インフィニット・デカレンジャー~クールで熱い戦士たち~ (憲彦)
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無難にプロローグ

デカレンジャー、主にデカマスターが好きなので書いてみました。

一様、福音編まで書いて、それ以降は状況を見て判断します。

そして、この小説には以下の内容が含まれます。

SPDは宇宙全体ではなく地球全体の物に。
デカスーツがISと同様物として扱われる。
デカマシーンは出ません。
他のデカレンジャーも出ないかも知れません。
罪状が少しズレるかも。
良くある神様転生物です。
作者の都合により順番が変わるかも。
ISの皮を被った何か。

読む際はご注意下さい。


「うん……ん~……は!?ここは何処だ!?グッ!動けない……!?」

 

薄暗い倉庫の中、そこで1人の少年が目を覚ました。

 

周りの状況を確認するために体を動かそうとするが、手足は縄でガッチリ縛られ、動くに動けない状態だった。

 

焦る少年に、男が声をかけた。

 

「お?目覚めたか?ボウズ。」

 

少年

「!?」

 

近くに自分以外の男が居たことに驚いていたら、次は別の男に声をかけられた。

 

男その2

「お前達兄弟は誘拐させて貰った。勿論、織斑千冬の決勝戦破棄のためにな。助けに来てくれると良いな~。織斑一夏君?」

 

一夏

「ッ!?(そうか。あのときに変な薬を嗅がされて。)」

 

周りの状況はともかく、今の自分の状況を確認することが出来た。

 

「助けに来るわけ無いでしょ。ソイツ、織斑家の汚点って言われてる出来損ない何だから。弟の方だけ助けてすぐに決勝戦に戻るんじゃない?ハハハ。」

 

男その1

「どうだかな?織斑千冬は家族思いで有名だぜ?いくら出来損ないでも、片方だけを見捨てる何て事はしないだろう。」

 

女は「どうだか?」と言いながら近くに置いてあった椅子に腰をかけながらタバコを口にくわえた。

 

数分してから、別の男が声をあげながら一夏達の居る場所にやって来た。

 

男その3

「おい!弟の方が助けられたぞ!!」

 

男その1

「何!?こっちに向かってるのか!?」

 

男その3

「分からない。映像でしか見てないからな。でも、助けた後はすぐに出ていったらしいぜ。」

 

会話の内容からも分かるように、弟の方は助けられたみたいだ。

 

すぐに出ていった。と言うことは、自分の所にも助けに来てくれる。

 

そう思っていた一夏だが、次に聞こえた言葉で絶望した。

 

男その2

「おい!あの女、試合に出てるぞ!!」

 

一夏

「え?……」

 

男その1

「何!?」

 

「フン。やっぱりね。家族思いと言っても出来損ないはいらないみたいね。優秀な弟と名誉。それを手に入れるためにこっちは捨てたって訳。所詮、人間なんて自分の得にならない物にはこうなるのよ。」

 

男その1

「なら、こいつは様済みだな。とっとと始末するか。」

 

始末するために、男は懐から拳銃をとり出し、弾をこめて一夏に狙いを定めた。

 

しかし、一夏は殺される恐怖よりも、信じていた姉から裏切られた事にショックを受けていた。

 

一夏

(何で……何でだよ!家族は何があっても守るって言ったじゃないか!!それは俺を引き留めておくための嘘だったのか!!千冬姉!!!…………何で、何で何で何で何でだ!!)

 

今までに、千冬が一夏にかけてきた言葉が頭のなかを駆け巡った。その時は嬉しかった言葉も、自分を励ましてくれた言葉も、自分に向けてくれた笑顔も、裏切られた事で全てが嘘になり、燃えていった。

 

そのまま、一夏の意識は闇の中へと堕ちていった。

 

男その1

「気絶した?」

 

男その2

「よっぽどショックだったのかね?助けに来てもらえなかった事が。」

 

「別に良いでしょ。うるさい悲鳴を聞かずに済むんだから。さっさとやっちゃって。」

 

男その1

「ハイハイ。……恨むんなら、この世界を恨めよ。」

 

引き金に指をかけ、撃とうとしたとき、別の銃声が倉庫内に響き渡り、男の持っていた拳銃をはじいた。

 

男その1

「!?誰だ!!」

 

銃声のした方向には、黒いロングコートを着た1人の男がこちらに近付いていた。

 

他の2人も拳銃をとり出し、女はISを展開し男の方を見た。

 

男は誘拐犯達の所まで来ると、着けていたサングラスを投げ捨て、手帳の様な物を見せた。

 

男その3

「SPD!?何故こんなところに!?」

 

SPD

「貴様らには、国際条約で禁止されている兵器、危険ドラッグの製造と密輸、不当な人身売買に誘拐と大量殺人、死体遺棄の罪で既にデリートの許可が出ている。ここで殺されたくなかったら大人しく捕まってくれないか?」

 

要約すると、死にたくなかったら捕まれ。だ。

 

しかし、当の本人達は捕まる気など毛頭無かった。

 

「あんた、バカでしょう。こっちにはISがあるのよ。1人で勝てると思ってるの?」

 

SPD

「はぁ……、手荒な真似はしたくなかったが、仕方無い。」

 

男その3

「ゴチャゴチャうるせぇんだよ!!」

 

誘拐犯達は相手を殺そうと銃弾を飛ばしたが、

 

SPD

「ハァ!デェリャ!!」

 

取り出した刀で銃弾を落とされた。

 

SPD

「エマージェンシー!デカマスター!」

 

その言葉とともに、男の体に光が集まり、体を覆った。

 

SPD

「ディーソードベガ!」

 

手にした刀の柄の部分にあるボタンを押し、刀身を出した。

 

「な!?デカマスター!?」

 

デカマスター

「タァ!!」

 

ディーソードベガを振り、あっという間にその場を制圧してしまった。

 

マスターライセンスを開き、誘拐犯のデリート完了を伝えた。

 

『ご苦労だった。指定のポイントに輸送機が待機している。そちらに向かえ。』

 

デカマスター

「ロジャー。織斑一夏を保護及び違法に使用されたISの回収後、そちらに向かいます。」

 

気絶している一夏の拘束を取り、肩に担ぐと、先程誘拐犯が着けていたテレビの内容が耳に入ってきた。

 

テレビリポーター

「織斑千冬選手、2連覇の快挙おめでとうございます!今のこの気持ちを誰に伝えたいですか?」

 

織斑千冬

「そうですね。弟“達”2人に伝えたいです。」

 

デカマスター

「フン。」

 

その言葉を聞くと、すぐにディーソードベガでテレビを真っ二つに斬った。

 

デカマスター

「お前に、一夏を弟と呼ぶ資格は無い……!」

 

テレビを斬ると、指定のポイントまで急いで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輸送機の中で

 

デカマスター

「急いでくれ!すぐにメディカルセンターに向かうぞ!」

 

操縦士

「ロジャー。ただちに離陸します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って、さっきの倉庫。

 

そこにはISを纏った女が血相を変えて、倉庫内を回っていた。

 

千冬

「一夏!!何処だ!!一夏!!!」

 

先程までテレビに出ていた千冬が、今になって来たようだ。

 

千冬

「一夏ァァァ!!!!!!」

 

弟だった人の名前を叫ぶが、それは虚しく倉庫内にこだまするだけだった。




取り敢えず主人公のプロローグではなく、一夏のプロローグから始めてみました。

後、2、3話位でIS学園に入れるかな?

感想お願いします。

タイトル募集の活動報告があるのでそちらもお願いします。


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プロローグその2

調子に乗って連続投稿です。

皆さん、ゆっくりしていってね。


一夏がSPDに保護されてから3日目、あれから彼はまだ目を覚ましていない。

 

???

「本当に異常は無いんだろうな?もう3日だぞ。」

 

医者

「何度も精密検査をしましたが異常は見つかりませんでした。心配はいらないと思います。」

 

???

「そうか。目を覚ましたら呼んでくれ。」

 

医者

「分かりました。」

 

ここはSPD日本支部のメディカルセンター。ドイツで誘拐された一夏は、SPDの手によって救出されここまで運ばれた。

 

しかし、依然として目覚める気配はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コマンドルームでは、一夏を助けた男、久我 司(くが つかさ)が溜め息を吐いていた。

 

「はぁ、これは酷いな。」

 

見ていたのはとあるサイトの掲示板である。

 

そこには、一夏死亡を喜ぶ内容の物が書かれていた。

 

・これで織斑家の汚点が消えた!

・あの出来損ないが消えてからはなんとも清々しい日々を送れているよ。死んでくれて感謝だな(笑)

・死んで喜ばれるとか(笑)

・生きてる内は価値が無いってことだなwww

・これで千冬様の悩みの種が1つ消えたは!

・死んで喜ばれるとか(笑)可哀想なヤツだな(笑)

・これで世界が1つ清浄化した!!

 

「この世界は一体どこまでアイツを追い詰めるつもりだ!…………サイバー科、聞こえるか?今から送るサイトをただちに削除してくれ。後、似たようなサイトがあったら見つけ次第削除してくれ。名誉毀損で逮捕可能な者は全員捕まえろ。」

 

『ロジャー。』

 

「はぁ…………」

 

再び溜め息をつくと、1つの通信が入ってきた。

 

『司、応答しろ。』

 

「長官!どうしました?」

 

長官

『お前の保護した少年はどうだ?』

 

「未だ目を覚ましていません。」

 

長官

『そうか。では彼が目を覚ましたらどうするつもりだ?』

 

「なるべく本人の意見を尊重させたいと思います。ですが、彼にはここで働いて貰いたいと思っています。」

 

長官

『そうか。まぁ、そこはお前に任せる。』

 

「ロジャー!そこで、1つお願いがあります。彼がここで働きたいと言った際に、新しい戸籍を用意してもらえませんか?」

 

長官

『………分かった。多少時間はかかるかも知れんが、何とかしてみよう。』

 

「ありがとうございます!では。」

 

通信を切り、椅子に座ると書類の整理を始めた。

 

「日本支部のボスも大変なんだね。」

 

整理をしていると1人の女性が入ってきた。

 

「束か。どうした。」

 

「特に用はないは。いっくんを助けてからと言うもの、仕事ばっかりだったじゃん。体壊してないかな~と思ってね。」

 

「お前に人を気遣う心があるとはな。それに、アイツは俺の親友だ。助けない訳には行かない。」

 

「そう。」

 

そんな会話をしていると、マスターライセンスにメディカルセンターから通信が入ってきた。

 

「どうした?」

 

医者

「織斑一夏くんが目覚めました。すぐこちらに来てください。」

 

「分かった。」

 

「どうしたの?」

 

「一夏が目覚めた。少し席を外す。」

 

慌ててコマンドルームから出ていき、足早に一夏の病室に向かった。

 

「一夏!!」

 

一夏

「司……!ここは何処なんだ?」

 

「ここはSPDのメディカルセンターだ。ドイツでお前を助けた後、ここに運び込んだ。お前は、自分の身に何があったか覚えているか?」

 

一夏

「あぁ。覚えてるよ。捨てられたんだよな………俺。さっきここに居た医者から大体の事は聞いたよ。」

 

2人の間に重い空気が漂うが。

 

一夏は、諦めがついた顔をしているが、何処か悲しそうだ。

 

「一夏、これからのお前の事なんだが…………SPDの、俺の仲間として働かないか?」

 

一夏

「え?」

 

全くの予想外。と言う顔をしている。

 

「勿論お前の意見は出来る限りの尊重するし、ここで働く以外にも選択肢はある。すぐにとは言わん。気持ちが固まったらこれを着てコマンドルームに来てくれ。」

 

そう言って、一夏に白い服を渡した。

 

司は近くに居た職員に一夏の気持ちが固まったらコマンドルームに案内するように頼み、病室から出ていった。

 

コマンドルームに戻ると、束から一夏について質問を受けていた。

 

「いっくんの様子、どうだった?」

 

「体には異常は無いが、現実を少し受け入れられていない様だ。」

 

「だよね。ねぇ、いっくんはここで働くの?デカレンジャーとして。」

 

「それを決めるのはアイツ自信だ。俺が決める事じゃない。まぁ、ここで働きたいと言った場合は新しい戸籍を用意してやるつもりだがな。」

 

それを伝えると束は

 

「そんなこと私に頼めば良いじゃん。すぐに終らせるよ。」

 

「お前がやってるのは偽造だろ。こっちは申請してるんだ。」

 

少し呆れた様に返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メディカルセンターの病室で、一夏は今までの自分を振り返ってみた。

 

文武両道が服着て歩いたような天才が身内には2人も居た。

 

でも一夏は違った。どんなに努力しても2人には届かなかった。

 

そのため、周りからは織斑家の汚点と言われたり、心無い悪意に心身共に傷つけられた。

 

弟に虐められ傷つけられ様とも努力をした。いずれ、周りが自分を受け入れてくれると信じて。

 

姉である千冬も一夏に励ましの声をかけた。応援してくれた。

 

数少ない親友も手を貸してくれた。

 

努力をしている姿を司に認められ、自信がついた。

 

だが、それに比例するように、弟とその取り巻き達の虐めはどんどん酷くなっていった。

 

それに加えて今回の一件だ。身内には全てを裏切られた。全てが嘘だと分かった。

 

一夏

「もう、あっちには俺の居場所は無いな。」

 

司に渡された服を着て、コマンドルームへと案内して貰った。

 

一夏

「司、ここで働かせてくれ。」

 

「そうか。分かった!だがSPDに入るに当たっていくつか試験がある。だが、お前なら大丈夫だろう。」

 

「いっくん!頑張ってね!!」

 

一夏

「束さん!?……はい!!」

 

「ここでの返事は、ロジャー。だ。」

 

一夏

「ロジャー!」

 

「よし、試験頑張ってこいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試験終了。結果が出るまでお待ちください。

 

 

 




調子に乗って連続投稿です。

活動報告と感想、よろしくお願いします。


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episode1 学園試験

もう少し間を開けてから学園編に入ろうかと思いましたがネタが無いので今回よりスタートします。

その為、駆け足気味になるかも知れませんが、ご了承下さい。

それではepisode1はーじまーるよー。ゆっくりしていってね。


「それじゃあ、試験の結果を伝える。」

 

試験を受けてから数ヶ月、司が一夏の試験の結果が書かれた書類を見ながら、固い表情で伝えようとしていた。

 

一夏

「ゴクッ!?」

 

一夏も生唾を呑み込み、結果を聞く覚悟を決めた。

 

「姶良一夏、SPD入隊試験、筆記・体力テスト共に合格!!」

 

一夏

「ヨッシャァ!!!」

 

合格の声と共に、両腕の拳を一気に振り上げ、大声で喜んだ。

 

「おめでとう。」

 

「おめでとう!いっくん!!」

 

2人から祝福の言葉も貰った。

 

「それでは、ブレスロットルを渡s……」

 

『ボス!!大変です!急いでテレビをつけてください!!』

 

司が一夏にブレスロットルを渡そうとした時、急に通信が入り、慌てた様子でテレビをつけるように伝えた。

 

何事かと思い、急いでテレビの電源を入れると、そこには「世界初の男性IS操縦者」とデカデカと出されていた。

 

そのチャンネルが五月蝿かったので別のチャンネルに回すが、どこも同じニュースが流れていた。

 

テレビレポーター

「あのモンドグロッソの覇者、織斑千冬さんの弟である織斑千秋さんが、なんとISを操縦出来ると言うことが判明しました!これを受け、政府は他の男性IS操縦者も居るのでは無いかと言うことになり、明日からでも、全男性に試験を行う事を決定しました。」

 

テレビレポーターが何か興奮気味に言っていたが、要約すると、「男性IS操縦者が見つかったから他にも探してモルモットにしよう。」との事である。

 

コマンドルームに居た3人は、そのニュースを聞いて露骨に嫌な顔をした。

 

「何でこんな忙しい時に、こんな下らないニュースが起こるんだ?」

 

「全くだよ。人の都合も考えて欲しいよ。」

 

ニュースの内容が気に入らない為、2人は悪態をついた。

 

束の発言については、完全に無理だと思うが。

 

一夏

「と言うか今全男性って言ってましたよね。俺達も含まれるんですか?」

 

「そりゃあそうだろ。とっととこんな下らない試験終わらせるぞ。」

 

一夏

「ロジャー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、2人の居る日本支部に2機のISが送られ試験を行う事になった。

 

その結果、日本支部内から2人も新たな男性IS操縦者が出てしまった。

 

司/一夏

「はぁ……」

 

「あぁ……えっと~……」

 

司と一夏が見事に引っ掛かってしまった。

 

深い溜め息をつく2人を見て、束はフォローに困った。と言うよりもフォローする言葉が見当たらなかった。

 

「まさかIS学園行きとはな。牢屋に入れられる犯罪者の気持ちが分かった気がするぜ。」

 

一夏

「ISに関わるつもりは無かったのに…………」

 

学園から支給された「必読」と書かれているISに関する本のページをパラパラとめくりながら呟いた。

 

一様、2人には知識はあるため読む必要は無いのだが、目だけは通しておいた。

 

「えっと~…………頑張って?…………」

 

それ以外の言葉が見つからない。

 

2人はまた深い溜め息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、2人は入学試験を受けるためにIS学園に来ていた。

 

まぁ、試験を受けようと受けまいが、どの道入らされる事に間違いは無いけどな。

 

千冬

「お待ちしていました。本日案内をされてもらう織斑千冬です。」

 

「SPD日本署署長の久我 司です。」

 

一夏

「同じくSPD日本署の姶良 一夏です。」

 

2人が挨拶をすると、千冬は驚いていた。

 

死んだと思っていた一夏の顔を見たからだ。

 

一夏

「どうしました?幽霊でも見たみたいな顔をしていますが。」

 

千冬

「な!何でもありません。試験会場はこちらです。」

 

何とか冷静を保ち、試験会場まで案内をした。

 

「部屋は別々の様だな。一夏、あの時渡せなかったこれを渡す。今日が初使用になるが、大丈夫か?」

 

一夏

「問題ありません。使いこなして見せます!」

 

ブレスロットルを受け取り、自信満々に左腕に付けた。

 

「それじゃあ、頑張れよ。」

 

一夏

「ロジャー!!」

 

その後、2人は別々の部屋に入り、各自試験を受けた。

 

真耶

「試験を担当させてもらう山田 真耶です。よろしくお願いします。」

 

「久我 司です。本日はよろしくお願いします。」

 

真耶

「それではISを展開してください。」

 

軽い自己紹介を終わらせ、司にISを展開するように伝えた。

 

「エマージェンシー!デカマスター!フェイスオン!!」

 

マスターライセンスのボタンを押し、デカマスターに変身した。

 

『それでは始めてください。』

 

試合開始の合図と同時に、司は真耶との間合いを一気に詰めた。

 

因みにディーソード・ベガの封印は解除していない。

 

「デリャ!!ハァ!」

 

真耶

「速い!?クッ!」

 

持っていた武装で何とか攻撃を受け止めたが、受け止めた際に生れたて一瞬の隙に後ろに回り込まれ、攻撃を受けてしまった。

 

「フン!ヤァ!!」

 

相手を蹴り付け、距離を取り、勢いを付けて斬った。

 

『そこまで!ラファール、シールドエネルギー0。勝者、久我 司!!』

 

「まさか初撃を受け止められるとは思いませんでしたよ。専用機だったらどうなっていた事やら。良い勝負が出来ました。」

 

変身を解き、倒れている真耶に手を差し伸べた。

 

真耶

「あ、ありがとう、ございます。」

 

真耶手をつかんで立たせると、

 

「また手合わせ願います。」

 

そう言い残して部屋から出ていった。

 

外には一夏がベンチに座って待っていた。

 

「そっちはどうだった?」

 

一夏

「バッチリです!これをしっかり使いこなす事が出来ました。」

 

「そうか。今日の予定はこれで終わりだ。日本署に戻ろう。」

 

そのまま2人は戻り、残っている入学の準備をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、学園では、

 

千冬

「一夏が生きていた!これでまた家族で暮らすことが出来る!しかし、あの男は一体?一夏とどういう関係なんだ?まぁ良い。邪魔をするようなら潰せば良い。待っていろよ、一夏。」

 

100%無い事に嬉しそうになっていた。

 

絶対に戻ることは無いのに。

 

しかし、それにまだ気付いていない。だが、自分の力でどうとでも出来ると思っているようだ。

 

もう関係が修復出来ないことに、いつになったら気付くのやら。




ここからストーリーに入るので、事実上の第1話です。

一様、毎日更新の予定なのでこれからもよろしくお願いします。

感想と活動報告の方もよろしくお願いします。

誤字や表現のミスは感想欄にお願いします。


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episode2 IS学園

将来は専業主夫になりたい。作者です。

取り敢えず今回は自己紹介とクラス代表選出まで行けたらなと思います。

それでは皆さん、ゆっくりしていってね。


入学式が始まる1時間前、IS学園に向かっていた司と一夏だが、

 

一夏

「そこの車!停まれ!!」

 

「これ以上は危険だ!早く停まれ!!」

 

何故かカーチェイスの真っ最中だった。

 

何があったのか簡単に説明すると、

 

・準備が終わったので余裕を持ってIS学園に向かう

・途中で銀行強盗に遭遇する。

・SPDの車に乗っていた為、周りの警察から協力を頼まれる。

・犯人逃走。

・追い掛ける←今ここ

 

平日の朝からとんでもないイベントに巻き込まれる2人だった。

 

「一夏、少し距離を開けろ。」

 

そう言うと、窓を開けてSPシューターを窓から出して、逃走車のタイヤを狙った。

 

「フン!」

 

撃った弾は見事にタイヤを破裂させ、中に乗っていた連中も逮捕した。

 

一夏

「まさか、朝からこんなことに巻き込まれるなんて。」

 

「俺達の平穏な日常は何処に行ったのやら。」

 

全くだ。

 

その後、日本署に報告を終え、IS学園に向かった。

 

だがもう既に入学式は終わり、各クラスで自己紹介を始める所だった。

 

学園側も事情は知っていたので特に問題は無かったが、初日から遅刻してしまった。

 

千冬

「2人のクラスは1年1組だ。私が呼んだら入ってきてくれ。」

 

そう言い、千冬が教室に入った瞬間、悲鳴の様な声が辺りに響き渡った。

 

一夏

「この学園って、防音効果のほどこらせた壁を使用していた筈なんだけど…………」

 

「音響兵器でも配備されてるんじゃないか?」

 

ハッキリ言って直ぐに帰りたい。が、2人の心境である。

 

そんな事を考えていると、千冬から呼ばれた。

 

ここまで来たら仕方がないと思い、教室に足を踏み入れた。

 

教室に入り、自己紹介をするために教卓付近に立つと、周りからとんでもない視線を浴びせられた。

 

普通の人なら緊張で声も出せなくなる位の視線だ。

 

しかし2人はこれくらいの事にはなれているので問題ない。

 

「SPD日本署署長の久我 司だ。仕事の為たびたび学園に居ないことがあるだろうが、よろしく頼む。」

 

一夏

「同じくSPD日本署の姶良 一夏です。特技は家事全般、趣味は料理です。俺も仕事の都合で学園に居ないことがありますが、よろしくお願いします。」

 

無難に自己紹介を終わらせた2人だが、次の瞬間、音響兵器が発動した。

 

女子生徒達

「キャァァァァ!!!!」

 

司/一夏

「グッ!!」

 

とっさに耳を押さえたが少なからずダメージを受けてしまった。

 

女子生徒その1

「片方は堅物系でもう片方は爽やか系よのイケメンよ!!」

 

女子生徒その2

「男子が全員このクラスだなんて!!神様ありがとう!!」

 

女子生徒その3

「携帯の番号教えて!!!」

 

等と色々騒がれた。迷惑なことこの上無い。

 

だが、最初に居た男子生徒とある女子生徒がこちらに敵意のある視線を向けていた。

 

が、問題ないので無視した。

 

千冬

「静かにしろ!!早く1時間目の準備に移れ。」

 

クラスを黙らせ、準備に移らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう。出来損ない。まさか生きていたとはな。しかもSPDに居るなんて。」

 

「貴様!今更どの面を下げて人の前に現れているんだ!!」

 

授業が始まるまでの行間休み、2人の生徒が司と一夏に突っ掛かってきた。

 

1人は世界初の男性IS操縦者、織斑千秋。そしてもう1人はISの開発者、篠ノ之 束の妹、篠ノ之 箒である。

 

死んだ筈の一夏がここに居ることが気に入らなかった様だ。

 

一夏

「初対面の人に失礼じゃないですか?俺はあなた方が知っている一夏ではないんですが。」

 

千秋

「とぼけるなよ。その顔、まんまアイツじゃないか。他人のそら似にしては似すぎている。」

 

一夏はしらを切ろうとするが、しつこく付きまとう。

 

余りにも邪魔なので、隣で作業をしていた司が声をかけた。

 

「仕事してるのが見えないのか?静かにしろ。」

 

資料に目を通しながら伝えた。

 

「お前!!千秋に対してその口の聞き方は何だ!!ふざけているのか!?」

 

千秋

「まぁいいよ箒。SPDもこんな出来損ないを入れるなんて堕ちたもんだな。……署長さん、こんなヤツクビにして俺の事をSPDに入れてくれないか?こんなヤツよりも絶対に得するぞ。」

 

「入りたいなら試験に合格しろ。まぁ、無理だろうがな。」

 

千秋

「それはどうかな?それじゃあねぇ~。」

 

それを言い残すと、自分の席に戻っていった。

 

篠ノ之は相変わらず敵意のこもった視線を向けてるが、関わるのは面倒なので無視した。

 

2人が離れるとチャイムが鳴り、そのまま授業が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず授業の感想を言おう。

 

すごく分かりやすかった。

 

これ程の腕を持ちながら何故副担任なのかが理解出来ない。

 

生徒1人1人を気遣いながらではあるが、遅れることはなく、丁寧に教えている。

 

真耶

「ここまでで分からない人は居ませんか?」

 

聞いてみるが誰も手を上げない。

 

全員がちゃんと理解している証だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分かりやすい授業が終わって再び行間休み、司と一夏の2人は日本署から送られてきた資料に目を通している。

 

SPDに入っている以上、この作業とは斬っても斬ることが出来ない長い付き合いになる。離職原因・体調不良原因の理由ナンバーワンである。

 

と言ってっても、離職してもまたこの仕事に戻る人はかなり多い。待遇が良いからである。それに、慣れればどうと言う事は無いからだ。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

司/一夏

「よろしくない帰れ。」

 

作業をしている2人に、また迷惑なヤツが来た。

 

「何ですの!?その口の聞き方は!?この私、セシリア・オルコットに声をかけられるだけでも光栄な事なのですよ!それ相応の態度と言うものがあるのでは無いですか?」

 

ハッキリ言って面倒くさい。

 

この様に、「女=偉い、だから男は女に媚びろ。」と言う女尊男卑の風潮に染まった人を相手にするのはかなり面倒くさい。

 

その為、2人は先程の様な対応をしたのだ。

 

まだ騒ぐつもりなのか、2人の側に居るのでどんな対応をしようかと頭を回していたが、結局とる対応は1つである。

 

無視

 

面倒くさいヤツを相手にするときはこれに限る。

 

キーンコーンカーンコーン。

 

そんな事をやってる内に次の授業のチャイムがなった。

 

オルコット

「また来ますわ!!逃げないことね!!」

 

2度と来んな。心の中でそんな事を思いながら次の授業を受けた。

 

千冬

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する。」

 

今度は真耶ではなく、千冬が教卓に立っている。

 

授業の内容について軽く説明して、始めようとしたとき、思い出したように連絡した。

 

千冬

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないとな。クラス代表者はそのままの意味だ。生徒会の会議や委員会への参加、所謂クラス長だ。自推他推は問わない。」

 

この言葉にクラスがざわめいた。

 

そして、

 

「はい!織斑君を推薦します!」

 

「私も!」

 

「私も!!」

 

「私は姶良君を!!」

 

「私は久我君を!!」

 

等と、予想はしていたが男子に推薦が集中した。

 

千冬

「では、候補はこの3人か。他に居ないならこの3人で代表決定戦を行うぞ。」

 

千秋

「ちょ!待ってくれよ!!俺はそんなのやらないぞ!!」

 

千冬

「他推されたものに拒否権は無い。」

 

千秋

「イヤでも!」

 

まだ反論を続けようとしていたが、突然甲高い声が響いた。

 

オルコット

「お待ちください!納得が行きませんわ!!」

 

机を叩いて立ち上り何か演説を始めた。

 

オルコット

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんて良い恥さらし!このセシリア・オルコットにその様な屈辱を1年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

自推他推はかまわないと言っていたのに随分な物言いである。

 

オルコット

「実力から行けば私がクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからと言う理由で極東の猿にされては困ります。私はISの事を学びに来たのであってサーカスをする気は毛頭ございませんわ!大体、SPD等と言う連中に任せられる訳が無いですか!!」

 

「随分と勝手な事を言ってくれるな。」

 

五月蝿かったので司が口を挟んだ。

 

オルコット

「今になって反論ですか?少し遅いのでは無いですか?そんなんで国を守れると?笑い話も良いところです!」

 

「何を勘違いしているかは知らんが、俺達SPDは国を守る訳ではない。」

 

オルコット

「何ですって?」

 

司の言葉に、クラスの皆が驚いた表情をした。

 

一般的な認識として、SPDは国を守る組織になっているからだ。そこに国を守る訳ではないと言われれば、誰もが驚く。

 

「俺達SPDは人を守っている。そこに住み、平和な暮らしを求める人のために戦っている。国なんぞと言うちんけな物のために戦ったことなど1度もない。それに、1つ言っておこう。お前のさっきの発言は戦争を引き起こす可能性があるぞ。」

 

オルコット

「な、何を根拠にそんな事を。嘘ならもっとまともな嘘をついたらどうですか!」

 

司の言葉に一瞬戸惑ったが、嘘だと言い平静を保った。

 

「そうかな?お前は代表候補生。ここにいる限りお前の発言はイギリスの発言になる。俺がさっきのお前の演説を両国の政府に聞かせればどうなると思う?最悪戦争。良くてもお前達イギリスはかなりの被害を受けることになるだろう。」

 

オルコット

「な、な!?そんな…………」

 

「まぁ、俺に伝える義務は無いけどな。教師は知らんがな。」

 

この言葉で少しは黙ると思ったが、

 

オルコット

「け、決闘ですわ!!よくも私に恥をかかせてくれましたわね!!この罪、あなたの一生を持って償わせますわ!!」

 

と訳の分からない事を言い出した。

 

この手のヤツと関わると本当にろくなことが無い。

 

結局、1週間後に代表決定戦を行うことになった。司とオルコットの場合は決闘になるが。

 

負けたら司はオルコットの奴隷になるそうだ。逆の場合は特に何もない。オルコットが指定しなかったからだ。自分が100%勝つと思っているからだ。




次回 それぞれの1週間。

感想と活動報告の方をよろしくお願いします。

感想を書いてくれると作者のモチベーションが上がるのでよろしくお願いします。


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色々な紹介

タイトル通り色々な紹介です。

キャラの名前や世界の事等です。


久我 司(くが つかさ)

 

SPD日本署署長にして、最強のデカレンジャー。地獄の番犬と言う異名を持ち、犯罪者達からは恐怖の対象となっている。「銀河一刀流」と言う珍しい剣術の免許皆伝で異名通りの強さを持っている。

 

地獄の番犬と呼ばれるようになったのは、一夏が訓練の一環としてテロリストの一斉デリートの任務に同行したさい、その強さと戦い方から「地獄の番犬」と呟いたのが始まりである。

 

性格は基本穏やかだが、犯罪者や性格がねじまがっているヤツには容赦ない。

 

因に転生者。が、記憶は無い。元々原作知識も無い。

 

 

姶良 一夏(あいら いちか)

 

元織斑家の長男。モンドグロッソで拉致られた所を司に助けてもらい、今はSPDで司と一緒に働いている。

 

SPD入隊試験の一次試験、二次試験、三次試験の全てにパーフェクトで合格する実力の持ち主。

 

以前までは司にため口を使っていたが、今では敬語に定着している。その為、いつも「ボス」と呼んでいる。

 

司の右腕、デカブレイクとして犯罪者を撲滅している。

 

今現在も、織斑家、篠ノ之箒を嫌っている。むしろ関わりたくない。

 

 

篠ノ之 束(しののの たばね)

 

司が捜査に向かった場所で倒れていたところを一緒に居た少女と共に保護され現在はSPD日本署のメカニックとして働いている。

 

妹である箒に良い印象を持っていない。むしろ嫌っている。織斑千冬、千秋に対しても良い印象を持っていない。

 

多少の人見知りではあるが原作の様なコミ障ではない。

 

日本署のセキュリティや技術は大体この人。

 

 

織斑 千冬(おりむら ちふゆ)

 

ISの世界大会、モンドグロッソ2回制覇と言う快挙に輝いた人。ブリュンヒルデの称号を持っているが、権力として使うことが多い。

 

一夏を見つけ、再び自分の物にするためにあれこれ策略する。

 

一夏の事も家族だと言っていたが本心は分からない。

 

もしかしたらアクセサリー程度の物と思っているのかも知れない。

 

