MOKOCCHIが行く遊戯王GX (交響魔人)
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第一章 デュエルアカデミア一年目
第一話!登場、MOKOCCHI!


ワタモテのもこっちが自分を主人公にした二次創作を作ったらこんな感じになるのでは?そう思って書きました。


 デュエルアカデミアの実技試験。その試験会場にて、一人の少女が眼前のデュエルを眺めている。

 名前は黒木智子。地元ではクィーンと呼ばれている女デュエリストである。

 容姿端麗で美乳な美少女だ。ただ、その双眸は鋭く、人を寄せ付けない高嶺の花という表現がぴったりである。

 

 

「受験番号1番、黒木智子さん!」

 

 スッと立ち上がり、カツカツと音を立てながら颯爽と会場へ向かうもこっち。

 

 試験官の前に立ち

 

「受験番号1番、黒木智子。よろしくお願いいたします。」

 

 自己紹介してからお手本になりそうな一礼。背筋をピンと伸ばし、手早くディスクを起動させてデッキをセットするもこっち。

 

「ボンジュール。私はクロノス・デ・メディチ。学園では実技担当最高責任者をやっていますーノ。」

「光栄です」

「では、試験を始めるノーネ!」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

クロノス ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!可変機獣ガンナードラゴンを召喚。このカードはレベル7ですが、攻撃力と守備力を半分にする代わりに、生け贄無しで召喚出来ます」

 

 キャタピラをうならせながら、装甲車が現れる。

 ただしどうやら万全では無いらしく、ガタついている。

 

「攻撃力1400デスーカ」

「カードを一枚伏せ、永続魔法機甲部隊の最前線を発動してターンエンドです」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 可変機獣ガンナー・ドラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1

クロノス ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!トロイホースを召喚!」

「攻撃力1600…いえ、トロイホースは地属性モンスターを召喚する場合、一体で二体分の生贄に出来るモンスター…」

「さらに魔法カード、二重召喚を発動。これによりもう一度通常召喚が出来ますーノ!」

「やはり、狙いは地属性の最上級モンスターの召喚…」

「その通りなのーネ、現れるノーネ!古代の機械巨人!」

 

 トロイホースが光に包まれ、直後に

 地面から轟音と共に巨大な機械仕掛けの巨人が立ち上がる。

 

 

 「あれは入試用のデッキじゃあない!クロノス教諭自身の暗黒の中世デッキ!」

 「あれに勝てる受験生なんて居ないよなぁ」

 

 

「シニョーラ智子。筆記試験は見事デシータ。あれほどの成績は、シニョールカイザー以来。

デスーガ、貴女は世界の広さを知らねばなりませんノーネ。古代の機械巨人の攻撃力は3000!バトル!可変機獣を攻撃!アルティメットパウンド!」

「…」ライフ4000から2400

 

「この瞬間、機甲部隊の最前線の効果発動、破壊され墓地に送られたモンスターの元々の攻撃力より低い機械族で同じ属性のモンスターを特殊召喚。

リボルバードラゴンを特殊召喚!」

 

 異形の殺戮兵器が轟音と共に現れ、銃口を向ける。

 

「ナヌー?!そ、それはギャンブルモンスター?!」

「はい」

「ヌヌヌ、カードを一枚伏せて、ターンエンドなノーネ」

 

 

もこっち ライフ2400

手3 場 リボルバードラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1

クロノス ライフ4000

手2 場 古代の機械巨人 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!リボルバードラゴンの効果発動、コイントスを三回行い、二回表が出れば相手モンスターを破壊出来る。一回目、表。」

「ヌヌ?!」

「二回目…裏」

「ふ、フフーン」

「三回目……表!よって古代の機械巨人を破壊!」

「マンマミーア?!」

「おろかな埋葬を発動。デッキから人造人間サイコ・ショッカーを墓地に送る。バトル、リボルバードラゴンでダイレクトアタック!」

「罠発動!炸裂装甲!これでリボルバードラゴンを破壊するノーネ!」

「永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!蘇れ、サイコ・ショッカー!」

 

 サイコショッカーが現れ、眼前の炸裂装甲に対してレーザーを照射する!

 

「これにより、罠カード、炸裂装甲は無効になる!」

「ナヌー?!」

 

「バトル続行!」

「アマトリチャーナ?!」ライフ0

 

 アマトリチャーナとはイタリア中部のパスタであるが、何故それを言ったのか分からなかったものの、もこっちは一礼してその場を去る。

 

 席に座って、試験終了の宣言を待っていた智子に、後ろから受験生が話しかけて来る

 

「すっげぇ!強いなお前!」

「…ええ、ありがとう」

 

 もこっちはデュエルディスクを取り外し、デッキをケースに入れデュエルディスク共々鞄にしまう。

 流れるように作業をこなしていたが、その動きが途中で止まる。

 

「今年の受験生で、二番目に強いかもな」

「自分が一番だとでも言うの?」

「ああ!」

 

 作業を続け、しまいこんだ後にその受験生をじっと見つめる。

 原石を見て宝石か石ころかを見極めようとしている鉱物学の研究員を連想させる瞳に、遊城十代の姿が映り込む。

 

「受験番号110番、遊城十代さん。会場までお越しください」

「おっ、俺の番だ!」

 

 会場へ向かう遊城十代をもこっちは見送る。

 

「僕より9番成績がいいだけでなんであんなに自信満々なんスか?羨ましいッス」

 

 会場で始まったデュエルに智子は集中する。単に力量も弁えて居ない凡人ならばクロノスの本気を知るチャンスであり、

 もしも本物ならばその輝きを見れる。どちらにせよ、見逃す法は無い。

 

 デュエルの結果は遊城十代の勝利だった。

 試合の結果を見届け、もこっちは会場を後にする。為すべき事はほぼ為した後だが、最後の仕上げが残っている。




いかがでしたか?ご意見、ご感想。お待ちしております。


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第二話!不幸なMOKOCCHI

今回はMOKOCCHIの不幸な現状と、三沢君のデュエルです。


 もこっちは無言で自宅に帰る。誰も居ない家。

 父は病死、母は新興宗教に嵌って蒸発。

 弟は親戚が引き取っていった。

 

「……」

 

 ネットは解約した。電気、ガス、水道が通っているだけ。

 そして、アカデミアに居る間は誰も住まない以上、冷蔵庫も空にしておかなければならない。

 残っている食材は一切合切使ってしまおう。

 

 100均で買っておいた回鍋肉の素を取り出す。調味料の類はほとんど残っていない。使いきった。

 デザートは昨晩のうちに作っておいた杏仁豆腐。電子レンジにレトルトご飯を入れ、セットする。

 

 米を炊いた方が安上がりだが、もうしばらく帰ってこないと決めた為、余らせるより使いきった方が良いと判断したのだ。

 心の中で、帰って来た奴に米粒一粒たりとも残す物か、という心境が無かったと言えば嘘になるが。

 

 一人で夕飯を済ませる。テレビもつけない。明日の朝は買って置いたコンビニのおにぎり、

 残った卵は二個。ピザトースト用に用意していたチーズも使いきってチーズオムレツで済ませよう。そう考えながらベッドに入った。

 

 

 翌日。

 朝食を済ませ、家中のコンセントから電源を引っこ抜き、コンロと水道の元栓を閉め、ブレーカーも落とす。これで月々にかかる電気代も大幅に抑えられるはずだ。

 戸締りを確認し。デュエルアカデミアに入る為に纏めて置いた荷物とありったけのお金を持って智子は家を出る。

 

 

 デュエルアカデミアの入学式。校長の話を聞き終えた後、真っ直ぐラーイエローの寮前に向かう。

 人目に晒されながら、ある人物を智子は待つ。すると寮長が出て来る。

 

「おや?君は受験番号1番の智子さんですね?ラーイエロー寮に何か用ですか?」

「樺山先生。受験番号2番の三沢さんを待っています」

「俺を?」

 

 振り返るとそこに三沢が立っていたため、そちらを向いて軽く微笑む

 

「入学したばかりだが、私とデュエルをしないか?」

「君と?」

「疲れているのであれば、日を改めてもいい。どうする?」

「いや、受けよう。デュエル!」

 

 編入組一位と二位、最も片方はクロノスを破っている実績もあるが、それでもラーイエローの主席に最も近い男として注目されている。

 見物人のほぼ全員が三沢の応援であり、完璧にアウェーな空気の中、もこっちは余裕たっぷりに立つ。

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

三沢 ライフ4000

手5 場 

 

「先攻はどうぞ」

「では俺のターン、ドロー!俺はブラッドヴォルスを召喚!そして永続魔法を二枚発動!ツーマンセルバトルと絶対魔法禁止区域!

カードを一枚伏せ、ターンエンド。エンドフェイズ、ツーマンセルバトルにより手札のヂェミナイ・エルフを特殊召喚。ターンエンドだ!」

 

 三沢の場は、デュエルモンスターズでも下級アタッカーな二体。しかも絶対魔法禁止区域により、地割れ、地砕きといった除去魔法も受け付けない。

 伏せカードにも自信満々であり、迎え撃つ事も、攻め込むことも出来る布陣を敷いた。

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

三沢 ライフ4000

手1 場 ブラッドヴォルス ヂェミナイ・エルフ ツーマンセルバトル 絶対魔法禁止区域 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、デビルズサンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚」

「む、狙いは生け贄召喚か?」

「敏いな、メタルデビルトークンを生贄に、人造人間サイコ・ショッカーを召喚!」

「なっ?!もう引き当てていたのか!」

「ツーマンセルバトルと絶対魔法禁止区域は通常モンスターサポート。そしてブラッドヴォルスやヂェミナイ・エルフはレベル4のアタッカー、

となればメインデッキの大半はレベル4の通常モンスターが大半のデッキだろうが、その中にこのサイコ・ショッカーを凌ぐモンスターは居ないはず」

「グッ…」

「これで罠は封じた。バトル、サイコ・ショッカーでブラッドヴォルスを攻撃。サイバーエナジーショック!」

「ぐううっ?!」ライフ4000から3500

 

「カードを一枚伏せ、ターンエンドだ」

 

もこっち ライフ4000

手3 場 サイコ・ショッカー 伏せ1

三沢 ライフ3500

手1 場 ヂェミナイ・エルフ ツーマンセルバトル 絶対魔法禁止区域 伏せ1

 

「俺のターン、ドロー!よし、俺は甲虫装甲騎士を召喚!バトルだ、甲虫装甲騎士でサイコ・ショッカーを攻撃!」

「…速攻魔法によるコンバットトリック、絶対魔法禁止区域を入れてるなら突進では無く…収縮!」

「凄いな、だが見抜いた所で防げないはずだ!速攻魔法、収縮を発動!サイコ・ショッカーの攻撃力を半分にする!」

 

 サイコ・ショッカーがみるみるうちに小さくなっていき…

 手のひらサイズにまで小さくなる。

 

「…土産物屋で一つ700円で売られていそうね」ライフ4000から3300

「これで場は空いた!」

「空いた?それはどうかしら。」

「なっ?!」

 

 もこっちの後ろに巨大な機械が出現し、蒸気を立てながら中から何者かが飛び出してくる。それは…サイコ・ショッカー!

 

「罠発動、時の機械タイムマシーンを発動した。これによりサイコ・ショッカーは時を超えて再び戻って来た。」

「なっ?!ぐっ、俺はヂェミナイ・エルフを守備表示に変更してターンエンドだ」

 

もこっち ライフ3300

手3 場 サイコ・ショッカー 

三沢 ライフ3500

手0 場 ヂェミナイ・エルフ 甲虫装甲騎士 ツーマンセルバトル 絶対魔法禁止区域 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!可変機獣ガンナー・ドラゴンを召喚。魔法カード、トランスターンを発動!場のガンナー・ドラゴンを生贄に、それよりレベルが1つ高い同属性かつ同じ種族の

モンスターをデッキから特殊召喚。デモニックモーターΩを特殊召喚!」

「攻撃力2800?!」

「バトル、デモニックモーターΩで甲虫装甲騎士を攻撃!モーターバイオレンスッ!」

「ぐっ?!」ライフ3500から2600

「さらにサイコ・ショッカーでヂェミナイ・エルフを攻撃!サイバーエナジーショック!」

「くっ!」

 

「ターンエンド。エンドフェイズにモーターΩの効果発動。モータートークンを特殊召喚。」

 

 強い。三沢が感じたのはその単語だけだった。

 これ以外にもデッキは存在する。だが、このデッキとて入学試験という重要な局面で用いるだけのスペックを秘めているのだ。

 

もこっち ライフ3300

手3 場 サイコ・ショッカー デモニックモーターΩ モータートークン

三沢 ライフ2600

手0 場 ツーマンセルバトル 絶対魔法禁止区域 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!ぐっ…永続魔法、凡骨の意地を発動してターンエンドだ」

 

 この瞬間、勝敗は決した。引きは悪く無かった。だが、それでも及ばなかった。

 

もこっち ライフ3300

手3 場 サイコ・ショッカー デモニックモーターΩ モータートークン

三沢 ライフ2600

手0 場 ツーマンセルバトル 絶対魔法禁止区域 凡骨の意地 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー。これで私の勝ちね、サイコ・ショッカー、デモニックモーターΩでダイレクトアタック!」

「うわぁあああああ?!」ライフ0

 

 

「…俺の負け、か」

「またデュエルしましょう。」

 

 

 そう告げるともこっちは颯爽と立ち去っていく。ざわめているラーイエロー生の中を素通りして。




三沢君の伏せカードはジャスティブレイクでした。


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MOKOCCHIと丸藤翔

太ももにデッキケースをつけている女デュエリストって最高だと思います。


 初日。クロノス教諭によるデュエル理論の授業が行われていた。

 

 

 

「デュエルモンスターズのカードには、モンスターカード、融合モンスターカード、儀式モンスターカード、効果モンスターカード。そして罠カードと魔法カードがあります。

さらに罠には通常罠、カウンター罠、永続罠があります。そして魔法カードには通常魔法、永続魔法、装備魔法、速攻魔法、儀式魔法、そしてフィールド魔法と分ける事が出来ます」

「スプレンディード!オベリスクブルーのシニョーラ明日香には簡単すぎましたか?」

「基本ですから」

 

 

「ではシニョール丸藤。フィールド魔法について答えなさーい」

「え、えっと、えっとあの…」

 

 緊張して答えられない丸藤。

 

「もういいノーネ。ふむ、シニョーラ智子。答えなさーい」

「はい。フィールド魔法は魔法・罠ゾーンに存在しない特殊な魔法カードです。

フィールド魔法はお互いの場に1枚しか存在できず、新たなフィールド魔法が出た場合破壊されます。

フィールド魔法の効果はお互いのモンスターに適用されます。サポートカードに永続魔法、フィールドバリア、テラ・フォーミングが存在します。

また、手札から捨てる事で特定のフィールド魔法をデッキから手札に加えられるモンスターも存在し、

これらのモンスターはサーチしたフィールド魔法があれば攻撃力2100の下級アタッカーとして運用出来るため、これを主軸に置いたデッキも存在します。

代表的なデッキに【伝説の都アトランティス】【ハーピィ】【墓守】【チェスデーモン】【天空の聖域】【ジュラシックワールド】【E・HERO】があります」

 

「スプレンディード!それに比べてオシリスレッドは…」

 

 笑われる丸藤。だが

 

「でも先生、知識と実戦は関係無いですよね。だって俺クロノス先生に勝っちゃったし」

 

 ハンカチを噛みしめて悔しがるクロノス教諭、そこに

 

「両方大事とは思わないの?」

 

 聞こえよがしにもこっちは呟く。それに対し十代は何か言いたげにもこっちを見るが、その双眸と交差した瞬間、十代は目を逸らした。

 

「静かにするノーネ!続けるノーネ!シニョール三沢、装備魔法について答えるノーネ!」

「はい!装備魔法は…」

 

 

 

 初日の授業終了後、もこっちは入浴した後はバルコニーにて夜風に当たっていた。

 ふと人の気配を察知してそちらを見ると

 

 

 「きゃあああ!覗きよ、覗き!」

 その声を無視できず、もこっちは一階まで駆け下りる。素早く犯人を捕らえると

 

「…丸藤?」

 

 何のつもりだろうか?こんな時間、この場所。疑われる行為は慎むべきだろうに。

 

「もう逃げられないわよ、この痴漢!」

「皆、今すぐ周囲を探して!」

「なんでよ?」

「覗きが一人だけとは限らない。他にも居るかもしれない」

「そうね!」

 

 集まっていた女子生徒が他を探しに走っていく。

 

「あ、あわわわわ…手紙を貰ったから来ただけなのに、どうしてこうなるンスか?」

「…ディスクはある?」

「な、何なんスか?!」

「デュエルよ、私に勝てば見逃してあげる。どうする?」

「ううっ、あのクロノス教諭に勝ってしまう人が相手なんて…で、でもやるッス!やってやるッス!」

 

 

 もこっちは腰では無く、太もものホルダーからデッキを取り出し、ディスクにセットする。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

丸藤 ライフ4000

手5 場 

 

「ぼ、僕のターン、ドロー!えっと、えーっと」

「…枕田と浜口をはじめとした捜索組が帰ってくる前で無いと、見逃そうにも見逃せなくなる」

「?!」

「私は貴方が覗いたとは思って居ない」

「ええっ?!ひょ、ひょっとして僕の事が」

「そんな度胸があるなら、当てられて緊張して答えられないなんてありえない」

「ガックシ」

 

 

「で、どうするの?」

「や、やってやるッス!僕は融合を発動!手札のスチームロイドとジャイロイドを融合!スチームジャイロイドを融合召喚!

さらにパトロイドを通常召喚!永続魔法、ウェポンチェンジを発動してターンエンドッス!」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

丸藤 ライフ4000

手1 場 スチームジャイロイド パトロイド ウェポンチェンジ 

 

 

「私のターン、ドロー。おろかな埋葬を発動。デッキからTM-1ランチャースパイダーを墓地へ送る。

そして魔法カード、死者蘇生を発動。墓地のTM-1ランチャースパイダーを特殊召喚」

「こ、攻撃力2200?!」

 

「魔法カード、古のルールを発動。手札のレベル7以上の通常モンスターを特殊召喚。TM-1ランチャースパイダーを特殊召喚」

「に、二体目ッスか?!」

 

「魔法カード、七星の宝札を発動。手札のレベル7のTM-1ランチャースパイダーを除外して、二枚ドロー。

手札を一枚捨て、装備魔法D・D・Rを発動。TM-1ランチャースパイダーを特殊召喚」

「TM-1ランチャースパイダーが1ターンで三体ッスか?!」

 

「バトル、D・D・Rが装備されたスチームジャイロイドを攻撃」

「す、スチームジャイロイド?!」

 

「そしてパトロイドを攻撃」

「うわぁあああああ?!」ライフ4000から3000

 

「三体目でダイレクトアタック!」

「うわぁああああ?!」ライフ3300から1100

 

 

「ターンエンド」

 

もこっち ライフ4000

手0 場 TM-1ランチャースパイダー TM-1ランチャースパイダー

丸藤 ライフ1100

手1 場 ウェポンチェンジ 

 

 

「う、うう。僕のターン、ドロー!僕は、ジェットロイドを召喚!」

「…攻撃力1200を攻撃表示?」

「ああっ?!た、ターンエンドッス」

 

もこっち ライフ4000

手0 場 TM-1ランチャースパイダー TM-1ランチャースパイダー

丸藤 ライフ1100

手1 場 ジェットロイド ウェポンチェンジ 

 

 

「私のターン、ドロー。ジェットロイドは攻撃されると手札から罠カードを発動出来るモンスター」

「ううっ…」

「…TM-1ランチャースパイダーを守備表示に変更」

「えっ?」

「バトル、TM-1ランチャースパイダーでジェットロイドを攻撃」

「た、助かったッス」

 

 その能天気な言葉に対し鋭い双眸で丸藤を睨んだもこっちは、ドローカードを差し込む。

 

「…速攻魔法発動、リミッター解除。場の機械族の攻撃力は二倍になる」

「こ、攻撃力4400?!うわぁああああ?!」ライフ0

 

 

 デュエルは終わった。

 

「…私の勝ち」

「うう、も、もうお終いっす…」

 

 その時、もこっちの後ろから声をかけられる。

 

「翔君?それに黒木さん?!これは一体どういう事?」

「天上院さん。彼が覗きをしたという疑いがかけられていたけれど、私は犯人では無いと思う」

「あ、明日香さん!これ、これを書いてくれたんスよね?!」

 

 渡された手紙を見る天上院。だが

 

「これ私の字では無いし、宛先が遊城十代になっているわよ?」

「ええ~?!そんなぁ!」

「悪質ないたずらね。天上院さんの名前を使い、狙いは遊城か。丸藤は巻き込まれただけのようね。」

 

 探しに行ってた女子生徒が戻ってくるが誰も居なかったという。

 学園に突き出そうと言う女子生徒に対し、天上院は皆をなだめる。

 

「ねぇ、ちょっと待って。この件、私に預からせてくれない?私にいい考えがあるの」

「…被害者は貴女だ。異論はない」

 

 その後、天上院は遊城十代を呼び出してデュエルを行っていた。




【バニラ蘇生】って面白いですよね。


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MOKOCCHIと【サイバー・ガール】

今回は月一試験です。ライフ4000だと地雷デッキが多そう。


 月一試験が始まる。アカデミアの月一試験は筆記と実技に分けて行われる。

 まずは筆記から始まる為、さっさと席について授業中とったノートを読み直すもこっち。

 板書は必要事項のみ、教員の話の要点だけ簡潔に記しているため、確認自体は即座に終わる。

 

 試験が始まる。30分後、もこっちは解き終えたため、見直しを始める。

 その直後、遊城十代が入ってくる。何やら丸藤と話をしていたが

 

「十代君、早く問題用紙を取りに来るのニャ、もう時間が無いのニャ」

「大徳寺先生。30分遅刻した場合、受験資格が無くなるのでは?」

「ええっ?!」

「確かにそうですが、今はまだ29分。先生の時計ではそうなっているのニャ」

「……」

 

 もこっちは試験開始から31分が経過を示している壁掛け時計を見たが、黙って答案用紙のチェックに戻る。

 言っても無駄と判断したためである。規定時間が過ぎ…

 

 

「ではこれにて筆記試験は終了、午後二時から体育館で実技試験が始まりますのニャ~」

 

 生徒が一斉に駆け出していく。最新のパックが入荷されると言うから、それを買いに行ったのだろう。

 静かになるのを待ち、もこっちは立ち上がって教室を後にする。お昼をさっさと済ませて、デッキを再確認し、試験開始を待つ。

 

 

 午後二時。体育館にてもこっちは対戦相手を待つ。月一試験は基本的に同じ寮の生徒が相手になる。

 

 

「…天上院さん」

 

 「ブルー女子のトップと、編入組のトップが直接対決か」

 「明日香様~」

 

 アウェーな空気の中、もこっちは毅然と立つ。

 

「行くわよ、黒木さん!」

「…よろしくお願いします」

 

 互いにディスクを起動させ、デッキをセットし…

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

明日香 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!サイバー・ジムナティクスを守備表示で召喚!カードを一枚伏せて、ターンエンドよ!」

 

 筋肉質の女戦士が登場し、守りの姿勢を取る。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

明日香 ライフ4000

手4 場 サイバー・ジムナティクス 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!モンスターをセット。そして永続魔法、機甲部隊の最前線を発動。カードを伏せて、ターンエンド」

 

 ドローカードを確認し、手早く動くもこっち。

 凡庸な一手だがそれまでのデュエルを見ている者は、その動きを警戒する。

 天上院もその一人だ。

 

もこっち ライフ4000

手3 場 セットモンスター 機甲部隊の最前線 伏せ1 

明日香 ライフ5900

手4 場 サイバー・ジムナティクス 

 

 

「私のターン、ドロー!強欲な壺を発動、二枚ドロー!サイバー・ジムナティクスを生贄に、サイバー・プリマを召喚!効果発動!場の表側表示の魔法カードを全て破壊!」

「…最前線が」

「さらに魔法カード、融合を発動!手札のエトワールサイバーとブレードスケーターを融合!サイバー・ブレイダーを融合召喚!」

 

 攻撃力2100と2300のモンスターが並ぶ。

 どちらも【サイバー・ガール】におけるエースモンスターだ。

 

 「上手い、これでガンナー・ドラゴンを戦闘破壊させる事でリボルバードラゴンを特殊召喚する基本戦術を封じた」

 

「まだよ!装備魔法、ビッグバンシュートをサイバー・プリマに装備!これで攻撃力が400ポイントアップして、貫通効果を得る!」

「攻撃力2700…」

 

 サイバー・プリマが熱いオーラを纏う。

 

「バトルよ!サイバー・プリマで攻撃!」

「セットしていたモンスターは…アステカの石像!」

「なっ?!機械族では無い?!でも、守備力2000なら私のサイバー・プリマの方が攻撃力は上!」

「…永続罠、モンスターBOXを発動」

「えっ?」

 

 

「アステカの石像は反射ダメージを二倍にする効果があります」

「ええ、その通りね」

「そしてモンスターBOXが当たれば相手モンスターの攻撃力は0になり…反射ダメージ2000が発生しますが」

「モンスター効果により、そのダメージは二倍に…」

「では、コイントス。私は裏を宣言」

「確率は50%!当たるはずが」

「コイントス…結果は、裏」

 

 

 サイバー・プリマを天上院に向かって突き飛ばそうとしたアステカの石像だが、蹴りが入って破壊されてしまう

 

「…これは」ライフ4000から3300

「サイクロンを発動したわ!これでモンスターBOXは破壊よ!」

 

 

 「流石明日香様!」

 「所詮運だけの女よ!」

 

「…サイバー・ブレイダーでダイレクトアタックしますか?」

「勿論。行きなさい!」

「…」ライフ3300から1200

 

「ターンエンドよ!」

 

 

 

もこっち ライフ1200

手3 場 

明日香 ライフ4000

手0 場 サイバー・ブレイダー サイバー・プリマ ビッグバンシュート

 

 

 

「私のターン、ドロー!おろかな埋葬を発動。デッキから可変機獣ガンナー・ドラゴンを墓地に送り、魔法カード、旧型出陣を発動。墓地の機械族を特殊召喚する。

ガンナードラゴンを再起動」

「攻撃力2800…」

「永続魔法、エンジンチューナーを発動。場の全ての機械族は攻撃表示になり、その攻撃力は元々の守備力の半分だけアップする。よってガンナードラゴンはその守備力の半分、攻撃力がアップ。」

「攻撃力3800?!」

 

「バトル、サイバー・プリマを攻撃」

「きゃああああ?!」ライフ4000から2900

 

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

 

 

もこっち ライフ1200

手0 場 ガンナー・ドラゴン エンジンチューナー 伏せ1

明日香 ライフ2900

手0 場 サイバー・ブレイダー 

 

 

「くっ、私のターン、ドロー!装備魔法、フュージョンウェポンを装備!これで攻撃力が1500ポイントアップして3600!」

「それでも攻撃力が足りません」

「ええ、私はこのままターンエンド」

 

 サイバー・ブレイダーは相手モンスターが一体なら戦闘では破壊されず、二体なら攻撃力が二倍、三体ならば相手のカード効果を無効にする。故にもこっちが新たなモンスターを召喚する可能性と戦闘ダメージを受ける可能性を考慮した上で、敢えて攻撃表示のまま場に残したのである。

 

もこっち ライフ1200

手0 場 ガンナー・ドラゴン エンジンチューナー 伏せ1

明日香 ライフ2900

手0 場 サイバー・ブレイダー フュージョンウェポン 

 

 

「私のターン、ドロー!場のガンナー・ドラゴンを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚。エンジンチューナーにより守備力1200の半分、600ポイントアップして2900」

「どうして?!サイバー・ブレイダーより攻撃力が低いのに…」

「勝つため。コイントス。対象はサイバー・ブレイダー。一回目…裏。二回目…表。三回目……表」

 

 

 

「なっ?!」

「サイバー・ブレイダー撃破。私にはまだ攻撃が残っている。ダイレクトアタック!」

「きゃああああああ?!」ライフ0

 

 

 「あ、明日香様が…」

 「ぐ、グーゼンよ、偶然!コイントスが外れていれば…」

 

 

 自分のデッキが研究されている事を知っていたもこっちは、その先入観を逆手にとって地雷を張った。

 それをサイクロンで躱した手並みは凄いが…

 このコイントスの結果は、偶然では無い。人事を尽くしたからこその、答え。

 

 

 試験が終わった事もあり、もこっちは観客席へと戻る。

 

 

「VWXYZにエンジンチューナーを使うと攻撃力4400、XYZは4100、VWは3050…彼とデュエルする時はエンジンチューナーの発動には気をつけないと…」

 

 エンジンチューナーは相手の場の機械族も強化していしまう。もしもクロノス教諭相手に使うと攻撃力4500の古代の機械巨人になってしまう…

 そんな事を思いながらもこっちはデュエルを眺めていた。

 




エンジンチューナーがOCG化されたら、機械族は守備力もかなり重視されるようになると思います。


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MOKOCCHIと龍牙

オリジナル設定が登場します。ご了承ください。

デュエルディスクの重量は漫画版GXでフリスビーにして遊べる物から、宝石をちりばめている事からピンからキリまであるのでしょうが、バトルシティ時代の流通品とかアカデミアディスクの重量はどれぐらいなのでしょうか?


 図書館で樺山先生から出された詰めデュエルを解き終え、報酬のカードを受け取ったもこっちは、レッド生に挑まれた物のあっさりと蹴散らしていた。

 

「TM-1ランチャースパイダーでセットモンスターを攻撃」

「ば、番兵ゴーレムが!」

「もう一体のTM-1ランチャースパイダーでダイレクトアタック。」

「うわぁああああ?!ライフ0

 

「くっそぉ、負けたか…」

 

 チックという少年を一瞥すると、もう興味が無くなったという態度でその場を立ち去る。

 一部の生徒からは相手の強さによってデッキレベルを変えている事を批判された。

 …相手によって有利と思われるデッキを使う三沢はいいのか?ただ「あれ、居たの?」とたまに言われている辺り、やや嫌われているのかもしれない。

 

 天上院を倒したという事で、もこっちを慕う編入組の女子生徒が現れた。成瀬優。

 もこっちと呼び、もこっちも彼女をゆうちゃんと呼ぶようになった。

 デュエルが強い、というのが一種のステータスになるこの世界ではよくある話である。

 

 そんな日々を送っていると、奇妙なうわさを聞く。

 アカデミアに教育実習生が来ていて、採用条件の一つに「50連勝」というのがある。

 ただ、倒した生徒からレアカードを巻き上げているという。奪われたカードはかなりの枚数にのぼり…

 

 

「…ネフティスの鳳凰神、パーフェクト機械王、ギルフォード・ザ・ライトニング、デビルドーザー、海竜ダイダロス、ヘルフレイムエンペラー、タイラントドラゴン…」

「どれもデュエルモンスターズではトップクラスのレアカードばかり…」

 

 被害にあった生徒から寄せられた情報をもこっちとゆうちゃんは集めていた。

 

「そして、デュエル中になぜか魔法カードが使えなくなり…」

「さっさと進めろと圧力をかけられ、仕方なくターンエンドしていいようにやられる…と。」

「ラーイエローの小原君の気持ちが分かったよ…あの、周りから何をやっているんだ、早く進めろ的な視線はキツイ」

「彼の場合は経験を重ねて、緊張をほぐせるようになれば強くなると思うけれど…」

 

 相談している所に、レッド生が近づく。

 

 

「なぁ、龍牙について何か知らないか?」

「遊城?」

「えっ?遊城、もしかして龍牙と戦うつもり?」

「当たり前だ!翔のカードを持っていきやがって。」

「勝てるの?魔法カードが使えない状況で」

「魔法カード無しで?どういう意味だ?龍牙は魔法カードを封じる戦術なのか?」

 

「マジック・キャンセラーやサイレントソードマンとは別の方法。おそらくはイカサマ」

「なっ?!」

「遊城、もし私が負けたらその時はお願い。」

「もこっち、勝算はあるの?」

「ある。イカサマの方法にも、検討はついている。何処から流出したのかは知らないけれど……」

 

 随分と危険な橋を渡ったようね、ともこっちは呟く。

 

 

 翌日。オベリスクブルーのデュエルフィールドに、教育実習生ともこっちは立っていた。

 穏やかな紳士を思わせる風貌。眼鏡は細いフレームで、髪をバックにまとめあげている。

 ただ、その眼はどことなく爬虫類を連想させる。人を見下しきった表情。

 

 

「君があのクロノス教諭を倒したという生徒の一人かね?」

「もう一人、遊城十代が居ます、龍牙教諭」

「龍牙教諭。いい響きだ。ふふ、だが残念な事にまだ教諭では無いのだよ」

「そうなのですか?」

「まぁ、もうすぐそう呼ばれるようになるがね、フフフ…」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

龍牙 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は君に譲ろう」

「では、私の先攻、ドロー。魔法カード、強欲な壺を発…」

「ん?どうしたのかね?」

 

 強欲な壺が正常に発動出来ない為、もこっちはディスクを簡単に操作した後、強欲な壺のカードを龍牙に見せる。

 

「龍牙教諭、これが見えますか?」

「ああ、強欲な壺だね。」

「効果はご存知ですか?」

「はぁ?デッキからカードを二枚ドローする、だろ?」

「ありがとうございます」

 

 そう告げると、もこっちは強欲な壺を墓地に送り、デッキから二枚をドローする。

 

「ま、待て!今何をした!」

「強欲な壺を発動して二枚ドローしました」

「だが、ディスクが認識を」

「デバックモードで起動しています。デュエルディスクが不具合を起こした際の対処法として、対戦相手にカードを提示しそれを

相手が確認させる事でカードの処理を行う、という方法があります」

「な、ななな…」

 

 いいや知らない、見た事が無いと喚きたてるのは龍牙のプライドが許さなかった。

 本来はディスクがカードの情報を読み取り、海馬コーポレーションのメインコンピューターにアクセスし、そこで高速処理を行った後に再び転送されているが

 デバックモードではカードデータを読み取ったまま効果を処理する。故に、僕の考えた最強のカード、でも使用は出来るのだ。

 

 相手がそのカードの使用を許可してくれれば、ではあるが。

 

 

「では続けます。私は魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動します。手札のモンスターを捨てて、デッキか手札からレベル1のモンスターを特殊召喚。よろしいですね?」

「ぬぅ…」

「手札の人造人間サイコ・ショッカーを墓地に捨て、デッキから黄泉ガエルを特殊召喚。私はモンスターをセットしてターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 黄泉ガエル セットモンスター 

龍牙 ライフ4000

手5 場 

 

 

「ぬぅ、私のターン、ドロー!私はジュラック・グアイバを召喚!」

 

 炎を纏った非常に派手な恐竜が現れる。見た事のないモンスターが出てきたことで、わずかに目を開くもこっち。

 図鑑に登場するような恐竜とは違うが、この鮮やかな色合いは見ていて楽しい。

 性格はともかく、自身のカードに対して称賛を込められた眼差しを向けられる事は悪い気分では無かったようで、龍牙は饒舌に語る。

 

 

「フフフ、どうかね?インダストリアルイリュージョン社の最新のカードだ。獲物を探し、追い詰め、食らいつく。

狩りの一連の流れが緻密に組織された食物連鎖の頂点!その力を見るがいい!ここで手札のキラーザウルスを墓地に捨てて効果発動!」

 

 龍牙が使ったのは、かつてもこっちが説明していたフィールド魔法を手札に加える下級モンスター。それが引っ張ってくるフィールド魔法は…

 

「デッキからフィールド魔法、ジュラシックワールドを手札に加え、発動!これにより、場の恐竜族・鳥獣族モンスターの攻撃力・守備力を300ポイントアップする!」

「…攻撃力2000」

「それだけでは無い!恐竜族・鳥獣族は相手の罠の対象とならず、効果も受けない!さらに自分のコントロールする攻撃表示の恐竜族・鳥獣族モンスターが

相手モンスターの攻撃対象になった時、そのモンスターを守備表示にする事ができるのだ!」

 

 あまりにも多い効果から、【鳥獣族】にも組み込めると思考を巡らし、

 何故恐竜族が対応しているのに爬虫類族が対応していないのだろう?と余計な事を考えるもこっち。

 

「バトル!グアイバで黄泉ガエルを攻撃!」

 

 その選択をもこっちは訝しく思った。

 

「黄泉ガエルを倒しても、次の私のスタンバイフェイズに墓地から特殊召喚出来ますが?」

 

 相手モンスターの数を減らすのは常道だが、復活するモンスターを倒してどうしようというのか。

 

「フフフ、グアイバが相手モンスターを戦闘で破壊し墓地に送れば、デッキから攻撃力1700以下のジュラックを特殊召喚出来る。現れろ、ジュラック・ヴェロー!

ただしこのターンは攻撃出来ないがね。私はカードを伏せて、ターンエンド」

 

 デッキからの特殊召喚を確実に通す為だったのか?いや、何か狙いがある。

 爬虫類を思わせる欲望に彩られた眼には、まだ何か隠されている事をもこっちは見抜いていた。

 

もこっち ライフ4000

手4 場 セットモンスター 

龍牙 ライフ4000

手3 場 グアイバ ヴェロー ジュラシックワールド 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズに墓地の黄泉ガエルの効果発動、墓地から特殊召喚。」

「君がモンスターを特殊召喚した事で、罠発動!狩猟本能!これにより手札の恐竜族を特殊召喚!

現れろ、ジュラック・ティラヌス!どうだ!こいつは攻撃力2500の上級モンスターだ!さらにジュラシックワールドで攻撃力は2800」

 

 確実に、堅実に相手を追い詰める。黄泉ガエルを狙ったのは確実さを取り、この展開の為だった。

 獲物を探し、追い詰め、食らいつく。狩りの一連の流れが緻密に組織された食物連鎖の頂点…なるほど、実に彼らしい。

 アカデミア生徒という獲物を追い詰め、レアカードを食らい尽くす。だが。そのような暴虐は長くは続かない。炎は全てを燃やし、新たな物を作り出す。

 だが、その後に残るのは灰のみだ。

 

「相手が手札からモンスターを特殊召喚した時、このモンスターを特殊召喚出来ます、サイバー・ダイナソーを特殊召喚」

「な、何ぃ?!」

 

 派手な恐竜に対し、メタリックな恐竜が現れ、互いに威嚇する。とはいえ…

 

「ふ、フン!所詮はまがい物!攻撃力がティラヌスに及ばん!」

 

 

 

「私は黄泉ガエルを生贄に、ブローバックドラゴンをアドバンス召喚。」

「むっ?!」

「効果発動、コイントスを3回行います。対象はジュラック・ティラヌス。コイントス。一回目、裏。二回目、表、三回目…裏」

「は、ハハハ!所詮運に縋った所でこの程度だ!」

 

 ギャンブル失敗。だがもこっちはためらわず、次なる一手を打つ。

 

「セットモンスターを反転召喚。融合呪印生物「闇」。効果発動、ブローバックドラゴンとこのカードを生贄に、デッキからガトリングドラゴンを融合召喚」

「なっ?!融合無しで融合召喚だとぉ!」

 

「コイントス。一回目、表、二回目、裏、三回目、表」

「ぐっ?!あ、ありえん!」

 

 ガトリングドラゴンの一斉掃射が、狩人を気取っていた恐竜族をまとめてハンティングする。

 魔法を封じられたアカデミアの生徒を狩って来た彼らだったが、今回、狩られるのは彼らの方だった。

 

 

「バトル、二体でダイレクトアタック!」

「うわぁああああ?!」ライフ0

 

 

 

 勝負は決した。

 

「私の勝ちですね、龍牙教育実習生」

「…このデュエルは無効だ!」

 

 外野がざわめく

 

「運が良かっただけだ!こんなものはデュエルとは呼べん!」

 

 その醜態をじっと見つめるもこっち。

 ただ、待っていた。この男が醜態を、恥をさらしまくるのを。

 

「何とか言ったらどうだ!ええ?」

「そもそも、デバックモードでのデュエルはカウントされませんよ?」

「…は?」

「ですから、龍牙教育実習生。先ほどのデュエルはそもそもノーカウントです」

「は、ハハハ…なんだ、驚かせおって」

 

 ただ、そのような態度を生徒にとる姿が認められる訳が無い。

 人生のツケというやつは、最も自分にとって苦しい時に必ず回ってくるもの。

 

「シニョール龍牙。少し話があるノーネ」

「く、クロノス教諭?」

「先ほど、貴方は負けたノーネ」

「なっ?!あれはノーカウントと向こうも」

「貴方は教師になるというのに、生徒に対し指導したり、健闘を称える事もしなかったノーネ。

そんな人を栄光あるデュエルアカデミアの教員に迎え入れる訳には行かないノーネ。

何よりもカードを強奪した疑いもあるノーネ。カモン!倫理委員会!」

「は、離せっ!くっそぉおおおお!」

 

 睨まれたら退学間違いなし、という倫理委員会のメンバーはきびきびと動いて龍牙を拘束して連行していった。

 そして生徒からレアカードを強奪していた事と、イカサマをしていたことがばれてアカデミアからたたき出された。

 

 

 

 カードを返却され、ラウンジにてもこっち達は集まっていた。

 

「でも驚いた、デバックモードがあるなんて」

「まぁ、普通は使わないから知らないのも無理はない。それで、カードは戻って来たの?ゆうちゃん」

「うん。マスターオブOZ、ちゃんと帰って来たよ。ありがとう」

 

 

「あー?!ま、魔法カードが発動しない!」

「ええー?!」

 

 

「もこっち、あれは!」

「ディスクをフリスビーみたいに投げて遊んでいたら壊れると思う。小型のノートパソコンが買える程の精密機械だし」

 

 そう言うと、もこっちはディスクの手入れをする。学校の備品であるが、いずれは自分専用のディスクを手に入れてカスタマイズしたいものだ。

 デュエルディスクの改造パーツはかなりの数が出回っており、プロや金があるデュエリスト達はこぞって買い求めている。

 

 

 基本的に黒を基調としたデュエルディスクにしたいなぁ、と思いつつ、もこっちはディスクをしまう。

 後ろでディスクが壊れた、直してと大徳寺先生に遊城が泣きついて居た。




 魔法カードだけ発動出来なくさせる指輪と、それに耐えられるデュエルディスクってあの世界だと裏ルートで出回って居そうな品ですよね。
 


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MOKOCCHIとゆうちゃん

もこっち以外のワタモテキャラがデュエルをします。



「…遊城達が退学?」

「うん、なんでも廃寮に入ったんだって。天上院さんと、前田さん、遊城、丸藤が」

「ふぅん…」

 

 ゆうちゃんと話していたもこっちは興味無さげに返す。親友では無い、あくまでも知り合い程度。

 

「天上院さんは巻き込まれただけで、遊城と丸藤だけ制裁タッグデュエルだって」

「前田さんは?」

「何か許されたらしいよ?」

「訳が分からない…」

 

 そうやって話していると、ドタドタドタとオシリスレッドの生徒がやってくる

 

「成瀬!お願いだ!力を貸してくれ!」

「え、ええっ?!」

「隼人君を連れ戻しにお父さんがやって来たんス!ビッグコアラを使っているし、隼人君にアドバイスをしてあげてよぉ!」

 

 混乱しているゆうちゃんを守るようにもこっちは前に出る。

 

「落ち着いて。順番に話して」

 

 

 事情を聴き終えたもこっちは冷たく告げる。

 

「遊城。この件からは手を引くべきよ」

「なっ?!なんでだよ!」

「前田さんの父親は前田さんの将来を真剣に考え、学費を出している。次の進級試験まで待って、それで結果が出なかったらどうなるの?

その間の時間と学費が無駄になる」

「う、ううっ…」

「遊城。学費を出しているのは前田さんの父親よ。他人が口を出す事では無いわ。貴方が代わりに学費を払うならともかく」

「もこっち!」

 

 ゆうちゃんをじっと見つめるもこっち。

 

「手伝うの?」

「だって、放っておけないじゃない!」

「…なら、これで決めよう」

 

 そう言って、もこっちはディスクを起動する。

 

「デュエルで?!」

「私が勝ったら、ゆうちゃんも私もこの件には関わらない。ゆうちゃんが勝ったらこの件に私も協力する」

「…いいよ!」

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

 

「いくよ、私のターン、ドロー!魔法カード、召喚師のスキルを発動!デッキからレベル5以上の通常モンスターを手札に。ビッグコアラを手札に加える!」

「あっ?!び、ビッグコアラなんだな!」

「さらに魔法カード、古のルールを発動!手札のレベル5以上の通常モンスターを特殊召喚!ビッグコアラを特殊召喚!」

「すげぇ、いきなり攻撃力2700のモンスターかよ…」

 

「埋葬呪文の宝札を発動!墓地の魔法カードを二枚除外する事で、三枚ドロー出来る。私は召喚師のスキルと古のルールを除外して、三枚ドロー!」

 

 最上級モンスターを召喚したのに手札は6枚。これが通常モンスター軸のデッキと埋葬呪文の宝札の底力である。

 

「魔法カード、融合を発動!手札のビッグコアラとデスカンガルーを融合!マスターオブOZを融合召喚!カードを二枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ゆうちゃん ライフ4000

手1 場 マスターオブOZ ビッグコアラ 伏せ2

 

「私のターン、ドロー!手札の沼地の魔神王を墓地に送り、デッキから融合を手札に加える。」

「へぇ~、融合賢者と同じ効果のモンスターか」

 

「私は融合を発動、手札のリボルバードラゴンとブローバックドラゴンを融合。ガトリングドラゴンを融合召喚」

「ガトリングドラゴン…でも、三回とも表ならもこっちのガトリングドラゴンも破壊されるよ!」

「コイントスを行う、一回目…表。二回目…裏。三回目…表。よってマスターオブOZとビッグコアラを破壊」

「まさか二回だけなんて。でも!私の場の獣族が効果で破壊された事で、森の番人グリーンバブーンの効果発動!ライフを1000払って手札から特殊召喚!」ライフ4000から3000

 

 場をがら空きにされたが、即座に戦線を立て直す。凶悪な大型兵器に対し、森の番人が唸り声を上げながら立ちはだかる。

 

「…速攻魔法、融合解除。ガトリングドラゴンの融合を解除して、リボルバードラゴンとブローバックドラゴンを再起動」

「?!」

「リボルバードラゴンの効果発動、コイントス…裏。二回目…裏」

「よし!」

「三回目…」

「ええっ?!」

 

 どうして外れが確定したのにコイントスを行うのか?分からい面々を放置し、もこっちはブローバックドラゴンの効果を起動させる。

 

「表。次はブローバックドラゴンの効果発動。コイントス…表。二回目…表。三回目…裏」

「そんな?!」

 

 ブローバックドラゴンの射撃により撃ち抜かれたグリーンバブーンは破壊される。

 モンスターは全滅。だがゆうちゃんの目にはまだ闘志が残っている。それを確認すると、手札の一枚に手を掛ける。

 

「…私はブローバックドラゴンを生贄に、人造人間サイコ・ショッカーを召喚」

「?!そ、そんな?!」

 

 サイコ・ショッカーにより罠は使えない。この時点で勝敗は決してしまった。

 

「バトル。ブローバックドラゴンとサイコ・ショッカーでダイレクトアタック」

「きゃあああああああ!」ライフ0

 

 

 デュエルが終了し、ディスクを片付けるもこっち。

 

「…約束通り、ゆうちゃんも私も協力はしない」

「もこっち。」

「今のデュエルを見て何か得る物が一つでもあった?」

「ああ、あったんだな!」

「いくら友達が居ても、最後に戦うのは自分一人。行こう、ゆうちゃん」

 

 オシリスレッド組を置いてその場を立ち去ったもこっちは、角を曲がった所で大柄な男性と遭遇する。

 この特徴的な顔つきは…前田さんの父親か?

 

「…どうも」

「おばん、何者でごわすか?」

「…デュエルアカデミア、オベリスクブルー所属の一年生。黒木智子。」

「わ、私もオベリスクブルー所属の一年生、成瀬優!」

 

「そうか…話は聞かせて貰ったでごわす」

「貴方が前田さんの父親?」

「いかにも。オシリスレッドと言うだけでも嘆かわしいのに、挙句の果てに廃寮に入って…。だが、隼人は良い友を得た」

「…アカデミア卒業後、プロとしてやっていける生徒はほんの一握り。貴方の選択は間違って居ないと思います。前田さん。それでは失礼します」

 

 一礼し、その場を去っていく。

 

 翌日、隼人は学校を辞めていった。デュエリストの道に見切りをつけ、デッキを成瀬に託していった。

 

「ゆうちゃん、ビッグコアラが6枚に増えちゃった」

「もう一つビッグコアラ軸のビートダウンを組んだら?」

「強欲な壺も天使の施しもサイクロンも死者蘇生も聖なるバリアもリビングデッドの呼び声も一枚しかないよぅ」

「……」

 

 必須カードが軒並み入っていないデッキが出来上がりそうだったためか、ゆうちゃんはマスターオブOZを融合デッキに追加していた。

 ふと、ある可能性に思い至る。

 

「…もしかして前田さんは必須カードが軒並み入っていないデッキでプロになろうとしていた…?」

 

 いや、そんな馬鹿な話がある訳無い。そう思ってもこっちは明日の予習に励むのであった。




前田熊蔵さん視点での遊戯王GX
・息子がアカデミアに入学するも、最下層のオシリスレッド
・留年する
・デュエリストの道を諦めるといってオーストラリア旅行の代金を出すが、結局諦めない
・校則違反として廃寮に入り込む

連れ戻すのは至極当然な気がします。
GX本編で隼人が制裁デュエルの対象外だった理由は、保護者に連絡を入れたら激怒して実家に連れ戻すと言われたからでは無いでしょうか?


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MOKOCCHIとものマネ決闘者

制裁デュエルとオリジナルデュエル回をお送りします。


 遊城と丸藤によるタッグデュエルが行われた。負けたら即退学というデュエル。

 もこっちはゆうちゃんと一緒に見物していた。

 

 一巡目、翔がジャイロイドを召喚、

 迷宮兄が地雷蜘蛛を召喚、

 遊城がバーストレディを召喚、

 迷宮弟がカイザーシーホースを召喚し、生け贄人形で兄の地雷蜘蛛を生贄に風魔神ヒューガを特殊召喚

 

「一ターン目から攻撃力2400の最上級モンスター…」

 

 さらに、闇の指名者で雷魔神サンガをデッキから手札に加えさせる。

 タッグならではの戦術。

 

 次のターン、翔はスチームロイドを召喚する。スチームロイドで攻撃するが、ヒューガのモンスター効果により防がれ、その後のジャイロイドのダイレクトアタックが通る。

 迷宮組、残り7000

 

 翔はカードを伏せてターンエンド。

 

 迷宮兄のターン、死者蘇生で地雷蜘蛛を蘇生、生け贄人形を発動し水魔神スーガを特殊召喚。さらにカイザーシーホースを生贄に雷魔神サンガを召喚。

 三体を生贄に、ゲートガーディアンを特殊召喚。

 

 ゲートガーディアンでスチームロイドを攻撃、攻撃を受ければ攻撃力が500下がるのでダメージを大きく受ける。遊城達は残り5550

 迷宮兄の方はカードを伏せてターンエンド

 

 遊城のターン、融合発動、場のバーストレディと手札のクレイマンを融合し、ランパートガンナーを融合召喚。モンスター効果によりダイレクトアタックでライフを1000削る。迷宮兄弟は残り6000

 

 迷宮弟のターン、メテオストライクを装備させようとする弟に対し、サイクロンで破壊しようとする翔。しかし、迷宮兄のアヌビスの裁きによりランパートガンナーも失い、ライフも失う。遊城達は残り3550

 ディフェンスウォールを守備表示で召喚し、ターンエンド

 

 翔のターンだが、サイクロイドを守備表示で出し、ジャイロイドを守備表示に変更してターンエンド。

 

 兄のターンでゲートガーディアンがサイクロイドを攻撃、貫通ダメージを受ける二人。残り800。どちらも守備力が同じだが、数を減らす上でそちらを狙ったのだろう。そうもこっちは推測する。

 

 遊城のターン、スパークマンを召喚しスパークガンを装備、ゲートガーディアンを守備表示に変更させ、さらにディフェンスウォールを攻撃表示に変更してバトル、

 スパークマンがディフェンスウォールを粉砕。迷宮組、残り4400

 

 迷宮弟の方は特に動かず、カードを伏せてターンエンド。

 

 翔はシールドクラッシュを発動し、ゲートガーディアンを破壊した。

 

「あのゲートガーディアンが倒された…?」

「ゆうちゃん。倒せないモンスターは居ない。どんなモンスターでも、カードの組み合わせで倒す事が出来る。たとえそれが、神と呼ばれるカードだろうと」

「え?ならもしも神と呼ばれるカードがさらにカードを組み合わせてきたらどうすればいいの?」

「潔く敵に背を向けるのも決闘者の姿だと思わない?」

「あ、そこは諦めるんだ…」

 

 そしてドリルロイドを召喚し、ジャイロイドを攻撃表示に変更、二体でダイレクトアタック

 迷宮組、残り4400から1800

 

 カードを伏せてターンエンド

 

 迷宮兄のターン、ライフを半分払い、ダークエレメントを発動し、闇の守護神ダーク・ガーディアンを特殊召喚した。迷宮組、残り900

 ジャイロイドを攻撃するが、ヒーローバリアに防がれる。

 

 遊城のターン、フュージョンゲートでテンペスターを、その後スカイスクレイパーを発動して攻撃する。場のカードを墓地に送って破壊を回避。

 

 迷宮弟のターン、一騎打ちを発動。これは互いに戦闘を強制的に行う罠カード。テンペスターの効果の為にスカイスクレイパーが墓地に送られる。

 

 追い詰められたラストターン、丸藤はジャイロイドを生贄に、ユーフォロイドを召喚。パワーボンドを発動してユーフォロイド・ファイターを融合召喚。

 パワーボンドにより8000になって攻撃が通り、二人は制裁デュエルを潜り抜けた。

 静まり返った会場の中で、もこっちは真っ先に拍手を初め、ややあって周りにも伝搬して大きな拍手となった。

 

 

 

 

 

 遊城と丸藤が制裁デュエルを突破してからしばらくたった後。

 オシリスレッドとラーイエローの男子が野球。オベリスクブルーの男子と女子は合同でテニスの練習だった。

 

「…なんでテニス?」

「鮎川先生はバレーをしたかったみたいですわぁ」

「それにしても…」

 

 

 枕田、浜口、成瀬は隣のコートを見る。

 

「30-15。」

 

 そう言った後、もこっちがギンと万丈目を睨んだ後サーブを入れる

 

「しまっ?!」

 

 盛大に空振りし、落ち込んでいる万丈目を尻目に、もこっちはもう一つのボールをポケットから取り出す。

 

「40-15」

 

 今度はサービスエースにならなかったが、打ち返した物の弾は高く上る。スマッシュで即座に決めるもこっち。

 

「ゲームセット、6-1」

「ぐっ?!」

 

 

「…万丈目君に圧勝?」

「万丈目さんを圧倒するもこっちが凄いのか、あのもこっちに1ゲーム取れる万丈目さんが凄いのか、よくわからない…」

 

 当の本人は軽く伸びをしながら、同級生相手に1ゲーム落とすとは随分鈍っているなぁ、と思って居た。

 

 

 その後、万丈目の席替えが行われてた。しかも三沢と寮の入れ替えを賭けたデュエルを行い、それに負けたら降格だという。

 女子は数が少ないから誰彼構わずブルーに配属されるが、男子は大変だ。

 

 翌日。寮の入れ替えを賭けたデュエルに万丈目が敗れ、荷物をまとめて出ていったと聞いた。

 

「デッキを捨てた挙句負けた万丈目は逃亡か」

「そしてそれを追いかけて、遊城と天上院さん達が…」

 

 学生の本分は勉強では無いのか?と思ったもこっちはブラック珈琲を飲んで佐藤先生の授業に集中する。

 なお彼女がブラック珈琲を直前に飲んで受講する授業はこれだけである。

 

 

 午後は実技である。もこっちの対戦相手は…

 

 

「君が黒木か。良いデュエルをしよう」

「……」

 

 なぜか上から目線の神楽坂に、当惑するもこっち。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

神楽坂 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は譲ろう」

「…私の先攻、ドロー!私はおろかな埋葬を発動。デッキからTM-1ランチャースパイダーを墓地へ送る。

魔法カード、黙する死者を発動。墓地のTM-1ランチャースパイダーを起動。そして、二枚カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー 伏せ2

神楽坂 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在する時、サイバー・ドラゴンを特殊召喚出来る!」

「…サイバー・ドラゴン」

 

「あれってカイザーのコピーデッキか?!」

「これは…もう勝負は見えたな」

 

 

「さらに、プロトサイバードラゴンを召喚。俺はカードを二枚伏せて、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー 伏せ2

神楽坂 ライフ4000

手2 場 サイバードラゴン プロトサイバー 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー。大木人18を守備表示で召喚。ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー 大木人18 伏せ2

神楽坂 ライフ4000

手2 場 サイバードラゴン プロトサイバー 伏せ2

 

 

「俺のターン、ドロー!リバースカードオープン、速攻魔法フォトン・ジェネレーター・ユニット!二体のサイバードラゴンを生贄に、デッキから

サイバーレーザードラゴンを特殊召喚!」

「攻撃力2400では、ランチャースパイダーは倒せない」

「リバースカードオープン!永続罠、レアメタル化・魔法反射装甲を発動!これで攻撃力が500ポイントアップする!バトルだ、

ランチャースパイダーを攻撃!」

 

 レーザーがランチャースパイダーを切り裂くが、すかさずもこっちは伏せカードを発動させる。

 

「…罠発動、ブロークン・ブロッカー。攻撃力より守備力の高いモンスターが破壊された時、デッキから同名カードを二体まで守備表示で特殊召喚出来る。

デッキからTM-1ランチャースパイダー二体、守備表示で機動」

 

「…俺はカードを二枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー TM-1ランチャースパイダー 大木人18 伏せ1

神楽坂 ライフ4000

手1 場 サイバーレーザードラゴン レアメタル化魔法反射装甲 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー。魔法カード、右手に盾を左手に剣を。これにより攻守は入れ替わる」

「レーザードラゴンの攻撃力が2300に…」

「全モンスターを攻撃表示に変更。バトル、ランチャースパイダーでレーザードラゴンを攻撃」

「……」ライフ4000から3800

 

 微動だにしない神楽坂。

 

「ランチャースパイダーでダイレクトアタック」

「永続罠、リビングデッドの呼び声。これにより、サイバードラゴンを特殊召喚」

「バトル続行、サイバードラゴンを攻撃」

「罠発動、アタックリフレクターユニット。サイバードラゴンを生贄に、デッキからサイバーバリアドラゴンを守備表示で特殊召喚」

「それは攻撃表示の時1ターンに1度、攻撃を一度だけ無効にするモンスター。とはいえ守備力2800は超えられない。このままターンを終了する」

 

 攻撃しようとしていたランチャースパイダーと木人は主の命令に従って下がる。

 もこっちを守るかのように。

 

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー TM-1ランチャースパイダー 大木人18 伏せ1

神楽坂 ライフ3800

手1 場 サイバーバリアドラゴン リビングデッドの呼び声 

 

「俺のターン、ドロー!俺はユニオンモンスター、強化支援メカヘビーウェポンを召喚。効果発動、サイバーバリアドラゴンに装備させる。

これにより攻守が500ポイントアップ。ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー TM-1ランチャースパイダー 大木人18 伏せ1

神楽坂 ライフ3800

手1 場 サイバーバリアドラゴン 強化支援メカ リビングデッドの呼び声 

 

 

「私のターン、ドロー。装備魔法、戦線復活の代償を発動。

場の通常モンスター、大木人18を墓地に送り、私か相手の墓地のモンスターを特殊召喚。TM-1ランチャースパイダー、再起動。

魔法カード、デルタアタッカーを発動。場に同名カードの通常モンスターが3体居れば、ダイレクトアタックが出来る」

「?!サイバーバリアドラゴンは攻撃表示でなければ効果が使えない…」

「バトル、ランチャースパイダー達でダイレクトアタック」

「お、俺のパーフェクトが…」ライフ0

 

 

 実技が終わり、もこっちはディスクを収める。

 

「か、カイザーのコピーデッキでもノーダメージかよ…」

「流石はブルーだな、格が違う」

 

 周りの声を無視して、他の生徒が始めるために場所を開けるもこっち。

 

 一方、融合一辺倒では無いのがカイザーのデュエルである事を研究していた神楽坂だったが、切り札たるサイバー・エンド・ドラゴンは一子相伝であり、

 サイバー・ツインすら無いのではやはり力不足。となると次はクロノス教諭のデュエルを研究して…と思考を巡らしていた。

 

 




カイザーはサイバー・ドラゴン以外にも色々入れているのが作中で確認できます。
一風変わった【サイバー・ドラゴン】はいかがでしたか?
融合やエクシーズだけが【サイバー・ドラゴン】ではありません。
バリアやレーザーも駆使してみてはどうでしょうか?

この時の三魔神は「戦闘ダメージを0にする」という効果です。


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MOKOCCHIとサイコ・ショッカー

カード名を一種類思い浮かべてから、本文をお楽しみください。


 冬休みに入るまで後一週間という時に、もこっちは奇妙な気配を察知する。

 

「…これは、誰かが精霊を呼び出そうとしている…?」

 

 興味が湧いた為、その方角へ向かう。

 図書館の一角。確か高寺オカルトブラザーズが使って居る場所。

 そこのウィジャ盤から気配を察知する。

 

 

「…隠れて居ないで出てきたら?」

『ほう、君の気配。並では無いな?』

「サイコ・ショッカー?」

『いかにも。』

 

 ぼんやりとした幻影だが、その姿は紛れも無くサイコ・ショッカーだった。

 

「高位精霊である貴方が何故ここに?」

『邪悪な気配を察知した。その時にちょうど良く門が開かれたので通って来た」

「邪悪な気配…」

『三幻魔という連中だ。やつらが復活したらこの世界も私も危険だ。手を組まないか?生き延びるために』

「……」

『最初はあの連中を生贄に降臨し三幻魔復活を妨害するつもりだったが、君と契約した方がより良質なエネルギーが手に入ると判断した。』

 

 少し考えるもこっち。かなり切羽詰まっているようだ。自分が生き延びるためなのだから、嘘ではあるまい。

 ややあってサイコ・ショッカーをその双眸で見つめる。無機質な目にもこっちの顔が映る。

 

「結ぼう、その契約」

『では』

 

 握手をするもこっちとサイコ・ショッカー。ややあってもこっちは何かが吸い取られるような感覚を感じ取る。

 

「…これは?」

『デュエルエナジーを吸わせて貰った。ふむ、これだけあれば当面の活動に不自由は無いな』

 

 実体化したサイコショッカーを興味深げに眺めていたもこっち。ややあって口を開く。

 

「…呼び出した連中は何と?」

『三体の生贄を捧げよ。そう言ったら、わかりましたと返してきた。おそらくはカードの生贄だと思ったのだろう』

「心霊学とデュエルの精霊を一緒にしているのか…三幻魔復活を妨害しようとする精霊も居れば、復活させようとする精霊も居るの?」

『そうだ。』

「ならばここで灸をすえておかないと、また呼び出すかもしれない。それが三幻魔復活を目論んで居たら厄介」

『…一理あるな』

「だが、相手はオベリスクブルーの男子。勝てるの?」

『…私の実力を疑いなら、今この場で見せよう』

「なら、見せて貰う」

 

 もこっちはディスクにデッキをセットし、起動する。

 サイコ・ショッカーの前にカードが5枚シールドのように展開される。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ショッカー ライフ4000

手5 場 

 

 

『先行、ドロー!私は怨念のキラードールを召喚!』

「エクトプラズマーを発動して、800のダメージを与えつつ、次のターンで復活させる…」

『そしてエクトプラズマーを発動…随分と詳しいのだな。』

「場に残ることで効果を発揮するサイコ・ショッカーと場に残さないエクトプラズマーは相性が良くない気がするが…」

『そう言う事は私に勝ってから言って貰う、エクトプラズマー射出!』

 

 怨念のキラードールからエクトプラズムが抽出されて射出される。あれはモンスターとの絆を断ち切るカードだと否定されていたが

 生贄にされたぐらいで絆を断ち切るモンスターに、絆を求める価値はあるのだろうか?

