新人提督と駆逐レディの鎮守府運営録 (X君Vs.)
しおりを挟む

1話 出会い

はじめまして!X君Vsという者です!
今日から艦これの作品を書いていきます!が、たいしていい作品は書けないと思います…w
あまり過度な期待はせず、かるーい気持ちで読んでもらえるとちょうどいいと思います!


ここは日本。そのどこかにあるとある小さな鎮守府。

その小さな鎮守府の敷地に真新しい白い軍服を着た男が入ってきた。

 

「ふぅ…俺の服装、大丈夫だよな…?変なところないよな…」

彼は今日からこの小さな鎮守府に着任することになった新人提督である。

 

「よしっ、行くか!」

彼はそう言って自分の秘書艦の待つ執務室へと向かって行った。

 

 

 

 

─提督side─

 

俺は今、これから自分の仕事部屋となる執務室前に立っていた。

 

「一体どんな艦娘が俺の秘書艦なんだろうか…緊張するな…」

最初は駆逐艦あたりがいいなぁ…あんまり緊張しなくて済みそうだし…

 

そんなことを考えながら俺は木製の新しいドアを数回ノックする。

 

「失礼します」

緊張のあまり敬語になってしまった… 最初は提督の威厳溢れる挨拶にしようとしたのに…

 

なんてことを考えながらドアを開ける。

その部屋には、真新しい壁紙に小さな机。赤いカーテンのついた窓に、部屋の隅には俺の荷物の詰まった段ボールが数個。

そしてその中心には、きれいな藍色の髪の毛を肩甲骨の辺りまで伸ばし、黒い帽子をかぶりセーラー服を着こなした駆逐艦『暁』が立っていた。

 

「お待ちしておりました。こんにちは、司令官さん」

………ん?

あ、あれ?暁ってこんなしゃべり方だっけ…?

 

「私は駆逐艦 暁です。これからよろしくお願いしますね、司令官さん」

ニコッと可愛らしく笑う暁…ではなく、柔らかな微笑みを向ける暁だった。…え゛!?

えぇ!? 待って!待ってくれ! この子本当に暁なの!?一人前のレディうんぬんはどうした!?

待て待て、落ち着け、冷静になれ俺。be cool俺。

 

一回目を閉じてもう一度目を開けばそこには可愛らしいドヤ顔を見せる暁が立っているはずっ!

 

そうして目を開くとそこには───柔らかな微笑みを向ける暁が立っていた。

────なんでやっ!?

と、とりあえず無視はまずい。

 

「あ、あぁ。俺が今日からここに着任することになった提督だ。俺はまだ新人の提督だから迷惑かけるかもしれないけどよろしく頼むな、暁…さん」

や、やばい。あまりのレディっぽさについさん付けで呼んでしまった…

 

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

俺がさん付けで呼んだからか、数秒ポカンとしてからクスクスと笑いながら返事をくれる暁。

……普段のちょっと背伸びしてる暁もいいけどこっちの暁もいい…。

 

「それでは提督、まずはこの鎮守府の施設を一通り回ってお昼ご飯を食べたら執務へと移ろうと思いますが大丈夫でしょうか?」

 

「そうか、了解。じゃあ、今手に持ってる荷物だけ置いたらさっそく行こうか」

 

「はい。わかりました、司令官さん」

 

こんな感じで俺と暁さんの鎮守府運営生活が幕を挙げた。




どうでしたでしょうか?
作者自身レディってこれでいいのか…?ってな感じに手探り状態ですが頑張っていきたいと思います!









失踪しないように気をつけないと……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話 レディの食事

はい、第2話です!
第一話244UAに、3名もの方にお気に入り登録をしていただき感想も1件いただきました!
みなさん本当にありがとうございます!
これからも失踪しないよう頑張っていきますので皆さんよろしくお願いします!

食べ物を美味しそうに食べる女の子っていいと思いませんか?


「さて、次はどこへいくんだ?」

赤い絨毯の敷かれた木の香りのする廊下を暁さんと並んで歩く。

俺たちはあのあと手荷物を置いてから、工廠・入渠施設・出撃ゲート・艦種ごとに分けられた艦娘の部屋などの鎮守府の施設を見て回っていた。

 

「次の施設は食堂ですよ。食堂で最後なのでそこでお昼ご飯にしましょう。そして食べ終わったらお仕事ですよ、司令官さん」

ふふふと上品に笑いながら答えてくれる暁さん。俺の中ではもう暁さんには『さん』を付けないと呼べないのである。

 

「食堂っていうと…間宮さんか?それとも伊良湖さん?いや、鳳翔さんの可能性も…?」

艦娘のなかにも戦闘ではなく、補給をメインとする艦娘もいるらしい。まぁ、鳳翔さんは違うのだが…。

 

「はい。この鎮守府には間宮さんがすでに来てくれていますよ。実は私、昨日からこの鎮守府に居まして、昨日もご馳走になったんですがとっても美味しかったですよ」

昨日食べた物の味を思い出したのか、暁さんの頬が緩む。

うわ、可愛い…

 

「…?司令官さん?私の顔になにかついてますか…?」

あっ、やべ!さすがに見すぎたか!

 

「いっ、いやゴメン!なんでも無いんだ!」

必死に誤魔化そうとする俺。

 

「そ、そうですか…?」

そんな俺を不思議そうにしながらも深く追求しないでくれた。

暁さんがレディで助かった…。

 

「あっ!ここですよ!」

目の前には木製の両開きの扉が設置してあり、扉の上のプレートには『食堂』と書かれていた。

 

「ここかぁ。よし、さっそく行こうか」

その両開きの扉を開けるとそこにはいろんな机や椅子がたくさん並んでいた。

4人掛けの大きな席や丸机と椅子、カウンター席もあった。さらに食堂をきれいに飾る観葉植物が何個かおいてあった。

 

「うわ、結構広いんだな…」

 

「そうですね。この鎮守府の食堂は広いですね。まぁ、私も他の鎮守府には行ったことがないので分かりませんが」

あははと苦笑いを浮かべる暁さん。

 

「あら、いらっしゃい暁ちゃん」

厨房のほうから優しそうな声が聞こえてくる。

 

「間宮さん!こんにちは!今日は司令官さんも一緒ですのでよろしくお願いします!」

厨房から間宮さんがあらわれる。

うわ、美人だな…

 

「こんにちは間宮さん。今日からこの鎮守府に着任する提督だ。2人分お願いできますか?」

 

「提督さん、こんにちは。お任せください。ご注文が決まりましたらベルを押してくださいね。妖精さんがそちらへ向かいますので」

水を二つ置いてそれではごゆっくり、とだけ言い残して厨房へと向かって行った。

 

「妖精さんが注文とりにくるのか…すごいな」

 

「そうですね、昨日は私も驚きました。あ、司令官さんこれメニューです」

そう言って縦長ののメニューを渡してくれる暁さん。

どうやらメニューは曜日ごとで違っているらしい。

ちなみに今日はカレー・うどん・オムライス・ラーメンである。

 

「じゃあ俺はカレーにしようかな。暁さんは決まった?」

 

「うーん…私はオムライスにします!」

 

決まったようなのでベルを押す。

するとエプロンのようなものを着た妖精さんがメニューを聞きに来た。

 

「カレーとオムライスをお願いするよ」

そう注文すると妖精さんは一生懸命になにかを書いてから敬礼をして帰っていった。

 

それから暁さんと話をしながら待っていると、妖精さんが一つのお盆に四人ついてカレーとオムライスを持ってきた。

 

そんな妖精さんにありがとうとお礼を言ってから料理を受け取る。

するとまた敬礼をしてから帰っていった。

 

「おぉ!うまそうだなぁ!」

目の前のカレーからは食欲をそそるいい匂いがしておりとてもおいしそうだ。

 

「あら、可愛らしい旗がたってます」

ふふふと上品に笑う暁さん。

やはりうちの暁さんは一味違うのかオムライスの上にたつ旗を見ても、子供っぽいー!などと怒ることはせずにやわらかい微笑みを浮かべている。

 

「いただきます」

そう言って暁さんはとても美味しそうにオムライスを口に運ぶ。

うん。食べ物を美味しそうに食べる女の子っていいよね。

 

そんなことを考えながら暁さんを見ていると、

「? 司令官さんもオムライス食べますか?」

俺が暁さんをじっと見ていたからか、俺がオムライスを食べたがっていると勘違いしたらしい暁さんが可愛らしく小首をかしげて訪ねてくる。

 

「あっ、いや、違うんだ!その、えっと…」

やばい!なんて言って誤魔化そう!?

美味しそうに食べる暁さんが可愛かったから、なんて言えねぇ!!

 

俺が必死に言い訳を考えていると、

「遠慮なさらなくてもいいんですよ。はいどうぞ」

クスクスと笑ってから暁さんが自分のスプーンにオムライスを乗っけてこちらに向けてくれていた。

 

なっ、なん…だと…!?

これは所謂『あーん』というやつでは!?いいのか!?いいんだよな!?

 

「じゃ、じゃあ…あむっ」

オムライスを口にいれるとふわふわの卵とケチャップの香りが広がりとても美味しかった。

 

「美味しいですか?」

柔らかく微笑みながら暁さんが訪ねてくる。

 

「あ、あぁすごくおいしかったよ。ありがとうな」

うん。美味しかった。いろいろと。

 

「それはよかったです。それじゃあ司令官さんのカレーを一口いただいてもいいですか?」

若干の上目遣いでお願いしてくる暁さん。

暁さん…それはずるいっすよ…

 

「あ、あぁ。わかった。…ほら」

俺もスプーンにカレーをすくって暁さんに差し出す。

 

「ありがとうございます!では…あーん」

暁さんがカレーを口に運ぶ。

 

「んん~! カレーも美味しいですね!」

そう言って頬を緩ませる暁さん。可愛い。

 

そんなやりとりをしながら俺たちは食事を終えた。

 

「間宮さん、ご馳走様でした、美味しかったですよ」

本当に美味しかった…。これからの食事が楽しみだ。

 

「あら、ありがとうございます。お仕事頑張ってくださいね」

 

「あぁ、ありがとう」

こんな美味しいごはんが食べられるなら仕事にもやる気が出るというもの。

 

「それじゃあ行こうか、暁さん」

 

「はい、司令官さん。」

 

そんなこんなで俺と暁さんの初日のお昼ご飯は終了したのだった。




おい提督、そこ変われ。
はい、いかがだったでしょうか!
2400文字も書いていた…
次回もお楽しみに~!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話 レディとお仕事

今日はちょっと早めの投稿ですっ!
461UAにお気に入り9件、感想も追加で1件いただきさらに評価もいただきました!
皆様本当にありがとうございます!
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!



恥じらうレディって……いいよね。


暁さんとの食事を終えたあと、俺たちは特に何事もなく執務室へと戻ってきた。

 

「それで暁さん、仕事って具体的にはどんなことをするんだ?」

基本的なことは習ってきてはいるが、一応聞いておく。そう、一応。

 

「基本的には書類の整理や処理ですね、あとは、この鎮守府に向けられた任務の受注や取り消し、あとは艦娘の建造や装備の開発の指示ですかね」

提督の仕事って結構多いんだなぁ…世の提督達も暇ではないという事か…。

 

「そっかそっか…で、まさかとは思うけど…あれ、全部やる…んですか?」

うん。もしそうだとしたらとっても多いね。提督死んじゃう。初日の初執務で死んじゃう。

あんな大量に…いつの間に来たんだこの量…。

 

「は、はい。そうです」

苦笑いを浮かべながら過酷な現実をたたきつける暁さん。

でっすよねぇ!あの量が冗談なんて都合のいい話あるわけないっすよねぇ!

なんだよあの量…。食堂では間宮さんにあんなこといったけど…。こんなんやる気削がれますわ…。

 

「大変かとは思いますが私も手伝いますので頑張って3時までには終わらせちゃいましょう?」

微笑む暁さん。うん。やる気出た。

はいそこ、チョロいとか言わない。

君たちも見ればわかる。あれには魔力がこもってるよ。世の提督達を前向きにする魔力が。

 

「よっし!やっちゃうか!手伝いたのむな暁さん」

 

「任せてください!司令官さん!」

こうして俺と暁さんの長きに渡る書類との戦いが始まったのであった。

 

 

 

 

「司令官さん、ここはこうではなくこっちと同じようにしてください」

………

 

「司令官さん、この書類印が押されてないですよ」

………………

 

「あっ、司令官さんここも───」

 

「あぁぁぁ!多い!多いよ!頭が!おかしくなりそうなんですけどっ!?」

ついに我慢の限界を迎えてしまった俺はつい叫んでしまう。暁さんが驚いたのかビクッとしていた。ゴメンよ。

なにもかもこの書類がいけないんだ。なんだこの量。全っ然減らん。

 

「し、司令官さん…落ち着いてください」

あはは…と苦笑いを浮かべながらお茶をくれる暁さん。ありがとう。落ち着きました。

 

「ふぅ、ありがとう暁さん」

こんなに優しくされると頭撫でたくなるね。うん。

 

「えっ…あのっ、司令官さん…恥ずかしいですよ…」

そう言ってもじもじする暁さん。

ん…?恥ずかしい?

 

「そんなに優しく頭を撫でられると…ちょっと恥ずかしい…です」

へ…?

 

「あっ、あぁぁっ、ゴメンっ!」

すぐさま手をどかす。

…気づかぬうちに頭撫でててるとかヤバいぞ…しっかりしろ、俺。落ち着け、落ち着くんだ俺。be cool、俺。

 

「あっ…」

俺が手をどけるとちょっと寂しそうな表情をする暁さん。うわ、なんだこれ、すごい罪悪感。

…もうちょっとだけだけなら大丈夫かな…?

