フレームアームズガール 《従兄弟の兄さんは地味に凄い人》 (アインスト)
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『轟雷"ちゃん"じゃなくて轟雷"君"!?』

前書きのネタが無い件。
深刻でしょうか?


朝。

 

今日は休日だからゆっくり過ごそうかな~‥‥‥。

 

あ、皆さんこんにちは。

 

源内あおです。

 

つい最近に『フレームアームズガール』というロボット?が私の部屋にやってきたの。

 

なかなか個性豊かな子でさ。

 

 

 

轟雷「あお、あお。白米が炊けましたよ」

 

あお「あー、うんわかった。ちょっと待ってて~」

 

轟雷「一応よそって置きましたが‥‥‥量はこれぐらいでどうですか?」

 

あお「いいね~、丁度いい感じ」

 

 

 

身長15㎝くらいで自分の身長よりも大きなしゃもじを抱えた子、この子が『轟雷』。

 

なんでも轟雷が起動したのが私だけっていう事でかなり注目されてるんだって(by轟雷)。

 

テーブルの上の充電くんの上で寝ている子が『バーゼラルド』。

 

一見おちゃらけているように見えるけど実は頭がいい子。

 

そして、充電くんの上に腰かけて自分の装備を手入れしている子が『スティレット』。

 

意外とプライドが高い子で、一度轟雷に負けてからはライバル心を燃やしてるんだって。

 

さて、朝ごはんを食べ終わると轟雷がテーブルの上で私のちっちゃい頃のアルバムを見てる。

 

轟雷が私の部屋に初めて来た時は『何故?』とか『これは何?』ってよく聞かれたな~。

 

 

 

轟雷「あの、あお」

 

あお「ん~?どうしたの?」

 

轟雷「この写真に写っている男の人は誰ですか?」

 

あお「それ?あー‥‥‥その人は私の従兄弟のコウタ兄さんだよ」

 

轟雷「従兄弟‥‥‥とは何ですか?」

 

あお「えー?難しい質問だな~‥‥‥う~ん」

 

轟雷「答えるのが難しいのですか?」

 

あお「まぁ簡単に言っちゃえば親戚のお兄ちゃんかな?」

 

轟雷「なるほど‥‥‥」

 

 

 

 

あ、コウタっていう人は私の従兄弟の兄さんで、機械とかの修理とかが得意なんだって。

 

今頃何してるかな~‥‥‥。

 

ま、そのうち連絡くれるでしょ。

 

‥‥‥ってまたやってるよスティ子ったら。

 

あ、スティ子っていうのはスティレットのあだ名だよ。

 

あだ名で呼んだらたまに怒られるけどね‥‥‥。

 

というかちっちゃいロボット?に怒られる私っていったい‥‥‥。

 

まぁそんなスティ子にも弱点みたいな面白い所もあるんだけどね。

 

 

 

 

バーゼラルド(以下バーゼ)「すぴぃ‥‥‥」

 

スティレット(以下スティ子)「アンタそろそろ起きなさいよ‥‥‥」

 

バーゼ「う~ん‥‥‥もうちょっと~‥‥‥」

 

スティ子「まったくアンタは‥‥‥!!」

 

轟雷「まぁまぁいいじゃないですかスティレット。そういう所は大目に見てあげましょうよ」

 

スティ「それは‥‥‥そうだけど‥‥‥」

 

 

 

 

そんな他愛のない話をしていると、一本の電話が。

 

誰からだろう?

 

 

 

 

 

あお「ごめん轟雷、ちょっと電話が‥‥‥」

 

轟雷「わかりました」

 

あお「ごめんね、ありがとっ」

 

 

 

 

携帯を手に取り、通話モードにする。

 

するとすぐに聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

 

 

あお「もしもし?」

 

『よー、元気してっか~?』

 

あお「え、コウタ兄さん!?」

 

コウタ『おー、覚えてくれてたのか。俺は嬉しいよ』

 

あお「どうしたの?」

 

コウタ『いやな、面白いもん作ったからさ。そろそろそっちに届くと思うんだが』

 

あお「面白い物?」

 

 

 

 

電話で話していると、玄関から物音が聞こえる。

 

何か箱のような物が落ちたような、そんな感じ。

 

携帯を耳にあてながら玄関まで行き、カギをあけて扉を開く。

 

すると轟雷たちが来たときの箱よりちょっと大きめな箱が落ちてた。

 

さっと拾い上げて私の部屋に持っていく。

 

 

 

 

あお「ねぇ、今届いたんだけどこれ何?」

 

コウタ『まぁ開けてみろ。面白いもん見れるからよ。あ、そろそろ時間だから切るわ。そんじゃ』

 

あお「え、あ、ちょっと!?」

 

 

 

何かを聞く前に通話が切れる。

 

‥‥‥いったい何なんだろ?

 

 

 

 

 

轟雷「あお、その箱は何ですか?」

 

あお「わっかんない。とりあえず開けてみるね~」

 

スティ子「なんか大きくない?」

 

バーゼ「箱の中身はなんだろな~♪」

 

あお「よい‥‥‥しょっ、と‥‥‥ダンボール箱から黒い光沢のある箱‥‥‥どゆこと?」

 

轟雷「あ、ここから開きそうです。開けてみますね」

 

 

 

 

轟雷が黒い箱を開けると‥‥‥

 

箱の中には轟雷に似た装備を身につけたちょっとゴツいロボットが入ってた。

 

それからすぐにロボットの目が光って起き上がり始めた。

 

 

ウルフ「轟雷(ウェアウルフ)、正常に起動‥‥‥システム、オールグリーン‥‥‥問おう、君が私の主君か?」

 

あお「え、主君?」

 

轟雷「恐らく私たちで言うところのマスターですよ」

 

あお「あー‥‥‥多分そうなるかも?」

 

ウルフ「そうか」

 

轟雷「あの、貴方は?」

 

 

 

そう轟雷が聞くとそのロボットは轟雷たちの方に向き直り、こう答えた。

 

 

 

ウルフ「私は轟雷。別名ウェアウルフと呼ばれている」

 

轟雷「轟雷‥‥‥ウェアウルフ‥‥‥?」

 

スティ子「つまり、轟雷は轟雷でも違う方の轟雷って事?」

 

バーゼ「訳わかんなーい‥‥‥」

 

ウルフ「呼びやすいように呼んでくれて構わない。その方が判別をつけやすくなるだろう?」

 

あお「じゃあ‥‥‥ウルフ君で!」

 

轟雷「何故ウルフなのですか?」

 

あお「だって、ウェアウルフって呼ばれてるんでしょ?だったら、略してウルフって呼んだらどうかな~って」

 

スティ子「アンタらしい考え方ね‥‥‥」

 

バーゼ「でもでも~、カッコいいよ~」

 

ウルフ「了解した。ではこれからはウルフと名乗ろう」

 

あお「ちゃんと轟雷たちと仲良くしてよ~?」

 

ウルフ「重々承知している」

 

 

 

 

 

 

外国にいるお父さん、お母さん。

 

私の部屋にまた新しい住人が増えたよ。

 

これからも楽しくなるかも。

 

 

 

 

 

 

 




次回、『飛べねぇ○○は‥‥‥』
『青い旋風』←ネタバレ(FAスティレット登場)

をお送りしようと思います。

では次の更新で。

感想などもお待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『飛べないスティ子はスティ子でいいのかな?』&『青い旋風が私の部屋にやってきた』

『飛べないスティ子はスティ子でいいのかな?』

 

 

 

ーー深夜。

 

 

私はトイレに行きたくなって目を覚ました。

 

トイレに行こうとすると足元から『パキッ』って音がした。

 

 

 

あお「んぇ‥‥‥?」

 

 

 

‥‥‥ま、いっか。

 

 

 

 

 

朝。

 

 

 

轟雷「あお、白米の量はこれぐらいでどうですか?」

 

あお「うん、いい感じ。ありがとう轟雷。あ、お米ついてるよ。取ってあげるね」

 

轟雷「すみませんありがとうございます」

 

 

 

朝食をテーブルまで運び、食べ始める。

 

うん、美味しい。

 

 

 

 

あお「あ、そういえばスティ子、ここに住むの?」

 

スティ子「‥‥‥」

 

 

 

あれ、なんかスティ子がジト目で見てくるんだけど‥‥‥。

 

 

 

あお「何その目?」

 

スティ子「‥‥‥スティ子?」

 

あお「そうスティ子!スティレットじゃ長いと思ったからさ。それで、どうなの?」

 

スティ子「あたり前よ、轟雷に負けっぱなしで帰るなんて私のプライドが許せない!!」

 

あお「そっか~‥‥‥うちはペット禁止なんだけど‥‥‥まぁ食費がかかる訳じゃないからいっか」

 

スティ子「私たちを追い出そうとしてもむd‥‥‥わぷっ!?」

 

轟雷「あ、すみません」

 

 

 

 

スティ子の頭の上に大量なお米が。

 

轟雷が理由を話す。

 

 

 

轟雷「あおがあまりにも美味しそうに食べるのでまだいけるかと思いまして‥‥‥」

 

あお「うんうん、まだいけるよ。ちなみにこのお米は親戚のおじさんが送ってくれる‥‥‥」

 

スティ子「ちょっとアンタたち!!米乗っけられた私を挟んで何おしゃべりしてんのよ!?」

 

轟雷「あ、すみません。お米取りますねスティレット」

 

 

 

 

轟雷がスティ子の頭についたお米を取ろうとすると‥‥‥

 

 

 

スティ子「‥‥‥!?」

 

轟雷「よいしょ‥‥‥」

 

 

 

まるで石みたいに固まっちゃった。

 

どうしたんだろう?

 

 

 

スティ子「‥‥‥」

 

轟雷「‥‥‥スティレット?」

 

あお「どうしたの?」

 

スティ子「わ、わからない‥‥‥身体が動かないのよ‥‥‥」

 

轟雷・あお「「えっ?」」

 

スティ子「どうして‥‥‥」

 

バーゼ「それはトラウマだねっ」

 

 

 

 

バーゼが寝転がりながら口を開いた。

 

ただ、聞き慣れない言葉が出てきたから轟雷は改めて聞く。

 

 

 

轟雷「トラウマ、とはなんですか?」

 

ウルフ「トラウマというのは人間的に精神状態が一時的に錯乱状態にあり、これにより‥‥‥」

 

バーゼ「長ったらしい説明はいいよ。まぁ簡単に言っちゃうとね~、心の傷だよ。スティレットは轟雷に負けたのがスッゴい嫌だったんだよ~。だから、胸の中や頭の中がもやもや~、ぐちゃぐちゃ~ってしちゃって~、傷んじゃったの」

 

轟雷「なるほど‥‥‥」

 

あお「バーゼ、アンタホントは頭いいでしょ」

 

バーゼ「え~?」

 

 

私は知らないよ、と言わんばかりにしらばっくれるバーゼ。

 

なんか地味にムカつく‥‥‥。

 

 

スティ子「そ、そんな‥‥‥私が‥‥‥トラウマ‥‥‥!?轟雷の‥‥‥轟雷のせいでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

轟雷「どうしましょう‥‥‥?」

 

スティ子「いやいやいやあり得ないから、そんなの絶対あり得ないから!!」

 

 

するとバーゼが轟雷を前に押し出し、スティ子の真ん前まで近づける。

 

すると‥‥‥。

 

 

スティ子「(ガチーンッ!!)」

 

 

石のようにまた固まっちゃった。

 

 

バーゼ「にゃっははははは!!やっぱそうだよ~」

 

あお「ガッチガチだねぇ」

 

スティ子「違うってばぁ!!」

 

バーゼ「え~?だってさぁ~」

 

 

バーゼはまた轟雷をスティ子に近づけようとする。

 

 

スティ子「ちょっ‥‥‥やめてよ‥‥‥」

 

バーゼ「じゃあトラウマだって認める?」

 

スティ子「み‥‥‥認めない!!充電くん!!」

 

 

充電くんを呼び出し、アーマーパーツを装着する。

 

そして飛ぼうとするけど‥‥‥。

 

 

スティ子「よっ‥‥‥きゃあっ!?」

 

 

飛べずに落ちてしまう。

 

 

スティ子「え‥‥‥飛べない‥‥‥?」

 

ウルフ「ふむ、トラウマがここまでとはな」

 

轟雷「もしかして‥‥‥」

 

バーゼ「これもトラウマのせい?」

 

スティ子「そんな‥‥‥まさか‥‥‥」

 

 

 

でもいったい何がダメなんだろう?

 

 

 

あお「どういう事?」

 

轟雷「深刻な問題です。私達には共通の汎用制御人格プログラムの他にそれぞれの個体に特化した戦闘用プログラムがインストールされています。スティレットの空中戦に特化したシステムがトラウマによって機能障害を起こしてるのかも‥‥‥」

 

ウルフ「確かに、少々よろしくないな」

 

スティ子「飛べない私なんて‥‥‥ただの‥‥‥」

 

ウルフ「一瞬ある動物の鳴き声が聞こえた気がするのだが」

 

バーゼ「それは気にしちゃいけないよ~」

 

ウルフ「ふむ、ならば早急に手を打たねばな」

 

バーゼ「スティレットの~、トラウマ克服~!!作戦開始~、いぇ~い!!」

 

 

箸を持ってお茶碗を叩くバーゼ。

 

行儀が悪いと思うんだけど‥‥‥。

 

 

ウルフ「バーゼラルド、少々行儀が悪いぞ」

 

バーゼ「あ、ごっめ~ん」

 

ウルフ「まったく」

 

 

という訳で早速スティレットのトラウマを克服するべく行動開始。

 

私は言われた通りにやってみる。

 

 

スティ子「どういうつもり‥‥‥?」

 

バーゼ「まぁまぁ慌てない慌てない」

 

あお「じゃ、行くよ~」

 

バーゼ「ゴーゴー!!」

 

 

バーゼの掛け声と共に轟雷が乗ったセッションベースを押して、スティ子の近くまで近づける。

 

 

あお「おっ、結構大丈夫じゃんスティ子」

 

バーゼ「もうちょっと行ってみよ~!!」

 

 

徐々に近づけ、最終的にはセッションベースを接続。

 

だけどやっぱりまだスティ子はダメみたい。

 

 

あお「あれ、でもここからどうしたらいいの?」

 

バーゼ「う~んとねぇ、わかんない!!」

 

ウルフ「とりあえず考える事にしよう。三人かどうかわからんがことわざで『三人寄れば文殊の知恵』と言うだろう?」

 

バーゼ「そうだね~、う~ん‥‥‥」

 

あお「う~ん‥‥‥あ、そうだ!!」

 

ウルフ「何か良い案でも?」

 

あお「いやトラウマってさ、ショック療法で治るんじゃなかったっけ?」

 

バーゼ「うん、そこで何かガツンと衝撃的な事をしたら!!」

 

 

すると轟雷は何か思い付いたみたい。

 

 

轟雷「ッ!!」

 

 

同時にセッションベースが起動し、発光する。

 

 

轟雷「轟雷!!」

 

スティ子「ス、スティレット!!」

 

轟雷・スティ子「「フレームアームズガール、セッション!!」」

 

轟雷「GO!!」

 

スティ子「み、見てなさい!!」

 

 

 

二人が転送され、アーマーパーツをそれぞれ装着する。

 

 

 

轟雷「導きます‥‥‥貴女を!!」

 

バーゼ「わー、セッションコールしちゃった~!!」

 

ウルフ「いったい何をするつもりだ‥‥‥?」

 

 

スティ子もアーマーパーツを装着し終える。

 

 

 

スティ子「ス、ス‥‥‥スパーキング!!」

 

 

 

ステージは前に轟雷とスティ子が戦った砂漠ステージ。

 

スティ子はあの時のバトルを思い出したのか怖じ気ついてしまう。

 

 

 

あお「どういうつもりなんだろう轟雷?」

 

バーゼ「さぁ~?でも面白そう!!にゃはははは!!」

 

ウルフ「ずいぶんと気楽だな‥‥‥」

 

 

 

轟雷がスティ子の元にじわじわと近寄る。

 

だけどスティ子は脚を震わせて膝をついてしまう。

 

大丈夫かなぁ‥‥‥。

 

あ、轟雷がスティ子の顔を上げた。

 

 

 

轟雷「‥‥‥スティレット」

 

スティ子「‥‥‥?」

 

 

 

すると次の瞬間!!

 

 

 

轟雷「‥‥‥んっ」

 

スティ子「!?!?」

 

あお・バーゼ「「おぉ~!?」」

 

ウルフ「‥‥‥なるほど」

 

 

 

なんと轟雷がスティ子にキスをしちゃった!?

 

え、どういう事ぉ!?

 

 

 

スティ子「‥‥‥っ、んんっ‥‥‥!?」

 

轟雷「‥‥‥」

 

 

 

みるみるとスティ子の顔が赤くなる。

 

そりゃあもうトマトみたいに。

 

しばらくするとスティ子の頭の中がショートしてしまったみたいで、止める手を離した。

 

 

 

轟雷「‥‥‥ふぅ。あお、ショック療法とはこんな感じで良かったでしょうか?」

 

あお「あれ、もしかしてなんか私いらないアドバイスしちゃった‥‥‥?」

 

バーゼ「にゃっははははは!!」

 

ウルフ「ふむ、これが俗に言う『百合』という物か」

 

あお「ちょっ、ウルフ何処でそんな言葉覚えたの!?」

 

ウルフ「いや、ちょっとな」

 

 

スティ子は気絶したみたいで、ライフゲージがゼロになった。

 

 

『winner 轟雷』

 

 

バーゼ「あ~あ、スティレットの回路、吹っ飛んじゃったね」

 

あお「これでこじらせちゃったらどうしよう‥‥‥」

 

ウルフ「その心配はないと思うぞ」

 

あお「そうなの?」

 

ウルフ「恐らく、だがな」

 

 

 

すると充電くんが私の服を引っ張る。

 

充電くんの手にはスティ子の脚のウイングパーツがあった。

 

 

 

ウルフ「む、これは‥‥‥」

 

轟雷「これ、破損してますね。だからスティレットは飛べなかったんです」

 

あお「えっ?」

 

轟雷「どうやら上から何らかの力が加わって破損してしまったみたいですね」

 

あお「上から‥‥‥?あっ」

 

ウルフ「何か心当たりでもあるのか?」

 

あお「ごめん、それ私だ‥‥‥」

 

ウルフ「仕方あるまい、スティレットが目覚める前に修復しよう」

 

 

それから数分後。

 

ヒビが入っていたウイングパーツが綺麗に直った。

 

それと同時にスティ子が目を覚ました。

 

 

 

スティ子「ん‥‥‥あれ、私‥‥‥何を‥‥‥?」

 

バーゼ「何も覚えてないの~?」

 

スティ子「確か‥‥‥バーゼが私のトラウマ克服作戦とか言って‥‥‥轟雷とセッションベースに乗ってどんどん近づけて‥‥‥あれ?それからどうしたんだっけ‥‥‥?」

 

ウルフ「ふむ、どうやら本当に何も覚えていないようだな」

 

バーゼ「あちゃ~‥‥‥」

 

轟雷「‥‥‥スティレット、飛んでみて下さい」

 

スティ子「え‥‥‥でも‥‥‥」

 

轟雷「スティレットはもう大丈夫です」

 

スティ子「大丈夫‥‥‥?」

 

轟雷「はいっ!!」

 

ウルフ「騙されたと思って飛んでみろ、スティレット」

 

スティ子「‥‥‥わかった、やってみる。けど、別にアンタ達の言葉を信じた訳じゃないからね!!」

 

轟雷「はいっ!!」

 

 

 

スティ子は早速アーマーパーツを装着し、飛ぶ。

 

どうやらちゃんと飛べるようになったみたい。

 

 

 

スティ子「飛べた‥‥‥!!良かった‥‥‥良かったよ‥‥‥!!」

 

ウルフ「うむ、結果オーライだな」

 

 

 

スティ子は自由自在に飛び回る。

 

それほど嬉しかったんだね、スティ子は。

 

 

 

 

あお「スティ子、良かったね」

 

バーゼ「にゃっはは~、まぁパーツを修理したから当たりm」

 

ウルフ「少し黙っておけ、バーゼラルド」

 

バーゼ「うむむ‥‥‥」

 

スティ子「私はトラウマを乗り越えまた一つ強くなった!!私偉い、私強い!!」

 

ウルフ「(人、それは『自画自賛』と言う)」

 

スティ子「轟雷!!早速私とバトりなさぁぁぁぁい!!」

 

 

 

スティ子は轟雷の元に飛んでいく。

 

けど轟雷の唇を見たとたんに急停止した。

 

さらに追い討ちをかけるかのようにスティ子の顔がどんどん赤くなった。

 

 

 

スティ子「なっ、ななな何‥‥‥?どういう事‥‥‥?なんでこんな‥‥‥?」

 

轟雷「スティレット?」

 

スティ子「(ガチーンッ!!)」

 

 

あれ、また固まっちゃった。

 

 

 

バーゼ「ほほ~う‥‥‥?」

 

あお「いやぁこれは‥‥‥」

 

あお・バーゼ「「おもしろ~!!」」

 

ウルフ「‥‥‥スティレット、強く生きろ」

 

 

 

スティ子のトラウマがまた一つ増えちゃったみたい。

 

ま、それはゆっくり治せばいいよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『青い旋風が私の部屋にやってきた』

 

 

日曜日。

 

せっかくの休日だからゆっくりしようっと。

 

轟雷はウルフと一緒みたい。

 

なんか兄妹みたいだなぁ~。

 

 

 

ウルフ「‥‥‥よし、ナイフはこんな所か」

 

轟雷「凄い‥‥‥鏡みたいに反射してますよ」

 

ウルフ「綺麗に磨けばこんな物だ」

 

轟雷「私にも教えてくださいウルフ!!」

 

ウルフ「わかった、じゃあまずは‥‥‥」

 

 

 

‥‥‥もう兄妹でいいんじゃないかな?

 

バーゼとスティ子は‥‥‥あ、またやってる。

 

 

 

バーゼ「すぴぃ‥‥‥」

 

スティ子「アンタそろそろ起きなさいよ‥‥‥」

 

バーゼ「むにゃむにゃ‥‥‥もうちょっと~」

 

スティ子「いい加減にしなさいこの寝坊助!!」

 

 

 

スティ子がバーゼの充電くん(ベッドモード?)を蹴り飛ばし、バーゼもろとも蹴っ飛ばした。

 

 

 

バーゼ「いたぁい!!もう、やめてよスティレット!!」

 

スティ子「いつまでも寝てるアンタが悪いんでしょうが!!」

 

バーゼ「うむむ‥‥‥!!」

 

 

 

仲が良いんだか悪いんだか‥‥‥ま、『喧嘩するほど仲が良い』って言うから大丈夫かな。

 

すると玄関から何かが落ちる音が。

 

ちょうど箱が落ちるような‥‥‥ちょっと見てこよう。

 

 

 

あお「‥‥‥うわ、いつぞやの大きめな箱‥‥‥また兄さんからかな?」

 

 

 

そう言って箱を持ち上げる‥‥‥って!?

 

 

 

あお「ちょっ、重た‥‥‥!?何入ってんのこれ!?」

 

 

 

苦労しつつ私の部屋に持っていく。

 

で、箱を開けるといつぞやの黒い大きめな箱と轟雷達のサイズでちょっと大きめなトランクが2つ。

 

何これ?

 

 

 

あお「やっぱり差出人は兄さんか‥‥‥まぁいいや、開けてみよ」

 

轟雷「また何か入っていたんですか?」

 

あお「うん。いったいこれはなんd」

 

???「イィヤッハァァァァァァ!!」

 

 

 

黒い大きめな箱からいきなり何かが飛び出す。

 

姿を確認すると、スティ子に似ている‥‥‥けど見たこと無い武器みたいな物を身に着けている。

 

なんともゴツくはないけどスマートなロボットが出てきたみたい。

 

もしかしてこの青いロボットも‥‥‥

 

 

 

ウルフ「む、お前はスティレットか?」

 

スティレット「おうとも、ただしただのスティレットじゃねぇ。スーパースティレットだ!!」

 

ウルフ「‥‥‥マークIIでいいな?」

 

スティレット(以下マークII)「はぁっ!?なんでだよ!?」

 

ウルフ「スーパー、というなら二番目の強化なのだろう?」

 

マークII「そりゃあ‥‥‥そうだけどよ‥‥‥」

 

ウルフ「ならばマークIIで決定」

 

マークII「うーい‥‥‥」

 

あお「ちょっと待って待って、え、どういう事?」

 

轟雷「恐らくスティレットとは別のスティレットなのでしょう。自分からスーパースティレット、と名乗っていましたし」

 

スティ子「でもマークIIってウルフが呼んでたし‥‥‥マークIIでいいんじゃないの?」

 

バーゼ「そだね。じゃあマークIIでけって~い!!」

 

 

 

という訳でスーパースティレットのあだ名は『マークII』で決定したみたい。

 

するとマークIIはウルフにこんな事を言い出した。

 

 

 

マークII「ウルフ、俺とバトルしようぜ!!」

 

ウルフ「ふむ、いいだろう」

 

あお「え、フレームアームズもバトルするの!?」

 

ウルフ「あぁ。まぁ戦い方は少々違うが」

 

あお「へ?」

 

 

 

いったいどんなバトルをするんだろう‥‥‥?




次回『ウルフvsマークII』&『お掃除しよう!!』をお送りします。

感想などお待ちしてます。

では次回の更新で。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『ウルフvsマークII』

お待たせしました‥‥‥。

今回は少々訳あって一話だけです‥‥‥すみません‥‥‥。

では、どうぞ。


 

 

『ウルフvsマークII』

 

 

 

あお「ねぇ、どうやって戦うの?」

 

ウルフ「まず従来通りセッションベースを使用する」

 

マークII「んで、この‥‥‥トランクを開いて、好きなアーマーパーツ、武装を選ぶ」

 

轟雷「なるほど、私達は装甲パーツを装着して行きますがあなた方は装甲パーツと武装を自分でチョイスできるのですね」

 

ウルフ「‥‥‥よし、選択完了だ。マークII、お前は?」

 

マークII「俺も準備OK。いつでもいいぜ」

 

 

 

そう言ってウルフとマークIIは自分で選んだ装甲パーツをベースにつけていき、最終的にベースの中央に立つ。

 

そして、セッションベースが光り出す。

 

 

 

ウルフ「では‥‥‥」

 

マークII「あぁ」

 

ウルフ「ウルフ!!」

 

マークII「マークII!!」

 

ウルフ・マークII「「フレームアームズ、セッション!!」」

 

ウルフ「発進!!」

 

マークII「行くぜ!!」

 

 

 

ウルフとマークIIは何処かに転送され、ベースに取り付けられていた装甲パーツとかも消えてった。

 

 

 

ウルフ「アーマー装着‥‥‥漸雷強襲型、発進準備完了!!」

 

マークII「システム、オールグリーン!!スティレット、テイクオフ!!」

 

 

 

そして、フィールドの様子が投影される。

 

あれ、これって市街地?

 

 

 

轟雷「市街地フィールドですか‥‥‥」

 

スティ子「戦い方によってはキツい戦闘になりそうね」

 

バーゼ「でもでも~、ウルフの装甲パーツがだいぶ違うみたいだよ~?」

 

あお「あ、ホントだ‥‥‥あれってマント?」

 

轟雷「マントではありますが、あれは防弾性が非常に高い特殊マントです」

 

スティ子「なるほど、だから"強襲型"なのね」

 

バーゼ「ウルフが持ってる武器は‥‥‥何あれ、ガトリング?」

 

轟雷「ツインガトリング、と言ったところでしょうか?」

 

スティ子「見たまんまの名前じゃない‥‥‥で、背中に取り付けている武器はミサイルコンテナ?」

 

バーゼ「ぷぷぷ~、よく見なよスティレット~。あれは折り畳まれたライフルだよ~」

 

スティ子「え、うそっ!?」

 

轟雷「肩に装着している小さなコンテナがミサイルコンテナなんでしょうね」

 

スティ子「箱みたいに折り畳めるライフルってある?普通に考えて」

 

あお「あー‥‥‥多分兄さんお手製の武器じゃないかな」

 

轟雷「つまりオリジナルの武器、と?」

 

あお「そゆこと」

 

 

 

そうこう話しているうちにウルフが動いた。

 

本格的に攻めるのかな?

 

 

 

ウルフ「目標‥‥‥捕捉。ミサイルによる牽制を開始。発射ァッ!!」

 

 

 

ウルフがそう言うと、コンテナのフタが開いてたくさんのミサイルが発射される。

 

小さいのに大容量だなぁ~。

 

 

 

マークII「やっぱ最初はミサイルで攻めて来やがったか‥‥‥だが、無駄ァ!!」

 

あお「ねぇ轟雷、マークIIの持ってるあの武器はなんて言うの?」

 

轟雷「あれはACSクレイドルです。増加装甲、推進機、機関砲、ブレードを合体させた多機能ユニットなんです」

 

あお「ほぇ~、扱いが難しそうな武器だねぇ」

 

轟雷「はい。ですがマークIIは優秀な機体のようです。即座に状況を判断し、最適な武装を選んでいます」

 

バーゼ「あ、見て見て~。マークIIがたくさんのミサイル全部撃ち落としちゃった~!!」

 

あお「うわ、すごっ!!」

 

 

 

ミサイル全部が撃ち落とされたのを見てウルフは諦めたのか、ミサイルコンテナを排除、外しちゃった。

 

大丈夫なのかなぁ?