 

「…」ライフ4000から3200

『ターンエンドだ』

 

 

もこっち ライフ3200

手5 場 

ショッカー ライフ4000

手4 場 エクトプラズマー 

 

 

「私のターン、ドロー。機械軍曹を召喚。バトル、機械軍曹でダイレクトアタック。」

『ぬ、私の場はがら空き…』

「速攻魔法、リミッター解除」

『な、なぁにぃ?!ぬわぁああああ!』ライフ4000から800

 

「ターンエンド。エンドフェイズにエクトプラズマーで機械軍曹を射出」

『ぬわああああ?!』ライフ0

 

 あっさりと決着がつく。見下していた人間に敗れた事で衝撃が隠せないサイコ・ショッカー。

 一方でクリボーなどの防御手段も無いのに先ほどのコンボを使ったことにがっかりするもこっち。

 せめて伏せカードなり用意してくれたらもう少し楽しめたのだが。

 

 

『ば、馬鹿な…このコンボがまるで通用しないだと…』

「…デッキを改造するぞ、嫌とは言わせん。これでは三幻魔復活の阻止は夢物語だ」

『ぬぅう…』

 

 改造するべく、どういうデッキにするか考えて…

 

「…出来た、受け取れ」

『これは…』

「並の相手ならそれで蹂躙出来るだろう。さて、仕掛けるがいい」

 

 そこまで言って、もこっちは考え込む

 

『どうした?何か問題でも?』

「名前が必要だな、ショッカーでは怪しまれる…そうだな、キドニーと名乗るがいい。」

『わかった…』

 

 人造人間から、じんぞう、じんぞう=腎臓、英訳するとキドニー。我ながら安直ではあるが、デュエルモンスターズの精霊でも無ければ気づかないだろう。

 

 

 

 三日後、もこっちが課題のレポートをワードで内容をまとめ、語尾が揃って居るか、誤字脱字が無いか推敲していると…パソコンの画面が突然フリーズする。

 こまめに上書きしていた為損害は少ないが、作業を邪魔されて鼻白むもこっち。…パソコンに動画が表示される。これは…

 

「発電施設?」

 

 もこっちの声に、画面が上下にぶれる。これは頷いたのか。となれば…

 パソコンにインカムを接続し、もこっちは告げる。

 

「キドニーか?」

『いかにも』

 

 イヤホンから聞こえてくるのはサイコ・ショッカーの音声。

 

「どうした?」

『…高寺を倒した』

「儀式と融合の混成だ、かなり使い辛かっただろうが…」

『サーチカードが多いおかげで難なく回ったが、問題が発生した。』

「問題?」

『ハネクリボーと心を通わす人間に絡まれた。相手は赤い服だが…』

「それはオシリスレッドの制服だ。」

『…ブルーの男と同格か。となると黄色が最もレベルが高いデュエリストか?』

「違う、レッドが最下級、イエローが中級、ブルーがエリートだ。」

『ラーが最上級では無いのか…わかった。また連絡を入れる』

「待て。私が用意したデッキを何処まで使えるか興味がある」

『それもそうだな、では存分に見るがいい…』

 

 

「お前が高寺達を!何者だ!」

『私は、キドニー。この者達にはおろかな行為として少々灸をすえただけだ。君には関係ない』

「ふざけるな!俺とデュエルしろ!」

『ほう。ブルーを圧倒する私に、レッドの君が挑むか。まぁいいだろう、相手をしてやる』

 

 ディスクを起動させる遊城と、眼前にカードを5枚浮遊させるキドニーことサイコ・ショッカー。

 あれはどうやって浮かせているんスか?!だの間抜けな声が聞こえる。ディスクを渡しておくべきだったと反省するもこっち。

 

 

デュエル!

 

十代 ライフ4000

手5 場 

ショッカー ライフ4000

手5 場 

 

 

『私の先攻、ドロー!私はマンジュゴッドを召喚。効果発動!デッキからイリュージョンの儀式を手札に加える』

「儀式魔法…儀式使いか?!」

『さらに手札の沼地の魔神王の効果発動、手札から捨てて、デッキから融合を手札に加える!』

「儀式と融合の混合?!明日香さんみたいッス!」

『私はカードを一枚伏せてターンエンドだ』

 

 

 

十代 ライフ4000

手5 場 

ショッカー ライフ4000

手5 場 マンジュゴッド 伏せ1

 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスパークマンを召喚!バトルだ、マンジュゴッドを攻撃!スパークフラッシュ!」

『ぬっ…』ライフ4000から3800

 

「俺はカードを4枚伏せ、永続魔法悪夢の蜃気楼を発動!ターンエンドだ」

 

 

 

 

十代 ライフ4000

手0 場 スパークマン 伏せ4 悪夢の蜃気楼

ショッカー ライフ3800

手5 場 伏せ1

 

 

『私のターン、ドロー!』

「悪夢の蜃気楼の効果発動!手札が4枚になるようにカードをドローするぜ!」

『だが次のターン、君は手札を捨てる大きなリスクがある。』

「へへっ、リバースカードオープン!非常食!悪夢の蜃気楼を墓地に送って、ライフを1000回復するぜ!」ライフ4000から5000

『酷い、何だそのコンボ。ええい、私は冥界の使者を召喚!そして儀式魔法、イリュージョンの儀式を発動!場の冥界の使者を生贄に捧げ、サクリファイスを儀式召喚!』

「サクリファイス…?」

 

 サクリファイスの後姿を画面越しに覗きながら、デッキをちゃんと使いこなしている事をもこっちは確認する。この後の流れは…

 

『冥界の使者が場から墓地に送られた事で効果発動。互いにデッキからレベル3以下の通常モンスターを手札に加える。私は千眼の邪教神!』

「俺はバーストレディを手札に加えるぜ!」

 

 冥界の使者では無くクリッターの方が良さそうだな、と改善点をチェックするもこっち。

 【サクリファイス】の天敵、魔のデッキ破壊ウィルスを使われても生き延びれるアタッカーであり、千眼をサーチ出来るのだが、相手も下級バニラを入れていると塩を送ってしまう。

 

 

『サクリファイスの効果発動!相手モンスターを装備カードに出来る。スパークマンを取り込め!』

「スパークマン?!」

『バトルだ、行け、サクリファイス!ダイレクトアタック!イリュージョン・スパーク・フラッシュ!』

 

 サクリファイスが電撃を纏って右に左に素早く移動しながら不意打ち気味に体当たりをする。チガウ、コレジャナイ、ともこっちは呟く。

 

「ぐううううっ?!」ライフ5000から3400

 

「ブフッ、ターンエンド」

 

 サイコショッカーが軽く笑う。遊城はそれを挑発と受け止め、もこっちは先ほどの呟きをインカムで聞かれたと内心舌打ちをする。

 

 

十代 ライフ3400

手4 場 伏せ4 

ショッカー ライフ3800

手4 場 サクリファイス スパークマン 伏せ1

 

 

「くっ、俺のターン、ドロー!よし、リバースカードオープン!融合!手札のフェザーマンとバーストレディを融合!来い!フレイムウィングマン!」

『攻撃力2100か…』

「バトルだ!いけ、フレイムウィングマン!サクリファイスを攻撃!」

『ダメージは受けるが、サクリファイスの効果発動。戦闘ダメージを受けた時、装備カードを犠牲に破壊を免れる。それだけでは無い。

この戦闘で受けるダメージを相手にも与える」ライフ3800から3300

「なっ?!」ライフ3400から2900

 

「まだまだ!リバースカードオープン!融合解除!来い、フェザーマン、バーストレディ!もう装備カードは無い、行け!」

 

 フェザーマンがサクリファイスに羽根を飛ばして爆破させ、バーストレディの炎がサイコ・ショッカーに直撃する!

 

『ぐううううっ!』ライフ3300から1100

 

「よし、カードを伏せてターンエンドだ!」

 

 

 

十代 ライフ2900

手2 場 フェザーマン バーストレディ 伏せ3 

ショッカー ライフ1100

手4 場 伏せ1

 

『私のターン、ドロー。私は死者蘇生を発動、墓地からサクリファイスを特殊召喚」

「させねぇ!ライフを半分払い、場から神の宣告を発動するぜ!」ライフ2900から1450

 

 

 神の宣告とは。かなりのレアカードが登場した事にもこっちは驚く。

 とはいえ、これで勝負は決したか?

 

 

『では私もこれを使うとしよう。融合!手札の千眼の邪教神と融合呪印生物「闇」を融合。現れろ、サウザンド・アイズ・サクリファイス!』

「な、何かすげぇのが出てきたな…」

『まだだ!君の場のモンスター二体を生贄に、溶岩魔神ラヴァゴーレムを君の場に特殊召喚する。』

 

 二体のHEROが地中から突如現れた溶岩の魔神によって握りつぶされ、鉄の檻に遊城が閉じ込められる。

 

 

「俺のモンスターを生贄に?!」

「こ、これはまずいのニャ?!」

「どうしてですか、大徳寺先生?」

「あのモンスターはコントローラーに、毎ターン1000ポイントのダメージを与えるのニャ!」

 

『その通り。そしてサウザンドアイズサクリファイスが場にいる限り、このカード以外のモンスターは攻撃出来ない!』

「って事は、こいつを何とかしないと俺は3ターンで負ける?!」

 

『いかにも、だが私の狙いは違うぞ?サクリファイスの効果を、サウザンドアイズは引き継いでいるのだ!』

「な、何ぃ?!」

『サウザンドアイズ・サクリファイスの効果発動。溶岩魔神を装備する!』

 

 溶岩魔神を装備するサウザンドアイズだが、目が充血している。

 デメリットモンスターを吸収するのは相応にリスキーなようだ。

 

『バトル、ダイレクトアタック!』

「うわぁああああ?!」ライフ0

 

 

 

 

『私の勝ちだな、レッドよ。』

「くっ、無茶苦茶つええ…でも、面白いデュエルをするんだな」

『面白いだと?』

「ああ。」

『…面白い男だ。ではまた会おう…』

 

 

 動画が途切れ、パソコンのフリーズが直る。もこっちは作業を再開する。

 

 

「…まだまだ改善の余地あり、か。」

『この学園は思ったより面白いな。』

 

 後ろから声が聞こえるが、振り返らずにもこっちは呟く。

 

「そのデッキはお前が思うように改善するといい。サクリファイスの吸収戦術が気に入らなければ抜いて、サイコ・ショッカーを重視したデッキにしてもいい」

『いや、存外気に入った』

 

 ふと疑問を感じたもこっちは、サイコショッカーに質問をぶつける。

 

「…カードの精霊なのだろう?ならば自身の召喚に特化したデッキの方がいいのではないか?」

『そんな事は無いぞ。それを言ったらカオス・ソーサラーなどは究極完全態グレートモスが切り札にしている』

「カオス・ソーサラーに何があったのか多少気になるが…私は課題を終わらせないといけないから話はこれまでだ」

『課題?』

「デュエル理論の方は終わった。佐藤先生の課外授業、プレゼンテーションの発表会用のスライドと原稿を用意しなければならない。」

 

 画面をのぞき込むサイコ・ショッカー。

 

『デュエルモンスターズのカードだな、古代の機械巨人について5分程度のスピーチをしろ、か…』

「ゆうちゃんはガーネシア・エレファンティス、天上院さんがホーリー・ナイト・ドラゴン。」

『良い教育プログラムだな…』

 

 パソコンを所持している生徒限定の課外授業の課題。パソコンを持っているラーイエローとブルーのみ参加可能。

 レッドはパソコンを持たせた所でゲームしかしないと思われている。

 

 画像を取り込み、原稿とパワーポイントをもこっちは手早く仕上げていく。




前書きでカード名を思い浮かべた方、そのカードについて5分程度のスピーチを行ってください。

こういう課題が、デュエルアカデミアでは普通にあると思います。


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MOKOCCHIと小日向

今回は漫画版GXのキャラが登場です。
アニメも面白いですが、漫画版も面白いので是非読んでみて下さい。

この小説は基本アニメがベースですが、漫画版のキャラやカードなども登場させる予定です。



「最近、ブルーの男子がアンティデュエルに負けてレアカードを奪われているんだって」

「へぇ…態度はでかいけれど、腕が立つエリートのブルー相手に勝つなんて」

 

 廊下にて、もこっちとゆうちゃんはたわいもない噂話について話していると、後ろから話しかけられる。

 

「成瀬さん、その話聞かせてくれないか?」

「遊城?」

 

 

 ゆうちゃんは遊城に色々と噂を話す。大柄で、腕が立つという特徴。

 

「まぁ、レッドの貴方は襲われないとは思うけれど」

「いや、こちらから仕掛ける!」

「?オベリスクブルーの生徒がこのまま成績不振になれば、レッドの貴方達にとっては昇格のチャンスが増えると思うけれど?」

 

 平然と腹黒い事を平然とのたまうゆうちゃんに、表情こそ変えないものの、内心軽く引くもこっち。

 

 

「昇格よりも、目先のレポートだ!」

「ああ、デュエル理論の。通常モンスターデッキにおける闇の量産工場の枚数について、を選んだけれど、もこっちは?」

「闇属性デッキにおける悪夢再びの枚数にした。」

「そっちかー。というより、話が繋がらないんだけれど?」

 

 昇格よりもレポート、その上でブルー狩りをしている犯人捜査の流れが分からず問うゆうちゃん。

 

「クロノス先生がそいつを倒したらデュエル理論のレポートを免除してくれるんだよ!」

「遊城。戦士族における戦士の生還の枚数でレポートを書いておいた方が身のためだと思う」

「黒木さんの言う通りッスよ、そもそも居たとしても勝てるかどうか」

「何言ってんだ、強い奴とデュエルしてレポート免除だぜ、やらない訳無いだろ!」

 

 大柄な奴を探すと言って何処かへ行くのを見送る。

 

 

「デュエルに負けて、レアカードも奪われ、レポートが間に合わずに追加で課題を出される未来が見えたんだけど」

「私にもその未来が見えた。」

 

 

 

 ブルー女子寮へ戻ると、上級生が集まって話をしていた。その中のリーダー格である女子生徒がもこっちを見つけると手招きする。

 黒髪で短髪の美人な女子生徒だ。会話した事はあまりないが、彼女が影で色々と努力しているのをもこっちは知っている。

 お風呂場で入念に手入れをしているのを何度も目撃している。

 

 

 

「小日向先輩?」

「貴女が黒木ね。ねぇ、私とデュエルしない?」

「先輩と?」

「デッキ調整中なら、無理にとは言わないわ」

「よろしくお願いします」

 

 即答し、ディスクを起動するもこっち

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

小日向 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「先攻は上げるわ」

「では、私のターン。ドロー!私はモンスターをセット。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 セットモンスター 伏せ1

小日向 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「私のターン、ドロー!ライオ・アリゲーターを召喚。さらに魔法カード、二重召喚を発動。場のライオ・アリゲーターを生贄にバイトロンを召喚!」

 

 もこっちの前に鰐が出たが、即座に一つ目の大蛇に飲み込まれていった。鰐は「え?これで出番終わり、嘘だと言ってよ」という表情を浮かべ、

 それを丸呑みした大蛇は満足げな目になった後、もこっちと視線を合わせる。

 

 

「爬虫類族使い?」

「そうよ。ちなみにこの子には貫通効果があるわ。バトルよ!セットモンスターを攻撃!」

 

 一つ目の大蛇が襲い掛かるが、標的が眼前から消え失せてしまう。

 当惑しつつ、舌をチロチロさせていたバイトロンは、己の身体に異変を感じたらしく目を向け、その一つ目が驚愕に見開かれる。

 

「セットモンスターはスフィア・ボム球体時限爆弾!ダメージ計算を行わないから、貫通ダメージは無い」

「スフィア・ボム?!そう、思い出したわ。確か貴女は丸藤と同じ機械族使いだったわね」

「…否定はしません」

 

 やや心外という風にもこっちは答えるが、それに対し小日向は意外そうな声を上げる。

 

「あら?彼の事嫌い?」

「好きにはなれません」

「へぇ…2年の胡蝶とは大違いね。私はカードを二枚伏せてターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 スフィア・ボム 伏せ1

小日向 ライフ4000

手1 場 バイトロン 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!可変機獣ガンナー・ドラゴンを召喚。このままターンエンド」

 

 もこっちは素早くターンを終える。

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 スフィア・ボム ガンナー・ドラゴン 伏せ1

小日向 ライフ4000

手1 場 バイトロン 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!」

「タイムアップ、スフィア・ボムの効果発動!バイトロンを破壊!」

 

 バイトロンは女主人に目を向けるが、女主人は無情にバイトロンを見つめ返す。

 その鎌首をやや悲し気に下げるバイトロンは、大爆発に巻き込まれ、その余波はプレイヤーたる小日向にも及ぶ。

 

「…これぐらいは上げるわ。でもリバースカードオープン」ライフ4000から1600

 

 大幅にライフが削られたが、小日向は場に伏せていた伏せカードを二枚同時に発動させる。そのイラストは同じだった。

 

「?!スネークホイッスル?!」

「爬虫類族モンスターが破壊された時、デッキから下級爬虫類族を特殊召喚。その効果により現れなさい!二体のグラナドラ!」

 

 奇妙な姿をした爬虫類族が二体現れる。

 

「グラナドラ、召喚に成功すれば1000ライフを回復させるモンスター」

「そうよ、良く知っているわね」ライフ1600から3600

 

 だが破壊されたら2000のライフを失うモンスター。

 故にライフを大幅に回復した小日向は、初手からあったカードを手に取る。

 

「さてと、折角だからいいものを見せてあげるわ。二体のグラナドラを生贄に、The Tyrant Neptuneを召喚!」

「英語版のカード…ってプラネットシリーズ?!」

 

 

 無論、もこっちは読めるし、何よりディスクが反応している。

 現れたのは、禍々しいオーラを放つ鎌を持つ、ワニ頭のモンスター。冷たき暴君、全てを奪うタイラント。

 

 

「そうよ。このカードの攻撃力は生贄に捧げたモンスターの元々の攻守の合計により決定する。よって攻撃力は3800、守備力は1400!

生贄に捧げたモンスター効果を得るけれど、グラナドラのライフ回復効果は得られないわ。最も破壊された時には既に墓地でネプチューンになっているからダメージも無い。」

「偉大魔獣、いえ、合成魔獣と似た効果ですか…」

「失礼ね。碌なサポートカードも無い悪魔族と違って、サポートが豊富な爬虫類族という点で格が違うわよ、バトル!ガンナー・ドラゴンを攻撃!Sickle of ruin!」

 

 種族差別主義丸出しな事を言う小日向。彼女の流暢な発音に応え、大鎌がガンナー・ドラゴンを粉砕する!

 

「ぐっ?!」ライフ4000から1600

「ターンエンドよ」

 

 

もこっち ライフ1600

手4 場 伏せ1

小日向 ライフ3600

手1 場 The Tyrant Neptune 

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、融合!手札のリボルバードラゴンと沼地の魔神王を融合!ガトリングドラゴンを融合召喚!」

「へぇ、本当にギャンブルデッキを使うのね。城之内…いえ、バンデットキースのデッキに近いのかしら?」

「永続罠、リビングデッドの呼び声を発動、墓地のリボルバードラゴンを起動!リボルバードラゴンの効果発動!対象はネプチューン!コイントス!」

 

 コイントスを行うもこっちに対し、小日向は楽し気にその様子を眺める。当たるはずが無い、という自信に満ちた眼差しで。

 

「…二回外れ。ガトリングドラゴンの効果発動!コイントス!」

「…表、ね。」

 

 ガトリングドラゴンの砲身が自身に向けられた為、ネプチューンはガトリングドラゴンを睨み付けるが守備力は下がらなかった。

 

 ネプチューンの破壊が確定するが、続く二回目、三回目も…

 

「三枚表…全モンスターを破壊」

 

 ガトリングドラゴンが全弾発射し、ネプチューンが吹き飛ばされるが、跳弾によりガトリングドラゴン自身も大破し、

 そのまま隣のリボルバードラゴンに倒れ掛かり、もろとも大破する。小日向にとって今の光景はエース撃破という衝撃以上だったらしく、呆然と呟く。

 

 

「…ねぇ、ガトリングドラゴンの融合召喚を狙うのはやめておいたら?」

「博打は痛い目を見るから楽しいかと。モンスターをセット、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ1600

手1 場 セットモンスター 

小日向 ライフ3600

手1 場 

 

 

「私のターン、ドロー!天使の施しを発動、三枚ドローして、二枚を捨てる。

墓地のライオ・アリゲーター、バイトロン、グラナドラ二体とネプチューン、ナーガとカミソーリトカゲを除外!来なさい、邪龍アナンタ!」

「攻撃力が決まっていない…?」

「このカードの攻撃力は、特殊召喚時に除外した爬虫類族の数×600で決定する。よって攻撃力は4200!ターンエンド」

「?攻撃しないのですか?」

「ええ。私のエンドフェイズにアナンタの効果発動。場のカードを破壊する。セットモンスターを破壊!」

「魔装機関車が…」

 

 

 

もこっち ライフ1600

手1 場 

小日向 ライフ3600

手1 場 アナンタ

 

 

 丸呑みしてからじわじわと始末するような戦い方に苦戦するもこっち

 だがその戦意は衰えない。その双眸が生きて居る事に対し、小日向は愉しそうに口元に笑みをたたえる。

 

「私のターン、ドロー!…カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ1600

手1 場 伏せ1

小日向 ライフ3600

手1 場 アナンタ

 

 

 もこっちの表情が歪んだ事で、あれは逆転の一手では無いと判断する小日向。ただ、不本意なカードを引いた、そういう表情である。

 

「私のターン、ドロー!ふっ、サイクロンを発動!その伏せカードを破壊するわ!」

 

 ドローカードは万能魔法・罠除去の代名詞たるサイクロン。それを引き当てる辺り、オベリスクブルー女子でも指折りの実力を持つ事をうかがわせる。

 だが、対峙するのもブルー女子で指折りの実力者。

 

「チェーンして罠発動!破壊輪!アナンタを破壊して互いに4200のダメージを与える!敗北よりは良い!敗北よりは!」

 

 破壊輪がアナンタの首の一つに巻き付く。撒きつけられたアナンタの首はギョッとした表情を浮かべ、他の首は大急ぎで破壊輪を破壊しようと動く。

 手榴弾を他の首が噛みついた瞬間、起爆する。その余波は小日向だけでなくもこっちにも及ぶ!

 

「?!きゃああああああ!」ライフ0

「…!」ライフ0

 

 

「まさか引き分けに持ち込まれるとはね」

「…まだまだ未熟でした。」

「黒木さんね、覚えたわ」

「ありがとうございます。」

 

 一礼し、もこっちはその場を離れようとするが

 

「待ちなさい」

「…何か?」

「デュエリスト登録しない?」

「喜んで」

 

 送られてきたメールにもこっちは返信して、デュエリスト登録が完了する。

 これによりもこっちは小日向にデュエルを申し込む事が出来るようになったのである。

 




デュエリスト登録は遊戯王GXのゲーム、スピリットサモナーのオリジナル設定です。

ところでネプチューンが禁止になったのは誰が一番悪いのでしょうか?


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MOKOCCHIと昆虫少女

ドローパンって一日何個入荷されているのでしょうか?
そして一つ何キロカロリーなのか?余ったドローパンの廃棄はどうなっているのか?


「あ、甘栗パン…」

「これで連続で外したッスね、兄貴」

「十代も外すなんてね」

 

 

 もこっちはドローパンを一つ開ける。中身はゴーヤ。

 苦味が心地良いが…

 

「ゴーヤって山の幸なのに海の幸みたいなイメージって無い?」

「沖縄のイメージが強いからだと思うけれど」

「ふむ…」

 

 そうかもしれない、と思いつつペロリと平らげるもこっち。

 ゆうちゃんもドローパンを一つ開ける。中身はシャケ

 

「…どうしてパンにシャケを入れるの?」

「オーナーが海馬社長だから」

「納得」

 

 本人が聞いたら激怒しそうな会話をする二人。

 幸いな事に、忠実なKCの社員はこの場には居ない。

 

「ドローパンって一体いくつ入荷されているんだろう?」

「さぁ?全部買い占めれば黄金の卵パンは手に入るかもしれないけれど、残りの処理が大変」

「卵パンだけ取って残りは」

「ゆうちゃん。」

 

 

 その双眸に剣呑な光を湛えて、もこっちはゆうちゃんを睨む。

 

 

「そこから先を言ったら戦争よ」

「じょ、冗談だよ…」

 

 

 

「ごめんねぇ、実はこの中に黄金の卵パンは入っていないんだよ。黄金の卵パンだけ盗まれているみたいで」

「トメさん。」

「ん?何だい?」

「どうして黄金の卵パンだけ無くなっていると?」

「だって当たったらお客さんの反応で分かるし、売れ残りはウチの従業員で食べるから、そこでも反応で分かるんだよ」

 

 この中からピンポイントに引き当てる…か。

 

「一つだけ盗まれているの?一度に二個三個盗まれているとかそう言う訳では無くて?」

「在庫管理しているから、盗まれているのは一つだけだよ」

「となると、犯人は内部の人かな?だって外部から忍び込んでいるなら、性別は分からないけれど一個では足りないと思うの」

「ドローパンのカロリーは、大体一つ500~600キロカロリー。確かに一個では足りない…」

 

「許せねぇ!よし、その泥棒野郎を捕まえるぞ!」

「遊城、犯人が男と決まった訳では」

「翔!今日から張り込みだ!」

「うん!…ええっ?!」

 

 発言をスルーされたゆうちゃんは悲し気にうつむく。その背中を押してもこっちはその場を立ち去る。

 

 

 

 ブルー女子寮の前に、タップリとした赤い髪を、腰より長く伸ばした女子生徒が腕組みして立っている。

 もこっちと目が合うと、そのまま睨み付けて来るが、もこっちの守備力は下がらなかった。

 

「あの人は…?」

「二年の胡蝶先輩よ。ほら、毛先の手入れでいつも一角を占拠している」

「ああ、思いだした。腰より長く伸ばす必要がどうにも分からない」

「シャンプーもたくさん使うし、毛先にあれだけ気を使うって事はやっぱり」

「傷みやすい。何より動きにくそう」

「セミロングの方が似合いそうよね」

 

 好き放題言っている二人に、女子生徒が近づいてくる

 

「随分色々言ってくれたじゃない。」

「すみませんでした、胡蝶先輩」

「貴女が黒木ね?小日向先輩から聞いたわ」

「小日向先輩から?」

 

 思考を巡らすもこっち。だがどうにも話が繋がらない

 

「たぶんもこっちが思ったより腕が立つと言う事で注目されているのかも」

「腕試し、というには結構剣呑な雰囲気だけど」

「機械族使いなんですってね?」

「はい…もしかして」

 

「丸藤と同じ機械族使いである事が不本意、と言ったことですか?」

「?!」

 

 目つきが剣呑になり、もこっちを睨み付ける胡蝶。それに対しもこっちは敵意を向けられる理由に当惑する。

 

「呼び捨て…しかも不本意ですって?」

「いや、呼び捨てにするのが駄目なら、名前で呼べとか、さんをつけろと?」

「もこっちもこっち」

「何?」

 

 

「きっと、胡蝶先輩は彼の事が好きなんだと思う」

「いやいやいや、ありえないって。釣り合わないにも程がある」

「何ですって!」

 

 激昂する胡蝶を何とかなだめようとするゆうちゃん

 

「胡蝶先輩、ちょっと情報を整理してもいいですか?どうにも話が食い違っているような」

「ゆうちゃん」

「もこっち?」

 

 ディスクを起動させて、もこっちは胡蝶先輩と対峙する。

 

「こうなったらデュエルするしか無い。正直、ゆうちゃんが言うように行き違いがあると思う。」

「ええ、デュエルで決めましょう。そちらが勝てばこの件は蒸し返さない。」

「先輩が勝ったら今後丸藤の事をさんづけで呼びます…いいですか?」

「ええ、それでいいわ」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

胡蝶 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先行は上げるわ」

「では遠慮なく。ドロー!私はメカ・ハンターを召喚。カードを伏せて、ターンエンド」

 

もこっち ライフ4000

手4 場 メカ・ハンター 伏せ1

胡蝶 ライフ4000

手5 場 

 

「私のターン、ドロー!私は甲虫装甲騎士を召喚!」

「攻撃力1900…」

「バトル!メカ・ハンターを攻撃!」

「破壊されるけれど、罠発動!」ライフ4000から3950

 

 もこっちの後ろに巨大な機械が出現する

 

「?!時の機械タイムマシーン?!」

「時を超えて再起動しなさい、メカ・ハンター」

「…私はカードを二枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ3950

手4 場 メカ・ハンター 

胡蝶 ライフ4000

手3 場 甲虫装甲騎士 伏せ2

 

 

 

「私のターン、ドロー!私はメカ・ハンターを生贄に捧げ、人造人間サイコ・ショッカーを召喚!」

「?!サイコ・ショッカー!罠カードを封じる上級モンスター!」

「バトル、甲虫装甲騎士を攻撃!サイバーエナジーショック!」

「きゃっ!」ライフ4000から3500

 

「カードを伏せて、ターンエンド。」

 

 

 

 

もこっち ライフ3950

手3 場 サイコ・ショッカー 伏せ1

胡蝶 ライフ3500

手3 場 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!私は代打バッターを召喚!」

「墓地に送られると手札の昆虫族を特殊召喚出来るモンスター…」

「良く勉強しているじゃない。私は魔法カード、アリの増殖を発動!場の代打バッターを生贄に、兵隊アリトークンを二体特殊召喚!

そして代打バッターが墓地に送られた時、手札の昆虫族を特殊召喚!」」

 

「あれ?トークンの特殊召喚という処理が入るから、代打バッターはタイミングを逃して手札の昆虫族を特殊召喚出来ないはず…」

 

 

 ゆうちゃんが呟くが、デュエルディスクは特殊召喚可能という処理で行われる

 

「いでよ、インセクト女王!」

「?!場の昆虫族モンスター一体につき、200ポイント攻撃力がアップするモンスター…。場には3体の昆虫族。よって攻撃力は2800」

「正解よ、バトル!兵隊アリトークンを生贄に捧げて、インセクト女王の攻撃!クイーンズ・ヘル・ブレス!」

「迎え撃て!サイバーエナジーショック!」

 

 インセクト女王の砲撃と、サイコ・ショッカーのエネルギー弾が激突する。拮抗していたが、インセクト女王の砲撃が上回り、サイコ・ショッカーは撃破される

 

「…サイコ・ショッカー…」ライフ3950から3750

「虫除けバリアーを発動して、ターンエンド。エンドフェイズ!敵を倒したインセクト女王は卵を産む!」

 

 

もこっち ライフ3750

手3 場 伏せ1

胡蝶 ライフ3500

手0 場 インセクト女王 兵隊アリトークン インセクトモンスタートークン 虫除けバリアー 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!おろかな埋葬を発動!デッキからデモニックモーターΩを墓地に送る!そして永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!

デモニックモーターΩを特殊召喚!」

「攻撃力2800?!」

「バトル!インセクトモンスタートークンを攻撃!モーターバイオレンスッ!」

「永続罠!DNA改造手術を発動!発動時に種族を一つ宣言、場のモンスターは宣言した種族になる!私が宣言するのは、昆虫族!」

「虫除けバリアーを発動したからあるとは思ったけれど。」

 

 デモニックモーターΩに異変が生じる。クワガタムシを連想させる角が生え、赤色のボディがキチン質の外殻に変貌し、異形の姿に変わり果てる。

 

 

「…DNA改造手術のこの演出凄いね…法則でもあるの?」

「インダストリアルイリュージョン社の公式回答では、全モンスターカードに対してそれぞれ変えられた場合のイラストが設定しているとの事だけれど」

「イラストレーターの負担が凄い事にならない?」

 

 単純に一種類モンスターカードをデザインしたら、それの種族違いを新たに用意しなければならない。

 最も給料はそれに見合った額が与えられるという噂だ。

 

「虫除けバリアーとのコンボにより、攻撃は通らないわ!」

「…メインフェイズ2に入り、モンスターをセット。カードを伏せてターンエンド。エンドフェイズ、デモニックモーターΩの効果発動!モータートークンを特殊召喚!」

 

 

 

もこっち ライフ3750

手1 場 デモニックモーターΩ モータートークン セットモンスター リビングデッドの呼び声 伏せ1

胡蝶 ライフ3500

手0 場 インセクト女王 兵隊アリトークン インセクトモンスタートークン 虫除けバリアー DNA改造手術 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!リバースカードオープン!魔法カード、ワーム・ベイトを発動!私の場に昆虫族モンスターが存在する時発動できる。場にワームトークン二体を特殊召喚!

ただし、発動ターンにレベル3と4のモンスターを私は召喚出来ない」

「珍しい制約ですね。」

 

 そのターンの特殊召喚を封じるならばともかく、3と4は駄目とは。インダストリアルイリュージョン社と海馬コーポレーションの考える事は分からない…

 まぁ、名誉会長と社長がアレだから仕方ないか。

 

 当の本人たちが聞けば怒りそうな事を考えているもこっちの前で、胡蝶は宣言する

 

「場の三体のトークンを生贄に!出でよ!The tripping MERCURY!」

「?!」

 

 またまたプラネットのお出ましに驚くもこっち。

 

「三体の生贄で出てきたのが攻撃力2000…何かあるね」

 

 ギャラリーの指摘に楽し気な表情を浮かべる胡蝶。

 

「外部から入って来た一年生は有望そうね、いかにも。The tripping MERCURYの効果発動!生贄召喚成功時、場のモンスターは全て攻撃表示になる!

これでスフィア・ボムは解体してやるわ!」

 

 もこっちは淡々と場のモンスターを表側表示にして告げる

 

「魔装機関車デコイチのリバース効果発動、カードを一枚ドローする」

「……」

「…胡蝶先輩、貴女のターンですよ?」

「う、うるさいっ!The tripping MERCURYの効果はまだあるわ!

三体の生贄を捧げて召喚された場合、相手モンスターの攻撃力はその元々の攻撃力分ダウンする!アトモスフェリク、ディザフェランスッ!」

「?!デモニックモーターΩとデコイチの攻撃力が0に?!」

 

「バトル!デモニックモーターΩをスクラップにしてやりなさい!Temperature Change!」

「永続罠!ガリトラップピクシーの輪!相手は私の場の最も攻撃力が低いモンスターを攻撃出来ない!」

「?!マーキュリーの効果が裏目に…ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ3750

手2 場 デモニックモーターΩ モータートークン 魔装機関車 リビングデッドの呼び声 ガリトラップピクシーの輪

胡蝶 ライフ3500

手0 場 The tripping MERCURY インセクト女王 虫除けバリアー DNA改造手術 

 

 

「私のターン、ドロー!キャノンソルジャーを召喚!効果発動!モータートークンと魔装機関車を生贄に捧げる!1000ポイントのダメージよ!」

「きゃあああああっ?!」ライフ3500から2500

「ターンエンド、エンドフェイズにモータートークンを特殊召喚!」

 

 

もこっち ライフ3750

手2 場 デモニックモーターΩ モータートークン キャノンソルジャー リビングデッドの呼び声 ガリトラップピクシーの輪

胡蝶 ライフ2500

手0 場 The tripping MERCURY インセクト女王 DNA改造手術 虫除けバリアー 

 

 

 

「くっ、私のターン、ドロー!カードを伏せて、ターンエンドよ!」

 

 

もこっち ライフ3750

手2 場 デモニックモーターΩ モータートークン キャノンソルジャー リビングデッドの呼び声 ガリトラップピクシーの輪

胡蝶 ライフ2500

手0 場 The tripping MERCURY インセクト女王 DNA改造手術 虫除けバリアー 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!キャノンソルジャーの効果発動!モータートークンを生贄に捧げて、500ポイントのダメージ!」

「くっ!」ライフ2500から2000

 

「…キャノンソルジャーの効果発動!デモニックモーターΩを生贄に捧げる!」

「なっ?!何ですって!」ライフ2000から1500

 

「速攻魔法、スケープゴート!羊トークンを4体特殊召喚!キャノンソルジャーの効果発動!羊トークン3体を生贄に捧げて、1500のダメージよ!」

「きゃあああああっ?!」ライフ0

 

 

 最後はほぼごり押しだった事に、内心舌打ちをするもこっち。

 

 

「…私の負け、ね。この件は蒸し返さないと約束するわ」

「胡蝶先輩、誤解があるようなので、聞いてくれませんか?丸藤って、オシリスレッド一年の丸藤ですよね?」

「は?オベリスクブルー三年よ?」

「え?」

 

「…もしかして、苗字が同じだけで別人なのかな?」

「そういえば、亮様は弟さんが居るって言っていたけれど…」

「丸藤に兄が…」

 

 あの眼鏡に背丈を足したような感じか?と推測するもこっち。

 

「三年生の丸藤さんの事を胡蝶先輩は言って居ると思って居て、もこっちと私が一年の丸藤の事を言って居た、と言う事でいいのか…な?」

「真相はそういう事みたいだね。」

「骨折り損のくたびれ儲け、って奴?」

「胡蝶先輩とデュエル出来たのだから、骨折り損では無いわ。結構疲れたけれど」

 

 

 その場を立ち去るもこっちと、その傍らについていくゆうちゃん。

 

「ねぇ、もこっち」

「何?」

「…もしも、インセクター羽蛾とエスパー絽馬がデュエルをしたらどちらが勝つのかな?」

「インセクター羽蛾」

「どうして?」

「他人の手札を覗き見しないと戦えない決闘者に敗れる程、彼は無能では無いからよ」

「相手のデッキに細工をするのもどうかと思うけれどなぁ…」

 

 今度デュエルシュミレーターで試してみよう、とゆうちゃんは考えながら寮へと入っていく。

 




胡蝶さんが登場する遊戯王GX二次って少ないですよね
結構情熱的な良いゲストキャラだと思うのですが…

胡蝶さんの伏せカードは砂塵の大竜巻でした。


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MOKOCCHIと遊戯デッキ

前作主人公の扱いとして、神楽坂は素晴らしいと思います。
ポケモン金・銀におけるレッドの扱いも良いですが。

前作主人公をそのまま出すのではなく、そのコピーを使うキャラなら前作主人公の存在をにおわせつつ双方の株を落とす事も無いです。



 ブルー女子寮の一室にて。インカムをつけたもこっちはサイコ・ショッカーと交信する。

 

「…報告を」

『うむ。ブルー男子からレアカードを奪って居たのは小原というラーイエローの少年が指揮を執り、大原という生徒が協力していた。』

「大原…なるほど、闇夜の巨人決闘者というだけの体格がある」

『そしてパンを盗んでいた犯人はターザンみたいな大男だった』

「…どちらも三幻魔復活とは関係が無さそうね」

 

 その後、三年生の大山というブルー生徒が復学した後、必要な単位を修得し、一年遅れで学園を卒業していった。

 一年も行方不明だった事で心配していた親が直接迎えに来ており、港はかなりの人だかりだった。

 

 

 数日後…アカデミアが妙に騒がしい。

 何でも決闘王のデッキが展示されると言う。

 

 

「…デュエルキングのデッキかぁ、もこっちは興味ある?」

「彼のデッキが最強だったのは当時のカードプールで神のカードがあったから。彼のデッキをそのまま再現した所で、大会を勝ち上がるのは困難」

「うーん、ロマンが無い…」

 

 しかし、遊戯か。彼は基本的に善良であり、嫌いでは無いのだが好きでも無い。

 どちらかというと、あのメンバーでは城之内の方が好きだ。神のカードやオカルトパワーに度胸と運で立ち向かう一般人という姿に惹かれる。

 精霊というオカルトパワーを駆使している自分には無い魅力だ。そうだ、カードも揃って居る。一度組んでみるのも一興か。

 

 

 

 

 

 深夜、もこっちは海岸を散策する。深い理由は無い。ただ、夜の海を見たくなったからだ。

 散策中に、弾んだ声が聞こえる。

 

 

 

「凄い、凄すぎる!レアカードばかりじゃないか!これなら…」

 

 声から察するに、神楽坂のようだ。どうやらパックの引きがやたら良かったらしい。というか、自室で行えばいいのに。

 いや、この時間帯、購買部は空いて居たか?

 

 思考を巡らすもこっちに、視線が向けられる。

 

 

「お前は、黒木!ちょうどいい、俺とデュエルしろ!」

「…私と?」

 

 当惑するもこっち。デッキを持ってきてはいるが。

 

 

「…挑まれたからには受けて立つ」

 

 

 距離を取り、ディスクを起動する両者。

 

 

神楽坂 ライフ4000

手5 場 

もこっち ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は融合を発動!手札のガゼルとバフォメットを融合!有翼幻獣キマイラを融合召喚!

カードを一枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

 

神楽坂 ライフ4000

手2 場 キマイラ 伏せ1

もこっち ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!私も融合を発動!手札のベビードラゴンと、時の魔術師を融合!千年竜を融合召喚!」

「なっ?!」

「バトル!千年竜でキマイラを攻撃!滅びのサウザンド・ブレス!」

 

 もこっちの宣言に、冷や汗を流しつつ千年竜はブレスを口から吐く。

 

 

「ぐっ!だが、キマイラの効果発動!蘇れ、バフォメット!」ライフ4000から3700

「カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

 

 

神楽坂 ライフ3700

手2 場 バフォメット 伏せ1

もこっち ライフ4000

手2 場 千年竜 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はバフォメットを生贄に、いでよ、デーモンの召喚!」

 

 雷を纏ったデーモンが現れる

 

「デーモンの召喚…今度は遊戯デッキのコピーデッキ?」

「バトルだ!千年竜を攻撃!魔降雷!」

 

 雷が千年竜に降り注ぎ、悲鳴を上げて千年竜は破壊される!

 

「…罠発動!」ライフ4000から3900

 

 もこっちの後ろに巨大な機械が現れる

 

「?!時の機械タイムマシーン!」

「千年竜よ、3000年の時を超え、復活せよ!」

 

 千年竜が当惑した表情を浮かべながら、時の機械からのそり、と出て来る。

 

 

「またそいつか。俺はこのままターンエンドだ」

 

 

 

神楽坂 ライフ3700

手2 場 デーモンの召喚 伏せ1

もこっち ライフ3900

手2 場 千年竜 

 

 

「私のターン、ドロー!私が引いたのはサイコ・ショッカー!」

「ほう、だがそいつの攻撃力では召喚してもやられるだけだぞ?」

「魔法カード、右手に盾を左手に剣を!これにより、デーモンの召喚と千年竜の攻守は入れ替わる!」

「なっ?!デーモンの攻撃力が1200に!」

「そして千年竜を生贄に!サイコ・ショッカーを召喚!」

 

 サイコ・ショッカーとデーモンの召喚が対峙する。

 

「ぐっ!」

「バトル!サイコ・ショッカーでデーモンの召喚を攻撃!サイバーエナジーショック!」

「迎え撃て!魔降雷!」

 

 電撃がサイコ・ショッカーを襲うが、意に介さずエネルギー弾を発射するサイコ・ショッカー。エネルギー弾がデーモンの召喚に直撃し、打ち倒す!

 

「デーモンの召喚まで…」ライフ3700から2500

 

 

「カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

 

 

神楽坂 ライフ2500

手2 場 伏せ1

もこっち ライフ3900

手0 場 サイコ・ショッカー 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード、蜘蛛の糸を発動!こいつは1ターン前に相手が使った魔法カードを手札に加える事が出来る!

俺は右手に盾を左手に剣をを手札に加える!」

「使われたら、サイコ・ショッカーの攻撃力は1500に…」

 

 

「俺はカードを二枚伏せて、魔法カード、天よりの宝札を発動!互いに手札が6枚になるようドローする!」

「……」

 

 互いに手札は0であるので、6枚になるようドローする。

 

「引いたぜ、俺はワタポンを特殊召喚!コイツはドローフェイズ以外でデッキから手札に加わった時、特殊召喚が出来る!

そして伏せて置いた右手に盾を左手に剣をを発動!これで攻守は逆転する!」

「まだ召喚権がある以上、出て来るのは上級モンスターか…」

 

「俺はワタポンを生贄に!ブラック・マジシャン・ガールを召喚する!」

「今ので確信に変わった、デッキを盗んだな?」

 

 出てきたブラック・マジシャン・ガールを睨みつつ、もこっちは告げる。

 途方もないレアカードだ。断じてパックで当たるようなカードでは無い。

 

 しかし、見るからに痴女丸出しだ。師匠の趣味か、弟子の趣味か、いずれにせよ、あまりセンスは良くないようだ。

 

「魔法カード、賢者の石を発動!場にブラック・マジシャン・ガールが居る時、デッキからブラック・マジシャンを特殊召喚する!」

 

 二体の魔術師の師弟が揃う

 

「…これならまだライフは残る、か」

「ふっ、俺は墓地の闇属性、デーモンの召喚と、光属性のワタポンを除外し!出でよ!カオスソルジャー開闢の使者!」

「開闢まで…」

「どうだ!あの混沌帝龍と双璧を為す、デュエルモンスターズ界最強戦士だ!」

「あのリセット効果と比べたら開闢の使者など子猫のような物だがな」

 

 開闢の使者がもこっちを睨み付けるが、もこっちもその双眸で睨み返す。

 

「これでお前は終わりだ!それが罠だとしても、サイコ・ショッカーが居るから罠は使えない!バトル!開闢でサイコ・ショッカーを攻撃!開闢双破斬」

「サイコ・ショッカーッ!」ライフ3900から2400

 

「開闢の使者が相手モンスターを破壊して墓地に送った時、もう一度攻撃出来る!行け!開闢の使者!時空突刃・開闢双破斬!」

 

 止めを刺すべく剣を構える開闢の使者だが、もこっちはすかさず伏せカードを発動させる。

 

「リバースカードオープン!スケープゴート!スケープゴートトークン4体を特殊召喚!」

「そのまま攻撃だ!続け、ブラック・マジシャン!ブラック・マジシャン・ガール!」

 

 羊たちが次々と蹴散らされ、残りは一匹。

 

「速攻魔法!光と闇の洗礼!場のブラック・マジシャンを生贄に、混沌の黒魔術師を特殊召喚!」

「混沌の黒魔術師まで…」

「効果発動!墓地の魔法カードを手札に戻す!俺は天よりの宝札を手札に戻す!行け!滅びの呪文!」

「……」

 

 ひつじたちはぜんめつした!

 

「今の攻撃を凌ぐとはな。カードを一枚伏せ、再び天よりの宝札を発動!俺は手札が6枚になるようドローする!」

 

 またしても手札が6枚になる神楽坂。

 

「俺はさらに二枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

神楽坂 ライフ2500

手4 場 開闢 混沌 ブラック・マジシャン ブラック・マジシャン・ガール 伏せ5

もこっち ライフ2400

手6 場 

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、ハリケーンを発動!」

「ハリケーン?!くっ、チェーンは無い…」

 

 

「死者蘇生を発動!」

「お前の墓地にはサイコ・ショッカーがいたな…」

「私が復活させるのは、時の魔術師!」

「?!」

 

「時の魔術師の効果発動!ルーレットが当たれば、相手モンスターは全滅する!ルーレットスタート!」

 

 

 タイムルーレット!の声と同時に、ルーレットが回り始める。

 

「ルーレットは…当たり!これで相手モンス」

 

 そこでもこっちの言葉は途切れる。よぼよぼの老人になった開闢、混沌にブラック・マジシャン。

 一番痛々しいのは、老婆の姿で痴女丸出しな恰好のブラック・マジシャン・ガール。

 直後にスッと彼らの姿は消え失せる。

 

 

「…化石になったというレッドアイズよりマシなのか、判断に困るが…場の時の魔術師を生贄に、魔法カード、スタープラスター発動!

生贄にしたモンスターのレベルと、サイコロの目の数字を合計したレベルのモンスターが手札にあれば、そのモンスターを特殊召喚できる!」

 

「また運頼みか!」

「サイコロの出目は…5!生贄に捧げた時の魔術師はレベル2!よってレベル7のモンスターを特殊召喚出来る!」

「城之内デッキでレベル7、と言う事は出て来るのは…」

「いでよ、デビルゾア!」

「えっ?」

 

 場に現れるのは悪魔族の最上級モンスター。

 

「お前!真紅眼はどうした!」

「持っていない。インセクト女王とソードハンターの事も思い出してやれ。さて、これで終わらせる。バトルだ!デビルゾアでダイレクトアタック!」

「うわぁああああああ?!」ライフ0

 

 

 ライフが尽き、跪く神楽坂。

 

 

「ぐ、負けた…何故だ?最強のデッキに、最高のプレイングだったはずだ!」

 

「それは、お前に無くて黒木にある物さ」

「遊城?」

「俺に無い物…?」

 

「それはデッキを信じる心さ」

「デッキを、信じる…?」

「自分で試行錯誤して、一生懸命作り上げたデッキには魂がこもるんだ。デッキに魂がこもると、デュエルの間中、最後まで、そのデッキを信じる事が出来る。

それがデュエルの勝敗を分けるんだ。」

「それがデッキを信じる気持ち、と言う事か」

 

 

 

「…俺に何が足りないかは分かった。デッキは返す」

 

 そう言って神楽坂はデッキを遊城に渡して立ち去って行った。

 

「一体何がどうなっているのか、さっぱり。」

「実は遊戯さんのデッキが盗まれてさ。それを探していたんだ。」

「いいのか?遊戯さんのデッキとデュエル出来る機会は早々無いぞ?」

「いや。何時か本物の遊戯さんとデュエルするその時まで、楽しみにするさ」




デビルゾアと真紅眼の差が何時の間にかすごい事に…とりあえず融合体が欲しいです。
それと、メタル化した彼をダークネスは早く勧誘すべき。


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MOKOCCHIと学園代表決定戦

HERO融合体の中で、テンペスターは結構好きです。


 ノース校との交流試合。その代表を決めるデュエルを近々行うと、鮫島校長は発表する。

 

 それが終わり、三々五々に分かれていく中。

 

「去年は誰が出たのだろう?」

「うーん、わかんない」

 

 聞いてみただけではあるが、予想通りの反応が返ってきた為、さほど落胆せず肩をすくめるもこっち。

 だが、直後に後ろから声をかけられる。

 

「亮様よ!」

「…胡蝶先輩」

 

 赤い髪を伸ばした上級生がお手本のようなドヤ顔で立っている。

 

 

「先輩、どんな流れだったか教えてくれませんか?」

「いいわよ。相手は大柄な江戸川という生徒で、デビルゾアを主軸に置いたデッキだったわ」

「デビルゾア…」

 

 思わぬカードを主軸に置いて居る決闘者の存在を知り、当惑するもこっち。

 

「メタル化をバトルフェイズ時に使ってサイバーツインドラゴンを攻撃したけれど、トラップジャマーで無効にされて返り討ち。そのまま次のターンに亮様が制したわ」

「となると、基本は」

「攻撃力2600の最上級モンスターを処理出来ない決闘者はまず選ばれない、と言う事か」

「まぁ、誰が選ばれても本校が勝つでしょうけれど」

 

 

 分校に負けては沽券に関わる、と告げる胡蝶先輩に別れを告げ、もこっち達はその場を後にする。

 その夜、風呂に入ろうと浴場へ向かっていると

 

 

「黒木さん、少しいいい?」

「ミーネ女医?ゆうちゃん、先に行っていて」

「うん」

 

 ミーネ女医に連れられて、応接室に入る。

 

「失礼します、鮎川寮長。黒木さんをお連れしました」

「お疲れ様」

 

 

 呼び出した相手が寮長。とはいえ、もこっちに緊張は無い。何かしらの事件で呼び出すとしても、心当たりはない。

 一礼し、ドアを閉めてミーネ女医は立ち去る。

 

 

「黒木さん、職員会議で貴女をノース校との対抗試合に推薦したわ」

「ありがとうございます」

 

 デビルゾア使いが相手ならば、こちらも同じように考案したデッキを使う事でミラーマッチが出来るかもしれない。

 

 

「でも、クロノス教諭と大徳寺先生がそれぞれ生徒を推薦したの。結局、総当たり戦で二勝した生徒が代表になる事になったわ」

「誰と誰でしょうか?」

「三沢大地君と、遊城十代君よ」

「…クロノス教諭が、ブルー生徒を推薦しなかったのですか?」

 

 意外な話に突っ込むもこっち。レッドを見下すが、それ以上にオベリスクブルーに拘るのがクロノス教諭の特徴だからだ。

 

 

「十代君に勝てる決闘者が思いつかなかったのでしょうね。」

「話は以上でしょうか?」

「ええ、呼び止めてしまってごめんなさいね、お風呂に行って」

「失礼します」

 

 

 風呂場にて、鮎川先生からされた話をすると、他の女子生徒も集まってくる

 

「…でも、変な話ね」

「そうね、どうして一年生から選ぶのかしら?」

 

 先輩二人が解せぬと言った表情で話す

 

「そういえば、話に出てきたのも一年生ばかり。」

「と言うと考えられる線があるわ。ノース校は一年生を出すと言って来た」

 

 ああ、なるほどと頷く胡蝶と、話が飲み込めない一年生組

 

「いえ、相手が一年生だろうと本校は本校で選べばよいのでは?」

「あのね、相手が分校の下級生なのに、本校が上級生を出すだけで勝っても負けても本校の名声に傷がつくの」

 

 ようやく得心がいった一年生組は、ゆっくりと湯船から立ち上がる。そこに後ろから声がかけられる。

 

「黒木、負けたら承知しないわよ」

「ラーイエローも、オシリスレッドも、ノース校も。ブルー女子の敵では無い事を証明して来ます。」

 

 振り返りつつ、もこっちは告げ、その場を後にする。

 

 シャワーを浴び、更衣室で着替える一年生組。

 

 

「ねぇ、あんな事言ったけれど、どうするの?」

「勝つ」

「いや、あれだけ大口叩いて負けたら恥だけれど…」

「誰がどう見ても、私がふさわしい。そう認めさせるデュエルをする。」

 

 立ち上がり、自室にもこっちは向かう。倒す順番及び、セリフも考えておくべきだろう。

 代表決定戦をワンマンショーに仕立て上げてしまおう。主演は私、監督、脚本も私。全てが私の為の舞台にする。

 

 

 代表決定戦当日。

 デュエルフィールドには相応の人が詰めかける。

 

 

 

「シニョール&シニョーラ!今から学園代表決定戦を開始するノーネ!まずーは!」

「クロノス教諭!」

「ナパ?な、何なノーネ、シニョーラ智子」

 

「第一試合は、私と遊城で始めさせてください」

「おっ!俺が最初か!へへっ、やっぱり強い奴から相手をしようって事か?」

 

 遊城の言葉を無視して、もこっちは言葉を紡ぐ。

 

「三沢、遊戯と私のデュエルを分析し、一番通用しそうなデッキを選ぶといい。」

「と言う事は、十代には最初から勝つ事前提だとでも言うのか!」

 

 ざわめく会場の中、鮫島校長が告げる。

 

「ふむ、良いでしょう」

「鮫島校長?!よ、よろしいのデスーカ?」

「ええ。遊城十代君と三沢大地君を立て続けに倒せるというのであれば、実力は十分でしょう。」

「分かったノーネ、では両者、前に出るノーネ!」

 

 

 

 互いに対峙するもこっちと遊城。

 

 

「俺が前座扱いか、だが黒木!勝つのは俺だ!」

「答えはデュエルだけが知っている。始めよう。」

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!カードガンナーを守備表示で召喚。効果発動。デッキからカードを3枚墓地に送る」

「デッキから三枚?」

「送ったカード一枚につき、攻撃力がエンドフェイズまで500ポイントアップする。私はこのままターンエンド。エンドフェイズに、攻撃力は元に戻る」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 カードガンナー

十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「それで終わり?ならば俺のターン、ドロー!俺はバーストレディを召喚!バトルだ、カードガンナーを攻撃!」

「カードガンナーの効果発動。私はカードを一枚ドローする」

「カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手6 場 

十代 ライフ4000

手4 場 バーストレディ 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ、黄泉ガエルを墓地から特殊召喚!」

「なっ?!何時の間に…そうか!カードガンナーの時か!」

「そう。そしてこの黄泉ガエルを生贄に。人造人間サイコ・ショッカーを召喚!」

「げっ?!そいつは罠を封じるモンスター!」

 

「そして永続魔法、エンジンチューナーを発動!場の機械族モンスターは全て攻撃表示になり、その元々の守備力の半分、攻撃力がアップ。よって1500の半分、750が

サイコ・ショッカーの攻撃力に加えられ、攻撃力は3150!」

「何ぃ?!」

「バトル。バーストレディを攻撃!」

「ぐっ?!」4000から2050

 

「カードを二枚伏せて、ターンエンド」

 

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 サイコ・ショッカー エンジンチューナー 伏せ2 

十代 ライフ2050

手4 場 伏せ1

 

「俺のターン、ドロー!よし!E・HEROスパークマンを召喚!さらに装備魔法、スパークガンを装備!」

「…どういうつもり?」

「へへっ、スパークガンの効果発動!サイコ・ショッカーを守備表示に変更する!これなら守備力1500のサイコ・ショッカーを」

 

 スパークガンの電撃を浴びたサイコ・ショッカーは一度腕を組んで防御態勢を取るが、即座に攻撃表示に戻る

 

「…へ?」

「エンジンチューナーにより、表示形式を変えた所ですぐに攻撃表示に戻る」

「しまったぁ!なら、俺は融合を発動!場のスパークマン、手札のフェザーマンとバブルマンを融合!来い!テンペスター!」

「守備表示で出してきたか…」

「ターンエンドだ」

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 サイコ・ショッカー エンジンチューナー 伏せ2 

十代 ライフ2050

手0 場 テンペスター 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!私はモンスターをセット。」

「へ?」

「バトル、サイコ・ショッカーでテンペスターを攻撃。サイバーエナジーショック!」

「テンペスターの効果発動!伏せていたヒーローバリアを墓地に送り、戦闘破壊を無効にする!」

「…ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 サイコ・ショッカー セットモンスター エンジンチューナー 伏せ2 

十代 ライフ2050

手0 場 テンペスター 

 

 

「俺のターン、ドロー!よし!フィールド魔法、摩天楼スカイスクレイパー発動!そして、テンペスターを攻撃表示に変更!」

 

「リバースカードオープン!」

「無駄だ!サイコ・ショッカーが居る限り、お互いに罠は使えない!」

「発動させるのは罠では無い!速攻魔法、月の書!」

「月の書?!それでテンペスターを守備表示に変えるつもりか!」

「違う。私が対象にするのは、サイコ・ショッカー!」

 

 月の光に照らされて、サイコ・ショッカーが沈黙してセット状態になる

 

 

「だけど、結局攻撃すればエンジンチューナーで攻撃表示になるから、ダメージは避けられないぜ?」

「そう思って居るなら攻撃すればいい。サイコ・ショッカーが裏側守備表示になった事で、罠カードが使えるようになった」

 

 そう言ってもこっちは伏せカードに目を向ける。

 

「?!」

「どうする?攻撃する?しない?」

 

 冷たい双眸と遊城の視線が交差する。逡巡すらせず、遊城は告げる。

 

「ここで攻撃しないなんてありえないぜ!バトルだ!テンペスターでサイコ・ショッカーを攻撃!カオステンペスト!」

「罠発動!地縛霊の誘い!攻撃対象は私が決める!テンペスターの相手はサイコ・ショッカーでは無く…セットしていた球体時限爆弾スフィア・ボム!」

「げぇえええ?!」

 

 テンペスターの胸元に合体するスフィア・ボム。

 

「ヒーローには胸元にタイマーが付いているのがデフォだったはず。お似合いだな?」

「や、やべぇ…ターン、エンドだ」

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 セットモンスター エンジンチューナー スフィアボム 

十代 ライフ2050

手0 場 テンペスター 摩天楼 

 

「私のターン、ドロー!」

「…」

 

 もこっちは自分を見ず、デッキの一番上を見ている遊城を睨む

 

「遊城、どこを見ているの?」

「へ?」

「…まさか、次のターンのドローでこの窮地を脱しようと思って居るのか?」

「当たり前だ。俺はまだ諦めて居ないぜ」

「なら、このターンで沈める。セットしていたサイコ・ショッカーを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚!」

「何ッ?!」

 

「馬鹿な、次のターンでほぼ勝ちは確定しているというのに!」

「ギャンブル頼みッスか?!」

 

 

「エンジンチューナーにより、攻撃力は元々の守備力の半分、1200の半分600アップして、攻撃力2900」

「ぐっ、それでテンペスターを破壊するつもりか…だが、確率は」

「当たる」

「なっ…」

 

 冷たい、どこまでも冷酷な双眸に、遊城の身も心も射貫かれ、凍り付く。

 

「遊城、デュエルは自分だけではできない。デッキを信じるのは大事。でも、相手を見ないようでは…コイントス。」

 

 結果は

「三枚全部表…?」

 

 呆然と呟く遊城。

 

「テンペスターを破壊する」

 

 ブローバックドラゴンの射撃がテンペスターに降り注ぐ。スフィアボムに直撃し、誘爆に巻き込まれてテンペスターが破壊される。

 

 

 

「バトル、ブローバックドラゴンでダイレクトアタック」

 

 無慈悲な狙撃が遊城を撃ち抜き、勝敗は決した。

 

 

 

「ウィナー!シニョーラ智子なノーネ!」

 

 うなだれる遊城に対し、一瞥を向けた後、もこっちは観客席の一つに目を向ける。

 

「三沢、今すぐ始められるか?それとも、時間が欲しいか?」

「30分だ。30分貰いたい」

「分かった。では30分後に第二試合といこう」

 

「ま、待つノーネ!」

「いいではありませんか、クロノス先生。互いに了承しているのです」

「それはそうデスーガ。しかし、これでついにドロップアウトボーイがドロップアウトするところが見れたノーネ…」

 

 

 

 30分後

 

「待たせたな、黒木!今度は俺が勝つ!キミに対するデッキは完璧だ!」

「三沢。デュエルの前に、一つ言って置く。優秀な決闘者の欠点を」

「欠点だと?」

「私とのデュエルでそれに気が付けば、飛躍的に成長出来ると確信している。始めよう」

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

三沢 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はモンスターをセット。ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 セットモンスター 

三沢 ライフ4000

手5 場 

 

「俺のターン、ドロー!俺はハイドロゲドンを召喚!バトルだ!ハイドロゲドンでセットモンスターを攻撃!」

「セットしていたのは、球体時限爆弾スフィアボム。ダメージ計算は行わない」

「ハイドロゲドンの装備カードとなったか、だが想定内!俺はカードを二枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 スフィアボム

三沢 ライフ4000

手3 場 ハイドロゲドン 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!」

「ここだ!罠発動!酸のラストマシンウィルス!場の水属性モンスターを生贄に、黒木!君の場と手札の機械族モンスターを全て破壊!一体につき500ポイントのダメージを与える!