そう考え、もう一度暁さんの頭に手を伸ばす。

 

「えへへ…」

頭を撫でると普段はしなさそうな笑い方をする暁さん。なんだこの可愛い生き物。

しかも結構な中毒性が…。

 

「あ、あの~」

 

「「っ!?」」

なっ、なんだ!?

パッと声の発した方を向くと、そこには気まずそうな表情をした大淀さんが書類片手に立っていた。

 

「お取込み中のところ大変申し訳ありませんが追加の書類です…」

 

「あっ、ありがとう!お、おおっ、大淀もお疲れ様!」

ついつい声が上ずってしまった。恥ずかしい。二重の意味で。

流石の暁さんも顔が真っ赤である。かわいい。

 

「い、いえ…で、では私はこれで失礼しますね」

そう言って引きつりまくった苦笑いを浮かべて去っていった。おそらく工廠の明石さんのところへ行ったのだろう。仲良さそうだったし。

大淀さんが去っていったこの執務室には何とも言えないが漂っていた。

 

「そっ、それじゃあ仕事再開しようかな!?」

 

「は、はい!そうですねっ!司令官さん!」

俺には恥ずかしさととの微妙な雰囲気を少しでも軽くするために大きな声をあげることしかできませんでした。情けない…。

 

 

 

 

「んー!終わったぁぁ!」

 

「お疲れ様でした、司令官さん」

あれからしばらくの間、あの恥ずかしさを忘れるために書類作業に没頭した俺と暁さん。

あの時よりもミスも少なかった為か、少し早めに終わった。

 

「もうすぐ3時ですね」

早めに終わったわけではなかったようです。

2時間近く掛かってたのか…。

 

「あの、司令官さん…もしよかったら間宮さんのところへ行きませんか?」

そう暁さんが声をかけてくれる。先ほどのこともあってか少しだけ恥ずかしそうにしている。

 

「そうだな。ちょうどいい時間だしご一緒させていただくよ」

ちょっと疲れたし、甘いものが食べたい。

 

「では行きましょうっ。司令官さんっ」

やっぱり女の子って甘いもの好きなんだな。

 

そんなことを考えながら俺は暁さんと執務室を出た。




恥じらう暁さんがかけて満足です。
今回は約1900文字ってところですね。前回より少なくて申し訳ありません!
それでは皆様、また次回にお会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話 レディと甘味

3話投稿してからUAとお気に入りしてくださる方が増えてきていてテンション高めなX君です。
どうか楽しんでいってください!




今回甘めです。二重の意味で。


食堂へと続く木組みの廊下を暁さんと並んで歩く。お昼時に二人で並んで歩いていた時は、会話が途切れることはなかったのだが、先ほどのことが響いているのか会話が素っ気なく、長いこと続かない。

 

「な、なぁ暁さん。」

と、声をかけただけで暁さんの肩がビクッと震え、

 

「な、なんでしょうか司令官さん」

といった具合に若干引きつった笑顔で答える。

これが結構心に来るんです。はい。辛いです。

 

流石にこのままでいるのは俺としても本意ではない。というかこのままじゃ嫌です。絶対に。

と、いうわけで!この話題なら暁さんのテンションも上がるであろう!という話題を思いつきました!これでダメなら俺にはもう思いつかない。そしてしばらくはこんな感じで過ごさなければならないから俺が死んでしまう。メンタル的に。

 

「やっぱり暁さんは甘味は好き?」

執務室を出るときはかなりテンション高めだった…はず!…どうだ?

 

話題を振ると、暁さんは暫くポカンとしてから…

 

「はいっ!好きですっ!」

と、言い放った。

きっ、きききき、きっきっきっ、来たー!!

暁さんのテンションが上がった!目がキラッキラしてる!

そんな暁さんも可愛いです!

よかった…これで微妙な雰囲気で過ごさなくて済むぞ!俺のメンタル面の健康も補償されるぞっ!

 

「やっぱり好きなんだ。女の子だもんな」

女の子って甘いものが好きっていうイメージあるよね。

 

「今日はどんなの食べるか決まってるの?」

二つ目の質問に続いた!いけるっ!これはいけるでっ!

 

「それが…実は二択で迷ってるんです…」

まぁ間宮さんのとこの甘味はどれも美味しいんだろうしなぁ。

 

「どの二つで悩んでるんだ?」

 

「あんみつにするか…ようかんにするかです…」

ふーむ、なるほどなるほど。どっちも美味しいよな。

どうしたものか…せっかく聞いたんだから解決の手伝いをしてあげたいよなぁ。

さてさて、どうしたものか…。あっ。

 

「俺が解決してあげるよ」

 

「ほ、本当ですか!?」

うわ、ビックリした…。そんなに本気で悩んでたのか…。

 

「まぁ任せてくれよ」

 

 

 

 

 

さぁ、そんなこんなでやってまいりました、間宮食堂。

 

「暁さん、どっちにするか決めた?」

まぁ、どっち選んでも変わらないんだけどね。

 

「………今日はあんみつにします!」

だいぶ考えた末にあんみつに決まった。

そうかそうか。なら…

 

「あんみつとようかんお願いできるか?」

そう妖精さんにお願いした。

妖精さんは急いで何かを書き、敬礼してから去っていった。

そう。これが俺の考えた解決法。

名付けて、『二択で悩んでるなら両方食べてしまえばいいじゃない』作戦。

え、なに?作戦名?パクリだろって?違います。オマージュです。リスペクトです。パクリじゃないです。

 

「いっ、いいんですか…?司令官さん…」

俺の注文で察したのか少し申し訳なさそうに聞いてくる暁さん。

 

「いいんだよ。俺がしたくてしたことなんだからさ」

 

「で、でも…」

あまり反応がよろしくない暁さん。

…レディすぎるのも考え物だなぁ。

そんなことを考えた俺は、

 

「じゃあこれは俺のお礼だ」

最終手段にでた。

 

「お、お礼…ですか?」

 

「そう、お礼。今日はたくさん世話になったしなぁ」

特に執務で。暁さんがいなきゃ絶対まだ終わってないだろうし。

それに暁さんがいなきゃ不十分のまま提出した課題とかもあっただろうし。

 

「そっ!そんな!いいんですよそんなこと!私は当然のことをしたまでですから!」

 

「それでもさ、ありがとう。暁さん。」

やっぱり感謝は大切だよね。うん。

 

「わかりました…そういうことなら…」

やっとわかってくれた時タイミングよく妖精さんが持ってきてくれた。

お昼ご飯の時と同じようにお礼を言ってから受けとる。すると妖精さんもお昼の時と同じように敬礼して去っていった。

 

「さ、食べよう。暁さん」

せっかくの出来立てなのだ。時間をおいてしまうのはもったいない。

 

「は、はい」

暁さんはおずおずとあんみつを口に運ぶ。

あんみつが口に入った途端ふにゃーっと顔が緩んだのはもはやお約束。幸せそうでなによりだ。

 

「じゃ、俺も一口…」

俺もようかんを半分に切って口に運ぶ。

なんだこれっ!?うまっ!暁さんがあんなに悩むのも納得だ。

じゃ、この美味しさを暁さんにも味わっていただこう。

 

机に備え付けられた小皿を1枚とり、ようかんを一切れ乗せる。

 

「暁さん、はいこれ」

 

「あっ…ありがとうございます…!」

うんうん。うれしそうな暁さん見れて俺もうれしいよ。

はいそこ、ちょっと気持ち悪いとか思わない。俺も若干思ったから。

 

楊枝を使ってようかんを口に入れた暁さんは頬を緩ませる。幸せそうですね。可愛いです。

 

「はぁ~…しぁわせぇです…」

うっわ、なんだこの可愛い生き物。

 

しかし突然ハッとする暁さん。さらにそのあと少し考えたと思ったらあたりを見回してあたふたし始めた。

 

「えっと、暁さん?どうかした?」

 

「いっ、いえっ!なんでもないです!大丈夫です!暁は大丈夫です!」

暁さん。それはあかん。金剛型の3番艦に怒られるぞ。

お、なんか決めたっぽいぞ。

 

「しっ、司令官さん!」

と、突然大声を上げる暁さん。

 

「はっ、はい!」

いきなりのことにつられて大きな声をあげる俺。

 

「もっ、もしよろしかったらわ、わたっ、私のあんみつ食べませんか!?」

と、言い放った。

 

「…ん?」

とりあえず整理しよう。

え?暁さんそれで悩んでたの?そんなの気にしなくていいのに…。

まぁ、ありがたくもらっておこうかな。

 

「ありがとう。もらうよ」

さて、スプーンスプーンっと。

あ、あれ?ない。スプーンないぞ!?

 

チラッと暁さんを見ると俺から視線をそらして赤面しながらもじもじしている。

うわ、かわいい。

 

「あっ、あー、えっと…」

ヤバい、どうしよう…。取り消したほうがいいのか…?いや、でも取り消すのは暁さんに失礼な気もするし…。

 

なんて考えていると、暁さんが耳まで真っ赤にしてあんみつの乗ったスプーンをこちらに向けている。

 

ここまでされて取り消しなんていえるかっ!

意を決してあんみつを食べる。

…緊張で味がわかんない…。

なぜだ…お昼ご飯の時も同じようなことしたはずなのに…。

やっぱりさっきのことが原因なのか…。

 

「お、おいしいよ。ありがとう。暁さん。」

こんなことしか言えないくらいには頭が働いていなった。

 

「い、いえ。お粗末様…です」

うん、暁さん。それはちょっと違うかな。

暁さんも相当緊張しているらしく、アホの子みたいになってる。

 

こんなやりとりを間宮さんに微笑ましいものを見るような目で見られていたことも知らずに俺たちは食堂を出た。

 

この事実を夕飯の時に知ることになるのだが、それはまた別のお話。




なんだこいつら。付き合いたてのカップルかよ氏ね。

はい。今回は2600文字も書いてました。タイピング疲れた…。
こんな感じですがこれからもどうかよろしくお願いします!
あ、あと今回急いで書いたので誤字がひどいかもしれませんので何かあれば報告下さい。
それではまた次回お会いしましょう!






以下おふざけ。

提「暁さん、お菓子好きかい?」
暁「うん、大好きさ!」

はい。やりたかっただけです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話 レディと就寝

今日ちょっとグダグダしてたら投稿遅れてしまいました!すいません!
皆様たくさんのUA、お気に入り登録本当にありがとうございます!感想なんかも少しづつですがいただいて嬉しい限りです!これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!


暁と一緒に寝たいだけの人生だった( ˘ω˘ )


夕飯を食べ終え、執務室へと戻ってきた俺。え?暁さん?あとは寝るだけだから流石にこの部屋にはいないよ。一緒に寝るなんて俺の精神が擦り切れちゃうからね。

え?ロリコン?ちょっと何言ってるかわかんないです。あの暁さんを好きになったとしてもロリコンだなんて言われない気がする。なんでかって?そりゃああの暁さんがレディだからだよ。

 

「さてさて、さっさと寝るかねぇ。明日も仕事があるし」

暁さんが一人で寝るっていうのはすこし可哀そうに思うけど、多分間宮さんや明石さん、大淀さんと一緒にねてると思うよ。うん。…明日は建造をしよう。駆逐艦の。

 

─────コンコン。

 

ん?誰だろう。

大淀さんかな?明日の仕事のこととか。

そうしてドアを開けてみると、そこに立っていたのは───

 

「こ、こんばんわ。司令官さん」

───パジャマ姿で枕を抱えた暁さんだった。

 

「…はぇ?」

ふ、ふぅ。俺も情けないものだぜ。たった一日の執務で幻覚が見えるレヴェルで疲れてしまうとは…。

深呼吸をしてからもう一度よく見てごらんなさい。そこには俺の態度を不思議に思っているであろう大淀さんが立っていらっしゃるでしょう。一連の動作を完璧にこなしてからめを開く。

が、しかしそこに立っていたのは暁さんだった。

 

な ん で や 。

 

ま、待て。落ち着け俺。これは幻覚だ。なにも焦ることはないじゃないか。

 

「あ、あの…司令官さん?」

一流の提督になるにはいかなる状況にも動じてはならない、と、勝手に思っている俺は───

 

「こ、こんな時間にどうしたんだ?暁さん」

───取り合えず幻覚と会話してみることにした。

 

「あ、あの…その…」

赤面してもじもじし始めた。でもこの格好だ。つまり要件は…

 

「…私と一緒に寝てくれませんか…?」

ですよねー。そんな気はしてたよ。

 

「お、俺じゃなくても…ほ、ほら!間宮さんとか!」

いくら俺がロリコンじゃないとしても流石に一緒に寝るのはマズい。世間体的に。

 

「間宮さんや大淀さん、明石さんはお仕事でお疲れかと思って…なんとなく申し訳なくなって…」

うん。確かに。わかる。俺なんかより長い時間仕事してるもんね。

あ、やべ、納得しちゃった。

 

「い、いや…でも…」

ほら、納得しちゃったから反論できなくなっちゃったじゃん。追い詰められちゃったじゃん。

 

「ダメ…ですか…?」

…ふっ

 

 

 

 

 

はい。結局負けました。あの表情に勝つのなんて無理や…。

あの表情をした暁さんに勝てる男なんてこの世には存在しない気がする。うん。いないよ。

 

今俺たちは背中合わせで同じ布団に入っている。やばい、これめっちゃ緊張する。

一人用の布団だからどう頑張っても背中がくっついてしまう。…やべぇ・・・やべぇよ・・・俺の理性大丈夫かな…。

 

「あの、司令官さん」

 

「な、なに?」

突然声を出した暁さんに少し驚きながらも返事を返す。

 

「今日は、本当にありがとうございました」

 

「どうした?突然そんなこと」

 

「い、いえ…今日は本当に楽しかったので…」

少し恥ずかしそうに答える暁さん。

なんだ、そんなことか。

 

「俺のほうこそありがとう、暁さん。出会って初日だけど、君が秘書艦で本当に良かった」

…あれ?なんか俺すげえ恥ずかしいこと言ってない?

