真剣で魔物に恋しなさい! (パラガス)
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転生の準備

パラガスにございます。
この作品は全て私のノリィで作られております。
何かご不満やアドバイスがあれば是非お知らせください。
さぁ、存分に楽しんでしまえぇぇぇっ!


「・・・・・んぁ?」

 

あるぇ?ここどこだ?たしか布団に入りながらゲームしてたはずなんだけど・・・・なんでこんな何もない真っ白なところにいるんだ?

 

「気が付いたかね?」

 

誰かわかんないけど、このお兄さんに聞いてみよ・・・

 

「あっ、すいません。ここどこかわかります?」

 

「ここは転生の間だよ」

 

えっ?転生の間?テンプレだなぁ・・・なに俺死んだの?いつの間に?寝てただけだよ?

 

「君は死んだわけじゃないよ」

 

「えっ・・・しゃべってないのに答えたってことは・・・もしやあなたが神様?」

 

「そうだよ」

 

またしてもテンプレだなぁ・・・あっ、そういえばなんで俺死んでないのにこんなところいるんだ?

 

「そういえば、言ってなかったね。おめでとう!君は転生する権利が当たったんだ」

 

「転生する権利ぃ?しかも当たったって・・・・」

 

「くじを引いたら、見事に君が当たったんだ」

 

くじ引きって・・・・まぁ、いいや・・・

 

「ってことは転生できるんですよね?どこに転生するんですか?」

 

「君が転生するのは真剣で私に恋しなさい!の世界だよ」

 

うおっ!やった!マジ恋かよ!美人が多いし、ストーリーも面白いから好きなんだよねぇ・・・タカヒロさんは偉大っ!異論は認めないっ!

 

「よっぽど好きなんだね・・・・まぁ、それはともかく、転生するにあたって特典を二つまであげるよ」

 

ホワッッ!!!特典キタコレッ!チートで俺TUEEEEEEEEEEするんだっ!絶対するんだぁっ!

 

「まぁ、男の子だから俺TUEEEEEEEEEEしたくなるよね」

 

おおおっ!神様が世の男の子の心を理解されているぞっ!神はここにありっ!!!!

 

「褒めてくれるのはありがたいけど、はやく特典を決めておくれよ」

 

「ああっ、すいません・・・・・・・・・・じゃあいいですか?」

 

「おや?ずいぶん決めるのが早いんだね?」

 

「はいっ!こんな機会があったらいいなぁってずっと考えて得ましたからっ!」

 

「そ、そうだったんだ・・・じゃあ特典を聞こうか」

 

「まず最初なんですけど金色のガッシュベルに出てくる全ての魔物の呪文を使えるようにしてください!」

 

「えっ、ええ・・・・」

 

「え、ダメですか?」

 

「いや、いいよ。その方がおもしろそうだしね!」

 

「ありがとうございます!じゃあ、二つ目は少しでもいいのでかっこよくしてください!」

 

「プッ、フフフ、かっこよくかい?」

 

「い、いいじゃないですか・・・・・あの世界かっこいい人が沢山いるから・・・俺もかっこよくなりたいんですよ・・・」

 

「フフフ、ごめんごめん。いいよ、かっこよくしといてあげるよ」

 

「ありがとうございますっ!」

 

やったねっ!どうせ転生するんだからかっこよくなってヒロイン達とイチャイチャしたよねっ!・・・まるで踏み台だって?君達だってイケメンになりたいって思ったことあるだろ?・・・・そういう事だよ

 

「誰に言ってるんだい?・・・・まぁ、いいや、準備はいいかい?」

 

「はい!お願いします!」

 

ついに転生だっ!どうせだったらめっちゃ強くなって、男だったら一度は夢見る史上最強になってやる!

 

「じゃ、存分に楽しんでね。ホイっと!」

 

え、今引いた上から垂れている紐はなんですか?まさか・・・・

 

案の定、俺の立っている地面が開いた。

 

「やっぱりテンプレェェェェェェェェェェェェェッ!!!!」

 

こうして俺はマジ恋の世界に転生した。

 




いかがだったかな?
こぉんなもので楽しんでいただけるなら幸いです。
誤字やアドバイスがありましたらよろしくお願いします!


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新しい世界

パラガスにございます。


評価していただいた方、お気に入りにしてくださった方、本当にありがとうございます!

