バカと艦娘と学園生活 (一億年に一人のドアホ)
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提 督(つつみ おさむ)

文月学園 歴史教師

2-F担任

元提督。戦争終結後、念願の教師に転職。特に軍事関連への造詣が深く、テスト問題が偏りがちなため生徒から苦情が来ることも。

 

鈴谷 光(すずや ひかる)

文月学園高等部2年

Fクラス

得意科目:数学(300〜450)

    家庭科(300〜500)

苦手科目:英語(30〜150)

    理科(10〜100)

一年生の時に明久達と出会う。元艦娘と言うだけでクラスに上手く馴染めていなかった所を明久によって救われる。以後持ち前の人当たりの良さとその容姿も相まって学年の人気者に。全体的な学力はBクラス上位からAクラス下位並。

 

召喚獣:2頭身鈴谷にケモ耳、ケモ尻尾。服装は艦娘時代のブレザーにスカートと甲板ニーソ。メインウェポンは軍刀。艦娘時代から近距離戦では無類の強さを誇りそれは召喚獣においても変わらない。

 

腕輪能力:《砲雷撃戦》

200点以上で発動可能。100点消費し20.3cm50口径連装砲二基及び61cm三連装魚雷発射管二基による同時攻撃。ダメージは〈150〜300〉となかなか。命中精度は50%といったところ。

 

熊野 祥(くまの さち)

文月学園高等部2年

Aクラス

得意科目:数学(250〜600)

    現代文(300〜500)

苦手科目:古典(100〜180)

    理科(5〜90)

一年生の時に鈴谷と共に明久達と出会う。理科がFクラス並だが他の教科で安定しているためAクラス上位入り。整った容姿とお嬢様口調に絶壁とも評されるその胸部装甲により一部から熱烈な支持を得ている。

 

召喚獣:2頭身熊野にクマ耳、クマ尻尾。服装は鈴谷と変わらない。メインウェポンは三八式歩兵銃と銃剣。銃剣のみによる近距離戦から三八式歩兵銃による遠距離戦までこなせるオールラウンダー。しかし本人は銃剣装着による突き攻撃を気に入っている。

 

腕輪能力:《弾着観測》

200点以上で発動可能。50点消費し 20.3cm50口径連装砲三基と観測機による弾着観測射撃を行う。ダメージは〈80〜100〉と鈴谷の〈砲雷撃戦》よりも威力は低いが命中精度がほぼ100%と非常に強力である。

 

吉村 榛名(よしむら はるな)

文月学園高等部2年

Fクラス

得意科目:英語(400〜600)

    国語(450〜600)

    日本史(350〜550)

苦手科目:世界史(150〜200)

    生物(50〜100)

振り分け試験当日の登校中に自転車事故に遭いFクラス入り。圧倒的美貌とはちきれんばかりの胸部装甲に溢れ出る母性から霧島翔子を抑えて人気女子№1とも囁かれている。実力はAクラス上位並。

 

召喚獣:2頭身榛名にイヌ耳、イヌ尻尾。服装は艦娘時代の巫女服。メインウェポンは太刀。

 

腕輪能力:《主砲一斉射》

500点以上で発動可能。200点を消費し35.6cm45口径連装砲四基による一斉射撃を行う。ダメージは〈100〜600点〉と振れ幅は大きいものの最大ダメージを食らうとAクラス上位でも痛い目を見る。




艦これ側のキャラももっと増えると思うのでその都度設定追加していきますm(_ _;)m


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試召戦争編
第一問


初めまして!


