色々とチートなオリ主が主人公組をサポートする話 (天空の災厄)
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プロローグ
此処では処女作となります。天空の災厄です!
最近ポケモンが再燃しまして自分で書いてみることにしました。
今回は物語のプロローグです。
それでは下へスクロール!
『……て!……、お………て!』
遠くで誰かの声が聴こえる。
『…きて!………起きて!』
「!!」
―ガバッ
その誰かの声が耳元で大音量で聴こえ、”ボク”は目を覚ました。
『やっと起きた!』
「……え?」
勢い良く起き上がり目を見開くと視界に”ピンク色”が入った。
フワフワと目の前に浮かぶ”
何処かで見たことがある様な姿。そして何より目の前に”
『?…もしも~し。どうしたの?大丈夫?』
「…あっ、ごめん。だいじょうぶ」
『良かった!また寝たのかと思ったよ!』
そう言ってピンク色の生物―ミュウは嬉しそうにくるくるとボクの周りを飛び回った。
「ん?…んん!?」
ミュウを視線で追うことで必然的に自分の周りを見渡すことになり、そこで漸く自分が知らない所に居ることに気づいた。
天にも届きそうな程良く育った木々に青々とした草花たち。
枝の間から射し込む温かな太陽の光。
自分が寝ていた所は少し開けた空間になっており、背後を見るとどうやら一番高く丈夫そうな木に身を預けていたみたいだ。
「ここは…」
『あれ?わかんないの?』
「うん……」
『ここはトキワの森だよ!』
「へー、トキワのもりね…って、トキワの森!?」
一拍置いて告げられた内容に驚愕する。
「まってまって。おかしい。ホントおかしいから!」
『何が?』
「まず起きたらこの子が目の前にいること事態おかしいんだった!!」
『えー。ヒドイなー』
ボクの言葉にミュウは不貞腐れた。
『もしかしてキミ。覚えてないの?』
「…なにが」
『此処に来る前のこと』
「ここに来る前?」
ミュウの言葉に首を傾げる。
前?そう言えば何をしてたっけ?どれだけ思い出そうとしても何故か何も思い出せない。しかも自分のことについても一切思い出せないのだ。
『しょうがないなぁー。ぼくが手伝ってあげる!』
ボクが頭を抱えていると見兼ねたのかミュウがそう言って近くに寄って来た。
『目を閉じて。心を落ち着かせてね!』
「うん…」
ミュウの言葉に素直に従い目を閉じる。
そして――
「……思い出した」
「お前さんはついさっき命の灯火が消えた」
白い。白い空間。
辺りには何もない。人影もない。居るのは自分と目の前にいる老人だけだ。
「…え?」
「お前さんは友人を助ける為に庇い、そして…死んだのじゃ」
この異常な空間と老人の言葉に戸惑っていると、老人は先程よりも詳しく説明してくれた。
「そうですか…」
「うむ」
老人の言葉に死ぬ直前のことを少しだけ思い出すことが出来た。だから死んだということを理解する。
「そしてそんな良いことをして死んだお前さんに良い話があるぞ」
「…はい?」
まだしたいことがあったのになぁー。と悲嘆に暮れていると唐突に老人がそう切り出した。
「見ての通り。ワシはお前さんたちの言うところの神の内の一人でな」
「はぁ。そうですか」
「……神なのじゃぞ?」
「凄いですねー(棒)」
ドヤ顔で言い出した神様(仮)に気の抜けた返事をしたら傷ついた顔をされた。
神なのに。本当に神なのに。と神様(仮)はイジイジといじけ出す。
「それで良い話とはなんです?」
「う、うむ。それはだな…お前さん、生前アニメやらゲームやらといった娯楽が好きだったろ?」
いつまでもイジけそうだったので続きを促すとそう言われた。
「まぁ、好きというか大好きでしたけど」
「う、うむ」
ボクは生前、所謂オタクだった。
だからそこは譲れないので強調して言うと神様(仮)は引き気味に頷いた。解せぬ。
「ゴホン。なら、転生は知っているかの」
「……知っているもなにも。二次小説には欠かせないテンプレ物の1つですよ!!」
時にはアニメ等の世界にオリキャラとして転生し。また時には成り代わりとしてそのキャラの使命(笑)を果たす。ボク達オタクにとって夢のような話!(力説)
「し、知っているか。そうかそうか(汗)」
あれ。何故かさっきより引かれた。
「そこでだな。お前さんに頼みがあるのじゃ」
「?」
神様(仮)が真剣な表情に変わった。
「お前さん死ぬ前まで一番”ポケモン”というものにハマっておったじゃろ?」
「そうですけど……ハっ!まさか!?」
神様(仮)の言葉とさっきの転生の話を繋げボクは良い話とは何かを悟る。
「そのまさかじゃ!お前さんにはこれからポケモンの世界へ転生してもr「いよっしゃぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!」」
「…」
転生!夢にまでみた転生!やったー!神様ありがとう!!って目の前に居たや(笑)
「…もし?続けていいかの?」
余りの嬉しさに飛び跳ねて喜んでいると神様が遠慮気味に聞いてきた。((仮)は抜けました)
「ハッ!すみません。どうぞどうぞ」
「…お前さんにはポケモンの世界に転生してもらうんだがな…その……やって貰いたいことがあるのじゃ」
「なんです?」
神様の話をまとめると……
曰く、ポケモンのゲームの世界をベースにコミック&アニメの世界観を纏めた世界である。
曰く、詰め込み過ぎて世界に歪みが生じ、何が起こるか分からなくなってしまったらしい。
よって、ボクにある程度原作通りに物語が進む様にしてもらいたいらしい。
「いっその事もう一度世界を作り直そうかと話し合っていたのじゃが、丁度お前さんが…」
「…ポケモンに詳しいボクが丁度死んだから、だったらそいつに任せればいいんじゃね?となったと?」
「そ、そうじゃ…」
ふむ。理由はどうであれ。転生という貴重な体験をさせて貰えるのだ。そこは大目に見よう。
それよりも…
「転生特典ってあります?」
そう!何よりも!!特典があるかどうかが問題だ!!(キリッ
「特典?それはもちろんあるぞ」
「ホントですか!?」
「うむ。ポケモンの世界を管理する神と話し合い、3つまでならいいということになったぞ。何がいいのじゃ?」
特典が3つ!それなら……
「…1つはやっぱり”ポケモンの言葉が分かる”ことです!」
「うむ、わかった」
ポケモンと話してみたいし某悪の組織の王様と会った時に対等に話したいからね!対等な立場。これ大事!