 

 

 

ウルフ「やはり只ではいかんか‥‥‥なら」

 

 

 

ウルフは背中のライフルを展開して、構える。

 

そしてじっくりと狙いを定めて‥‥‥。

 

 

 

ウルフ「まずはその装甲を削ぐだけだ」

 

 

 

その一言を口?にした後、ライフルで撃つ。

 

放たれた弾はまっすぐマークIIの腕の武器、ACSクレイドルを一つ壊した。

 

 

 

マークII「うおっ!?マジかよ‥‥‥相変わらず化け物染みてんなウルフの奴‥‥‥」

 

ウルフ「‥‥‥次、右脚のクレイドルを頂く」

 

マークII「どわったぁ!?クッソあんのやろ~‥‥‥今に見てやがれ‥‥‥」

 

ウルフ「‥‥‥ん?場所を変えたのか‥‥‥?だがレーダーには反応が無い‥‥‥」

 

 

 

ウルフはふと上を見る。

 

すると。

 

 

 

 

マークII「俺はここだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ウルフ「何っ!?」

 

あお「あれ?マークIIのクレイドル‥‥‥だっけ、あれ壊れたんじゃないの?」

 

スティ子「違う。左脚に残っていたクレイドルを右腕に取り付けたのよ」

 

バーゼ「あーゆー武器には互換性があるからね~」

 

あお「え、そんなのアリなの?」

 

轟雷「はい。アリです」

 

 

 

あっという間にウルフのライフルが壊された。

 

油断してたのかな?

 

 

 

ウルフ「チィッ‥‥‥だが、この距離ならば!!」

 

マークII「あ?おわっ!?バカ肩掴むな!!」

 

ウルフ「離さん!!零距離で食らうがいい!!」

 

 

ウルフはマークIIの右肩を掴み、左腕に装備してたガトリングを胸部に押し当てて零距離射撃する。

 

 

 

マークII「あがががががががががががががが!?!?」

 

ウルフ「削り取る‥‥‥!!」

 

マークII「うごごごごごごご‥‥‥ヤベェ‥‥‥!!」

 

ウルフ「終わりだ!!」

 

マークII「どわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

 

 

最終的にウルフのゴリ押し戦法でマークIIのHPを全て削り取り、ウルフの勝ちになった。

 

すご‥‥‥ゴリ押しでも勝てるんだ‥‥‥。

 

 

 

『winner ウルフ』

 

 

 

 

マークII「あー、クソッ負けた~‥‥‥」

 

ウルフ「油断したか?」

 

マークII「‥‥‥おう」

 

 

 

ウルフとマークIIが戻ってくる。

 

それと同時にウルフの装備が元通りに。

 

 

 

轟雷「あれが彼らの戦い方‥‥‥すごく勉強になりました」

 

スティ子「そう?私達があんな戦い方できる訳ないじゃない」

 

バーゼ「そだね~、私達があんな戦い方したら確実に何処か壊れちゃうよ~」

 

轟雷「それは残念です‥‥‥」

 

 

 

轟雷がしゅんとすると、ウルフが轟雷の頭を撫でた。

 

ホント、兄妹みたいだなぁ~‥‥‥。

 

 

 

ウルフ「大丈夫だ。お前にはお前にしかできない戦い方がある」

 

轟雷「‥‥‥はいっ!!」

 

マークII「どーよスティ子、カッコよかっただろ」

 

スティ子「微妙。負けたのにどうしてそんなに清々しいのよ?」

 

マークII「おやぁ~?もしやアレですかぁ~?プライド高い系のFAガールっすかぁ~?」

 

スティ子「ぬなっ!?」

 

マークII「おー?図星っすかぁ~?」

 

スティ子「こいつ‥‥‥バーゼの次にうざい‥‥‥!!」

 

マークII「なははは、そいつぁ褒め言葉っすよスティ子ちゃん」

 

スティ子「ぐぬぬ‥‥‥!!」

 

バーゼ「やりますなぁマークIIさんや~」

 

マークII「いやいやバーゼちゃんには敵わないっすよ~」

 

 

 

なんだろう、二人を一緒にしたらヤバいかも。

 

まぁ、面白い事には変わりないけどね。

 

 

 

スティ子「頭痛くなる‥‥‥」

 

マークII「ほほ~、自分の行いでっすか?」

 

スティ子「アンタねぇ~!!」

 

マークII「だ~っははははは!!逃げるが勝ちでぇ~い!!」

 

スティ子「ちょっ、待ちなさぁぁぁい!!」




次回、今度こそ『お掃除しよう!!』&『ゼルフィカール、源内家に立つ(仮)』

以上の2つをお送りします。

感想などお待ちしてます。

では次回の更新で。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『お掃除しよう!!』&『ゼルフィカール、源内家に立つ』

ちょっと遅れてしまいました。

すみません。

では、どうぞ。

(お掃除しよう!!が本編みたいな物です)


『お掃除しよう!!』

 

 

長い学校の授業が全て終わり、私は家に帰る。

 

ある物を小脇に抱えて。

 

 

 

あお「たっだいま~!!」

 

轟雷「あ、おかえりなさい。あお」

 

あお「はいこれお土産!!」

 

 

私が床に置いたある物、というのはルンバに近いお掃除ロボット。

 

するとバーゼが不思議に思ったのか、こんな事を。

 

 

 

バーゼ「何この丸いの、マカロン?」

 

あお「そうそう、これが噂の巨大マカロンってね‥‥‥って違ぁう!!お掃除ロボだからこれ!!」

 

轟雷「お掃除ロボ?」

 

バーゼ「ほほぉ~?」

 

あお「管理人さんが使わないからってくれたの。ほら、うちって汚いじゃん?」

 

轟雷「普通に掃除をすれば良いのでは?」

 

ウルフ「同感だ。私の元主君、コウタでも掃除をしていたぞ」

 

あお「いやいや、そんな事したらこの子の存在意義を奪う事になるでしょ?それはやっちゃダメなヤツでしょ?誰だって誰かのために生まれてきたんだよ」

 

マークII「うわ、屁理屈じゃねぇか」

 

あお「別にいいでしょうが‥‥‥」

 

轟雷「誰かのために‥‥‥」

 

あお「そう、今この瞬間!!このお掃除ロボは私のためにここにいるっ!!」

 

轟雷「なるほど‥‥‥!!」

 

 

 

おー、轟雷が目を輝かせてるよ。

 

よし、これなら‥‥‥。

 

 

 

 

バーゼ「にゃはははははは!!あおなんか良い事言ってる風~!!」

 

スティ子「轟雷が完全に丸め込まれているわね‥‥‥」

 

あお「あ、そうそうちなみに今轟雷が私に感じている気持ちが私への"感心"と"尊敬"ね」

 

轟雷「これが‥‥‥"感心"と、"尊敬"‥‥‥?」

 

ウルフ「轟雷、騙されるな‥‥‥ある意味違うから‥‥‥」

 

スティ子「ねぇ、轟雷の感情データってあおに任せて大丈夫なの?」

 

バーゼ「さぁ~?」

 

マークII「だが過半数はあれだな、任せられない気がすんな」

 

スティ子「同感」

 

あお「って事で、修理お願いね」

 

スティ子「えっ、修理!?」

 

あお「実はこれ、壊れてるんだよね~」

 

マークII「おいおい、ちゃんと確認しろよ‥‥‥」

 

 

 

するとバーゼはお掃除ロボを軽く叩き始める。

 

 

 

バーゼ「お~いお掃除ロボちゃ~ん、入ってますか~?あ、ホントだ~、うんともすんともだよ~」

 

ウルフ「返事する訳がないだろうに‥‥‥」

 

あお「私今から武希子と遊びに行ってくるからさ、その間にちょちょいっとよろしくね!!」

 

スティ子「ちょっと、これずいぶん古い型じゃない!!私たちが生まれるうんと前のヤツよ!?」

 

轟雷「ですが、きっとこのお掃除ロボは私に修理されるために生まれてきたのかもしれません‥‥‥」

 

スティ子「ちょっとちょっと!?何それぇ!?何変なスイッチ入っちゃってんのよ!?」

 

バーゼ「あおに影響されちゃったんだね~」

 

マークII「間違いねぇ、影響されたな」

 

轟雷「わかりましたあお!!私たちで修理してみます!!」

 

 

しかし‥‥‥。

 

 

 

バーゼ「でもさ~、もうとっくの昔に遊びに行っちゃったよ~?」

 

ウルフ「行動が速いな。流石女子」

 

スティ子「そんな事言ってる場合じゃないでしょまったく‥‥‥あおってば私たちをいったい何だと思っているのかしら」

 

轟雷「信頼してくれているのでは‥‥‥?」

 

バーゼ「甘えてるんだね~」

 

ウルフ「きっとそうなのだろうな」

 

スティ子「人間がフレームアームズガールに甘えるってアリな訳?」

 

轟雷「もともとあおは甘えん坊な所があったようですし‥‥‥以前見せてもらったアルバムでもご両親にべったりな写真が多かったです」

 

バーゼ「な~んだ、だからあおってば夜中に時々枕にほっぺすりすりしてたんだ~!!ぷぷぷ~」

 

スティ子「えっ、何それ!?」

 

バーゼ「なんかさ~、にゃ~にゃ~言いながら枕にすりすりしてるの~。バーゼ見ちゃった~」

 

轟雷「枕に甘えているのでしょうか?」

 

 

すると耐えきれなかったのかスティ子とマークIIが吹き出す。

 

 

スティ子「あっはははははは!!ウケる~!!」

 

マークII「だ~っはっはっはっ!!ひ、ひ~っ、腹イテ~っ!!」

 

バーゼ「あ、そうそう後ね、ポエムが甘いんだよ」

 

スティ子・マークII「「ポエム?」」

 

轟雷「ポエム‥‥‥」

 

バーゼ「あおってね、ポエムノート持ってるの。こないだ見たんだけど~」

 

スティ子「勝手に見たの?」

 

バーゼ「うんっ!!」

 

スティ子「うんってそんなはっきりと‥‥‥」

 

 

すると轟雷が言いづらそうに口を開く。

 

 

 

轟雷「あのぉ‥‥‥そのポエムノートって、表紙に青いリボンとレースがついているノートですか‥‥‥?」

 

バーゼ「そうそう~」

 

轟雷「それ‥‥‥私も見てしまいました‥‥‥」

 

スティ子「えっ?」

 

轟雷「感情を学ぶためのデータとして収集できる物はないかと探していた時に‥‥‥そこにちょっとしたポエムと‥‥‥」

 

マークII「ポエムと?」

 

スティ子「何があったのよ?」

 

轟雷「オリジナルの‥‥‥さ、サインの練習のような物が書かれていました‥‥‥」

 

 

 

轟雷がそう言ったとたん、スティ子が赤面する。

 

 

 

スティ子「サインの練習~!?はっ、恥ずかしい~!!」

 

バーゼ「やるよね~、サインの練習っ。アイドルに憧れた時とかさ~」

 

マークII「あー、確かにな」

 

スティ子「わ~っ!!」

 

ウルフ「それで、気になるポエムの内容は何だ?」

 

バーゼ「それがね~‥‥‥『鳥、風、雲、星‥‥‥全部が私、私が全部‥‥‥明日は南、明後日は北‥‥‥ぴ~ひゃらこんこん、どんしゃらら‥‥‥人生とは道だ‥‥‥そうだ、旅行行こう‥‥‥』」

 

スティ子「ぷふふ‥‥‥何よそれ‥‥‥?」

 

マークII「だ~っはっはっはっ!!マジ!?それマジで!?」

 

バーゼ「うんマジ。あおのポエム、ナンバー85」

 

スティ子「ぶっ、あははははははは!!ちょっ、あーははははははは!!あおのポエムっ!!ポエムっ!!しかもナンバー85って‥‥‥そんなに書いてるの!?」

 

マークII「ぶわははははははははは!!マジか、マジだったか!!ひ~、ヤベ、腹イテ~!!ゲホッゲホッ!!」

 

轟雷「85どころじゃないです‥‥‥」

 

バーゼ「一冊目の半分くらいの所で85だったよ」

 

スティ子「あははははは!!ポエム書きすぎでしょっ!!」

 

 

 

そして轟雷とバーゼも耐えきれなくなったのか、ついに笑いだした。

 

 

 

轟雷「ぷっ‥‥‥」

 

バーゼ「ぷくくっ‥‥‥」

 

轟雷・スティ子・バーゼ「「「あははははははは!!」」」

 

ウルフ「ふふっ、くくく‥‥‥!!」

 

マークII「だ~っはっはっはっ!!」

 

 

 

それからしばらくして、やっと落ち着いた。

 

 

 

スティ子「はぁ‥‥‥今の私たちの話、あおが聞いたら大騒ぎね」

 

ウルフ「間違いないな。確信できる」

 

バーゼ「バーゼたち追い出されちゃうかもよ?」

 

マークII「まぁそりゃそうだろうな‥‥‥」

 

轟雷「あおにとっては秘密、なのでしょうからね」

 

スティ子「さて、と。たくさん笑わせてもらったし仕方ないから修理してあげるか」

 

 

するとつい先程までうんともすんとも言わなかったお掃除ロボが動き出した。

 

 

バーゼ「あっ、動いた!!」

 

轟雷「故障ではなかったみたいですね」

 

マークII「っつー事はこれで一件落着か?」

 

 

しかし次の瞬間、お掃除ロボから声が。

 

 

 

『鳥、風、雲、星‥‥‥全部が私、私が全部‥‥‥』

 

 

 

スティ子はジト目でマークIIを見つめる。

 

 

 

スティ子「‥‥‥」

 

マークII「‥‥‥ワリ、前言撤回。やっぱ一件落着じゃねぇわ」

 

轟雷「それより今のは‥‥‥?」

 

 

 

さらにお掃除ロボから声が。

 

 

 

『ポエムノート‥‥‥サイン!?アイドル~、恥ずかしい~!!』

 

ウルフ「まさかヤツは‥‥‥」

 

スティ子「さっきの私たちの会話を録音してたって事!?」

 

ウルフ「あぁ、間違いない。あの掃除ロボからは確かにお前たちの声が流れている」

 

マークII「おいどうすんだよ?」

 

ウルフ「う~む‥‥‥」

 

『ウケる~!!あおすりすり‥‥‥にゃ~っ!!あお、恥ずかしい~!!ぷぷぷ~』

 

スティ子「録音どころか私たちの声を勝手に組み替えてるじゃないっ!!」

 

ウルフ「非常にマズイな‥‥‥」

 

バーゼ「どうマズイの~?」

 

ウルフ「この状態であおが帰ってきてみろ‥‥‥」

 

バーゼ「あっ‥‥‥」

 

『マジであお、超ウケる~!!人として恥ずかしい~!!』

 

スティ子「なんでギャル口調になってんのよ!?」

 

轟雷「すごい、ものすごいスピードで学習していますね!!」

 

スティ子「感心してる場合じゃないっ!!」

 

マークII「そうだそうだ!!」

 

バーゼ「これホントになんとかしないとバーゼたち追い出されちゃうかもだね~」

 

轟雷「追い出しはしないと思いますが‥‥‥充電くんの刑にはなるかと‥‥‥」

 

スティ子・バーゼ「「充電くんの刑?」」

 

マークII「なんだそりゃ?」

 

 

すると轟雷が赤面しながらこう言う。

 

 

轟雷「強制的に充電コードを抜き差しされるんです‥‥‥それはもう何度も何度も‥‥‥」

 

ウルフ「(そういえば前にそんな事があったな。私がライフルの手入れをしている時になにやら聞こえると思ったら轟雷の喘ぎ声のようだったという‥‥‥)」

 

マークII「ブッ!!」

 

ウルフ「どうした?」

 

マークII「いやぁやらしいなと」

 

ウルフ「‥‥‥そうだな」

 

スティ子「なんだろう‥‥‥痛い訳じゃないけど‥‥‥なんかゾゾ~ッとする‥‥‥」

 

 

 

するとお掃除ロボは今のスティ子の言葉を録音したようで、こんな事を再生する。

 

 

 

 

『マジであおのポエム、ゾゾ~ッとする~っ!!』

 

 

 

 

 

マークII「どんどんヒドくなるなオイ」

 

スティ子「とにかくっ!!とりあえずアイツを捕まえるわよ!!」

 

轟雷「了解っ!!」

 

バーゼ「は~い!!」

 

ウルフ「履帯展開、最大戦速!!」

 

マークII「ブーストォ!!」

 

 

 

5体はお掃除ロボ鎮圧のために行動を開始する。

 

轟雷は走り出し、ウルフは履帯を展開して走行する。

 

さらにスティ子とバーゼ、マークIIは空中を飛んで追いかける。

 

 

 

轟雷「くっ!!」

 

ウルフ「追いつけん‥‥‥マークII、行けるか?」

 

マークII「誰に物言ってんだ、行けない訳ねぇだろ!!」

 

 

 

スティ子とバーゼ、マークIIがお掃除ロボの上に取り付く。

 

 

 

マークII「よっしゃ取り付いたぁ!!」

 

スティ子「電源を!!」

 

 

 

しかしお掃除ロボの抵抗によりマークIIとスティ子は振り落とされる。

 

だがどうにかバーゼは取り付いたままである。

 

 

 

 

『ウケる~!!』

 

マークII「どわったっ!!‥‥‥クソッ!!」

 

スティ子「バーゼ!!」

 

バーゼ「にゃっはは~!!ロデオだ~っ!!」

 

マークII「オイめっちゃ暴れてんぞ!?」

 

轟雷「すごい‥‥‥バーゼ‥‥‥」

 

バーゼ「にゃっはは~!!んじゃこのままっ!!」

 

 

 

そのままバーゼは乗っかったまま洗濯カゴに突撃。

 

お掃除ロボは機能停止した。

 

 

 

バーゼ「いぇ~いっ、捕獲~!!」

 

スティ子「ふん、なかなかやるじゃない」

 

マークII「とか言って~、素直に認めろよ~」

 

スティ子「うっさい!!」

 

 

 

スティ子はマークIIにハイキックする。

 

 

 

マークII「ありがとうございますっ!!」

 

ウルフ「‥‥‥ネタでやっているんだな?」

 

マークII「あったり前でござんしょ」

 

ウルフ「‥‥‥そうか」

 

バーゼ「スティレットってさ~、マークIIと仲良いよね~」

 

スティ子「な、何よバーゼ‥‥‥そんなニヤニヤして‥‥‥」

 

バーゼ「ねぇねぇスティレット~、もしかして~‥‥‥マークII好き?」

 

 

 

バーゼは小悪魔な笑みを浮かべながらニヤニヤしつつスティ子に聞く。

 

 

 

スティ子「え"っ!?」

 

バーゼ「ねぇねぇ~、どうなの~?」

 

スティ子「し、知らないわよ!!」

 

バーゼ「へ~」

 

スティ子「な、何なのよ‥‥‥」

 

 

 

すると遊びに行っていたあおが帰ってくる。

 

 

 

あお「ただいま~ってえぇぇぇぇ!?何これぇぇぇぇ!?」

 

轟雷「あ、おかえりなさい。あお」

 

あお「いったい何をしてたの!?掃除は!?っていうかお掃除ロボは!?」

 

轟雷「あの、あお‥‥‥お掃除ロボは‥‥‥えっと‥‥‥」

 

バーゼ「故障じゃなかったんだけどね~、バーゼ壊しちゃった~」

 

あお「えぇ~‥‥‥?」

 

バーゼ「だからバーゼが、轟雷とウルフでバトルするね!!」

 

ウルフ「何故俺も!?」

 

スティ子「アンタ指示しかしてないでしょ」

 

ウルフ「あぁ、なるほど」

 

スティ子「(納得しちゃった‥‥‥)」

 

轟雷「‥‥‥あぁ、バイト代を稼ぐという事ですね?」

 

バーゼ「うんっ!!」

 

スティ子「そして、そのお金でお掃除ロボを修理してもらうって訳ね」

 

バーゼ「そうっ!!」

 

あお「仕方ないなぁ‥‥‥」

 

 

 

そして渋々準備を進める。

 

少しして準備が完了した。

 

 

 

 

ウルフ「装甲パーツ選択完了。これ(榴雷改)で行く」

 

轟雷「わかりました。では‥‥‥」

 

 

セッションベースが光り出す。

 

 

轟雷「轟雷!!」

 

バーゼ「バーゼラルド!!」

 

ウルフ「ウルフ!!」

 

轟雷・バーゼ「「フレームアームズガール、セッション!!」」

 

ウルフ「フレームアームズ、セッション!!」

 

轟雷「GO!!」

 

バーゼ「にゃははっ!!」

 

ウルフ「発進!!」

 

 

そしてそれぞれ装甲パーツを装着する。

 

 

 

バーゼ「わっくわく、ぱぱ~ん!!」

 

轟雷「ハートの微熱、届けますよ!!」

 

ウルフ「アーマー装着‥‥‥榴雷改、発進準備完了!!」

 

 

 

今回のフィールドはどうやら湖のようだった。

 

 

 

バーゼ「轟雷~、ウルフ~!!言っとくけどバーゼ強いよ~!!」

 

轟雷「負けません!!」

 

ウルフ「同感だ」

 

バーゼ「行っくよ~!!」

 

ウルフ「旋回飛行を始めた‥‥‥?」

 

あお「あれ、このパターンって‥‥‥」

 

スティ子「そうね。バーゼは私と同じで空中戦を得意とするから‥‥‥」

 

マークII「轟雷にとっちゃあ厄介、っつー事か」

 

スティ子「えぇ」

 

マークII「だが、それだけのハンデがあった方が面白い。それに、轟雷とウルフを甘く見ない方がいいぜ?」

 

スティ子「どういう事よ?」

 

マークII「まぁ見てろって」

 

 

 

バーゼは各部の武装を展開、攻撃態勢に移行する。

 

 

 

 

バーゼ「オールウェポンシステム起動、フルバーストモードッ!!」

 

ウルフ「轟雷、狙われているぞ!!」

 

轟雷「はいっ!!」

 

スティ子「あっ、バーゼったら一発で決める気じゃないっ!!」

 

バーゼ「にゃっはは~!!」

 

 

 

レーザーが轟雷とウルフに向かって飛んでいく。

 

 

 

轟雷「きゃあっ!!」

 

ウルフ「チッ‥‥‥」

 

あお「轟雷!!」

 

 

 

しかし、あたらない。

 

バーゼが何度撃ってもあたらない。

 

 

 

バーゼ「あれ~?なんかもくもくしてあたらな~い‥‥‥」

 

ウルフ「‥‥‥まさか」

 

轟雷「チャフ!?」

 

スティ子「そっか!!さっきお掃除ロボが吐き出した埃がチャフの代わりになってるのよ!!」

 

マークII「ほほ~、やっぱりか」

 

スティ子「アンタわかってたの?」

 

マークII「まぁな。ちょいと煙たかったんでね」

 

あお「うわ、バーゼと同じでマークIIも頭いいでしょ」

 

マークII「いやぁそんなまさか~」

 

あお「でも、そのチャフって轟雷とウルフの攻撃に影響する?」

 

スティ子「しないわ。だって轟雷とウルフの攻撃は実弾だから」

 

 

 

あおがこれを好機と見たのか、轟雷に指示する。

 

 

 

あお「よし、轟雷!!一気に撃っちゃえ!!」

 

轟雷「了解っ!!」

 

ウルフ「六七式・長射程電磁誘導型実体弾射出器、発射ァッ!!」

 

バーゼ「ちょちょっ、待って!?にゃああああああああ!!」

 

 

 

轟雷の放った滑空砲にウルフの放った六七式・長射程電磁誘導型実体弾射出器の弾が直撃、バーゼのライフを全て削り取った。

 

 

 

『winner 轟雷、榴雷改』

 

 

 

 

バーゼ「あ~あ負けちゃった‥‥‥でも楽しかった!!またやろうね轟雷!!」

 

轟雷「はいっ!!」

 

あお「よーし、これでバイト代ゲット!!さらにお掃除ロボの修理もできる!!」

 

 

 

それから数分後。

 

あおが戻ってくると今度は掃除機を抱えていた。

 

 

 

あお「たっだいま~!!」

 

轟雷「あお、それは?」

 

ウルフ「掃除機、か」

 

あお「いやぁ~、なんかわかんないんだけどさ?下で管理人さんに会ってお掃除ロボ修理中だ~って話したらこれをそっとね?」

 

轟雷「掃除機ですよね?」

 

バーゼ「なんかすごく武器っぽ~い!!」

 

スティ子「ちょっとテンション上がるわね」

 

マークII「見た感じライフルっぽいしな」

 

轟雷「良かったですね、あお」

 

 

 

『お掃除しよう!!』END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゼルフィカール、源内家に立つ』

 

 

ある日のあおの部屋にて。

 

 

 

 

あお「‥‥‥また、兄さんから送られてきた」

 

轟雷「ウルフたちのような新しいFAでしょうか?」

 

あお「まぁいいや、開けてみようか」

 

轟雷「そうですね。開けてみましょう」

 

 

 

黒い箱を開けると、中にはヒロイックな機体が入っていた。

 

数秒後、ヒロイックな機体の目が光り、起動したようだ。

 

 

 

 

ゼルフィカール「ゼルフィカール、起動。アクチュエーター問題無し。どうやら目的地に着いたみたいだな」

 

轟雷「あの、貴方の名前はゼルフィカールというのですか?」

 

ゼルフィカール「あぁ。ただ名前が長いから‥‥‥ゼロ、とでも呼んでくれ」

 

轟雷「わかりました、ゼロ」

 

あお「あれ?ねぇ轟雷、ゼロの頭よく見て」

 

轟雷「どうしました?」

 

あお「ほら、なんとなく頭の感じがバーゼに似てない?」

 

轟雷「あ、確かに」

 

ゼロ「あぁ、俺は元々バーゼラルドをベースに改造された機体だ。スピードはバーゼラルド以上になっている」

 

あお「うは~‥‥‥よし、おーいバーゼ~」

 

バーゼ「何~?どうかしたのあお~?」

 

あお「ほら、新しいFA」

 

バーゼ「おー!!私バーゼ!!よろしくね~!!」

 

ゼロ「ゼルフィカールだ。ゼロと呼んでくれ」

 

ウルフ「む、ようやく合流か。ゼルフィカール」

 

ゼロ「あぁ。それよりあのヴァカ(マークII)は迷惑かけてないか?」

 

ウルフ「あぁ、問題無い」

 

ゼロ「それならいいんだが‥‥‥」

 

 

 

ちらとゼロが目線を変えると‥‥‥。

 

 

 

 

マークII「リーリー、リーリー!!ほらどうした当てるんだろ?もっとかかってこいよスティ子ちゃん!!」

 

スティ子「こんのぉ‥‥‥腹立つぅ!!」

 

 

 

 

スティ子が太刀を持ってマークIIに斬りかかろうとしていたがことごとく避けられる図があった。

 

 

 

 

ゼロ「‥‥‥」

 

マークII「ん?おー、ゼルフィカールじゃねぇか。久しぶたわばっ!?」

 

 

 

 

マークIIが気がついた頃にはゼロがドロップキックしていた。

 

 

 

 

マークII「ぐぉぉぉぉぉ腰がぁぁぁぁぁ‥‥‥!!」

 

ゼロ「他人に迷惑かけるなと何度も言ってるだろうが!!」

 

あお「うわ~、いいブレーキじゃん」

 

ゼロ「良くない!!」

 

 

 

するとスティ子がゼロの肩に手を置く。

 

 

 

スティ子「‥‥‥アンタも、苦労人なのね」

 

ゼロ「‥‥‥そうみたいだ」

 

 

 

『ゼルフィカール、源内家に立つ』END




次回、『マテリア姉妹&ダオ兄弟がやってきた』

を、お送りします。

感想などもお待ちしてます。

では次回の更新で。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『マテリア姉妹とダオ兄弟がやってきた』

遅くなりました‥‥‥

では、どうぞ。


 

 

『マテリア姉妹&ダオ兄弟がやってきた』

 

 

 

‥‥‥システム起動

 

各部アクチュエーター問題無し

 

スラスター出力問題無し

 

各部武装欠損等無し

 

視界良好

 

オールグリーン

 

ウェアウルフ アクティブ

 

 

 

 

ウルフ「‥‥‥もうこんな時間か」

 

轟雷「あ、やっと起きたんですね。ウルフ」

 

ウルフ「あぁ」

 

轟雷「もうすぐあおが帰ってきますよ」

 

ウルフ「了解した。すぐに行こう」

 

 

 