‐Side 熊野 ‐

 

「では開始してください」

 

試験監督官の声がする。

 

(さて始まった。ここ文月学園では振り分け試験によって新2年生のクラスが決まる)

 

(今年一年のクラスがこの試験にかかっているのである)

 

(え?いつもの口調じゃない?それは考え事する時はいちいち丁寧にしてられないもの)

 

そんな事を考えながら彼女はスラスラとシャープペンシルを滑らせる。

 

彼女の名は熊野 祥(くまの さち)。元()()である。彼女が今受けている試験は振り分け試験と言われる物でこの試験の得点によってA〜Fクラスに振り分けられる仕組みだ。この試験では途中退席やカンニングをしようものなら0点扱いとなり即刻最低辺であるFクラス行きが確定となるのである。

 

(あら、意外と簡単ね)

 

(この調子なら結構時間余るかも)

 

〜数十分経過〜

 

(これならAクラスは確実かしら)

 

 

彼女は一旦ペンを置き深呼吸をする

 

(ふぅ、終わった)

 

(終了まであと30分…25分は眠れるかな)

 

そうして彼女はこれから起こる事もそれに最愛の姉である鈴谷が関わる事になる事も知らないで眠りへと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25分が経過した頃彼女は目を覚ます。

 

(あと5分…見直しには十分ね)

 

広い教室に聞こえるのは絶え間なく解答用紙の上を滑るシャーペンの音だけ。彼女はこの無音とも言える静寂が嫌いだ。

 

(懐かしいな、あの頃の喧騒)

 

数年前のまだ艦娘だった頃を思い出す。

 

(毎日訓練して出撃して敵を倒して帰る)

 

(日が変わればまた訓練して出撃して敵を倒してまた帰る)

 

(あの頃聞こえてた音…毎日耳にしていた音)

 

(砲撃音、銃声、エンジン音…………そして深海棲艦(てき)の鳴き声)

 

何もかもが懐かしい仲間(戦友)と共に戦った日々。戦いたい……もう一度戦いたい。仲間に背中を預け自身も仲間の背中を守る。そんな命のやりとりをする毎日が好きだった…………………

 

彼女が思考の海へとどっぷりと浸かっていると試験監督官の声が聞こえた

 

「試験は終了です。ペンを置いて答案を回収してください」

 

試験監督官の声に彼女はシャーペンを置き見直しを終える。

 

(これは自信あり)

 

(鈴谷はどうだったのだろう)

 

姉の事を心配していると後ろから答案が渡ってきたので自分の物を重ねて前の人に渡す。

 

(今日はこれで学校も終わりだから街にでも行って買い物でもしようかな)

 

これからの予定を考えながら荷物をまとめて姉の鈴谷を探すが見当たらない。

 

(おかしい、同じ教室で受けたはず)

 

(先に帰ったのかな?下駄履で靴を確認すればいいか)

 

筆箱と問題冊子しか入っていないほとんどカラのかばんを持ち教室を後にした。

 

 

 




熊野可愛い


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第二問(1)

‐Side鈴谷‐

 

「ではテストを開始してください」

 

(きたきた、ここは………たしか………こっちは……………)

 

(うん、順調順調)

 

(熊野と榛名は多分Aクラスだろうし、鈴谷も頑張んないとね)

 

彼女の名は鈴谷 光(すずや ひかる)。熊野と同じく元()()である。彼女もまた振り分け試験をうけているのであった。

 

(明久は多分F………よくてEくらいかな…………離れるのは寂しいけど手は抜きたくない!)

 

1年程前の彼との出会いを思い出す。

〜〜〜〜

〜〜〜

〜〜

 

「鈴谷さんって艦娘だったんでしょ?」

 

ふいにクラスの女子達に声をかけられた。

 

「う、うん。そうだよ」

 

「すごーい!」「ねえねえ艦娘ってどんな事してたの?」

 

「毎日訓練と出撃とか………」

 

「出撃ってアイツら撃ったりするの?」

 

「うん、まあ出逢えば撃ち合いになったよ……」

 

「凄いね!」「でもさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それって可哀想じゃない?」

 

「え?」

 

私は耳を疑った。可哀想?アイツらとの戦いで多くの仲間が傷ついた、失った仲間もいる。アイツらを殺す事を肯定する訳じゃない、けど何も見た事ない人に、何も失った事がない人に『深海棲艦が可哀想』なんて言われたくない。

 

「だってアイツらも生きてる訳じゃん」

 

「それはそうだけど……」

 

「その時どんな事思いながら戦ってたの?」

 

「え、生きる為に必死て言うか、殺さないと殺されるとか………」

 

「それって理不尽じゃない?」

 

「えっと、、それは……」

 

「私聞いた事あるよ、艦娘は本能的にアイツ見ると殺すんだって」

 

「私も聞いたよ!艦娘は常に戦ってないと満足出来ないんだってさ」

 

違う!そんなの全然デタラメだ!