これからもがんばってゆきます!

では、ごゆっくり・・・・


「・・・・・んん?」

 

見たこともない部屋だけど・・・・多分無事に転生できたのかな?

 

「清麿~~~っ!日曜日だからってお昼まで寝てちゃだめよ~~~っ!はやく起きなさ~~いっ!」

 

「もう起きてるよ~~っ!」

 

はっ!?口が勝手に・・・・ん?清麿?・・・・

 

「ならいいわ、降りてきて顔でも洗いなさい」

 

「は~~~いっ!」

 

また口が勝手に・・・・・今はそれどころじゃない!はやく鏡を見なくては!

 

一階に降りて洗面所に向かい、鏡を見る。

 

「・・・・やっぱり・・・・俺、高峰清麿になってる・・・・」

 

確かにかっこよくしてとは言ったけど、まさか清麿になるなんて・・・・しかもなんか小っちゃい・・・・セッコロぐらいの身長しかないじゃん・・・・

 

「清麿、はやくご飯食べちゃって」

 

うおっ!?まさか母さんまで清麿の母さんかよ・・・・

 

「清麿?どうかした?」

 

「!ああっ、ごめん、なんでもない」

 

「そう?ならいいんだけど・・・」

 

どうやら転生できたみたいだけど、こんなことになるなんてなぁ・・・・・・あっ、この鮭うまい・・・・・特典もしっかりとあるみたいだし、呪文も後で確かめないと・・・

 

「せっかく引っ越してきたんだし、川神の町を探検してきたら?転入する小学校の子達見つけて友達になっちゃいなさい」

 

ええっ・・・・友達作れとかハイレベルすぎるでしょ・・・・まぁ、川神の町も気になるし、行ってみますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日一日町を探検してみたけど・・・・やっぱり前の世界とあんまり違いはないな・・・・まぁ時代が違うわけでもないし当たり前か・・・

 

「腹減ってきたなぁ・・・・九鬼ビルは遠いし、川神院見て今日は帰ろ・・・・」

 

帰り道の途中にある公園が見えてきた時だった。公園の入り口から野球のボールが飛んできた。それを追うように額にバッテンの傷がある男の子が出てきた。

 

「危ないなぁ・・・まぁ、歩道から出てないから大丈夫か・・・」

 

その時突然車が車道を外れ、歩道に突っ込もうとしていた。運転手が居眠りしているようだ。

 

 ヤバイッ、このままだとあの子に激突するっ!クソッ、できるかわからないけど・・・・・・やるしかないっ!

 

ゼオンのように手を前に出し、あの呪文を叫ぶ。

 

「第一の術 ザケルッ!!!!」

 

ザケルが車の前の地面に当たり地面が爆発し、車の軌道を逸らすことができた。あの子はどうやら無事のようだ・・・・

 

「な、なんとか出せたっ・・・・よかったぁ・・・・・・・」

 

なぜか目蓋が重くなってきたぞ・・・しかも体も力が入らない・・・・・男の子と一緒に燕尾服を着た金髪の男性がこちらに向かって走ってきている姿を見て、俺は意識を手放した・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こぉんな作品を見ていただいてありがとうございます。

処女作なのでアドバイスや誤字などありましたら、報告していただけると嬉しいです。


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戦い

「・・・・知らない天井だ」

 

これ言ってみたかったんだよね!ついに言えたわぁ〜・・・さて本当にここどこだ?なんか妙に豪勢なベットだし、めっちゃ広い部屋なんだけど・・・・たしか銀髪の子を呪文使って助けたんだけど、急に眠気が来て、倒れちゃったんだっけ?まさか、ガッシュみたいに呪文使ったら気絶するのか⁉︎俺、戦えへんやん⁉︎

 

その時、大きなドアが音を立てて開き、銀髪の子が部屋に入って来た。

 

「おおっ!、気がついたか!」

 

銀髪の子がズンズンとこっちに歩いてくる。

 

「お前のおかげで我は助かった!礼を言う!名はなんと言うのだ?」

 

「え、あぁ、高嶺清麿だけど・・・君は?」

 

「ムッ、そういえばまだ名乗っていなかったな、許せ!我の名は九鬼英雄である!」

 