「…2つめは”身体能力がカンスト”です!」
「カンスト…?」
「はい!アニポケの主人公であるスーパーマサラ人みたく有り得ない行動が出来るくらい、いやそれ以上!身体能力を高くお願いします!」
「う、うむ」
普通に進めるだけでも冒険の旅は過酷なんだからこれは凡人のボクには必須だろう。うん。
「…3つめは”キズナ現象を起こしやすくなる”ことです!」
「ほうほう」
メガ進化するための玉がそう易々と手に入るとは限らないしね。そんなのは主人公特権だから集まるのであっておそらくモブキャラに転生されるであろうボクには必須の筈だ。
「……これで良いかの?」
「はい!…あっ、そう言えば最後にひとつだけ質問いいですか」
「なんじゃ?」
「ボクの名前ってなんでしたっけ?」
そう。さっきから思い出そうとしているのだが自分の名前を一切思い出せないのだ。名前以外も、自分にまつわることが全く思い出せない。勉強したことや趣味等は思いだせるのに。
「……すまんの。お前さんが死ぬ時、脳に多大なダメージがあっての。自分にまつわる記憶が無くなってしまったのじゃ。それはワシらでもどうすることも出来ん」
どうやら自分が思っていたよりも深刻な死に方をしたらしい。
「それにワシら神という存在が本人の覚えていない名前を呼ぶという行為はな、その者に”名付け”をしたことになってしまうのじゃ。その場合、その者は少々歪な存在となってしまうからの。お前さんの名前を教えることはできないのじゃ」
「……まぁ、いいです。転生することは新しい自分に生まれ変わるようなモノですし。名前ぐらい忘れていても大丈夫です!」
「そうか…」
神様が本当に申し訳なさそうな表情を浮かべたから、努めて明るく言うとホッとした表情になった。
(この人めっちゃいいひt…神様!ごめんなさい。途中まで(仮)とか思っててホントすみません。)
「ではお前さんをアッチの世界に送るとしよう」
「はい!よろしくお願いします」
神様が持っていた杖(今まで気づかなかったw)で空中に円を描くと、目の前に黒い輪っかのような空間が出来た。
「おぉー…」
「これを潜るとアッチの世界に行けるぞ」
さぁ、行くが良い!と神様は言った。
「…神様」
「うむ?」
「ありがとうございます!」
「!」
「それでは!」
照れくさくて神様の顔を見ずに早口に礼を言う。そして目の前の黒い輪っかへと勢いよく飛び込んだ。
「……!…………!!」
最後に神様が何か言っていたようだが落ちる意識の中、ボクは聴きとることは出来なかった。
「……思い出した」
『良かった!』
そう言うと、ミュウは今まで触れていたボクの頭から手を離した。
『はいコレ!』
「?」
ミュウはどこから取り出したのか(本当にどっから取り出した!?)1冊の本を差し出した。
『渡してって言われたんだ!』
読んで読んで!とミュウが急かすので言われた通り本を開いた。
神
特典について詳しく説明をする
「!」
最初のページにそう書かれていた。急いで続きを読む。
1.ポケモンとの対話=共鳴
これにはポケモンの言葉が分かること及び、キズナ現象を起こし易くなることを纏めたぞ。上手く使えるようになると口に出さなくても頭の中(テレパシー)で対話が可能になるぞ!特訓あるのみじゃ!