他愛のない話をしているとあおが帰ってきた。

 

だがなにやら様子がおかしい。

 

 

 

 

あお「ただいま~‥‥‥」

 

轟雷「おかえりなさい、あお‥‥‥ってえぇ!?」

 

ウルフ「おい、上半身が濡れているぞ」

 

スティ子「ちょっと、アンタどうしちゃったのよ!?」

 

バーゼ「うぇ~‥‥‥あおきちゃない‥‥‥」

 

マークII「ひでぇやられ様だな」

 

ゼロ「いったい何があったんだよ‥‥‥」

 

あお「いやぁ‥‥‥帰り道ヤギと遊んでたら色々とあって‥‥‥」

 

轟雷「激しい遊びなんですね」

 

バーゼ「でもなんで濡れてるの?」

 

マークII「あ、それ俺も気になる」

 

あお「聞かないで、色々あったのっ!!とにかくシャワー浴びてくる!!‥‥‥あ、そういえばまた何か荷物来てたよ。開けてていいからね~」

 

 

 

そう言ってあおはシャワーを浴びに行った。

 

その間に2つの荷物を部屋に運び込む。

 

 

 

轟雷「新しいFAガールでしょうか?」

 

スティ子「多分ね。それで、もう片方が新しいFAってとこね」

 

ウルフ「大方間違いないだろう」

 

バーゼ「じゃ、早速開けてみよ~!!」

 

 

 

あおが風呂で満喫している途中で、早速荷物を開ける。

 

2つの荷物の中には、一つは2体のフレームアームズガールが寝ており、それぞれ色が違っている。

 

もう一つは2体のフレームアームズが入っていた。

 

形状は多少違えど恐らく同型機であろう。

 

 

 

轟雷「これは‥‥‥」

 

 

 

 

するとFAガールが先に目を覚ましたようだった。

 

 

 

 

クロ「着いたの‥‥‥?」

 

ウルフ「(よく似ている個体だな)」

 

 

 

そして箱から出てくる。

 

なんとなく似ていると感じた。

 

 

 

 

シロ「あら‥‥‥あなたが」

 

クロ「轟雷ちゃんね」

 

轟雷「あ、はいそうで‥‥‥っ!?」

 

 

 

2体のFAガールが轟雷に近寄り、頬に口づけをする。

 

 

 

シロ「それから、スティレットちゃん」

 

スティ子「ひゃああっ!?」

 

クロ「バーゼラルドちゃんにも」

 

バーゼ「にへへ~」

 

シロ「あら?あなたたちは?」

 

クロ「私たちとは違う機体?」

 

ウルフ「ウェアウルフという。ウルフと呼んでくれ」

 

マークII「俺はスーパースティ‥‥‥じゃなかった、マークIIだ。よろしくな」

 

ゼロ「ゼルフィカールだ。ゼロって呼んでくれ」

 

シロ「じゃあ‥‥‥」

 

クロ「ウルフ君に、チュッ」

 

ウルフ「‥‥‥?」

 

シロ「マークII君にも、チュッ」

 

マークII「いやぁ照れるなぁ~!!」

 

ゼロ「浮かれるなよマークII」

 

マークII「わかってるって」

 

クロ「それからゼロ君にも、チュッ」

 

ゼロ「うわっ!?」

 

 

そして、2体のFAガールは同時に挨拶をした。

 

 

 

シロ・クロ「「ごきげんよう」」

 

 

 

2体のFAガールが挨拶した数秒後、2体のFAも動き出した。

 

 

 

 

ジィダオ「‥‥‥」

 

レイダオ「‥‥‥」

 

バーゼ「わっ、いつの間にか起動してる~!!」

 

ジィダオ「俺はジィダオ」

 

レイダオ「僕はレイダオ」

 

ジィダオ・レイダオ「「これからよろしくな(ね)」」

 

 

 

軽くジィダオとレイダオが自己紹介した後、シャワーから上がったあおが戻ってくる。

 

 

あお「お、新顔だね~。なんか似てるけど姉妹?兄弟?名前はなんて言うの?」

 

ジィダオ「ジィダオだ」

 

レイダオ「レイダオだよ」

 

シロ・クロ「マテリアですわ(よ)」

 

あお「うぇ?えっと、君がジィダオ」

 

ジィダオ「あぁ」

 

あお「君がレイダオ」

 

レイダオ「うん」

 

あお「それで‥‥‥あなたがマテリアで、あなたもマテリア?」

 

ウルフ「同じネームか」

 

シロ「そうよ。私たちは全てのボディの元となった基礎なの。二人一緒に設計され‥‥‥二人一緒に造られたの。だから名前も一つ」

 

スティ子「なんだかややこしいわね」

 

バーゼ「へんなの~」

 

シロ「あら‥‥‥今まで何の問題もなかったわ」

 

クロ「だからあなたたちもマテリアと呼んで構わなくてよ」

 

轟雷「そう言われても‥‥‥」

 

 

 

するとあおが何かを思いついたようで、シロから指を差してこう言う。

 

 

 

あお「ん~‥‥‥シロ、クロ。めんどくさいからそう呼ぶ、いい?」

 

マークII「いやそれは安直すぎねぇか?」

 

シロ「まぁ‥‥‥私がシロ」

 

クロ「私がクロ」

 

シロ「うふふ‥‥‥なんだか照れくさいですわね」

 

クロ「でも、悪くない感じ」

 

マークII「気に入っちまったよオイ」

 

ゼロ「突っ込むのは無しだ、いいな?」

 

マークII「‥‥‥だな」

 

バーゼ「なんかいい人っぽいね~!!」

 

轟雷「そうですか?よくわかりませんが‥‥‥」

 

スティ子「ホント、よくわかんない‥‥‥じゃなくて、バトルよバトル!!あんたたちバトルしに来たんでしょ!?」

 

シロ「あら、忘れていましたわ」

 

クロ「いけない、つい‥‥‥」

 

ウルフ「‥‥‥嫌な予感がする」

 

マークII「嫌な予感ってのは?」

 

ウルフ「‥‥‥あの二人から目を離すな」

 

ゼロ「わかった」

 

あお「おー、やっぱりバトルするの?」

 

 

 

すると彼女たち姉妹は口角を上げ、嬉々としてこう言う。

 

 

 

シロ「えぇ、もちろん」

 

クロ「あなたたちのようなまっさらで‥‥‥」

 

シロ「ぴかぴかで‥‥‥」

 

シロ・クロ「「可愛らしい子たち」」

 

シロ「本当に‥‥‥」

 

クロ「とっても‥‥‥」

 

シロ・クロ「「壊しがいがあるなぁ~!!」」

 

ウルフ「(あれが彼女らの本性か‥‥‥危険だ)」

 

シロ「上手に上手に壊してあげる‥‥‥きっととっても気持ちいいわよ?」

 

クロ「痛みは至福でしょう?いい声でお泣きなさいな」

 

シロ・クロ「「ウフフフフフ‥‥‥」」

 

ゼロ「うわ‥‥‥えげつない性格だな‥‥‥」

 

ウルフ「轟雷、無理に戦う必要はない。退け」

 

轟雷「‥‥‥いえ、私はやります。よりよいデータを得るために」

 

バーゼ「そうこなくっちゃ!!」

 

 

セッションベースを接続後、スティ子は不満そうな表情をしている。

 

 

 

スティ子「うぇぇ‥‥‥なんで私なのよ‥‥‥」

 

シロ「うふふ、バーゼちゃんからはなんとなく私たちと同じ匂いがするんだもの」

 

クロ「どうせ壊すならスティレットちゃんみたいな強気で脆い子が楽しいわ」

 

ジィダオ「‥‥‥」

 

レイダオ「‥‥‥兄さん?」

 

ジィダオ「‥‥‥大丈夫だ、なんでもない」

 

スティ子「あーもういいわよ!!」

 

轟雷「さぁ、装甲パーツをセットしてください」

 

シロ「いいえ、私たちはこのままで」

 

クロ「どうせあたらないもの」

 

シロ「武器さえあれば」

 

クロ「十分だわ」

 

 

 

そう言って、セッションベースに二つのおぞましい武装がセットされる。

 

 

 

マークII「うーわ、ずいぶんエグい武装持ってきてんな」

 

轟雷「スティレット、あの武装を知っていますか?」

 

スティ子「ううん、見たことない」

 

バーゼ「ほぇ~、グラインドサークルとビーストマスターソードだぁ!!扱いがすごく難しいって聞いてたけどマテリアすごーい!!」

 

あお「ふぅんそうなんだぁ~」

 

ゼロ「あお、お前興味無いだろ」

 

あお「え?何が?」

 

ゼロ「やっぱなんでもない」

 

あお「?」

 

轟雷「あの武装には挙動データがありません。迂闊に飛び込むのは危険ですね」

 

スティ子「そんな事言ってたらデータが集まらないわよ!!アンタは私の援護を!!」

 

 

直後、セッションベースが光り出す。

 

 

 

轟雷「轟雷!!」

 

スティ子「スティレット!!」

 

シロ・クロ「「マテリア」」

 

轟雷・スティ子・シロ・クロ「「「「フレームアームズガール、セッション!!」」」」

 

轟雷「GO!!」

 

スティ子「見てなさい!!」

 

シロ・クロ「「行きますわよ」」

 

 

一瞬で転送され、轟雷とスティ子は装甲を装着する。

 

 

スティ子「本気の私、誕生!!」

 

シロ・クロ「「秘密の花園、覗きにおいでなさい?」」

 

ウルフ「ふむ、今回のステージは洋館か」

 

マークII「遮蔽物が少ねぇな‥‥‥文字通りガチンコ勝負って事か」

 

スティ子「私がシロをやるから、アンタはクロを!!」

 

轟雷「スティレット!?」

 

シロ・クロ「「さぁいらっしゃい。可愛がってあげる」」

 

 

 

スティ子は突撃するが、シロの扱うビーストマスターソードにより突進力を殺される。

 

 

シロ「うふふ‥‥‥」

 

スティ子「なっ!!」

 

 

シロの扱うビーストマスターソードの連撃により、ダメージを負う。

 

 

スティ子「キャアアアアア!!」

 

 

 

轟雷はクロの扱うグラインドサークルに苦戦している。

 

思ったように弾があたらず、さらには射線上にスティ子が重なるために、さらに苦戦を強いられている。

 

 

スティ子「バカッ、アンタはクロの足止めしてなさいよ!!」

 

轟雷「スティレットが射線上にいるからです!!」

 

 

 

二人が油断した隙にシロがビーストマスターソードによる攻撃をスティ子に、クロが轟雷にマウントポジションを取る。

 

 

シロ「あらあらまぁまぁ、スティレットちゃんったら背中ががら空き~!!」

 

スティ子「あぅっ!!」

 

クロ「轟雷ちゃんは脚がいいわね‥‥‥端から少しずつ刻みたくなる。いい悲鳴を聞かせてちょうだい?」

 

轟雷「~ッ!!」

 

スティ子「何なのよこれ、全然攻撃があたらないじゃない!!」

 

轟雷「スティレット、このまま各個撃破は無理です!!こちらもチームバトルをしないと!!」

 

スティ子「アンタが私の足を引っ張らなきゃいいのよ!!」

 

シロ「あらあら仲間割れ?」

 

クロ「悲しいわ」

 

 

その戦闘の様子を見ていたあおが焦りだす。

 

 

あお「あぁもう見てらんない!!なんか手はないの!?」

 

バーゼ「あの二人がもっと仲良ければいいんだけどね~」

 

あお「そんなの急には無理だよ‥‥‥ってあれ?ジィダオとレイダオは?」

 

バーゼ「あれ~?‥‥‥あっ、あお!!」

 

あお「何?」

 

バーゼ「セッションベースの上に二人が乗ってる!!」

 

あお「どうするつもりなの二人とも?」

 

ジィダオ「決まってる」

 

レイダオ「あの二人にちょっとお灸を、ね」

 

ジィダオ「行くぞレイダオ」

 

レイダオ「わかったよ兄さん」

 

ジィダオ「ジィダオ」

 

レイダオ「レイダオ」

 

ジィダオ・レイダオ「「フレームアームズ、セッション!!」」

 

ジィダオ「ready」

 

レイダオ「go!!」

 

 

同時に転送され、轟雷とスティ子の元に。

 

 

 

 

轟雷「(このままでは‥‥‥!!)」

 

スティ子「こんのぉ‥‥‥!!」

 

シロ「これで」

 

クロ「おしまいよ」

 

 

 

二人の目前にビーストマスターソードとグラインドサークルが迫る。

 

直撃するかと思われたが、それを乱入してきたジィダオのシールドによりはじかれた。

 

 

 

スティ子「‥‥‥え?」

 

轟雷「お二人共、どうして?」

 

ジィダオ「‥‥‥別に、あいつらの戦い方が気に食わなかっただけだ」

 

レイダオ「兄さんは素直じゃないなぁ。大丈夫?」

 

スティ子「別にアンタたちの助けなんて!!」

 

レイダオ「じゃあ、あのまま壊されたかった?」

 

スティ子「‥‥‥っ」

 

レイダオ「そういう事。少し休んでて。その間に僕らがなんとか削るから」

 

シロ「あらあらまぁまぁ、また壊しがいのある子が‥‥‥」

 

クロ「どうせあたらないわ、あなたたちの攻撃も」

 

ジィダオ「御託はいい、そして宣言する」

 

シロ「何かしら?」

 

ジィダオ「俺はお前たちに銃弾を三十発、斬撃を四回、蹴りを二回する。避けられるなら避けてみろ」

 

クロ「余裕ね、あなた」

 

ジィダオ「レイダオ、カバー頼む」

 

レイダオ「任せて、兄さん」

 

シロ「ほらぁ、隙だらけっ!!」

 

ジィダオ「甘いな、お前の背中ががら空きだ」

 

 

 

ジィダオのライフルによる三点バーストがシロの背中に直撃する。

 

 

 

 

シロ「!?」

 

ジィダオ「レイダオ、スイッチ」

 

レイダオ「わかったよ、兄さん」

 

 

 

ジィダオとレイダオの場所が入れ替わり、レイダオの巨大な腕から発射されるビームまでもが直撃、さらに入れ替わった勢いでジィダオのライフルによる三点バーストを三回、クロに直撃させる。

 

 

 

轟雷「い、今の見ましたかスティレット!?」

 

スティ子「凄い、綺麗なコンビプレーよ‥‥‥」

 

シロ「今のは‥‥‥」

 

クロ「あなたたちが?」

 

ジィダオ「そうだ」

 

レイダオ「兄さん、そろそろ」

 

ジィダオ「わかった、頼むぞレイダオ」

 

 

 

そう言った瞬間、レイダオがジィダオを腕に乗せ、一気に上空にうち上がる。

 

上空に打ち上げられたジィダオはライフルを構え、シロとクロに照準を合わせる。

 

そして、一気に斉射する。

 

 

 

ジィダオ「よし、予定通り三十発hit確認。レイダオ、実体剣を」

 

レイダオ「了解!!」

 

 

 

巨大な腕を器用に使い、実体剣を掴んだレイダオはジィダオに向けて投げる。

 

 

 

ジィダオ「キャッチ‥‥‥そこだ」

 

 

 

一気にブーストし、シロとクロの懐に飛び込みつつ、宣言通り四回の斬撃をくらわせ、蹴り飛ばす。

 

 

 

シロ「くっ‥‥‥」

 

クロ「やるじゃない‥‥‥」

 

ジィダオ「レイダオ、フルバーストだ」

 

レイダオ「エネルギー充填は既に済ませたよ。後はいいんだよね?」

 

ジィダオ「あぁ、やれ」

 

レイダオ「わかった」

 

 

 

レイダオの腕部バスターキャノン(フルチャージ)が唸り、二人を吹き飛ばす。

 

 

 

ジィダオ「‥‥‥まだやれるのか」

 

レイダオ「あたる直前に身体をよじって受け身を取ったのか‥‥‥凄いや」

 

シロ「でも、まだ負けてないわ」

 

 

 

ジィダオの目前にビーストマスターソードが迫るが、轟雷が割り込み、ナイフで防ぐ。

 

 

 

轟雷「ようやく戦い方のコツがわかりました。後は私たちにやらせてください、ジィダオ、レイダオ」

 

ジィダオ「‥‥‥」

 

レイダオ「好きにやってみなよ、轟雷ちゃん」

 

轟雷「はい!!」

 

 

 

 

その様子を見ていたあおたちはこう言う。

 

 

 

 

あお「凄い‥‥‥さすが双子ってだけはあるねぇ」

 

バーゼ「でもでも~、轟雷たちには決定打になるような武装はないよ~?」

 

あお「だいっじょ~ぶ!!こういう時のために‥‥‥あったあった。じゃーん、武希子お手製の武装を作ってもらったんだよ~!!えーと何々‥‥‥」

 

 

添付されていた説明書を読み始める。

 

武希子からの手紙のような物だった。

 

 

 

武希子《やっふーあお、出来たよ出来たよ、FAガールの新武器!!その名もヘビーウェポンユニット17、『リボルビングバスターキャノンプロトタイプ』~!!いや~素晴らしいパーツ構成でランナー注入口すら芸術品、塗装もバッチリしといたぞなぞな!!ポイントはプロ立ち上げによる重量感!!そして鉄板のジャーマングレー!!あ~ジャーマングレーホント良い色~、結婚したいっ!!寿ジャーマングレー武希子になりたいなり~‥‥‥でもってブッキーくくりのラスティーブラウンとストレーティンググレーを5対1で混ぜてオイル汚れをリアルさっ》

 

 

 

長すぎて読む気が失せたのか、あおは説明書をそっ閉じする。

 

 

 

ウルフ「よほどのマニアのようだな」

 

あお「とにかくこれで!!ってどうすればいいの?」

 

バーゼ「うんとね、轟雷のセッションベースに置いて、スマホでピッて」

 

 

 

直後リボルビングバスターキャノンが転送され、轟雷の上へ。

 

 

 

あお「轟雷、これ使って!!」

 

轟雷「了解です!!」

 

 

 

落ちてきたリボルビングバスターキャノンをキャッチした轟雷は見た瞬間目が輝く。

 

 

 

轟雷「これは‥‥‥凄い仕上がり‥‥‥あおが適当に組んだズサンなゲート処理の武装とは比べ物になりません!!これならあたれば絶対勝てます!!」

 

スティ子「あんな動きのわからないヤツにどうやってあてんのよ!?」

 

轟雷「え、それは‥‥‥なんとかします、なんとか!!」

 

 

 

スティ子は轟雷の何かを感じたのか、轟雷にこう言う。

 

 

 

スティ子「‥‥‥いいわよ、私が囮になる」

 

轟雷「え、そんなの無茶です!!もし失敗したらスティレットは‥‥‥!!」

 

スティ子「一人だけだと出来ない事は、皆一緒に協力すれば出来るんでしょ?」

 

轟雷「スティレット‥‥‥」

 

スティ子「その代わり、ちゃんとあてなさいよ」

 

轟雷「‥‥‥はいっ!!」

 

 

 

するとスティ子はマテリア姉妹に向かって飛んでいく。

 

 

 

轟雷「エネルギーチャージ開始!!」

 

スティ子「ほら、こっちよ!!」

 

シロ「あらあらまぁ」

 

クロ「逃がしはしないわよ?」

 

 

 

 

徐々にエネルギーがチャージされていく。

 

だがそれと同時進行でスティ子にもダメージが蓄積されていく。

 

 

 

スティ子「まだなの!?」

 

轟雷「もう少しです!!チャンスは一度だけ、マテリア姉妹を確実に倒すためにはエネルギーチャージ率を100%にしないと‥‥‥!!」

 

ジィダオ「‥‥‥ほら」

 

轟雷「ジィダオさん、そのケーブルは‥‥‥?」

 

ジィダオ「俺とレイダオのエネルギーも分けてやる。早くしないとアイツが壊されるぞ」

 

轟雷「ありがとうございます!!」

 

 

 

しかし、スティ子がクロの扱うグラインドサークルに下敷きにされてしまう。

 

 

 

スティ子「あっ‥‥‥ぐぅ‥‥‥!!」

 

シロ「スティレットちゃんみたいな子の心を折って這いつくばらせるのって最高~!!」

 

クロ「やっぱり涙と鼻水でグチャグチャな顔が一番可愛いわよね」

 

シロ「ほら泣いて?」

 

クロ「叫んで?」

 

シロ・クロ「「もっともっと壊れて?」」

 

スティ子「いい加減にしてよ、この変態っ!!」

 

 

 

甲高い警告音が聞こえる。

 

すなわち、リボルビングバスターキャノンのチャージ完了の合図。

 

 

 

轟雷「チャージ完了、スティレット避けて!!」

 

スティ子「わかったわ!!」

 

 

 

 

轟雷の掛け声でスティ子は射線上から退避した。

 

 

 

 

 

轟雷「リボルビングバスターキャノン、最大出力っ!!発射ぁ!!」

 

 

 

 

ウルフのごとく叫びながら発射する。

 

轟雷型はよく似ている事が読み取れる。

 

 

 

 

シロ「えっ?」

 

クロ「うそ?」

 

 

 

直後、二人は爆発に巻き込まれる。

 

 

 

シロ・クロ「「キャアアアアア!?」」

 

 

残りわずかだったHPゲージが今、零になった。

 

 

 

 

 

『winner 轟雷、スティレット』

 

 

 

轟雷「‥‥‥ふぅ」

 

スティ子「はぁ~‥‥‥」

 

ジィダオ「‥‥‥」

 

轟雷「ジィダオさん?その手は?」

 

 

 

そっとジィダオが轟雷に、レイダオが巨大な腕をスティ子に差しのべていた。

 

 

 

ジィダオ「‥‥‥よくやった」

 

レイダオ「二人のコンビネーション、僕らに負けず劣らずだったよ」

 

轟雷「あ、ありがとうございます。ジィダオ、レイダオ」

 

スティ子「轟雷‥‥‥アンタチャージ遅すぎるのよ、バカ」

 

轟雷「えへへ、すみません」

 

スティ子「ふふっ」

 

ジィダオ「今回得た気持ち、無駄にするなよ」

 

レイダオ「それはきっと、君らにとって大事な事だから」

 

轟雷「はいっ!!」

 

あお「なんか仲良くなってる?」

 

バーゼ「怪我の功名ですなぁ~」

 

マークII「だな。何にせよ結果オーライだ」

 

 

 

 

それから数分後。

 

 

 

 

あお「えぇぇぇぇぇ!?帰らない!?」

 

シロ「えぇ。負けっぱなしじゃ悔しいし」

 

クロ「私たちもデータを集めなければならないの。そのためにはここにいるのが一番じゃない?」

 

シロ・クロ「「それに」」

 

ウルフ「それに‥‥‥何だ?」

 

シロ・クロ「「私たち、気に入った子がいるから」」

 

スティ子「‥‥‥ねぇ、少なからず寒気がするのって私だけ?」

 

ジィダオ「‥‥‥奇遇だな、俺も同じ寒気を感じる」

 

シロ「ねぇ、スティレットちゃん?」

 

クロ「それに、ジィダオ兄様?」

 

ジィダオ「‥‥‥俺はお前たちの兄じゃない」

 

シロ「もっとスティレットちゃんの悲鳴が聞きたいな~」

 

クロ「ジィダオ兄様には軽く罵ってほしいかも」

 

ジィダオ・スティ子「「帰れお前ら(アンタたち)!!」」

 

スティ子「冗談じゃないわよ、あお!!こんなヤツら追い出して!!」

 

あお「うーん‥‥‥これ以上増えるのもね‥‥‥」

 

シロ「あら残念。私たちがいればバトルも増えて」

 

クロ「それだけ追加報酬がもらえるのにね」

 

 

 

 

マテリア姉妹のこの一言が、地雷となった。

 

 

 

 

あお「いやぁ新しい家族が増えるっていいもんだねぇ~」

 

スティ子「えぇぇぇぇぇ!?」

 

マークII「金の誘惑にあっさり負けやがったぁ!?」

 

シロ「大丈夫よスティレットちゃん、すぐ慣れるわ。痛いのは最初だけ」

 

クロ「そう、一度覚えてしまえば私たち無しでは生きていられない体になるわよ?」

 

スティ子「うぅ‥‥‥胃がある訳ないのに痛むんだけど‥‥‥」

 

ジィダオ「‥‥‥気を強く持て」

 

バーゼ「スティレットめ~、憂いヤツよの~。ほれほれ轟雷、お前も加わらんか~?」

 

轟雷「えっ、と‥‥‥諦めてください、スティレット」

 

スティ子「何それ!!私帰る、ファクトリーアドバンスに帰る~!!」

 

あお「いやぁ潤いますなぁ~」

 

ウルフ「‥‥‥どうにもならんな」

 

ゼロ「あぁ、違いない」

 

クロ「さぁ、ジィダオ兄様?私たちと遊びましょ?」

 

ジィダオ「‥‥‥断るっ!!」

 

 

 

スティ子はさらに腹痛が、あおはさらに懐が温まるのであった。

 

 

 

クロ「いっそのこと思い切り罵ってくれても‥‥‥」

 

ジィダオ「嫌だっ!!」

 

 

 

 




次回、『迅雷&バルチャー参上!!』をお送りします。

感想等もお待ちしてます。

では次回の更新で。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『迅雷、バルチャー参上!!』

大変遅れてすみません

では、どうぞ。


 

 

はるか上空、鳥型のロボットに乗せてもらい移動しているFAガールが一体。

 

彼女が今回のキーパーソンである『迅雷』である。

 

さらに、迅雷を乗せている機体も、キーパーソンの『バルチャー』である。

 

 

 

 

バルチャー「なるほど‥‥‥つまり轟雷とやらと戦って、データを得るために来たと」

 

迅雷「そういう事だ。協力感謝するぞ鳥」

 

バルチャー「あのなぁ‥‥‥俺にもちゃんと名前あんの。知ってる?」

 

迅雷「む、それはすまない」

 

バルチャー「‥‥‥まぁいい、俺はバルチャー。よろしくな」

 

迅雷「あぁ、よろしく頼む。バルチャー」

 

バルチャー「んじゃ、飛ばすぜ。しっかり掴まってな」

 

迅雷「承知!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり源内 あおの自宅。

 

どうやらあおは夏休みをどう過ごそうか計画を立てていたようだ。

 

スティ子もあおの読んでいる雑誌に興味があるようで、一緒に見ている。

 

しかしバーゼはあおの邪魔がしたいのか、あおの頬をツンツンつついている。

 

そんなやり取りに目も向けずマテリア姉妹は柔軟体操、というよりダオ兄弟に手伝ってもらっている。

 

そんな様子を見ながら轟雷は滑空砲を、ウルフはナイフの手入れをしている。

 

マークIIはゼロをからかいしばかれ、ジィダオはマテリア姉妹の奇行に頭を抱えている。

 

 

 

 

 

あお「ねぇ、やっぱり私この水着に決めた!!どう思う?」

 

轟雷「‥‥‥」

 

あお「ねぇってば轟雷、どう思う?」

 

轟雷「どう、とは?」

 

あお「いやだから、夏休みにみんなで海に行く計画を立てて‥‥‥」

 

 

 

 

しかしその瞬間、部屋のカーテンが引き裂かれる。

 

 

 

 

ウルフ「‥‥‥ッ!!敵襲、敵襲ーッ!!」

 

マークII「マジかっ!!ゼロ、エネルギーはあるか?」

 

ゼロ「大丈夫だ。いつでも迎え撃てる」

 

ジィダオ「レイダオ、援護を」

 

レイダオ「わかったよ、兄さん」

 

 

 

 

 

そして、引き裂かれたカーテンから一体のFAガールが現れる。

 

 

 

 

あお「何何何!?何なの!?」

 

迅雷「迅雷さんじょっ‥‥‥」

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

 

ウルフ「ムーブ!!」

 

マークII「捕まえろぉ!!」

 

ゼロ「確保ォーッ!!」

 

迅雷「なっ、ちょっ、待っ!?」

 

 

 

瞬く間にFA達に確保される。

 

 

 

ジィダオ「確保成功。そこから動くな」

 

レイダオ「ついでに武装解除するんだ」

 

迅雷「む、無念‥‥‥!!」

 

 

 

 

あえなく武装解除するFAガール。

 

しかし、さらに窓から新たな機体が現れる。

 

 

 

 

バルチャー「迅雷、掴まりな!!」

 

迅雷「むっ、かたじけない!!」

 

 

 

武装解除したのは束の間、FAガールは謎の機体に掴まり、あおのよく使う机の上に着地。

 

FAガールを降ろすと同時に、謎の機体は可変して人型に変わった。

 

 

 

あお「へ、変形した‥‥‥!?」

 

ウルフ「な、お前は!!」

 

バルチャー「ふぅぅぅぅ‥‥‥よぉ、久しぶりだな?」

 

 

 

 

 

片手を振って会釈するFA。

 

その横で、腕を組んで仁王立ちしているFAガールがこう言う。

 

 

 

 

迅雷「えー‥‥‥コホン、迅雷、参上!!」

 