 

「それって危なくない?」

 

「鈴谷さんも戦うのが好きなの?アイツら殺すの好きなの?」

 

「そんなわk…「怖ーい!」

 

「鈴谷さん私達の事襲わないでよ?」クスクス

 

「行こ!鈴谷さんに襲われるかもしれない!」クスクス

 

「それじゃあね、鈴谷さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………『絶望』………………そんな言葉では表せないくらいの不快な感情。

 

日本のため、世界のために、皆のためにとツライ戦闘も戦い抜いてきた。頑張ってこれた。そんな思いをすべて否定された。

 

 

 

裏切られた。

 

 

 

お前らが車に乗るためのガソリン、電気作るための火力発電用の燃料を運ぶ為のタンカーを護衛したのは誰?

 

 

漁師が安全に漁を出来るように毎日哨戒してたのは誰?

 

 

私だ…私達だ………

 

 

艦娘って何?人間って何?

 

艦娘と人間って何?

 

何が違うの?何か違うの?どこかおかしいの?

 

わからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからない

 

 

 

 

 

 

わからないよ

 

毎日アイツら倒して海の安全を守る!それが皆の願いだと思ってた。違うの?深海棲艦との戦いは誰も望んでなかったの?

 

 

私は段々と人に会うのが怖くなった、学校に行くのが怖くなった。そんな時に彼は私の前に現れた。

 

 

「どうしたの?鈴谷さん」

 

「え?」

 

「元気ないよ?」

 

この頃の私は学校でもほとんど元気は無く誰からも相手にされ無かった………………教師からも。

そんな私に話しかけてきた奇特な人物がいるなんて、、、、、誰?

 

「誰?」

 

「ああゴメン、僕は同じクラスの吉井明久だよ」

 

 

 

これが吉井明久、私の大好きな人との出会いだった。

 



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第二問(2)

 

ガタンッ………

 

普通テスト中には聞こえないであろう大きな音で彼女の思考はストップする。

音のした前方を見ると生徒が床に倒れている。

 

(あれは……姫路さんか)

 

(てか熊野寝てるじゃん)

 

(余裕って訳か…)

 

倒れた姫路の隣の席では妹の熊野がテストを解き終わったのか寝ているのが見える。

 

「大丈夫!?姫路さん」

 

(あ!明久だ)

 

「途中退席すると試験は無得点となります、いいですね?」

 

「そんな!?先生!」

 

「何ですか、吉井君」

 

「彼女は病気なんですよ?」

 

「そんな事関係ない、それとも貴様も無得点になりたいのか?」

 

(これは話しても分からない奴だね)

 

「ここで姫路さんを見捨てるくらいなら無得点にでもなってやりますよ!」

 

「フンッ…バカめ」

 

「失礼します!」

 

そう言い残すと吉井は姫路を連れて教室を出ていった。

 

「フンッ………クズめ」

 

彼女は耳を疑った。目の前の試験監督官(カス)は今何て言った?

明久は体調の悪い姫路さんを庇っただけだ。

それをクズだなんて………許せない。

 

ガタッ……

 

(ゴメン、熊野。でも……私我慢できない)

 

「!?席につきなさい、鈴谷!」

 

「………………よ(ボソッ」

 

「何?」

 

「あんたの方がクズだって言ってるのよ!このカスがぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「!?貴様!無得点だぞ!?」

 

「ご自由にどうぞ、気分が悪いので失礼します」

 

「えぇ!?鈴谷!?」

 

吉井が信じられないと言った顔で彼女を見る。

 

「行こ!明久!」

 

そう言うと彼女は荷物をまとめて席を立つ。

 

〜〜少年少女移動中〜〜

 

「でも良かったの?鈴谷さん」

 

「試験の事?」

 

「うん…」

 

「気にしないで、鈴谷も許せなかったから」

 

「ありがとう」

 

「いえいえー!それより姫路さん大丈夫?」

 