2.身体能力のカンスト
これはお前さんが言った通りその世界では普通の身体能力よりも更に10段階程高くなっておるぞ。これでお前さんが言っていたスーパーマサラ人?と同じくらいになるぞ。
3.強運
お前さんが言った”キズナ現象”をポケモンとの対話に纏めたからの。ワシが勝手に付けさせてもらった。
この特典は”ピンチを切り抜けることが出来やすい”やその他諸々、世界のバランスが壊れない程度の強運を加護としてお前さんに付与したぞ。これは強い気持ちによってより強運を引き寄せるからの。旅に出る時に何かと役に立つと思うぞ。
どうやら神様は上手く配慮してくれたらしい。
というか普通の人の10段階上でスーパーマサラ人と同等って……マサラ人って本当に人間なの?(震え)
「…ん?」
最後のページだと思っていたらもう一枚ページがあった。
追記
お前さんはその世界で3歳からのスタートじゃ。見た目も少しばかり転生やら特典やらの影響で変わっているが元の世界と余り変わっておらぬ。女子なのじゃから無理をあまりするでないぞ。達者でな。
―スッ
「!」
読み終わると同時に本が消えた。そして最後のページに書かれていた言葉を思い出し、近くの水溜まりを急いで覗き込む。
「…………マジですか」
そこには自分が記憶していた姿よりも15歳程若返った姿の自分が居た。
はい。今回はここまでです!
途中で気づいた方もいらっしゃるかと思いますが、本作の主人公は女の子です。ボクっ娘です。因みに18歳に亡くなった設定です。
さぁ、これからどのようにストーリーが進んで行くのでしょうか?お楽しみに!
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序章 新しい人生
01.ミュウとは…?
「…とりあえずおちつこう」
うん。年齢が若くなることは転生モノには良くあることだ。テンプレだ。テンプレなのだ。(遠い目)
兎に角。自分の姿で何処が違っているのか確認をしようじゃないか。
まずは一番目立つ髪。一見普通の黒髪に見えるが太陽の光に当たると銀髪にも見える不思議。さすが二次元。
次に眼。左眼の色は蒼色だった。青ではなく蒼。良く晴れた空の色だった。そして右眼は前髪で隠れていたので前髪を避けて見てみる。……左眼と同じだと思っていたのにまさかのオッドアイだった。夕焼けのような橙かかった赤だ。さすが二次元(二回目)
その次に容姿。…余り変わっている所はない?普通の顔だ。うん。前と変わらない…と思う。多分。(自信が無いのは、前の自分の容姿をあやふやにしか覚えていないからです(キリッ))
最後に服装…は白いワンピースに裸足だった。ちょっと待て。裸足って。裸足って!…地面気持ちいいけど。
このように自分の容姿を確認していると、今まで黙っていたミュウが痺れを切らしたのか話しかけてきた。
『ねぇねぇねぇ』
「…うん?」
『この世界の神から伝言があるよ!』
わぁーお、伝言とな。この世界の神というと確か…アルセウス?
「ちなみになんと…?」
『えっとねぇ…
【転生者よ。我らが神の後始末を任せてしまうこととなりすまない。お詫びにそちらの神が与えた特典?というモノの代わりに、今お主の目の前に居るミュウを与えよう。詳しくはミュウ当人に聞いてくれ。】
だって!』
「…」
要するに。アルセウスからの転生特典として、目の前に居るミュウを手持ちにしていいぜ☆ということでFA?
てかこのミュウ声マネ上手いな。まぁアルセウスの声は聞いたことないから知らないけど。もしかして劇場版DPのcv.美〇明〇さんかな?
「…きくけどどうしてミュウなの?」
『うん!ぼくね、キミが送られて来た理由と少し似てるんだ!』
「? もうすこしわかりやすく」
『うーんと、この世界は色々なようそ?を詰め込み過ぎて、何が起こるかわかんなくなってるのは知ってるよね?』
「うん」
『その影響で、ぼくはちょっと特殊な個体として生まれたんだ!』
「とくしゅ?」
『そう!』
さっきまでまともに話していなかったからか、ミュウはとても楽しそうに話している。
だけど、話しながらくるくるとボクの周りを回るのは止めて欲しい。首が痛い。それに3歳児のためか呂律があまりちゃんとしてないんだが。
『まずねぇ、生まれた時から全ての技を覚えていること!』
「ほうほうすべてのわざをね……はい?」
『次に、”ミュウ”という個体には有り得ないほど種族値?個体値?っていうのがカンストしてるんだって!』
「えっ……えっ?!」
『最後に、色々と遊んでたら普通じゃない技も使えるようになったよ!』
「」
待って。ホント待って。マジで待って。超待って。有り得ないことを立て続けに言われた気がするけど???
『だから、ぼくの存在はゲームバランス?をおかしくしちゃうからアルセウスの所で管理されてたんだー』
何この子ヤバイ。
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02.草むらから野生の○○が飛び出して来た!