バルチャー「ついでにバルチャー参上ってな」

 

あお「ちょ、ちょっと待って!?迅雷だっけ、落ち着いて‥‥‥」

 

迅雷「うるさい、私はデータ収集をするためにここに来たのだ!!轟雷は何処だ!?」

 

 

 

 

迅雷がキョロキョロと見回す。

 

が、バルチャーの手刀が迅雷の頭部に炸裂する。

 

 

 

 

迅雷「アイエェェェェェ‥‥‥」

 

バルチャー「馬鹿野郎、お前忍の何たるかを忘れたのか?」

 

迅雷「そ、それは‥‥‥申し訳ない、"師匠"」

 

バルチャー「師匠?」

 

迅雷「そう、師匠は私に優しくしてくれただけではなく、移動中暇な時に私にちょっとした技術を教えてくれたではないか」

 

バルチャー「あれは‥‥‥」

 

ウルフ「まだまだ未熟に見えたから」

 

轟雷「ですよね」

 

 

 

 

 

ウルフと轟雷がバルチャーの心中を言い放つと、迅雷が振り向く。

 

 

 

 

迅雷「おぉ、お前が轟雷‥‥‥まさか本当に起動しているとは‥‥‥」

 

轟雷「はじめまして迅雷、私が轟雷です」

 

 

 

 

轟雷がにこやかに挨拶をする反面、迅雷は苦無(クナイ)を構える。

 

しかしそれをあおが仲裁に入る。

 

 

 

 

 

あお「ちょっと待ってタイムタイム!!迅雷の目的はよーくわかった、でもさ、なんで窓から入ってきたの!?カーテンびりびりじゃん!!」

 

迅雷「敵の隙を突く!!」

 

マークII「は?」

 

迅雷「これは奇襲だ、すでに戦は始まっt」

 

バルチャー「どっこいしょー」

 

 

 

 

迅雷が言い終える前にバルチャーの手刀がまた、炸裂する。

 

 

 

 

迅雷「ア、アイエェェェェェ‥‥‥!?」

 

バルチャー「あのな、今戦国時代じゃねぇの。わかるかノウタリン」

 

迅雷「す、すみません師匠‥‥‥!!」

 

バルチャー「わかればいい。んで、お前さんが源内あお?」

 

あお「あ、うんはじめまして」

 

迅雷「ただ者ではないのだろう?轟雷の使い手とは‥‥‥!!」

 

 

 

 

すると迅雷の身体が震えだす。

 

 

 

 

マークII「なんだぁ?寒いのか?」

 

迅雷「違う、武者震いが止まらないのだ‥‥‥!!」

 

ゼロ「武者震い、ねぇ」

 

あお「ねぇねぇ、その目につけてるのは何?」

 

ウルフ「眼帯、だな」

 

迅雷「よくぞ聞いてくれた、これを装着すると聞こえるのだ‥‥‥古の大地を騎馬鉄砲隊の馬の駆け抜けていく足音が‥‥‥!!」

 

マークII「‥‥‥あらやだ、てっきり厨二病こじらせてんのかと」

 

ゼロ「余計な事言うな馬鹿」

 

 

 

 

ゼルフィカールの蹴りがマークIIに炸裂し、吹っ飛ぶ。

 

 

 

 

 

あお「騎馬鉄砲隊‥‥‥?」

 

迅雷「お主伊達政宗公を知らぬのか!?英雄だぞ!?」

 

あお「あ、なるほど~、まねっこしてるんだ~!!」

 

迅雷「真似とは人聞きの悪い!!政宗公への憧れと尊敬、そして装着する事への胸の高鳴り‥‥‥!!」

 

ウルフ「要は好き、という奴だな」

 

あお「あー、おしゃれ感覚ってやつ?」

 

迅雷「そ、そんな事はどうでもいい!!早く、バトルを!!」

 

 

 

 

迅雷がバトルを申請する、が‥‥‥。

 

 

 

 

あお「あ、あのね?バトルは後でもいいかな?今夏休みの計画を立てているから忙しいんだよ~。ね、轟雷?」

 

轟雷「そのようです、迅雷」

 

マークII「いや、そこは受けてやる流れだったろ!?」

 

あお「だってぇ~‥‥‥」

 

 

 

 

 

ふとバーゼが現れ、こんな事を言い出す。

 

 

 

 

 

バーゼ「そうだ、迅雷も夏休みに一緒に海行こー?」

 

迅雷「ぬっ、お主は何者だ!?」

 

バーゼ「バーゼだよ~!!みんなで一緒に夏休みに海に行くんだ~!!」

 

スティ子「私はスティレット」

 

シロ・クロ「「マテリアよ」」

 

 

 

 

 

彼女らが自己紹介する。

 

しかし迅雷はわなわなと身体を震わせ、怒りを露にする。

 

 

 

 

 

迅雷「お主‥‥‥夏休みだと‥‥‥!?お主は轟雷を起動できた人間、選ばれた者だと自覚はないのか!?」

 

あお「選ばれた者って大げさだなぁ‥‥‥たまたまだよたまたま」

 

迅雷「ならば‥‥‥夏休みとデータ収集のためのバトル、どちらが大切なのだ!!」

 

あお「そんなの‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

数秒後、あおは息を荒げて言い放つ。

 

普通ならバトルが大事だ、という流れなのだろうが、彼女は違った。

 

 

 

 

あお「‥‥‥夏休みに決まってるじゃん!!楽しい夏休みのためのバトルでしょ!?」

 

迅雷「ならばこちらから攻撃を仕掛けるのみ!!」

 

 

 

 

迅雷の武装、手裏剣をあおに向けて投げる。

 

だが、バルチャーがこれを防ぐ‥‥‥が、撃ち漏らしが1つ、あおに直撃する。

 

 

 

あお「あいたっ!?どうして私を攻撃するの!?」

 

迅雷「無論‥‥‥!!」

 

 

 

 

迅雷がさらに追撃を仕掛けようとした時、あおの腕の上に轟雷が立つ。

 

 

 

 

轟雷「やめてください迅雷!!」

 

迅雷「なんだ、轟雷?」

 

轟雷「あおに攻撃する事は私が許しませんっ!!」

 

あお「轟雷‥‥‥」

 

轟雷「バトルセッションを始めます!!私と迅雷、一対一で!!」

 

迅雷「ほう、望む所だ!!」

 

バルチャー「まぁ待て迅雷、その楽しそうな遊び‥‥‥俺も混ぜてくれよ」

 

迅雷「師匠‥‥‥わかった。おい黒いの」

 

 

 

 

迅雷がウルフに指を差す。

 

 

 

 

迅雷「師匠がお前との決闘を望んでいる。お前も戦え」

 

ウルフ「‥‥‥了解した。バルチャー、バトルを始めよう」

 

バルチャー「いいねぇ、楽しそうだ」

 

 

 

 

 

数分後、準備を終える。

 

 

 

 

轟雷「慣れてきましたね、あお」

 

マークII「だな。だいぶ手慣れてる」

 

あお「まぁね。私選ばれし者だし‥‥‥」

 

轟雷「必ず勝ちます!!」

 

あお「頑張ってさっさと終わらせよ~」

 

 

 

 

直後、セッションベースが発光。

 

 

 

 

轟雷「轟雷!!」

 

迅雷「迅雷!!」

 

ウルフ「ウェアウルフ」

 

バルチャー「バルチャー」

 

轟雷・迅雷「「フレームアームズガール、セッション!!」」

 

ウルフ・バルチャー「「フレームアームズ、セッション!!」」

 

轟雷「GO!!」

 

迅雷「いざ参る!!」

 

ウルフ「発進!!」

 

バルチャー「飛翔!!」

 

 

 

轟雷、迅雷は各部装甲パーツが装着され、ウルフの今回の装備は漸雷(通常型)である。

 

 

 

轟雷「轟雷、到来!!勝利オーライです!!」

 

迅雷「震える魂、高鳴るハートビート!!これが‥‥‥我がパッションだ!!」

 

ウルフ「アーマー装着‥‥‥漸雷、発進準備完了!!」

 

バルチャー「さぁて‥‥‥狩りの時間だ‥‥‥!!」

 

 

 

 

フィールドは戦国時代の村を模したフィールド。

 

轟雷が警戒していた瞬間、迅雷が現れブーメランサイズで轟雷の脚に掛ける。

 

そのまま引っ張られる轟雷。

 

しかし轟雷は自力で脱出する。

 

 

 

 

あお『だ、大丈夫轟雷!?』

 

轟雷「はい、反撃します!!ウルフ、援護を!!」

 

ウルフ「了解」

 

 

 

轟雷は滑空砲を、ウルフは漸雷標準装備のマシンガンを撃つ。

 

迅雷に直撃するが、すぐに態勢を立て直される。

 

 

 

 

迅雷「やるな!!」

 

あお『轟雷、気をつけて!!』

 

 

 

 

迅雷が振るうブーメランサイズを轟雷は掴む。

 

しかし、迅雷は距離を取る。

 

 

 

 

バルチャー「俺もいるって事を忘れんなよ?」

 

ウルフ「ッ!!」

 

 

 

バルチャーの武装が振るわれ、危うく直撃する所だった。

 

 

 

 

迅雷「やるな轟雷!!」

 

轟雷「迅雷も流石です!!」

 

迅雷「だが、これでトドメだ!!」

 

轟雷「どうぞ、持ち帰ってください!!私の勝利を!!」

 

迅雷「甘いな!!師匠、援護を!!」

 

バルチャー「あいよ」

 

 

 

 

するとバルチャーは再度可変し、バードモードに。

 

直後高速で飛び回り、さらに迅雷は分身する。

 

 

 

 

 

轟雷「動きが速すぎて残像が‥‥‥!!」

 

あお「うーん‥‥‥速すぎてどれが本物の迅雷かわからないの?なら‥‥‥全部に攻撃しちゃえばいいじゃん!!えーと‥‥‥そうだ、新しい武器!!」

 

 

 

すぐさま新しい武器を取り出し、転送する。

 

 

あお『轟雷、これで全部に攻撃よ!!』

 

轟雷「わかりましたっ!!」

 

 

 

 

新しい武器を受け取り、構える。

 

 

 

 

迅雷「イヤァァァァァ!!」

 

轟雷「バイオレンスラム、ダブルキャノンモード!!」

 

 

 

轟雷はバイオレンスラムのトリガーを引き、迅雷とその分身、さらにバルチャーに直撃させる。

 

‥‥‥しかし。

 

 

 

迅雷「うわぁぁぁぁぁぁ!?なんだこの威力は!?」

 

バルチャー「俺が‥‥‥避けられねぇだと‥‥‥!?」

 

ウルフ「何故俺まで巻き込まrギャアアアアアアア!?」

 

 

 

 

迅雷とバルチャー、さらには巻き添えをくらったウルフのライフが0となる。

 

 

 

 

『winner 轟雷』

 

 

 

あお『上手く組み立てられたか自信なかったけど‥‥‥』

 

 

 

しかし、バイオレンスラムは先程のエネルギーに耐えられず、ショートして壊れてしまった。

 

 

 

轟雷「壊れてしまいました‥‥‥」

 

あお「あちゃー‥‥‥武器の組み立て方間違えたかなぁ?こんな大爆発するはずじゃ‥‥‥」

 

マークII「まー修理なら俺らに任しとけ」

 

あお「ごめん、ありがとね」

 

 

 

 

バトルは終了した。

 

しかし‥‥‥。

 

 

 

 

迅雷「クソッ‥‥‥」

 

あお「迅雷、大丈夫?私の組み立てた武器が誤作動起こしちゃったみたいでさ」

 

轟雷「私の勝利には間違いありません」

 

あお「轟雷もごめんね。さ、データ収集はできたでしょ?」

 

迅雷「まだまだ!!まだ足りない!!もっとバトルをしてデータを収集しなければ!!」

 

轟雷「何度やっても結果は同じです!!」

 

あお「な、何故か負け知らずの私達‥‥‥」

 

轟雷「はい、あお!!」

 

スティ子「あのさ~!?なに三人だけの世界にひたってるのよ!!相手ならここにいるでしょ!?」

 

バーゼ「ねぇねぇバーゼ退屈しちゃったよ~。みんなで一緒に遊ぼ~?せっかく迅雷も来てくれたんだし!!」

 

シロ「迅雷ちゃんって元気な子ねぇ‥‥‥泣いたら凄く可愛いかも」

 

クロ「想像しただけで涎が出そう‥‥‥」

 

 

 

 

シロとクロがそう言うが、ジィダオがお仕置きをする。

 

 

 

 

ジィダオ「いい加減にしろお前ら」

 

シロ「あひっ」

 

クロ「きゃんっ」

 

レイダオ「ジィダオ兄さんの拳骨痛いんだよなぁ‥‥‥」

 

迅雷「お前たち黙れ!!第二戦は‥‥‥ステージ外で勝負だ!!」

 

あお「え、私の部屋で!?」

 

ウルフ「あお、心配する事は無い。我々FAやFAガールはエネルギーの衝撃度がステージ内とステージ外で異なる。つまり怪我をする心配も無い」

 

スティ子「そういう事」

 

轟雷「では、迅雷はステージ外でもデータ収集をしたいと?」

 

迅雷「そうだ」

 

バーゼ「なんかそれ面白そう~!!」

 

スティ子「そうね」

 

シロ「うふふ‥‥‥ウズウズする~」

 

クロ「外の世界を支配するのも私達。ゆっくりいたぶりましょ?」

 

轟雷「ではやりましょう!!」

 

マークII「で、何すんだ?」

 

迅雷「それは‥‥‥」

 

 

 

みんなが緊張する。

 

しかし、その緊張も無駄に終わる。

 

 

 

迅雷「‥‥‥相撲だ!!」

 

ウルフ「なるほど、な」

 

 

 

 

その後、轟雷と迅雷で相撲をした、が。

 

結果はやはり轟雷の勝利だった。

 

こうして迅雷が仲間になった。

 

 

 

迅雷「狼よ、次は何をする?」

 

ウルフ「‥‥‥サバイバルゲームでもするか」

 

 

 




次回、『お部屋作りは楽しいな』をお送りします。

お楽しみに。

では次回の更新で。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『お部屋作りは楽しいな』

また、遅くなってしまいました‥‥‥

すみません。

では、どうぞ。


 

 

『お部屋作りは楽しいな』

 

 

 

‥‥‥どうも皆さんこんにちはこんばんは、あおです。

 

突然ですが私は今、非常にイライラしてます。

 

ついでに私の肩の上に乗っているゼルフィカール、ゼロもイライラしてます。

 

‥‥‥何故なら。

 

学校から帰ってきたと思ったらなんと轟雷達が部屋を散らかしていたの。

 

スティ子が翔ぶ時、何気に鉛筆立てを踏み台にして倒したり‥‥‥。

 

バーゼがルンバに乗りつつ爆走しながら歌ったり‥‥‥。

 

何故か迅雷と轟雷が綿棒と鉛筆を持って戦いだしたり‥‥‥。

 

挙げ句の果てにはシロとクロがカッターやハサミを入れている道具入れを持って、中身だけを落としたり‥‥‥って普通考えて危ないでしょ!?

 

ただ、私の怒りが頂点に達すると同時にゼロの怒りが先に頂点に達しちゃったみたいで‥‥‥。

 

 

 

 

あお「部屋が‥‥‥」

 

ウルフ「‥‥‥?」

 

あお「部屋が汚ぁぁぁぁぁい!!」

 

ゼロ「掃除しろやテメェらゴルァァァァァ!!」

 

マークII「ギャーッ!!ゼロがキレたぁぁぁぁぁ!!」

 

ゼロ「先にテメェらを掃除してやろうか、えぇ!?」

 

ウルフ「お、落ち着けゼロ。怒りに身を任せても良い事は‥‥‥」

 

ゼロ「じゃあテメェがアイツらに言えやボケェ!!」

 

 

 

 

 

‥‥‥うわぁ。

 

とりあえず少し置いて。

 

 

 

 

 

ゼロ「‥‥‥情けない‥‥‥こんな事で声を荒げるなんて‥‥‥」

 

スティ子「き、キレたかと思ったら急に静かになったわね‥‥‥」

 

ウルフ「‥‥‥それで、どうしたのだ?」

 

あお「どうしたのって、汚いの!!ぐっちゃぐちゃ!!もう最っ低っ!!片付けて、いや片付けろ!!あんた達人ん家でやりたい放題すぎ!!」

 

ウルフ「む‥‥‥すまない‥‥‥」

 

 

 

 

ウルフ君やマークIIなど、FA勢は反省しているみたいだけど‥‥‥どうも轟雷達は理解していないみたい。

 

 

 

 

バーゼ「あおがキレた~」

 

スティ子「確実に‥‥‥」

 

轟雷「怒ってます‥‥‥ね」

 

迅雷「威勢が良いな」

 

ゼロ「あのなぁ‥‥‥お前らが散らかしたくせによくそんな事が言えるな‥‥‥まったく」

 

スティ子「う‥‥‥」

 

あお「もうっ、我慢の限界です!!」

 

 

 

 

すぐに片付けを始め、数時間後には部屋が綺麗になった。

 

そして、私はある事を轟雷達に言った。

 

 

 

あお「私はこの漫画とかを古本屋さんに売ってくるから、君たちはここに自分たちの物を片付ける。いい?」

 

 

 

そう言って私は轟雷達の前に二つの棚を置く。

 

 

 

あお「棚とか家具とか必要なら管理人さんがくれたガラクt‥‥‥じゃなくて材料が押し入れのダンボールに入ってるから、それぞれ勝手に作るように。あ、ゼロ。みんなの見張りよろしくね?」

 

ゼロ「わかった。任せてくれ」

 

 

 

轟雷達が私が置いた棚を見てこう言った。

 

 

 

 

スティ子「これってつまり‥‥‥」

 

バーゼ「バーゼたちの部屋~?」

 

轟雷「そのようですね」

 

迅雷「ほぅ‥‥‥面白そうだな」

 

シロ「楽しい事が‥‥‥」

 

クロ「起きそうな予感‥‥‥」

 

ウルフ「我々のガレージか‥‥‥」

 

マークII「はー、なるほどねぇ」

 

ジィダオ「レイダオ、レイアウトは決めてあるか?」

 

レイダオ「もちろんだよ兄さん。多分ぴったりだと思うよ」

 

バルチャー「ま、片付けろって言われてるから最低限の事はすっかねぇ」

 

 

 

 

そんな会話にも耳を傾けず、私は私の友達、武希子に電話する。

 

 

 

 

あお「あー武希子?私。今からブックスーパーサトウに漫画売りに行くの。その後パフェおごるから合流しない?」

 

 

 

そう言って私は外出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、あおがいない間は俺がなんとかしないとな。

 

早速始めるか。

 

 

 

 

ゼロ「さて、いいか?俺たちの任務は二つ。1つはこの棚を使って部屋を作る事だ。まずは自分が何処を使いたいか決めろ」

 

迅雷「では自分は上から二段目を使う」

 

スティ子「え、なんで?」

 

迅雷「苦無や縄梯子を使って登る。それが鍛練というものだ‥‥‥だいたい轟雷などは飛ぶ事が出来ないだろう?」

 

轟雷「私は飛べませんので一番下ですね」

 

ゼロ「よし、迅雷は二段目で轟雷が一段目だな」

 

シロ「うふふ、ちょっと悲しそうに言うのね」

 

轟雷「悲しそう、ですか?」

 

クロ「強がる姿も悪くない‥‥‥」

 

轟雷「これが‥‥‥悲しい‥‥‥」

 

 

 

 

意外な所で轟雷が新たな感情を学んだ。

 

こんなふとした瞬間に学ぶ事もあるんだな‥‥‥。

 

色々と物思いに耽っていると後ろの方で驚きの声が。

 

 

 

 

迅雷「こ、これは‥‥‥!!」

 

マークII「ジャパニーズカタナか?」

 

迅雷「あぁ‥‥‥む、槍もあるぞ!!」

 

マークII「こいつは‥‥‥雛人形ってやつか」

 

バルチャー「なんでそんな物があんのかねぇ」

 

バーゼ「すごいキレ~イ!!お姫様がいるよ!!」

 

スティ子「でも私の趣味じゃないわね‥‥‥」

 

迅雷「自分の屋敷にぴったりだ!!早速飾る!!」

 

 

 

 

そう言って迅雷は自分の部屋に登り、早速部屋に飾る。

 

 

 

ウルフ「鏡餅もあるのか‥‥‥衛生面が心配だな」

 

スティ子「ちょっとバーゼ、遊んでないでちゃんとやんなさいよ!!」

 

バーゼ「遊んでないよ!!バーゼはお部屋作りのイメージトレーニング中なのですっ!!」

 

クロ「あらあら難しい言葉使っちゃって」

 

シロ「クロちゃん、意地悪な事言っちゃダメよ。泣いちゃうかも」

 

クロ「むしろ泣かせてみる?」

 

バーゼ「バーゼ強い子だから泣かないもん!!」

 

スティ子「ていうかシロとクロこそ何もしてないじゃない!!」

 

ゼロ「え、と‥‥‥お前ら部屋作りはどうしたんだ?」

 

シロ「スティ子ちゃん、ゼロ君。本当に何もわかってないのね」

 

スティ子「はぁ?」

 

クロ「可哀想な子‥‥‥」

 

スティ子「~ッ、ホントいちいち頭に来るんだけど!!」

 

クロ「あら、顔が真っ赤よ?」

 

シロ「そうムキにならないの‥‥‥うふふ」

 

スティ子「早く部屋をなんとかしなさいよ!!どうせ何も出来ないくせに!!」

 

クロ「私達をみくびるなんて愚か過ぎて言葉も無いわ」

 

スティ子「はぁ!?訳わかんないし!!」

 

シロ「わぁ~スティ子ちゃんが怒ったぁ~、怖~い」

 

クロ「何?私達をゾクゾクさせたいの?うふふ‥‥‥悔しいの?怒れば?ねぇ、怒りなさいよ」

 

シロ「ねぇ早く怒って?それとも泣く~?」

 

スティ子「う、うぅぅ‥‥‥」

 

 

 

 

あの二人は相変わらずだな‥‥‥こちらとしてもかなりムカつく。

 

しかし、ジィダオが前に出る。

 

 

 

 

ジィダオ「おい」

 

シロ「なぁにジィダオお兄s」

 

ジィダオ「いい加減にしろ‥‥‥!!」

 

 

 

 

パンッ、とジィダオがシロとクロの頬を叩く。

 

一瞬何が起きたのか理解が出来なかったようだ。

 

 

 

クロ「何‥‥‥するの?」

 

ジィダオ「まだ、わからないのか?お前たちがした事が」

 

シロ「‥‥‥?」

 

 

 

俺も気になったので振り向いて見てみる。

 

‥‥‥泣いていた。

 

かなりガチな方で。

 

 

 

ゼロ「だ、大丈夫か‥‥‥?」

 

スティ子「ぐすっ‥‥‥大丈夫よこんなの‥‥‥」

 

クロ「ほ、本当に泣いちゃったの?」

 

シロ「どうしましょう‥‥‥」

 

ジィダオ「謝れ。他人に迷惑をかけるのは決してダメではない‥‥‥が、それでも常識という物がある。気をつける事だ」

 

 

 

そう言ってジィダオは作業に戻っていった。

 

え、なんなんだアイツ、凄くカッコいいじゃん。

 

 

 

シロ「えっと‥‥‥」

 

クロ「‥‥‥ごめんなさいね」

 

スティ子「いい、気にしてないから大丈夫よ‥‥‥」

 

 

 

 

 

そんな事に脇目も振らずに作業をしていた轟雷が戻ってくる。

 

どうやら作業が終わったみたいだ。

 

 

 

 

轟雷「出来ましたっ」

 

スティ子「え、はやっ!?」

 

ゼロ「もう出来たのか?」

 

轟雷「はい、こちらです」

 

 

 

見せられた轟雷の部屋は、なんというか、殺風景というか、シンプルで良いというか‥‥‥。

 

 

 

バーゼ「え、轟雷のお部屋これでおしまい?」

 

轟雷「はいっ!!」

 

スティ子「これじゃ武器庫でしょ!?」

 

轟雷「これなら一目で何処に何があるのかわかります。バトルの準備をするあおのためです」

 

スティ子「それはわかるけど、いくらなんでも殺風景過ぎない?」

 

轟雷「殺風景‥‥‥うーん、何が足りないのかがよくわかりません‥‥‥」

 

バーゼ「じゃあこのクマさん置いてみるとか!!」

 

 

 

バーゼが試しに置いてみる。

 

が、尋常ならない違和感が残る。

 

 

スティ子「なんだろう、この違和感‥‥‥」

 

マークII「し、シュールだな」

 

スティ子「ま、まぁ何も無いよりはマシじゃない?」

 

轟雷「そうでしょうか?」

 

スティ子「とりあえず置いときましょ」

 

ウルフ「‥‥‥轟雷」

 

轟雷「あ、なんですかウルフ?」

 

ウルフ「‥‥‥これを」

 

 

 

そう言って轟雷に一輪の銀色の花?を渡すウルフ。

 

渡された花をよく見てみる。

 

 

 

バーゼ「‥‥‥あっ!!これ金属で出来てる!!」

 

スティ子「え、嘘!?」

 

轟雷「ウルフ、これは?」

 

ウルフ「ある時暇だったのでな。試しに造ってみたのだ。気に入ってくれればいいのだが‥‥‥」

 

轟雷「はい、気に入りました!!大事にしますねウルフ!!」

 

 

 

ウルフ、お前もジィダオと同じくカッコいいなオイ。

 

やる事が男だよ。

 

 

 

スティ子「良かったじゃない轟雷、凄いの貰えて」

 

轟雷「はい!!」

 

バーゼ「さぁて迅雷はどうかな~?」

 

 

 

 

二段目に上がると、完全な武家屋敷のようになっていた。

 

なにこれすげぇ。

 

 

 

スティ子「うわ、本格的な和室!!武家屋敷じゃない!!」

 

迅雷「ふっ、ただの武家屋敷ではない。忍者屋敷だ!!」

 

マークII「おほー、すげぇ、こりゃいいな!!」

 

 

 

マークIIがどんでん返しでパタパタと遊ぶ。

 

確かに凄いな。

 

 

 

 

スティ子「そ、想像以上に‥‥‥」

 

バーゼ「すごすぎる‥‥‥」

 

クロ「でも女子力0」

 

シロ「女捨てちゃったの?」

 

迅雷「なんとでも言え。自分は大満足だ」

 

バルチャー「んじゃあこれも置くか」

 

 

 

そう言ってバルチャーはプラ製の活け花を飾る。

 

あ、女子力無い部屋に置かれるとすげぇ華がある。

 

 

 

スティ子「‥‥‥アンタセンスいいわね」

 

バルチャー「流石に女子力無い部屋に住まわれるのも師匠としてどうかと思ったからな」

 

スティ子「じゃ、次はバーゼの部屋‥‥‥ってなにこれ!?ゴミ屋敷じゃない!!」

 

バーゼ「ゴミ屋敷じゃないよ!!バーゼには全貌が見えてるもん!!」

 

マークII「キャンディーや金平糖‥‥‥んで、チョコレートの箱‥‥‥あ、なるほど。こりゃお菓子の家をイメージしてるのか」

 

スティ子「それにしたって酷すぎる‥‥‥」

 

シロ「あら、バーゼちゃんにはとってもお似合いよ?自由奔放で」

 

クロ「シロ姉様、嫌味のレベルもうちょっと下げて」

 

バーゼ「これが可愛くて~、素敵なお部屋に近づいてるんだな~」

 

 

 

そう言ってバーゼラルドは壁にペンキを塗ったくる。

 

 

 

シロ「バーゼちゃん、この柄はなぁに?」

 

クロ「とっても趣味の良い壁ね」

 

バーゼ「でしょ~?いちご柄だよ~。ベッドとかテーブルとか良い感じに作れたんだよ~」

 

 

 

と、バーゼが説明しながら作業を進める。

 

だがしかし、シロがルンバをわざと起動させる。

 

 

 

 

《ゴミを発見しました!!》

 

 

 

シロによって起動させられたルンバがバーゼラルドの部屋にある物をゴミと誤認識し、迫る。

 

 

 

バーゼ「え?うわぁ!!ゴミじゃな~い!!」

 

シロ「うふふ、ゴミだって~!!」

 

バーゼ「違うよぉ!!」

 

クロ「あなたの最高傑作はゴミだって認識されたみたいだけど?」

 

バーゼ「ひど~い!!」

 

 

 

すぐさまジィダオが動き、ルンバを止める。

 

 

 

 

ジィダオ「言ったはずだ‥‥‥悪ふざけが過ぎるぞ‥‥‥!!」

 

クロ「お、おかしいわね‥‥‥ジィダオ兄様の背後に閻魔大王が見えるわ‥‥‥」

 

レイダオ「あれほど怒らせたらダメだって言ったのに‥‥‥」

 

スティ子「ま、まぁバーゼにしては上手くできたんじゃない?そのベッドとか」

 

バーゼ「ベッドじゃない!!どー見てもカッコいいソファーだよ!!」

 

スティ子「あ、ごめん」

 

バーゼ「みんなひど~い!!もうバーゼお部屋これでいいもん!!わーい!!ごろごろ~!!わーい!!」

 

スティ子「バーゼ、本当にそれでいいの?」

 

バーゼ「良い居心地だよ!!いつでもバーゼのお部屋に遊びに来て!!」

 

スティ子「うん、遠慮しとく!!」

 

 

 

満面の笑みで否定したスティ子。

 

流石である。

 

 

 

バーゼ「じゃースティレットのお部屋にお邪魔しまーす!!」

 

スティ子「散らかさないでよ?」

 

 

 

続いてはスティ子の部屋。

 

ダンボールを加工して机や椅子が置かれ、さらに青い壁紙を貼ったいかにも女の子らしい部屋に仕上がっている。

 

あれ、確かマークIIもこんな感じだったか?

