猫修羅 (ちょい晩酌)
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転生

はじめまして。
見てくれてありがとうございます。
考えた事を文字にするのは難しいですね。
とりあえず、頑張ってみます。


オギャーオギャー

 

 

 

霧の籠る深い深い山奥の森の中に、ぽっかりと穴が空いたように集落がある。その集落の中でも一番大きな屋敷から、産声がひとつ。

 

 

 

「可愛らしい女の子ですよ」

 

 

母親が胸の上に置かれた赤子をじっと見て、頬に手を添える。

 

 

「そうか女だったか…」

 

 

お産を手伝った侍女達も、母親も困ったように笑う。

 

外に見える満月さえ笑っているように見える。

 

 

 

「奥方様、そろそろ旦那様をお呼び致しましょうか?」

 

 

 

「…」

 

 

 

 

「奥方様?」

 

 

侍女がもう一度声をかけるが返事がない。

 

 

 

「奥方様!?奥方様!!!!誰か医師を!!…早く!!!!旦那様はどこに?!!」

 

 

 

慌ただしい部屋の中で、母親の上に置かれた赤子は燃えるような赤い目で、目を瞑った母親をじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

これが私の次の人生の始まりらしい。

 

 

 

 

いやぁ困った困った。

さっきまで中古本屋さんにいたのですよ。

で、何冊か漫画買って家に帰る途中でトラックにどーん。

 

横断歩道は青だったからね?

巻き込み確認しようよ運ちゃんよぉ…

けっこう吹っ飛んだのよね。

で、痛いなー眠いなーからの今ココです。

ふと起きたらどこも痛くないし、体は小さいし?

 

死んで悔いはないのかって?

すっごくあるよ。色々ね。でも、もう死んじゃったし、どうしようもないって諦め感が強く出てます。

 

って思うって事は、これが前世の記憶持ったまま赤ん坊になってる的なあれか??

前世って言っても、ついさっきの事なんだけどさ。

 

 

 

突っ込みたい事はたくさんあるけど、とりあえず次の人生を楽しませてもらいますか。

美人なら女優になってみたいしね。それとも小さいうちから何かスポーツをやって、オリンピック選手を目指すか。

 

 

見るからにど田舎のお嬢様に産まれたっぽいけど、私頑張ります!

おやすみなさい!

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

で、赤ん坊の私は頭の中で色々考える事しかできないのよ。

まず、歩けない、しゃべれない。

だって赤ん坊だもん!

 

お腹減ったら泣く、オムツ替えて欲しいとき泣く。

 

 

…暇やーーー。

 

 

ちなみに、出産の時に意識なくなった母親は養生するとかで、どこか行ってしまったらしい。

父親にはまだ会っていない。

 

なので名前はまだない。

 

 

目がまだ良く見えないみたい。何ヵ月くらいで視力上がるのかしら…

 

頑張って細い目をすると少ーし見えるのだけど、数日よく見ていたら、おそらく私の世話をする侍女は3人いる。

他にも何人か顔を見にくる客が来る事があるんだけど、侍女も客もみんな頭に耳がある。

耳って顔の横のはずだけど、多分私も頭の上に耳がある。

猫耳?

 

我輩は猫である。名前はまだない(笑)

 

 

声はよく聴こえる。

侍女たちの愚痴や恋話もしっかり聴いているよ。

みんな可愛いがってくれているみたいだから何よりです。

 

 

さっき、初めて見る怖い顔したおっさんがいたので、目を細めてじっくり顔を見ていたら、修羅のようだと言ってきたので、大泣きしてやった!

失礼な。

 

そしてまさかのおっさんが、私に名前を付けやがったのですよ。

 

【猫修羅】ってね。

 

 

そんな名前、虐待だわ!

 

 

そして、おっさんの発言にびびった私。

 

 

「お前の親父の友達の息子は犬夜叉と名付けられたらしい。犬と猫は馴れ合う事は難しいかもしれんが、同じ半妖同士どこかで会えたら仲良うしてほしいもんだ。」

 

 

 

…犬夜叉?