く、九鬼英雄?エエエエエエッ⁉︎そのような事が有ろう筈がございません!え?じゃあ、俺気付かない内に主要キャラと関わってしまったのか⁉︎いや、待て!気にするのはそんなことでは無い!銀髪の子が九鬼英雄ということは・・・・・まさか、気絶する前に見たあの燕尾服で金髪の男性は・・・・・

 

「失礼します、英雄様・・・・ほぅ、気がついたようだな」

 

 

 

 

 

 

「さぁ、準備はいいか?どこからでもかかってくるといい」

 

 

ドウシテコウナッタ⁉︎はい、御察しの通り今なぜかあのチェーンソーで絶対殺すマンことヒュームさんとの模擬戦が始まったところですよ。なんで戦ってるかって?回想シーンに行ってみよう!

 

 

 

 

 

 

 

「おおっ、ヒューム!」

 

「英雄様、そろそろお勉強のお時間です」

 

「おお、そうであったな!、清麿!勉学が終わり次第また会いにくるぞっ!」

 

そういって、英雄が部屋から出て行こうと歩き出していた。ああっ!、待ってくれ、行かないでくれ、この人と二人きりにしないでください!、お願いします!なんでもしますから!・・・・ああっ、最後の希望が・・・・

 

「さて、そこの赤子」

 

「は、はい!、なんでしょうか?・・・・」

 

い、一体何の様なんだ・・・・

 

「貴様の名前はなんという?」

 

「へっ?ああ、えっと、た、高嶺清麿です」

 

なぁんだ、名前を聞くぐらいか、よかったぁ・・・・殺されるかと思ったわぁ・・・・

 

「そうか、高嶺清麿というのか・・・・・では、赤子」

 

どうせ、赤子って呼ぶのかよ・・・名前聞いた意味あったか?

 

「は、はい、なんですか?」

 

「貴様は何者だ?」

 

「えっ?」

 

出たよこれ、なんかまずい予感しかしないよ・・・・

 

「何者って言われても・・・・普通の小学生ですけど」

 

「ふん、普通の小学生が気を電撃に変えて放つわけがないだろうが」

 

やっぱり、あの時のことか・・・なんて言えば無事で済むだろうか・・・

 

「あの電撃は何故かはわからないんですけど、少し前から出せる様になって・・・・それと気って何ですか?」

 

こう言っておくしか無い・・・・・

 

「何?気を知らんのか?」

 

「は、はい」

 

いけたか⁉︎誤魔化しきれたか⁉︎

 

「赤子、体の調子はどうだ?」

 

体の心配?まさか、これで帰れるのか⁉︎

 

「もう全然大丈夫です!全快しました!」

 

やったぞ!俺の平穏は保たれた!

 

「少し付き合え、なぁに心配することはない。お前の親にはもう連絡が入っているはずだ」

 

終わった・・・・何もかもおしまいだぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至っているわけですよ。何故か急に最強候補の人と模擬戦とか無理だろ・・・・助けてください・・・・

 

「来ないのならこちらから行かせてもらうぞ」

 

いきなり、ヒュームがこちらに向かって蹴りを放ってきた。もちろん呪文を使わなければただの小学生と変わらない俺が受け止められる訳もなく、まともに蹴りを受けてしまった。

 

「グハッ⁉︎」

 

いってぇ、この人本当に俺と戦うつもりだ・・・・本気で小学生相手にする気かよ・・・・

 

「どうした?反撃して来ないのか?やはりただのガキだったか?まぁ、帰って母親にでも慰めてもらうがいいさ」

 

このジジイッ!・・・・バカにしやがって・・・・

 

「ん?なんだ?悔しいのか?何の力もないただのお子様が!どうせ貴様の出す技もくだらないものに決まっているか・・・少しでも期待した俺がバカだったか・・・・」

 

こいつ・・・・今バカにしやがった・・・・俺のことはバカにしてもいい・・・・だけど、呪文をバカにしたのは許せないっ!これはガッシュ達が世界を守るために、皆を守るために使ってきた力だつぅ‼︎許せねぇっ!