「意識ないけど寝てるだけだと思うよ」

 

「それなら良かった」

 

「うん、あ、保健室に着いたよ」

 

鈴谷が保健室のドアを開け二人と一人は中に入る。

 

 

「どうされましたか?」

 

「試験の途中で倒れたので運んできました。風邪だと思うんですが」

 

「診察するのでそこのベッドに寝かしてください」

 

「はい」

 

吉井は姫路をベッドに寝かせて保険医の先生の診察を待つ。

 

「って明石じゃん」

 

「鈴谷さん、久しぶりです。鈴谷さんもこの学園でしたね」

 

「そうだよー。てか何で明石が保健医やってんの?」

 

「就職に困ってた時に提先生にお声をかけて頂いて……資格は持ってたから今年からここで保険医になったの。よろしくね、鈴谷さんと………」

 

「あ、吉井明久です。よろしくお願いします!」

 

 

「ふふ、元気な子ですね」

 

「お二人は知り合いですか?」

 

「そうだよー、二人共元()()だよ」

 

「へぇー」

 

「一応見た感じ熱が結構あるからインフルの疑いがあるわ」

 

「姫路さん……」

 

「二人共感染るといけないからもう帰りなさい。後は先生たちでやっておくから」

 

「「ありがとうございました」」

 

「失礼しました」

 

「それじゃあねー明石」

 

「今日はありがとう、鈴谷さん」

 

「いいのいいの。それじゃあ熊野が待ってると思うから、バイバイ!」

 

「うん、バイバイ。鈴谷さん」

 

鈴谷は踵を返して妹を探しに昇降口へ向かって行った。

 



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第三問

バカテストはもう少し慣れたらやってみたいです


‐文月学園校門前‐

 

「おはよう、鈴谷、熊野」

 

「おはようございます、鉄人」

 

「おはようございます、西村先生」

 

「鈴谷、西村先生と呼べと何度も言ってるだろ」

 

「へいへーい、分かってますって」

 

「先生に失礼ですわ、鈴谷」

 

彼の名は西村宗一。文月学園高等部で補習を担当している。趣味はトライアスロン、レスリングの心得もあり、補習内容やその風貌も相まって着いた渾名は「鉄人」。

 

「ほれ、お前たちのクラスだ」

 

「まあ見なくても分かるけどね」

 

そう言って先生が手渡したのは一通の封筒。

 

「鈴谷、お前のとった行動は誇れる物だが、もう少し言葉は選べよ?」

 

「りょーかい」

 

「Aクラス……当然ですわ」

 

「確認したら遅刻しない内にクラスに向かえ」

 

「「はーい」」

 

〜移動中〜

 

「ねえ熊野……」

 

「?」

 

「ゴメンね」

 

「何がですの?クラスの事ならもう許しましたわ」

 

「うん、でも熊野が鈴谷と同じクラスになるの凄く楽しみにしてたの知ってるから………」

 

「もし私があの時起きていたら同じ事したましたわ」

 

「え?」

 

「私も吉井君には大変感謝しております。もし私があそこで寝ていなければ鈴谷と同じ事をしておりましたわ」

 

「熊野…そっか」

 

「ふふ、では私はここなので。吉井君にはよろしく伝えておいてくださいまし。」

 

「わかった。また後でね」

 

(熊野…やっぱり私達って姉妹なんだね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐Fクラス前‐

 

「……………………」

 

「廃屋かな?確か南方の無人島で一晩明かした小屋がこんな感じだったはず」

 

「ま、曲がりなりにも学校だから中は綺麗でしょ……おはよー」ガラガラ

 

「………………」

 

(薄汚い畳。脚の折れたちゃぶ台。ヒビに入った窓。これは酷い)

 

「ん?鈴谷か。おはようさん」

 

「おはよ、坂本」

 

話しかけてきたのは坂本雄二。明久達とつるんでいるバカの代表格である。

 

「話は明久から聞いてる。俺はこのクラスの代表だ。よろしく」

 

「坂本が代表なんだね。よろしくー」

 

文月学園では各クラスの振り分け試験の成績最優秀者が代表となるのだ。

 