 

織斑 千秋(おりむら ちあき)

 

織斑家次男。記憶は無いが転生者。

 

文武両道と周りからの評価は良いが、実際は救い用の無い人間。

 

一夏を虐めていた連中の主犯で、一生のトラウマになるような事をしようとした。全て失敗に終わったが。

 

昔の天才と言う言葉の上に胡座をかいていため、今では平均程度の実力しか持っていない。

 

一夏が近くに来たことで、またストレス発散の道具が来たと思っている。

 

IS学園では人気があまり高くない。

 

 

篠ノ之 箒(しののの ほうき)

 

束の妹。

 

気に入らない事には暴力で解決する人。

 

姉の事は嫌ってるのに名前を出して周りを黙らせる事がある。

 

剣道の全国大会で優勝した実力があるが、司曰く「あれは剣道ではなく、ただ乱暴に竹刀を振り回しているだけだ。剣道を誇りに思っている人が見たら泣くな。」らしい。

 

その言葉通り、体した力は無い。むしろ弱い。

 

千秋と一緒になって一夏を虐めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SPD

 

テロリストやISによる凶悪な犯罪を専門とする特殊チーム。

 

各国ごとに支部があり、世界の至るところで活躍している。その実力は、現地の警察や軍等から度々支援を要請される位のものだ。

 

凶悪な犯罪だけではなく、災害時の救援活動や警察と協力してパトロール等も幅広く行っている。

 

因に、かなりの権力を持っている。

 

 

地球最高裁判所

 

SPDの要請でデリートか否かを判断する裁判所。

 

束の技術で裁判所内部は時間が外よりも早く流れている。その為、外ではすぐに判断が下る。

 

 

特別指定凶悪犯罪対策課

 

通称、特キョウ。

 

IS絡みの大規模なテロ活動や国際法で禁止されている兵器やIS研究、危険ドラッグの回収・撲滅を行っているチーム。

 

入隊にはかなり難しい試験を突破することが必要とされ、たまに単身で違法なIS研究所を潰しに向かわせるなど、かなりスパルタな場所。(他作品で言うと、ウルトラマンネクサスのナイトレーダー)

 

因に一夏はこの試験にも受かっている。

 

 

SPライセンス

 

SPDが持つマルチデバイス。変身、通信、解析、ナビ、ジャッチ等本当に万能な端末。

 

司のはマスターライセンス、一夏のはブレスロットルである。

 

どちらも機能的には体した変化はない。

 

 

SPシューター

 

SPDが持つ護身用の拳銃。

 

護身用だがISを怯ませる位の威力がある。

 

意外と繊細なため、こまめな手入れが必要。

 

威力は設定が可能。

 

スタンガン~制圧までの間で調整可能。




主な設定はこんな感じです。


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episode3それぞれの1週間

色々とリクエストが来てくれるとありがたいと思っている作者です。

リクエストくると本当にうれしいですね。

それでは皆さん、今回もゆっくりしていってね。


決闘宣言を受けた日の放課後、教室で一夏は千冬に呼び止められていた。

 

一夏

「早くして貰えませんか?ボスと予定があるんですげど。」

 

千冬

「あぁ、すまない。1つ聞きたいことがあってだな。……お前は、一夏なんだな。私の弟の……」

 

やっぱりか。と言う表情で、呆れていた。

 

一夏

「仮に俺が貴方と血縁関係にあったとして、それが貴方に何か関係があるんですか?」

 

家族や姉弟と言う単語は使わずに聞いた。

 

千冬

「私の弟だと言うのなら頼む!!もう一度家族、姉弟として一緒に過ごしてくれ!!」

 

ここまで予想通りの返答を聞くことは滅多に無い。と思いながら、黙って話を聞いていた。

 

千冬

「正直、お前が居なくなってからと言うもの、情けない話生活するのもキツい状態だった。それに私は今までお前なら大丈夫と思って苦しんでいる時もたいしたことはしてやれなかったが、それが如何に愚かなことかと…………だから、…………」

 

一夏

「だから、罪滅ぼしも含めて一緒にまた暮らしてくれと?1つ言っておきますが、貴方の弟の織斑 一夏は既に死亡しています。いくら顔が似ているからってそう言うのやめて下さい。迷惑です。」

 

心底呆れた感じで教室から出ていった。

 

千冬

「待ってくれ一夏!一夏ァァ!!!」

 

後で名前を叫ばれたが一切無視した。

 

「終ったか?」

 

一夏

「はい。予想通りの内容でしたよ。」

 

「そうか。剣道所の使用の許可は貰っておいた。剣道部と併用だがな。」

 

このあと、2人は訓練用の木刀を持って剣道所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣道所に着くと、入り口でお辞儀をしてから中に入った。

 

「部長さん、道場の一部を使わせて貰います。」

 

部長

「はい!奥の方がまだ空いているので使ってください。」

 

部長の言葉に従って奥に行って使わせて貰った。

 

途中、見たことある顔の生徒が何かヤジを飛ばしてきたが無視しておいた。

 

「それじゃあいつも通りに始めるぞ。」

 

一夏

「はい!行きます!!デヤァ!!」

 

「フン!ハァ!!」

 

一夏が掛け声と共に、木刀を構えてとんでもないスピードで司に突撃していった。

 

司はそれを木刀で受け止めて、一夏に体術で攻撃を入れた。

 

その後2人は木刀だけではなく、拳や蹴りと言った攻撃も使い訓練をした。

 

しかしそのスピードや攻撃力が尋常では無かった。

 

動きが完全に相手を殺す動きがだった。端から見ればただ殺し合ってる様にしか見えない。

 

一夏

「フッ!赤座流剣法!!雷神剣!!!」

 

司の攻撃避けて、生れたて一瞬の隙に技を入れた。

 

その鋭い攻撃に司は避けきれず、頬に切傷がついた。

 

攻撃が当たったことに少し気が緩んだ様だ。その気の緩みを見抜けない司ではない。

 

一夏の持っていた木刀を弾き飛ばし、自分の木刀を一夏の喉元に突き付けた。

 

「ここまでだな。攻撃を入れたからと言って気を緩めるな。その緩みが命取りになるぞ。」

 

一夏

「ロジャー!ありがとうございました!」

 

向かい合って互いに礼をすると、それを見ていた剣道部の女子達が拍手をしていた。

 

それを見た2人は頭の上に?を浮かべていたが、訓練が終ったのでそのまま道場から出ていった。

 

もちろん出るときもちゃんと道場にお辞儀をしてだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか竜馬の剣を使ってくるとはな。教えて貰ったのか?」

 

一夏

「はい!訓練生の時に教えてもらいました。俺のかくし球です。」

 

赤座 龍馬(あかざ りゅうま)司の同期にして元ファイヤースクワット、紅い特キョウの隊長で今は司の勧誘で日本署の副署長兼教官をしている。

 

その時に教えて貰ったそうだ。

 

そんな事を話ながら帰ろうとすると、後ろから声をかけられた。

 

「待ってくださ~い!まだ帰らないで!!」

 

山田先生が何かを伝えようと走ってきた。

 

真耶

「良かった!間に合って……」

 

かなりの距離を走ってきたのか、息が切れかけている。

 

一夏

「どうしました?」

 

真耶

「こ、これを届けに……」

 

渡されたのは鍵だった。

 

「これは?」

 

真耶

「部屋が決まったのでその鍵です。荷物は先程連絡しておいたので、明日には届くと思います。2人は同じSPD職員なので同じ部屋にしました。それでは。」

 

ペコリとお辞儀をして帰っていった。

 

2人も寮の方に向かい、鍵に書かれている部屋を探した。

 

「106号室……あったぞ。」

 

部屋を見付けたので中に入ると、無駄に金が使われている事が分かった。

 

一夏

「そう言えばボス。何であの時、織斑千秋に入りたければ試験を受けろと言ったんですか?あのくらいならすぐに受かると思いますが…………」

 

一夏の疑問に司は、

 

「SPDの入隊試験は全部で3つある。働きたい場所によって変わるが、一次試験はどこも必ず受ける。その時に落ちるって事だ。」

 

一夏

「でも一次試験ってただのアンケートですよね?マークシート形式の。」

 

「あぁ、だが、あの試験は受けた人の考え方や性格を診断する所謂心理テストみたいな物だ。束が作った。その時点で落ちれば、後の試験は受けることすら出来ない。」

 

SPDの入隊試験は3つ

 

1、マークシート形式の心理テスト(1番重要)

2、筆記試験

3、体力・実技試験

 

この3つをクリアする必要がある。

 

ただし、2人の様な実働部隊は全部受けるが、メカニックは心理テストと筆記試験、一般の職員、主に受付や清掃員は心理テストとなっている。

 

試験は基本何回も受けることが出来るが、毎度試験内容が大幅に変わるので、対策するほど無駄である。

 

司の説明に納得し、軽い夕食をとってから2人は休んだ。




今回は自分の考えたキャラを出して欲しいとリクエストがあったので出してみました。名前だけですけどね。

今回のキャラはこの後にも色々と出てきます。

他にも出して欲しいと言う方が居ましたらお気軽にメッセージを下さい。

感想と活動報告もお願いします。


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episode4それぞれの1週間その2

今日は体力的にキツいので書かない予定でしたが何かお気に入りがスゴいことになってたので書くことにしました。

ゆっくりしていってね。


「SPシューターの調子が悪い?」

 

次の日の朝教室で一夏の報告を聞いて、司は意外な顔をしていた。

 

SPシューターは常にSPDが身に付けている護身用の拳銃、威力調節はふわふわしているがメンテナンスさえしていれば不調になることなどまずあり得ない。

 

一夏

「最近、メンテナンスしてなかったからですかね?色々とゴタゴタしてましたし。」

 

一夏の言う通り、ここ最近はISを動かしてしまったり、入学試験を受けたり事件に巻き込まれたりとゴタゴタしていてメンテナンスに割く時間が無かった。

 

その為に起きてしまった不調なのかもしれない。

 

「不慮の事故が起こる前に一度オーバーホールしてみる必要があるな。放課後に一度今の状態を確かめてから整備室に持っていこう。あそこなら道具が揃っている。」

 

一夏

「ロジャー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑千秋に専用機が渡される等の話があったが、取り敢えず全部飛ばして放課後。

 

現在2人は、IS学園内にある射撃訓練所に来ていた。

 

SPシューターの状態を見るためである。

 

その結果、

 

「確かに、弾が出なかったり威力が勝手に変わったり、…………一度完全にバラすか。」

 

その後、2人は近くに居た山田先生に整備室の場所を聞き、メンテナンスの為に向かった。

 

整備室の中に入ると、そこにはISが1機置かれていた。まだ完成していない状態だが、目の前にあるISの出来に、2人は息を飲んだ。

 

司がISに手を伸ばした時、後ろから声をかけられた。

 

「触らないで!!」

 

突然の声に少し驚いたが、2人は声の方向を見た。

 

そこには眼鏡をかけた青い髪の少女が居た。このISは彼女が作っていた物の様だ。

 

「SPDの隊服……。日本署のデカレンジャー?」

 

「あぁ、すまなかったな。邪魔するつもりは無かったんだ。俺は久我 司。日本署の署長だ。それでこっちが…………」

 

一夏

「……アッ!同じく日本署の姶良 一夏です!」

 

司が自己紹介をすると、妙な間の後に一夏も自己紹介をした。

 

「君は?見たところ俺達と同じ1年生の様だが。」

 

「1年4組の更識 簪、です。さっきは大きな声をあげてしまってすいませんでした。」

 

「いや、こちらこそ作業の邪魔をして申し訳無かった。更識さん。」

 

「簪でいいわ。名字で呼ばれるのはあんまり好きじゃない。」

 

「なら、俺の事も司で構わない。コイツも一夏で良い。良いだろ?」

 

一夏

「え?は?え?あ、あぁ、別に構いませんよ。」

 

「どうした?さっきから変だぞ。お前。」

 

整備室に入って、簪を見てからと言うもの一夏の様子が何か変だ。

 

妙に余所余所しいと言うか上の空と言うか、取り敢えず変だ。

 

そんな一夏を少し不審に思うが、すぐに司の意識は簪が作っていたISに向かった。

 

「ISを1人でここまでかぁ~。スゴいな。企業が作ってる物かと思っていたがこんなに身近な所で作っている人が居るとはな…………」

 

ISを1人でここまで形にした簪に対して、素直にスゴいと思った。

 

「いいえ。この子も元々は企業で作られてたけど、織斑千秋の専用機を作るために計画が無期限に凍結されたの。それを私が引き取って今も作ってるの。」

 

一夏

「そうだったのか…………」

 

またアイツか。と2人は心の中で思った。

 

本当にどこまでも人に迷惑をかけるヤツだ。

 

「なぁ簪、このISを作るのを、俺達にも手伝わせてくれないか?」

 

「え?何で?」

 

自分達にもISの制作を手伝わせてくれと言う申し出に、簪は驚いた。

 

「単純な興味だ。未だ謎が多いISを俺達と同じ1年生が作っている。それを聞いたら手伝いたくなるし、こんなに間近でISと触れ合う機会なんて無いからな。……何か可笑しいか?」

 

「ISの知識を持っている人なら興味があっても絶対に作ろうとしないし、そもそも作れても絶対にやろうとしないから…………」

 

一夏

「俺達は少し変わってるだけだから。気にしないで。」

 

少し考えて、簪は2人の申し出を受けることにした。

 

そして、簪からも2人に頼み後とをした。

 

自分に稽古をつけて欲しいと。

 

「お願い。私には超えなきゃいけない目標があるの。それを越えるために、私は力が欲しいの。」

 

頭を下げてお願いされた。

 

力を求める為に頭を下げる辺り、彼女も本気なんだろう。

 

「なら、お前はその目標を超えた後、どうするつもりだ?強くなるのを辞めるのか?その力を別の事に使うのか?」

 

この質問に簪は、自分の思いを伝えた。

 

「強さを……力を得た後は、もっと強くなるために己を鍛える。強くなって、あの人の隣に立てるくらいに強くなりたい。もう、弱いのは、見ているだけなのは嫌だから!それに、私は人として強くなりたいの!」

 

その答えを聞いて、司は決めた。

 

彼女を強くすると。

 

「その答えを聞けて良かった。……刀は人を斬るためではない、弱き己を斬り更なる高みに行く為の物だ。その答えを出せたのなら、お前は力に溺れる事は無いだろう。……ISが完成したら一緒に強くなろう。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簪に稽古をつけることを決めた後、2人は整備室から道具をいくつか借りて部屋に戻った。

 

簪はまだやりたいことがあると言って整備室に残っている。2人が本格的に簪のIS製作に関わるのは代表決定戦以降からだ。

 

そして、部屋で2人は自分のSPシューターを分解していた。

 

「……これは酷いな。」

 

一夏

「えぇ、いろんなパーツにガタが来てますね。……予備のパーツで間に合うかな?」

 

「今度、一度日本署に戻ってフルメンテして貰おう。それまでは予備パーツでどうにかするしかないな。」

 

その後、2人は寝る時間を削ってまでSPシューターを直していた。

 

どんなものにもメンテナンスは大事だ。




取り敢えず予定していた簪の早期登場は出来ました。

明日は投稿できるか分かりません。主に体力的な事で。

感想よろしくお願いします。

次回もお楽しみに!


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episode5クラス代表決定戦 司VSオルコット

今回はクラス代表決定戦にします。作者的に戦闘描写は苦手なので少し読みにくいかも知れませんがご了承下さい。

それでは皆さん、ゆっくりしていってね。


土曜日の午前中、IS学園第1アリーナではクラス代表決定戦が行われていた。

 

話題の男性IS操縦者とSPDの2人が戦うと聞いて、1組だけではなく、他の組や学年、教師までもが観戦に来ていた。

 

「楽しみだね~。かんちゃん!」

 

「うん。楽しみだね。」

 

1組の布仏 本音と簪が楽しそうに試合観戦に来ていた。

 

一様、これは決闘で試合では無いのだがどう言う訳か試合となっている。

 

ピット内では男子生徒3人が準備をしていた。

 

千冬

「織斑の専用機が先程届いたばかりなので試合の順序を変更する。……久我、お前から行け。」

 

本来なら第1試合に織斑が出る予定だったが思ったよりも直前に専用機が届いたので急遽変更することにした。

 

一夏

「負けないで下さいね!ボス!!」

 

「当たり前だ。エマジェンシー!デカマスター!!」

 

コールを受けた日本署から形状記憶特殊合金デカメタルが微粒子状に分解され、司の体を包みデカスーツとなった。

 

「フェイスオン!!」

 

装着が完了すると、そのままピットから飛び出し、規定の位置まで進んだ。

 

「百鬼夜行をぶった斬る。地獄の番犬!!デカマスター!!!」

 

彼の登場と名乗りに会場の興奮は一気にマックスまで高まった。

 

オルコット

「斬れる物なら斬ってみなさい。……貴方に最後のチャンスを与えますわ。」

 

「チャンス?」

 

オルコット

「私が一方的な勝利を得るのは明白の理。ボロボロな惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝ると言うのなら情けない姿を晒さずに済みますわよ。」

 

「断る。俺は貴様ごときに敗北するつもりは無い。」

 

オルコットの言うチャンスを蹴り、負けるつもりは無いと言った。

 

試合開始の合図が無いが、オルコットが此方をロックオンしているのは見ただけで分かった。

 

『それでは両者規定の位置まで進んでください。』

 

規定の位置まで進むと、カウントが始まり、0で開始のブザーが鳴り響いた。

 

オルコット

「そう。それは残念ですわ。……それなら!お別れですわね!」

 

オルコットは司目掛けて初弾を放った。

 

オルコット

「さあ、踊りなさい。私、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」

 

見ている人誰もが思った。

 

当たったな。と。

 

だが司は落ち着いて腰のホルスターからディーソードベガを抜き、封印を解いた。

 

「ディーソードベガ!」

 

解放したディーソードベガの一降りでオルコットの放ったレーザーをかき消した。

 

オルコット

「中距離射撃型の近距離格闘武器で挑もうだなんで……笑止ですわ!」

 

「それはどうかな?」

 

マスクの中で不適な笑みを浮かべる司。

 

オルコット

「行きなさい!ブルー・ティアーズ!!」

 

オルコットの言葉と共に、ISから無数の浮遊物体が排出された。

 

一夏/簪

(あっ、ファング。)

 

2人の中で何がシンクロした。

 

一夏/簪

(イヤ、ファンネルか。それともビット。)

 

また何がシンクロした。

 

オルコット

「それでは、フィナーレと行きましょうか!」

 

「ビット兵器か。少し面倒だな。」

 

そう言いながらも司は各ビットと自分の間合、貯めてるエネルギーの量を計っていた。

 

計算している間も、ビットからは無数の攻撃が放たれるが、その全てを躱し、弾いていた。

 

その光景を見ていたオルコットの焦りは次第にたまり、今まで通りの教科書に書かれている綺麗な攻撃が崩れ、雑になってきた。

 

「見えた!」

 

そう呟き、自分から3番目に遠いビットに向かって一直線に走り出した。

 

当然良い的であるが、それが司の狙いだ。

 

ビットから放たれたレーザーをディーソードベガの刀身で反射させ、先程まで自分が居た場所に1番近いビットに当てた。

 

すると、そのビットから次のビットへとレーザーが流れ、綺麗に全てのビットを破壊した。

 

オルコット

「そんな!?ブルー・ティアーズが!?」

 

がら空きになったオルコットに向かって一気に跳び、地面に叩き落とそうとした。

 

そして、ギリギリの位置で、

 

オルコット

「残念でしたわね!おあいにく様、ブルー・ティアーズは6機あってよ。この距離なら避けられませんわ!!」

 

回避が間に合わない位置で、残り2機のブルー・ティアーズからミサイルが放たれた。

 

この2機はレーザーではなくミサイル兵器の様だ。

 

「避けられないのなら、避けなければ良いだけの話だ。」

 

そう言うと、ディーソードベガを横に構えて回転した。その回転でオルコットのかくし球であるミサイルは真っ二つに斬られた。

 

オルコット

「そんな!?滅茶苦茶な!!?」

 

「戦いに滅茶苦茶も道理もあるか!!」

 

斬ったミサイルの破片を足掛かりにし、さらに高い位置に飛んだ。

 

「ハァ!!」

 

オルコットを地面に目掛けて蹴り落とした。

 

今の一撃でかなりのシールドエネルギーを持っていかれた。

 

オルコット

「この!」

 

地面に叩き落とされたが、今無防備に空中に居る状態なら簡単に当てられるだろうと思い、ライフルを構えたが、

 

パキッ!

 

オルコット

「え?」

 

ライフルが綺麗に半分に折れた。イヤ、斬られていた。

 

オルコット

「いつの間に!?」

 

「ミサイルを斬ったのと同時にだよ。ミサイルを放って気を緩めるからそう言う単純な手に引っ掛かるんだよ。」

 

オルコット

「クッ!インターセプター!」

 

何とか立ち上り接近武器を呼び出すが、構えからして素人丸出しだ。

 

「最後まで戦う姿に敬意を表す。此方も全力を持って応えさせて貰おう。」

 

ディーソードベガで円を描いて、脇構えをとって地面を滑るように突撃した。

 

「ハァァ……ベガスラッシュ!!」

 

オルコットの横をすれ違い様に横一文字に叩き斬った。

 

オルコット

「キャァァァ!!!」

 

『セシリア・オルコット、ブルー・ティアーズシールドエネルギー0。よって、久我 司の勝利!!』

 

その放送に、会場が一気に沸いた。

 

オルコット

「な、何故……」

 

「ビットを操作するときにお前自身も動ける様にしろ。そして、ナイフを使った接近格闘も習得しておけ。そうすれば強くなれる。」

 

戦いの中で見付けたオルコットの改善点を伝えると、その場から立ち去った。

 

オルコット

「あ、あの!ありがとうございました!!」

 

そう言って、オルコットもピットへ帰っていった。




司VSオルコットでした。

デカレンジャー本編でもボスは訓練の中でバン達に改善点を丁寧に教えていたのでこっちでもやってみました。

次回は一夏VS織斑です。オルコットVS織斑は簡単に結果がわかるのですっ飛ばします。

弟を入れなければ良かったな……。入れても入れなくてもストーリーは変わんないけど。

感想をよろしくお願いします。

次回もお楽しみに!!

次回からタイトルを変更します。案を下さったルオンさん、ありがたく使わせて貰います。リクエストありがとうございました。


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episode6 白(ブレイク)VS白(白式)

今日よりタイトルを『ISの世界に地獄の番犬』から『インフィニット・デカレンジャー~クールで熱い戦士たち~』に変更しました。

リクエストをくれたルオンさん、ありがとうございました。

それでは今日もゆっくりしていってね。

※物語の進行スピードを見てあまりにも遅すぎたので、一夏VSオルコット、司VS織斑、オルコットVS織斑は省きます。ご理解下さい。

見たいと言う方が居ましたら、福音編終了後の番外編で書こうと思います。



クラス代表決定戦第5試合、一夏VS織斑の戦いが始まろうとしていた。

 

第2第3第4の試合を簡単に説明すると、一夏VSオルコットは一夏の勝利、オルコットVS織斑は千秋が負けた。司と一夏の戦いでオルコットは相手を見下すことが無くなったからだ。一切の隙がなかった。司VS織斑はみんなが予想した通り、一撃で織斑が敗北した。今日の試合の中で最短だ。(試合開始0.25秒)

 

そして、次は一夏と織斑の番になった。

 

織斑の方は先にピットから出て、アリーナ上空で待っていた。

 

「存分にやってこい!」

 

一夏

「ロジャー!エマジェンシー!デカブレイク!!」

 

形状記憶特殊合金デカメタルが、微粒子状に分解され、一夏の体を包みデカスーツとなった。

 

一夏

「フェイスオン!!」

 

司のデカマスターとは違い、武装は左腕のブレスロットルと鍛え上げられた技のみ。姿は司とは逆の白。

 

「アイツは恐らく剣でかかってくるだろう。これを使え。敢えて同じ土俵に立ってやれ。」

 

そう言うと、司はディーソードベガを一夏に渡した。

 

一夏

「ロジャー!行ってきます!」

 

ディーソードベガを受け取り、勢いよくピットから飛び出した。

 

一夏

「無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る!夜明けの刑事!!デカブレイク!!」

 

会場が一気に沸いた。SPDの名乗りはやはり皆が興奮するようだ。

 

千秋

「フン。お前みたいな出来損ないがSPDとは…………しかも俺と同じ刀で勝負とはな。相変わらず馬鹿だな。お前みたいな汚点は、ここで俺が殺してやるよ。なぁ~に、事故として処理されるさ。」

 

真っ黒に染まった歪んだ笑みで一夏を睨み付けた。

 

生理的に受け付けない顔だ。

 

『試合、開始!!』

 

千秋

「各の違いを見せてやる!無様に死ねぇぇ!!」

 

開始のブザーが鳴り響くのと同時に、千秋がフルスピードで一夏に突っ込んできた。

 

ハッキリ言おう。的だ。

 

普段から常人には理解し難い訓練を積んでるSPDの実働部隊だ。その程度の攻撃は訓練生でも沈めることが出来る。

 

当然、SPD内で司の右腕である一夏が止められない筈が無い。

 

一夏

「正拳アクセルブロー!電撃拳エレクトロフィスト!!」

 

左腕のブレスロットルのハンドルグリップを展開して絞る事で発動する正拳アクセルブロー。

 

その攻撃の1つ1つが強力で、数多の犯罪者を粉砕してきた。

 

左腕から放たれた電撃に、千秋はなすすべなく撃ち落とされた。

 

千秋

「アガッ!ひ、卑怯だぞ!刀を持ってるなら刀で戦え!」

 

一夏

「卑怯?聖者でも相手にしてるのか?戦いに卑怯なんて物は無いんだよ!」

 

むしろアイツの口から卑怯なんて言葉が出てくるとは思わなかった。散々卑怯なことしておいたのに、どの口が言うんだ。

 

一夏

「ディーソードベガ!!」

 

電撃で機体の動きが鈍くなっている白式に、一夏はディーソードベガの封印を解いて一気に突っ込んだ。

 

千秋

「グワ!アァ!アァァ…………」

 

手に持っていた雪片弐型と言われる白式唯一の武器を弾き飛ばし、斬りつけた。

 

武器を失ったことで、完全に戦意が喪失している千秋。だが試合はまだ終わっていない。

 

ルール上は相手の戦意が無くなろうと動けなくなろうとシールドエネルギーを0にするまでは終わらない。

 

これがこの試合のルールだからだ。

 

一夏

「どうした?各の違いを見せるんじゃ無かったのか?」

 

逃げ腰の千秋にジリジリと迫ってくる一夏。

 

顔は見えぬが目の前に立たれれば分かる。

 

今の彼は完全に犯罪者を裁く人間になっていると。普段の穏やかさなぞ一辺も残っていないと。

 

千秋

「ひぃ!アァァァァ…………!わァァァ!!」

 

あまりの恐怖に怖じ気ついたのか、フルスピードでその場から逃げようとしたが、

 

一夏

「逃がすか!赤座流剣法!雷神剣!」

 

千秋

「グワァ!!」

 

攻撃を背中に受け、落ちてしまった。

 

背中の傷は剣士の恥と言うが、もはや恥しか晒してない。

 

一夏

「まだシールドエネルギーが残っていたか。案外丈夫だな。」

 

止めを刺そうと拳を上げたら、

 

千秋

「ま!待ってくれ!俺の敗けだ!もう止めてくれ!!」

 

そう言った。

 

その言葉を聞くと、一夏は背中を向けてピットに戻ろうとした。

 

その時、

 

千秋

「馬鹿め!!戦いに卑怯も無いんだろ!死ねぇぇ!!!出来損ないぃ!!!!」

 

無防備になっている背中を貫こうと、腕を前に突き出し突撃してきた。

 

一夏

「そんな手に引っ掛かるわけ無いだろ。」

 

千秋

「!?」

 

突き出された腕を弾き、彼の胴体に攻撃を叩き込んだ。

 

一夏

「高速拳!ライトニングフィスト!!」

 

高速の打撃が千秋の体に炸裂し、壁に吹っ飛ばした。

 

その結果、白式のシールドエネルギーは0になった。

 

『白式、シールドエネルギー0。よって勝者、姶良一夏!!』

 

『ワァァァァァァ!!!』

 

会場が割れんばかりの声援を浴びた。

 

軽く手を振ってピットに戻っていった。

 

「カッコいい…………」

 

本音

「?」

 

何か熱っぽい視線を一夏に向けていた簪に本音が?を浮かべていた。

 

ピット内で、一夏は司に注意を受けていた。

 

「よくやったな。だが少しやり過ぎだぞ。今度からは気を付けろ。」

 

一夏

「ロジャー!」

 

こんな話をしていると、後ろから急に胸ぐらを捕まれた。

 

篠ノ之箒だ。

 

「おい一夏!貴様何だあの戦い方は!!刀を持つものがあんな戦い方で良いのか!!何か言ってみろ!!!お前の卑怯な戦い方のせいで千秋が怪我をしてしまったではないか!!!」

 

自分の想い人がやられたことに怒っているようだ。

 

一夏

「試合で怪我をするのは相手が弱いから、相手の鍛練が足りないからだ。どっかの誰かが言った言葉だ。」

 

どっかの誰かとは、目の前に居る女だ。

 

「貴様ァ!!」

 

一夏

「俺達はルールのあるお遊びをしてるんじゃない。戦ってるんだ。口を出すな。」

 

手を振りほどかれ、何も言えなくなってしまった箒は、逃げるようにピットから出ていった。

 

一夏

「次は俺たちの試合ですね!負けませんよ!」

 

「あぁ、俺も負けるつもりは無い。」

 

次が最後の試合。

 

勝つのは黒か、白か。

 

今だけかつて見たことの無いSPD同士の本気の試合。

 

戦う本人達も、それを見る人達も緊張が走る中、刻々と準備が進められた。




と言うことで白VS白でした。

やっぱり屈辱的な敗北をさせるって難しいですね。

時間と体力が残れば今日中にもう一本出します。

感想よろしくお願いします。

後書きに出てみたいと言う方が居ましたら感想欄で質問内容と自分のしゃべり方等を書き込んでください。

順々にに後書きコーナーに出させていただきます。

質問には出来る限り答えますが、作品の根底に関わることや、今後の盛大なネタバレになることには答えられませんのでご注意を。

それでは次回もお楽しみに!!

次回 黒VS白 本気の戦い


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episode7 黒VS白 本気の戦い

休日は9割が自室にこもっている作者です。

今日は2本目です。時間があったので。

司VS一夏の本気のバトルです。

剣と拳のバトル。勝つのはどっちだ?