しかも、三ターンの間にドローしたカードを確認し、それが機械族なら破壊して500ポイントのダメージを与える!」

「手札はリボルバードラゴン、沼地の魔神王、旧型発進、サイコショッカー、オーバーロードフュージョン、時の機械タイムマシーンだ。

機械族は三体、よって1500のダメージを受ける」ライフ4000から2500

 

 手札を淡々と捨て、ダメージを受けるもこっち

 

「旧型発進は墓地の機械族を特殊召喚するカード。となると…」

「手札の沼地の魔神王を墓地に捨て、デッキから融合を手札に加える」

「何?だが君の手札に融合素材は居ないはずだ」

 

 当惑する三沢。だが次の瞬間、もこっちの狙いに気が付く

 

「?!そうか!沼地の魔神王は墓地で融合素材の代わりになる!と言う事は…」

「魔法カード、旧型発進を発動。蘇れ、サイコショッカー!これで場の罠カードは発動出来ない!」

「ぐっ…」

 

「オーバーロードフュージョンを発動!墓地のリボルバードラゴン、沼地の魔神王を除外して融合召喚!現れろ!ガトリングドラゴン!」

 

 一気に並ぶ闇の機械。それらは酸のラストマシンウィルスでほぼ葬ったはずだった。にも関わらず、結果はこれ。その事実に、三沢の動揺は隠せない。

 

「な、何故だ!俺の対策は、間違って居なかったはずだ!なのに何故!」

「…三沢、対策となるカードは、対策の為に抜いたカードより、対策以外の面では劣る場合が多い。故に、対策デッキは全体的に弱くなる。

重要なのは、全体的なデッキの強さ。局所的な戦術で勝利しても、戦略で敗れては勝てない。やるなら、全体的なデッキの強化を考慮するべきだろう。」

 

 

 そう言われ、三沢は伏せカードに目を向ける。球体時限爆弾などの厄介な効果モンスターへの対策として用意していた、聖なる輝き。

 直接的な対策に目を奪われていた事に、ようやく気が付く。

 

 ディスクをおろし、真っ直ぐに顔を上げる三沢をもこっちは見つめる。敗北が確定したというのに、その表情は晴れ晴れとしている。

 

「黒木、今回は俺の負けだ。だが、俺はこの敗北で必ず強くなってみせる!」

「その時は、また相手をしよう。いけ、ガトリングドラゴン!サイコショッカー!」

 

 二体の闇機械が襲い掛かったが、三沢は一瞬も目をそらさず、その攻撃を受け…

 

「…」ライフ0

 

 三沢は敗北する。ここにノース校への学園代表が決定したのであった。

 

 




ノース校との交流試合云々が二年目には関わらなかったのが残念。
三年目には各校のチャンプが参加する中、ノース校は名前なし…
結構不遇な気がします。


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MOKOCCHIと交流戦

5D'sにてカードを託されて戦った遊星VS鷹栖戦は熱いと思います。



 

 

 代表に選ばれたもこっちは、必須カードを投入し、残りの枠を考える。

 バランスよく、それでいて爆発力も入れなければならない。

 黄泉ガエルは中々良いが、エンジンチューナーでは蘇生が阻害される。

 黄泉ガエルについては使えれば良し、としてもいいのだが。

 

 

 思考を巡らしていると、黄色い制服が目に入る。

 顔をあげるもこっち。見知った顔がカードを提示している。

 

「なぁ、黒木。今度の対抗試合にウォータードラゴンを入れてくれないか?」

 

 テキストと攻守に素早く目を通した上で、もこっちは告げる。

 

 

「ボンディングH2Oのカードを一緒に渡してくれるなら、入れよう」

「それなら。待て、ハイドロゲドンとオキシゲドンのカードも持っているのか?」

「オキシゲドンは持っていないが、ボンディングH2Oがあれば条件はクリアされる」

「…俺の知らない戦術があるようだが、それは当日を楽しみにさせて貰う」

 

 

 ウォータードラゴンのカードとボンディングH2Oのカードを受け取り、同時に太もものカードケースから予備のカードを取り出す。

 何かに使えると思って持っていたが、意外と出番が早く来た。

 

 

 他の生徒からも預かったカードを広げていると、ゆうちゃんから話しかけられる。

 

「全部入れるの?」

「当然だ」

「でも、それだと回らない気がする。」

「皆の思いが詰まったデッキ、と言うのだろうか?最も、戦略とセオリーを無視した寄せ集めデッキでしか無いが。」

 

 とはいえ、戦略は成立した。後は当日を待つだけだ。

 

 

 

 ノース校との交流試合当日。港町にて待っていると、潜水艦が浮上し、中からノース校の生徒が出て来る

 

「鮫島校長、またうちの若い者が世話になります」

 

 一之瀬校長が鮫島校長と話し合う。褒美云々は分からないが、さて、相手は誰なのかとノース校のメンバーを見渡すもこっち。

 

 

「代表は万丈目君だ!」

「万丈目君?!ノース校に行っていたのかね!」

 

 

 相手がノース校の生徒では無く、同じ本校生徒である事にややがっかりしつつ、気を取り直すもこっち。

 思えばデュエル出来なかった相手だ。良い機会かもしれないと思考を切り替える。

 

「では、交流戦は午後2時、デュエルフィールドで行います」

 

 鮫島校長の言葉により、その場はお開きとなった。

 

 

 

 一体万丈目が何時の間に本校からノース校に行っていたのか気になったもこっちは、情報収集を行う。

 デッキは組み立てた以上、今更修正はしない。

 

 

「遊城に月一試験で敗れ、そして三沢との寮の入れ替えに負けて退学したのか」

「ああ」

「だが、万丈目に勝ったのだから、ブルー寮に入れば良かったのではないか?」

「名実ともにナンバーワンになってから、と思ったからだ」

「天が与えた物を取らざれば、かえってその咎を受けるというが…」

 

 そこでもこっちは言葉を切り、視線を向ける。廊下には奇抜な髪型の男子生徒がウロウロしている。

 

「あれは、ノース校の生徒か?」

「道に迷っているようだ、案内してくる」

 

 

 

 もこっちはノース校の生徒に近づき、声をかける。

 

「失礼、道に迷ったか?」

「?!本校の代表選手!」

「黒木智子だ。そちらは?」

「俺は橘一角。ノース校の生徒だ」

 

 自己紹介を済ませ、もこっちは橘を案内する。

 

「40枚集めれば入学出来るとは面白いシステムだが、8パック買えばだれでも入学出来ると言う事か?」

「学費とかを納めないといけないがな。本校はどれぐらいの倍率なんだ?」

「まず筆記で120人まで絞られ、その後、実技試験が行われ、入学出来るのは36人だ」

「…すさまじい倍率だな」

 

 実技で七割落とす、という厳しさに驚く橘。

 

「大事なのは入学する事では無く、そこで何を学ぶかだと思うがな。最も、それは私が入学しているから言える事ではある。さて、この先がステージだ。」

「ありがとう」

 

 

 軽く頷いたもこっちは踵を返し、控室へ向かう。

 

 

 

 午後二時。デュエルアカデミア本校のデュエルフィールドにて。

 

 

「レディース&ジェントルメーン!ただ今より、デュエルアカデミア本校、ノース校の交流戦を始めるノーネ!

まずーは!デュエルアカデミア本校生、シニョーラ智子!そして、」

「要らん!俺の紹介は俺がする!」

「ナパ?!」

 

「皆、俺を覚えて居るか!俺が退学して、せいせいしたとか言っていたやつ!自業自得とほざいた奴!耳をかっぽじってよく聞け!

不死鳥のごとく地獄の底より蘇ってきた俺の名は!」

 

 

 

「一」

「十」

 

 万丈目が数え出すと、ノース校生も続く!

 

「「「「「百」」」」」

「「「「「千」」」」」

 

 万丈目は手を高く上げる。

 

「万丈目サンダー!」

「「「「「「「「「サンダー!サンダー!サンダー!」」」」」」」」」

 

 そのカリスマに、もこっちは驚きつつも表情は変えない。動揺しても、それを悟られる訳にはいかない。

 故に静かに深呼吸を行い、気持ちを落ち着かせる。

 

 

「行くぞ!俺は負けるわけにはいかないのだ!」

「負けられないのはどちらも同じ。結末はデュエルだけが知っている。始めよう」

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は仮面竜を守備表示で召喚!カードを伏せて、ターンエンドだ!」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

万丈目 ライフ4000

手4 場 仮面竜 伏せ1

 

 

「様子見か、私のターン、ドロー!私はハイドロゲドンを召喚!」

「?!そのモンスターは!」

「これの効果を知っているか。バトルだ!ハイドロゲドンで仮面竜を攻撃!ハイドロポンプ!」

 

 出来ねぇよ、と小さく呟きブレスを吐きだすハイドロゲドン。

 

「仮面竜の効果発動!俺はアームドドラゴンLv3を特殊召喚!」

「ハイドロゲドンの効果発動!相手モンスターを破壊し墓地に送った時、仲間を呼ぶ。現れろ、二体目のハイドロゲドン!

追撃だ!ハイドロカノン!」

 

 出来ねぇよ、と呟きつつもブレスを吐きだす二体目のハイドロゲドン。だが

 

「罠発動!和睦の使者!これにより俺のモンスターは戦闘では破壊されず、ダメージも0になる!」

「戦闘回避か。カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 ハイドロゲドン ハイドロゲドン 伏せ1

万丈目 ライフ4000

手4 場 アームドドラゴンLv3 

 

 

「ハイドロゲドンとは、血祭りにあげるにはちょうどいい。さぁ行くぞ!俺のターン、ドロー!

スタンバイフェイズ、アームドドラゴンLv3はLv5に成長する!」

 

 小柄なオレンジの幼竜が大柄な竜に成長し、雄たけびを上げる。

 

「む…」

「どうだ!これがノース校に伝わる秘伝のカード、アームドドラゴンシリーズだ!」

「攻撃力2400か、それで攻撃するのか?」

「当たり前だ!バトル!アームドドラゴンLv5でハイドロゲドンを攻撃!アームドバスター!」

 

 腕を振り回し、攻撃しようとするアームドドラゴンLv5の前から、ハイドロゲドンが消える。

 

「なっ?!」

「リバースカード、速攻召喚を発動した。これにより、二体のハイドロゲドンを生贄に捧げ、古代の機械巨人を召喚する!」

 

 機械仕掛けの巨人が立ちはだかる。

 

「三沢のカードの次は、クロノスのカードとは」

「いいや、これは神楽坂が渡してきたカード。万丈目、このデッキは本校一年生の知り合いが託してくれたカードに、私が元々持って居たカードを組み合わせたデッキ。

戦略もセオリーを無視した寄せ集めデッキかもしれないが、この想いを打ち破れるかな?」

「それがどうした!速攻魔法!収縮!これにより、古代の機械巨人の攻撃力を半分にする!」

「?!」

 

 収縮を受け、古代の機械巨人が古代の機械小人になってしまう。

 

「やってくれるな」

「行け!アームドドラゴンLv5!古代の機械巨人を破壊しろ!アームド・バスター!」

「…」ライフ4000から3100

 

 マンマミーア、という声が聞こえる。もこっちも万丈目もその声の主が誰かわかったが、デュエルに集中する。

 

「よし!バトルに勝利したアームドドラゴンLv5の効果発動!このカードを墓地に送りデッキからアームドドラゴンLv7を特殊召喚!

カードを伏せてターンエンドだ!」

 

 雄たけびを上げて現れるアームドドラゴン。大柄になり、より攻撃的な姿になったが、反面防御力が薄くなった、そうもこっちは思考を巡らす。

 

 

もこっち ライフ3100

手3 場 

万丈目 ライフ4000

手3 場 アームドドラゴンLv7 伏せ1 

 

 

「私のターン、ドロー!ものマネ幻想師を召喚!」

「?!そいつは、相手モンスターの攻守をコピーするモンスター…」

「これにより、アームドドラゴンLv7の攻守を得る。さらに装備魔法。ミストボディ。これでものマネ幻想師は戦闘では破壊されない。

バトル!ものマネ幻想師でアームドドラゴンLv7を攻撃!ミスト・アームド・バスター!」

「迎え撃て!アームド・バスター!」

 

 先にアームドドラゴンLv7の攻撃が届くが、霧に姿を変えてものマネ幻想師は攻撃を躱し、反撃を打ち込み、アームドドラゴンLv7を沈める

 

「ぐっ!」

「カードを伏せる。ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ3100

手1 場 ものマネ ミストボディ 伏せ1

万丈目 ライフ4000

手3 場 伏せ1 

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、四次元の墓を発動!墓地のアームドドラゴンLv7とLv3をデッキに戻す。

そして永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!蘇れ、アームドドラゴンLv5!」

「アームドドラゴンLv5を…だが、攻撃力が足りないな」

「俺の心配をする暇があるなら、自分の心配をするんだな!魔法カード、レベルアップ!を発動!アームドドラゴンLv5をLv7に成長させる!」

 

 再び現れるアームドドラゴンLv7。

 ものマネ幻想師を睨み付けるが、ものマネ幻想師は泰然と構える。

 

「リベンジのつもりか。たしかに攻撃力は互角だが、ミストボディがある限り、どんなモンスターでも今のものマネ幻想師を戦闘破壊する事は出来ない」

「クックック、そいつが付与するのは戦闘破壊耐性のみ。効果破壊には対応できまい!俺は手札のタイラントドラゴンを捨てて、アームドドラゴンLv7の効果発動!

消え去れ!ジェノサイド・カッター!」

 

 鬱憤を晴らすように、カッターが飛び出す。霧に変化出来るものマネ幻想師だったが霧への変化が間に合わず、破壊される!

 

「…やるな」

「当たり前だ!バトル!やれ、アームドドラゴンLv7!ダイレクトアタックだ!」

「罠発動!カオスリターン!相手モンスターの攻撃を無効にする!」

「戦闘回避か、姑息な手を」

 

 カオスリターンに攻撃を阻まれ、アームドドラゴンLv7は一歩下がる。

 

「効果はまだ続く!手札を一枚捨て、墓地の魔法カードの効果を発動させる!」

「お前の墓地には、速攻召喚しかない。そしてお前の手札は0!何を召喚するつもりだ!」

「私が発動させるのは、今捨てたボンディングH2O!」

「なっ?!馬鹿な!そいつは場のハイドロゲドン二体とオキシゲドンを生贄にしなければ」

「カードの発動では無い、効果の発動だ!力を貸せ、三沢!現れろ!ウォータードラゴン!」

 

 雄たけびを上げて現れるウォータードラゴンと、対峙するアームドドラゴンLv7

 

「ちっ、攻撃力2800同士では相打ちか…?!」

 

 万丈目の目の前で、雄たけびをあげながらウォータードラゴンに襲い掛かろうとするアームドドラゴンLv7。

 

「なっ?!何が」

「カオスリターンの効果はまだある。この効果で攻撃を無効にされたモンスターは、攻撃を再開しなければならない」

「何?!攻撃を無効にする最初の効果は何だったんだ!」

「知らん。行け、ウォータードラゴン!アクア・パニッシャー!」

「打ち砕け!アームド・バスター!」

 

 互いの攻撃が直撃し、大爆発を起こして消えさる。

 

「ちっ、ターンエンドだ!」

 

 

もこっち ライフ3100

手0 場 

万丈目 ライフ4000

手1 場 リビングデッドの呼び声 

 

 

「私のターン、ドロー!お前か」

「何だ?何を引いた」

「私はバブルマンを特殊召喚!このカードは手札がこのカードのみの場合、手札から特殊召喚出来る!そして場に他のカードが無ければ、二枚ドロー出来る!」

「チッ…」

 

 ドローカードを確認し、もこっちは告げる。

 

「チェックメイトだ、私はパワーボンドを発動!」

「?!それはカイザーのカード!何故、お前が!」

「いいや、弟の方だ。手札のユーフォロイドと、場のバブルマンを融合!現れろ、ユーフォロイド・ファイター!」

 

 ユーフォロイドにバブルマンが乗り込み、バブルシュートを万丈目に向ける。

 

「攻撃力は融合素材の元々の攻撃力の合計、1200と800だから、攻撃力は2000になる、だが…」

「そう。パワーボンドによりその攻撃力は二倍になる!よって攻撃力は4000!」

「ぐっ!お、俺は…」

「バトル!ユーフォロイド・ファイターでダイレクトアタック!フォーチュン・バブルシュート!」

 

 

 

 交流戦、その勝敗が決する。

「勝者!デュエルアカデミア本校生徒!シニョーラ智子!」

「そうか…負けちまったか。」

 

 

 その後、港で見送ろうとすると、万丈目はノース校に戻らず、本校に復学すると告げる。ただ出席日数の都合上、オシリスレッドに配属されていた。

 

 




三沢の強化が来ますね。OPの炎の竜がOCG化される日は近いかもしれません。


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MOKOCCHIの課外授業?!

今回は課外授業です。


「もこっち、これ出るの?」

 

 ゆうちゃんから見せられたプリント。オシリスレッド寮長、大徳寺先生が主催の課外授業だ。

 古代の遺跡、墓場を見るという物らしい。

 

「普段は近づけないから、めったにないチャンスだけれど」

「興味ない」

「クールだね…」

「お昼はどうする?ドローパン以外で」

「くさやパンとドリアンパンは流石にきつかった。午後の体育で誰も近づいてこなかったし…」

「先輩から聞いたが、一度シュールストレミングパンを出そうとした事があったらしい」

「…どうなったの?」

「悪臭騒ぎで倫理委員会が出動する騒ぎになり、現場の苦情の嵐から販売中止になったとか。想像力が足りないな」

「無難にお握りにしようか?」

「それがいいな。そういえば、アレルギー持ちの生徒って居るのだろうか?」

「居るわよ?後藤君は蕎麦アレルギーで、川田君は魚卵アレルギー、それに…」

 

 何故男子生徒のアレルギーを把握しているのか。肩をすくめるもこっちは後ろから声をかけられる。

 

 

「黒木、少しいいか?」

「?構わない。ゆうちゃん、先に行っていて」

「ん、分かった」

 

 

 万丈目が誘ったのはアカデミアの吹き抜け。眼下にはアカデミアの正門がある場所。

 とはいえ、ここに立ち入り出来るにも関わらず柵が無いのはやや不安定であるし、風が強い場所だ。

 

 

「ここならいいだろう。」

「…聞かれたくない話か、本題に入る前に一つ聞いてもいいか?」

「ああ」

「何故本校に残ろうと思った?ノース校で頂点に立ったにも関わらず」

「まだ倒していない奴が居るからな。」

 

 そう告げる万丈目の目の奥には強い闘志が宿っている。

 

「…デュエルの申し込みなら受けるが、そういう訳でも無さそうだな?」

「ああ。黒木。お前はデュエルモンスターズの精霊、と言うのを聞いた事があるか?」

「高寺オカルトブラザーズに参加する事をお勧めする」

 

 やや早口で話してしまい、内心舌打ちするもこっち。動揺を隠しきれなかった自身の未熟さに腹を立てていると

 

「あんなオカルトマニアに加わるつもりは無い!遊城十代とデュエルして以来、妙な物が見え、妙な気配を感じるようになった。

お前からも感じたのだが」

「デュエルモンスターズの精霊は実在する」

「?!」

 

 もこっちは真っ直ぐ万丈目と視線をぶつける。

 

「ただ、今の科学ではそれを証明できないだけ。決闘王の言葉だ」

「遊戯さんの…そうか、俺にしか見えて居ない存在では無かったのか…」

 

 

 考え事を始めた為、もこっちは一声かけてその場を立ち去る。

 

 

 

 廊下に立っているゆうちゃんと合流すると

 

「ねぇ、万丈目君と何を話していたの?」

「最近飛蚊症らしい。それで目の検査を受けるべきか否かを相談された」

「え?カードの精霊じゃあ」

 

 足を止め、もこっちはゆうちゃんを睨む。

 

「聞いたな?」

「あ、あははは…」

「別にいい。そうだ。今後の事を考えて、護衛ぐらいはつけておく。」

「ご、護衛?」

「明日、一緒に来てもらう。貴重な経験が出来るだろう」

「貴重…?」

 

 

 

 翌日、もこっちは縄梯子と懐中電灯をリュックに仕舞い、ゆうちゃんを連れて島の北部へ向かう。

 北に進むと火山地帯という、人気の少ない場所だ。

 

「…ねぇ、もこっち。どこに連れていくの?」

「ゆうちゃん。秘密を知った相手の処理方法と言われて何を思いつく?」

「ええっ?!え、えっと、その…買収して」

「口封じ。それともう一つある」

「もう一つ?」

 

 

 枯れ井戸の前までやってきたもこっちは振り返ってゆうちゃんと目を合わせる

 

「引き込む事だ。こちら側に」

「引き込むって…」

「後ろ」

 

 言われて振り返ったゆうちゃんの前に、奇妙な物体が浮かんでいる。

 優秀な決闘者であるゆうちゃんは即座にその正体に気が付く。

 

「?!は、ハネハネ?!」

「さて。課外授業を始めよう。今回の内容はカードの精霊とのデュエル。」

 

 もこっちの言葉に応えるように、ハネハネの前にカードが五枚、ハネハネに見えるように浮かぶ。

 

「よ、よくわからないけれど、勝てばいいのよね?!」

「無論。」

 

 

 

デュエル!

 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

ハネハネ ライフ4000

手5 場 

 

「…先攻、ドロー。モンスターをセット、カードを二枚セット。ターンエンド」

 

 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

ハネハネ ライフ4000

手3 場 セットモンスター 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!私は」

 

 そこでゆうちゃんは言葉を止め、もこっちの方を見る

 

「…ターンエンド?」

「ねぇ、カードの精霊って事は自分自身がエースなの?」

「さぁな。私が戦った精霊は自分自身を召喚してこなかったぞ」

 

 召喚される前に倒した、という真相を隠してもこっちは告げる。

 

「…私は自分の直感を信じる!イグザリオンユニバースを召喚!バトル!セットモンスターを攻撃!」

「…永続罠、旅人の試練」

「?!」

 

 

 スフィンクスが現れ、その前にハネハネの手札がゆうちゃんに見えないように浮遊する。ややあってその一枚が高く飛び上がる。

 

「攻撃宣言時に発動し、ランダムにカードが選ばれる。その種類を答え、外れれば」

「…モンスターか、魔法か、罠か。宣言を」

「…罠よ!」

「…正解。罠カード、ゴブリンのその場しのぎ」

「ええ…いや、バウンスカードだけれど。まぁいいわ。行け!イグザリオンユニバース!」

 

 イグザリオンユニバースが突進し、槍を突き立てる!現れたのは

 

「ペンギンソルジャーの効果発動。イグザリオンユニバースを手札に戻す」

「…なるほど、徹底的なバウンス戦術って事ね」

 

「臆したの?ゆうちゃん」

「まさか。最高の課外授業よ!もこっち、教師になったらどう?」

「考えて置こう」

「そういう返事って絶対に実行しないパターンよね…カードを二枚伏せて、ターンエンド」

 

 

ゆうちゃん ライフ4000

手4 場 伏せ2

ハネハネ ライフ4000

手3 場 旅人の試練 伏せ1

 

 

 

「…ドロー。」

「相手のカードを手札に戻す効果モンスターは、ペンギンソルジャーやハネハネ、幻影の壁と戦闘は苦手なカードばかり。

妨害を掻い潜れるか否か…」

 

 対戦相手であるハネハネを見ず、手札を見つめるゆうちゃんを険しい双眸で睨むもこっち。

 その隙を見逃す程、精霊は愚かでも凡庸でも無い。

 

「…アビス・ソルジャーを召喚」

「?!【バウンス】、といっても【水属性軸】?!」

 

 予想外の動きに、動きが一瞬遅れる。

 

「バトル、アビスソルジャーでダイレクトアタック。」

「きゃああああっ?!」ライフ4000から2200

 

「…ターンエンド」

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手4 場 伏せ2

ハネハネ ライフ4000

手3 場 アビスソルジャー 旅人の試練 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!モンスターをセット!ターンエンド!」

 

 手早くターンを終えた所で、すさまじい緑色の光が、北の方から噴出する。

 

「?!な、何!なんなの?!」

 

 地揺れの最中、もこっちは小型のマイクとイヤホンを装着し…

 

『精霊界への扉を誰かが開いたようだ。赤い服のHERO使い達が巻き込まれたようだが…』

「…レッド生。なるほど。とんだ課外授業のようだな」

 

 揺れが収まり、静けさが戻る。浮遊していたハネハネは地面の揺れの影響を一切受けて居ない。

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手4 場 セットモンスター 伏せ2

ハネハネ ライフ4000

手3 場 アビスソルジャー 旅人の試練 伏せ1

 

 

「…ドロー。アビスソルジャーの効果発動。水属性のモンスター、ペンギンソルジャーを手札から捨てて効果発動。

セットモンスターを手札に戻す」

「でも攻撃力は1800、まだライフは残る!」

「幻影の壁を攻撃表示で召喚。」

 

 奇妙な壁のような悪魔が現れる。

 

「…意外と脆かったな、ニンゲン」

「この瞬間、罠発動!激流葬!」

「?!」

 

 勝ち誇り、嘲りを浮かべたハネハネだが、直後に放たれた濁流にアビスソルジャーと幻影の壁が流されてしまう。

 アビス・ソルジャーが濁流に流される様を見ていたもこっちは、河童の川流れとはこの事か、という目を向けるが

 突然こんな濁流が来たら対処出来る訳無いだろう、とアビス・ソルジャーは抗議の目を向け、そのまま破壊された。

 

「…ターンエンド」

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手5 場 伏せ1

ハネハネ ライフ4000

手2 場 旅人の試練 伏せ1

 

 

 ハネハネの手札は二枚になり、しかも一枚は罠カード、ゴブリンのその場しのぎとばれている。

 流れを持っていかれたにも関わらず、ハネハネの戦意は衰えない。

 

「私のターン、ドロー!私は融合を発動!手札のビッグコアラと、イリュージョンシープを融合!融合召喚!マスターオブOZ!」

 

 コアラの重量級チャンプが現れ、ハネハネを見下ろす。

 

「イグザリオンユニバースを召喚!バトル!イグザリオンユニバースでダイレクトアタック!」

「…旅人の試練の効果発動」

「突き進む!宣言するのは罠カード!」

 

 だが、表示されたのは

 

「?!魔法カード、モンスター回収…」

「イグザリオンユニバースを手札に戻す」

 

 スフィンクスの目が怪しく光り、それに惑わされたイグザリオンユニバースは目をまわしてどこかへ去っていく。

 

「罠と魔法…マスターオブOZで攻撃はしない。ターンエンド」

 

 攻撃が通れば勝ち、ではあるが仕掛けずターンを終えるゆうちゃん。モンスターBOXと旅人の試練は攻撃牽制能力を持つ永続罠だが、

 こうしてみるとかなり厄介である。片方はライフコスト、片方は手札に複数の種類のカードを抱えねばならないが。

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手3 場 マスターオブOZ 伏せ1

ハネハネ ライフ4000

手2 場 旅人の試練 伏せ1

 

 

「…ドロー。ターンエンド」

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手3 場 マスターオブOZ 伏せ1

ハネハネ ライフ4000

手3 場 旅人の試練 伏せ1

 

 

 手早くターンを終えるハネハネ。その手札は未知なるカードが加わり、旅人の試練による妨害はさらに高まる。

 

「私のターン、ドロー!イグザリオンユニバースを召喚!カードを伏せる。ターンエンド!」

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手2 場 イグザリオンユニバース マスターオブOZ 伏せ2

ハネハネ ライフ4000

手3 場 旅人の試練 伏せ1

 

 

「…ドロー。」

 

 ハネハネは真っ直ぐにゆうちゃんを見る。今度は自分自身の一挙一動を注目している。

 

「…魔法カード、ポルターガイストを発動。対象は先ほどセットしたカード」

「チェーンしてリバースカードオープン!砂塵の大竜巻!私が破壊するのは旅人の試練!」

「…モンスターをセット、ターンエンド」

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手2 場 イグザリオンユニバース マスターオブOZ 伏せ1

ハネハネ ライフ4000

手2 場 セットモンスター 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、野性解放を発動!イグザリオンユニバースの攻撃力はその守備力1900分上昇し、攻撃力は3700!

さらに激昂のミノタウロスを召喚!バトル!私はイグザリオンユニバースでセットモンスターを攻撃!」

「罠発動、強制脱出装置。イグザリオンユニバースを手札に戻す」

「チェーンして罠発動!キャトルミューティレーション!イグザリオンユニバースを手札に戻し、手札から戻したモンスターと同じレベルの獣族を特殊召喚!

イグザリオンユニバースを特殊召喚!バトル続行!セットモンスターを攻撃!」

 

 攻撃されて表になったモンスターは…

 

「セットモンスターはハネハネ。効果発動、マスターオブOZを融合デッキに戻す…!!」ライフ4000から2700

 

 突然、ミノタウロスが咆哮を上げ、その衝撃を受けたハネハネは後ろに飛ばされ、木にたたきつけられる!

 

 

「激昂のミノタウロスの効果!場の獣族・獣戦士族・鳥獣族に貫通効果を与えるわ!」

「……」

「さらに激昂のミノタウロスでダイレクトアタック!」

「…」ライフ2700から1000

 

 ミノタウロスが咆哮を上げつつ突進し、ハネハネの顔面を掴んで近くの岩に何度も押し付ける。

 数回押し付けられたところで、ミノタウロスにハネハネが鎌を振り下ろすも、ハネハネを離して後ろに飛ぶミノタウロス。

 

 

「カードを一枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手0 場 イグザリオンユニバース 激昂のミノタウロス 伏せ1

ハネハネ ライフ1000

手2 場 

 

 

「…ドロー。天使の施しを発動。三枚ドローし、二枚を捨てる。捨てるのはモンスター回収とゴブリンのその場しのぎ」

「手札を入れ替えた?!」

「アビスソルジャーを召喚。バトル、激昂のミノタウロスを攻撃」

 

 ミノタウロスに襲い掛かるアビスソルジャー。だがその眼前に光の膜が浮かび上がる!

 

「…?!それは!」

「そうよ!聖なるバリアミラーフォース!これでアビスソルジャーを破壊する!」

 

 打ち砕かれるアビスソルジャー。

 

「…メインフェイズ2、手札のカオスポッドを捨てて魔法カード、振り出しを発動。イグザリオンユニバースをデッキの一番上に戻す」

「でも、これでモンスターも尽き、魔法・罠尽き、手札も尽きた」

「…」

「次のドローはイグザリオンユニバース。召喚して攻撃すれば私の勝ち。なのに」

「ターンエンド。」

 

 

 

ゆうちゃん ライフ2200

手0 場 

ハネハネ ライフ1000

手0 場 

 

 

「……私のターン、ドロー!イグザリオンユニバースを召喚!バトル!ハネハネにダイレクトアタック!」

 

 突撃してくるイグザリオンユニバースの攻撃を受け、ハネハネは派手に吹っ飛ぶ

 

「……」ライフ0

 

 

 

 デュエルディスクを収納し、肩で息をするゆうちゃん。

 

「…おめでとう、ゆうちゃんの勝利だよ」

「最後の最後まで諦めない、か」

「負けると分かっていても、サレンダーはしないのが精霊のデュエル。さて、ゆうちゃん。何か見えない?」

「何が?」

 

 ゆうちゃんの傍に先ほどのハネハネが浮遊しているが、どうやら見えないらしく、きょろきょろ辺りを見渡している。

 

「…見えるようにはならなかったか。一応傍にいるのだけれど」

「ええっ?!」

「ハネハネは悪霊の類を追い払う効果がある…足元を見て」

 

 足元に何時の間にかカードが落ちており、それを拾うゆうちゃん。

 

 

「これは、ハネハネのカード?でも、バウンス戦術、か…」

 

 

 新たな戦術とカードを手に入れ、思考を巡らし始めたゆうちゃんをもこっちは見つめていたが、ややあって寮へ戻るように促す。

 

 立ち去る二人の女子生徒の後ろを、一陣の風が吹き、森がざわめく。

 まるで、これから大きな戦いが起きるかのように。

 

 




ところでモンスターBOXと旅人の試練、使うならどっちですか?


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MOKOCCHIと三幻魔の伝説。

注意。今回はデュエルはありません。


 

 大徳寺先生の錬金術の授業。

 

「一は全、全は一。これはデュエルモンスターズで言えば、デッキと一枚のカードのような物。一枚のカードはデッキを構成する一枚に過ぎませんが、

その一枚が集まってデッキが完成する。」

 

 一人の人間では社会は構築できない。だが、その一人の人間が集まって社会が出来ている。

 錬金術の講義は哲学的な学問であり、不老不死の秘薬を作ったり、非金属を貴金属に変換するような事が出来るようになる訳でも無いが、

 もこっちはこの授業を密かに気に入っている。チャイムが鳴り…

 

「今日の授業はここまでなのニャ」

 

 一は全、全は一について自分の言葉で述べよ。それが過去に大徳寺先生の進級試験に出たと胡蝶先輩から聞いて居るもこっちは

 社会と自分について走り書きをしていると…

 

 

「さて、十代君。お昼の前に、私と一緒に校長室まで行くのニャ」

「ええ~?!」

「兄貴、何かしたんスか?」

「身に覚えが無いぞ?」

 

「ハハハ!十代!短い付き合いだったな!」

「万丈目君もニャ」

「何ぃ?!」

 

 

「それと、天上院さんも、三沢君も、黒木さんも」

「……」

 

 無言で立ち上がり、筆記用具を筆箱に仕舞い、ノートと筆箱を鞄につめるもこっち。

 

「もこっち?」

「ごめん、ゆうちゃん。コレ預かっていてくれない?」

「いいけれど…」

 

 

 校長室に向かう廊下。何故呼ばれたのか、それについてもこっちは心当たりがある。

 三幻魔が封印されている。その地で校長をやっている以上、知らないはずがあるまい。

 

 

 校長室に入ると、そこにはクロノス教諭が待っていた。

 

「良く集まったノーネ。しばらく待つノーネ。後一名、来ていないノーネ。」

 

 大徳寺先生が一礼して立ち去る。

 

「何が始まるんだ、楽しい事だといいな?なぁ、万丈目!」

「サンダー!お前、馬鹿じゃないのか?クロノスの真剣な顔を見ろ。」

 

 そう言われ、万丈目と遊城はクロノス教諭を見るが

 

「なんで、こっちをジロジロみるノーネ。何か顔に付いてるノーネ?」

「なっ、なんでもありません。」

「ならいいノーネ。」

「私も聞いて居ないわ。一体こんなに生徒を集めて何が始まるのかしら…。」

「悪い事じゃなければいいが…。」

 

 無言で校長室を見渡すもこっち。何か仕掛けがありそうだ。何せあのオーナー。隠し通路ぐらいは用意していてもおかしくない。

 

 重ね重ね、職務に忠実な海馬コーポレーションの社員が知れば噴飯物な思考を巡らしていると。

 

 

「遅くなりました。」

 

 そういい、丸藤亮が入ってくる。

 

「揃ったノーネ。校長を呼んでくるノーネ。」

 

 

「カイザー!」

「遊城十代。そうか、お前も選ばれたのか。」

「選ばれたって何が?」

「すぐに…わかる。」

 

 この張り詰めた表情。どうやら三幻魔の件だろうと内心目星をつけつつ、もこっちは涼やかな表情を浮かべる。

 ややあって、鮫島校長が入室する。

 

 

「皆さん、良く集まってくれました。三幻魔のカードというものを聞いた事がありますか?」

 

 やはり。思った通りの話が出て来て、一言半句聞き漏らすまいとするもこっち。

 三枚あるが、その効果、レベル、攻守。全てが不明。

 

「聞いたことあるような、ないようななノーネ。」

「おっ、なんか凄そうじゃん!」

「この島には封印された、いにしえより伝わる、3枚のカードがあります。」

「それが…三幻魔のカード?!」

「島の伝説では、このカードが地上に放たれると、世界は魔に包まれ、混沌が全てを覆い、人々の闇が増大し、やがて世界は破滅、無へ帰する。」

「破滅?!」

 

「それ程の力を持っているカードだと伝えられています。」

「なんだか、凄そうなカードだな!」

「黙って説明を聞くノーネ。」

 

「そのカードを狙う者たちが現れたのです。」

「それは…一体誰なんです?」

「七星王…。セブンスターズと呼ばれる、七人のデュエリストだと名乗っています。その名前以外は全く謎なのですが、その一人がもうこの島に…。」

「でも、そのカードは封印されているのでは…?」

 

 

「三幻魔のカードは、島にある遺跡の、地中深くに安置された石室に封印されています。

その部屋には、七つの門。七精門の扉があり、七つの鍵で固く閉じられているのです。」

「3枚のカードに7つの門、7つの鍵か~。なるほどな~!」

「ホントにわかったのかノーネ。」

「その鍵がこれです。」

 

 由緒ありそうな鍵が出て来る。美術品について詳しく知らないもこっちでも、かなりの年代物であり価値のあるものだと思える逸品である。

 

 

「これが…セブンスターズは、これを奪いに来るのか!」

「そこで、この鍵を貴方達に守っていただきたい。」

「守るといっても、一体どうやって?」

「デュエルです!」

「デュエル!」

「七精門の鍵を奪うには、デュエルによって勝たねばならない。これもいにしえより、この島に伝わる約束事なのです。

だからこそ、学園でも屈指のデュエリストである、あなたがたに集まってもらったのです。」

 

 

「鍵を受け取ってくれますね?」

 

 その声に、6人の決闘者が動く。

 

 

「よし、おもしれえ!やってやるぜ!」

「ふむ、了解した。」

「のぞむところだ!」

「やります。」

「おっ、俺もやるにきまってるじゃないか。」

「カカカ、返り討ちにしてやるノーネ。」

 

 最後に鍵が一つだけ残り、一同の視線が自分に向けられる。

 

「黒木さんは、世界が破滅しても良いのですか?」

「校長先生。この話をオーナーにしてはどうでしょうか?七星王、セブンスターズとて海馬瀬人を倒さねばならないとなれば

怖気づくのでは?」

「私もそう考えていたのですが…この程度の事態も解決出来ないならアカデミアを廃校にする、と」

「オーナーは世界が破滅してもいいのか。とはいえ、そういう事であれば私も参加します。」

 

 

 

「ありがとう、みなさん、この瞬間から戦いは始まっています。かならず、鍵を三幻魔のカードを守って、守りきってくれると信じています。」

 

 校長室から退出する前に、もこっちはその場の面々全員に話があると告げる。

 

 

 エントランスにて

 

 

「それで、話とは何だ?黒木」

「校長先生は七人の敵が来ると言って居たが、おかしくないか?」

「おかしい?」

「例えばだが、どうしても欲しいカードがあるとする。それこそ、手段を選ばずに手に入れたくなったとしよう。

それは7人が持っている鍵を奪わねばならない。そうなったらどうする?」

 

「どう、と言われてもな…」

「三沢。私なら相手の倍の戦力を密かに集め、同時に7人を個別に襲わせ、一気に鍵を手に入れてカードを奪う。

と言う事を単なる小娘ですら思いつく。あの鮫島校長が警戒する程の敵が、この程度の事すら思いつかない阿呆か?」

 

「なるほど、つまり黒木は予備戦力に注意しろと言いたいのか?」

「違うな、間違っているぞ、万丈目。鮫島校長が七人の敵というのは本当だろう。台所事情のせいで7人集めるのが精一杯な小物か。

いずれにせよ、黒幕の狙いが読めない。」

 

 そこまで言った所で

「あー、もう!なぁ黒木。結局のところ俺達が勝てばいいだけの話だろう!」

「…そうだな、難しく考えすぎていたのかもしれない。勝てばいい、それだけだな。」

 

 

 次の瞬間、予鈴が鳴り響く

 

「…昼休みが終わった?」

「げぇ?!まだ昼ご飯食べてないぜ!」

「マンマミーア!配布プリントが教員室に置いたままなのーネ!」

 

 慌ただしく、次の授業に出るべく急ぎながら、もこっちはポケットにしまっておいた携帯食料を取り出し、袋を破って二本取り出し咀嚼する。

 口の中が一気に渇くが、無理矢理飲み込んで走り出す。無遅刻無欠席の記録を失う訳にはいかない。

 

 

 午後の教室に息を切らせて駆け込み、飲み物を大急ぎで飲み始めるもこっち達に好奇の視線が向けられるが、それ以上に疲れた様子のクロノス教諭の姿の方がインパクトが強く、その場で何か言われる事は無かった。

 

 

 その夜。女子寮のエントランスにて。

 

「これが、校長先生の言って居た鍵?」

「鑑定して貰いたいが、私がセブンスターズならば間違いなく鑑定団の中に紛れて潜入するから無しだな。」

 

 

 そう話していると

 

「流石明日香様!ブルー女子から鍵を守るよう託されるなんて!」

「やめてよ。黒木さんも託されていたわ」

「あんな運頼みなんて、所詮数合わせよ!」

 

 

 雑音に思わず眉を顰めるゆうちゃんに対し、もこっちは呟く

 

「数合わせはどっちなんだか」

「辛辣だね…」

「ゆうちゃん。しばらくは一人きりにならない方がいい。」

「夜間の外出もしばらくは控えて置いたほうがいいかな…」

 

 

 自室に戻り、もこっちはサイコショッカーを実体化させる。

 

「三幻魔奪取に、セブンスターズが動き出した」

『ついに…愚かな、アレを制御出来る物か。具体的な数値で言うなら、数千億ジュールのエネルギーだぞ』

「人間の貪欲さはそこが知れないぞ。日本はそれだけ膨大なエネルギー源があるならば、何が何でも制御し、利用しようとするだろう。」

『そのエネルギー源は精霊世界なのだが、な。ではお互い、立ち向かうとしよう』

「待て」

『ん?』

 

 もこっちは真っ直ぐにサイコショッカーを見つめる

 

「三幻魔の復活を阻止しようとする精霊がいる」

『まぁ、人間世界まで入り込んで奮闘しようとしているのは私ぐらいだがな。こんな時期に精霊世界は戦争中だ』

「となれば、三幻魔の復活を図る精霊も居るのではないか?」

『…敏いな。その通りだ』

「そう、か」

 

 押し黙ったもこっちを、無機質な目で見つめるサイコショッカー。

 

「となれば、情報源は二つあるな。セブンスターズと、三幻魔復活を目論む精霊。どちらかを捕縛すれば三幻魔の効果や攻守に迫れる。」

『…お前は。お前は恐ろしくないのか?』

「サイコショッカー。恐怖は可能性を狭める。私の前に立ちふさがるなら、神だろうと打ち倒すまで。とりあえずは」

 

 そう言うと、もこっちはノートを広げる

 

「今日の復習だ」

『お前…』

「私の職業は学生だ。学生の本分は勉強。となれば、勉強に身を入れるべきだろう?」

『…一つだけ、はっきりした事がある。お前は大物になる』

「間違っているぞ。私は既に大物だ」

 

 呆けたサイコショッカーを放置して、もこっちは教科書を取り出し、復習を始める。

 




セブンスターズが攻めて来ると言うのに、オーナーが動かなかったのかが今でも不思議です。忙しかったのか、はたまた影丸理事長が狡猾に動いたのか。

皆さんはどう思いますか?
私は、社長は気が付いた物の自分が出るまでも無いと黙殺した説を推します。


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火山の死闘!機光龍VS真紅眼!

セブンスターズ第一戦の組み合わせはこの二人でも良かったような気がします。


 その日、丸藤亮は自室で考え事をしていた。

 後輩である黒木の指摘。鮫島師範が警戒する程の相手が、

 七つの鍵を奪うのに七人しか用意しない。

 台所事情が厳しいのか。だとすればそれ程警戒はしないだろう。

 

 いずれにせよ、黒幕の狙いが読めない。そう考えていると窓が突然発光する!

 

「?!」

 

 突然の事態に驚き、立ち上がった所で丸藤亮は光に包まれ…

 気が付くと

 

「…熱い、ここは…?」

 

 見知らぬ地に飛ばされ、辺りを見渡す丸藤亮は、ここが火山の火口と言う事に気が付く。透明な板があり、下から火山の熱気を感じる。

 

「…セブンスターズ、か?」

「いかにも。我が名はダークネス」

 

 答えが聞こえた方向を見ると、そこには黒い仮面をつけた男が立っている。

 

「ここは何処だ?」

「ここはデュエルアカデミアの火口だ。ここで私とお前は七精門の鍵を賭けたデュエルを行う。闇のデュエルでな」

「闇のデュエル…やるしかない、か」

 

 互いにディスクを起動する。

 不思議と、丸藤亮は既視感を覚える。この背丈、立ち振る舞い…

 

 

 

 

デュエル!

 

カイザー ライフ4000

手5 場 

ダークネス ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はモンスターをセット。カードを伏せ、ターンエンドだ」

 

 静かな立ち上がり。だが、それは嵐の前の静けさだろう。

 

 

カイザー ライフ4000

手5 場 

ダークネス ライフ4000

手4 場 セットモンスター 伏せ1

 

「俺のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在する時、このモンスターは特殊召喚出来る!来いッ!サイバー・ドラゴン!」

「…サイバー・ドラゴン」

 

 相手の反応が奇妙だったが、丸藤亮は更なる戦術を繰り出す。

 

「さらに、ユニオンモンスター、強化支援メカ・ヘビーウェポンを召喚!サイバー・ドラゴンに合体!これで攻守は500アップし、さらにカード効果による破壊を免れる!

バトルだ!セットモンスターを攻撃!エヴォリューション・バースト!」

 

 サイバー・ドラゴンの攻撃がダークネスのセットモンスターを襲う!が

 

「破壊された仮面竜の効果発動。デッキから黒竜の雛を特殊召喚」

「?!そのモンスターは!俺はカードを二枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 攻撃力800の可愛らしいドラゴンの雛を恐れた訳では無い。その効果から呼び出されるモンスターがある。

 攻撃力は上級レベル。幻の超レアカードとまで記されたモンスターカードが。

 

 

 

カイザー ライフ4000

手2 場 サイバー・ドラゴン 強化支援メカ 伏せ2

ダークネス ライフ4000

手4 場 黒竜の雛 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!黒竜の雛を墓地に送り、このカードを特殊召喚!

現れろ!真紅眼の黒竜!」

「レッドアイズ…!」

 

 赤い目を宿した黒竜が咆哮を上げ、サイバー・ドラゴンもそれに応じるかのように咆哮を上げる。互いに威嚇、牽制しているように見えるが、その咆哮には好敵手への想いが込められている。

 

「だが、攻撃力はサイバー・ドラゴンの方が上!」

「魔法カード、黒炎弾!真紅眼の黒竜の攻撃力分のダメージを与える!」

「?!このコンボは。まさか…いや。カウンター罠!ダメージポラリライザー!カード効果によるダメージを無効にし、互いに一枚ドローする!」

「躱したか。」

 

 必殺の一撃を躱されたが、ダークネスの様子に影響はない。

 

「魔法カード、スタンピングクラッシュ!場にドラゴン族が存在する事により発動!強化支援メカを破壊し、500ポイントのダメージを与える!」

 

 咆哮を上げながら突っ込んでくる真紅眼を、サイバー・ドラゴンは迎え撃つべくレーザーを放つが、紙一重で避けられ、その牙がサイバー・ドラゴンを横から襲う!

 回避しきれなかったが、強化支援メカが盾となり破壊されてサイバー・ドラゴンの破壊は免れる!

 砕け散った強化支援メカ。その破片の一部がカイザーを襲い、突然の衝撃に転倒し、うめく。

 

「?!ソリッドビジョンのはずなのに、何故ダメージが実体化している?!」

「言ったはずだ、闇のゲームだと。我々は互いに命を賭けてこの勝負に挑まねばならん。それが、私の闇のデュエル!

場の真紅眼の黒竜を生贄に、現れろ!真紅眼の闇竜!」

 

 真紅眼の黒竜に、闇がまとわりつく。咆哮を上げながら闇に飲まれていく真紅眼に、サイバー・ドラゴンが悲し気に咆哮を上げる。

 ややあって、ドクン、ドクンという鼓動が響き…雄たけびを上げながら漆黒に染まった真紅眼が現れる。

 

 

「真紅眼の闇竜…真紅眼に似ているが…」

「コイツの攻撃力は、墓地のドラゴンの数×300ポイントアップする。墓地には仮面竜と黒竜の雛と真紅眼の三枚。よって900ポイントアップし、攻撃力は3300!

まだだ!永続魔法、一族の結束を発動!この効果により墓地に存在するモンスターと同じ種族の攻撃力が800ポイント上昇する。

ただし、墓地に存在するモンスターの種族が複数存在している場合はこの効果は適用されないがな。よって攻撃力は4100!」

「攻撃力、4100…」

 

 

「バトルだ!闇竜よ!サイバー・ドラゴンをスクラップにしろ!ダークネス・ギガ・フレイム!」

 

 真紅眼の闇竜が咆哮を上げながら襲い掛かる。即座にリバースカードで対処しようとするが、先ほどの衝撃でまだ動けない。

 

「ぐっ?!」

 

 迫りくるブレス。

 サイバー・ドラゴンが尻尾を地面にたたきつけると、サイバー・ドラゴンの背後に伏せられたカードが発動する。

 まるで、カードが己の意志で動かしたかのような不可思議な現象。

 

「罠発動、アタックリフレクターユニット。場のサイバー・ドラゴンを生贄に、デッキからサイバー・バリア・ドラゴンを特殊召喚」

「攻撃力800を攻撃表示?ふっ、焼き尽くせ!」

「サイバー・バリア・ドラゴンの効果発動!相手の攻撃を一度だけ無効にする!」

 

 闇竜が放つブレスに対し、サイバー・バリア・ドラゴンは丸藤亮を守るかのように動き、バリアを大きく展開。衝撃をその体に受けきる!

 

 

「凌いだか。ならばメインフェイズ2だ。魔法カード、火竜の火炎弾を発動!お前に800ポイントのダメージを与える!」

 

 バリアで守ろうとするサイバー・バリア・ドラゴンの動きを読み切った闇竜が、丸藤亮に火炎弾を浴びせる!

 躱しきれず、直撃を受けて思わずうめき声を漏らす。その身を案じるように、サイバー・バリア・ドラゴンが視線を向ける。

 

「ターンエンド」

 

 

 

 

カイザー ライフ2700

手3 場 サイバー・バリア・ドラゴン 

ダークネス ライフ4000

手0 場 真紅眼の闇竜 一族の結束 伏せ1

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 丸藤亮はドローカードを見つめ、思考を高速で巡らす。間違いない、この真紅眼の黒竜を主軸に置いた戦い方。

 行方不明だと聞いていたが、生きていてくれた。ならば、後は救い出すだけだ。

 

「手札のサンダー・ドラゴンの効果発動!このカードを捨てて、デッキから二枚のサンダー・ドラゴンを手札に加える!さらに魔法カード、天使の施しを発動!

三枚ドローし、二枚を捨てる!」

 

 手札は5枚。一気に畳みかける!

 

「プロトサイバー・ドラゴンを召喚!魔法カード、エヴォリューション・バーストを発動!場にサイバー・ドラゴンが存在する時、相手のカードを破壊する!

真紅眼の闇竜を破壊する!」

「それで我が真紅眼の闇竜を攻略できるとでも?カウンター罠!闇の幻影!場の闇属性モンスターを対象にしたカード効果を無効にして破壊する!」

 

 プロトサイバードラゴンが放ったレーザーが直撃するが、直撃したのは幻影であり、闇竜は健在。

 うなだれるプロトを、バリアドラゴンが励ます。

 

「魔法カード、パワーボンドを発動!場のプロトサイバードラゴンと、手札のサイバー・ドラゴン二体を融合!現れろ!サイバー・エンド・ドラゴン!」

「攻撃力、4000?!」

「パワーボンドにより、機械族の融合モンスターの攻撃力は倍になる!」

「攻撃力8000だとぉ!」

 

 

 圧倒的な火力でもって咆哮を上げるサイバー・エンド・ドラゴンに、闇竜とダークネスが一歩後ずさる。

 

「怯えるな。今、救ってやる。我が友、吹雪」

「?!」

「エターナル・エヴォリューション・バースト!」

「うわぁあああああ?!」ライフ0

 

 

 圧倒的な攻撃力の前に、ダークネスは敗れ去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻。女子寮、もこっちの部屋にて

 

 

 インカムをつけていたもこっちは、深く深呼吸をする。

 サイコショッカーを通して、戦場を確認していたのだ。

 

 

「まずは一人、撃退したか…」

 

 どうやら身柄を拘束出来たようだ。となれば黒幕の狙い、三幻魔の情報。いずれかを得られるかもしれない。

 

 




「見くびられたものだな、俺の戦術が融合だけだと思われているとは」
丸藤亮のセリフでもお気に入りのセリフです。
融合はあくまでも主軸。


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機械仕掛けの巨人VS吸血鬼!

融合次元の決闘者相手に、幻魔の扉を使ったら何と言われるのでしょうか?



 セブンスターズの最初の一人。それは行方不明になっていた天上院吹雪だという。

 

「…意識が戻らないのでは、情報を聞き出す事も出来ない、か」

 

 手の施しようが無い。しかも天上院の兄となれば、無理矢理尋問する事も出来ない。

 どうしたものか。思考を巡らしていると。

 

「おい、聞いたか?」

「え?何を?」

「湖の近くで絶世の美女を見た人がいるんだって!」

「ええ~。」

「しかし、見た、次の瞬間…」

「次の瞬間?!」

「口元から牙が!!」

「またまた~、何言ってんの?吸血鬼じゃあるまいし!」

 

 

 吸血鬼の噂、か。

 

「失礼。田中、その美女について一つ確認したい」

「黒木さんか。と言われても直接見た訳では無いから…」

「その人物は金髪のショートだったか?」

「え?」

 

「なぁ、黒木。金髪のショートって随分と具体的に聞くが、心当たりでもあるのか?」

「一人居る。ヴァンパイアデッキを使うカードプロフェッサー、ティラ・ムーク。」

「へぇ…その人は金髪ショートなのか?」

「そう聞いて居る。興味があるのか?加藤」

「ああ。吸血鬼といえば、金髪貧乳だろう」

 

「はぁ?吸血鬼と言えば銀髪巨乳だろうが!」

「なんだと!」

 

 話が明後日の方向に行き出した馬鹿を放置し、もこっちはその場を立ち去る。

 貴方が落としたのは、この金髪の吸血鬼ですか?銀髪の吸血鬼ですか?

 正直者な貴方には、二人とも差し上げましょう。

 直後に二匹の吸血鬼に襲われて、正直者な木こりは馬鹿をみました。

 薄れゆく意識の中、木こりが見た物は泉から脱出しようとして女神に

 引きずり込まれる、自分が落とした吸血鬼の姿だったそうな。

 

 

 自分自身、明後日の方向に思考が飛んだ為、大きく深呼吸をする。

 吸血鬼であるならば、アンデットデッキか?

 効果破壊しても蘇るヴァンパイアロードは戦闘破壊、

 戦闘破壊で蘇るカースオブヴァンパイアは効果破壊。

 しかるべき対処をすれば倒せない相手では無い。

 というより、しかるべき対処をして倒せない相手など居ないか。

 

 

「ふむ…絶世の美女か、興味深い」

 

 何やら一人で納得している三沢に、絶対零度の眼差しを向けるもこっち。

 

「おっと、いけない。黒木、校長先生が俺達を呼んでいる。校長室へ行こう」

 

 

 

 

 

 校長室にて。

 

 

 

「明日香!兄さんの様子はどうだ?」

「医務室で休んでいるわ。意識は無いのだけれど、命には別条ないという話なので、これからの経過を見守っていくわ。

でも良かった。生きていてくれて。もうじき、きっと目を覚ますわ。」

「そうだな。きっと目を覚ますぜ。」

「うん。いつまでこんなデュエルが続くのかしら…」

 

 

 意識は無い、か。これでは聞き出す事も出来ない。

 焦燥感を抑え込み、鮫島校長を待つもこっち。

 

 

「良く集まってくれました、皆さん。今、この学校には湖に現れる美女、というか吸血鬼の噂話で持ちきりのようです。」

「吸血鬼?!」

「吸血鬼と言えば、闇を好む。」

「そうか。闇のゲームの使い手、セブンスターズの可能性は高い、と言う訳か。」

「ええ。皆さん、充分注意してください。」

 

 

「丸藤先輩の容態は?」

「良くありません…。今度のセブンスターズは」

「この実技担当最高責任者、クロノス・デ・メディチに任せるノーネ!」

 

 

 クロノス教諭が勝ったとして、手傷を負えば今度は自分達の番、か。

 何故一度に襲撃しない?

 

 

 

 

 深夜。もこっちはインカムを起動する。

 

 

『仕掛けてきたぞ?湖からやってくる』

「今回はクロノス教諭が相手をする。私の出る幕は無いだろう」

『だといいのだが、な。奴からは幻魔の力を感じる。』

「?!三幻魔は封印されているはずだ!」

『三幻魔の恐ろしさは、カード効果による物だけでは無い。

奴らとの契約で使えるカードは、命を対価にすさまじい力を発揮するぞ』

「命を対価に…」

 

 

 

 画面を見つめるもこっち。

 

 

 

 湖にて。

 

「ようこそ、赤き闇への道へ…あら?貴方が相手なの?」

「いかにも、なノーネ!」

「ふぅ…いいわ、相手になってあげる。」

 

 

 

クロノス ライフ4000

手5 場 

カミューラ ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はピラミッドタートルを守備表示で召喚!

カードを一枚伏せて、ターンエンドよ!」

 

 

 

クロノス ライフ4000

手5 場 

カミューラ ライフ4000

手4 場 ピラミッドタートル 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!私は永続魔法、古代の機械城を発動!

そして古代の機械兵士を召喚!古代の機械城により攻撃力は300ポイントアップするノーネ!バトル!ピラミッドタートルを攻撃なノーネ!」

 

「ふっ、ピラミッドタートルの効果発動!デッキから守備力2000以下の

アンデット族モンスターを特殊召喚!出でよ、ヴァンパイア・ロード!」

「ふふん、想定内デスーネ。カードを一枚伏せて、ターンエンドなノーネ」

 

 

クロノス ライフ4000

手3 場 古代の機械兵士 古代の機械城 伏せ1

カミューラ ライフ4000

手4 場 ヴァンパイアロード 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!永続魔法!一族の結束を発動!この効果により墓地に存在するモンスターと同じ種族の攻撃力が800ポイント上昇するわ!

ただし、墓地に存在するモンスターの種族が複数存在している場合はこの効果は適用されないけれどね。

私の墓地にはピラミッドタートルが存在していてアンデット族、そしてフィールド上のヴァンパイアロードもアンデット族!よって攻撃力は800ポイントアップするわ!」

「?!という事は、シニョーラカミューラのモンスターは…」

「そう、攻撃力2800よ!」

 

 

「何というカードだ、恐ろしく強いぞ」

 

 

 アンデット族を次々と強化するデッキか。しかし…一族の結束か。

 ダークネスこと天上院吹雪も使用していたが…

 奴らと戦う時は永続魔法を除去する、ツイスターや魔法効果の矢、

 砂塵の大竜巻でも入れた方がいいのか?

 

 

 

「さらに、ヴァンパイア・バッツを召喚!これにより、私の場のアンデット族モンスターの攻撃力は200ポイントアップするわ!」

「攻撃力、3000?!」

 

「バトル!ヴァンパイア・ロードで古代の機械兵士を攻撃!」

「くうううっ?!こ、この痛みーハ?!まさか本当に闇のゲームは…」ライフ4000から2600

 

 クロノス教諭が吹き飛ばされ、激しく体を打ち付ける。

かなりの衝撃だったが、立ち上がると罠カードを発動させる。

 

「ですーが、罠発動!ダメージコンデンサー!手札を一枚捨て、デッキから攻撃力1400以下の古代の機械兵士を守備表示で特殊召喚するノーネ!」

「ヴァンパイア・バッツで古代の機械兵士を攻撃!」

「くううっ」

 

「ターンエンドよ」

 

 

 

 

クロノス ライフ2600

手2 場 古代の機械城 

カミューラ ライフ4000

手3 場 ヴァンパイアロード ヴァンパイア・バッツ 一族の結束 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!古代の機械城の効果発動!モンスターが通常召喚される度に、このカードにカウンターを1つ置くノーネ。

「アンティーク・ギア」と名のついたモンスターを生け贄召喚する場合、必要な生け贄の数以上のカウンターが乗っていれば、このカードを生け贄の代わりにする事がデキール!既に、古代の機械兵士とヴァンパイア・バッツが召喚されたこと―で、カウンターは二つ乗っているノーネ!出でよ、古代の機械巨人!」

 

「攻撃力3000!クロノス先生の切り札!」

 

 

「古代の機械戦車を装備!これで攻撃力は3600!バトル!

覚悟シニョーラカミューラ!

古代の機械巨人でヴァンパイア・ロードを攻撃!アルティメット・パウンド!」

「くうううっ?!」ライフ4000から3400

「一枚カードを伏せて、ターンエンドなノーネ!」

 

 

クロノス ライフ2600

手0 場 古代の機械巨人 古代の機械戦車 伏せ1

カミューラ ライフ3400

手3 場 ヴァンパイア・バッツ 一族の結束 伏せ1

 

 

 

「私のターン、ドロー!ならば、私はこれを使うわ!