「席は特に決まってないから好きに座ってくれ」

 

「ふむふむ、どこにしようかな…………って榛名!?」

 

「お久しぶりです、鈴谷ちゃん」

 

吉村 榛名(よしむら はるな)。彼女もまた元艦娘の一人である。

 

「どして?何で?why?」

 

「落ち着いて鈴谷ちゃん。実は振り分け試験の日に自転車とぶつかっちゃって一昨日まで入院してたの」

 

「何で連絡してくれなかったの?お見舞い行ったのに」

 

「えへへ、大した怪我じゃなかったので……やはり艤装展開してないと普通の体なんですね」

 

「大した事無くて良かったけど、無理しないでね」

 

「うん、ありがとう。鈴谷ちゃん」

 

「あともう高校生なんだからいい加減ちゃん付けはやめて欲しいかな」

 

「えー可愛いのに。じゃあ鈴谷さんでいい?」

 

「うん、あ、先生来たみたいだね」

 

「座りましょうか」

 

 

こうして彼女達のFクラスでの生活が始まった。




ようやく榛名出せた


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第四問

金剛出したいけど回収できるか不安なので保留(´;ω;`)ウッ…


 

 

 

〜Fクラス前〜

 

「…………………」

 

吉井明久。彼もまたFクラスを前に絶句していた。

 

(噂は聴いていたけどここまで酷いとは………)

 

(中はマシなはず……はず)ガラガラ

 

「おはよー「さっさと席に着け、この蛆虫野郎」う」

 

「ってどうして雄二が教卓に立ってるのさ」

 

「そりゃ先生がまだ来てないからだ」

 

「ふーん」

 

「悪い通して貰えるかな?吉井君」

 

明久の後ろから声を掛けたのは提 督(つつみ おさむ)。このクラスの担任である。

 

「提先生!Fクラスの担任なんですか?」

 

「ああそうだ。一年よろしくな、吉井君」

 

「鉄人なんかが担任だったら不登校になってたよ(こちらこそよろしくお願いします、先生)」

 

「それ本人の前では言うなよ?(苦笑」

 

先生の登場により教室内も落ち着き始め皆席に着く。

 

「2年Fクラスの担任になりました提 督です。よろしく」

 

そう言って黒板に向かい名前を書こうとした所でチョークが用意されていない事に気が付く。

 

「全員にちゃぶ台と座布団が支給されます。不備があれば申し出てください。」

 

「不備しかない」とぶー垂れるFクラス面々を「自分で何とかしてくれ」で片付ける。

 

「では廊下側から自己紹介して貰おうか」

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」

 

立ち上がって自己紹介したのは男子の制服を着た女生徒………ではなく木下秀吉。れっきとした男だ。

 

「それとワシは男じゃ」

 

「そんな!?」「違う!秀吉は『秀吉』だ!」「好きだ!」

 

「違うと言っておるじゃろ。次じゃ次じゃ」

 

「……土屋康太」

 

十数人の自己紹介が終わり初めて女子生徒が現れる。

 

「海外育ちで日本語は会話は出来るけど読み書きは苦手です」

 

ツリ目がちな大きな目と透き通る様な白い肌に栗色の髪を後ろに纏めた勝ち気な美少女

「趣味は吉井明久を殴ることです♪」

 

島田美波。彼女もまた明久に助けられた一人であるのだが、事ある事に明久に暴力的な行動を取るため明久からはあまり好意を持たれていない。

 

「島田さん、例え冗談でも人を殴ると言うのは良くないですよ。まして彼はクラスメイトです」

 

「……はい」

 

先生に注意をされ『しまった』と言った顔をする島田。

 

 

「吉村榛名です。よろしくお願いします」

 

「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!巨乳美人来たぁぁぁぁ!!!!!」」」

『Foooooooo!!!!!榛名!榛名!榛名!』

 

突然騒ぎ出すFクラス男子(バカ)達。

 

「鈴谷 光です。賑やかなクラスだね。よろしく♪」

 

「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!またまた巨乳美人来たぁぁぁぁ!!!!!」」」

『Foooooooo!!!!!!!!鈴谷!鈴谷!鈴谷!』

 