 

「私も…司令官さんが貴方でよかったです。怖い人だったらどうしようってちょっぴり不安だったんです」

そう答える暁さん。やばい、超嬉しい。ていうか、暁さんの『貴方』呼びの破壊力ヤバいぞ…。

 

「まぁ最近は提督にもわっるいやつとかもいるっていうもんな。でも大丈夫。俺は絶対にスーパーホワイトでみんなが楽しそうにしている鎮守府を作るよ。…手伝ってくれるか?」

うわ、なんかプロポーズみたいだな…いや!違うよ!?ホントだぞ!?

 

「…はい。暁が司令官さんの鎮守府運営を手伝います…!」

 

「そうか…ありがとう。」

安心した。これで断られてたら結構メンタルにキてたわ…。

 

「明日からも、頑張っていきましょうね。司令官さん」

 

「あぁ。おやすみ、暁さん」

こうして俺たちの鎮守府運営、その1日目が終了した。




お い 司 令 官 そ こ 変 わ れ !

はい。
終わり方それっぽかったけど最終回じゃないよ?まだまだ続きますよ(笑)
今回は1600文字と前回よりも少なめですが結構いい雰囲気にかけたのではと、思います。…かけてるよね…?

ちなみに今回の話ですが、下書きより大幅に変更しました。
元の予定では今回の話はR15くらいの話になる予定でした。流石にはっちゃけすぎな気がしたので健全な方に修正しました。
もし希望があれば番外編的な感じで投稿しようかな、なんて思ってますので見たいよーっていう物好きな方がいれば感想などで言ってもらえればと思います。

長くなりましたが今回はここまでです!
また次回にお会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話 レディと建造と不機嫌と。前編。

皆さん、おはようございます。昨日は投稿できなくてすみませんでした!爆睡してました!おかげで今(執筆開始時:10:48分)まで眠ってました。ちくせう。
皆さんのおかげでUAが1000を超え、お気に入りが20を超えました!本当にありがとうございます!これからは昨日のようなことは少なくしていこうと思います!これからもよろしくお願いします!





不機嫌なレディもいいですね。


「突然ですが暁さん」

暁さんと一緒に寝た次の日の朝。2人で朝食を食べてから、俺は唐突に話題を切り出した。

 

「?どうしました?司令官さん」

暁さんは不思議そうに小首をかしげる。

 

「今日は…建造をしようと思うんだ!」

そう。これは昨日の夜から決めていたことだ。

 

暁さんが夜、寂しい思いをしながら1人で眠るなんてことがないように、俺と一緒に眠るとかいう幸s…ん゛ん゛っ!世間体的にアウトな行為がなくなるようにね!え?なに?寂しいかって?えぇ!そうですよ!若干寂しいですよ!悪いか!?

 

建造する艦娘は同じ暁型駆逐艦の子がいいけど、暁さんが仲良くなれる駆逐艦ならだれでもいいや!え?なんで駆逐艦限定なのかって?そりゃ、あれだよ。資材の問題ですよ。

 

「は、はぁ…建造、ですか」

あれ、反応があんまり良くない?なんだ?俺、なんかやらかした?

 

「あの…資材は大丈夫なんですか?」

あぁ、そーゆー事か。暁さんらしいね。

 

「大丈夫だよ。と、いってもあんまり沢山は出来ないかな。やれて1回か2回ってとこかな」

まだこの鎮守府は運営し始めたばっかりだから。

 

あんまり無理すると「初めての建造でテンション上がっちゃってやりすぎちゃって、資材無くなったのでこの鎮守府もう運営できません。」なんて事になり得ないからな。流石にそれはやばいです。提督のメンタル的に。

 

「じゃあ1回にしておきましょう。無理は禁物です」

はい。その通りですね。気を付けます。やはりうちの暁さんは大人なレディだ。すばらしいね。

 

「さぁ、行こう!俺たちの鎮守府の新しい仲間を見に行こう!」

なんか暁さんが他の艦娘と笑顔で話してるところを想像するとテンション上がるよね。

え?なに?変態?違います。父親が娘とその友達を見て微笑ましく思うのと一緒です。だから変態じゃないです。

 

 

 

 

 

さて、場所は変わって工廠。

少し薄暗い工廠。時々カーンカーンと甲高い音が鳴り響く。なんかその音を聞くとちょっぴりゾワゾワするんだよね。嫌な感じ。

まぁそんなことはいいんだ。明石さんは何処だ?

 

「あれ、提督さんに暁ちゃんじゃない。どうしたの?こんなところに。建造?それとも開発?」

後ろの方から明石さんの声が聞こえる。

 

「あぁ、明石さん。そこにいたのk───」

そうして後ろを振り返ると、そこに立っていたのは溶接用のフェイスマスクをかぶった謎の人物、もとい明石さんだった。結構迫力あるな、割と怖め。

俺は明石さんってわかるんだが…暁さんは…

 

「ひゃぁぁぁぁ!?」

ですよねぇ。駆逐艦だもんね。女の子だもんね。いくらレディといってもそりゃ怖いよな。かわいいです。怖がるレディもかわいいよね。え?なに?鬼畜?そんな事ないよ。俺は優しいよ。善良だよ。

 

「わっ、わっ、わっ、ふっ、不審者ですっ!司令官さん!早く!早くっ!」

とっても怖がる暁さん。俺の後ろに隠れて出てこない。いや、早くっ!って言われてもどうすればいいのさ。しかもこの人不審者じゃないよ。明石さんだよ。

 

「ちょっ、待って暁ちゃん!私よ、私!明石よ!ていうか提督!面白がってないで提督からも暁ちゃんに言ってくださいよ!」

慌ててフェイスマスクを取って素顔を見せる明石さん。

はっはっは。いや、いわない方が面白そうなんて思ってなかったですよホントだよ。

 

「ぇ?…明石さん…?」

恐る恐ると言った様子で俺の後ろから顔を覗かせる暁さん。そして本物だと確認してから俺の後ろから姿を現す。

 

「よかった…本当に不審者かと…」

心の底から安心したような声を出す暁さん。いやー、本気で怖がってたもんなぁ。かわいかった。

 

「そんな事より司令官さん?」

おっと、なんだろう。ちょぉっとばっかり声色が冷たいぞー?

 

「な、なに?どうしたの?暁さん」

冷や汗がダラダラ溢れてくる。

 

「さっき明石さんが『面白がってないで』なーんて言っていた気がするんですが私の聞き間違えでしょうか?」

あれれー?おっかしいぞー?これでもかってほどにこやかな顔してるのに体の震えが止まらないぞー?

 

「え、いや、そんな事思ってないですよ。ホントデスヨ。」

 

「その割には随分と楽しそうに笑っていましたけど?」

 

「えっ!?嘘ぉ!?」

顔には出していなかったはず…なぜバレた…?…ハッ!まさかっ!

 

「あれ、何を焦っているんですか司令官さん。私、ちょっとした冗談を言っただけなんですが」

しっ、しまったぁぁぁ!やらかした!

 

「バカですねぇ、提督。第一、暁ちゃんは後ろに居たんだから提督の顔なんて見えていなかったでしょうに…」

うん、明石さん。わかってる。自分でもわかってるから。それ以上言わないでくれ。提督、恥ずかしさで死んじゃう。

 

「え?あ、いやー、その、ですね?」

ヤバい、どうしよう…

俺が割と真剣に悩んでいると…

 

「司令官さんなんて嫌いですっ!」

そう、暁さんが言い放った。

 

「えっ、ちょっ!暁ちゃん!?それは流石に効きすぎちゃうよ!?」

 

「…ふっ」

俺の意識はブラックアウトしていった。

 

 

 

 

 

「はっ!?」

目を覚ますとそこは自室の布団だった。

なんだ…夢かぁ…。よかったぁ。流石にアレが本当だったら俺のメンタルボロッボロだからなぁ…。でもなんか流石に効きすぎたなぁ。夢だったからかなぁ?まぁ、いいや。取り敢えず布団から出よう。

 

そうして布団から出てから自分の恰好に気づく。

 

「あ、あれ…?軍服…?」

そう。今自分が纏っているのは真っ白な軍服なのだ。

 

「は、ははは…全く、軍服のまま寝ちゃうなんて俺はなんてドジなんだ。提督ドジ過ぎぃー!」

想像したくもない事実が頭をチラつき冷や汗ダラッダラの顔面蒼白。動揺しすぎて我ながら気持ち悪いこと言ってる。

 

「と、とりあえず執務室に行こう。そうすればわかるはずだ。アレが夢だったと。」

そうだよ。自室のドアを開けて執務室に行けばそこには、お茶を入れながら優しく微笑んで「おはようございます、お寝坊さん。ふふふ」とか言ってくれる暁さんが立っているはず!え?なに?妄想がキモイ?うっさいわ!それくらい現実逃避しなきゃ正気が保てないんだよ!

 

そんな淡い期待を込めながら開けたその先の光景は──────

 

「おはようございます。提督」

そう言って苦笑いを浮かべる明石さんとムッスーとして腕組をしているとてもかわいらs…不機嫌そうな暁さんだった。

 

「お、おはよう。暁さん、明石さん」

一応暁さんにもそれとなく挨拶をしておく。が、

 

「…ふんっ!」

やはり返事はなかった。

ヤバい、かなり精神的にくる。倒れそう。

 

「あ、あはは…」

あまりの険悪ムードに明石さんも乾いた笑いしか出てこない。

事態の深刻さに焦りに焦った俺は────

 

「大変申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!」

─────全力で謝ることにした。え?体制?もちろんJapanese DO☆GE☆ZAですよ?

 

「…ほんとに悪かったって思ってます?」

ジトッとこちらを睨む暁さん。かわいい。おっと、言ってる場合じゃなかった。

 

「はい!心より反省しております!」

凄い。俺、人生でこんなに心を込めて謝ったのは初めてかもしれない。そんなレベル。

 

「当たり前です。反省してください。猛省してください。」

 

「ほんとに申し訳ありませんでしたぁぁぁ!」

もうね。それしか言えないね。うん。

 

「…はぁ。今回だけですよ?次回はありませんからね?」

許してくださったようだ。救われた。俺、神様信じる!え?ガ〇ード?ちょっと何言ってるかわかんないです。

 

「ありがとうございます!」

やったぁ!よかったよぉぉ!

暁さんの手を握ってブンブン振ってしまうくらいにはテンション上がっている。

 

「え、えーっと、お二人とも?」

明石さんが若干引き気味に声をかけてくる。

ひかないでください。仕方ないんです。嬉しかったんです、ごめんなさい。

 

「な、なに?明石さん」

 

「いや、お二人はどうして工廠にきたのかなぁ、と」

工廠…?と、俺と暁さんは首をかしげる。

あ゛っ!

理由を思い出し、暁さんの方を見ると暁さんも思い出したのかあっ!という顔をしている。

 

「忘れてた!急ごう!暁さん!明石さん!」

 

「はい!司令官さん!」

そういって駆け出す俺と暁さん。

明石さんは現状を理科できていないまま執務室に放置されている。許せ。

 

「…あっ!待ってくださいよぉ!お二人ともぉぉ!」

後ろで何か叫んでる気がするが止まらない、というよりかは止まれない。

俺は急がなければならないのだ。暁さんの為にも、これからの鎮守府の為にも。




はいっ!前編終了です!今回、この小説初の前後編へと分けた話ですが、理由としてはその文字数。今回前編だけでまさかの3372文字!自分でもまさかこんなに書く日が来るとは思いませんでした(笑)
後編は多分これよりは少ないとは思いますが合わせると5000文字くらいにはなると思いますので分けさせていただきました。後編もよろしくおねがいします!
ちなみに今回、執筆するだけで気力が尽きたのでプレビューでの確認をしてないので、誤字などありましたら報告よろしくお願いします!
それでは次回もよろしくお願いします!





暁さんに「お寝坊さん。ふふふ。」とか言われたいだけの人生だった( ˘ω˘ )


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話 レディと建造と不機嫌と。後編。

はい。また投稿期間を開けてしまいました。皆様本当に申し訳ありませんでした。
後編投稿です!
それとお知らせです。
これから新学期が始まったり、それに合わせた課題の消化やテスト勉強が俺を待っています(白目)。
それによりこの作品は不定期の投稿になってしまいます。本当に申し訳ありません。ですがしっかり完結まで持っていこうと思いますので応援よろしくお願いします!