例のごとく、今回もゆっくりしていってね。


SPDの隊服の状態でアリーナの中心に居た。

 

デカスーツを装着していないのはSPD同士で本気の勝負を行う時のルールに乗っ取って試合を始める為である。

 

SPD同士の、しかも現デカレンジャー内の最強同士の戦いだ。観客席の観戦者も2人の緊張が伝わったのか一言も声を出さない。

 

『試合開始!!』

 

試合開始の合図で漸く2人が動き始めた。

 

司/一夏

『エマジェンシー!!』

 

「デカマスター!!!」

 

一夏

「デカブレイク!!!」

 

SPDの要請を受け、形状記憶特殊合金デカメタルが微粒子状に分解され、日本署から転送される。

 

分解されたデカメタルが2人の体を包みデカスーツを形成した。

 

司/一夏

『フェイスオン!!』

 

「百鬼夜行をぶった斬る、地獄の番犬!!デカマスター!!!」

 

一夏

「無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る!!夜明けの刑事!!デカブレイク!!!」

 

先程までの試合ではこの名乗りを聞くだけで会場が熱気に包まれたが、今は違う。

 

1秒が1分に感じ、1分が10分に感じる程までに張りつめた空気の中、2人は互いを見据え、攻撃のタイミングを図っていた。

 

司は腰の刀に、一夏はブレスロットルのハンドルグリップに。

 

そして、張りつめた緊張感が限界を迎えたとき、2人は一気に互いの間合いを詰め、攻撃を繰り出した。

 

「ハァァ!!!」

 

一夏

「デリャァ!!!」

 

攻撃と攻撃がぶつかる度に辺りに響き渡る爆音。

 

一歩を踏み出す度に地面がえぐれ、壁に亀裂が入る程の衝撃。

 

空気が震え、辺りにはいくつものクレーターが出来る。

 

その戦いを見ていた者は全員息を飲んだ。

 

そして自覚した。SPDの強さを。

 

オルコット

「な!なんですの!?この戦いは!!?」

 

代表候補生すら声をあげる戦い、誰もが思うだろう。「あの場に居るのが自分で無くて良かった」と。

 

一夏

「竜巻拳!トルネードフィスト!!」

 

「ハァ!!デリャァ!!」

 

一夏の出した竜巻を切り裂き、攻撃を入れる。

 

一夏もただ司の攻撃を食らうわけではなく、それに合わせて自分の攻撃もぶつけた。

 

音が遅れてやってくる程目には見えないスピードで交わされる攻撃の数々。

 

誰もが、戦いに見いってしまった。

 

一夏

「高速拳!ライトニングフィスト!!」

 

「グッ!!ハァ!」

 

一夏の攻撃に吹っ飛ばされる瞬間、ディーソードベガをライフルモードに変え、エネルギー弾を放った。

 

一夏

「グワ!!」

 

両者アリーナの壁に埋もれた。

 

だが再び立ち上り司は刀を、一夏は拳を構え、お互いに突っ込んだ。

 

一夏

「必殺拳!!ソニックハンマー!!!」

 

「ベガスラッシュ!!!」

 

2人のダメージや疲労の具合いから見ても、これが最後の攻撃になるだろう。

 

最後の攻撃に全ての力を注ぎ、ぶつけた。

 

アリーナ全体が、途轍もない爆音と光、衝撃に包まれ、勝負が決まったと誰もが思った。

 

だが、2人はまだ立っていた。

 

そして、

 

司/一夏

『グッ!』

 

同時に倒れ、変身が解除された。

 

『両者、シールドエネルギー0。戦闘続行不能。よって、引き分け!!』

 

一夏

「そんな~……」

 

勝てなかった事が悔しかったのか、声を漏らした。

 

一夏

「手加減したんですか?ボス。」

 

「お前がどう思おうと勝手だが、俺は全力で戦ったぞ。強くなったな一夏。」

 

そう言って、座り込んでいる一夏に手を差し伸べて立ち上がらせた。

 

その光景を見た観戦者の拍手が、次第にアリーナ全体に伝染し見ていた人全員が大きな拍手を2人に送った。

 

「帰って傷の手当でもするか。」

 

一夏

「ですね……。」

 

ピットに戻ると、山田先生と織斑千冬が出迎えた。

 

千冬

「凄い戦いだったな。これなら2人の内どちらかがクラス代表になるだろう。」

 

これを伝えるためにわざわざここまで来たようだ。

 

「悪いが、俺達はクラス代表を辞退させてもらう。」

 

千冬

「な!何故だ!?クラスの代表になることに何の不満がある!?」

 

一夏

「俺達はSPDの職員です。仕事も入れば事件が起きたときに行かなければならない。代表何かやってる暇が無い。」

 

その答えに、真耶は納得した顔をしていたが、千冬はまだ何か言いたそうだ。

 

「と言うわけで、俺達は辞退します。そもそも、おれたちがクラス代表では他のクラスから苦情がきます。それでは。」

 

辞退することを伝えない2人は部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄い戦いだったわ。2人とも本当に強いんだね。」

 

一夏

「イヤ、まだまだだよ。ボスを超える。それが俺の目標だから。」

 

「なら、俺ももっと強くならなくちゃな。お前の前に壁として立ち続けるために。」

 

簪が司達の部屋に入って2人の戦いの感想を言った後、少し雑談をして、明日の予定を伝えた。

 

日本署で簪の専用機を見てもらうためだ。とんでもない専門家に。

 

その為、3人は早めに休んだ。

 

簪は明日が楽しみな様だ。予定を伝えるとかなり嬉しそうにしていた。

 

2人も機体の完成が近付くと思うとワクワクしていた。

 

司はついでにSPシューターのフルメンテをしてもらおうと考えていた。今のままでは危険過ぎるからだ。

 

予備パーツもSPシューター5個分程貰うつもりだ。




と言うわけで代表決定戦はこれで終了です。

そして1話が短い!

次回は日本署でISを見てもらうことと一夏と簪に何かがあります。悪いことでは無いですよ。

それよりも鈴の立ち居地をどうするか……。アンチにはしたくない。

感想よろしくお願いします。

次回もお楽しみに!!

※デカブレイクのデカスーツも日本署から転送される設定に変えました。


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episode8 打鉄弐式

鈴のポジション考えてたら落ち着かなくなったので今日3本目書きます!

ダァー!!鈴のポジション!!

???
「信実一番!デカレッド!!」

ん?何だ今の?


クラス代表決定戦が無事に終わった次の日、今日は簪を含めた3人でSPD日本署に行く予定があった。

 

主な理由は簪の専用機だ。日本署に居るとんでもない専門家に、簪の専用機を見てもらい、アドバイス等を貰うためだ。出来れば完成させたい。

 

「お待たせ~!待機状態にするのに手間取って。」

 

「構わない。行くとしよう。」

 

モノレール、電車、バスに揺られること約2時間。漸く日本署に着いた。

 

「ここが、SPDの日本署……。」

 

一夏

「初めて見たの?」

 

「ネットで何回か見た程度だから、スゴく大きい…………」

 

確かに、日本署は遠くから見ればテレビの電波塔に見えなくもない。初めて見たのならば圧倒されて当たり前だ。

 

「完成したのは10年前と最近だがな。」

 

因にデカスーツが完成したのは5年前で割りと最近の物が多い。

 

SPD結成当初からの物と言えば隊服とチェンジモードの無いSPライセンスとSPシューター位だ。結構多いと思うが、これ以外の武装は殆どが最近になって完成したものだ、ディーソードベガ以外。今の様にハイテクかつ装備が充実しているのはとある女性のお陰だが。

 

「早く行くぞ。催促のメールがきた。」

 

日本署の外側でも驚いていたが、中を見た簪は更に驚いていた。もっと堅苦しい感じかと思っていたが、かなり広く快適な空間だったからだ。

 

一夏

「離れると迷子になるよ。」

 

「え?あっ!待って~!」

 

置いていかれそうになったので急いで一夏の元へと向かった。

 

日本署内を司と一夏に案内されながら目的の場所に到着した。

 

部屋のドアを開けて中に入ると、簪はまた驚いた。

 

「し!篠ノ之博士!?」

 

まぁ、確かに現在進行形で失踪中の人が目の前に居れば驚くだろう。

 

「この子が司くんの言ってた子?」

 

「そうだ。更識 簪、IS学園の整備室で一人で専用機を作っていた子だ。」

 

「よ!よろしくお願いします!」

 

「うん!よろしくね。簪ちゃん!」

 

軽い挨拶を交わして、簪は自分の専用機と設計図、そして現在作っている物を見せた。

 

「成る程、オールラウンダー型の機体、高性能誘導ミサイル48発と荷電粒子砲が2門、そして接近武器の薙刀と日本刀……。この日本刀は君が考えたの?」

 

「はい。2人に稽古を着けて貰うので日本刀も取り入れようかと。」

 

「通りで見たこと無いデザインな訳だよ。変にアレンジの加わってない形なら振ったときの空気抵抗を最小限に出来るしこの長さなら他の武装とも合わせられる。制作者ならではのデザインだね。」

 

設計図を見て機体の事を分析し、簪自身が設計した刀の事を褒めた。

 

「でもミサイル48発はちょっと少ないかな?」

 

普通ならかなり多いと思うがそれでも少ないと言った。

 

「いっくんに司くん、仮想戦闘訓練ブースに入って。シミュレーションするから。」

 

束の言葉に、2人は変身してブースの中に入った。

 

「それじゃあ簪ちゃん、見てて。」

 

まずは司、彼に向かって48のミサイルが飛んできたが、ディーソードベガの一降りで8発程斬られ、他のミサイルも次々に斬られていった。

 

次に一夏がシミュレーションをすると、トルネードフィストで半分が片付けられ、残りは近い順に拳で粉砕した。

 

「ね。」

 

この2人が相手なら確かにそうだ。

 

「もう100発位増やした方が良いでしょうか?」

 

「思いきったね。流石の私もそんな数字は思い付かなかったよ。」

 

精々50発かと思っていたが2倍の100が出てきた事に驚いていた。顔には出さないが。

 

そんな簪に若干引いていると、2人がブースから出てきた。

 

「お疲れ様。どうだった?」

 

「良い運動になった。」

 

一夏

「同じく!」

 

2人にとっては運動程度だったそうだ。

 

「じゃあミサイルの数増やして、もう1つ大火力な武器が欲しいな。」

 

「でも火力が高いとそれだけエネルギーの消費が激しくなりますが…………」

 

簪の言うことはもっともである。

 

火力が高いと言うことは、エネルギーを大量に消費する。それでは長期戦がキツいし、何よりエネルギーを溜めるのに時間がかかる。

 

「う~ん…………。あっ!そうだ。司くんがいっくんをドイツで助けたときに回収したISのコアは?」

 

「どこの国のISかが不明だったから今でも持っているが。」

 

「よ~し!なら贅沢にコア1個をまるまる武器に使っちゃおう!!そうすれば問題解決!!」

 

何かとんでもなく恐ろしいことを言いやがった。

 

そんな武器が使われたら普通のISは一溜まりもない。

 

非情にロマンがあるが危ない。簪も断るだろう。

 

「大火力は乙女のロマン。」

 

何か好意的に受け入れた。ISを作る人はどこかが真面じゃない。

 

「設計図とパーツ作るからいっくんと簪ちゃんは遊びに行っても良いよ。司くんは手伝って。」

 

「え?良いの?」

 

一夏

「あぁなったら言うこと聞かないから良いよ。」

 

1時間位で完成するそうなので近くの店で各々買い物をすることにした。

 

余談だが、何故か日本署周辺にはプラモデル屋や特撮を専門とした店が多い。ファンにとっては堪らない場所である。

 

一夏

「最近買ってなかったし大量にプラモでも買おうかな?…………お!?こ!これは!!」

 

とある店であるものを見付けてテンションが一気に上がった。

 

一夏

「何故プ○バン限定のCSMがこんなところに!?まさか転売!?」

 

店員

「人聞きの悪いこと言わないで貰えます?店長がちゃんと許可取って数個限定で売ってるんです。高いから売れないけど。」

 

一夏

「買った!!両方ともくれ!!」

 

そのまま一夏はCSMのファイ○ギアとファイ○アクセルを買ってしまった。

 

その後も新作のガ○プラを20箱、塗装に接着剤、艶消しニスを買って日本署に向かった。

 

一夏

「いゃ~、良い買い物したな~。」

 

趣味の物を大量に買って嬉しそうだ。

 

その頃簪は、

 

「こ!これは!!プ○バン限定のCSM!何でこんなところに!?まさか!転売!?」

 

店員

「人聞きの悪いこと言わないで貰えます?店長がちゃんと許可取って数個限定で売ってるんです。高いから売れないけど。」

 

別の店で聞いたことあるような内容の会話をしていた。

 

「か!買った!!両方ともちょうだい!!」

 

勢いに任せてCSMのガブ○ゼクターとガタッ○ゼクター、そしてハイ○ーゼクター2つを買ってしまった。

 

その後も新作のガ○プラと特撮のDVDとプラモ用の塗装に接着剤、艶消しニスを買って日本署に向かった。

 

何かどっかで見たことある展開だ。

 

そして、約束の時間が近づいてきたので日本署に向かうと、入り口で2人が鉢合わせた。

 

一夏/簪

『な!?(マズイ!!どうする!!)』

 

2人はお互いを見るとかなり焦っていた。

 

一夏

(み!見られた~!!どうする!どう切り抜ける!!思い切って言うか!?特撮やロボットアニメが好きですって!?イヤでも良い年して同い年のしかも一目惚れした初恋の相手にこれは恥ずかしすぎる!!笑われたり引かれたりしたら一生立ち直れねー!!ボスに頼まれてた物って言うか?それじゃあすぐにバレる~!!誰か!誰かこの時の模範解答を教えてくれ~!!!)

 

(見られた~!!どうしよう!!女の子なのに特撮やロボットアニメが好きなのバレたら!!ただでさえメガネで根暗ってイメージが周りにあるのにそこにオタクが入ったらヤバイ!!て言うか初恋の相手にそんなこと思われたら一生立ち直れないよ~!!どうする?どうすればこの状況を切り抜けるの!!誰か教えて~!!!)

 

びっくりするほど同じ事を考えていた。

 

一夏/簪

((あれ?て言うか2人して箱の袋のなかの物が似通ってる~!!!!なら言うか!思い切って自分の趣味ですと!!))

 

一夏

「あ、あの~。ちょっとお話しましょう。俺の部屋来ません?」

 

「は!はい。」

 

そのまま2人は大荷物を持って日本署内にある一夏の部屋に向かった。

 

そこそこ広い一夏の部屋で、お互いに正座をしながら向かい合っていた。

 

一夏

「あ、あの~、失礼ですけど趣味は?」

 

見合いかこれ?

 

「と、特撮アニメを見ることや、ガ○プラを作ることです…………。そちらのご趣味は?」

 

一夏

「お、同じく特撮アニメを見たり、ガ○プラを作ることです。後、こう言う物を買うことも。」

 

買ってきたCSMを見せながら言った。

 

「わ、私も……です。」

 

共通の趣味の持主の様だ。さっきまでの心配は全くの無意味だった。

 

その後、パーツ完成の連絡があったので、2人は束と司の元へと向かった。

 

「はいこれ。設計図とマルチロックオンシステムのプログラム。後、バグを見つけるためのソフトだよ。パーツは後で送るね。」

 

「ありがとうございました!!必ずこの子を完成させます!!」

 

「うんうん!そのいきだよ!頑張ってね!!」

 

「はい!」

 

「そろそろIS学園に戻るぞ。」

 

アタッシュケースを持ちながら言った。

 

ケースの中には新しいSPシューターと予備のパーツがいくつか入っている。

 

この日の用事は終わったので、3人で帰ることにした。




取り敢えず3本目です。一夏と簪の趣味を同じにしてみました。

鈴のポジション…………親友兼2代目デカレッドにしようかな?

頭の中を横切っただけなのでするとは限りません。

そして次回、まさかの鈴登場。

感想よろしくお願いします。

次回もお楽しみに!!

今回の話は色々と無理があると思いますがご了承下さい。私の能力ではこうなります。あまりにもヤバイ場合は削除して書き直します。


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episode9 チャイニーズガール

皆さま、おはこんばんちは。昨日3本投稿して、懲りずに今日も投稿する作者です。

悩みに悩んだ鈴のポジション。漸く覚悟が決まりました。

鈴のポジションは作品内で、それでは今日もゆっくりしていってね。


月曜日、それは誰もが憂鬱に思う日。作者はジャンプを買うのでたいして憂鬱には感じないが、日本人の8割は「滅び去れ!!!」と思ってしまうだろう。

 

…………イヤ、こんなバカな話はどうでも良いんだ。

 

日本署での用事を終えた次の日、朝のショートホームルーム。あり得ないことが起きていた。

 

真耶

「では、1年1組のクラス代表は織斑千秋くんに決定しました。頑張って下さいね。」

 

その言葉に周りの女子生徒はこの世の終わりみたいな顔をしていた。

 

月曜日から。

 

千秋

「ちょっ!ちょっと待ってくれ!!何で俺なんだよ。オルコットやあのSPD2人で良いだろ!!」

 

オルコットが全員の前で先日の失言に付いての謝罪を終えると、織斑が急に立ち上り、自分がクラス代表になっている事に対して抗議をした。

 

真耶

「オルコットさんは訓練のため辞退、久我君と姶良君はSPDの仕事があるため代表をやることは出来ませんし、そもそも2人がやったら他のクラスとのパワーバランスが崩れますので……。」

 

千秋

「ふざけるな!!そんなの認められる訳無いだろ!!」

 

真耶

「えぇ~……そんなこと言われても…………」

 

あんまり山田先生を困らせるな。と言うか何様のつもりだ。作者の権限で消すぞ。

 

千冬

「大声を出すな。座れ。これは決定事項だ。男なら腹を括るんだな。1時間目はISの実技だ。各人準備をしてグラウンドに集合するように。」

 

織斑を黙らせてから1時間目の準備をするように促した。

 

「これよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。専用機持ちは試しに飛んでみろ。」

 

クラス代表決定戦と言う面倒な事この上無い行事が終わり、専用機持ち以外の生徒は初めてISを動かす事になるこの授業。

 

取り敢えず専用機持ちに見本を見せてもらうみたいだ。

 

オルコット、司、一夏はすぐに展開出来たが、織斑は全く出来ていない。

 

千冬

「早くしろ。熟練した操縦者は展開までに1秒とかからないぞ。」

 

その後、色々試行錯誤することで漸く展開出来た。

 

千冬

「よし、飛べ。」

 

その言葉で、オルコットと千秋が飛んだ。

 

司と一夏は飛べないことは伝えていたので地上にいる。

 

正確に言えば、トルネードフィストを使えば飛ぶことは出来る。細かいコントロールは難しいのでやる人は少ないが、特キョウで非番の職員はたまに訓練室で飛んで遊んでいる。これを見た司は最初の5回程は注意していたが、後からはなにも言わなくなった。

 

因に、上空の千秋はと言うと、オルコットの後ろをヨロヨロと飛んでいた。

 

スペック上は白式の方がスピードは高いんだがな。

 

結構な高さまで飛ばすと、次は急降下の指示を出した。

 

停止ポイントは地上から10㎝のところだ。

 

結果を伝えよう。

 

オルコット、ジャスト10㎝。

 

織斑千秋、クレーター。

 

である。

 

千冬

「馬鹿者。誰が激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする。」

 

千秋

「…………すみません。」

 

千冬

「はぁ、次は武装の展開だ。それくらいはまともに出来るだろう。」

 

それくらいなら、と呟き、展開した。

 

約1秒かかった。

 

千冬

「遅い。0.5秒で出せるようになれ。次、オルコット。」

 

オルコット

「はい」

 

左腕を肩の高さまで上げ、真横に腕を突き出す。一瞬光ると手にはライフルが握られていた。

 

マガジンの装填、セーフティの解除を含めて1秒とかからなかった。

 

千冬

「流石代表候補生。だが、ポーズは直しておけ。若しくは周りに注意するんだな。横を見ろ。」

 

千冬に言われた通りに横を見ると、司がディーソードベガをオルコットの喉元に、一夏がハンドルグリップを展開して攻撃に入る動作をしていた。

 

オルコット

「ヒィッ!?」

 

短い悲鳴を上げると、すぐに武器をしまった。

 

「反射してしまうから気を付けろ。」

 

オルコット

「は、はい……」

 

その後も色々とあったが、そんな事をしている尺がないのですっ飛ばします。

 

放課後、2人は整備室で簪の専用機組み立ての作業の手伝いをしていた。

 

一夏

「え~っと……ここがここで……」

 

組み立ての説明書を見ながら部品を組み立てていた。

 

「何で組み立て用の図がプラモの説明書風なの?」

 

「突っ込んだら負けだ。」

 

簪はプログラムを、一夏と司の2人は組み立てるだけのパーツを各々やっていたが、2人の設計図は何故かプラモの説明書風だ。分かりやすいと言えば分かりやすい。だが何か真が抜けてる。

 

「大火力武器は送られたのか?」

 

「まだ、でもイメージ映像は見せてもらった。」

 

その映像を2人にも見せると、「何かガ○ダムみたい。」と言う感想が出た。

 

その後もクラス代表の就任パーティーの誘いなどがあったが全部無視した。参加が面倒なので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、クラスは何か盛り上がったいた。

 

「ねぇ、2人は聞いた?転校生の噂。」

 

一夏

「転校生って、こんな時期に?」

 

「転校と言うより転入だろ。」

 

ごもっともである。

 

そして噂の転校生は中国の代表候補生だそうだ。

 

一夏

「中国か……」

 

オルコット

「どうかしましたか?中国にご友人でも?」

 

中国と言う言葉にどこか懐かしそうにする一夏にオルコットが質問した。

 

一夏

「ああ、親友で同僚が一人。最近会ってなかったな~。」

 

そんな話をしていると、後ろから誰かに呼ばれた。

 

「久我 司さんと姶良 一夏は居ますか?」

 

一夏

「り、鈴?」

 

名前を呼ばれて振り向くと、そこには先程一夏が話していた人物が居た。

 

「久しぶりね。2人とも。元気にしてた?」

 

「ああ、久しぶりだな。何で日本に?」

 

「それは……」

 

日本にきた理由を話そうとしたとき、とっさに腕を後ろに伸ばし、何かを受け止めた。

 

「背後から急に出席簿で頭を殴るとは、何を考えているんですか?」

 

受けとためたのは千冬が降り下ろした出席簿だった。

 

千冬

「ショートホームルームの時間だ。さっさと教室に戻れ。」

 

特に悪びれもせず教室に帰そうとした。

 

「チッ……また後でね。」

 

態度が気に入らなかったのか、舌打ちをして自分のクラスに帰っていった。

 

午前の授業が終わり、昼休みに入った。

 

「一夏、食堂に行こう。途中で簪と鈴を誘って。」

 

一夏

「はい」

 

オルコット

「私もご一緒してよろしいでしょうか?」

 

オルコットと一緒に2組、4組に回り簪と鈴を連れて食堂まで来た。

 

5人で座れる場所に注文した料理を持って座ると、オルコットが2人に質問した。

 

オルコット

「こちらの方は?」

 

一夏

「紹介がまだでしたね。彼女は凰鈴音(ファン・リンイン)俺の昔からの親友で同期のSPDです。でも今は中国署の特キョウ捜査課の第1班の班長じゃなかったっけ?」

 

「班長はやめたの。今は普通の捜査官。日本署に配属されたから挨拶をしようと思って。ISの適正の高かったから代表候補生も同時にやってるわ。んで?そっちの2人は?」

 

「ああ、こっちがオルコット、もう1人が簪だ。」

 

オルコット

「セシリア・オルコットです。イギリスの代表候補生です。」

 

「更識 簪です。日本の代表候補生です。」

 

「さーてと、お腹も空いたしご飯ご飯。」

 

と昼食に手を着けようとしたとき、ある人に声をかけられた。

 

「おぉ?鈴じゃないか!久しぶりだな!!」

 

「何だあんたか。何か用?」

 

露骨に嫌な顔をした。

 

どうやら鈴も織斑千秋は気に入らない様だ。

 

千秋

「冷たいな~。幼馴染みなのに。積もる話もあるから食事に誘ったんだよ。」

 

「あんたなんかと馴染んだつもりは無いけど。それに話なんか無いわ。」

 

千秋

「そんなこと言うなよ。こんな奴等と居るよりは良いぞ。ほら行こう。」

 

断った鈴の腕をつかみ強引に自分の席に連れていこうとした。

 

すると、鈴が立ちか上がり、

 

「ヤァ!」

 

正拳突きをお見舞いした。

 

千秋

「な!何すんだよ!?せっかく誘ってやったのに!!」

 

「必要ないってのが聞こえなかった?目障りだから消えて。」

 

舌打ちをして逃げるように離れていった。

 

オルコット

「随分と嫌っているみたいですね。」

 

「当たり前でしょ。あんな卑怯者。嫌わない方が可笑しいって。弱いし。」

 

「才能に頼って努力しない人は強くなれないもんね。」

 

「性格の捻れば強くなるけどな。」

 

その後も、色々と雑談をし、昼休み終了後各々のクラスに戻った。

 




と言うわけで、鈴を特キョウにしました。察しの良い方はどのデカレンジャーか理解出来たでしょう。

感想欄にあって成る程なと思い使わせて頂きました。

次回は簪のIS制作と司の訓練です。

次回もお楽しみに!!

感想もよろしくお願いします!


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episode10 ISと司の稽古

皆さん、おはこんばんちは。休日は連続投稿な作者です。

一夏の親友の鈴が登場した日の放課後。簪のISを組み立てつつ司の稽古を受ける4人。一体どこまで強くなれるのか?

連続投稿だけどゆっくりしていってね。


「ねぇ、久々に訓練しない?セシリアと簪も一緒に。」

 

授業が終わった放課後、鈴が1組を訪ねて司と一夏、オルコットを訓練に誘った。

 

一夏

「悪い。今ISを作ってるんだ。簪の」

 

「そのあとに稽古はやるが簪の専用機を優先的にやってるんだ。」

 

「専用機?何でここで?」

 

知らない人からすれば当然の反応だ。本来なら各々の企業が作るものだから。

 

一夏

「織斑千秋の専用機を作るからって理由で計画が無期限の凍結になったんだ。」

 

「またアイツか……」

 

頭を抱えて2人と同じ様な反応をした。

 

「よし!私も手伝うわ。専用機造り!その方が早く稽古出来るでしょ。」

 

余程稽古がしたいのか、スピードを上げるために自らも手伝うと言った。

 

オルコットも稽古を付けて貰いたいと言って、簪の専用機作製に協力すると言ってくれた。

 

一夏と司そして鈴とオルコットの4人で整備室に向かった。

 

一夏

「簪~!助っ人連れてきたよ」

 

「手伝いに来たわよ~」

 

整備室の扉を開けて中に入ると一夏が助っ人を連れてきたことを伝えた。

 

「え?あ、ありがとう。」

 

一瞬戸惑ったが受け入れてくれた。

 

オルコット

「な、何ですの?後ろにあるデッカイ箱は?」

 

オルコットは簪の後ろにISの隣に置かれている大きな箱を指差しながら言った。

 

「ああ、さっき日本署から届いた装備品の1つ。コア1個まるまる使ってるからかなり大きいんだよね。」

 

漸く届いた様だ。日本署で束が製作した超高火力兵器が。

 

コア1個まるまる使ってると言う言葉に鈴とオルコットは弱冠引いていたが、残っている作業に目を通してから作業を始めました。

 

元々ほとんどが完成に近かったが、4人の手伝いと束が渡したプログラムのお陰で更に予定が早まり、後は各パーツを取り付けるだけどなった。

 

「そろそろ完成だし、今日はここまでにしない?」

 

「そうだな。もうかなりの時間ここに籠りっぱなしだしな。簪もそれでは良いか?」

 

「うん。構わない。」

 

鈴の言葉に簪も同意し、今日の作業はここまでとなった。

 

「それじゃあ次は訓練ね!場所は…………取り敢えず屋上で良いかな?」

 

「組手は無しになるがそこしかないな。」

 

時間的にも仕方無いので今日は屋上で稽古をすることになった。

 

司は部屋から人数分の木刀を持ってくると、1本ずつ手渡し、屋上に向かった。

 

この時間の屋上には誰もおらず、面積も広いので十分な間隔をとることも可能になっている。5人にとってはまさに丁度良い場所だ。

 

「一夏と鈴は兎も角、今日はオルコットと簪が居るから基本からだな。」

 

一夏/鈴

『ロジャー!』

 

そこから司は、基本的な刀の持ち方と振り方、呼吸法等を教えた。

 

オルコットは少し振り方に苦戦したが何とか覚え、簪は普通に基本を覚えた。

 

その後は素振りだ。それぞれにノルマを付け、終わるまで振らせた。

 

特に特別な稽古をしたと言うわけではないな。うん。

 

「明日は簪の専用機を組み立て終わったら試しに動かしてみるか。アリーナの許可は取っておく。」

 

その言葉に4人は頷き、部屋に戻った。




短いー!!稽古らしい稽古させてねー!!

途中で寝落ちしたせいで色々とぶっ飛んだ!!!

誰か稽古の描写教えて!!それより簪の大火力武器の名前どうしよう!!!イメージ的にはガンダムヴァーチェのデッカイバズーカだけど全然イメージ出来ない!!!

て言うか原作見事に死んじゃってる!!?

次回は簪の模擬戦です。

次回もお楽しみに!!

感想もよろしくお願いします。


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episode11 弐式起動

簪ちゃんのドSなIS打鉄弐式の初起動です。戦闘らしい戦闘はありません。

完成した簪の専用機、果たして期待の性能はいかに?

例のごとく今回もゆっくりしていってね。


一夏

「これでよしと。」

 

「ここで出来る最終チェックをしたらアリーナに行こう。」

 

司の言葉に簪は機体システムの最終チェックを行い、ついでに最適化処理と初期化も済ませた。

 

「色々と終わったわね。アリーナにいきましょ。」

 

最適化処理と初期化が終わるのを確認すると、待機状態にしてアリーナに向かった。

 

火力が異常に高いオールラウンダー。その実力はどれ程の物なのか。製作に関わった者なら気になって仕方無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナにて、簪が打鉄弐式を纏い一夏がデカブレイクに変身して立っていた。

 

「一夏!今回は機体の性能を見るだけだ!攻撃はするなよ!」

 

一夏

「ロジャー!分かってます!」

 

「じゃあ行くよ!」

 

そう言うと、簪は一夏に狙いを定めてミサイルを一気に放った。

 

一夏

「竜巻拳!トルネードフィスト!!」

 

日本署で行ったシミュレーションの様にトルネードフィストを使って迫り来るミサイルを落とそうとした。

 

一夏

「ゲッ!?危な!!」

 

ミサイルの数は148発。シミュレーションよりも100発多い。一撃で半分を落とせる筈がない。

 

一夏

「高速拳!ライトニングフィスト!」

 

トルネードフィストで破壊出来なかった分は避けたが、あのミサイルは簪の操作次第でいくらでも方向が変わる。

 

避けた筈のミサイルが背後から迫って来た。遠距離系の技を出せば巻き添えを食らう。避ければまた操作されて自分に向かってくる。

 

そこで一夏は1つずつ破壊して自分へのダメージを最小限にしようとした。

 

だが、

 

「狙いはOK」

 

一夏がミサイルに手こずってる間に、束お手製の大火力武器で一夏に狙いを付けていた。

 

そして、ミサイルを全て破壊したタイミングで撃ちだした。

 

一夏

「ハッ!?防御拳!バリヤーフィスト!!」

 

とっさにバリヤーフィストを展開して受け止めたが、ISのコア1個をまるまる使っているビーム砲。その火力の前ではSPDの装備でも抑えきる事は出来なかった。

 

一夏

「グワァ!!」

 

大抵の攻撃を受け止めるバリヤーフィストでも受けきれず吹っ飛ばされてしまった。

 

デカスーツも限界ダメージで解除された。

 

「マジ?」

 

オルコット

「何ですの?……あの火力……?」

 

「あぁ…………」

 

見ていた3人は顔を引きつらせていた。

 

SPDの、しかも特キョウのデカスーツを纏っている一夏を一撃で吹っ飛ばし、更にデカスーツをも解除させたのだ。ミサイルの数もそうだがビーム砲もシャレにならないレベルで危険だ。

 

「一夏大丈夫?加減はしたんだけど…………」

 

あれで加減していた様だ。

 

一夏

「あれで加減してたの!?」

 

加減してデカスーツを解除させる威力。マックスの威力で撃ったら絶対防御があったとしても危険だろう。

 

その後、簪は一夏を抱えて司達の所に戻ってきた。

 

「どうだった?一夏。」

 

一夏

「死ぬかと思った。割りとガチで。」

 

オルコット

「見ている此方もヒヤヒヤしましたよ…………」

 

見ている人をもヒヤヒヤさせる数と威力。絶対に敵には回したくないと思ったことだろう。

 

「補充したら次は俺とだ。他の武装も見てみよう。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もろもろ補充後、再びアリーナに立ち軽く模擬戦をすることになった。相手は司だ。

 

「いつでも良いぞ。」

 

ディーソードベガを構えて言った。

 

(正面からまともに行ったら勝てない…………。なら!)

 

試合が始まると、簪は司の上に急上昇した。

 

そして、

「当たれ!!」

 

上空からミサイルの雨を振らせた。

 

ただし、普通に降らせるだけではない。いくつかのミサイルは着弾する前に春雷でいくつか爆発させて、司の視界を奪った。

 

その後も簪は移動しながら、司の上、横、背後、ありとあらゆる方向からありったけのミサイルを放った。

 

そして距離を取り、ビーム砲のチャージを始めた。

 

ミサイルの爆発が止むと、煙の中に司は立っていた。

 

ここまでは簪の計算通りだ。煙が晴れ、司の位置を確認すると、躊躇なくビーム砲を撃った。

 

「グッ!!ハァァ!!!」

 

力任せに強引にビーム砲を弾き、簪へと斬りかかった。

 

しかしそれも予想済。日本刀を展開して、司の攻撃を受け止め、残っているミサイルを0距離で放ち、春雷も撃ち込んだ。

 

確かな手応えを感じた。

 

しかし、次の瞬間

 

「デリャァ!!!」

 

煙から司が飛び出し、簪の刀を弾き飛ばして首筋にディーソードベガを当てた。

 

「当たった筈なのにどうして?」

 

「俺のデカスーツは通常のヤツよりも防御力や色々な出力が上げられている。あの位の攻撃なら何とか受けきれる……。しかし、手は悪くなかった。視界を奪うなら煙幕弾でも混ぜてみたらどうだ?今回よりも確実に視界を奪うことが出来るぞ。それに、相手が俺じゃなかったらビーム砲を撃った時点でお前の勝ちは確定していた。」

 

煙幕弾を混ぜると言うアドバイスを伝え、変身を解いた。

 

「次は絶対に勝ちます。今よりももっと強くなって、必ず超えて見せます!!」

 

この試合が簪に新な目標を与え、更に強くなる決心を固めさせた。

 

次の日からは司の稽古に自主練、そして自分の機体の性能を更に上げるため、自分に1番良い状態にカスタムするのに励んでいた。

 

「ミサイルをもう200発追加して、煙幕も少し…………煙幕にはジャミングを起こす仕掛けもしておいて…………。後は春雷の出力を少し上げてビーム砲も調整…………。操縦者自信にダメージが行くようにしたいからミサイルにデスソースを仕込んでっと。臭いでやられる様にしたいから他にも香辛料を混ぜた特製ソースと粉末タイプの物を仕込んで…………。」

 

簪の目から光が消えて真っ黒に輝いていた。

 

更に恐ろしい魔改造が加わりそうだ…………。




簪がどんどん危ない方向に向かってる気がする…………。付き合う一夏君は大丈夫なのかな?