またも突然騒ぎ出すFクラス男子(バカ)達。オトコって単純………

 

「あと、人を殴るのが趣味の人は明久に近寄らないでください(ギロッ」

 

「ッ………!!!」

 

「落ち着いてください二人共。次の方お願いします」

 

「吉井明久です。気軽にダーリンって呼んでくださいね♪」

 

「「「ダァァァーーーーーリィィィーーーーーン!!!!」」」

 

「ウッ………失礼忘れてください」

 

吐き気を抑えながら次に回す吉井。その時教室前方の扉を勢い良く開き一人の女子生徒が駆け込んできた。

 

「あ、あの、遅れてすみません」




(._.)<たくさん書いたつもりでも全然量が足りない


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第五問

少し開けてしまいましたが続きです





「あ、あの、遅れてすみません」

 

現れたのは美少女……もとい姫路瑞希。榛名に勝るとも劣らない胸部装甲とルックスから特攻(告白)する男子が後を絶たない。結果皆玉砕す(フラれ)るのだが。

 

 

教室が固まっている中先生が口を開く。

 

「おお姫路さんか、ちょうど自己紹介してる所なのでよろしくお願いします」

 

「はい、姫路瑞希です。よろしくお願いします」

 

「あの、質問です!」

 

男子生徒の一人(モブ)が質問をする

 

「なんでここにいるんですか?」

 

大変失礼な聞き方ではあるが当然なのかもしれない。姫路瑞希はAクラス代表、学年主席である霧島翔子の次に成績が良い。つまり彼女はAクラスに居るものと誰もが考えていたのである。

 

「そ、その……振り分け試験の時に高熱を出してしまいまして…」

 

事情を知る三人は当然だと言う様に頷く。

 

「そう言えば俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに」

 

「ああ、化学だろ?あれは難しかった」

 

「弟が事故に遭ったと聞いて」

 

「黙れ一人っ子」

 

「前の晩彼女が寝かせてくれなくて」

 

「今年一番の大嘘をありがとう」

 

しかしFクラスはFクラスであった。

 

「で、では一年間よろしくお願いします!」

 

そう言って姫路は空いている席に着く。ちなみに今の席順はこの様になっている

雄二┃姫路┃明久┃鈴谷

 

「あのs「姫路」……」

 

吉井が姫路に話しかけたタイミングで坂本も話しかけた。

 

「は、はい、何ですか?え〜と………」

 

「坂本だ、坂本雄二。このクラスの代表してる。よろしく頼む」

 

「ひ、姫路です。よろしくお願いします」

 

そこでようやく吉井が話しかける。

 

「ところで体調はもう大丈夫なの?」

 

「よ、吉井君!?」

 

声をかけた吉井を見て姫路が驚く。

 

「姫路。明久がブサイクですまん」

 

「ちょっと雄二!」

 

「そんな! 目もパッチリしてるし顔のラインも綺麗だし、全然ブサイクなんかじゃないですよ!」

 

「そうそう、人の事蛆虫野郎とか呼ぶ赤ゴリラよりも断然カッコいいじゃん」

 

ここで鈴谷も会話に参加する。

 

「私は鈴谷光。よろしくね姫路さん」

 

「あ、試験の時はありがとうございました。よろしくお願いします」

 

「ま、まあ見てくれは悪くないな。そう言えば俺の知り合いにも明久に興味を持ってるやつがいたな」

 

「「それって誰(ですか)?」」

 

「確か………久保……」

 

「「……久保?」」

 

「利光だったかな」

 

 

 

 

久保利光……性別♂。

それを聞いてるあからさまに安心する二人。

 

「そこの人達静かに」バンッ

 

  バキッ…バラバラ……  

   

そう言って先生がどこから取り出したのか精神注入棒(ハエたたき)で教卓を打つと音を立てて教卓が崩壊した。

「替えの教卓を持ってくるのでしばらくお待ちください」

 

真剣な顔で何か考え事をしていた吉井が坂本に声をかける。

 

「雄二……ちょっといい?」

 

「ん?どうした?」

 

「ここじゃ話しにくいから廊下で」

 

「別に構わんが」

 

〜〜〜〜

〜〜〜

〜〜

 

二人が教室を出たのを確認して鈴谷もドアの前まで行き聞き耳をたてる。

 

『雄二…この教室の設備なんだけど』

 

『ああ、想像以上にひどいな』

 

(はは〜ん、試召戦争でも仕掛けるのかな)

 

『でしょ、だから………

 

 

 

試召戦争仕掛けてみない?』

 

『なるほど……姫路と鈴谷か』

 

(え?私?)