 

ただ、使った素材は小さな木材の切れ端だが。

 

 

 

 

轟雷「なんというか、スティレットらしい部屋だと思います!!」

 

スティ子「FAガールたるものDIYくらい出来ないと!!Do it yourself!!さっすが私!!」

 

マークII「おぉ、やはり同志がいたか!!やっぱそうだよなぁ!!」

 

スティ子「えぇ!!というかアンタどうやったのよ、教えなさいよ」

 

マークII「あー、じゃあギブアンドテイクでスティレットちゃんのダンボール活用法教えてくれよ」

 

スティ子「わかったわ。えっと‥‥‥」

 

バーゼ「お見事~!!おしゃれ~!!」

 

クロ「へぇ、意外と器用なのね?」

 

シロ「うふふ、顔に似合わず私達の家に必要な時は作らせてあげようかしら?そこのマークII君にも、ね?」

 

マークII「あ、ウルフ。そういやお前の部屋は?」

 

ウルフ「あぁ‥‥‥自分は不器用なものでな。こんな部屋しか作れなかった」

 

 

 

 

ウルフの部屋に行く。

 

‥‥‥なんだこれ、マジな武器庫じゃねぇか。

 

しかもフレームを針金の切れ端を使って自作、普段使わないアーマー‥‥‥そう、漸雷とか榴雷とかのアーマーを装着して飾っている‥‥‥というより防具立てみたいにしている。

 

さらには針金を網のように作り、フックを付け、壁にかけている。

 

そのフックの上に各武装を置いている‥‥‥。

 

この時、満場一致でこう言った。

 

 

 

 

ウルフ以外『マジな武器庫じゃねぇか(じゃないのよ/じゃないですか)』

 

ウルフ「うん?」

 

スティ子「まぁいいとして‥‥‥なんでアンタたち姉妹は何もしてないのよ?兄弟のアイツらはもう作り終えたのに」

 

 

 

そう、ジィダオとレイダオの部屋は中国文化が取り入れられたいかにもチャイナな部屋に仕上がっていたんだ。

 

しかし、何故姉妹が何もしてないのかが謎だ。

 

 

 

クロ「だって手が汚れるのは嫌だし」

 

シロ「爪がいたむのよね~」

 

バーゼ「二人はお部屋いらないの?」

 

クロ「‥‥‥そろそろ届く頃ね」

 

ゼロ・バーゼ「「へ?」」

 

 

 

 

すると窓からドローンが入り、荷物を落として何処かへ飛び去っていった。

 

そして、手際良く二人は荷物を開け、着々と部屋を作る。

 

そして‥‥‥。

 

 

 

スティ子「す、すご‥‥‥」

 

マークII「まさかのドールハウスかよ‥‥‥」

 

クロ「イメージ通りね」

 

シロ「私達にぴったり」

 

バーゼ「ドールハウスかぁ‥‥‥その手があったか!!」

 

轟雷「これを注文したんですか?」

 

クロ「そうよ?」

 

シロ「ネット通販くらい誰でも出来るでしょ?」

 

 

 

‥‥‥ん?

 

ネット通販‥‥‥まさか‥‥‥!?

 

そう考えると同時に、ジィダオが聞く。

 

 

 

 

ジィダオ「‥‥‥料金はどうした?」

 

シロ「え?料金なんて‥‥‥」

 

 

 

 

シロが言いかけた所にあおが帰ってくる。

 

 

 

 

あお「ただいま~!!」

 

ウルフ「で、どうだったのだ?」

 

あお「いやぁ~、あの食べっぷり‥‥‥流石武希子はタダ者じゃないなぁ~。あ、お部屋はどう?」

 

ウルフ「あぁ、完成している。見てみるといい」

 

 

 

 

部屋を見た途端、カバンを落としてあおは驚く。

 

 

 

 

あお「うわぁ~!!凄い、何処から突っ込んでいいのかわからないけど凄い!!」

 

スティ子「でしょ?」

 

迅雷「だがまだ変化の余地はある」

 

バーゼ「バーゼも頑張ったんだよ~!!褒めて褒めて~!!」

 

轟雷「これでバトルが捗りそうです!!」

 

シロ「支払いは~」

 

クロ「あおちゃんの口座から引き落としになってるわ」

 

あお「へ?私の口座から?引き落とし?」

 

シロ「そうよ。そのためにあおちゃんが私達のデータを収集しているんだから」

 

あお「って私のお金かぁぁぁぁぁ!!というか私のアルバイト代が!!」

 

ジィダオ「‥‥‥伝票、見せろ」

 

クロ「はいこれ」

 

ジィダオ「‥‥‥!?」

 

 

 

ジィダオが固まる。

 

それほどヤバいんだろうな‥‥‥。

 

 

 

シロ「今までのアルバイト代でなんとか足りたから大丈夫よ」

 

あお「た、足りた‥‥‥?足りたとは‥‥‥?」

 

クロ「本当はベロアなカーテンも欲しかったんだけど‥‥‥」

 

シロ「データ収集の報酬じゃ足りなかったから来月まで我慢してあげる」

 

あお「使い果たしたんか~い!!」

 

轟雷「で、でもみんなの部屋ができてすっきりしましたね、あお!!」

 

あお「いや、もう‥‥‥二部屋空いているのが何かのフラグとしか思えない‥‥‥」

 

 

 

確かに、FA勢の棚が一部屋、FAガール勢の棚が一部屋空いている。

 

 

 

あお「今までの分タダ働き‥‥‥漫画売った分も武希子に奢っちゃったし‥‥‥」

 

 

 

‥‥‥今まさに、あの馬鹿姉妹のせいでストレスがマッハでぶち抜き、あおがキレた。

 

 

 

あお「私には金が無いんじゃぁぁぁぁ!!お前たち早くた~た~か~え~っ!!」

 

 

これはマズイな‥‥‥仕方ないか。

 

 

ゼロ「仕方ないな‥‥‥あおちゃん、ここは俺が一肌脱ぐよ」

 

あお「‥‥‥へ?」

 

ゼロ「シロ、クロ。俺と戦え」

 

シロ「あら?あなた一人で戦うつもり?」

 

クロ「私達には攻撃はあたらないわよ?」

 

ゼロ「‥‥‥何も俺の姿が1つだなんて言ってないだろ?」

 

 

 

 

この時、俺が人間だったら、かなり不敵な笑みを浮かべていただろう。

 

だが、アレは本当ならまだ使いたくなかったんだが。

 

 




次回、『ゼルフィカール、第二の姿』をお送りします。

‥‥‥まさかこんなにも早い段階でアレを出す事になるとは自分でも思っていませんでした。

では、次回の更新で。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『二つのゼロ(レイ)』

今回はバトル回。

では、どうぞ。


 

 

『二つのゼロ(レイ)』

 

 

あお「‥‥‥よし、準備できたよ」

 

ゼロ「ん、ありがとな」

 

シロ「クロ、準備はいい?」

 

クロ「えぇ、いつでも。すぐにでも彼を壊せるわ」

 

轟雷「ゼロの装備は‥‥‥バーゼラルドの武装、ライフルが二挺?後は強化装甲だけみたいですね」

 

ウルフ「ゼルフィカールは堅実に攻めて相手の虚を突くFAだからな。必要最低限の武装しか持たんのだ」

 

あお「え?それって大丈夫なの?」

 

マークII「ライフルの弾が切れたらアウトだな‥‥‥だけどアイツ、まだ何かを隠してる」

 

迅雷「隠している‥‥‥つまり別の武装を持ち合わせている、と?」

 

スティ子「そう考えれば妥当ね」

 

バーゼ「じゃあ早速ゼルフィカールの実力見てみよ~!!」

 

 

 

 

ゼロ、シロ、クロがそれぞれのセッションベースに乗る。

 

直後、セッションベースが発光。転送準備が完了した合図である。

 

 

 

 

ゼロ「ゼルフィカール」

 

シロ・クロ「「マテリア」」

 

ゼロ「フレームアームズ、セッション!!」

 

シロ・クロ「「フレームアームズガール、セッション!!」」

 

ゼロ「テイクオフ!!」

 

シロ・クロ「「行きましょう?」」

 

 

 

 

三体同時に転送され、マテリア姉妹は各自武装を取り、ゼロはライフル二挺を手に持った直後、カメラアイが光る。

 

 

 

 

ゼロ「全てを‥‥‥ゼロにする!!」

 

シロ・クロ「「さぁ‥‥‥可愛がってあげる」」

 

 

 

 

今回のフィールドは洋館の屋根上。

 

月が明るく照らしている。

 

 

 

 

ゼロ「翔ぶ‥‥‥ブースト!!」

 

クロ「シロ姉様、動きを止めて」

 

シロ「任せて、クロ」

 

 

 

高速飛行するゼルフィカールの脚にシロがビーストマスターソードを蛇腹状で巻き付かせる。

 

これにより、大きく減速してしまう。

 

 

 

ゼロ「チィッ!!」

 

 

 

ゼロはライフルでシロを狙って撃つが、クロのグラインドサークルにより弾かれてしまう。

 

 

 

クロ「ほらほら、どうしたの?」

 

シロ「バトルする前の威勢は何処に行っちゃったの?」

 

クロ「もしかして失せちゃった?」

 

シロ「なら、壊してもいいわよね?」

 

 

 

ここからゼルフィカールの防戦一方。

 

ライフルで撃てども弾かれ、肉弾戦で挑めど痛めつけられる。

 

まさに一方的な戦いだった。

 

 

 

 

あお「ど、どうするの?このままじゃゼロ負けちゃうよ?」

 

ウルフ「例えそうだとしても、私は信じる。それだけの事だ」

 

マークII「いったいどうやって勝つつもりか見せてもらうぜ、ゼルフィカール」

 

 

 

クロによって打ち上げられたゼロは、シロのビーストマスターソードで叩き落とされる。

 

 

 

シロ「これでおしまい‥‥‥さようなら!!」

 

ゼロ「ぐがぁっ‥‥‥!!」

 

 

 

叩き落とされたゼロはそのまま重力に従って屋根上に落ちる。

 

動きが見えない事から、マテリア姉妹は勝利を確信した。

 

 

 

 

クロ「あっけなかったわね」

 

シロ「そうね。大口を言うあたりどんな力か期待したけど‥‥‥」

 

あお「も、もしかしてもう負けちゃったの‥‥‥?」

 

ジィダオ「‥‥‥なら、何故アナウンスが流れない?」

 

あお「え?」

 

ジィダオ「戦闘が終わったはずならアナウンスが流れるはず‥‥‥つまり」

 

 

 

ジィダオがそう言った直後、小爆発が起きる。

 

マテリア姉妹は爆心に注目する‥‥‥が、何もいない。

 

倒れたゼルフィカールすらも、いない。

 

その戦いの様子を見ていた彼ら、彼女らも困惑する。

 

 

 

シロ「いったい何処に行ったの‥‥‥?」

 

クロ「‥‥‥!!シロ姉様、上よ!!」

 

シロ「上‥‥‥!!」

 

 

 

 

マテリア姉妹が視線を空中に移す。

 

その視線の先に、見た事も無いFAが滞空していた。

 

‥‥‥その妖艶な紫色の輝きを放つ翼を、月の光に照らされながら。

 

 

 

シロ「‥‥‥何者なの?貴方は」

 

レイファルクス「‥‥‥これが、もう1つの俺だ」

 

クロ「まさか‥‥‥ゼロ君!?」

 

あお「うぇぇぇ!?」

 

マークII「‥‥‥あ、落ちた場所にアイツのアーマーがある!!」

 

スティ子「と、言う事は‥‥‥あのアーマーの中にアレが入っていて、アーマーパージした際に翼を転送したって事?」

 

ウルフ「だろうな‥‥‥久しぶりに見たぞ、ゼロの本気を」

 

バーゼ「え、じゃあ今まで手加減してたの?」

 

ウルフ「‥‥‥あぁ」

 

ジィダオ「手加減していた、というより正体を隠していた、ではないのか?」

 

あお「あー、よくあるヒーロー番組みたいな?」

 

マークII「あー、あれは燃えるよな。かなり熱い展開っつうか」

 

 

 

そんなどうでもいい会話をしている間に、ゼルフィカール‥‥‥いや、彼の真名『レイファルクス』が言う。

 

 

 

レイ「‥‥‥あまり使いたくなかったんだけどな‥‥‥大人げないと思われてしまうかもしれないし」

 

シロ「つまり、今の貴方なら余裕って事?」

 

レイ「まぁ、そうなるかな」

 

クロ「なら、壊しがいがありそう‥‥‥!!」

 

シロ「やぁっ!!」

 

 

 

ビーストマスターソードを振るうシロ。

 

通常、蛇腹剣はしなるため攻撃範囲は非常に広く、さらにあてやすい事で知られている。

 

つまり、通常では避けにくいという事。

 

だが。

 

 

 

レイ「‥‥‥時計の短針のように遅いな」

 

シロ「ッ!!」

 

 

 

レイファルクスは、違った。

 

彼自身の体感速度が速いのか、難なくかわしてシロの背後に立っている。

 

すぐさまシロはビーストマスターソードを通常形態に戻し斬りかかるが、彼の翼から生成された大剣で受け止める。

 

受け止めた隙を狙ってクロがグラインドサークルを用いて突撃するが、大剣を片腕で支えて、さらに翼から生成されたリッパーを飛ばし牽制する。

 

 

 

クロ「凄い‥‥‥貴方、面白いわ!!」

 

レイ「褒められたものじゃない‥‥‥俺は、特別でなくていい、平凡でいたいんだよ」

 

シロ「どうして、今まで、隠していたの?」

 

 

 

お互い攻防しながら問答を続ける。

 

‥‥‥そして。

 

 

 

レイ「‥‥‥悪いけど、これで終わりだ」

 

シロ「久しぶりに‥‥‥楽しめたわ。またやりましょう?」

 

クロ「今度は、本気でね」

 

レイ「‥‥‥あぁ」

 

 

 

レイが大剣を振るい、シロとクロのHPを0にする。

 

 

 

 

『winner レイファルクス』

 

 

 

 

 

レイ「‥‥‥ふぅ‥‥‥プットオン」

 

あお「わ、自動で装着されるんだ‥‥‥」

 

ウルフ「我々FAをただの機械だと思ってもらっては困る」

 

あお「あはは‥‥‥ごめんごめん。でもこれでアルバイト代は稼げた‥‥‥わーい!!」

 

ゼロ「本当、欲望に忠実だな。あおちゃん」

 

あお「あたりまえだよ~。あ、シロとクロもありがとね」

 

シロ「当然の事よ。まぁ私達が迷惑かけてしまったから、ね」

 

クロ「あの後ジィダオ兄様にお仕置きされちゃったし‥‥‥次から気をつけるわ」

 

マークII「お仕置きって‥‥‥何されたんだ?」

 

轟雷「確かに。私も気になります」

 

シロ「うふふ、内緒よ?」

 

クロ「真実を知っていいのは私達姉妹とジィダオ兄様だけだから」

 

 

 

シロとクロは微笑みながら轟雷に言う。

 

マークIIは‥‥‥スティ子にしばかれている。

 

 

 

マークII「あぁぁぁぁぁごめん、悪かったってぇのぉ!?」

 

スティ子「本っ当にアンタサイテー!!」

 

マークII「や、やめてくれ、そんなぶっといパイルバンカーでトッツキしないでくれ、頼む!!」

 

スティ子「問答無用って言葉知ってる?」

 

マークII「‥‥‥oh my god」

 

スティ子「だぁっ!!」

 

マークII「アーーーーーーッ!!」

 

バーゼ「あはは、仲良いね二人とも~」

 

スティ子「良くないわよ!!」

 

 

 

‥‥‥まぁマークIIがトッツキされた事は置いといて‥‥‥これであおちゃんがお金で困らないだろうな。

 

よほど無駄遣いしなければ、だが。

 

 

 

ゼロ「‥‥‥あおちゃん、一応言っておくけど」

 

あお「無駄遣いするなって事?」

 

ゼロ「そう、計画的に使うんだ。いいね?」

 

あお「あ、あははは‥‥‥善処しまーす」

 

 

 

 




次回、『アーキテクト&セカンドジャイヴ起動』をお送りします。

お楽しみに。

‥‥‥何気に三千字ピッタシって凄くね?

では次回の更新で。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『アーキテクト&セカンドジャイヴ起動』

ずいぶんと遅れてしまいました‥‥‥。

すみません。

では、どうぞ。


 

 

『アーキテクト&セカンドジャイヴ起動』

 

 

 

 

X日目

 

記録者 ウェアウルフ

 

気候 快晴

 

各機体の状態

 

・轟雷

異常無し

・スティレット

異常無し

・バーゼラルド

異常無し

・マテリア

異常無し

・マテリア

異常無し

・迅雷

異常無し

・ウェアウルフ

異常無し

・スーパースティレット

異常無し

・ゼルフィカール及びレイファルクス

異常無し

・ジィダオ

異常無し

・レイダオ

異常無し

・バルチャー

異常無し

 

現マスター

源内あお

 

以上

 

上記記録を元マスター・源内浩太に転送する。

 

データ送信開始。

 

 

 

‥‥‥データ送信完了。

 

再起動作業開始。

 

 

 

‥‥‥再起動完了。

 

 

 

 

ウルフ「‥‥‥ふぅ」

 

マークII「終わったのか?」

 

ウルフ「あぁ。最近良いデータが取れているからな」

 

マークII「そうか。ま、あんまり無理すんなよ」

 

ウルフ「承知している」

 

 

 

 

休日。

 

先日訪れた迅雷が轟雷に再戦を申し込む。

 

今回は私も参加させられる事となった。

 

仕方がないので、今回は漸雷強襲型装備で出撃する。

 

 

 

 

轟雷「轟雷!!」

 

迅雷「迅雷!!」

 

ウルフ「ウェアウルフ」

 

轟雷・迅雷「「フレームアームズガール、セッション!!」」

 

ウルフ「フレームアームズ、セッション」

 

轟雷「Go!!」

 

迅雷「いざ参る!!」

 

ウルフ「出撃する!!」

 

 

 

セッションコールと同時に転送され、彼女達は装備を装着。

 

私は漸雷強襲型装備を装備する。

 

 

 

轟雷「注ぎます!!今日のトキメキ!!はじけます!!私のキラメキ!!」

 

迅雷「再びの鼓動!!熱き炎は馬となり我は高みへ駆け上がる!!」

 

ウルフ「ここが‥‥‥この戦場が、私の魂の場所だ!!」

 

 

 

転送後、今回のバトルフィールドは闘技場のようだった。

 

 

 

迅雷「今日こそは勝つ!!」

 

轟雷「そうはさせません!!」

 

迅雷「でりゃあああああああ!!」

 

 

 

即座に迅雷がブーメランサイズを振るい、轟雷に仕掛ける。

 

だが私が轟雷の前に立ち、漸雷強襲型装備である特殊防御布で凌ぐ。

 

 

 

迅雷「何ぃッ!?」

 

ウルフ「申し訳ないが今回の相手は私だ。付き合ってもらうぞ」

 

迅雷「良いだろう‥‥‥かかって来い!!」

 

 

 

私が独断で装備した背部小型コンテナから大型ブレードを取り出し、つばぜり合う。

 

 

 

迅雷「やるな‥‥‥流石私達FAガールとは違うな!!」

 

ウルフ「そちらこそ、な。だがまだまだだ」

 

 

 

直後、ブレードで押しきった私は迅雷を大きく後退させる。

 

 

轟雷「ウルフ、避けてください!!」

 

ウルフ「了解」

 

 

 

轟雷が頭上に手を伸ばし、セレクターライフルを転送。

 

転送されたセレクターライフルでトドメの一撃を放つ。

 

だが、迅雷も只ではやられまいとブーメランサイズを投擲してセレクターライフルを弾き飛ばす。

 

 

 

迅雷「まだまだ、まだまだだ!!」

 

轟雷「あれをかわすなんて‥‥‥流石です!!」

 

 

 

さらに追撃を仕掛けようとした時、爆煙の中から正体不明機が現れた。

 

 

 

轟雷「え?」

 

迅雷「何者だ?」

 

 

 

爆煙の中から現れた正体不明機は、どうやらバイクに股がっているFAガールのようだった。

 

 

 

轟雷「貴女は?」

 

アーキ「アーキテクト」

 

轟雷「アーキテクト‥‥‥私は轟雷です」

 

迅雷「お主、いったい何処から来たのだ?」

 

アーキ「質問の意味不明」

 

迅雷「意味不明だと‥‥‥?」

 

轟雷「貴女はFAガールなのですか?」

 

アーキ「肯定。バトルによるデータ収集開始」

 

迅雷「バトルだと?」

 

轟雷「どうやら戦わねばならないようですね‥‥‥」

 

迅雷「謎の敵の出現、か」

 

轟雷「状況はよくわかりませんが、受けて立ちます!!」

 

迅雷「自分もだ!!」

 

アーキ「戦闘サブルーチン実行。セカンドジャイヴ、援護を」

 

 

 

すると彼女がバイクから降りた瞬間、バイクが変形。

 

一瞬で人型になる。

 

 

 

ウルフ「‥‥‥やはりFAだったか」

 

迅雷「な、乗り物が変形したぞ!?」

 

轟雷「まさか‥‥‥彼とも戦わねばならないのですか!?」

 

ウルフ「相手がどうであれ、やるしかあるまい」

 

 

直後アーキテクトが一瞬で姿を消す。

 

瞬間移動のようだ。

 

 

迅雷「なッ!?」

 

ウルフ「マズイ‥‥‥来るぞ!!」

 

 

 

 

我々の戦闘を見ていたあおも状況が理解出来ていないようだった。

 

 

 

あお「え、何?どういう事?」

 

クロ「ねぇ、まさかあおちゃん」

 

シロ「うふふ、何も知らないのね」

 

あお「え?シロとクロは知ってるの?」

 

 

 

シロとクロが淡々と述べる。

 

 

 

クロ「もちろんよ。全ての起源、私たちマテリアがいて」

 

シロ「その次にあの子がいるの」

 

あお「え、えぇ‥‥‥?」

 

 

 

そこにバーゼラルドが割り込み、わかりやすく説明する。

 

 

バーゼ「説明しようっ!!マテリアシロクロお姉ちゃん、そして突如現れたアーキテクト!!彼女たちの存在あってこそバーゼたちなのである!!」

 

あお「ますます意味がわからないんだけど‥‥‥」

 

スティ子「なるほど、そういう事ね」

 

あお「え、スティ子も知ってるの!?」

 

スティ子「聞いた事があるのよ。実機を持たずにプログラムされたデータを起動するためだけに現れるって」

 

あお「はぁ」

 

スティ子「全然わかってないでしょ、このアホっ子!!」

 

あお「アホっ子言わないでよ!!あ、でもさ‥‥‥いつものバトルよりなんか特別感あるよね。って事はさ、きっと報酬も良い訳じゃん!!ね、ね!?」

 

バーゼ「うむ、そうだと思われる!!」

 

あお「やっぱり?そういう事ならなんだか張り切っちゃうなぁ~!!」

 

マークII「んな事言ってる場合かっての」

 

あお「え、なんで?」

 

マークII「アーキテクトだけじゃねぇ。さらにアイツがいるからそう簡単には勝てねぇぞ」

 

あお「アイツ?」

 

ゼロ「セカンドジャイヴ。俺たち飛行型FAを抜くと最強の機動型FAだ。特に恐ろしいのは‥‥‥」

 

ジィダオ「機動型の割に豊富な火力」

 

レイダオ「さらに火力に振り回されない機動力」

 

バルチャー「んで、サクサクと制圧していくんだよ。アイツは」

 

あお「え、それってヤバくない?」

 

マークII「‥‥‥はっきり言ってヤヴァイ」

 

あお「え~~~~~!?」

 

 

 

 

そんな事を話していた彼女達から視点が変わり、我々は苦戦を強いられている。

 

セカンドジャイヴの各部にマウントされている武装により、深刻なダメージを受けている。

 

 

 

 

ウルフ「グゥッ‥‥‥!!」

 

セカンド「次弾装填、ばらまく」

 

ウルフ「グゥアッ!!」

 

セカンド「‥‥‥ショットガンはどうやら有効らしいな」

 

ウルフ「まだ、終わっていない!!」

 

 

 

ガトリングガンを取り出し、威嚇射撃をする。

 

だが、セカンドジャイヴの持ち前の機動力の前には無駄だった。

 

 

 

セカンド「データによれば元マスターの最高傑作と聞いていたんだが‥‥‥期待外れだったか」

 

ウルフ「くっ‥‥‥」

 

アーキ「分身サブルーチン実行」

 

轟雷「分身、まさか!!」

 

 

 

 

するとアーキテクトが三人に分身、轟雷と迅雷にダメージを与える。

 

 

 

迅雷「くっ、どうやら残像で多数に見せている訳ではないようだ‥‥‥!!」

 

轟雷「確かに、どれも本物のアーキテクトのようです!!」

 

迅雷「どうする!?」

 

轟雷「必ず弱点はあるはずです!!全て書き込まれたプログラムで動いているという事は!!」

 

迅雷「成る程、想定外の事には対応できない!!そういう事だな!!」

 

轟雷「その通りです!!」

 

 

 

 

轟雷が地面に向けて滑空砲を撃ち、煙幕を張る。

 

 

 

 

轟雷「あお、バイオレンスラムを!!」

 

あお「よ~し、任せて!!」

 

 

直後バイオレンスラムが転送され、スパイクハンマーへと変形する。

 

 

轟雷「これで!!」

 

 

地面を強く叩き、煙幕をさらに張る。

 

これによりアーキテクトは大きく油断する。

 

その隙に轟雷がスパイクハンマーを用いて数体撃破する。

 

その頃私はまだ、セカンドジャイヴに苦戦している。

 

だが、ようやく攻略の糸口が掴めた。

 

 

 

セカンド「ジ・エンド‥‥‥!!」

 

ウルフ「‥‥‥せいっ!!」

 

セカンド「!?」

 

 

 

ヤツが一瞬動きを止めた瞬間に脚を掴み、固定する。

 

ここでとっておきの武装が使える。

 

 

 

ウルフ「機動型ほど薄い装甲は無い‥‥‥!!」

 

セカンド「ま、待て!!まさかお前!!」

 

ウルフ「その‥‥‥まさかだ!!」

 

 

 

セカンドジャイヴの胸部装甲にある物を押しつけ、衝撃を与えてセカンドジャイヴを吹き飛ばす。

 

 

 

セカンド「ガッハ‥‥‥!?」

 

ウルフ「‥‥‥試作型だが物凄い威力だな」

 

 

 

そう、ある物とは"パイルバンカー"である。

 

しかも試作型。

 

それを両腕に取り付けて炸裂させたのだ。

 

 

 

 

セカンド「この‥‥‥変態がぁ‥‥‥」

 

ウルフ「どうとでも言うがいい」

 

セカンド「クソッ‥‥‥」

 

 

 

 

‥‥‥どうやら気絶したようだ。

 

さて、あっちはどうだ?