フィールド魔法、不死の王国ヘルバニア!」

「へ、ヘルバニア?!アンデット族の切り札なノーネ!」

 

「手札のアンデット族を捨てる事で、場の全てのモンスターを破壊する。

手札のアンデット族が実質、ブラック・ホールになる恐ろしいカードだ。

だがその効果を発動したプレイヤーは、そのターン通常召喚出来なくなるリスクを

背負う」

「隼人の親父さんが使った、ちゃぶ台返しみたいなものか」

「ちゃぶ台返しが分からんから何ともいえんが、

一つ確かなのはこのままではクロノス教諭が…」

 

 

「手札のカースオブヴァンパイアを捨て、ヘルバニアの効果発動!

場の全てのモンスターを破壊するわ!

でも、私のヴァンパイア・バッツは同名カードをデッキから墓地に送る事で

破壊されないわ!」

「マンマミーア!我が古代の機械巨人がー?!しかし、古代の機械戦車が

場を離れた事で、シニョーラに600ポイントのダメージを与えるノーネ!」

「小癪な!」ライフ3400から2800

 

 

 古代の機械戦車が爆発して、その大きな破片が結構大きな音と共に

 カミューラの頭に直撃する。

 「『避けろよ』」

 思わず突っ込む主従。

 

 

 

「そして最終兵器の出番なノーネ!罠発動!古代の機械再生融合(アンティーク・ギア・リバース・フュージョン)!発動なノーネ!」

「なっ?!古代の機械の、融合モンスター?!」

「罠カードでの融合召喚だと?!」

 

 

「私の場の古代の機械モンスターが相手のカード効果でフィールドから離れた場合、その対象のモンスターが融合カードに指定された融合素材モンスターの場合、

その融合モンスターを融合召喚出来るノーネ!我が勝利の為に、起動するノーネ!古代の機械究極巨人!」

「古代の機械巨人の、融合モンスター?!」

 

 巨大な古代の機械の融合体が現れ、

 

「生徒相手に、これを使う事は無いノーネ、でもシニョーラカミューラ。貴女のような危険な決闘者の相手を、私の教え子にさせるわけにはいかないノーネ!

何故なら、デュエルとは本来、青少年に希望と光を与える物でアーリ、恐怖と闇をもたらす物では無いノーネ!」

「そうか、だから闇のゲームは存在しないと」

「存在してはならないと言っていたのか…」

 

 

「くっ…ならば!魔法カード、幻魔の扉!相手の場の全てのモンスターを破壊するわ!」

「くううっ?!またしテーモ!ですーが、古代の機械究極巨人が破壊された場合、墓地の古代の機械巨人を特殊召喚出来るノーネ!」

 

「破壊された時のリカバリーまで…すげえ、すげぇよクロノス先生!」

「でも、幻魔の扉の効果はまだ終わっていないわ!あなたがこのデュエル中使用したモンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚出来る!

最終兵器、古代の機械究極巨人は貰ったわ!」

「わ、我が古代の機械究極巨人が…」

 

 

「く、クロノス先生ッ!」

 遊城が悲痛な声で呼びかける、だが、この状況を耐えるカードは、場にも墓地にも、ない。

 

 

「……諸君、よく見ておくノーネ。そして約束するノーネ」

「約束……?」

 

 最終兵器まで持ち出して勝てなかった事。奪われた究極巨人を前にしてもなお、クロノス教諭は毅然とした態度で言葉を紡ぐ。

 

 

「例え闇のデュエルに敗れたとしても、闇は光を凌駕できない。そう信じて、決して心を折らぬこと。ワタシと約束してくだサーイ」

「クロノス先生…」

「最後の授業は終わったかしら?クロノス先生!」

「いつでも来いなノーネ!」

「ふふっ、古代の機械究極巨人で、古代の機械巨人を攻撃!アルティメット・パウンドッ!」

「くううううううっ!!まだまだ!私は闇のデュエルに屈さないノーネ!」ライフ2600から1200

 

「トドメよ、舞えっ!ヴァンパイア・バッツ!ブラッディ・スパイラルッ!」

 

「クロノス先生ッ!」

「ボーイ!光の、デュエルを…」ライフ0

「やっと一つ。さて、次は誰にしようかしら、ふふふっ、アーッハッハッハ!!」

 

 高笑いと共にカミューラは霧になって闇夜に消えていく…

 

 

 

 

 ブルー女子寮の自室にて、もこっちは沈痛な表情を浮かべていたが、

 毅然と目を見開く。過ぎた事は仕方ない。

 

 

「サイコショッカー。あれが幻魔の力か?」

『そうだ。ちなみに、あれを使うためにはプレイヤーの魂を捧げねばならない。』

「そうまでして勝ちたい、か。命を賭けている相手程厄介な物は無い。さて、どうしたものか…」

 

 




吸血鬼と言えば、金髪ですか?銀髪ですか?


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MOKOCCHIと沼男!

ゼラは悪魔族の中でも、最強クラスの凶暴なカードとキースが言って居ました。
ならば悪魔族の中で最低クラスの凶暴なカードは誰なのでしょうか?


 翌日

 

 鎮痛な表情の他のメンバーに対し、もこっちは怪訝な顔で問いかける。

 

「何があった?」

「?!黒木!お前、どこで何をしていた!」

「…もしや、セブンスターズの襲撃でもあったのか?」

「ああ、そうだ!そしてクロノス教諭は…クソッ!」

 

「俺がカミューラと戦う!そして、クロノス教諭を救い出す!」

「待て!クロノス教諭は、中等部の頃から恩義がある俺が!」

 

 

 もこっちは隣にいる明日香に話しかける

 

「そうなのか?」

「正直、余り良い先生では無いと思って居たわ。気まぐれな所が」

 

「黒木、君はどうする?」

「あのどちらかに任せる。三沢、一族の結束だが、お前はどういう対策を講じる?」

「ふむ。下級モンスターが上級モンスタークラスの攻撃力になる厄介なカードだったな。破壊するのがいいが…

相手もそれぐらい想定内だろう。あれ程のカードを一枚しか居れていないとは思えないから…」

 

 そう言ってカードを提示する

 

「封魔の呪印、か。なるほど。」

「君ならどうする?」

「確かに強力なカードだが、あれには大きな弱点がある。あれを使った時点で、『私のデッキにはこの種族のモンスターしか入っていません』

と相手に教えているような物だ。破壊対策、及び二枚目以降の存在を考えると…これも有りかもな」

「魂の解放、か」

 

 

「待って。相手の墓地にカードを置かないように戦うのはどうなの?」

 

 典型的なビートダウン使いであるお前にそんなデュエルが出来るのか?と一瞬半眼になるもこっち。

 

「難しいな。おろかな埋葬、苦渋の選択。これらがある。」

 

 

 

 

「よっしゃー!俺の勝ちぃ!」

「くっそぉ!」

 

 パーを出して浮かれている遊城と、グーでうなだれる万丈目

 

「…ジャンケンで決めたか。まぁ、何でもかんでもデュエル、というよりたまにはこういうのもありだな」

 

 そう呟いたもこっちを、三沢と明日香は『何を言っているんだコイツ』という目で見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、もこっちは女子寮から湖へ赴く。見送りの為だ。

 

 

「…ん?」

 

 気が付くと、目の前に天上院がいる。

 

「智子も見送り?」

「……ああ」

 

 歩き出すもこっちの前を先導するように天上院が歩き出す。

 方角が違う。しばらく見当違いの方向を歩き…人気の無い場所まで誘導される。

 

 

「さて、どういうつもりだ?」

「どうって?」

「天上院は私を名前で呼ばない。正体を見せろ」

「…正体、か。さて、困ったな。私に正体は無い」

「…?」

 

 正体が無い精霊?当惑するもこっちの前で、ソレは姿を変える。

 泥のような不定形な物体になり、それは目の前でよじれ、ややあってもこっちの姿になる!

 

「……」

「どうした?黒木智子?」

「……どういうつもりだ?」

「お前を倒し、私がお前になる!」

 

 そう言ってディスクを起動させる偽もこっち。

 

「偽物が私に勝てるとでも?」

「すぐにわかる。!」

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

偽もこっち ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はモンスターをセット。そして永続魔法!機甲部隊の最前線を発動!カードを伏せてターンエンドだ!」

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 セットモンスター 機甲部隊の最前線 伏せ1

偽もこっち ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!強欲な壺を発動、カードを2枚ドロー!」

「…手札が七枚」

「儀式魔法、ゼラの儀式を発動!手札のリボルバードラゴンとブローバックドラゴンを生贄に、現れろ、ゼラ!」

「…そのデッキは…」

「古のルールを発動!手札の通常モンスターを特殊召喚する!現れろ!デビルゾア!

魔法カード、旧型発進を発動!蘇れ、リボルバードラゴン!」

 

 

 場に並ぶのは、ゼラ、デビルゾア、リボルバードラゴン

 

「…展開は終わりのようだな?」

「お前のライフも終わりだ。リボルバードラゴンの効果発動!コイントス!裏、表…裏?!グッ、役立たずが!」

 

 うなだれるリボルバードラゴン

 

「攻撃しないのか?」

「まぁいい。この火力で吹き飛ばしてやる!バトルだぁ!やれ!ゼラ!デビルズ・クロー!」

 

 襲い掛かるゼラ。悪魔族でも凶暴な事で名をはせただけの事はある。

 

「セットしていたモンスターは…アステカの石像だ」

「ハッ!下級モンスターの再興守備力はビッグシールドガードナーの2600!この火力に太刀打ちできるはずが」

 

 

 無言でリバースカードを発動させるもこっち。それを見た偽もこっちは、顔色を変える。

 

 

「モンスターBOXだとぉ?!」

「さて、コイントスの時間だ」

「や、やめろ!私が傷つけばお前も」

「それは無い。」

「…は?」

 

 

 モンスターBOXの中から、アステカの石像がモグラ叩きのモグラの如く、素早く出入りする。

 石像が素早く動くというシュールな光景に、ゼラは当惑した顔で隣のデビルゾアを見る。

 デビルゾアも当惑し、隣のリボルバードラゴンを見る。

 リボルバードラゴンは未だに落ち込んでいる。

 

 

「お前は私を始末する勢いで攻撃を仕掛けてきた。確かに回復は連動していたようだが…ダメージも連動するかどうか、怪しい物だな?」

「わ、ワタシがダメージを恐れているとでも!」

「ならばモンスターBOXとアステカの石像のコンボに、そこまで怯えた理由は何だ?」

「…がない」

「ん?」

「当たるはずが無い!確率は二分の一だぞ!」

「当たる確率も二分の一だな。御託はこれぐらいでいい、結果はすぐに出る。宣言は…裏」

 

 

 宙を舞うコイン。

 

「出た目は…裏だ。よってゼラの攻撃力は0になり、アステカの石像の効果により反射ダメージは二倍になる。よって4000の反射ダメージだ」

 

 モンスターBOXごと叩き壊せばいい、と判断したゼラが大きく右腕を振り上げた瞬間、アステカの石像が

 中から飛び出して無防備なゼラの身体を突き飛ばす!

 

 突き飛ばされたゼラは右腕を振り上げた体制のままふっ飛ばされ、後ろに立っていた偽もこっちを巻き込んで派手に転倒する。

 ぎゃふん!という女を捨てたような悲鳴を上げ、偽もこっちのライフは尽きる。

 

 

 倒れ伏す偽もこっちに近づくもこっち。

 

「…申し訳ありませ…神炎…リ…様ぁ…」

 

 泥のように崩れ去り、消え去る。そこには一枚の罠カードが落ちている。

 

 

「…胸像のスワンプマン、か」

『こいつは…ウリアの狂信者だな』

「信者か…」

『ああ。何でもウリアは人間形態は幼女らしい』

 

 まるで意味が分からず、口を開け、半眼になるもこっち。

 彼女にしては珍しいギャグ顔を披露していたが、ややあって思考を巡らせる。

 

 

「…スワンプマンとは何だ?」

『スワンプマン、落雷によって死んだ男と、同じく落雷によって近くの沼の泥が化学反応を起こして生まれた「死んだ男と同一の構造を持つ存在」

を同一人物と言えるかどうか、という思考実験だな。それを「スワンプマン(沼男)」と呼ぶ。』

「……」

『スワンプマンは外見だけでなく脳まで死んだ男と同一のため、知識や記憶、その後の行動まで全て男と同じになる。』

「そこまで生き写しだろうと、精神的には別人だな。私は私の完璧なコピーが居れば私が死んでもいい、とは思わない」

 

 

 直後、何かが崩れ落ちる轟音をもこっちは聞く。

 

「…向こうの勝敗は決したようだな」

 

 そう言ってインカムをつけるもこっち。

 直後にサイコショッカーの姿が消える。ややあってインカムから音声が届く。

 

 

『…遊城が勝利した』

「これで、こちらの持ち駒は5つ、療養中が1つ、敵は残り5つか…」

『自分を駒に数えるのか?』

「当然だ」




カミューラ城は崩れ落ちましたが、湖は汚染されなかったのでしょうか?


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湯けむり旅情!闇マリク登場?!

今回は残酷な描写があります、ご注意下さい。


「ゆうちゃん、温泉に行かない?」

「突然どうしたの?もこっち」

「鮫島校長が、鍵の守護者をやっている生徒に温泉のチケットをくれた。どうする?」

「勿論行く!」

 

 

 

 

 

 デュエルアカデミアの温泉施設は、かなり立派だ。島唯一のレジャー施設でもあり、相当力を入れてある。

 泳げるほど深い風呂。水底は見えない程で、中には浮き輪を持って入っている者もいる。

 というより、泳げないと沈む。なお監視員は居ない。オーナーがアレだから仕方ない。

 

 

 

「すごいねぇ、ここ」

「……」

 

 珍しく呆けた表情で、ゆったりとしている親友。めったに見られない一面に微笑みつつゆうちゃんも楽しむ。

 このひと時は何物にも代えがたい、そんな気分すらしていると…

 

『…ているのか!』

「……」

『聞こえているのか!』

「…無粋だぞ、ここは女子風呂だ…いや、サイコショッカーに性別はあるのか?」

『阿呆な事を言って居ないで離れろ!巻き込まれるぞ!』

「巻き込まれ…ガバゴボォッ?!」

 

 突然、もこっちは何かに引っ張られ…何処かへと飛ばされていく…

 

 

 

「…ここ、は?」

 

 辺りを見渡すもこっち。本当に何もない。漆黒の闇がただ広がるだけの世界…。

 

 

「誰だ貴様」

 

 

 もこっちの前に、褐色の少年が立っている。

 

「…思い出した、バトルシティにて決闘王に敗れた、マリク・イシュタールの闇人格か」

「ほう?俺の事を知っているのか。」

「闇の世界に送り込まれたはずだが、ここが闇の世界か。」

「いかにも。俺は闇も好きだが、孤独も大好きでねぇ。ここは実に住み心地が良い」

「そうか…邪魔したな」

 

 そう告げて立ち去ろうとするもこっち。

 

「待てよ、どこへ逃げるつもりだぁ?」

「逃げる?誰が」

「お前だよ」

「勝手に入り込んだ事は済まない。だからここから速やかに立ち去ろうと」

「逃がさねぇよぉ!」

 

 そう言うとディスクを起動する。

 

「闇は飢えている。お前を闇への生贄にしてやるよぉ!フハハハハハ!」

「……」

 

 闇マリクを睨み付け、もこっちもディスクを起動する。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

闇マリク ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は手札のサンダー・ドラゴンを墓地に送り、効果発動!デッキから、サンダー・ドラゴンを二枚手札に加える。

さらに、融合を発動!手札のサンダー・ドラゴン二体を融合!双頭の雷龍を融合召喚!」

「…意外だな、融合を使うとは」

「ここには闇に飲まれた奴がたどり着くんでね。バトルシティの参加者だった奴が持っていたカードだが…さて誰だったかなぁ?」

「覚えて居ないのか」

「俺にとってはどうでもいい事だからな。俺はカードを伏せ、ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

闇マリク ライフ4000

手3 場 双頭の雷龍 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!モンスターをセット、カードを伏せ、永続魔法、機甲部隊の最前線を発動!」

「?なんだそのカードは。機械族に関わるカードのようだが…」

「ターンエンド」

 

もこっち ライフ4000

手3 場 セットモンスター 機甲部隊の最前線 伏せ1

闇マリク ライフ4000

手3 場 双頭の雷龍 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!フン、バトルだ!行け、双頭の雷龍!奴のセットモンスターを破壊しろ!」

「セットしていた可変機獣ガンナー・ドラゴンは破壊されるが、罠発動!時の機械タイムマシーン!破壊されたガンナー・ドラゴンを再起動!

さらに機甲部隊の最前線の効果により、デッキから破壊された機械族と同じ属性で、攻撃力未満のモンスターを特殊召喚。リボルバードラゴンを特殊召喚!」

「ほぉう、そういう効果か。意外と使えるね」

「一ターンに一度だけだがな、さて、どうにかしないとリボルバードラゴンに雷龍を撃ち抜かれ、二体の攻撃で終わってしまうぞ?」

「ふっ、心配要らないぜぇ。俺はメインフェイズ2に入る!お前の場の二体の闇機械族を生贄に!溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを特殊召喚!」

「?!」

 

 もこっちは檻に閉じ込められ、その檻は溶岩魔神に持ち上げられる。

 

「…相手のライフを0にするより、相手をいたぶるのが好きな決闘者と分析していたが…その分析は正しかったようだな」

「その余裕が何時まで持つか楽しみだよ、フハハハハ!ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 機甲部隊の最前線 

闇マリク ライフ4000

手3 場 双頭の雷龍 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!」

「そぉらそぉら、ラヴァ・ゴーレムはスタンバイフェイズ事に1000ポイントのダメージを与える。さっさと何とかしないと」

「そうさせて貰おう、速攻魔法!エネミーコントローラー!場のラヴァ・ゴーレムを生贄に!双頭の雷龍のコントロールを得る!」

「?!躱しただと!」

 

 

 灼熱の身体を溶かしてダメージを与えようとするラヴァ・ゴーレムは、いつの間にか自分に何かが刺さっている事に気が付く。

 後ろを向き、コードを辿ると、エネミーコントローラーがあり、コマンドが入力される。上上下下左右左右BA…

 ラヴァ・ゴーレムは絶望的な表情を浮かべ、体は崩壊していく。灼熱の身体に触れ、檻が溶け始めるが、

 熱で緩んだ檻にもこっちは蹴りを入れてこじ開け、脱出する。

 

 

「ほぅ、サクリファイス・エスケープか。思ったよりやるな」

 

 アクロバティックな動きには一切触れず、タクティクスに一定の評価を下す闇マリク。

 この程度など造作も無いと言わんばかりである。

 

「さて、雷龍と他の下級モンスターでも召喚して攻撃し、通れば勝ちだが…場の雷龍を生贄に、人造人間サイコショッカーを召喚!」

「?!そいつは!糞ッ!」

 

 余裕がなくなる闇マリク。

 

「やはり罠か。拷問車輪か、メタルリフレクトスライムか判別できないが…バトル!サイコショッカーでダイレクトアタック!」

「ぐぉおおおお?!」ライフ4000から1600

 

 

 派手に吹っ飛び、転がる闇マリク。

 

「カードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手1 場 サイコショッカー 機甲部隊の最前線 伏せ1

闇マリク ライフ1600

手3 場 伏せ1

 

 

 

「やってくれたな、俺のターン、ドロー!永続魔法、リビングデッドの呼び声を発動!」

「永続魔法…のリビングデッド?」

「コイツは墓地のアンデット族以外のモンスターを可能な限り特殊召喚する!蘇れ!溶岩魔神!三体のサンダー・ドラゴン!双頭の雷龍!

そしてこいつらは全てアンデットモンスターになる!」

 

 雷龍達が腐臭を放ちながら、地面からはい出て来る。

 皮膚が完全に再生していないため、神経はむき出しで気が狂うような激痛に苛まされている。

 

『グオオオオオ……!アアアギギギギギギギ!!痛イ……!体…痛イ…!』

 

 SANチェックモノの光景にもこっちは口元を思わず抑え、膝をつく。

 

「おいおい、何ビビってやがる。」

「…我ながら、細い神経だな…」

 

 立ち上がり、眼前の雷龍達を正視するもこっち。

 

 

「これで終わりだ。バトル!やれ!溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム!ゴーレム・ボルケーノ!」

 

 攻撃を開始するラヴァ・ゴーレムを見たもこっちは、その目がぐにゃりと崩れ、あらぬ方向を見ている事に気が付く。

 既に視界も無く、ただ、命令に従って溶岩を吹き付ける。

 

「ぐっ?!」ライフ4000から3400

「機甲部隊の最前線、だったな。ほらほら、そいつで呼び出しな。攻撃力2400未満の闇機械族をなぁ!フハハハ!」

「私がデッキから呼び出すのは…ニードルバンカーだ!」

「何?」

 

 攻撃力1700の闇機械族が威嚇する。

 

「おいおい、それじゃあ凌ぎようが」

「凌ぐ?このターンで何とかしないとマリク、私の勝ちだ」

「寝言は寝て言いなぁ、リビングデッドの呼び声は戦闘ダメージすら0にする。つまり…?!」

「気が付いたようだな。いくら戦闘ダメージを0に出来ても、ニードルバンカーは破壊したモンスターのレベル×500のダメージを与える。

レベル5のサンダー・ドラゴンを破壊した時点で、2500のダメージが発生する!」

「…バトル続行!双頭の雷龍で、ニードルバンカーを攻撃!」

 

 

 崩れ落ちる腐肉と、濁った汁がしたたり落ちる中、雷龍は大口を開け、咆哮を上げつつ雷撃を放とうとする。

 

 

「リバースカードオープン!月の書!場のモンスターを裏側守備表示に変更する!もういい、眠れ。双頭の雷龍よ」

 

 月の光が雷龍を照らす。何処までも慈悲深く、優しく。その光に照らされ、雷龍の口に集められていた雷撃が徐々に弱まり、消える。

 そのままカードの中に戻り、カードは裏側守備表示となる。

 

「ちぃっ…なら、サンダー・ドラゴンでニードルバンカーを攻撃!」

「?!自滅する気か!」

 

 腐肉と腐った汁をまき散らしながら、サンダー・ドラゴンの一体が咆哮を上げ、雷撃を放つ。

 その眼は濁り切り、放たれた雷撃は見当違いの方向へ飛んでいく。

 ニードルバンカーは正確無比な狙撃でサンダー・ドラゴンを撃ち抜き、破壊する。

 

「破壊されてもサンダー・ドラゴンは蘇る!」

 

 体のほとんどが吹き飛ぶが、ややあって再び再生が始まる。最も、皮膚は無く、神経はむき出しだ。

 

「ニードルバンカーの効果発動!2500のダメージを受けるがいい!」

「速攻魔法!痛恨の呪術!そのダメージはキサマが受ける。ククク」

「?!きゃああああああ?!」ライフ3400から900

 

 

 ふっ飛ばされ、地面を転がるもこっち。余りの衝撃に、意識が飛びそうになる。

 

「フハハハハ!このまま起き上がれなければ、俺の勝利!ターンエンドだ!」

 

 

 

もこっち ライフ900

手1 場 ニードルバンカー 機甲部隊の最前線 

闇マリク ライフ1600

手2 場 セットモンスター 溶岩魔神 サンダー・ドラゴン サンダー・ドラゴン サンダー・ドラゴン リビングデッドの呼び声 伏せ1

 

 

 

 …負ける、のか…私は、ヤミニ…ヒトリ……

 

 …ダ……ヤダ………イヤダいやだ嫌だ!

 

「?!ば、馬鹿な!ありえない!」

 

 生き延びたい、という本能は、気力と体力が底をついたもこっちの身体を突き動かす!

 

 

「…私のターン、ドロー!バトル!ニードルバンカーでサンダー・ドラゴンを攻撃!」

「永続罠、拷問車輪!これでニードルバンカーは攻撃出来ない!フハ」

「邪魔だ。速攻魔法、サイクロン!拷問車輪を破壊する!」

「なっ」

 

 笑い声を冷たく遮るもこっち。

 狙いを定めるニードルバンカーと、見当違いの方向に雷撃を放とうとするサンダー・ドラゴン。

 

「馬鹿な!この俺が!」

 

 ニードルバンカーがサンダー・ドラゴンを銃撃で破壊し、その残骸が闇マリクに迫る!

 

「ぐわぁあああああ?!」ライフ0

 

 派手に吹っ飛び、断末魔と共に消え失せる闇マリク。

 肩で息をするもこっち。既に体力と気力など一かけらも無い。

 ふと顔を上げる。

 

「…月の、光…?」

 

 月の書を発動した時の月が未だ残っている。

 訝しんでいると、その光が徐々に強まる。

 やがて、もこっちは意識を手放す。

 

 

 

 その後。デュエルアカデミアの施設にて

 

 

「うーん…?」

「もこっち?!気が付いたのね!」

「寝ていたのか?」

「疲れていたみたいだね、うなされていたよ、大丈夫?」

「…。」

 

 今のは、夢だったのか…?

 

「ごめん、ゆうちゃん。先に戻る」

「え?そう…大丈夫、カナ?」

 

 しばらく、肉は食べられないな。そう思いつつもこっちは自室へ戻る。




今日の最強カード。原作版リビングデッドの呼び声
敵に抹殺された自軍のモンスターを全てゾンビ化し蘇生する。「不死」の力を得ることであらゆる攻撃も通用しない。また対象となるカードはすべて「ゴーストカード」となる。

 破壊されると10%攻撃力アップみたいな効果があったようですが、テキストのどこにも「10%」と記されていないのでこの小説では削除しました。


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出撃!攻撃力0同盟!

遊戯王アークファイブには、「0同盟塾」という塾があるようです。
GX以外で攻撃力0のモンスターでデッキを組んで戦える決闘者って他に誰が居るのでしょうか?5Dsの遊星、アンドレ辺りは普通に回して来そうですが。


「学園を買収?あのオーナーを相手に?正気か?」

「私もそう思う」

 

 重ね重ね通って居る学園のオーナーに対し、失礼な言動をとる女子二人。

 

「買収の相手は万丈目グループ。」

 

 ネットに万丈目グループと入力して検索するもこっち

 

「万丈目長作、与党の議員。まだ若手だが相当なやり手…政界と財界の大物が兄弟か」

「ねぇ、万丈目って事は」

「サンダーの兄だろう。政界、財界、カードゲーム界を制するつもりか、兄弟三人で。」

 

 呆れたような口調のもこっち。

 

「政界に興味は無いの?」

「選挙には行こうと思って居るが。」

「行くんだ…」

「先人が勝ち取った権利だ。かつては成人男子しか与えられなかった権利だぞ」

 

 足音が聞こえ、そちらを向くもこっち達。見知った顔がそこに立っている。

 

「ここにいたか、黒木」

「…万丈目。」

「協力して欲しい。攻撃力500未満のカードを持っていないか?」

「あるにはあるが、どういう風の吹きまわしだ?パワーデッキ使いが、攻撃力の低いモンスターカードを欲しがるとは解せん」

「兄さん達がこの学園を買収しようとしている。その対戦相手に俺を指名してきた」

「……」

「兄さんは素人だから、ハンデとして俺に攻撃力500未満のカードで戦えと」

「勝つ必要があるのか?」

「何?」

 

 

 もこっちは腕組みして告げる。

 

「学園のオーナーが変わろうと、私は学生の本分たる勉学にいそしみ、プロ決闘者を目指す。

環境が変わるなら、適応するだけ。」

「俺は、この学園を守りたい」

「自分の兄だろう?信じてやれ。健全な学校運営を行ってくれる事を」

「…黒木。俺は今までずっと兄さん達と比べられて、落ちこぼれ扱いされてきた」

「……」

 

「いや、議員だの実業家と比べられても。というかまだ15歳でしょ?長作議員って…28?!13離れた兄…」

 ゆうちゃんを無視して、万丈目は言葉を続ける。

 

「俺には果たすべき役割がある、それを果たせることを兄さん達に証明したいんだ!」

「後で必ず返すと約束するなら、貸そう」

 

 踵を返して歩き出すもこっち

 

「…ありがとう」

 

 万丈目の言葉を聞くと、もこっちは歩みを止め、振り返らず告げる。

 

「私には兄や姉が居ないから、その気持ちは分からないが。負けられない理由がある事だけは理解した。

選抜したのち、レッド寮まで運べばいいか?」

「助かる」

 

 

 

 

 買収デュエル当日。

 

「ハンデに怖気づかず、良く来れたな?その心意気だけは買ってやるぞ、準」

「兄さん、カードゲーム界は俺に任せてくれ」

「最初はそのつもりだった、だが現実としてお前は最下層のオシリスレッドに配属されている。

これで、任せろとは納得できない。認めさせたいなら、結果を出せ」

「兄さん、ハンデとして攻撃力500未満という約束だったが、俺のデッキは全て攻撃力0だ!」

「?!」

 

 

「そんなの聞いてないぜ!」

「まさか万丈目君、負けるつもりじゃあ」

「馬鹿な事言うなよ!」

 

 

 

「攻撃力0でどうやって」

「さて、パワーデッキ使いが攻撃力0という制約を課せられた場合、どんなテクニカルなデッキを使うのか拝見するとしよう」

「そんな他人事みたいに」

「勝つさ、攻撃力の制限だけで初心者に敗れる程脆い決闘者では無い。万丈目は」

 

 

 

 

 

デュエル!

 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

長作 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は魂虎を攻撃表示で召喚!さらに永続魔法、ゼロゼロックを発動!このカードが場にある限り、相手は攻撃力0のモンスターを攻撃出来ない!」

「む?」

「ターンエンドだ!」

 

 

 

万丈目 ライフ4000

手4 場 魂虎 ゼロゼロック

長作 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!私は魔法カード、融合を発動!手札のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-と神竜ラグナロクを融合!融合召喚!竜魔人キングドラグーン!」

 

「?!全部パラレルレアのカードだと!」

 驚きの声を上げるカイザー。

 

 

「さらに魔法カード、龍の鏡を発動!墓地のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-と神竜ラグナロクを除外!現れろ!竜魔人キングドラグーン!」

 

「一気にキングドラグーンを二体も。この男、本当に初心者なのか?」

 手札融合からの墓地融合まで繰り出した事に驚く三沢。

 

 

 

「私は可変機獣ガンナー・ドラゴンを召喚!そして魔法カード、突然変異を発動!」

 

「ガンナー・ドラゴン」「突然変異」「「のパラレルレアだと?!」」

 

 はもって互いに顔を見合わせるもこっちと遊城。

 

 

「レベル7のガンナー・ドラゴンを生贄に、現れろ!竜魔人キングドラグーン!ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ4000

手4 場 魂虎 ゼロゼロック

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

 

「攻撃力2400が三体…俺のターン、ドロー!俺はそよ風の精霊を攻撃表示で召喚!カードを伏せて、ターンエンドだ!」

 

 

 

万丈目 ライフ4000

手3 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック 伏せ1

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

「攻撃力0を攻撃表示なんて!」

「丸藤。そよ風の精霊の能力は攻撃表示で場になる限り、スタンバイフェイズ事に1000ライフを回復する。」

「ゼロゼロックとの相性は良い、と言う事か」

 

 

「私のターン、ドロー!フン、魔法カード、スタンピングクラッシュ!

場にドラゴン族が存在する時、場の魔法・罠カードを破壊し、コントローラーに500ポイントのダメージを与える!

対象はゼロゼロック!」

「カウンター罠、王家の呪い!場の魔法・罠カードを破壊する魔法・罠カードの発動を無効にして破壊する!」

「なっ?!グッ…ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ4000

手3 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック 

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

「俺のターン、ドロー。そよ風の精霊の効果発動。ライフを1000回復する」ライフ4000から5000

 

 そよ風の精霊がふわりと浮かび上がると、優しい表情で弱風を万丈目に向けて飛ばす。

 回復が終わると再びふんわりと降り立つ。

 

「小癪な…」

「俺はターンエンドだ」

 

 

 

万丈目 ライフ5000

手4 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック 

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

 

「私のターン、ドロー!ふふふ、カードを伏せる。ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ5000

手4 場 魂虎 そよ風の精霊 ゼロゼロック 

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!そよ風の精霊の効果発動!ライフを1000回復する!」ライフ5000から6000

「チッ…」

「俺はおろかな埋葬を発動!デッキから電池メン単三型を墓地へ!そしてライフを500払い、充電器を発動!墓地の電池メンを特殊召喚!

復活しろ、電池メン単三型!」ライフ6000から5500

 

 電池メンが立ち上がり、構えを取る。その攻撃力が0から1000までアップする。

 

「攻撃力1000?!準!デッキのモンスターの攻撃力は」

「攻撃力0だ。こいつは場の表側攻撃表示の電池メン一体につき、攻撃力が1000アップする。そして速攻魔法、地獄の暴走召喚!

攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚に成功した時、デッキ・手札・墓地から同名モンスターを可能な限り特殊召喚!来い!電池メン単三型共!

兄さんも場のモンスターを選択し、その同名カードを特殊召喚出来るが…既に三枚居るから無理だな」

「ぬっ…」

 

 

 電池メン単三型が集まり、直列接続になる。その攻撃力は3000までアップする!

 

「攻撃力3000が三体だと?!」

「バトルだ!俺は電池メン単三型で竜魔人キングドラグーンを攻撃!ライトニング・キャノン!」

 

 電池メン単三型が雷撃を放とうとし、残りの二体がそれぞれ左右の肩を支え、補助する。

 すぐに準備が完了し、凄まじい雷撃を放つ!

 

「甘いぞ!罠発動!聖なるバリアミラーフォース!コイツは攻撃表示の相手モンスターを全て破壊する!その三体の電池メンとそよ風の精霊を破壊する!」

 

 え?私も?という風に自分を指さすそよ風の精霊。左右を見ると、一転して落ち込んで床に手をつく単三型達の姿。

 雷撃が跳ね返されそうになっているのを確認すると、飛んで逃げようとするが、ミラーフォースで跳ね返された雷撃は正確にその背中を撃ち抜く!

 

 高いところからやや重い音を立てて墜落するそよ風の精霊。

 

 

「ミラーフォースだったか…ターンエンドだ」

 

 

 

万丈目 ライフ5500

手2 場 魂虎 ゼロゼロック 

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

「私のターン、ドロー!フン。カードを伏せる。ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ5500

手2 場 魂虎 ゼロゼロック 

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「この瞬間、砂塵の大竜巻を発動!お前のゼロゼロックを破壊する!」

 

 

「まずい!万丈目の壁が!」

「次のターン、総攻撃が来るぞ!」

 

「やはり素人か。」

「そうだね、砂塵を発動するならこのタイミングでは無く、エンドフェイズか自分のターンに使って総攻撃するべきよね」

「このタイミングでは、万丈目はまだ対抗策を用意できる」

 

 

「俺は魂虎を生贄に、モンスターをセットする!」

 

 

「馬鹿な!モンスターを生贄セットだと?!」

「もこっち、落ち着いて」

「何だ、この戦術は守護者スフィンクスを使う決闘者がやってくるが、地獄詩人ヘルポエマーの可能性もあるし…」

「もこっちもこっち。今の万丈目のデッキは攻撃力0だよ?」

「…ああ、そうだな。となると…あのカードか?」

 

 

「ターンエンド!」

 

 

万丈目 ライフ5500

手2 場 セットモンスター 

長作 ライフ4000

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

「私のターン、ドロー!どんなモンスターか知らないが、この圧倒的な戦力に勝てる者か!バトル!竜魔人キングドラグーンでセットモンスターを攻撃!

トワイライトバーン!」

 

 ようやく攻撃出来る、と言った風に鼻息を吹いた後、ブレスを放つキングドラグーン。だが

 

「?!キャッスルゲートだと?!」

「ああ。守備力2400。そして戦闘では破壊されない」

「ええい。ターンエンドだ!」

 

 

 

万丈目 ライフ5500

手2 場 キャッスルゲート

長作 ライフ4000

手1 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

 

「俺のターン、ドロー!天使の施しを発動!三枚ドローして、二枚を捨てる。俺はサクリファイスとものマネ幻想師を捨てる。」

 

「サクリファイスを捨てる?!何故だ、万丈目!そいつは」

「落ち着け遊城。キングドラグーンは場のドラゴン族を相手のカード効果の対象にさせなくする効果がある。サクリファイスとて吸収できなければ意味が無い」

「そうか、それで…」

 

 

「俺はモンスターをセット。カードを伏せてターンエンドだ!」

 

 

万丈目 ライフ5500

手1 場 キャッスルゲート セットモンスター 伏せ1

長作 ライフ4000

手1 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、天使の施しを発動!三枚ドローし、二枚を捨てる。私は海竜ダイダロスと融合を捨てる。

バトルだ、セットモンスターを攻撃!トワイライトバーン!」

 

 ブレスが襲い掛かり、セットしていたキングゴブリンが破壊される

 

「ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ5500

手1 場 キャッスルゲート 伏せ1

長作 ライフ4000

手2 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、苦渋の選択を発動!デッキからカードを5枚提示し、相手は一枚を選ぶ。それ以外は墓地だ。

俺が選ぶのはこの5枚だ!」

 

 おジャマブラック、グリーン、イエロー、千眼の邪教神、サンダー・ブレイクの5枚。

 

「サンダー・ブレイクだと?フン、そんなカードはキングドラグーンには効かん!サンダー・ブレイクを選択だ」

「読んでいた。それを選択すると」

「何ぃ?」

 

 

 

「もこっちはどれを選ぶ?」

「どれを選んでも同じだろうが、おジャマ三兄弟のどれか、だな。」

 

 

 

 

「魔法カード、強欲な壺を発動!二枚ドロー!魔法カード、トライワイトゾーン!墓地のレベル2以下の通常モンスターを三体特殊召喚!蘇れ、おジャマ共!」

 

 どうも~、と言いながら現れるおジャマ達。

 

「ふん、電池メンとやらと違い、そいつらの攻撃力は変わらんようだな?」

「通常モンスターだからな。だがこいつらにしか出来ない事がある!

リバースカードオープン、魔法カード、おジャマデルタハリケーン!三匹のおジャマが揃った時、相手の場のカードを全て破壊する!」

「何を!私の場にはキングドラグーンが居る!カード効果など」

「キングドラグーンが止められるのは」

 

 三匹のおジャマがグルグル回転しながらキングドラグーンに迫る!

 

「対象を取るカード効果のみ!対象を取らない破壊効果までは止められない!」

 

 爆殺される三体のキングドラグーン!!

 

 

「ぐっ、キングドラグーンが全滅?!」

「カードを伏せる。ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ5500

手1 場 キャッスルゲート おジャマイエロー グリーン ブラック 伏せ1

長作 ライフ4000

手2 場 

 

 

 

「いい気になるなよ、準!モンスターは全滅したが、振り出しに戻っただけだ!私のターン、ドロー!死者蘇生を発動!蘇れ、キングドラグーン!

これでお前の伏せているであろうサンダー・ブレイクは無力だ!」

「……」

「さらにライフを800払い、早すぎた埋葬を発動!蘇れ、キングドラグーン!」ライフ4000から3200

「キングドラグーンが二体」

「まだまだ!ライフを800払い、装備魔法、再融合!墓地の融合モンスターを特殊召喚!蘇れ、キングドラグーン!」ライフ3200から2400

 

「バトルだ!やれ、キングドラグーン!目障りなおジャマ共を蹴散らせ!トワイライトバーン三連打!」

 

 先ほどの鬱憤を晴らすがごとく、おジャマ三兄弟にブレスを浴びせるキングドラグーン達。

 

 

「ハハハ!ターンエンド!」

 

 

 

万丈目 ライフ5500

手1 場 キャッスルゲート 伏せ1

長作 ライフ2400

手0 場 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 竜魔人キングドラグーン 再融合 早すぎた埋葬 

 

 

 

「俺のターン、ドロー!来たか。俺は魔法カード、ピリ・レイスの地図を発動。デッキから攻撃力0のモンスターを手札に加える」

「ちっ」

「カオスネクロマンサーを手札に加え、召喚!ピリ・レイスの地図で手札に加えたモンスターを召喚した時、ライフは半分になる。」ライフ5500から2750

「攻撃表示…まさか、また特殊能力か?!」

「カオスネクロマンサーの攻撃力は墓地のモンスター一体につき、300ポイントアップする。俺の墓地には魂虎、そよ風の精霊、電池メン単三型が三本、

サクリファイス、ものマネ幻想師、キングゴブリン、千眼の邪教神、おジャマ三兄弟の12体。よって攻撃力は3600だ!」

「ば、馬鹿な!」

「装備魔法、光学迷彩アーマーを装備。レベル1のモンスターのみ装備可能。これで、カオスネクロマンサーはダイレクトアタックが出来る!

バトル!カオスネクロマンサーの攻撃!ネクロパペットショー!」

「うわぁあああああ?!」ライフ0

 

 

 

 

 

 

「やったー!すげぇぜ、万丈目!」

 

 万丈目コールの中、万丈目は宣言する

 

「皆聞け、俺の名前は!一、十」

 

「「百」」

「「千」」

 

 万丈目は手を高く上げる。

 

「万丈目サンダー!」

「「「「「「「「「サンダー!サンダー!サンダー!」」」」」」」」」

 

 

 

「兄者、この仕返しは必ず」

「やめろ庄司。お前には見えないのか?」

「えっ?」

 

 周りの大歓声を浴びる弟を見て、長作は告げる

 

「準はとっくに、俺達が思うより大きくなっていたんだ…」

 

 

 

 その後、海馬コーポレーションの一室にて

 

「瀬人様、デュエルアカデミア買収の件ですが、生徒が勝ったとの事」

「当たり前だ。そんな下らん報告は要らん。勝って当然」

「はっ」

 

 

 

 




長作の年齢は推測です。被選挙権から推測するに10歳離れているのは確かですが。


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アマゾネスVS早きこと風のごとく!

遊戯王GXの二次創作で、カウンター罠駄目、バーン駄目、ロック駄目、ハンデス駄目、という設定で書かれている物がありますが、遊戯王GXには明確に「誰からも愛されない」戦術とカードが存在します。


 もこっちは校長先生からメールが届いて居る事を確認する。放課後に集まるようにとの事だった。

 

 

 

 授業終了後、校長室に集まるもこっち達。

 

 

「校長が来るまでしばらく待つノーネ。」

「明日香、兄さんの状態は?」

「まだ、意識は戻っていないの。」

「そうか、良くなるといいな。」

 

 

「クロノス教諭」

「ナパ?どうしたノーネ?シニョーラ智子」

「倒れたとお聞きしました。お体の方は大丈夫ですか?」

「心配無用なノーネ」

 

 

「校長先生がいらっしゃったぞ。」

 

 校長先生が入室する。

 

 

 

「みなさん。実は最近、生徒が次々に行方不明になっているのです。」

「行方不明?!」

「みなさんには原因を探っていただきたいのです。倫理委員会は生徒の立ち入り禁止区域を調べています。

また、セブンスターズが関わっているかもしれません。十分気を付けて下さい。」

 

 

 解散となり、それぞれ捜索に向かう。

 三々五々に分かれていく様子を見つつ、もこっちはもしも自分が黒幕なら各個撃破の最適な状況だと思いつつ

 敵の狙いがまだ読めないため、踵を返して捜索に向かう。

 

 

 島の東部を調べていると、コロシアムを見つけるもこっち。こんな施設は無い、となれば…

 

 

 

「黒木!キミもここに気がついたのか!よし、中の様子を見に行こう。」

「…三沢、皆を呼んだ方がいい」

「男、三沢大地、セブンスターズが来てからというもの、いまだ役に立てず、選んで頂いた校長先生に申し訳が立たない。

この機会を逃してなるものか。セブンスターズの刺客など、俺一人で十分!」

 

 

「ふふふふふ!えらく威勢がいいね。」

 

 声が聞こえ、そちらを向くと筋肉質な女が立っている。

 

 

「私はタニア。セブンスターズの一人。偉大なるアマゾネス一族の末裔にして、長!!

セブンスターズの刺客など一人で十分、と言っていたようだが…私と戦う覚悟があるならコロシアムに来い」

 

 

 そう言い捨てると、タニアはコロシアムへと入っていく。

 三沢がその後に続き…

 

 続いて入ろうとするもこっちは後ろから足音が聞こえた為、振り向くと

 

「なんだ!この建物!あっ、黒木!もう来ていたのか!」

「遊城。今三沢がこのコロシアムでセブンスターズの刺客とデュエルを始める。」

「何だって?!」

「他のメンバーにも連絡を入れておく。」

 

 

 手早く機器を操作し、メールを送信したもこっちはコロシアムへ入る。

 矢印が記された張り紙。

 

「…観客席はこっちか」

 

 

 

 

 

 

 

 観客席に入ると、既に三沢とタニアが対峙している。

 

 

「アカデミアの生徒をどうした!」

「このコロシアムの建設を手伝って貰ったのさ。

みんな喜んで協力してくれたさ。もう、自分の部屋に帰っているんじゃないかい?」

 

「そうか…ならば、後は俺が勝つだけだな」

「フフフ、それが出来ればいいがね。ここに、お前の命運を分ける二つのデッキがある。

一つは知恵のデッキ、一つは力のデッキ。さぁ、どちらを選ぶ?」

「当然、知恵のデッキだ!」

「OK。」

 

 そう言うとディスクにデッキをセットするタニア。

 

「俺は早きこと風のごとく、『風』のデッキで相手をしよう!」

 

 

 

デュエル!

 

三沢 ライフ4000

手5 場 

タニア ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はアマゾネスの格闘戦士を召喚!カードを二枚伏せて、ターンエンドだ!」

 

 

三沢 ライフ4000

手5 場 

タニア ライフ4000

手3 場 アマゾネスの格闘戦士 伏せ2

 

 

「俺のターン、ドロー!ニュートを召喚!バトルだ!ニュートでアマゾネスの格闘戦士を攻撃!グラビトン・パンチ」

 

 襲い掛かるニュートに対し、アマゾネスの格闘戦士は頭部を狙って拳を放つが、躱され

 ニュートのボディーブローが格闘戦士に直撃する。ワンパンKOされて崩れ落ちる格闘戦士。

 

 

「…アマゾネスの格闘戦士の効果発動。戦闘ダメージは0になる」

「ああ。俺はカードを二枚伏せる。ターンエンドだ」

 

 

 

三沢 ライフ4000

手3 場 ニュート 伏せ2

タニア ライフ4000

手3 場 伏せ2

 

 

 

「私のターン、ドロー!私はアマゾネスの聖戦士を召喚!」

 

 金髪のアマゾネスが現れ、剣を構える。

 

「このカードの攻撃力は、私の場のアマゾネス一体につき、100ポイントアップする。よって攻撃力は1800」

「だが、ニュートの攻撃力は1900だ」

 

 その言葉を受けて左手を腰に当て、右手で挑発するニュート。

 

「そうだな、では永続魔法、一族の結束を発動する!」

「?!来たか、一族の結束。これでアマゾネスの聖戦士は攻撃力1800から2600になる!」

「良く知っているねぇ、バトルだ!アマゾネスの聖戦士でニュートを攻撃!聖剣の舞!」

 

 襲い掛かるアマゾネスの聖戦士。

 

「罠発動!炸裂装甲!これでアマゾネスの聖戦士を破壊する!」

「それにチェーンして、罠発動!救出劇!場のアマゾネスの聖戦士を手札に戻す。これで炸裂装甲は不発に終わる」

「ぐっ…」

「再び現れろ!アマゾネスの聖戦士!やれ!」

 

 アマゾネスの聖戦士は深く腰を落とし、剣の切っ先をニュートに向け、その峰に軽く右手を添えた状態から間合いを一瞬で詰めて突進する!

 一瞬の交差の後、ニュートの身体を剣が貫く。

 

 聖剣の舞では無くて牙突では無いか、と内心突っ込むもこっち。

 

 勝った!という顔をしている聖戦士は、剣を抜こうとするも抜けない事に気が付き、眼前のニュートを見る。

 力を振り絞った一撃が頭上から降り注ぐ!直撃を避けるため剣を諦め、聖戦士は後ろに跳躍する。

 最後の一撃を躱され、跪いて荒い息をするニュート。

 

 丈夫な腹筋だな、と言いたげな目をする聖戦士と、これで得意の剣術は使えまい、と不敵な笑みを浮かべ、ニュートは破壊される。

 

 

 

「ぐっ、ニュートを破壊したモンスターの攻撃力は、500ポイントダウンする!」ライフ4000から3300

「だが、それでも攻撃力は2100だぞ?ターンエンドだ」

 

 

 

 

三沢 ライフ3300

手3 場 伏せ1

タニア ライフ4000

手2 場 アマゾネスの聖戦士 一族の結束 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は墓地の風属性モンスター、ニュートを除外し、風の精霊ガルーダを特殊召喚!」

「ほう…」

「そしてガルーダを生贄に、罠発動!風霊術ー「雅」!場の風属性モンスターを生贄に発動!相手の場のカード一枚を、デッキの一番下に戻す!

俺が選択するのは、一族の結束!」

「?!」

 

 

 

「…なるほど、魔法効果の矢などで破壊しても、墓地から回収される可能性がある。魂の解放で相手の墓地の同じ種族のモンスターを除外するのにも限界がある。

だが、デッキの一番下に戻されては新たに引ける可能性は低い。」

「って事は、もうこのデュエルでは一族の結束は使えないって事か?」

「最も、あれが複数投入されており、それを引き当てられたら別だが」

 

 属性デッキ、という事によるデッキの総合的な強みを高める方向に進んで居る事から、もこっちは三沢への評価を上方修正する。

 

 

 

「一族の結束がなくなった事で、アマゾネスの聖戦士の攻撃力は1300までダウンする…」

「ここで畳みかける!墓地の風属性モンスター、風の精霊ガルーダを除外し、シルフィードを特殊召喚!

さらに、ブレードフライを召喚!これは場の風属性モンスターの攻撃力を500ポイントアップし、地属性モンスターの攻撃力を400ポイントダウンさせる!

よってシルフィードの攻撃力は2200になり、ブレードフライの攻撃力は1100になる!」

「アマゾネスの聖戦士の攻撃力が900だと…」

「バトル!シルフィードでアマゾネスの聖戦士を攻撃!」

 

 襲い掛かるシルフィードに対し、拳で反撃しようとする聖戦士。彼女に向けてブレードフライが鱗粉を飛ばし、目に入った為一瞬動作が遅れる。

 目をぬぐった聖戦士は、間合いに入り込まれ、シルフィードの杖に殴られて打ちのめされる。

 

 

「ぐっ?!」ライフ4000から2700

 

「そして、ブレードフライでダイレクトアタック!」

「むっ…」ライフ2700から1600

「ターンエンドだ!」

 

 

 

三沢 ライフ3300

手1 場 シルフィード ブレードフライ

タニア ライフ1600

手2 場 伏せ1

 

 

 

「…フフフ、思ったよりやるねぇ。私のターン、ドロー!魔法カード、増援を発動!デッキからアマゾネスの剣士を手札に加える。」

「アマゾネスの剣士…」

「そしてアマゾネスの剣士を召喚!いくよ?装備魔法、ミストボディをアマゾネスの剣士に装備!これにより、アマゾネスの剣士は戦闘では破壊されない」

「だが、アマゾネスの剣士は戦闘ダメージを相手に押し付ける…」

「余り使いたくは無かったんだがねぇ、ここまで追い詰められては仕方ない」

 

 

 

「何てえげつない戦術を使うんだアイツは!」

「信じられない!」

 

 怒りをあらわにする他のメンバーの様子を見つつ、もこっちは記憶をたどる。

 自分は傷つかず、相手を一方的に傷つける戦術は、デュエルモンスターズの世界では嫌われる。

 コンボだとしても批判される。単体で戦闘破壊されず、ダメージを跳ね返すモンスターが居たら誰からの愛も受けられないだろう。

 

 

「バトル!ブレードフライの効果で攻撃力は1100まで下がっている。ここはシルフィードを攻撃だ!」

 

 

 シルフィードに襲い掛かるアマゾネスの剣士。それに対し、杖で反撃するシルフィード。だが、その攻撃は霧に姿が変わり、回避される。

 霧状になった腕はそのまま三沢まで飛び、そこから実体化して三沢を襲う!

 デュエルディスクをとっさに盾にする事で、直撃だけは防ぐ三沢。

 

「ぐううう?!」ライフ3300から2200

 

「ターンエンドだ」

 

 

 

三沢 ライフ2200

手1 場 シルフィード ブレードフライ

タニア ライフ1600

手1 場 アマゾネスの剣士 ミストボディ 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!よし!手札を一枚捨て、魔法カード、ライトニングボルテックスを発動!アマゾネスの剣士を破壊する!」

 

 降り注ぐ雷撃。霧に姿を変えて逃れようとするアマゾネスの剣士だが、電撃は回避できずに破壊される。

 

 

「…お前、私の伏せカードが何なのか、気が付いているね?」

「ああ。アマゾネスの弩級隊だろう?」

「…いかにも。さぁ、来い!」

「シルフィードでダイレクトアタック!」

 

 

 シルフィードの直接攻撃を受け、タニアのライフは尽きる。

 

「……私は最高のデュエリストと出会えたようだな。いいデュエルをありがとう!」ライフ0

 

 

 真っ直ぐな瞳で、タニアは告げる。

 

 

 

 

 

「…私の負けか。このコロシアムは好きに使うがいい」

 

 そう言い残して、タニアは何処かに立ち去る。

 

 

「好きに使え、って言われてもさ…ここってちょっと学園から遠くないか?」

「デュエルフィールドの申請無しで使える、というのは大きなメリットだ。作りも頑丈だ」

「耐震強度の基準を満たしているのか、不明だがな」

「業者を呼んで、耐震強度のチェックをするだけの価値があれば、学園は手入れをするだろうな。

それだけの価値が無いと判断すれば、立ち入り禁止区域に指定して終わりだろうか?」

「まぁ、いずれにせよしばらくは近づかない方がいいだろうな」




ザボエラとユベルが出会ったらどうなるのか個人的に気になります。理想の姿、と言われても相手が相手ですからユベルも当惑するでしょうね。


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名探偵万丈目VS黒蠍盗掘団!!

黒蠍新規は出ないのでしょうか?


 タニアの一件から数日後。エントランスにもこっち達は集められていた。

 

 

「七精門の鍵を持つ、皆さん。皆さんに紹介したい人がおります。

警視庁からいらしていただいた、魔暮警部です。」

 

「警視庁だと!」

 

 

「いかにも。私が魔暮警部です。みなさんに警備の指導を行いに参りました。」

「おお~、カッコいい!」

 

「皆さんは大事な鍵を持っていると思います。しかし!ちゃんと保管してありますかな?」

「身に着けているわ」

「俺もだ!」

「同じく。」

 

「確かに、大事な物を見につけているのは、一見安全に思える。

しかし、それは同時に、その大事な物の場所を教えている事にもなるのです。」

 

「そうですよ。きちんと保管した方がいい場合もあります。という、魔暮警部の提案です。」

「そう言われると、不安になるわね。」

 

 

「わざわざ海を渡って、ちゃんと隠すように、指導しに来ていただきました。」

「なるほど。」

「プロなら安心なノーネ。」

「それでは、各自の部屋を回らせていただきます。」

 

 

「皆さんも一緒に、隠し場所を考えましょう。」

 

 

 オシリスレッド寮にて

 

「俺はこの部屋の流しの下だ!」

「なるほど、意表をつく場所です。いいでしょう。」

 

 

 ガタン、という物音が聞こえる。

「誰だ!」

「あ、ごめん。部屋間違えた…」

「チック、また部屋を間違えたんスか?」

「心配要らないよ、刑事さん。チックはオシリスレッドの一人だ」

「むむ…」

 

 

「俺は引き出しかな。他にすると本当に無くしちゃうから…。」

「なるほど、シンプルでいいでしょう。」

「お前らしい単純さだな。」

 

 ドアが開けられる。

「誰だ!」

「んん?」

「管理人のゴーグさんッス」

「心配要らないって」

「そうですか…」

 

 

 ラーイエロー寮にて

 

 

「俺は備え付けの金庫だな」

「頑丈そうでいいでしょう。」

 

 突然、ドアが開かれる。

 

「む!誰だ!」

「クリフ警備員さんです、警部さん。」

 

 

 

 

 

 ブルー女子寮にて

 

「私は宝石箱に。」

「無難な選択です。いいでしょう。」

 

「皆さん。この寮に男性の出入りは困りますね」

「む?彼女は?」

「ミーネ女医だ。心配要らない」

 

 

 

 もこっちの自室。

 

「へぇ~、随分綺麗だな」

「ジロジロ見るな、デリカシーの無い奴め」

「私は…クローゼットの中にしまう。」

 

 そう言ってクローゼットのドアに手を掛け、もこっちは冷え切った目を男性陣に向ける。

 

「衣類が入っている。しまう場所まで確認する必要はあるのか?」

「む、むむ…」

 

 クローゼットの中に仕舞い、もこっちは自室から出る。

 

 

 

「取りあえず、今日はこんな所でいいでしょう。

皆さん、鍵の取り扱いにはくれぐれも注意してください。

私は数日このアカデミア島に滞在しますので、何かあったら連絡お願いします。

それでは今日は解散しましょう。どこで、誰が狙って居る事やら…。」

 

 

 

 深夜、寝ているもこっちの所に電話がなる

 

「……」

「おい!黒木!起きてくれ!実は七精門の鍵が無くなったんだ!そういえば黒木!お前の鍵は盗まれていないんじゃないか?」

「……ああ、盗まれていない」

「何ぃ?!せっかく隠したばかりなのに、盗まれるなんて信じられないぜ。とにかく、一旦集まろう!」

「どこに?」

「万丈目の部屋に来てくれ!」

 

 

 手早く身だしなみを整えて向かうもこっち。

 

 

 

 

 

 万丈目の部屋にて

 

「なんて事なの、皆鍵を盗まれてしまうなんて」

「大変な事になりましたな」

「あっ、魔暮警部!」

 

 

 

 隠せ、と言って置いて即日消える。となると隠すよう言って来た彼が一番怪しい。

 

 

「とりあえず、皆さんのお話しを一人ずつ聞きましょう。そうですね、黒木さん、別室でお話しを」

「そうだな、私も話があった所だ」

 

 

 

 

 

「ちょっと待った!」

「どうしたんだ、万丈目?」

「皆動くな!犯人は…この中にいる!」

 

 

 軽く眉を上げるもこっち。

 

 

「この事件は俺が必ず解決して見せる!名探偵万丈目サンダーの名にかけて!

レッド寮だが、ドリルで穴があけられていた。そしてこの穴とあうのはチック!お前の電動ドリルだ!」

「な、何を根拠に!」

「俺がこの寮に入寮する際、お前から借りたから覚えて居たんだ!」

「ぐっ…」

 

 

「次に、ラーイエロー寮の金庫は開けられなかったときに備えてマスターキーがある。

それが今晩持ち出されていた。持ち出しには職員のIDカードを認証しないといけない。クリフ警備員の履歴が残っていた!」

「しまった!」

 

 他人のIDを使えよ、と内心つっこむもこっち。

 

 

「ブルー女子寮だが、部屋に付け爪が落ちていた。鮎川先生に聞いた所、これはミーネ女医の物だと判明した!」

「そんなっ?!」

 

 これを率いて戦わねばならないセブンスターズに同情するもこっち。

 

 

「そして、鍵を隠すように俺達に言って、その晩に無くなった。状況的にお前が犯人だ!魔暮警部!」

「ぐぐっ?!…ふ、ふふ、ふふふふふ。流石は名探偵万丈目サンダー!そう、私の正体はっ!黒蠍盗掘団の首領、首領・ザルーグ!」

 

「黒蠍盗掘団?!」

「セブンスターズの一人!」

 

 

「数年前から七精門の鍵を奪う為、私は警視庁の警部となり、この学校に来る機会を探っていたのだ!」

「そっ、そんな前から…。」

「それが黒蠍盗掘団!さて、鍵を奪ったのに三幻魔のカードが手に入らない。どうすればいいか、知っているなら答えて貰うぞ!」

 

 

「…鍵を奪えばいいのであれば、鮫島校長は生徒に鍵を預けたりしない」

「何?」

「私達はただの高校生。子供にそんな力づくで奪われたり、盗まれれば終わりの物は託さない。

デュエルで勝って奪うしか無い。万丈目、デッキの準備は良いか?出来て居ないなら私が」

「いや、逆上した犯人を打ち負かすのは名探偵の仕事。デュエルだ!」

「それは違うと思うが…」

 

 

 

デュエル!

 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

ザルーグ ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「私の先攻、ドロー!私は切り込み隊長を召喚!効果発動、手札の下級モンスターを特殊召喚!現れろ、切り込み隊長!」

「切り込みロックか」

「いかにも!そしてカードを二枚伏せる。ターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

ザルーグ ライフ4000

手2 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ2

 

 

「俺のターン、ドロー!」

「罠発動!ダスト・シュート!お前の手札が4枚以上ある時発動!その中から一枚を選んでデッキに戻す!」

「俺の手札はデビルズ・サンクチュアリ、アームドドラゴンLv5、おジャマジック、リビングデッドの呼び声、仮面竜、闇よりいでし絶望だ」

「ふん、ならばアームドドラゴンLv5をデッキに戻して貰う」

「俺はモンスターをセット。カードを二枚伏せてターンエンドだ」

 

 

万丈目 ライフ4000

手2 場 セットモンスター 伏せ2

ザルーグ ライフ4000

手2 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ1

 

 

 

「私のターン、ドロー!ふっふっふ、場の切り込み隊長を生贄に、いでよ!黒蠍一番の力持ち!黒蠍-強力のゴーグ!」

「おう!」

 

 

「切り込みロックを自分から崩した?」

「三沢、一つ忘れて居ないか?これで戦士族が墓地へいった」

「…?!そうか、あのカードが既に!」

 

「永続魔法、一族の結束!これでゴーグの攻撃力は2600!おまけに切り込み隊長の攻撃力は2000!

バトルだ!切り込み隊長でセットモンスターを攻撃!」

「ぐっ、だが仮面竜の効果で仮面竜を守備表示で特殊召喚だ!」

「続け!ゴーグで仮面竜を攻撃!」

「俺は仮面竜の効果で」

「仮面竜だろう?」

「いいや。アームドドラゴンLv3を特殊召喚だ!」

「ほう、二枚しか入れてないのか?ハッハッハ。ターンエンドだ」

 

万丈目 ライフ4000

手2 場 アームドドラゴンLv3 伏せ2

ザルーグ ライフ4000

手1 場 切り込み隊長 ゴーグ 一族の結束 伏せ1

 

 

 

「俺のターン、ドロー!このスタンバイフェイズに、アームドドラゴンLv3はLv5に成長する!」

「ぬっ」

「俺はアームドドラゴンLv5の効果発動!手札を一枚捨て、ゴーグを破壊する!ジェノサイド・カッター!」

「うわぁあああああ?!お頭ぁ?!」

「ご、ゴーグゥ?!」

 

 

 ぶちのめされるゴーグ。横で切り込み隊長が小馬鹿にしたような顔をするが。

 

「次はお前だ!バトル、アームドドラゴンLv5で切り込み隊長を攻撃!」

 

 あ、やべ、といった顔に変わる切り込み隊長。剣を構えるがアームドドラゴンにぶちのめされて吹っ飛ばされる。

 

「ぐうっ?!」ライフ4000から3600

「この機は逃さん!永続罠、リビングデッドの呼び声!蘇れ、闇よりいでし絶望!ダイレクトアタックだ!」

「うわぁあああああ?!」ライフ3600から800

 

「ターンエンド、エンドフェイズにアームドドラゴンLv5はLv7になる」

 

 

 

万丈目 ライフ4000

手2 場 アームドドラゴンLv7 闇よりいでし絶望 リビングデッドの呼び声 伏せ1

ザルーグ ライフ800

手1 場 一族の結束 伏せ1

 

 

「これは…勝負あったか?」

「一族の結束は確かに厄介。デッキに戻してしまう、破壊する。色々あるが敵の戦力を上回る火力、が万丈目の答えか。」

 

 

 

「わ、私のターン、ドロー!よし!二枚目の永続魔法、一族の結束だ!