 

「悔しければ反撃の一つでもしてみろっ!」

 

ヒュームが同じ様に蹴りを放ってきた。これをくらったらお終いだっ・・・やるしかないっ!気絶してもいい!あいつに一泡ふかせられればいいっ‼︎

 

「ザケルっ‼︎」

 

右手からあの時よりも大きな電撃が放たれ、ヒュームへと向かっていく。だが、ヒュームは簡単にザケルを躱した。ザケルが命中した壁はボロボロになり、所々焦げ付いていた。

 

「ほぅ、あの時よりも威力が上がっているな・・・」

 

確かに英雄を助けた時よりも威力が上がっている!しかも気絶していない⁉︎どうしてだ?何が関係して・・・・そうか!心の力だ‼︎さっき俺はヒュームに対して怒りを抱いていた。呪文は心の力で強くなりも、弱くなりもする・・・・そのおかげで気絶もせずに済んだんだっ!

 

「何をボケっとしている、スキだらけだぞ」

 

!ヒュームが俺にむけて拳を振るってきている!こうなったらやるしかねぇ!

 

「セウシルッ!」

 

俺の周りに全方位のバリアが張られ、ヒュームの拳を防いだ。だが、セウシルにヒビも入っている。

 

「殴っただけで、ヒビ入れるとか本当に人間かよ⁉︎」

 

「ほぉ、そんなことも出来るのか?面白い、もっと見せてみろっ!」

 

ヒュームがこちらに向かって、突進してくる。近づかせたら、ヤバイっ!

 

「グランセン!」

 

床から石で出来た大砲から岩が発射される。これで距離は保てると思ったがヒュームは岩を砕いたり、避けながら距離を詰めてきていた。

 

「やべぇ、ギコル‼︎」

 

慌てて氷の柱を飛ばす。だが、あいつはものともしないで突っ込んでくる。

 

「グラビレイ‼︎」

 

「ぬぉっ⁉︎」

 

よし!動きを止めれた!畳み掛けるなら今しかない!どうなるかわからないけど、頼むからうまく行きますように!

 

「ゼルセン‼︎」

 

突き出した両手から拳の形をした気が飛んでいき、ヒュームに命中した。よかった、原作みたいに腕が離れて飛んでいくのは流石にグロすぎる・・・・土煙が晴れると右肩を怪我しているヒュームがいた。

 

「フ、フハハハハハッ!面白いぞ!、小僧!どれだけ技を持っているっ!もっと俺を楽しませろっ!」

 

さっきよりもはやい⁉︎ヤバイッ‼︎

 

「ぐぉおおおっ‼︎」

 

まともに拳をもらってしまった、流石最強候補・・・一発だけで目が霞んできた・・・・もう長くは持ちそうもない・・・・

 

「だいぶ効いているようだな?では、これはどうする?」

 

ヒュームが気弾を放ってくる。避けきれないっ!

 

「ラシルドッ‼︎」

 

目の前に盾を出し、気弾を弾き返す。

 

「!攻撃を弾き返す盾か、しかも電撃のオマケ付きで」

 

ヒュームが気弾を避ける。避けることは予想していた!ここだっ!

 

「ジケルド‼︎」

 

「ぐぉっ⁉︎体が壁に吸付けられる⁉︎いや、これは・・・俺の体が磁石と化しているのか⁉︎」

 

これで限界だっ‼︎くらえっ‼︎

 

「グランバイソン‼︎」

 

岩で出来た大蛇がヒュームへと向かって飛んで行く。

 

「や、やった!これをくらえばいくらあいつだろうと・・・」

 

「見事だ・・・・・」

 

「⁉︎⁉︎」

 

背後からの声に驚き、振り返る。そこには燕尾服はボロボロだが、体はあまり傷を負っていないヒュームがいた。

 

「あ、あああっ・・・・」

 

「よくぞここまで戦った・・・その実力に敬意を払って俺の最高の技で終わらしてやる・・・・」

 

クソッ、こっちはもう立ってるのがやっとだぞ!やっぱり人間じゃねぇ!急いで防御呪文を‼︎

 

「マ・セシルド‼︎」

 

恐らくこれが今の俺に出せる最高の防御呪文だ!

 

「諦めようとしないその精神誠に見事だ・・・だが、そんなものでは俺の技は止められん‼︎ジェノサイド・チェーンソーッ‼︎」

 

ジェノサイド・チェーンソーがマ・セシルドとぶつかる。だが、数秒後にマ・セシルドが砕け、ジェノサイド・チェーンソーが俺に当たった。

 

「っがほっっ、マジかよ・・・」

 

ヒュームが足を引き、膝をついた俺を見下ろす。悔しい気持ちもあったが、今まであの武神すら赤子扱いする人に認められたという満足感の二つを抱きながら、気を失った。

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったかな?
初の戦闘描写なので長い上にわかりにくいと思います(汗)
アドバイスや誤字があれば是非よろしくお願いします!