 

 

 

 

そういえば、トラックに撥ね飛ばされる前に中古本屋さんで買った漫画、犬夜叉だったな…

 

 



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子猫

ミルクをもらう

 

寝る

 

オムツを替えてもらう

 

抱っこしてもらう

 

寝る

 

 

この繰り返しの毎日はとても暇です。

 

 

そう言えば、侍女が「猫修羅様の父上様は猫の大妖怪なのよ。」と言っていました。

私は猫の妖怪と人間との子供らしいけど、母はよく猫を愛せたな…と思う今日この頃。

まぁ、恋愛事情は人それぞれだからね。

 

侍女が話しかけると、「うー」と「うー?」を使い分けられるようになりました。

 

 

 

そして、生後半年頃には早くもハイハイができるようになりました。

しかしごく稀になぜかハイハイができない日があります。

その日は力が全然出なくて1日憂鬱でした。

 

あと、オムツが汚れた事に気付いてもらえなかった時に、大声で泣きまくったら、なんとびっくり完全に猫になってしまいました。

腕が毛まみれになって一瞬焦ったよ!!?

 

侍女が「あらあら、怒って猫化しちゃいましたね。」って言っていたから、猫妖怪の中では普通の事らしい。

 

あと、離乳食スタート!!

ミルク以外の物を食べられて嬉しい。

本当に嬉しい!!

 

全力ハイハイでお腹を空かせたいだけなのに、侍女が追いかけてくるので毎回鬼ごっこしているみたいになって面白い。

 

 

 

 

 

 

一歳になる頃には、歩けるようになったり、難語を話すくらいならできるようになりました。

 

本を読もうとしたら、ミミズのような文字で読めなかったので、文字の読み書きは学ばないと駄目そうです。

 

「これ、よんでー!」

侍女に猫妖怪の歴史とか世界の種族などの大人用の本を渡すと、

 

「猫修羅様、こちらにしましょう?」

と言われて、猫姫物語や猫源氏に変えられてしまう。

 

作られた物語の中で作られた物語を読んでもらうって(笑)

 

初めて見る本は一応読んでもらうけどさ、

でも、竹の中から子猫~とか、モテモテの猫の話~とか、どっかで聞いたことあるような話…。

 

まぁ深く気にしてはいけない。

 

 

そういえば、友達もできました。

2歳年上の男の子“昴(スバル)”君です。

 

猫妖怪の集落は、何ヵ所かあるみたいなんだけど、私の住む“猫又村”が一番大きいらしい。猫又村は100人いないくらいの猫妖怪がいるが、子供はそう多くないので貴重である。

 

昴は、髪の色が白く、猫化すると白猫になる。

あ、ちなみに私は黒髪の黒猫ですけど。

 

黒猫なんて、縁起悪いか宅急便しか思い浮かばないー。

 

 

昴はわりとヤンチャな方で、たまに面倒だけど、絶対イケメンになりそうな整った顔立ちをしているので仲良くしておこうと思う。

 

侍女とやるよりも疲れる本気鬼ごっこは燃える。

木登り競争は登った後で降りられなくなったら、猫化しちゃえば楽に降りられる事を教わった。

爪を研ぎやすい木や美味しい実のなる木など、遊びながら昴は色々教えてくれる。

 

 

あと、猫パンチの出し方も教わった。

ア○パンチみたいな感じ。

 

3歳ってこんな優秀なの??

私は1歳だけどさ(笑)

 

 

「しゅらーー!」

 

「しゅばゆー!」

 

 

村のアイドル降臨。

 

 

一応まだ小さいので、村の外には出てはいけないと大人に言われている。

妖怪同士の争いに巻き込まれたら大変らしい。

 

私には基本侍女が必ず近くにいるので、悪いことはできそうにないです。

 

 

 

…くんくん。

なんか嗅いだことのない匂いが、村の入り口からします。

昴も気付いたようで、入り口の方を見ています。

 

目を合わせて、二人で猫化して一目散に走っていくと、バスより大きそうな猫がいた。

 

猫バスっていたなぁ…と思いながら、この巨大猫は自分の父親だな、と自然にそう思えた。

 

 




読みづらかったり誤字脱字あったらごめんなさい
こんな文章くらいしか書けません…

設定を固めるのって難しいですね…


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親子

バス…じゃなくて父親は、走ってきた私をちらりと見ると、聞き取れない声でボソッと何か言って、飛ぶように走って屋敷に行ってしまった。

 

 

猫バス絶対私が娘って分かったな。

一年経って初めて会う娘に、まず言うことあるんじゃないのかい?