覚えてる人はいるかな?(/ω・\)チラチラ
今回も余り話は進んでいません。
ゲームの新作が発表されましたね〜。ウルトラサン&ムーンでしたっけ?ボクはサンを買ったのでこの作品はムーンを買おうと思います!続報を全裸待機(`・ω・´)キリッ
「えーと、ミュウさん?」
『なに?』
「とくべつなこたいだということはわかったけど、なんでそこからボクのてもちになることになったの?」
『面白そうだったから!』
「え?」
ミュウは元気良く空中で一回転しながらそう言った。
てか、面白そうって…
『だってアルくんの所居てもつまんないしー』
「アルくん?」
『アルセウスのこと!あとねぇ、誰かの手持ちになるにしても、ぼくのことちゃんと使えそうな人いなさそうだったんだよねー』
「ほうほう」
『その点キミは大丈夫!ぼくたちポケモンのことも、この世界のことも詳しいらしいじゃん?』
「まぁ、そこそこ?」
『それに、この世界中を旅する予定なんでしょう?』
「えっ、まぁそうだけど…」
『ぼく旅に憧れてたんだ!だからキミになら付いて行ってもいいかなって。アルくんもキミならいいだろうって許可してくれたし!』
だからよろしく〜。
ミュウはまたしても嬉しそうにそこら辺をくるくると飛び回った。
なんだろう。この子人間臭い。親しみやすいって感じかな?それにしてもハイスペックそうだなぁ。
いっちょ試してみよう。うん。
「ねぇ、ミュウは”へんしん”でなににでもなることができるの?」
『うん!なんでも変身出来るよ!』
「じゃあ、もしかしてボクにもなることができたりして」
なーんちゃって。とミュウの居た方を見ると幼女が立っていた。というかボクのそっくりさんがいた。
「!?」
『出来るよー。そっくりでしょう?』
「えっ…もしかしてミュウ?」
『うん!』
他にも変身出来るよー。
ミュウはそう言うとその場で次々と姿を変えていく。他のポケモンだったり人だったり。果てはぬいぐるみだったり。
すごいでしょー。とニコニコとミュウは笑う。
いや、笑えない。マジで笑えない。なに?何なの??この子ホントに何なの!?(キレ気味)
『そうだ!ひとつキミにして欲しいことがあるんだった!』
「…なに?」
何だか脱力したボクは、始めに寝ていた木の根元に座り、ミュウを膝の上に乗せながら力なく聞く。
(因みにミュウはイーブイのぬいぐるみの姿)
『えーとね、ぼくのなm(ガサガサ)
「!!」
ミュウの言葉を遮り、少し離れた所の茂みから草木を掻き分ける音が聴こえた。
『んー、これは人間だね』
「そんなこともわかるの!?」
『うん』
警戒しながら茂みを見ているとミュウが教えてくれた。ミュウさんマジハイスペックすぎぃ。
一応ミュウにはそのままぬいぐるみのフリをしてもらうことにし、ボクは少し警戒しながら茂みをじっと見つめた。
「…イタタ。やはり――とは、はぐれてしまったようじゃの。……うむ?」
しばらくして草むらの中からボク等の目の前に現れたのは、所々ボロボロになった白衣を着た、何処かで見たことがあるような人物だった。
キョロキョロと辺りを見渡し、ボクらに気づくと驚きの表情を浮かべてコチラに駆けてきた。
「嬢ちゃん。こんな所でどうしたのじゃ?」
「えっと、その…」
どうしよう。なんて言えば怪しまれないのか。
まったく何も考えていなかったよ。
「ぼ、ボクもわからないんです!」
「分からないとはどういうことじゃ?」
「それが…めがさめたらここにいて……」
えぇい!もうどうにでもなあれ♡という勢いで言った。
ちゃんと年相応の受け答えで。(ドヤァ)
「うむ?じゃあワシがお家に送ってあげよう。ここは子どもだけだと危険じゃしな。嬢ちゃんのお家は何処じゃ?」
「えっと…」
やばい。早くもピーンチ!これはなんて言えばいいのか…
{記憶喪失のフリをすればいいんじゃないかな?}
「!?」
悩んでいたら頭に直接声が聴こえた。
この声は…
{ミュウ…?}
{そうだよー♪}
{これは…テレパシー?}
{うん!}
頭の中で話す(?)とミュウが元気良く返事をした。チラッと腕の中のぬいぐるみinミュウを見ると、今だに完璧にぬいぐるみ状態のままだ。
まぁ、あながち記憶喪失っていうのは間違ってないからミュウの提案でいこう。うん。
「えっと、ボクなにもおぼえてないです…」
改めて目の前の人物に向き直り若干涙目(演技)になりながら言った。
さぁとくと見よ!ボクのこの演技力を!!
「? 何もとな…?」
「うん…」
「それは…嬢ちゃんのお名前は?」
「わからないです」
「むむむ」
困ったのぉ。目の前の人物は左手の人差し指で頬を掻きながら呟いた。
「うむ。まぁそれだったら一緒n「博士ーー!!!」」
目の前の人物がボクに手を差し出しながら何事かを言いかけた。それを何処からか聴こえてきた大声に遮られる。
「ん?この声は…」
「博士ー!何処ですか!?博士ー!!」
「おおーい!此処じゃよー!!」
聴こえた声の持ち主に覚えがあるのか、目の前の人物は大声を出した。すると今まで聴こえていた声が止む。
「…しってるひとですか?」
「うむ。一緒にこの森に入ったんじゃが何故か途中ではぐれてのぉ」
「”なぜか”…?」
「…」
目を逸らしながら言った言葉を繰り返すとそっぽを向かれた。
子ども!?この人誤魔化し方が子どもだよ!??