やっぱりうれしそうなレディって、いいよね。


アレからしばらく走って、俺と暁さんは只今工廠前でございます。

本当なら今すぐにでも扉を開けて中に入り、建造を開始したいところだ。が、出来ない。

なぜかって?それはですね。…………扉がひらきませぇん!!!きっと明石さんがカギをかけていったんだね。しっかり者だね。

 

「どうします?司令官さん」

どうするかと聞かれてもなぁ…。

 

「明石さんを待つしかない…かな。こじ開けるわけにはいかないしね。」

まぁこじ開けろって言われても無理なんですけどね。筋力的に。あ、一応言っておくけど俺はもやしじゃないです。平均的にはあります。

 

「そうですよね…。」

 

「ちょと焦りすぎたかな。ははは。」

乾いた笑いしか出ません。暁さんも苦笑いです。ははは。

 

なんて悲しみに包まれていたら、後ろからぜぇぜぇと息切れが聞こえてくる。

お、来たな。

 

「ちょっと…お二人とも…早すぎますって…」

 

「ご、ごめんな、明石さん。ちょっと焦りすぎた…。」

 

「まぁ…いいですけど。じゃあカギ開けますのでちょっとどいてもらっていいですか?」

そう言って明石さんはカギを開け、中に入るよう促してくれる。

 

「ありがとう」

俺と暁さんはそれぞれお礼を言って中に入る。

やっぱりちょっと不気味だな。薄暗いし、機会にあふれてるし。

 

「それで、今回は建造ですか?開発ですか?」

さっそく明石さんが本題を切り出してくる。

 

「あぁ、そうだった。今回は建造をお願いしたいんだ。」

 

「まぁ、そんな気はしてましたよ。それでは、艦種をどうするか選んでください。」

 

「あぁ、駆逐艦を一隻頼む」

そうお願いすると明石さんは暫くなにかを考えてからニヤニヤと俺を見てくる。

 

「ははぁ~ん。そういうことですか~。」

 

「な、なんだよ…?」

まさか…目的と艦種を言っただけで俺の建造に踏み切った理由を見切ったというのか…!?

 

「いーえー。別になんでもありませんよぉ~。」

嘘つけ。なんでも無いのにそんなニヤニヤするわけなかろう…。

 

「………?」

暁さんは何のことだかわかっていないようだ。まぁ、そうでしょうね。ていうか暁さんにまでバレたら恥ずかしさで倒れます。マジで。

 

「そ、それよりさ!聞きたいことがあるんだよ!」

話を逸らすべく大き目な声で明石さんに話を振る。

 

「なんですか?」

若干ニヤつきながら答える明石さん。腹立つ…!

 

「建造ってどんな感じにやるんだ?俺見たことないからわかんないんだよ。」

実際メッチャ気になってる。昨日もそれが気になって寝る前に10分くらい寝れなかったくらいだ。うん。10分くらい。

 

「あ、それ私も気になります!」

暁さんも興味津々である。目がキラッキラしてる。かわいい。

 

「あぁ、そのことですか。うーん…。なら、見ていきます?」

 

「え、でも…いいのか?」

大丈夫なんだろうが、一応聞いておく。確認は大事だよね。うん。

 

「ダメなら最初から言ったりしませんよ」

笑いながらそう言ってくる明石さん。まぁ、そうですよね。

 

「どうする?暁さん。」

暁さんに確認をとる。暁さんが見ないなら俺もやめておこうと考えてる。いくらしっかりしてるレディだと言っても艤装を付けてなければ、少し昔の艦艇に詳しいだけのただの女の子。一人にするのはちょっとばかり不安だからね。

まぁ答えは決まってるようなもんだよね。だって目がキラッキラだもん。輝いてるもん。

 

「見たいです!」

ですよね。知ってました。

 

「じゃあ、よろしくお願いするよ。明石さん」

 

「わかりました!では始めます!」

そう言ってでっかい窯のようなものにぽいぽいぽーいと資材を投げ入れていく明石さん。…適当に入れてるようにしか見えなかったが…。いやっ!それは俺が素人だからだ!

そう勝手に貶して勝手にフォローをする俺。

 

「あぁ、資材は適当に投げ入れてますよ?」

ちくしょう!台無しにしやがった!っていうかサラッと心を読むんじゃないよ。

 

「あ、そうなんですか。へー。」

うん。暁さんはかわいいなぁ。なんて軽い現実逃避をしていたら窯のようなものの上についたタイマーのところに『00:20:00』と、表示された。なんだ…?20分?

 

「これが建造にかかる時間ですよ」

 

「へぇ、これが。」

 

お茶を飲んだり雑談したりして20分後。

 

「お、出来ましたよ!」

そう言って窯のようなものの隣のベルトコンベアーのようなものから黒いものが出てきた。…これは、艤装?

 

「おぉ!これは暁ちゃんの姉妹の艦娘ですよ!」

 

「やったな!暁さん!」

まさか一発で暁さんの姉妹を引けるとは!持ってる!提督持ってる!

 

「はいっ!」

暁さんも姉妹に会えるのがうれしいのか今にも飛び跳ねそうである。

しかし…

 

「あの…艦娘は…?」

そう。その艦娘が現れないのである。なぜ?

 

「あぁ。それならもうすぐですよ」

???どゆこと?

そんな感じに疑問を抱いていると鎮守府の入り口の門についているベルが鳴る。

………まさか、、、ねぇ?まさかそんなはず…

 

「あっ!来ましたよ、提督」

…提督もう驚きません。はい。

 

そうして門まで行くと。

そこにはきれいな茶色の髪を肩口まで伸ばして、暁さんと同じ制服を着た活発そうな少女が立っていた。

 

「あなたが司令官ね!『雷』よ!雷じゃないわ!そこのとこもよろしく頼むわねっ!」

なんだろ、この声を聞いているとすっごく雷に甘えたくなってくる…。

 

「あぁ、こちらこそよろしく。雷。暁さんとも仲良くしてやってくれ。じゃあ暁さん、あとは頼んだよ」

あとは姉妹水入らずの時間を楽しんでくれ!

 

「はいっ!ありがとうございます!司令官さん!」

 

こんな感じで俺と暁さんの初めての建造が終わったのだった。

 




はい。後編終了です!
ついに『ダメ提督製造機』こと、雷ちゃんの登場です!なぜ雷ちゃんかって?作者の趣味です('ω')

この話を書いてるときに間違えてブラウザを閉じてしまった時は絶望しました。自動保存機能、マジで感謝です。神です。
それではまた次回にお会いしましょう!







暁さんと雷ちゃんに挟まれて眠りたいだけの人生だった( ˘ω˘ )


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話 執務室の戦争。

投稿間隔メッチャ開きましたね…。すみません。すべてはFgoとガルパとマキONが悪いんや…。もうレオスⅡの降りテクに甘えません。自重します。相方さんホントすいません。
Fgoは茶々宝具lvMaxまでして各陣営とも最後までポイント貯めました。
ガルパは協力ライブが楽しすぎます。あ、運営さん。日菜ちゃんの☆4まだですか?

あ、この作品今回から時間飛びます。
久しぶりの更新の第8話、楽しんでいってください!


駆逐艦『雷』を建造してから、何か月かの時間がたった。

最初は数人だけの寂しかった我が鎮守府も今では沢山の仲間で賑わい、あの時よりも楽しく生活している。まぁ、少し騒がしすぎる気もするが…。まぁそれはいいんだ。うん。鎮守府が賑やかなのは俺からしてもうれしいからな。仲良しが一番だ。たださ……

 

執務室をぐるりと見まわす。

 

「テートクー!ティータイムの時間ネー!」

と、金剛が。お前いつの間にそれ用意したんだ…。

 

「提督、お昼ご飯は私が用意しようと思うのですがなにがいいですか?」

と、大和が。いや俺、暁さんと間宮さんのとこ行こうと思ってたんですケド?え?拒否権無し?うっそだろ…?

 

「提督、お昼の前にトレーニングに行きませんか?ご飯がもっと美味しくなりますよ」

と、大鳳が。いや、俺仕事中…。

 

「そろそろお昼です!提督、お弁当広げましょう 卵焼き、たべりゅ?」

と、瑞鳳。いやだから俺間宮さんのとこに行くんだって。ていうか大和さんちょっと落ち着いてください。瑞鳳も大和の方見んな…。

 

「チーッス!提督、鈴谷とお昼いこー!」

と、鈴谷。いやだから(ry

 

「………」

そしてこの無言の圧力をぶつけてくるのが暁さん。待ってくれ。この惨状は俺悪くないでしょ!?

 

と、まぁこんな感じで賑やかなのは艦娘寮や中庭、食堂だけでなく執務室まで含まれているのだ。ちなみに今回来ていない艦娘もいる。

ははは、提督ったらモテモテで困るぅ~。

 

なんて現実逃避していたら艦娘’sがズイッっとこちらに寄ってきた。そして全員が

 

「提督?私ですよね?」

 

みたいな笑顔を向けてくる。

えぇ…。どうするよ、これ。俺今までの人生でこんなこと無かったんだけど。むしろこんな展開のラノベ主人公を羨んでた気がするんだが…。

 

こんな時ラノベ主人公はどうしてたっけ…?

 

ダメだ。思い出すのは『俺はごく普通の高校生』とか『なんで俺ばっかり…』とか全く役に立たないようなことばっかりだ。くそったれ。

 

どうすれば……。と、仕事の時以上に頭をフル稼働させ打開策を考える。そうして一つの案を考え付いた。いや、実際はもっと思いついてるけどそれは逃げるとか屑みたいな案だから実行しない。

 

「みんな少し落ち着け」

俺が考え込んでいる間に艦娘同士での目線での会話になっていた。え?内容?考えたくないので考えません。提督まだ死にたくない。

 

「俺は今日、暁さんと間宮さんのとこに行くって約束してたんだ」

きっぱり言った。机で隠れてるけど足が震えております。みっともない?君たちもここに立てばわかるよ…この空間の恐ろしくピりピりした空気。ヤバいって。

 

俺が伝えると暁さんを除くみんながため息をついた。

 

「やっとハッキリ言いましたね提督」

と、大和さん。

 

「まぁちょっと遅かった気もしますが今回はよしとしましょうか」

いや、提督にも心の準備というものがですね。

 

「では提督、また次の機会に」

そう言い残して暁さんを除くみんなは帰っていった。

 

「たんと言ってくれてよかったです。司令官さん、私との約束忘れちゃったのかと思いました…」

唇を尖らせながら言う暁さん。かわいい。

 

「忘れないよ、なんてったって暁さんとの約束だからね」

 

すると暁さんは顔を赤くしてうつむく。そして暁さんのそのアクションを見てから俺も恥ずかしくなる。なんていうか、ここまでがテンプレだよね。

 

「い、行こうか?暁さん」

空気に耐えられなくなった俺はそう切り出す。

 

「はっ、はいっ!司令官さん」

こうして俺と暁さんは仲良く昼食をとったのだった。




はい。なんとか書き上げました…。やっぱあんまり間隔開けちゃうと筆者側としてもよくないですね…内容の劣化がひどい…。この話はそのうち再編集ですかね…。これからは適度に小説もしっかり描いていこうと思います。

作中の艦娘のセリフですが、時報を基として考えたり、この艦娘ならこう言いそうとか考えながら書きましたが、艦娘に合っていないセリフなどありましたら感想などでお知らせしてくれると助かります。

あっ、あとこの作品で暁さんと提督のこんなシチュエーションが見たい!みたいなリクエストありましたら是非感想欄にどうぞ~。こーゆー系の作品で募集してるの見てて自分もやりたくなったヤツです。
あ、この作品は暁さんと提督がメインのお話なので暁さん以外のリクエストは書かないかもしれませんのでご了承くださいな。

これからもこの作品をよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話 レディと提督と皐月病(?)

皆さん...ほんとにお待たせしました...。
Fgoとバンドリばかりやってました、すみません。
その代わりって訳では無いですが、FgoではメルトリリスとBB、バンドリではイベP報酬の日菜ちゃんに蘭ちゃんはしっかりと手に入れました!わーい!
はい。
今回は皐月病の話しです。はい。え?5月病?なんですかそれ。偽物ですか?( 'ω')


「ふぅ...」

今月は5月。そう、どこかの睦月型5番艦の季節。

時間は13時。本来ならばバリバリ仕事をこなしていかなければいけない時間なのだが、何故か元気が出ない。そんな事、みんなの中にも感じている人がいるのではないだろうか?

そう。皐月病である。え?違う?提督ちょっとみんなが何言ってるかわかんないです。

なんて言ってる提督も絶賛ダラけ中です。こう、机にベターっとしてます。はい。

 

「だるい...暁さん...ダルいよぉ...」

そう隣で作業している暁さんに声を掛ける。え?情けない?知ってます。正直自分でも思います。が、分かっていても止められないのです...。

 

「全く...司令官さんったら...ここ最近ずっとそんな感じじゃないですか...」

そう。なんと情けない事に、5月に入ってからずーっとこんな感じなのである。

 

「しっかり仕事しないと、夜までに終わりませんよ?」

ですよねぇ...。わかってはいるんですけどねぇ...。

 

「人をこんなにダラけさせられるなんて...やるな皐月...!」

なんて人のせいにするので限界です。それしか出来ません。よって仕事も暁さんに丸投げです。

 

「人のせいにしてないで司令官さんもしっかり仕事して下さいよ...」

無理だ...無理なんだ暁さん...!体に力が入らないんだぁ!

 

「体が重くて...ペンを持つ腕に力が入りません...助けて暁さん...」

はぁ...。情けない。

 

「司令官さん...しっかり仕事しないと私、もう手伝ってあげませんよ?」

なん…だと…

 

「それは困るよ暁さん...仕事終わらないよ...」

と、言いつつ尚も机に倒れ込んで動かない提督。俺、情けない...!

 

「もう...じゃあどうしたら司令官さんはやる気になってくれるんですか...?」

盛大にため息を吐きながら呆れたように聞いてくる暁さん。その表情に心をグサッとされながらも正直あ、この顔もいいかも知れない...なんて思ってる俺。え?変態?うっさいわ!これも全部暁さんが悪いの!うちの暁さんが可愛いからなの!

 

「んー...暁さんがなんかご褒美をくれたら真面目にやるかなー...なんて」

こんなこと言ったら流石にひかれるかなぁ...なんて思いながらも恐る恐る言っしまう俺。皐月病のせいで自分の欲望に勝てないんだー。

 

「ご褒美ですか......」

あれ?なんか考え込んでるぞ?こらは...?まさか...?