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地獄の始まり

 

まぁた天井だよ・・・・そろそろ飽きたよ、これぇ・・・・うっわ、身体中包帯だらけじゃん。

 

「あのジジイめ、思いっきり蹴りやがって・・・少しは手加減しろよな・・・・」

 

「ほぅ、すでにそんな元気があるのならばもう一度稽古をつけてやろうか?」

 

「ひぃえ⁉︎す、すいませんでした!勘弁してください‼︎」

 

いつの間に部屋に居たんだよ・・・・

 

「ふん、まぁ今日の所はこれぐらいで勘弁してやろう。」

 

これで家に帰れる!帰ってゆっくりや・・・す・・・む?

 

「あ、あの今日の所はってどういうことですか?え〜っと・・・」

 

「む、そういえば自己紹介がまだだったな。俺はヒューム・ヘルシングだ。今日から貴様の師匠になる。簡単に潰れてくれるなよ?」

 

え?師匠?どゆこと?

 

「師匠ってどうゆう事ですか?」

 

「そのままの意味だ。貴様は今日からこのヒューム・ヘルシングの弟子だ」

 

エエエエエエッ⁉︎こ、このままでは俺が平穏に生活することが出来なくなってしまう‼︎

 

「いや、急にそんな方言われても・・・・母さんと父さんに何も言ってないですし・・・」

 

「安心しろ、すでに貴様の母と父には許可を頂いている」

 

親父ィィィィ!お袋ォォォォ!

 

「気になることはそれだけか?ならば、今から座学の時間だ。俺の弟子たる者文武両道でなくてはな。」

 

もうダメダァ・・・・・おしまいダァ・・・・これからどうなってしまうんだ・・・

 

 

 

その日の夜、川神院では・・・

 

「珍しいのぉ、ヒュームから飲みの誘いとは・・・」

 

「そうですネ、総代。しかしあの人のことでス、なにか話したいことでもあるのでハ?」

 

「かもしれんのう・・・」

 

「待たせたな、鉄心」

 

ヒュームが酒を片手に此方に向かって進んできていた。

 

「遅いわぃ、すんごく待ったぞ〜」

 

「仕方あるまい、貴様は暇だろうとしてもこっちは仕事が忙しいのでな」

 

「ムッ、今バカにしよったな?ムカつくわぃ」

 

「まぁまぁ、落ち着いてくだサイ。」

 

「まぁ、とりあえず飲もうや。こっちに来て座るとよい」

 

「ふん、では座らせてもらおう」

 

酒を飲みつつ他愛ない話をして、時間が過ぎていく。

 

「して、本題はなんじゃい?お主から酒を誘ってくるという事はなにかあるのじゃろ?」

 

ヒュームに対して用件を問う。奴は酒を一口飲んだ後、心底楽しそうな笑みを浮かべ口を開いた。

 

「鉄心よ、俺は弟子をとった」

 

「それは九鬼のお嬢ちゃんのことか?」

 

「揚羽様ではない」

 

「ほぅ、お前がお嬢ちゃん以外に弟子をとるとはのぅ・・・・わざわざ自慢しに来たという事は相当な才能を秘めとるのじゃな?」

 

奴は笑みを深めて儂らの方を向いた。

 

「あいつは貴様がいずれ武の頂点に立つと言った百代を超える逸材だ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、儂は衝撃を受けた。

 

「なんト⁉︎百代を超える逸材デスカ⁉︎」

 

「それは本当か⁉︎ヒューム⁉︎」

 

「ああ、奴は百代と近い歳ながらに俺の様に気を電撃・・・いや、それ以外にも多くのものに変換することが出来る。」

 

「なんと・・・」

 

百代はすでにその才能の片鱗を見せてきており、気の量も次第に大きくなってきておる。じゃが、まだ、気を変換させるなどという高等技術は扱えておらん・・・・

 

「奴にこれから俺が稽古をつけ、技術を身につけさせれば間違いなく百代を・・・いや、俺を超える存在となる。」

 