─バサッ
呆れながら目の前の人物を見ていると、風を切る音と共に頭上に影が差した。
次回
漸く場所を移動します!
さぁ、何処へ向かうのでしょうか?
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03.見た目は大人!中身は子ども!その名も…!
初めての人には初めまして。天空の災厄といいます。
皆さんにはまず最初に言うことがあります……
すみませんでしたぁぁぁあ!!!(スライディング土下座)
最後の投稿から既に一年半も経っているとは!なんの音沙汰もなく本当にすみません┏●
忘れていた訳では無いんですよ?(震え)
データが消えてやる気が無くなっていただけです!((キリッ
まぁ兎に角。これからはそこそこのペースで投稿出来ると思うのでまた読んでいただけると嬉しいです。
─バサッ
頭上を見上げると一匹の鳥ポケモンがこちらへ降りてくる所だった。
「おぉ、ピジョット!」
「おぉ、ピジョット!って、最初に言うことはそれですか!?違うでしょ!!」
「むむ。相変わらず手厳しいのぉ」
「そうさせているのは貴方でしょうがっ!!」
頭上に差した影の正体はピジョットだった。そしてその背には1人の青年が乗っていた。
青年はピジョットから降りると頭をひと撫でしてボールにピジョットを戻す。そしてずんずんとコチラへ寄って来ると呆れたように話しはじめた。
「まったく、これだから貴方の護衛という名の監視役は嫌なんですよ…」
「監視役…?それは初耳なのじゃが??」
「初めて護衛任務についた時に貴方のお孫さんのナナミちゃんに頼まれたんですよ!
”おじいさんは夢中になると平然と危ない行動をとるので、申し訳ありませんがしっかりと見張っておいてください”
てな。ホント勘弁してくれよぉぉぉぉぉお!!」
「うぉ、ちょっ、止め、止めたまえ!」
青年は叫びながら今まで居た人物の肩を掴みガクガクと激しく揺さぶる。
ボクは
「はぁ……って、博士。そこにいるお嬢ちゃんはどうしたんです?もしや誘拐…」
「キミはわしのことをなんだと思ってるんだ!?」
「ポケモン好きの変人」
青年は漸くボクに気づくと今まで居た人物―博士─にジト目を送る。そしてスッパリと言われた言葉に博士は撃沈した。
変人……変人とな。と言いながらのの字を地面に書き拗ねる年配。
見苦しい。大の大人が子供みたいに拗ねるなんて見苦しい光景だ。って博士?今この人博士って呼ばれた?トキワの森に居るような博士って…
「…もしかしてオーキドはかせですか?」
「? そうだよ。こう見えてこの人はあのポケモン学の権威。オーキド・ユキナリ博士だよ」
「こう見えてとは余計じゃよ…」
「……」
男の人の言葉に絶句する。
どっかで見た事あると思ったらこの人少し若いVerのオーキド博士じゃん!?なんで気づかなかったの自分orz
「それでお嬢ちゃんはいったいどこの誰なんだい?」
「えっと…」
「キョウヤ君。この娘はどうやら記憶がないらしいのだよ」
「えっ!?それは本当ですか!」
オーキド博士の言葉に青年―キョウヤさん?─がひどく心配した表情で大丈夫?と聞いてきた。
優しい人だなぁ…
「本当に何も覚えてないのかい?名前は?年齢は?何処に住んでたのかも覚えてないの?」
「えっと……たぶん3さいです。ほかはわからない…です」
「そう…」
ボクに質問したあと、2人は何やら小声で話し合いを始めた。
{ねぇミュウさん}
{なぁに?}
{ボクが原作キャラと関わるのって大丈夫なの?}
{大丈夫だと思うよー。結末が大々的に変わらなければ”世界の歪み”は現れないらしいし!}
ふむふむ。そうか…って、ん?世界の歪み??
ミュウが気になることを言ったので聞こうとしたが、博士達が話し合いを終えたのかコチラに近づいて来たので仕方なく諦める。
「お嬢ちゃん。博士の研究所にこれから行くけど付いて来てくれるかい?」
「…はい?」
え、研究所!?なんでそんなことになってるの?
「えっと…」
「取り敢えず此処じゃ長話も出来ないからね。研究所で腰を据えて詳しく話を聞くことにしたよ。いいかな?」
「あ、はい」
「それでは出発進行ー!」
「…って、博士そっちは逆方向ですよ!?」
実はこの後、転生特典を把握する為に色々と試そうと思っていたのだけど、折角オーキド博士の研究所に訪れることができる機会だ。この申し出を有難く受けることにする。
ボクが返事をしたと同時にオーキド博士は元気よく叫ぶとずんずんと歩き出した。しかし、方向が違ったのかキョウヤさんが後を慌てて追いかけたのだった。
「ただいま戻ったぞ!」
「同じく戻りました」
「…おじゃまします」
トキワの森を出発すること1時間。ボクたちはマサラタウン、基、博士の研究所に着いた。
うん?着くのが速い?それはね、トキワの森を抜けてからキョウヤさんのフーディンで”テレポート”を使ったからだよ。
一瞬だったね!テレポートって便利だね!