 

『うん、姫路さんと元艦娘と言っても鈴谷さんもこの環境は辛いと思うんだ』

 

(私達の体調を気遣ってか……なら…)ガラガラ

 

「私はそれには反対するよ」

 

「鈴谷(さん)!!」

 

二人は突然の乱入に混乱するが坂本はすぐに落ち着きを取り戻す。

 

「理由を聞いてもいいか?俺も試召戦争を仕掛けようと思ってたんだ」

 

「理由は…このメンバーなら勝てるから……勝ててしまうからかな」

 

「ん?どう言う事だ?」

 

「たぶん坂本君はAクラスと代表同士の一騎打ちないし選抜メンバーの1on1にするつもりでしょ?」

 

「あ、ああよく分かったな」

 

「Aクラスに居る人達ってAクラスに入るために毎日勉強頑張って来た人達でしょ?それなのに勉強しないFクラスの人達がAクラスの設備を手に入れても意味ないじゃん、どうせ勉強しないんだから」

 

「うっ、それはそうだか…」

 

「それとも坂本は霧島さんにこんな設備で勉強して欲しいの?」

 

ここで鈴谷は坂本に挑発をする。

 

「ッ!?…………クソッ」

 

鈴谷の挑発に坂本は言葉を失う。

 

「だから私は別の提案をするよ……それは「三人ともさっさと戻りなさい」

 

鈴谷が代わりを提案しようとした所で教卓を抱えた先生が戻ってきた。

 

「もー、提督タイミング悪い!これだから彼女出来ないんだよ」

 

「悪かったな。それから提督ではなく先生と呼べ」

 

「へーい」

 

三人は渋々教室に戻る

 

 




金剛を出す為に色々と考えております


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第六問

まだ自己紹介してる………


席に戻った所で鈴谷が先生にバレないように二人の所へ行く。

 

「それでね、試召戦争に勝った時の設備交換を別の物にして貰ったらいいんじゃないかな」

 

「なるほど」

 

「え?どう言う事?」

 

1人分かっていない吉井に鈴谷が説明する

 

「Fクラスと設備交換するとAクラスの人が可哀想でしょ?」

 

「そうだね」

 

「だからFクラスがAクラスに勝った時の設備交換を再振り分け試験にして貰いたいの」

 

「なるほど!それなら意欲のある人はAクラスで無い人はFクラスのままなんだね!」

 

「そういうこと」

 

「そこの三人!あまり騒がしいと西村先生に補習して貰うぞ?」

 

「「「すみませんでしたァ!」」」

 

「はぁ、坂本君。自己紹介の最後は君だよ」

 

「は、はい」

 

坂本が教壇に立ちゆっくりと教室を見回す。

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。代表でも坂本でも好きに呼べ」

 

ここで一呼吸置いてまたゆっくりと教室を見回す。

 

「さて皆に一つ聞きたい…………Aクラスは冷暖房完備のうえ座席はリクライニングシートらしいが……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不満はないか?」

 

『『『大ありじゃあ!!!』』』

 

「だろう。俺もこの現状には大いに不満だ」

 

各地から不満が続出する。

 

「そこで代表としての提案なんだが…………

 

 

FクラスはAクラスに試召戦争を仕掛けようと思う」

 

「無理だ………」

 

「そんなの勝てる訳がない……」

 

「これ以上設備を落とされたくない……」

 

「榛名さんがいればもう何もいらない」

 

「そんな事は無い!必ず勝てる!いや、俺が勝たせてみせる!」

 

弱気なFクラスに坂本は力強く断言する。

 