ドS街道まっしぐらな簪にご期待ください。

と言うわけでドSなISの初運転でした。

次回はクラス対抗戦。そして鈴の真の姿が!

次回もお楽しみに!!

感想もよろしくお願いします。


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episode12 クラス対抗戦

簪が改造したドSなISはいったいどうなるのか?

ゆっくりしていってね。


クラス対抗戦、文字通りクラスごとに力を競い会う対抗戦のことだ。……代表者しか戦ってないのだからクラス代表対抗戦の方が良いと思うのだが…………。

 

クラスの代表は大抵の場合専用機持ちか代表候補生、企業代表等が行うことになっている。1年生の場合も同じだ。専用機持ち若しくは代表候補生がクラス代表になってる。

 

そして、今回の第1試合は3組対4組である。

 

この対戦カードを見たとき、簪の機体の怖さを知っている4人は静かに3組の代表に合掌した。

 

『それでは両者規定の位置まで。』

 

そのアナウンスと供に、両者規定の位置まで下がり、カウントが0になるのを待った。

 

ピィーーーー!!!!!

 

会場に響き渡るホイッスルの音。それと同時に、アリーナ内部の2人も動き出した。

 

簪は実に余裕そうだ。

 

「訓練機だからって、甘く見ないで!!」

 

簪の態度が癪に触ったのか、フルスピードで一気に突っ込んできた。

 

それを見ると、アリーナ上空に急上昇してミサイルを大量に放った。

 

いくつかは空中で分散し煙を撒き散らせ、またいくつかは変な液体と粉を撒き散らしながら3組の代表を襲った。

 

「キャァァァァ!!!何これ!?!?口が辛い!!目が痛い!!喉がぁぁぁ!!!!!?焼けるぅぅぅ!!!?!?!何をしたの!?!?!!?」

 

「効果絶大。」

 

3組の代表は顔から出るもの全部を出しながらのたうち回った。

 

それを見ていた全校生徒も何事かと混乱した。

 

「もっと苦しむ顔が見たいけど時間も押してるし…………バイバイ。次やるときはもっと泣き喚いてねo(*⌒―⌒*)o。」

 

物凄く良い笑顔を見せ、ビーム砲で止めを刺しピットに戻ってきた。

 

一夏

「簪とはなるべく戦いたくない…………」

 

「俺もだ。」

 

オルコット

「私もですわ。」

 

あれを見て、絶対に簪とは戦いたくないと思った3人だった。

 

「何あれ!?何あの兵器!?見たこと無いんだけど!?絶対戦いたくないんだけど!!!?」

 

べつにピット何でも同じことを思っている人が居た。

 

簪のドSな試合が終わり、次の対戦カードが公開された。

 

1組対2組

 

スゴく面白そうなカードになった。

 

千秋

「鈴!あの時はよくも……!!」

 

「あの時ってどの時?覚えが無いんだけど。」

 

千秋

「ふざけるな!食堂で俺を殴ったときだよ!!あんなグズ供の中から救ってやろうと思ったのに!人の親切を踏み躙りやがって!!」

 

くだらな。あの時の事でプライド(笑)が傷付いた様だ。

 

「フン」

 

鼻で笑うと、規定の位置まで進み始まりの合図を待った。

 

ピィーーーー!!!!!

 

ホイッスルの音と同時に、千秋が雪片弐型を構えて突っ込んできた。

 

学習力の無いヤツだなと鈴は内心爆笑していた。

 

(この程度なら武器を使う必要は無いわね。)

 

武器を展開することなく拳を構え、千秋が自分の間合いに入ったところで軽く跳び、千秋の背中に拳を叩き込んだ。

 

千秋

「ガァ!テンメ!!ハァ!!」

 

立ち上り、すぐに鈴に向けて雪片を振るうが避けられ、がら空きになった胴体に更に攻撃を入れられた。

 

「弱いとは聞いてたけど…………まさかここまでとは。」

 

千秋

「ふざけるな!!!」

 

また突っ込んできた。当然避けられカウンターを食らう。

 

「もう飽きたんだけど。」

 

千秋の鎖骨辺りに蹴りを入れて倒すと、止めを指すために拳を構えた。

 

すると、

 

ズドォーーーーン!!!!!

 

とんでもない轟音と供に、アリーナ全体が震え、様々な場所に亀裂やヒビが入った。

 

音の発生源を見ると、そこには4機のISが居た。しかし普通のISとは違い腕が異常に長く、今時珍しいフルスキンタイプだった。

 

千秋

「な、何だよ。あのIS……。」

 

不気味な感じがするISに鈴は構えを取り、何時でも動けるようにしてた。

 

観客席の方では、一夏と司が生徒と教員を非難させていた。扉が空かなかったので壁を破壊さてその穴から逃がしていた。

 

「やるしか無いか……。」

 

静かに構え、動き出そうとしたとき、

 

千秋

「ハァァ!!」

 

千秋が正体不明のISに飛び掛かって行った。

 

そして案の定吹っ飛ばされ戻ってきた。

 

「何やってんの?」

 

千秋の行動を疑問に思っていると、司から通信が入った。

 

『鈴!避難が終わったら俺たちもすぐに向かう。それまで耐えてくれ。』

 

「ロジャー。やりますか。」

 




中途半端ですが今回はここまで。

次回をお楽しみに!感想もよろしくお願いします!


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episode13 無人機

ゆっくりしていってね。


突然試合に乱入してきた所属不明のIS、司と一夏が非難活動を行っている間、それの相手をしていた鈴は、

 

「やっぱ専用機でもISは使いにくいわね…………。」

 

そう言うと、ISを解除して左腕に一夏が付けているのとは色違いのブレスロットルを装着した。

 

「エマジェンシー!デカブライト!」

 

形状記憶特殊合金デカメタルが微粒子状に分解され、鈴の体に纏わりつき、デカスーツを形成した。

 

「フェイスオン!!」

 

変身が完了すると、そこには銀色のデカレンジャーが立っていた。

 

「さーてと、やりますか。」

 

体の間接を鳴らし、動こうとすると、

 

千秋

「どけ!!アイツは俺がやる!見てろ!俺の実力を!!」

 

エネルギーの少ない白式で所属不明のISに突っ込んでいった。

 

それを止めようとした鈴だが、次の瞬間、更に予想外な事が起きた。

 

「千秋ィィ!!!男なら、男ならそのくらいの敵に勝てなくてどうする!!」

 

馬鹿が居た。正真正銘の馬鹿が。

 

実況用の放送室に入り、マイクの音量を最大にして流した。

 

その声は当然、観客席で非難活動をしている2人にも聞こえた。

 

まずいと思い、放送室を見ると馬鹿(箒)以外に山田先生も居た。どうやら連れ戻すために来たようだ。

 

しかし山田先生の言葉を聞かず、マイクでまだ何かを言っていた。

 

すると、所属不明機の2体が放送室を狙い攻撃をしようとした。

 

「!?まずい!!エマジェンシー!!フェイスオン!!!」

 

急いでデカスーツを身に纏い、放送室とISの間に飛び込んだ。

 

「グッ!!」

 

ディーソードベガを引き抜き、攻撃を受け止めたが予想以上に重たかった。更に不安定な体勢で攻撃を受け止めたので、ビームを弾いた後に勢いを殺すことが出来ず放送室に突っ込んだ。

 

真耶

「大丈夫ですか!?」

 

少からずダメージを受けた司を心配し駆け寄った。

 

「早く逃げろ!ここに居たらまた攻撃を受けるぞ!!」

 

真耶

「ですが…………」

 

まだ馬鹿な事をやっている箒に目を向けた。

 

すると司は立ち上り、箒の首筋に手刀と入れ気を失わせた。

 

「早く連れていけ。」

 

気絶した箒を真耶に投げ渡すと、所属不明機の居るアリーナに飛び込んで行った。

 

一夏

「ボス!遅れました!!」

 

司が着地するとデカブレイクに変身した一夏が駆け寄ってきた。

 

「3人で一気に片付けるぞ!!」

 

鈴/一夏

「ロジャー!!」

 

一夏

「無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る!夜明けの刑事!!デカブレイク!!!」

 

「並みいる悪を、白日のもとに暴き出す、光の刑事!!デカブライト!!」

 

「百鬼夜行をぶった斬る!地獄の番犬!!デカマスター!!!」

 

3人が名乗り終わると、4機のISも攻撃の準備に入った。

 

千秋

「退け!!ソイツを殺るのは俺だ!!!」

 

等とまだしぶとく生きていたヤツが突っ込もうとしたが、

 

「邪魔」

 

鈴の一撃でピットまで飛ばされた。

 

「奥の2機は俺がやる。手前の2機を頼んだ。」

 

鈴/一夏

「ロジャー!!」

 

それぞれ相手をするために飛び掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ!!デリャ!!」

 

奥の2機を相手にしていた司は戦いの中で違和感を感じていた。

 

(可笑しい。動きが単調すぎる。それにワンパターン……。)

 

違和感を感じていたのは敵の動きの様だ。そして、1つの仮説を立てた。コイツは無人機ではないかと言う仮説だ。

 

(確かめてみるか…………。)

 

仮説が本当かどうかを確めるため、1体の腕を掴み間接部を一思いに斬った。

 

「やっぱりか……。一夏!鈴!コイツらは無人機だ!手加減の必要は無い!!」

 

と、戦っている2人に伝えた。

 

すると、腕を斬られたISがもう片方の腕を伸ばし、司にビームを撃とうとしたが、

 

「ビームなら簪の方が威力高かったぞ。」

 

手の銃口であろう部分にディーソードベガを突き立て爆発させた。

 

「テリャ!!ハァァ…………ベガスラッシュ!!!」

 

武装の無くなった方を縦に真っ二つに切り裂き、もう1体をベガスラッシュで片付けた。

 

「ゴッチュウ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司に相手が無人機だと知らされた2人はと言うと、

 

一夏

「無人機か……。」

 

「なら思いっきり殺れるわね……!」

 

無人機だと聞き、全力でスクラップにすると決めた。

 

一夏

「鈴、久々にあれをやろう。この2機相手ならちょうど良い。」

 

「私も同じことを考えてたわ。しっかり合わせなさいよ。」

 

どうやら2人は2機とも一気に片付けるようだ。

 

鈴/一夏

「電撃拳!エレクトロフィスト!!!」

 

2人の放った電撃が2機のISを直撃し、動きを鈍らせた。

 

一夏

「今だ!!」

 

「分かってるって!!竜巻拳!トルネードフィスト!!」

 

トルネードフィストで一夏を押し出し、とんでもないスピードで相手に撃ち込んだ。

 

一夏

「高速拳!ライトニングフィスト!!」

 

ただでさえ早いライトニングフィストに、鈴のトルネードフィストが合わさり、目で追うことの出来ないスピードで相手に攻撃を入れた。

 

当然そんな攻撃が無人機に避けられる訳が無く、粉々に砕け散った。

 

鈴/一夏

「ゴッチュウ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったな。残骸のデータは既に送ってある。報告に向かおう。」

 

無人機の撃破が終わり、司、一夏、鈴そして千秋と箒の5人は千冬と真耶が居る管制室に向かった。

 

部屋に入るなり行きなり、司は箒に胸ぐらを掴まれ色々と文句を言われた。

 

「何故あの時邪魔をした!?私は千秋の為に命を懸けてあそこから応援をしたのだぞ!!それをお前は!!!」

 

自分勝手なことこの上ない言い分である。

 

「お前の応援は他人の命を犠牲にするほどの価値があるものなのか?その応援を受けた本人はピット内で延びていたぞ。今回は助けたが次は無いぞ……。」

 

僅かな殺気を込めて箒に言った。まぁ、司が助けに言ったのは真耶が居たからであって彼女1人なら助けたであろうが避難を促すまではしなかっただろう。警告位はしたかもしれないが。

 

その後、一通りの報告を終え、各自部屋へと戻っていった。

 

千秋

「おい鈴!!何故邪魔をした!?あんなヤツら俺一人で十分だったんだぞ!!」

 

「気安く『鈴』何て呼ばないで。と言うか邪魔をしたのはあんたでしょう。そんな馬鹿な事を言うならそれ相応の実力を着けるのね。」

 

まぁ無理だろうけど。と言いながら自室へ帰っていった。

 

後で何かを蹴飛ばす様な音がしたが無視だ。

 

千秋

「アイツら…………!今に見てろ…………!」

 

恨めしそうにそんなことを呟いていた。何をするかは知った事では無いが……。

 




といつ訳で無人機戦でした。

鈴と一夏の合体技はゼブラとトリコのやった音速釘パンチを思い浮かべてください。大体そんな感じです。

次回は日本署での話をしようと思います。鈴の正式な異動手続きと完成したドSなISを束に見せる回です。……こんなことやってるから進行スピードが遅いんだけど(笑)

感想をよろしくお願いします。次回もお楽しみに!!


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episode14 再び日本署へ

今回は鈴の正式な異動手続きと簪のIS紹介等です。

ゆっくりしていってね。


クラス対抗戦に突如として現れた4機の無人機、これを撃破した司達だったが戦闘の影響でアリーナが使い物にならなくなり、クラス対抗戦は中止、そして復旧活動のため次の日は特別休校となった。その休みを利用して司、一夏、鈴そして簪の4人が日本署を訪れていた。

 

「それじゃあこの書類にサインをしてくれ。」

 

異動手続きの書類に鈴がサインをし、ブレスロットルを束に渡した。

 

ブレスロットルを渡したのは内部にあるデカスーツを日本署格納庫に送るためだ。

 

「ついでに俺と一夏のも渡しておこう。メンテナンスを頼む。」

 

「分かった。やっておくわ。」

 

そして、大体の話が終わったとき、簪が完成した専用機を束に渡した。

 

「束さん!ついに完成しました!!見てください!」

 

「おぉ~!ついに完成したんだね!でわでわご閲覧~…………何か見たこと無い武器がたくさん入ってるんだけど…………。」

 

「操縦者自身にダメージを与えるために私が考案したデスソースミサイルです!!」

 

「いや絶対デスソースじゃないよね。今危険信号出まくってるんだけど!」

 

束の言う通り、簪の専用機のデータを読み込んでいるコンピューターが仕切りに危険を知らせている。

 

【危険。危険。危ない。ヤバイ。danger。辛い。痛い。早く消して。もう無理。不可能。】

 

何か途中からコンピューターが意思を持ったみたいに拒絶反応を起こした。

 

「3人とも何処かに出かけても良いぞ。今日は大体の事が終わったからな。」

 

司の言葉に3人は部屋から出て、それぞれ休みを満喫しようとした。

 

「束、俺達のデカスーツ、嗅覚保護を強化してくれないか?」

 

「嗅覚保護以外も強化しておくよ…………。だって私も面白いな武装を作るから!!」

 

「ふざけるな!!」

 

更に危ないことをしようとしていたので司が全力で止めた。

 

その後、もう少し香辛料を強化しておいた。司に気付かれないようにコッソリとだ。

 

「それより、今回の入隊試験の嘆願書が来てるけど見る?」

 

「ああ、見せてもらおう。」

 

束から封筒を受取り中を確認した。

 

実働部隊希望、145人。メカニック希望、210人。一般職員希望、555人。の計910人だ。

 

その全てに目を通していると、見たことのある名前のヤツが出てきた。

 

「ん?織斑千秋?受ける気か?試験を。」

 

何と織斑千秋の名前があった。

 

「どうする?断る?」

 

「受けたいなら受けさせろ。試験前に断ることは出来ないからな。」

 

「OK。なら小細工無しの通常試験で良いよね。どこまで行けることやら。でも今年は実技・体力テストから始めて最後に精神鑑定の心理テストをするみたいだけど。」

 

「アイツの実力を見るには丁度良いんじゃないか?」

 

見なくたって分かるよ。と言いながら簪の専用機に目を戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃鈴はと言うと、

 

「この辺だと思ったんだけどな~…………。アッ!居た!!」

 

訓練生達が声を出して練習をしているなか、1人の男を見付けて声をあげた。

 

「龍馬さ~ん!!!」

 

龍馬

「おっ!鈴か!久し振りだな!!」

 

「お久しぶりです!今日から日本署所属になったので挨拶に来ました!!」

 

この男、名を赤座龍馬(あかざ りゅうま)元ファイヤースクワット隊長にして今は日本署の副署長をしている。仕事の合間に訓練生の育成なども担当している。司の同期で初期のデカレンジャーメンバーの1人である。

 

因みにデカレッドで一夏に隠し球の雷神剣を教えた人である。

 

龍馬

「そっか。ならこれからはよろしくな!」

 

「はい!訓練のほどもよろしくお願いします!」

 

その後、日本署内に居る知り合いに挨拶を済ませると自分も訓練生達の訓練に混ざって汗を流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴が訓練生に混ざって汗を流しいた頃、一夏と簪は、日本署内にある一夏の部屋へと向かっていた。この前買ったプラモデルの山を消化するためだ。

 

しかし、まず部屋に入ってまず驚いた。

 

部屋の面積が2倍になっていたからだ。

 

一夏

「何か広くなってる!!?」

 

実際はこの部屋と隣の空室を隔てていた壁を取り除いただけなのだがな。

 

部屋に備え付けられている通信機で束に連絡を取った。

 

一夏

「束さん!?俺の部屋が広くなってるんですけど!!?」

 

『ああ、これからは広い方が良いかと思ったから隣の空室と直結させておいたよ。大丈夫!ベッドはダブルにしておいたし部屋全体に束さん特製の防音加工をしておいたから!』

 

一夏

「そんな匠の気遣いいらなーーい!!!」

 

通信を乱暴に切って息を乱していた。

 

「な、何があったの?」

 

一夏

「いや……知らない内に部屋が改装されてただけだよ…………。」

 

何かゲンナリした顔で簪に伝えた。

 

その後はと言うと、

 

一夏

「やっぱり同じシリーズを2人で作ると楽しいね。」

 

「ええ、パーツの共有も出来るし何より共有したパーツでオリジナルのガンプラも作れるしね。」

 

HGかMGかRGかは分からないが同じシリーズのガンプラでお互いにパーツを交換しながら作っていた。

 

「今度はメガサイズでも買おかっな?」

 

一夏

「面白そうだね。俺も作ってみようっと。」

 

現在販売されている中で1番大きいサイズ、48分の1サイズ(作者が知っている中ではこれが最大です。もっと大きいのあったら教えてください。)のガンプラを作ろうとしていた。

 

と言うか慣れるの早すぎないか?

 

次に作りたいガンプラの話や自分が好きなヒーローの話をしながら買ってきたガンプラをどんどん消費していった。

 

因みに作者はOO系のガンプラが好きです。デザインが好みなので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして帰る時間、

 

「はい。司君のマスターライセンスといっくんと鈴ちゃんのブレスロットル。注文のあった場所は強化しておいたよ。後、簪ちゃんの専用機。最初はビックリしたけどかなりいい機体に仕上がってたよ。」

 

一夏/簪/鈴

「ありがとうございました!」

 

「イエイエ」

 

そして、4人は電車やバス等を使いIS学園まで戻った。

 




と言うわけで日本署での話その2でした。

次回は2人の転校生がIS学園に!しかも片方は男!?

episode15 2人の転校生

次回もお楽しみに!!感想もよろしくお願いします!

赤座龍馬はルオンさんより頂いたキャラです。ありがとうございました。


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episode15 2人の転校生

皆さん、小説を始める前に1つ伝え忘れた事があるのでお伝えします。

感想欄に「原作以下。誇って良いですよ。」と言う感想や「原作よりつまらなくするのはある意味スゴイ」、「デカレンジャーをダシにして気に入らないキャラをアンチと称し誹謗中傷するだけのドラマ性のないss」と言う感想がありましたので読んでいる方に謝罪をしておきます。

私には原作を超える面白い小説を作ることは不可能です。従って面白くないのは当たり前、ドラマ性が無いのも当たり前です。自分自身がそれを1番理解していますから。

なので不快になるのなら読む必要はありません。つまらないなら見る必要はありません。私は「面白いから絶対に読め」等とは言っていないので。

そもそもデカレンジャーを使っているのは個人的に好きだからですし、アンチが誹謗中傷を受けるのは仕方がないと言うのが持論ですからやり方を変えるつもりはありません。

なので勢いに任せてお気に入り登録をした方は登録を解除してもらって結構です。不快に思う方は読む必要はありません。義務もありません。笑いたければどうぞご自由に。貶したいのならご自由にどうぞ。

つまらないのは、ドラマ性が皆無なのは自分自身が知っていることなのでご心配なく。

ですがやると言った以上は最初に予告したところまで書き上げます。たまに検索欄の新着小説に出ますけど気に入らない方は気にせずに無視してください。

面白くないならそれが私の実力ですから。

それでもストレスの捌け口等にこの小説の感想欄を使いたいと言うなら使ってください。文句は言いません。好きなだけ私やこの小説に対する悪口なり批判なりを言う良い。私が小説でアンチキャラにやっているように誹謗中傷でも書けば良い。私は止めませんよ。だだしそれ相応の対応は取らせて貰います。

それでも小説を書く事を辞める気はありません。1度決めたことなので最後までやります。

こんなつまらないクソ小説に最後まで付き合って下さる方が居ると言うのならありがたく思います。

前置きが長くなりましたがゆっくりしていってね。


特別休校で出来た時間を日本署で有意義に使った司達、クラス対抗戦であんなことがあったと言うのに1日経てば元に戻っているクラスの様子に少し驚いているが今更なので気にしない。

 

一夏

「ボス。あの無人機の事は束さんに聞いたんですか?」

 

「ああ、束は知らないみたいだ。一様作ったのかを聞いたが『あんなセンスの欠片も無いものは作らない。』だそうだ。コアもISのコアに酷似していたが実際は違った物らしいからな。」

 

一夏

「ISのコアとは違うもの…………。」

 

誰がそんなものを。と一夏が色々な考えを張り巡らして居ると、チャイムがなり先生が教室に入ってきた。

 

真耶

「おはようございます皆さん。ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します!しかも2名です!」

 

「えええええっ!!」

 

いきなりの転校生紹介でクラスがざわついた。まぁ、2人もこのクラスに来るのなら驚きもするだろう。

 

(何でこのクラスに集中させてんだ?)

 

普通は複数の転校生が居たときは他のクラスの人数等を見て調節するものなのだが、何故かこのクラスに集中してしまった。

 

『失礼します。』

 

噂の転校生が入ってくると、クラスのざわ付きがピタリと止まった。

 

何故なら、その内1人が男子だったからである。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れな事も多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします。」

 

「お、男……?」

 

クラス中が呆気に取らていると、誰かがそう呟いた。

 

シャルル

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方が居ると聞いたので本国より転入を―」

 

礼儀正しい立ち振舞いと中性的な整った顔立ち。そして濃い金髪。正に『貴公子』と言った感じだ。

 

「きゃっ……」

 

司/一夏

(あっ、ヤバイ。)

 

シャルル

「はい?」

 

司と一夏はこの数秒後に起こることを予測すると、自分のデバイスを使って聴覚保護を行った。

 

「きゃゃゃゃゃゃゃ!!!!」

 

1組女子生徒お得意のソニックウェーブが炸裂した。

 

「男子!4人目の男子!」

 

「しかもうちのクラス!」

 

「美形!守ってあげたくなる系の!」

 

「地球に生まれて良かったー!!」

 

この声を聞けばすぐにでも他のクラス・学年から人が来て、1組の教室はさながら動物園みたいになるだろう。

 

ホームルーム中だから今は無いが……。

 

千冬

「騒ぐな!静かにしろ!!」

 

千冬の一声でクラスはピタリと静まった。

 

真耶

「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わっていませんから。……お願いします。」

 

真耶がもう1人の転校生に声をかけた。

 

「ラウラ・ボーデヴイッヒだ。ドイツ軍、シュバルツェアハーゼ部隊の隊長をしている。軍の者故、普通とはかけ離れた事もやるだろうがよろしく頼む。」

 

軍人らしいキリっとした立ち振舞いで自己紹介を終えた。

 

千冬

「後ろの方に空いている席がある。そこに座れ。」

 

千冬の指示に従って、2人は奥へと進んだ。途中、ラウラが司と一夏の顔を見ると、立ち止まり

 

ラウラ

「失礼ですがSPD日本署の久我司さんと姶良一夏さんでしょうか?」

 

「そうだが?」

 

ラウラ

「でしたら後でお話しごしたいので時間を頂けないでしょうか?」

 

「俺は構わんが、一夏はどうだ?」

 

一夏

「構いませんが。」

 

ラウラ

「でしたら放課後に屋上で。」

 

そう伝えると自分の席に向かっていった。

 

千冬

「ではホームルームを終わる。各人はすぐに着替えて第2グラウンドに集合。今日は2組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」

 

連絡も終わり、空いている更衣室に行くために立ち上がると、

 

千冬

「姶良に織斑、久我。デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろ。」

 

やっぱりそうなるよな。確実にそうなるよな。

 

シャルル

「君達が姶良君と織斑君、久我君?初めまして。僕は……。」

 

「自己紹介は後回しにしろ。今は移動が先だ。」

 

説明すると当時に4人は教室を出て空いている更衣室に向かった。

 

一夏

「男子は空いているアリーナの更衣室で着替えるんだ。これからは実習のたびに移動だから、早めに慣れて。」

 

シャルル

「う、うん……。」

 

その後、階段を下りて1階に急いで向かった。スピードは落とせない。何故なら……

 

「ああっ!転校生発見!!」

 

「しかも姶良君達も一緒!」

 

ホームルームが終わると同時に、各クラス、学年から情報を取るために沢山の生徒が押し寄せてくるのだ。この波に飲み込まれたら確実に授業に出ることは出来なくなるだろう。

 

「いたっ!こっちよ!」

 

「者共!出会え!出会え!」

 

いつからこの学園は武家屋敷になったのだろうか。その内刀とか色々な物が飛び出てきそうだ。

 

「黒髪も良いけど、金髪って言うのも良いわね」

 

「しかも瞳はアメジスト!」

 

何か軽くパニックに陥っていた。

 

シャルル

「な、なに?何で皆騒いでるの?」

 

状況が飲み込めないのか、困惑した顔で聞いてくる。

 

千秋

「そりゃ男子が俺たちだけだからだろ。」

 

シャルル

「……?」

 

何故か「意味が分からない」と言うなら顔をしている。

 

「珍しいだろ。ISを操縦できる男ってのは今のところ俺達しか居ないんだからな。しかし面倒だ……。」

 

シャルル

「あっ!……ああ、うん。そうだね。」

 

ようやく理解したようだ。

 

一夏

「ボス。用意できました!」

 

窓を開けて何かを準備していた一夏が司に準備完了と伝えた。

 

「よし。」

 

目の前に居る女子達に何かを投げて、手で目を覆った。

 

投げた何かが床に落ちると、辺り一帯に物凄い光で照されて、目を開けられなくなった。

 

光が止むと、先程まで司と一夏がいた場所には誰も居なく、開けられた窓から紐がぶら下がっているだけだった。

 

「うまく逃げられたな。使いたきゃ使えよ!」

 

窓の下に居た司は、まだ校舎内に居る千秋とシャルルに「使いたければ使え」と伝えて一夏と一緒に更衣室に向かった。

 

結局授業は司と一夏は余裕を持って準備が完了してグラウンドに並んでいたが、千秋とシャルルはかなりギリギリに到着した。

 

まぁ、遅れなかったと言うことは司達の垂らした紐を使ったと言うことだろう。

 

出席簿わ食らわずに済んだ。

 

千冬

「それでは、本日より格闘及び射撃を含む実践訓練を開始する。」

 

『はい!』

 

単純にいつもの2倍の人が居るからなのだろうか、返事にいつもより気合いが入っているように感じる。

 

千冬

「凰!オルコット!お前達に戦闘を実演してもらう。」

 

オルコット

「はい。」

 

「了~解。で?相手は?まさかセシリアと?」

 

千冬

「慌てるな。2人の対戦相手は……」

 

キィィィィン……。

 

聞いただけでも容易に危ない物だと理解できる。空気を切り裂くようなこの音。

 

『ん?』

 

その場に居た全員が上を見上げた。すると、

 

真耶

「ああああーっ!退いて下さい~っ!」

 

「エマジェンシー。フッ!」

 

落ちてくる真耶が飛べる範囲まで来ると、デカスーツを纏い空中で受け止めた。

 

「よっと。」

 

空中で受け止めた後は上手く勢いを殺し、綺麗に着地を決めた。

 

真耶

「あ、ありがとうございました……。」

 

「気を付けて下さいね。」

 

真耶を下ろしてデカスーツを解除して列に戻って行った。

 

千冬

「さて、そろそろ始めるぞ。」

 

オルコット

「2対1でですか……?」

 

「流石にそれはどうかと……」

 

千冬

「安心しろ。凰は微妙だが恐らくお前達は負ける。」

 

2対1でも負けると言う言葉が癪に来たのか、2人の目は一気に闘志に燃えた。

 

2人も自分の専用機を身に纏い対峙した。

 

千冬

「では、はじめ!」

 

真耶

「い、行きます!」

 

言葉こそはいつも通りだったが、目はさっきとは違い鋭く冷静な物へと変わっていた。先制攻撃を仕掛けたオルコット達の攻撃を簡単に回避し、的確な反撃を入れた。

 

ISの戦闘では真耶に軍配が上がるようだ。

 

千冬

「さて、デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみろ。」

 

シャルル

「あっ、はい。山田先生が使用しているISはデュノア社製『ラファール・リヴァイブ』です。第2世代開発最後期の機体ですが、スペックは第3世代にも劣らないもので、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付け武装が特徴の機体です。…………」

 

そのあともシャルルの解説で、ラファールの大体の話が終わる頃に、山田先生とオルコット&鈴の試合も終わった。

 

結果は山田先生が勝利した。

 

「やっぱIS使いにくいわ……。」

 

オルコット

「何故こんなにあっさりと……。」

 

デカブライトとしてはかなり強い鈴だが、ISでよ戦闘は苦手な様だ。デカスーツに慣れてしまっているせいだろう。

 

オルコットもビットを操作しながら動ける様になったが、まだ無駄な動きやその他の動きに制限があるようだ。

 

千冬

「これがIS学園教師の実力だ。以後敬意を持って接するように。……時間もまだあるしもう1試合出来ますか?」

 

真耶

「はい。可能です。」

 

山田先生と誰かがもう1度試合をするそうだ。

 

千冬

「久我!やってみろ。」

 

司をご指名した。山田先生が色々な補充を終えると、ラファールを纏い準備をした。

 

「全力でお願いします。」

 

デカマスターに変身し、ディーソードベガの封印を解除して、いつでも動ける様に構えた。

 

千冬

「はじめ!」

 

先手は山田先生が行った。アサルトライフルを司に向けて撃つが、案の定全て斬り落とされてしまった。

 

接近してきた司の攻撃を防ぐために物理シールドを展開したが、真っ二つに切られてしまった。しかし、山田先生もただ斬られる訳ではなく、接近してきた司にショットガンを放ちダメージを与えた。

 

入試の時とは違い、司に食い付いている。

 

だが、良いところまで行ったが結局は司が勝ってしまった。山田先生の武装全てを斬り、戦闘続行不能にしたのだ。

 

「これが山田先生の実力……。かなり厄介だな。専用機だったら本当に恐ろしい。」

 

真耶

「そんなことは無いですよ。結局候補生止まりだった訳ですし、専用機があっても大した変化は無いと思いますよ。」

 

その後、専用機持ちをリーダーとして班に別れ、各班ごとに実習を行った。最初は男子の所に集中したが、千冬の一喝ですぐに班にまとまり行動を開始した。

 




前書きでも言ったように原作を超える様な面白いものは書けませんのでつまらないなら読まなくても結構です。

実際面白くありませんから。

それでは次回もよろしくお願いします。感想もよろしくね。ラウラは少し変えてみました。

前書きにもあるように批判したい方はどうぞ。だだしそれ相応の対応はするのでそのつもりで。流石にこれ以上増えられたら困る。と言う場合なら設定を変えますがね。


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episode16 ラウラの話

皆さん、おはこんばんちは。休日は大体昼までグダグダ寝ている作者です。むしろ寝ても眠気が取れません……。

例のごとく今回もゆっくりしていってね。

※途中で寝落ちしてしまった為、いつも以上に内容がペラペラかつ少なくなっています。予めご了承下さい。




ISの実技授業の後、一般教養等の座学を行った司達。そして時間は流れ、なんやかんやあったが放課後。

 

屋上で司と一夏はラウラを待っていた。

 

ラウラ

「来ていたのか……。」

 

「ああ、早い方が良いと思ってな。」

 

一夏

「それで話って?」

 

一夏が話の内容を聞こうと思うと、いきなりラウラが頭を下げて2人に謝った。

 

ラウラ

「あの時は申し訳なかった!!誘拐の事実を知りながら助けられなかったことを謝らせて貰いたい!!」

 