ただそうやって感動していたら、ミュウがぼくも出来るし…って拗ねていた。めんどくさいからスルーしたけど。
「おかえりなさい博士。あら…?」
「おぉ、ハナコくん!」
研究所の中の入ってすぐにある一つ目の部屋。そこに入るとテーブルの横の椅子に座り、お茶を飲んで寛いでいた女の人がいた。女の人はボクに気づくと、不思議そうに首を傾げ席を立ってボク達に近寄る。
その時気づいたが、女の人のお腹が不自然に大きかったのでどうやら妊婦のようだ。
「博士。この娘はいったい…」
「トキワの森で会ったのじゃが、どうやら自分の年齢以外記憶が無いらしいのじゃよ」
「まぁ!」
何処かで見たことがあるような(本日二度目)女の人は、キョウヤさんと同じ様に心配そうな表情でボクを見つめた。
というか今思ったけど、年齢だけ覚えてる記憶喪失っておかしくない?大丈夫?怪しまれない??ボクなら怪しいって思うけど???
「お嬢ちゃん。この人はお隣に住んでいるハナコくんだ。ハナコくんのお子さんとワシの孫の一人が同い年なのもあって良く訪ねて来てくれるのだよ。ハナコくん。この子はたぶん3才らしいのでちょうどあの子達と同じじゃ。しばらくの間相手をしてもらいたいのじゃが…あの子達はまた中庭に居るのかね?」
博士はキョロキョロと辺りの様子を窺った後、どこか呆れた表情でそう呟いた。
「ふふふ。あの2人がポケモン達と遊びたいと言ったので、ナナミちゃんが中庭に連れて行って遊んでいます。私も監視の為に行こうとしたんですけど、ナナミちゃんが自分が行くから私はここに居ていいと」
本当にあの子はいい子ですね。
ハナコさんはそう言うと微笑みながらお腹を愛おしそうに撫でた。
ハナコさんの言動から推測するにナナミちゃん(さん?)は妊婦のハナコさんを慮り、自分が代わりに他の子を監視するからハナコさんにゆっくりとしていてと言ったのだろう。
ナナミちゃん(さん?)はいい人だな。うん。
「それにおやつの時間になりますのでもうすぐしたら戻って来ると思いますよ?博士達も一緒に休憩しましょう。今日はナナミちゃんのリクエストでパウンドケーキを作ったのだけど作り過ぎちゃって」
ハナコさんは最後にボクの頭を撫でるとお腹を庇いながらゆっくりと歩き、さっきまで座っていた椅子へと戻った。ボクもキョウヤさんに促され、ハナコさんの斜め向かいの席に座る。
─ドカーンっ!!
─バチバチッ
─グララっ
「きゃっ」
「何事だ!?」
「むむむ」
「うわわわわ」
オーキド博士とキョウヤさんの2人も椅子に腰掛け、のんびりとお茶を飲みながら先程のフィールドワークについて話し合い、ハナコさんはそれをニコニコと眺めていると突然の轟音と共に建物が揺れた。
因みにボクはオレンジジュースに似た味の飲み物を博士に貰い、丁度揺れた時に飲んでいたので零しそうになったが、ミュウがサイコキネシスで零さないように空中に固定してくれた。
追加で説明すると、近くの棚にあった資料や本、置物なども倒れそうになっていたがこれもミュウが3人の大人達にわからないようにさり気なくサイコキネシスで倒れないように押さえ込んでいた。しかも驚くべきことに、これを全てボクの膝の上でぬいぐるみのまま身動きひとつしないで行ったのだ。
…いや本当ミュウさん有能過ぎでは??
「今のは…」
「中庭から聞こえましたよね?」
「まぁ!あの子達は大丈夫かしら…」
「心配ですので俺見て来ます!ハナコさん達はここに居てください。ほら、行きますよ博士!」
「あっ、ちょっ、待っ」
揺れはすぐに収まった。それには皆ほっと安堵の息を漏らす。
そして博士は何やら今の一連の出来事に覚えがあるのか顔を青くし、キョウヤさんは椅子からすぐさま立ち上がり先程の爆音と揺れの発信源を中庭と特定すると、横の椅子に置いていたモンスターボール等が入っているポシェットを手に取り博士を引きずって部屋を出た。
耳をすませば、先程のように爆音ではないが微かに色々な音が聴こえる。おそらくポケモンの技だろう。
ここで待っていろと言われたが気になる。
中庭で遊んでいたという子供達三人も純粋に心配だが何だか胸騒ぎがするのだ。それにハナコさんも椅子に座ってとても心配そうな表情で部屋の扉をチラチラと見ている。そしてボクの視線に気づくと、安心させようとしてなのかにこりと微笑みを浮かべるのだ。
…よし。
{ねぇミュウ}
{なぁに?}
{中庭に行きたいんだけど手伝ってくれる?}
{うーん……まぁいっか。いいよー}
{? どうしたの?}
中庭で何が起こっているか分からないので、もしもの時のために頼ろうとミュウにテレパシーで告げると、なんだか気になる返事が返ってきた。
{いや、気にしなくていいよ!ぼくの杞憂だと思うから}
{そう?}
{うん!}
気にしなーい。気にしない!