 

「あの、暁さん?正直冗談だったんだけど...」

 

「わかりました。」

へっ?

 

「今...なんて?」

まさか!聞き間違いだよ!暁さんが提督の欲望丸見えのご褒美なんて受ける訳...!

 

「わかりました! 司令官さんが頑張って仕事終わらせられたらご褒美をあげます!」

...キタ...!俺の時代キタ!

 

「よっしゃぁぁ!うぉぉぉぉお!」

聞いた瞬間、上半身を起こし、背筋を伸ばしてペンをしっかりと握り、書類という書類を書き上げていく。

提督のあまりの変わりように暁さんも若干ひいている。若干だから!ドン引きじゃないから!いいな!?勘違いすんなよ!?

 

HAHAHA!残念だったな皐月!じゃなかった、皐月病!我が鎮守府の暁さんに掛かれば皐月病なぞ敵では無いのだよ!出直してこいやぁぁぁ!

 

そしてそのスピードを2時間と40分くらい維持し続け、溜まりに溜まった書類という書類を全て完璧に仕上げ終えました。なんか暁さんにご褒美を貰えるならなんでも出来る気がする。それはもう、深海棲艦を素手で殴り倒す事すらも。

 

「はぁ...はぁ...ゼェ...ゲホッ...終わっ...終わったよ...暁さん...!」

もうね。疲れましたよ。一生分手首使ったね。腱鞘炎になるかもね。ハハッ。

 

「は、はい...お疲れ様でした...?」

うん。やっぱり引いてるね。若干!若干ね!

 

「そ、それで...はぁ...ご褒美...とは...?はぁ...」

うわ、変態みたい...とか思ったそこの貴方。貴方だよ貴方!えっ?俺?みたいな顔してんじゃないよ!アンタだよ!いいかい?これはご褒美がどんなのか期待してこうなってるんじゃないんだ。疲れたからはぁはぁしてるの。わかる?勘違いすん(ry

 

「あっ、そうでしたね。では行きましょうか」

そう言ってモジモジ手を差し出してくる暁さん。

こっ、これは...いったいどんなご褒美なんだ...!

暁さんと一緒に出掛けるとか!?それとも今日だけ一緒に寝るとか!?HAHAHA!頑張ったかいがあったというものですよ!

 

 

 

「えっと...ここは...?」

...すっっっごい見慣れた所な気がするんですけど...?

 

「?間宮さんの所ですよ?そんな事より、好きなものを頼んで下さいね。今日は私がお金を出しますから」

そう優しい微笑みを見せる暁さん。

うん。大変美しい。超レディ。

 

「あ、ありがとう...」

そう言っていつもの羊羹を頼む。

 

うん。...知ってましたよ?ダメージなんて微塵もありませんよ?寧ろ暁さんに羊羹貰えますから?嬉しい限りですとも...!

 

「そ、それじゃあ司令官さん...あ、あーん...」

暁さんは顔を赤くしながら羊羹を俺に向ける。

 

...!神よ...!いや、女神か?

そんな事はどうでもいいっ!

やっぱり仕事頑張って良かった!

 

「頂きますっ!」

 

 

その後、羊羹にかぶりつき、噎せに噎せた事は言わないでおこう。




はい。どうでしたでしょうか?え?皐月?出ましたね。たくさん出ました(白目)
皐月ファンの皆さん。申し訳ないです。
が、これは暁さんとイチャコラする話しなのであんまり他の艦娘は出ません。前回みたいなのはレアケースです。はい。そりゃもう、メタ〇キングレベルで。

こんな感じでこれからも頑張ってまいりますのでよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話 レディと梅雨。

皆さんこんにちはー。第10話更新のお時間です。X君です。
最近雨が多くなってきましたねぇ...。作者としては雨は好きなんですが外出する気にはならないです( 'ω')
雨に濡れたアスファルトのにおいって割りと好きなんですが誰にも共感してもらえない悲しみを毎年背負っております。はい。
あ、それと第8話 執務室の戦争なんですが、結局書き直さない事にしました!あのお話し、若干(かなり?)この作品に合わないようなお話しなんですが、あのお話しを書いたのもきっと運命!なんて思っておりますので書き直しはしません!決してめんどくさいとか代わりのお話しが思いつかないなんて訳じゃあありませぬゆえ。
前書きが長くなりましたが、第10話、レディと梅雨をお楽しみくださいませ!


あっ、時雨提督の皆さん。ごめんなさい。


6月半ばの執務室。今日も今日とて秘書官の暁さんと一緒に書類仕事に勤しんでおります。提督です。

 

6月と言えば?そう。あのジメジメしたいやーな時期、梅雨です。え、提督?うん。提督もあんまり梅雨は好きじゃないです。あのジメジメがどうにも...。

なんて言ってる今この瞬間にも外では雨が降っております。そろそろやんで頂きたい。

 

「ねぇねぇ暁さん。暁さんは梅雨好き?」

こんなジメジメした時期に黙々と仕事なんて出来るかっ!!と言うことでマイエンジェル。スーパーレディ暁さんに質問を振る。え?仕事を黙って出来ないのはいつも?やかましいわ。

 

「え?随分といきなりですね...そうですね、私は梅雨好きですよ」

 

「お、そうなんだ。どうして?」

いや、我ながらどうなんだ、どうして?って...。

 

「ど、どうして...ですか?えっと、1番は紫陽花ですね。綺麗ですし雨上がりの晴れた空と紫陽花についた水滴...なんて凄く綺麗じゃじゃないですか」

と、微笑みながら答えてくれる暁さん。

 

自分でもどうなんだと思う雑な振りにもしっかり答えてくれる暁さん、マジレディ。しかもその理由までもがレディ。これ以上にレディな女性なんていないでしょう。うん。

 

「うん。それは確かに綺麗だね。1番ってことは他にも2番目の理由とかあるの?」

やっぱり気になるよね。梅雨になると自分の欲望に素直になっちゃうよね。

え?なに?先月も同じ事言ってた?提督ちょっとみんなが何言ってるか分かんない。

 

「他には、ですか。私元から雨とか好きなんです。確かに暗い気分の時に見ると更に落ち込んだりとかもしますが、少しイライラしてる時とか、少し落ち着きたい時とかに見たりすると落ち着くじゃないですか。」

 

「雨が窓に当たったりする音とかも心地よくて眠くなったりして。雨はいろんなものをくれたりするので結構好きです」

あれ?この子時雨?キャラ被るだけじゃなくて、もう食い潰してる気がするよ...?

 

「そっか...今の話し聞いて、提督も少し雨が好きになれたきがするよ」

うん。割りと恥ずかし事言ってる気がする。

若干、顔が熱くなった気がして帽子を深く被る。

 

「あっ...、すみません、私長々と...」

俺の言った言葉と行動に少し恥ずかしくなったのか、顔を赤くして軽く俯きながら言う暁さん。可愛いです。

 

なんて、話しながらも仕事を終えた俺は席から立ち上がり、軽く伸びたりして固まった体を解していく。

 

すると後ろから差し込む日差しに気づいた。

 

「あっ!司令官さん!見てください、アレ!」

暁さんも気づいたのか席を立って窓の外を指さす。

 

暁さんに言われるがままに外を見ると、そこには雨上がりの晴れた空の日差しが、雨の滴に濡れた紫陽花を照らす、美しくて、少し儚い...そんな景色だった。




はい。どうでしたでしょうか?まずは時雨さん。並びに時雨提督の皆さん。大変申し訳ありませんでした。
でもっ!でもな!?作者は雨が好きな女の人がなんか好きなんですよ!ていうかレディは雨が好きという謎の先入観。
あ、それと落ち着いた人が見せる子供っぽい所も好きです。

今回は1100文字ちょっとという少ない文量でしたが、それなりに中身のあるものに出来たのでは?なんて勝手に思っております。はい。勝手に。

次回もまた見てくれると嬉しいです!
またよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話 レディと浴衣とお祭りと。前編。

はい…皆さんお久し振りです…。
生きてます…。
一応言い訳させて頂きますと、自分の通っている高校に、実習の授業が週1であるんですね。それが1日4時間なんです。で、バイトもした事がない軟弱な作者は耐えきれずにズルズルと気づいたら1ヶ月過ぎていました…(´>∀<`)ゝ
…ごめんなさい。
夏休み入ったのでこれからはしっかり投稿して行きます…!多分!
それでは11話、よろしくお願いします!

浴衣…いいですよねっ…!


執務をこなしながらこんにちは。提督です。

最近暑くて死にそうになりながらも、暁さんのおかげで仕事を続けています、提督です(大事な事なのでry)。

時刻は12時ちょい過ぎ頃。

 

今は7月。文月です。提督、現在文月病に掛かってます。え?そんなものない?

ありますよっ!何言ってんですか!えっ、分からない…?しょうが無いな…。わかりやすく言うと、それは…文月バテだっ!

ん…?無理やりすぎる…?その流れ飽きた…?

うっ、うるさいやいっ!

 

まぁ、それはさておき。皆さんは7月と聞いて何を思い浮かべるかね?海?それとも山?BBQなんかもいいね!

しかし否っ!否である!男なら夏に見たい女性の姿があるだろうっ!

えっ?水着?はぁ…これだから素人は…。確かに水着の女性も魅力的だ。がっ!夏!女性が最強に輝く姿は…!『浴衣姿』であるっ!(一個人の考えです)

 

浴衣はヤヴァイぞ…。それはもうヤヴァイ…!水着とは違い派手な露出は無いものの、また違った色気があってだなぁぁぁっ!!!

 

「あ、あの…司令官さん…?大丈夫…ですか?」

1人脳内問答に集中していた提督に若干引きながら暁さんが聞く。若干です。ドン引きではないです。

 

「す、すまない…すこし集中しすぎた…」

危ない…。危うく自我を失う所だった…。恐るべし…っ!浴衣…っ!

 

なんで急に浴衣姿の話になったかと言うと…。実は今日!鎮守府近くの港町にて夏祭りが開催されるのだぁぁぁ!

ふはは!楽しみ!実に楽しみ!提督、今なら仕事一瞬で終わらせられる気がするっ!…うん。気の所為。

 

「暁さんは今日の夏祭り、行くの?」

うん。アレだけ1人で盛り上がってたのにね。まだ聞いていないっていうね。

 

「えっ?夏祭り…ですか?そうですね…」

暁さんは今日なんだ…等と呟きながら考えている。

知らなかったのか暁さん…。言っておいて良かったぁ…。

 

「暁さんさえ良かったら一緒に行こうよ。他の艦娘も誘ってみんなでさ!」

このチャンスを逃す訳にはいかない…っ!迷っている今が畳み掛けるチャンスだっ!

 

「うーん、お仕事も今日のコレを終わらせちゃえば暫くは落ち着きますもんね…分かりました。行きましょうか、司令官さん」

やっ…、やっ…、やっ…、、、やったぁぁぁぁっ!

女神のような微笑みを向けながら了承してくれた暁さん。

 

「ありがとうっ!今日まで仕事頑張ってきて良かったぁ…!」

体をぷるぷると震わせながらガッツポーズをする提督。うん。正直自分でもそろそろ危ないと思っている。うん。

 

「それで他には誰をお誘いするんです?」

提督の全力のガッツポーズに苦笑いを浮かべながら暁さんが聞く。

 

「んー、暁さんに任せるよっ!正直提督が言うと鎮守府がぶっ壊れそう…」

想像しただけで恐ろしくなるよね…。うん。

 

「あ、あはは…」

その様子を想像したのか暁さんが引き攣りまくり、乾きまくった笑いを浮かべる。

 

「ま、ということで頼んだよ。暁さん。」

丸投げしてしまうのはどうかと思うが、ここは任せるしかない。ほんとに頼んだよ…暁さん…!

 

 

あの会話から約4時間が経過しました。あれからは特にいつもと変わらずに、お昼食べたり残りの執務を終わらせたりしました。無論暁さんと。

 

「さて、暁さん何人か誘えた?」

さてさて、何人くらい来るかによって提督の財布の中身が決まる訳だけども。更には何人の浴衣姿が見れるかが、かかっている訳だけどもっ!

ふふふ、3人くらいかな…。それとも4人くらい…?

 

「それが…誘った相手に片っ端から断られまして…。何故だか笑顔で…。」

…あるぇ〜?おかしいぞぉ?

暁さんの誘いが断られた…?いや、でも笑顔だったんだろ?友達じゃないとかそんな訳では無さそうだ。何故…?

ハッ…!待て!待て待て待て!be cool!be cool!俺!

これはっ!暁さんとっ!2人っきりでっ!お祭りなのではっ!ないのかっ!?やった!みんなありがとう!

 

えっ?何人もの浴衣姿の艦娘に会いたかったんじゃないのかって?いや、うん。そうだったんだけどもさ。あのスーパー淑女レディ暁さんと2人っきりだよ?勝てないよ…!その言葉の魔力には…!

 

「そっ、そそ、そっかぁ…残念だなぁ!」

誤魔化せていない。誤魔化せていないぞ、提督。誤魔化す事を考えてすらいないのか、提督。はい。考えてないです。

 

「そ、そうですね…?残念です…」

暁さんもそんな提督を不思議に思いながらも本当に残念そうにシュン…としている。かわいいです。はい。

 

「な、なぁ暁さん。そっ、その…さ2人だけど、祭り…行かないか?」

っしゃぁぁぁぁ!よく言った!よく言ったぞ俺!

 

「えっ…?司令官さんがそれでもよろしいなら…お願いします」

一瞬、驚いたような顔をしながらも、肯定の意思を伝えてくれた暁さん。マジ淑女。

 

「そっ、そっか!じゃあ早速行こうか!」

なーんか大事な事忘れてる気がするけど!そんな事よりっ!暁さんと一緒に祭りを楽しむぞー!