何の事か分からない2人は困惑した。何のことについての謝罪かを聞くと、モンドグロッソの時の話たった。

 

ラウラ

「当時、貴方達兄弟が誘拐されたことを私たちドイツ軍はいち早くその事実に気付いていたんだ。だが当時のドイツ軍には不穏な動きもあり、私も部隊を動かせる程の地位も権力も無かった!人を守るべき軍が、一夏と言う人を見捨ててしまったのだ!死亡の情報が来たとき、私は悔やんだ。何のために軍に居るのだと。貴方の噂を耳にしたとき、何がなんでも謝りたいと思った!本当に申し訳なかった!!」

 

ラウラ曰く、ドイツ軍は一夏と千秋の誘拐の事実をどこよりも早く知っていたようだ。正確に言えば情報が入ったのは誘拐された直後の様だ。

 

しかし、軍の上層部はこの事実を試合開始の直前に伝え、弟の千秋の方の情報だけを話し、一夏の情報は千冬には話さなかった様だ。

 

不穏な動きについては何も知らないようだが……。

 

ラウラ

「全ては私の弱さ故に貴方を1度死なせてしまった!私のせいで死んだのと同じだ!!本当に申し訳なかった!!」

 

軍に居ながら人を守れなかった事を相等悔やんでいた。その後、千冬の指導を受け、再びドイツ軍のIS部隊の隊長に返り咲き、SPDとの合同任務で一夏の話を聞いて生きていることを確信し、今回の謝罪に至ったそうだ。

 

一夏

「君が謝る事じゃないよ。確かにあの時『織斑一夏』は死んだけど、今は『姶良一夏』としてここに居る。それにあれがあったからSPDに入れたみたいなもんだから悪いことばっかりじゃないよ。気にしないで。」

 

「お前は一夏を見捨ててしまったと後悔していた。その気持ちがあるのなら大丈夫だろう。(この話俺が聞く必要はあったのだろうか?)」

 

ラウラ

「許してくれるのか……?」

 

一夏

「許すも何も、最初から怒ってないよ。」

 

ラウラ

「ありがとう……。本当にありがとう……!」

 

司がこの話を聞く必要があるかは甚だ疑問だが、2人はラウラの事を責めるつもりは無いようだ。

 

 

(しかし不穏な動きか……。調べておく必要があるな……。)

 

ラウラの言う「ドイツ軍内の不穏な動き」と言うのに、司は警戒をすることにした。

 

しかし数日後、思ったよりも早く「不穏な動き」の正体が分かることになるとは司本人も、ラウラ自身も気付いていなかった…………。




書いてる途中に寝落ちしてそのまま5時間も寝てしまいネタが消し飛んでしまいました。とんでもなく短くなってしまった…………。内容も何か事故ってしまいました。トホホ…………。

次回はシャルルの正体がバレる所まで行けたら良いなと思っています。

次回もよろしくお願いします。感想もよろしくね。

途中で寝るもんじゃないな……。シャルルの正体のバレかたどうしようか…………。案が無いわけでは無いけど…………。


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episode17 貴公子の正体

皆さま、おはこんばんちは。日曜日なのに授業参観日の為、学校に行かされた作者です。…………日曜朝のグダグダタイムを返してくれ。

書き終わったら最低3回は確認しているのに誤字が無くならない…………。

それでは今日もゆっくりしていってね。

あっ、お気に入り登録者が160人行ったらストーリーに関係のない話しでも書こうと思います。


ラウラが一夏と司に事実を話した次の日、何かが変わったかと言うと大して変わったことはない。強いて言えばシャルルが千秋と同室になった位だろう。だからといって劇的な変化が起こるわけではない。ただいつも以上に女子が朝からハイテンションなだけだ。

 

千冬の軍隊を育成するような実技と真耶の分かりやすい座学を終えた放課後、司達はアリーナで訓練をしてた。

 

行く途中に、シャルルも加わり結構な大所帯となった。

 

「じゃあ始めるか。」

 

「待ってました!エマジェンシー!!」

 

始めるなりいきなり、鈴はデカスーツを纏った。

 

一夏

「いや、鈴は専用機でしょう。」

 

「そうだな。専用機持ちの代表候補生がデカスーツだけに慣れるのは好ましくないからな。」

 

鈴「えぇ~……。」

 

しぶしぶデカスーツを解除して、今度は専用機である甲龍を起動し、アリーナに入っていった。

 

「ラウラとシャルル。2人が鈴に教えてやってくれ。ISでの戦闘なら2人の方が詳しいだろう。」

 

シャルル

「うん。」

 

ラウラ

「分かった。」

 

快く受けてくれた。その後に簪も先に行かせ、2人はピット内で少し話をしていた。

 

因みにオルコットは並列思考をマスターするために別の場所で自主練をしている。

 

一夏

「ボス。シャルルの事何ですけど……。」

 

「ああ、女の可能性が高いな。鈴なら武術も嗜んでいる。練習の中で何かに気付くかもしれない。」

 

一夏

「でも……女だとしたらいったい何処が何のために……。」

 

「デュノアと言う名前を聞けば、真っ先に浮かぶのはIS製作会社のデュノア社だが……。社長婦人には出産記録が無い。まあ、何処の連中が送ったにしろ、今は情報が少ない。此方が焦って相手に悟られる訳にはいかない。」

 

一夏

「ですね……。」

 

調べようにも情報が無い。はっきり言ってこの状況は時間が経てば経つほど事態が悪化する可能性がある。早々に片付けなくてはならない。が、悟られる訳にもいかない。

 

2人は気付かれない様に慎重に情報を集めようとした。束に頼めば1発で済むのだが、絶対に余計な事までやるので頼むに頼めない。最後の最後までその手段は使うことが出来ない。

 

どうやって情報を集めるかを考えながら、2人もアリーナに入っていった。

 

「遅いよ2人とも。せっかく機体をチューンしてきたのに……。」

 

「すまないな。一夏、逝ってこい。」

 

一夏

「ロジャー。」

 

試合が始まると、簪は一夏に急接近し、ほぼ0距離でビーム砲を放ちダメージを与えた。

 

今までの簪とは違う戦法なので戸惑ってしまい、いつもより無駄な動きが出てしまった。

 

そして簪はいつも通りあのミサイルを放った。だがデカスーツの保護機能は束によって強化されている。一夏もそれを知っていたため、1発ずつ拳で破壊したが、

 

一夏

「グワッ!?何で保護機能突き抜けてきてるの!?」

 

「は?一旦止めろ!!」

 

強化したはずの保護機能を突き抜けて一夏自身にダメージが出た為、司は簪と一夏の試合を一旦止めた。

 

「強化してもカバーしきれなかったかったか…………。簪、そのミサイルは今後死人が出る可能性もある。よって使用禁止だ。」

 

「Σ(Д゚;/)/そんな~。」

 

「死人が出るよりはましだろ。」

 

デカスーツの保護機能を貫通した簪のデスソースミサイルは司の意見によって使用禁止となり、簪もそれを受け入れた。納得はしていなかったが……。

 

「大丈夫か?」

 

一夏

「はい……。何とか。」

 

簪が通常ミサイルに取り替えてくる間、一夏は司に水を買ってもらい、口や鼻、目をゆすいでいた。現在花粉症みたいに目が充血している。

 

しかしデカスーツはあらゆる悪性の物質から身を守り、変身者の体をカバーしている。それを超える簪のデスソースミサイルとは一体……。

 

「お待たせ~。ミサイル変えてきたよ。」

 

「今度は大丈夫だろうな……。」

 

「大丈夫!着弾したら周囲に電撃を流すだけだから。」

 

やっぱまともな武器では無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練が終わり、着替えをした司と一夏。だが部屋に戻る途中、一夏は更衣室にSPシューターを置き去りにしていることに気付き急いで戻った。

 

かなり焦っていたので、部屋のなかを確認せずにドアを開けて、自分の使っていた棚の中にあるSPシューターを取出し、出ようとしたとき、気づいてしまった。更衣室の中にもう1人居ることに。

 

シャルル

「あっ、」

 

一夏

「あっ。」

 

現在進行形でシャルルが着替えていた。そして、それを見たときに確信してしまった。シャルルの正体に。

 

少し流れた気まずい時間の後、一夏はブレスロットルで司に連絡を取り、今の状況を伝えた。

 

一夏

「ボス。シャルルの正体が判明しました。今から部屋に連れていきます。…………着替え終わるまで外に居るから終わったら着いてきて。」

 

シャルル

「はい……。」

 

数分後、ジャージに着替えたシャルルが更衣室から出てきたので、一夏は自分の部屋に連れていった。

 

部屋に入ると、そこには司以外に鈴も居た。彼女もSPDなので居て当たり前だ。

 

「じゃあまず、何で男としてこの学園に来たかを説明してくれ。後、本名もな。」

 

シャルル

「うん。本名はシャルロット・デュノア。デュノア社社長の娘だよ。ここに男として来たのは両親からの命令だよ。経営難に陥った会社を立て直すために。」

 

一夏

「経営難?でもデュノア社って世界第3位のIS製作会社じゃなかったっけ?」

 

「一夏の言う通り、デュノア社は世界シェア3位の起業ではあるが、作った機体は第2世代機のラファール・リヴァイブだ。しかもその機体は第2世代最後期の機体だ。デュノア社は他の企業よりも第3世代の研究に入ったのが遅れていると言っても良い。経営難に陥った理由はそれだろう。」

シャルロット

「大体それであってるよ。他にも資金の私的利用とかもあるけどね。遅れた第3世代機の開発のために、僕はここに来てISのデータ収拾や男性操縦者の機体データとかを集めてたんだ。それに男なら広告塔としても役立つしね。」

 

確かに男性操縦者がIS学園に入ったとなれば国は注目を受ける。さらにその男性がデュノア社の人間と分かれば経営難は解決するだろう。だが分からないこともある。

 

「でも何でわざわざ自分の子供を?いくらなんでも危険すぎるわよ。」

 

そう。自分の娘を使えば当然いつかはバレる。そうなれば会社の信用は一気に地に落ちる事になる。経営難と言っても、そんなリスクを背負う事はしないはずだ。

 

シャルロット

「僕はね、愛人の子なんだ。父とは数回しか話したことが無いし、本妻からは「泥棒猫の子が!!」って殴られたよ。でもISの適性が高かったから非公式だけどテストパイロットをしていたんだ。と言っても、2人からは自分の娘としての扱いを受けたことが無いけどね……。殆んど奴隷みたいに使われてたよ……。」

 

自らの過去を3人に話し、部屋から出ていこうとした。バレたから学園から立ち去るつもりなのだろう。

 

「成る程。これでデュノア社の社長達をデリートもしくは逮捕出来るかもな。」

 

一夏/鈴/シャルロット

「えっ?」

 

司の言葉に3人は驚いた。確かにスパイ行為や開発資金の私的利用、犯罪行為の強要は逮捕には十分な理由になる。だがデリートまでは普通は行かない。

 

一夏

「何故デリートまで……?」

 

「実はデュノア社は前社長から今の社長に代が変わったときから黒い噂が流れていたんだ。前社長派の人間が突然行方不明になったり不審死になったり、不当解雇や国家IS機密の他国への横流し等、上げればきりの無いほどある。だが今回のシャルロットの話で全てが証明されるだろう。」

 

どうやらデュノア社はかなりの犯罪に手を染めていた様だ。デリートされるのも当たり前だろう。

 

「シャルロット。お前の身柄はSPDが保護する。日本署で全てを話してくれるな?」

 

シャルロット

「でも……その後はどうすれば……。」

 

「その後の事も俺達がどうにかしよう。お前の身は必ずSPDが守ってくれる。」

 

自分の身を守ってくれる事を条件に、次の日の朝、シャルロットはSPD日本署へと運ばれた。

 

デュノア社検挙の日もそう遠くないだろう。

 




今回はここまでです。次回は今までにもちょいちょい登場していたあの人が出てきます。

次回 デカレッド

次回もよろしくお願いします。感想もよろしくね。


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episode18 デカレッド

寝たら体力が復活したので投稿します。

ゆっくりしていってね。


次の日の朝、IS学園にSPDのパトカーが1台到着し、シャルロットを乗せ日本署まで運ぼうとしていた。しかし事実があれなので知る人は少ない。

 

龍馬

「到着しました。」

 

「朝早くにすまんな。彼女を日本署まで頼む。(何でわざわざ副署長のコイツが来てるんだ?)」

 

龍馬

「ロジャー!無事に届けてみせます!」

 

「ああ、シャルロットの専用機を調べたら内部に盗聴器らしき物が付いていた。恐らく途中で襲撃に会うかもしれないが注意してくれ。」

 

司からの忠告を聞き、日本署に向かって車を出した。

 

龍馬

「えーっと……。シャルロットちゃんだっけ?日本署まで少しあるからゆっくりしておいて。」

 

シャルロット

「は、はい……。」

 

襲撃の忠告を受けていたので周りに警戒しながら日本署に向かっていた。

 

日本署まで後半分のところまで来た。しかし、襲撃の様子が無かったので司の思い過ごしかと思ったその時、

 

龍馬

「危ね!!」

 

突然攻撃を受けた。

 

龍馬

「車から出るなよ!」

 

シャルロットを車に残して、急いで攻撃をした者の姿を確認しようと外に出た。

 

外にはラファールを纏った女が4人、武器を構えた状態で車の前に立っていた。

 

「裏切り者のシャルロット・デュノアを渡してもらおう。」

 

龍馬

「裏切り者?」

 

「その女は我が社の情報をSPDに話した。こちらで処罰するのが筋と言うものだ。早く渡せ。」

 

龍馬

「ふざけるな!!犯罪の片棒を担がせたあげく裏切り者扱いするお前たちに、渡すわけが無いだろ!!」

 

「ならば死ね!!」

 

装備していたグレネードシューターを一斉に放ち、龍馬を始末しようとしたが、

 

龍馬

「エマジェンシー!フェイスオン!」

 

デカスーツを纏い、迫り来るグレネード弾をディーマグナム01と02で撃ち落とし、4人の中心に入りディーマグナムを連射した。

 

「いくらSPDと言えども、私達4人に勝てると思うなよ!」

 

4人は空中に散開すると、360°様々な角度からアサルトライフルで攻撃をしてきた。

 

1発1発の攻撃力は低くとも、絶え間無く撃たれ続ければダメージや疲労が溜まる。そしてそれらが溜まれば当然隙が出来る。

 

「そこ!」

 

龍馬

「グワァァァ!!!」

 

4発のグレネード弾を受け、デカスーツのダメージも限界に来てしまい解除された。

 

「これで終わりだ。」

 

龍馬

(ヤバイ!)

 

「こんな所で何やってんだ!!」

 

龍馬にかけられた声の後に、SPシューターの発砲音が聞こえ、銃を向けていた女に銃弾が当たった。

 

「遅いと思って来てみれば、こんな連中相手に何を手こずってるんだ!?」

 

龍馬を助けた男は戸増宝児だ。龍馬の到着が予定より遅かった為、様子を見に来たようだ。

 

龍馬

「わりぃ相棒。ちょっと手こずっちまった。」

 

宝児

「相棒って言うな!SWATモードで一気に片付けるぞ。」

 

龍馬

「おう!」

 

龍馬/宝児

「エマジェンシー!SWATモードオン!!」

 

デカスーツにプロテクターが装着され、基本性能がアップするSWATモードで一気に襲撃者を片付けようとした。

 

「2人になったところで何が変わる!行くぞ!!」

 

ラファールを纏った4人は龍馬達に攻撃を仕掛けるために1度上空に上がり、下降するスピードに合わせて射撃を浴びせるつもりの様だが、

 

宝児

「無駄だ。」

 

SWATモードの専用武器のディーリボルバーで上空にいる4人を撃ち落とした。

 

ディーリボルバーはSPDが保有する武器の中でも最強クラスの武器。威力、連射性能、集弾率がずば抜けて高い武器の前に小細工など通用しない。

 

「グッ!なら!」

 

ショットガンを構え、接近して攻撃をしようと思ったようだが、

 

龍馬

「フン!オリャ!!」

 

「グワァァァァ!!」

 

ディーリボルバーで弾き、逆に銃弾を浴びせた。

 

1機撃破。

 

龍馬

「相棒!使え!!」

 

自分の持っていたディーリボルバーにSPをセットして宝児に投げ渡した。

 

宝児

「だ~か~ら、相棒って言うな!!SPライセンスセット!ストライクアウト!!」

 

「グワァァァァ!!」

 

3機撃破。残り1機。

 

龍馬

「これで終わりだ!ディーソードアルタイル!!」

 

司の使っているディーソードベガに似た日本刀状の武器、ディーソードアルタイルの封印を解放して、残りの1機斬りかかった。

 

龍馬

「赤座流剣法!雷神剣!!」

 

「グワァァァァ!!」

 

倒れている襲撃者に手錠をかけていると、

 

宝児

「もう1人はどこに行った?」

 

1人少なかった。しばらくはダメージで動けない筈なのだが……。

 

「おい!今すぐ変身を解除しろ!!コイツがどうなっても良いのか?」

 

居なくなった1人がシャルロットに銃を突き付けデカスーツを解除するように言った。

 

宝児

「お前!」

 

「動くなって言ってるだろ!!」

 

目からして下手の事をすれば確実に撃つつもりだろう。それを理解した宝児が動けずにいると、龍馬が立ち上りデカスーツを解除した。

 

龍馬

「ほら。解除して武器も捨てたぞ。今度はこっちの願いを聞いてくれ。シャルロットを離せ。今すぐに。」

 

デカスーツを解除して隊服の状態で近付いていった。

 

「よ、寄るな!これ以上近付くな!!」

 

突然の行動に驚いたようだ。デカスーツを解除し隊服の状態で銃を持った人間に近づけば相手も驚くだろう。

 

「来るな!来るな!来るな!来るな!!」

 

彼の行動が驚きから恐怖に変り、銃を龍馬に向けて乱射した。

 

隊服には防弾機能があるが衝撃までは吸収出来ない。倒れても可笑しくない筈だが、それでも歩みを止めない。

 

シャルロット

「何で、何でここまでするの!?僕なんかの為に……。ここまでする必要は無い筈だよ!!」

 

龍馬

「俺は1度決めた事は絶対に曲げない主義でね。君を護るって決めたんだよ。任務とか関係なしにね。」

 

銃弾が無くなると、次はシャルロットもろとも自爆でもしようとしたのか手榴弾を手に取ったが、

 

龍馬

「いい加減に離しやがれ!!」

 

走ってきた龍馬が目の前に現れ、手榴弾のピンを抜く前に女を殴り飛ばした。

 

宝児

「はぁ、コイツらは俺が何とかしておく。お前達はさっさと日本署に行って手当てでもしてもらえ。」

 

龍馬

「わりぃな相棒。後は頼んだ。」

 

宝児

「相棒って言うな。全くいつまで経っても変わらんな。」

 

その後、龍馬はシャルロットと一緒に日本署へ、宝児は呼んでおいた車が来るまで襲撃者を見張っていた。

 




次回は龍馬とシャルロットのデートでも書きましょうかね。

キャラのリクエストをくださったルオンさん、こんな感じで大丈夫かどうかは分かりませんが、ありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。感想もよろしくね。


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episode19 龍馬とシャルロット

みなさん、おはこんばんちは。日光を浴びると10秒もせずに確実に頭痛と気だるさ、吐き気に襲われる作者です。

昨日は学校全体で行うボランティアで体力を使いきり、酷い頭痛に襲われたので投稿できませんでした。本当にすみません。

デートシーンなんて書いたこと無い上によく分からないから出来てるかは不安ですが、ゆっくりしていってね。

デートらしいデートにはならないでしょうな。確実に。


日本署に着くと、シャルロットは宝児と共に取調室に入り、尋問を受けた。その結果、デュノア社にはSPDが持っている情報よりも多くの犯罪に手を染めていることが判明した。

 

龍馬

「あ、相棒。取調べ終わった?」

 

宝児

「相棒って言うな。彼女自身、デュノア社には何の未練も無いらしい。全部素直に話してくれた。お陰でSPDが確認している以上の情報が得られた。」

 

シャルロットの発言で、SPDが今までに手に入れてたデュノア社の悪行が全て事実となり、早急に手を打つことになった。

 

龍馬

「そっか。なら早くISに帰してあげることが出来るな!」

 

宝児

「イヤ、それは無理だ。いくら犯罪行為を強要されたからと言っても、彼女自身、スパイ行為やその他の犯罪の共犯になっている。デュノア社の社長と社長婦人をデリートするまではここで拘束しておく必要がある。SPDを近くに置いておく為にもな。」

 

宝児の言っていることは事実だが、龍馬はそれを受け入れられない様だ。

 

龍馬

「SPDがシャルロットの近くに居れば良いんだな?」

 

宝児

「まあ、そうなるな。」

 

龍馬

「ふふん。後の書類はよろしくねー!!」

 

宝児

「は?…………って!おい!!!」

 

何を思い付いたのか、龍馬がコマンドルームから走って出ていった。すると入れ違いに束がコマンドルームに入ってきた。

 

「ホージーも大変だね。龍馬君の相手……。」

 

宝児

「アイツの滅茶苦茶にはもう慣れたつもりでしたが、今度は何をやるのやら。」

 

その頃、龍馬はシャルロットが居る部屋の前に来ていた。

 

龍馬

「シャルロットちゃん?居る?」

 

ノックをしながら声を掛けると、鍵が中から開けられ、シャルロットがドアの隙間から顔を出した。

 

シャルロット

「何でしょうか……?」

 

龍馬

「これからちょっと出掛けようと思ってね。」

 

出掛けると伝えると、シャルロットの手をつかみ、部屋から出した。

 

そのまま自分の車にシャルロットを乗せ、コマンドルーム内の宝児に連絡を入れた。

 

龍馬

「あ!相棒。シャルロットちゃん借りるね!夜までには帰るから!んじゃ!!」

 

宝児

『は?借りるってどこまでだ!?おい!』

 

シャルロット

「大丈夫なの?僕を連れ出して……。」

 

龍馬

「大丈夫大丈夫。SPDが近くに居れば問題ないみたいだから。」

 

不安そうな顔をするシャルロットを隣に、龍馬は車を走らせどこかに向かっていった。

 

宝児

「はぁ……。アイツ……、今度は何を……。」

 

「今度はまたとんてもない事をしたねぇ~。」

 

宝児は溜め息を着き苦い表情を、束は呆れてはいるがどこか面白そうな表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車を走らせること数時間、龍馬が何処へ行こうとしていたのかと言うと遊園地である。

 

シャルロット

「何で遊園地?」

 

龍馬

「いやぁ、この前福引きで当てたチケットの期限が近かったかし、ずっと日本署に居るよりこう言う所でパーっとやった方が良いでしょ。」

 

車から降りると、龍馬の事を見た一般の客が少し驚いていた。当然と言えば当然だ。SPD日本署の副署長が遊園地に少女を連れてきているのだから。しかも隊服のまんまで。

 

「ごゆっくりお楽しみください!」

 

受け付けにチケットを見せ、中に入るとかなり広い遊園地だった。色々なアトラクションが充実している。

 

龍馬

「なんか行きたい所ある?」

 

来たは良かったが、中に入ってからの計画は無いようだ。

 

シャルロット

「じゃああれ。」

 

いきなりお化け屋敷を選択した。ある意味ヒーローである。

 

「大人1人700円になります。」

 

オーソドックスな幽霊らしい白装束をきた女性にお金を渡し、中に入った。受け付けの感じで完成度は微妙な様だ。だが、それは間違いだった。

 

龍馬

(マジかよ。以外と完成度高いし!なめてた俺がバカだったぁ~!!シャルロットは……。何で目輝かせてんの!?)

 

シャルロット

(楽しい!)

 

出てくる頃には、龍馬はげっそり。シャルロットはキラキラしながら出てきた。龍馬の様子から、相当怖かったようだ。

 

龍馬

「あぁ~……。」

 

シャルロット

「楽しかった~!」

 

龍馬

「そうか。次は何に乗る?」

 

げっそりしているが体力は残っている様だ。そして、次に乗ると決めたものは、

 

「お手元の安全レバーが下がりましたらレバーを抑えるように手を置いてください。お荷物はスタッフもしくは座席の下に置いてください。」

 

絶叫系の次はまた絶叫系のジェットコースターである。別のタイプではあるが、絶叫に変わりは無い。

 

「それでは、行ってらっしゃい!!」

 

龍馬

(上に登るまでの間があんまり好きじゃないんだよな~。)

 

シャルロット

(初めて乗るけど楽しみ~!)

 

ジェットコースターが最初の大きな坂を登り、先頭に座っている人に下りが見えたとき、一気に下降を始めた。

 

龍馬/シャルロット

「ワァァァァァァァァ!!!!」

 

坂を銃弾の様なスピードで下り、回転したり飛んだり。様々な状態になり気絶する者、楽しそうにする者、無表情な者とスタート地点戻るまでに色々な顔をした人が居た。

 

龍馬とシャルロットは「爽快」と言う顔をしてきた。

 

「レバーが上がるまで動かないで下さい。荷物を預けた方はお近くのスタッフまでお願いします。」

 

その後も2人は色々な物に乗ったり、たまたまやっていたヒーローショーを見たり食事を取ったりと最大限楽しんだ。

 

そして帰るとき、

 

龍馬

「楽しめた?」

 

シャルロット

「はい!スゴく楽しむことが出来ました!」

 

龍馬

「そっか。なら良かった。」

 

シャルロットが楽しんだのを確認すると、車に乗り込み日本署に戻った。宝児からの雷は確実だな。

 

日本署に向かっている途中、龍馬のSPライセンスに司から連絡が入ったので路肩に車を止めた。

 

『龍馬。明日フランスに向かってくれ。デュノア社を一斉に検挙する。シャルロットを学園まで送ってくれ。』

 

龍馬

「ロジャー。今から送り届けます。」

 

通信を切ると、シャルロットから質問を受けた。

 

シャルロット

「明日、デュノア社を潰しに行くの?」

 

龍馬

「……ああ。」

 

シャルロット

「なら1つお願いがあります。あの2人をーーーーー。」

 

龍馬

「分かった。」

 

シャルロットからの頼みを聞き入れ、IS学園に送り届けた。

 

そして日本署に戻ると、

 

宝児

「何を考えてるんだお前は!!!副署長としての自覚はあるのか!!?」

 

案の定雷が落ちた。

 

龍馬

「いや悪かったって!そんなに怒るなよ。それよりも、早く準備するぞ。」

 

宝児

「全く……。」

 

龍馬に呆れながらも自分も明日の準備に取り掛かった。

 




取り敢えずここまで。やっぱデート無理。これが後2回3回あるかと思うと……。

次回はデュノア社の解体です。そしてシャルロットが龍馬に頼んだこととは?

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

ゴールデンウィーク中は基本1日2本投稿。もしくは3本投稿するゴールデンウィーク企画を行います。5日間でどこまで行くか予想してみてください。予想は感想欄に!


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episode20 人を人として

今日は訳あって1本だけです。ゆっくりしていってね。


司に指示を受けた次の日、龍馬と宝児はフランスに来ていた。現地のSPDと協力し、デュノア社を完全に包囲している。

 

「突入準備完了しました!」

 

宝児

「よし。最終確認だ!A班B班は残っている社員の逮捕と攻撃してくるISパイロットの制圧だ。C班は俺達と一緒に社長室まで着いてこい。D班は自宅に帰宅している社員に事情を説明してフランス署まで同行してもらえ。」

 

「ロジャー!」

 

周りを包囲しているSPDも突入しようとしている部隊からも緊張が漂っている。

 

そして、

 

龍馬

「現時刻を持ってデュノア社の一斉検挙を行う!突入!!」

 

龍馬の号令で、一斉にデュノア社の中に入った。

 

案の定、と言うか当然一般の社員は驚き短く悲鳴をあげたり、腰を抜かしたりしている。

 

そして、当然ISを纏った女性も出てくる。

 

「SPDか!?どういうつもりだ!いきなり突入してくるとは!!」

 

宝児

「予定通りA班B班は確保と制圧をしろ!!」

 

「ロジャー!!」

 

「制圧だと!?SPDと言えどそんなこと許されると思っているのか!!」

 

龍馬

「うるせぇ!邪魔だ!!退け!!!」

 

邪魔をするIS操縦者に豪快な蹴りを叩き込み前へと進んだ。

 

その他の行く手を阻む女性を蹴散らしながら最上階の社長室を目指した。

 

宝児

「はぁ、はぁ、お前……飛ばしすぎだぞ!」

 

デカスーツを纏った宝児が息を切らせながら社長室の前にいる龍馬の隣に居た。

 

龍馬

「当たり前だ!確めたいこともある!行くぞ!」

 

高級感漂う『社長室』と書かれたプーレトのある扉を蹴破った。

 

中には社長と社長婦人が居た。何故か随分と余裕そうな態度だった。

 

社長

「何か御用かな?SPDのお2人。」

 

宝児

「デュノア社社長と社長婦人だな。お前達に話しがあrーーー」

 

龍馬

「その前に!シャルロットの事についてはなして貰う。」

 

宝児の言葉を遮り、シャルロットの事を2人にたずねた。

 

社長

「シャルロット?あぁ、私と血が繋がっているあの娘の事か。それがどうかしたのか?」

 

龍馬

「何故彼女に犯罪行為を強要した?」

 

平静を保った声で言っているが、その声には明確な怒気が含まれていた。恐らくマスクで隠れている顔もかなり怒っている筈だ。

 

婦人

「奴隷をどう扱おうと私達の勝手では?」

 

“娘”ではなく“奴隷”という言葉を使った。この言葉に完全にキレた。

 

龍馬

「そうか……。シャルロットにはお前達2人に人の心が残っているのなら人として裁いてくれと言われていたが……、その様子じゃあ残っていないみたいだな。」

 

SPライセンスがきしむ程の力で握りしめ、2人にかざした。

 

横のスライドを一番下に合せ、罪状を伝えた。

 

龍馬

「デュノア社社長と社長婦人!前社長派の社員の不当解雇、殺人、誘拐、国家IS機密の他国への横流しに国から支給されたIS開発・研究資金の私的利用と、1人の何の罪も無い少女に犯罪者の十字架を背負わせ長きに渡り苦しめた罪で!ジャッジメント!!」

 

『ジャッジメントタイム』

 

SPDの要請で地球最高裁判所に犯罪者の起訴・即決を行うジャッジメント機能。現場や犯人の状況から裁判所に連れていく必要が無いと判断した場合、この様にして判決を決める。

 

『×』

 

宝児

「デリート許可!」

 

龍馬

「ディーソードアルタイル!」

 

ディーソードアルタイルの封印を解き、2人に近付いた。

 

社長

「ま、待て。私達を誰だと思っている。この会社が無くなったら国は混乱するぞ!それでも良いのか!?」

 

婦人

「そうよ!私達の存在がどれ程この国に影響してると思ってるの!?」

 

デリートの判決が下ってからと言うもの、最初の余裕は無くなり、急に命乞いを始めた。

 

龍馬

「国なんか知ったことか。俺は犯罪者が減らせればそれで良い。」

 

社長

「私達を殺した所で犯罪は無くならんぞ!」

 

龍馬

「例え犯罪が無くならなくても、苦しむ人が減る。それで良い!」

 

龍馬の降り下ろした刀は確かに2人の首を捉えた。だが、血所か首が落ちる音がしない。確かに斬れている。だが外側が薄皮1枚繋がっていた。

 

宝児

「何をした?」

 

不思議に思った宝児が龍馬に聞くと、

 

龍馬

「俺は人の道を外れた化物の魂を人に還す方法をこれしか知らない。人を人として斬る。これしか出来ないんだ。」

 

ディーソードアルタイルを見ながらそう言った。

 

外に出ると他のSPD隊員が後処理を行っていた。どうやら此方も全てが片付いた様だ。

 

「ご苦労様でした!あとのことは此方でやっておきます!」

 

宝児

「よろしく頼む。」

 

後の事を現場のSPDに任せ、2人は日本署に戻ることにした。

 

「どうしたの?龍馬君。」

 

宝児

「事件を解決したのにずっとあんな感じで……。」

 

まだ落ち込んでる様子の龍馬を心配し、理由を聞いてみると、

 

龍馬

「シャルロットには「人として裁いてほしい。」っ言われてたのにそれが出来なかったからだよ……。はぁ……。」

 

宝児

「でもお前は「人の魂を人に還す方法」って言ってたろ。人に還せたなら充分だろ。」

 

確かに化物の魂を人に還す為の方法は取った。だが、それが人として裁いたのかは分からない。それでも、救われる人が居るのなら間違いでは無いのかもしれない。




自分で書いておいてアレだけど、人の心ってなんでしょうね?人を思う事何でしょうか?それとも欲望のために周りを駒として使う事何でしょうか?そして龍馬の行為は正しかったのでしょうか?「人の道を外れた化物の魂を人に還す」これは正しいと言えるのでしょうか?