ミュウがそう言い聞かせてくるので仕方なく気にしないことにする。
さて、行動に移そうか。
「あら?どうしたの?」
「いや、ちょっと…」
ですよね!ボクが動くとハナコさんは絶対気づくよね!知ってたorz
「…もしかして中庭に行きたいの?」
「うっ……はい」
「今は危ないから後で行きましょう?」
「で、でも!………わかりました」
どうしよう!ハナコさんのとても心配です。という表情に勝てない…
{ミュウ〜、どうしよう…}
{これは……強行突破しかないね!(いい笑顔)}
{ミュウさん!?}
なんだか物騒だよミュウさん!というか未だにぬいぐるみのままなのにいい笑顔とかしないで。微妙に不気味だから!しかもボクにしか見えない角度でやるとか凄いね!(投げやり)
{じゃあちょっと座標を計算するね〜}
{座標…?あっ…(察し)}
「は、ハナコさん!」
「うん?」
「ごめんなさい。ダイジョーブですので!」
「? どうし{それじゃあ、行っくよー!}
─シュンっ
えっ!?」
ミュウが何をしようとするのか察したボクは、慌ててハナコさんに心配しないように告げる。そして不思議そうなハナコさんの言葉の途中で、座標の計算が終わったミュウが技―テレポートを発動した。
…ミュウさんどんだけ根に持ってたの?
今回はここまでです。話があまり進んでいない気がしますが…まぁ気の所為ですね。
次回予告!
中庭に着いた”ボク”とミュウは衝撃の光景を目にする!?
光る黄色。揺れる大地。その近くに蹲る二つの小さな影。さぁ、どうなる!?
次回をお楽しみに〜
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04.とりあえず…
大変長らくお待たせしまs…え、待ってない?そ、そうですか(´・・`)
何だか私「次は早めに投稿するよ」詐欺をしていますね…すみません!!本当に申し訳ない!!(土下座)(あ、土下座も良くしてるような…)
言い訳をさせていただけるのなら!ここ最近まで忙しかったんです!!(研修、引っ越し、研修、仕事etc.)
私だってツライ!!!
まぁ、ここにきて漸く?
落ち着いてきましたのでぼちぼち続きは投稿できると!私は!思いたいです…(おそらく、たぶん、きっと)
今年中には0章を終わらせることが目標。頑張る。頑張れ。(多分ムリ)(諦めろ)
ところで皆さん。
ダイパリメイクどっち買いました?
私?私はダブルパックを購入し、パールの方をプレイしました。
勿論LA(アルセウス)も購入しましたよ。
今までにないポケモンな為、めちゃくちゃ楽しいですね。時間が吸い取られる。
─シュンっ
『とーちゃくっ!』
「おぉー…って、いつのまにミュウはもとのすがたにもどったの?」
『テレポートしてる最中だね!』
「…もうなにもツっこまないから」
瞬きの間にボクとミュウはテレポートしていた。さっきまでいた部屋とは違い廊下に立っており、目の前には大きな扉が立ち塞がっている。
なんで直接部屋の中―中庭―にテレポートしなかったのか?と疑問に思ったが、いつの間にか元の姿に戻り隣でふよふよと浮かんでいるミュウに何だか脱力したため、そんなことはもうどうでもよくなってしまった。
『ねぇ、それよりも早く中に入らないの?さっきまでしていた轟音が止まってるけど』
「うん?……あれホントだ」
ミュウの言葉に耳をすませば、確かに先程まで響いていた音が止んでいた。
しかし何かがぶつかる音やキョウヤさんや博士らしき声などは微かに聞こえており、ピリピリとした空気は漂っているので恐らく決着(?)はついていないのだろう。
「よし、はいろうか…とそのまえに、ミュウはせめてちがうポケモンのすがたになってもらえる?いまのだんかいでバレるとヤバイし」
『いいよー。なにがいい?』
「おっと、まさかのボクがきめるパターン。うーん、このちいきでいてももんだいないポケモンは…――かな?」
『りょーかいっ』
ミュウはその場でくるりと宙返りをするとボクが言った通りのポケモンの姿へと変わった。ボクはそれを見て頷くと更めて扉に向き直る。
そして緊張を解すために深呼吸をしてゆっくりと目の前の扉を開けた――
――扉を開けて真っ先に目に入った光景は、オーキド博士がズボンが脱げかけた状態で約3mの高さをツタの様なモノに逆さで宙ずりにされており、それをキョウヤさんがどうにか降ろそうとしているものだった。
「………いやどんなジョーキョウ!?」
あまりにも予想外な光景過ぎて思わず大声で、尚且つ全力でツッコミを入れてしまった。
そしてそれに反応し、驚いた表情でキョウヤさんがこっちを振り向く。
「お嬢ちゃん!?なんで来たんだ!危ないから早くさっきの部屋へ戻りなさいっ!!」
「おぅふ…」
キョウヤさんの気迫に思わず少々後退る。
いやなんでと言われましても、
「なんだか嫌な予感がしたので来ました(キリッ)」
って馬鹿正直に言ったら納得してくれるの?