 

ふむ、どうやら三体のアーキテクト相手に上手くやっているようだ。

 

スパイクハンマーで地面を叩き、スパイクハンマーの上に迅雷が乗り‥‥‥直後、スパイクハンマーを打ち上げて迅雷を飛ばす。

 

この連携攻撃により、アーキテクトのライフが尽きた。

 

 

 

『winner 轟雷 迅雷 ウェアウルフ』

 

 

 

 

轟雷「迅雷、大丈夫ですか迅雷!?」

 

迅雷「あぁ、問題無い。アーキテクトは?」

 

轟雷「消滅しました。私たちの勝ちです!!」

 

迅雷「そうか、良かった‥‥‥!!」

 

ウルフ「そっちは終わったようだな」

 

轟雷「あ、ウルフ‥‥‥!?」

 

迅雷「わざわざ其奴を引きずってきたのか?」

 

ウルフ「あぁ、聞きたい事が山程あるからな」

 

セカンド「‥‥‥はっ、バトルは!?どうなった!?」

 

ウルフ「お前の負けだ、セカンドジャイヴ」

 

セカンド「そう、か‥‥‥」

 

ウルフ「1つ、聞いておきたい事がある」

 

セカンド「‥‥‥なんだ?」

 

 

 

セカンドジャイヴがここにいる、という事は恐らく元マスターは‥‥‥。

 

 

 

ウルフ「お前の元マスターは、誰だ?」

 

セカンド「誰って、そりゃあ源内浩太だろ。お前もそうだろ?」

 

ウルフ「‥‥‥やはりか。あの人が考えそうな機体構成だ」

 

セカンド「あぁ。なんでもコンセプトは"颯爽と戦場に現れ、敵に大打撃を与えた後にバイクに変形して華麗に離脱する"ってヤツだ」

 

ウルフ「‥‥‥」

 

セカンド「‥‥‥ま、結局お前には勝てなかった訳だが。流石、元マスターの最高傑作だよ」

 

ウルフ「そうか。ところでアーキテクトは?」

 

轟雷「私たちが倒しました。きっとアーキテクトは私たちは空中戦が出来ないというデータだったのでしょう」

 

迅雷「力を合わせれば空だって飛べる」

 

 

 

 

 

ふと、私が振り返る。

 

その目の前に、消滅したと聞いたはずのアーキテクトが棒立ちしていたのだ。

 

 

 

 

 

轟雷「あ、アーキテクト。素晴らしいバトルでした」

 

迅雷「お主やるなぁ!!」

 

アーキ「敗北データ読込不可能‥‥‥リロード‥‥‥リロード‥‥‥過去データ、無し‥‥‥」

 

轟雷「どうしたのでしょうか?」

 

迅雷「今まで負けた事が無いからプログラムが壊れたのではないか?」

 

セカンド「負けず嫌い、って事か」

 

 

 

 

だが、彼女は衝撃的な一言を放つ。

 

プログラムが終了出来ず、さらには再起動が出来ないと言う。

 

我々が焦る中、轟雷は何か確信に満ちた表情をしていた。

 

‥‥‥嫌な予感がする。

 

 

 

 

轟雷「大丈夫です、任せてください」

 

迅雷「どうやって?」

 

 

 

 

轟雷はアーキテクトに歩み寄る。

 

そして。

 

 

 

轟雷「私にはデータがあります。これはショック療法という物です」

 

アーキ「‥‥‥?」

 

 

 

直後、彼女はアーキテクトの頬にキスをする。

 

フィールド外の皆は驚いている事だろう。

 

 

 

マークII・ゼロ「「ブフーーーーーーッ!!」」

 

ジィダオ「なんと破廉恥な‥‥‥」

 

レイダオ「兄さん、顔が隠れてないよ」

 

バーゼ「うはー、轟雷はやる事が違うなぁ」

 

スティ子「あわわ‥‥‥」

 

 

 

さらに轟雷はアーキテクトにハグをする。

 

 

 

轟雷「そしてこれは友情の証。良いバトルをすると友情が生まれる‥‥‥ここでみんなと出会って学んだ事です」

 

 

 

直後、アーキテクトの様子に変化が。

 

 

 

アーキ「‥‥‥プログラム、再起動」

 

迅雷「確かに良いバトルだった。歴史に残る戦いと言えよう」

 

轟雷「またここで会いましょう、アーキテクト」

 

アーキ「‥‥‥会えない。本プログラムは現時点を持って終了する」

 

轟雷「次に会う貴女は別の貴女という事ですか‥‥‥なんだか寂しいですね」

 

迅雷「そうだな。だがバトルのデータは残るのだろう?」

 

轟雷「友情の証も記録してくださいね?」

 

アーキ「友情の証‥‥‥肯定」

 

迅雷「戦いならいつでも受けて立つぞ」

 

アーキ「次のバトルは‥‥‥必ず勝つ。データは、残っているから」

 

轟雷「待ってます。約束ですよ」

 

アーキ「約束‥‥‥肯定」

 

 

 

 

そうして彼女は本当に消滅してしまった。

 

やはりいかなる時でも別れはつらいものである。

 

だが、そんな寂しい雰囲気も現マスター・源内あおの一言で台無しになる。

 

 

 

 

あお「いやぁ熱いねぇ~!!いい物見せてもらったよ!!これでアルバイト代も入るんだからデータ収集はやめられないんだよなぁ~!!」

 

ジィダオ「‥‥‥」

 

レイダオ「‥‥‥」

 

セカンド「‥‥‥KY」

 

マークII「その一言が無けりゃ最高だったんだけどな‥‥‥」

 

バルチャー「という訳であおちゃん、アウト」

 

あお「へ?」

 

 

 

どうやらバルチャーがいつの間にか設置していたタライ落としを作動、見事にあおの頭上にあたる。

 

 

あお「ったぁ~‥‥‥なんでぇ~?」

 

ウルフ「‥‥‥よく自分で考えろ」

 

バーゼ「しっかしバーゼもアーキテクトに会いたかったよ~。いいなぁ~」

 

スティ子「出現はランダムみたいだし、気長に待つしかないわね」

 

バーゼ「今度は別のアーキテクトだね~」

 

あお「いたた‥‥‥でも記憶が無くても記録が残ってる。ね、轟雷?」

 

轟雷「はい、あお!!」

 

ウルフ「‥‥‥強くなったな」

 

轟雷「ウルフほどではありませんよ。まだまだ私は未熟です。だから‥‥‥ウルフ、これからもよろしくお願いしますね」

 

 

 

 

そう言って彼女はまぶしい笑顔を私に向けた。

 

私がもし人間なら、間違いなく顔が紅潮するだろう。

 

 

 

ウルフ「‥‥‥あぁ」

 

轟雷「えへへ‥‥‥」

 

バーゼ「あれ~?もしかして良い感じですかなぁ~?」

 

轟雷「えっ?」

 

バーゼ「だってだって~、ウルフの動きがちょっとぎこちないもん」

 

轟雷「そうなんですか?」

 

バーゼ「うんっ!!」

 

 

 

彼女たちが何かを話していたがその直後、インターホンが鳴る。

 

どうやら何か荷物が届いたようだ。

 

 

 

あお「荷物が届いた‥‥‥?」

 

 

 

 

あおが荷物を開ける。

 

だが、その中身がかなり衝撃的な物であった。

 

そう。

 

中身はアーキテクトだったのだ。

 

箱が開けられた瞬間、彼女が起動する。

 

 

 

 

轟雷「アーキテクト!?」

 

アーキ「プログラム名アーキテクト、共同生活を開始」

 

FAガール勢『えぇーーーーーー!?』

 

轟雷「アーキテクト‥‥‥!!」

 

スティ子「ようこそ!!」

 

迅雷「うむ!!」

 

バーゼ「にゃっはは~!!」

 

シロ「あらいらっしゃい」

 

クロ「歓迎してあげる」

 

ウルフ「これからよろしく頼む」

 

マークII「へへっ、よろしくな!!」

 

ゼロ「ま、馬鹿ばかりに見えるけど根は良いヤツばかりだからさ。よろしくな」

 

ジィダオ「‥‥‥よろしく」

 

レイダオ「よろしくね、アーキテクトちゃん」

 

バルチャー「変人ばかりだが気にすんなよ?」

 

セカンド「そういやなんで俺の上に股がったんだ?」

 

アーキ「気分」

 

セカンド「おぉ、気まぐれぇ」

 

あお「いやいらっしゃいって、実機あったのぉ!?」

 

シロ「うふふ、まさか本当に出来ていたなんてね」

 

轟雷「部屋はここが空いてますよ」

 

ウルフ「セカンドジャイヴ、お前の部屋はここだ」

 

セカンド「お、サンキュー」

 

 

 

 

‥‥‥記録追記

 

セカンドジャイヴ、アーキテクト参入。

 

これから一層のデータ収集が捗ると見られる。

 

以上

 

上記記録を元マスター・源内浩太に転送する

 

転送開始

 

‥‥‥転送終了。

 

システム、シャットダウン

 

 

 

 




次回、『愉快なおつかいレース』をお送りします。

お楽しみに。

では次回の更新で。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『愉快なおつかいレース』

だいぶ時間が空いてしまいました‥‥‥。

すみません。

では、どうぞ。


 

『愉快なおつかいレース』

 

 

 

システムリブート

 

各部武装問題無し

 

状態は良好

 

ウェアウルフ、アクティブ

 

これより記録を開始する

 

 

 

×月×日

 

天候は晴天也。

 

FAガール、FA共に異常無し。

 

現マスター・源内あおの健康状態は良好。

 

報告内容としては足らない物と思われるが、中々に興味深いデータを取得できた。

 

元マスター、源内浩太は『スクランブルミッション』という任務を知っているだろうか。

 

今回の報告内容はそのスクランブルミッションにおける我々のデータ収集結果である。

 

この報告文面と合わせて送信した映像記録を参照していただきたい。

 

尚、この映像記録は小型ドローンによって撮影された物である。

 

先日元マスター、源内浩太が送ってくれたカメラ搭載型小型ドローンのおかげである。

 

 

 

数日前

 

キッチンにて

 

 

 

あお「とぉぉぉぉりゃりゃりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

マークII「うわ、すげぇ」

 

バルチャー「訓練の賜物、というヤツだな」

 

セカンド「それにしたって速すぎね?」

 

マークII「あおちゃんあおちゃん、料理できる女の子はモテるぞ~」

 

あお「あはは、てれちゃうなぁ‥‥‥」

 

 

 

その頃、轟雷たちは先日届いた新しい掃除ロボット‥‥‥いわゆるルンバに興味津々である。

 

試しに轟雷がルンバのスイッチを押し、起動させてみる。

 

 

 

『サポートビークルモードダヨ~!!』

 

轟雷「え?」

 

スティ子・バーゼ「「へっ?」」

 

『アハハハハハ~!!』

 

 

 

ルンバが奇妙な事に笑いながら走り回る。

 

‥‥‥奇妙だ。

 

 

あお「あ、ちゃんとお掃除ロボット直ってるでしょ?」

 

轟雷「直っているといいますか‥‥‥」

 

ウルフ「何故あのロボットはテンションが高いのだ?」

 

あお「武希子はね~、武器を組み立てるだけじゃなくてこんな掃除機とか直せるのよ~。さっすが武希子!!」

 

ウルフ「武希子‥‥‥侮れんな」

 

あお「でね、そのお礼に酢豚を作ってるって訳。武希子の大好物なんだー!!」

 

 

 

そんな彼女の一言をいざ知らず、スティレット達は修理、いや改造されたルンバに注目していた。

 

ケラケラと笑いながら移動するルンバにどうやら私は呆気に取られていたようだ。

 

 

 

スティ子「これ、ゴミを吸ってるって感じじゃないわね」

 

『サポートビークルモードダヨー!!』

 

シロ「乗り物に進化したって事ね」

 

クロ「お掃除だけじゃなく移動手段にも使えるって訳ね」

 

轟雷「それは凄いです!!」

 

 

 

そんな会話をよそに、着々と調理を続けるあお。

 

ゴーグルとマスクを装着して、だが。

 

 

 

あお「私ってばこう見えて意外と女子力高いんだよねー。友達のために酢豚作っちゃうなんてさ」

 

マークII「まずそのツラが女子力高ぇって言えんのか‥‥‥?」

 

セカンド「女子力(物理)」

 

マークII「それな」

 

あお「ちょっとー、君たち聞いてるー?」

 

 

 

彼女はそう轟雷たちに問いかけるが、彼女らは改造されたルンバに乗って部屋中を駆け回っている。

 

 

 

ウルフ「聞く耳持たず、とはこの事だな」

 

ゼロ「だな」

 

 

 

が、次の瞬間あおの悲鳴が響く。

 

 

 

あお「わーーーーーっ!?」

 

ウルフ「ぬ?どうした?」

 

あお「なんと‥‥‥私とした事がぁ‥‥‥!!」

 

ゼロ「なんだ、何があったんだ?」

 

あお「豚肉を素揚げするというプロのひと手間を加えたにも関わらず、お酢を切らしているというなんたる失態!!これじゃ豚、酢豚じゃなくて豚だよ!?」

 

ウルフ「とりあえず落ち着け」

 

マークII「どうどう」

 

セカンド「それじゃあ馬じゃねぇか」

 

マークII「確かに」

 

あお「あー‥‥‥お酢が無いまま豚肉がカラッと揚がっていく‥‥‥」

 

ゼロ「ありゃー‥‥‥」

 

ジィダオ「マズイな、これは」

 

レイダオ「というかあおちゃん、料理の前に食材とか足りない物が無いか確認するのは基本中の基本なんだけど」

 

あお「返す言葉も無いよー‥‥‥」

 

 

 

 

すると轟雷が何かを思い付いたのか、あおに進言する。

 

「私がおつかいに行く」と。

 

 

 

あお「どうしたの轟雷、珍しいじゃん」

 

轟雷「あお、私に任せてください!!」

 

あお「じゃあお願いしちゃおっかな?」

 

轟雷「わかりました!!ではウルフ、ついてきてください!!」

 

ウルフ「いや、俺は待機を」

 

轟雷「いいから、行きますよ!!」

 

ウルフ「り、了解した」

 

 

 

そして、彼女らは装甲パーツを装着する。

 

目標は、あおの求める酢のために。

 

 

 

轟雷「酢豚のお酢を目指してっ!!」

 

迅雷「押忍っ!!」

 

スティ子「お酢っ!!」

 

バーゼ「おいっすー!!」

 

ウルフ「まぁ、依頼されたからにはやらせてもらおう」

 

マークII「んじゃ、いっちょ行きますか!!」

 

ゼロ「飛行パーツも問題無し、行けるぞ」

 

ジィダオ「我々は待機だな」

 

レイダオ「そうだね兄さん」

 

セカンド「俺は出る。このまま黙って待ってられないからな」

 

ウルフ「ではジィダオ、レイダオ。あおの事は任せるぞ」

 

ジィダオ「あぁ」

 

 

 

準備を終えた我々は付近の駐車場に移動するが、何故かあのルンバもついてきてしまっていた。

 

 

 

マークII「なんだぁ?ついてきたぞ?」

 

『アタラシイナマエヲツケテ!!』

 

轟雷「名前、ですか。そうですね‥‥‥」

 

ウルフ「作戦におけるコードネーム、という事か」

 

 

 

私がそう思案していた所に彼女、バーゼラルドがこう言い放った。

 

 

バーゼ「よし、今日からキミはスレイプニー太郎!!スレイプニー太郎だー!!」

 

スティ子「スレイプニー太郎‥‥‥?何それ?」

 

バーゼ「スレイプニールとは神様が乗る八本脚の軍馬の名前なのであーる!!」

 

轟雷「バーゼラルドは物知りですね」

 

スティ子「いやいや、だからニー太郎って何よ」

 

バーゼ「え、男の子だからニー太郎」

 

スティ子「男の子なんだ‥‥‥」

 

迅雷「ふむ、軍馬とは良い響きだな」

 

『スレイプニータロウ!!トウロクシタヨ!!』

 

ゼロ「自動登録されんのかよ‥‥‥」

 

轟雷「はい、よろしくお願いしますねスレイプニー太郎!!」

 

 

 

‥‥‥何故か轟雷は嬉しそうだ。

 

恐らくあれだ、サポートビークルが追加されたからだ。

 

もとより我々ウェアウルフタイプは動きが鈍い傾向にある。

 

まぁ何故か私は例外のようだが。

 

履帯で移動速度を一応確保してはいるが、やはりスティレットタイプやバーゼラルドタイプには遠く及ばない。

 

だからこそ余計に、というやつである。

 

 

 

轟雷「という訳でチーム分けをします。題して"おつかいレース"!!」

 

FAガール勢『おつかいレース?』

 

FA勢『(嫌な予感しかしない/しねぇ‥‥‥!!)』

 

 

 

轟雷が提案した通称"おつかいレース"のルールはこうだ。

 

まず陸戦チームと空戦チームに分かれる。

 

勝利条件は至って簡単、相手チームよりも速く酢を確保し、あおの元へ輸送する。

 

その物資確保、輸送の間は妨害は許可されている。

 

そしてチームで分かれたのは良いのだが、マテリア姉妹が乗り物、すなわちあのドローンを入手したらしい。

 

ここでチーム分けは

 

陸戦チーム:轟雷、迅雷、ウルフ

 

空戦チーム:スティレット、バーゼラルド、マークII、ゼルフィカール

 

乗り物チーム:マテリア姉妹

 

単独行動チーム:アーキテクト、セカンドジャイヴ

 

となった。

 

そして、轟雷の号令でスタート。

 

 

 

 

 

まず我々陸戦チーム。

 

轟雷と迅雷はスレイプニー太郎に乗り最大戦速で移動、私は履帯を展開して高速移動する。

 

移動している途中、迅雷が何かを見つける。

 

 

 

迅雷「おぉ、芝居小屋とは粋だな!!偵察して行くか!!」

 

轟雷「ダメですよ。急がないと」

 

迅雷「む、わかった。では速度を上げよう」

 

 

 

そう言って迅雷はスレイプニー太郎の加速スイッチを押す。

 

その瞬間、スレイプニー太郎の速度が加速する。

 

 

 

 

轟雷「想像以上に速いですね‥‥‥!!」

 

迅雷「おい轟雷、しっかり操縦しろ!!」

 

轟雷「と言われても操縦方法が分かりません‥‥‥!!」

 

 

 

加速したまま付近の公園に到着。

 

スレイプニー太郎からは『暴走』と宣告。

 

止まらない。

 

 

 

迅雷「どうどう!!暴れ馬め、静まれ!!」

 

轟雷「目が回ってきました‥‥‥」

 

 

 

さらに暴走を続けるスレイプニー太郎から二人が振り落とされる。

 

 

 

轟雷「あっ‥‥‥」

 

迅雷「しまっ‥‥‥!!」

 

 

 

二人が落ちる前に履帯の速度を限界以上まで引き出し、二人を抱きかかえる。

 

だが途中で履帯が千切れ、かなりの速度がついたまま転倒してしまった。

 

二人には怪我は無いようだ。

 

 

 

 

轟雷「ウルフ、どうして私たちを‥‥‥?」

 

ウルフ「こんな些細な事で怪我を負ってほしくなかったからだ」

 

迅雷「だがお主の履帯が!!」

 

ウルフ「気にするな。壊れたら直せばいい」

 

轟雷「ウルフ‥‥‥」

 

 

 

 

 

その頃の空戦チーム。

 

ここからの記述はマークII及びゼロによる物である。

 

どういう訳か報告には『山羊に襲われた』とある。

 

‥‥‥深くは聞かないでおこう。

 

そして、マテリア姉妹は案の定ドローンに乗って移動。

 

だが、前方不注意で木に直撃。

 

姉妹共々リタイアとなったそうだ。

 

 

 

その頃、単独行動中のアーキテクトとセカンドジャイヴ。

 

 

 

 

セカンド「ここだな。無事に着けて良かった良かった」

 

アーキ「じゃあ、買い物する。急ごう」

 

セカンド「おっしゃ。移動は任せろ」

 

アーキ「了解。学習モード、おつかい‥‥‥データ取得完了。サブルーティン化、実行」

 

セカンド「なぁアーキテクト」

 

アーキ「‥‥‥何?」

 

セカンド「一応豚肉も買っていこうぜ。きっとあおの事だ、焦がしちまってるに違いない」

 

アーキ「了解。では移動を」

 

セカンド「あいよー」

 

 

 

 

 

その頃、我々陸戦チームは歩きで移動していた。

 

スレイプニー太郎?

 

あぁ、あいつなら何故か勝手に戻って行ってしまったよ。

 

 

 

ウルフ「これではおつかいは無理だな」

 

轟雷「私の‥‥‥せいでしょうか‥‥‥」

 

ウルフ「そんな事は無い。そういう時もある」

 

迅雷「そうだぞ轟雷。今回は失敗してしまったが、まだ次があるんだ。次、頑張ればいいのだ」

 

轟雷「‥‥‥そうですね。いつまでもくよくよしてても仕方ありません!!次頑張りましょう!!」

 

ウルフ「さぁ、帰還しよう。あおもきっと心配している」

 

轟雷「はいっ!!」

 

 

 

 

 

その頃空戦チーム。

 

どうやら飛行ユニットが壊れてしまい、飛べなくなってしまったようだ。

 

 

 

スティ子「全身ねちょねちょなんだけど‥‥‥もう、最低!!」

 

バーゼ「ふぇぇ、ずぶ濡れだぁ‥‥‥」

 

マークII「飛行ユニットが壊れてさえなけりゃひとっ飛びなんだけどなぁ‥‥‥」

 

ゼロ「はは‥‥‥ま、仕方ないさ。とりあえず急ごう」

 

バーゼ「バーゼもう疲れたよぉー‥‥‥」

 

ゼロ「ほら、おぶってやるから。乗れ」

 

バーゼ「いいのー?じゃあ失礼しまーす‥‥‥」

 

マークII「道のりがなげぇなぁ‥‥‥」

 

スティ子「ホント、距離が距離なだけに余計にね」

 

 

 

 

 

一方その頃、単独行動チーム。

 

アーキテクトとセカンドジャイヴは目的の物を手に入れたのか、荷物を専用コンテナに積んで移動していた。

 

そして、マテリア姉妹は。

 

 

 

クロ「どうするの?」

 

シロ「どうするのかしら私たち」

 

クロ「絶体絶命」

 

シロ「追い詰められている私たち‥‥‥」

 

クロ「‥‥‥美しい」

 

シロ「えぇ、きっと美しい」

 

 

 

木の幹にぶら下がっていた。

 

そしてあおはというと。

 

 

 

あお「豚肉が焦げて‥‥‥全滅したー!!火が強すぎたのかなぁ‥‥‥?」

 

アーキ「今帰った」

 

セカンド「おつかい成功だぜ」

 

あお「あ、おかえり‥‥‥」

 

アーキ「お酢、おつかい完了」

 

あお「ありがと‥‥‥しかしだね、今出来るとしたら酢豚じゃなくて酢なんだわ‥‥‥ごめん、もう一回おつかい行ってきて!!今度は豚肉!!」

 

セカンド「はは、やっぱりな」

 

あお「ふぇ?」

 

アーキ「セカンドジャイヴの提案で豚肉の予備も買ってきた。セカンドジャイヴ、出して」

 

セカンド「あいよ。ちょっと待ってな」

 

 

 

そう言ってセカンドジャイヴはコンテナから豚肉を取り出す。

 

 

 

あお「あ、ありがとー!!ホントありがとー!!」

 

アーキ「礼はいらない。それより轟雷たちは?」

 

あお「え?まだ帰ってきてないよ?」

 

アーキ「となると‥‥‥」

 

セカンド「あー、そんな気はしてた」

 

アーキ「探しに行こう」

 

セカンド「仕方ねぇなぁ‥‥‥あおちゃん、ちょっと行ってくるから武希子にプレゼントする酢豚作ってな」

 

あお「わかった。じゃあよろしくね?」

 

 

 

そして、その夕方。

 

全員回収し終えた後に修理をする。

 

 

 

バルチャー「まったく、お前ら揃いに揃って何してんだ」

 

ウルフ「すまない」

 

スティ子「そもそもバーゼが寄り道しようとか言わなきゃ無事で済んだのに‥‥‥」

 

バーゼ「あはは、ごめんごめん!!」

 

ジィダオ「それで、お前たちはあのドローンを盗んでいたとは‥‥‥」

 

シロ「あら、盗んだなんて人聞きが悪いわねぇ」

 

クロ「借りてるのよ、永遠に」

 

シロ・クロ「「うふふふふふ‥‥‥」」

 

ジィダオ「このバカタレが」

 

 

 

マテリア姉妹の頭上に拳骨を落とすジィダオ。

 

面倒見の良い兄のようだ。

 

 

 

轟雷「でもまたやりたいですね、おつかいレース!!」

 

迅雷「今度は負けん!!」

 

マークII「もう勘弁してくれ‥‥‥」

 

ゼロ「俺たちの気苦労が増える‥‥‥」

 

アーキ「学習モード‥‥‥豚、データ取得完了。古代猪が家畜化されたもの。弥生時代には日本で飼育されていたという説あり。明治時代以降養豚場が増加、食肉用として定着した。現在豚肉は国内の食肉消費量No.1。ビタミンB1が大変多く、牛肉の約10倍含まれる。そのため、疲労回復効果があり夏バテなどに有効な食材として注目されている」

 

セカンド「わざわざ調べたのか。えらいな」

 

 

 

セカンドの一言でアーキテクトはわずかに顔を紅潮させた。

 

以上、スクランブルミッション訓練の概要である。

 

 

 

浩太「スクランブルミッション、ねぇ‥‥‥ただのおつかいじゃんか。ま、報告ご苦労様っと‥‥‥さて、早いとこフレズヴェルクの調整を済ませないと」

 

 

 

彼の机の上には、フレズヴェルクと呼ばれた2体のFAタイプが鎮座していた。

 

まるで、何かの目覚めを待っているかのように。

 




次回、『感じて花火大会』をお送りします。

お楽しみに。

では次回の更新で。

感想、質問等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『感じて花火大会』

久しぶりにアーマードコアVをやって自分の未熟さを悔いた主です。

オーダーミッション、後半から難しくなってない‥‥‥?