一人にしてすまなかったなーとか、俺が父親だよー的なさぁ。

何て言ったか全然聞こえなかったし、どう見ても逃げたでしょ。

 

 

ふと横を見ると、さっきの猫バスが私の父親だと気付いたであろう昴が、父の走り去った道と私の顔を交互に見て、私に声をかけずらそうにしてるのが申し訳ない。

3歳の昴に気を使わせてしまうなんて…。

 

落ち込むより、呆れてしまったので私は平気です。

でも、それを一歳の言葉で三歳の昴に伝える事がが難しいので、

 

「あたち、だいじょーぶよぉ。またあした、あしょぼーねー。」

と軽く済ませる私。

 

「「ばいばーい。」」

 

 

ぁあ。屋敷に戻るのが憂鬱です。

 

 

 

 

 

そっと屋敷に入る私。

…なんで私がこそこそしないといけないのだろう。

 

 

 

 

「猫修羅」

 

 

あ、呼ばれた。

 

 

「あい。」

 

 

なんとなく猫化したまま対面する。

 

 

「さっきは村の者達がいたのですまなかったな。ずっと一人で大丈夫だったか?」

 

 

まぁ、侍女とかいたし大丈夫だったけど…。

「あい。」

 

 

「俺にはやる事が沢山有る為、この村を離れる事が多い。しかし、時に村を守る為の行動でもある。

…いつかお前も外に連れて行く。しかし今は幼すぎて力がない。精進するのだ。」

 

「…あい。」

 

「暫く滞在するが、今日は休む。下がれ。」

 

 

はい?

なんて父親だ!詫びはないし、聞きたいことが山程あるのにもう会話終了?

バス猫ならぬ、バカ猫か!!

親子って言うのは会話やスキンシップ大事!

って事で下がりません。

 

 

「ははうえー。いないー。」

 

「…。」

 

猫バスは目を見開いた後に、少し目を細めて話始めた。

 

 

「…理解できるか分からぬが…。

 

お前の母は人間だ。巫女と言う特別な力を持った人間だった。

妖怪を滅する力を持ちながら、人間に害のない妖怪と仲良くしていた。“撫子”と言う、気が強いが名前の通り花のように美しく優しい女だった。

お前を腹に宿してからは、巫女としての力がなぜか弱まり、巫女を食らおうとする妖怪に狙われた。

危険だと思い、俺は撫子をこの村に置いて守る事にした。

…しかしそれが原因で、猫妖怪達は他の妖怪達と争う事が増えた。

…俺は巫女を食らおうとする妖怪を潰しながら、力を戻す方法を探していた。

 

ある時、子が産まれたと知らせがきた。

そして…、そのまま意識をなくしたと。

無論お前のせいではない。

 

今はとりあえず妖怪から離れ、空気の良い人間の住む村で休ませる事にした。

何かあった時の為に、猫も近くに置いてある。」

 

 

 

ほう…。

猫バスも大変だったようですね。

妻ラブって事か。

母親に会いに行きたい所だけど、私が近づいたら良くないのかな?

 

 

「ははうえ…。」

 

 

「数多くの妖怪を滅する中で、呪いにでもかけられたのだと思う。まだ詳しいことは何も分からぬ。」

 

 

そっか。

 

よし!じゃあ私は母親を救ってみせる!!

 

この世界でやる事は決まった!

 

 

 

目標は家族団らん!

 

と素敵な人と結婚!

 

 

 

二つ目おかしいって?

いやいや、女として産まれた以上譲れない。

 

まずは強くならねば。

 

 

気合いを入れて、猫パンチ!!!!!

 

 

猫バスに当たって、睨まれてしまった…。




ルビをふる?とか、色々難しい事はできません(笑)
今まで読むだけだったので、何も使いこなせません!
しかしながらお気に入りして下さった方に感謝です!!
飽きられない用に頑張りたい…です。

ちなみに、猫バスが人間の村に置いた猫は、アイツです。
分かりますかー??ニヤニヤ


原作で年齢とかあやふやなので、時に噛み合わない事もあると思いますが、そこは私解釈ですいません。


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