あのヒュームがここまで人を賞賛するとは・・・・間違いない、その子ならば・・・・

 

「ヒュームよ、頼みがある。」

 

「総代、まさかその子と百代に試合をさせる気デスカ?」

 

「うむ、百代と同年代で十分に闘えるのはその子だけじゃろう。百代は孤独なのじゃ・・・その子と会うことで孤独ではなくなるはずじゃ・・・」

 

「あいつを百代と合わせるのは、修行を始めてしばらくしてからだ。気の技だけでも、百代と十分に闘えるだろうが・・・それでは俺の気がすまん。・・・三ヶ月だ、三ヶ月後にあいつを川神院に連れてこよう。」

 

「三ヶ月か・・・・うむ、それで良い。」

 

「せいぜい、負けて泣き喚いた時の為に慰める用意でもしておくが良い・・・ハハハハハッ!」

 

ヒュームはそう言いながら、川神院から出て行きよった。

 

「・・・・総代、本当に百代を超えるほどの才能を持った子供などあるのでショウカ?」

 

「わからん、じゃがあやつが・・・あのヒュームがあそこまで絶賛するのじゃ、どんな子なのじゃろうなぁ?」

 

まだ見たことのない孫娘のライバルになるであろう者に対して、胸の内にある期待が膨らんでゆくのが感じられた。

 

 

 

 

 

 

 




パラガスでございます。

私がエタッていたなどとその様な事があろうはずがございません。

これからも投稿していくますので、どうかお付き合いください。


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修行

とてつもなく無理矢理ぃとなってしまいました。
お許しください‼︎


「え〜、今日はこのクラスに新しいお友達が加わります。それじゃあ高嶺君、自己紹介して」

 

「え〜っと、高嶺清麿です。まだ川神に引っ越してきたばかりなので、この辺りについて教えてくれると嬉しいです。これからよろしくお願いします。」

 

クラスの皆が拍手をしてくれた。友達出来ると良いんだけど・・・・

 

「じゃあ、高嶺君の席はあそこにいる葵君の隣ね。席についてね。」

 

先生に言われて手を上げてくれた子の隣へと向かい、席に着く。

 

「僕は葵冬馬といいます。よろしくお願いしますね、高嶺清麿君。」

 

「よろしくお願いするよ、葵君。」

 

「クラスメイトなんですから、冬馬で良いですよ。敬語もいりません。そのかわりに僕も清麿と呼ばせてもらいますよ。」

 

「ああ、俺もそっちの方が気が楽だ。」

 

よし!友達一人目!このままどんどん友達作るぞ!小学校からボッチとか嫌ダァ‼︎

 

「じゃあ、一限目は質問の時間にします!高嶺君に聞きたい事がある人はどんどん高嶺君に聞いてみてね〜。あ、この授業は立ち歩いても良いことにします。」

 

先生がそう言った瞬間にクラスの全員が立ち上がって此方に歩いて来た。

 

「高嶺君、こっちに来る前は何処にいたの?」

 

「あぁ、東京だよ。」

 

「高嶺って、ボケモンやってるか?やってたら、対戦しようぜ!」

 

「もちろん、やってるぜ。」

 

色々な奴から質問を受けた。そのおかげで大体のクラスメイトの名前は覚える事ができた。そして、冬馬と話していた男が近寄って来た。

 

「よう、俺は井上準ってんだ。若共々よろしくな。」

 

わ、若って誰のことだ?そんな名前の奴いたっけな?

 

「ダメですよ、準。いきなり若なんて言っても清麿にはわかりませんよ。」

 

「あぁ、すまんすまん。」

 

「若っていうのは僕の愛称の様なものです。もっとも準しか読んでいませんけどね。」

 

「なるほどな、よろしく井上。」

 

「俺も準で良いぜ、清麿。」

 

「あぁ、よろしくな準。」

 

全員フレンドリーだけで助かった・・・これでボッチはなんとか避けられたみたいだ。

 

 

 

 

 

 

今日一日授業を受けたが、やはり小学校の授業は簡単だった。それに友達と休み時間に外に出て遊ぶという事も久しぶりだったので、かなり楽しかった。

 

「お〜〜い、清麿〜〜ッ。」

 

後ろで俺を呼ぶ声がして、振り返ってみる。冬馬と準が俺に向かって走って来ていた。

 