自分で書いたのに矛盾だらけですね。

次回はタッグトーナメントの少し前ですかね。何時もの訓練風景でも書きましょうかね。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

あっ、龍馬がやったのは銀魂死神編のアレです。


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episode息抜き ゲーム

前からやろうと思っていた茶番です。ストーリーとは関係ありません。

あっ!どの時間軸でやっているかはご想像にお任せします。

ゆっくりしていってね

ほぼ会話だけで進みます。


授業を終えた放課後、1年1組の教室には一夏、鈴、簪、ラウラ、シャルロット、オルコットそして山田先生が机を囲んで真剣な表情をしていた。

 

「王様ゲーム!!!」

 

『イェェェェェ!!!!』

 

鈴の叫びで一気に盛り上がった。

 

「それじゃあ一夏。ルールの説明をよろしく!」

 

一夏

「OK鈴。ここに1から6と書かれた紙と王と書かれた紙があります。王を引いた人は指名した番号の人に自由に命令が出来ます。例えば、1が王の肩を揉むとか3が6にしっぺ等。そして最後に!王様の命令は!」

 

『絶対!!』

 

何に真剣になっているかと思えば王様ゲームである。気持ちは分からなくもない。

 

一夏

「それじゃあ1回目!せーの!!」

 

『王様だーれだ!!』

 

暫しの沈黙のあと、

 

「私ね。」

 

鈴だった。

 

「それじゃあ2番と5番はボスに「好きです。付き合ってください。」と告って来なさい!」

 

真耶

「ちょっと!!私に何て事を言わせるんですか!?」

 

ラウラ

「良いでは無いですか。ただ言うだけなのですから。」

 

2番と5番は山田先生とラウラの様だ。山田先生顔真っ赤(笑)

 

「ダメですよ先生。王様の命令は?」

 

真耶

「絶対……!ワァァァ!!」

 

叫びながら教室から出て司を探しに行った。その後にラウラも続く。

 

そして、

 

真耶

「く、久我君!す、好きです!付き合ってください!!」

 

大声で伝えた。そんな山田先生の肩に司が手を置くと、

 

「山田先生。ここ他にも生徒居ます。」

 

真耶

「へ?……!!」

 

周りの状況に気が付くと声にもならない悲鳴をあげながら教室に戻っていった。

 

「ラウラ。これは?」

 

ラウラ

「王様ゲームの命令です。」

 

「そうか。ならこれを首にかけておけ。山田先生の分もある。」

 

そう言ってプラカードに油性ペンの太い方で何かを書くとラウラに渡した。

 

教室に戻ると

 

ラウラ

「山田先生、これを首からかけてください。」

 

ラウラはもう既に首にかけている。

 

『私は大人をからかいました。反省しています。』

 

「これは予想外。それじゃあ次!」

 

『王様だーれだ!!』

 

シャルロット

「あっ、僕だ。」

 

王様、シャルロット。まともな命令が来るかな?

 

シャルロット

「ん~。あっ!3番と6番が制服をチェンジ!」

 

「あっ、私だ!6番の人誰?」

 

一夏

「……。」

 

顔を青くしている一夏が紙を見せながら手をあげた。

 

「サイズ合うかな~?」

 

根本的な問題。

 

3分後。

 

一夏

「ヤバい。恥ずかしい……。」

 

「うわぁ~。思った以上にぶっかぶか。」

 

一夏は鈴のIS学園の制服を、鈴は一夏のSPDの制服を着ていた。

 

一夏

「わっ!簪止めろ!!」

 

必死にスカートの中を隠そうとする一夏をやたらとローアングルから一眼レフで写真を撮っていた。

 

以外と似合っている。

 

「はいはい。そこまで次に行くわよ。せーの!!」

 

『王様だーれだ!!』

 

最初の時と同じ沈黙のあと、

 

「……。」

 

物凄く良い笑顔の簪が王の紙を周りに見せていた。

 

「それじゃあ、これから一夏は、私に何を命令されても文句は言えないのね。」

 

一夏

「待って簪!俺に何をさせる気!?」

 

「それはお楽しみに。」

 

一夏

「ごめんちょっと急用が!!」

 

恐怖を感じ逃げようとした一夏をラウラと鈴が取り押さえた。

 

一夏

「うわぁ!離せ!!」

 

真耶

「ん?でも今のは無効じゃないですか?番号を言ってないから。」

 

一夏

「そうだったそうだった。番号言われてないな。」

 

「じゃあ、2番。」

 

…………。

 

一夏

「ッ!!」

 

鈴/ラウラ

「逃がすか!」

 

「さあ簪!命令を!!」

 

「じゃあ今からいろんな衣装を着て写真撮影を。衣装はセシリアが。」

 

セシリア

「準備万端ですわ。いつでも撮影が出来ますわ!」

 

一夏

「イヤ女の衣装しか無いんだけど!!?」

 

その後、色々な服や水着を着させられポーズを付けて撮影された。

 

一夏

「4回戦!せーの!!」

 

『王様だーれだ!!』

 

真耶

「私ですね。え~っと、3番がIS学園校歌を歌いながら校舎一周で!」

 

中々にえげつない命令を出してきた。

 

オルコット

「行ってきますわ。」

 

スッと立ち、躊躇なく歌いながら校舎一周を始めた。

 

入れ違いに司が入ってきた。

 

「今オルコットが校歌を歌いながら走ってきたんだが何があった?」

 

「あっ!ボス!!セシリアが戻ってくるまで代理で参加してください。せーの!!」

 

「まずは参加するかどうかを聞けよ。」

 

『王様だーれだ!!』

 

「俺か。ベガスラッシュを生身で……。イヤそれは危険か。」

 

ラウラ

「刃物では無い物でやればどうでしょうか?箸とか。」

 

一夏

「真っ二つにされるイメージしか湧かないんだけど。」

 

「なら1から6に命令だ。このゲームを次で終わらせろ。そろそろ取り返しの着かないことになる。」

 

「あ~……。何かありそう。」

 

一夏

「じゃあラスト!セシリアも戻ってきたし!せーの!!」

 

『王様だーれだ!!』

 

一夏

「やったー!!俺だ!!!よし!1から6の人は、さっき撮った俺の女装写真を焼き捨てる!!」

 

「チッ!命令なら仕方がない!」

 

シャルロット

「あ~あ。売れると思ったのにな~。」

 

ラウラ

「部下に見せようと思ったのだが……。」

 

セシリア

「まあ良いじゃないですか。」

 

真耶

「そうですよ。持ってるよりは良いと思いますよ。」

 

「そうね。無くなるのは“写真だけ”だから。」

 

一夏

「なんだろう?解決したのに解決した気がしない!?」

 

まあデータが残ってるから解決はしていない。

 

「はぁ、やっと終わったか。」

 

 

 

 




こんな感じで息抜きを今後もちょいちょいと入れます。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

これはバカテスのOVAを弄ったやつです。


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episode21 タッグトーナメントの準備

前編と言うことは訓練風景です。

ゆっくりしていってね。


シャルロットがIS学園に戻ってきた次の日、生徒達の間では2つの話題で持ちきりだった。

 

1つは当然シャルロットが学園に来たこと。そしてもう1つがデュノア社がSPDにより幹部の逮捕、社長および社長婦人のデリートについてだった。

 

IS学園にはフランス出身の者も多く在学している。自国の大企業が文字通り潰された事で大きな衝撃を受けていた。

 

そして、学園に居るSPD関係者である司、一夏、鈴は朝から沢山の生徒の質問攻めに会いグッタリしていた。

 

「何でこの年頃の女子ってのはやたらとどうでも良い情報を欲しがるんだろうな……。」

 

一夏

「フランスもしくはデュノア社関係者ならまだ分かるけど、何で関係の無い人達まで……。」

 

「この年頃の女子なんて大体そんなもんよ……。」

 

SPDに居ることでかなり精神的に鍛えられてる筈の3人でさえも少しイライラしている。

 

この様子を見ている簪達は苦笑いを浮かべるしか出来なかった。

 

「まあ、それは置いといて、お昼ご飯にしましょ。せっかく屋上に来たのに勿体無いわ。」

 

取り敢えず昼食を食べているが、司の愚痴がチョイチョイ漏れていた。

 

「大体何で会社1つ倒産したぐらいであんなに騒げるんだよ。会社の倒産何か昔からいっぱいあっただろ。と言うか新聞やニュース見ろよ。情報なんかいくらでも載ってるだろうが……!」

 

チョイチョイではなくガッツリ漏れていた。まあ、気持ちは分かる。……分かりたく無いけど。

 

シャルロット

「そう言えば、何で僕の専用機は無事なの?デュノア社潰れたのに……。」

 

「今回の件は政府にも非があると言うことになり、お前はお咎めなしになった。代表候補生の地位もそのままだ。」

 

因みに、この場にいるオルコット、簪、ラウラも事情を知っているため話しても問題はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の授業も終わり放課後に入ると、司達は質問を受けるのがイヤなので急いでアリーナに向かった。

 

アリーナに着くと、訓練の前に今回のトーナメントがタッグ戦だったのを思い出したので最初に自分のコンビを決めることとなった。

 

「さてどうした物か。」

 

「一夏と組めば良いのでは?」

 

「他のクラスから苦情が来そうだけど……。」

 

そう。今回はより実戦的なバトルをするためにタッグ形式になったのだ。だがそこに司&一夏ペアが出場すれば周りのペアはなす術なく撃沈されてしまう。

 

そもそも7人なので1人は余ってしまう。

 

ラウラ

「ん?ちょっと良いか?ここに小さく何かが書いてあるんだが……。」

 

持っていたチラシの内容を頭に入れていたラウラが、あるものを見つけた。

 

そこには、

 

『久我 司は参加する場合、他の生徒とのパワーバランスを考慮し、1人での参加とする。』

 

シャルロット

「なにこれ?」

 

「ようするに強すぎるから1人で戦えって事でしょ。まあ、当然かな?」

 

教員も妥当な判断を下したと思う。司とペアを組んでしまえばそのペアの勝率は圧倒的に上がってしまう。それは不味いと思い打った布石なのだろう。

 

「成る程。これは助かる。1人なら気を配る必要もないからな。」

 

オルコット

「2人がかりでも勝てる気がしませんわ……。」

 

「私もよ。一撃入れられるかどうかね……。」

 

その後少しの間話し合い、ペアは、鈴&セシリア。一夏&シャルロット。簪&ラウラとなった。

 

鈴とオルコットは中距離からのオールレンジ攻撃の練習を、一夏とシャルロットは司と当たったときの戦法の練習を、簪とラウラは相手を一撃で沈める訓練をし、アリーナを使用時間ギリギリまで使っていた。

 

「AICって助かるね。相手にガンガン当てられる。」

 

皆さんが予想した通り、簪とラウラの戦法は、ラウラのAICで相手の動きを止め、そこに簪がチャージしたビーム砲を撃ち込む。と言うものだ。相手は確実に一撃で終わるだろう。

 

ラウラ

「しかしそのビーム砲はスゴいな。なんと言う大火力!ロマンに満ち溢れているいるな!」

 

「ラウラもそう思う!?やっぱり大火力は良いよね~。」

 

ラウラ

「ああ!女のロマンだ!!」

 

変なところで意気投合したようだ。




すみません。もう少し書く予定でしたが熱中症にかかったようです。体へのダメージが結構ヤバいのでここまでにします。

皆さんも半日以上外に居るときはお気をつけ下さい。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。


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episode22 圧倒的な強さ

皆さんおはこんばんちは。簪&ラウラペアの餌食を考えていた作者です。

今回はタッグトーナメントで司戦と簪&ラウラ戦です。

ゆっくりしていってね。


タッグトーナメント当日、司はピット内である錠剤をバリボリ噛み砕いて飲んでいた。

 

一夏

「何の薬ですか?それ。」

 

「胃薬。」

 

最近胃をやられた様だ。まあ、無理もない。最近簪とラウラがあれだから。

 

そして第1回戦。試合のカードは簪&ラウラVS鈴&セシリアだった。

 

まさかの1回戦から胃痛の原因である2人が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さんは『混ぜるな危険』と言う物をご存知だろうか?主にトイレ用の洗剤や実験等に用いられる科学薬品とかのラベルに書かれている言葉だ。

 

しかし、現実問題『混ぜるな危険』は薬品だけとは限らない。人間同士でもあり得ることだ。例えば「テロを起こしたいと考えてる人と爆弾を作れる人間が一緒に入れば危険。」と同じように、今回の試合でも「敵の動きを停められる人間と一撃で沈める事の出来る人間」がコンビを組めばとても危険である。

 

「さてと、1回戦ね。」

 

ラウラ

「ああ!絶対に勝とうな!」

 

ここにいる2人の様に。

 

別のピット内では、

 

「生き残るのに全力を尽くしましょう……。」

 

オルコット

「ええ。ここまで負けても良いから生かして下さいなんて試合はそうそうありませんわ……。」

 

試合開始前から勝つ気は失せている様だ。

 

『それでは両者規定の位置まで移動してください。』

 

簪とラウラからはやる気満々のオーラが、鈴とオルコットからは逃げる気満々のオーラが。ここまでの温度差は逆に珍しい。

 

『始め!!』

 

「まずはセシリアから!」

 

オルコットから潰すため、鈴の方向にミサイルを撃ち、動きを止めようとした。

 

「危な!!?」

 

確かに避けた。だが、

 

「へ?キャャャァァ!!!!」

 

ミサイルがアリーナの地面に着弾すると同時に内部から電撃が出てきて鈴を襲った。

 

その結果、機体の動きが鈍り、満足に動くことが出来なくなった。

 

オルコット

「鈴さん!?」

 

ラウラ

「大人しくして貰おうか。」

 

オルコット

「グッ!?動けない……!」

 

鈴を助けに行こうとしたオルコットをAICで停め、簪を呼んだ。

 

「ナイスラウラ。じゃあセシリア、バイバイ。」

 

物凄く良い笑顔で言った。

 

オルコットは簪の右腕に装備しているビーム砲を見て青ざめた。チャージが済んでいるからである。

 

オルコット

(あっ、死んだ……。)

 

躊躇なく放たれたビーム砲はオルコットを捉え、壁まで飛ばした。

 

「さ~てと次次!あっ、ラウラ今度は停めなくて良いよ。ちょっと見てて。」

 

ラウラ

「?」

 

ラウラは何故停めなくて良いのか分からなかったが、取り敢えず簪の指示通り見ていることにした。

 

「ん?ロックオン!?」

 

ISの警告アラームで気付き、危ないと思い回避しようとしたが、

 

「え?ちょ!?何あの量!!?」

 

回避のために動こうとしたが、自分の眼前はミサイルだらけだった。

 

「全部で348発の通常ミサイル。」

 

「どこが通常だぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

ズドォーーン!!!!!!

 

アリーナ全体が振動する程の威力。見ている観客も次の対戦相手も引いていた。

 

ラウラ

「おお!これはスゴい!!なんと言う数!なんと言う威力!素晴らしい!!」

 

間近で見ていたラウラは目を輝かせていた。

 

それをピットから見ていた司は胃薬を無言で服用し、一夏にも何錠か渡した。一夏もそれを無言で服用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は俺だな。」

 

一夏

「えぇ~っとボスの相手は……。3組?」

 

オルコット

「目立った噂は聞きませんわね。」

 

「でもSPD反対派の人や女尊男卑の人が多いらしいけどね。」

 

全身に包帯やら絆創膏やらギプスを付けた2人が3組の説明をした。……原作でも3組って出てたっけ?

 

「あの2人が相手じゃないだけマシだ。」

 

あの2人とは簪とラウラだろう。司でも極力戦いたくない様だ。

 

「へぇ、本当にペアを組まずに出てたんだ。SPDの署長さん。これは私達の勝ちだね。ここで勝てばSPDは不要ってことかしら?」

 

「男なのにISと言う神聖な物を動かすなんて、ここで死になさい。ついでに日本署にも消えて貰うわ。」

 

鈴の言うように女尊男卑とSPD反対派の人間が居るようだ。

 

相手はラファールと打鉄を纏っている。腕に自信があるのかもしくは策があるのか、実に余裕そうだ。

 

『始め!!』

 

試合開始と同時にラファールのアサルトライフルを乱射してきたが、全てディーソードベガで弾き地面に落としている。

 

(成る程。1人が俺を正面から抑え、もう1人は上から攻撃をする。か。)

 

司の読み通り、打鉄が頭のうえから斬りかかってきた。

 

だが、

 

「フン!デリャァ!!」

 

片手で攻撃を受け止めてもう1人の方に蹴飛ばした。

 

「俺にそんな作戦が効くと思われるとは……。嘗められたもんだな。」

 

『!?』

 

作戦が読まれていた事と、先程まで撃っていた銃弾を見て驚いた。

 

地面にある銃弾は今、×印になっていた。遊んだみたいだ。

 

「いつまで驚いてるつもりだ。いつでも攻撃できただろ。」

 

「警察風情が!男風情が!!」

 

「調子に乗るな!!!」

 

用意した策が不要となったのか、それとももう策が無いのか、2人は司に突っ込んできた。

 

「はぁ、こんなことで感情的になるとは話にならんな。」

 

その場から一歩も動かず、ディーソードベガを構えた。そして、2人が司の横を通った瞬間、シールドエネルギーが0となり、ISが解除された。

 

「少しは鍛えろ。戦場で相手を見下すと隙が生まれる。常に相手に敬意を払え。そうすればもう少しマシになるだろう。」

 

「男が偉そうに……!!」

 

「誰があんたの話なんか聞くかよ!!」

 

「そうか。まあ、聞く聞かないは本人の自由だ。」

 

それだけ伝えるとピットに戻っていった。




次回は再び師弟激突でも書きましょうかね。

簪とラウラ……。どこで間違えたんだろう。

それでは次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

今日の名言・「どこが通常だぁぁぁぁ!!!!!!!」


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episode23 師弟激突再び

皆さんおはこんばんちは。「簪とラウラをどうにかしてくれ。」と言う感想がありましたが、これからもトラウマ製造機になることに変わりはありません。ただし、根っこの部分は変わりません。ご安心ください。

今回もゆっくりしていってね。




3組との試合が終わり、次は司VS一夏&シャルロットの試合になった。……トーナメントなのに何故また司?と言う一抹の疑問は残るが、試合が始まろうとしていた。

 

一夏

「シャルロット、ボスは強い。援護を頼むよ。」

 

シャルロット

「うん。頑張ってみる。」

 

2人は司の強さを分かっている。当然、下手な奇襲作戦等は通用しない事も。だから2人は無難な作戦を取ることにした。

 

シャルロット

「読まれてないと良いけどね。」

 

完全なるフラグ発言である。

 

その頃司は、アリーナの中で待っていた。

 

(一夏が突っ込んでシャルロットが援護だろうな。)

 

完全に読まれていた。この男に死角はあるのだろうか……。守備の範囲が広すぎで逆に引く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間になったので一夏&シャルロットペアもアリーナに出てきた。

 

「お前と戦うのはクラス代表決定戦以来だな。」

 

一夏

「そうですね。でも今回はシャルロットも居る。勝たせてもらいます。」

 

シャルロット

「負けませんよ!」

 

両者共に、気合い十分の様だ。

 

『試合始め!!』

 

開始の合図と同時に、司はフルスピードで突っ込み斬り付けた。

 

突然目の前に現れた司に、2人は反応する事が出来ずに吹っ飛ばされた。

 

一夏

「グッ!シャルロット!距離を取って援護を!!」

 

シャルロット

「わかった!!」

 

司の攻撃を受け止めながらシャルロットに援護の指示を出すが、イマイチ連携がパッとしない。

 

一夏かはいつもより動けず、シャルロットもどこか遠慮している。

 

「一夏!援護に気を使いすぎていつもより攻撃が鈍くなってるぞ!!」

 

一夏

「ッ!?ロジャー!!」

 

「シャルロット!味方に当たらないと判断したら迷わずに撃て!!上からの援護は集弾性の高い武器を使え!!」

 

シャルロット

「は、はい!!」

 

イマイチだった連携に司がアドバイスを与えると、先程よりも大分良くなってきた。お互いに遠慮していたものが無くなり、だんだん攻撃が司に当たるようになった。

 

「同じ斜線上に立つな!援護が遅れるぞ!!味方に被弾する可能性も大きいぞ!!」

 

マシになってきたとは言え、まだ色々と問題がある。司のアドバイスは終わらなかった。

 

「ハッ!デリャ!!」

 

一夏

「グワッ!!」

 

ディーソードベガで一夏を吹っ飛ばすと、シャルロットの場所まで一気に跳んだ。

 

「援護に集中しすぎて敵と正面からぶつかることを忘れるな。」

 

シャルロット

「ウワ!!」

 

それぞれに改善点を言いながら戦い続けた。それでも今は司がかなり有利だ。

 

一夏

「灼熱拳!ファイヤーフィスト!!」

 

「フン!ベガスラッシュ!!」

 

一夏

「グワァァァ!!」

 

ファイヤーフィストを放つも斬撃で掻き消され、ベガスラッシュで変身が解除されてしまった。

 

その直後にシャルロットも司の攻撃でシールドエネルギーが0になり、試合は終わった。

 

一夏

「また勝てなかった……。」

 

シャルロット

「強すぎる。僕達にアドバイスしながらだったのに……。」

 

「トラウマ製造機を相手にするよりは楽だぞ。」

 

トラウマ製造機(簪&ラウラ)を相手にするよりマシらしい。逆にあの2人に勝つには分断させることぐらいしか方法が思い浮かばない。

 

その場合はAICを持っているラウラから潰すのが良いが、簪を抑えるのは至難の技。かと言って簪を相手にすると圧倒的物量で消炭にされる。

 

他にも方法はあるだろう。精神的な攻撃等があげられるがそれは相手の最も弱点となることを探さなくれはならない。リスクがかなり大きいと言えるだろう。

 

以上の事が、司がトラウマ製造機とだけは戦いたくない理由である。




今回はこんな感じです。

次回は簪&ラウラVS千秋&箒ですね。やらかします。主に千秋が。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。





作者
「さて、集まってくれてありがとう。少し大事な話があるよ。」


「俺達を呼ぶってことはそこそこ重要な事だな。」

一夏
「どれくらい重要なの?」


「今後に関わること?」

作者
「まあ、君ら3人を呼んだから今後に関わることだね。話って言うのはね、少しの間投稿の間を開けようと思ってるんだ。今までほぼ毎日投稿だったしね。今回の文字数や内容を見て分かる通り、このままじゃ本当に不味いことになりそうだから。」

一夏
「何でまた突然。この前ゴールデンウィーク企画言ったばかりなのに。」

作者
「大して投稿の量が変わらなかったって事と、ネタがあるのにストーリーにまとめられないんだ。だから更新スピードを落とそうかなって思ってね。ぶっちゃけネタとかストーリー考えすぎて平日以上に体力使うは寝不足になるわで今結構キツい状態なんだ。最近よく昼間に寝ちゃうし。」


「スランプ?」

作者
「いやそれは天才がなるもの。僕には絶対にならないよ。」


「まあお前が決めたんなら文句は言わないが、ちゃんと更新するよな?」

一夏
「そこが一番不安なんだけど。」

作者
「更新はするよ。ただ内容がいつもよりも薄っぺらくなるだけ。むしろ今までほぼ毎日更新や連続投稿出来たのが奇跡な位だよ。」


「とか言っときながら明日更新しそうだけどね。」

作者
「元々気まぐれ更新のつもりだったからね。と言うわけで、明日より更新スピードが落ちます。あらかじめご了承下さい。」

作者/司/一夏/鈴
『次回もよろしくね!!』

今日の名言・「トラウマ製造機」


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episode24 弱さ

特に言うことないけど、ゆっくりしていってね。


タッグトーナメント第4試合、アリーナには簪とラウラ、そして千秋と箒が立っていた。

 

「千秋、作戦は大丈夫だな。」

 

千秋

「ああ、俺の言った通りに動けば勝てる。疑ってるのか?」

 

「いいや。お前の言うことに間違いは無いさ!」

 

『それでは規定の位置まで移動してください。』

 

移動指示のアナウンスが流れ、両者共に位置に着いた。

 

(さて、どう出るか……。白式はレーゲンよりも機動力が高い。打鉄は2世代機最高の防御力を持っている。機体を使いこなせれば十分に勝機はあるが……。)

 

しばらくの間試合の無い司達は観客席から今回の試合を観察していた。大体の者は簪&ラウラペアが勝つと思っている様だ。

 

「ボスはどっちが勝つと思いますか?」

 

「どんな戦いにも100%は存在しない。訓練の度合いが限り無く100%に近付けるだけであってどちらが勝つかは最後まで分からない。圧倒的に低い勝率でも作戦次第ではどうとでもなる。苦し紛れに打った1手が勝利に繋がる場合もあるからな。」

 

機体の性能的には五分五分、作戦が全ての様だ。

 

司は千秋と箒がどんな作戦で行くのかに興味を持っていた。

 

『試合始め!!』

 

開始のブザーがなったのと同時に、箒は簪に体当たりを決め、ラウラから離した。

 

千秋もAICで箒を止めようとしていたラウラの妨害に入った。

 

(成る程。防御力の高い打鉄で簪を引き剥がし、機動力で勝る白式がラウラの相手をする。か……。だが簪もラウラも強い。どうするつもりだ?)

 

司が真っ先に浮かんだ引き剥がし作戦を行う様だ。だが、単体でも2人は強い。

 

千秋

「(やっぱり機動力では俺の勝ちだな。)どうした?ドイツ軍の実力はそんなもんか!!千冬姉に訓練してもらってもその程度の実力しか無いのか!?」

 

ラウラ

「嘗めるな!!」

 

千秋

「お前がその程度なら部隊の方も大した事無いんだな!!」

 

ラウラ

「なんだと!!?」

 

機動力で相手を翻弄しながら今度は精神的なダメージを与えるようだ。しかも、ラウラが最も大切に思う部隊の仲間達を使って。

 

千秋

「当たり前だろ!!隊長のお前がそんな様だからな!!悔しかったら攻撃の1発でも当ててみろ!!無理だろうがな!!ハハハハ!!」

 

ラウラ

「この!!」

 

相手の機動力に圧され、更に精神攻撃。ラウラの焦りは徐々に溜まり、攻撃を食らうようになった。

 

ラウラ

「グワァ!!ウヴ……。」

 

千秋

「もう終りか!?甘やかされて育った軍人達はこんなにもひ弱なのか!?傑作だな!!この出来損ないどもが!!!」

 

ラウラ

「私の部下を……!私の家族を貶すことは許さん!!!ウワァァァァァ!!!」

 

ラウラの怒りがピークに達したとき、シュヴァルツァ・レーゲンから黒いドロドロした何かが溢れてきた。

 

「ッ!?あれは!!」

 

一夏

「まさか!?」

 

黒い何かはレーゲンを完全に飲み込むと、別の形を形成した。

 

その姿は、

 

「暮桜……。不穏な動きはこれの事か!!」

 

一夏

「セシリア!鈴!みんなの避難を!!」

 

鈴/セシリア

「分かった(わ)!!」

 

司と一夏はデカスーツを纏いアリーナへ、鈴とセシリアはISを纏い避難活動を行った。

 

「ラウラ……!ダメ!やめて!!」

 

千秋の白式に一撃で沈め、本人に向けて雪片を向けていた。そこに箒を片付けた簪が駆け付け、押さえ付けている。

 

「ラウラ!正気に戻れ!!グワァ!!」

 

一夏

「ワァ!!」

 

ラウラを助けるために動きを止めようとしたが、とんでもないパワーで振り払われてしまった。

 

それでも立ちあがり、取り込まれたラウラをレーゲンから助け出そうとした。

 

一夏

「ボス!離れてください!!正拳アクセルブロー!!電撃拳!ライトニング……」

 

「よせ!撃つな!!ラウラはVTシステムに飲み込まれている!!」

 

一夏がライトニングフィストでダメージを与えようとしたが、それを止めた。

 

SPDの装備は基本的に相手の制圧、もしくは拘束するためにある。そのため手加減していても必ず操縦者にもダメージが行く。その為、今回の様に操縦者自身に負担がかかっている状態で使えば非常に危険なのだ。

 

「一夏!簪!一瞬で良い!ラウラの動きを止めろ!!」

 

一夏

「ロジャー!!」

 

「了解!!」

 

司の指示を受け、2人はラウラに飛び付き、動きを止めた。

 

「よし!ハァ!!」

 

動きを止めたレーゲンの中心を斬り、中からラウラを取り出した。

 

ラウラを取り出すと、レーゲンの動きも止り、形も暮桜から別の形に戻ろうとしていた。

 

「ラウラ!!」

 

「2人とも!早くラウラを医務室まで!!」

 

司からラウラを受け取り、医務室に移動しようとしたその時、動きを停止した筈のレーゲンが動き出した。

 

形も先程と同じ暮桜を形成している。

 

「早く行け!!アイツは俺が始末する!!」

 

一夏達を行かせ、司1人で相手をすることになった。しかし、先程と違い、動きが更に鋭くなっている。

 

(ラウラが居なくなって本来の動きを出せるようになったのか!ドイツ軍!めんどうくさい物を作ってくれたな!!)

 

ラウラと言う枷が無くなり、先程よりも早く、鋭い動きに攻撃力も高くなっている。長期戦はキツいと判断し、一気に決めることにした。

 

「お前に誰も乗っていなくて助かったよ。銀河一刀流奥義!!ベガインパルス!!」

 

ディーソードベガに宿るエネルギーで刀身を伸ばし、相手を一気に断ち切った。

 

「ゴッチュウ。」

 

レーゲンは完全に機能を停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから3日後、タッグトーナメントは事故により中止となり、ドイツ軍の上層部とレーゲン開発元の研究者数名がSPDにより逮捕された。その結果、VTシステム以外の違法な研究も発覚し、研究所、研究データの両方が破壊処理された。

 

ラウラ

「う!」

 

「目が覚めたか……。」

 

ラウラ

「私は……いったい……。」

 

「VTシステム。ブァルキリー・トレース・システム。それがお前の専用機に仕組まれていた。お前の言う上層部の不穏な動きと言うのはこれの事だったらしい。しかし何故発動したのかが分からない。あの試合で一体何があった?」

 

ラウラ

「部下を……。私の大切な家族を貶されました。その事に怒り、今回の事態に発展したのかと思います……。私の精神が未熟だったから、こんなことに……。」

 

部下を貶され、怒り狂って発動させたVTシステム。その原因を自分の精神が未熟だったからだと後悔していた。

 

「誰にだって未熟なときはある。俺も昔、自分の未熟さが原因で同期を1人失った。」

 

ラウラ

「貴方ほどの人が何故!?」

 

司が自分の未熟さで同期を失ったと言うことに驚いていた。

 

「デカスーツが試験的に使われていた頃、俺と同期の2人でテロリスト達のデリートに向かった。だが、俺の判断ミスで仲間を1人失い、貶され、お前同様に怒り狂ったさ。」

 

司の過去。それをラウラに伝えた。

 

「でも、大切な仲間を貶されて怒らない奴に、仲間を語る資格はない。今回のお前の感情は何1つ間違っていないさ。ホレ。直しておいた。お前も早く怪我直せよ。」

 

ラウラに修理したレーゲンを渡し、部屋を出ようとしたとき、思い出したようにもう1つ伝えた。

 

「あっ、そうだ。山田先生にも礼を言っとけよ。3日間お前に着きっきりだったからな。」

 

その言葉にラウラは辺りを見回すと、自分の側で寝息を立てている真耶を見つけた。

 

ラウラ

(なんだ。なんだこの感情!胸が熱くなる。不思議と涙が止まらない!この感情は一体何なんだ!でも、悪い感じはしない……。)

 

そのあと、もう一度眠りに着いたラウラだが、その寝顔はさっきよりも穏やかで嬉しそうな表情だった。




ラウラに司と真耶の事なんて呼ばせようか……。お父さんとお母さんかな?