{してくれないだろうねぇ}
{ですよねー…って}
ミュウさん。ボクは普通に考えていただけでテレパシーもなにもしてないのに、何普通に思考回路に入ってきてるの?何?何なの?さっきまでそこそこ放置してたの根に持ってるの??それともボクの思考がそっちに勝手に流れていr{ないから安心していいよ!}ないのか、そっかよかっ…ってそれはそれでよくないし!!ということはミュウが勝手に、
そんなボクの考えに{…エヘ?}とミュウが笑って誤魔化す気配がしたので、後で何かしらのお仕置きが必要だと思う。これ絶対。
まぁそれは一旦置いといて、それよりもボクは、こちらに向かって来ているキョウヤさんにひとつ言いたい。
「えーと…キョウヤさん」
「なんだい!?いいからお嬢ちゃんは早く…」
「はかせがおちそうになってますけどいいんですか?」
「え?…あ」
「キョウヤくん…」
ワシモウムリ。
顔を青褪めさせた博士はそう言うと全身の力を抜き、そのまま重力に従って下へと頭から落下していく。
─もちろんズボンを空中に残して。
「…って、のんきに眺めている場合じゃない!?博士!!」
{ミュウお願い!!}
我に返ったキョウヤさんが慌てて博士の方に進もうと一歩を踏み出すのと、ボクが背後に居たミュウに呼びかけたのはほぼ同時だった。
行動に出たのは同時だが、キョウヤさんが博士を助けるよりも、当然ミュウが技を使用して博士を助ける方がもちろん速かった。
─ピタッ
博士の顔が後数センチで地面に着くというところで落下は止まった。
そしてゆっくりと博士の身体の向きが代わり、仰向けの状態になったと同時に地面へとドサッと音を立てて落ちる。
その博士の落ちた音にそこまでの事態をぽかんとして見ていたキョウヤさんは我に返り、慌てて博士へと駆け寄った。因みにこの時の博士は、チベットスナギツネのような顔になっていたことをここに記す。
…え、何この優しい対応。と思った瞬間に最後雑になったな。おい。
思わずジト目で後ろに待機するミュウを見ると、先程までの気の抜けたようなのほほんとした様子とは違い、ミュウは部屋の奥の方を見て何やら警戒しているようだった。
そんなミュウの行動に首を傾げ、そこで漸くボクは、先程までしていたポケモンの鳴き声や何かしらの音等が止んでおり、中庭が静かに、しかし緊張をはらんだような空気になっていることに気づく。
(恐らく先程まで博士を捕まえていた)マダツボミやモンジャラは木々の間に逃げ込み。
ヒトデマンやメノクラゲ、ニョロモといった水ポケモンは池(いや、湖か?)に潜り込み。
その他のポッポやコラッタ、ニドラン、オニスズメetc..もどこかしらの物陰へと隠れに行った。
何らかの影響によって興奮していたような様子だったポケモンたちは、今は何かに怯えているようである。
「…一体ポケモンたちはどうしたんだ?」
「嫌な予感がするのぉ…」
「あ、キョウヤさん。とオーキドはかせ」
「…何だかワシの扱い雑ではないか?」
「いやそんなことないです…それよりズボンはどうしたんですか?」
キョウヤさんが周りを警戒しながら疲れた様子の博士を伴っていつの間にか近くに来ていた。しかし何故か博士は下着姿のままでズボンを履いていない。
脱げたズボンは何故履き直さなかったんですかねこの人?
思わず森でした以上のジト目を博士に送ると、なんとも言えない表情でそっと少し離れた所を指さした。博士の指先を辿り少し離れた所の地面を見る。
……少し目を離していた隙に一体何があったんですか??
そう言いたくなるほど博士のズボンが見るも無残なダメージズボン()になっていた。
いや、もう…うん。膝丈かな?っていうくらいにズタズタになり、何の液体です?って聞きたいネバネバ(いや、ドロドロ?)したものがかかっている博士のズボン(推定)。
ボクが目を離したのは数十秒だけだったはず。
ズボン(推測)さんは何故にこうも無惨な状態になったのでしょうか???
思わず何とも言えない表情を浮かべ博士に視線を戻すとそっと首を横に振られ、キョウヤさんに視線を向けると曖昧な表情を浮かべていた。
そんな二人の反応に益々何があったのか気になる。
もう一度よく見ようとズボン(確定)の方に視線を送ると、先程よりも明らかに布面積が少なくなっていた。そして現在進行形でジワジワとズボン(悲惨)は端から溶けている。
あ…はい、もう何も聞かない方がいいってことですね?
二人にならってボクもズボン(そんなモノはなかった)からそっと視線を外した。
はぁ…まぁ、とりあえず……
いつの間にか目の前でミュウと牽制(威嚇)しあっているピカチュウをどうしようかな。
次回予告!
荒ぶる橙色に恐怖する黄色。交錯した思考に呑まれる″ボク″。
この日【最高のパートナー】と【最凶の相棒】。
そして長い付き合いとなる友人が出来るのだった。
……今度こそ早めに投稿出来たらいいなぁ。(願望)
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