「清麿、今日はこの後暇か?」

 

「あぁ、暇だけど・・・」

 

「なら、僕達と遊びませんか?引っ越して来たばかりなら、川神を案内しますよ。」

 

「!良いのか?」

 

これは嬉しい誘いだ。川神にはあまり詳しくはないし、冬馬達と仲良くもなれる。一石二鳥だ。

 

「あぁ、もちろんいいぜ。」

 

「じゃあ、後で学校に集合ですね。」

 

「家帰って荷物置いたら、すぐに行くよ‼︎」

 

その日は冬馬と準に川神のいろいろな所を案内してもらった。また今度遊ぶ約束を取り付けたし、あいつらはとてもいい奴らだ。この調子でどんどん仲良くなっていきたいなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

休日はヒューム師匠に修行に連れて行かれる。逃げ出そうにも走り出した瞬間に首根っこを掴まれている。修行した次の日は絶対に全身筋肉痛になって動けなくなってしまうんだよなぁ・・・・帰りたい。

 

「ほぅ、修行の前に無駄な事を考える余裕があるとはなぁ・・・・今日は何時もより厳しくいくぞ。」

 

「あぁ、し、師匠‼︎ご勘弁を‼︎」

 

「安心しろ、倒れたら送り届けてやる。」

 

「嫌だぁ〜〜〜〜〜っ‼︎」

 

 

 

 

 

 

「今日最初の修行は簡単だ。動くな。」

 

「へ?動くなって・・・動かなければいいんですか?」

 

「そうだ、ただ動くな。簡単だろう?」

 

「は、はい!」

 

なぁんだ、今日は修行しないのか・・・焦って損した・・・たまにはいい事するじゃん

 

「さて、修行を始めるぞ。肩幅に足を開いて、腰を落として手を前に出せ。」

 

「え?こうですか?」

 

「そうだ、そしてこれを指だけで持て、はなすなよぉ?」

 

「・・・師匠、なんですかこれ?」

 

「これか?重りだ。見てわかるだろう?」

 

「何が簡単だぁ‼︎これじゃ拷問じゃないかぁ‼︎」

 

「何を言う、動かないだけだぞ?何時もよりマシだろう?それに拷問のような修行を積んでこそ強くなれるんだ。」

 

「鬼!悪魔!人でなし!」

 

「随分と元気だなぁ、これなら二時間は平気そうだな。」

 

「勘弁してくださ〜〜い‼︎」

 

 

 

 

 

 

「次は組手だ。ちゃんと防がんと・・・・・死ぬぞ。」

 

「いつまで続けるんですか、こんな事ぉぉぉぉっ‼︎」

 

「どうしたどうしたぁっ‼︎こんな拳も受け止められんようでは、あいつには勝てんぞぉ‼︎」

 

「あいつって誰ぇぇぇぇぇぇぇっ⁉︎」

 

修行は日に日に厳しさを増していく。このままではいずれ俺の体が壊れてしまいそうだ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

冬馬達と楽しく学校生活を過ごしているとあっという間に夏休みに突入した。遊ぶ約束もたくさん取り付けたので、楽しい夏休みの始まりだ!・・・・・と思っていたが現実はそんなに甘くなかった。

 

 

「清麿、貴様は明日から夏季休暇だな?」

 

「えぇ、そうですけど・・・何か?」

 

「ならば、夏季休暇の間は九鬼で見習い従者として働いてもらう。」

 

「エエエエエエエエッ⁉︎働くって言われても俺まだ小学生ですよ⁉︎無理です‼︎」

 

「心配することはない、働くといっても俺の仕事の一部を手伝ってもらうだけだ。それに、貴様に修行をつけやすいからな。」

 

「・・・・・拒否しても無駄というわけですね?」

 

「物分りが良くて助かる。とりあえず明日は川神院に行くぞ。明日の昼12時に此処で待っていろ。」

 

「えっ、川神院・・・ですか?何しに行くんですか、そんなとこに?」

 

「それは行ってからのお楽しみだ。」

 

あぁ・・・・・絶対にろくな事じゃないな・・・

 

とりあえず、冬馬と準に遊べなくなる日がある事を伝えよう。すまない、本当にすまない。全てこの愉悦という感じの笑顔をしているジジイのせいなんだ。・・・・・明日一体何があるんだぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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