「 このFクラスにはAクラスに勝てる隠し玉が揃っているからな。今からそれを説明してやる!」

 

「 土屋。畳に顔をつけて姫路と吉村のスカートを覗こうとしてないでこっちに来い!」

 

「……!!(ブンブン」

 

「はっ、はわっ!」

 

「だ、大丈夫じゃないです」

 

「まず一人目だ。土屋康太。コイツが一部で有名なムッツリーニだ」

 

「馬鹿な!・・・やつがそうだというのか」

 

「見ろ!まだ証拠を隠そうとしているぞ・・・」

 

「ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ・・・・」

 

『ムッツリーニ』男子には畏怖と畏敬を、女子には軽蔑をもって呼ばれる。

 

「姫路や吉村、鈴谷は説明するまでもないだろう」

 

「は、榛名ですか!?」

 

「ああ、お前達は主戦力だからな。期待している」

 

「そうだ、俺たちには姫路さんが居るんだった!」

 

「彼女達なら、Aクラスにも引けをとらない」

 

「あぁ、吉村さんがいれば何もいらない」

 

 

「木下秀吉だっているし俺も全力を尽くす」

 

Aクラス木下優子の双子の弟で有名な秀吉。

 

「坂本って、確か小学生の頃は神童とか呼ばれてなかったか?」

 

「それじゃあ、実力はAクラスレベルが五人もいるって事かよ? もしかしたら、やれるんじゃないか?」

 

「あぁ、なんかやれそうな気がしてきた!」

 

弱気だったFクラスをうまくまとめ上げる坂本。

 

「それに吉井明久もいる!」

 

 

静寂が教室をつつむ。

 

『誰だよ、吉井明久って』

 

『聞いたことないぞ』

 

「 知らないなら教えてやる。吉井は学園史上初の観察処分者だ!」

 

「観察処分者ってバカの代名詞だったよな」

 

「ああ、バカの代名詞だ」

 

 

「しかし吉井は先生の許可の元召喚獣を扱っている分操作技術なら学年一だ。それに点数もD〜Cクラス並ある」

 

「それって凄いのか?」

 

「確か観察処分者って痛みのフィードバックがあるんだよな」

 

「まともに戦えるのか?」

 

「ああ、盾くらいにはなる」

 

「これだけの隠し玉があるんだ。お前ら、勝てて当然だろ?」

 

「そうだ!これだけの隠し玉があるんだ!勝てる!勝てるぞ!」

 

「ちょっと!ウチは?」

 

島田が立ち上がって怒りを顕にする。

 

「島田、お前の得意科目は何でどの程度だ?」

 

「ふん、数学ならBクラス上位並よ」

 

島田が得意げに答えるが

 

「話にならん」

 

「なんでよ!」

 

「俺は今Aクラスに勝つための隠し玉を紹介してるんだ。たかが1教科だけBクラス並では使い物にならない」

 

「…………」

 

坂本は島田が黙ったのを確認してクラスに向き直る

 

「ただし……Aクラスに勝っても設備交換はしない!」

 

「何でだよ!」

 

「どう言う言だ!」

 

「いいかよく聞けお前ら、俺らが勝ったらもう一度振り分け試験を行おうと思う」

 

「ふざけるな!」

 

「設備交換をしろ!」

 

「姫路さんがいれば(ry」

 

「黙れ!おまえらの前後両隣を見ろ」

 

そう言われ周りを見回す男子達。

 

「お前らの周りには男しかいないだろ?このまま設備交換をしてもお前らには女子との学園生活は訪れないぞ」

 

「なんという事だ!」

 

「おのれリア充!」

 

「お前ら! まずは俺たちの力の証明としてDクラスを征服したい。皆、この境遇には大いに不満だろ!? Aクラスの女子と勉強したいか!?」

 

「「当然だ!!」」

 

「ならば全員(ペン)を執れ! 出陣の準備だ!!」

 

「「おぉぉぉぉぉっ!!」」

 

「俺たちに必要なのは、卓袱台じゃない! Aクラスのシステムデスクだ!!」

 

「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」

 

かくしてFクラスによる下克上が幕を開けた。




やっと次からDクラス戦です


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