なんか良さそうなのがあったら感想欄に下さい。

次回は……。はぁ。また苦手なデート回。イヤ家族サービースかな?司と真耶とラウラの……。

まぁ次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

今回の話はちょっと無理があったかな?その辺はご勘弁ください。


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episode25 家族みたい

今回は苦手なジャンルの話し……。

あまり期待せずにゆっくりしていってね。


ラウラの怪我が完治した次の日、

 

「もう怪我は良いのか?」

 

ラウラ

「はい!すっかり良くなりました!父様!」

 

「そうか。……ん?」

 

ラウラ

「それと、3日間看病ありがとうございました!母様!」

 

真耶

「いえいえ。元気になって何よりですよ。……ん?」

 

おかしい。いつも通りの会話の筈だが何かがおかしい。クラスのみんなも何かがおかしいと思い悩んでいる。

 

「ラウラ。父様と言うのは?」

 

真耶

「私も、母様と言うのは?」

 

ラウラ

「はい!副隊長のクラリッサから2人の事をどう呼ぶべきか相談した結果、これが1番しっくり来ました!彼女からもこれが良いと言っていました!!」

 

澄んだ眩しい程の笑顔で言われたこの発言に、2人は、と言うか数名の生徒が頭を抱えていた。ラウラにでは無い。クラリッサと言う副隊長にだ。

 

若干何名かは別の意味で頭を抱えている。

 

「ちょっとドイツまで行ってきます。」

 

一夏

「何しに行くつもりですか?ボス。」

 

「クラリッサと言う奴に少し話をしてくるだけだ。」

 

一夏

「それならディーソードベガの準備は必要ないと思うのですが……。(逃げて~!クラリッサ超逃げて~!!)」

 

司の発言に頬を引きつらせているが必死に笑顔を保っている。

 

まあ、当然そんな理由で授業が向けられる訳が無いので今回は行かずに済んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週の終わりの日曜日。この日、学園に居る殆んどの生徒が、臨海学校で必要な物を買いに出かけた。主に日焼け止めや水着だ。

 

一夏

「それではボス。行ってきます。」

 

「ああ。気を付けろよ。」

 

「司は行かなくても良いの?」

 

確かに水着等は必要だが、SPDで使っていた物(訓練用の重り付き)があるし、日焼け止めが必要と言うわけではない。

 

「ああ。別に必要な物は無いしな。」

 

一夏と簪が出かけたあと、必要の無い道具を整理しようとしたとき、見付けてしまった。龍馬からもらった遊園地のチケットを。しかも期限が今日。

 

「……仕方無い。誰かを誘うか。」

 

そんなわけで、司は真耶(妻)とラウラ(娘)を誘った。遊園地だけでは味気無いので買い物もすることになった。

 

真耶

「誘ってくれてありがとうございます。ちょうど新しい水着が欲しかったので。」

 

「いえ。ついでにラウラの服も買いましょう。制服とジャージだけでは足りないでしょうから。」

 

ラウラ

「ありがとうございます!!父様!」

 

3人並んでデパートの中に入って行ったが、端から見れば完全に親子である。

 

「まずはラウラの服からだな。洋服売り場は……、2階か。」

 

2階の洋服売り場に行くと、そこには普通の服屋よりも多くの種類の服が売られていた。

 

真耶

「わ~!こんなに種類があると迷いますね!どれにしようかな~。」

 

非常に楽しそうにしている。やっぱり女性だ。

 

「ラウラ。着てみたい服はあるか?」

 

ラウラ

「私はこう言うのは良く分からないのですが……。」

 

真耶

「任せてください!私が選びます!」

 

女性を連れてきて本当に良かったと心底思う司だった。まぁ、司はデザイン性よりも機能性を重視する。その為大体デザインは同じのモノクロが多い。

 

「お会計、全部で16200円になります。」

 

「細かいのも持ってきておくんだった……。」

 

仕方無く諭吉さんを2枚出した。

 

「20000円お預かりします。3800円のお釣りです。」

 

たくさん持ってきているのに大体諭吉さんだった。流石地球署署長。財布のなかは暖かい様だ。(作者の財布は常に氷河期)

 

「次は水着だな。3階か。何で同じ服売り場に置いてないんだ?」

 

水着売り場に来てみたが、圧倒的に女性物が多かった。……こんなところにまで女尊男卑持ってくるなよ。

 

(取り敢えずシンプルなやつを……。ん?)

 

シンプルな物をと思い探していると、どこかで見たことあるようなカラーの水着が目についた。

 

真耶

「どうしました?」

 

「どっかで見たことある色だなと思って……。」

 

自分の水着を選び終えた2人が、1つの水着をジッと見ている司に声をかけた。

 

ラウラ

「デカマスターのスーツの色では?全体の色とラインの色がそっくりですけど……。」

 

「ああ、成る程。これにするか。」

 

司はその水着を手に取りレジに向かった。

 

真耶

「今度は私が払いますよ!」

 

「イヤ別に大丈夫ですけど。」

 

真耶

「それでも払います!」

 

司にとっては別に払っても問題が無いのだが、今回は真耶が払うと言って自分の財布からお金を出した。

 

真耶

「…………。」

 

水着を買い終わると、真耶のテンションがガックリと下がっていた。

 

ラウラ

「水着って以外と高いですもんね……。」

 

「大丈夫ですか?」

 

水着が思った以上に高かったようだ。IS学園の教師とは言え、少し痛い出費の様だ。

 

真耶

「い、いえ。お気になさらず……。それよりこの後は何を?」

 

「ああ、ここに行こうかと思ってな。」

 

司は龍馬からもらった遊園地のチケットを出して2人に見せた。

 

真耶

「ここって結構人気な場所ですよね?どうやって手に入れたんですか?」

 

「龍馬が買い物帰りに10回引いた福引きで当たったようです。10回とも全部。」

 

運が良いのか悪いのか。10回引いて10回同じものなのはある意味奇跡だ。因みにこれは3等の商品で、1等は世界1周旅行、2等は海の幸詰め合わせだった。結構豪華な福引きである。他の参加者は全員鉄パイプを当てていたらしいが……。

 

「ラウラは遊園地初めてか?」

 

ラウラ

「はい!とっても楽しみです!」

 

現在遊園地。3人とも楽しそうにしている。

 

真耶

「最初は何に乗りましょうか?」

 

ラウラ

「ん~。あっ!あれに乗りましょう!!」

 

メリーゴーランドを指差した。乗ってみると以外と楽しい。その後も、コーヒーカップ、ジェットコースター、逆バンジー等とラウラの乗りたいものを順に乗っていった。

 

「次はどこに行く?」

 

ラウラ

「ではあそこに行ってみましょう!!」

 

次にラウラが行きたいと言ったのは、

 

真耶

「お、お化け屋敷……。」

 

見るなり真耶は顔を青くした。どうやら苦手な様だ。

 

「1人700円になります!」

 

「3人分だ。」

 

「中学生以下は500円になりますよ。」

 

ラウラの事を言っているのだろう。まあ確かに中学生に見えなくもない。

 

「コイツも高校生ですよ。」

 

「えっ?し!失礼しました!!ごゆっくりお楽しみください!」

 

なんか気不味い感じになったので担当の店員はとっとと中に進ませた。

 

真耶

「い、以外と本格的ですね。」

 

ラウラ

「母様。くっつきすぎです。」

 

真耶がラウラにピッタリとくっつきながら進んでいる。中間まで来ると、突然司が通路を半分あけた。前からも後ろからも誰も来ていないのにだ。

 

「あっ、すみません。」

 

そして誰もいない方向に頭を下げた。

 

ラウラ

「と、父様?」

 

真耶

「ど、どうしたんですか?」

 

不安そうな声で司に聞いた。

 

「通路が狭いと困るなと思って。さっき肩がぶつかったんだよ。……しかし、最近のお化け屋敷はスゴいな。あれはいったいどうやって浮いてるんだ?紐もパイプも見えないんだが……。」

 

真耶

「さ、さぁ~。ど、どうやってでしょうね……。」

 

司の見ている方向に2人も目を向けるが、そこには何も無い。おそらく司には2人に見えない何かが見えているのだろう。その事実が2人の恐怖心を煽った。

 

お化け屋敷から出ると、ラウラと真耶はゲッソリしていた。精神的にそうとう疲れた様だ。

 

「時間的に次が最後だな。何に乗る?」

 

真耶

「では観覧車に乗りましょう!ここの観覧車は評判が良い見たいですよ!」

 

最後は真耶の希望で観覧車に乗る事にした。

 

ラウラ

「スゴい!町が見渡せる!!」

 

ラウラは大いに楽しんでいる様だ。その姿を司と真耶は嬉しそうに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園に戻る途中の電車の中で、ラウラが寝てしまったので、学園までは司が背負って運んだ。遊び疲れた様だ。

 

そして起きると、

 

ラウラ

「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。」

 

丁寧にお礼を言った。

 

「別に良いさ。俺も楽しめた。」

 

真耶

「私もです!とても楽しめました!」

 

その日1日、3人は十分に楽しんだようだ。




今日の名言、水着って以外と高いですもんね……。←これに名言?(笑)

今回はこんな感じです。完全な家族サービース。そして司。いったい何を見たんだ?

次回 臨海学校。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

※シャルロットの正体はラウラが眠っていた3日間の内に明かしています。文章に出来なくて申し訳ありません。


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episode26 海を見ると疲れが癒される所かますます疲れてくる。

タイトルに深い意味はありません。ただ私が常々思っていることです。

今回は臨海学校初日のエピソードをお送りします。

毎度の事なが、ゆっくりしていってね。

あっ、司の年齢は20代後半とだけ言っておきます。真耶よりは歳上だと思います。


週があけた月曜日。ハッキリと言うと、とても憂鬱に感じる。特に土曜日や日曜日にハシャイだ人は体がダル重く感じるだろう。

 

そんな月曜日の朝から、IS学園1年生はバスに揺られ海にへと向かっていた。

 

一夏

「あっ!ボス!海が見えてきましたよ!」

 

隣でラウラと一緒に寝ている司を揺すって起こした。因みにラウラは司の膝の上。

 

「ああ、そうか……。」

 

一夏

「やけにテンションが低いですね?」

 

「海を見て騒ぐ歳じゃないからな……。目的地に着いたら起こしてくれ。」

 

そう言うと、また眠りに着いた。

 

真耶

「はぁ、……あぁ……。」

 

千冬

「ん?どうした?山田君。」

 

真耶

「あ、イエ。何でもありません。」

 

こちらも少し疲れが残っているようだ。まあ、昨日あれだけハシャげば当然こうなる。

 

司が眠ってから約10分後。バスは目的地である旅館に到着し、全てのバスから1年生がわんさか出てきた。

 

千冬

「それでは、ここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさない様に注意しろ。」

 

『よろしくお願いしまーす』

 

千冬の言葉の後、全員で挨拶をする。この旅館には毎年お世話になっているらしく、着物姿の女将さんが丁寧にお辞儀をした。

 

「はい、こちらこそ。今年の1年生も元気があってよろしいですね。」

 

見た目から推測するに30代前半と言うところだろうか、しっかりとした大人の雰囲気を漂わせている。仕事柄笑顔が絶えないからなのか、その容姿は女将という立場とは逆にスゴく若々しく見える。

 

「あら、こちらが噂の……?」

 

千冬

「今年は男子が居るせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません。」

 

「いえいえ。そんな。それに、良い男の子じゃないですか。しっかりしてそうな感じを受けますよ。」

 

司と一夏が前に出て自己紹介をした。

 

「SPD日本署署長の久我司です。よろしくお願いします。」

 

一夏

「同じく、SPD日本署の姶良一夏です!よろしくお願いします!」

 

2人が挨拶を済ませると、千冬が千秋の事を前に出し、自己紹介をさせた。

 

千秋

「織斑千秋です。よろしくお願いします。」

 

「うふふ、ご丁寧にどうも。清洲景子です。」

 

そう言って女将さんはまた丁寧にお辞儀をする。その動きは先程と同じく気品あるものだった。IS学園にはこんな人が少ないので少し身構えてしまう。

 

その後はと言うと、全員荷物を持って旅館の中へと入って行った。荷物を置いた生徒から水着を持ち外に走っていった。

 

因みに初日は自由行動。食事は旅館の中にある食堂で各自とるように言われている。

 

そして司達の部屋はと言うと、

 

「まさかこことはな……。」

 

一夏

「仕事は来ていないから問題無いかと……。」

 

『教員』と言うプレートの貼られた扉。そこが2人の部屋になるようだ。この一部屋に千冬、千秋、司、一夏の4人が泊まるようだ。

 

仕事関係の書類があったらなにがなんでも拒否していただろう。

 

荷物を置き、マスターライセンスとブレスロットル、SPシューターと水着を持ち、2人も海に向かった。

 

「一夏。もう少し筋肉付けたらどうだ?」

 

一夏

「い、いや。そんなこと言われても……。」

 

水着に着替えた一夏の体を司が見ると、そんな感想を言った。確かに司に比べると、一夏は大して筋肉が付いていなかった。

 

一夏

「それよりも何でパーカー羽織ってるんですか?」

 

「銃創やら傷痕を見られたくは無いからな……。さてと。」

 

一夏

「何故釣竿を?」

 

泳ぎにきた筈なのに何故か釣竿を用意し始めた。

 

「長い時間泳ぐ気は無いからだ。」

 

そう言って釣りの出来そうな岩場に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂浜にて、

 

一夏

「やっぱ日差しが強いな。」

 

「あっ!一夏みーっけ!!って……。何でこんなとこにまでブレスロットルとSPシューター……?」

 

一夏を見付け、飛び付いて驚かそうとしていた鈴だが、ブレスロットルとSPシューターを見て引いた。100%この場には必要ないからだ。

 

一夏

「用心のためだよ。盗まれないとも限らないしね。」

 

「あぁ~成る程。まぁ私も持ってきてるから人の事は言えないんだけど……。」

 

だが、鈴の場合身に付けている訳ではないので、ある意味一夏よりマシである。

 

「一夏!鈴!一緒に泳がない?」

 

海の方から簪に声をかけられ、2人は走って向かった。

 

ラウラ

「ん~?」

 

シャルロット

「ん?どうはしたの?ラウラ。」

 

周りをキョロキョロしているラウラを見付けたシャルロットが声をかけた。

 

ラウラ

「あぁ。父様を探していてな……。何処に行ったんだろうか……?」

 

シャルロット

「確かに居ないね……。あっ!それよりも一緒にビーチバレーしない?山田先生も居るよ。」

 

ラウラ

「母様も!行く!」

 

全員それなりに楽しんでいる様だ。泳いだり、ビーチバレーをしたりとかなり賑わっている。

 

その頃司はと言うと、

 

「ん?今回は引きが強いな。よっと!……サメ?」

 

引きが強いと思ったらサメが釣れた。そこそこのサイズのヤツが。何でサメ?

 

「……。」

 

チャポン。

 

無言でリリースした。そしてまたエサを付けて糸を垂らした。その後釣れたのは……。

 

「アジか。」

 

サメ以降、大きな当たりはなく、全て小振りの魚が釣れた。もう釣れないと思ったのか、道具を片付けて皆の居る砂浜に向かった。

 

一夏

「あっ!ボス!何か釣れました?」

 

「釣れたぞ。サメとアジがな。」

 

一夏

「え?サメ?」

 

最初のアジは理解できたが、サメと言う単語に驚いた。リリースしたことを言えば更に驚くだろうが、それは言わなかった。




アジはその後、旅館には寄付しました。

そろそろこの小説も終わりますね。福音編終わったら番外編でも書きましょうかね。司が同期1人を失ったepisode0や卒業後のストーリー等ですけどね。需要あるかは別として。

次回は福音登場かな。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。


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episode27 戦う男

本編、ゆっくりしていってね。

……最終話までもう少しか……。


一夏

「ボス……?ボス!!しっかりしてください!!ボス!!!」

 

「一夏!離れてて!電撃拳!エレクトロフィスト!!」

 

電撃を纏った手で、司に心臓マッサージをする。これで心臓の動きは戻った。だが、司は目を覚まさない。体にある複数の傷、焼け焦げた隊服。何があったのかは容易に想像が付く。

 

海の真ん中に浮かぶ小さな島の上で、司の応急処置をしていると、

 

千冬

『作戦は失敗だ……。直ちに帰投しろ。』

 

千冬の命令で、上空に居た2機のISが旅館に向かって飛び、一夏と司は鈴に運んで貰いながら旅館に戻った。

 

何があったのか、それは数時間前までにさかのぼる。

 

この日は臨海学校の2日目。海上と言う広い空間でISを動かす。これが今日の予定だった。

 

専用機持ちは別の場所でそれぞれ企業から送られてきた武装のチェック等を行っている。何故か箒も居る……。

 

一夏

「ボス、俺たちの新しい装備って何ですか?」

 

「さぁな。アイツが何を作るかは想像ができん。おかしな物じゃないと良いんだけどな……。」

 

当然、その場所には専用機持ちに分類される一夏と司もいる。そして、誰かを待っている様子だった。

 

数分すると、SPDの車が司達の居る場所に近付いてきた。

 

開発者本人が直接運んできたようだ。

 

「ゴメンゴメン。遅れちゃった。道が混んでて……。」

 

白衣をきた束が車から降りて司達の元にきた。

 

突然の束の登場。しかも白衣にはSPDのロゴが入っている。ISの産みの親、しかも現在進行形で失踪中とされている人が目の前に現れ、一部の専用機持ちと千冬が驚いていた。

 

「束。自己紹介をしろ。皆驚きすぎて顔が歪んでるぞ。」

 

「あっ、そうだった。篠ノ之束です。今はSPDの日本署でメカニックをやっています。よろしくね!」

 

束が自己紹介を済ませると、専用機持ち達は何かに納得し、また作業へと戻った。ここに居る人達の順応性にはたまに驚かされる。

 

「姉さん!ここに来たってことは作ってくれたのですか!私の専用機を!」

 

影から箒が飛び出し、束に掴みかかり、専用機は?と尋ねた。

 

「?なんの事?」

 

「とぼけないで下さい!貴女の携帯にメッセージを残しておいた筈です!」

 

束は箒が何を言っているのか全く理解していなかった。携帯にメッセージを入れていたらしいが、束は不携帯主義、つまり携帯を持ち歩かないのだ。そんな束の携帯に電話をかけても出るはずが無いし、SPライセンスがあれば事足るので、留守電が入っていても聞くはずが無いので束の携帯に電話をしても自分の携帯に電話が帰ってくることはない。

 

箒はその事実に言葉を失い、黙ってしまった。

 

その後、新装備を追加するために、司達のライセンスを弄ろうとしたとき、

 

ピピピピピ!ピピピピピ!!

 

真耶

「織斑先生!!大変です!!!」

 

真耶が慌ててこちらにやって来た。恐らく司のライセンスに入った通信と内容は同じだろう。

 

「はい、ッ!?分かりました。こちらで対処を取ります!」

 

千冬

「全員旅館に戻れ!!連絡があるまで各自部屋で待機!!専用機持ちと篠ノ之は集まれ!!」

 

千冬や司の様子から、事態は急を要する事が伺えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教員のプレートが貼られた部屋に、先程の専用機持ちと箒が集まっていた。

 

さて、画面の前に居る読者の皆さんも疑問に思わないだろうか?「何故ここに箒が居るのか」だ。理由は簡単だ。束の妹と言う理由と、戦力として頭数に入れられているからだ。

 

千冬

「では現状を説明する。2時間前、ハワイ沖で稼働実験にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第3世代軍事用IS『銀の福音』が制御下を離れ暴走。監視空域より離脱したとの連絡があった。」

 

ISの暴走。しかも軍事用だ。この言葉に全員の顔が険しくなった。

 

「軍事用か。後で開発元には強制捜査だな。」

 

オルコット

「な、何故そこまで?」

 

一夏

「アラスカ条約で禁止されている軍事用のISだからだ。」

 

シャルロット

「でも!軍への配備なら色んな国でやってるよね。日本にも自衛隊に配備されてるよね。」

 

確かに色んな国の軍に配備され、日本でも自衛隊に配備されている。しかし、それは自然災害などが起きた場合の人命救助や、敵国に攻められたときの防衛手段としてだ。今回の侵略用とは違う。レーゲンのAICも人命救助の為だと言う話もあった。

 

「だが、今回のISは装備を見て分かるように、防衛目的では無いことは確かだ。」

 

千冬

「待て!何でお前が福音の情報を持っている!?」

 

「今回の件はSPDが処理する。学園上層部からも通達があったはずだぞ。」

 

真耶

「はい。現場指揮権は久我司に一任するとの指令が入っています。他にも、命令があるまで学園関係者は手を出すなとも言われています。」

 

この指令に、千冬は苦虫を噛み潰した様な顔をした。

 

「では、専用機持ちはここで待機。不用意に出ることを禁止する。もちろん篠ノ之箒、お前もだ。」

 

ラウラ

「しかし!空中戦の出来ない父様達の機体では不利なのでは?」

 

「そこは大丈夫。今回の新装備は空中戦の為の物だから。今すぐインストールすれば充分間に合うよ。」

 

「ならすぐに頼む。」

 

「ロジャー。」

 

十数分後、データのインストールが完了した3人のライセンスを持って海岸にきた。

 

「今回の装備で空中でも地上と同じ様に動けるよ。ただし吹っ飛ばされたら何かにぶつかるか、どうにかして衝撃を殺さないと止まらないから気を付けてね。」

 

空中でも地上と同じ様に動ける装備。だが、吹っ飛ばされたら何かにぶつかるか衝撃を殺さないと止まらない。かなり危ない装備だ。

 

「構わないさ。どうにかしてみる。」

 

司のこの言葉を最後に、3人は福音の撃破と回収・操縦者の保護に向かった。

 

今回の新装備だが、飛ぶことも出来る様だ。半重力エネルギーをどうたらこうたらと言う説明があったが、読んでる暇が無いので流しておいた。

 

一夏

「見えた!」

 

「私も!」

 

「作戦開始だ!!」

 

福音が3人の間合いに入ると、それぞれ攻撃を始めた。だが、福音も何もせずにやられる訳ではない。3人の攻撃をセンサーが捉えると、回避行動を取り、速やかに応戦に入った。

 

「グッ!流石軍事用機。攻撃もスピードも今までの機体とは比べ物にならないな。」

 

福音から放たれる無数の光弾を弾きながら福音に近付こうとした。

 

しかし量が無茶苦茶だ。簪がミサイルをフルバーストしたときと同じ量の光弾が襲ってくる。機体の損壊や操縦者の事を考えながら手加減している為、どうしても仕留められない。

 

その時、

 

「ウオオォォォォォォ!!!」

 

一夏/鈴

「ッ!?」

 

白式を纏った千秋が福音目掛けて突っ込んできた。

 

千秋

「お前達は下がってろ!コイツは俺達がやる!!」

 

「達?」

 

その言葉の直後に、今度は打鉄を纏った箒が出てきた。

 

「何をやってる!!ここは既にSPDの担当だ!!早く下がれ!!」

 

千秋

「知ったことか!!箒、俺達でやるぞ!」

 

「ああ!」

 

全く下がる気が無いようだ。2人は千秋の単一機能である零落白夜で福音を落とす気だろう。しかしシールを無効化する零落白夜では、最悪操縦者が命を落としかねない。その為、司は何がなんでも2人を戦場から退かせようとした。

 

「一夏!鈴!2人の相手をしてろ!福音は俺が何とかする!!」

 

一夏/鈴

「ロジャー!!」

 

司の命令で、一夏と鈴が2人に掴みかかり、この場から退かせようとしたが、

 

千秋

「邪魔をするな!!」

 

振りほどかれ、雪片で斬られた。この時、とっさに防御の為に左腕を出したが、これが不味かった。いくらSPDの装備でも弱点はある。一夏の装備の弱点はブレスロットル。普段なら攻撃を受けても受け止めることは出来る。だがそこだけは出来ない。その為、

 

一夏

「ウワァァァ!!!」

 

「一夏!!」

 

デカスーツが解除され、そこにあった小島に落ちた。幸い高さが余り無かったのですぐに立ち上がれたが、ブレスロットルは破壊され、身を守る術が無くなった。

 

そして、そんな一夏に福音の攻撃が迫っていた。

 

「不味い!!」

 

状況を理解した司は、福音を追うのを止めて、一夏の前に楯として立った。

 

「グッ!ガァッ!!」

 

放たれた攻撃全てを、自分が受けきり、一夏を守りきった。

 

デカスーツはダメージ限界を迎えて解除され、傷だらけの司が倒れた。福音はそのまま離脱。もう追うことは出来ない。

 

「無事で……良かった……。」

 

司は意識を失い、物語は冒頭と繋がる。

 

旅館の作戦室では暗い雰囲気になっていた。

 

作戦の邪魔をした千秋と箒を殴り飛ばした鈴、何も言わずに司を見詰める一夏、ショックで泣くラウラ、そして、全身に包帯を巻き、今も目を覚まさない司。

 

真耶

「織斑先生。何で2人に出撃命令を出したんですか?学園上層部からも通達がありましたよね!手を出すなと!!何とか言ってください!!!」

 

珍しく真耶が怒鳴った。それほど彼女も頭にきているのだろう。

 

千冬

「現場指揮官としての判断だ。」

 

真耶

「その結果がそれですよ!!それに!貴女に現場指揮官としての権限は無い筈です!!目の前の現状を見てください!貴女にはこの状況の責任が取れるのですか!?」

 

一夏

「静かにしてください……。」

 

これまで一言も喋らなかった一夏が、口を開けた。

 

一夏

「これより、現場指揮権は俺が引き継ぎます。まず鈴、3人を拘束後、別室に。」

 

「ロジャー!」

 

千冬

「ま、待ってくれ一夏!私はお前の為をと思って……ッ!?」

 

一夏をつかもうも伸ばした手を弾き、命令を続けた。

 

一夏

「ラウラ、ドイツ軍に協力を要請して福音の現在地を割り出してください。シャルロットは福音発見後、地上戦に持ち込めそうな小島を見付けて下さい。」

 

ラウラ/シャルロット

「了解!」

 

一夏

「セシリアは高機動パッケージのインストール、簪は各機体のチェックを束さんと協力して行ってください。そして山田先生。ボスの看病を頼みます。全員の準備が整い次第、作戦を実行に移します!」

 

それから全員、急いで準備をした。そして、ほぼ同時に準備が完了し、出撃可能となった。

 

「一夏、作戦を。」

 

一夏

「まず、鈴とシャルロット、セシリアで福音の動きを制限する。隙が出来たら、ラウラのAICで停めて、簪のビーム砲で島に叩き落とす。後は地上戦だ。」

 

この作戦に全員が頷き、納得した。そして、今回は操縦者の保護が最優先と伝え、もう一度出撃した。

 

一夏

「ボス。力を借ります。エマジェンシー!デカマスター!!」

 

この短時間で細かい出力を変えることは出来なかったが、スーツのサイズを自分にあわせておいた様だ。

 

一夏

「簪、体力を温存しておきたい。運んでくれないか?」

 

「分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏達が福音撃破の為に出撃してから少しした頃、司の替えのタオルと氷を持って部屋に入った真耶は声も出ないくらいに驚いた。司が消えていたからだ。しかも包帯が少し落ちている。これを見た真耶はすぐに司を探した。

 

「……。」

 

司はIS学園の訓練機が置いてある場所で打鉄を弄っていた。ISスーツを着てだ。

 

真耶

「……行くつもりですか?」

 

「ああ。」

 

真耶

「何故そこまでして戦うんですか!?あの人達なら勝てます!!そんな体の貴方が行く必要は無い筈です!!」

 

「確かにそうかもな。アイツらなら勝てるだろう。」

 

真耶

「なら何故!?」

 

「勝てると分かっていても、アイツらが傷付くのを見ているのはイヤだからだ。もう、2度と仲間を失いたくはない。」

 

それを伝えると、打鉄を纏い、一夏達の元に飛んでいった。

 

「やっぱ君でも無理だったか……。」

 

真耶

「篠ノ之博士……。何故彼はあそこまでして戦うんですか?」

 

「彼は昔、デカスーツが試験的に使われていた時に、目の前で仲間を失ってるんだ。君にそっくりな人だったよ。髪と目の色以外。その人を失ってからだったかな~。どんなに地位が上がろうと、どんなに体が傷付こうと、最前線に立ち、戦うようになったのは。」

 

真耶

「じゃあ、彼は……。」

 

「その子と交わした約束でもあるんだよ。きっと。……さ~てと。準備準備。」

 

真耶

「なんのですか?」

 

「どうせ皆傷だらけで帰ってくるんだから、その為の準備だよ。手伝って!」

 

真耶

「はい!」

 




今回は以外と長く行ったな……。4848文字。過去最多だな。あの3人の罪状は何になるのかな?

次回予告

一夏
「何で、ボスは俺を守ってくれるんですか?」


「ある人と交わした大切な約束の1つだ。そしてその人は……。」

次回episodefinal 守る理由。


「最初はただの約束だったが、お前を守ると言うことは、今は俺の1つだ。」

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。

物語完成後は、番外編で司の過去だったり、ギャグ中心の話を書こうと思いますが、その前に盛大な後書きコーナーをやります。作者に対しての質問などがある方は感想欄、メッセージ機能を使って送ってください。

※最後一夏がデカマスターになってしまいましたが、細かいことは気にしないでください。


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episodefinal 守る理由

みなさんおはこんばんちは。今日の体育の時間にバスケットをやったのですが、リバウンドしたボールが捕れずに自分の玉に直撃し、右助と左助が両方とも玉座から上がってしまい一人悶絶していました。……今も少し痛い。

最終回、はーじまーるよー。ゆっくりしていってね。

※今回の話では「この設定大丈夫か?」と思うことがありますのが、「この作者だからしゃーない」と流してください。


海上約200メートル。そこで静止していた福音は、まるで胎児の様な格好でうずくまっている。

 

膝を抱くように丸めた体を、守るように頭部から伸びた翼が包む。

 

何かに気付き、不意に福音が顔をあげた。

 

次の瞬間、超音速で直進してきたレーザーが頭部を直撃、大爆発を起こした。

 

セシリア

「命中しましたわ!鈴さん!シャルロットさん!行きますよ!」

 

ビットを展開し、鈴とシャルロットにも攻撃をするように言った。

 

シャルロット

「分かってるよ!!」

 

「出来るだけ動きを制限するわ!!」

 

福音が反撃行動に出る前に、3人で攻撃を放ち、動きを制限させた。

 

3人の張った弾幕は福音の行動範囲をどんどん奪っていき、とうとう福音は空中で大きな隙を作ってしまった。

 

ラウラ

「そこだ!」

 

その隙を見逃すラウラではない。AICを使って、福音の動きを完全に止めた。すると今度は、更に上の上空から極太のビームが降ってきた。それは福音を捕らえると、地上戦に持ち込む予定の島まで落としてくれた。

 

「一夏!行ったよ!!」

 

一夏

「分かってるよ!!」

 

福音が落ちたのを確認すると、ディーソードベガの封印を解き、前へと出た。鈴達も、福音を囲むように上空に待機している。

 

一夏

「デリャ!!」

 

福音に斬りかかるが、福音も迫り来る一夏に光弾を撃ちつ。全身に攻撃を受けながらも一夏は止まらない。

 

一夏

「ウグッ!……ハァ!!」

 

大きなダメージ受けていたが、渾身の一撃で福音の片翼を奪い、その勢いで吹っ飛ばした。

 

一夏

「よし……ッ!?(嘘だろ!?まだそんなに動いてないぞ!なのに体力が!)ヤベッ!」

 

デカスーツを纏って数十分。普段以上に体力を消費し、膝をついてしまった。そんな一夏を福音が捉えると、光弾を大量に放ってきた。簪のフルバーストくらい。

 

一夏

(う!動けない!!)

