一体なぜ、これほどの能力を持つ艦娘が生み出されたのか、全く不明だった。

 

ただ一つわかることはあれほどの戦闘能力を持つ艦娘を日本・アメリカ・ソ連・イギリス・イタリア・フランス・ドイツが総力を上げても生み出すことはできない。ということだ。

 

彼女の記憶から蘇る数年前に突如来襲した謎の組織、『霧の艦隊』を思い浮かぶ

 

彼女たちもジェラード同様誘導弾や強力な兵器で深海棲艦を撃滅し、一時は敵霧の艦隊に日本は完全に領海を失うこともあった。

 

もしかするとジェラードも霧の艦隊ではないのか?

 

しかし、それでは説明できないことがいくつか、ある。

 

まず霧の艦隊は来襲する予兆として霧が発生するということだ。

 

味方としてついてくれたイオナ、タカオ、ヒュウガ、ハルナも初めて会うときは霧が発生していた。

 

だが、彼女…いや、彼女たちにはそれがない。

 

そして、霧の艦隊が艦娘を従えているということ。

 

艦娘は基本的に提督の命令しか指示を受けず、自身の提督となる人間以外の命令には従わない。

 

さらに彼女には妖精がいた。

 

妖精は艦娘の艤装にしか現れず、霧の艦隊では一切確認されていないなど

以上の確信から彼女は霧の艦隊ではない、と考えている。

 

もし、彼女が敵対すればどの国も彼女単独でも勝利できる国はいないだろう。

 

謎が深まるばかり…

と大和は色々思案しながら艦娘の救助が終わるのと同時にジェラードから通信が入る。

 

 

『こちらジェラード、大和聞こえているか?』

 

「え、ええ、聞こえているわよ、見事な戦闘だったわね、まさか戦艦水鬼を単独で倒すなんてあなたは何者かしら?」

 

『それはもうすぐわかる。大和、連絡を取りたいところがあるのだが、繋げてもらうことは可能だろうか?』

 

「ええ、大丈夫です。無線機の方は無事生きていますので、いつでも使えます。」

 

『そうか、わかった。ある場所にコンタクトを取りたいのだが、そこへ繋げて欲しい。』

 

「はい、どこへ?」

 

 

 

 

 

『日本政府と大本営だ』

 

 

 

 

 

独立軍の介入によって首都東京へ侵攻した深海棲艦はほとんど殲滅することができ、陸上の上陸した深海棲艦陸軍もジェラードの航空支援と独立軍の支援によって難なく無事奪還を成功させた。

 

日本軍の被害は甚大なものとなり、陸軍だけで数万人に及ぶ死傷者を出し、多数の戦闘車両を損失した。

 

海軍の方でも第一鎮守府・第二鎮守府など東京を防衛する鎮守府の艦娘は凡そ7割以上に及ぶ損害を出した。

しかし、奇跡的に轟沈した艦娘は一人も出ず、大破ばかりで済んだ。

 

これは独立軍の介入によって早期に機動艦隊や航空部隊を殲滅したことによって艦娘の救助活動を順調に行うことができ、大元である戦艦水鬼をジェラードが撃沈したことによる深海棲艦の統制が一気に崩れた

 

深海棲艦側は戦力9割以上の損失に加え、多数の大破中破艦を出し、命ながら生き残った。

 

しかし、独立軍による攻撃は重大な傷を負わされ、姫クラスをほとんど撃沈されたことだった。

 

深海棲艦の姫クラスは2000人に一人の確率で出現する

 

それが全体の4割以上参戦したが、ほとんど撃沈されたことで世界中の深海棲艦に大打撃を与えた。

 

その影響は世界中にも及び深海棲艦の行動はかなり制限された瞬間でもあった。

 

首都侵攻迎撃戦以降独立軍は深海棲艦の殲滅が完了すると撤退し、アイオワ・セラ・矢作などの護衛を引き連れて大和を通じ、大本営や政府とコンタクトを取った。

 

大本営や政府は独立軍からの要請に喜んで受け、交渉した。

 

交渉した結果

 

日本との交渉はジェラード直接行った。

 

協定では

・日本政府は独立軍との不可侵条約

 

・独立軍から技術支援を求む代わりに各地の鎮守府や軍港の寄港や補給をできるようにする。

 

・日本軍の傘下に入らない代わりに戦力を貸し出す。

 

・これらの協定を結ぶ代わりに日本政府は独立軍へ必要な資材を供給する

 

などだ。

 

日本政府としても強力な戦力と制限されたとはいえ技術をもらう代わりに資源

 

独立軍は資源や権限などをもらう代わりに戦力の派遣と技術を輸出することでお互いの対等な立場となった。

 

 

大本営側も独立軍との立場が対等で指揮権は独立軍側にあるのと権限を与えることに不満はあるものの、独立軍の参戦や味方へ付くことを歓喜していた。

 

独立軍の活躍は当時の記者やメディアを通じ、新聞などで全国へ出回った。

 

当然ながら東京府民を中心に独立軍を歓迎する声が上がり、独立軍を支持する声があった。

 

この出来事によって日本は強力な味方をつけたということで東京侵攻があったのに関わらず、どこでも活気に沸いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある執務室

 

 

「くそ、くそ、くそおおおおおお!!!!」

 

机を叩く男性がいた。

 

部屋の中は既に書類が散乱し、椅子も壁に投げつけられたのか、折れ曲がっていた。

そして、本棚もひっくり返り、本が散乱していた。

 

男性の陸軍服も暴れたのか、乱れまくれ、顔も怒りで赤くしていた。

 

ちくしょう!まさか、独立軍が参戦してくるなんて完全に想定外だ!

 

参戦してくるのも日本と接触を行ってからだと考えて、全て計画していた。

 

独立軍が持つ技術や戦力、ジェラードの力はかなり強力なもので、事実深海棲艦が用意できる大規模艦隊を僅か5時間ほどで撃滅した。

 

しかも圧倒的数の差において差がついていたにも関わらずだ!

 

おかげで深海棲艦は多数撃沈され、俺と通じていた姫も撃沈しやがった!

 

正直甘く見ていただろう。

 

独立軍は所詮どの国にも所属しないただの技術集団だと

 

それがあれほどの戦闘能力があるとは思わぬデータも拾えたが、それ以前に損害の方が大きい。

 

男性は自国の被害を顧みず、自身の計画のために攻め込ませた深海棲艦のことを考えていた。

 

あと少し、あと2時間ほどあれば日本を浄化できるはずだったのに独立軍が全てを白紙に戻した。

 

まさに計画も途絶し、新たな計画を立てなければならない、

 

待ってろよ…忌まわしい独立軍め…俺たちの浄化はこれからだからな…

 

と修復されていく軍港を見ながら吹くのだった。

 




せ、戦闘描写難しいです…もっとうまい表現方法とかないのでしょうか・・・


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