「二枚目だと?!」

「これで私の戦士族は攻撃力1600アップする!私は私自身、首領ザルーグを召喚!攻撃力は3000!

バトルだ!私自身で闇よりいでし絶望を攻撃!グレートスナイプ・ファーストショットォ!」

 

 ザルーグに撃ち抜かれる闇よりいでし絶望。信じられない、といった顔をして崩れ落ちていく

 

 

「ええい、厄介な…」ライフ4000から3800

「そして私の効果発動!お前の手札からランダムに一枚、捨てさせてもらう!」

「…捨てられたのは、このおジャマジック。こいつが手札から墓地に送られた時、デッキからおジャマ三兄弟を手札に加える」

「ふん、攻撃力3000の今の私に勝てるはずが無い、ターンエンドだ!」

 

 

万丈目 ライフ4000

手4 場 アームドドラゴンLv7 闇よりいでし絶望 リビングデッドの呼び声 伏せ1

ザルーグ ライフ800

手0 場 ザルーグ 一族の結束 一族の結束 伏せ1

 

 

 

「俺のターン、ドロー!よし、リバースカードオープン!デビルズ・サンクチュアリ!メタルデビルトークンを特殊召喚!」

「ほう、二体の生贄か?」

「いいや。速攻魔法、エネミーコントローラー!場のメタルデビルトークンを生贄に、お前自身のコントロールを得る!」

「なっ?!何ぃ?!」

 

 ソリッドビジョンのザルーグが万丈目の場に移動し、リボルバーを抜く。

 

 

「バトル!俺はお前でお前自身を攻撃!ダブルリボルバー!」

「うわぁあああああ?!じ、自分自身に負けるとはぁ…」

 

 

 

 首領ザルーグが倒れると、あっという間にその姿が消えていく。

 

「…ミーネ女医も、チックもクリフ警備員も居ない。逃げたか?」

「いや、カードになっている。ただの盗賊だと思って居たが、カードの精霊だったのか」

 

 とはいえ、女医が居なくなったブルー女子寮、管理人が居なくなったレッド寮はどうなるのか、と思考をもこっちは巡らしていた。



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MOKOCCHIとアビドス三世

神官が反乱起こしたり、盗賊王がゾークを復活させたりしてきたアテム。
神官から手抜きされつづけたアビドス三世。

どちらの方が幸せなのでしょうか?


 錬金術の授業にて。

 

「武藤遊戯、海馬瀬人。デュエルモンスターズの一時代を築き上げた二人ですが、

古代エジプトにもデュエルの神と呼ばれたファラオがいたんだニャ。」

「うお、デュエルの神だってよ!すげ~な。待てよ、そんな昔からあるのか?デュエルって。」

「古代エジプトでは石板を使ってデュエルをしていたんスよ。」

「その名はアビドス3世。生涯無敗の伝説を残した、デュエルの神と呼ばれた少年王なんだニャ。」

「生涯無敗!凄いんだな。」

「すっげ~。デュエルしてみて~。」

 

 

「デュエルの神、かぁ…」

「デュエルの腕は高くとも、ユリウスカエサルには勝てなかったようだな」

「…あれ?攻め込まれて征服されている。何で?」

「さぁな。答えはエジプトの砂だけが知っている」

「詩人のつもり?」

「……今のは忘れろ」

 

 

 半眼で顔をそむけるもこっちと、口元を抑えて笑いを抑えるゆうちゃん。

 

 

 

 

 灯台にて

 

「兄さん、まだ意識が戻らないの…。」

「……」

「私には見守る事しか出来ない…兄さんの力になりたいのに…。」

「明けない夜は無い…。」

「!!」

「俺に言ったのはお前だろう。」

「……ええ。少し元気が出たわ。」

 

 

 

 もこっちは自室にて古代エジプトの歴代ファラオの名前と業績について簡潔にまとめる。

 

「アクナムカノン王。隣国が侵攻の準備をしていたのにも関わらずろくに対策を講じず、攻め込まれ国土を蹂躙されてから行動に動いた暗愚。

セト王。目立った失策は無し。親友が居たらしく、彼に向けての詩を残す…」

 

 本人たちが聞けば激怒しそうな内容を記していくもこっち。

 うっかり歴史に名前を残すと大変。女体化されて萌えキャラにされたり。

 

 

 窓の外が光り、もこっちはディスクとデッキを素早く手に取る。

 

「狙いは私か。」

 

 光が収まると、そこには誰も残っていなかった。

 

 

 

 

 船の上にて。もこっちは辺りを見渡す。黄金のマスクをつけた少年と、古代エジプトを連想させる服装の男たち。

 

「…ここは…」

「お前が鍵の守護者だな?」

 

 呼びかけられ、もこっちはそちらを向く。

 

「…いかにも」

「余の名はセブンスターズの一人、アビドス3世。そなたの持つ七精門の鍵を、貰い受ける。」

「生涯無敗のデュエルの神」

「そうだ。余は生涯無敗のデュエリスト!」

「ユリウスカエサルには勝てなかったようだが?」

「……」

 

「ファラオに対して、何と無礼な!」

「まぁ、彼はデュエリストでは無くて政治家だから仕方ないか。では始めよう」

 

 

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

アビドス三世 ライフ4000

手5 場 

 

 

「余の先攻、ドロー。余はファラオのしもべを守備表示で召喚。」

「…レベル2の通常アンデット族を…」

「そしてカードを二枚伏せる。ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

アビドス三世 ライフ4000

手3 場 ファラオのしもべ 伏せ2

 

 

 

「私のターン、ドロー!メカ・ハンターを召喚。バトル!メカ・ハンターでファラオのしもべを攻撃!」

 

 攻撃が通る。

 

「…通った?私はカードを一枚伏せる。ターンエンド」

「エンドフェイズ、永続罠、第一の棺。」

「…第一?」

 

 

 奇妙な棺が現れる。

 

「エンドフェイズに第二の棺を発動する。」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 メカ・ハンター 伏せ1

アビドス三世 ライフ4000

手3 場 伏せ1 第一の棺 第二の棺

 

 

「余のターン。ドロー。王家の守護者を召喚。罠発動!同姓同名同盟。デッキから二体の王家の守護者を特殊召喚。

魔法カード、デルタアタッカーを発動。場に同名の通常モンスターが居る時、ダイレクトアタックが可能になる」

「900の三回のダイレクトアタック…」

「永続魔法、一族の結束。これで攻撃力1700のモンスター3体でのダイレクトアタックとなる。バトル!王家の守護者でダイレクトアタック!」

「罠発動!聖なるバリアミラーフォース!攻撃モンスターを全て破壊する!」

「…ターンエンドだ」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 メカ・ハンター 

アビドス三世 ライフ4000

手1 場 一族の結束 第一の棺 第二の棺

 

 

「私のターン、ドロー!場のメカ・ハンターを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚!効果発動!コイントスを三回行い、表が二枚出れば相手のカードを一枚破壊する。

ターゲットはその棺!コイントス!裏、表…裏」

「こやつ、余の棺を壊そうとしたただと…」

「…永続魔法、エンジンチューナーを発動。場の機械族モンスターは攻撃表示となり、その守備力分攻撃力がアップする。よって攻撃力は1200の半分、600アップして

2900!バトル!ダイレクトアタック!」

「ぐううっ?!」ライフ4000から1100

 

 

「カードを伏せ、ターンエンドだ」

「そなた、何を考えている…」

「勝つ事だ」

「今まで、余の棺を壊そうとしてきた者は居なかった」

「…なるほど。読めてきたぞ、古代エジプトのファラオ、アビドス三世の真実が」

「……」

「ローマの脅威がエジプト王朝で高まり、それに対するファラオは目立った業績が無い。

故に手加減してデュエルでは無敗の伝説でもって権威づけをした。カエサルに敗れても国を維持する為の宣伝材料。」

 

 沈黙するアビドス三世の回りの兵士。

 それがもこっちの推理が何よりも正しい事を証明していた。

 

「…そう、か。誰も、余と本気でデュエルしてくれなかったのだな。カエサルも…」

「来い、アビドス三世。私は本気でデュエルをしている。しかし、あのカエサルが手加減したというのか?意外だな」

「エンドフェイズだ!第三の棺、発動!この三つの棺を墓地に送り、デッキからスピリッツオブファラオを特殊召喚!」

 

 黄金のファラオが現れる。

 

「攻撃力2500…いや、一族の結束で攻撃力3300か」

「いいや。スピリッツオブファラオが特殊召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のアンデット族通常モンスターを可能な限り特殊召喚する。」

「…攻撃力の上昇は消えたな。これではブローバックドラゴンを倒せまい。ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 ブローバックドラゴン エンジンチューナー 伏せ1

アビドス三世 ライフ1100

手1 場 スピリッツオブファラオ ファラオのしもべ 王家の守護者 王家の守護者 王家の守護者 一族の結束 

 

 

「余のターン、ドロー!場の王家の守護者を生贄に、魔法カードモンスターゲートを発動!デッキの上からカードを捲り、その中のモンスターを特殊召喚!

一枚目、玉砕指令、二枚目、突撃指令、三枚目、魔の試着部屋、四枚目、モンスターカード、ファラオのしもべ。」

 

 現れるファラオのしもべ。これはさほど脅威では無い。脅威なのは…

 

「王家の守護者が墓地に入った事で攻撃力が800アップする…」

「バトル!スピリッツオブファラオでブローバックドラゴンを攻撃!」

「罠発動!砂塵の大竜巻!これで一族の結束を破壊する!」

「?!このタイミングで?!ぐっ、これでは!」

「反撃だ!ブローバックドラゴン!」

「ぐわぁああああ?!」ライフ1100から700

 

「次のターン、ブローバックドラゴンで攻撃表示で呼び出したファラオのしもべを攻撃すれば私の勝ちだな?」

「…見事。ターンエンドだ!」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 ブローバックドラゴン エンジンチューナー 

アビドス三世 ライフ700

手1 場 ファラオのしもべ ファラオのしもべ 王家の守護者 王家の守護者 

 

 

 

「私のターン、ドロー!ブローバックドラゴンでファラオのしもべを攻撃!」

 

 ブローバックドラゴンの射撃がファラオのしもべを撃ち抜き、アビドス三世のライフも尽きる。

 

「……」ライフ0

 

 

「楽しかった…。こんなに良いデュエルが出来るとは、負けて悔いなしだぞ。では、さらばだ。」

「…去ったか。」

 

 

 もこっちは踵を返し立ち去る。

 

 残るセブンスターズは、二人。



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明日香VS闇のデーモンデッキ!

【チェスデーモン】はかなり面白いデッキだと思います。



 

 保健室にて。

 天上院は兄の傍で看病しつつため息をつく。

 

「兄さん…一体いつになったら私の名を呼んでくれるの?」

「貴様の兄の記憶を取り戻したくはないか?」

 

 空間が歪み、黒いデュエルコートを来た男が現れながら告げる。

 

「なんですって!」

「取り戻したくば私と一緒にくるんだ!」

「わかったわ。」

 

 

 妹と男の後を追おうとして、崩れ落ちる天上院吹雪。

 

 

 

 自室にて、もこっちは資料を調べる。

 

「ユリウスカエサル…覇権を知らしめるために、世界中から7つの宝石を集めて石版を作ろうとした。

その宝石はローマに運ばれる途中、嵐によって海の藻屑となった。現在はペガサス会長の手によりサルベージされている…

アビドス三世とのかかわりは余り無いな。」

 

 これ以上調べようとするのであれば、それこそタイムマシンでも無ければ不可能だろう。

 そう考えていると電話がなる。

 

「…どうした、万丈目」

「さっき、そこでカイザーに合った。だが天上院君の姿が見えないらしい。一緒に探してくれ!」

「分かった」

 

 セブンスターズだろうと推測しつつ向かうもこっち。

 

 

 

 皆が捜索している同時刻。

 天上院は一人、男と対峙する。

 

「私が勝てば、兄の記憶は戻るのね?」

「フハハハハ、勝てれば、な」

 

 

 

デュエル!

 

タイタン ライフ4000

手5 場 

明日香 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!手札のジェネラル・デーモンを捨てて、デッキからフィールド魔法万魔殿ー悪魔の巣窟を手札に加え、発動!」

「デーモンデッキ?!」

「そして、インフェルノ・クィーンデーモンを召喚。永続魔法、一族の結束を発動!これにより、クィーンデーモンの攻撃力は800アップして、1700!

カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

タイタン ライフ4000

手2 場 インフェルノクィーンデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1

明日香 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!」

「この瞬間、インフェルノクィーンデーモンの効果発動!場のデーモンの攻撃力を1000アップ!よって攻撃力はぁ、2700!」

「厄介ね…なら、私はサイバー・チュチュを召喚!このカードはこのカードより攻撃力の高いモンスターしかいなければ、ダイレクトアタックが出来る!

バトル!サイバー・チュチュでダイレクトアタック!」

「ぐっ…」ライフ4000から3000

 

「メインフェイズ2、融合を発動!エトワールサイバーとブレードスケーターを墓地に送り、

サイバー・ブレイダーを融合召喚!カードを伏せて、ターンエンドよ」

 

 

タイタン ライフ3000

手2 場 インフェルノクィーンデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1

明日香 ライフ4000

手1 場 サイバー・チュチュ サイバー・ブレイダー 伏せ1 

 

 

「私のターン、ドロー!インフェルノクィーンデーモンの効果発動!また攻撃力は2700になる!さらに、ジェノサイドキングデーモンを召喚!

一族の結束で攻撃力は2800!」

「サイバー・ブレイダーの効果発動!相手モンスターが二体の時、攻撃力は二倍になる!」

「フハハハハ…装備魔法、堕落を発動!相手モンスターのコントロールを得る。さぁ、こっちに来い!」

「?!リバースカードオープン、サイクロン!私は堕落を破壊する!」

「ちっ…バトル!ジェノサイドキングデーモンでサイバー・チュチュを攻撃!」

「きゃあああああああああ?!」ライフ4000から2200

 

 

 凄まじい衝撃に吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる天上院。

 

 

「な、何なの…今のは」

「これが、闇のゲームの醍醐味だ。私はインフェルノクィーンデーモンを守備表示に変更。ターンエンドだ」

 

 

タイタン ライフ3000

手1 場 インフェルノクィーンデーモン ジェノサイドキングデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1

明日香 ライフ2200

手1 場 サイバー・ブレイダー 

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

「インフェルノクィーンデーモンの効果発動!ジェノサイドキングデーモンの攻撃力を1000アップ!これで攻撃力は3800!」

「でもまだ、サイバー・ブレイダーには及ばない!バトル!ジェノサイドキングデーモンを攻撃!」

「ぐうううっ?!」ライフ3000から2600

 

 ジェノサイドキングデーモンが蹴り飛ばされそうになるが、サイバー・ブレイダーが蹴り飛ばしたのは別の悪魔、デスルーク・デーモンだ。

 チェックメイト後のキャスリングは反則、と言いたげなサイバー・ブレイダー。

 

「ぐっ!手札のデスルーク・デーモンの効果発動!手札から捨てて、墓地から破壊されたジェノサイドキングデーモンを特殊召喚!」

「くっ…でも、モンスターが二体居る事で、サイバー・ブレイダーの攻撃力は4200よ!」

 

 主の言葉に胸を張り、眼前のデーモンを見るサイバー・ブレイダー。

 

「ターンエンド!」

 

タイタン ライフ2600

手0 場 インフェルノクィーンデーモン ジェノサイドキングデーモン 万魔殿悪魔の巣窟 一族の結束 伏せ1

明日香 ライフ2200

手2 場 サイバー・ブレイダー 

 

 

「私のターン、ドロー!…礼を言うぞ、私のデッキよ」

「な、何?何を引いたの?」

「インフェルノクィーンデーモンの効果発動!ジェノサイドキングデーモンの攻撃力を1000アップする!

よって攻撃力は3800!」

「だからどうしたのよ!今のサイバー・ブレイダーの攻撃力は4200!

もしも貴方がモンスターを召喚し、モンスターが三体になれば、第三の能力が発動し、タイタン。貴方の場のカードは全て無効になるわ!」

「魔法カード、ディスカバード・アタックを発動!場のデーモンを生贄に捧げる事で、このターン、ジェノサイドキングデーモンのダイレクトアタックを可能にする!

インフェルノクィーンデーモンを生贄に捧げる!」

 

 タイタンの言葉に、その身を炎に変えるインフェルノクィーンデーモン。

 その炎を纏い、ジェノサイドキングデーモンは咆哮を上げる!

 

「そ、そんな…」

「貴様はチェスを知っているか?全ての駒には、役割があり、勝利の為に動く。」

「私が、負ける…攻撃力4200のモンスターが居るのに」

「攻撃力だけでは勝てない。天上院よ。闇の決闘者として再生するがいい!バトル!ジェノサイドキングデーモンでダイレクトアタック!」

 

 地獄の業火を纏ったジェノサイドキングデーモンは駆ける。立ちはだかるサイバー・ブレイダーの蹴りを躱し、

 天上院を襲う!

 

「きゃあああああああああ?!」ライフ0

「フハハハハッ!勝った、勝ったぞ!」

 

 

 深夜の廃寮で、タイタンは笑う。



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MOKOCCHIVS明日香!

デュエルコートは色々と謎です。
あれはかなり動きづらいと思うのですが、クロノス教諭、ナポレオン教頭、タイタンはどう思って居るのでしょうか?


 廃寮付近にて。

 

「…何処だ?」

 

 手がかりが無い。どうした物か、悩んでいると

 物音が聞こえる。そちらに目を向けると。

 

 

 

「ふふっ。待っていたわ、黒木」

「天上院?何だその服装は」

 

 明日香はブルー女子の制服では無く、上下黒のデュエルコートを着ている。

 

「…セブンスターズに敗れて洗脳されたか?」

『違うな、これは堕落、だ』

「堕落…セブンスターズはデーモンデッキ使いか。仕方ない、天上院、デュエルだ」

「今度は私が勝つわ!!」

 

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

明日香 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「私のターン、ドロー!エトワールサイバーを召喚!ターンエンド!」

「何?」

 

 召喚されたエトワールサイバーは、伏せも無しに攻撃表示で場に出された事に当惑する。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

明日香 ライフ4000

手5 場 エトワールサイバー 

 

 

「私のターン、ドロー!ツインバレルドラゴンを召喚!効果発動!コイントスを二回行い、表が二枚出れば相手モンスターを破壊する」

「何それ、確率25%じゃない」

「それはどうかな?今のお前相手に外すほど、腑抜けてはいない。コイントス!表、表!」

「なっ?!」

 

 銃撃を浴び、破壊されるエトワールサイバーは不思議と安らかな表情を浮かべている。

 

「バトル!ツインバレルドラゴンでダイレクトアタック!」

「きゃあああああああ?!」ライフ4000から2300

「永続魔法、機甲部隊の最前線を発動。カードを伏せてターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 ツインバレルドラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1

明日香 ライフ2300

手5 場 

 

 

「やってくれたわね!私のターン、ドロー!増援を発動!デッキからブレードスケーターを手札に加える!さらに戦士の生還を発動!

墓地よりエトワールサイバーを手札に戻す!そして融合発動!手札のブレードスケーターとエトワールサイバーを融合!

来なさい!サイバー・ブレイダー!」

「私のモンスターは一体のみ、発動する効果は戦闘破壊耐性か」

「そうよ!そして永続魔法、一族の結束!これでエトワールサイバーの攻撃力は2900になるわ!バトルよ!ツインバレルドラゴンを攻撃!」

 

 サイバー・ブレイダーが迫り、蹴りでツインバレルドラゴンを粉砕する。

 

「……機甲部隊の最前線の効果発動、さらにチェーンして罠発動!」ライフ4000から2800

 

 もこっちの後ろに巨大な機械が現れる。

 

「?!時の機械タイムマシーン?!」

「再起動しろ、ツインバレルドラゴン!効果発動!ターゲットは、一族の結束!」

「?!当たる訳が無いわ!」

「当たる。今のお前が相手なら。コイントス!表表ッ!」

「なっ?!」

「そして機甲部隊の最前線の効果でデッキからキャノンソルジャーを特殊召喚!」

「モンスターが二体になった事で、サイバー・ブレイダーの攻撃力は倍の4200になるわ!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

 

もこっち ライフ2800

手3 場 ツインバレルドラゴン キャノンソルジャー 機甲部隊の最前線 

明日香 ライフ2300

手0 場 サイバー・ブレイダー 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!二体のモンスターを生贄に!リボルバードラゴンを召喚!」

「リボルバードラゴン?!またギャンブルに頼るつもり!貴女はどうして」

「安定したデッキを使わないのか、とでも言いたいのか?私がどんなデッキを使おうと私の勝手。

コイントス!ほら、表、表、表!」

「い、イカサマよ!」

「イカサマでは無い。日本硬貨にイカサマできるはずが無いだろう。砕け散れ、サイバー・ブレイダー!」

「そ、そんな…どうして…」

「バトル!リボルバードラゴンでダイレクトアタック!」

「きゃあああああああ?!」ライフ0

 

 

 

 

 倒れた天上院から、堕落のカードが堕ちる。

 

『堕落、の影響は消えたようだ』

「…先に進むか」

 

 

 廃寮の中でデュエルが行われており、もこっちがたどり着くと

 

「魔法カード、サイクロン!一族の結束を破壊するぜ!」

「甘いわぁ!私が破壊対策をして居ないと思ったか!罠発動!悪魔の手鏡!サイクロンの対象を一族の結束から、お前の伏せカードに変更する!」

「ならばこれだ!チェーンして罠発動!ヒーローズルール1 ファイブ・フリーダムス!お前の墓地からジェネラルデーモン!ジェノサイドキングデーモン!

デスルークデーモン!インフェルノクィーンデーモン!プリズンクイーンデーモンを除外する!」

「ぬわぁあああ?!私のデーモンたちが?!」

「これで迅雷の魔王の攻撃力は2500に戻るぜ!バトルだ!シャイニグフレアウィングマンで迅雷の魔王を攻撃!」

「ぶるわぁあああ?!ま、またしても負けると言うのかぁ?!」

「シャイニグフレアウィングマンの効果発動!破壊した迅雷の魔王の攻撃力分のダメージを与える!」

「ぶるわぁあああああああ?!」

 

 

 

 敗れた物の、タイタンは真っ直ぐ背を伸ばして遊城を見る。

 遊城もタイタンを真っ直ぐ見る。

 

「また、負けた…か。その強さ…、闇のデュエリストとして闇に迎え入れたい逸材…。

このデュエル・コートはお前にあずけておいてやる。さらばだ」

 

 予備であろうデュエル・コートを投げ渡すタイタン。

 黒いスライムのような魔物が現れるが、チェスデーモンが現れて一瞥すると怯えたように逃げ去っていく。

 タイタンはそのまま何処かへ去っていく。

 

 

 

 

「…預ける、って言われてもなぁ…」

 

 タイタンとおそろいのデュエルコートを持ち上げ、遊城が困ったような顔を浮かべる。

 

「デュエルディスクの予備にでもすればいいだろう?」

「って黒木?何時からいたんだ?」

「先ほどだ。墓地除外が遊城の出した答えか」

「ああ!本当は破壊したいんだけれど、やっぱり破壊は対策されていてさ。それより明日香を見なかったか?」

「入口に居た。こっちだ」

 

 皆を誘導するもこっち。

 

 

「明日香!?なんだこの格好は!タイタンとおそろいじゃないか!」

「タイタンというのか?そいつに敗れてこの服を着せられたのだろうな。」

「う、うーん…」

「気が付いたようだな…そちらは天上院吹雪さんか?」

「ああ。ほら、吹雪さん」

 

 

「……明日香!」

「お帰りなさい!兄さん!」

「心配かけたな、明日香。」

「なぜ兄さんが闇のデュエルを行うような、セブンスターズの一員となってしまったの?」

 

 直前で闇落ちしていたお前が言うのか?と絶対零度の視線を浴びせるもこっち。

 ただし二人きりの世界に入り込んでおり、効果は無かった。

 

 

「望んだわけでは無い。闇に引きずり込まれたんだ。闇の中で繰り返される、悪夢のようなデュエルの修行だった。

その直前で覚えて居る事は、この寮で闇のゲームの授業を受けていた事。」

「授業?!闇のゲーム!そんな…一体…。」

「その授業を行って居たのは、大徳寺先生だ。」

「まさか?!大徳寺先生が!」

「そろそろ戻ろう。」

「この事は大徳寺先生本人に会った時に聞くしかないわね。」

 

 

 そう言って立ち去っていく天上院兄妹。もこっちはため息をついて懐中電灯を取り出す。

 

「どうした、黒木」

「男は帰れ。今から捜索する」

「大徳寺先生をか?」

 

 

「着替えさせられた、と言う事は天上院の制服がこの廃寮のどこかにあるはず。回収しておかないと」



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学園祭デュエル!魔導の執行官とアマゾネスペット虎!

パンドラ版のブラマジは記憶編ではどんな立ち位置だったのでしょうか?


 デュエルアカデミアの学園祭。

 ブルー寮は喫茶店、ラーイエローは屋台。レッドはコスプレデュエル大会。

 

『少しいいか?』

「どうした、ショッカー?」

『三幻魔復活阻止、として協力している仲間が一人、この世界に来ている』

「情報交換か。精霊界側の動向も気になる。」

 

 

 歩いていくと、死のマジック・ボックスが浮かんでいる。

 

「…これは。なるほど、サイコショッカー。協力者とやらはブラック・マジシャンか?」

『いかにも。お初にお目にかかる』

 

 赤紫の衣装を纏い、褐色の肌に白色の髪、不敵な表情のブラック・マジシャンが現れる。

 

「…パンドラ、という決闘者を知っているか?」

『片時も忘れた事は無い』

 

 即答され、もこっちは軽く肩をすくめる。

 

『さて、そちらはどうだ?こっちは人間側の駒は6つが倒れ、残るは一つ』

『拠点は潰した。後は残党狩りだ。トラゴエディアが後ろ盾でなくてよかった』

『当たり前だな、三幻魔が復活すれば奴自身が危ういのだからな…この件については共同戦線を敷けたのでは?』

『奴が何をしたのか知っていて、それを言うのか?』

『…そう、だな。』

 

 

 かなり因縁のある相手が居るらしい。

 話は終わったようで、こちらに向けられた視線にたいし、もこっちは告げる。

 

「…所で、折角この世界に来たのだ。今はお祭りで、外部の者も参加している。羽を伸ばしていったらどうだ?」

『遊んでいる場合では…いや、そうだな。折角来たのだから楽しんでいくか。』

「実体化に必要なエネルギーは用意しよう」

『これは…生まれる時代が違えば、神官団に入れただろうな…』

 

 

 実体化したブラック・マジシャンを連れて、もこっちはレッド寮へ向かって歩く。

 どうやら最初のデュエルが終わったらしい。

 

 

『…アイツは。また抜け出したのか。』

「知り合いか?」

 

 金髪のブラック・マジシャン・ガールのコスプレをして居る女の子を見、もこっちは問う。

 

『知り合いの弟子だ。まぁ、黙っておくか。困るのはあいつ自身だからな』

 

 

 

 

 レッド寮のステージ

 

「さぁ!次の対戦は…」

「丸藤、外部の人を連れて来た。枠は空いて居るか?」

「へ?外部の人?」

「こちらです、ミスター。」

 

 悠然とステージに向かって歩くブラック・マジシャン。

 その顔を見て、ブラック・マジシャン・ガールのコスプレをした女の子は驚く。

 

「おおっ?!ブラック・マジシャンのコスプレか!ってなんか違うな」

「あれはグールズのNo2、ブラック・マジシャン使いのパンドラが使って居たというブラック・マジシャンのコスプレだな。」

「遊戯さんと戦った、あの伝説の決闘者か!」

 

 

 遊戯、の名前を聞いてわずかに顔をしかめるブラック・マジシャン。

 

『道案内、ありがとう。さて、少年。枠が空いているなら参加させて欲しいのだが』

「え、えっと、はい。枠は大丈夫ですけれど…」

『対戦相手は…XYZドラゴンキャノンか。』

「この格好で出来るか!」

『別の人にディスクを持ち、カードを引いて貰い、プレイングして貰えば出来るだろうに。

そうだな、道案内ついでに、デュエルの相手も頼めないか?』

「これはコスプレデュエル大会ですから…三沢、では無かった。アマゾネスペット虎!」

 

 観客席をみて、もこっちはその名前を呼ぶ。

 

 

「?!俺か!」

「相手はブラック・マジシャンだが、デュエルの準備は出来ているか?」

「勿論だが…困ったな、相手がブラック・マジシャン使いなら光のデッキを使うべきだが…」

 

 その言葉に、ブラック・マジシャンが反応する。

 

 

『待て、どういう事だ?複数のデッキを使うのか、彼は』

「はい。彼はコスプレに合ったデッキと、ミスターと相性の良いデッキのどちらを選べばいいか悩んでいるようで」

『ふむ。ミサワ、と言ったか。』

「は、はい!」

『その恰好で光属性のデッキ、というのはおかしいだろう。それとも君の地属性デッキは、ブラック・マジシャン相手では力不足なのか?』

「そんな事は無い!そうだ、悩むまでも無かった。では、動かざる事地の如し!地のデッキで相手をします!」

 

 

 

 

デュエル!

 

ブラマジ ライフ4000

手5 場 

三沢 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は巨大ネズミを攻撃表示で召喚!さらにフィールド魔法、ガイアパワーを発動。

場の地属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップ!ターンエンドだ!」

 

 

ブラマジ ライフ4000

手5 場 

三沢 ライフ4000

手4 場 巨大ネズミ ガイアパワー 

 

 

『私のターン、ドロー!私はライフを半分払い、魔法カード、黒魔術のカーテンを発動!』ライフ4000から2000

「黒魔術のカーテン?!ブラック・マジシャンをデッキから呼び出す魔法カード!」

『現れろ!我が分身!ブラック・マジシャン!』

 

 パンドラ版の褐色の肌に不敵な笑みを浮かべたブラック・マジシャンが現れ、三沢を睨み付け、杖を構える。

 

 

「ブラマジキター!ちょっと違うけれど」

『バトルだ、行け、ブラック・マジシャン!魔連弾!』

 

 ブラック・マジシャンが消える。周りを見渡している巨大ネズミの後ろに現れ、魔法の弾を連射し、後ろから撃ち抜く!

 悲鳴を上げて破壊される巨大ネズミ。

 

「ぐっ?!だが巨大ネズミの効果発動!現れろ、磁石の戦士γ!」ライフ4000から3400

 

 磁石の戦士が現れ、ブラック・マジシャンと対峙する。

 

『磁石の戦士…カードを伏せ、ターンエンドだ』

 

 

ブラマジ ライフ2000

手4 場 ブラマジ 伏せ1

三沢 ライフ3400

手4 場 磁石の戦士γ ガイアパワー 

 

 

「俺のターン、ドロー!よし!俺は手札の磁石の戦士α、βと場のγを生贄に、現れろ、磁石の戦士マグネット・バルキリオン!」

 

 三沢の場に、磁石の戦士が分離し、そのパーツが合体して大型モンスターになる。

 もこっちは目を凝らすが、構えている大剣が何処から出て来たのか不明だった。

 

「おーっと!アマゾネスペット虎!強力なモンスターを召喚したぞー!」

「攻撃力は3500。ブラマジでも敵わない」

 

「まだだ!俺は場のバルキリオンを生贄に、墓地よりα、β、γを特殊召喚!」

 

 合体を解除して現れる三体の磁石の戦士達。

 

「そしてライフを800払い、早すぎた埋葬を発動!

蘇れ、バルキリオン!」ライフ3400から2600

 

「な、なんと―!一気に四体のモンスターが揃ったぞー!」

「攻撃力の合計は8100、勝負あったか」

 

「バトルだ!マグネット・バルキリオンでブラック・マジシャンを攻撃!」

 

 巨大な剣に襲われ、ブラック・マジシャンは迎撃するも攻撃を凌げず、撃破される!

 

『…』ライフ2000から1000

「よし!行け、磁石の戦士β!」

『永続罠、正統なる血統。蘇れ、ブラック・マジシャン』

「?!バトルは中止。ターンエンドだ」

 

 

 

ブラマジ ライフ1000

手4 場 ブラマジ 正統なる血統

三沢 ライフ2600

手1 場 バルキリオン α β γ 

 

 

『私のターン、ドロー!私はブラック・マジシャンを生贄に、このカードを特殊召喚する!

現れろ!黒魔導の執行官!』

「ブラック・エクスキューショナー?」

 

 ブラック・マジシャンが変わっていく。

 全体的に装飾が施され、持っている杖も邪悪な気配を漂わせる。

 

「おおっと?!ブラマジさん、ブラマジを生贄に新たなモンスターを召喚したぞー?!」

「何だ、あのモンスター…初めて見るぞ」

 

 

『行くぞ。魔法カード、竜破壊の証を発動。デッキ・墓地からバスター・ブレイダーを手札に加える』

 

 次の瞬間、執行官の杖に魔力がともる

 

『黒魔導の執行官の効果発動。暗黒の呪縛!!』

「ぐううう?!」ライフ2600から1600

 

 三沢の身体を黒い球体が覆い、電撃が浴びせられる!

 

 

『執行官の効果は、通常魔法が唱えられるたびに、相手に1000のダメージを与える。更に通常魔法、召喚師のスキルを発動。デッキからブラック・マジシャンを手札に加える』

「通常魔法、と言う事は…うわぁああああああ!」ライフ1600から600

『融合を発動。手札のバスター・ブレイダーとブラック・マジシャンを墓地に送り、現れろ、超魔導剣士ブラック・パラディン!』

 

 

 現れたのは、パンドラ版ブラック・マジシャンがブラック・パラディンになった姿だ。

 褐色の肌に不敵な笑みを浮かべ、剣を構える。

 これはこれでアリだと思うもこっち。彼が弟子を取った場合、不敵な笑みを浮かべた褐色肌のブラマジガールになるのだろうか?

 それはそれで見てみたいと思って居る前で、執行官の杖に魔力がともる!

 

『ブラック・エクスキューショナーの効果発動。1000ポイントのダメージを与える。カースド・ライトニングッ!』

「うわぁああああああ!」ライフ0

 

 

「しょ、勝者!ブラック・マジシャン!」

 

 これが精霊界の重鎮の実力か。

 まだ見ぬ強者がいる世界を想い、もこっちは冷徹に今の実力と相手の実力を比較する。



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MOKOCCHIとギャンブラー!

GXのボーイ(明日香と対戦したギャンブラー)と、5Dsのレオ(クロウと対戦したゾラの息子)。セカンドチャンスを対戦相手に批判されていますが、ギャンブルデッキであってギャンブルでは無いのだから批判されるいわれはないと思います。

まぁ、どちらも褒められた人格では無いですが、まるでセカンドチャンスが悪いカードみたいに批判するのはどうかと思います。明日香とクロウに出たら目とゾークの組み合わせを披露したら彼ららしからぬ暴言が飛び出しそうで怖いです。


 その日、もこっちが校長室の前を通りかかると人だかりが出来ていた。

 

「どうした?」

「あ、黒木。実は変な奴が七精門の鍵を守りに来た、と売り込みに来ているんだ」

「鍵を守りに…セブンスターズも落ちぶれた物だな。同じ手を二度も使うとは」

「黒木?」

 

 もこっちは校長室に入る。何故かズボンがずり落ちているクロノス教諭、ダメージを受けている倫理委員会のメンバー。

 そして見慣れぬ、眼鏡をかけ、白いスーツを着た少年。

 

「ん?誰だお前は!」

「やっとお出ましか、最後のセブンスターズ。」

「はぁ?」

 

「さ、最後のセブンスターズ?!黒木さん、彼がそうだと言うのですか!」

「ザルーグも鍵を守ると言ってやってきました。」

「違う!俺はセブンスターズとやらでは無い!」

「セブンスターズの中に、お前と同じことを言って鍵を盗み出そうとした相手が居た。

今のお前は限りなく黒に近い。何より、教職員に危害を加えている。デュエルだ。そちらが勝てば、この鍵を持っていけ。

だが私が勝てば、大人しく出ていけ」

「…いいだろう。」

 

 

 

 デュエルは一時間後。デッキの確認をしているもこっちに、明日香が話しかける。

 

 

 

「黒木、ちょっといい?」

「構わない」

「彼は光雄っていうの。小学生の頃に転校してきて…」

 

 天上院の話を要約すると、金持ちで、自分が勝つまで賭けをして、クラスの生徒から宝物を次々と奪い、

 天上院からもアンティで赤いスカーフを奪われたという。

 

「そんな事か」

「そんな事って、許せないわ」

「おかしなことを言う。海馬オーナーも高校生の頃に同じような事をやっていたと聞く」

「?!」

「転校を繰り返してレアカードを集めていたという。まぁ…セブンスターズであれ、そうでないにしても蹴散らして置こう」

「…今の彼は、カジノでボーイをしているそうよ。ギャンブラーとして」

「ギャンブラー?なるほど、それは楽しみだ…少々、デッキを弄る事にする。」

 

 もこっちはそう言うと自室へカードを取りに戻る。

 

 

 デュエルリングにて。

 もこっちと光雄は対峙する。

 するとボーイが近づいてきてデッキのシャッフルを求めて来る。

 

「デッキのシャッフル?」

「ギャンブラーの間には、こういう言い伝えがある。友達は信用すべし、ただしカードだけはカットせよ」

「男女の友情が成立するかどうか、については議論の余地ありだが、シャッフルするという点は同意だ。

凄腕のギャンブラーと聞いて居る。セブンスターズであれ、そうでないにせよ、楽しみだ」

「だから俺はセブンスターズじゃあねぇ!」

 

 シャッフルを済ませ、互いに定位置につく。

 

 

デュエル!

 

 

ボーイ ライフ4000

手5 場 

もこっち ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!ギャンブル天使バニーを召喚!」

 

 バニー姿の女の子が現れる。

 可愛いッス、という雑音を無視して、もこっちは対戦相手の動きを見る。

 

「このカードはコイントスを行い、当たれば相手に1000のダメージを与え、

外せば1000のダメージを俺は受ける」

「暴れ牛鬼と同じ効果と攻守だな…」

「ふっ、裏を宣言して、コイントス!」

 

 だが出た目は

 

「表だな。」

「ククク、もう一度だ」

 

 その言葉に片方の眉を器用に跳ね上げるもこっち。

 そしてその視線はフィールドの一点を見る。

 

「…?!セカンド・チャンス」

「セカンド・チャンスは、コイントスを要求する効果が発動している時、そのコイントスをやり直すことができるのさ。もう1度……裏だ!」

「当たり…私は1000のダメージを受ける」ライフ4000から3000

 

 降り注ぐコインに無反応なもこっち。

 

「カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

ボーイ ライフ4000

手3 場 ギャンブル天使バニー セカンドチャンス 伏せ1

もこっち ライフ3000

手5 場 

 

「私のターン、ドロー!時の魔術師を召喚!」

「と、時の魔術師?!当たれば相手モンスターを全て破壊、外れれば自分のモンスターを全て破壊し、攻撃力の半分のダメージを受ける」

「ちなみに、私のデッキにセカンドチャンスは無い。当たればそのバニーは1000年後の姿に、外れれば無事と言う訳だ」

 

 ギャンブル天使バニーが怯えた表情を見せる…精霊か。ボーイには見えていないようだが。

 

 

 

「表を宣言!タイムルーレット!」

『タイムルーレット!』

 

 時の魔術師がルーレットを回す。

 手に汗握る一瞬。ギャンブルデッキの醍醐味でもある。

 だが出た目は…

 

 

「外れか。時の魔術師は破壊され、その攻撃力の半分、250のダメージを受ける」ライフ3000から2750

 

「は、ハハハ!保険も無しにするからそう言う目にあうんだ!」

「そうか?負けたら痛い目見るから、博打は面白いと思うのだが?」

 

 

 何コイツ、やべぇ。そういう目をギャンブル天使がもこっちに向ける。

 

「永続魔法、デンジャラスマシンTYPE6を発動!カードを4枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

ボーイ ライフ4000

手3 場 ギャンブル天使バニー セカンドチャンス 伏せ1

もこっち ライフ2750

手0 場 デンジャラスマシンTYPE6 伏せ4

 

 

「何だろう、もこっちらしくない。」

「徹底的なギャンブルデッキとは確かに珍しい。だが、あの伏せカードが全部ギャンブルカードだとすると、うかつに踏み込めないぞ…」

 

 

「お、俺のターン、ドロー!俺は二体目のギャンブル天使バニーを召喚!いくぞ、コイントス!表を宣言!」

 

 だが、出た目は

 

「裏だな。」

「セカンドチャンス!表を宣言!当たりだ」

「…」ライフ2750から1750

 

 

「もこっち!」

「二体の攻撃が通れば、黒木の負けだ…」

 

 

「バトルだ!」

「ちょっと待った。もう一体の効果は使わないのか?」

「ああ?使うまでも無いだろう?」

「外れた所でライフはまだ3000も残ると言うのに?まぁ、確かに攻撃が通れば勝敗は決するが…

罠発動!運命の分かれ道!コイントスを行い、当たれば2000回復、外れれば2000のダメージ!

私の伏せカードにライフ回復及び、効果ダメージを防ぐカードは無い!!」

「く、狂っている!」

 

 

「黒木!」

「黙って見ていろ、万丈目。ここで外す程度の決闘者に、鍵を守る資格は無い。私は裏を宣言!コイントスッ!当たりだッ!」ライフ1750から3750

「こ、コイントス…表を宣言!…って裏だと!うわぁあああああっ!!」ライフ4000から2000

 

 火炎地獄に包まれる光雄。

 もこっちは冷や汗を人知れずかく。

 

「二体の攻撃では削り切れないが、ここで少しでも削ってきたらどうだ?」

「ば、バトルだぁ!いけ!ギャンブル天使バニー達よ!」

「……」ライフ3750から1350

 

 

「お、俺はこれでターンエンドだ」

「エンドフェイズに永続罠、ニードルウォール!」

 

 巨大な壁が現れ、ギャンブル天使達は怯えた表情を浮かべる。

 

 

 

 

ボーイ ライフ2000

手3 場 ギャンブル天使バニー ギャンブル天使バニー セカンドチャンス 伏せ1

もこっち ライフ1350

手0 場 デンジャラスマシンTYPE6 ニードルウォール 伏2

 

 

 

「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ、デンジャラスマシンTYPE6の効果発動!サイコロを一回振り、出た目によって効果が異なる!

ダイスロール!出た目は…4!さぁ、カードを一枚ドローして貰おう」

「お、俺がドロー?」

 

「ニードルウォールの効果発動!ダイスロールを行うが、私から見てそちらのモンスターゾーンを右から1~5とし、出た目のモンスターを破壊する。

つまり、2か4が出れば、どちらかが破壊される!ダイスロール!出た目は…6」

「6って事は、外れだな!」

「6が出れば、もう一回行う!出た目は…4!そっちのギャンブル天使を破壊する!!」

 

 

 ギャンブル天使バニーが突如現れた壁に押しつぶされ、悲鳴を上げつつ後破壊される。

 

 

「次はこれだッ!リバースカードオープン!カップオブエース!コイントスを行い、表が出れば二枚ドローだが、裏が出れば相手が二枚ドロー!

さぁ、コイントス!…裏か、二枚ドローして貰う」

「ふっ、ドロー効果のギャンブルは失敗してばかりだな?」

「さぁて、それはどうかな?これで相手の手札は6枚。一枚カードを伏せ…」

 

 

 もこっちはコインを握りしめつつ、伏せカードに手を伸ばす。

 

「何を?」

「罠発動!ギャンブル!相手の手札が6枚、私の手札が二枚以下の時に行える!コイントスが当たれば、手札が5枚になるようにドローする!

外れれば次の私のターンはスキップされるがな!裏を宣言、コイントス!裏だ!5枚になるようドロー!」

「ぐっ?!」

 

「リバースカードオープン!融合!手札のリボルバードラゴン、ブローバックドラゴンを融合!出でよ、ガトリングドラゴン!」

「攻撃力2600?!」

「効果発動だ!コイントスを3回行い、表の数だけ場のモンスターを破壊する!つまり、二枚以上表が出れば、ガトリングドラゴンも破壊されてしまう訳だが…」

「正気か?!」

「正気でギャンブルが出来るか!そこのバニーが生き残れるかは、コインだけが知っている!さぁ、!表!そいつの破壊が確定!」

 

 続けてコイントスを行おうとすると、ギャンブル天使が涙目で睨み付ける。

 

「今度は…裏か。もう一度…裏か。よって…ガトリングドラゴン、一斉掃射!」

 

 

 銃撃を打ち込まれて、悲鳴を上げながらギャンブル天使は破壊される!

 

 

「バトルだ!ガトリングドラゴン!ダイレクトアタック!」

「永続罠発動!モンスターBOX!コイントスを行い、当たれば相手モンスターの攻撃力は0になる!」

「そう言えば…先ほど、ドロー効果のギャンブルを外してばかりと言っていたが。セカンドチャンス無しで当たっては居ないよな?」

「ぐっ、表!っつ、外れか」

「そしてセカンドチャンス、か」

「うぐぐっ、表!あ、当たりだ」

 

 急激に回転数が下がり、ガトリングドラゴンは沈黙する

 

 

「……底が見えたな。カードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 

 

ボーイ ライフ2000

手6 場 セカンドチャンス モンスターBOX

もこっち ライフ1350

手2 場 ガトリングドラゴン デンジャラスマシンTYPE6 ニードルウォール 伏せ1

 

 

「お、俺のターン、ドロー!ライフを500払い、モンスターBOXを維持!」ライフ2000から1500

「さぁ、どうする?」

「俺は、三体目のギャンブル天使バニーを守備表示で召喚!効果発動!」

「その、そいつの発動を待っていた!リバースカードオープン!サイコロン!」

「さ、サイコロン?!」

「ダイスロールを一回行い、2、3、4ならば場の魔法・罠カードを一枚破壊。5ならば二枚破壊。1と6なら私は1000のダメージを受ける!ダイスロール!」

 

 

「出た目は…3か。ならばセカンドチャンスを破壊!」

「?!」

「一度宣言したんだ、さぁ、コイントスを行って貰う」

「こ、コイントス!表!……ぐうっ?!」

「裏のようだな?」

「がっ?!」ライフ1500から500

 

 コインが降り注ぎ、光雄にダメージを与える。

 

「お、俺は二枚目のセカンドチャンスを発動!魔法カード、盗人ゴブリンを発動!相手に500のダメージを与え、500回復して、ターンエンドだ」ライフ500から1000

「……」ライフ1350から850

 

 

 

 

ボーイ ライフ1000

手4 場 ギャンブル天使バニー セカンドチャンス モンスターBOX

もこっち ライフ850

手2 場 ガトリングドラゴン デンジャラスマシンTYPE6 ニードルウォール 

 

「私のターン、ドロー!デンジャラスマシンTYPE6の効果発動!ダイスロール!出た目は…3!私が一枚ドローする!」

「っつ」

「そして、ニードルウォールの効果発動!そいつは…1の場所か。ダイスロール!出た目は5。外れだ」

「……」

 

 

「さて。ガトリングドラゴンでコインを一枚だけ表を出し、かつモンスターBOXとセカンドチャンスを相手が外さないと、私は勝てない。

次のターンを回すと、ギャンブル天使バニーとセカンドチャンスにより私は負けるだろう…と言う訳で…」

 

 もこっちはドローカードを発動する。

 

「死者蘇生を発動!コイツでブローバックドラゴンを呼び戻し、モンスターBOXを撃ち抜けるか試す選択肢もあるが…ちょうどいいカードがあるようだな?」

「何?」

「私が復活させるのは…お前のギャンブル天使バニーだ!」

 

「なっ?!何ぃ!」

「さて、と」

 

 もこっちはコイントスの準備に入る。

 

 

「ば、馬鹿な!正気か!」

「黒木!このデュエルには七精門の鍵がかかっているのよ!」

「無茶ッス!」

「黒木!」

 

 

「お、お前!正気か!外せばお前が」

「凄腕のギャンブラーと聞いて居たが、どうやら間違いだったようだ。お前はギャンブラーでは無い」

「なっ!何だとぉ!」

 

 

 

「二度もチャンスを貰わないとコイントスを当てられない、光雄君。貴方にギャンブルの才能は、無い!」

「いいや、間違って居るぞ、天上院。セカンドチャンスでギャンブルのリスクを減らす。デッキの弱点を補うのはデュエリストとして当然だ。

むしろ、ギャンブルデッキなのに保険を入れて居ない私のデッキの方が、デュエリストとして批判されるべきだろう?運任せなのだから。

デッキの弱点を補い、ギャンブルデッキを使いつつ、堅実にデュエルを進める。光雄、お前はギャンブラーでは無く、デュエリストだ。

さて、ギャンブルの時間だ。ルールは簡単!当たれば勝利!外れれば敗北!!裏を宣言!」

 

 

 コインがゆっくりと回り…そして

 

「裏だ!」

「そ、そんな…うわぁあああああっ!!」ライフ0

 

 

「私の勝ちだな」

「ぐっ、も、もう一度だ!今度は」

「残念だが、デュエルにセカンドチャンスは無い。倫理委員会の皆さん。つまみ出して下さい」

「?!」

 

 あっという間に拘束され、連行されていく光雄。

 

「く、くっそぉおおおおお!」

 

 

 

 敗者を見送るもこっち。

 

「ねぇ、もこっち。何であんなデッキを使ったの?」

「この学園に限らず、ギャンブルデッキの使い手は少ない。故に楽しめると思ったのだが。

ただ、どうやら幸運の女神とやらはついていないらしい。今後は、保険を掛け、弱点を補うデュエルを心がけるしかないな」

「…今の相手が、城之内さんだったらどうなっていたのかな?」

「私が使ったこのデッキが、彼の琴線に触れる事は確かだな」




【難問】
光雄君が勝てそうなセブンスターズを上げよ。


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強襲!闇の精霊!

 ボーイの一件の翌日。校長室にて。

 

「みなさん集まりましたね。天上院さん、お兄さんの意識が戻られたようで、何よりでした。」

「ありがとうございます。兄さんはきっと戻ってきてくれると信じて居ました。」

「良かったな、明日香。」

 

「天上院吹雪君の事もある。闇のゲームは本当に危険です。わたしも、皆さんをこんな危険な目に遭わせてしまって…。」

「任せて下さい!この万丈目サンダーが蹴散らして見せます!」

「何と頼もしい。そうでした。皆さんに言っておくことがあります。大徳寺先生の行方が分かりません。捜索の手を伸ばしているのですが…」

「大徳寺先生…。」

 

 吹雪さんの証言ではかなり怪しいが、それでも疑いきれない遊城。

 

 

「見かけた方は、私かクロノス教諭まで、連絡をお願いします。

残るセブンスターズも、後1人。何としてでも、この学園を守らなくてはいけません。みなさん、やっていただけますかな?」

「当たり前だぜ!」

「では、くれぐれも気を付けて下さい。解散とします。」

 

 

 

 

 

 ブルー女子寮の自室にて

 

『…大徳寺を探さないのか?』

「探して見つかるような相手なら、倫理委員会が見つけている。

騒がずとも、向こうからやってくる。余計な労力があるなら、学業を優先させて貰う」

『…世界の命運よりも、目先の学業か』

「世界を救った所でテストが無くなるわけでは無い。」

 

 世知辛い事情に、ため息をつくサイコショッカー。

 だが、もこっちとサイコショッカーが知らない所で、事態は大きく動く…

 

 

 

 森の中で

 

「…師範。最後のセブンスターズはこの俺が…」

 

 丸藤亮は最後のセブンスターズを探し、森を探索している。

 待っていれば来る、それには気が付いていたが、敵は後一人。焦りから向かったのだが…

 

 

『…鍵を持つ者、だな?』

「?!」

 

 カイザーがそちらを見ると、真っ黒な自分が立っている。

 

「セブンスターズか!」

『…そうだと言ったら?』

「デュエルだ!」

『……』

 

 互いにディスクを起動する。

 

デュエル!

 

シャドウ・カイザー ライフ4000

手5 場 

カイザー ライフ4000

手5 場 

 

 

『先攻、ドロー。魔法カード、パワーボンドを発動』

「?!」

『手札のサイバー・ドラゴン三体を融合、現れろ、サイバー・エンド・ドラゴン』

 

 黒いサイバー・ドラゴンが融合し、真っ黒いサイバー・エンド・ドラゴンが現れる。

 

「ば、馬鹿な!サイバー・エンド・ドラゴンはサイバー流の一子相伝のカード!何故お前が!」

『サイバー・ジラフを召喚。このカードを生贄に捧げ、このターン私が受ける効果ダメージを0にする。

カードを伏せ、ターンエンド。エンドフェイズにパワーボンドの効果で4000のダメージが発生するが、サイバー・ジラフにより無効になる』

 

 

シャドウ・カイザー ライフ4000

手0 場 サイバー・エンド・ドラゴン 伏せ1

カイザー ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「…俺のターン、ドロー!俺はサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」

『……』

「そして、プロトサイバードラゴンを召喚!速攻魔法、フォトン・ジェネレーター・ユニット!場のサイバー・ドラゴン二体を生贄に、

現れろ!サイバー・レーザー・ドラゴン!」

 

 

 サイバー・レーザー・ドラゴンが現れ、直後に硬直する。

 再起動し、後ろを振り返り、前を見て、また後ろを振り返り…前を見る。

 

「サイバー・レーザー・ドラゴンの効果発動!砕け散れ、偽りのサイバー・エンド・ドラゴン!破壊光線!フォトン・エクスターミネーション!」

 

 サイバー・レーザー・ドラゴンがレーザーを照射し、サイバー・エンド・ドラゴンを破壊する。だがその直前に

 

『リバースカードオープン、融合解除。融合を解除し、現れろ。サイバー・ドラゴン共』

 

 守備表示のサイバー・ドラゴンが現れ、盾となる。

 全て真っ黒い。

 サイバー・レーザー・ドラゴンがまたもや硬直する。

 

「躱したか、ならばバトル!エヴォリューション・レーザーショット!」

 

 主の命令を受け、再起動したサイバー・レーザー・ドラゴンの攻撃がサイバー・ドラゴンを打ち砕く!

 

「…俺は、カードを伏せてターンエンド」

 

 

シャドウ・カイザー ライフ4000

手0 場 サイバー・ドラゴン サイバー・ドラゴン 

カイザー ライフ4000

手2 場 サイバー・レーザー・ドラゴン 伏せ1

 

 

『…私のターン、ドロー。魔法カード、パワーボンドを発動』

 

 サイバー・レーザー・ドラゴンがまたまた硬直する。

 

「ぐっ、この組み合わせは!」

『現れろ、サイバー・ツイン・ドラゴン』

 

 真っ黒いサイバー・ツイン・ドラゴンがサイバー・レーザー・ドラゴンを見下ろす。

 サイバー・レーザー・ドラゴンは先ほどからピクリとも動かない。

 

『バトル。サイバー・ツイン・ドラゴンでサイバー・レーザー・ドラゴンを攻撃。エヴォリューション・ツイン・バースト』

 

 サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃が硬直しているサイバー・レーザー・ドラゴンを容赦なく打ち砕く!

 

「ぐううううう?!」ライフ4000から800

『サイバー・ツイン・ドラゴンは二回攻撃が出来る。バトル続行』

「俺は…俺は…永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!蘇れ、サイバー・ドラゴン!」

 

 

 負けると分かっていても、それでも最後の最後まで諦めない丸藤亮。

 真っ黒いサイバー・ツイン・ドラゴンに対し、サイバー・ドラゴンは雄たけびを上げる。

 

『攻撃対象をサイバー・ドラゴンに変更、エヴォリューション・ツイン・バースト』

「迎え撃て!エヴォリューション・バーストッ!」

 

 敵わぬと分かっている、無意味な反撃。だがそこには譲れない想いがあった。

 その想いを、力の差は無情に打ち砕く

 

「……済まない、サイバー・ドラゴン」ライフ0

『……』

 

 

 真っ黒いカイザーは、闇に溶けるように消えていく…

 

 

 

 直後、ラーイエロー寮の近辺を探していた三沢は、後ろから物音がしたため、振り返ると

 

「?!なっ、お、俺?!」

 

 真っ黒い自分自身が立ち、こちらを見ている。

 

『…セブンスターズを探しているようだな?』

「まさか、お前が最後のセブンスターズ!」

『だとしたら、どうする?』

「俺がここで倒す!」

 

 

 

デュエル!

 

シャドウ・三沢 ライフ4000

手5 場 

三沢 ライフ4000

手5 場 

 

 

『俺の先攻、ドロー。お前は属性デッキを使っているようだな?』

「ああ」

『良い物を見せてやろう…この手札は少々意外だが。儀式魔法、ドリアードの祈りを発動』

「儀式デッキ?」

『手札のハイ・プリーステスを生贄に捧げ、ドリアードの儀式召喚を執り行う。』

 

 美少女が現れ、静かに座って目を閉じ、祈りを捧げる。

 ややあって、檻が彼女を守るように現れる。光が満ちあふれ、檻も光に包まれていく…

 

 檻が消え、ドリアードがスッと立ち上がる。何処までも優しい表情で、手を組んでいる。

 

『精霊術師ドリアード、降臨』

「エレメンタルマスター…」

『カードを三枚伏せる。ターンエンド』

 

 

シャドウ・三沢 ライフ4000

手0 場 精霊術師ドリアード 伏せ3

三沢 ライフ4000

手5 場 

 

 

「だが、その攻撃力は1200!俺のターン、ドロー!俺はシャイン・エンジェルを召喚!

バトルだ!シャインエンジェルでドリアードを攻撃!」

『罠発動、風林火山』

「?!四つの効果を持つ罠。だが、その発動には地・水・風・炎属性のモンスターが揃って居なければ…?!」

『ドリアードはエレメンタルマスター。彼女は場にいる限り、その属性は光属性だけでなく、「風」「水」「炎」「地」としても扱う。

効果発動。相手の場のモンスターを全て破壊する。』

 

 ドリアードが手を前にかざす。その5本の指に5つの火球が宿る。

 にっこりとほほ笑み、ドリアードはその手を握りつつ腕を後ろに引き、再び腕を前に突き出しつつ手を広げる!

 5つの火球が飛び出し、シャインエンジェルを焼き尽くす!

 

 それを終始笑顔で行って居るため、三沢はドン引きする。

 心なしか、シャドウバージョンの三沢の顔も引き攣っている。

 

「み、見た目に騙された…俺は魔法カード、光の護封剣を発動!カードを伏せ、ターンエンドだ!」

『罠発動、風林火山。今度は相手の魔法・罠カードを全て破壊する!』

 

 ドリアードが両手を合わせ、手を離したのちに地面に触れる。すると地面から土の柱が飛び出し、光の護封剣を、伏せカードを打ち砕く!

 

「?!閃光のバリア・シャイニグフォースまで!」

 

 

 

シャドウ・三沢 ライフ4000

手0 場 精霊術師ドリアード 伏せ1

三沢 ライフ4000

手3 場 

 

 

『俺のターン、ドロー!装備魔法、リチュアルウェポンを装備。これにより、ドリアードの攻守は1500アップする』

「ぐっ、これで攻撃力は2700か」

 

 

 ドリアードの手に扇子が現れる。

 

「…リチュアル…ウェポン?」

『リバースカードオープン、風林火山!選ぶ効果は…俺が二枚ドローする効果だ!』

 

 ドリアードが扇子を開くと、扇子の両端から水が上に吹き上がる。

 宴会芸で使えそうな技だ。

 

「……」

『……』

 

 思わず黙り込む三沢達に、ドリアードがにっこりとほほ笑む。

 無言だが、その背後から現れる見えないオーラが二人を威圧する。

 

「お、お前のターンだ。続けろ」

『お、俺は効果により二枚ドローする!よし、岩石の巨兵を召喚!』

 

 

 攻撃力の合計は4000に達する。

 

『バトルだ、岩石の巨兵でダイレクトアタック』

「ぐううううう?!」ライフ4000から2700

『ドリアードでダイレクトアタック』

 

 

 ドリアードが扇子を一閃すると、巨大な渦巻きが出現し、三沢を飲み込む!

 

「うわぁああああああ!」ライフ0

 

 勝利した事を確認すると、黒い三沢は闇に溶けるように消えていく…

 

 

 

 

オシリスレッド寮前。

 

「ルールルー、おーい、デブ猫~、猫じゃらしだぞ~」

 

 デブ猫居る所大徳寺あり。そう考えてデブ猫を探す万丈目。

 本来ならば寮長の部屋に行けば手がかりがあるかもしれないが、倫理委員会が押収してしまっている。

 故にこんな非効率的なやり方をせざるを得なかった。

 

 

『……探し物、か?』

「?!」

 

 真っ黒い自分自身が居る事に、万丈目は驚くが、こういうオカルト染みた事に慣れてきたため

 即座に反応する。

 

「セブンスターズか?!」

『……お前は猫が好きなのか?』

「嫌いでは無い」

『奇遇だな、俺も猫は嫌いでは無い。さてと。鍵を渡して貰おうか?』

「やはりセブンスターズ!しかし最後のセブンスターズは大徳寺先生では無かったのか…」

 

 

 

 

デュエル!

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手5 場 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

 

『俺の先攻、ドロー!魔法カード、デビルズサンクチュアリを発動。現れろ、メタルデビルトークン。

そしてこのトークンを生贄に、モンスターをセットする』

「上級モンスターをセットだと?!」

 

 万丈目は驚く。上級モンスターは攻撃力が高いモンスターが多く、わざわざセットするのは珍しい。

 

『カードを伏せる。ターンエンドだ』

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手3 場 セットモンスター 伏せ1

万丈目 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はアームドドラゴンLv3を召喚!さらに魔法カード、レベルアップ!!を発動!Lv3を墓地に送り

現れろ、アームドドラゴンLv5!」

『ほう…アームドドラゴンデッキか。ククク、良いカードを持っているな?』

「…なるほど、読めたぞ、お前のセットモンスター!カードを3枚伏せる。バトルだ!