 

鈴/シャルロット

「グッ!オモォッ!!」

 

鈴とシャルロットがシールドを展開し一夏を攻撃から守った。そして、またラウラが動きを停め、オルコットと簪が最大出力の攻撃を叩き込んだ。

 

一夏

「ハァァ!ベガスラッシュ!!」

 

オーバーキル……。イヤ、この状況で作者のいつものテンションを出すのは間違えているだろうが、ここまでキレイなオーバーキルはそうそう無い。

 

ラウラに動きを停められた上での最大出力の攻撃を受け、更に一夏が放った渾身のベガスラッシュで福音は倒れた。

 

「勝った。」誰かが言おうとした瞬間、倒れた筈の福音から強い光が発せられた。

 

誰もが言葉を失った。光が収まると、青い雷を纏った福音が自らを抱くかの様にうずくまっている。

 

「一体……何が……。」

 

一夏

「まさか!第二形態移行!?」

 

一夏が声をあげた瞬間、その声に反応したかの様に顔を向ける。

 

全員が「不味い」と思い、応戦準備に取り掛かろうとしたが、遅かった。

 

一夏

「ガッ!」

 

誰も反応することが出来なかった。気付いたときには一夏が殴り飛ばされ、福音が自分達の中心にいた。

 

そして、福音に目を向けると、また姿が消えた。正確にはセンサーでも捉えられない程のスピードで移動している。

 

数秒の間に、全員地面に倒されていた。攻撃力だけを言えば完全に現存するIS全てを凌駕している。

 

倒れている一夏に近付き、止めをさそうとする。何とかして動こうと全身に力を入れるも、動くことが出来ない。誰もがやられると思ったその時、

 

「ハァァァァ!!!」

 

何かが福音の攻撃を妨害した。

 

一夏

「ぼ、ボス……。」

 

一夏を助けたのは重症で動けない筈の司だった。

 

「一夏、まだ行けるか?」

 

一夏

「ッ!はい!!」

 

打鉄を纏っている司に差し伸べられた手を掴み、立ち上がると、一緒に刀を構えた。

 

「皆下がってろ!!行くぞ!一夏!」

 

一夏

「ロジャー!!」

 

2人がフルスピードで福音に飛び掛かり、攻撃を与えた。司は訓練機を使っているにも関わらず、福音を圧していた。司の登場で、一気に戦況が変わっる。もちろん良い方向にだ。

 

福音の攻撃を受け止め、自分達の攻撃を叩き込む。流れが一夏達に向いた。

 

「グッ!!一夏!決めろ!!」

 

一夏

「赤座流剣法!!雷神剣!!」

 

司が向かってくる攻撃を全てを弾き、一夏に止めをさすチャンスを与えた。もちろんそのチャンスは無駄にはしなかった。

 

この攻撃で、福音のシールドエネルギーは0となり、ISは解除された。

 

「今度こそ、勝った……!」

 

作戦完了の達成感と福音を撃破した安心とで、全員その場に座り込んだ。

 

「まだ終わってないだろ。旅館に戻るぞ。」

 

司は福音の操縦者を担ぎ上げ、旅館に引き返そうとした。他の皆も旅館に帰るために飛んだ。一夏はまた簪に運んで貰っている。

 

旅館に戻ると、最初に真耶から怒られた。全員無茶をしたことと、司が重症の体で戦場に出たことに対してだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、司は海岸で風に当たっていた。そんな司に近づく足音。足音の方向を見ると、一夏がいた。

 

一夏

「ボス、聞きたいことがあります。」

 

「なんだ?」

 

一夏は今まで疑問に思っていたことを司に聞いた。

 

一夏

「何で、ボスは俺を守ってくれるんですか?」

 

今の今まで気になっていたこと。それは、司が自分の為に体を張って守ってくれる事だ。今回だけならまだ気にもとめないが、今回以外にも何度かあったので聞いてみたのだ。

 

「ある人との約束だ。そしてその人は、俺の師匠でもあり、お前の両親だ。」

 

一夏

「え?」

 

「もう10年位になるかも知れないな。倒れていた俺を師匠達が拾ってくれたんだ。そして、お前の父親は俺に剣と強さを。母親は人としての在り方を教えてくれた。その2人と約束したんだ。お前を守ってくれと。」

 

一夏

「何故、俺だけ?」

 

「それは知らん。2人が居なくなる前日に言われたんだ。お前のことをな。」

 

一夏

「なら、ボスは約束のために俺を守っていたんですか?」

 

「確かに最初はただの約束だったが、今は違う。お前を守り、お前と一緒にいる内に、俺はお前に家族のような感情をもった。お前を守ることは、今の俺の造る内の1つになった。」

 

最初は約束だった。だが今は久我司を形成する1つになっている。

 

一夏

「そうだったんですか。教えてくれてありがとうございました。でもまさかボスの師匠が俺の両親だったなんて……。」

 

「別に隠していた訳では無いさ。言わなかっただけだ。」

 

司から教えて貰った自分を守ってくれる理由。それを聞いた一夏は旅館に戻っていった。

 

「出てきても良いぞ。束。」

 

「隠れてた訳じゃないんだけどな……。出るタイミングを逃しただけで……。」

 

「なんか用でもあったのか?」

 

「ううん。日本署に戻るから伝えようと思って。帰りも気を付けてね。」

 

「そうか。……あっ、」

 

自分も旅館に戻ろうとすると、あることを思い出したように束に伝えた。

 

「昔お前に「この世界は楽しいか」と聞かれたな。あの時は答えられなかったが、今なら答えられる。……お前が居て、一夏が居て、簪や鈴、シャルロットにオルコット、ラウラ、真耶が周りに居てくれるこの世界は、今は楽しいと思うぞ。」

 

「そう。それが聞けて良かったよ。」

 

その後は~……。まぁ画面の前の皆さんのご想像にお任せします。




今回はここまで。次回からは番外編に入ります。これ以外にも書きたいことがありましたが、それを書いたら確実に日付けが変わるので止めておきます。

設定がふわふわしているこの作品に長い間お付き合い頂き、皆様に数々のご迷惑をおかけしたにも関わらず、読んでいただき、本当にありがとうございました。

前回も言った通り、番外編は殆どギャグ中心になります。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね!出来れば批判以外で!

感想への返信もしばらく控えさせて貰います。


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番外編


今日から始まる番外編。と言う名のギャグ中心の話。その1発目です。

サブタイトルで大体の予想がつくかも知れませんが、最後まで飽きずに読んでください。

それでは今回もゆっくりしていってね。


「さーてと、何を買うか……。」

 

IS学園が休みの日、今日は司が暇潰しで料理をしようと考えていた。その為の日本署周辺の店を回っていた。

 

「オッ!署長さん!!良い魚入ってるから見てよ!!」

 

「魚か……。」

 

行き付けの魚屋の旦那に声をかけられ中に入った。入った魚と言うのは……

 

「何でフグとタイ……。」

 

「イヤ~、知り合いが釣りに行ったら天然のフグが釣れたみたいでな~。でも俺免許持ってないし、署長さん確か持ってたよね。フグの免許。」

 

確かに司はフグを捌く免許を持っている。とったのは数年前だがな。しかもとって以降は1度も捌いていない。

 

「代金要らないから貰ってくれないかな?」

 

結構大きい天然のフグを2匹。それを代金無しで貰える。かなりお得だ。しかし長い間捌いていない。本来なら不安すぎて無料でも貰わないが、

 

(貰っちまった~!!イヤ、タイも居るけど大丈夫か!?……まあ、何とかなるか。)

 

誰もいない日本署の厨房で1人で包丁を研ぎながら頭を抱えていた。しかしこの光景、端から見れば犯罪者にしか見えないな。

 

「さてとまずは……、マジで天然だった……。」

 

まな板の上でのフグを捌く為に持ち上げると、天然の証拠である前歯が残っていた。あの人が嘘を付かないのは分かっていたが、天然と言うのは冗談かと思っていた司は、少なからず驚いている。

 

「あっ、ボス!」

 

捌こうとした時、厨房の外から声をかけられた。一夏に鈴、それに簪にラウラ、真耶、シャルロットにオルコットとIS学園の面子が集合していた。遊びにでも来ていたのか?ここ警察関連の場所なんだけど……。

 

「フグ?捌くんですか?」

 

「ああ。行き付けの魚屋の旦那に貰ってな。こんなに立派な物を貰うとは思ってなかったがな……。」

 

「なら見学させてもらっても良いですか?俺もその内フグの免許取りたいと思ってるので!」

 

フグの免許。これだけを聞けば調理師の免許も欲しいと思われるが、実際は各都道府県によって違うので、必ず必要と言う訳では無い。だが持っていない場合は免許持ちの元で最低2年の実習等が必要になってくる。

 

それに、持っていたとしても取得した県と別の県では使えない場合もある。例えば、山形県で採ったフグの免許は東京では使えない。みたいなヤツだ。

 

「構わんが、俺の捌き方は参考にならないと思うぞ。」

 

そう言うと、フグを掴み、上に投げた。そして自分の目線の高さに来たときに包丁を横に1振りすると、まな板の上に落ちたときには可食部分と非可食部分にキレイに別れていた。

 

『手品か!!?』

 

参考にさせろと言っていたが、司の捌き方があまりにも独特だったので一斉に突っ込んでしまった。

 

「あの、普通にお願いできませんか?」

 

「まあ、それなら……。」

 

一夏のリクエストで次は普通に捌くようだ。

 

「まずはヒレを取る。背鰭、尻鰭、胸鰭の順番で取っていく。次はくちばしを取っていくぞ。最初に横のラインに1本。これを両サイドにやる。その後に鼻の上から包丁を入れる。包丁が入ったら頭を前の方に押す。丸いのが見えるが、これを切らないように周りを落とせよ。」

 

捌きながらかなり丁寧に教えてくれた。長い間捌いていないとは言え、知識などは体に染み付いている様だ。

 

「次は皮を取るぞ。まずは白と黒の真ん中のラインに1本入れろ。両方ともだぞ。その後は背中の皮からだ。尻尾の方から包丁を入れて、ゆっくり剥がしていけ。ヒレのあった部分は固いから気を付けろよ。次は腹側だ。腹側はヒレの所まで包丁を入れれば、後は力技で良い。皮を取ったら頬骨に包丁を入れる。まずは小さい方の骨。次に大きい方の骨だ。そしたら小さい方に切れ込みを入れて、引っ張る。」

 

切れ込みを入れた頭を掴みながら引っ張ると、身と内蔵がキレイに別れた。

 

「頭は目玉を取り除いて、縦に真っ二つにする。脳みそは食べれないから取り除けよ。この後が試験で1番重要な内蔵鑑別だ。そしてかなり難しい。まずはメスかオスかだな……。卵巣だからメスだな。卵巣は勿論毒だから食えないぞ。これは必ず半分に割れ。これをやらないと即不合格だ。卵巣は中が空洞になっている。たまに白子の形なのに卵巣って言う時もある。見分ける為にしっかりと卵巣も白子も割っとけよ。」

 

その後も、胆嚢、肝臓(食ったら死ぬ)、エラ、心臓、腸、脾臓、腎臓(血合いも含む)を順に説明しながら捌いた。

 

「毒は適切な場所に持っていって処理しろよ。昔廃棄したフグの毒を使った事件があったからな。悪用されないように気を付けろ。」

 

分かりやすい……

 

「身は当然刺身にするぞ。まず薄皮を剥がす。結構簡単に剥がせるぞ。薄皮を取ったら赤い部分を取るぞ。これは食えるが、刺身にしたとき見栄えが悪いから取ることをおすすめするぞ。身は極力薄く、皿に円を描くように並べていけ。皿が空いたときは薬味でも乗せておけ。」

 

皿2枚分の刺身を作った。タイの方は片方を煮付け、片方を刺身にした。同じ味だと飽きるので炙ったヤツと炙らないヤツの二種類を作った。

 

「身以外の場所はどうするんですか?皮とか頭とか……。」

 

「フグのアラとかは全部鍋にする皮はてっぴにして。タイは……味噌汁にでもするか。ヒレはヒレ酒にしよう。皆にはまだ早いけどな。」

 

真耶の質問に答えると、フグのヒレ以外を鍋に詰めて、鍋料理に。タイは味噌汁に。実に手際が良い。

 

「一夏。これを魚屋の旦那に渡してこい。」

 

小さめの皿に盛ったフグとタイ、そしてヒレを2枚を袋に詰めて一夏に手渡した。魚屋へのお礼のようだ。まあ、無料で貰ったからこれくらいは当たり前だろう。

 

その後は皆で司の捌いた魚を食べた。結構な量があったが一気に無くなったようだ。酒を飲める司と真耶はヒレ酒を閉めに飲んでいた。

 

酒を飲めない未成年組はフグ雑炊を食っていた。

 

ラウラ結構ハシャイでいた。




ギャグ第1段はこんな感じです。書き方を少し変えてみました。会話は序盤以外大体司と一夏です。

フグとタイ……。季節あってるかな?スゴい不安……。

フグの免許の話はネットで調べた物なので、信じないで下さいね。合ってるのかは分からないので。

次回は……、未定!もしかしたら季節外れネタかも……。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。


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クリスマス

……なにも言わず、ゆっくりしていってね。

※誰これ?になっても気にしないで下さい。


ネタが思い付かない時の作者のやること、それは大きく分けて3つ位しかない(作者の偏見)。1つは、何らかの原因でキャラの性別を変える『女体化物』。2つ目は全く持って季節外れな『季節ネタ』。そして最後に行われるのは、どっかのマンガ等を使った『パロディーネタ』である。

 

ただし、女体化ネタは危険が大きい。女体化した理由はすぐに判明しても、どうやったら治るかが決まりずらいし、何より容姿等も大幅に変えなくてはならない。夢落ちにすれば万事解決と思われるが、起きたあとの気まずさの表現方法が分からない。ハッキリと言って面倒だ。

 

パロディーネタもキャラの性格の問題でかなり難しい。やってしまったときに、「誰だこれ。こんなキャラなんていたか?」になってしまう可能性が高い。

 

そこで、皆の暇な時間のお友達である作者のすること。それは、「季節外れとパロディーをどうにかして混ぜる」だ。この上なく面倒で危険な感じもするが、これしかない。まあ、パロディーの元ネタマンガの季節が今と外れていれば良いだけだ。

 

さて、ここまでダラダラと長い話に付き合ってくれてありがとう。さっそく、とは言えないがはーじまーるよー。

 

「プレゼントの配布?」

 

雪も振り、都会でも軽く積もってくる12月25日。所謂クリスマスと言うヤツだ。司もこの日は仕事が早く終わったので、真耶とラウラを食事に誘おうとしていたのだが、思わないところで新しい仕事が入ってしまった。

 

「それは毎年広報部の仕事だろ。何で今年はこっちに回ってきたんだ?」

 

広報部。SPD内に設けられてる一般部門の仕事の1つである。編集能力とカメラ撮影能力があれば大体入ることが出来る部門だ。

 

因みに、一般職部門は全体的に給料が良い。実働部隊の次にだ。だが休みが少ない(休みはちゃんとある。)それに部署に寄って違いはあるが地味に仕事量が多い。

 

「それが今年は広報部でインフルエンザが大流行しちゃって、今も殆ど人が居ないんだ。いっくん達は町の中心部分でコスプレしながら配布してるけど、今年から始まる個人配布に割ける人員が居なくて……。」

 

「それで俺の所に来たと……。はぁ、まあ良い。住職書いてる紙とかあるだろ。見せろ。」

 

確かに今年のSPD日本署では、インフルエンザの大流行があった。いろんな部署が閉鎖するレベルのヤツがだ。それが広報部にも来たようだ。

 

「ありがとう!!じゃあこれ使って!!」

 

そう言うと、束は白衣のポケットから変わった配色のSPライセンスを出した。周りは緑で蓋の部分は赤色になっている。

 

そして、SPDの文字以外に『S.C』と入っている。

 

「何だこの奇抜なSPライセンス。」

 

「良いから使ってみて!」

 

束に言われるがままに使ってみると、普段のサイレン音の他にクリスマスでお馴染みの曲が流れた。

 

「うん!成功!!」

 

変身が完了すると、いつものデカスーツではなく、サンタの衣装になっていた。

 

別にデカメタルが貴重と言う訳では無いが、この使い方はどうかと思う。

 

「何だこれ……。」

 

「デカスーツ・サンタクロースVersionだよ!本物に見せるために、瞬間移動や飛行、視聴覚強化に、精神状態から相手の考えてることも読み取れる様にしておいたよ!!そろそろ最初の子供が来るから用意しておいてね!!」

 

最初の子供……。日本署に来る子供はIS学園の一部の者だけだが……。

 

「父様!!」

 

「司君~!!」

 

(子供ってコイツらかよ!?て言うか真耶子供じゃないよね!?絶対バレるよこれ!!)

 

『あっ、』

 

真耶とラウラがサンタ(司)に気付いた。

 

『さ、さ、サンタさん!?』

 

(え?)

 

サンタ(司)を見付けると、目を輝かせながら抱き付いてきた。どうやら本物だと思っている様だ。

 

「2人に紹介するよ!サンタさんでーす!!2人にプレゼント持ってきてくれたんだって!」

 

(何コイツ悪ノリしてるの!?プレゼントって何!?)

 

「袋のなかだよ(ボソ」

 

「……。は、はーい!プレゼントだよー!」

 

ラウラにはでっかいウサギのぬいぐるみを、真耶には同じく大きめのクマのぬいぐるみが渡された。(何でこの2つかは気にしないで下さい。)

 

「わーい!!欲しかったぬいぐるみだー!!」

 

「ありがとうございます!(まさかこの歳でも貰えるなんて!!うれしい!!)」

 

2人ともスゴく喜んでいた。この光景を見ていた司は良心が少し傷付いたので、瞬間移動機能を使って配る住職まで飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サンタさん今年は来てくれるかな~?」

 

「えぇ~サンタなんて居ないよ~!」

 

「それはどうかしらね~。」

 

と、クリスマスパーティーをしている家族の会話が聞こえてきた。視聴覚強化をしているので大体の会話は聞こえてくる。

 

ピンポーン!

 

「おっ!誰か来たよ。サンタさんかもな!」

 

「そんなわけ無いでしょ。どうせ宅配か何か……!」

 

子供が玄関のドアを開けると、サンタクロースが立っていた。

 

「さ!サンタさん!?てな分けないか。両親に頼まれたんですよね。お仕事ご苦労様です。早くプレゼント下さい。」

 

(全く、可愛くない子供だな。家の娘はもっと可愛らしい反応をしたぞ。)

 

心の中で愚痴りながら、子供の頭の上にプレゼントを置き、瞬間移動で目の前から消えた。

 

「え?ウオォ!!サンタさんが来た!!?」

 

サンタの瞬間移動で本物だと思った子供は、興奮しながら自分の両親に伝えた。最初からこんな反応をすれば良いのに。

 

次は女の子の家だ。先程と同じ様に玄関のインターフォンを鳴らして入ろうとしたが、子供に先手を打たれ、押せない状況になった。

 

「ねぇ、パパ!サンタさんって煙突から入ってくるんだよね!サンタさんが来たら抱っこしてもらおう!」

 

「ん~どうかな?煙突からじゃあ危ないし……。」

 

「えぇ~。絶対そうだよ!サンタさんがピンポン鳴らして入ってきたら、軽蔑を露にしちゃうよ!」

 

「ちょっ!どこでそんな言葉覚えたの!?」

 

子供の夢をぶち壊す訳には行かない。多生の危険はあるが、煙突から中に入ることにした。

 

ズドーーン!!

 

(着地ミスった。)

 

煙突から出てくると、内部に溜まっていた埃やクモの巣を身体中に着けていた。そんなサンダを見た女の子は、

 

「あ、ありがとうございます。」

 

(おい、軽蔑を露にするな。)

 

「ほ、ほら抱っこしてもらうんじゃないのか?」

 

「イエ。もう大丈夫です。ありがとうございました。」

 

この家での役目も終わったので、早くここから出ていった。この辺にはまともな感性を持った子供は居ないのか。と思いながらだ。

 

次の家には煙突が無いので普通に玄関から入ろうとすると、出てきた子供が異常なくらいに怯えていた。

 

「だ、誰ですか……?」

 

「誰って、見てわかるだろ。」

 

「い、いえ。お母さんなら留守ですよ!」

 

「まさか、サンタクロースを知らないのか?」

 

「だ、誰ですか?サンタクロースって……はっ!(三田、殺ーす)ひっ!違います!ボク幹太です!」

 

「惜しいじゃないか。」

 

プレゼントを置くと、これ以上はマジで大事になりかねないので、空を飛んで最後の家には向かっていった。

 

(全く、サンタの事も、サンタが家に来ることもちゃんと伝えておけ。親。)

 

最後の家に入ろうとすると、外まで聞こえるくらいの夫婦喧嘩の真っ最中だった。

 

「ちょっと!いきなり会社ってどう言うこと!?パーティーはどうするの!?」

 

「仕方ないだろ!トラブルがあったんだ!!」

 

「この子が可哀想だとは思わないの!?」

 

どうやら夫の会社で何かがトラブルにあったそうだ。

 

(とても入って行ける雰囲気ではないな。ここに置いておくか。)

 

プレゼントを玄関のドア付近に置いて、立ち去ろうとしたとき、束の付けた精神を読むことの出来る機械が動いた。

 

(サンタさん、プレゼントは要らないので家族全員でクリスマスパーティーが出来るようにしてください!お願いします!!)

 

それは男の子の願いだった。

 

(……。1年の内、364日休んでる人に何を求めているんだ。全く。)

 

そう言って、プレゼントを玄関のドア付近に置いて、立ち去った。

 

「今度埋め合わせするから!」

 

「そう言う事じゃないでしょ!!」

 

ピピピピピ!

 

「もしもし!え?トラブルが解決!?サンタ!?」

 

「っ!?見てみて!サンタさんが来てくれたんだよ!!やったー!!」

 

サンタがすぐに解決してくれたようだ。

 

「全く、サンタがこれほどまでに大変だとはな。1年の内、364日休んで当然か。」

 

最後はサンタらしく、飛んで日本署まで帰っていった。




こんな感じで季節外れネタを斉木楠雄のΨ難のパロディーをやってみました。

書き方変えたら一気に難しくなった気がする。

次回は何にするか……。見てみたいパロディーやストーリーがあったら感想欄にでも書いてみてください。やってみます。

それでは、次回もお楽しみに!感想もよろしくね。


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episode0 司の過去

本当はもう少し間を置いてから出すつもりだったヤツです。

色々と無理のある設定かも知れませんが、気にせずゆっくりしていってね。


「それじゃあ龍馬、今日は頼んだぞ。」

 

「ロジャー。任せてください!」

 

ある休日。司は龍馬にその日の仕事を全て頼み、朝早くから出掛けた。司にとって、今日はとても大事な1日だからだ。

 

「今年もボスは行ったのか?」

 

「ああ。本当は俺も行きたいんだけどな。」

 

「珍しいな。いつものお前なら着いていくのに。」

 

「さすがにこの日だけは着いていかないよ。司にとっては何よりも大事な日だからな。相棒だって分かってるだろ。自分の先輩の事なんだから。」

 

「相棒って言うな。まあ、分からない訳では無い。」

 

司の大事な1日。それは、墓参りである。かつて失った同期の仲間の命日。この日を司は1日たりとも忘れたことはない。

 

司が行っていたデスクワークを龍馬がこなしてから大体5時間。量が多すぎるためでいつの間にか昼を超えていた。

 

「お邪魔しまーす。司君居ますか?」

 

「父様?居ます?」

 

「ん?司なら今日は居ないよ。」

 

外部からの司への客は大体この2人だ。司が信用しているため、普通にここまで来ることが出来る。受付が簡単に通してしまうからだ。

 

「司君、どうかしたんですか?」

 

「あ~違う違う。今日は墓参り。」

 

「墓参り?」

「司から聞いてないの?過去の事?」

 

龍馬は司がとうの昔に2人に教えていたと思ってたので、知らないと言うことに驚いていた。

 

「まあ、隠してるわけじゃないから教えても良いけど~……。聞く?」

 

『はい!』

 

2人とも思った以上に食いついてきた。

 

「まだデカスーツが試験的に使われてた頃だ。俺と司、そしてもう1人の同期でテロリストの逮捕に向かったときだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デカスーツが試験的に使われてた頃、6年位前だろうか。当時のデカスーツは今のようにIS以上の性能を持っていたわけではない。現代兵器でも倒せる程度の性能しかなかったので、まだ数人のSPDしか使っていなかった。

 

「今回、おまえたち3人にはテロリストの逮捕に向かってくれ。ISを持っているとの噂もある。現在のデカスーツでどこまで相手に出来るかは分からないが、全員の逮捕を頼む。」

 

『ロジャー!』

 

「現場の指揮は司、お前がとれ。」

 

「ロジャー。」

 

指令を受けていたのは、司、龍馬そして、偶然名前が同じな真耶だった。束の言う通り、黒髪と黒目以外は本当にそっくりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目的地に到着。これより敵がアジトとして使っている建物の破壊と逮捕を行う。破壊には支給された爆薬を使え。」

 

建物を爆破。SPDもずいぶんと過激なことをやる時代だな。

 

「突入した後はどうする?」

 

「安全を考えたら3人で行動するべきだと思うんですが……。」

 

真耶の言うことはもっともだ。現在のデカスーツの性能では単独行動は危険だ。だが、効率を考えると単独行動の方が良い。

 

「今回は各々任務をこなそう。3人で行動して、3人とも倒されてしまっては意味が無いからな。」

 

任務の事を考えると、司の指示は妥当である。




寝たらネタが吹っ飛んだので続きは次回!少なくてごめんなさい。

次回

「真耶?真耶!!」

「弱いSPDだと……!真耶の事か?真耶の事か!!コイツを笑うことは!誰であっても俺が許さん!!」

episode0ー2 地獄の怒り

「お前らは!全員デリートだ!!」

この様子だと次回も短くなります。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。


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episode0ー2 地獄の怒り

デカスーツを纏った3人は、それぞれ建物内を周り、支給された爆薬をセットしていた。

 

しかし、妙なことに道中敵に会うことが少なかった。本来ならもっと出てきても良いはずなのだが、2、3人位しか現れなかった。

 

「おかしい。少なすぎる。」

 

警戒しながらも、爆薬のセットは終わったので、来た道を戻ることにした。

 

「司!そっちも終わったのか?」

 

「ああ。しかし敵が殆ど出てこなかった。そっちはどうだ?」

 

「俺の通った道もだ。2、3人位しか出てこなかった。」

 

「……。まぁいい。爆薬を仕掛けるのも終わったし、ここから一度出るぞ。」

 

建物を破壊するために真耶に連絡をとって合流使用としたが……。

 

『ザー……ザーザー』

 

「ん?真耶?聞こえるか?」

 

『ザーザーザー』

 

「おーい!真ー耶ー!」

 

呼び掛けてみるが、ライセンスから流れるのは砂嵐の様なノイズしか流れない。

 

「「!?」」

 

この事で2人の頭の中には嫌なことがよぎった。SPライセンスが故障したとは考えにくい。通信を妨害する何が流れている訳でもない。となると、理由は1つ。

 

その事に気が付くと、真耶の向かった方向に走っていった。

 

(頼む!ハズレていてくれ!!)

 

頭によぎった最悪の予感。それがハズレている事を願いながら、全力で真耶の元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真耶!!!」

 

駆け付けた2人が最初に見たもの。それは、爆弾が爆発した明かりと、爆発の中心でデカスーツが強制解除され、倒れる真耶の姿だった。

 

「ッ!?真耶……!オイ!!真耶!!」

 

倒れる真耶を受け止め、意識の薄くなっている彼女に呼び掛けた。

 

「真耶!!大丈夫か!?」

 

「うっ……。すみま……せん。失敗……しちゃいました……。後は…………。」

 

その言葉を最後に、何も言わなくなった。

 

「真耶……真耶!真耶ァァァァ!!!」

 

「クッ!!」

 

「ハハハハ!!おいおい!!人が1人死んだぐらいでそんなに騒ぐなよ。すぐにその弱いSPDと同じところに送ってやるからよ。ハハハハ!!!!」

 

「ッ!?弱いSPDだと……。真耶の事か?」

 

「は?」

 

「真耶の事かァァ!!!!エマジェンシー!!!」

 

仲間を馬鹿にされたことに激怒した司は、デカスーツを纏い、テロリストの中に突っ込んでいった。

 

相手からの攻撃を受けるが、そんなこと気にせずに敵が間合いに入ると、逮捕命令を無視して斬り付けた。

 

「よせ司!デリートの許可は出ていない!!」

 

「黙れ!!コイツらは!コイツらは全員デリートだ!!!!」

 

激情にかられ、本来出されていた指令を無視し、テロリストのデリートを始めた。

 

「怯むな!!どうせコイツらも同じだ!!殺せ!!!」

 

「嘗めるな!!ハァ!!!」

 

撃たれる銃弾をディーソードベガで斬り落とし、テロリストも容赦なく、無慈悲に殺していった。

 

たった数分。この短い時間で、100人近くいたテロリストの全員は司の手によってデリートされた。

 

その後、敵アジトは爆破。真耶を日本署まで運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが司の過去さ。今考えるとアイツが自分の事を無視してまで前線に立ち続けるのは、この事が原因なのかもな……。」

 

「そんな過去が……。」

 

「その人もデカレンジャーなのですか?」

 

「ああ。初代デカブルー。俺達3人でよく任務に出ていたさ。あの任務の後、司はSPDを辞めようとしたんだ。強さを信用していたとは言え、単独行動させた自分の責任だと言ってな。」

 

真耶を死なせたのは自分の責任だと言い、辞表を出したそうだ。だが、当時のボス、現在の長官が辞表を破り捨て、「彼女を死なせた原因は私にある。お前が気に病む必要はない。」と司に伝え、辞めさせなかったのだと言う。

 

だが、逮捕命令無視で結構な問題になったが、IS所持と言う誤った情報の件と、相手側のSPD殺害等でお咎めなしとなった。




中途半端な上に設定に無理があるかも知れませんが、気にしないで下さい。

次回は墓参りの様子です。これを最後にこの作品は終了となります。

次回作は……。また懲りずにISが原作の二次創作にでもしましょうかね。オリ主なし、一夏・性格は巧だけど仮面ライダーデルタ。みたいな設定でなんか思い付いたので。

次回 約束

束の言っていた司が交わした真耶との約束が判明。

次回もお楽しみに!感想もよろしくね。


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約束

殆ど会話だけで進みます。誰と話しているかはすぐに分かりますよ。

……会話していると言って良いのかは分かりませんが……。

まあ、ゆっくりしていってね。


『アッ!来た!』

 

「悪いな。道が混んでてな。いつもよりも遅れてしまった。」

 

『ううん。毎年来てくれてるもん。気にしてないよ。』

 

「今年はちゃんと萎ませずに持ってきたぞ。花。」

 

『あ~。去年萎ませちゃったもんね……。って!?これ私の好きな花じゃない!?』

 

「すまんな。お前の好きな花、なんか売り切れてた。珍しいこともあるもんだな。俺以外行かない様な花屋なのにな。来年は持ってくるよ。もしかしたら来週辺りに龍馬が持ってくるかもな。」

 

『もぉ~。来年は必ず持ってきてね。』

 

「飲み物と菓子はお前の好きな物だぞ。お茶と和菓子。」

 

『やった~!!今年もありがとうね!1年に1回の楽しみだよ!』

 

「ハハハ。……もう随分とお前とは酒を飲んでないな。」

 

『そりゃあ。司君バイクで来てるもんね。飲んだら帰り飲酒運転になっちゃうよ。』

 

「来年はホージーにでも送ってもらうか……。」

 

『それじゃあホージーが可哀想だよ……。』

 

「あぁそうだ。一夏の事なんだが。」

 

『司君の弟さん!どうしたの!』

 

「最後までお前に言えなかったんだが……、アイツ、弟じゃなくて、俺が弟だと思ってるだけなんだよな。勘違いさせたまんまだったな。」

 

『えぇ!?もっと早くに言ってよ!』

 

「まぁそれはどうでも良いんだが、アイツ、今年SPDの入隊試験に合格したんだ。特キョウ試験もクリアして一緒に働いてるよ。」

 

『スゴい!!本当に合格したんだね!!』

 

「今年1年。まだ半分くらいしか終わってないのに、もう1年過ごした気分だよ。色々ありすぎてな……。お前に話すネタは尽きないんだけどな。」

 

『え?何があったの?』

 

「まずは、俺がまた学生になったな。IS動かしちゃってな。一夏と一緒に。」

 

『それは大変だったね……。』

 

「ISの暴走に巻き込まれるは、死にかけるは……。今思えばまともな思い出が無いな。」

 

『あぁ……。まさか約半年で普通の人の10年分位のイベントを受けるなんて……。』

 

「そう言えば、あの3人を覚えてるか?織斑千秋、織斑千冬、篠ノ之箒。覚えてるか?」

 

『あぁ、束さんが余り良いイメージを持ってなかった人達。珍しいから覚えてるよ。』

 

「あの3人な。SPDの任務妨害やらで身柄を確保されたが、リサの元で現在更正中だ。」

 

『え?あの人の元で?大丈夫なの?』

 

「街人Aから城の兵士B位までの強さになったって昨日連絡があったな。レベルは5から動いてないみたいだけどな。だが、邪念がだんだん消えてる様だ。打倒俺や一夏を目指しているとか何とか。」

 

『その例えは良く分からないけど、取り敢えず生きてるみたいだね。』

 

「ブレスロットルも破壊されたけどな。」

 

『大丈夫なの?それ。』

 

「破損が酷かったから廃棄処分になった。予備があったから良かったけど。」

 

『なんか、本当にとんでもない事があったんだね……。他には何があったの?出来ることなら普通の思い出が聞きたいんだけど……。』

 

「他には……。あぁ娘が出来た。血は繋がってないけどな。俺の事を父親と慕ってくれるんだ。写真見るか?」

 

『え!あるの!見せて見せて!!』

 

「ん。真ん中の子だ。銀髪の眼帯。ラウラって言うんだ。右にいるお前ソックリなのは、コイツが母親と慕う人。名前もお前と同じ真耶だ。性格もソックリだぞ。本当、初めて会ったときは驚いたよ。」

 

『そりゃあね。私だって驚いたよ。こんなに似ている人が居るなんて思わないもん。』

 

「一夏と龍馬には彼女が出来た。写真は無いけどな。」

 

『龍馬君に!?今度会わせて!』

 

「次は一緒に来るから会うことになるかもな。……そろそろ帰るか。」

 

『えぇ~。もう?ん!』

 

「新しい仲間や、家族が出来た。ここでもう一度約束させてくれ。俺はもう二度と仲間を、家族を死なせない。必ず守りきって見せる。だから、天国だろうと何処だろうと構わない。見ていてくれ。じゃあな。またまた今度な。」

 

『もう。子供じゃないんだから。頭撫でないでよ。……天国なんて遠いところからなんて見てられないよ。何するか分からないもん。だから、ここでずっと見てるよ。司君が何をするか見せてね。』

 

「ん?気のせいか……。」

 

司が戦う理由。それは過去の罪を清算する為ではない。たった1人の、大切な女性との約束。小さな約束だが、鉄の鎖よりも硬い。司が絶対に曲げない約束だ。

 

「さてと。行くか!」




と言うわけで!今回でこの作品は終了と成ります。あの3人の事やもう少しやりたいことがいくつかありましたが、ここまでとします。

司のその後、一夏達の歩む未来は画面の前の皆さんにお任せします。

今まで、この作品にお付き合い下さり、誠にありがとうございました。

次回作は……またISで行くか、前回書いてた小説の劇場版的なヤツにでもしましょうかね。

気長にお待ち下さい!

次回作もお楽しみに!感想もよろしくね!

会話だけで読みにくくてすみません。

あっ、次回作も今回同様にタイトルの募集などを行います。その他リクエスト等もいつでも受けております。メッセージなり感想欄なりを使って送ってくれるとありがたいです。


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