 

 

なんて意気込みながら鎮守府の門へと向かっていると、工廠の中の明石から声をかけられた。俺じゃなく暁さんに。

 

「あっ、暁ちゃん。漸く来たわね、待ってたのよ。さっ、こっち来て!あっ、提督は来ないでくださいね、てか来んな」

あっていきなり暁さんを拉致り、こんな冷たい言葉を浴びせてくる始末。提督悲しい…俺がなんかしましたか…?うっうっ…。

暁さんもえっ?えっ?と驚きながらも工廠の中へと連れ込まれていく。

 

約15分が経ちました。防音されている工廠の中からおー!とかキャー!とかいろいろ聞こえてきます。まさかとは思うけどうちの鎮守府の艦娘全員いたり…します?

あ、提督は今ボッチで待っています。悲しい。

 

そしてようやくその工廠の扉が開いたと思うと、そこには…

 

紺色ベースに朝顔の柄が綺麗に仕立てられた浴衣に身を包んだ暁さんが立っていた。

 

 

…はぇ?えっと…あれ?…うん。頭が混乱するよね。

な、何故暁さんが浴衣姿に…?しかもすっげえ似合ってるし…、マジレディ…。そして1番重要な事…それは…っ!

何故暁さんに浴衣を勧めるのを忘れていたか…だぁぁぁぁっ!なにやってんだ俺!しっかりしろぉぉぉ!

 

「あっ、あの…司令官さん…その…ど、どう…でしょうか…」

さて、身長の問題ではあるが、浴衣を着た暁さんに頬を赤らめながら、緊張からか、恥ずかしいのか若干瞳は涙に濡れている、という上目遣いで質問をされる俺。

 

うっ!ドクンッ!からの病院搬送までが見えたが何とか耐える。よく耐えた俺。ブラボーである。

聞かれた質問の答えなんて決まっている。寧ろこれ以外ありえない。

 

「うん。よく似合ってる…かわいいよ、暁さん。」

心の底から出た本心を暁さんに伝える。

 

「あっ、ありがとう…ございます…」

恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながら尻すぼみになっていく暁さんの感謝の言葉。

後ろからは他の艦娘からキャー!やらヒュー!やら聞こえてきているが、不思議と気にならない。

 

「それじゃあ、行こうか」

そう言いながら差し伸べた俺の手を、

 

「…はい!」

暁さんは綺麗な、いつもよりも少し子供っぽい笑顔でとった。




はい!前編終了です!終わり方が最終回っぽいですがまだ続きます(笑)
そして皆さん、本当にお久し振りです。

さて、この話、1番悩んだのが暁さんの浴衣です。最後まで悩みました。なので作者が1番見たいものを想像してみた結果ああなったのですが、作者はあまりそういったセンスがありませんので「えっ、暁にこの浴衣…?」と思う人も居るかも知れません。
ですので、作者は作者の。皆さんは、皆さんの思い浮かべる暁さんのベストな浴衣を想像しながらご覧になって頂けると幸いです。

因みに作者は水着よりも浴衣とか着物とかの和服が好きなのです。えっ?知ってた?…君たちのような勘のいい読者は好きだよ…!

ではそろそろこの辺で。また後編でお会いしましょうっ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話 レディと浴衣とお祭りと。後編。

後編ですっ!
割といいペースなのではっ!?
あ、前回のお話を投稿してからタグに「キャラ崩壊」を追加させて頂きました。明石さんが割と…(笑)
それでは、あんまり長々と話していてもアレですので後編どーぞ!


暁さんと2人、鎮守府の門を抜けて暫く歩くと何時もとは違う雰囲気の港町が目の前に広がる。

町の至る所に提灯が吊るされ、沢山の屋台が出て、いつもより沢山の人に溢れている。

 

「うわぁ!凄い人ですね!司令官さん!」

と、うちの暁さんも目をキラキラ輝かせております。可愛いです。はい。

 

「ホントに凄い人だな…。さ、暁さん何処か行ってみたい屋台とかある?」

提督、言ってしまうと女の子とこういう所2人で来たこと無いから…こういう時、どんな事言ったらいいか分からないの。

 

「うーん…そうですね、私、金魚すくいをやってみたいです!」

うーっわ、かわいいなおい。目が…目がキラっキラやで…。

 

「金魚すくいか…よしっ行こう!」

 

「はいっ!」

 

 

 

と、いう訳で金魚すくい前に来たんですが……。

 

「あの…、明石…さん?」

うん。驚きのあまり敬語になっちゃったよね。

そう。金魚すくいの屋台をやっていたのは明石さんでした。ハチマキにメガネで誤魔化しているつもりなんだろうか…。バレバレだぞ明石さん。

 

「あっ、提督!暁ちゃんも!来ましたね…!1回200円ですよ!」

うん。誤魔化すつもりは無いっぽいです。なんでそんな格好してんだよ…。

 

「あ、あの…明石さん、なんでそんな格好してるんですか…?」

やはり暁さんも疑問に思ったのか、おずおずと質問する。

うん。やっぱり気になるよね。

 

「あっ、この格好ですか?ふっふっふ、良くぞ聞いてくれました!実は!提督と暁ちゃんのイチャイチャを静かに見守るため…に………」

あー、皆様。早速ですが訂正です。

 

「しまったぁぁぁぁぁ!?」

明石さん、誤魔化すつもりだった、らしいです。

 

「うん、まぁなんだ、明石、あんまり落ち込むなよ…」

 

「あ、アハハハ、イヤダナーテイトクサン、アカシサンッテダレデスカー?」

うん、流石に無理があるぞ、明石。

 

「明石さん…」

うわ、暁さんが可哀想なものを見る目で明石を見ている…。

 

「やめて暁ちゃんっ!そんな目で私を見ないでっ!」

うん。分かるよ、その辛さ。なんてったって提督も経験したからね…。

 

「そして明石さん…私と司令官さんの、何を静かに見守るって言いました…?」

あー、明石さん。ご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。

 

「ちょっ、提督さん!私まだ死んでませんから!ていうか!見てないで助けてくださいよっ!あっ、暁ちゃんもちょっと落ち着いてぇぇ!」

明石…なんでさらっと提督の心の中呼んでんの…?ちょっと怖いぞ?

ま、それよりあの必殺のセリフが出る前に暁さん。止めなければ。

 

「まぁまぁ、暁さん。ちょっと落ち着いて」

暁さんを落ち着かせる為に笑顔で頑張ろうとしたけど…。うん。絶対今苦笑いになってる。

 

「司令官さん…分かりました。司令官さんが止めるならやめておきます」

うんうん。良かったな、明石さん。提督が君の命を救ったのだよ。

 

「ほんっっっとに助かりました!提督!」

うむ。よきにはからえ。

 

「お礼…というかお詫びにですけど、これどうぞ!」

そう言って明石さんは4回くらに折ってある紙を渡してきた。

 

「なんだこれ…?地図…?」

そう。この港町の地図だ。なんか赤丸がついてる。

 

「ただの地図では無いのですよっ!その赤丸の場所に7時までに行ってください!あと30分ですよ!」

そう言って俺と暁さんの背中をグイグイと押す明石さん。

 

「なっ、なんだよ!分かった!分かったから押すなぁ!」

しかもだんだんと強くなってきている。お詫びする気あんのかこの人…。

 

「いっ、行こう!暁さん!」

ずっと押されているのも嫌なのでさっさと行くことにしました。なんかそのうち提督の背中殴ってきそうな勢いだったし…。

 

「えっ!?は、はいっ!」

暁さんの手を取り、赤丸の地点を目指して走り出した。

 

 

 

「もう!提督さんったら遅いですよ!」

頬を膨らませながら文句を言っているのは工作艦『明石』。

 

「まぁまぁ、あんまり怒らないで、明石さん。いきなりだったし、ね?」

そう言って明石を宥めているのは軽巡洋艦『夕張』である。

 

ふと、時計に目を落とす明石。

「ま、流石に間に合うとは思うけどね。場所取られてるかもしれないし!」

 

「大丈夫ですよ、だってあそこは私達が空母の皆さんに協力してもらって見つけた穴場なんですから!」

 

「楽しんでもらえるといいですね、花火。」

そう、微笑みながら言う夕張と、

 

「ええ、そうね」

その夕張の呟きに笑いながら言う明石。

 

「さっ、私達はお祭り回って楽しみましょうか!」

 

 

 

 

 

明石に渡された地図を見ながら進んでいくと、そこは周りに人の気配が無い静かな小さな岡だった。

 

「なんだってこんな所に…。まぁ流石に何にも無いってことは無いだろうけど…」

なんて呟きながら周りをキョロキョロと見ていると、

 

「あっ、司令官さん、あそこ、看板…みたいなものが立ってますよ」

暁さんが指を指しながらある1点を指さす。

その看板には、

 

『7時になったら鎮守府の方を向くべし!ていうか見ろ!』

 

と書かれている。

 

「なんだ、これ?まぁ、向くけどさ…」

今の時間は午後6時59分。そろそろ7時だな。

 

「暁さん、あっち見ろってさ」

そう言いながら暁さんの横に腰を下ろして鎮守府方向を見つめた。

 

そして7時になった瞬間──

 

 

───空に綺麗で大きな花が咲いた。

 

それは1つでは無く、連続して大小様々な花が咲く。

 

「綺麗…」

そう呟く暁さんを隣から見つめる。

いつの間にか俺の隣に腰を下ろしていた暁さんの横顔は暗い夜の空に咲く花火に照らされ、

 

「あぁ、本当に──」

 

とても、

 

「綺麗だ──。」

 

輝いていた。

 

こうして今日という最高の夏祭りは幕を下ろしていった。




はい!どうだったでしょうか!作者的にはやりたかった事が出来て満足しております!スーパーロマンチックでしょ!
この作品、皆様の応援のおかげで評価数が3になり、お気に入りも徐々に増えていって、とても嬉しいです。
期待してくれている読者の皆様のためにももっともっといいものを書いていけるように頑張ってまいりますので、これからもよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話 レディと海。

お久しぶりです!Xです!
まだ!まだ今日の5時くらいまでは8月です!(謎)
ということで海っす!8月だからね!夏だからね!
ではでは本編どうぞ!




前回あれだけ浴衣浴衣言ってた割には普通に水着も好きです( ˘ω˘ )
が、全く詳しくないから正直書いてて不安です。作者が絵が描ける人間だったら良かったのに( ˘ω˘ )


やぁ皆。俺です、暁さんだけの提督です。ゴメン、気持ち悪かった。

俺の目の前にはどこまでも広がっている青い海………andスーパー水着レディ暁さん(星5)。

 

8月、旧暦では葉月。季節は夏。

諸君は夏といえば何を思い浮かべるだろうか?多くの人は夏=海と考える人も多いのではないだろうか。

 

もはやこの図式は「夏の方程式」といっても過言ではないのではなかろうか、と提督は思うわけですが。まぁそんなことは置いておいて。

 

そんなこんなで私、提督は!暁さんと!二人で!海水浴場に来ております!二人でっ!(大事なことなので(ry)

夏祭りの時といい、今回といい。なぜだか最近うちの艦娘たちが俺と暁さんを一緒に行動させようとしている気がする…。いや、提督としては全然いいというか、もっとしてというか、welcomeというかなんですけどね!

 

今私は暁さんが着替えてくるのを待っているわけですが、諸君は一体どんな水着が好みだろうか。なんかいろいろ種類があるようですが提督は特にこだわりはありません。

 

提督は暁さんに似合う水着なら何でもいいです。え?スク水?マイクロ?HAHAHA!まっさかー!うちの暁さんがそーんなある一定層に需要のありそうなそんな水着を着るわけないじゃないですか!ていうか許さん!

 

「お、お待たせしました…」

……………ハッ!あ、あぶねぇところだった…!もう少しで連れていかれちまうところだったぜ…!

何処にかはわからいけど連れてかれそうになってしまうくらいに暁さんは可愛くて、きれいだった。

 

暁さんは髪の毛はいじらずおろしたままで、薄いピンク色のパレオと呼ばれる水着だった。

HAHAHA!やはりうちの暁さんは最強だぁ!

 

「ど、どうでしょうか…?似合って…いますか?」

グッ…!やめるんだ暁さん…!その上目遣いは俺に効く…!

 

似合っていないわけがない。正直この暁さんを30分ほど見つめ続けたら出血多量でお陀仏する気がする。ていうかする。

 

ヤバいぞ…!それはもうヤバいぞ…!何がヤバいって、元から少ない提督の語彙力が跡形もなく消し飛ぶくらいにはヤバい!

 

「う、うん…すごく綺麗で…可愛いよ…」

し、しまった!あまりの可愛さに、ここだけ聞くとただのヤバいやつみたいになってる!流石に引かれるか…?

 

「そっ…そう…ですか…!」

…お?なんか顔真っ赤になってる。なんか若干嬉しそう…?…いや、提督に褒められて嬉しがりはしないか…?あっ!わかった!照れてるんだ!流石はうちのスーパーレディ暁さんだ…!

 

ただただこの恥ずかしがる暁さんを見つめているのもそれそれでいいのだが、それではせっかく海に来た意味がないというもの。

 

「さっ、暁さん!行こう!」

そう言って手を差し出す。なんだかんだ最近増えてきて慣れましたね、これ。

 

「はっ、はい!」

…ただ、暁さんのこの笑顔だけはどうもなれないです可愛いです。

 

さて、暁さんの手を引いて海まで来たんですが…何をすればいいんですかねっ!?