行け、アームドドラゴンLv5!セットモンスターを破壊しろ!」

 

 カードを伏せてから攻撃、という不可解なプレイングをする万丈目。

 これは相手のセットモンスターをメタモルポットと読んだ決闘者が取る事が多い物の、

 相手のセットモンスターは上級モンスターのはず。

 アームドドラゴンLv5の攻撃がセットモンスターに襲い掛かる!

 

『お前なら、セットモンスターの正体に気が付くと思って居た。罠発動、邪神の大災害。』

「ちっ!」

 

 

 先ほど伏せたカードが破壊されるが、アームドドラゴンLv5の攻撃がセットモンスターを打ち砕く!

 

『地獄詩人ヘルポエマーが破壊された。さて、今後は攻撃する度に手札が破壊される』

「…バトル終了」

『さぁ、その最後の手札を捨てろ』

「ああ。」

 

 そう言って万丈目はカードを墓地に捨てる。すると万丈目の背後に闇が出現する

 

『…?!』

「この瞬間、闇よりいでし絶望の効果発動!相手のカード効果によって手札かデッキから捨てられた時、墓地から特殊召喚される!」

『…俺のセットモンスターがヘルポエマーとお前が読み、伏せて来るだろうと思って居たが…』

「邪神の大災害は驚いたが、狙いはこっちだ!ターンエンド!エンドフェイズにアームドドラゴンLv5はLv7に進化する!」

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手3 場 

万丈目 ライフ4000

手0 場 アームドドラゴンLv7 闇よりいでし絶望

 

 

『俺のターン、ドロー。ヘルドラゴンを召喚。カードを伏せ、場の攻撃力2000のモンスターと手札を生贄に、現れろ。炎獄魔人ヘル・バーナー』

「?!ヘルバーナーの攻撃力は俺の場のモンスターの数×200アップする…」

『その通り、攻撃力は2800から3200となる。バトルだ、アームドドラゴンLv7を攻撃!』

「ぐうううっ?!」ライフ4000から3600

『ターンエンド』

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー 伏せ1

万丈目 ライフ3600

手0 場 闇よりいでし絶望

 

 

「俺のターン、ドロー!今のヘルバーナーの攻撃力は3000…闇よりいでし絶望を守備表示に変更して、ターンエンド!」

 

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー 伏せ1

万丈目 ライフ3600

手1 場 闇よりいでし絶望

 

 

『俺のターン、ドロー。魔法カード、アエトニクスの炎を発動。悪魔族・炎属性モンスター以外のモンスターを全て破壊する。

その後、自分の墓地から悪魔族・炎属性モンスター1体を特殊召喚。』

「なっ?!闇よりいでし絶望が!」

 

 炎に包まれる闇よりいでし絶望。

 

『蘇れ、ヘル・バーナー。最もこのカードを発動したターン、自分はバトルフェイズを行えない。ターンエンドだ』

「ヘル・バーナー…そうか、先ほどのターンに捨てていたのか。」

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー 炎獄魔人ヘル・バーナー 伏せ1

万丈目 ライフ3600

手1 場 

 

 

「コイツ、強い…俺のターン、ドロー!」

『まだ諦めないか。』

「最後の最後まで諦めない、それが、デュエリストだ!俺はおジャマイエローを守備表示で召喚!」

 

 場に出されたおジャマイエローは万丈目が二人いる事に混乱する。

 

「カードを伏せる。ターンエンド!」

『それで次のターンの攻撃を凌げると思って居るのか?そいつを攻撃表示で召喚し、伏せカードをジャスティブレイクと思わせるぐらいしたらどうだ?』

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー 炎獄魔人ヘル・バーナー 伏せ1

万丈目 ライフ3600

手0 場 おジャマイエロー 伏せ1

 

 

『俺のターン、ドロー!バトルだ!ヘル・バーナーでおジャマイエローを攻撃!』

「罠発動!おジャマトリオ!お前のモンスターゾーンにおジャマトークンを三体特殊召喚する!

これでヘルバーナー以外のモンスターは4体!よって攻撃力は2000ポイントダウンする!」

『だが、お前の場にモンスターが居る事で攻撃力は200ポイントアップしている。』

「だからどうした!今のヘルバーナーの攻撃力は1000!おジャマイエローは倒せない!」

 

 ヘルバーナーに追い掛け回されるおジャマイエロー。だが逃げ回るおジャマイエローを補足出来ず、疲れ切った様子でフィールドに戻ってくる。

 

『悪あがきを。ターンエンド』

 

シャドウ・万丈目 ライフ4000

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー 炎獄魔人ヘル・バーナー おジャマトークン おジャマトークン おジャマトークン 伏せ1

万丈目 ライフ3600

手0 場 おジャマイエロー 

 

 

「俺のターン、ドロー!Xヘッドキャノンを召喚!」

『モンスターが増えた事で、ヘルバーナーの攻撃力は1200になる』

「バトルだ!Xヘッドキャノンでヘルバーナーを攻撃!」

『…この俺にダメージを与えるとは、な』ライフ4000から3400

 

 真っ黒い万丈目の身体が一瞬崩れ、渦のような姿になる。

 

「な、何だ…お前は?」

『ふん。モンスターが減った事で、ヘルバーナーの攻撃力は1200から1700になる』

「おジャマイエローは破壊されるが、そうなればそいつの攻撃力は1500になるな。ターンエンドだ」

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ3400

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー おジャマトークン おジャマトークン おジャマトークン 伏せ1

万丈目 ライフ3600

手0 場 おジャマイエロー Xヘッドキャノン 

 

『少々見くびっていたか…俺のターン、ドロー!おジャマトークンを攻撃表示に変更』

「何?」

『装備魔法、ヘルアライアンスを装備。おジャマトークンの攻撃力は2400になる。バトルだ、ヘル・バーナーでおジャマイエローを攻撃』

「おジャマイエロー…」

『そしておジャマトークンでXヘッドキャノンを攻撃』

 

 おジャマトークンがXヘッドキャノンにヒップドロップを喰らわせようとするが、その前にXヘッドキャノンが自爆する。

 どうやらあれに破壊されるのはプライドが許さなかったらしい。おジャマトークンは尻から落ちて痛がっている。

 

「…自爆するなよ」ライフ3600から3000

『ターンエンドだ』

 

シャドウ・万丈目 ライフ3400

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー おジャマトークン おジャマトークン おジャマトークン ヘルアライアンス 伏せ1

万丈目 ライフ3000

手0 場 

 

 

「俺のターン、ドロー?!」

 

 ドローカードを見て固まる万丈目

 

『…チェックメイトだな』

「…カードを伏せ、ターンエンドだ」

 

 

シャドウ・万丈目 ライフ3400

手0 場 炎獄魔人ヘル・バーナー おジャマトークン おジャマトークン おジャマトークン ヘルアライアンス 伏せ1

万丈目 ライフ3000

手0 場 伏せ1

 

 

『俺のターン、ドロー。バトルだ、おジャマトークン、ヘルバーナー、ダイレクトアタック』

「うわぁああああああ!」ライフ0

 

 

 真っ黒い万丈目が闇に溶けるように消える…




ドリアードの技の元ネタが全部わかる人は居ないはず


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MOKOCCHIVSアムナエル!

アムナエルは錬金術師ですが、もしも彼が他の錬金術がある世界に生を受けて居たらどうなっていたのでしょうか?

判明しているのは
・ホムンクルスを作り出す
・それに魂を定着させる事が出来る
かなりの腕ですよね。


 登校したもこっちは、三沢と万丈目が来ていない事に気が付く

 

「…何かあったか?」

「黒木、少しいいか?」

 

 自分の所にブルー男子とイエロー男子が近づいてくる。

 

「取巻と小原か」

「万丈目サンダーが帰ってきていないんだ」

「それはクロノス寮長に言うべき事では?」

「もう言った。」

 

「…となると、そちらも同じか?」

「ああ。三沢も帰ってきていない。」

「…この二人は七精門の鍵を任されていた。となれば最後のセブンスターズに敗れたか」

「三沢と万丈目が負けるなんて…最後のセブンスターズは手練れなのか?」

「それよりも、授業が始まる。万丈目と三沢の捜索は教職員に任せろ。学生の本分を忘れるな。」

 

 かなり冷たいもこっちに、声を上げようとする二人だが、もこっちが手を固く握りしめているのを見ると、黙って引き下がる。

 錬金術の授業の時間だが、出てきたのは

 

「クロノス教諭が錬金術の授業を?」

「オカルト嫌いなのに…」

 

 授業は失敗し、錬金術なんて非科学的と喚いて授業は終わった。

 

 

 

 放課後。

 もこっちは自室で準備を整える

 

『分かったぞ、最後のセブンスターズは廃寮に居る』

「…いよいよか。」

『精霊界でも残党狩りはほぼ終わった。最後の大幹部以外は、な』

「幹部を一人取り逃がしただと?」

『奴は他人の力を借りねば戦えない、寄生虫。とはいえ、その忠誠は高い』

「…寄生虫」

 

 脳裏によぎるのは二枚のモンスターカード。

 だがそれをサイコショッカーは否定する。

 

『寄生虫パラサイトでも、精神寄生体でも無い。』

「まぁ、まずは最後のセブンスターズを倒してからだ」

 

 

 

 

 廃寮へ入り込もうとするもこっちは、後ろから物音がしたため振り向く。

 

「お~い、黒木!やっぱり来ていたか。吹雪さんを闇に誘った場所。俺もここが怪しいと思って居たぜ。探そう!」

「遊城。最後の最後でしくじるなよ。ここまで来て失敗すれば今までの苦労が水の泡だ」

「ああ。黒木も気をつけろよ」

 

 

 廃寮へ入り、探索を進めるもこっち。

 ややあって、開けた場所に出る。

 

 

「ここは…」

「ようこそ。私の研究室へ」

 

 そちらを見ると、そこには白衣を纏い、仮面をつけた男が立っている。

 

「最後のセブンスターズか」

「いかにも。我が名はアムナエル。黒木、君が探し求める最後のセブンスターズだ」

「…行くぞ」

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

アムナエル ライフ4000

手5 場 

 

「私の先攻、ドロー!魔鏡導師リフレクトバウンダーを召喚!さらにカードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 魔鏡導師リフレクトバウンダー 伏せ1

アムナエル ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!永続魔法、魂吸収と次元の裂け目を発動」

「?!次元の裂け目…これで互いの墓地に送られるモンスターは除外される。

お得意の一族の結束は使わないのか?」

「ふっ、私のデュエルにデュエルモンスターズの常識は通用しない。異次元の生還者を召喚。バトルだ。

リフレクトバウンダーを攻撃」

「リフレクトバウンダーの効果発動、攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを与える」

「…ふん」ライフ4000から2200

 

 異次元の生還者に鏡を叩き割られ、リフレクトバウンダーは次元の裂け目に落ちていく

 

「戦闘ダメージ、100を受ける」ライフ4000から3900

「魂吸収の効果発動。カードが除外されるたびに、ライフを500回復する」ライフ2200から2700

「厄介な…」

「カードを伏せ、ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ3900

手4 場 伏せ1

アムナエル ライフ2700

手2 場 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー。速攻魔法、魔法効果の矢を発動」

「温い。カウンター罠、マジック・ジャマー。手札を一枚捨て、魔法カードの発動と効果を無効にして破壊する。

今捨てたのは異次元の戦士、よって次元の裂け目により除外され、魂吸収によりライフ回復」ライフ2700から3200

「魔法カード、デビルズサンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚。そしてトークンを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚!」

「ほう、ギャンブルか。懐かしいな、錬金術師として旅をしている間、何度かやった事がある」

「何故?」

「路銀の調達だ」

「…錬金術とは何なのか。効果発動!対象は次元の裂け目。コイントス!裏!そして…裏、表か。

バトル!異次元の生還者を攻撃!」

「ぐっ」ライフ3200から2700

「魂吸収の効果発動だな」

「いかにも。無意味な攻撃だな。異次元の生還者はエンドフェイズに私の場に戻ってくるのだから」ライフ2700から3200

「…ターンエンド。」

「エンドフェイズだ、帰還せよ、異次元の生還者よ」

 

 

もこっち ライフ3900

手2 場 ブローバックドラゴン 伏せ1

アムナエル ライフ3200

手1 場 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 

 

 

「私のターン、ドロー。異次元の生還者を生贄に、聖堂騎士イシュザークを召喚。」

「…攻撃力2300」

「魂吸収の効果発動。ライフ回復」ライフ3200から3700

「攻撃力は互角、だがエンドフェイズに生還者が戻ってくる…」

「その通り。バトル!イシュザークでブローバックドラゴンを攻撃!」

「迎え撃て!」

 

 ブローバックドラゴンの射撃が何発か直撃するが、イシュザークの動きは止まらない。

 そのまま切り伏せるが、ブローバックドラゴンの爆発に巻き込まれてイシュザークも破壊される。

 

「魂吸収の効果発動。ライフを1000回復する」ライフ3700から4700

「……」

「ターンエンド。異次元の生還者は帰還する」

 

 

もこっち ライフ3900

手2 場 伏せ1

アムナエル ライフ4700

手1 場 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 

 

 

「私のターン、ドロー。ダブルコストンを召喚。魔法カード、二重召喚を発動。」

「ほう?」

「ダブルコストンは闇属性モンスターを召喚する場合、一体で二体分の生贄になる。二体分の生贄を捧げ、デモニックモーターΩを召喚!」

「ふっ、そう来たか。魂吸収の効果でライフを回復する」ライフ4700から5200

「バトル!デモニックモーターΩで異次元の生還者を攻撃!モーターバイオレンスッ!」

 

 デモニックモーターΩが剛腕で異次元の生還者を殴り飛ばす!

 凄まじく嫌な音と共に次元のはざまに吹っ飛ぶ異次元の生還者。

 もう一体の方は冷や汗を垂らす。

 

 

「ぐううっ」ライフ5200から4200

「魂吸収の効果でライフを回復しようと、闇のゲームで発生するダメージは蓄積する。デュエルが終わるまで持つかな?」

「…敵の心配をしている場合かね?魂吸収の効果発動だ」ライフ4200から4700

「ターンエンド。エンドフェイズにモータートークンを特殊召喚」

「こちらも異次元の生還者が帰還する」

 

 異次元より舞い戻る生還者は、眼前にデモニックモーターΩが居る事に気が付くと硬直する。

 

 

 

もこっち ライフ3900

手0 場 デモニックモーターΩ モータートークン 伏せ1

アムナエル ライフ4700

手1 場 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 

 

 

「私のターン、ドロー。魔法カード、増援を発動。デッキから二体目の異次元の生還者を手札に加え、召喚。

バトルだ。異次元の生還者でモータートークンを攻撃」

「温い。永続罠、ガリトラップピクシーの輪。攻撃力が一番低いモンスターに攻撃は出来ない」

「…バトル終了。異次元の生還者を守備表示にして、ターンエンドだ」

 

もこっち ライフ3900

手0 場 デモニックモーターΩ モータートークン ガリトラップ 

アムナエル ライフ4700

手1 場 異次元の生還者 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 

 

 

「私のターン、ドロー!来たか、永続魔法、エンジンチューナー!場の機械族は全て攻撃表示になり、その守備力の半分、攻撃力がアップする!」

「ふっ。似ているな」

「…何の話だ?」

「君のデッキと私のデッキは似ている」

「ビートダウンだな。」

「そういう話では無い。破壊と再生の術。君の機械デッキは破壊されても再生し、戦線を維持する。私の異次元のデッキのように」

「…デュエルに戻らせて貰う。今のデモニックモーターΩの攻撃力は2800から3800だ。魂吸収は厄介だが、それを上回る火力で焼き尽くすだけだッ!行け、デモニックモーターΩ!モーターバイオレンスッ!」

「ぐううううっ!」ライフ4700から2700

 

 魂吸収の効果が発動する

 

「……」ライフ2700から3200

「ターンエンド。モータートークンを特殊召喚」

「こちらも、異次元の生還者を特殊召喚する」

 

 

 

もこっち ライフ3900

手0 場 デモニックモーターΩ モータートークン モータートークン エンジンチューナー ガリトラップ 

アムナエル ライフ3200

手1 場 異次元の生還者 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 

 

 

「私のターン、ドロー!異次元の生還者を守備表示のまま、カードを二枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 

 

もこっち ライフ3900

手0 場 デモニックモーターΩ モータートークン モータートークン エンジンチューナー ガリトラップ 

アムナエル ライフ3200

手0 場 異次元の生還者 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!二体のトークンを生贄に、リボルバードラゴンを召喚!」

「この瞬間永続罠、マクロコスモスを発動!このカードが場にある限り、墓地に送られるカードは全て除外される。さらにデッキから原始太陽ヘリオスを特殊召喚!」

「リボルバードラゴンの効果発動。対象は異次元の生還者だ」

「リバースカードオープン、グランドクロス!場にマクロコスモスがある時発動できる。相手に300ポイントのダメージを与え、場の全てのモンスターを破壊する」

「?!」

 

 何もかもが破壊されていく。リボルバードラゴンも、デモニックモーターΩも。異次元の生還者達も原始太陽も。

 

「やってくれる…」ライフ3900から3600

「グランドクロス、異次元の生還者二体、原始太陽、デモニックモーターΩ、リボルバードラゴン。6枚のカードが除外され、ライフは3000回復」ライフ3200から6200

「……ターンエンド」

「エンドフェイズ。帰還せよ、異次元の生還者達よ」

 

 

もこっち ライフ3600

手0 場 エンジンチューナー ガリトラップ 

アムナエル ライフ6200

手0 場 異次元の生還者 異次元の生還者 魂吸収 次元の裂け目 マクロコスモス

 

 勝敗は決した。だが、もこっちの双眸から光は消えない。

 視線だけで人を殺せる力があれば、アムナエルは10回は絶命していただろう。

 

「私のターン、ドロー!終わりだ、行け、異次元の生還者達よ!」

「…こんな所…で…」ライフ0

 

 

 意識が遠くなる直前、黒木は誰かが自分の名前を呼ぶ声を聴いた…

 視界の端に赤い色の服が見えた。




アムナエルは再生と滅びを錬金術と言って居ましたが、そうなると死者蘇生を使いまわす闇マリクのデッキは錬金術らしいのでしょうか?


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MOKOCCHIVSファントム・オブ・カオス

第一章最終決戦です。


 廃寮にて

 

「…ん?」

「良かった、気が付いたんだな」

「…遊城?勝ったのか?」

「ああ。何とかな…黒木。最後のセブンスターズは大徳寺先生だった」

「…そう、か。」

 

 

 

 校長室にて

 

「丸藤亮、三沢大地、万丈目準の3人が行方不明のままです」

「…セブンスターズは全員倒れたというのに」

「校長先生。最後のセブンスターズ、大徳寺先生は俺にこう言いました。まだ黒幕が居るって」

「そうですか…皆さん、くれぐれも用心してください」

 

 

 

 エントランスに集まり、情報をまとめる。

 

「セブンスターズは天上院先輩、カミューラ、タニア、ザルーグ、アビドス三世、タイタン、大徳寺先生の七人だった訳だが。」

「先生はセブンスターズを操っていた黒幕が居ると。きっとそいつが」

「あの三人が敗れる程の相手か。相当な手練れだな…」

 

 次の瞬間、地震が発生する。

 

「なっ、ゆ、揺れている?!」

「震度5強はあるぞ!」

 

 揺れが収まると、すさまじい音が響き渡る

 そちらを見ると、柱が地面からせりあがって来る

 

「…行ってみよう!」

 

 

 

 その場にいたメンバーが駆けつけると、三枚のカードが浮かび上がっている。

 

「?!あれは、三幻魔!な、何故封印が…」

「まずはあれを回収しなければ」

 

 駆け寄るもこっちは、突如現れた黒い渦に弾き飛ばされる!

 

「?!なっ、これは…」

『…汚い手で我が主君に触れるな』

「カードの精霊か。何故だ!三幻魔が復活すれば精霊も滅びる!」

『それがどうした。それこそが我が悲願』

 

 黒い渦は姿を替える。真っ黒いもこっちに。

 

「…スワンプマン、か?」

『違う。アイツを一緒にするな…大人しく、最期の時を待つがいい』

「悪いが、強行突破させて貰う。最後の仕上げだ!サイコショッカー!」

 

 もこっちがその名を呼ぶと、サイコショッカーが現れる

 

『?!キサマ…人間と手を組んだか!』

『三幻魔が復活すれば、我々はお終いだ』

『あの方々を否定するこの世界に、存在する価値など無い!』

 

 そう叫ぶと、黒いもこっちの姿が変わる。

 

「あれは、サイバー・エンド・ドラゴン?!」

『貴様ッ!』

『失せろ、サイコショッカー。もはやお前の手に負える相手では無い』

 

 黒いブレスを浴び、サイコショッカーは木に叩きつけられる

 

『ぐううっ…こ、この寄生虫め。何時の間にそんな力を…』

 

 

 

 

「く、黒木。一体何がどうなっているの?」

「天上院。実はセブンスターズとの戦いが始まる前から、サイコショッカーから三幻魔の復活阻止の為に協力して欲しいと打診された。

阻止しなければこの世界も精霊界も甚大な被害を受けると言うのでな。サイコショッカー。奴の正体は何だ?」

 

 

『…ファントム・オブ・カオス。デュエルモンスターズの精霊界の心の闇から生まれた、精霊だ』

「心の闇から?」

『奴は実体を持たない。単独では何も出来ぬ。他人の力を借りねば戦えない。それが奴の正体…攻守0のモンスターだ』

「他人の力を。サイバー・エンド・ドラゴンの姿はそう言う事か。丸藤先輩が行方不明なのはコイツの仕業…」

 

『いかにも。三幻魔は本来の所有者の手に渡る。もしも力づくで奪うならば…三人の命は無いぞ?』

『黒木!躊躇うな!三幻魔が復活すればこの島の人間は間違いなく一人も助からん!三人と島全員の命、どちらが重いか比べるまでもあるまい!』

 

「ま、待てよ!万丈目と三沢とカイザーを見捨てろっていうのか!」

『最もリスクの少ない方法がこれだ!』

『最も、今の俺を力づくでどうにか出来るとは思えないが、な…さて、来たか』

 

 

 そのセリフと、ヘリの音から空を見上げる一行。

 ヘリコプターが何かを落とす。

 

 巨大なカプセルだ。中は水で満たされ、老人が入っている。

 

「フフフ…ようやく、時は来た。ついに、三幻魔の力がワシの物に」

「?!影丸理事長?!」

 

「あ、あれが理事長?アカデミアの経営陣はどうなっているの?」

「天上院、オーナーがアレだぞ?」

「き、君…本人が聞いたら間違いなく怒るよ?」

 

 ひきっつた表情で天上院吹雪が反応する。

 基本恐れる物は無い彼でも、海馬オーナーは敵には回したくない存在である。

 

 

 

「時は満ちた。今、ここに三幻魔復活の儀式を行う。ファントムよ、契約は果たしたぞ?」

『確かに。では影丸よ、不老不死と世界の覇権を握れる力を授けよう』

 

 ファントム・オブ・カオスが渦になり、巨大なカプセルの中に入り込む

 

「お、おお。おおおおおお!!!み、みなぎる!みなぎるぞぉおおおおおお!」

 

 影丸理事長の身体が若返っていく。筋骨隆々の大男に。

 

 

 

「理事長!貴方の狙いは、不老不死と世界の覇権だったのですか!」

「鮫島よ、今この世界では邪悪な精霊が復活し、その支配を伸ばしている。ワシにはそれに対抗する力が必要だったのだ。

これだけのエネルギーがあれば、あの精霊も迂闊に攻め込めまい!!」

 

 だが、次の瞬間、影丸はよろめき、倒れる

 

「?!ぐっ、ど、どういう事だ?」

『…若い男三人を取り込んだが、どうやらまだパワー不足だったようだ。影丸、もう少し取り込む必要がある。

全ては邪悪な精霊に対抗する為だ。』

「…そ、そうだな。ワシには使命があるのだ…!」

 

 

 本来は邪悪な精霊、とやらに対抗する為だったのだろうが、既に歪められているようだ。

 

 

「サイコショッカー、動けるか?」

『…いかん、整流器が破損した』

「遊城、行けるか?こいつはここで止める。邪悪な精霊への対抗策に、こんな化け物が必要とは思えん」

「ああ。行くぜ、影丸!」

 

『二人がかり、だと?影丸、男の方を仕留めろ。女の方は俺が仕留める。三幻魔があるのだ、負けは無い。行け、世界の王!影丸よ』

「ふ、フハハハ!世界の王!素晴らしい響きだ!行くぞ、遊城十代!」

 

 

「…哀れだな。憎むよりも憐みの感情の方が大きい。さて、と」

『お前の相手は、私だ。』

 

 ファントム・オブ・カオスは万丈目の姿を取る。

 

「遊城、影丸は任せた、私はこっちを叩く!」

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ファントム ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!トレード・インを発動!デモニックモーターΩを墓地に捨て、二枚ドロー!

魔法カード、旧型発進!墓地よりデモニックモーターΩを再起動!カードを伏せ、ターンエンド!

エンドフェイズに、モータートークンを特殊召喚」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 デモニックモーターΩ モータートークン 伏せ1

ファントム ライフ4000

手5 場 

 

 

『俺のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在する事で、サイバー・ドラゴンを特殊召喚!』

「…黒いサイバー・ドラゴンとは」

『手札のサンダー・ドラゴンの効果発動。手札から捨てて、デッキからサンダー・ドラゴン二体を手札に加える。

手札のサンダー・ドラゴンを捨てて、THEトリッキーを特殊召喚』

 

 一気に現れる上級アタッカー。だがもこっちは恐れない。

 

『墓地の光属性のサンダー・ドラゴン二体を除外し、神聖なる魂を特殊召喚。さて、これで生贄が揃った。場の三体のモンスターを生贄に!

邪神イレイザーを召喚!』

「?!邪神?!」

 

 凄まじいエネルギーがほとばしる!

 漆黒の姿で現れたのは…!

 

「これは…オシリス?」

 

 漆黒のオシリス、そう表現できる異形のモンスターが、もこっちの前に立ちはだかる。

 

 

『邪神イレイザーの攻撃力は相手の場のカードの枚数によって決定する。よって攻撃力は3000!

バトル!デモニックモーターΩを攻撃!ダイジェスティブ・ブレス!』

「きゃあああああああああ?!」ライフ4000から2800

 

 

 思わず悲鳴を上げるもこっち。

 凄まじい威力だ!

 

「これは…これ程のモンスターが」

『モンスターでは無い!神だ!』

「…罠発動!時の機械タイムマシーン!蘇れ、デモニックモーターΩ!」

 

 

「相手のカードが減った事でイレイザーの攻撃力は2000になる。カードを伏せ、ターンエンド』

 

 

 

もこっち ライフ2800

手4 場 デモニックモーターΩ モータートークン 

ファントム ライフ4000

手1 場 邪神イレイザー 伏せ1

 

 

 かなりの手札を消耗して、呼び出した邪神。

 その一撃は強力だったが、もこっちは違和感を感じる。

 神を倒されると言うのに、動揺が無い。

 

「…相手のカードの枚数で攻守が決定する……?!なるほど、私のターン、ドロー!」

『さぁ、攻撃して来い』

「メインフェイズに入る。発動するカードは?」

『無い。さっさと進めるがいい』

「そう。ならさっさと進める。場のモータートークンを生贄に!人造人間サイコショッカーを召喚!」

『?!』

 

 サイコショッカーを見るとファントム・オブ・カオスの顔が歪む。

 

「なるほど、さしずめ、おジャマトリオ辺りか?それを使えば攻撃力5000になる。

バトル!デモニックモーターΩで邪神イレイザーを攻撃!モーター・バイオレンスッ!」

 

 デモニックモーターΩが邪神イレイザーに襲い掛かる!

 その一撃は邪神イレイザーの首を落とす!

 

「邪神イレイザー、撃破!」

 

 だが、イレイザーの刎ねられた首から黒い血があふれ出る。

 

「…これは」

『邪神イレイザーは破壊されれば、場の全てのカードを道連れにする…おジャマトリオが読まれていたとは、な』ライフ4000から3200

「…一枚のカードには一つの可能性が、決闘者には手札の数だけ可能性がある!この手札が私の可能性だッ!カードを伏せ、ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ2800

手3 場 伏せ1

ファントム ライフ3200

手1 場 

 

 

『私のターン、ドロー!モンスターをセット、ターンエンド!』

 

 

もこっち ライフ2800

手3 場 伏せ1

ファントム ライフ3200

手1 場 セットモンスター

 

 

「やはり動けないようだな。私のターン、ドロー!永続罠、リビングデッドの呼び声!蘇れ、デモニックモーターΩ!

更にメカ・ハンターを召喚。魔法カード、プロトタイプ・チェンジ!場の機械族を生贄に、墓地の機械族を再起動!

メカ・ハンターを生贄に!蘇れ、人造人間サイコショッカー!」

『ちっ』

「バトル!サイコショッカーで攻撃!」

『破壊されたのは素早いモモンガ。よってライフを1000回復し、同名カードを二体セットする!』ライフ3200から4200

「デモニックモーターΩで攻撃!」

『さらに回復』ライフ4200から5200

「ターンエンド。エンドフェイズにモータートークンを特殊召喚」

 

 

もこっち ライフ2800

手2 場 デモニックモーターΩ モータートークン サイコショッカー リビングデッドの呼び声 

ファントム ライフ5200

手1 場 セットモンスター 

 

 

『私のターン、ドロー!貪欲な壺を発動、墓地のサイバー・ドラゴン、THEトリッキー、神聖なる魂、素早いモモンガ二枚をデッキに戻し、

二枚ドロー!』

「素早いモモンガがデッキに戻ったか…」

 

 手札が増えた事よりも、そちらを警戒するもこっち。速攻で勝負を決めないとまずいのだが…

 

 

『素早いモモンガを攻撃表示に変更。バトル、サイコショッカーを攻撃』

「…生け贄確保が狙いか!迎え撃て、サイバーエナジーショック!」

『ふん、ライフ回復後、素早いモモンガを二体特殊召喚する』ライフ5200から3800、3800から4800

 

 二体の素早いモモンガがセットされる。

 

『魔法カード、デビルズサンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚』

「三体の生贄…」

『三体の生贄を捧げ、邪神アバターを召喚!』

 

 

 真っ黒い球体が現れ、徐々に姿が変わる。

 

「デモニックモーターΩ?!」

『このカードは場の最も攻撃力が高いモンスターの攻撃力に100を加えた数値となる。

戦闘で攻略するのは、不可能。ターンエンドだ』

 

 

もこっち ライフ2800

手2 場 デモニックモーターΩ モータートークン サイコショッカー リビングデッドの呼び声 

ファントム ライフ4800

手1 場 邪神アバター 

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

『ちなみに、アバターが出てから二ターンの間、相手は魔法・罠を発動出来ない。』

「…場のデモニックモーターΩとモータートークンを生贄に。リボルバードラゴンを召喚!」

『?!リボルバードラゴン、だと…』

「邪神だろうと、この一斉掃射を受けたら、ただでは済まない!」

『コイントスが当たると思って居るのか?』

「当てる。いくぞ…コイントス!裏…」

『フッ』

「二回目…表!」

『……』

「三回目……」

 

 もこっちはコイントスを行う。ひどく、ゆっくりと動く。

 

「……表!」

『バ…か…な…ここまで、来て…?』

「リボルバードラゴンの効果発動!邪神アバターを破壊!」

『ぐうううう?!』

 

 打ち砕かれる、暗黒の太陽。

 

「開けない夜は無いように、沈まない太陽は無い。リボルバードラゴンでダイレクトアタック!」

『がああああああ?!』ライフ4800から2200

「トドメ!人造人間サイコショッカーで、ダイレクトアタック!サイバー・エナジー・ショック!」

『ぐわぁああああああ?!おのれ、おのれぇ!』ライフ0

 




遊戯王の邪神の中ではイレイザーが一番好きです。破壊されたら敵味方問わず道連れというのが実に邪神らしいです。皆さんは三邪神の中ではどれが一番好きですか?


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期末試験!ゆうちゃんVSクロノス!

原作の影丸って理事長のままなのでしょうか?
あれだけの事件を起こしたのであれば理事長辞任に加えて逮捕されても仕方ない気がします。


 闇が、崩れ落ちる。

 最後の力を振り絞って、傍らに視線を向けるも

 

「エリクシーラーで、幻魔皇ラビエルを攻撃!」

「うわぁああああああああ?!」

 

『…ラビエル、様…?』

 

 呆然と呟く、闇の精霊、ファントム・オブ・カオス

 

 

『……三幻魔を、人間が打ち倒すとは、な』

「これで、終わりだ」

 

『……私は、実体のない闇。他人の力を借りねば、モンスターを戦闘破壊する事も出来ない…

そんな私を、認めて下さったのはあの方々だけだというのに…』

 

 地面にカードが落ちる。

 効果を読み、攻守を確認するもこっち。

 

 

「…なるほど、寄生虫とはそう言う意味か。サイコショッカー」

『ああ。』

 

 

 影丸が倒れ、倫理委員会のメンバーが確保し、連行する。

 

「サイコショッカー。これで三幻魔の脅威は去った。契約は終わりだが」

『…お前の行く末に興味がある。』

「…好きにするがいい。さて、と」

 

 

 もこっちは踵を返して立ち去ろうとする。

 

 

「あれ?黒木、どこに行くんだ?」

「勉強だ。遊城、そろそろ期末試験だ。無事に世界も救われたし、テストも行われるだろう」

「て、テストぉ?!」

 

 

「十代にとっては、三幻魔の脅威よりもテストの方が大変なようね」

「の、ようだね」

 

 その言葉に足を止めて振り返るもこっち。

 

「すみません、鮫島校長。」

「ふむ?何かな?」

「大徳寺先生がセブンスターズだった以上、錬金術の期末試験はどうなりますか?」

「ほっほっほ。予定通り行います」

「…誰が採点するのですか?」

「デュエルアカデミアの教員は、期日までにテストとその模範解答を提出する事になっています。

既に大徳寺先生の試験問題と模範解答は提出されていますので…」

「わかりました。」

 

 

 

 

 自室に入ると、死のマジックボックスが出現する

 そこから現れるのは…

 

「…ブラック・マジシャン」

『事件解決への尽力、感謝する』

「そう思って居るなら、何らかの報酬を頂きたい物だ。といっても、ない袖は振れぬというなら仕方ないが」

『そんな事は無い。ちゃんと報酬は用意してある。』

 

 三枚のカードが裏側表示で提示される。

 

『一枚を選びたまえ』

「……」

 

 直観で一枚を選ぶもこっち。選ばれたのは

 

「邪神イレイザー、か。これを私に?」

『それと、ファントム・オブ・カオスにかかっていた賞金だ。』

 

 積み上げられる金貨に、呆然とするもこっち。

 

「…困った事があったら言ってきてほしい」

『現金な奴だ。サイコショッカー、お前はどうする?』

『もう少しこちらに居る事にする。そちらは大丈夫か?』

『現状、問題は無い。ドーピングを作っている青髪の錬金術師がいるそうだが、そいつが違法薬物を使って居る可能性がある、ぐらいだ。』

「大問題では無いのか?」

『彼女の友人を知っている。あの世話好きが友人と断言する娘が悪党とは思えないのでな。』

 

『ターミナルワールドはどうだ?』

『現状、4部族が小競り合いをしているが、何時もの事だ。そろそろ、失礼する…』

 

 立ち去った事を確認したもこっちは、眼前の金貨の山を見つめる。

 

「鋳つぶして金塊にして売り飛ばせば」

『それをするなら、私はお前を捕縛せざるを得ない』

 

 その言葉に対し、舌打ちするもこっち。

「…まぁ、いずれ精霊界に行く機会があれば、盛大に散財するとしよう」

 

 それらを備え付けの金庫にしまい、もこっちは勉強に取り掛かる。

 

 

 

 期末試験当日

 さくっと試験を済ませ、もこっちは実技試験の準備に取り掛かる。

 新たに手に入れた邪神イレイザー。これを使うべきか、否か。

 既存の闇機械デッキは場に留まる事でアドバンテージを稼ぐカードが多い。

 イレイザーの場合は別途にデッキを構築してもいいかもしれない。

 おジャマトリオは良いカードだが、それ以外にも無いだろうか?

 

 実技試験の会場に赴くと

 

「黒木智子、君の実技試験は免除されている」

「?」

「セブンスターズを撃退した生徒に関しては実技試験は満点とするよう通達があった。」

「…わかりました。失礼します」

 

 まぁ、今更試験用のデッキに負けるとは思って居ないもこっち。

 もこっちは他の試験を見に行く。

 

 

 

デュエル!

 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

クロノス ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!モンスターをセット、カードを伏せてターンエンド」

 

ゆうちゃん ライフ4000

手4 場 セットモンスター 伏せ1

クロノス ライフ4000

手5 場 

 

 

「ワタクシのターン、ドロー!磁力の召喚円 LV2を発動、手札のレベル2以下の機械族を特殊召喚。古代の機械歯車を特殊召喚するノーネ。

そして場に古代の歯車が居る時、古代の歯車を特殊召喚出来るノーネ」

「…二体の生贄」

「二体のモンスターを生贄に、古代の機械巨人を召喚するノーネ!バトル、セットモンスターを攻撃!」

「貫通効果…でもっ!」ライフ4000から1100

「むっ、素早いモモンガなノーネ…」

 

 クロノスが顔をしかめる。

 

「素早いモモンガの守備力は100、よって2900のダメージを受けますが、素早いモモンガの効果でライフを1000回復、さらにデッキから同名カードを

二体までセット!」ライフ1100から2100

「ターンエンドなノーネ」

 

 

ゆうちゃん ライフ2100

手4 場 セットモンスター セットモンスター 伏せ1

クロノス ライフ4000

手2 場 古代の機械巨人

 

 

「私のターン、ドロー!罠発動!強制脱出装置!場の古代の機械巨人を手札に戻す!」

「ナヌー?!それがあるのに、何故攻撃を…?!」

 

 クロノス教諭の言葉が途切れる。二体の生贄。となれば答えは一つ。

 

「二体のモモンガを生贄に、ビッグコアラを召喚!そして野性解放を発動!ビッグコアラの攻撃力をその守備力分アップ!

よって攻撃力4700!」

「マンマミーア!」

「バトル、ビッグコアラでダイレクトアタック!」

「ワワワー?!マンマミーア!」ライフ0

 

 

 

「こ、これにて試験終了なノーネ…」

「ありがとうございました。」

 

 

 一礼して立ち去るゆうちゃん。

 

「強制脱出装置、か。」

「もこっち。バウンス戦術を一部取り入れてみたわ」

「バウンス戦術を使われた時の対策もしておいた方が良さそう…さて。

これで後は卒業デュエルだけか」

「在校生から誰が選ばれるんだろう?もこっち?」

「最後まで鍵を守れた遊城だろう。」

 

 

 

 卒業模範デュエルは、カイザーと遊城だと発表され、途中遊城が食事を要求したが、飴玉を投げ渡され、キャンディーを舐めながらデュエルを行っていた。

それでいいのか、と呆れつつも糖分摂取は悪くないのかもしれないともこっちは考えこむ。

 

 




こんなデュエル、キャンディー舐めながら出来る!

キャンディー舐めるより非礼な態度のデュエルって何でしょうか?


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夏休み!デュエルリーグ編!
開幕!デュエルワールドリーグ!


遊戯王GXの一期と二期の間に、若手中心の大会が開催されたという設定があります。
そこでエドが活躍し雑誌に取り上げられているシーンがあります。



 帰省する前日。もこっちは校長室に呼び出されていた。

 

「…何でしょうか、鮫島校長」

「呼び出してすみません、黒木さん。夏休みの間に、大会に参加する気はありませんか?」

「大会?」

「8月7日、海馬ドームにて朝10:00から海馬ドームでデュエルワールドリーグが行われます。世界中から1000人は集まる大会になるかと」

「…それに、参加して欲しいと?」

「実技も筆記も優れている貴女なら、参加すれば大きな経験になるかと思いますが」

「分かりました。参加させて頂きます」

「これが参加証だ。受け取り給え」

 

 デュエルワールドリーグ、か。

 

 

 

 帰省したもこっちは、ブレーカーを上げ、水道とガス元栓を開ける。

 誰も居ない空虚な家。蛇口をひねり、温い水道水を飲む。

 

「……」

 

 窓を開け、換気をしつつもこっちは新学期の授業に遅れないよう、勉強に励む。

 夕刻になり、買い物に出かける。

 豆腐、茄子、葱と豚肉のミンチ、麻婆豆腐の元と麻婆茄子の元を買い、米を買い込んで帰宅。

 米を炊飯器で炊けるだけ炊き、一食分を茶碗に盛った後、残りは冷まして冷凍庫で保管する。

 

 

 

 8月7日。もこっちは海馬ドームの参加者の中にいる。

 1000人だという。随分と集めた物だ。

 

 

「それでは、これよりデュエルワールドリーグを開催いたします!」

 

 指示された会場に向かう。相手はアメリカ人だ。

 

 

「やぁ。君が僕の対戦相手か。僕はトム。あの全米チャンプ、バンデットキースに勝った伝説の決闘者だ。サレンダーは受け付けるよ」

 

 雑音を無視して、もこっちはディスクを起動する

 

「ねぇ、聞こえなかったの?」

「審判、対戦相手がデュエルディスクを起動しません。」

「なっ!」

 

 審判がやってきて、トムに注意をする。

 

「…ムカツク、ぶっ潰してやる!」

「バンデットキースに勝った、そう言って居たけれど。」

 

 もこっちの双眸が鋭くなる。

 

「トム、それは何年前?」

「?!」

「それ程の腕があるのに、未だにそんな昔の事を引っ張り出さないといけないの?」

 

 図星だったようだ。キースに勝った。だがその後、トムは実績を作れなかった。

 当たり前だ、ペガサス会長が与えた指示に従っただけな凡人。

 才能など無いのに、祭り上げられてしまった人形。トムの顔が醜く歪む。

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

トム ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー。魔法カード、デビルズサンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚。メタルデビルトークンを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚」

「?!は、ハハハっ!バンデットキースのファンデッキか!そんなデッキで僕に」

「永続魔法、エンジンチューナーを発動。場の機械族モンスターは攻撃表示となり、その攻撃力は守備力分アップする。

今のブローバックドラゴンの攻撃力は2900。ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 ブローバックドラゴン エンジンチューナー

トム ライフ4000

手5 場 

 

「僕のターン、ドロー!僕は魔法カード、デビルズサンクチュアリを二枚発動!そして二体のメタルデビルトークンを生贄に、

出でよ、トライホーンドラゴン!」

「攻撃力2850では、今のブローバックドラゴンは倒せない」

「フン。カードを二枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 ブローバックドラゴン エンジンチューナー

トム ライフ4000

手1 場 トライホーンドラゴン 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー。ブローバックドラゴンの効果発動」

「ライフを1000払い、永続罠、スキルドレイン!場のモンスター効果は無効になる!」ライフ4000から3000

 

 トライホーンドラゴンに照準を合わせるも、ハ・デスから漏れたエネルギーでショートを起こし、ブローバックドラゴンは痺れて動けなくなる。

 

「メカ・ハンターを召喚」

 

 メカ・ハンターが起動すると、ハ・デスから漏れたエネルギーと接触するも何ともない。

 その様子を見てブローバックドラゴンが隣に照準を向け、メカ・ハンターは当惑する。

 

「バトル、ブローバックドラゴンでトライホーンドラゴンを攻撃」

「罠発動!ジャスティブレイク!場の通常モンスターが攻撃対象になった時、発動できる!場の攻撃表示の通常モンスター以外を全て破壊する!」

「チェーンして、速攻魔法エネミーコントローラー。場のブローバックドラゴンを生贄に、トライホーンドラゴンのコントロールを得る」

「なっ?!」

 

 ジャスティブレイクが発動されるも、一体のモンスターも破壊されずに終わる

 

「二体でダイレクトアタック」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

「勝者、ミス・黒木。次の試合会場に向かって貰う」

 

 踵を返し、もこっちは立ち去る。

 

 

 会場に向かいつつ、もこっちは思考を巡らす。

 この大会の参加人数は1024人。総試合数は1023戦。

 11勝すれば優勝。

 

 

 

 次の対戦相手も、アメリカ人だった。

 

「僕はリック。君が対戦相手かな?」

「…はい。またアメリカ人か…」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

リック ライフ4000

手5 場 

 

 

「僕の先攻、ドロー!よし、ルビードラゴンを召喚!そして永続魔法、凡骨の意地を発動!さらにカードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 現れたのは攻撃力1600、レべル4の下級ドラゴン。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

リック ライフ4000

手3 場 ルビードラゴン 凡骨の意地 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー。機械軍曹を召喚」

「攻撃力1600か」

「永続魔法、エンジンチューナーを発動。場の機械族モンスターはその守備力の半分、攻撃力がアップする」

「攻撃力1600から2500?!下級モンスターのステータスじゃあない!」

「バトル、機械軍曹でルビードラゴンを攻撃!」

「ぐっ?!」ライフ4000から3100

 

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 機械軍曹 エンジンチューナー 伏せ1

リック ライフ3100

手3 場 凡骨の意地 伏せ1

 

 

 

「僕のターン、ドロー!暗黒の竜王、ドロー!デビルドラゴン、ドロー!エレキテルドラゴン、ドロー!フェアリードラゴン、ドロー!

レッサードラゴン、ドロー!洞窟に潜む竜、ドロー!エメラルドドラゴン、ドロー!ベビードラゴン、ドロー!神龍ラグナロク、ドロー!

砦を守る翼竜、ドロー!ハウンドドラゴン、ドロー!ここまでか」

 

 手札3枚から14枚まで膨れ上がる手札。一体何を狙っているのかわからないもこっちでは無い。

 大量のドラゴン族を手札に抱える事で、最大限の効果を発揮するモンスターが、一体だけ居る。

 

「いくぞ、スピリットドラゴンを召喚!バトルだ、スピリットドラゴンで機械軍曹を攻撃!」

「……」

 

 もこっちは伏せカードに手を伸ばさない。勝ちを確信するリック

 

「よし、勝った!スピリットドラゴンの効果発動!手札の暗黒の竜王、デビルドラゴン、」

「この瞬間、天罰を発動。スピリットドラゴンの効果を無効にして破壊する」

「?!」

 

 攻撃力3000ポイントアップしかけたスピリットドラゴンに、天罰が降り注ぐ。

 雷に打たれて倒れ込むスピリットドラゴンは、鰻を連想させる。

 

「まさか天罰とは…ならばメインフェイズ2!フィールド魔法、フュージョンゲートを発動!

手札のエレキテルドラゴン、フェアリードラゴン、レッサードラゴン、洞窟に潜む竜、エメラルドドラゴンを除外してF・G・Dを融合召喚!

さらにベビードラゴン、神龍ラグナロク、砦を守る翼竜、ハウンドドラゴン、サファイアドラゴンを除外し、F・G・Dを融合召喚!ターンエンドだ!」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 機械軍曹 エンジンチューナー 

リック ライフ3100

手0 場 F・G・D F・G・D 凡骨の意地 フュージョンゲート 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー。手札の沼地の魔神王の効果発動、手札から捨てて、デッキから融合を手札に加える。」

「融合を。だが機械軍曹を融合素材にする融合モンスターは存在しない!」

「魔法カード、オーバーロードフュージョン。墓地のリボルバードラゴンと沼地の魔神王を除外融合。

起動せよ、ガトリングドラゴン」

「?!そうか、天罰のコスト…」

 

 破壊兵器が起動し、F・G・Dに照準を向ける。

 F・G・Dもそちらに対し、威嚇の咆哮をあげる。

 

「効果発動!コイントス!」

 

 表、表、表。

 

「?!三回表だって?!」

「よってF・G・D二体と機械軍曹を破壊!ガトリングドラゴンでダイレクトアタック!!」

 

 一斉掃射を受けて、F・G・Dが粉砕される。そして流れ弾が機械軍曹に直撃し、

 敵と味方の区別も出来ないのか!と言いたげな表情を浮かべて粉砕される。

 

 エンジンチューナーにより、攻撃力が600アップしたガトリングドラゴンのダイレクトアタックが炸裂する

 

「…お見事」ライフ0

 

「そこまで。ミス・黒木。第三回戦へ」

 

 一礼し、立ち去るもこっち。

 

 

 

 三回戦の会場。

 もこっちの相手は

 

「江戸川…思い出した、万丈目が言って居たノース校のトップ」

「あのデュエルは見ていたぜ。サンダーの仇、猶更負けられねぇ!」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

江戸川 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!ダブルコストンを召喚!さらに魔法カード、生け贄人形。場のモンスターを生贄に、

手札のモンスターを特殊召喚!来い、デビルゾア!」

「?!デビルゾア…」

「ほう、知っているようだな」

「真紅眼はあんなに派生があるのに、何故インダストリアルイリュージョン社は派生を作らないのか…」

「ペガサス会長はああ見えてケチって噂だからなぁ。俺はカードを二枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 本人が聞けば睨み付けてきそうなセリフをいう江戸川。

 それに対し頷くもこっち。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

江戸川 ライフ4000

手1 場 デビルゾア 伏せ2

 

 

 

「私のターン、ドロー!ドリラゴを召喚。このカードは、相手の場に攻撃力1600以上のモンスターしか存在しない場合、

ダイレクトアタックが出来る。ドリラゴでダイレクトアタック!」

「ぐっ、だが1600如き」

「速攻魔法、リミッター解除!」

「なっ?!ぐううううっ?!」ライフ4000から800

 

 一気にダメージを受けるが、江戸川は不敵に笑う

 

「だが、これでエンドフェイズにそいつは破壊される」

「速攻魔法、エネミーコントローラー。場のドリラゴを生贄に、デビルゾアのコントロールを得る」

「?!これが…サンダーを倒した本校生代表の実力か」ライフ0

 

 

 

「そこまで。勝者、ミス・黒木。四回戦の会場へ向かいなさい」

 

 

 踵を返し立ち去ろうとするもこっちに、声がかけられる

 

「黒木!勝てよ」

 

 その言葉に足を止め、振り返りつつもこっちは告げる

 

「言われずとも」

 




キースに勝ってしまったトムという少年は、その後どうなったのでしょうか?
才能があるとは明言されておらず、一躍有名になってしまった。
あくまでも宣伝として使っただけで、闇のプレイヤーキラー曰く「ああ見えてケチ」と陰口を叩かれる当時のペガサスが目をかけるとは思えません。

デビルゾア君の強化はまだですか?ダークネスの世界に引きずり込まれて、その後アンデット化して……強化されない方が幸せなのかもしれません。


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激闘、デュエルリーグ!強襲、サイコ流!

サイコ流は外道流派と言われていますが、相手が不調(胸を押さえ、倒れている)にも関わらずデュエルの続行を強要し、出来ないなら自分の勝利だ、というスポーツマンシップの欠片も無い言動では外道と罵られても仕方ないでしょう。

カイザー、翔、鮫島校長は対戦相手が不調ならば日を改めたりデュエルを中断するとかそういう対応を取ると思います。



 第四回戦。

 

 浅黒い肌に、目つきの鋭い青年が立っていた。

 

「…黒木智子。貴方は?」

「俺はサイコ流継承者、猪爪誠だ」

「サイコ流…サイバー流と対を為すデュエル流派と聞いた事がある。さて、始めよう」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

猪爪 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は人造人間サイコ・リターナーを召喚!そして魔法カード、おろかな埋葬を発動!デッキから人造人間サイコ・ショッカーを墓地に送る。

カードを二枚伏せターンエンドだ」

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

猪爪 ライフ4000

手2 場 サイコ・リターナー 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!」

「罠発動!死のデッキ破壊ウィルス!場の攻撃力1000以下の闇属性、サイコ・リターナーを生贄に、お前の手札の攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊する!」

「…サイコ・ショッカー、可変機獣ガンナー・ドラゴン、旧型発進、機甲部隊の最前線、時の機械タイムマシーン、オーバーロードフュージョンだ」

「?!さ、サイコ・ショッカーを使うだと!」

「おかしな話では無い。こいつの効果は便利だからな。サイコ・ショッカーとガンナー・ドラゴンよ、墓地で出番を待て。

最もすぐに仕事だが」

「サイコ・リターナーが墓地に送られた事で、サイコ・ショッカーを特殊召喚する!」

「…タイミングを逃さない、優秀だな。魔法カード、旧型発進を発動。墓地の機械族を特殊召喚。蘇れ、可変機獣ガンナー・ドラゴン」

「て、てめぇ!なんでサイコ・ショッカーを復活させない!」

「サイコ・ショッカーが立っている以上、罠は無意味。行け、ガンナー・ドラゴン!」

 

 キャタピラを響かせ、サイコ・ショッカーを狙撃するガンナー・ドラゴン。

 

「ぐっ?!」ライフ4000から3600

「永続魔法、機甲部隊の最前線を発動、カードを伏せターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手1 場 ガンナー・ドラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1

猪爪 ライフ3600

手2 場 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!ライフを800払い、魔法カード、洗脳ブレインコントロールを発動!」ライフ3600から2800

「ガンナー・ドラゴンのコントロールを奪われたか…」

「バトル!ガンナー・ドラゴンでダイレクトアタック!」

「やってくれる…!」ライフ4000から1200

 

「メインフェイズ2だ、場のガンナー・ドラゴンを生贄に、いでよ、サイコ・ショッカー!」

「これが、サイコ流の得意戦術、洗脳戦術か。観客受けは悪いだろうが、好印象だ」

「ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ1200

手1 場 機甲部隊の最前線 伏せ1

猪爪 ライフ2800

手1 場 サイコ・ショッカー 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!引いたのは強欲な壺。二枚ドロー!引いたのはリボルバードラゴンと沼地の魔神王」」

「ハハハ!リボルバードラゴンは破壊…だ…?」

「沼地の魔神王を墓地に捨て、融合を手札に加え、魔法カード、オーバーロードフュージョン!

墓地のリボルバードラゴンと沼地の魔神王を除外融合!ガトリングドラゴン、起動!」

 

 

 サイコ・ショッカーの前にガトリングドラゴンが出現し、照準を合わせる。

「ぐっ?!」

「効果発動!コイントス!裏、裏、裏…バトル!サイコ・ショッカーを攻撃!」

「ぐううううっ?!」ライフ2800から2600

「ターンエンドだ」

 

 

 

もこっち ライフ1200

手0 場 ガトリングドラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1

猪爪 ライフ2600

手1 場 伏せ1

 

「俺のターン、ドロー!お前のガトリングドラゴンにビッグバンシュートを装備!

これで攻撃力が400アップし、貫通能力も得る!そしてモンスターをセット。ターンエンドだ!」

 

 

もこっち ライフ1200

手0 場 ガトリングドラゴン 機甲部隊の最前線 伏せ1

猪爪 ライフ2600

手0 場 セットモンスター ビッグバンシュート 伏せ1

 

 

 一見、プレイングミスに思われるが高度な戦術を披露する猪爪。

 貫通能力では無い。今ガトリングドラゴンで攻撃したら、ダメージを受けるのはもこっちの方だ。

 

「私のターン、ドロー。ウィルス効果だな。引いたのは強化支援メカヘビーウェポン!」

「?!ば、馬鹿なッ!」

「強化支援メカを召喚し、ガトリングドラゴンとユニオンさせ、ガトリングドラゴンの効果発動!裏!裏!表!」

「キラートマトが?!俺が…負ける?」

「バトル、ガトリングドラゴンでダイレクトアタック!」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

「そこまでだ。勝者、ミス・黒木。五回戦の会場へ向かいなさい」

 

 

「こ、この俺が…」

「私の勝ちだ。」

 




観客受けするデッキって何でしょうか?


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激闘!デュエルリーグ!ヨハンVSMOKOCHI

今回はあっさり目です。ご注意ください。


 第五回戦

 相手は少年、といってもフリルをつけており、どことなく浮世離れしている感が漂う。

 

「やぁ、君が俺の対戦相手か」

「…よろしく」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ヨハン ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!メカ・ハンターを召喚。カードを二枚伏せ、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 メカ・ハンター 伏せ2

ヨハン ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はトーチ・ゴーレムを特殊召喚!」

 

 ヨハンの場に二体のモンスターが出現する!

 

「これは…。」

 

 もこっちは傍らに気配を感じ、そちらを見ると攻撃力3000のゴーレムが立っている。

 闇マリクとのデュエルを思い出し、ヨハンを睨むもこっち。

 

「トーチ・ゴーレムは俺の場に二体の攻撃表示のトーチ・トークンを特殊召喚した上で、相手の場に特殊召喚されるのさ。

永続魔法、魂吸収を二枚発動。バトルだ!トーチ・トークンでトーチ・ゴーレムを攻撃!」

 

 もこっちは思考を高速回転させる。攻撃力0で3000に攻撃する理由、そして永続魔法、魂吸収の効果…

 発動させたら戦略が瓦解する、厄介な速攻魔法の存在に気が付いたもこっちは、リバースカードを発動させる!

 

「リバースカードオープン!魔法効果の矢!」

「?!よりにもよって!!速攻魔法、非常食!二枚の魂吸収を墓地に送り、ライフを2000回復!」ライフ4000から6000

「だが、非常食は破壊する!」

 

 発動した魔法効果の矢に対し、魂吸収が即座に墓地へ送られた為に魔法効果の矢は外れるが、そのまま軌道を変えた魔法効果の矢は

 非常食の缶を打ち砕き、乾パンが飛び散る!

 

「グッ…」ライフ6000から5500

「そしてトーチ・ゴーレムの反撃!」

「ぐううううっ?!」ライフ5500から2500

 

 よろめくが、ヨハンは両足でしっかりと立ち、手札からカードを一枚選択し、魔法・罠ゾーンに入れて発動させる!

 

 

「速攻魔法、ヘルテンペストを発動!互いの墓地とデッキのモンスターカードを全て除外する!」

「やはり…」

 

 デモニック・モーター・Ω、リボルバー・ドラゴン、ブローバック・ドラゴン

ツインバレル・ドラゴン、スフィアボム 球体時限爆弾、ダブルコストン、人造人間サイコ・ショッカー、機械軍曹、ドリラゴ、魔鏡導師リフレクトバウンダー、クリッター、沼地の魔神王、可変機獣ガンナー・ドラゴン、魔装機関車デコイチ、ニードルバンカー…

 ヨハンの方は二枚のトーチ・ゴーレムと傀儡虫三枚、メタモルポットだ。

 メインデッキのモンスター七枚という尖り具合に内心驚くもこっち。

 とはいえ【ゴーレム】ならば珍しくないか。

 

 お互い、モンスターカードが無くなったデッキをシャッフルし、ディスクにセットする。

 

「俺は魔法カード、所有者の刻印を発動。トーチ・ゴーレムを返して貰うぜ。ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 メカ・ハンター 伏せ1

ヨハン ライフ2500

手0 場 トーチ・ゴーレム トーチ・トークン

 

「私のターン、ドロー!永続魔法、エンジンチューナーを発動!機械族モンスターの攻撃力はその守備力の半分アップする!

バトル!メカ・ハンターでトーチ・ゴーレムを攻撃!」

「攻撃力2250で攻撃力3000のトーチ・ゴーレムを攻撃?!何を狙って居る!」

「リバースカードオープン!メタル化魔法反射装甲!」

「!!攻撃時、相手モンスターの攻撃力の半分を装備モンスターに与えるカード…俺の負け、か」

「メタル化により、攻撃力は2550までアップ!さらに攻撃力1500が加算され、その攻撃力は4050!」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

「そこまで!勝者、黒木智子!」

「あっちゃー…負けたか。何がまずかったんだ?」

 

 

 考え込むヨハンを放置し、もこっちは次の会場へ向かう。

 




 遊戯王GX107話にて。エドがインダストリアルイリュージョン社の大会を制した際、ペガサス会長から
 「数年前にヨーロッパの大会に宝玉獣のカードを持参していたら、ヨハンがデュエルを始めると同時に、宝玉獣のカードが反応した」
 という回想シーンがありました。つまりヨハンは宝玉獣と出会う前は別のデッキを使って居た事になります。

 GX本編開始後であるこの時点で既に所持しているはずですが、宝玉獣を使わないヨハンを書いてみたくなりました。
 宝玉獣の活躍を期待していた方には申し訳ありません。この作品ではこの後宝玉獣と出会う事になります。


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激闘!デュエルリーグ!オブライエンとジム!

HACHIMANがいるなら、MOKOCHIが居てもいい。
自由とはそういう物だ。

今回は二戦連続です。


 第六回戦

 褐色の肌に特徴的な顔だちの少年が立つ。

 

「……」

 

 こちらをじっと見ている。もこっちも言葉は不要と考え、ディスクを起動する。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

オブライエン ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!魔法カード、コストダウンを発動。手札のリボルバードラゴンを墓地に捨て、手札のモンスターのレベルを2つ下げる。

これにより、人造人間サイコ・ショッカーを召喚!永続魔法、エンジンチューナーを発動。場の機械族モンスターの攻撃力はその守備力の半分アップ。

カードを伏せターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手1 場 サイコ・ショッカー エンジンチューナー 伏せ1

オブライエン ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!ファイヤートルーパーを召喚!このカードを墓地に送り、お前に1000ポイントのダメージを与える」

「……」ライフ4000から3000

「魔法発動、ファイヤーバック!手札の炎属性モンスターを墓地に送り、墓地の炎属性モンスターを特殊召喚。ヘルフレイムエンペラーを墓地に送り、

蘇れ、ファイヤートルーパー!また1000のダメージだ」

「……」ライフ3000から2000

「もう一枚発動だ!手札のファイヤートルーパーを墓地に送り、ファイヤーバック!」

 

 再び繰り返されるファイヤートルーパーによるバーン。

 

「……これで手札は一枚。ファイヤーバックがあろうとコストとなる炎属性モンスターは居ない」ライフ2000から1000

「カードを伏せる。ターンエンドだ」

 

もこっち ライフ1000

手1 場 サイコ・ショッカー エンジンチューナー 伏せ1

オブライエン ライフ4000

手0 場 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!バトル!サイコ・ショッカーでダイレクトアタック!」

「モンスターは引けなかったようだな」ライフ4000から850

 

 ライフ1000のもこっちなど、次のドローでバーンカードを引ければ容易く倒せる。そう思ったオブライエンは

 もこっちが鋭い双眸で自身を見ている事に気が付く

 

「このターンを凌げたから勝った、か。舐められた物だな。メインフェイズ2、死者蘇生を発動。墓地からファイヤートルーパーを引きずり出す」

「?!なっ!しまった!」

「効果発動!1000のダメージを受けて貰う」

「ぐわぁああああ!」ライフ0

 

 

「そこまで!勝者、黒木智子」

「ぐっ…油断した。黒木智子、その顔と名前は覚えたぞ…」

 

 

 

 

 第七回戦

 ワニを背負ったカウボーイ。

 というか、後ろのワニは生きているのではないか?