では、どうぞ。


 

『感じて花火大会』

 

 

 

夏休みも中盤に差し掛かったある日、あおが浴衣に着替えている。

 

恐らく、あるイベントに出るためだろう。

 

轟雷たちはというと、アーキテクトに目隠しを施し、部屋の前に連れてきていた。

 

 

 

轟雷「では、いいですか?」

 

FAガール勢『せーのっ!!』

 

 

 

彼女の目隠しを外すと、目の前には彼女へのプレゼントが置かれていた。

 

 

 

スティ子「どう、ここがアンタの部屋よ?」

 

シロ「ウェルカムプレゼントとしてレースのリボンを送っておいたわ」

 

クロ「縛るなりしごくなり好きに使いなさいな」

 

バーゼ「バーゼからは安全ピンー!!」

 

迅雷「自分からはゴザの端っこだ!!」

 

轟雷「私からはこれを」

 

 

 

そう言って彼女はいつぞやの熊のぬいぐるみをプレゼントする。

 

 

 

バーゼ「あれ?それって轟雷の部屋が殺風景だったからって置いたクマちゃんじゃない?」

 

轟雷「えぇ。ですがやはり私の部屋には合いませんので。今はウルフからもらったこれで十分です」

 

 

 

そう言って私が渡した金属性の花を見せる。

 

どうやらいつも綺麗に手入れしているようだ。

 

 

 

スティ子「ちょっと何よみんな、使えない物ばかりじゃない!!はい、私からはこれ!!」

 

シロ「なぁにこれ?」

 

スティ子「何って、なんでも収納棚よ?」

 

クロ「DIYで調子に乗って作ったのはいいけど、別に無くても良かったんじゃないかって思ってるんじゃない?」

 

スティ子「ち、違うわよ!!ちゃんとアーキテクトのイメージで作ったんだから!!」

 

シロ「ふーん、それってどんなイメージ?」

 

スティ子「え、えっと‥‥‥それは‥‥‥」

 

轟雷「あ、ではこうしたらいいのでは?」

 

FAガール勢『‥‥‥?』

 

 

 

轟雷が何かをしている間に我々も我々なりのプレゼントを渡す。

 

私からは花(造花)を。

 

マークIIは木材の切れ端で作ったクローゼット、ゼロは全員と同じように手作りの衣類を、ダオ兄弟はアクセサリーをプレゼントした。

 

 

 

轟雷「全てのプレゼントが融合しました!!」

 

スティ子「轟雷のセンスって謎‥‥‥」

 

アーキ「状況把握」

 

シロ「あら、アーキテクトちゃんがやっと反応したわ」

 

アーキ「住居環境、完璧」

 

スティ子「意外なコメントっ!?」

 

轟雷「良かったです!!」

 

 

 

そんな話をしていると、着付けが終わったあおがアーキテクトの部屋を見に来る。

 

 

 

あお「あのー、終わった?アーキテクトの部屋作り」

 

轟雷「はい!!」

 

ウルフ「ついでにセカンドジャイヴの部屋作りも終わったぞ」

 

あお「お、いいねぇ。じゃあちょっと見てくれるかな?一応ちゃんと着れたと思うんだけど」

 

 

 

轟雷たちがあおの手のひらの上に乗り、浴衣を着こなしたあおを見る。

 

我々は机の上によじ登り、遠くから見る。

 

 

 

FAガール勢『おぉー!!』

 

迅雷「浴衣だな!!」

 

あお「うん、そう!!」

 

轟雷「似合ってますよ、あお!!」

 

あお「えへへー」

 

シロ「で、私たちは帯をくるくる引けばいいのかしら?」

 

マークII「良いではないかー良いではないかー、ってか?」

 

シロ「そうそうそんな感じ」

 

あお「それ何処のお殿様‥‥‥?」

 

クロ「じゃあ市中引き回しの刑ごっこでもする?」

 

あお「私が何をしたぁ!?」

 

ウルフ「そんな事はどうでもいい。何が目的だ?」

 

あお「あー、今日は花火大会があるんだよー」

 

轟雷「花火大会‥‥‥?」

 

 

 

 

轟雷は聞き覚えが無いのか、首をかしげる。

 

 

 

あお「あれ、轟雷知らないの?花火大会」

 

轟雷「知識としてはあります。が、経験はありません」

 

スティ子「ま、あおみたいに浮かれぽんちんになるもんじゃないわよね」

 

あお「浮かれぽんちん!?」

 

マークII「何が浮いてるんですかねぇ」

 

ゼロ「おい馬鹿やめろ」

 

あお「というかみんな知らないの花火大会!?マジかぁ‥‥‥あ、バーゼは?バーゼははしゃぐと思ったんだけど‥‥‥」

 

バーゼ「あんまり興味無い!!だってバーゼの方が大きな花火撃てるもん!!」

 

ゼロ「それ、ただのマズルフラッシュな‥‥‥」

 

ウルフ「あるいはグレネードだな」

 

 

 

 

テーブルの上に轟雷たちを降ろすあお。

 

我々もテーブルの上に集合する。

 

 

 

 

轟雷「あおは花火大会をとても楽しみにしているのですね」

 

あお「そうだよ‥‥‥」

 

ウルフ「元マスターを呼ばないのか?その方がもっと楽しめると思うのだが」

 

あお「あーダメダメ。浩太兄さんに電話かけても最近繋がらないもん」

 

ウルフ「そうか‥‥‥」

 

迅雷「さて、ところであお?お主下着を着けてはいまいな?」

 

あお「‥‥‥はい?」

 

ウルフ「突然どうしたのだ?」

 

迅雷「下着、だ」

 

シロ「ブラジャーと」

 

クロ「パンティーね」

 

マークII「えーと、ちょっと自重しような?」

 

あお「普通に着けてるけど‥‥‥どうかしたの?」

 

 

 

すると突然迅雷がわなわなと震えだし、こう言い放った。

 

 

 

迅雷「なんと!?着物を美しく着るには凹凸を強調する西洋の下着ではダメだっ!!今すぐ脱げっ、肌襦袢を着用しろっ!!」

 

バルチャー「おい迅雷落ち着けって」

 

迅雷「今すぐ脱げと言っている!!」

 

あお「いやいやそんな本気じゃないし‥‥‥」

 

迅雷「今から火薬飛び交う場に飛び込むという者が何を抜かしている!!戦を甘く見るな、怪我をするぞ!!」

 

バルチャー「だから落ち着けって迅雷」

 

迅雷「いいや今回ばかりは師匠にも止められん!!」

 

 

 

次の瞬間、迅雷があおの着物の中に入っていった。

 

そして。

 

 

 

あお「ーっ!?」

 

マークII「‥‥‥えーと、あおちゃん?どうした?」

 

あお「じ、迅雷がパンツ斬ったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ゼロ「ぶっ!!」

 

セカンド「oh‥‥‥」

 

マークII「おわぁ‥‥‥」

 

スティ子「ちょっと迅雷!?」

 

シロ「あらあら」

 

クロ「まぁまぁ」

 

シロ・クロ「「なんだか楽しそうな展開‥‥‥!!」」

 

マークII「やったね薄い本が分厚くなるよ」

 

ゼロ「やめろってんだバカタレが」

 

迅雷「よく聞け皆の者!!あおは今から戦場に向かうというのに正しい武装を拒否しているっ‥‥‥!!このままではあおが討ち取られてしまうぞ!!」

 

あお「いやいやいや花火大会そんなに危なくないから!?」

 

ゼロ「少し考え直せ迅雷、まだ間に合う!!」

 

迅雷「一銭を笑う者は一銭に泣くぞ!!」

 

シロ「そうねぇ、そんなんだからいつまで経ってもパーツの組み立てを間違えたりするんだわ~‥‥‥」

 

クロ「轟雷ちゃんのためにもここはビシッとおしおきしなくっちゃ」

 

あお「待って待って‥‥‥今何かされるとパンツが‥‥‥!!」

 

スティ子「あお、とりあえず隠れて!!アンタ達は轟雷の所に!!」

 

FA勢『い、イェッサー!!』

 

轟雷「あお、私はどうすれば!?」

 

あお「とりあえずパンツ!!新しいパンツ持ってきて!!」

 

轟雷「わかりました!!」

 

迅雷「はぁっ!!」

 

 

 

迅雷が襲い掛かるが、バルチャーが防ぐ。

 

 

 

バルチャー「この馬鹿弟子がぁ‥‥‥お前はいっちょんしばかにゃならんようだ‥‥‥!!」

 

迅雷「ふっ、いくら師匠でも今回の私は止められん!!」

 

 

 

その頃、便所。

 

スティレットとあお、私が避難していた。

 

何故私が駆り出されたかというと、護衛のためらしい。

 

 

 

スティ子「ふぅ‥‥‥まったく迅雷ったら変な所でガンコなんだから‥‥‥シロとクロも悪乗りし過ぎよね」

 

ウルフ「あお、無事か?」

 

あお「無事じゃないよ‥‥‥」

 

 

 

数分後、扉を開けると部屋が暗くなっていた。

 

恐らく照明がやられたのだろう。

 

 

 

あお「轟雷‥‥‥?」

 

轟雷「あお‥‥‥」

 

あお「あ、新しいパンツは?」

 

轟雷「それが‥‥‥」

 

あお「え、何?どうしたの?」

 

ウルフ「‥‥‥まさか」

 

アーキ「下着、確保失敗。全滅」

 

あお「へっ?」

 

 

 

 

クローゼットを見ると、釘が打たれ、接着剤の影響で完全に開けられなくなってしまっていた。

 

 

 

あお「うっそーん‥‥‥」

 

クロ「いい仕事するわねぇ、接着剤」

 

シロ「カチカチね」

 

バーゼ「キラキラな釘でクローゼットもキラキラだよー!!いぇーい!!」

 

迅雷「これでもう下着が履けんな!!」

 

ゼロ「悪い‥‥‥止められなかった‥‥‥」

 

あお「なんだろう、この脱力感‥‥‥」

 

 

 

脱力感に呆けていたその時。

 

なんと間が悪い事か、花火がはじける音が聞こえてきてしまった。

 

 

 

あお「え、うわっ!!始まっちゃった!!花火大会が、みんなとの夏の思い出が‥‥‥!!」

 

轟雷「‥‥‥え?みんなとの夏の思い出‥‥‥?」

 

あお「だってさ、夏休みの始めに計画してた海も行けてないし‥‥‥おつかいでは大変な思いをさせちゃったし‥‥‥みんなで花火大会に行って、パーッと楽しい思い出を作ろうと思ってたんだよ‥‥‥」

 

 

 

花火の音が聞こえながら彼女が語ったため、悲壮感が否めない。

 

 

 

迅雷「な、なんと‥‥‥!!」

 

スティ子「そうだったのね‥‥‥」

 

轟雷「ごめんなさい、あお‥‥‥」

 

スティ子「で、でもほら!!花火なら部屋からでも見えるじゃない、ね?」

 

あお「部屋の中で見る花火は花火じゃないもん‥‥‥」

 

 

 

直後、インターホンが鳴らされる。

 

誰か来客か?

 

すぐにあおが出る。

 

 

 

あお「あぁ、こんばんは‥‥‥」

 

スティ子「あの背中、かなりしょぼくれてるわね」

 

轟雷「えぇ‥‥‥見てて辛いです‥‥‥」

 

シロ「轟雷ちゃんはまだマシよ」

 

クロ「シロお姉様の言う通りよ。私たち迅雷ちゃんの言葉を真に受けて少し悪乗りし過ぎたわ」

 

 

 

すると迅雷の内面では、およそ100グラムの重りが落ちる。

 

精神錯乱まで十秒前。

 

 

 

シロ「そうねぇ、迅雷ちゃんに唆されて」

 

 

 

さらに迅雷の内面で100グラムの重りが落ちる。

 

精神錯乱まで五秒前。

 

 

 

クロ「あおちゃんを傷つけてしまったわ」

 

 

 

最終的に迅雷の内面ではおよそ300グラムの重りが落ちる。

 

精神錯乱まで三秒前。

 

 

 

マークII「あげくの果てにゃあおちゃんのクローゼットを接着剤でカチカチに固めちまうしなぁ」

 

 

 

プラス500グラムの重りが落ちる。

 

精神錯乱まもなく。

 

 

 

迅雷「う、うぅ‥‥‥うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!あお殿への償いを!!」

 

バーゼ「迅雷が切腹しようとしてるーっ!!」

 

スティ子「ちょっとぉ!?ダメダメ!!」

 

轟雷「は、早まってはいけません!!他に方法があるはずです!!」

 

バルチャー「こんの馬鹿弟子がぁ!!」

 

 

 

バルチャーが寸でのところで迅雷を殴り飛ばす。

 

結構飛んだ。

 

 

 

迅雷「し、師匠‥‥‥!!」

 

バルチャー「だぁから貴様は馬鹿なのだぁ!!」

 

迅雷「‥‥‥っ、すみません‥‥‥!!」

 

マークII「え、あれだけで通じんの?」

 

ゼロ「師弟関係だから出来るんじゃ?」

 

マークII「あ、納得」

 

 

 

その直後、あおが嬉々として部屋に戻ってくる。

 

 

 

あお「いぃやっほぉぉぉう!!」

 

アーキ「‥‥‥?」

 

あお「管理人さんからこれもらったー!!あとね、今日だけ特別に屋上に上がって花火見ていいってー!!」

 

ウルフ「(なんとかなったようだな‥‥‥)」

 

 

 

 

その数分後、みんなで屋上に上がって花火を見る。

 

やはり花火というのはいい物だ。

 

 

 

バーゼ「これなぁに?」

 

アーキ「学習モード‥‥‥ウド焼きそば。データ取得完了‥‥‥立川名産、東京ウドと焼きそばが出会って完成した奇跡のメニュー」

 

バーゼ「へー」

 

マークII「いやぁしっかし綺麗に散るもんだなー」

 

ゼロ「というか俺たちいつも見てないか?」

 

ジィダオ「戦場で、か」

 

レイダオ「そうだね。まぁ散るのは敵の機体か自軍の機体だけどね」

 

あお「たーまやー!!かーぎやー!!」

 

スティ子「花火大会なんて興味なかったけど‥‥‥」

 

迅雷「危険な物ではなかったのだな。美しい」

 

あお「でしょ?」

 

轟雷「これが‥‥‥花火‥‥‥」

 

あお「あのね轟雷?」

 

轟雷「はい?」

 

あお「火花のキラキラを目で見て、ドーンッて音を聞いて、風に乗ってくるかすかな火薬の匂いを嗅いで、夏の暑さを肌で感じて、屋台の美味しい食べ物を食べる。これが花火大会!!花火は五感で楽しむものなんだよ?」

 

轟雷「なるほど。先ほどあおが言っていた"部屋の中で見る花火は花火じゃない"というのはそういう事だったのですね?」

 

あお「あ、でも轟雷たちはご飯食べないから‥‥‥四感かな?」

 

轟雷「‥‥‥いえ」

 

あお「ん?」

 

轟雷「私たちでも五感です。そして、彼らも」

 

ウルフ「私は四感でいいのだが?」

 

轟雷「細かい事は無しですよ、ウルフ。目で見て、音を聞いて、匂いを嗅いで、先ほどまであおの悲しい顔を見て痛んでいた胸がドキドキして、ワクワクします!!」

 

あお「そっか。ウルフは?」

 

ウルフ「‥‥‥俺は戦闘特化型だ。だが、轟雷の証言と同じ意見だ」

 

あお「ふーん。戦闘特化型‥‥‥だっけ?そんなの気にしなくていいんだよ?私と一緒に住んでる間は家族みたいなもんなんだから」

 

ウルフ「‥‥‥あぁ」

 

轟雷「さて、花火の夜は楽しいと感じています!!花火大会の楽しみ方、これで合ってます?」

 

あお「うん、ばっちし!!」

 

 

 

するとマテリア姉妹が突然ニヤリと口角をあげる。

 

何を企んでいるのかよくわからん。

 

 

 

クロ「ふーん、あおちゃんは肌で感じてるんだ~」

 

あお「え、うん?」

 

シロ「いつもより布面積少ないものね。うふふ」

 

クロ「それは敏感よねぇ~」

 

 

 

そう言って彼女ら姉妹はあおの尻を触る。

 

セクハラで訴えられるぞ?

 

 

 

あお「ひゃあうっ!?」

 

ゼロ「ぶうっ!?」

 

マークII「お、おいゼロ!?しっかりしろ!!え、衛生兵、衛生兵ー!!」

 

あお「‥‥‥普通にノーパンでお外出ちゃった‥‥‥って明日のパンツどうしよう!?」

 

シロ「ノーパンでいいでしょ?」

 

あお「嫌だよ!?」

 

クロ「他には無いとびっきりの夏の思い出、出来ちゃうじゃない」

 

あお「嫌だってば!!うわぁーどうしようー!!」

 

 

 

 

ちなみにこの日の深夜、我々FA部隊がバレないように釘と接着剤の撤去作業を行った。

 

ただ、我々が寝られたのは翌日の6時である。

 

 

 

 

あお「おはよー、ってあれ?いつの間にか直ってる?というかなんでウルフたちはこんな所で寝てるの?」

 

轟雷「さぁ‥‥‥?」

 

 

 

 

正直言って限界である‥‥‥。

 

 




次回、『学校への潜入任務』をお送りします。

お楽しみに。

では、次回の更新で。

感想、質問等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『学校への潜入任務』

うわーいやっとオーダーミッションのラスボス倒せたー‥‥‥!!

ゾディアックが強すぎる。

ん?どうやって勝ったって?

オトキャタンクでゴリ押し、これで勝つる。

では、どうぞ。


 

『学校への潜入任務』

 

 

 

システムチェック

 

オールグリーン

 

アクチュエータ問題無し

 

カメラアイ正常稼動確認

 

スペクターシステムダウンロード完了

 

‥‥‥起動

 

 

 

 

ウルフ「‥‥‥?なんだ?今のシステムには見覚えが無いな‥‥‥」

 

マークII「おーいどうしたー?」

 

ウルフ「いや‥‥‥なんでもない」

 

マークII「そうか?」

 

 

 

 

八月三十一日。

 

それは夏休み最終日。

 

それは終わらぬ宿題をやらねばならぬ日。

 

というのを元マスターから聞いたことがある。

 

なんでもあおは面倒事を最後に回しやすく、毎年夏休みの最終日はヒィヒィ言っていたとか。

 

宿題というのは毎日コツコツやるものではないのか?

 

まぁ、そんなこんなで今あおは不在。

 

何故なら宿題を終わらせるために彼女の友人、寿 武希子の家にFAガールたちには"合宿"という名目で行っているからだ。

 

そのため、こんな深夜になっても帰ってこない。

 

どれだけ溜めていたんだ‥‥‥。

 

 

 

轟雷「8月31日は他の日と何が違うのでしょう?それに何故あおは武希子の家に行ってしまったのでしょう?」

 

スティ子「私たちには"合宿"って言ってたわね。ホント人間って訳わかんない。30日も31日も同じじゃないのよ」

 

バーゼ「にゃははー、あおったら凄い顔してたもんねー!!」

 

シロ「でも、たまにはマスターがいない家もいい感じ」

 

クロ「イタズラしちゃう?」

 

迅雷「くだらん、いつも通り過ごすのみだ」

 

ゼロ「合宿、ねぇ。まぁ確かに合宿っぽくなるな」

 

マークII「あんだけ溜めてりゃあな」

 

轟雷「溜めていた?あおは何を溜めていたのですか?」

 

ゼロ「宿題、ってやつ。まぁ簡単に言えば夏休みにこなさなきゃならないノルマってやつだよ」

 

轟雷「なるほど‥‥‥つまりあおはサボっていたのですか?」

 

マークII「ま、そういう事になるな」

 

 

 

アーキテクトは充電中。

 

だが、その時充電くんに直接着信がかかる。

 

あおからのようだ。

 

 

 

轟雷「っ!?」

 

迅雷「ん?」

 

スティ子「わっ!?」

 

バーゼ「んぇ?」

 

シロ・クロ「「あら?」」

 

ウルフ「着信、か?」

 

マークII「轟雷ちゃん、出てやってくんね?」

 

轟雷「はい。こちら轟雷です!!」

 

 

 

 

あおからの通信内容はこう。

 

『課題のノートを持ってきてほしい』とのこと。

 

友人の武希子から理由を聞くと、先日の登校日に課題ノートを忘れていってしまったそう。

 

しかも間の悪い事に今手が放せない状況らしい。

 

 

 

 

轟雷「あおの一大事です!!総員出撃しますよ!!」

 

スティ子「え"っ」

 

轟雷「‥‥‥どうしたんですかスティレット?」

 

スティ子「だ、だって夜の学校でしょ‥‥‥?気が進まないというか‥‥‥」

 

迅雷「なんだスティレット、お主怖いのか?」

 

スティ子「こ、怖いとかそういうのじゃないし!!」

 

マークII「わかりやすっ‥‥‥」

 

クロ「私たちはお留守番してるわ」

 

シロ「夜更かしはお肌に悪いもの」

 

バーゼ「バーゼもお家にいるー‥‥‥もう眠いや‥‥‥」

 

ジィダオ「‥‥‥俺も念のため、待機している」

 

レイダオ「じゃあ僕も」

 

ゼロ「俺も休みたいな。悪いけど」

 

轟雷「ではマテリアとバーゼ、ジィダオにレイダオ、ゼロはしっかり家を守っていてください。残りのメンバーで向かいましょう」

 

スティ子「私も行かなきゃダメなの!?」

 

轟雷「‥‥‥スティレットがそんなに怖がりとは知りませんでした。では、武装していくのはどうでしょうか?恐怖も少しはやわらぐかもしれませんし」

 

スティ子「なに変な気を遣ってんのよ!?別に怖くないけど装甲は着けていってもいいわよ‥‥‥うん、装甲は着けていってもいいわよ‥‥‥」

 

マークII「大事な事なので二回言いました」

 

スティ子「やかましいっ!!でもあくまでデータを取るためなんだからね!!」

 

迅雷「うむ、今宵は十三夜の月‥‥‥夜戦修練か!!腕が鳴るな!!」

 

アーキ「了解」

 

 

 

今回の装備は通常のウェアウルフフレーム。

 

彼女らも装甲パーツを装着する。

 

 

 

轟雷「こんばんサマー!!」

 

スティ子「まさかのサマー!!」

 

迅雷「鉞担いだお嬢様ーっ!!」

 

マークII「毎度毎度思うんだけどよ、その掛け声何ぞ?」

 

轟雷「あ、なんか自然と出ちゃうんですよ」

 

マークII「自然なんかい」

 

轟雷「では、出動です!!」

 

 

 

そして数十分後。

 

無事に学校に到着したのだが‥‥‥。

 

 

 

スティ子「なんで電気ついてないのよー!?」

 

マークII「やーいビビリー」

 

スティ子「やかましいっ!!」

 

マークII「ぶべらっ!?」

 

スティ子「まったく夜でも電気つけなさいよ‥‥‥夜だって授業すればいいじゃない‥‥‥バカなの人間!!」

 

ウルフ「スティレット、それは無茶だ。人間にも活動限界がある。それを超えての活動はハイリスク過ぎる」

 

スティ子「う‥‥‥」

 

轟雷「そうですね。夜はしっかり寝ないと辛いって聞きますから」

 

ウルフ「‥‥‥元マスターはよく夜更かしをしていたがな」

 

スティ子「何やってんのよ‥‥‥」

 

轟雷「さて、ここから段差が多いです。ニー太郎はここで待機を」

 

『タイキスルヨ!!』

 

 

 

そう言って降りた瞬間、彼女は足を滑らせる。

 

だが、アーキテクトが未然に転ぶのを防いだ。

 

 

 

 

轟雷「ありがとうアーキテクト‥‥‥」

 

アーキ「通常のタスク処理」

 

迅雷「どうした?お前らしくないぞ?」

 

轟雷「どうもここの装甲が少し‥‥‥はぁ、大丈夫です。先を急ぎましょう」

 

マークII「‥‥‥ん?」

 

ウルフ「どうした?」

 

マークII「んや、ちょっとな。お前気づかないか?」

 

ウルフ「何にだ?」

 

マークII「轟雷ちゃんの肩周り見てみろ」

 

ウルフ「‥‥‥む?」

 

 

 

 

少々疑問が上がるが、課題ノートを捜索する。

 

次の瞬間、何処かで水音が聞こえてくる。

 

 

 

スティ子「きゃあっ!?」

 

マークII「おわっふぅぅぅぅ!?」

 

 

 

スティレットが驚いた拍子にマークIIに抱きついたようだ。

 

マークIIはかなり驚き、大声を上げる。

 

 

 

迅雷「なんだ、敵襲か!!」

 

バルチャー「チョイサァッ!!」

 

 

 

迅雷が苦無を、バルチャーがナイフを投げるが、バケツにあたる音しかしない。

 

 

 

轟雷「ただの水ですよ?」

 

アーキ「スティレット、迅雷、バルチャー。状況認識に問題有り。リファクタリング」

 

迅雷「いや、確かに何かの気配がしたのだが‥‥‥気のせいか?」

 

バルチャー「そんな事はないはずなんだがなぁ‥‥‥」

 

 

 

さらに次の瞬間。

 

どういう訳か、窓がガタガタと揺れだす。

 

 

 

スティ子「出たーっ!!」

 

マークII「ギャアアアアアッス!!」

 

轟雷「風ですよスティレット」

 

 

 

そしてさらに追い討ちをかけるように非常口付近の照明が点滅しだす。

 

これには流石にスティレットは参り、轟雷の背後に隠れてガタガタと震えている。

 

 

 

スティ子「ノーゴースト!!ナッシングゴースト!!ノーゴーストっ!!」

 

マークII「ち、ちなみに直訳すっと"幽霊無し!!いない幽霊!!"になるぜ‥‥‥!!」

 

バルチャー「いやお前も震えてんのかい」

 

轟雷「手を握っていると安心するとこの間テレビで見ました。よろしければどうぞ」

 

スティ子「なんで私がアンタと手なんか!!しょうがないわね‥‥‥轟雷がそんなに怖いって言うなら握っててあげるわよ‥‥‥」

 

マークII「あー、帰りてぇ‥‥‥!!」

 

バルチャー「お前も大概だな」

 

マークII「う、うるせぇやい!!」

 

轟雷「では二階に行きましょう」

 

 

 

二階へと続く階段を登ろうとしたその時、無数のボールが落下してくる。

 

 

 

迅雷「なっ、避けろ!!」

 

 

 

迅雷の一声で避けるFAガール。

 

だが我々は別の手段で回避する。

 

 

 

ウルフ「ガトリング斉射!!」

 

マークII「回避だ回避!!」

 

轟雷「助かりました‥‥‥迅雷、ありがとう」

 

迅雷「いや、どうも妙な気配を感じたのだ」

 

スティ子「学校っていきなりボールが降ってくるっけ‥‥‥?」

 

アーキ「学習モード‥‥‥ポルターガイスト。データ取得完了」

 

スティ子「いいわよ説明しなくて‥‥‥」

 

轟雷「あおが待ってます。急ぎましょう!!」

 

 

 

 

 

その頃、武希子の家では。

 

 

 

武希子「怪談でごわすー」

 

あお「はぁ‥‥‥?」

 

武希子「む、どうしてそんな事をって顔してるなりねー。何故ならあおの集中力が落ちてるからー。ここは一旦リラックスして、また新たな境地で宿題に取り組む。集中と拡散。それには怪談が一番なりー」

 

あお「そ、そういうものかなぁ?」

 

武希子「んじゃ、早速話すなりー」

 

あお「えー‥‥‥?」

 

 

 

ここから彼女、武希子の話が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥数年前の話なんですけどねぇ、学校に模型部があったのって知ってますかねー?

 

その部に所属していた部員は女生徒一人だけ。

 

そのある日の事なんですが、その日も彼女は模型を作っていましてねぇ。

 

 

 

迅雷「なんだこれは‥‥‥!?」

 

轟雷「これが怪奇現象というものでしょうか‥‥‥?」

 

アーキ「解析困難、スタックオーバーフロー」

 

マークII「チクショウ、チクショウチクショウチクショウ!!何だってんだよぉ!!」

 

セカンド「落ち着け!!冷静になれって!!」

 

 

 

 

‥‥‥少し具合の悪いパーツをぐっ、と押し込んだって言うんですねぇ。

 

すると‥‥‥ボキリ、といっちゃったんですよ。

 

女生徒は無理な力を加えた自分を呪いましてねぇ。

 

でも、本当の恐怖はそこからだったんですよー。

 

折れたパーツに1㎜のピンバイスで穴を開けてそこに真鍮線を差し込み、パチン。

 

ふと嫌な予感がして自分の手元を見るとそこには‥‥‥金属専用ニッパーではなく、究極のプラモデル専用超薄刃ニッパーが握られていたんですねー!!

 

 

 

 

 

バーゼ「にゃははは!!おっかしー!!めちゃ慌ててるー!!」

 

シロ「外に出たら何が起こるかわからないもの」

 

クロ「だから私たちがこうして不測の事態に備えさせてあげてる訳」

 

シロ「それにしても」

 

クロ「あの子たちったら」

 

シロ・クロ「「素敵に無様ねー!!」」

 

ジィダオ「どうなっても俺は知らんぞ‥‥‥」

 

バーゼ「あっ、あのニッパーいい動き!!やるじゃんマテリアお姉ちゃんたち!!」

 

シロ「あら、ニッパー‥‥‥?」

 

バーゼ「ふぇ?」

 

クロ「そんなもの仕込んだかしら?」

 

シロ・クロ・バーゼ『えぇ‥‥‥?』

 

 

 

 

刃の欠けたニッパーはその後使われる事がなくなりましてねぇ。

 

女生徒の卒業で模型部は廃部になったんですねー。

 

そして‥‥‥いつの頃からか夜な夜な校内で切るものを求めてさまようようになったとか‥‥‥。

 

 

 

 

スティ子「何よあれー!?」

 

マークII「何って、どう見てもニッパーじゃねぇか!?」

 

スティ子「そんなもの見たらわかるわよ!!あれよ、あれ!!」

 

轟雷「先ほどから大きな分度器やコンパスがありますから火の出るニッパーがあっても不思議ではないかと!!」

 

迅雷「そういうものか!?」

 

アーキ「バッファオーバーラン」

 

マークII「に、逃げろや逃げろー!!」

 

迅雷「反撃の糸口が見つからん‥‥‥一時撤退するか‥‥‥?」

 

アーキ「プログラム処理途中」

 

スティ子「帰るぅ、私帰るぅ!!」

 

マークII「ん、あ、おいあれ!!あおちゃんのロッカーじゃねぇか!?」

 

 

 

運良くあおのロッカーを見つけた一行。

 

だが、ニッパーが襲いかかってきたため轟雷が受け止める。

 

しかしどういう訳かニッパーは彼女を仰向けに倒し、轟雷の首を斬ったかに思われた。

 

 

 

ウルフ「轟雷ッ!?」

 

スティ子「轟雷!!」

 

迅雷「だ、大丈夫だ!!きっと直せる!!」

 

アーキ「轟雷のデータ、アーカイブからのバックアップ可能」

 

轟雷「い、いえ‥‥‥大丈夫です‥‥‥むしろ肩が軽くなったような‥‥‥」

 

マークII「‥‥‥あー、やっぱりそういう事か」

 

 

 

マークIIが轟雷のそばに落ちていた何かの欠片を拾い上げる。

 

 

 

スティ子「あれ、これって‥‥‥」

 

轟雷「私のパーツの欠片ですね‥‥‥ですが何処も‥‥‥」

 

アーキ「未処理ゲート?」

 

マークII「ま、そういうこった」

 

 

 

その頃、怪談を話していた武希子たちは。

 

 

 

武希子「んで、パーツを切り取る時に残っちゃったでっぱりを"ゲート跡"なんて呼ぶんだけど、それを処理してなかったーって訳だね。みんなもちゃーんと処理しないとダメだよー?」

 

あお「武希子、誰と話してるの?」

 

 

 

 

場面は変わって学校。

 

ようやく解決に向かっていた。

 

 

 

迅雷「もしやこれを切るために?」

 

轟雷「‥‥‥あ、そうです!!あおの課題ノート!!」

 

ウルフ「問題無い。確保したぞ」

 

マークII「あー、早く帰ろうぜ。身がブルッちまってしょうがねぇや」

 

スティ子「賛成、早く帰りたいわホント‥‥‥」

 

迅雷「待て、このニッパーはどうする?」

 

スティ子「うーん、持って帰る?錆を落としたらまだ使えそうだし」

 

アーキ「同意」

 

轟雷「あおへのお土産、もう1つですね!!」

 

 

 

そんなこんなで潜入任務を完遂した我々はすぐに撤退行動に入った。

 

だがその折で、何処からか視線を感じた。

 

気になって振り向いてみるが、誰もいない。

 

 

 

マークII「おーいウルフー?なーにしてんだよー?早く帰ろうぜー」

 

ウルフ「‥‥‥了解した。すぐに向かう」

 

謎の少女「‥‥‥」

 

 

 

あの気配は気のせいだったのだろうか‥‥‥?