 

あの『えーい!』『うわっ!やったなぁ~!それー!』『キャっ!冷たーい!』的なキャッキャうふふなことをすればいいんですか…?

わからない!

 

チラッと暁さんの方をみる。暁さんは自分たちがいつも見ているものとは違う海を見て、目を輝かせている。その顔を見た時、あぁ、あんまりテンパらなくても大丈夫なんだなと思えた。

 

「じゃあ泳ぎに行こうか、暁さん」

笑って暁さんに告げる。

 

「はいっ!」

暁さんも、笑顔でそう答えてくれた。

 

その後、お店で貸出をしてくれているサメや、バナナの形をした浮輪やらを借りて遊んだりかき氷を食べたりして夏の海を堪能した。

 

気づかぬうちに、随分と長い間遊んでいたのか、あたたかな夕日が辺り一面を照らしていた。

暁さんと二人、並んで砂浜に腰を下ろして夕日に照らされた海を見つめる。

 

「なぁ、暁さん」

唐突に声をかける。

 

「はい?なんですか?」

暁さんも少し驚いたのか、首をちょこんとかしげて相変わらずの可愛らしい反応をする。

 

「いつも、ありがとうな」

自分でもなんで今、この瞬間に言ったのか、わからなかった。

 

「この夕日に照らされたきれいな海と今日楽しかったことを思い出したら、伝えなきゃって…そう思ったんだ」

 

「…こちらこそ、いつも私たちを支えてくれて、ありがとうございます。司令官」

暁さんから帰ってきたのは予想外の、感謝の言葉だった。

 

「…ありがとう。…そろそろ、帰ろうか」

立ち上がって、笑顔で手を差し伸べる。

 

「はい!」

暁さんも笑って手をつかんだ。




はい。13話、終了です。
書いてるうちに雰囲気が変わっていくバグ…( ˘ω˘ )

当初はこんな雰囲気になる予定ではなかったんですが…(笑)

暁さんの水着姿は、作者が探している中で気に入ったも尾をチョイスしました。果たして趣味の合う人はどれだけいるのか…。

最近、またUAや感想、お気に入り、評価をいただけて本当にうれしいです!もっとしてくれても、ええんやで?チラッチラッ

感想や評価、お気に入り、誤字報告などもよろしくお願いします!

それではまた次回です!サヨナラ~!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話 レディと秋刀魚。

はい、毎回のように言っていますが(笑)お久しぶりです。X君です!
就職活動が落ち着いたので投稿します!
今回のネタを探してるとき、丁度今やってるやん!ってことで秋刀魚です(笑)
あ、あと騎士王様では20連爆死でした。…がっ!デレステで限定卯月でましたぁぁぁぁ!
デレステは始めたばかりですが、アニメすばらしかったので続けると思います。取り敢えず卯月可愛いです。
とまぁ関係ない話はここまでとして本編に行ってみましょう!
それではどうぞー!



はい。いつも通り俺です。提督です。

只今10月の某日、3時でございます

 

この時期は俺以外の新人の提督から熟練の提督まで全提督が大忙しなのでは無いだろうか。

この時期はもはや戦争だ。いや、毎日のように深海棲艦と戦争してるんですけどね?そうじゃなくて、自分の忍耐力との戦争ですよ。

 

10月。旧暦では神無月。そう、秋です。紅葉がきれいですよね。まぁ、うちの暁さんには負けますがね(ドヤッ!

うちのスーパーレディ暁さんには何人たりとも勝てませんよ!え?紅葉は人じゃなくて植物?流石に提督でもそんな事わかってますよ!?嘘じゃないよ!?

 

最近は秋刀魚漁で全く結果が出せず提督の忍耐力がじわじわと削られてきちゃって大変な時、暁さんの笑顔見て「あぁ、もう少し頑張ろう…」って思います。はい。2828が止まりませんのですよ。うん、キモイんだけどね?でもゴメンな?今だけは我慢してくれ。うん。

 

「ってことで暁さん!今日も秋刀魚漁頑張ろうかぁっ!」

 

「えっと…どういうわけでなのかは分かりませんが頑張ります…?」

流石は暁さんだぁっ!提督の唐突のフリにも反応を返すとは!スーパーレディは核が違った!

 

「ちなみにだけど暁さん、今のところどれだけ秋刀魚手に入れてるか教えてくれる?」

いくらうちの鎮守府が新設されたばかりの鎮守府でも10は超えてるでしょ!HAHAHA!

 

「はい、当鎮守府の秋刀魚漁獲量は…ええと…大変申し上げにくいんですが…一匹です」

 

「…What?onemoreplease?」

ショックのあまり英語がでてしまったが…え?今なんて言った?成績表で見たくない数字が聞こえてしまった気がしたんだけど…?

ま、まさかねぇ~!うちのスーパーレディの可愛らしく美しい口からそぉんな悲惨な数字が聞こえるはずが…!

 

「…一匹です…しかもその一匹も赤城さんがすでに…」

秋刀魚が食されたっ!この人でなしっ!

うせやろ…?え、待って?つまり…?うちには秋刀魚はゼロ…?

 

「今すぐ赤城を呼んでくれ暁さん」

たった一匹の秋刀魚になんてことをっ!ゆ"る"さ"ん"!逃がさんぞ赤城!秋刀魚の命を奪った罪は重い!そこ!既に死んでたんじゃとか言わない!

 

「…赤城さんは外出中です…ちなみに昨日司令官さんが直接外出届を受け取っています…」

 

「ファァァァァ!?」

ガッデム!なんてこったい!バカっ!提督のバカッ!もう逃がしてたじゃん!しかも自分の手で!昨日の自分を全力でグリグリしてやりたい!そして暁さん!そんな憐れむような目で提督を見ないで!カッコつけたのにフラグ回収しちゃった提督をそんな目で見ないでっ!

 

「い、いないものはしょうがない…切り替えていこうそうしよう!」

暁さんのジトーっとした視線から逃れるように目深に帽子をかぶりなおす。

 

そうだ!切り替えていこう!今からでもがんばれば10匹くらい余裕で釣れるはずだ!

 

~3時間後~

 

「…爆雷ぶち込んだろかコラぁぁぁぁ!」

 

「お、落ち着てください司令官さんっ!?」

一匹も釣れないんですけど!?

晴風クラスの女の子たちも爆雷で漁してたし大丈夫でしょ!今すぐ装備させるんだぁぁぁ!

 

コンコン

 

「ん"ん"…どうぞ」

誰だろうか…?大淀か?

 

「失礼します提督」

そこには一航戦の誇りさんがいた。

 

「ほぅ…わざわざ叱られに来るとはいい度胸だな…赤城」

たった一匹だった秋刀魚さんの仇!取らせてもらうぞっ!

 

「ちょ、ちょっと待ってください提督!暁ちゃんも提督を止めてください!」

 

「…ごめんなさい赤城さん。今回ばかりは私も司令官サイドで参戦します」

暁さんが来た!これで勝つる!

 

「買ってきたんです!」

そう言って赤城がビニール袋を差し出してきた。なかには秋刀魚が大量に入っていた。パック詰めで。

 

「買ってきちゃったのっ!?」

何してんだこの人!?こんなんじゃ怒れないじゃないか!ていうか赤城天才かよ!

い、いや…待つんだ提督!

 

「お、お前秋刀魚は自分たちで釣らなきゃ…」

 

「流石赤城さんです!私は信じていました!許してあげましょうよ司令官さん!」

えぇぇぇぇ!?うそ…?うちの暁さん…チョロ過ぎ…?

まぁ…

 

「うん。許す」

暁さんに言われたら許しちゃうよねっ!!

 

この後めちゃくちゃ秋刀魚食べた。




はい。どうでしたでしょうか(笑)
またもや久しぶりの投稿となってしまいました。すみません。
これも毎回いってるような気がしますが次回こそは…!

以下、ただ言わせたいだけ。

「暁型駆逐艦暁、頑張りますっ!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話レディとパーティとクリスマス。

やぁ…久し振りだね…(遠い目)
気づいたらこんなに時間がたっていたよ…。
ごめんなせぇ…!
忌々しきクリスマスの時期がやってまいりましたな。
ホントは明日とか明後日に投稿しようと思いましたが書いてる途中で現実を目のあたりにして吐血するんで今日にしやした。


12月25日、クリスマス…。忌々しきカップルのカップルによるカップルの為のイベンツ…!世のカップル達はここぞとばかりにイッチャイッチャイッチャイッチャしやがるふざけたような日。滅べ。おっと失礼、取り乱しました。提督です。

 

クリスマスって確かキリストの誕生日とかだった気がしているんだが…。

可哀想にな、キリスト様も…自分の誕生日なのに周りの男女が主役そっちのけでイチャイチャしてるんだぜ…?オレだったら発狂するね。うん。

 

勘違いすんなよ!?この日はカップルの為に名前が付けられた日じゃねぇんだぞ!お前らぁぁぁぁ!

クリスマスなんて…クリスマスなんて…!

 

「クリスマスなんてっ…嫌いだぁぁぁぁぁ!」

恨み過ぎて机をバンッ!って叩きながら上を向き叫んでやった。うん。スッキリしたかもしれない。多分。

 

「えっと…?司令官さん…?」

おぉっと…オレとした事が…。スーパーかわいいレディオブ淑女。暁さんが隣で仕事している事を忘れていたぜ…。

 

「すまない暁さん…だけど俺はどうしてもクリスマスを許せないんだ…!」

拳を握って頭を伏せる。うん。ちょっと強く握り過ぎて手が痛いわ。

 

「何故なら…何故なら…!彼女が!イナインデス…」

最後の方声小っさいって?そ、ソンナコトナイヨ?ホントダヨ?

うっせぇ!そうだよ!言ってる途中で悲しくなったんだよ!察せ!?

ついでに言えば崩れ落ちたわ!膝からなぁ!…ぐすん。

 

「は、はぁ…?で、でもホラ!サンタさん!サンタさんが司令官さんにもきっと素敵なプレゼントをくれますよ!」

サンタさん…普段レディなのに年相応にサンタさん信じてる暁さんマジ天使…!

 

「ありがとう暁さん…!提督、元気でたよ…!」

ホントに癒される…。マジでここの鎮守府に配属されて良かった…!

 

「そ、そうですか?それは良かったです!それじゃあ続きのお仕事頑張りましょうね!」

…仕事忘れていたなんて…言えない…。

 

時は過ぎて夕方6時。いつもより少し仕事が溜まっていた提督ですがスーパー淑女暁さんの手によってようやく終了致しました。

「んー!じゃあ俺は部屋に戻るかなぁ」

伸びをしながら席を立つオレを暁さんが呼び止める。

 

「司令官さん!今日の7時に食堂に来ることって出来ますか…?」

不安そうな上目遣いでオレを見つめる暁さん。

 

「?予定は特に無いけど…?」

今日はただただふて寝しようと思っていただけだから…。ははっ!…はぁ。

 

「よ、良かった!それじゃあ7時によろしくお願いしますね!」

そう言って暁さんは走り去って行った。

 

「なんだったんだ?」

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

「さて、約束通り食堂の前に来た訳だが…」

入っていいのか…?暁さんは来て無いみたいだけど…。

 

「司令官さん…!お待たせしてすみません…!」

暁さんが息をきらしながら走ってくる。

遅れて走ってくる暁さんもかわいいっすわ。マジ天使。

 

「大丈夫だよ。俺も今来たばっかりだから」

笑って返事をしているが内心汗ダラっダラである。

「(これ…めっちゃカップルっぽい…!)」

前半でアレだけカップルをディスっていたのに自分がそれっぽいことが出来たら嬉しいのである。しょうがないんだ。

 

「そうですかぁ…よかったぁ…」

心からホッとした様子の暁さん。コッチも安心できるわ…。

 

「それで、入ってもいいのかな?」

ここに来てずっと気になっていた事を聞いてみる。

 

「はい!大丈夫です!早速入りましょうか!」

目をキラッキラさせながら俺の手を引いてくる暁さん。

 

「よし、行こうか」

そう言って両開きの扉を開ける。するとそこには─

 

「メリークリスマース!」

サンタ帽を被った戦艦・空母のみんながクラッカーを鳴らす光景だった。

 

「おぉ!凄いな…」

思わず声を上げてしまった。

 

「司令官さんがクリスマスが近づく度にカレンダーを見てため息をついていたので…」

恥ずかしいのか少し顔を赤らめながら言う暁さん。

あぁ…嬉し過ぎて座に還りそう…。金色の粒になりそう…。

 

「折角暁さんと皆が用意してくれたんだし皆で楽しもうかっ!」

俺が叫ぶとみんながオー!と声を上げてくれる。それを聞いて少しだけ頬が緩む俺だった。




はい。今回はここまでですよ。全く暁さんとイチャイチャして無いんですがまぁそれは年末に持ち越しという事でどうか…!
ところで、皆さんはどうやってクリスマスを乗り切ってますか?作者はもうただただ忘れます。えぇ。今日がなんの日であるかを忘れます。それでは皆さんまた次回お会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話 レディとチョコとバレンタイン。

暁さんとのイチャイチャは「年末」と言ったな。
あれは嘘だ。ごめんなさい。
改めまして皆様。あけました。おめでとうございます。
それと、ハッピーバレンタイン!です!(血涙)

今までは荒野行動…とか、Fgo…とかで忙しかったです荒野行動楽しいです。はい。16話、始まります。はい。


やぁ、皆。こんにちわ。提督だよ。

みんなは年始、どう過ごしたかな?提督?提督はね?

 

…仕事に追われてました。はい。

 

何故!?なーんで殆どの人間が取れている年始休暇も無いんですか!!!可笑しいじゃろがぁぁあい!