 

「君が俺の相手か。ちょっと意外だったよ、オブライエンが敗れるとは」

「…友人の仇討ちをするつもり?」

「ハハハッ、交流戦で一度戦った事があるだけさ。さて、始めるか」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ジム ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はシェル・ナイトを守備表示で召喚!効果発動!召喚・反転召喚・特殊召喚成功時に、相手に500ポイントのダメージを与える」

「……」ライフ4000から3500

「そしてカードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

もこっち ライフ3500

手5 場 

ジム ライフ4000

手4 場 シェル・ナイト 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!クロス・ソウルを発動!バトルフェイズを放棄する代わりに、相手モンスターを生贄に出来る。

シェル・ナイトを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚!効果発動!コイントス!表、表、裏!」

「炸裂装甲が破壊されたか…」

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

もこっち ライフ3500

手3 場 ブローバックドラゴン 伏せ1

ジム ライフ4000

手4 場 

 

「俺のターン、ドロー!手札のモンスターカード、ウルルの守護者を墓地に送り、魔法カード、標本の閲覧を発動。

種族とレベルを宣言、相手は宣言された種族とレベルを満たすモンスターをデッキまたは手札から墓地に送らねばならない。

俺は機械族、レベル6を宣言!」

「…サイコ・ショッカーを墓地に送る」

「ワッツ?!サイコ・ショッカーを持っているのか!一気に攻める!魔法カード、化石融合-フォッシル・フュージョンを発動!

墓地のシェル・ナイトとサイコ・ショッカーを化石融合する!」

「相手の墓地のモンスターを使った融合召喚?!」

「現れろ!中生代化石騎士 スカルナイト!」

「攻撃力2400…」

 

 剣と盾を構えた化石の騎士が現れる。

 

「…岩石族か。アンデット族かと思ったが…」

「装備魔法、フュージョンウェポンを発動!スカルナイトの攻守は1500アップする!」

「攻撃力3900…」

 

「バトル!スカルナイトでブローバックドラゴンを攻撃!」

「ぐっ…」ライフ3500から1900

「ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ1900

手3 場 伏せ1

ジム ライフ4000

手1 場 中生代化石騎士 スカルナイト フュージョンウェポン 

 

「私のターン、ドロー!モンスターをセット、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ1900

手3 場 セットモンスター 伏せ1

ジム ライフ4000

手1 場 中生代化石騎士 スカルナイト フュージョンウェポン 

 

「俺のターン、ドロー!装備魔法、ビッグバンシュートをスカルナイトに装備!これによりスカルナイトの攻撃力は400ポイントアップし、

貫通能力を得る!」

「攻撃力4300の貫通…」

「このターンで決める!バトル!スカルナイトでセットモンスターを攻撃!」

「セットしていたのは球体時限爆弾スフィアボム!スカルナイトに装備!」

「なっ?!」

 

 スカルナイトに爆弾がセットされる。外そうとするが、両手がふさがって動けない。

 武器を外そうにも、フュージョンウェポンにより直接融合している。

 

「グッ…ターン、エンド」

 

 

もこっち ライフ1900

手3 場 スフィアボム 伏せ1

ジム ライフ4000

手1 場 中生代化石騎士 スカルナイト フュージョンウェポン ビッグバンシュート 

 

「私のターン、ドロー!ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ1900

手4 場 スフィアボム 伏せ1

ジム ライフ4000

手1 場 中生代化石騎士 スカルナイト フュージョンウェポン ビッグバンシュート 

 

 

「お、俺のターン、ドロー!!……くっ」

「スフィアボムの効果発動!スカルナイトを破壊してその攻撃力分のダメージを与える!」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

「そこまで!勝者、黒木智子!」

「強いな、だが…この借りは必ず返す!」

 

 ジムの目ともこっちの双眸が一瞬交差する。

 次の会場へ、もこっちは歩き出す。

 




感想、お待ちしております。


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激闘!デュエルリーグ!太陽を覆う物!

今回はあっさり目です。
感想待っています。


 第八回戦

 もこっちの前に黄金に宝石を散りばめたデュエルディスクを装着した少年が立つ。

 余りの趣味の悪さに呆れてしまうもこっち。成金にも程がある。

 

「これに興味があるのか?無理もない、これはガラム財閥の家宝だ。」

「…そう」

 

 思わず顔がひきっつてしまうもこっち。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

アモン ライフ4000

手5 場 

 

「僕のターン、ドロー。手札の天空の使者ゼラディアスの効果発動。手札から捨てて、デッキからフィールド魔法、天空の聖域を手札に加え、発動。」

「【天使族】…」

「ほう?ここまで勝ち上がって来ただけの事はあるか。だが単なる天使族では無い。雲魔物ータービュランスを召喚。

効果発動、場の雲魔物の数だけ、このカードにフォッグカウンターを乗せる。場には一体、よってカウンターが一つ乗る」

「攻撃力800を攻撃表示…戦闘ダメージは聖域で0に出来るとしても…」

「永続魔法、雲魔物のスコールを発動。ターンエンドだ」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

アモン ライフ4000

手3 場 タービュランス(1) 天空の聖域 雲魔物のスコール 

 

 

「私のターン、ドロー!ツインバレルドラゴンを召喚!効果発動!コイントス!」

「ほう、ギャンブルモンスターか、それでよくぞここまで勝ち上がれたものだ」

「表、表!よってタービュランスを破壊!」

「なっ?!」

「バトル、ツインバレルドラゴンでダイレクトアタック!」

「ぐうううっ?!」ライフ4000から2300

 

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 ツインバレルドラゴン 伏せ1

アモン ライフ2300

手3 場 天空の聖域 雲魔物のスコール 

 

 

「僕のターン、ドロー!このスタンバイフェイズ、雲魔物のスコールの効果発動。

場のモンスターにフォッグカウンターを載せる」

 

 湿気に対し、苛立たしそうなツインバレルドラゴン。

 

「僕は墓地の雲魔物タービュランスを除外し、雲魔物ストーム・ドラゴンを特殊召喚!

さらに、雲魔物キロタロスを召喚!効果発動、召喚成功時に場に存在する雲魔物の数だけフォッグカウンターを載せる。よって二つのフォッグカウンターが載る」

「カウンターが二つ…」

「フォッグカウンターを二つ取り除いて効果発動!モンスター一体を破壊する!消えろ、ツインバレルドラゴン!」

「そういうデッキか…」

「バトル!二体の雲魔物でダイレクトアタック!」

「……」ライフ4000から2100

「ストーム・ドラゴンの効果発動、フォッグカウンターをキロタロスに載せる。ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ2100

手4 場 伏せ1

アモン ライフ2300

手2 場 ストーム キロタロス(1) 天空の聖域 雲魔物のスコール 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、融合を発動!手札の沼地の魔神王とブローバックドラゴンを融合!

ガトリングドラゴンを融合召喚!」

「ほう…ギャンブルモンスターか」

「強化支援メカヘビーウェポンを召喚。ガトリングドラゴンとユニオンさせる!」

「攻撃力3100…」

「ガトリングドラゴンの効果発動!コイントスを三回行い、表の数だけモンスターを破壊する!表、表、表!」

「なっ?!」

「よって、二体の雲魔物とガトリングドラゴンを破壊!」

 

 雲魔物たちは狙撃されて次々と打ち砕かれ、暴発したのかガトリングドラゴンも誘爆する。しかし!

 

「ユニオンモンスターを破壊する事で、ガトリングドラゴンの破壊は免れる」

「?!こんな事がッ!」

「ダイレクトアタック!」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

「そこまで!勝者、黒木智子。会場はあそこだ」



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激闘!デュエルリーグ!もう一人のHERO使い!

今回もあっさり目です。


 第九回戦

 もこっちの前に、スーツを着た少年が立つ。

 プロデュエリスト、若き天才と言われたエド・フェニックス。

 

 

「おや、アモンでは無くて君か」

「…だったらどうする?」

「まぁいい、誰が相手だろうと、僕は僕の仕事をするまでさ」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

エド ライフ4000

手5 場 

 

 

「僕の先攻、ドロー!僕はE・HERO フェザーマンを召喚!」

「HEROデッキ…」

「カードを二枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

エド ライフ4000

手3 場 フェザーマン 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!ダブルコストンを召喚!バトル、フェザーマンを攻撃!」

「罠発動!ドレインシールド!攻撃を無効にして、攻撃モンスターの攻撃力分のライフを得る」ライフ4000から5700

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 ダブルコストン 伏せ1

エド ライフ5700

手3 場 フェザーマン 伏せ1

 

「僕のターン、ドロー!僕は融合を発動。場のフェザーマンと手札のバーストレディを融合。カモン!E・HEROフェニックスガイ!」

「フレイムウィングマンでは無い…?」

「バトルだ!ダブルコストンを攻撃!」

「……罠発動!」ライフ4000から3600

 

 巨大な機械がもこっちの後ろに出現するが、突如ショートする!

 振り返るもこっち。

 

「?!時の機械タイムマシーンが」

「カウンター罠、トラップジャマーを発動していたのさ」

 

 エドの場にオープンされているカード。

 

「……やってくれる」

「カードを伏せて、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ3600

手4 場 

エド ライフ5700

手1 場 フェニックスガイ 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!天使の施しを発動、三枚ドローして、二枚を捨てる。旧型発進を発動、墓地の機械族を再起動。蘇れ、サイコ・ショッカー!」

「?!ふっ、ここまで勝ち上がって来ただけの事はある、か」

「バトル!サイコ・ショッカーでフェニックスガイを攻撃!サイバーエナジーショック!」

「フェニックスガイは戦闘では破壊されない!」ライフ5700から5400

「…カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ3600

手3 場 サイコ・ショッカー 伏せ1

エド ライフ5700

手1 場 フェニックスガイ 伏せ1

 

「僕のターン、ドロー!スパークマンを召喚!さらに装備魔法、スパークガンをスパークマンに装備。これで」

「リバースカードオープン!月の書!スパークマンを裏側守備表示に変更する!」

「?!そう来たか…対象を失ったスパークガンは破壊。フェニックスガイを守備表示に。ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ3600

手3 場 サイコ・ショッカー 

エド ライフ5700

手0 場 フェニックスガイ セットモンスター 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、融合!手札のリボルバードラゴンとブローバックドラゴンを融合!

ガトリングドラゴンを融合召喚!効果発動!コイントス!裏、表、表!」

「なっ?!」

「よって、フェニックスガイとセットされているスパークマンを破壊!」

 

 銃撃が浴びせられ、二体のHEROが破壊される!

 場も手札も尽きたエドは、動揺を隠せない。

 

「ボクが…負ける?」

「サイコ・ショッカーとガトリングドラゴンでダイレクトアタック!」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

「しょ、勝者!黒木智子!」

 この結末は予想外だったようだが、審判は己の役割を果たす。



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激闘!デュエルリーグ!猛攻!全米チャンプ!

感想待っています。


 眼鏡をかけた、知性的な金髪の女性が立つ。

 

「…レベッカ・ホプキンス?」

「イエース!ユーが対戦相手ね。楽しませて貰うわ!」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

レベッカ ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はビッグバンガールを守備表示で召喚!さらに永続魔法、平和の使者を発動!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

レベッカ ライフ4000

手2 場 ビッグバンガール 平和の使者 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!メカ・ハンターを召喚。永続魔法、エンジンチューナーを発動!場の機械族モンスターは、その守備力の半分攻撃力がアップする。

カードを一枚伏せ、ターンエンド」

「エンドフェイズに、神の恵みを発動!」

 

もこっち ライフ4000

手3 場 メカ・ハンター エンジンチューナー 伏せ1

レベッカ ライフ4000

手2 場 ビッグバンガール 平和の使者 神の恵み 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!神の恵みでライフを500回復」ライフ4000から4500

「そして、ビッグバンガールの効果で500のダメージ…」ライフ4000から3500

「平和の使者の維持コストとして、ライフ100を払う」ライフ4500から4400

 

 守りを固めてくる、と思って居るもこっちに対し、レベッカは愉し気に笑う

 

「私はサファイアドラゴンを召喚!そして永続魔法、絶対魔法禁止区域を発動!場の通常モンスターは魔法カードの効果を受けない!

ユーのメカ・ハンターも魔法耐性を得たわ!」

「…平和の使者をすり抜けて攻撃出来る…か」

「その通り!バトル、サファイアドラゴンでメカ・ハンターを攻撃!」

「……」ライフ3500から3450

 

 もこっちの後ろに、巨大な機械が出現する!

 

「?!時の機械タイムマシーン?!」

「メカ・ハンターを特殊召喚」

「モンスターを残してしまったわね、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ3450

手3 場 メカ・ハンター エンジンチューナー 

レベッカ ライフ4400

手1 場 ビッグバンガール サファイアドラゴン 平和の使者 絶対魔法禁止区域 神の恵み 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!場のメカ・ハンターを生贄に、人造人間サイコ・ショッカーを召喚!」

「攻撃力2400?!しかもエンジンチューナーで攻撃力は3150までアップ?!」

「速攻魔法、魔法効果の矢を発動!平和の使者と絶対魔法禁止区域を破壊して、1000ポイントのダメージを与える」

「オゥ、ノー!」ライフ4400から3400

 

「バトル!サファイアドラゴンを攻撃!」

「やってくれたわね!」ライフ4400から3150

「ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ3450

手2 場 サイコ・ショッカー エンジンチューナー 

レベッカ ライフ3150

手1 場 ビッグバンガール 神の恵み 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!装備魔法、明鏡止水の心をビッグバンガールに装備!これでビッグバンガールは戦闘とカード効果では破壊されない!ターンエンドよ!」

 

 

もこっち ライフ3450

手2 場 サイコ・ショッカー エンジンチューナー 

レベッカ ライフ3150

手1 場 ビッグバンガール 明鏡止水の心 神の恵み 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、デビルズサンクチュアリを発動!メタルデビルトークンを特殊召喚。

そしてメタルデビルトークンを生贄に、ブローバックドラゴンを召喚!」

「ブローバックドラゴン?!」

「対象は明鏡止水の心!効果発動!コイントス!表、裏!」

 

 ここで表が出れば勝ちは決まる。

 

「…出たのは、表!よって装備魔法を破壊する!」

「アンビリーバボー…」

 

「バトル!ブローバックドラゴンでビッグバンガールを攻撃!」

 

 壁モンスターは銃撃で破壊された。後は

 

「人造人間サイコ・ショッカーでダイレクトアタック!」

「きゃあああああああ!」ライフ0

 

 

「しょ、勝者…黒木、智子!」

「エクセレント。素晴らしいデュエルデシタ、智子ガール」

「ふん、本校生が制したか。鮫島は結果を出しているようだな」

 

 降りて来るのは、部下からああ見えてケチと陰口を叩かれるペガサス会長。

 そして色々と頭がおかしい海馬瀬人。

 

 彼らにミレニアムアイがあれば、この場でもこっちは断罪されていただろう。

 

 

「…ありがとうございます」

「貴様の名前、覚えておいてやる」

「ユーには、後程インダストリアルイリュージョン社から、機械族の新作カードを提供しまーす。

皆さん、この勝者に盛大な拍手を!!」

 

 

 会場の人々から拍手と、嫉妬と羨望の視線、カメラのフラッシュを浴びながらもこっちは立っていた。



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第二期 破滅の光編
運命の始まり!新入生、黒木智貴!


GXの二次創作で思うのですが、ゴブリン突撃部隊と最終突撃命令かスキルドレインの組み合わせってよくやられ役が使いますが何故ですかね?作者さんは嫌な思い出でもあるのでしょうか?

そもそもOCGでゴブリン突撃部隊がやられ役?ごもっとも…


 10月。アカデミアに新学期が訪れた。進級試験をクリアし二年生に進級したもこっちはアカデミアの始業式に居た。

 昨年度、セブンスターズの襲来により、人的損失が出た。女医、警備員、レッド寮の寮長と管理人が失われた。

 

 鮫島校長は出張。その代理をクロノス教諭が務め、ブルー男子寮はナポレオン教頭が担当する。

 後任のレッド寮の代理寮長はトメさんである。

 

「レッド寮の寮長はトメさんが代理をするノーネ、以上、解散なノーネ」

 

 

 

 歓迎会用の米と味噌汁の準備を済ませたトメさんはファラオを撫でながら崖下を見る。

 新入生と遊城十代のデュエルが始まった。

 相手は何処にでもいる「普通」の少年。ただ、その目つきは鋭く、トメさんはある少女を連想する。

 

 

 

「よろしくお願いします、遊城先輩!」

「おう!」

 

「十代と新入生がデュエルだと?」

「あんな奴、中等部には居なかった…あれ、でもどこかで見たような気が」

「黒木智貴君ッス」

「黒木…黒木さんの弟?!」

 

 二人が距離を取り、ディスクを起動する。

 

「始まるよ!」

 

 

 

デュエル!

 

智貴 ライフ4000

手5 場 

十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!よし」

「ふむ、良いカードを引いたようだね」

 

「何あの態度」

「先輩風が吹き荒れているッス…」

 

 

「魔法カード、増援を発動!デッキからゴブリン突撃部隊を手札に加え、召喚!カードを二枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

智貴 ライフ4000

手3 場 ゴブリン突撃部隊 伏せ2

十代 ライフ4000

手5 場 

 

「俺のターン、ドロー!俺はスパークマンを召喚!」

「攻撃力1600を攻撃表示…何かある」

「おう!装備魔法、スパークガンを装備!これでモンスターの表示形式を3回まで変更出来る!ゴブリン突撃部隊を守備表示に変更!」

 

 電撃を浴びせられ、ゴブリン突撃部隊は痺れて倒れ込む

 

「バトル!新入生の目を覚ましてやれ!スパークフラッシュ!」

「攻撃宣言時に永続罠発動!最終突撃命令!場のモンスターは全て攻撃表示になる!」

 

 ギロリ、とスパークマンを睨みつけ、ゴブリン突撃部隊が立ち上がり、スパークマンを包囲して袋叩きにする。

 

「なっ?!スパークマン!」ライフ4000から3300

 

 

「あの新入生、十代相手に先制を取りやがった」

「まずいわね、次のターンモンスターを召喚されたら…」

 

「俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

 

 

 

智貴 ライフ4000

手3 場 ゴブリン突撃部隊 最終突撃命令 伏せ1

十代 ライフ3300

手3 場 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!装備魔法発動!デーモンの斧!これでゴブリン突撃部隊の攻撃力は3300!

バトル、ゴブリン突撃部隊で遊城先輩にダイレクトアタック!」

「カウンター罠、攻撃の無力化!バトルフェイズは終了するぜ!」

「止められた。メインフェイズ2に入り、不屈闘士レイレイを召喚。ターンエンド」

 

 

智貴 ライフ4000

手2 場 ゴブリン突撃部隊 不屈闘士レイレイ デーモンの斧 最終突撃命令 伏せ1

十代 ライフ3300

手3 場 

 

 

「ん?なんで攻撃する前にレイレイを召喚しなかったんだ?」

「デーモンの斧を装備したゴブ突のダイレクトアタックが通れば勝ちでしたし、その伏せカードは激流葬やミラーフォースといった逆転のカードだと思ったからです」

「へぇ~…」

 

 

「あの馬鹿、新入生からプレイングを学んでどうする」

 

 

「よし、俺のターン、ドロー!強欲な壺を発動、カードを二枚ドロー!

魔法カード、戦士の生還を発動!墓地からスパークマンを手札に戻す。

そして融合発動!手札のスパークマンとクレイマンを融合!サンダージャイアントを融合召喚!」

「サンダージャイアント…」

「そして融合回収を発動!墓地からスパークマンと融合を手札に戻し、サンダージャイアントの効果発動!

手札の融合を捨てて、このカードより元々の攻撃力が低いモンスターを破壊!ゴブリン突撃部隊を破壊!」

「?!デーモンの斧は場から墓地に送られた時、場のモンスターを生贄に捧げる事で墓地からデッキの一番上に戻す事が出来る。

場の不屈闘士レイレイを生贄に、デーモンの斧をデッキの一番上に戻す!」

「俺はスパークマンを召喚!そして魔法カード、R-ライトジャスティスを発動!

場のE・HEROの数だけ場の魔法・罠カードを破壊する!最終突撃命令と伏せカードを破壊!」

「?!ミラーフォースが…」

「そうか、ミラーフォースがあるからレイレイを犠牲にしてまで、デーモンの斧をデッキに戻したのか…

バトル!サンダージャイアントとスパークマンでダイレクトアタック!」

「わぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

「ありがとうございました、遊城先輩」

「ハハハ、頑張れよ新入生」

「ハイっ!」

 

 

「十代ちゃんが勝ったのかい?」

「そうッス。」

 

 

 

 崖からあがってきた智貴は他の先輩及びトメさんに一礼すると、その場を後にする。

 

「いやぁ、新入生って可愛いな。俺は先輩って柄じゃないから結構苦労したぜ」

「フン、えらくも無い奴が偉そうにするとボロが出る」

 

 




 と言う訳でGX二次創作でよくかませにされるゴブリン突撃部隊と最終突撃命令でした。力押しですが、ライフ4000と少ないのでこういうデッキも有りだと思います。


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サンダーvsエリート君! 地獄デッキ出撃!!

「万丈目と新入生のデュエル…ね」

「急なセッティングだけれど、何でもこれに万丈目が勝てばブルーに復帰になるらしいわよ?」

「…ふむ」

 

 立ち上がるもこっち。

 

「あれ?何処に行くの?」

「少し、くぎを刺して置く」

 

 

 

 オシリスレッド寮の食堂にて

 

「俺様に話とはなんだ、黒木」

「新入生とデュエルするそうね?」

「ああ、五階堂だが…どうした?俺が負けるとでも?」

「これには寮の入れ替えがかかっているという。貴方は一度ブルーからレッドに落ちた。

それ故に戻れるだけの実力があるかどうか、学園は試そうとしている。」

「だろうな」

 

「…となれば、かつて貴方が中等部の頃に使っていたデッキで相手をした方が良いかもしれない」

「あのデッキ…か」

 

 考え込む万丈目。

 

「黒木、デュエルモンスターズって攻撃力だけが全てか?」

「違う。ライフ4000をいかに早く削り落とせるか。軽んじてよい要素では無いが、モンスター効果、カード間のシナジーも重要だ」

 

 

 

 

 

 午後二次、デュエルフィールドにて。

 

 新入生と万丈目が互いのデッキをシャッフルする。

 先攻は新入生、五階堂から始まる。審判はナポレオン教頭だ。

 

 

 

デュエル!

 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

五階堂 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「僕の先攻、ドロー!俺は切り込み隊長を召喚!切り込み隊長の効果発動!手札のレベル4以下のモンスターを特殊召喚!

二体目の切り込み隊長を特殊召喚!カードを伏せて、ターンエンドだ!」

 

 

 

万丈目 ライフ4000

手5 場 

五階堂 ライフ4000

手3 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ1

 

 

「切り込みロック、か」

「あれが中等部のトップらしいけれど、アカデミアの中等部はどうなっているのかな?」

「様子見としては悪くないコンボだ。普通の相手なら通用する」

 

「でも万丈目は普通じゃないぜ、黒木」

「…遊城、お前が言うと意味が違ってくる」

 

 思わずジト目で遊城にツッコミを入れるもこっち。

 

 

 

「俺のターン、ドロー!手札を一枚捨て、死者への手向けを発動!

切り込み隊長を破壊する!そしてライフを800払い、早すぎた埋葬を発動!蘇れ、煉獄魔獣ヘルバーナー!」ライフ4000から3200

「ついに来たか!万丈目先輩のエースモンスター!」

 

 

 その言葉に思わず顔を見合わせるもこっちとゆうちゃん。

「万丈目のエースモンスターってなんだっけ?」

「VWXYZとアームドドラゴンのどちらかのはずだが」

 

 

「相手モンスターが一体居る事により、ヘルバーナーの攻撃力は3000!バトル!俺はヘルバーナーで切り込み隊長を攻撃!」

「永続罠発動!リビングデッドの呼び声!蘇れ、切り込み隊長!これで攻撃は出来ませんよ!」

「相手モンスターが増えた事で攻撃力は3200になる。カードを伏せ、ターンエンドだ」

 

 

 

万丈目 ライフ3200

手2 場 ヘルバーナー 伏せ1

五階堂 ライフ4000

手3 場 切り込み隊長 切り込み隊長 リビングデッドの呼び声 

 

 

「僕のターン、ドロー!二体のモンスターを生贄に、ギルフォード・ザ・レジェンドを召喚!」

「攻撃力2600、お前のエースモンスターだな。モンスターが減った事でヘルバーナーの攻撃力も3000になる」

「手札を一枚捨て、装備魔法、破邪の大剣バオウを発動!これで攻撃力500ポイントアップして、攻撃力3100!バトルだ!

ギルフォード・ザ・レジェンドで、ヘルバーナーを攻撃!」

 

 

 巨大な大剣を振り下ろし、ヘルバーナーを切り伏せるギルフォード・ザ・レジェンド。

 悪魔を退治する伝説の戦士、というのは絵の題材として申し分ない。

 だが

 

 

「罠発動!ヘル・ブラスト!場のモンスターが破壊された時、フィールドで一番攻撃力が低いモンスターを破壊し、

互いにその攻撃力の半分のダメージを受ける!」ライフ3200から3100

「しまった!今のギルフォード・ザ・レジェンドの攻撃力は3100!つまり1550のダメージが…うわぁあああ!」ライフ4000から2450

「フン」ライフ3100から1550

 

「くっ…ターン、エンド」

 

 

万丈目 ライフ1550

手2 場 

五階堂 ライフ2450

手1 場 リビングデッドの呼び声 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は地獄の番熊を召喚。」

「攻撃力1300か」

 

 ホッとする五階堂。まだこのターンを凌ぎきった訳でも無いのに安堵する姿に、冷たい視線を送るもこっち。

 ライフ2450で壁モンスターも伏せも無いなど、あまりにも頼りない。

 

「装備魔法、巨大化を発動。地獄の番熊に装備。ライフは俺の方が少ない、よって攻撃力は二倍になる」

「こ、攻撃力2600?!」

「バトルだ。地獄の番熊でダイレクトアタック!」

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

 

「勝者、ムッシュ万丈目!これにより、光り輝くオベリスクブルーに復帰なのでアール!」

 

 

 こうして、万丈目は再びブルーへ復帰していった。




アニメ版万丈目のエースモンスターって何でしょうか?
漫画版は光と闇の竜で確定ですが。


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ティラノ剣山登場!!

デュエルディスク99本集めた、というティラノ剣山ですが
デュエルアカデミアの生徒は全部で何人なのでしょうか?


 デュエルアカデミアの道を、黒木姉弟が歩く。

 

「…学校には慣れた?」

「うん。姉ちゃんは大丈夫?」

「心配要らない。」

 

 その背中には、大量のデュエルディスクがある。

 

「僕が遊城先輩に頼まれた事なのに、姉ちゃんまで巻き込んで」

「別にいい、弟や妹を助けるのが、兄や姉として先に生まれた者の使命だから」

 

 

 歩いて居たが、唐突に智貴の足が止まる

 

「実はさ、姉ちゃん。この先に橋が架かっているけれど」

「知っている」

「そこで、デュエルディスク狩りをしている奴が居るらしくて」

「…それで、これだけ足りなくなっている、と。」

 

 向かう先に目を向けるもこっち。

 

「そう言う事なら、さっさと行こう。」

「姉ちゃん?!えっとその、迂回する道知らない?」

「知っているが、その程度は問題にはならない」

 

 もこっちはデュエルディスクを背負い直すと、颯爽と歩き出す

 その後ろに智貴が続く。

 

 ややあって橋の所まで到着すると、ラーイエローの制服を改造したような少年が立っている。

 といってもかなり筋肉質で鍛えられている

 

「勝負するドン!」

「…智貴、知り合い?」

「同級生だけれど…」

 

 一拍おいて、もこっちは告げる

 

「今は出来ない。このデュエルディスクを届けないといけないからな。後でラーイエロー寮前まで行けばいいか?」

「駄目ザウルス!逃がさないドン!」

「智貴、これを持っていて。」

「姉ちゃん?」

 

 デュエルディスクを起動するもこっち。

 その様子を見て、似たような恰好をしている取巻きの一人が声を上げる

 

「アニキ!あ、あのブルー女子って!」

「どうしたドン?」

 

 雑誌を取り出して、あるページを開く。

 

「何々?8月7日、1000人の海馬コーポレーション主催「デュエルワールドリーグ」が海馬ドームにて行われた。

世界中から一千人のデュエリストが集結し、白熱の舞台を繰り広げた。特に若手の活躍が目立ち、優勝したのはデュエルアカデミア本校の…

ま、まさか?!」

「その大会なら制した。」

「と言う事は、お前を倒せば俺は一躍デュエルアカデミアのネクストカリスマ!勝負ザウルス!」

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

剣山 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、古のルールを発動!」

「えっ?古のルール?」

 

 もこっちが発動したカードに、声を上げる取巻き

 

「どうしたんだ?」

「いや、雑誌には効果モンスターと魔法・罠を駆使した機械族使いって…」

 

 

「姉ちゃん、まさかそのデッキ」

「そう。あのデッキ。ちなみにこれは大会の時に使ったデッキでは無い」

「なっ?!本気のデッキを使ってくるドン!」

「なら、まずはこのデッキを打ち破ってみるがいい。古のルールにより現れろ!TM-1ランチャースパイダー!」

 

 

「攻撃力2200?最上級モンスターにしては情けない数値だドン」

「七つ星モンスターのTM-1ランチャースパイダー。でもその攻撃力は2200、守備力も2500しかなく効果も無い」

「なんであんな使えないカードをわざわざ入れているんだ?」

 

「永続魔法、機甲部隊の最前線を発動、カードを伏せてターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 TM-1ランチャースパイダー 機甲部隊の最前線 伏せ1

剣山 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は俊足のギラザウルスを特殊召喚!」

「俊足のギラザウルス…手札から特殊召喚出来、その場合私は墓地のモンスターを特殊召喚出来るが、私の墓地にモンスターは一体も居ない」

「そういう事ドン!俺は俊足のギラザウルスを生贄に、暗黒トリケラトプスを召喚!」

 

「攻撃力2400の上級モンスター、か」

「その通りだドン!二体の生贄が必要な癖に、攻撃力2200しかないなんて情けないドン!バトル!暗黒トリケラトプスで

ランチャースパイダーを攻撃!」

「……機甲部隊の最前線の効果発動!」ライフ4000から3800

 

 もこっちの場に新たな機械族が現れる

 

「機械軍曹?」

「場の機械族が戦闘破壊された時、デッキから同じ属性で攻撃力の低い機械族を特殊召喚出来る。」

「あれ?ランチャースパイダーって何属性ドン?」

「炎属性、よって炎属性の機械軍曹をデッキから特殊召喚した」

「フン、俺はカードを伏せてターンエンドだドン」

「エンドフェイズに永続罠、蘇りし魂を発動。墓地の通常モンスターを守備表示で再起動。ランチャースパイダーを特殊召喚」

 

 

 大笑いする取巻き達

「また出たー!レベルが高いだけの木偶のボウ!」

「守備力2500で凌ごうってつもりかな?」

 

 

もこっち ライフ3800

手2 場 TM-1ランチャースパイダー 機械軍曹 機甲部隊の最前線 蘇りし魂

剣山 ライフ4000

手3 場 暗黒トリケラトプス 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!ランチャースパイダーを攻撃表示に変更。そして永続魔法、エンジンチューナーを発動。

場の機械族モンスターは攻撃表示となり、その攻撃力は守備力の半分アップする!」

「守備力の半分?えっと、守備力2500の半分は」

 

「攻撃力2200に1250ポイント加算されて、3450だよ」

「げっ?!ま、マズイドン!」

「そして機械軍曹の守備力は1800、半分の900アップするから攻撃力は1600+900で2500」

「にッ?!2500って、下級モンスターのステータスじゃあないドン!」

 

「バトル。機械軍曹で暗黒トリケラトプスを攻撃」

「ぐっ?!」ライフ4000から3900

「TM-1ランチャースパイダーでダイレクトアタック。」

「うわぁああああああああ?!」ライフ3900から450

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

もこっち ライフ3800

手1 場 TM-1ランチャースパイダー 機械軍曹 機甲部隊の最前線 エンジンチューナー 蘇りし魂 伏せ1

剣山 ライフ450

手3 場 伏せ1

 

 

「お、俺のターン、ドロードン!俺は手札を一枚捨てて永続罠、化石発掘を発ドン!蘇れ!超伝導恐獣!

そしてフィールド魔法、ジュラシックワールドを発ドン!場の恐竜族・鳥獣族モンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップ!」

「……」

「バトル!超伝導恐獣でランチャースパイダーを攻撃!」

「罠発動」

「ジュラシックワールドの中では、恐竜族と鳥獣族は罠カードの対象にならず、効果も受けないドン!」

「援護射撃。機械軍曹の攻撃力2500をランチャースパイダーに加える」

 

 機械軍曹が超伝導恐獣に切りかかり、一撃を加える。

 そちらに目を向けた超伝導恐獣に、ランチャースパイダーがミサイル攻撃を放ち、爆殺する!

 

「うわぁああああああああ?!」ライフ0

 

 

 

 

「あ、アニキが負けた…?」

 

 一瞥したのち、デッキを太もものケースにしまうもこっち

 

「出発よ、智貴」

「姉ちゃん…これはどうするの?」

「どうもしない。アカデミアに来てやることがデュエルディスク狩りとは、侮辱する価値も無い」



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昆虫少女VS翔

最近ヴレインズが面白い。不定期にはなりますが、更新再開します。


「翔の昇格を賭けたデュエルの相手が、ブルー女子から選ばれる?」

「まぁ、オベリスクブルー男子がオシリスレッドの男子に負けると、ねぇ…」

 

 もこっちはそう言われて考え込む。確かにかなり外聞は悪い。だが一気に昇格させるとなると、相応の相手を用意しないといけない。

 

「もこっちはどうするの?」

「遠慮して置く。メリットが無い。」

「勝てばプロリーグへの推薦状が貰えるらしいけれど?」

「クロノス校長にそれだけの権限があるとは思えない。そんな話に乗らないといけない時点で、自力でプロになれないと言っているような物だ」

 

 酷評するもこっち。だがどうやらそれに乗った奴がいるらしい。

 

 

「…あれは、昆虫族使いの山谷か?」

「山谷理恵さんね。対戦した事無かったなぁ…」

 

「あの子、本気なのかしら?」

「胡蝶先輩」

 

 赤い髪を腰まで伸ばした上級生が隣に腰掛ける。

 

「本気、とは?」

「見て居ればわかるわ。オシリスレッドとはいえ、亮様の弟君が相手なんて、ね」

「知り合いなんですか?」

 

「彼が本気で怒ると怖いって亮様が以前言っていたわ」

「…それは、恐ろしいな」

 

 あの彼が恐ろしいと言うほどの相手…か。

 しかしどうしたら本気で怒るのだろうか?

 

 

 

「貴方が私の相手ぇ?まぁいいわ。このデュエルで勝って、私はプロリーグへ行くわ!」

「ここで勝てばやっとラーイエローに…行くッス!」

 

 

デュエル!

 

山谷理恵 ライフ4000

手5 場 

翔 ライフ4000

手5 場 

 

 

「始まったか。さてお手並み拝見……」

 

 山谷の初手が見えたもこっちは無言になる。

 

「インヴェルズ・ギラファが三枚とインヴェルズ・グレズと手札断殺、か」

「それは…ご愁傷さまね」

 

「ふっ、完璧な手札だわ!」

「なっ?!か、完璧な手札ッスか!」

「先攻は貰うわ、ドロー!速攻魔法、手札断殺!互いに手札を4枚墓地に送り、墓地に送った枚数分ドローする。」

「僕も5枚捨てて、五枚ドローするッス」

「「ドロー!」」

 

 

「魔法カード、ソウルチャージを発動!墓地のギラファ三体を特殊召喚!その後、特殊召喚したモンスター一体につき、500ライフを失う」ライフ4000から2500

「一気に最上級モンスターが、三体ッスか?!」

「ターンエンドよ」

 

 

山谷理恵 ライフ2500

手4 場 ギラファ ギラファ ギラファ 

翔 ライフ4000

手5 場 

 

 

「僕のターン、ドローッス!魔法カード、ビークロイドコネクションゾーンを発動!手札のドリルロイド、サブマリンロイド、スチームロイドを融合!

スーパービークロイドジャンボドリルを融合召喚ッス!」

「攻撃力、3000?!」

「バトルッス、ギラファを攻撃!」

「キャッ!」ライフ2500から2100

 

「僕はカードを二枚伏せて、ターンエンドッス」

 

 

 

山谷理恵 ライフ2100

手4 場 ギラファ ギラファ 

翔 ライフ4000

手0 場 ジャンボドリル 伏せ2

 

 

「私のターン、ドロー!メインフェイズ開始時、墓地のインヴェルズの斥候の効果発動!場に魔法・罠カードが存在しないとき、墓地から特殊召喚出来る!

そして私は三体のインヴェルズを生贄に!インヴェルズ・グレズを召喚!」

 

 大型インヴェルズが現れ、翔を見下ろす。

 

「攻撃力、3200?!」

「それだけじゃないわ。グレズの効果発動!ライフを半分払い、このカード以外の全てのカードを破壊する!」ライフ2100から1050

「リバースカードオープン!スキルドレイン!ライフを1000払い、場の全てのモンスター効果を無効にするッス!」ライフ4000から3000

 

 

「…上手いな、この組み合わせは」

「どういう事?もこっち」

「すぐにわかる。ゆうちゃん、翔の伏せカードは進入禁止NoEntoryだ。プロ入りしようとしている相手にNoEntoryとはかなり残酷だな」

 

「なら装備魔法、巨大化をグレズに装備!これで攻撃力は二倍になる!バトル、そのおもちゃをぶっ壊しなさい!インヴェルズ・グレズ!」

「罠発動!進入禁止NoEntory!場の全てのモンスターは、守備表示になるッス!」

「…ターンエンド」

 

 

山谷理恵 ライフ1050

手3 場 グレズ 巨大化 

翔 ライフ3000

手0 場 ジャンボドリル スキルドレイン

 

 

「僕のターン、ドローッス!」

 

「これで翔の勝ちだな。ジャンボドリルは貫通効果がある」

「もこっち、スキルドレインで効果は無効に」

「ならない。ビークロイドコネクションゾーンで呼び出したビークロイドのモンスター効果は無効にならない。見事だ、翔。ビークロイドにスキルドレインを入れるのは相当な覚悟が必要だぞ。」

 

 

「バトル!ジャンボドリルでインヴェルズ・グレズを攻撃!これで終わりッス!」

「何を言って、守備表示なのよ、ダメージは…きゃああああ!」ライフ0

 

 

 

「ウィナー、丸藤翔なのーネ!」

 

 

 小さく拍手を送り、もこっちは踵を返して歩き出す。うかうかしていられない。




翔が本気で怒ると怖い、とはカイザーのセリフですが一体何をして怒らせたのでしょうか…


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MOKOCCHIVS巨大戦艦

少し時系列は飛びます。


「…カイザーがエドに負け、その後プロリーグから姿を消し。しかもエドに十代が負けて」

「白い制服を来て、学園を真っ白に染める、とか言い出しちゃったわね」

「何を考えている。あれでは敷金は帰ってこないぞ」

「敷金って」

 

 意外と俗っぽいなぁとは言わないゆうちゃん。

 彼女も敷金が帰ってくるよう気を付けて部屋を使っているからだ。

 

 あれから十代は学園を白に染めるべく、刺客を他の寮へ差し向けたりしている。

 

 

「黒木だな、お前も白に染めてやる!これからは黒木では無くて白木と名乗るがいい!」

「断る。私の姓はいずれ変わるだろう。だがそれはいまでは無いし、相手はお前では無い!」

 

 そう啖呵を切り、もこっちは太ももにセットしていた別のデッキを取り出し、セットする。

 彼相手に使ってみたいデッキがあるからだ。

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

銀 流星 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は俺だ、ドロー!見るがいい、これが斎王様から与えられた力だ!フィールド魔法、巨大要塞ゼロスを発動!」

「死皇帝の陵墓では無いのか」

「発動時、デッキからボスラッシュを手札に加える」

「ほう、優秀だな」

「まだだ。巨大要塞ゼロスの効果発動!1ターンに1度、手札の巨大戦艦を特殊召喚!」

「…かなり優秀だな」

「いでよ、巨大戦艦 ビッグ・コアMk-III!」

「ビッグコアの後継機か?」

 

 現れたのはビッグコアの後継機とも言うべき攻撃力2700の巨大戦艦。だがその攻撃力は500ポイントアップする。

 

「…そのフィールド魔法は巨大戦艦の攻撃力を500アップさせる効果もあるのか」

「それだけでは無い!守備力もアップするし、相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない!」

「攻撃力3200までアップか、だがカウンターが無い巨大戦艦など恐れるに足らんな」

「コイツは召喚・特殊召喚成功時にカウンターが三つ乗る。さらに巨大要塞ゼロスの効果発動!俺の場に巨大戦艦が特殊召喚された時、その巨大戦艦が使用するカウンターが一つ乗る!」

「…一枚のカードに効果を詰め込み過ぎでは無いか?」

 

 

 流石に呆れてしまうもこっち。

 

「永続魔法、ボスラッシュを発動!ターンエンドだ!」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

銀 流星 ライフ4000

手4 場 巨大戦艦 ビッグ・コアMk-III(カウンター4) ボスラッシュ 巨大要塞ゼロス 

 

 

「私のターン、ドロー!ビクトリー・バイパー XX03を召喚!」

「?!なっ、お前!そのデッキは!」

「流石に気が付くか。巨大戦艦使いの相手としては最適だと思うのだがな。装備魔法、団結の力、魔導師の力、デーモンの斧を発動。

これで攻撃力は団結の力で800、魔導師の力で1500、デーモンの斧で1000アップし、攻撃力は4500だ」

「ぐっ…だがそれでもまだライフは残る!」

「魔法カード、パワーカプセルを二枚発動。ビクトリー・バイパーの効果を発動。私はオプショントークン精製を選択。

これでビクトリー・バイパー XX03の攻撃力は4500から6100になる」

「攻撃力6100が三体?!」

「バトル、オプショントークンでビッグコアを攻撃」

「ぐううっ!」ライフ4000から1100

「カウンターを一つ取り除かれて戦闘破壊は出来ないが、これでチェックメイトだ。やれ、ビクトリー・バイパー XX03!」

「うわぁあああああ!」ライフ0

 

 

 

 倒れるが洗脳が解ける様子は無い。

 

「…厄介だな、増える一方で減らせない敵などどうしようもない。こういう場合は大本を叩くのがセオリーだが…」

 

 初手が揃っていた事でワンキルしてしまったが、もこっちとしては巨大戦艦VS超時空戦闘機は好きな組合せなのでもう少しじっくりと楽しみたかった。

 ただ、いつの間にか巨大戦艦側が新兵器を二つも開発しているとあって持久戦に持ち込ませるべきでは無いと判断しワンキルを狙ってしまった。




斎王が見たビジョンでは十代がエドに負けた後白に染まるそうなので、本来はホワイトサンダーの立ち位置に十代が居たのでしょうね。白い制服を着た十代はさぞや似合わないと思います。


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修学旅行タッグデュエル!

原作でも拙作でも修学旅行先がドミノ町になっていましたが、クロノス教諭が案内してくれるイタリア旅行とか最高だと思います。


 修学旅行先はドミノ町に決定した。

 伝説のデュエルの舞台となった町だが、もこっちはドミノ博物館には興味こそあれ、

 遊戯とリバイバルスライムが激突した橋の下など見てもあまり感情移入はできない。

 

 

 

「結構ドライだね、もこっち」

「まぁ、修学旅行などこんなものだ」

 

 光の結社、として多くのメンバーがどこかに行ったことで、教員は自由行動を命じて解散となり、閑散とした場所からどこへとなく歩き出す。

 

 とはいえ、すぐに飽きてしまう。デュエルの聖地と言っても、あくまでも舞台。役者たる決闘者がいないのでは興ざめだ。

 ここぞとばかりに武藤さんの実家に押し掛けるのも迷惑だろう。

 

 

 

 散策にやや飽きてきたとき、二人の前に見知らぬ男二人が立ちはだかる。

 大柄な男と眼鏡をかけた男。

 

 

「俺は光の結社の岩丸!」

「俺は炎丸!」

 

「…ドミノ町は平和になったと聞いていたが、やはり偽りか」

「すぐに人は変われないよ」

「そうだな、デュエルの申し込みか。受けてたとう」

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

岩丸 ライフ4000

手5 場 

炎丸 ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺はマイン・ゴーレムを守備表示で召喚!カードを伏せ、ターンエンド!」

「私のターン、ドロー!魔法カード、デビルズ・サンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚。このトークンを生贄に、人造人間サイコショッカーを召喚!」

「ぐっ!サイコ・ショッカーだと!」

「魔法カード、トランスターンを発動、場のレベル6闇属性のサイコ・ショッカーを墓地に送り、デッキからリボルバードラゴンを特殊召喚!

リボルバードラゴンの効果発動!対象はマイン・ゴーレム!コイントス!表、表、裏!」

「くそっ!」

「カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

「俺のターン、ドロー!火口に潜む者を守備表示で召喚!二重召喚を発動!場のモンスターを生贄に、いでよ、炎帝テスタロス!

効果発動!お前の手札をランダムに一枚捨てさせてもらうぞ!」

「えっ、私?!ん…」

 

 手札を裏側向きにしてシャッフルし、一枚を捨てる。捨てられたカードは

 

「レベル7の森の番人グリーンバブーン」

「それがモンスターなら、そのレベル×100のダメージだ!」

「キャッ!」ライフ4000から3300

「カードを伏せ、ターンエンド!」

「私のターン、ドロー!おとぼけオポッサムを召喚!効果発動!相手の場にこのカードより攻撃力の高いモンスターがいる場合、自身を破壊できる!」

 

「そんなコンボに何の意味がある」

「今なら守備表示での召喚を認めてやってもいいぞ」

「これでいいわ。場の獣族がカード効果で破壊されたことで、墓地の森の番人グリーンバブーンの効果発動!ライフを1000払い、墓地から特殊召喚!」ライフ3300から2300

 

 

 場に現れた大型モンスターに驚いた二人だったが、炎丸の方はにやりと笑う

 

「ふっ、それが狙いか。ならば手加減はいらないな。罠発動!火霊術紅!場の炎属性モンスターを生贄に、その攻撃力分のダメージを与える!」

「えっ、ちょっと待って」

「不要だ。永続罠、リビングデッドの呼び声を発動。甦れ、サイコ・ショッカー。逆順処理により、サイコ・ショッカーの効果が適用され、紅の効果は無効だ」

「なっ!」

 

「あ、ありがとう」

「礼は不要だ。タッグデュエルでパートナーを守るのは当然。」

「なら、この礼は勝利で返す。カードを伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 リボルバードラゴン 人造人間 リビングデッドの呼び声 

ゆうちゃん ライフ2300

手3 場 森の番人グリーンバブーン 

岩丸 ライフ4000

手4 場 伏せ1 

炎丸 ライフ4000

手2 場 

 

 

「なかなかやるな、俺のターン、ドロー!化石融合を発動!俺の墓地からマイン・ゴーレムとそちらの墓地のおとぼけオポッサムを除外し、現れろ、新生代化石騎士 スカルポーン!」

「私の墓地から、融合素材を調達?!なんて効果なの!」

「装備魔法、フュージョン・ウェポンを装備!これで攻撃力は3500!バトル!スカルポーンでリボルバードラゴンを攻撃!」

 

 攻撃がリボルバードラゴンに向かう!

 

「サイコ・ショッカーがいるから罠カードは発動できない、これは止められないだろう!」

「誰か忘れているよっ!リバースカードオープン!月の書!これでスカルポーンを裏側守備表示に変更!」

「?!くっ、ターンエンドだ」

 

「私のターン、ドロー!リボルバードラゴンの効果発動!対象はセット状態のスカルポーン!コイントス!裏、裏、表…仕方ない、あとは任せる。

バトル!リボルバードラゴン、サイコ・ショッカーで炎丸にダイレクトアタック!」

「うわぁああああ!」ライフ0

 

「炎丸!」

「ターンエンドだが、ターンプレイヤーが倒れたことでゆうちゃんのターンだ」

「ええ、このターンで決める!私のターン、ドロー!激昂のミノタウロスを召喚!そして魔法カード、野生解放を発動!森の番人グリーンバブーンの攻撃力は守備力分アップし、攻撃力は4400になる!

バトル、森の番人グリーンバブーンでセットされているスカルポーンを攻撃!」

「激昂のミノタウロスの効果は、場の獣族・獣戦士族への貫通能力付与…」

「鳥獣族も忘れないで上げて。」

「ぐうううっ!」ライフ4000から400

「ミノタウロスでダイレクトアタック!」

「うわぁあああああ!」ライフ0

 

 

 きっちり相手を仕留め、もこっち達はその場を後にする。




美寿知さんの中での岩丸、炎丸、雷丸、氷丸の信頼度はどうなっているのでしょうか?一様に凡庸、それとも氷=雷>岩=炎でしょうか?


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クイズデュエル!?

神田 次男と九庵堂栄太、同じクイズテーマなのになぜここまで違うキャラになったのでしょうか…


 修学旅行も終わり、再び学園生活が戻ってきた。

 早朝、もこっちが散策していると白い制服を着た生徒にデュエルを挑まれる。

 

「私とデュエル?」

「さぁ、おたくはこの挑戦を受けますか!」

「…クイズ使いの神田か。以前から言いたいと思っていたことがあるが、言葉より体感したほうが早いだろうな」

 

 互いに距離を取り、ディスクを起動する。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

神田 次男 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻はもらいます、ドロー!永続魔法クイズ・アワーを発動!」

「これがキーカードのようだな…」

「レディース&ジェントルメン!イッツ、クイズ・アワー!」

「観客がいないのが寂しいな」

 

 周りを見渡し、冷たく言うもこっちだが、それにもめげずにきっちり役を演じる彼を見ていると案外大物だな、と評価を修正する。

 

「フィールドに、「オシリスの10」、「ラーの10」、「オベリスクの10」をセットする。このクイズ・パネルは攻守0のカードです。存分に攻撃してください。

今回の回答者は黒木智子さん。そして出題者は、この神田次男です。カードを伏せてターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

神田 次男 ライフ4000

手4 場 セットモンスター セットモンスター セットモンスター クイズ・アワー 伏せ1

 

 

「手札二枚の消費で、モンスター三体展開するか。私のターン、ドロー!

魔法カード、融合!手札のリボルバードラゴンとブローバックドラゴンを融合!融合召喚!ガトリングドラゴン!」

「が、ガトリングドラゴン!そいつの効果は!」

「魔法カード、融合解除を発動」

「?おたく、ガトリングドラゴンの効果は使わないのですか…?」

 

 

 すべて成功すれば場をがら空きにしたうえで攻撃できる状況にも関わらず、もこっちは効果を使わず駒を揃えていく。

 

「魔法カード、強欲な壺を発動、二枚ドロー。強化支援メカヘビーウェポンを通常召喚。魔法カード、機械複製術を発動。デッキからヘビーウェポンを二体特殊召喚。

一体の効果発動、リボルバードラゴンにユニオンさせる」

「おたくは一体何を考えて…」

「バトル、まずヘビーウェポンでオベリスクの10を攻撃」

 

「クイズ・バトル・オベリスクの10のリバース効果発動!これから出すクイズを10秒以内に答えてください」

「逃げ惑う民、弾圧される民、団結するレジスタンス」

 

 即座に答えるもこっち。唖然とする神田。

 

「問題は大革命に必要なカード、だろう?」

「ぐっ、正解です…僕は500のダメージを受け、デッキ・手札からオベリスクの20をセットします!」ライフ4000から3500

 

 

「二体目のヘビーウェポンでオベリスクの20を攻撃!」

「クイズ・バトル・オベリスクの10のリバース効果発動!」

「1だ、お互いの墓地に眠るモンスターのレベルの合計だろう?今はクイズ・バトル・オベリスクの10しかいない。そしてそいつのレベルは1だ」

「ま、まさか…僕は800のダメージを受け、デッキ・手札からオベリスクの20をセットします!」ライフ3500から2700

 

 

「ブローバックドラゴンでオベリスクの30を攻撃!」

「クイズ・バトル・オベリスクの10のリバース効果発動!」

「ウィジャ盤、封印されしエクゾディア、終焉のカウントダウン」

「特殊な勝利条件を発生させるカード…正解です、僕は1200のダメージを受けます…」ライフ2700から1500

 

 

「リボルバードラゴンでセットされているラーの10を攻撃!」

「クイズ・バトル・ラーの10のリバース効果発動!」

「ガガギゴ、ギガ・ガガギゴ、ゴギガ・ガガギゴ、ガガギゴ、ギガ・ガガギゴ、ゴギガ・ガガギゴ、ガガギゴ、ギガ・ガガギゴ、ゴギガ・ガガギゴ」

「ぐっ、やはりおたくはクイズを全部知っていますね?」ライフ1500から1000

 

 ラーの10で500のダメージを受け、神田はデッキからラーの20をセットする。

 

「確かにそのデッキは面白い。だが答えが知られていてはクイズにならない。しかしそのデッキは衆人環視の中でこそ映えるデッキ。

ペガサス会長に毎回違うクイズを出せるよう頼んだらどうだ?例えば強欲な壺の歯は何本か、とか。」

「助言、感謝します。ですがこれでおたくの攻撃は終了」

「いいや。速攻魔法、コンビネーションアタック。ユニオンを解除し、現れろ、強化支援メカヘビーウェポンよ。

そしてこの効果を受けたリボルバードラゴンはもう一度攻撃できる。バトルだ、強化支援メカヘビーウェポンでセットされたラーの20を攻撃。さて、こればかりは引き次第、だな」

 

 ラーの20はデッキからテキストが50字以下のカードをドローせよ、というクイズ。

 どうやらペガサス会長の中ではこれはクイズらしい。

 

「引いたのはデモニック・モーター・Ω、50字以上なので800のダメージを受ける。」ライフ4000から3200

「デッキから、ラーの30をセット!」

「リボルバードラゴンで攻撃!」

「僕はデッキからカードを一枚選択します、そのカードに書かれているモンスターの数を答えてください。僕が選んだのは、百獣大行進!」

「19体」

「…正解、です」ライフ0

 

 

 

 

 デュエルが終わり、神田は座り込む。

 

「タネがばれたクイズでは勝ち続けることは難しいだろうが、レディース&ジェントルメン!イッツ、クイズ・アワー!と言っていた時のお前は輝いている。

そちらの道を模索したらどうだ?では、な」

 

 そう言い残し、もこっちは立ち去る。




拙作で登場しなかったクイズ。
オシリスの10:腕立て伏せを20回せよ 
オシリスの20:今、何ターン目?
オシリスの30:1分間息を止めよ

ペガサス会長の中でこれがクイズというのが驚きです。


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ジェネックス開幕!

斎王が見たビジョンでは、十代がホワイト化していたそうですが…ちょっと想像ができません。光属性のモンスターは結構多いですが。


 鮫島校長が出張を終えて戻る。プロアマオープンの大会を開催する、とのことだが。

 

 

「メダルの獲得数と生き延びた日数が成績に反映されるって」

「同じ寮生同士で潰しあうこともないな。白い制服の生徒を狙うことにする」

 

 

 もこっちはそう言ってその場を後にする。

 

 

 光の結社の一員を見つけ、もこっちはデュエルを挑む。

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

光の結社 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺はマシンナーズ・ソルジャーを召喚!効果発動、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合にこのカードの召喚に成功したとき、

手札から同名カード以外のマシンナーズを特殊召喚出来る!手札よりスナイパーを特殊召喚!

おろかな埋葬を発動!デッキからマシンナーズ・ディフェンダーを墓地へ。アイアンコール発動!ディフェンダーを特殊召喚!

二重召喚発動!出でよ、督戦官コヴィントン!」

 

「ほう?」

 

「コヴィントンの効果発動!場の三体のマシンナーズを墓地に送り、いでよ、マシンナーズ・フォース!ターンエンドだ!」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

光の結社 ライフ4000

手0 場 マシンナーズ・フォース コヴィントン

 

 

「私のターン、ドロー。魔法カード、闇の誘惑を発動、二枚ドローして手札のリボルバードラゴンを除外。

七星の宝札を発動、手札のレベル7のリボルバードラゴンを除外して、二枚ドロー。」

「エースモンスターを次々と除外してどうするつもりだ?」

「装備魔法、D・D・Rを発動、手札のリボルバードラゴンを捨てて除外されているリボルバードラゴンを特殊召喚。」

 

 

 今回のジェネックスに参加するため、バニラ蘇生に用いていたギミックを投入しているもこっち。

 

 

「来たか、ギャンブルモンスター。だが恐れるに足らず!光の前ではすべてが無力!」

 

 その言葉を受け、マシンナーズ・フォースをみやるもこっち。

 

「…光とはいったい。まぁいい、効果発動!対象はマシンナーズ・フォース!コイントス!」

 

 無情にも裏裏裏。

 

「む、旧型発進を発動。私の墓地から機械族を特殊召喚。再起動だ、リボルバードラゴン。コイントス!」

「無駄だ!人間ごときに運命を変えることはできない!」

「運命を変えられないとあきらめた人間に、運命を変えることなど出来ない。その点だけは同意だ。コイントス!」

 

 表表表。

 

「マシンナーズ・フォースを破壊」

 

 大爆発を起こし、フォースが砕け散る

 

「うわぁああああああ?!運命が!」

「バトル、リボルバードラゴンでコヴィントンを攻撃」

 

 射撃を受け、コヴィントンが破壊され

 

「リボルバードラゴンでダイレクトアタック」

「ぐうううっ!」ライフ4000から1400

「私はカードを伏せて、ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 リボルバードラゴン リボルバードラゴン D・D・R 伏せ1

光の結社 ライフ1400

手0 場 

 

 

「ま、まだだ!俺のターン、ドロー!貪欲な壺を発動!墓地のフォース、ソルジャー、スナイパー、ディフェンダー、コヴィントンをデッキに戻し、シャッフル!

二枚ドロー!来たぞ!斎王様から頂いたカードが!」

「何が、来る…?」

 

「俺はマシンナーズ・ギアフレームを召喚!効果発動、デッキから同名カード以外のマシンナーズを手札に加える。マシンナーズ・フォートレスよ、わが手に!」

「レベル7の機械族を…」

「このマシンナーズ・フォートレスは手札の機械族をレベル8以上になるよう墓地に捨てて特殊召喚ができる!この時、このフォートレス自身もコストにできる!

マシンナーズ・カノンを捨て、起動せよ、マシンナーズ・フォートレス!」

「攻撃力2500の最上級モンスターがこうもたやすく出てくるか…」

 

「そして、マシンナーズ・ギアフレームの効果発動!こいつはユニオンモンスターだ!マシンナーズ・フォートレスとユニオン!」

「だが攻撃力が足りないな?」

「そう思っているなら攻撃してこい、ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ4000

手2 場 リボルバードラゴン リボルバードラゴン D・D・R 伏せ1

光の結社 ライフ1400

手0 場 マシンナーズ・フォートレス ギアフレーム

 

 

「私のターン、ドロー!天使の施しを発動、三枚ドローして、二枚を捨てる。

永続魔法、エンジンチューナーを発動。場の全ての機械族は攻撃表示になり、その攻撃力は元々の守備力の半分だけアップする。

よってリボルバードラゴンの攻撃力は1100アップして3700だ」

「だ、だが!こちらのフォートレスも3300までパワーアップするぞ!」

「魔法カード、テラ・フォーミングを発動。デッキからフィールド魔法、ダークゾーンを手札に加え、発動。これで場の闇属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップ。

これで攻撃力は4200」

「げぇっ!」

「バトルだ、リボルバードラゴンでフォートレスを攻撃!」

「ぐっ、だがここでフォートレスの効果が…?!」ライフ1400から500

「ユニオンモンスターが身代わりとなり、破壊を免れたようだが。これで終わりだ。リボルバードラゴンでもう一度攻撃!」

「うわぁあああああ!!光を、もっと光をー!」ライフ0

 

 

 

 

 

 

 メダルをゲットしたものの、相手のパワーアップぶりにやや驚くもこっち。

 

「マシンナーズにあのようなカードが登場していたのか。召喚条件の緩さと打点を考えれば、そのうちフォートレスが主軸になりそうだな」

 

 

 

 

 一方、そのころ…

 

 

 真っ白い制服に身を包んだ十代と、ゆうちゃんは対峙する。

 

「光の洗礼を与えてやるぜ!」

「…いくよ、遊城。」

 

 

 

デュエル!

 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

ホワイト十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私は魔法カード、儀式の下準備を発動!デッキから儀式魔法と儀式モンスターを手札に加える。

私は儀式魔法、ライオンの儀式と儀式モンスター、スーパー・ウォー・ライオンを手札に加える」

「儀式も取り入れたのか」

「そして儀式魔法、ライオンの儀式を発動!手札のキング・オブ・ビーストを生贄に捧げ、スーパー・ウォー・ライオンの儀式召喚を執り行う!」

 

 新戦術として取り入れた儀式召喚だが。

 

「ふっ、儀式召喚しても攻撃力2300程度か」

「変わったね、遊城。前よりもつまらなくなった」

「生まれ変わったんだよ、光の洗礼を浴びてな」

「…私はビーストライカーを召喚!手札を一枚捨てることでデッキからモジャを特殊召喚出来る。私は森の番人グリーバブーンを捨て、デッキからモジャを守備表示で特殊召喚!さらに墓地のキング・オブ・ビーストの効果発動!場のモジャを生贄に捧げ、墓地から特殊召喚!」

「一気にモンスターが三体か」

「カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

ゆうちゃん ライフ4000

手0 場 スーパー・ウォー・ライオン キング・オブ・ビースト ビーストライカー 伏せ2 

ホワイト十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!来たぜ、斎王様から頂いた力!E・HEROソリッドマンを召喚!効果発動!召喚成功時、手札のE・HEROを特殊召喚できる!

俺はE・HEROシャドーミストを特殊召喚!」

「召喚権を使って並べたようだけど、その攻撃力でどうするつもり?」

「慌てるなよ、俺はシャドーミストの効果発動!特殊召喚に成功したとき、デッキからチェンジ速攻魔法を手札に加える。俺が手札に加えるのはマスク・チェンジだ!」

「マスク・チェンジ…?」

 

「速攻魔法、マスク・チェンジを発動!場のシャドーミストを墓地に送り、闇属性のM・HEROを特殊召喚!光の前ではすべてが無力!現れろ、M・HEROダーク・ロウ!」

 

「…光?」

 そう言って眼前の新たなHEROをみるゆうちゃん。光とはいったい何なのか。

 

「シャドーミストが墓地に送られたことで効果発動!デッキから同名カード以外のHEROを手札に加える。俺はオーシャンを手札に加え、融合を発動!場のソリッドマンと手札のE・HEROオーシャンを融合!現れろ、E・HEROアブソルートZero!」

「攻撃力2500?!」

「こいつの攻撃力は、場の水属性一体につき500ポイント攻撃力がアップする、よって攻撃力は3000!この瞬間、魔法カードの効果で場から墓地に送られたE・HEROソリッドマンの効果発動!墓地のソリッドマン以外のHEROを守備表示で特殊召喚!蘇れ、オーシャン!」

 

「場から墓地に送られたとき限定なのね…」

「そして速攻魔法、フォーム・チェンジを発動!場のアブソルートZeroを融合デッキに戻し、戻したHEROと同じレベルでカード名が異なるHEROを特殊召喚!現れろ、M・HEROアシッド!」

「攻撃力2600?アブソルートと同じように水属性の数により攻撃力がアップするのかしら?」

「いいや、こいつは特殊召喚に成功したとき、相手の魔法・罠カードをすべて破壊する。しかもアブソルートが場を離れたことで、相手の場のモンスターをすべて破壊する!」

「?!サンダーボルトとハーピィの羽根帚?!」

「光の前では全ては無力!全ては無意味!」

 

 幻獣の角とメテオレインが破壊される!