 

‥‥‥いや、私はどうも気のせいだと割りきれない。

 

何か、安堵のような目で見られていた気がしてならない‥‥‥。

 

 

 

謎の少女「呪いのニッパー‥‥‥でももしいつか、彼女のニッパーをきちんと使ってくれる人がいれば、切るべき物を切る事が出来れば、その無念は晴らされるのかもしれませんね」

 

 

 

その頃、問題のマテリア姉妹とバーゼらは。

 

 

 

バーゼ「この後は‥‥‥」

 

シロ・クロ「「フルスクラッチラブ‥‥‥」」

 

ジィダオ「解せぬ‥‥‥」

 

レイダオ「同感‥‥‥」

 

 

 

何故か、ぼろぼろになっていた。

 

いったい何があったんだ?

 

 

 




次回、『三人のフレズヴェルク』をお送りします。

お楽しみに。

では、次回の更新で。

感想、質問等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『三人のフレズヴェルク』

さて、やっとフレズヴェルク登場。

僕っ娘って可愛いと思うのは自分だけでしょうか‥‥‥。

では、どうぞ。


 

 

『三人のフレズヴェルク』

 

 

 

日本某所にて。

 

一体のFAガールと、二機の戦闘機らしきものが高速で飛んでいた。

 

ただ、FAガールは愚痴をこぼしていたが。

 

 

 

 

フレズ「はぁ‥‥‥なんでお前たちみたいなヤツと行かなきゃならないんだよ‥‥‥だいたい僕一人でもやれるのに」

 

アーテル「‥‥‥未熟。お前のその過信は後に命取りになる」

 

フレズ「うるさい!!お前たちは黙って僕についてくればそれでいいの!!」

 

アーテル「‥‥‥了解」

 

ヴェルク「‥‥‥」

 

 

 

その頃、あおの自宅。

 

あおは制服を着て学校へ行こうとする。

 

 

 

ウルフ「忘れ物は無いか?」

 

あお「あはは、大丈夫だよー。もう小学生とかじゃないんだからさ」

 

マークII「ならいいけどよ。ま、気ぃつけて行ってきな」

 

あお「うん、じゃあ留守番よろしくね?」

 

ゼロ「わかった。じゃ、行ってらっしゃい」

 

あお「はーい、行ってきます」

 

 

 

 

そうして彼女は扉の鍵を閉め、外出する。

 

今回の我々FAの任務は防衛。

 

つまり不審な物、あるいは人物が来た場合は丁重にお帰りいただこう。

 

さて、彼女らの様子を見に行くか。

 

 

 

轟雷「じゃーんけーん‥‥‥」

 

FAガール勢『ぽんっ!!』

 

シロ「あら、勝っちゃった。それじゃあ私がオニね。見つけた子は好きにいたぶっていいのよね?」

 

スティ子「ちょっと待って!?かくれんぼってそういうルールじゃないでしょ!?」

 

クロ「オニが隠れた子を見つけて、"見つけた"って言いながら相手の体にタッチ。タッチの加減は優しくても激しくてもお好みで」

 

シロ「あら、そういう事」

 

スティ子「どういう事よ!?」

 

シロ「まぁいいじゃない。それじゃ、カウントするわよ」

 

轟雷「では、隠れましょう!!」

 

アーキ「了解」

 

 

 

 

‥‥‥隠密任務か?

 

あるいはアンブッシュ(待ち伏せ)の訓練か?

 

 

 

 

バーゼ「なんか見つかるだけでヤバそう!!にゃははは!!」

 

シロ「(あぁ‥‥‥みんなが私を恐れてあわてふためいている‥‥‥良い、凄く良いわ‥‥‥!!)」

 

 

 

彼女らのアンブッシュ位置を確認する。

 

轟雷はベッドの真下、迅雷はソファーの上のクッションの裏。

 

スティレットとバーゼラルドは照明の裏にアンブッシュしたようだ。

 

 

 

轟雷「(あおの留守の間、時間を潰せると思って気軽に提案したけれど‥‥‥)」

 

迅雷「(このかくれんぼで我々は大事な何かを失う‥‥‥そんな気がする‥‥‥!!)」

 

スティ子「音を立てないように‥‥‥」

 

アーキ「(全機能、停止‥‥‥)」

 

シロ「‥‥‥10。もういいかーい?」

 

クロ「もういいよー」

 

スティ子・バーゼ「「ッ!?」」

 

シロ「あら、見ーつけた」

 

クロ「見つかっちゃった。それじゃ、みんなを探しましょうか」

 

轟・スティ・迅・バーゼ『(いきなりオニが二人になった!?)』

 

 

 

‥‥‥どうやら狙いは二人で探すためらしい。

 

なかなかの曲者だな、マテリア姉妹は。

 

 

 

轟雷「(二人が動いてこない‥‥‥?なら、ここから逃げる‥‥‥)」

 

シロ「きっとこの下に誰かがウジ虫のように這いずっているはずね」

 

クロ「どうやって見つける?」

 

轟雷「(‥‥‥ふぅ、なんとか脱出できた‥‥‥)」

 

バーゼ「あ、轟雷が危険を察知して逃げようとしてるー‥‥‥にゃあっ!?」

 

 

 

無用心にもバーゼラルドは照明の裏から顔を出し、轟雷を見つけたが、手を滑らせてしまう。

 

そしてそのまま真っ逆さまに落ちたようだ。

 

 

 

バーゼ「にゃああああああ!!!?」

 

 

 

真っ逆さまに落ちた先は運が悪い事にクロの上。

 

案の定見つかってしまったようだ。

 

 

 

バーゼ「‥‥‥はっ!!」

 

シロ「バーゼちゃん、見ーつけた♡」

 

スティ子「(何やってんのよバーゼ‥‥‥)」

 

 

 

それから数分後。

 

またやるようで、今度のオニはバーゼラルドらしい。

 

先ほどと同じように隠れたようだが、なんとバーゼラルドはスレイプニー太郎を用いて豪快に探し始める。

 

様々な作戦で轟雷たちを誘き寄せようとするが、上手くいかない。

 

そしてそのまま、バーゼラルドはスレイプニー太郎の上で睡眠活動を始めてしまった。

 

 

 

 

ウルフ「ふふ、見ていて飽きんな」

 

マークII「あぁ。やっぱ可愛いもんだ」

 

ゼロ「どうする?茶でも飲むか?」

 

ウルフ「どうやって飲むというのだ?」

 

ゼロ「いや、元マスターの事だしそういう機能も付いてるぞ?まぁ端から見たら飲み物が"ふっ"と消えてるようにしか見えないけどな」

 

マークII「うわすげぇ」

 

 

 

そうしてゼロはFAサイズのカップを持ち出し、休憩に入る。

 

‥‥‥なかなか美味いな、このコーヒー。

 

休憩に入っていた我々に、セカンドジャイヴが慌てた様子でこちらにやってきた。

 

いったい何があったんだ?

 

 

 

セカンド「お前ら休憩してる場合じゃねぇぞ!!未確認飛行物体がこっちに接近してる!!しかも三機!!」

 

ウルフ「‥‥‥!!」

 

マークII「しゃあねぇなぁ‥‥‥」

 

ゼロ「このまま警戒体制を維持。迎え撃とう」

 

ウルフ「了解。武装確認怠るなよ」

 

 

 

セカンドジャイヴの報告により警戒を強化。

 

そして、その時が来たようだ。

 

 

 

フレズ「轟雷、バトルするよ!!‥‥‥ってあれ?おーい、轟雷いないのー?」

 

轟雷「聞いた事の無い声‥‥‥?」

 

アーキ「分析完了‥‥‥ノーデータ。合成音声と推測」

 

轟雷「まさか新しいFAガール‥‥‥?」

 

フレズ「うーんと、何人かいる。でもなんで出てこないんだ?‥‥‥あ、わかった!!僕に恐れをなして隠れているんだな!!」

 

 

 

‥‥‥どうやらただの馬鹿らしい。

 

我々のテリトリーに侵入しておいて大声で自分の居場所をアピールするとは‥‥‥愚かな。

 

私は仲間に"敵発見、確保開始せよ"と通信を送る。

 

そして、閃光弾を発射する。

 

 

 

フレズ「ーーーッ!?」

 

 

 

パーンッ、という甲高い音と共に閃光を放つ。

 

 

 

ウルフ「ムーブ!!」

 

マークII「取り囲め!!」

 

ゼロ「ターゲット確認!!」

 

ジィダオ「貴様、何処の所属だ?」

 

レイダオ「返答次第で君がどうなるか、わかるね?」

 

 

 

彼女は最初は驚いた素振りを見せたが、すぐに冷静さを取り戻す。

 

 

 

フレズ「へぇ‥‥‥お前らを倒さないと轟雷に会えないって訳か。なら、お前ら全員倒してやる!!」

 

ウルフ「こちらの質問に答えてほしいものだな」

 

フレズ「誰がお前みたいなヤツに僕の事を教えなきゃダメなんだよ。一応言っとくけど僕、強いよ」

 

ウルフ「その慢心でよく生き残れてこれたな、小娘」

 

フレズ「お前‥‥‥むかつくなぁ!!」

 

 

 

いきなり飛びかかってくる彼女。

 

私は冷静にナイフを構え、反撃する。

 

 

 

ウルフ「‥‥‥」

 

フレズ「この‥‥‥!!」

 

轟雷「ウルフ、無事ですか!?」

 

ウルフ「轟雷‥‥‥!?」

 

 

 

相対する我々の間に割って入ったのは轟雷だった。

 

 

 

フレズ「あ、轟雷見っけ!!」

 

ウルフ「‥‥‥知り合いか?」

 

轟雷「いえ‥‥‥貴女は誰ですか?」

 

フレズ「ふん、僕はフレズヴェルク!!最強のFAガールだ!!」

 

アーキ「最強‥‥‥」

 

轟雷「フレズヴェルク‥‥‥」

 

フレズ「会社に言われて、お前の負けのデータを取りに来た!!」

 

轟雷「私の‥‥‥負け?」

 

フレズ「こいつら全員轟雷に負けたんでしょ?ぷぷ、情けなー!!」

 

スティ子「なっ!?」

 

迅雷「貴様ずいぶんと無礼極まり無い物言いだな!!」

 

フレズ「負け犬に用は無いよ!!轟雷、僕がめちゃんこにやっつけてあげる!!」

 

マークII「テメェ‥‥‥いい加減にしやがれ!!」

 

 

 

マークIIがクレイドルの機関砲を発砲する、が。

 

突如何かが現れ、銃弾を弾き返して見せた。

 

 

 

マークII「なんだこいつら‥‥‥!!」

 

フレズ「あ、やっと来たんだ。お兄ちゃん」

 

 

 

突如現れた二体のFA。

 

どちらも似たような機体だが、カラーリングが白と青である。

 

 

 

ヴェルク「我が名はフレズヴェルク」

 

アーテル「同じくフレズヴェルク-アーテル」

 

轟雷「フレズヴェルクが二体‥‥‥!?」

 

ウルフ「‥‥‥いや、正確には三体だ」

 

フレズ「そういう事。轟雷はともかく、そこのお前。お前はグシャグシャにぶっ壊してやらないと僕の気が済まない。だからお前も僕と戦え!!」

 

ウルフ「‥‥‥良いだろう」

 

セカンド「おい大丈夫かよ‥‥‥?」

 

ウルフ「問題無い。轟雷、覚悟はいいか?」

 

轟雷「元よりそのつもりです!!」

 

スティ子「轟雷!!ウルフ!!」

 

シロ「めちゃんこにっ!!」

 

クロ「壊してやりなさいなっ!!」

 

 

 

 

セッションベース設置後、装備を整えベースの上に乗る。

 

我々が二人に対し、相手は三体。

 

分が悪いが、そういう分の悪い賭けは嫌いじゃない。

 

 

 

 

轟雷「轟雷!!」

 

フレズ「フレズヴェルク!!」

 

ウルフ「ウェアウルフ」

 

ヴェルク「フレズヴェルク」

 

アーテル「フレズヴェルク-アーテル」

 

轟雷・フレズ『フレームアームズ・ガール、セッション!!』

 

ウルフ・ヴェルク・アーテル『フレームアームズ、セッション』

 

轟雷「Go!!」

 

フレズ「ばっちこーい!!」

 

ウルフ「出撃する!!」

 

ヴェルク・アーテル『排除、開始』

 

 

 

各機装甲を装着、及び武装する。

 

 

 

フレズ「ぶっ飛ばすぞー!!ぶん回すぞー!!んでもって、ピカピカドッカンの僕のビクトリー!!」

 

轟雷「私のプライド、目覚めました!!」

 

ウルフ「私には、戦う理由がここにある!!」

 

ヴェルク「アントの科学力の結晶、それが我々フレズヴェルクだ」

 

 

 

今回の戦場は砂漠地帯のようだ。

 

足元が掬われやすい不安定な地形が特徴。

 

この地形でどう立ち回るかが戦闘の鍵となる。

 

だが、我々は飛行能力が皆無なため必然的に対空防御する形になる。

 

だが、対空防御をしても我々の弾が掠りもしない。

 

 

 

フレズ「遅い遅いっ!!」

 

轟雷「速すぎる‥‥‥追いつけない!!」

 

ウルフ「轟雷、下がれ」

 

 

 

私の肩部コンテナから空中機雷を散布する。

 

追いつけないのなら、こちらから待ち伏せして罠を仕掛ければ良いのだ。

 

 

 

フレズ「あはは!!そんな見え見えの罠に引っかかるとでも思ったの!?」

 

轟雷「ウルフ、次の手は!?」

 

ウルフ「ある」

 

 

 

フレズヴェルクがベリルショットを用いて機雷を破壊する。

 

だが私の散布した機雷は爆発系ではなく、スモークチャフだ。

 

 

 

フレズ「ッ!!」

 

ヴェルク「下がれ」

 

 

 

フレズヴェルクが彼女を強引に後ろに下がらせ、ベリルショットによる牽制を仕掛けてくる。

 

だが、私には想定内だ。

 

 

 

ウルフ「食らえっ‥‥‥!!」

 

 

 

専用ソードで突くが、手応えが無い。

 

避けられたか。

 

なら、斬り返す。

 

 

 

ウルフ「ぬんっ‥‥‥!!」

 

ヴェルク「甘い‥‥‥!!」

 

アーテル「我がいる事を忘れるな」

 

ウルフ「ッ!!」

 

 

 

フレズヴェルク-アーテルのサイズにより、背部コンテナがやられる。

 

マズイ‥‥‥!!

 

轟雷は大丈夫なのか‥‥‥?

 

 

 

フレズ「それっ!!」

 

轟雷「あぁっ!!」

 

フレズ「ちょっとー。頑丈さが取り柄じゃなかったの?轟雷!!」

 

轟雷「くっ‥‥‥!!」

 

 

 

マズイ、これでは共倒れだ‥‥‥!!

 

彼女の方に余所見していた瞬間、フレズヴェルクに蹴り飛ばされる。

 

 

 

ウルフ「ぐぅあっ!!」

 

ヴェルク「戦場で余所見とはな」

 

アーテル「相方の心配より自分の心配をしたらどうだ?」

 

 

 

蹴り飛ばされた勢いで轟雷の元へ。

 

ここで‥‥‥終わり‥‥‥?

 

 

 

フレズ「まとめて終わりにしてやる!!ベリルショットランチャー、トルネードタイフーン・サイクロンスラッシュッ!!」

 

轟雷「あ‥‥‥!!」

 

ウルフ「‥‥‥ッ!!」

 

 

 

‥‥‥直撃。

 

彼女の渾身の一撃で沈んだ。

 

意識が薄れる。

 

ダメだ。

 

このままでは、私が"私"でなくなってしまう。

 

直接ではわからなくても、このぞわっとした感覚が、恐れている。

 

ダメだ‥‥‥。

 

ダメ‥‥‥だ‥‥‥。

 

‥‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

《Specter-System Active》

 

system all-green.

 

Target Eliminate start.

 

 

 

 

 

フレズ「ふぅ‥‥‥ん?なんだ‥‥‥この、嫌な感じは‥‥‥」

 

ヴェルク「ターゲット、再起動確認」

 

アーテル「馬鹿な‥‥‥有り得ん!!」

 

 

 

 

この、感覚は何だ?

 

まるで、今までの感覚が偽りだと錯覚してしまう程のこの感覚は?

 

‥‥‥そうか。

 

そう、だったのか。

 

私は、いや"俺"は"こういう"存在だったのだ。

 

懐かしい記憶が蘇る。

 

そうだ。

 

俺は源内浩太によって作られた最高傑作品。

 

そして、"失敗作"。

 

俺は"対FA"のコンセプトで作られた、史上最高の傑作品で、失敗作だった。

 

システムが安定せず、暴走ばかり起こしていた。

 

それに見かねた元マスターは俺のシステムを凍結、"私"とした。

 

そして、思い出させないためにここに送られた。

 

だが、"私"が"俺"に目覚めた時、俺は自分のやらねばならない事を思い出した。

 

‥‥‥そうだ。

 

奴らを‥‥‥"コワス"。

 

 

 

 

ヴェルク「形態変化を確認‥‥‥なんだアレは‥‥‥」

 

フレズ「また起動したなら、またやっつければいい!!」

 

 

 

 

フレズヴェルクと彼女が接近してくる。

 

フレズヴェルクがベリルショットで斬りかかろうとする。

 

ならばどうするべきだ。

 

簡単な事だ。

 

片手に握ったソードを振るう。

 

スパッ、と豆腐を切るようにフレズヴェルクの右腕を斬り落とす。

 

 

 

ヴェルク「ぬっ‥‥‥!?」

 

フレズ「反応が速い!?」

 

ヴェルク「くっ、だが!!」

 

 

 

フレズヴェルクは距離を置こうとする。

 

逃がさない。

 

左肩にマウントされた六七式・長射程電磁誘導型実体弾射出器を展開、射撃する。

 

実体弾はフレズヴェルクの右肩に直撃する。

 

 

 

ヴェルク「ぐぅっ‥‥‥!?」

 

アーテル「退け!!今のヤツの能力は未知数だ!!」

 

フレズ「わかってるよ!!」

 

 

 

奴らを、壊す。

 

壊すために動く。

 

完膚無きまでに、壊すために。

 

 

 

 

 

《Attention》

 

system overheated.

 

system shutdown count for 10 seconds left.

 

5 seconds left.

 

4,3,2,1,0‥‥‥.

 

 

system shut down.

 

 

 

 

 

ウルフ「‥‥‥ッ!?」

 

フレズ「え、何?急に動かなくなっちゃったよ?」

 

ヴェルク「‥‥‥あれは、まさか‥‥‥」

 

アーテル「一時撤退すべきだ。行くぞ」

 

フレズ「‥‥‥ま、楽しかったよ轟雷。また遊ぼうね!!」

 

 

 

 

そう言って、奴らは撤退していった。

 

どうやら戦っている最中にあおはもう帰ってきていたようだ。

 

 

 

あお「轟雷‥‥‥」

 

轟雷「‥‥‥」

 

バーゼ「あ、みんな見っけ!!‥‥‥ってどうしたの?」

 

あお「あ、いや、なんというか‥‥‥」

 

シロ「轟雷ちゃんね‥‥‥」

 

クロ「負けちゃったの‥‥‥」

 

バーゼ「えっ‥‥‥?」

 

マークII「おいウルフ、大丈夫か!?おいって!!」

 

あお「え、そっちはどうしたの?」

 

マークII「ウルフが、動かねぇんだ!!」

 

スティ子「えぇっ!?」

 

ゼロ「ジィダオ、アーキテクト。何かわかったか?」

 

ジィダオ「あぁ。このシステムログを見てくれ」

 

アーキ「不明なシステム起動検知。現在再起動準備中と見られる。恐らく原因はその不明なシステム起動によるもの」

 

轟雷「‥‥‥ウルフ‥‥‥?」

 

 

 

 

 

轟雷が問いかけるが、ウルフからは返答はなかった。

 

 

 

 




次回、『FAガールはじめて物語』と『スペクターシステムに関する考察(短め)』をお送りします。

お楽しみに。

‥‥‥ってかついにやっちゃったよ。

どうなる事やら。

では、次回の更新で。

感想、質問等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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『スペクターシステムに関する考察』

えー、今回訳あって考察だけです。
すみません。

お話は現在進行形で書いてますんでお許しくださいっ!!

という訳で、どうぞ。


 

 

『スペクターシステムに関する考察』

 

 

 

私は轟雷。

 

先日フレズヴェルクに負けてしまいました。

 

ですが、あの時ウルフの体に異変が発生したそうです。

 

あれからというものの、彼は一向に再起動する素振りを見せません。

 

‥‥‥考えたくはありませんが、まさか死んでは‥‥‥。

 

 

 

轟雷「そんな事は、ないですよね‥‥‥?」

 

スティ子「なーにぶつくさ言ってんのよ轟雷」

 

轟雷「ひゃわっ!?」

 

スティ子「あら、珍しいわね。轟雷が考え事に夢中だなんて」

 

轟雷「い、いえ別に‥‥‥」

 

スティ子「アイツの事、気になる?」

 

轟雷「‥‥‥!!」

 

スティ子「はー、やっぱり。そんな思い詰めた顔しなくてもアイツなら大丈夫よ」

 

轟雷「でも、私のせいでウルフは‥‥‥」

 

スティ子「‥‥‥あー、もう!!いつまでもくよくよしてんじゃないわよ轟雷!!」

 

轟雷「ッ!!」

 

スティ子「アイツはアンタのために戦ったの。わかる?なら、この後アンタがすべき事は何?」

 

轟雷「‥‥‥彼の、サポート」

 

スティ子「ほら、ちゃんとわかるじゃない。あとはそれを実行するだけよ、轟雷」

 

轟雷「はい‥‥‥!!」

 

 

 

 

そうですよね。

 

いつまでもくよくよしていたっていいことは一つも無い。

 

なら、私がどうアクションすべきか。

 

もう、答えはわかったはずです。

 

 

 

 

マークII「お、やっと見つけた」

 

スティ子「あら、どうしたの?」

 

マークII「んや、ちょっと‥‥‥あー‥‥‥なんだ、アレだよアレ」

 

スティ子「何よ、歯切れの悪い言い方して」

 

マークII「‥‥‥あぁ、思い出した。ウルフのあのシステム、やっと調べがついたんだ。一度リビングに集まってくれって、ゼロが言ってた」

 

轟雷「あのシステム‥‥‥?」

 

スティ子「‥‥‥まぁ何にせよ聞いてみなきゃわからないわね。行きましょ、轟雷」

 

轟雷「あ、はい」

 

 

 

 

あのシステム、というのはまさかウルフの姿を変えた例のシステムの事でしょうか‥‥‥?

 

とりあえず私はスティレットに連れられてリビングに行きました。

 

リビングのテーブルの上で私たちのサイズのホワイトボードが準備され、アーキテクトとゼルフィカールが何かを書いていました。

 

 

 

ゼロ「‥‥‥お、全員集まったみたいだな」

 

迅雷「それで、我らを呼んだ事にはそれなりの情報があるのだな?」

 

ゼロ「そうだな。まず間違いなくそれなり"以上"の情報だと俺は思う」

 

バーゼ「ねぇねぇ、じゃあ説明してよー」

 

ゼロ「あぁ、わかってる。ただちょっと複雑なんだよなぁ‥‥‥」

 

アーキ「問題無し。私が説明する」

 

ゼロ「おぉ、悪いなアーキテクト。じゃあ頼んでいいか?」

 

アーキ「任せて。じゃあ、説明する」

 

 

 

アーキテクトがホワイトボードにある単語を書き出す。

 

そのホワイトボードに記された単語が《Specter-System》というもの。

 

ここからアーキテクトが説明を始めてくれるみたいです。

 

 

 

アーキ「まず、先日のウェアウルフの件について。何故、機体変化が起きたのか。これには恐らく何らかのリミッターがあったと推測される」

 

ジィダオ「その"何らかのリミッター"というのが‥‥‥」

 

アーキ「間違いなく、ウェアウルフ自身の装甲そのもの。あの戦闘直後、あの装甲は元には戻らなかった」

 

レイダオ「それで、なんでリミッターが外れたんだい?」

 

アーキ「恐らく、ウェアウルフ自身の装甲に蓄積されたダメージがキャパシティオーバーしたためと推測」

 

スティ子「それで、キャパシティオーバーしたから装甲を排除した、と‥‥‥」

 

マークII「で、装甲を入れ替えた理由はわかったけどよ?なんで機能停止するんだ?」

 

ゼロ「そう、そこだ。ただ装甲を入れ替えるだけなら機能停止するほどエネルギーは使わないはず。だが、原因はこれにある」

 

轟雷「原因‥‥‥?」

 

 

 

そこで、アーキテクトがホワイトボードに書き込まれた単語を指差す。

 

そのシステムが原因‥‥‥?

 

 

 

 

アーキ「この特殊戦闘用システムが通常システムを阻害していると推測される。通称、スペクターシステム。別名、FAキラーシステム」

 

バーゼ「FAキラーシステムー?」

 

シロ「それって、どんなシステムなのかしらー?」

 

アーキ「簡潔に説明すると、FAを文字通り"壊す"あるいは"殺す"システム」

 

バーゼ「ひぇー‥‥‥」

 

クロ「私たち以上にえげつないシステムねー」

 

アーキ「もっと詳しく説明すると、FA特有のエネルギーエンジンから放出される粒子に反応、強力な拒絶反応を起こす。そのため破壊因子が生成されあのような運動が可能と思われる」

 

マークII「や、ややこしいな‥‥‥」

 

轟雷「では何故ウルフは目覚めないのですか?」

 

アーキ「それは‥‥‥」

 

 

 

アーキテクトが何か言葉を発しようとしたけれど、すぐに顔をうつむかせてしまいました。

 

‥‥‥なにか、言えない事があるのでしょうか‥‥‥?

 

するとゼルフィカールが代わりに言いました。

 

 

 

ゼロ「‥‥‥システム発動によって通常システムが全面的にシャットダウンされたんだ。最悪、再起動は見込めないかも‥‥‥しれない」

 

轟雷「!?」

 

スティ子「ちょっと、それ本当なの!?」

 

ゼロ「あぁ‥‥‥だがセカンドジャイヴが今なんとかしようとしてくれてる。多分大丈夫だと思うんだが‥‥‥」

 

迅雷「まさかフレズヴェルクの残した爪痕がここまでとは‥‥‥」

 

轟雷「‥‥‥あの、ウルフは今何処に?」

 

マークII「あー‥‥‥多分あおちゃんの部屋だと思うぞ?」

 

轟雷「‥‥‥わかりました」

 

スティ子「ちょ、ちょっと轟雷!?」

 

 

 

 

私は、一秒でも早く会いたい。

 

あおの次に大切な、それでいてかけがえのない存在。

 

早く会いたい一心で私は走った。

 

彼に、会いたいから。

 

ふと気がつくと私はあおの部屋の前まで来ていた。

 

扉を開けるとそこには‥‥‥。

 

 

 

 

轟雷「ウルフッ!!」

 

ウルフ「なんだ?」

 

轟雷「‥‥‥!?」

 

 

 

 

ウルフが普通に起きていた。

 

私は走っていた勢いで転けてしまいそうになった。

 

だけど。

 

 

 

ウルフ「やれやれ、やはりお前は危なっかしいな。轟雷?」

 

轟雷「!!」

 

 

 

 

優しく彼が抱き止めてくれていた。

 

でも、どうして?

 

 

 

ウルフ「やっとシステムの再構築が終わったんだ。あまり皆に迷惑はかけられんからな」

 

轟雷「ウルフ‥‥‥!!遅いですよ‥‥‥!!」

 

ウルフ「悪かったな」

 

 

 

 

武骨な手のひらで私を撫でてくれるウルフ。

 

そうか。これも愛情なんだ。

 

 

 

轟雷「あの、ウルフ‥‥‥」

 

ウルフ「何だ?」

 

轟雷「私から、もう離れないでください‥‥‥約束、してくれますか?」

 

ウルフ「‥‥‥善処しよう」

 

 

 

もう、一人じゃない。

 

まだ、私には頼れる仲間たちがいる。

 

こんな気持ちも、いつまでも忘れないでいたい。

 

 

 

 

セカンド「やれやれ‥‥‥なんとか再構築はできた、が‥‥‥また起動しかねないな‥‥‥まったくめんどくさいシステムだこと。ま、見守るくらいしかできる事はなさそうだな」

 

 

 

まだ、不安は残るばかりです。

 

けど私たちならきっと、乗り越えられると信じています。

 

 

 




次回、『FAガールはじめて物語』をお送りします。

お楽しみに。

上手く文章に現せたかな‥‥‥?

では、次回の更新で。

感想、質問等お待ちしてます。

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