なんかもう、ホントに!ホントにブラック!マジブラック!(語彙力)

 

ふぅ…。落ち着くのだ。悪い事ばかりでは無かったはずだ…!そう!何故ならばぁぁぁ!お餅を頬張るスーパー淑女レディ!暁さんを見れたからなぁぁぁぁ!!ふはははは!…はい。

 

まぁこんな感じで新年始まって早々仕事に追われる日々を過ごしていた提督ですがね。なんとね。余りにもいつもと変わらない生活をしていたせいでね。曜日感覚がね。狂いに狂ってね。もうね。2月っていうね。うん。

 

さて、気を取り直して今月は如月。2月ですね。

2月と言えば、1年間の「3大非リア殺しイベント」の1つ、「バレンタインデー」とかいうふざけた日がありますね。ま、今日なんですけどね!!!!

 

学生時代はチョコレートとは無縁の生活でした…。女子どうしで渡しあっていて「お前ら百合かよ!」とか思ってましたけどね。はい。どうでもいいですね。

 

とまぁ今までの人生は灰色だから途中でもうバレンタインとは極力関わらないようにしてたんだよ。

 

してたんだけどさ…!くそぅ…!

 

さて皆さん。突然ですが質問です。

えー、私提督ですが、私が指揮させてもらっているこの鎮守府の人達、名前をなんというでしょうか!

 

①艦息

②艦娘

③人型汎用決戦兵器 人造人間エヴァ○ゲリオン

 

はい。正解は②ですね。女性ですから。3番を選んだ皆、先生怒らないから手を挙げなさい。彼女達、ATフィールド張れませんからね?

 

女性ってイベントに乗っかるの好きじゃないですか。つまり、何が起きたかと言うと…?

 

食 堂 の デ ザ ー ト が 全 て チ ョ コ レ ー ト 関

係 に な っ た。

 

そんなに…!そんなに提督に現実を直視させたいのか…!

 

でも姉妹艦どうしとか仲のいい艦娘どうしとかでチョコ渡しあってる所を見たい気もする…。っていうか見たい…。

 

って思ったが運の尽き、食堂…来ちゃったよね。

 

食堂に入った瞬間目に入るのは、チョコ、チョコ、チョコ。

 

もう既に提督の精神に甚大な被害を受けているけど、まだだ…!まだ終わらんよ…!

艦娘どうしでチョコレートを渡しあってるところを見て癒されたいんだ…!

 

満身創痍で食堂内を見渡すと、そこに見つけたのは暁型のみんな。

キタ!暁型キタ!これで勝つる!何に勝つのかは分からないが取り敢えず勝てる!

 

通常の三倍で柱から柱へと移動し暁型4人の席の近くに行く提督。正直絵面が宜しくないが、こまけぇこたぁ気にすんな!の精神でやりきるしかねぇ!

 

「暁、ハッピーバレンタイン。」

そう言ってまずは不死鳥こと響が暁さんに綺麗にラッピングされた箱を渡す。サラッと渡してるように見えて若干赤くなってるところがベスト!素晴らしい!ハラショー!

 

「あ、響ちゃん ありがとう!じゃあこれ、私からもお返し 雷ちゃんと電ちゃんもどうぞ!」

 

そして物凄い笑顔で妹達にチョコを渡す暁さん!いい!凄くいいです!!

 

「暁ちゃん、ありがとう…なのです! これ…私からも…」

顔真っ赤になりながら震える手でチョコを渡す電。キマシタワー!!!

 

「ありがとう暁!これ私からもあげるわね!」

我らがお母さん、雷。

いい、笑顔です。アイドルにスカウトされそうだ。うん。

 

幸せな気分に浸りながらチラッと響の方を見ると…ん?目があったか…?まさか…ね?

 

「ところで暁、私たちにくれるのも嬉しいけど司令官の分もあるんだろう?渡しに行かなくていいのかい?」

あるぇー!?響さん!?このタイミングで!?

やっぱり目あってましたかねぇ!?

 

「えっ!?ひ、響ちゃん?どうしたんですか、急に?」

 

「いや、だって朝から随分と張り切ってたからてっきりあるんだと思ってたけど、違ったのかい?」

暁さんが…!?張り切っていた…!?嘘やん…。これ、暁さんが渡す相手によっては私が直々に潰してやらねば…!

 

「いっ、いや、その、確かにっ、その、司令官さんのもあるけど…渡すの恥ずかしいし、タイミングがなかなか…そのぉ…」

色々言いながら赤くなってモジモジとしだす暁さん。可愛い。

てか、そうではなく…マジで?ドッキリとかではなく…?

 

「…だってよ。司令官」

あー、やっぱり目、あってましたよねぇ…。これ出づらいなぁ…。出ないままでいたらなんとか…

 

「そのまま出てこなかったら私が食べてしまおうかな」

 

「こんにちわ!提督です!よろしく!」

いくら響でもそれは許されない!

 

「しっ、司令官さん!?どうして…こんな場所に…!?」

動揺する暁さん。そりゃそうなるよね。うんうん。

 

「い、いや…その…な?ちょっと、甘いものでも…食べようかな…?的な…?…ね?」

いや自分言い訳下手すぎだろ!自分のことながらドン引きだわ!

 

「だってさ暁。司令官は甘いものが欲しいんだって」

そう言って暁さんを見やる響。暁さんは暫く固まっていたが、突然ハッとしてから俺を見た。

 

「しっ、し…しし、司令官ひゃん!」

 

「はいっ!?」

突然大きな声を出した暁さんにつられて大きな声で返事をする提督。学校なら満点が貰えそうな返事だ(現実逃避)

 

「そ、その!これ!チョコです!あげます!」

…救われた…。提督は今、この瞬間に救われたよ…。

 

「…ありがとう。暁さん。すげぇ嬉しい」

あぁ…バレンタインってこんなにもいい日だったのか…。

 

「でもね…?暁さん。」

うん。そうなんだ。みんなは気づいてると思うけどね。

 

「な、なんですか…?」

不安そうに俺を見つめる暁さん。彼女にも分かりやすいように後を指さす。

 

提督の指した方向にゆっくりと顔を向ける暁さん。その先に何が待っていたかというと…

 

「「「暁(ちゃん)(さん)おめでとー!!!」」」

 

最初からチョコを食べに来ていた艦娘+野次馬で現れた艦娘達、全員からの祝福の声だった。

 

「流石に…あれだけ騒げばしょうが無いわよね…」

雷でも苦笑いである。

 

そしてその後事実を飲み込んだ暁さんの恥ずかしさによる絶叫が鎮守府とその周辺に響いた事は言わなくても分かるだろう。




はい。わりと長めです!
バレンタインなんて…吹飛べばいいのに…(遠い目)
毎回の事でずが(毎回になってしまうのは良くないんですけどね…(笑))、投稿が遅くなってすみません…。
こんな不定期過ぎる本作品ですが、今年とどうか、応援よろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話 レディと2人の雪遊び

こ、こんばんわー…1年ぶりでーす…(小声)
前話投稿した際「今年もどうかよろしくお願いします」とか言っておきながら1年ぶりの投稿ですハイスミマセン。
まっっったく筆がのらなかった…。僕の中の作者パゥワーが0に近かったというか0だったねうん0だった。
1年ぶりの投稿だというのに前書きが言い訳で埋まり続けているこの事実。どういう訳かこの作者1年たってもなんにも成長出来てませんでしたすみません…。今年は…ちょっとずつ…?投稿出来たらいいなぁ〜…なんて?思ってます。ガンバリマスハイ。
1年ぶりの更新だ!行くぞお前らぁー!!!


こんにちわ。提督です。時が経つのも早いもので、もう2月ですね。ついこの間バレンタインだなんだと騒いでいた気がするんですけd(ry

 

 

 

季節はまだまだ冬ですね。毎年毎年、暖冬暖冬と言われている中、私は毎年毎年「は?これで暖冬とかふざけとんのか!?しばき倒すぞぉぉ!!」と叫びながら外に出て、無事寒さにしばき倒されて泣きながらコタツに帰ります。今年もやりました。ついさっき。

 

 

 

「うぅ…寒い…寒いよ暁さぁん…!!!うっうっ…!」

 

「あ、あはは…今日は-4℃だそうですよ…昨日夜の内に雪が降っちゃって妹達もおおはしゃぎです…」

 

 

 

そう!ふざけたことに雪まで降りやがったんですよ!!!提督寒さに弱いんだぞぉぉ!?ただでさえ海が近くて寒いのに!!!鎮守府が雪まみれですよ!!!駆逐艦のみんなが楽しそうだからいいですけど!!!私は全く楽しくないがなちくしょう!!!

 

ん?????

まって??まってくれ???

よくよく考えてみたら暁さんと一緒のコタツでみかん食べながらゆっくりするというのは冬ならではの提督の役得なのでは…?

 

私は外に出たくない(というか寒くて出れない)+暁さんはスーパー淑女レディガールなのでお外で遊ぼうなんて言わない+2人で仲良くコタツみかん+みんなお外で遊んでるから邪魔入らないそれ即ち!オアシス!!!(ここまで早口)

 

私の求めてた空間なのでは???雪は神様なのでは???いいぞもっと降れ。

 

 

 

「いやー…やっぱり冬はコタツでみかんだよね〜暁さん」

ふにゃふにゃに溶けた気持ち悪い顔の男が暁さんにそう問いかける。

……ってそれワシやないかーーーい!!!

みんなもそろそろ自虐ネタにも飽きてきt(ry

 

「そ、そそそうですね???」

…おや ? あかつきさん のようすが…!

 

「暁さん?そんなにそわそわしてどしたの?」

 

「えっ!?い、いやですねー、司令官さん!わ、私別に外の様子が気になったりなんてしてませんよ!?」

えぇ、気になったりなんてしてませんとも!!!と言い張る暁さん。

あるぇー???これBキャンセルの流れ?

いくら暁さんと一緒でも外に出るなんて有り得ないですよ?寒さと対峙した提督は何があっても外出ませんよ?

ははは!フラグだなんてそんな!有り得ませんよ!私に限って!

 

 

 

 

 

おめでとう! ていとく と あかつきさん は ゆきようそうび に しんかした!

 

おめでとう!じゃねぇわ!ふざけんなクソさみぃわ!提督は、提督はなぁ…!

今すぐ凍え死んでしまうのでは無いかと心配で心配でしょうがないんだぞ!

 

 

 

「わぁ!!!凄く綺麗ですよ司令官さん!!!お日様の光が雪に反射してキラキラしてます!」

───あぁ、安心した(温まった)…。

 

って死ねるかぁぁぁ!!!

危ねぇ…あまりに尊くてそのまま永眠する所だった…。別に俺は別に魔法使いでも無いし正義の味方を志してもいないです。

 

「さぁ暁さん!もうここまで出てきたからには俺も腹を括ったぞ!目一杯遊んでやろう!!!」

やけくそじゃぁぁぁぁ!!!スーパー淑女レディ暁さんのエンジェルスマイルを見れるなら!私の身体など!惜しくはない!!!

 

「はい!司令官さん!!」

 

「よーし!まずは何をしようか…これだけ雪があるならかまくらを作って2人でのんびりお茶でも"っ!」

 

「あはは!主砲命中です!次発装填急いで下さーい!」

暁さん…この私の顔面に1発入れるとは…!できるっ!!!

 

「くっ、やられてばかりでいられるか!反撃だぁ!」

勢いよく振りかぶり!!!その腕の勢いを使って全力でぇぇ!!!

と勢いよく投げたはいいが雪玉は明後日の方向へ。

 

…………。

 

ま、まさかこの私の手元を狂わせるとは!さ、流石暁さんだな強いな惚れ直しちゃうなーはははー!!!

 

…………。

 

あ、暁さん!!!そんな目で私を見ないでくれ!

 

おのれディケイド!!!次はそうは行かんぞ!!!

 

「喰らえーい!」

よし!直撃コース!

 

「きゃっ!あはは!冷たいです!私だってー!それっ!…きゃっ!!!」

暁さんがコケる…?あのスーパー淑女レディパーフェクトガールであるあの暁さんが…?そんな事…!!!

 

「させるかぁぁぁぁぁ!!!…ぶへっ!」

盛大にカッコつけて走り出したはいいものの暁さんが滑った地点で見事に足を滑らせ2人して雪にダイブ。

 

かっっっっっっこわる!!!!ドン引きなんですけど!えぇ!?我なからどんくさすぎません!?

 

「ぷっ…!あはははは!司令官さんっ…!すごっ…すごい勢いでっ…!」

 

「あ、あはは…暁さんに怪我が無さそうでよかったよ…」

そ、そうだ。暁さんに怪我が無いことのが重要だ。俺がコケた事で1ミクロンほど暁さんの位置がズレて奇跡的に無傷なのかもしれないというかそういう事にしておこうそうしよう。

 

「はっ、はい…!わたっ…私は大丈夫でっ…!ふふふふっ!」

 

うむ。怪我は無いのはいい事だ。それこそ私な転んだ甲斐があったというもの。うんうん。

 

「それにしても暁さん…笑いすぎじゃありません…?」

 

「すっ、すみません…!でもっ…面白すぎてっ…!!!」

 

この後暫く雪遊びは続き、めちゃくちゃ風邪をひいた。




はい。お疲れ様です。終わり方雑過ぎたかな…。今回の話、久しぶりに書いてるせいかただただ提督のど阿呆さを見せつけるだけの小説な気がしてきたんですけど大丈夫ですか…?(笑)
暁さんと雪で一緒に遊びたかったなぁぁぁ!!
また投稿します!…多分…!………きっと…!!!……………恐らく!!!!!
それではまた次回にお会いしましょう!!!おやすみ!!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。