 

「無意味なんかじゃない!獣族が破壊され、墓地に送られたことで墓地の森の番人グリーンバブーンの…どうして発動しないの!」

「ダークロウの効果。相手の墓地に送られるカードはすべて除外される」

「なっ?!」

 

 場を一掃され、打つ手はない。

 

「これで終わりだ!やれ、アシッド!ダークロウ!」

「きゃああああ!」ライフ0

 

 

 がくり、と膝をつくゆうちゃん。

 

「さぁ。ようこそ、光の結社へ」

 

 不釣り合いなほど歪んだ笑みを称えながら、遊城十代、否ホワイト十代は言った。




万丈目って斎王から与えられた【ホワイトナイツ】をその後どうしたのでしょうか?まさかあのデッキに混ぜてはいませんよね…?


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「ラーの翼神竜」VSペガサス会長!

ラーの翼神竜はアニメ効果です。特殊召喚出来ない効果はありません。


「ラーの翼神竜が盗まれて、それを取り戻しにペガサス会長が…」

 

 セブンスターズとの闘いで選ばれたメンバー、十代、万丈目、三沢、天上院は光の結社に。

 カイザーは卒業し、無事なのはクロノス教諭ともこっちだけである。

 

「光の結社はインダストリアルイリュージョン社のカードデザイナーまで手が及んでいます。」

「光の結社に洗脳された決闘者が使う新規カードは、洗脳されたデザイナーが作ったものか。」

「ええ。これ以上増やさないようにペガサス会長が取り締まろうとした矢先に」

「グールズが複製したラーを奪った、か。」

 

 

 校長室にて事情を聞くもこっち。

 

「あの、それでなんで俺まで…?」

「ペガサス会長の案内を。そして万が一、ペガサス会長が敗れた時は」

「え…」

 

 カードゲームの創造主すら倒す相手に戦え、と言い出す鮫島校長に絶句する智貴。

 

「心配ありませーん。十代ボーイが洗脳されていたとは残念ですが、大人の不始末を子供にさせるわけにはいきませーん」

 

 間近で最高レベルのデュエルが見られるのだから、断る理由もなく姉弟は案内する。

 

 

 

 

 先導するもこっち。

 

「こちらにフランツが?」

「はい」

「なぜ分かるのですか?」

 

 サイコ・ショッカーを先導させ、そこから得た情報で先回りしているというわけにはいかない。

 

「なぜ分かるのか、ということより神と戦うのですから心の準備をお願いします」

 

 そのまま歩いていると、銀髪の眼鏡をかけた男に遭遇する

 

「?!な、何故ここが!」

「ミスター・フランツ!神のカードを返すのデース!」

「ぐっ、こうなったら仕方ない。デュエルだ、ペガサス会長!ここで貴方を倒し、私の優秀さを斎王様に認めてもらう!」

 

 

 

 

デュエル!

 

フランツ ライフ4000

手5 場 

ペガサス ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!手札から速攻魔法、光神化を発動!手札の天使族モンスター1体を攻撃力を半分にして特殊召喚する!

いでよ、ラーの使徒!」

「ラーの、使徒」

「ラーの使徒の効果発動!召喚、反転召喚、特殊召喚に成功したとき、デッキからラーの使徒を2体まで特殊召喚する!」

 

 

 一気にそろった三体の生贄。残った召喚権。これが意味することが分からない者はここにいない。

 

 

「私は場の三体のラーの使徒を生贄に、いでよ、ラーの翼神竜!」

「くっ、いきなり出てきましたカ…」

 

 

 想定していただろうが、予想以上に早く出てきたことにさすがに焦るペガサス会長。

 

 

「ラーの攻撃力は、生贄に捧げたモンスターの攻撃力・守備力の合計で決まる。よって攻撃力は3300、守備力は1800!」

「やめるのデース!神を従えられる者は神によってえらばれたデュエリストのみ!」

「その神を操るカードすら、私は開発したのだ!」

 

 フィールド魔法のスロットが開かれる。それを見たペガサス会長は驚愕する。

 

「まさか、オレイカルコスの結界?!」

「発動せよ、神縛りの塚!」

 

 ペガサス会長が予想したフィールド魔法ではないフィールド魔法が発動される。

 突如として現れた鎖に、ラーが縛り上げられていく!

 不遜な人間に神罰を下そうとするも、その身は縛り上げられ、動くことはかなわない。

 

「神を、従えた?」

「フハハハ!どうだ、ペガサス会長!最強最悪のラーですら、私のしもべに過ぎない!」

 

 高笑いを上げている中、黒木姉弟は一歩後ずさる。

 

「ほう、どうやらそっちは私の偉大さに恐れをなしたようだな?」

 

 気分が高揚しているフランツは、姉弟が見ている先が自分ではないことにすら気が付いていない。

 そのすさまじい憎悪はさしものもこっちとて思わず後ずさるほどである。

 

「カードを伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

 

フランツ ライフ4000

手1 場 ラーの翼神竜(3300/1800) 神縛りの塚 伏せ1 

ペガサス ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「…私のターン、ドロー!私は永続魔法、トゥーン・ワールドを発動!」

 

 ペガサス会長の場にコミック本が浮かび上がる。

 

「あれが、伝説のトゥーンデッキのキーカード…」

「自分の場のモンスターをすべてトゥーンモンスターとして扱い、トゥーンモンスターはトゥーンモンスター以外との戦闘では破壊されず、戦闘ダメージも受けない」

「…もしかして、スピリットバリアとアストラルバリアを内蔵している永続魔法?」

「そういう事になるな、トゥーンデッキでなくても、直接攻撃を得意とするテーマデッキが登場したら投入されるであろう一枚だ」

「姉ちゃん。どうやってトゥーン・ワールドのカードを手に入れるの?」

 

 思わず言葉につまるもこっちを置いて、デュエルは続く。

 

 

「私は魔法カード、デビルズ・サンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚。そしてメタルデビルトークンを生贄に、いでよ、トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール!」

「ブラックマジシャンガールのトゥーン版!」

「攻撃力は2000だが、トゥーンは相手の場にトゥーンがいなければダイレクトアタックが出来る。これなら」

 

「だがその攻撃力は2000、次のターンで」

「魔法カード、闇・エナジーを発動しマース!場の闇属性モンスターの攻撃力は二倍になりマース!」

「?!」

 

 一気に巨大化するトゥーンブラックマジシャンガール。

 

「こ、これは…」

「ワンターンキルか。ラーデッキをワンターンキルで仕留めるとは…しかしいいな、あのカード…」

 

 

「バトルデース、ブラックバーニング!」

『イエス・マスター!』

 

 巨大化したブラックマジシャンガールが魔法攻撃を放つ!その攻撃はフランツに直撃する!

 

 

 

「…終わったね、姉ちゃん。」

「まだ終わっていない。カードを発動する音が聞こえた」

 

 煙が晴れる。フランツはまだ立っており、その身を守るように別のカードが出ている。

 

 

 

「…まさか、それを入れていたとは」

「ええ。」

 

 フランツが使ったカードは

 

「アルカナフォースXIV-TEMPERANCE…」

「これが光の結社の力ですよ、ペガサス会長。クリボーみたいな雑魚などもはや時代遅れ!」

 

 

「防がれたが、今のブラックマジシャンガールは攻撃力4000、どうするつもりだ?」

「攻撃力で上回られたらどうしようもないね…」

 

「愚かな!ラーを従えている私は神も同然!」

「神に縋る愚か者が何か言っているな。神を無理やり従えたところで、気まぐれな神はお前を守ってはくれないぞ。特に自分を鎖で縛る相手はな」

 

「戯言を。メインフェイズ2、カードを一枚伏せ、ターンエンドデース」

 

 

フランツ ライフ4000

手0 場 ラーの翼神竜(3300/1800) 神縛りの塚 伏せ1 

ペガサス ライフ4000

手1 場 トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール トゥーン・ワールド 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!ライフを1000払い、ラーの翼神竜の効果発動!ラーよ、お前以外の雑魚モンスターなんて、すべて焼き払ってしまえ!」

 

 縛り上げられたラーが放つ業火は、トゥーンブラック・マジシャン・ガールを焼き払う!

 

「ぐっ…流石神のカードデスネ、パーフェクトな生命体であるトゥーンすら破壊シマスカ」

「カードデザイナーなのに、カードを雑魚呼ばわりするなんて!」

 

「何を言う、弱いカードは強いカードに食われ、淘汰される定め。時代は常に強いカードを求めている」

「…その通り」

 

 

 同意するもこっちを、非難する目で見る智貴とペガサス会長。

 

「ハハハ!君は分かっているな」

「同様に。弱いデュエリストは強いデュエリストに食われ、淘汰される。デュエルリーグは常に強いデュエリストを求めている」

 

 意趣返しに鼻白むフランツ。

 

「貴様、この状況で私が負けるとでもいうのか!」

「千年アイテムに選ばれたデュエリストの底力を見るがいい。智貴、このデュエル勝つのはペガサス会長だ」

「え?でも現実には」

「彼はこのカードゲームの創造主。ラーを所持しているとわかっている相手に無策で挑むような決闘者ではない。

手の内がばれているのに通用すると思い込んでいる弱者の手には負えん」

 

「…いいだろう、ならこのターンで証明してやる!リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!蘇れ、アルカナフォースXIV-TEMPERANCE!

効果発動!さぁ、カードの回転を止めるがいい!」

「…ストップデース」

「正位置だ。バトル!アルカナフォースXIV-TEMPERANCEでダイレクトアタック!アルカナ・ジャッジメント!」

「ぐっ!」ライフ4000から1600

 

 

 まさかの素通りに驚く智貴。

 

「ハハハ!バトル!ラーの翼神竜でダイレクトアタック!」

「…罠発動!」

「無駄だ!神に罠は通用しない!」

「神ではない、その攻撃デース!ディメンション・ウォールを発動!戦闘ダメージはユーが受けまーす!」

「なっ?!ラーの攻撃力は3300、今の私のライフは3000…うゎああああああ!」ライフ0

 

 

 

 ライフが尽き、倒れるフランツ。

 

「ミスター・フランツ!」

 

 駆け寄ろうとするペガサス会長の前で、ラーが炎を纏ってフランツに襲い掛かる!

 

 断末魔が木霊し…後には何も残っていなかった。

 何一つ。

 

 

「…これが、神の裁き、か」

 

 こみ上げる吐き気を全力で抑えながら、もこっちは神の怒りを体感していた。




グールズメンバーやリシドにすらあれだけ神罰下したのであれば、ここまでやるとガチで始末されると思います。本当、何故原作で無事だったのか謎です。王様が消えて多少丸くなったのか?


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ホワイト軍団VSMOKOCCHI

今回は四連戦です。


 沈痛な表情をしていたペガサス会長だったが、ややあってその場を立ち去る。

 これで神のカードが光の結社にわたることは無くなった。

 ただ、まだ問題は残っている。

 

 自室に戻り、もこっちはデッキを練る。

 

『…勝てるのか?』

「勝たねばならない。」

 

 明日、洗脳された七星門の守護者メンバーを倒す。

 無論、強化はされているだろうが…。

  

 

 翌朝。

 

「へぇ、お前も光の洗礼を受けに来たか?」

「今からお前の頭を覚ましてやる」

 

 こいつは中途半端に追い詰めると危険だ。ワンターンで仕留める。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイト十代 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺の先攻、ドロー!俺は魔法カード、E-エマージェンシーコールを発動!デッキからE・HEROソリッドマンを手札に加える。

魔法カード、増援を発動!デッキからシャドーミストを手札に加える!俺はE・HEROソリッドマンを召喚!効果発動!

手札のHEROを特殊召喚!手札からシャドーミストを守備表示で特殊召喚!シャドーミストの効果発動、デッキからチェンジと名の付く魔法カードを手札に加える。俺が手札に加えるのはマスク・チェンジ!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイト十代 ライフ4000

手3 場 ソリッドマン シャドーミスト 伏せ2 

 

 

「私のターン、ドロー!」

「リバースカードオープン!速攻魔法、マスク・チェンジ!場のシャドーミストを墓地に送り、変身召喚!M・HEROダーク・ロウ!

墓地に送られたシャドーミストの効果で、デッキからE・HEROエアーマンを手札に加える!」

 

「一枚のカードで融合召喚か、便利だな」

「もう一枚、マスク・チェンジを発動!場のソリッドマンを墓地に送り、変身召喚!M・HEROダイアン!墓地に送られたソリッドマンの効果発動!墓地の同名カード以外のHEROを守備表示で特殊召喚!来い!シャドーミスト!効果発動、デッキから三枚目のマスク・チェンジを手札に加える!」

 

「随分とせわしないな、遊城十代。今は私のターンだぞ」

「ああ、そうだったな」

 

 

 相手ターンに好き勝手動く十代に呆れつつも、この布陣は中々厄介だ。何より次のターンにはまた動ける準備が出来上がっている。

 

 

「…魔法カード発動。融合!手札のリボルバードラゴンとブローバックドラゴンを融合!

来い、ガトリングドラゴン!さらに、強化支援メカヘビーウェポンを召喚!」

「攻撃力2600か、だがそいつの効果を使っても…」

「コイントス…裏、裏、裏か。ならば強化支援メカヘビーウェポンをガトリングドラゴンとユニオンさせ、攻守を500アップさせる。

バトルだ!ガトリングドラゴンでダイアンを攻撃!さらにリミッター解除を発動!」

 

 強化されたガトリングドラゴンの攻撃力は6200、ダイアンは立ち向かうも蹴散らされる!

 

「ぐうっ!だが、次のターンで」ライフ4000から600

 

「次などない。速攻魔法、コンビネーションアタック!ユニオンを解除する。これでガトリングドラゴンはもう一度攻撃が出来る。

ダーク・ロウを攻撃!」

「うわぁああああああ!」ライフ0

 

 

 

 

 さて、まずは一人。

 デッキをシャッフルし、新手にもこっちは目を向ける。

 

 

「おのれ、光の結社に逆らう愚か者め!」

「次はお前か、万丈目」

「違う!今の俺は万丈目ホワイトサンダーだ!」

 

 

 これを録音しておいて、同窓会で流したらどんな顔をするのだろうか?

 ふと思いついたが、今はデュエルに集中するべきだ。

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイトサンダー ライフ4000

手5 場 

 

 

 

「あんな力押しはこの俺には通用しない!俺の先攻、ドロー!俺は魔法カード、融合を発動!手札のガゼルとバフォメットを融合!

来い、有翼幻獣キマイラ!守備表示だ!」

「ほう、遊戯デッキの切り込み隊長か。」

「俺はカードを伏せる。ターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイトサンダー ライフ4000

手2 場 キマイラ 伏せ1 

 

 

「私のターン、ドロー!私はツインバレルドラゴンを召喚!コイントス!表、表か。キマイラを破壊する!」

「ふっ、なら俺はキマイラの効果でガゼルを攻撃表示で特殊召喚!」

「何?」

 

 効果が通ろうと通るまいとこのターンは仕掛ける気はなかったもこっちは、警戒を強める。

 バフォメットの守備力は1800、こちらではなくガゼルを攻撃表示とは。となれば警戒すべきは

 

「…ジャスティブレイクか。ならばカードを二枚伏せる。ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ4000

手3 場 ツインバレルドラゴン 伏せ2 

ホワイトサンダー ライフ4000

手2 場 ガゼル 伏せ1 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は幻獣クロスウィングを召喚!そして罠発動!連鎖破壊!俺はデッキのクロスウィングを破壊する!」

「む、伏せはそのカードだったのか。警戒しすぎたか?」

「墓地に送られたクロスウィングの効果発動、場の幻獣の攻撃力を300ポイントアップする。墓地には二枚、よって攻撃力は600アップする!」

「攻撃力2100と1600か」

 

「ふっ、光の洗礼を浴びせてやろう!俺はカード・アドバンスを発動!デッキからカードを5枚確認し、好きな順番で並び替える!

このカードを発動した後、俺はもう一度通常召喚が出来る!俺は場のクロスウィングを生贄に、幻獣ロックリザードを召喚!」

「レベル7なのに生贄一体、生贄を軽減する効果持ちか?」

「その通り!こいつは幻獣と名の付くモンスター一体で生贄召喚が出来る!そして墓地にクロスウィングが送り込まれたことで…」

「場の幻獣は攻撃力900アップか、攻撃力3100と2400とはな」

 

「さぁバトルだ!ロックリザードでツインバレルドラゴンを攻撃!」

「罠発動、聖なるバリアミラーフォース。これで攻撃モンスターはすべて破壊だ」

 

 光のバリアが幻獣を吹き飛ばす!

 

 

「意外と脆かったな、万丈目…?」

 

 ふともこっちは上を見上げる。岩のようなものが降ってくる。

 とっさにディスクを盾にかばう姿勢をとるもこっち。

 

「ロックリザードは相手のカード効果で破壊され墓地に送られた時、相手に2000のダメージを与える!」

「やってくれる!」ライフ4000から2000

「ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ2000

手3 場 ツインバレルドラゴン 伏せ1 

ホワイトサンダー ライフ4000

手0 場 

 

「私のターン、ドロー!魔法カード、モンスターゲートを発動!場のツインバレルドラゴンを生贄に、デッキの上からカードをめくる

一枚目、名推理。二枚目、闇の誘惑、三枚目…リボルバードラゴン!攻撃表示で特殊召喚!そして可変機獣ガンナードラゴンを召喚!」

「ぐっ、光の結社が」

「二体でダイレクトアタック!」

「うわぁああああああ!」ライフ0

 

 

 

 デッキをシャッフルし、ディスクを収納したもこっちは次の相手に目を向ける。

 

「三沢か。」

「ふっ、今の俺はホワイト三沢だ!」

「…やれやれ」

 

 ややあきれつつ、ディスクを起動するもこっち。

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイト三沢 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は譲ろう」

「ならば私のターン、ドロー!メカ・ハンターを召喚!カードを伏せ、ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 メカ・ハンター 伏せ1 

ホワイト三沢 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!見せてやる、これが光だ!俺はインヴェルズを呼ぶ者を召喚!」

「…光?」

 

 現れた昆虫を模した悪魔族を見つめるもこっち。モチーフは鈴虫だろうか?

 光とはいったい何なのか。

 

 

「俺は魔法カード、カードアドバンスを発動!デッキの上から5枚確認し、好きな順番で並び替える。その後、もう一度生贄召喚が出来る!」

「ほう」

「俺は場のインヴェルズを呼ぶ者を生贄に、インヴェルズ・モースを召喚!効果発動!ライフを1000払い、お前の場のカードを二枚まで手札に戻す!

さらに、生贄にされたインヴェルズを呼ぶ者の効果発動!デッキから下級インヴェルズを特殊召喚!」

 

 蛾をモチーフにした悪魔を見やり、もこっちは三沢の狙いを推察する。

 

「2400と呼ぶものから推察するに1700打点クラスはあるか、ワンターンキルデッキとは随分と攻撃的だが、罠発動!和睦の使者!

まぁ、メカ・ハンターは手札に戻るが」

「ならば、俺はデッキからインヴェルズの先鋭を特殊召喚!こいつは場から墓地に送られれば、場の融合モンスターを破壊するぞ!」

 

 蜂をモチーフにした悪魔族が現れる。

 

「このターン攻撃しても意味はないか。俺はカードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイト三沢 ライフ3000

手1 場 モース 先鋭 伏せ2 

 

 

「私のターン、ドロー!おろかな埋葬を発動、デッキから人造人間サイコ・ショッカーを墓地に送る。そしてメカ・ハンターを召喚。

魔法カード、戦線復活の代償を発動!場の通常モンスターを墓地に送り、墓地のモンスターを特殊召喚!」

「サイコショッカーの蘇生が狙いか、罠発動!侵略の手段!デッキからインヴェルズを墓地に送る!インヴェルズの斥候を墓地へ!

そして場のインヴェルズの攻撃力を800ポイントアップ!先鋭の攻撃力は2650だ!」

「モースを強化しない?私は墓地からサイコ・ショッカーを特殊召喚!これで場の罠は発動できない」

「そう思っているなら、攻撃するがいい」

 

 強気な三沢を見、もこっちは最後の伏せは発動を阻害された罠ではないと見抜く。

 警戒すべきはこちらの行動を阻害する速攻魔法であることだ。月の書とか。

 

「サイクロンを発動!その伏せカードを破壊する!」

「リバースカードオープン!速攻魔法、侵略の一手!場の生贄召喚されたインヴェルズを手札に戻し、一枚ドローする!

モースを手札に戻し、一枚ドロー!」

「フリーチェーンだったか、魔法カード、トランスターンを発動!場のサイコショッカーを墓地に送り、それよりレベルが1つ高い同族・同属性モンスターを特殊召喚!

来い、リボルバードラゴン!効果発動!コイントス!表、裏、表!」

「なっ?!」

「よって、先鋭を破壊!バトルだ、リボルバードラゴンでダイレクトアタック!」

「ぐうううっ!」ライフ3000から400

「ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手1 場 リボルバードラゴン 

ホワイト三沢 ライフ400

手3 場 

 

 

「ぐっ、俺のターン、ドロー!メインフェイズ開始時、俺の魔法・罠ゾーンにカードが存在しないとき、墓地のインヴェルズの斥候を特殊召喚できる!」

「黄泉ガエルみたいな効果だな」

「ただし、このターン俺は特殊召喚は出来ない」

「だが、生贄召喚を得意とするテーマなら関係ないか」

「魔法カード、悪夢再びを発動!墓地の守備力0の闇属性モンスターを手札に戻す。俺は先鋭と呼ぶ者を手札に戻し、魔法カード、闇の誘惑を発動!二枚ドローして、闇属性モンスターを一枚除外!ドロー!よし!」

 

「俺はインヴェルズ・モースを除外!」

「上級インヴェルズを切り捨てたか、となると引いたのは」

「俺は場の斥候を生贄に、インヴェルズ・ギラファを召喚!」

「レベル7を生贄一体で召喚、生贄軽減効果を持っているのか」

「その通り!リボルバードラゴンを墓地に送り、俺のライフを1000回復する!」ライフ400から1400

「…やってくれる」

「バトルだ!ギラファでダイレクトアタック!」

「っつ!」ライフ4000から1400

 

「ターンエンドだ」

 

もこっち ライフ1400

手1 場 

ホワイト三沢 ライフ1400

手4 場 ギラファ

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードを見つめ、もこっちは鋭い双眸で三沢を見る。

 

「…私は、ツインバレルドラゴンを召喚!効果発動!コイントスを二回行い、二回とも表なら相手モンスターを破壊する!」

「当たるはずがない!」

「答えはコインだけが知っている。コイントス!表…そして」

 

 ゆっくりと二回目のコイントスを行うもこっち。

 

「表だ」

「何故だ、光の洗礼を浴びたのに…」

「行け、ツインバレルドラゴン!ダイレクトアタック!」

「うわぁああああああ!」ライフ0

 

 

 

 

 これで残るは一人。

 

「ふん、運が良かっただけじゃない」

「…天上院か。デュエルモンスターズは少なからず運の要素が入る。ゆえに面白いと思うのだが、まぁ始めよう」

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ホワイト明日香 ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私は融合を発動!手札のリボルバードラゴンと融合呪印生物闇を融合!ガトリングドラゴンを融合召喚!

モンスターをセット、カードを伏せてターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手1 場 ガトリングドラゴン セットモンスター 伏せ1

ホワイト明日香 ライフ4000

手5 場 

 

「ふっ、私のターン、ドロー!見せてあげるわ!これが光の結社への忠誠と引き換えに手に入れた力!

儀式魔法、機械天使の絶対儀式を発動!手札のブレード・スケーターとサイバー・プリマを生贄に捧げ、サイバー・エンジェル-美朱濡-を儀式召喚!」

「攻撃力3000、新しいサイバー・エンジェルか」

 

 

 それにしても、どいつもこいつも立派なものを持っている。

 貧乳属性持ちがいてもいいはずだ。

 

「効果発動!儀式召喚成功時、相手の場の融合召喚されたモンスターをすべて破壊し、1000ポイントのダメージを与える!」

「……」ライフ4000から3000

「バトル!美朱濡でセットモンスターを攻撃!」

 

 

 向かってくる攻撃を見ながら、もこっちは冷たい双眸でにらむ。

 

「弱くなったな、天上院。入学したばかりの方が強かった。永続罠、モンスターBOX」

「モンスターBOX、運頼みで勝てると思っているの?」

「裏を宣言、コイントス。裏だ」

「当てた?!でも、所詮下級モンスターの守備力、私のライフは」

 

 表になったモンスターを見て、明日香の表情が変わる

 

「?!アステカの…石像」

「反射ダメージは、二倍になる。」

「きゃあああああ!」ライフ0

 

 

 

 ディスクをしまい、もこっちはメダルを回収するとその場を後にする。



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MOKOCCHIVSホワイトゆうちゃん

ヴレインズのミラフォの押しっぷりはどういうことなの…
そして青氷の白夜龍にはなぜサポートカードが少ないのか
青眼とレモンと銀河眼にはあんなにあるのに。


 光の結社。その根拠地である元ブルー寮に入ろうとしたもこっちは、傍らに人影を感じる。

 そちらを見ると。

 

「…丸藤先輩、随分とイメチェンしましたね」

「お前か。ここでお前とやりあってもいいが…生憎、俺はメインディッシュから食べる方でな」

「狙いは?」

「光の結社の盟主、斎王。これだけの事件を引き起こした首謀者、さぞや戦いがいがあるだろう」

 

 ヘルカイザーになった男とともにホワイト寮へはいるもこっち。

 そのエントランスに誰かが立っている。立っているのは…

 

 

「…ゆうちゃん」

「もこっち。こっちにおいでよ」

「断る。」

 

 ヘルカイザーは一瞥するも、すぐに興味をなくしたのか、地下へ向かっていく。

 

「待ちなさい、斎王様のところには」

「お前の相手は私だ。構えろ」

 

 ディスクを起動するもこっち。

 

「…そう。だったらデュエルだよ、もこっち!光の洗礼を浴びせてあげる!」

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ゆうちゃん ライフ4000

手5 場 

 

 

「行くよ、もこっち!光の力を見せてあげる!私の先攻、ドロー!私は魔法カード、強欲で謙虚な壺を発動!

デッキからカードを三枚めくり、その中の一枚を手札に加える!」

「光の護封剣、聖なるバリアミラーフォース、白のヴェールか。まぁ順当に行って」

「私は聖なるバリアミラーフォースを手札に加える!最も、このターン特殊召喚は出来ないけれど。

カードを伏せ、白騎士団のランサーを召喚!ターンエンド!」

 

 先陣を切るのは槍を持った白騎士団。

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

ゆうちゃん ライフ4000

手4 場 白騎士団のランサー 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!ミラーフォースを手札に加え、伏せカードが1枚。ミラフォだろうが、ブラフの可能性もあるか」

 

 鋭い双眸で伏せカードをもこっちは睨む

 

「メカ・ハンターを召喚!カードを伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 メカ・ハンター 伏せ1

ゆうちゃん ライフ4000

手4 場 白騎士団のランサー 伏せ1

 

 

「攻撃してこないか、私のターン、ドロー!魔法カード、天使の施しを発動!カードを三枚ドローして、二枚を捨てる。

白騎士団のソードマンとガードナーを捨てる!」

「…ランサーの攻撃力が300ポイントアップしたが、これは」

「白騎士団のソードマンは墓地に存在する限り、場の白騎士団の攻撃力を300ポイントアップする!」

「それで攻撃力1800か、だがまだ攻撃力が足りないな」

 

「私は装備魔法、グレードソードを白騎士団のランサーに装備!これにより、白騎士団のランサーは一体で二体分の生贄になる!」

「二体分の生贄、最上級モンスターか」

「私はランサーを生贄に、、青氷の白夜龍を召喚!」

 

 

 青眼の白龍を模したドラゴンが現れる!

 

「攻撃力3000、オーナーのエースモンスターと同格か」

「フフン、あんな実戦では使えない観賞用のカードとはわけが違うわ!」

「だろうな」

 

 オーナーが聞けば二人まとめて葬りさられそうな暴言だが、本人はおらず、忠実な社員もこの場にはいない。

 

「バトル!青氷の白夜龍でメカ・ハンターを攻撃!凍てつけ!」

「暑いのは耐えられるが、寒いのは苦手だな…」ライフ4000から2850

 

「カードを伏せて、ターンエンドだよ!」

 

 

もこっち ライフ2850

手4 場 伏せ1

ゆうちゃん ライフ4000

手2 場 青氷の白夜龍 伏せ2 

 

 

「私のターン、ドロー!私は魔鏡導師リフレクトバウンダーを召喚!永続魔法、エンジンチューナーを発動!

場の機械族モンスターはその元々の守備力の半分、攻撃力がアップする!」

「攻撃力2200、でもまだ足りないよ!」

「バトルだッ!やれ、リフレクトバウンダー!」

 

 

 攻撃力が不足しているにも関わらず攻撃、狙いを推察するゆうちゃんは、機械族相手に最も警戒しなければならないカードにたどり着く!

 

「?!リミッター解除ね、罠発動!聖なるバリアミラーフォース!」

 

 最初から伏せられていたカードでは無く、後から伏せられたカードが発動する。

 

「やはり一枚目はブラフか、チェーンして罠発動!サイコ・ショックウェーブ!相手が罠カードを発動したとき、

手札の魔法・罠カードを一枚捨てて発動できる。手札の魔法カード、サイクロンを捨てて効果発動!」

「なっ?!」

 

 ゆうちゃんは驚く。

 それはもこっちが発動した罠ではなく、発動コストとして捨てられたカードである。

 

「どうして!サイクロンがあるなら先に発動してから」

「ミラーフォースは確かに強力。伏せられているかもしれない、というだけで攻撃への牽制になる。

だがその最大の武器は奇襲性にある。十中八九伏せられたと見抜かれた時点で、その威力は激減する。

サイコ・ショック・ウェーブの効果により、デッキから闇属性・機械族・レベル6のモンスターを特殊召喚できる!」

 

 デッキから引き抜いたカードがミラーフォースの前に立ちはだかる。

 

 

「現れろ!人造人間サイコ・ショッカー!効果発動!ミラーフォースを無効化しろ!」

 

 サイコ・ショッカーの能力が作動し、ミラーフォースはその輝きを失い、消え失せる。

 

「くっ!守備力が1500だから、攻撃力は750アップして」

「攻撃力3150になる。」

「だとしても、リフレクトバウンダーは返り討ち!」

 

 鏡ごとたたき割られ、リフレクトバウンダーは砕け散る。

 

 

「……サイコショッカー!青氷の白夜龍を攻撃しろ!サイバーエナジーショック!」ライフ2850から2050

 

 サイコショッカーの一撃が、青氷の白夜龍を打ち砕く!

 

「きゃあっ!」ライフ4000から3850

「ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ2050

手2 場 サイコショッカー エンジンチューナー 

ゆうちゃん ライフ3850

手2 場 伏せ1 

 

 

「わ、私のターン、ドロー!速攻魔法、サイクロン!場の魔法・罠カードを破壊する」

「エンジンチューナーが破壊されるか」

「私が破壊するのは、私の伏せカード!」

「!なるほど、破壊されることで効果が発動する罠か」

 

 プレイングミスと思うほど、もこっちはロマンチストではない。

 

 

「この瞬間、カード効果で破壊された封印の扉の効果発動!墓地の白騎士団のソードマン、ガードナー、ランサーを除外し、

白騎士団のロードをデッキから特殊召喚!」

「攻撃力2000か」

 

 仮面をつけた騎士団長が現れる。

 ただ、部下が盾、剣、槍だというのに、彼の武器は鉄球。

 まぁ持つべき武器と言われても少し返答に困るが。斧だろうか?

 最も斧使いはどうにもかませのイメージがあるが。

 

「バトル!白騎士団のロードでサイコショッカーを攻撃!」

「!反撃だ、サイコショッカー!」

 

 投げつけられた鉄球を、サイコショッカーはサイバーエナジーショックで跳ね返し、鉄球をロードに直撃させるも、

 びくともしない

 

「白騎士団のロードは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージも0になる!ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ2050

手2 場 サイコショッカー エンジンチューナー 

ゆうちゃん ライフ3050

手2 場 白騎士団のロード

 

 

「…戦闘を行わないと何らかのデメリットが発生するようだな」

「ロードは戦闘を行わないと、私に800ポイントのダメージが発生するからね…」

「まぁ上司が動かないと部下はついてこないか。

私のターン、ドロー!モンスターをセットして、ターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ2050

手2 場 サイコショッカー セットモンスター エンジンチューナー 

ゆうちゃん ライフ3050

手2 場 白騎士団のロード

 

 

「私のターン、ドロー!白騎士団のロードで、セットモンスターを攻撃!

白騎士団のロードが相手モンスターを戦闘破壊するたびに、相手に300ポイントのダメージを与える!」

「そんな効果まであったのか。まぁ、こいつは破壊できなかったようだな」

 

 白騎士団のロードが鉄球を投げつけた次の瞬間、何かが飛び出してその体に飛びつく。

 その正体に気が付いたのか、白騎士団のロードは動揺する

 

「スフィアボム?!」

「そういう事だ、次のターンのスタンバイフェイズまでに何とかしないと、そいつは破壊される」

「…ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ2050

手2 場 サイコショッカー スフィアボム エンジンチューナー 

ゆうちゃん ライフ3050

手3 場 白騎士団のロード

 

 

「私のターン、ドロー!私はドリラゴを召喚!こいつは相手の場に攻撃力1600以上のモンスターしか存在しないとき、ダイレクトアタックが出来る。

エンジンチューナーにより、守備力1100の半分、550ポイント攻撃力がアップし、攻撃力は2150!行け!ドリリング・ドリル!」

「きゃあっ!」ライフ3050から900

 

「さて、これでジ・エンドだな」

 

 

 

もこっち ライフ2050

手2 場 サイコショッカー ドリラゴ スフィアボム エンジンチューナー 

ゆうちゃん ライフ900

手3 場 白騎士団のロード

 

 

「わ、私のターン!ドロー!」

 

 引き当てたカードを見て、ゆうちゃんの顔がゆがむ

 

「白のヴェール…」

「タイムアップだ」

 

 スフィアボムが起動し、大爆発を起こす!

 

「きゃああああああ!」ライフ0

 

 

 ディスクを収容し、もこっちも地下へ向かう。



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ヘルカイザーVS斎王

この二人がデュエルする展開があってもいいと思う。ヘルカイザーにとって斎王は相手にとって不足は無いでしょうし。


 光の結社。その最深部にてヘルカイザーになった男と、破滅の光の盟主が対峙する。

 

 

「ヒヒヒ、お前ごときが、この私に立ち向かうというのか?」

「俺は勝利を求めてここに来た。構えろ、お前も俺の勝利の糧となるがいい」

 

 

デュエル!

 

ヘルカイザー ライフ4000

手5 場 

斎王 ライフ4000

手5 場 

 

「私の先攻、ドロー!手札からアルカナフォースI-THE MAGICIANを召喚!」

 

 アルカナフォースが場に現れると、その頭上でカードが回転を始める。

 

「これは…」

「通常なら対戦相手がストップをかけるが、今や我が運命力は満ちている。当然正位置だ!」

「ふっ」

「アルカナフォースI-THE MAGICIANの正位置の効果。場にいる限り、魔法カードを発動したターン、攻撃力が二倍になる!

カードを一枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

ヘルカイザー ライフ4000

手5 場 

斎王 ライフ4000

手4 場 アルカナフォースI-THE MAGICIAN 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!相手の場にのみモンスターが存在するとき、サイバー・ドラゴンを特殊召喚できる!」

「ほう、攻撃力2100か」

「俺は強化支援メカ・ヘビーウェポンを召喚!」

「む、攻撃力を500ポイントアップさせるユニオンモンスターか」

「大方、その伏せカードは速攻魔法だろう?そんなに攻撃力を倍にしたいなら手伝ってやる!

魔法カード、強制転移を発動!俺は強化支援メカをお前の場に移す!」

「?!アルカナフォースI-THE MAGICIANを渡す…」

 

「正位置の効果により、こいつの攻撃力は倍になる。バトルだ!アルカナフォースI-THE MAGICIANで強化支援メカヘビーウェポンを攻撃!」

「ぐっ?!」ライフ4000から2300

「そしてサイバー・ドラゴンでダイレクトアタック!ダメージステップ、リミッター解除!

俺はもう相手をリスペクトしない。俺は勝利のみをリスペクトするッ!」

 

 容赦ない一撃を叩きこむも

 

「食らわぬっ!手札のアルカナフォースXIV-TEMPERANCEの効果発動!手札から捨て、戦闘ダメージを一度だけ0にする!」

 

 サイバー・ドラゴンの全力の一撃を、光のベールがしのぎ切る!

 

「フン、カードを伏せターンエンドだ。エンドフェイズ、サイバー・ドラゴンは破壊される」

 

 

ヘルカイザー ライフ4000

手1 場 アルカナフォースI-THE MAGICIAN 伏せ1

斎王 ライフ2300

手3 場 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!手札からヘカテリスの効果発動!手札から捨て、デッキから永続魔法、神の居城ヴァルハラを手札に加え、発動!」

「魔法カードが発動されたことで、アルカナフォースI-THE MAGICIANの攻撃力が二倍になる」

「それがどうした!ヴァルハラの効果発動!私の場にモンスターが存在しないとき、手札から天使族を特殊召喚できる。

現れろ!アルカナフォースIV-THE EMPEROR!さらにこの特殊召喚にチェーンして、速攻魔法!地獄の暴走召喚を発動!

デッキからアルカナフォースIV-THE EMPERORを二体、特殊召喚する!」

「ふっ、皇帝が暴走か。先は長くなさそうだな。俺のデッキにアルカナフォースI-THE MAGICIANは無い。」

「当然、全て正位置だ!効果発動!私の場のアルカナフォースの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

「攻撃力1500ポイントアップさせるか。攻撃力2900のモンスターが三体とは」

 

「バトルだ!アルカナフォースIV-THE EMPERORでTHE MAGICIANを攻撃!」

「フン…」ライフ4000から3300

「続け!二体目でダイレクトアタック!!」

「ぐっ…」ライフ3300から400

「これで終わりだ!ダイレクトアタック!」

 

「罠発動!パワーウォール!デッキから任意の枚数だけデッキからカードを墓地に送り、一枚につき100ポイントのダメージを軽減する。

俺は29枚のカードを墓地に送る!」

「防いだか。私はターンを終了する」

 

 

 

ヘルカイザー ライフ400

手1 場 

斎王 ライフ2300

手0 場 アルカナフォースIV-THE EMPEROR アルカナフォースIV-THE EMPEROR アルカナフォースIV-THE EMPEROR ヴァルハラ 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、オーバーロードフュージョンを発動!」

「お前の墓地には機械族が潤沢にそろっている。お前の狙いはキメラテック・オーバー・ドラゴンだろう!」

「…俺は墓地に眠るサイバーダークホーン、エッジ、キールを除外!現れろ!鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン!」

「何?攻撃力1000だと?」

「こいつは融合召喚成功時、墓地のドラゴン族を装備する。俺は墓地からカイザー・グライダーを引きずり出す!」

 

 

 墓地へ送られていたカイザー・グライダーをサイバー・ダークが引きずり出し、装備する。

 

「これにより、鎧黒竜の攻撃力は2400ポイントアップ!攻撃力3400!さらに、墓地のモンスター一体につき、100ポイント攻撃力がアップする!

俺の墓地には、サイバー・ドラゴンが3体、強化支援メカ、魔界の機械兵、メタル化寄生生物ールナタイト、プロト・サイバードラゴン、ヘルドラゴン、ボマー・ドラゴン、

仮面竜2体、シャインエンジェル2体、サイバー・バリア・ドラゴン、サイバー・レーザー・ドラゴン、超電磁タートルの16体。よって攻撃力は1600ポイントアップ!」

「攻撃力5000だと?!」

「バトルだ!鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴンでアルカナフォースIV-THE EMPERORを攻撃ぃ!フル・ダークネス・バーストォ!」

「ぐぉおおっ?!」ライフ2300から200

 

「数が減った事で、アルカナフォースの攻撃力は2900から2400にダウンする。ターンエンドだ」

 

 

ヘルカイザー ライフ400

手1 場 鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン カイザー・ドラゴン 

斎王 ライフ200

手0 場 アルカナフォースIV-THE EMPEROR アルカナフォースIV-THE EMPEROR ヴァルハラ 伏せ1

 

 

「いい気になるなよ!私のターン、ドロー!くっ…リバースカードオープン!リロード発動!手札を全てデッキに戻し、戻した枚数分ドローする!」

「ほぉ、伏せカードはそれだったか。」

「ドロー!魔法カード、カップオブエースを発動!当然正位置だ、二枚ドロー!強欲な壺を発動、二枚ドローする!」

「必死だな。」

「装備魔法、リバース・リボーンを発動!墓地のアルカナフォースを特殊召喚する。最もこの効果で呼び出したアルカナフォースは逆位置の効果になる。

復活しろ、アルカナフォースIV-THE EMPEROR!逆位置の効果により、アルカナフォースの攻撃力は500ポイントダウンする。」

 

 先ほどと同じように三体ならぶも、先ほどのような威圧感は無い。

 

「…何を狙っている?」

「私は場の三体のモンスターを墓地に送り、光の支配者、アルカナフォースEX-THE LIGHT RULERを特殊召喚する!」

「?!こいつは…」

 

 赤、青、緑の光にアルカナフォースが包まれ、光の支配者たるライトルーラーが現れる。

 

「当然正位置だ」

「攻撃力4000、だがそれで終わりではあるまい」

「装備魔法、白のヴェールをアルカナフォースEX-THE LIGHT RULERに装備!これにより、攻撃宣言時にお前は魔法・罠カードを発動できず

魔法・罠カードの効果は無効になる!これで終わりだ!いけ、ジ・エンド・オブ・レイ!」

 

 閃光が鎧黒竜とヘルカイザーの目を焼く!

 

「これで」

「墓地の、超電磁タートルの効果発動。墓地のこのカードを除外し、バトルフェイズを終了させる」

「?!なっ!何ぃ!だが、白のヴェールは相手に攻撃されたときにも適用される!次のターン、我が光で貴様の闇を消し去ってくれよう!」

 

 

ヘルカイザー ライフ400

手1 場 鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン(4900) カイザー・ドラゴン 

斎王 ライフ200

手0 場 アルカナフォースEX-THE LIGHT RULER 白のヴェール ヴァルハラ 

 

 

「心外だな、俺は闇になど落ちてはいない!俺のターン、ドロー!ライフを半分払い、速攻魔法、サイバネティック・フュージョン・サポートを発動!

これでこのターン、機械族を融合召喚する場合、手札とフィールドだけでなく墓地も選択することが出来る。

魔法カード、パワーボンドを発動!墓地に眠る三体のサイバー・ドラゴンを除外ィ!現れろ、サイバー・エンド・ドラゴン!」

「こ、ここで…」

「パワーボンドにより攻撃力は倍になる!バトルだ!サイバー・エンド・ドラゴンでアルカナフォースEX-THE LIGHT RULERを攻撃ぃ!

エターナル・エヴォリューション・バーストォ!」

 

 サイバー・エンド・ドラゴンの光線がアルカナフォースEX-THE LIGHT RULERを打ち砕く!

 

 

「馬鹿なぁ!闇が光を打ち砕くというのかぁあああ!ぬわぁあああああ!」ライフ0




斎王が白のヴェール(OCG)を使う展開があってもいい。二次創作とはそういう物だ。
パワーウォールはアニメ効果です。


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MOKOCCHIの進路!

鬱展開の三期や四期をやっても、そのまま原作をなぞるだけになりそうなのでオリジナル展開で行きます。


 光の結社をめぐる騒動も終息。

 ヘルカイザーはジェネックスの優勝に興味が無いらしく、不戦勝ではあるがもこっちが初代ジェネックスチャンプとなった。

 

 

「…将来の進路、か」

 

 もこっちは進路希望調査書に記入していく。無論、目指すはプロデュエリストだ。

 それが叶わないなら、何のためにこの学園に入ったのか。

 

 だが、そのためにはスポンサーを確保しなければならない。

 デュエルワールドリーグ、そして今回の初代ジェネックス優勝。その経歴があるのだが…

 

「…50社から不採用、か」

 

 その結果にため息を漏らすもこっち。

 

『…お前でこんなに苦労するなら、他の生徒はもっと悲惨なのだろうな』

 

 

 精霊であるサイコ・ショッカーもこの結果を見て嘆息する。

 一息入れようと、もこっちは散策する。

 

 すると

 

「スポンサーが決まったっス!」

「やったな、翔!後は卒業するだけだぜ!スイカ割りしようぜ!」

 

 

 オシリスレッドだった生徒がスイカと棒、レジャーシートを持って走っていくところを目撃し、もこっちは硬直する。

 

 何故?その感想しか出てこない。

 自分より実績もない、成績も悪いはずなのに、何故彼らはスポンサーが決まって、自分は決まらない?

 

 

 思考がまとまらない。さらにジュンコとももえも内定が決まったと聞き、もこっちの表情が険しくなる。

 

「…なぜ、私は」

「シニョーラ智子」

「クロノス、先生」

 

 デュエルアカデミア実技担当最高責任者が立っている。

 

「シニョーラは、今こう考えているノーネ。なぜあんなドロップアウトボーイズが就職が決まったのに、自分は決まらないのか」

「…はい」

「確かに、シニョーラは優秀な成績を収めているノーネ。ただ、シニョーラには足りない物があるノーネ」

「足りない物?」

「私とデュエルするノーネ。そこで、シニョーラに教えてあげるノーネ!」

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

クロノス ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は譲るノーネ」

「では。私の先攻、ドロー!私は魔鏡導師リフレクトバウンダーを召喚。カードを伏せ、ターンエンド」

 

 

もこっち ライフ4000

手4 場 魔鏡導師リフレクトバウンダー 伏せ1 

クロノス ライフ4000

手5 場 

 

「私のターン、ドロー!私は速攻魔法、月の書を発動!リフレクトバウンダーを裏側守備表示にするノーネ!」

「?!」

「魔法カード、デビルズサンクチュアリを二枚発動!メタルデビルトークンを二体、特殊召喚するノーネ!二体のモンスターを生贄に、古代の機械巨人を召喚!」

「攻撃力、3000」

「バトルなノーネ!セットされているリフレクトバウンダーを攻撃!」

「…貫通ダメージを受ける」ライフ4000から2000

「カードを二枚伏せて、ターンエンド!」

「エンドフェイズに速攻魔法、終焉の焔を発動!トークンを二体、特殊召喚!」

 

 

もこっち ライフ2000

手4 場 終焉の焔トークン 終焉の焔トークン 

クロノス ライフ4000

手0 場 古代の機械巨人 伏せ2 

 

 

「私のターン、ドロー!サイクロンを発動!右の伏せカードを破壊!」

「サイクロンが破壊されるノーネ…」

「二体のトークンを生贄に、リボルバードラゴンを召喚!コイントス!表、裏、表!よって古代の機械巨人を破壊!」

「マンマミーア!」

「魔法カード、ダウンビートを発動!リボルバードラゴンを生贄に捧げ、デッキから闇属性機械族でレベルが一つ低いモンスター一体を特殊召喚!

ブローバックドラゴンを特殊召喚!効果発動、対象はその伏せカード!コイントス!表、表、裏!」

「マンマミーア!万能地雷グレイモアが…」

「魔法カード、オーバーロードフュージョンを発動!場のブローバックドラゴンと、墓地のリボルバードラゴンを除外して、ガトリングドラゴンを融合召喚!

装備魔法、巨大化を発動し、バトル!攻撃力が倍になったガトリングドラゴンでダイレクトアタック!」

「…このデュエルは、シニョーラの勝ちなノーネ」ライフ0

 

 

 

 デュエルには勝ったが、クロノス教諭の目は険しい。

 

「…今のデュエルに何か?」

「シニョーラの実績、強運。どれも優れているノーネ。デスーガ」

 

 クロノス教諭は真剣な目で見つめて告げる。

 

「シニョーラは今、デュエルをしていて楽しいノーネ?」

「プロは観客を楽しませてこそです」

「シニョーラ自身が楽しんでいないのであれば、観客も楽しいとは思えないノーネ」

「…私自身も、観客も楽しいと思えるデュエル、ですか」

「それが出来れば、スポンサー契約はうまくいくノーネ。頑張るノーネ、期待しているノーネ!」

 

 

 自身に足りない物。それを見つけよというのか。

 

「…難題だな」




原作のデュエルアカデミアでの就職率はオベリスクブルー、ラーイエロー、オシリスレッドでそれぞれ何パーセントなのでしょうか?


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最終話!卒業課題! MOKOCCHIVS智貴!

長らくお付き合いいただき、ありがとうございます。
思い付きで始めた作品ですが、最後までお楽しみいただければ幸いです。


「…黒木智子さん。」

「はい」

「君とプロ契約を交わさせていただきます。」

「どうも、ありがとうございます」

 

 

 堂々とした長身。60歳前後で髪は左右両側が白くなっており、眉毛は太い男が契約書を差し出し、もこっちはそれに判子を押す。

 

「では卒業までのモラトリアムを楽しむといい」

「失礼します…」

 

 

 

 就職が決まり、もこっちもようやく肩の荷が下りる。まぁ、引っ越しなどいろいろしなければならないわけだが。

 卒業デュエル課題は在校生とのデュエル回数だ。

 

 

「どうもありがとうございました!智子先輩!」

「…これからも頑張るといい」

 

 これでポイントは99、あと一回。勝っても負けてもそれで卒業課題はクリアとなる。

 

 

「姉ちゃん!」

「智貴?」

 

 自身と同じ髪、瞳の弟が肩で息をしながら話しかけてくる。

 

「どうした?」

「俺とデュエルしてくれ!」

「…そうだな、最後の一回が智貴というのも悪くない。始めよう!」

 

 

 

 

デュエル!

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

智貴 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は智貴だ」

「行くよ、俺の先攻、ドロー!俺は神獣王バルバロスを召喚!カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ4000

手5 場 

智貴 ライフ4000

手3 場 バルバロス 伏せ2 

 

「私のターン、ドロー!スナイプストーカーを召喚!」

「ライフを1000払って、スキルドレインを発動!これで場のモンスター効果は無効になる!」ライフ4000から3000

 

 スナイプストーカーは持っている銃が突然ジャムを引き起こし、慌てふためく。一方でバルバロスは雄たけびを上げて槍を振り回して構える。

 

「…永続魔法、ブレイズキャノンを発動!」

「…は?」

「手札の攻撃力500以下の炎族を捨てて、相手モンスターを破壊!ヴォルカニック・バレットを捨て、相手モンスターを破壊!」

 

 へぇ、そんな効果なのか。と聞いていたバルバロスは破壊されるモンスターが自分であることに気が付くも、

 その時点でヴレイズキャノンの砲弾が本人に直撃する!

 

「くっ、ヴォルカニック・バーンデッキに…」

「ライフを500払い、バレットの効果発動!デッキから同名カードを手札に。永続魔法、カードトレーダーを発動!カードを伏せてターンエンド!」ライフ4000から3500

 

 

 

 

もこっち ライフ3500

手2 場 スナイプストーカー ブレイズキャノン カードトレーダー 伏せ1 

智貴 ライフ3000

手3 場 スキルドレイン 伏せ1 

 

 

「僕のターン、ドロー!増援を発動!デッキからゴブリン突撃部隊を手札に加え、召喚!バトルだ!スナイプストーカーを攻撃!」

「…発動するカードは無い」ライフ3500から2700

「ターンエンド」

「エンドフェイズ、永続罠、神の恵みを発動!」

 

 

もこっち ライフ2700

手2 場 ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み 

智貴 ライフ3000

手3 場 ゴブリン突撃部隊 スキルドレイン 伏せ1 

 

 

 

「行くぞ、私のターン、ドロー!神の恵みでライフ回復」ライフ2700から3200

「…あれ、姉ちゃんの手札にはヴォルカニック・バレットがある。もしかして」

「カードトレーダーの効果発動、手札を一枚デッキに戻し、一枚ドロー!神の恵みでライフ回復」ライフ3200から3700

「まさか、このコンボって!」

「ヴォルカニック・バレットとカードトレーダー、神の恵みによる手札補強コンボだ。ライフを500払って、墓地のヴォルカニック・バレットの効果発動!

デッキから同名カードを手札に加える!」ライフ3700から3200

「また弾丸が補充された…」

「私は融合を発動!手札のE・HEROプリズマーとヴォルカニック・バレットを融合!現れろ!E・HEROノヴァマスター!」

「攻撃力、2600…」

 

 炎を宿したE・HEROが場に現れる

 

「効果は無効になっているのが残念だが仕方ない。バトル!ノヴァマスターでゴブリン突撃部隊を攻撃!」

「くっ!」ライフ3000から2700

「メインフェイズ2だ。墓地のヴォルカニック・バレットの効果発動!ライフを500払い、デッキから同名カードを手札に。

カードを伏せ、ターンエンド」ライフ3200から2700

 

 

もこっち ライフ2700

手1 場 ノヴァマスター ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み 伏せ1 

智貴 ライフ2700

手3 場 スキルドレイン 伏せ1 

 

「俺のターン、ドロー!手札の魔鏡導師リフレクトバウンダーと、墓地の神獣王バルバロスを除外し、獣神機王バルバロスUrを特殊召喚!」

「ほう」

「バトル!バルバロスUrでノヴァマスターを攻撃!」

「永続罠、モンスターBOXを発動!裏を宣言し、コイントス!裏だ。よってバルバロスの攻撃力は0になる!」

「くっ!」ライフ2700から100

「次のターンで終わりだ…なっ?!」

 

 もこっちの前で、破壊されたバルバロスUrの足元に巨大な魔法陣が描かれる。

 そこからナニカが地の底から登ってくる。

 

「速攻魔法、デーモンとの駆け引き!これによりデッキからバーサークデッドドラゴンを特殊召喚!」

「やってくれる。攻撃力3500か…」

「カードを伏せて、ターンエンド!」

 

 

 

もこっち ライフ2700

手1 場 ノヴァマスター ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX

智貴 ライフ100

手0 場 バーサークデッドドラゴン スキルドレイン 伏せ2 

 

 

「私のターン、ドロー!ライフ回復!」ライフ2700から3200

「そして、カードトレーダーでさらに回復しつつ手札入れ替えか…でも、モンスターBOXの維持コストを払ってもらう!」

「そうだな。維持コストを払い、手札を一枚デッキに戻し、一枚ドロー!」ライフ3200から2700、2700から3200

 

「いくぞ、速攻魔法サイクロン!これでスキルドレインを破壊する!」

「くっ、でもバーサークデッドドラゴンの前では、ブレイズキャノンの効果で除去するしか手がないはず!」

「魔法カード、儀式の下準備を発動!デッキから儀式魔法とそれにカード名が記された儀式モンスターをデッキ・墓地から手札に加える!

私は闇の支配者との契約と闇の支配者ゾークを手札に!」

「レベル8の儀式モンスター、ノヴァマスターもレベル8!」

 

 え?という顔を浮かべるノヴァマスター。

 

「さといな。儀式魔法、闇の支配者との契約!ノヴァマスターを生贄に捧げ、闇の支配者ゾークの儀式召喚を執り行う!」

 

 ノヴァマスターの体が変貌していく。その身が闇に包まれ、闇が晴れた中からゾークが現れ、眼前の死竜をにらみつける。

 

「ゾーク…どうしちゃったんだよ、姉ちゃん」

「何が?」

「プロ契約を結んだんだろ?なんで闇機械族に色々混ぜているんだよ!」

「智貴。不思議に思った事は無いか?プロリーグの試合」

「プロリーグの試合?」

 

 不思議、と言われてもピンとこない智貴。

 

「復讐のソード・ストーカー、ブラッド・ヴォルス、グラナドラ、ウィップテイル・ガーゴイル、モリンフェン。」

「…この前テレビで放映されていた、丸藤先輩の対戦相手が使ったモンスター?」

「そうだ。おかしいとは思わないか?好みはあるだろうが、負けられないプロデュエリストがなぜモリンフェンや復讐のソードストーカーを使う?」

「深い事情があるんじゃあない?お金とか」

「金銭的な事情もあるのだろうが、プロはただ強いだけのデュエリストでは足りない。観客を魅了して勝つ。それがプロとアマの違い。

観客を魅了するために、私は従来のデッキに色々なコンボを組み込んだ」

「…今からでも、色々組み込むデッキを考えておこうかな」

「スタンダードなデッキを組み、回せなければ新たなコンボなど到底組み込めない。

デュエルを再開する!ゾークの効果発動!ダイスロール!出た目は…4!よってバーサークデッドドラゴンを破壊!」

「くっ!」

 

 ゾークの放った闇の塊が死竜を打ち砕く!

 

「これでフィニッシュだ。ゾークでダイレクトアタック!」

「まだ終わりじゃあない!聖なるバリアーミラーフォース!攻撃モンスターをすべて破壊する!」

「?!」

 

 光のバリアがゾークを打ち砕く!

 

「ライフを500払い、バレットの効果発動。デッキからヴォルカニック・バレットを手札に加える。ターンエンドだ」3200から2700

 

 

 

もこっち ライフ2700

手1 場 ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX

智貴 ライフ100

手0 場 伏せ1 

 

 

「俺のターン、ドロー!永続罠、最終突撃命令!そしてこれを墓地に送り、マジック・プランターを発動!デッキから二枚ドロー!

不屈闘士レイレイを召喚!バトルだ、レイレイでダイレクトアタック!」

「モンスターBOX発動!私は表を宣言!コイントス…裏、か」ライフ2700から400

 

「よし!通った!バトル終了、レイレイは守備表示になる!カードを伏せ、ターンエンド!」

 

 

もこっち ライフ400

手1 場 ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX

智貴 ライフ100

手0 場 レイレイ 伏せ1 

 

 

「私のターン、ドロー!神の恵みでライフを回復、モンスターBOXの維持コストを払う!」ライフ400から900、900から400

「このコンボが厄介だ…」

「カードトレーダーで手札を一枚デッキに戻して一枚ドロー!」ライフ400から900

 

 引いたカードを見、もこっちの双眸が鋭くなる。

 

「闇の誘惑を発動!二枚ドローして闇属性のリボルバードラゴンを除外!神の恵みでライフ回復!」ライフ900から1400

「手札の枚数は変わっていないけれど、これは厳しいな…」

「モンスターとカードをセット、ライフを500払ってバレットの効果発動。同名カードを手札に加える。ターンエンド」ライフ1400から900

 

 

 

もこっち ライフ900

手1 場 セットモンスター ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX 伏せ1 

智貴 ライフ100

手0 場 レイレイ 伏せ1 

 

「僕のターン、ドロー!魔法カード、シールドクラッシュ!これでそのセットモンスターを破壊する!」

「…アステカの石像が」

「?!あ、危なかった…ターンエンド」

「エンドフェイズに闇次元の解放を発動!除外されたリボルバードラゴンを起動する!」

 

 

もこっち ライフ900

手1 場 リボルバードラゴン ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX 闇次元の解放 

智貴 ライフ100

手0 場 レイレイ 伏せ1 

 

 

「私のターン、ドロー!神の恵みでライフ回復、モンスターBOXの維持コストを払い、カードトレーダーで手札を入れ替え、神の恵みでライフ回復!」

ライフ900から1400、1400から900、900から1400

 

 カードトレーダーで入れ替えたカードを見て、もこっちの目が丸くなる。

 

「…?」

 

 訝し気に見る弟の前で、もこっちは戻ってきたヴォルカニックバレットから目をそらす。

 

「リボルバードラゴンの効果発動!」

「させない!永続罠、デモンズチェーン!これでリボルバードラゴンの効果を無効にする!」

「ならば、リボルバードラゴンを生贄に、迅雷の魔王スカルデーモンを召喚!」

「?!サイコショッカーでも、ブローバックでも無い?!」

 

「バトルだ!スカルデーモンでレイレイを攻撃!」

 

 魔降雷がレイレイを黒焦げにする!

 

「ターンエンドだ」

 

 

もこっち ライフ1400

手1 場 迅雷の魔王 ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX 闇次元の解放 

智貴 ライフ100

手0 場 デモンズチェーン 

 

 

「俺のターン、ドロー!墓地の地属性モンスターを除外し、ギガンテスを守備表示で特殊召喚!ターンエンド」

 

 

 

もこっち ライフ1400

手1 場 迅雷の魔王 ブレイズキャノン カードトレーダー 神の恵み モンスターBOX 闇次元の解放 

智貴 ライフ100

手0 場 ギガンテス デモンズチェーン 

 

「私のターン、ドロー!神の恵みでライフ回復、モンスターBOXと迅雷維持コストを払い、カードトレーダーで手札を入れ替え、神の恵みでライフ回復!」

ライフ1400から1900、1900から900、900から1400

「…維持コストが神の恵みとカードトレーダーで完全に賄われている」

「一人暮らしでは色々節制する必要があったからな。これで終わりだ。霞の谷のファルコンを召喚!」

「攻撃宣言時に場のカードを手札に戻すカード…魔法・罠ゾーンを埋めた時のことも」

「想定済みだ。行くぞ、霞の谷のファルコンでギガンテスを攻撃!神の恵みを手札に戻す!」

「くっ、それでも!場の魔法・罠カードをすべて破壊する!」

 

 

 ファルコンに切り伏せられたギガンテスだが、直後に爆散し、場の魔法・罠カードを一掃する!

 

「迅雷の魔王でダイレクトアタック!」

「うわぁああああ!」ライフ0

 

 

 

 卒業課題はクリアした。

 

「…これからも頑張れ、智貴」

「姉ちゃん」

 

 颯爽と踵を返し、もこっちは未来へ向かう。

 

 一週間後。もこっちは卒業証書を手に定期船に乗る。

 行き先は、プロリーグ。

 




三期の異世界編、四期のダークネス編も素晴らしいですが、ただ原作をなぞるだけになりそうなので、就職活動に絞りました。原作沿いにするだけなら二次創作を書く意味があまり感じられないので。


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